(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】粘性製品用のディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B65D 47/18 20060101AFI20240910BHJP
B65D 41/16 20060101ALI20240910BHJP
B01J 4/00 20060101ALI20240910BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240910BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B65D47/18 100
B65D41/16
B01J4/00 103
B65D83/00 M
A45D34/04 555
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503340
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2021108633
(87)【国際公開番号】W WO2023004577
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ バルトルッチ
(72)【発明者】
【氏名】ハイヤン サン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー アレン キング
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ヴィンセント シュレジンジャー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ フランク クリア ザ サード
【テーマコード(参考)】
3E014
3E084
4G068
【Fターム(参考)】
3E014KA09
3E084AB06
3E084AB09
3E084AB10
3E084BA02
3E084CB04
3E084CC03
3E084DB12
3E084DB14
3E084DC03
3E084FA09
3E084FB01
3E084FD07
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA20
3E084LB02
3E084LD29
4G068AA04
4G068AB13
4G068AD24
4G068AD47
(57)【要約】
製品ディスペンサであって、(A)キャップ固定機構を有する製品用リザーバと、(B)キャップであって、次の(B-1)~(B-3)、すなわち、(B-1)封止要素のためのハウジングと、チャンバ容積制御機構と、ボタンであって、ボタンが作動されると、ピペットの下端オリフィスを通して製品を分注するように構成されている、ボタンと、を有する第1のアセンブリと、(B-2)第2のアセンブリであって、上端オリフィスと下端オリフィスとを有し、チャンバに堅固に接続され、チャンバと流体連通するピペットと、ハウジングに対して封止し、ハウジング内の高い位置と低い位置との間で摺動するように構成された封止要素と、リザーバのキャップ固定機構に対応する固定機構と、を有する、第2のアセンブリと、(B-3)第2のアセンブリに対する第1のアセンブリの移動及びボタンの移動に応じてその容積を変化させるように構成されたチャンバと、を備える、キャップと、を備え、キャップが閉鎖位置にあるとき、封止要素がハウジングに対して高い位置に配置され、製品ディスペンサを開放する方向へのキャップの移動により、ハウジングがチャンバ容積制御機構を介して封止要素に対して上方に移動し、その結果、封止要素がハウジング内で高い位置から低い位置に摺動してチャンバの容積が増加し、チャンバの容積のこの増加によりピペット内の製品が吸引され、封止要素がハウジング内で低い位置に到達したとき、キャップの開放方向への更なる移動により、キャップの対応する固定機構がリザーバのキャップ固定機構から係脱し、ボタンが作動されると、チャンバの容積が減少し、それにより、製品がピペットから分注される、製品ディスペンサ、が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品ディスペンサであって、
(A)キャップ固定機構を有する、製品用のリザーバと、
(B)キャップであって、次の(B-1)~(B-3)、
(B-1)第1のアセンブリであって、
封止要素のためのハウジングと、
チャンバ容積制御機構と、
ボタンであって、前記ボタンが作動されると、ピペットの下端オリフィスを通して前記製品を分注するように構成されている、ボタンと、を有する第1のアセンブリと、
(B-2)第2のアセンブリであって、
上端オリフィスと下端オリフィスとを有し、チャンバに堅固に接続され、チャンバと流体連通するピペットと、
前記ハウジングに対して封止し、前記ハウジング内で高い位置と低い位置との間で摺動するように構成された封止要素と、
前記リザーバの前記キャップ固定機構に対応する固定機構と、を有する、第2のアセンブリと、
(B-3)前記第2のアセンブリに対する前記第1のアセンブリの前記移動及び前記ボタンの前記移動に応じてその容積を変化させるように構成されたチャンバと、を備える、キャップと、を備え、
前記キャップが閉鎖位置にあるとき、前記封止要素が前記ハウジングに対して高い位置に配置され、
前記製品ディスペンサを開放する方向への前記キャップの移動により、前記ハウジングが前記チャンバ容積制御機構を介して前記封止要素に対して上方に移動し、その結果、前記封止要素が前記ハウジング内で前記高い位置から前記低い位置に摺動して前記チャンバの容積が増加し、前記チャンバの容積のこの増加により前記ピペット内の前記製品が吸引され、
前記封止要素が前記ハウジング内で前記低い位置に到達したとき、前記キャップの前記開放方向への更なる移動により、前記キャップの前記対応する固定機構が前記リザーバの前記キャップ固定機構から係脱し、
前記ボタンが作動されると、前記チャンバの前記容積が減少し、それによって、前記製品が前記ピペットから分注される、製品ディスペンサ。
【請求項2】
前記第1のアセンブリ内の前記ハウジングが前記第2のアセンブリ内の前記封止要素に対して上方に移動されるとき、前記第2のアセンブリが前記リザーバに対して垂直変位を有さない、請求項1に記載の製品ディスペンサ。
【請求項3】
前記キャップが(B-4)外側カバーを更に備える、請求項1に記載の製品ディスペンサ。
【請求項4】
前記外側カバー又は前記第2のアセンブリのいずれかが、対応するチャンバ容積制御機構を有する、請求項3に記載の製品ディスペンサ。
【請求項5】
前記封止要素が前記ハウジング内の前記低い位置に到達したとき、前記第1のアセンブリ及び前記第2のアセンブリが、前記キャップが前記開放方向に更に移動すると、一緒に移動するように機械的に付勢される、請求項1に記載の製品ディスペンサ。
【請求項6】
前記第1のアセンブリが、前記封止要素が前記ハウジング内の前記低い位置に到達したときに前記第2のアセンブリを機械的に付勢する係止機能を有し、それにより、前記第1のアセンブリ及び前記第2のアセンブリが、前記キャップが前記開放方向に更に移動すると一緒に移動する、請求項1に記載の製品ディスペンサ。
【請求項7】
前記第2のアセンブリが対応する係止機能を有する、請求項6に記載の製品ディスペンサ。
【請求項8】
前記封止要素が前記ハウジング内の前記低い位置に到達したとき、前記外側カバー及び前記第1のアセンブリが、前記キャップが前記開放方向に更に移動すると、一緒に移動するように機械的に付勢される、請求項3に記載の製品ディスペンサ。
【請求項9】
前記封止要素がピストンであり、前記ピストンは、前記ピペットが前記リザーバ内容積と前記チャンバとの間で流体連通することができるように、前記ピペットを通すための中空部分を有する中空マニホールドを有する、請求項1に記載の製品ディスペンサ。
【請求項10】
前記ボタンが弾性材料で作られ、押されると変形し、押すのを止めた後に元の形状/位置に復元することができる、請求項1に記載の製品ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品ディスペンサであって、(A)キャップ固定機構を有する、製品用のリザーバと、(B)キャップであって、次の(B-1)~(B-3)、すなわち、(B-1)封止要素のためのハウジングと、チャンバ容積制御機構と、ボタンであって、ボタンが作動されると、ピペットの下端オリフィスを通して製品を分注するように構成された、ボタンと、を有する第1のアセンブリと、(B-2)上端オリフィスと下端オリフィスとを有し、チャンバに堅固に接続され、チャンバと流体連通するピペットと、ハウジングに対して封止し、ハウジング内の高い位置と低い位置との間で摺動するように構成された封止要素と、リザーバのキャップ固定機構に対応する固定機構とを有する第2のアセンブリと、(B-3)第2のアセンブリに対する第1のアセンブリの移動及びボタンの移動に応じてその容積を変化させるように構成されたチャンバと、を備える、キャップと、を備え、キャップが閉鎖位置にあるとき、封止要素がハウジングに対して高い位置に配置され、製品ディスペンサを開放する方向へのキャップの移動により、ハウジングがチャンバ容積制御機構を介して封止要素に対して上方に移動し、その結果、封止要素がハウジング内で高い位置から低い位置に摺動してチャンバの容積が増加し、チャンバの容積のこの増加によりピペット内の製品が吸引され、封止要素がハウジング内で低い位置に到達したとき、キャップの開放方向への更なる移動により、キャップの対応する固定機構がリザーバのキャップ固定機構から係脱し、ボタンが作動されると、チャンバの容積が減少し、それにより、製品がピペットから分注される、製品ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
リザーバ、及び製品を分注するための押しボタンを有するキャップに固定されたピペットを備えたディスペンサが知られている。コイルばね又は弾性変形可能なダイヤフラムは、製品をピペットに吸引することを可能にする。しかしながら、ディスペンサ構造に応じて、及び/又は製品がどれだけ強く吸引及び分注されるかに応じて、分注された製品の量は、そのようなディスペンサにおいて容易に変動され得る。したがって、分注において改善された精度を有する粘性製品のディスペンサを提供する必要性が存在する。
【0003】
あるいは、製品でピペットを自動的に充填するためのディスペンサが提案されている。例えば、Chanelの米国特許出願公開第2015/144663(A)号は、粘性製品用のディスペンサであって、製品用の容器と、容器上に螺合するように設計された封止キャップと、ピペットと、ピペット内への製品の吸引を引き起こすことができるピストンと、を含み、キャップが容器上に螺合しているとき、ディスペンサの開放の方向にキャップを螺脱することが、それ自体、吸引を生じさせるピストンの移動を引き起こすように、ディスペンサが配列されている、粘性製品用のディスペンサを開示している。
【0004】
しかしながら、本発明の発明者は、以下、すなわち、
ストロークごとにより大きな用量を分注することと、
構造に使用される部品の数を減少させることであって、それによって、ディスペンサが、封止機能、及び/又はピストン移動において、改善された安定性を提供し得る、減少させること、のうちの少なくとも1つについて、上記のChanelの米国特許出願公開に開示されているものとは異なるディスペンサ構造を提供する必要性を見出した。
【0005】
また、クリープ/疲労によって引き起こされるピストン移動の不良を防止することを考慮して、プラスチックばね又はベローズを使用せずに、そのようなディスペンサを提供する必要性も存在する。金属コイルばねなどのいかなる金属部品も有しないディスペンサはまた、ディスペンサの他の部品で使用されるプラスチック材料をリサイクルするための容易さを考慮して、望ましい場合がある。これにより、1つのSPIクラスに従ってディスペンサを再利用することを可能にする材料選択が可能になり、各構成要素は、Society of the Plastics Industryによって定義されるような単一のクラスの再生利用可能な材料からなる群から選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/144663(A)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、前述の必要性のうちの少なくとも1つを満たすためのディスペンサを提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、製品ディスペンサであって、
(A)キャップ固定機構を有する、製品用のリザーバと、
(B)キャップであって、次の(B-1)~(B-3)、
(B-1)第1のアセンブリであって、
封止要素のためのハウジングと、
チャンバ容積制御機構と、
ボタンであって、ボタンが作動されると、ピペットの下端オリフィスを通して製品を分注するように構成されている、ボタンと、を有する第1のアセンブリと、
(B-2)第2のアセンブリであって、
上端オリフィスと下端オリフィスとを有し、チャンバに堅固に接続され、チャンバと流体連通するピペットと、
ハウジングに対して封止し、ハウジング内で高い位置と低い位置との間で摺動するように構成された封止要素と、
リザーバのキャップ固定機構に対応する固定機構と、を有する、第2のアセンブリと、
(B-3)第2のアセンブリに対する第1のアセンブリの移動及びボタンの移動に応じてその容積を変化させるように構成されたチャンバ、を備える、キャップと、を備え、
キャップが閉鎖位置にあるとき、封止要素がハウジングに対して高い位置に配置され、
製品ディスペンサを開放する方向へのキャップの移動により、ハウジングがチャンバ容積制御機構を介して封止要素に対して上方に移動し、その結果、封止要素がハウジング内で高い位置から低い位置に摺動してチャンバの容積が増加し、チャンバの容積のこの増加によりピペット内の製品が吸引され、
封止要素がハウジング内で低い位置に到達したとき、キャップの開放方向への更なる移動により、キャップの対応する固定機構がリザーバのキャップ固定機構から係脱し、
ボタンが作動されると、チャンバの体積が減少し、それによって、製品がピペットから分注される、製品ディスペンサ、に関する。
【0009】
本発明は、以下のうちの少なくとも1つを提供する:
分注する際の改善された精度、
ストロークごとのより大きな用量の分注、
封止機能、及び/又はピストン移動における改善された安定性(構造において使用される部品の数の減少による)、
プラスチックばね又はベローズの非使用による、クリープ/疲労によって引き起こされるピストン移動の不良の防止、
Society of Plastics Industryによって定義されるように、金属コイルばねの非使用、及び単一のクラスの材料を有する単一のリサイクル流に入ることができる材料から作製されることによる、リサイクルの容易さ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】キャップ閉鎖位置にある、本発明の第1の実施形態によるディスペンサの縦断面図である。
【
図3】キャップ閉鎖位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図1のディスペンサの縦断面図である。
【
図4】装填位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図1のディスペンサの縦断面図である。
【
図5】キャップ開放位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図1のディスペンサの縦断面図である。
【
図6】
図3~
図5で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図7】
図3~
図5で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図8】
図3~
図5で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図9】キャップ閉鎖位置にある、本発明の第1の実施形態による代替構造を有するディスペンサの縦断面図である。
【
図10】キャップ閉鎖位置にある、本発明の第2の実施形態によるディスペンサの縦断面図である。
【
図12】キャップ閉鎖位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図10のディスペンサの縦断面図である。
【
図13】装填位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図10のディスペンサの縦断面図である。
【
図14】キャップ開放位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図10のディスペンサの縦断面図である。
【
図15】
図12~
図14で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図16】
図12~
図14で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図17】
図12~
図14で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図18】キャップ閉鎖位置にある、本発明の第3の実施形態によるディスペンサの縦断面図である。
【
図20】キャップ閉鎖位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図18のディスペンサの縦断面図である。
【
図21】装填位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図18のディスペンサの縦断面図である。
【
図22】キャップ開放位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図18のディスペンサの縦断面図である。
【
図23】
図20~
図22で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図24】
図20~
図22で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図25】
図20~
図22で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図26】キャップ閉鎖位置にある、本発明の第4の実施形態によるディスペンサの縦断面図である。
【
図28】キャップ閉鎖位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図26のディスペンサの縦断面図である。
【
図29】装填位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図26のディスペンサの縦断面図である。
【
図30】キャップ開放位置にある、キャップに焦点を合わせた、
図26のディスペンサの縦断面図である。
【
図31】
図28~
図30で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図32】
図28~
図30で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【
図33】
図28~
図30で説明したディスペンサの異なる動作段階に対応する、係止機能に焦点を当てた、キャップの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ディスペンサ
本発明は、製品ディスペンサ(1)であって、
(A)キャップ固定機構(3a)を有する、製品用のリザーバ(2)と、
(B)キャップ(4)であって、次の(B-1)~(B-3)、
(B-1)第1のアセンブリ(5)であって、
封止要素(11)のためのハウジング(6)と、
チャンバ容積制御機構(7a)と、
ボタン(8)であって、ボタン(8)が作動されると、ピペット(10)の下端オリフィスを通して製品を分注するように構成されている、ボタンと、を有する第1のアセンブリ(5)と、
(B-2)第2のアセンブリ(9)であって、
上端オリフィスと下端オリフィスとを有し、チャンバ(12)に堅固に接続され、チャンバと流体連通するピペット(10)と、
ハウジング(6)に対して封止し、ハウジング(6)内で高い位置と低い位置との間で摺動するように構成された封止要素(11)と、
リザーバのキャップ固定機構に対応する固定機構(3b)と、を有する、第2のアセンブリ(9)と、
(B-3)第2のアセンブリ(9)に対する第1のアセンブリ(5)の移動及びボタン(8)の移動に応じてその容積を変化させるように構成されたチャンバ(12)と、を備える、キャップ(4)と、を備え、
キャップ(4)が閉鎖位置にあるとき、封止要素(11)がハウジング(6)に対して高い位置に配置され、
製品ディスペンサを開放する方向へのキャップ(4)の移動により、ハウジング(6)がチャンバ容積制御機構(7a)を介して封止要素(11)に対して上方に移動し、その結果、封止要素(11)がハウジング(6)内で高い位置から低い位置に摺動してチャンバ(12)の容積が増加し、チャンバの容積のこの増加によりピペット(10)内の製品が吸引され、
封止要素(11)がハウジング(6)内で低い位置に到達したとき、キャップ(4)の開放方向への更なる移動により、キャップの対応する固定機構(3b)がリザーバ(2)のキャップ固定機構(3a)から係脱し、
ボタン(8)が作動されると、チャンバ(12)の容積が減少し、それによって、製品がピペット(10)から分注される、製品ディスペンサ(1)に関する。
【0012】
好ましくは、第1のアセンブリ(5)内のハウジング(6)が第2のアセンブリ(9)内の封止要素(11)に対して上方に移動されるとき、第2のアセンブリ(9)は、リザーバに対して垂直方向に変位しない。これにより、製品の吸い上げ中に、ピペット(10)の位置がボトルに対して変化しないことが保証され、したがって、ピペット(10)は常に、ボトルの内側の底面から最小距離に、すなわち、最適な位置に、製品の装填中に相対運動することなく配置されたピペット下端オリフィスによって、製品を一貫して吸い上げる。これにより、あらゆる気泡の侵入が防止され、使用者がキャップを取り出して分注する時点でピペット(10)が適切に充填されることも確実にする。
【0013】
上記及び下記の部品、機構、機能及び要素のいくつかは、1つの部品に統合され得る。
【0014】
キャップ固定機構
リザーバ(2)は、キャップ固定機構(3a)を有し、キャップ(4)は、リザーバ上のキャップ固定機構と係合するように構成されている対応する固定機構(3b)を有する。キャップ固定機構及び対応する固定機構は、任意のもの、例えば、ねじ山及びバヨネットコネクタであり得、特に輸送中のリザーバからの漏れ及び/又はキャップの落下を防止することを考慮して、好ましくはねじ山である。リザーバ(2)のキャップ固定機構(3a)は、キャップ閉鎖位置及び装填位置において、キャップ(4)の対応する固定機構(3b)と係合し、キャップ開放位置において係脱する。
【0015】
好ましくは、第2のアセンブリ(9)は、キャップインサート(15)を更に備える。キャップインサート(15)は、対応する固定機構(3b)を有することができる。対応する固定機構は、ねじ接続であってもよい。キャップインサート(15)はまた、キャップ閉鎖位置においてリザーバを封止するためのガスケット(16)を含むことができる。キャップインサートは、ピペット(10)がリザーバ内容積(18)とチャンバ(12)との間で流体連通することができるように、ピペット(10)が通ることを可能にする中央中空部分を有するプラットフォームを有することができる。キャップインサートプラットフォーム及びピペット外壁は、2つの構成要素が(垂直に)軸方向に拘束されることを確実にするために、環状スナップ嵌めによって機械的に付勢され得る。
【0016】
封止要素
好ましくは、封止要素(11)はピストンである。ピストンは、ピペット(10)がリザーバ内容積(18)とチャンバ(12)との間で流体連通することができるように、ピペット(10)を通すための中空部分を含むことができる。ピストン及びピペット外壁は、2つの構成要素が(垂直に)軸方向に拘束されることを確実にするために、環状スナップ嵌めによって機械的に付勢され得る。ピストンは、ハウジングと干渉する1つ又は複数のOリング又は封止フランジを含むことができ、それにより、製品がチャンバに入った場合に製品との摺動封止を提供するとともに、低い摺動力を提供する。ピストンとキャップインサートは一体に形成することができる。
【0017】
チャンバ容積制御機構
第1のアセンブリ(5)は、チャンバ容積制御機構(7a)を有する。本発明では、好ましくは、キャップ(4)は、外側カバー(13)を更に備え、対応するチャンバ容積制御機構(7b)は、好ましくは、外側カバー(13)又は第2のアセンブリ(9)のいずれかに含まれる。この機構は、第1及び第2のアセンブリ(5、9)の相対運動、より具体的には、投与量装填段階中、すなわち、チャンバ(12)が容積を変化させるときのハウジング(6)及び封止要素(11)の相対運動を制御する。
【0018】
チャンバ容積制御機構(7a)及び対応する機構(7b)は、どのようなものであってもよい。対応する機構(7b)は、レールを有する回転スリーブ又はバレルであり、チャンバ容積制御機構(7a)は、レールと係合するフォロワであることが好ましい。また、レールは下端と上端を有することが好ましい。
【0019】
係止機能
本発明では、封止要素(11)がハウジング(6)内の低い位置に到達すると、第1及び第2のアセンブリ(5、9)は、キャップ(4)が開放方向に更に移動すると第1及び第2のアセンブリ(5、9)が一緒に移動するように機械的に付勢される。
【0020】
この構成は、どのようなものであってもよいが、好ましくは係止機能(14a)である。例えば、第1のアセンブリ(5)、好ましくはハウジング(6)は、係止機能(14a)を有する。対応する係止機能(14b)は、第2のアセンブリ(9)、好ましくはキャップインサート(15)に含められることができる。実施形態の1つでは、例えば、第2のアセンブリ(9)、好ましくはキャップインサート(15)は、外壁に1つ又は複数のカムを有し、ハウジング(6)は、当該カムに係合する1つ又は複数のフォロワビーズを有し、当該カムは、係止スロットを含み、キャップ(4)が開放方向に移動すると、係止機能(14a)としてのフォロワビーズが、対応する係止機能(14b)としての係止スロットに係合する。
【0021】
ボタン
ボタン材料は、好ましくは不活性であり、製品配合物と適合性があり、製品からの水の損失を最小限に抑え、製品の有効寿命を延長するために、低い水蒸気透過率(moisture vapor transmission rate、MVTR)を有する。
【0022】
好ましくは、ボタンは、押圧時に容易に変形することができ、かつその元の位置を回復させるために十分に強いバウンスを有することができるように、柔軟材料によって実現される。好ましくは、ボタンは弾性材料で作られており、ボタンを押すと、製品がピペットから分注されるチャンバの容積が一時的に減少し、押すのを止めた後、ボタン及びチャンバは元の形状/位置に戻る。
【0023】
好ましくは、ボタンは、NBR、SBR、EPDM、又はTPEで作製することができる。より好ましくは、ボタンは、三井化学株式会社によって商業化されたMilastomer(W600NS)などのPPリサイクル流と適合性のあるエラストマー材料で作製することができる。
【0024】
ボタンは、ピストンがハウジング内で低い位置から高い位置に移動するときに空気を放出するための弁を有してもよい。
【0025】
チャンバ
チャンバ(12)は、ボタン(8)、ハウジング(6)、封止要素(11)によって、ピペット(10)の上端オリフィスを有して又は有さずに形成されることができる空間である。
【0026】
ピペット
ピペット(10)は、分注する液体を貯蔵するための管状の形状を有する細長い本体と、装填中に製品を吸引し、ボタン(8)の作動中に液体を放出するための下端オリフィスとを有する。下端は、好ましくは、断面の減少部を形成するように先細であり、これにより、特にピペットがリザーバから出るときに、ピペット内の液体を保持することが可能になる。ピペットの下端は、製品の吸入及び放出を改善するために曲げることができる。ピペット(10)はまた、チャンバ(12)に開口する上端オリフィスを有する。
【0027】
材料、及びコイルばね又はベローズの非使用
このディスペンサで使用される全ての材料は、再利用可能なプラスチックである、及び/又は再利用可能なプラスチック流と適合性があることが好ましい。
【0028】
好ましい実施形態では、チャンバの容積の変化は、コイルばね又はベローズなしで行われる。より好ましくは、本発明のディスペンサは、コイルばね及びベローズを含まない。これにより、キャップに収容される機構が簡略化され、部品数が減少し、ディスペンサの製造は安価となり、その組み立ては複雑でなくなる。更に、この設計により、キャップをリサイクルするのが容易になり、特に、キャップを機械的にリサイクルすることができる。典型的には、ディスペンサに含まれる金属コイルばねは、一般的に、機械的リサイクルプロセスと適合しないと考えられる。プラスチックコイルばね及びベローズは、機械的リサイクルに適合する設計につながる可能性がある。しかしながら、プラスチックコイルばね及びベローズは、貯蔵中、及び使用中のサイクル負荷の両方を経験した、不可避のクリープ及び疲労により、投与量の不一致を引き起こすことが見出されている。
【0029】
粘性製品
本発明は、例えば、スキンケア及びヘアケアなどの美容ケア製品の分野において特に有用な、ゲル、ローション、血清、又はエッセンスなどの粘性製品用のディスペンサに関する。例えば、粘性製品は、5,000~35,000センチポアズ、好ましくは10,000~20,000センチポアズ(スピンドルを備えたBrookfield LVT粘度計を用いて、毎分3回転の速度で測定される粘度)の粘度を有する。
【実施例】
【0030】
第1の実施形態
図1~
図8は、本発明のディスペンサ(1)の一実施形態(以下「第1の実施形態」)を示す。この実施形態及び他の実施形態では、ディスペンサ、及びその構成要素の大部分は、ディスペンサの軸に対して対称である全体的な形状を有するが、本明細書に示されていない他の実施形態では、いくつかの構成要素、例えば、カバー、ボトル、及び/又はピペットは、対称ではない場合がある。
【0031】
この第1の実施形態の製品ディスペンサ(1)は、
(A)キャップ固定機構(3a)を有する、製品用のリザーバ(2)と、
(B)キャップ(4)であって、次の(B-1)~(B-3)、すなわち、
(B-1)第1のアセンブリ(5)であって、
封止要素(11)のためのハウジング(6)と、
チャンバ容積制御機構(7a)と、
ボタン(8)であって、ボタンが作動されると、ピペット(10)の下端オリフィスを通して製品を分注するように構成されている、ボタンと、を有する第1のアセンブリ(5)と、
(B-2)第2のアセンブリ(9)であって、
上端オリフィスと下端オリフィスとを有し、チャンバ(12)に堅固に接続され、チャンバと流体連通するピペット(10)と、
ハウジング(6)に対して封止し、ハウジング(6)内で高い位置と低い位置との間で摺動するように構成された封止要素(11)と、
リザーバのキャップ固定機構に対応する固定機構(3b)と、を有する、第2のアセンブリ(9)と、
(B-3)第2のアセンブリ(9)に対する第1のアセンブリ(5)の移動及びボタン(8)の移動に応じてその容積を変化させるように構成されたチャンバ(12)と、
(B-4)この第1の実施形態において1つ又は複数のレールを有する回転スリーブである対応するチャンバ容積制御機構(7b)を有する外側カバー(13)であって、チャンバ容積制御機構(7a)が、各それぞれのレールと係合する1つ又は複数のフォロワである、外側カバー(13)と、を有するキャップ(4)と、を備える。
【0032】
図1及び
図3に示すように、キャップ(4)が閉鎖位置にあるとき、封止要素(11)がハウジング(6)に対して高い位置に配置される。
【0033】
図4及び
図7に示すように、この第1の実施形態では外側カバー(13)の回転である、製品ディスペンサを開放する方向へのキャップ(4)の移動は、チャンバ容積制御機構(7a)を介してハウジング(6)を封止要素(11)に対して上方に移動させ、その結果、封止要素(11)がハウジング(6)内で高い位置から低い位置に摺動し、チャンバ(12)の容積が増加し、チャンバの容積のこの増加がピペット(10)内の製品の吸引を引き起こす。第1のアセンブリ(5)内のハウジング(6)が第2のアセンブリ(9)内の封止要素(11)に対して上方に移動されるとき、第2のアセンブリ(9)はリザーバに対して垂直方向の変位を有さない。
【0034】
図5及び
図8に示すように、封止要素(11)がハウジング(6)内の低い位置に到達すると、第1及び第2のアセンブリ(5、9)は、この第1の実施形態では外側カバー(13)の更なる回転であるキャップ(4)の開放方向への更なる移動時に第1及び第2のアセンブリ(5、9)が一緒に移動するように、機械的に付勢される。
【0035】
図5及び
図8に示すように、キャップ(4)を開放方向に更に移動させると、キャップの対応する固定機構(3b)がリザーバのキャップ固定機構(3a)から係脱する。
【0036】
ボタン(8)が作動されると、チャンバ(12)の容積が減少し、それによって、製品がピペット(10)から分注される。
【0037】
この実施形態では、第2のアセンブリ(9)は、対応するキャップ固定機構(3b)を有するキャップインサート(15)を更に備え、そのような対応するキャップ固定機構は、ねじ接続である。キャップインサート(15)は、キャップ閉鎖位置においてリザーバ(2)を封止するガスケット(16)を含む。キャップインサート(15)は、ピペット(10)がリザーバ内容積(18)とチャンバ(12)との間で流体連通することができるように、ピペット(10)が通ることを可能にする中央中空部分を含む。
【0038】
この実施形態では、キャップインサート(15)の外壁は、対応する係止機能(14b)を含み、ハウジング(6)は、係止機能(14a)を含む。対応する係止機能(14b)は、1つ又は複数のスロットであり得る。係止機能(14a)は、ハウジングの内壁と外壁との間に構築された1つ又は複数のリブ又はキーであり得る。この係止機能(14a)は、装填中に第1のアセンブリ(5)が第2のアセンブリ(9)に対して垂直に移動することを可能にする。チャンバ容積制御機構(7a)であるフォロワが、対応するチャンバ容積制御機構(7b)であるそれぞれのレール内の端部位置に到達すると(装填の終了時)、係止機能(14a)及び対応する係止機能(14b)は、リザーバ(2)に対する外側カバー(13)の更なる回転が、対応するキャップ固定機構(3b)をリザーバ(2)のキャップ固定機構(3a)から係脱させるように、第1及び第2のアセンブリ(5、9)が機械的に付勢されることを確実にする。
【0039】
図9は、キャップ閉鎖位置にある、本発明の第1の実施形態による代替構造を有するディスペンサ(1)を示す。
【0040】
第2の実施形態
図10~
図17は、本発明のディスペンサ(1)の一実施形態(以下「第2の実施形態」)を示す。
【0041】
この第2の実施形態では、キャップ固定機構(3a)及び対応する固定機構(3b)はねじ山である。
【0042】
この第2の実施形態では、対応するチャンバ容積制御機構(7b)は、第2のアセンブリ(9)、特にキャップインサート(15)内のラチェットであり、チャンバ容積制御機構(7a)は、ラチェットと係合する1つ又は複数の爪である。
【0043】
図13及び
図16に示すように、この第2の実施形態では外側カバー(13)を引き上げる、製品ディスペンサを開放する方向へのキャップ(4)の移動により、ハウジング(6)がチャンバ容積制御機構(7a)を介して封止要素(11)に対して上方に移動し、その結果、封止要素(11)がハウジング(6)内で高い位置から低い位置に摺動し、チャンバ(12)の容積が増加し、チャンバの容積のこの増加がピペット(10)内の製品の吸引を引き起こす。第1のアセンブリ(5)内のハウジング(6)が第2のアセンブリ(9)内の封止要素(11)に対して上方に移動されるとき、第2のアセンブリ(9)はリザーバに対して垂直方向の変位を有さない。
【0044】
図14及び
図17に示すように、封止要素(11)がハウジング(6)内の低い位置に到達すると、第1及び第2のアセンブリ(5、9)は、第1及び第2のアセンブリ(5、9)が一緒に移動するように機械的に付勢される。チャンバ容積制御機構(7a)及び対応するチャンバ容積制御機構(7b)は、係止機能(14a)及び対応する係止機能(14b)を有し、これらは、封止要素(11)がハウジング(6)内の低い位置に到達したときに、この第2の実施形態では外側カバー(13)の回転であるキャップ(4)の開放方向への更なる移動中に、第1及び第2のアセンブリ(5、9)が一緒に移動するのを助ける。この第2の実施形態では、対応する係止機能(14b)は、ラチェットの端部のフランジであり、1つ又は複数の爪であるチャンバ容積制御機構(7a)は、係止機能(14a)としても機能する。
【0045】
第3の実施形態
図18~
図25は、本発明のディスペンサ(1)の一実施形態(以下「第3の実施形態」)を示す。
【0046】
この第3の実施形態では、キャップ固定機構(3a)はバヨネットカムであり、対応する固定機構(3b)は、カムと係合するナブである。
【0047】
キャップ(4)はまた、対応するチャンバ容積制御機構(7b)を有する外側カバー(13)を有する。この第3の実施形態では、対応するチャンバ容積制御機構(7b)は、1つ又は複数のレールを有する回転スリーブであり、チャンバ容積制御機構(7a)は、各レールと係合する1つ又は複数のフォロワである。
【0048】
図21及び
図24に示すように、この第3の実施形態では外側カバー(13)の回転である、製品ディスペンサを開く方向へのキャップ(4)の移動は、チャンバ容積制御機構(7a)を介してハウジング(6)を封止要素(11)に対して上方に移動させ、その結果、封止要素(11)がハウジング(6)内で高い位置から低い位置に摺動し、チャンバ(12)の容積が増加し、チャンバの容積のこの増加がピペット(10)内の製品の吸引を引き起こす。第3のアセンブリ内のハウジング(6)が第2のアセンブリ(9)内の封止要素(11)に対して上方に移動されるとき、第2のアセンブリ(9)は、リザーバに対して垂直変位を有さない。
【0049】
図22及び
図25に示すように、封止要素(11)がハウジング(6)内の低い位置に到達すると、第1及び第2のアセンブリ(5、9)は、第1及び第2のアセンブリ(5、9)が一緒に移動するように機械的に付勢される。
【0050】
この実施形態では、キャップインサート(15)の外壁は、対応する係止機能(14b)を含み、ハウジング(6)は、係止機能(14a)を含む。対応する係止機能(14b)は、1つ又は複数のスロットであり得る。係止機能(14a)は、ハウジングの内壁と外壁との間に構築される1つ又は複数のリブ又はキーであり得る。この係止機能(14a)は、装填中に第1のアセンブリ(5)が第2のアセンブリ(9)に対して垂直に移動することを可能にする。チャンバ容積制御機構(7a)であるフォロワが、対応するチャンバ容積制御機構(7b)であるそれぞれのレール内の端部位置に到達すると(装填の終了時)、係止機能(14a)及び対応する係止機能(14b)は、リザーバ(2)に対する外側カバー(13)の更なる回転が、対応するキャップ固定機構(3b)をリザーバ(2)のキャップ固定機構(3a)から係脱させるように、第1及び第2のアセンブリ(5、9)が機械的に付勢されることを確実にする。
【0051】
この実施形態では、リザーバ(2)はネックインサートを含み、当該ネックインサートは、ピペット(10)と干渉して表面上の過剰な製品を除去する1つ又は複数のワイピング表面を含み、当該インサートは、第2のアセンブリ(9)と係合する機構を更に含む。当該ネックインサート機構は、1つ又は複数のリブで作られている。
【0052】
この実施形態では、第2のアセンブリ(9)はプラグ(17)を含み、当該プラグ(17)は、ピペット(10)がチャンバ(12)に流体接続されるように中空であり、当該プラグ(17)は、ネックインサートと係合する機構を含み、当該機構は、プラグ(17)及びネックインサートが垂直に移動することができるが互いに対して回転することができないように、1つ又は複数のリブから作られる。この実施形態では、当該プラグ(17)は1つ又は複数のスロットを含み、ハウジング(6)は、垂直に移動することができるがプラグスロットに対して回転することができない1つ又は複数のリブを含む。
【0053】
第4の実施形態
図26~
図33は、本発明のディスペンサ(1)の一実施形態(以下「第4の実施形態」)を示す。
【0054】
この実施形態では、対応するチャンバ容積制御機構(7b)は、第2のアセンブリ(9)内、特に封止要素(11)内のカム経路であり、チャンバ容積制御機構(7a)は、カム経路と係合するビードである。
【0055】
図29及び
図32に示すように、この第4の実施形態では外側カバー(13)を引き上げる、製品ディスペンサを開く方向へのキャップ(4)の移動により、ハウジング(6)がチャンバ容積制御機構(7a)を介して封止要素(11)に対して上方に移動し、その結果、封止要素(11)がハウジング(6)内で高い位置から低い位置に摺動し、チャンバ(12)の容積が増加し、チャンバの容積のこの増加がピペット(10)内の製品の吸引を引き起こす。第1のアセンブリ(5)内のハウジング(6)が第2のアセンブリ(9)内の封止要素(11)に対して上方に移動されるとき、第2のアセンブリ(9)はリザーバに対して垂直方向の変位を有さない。
【0056】
図30及び
図33に示すように、封止要素(11)がハウジング(6)内の低い位置に到達すると、第1及び第2のアセンブリ(5、9)は、第1及び第2のアセンブリ(5、9)が一緒に移動するように機械的に付勢される。チャンバ容積制御機構(7a)及び対応する機構(7b)は、係止機能(14a)及び対応する係止機能(14b)を有し、これらは、封止要素(11)がハウジング(6)内の低い位置に到達したときに、この第4の実施形態では外側カバー(13)の回転であるキャップ(4)の開放方向への更なる移動中に、第1及び第2のアセンブリ(5、9)が一緒に移動するのを助ける。この第4の実施形態では、係止機能(14a)は、ビードであるチャンバ容積制御機構(7a)と同じであり、対応する係止機能(14b)は、カム経路の端部にある係止スロットである。
【0057】
組み合わせ
1.製品ディスペンサであって、
(A)キャップ固定機構を有する、製品用のリザーバと、
(B)キャップであって、次の(B-1)~(B-3)、すなわち、
(B-1)第1のアセンブリであって、
封止要素のためのハウジングと、
チャンバ容積制御機構と、
ボタンであって、ボタンが作動されると、ピペットの下端オリフィスを通して製品を分注するように構成されている、ボタンと、を有する第1のアセンブリと、
(B-2)第2のアセンブリであって、
上端オリフィスと下端オリフィスとを有し、チャンバに堅固に接続され、チャンバと流体連通するピペットと、
ハウジングに対して封止し、ハウジング内で高い位置と低い位置との間で摺動するように構成された封止要素と、
リザーバのキャップ固定機構に対応する固定機構と、を有する、第2のアセンブリと、
(B-3)第2のアセンブリに対する第1のアセンブリの移動及びボタンの移動に応じてその容積を変化させるように構成されたチャンバと、を備える、キャップと、を備え、
キャップが閉鎖位置にあるとき、封止要素がハウジングに対して高い位置に配置され、
製品ディスペンサを開放する方向へのキャップの移動により、ハウジングがチャンバ容積制御機構を介して封止要素に対して上方に移動し、その結果、封止要素がハウジング内で高い位置から低い位置に摺動してチャンバの容積が増加し、チャンバの容積のこの増加によりピペット内の製品が吸引され、
封止要素がハウジング内で低い位置に到達したとき、キャップの開放方向への更なる移動により、キャップの対応する固定機構がリザーバのキャップ固定機構から係脱し、
ボタンが作動されると、チャンバの体積が減少し、それによって、製品がピペットから分注される、製品ディスペンサ。
2.第1のアセンブリ内のハウジングが第2のアセンブリ内の封止要素に対して上方に移動されるとき、第2のアセンブリがリザーバに対して垂直変位を有さない、前述の特徴に記載の製品ディスペンサ。
3.キャップが(B-4)外側カバーを更に備える、前述の特徴のいずれかに記載の製品ディスペンサ。
4.外側カバー又は第2のアセンブリのいずれかが、対応するチャンバ容積制御機構を有する、前述の特徴のいずれかに記載の製品ディスペンサ。
5.封止要素がハウジング内の低い位置に到達したとき、第1のアセンブリ及び第2のアセンブリが、キャップが開放方向に更に移動すると、一緒に移動するように機械的に付勢される、前述の特徴のいずれかに記載の製品ディスペンサ。
6.第1のアセンブリが、封止要素がハウジング内の低い位置に到達したときに第2のアセンブリを機械的に付勢する係止機能を有し、それにより、第1のアセンブリ及び第2のアセンブリが、キャップが開放方向に更に移動すると一緒に移動する、前述の特徴のいずれかに記載の製品ディスペンサ。
7.第2のアセンブリが、対応する係止機能を有する、前述の特徴のいずれかに記載の製品ディスペンサ。
8.封止要素がハウジング内の低い位置に到達したとき、外側カバー及び第1のアセンブリが、キャップが開放方向に更に移動すると、一緒に移動するように機械的に付勢される、前述の特徴のいずれかに記載の製品ディスペンサ。
9.封止要素がピストンであり、ピストンは、ピペットがリザーバ内容積とチャンバとの間で流体連通することができるように、ピペットを通すための中空部分を有する中空マニホールドを有する、前述の特徴のいずれかの製品ディスペンサ。
10.ボタンが弾性材料で作られ、押されると変形し、押すのを止めた後に元の形状/位置に復元することができる、前述の特徴のいずれかの製品ディスペンサ。
【0058】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定のない限り、このような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0059】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文献における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0060】
本発明の特定の実施形態を例示及び記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】