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特表2024-533968構成要素の冷却を改善した材料試験システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】構成要素の冷却を改善した材料試験システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/02 20060101AFI20240910BHJP
   G01N 3/08 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G01N3/02 Z
G01N3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506719
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 US2022038992
(87)【国際公開番号】W WO2023014625
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/228,914
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/877,407
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス エイチ.ブラッドショー
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA01
2G061AA02
2G061AB01
2G061DA19
(57)【要約】
一例示の材料試験機は、第1のクロスヘッドと、作動されると第1のクロスヘッドを移動させるように構成される第1のドライブシャフトと、空気入口及び空気出口を備えるハウジングと、ハウジング内にあり、第1のドライブシャフトを作動させるように構成されるドライブモータと、電力をドライブモータに提供するように構成されるモータドライブ回路と、モータドライブ回路を冷却するように構成されるモータドライブ冷却システムとを備え、モータドライブ冷却システムは、ハウジングの空気入口からハウジングの空気出口への空気流を発生させるように構成される冷却ファンであって、空気出口の総表面積は、空気入口の総表面積よりも大きく、空気流の空気圧は、空気入口から空気出口に向かって減少するようになっている、冷却ファンと、空気入口と空気出口との間の空気流の経路を導くように構成されるダクトと、モータドライブ回路に熱的に結合され、ダクト内の空気流内に位置決めされるヒートシンクとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料試験機であって、
第1のクロスヘッドと、
作動されると前記第1のクロスヘッドを移動させるように構成されている第1のドライブシャフトと、
空気入口及び空気出口を備えるハウジングと、
前記ハウジング内のドライブモータであって、前記第1のドライブシャフトを作動させるように構成されているドライブモータと、
前記ドライブモータに電力を提供するように構成されているモータドライブ回路と、
前記モータドライブ回路を冷却するように構成されているモータドライブ冷却システムであって、
前記ハウジングの前記空気入口から前記ハウジングの前記空気出口への空気流を発生させるように構成されている冷却ファンであって、前記空気流の空気圧が前記空気入口から前記空気出口に向かって減少するように、前記空気出口の総表面積が前記空気入口の総表面積よりも大きい、冷却ファンと、
前記空気入口と前記空気出口との間の前記空気流の経路を導くように構成されているダクトと、
前記モータドライブ回路に熱的に結合され、前記ダクト内の前記空気流内に位置決めされている、ヒートシンクと、
を備えるモータドライブ冷却システムと、
を備える、材料試験機。
【請求項2】
前記空気入口は、前記空気入口の下から空気を吸い込むように下向きに位置決めされている、請求項1に記載の材料試験機。
【請求項3】
前記ダクトは、前記ハウジングの内部の残り部分に対してシールされていない、請求項1に記載の材料試験機。
【請求項4】
前記空気入口及び前記空気出口は、0度と135度との間の角度で方向付けられている、請求項1に記載の材料試験機。
【請求項5】
前記冷却ファンは、前記空気入口を通して空気を吸い込むように前記空気入口に直接隣接して位置決めされている、請求項1に記載の材料試験機。
【請求項6】
前記モータドライブ回路は、1つ以上の熱伝導層を介して前記ヒートシンクに物理的に接続されている、請求項1に記載の材料試験機。
【請求項7】
前記1つ以上の熱伝導層は、前記ダクトを含む、請求項6に記載の材料試験機。
【請求項8】
前記ダクトは、前記ハウジング内の前記モータドライブ回路を物理的に支持するように構成されている、請求項1に記載の材料試験機。
【請求項9】
前記第1のクロスヘッド、前記第1のドライブシャフト、及び前記ドライブモータは、前記第1のクロスヘッドに結合された試料に対して、圧縮強さ試験、引張強さ試験、せん断強さ試験、曲げ強さ試験、撓み強さ試験、引裂強さ試験、剥離強さ試験、又はねじり強さ試験のうちの少なくとも1つを実行するように構成されている、請求項1に記載の材料試験機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
本開示は、包括的には、材料試験に関し、より詳細には、構成要素の冷却を改善した材料試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
万能試験機は、機械試験、例えば、材料又は構成要素に対して圧縮強さ試験又は引張強さ試験を実行するのに用いられる。そのような試験機は、多量の電力又はトルクを生成するモータ及び電気モータ駆動回路を使用することができる。したがって、電気モータ駆動回路は、動作中にかなりの熱を発生させる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
概要
構成要素の冷却を改善した材料試験システムは、実質的に図面のうちの少なくとも1つによって図示されるとともにその図に関して説明され、特許請求の範囲においてより完全に明記されるように開示される。
【0004】
図面の簡単な説明
本開示のこれらの特徴、態様、及び利点並びに他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付図面を参照して読まれるとより良好に理解され、図面を通して同様の参照符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の態様による、機械特性試験を実行する一例示の試験デバイスの図である。
【0006】
図2図1の試験デバイスの一例示の実施態様のブロック図である。
【0007】
図3図1及び図2の試験デバイスの構成要素の一例示のハウジングの一部を示す図である。
【0008】
図4図3のハウジング内に設置される一例示のモータ駆動回路及びモータ駆動回路冷却システムを示す図である。
【0009】
図5】モータ駆動回路冷却システムを通る一例示の空気流を示す、図4の例示のモータ駆動回路冷却システムの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0011】
従来の材料試験システムは、かなりの熱を生成する高出力サーボモータドライブ又は電力増幅器等のエレクトロニクスを備える。また、そのようなエレクトロニクスは、種々のタイプの塵埃、粒子、及び/又は他の空中の汚染物質の導入に対して敏感であり得る。冷却システムのシールにより、そのような塵埃又は粒子が冷却システムからエレクトロニクスを収容する体積に進入することを防止することができるが、そのようなシールは高価であり得る及び/又は設計複雑度を導入し得る。
【0012】
開示される例示の材料試験システムは、冷却システムからエレクトロニクスへの塵埃又は汚染物質の導入を低減又は排除しながら、冷却システムのシールを必要とすることなく、熱を発生させる構成要素を冷却する強制空冷システムを備える。開示される例示の材料試験システムにおいて、冷却システムは、ハウジングに取り付けられるダクトを備え、ダクトは、ハウジング内の空気入口とハウジング内の空気出口との間の冷却経路を画定する。いくつかの例において、空気入口は、塵埃及び汚染物質が空気入口内に容易に沈着し得ないように下向きであり、空気入口は、塵埃が空中にない限りは塵埃を収集する可能性が低い。金属スケール及び/又は導電性ファイバ等の、電子部品にとって最も問題となる塵埃又は汚染物質は、概して重く、下向きに沈着する傾向がある。開示される例の下向きの空気入口により、より重い塵埃又は粒子が空気入口内に吸い込まれることが低減又は防止される。
【0013】
開示される例において、表面積は空気入口よりも空気出口のほうが大きい。表面積の増大により、空気入口から空気出口への空気流経路において、圧力上昇ではなく圧力降下が生じる。圧力降下により、空気入口に進入する塵埃は、ダクトがシールされていない場合、ダクトにおけるシールされていない間隙を通してよりも、排気から容易に抜け出ることになる。
【0014】
開示される例示の材料試験システムは、冷却対象の電子部品に熱的に結合されるヒートシンクを更に備え、冷却システム内のヒートシンクにわたる空気流経路は、熱伝導ダクト内に被包される。熱伝導ダクトは、空気流経路がシステムの電子部品の残り部分から実質的に隔離されるように配置することができるため、取入口内に偶然吸い込まれる空中の塵埃は、材料試験システムの他の構成要素に接触することなく、排気から無害に排出される。
【0015】
開示される例示の材料試験システムは、モータドライブ回路の冷却に関して以下に説明される。しかしながら、本開示に開示される例示の冷却システムを使用して、同様に又は代替的に、材料試験システムのハウジング又はフレームへの塵埃又は汚染物質の進入を制限しながら、他の回路を冷却することができる。
【0016】
本開示において使用される場合、「クロスヘッド」は、方向のある力(軸方向力)及び/又は回転力を試料に印加する材料試験システムの構成要素を指す。材料試験システムは、1つ以上のクロスヘッドを有することができ、クロスヘッド(単数又は複数)は、材料試験システムにおいて任意の適切な位置及び/又は方位に配置することができる。
【0017】
開示される例示の材料試験機は、第1のクロスヘッドと、作動されると第1のクロスヘッドを移動させるように構成される第1のドライブシャフトと、空気入口及び空気出口を備えるハウジングと、ハウジング内にあり、第1のドライブシャフトを作動させるように構成されるドライブモータと、電力をドライブモータに提供するように構成されるモータドライブ回路と、モータドライブ回路を冷却するように構成されるモータドライブ冷却システムとを備え、モータドライブ冷却システムは、ハウジングの空気入口からハウジングの空気出口への空気流を発生させるように構成される冷却ファンであって、空気出口の総表面積は、空気入口の総表面積よりも大きく、空気流の空気圧は、空気入口から空気出口に向かって減少するようになっている、冷却ファンと、空気入口と空気出口との間の空気流の経路を導くように構成されるダクトと、モータドライブ回路に熱的に結合され、ダクト内の空気流内に位置決めされるヒートシンクとを備える。
【0018】
いくつかの例示の材料試験機において、空気入口は、空気入口の下から空気を吸い込むように下向きに位置決めされる。いくつかの例示の材料試験機において、ダクトは、ハウジングの内部の残り部分に対してシールされない。いくつかの例示の材料試験機において、空気入口及び空気出口は、0度と135度との間の角度で方向付けられる。
【0019】
いくつかの例示の材料試験機において、冷却ファンは、空気入口を通して空気を吸い込むように空気入口に直接隣接して位置決めされる。いくつかの例示の材料試験機において、モータドライブ回路は、1つ以上の熱伝導層を介してヒートシンクに物理的に接続される。いくつかの例示の材料試験機において、1つ以上の熱伝導層は、ダクトを含む。
【0020】
いくつかの例示の材料試験機において、ダクトは、ハウジング内のモータドライブ回路を物理的に支持するように構成される。いくつかの例示の材料試験機において、第1のクロスヘッド、第1のドライブシャフト、及びドライブモータは、第1のクロスヘッドに結合された試料に対して、圧縮強さ試験、引張強さ試験、せん断強さ試験、曲げ強さ試験、撓み強さ試験、引裂強さ試験、剥離強さ試験、又はねじり強さ試験のうちの少なくとも1つを実行するように構成される。
【0021】
図1は、機械特性試験を実行する一例示の材料試験システム100を示している。例示の材料試験システム100は、例えば、静止機械試験が可能である万能試験システムとすることができる。材料試験システム100は、例えば、圧縮強さ試験、引張強さ試験、せん断強さ試験、曲げ強さ試験、撓み強さ試験、引裂強さ試験、剥離強さ試験(例えば、接着剤結合の強さ)、ねじり強さ試験、及び/又は他の任意の圧縮及び/又は引張試験を実行することができる。加えて又は代替的に、材料試験システム100は、動的試験を実行することができる。
【0022】
例示の材料試験システム100は、試験装置102と、試験装置102に通信可能に結合されたコンピューティングデバイス104とを備える。試験装置102は、試験対象材料106に負荷を印加し、試験対象材料106の変位及び/又は試験対象材料106に印加された力等の試験の機械特性を測定する。例示の試験装置102は、デュアルカラム装置として示されているが、シングルカラム試験装置等の他の装置も使用することができる。
【0023】
例示のコンピューティングデバイス104は、試験装置102を構成し、試験装置102を制御し、及び/又は、処理、表示、報告、及び/又は他の任意の所望の目的で、試験装置102から測定データ(例えば、力及び変位等のトランスデューサ測定値)及び/又は試験結果(例えば、ピーク力、破断変位(break displacement)等)を受信するのに用いることができる。
【0024】
図2は、図1の材料試験システム100の一例示の実施態様のブロック図である。図2の例示の材料試験システム100は、試験装置102と、コンピューティングデバイス104とを備える。例示のコンピューティングデバイス104は、汎用コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス、サーバ、オールインワンコンピュータ、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスとすることができる。
【0025】
図2の例示のコンピューティングデバイス104は、プロセッサ202を備える。例示のプロセッサ202は、任意の製造者からの任意の汎用中央処理装置(CPU:central processing unit)とすることができる。他のいくつかの例では、プロセッサ202は、ARMコアを有するRISCプロセッサ、画像処理装置、デジタル信号プロセッサ、及び/又はシステムオンチップ(SoC)等の1つ以上の専用処理装置を含むことができる。プロセッサ202は、プロセッサにおいて(例えば、内蔵キャッシュ又はSoCに)、ランダムアクセスメモリ206(又は他の揮発性メモリ)に、リードオンリメモリ208(又はフラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリ)に、及び/又はマスストレージデバイス210にローカルに記憶することができる機械可読命令204を実行する。例示のマスストレージデバイス210は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージドライブ、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとすることができる。
【0026】
バス212は、プロセッサ202、RAM206、ROM208、マスストレージデバイス210、ネットワークインターフェース214、及び/又は入力/出力インターフェース216間の通信を可能にする。
【0027】
例示のネットワークインターフェース214は、コンピューティングデバイス104を、インターネット等の通信ネットワーク218に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース214は、通信を送信及び/又は受信するために、IEEE 202.X準拠無線及び/又は有線通信ハードウェアを含むことができる。
【0028】
図2の例示のI/Oインターフェース216は、プロセッサ202に入力を提供する及び/又はプロセッサ202から出力を提供するために、1つ以上の入力/出力デバイス220をプロセッサ202に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、I/Oインターフェース216は、ディスプレイデバイスとインターフェース接続する画像処理装置、1つ以上のUSB準拠デバイスとインターフェース接続するユニバーサルシリアルバスポート、FireWire、フィールドバス、及び/又は他の任意のタイプのインターフェースを含むことができる。例示の材料試験システム100は、I/Oインターフェース216に結合されたディスプレイデバイス224(例えば、LCDスクリーン)を備える。他の例示のI/Oデバイス(単数又は複数)220は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、ポインティングデバイス、マイクロフォン、オーディオスピーカ、ディスプレイデバイス、光メディアドライブ、マルチタッチタッチスクリーン、ジェスチャー認識インターフェース、磁気メディアドライブ、及び/又は他の任意のタイプの入力及び/又は出力デバイスを含むことができる。
【0029】
例示のコンピューティングデバイス104は、I/Oインターフェース216及び/又はI/Oデバイス(単数又は複数)220を介して非一時的機械可読媒体222にアクセスすることができる。図2の機械可読媒体222の例は、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気メディア(例えば、フロッピーディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又はインストール済み機械可読媒体を含む。
【0030】
図1の例示の材料試験システム100は、コンピューティングデバイス104に結合された試験装置102を更に含む。図2の例では、試験装置102は、USBポート、Thunderboltポート、FireWire(IEEE 1394)ポート、及び/又は他の任意のタイプのシリアル又はパラレルデータポート等のI/Oインターフェース216を介して、コンピューティングデバイスに結合される。他のいくつかの例では、試験装置102は、直接又はネットワーク218を介して、有線又は無線接続(例えば、Ethernet、Wi-Fi等)を介してネットワークインターフェース214及び/又はI/Oインターフェース216に結合される。
【0031】
図2の試験装置102は、フレーム228と、ロードセル230と、変位トランスデューサ232と、クロスメンバローダ234と、材料固定具236と、制御プロセッサ238と、モータドライブ回路部240とを備える。フレーム228は、試験を実行する試験装置102の他の構成要素の剛性構造支持を提供する。ロードセル230は、グリップ236を介して、クロスメンバローダ234によって試験対象材料に印加された力を測定する。クロスメンバローダ234は、試験対象材料に力を印加し、一方、材料固定具236(グリップとも称する)は、試験対象材料を把持するか、又は別の方法で試験対象材料をクロスメンバローダ234に結合する。例示のクロスメンバローダ234は、モータ242(又は他のアクチュエータ)及びクロスヘッド244を備える。クロスヘッド244は、材料固定具236をフレーム228に結合し、モータ242は、クロスヘッドをフレームに対して移動させて材料固定具236を位置決めし、及び/又は、試験対象材料に力を印加する。材料試験システム100の構成要素の力及び/又は運動を与えるのに使用することができる例示のアクチュエータは、電気モータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、圧電アクチュエータ、リレー、及び/又はスイッチを含む。モータドライブ回路部240は、制御入力及び/又はパラメータに基づいて電力をモータ242に提供するように、制御プロセッサ238によって制御される。
【0032】
例示のグリップ236は、試験されている機械特性及び/又は試験対象材料に応じて、圧縮プラテン、顎部又は他のタイプの固定具を含む。グリップ236は、手動で構成することもできるし、手動入力を介して制御することもできるし、及び/又は制御プロセッサ238によって自動的に制御することもできる。クロスヘッド244及びグリップ236は、オペレータアクセス可能構成要素である。
【0033】
例示の制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス104と通信して、例えば、コンピューティングデバイス104から試験パラメータを受信し、及び/又は測定値及び/又は他の結果をコンピューティングデバイス104に報告する。例えば、制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス104との通信を可能にする1つ以上の通信又はI/Oインターフェースを含むことができる。制御プロセッサ238は、印加される力を増減させるようにクロスメンバローダ234を制御し、試験対象材料を把持又は解放するように固定具(単数又は複数)236を制御し、及び/又は変位トランスデューサ232、ロードセル230及び/又は他のトランスデューサから測定値を受信することができる。
【0034】
図2の例示の材料試験システム100は、オペレータ制御パネル上に配置されるボタン、スイッチ、及び/又は他の入力デバイスを含む、1つ以上の制御パネル250を更に備えることができる。例えば、モードスイッチ254は、クロスヘッド244をフレーム228上の特定の位置にジョグさせる(例えば、位置決めする)ようにモータ242を制御するボタン、及び/又は空気圧グリップ248を開閉するようにグリップアクチュエータ246を制御するスイッチ(例えば、フットスイッチ)、及び/又は材料試験のパラメータを選択する他の入力デバイスを含むことができる。
【0035】
例示のモータ242は、1つ以上のドライブシャフト252を介してクロスヘッド244に接続される。モータ242は、例えば、クロスヘッド244を昇降させるように、モータドライブ回路部240によって提供された電力に基づいて、ドライブシャフト252を作動させる。クロスヘッド244は、力を試料に制御された方式で印加する1つ以上の他のシャフト又は構造によって更に安定させることができる。
【0036】
図3は、図1及び図2の試験システム100の構成要素の一例示のハウジング300の一部を示している。例示のハウジング300は、図2のフレーム228の全て又は一部、及び/又は試験システム100の他の任意のフレーム若しくはハウジングを実装することができる。例示のハウジングは、空気入口302及び空気出口304を備える。空気入口302は、空気入口302に隣接して装着される取込み冷却ファンを有するようなサイズ及び/又は形状とすることができる。
【0037】
図3に示されているように、空気出口304は、空気入口302よりも大きい表面積を有する。取込み冷却ファンが空気入口302に隣接して位置決めされ、空気入口302から空気出口304に表面積が増大する結果として、空気流の加圧が空気入口302から空気出口304に向かって降下する。空気入口302及び空気出口304は、図3の例においては90度の角度で構成される。しかしながら、空気入口及び空気出口304は、0度(例えば、空気出口もハウジング300に対して下向きである)と135度との間の任意の角度で配置することができる。
【0038】
図4は、図3のハウジング300内に設置される一例示のモータ駆動回路400及びモータ駆動回路冷却システム402を示している。図5は、モータ駆動回路冷却システム402を通る一例示の空気流を示す、図4の例示のモータ駆動回路冷却システム402の側断面図である。例示のモータ駆動回路400は、1つ以上のモータ242及び/又は他のアクチュエータを駆動するように図2のモータドライブ回路部240を実装することができる。
【0039】
図4及び図5に示されているように、モータ駆動回路冷却システム402は、ダクト404を備え、ダクト404は、ハウジング300と組み合わせて、空気入口302から空気出口304へと空気流406を導く。図4及び図5の例において、ダクト404は、ハウジング300に対してシールされない、又は完全にはシールされない。冷却ファン408は、空気入口302に隣接してハウジング300に取り付けられ又は装着され、空気を空気入口302内に引き込んで空気流406を発生させる。
【0040】
ヒートシンク410が、ダクト404内に装着され、空気流406がヒートシンク410を冷却するように導かれる。ヒートシンク410は、ダクト404を介してモータ駆動回路400に熱的に結合される。ダクト404及び/又はモータ駆動回路400のハウジングは、アルミニウム、銅、又は他の任意の熱伝導材料等の熱伝導材料を使用して構築される。いくつかの例において、モータ駆動回路400とヒートシンクとの間に追加の熱伝導層が存在することができる。熱伝導層は、ダクト404と直列結合することができ、及び/又はダクト404への並列熱経路を提供することができる。図4及び図5の例において、ダクト404は、モータ駆動回路400及びヒートシンク410に対して少なくとも部分的な構造的支持を提供し、モータ駆動回路400は、ダクト404を介して熱をヒートシンク410に伝達する。モータ駆動回路400は、ハウジング300によって少なくとも部分的に支持することもできる。
【0041】
図5に示されているように、ハウジング300は、下向きの空気入口302とハウジング300が配置される表面との間の間隙を提供する足部502又は他の間隔構造を備える。足部502により、冷却ファン408を介して空気入口302を通して適度な空気を吸い込むことが可能になる。いくつかの例において、足部502は、空気入口302と上記表面との間の十分な間隙をもたらし、空気入口流504(例えば、冷却ファン408によってもたらされる流れ)は、金属スケール及び/又は伝導性ファイバ等の問題となる汚染物質を上記表面から空気入口302内に吸い込み得ない又は吸い込む可能性が低い。
【0042】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本開示に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本開示に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本開示に記載したようなプロセスを実施させる。本開示において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0043】
本開示において使用される場合、「回路」及び「回路部」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本開示において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本開示において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本開示において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本開示において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本開示において使用される場合、回路部は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路部はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0044】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】