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▶ ネーデルランドセ・オルガニサティ・フォール・トゥーヘパスト−ナトゥールウェテンスハッペライク・オンデルズーク・テーエヌオーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】閉鎖型セル圧力センサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/02 20060101AFI20240910BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61F 13/00 20240101ALI20240910BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G01L1/02
A61B5/00 101N
A61F13/00 Z
G01L5/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506773
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 NL2022050458
(87)【国際公開番号】W WO2023014223
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】21189909.1
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】511095850
【氏名又は名称】ネーデルランドセ・オルガニサティ・フォール・トゥーヘパスト-ナトゥールウェテンスハッペライク・オンデルズーク・テーエヌオー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エドガー・コンスタント・ピーテル・スミッツ
(72)【発明者】
【氏名】ヘラルドゥス・ティトゥス・ファン・ヘク
【テーマコード(参考)】
2F051
4C117
【Fターム(参考)】
2F051AA17
4C117XB01
4C117XC11
4C117XD13
4C117XD14
4C117XE13
4C117XE24
4C117XE27
(57)【要約】
本開示は、外力を測定するためのシステム(100)に関する。システムは、外力の関数として変形する少なくとも可撓性壁(3)を有する閉鎖ポケット(2)のセットを形成する基板(1)と、ポケット内の圧力(P)の関数として電気信号の変動を引き起こすように構成された、封入されたMEMSデバイス4とを備える。可撓性壁には、外力の存在下でポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状が設けられ、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外力(F)を測定するためのシステム(100)であって、前記システムが、
閉鎖ガス充填ポケットのセットを形成する、1つまたは複数のエラストマ組成物から構成された可撓性基板(1)であって、各ポケット(2)が、前記外力の関数として変形する少なくとも可撓性壁(3)を有する、可撓性基板(1)と、
それぞれのポケット内の圧力(P)の関数として電気信号(S)の変動を引き起こすように各々が構成されたMEMSデバイス(4)のセットと
を備え、前記可撓性壁には、前記外力の存在下で前記ポケット内の前記圧力を増加させるために前記ポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状が設けられ、前記外力の不在下で前記外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられ、前記弾性手段が、前記外力の不在下で前記外側に突出した形状を回復するように構成された形状回復弾性組成物(C)を含む前記可撓性壁によって提供される、
システム(100)。
【請求項2】
前記可撓性基板(1)が、前記可撓性壁(3)を含む前記可撓性基板の感知層(10)を形成する第1のシート(9)と、前記感知層の反対側のベース層(12)を形成する第2のシート(11)とを含む2つ以上の熱可塑性エラストマシートのスタック(8)を備え、それによって、前記ポケット(2)が前記感知層と前記ベース層との間に形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記2つ以上の熱可塑性エラストマシートが、前記感知層と前記ベース層との間に、前記ポケットを横方向に境界付け、ポケットを、隣接するポケットから分離する側壁(14w)を形成する直立壁構造を有するスペーサ構造(14)を形成する構造化中間シート(13)を含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ポケット(2)が、主容積(6)であって、前記主容積(6)から側方に突出する隣接容積(7)に流体連通する主容積(6)を備え、前記可撓性壁における前記外側に突出した形状が、前記主容積の上方にのみ形成され、前記MEMSデバイスが、少なくとも部分的に、好ましくは完全に前記隣接容積内に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の前記隣接容積(7)が、請求項3に記載の前記ポケットの前記側壁において形成される、請求項1から4のいずれ一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムが、前記閉鎖ポケット(2)の外側に配置された基準圧力センサ(49)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記外側に突出した形状の外面の大部分が、前記ベース層(12)に沿って実質的に平行に延在する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記可撓性基板(1)が、1つまたは複数の熱可塑性エラストマ組成物から構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムが、外部デバイス、好ましくはモバイルデバイスとのペアリング時に、前記外部デバイスから基準圧力を受信するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムが、前記MEMSデバイス(4)のセットの遠隔読み出しのための電子機器(60)と、前記MEMSデバイスのセットの誘導電力供給のためのレシーバとを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
アレイにおいて配置された複数のポケット(2)であって、前記システムに作用する全体的に加えられた外力が、前記アレイにおいて配置された前記ポケットの個々のポケットに作用する複数の外力として分散されるように、各ポケットが前記アレイ内の隣接するポケットから離間される、複数のポケット(2)を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシステムの少なくとも第1のシステム(100a)および第2のシステム(100b)の層状スタック(201、202)を備えるアセンブリ(200)であって、第1の層(201)内に含まれる前記ポケット(2a)が、前記スタックの第2の層(202)内に含まれる前記ポケット(2b)に対して横方向にシフトされるように前記層が配置される、アセンブリ(200)。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシステムまたは請求項12に記載のアセンブリを備える衣料製品(300)。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム(100)または請求項12に記載のアセンブリを備える診断製品(400)。
【請求項15】
前記製品が、圧迫包帯(401)、寝具製品(402)、座席製品、または圧迫包帯(401)、寝具製品(402)、もしくは座席製品のための下敷きである、請求項14に記載の診断製品。
【請求項16】
身体部分、例えば、四肢と、それに適用される包帯との間の圧力を、前記包帯の適用中および/または適用後に監視する方法であって、前記方法が、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム(100)、請求項12に記載のアセンブリ(200)、または請求項15に記載の下敷きを前記身体部分と前記包帯との間に配置するステップと、前記システムの少なくとも1つのMEMSデバイスの電子信号(S)出力を時間の関数として監視するステップとを含む、方法。
【請求項17】
前記信号が指定された圧力範囲外の圧力に対応するかどうかを判定するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記指定された圧力範囲が、10~70mbar、好ましくは13.33~66.67mbarである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
閉鎖ガスポケットのセットの個々の閉鎖ガスポケット内に含まれるそれぞれのMEMSデバイスの複数の電気信号(S)出力を監視するステップを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
外力を測定するためのシステム(100)を製造する方法(500)であって、
熱可塑性エラストマ組成物を含むシート(9)に沿う回路のための導電性配線(5)を印刷し(501)、MEMSデバイス(4)を前記回路に接続するステップ(502)と、
外側に突出した形状を形成するために、熱可塑性エラストマ組成物を含む第2のシート(11)を熱成形するステップ(503)と、
外側に突出した形状を有する閉鎖ポケット(2)を形成するために、互いに重なり合って配置された前記シート(8、9)を積層するステップであって、前記ポケットが前記MEMSデバイスを封入する、ステップと
を含む、方法(500)。
【請求項21】
前記第1のシート(9)と前記第2のシート(11)との間に熱可塑性エラストマ組成物を含む中間シート(13)が積層され、前記中間シート(13)が、前記ポケット(2)の主容積(6)および隣接容積(7)に応じた位置において開口部(6a、7a)を含むようにパターン化され、それによって、前記突出した形状が前記主容積の上方のみにあり、前記MEMSデバイスが、少なくとも部分的に前記隣接容積内に配置される、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、外力を測定するための力センサおよびシステムに関する。より具体的には、本開示は、外力に応答して圧力の変化を決定するための密閉型圧力センサを有する、外力の関数として変形する、外側に突出した形状を有する少なくとも可撓性壁を有する閉鎖ポケットのセットを形成する基板、好ましくは可撓性基板を備えるシステムに関する。加えて、本開示は、前記システムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
身体部分に対してまたは身体部分によって加えられる力および/または圧力を測定する多くの理由が存在する。医療および診断の分野において、用途は、外的な圧力または力、例えば分布を測定することを含む。
【0003】
既知の測定モードは、歪みゲージ、ロードセル、および歪みゲージに基づくデジタルマノメータなどのマノメータなど、従来の圧力センサおよび力センサを含む。そのようなセンサは、一般的に正確であるが、かさばり、小型化が困難であり、典型的には高価である。
【0004】
微小電気機械システム(MEMS)ベースの圧力センサは、最近、空気圧を測定するための低コストの代替品として受け入れられている。MEMSデバイス内に含まれるような、その上に読み出し電子装置が配置された可撓性膜、例えば、バックエッチングされたシリコン膜は、空気圧の監視に高い精度を提供するが、一般に、外力からの直接接触に耐えるには脆弱すぎる。加えて、MEMS圧力センサは、典型的には、非常に局所的にのみ測定する。
【0005】
WO9736156A1は、エアパック型接触圧力測定方法およびシステムとして知られるものを開示している。このシステムは、膨張可能なセンサポーチを含む。出口圧力は、気圧センサによって測定される。EP2873368A1Aは、同様の原理に基づく、膨張可能なセンサポーチを含む睡眠監視のための寝具類用のデバイスを開示している。不利なことに、そのようなシステムは、ポーチを膨張させるために外部ポンプおよび/または空気圧チューブを必要とし、システムを高価にし、重くし、および/または使用するのに扱いにくくする。定期的または継続的な再膨張がなければ、ポーチの収縮は、典型的には1分または2分未満の短い動作寿命、および/またはシステム性能の低下を意味する。
【0006】
CN105606265は、義肢またはロボットハンドにおけるグリップ感知用の液圧伝導ベースの可撓性タッチセンサに関する。このセンサは、金属台座と、外部から加えられた圧力を感圧ユニットに伝達する複数の隔離された密封オイル充填空洞とを備える。
【0007】
米国特許出願公開第2017009064号は、圧力センサを取り囲むドーム状のゴム部材によってカプセル化された取付基板上のMEMSベースの圧力センサを含むカプセル型圧力センサを開示している。開示された剛性支持基板、MEMSベースの圧力センサ、およびゴムドームの組合せは、スタイラスまたはロボットグリップアームと外部表面との間の単一の接触点において加えられた力を感知することを可能にする。
【0008】
閉鎖型セルの対向する面を境界付けるポリマー膜に沿って電極が設けられた、例えば、抵抗または容量ベースの可撓性センサは、従来の圧力センサに代わるコスト効率的でスケーラブルな代替品を提供する。しかしながら、欠点は、線形性、感度、および/または精度の低下を含み、これらは、電極の粘弾性変形、ならびに/または加えられた力の方向および位置に対する応答の一般的な依存性に関連していると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第97/36156号
【特許文献2】欧州特許出願公開第2873368号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第105606265号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2017/009064号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の態様は、外力を測定するためのシステムに関する。システムは、閉鎖ポケットのセットを形成する可撓性基板を備え、各ポケットは、外力の関数として変形する少なくとも1つの可撓性壁を有する。システムは、それぞれのポケット内の圧力の関数として電気信号の変動を引き起こすように各々が構成されたMEMSデバイスのセットをさらに備える。電気信号の変動は、限定はしないが、電気抵抗の変化、静電容量の変化、および/またはインダクタンスの変化などの、MEMSデバイス内に含まれる電気回路の応答として理解されることが可能である。有利には、可撓性壁には、外力の存在下でポケット内の圧力を増加させるためにポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状が設けられ、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられる。加えて、ポケット内に流体が提供される。したがって、外力の存在下の流体の静水圧の結果としての電気信号と、外力の不在下の信号との間の差は、外力に相関する。突出した形状は、有利には、例えば、デバイスに接近または接触する物体および/または変化する環境圧力との相互作用のための、最も外側の接触点として機能することができる。形状がポケットに対して突出しているので、特に、センサ応答が、入ってくる力がポケットを押す角度および/または位置に依存することが判明した、平面の可撓性壁によって境界付けられたポケットを備える力センサと比較して、ポケットに入ってくる力の方向の影響が低減される。
【0011】
好ましい実施形態において、弾性手段は、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された形状回復弾性組成物を含むか、または形状回復弾性組成物から実質的に構成された可撓性壁によって提供される。可撓性壁によって弾性手段を提供することは、有利には、追加の手段、例えば、ばねなどの外部手段なしで、外力の不在下で、突出した形状を復元し、ポケット壁を静止状態に復元することを可能にする。
【0012】
したがって、弾性手段は、増加した圧力に長時間さらされた後でも、例えば、壁内の介在性の細孔を介した部分的な収縮によるポケットの変形を軽減する。対照的に、従来のエアパックは、使用後に初期状態に再膨張/回復するための外部手段を必要とする。
【0013】
好ましくは、可撓性基板は、熱可塑性エラストマ組成物などのエラストマ組成物を含むか、またはエラストマ組成物から実質的に構成される。可撓性基板は、1つまたは複数の熱可塑性エラストマ組成物から構成され得る。有利には、エラストマ組成物から構成される可撓性基板は、基板と、理想的にはシステムとを、対象物体、例えば、身体部分などの可撓性またはエラストマ物体の外周に適合させることを可能にする。
【0014】
好ましくは、可撓性壁は、システムの約25℃の通常動作温度において実質的にエラストマ特性を有し、通常の動作温度範囲を十分に超える温度において熱可塑性特性を有する熱可塑性エラストマ組成物を含むか、または熱可塑性エラストマ組成物から実質的に形成される。以下でより詳細に説明するように、通常動作範囲内の温度において実質的にエラストマ特性を有し、通常動作範囲を十分に超える温度において熱可塑性特性を有する組成物の使用は、デバイスの製造可能性を改善する。
【0015】
別のまたはさらに好ましい実施形態において、外側に突出した形状の外面の大部分は、ベース層と実質的に平行な方向に延在する。実質的に平行とは、±10°未満、好ましくは±5°未満、より好ましくは±2°未満の平行構成からの偏差を含むと考えられる。平行部分は、形状の全外面面積の80%を超え、好ましくは85%を超え、またはさらにより好ましくは90%を超える。実質的に平坦な接触領域を提供することによって、外側に突出した形状に加えられる外力は、例えば、ドーム形状の突出部における点接触と比較して、より大きい相互作用領域にわたって分散され得る。これは、外側に突出した形状がより均一に撓むことを可能にし、センサによって感知される、結果として生じる圧力に対する材料の機械的特性の影響を軽減し、それによって、受信される圧力読み取り値の精度/線形性を改善する。
【0016】
非常に好ましい実施形態において、ポケットは、主容積から側方に突出する隣接容積に流体連通する主容積を備え、可撓性壁における外側に突出した形状は、主容積の上方にのみ形成され、MEMSデバイスは、少なくとも部分的に、好ましくは完全に隣接容積内に配置される。MEMSデバイスを少なくとも部分的に、好ましくは完全に、突出した形状の下方の主容積から離れた側方に突出した容積内に配置することは、使用中、例えば、突出した形状の内側に撓む部分との直接接触により、MEMSデバイスを保護する。突出した形状の内側に撓む部分とMEMSデバイスとの間の接触を回避することは、エンドユーザが突出した形状を、例えば、指で押下するときの触覚体験を改善する。MEMSデバイスと突出した形状との間の接触を回避することは、例えば、突出した形状の複雑なまたは最大限の内側への沈下中、MEMSデバイスへの潜在的な接触損傷を軽減する。
【0017】
他のまたはさらに好ましい実施形態において、基板は、2つ以上のシートのスタックを備えるか、または2つ以上のシートのスタックから実質的に形成され、好ましくは、可撓性材料の各々は、可撓性壁を含む基板の感知層を形成する第1のシートと、感知層の反対側のベース層を形成する第2のシートとを含み、それによって、ポケットは、感知層とベース層との間に形成される。可撓性材料、例えば、エラストマ材料の基板を形成することは、基板を対象物体、例えば、身体部分などの可撓性またはエラストマ物体の外周に適合させることを可能にする。
【0018】
好ましくは、スタックは、感知層とベース層との間に直立壁構造を有するスペーサ構造を形成する構造化中間シートを含む。壁構造は、有利には、ポケットを横方向に境界付け、ポケットを隣接するポケットから分離する側壁を形成する。ポケットを横方向に境界付ける直立壁構造を画定するスペーサ構造を設けることは、突出した形状の内側への撓みのための追加の範囲を提供する。突出した形状の内側への撓みのための範囲を増加させることは、ポケットの対向する壁間の偶発的な接触をさらに軽減する。好ましい実施形態において、スペーサ構造は、各々が個々のポケットを横方向に境界付ける直立壁構造を画定する横方向に分離された開口部または切り抜きの構造を含むようにパターン化された1つまたは複数のシート、好ましくは単一のシートから形成される。代替的には、スペーサ構造は、付加製造方法によって形成され得る。さらに代替的には、突出した形状を有する感知最上層は、ベース層に接着または直接接続、例えば、接合され得、それによって、個々のポケットは、ポケットの周囲に続く接合または接着構造によって、横方向に境界付けられ、隣接するポケットから分離される。
【0019】
非常に好ましい実施形態において、隣接容積は、ポケットの側壁において形成される。例えば、一実施形態において、各ポケットの主容積および隣接容積は、有利には、スペーサシートに設けられた対応する開口部によって画定されることが可能である。
【0020】
本明細書および添付図面から明らかなように、現在提示しているシステムは、例えば、身体、特に人間の身体の一部の皮膚に加えられた力もしくは圧力、または身体部分とそれに接触する製品との間の圧力を測定するための医療用センシング用途に特に有益である可能性がある。
【0021】
好ましい実施形態において、感知層、ベース層、および/または中間層は、各々、個別の単一のプラスチックフィルム、好ましくはエラストマフィルムまたはゴム状フィルムから形成される。単一のプラスチックフィルムから基板を形成することは、個別の壁片から個々のポケットを組み立てるのとは対照的に、特に製造中に、基板の製造および/または特定の構造的完全性を簡素化する。任意選択で、ベース層は、例えば、折り目によって、感知層の一部または部分とすることができる。
【0022】
好ましくは、MEMSデバイスおよび/またはMEMSデバイスの各々とインターフェースするための電子配線は、ベース層に沿って配置される。ベース層に沿って配線を設けることは、製造を簡素化し、システムの使用中に配線にかかる潜在的曲げ応力および/または伸張応力を低減する。より好ましくは、MEMSデバイスの各々のための電気回路は、隣接するポケット間の軌道に沿って設けられ、最も好ましい例は、スペーサ構造によって覆われている場所において設けられる。配線、回路をポケットの輪郭に沿って、好ましくはスペーサ構造の下に配置することは、使用中に最も大きい変形を有する壁の部分から配線を遠ざけ、したがって、特に外力の存在下で、配線にかかる曲げ応力および/または伸張応力をさらに軽減する。
【0023】
いくつかの実施形態において、ベース層には、外力の存在下でポケット内の圧力を増加させるためにポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状が設けられ、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられ、第1の感知層の反対側に第2の感知層を形成する。したがって、システムは、有利には、反対方向からポケットに衝撃を与える外力に応答するように構成されることが可能である。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態において、システムは、基準圧力センサを備える。有利には、基準センサは、閉鎖ポケットの外側の周囲圧力、例えば、空気圧を測定するように構成されることが可能である。基準センサからの応答は、有利には、ポケット内のMEMSデバイスからの電気信号のための基準信号または補正信号として機能することができる。したがって、システムは、有利には、例えば、高度の変化、気象条件、および/またはポケットに衝突する外部空気の流れによる周囲圧力の変動を補正することができる。基準圧力センサは、原理的には、ポケットの外側の任意の場所において、例えば、ポケットの外面に沿って、ポケット間に、またはシステムを担持する支持体によって配置され得る。代替的または追加的に、システムは、遠隔または外部の基準センサとインターフェースするように構成され得る。例えば、基準センサは、スマートフォンなどのモバイルデバイスの遠隔センサ、例えば、高度計などの圧力センサであり得る。
【0025】
したがって、好ましい実施形態において、システムは、外部デバイス、好ましくはモバイルデバイスとの最初のペアリング時に、そのような外部デバイスから基準圧力を受信するように構成される。代替的にまたは加えて、基準圧力は、例えば、GPS座標に基づいて、ウェブベースのサービスなどのデータベースから抽出されることが可能である。有利には、統合された気圧センサを有する、電話機のようなハンドヘルド機、またはスマートウォッチなどのモバイルデバイスが広く利用可能である。
【0026】
本開示のさらなる態様のうちの他の態様によれば、本開示は、本発明によるシステムを製造する方法に関する。方法は、基板によって形成されたそれぞれの1つまたは複数の閉鎖ポケット内にMEMSデバイスのセットを設けるステップを含み、各ポケットは、可撓性壁に加えられる外力の関数として変形する少なくとも1つの可撓性壁を有し、各MEMSデバイスは、それぞれのポケット内の圧力の関数として電気信号の変動を引き起こすように構成され、可撓性壁には、外力の存在下でポケット内の圧力を増加させるためにポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状が設けられ、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられる。
【0027】
好ましい実施形態において、弾性手段は、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された形状回復弾性組成物を含む可撓性壁によって提供される。
【0028】
典型的には、基板は、2つ以上のシート、好ましくは可撓性シートのスタックを備える。好ましくは、シートは、熱可塑性エラストマ組成物を含むか、または熱可塑性エラストマ組成物から実質的に構成される。
【0029】
好ましい実施形態において、基板は、可撓性壁を含む基板の感知層を形成する第1のシートと、感知層と反対側のベース層を形成する第2のシートとを含む2つ以上のシートを積み重ねることによって形成され、それによって、ポケットは、感知層とベース層との間に形成される。
【0030】
好ましくは、スタックは、感知層とベース層との間に、ポケットを横方向に境界付け、ポケットを隣接するポケットから分離する側壁を形成する直立壁構造を有するスペーサ構造を形成する中間層を含む。
【0031】
一般に、方法は、MEMSデバイスとインターフェースするための導電性配線を設けるステップを含む。好ましくは、MEMSデバイスおよびMEMSデバイスの各々とインターフェースするための電子配線は、ベース層に沿って配置される。
【0032】
好ましい実施形態において、基板を形成することは、シートをそれぞれのポケットの外周に沿って、それぞれの対向するシートに積層することを含む。代替的に、層は、一緒に接着され得る。
【0033】
別のまたはさらなる好ましい実施形態において、可撓性壁は、それぞれのポケットに対応する位置において感知層の部分を熱成形することを含むステップにおいて形成される。
【0034】
好ましい実施形態において、配線を配置することは、導電性フィラー材料とエラストママトリックス材料またはその前駆体とを含むインクを印刷することを含む。
【0035】
スペーサ層は、原理的には、限定はしないが、機械加工および付加製造を含む任意の適切な製造方法を使用して設けられることが可能である。好ましい実施形態において、スペーサ層を製造するステップは、ポケットを横方向に境界付け、ポケットを隣接するポケットから分離する側壁を形成する直立壁構造を画定するように貫通穴を機械加工するステップを含む。機械加工は、限定はしないが、切断、レーザ切断、および成形を含む方法を含むことができる。代替的に、スペーサは、付加製造方法によって形成され得る。
【0036】
好ましい実施形態において、直立壁構造は、主容積から側方に突出した隣接容積をさらに画定し、可撓性壁における外側に突出した形状は、主容積の上方にのみ形成され、MEMSデバイスは、少なくとも部分的に、好ましくは完全に隣接容積内に配置される。
【0037】
いくつかの実施形態において、ベース層には、外力の存在下でポケット内の圧力を増加させるためにポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状が設けられ、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられ、第1の感知層の反対側に第2の感知層を形成する。
【0038】
本明細書全体から理解されるように、本発明によるシステムは、多数の利点を提供する。
【0039】
従来の空気袋センサと比較して、本システムは、局所的なMEMS圧力センサを含む。この局所的な伝達により、空気圧を出力する必要がなく、ポケットから外部センサに空気圧を伝えるためのチューブを不要にする。加えて、ポケットは、基本的に閉じられているので、ポケットを(再)膨張させるためのポンプなどの手段が省略される。
【0040】
発明者らは、信号をデジタル化する能力が、比較的便利な方法で複数のセンサをアレイ形式において多重化することを可能にすることを見出した。
【0041】
有利には、ポケット、壁、および層は、TPUのような熱可塑性エラストマ材料を含むか、または熱可塑性エラストマから実質的に構成され、システムが機能を実質的に失うことなく可撓性で変形可能であることを可能にする。有利には、システムは、適合可能であり得る。好ましくは、システムは、機能を実質的に失うことなく、5cm未満、好ましくはそれよりも小さく、例えば、≦2cmまたは≦1cm、例えば、0.5cmと1cmとの間の、内側の曲率まで測定した曲げ半径を有することができる。システムが曲面上に形成可能であるようにすることは、システムが柔らかい表面および/または曲面に沿った圧力分布を決定するのに役立つようにする。例えば、システムは、限定はしないが、胸部、腕、および脚を含む身体部分の上で曲げられることが可能である。
【0042】
システムは、有利には、対象物体に加えられる外力(および/またはその分布)を測定するために使用されることが可能である。代替的または追加的に、本発明によるシステムは、対象物体によってまたは対象物体の中から加えられる力(および/またはその分布)を測定するために使用されることが可能である。
【0043】
発明者らは、システムが圧力変動を確実に検出することができることを見出した。特に、発明者らは、システムが広範囲にわたる圧力を正確かつ線形的に測定することができることを見出し、それによって動作範囲は、一般に、必ずしも限定はしないが、20Pa~10kPaなどの、デバイス内に含まれるMEMSの動作範囲によって決定されることが可能である。
【0044】
いくつかの好ましい実施形態において、システムは、ワイヤレスタグを備える。ここで、ワイヤレスタグは、マイクロコントローラと、バッテリなどの電源と、無線ICとを含む。タグは、有利には、Bluetooth、NFC、またはWIFIなどの定義されたワイヤレスプロトコルを使用して、センサのデータが、タグから別のデバイス、前記電話、タブレット、もしくは専用ポータブルデバイスなどにストリーミングまたは別のデバイスからログオンされ得ることを可能にする。別の態様において、センサタグは、情報をローカルサーバまたはリモートサーバに直接ストリーミングし得る。そのような実装形態において、WIFI、Lora、Sigfox、またはZigBeeなどのプロトコルが利用され得る。
【0045】
有利には、センサは、低電力であるので、環境発電と併せて使用され得る。特に、NFCを使用して電力ならびにデータ通信を提供するために誘導結合されることが可能なワイヤレスタグおよびバッテリレスタグが実現され得る。
【0046】
有利には、システムは、心拍数および/または呼吸数などのバイタルサインを監視するために使用されることが可能である。
【0047】
したがって、いくつかの態様において、本開示は、本発明によるシステムを備える織物、衣服、または衣料製品に関する。例えば、シャツ、ブラジャー、ショーツ、ヘッドバンド、またはベルトが、本明細書で開示されるシステムを備える。
【0048】
本開示の別のまたはさらなる態様によれば、本開示は、本明細書で開示されるシステムを備える診断製品または個人モニタリング製品に関する。診断製品は、有利には、哺乳類、例えばヒトの徴候、例えばバイタルサイン、または伝導を測定するために使用されることが可能である。好ましい実施形態において、バイタルサインは、乳児または新生児の呼吸および心拍数を含む。
【0049】
前記製品は、バンド、衣料用織物、または衣服などの着用可能な形態であり得る。いくつかの実施形態において、製品は、開示されるシステムを備える圧迫包帯、例えば、医療用圧迫包帯(MCB)、もしくは圧迫包帯用の下敷きの形態、または圧迫包帯と本明細書で開示されるシステムとを備えるアセンブリの形態である。下敷きは、被験者の皮膚と、MCBまたは皮膚に圧力をかける任意の他の手段もしくは表面との間に配置されることが可能である。システムは、有利には、例えば、基板が適合可能で可撓性であるので、および/またはMEMSデバイスが直接の到達/接触から保護されるので、クッション層の必要なしに、被験者の皮膚と直接接触することができる。またはもちろん、さらなる中間層(例えば、クッション層または創傷被覆層)が適用されることが可能であることは理解されるであろう。
【0050】
いくつかの実施形態において、診断製品は、マットレス、下敷き、シーツ、または裏地などの、ベッドまたは寝具材料に関する。代替的に、診断製品は、枕、または椅子、車椅子などの座席製品、前記枕もしくは座席製品のためのクッションおよび/または裏地および/または下敷きに関する。
【0051】
前記製品は、例えば、前記製品と身体部分との間の圧力を監視するために有利に使用されることが可能である。例えば、褥瘡または床擦れとしても知られる圧迫性潰瘍の治療について、それらは、一般に、通常、長期にわたる圧迫、またはせん断もしくは摩擦と組み合わされた圧迫の結果として、通常、骨隆起の上に生じる皮膚および/またはその下の組織の局所的損傷に関連すると考えられる。
【0052】
有利には、デバイスの出力は、例えば、意思疎通できない人のために、包帯圧力を最適化するために使用されることが可能である。代替的に、または加えて、診断製品は、時間の関数としての圧力の変化を監視するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、製品は、身体部分と包帯との間の腫れを監視/検出するために使用される。システムは、正確な加えられた圧力を使用して腫れが治療される、状態の診断の治療のためのシステムにおいて特に有用である。
【0053】
代替的に、または加えて、診断製品は、下にある血管内の血液の動きにより、被験者の身体部分、例えば、腕の外面に接触する製品に加えられる圧力変動を検出することによって、心弾動図記録法のために使用されることが可能である。システムは、主にモーションアーチファクトに対して感度が低いので、加速度計センサを使用する心弾動図記録法ツールと比較して、本システムは、モーションアーチファクトに対して感度が低い。
【0054】
有利には、製品、例えば、システムまたはアセンブリは、身体部分と包帯との間にシステムまたはアセンブリを配置することと、システムの少なくとも1つのMEMSデバイスの出力信号を時間の関数として監視することとを含む、包帯の適用中および/または適用後、身体部分、例えば、四肢と、それに適用される包帯との間の圧力を監視するために使用されることが可能である。これらの出力信号は、後で呼び出すために、一定期間にわたって記録および/または記憶されることが可能である。代替的に、または加えて、信号は、(例えば、MCBの適用中に、加えられた圧力/力および/または圧力分布を表示するために)直接使用するために表示され得る。MEMSデバイスから受信された出力信号は、MEMSデバイスが設置されたポケットに対して包帯によって加えられた圧力に対応する。したがって、1つまたは複数のMEMSデバイスの出力信号は、指定された圧力範囲外にある加えられた圧力に対応するかどうかが判定されることが可能である。指定された圧力範囲は、圧迫療法、例えば、慢性静脈疾患またはリンパ浮腫の治療に適した圧力の範囲を含むことができる。理想的には、指定された圧力範囲は、圧迫療法に適した、10~70mbar、好ましくは13.33~66.67mbarである。有利には、システムは、標的表面、例えば、皮膚の領域に沿って適用される圧力プロファイルを確認するために使用されることが可能である。例えば、下にある組織内の血流の好ましい方向、例えば、末端部から心臓に向かう方向を保証するためである。
【0055】
有利には、製品、例えば、システムまたはアセンブリは、身体部分、例えば、四肢と、それに適用された包帯との間の圧力分布を決定するために使用されることが可能である。例えば、身体部分に沿った包帯の適用のステップ中、および/または包帯の適用後の長期間にわたる。方法は、典型的には、一実施形態が身体部分と包帯との間にアレイにおいて配置された複数のポケットを備える、本明細書で開示されるシステムまたはアセンブリを配置するステップと、アレイ内の少なくとも第1および第2のMEMSデバイスの少なくとも第1および第2の出力信号を検出するステップとを含む。任意選択で、複数のシステム(例えば、各々が1つのポケットを有する)が使用され得る。好ましくは、それぞれの出力信号が、MEMSデバイスの各々について検出される。各出力信号は、そのそれぞれのポケットに加えられた圧力に関連する。したがって、身体部分と包帯との間の圧力分布が、受信された出力信号から、例えば、各出力信号を皮膚に沿ったまたはアレイ内のそれらのそれぞれのポケットの位置に関連付けることによって決定されることが可能である。
【0056】
有利には、製品は、検出された圧力が指定された範囲外である場合、例えば、ユーザに対する指示または警告を生成するために使用されることが可能である。包帯と身体部分との間の圧力または圧力分布を経時的に監視し、例えば、身体部分の腫れが検出されたとき、包帯の適用中に包帯に過度に張力がかけられたとき、または包帯が身体部分から緩んだときを監視する。
【0057】
本開示の装置、システム、および方法のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付図面からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1A】システムの実施形態を断面側面図において示す図である。
図1B】使用中のシステムの実施形態を断面側面図において示す図である。
図2A】システムの実施形態の写真である。
図2B】システムの実施形態を平面図において示す図である。
図3A】システムの実施形態を断面側面図において示す図である。
図3B】システムの実施形態を平面図において示す図である。
図4A】システムの実施形態を断面側面図において示す図である。
図4B】システムの実施形態を断面側面図において示す図である。
図5A】システムの実施形態を平面図において示す図である。
図5B】システムの実施形態を断面側面図において示す図である。
図6A】システム内に含まれるMEMSデバイスの実施形態を示す図である。
図6B】システム内に含まれるMEMSデバイスの実施形態を示す図である。
図6C】システム内に含まれるMEMSデバイスの実施形態を示す図である。
図7A】システムの実施形態を断面側面図において示す図である。
図7B】システムの実施形態を断面側面図において示す図である。
図8A】システムの実施形態を平面図において示す図である。
図8B】システムの実施形態を断面側面図において示す図である。
図9A】システムを備えるアセンブリの実施形態を示す図である。
図9B】システムを備える衣服の実施形態を示す図である。
図10A】システムを備える診断製品の実施形態を示す図である。
図10B】システムを備える診断製品の実施形態を示す図である。
図10C】システムを備える診断製品の実施形態を示す図である。
図11A】システムを製造する方法を示す図である。
図11B】システムを製造する方法を示す図である。
図12】システムを製造する方法を示す図である。
図13A】例示的な実験結果を示す図である。
図13B】例示的な実験結果を示す図である。
図14A】例示的な実験結果を示す図である。
図14B】例示的な実験結果を示す図である。
図15】例示的な実験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
特定の実施形態を説明するために使用された用語は、本発明の限定を意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も同様に含むことを意図している。「および/または」という用語は、関連するリストされた項目のうちの1つまたは複数の任意およびすべての組合せを含む。「備える」および/または「備えている」という用語は、記載された特徴の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴の存在または追加を排除しないことが理解されるであろう。方法の特定のステップが別のステップに続くと言及される場合、別段の指示がない限り、前記他のステップに直接続くことができ、または特定のステップを実行する前に1つもしくは複数の中間ステップが実行され得ることがさらに理解されるであろう。同様に、構造または構成要素間の接続が記載されている場合、この接続は、別段の指示がない限り、直接、または中間の構造もしくは構成要素を介して確立され得ることが理解されるであろう。
【0060】
本発明について、本発明の実施形態が示される添付図面を参照して、以下により詳細に説明する。図面において、システム、構成要素、層、および領域の絶対的および相対的なサイズは、明確にするために拡大されている場合がある。実施形態は、本発明のおそらく理想化された実施形態および中間構造の概略図および/または断面図を参照して説明される場合がある。説明および図面において、同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。相対的な用語ならびにその派生語は、そのときに説明されている配向、または議論中の図面に示されている配向を指すものと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜のためのものであり、別段の指示がない限り、システムが特定の方向に構築または動作されることを必要としない。
【0061】
ここで、本明細書で開示されるシステムの基礎となる基本原理について、図1Aおよび図1Bを参照して説明する。図1Aは、外力を測定するためのシステム100の実施形態の部分側面図を示す。システムは、閉鎖ポケット2を形成する基板1を備える。ポケット2は、可撓性壁3を有する。ポケットには、流体、典型的にはガスが充填される。加えて、システムは、MEMSデバイス4を備える。システムは、一般に、複数のポケットのセットを備え、各ポケットは、ポケット内の圧力P1、P2の関数として電気信号S1、S2の変動を引き起こすように構成された1つまたは複数のMEMSデバイスを有する。本明細書で使用される場合、「セット」という用語は、2つ以上の項目、典型的にはそれよりも多く、例えば、3つ以上、10以上、または128を超える項目に関すると理解され得る。
【0062】
好ましい実施形態において、例えば、図2Aおよび図2Bに示すように、閉鎖ポケットは、アレイ、例えば、M行とN列とを有するアレイにおいて構成され、ここで、MおよびNは、各々が個別に少なくとも1の値を有する整数であり、それによって、M+Nの合計は、少なくとも2である。図示のように、ポケットは、システムに作用する全体的に加えられる外力が、アレイにおいて配置されたポケットの個々のポケットに作用する複数の外力として分散されるように、アレイにおいて配置される。したがって、ポケットをアレイにおいて構成することは、力または圧力の分布を測定することを可能にする。図1は、基板1に、3×3アレイにおいて構成された合計9つのポケット2が設けられ、MEMSデバイス4および付随する回路5がポケットのうちの1つに設けられたシステムの部分図を示す。もちろん、図示の配置は、限定的な方法に解釈されるべきではない。明らかに、MEMSデバイスは、実施形態を平面図において示す図2Bに示すように、複数のポケット、一般にはすべてのポケット内に設けられることが可能であり、それによって、回路5は、主にポケット2の周囲の外側に配置される。
【0063】
一般に、各ポケットには、MEMSデバイスが設けられる。各ポケットは、異なる数のMEMSデバイスを含み得ることが理解されるであろう。いくつかのポケットは、空のままにされ得る。いくつかの実施形態において、ポケットの各々またはいくつかは、複数のMEMSデバイス、例えば、2つのMEMSデバイスを含む。センサは、同一であり得、または異なる圧力範囲にわたって応答するように構成され得る。これは、ポケット内のMEMSデバイスが互いのバックアップとして機能し得る、および/または測定可能な検出範囲を拡張し得るという利点を有する。しかしながら、「セット」という用語はまた、例えば、図1Bに示すように、単一のまたは複数のMEMSデバイスを囲む単一のポケットのみを有するシステムを含む、単一の要素を指すと理解され得る。複数のポケットを有するシステムと比較して、単一のポケットを有するシステムは、よりコンパクトであることが可能である。可撓性壁3には、外力の存在下でポケット内の圧力Pを増加させるためにポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状が設けられ、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられる。形状は、限定はしないがドーム、円錐、および円錐台を含む任意の適切な形状をとり得る。図1B(右)に示すように、突出した形状は、外力F、例えば、外圧または外部物体によって引き起こされる力の存在下で内側に撓み、突出した形状は、図2に示すように、内側に撓む。弾性手段により、可撓性壁は、外力の不在下において初期形状(図1B(右))に回復する。理解されるように、ポケット内の圧力P1、P2は、外圧P0および外部から加えられる力に伴って増減する。電気信号S2-S1における差は、外圧および力の変化に比例して変化する。外圧が実質的に一定であるか、または変化への外圧の寄与が外部音声に対して比較的小さい(好ましくは少なくとも10倍小さい)場合、電気信号S2-S1間の測定された差は、加えられた力に比例して変化する。
【0064】
ポケットは、気圧平衡状態にあるので、静的状況のままにされても収縮しない。
【0065】
MEMSデバイスの各々の電気回路5は、好ましくは、導電性エラストマ組成物を含む。導電性エラストマ組成物の配線を形成することは、有利には、例えば、外部物体の曲率に適合しながら、および/または加えられた外力に応じて屈曲しながら、配線が機能性を失うことなく層に沿って曲がるおよび/または撓むことを可能にする。好ましくは、導電性エラストマ組成物は、実質的に機能性を失うことなく、少なくとも1.05倍、好ましくは少なくとも1.1倍、好ましくはそれよりも大きく、例えば1.2倍までまたは1.5倍まで延伸されることが可能である。エラストママトリックスまたはその前駆体と、パーコレーションしきい値を超える充填率において1つまたは複数の導電性フィラー材料、例えば、(ナノ)粒子および/またはワイヤとを含む複合組成物、例えば、インクが特に適していることがわかった。
【0066】
好ましい実施形態において、ポケット内部の圧力は、外力の不在下でポケット外部の圧力と10%以内、好ましくは5%以内、任意選択で1%以内に等しい、または測定公差内で完全に等しい。典型的には、ポケットには、空気が充填される。任意選択で、ポケットには、他のガス、例えば、壁に対する透過性が比較的低いことがわかっているN2、またはArなどの不活性ガス、または混合物が充填され得る。
【0067】
本明細書で使用される場合、「閉鎖」という用語は、無視できるガス透過率(GTR)を有する壁によって境界付けられたポケットを指すと理解され得る。一般に、1時間あたりポケット容積の1パーセント程度のガス透過は、許容可能であり得る。好ましくは、ガス透過は、1日あたり1%を十分に下回る。
【0068】
好ましい実施形態において、例えば、図1Bに示すように、弾性手段は、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された形状回復弾性組成物Cを含むか、または形状回復弾性組成物から実質的に構成された可撓性壁によって提供される。
【0069】
好ましくは、可撓性壁は、熱可塑性エラストマ組成物を含むか、または熱可塑性エラストマ組成物から実質的に構成される。図11および図12に関してより詳細に説明するように、組成物は、好ましくは、約25℃のシステムの通常の動作温度において、好ましくは0~60℃の範囲内で実質的にエラストマ特性を有するように選択される。好ましくは、組成物は、通常の動作温度を超える、例えば、70℃を超える、好ましくはより高い、例えば、少なくとも20℃よりも高い、最も好ましくは、110℃または120℃などの100℃を超える熱成形温度において熱可塑性特性を有する。前記範囲内の熱可塑性エラストマ組成物の選択は、合理的に達成可能な熱成形温度における製造を可能にしながら、通常の動作伝導において十分な構造的完全性を有するシステムを形成することを可能にする。
【0070】
有利には、そのような材料は、十分に所望の範囲内の漏れ率またはガス透過を有するポケットを形成するのに適していることがわかった。
【0071】
特に好ましい実施形態において、ポケット2は、主容積と隣接容積とを備える。図3Aおよび図3Bに示す実施形態によって示されるように、主容積6および隣接容積7は、流体連通している。隣接容積7は、基板1内で主容積6から側方に突出している。可撓性壁における外側に突出した形状は、主容積6の上方にのみ形成される。MEMSデバイス4は、隣接容積内に部分的に配置される。したがって、突出した形状を押す人または物体は、MEMSデバイスが突出した形状の直下に配置される実施形態と比較して、MEMSデバイスを感知する可能性が低くなる(例えば、図1B-右参照)。
【0072】
図4Aおよび図4Bは、基板が2つ以上のシート9、11、13のスタック8を備える態様を示す。
【0073】
図4Aに示す実施形態は、スタックが、可撓性壁3を含む基板の感知層10を形成する第1のシート9と、感知層の反対側のベース層12を形成する第2のシート11とを含む2つのシートを備える構成を有する。図示のように、ポケット2は、感知層とベース層の対向部分間の2つのシートによって形成される。
【0074】
図4Aに示す実施形態は、スタック8が構造化中間シート13、すなわち3つの層を含む構成を有する。中間シート13は、感知層10とベース層12との間に、ポケットを横方向に境界付け、ポケットを隣接するポケットから分離する側壁13wを形成する直立壁構造を有するスペーサ構造14を形成する。図示のように、スペーサ構造14は、主容積6と隣接容積7とを有するポケット2を画定するようにパターン化される。隣接容積7は、感知層10とベース層12との間で主容積から側方に延在する。スペーサ構造14は、突出した形状が主容積の上方にのみ位置するようにパターン化される。MEMSデバイス4(図4Aおよび図4Bを参照)は、ベース層12に沿って配置され、これは、製造を簡素化する。図4Bに示す実施形態において、MEMSデバイス4は、隣接容積7の内部に配置される。代替的に、または加えて、MEMSデバイスは、側壁13wに沿っておよび/または第1のシート9に沿って配置されることが可能である。
【0075】
図5Aおよび図5Bは、本発明によるシステムのさらなる態様を示す。
【0076】
図5Aおよび図5Bは、2×3のグリッドにおいて配置された複数のポケット2を有する実施形態を平面図および断面側面図において示す。図4Bに示す実施形態と同様に、ポケットは、3つのシート9、11、13によって境界付けられ、それによって、中間シート13は、隣接するポケットを横方向に分離するスペーサ構造を形成する。図示のように、ポケットの一部は、主容積6と隣接容積7とを含む。隣接容積は、ポケットの側壁において形成され、それによって、隣接容積は、中間シート13の厚さ全体に延在する切り抜きによって画定される。代替的に、隣接容積は、中間層において設けられた部分的な切り欠きまたは凹部によって画定されることが可能である。
【0077】
スペーサ構造の提供は、ポケットの変形、特に側壁によって形成されるその周囲に沿った変形を制限する。これは、MEMSを変形、損傷、および接触から保護する。好ましくは、側壁は、少なくとも外力に沿った方向において、ポケットの剛性を超える剛性を有するように構成される。いくつかの実施形態において、スペーサ構造は、第1の範囲について第1の軌道にわたって比較的より高い圧縮率(より低い剛性)を有し、第2の軌道にわたってより低い圧縮率を有し、例えば、細孔の割合に相関する第1の軌道にわたって高い圧縮率を有し、材料の密度または固体割合に相関する第2の軌道にわたって低い圧縮率または実質的に剛性の挙動を有する発泡体を有する。したがって、スペーサは、所定のしきい値を超えるポケットの圧縮を制限するバックストップとして機能し得る。
【0078】
MEMSデバイスの各々のための電気回路は、主に、隣接するポケット間の軌道に沿って設けられ、好ましくは、実質的にスペーサ構造によって覆われる。ポケット間の軌道に沿って配線を設けることは、配線の過度な撓みまたは延伸のリスクを軽減する。配線をスペーサ構造によって覆うことは、特に、外力の存在下での、基板の曲げおよび/または延伸による配線の変形を低減する。
【0079】
図示のように、感知層、ベース層、および/または中間層は、各々、個別の層、好ましくはプラスチックフィルムで形成される。任意選択で、ベース層は、例えば、折り目によって、感知層の一部または部分とすることができる。
【0080】
好ましくは、ベース基板は、第2の熱可塑性エラストマ組成物を含むか、または第2の熱可塑性エラストマ組成物から実質的に構成される。ベース層および感知層を熱可塑性エラストマで形成することは、例えば、積層によって、層のうちの少なくとも1つの軟化温度またはガラス転移温度を超える温度において層を接合することを可能にする。好ましくは、両方の層からの材料が単一の接合温度において接合プロセスに加わることを可能にするので、両方とも同じ組成、または少なくとも同様の軟化温度を有する組成物を含む。
【0081】
好ましくは、スペーサ構造は、存在する場合、熱可塑性エラストマ組成物、すなわち、システムの通常の動作温度において実質的にエラストマ特性を有し、熱成形温度において熱可塑性特性を有するさらなる熱可塑性エラストマ組成物も含むか、またはさらなる熱可塑性エラストマ組成物から実質的に構成される。好ましくは、スペーサは、第1および/または第2の熱可塑性エラストマ組成物よりも低い圧縮率を有する組成物で形成される。
【0082】
より好ましくは、スペーサ構造内に含まれる熱可塑性エラストマ組成物は、第1および/または第2の可撓性壁内に含まれる熱可塑性エラストマ組成物のガラス転移温度よりも低い軟化温度またはガラス転移温度を有する。これは、有利には、可撓性壁、突出した形状を変形させることなく、スタック内に含まれる層を接合することを可能にする。最も好ましくは、スペーサ構造内に含まれる熱可塑性エラストマ組成物の軟化温度は、第1および第2のシートのうちの最低の軟化温度よりも少なくとも10℃低いが、好ましくは、システムの通常の動作温度範囲よりも少なくとも20℃高い高さで、依然として十分に離れている。層間の接合に影響を与えることなくシステムをより高い温度において動作させることを可能にするので、例えば、スペーサ構造内に含まれる熱可塑性エラストマ組成物の軟化温度またはガラス転移温度は、50℃を超える範囲であり、好ましくはより高く、例えば、60℃を超えるまたは80℃を超える範囲であり得る。好ましくは、Tgは、残りの層のTgに応じて、≧90℃またはより高く、例えば≧100℃である。
【0083】
好ましくは、ポケットを境界付ける壁は、実質的に閉じられる。しかしながら、ある程度の透過性は、例えば、境界壁内に含まれるポリマー組成物内の隙間空間を介して許容されることが可能である。一般に、漏れ率は、1時間あたり約100分の1(1%)未満である。好ましくは、より低く、例えば、1日あたり1%未満である。漏れ率が低いほど、センサは、静的負荷の下でより長く動作されることが可能である。典型的には、漏れ率は、1時間あたり1%の漏れ率と1日あたり1000分の1(1‰)の漏れ率との間である。一般に、ポケットを境界付ける壁は、ISO2556:1974によって決定される0℃において、約240cm/m/24h/atmの上限R2と、約0cm/m/24h/atmに近いまたはそれと等しい下限R1との間、または少なくとも≦10cm/m/24hの空気透過率を有する。
【0084】
好ましくは、MEMSセンサは、MEMS気圧センサであるものである。MEMS気圧センサは、一般に、高精度圧力センサとして知られており、いくつかのサプライヤから市販されている。例えば、TE Connectivity Ltd.のMS5637-02BA03が使用され得る。データを処理するため、またはデータをタグに組み合わせるために、MSP430マイクロコントローラまたは同等物が使用されることが可能であり、または代替的に、環境発電を有するNFCマイクロコントローラICを組み合わせたRF430FRL152Hが使用されることが可能である。
【0085】
気圧センサは、一般に、読み出し電子機器と結合された可撓性膜によって少なくとも一端に沿って境界付けられた閉鎖感知容積を備える。有利には、そのようなセンサは、高エネルギー効率である。一般に、動作するために0.6μA未満を必要とする。それをパッチ内に統合することによって、最大10メートルまでの距離においても遠隔で読み取られることが可能な、呼吸センサおよび心拍センサなどのUHFベースのワイヤレスおよびバッテリレスシステムが作成されることが可能である。そうするために、Impinj Monza X-8K、P2110 Power harvester、およびMSP430マイクロコントローラまたは同等物の組合せを使用することができる。
【0086】
図6A図6Cは、システム内に含まれることが可能なMEMSデバイスの実施形態を示す。そのようなセンサは、一般に、可撓性膜43とベース基板41との間に結合された密閉容積44を備える。膜は、典型的には、通常は、バックエッチングなどの従来の微細加工技法を使用して作成されたシリコンなどの半導体材料の最上層42の薄くされた部分である。最上層は、閉鎖セルを形成するためにベースに接合される。一般に容量性原理(図6A)または抵抗性原理(図6B)に基づく感知電子機器46、47、48は、密閉容積内の圧力と外部圧力との間の圧力差に比例する電気信号Sをもたらす。読み出しは、典型的には、統合コントローラ60によって実行される。
【0087】
好ましくは、MEMSデバイスの閉鎖感知容積44を境界付ける可撓性膜43は、R1よりも小さい最大空気透過率R3を有する。最も好ましくは、R3は、R1よりも少なくとも10倍小さい。これは、MEMSデバイスの潜在的なドリフトを最小化する。最も好ましくは、可撓性膜は、通常の動作条件中、関連する時間スケールの間、実質的に閉じられている。
【0088】
好ましい実施形態において、例えば、図6Cに示すように、MEMSデバイス4は、剛性ハウジング50内に封入される。エンクロージャは、MEMSデバイス、特に繊細な膜を、外部物体による直接接触から保護する。エンクロージャは、MEMSデバイスの可撓性膜への流体連通を提供する少なくとも1つの開口部51を有する。典型的には、開口部は、例えば、図示のように、エンクロージャの、膜に面する上面において設けられる。しかしながら、開口部は、上壁、側壁、底壁、またはそれらの任意の組合せにおいて設けられることが可能であることが理解されるであろう。いずれの場合においても、MEMSデバイスは、可撓性膜とシステムのポケット2との間に流体連通が存在するように配置される。
【0089】
好ましい実施形態において、例えば、図6Cに示すように、MEMSデバイスは、一体化温度センサ52を備える。その出力は、複数のMEMSデバイスを備えるシステムの空間的な温度変化に対する時間的な温度変化を測定するために使用されることが可能である。
【0090】
例えば、ポケットが液体またはゲルで満たされたいくつかのデバイスにおいて、MEMSデバイスは、空気圧センサであることが可能である。
【0091】
他のまたはさらなる実施形態において、例えば、図7Aに示すように、システムは、基準圧力センサ49を備える。基準センサは、MEMSデバイス4のさらなる1つ、例えば、同じまたは類似のタイプのものであることが可能である。基準センサ49は、有利には、周囲圧力の変動に対する外部負荷条件に応答して、MEMSデバイス4の出力を補正するために使用されることが可能である。これは、センサが数パスカルから(例えば、1Paまたは10Paから)数百パスカルまで(例えば、500Paまたは1000Paまで)の範囲内のポケット内の圧力変動P1、P2をもたらす比較的小さい力または圧力(例えば、1グラムまたは10グラム未満の範囲内)を測定するために使用される場合、特に重要である可能性がある。
【0092】
いくつかの実施形態において、例えば、図7Bに示すように、ベース層12には、外力の存在下でポケット内の圧力を増加させるためにポケット2の内側に撓むように構成された外側に突出した形状3が設けられ、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられ、第1の感知層の反対側に第2の感知層を形成する。
【0093】
一般に、ポケットは、1cmよりも大きい、例えば、約2cm、またはそれよりも大きい、例えば、1cmと5cmとの間、または1~10cmの範囲の断面(d)寸法を有する。有利には、ポケットが大きいほど、比較的限られた数のポケットで、より広い面積にわたる改善された感知を提供する。対照的に、本開示によるシステム内に含まれるMEMSデバイスなどの既知の気圧センサは、一般に非常に局所的にのみ測定する。
【0094】
突出した形状は、典型的には、0.5mmを超える、好ましくは1mmを超える、またはさらには≧2mm、例えば、1mmと3mmとの間の範囲内、または2mmと5mmとの間の範囲内の高さを有する。突出部が高くなるほど、可撓性壁の潜在的な内側への変位が大きくなり、ユーザがポケットの反対側の境界またはMEMSデバイスの存在を感知または感じる可能性が低くなる。典型的には、可撓性壁の突出した形状によって提供される高さは、ポケットの全高の少なくとも20%、好ましくはそれよりも多く、例えば、少なくとも40%、より好ましくは50%まで、例えば、20%と50%との間、または40%と50%との間で寄与する。この方法において、可撓性壁が反対側の壁まで内側に撓まないので、ポケットは、完全に圧縮されることが不可能である。したがって、ユーザは、ベース層に沿って設けられたポケットおよび/または要素(例えば、MEMSデバイス)の反対側の壁に触れる/感じる可能性が低くなる。
【0095】
中間シートの厚さ(t)は、一般に、0.1mmと0.5cmとの間の範囲、好ましくは0.2mmと3mmとの間の範囲、最も好ましくは0.5mmと2mmとの間の範囲、例えば、約1mmである。空間構造が高くなるほど、可撓性壁3の内側への撓みを収容する余地が大きくなり、外部刺激に応じたポケット内の潜在的な圧力変動の範囲が大きくなる。
【0096】
対向する直立壁間の距離で割られた、直立壁構造によって提供される高さと可撓性壁3の突出した形状によって提供される高さとの合計としてのポケットの全高として定義されるアスペクト比は、一般に、0.05と1との間、典型的には、0.1と約1との間の範囲内である。
【0097】
熱可塑性エラストマ組成物は、適切な寸法を有するポケットを維持するのに特に適していることがわかった。
【0098】
いくつかの好ましい実施形態において、例えば、図8Aに示すように、システムは、外部電子デバイスとの遠隔ワイヤレス通信のための電子機器60、61を含む。これは、有利には、MEMSデバイスのセットの遠隔読み出しを可能にする。電子機器は、典型的には、マイクロコントローラ、バッテリなどの電源、および無線ICを含むワイヤレスタグとして設けられることが可能である。タグは、有利には、Bluetooth、NFC、またはWIFIなどの定義されたワイヤレスプロトコルを使用して、センサのデータが、タグから別のデバイス、前記電話、タブレット、もしくは専用ポータブルデバイスにストリーミングまたはログオンされ得ることを可能にする。別の態様において、センサタグは、例えば、WIFI、Lora、Sigfox、またはZigBeeなどのプロトコルを使用して、情報をローカルサーバまたはリモートサーバに直接ストリーミングし得る。
【0099】
有利には、システムは、デバイスに電力を供給するためのエネルギーハーベスタ、例えば、MEMSデバイスのセットの誘導電力供給のためのレシーバをさらに含むことができる。ハーベスタは、例えば、RFIDタグまたはNFCタグとして提供されることが可能である。ワイヤレス通信または遠隔給電、好ましくはその両方は、システムの動作中の柔軟性および動きの自由度を改善する。有利には、本発明によるシステムは、システム内に含まれるMEMSデバイスの特に低い電力需要により、少なくとも部分的に、遠隔給電に特に適している場合がある。有利には、電子機器、その中に含まれる配線、コイル、および/またはアンテナ61を含むタグは、限定はしないが、LIFTおよび(スクリーン)印刷を含む印刷などの付加製造方法などの便利な製造方法を使用してベース層12上に設けられることが可能である。電子機器は、有利には、システムの全体的な寸法への影響を最小化するように、寸法決めおよび/または配置されることが可能である。例えば、電子機器は、ポケット2を少なくとも部分的に取り囲んで、その上、ポケット2の間、および/またはポケット2の下に配置されることが可能である。代替的に、システムは、有線読み出し電子機器および/または非一時的データ記憶媒体を含み得る。代替的におよび加えて、システムは、外部読み出しおよび/または電源に接続するための接点、例えば、ボンドパッド、クリップ、および/またはボタンを含み得る。
【0100】
いくつかの好ましい実施形態において、例えば、図8Bに示すように、システム100は、可撓性キャリア(70)、典型的には織物層と一体化されるか、またはそれに沿って接着される。可撓性キャリアに沿ってシステムを一体化または接着することは、システムを身体部分またはユーザ製品の外周に適合させることを可能にする。例えば、織物製品、衣服、または寝具もしくは座席製品のためのカバー。
【0101】
さらなる実施形態において、例えば、図9Aに示すように、本明細書で開示されるシステムの第1のシステム100aおよび第2のシステム100bを備える層状スタック201、202を備えるアセンブリ200が証明される。いくつかの実施形態において、例えば、図示のように、システムは、反対方向からの力を感知することを可能にする背中合わせで積み重ねられる。いくつかの実施形態において、システムは、例えば、2層、3層、4層、またはそれ以上の層において向かい合って積み重ねられたシステムを備える。複数のシステムを積み重ねることは、1つの層内で実験された力を分散し、全体的な動作範囲を増加させる。加えて、積み重ねは、下にある物体または身体部分に伝達する局所的な力(例えば、点力)を低減する。いくつかの好ましい実施形態において、層201、202は、第1の層201内に含まれるポケット2aが、スタックの第2の層202内に含まれるポケット2bに対して横方向にシフトされるように配置される。ポケットを横方向にシフトすることは、有利には、所与のポケットサイズに対する決定された圧力または力の分布の精度を改善する。
【0102】
いくつかの態様によれば、例えば、図9Bに示すように、本開示は、本明細書で開示されるシステムのうちの1つまたは複数を備える衣料製品30に関する。
【0103】
さらなるまたは他の態様によれば、本開示は、本明細書で開示されるシステム100を備える個人監視製品または診断製品400、401、402に関する。本明細書で開示されるように、前記製品バンドは、限定はしないが、呼吸数および心拍数を含む、人の状態を測定するために使用される。本発明者らは、システムが、乳児または新生児の呼吸および心拍数を含むバイタルサインを測定するために使用されることが可能であることを見出した。
【0104】
いくつかの実施形態において、例えば、図10Aに示すように、製品401は、人1000の胸部の周りに装着するためのバンド90であるか、またはバンド90内に含まれる。いくつかの実施形態において、例えば、図10Bに示すように、製品401は、本明細書で開示されるシステム100を備える圧迫包帯91である。代替的に、システムは、従来の圧迫包帯と共に使用するためのインレーとして提供され得る。前記包帯91、またはインレーおよび包帯91の組合せは、例えば、意思疎通できない人のために、例えば、身体部分の腫れ状態を検出/監視するために、時間の関数として圧力の変化を監視するために、包帯圧力を最適化するために有利に使用されることが可能である。
【0105】
いくつかの実施形態において、システムは、寝具製品403内に含まれる。図10Cは、ベッド403の形態において本明細書で開示される、システム100を備える診断製品402を概略的に示す。製品402は、人とベッドとの間の力Fを測定するために分散された複数のシステム100を備える。製品402は、圧力分布ならびに圧力点の存在と、それらの経時的変化とを決定するために使用されることが可能である。したがって、製品は、一般に、通常、長期にわたる圧迫、またはせん断もしくは摩擦と組み合わされた圧迫の結果として、通常、骨隆起の上に通常生じる皮膚および/またはその下の組織の局所的損傷に関連すると考えられる褥瘡または床擦れとしても知られる圧迫性潰瘍を防止する治療において使用されることが可能である。代替的にまたは加えて、製品は、例えば、システム100のうちの1つまたは複数の出力信号Sを使用して呼吸数B1と心拍数H1とを表示するように構成されたディスプレイ30を使用して、ベッド上に横たわっている間の人の呼吸数および/または心拍数を監視するために使用されることが可能である。
【0106】
代替実施形態において、製品は、例えば、被験者の皮膚と圧迫包帯との間に下敷きとして適用されるアレイ内に配置された複数のポケットを備えるシステムを示す図15に示すように、例えば、図9B図10A図10B、および図10Cに関連して説明した用途のいずれかと共に使用するための下敷きとして具体化されることが可能である。
【0107】
ここで、本明細書で開示されるシステム100を製造する方法500に関する態様について、図11および図12を参照して説明する。
【0108】
一実施形態において、方法は、基板によって形成されたそれぞれの1つまたは複数の閉鎖ポケット内にMEMSデバイス4のセットを設けるステップを含み、各ポケットは、可撓性壁に加えられる外力の関数として変形する少なくとも1つの可撓性壁を有し、各MEMSデバイスは、それぞれのポケット内の圧力の関数として電気信号の変動を引き起こすように構成され、可撓性壁には、外力の存在下でポケット内の圧力を増加させるためにポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状が設けられ、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられる。好ましくは、弾性手段は、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された形状回復弾性組成物を含む可撓性壁によって提供される。
【0109】
いくつかの実施形態において、例えば、図11Aに示すように、方法は、ベース層の面に沿って配線5を堆積させ501、続いて配線上にMEMSデバイス4を配置するステップを含む。配線および/またはMEMSデバイスは、任意の適切な堆積方法によって設けられ得る。好ましくは、構成要素は、限定はしないが、(スクリーン)印刷、フレキソ印刷、LIFT、およびピックアンドプレース法を含む付加製造プロセスを使用して配置される。
【0110】
弾性手段が可撓性壁によって提供される実施形態において、可撓性壁は、フィルムが熱成形温度を超える温度に加熱されている間、適切な力Fを加える熱プレス550を使用して、それぞれのポケットに対応する位置において感知層9の部分を熱成形すること503を含むステップ503において形成されることが可能である。
【0111】
いくつかの実施形態において、基板を形成することは、シートをそれぞれのポケットの外周に沿ってそれぞれの対向するシートに積層することを含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、MEMSデバイスおよびMEMSデバイスの各々とインターフェースするための電子配線は、ベース層に沿って配置される。
【0113】
いくつかの実施形態において、MEMSの各々とインターフェースするための電子配線を配置することは、導電性フィラー材料と、エラストママトリックス材料またはその前駆体とを含むインクを印刷することを含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、形成されたシート9、11は、図4A(スペーサ構造14なし)に関して説明したようなシステム100を形成するように一緒に積み重ねられ、それによって、MEMSと配線とを含むシート11がスタック8のベース層12を形成し、シート9が感知層10を形成する。
【0115】
システム100が、例えば、図4B図5B、および図7Bに示す関係において説明したようなスペーサ構造14を含む好ましい実施形態において、方法は、感知層とベース層との間に、ポケットを横方向に境界付け、ポケットを、隣接するポケットから分離する側壁を形成する直立壁構造を有するスペーサ構造を形成するために、パターン化された中間シート13を設けるステップ505を含む。
【0116】
前記中間シートは、スプリンティングなどの付加製造方法によって設けられ得る。例えば、適切な組成物を第1のシート9および/または第2のシート上に直接堆積させることによる。好ましい実施形態において、例えば、図12に示すように、スペーサ構造は、ポケットの主容積6および隣接容積7に応じた位置においてそれぞれの開口部6a、7aを含むように未使用シート13aの位置をパターン化すること505によって設けられる。
【0117】
中間シート13を形成することに続いて、シート9、13、および11は、中間層をその間の接着剤として使用して、フレーム550内の気泡構造体9を導電性トラック支持体に融着する膜プレス551において積み重ねられて接合され、積層される。積層後、フレーム500、およびフレームへの層の付着を回避するための任意のライナーが除去される。システム100がキャリア、例えば、織物に取り付けられる場合、ライナーは、底部基板から除去され、次いで、圧力センサは、フレームが所定の位置にある状態で、キャリア上に積層される。
【0118】
好ましい実施形態において、シート9、11、および/または13は、第1および/または第2の可撓性壁内に含まれる熱可塑性エラストマ組成物のガラス転移温度未満の軟化温度未満の熱成形温度を有する層コーティングを含む。これは、突出した形状を実質的に変形させることなく、ある温度においてスタックを積層することを可能にする。代替的にまたは加えて、中間シート13は、第1および/または第2の可撓性壁内に含まれる熱可塑性エラストマ組成物のガラス転移温度未満の軟化温度未満の熱成形温度を有する組成物を含むか、またはその組成物から構成されることが可能である。
【0119】
非常に好ましい実施形態において、方法は、熱可塑性エラストマ組成物を含むシート11、好ましくは熱可塑性最上位層またはコーティングを含むエラストマシート上に導電性回路を印刷するステップ501を含む。回路を設けた後、例えば、ピックアンドプレース方法を使用して、MEMSデバイスが配置され、配線に接続される。
【0120】
同時に、その前に、またはその後に、方法は、突出部、例えば、ドームを形成するために、熱可塑性エラストマ組成物を含むシート9の領域を熱成形するステップ503を含む。シート9、11は、同じまたは類似の組成物から構成され得る。
【0121】
両方のシートを形成した後、シートは、互いに重なり合って配置され、そこでは、設けられたスペーサによって、突出部がMEMSデバイスに流体連通するように配置される。位置決め後、シートは、各々に積層され、例えば、図4Aに示すように、シート間に閉鎖ポケットを形成する。図1Aおよび図1Bに関連して説明したように、シート11は、外力の存在下でポケット内の圧力を増加させるためにポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状を有する可撓性壁3を形成する。
【0122】
最も好ましい実施形態において、例えば、図12に示すように、第1のシート9と第2のシート11との間に中間シート13が積層される。中間シート13は、積層時に形成される閉鎖ポケット2の主容積6および隣接容積7に応じた位置において開口部6a、7aを含むようにパターン化される。突出した形状は、主容積の上方のみにあり、MEMSデバイスは、少なくとも部分的に隣接容積内に配置される。パターン化された中間シート13は、熱成形された突出部を有するシート9とMEMSデバイスを有するシートとの間に配置される。中間シート13は、形成されるポケット2の主容積6および隣接容積7にそれぞれ対応する、それと流体連通する第1の切り抜き6aおよび第2の切り抜き7aを含むようにレーザ切断によって前処理されている。本明細書で開示されるように、中間シートは、デバイスの感知層とベース層との間に、ポケットを横方向に境界付け、ポケットを隣接するポケットから分離する側壁14wを形成する直立壁構造を有するスペーサ構造14を形成する。
【0123】
システム100は、多くの異なる方法において製造されることが可能であることが理解されるであろう。拡張性の理由のため、積層が好ましい場合があるが、接着などの代替方法が使用されることが可能である。同様に、突出した形状を有する可撓性壁3を含む、配線、スペーサ構造、および/または感知層10には、限定はしないが、付加製造方法および/または成形を含む代替方法が使用されることが可能である。
【0124】
図13A図15は、上記で説明した手順に従うシステム製造の例示的な実験結果を示す。
【0125】
図13Aおよび図13Bは、単一のMEMSデバイスを封入する単一のポケットを備えるシステム100の性能を示す。見てわかるように、可撓性壁3に加えられた試験圧力(a、pa)とMEMSデバイスの対応する測定応答(m、pm)との間には、優れた関係が存在する。適用された範囲にわたって、ヒステリシス、ドリフト、または漏れなどの他のアーティファクトに関して重大な問題は見つからなかった。
【0126】
図13Bにおける対応するプロットにおいて示すように、Paについて、試験された最大値の10kPaまで、正確で線形の関係20が存在する。ポケットは、最大100kPaまでスケールアップされることがわかった。ベースライン圧力は、周囲圧力の変動により変化する場合があるが、圧力差、変化は、加えられた力の正確な尺度である。
【0127】
図14Aおよび図14Bは、システムがどのように人のバイタルシステムを決定するために使用されることが可能であるかを示す。試験において、本発明によるシステムは、胸骨付近の位置に人によって持ち込まれた。図14Aにおけるプロットにおいて示すように、システムは、被験者の心拍数HRに対応する2mbar程度の圧力変動を記録することができた。図14Bに示すように、同じシステムは、呼吸イベント(BR)を示す応答に使用されることが可能である。
【0128】
図15におけるプロットは、システム100が、前記包帯によって人の前腕に加えられる圧力を測定するために、圧迫包帯90の下のインレーとして使用されることが可能であることを示す。時間0~10秒(上の写真を参照)において、システム100は、まだ包帯によって覆われていなかった。時間10~40において、包帯の適用に関連する効果が示される。時間40~115において、包帯は、前腕に適用され、約50mmHgの圧力を加える。変動は、被験者の筋肉の緊張の変動に関連すると考えられる。t115において、包帯が外される。
【0129】
明瞭さおよび簡潔な説明のために、本明細書において、特徴を、同じまたは別個の実施形態の一部として説明するが、本発明の範囲は、説明した特徴のすべてまたはいくつかの組合せを有する実施形態を含み得ることが理解されるであろう。開示され、図示される実施形態の様々な要素は、外部のチューブまたは加圧ツールなしで機能する能力と組み合わせて適合性および精度などの特定の利点を提供する。もちろん、設計および利点を見出し、適合させる際のさらなる改善を提供するために、上記の実施形態またはプロセスのいずれか1つが、1つまたは複数の他の実施形態またはプロセスと組み合わされ得ることが理解されるべきである。
【0130】
添付の特許請求の範囲を解釈する際、「備える」という単語は、所与の請求項において列挙されたもの以外の他の要素または行為の存在を排除せず、要素の前にある「a」または「an」という単語は、複数のそのような要素の存在を排除せず、特許請求の範囲における任意の参照符号は、それらの範囲を限定せず、いくつかの「手段」は、同じまたは異なる項目または実装された構造もしくは機能によって表される場合があり、開示されたデバイスまたはその部分のいずれも、特に別段の記載がない限り、一緒に組み合わされるか、またはさらなる部分に分離され得ることを理解されたい。1つの請求項が別の請求項を参照する場合、これは、それらのそれぞれの特徴の組合せによって達成される相乗的な利点を示す場合がある。しかし、特定の手段が互いに異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用されることも不可能であるということを示さない。したがって、本実施形態は、文脈によって明確に除外されない限り、各請求項が、原則として、任意の先行する請求項を参照することができる、請求項のすべての機能する組合せを含み得る。
【0131】
本開示は、以下に列挙する項によって指定される実施形態にさらに関する。
【0132】
項1.外力(F)を測定するためのシステム(100)であって、システムが、閉鎖ポケットのセットを形成する基板(1)であって、各ポケット(2)が、外力の関数として変形する少なくとも可撓性壁(3)を有する、基板(1)と、それぞれのポケット内の圧力(P)の関数として電気信号(S)の変動を引き起こすように各々が構成されたMEMSデバイスのセットとを備え、可撓性壁には、外力の存在下でポケット内の圧力を増加させるためにポケットの内側に撓むように構成された外側に突出した形状が設けられ、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された弾性手段が設けられる、システム(100)。
【0133】
項2.弾性手段が、外力の不在下で外側に突出した形状を回復するように構成された形状回復弾性組成物(C)を含む可撓性壁によって提供される、項1によるシステム。
【0134】
項3.可撓性壁が熱可塑性エラストマ組成物を含む、項1または2によるシステム。
【0135】
項4.ポケット(2)が、主容積(6)から側方に突出する隣接容積(7)と流体連通する主容積(6)を備え、可撓性壁における外側に突出した形状が、主容積の上方にのみ形成され、MEMSデバイスが、少なくとも部分的に、好ましくは完全に隣接容積内に配置される、項1から3のいずれか1つによるシステム。
【0136】
項5.基板(1)が、可撓性壁(3)を含む基板の感知層(10)を形成する第1のシート(9)と、感知層の反対側のベース層(12)を形成する第2のシート(11)とを含む2つ以上のシートのスタック(8)を備え、それによって、ポケット(2)が感知層とベース層との間に形成され、スタック(8)が、感知層とベース層との間に、ポケットを横方向に境界付け、ポケットを、隣接するポケットから分離する側壁(14w)を形成する直立壁構造を有するスペーサ構造(14)を形成する構造化中間シート(13)を含む、項1から4のいずれか1つによるシステム。
【0137】
項6.隣接容積が、ポケットの側壁において形成される、項1から5のいずれか1つによるシステム。
【0138】
項7.システムが、閉鎖ポケットの外側に配置された基準圧力センサ(49)を備える、項1から6のいずれか1つによるシステム。
【0139】
項8.システムが、外部デバイス、好ましくはモバイルデバイスとのペアリング時に、外部デバイスから基準圧力を受信するように構成される、項1から7のいずれか1つによるシステム。
【0140】
項9.システムが、MEMSデバイスのセットの遠隔読み出しのための電子機器(60)と、MEMSデバイスのセットの誘導電力供給のためのレシーバとを含む、項1から8のいずれか1つによるシステム。
【0141】
項10.項1から19のいずれか1つによるシステムの少なくとも第1のシステム(100a)および第2のシステム(100b)の層状スタック(201、202)を備えるアセンブリ(200)であって、第1の層(201)内に含まれるポケット(2a)がスタックの第2の層(202)内に含まれるポケット(2b)に対して横方向にシフトされるように層が配置される、アセンブリ(200)。
【0142】
項11.項1から9のいずれか1つによるシステムを備える衣料製品(300)。
【0143】
項12.項1から9のいずれか1つによるシステム(100)または項10によるアセンブリを備える、被験者(1000)のバイタルサインを測定するための診断製品(400)。
【0144】
項13.製品が、圧迫包帯(401)、寝具製品(402)、または座席製品である、項12による診断製品。
【0145】
項14.外力を測定するためのシステム(100)を製造する方法(500)であって、熱可塑性エラストマ組成物を含むシート(9)に沿う回路のための導電性配線(5)を印刷し(501)、MEMSデバイス(4)を回路に接続するステップ(502)と、外側に突出した形状を形成するために、熱可塑性エラストマ組成物を含む第2のシート(11)を熱成形するステップ(503)と、外側に突出した形状を有する閉鎖ポケット(2)を形成するために、互いに重なり合って配置されたシート(8、9)を積層するステップであって、ポケットがMEMSデバイスを封入する、ステップとを含む、方法(500)。
【0146】
項15.第1のシート(9)と第2のシート(11)との間に熱可塑性エラストマ組成物を含む中間シート(13)が積層され、中間シート(13)が、ポケット(2)の主容積(6)および隣接容積(7)に応じた位置において開口部(6a、7a)を含むようにパターン化され、それによって、突出した形状が主に主容積の上方にのみあり、MEMSデバイスが、少なくとも部分的に隣接容積内に配置される、項14による方法。
【符号の説明】
【0147】
1 基板、ベース層
2 閉鎖ポケット、ポケット
2a ポケット
2b ポケット
3 可撓性壁、突出した形状
4 MEMSデバイス
5 回路、配線
6 主容積
6a 開口部、切り抜き
7 隣接容積
7a 開口部、切り抜き
8 スタック
9 シート、第1のシート
10 感知層
11 シート、第2のシート
12 ベース層
13 シート、構造化中間シート、中間シート
13a 未使用シート
13w 側壁
14 スペーサ構造
30 衣料製品、ディスプレイ
41 ベース基板
42 最上層
43 可撓性膜
44 密閉容積、閉鎖感知容積
46 感知電子機器
47 感知電子機器
48 感知電子機器
49 基準圧力センサ、基準センサ
50 剛性ハウジング
51 開口部
52 一体化温度センサ
60 統合コントローラ、電子機器
61 電子機器、アンテナ
70 可撓性キャリア
90 バンド、圧迫包帯
91 圧迫包帯、包帯
100 システム
100a 第1のシステム
100b 第2のシステム
200 アセンブリ
201 層状スタック、層、第1の層
202 層状スタック、層、第2の層
400 個人監視製品または診断製品
401 個人監視製品または診断製品、製品
402 個人監視製品または診断製品、診断製品、製品
403 寝具製品、ベッド
550 フレーム
551 フレーム、膜プレス
1000 人
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
【国際調査報告】