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特表2024-533967車両サラウンドビューシステム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】車両サラウンドビューシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240910BHJP
   B60R 1/23 20220101ALI20240910BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240910BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240910BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B60R1/23
G06T19/00 A
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
G09G5/37 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506689
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 EP2022071317
(87)【国際公開番号】W WO2023012051
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】2111143.0
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】フリーベ・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ゴター・チェタン
(72)【発明者】
【氏名】プラバカー・パヴァン・ナグ
(72)【発明者】
【氏名】ランジャン・アビシェーク
【テーマコード(参考)】
5B050
5C054
5C182
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050DA07
5B050EA07
5B050EA13
5B050EA19
5B050FA05
5C054CA04
5C054CC02
5C054FD03
5C054FE17
5C054HA30
5C182AB25
5C182AB31
5C182AC43
5C182BA14
5C182BA29
5C182CC24
(57)【要約】
本開示は、車両内でサラウンドビューを表示するための方法及びシステムに関する。車両に搭載されたカメラから、第1の画像が第1の時間インスタンス(t-1)にキャプチャされ、第2の画像が第2の時間インスタンス(t)にキャプチャされる。第1の画像は、第2の画像とは異なる。第1及び第2の画像をキャプチャしている間に、車両に関連付けられた1つ以上のセンサから1つ以上の車両動作パラメータが受信される。更に、第1の画像、第2の画像、及び1つ以上の車両動作パラメータを使用して、補正画像が合成される。その後、補正画像が、車両の表示ユニット上に表示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内でサラウンドビューを表示する方法であって、
前記車両に搭載されたカメラ102aから、第1の時間インスタンス(t-1)にキャプチャされた第1の画像と、第2の時間インスタンス(t)にキャプチャされた第2の画像とを受信することであって、前記第1の画像が前記第2の画像とは異なる、ことと、
前記車両に関連付けられた1つ以上のセンサから1つ以上の車両動作パラメータを受信することと、
前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記1つ以上の車両動作パラメータを使用して、補正画像を合成することと、
前記補正画像を前記車両の表示ユニット104上に表示することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の画像及び前記第2の画像が、放射状に歪んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の画像が、前記第1の画像がキャプチャされた位置から前記車両が移動した後にキャプチャされる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の車両動作パラメータが、前記車両の速度及び前記車両の操舵角のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記補正画像を合成することが、
前記第1の画像において歪んでいないビュー501を有する第1のスライスを識別することであって、前記第1のスライスが、前記第2の画像において歪んでいるビュー502を有する第2のスライスに対応し、前記スライスを識別することが、前記1つ以上の車両動作パラメータに基づく、ことと、
前記補正画像において前記第1のスライスが前記第2のスライスを置換するように、前記補正画像を合成することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記補正画像が、前記車両のトップビュー700、前記車両のフロントビュー704、前記車両のリアビュー(702)、前記車両のサイドビュー701、703、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択されるビューを表すように処理され、前記車両の前記ビューが、前記表示ユニット104上に表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
車両内でサラウンドビュー700を表示するためのシステム101であって、
メモリ202と、
プロセッサ203であって、
前記車両に搭載されたカメラ102aから、第1の時間インスタンス(t-1)にキャプチャされた第1の画像と、第2の時間インスタンス(t)にキャプチャされた第2の画像とを受信し、前記第1の画像が前記第2の画像とは異なり、
前記車両に関連付けられた1つ以上のセンサから1つ以上の車両動作パラメータを受信し、
前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記1つ以上の車両動作パラメータを使用して、補正画像を合成し、
前記補正画像を前記車両の表示ユニット104上に表示する、
ように構成された、プロセッサ203と、
を備える、システム101。
【請求項8】
前記プロセッサ203が、放射状の歪みを含む、第1の画像及び前記第2の画像を受信する、請求項7に記載のシステム101。
【請求項9】
前記プロセッサ203が、前記カメラ102aが前記第1の画像がキャプチャされた位置から前記車両が移動した後に、前記第2の画像をキャプチャするように前記カメラ102aを制御する、請求項7に記載のシステム101。
【請求項10】
1つ以上のセンサが、前記車両の速度及び前記車両の操舵角のうちの少なくとも1つを測定するように構成されている、請求項7に記載のシステム101。
【請求項11】
前記プロセッサ203が、
前記第1の画像において歪んでいないビュー501を有する第1のスライスを識別することであって、前記第1のスライスが、前記第2の画像において歪んでいるビュー502を有する第2のスライスに対応し、前記スライスを識別することが、前記1つ以上の車両動作パラメータに基づく、ことと、
前記補正画像において前記第1のスライスが前記第2のスライスを置換するように、前記補正画像を合成することと、
からなるステップを実行することによって、前記補正画像を合成する、請求項7に記載のシステム101。
【請求項12】
前記プロセッサ203が、前記車両のトップビュー700、前記車両のフロントビュー704、前記車両のリアビュー702、前記車両のサイドビュー701、703、及びそれらの組み合わせからなるグループからのビューを表すように、前記補正画像を処理し、前記車両の前記ビューが、前記表示ユニット上に表示される、請求項7に記載のシステム101。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、車載カメラシステムに関する。特に、排他的ではなく、本開示は、車両サラウンドビューを表示するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の車両は、安全性を高めて運転体験を向上させるために、異なるタイプの支援を運転者に提供している。様々な運転者支援機能には、経路ナビゲーション、自律走行又は半自律走行、車両インフォテインメント機能、車両サラウンドビュー機能などが含まれる。車両のサラウンドビューシステムに言及すると、車両のサラウンドビューをキャプチャするために、車両上には様々なカメラが設置されている。サラウンドビューシステムは、3D視覚化を運転者に提供する。通常、3D視覚化は、カメラによってキャプチャされた異なる画像を使用して合成されたトップビューである。
【0003】
一般に、より大きな視野をカバーするために魚眼カメラが使用される。魚眼カメラは歪みを加えるため、キャプチャされた画像はディスプレイ画面にレンダリングする前に補正されるべき必要がある。しかしながら、魚眼カメラからキャプチャされた画像の外側領域は、放射状に歪んでおり、補正されてディスプレイ画面上に表示されると低画質になる。従って、魚眼カメラを使用してキャプチャされた画像から高画質の画像を生成する必要がある。
【0004】
本開示のこの背景技術のセクションに開示される情報は、本発明の一般的な背景の理解を高めるためのものにすぎず、この情報が、当業者に既に知られている従来技術を形成することの承認又は何らかの形式の示唆として解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
更なる特徴及び利点は、本開示の技術を通じて実現される。本開示の他の実施形態及び態様は、本明細書で詳細に説明されており、特許請求される開示の一部とみなされる。
【0006】
一実施形態では、車両内でサラウンドビューを表示するための方法及びシステムが開示される。車両に搭載されたカメラから、第1の画像が第1の時間インスタンス(t-1)にキャプチャされ、第2の画像が第2の時間インスタンス(t)にキャプチャされる。第1の画像は第2の画像とは異なる。第1及び第2の画像をキャプチャしている間に、車両に関連付けられた1つ以上のセンサから1つ以上の車両動作パラメータが受信される。更に、第1の画像、第2の画像、及び1つ以上の車両動作パラメータを使用して、補正画像が合成される。その後、補正画像が、車両の表示ユニット上に表示される。
【0007】
一実施形態では、第1の画像及び第2の画像は、放射状に歪んでいる。第2の画像は、第1の画像がキャプチャされた位置から車両が移動した後にキャプチャされる。
【0008】
一実施形態では、1つ以上の車両動作パラメータは、車両の速度及び車両の操舵角のうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
一実施形態では、補正画像は、第1の画像において歪んでいないビューを有する第1のスライスを識別することによって合成され、第1のスライスは、第2の画像において歪んでいるビューを有する第2のスライスに対応する。スライスは、1つ以上の車両動作パラメータに基づいて識別される。更に、補正画像は、補正画像において第1のスライスが第2のスライスを置換するように合成される。
【0010】
一実施形態では、補正画像は、車両のトップビュー、車両のフロントビュー、車両のサイドビュー、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択されるビューを表すように処理される。その後、表示ユニット上に車両のビューが表示される。
【0011】
前述の概要は、単なる例示であり、決して限定することを意図していない。上記で説明した例示的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、更なる態様、実施形態、及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになり得る。
【0012】
本開示の新規な特徴及び特性は、添付の特許請求の範囲に規定されている。しかしながら、本開示自体、並びにその好ましい使用モード、更なる目的、及び利点は、添付の図面と併せて読むと、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最良に理解され得る。本開示に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、例示的な実施形態を図示し、且つ説明と共に、開示する原理を説明するのに役立つ。図面では、参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に現れる図を識別している。ここで、1つ以上の実施形態が、例示のためにのみ、添付の図面を参照して説明されるが、同様の参照番号は同様の要素を表している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、サラウンドビューを表示するための車両の例示的なブロック図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、車両サラウンドビューを表示するためのシステムの詳細ブロック図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、車両サラウンドビューを表示するための方法ステップを示すフローチャートである。
図4a】本開示のいくつかの実施形態による、車両の周囲のセンサ視野の例示的な図である。
図4b】本開示のいくつかの実施形態による、車両の周囲のセンサ視野の例示的な図である。
図5a】本開示のいくつかの実施形態による、魚眼カメラの例示的な時間的視覚化を示す図である。
図5b】本開示のいくつかの実施形態による、魚眼カメラの例示的な時間的視覚化を示す図である。
図6a】本開示の一実施形態による、放射状の歪みの補正画像の例示的な時間的視覚化を示す図である。
図6b】本開示の一実施形態による、放射状の歪みの補正画像の例示的な時間的視覚化を示す図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、車両の例示的なトップサラウンドビューを示す図である。
図8】本開示の実施形態による、車両サラウンドビューを表示するための汎用コンピュータシステムを示す図である。
【0014】
本明細書の任意のブロック図は、本主題の原理を具現化する例示的なシステムの概念図を表すことが当業者によって理解されるべきである。同様に、任意のフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コードなどは、コンピュータ可読媒体において実質的に表され、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かに関わらず、コンピュータ又はプロセッサによって実行され得る、様々なプロセスを表すことが理解され得る。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において、「例示的」という単語は、「例、事例又は例示としての役割を果たすこと」を意味するために本明細書で使用される。「例示的」として本明細書で説明する本主題の任意の実施形態又は実装形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいか又は有利であると解釈されるべきではない。
【0016】
本開示は、様々な改良形態及び代替形態に対する余地があるが、それらの特定の実施形態は、図面において例として示し、以下で詳細に説明され得る。しかしながら、本開示を、開示される具体的な形態に限定することを意図してはおらず、逆に、本開示は、本開示の適用範囲内に入る全ての変更形態、均等物、及び代替形態を包含するものであることが理解されるべきである。
【0017】
「備える(comprises)」、「含む(includes)」、「備えている(comprising)」、「包んでいる(including)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、コンポーネント又はステップのリストを含むセットアップ、デバイス、又は方法が、それらのコンポーネント又はステップのみを含むだけではなく、明示的に列挙されていないか、又はかかるセットアップ、若しくはデバイス、若しくは方法に固有ではない他のコンポーネント若しくはステップを含み得るように、非排他的な包含をカバーすることを意図している。換言すれば、「1つの~を備える」又は「1つの~を含む」によって進められるシステム又は装置における1つ以上の要素は、それより多くの制約なしに、システム又は方法における他の要素又は追加の要素の存在を排除しない。
【0018】
本開示の実施形態の以下の詳細な説明において、この一部を形成し、本開示が実施され得る特定の実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施することを可能にするために十分に詳細に説明し、他の実施形態が利用され得、本開示の適用範囲から逸脱することなく変更形態がなされ得ることを理解されたい。以下の説明は、従って、限定する意味で取るべきではない。
【0019】
図1は、表示ユニット上にサラウンドビューを表示するための車両のブロック図を示している。図1に示されるように、ブロック図は、システム101と、複数のカメラ102a、102b、…102nと、電子制御ユニット103と、表示ユニット104と、を備える。複数のカメラ102a、102b、…102nは、大きな視野をキャプチャすることができる魚眼カメラであり得る。例えば、4つのカメラ102a、102b、102c、102dを車両上に設置して、車両の周囲の360度ビューを提供し得る。例示的な一実施形態では、複数のカメラ102a、102b、…102nは、広いダイナミックレンジの解像度を有する相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラであり得る。また、複数のカメラ102a、102b、…102nは、少なくとも180度以上の高い視野を有し得る。例えば、魚眼カメラは、195度の視野を有し得る。
【0020】
一実施形態では、ECU103は、1つ以上の車両動作パラメータを取得するように構成され得る。1つ以上の車両動作パラメータは、車両の速度及び車両の操舵角のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の車両動作パラメータは、かかる技術分野において一般的に知られているセンサ(図1には開示されていない)を使用して、ECU103によって取得され得る。例えば、車両の速度は、ホール効果センサを使用して取得され得、操舵角は、操舵角センサを使用して取得され得る。
【0021】
一実施形態では、ディスプレイユニット104は、インフォテインメントシステム(図1には示されていない)、車両のヘッドアップディスプレイ(HUD)ユニット、モバイルデバイスのディスプレイ、又は車両に関連付けられた他のディスプレイの一部であり得る。表示ユニット104は、それ自体の処理ユニットと、オペレーティングシステムと、通信ポートと、を備え得る。表示ユニット104は、システム101によって提供される車両のサラウンドビューを表示するように構成される。いくつかの実施形態では、表示されるコンテンツは、車両の特定方向のビューであり得る。いくつかの実施形態では、表示されるコンテンツは、車両の3Dサラウンドビューであり得る。
【0022】
一実施形態では、システム101は、システムオンチップ(SoC)であり得る。いくつかの実施形態では、システム101は、ECU103の一部であり得るか、又はスタンドアロンシステムであり得る。システム101は、イーサネット又はコントローラエリアネットワーク(CAN)又はFlexRay又は低電圧差動信号規格を使用して、ECU103、複数のカメラ102a、102b、…102n、及びディスプレイ104に接続され得る。
【0023】
システム101は、複数のカメラ102a、102b、…102nから、カメラ102aによってキャプチャされた第1の画像及び第2の画像を受信するように構成され得る。第1の画像及び第2の画像は、時間的に区別され得、すなわち、第1の画像は、第1の時間インスタンス(t-1)にキャプチャされ得、第2の画像は、第1の時間インスタンス(t)後の第2の時間インスタンス(t)にキャプチャされ得る。いくつかの実施形態では、第1の画像及び第2の画像は、実質的に類似のオブジェクトを含み得る。カメラの時間的移動は車両動作に起因する場合があるため、第2の画像内のオブジェクトは、第1の画像内のオブジェクトとわずかに異なる場合がある。例えば、第1の画像は、車両が地点Aにいたときにキャプチャされ、第2の画像は、車両が地点Bにいたときにキャプチャされ得る。従って、地点Aから地点Bへの車両の移動に起因して、及び(t-1)から(t)までの時間経過に起因して、第1の画像内のオブジェクトと第2の画像内のオブジェクトとがわずかに異なる場合がある。一実施形態では、第1の画像及び第2の画像は、幾何学的に歪んでいる、例えば放射状に歪んでいる場合がある。幾何学的な歪みに起因して、第1の画像及び第2の画像の最外領域が、表示するには不明瞭である場合がある。また、歪みにより、画像内のオブジェクトを検出するための処理を複雑にする場合がある。例えば、車両では、駐車している間に、表示ユニット104上に表示しながら、車両の周囲の全てのオブジェクトを検出することが不可欠である。しかしながら、オブジェクトが正確に検出されないときの幾何学的な歪みに起因して、車両に深刻な損傷をもたらす可能性がある。システム101は、幾何学的な歪みを補償するために、1つ以上の車両動作パラメータと共に第1の画像及び第2の画像を利用する。
【0024】
一実施形態では、システム101は、ECU103から1つ以上の車両動作パラメータを受信する。システムは、1つ以上の車両動作パラメータに基づいて、第1の画像及び第2の画像をキャプチャするようにカメラ102aを構成し得る。例えば、システム101は、車両が1m前進するごとに画像をキャプチャするようにカメラ102aを構成する。同様に、システム101は、車両が1m後退するごとに画像をキャプチャするようにカメラ102aを構成する。同様に、システム101は、車両の1度の操舵ごとに画像をキャプチャするようにカメラ102aを構成する。別の例では、システム101は、車両が前進動作又は後退動作にあるときに、16m秒ごとに画像をキャプチャするようにカメラ102aを構成する。本開示において提供される例は、限定としてみなされるべきではない。考慮される値は例示的なものにすぎず、システムは、異なる値に対してアクションを実行するように構成され得る。
【0025】
更に、システム101は、第1の画像、第2の画像、及び1つ以上の車両動作パラメータを使用して補正画像を合成し、表示ユニット104上に補正画像を表示する。同様に、システム101は、複数のカメラ102a、102b、…102nから補正画像を合成し、車両の周囲の3Dビューを生成し、表示ユニット104上に3Dビューを表示することができる。
【0026】
図2は、システム101の詳細ブロック図を示している。システム101は、中央処理装置(「CPU」又は「プロセッサ」)203と、プロセッサ203によって実行可能な命令を記憶するメモリ202と、を含み得る。プロセッサ203は、ユーザ又はシステムが生成した要求を実行するためのプログラムコンポーネントを実行するための少なくとも1つのデータプロセッサを含み得る。メモリ202は、プロセッサ203に通信可能に結合され得る。システム101は、入力/出力(I/O)インターフェース201を更に含む。I/Oインターフェース201は、入力信号又は/及び出力信号が通信され得るプロセッサ203と結合され得る。
【0027】
いくつかの実装形態では、システム101は、データ204とモジュール209とを含み得る。一例として、データ204及びモジュール208は、システム101内に構成されたメモリ202に記憶され得る。一実施形態では、データ204は、例えば、画像データ205、車両動作パラメータ206、及び他のデータ207を含み得る。
【0028】
一実施形態では、画像データ205は、第1の画像及び第2の画像を含み得る。上述したように、第1の画像は、時間(t-1)にキャプチャされ、第2の画像は、時間(t)にキャプチャされた。一実施形態では、第1の画像及び第2の画像は、画像補正を適用した後に記憶される。第1の画像及び第2の画像内の幾何学的な歪みを補正するために、様々な画像処理技術が使用され得る。
【0029】
一実施形態では、車両動作パラメータ206は、車両の速度及び車両の操舵角を含み得る。車両動作パラメータ206は、一定の間隔でECU103から取得され得る。
【0030】
一実施形態では、他のデータ207は、第1の画像及び第2の画像を補正するための画像処理パラメータを含み得る。更に、他のデータ207はまた、複数のカメラ102a、102b、…102nから取得された画像から3Dサラウンドビューを合成するための画像処理パラメータも含み得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、データ204は、様々なデータ構造の形態でメモリ202に記憶され得る。加えて、データ204は、リレーショナル又は階層データモデルなどのデータモデルを使用して編成され得る。他のデータ207は、コンピューティングシステム102の様々な機能を実行するためにモジュール208によって生成された、一時データ及び一時ファイルを含むデータを記憶し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、メモリ202に記憶されたデータ204は、システム101のモジュール208によって処理され得る。モジュール208は、メモリ202内に記憶され得る。一実施例では、システム101内に構成されたプロセッサ203に通信可能に結合されたモジュール208はまた、図2に示されるようにメモリ202の外部に存在し、ハードウェアとして実装され得る。本明細書で使用される場合、モジュール208という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、電子回路、1つ以上のソフトウェア又はファームウェアプログラムを実行するプロセッサ203(共有、専用、又はグループ)及びメモリ202、組み合わせ論理回路、並びに/又は説明した機能を提供する他の適切なコンポーネントを指し得る。いくつかの他の実施形態では、モジュール209は、ASIC及びFPGAのうちの少なくとも1つを使用して実装され得る。
【0033】
一実施態様では、モジュール208は、例えば、通信モジュール209と、画像補正モジュール210と、画像合成モジュール211と、レンダリングモジュール212と、他のモジュール213と、を含み得る。そのような前述のモジュール208は、単一のモジュール又は異なるモジュール208の組み合わせとして表され得ることが理解され得る。
【0034】
一実施形態では、通信モジュール209は、複数のカメラ102a、102b、…102n、ECU103、及び表示ユニット104と通信するために使用される。通信モジュール209は、イーサネットモジュール若しくはCANモジュール、FlexRayモジュール、又はLVDSモジュールであり得る。通信モジュール209は、複数のカメラ102a、102b、…102nのうちの少なくとも1つのカメラ102aから、第1の画像及び第2の画像を受信するように構成される。通信モジュール209はまた、複数のカメラ102a、102b、…102nに、いつ画像をキャプチャすべきかについての指示を伝達するために使用され得る。いくつかの実施形態では、複数のカメラ102a、102b、…102nのうちの特定のカメラ(例えば、102a)のみが、動作され得る。そのような状況では、通信モジュール209は、残りのカメラにオフ状態で動作するように信号を送るか、又は残りのカメラを省電力状態に置くことができる。一実施形態では、第2の画像がキャプチャされているときに、第1の画像がメモリ202に記憶される。第2の画像がキャプチャされた後、第1の画像及び第2の画像は、補正画像を導出するように処理される。通信モジュール209は更に、車両動作パラメータ206を受信するためにECU103と通信することができ、車両のビュー(補正画像)(2D又は3Dビュー)を提供するために表示ユニット104と通信することができる。
【0035】
一実施形態では、画像補正モジュール210は、幾何学的な歪みを有するカメラ(例えば、102a)から受信した第1の画像及び第2の画像を補正するように構成される。一実施形態では、第1の画像及び第2の画像は、放射状に歪んでいる場合がある。一実施形態では、画像補正モジュール210は、第1の画像及び第2の画像内の放射状の歪みを補正するために既存の技術を使用し得る。通常、樽型の放射状の歪みは、その広角レンズに起因して魚眼レンズカメラにおいて発生する。放射状に歪んでいる画像を補正するために使用される技術には、歪んでいる画像の3D座標を取得して、それを2D平面にマッピングすることを含むものはほとんどない。異なる配向からキャプチャされた画像を使用する他の技術もほとんどない。線又は消失点などの幾何学的な不変量を使用する技術もほとんどない。一態様では、補正画像において放射状の歪みが平坦化され得る。しかしながら、画像を平坦化することにより、ノイズが加わり、第1の画像及び第2の画像の外側領域に存在するオブジェクトをぼやけさせる場合がある。いくつかの実施形態では、第1の画像及び第2の画像は、歪みを補正するために一緒に処理される。他のいくつかの実施形態では、第2の画像がキャプチャされている間に、第1の画像が補正されてメモリ202に記憶される。
【0036】
一実施形態では、画像合成モジュール211は、第1の画像及び第2の画像並びに車両動作パラメータ206を使用して補正画像を合成するように構成される。本発明はリアルタイムで実行されるため、画像合成モジュール211は、メモリ202から第1の画像を取得し、カメラ(例えば、102a)から第2の画像を取得する。一実施形態では、画像合成モジュール211は、補正された第1の画像及び補正された第2の画像を受信することができる。画像は補正されているが、歪みは依然として存在し、オブジェクトをぼやけさせる場合がある。更に、画像合成モジュール211は、第1の画像においてビューが歪んでいない第1のスライスを識別し、歪んでいる第2の画像において、対応する第2のスライスを更に識別する。画像のスライスは、画像の論理的な断片である。一実施形態では、第1のスライス及び第2のスライスを生成するために、画像スライス技術が使用され得る。スライスすることには、画像をより小さな論理画像に切り分けることを含む。例えば、第1の画像ではオブジェクトは車両のより近くにあり、同じオブジェクトが、車両の前進動作により第2の画像ではより遠くにある場合がある。従って、第1の画像ではオブジェクトは歪んでおらず、第2の画像では歪んでいる場合がある。同様に、車両の後退動作の間、第1の画像ではオブジェクトは歪んでおり、第2の画像ではオブジェクトが歪んでいない場合がある。一実施形態では、第1のスライス及び第2のスライスは、車両動作パラメータ206に基づいている。一実施形態では、車両動作と画素距離との間の線形関係が使用され得る。例えば、第1の画像をキャプチャすることと第2の画像をキャプチャすることとの間に車両が移動した距離が決定され、対応する距離が画素距離に変換されて、第1の画像及び第2の画像内の類似のオブジェクトが識別される。それによって、第1のスライス及び第2のスライスが識別される。更に、画像合成モジュール211は、第2のスライスを第1のスライスに置換することによって、補正画像を合成することができる。同じ原理は、車両が後退方向に移動したり、左右に操舵されたりする場合にも適用することができる。車両動作パラメータ206は、第1の画像及び第2の画像内のスライスを決定するために使用される。従って、補正された合成画像は、放射状の歪みがなく、表示ユニット104上に表示することができる。
【0037】
一実施形態では、画像合成モジュール211は、複数のカメラ102a、102b、…102nを使用して、各ビュー(フロント、リア、サイド)に対して補正画像を合成し、3Dトップビューを生成することができる。
【0038】
一実施形態では、レンダリングモジュール212は、補正された合成画像を表示ユニット104上にレンダリングするように構成される。一実施形態では、レンダリングモジュール212は、表示ユニット104上に表示するように基本的な画像処理を実行することができる。例えば、ノイズ低減、画像解像度の表示ユニット104の解像度へのマッピング、ビデオを表示するためのフレームレートの設定、画像の彩度、色相、コントラストパラメータの設定、などである。
【0039】
一実施形態では、他のモジュール213には、オブジェクト検出モジュール、運転者支援モジュール、通知モジュールなどが含まれ得る。オブジェクト検出モジュールは、車両近くの任意のオブジェクトを検出することができる。例えば、車両近くの障害物が、このモジュールを使用して検出され得る。運転者支援モジュールは、ナビゲーション内で車両の運転者を支援し得る。例えば、運転者支援モジュールは、車両の駐車中に運転者を誘導し得る。通知モジュールは、車両近くでオブジェクトが検出されると、運転者に通知し得る。
【0040】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、表示ユニット104上に車両サラウンドビューを表示するための方法を示すフローチャートを示している。方法300が説明され得る順序は、限定として解釈されることを意図しておらず、任意の数の説明される方法ブロックが、方法を実施するために任意の順序で組み合わせられ得る。加えて、個々のブロックは、本明細書で説明する主題の精神及び範囲から逸脱することなく、方法から削除され得る。更に、方法は、任意の適切なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実施され得る。
【0041】
ステップ301において、システム101は、時間(t-1)及び時間(t)でそれぞれカメラ(例えば、102a)によってキャプチャされた第1の画像及び第2の画像を受信する。一実施形態では、システム101は、車両動作パラメータ206に基づいて、第1の画像及び第2の画像をキャプチャするようにカメラ102aを構成する。状況に基づいて、システム101は、画像をキャプチャするようにカメラ102aを構成し得る。車両が前進移動しているときの一シナリオでは、フロントカメラ(例えば、102b)が、1秒ごとに画像をキャプチャするように構成され得、リアカメラ(例えば、102a)が、3秒ごとに画像をキャプチャするように構成され得る。車両が後退移動しているときの別のシナリオでは、フロントカメラ102bが、3秒ごとに画像をキャプチャするように構成され得、リアカメラ102aが、1秒ごとに画像をキャプチャするように構成され得る。別のシナリオでは、駐車中に、全てのカメラ102、102b、102c、102dが、1秒ごとに画像をキャプチャするように構成され得る。このように、システム101は、各カメラの構成に基づいて、第1の画像及び第2の画像を受信する。第1の画像は時間(t-1)にキャプチャされ、第2の画像は時間(t)にキャプチャされるため、2つの画像は異なるが、実質的に類似したオブジェクトを含む。オブジェクトの類似性は、時間(t-1)から時間(t)までの位置からの車両の小さな移動に起因する場合がある。
【0042】
図4a及び図4bは、車両の周囲のセンサ視野の例示的な図を示している。図4aでは、フロントカメラ102b及びリアカメラ102aが示されている。線は視野を表し得るが、これは説明のためのみのものであり、限定としてみなされるべきではない。リアカメラ102aは、視野401aを有し、フロントカメラ102bは、視野401bを有する。図4bは、サイドカメラ102c、102dが車両に設置されているシナリオを示している。サイドカメラ102cは、視野401cを有し、サイドカメラ102dは、視野401dを有する。カメラ102a、102b、102c、102dからの画像の組み合わせは、サラウンドビューを生成するために使用される。図5a及び図5bは、魚眼カメラの例示的な時間的視覚化を示している。図5a及び図5bは、それぞれ、第1の画像及び第2の画像のリア魚眼カメラビューを示している。見られるように、図5aの領域501内のオブジェクトは、車両により近く、図5bの領域502内のオブジェクトは、車両からより遠い。これは、第1の画像がキャプチャされた時点から車両が前進移動したことを示している。更に、第1の画像及び第2の画像は、放射状に歪んでいる。
【0043】
ステップ302において、システム101は、ECU103から車両動作パラメータ206を受信し、ECU103は次いで、前述のように、他のセンサから車両動作パラメータ206を受信する。一実施形態では、車両動作パラメータ206は、一定の時間間隔又は車両が移動した一定の距離間隔で受信され得る。例えば、車両の速度及び操舵角は、2秒ごとに、又は車両が移動した10mごとに受信され得る。車両動作パラメータ206の受信は、車両のシナリオに依存し得る。例えば、車両を駐車している間に、車両動作パラメータ206は、50m秒ごとに受信され、車両が高速道路にある間、車両動作パラメータ206は、1秒ごとに受信され得る。
【0044】
ステップ303において、システム101は、第1の画像、第2の画像、及び車両動作パラメータ206を使用して補正画像を合成する。第1の画像及び第2の画像は放射状の歪みを含むため、システム101は、画像を処理して、歪みの影響を除去又は減少させる。3D画像空間を2D空間にマッピングすることなどの画像平坦化技術が採用され得る。補正画像を生成するために異なる配向から取得されたパターンを使用することなどの他の技術。補正画像を生成するための歪みパラメータを推定するために、更に別の技術により歪みモデルを使用し得る。一実施形態では、補正された第1の画像及び補正された第2の画像を生成するために、任意の既存の技術が採用され得る。更に、システム101は、補正された第1の画像、補正された第2の画像、及び車両動作パラメータ206を使用して、単一の補正画像を合成する。システム101は、歪んでいないビューを有する補正された第1の画像内の第1のスライス、及び歪んでいるビューを有する補正された第2の画像内の第2のスライスを識別する。第1のスライス内の領域は、第2のスライス内の領域に対応し、すなわち、第1のスライス内のオブジェクトは、第2のスライス内のオブジェクトに実質的に類似し得る。図6a及び図6bは、放射状の歪みの補正画像の例示的な時間的視覚化を示している。図6aに見られるように、スライス601は、歪みを有していない補正された第1の画像内の領域を示している。しかしながら、図6bでは、補正された第2の画像のスライス602は、歪みを有している。説明したように、魚眼カメラによってキャプチャされた画像では、一般に、より遠くのオブジェクトは湾曲する傾向があるため、より遠くのオブジェクトは歪んでいる場合がある。更に、車両がオブジェクトの近くにあるとき、オブジェクトは(歪みなしで)明瞭に見え、車両がオブジェクトから離れて移動すると、オブジェクトは歪んで見える場合がある。従って、提案された解決策では、補正画像を合成するために両方の画像を使用する。次いで、システム101は、車両動作パラメータ206と第2の画像とを相関させて、第1の画像をキャプチャした後に車両がどれだけの距離を移動したか、車両がどの方向に移動したか、及び第1の画像をキャプチャした後に車両がどれだけの角度で操舵されたか、を決定する。この決定により、システム101は、第1のスライス601及び第2のスライス602を識別するための情報を提供する。
【0045】
一実施形態では、補正された単一の画像を合成するために、小さな時間間隔でキャプチャされた複数の画像もまた使用され得る。例えば、異なる時間間隔でキャプチャされた5つの画像が、一緒につなぎ合わされて補正画像を合成し得る。例えば、第1の時間インスタンス(t)にキャプチャされた第1の画像、第2の時間インスタンス(t+1)にキャプチャされた第2の画像、第3の時間インスタンス(t+2)にキャプチャされた第3の画像、及び第4の時間インスタンス(t+3)にキャプチャされた第4の画像が、一緒につなぎ合わされ得る。一実施形態では、時間インスタンスは、車両エゴパラメータに基づいて決定され得る。時間インスタンスは、車両動作パラメータに基づいて決定され得る。一緒につなぎ合わせるのに必要とされる画像の数は、画像の歪みに基づき得る。魚眼カメラが画像の中心により近い歪みを導入する場合、より多くの数の画像が必要とされる場合がある。更に、時間画像もまた、車両の移動に基づいている。上記のシナリオは、車両が前進移動しているときに、魚眼カメラが車両のリアサイドに設置されている場合を考慮して説明されている。車両が後退方向に移動している間に、車両後方のオブジェクトは車両により近づき、第1のスライスが、歪んでいる領域を有し、第2のスライスが、対応する歪んでいない領域を有する場合がある。同様に、車両の移動に基づいて、システム101は、一緒につなぎ合わせるべき画像内のスライスを識別する類似性を決定する。一実施形態では、スライス601及び602は、車両動作パラメータ206に基づいて更に識別される。例えば、第1の画像がキャプチャされると、それはメモリ202に記憶される。
【0046】
更に、システム101は、第2のスライス602を第1のスライス601に置換し、歪みなしの補正画像を合成する。一実施形態では、システム101は、画像つなぎ合わせ技術を使用して、第2のスライス602を第1のスライス601に置換し得る。合成された補正画像は、歪みがなく、オブジェクトもぼやけることなく明瞭に見える。
【0047】
図3に戻って参照すると、ステップ304において、システム101は、補正された合成画像を表示ユニット104上に表示する。一実施形態では、システム101は、車両の1つのサイドビュー(リアビュー、フロントビュー、又はレフトビュー若しくはライトビュー)の補正された合成ビュー、又は車両の全てのサイドの補正された合成ビュー(サラウンドビュー)を表示することができる。一実施形態では、システム101は、全てのサイド(フロント、リア、レフト及びライト)に対して生成された補正された合成画像をつなぎ合わせ、車両のサラウンドビューを表示ユニット104上にレンダリングすることができる。図7は、車両のトップサラウンドビュー700の例示的な図を示している。同様に、斜視図もまた提供され得る。一実施形態では、トップサラウンドビュー700を生成するために、既存の技術が使用され得る。例えば、トップビューが2D視覚化を提供するように、4つの斜視画像(行列)が取得され、2Dグラウンド平面に変換され得る。図7では、トップサラウンドビュー700は、それぞれのセンサデータを処理することによって得られた4つのトップビュー701、702、703、704をつなぎ合わせることによって取得される。一実施形態では、つなぎ合わせは、オーバーラップ領域が参照用に考慮され、且つ画像がオーバーラップ領域においてつなぎ合わせられるように実行される。つなぎ合わせのために、カメラの配置が考慮され得、又はオーバーラップ領域を決定するために画像自体が処理され得る。オーバーラップ領域では、データはブレンドされるか、又は画像のうちの1つからのデータが考慮される。更に、サラウンドトップビューが、表示ユニット104上に表示される。
【0048】
一実施形態では、オブジェクトが明瞭に識別されて表示されるため、提案されたソリューションは運転支援システムに役立つ。更に、障害物が明瞭に検出されるため、車両の駐車がより便利になる。更に、周囲が明瞭に表示されるため、運転体験がより豊かになる。3D視覚化では、周囲の高画質に合成された情報が提供される。合成された補正画像は、既存の技術に比べて、より高い画素密度で構成される。
【0049】
コンピュータシステム
図8は、本開示と一致する実施形態を実装するための例示的なコンピュータシステム800のブロック図を示している。一実施形態では、コンピュータシステム800は、モデルを訓練するためにフィルタシーケンスを生成する方法を実施するために使用され得る。コンピュータシステム800は、中央処理装置(「CPU」又は「プロセッサ」)802を備え得る。プロセッサ802は、実行時に動的リソース割り当て用のプログラムコンポーネントを実行するための少なくとも1つのデータプロセッサを備え得る。プロセッサ802は、統合システム(バス)コントローラ、メモリ管理制御ユニット、浮動小数点ユニット、グラフィックス処理ユニット、デジタル信号処理ユニットなどの専用処理ユニットを含み得る。
【0050】
プロセッサ802は、I/Oインターフェース801を介して1つ以上の入力/出力(I/O)デバイス(図示せず)と通信するように配置され得る。I/Oインターフェース801は、オーディオ、アナログ、デジタル、モノラル、RCA、ステレオ、IEEE-(1394)、シリアルバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、赤外線、PS/2、BNC、同軸、コンポーネント、コンポジット、デジタルビジュアルインターフェース(DVI)、高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI)、RFアンテナ、Sビデオ、VGA、IEEE802.n/b/g/n/x、ブルートゥース、セルラー(例えば、符号分割多元接続(CDMA)、高速パケットアクセス(HSPA+)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、WiMaxなど)などの通信プロトコル/方法を採用することができるが、これらに限定されない。
【0051】
I/Oインターフェース801を使用して、コンピュータシステム800は、1つ以上のI/Oデバイスと通信することができる。例えば、入力デバイス810は、アンテナ、キーボード、マウス、ジョイスティック、(赤外線)リモートコントロール、カメラ、カードリーダ、ファックス機、ドングル、バイオメトリックリーダ、マイクロフォン、タッチスクリーン、タッチパッド、トラックボール、スタイラス、スキャナ、記憶装置、トランシーバ、ビデオデバイス/ソースなどであり得る。出力デバイス811は、プリンタ、ファックス機、ビデオディスプレイ(例えば、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、プラズマ、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)など)、オーディオスピーカなどであり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム800は、通信ネットワーク809を介してサービスオペレータに接続される。プロセッサ802は、ネットワークインターフェース803を介して通信ネットワーク809と通信するように配置され得る。ネットワークインターフェース803は、通信ネットワーク809と通信することができる。ネットワークインターフェース803は、直接接続、イーサネット(例えば、ツイストペア10/100/1000ベースT)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、トークンリング、IEEE802.11a/b/g/n/xなどを含む接続プロトコルを採用することができるが、これらに限定されない。通信ネットワーク809は、直接相互接続、電子商取引ネットワーク、ピアツーピア(P2P)ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、(例えば、無線アプリケーションプロトコルを使用する)無線ネットワーク、インターネット、Wi-Fiなどを含むことができるが、これらに限定されない。ネットワークインターフェース803及び通信ネットワーク809を使用して、コンピュータシステム800は、1つ以上のサービスオペレータと通信することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、プロセッサ802は、ストレージインターフェース804を介してメモリ805(例えば、図7には示されていないRAM、ROMなど)と通信するように配置され得る。ストレージインターフェース804は、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)、統合ドライブエレクトロニクス(IDE)、IEEE-1394、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ファイバーチャネル、小型計算機システムインターフェース(SCSI)などの接続プロトコルを採用している、メモリドライブ、リムーバブルディスクドライブなどを含むが、これらに限定されないメモリ805に接続され得る。メモリドライブは、ドラム、磁気ディスクドライブ、磁気光学ドライブ、光学ドライブ、独立ディスク冗長アレイ(RAID)、ソリッドステートメモリデバイス、ソリッドステートドライブなどを更に含み得る。
【0054】
メモリ805は、ユーザインターフェース806、オペレーティングシステム807、ウェブサーバ808などを含むがこれらに限定されない、プログラム又はデータベースコンポーネントの集合を記憶することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム800は、本開示において説明するようなデータ、変数、記録などのユーザ/アプリケーションデータ806を記憶することができる。そのようなデータベースは、Oracle又はSybaseなどのフォールトトレラント、リレーショナル、スケーラブルで、セキュアなデータベースとして実装され得る。
【0055】
オペレーティングシステム807は、コンピュータシステム800のリソース管理及び動作を容易にし得る。オペレーティングシステムの例には、APPLE(登録商標)MACINTOSH(登録商標)OS X(登録商標)、UNIX(登録商標)、UNIXライクなシステムディストリビューション(例えば、BERKELEY SOFTWARE DISTRIBUTION(登録商標)(BSD)、FREEBSD(登録商標)、NETBSD(登録商標)、OPENBSDなど)、LINUX(登録商標)DISTRIBUTIONS(例えば、REDHAT(登録商標)、UBUNTU(登録商標)、KUBUNTU(登録商標)など)、IBM(登録商標)OS/2(登録商標)、MICROSOFT(登録商標)WINDOWS(登録商標)(XP(登録商標)、VISTA(登録商標)/7/8、10など)、APPLE(登録商標)IOS(登録商標)、GOOGLETM ANDROIDTM、BLACKBERRY(登録商標)OSなどであるが、これらに限定されない。
【0056】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム800は、ウェブブラウザ(図には示されていない)格納プログラムコンポーネントを実装し得る。ウェブブラウザは、MICROSOFT(登録商標)INTERNET EXPLORER(登録商標)、GOOGLETM CHROMETM、MOZILLA(登録商標)FIREFOX(登録商標)、APPLE(登録商標)SAFARI(登録商標)などのハイパーテキスト閲覧アプリケーションであり得る。セキュアなウェブブラウジングは、セキュアハイパーテキストトランスポートプロトコル(HTTPS)、セキュアソケットレイヤ(SSL)、トランスポートレイヤセキュリティ(TLS)などを使用して提供され得る。ウェブブラウザ808は、AJAX、DHTML、ADOBE(登録商標)FLASH(登録商標)、JAVASCRIPT(登録商標)、JAVA(登録商標)、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)などのファシリティを利用し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム800は、メールサーバ格納プログラムコンポーネントを実装し得る。メールサーバは、Microsoft Exchangeなどのインターネットメールサーバであり得る。メールサーバは、アクティブサーバページ(ASP)、ACTIVEX(登録商標)、ANSI(登録商標)C++/C#、MICROSOFT(登録商標)、.NET、CGI SCRIPTS、JAVA(登録商標)、JAVASCRIPT(登録商標)、PERL(登録商標)、PHP、PYTHON(登録商標)、WEBOBJECTS(登録商標)などのファシリティを利用し得る。メールサーバは、インターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP)、メッセージングアプリケーションプログラミングインターフェース(MAPI)、MICROSOFT(登録商標)Exchange、ポストオフィスプロトコル(POP)、シンプルメール転送プロトコル(SMTP)などの通信プロトコルを利用し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム800は、メールクライアント格納プログラムコンポーネントを実装し得る。メールクライアントは、APPLE(登録商標)MAIL、MICROSOFT(登録商標)ENTOURAGE(登録商標)、MICROSOFT(登録商標)OUTLOOK(登録商標)、MOZILLA(登録商標)THUNDERBIRD(登録商標)などのメール閲覧アプリケーションであり得る。
【0057】
更に、1つ以上のコンピュータ可読ストレージ媒体が、本発明と一致する実施形態を実装する際に利用され得る。コンピュータ可読ストレージ媒体とは、プロセッサ802によって読み取り可能な情報又はデータが記憶され得る任意のタイプの物理的メモリ805を指す。従って、コンピュータ可読ストレージ媒体は、本明細書で説明する実施形態と一致するステップ又はステージをプロセッサに実行させるための命令を含む、1つ以上のプロセッサによる実行のための命令を記憶し得る。「コンピュータ可読媒体」という用語は、有形のアイテムを含み、且つ搬送波及び過渡信号を除外し、即ち非一時的であると理解されるべきである。その例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ハードドライブ、コンパクトディスク(CD)ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、フラッシュドライブ、ディスク及び他の任意の公知の物理的ストレージ媒体を含む。
【0058】
一実施形態では、コンピュータシステム800は、リモートデバイス812を備え得る。コンピュータシステム800は、通信ネットワーク809を介してリモートデバイス812から第1のモデル104、第2のモデル105、及びデータセット103を受信し得る。
【0059】
「一実施形態(an embodiment)」、「実施形態(embodiment)」、「複数の実施形態(embodiments)」、「その一実施形態(the embodiment)」、「その複数の実施形態(the embodiments)」、「1つ以上の実施形態(one or more embodiments)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、及び「1つの実施形態(one embodiment)」という用語は、明示的に別段の定めがない限り、「本発明の1つ以上の(しかし全てではない)実施形態」を意味する。
【0060】
「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」という用語、及びそれらの変形は、明示的に別段の定めがない限り、「含むが、これらに限定されない」を意味する。
【0061】
アイテムの列挙されたリストは、明示的に別段の定めがない限り、アイテムのいずれか又は全てが相互に排他的であることを意味するものではない。「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という用語は、明示的に別段の定めがない限り、「1つ以上」を意味する。
【0062】
互いに通信するいくつかのコンポーネントを有する実施形態の説明は、全てのそのようなコンポーネントが必要とされることを意味するものではない。反対に、様々な任意のコンポーネントは、本発明の多種多様な可能な実施形態を例示するために説明される。
【0063】
単一のデバイス又は物品が本明細書で説明されている場合、単一のデバイス/物品の代わりに1つを超えるデバイス/物品(それらが協働するか否かに関わらず)が使用され得ることは、明らかであろう。同様に、1つを超えるデバイス又は物品が本明細書で説明される場合(それらが協働するか否かに関わらず)、単一のデバイス/物品が、1つを超えるデバイス若しくは物品の代わりに使用され得るか、又は異なる数のデバイス/物品が、図示した数のデバイス若しくはプログラムの代わりに使用され得ることは、容易に明らかであろう。デバイスの機能及び/又は特徴は、かかる機能/特徴を有するものとして明示的に説明されていない1つ以上の他のデバイスによって代替として具現化され得る。従って、本発明の他の実施形態は、デバイス自体を含む必要はない。
【0064】
図3及び図5の示された動作は、特定の事象が特定の順序で発生することを示している。代替実施形態では、特定の動作が、異なる順序で実行され、変更され、削除され得る。更に、上述したロジックにステップを追加され得、依然として上述した実施形態に適合する。更に、本明細書で説明した動作は、順次発生し得るか、又は特定の動作が並行して処理され得る。更に、動作は、単一の処理ユニットによって実行され得、又は分散処理ユニットによって実行され得る。
【0065】
最終的に、本明細書で使用される言語は、主に読みやすさ及び教示する目的のために選択されたものであり、本発明の主題を線引き又は制限するために選択されたものではない。従って、本発明の適用範囲は、この詳細な説明によってではなく、本明細書に基づく出願に関して発行される任意の特許請求の範囲によって限定されることを意図している。従って、本発明の実施形態の開示は、以下の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を例示することを意図しているが、限定することを意図しているものではない。
【0066】
様々な態様及び実施形態が本明細書で開示されてきたが、当業者には、他の態様及び実施形態が明らかであり得る。本明細書で開示された様々な態様及び実施形態は、例示を目的とするものであり、限定されることを意図しているものではなく、真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0067】
101 システム
102 カメラ
103 ECU
104 ディスプレイユニット
201 I/Oインターフェース
202 メモリ
203 プロセッサ
204 データ
205 画像データ
206 車両動作パラメータ
207 他のデータ
208 モジュール
209 通信モジュール
210 画像補正モジュール
211 画像合成モジュール
212 レンダリングモジュールオペレータ
213 他のモジュール
501、502、601、602 画像スライス
800 コンピュータシステム
801 I/Oインターフェース
802 プロセッサ
803 ネットワークインターフェース
804 ストレージインターフェース
805 メモリ
806 ユーザインターフェース
807 オペレーティングシステム
808 ウェブブラウザ
809 通信ネットワーク
810 入力デバイス
811 出力デバイス
812 リモートデバイス
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8
【国際調査報告】