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特表2024-533973結腸直腸癌または進行性腺腫を診断するためのバイオマーカー
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  • 特表-結腸直腸癌または進行性腺腫を診断するためのバイオマーカー 図1
  • 特表-結腸直腸癌または進行性腺腫を診断するためのバイオマーカー 図2
  • 特表-結腸直腸癌または進行性腺腫を診断するためのバイオマーカー 図3A
  • 特表-結腸直腸癌または進行性腺腫を診断するためのバイオマーカー 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】結腸直腸癌または進行性腺腫を診断するためのバイオマーカー
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/68 20060101AFI20240910BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20240910BHJP
   G16B 40/20 20190101ALI20240910BHJP
   C07K 14/435 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G01N33/68
G01N27/62 V ZNA
G16B40/20
C07K14/435
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506787
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 US2022074482
(87)【国際公開番号】W WO2023015215
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/229,185
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521339843
【氏名又は名称】ヴェン バイオサイエンシーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】セリー, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】リンドペイントナー, クラウス
【テーマコード(参考)】
2G041
2G045
4H045
【Fターム(参考)】
2G041CA01
2G041EA04
2G041FA12
2G041FA13
2G041GA03
2G041GA06
2G041GA09
2G041HA01
2G041JA02
2G041KA01
2G041LA08
2G041LA20
2G045AA26
2G045CA25
2G045CA26
2G045CB04
2G045DA44
2G045FA33
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045EA50
4H045FA71
(57)【要約】
本明細書では、結腸直腸癌または進行性腺腫などの疾患及び状態を診断するのに有用な糖ペプチドバイオマーカーについて記載する。糖ペプチドバイオマーカーを生成する方法及び質量分光法を使用して糖ペプチドを分析する方法も本明細書に記載される。機械学習アルゴリズムを使用して糖ペプチドを分析する方法も本明細書に記載される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)に関連する複数の状態に関して対象から得られた生体試料を分類する方法であって、
前記生体試料中のタンパク質のセットに対応するペプチド構造データを受け取ることと、
ペプチド構造のセットについて前記ペプチド構造データから特定された定量データを、前記定量化データに基づいて疾患指標を特定するように訓練された機械学習モデルに入力することであって、前記ペプチド構造のセットは、表10の複数のペプチド構造から特定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、前記入力することと、
前記機械学習モデルによって前記疾患指標を特定することと、
前記特定された疾患指標に基づいてCRCまたはAAに関連する複数の状態に関して前記生体試料を分類することと、を含む、前記方法。
【請求項2】
対象における結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)の存在を検出する方法であって、
前記対象から得られた生体試料中のタンパク質のセットに対応するペプチド構造データを受け取ることであって、前記ペプチド構造データが、表10の少なくとも1つのペプチド構造を含む、前記受け取ることと、
ペプチド構造のセットについて前記ペプチド構造データから特定された定量データを、前記定量化データに基づいて疾患指標を特定するように訓練された機械学習モデルに入力することと、
前記特定された疾患指標がCRCまたはAAに関連する選択された範囲内に含まれるという判定に応じて、CRCまたはAAの存在を検出することと、を含む、前記方法。
【請求項3】
前記タンパク質のセットが、1つ以上の糖タンパク質を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのペプチド構造が、糖ペプチドを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の状態が、CRC状態、AA状態、または健康な状態のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記機械学習モデルが、正則化回帰モデルを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記正則化回帰モデルが、最小絶対収縮及び選択演算子(LASSO)回帰モデルを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ペプチド構造のセットのペプチド構造についての前記定量データが、存在量、相対存在量、正規化済み存在量、または差分存在量のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ペプチド構造のセットのペプチド構造についての前記定量化データが、相対量、調整済み量、正規化済み量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化済み濃度のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記定量化データが、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)システムを使用して生成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ペプチド構造データが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記機械学習モデルが、前記対象からの前記生体試料が前記複数の状態のうちのどの状態であるかを判定するために、前記ペプチド構造のパネルのサブセットであるペプチド構造のセットに対応する前記定量化データの一部を用いて訓練されたものである、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の対象についての前記定量化データを使用して示差的発現分析を行うことをさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記生体試料が、血液、血清、血漿、または便のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
対象の結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を治療する方法であって、
前記対象から得られた生体試料中のタンパク質のセットに対応するペプチド構造データを受け取ることであって、前記ペプチド構造データが、表10の少なくとも1つのペプチド構造を含む、前記受け取ることと、
前記少なくとも1つのペプチド構造の定量データを、前記定量データに基づいてCRCまたはAAについての疾患指標を生成するように訓練された機械学習モデルに入力することと、
前記機械学習モデルによって前記疾患指標を特定することと、
前記疾患指標に基づいて、CRCまたはAAを治療するために複数の治療レジメンのうちの少なくとも1つを選択することと、を含む、前記方法。
【請求項16】
対象の結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を治療する方法であって、
生体試料中のタンパク質のセットに対応するペプチド構造データを受け取ることと、
ペプチド構造のセットについて前記ペプチド構造データから特定された定量データを、前記定量化データに基づいて疾患指標を特定するように訓練された機械学習モデルに入力することであって、前記ペプチド構造データが、表10の複数のペプチド構造から特定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、前記入力することと、
前記機械学習モデルによって前記疾患指標を特定することと、
前記特定された疾患指標に基づいてCRCまたはAAの分類を決定することと、
前記分類に基づいて、CRCまたはAAを治療するための複数の治療レジメンのうちの少なくとも1つを選択することと、
前記分類に基づいて、CRCまたはAAを治療するための複数の治療レジメンのうちの前記少なくとも1つを投与することと、を含む、前記方法。
【請求項17】
前記タンパク質のセットが、1つ以上の糖タンパク質を含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
選択された治療レジメンを前記対象に投与することをさらに含む、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を有する個人を診断する方法であって、
表10の少なくとも1つのペプチド構造の存在または量を検出することと、
前記検出された少なくとも1つのペプチド構造の定量化を、分類ラベルを生成するように訓練された機械学習モデルに入力することと、
前記分類ラベルが分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、
前記分類ラベルが前記分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて、前記個人の診断分類を特定することと、
前記診断分類に基づいて前記個人をCRCまたはAAを有するものとして診断することと、を含む、前記方法。
【請求項20】
前記定量化データが、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)システムを使用して生成される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記ペプチド構造データが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのペプチド構造の量が存在しないか、または検出限界未満である、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記CRCが、早期または末期のCRCのうちの1つである、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記CRCが、ステージIのCRC、ステージIIのCRC、ステージIIIのCRC、またはステージIVのCRCのうちの1つである、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される3種以上のペプチド構造を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つのペプチド構造が、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種のペプチドを含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのペプチド構造が、配列番号5及び/または配列番号6に記載の配列を含む少なくとも1種のペプチドを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記対象が、CRCに関連する1つ以上のリスク因子を有する、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記個人が、健康な状態を有すると判定され、前記健康な状態にはCRCもAAもないことが含まれる、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記対象について検出された前記対応する状態に基づく診断を含むレポートを生成することをさらに含む、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)に関連する複数の状態のうちの1つを有する対象を診断するためのモデルを訓練する方法であって、
CRCまたはAAに関連する前記複数の状態を診断された複数の対象におけるペプチド構造のパネルについての定量化データを受け取ることと、
前記定量化データに基づいて前記対象からの生体試料の前記複数の状態のうちの特定の状態を判定するように機械学習モデルを訓練することと、を含む、前記方法。
【請求項32】
前記複数の状態のうちの前記特定の状態を判定するように前記機械学習モデルを訓練することは、前記複数の状態のうちの前記特定の状態についての分類ラベルを生成するように前記機械学習モデルを訓練することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記複数の状態が、CRC状態、AA状態、または健康な状態のうちの少なくとも1つを含む、請求項31または請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記機械学習モデルが、正則化回帰モデルを含む、請求項31~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記正則化回帰モデルが、最小絶対収縮及び選択演算子(LASSO)回帰モデルを含む、請求項31~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つのペプチド構造が、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも5種、少なくとも10種、少なくとも15種、少なくとも20種、少なくとも25種、少なくとも30種、または少なくとも35種の異なるペプチドを含む、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つのペプチド構造が、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、または少なくとも5種の異なるペプチドを含む、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つのペプチド構造が、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも5種、少なくとも10種の異なるペプチドを含む、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つのペプチド構造が、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも5種、少なくとも10種、少なくとも15種、または少なくとも20種の異なるペプチドを含む、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも1つのペプチド構造がペプチド配列及びグリカン構造を含み、前記グリカン構造が、表10に記載のペプチド配列中の結合部位位置に結合されている、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記ペプチド配列の前記グリカン構造が、表10に記載のグリカン構造GL番号に対応し、前記グリカン構造が、表10、表11A、及び表11Bに記載の前記グリカン構造GL番号に記載される記号構造を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記ペプチド配列のグリカン構造が、表10に記載のグリカン構造GL番号に対応し、前記グリカン構造が、表10、表11A、及び表11Bに記載の前記グリカン構造GL番号に記載される組成を含む、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
表11Aの前記グリカン構造の一番右のN-アセチルガラクトサミンが、表10に記載される前記ペプチド配列内の結合部位位置に結合されており、
表11Bの前記グリカン構造の一番下のN-アセチルグルコサミンが、表10に記載される前記ペプチド配列内の結合部位位置に結合されている、請求項40~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
表10の1つ以上のペプチド構造を含む、組成物。
【請求項45】
前記1つ以上のペプチド構造がペプチド配列及びグリカン構造を含み、前記グリカン構造が、表10に記載の前記ペプチド配列中の結合部位位置に結合されている、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記ペプチド配列の前記グリカン構造が、表10に記載のグリカン構造GL番号に対応し、前記グリカン構造が、表10、表11A、及び表11Bに記載の前記グリカン構造GL番号に記載される記号構造を含む、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
前記ペプチド配列のグリカン構造が、表10に記載のグリカン構造GL番号に対応し、前記グリカン構造が、表10、表11A、及び表11Bに記載の前記グリカン構造GL番号に記載される組成を含む、請求項45または46に記載の組成物。
【請求項48】
表11Aの前記グリカン構造の一番右のN-アセチルガラクトサミンが、表10に記載される前記ペプチド配列内の結合部位位置に結合されており、
表11Bの前記グリカン構造の一番下のN-アセチルグルコサミンが、表10に記載される前記ペプチド配列内の結合部位位置に結合されている、請求項45~47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
配列番号1~38に記載の配列を含む1つ以上のペプチドを含む、組成物。
【請求項50】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号5及び/または配列番号6に記載の配列を含む、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
前記1つ以上のペプチドが、1つ以上の糖ペプチドを含む、請求項49または50に記載の組成物。
【請求項52】
1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号1~38に記載される配列を含む1つ以上のペプチドを含む、キット。
【請求項53】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号5及び/または配列番号6に記載の配列を含む、請求項52に記載のキット。
【請求項54】
1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38に記載の配列を含む1つ以上のペプチド、及びそれらの組み合わせを含む、キット。
【請求項55】
1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号3、7、9、28、29、32、及び33に記載の配列を含む1つ以上のペプチド、及びそれらの組み合わせを含む、キット。
【請求項56】
1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32に記載の配列を含む1つ以上のペプチド、及びそれらの組み合わせを含む、キット。
【請求項57】
結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)に関連する複数の状態に関して対象から得られた生体試料を分類する方法であって、
前記生体試料から得られた質量分析(MS)定量化データを受け取ることであって、
前記定量化データは、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドのそれぞれに関連する定量化レベルを含む、前記受け取ることと、
前記MS定量化データを機械学習モデルに入力することであって、
前記機械学習モデルは、CRCを有するか、AAを有するか、またはCRCもAAも有さないものとして特徴付けられる訓練試料からの定量化データを含む1つ以上の訓練MS定量化データセットで訓練されており、
各訓練試料について、前記関連する訓練MS定量化データは、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドのそれぞれに関連する定量化レベルを含む、前記入力することと、
CRCまたはAAに関連する前記複数の状態に関して前記生体試料を分類することと、を含む、前記方法。
【請求項58】
前記生体試料が、CRCを有するものとして分類される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記生体試料が、AAを有するものとして分類される、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記生体試料が、CRCもAAも有さないものとして分類される、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
CRCもAAも有さないことを特徴とする前記訓練試料の少なくとも1つが、健康な対象から得られる、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記MS定量化データが、ペプチド配列情報を含む、請求項57~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記MS定量化データが、翻訳後修飾情報を含む、請求項57~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記翻訳後修飾情報が、グリカン情報を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記MS定量データが、表9のモデル1またはモデル2の各タンパク質に由来する1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルを含む、請求項57~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記MS定量データが、表10の1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルを含む、請求項57~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記MS定量データが、表9のモデル1またはモデル2の各タンパク質に由来する少なくとも1つのペプチドに関連する定量化レベルを含む、請求項57~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
ペプチドの定量化レベルが、前記ペプチドの非存在を反映する、請求項57~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記訓練MS定量データが、表9のモデル1またはモデル2の各タンパク質に由来する1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルを含む、請求項57~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記訓練MS定量データが、表10の1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルを含む、請求項57~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記MS定量化データが、MS技術を使用して前記生体試料またはその誘導体の分析から取得される、請求項57~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記MS技術が、MRM技術である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
対象から得られた生体試料の糖ペプチドプロファイルを決定する方法であって、
前記糖ペプチドプロファイルが、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルに基づいたものであり、
前記生体試料またはその誘導体を、表9の1つ以上のタンパク質に由来する前記1つ以上のペプチドを評価するように構成された質量分析(MS)技術に供してMS情報を取得することと、
前記MS情報に基づいて、表9の1つ以上のタンパク質に由来する前記1つ以上のペプチドに関連する前記定量化レベルを決定することと、
表9の1つ以上のタンパク質に由来する前記1つ以上のペプチドに関連する前記定量化レベルに基づいて前記糖ペプチドプロファイルを決定することと、を含む、前記方法。
【請求項74】
質量分析の分析を行う方法であって、生体試料またはその誘導体を、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドを評価するように構成された質量分析(MS)技術に供することを含む、前記方法。
【請求項75】
前記MS技術が、標的MS技術である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記標的MS技術が、MRM技術である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
対象の結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を治療する方法であって、
前記対象をCRCまたはAAに関連する複数の状態に関して分類することと、
前記対象に前記分類に基づいた治療レジメンを投与することと、を含む、前記方法。
【請求項78】
個人の結腸直腸の健康状態を評価する方法であって、
結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)に関連する複数の状態に関して前記対象からの生体試料を分類することを含む、前記方法。
【請求項79】
前記分類が、前記対象が大腸内視鏡検査を受ける必要性を示す、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記1つ以上のペプチドが、配列番号5及び/または配列番号6に記載の配列を含む、請求項57~79のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月4日に出願された米国仮出願第63/229,185号の利益を主張するものであり、あらゆる目的で本明細書に参照によりその全容を援用するものである。
【0002】
電子的配列表(166532000740SEQLIST.xml、サイズ:57,343バイト、作成日:2022年7月28日)の全容を参照によって本明細書に援用するものである。
【0003】
本開示は、これらに限定されるものではないが、グリカン、ペプチド、及び糖ペプチドを含む糖プロテオームバイオマーカー、ならびにこれらのバイオマーカーを質量分析法により使用する方法、及び臨床的応用において使用する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
グリコシル化の変化は、がん等の病態に関連して説明されている。例えば、Dube,D.H.;Bertozzi,C.R.Glycans in Cancer and Inflammation-Potential for Therapeutics and Diagnostics.Nature Rev.Drug Disc.2005,4,477-88を参照されたい(その全容をあらゆる目的で参照により本明細書に援用する)。しかしながら、結腸直腸癌または進行性腺腫などの患者のがんをその患者からの試料のグリコシル化の変化に基づいて診断するための、臨床的に適用できる非侵襲的アッセイは未だ十分に実証されていない。
【0005】
結腸直腸癌または進行性腺腫を診断するための従来の臨床アッセイとしては、例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によって患者の血中のタンパク質の量を測定することが挙げられる。しかしながら、ELISAは、感度及び精度が限定的である。例えば、ELISAは、あくまでng/mLの範囲の濃度のタンパク質を測定するものにすぎない。この狭い測定範囲のため、このアッセイの適用可能性は、この濃度範囲を大幅に上回るかまたは下回る濃度のバイオマーカーが測定できないことによって限定される。また、ELISAアッセイは、アッセイすることができる試料の種類に関しても限定される。より精密で感度が高い検査法が存在しないため、こうした検査法が存在していれば結腸直腸癌または進行性腺腫と診断されていた可能性がある患者が診断されることなく、その後の適切な医療処置を受けられないことになる。
【0006】
その代替として、使用質量分析法(MS)は、糖ペプチドを含むがん固有のバイオマーカーの高感度且つ正確な測定法を提供する。例えば、その全容をあらゆる目的で参照により本明細書に援用するところのRuhaak,L.R.,et al.,Protein-Specific Differential Glycosylation of Immunoglobulins in Serum of Ovarian Cancer Patients DOI:10.1021/acs.jproteome.5b01071;J.Proteome Res.,2016,15,1002-1010(2016);さらに、Miyamoto,S.,et al.,Multiple Reaction Monitoring for the Quantitation of Serum Protein Glycosylation Profiles:Application to Ovarian Cancer,DOI:10.1021/acs.jproteome.7b00541,J.Proteome Res.2018,17,222-233(2017)を参照されたい。しかし、一般的にはがんの、具体的には結腸直腸癌または進行性腺腫の診断にMSを使用することは、これまでに臨床的に適用可能な形で実証されていない。
【0007】
新規なバイオマーカーと、これらのバイオマーカーを使用してがんなどの病態を診断するためにMSを使用する新規な方法が求められている。本明細書の以下の開示では、グリカン、ペプチド、及び糖ペプチド、ならびにそれらの断片を含むそのようなバイオマーカー、ならびにバイオマーカーをMSとともに使用して結腸直腸癌または進行性腺腫を診断する方法について記載する。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態では、本明細書において、配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドまたはペプチド、及びそれらの組み合わせが記載される。
【0009】
別の実施形態では、本明細書において、配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドまたはペプチド、及びそれらの組み合わせが記載される。
【0010】
別の実施形態では、本明細書において、1つ以上のMRMトランジションを検出するための方法であって、1つ以上の糖タンパク質、グリカン、または糖タンパク質を含む生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化することと、本明細書に記載のトランジション1~38からなる群から選択される多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出することと、を含む、方法が記載される。
【0011】
別の実施形態では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分析法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、例えば本明細書に記載の関連する任意のグリカンとともに、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含むか、それから本質的になるか、またはそれからなるか、前記定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて試料の分類を特定することと、を含む、方法が記載される。
【0012】
さらに別の実施形態では、本明細書において、生体試料を分類するための方法であって、患者から生体試料を得ること、または患者から生体試料が既に得られていることと、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化することと、トランジション1~38からなる群から選択されるMRMトランジションを検出することと、糖ペプチドまたはその断片を定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて生体試料を分類することと、を含む、方法が記載される。
【0013】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を治療するための方法であって、患者から生体試料を得ること、または患者から生体試料が既に得られていることと、試料中の1つ以上の糖ペプチドを消化及び/または断片化することと、トランジション1~38からなる群から選択される1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出して定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者を、(A)切除を必要とする患者、(B)治療薬を必要とする患者、(C)アルキル化療法を必要とする患者、(D)標的治療薬を必要とする患者、(E)免疫治療薬を必要とする患者、(F)免疫チェックポイント阻害薬を必要とする患者、(G)T細胞関連療法を必要とする患者、(H)がんワクチンを必要とする患者、(I)放射線療法を必要とする患者、(J)大腸内視鏡検査を必要とする患者、または(K)これらの組み合わせからなる群から選択される分類に分類することと、分類AまたはKが判定される場合、切除を行うこと、または切除が既に行われていることと、分類IまたはKが判定される場合、放射線療法を行うこと、または放射線療法が既に行われていることと、分類JまたはKが判定される場合、大腸内視鏡検査を行うこと、または大腸内視鏡検査が既に行われていることと、または、治療有効量の治療薬を患者に投与することであって、分類BまたはKが判定される場合、治療薬は治療薬から選択され、または分類CまたはKが判定される場合、治療薬はアルキル化剤から選択され、または分類DまたはKが判定される場合、治療薬は標的化治療薬から選択され、分類EまたはKが判定される場合、治療薬は免疫治療薬から選択され、分類FまたはKが判定される場合、治療薬は免疫チェックポイント阻害薬から選択され、分類GまたはKが判定される場合、治療薬はT細胞関連療法から選択され、分類HまたはKが判定される場合、治療薬はがんワクチンから選択される、投与することと、を含む、方法が記載される。
【0014】
別の実施形態では、本明細書において、機械学習アルゴリズムを訓練するための方法であって、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することと、コントロール試料を示すMRMトランジションシグナルの第2のデータセットを提供することと、機械学習アルゴリズムを使用して第1のデータセットと第2のデータセットとを比較することとを含む、方法が記載される。特定の実施形態では、ハイパーパラメータを選択するための相互検証を伴うLASSO方法を用いて機械学習アルゴリズムが訓練される。
【0015】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、患者から生体試料を得ること、または患者から生体試料が既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを用いて生体試料の質量分析を行って、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量化するか、またはトランジション1~38から選択される1つ以上のMRMトランジションを検出してMRMトランジションに関連したグリカン、ペプチド、及び糖ペプチドを定量化することと、検出された糖ペプチドの定量化またはMRMトランジションを訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者の診断分類を特定することと、診断分類に基づいて患者を結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして診断することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、方法は、QQQとともにMRM-MSを用いて生体試料の質量分析を行うことを含む。
【0016】
別の実施形態では、本明細書において、糖ペプチド標準物質、緩衝液、及び配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが記載される。
【0017】
別の実施形態では、本明細書において、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドが記載される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】モデル1を使用した結腸直腸癌を有する確率のプロットを示す。
図2】モデル2を使用した進行性腺腫を有する確率のプロットを示す。
図3A】個々のマーカーに関するモデル1の曲線下面積(AUC)分析を示す。
図3B】個々のマーカーに関するモデル2のAUC分析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、当業者が本発明を行い、使用すること、及びそれを特定の応用の関連において組み込むことを可能にするために提示される。異なる応用における種々の変更、ならびに種々の用途が当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般原理が広範な実施形態に応用されてもよい。故に、本明細書における本発明は、提示される実施形態に限定されることは意図されず、本明細書に開示される原理及び新規の特徴と一致するそれらの最も広い範囲を与えられるものとする。
【0020】
別途明示的定めのない限り、本明細書(いずれの添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面をも含む)に開示される全ての特徴は、同じ、同等の、または類似の目的を果たす代替の特徴により置き換えられてもよい。故に、別途明示的定めのない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の同等または類似の特徴の一例にすぎない。
【0021】
使用される場合、左、右、正面、背面、上、下、順方向、逆方向、時計回り、及び反時計回りというラベルは、便宜上の目的で使用されているにすぎず、いずれの特定の固定した方向を黙示することは意図されないことに留意されたい。代わりに、それらは、対象物の種々の部分間の相対位置及び/または方向を反映するために使用される。
【0022】
I.一般論
本開示は、生体試料中のグリカン及び糖ペプチドのプロファイリング、検出、及び/または定量化のための方法及び組成物を提供する。いくつかの例では、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断及びスクリーニングするためのグリカン及び糖ペプチドパネルについて記載する。いくつかの例では、がんを有する患者を診断及びスクリーニングするためのグリカン及び糖ペプチドパネルについて記載する。
【0023】
質量分析法を使用して生体試料を分析するための特定の方法が知られている。例えば、国際特許出願第PCT/US2018/56574号として2018年10月18日に出願され、IDENTIFICATION AND USE OF BIOLOGICAL PARAMETERS FOR DIAGNOSIS AND TREATMENT MONITORINGと題される国際PCT特許出願公開第WO2019079639A1号を参照されたく、同文献の全内容は参照によりその全体が全目的で本明細書に援用される。また、米国特許出願第16/120,016号として2018年8月31日に出願され、Identification and Use of Glycopeptides as Biomarkers for Diagnosis and Treatment Monitoringと題される米国特許出願公開第US20190101544A1号も参照されたく、同文献の全内容は参照によりその全体が全目的で本明細書に援用される。
【0024】
II.定義
本明細書で使用される単数形「a」、「an、及び「the」には、文脈によってそうでない旨が明確に示されないかぎり、複数の指示対象が含まれる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「生体試料」という語句は、生物に由来する、それによって得られた、それから生成された、それから提供された、それから採取された、もしくはそれから取り出された試料、または生物からの流体もしくは組織からの試料を指す。生体試料には、滑液、全血、血清、血漿、尿、痰、組織、唾液、涙、脊髄液、生検により得られた組織切片(複数可);組織培養に配置または適合される細胞(複数可);汗、粘液、糞便材料、胃液、腹水、羊水、嚢胞液、腹腔液、膵液、母乳、肺洗浄液、骨髄、胃酸、胆汁、精液、膿、房水、漏出液、ならびに上述したものの誘導体、部分、及び組み合わせを含む同等物が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの例では、生体試料は、血液及び/または血漿を含むが、これらに限定されない。いくつかの例では、生体試料は、尿または便を含むが、これらに限定されない。生体試料は、唾液を含むが、これに限定されない。生体試料は、組織切片及び組織生検を含むが、これらに限定されない。生体試料は、上述の生体試料の任意の誘導体または画分を含むが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用する場合、「グリカン」という用語は、複合糖質の炭水化物残基、例えば、糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、またはプロテオグリカンの炭水化物部分を指す。グリカン構造は、グリカン参照コード番号によって記述され、また、2020年1月31日に出願された国際PCT特許出願第PCT/US2020/0162861号にも図示される(同文献は参照によりその全体が全目的で本明細書に援用される)。例えば、あらゆる目的で本明細書に参照によってその全容を援用するところの2020年1月31日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2020/0162861号の図1~14を参照されたい。
【0027】
本明細書で使用する場合、「糖ペプチド」という用語は、少なくとも1つのグリカン残基が結合しているペプチドを指す。本明細書に記載の各実施形態では、糖ペプチドは、示される配列番号によって指定されるアミノ酸配列と、例えばその配列番号に関連して本明細書に記載されるものなどの1つ以上のグリカンと、を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなるものであってよい。例えば、本明細書で使用する配列番号1に記載の糖ペプチドとは、配列番号1に記載のアミノ酸配列と、グリカン5411とに基づく糖ペプチドであって、グリカンが残基107に結合している糖ペプチドを指すことができる。本明細書で使用する配列番号1に記載の糖ペプチドとは、配列番号1に記載のアミノ酸配列と、グリカン5411とを含む糖ペプチドであって、グリカンが残基107に結合している糖ペプチドを指すことができる。本明細書で使用する配列番号1に記載の糖ペプチドとは、配列番号1に記載のアミノ酸配列と、グリカン5411とから本質的になる糖ペプチドであって、グリカンが残基107に結合している糖ペプチドを指すことができる。本明細書で使用する配列番号1に記載の糖ペプチドとは、配列番号1に記載のアミノ酸配列と、グリカン5411とからなる糖ペプチドであって、グリカンが残基107に結合している糖ペプチドを指すことができる。同様の用法は配列番号2~38にも適用され、グリカンについては以下のセクションで説明する。
【0028】
本明細書で使用する場合、「グリコシル化ペプチド」という語句は、グリカン残基に結合したペプチドを指す。
【0029】
本明細書で使用する場合、「糖ペプチド断片」または「グリコシル化ペプチド断片」という語句は、例えば、1つ以上のプロテアーゼ(複数可)による消化によって、または例えば、MRM-MS装置内でのイオン断片化によってそこからグリコシル化ペプチドが得られたグリコシル化タンパク質のアミノ酸配列の一部(ただし全部ではない)と同じであるアミノ酸配列を有するグリコシル化ペプチド(または糖ペプチド)を指す。MRMは、多重反応モニタリング(multiple-reaction-monitoring)を指す。別途明記されない限り、本明細書内で、「糖ペプチド断片」または「糖ペプチドの断片」は、任意選択で糖タンパク質が酵素的に消化されて糖ペプチドが生成された後に、質量分析計を使用することによって直接生成された断片を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)」という語句は、生体試料中のグリカン及びペプチドの標的定量のための感度及び選択性の高い方法を指す。従来の質量分析法とは異なり、MRM-MSは、選択性が高く(標的化)、研究者が機器を微調整して目的とするある特定のペプチド断片を特定して探すことを可能にする。MRMは、潜在的なバイオマーカー等の目的とするペプチド断片のより高い感度、特異度、速度、及び定量を可能にする。MRM-MSは、トリプル四重極(QQQ)質量分析計及び四重極飛行時間型(qTOF)質量分析計のうちの1つ以上を使用することを含む。
【0031】
本明細書で使用する場合、「糖ペプチドを消化する」という表現は、酵素を用いて特定のアミノ酸ペプチド結合を切断する生物学的プロセスを指す。例えば、糖ペプチドを消化することは、糖ペプチドを消化酵素、例えば、トリプシンと接触させて、糖ペプチドの断片を生成することを含む。いくつかの例では、糖ペプチドを消化するためにプロテアーゼ酵素が使用される。「プロテアーゼ」という用語は、大きなペプチドを、より小さなポリペプチドまたは個々のアミノ酸にタンパク質分解または分解する酵素を指す。プロテアーゼの例としては、セリンプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、アスパラギンペプチドリアーゼ、及び上述したものの任意の組み合わせのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用される場合、「糖ペプチドを断片化すること」という語句は、MRM-MS機器で生じるイオン断片化プロセスを指す。断片化は、同じ質量を有するが、電荷に関して異なる種々の断片を生成し得る。
【0033】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物を指す。哺乳動物の非限定的な例としては、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシ等が挙げられる。ヒト以外の哺乳動物が、疾患、未病、または未病状態の動物モデルを代表する対象として有利に使用され得る。対象は、雄性または雌性である。対象は、疾患または状態を有すると以前に特定された、任意選択で、疾患または状態に対する治療介入をすでに受けたか、またはそれを受けているものであり得る。代替として、対象はまた、疾患または状態を有すると以前に診断されたものでもあり得る。例えば、対象は、疾患もしくは状態の1つ以上のリスク因子を示す者、または疾患のリスク因子を示さない対象、または疾患もしくは状態に対して無症候性である対象であり得る。対象はまた、疾患または状態に罹患しているかまたは発症するリスクがある者であってもよい。
【0034】
本明細書で使用する場合、「患者」という用語は、哺乳類の対象を指す。哺乳動物は、ヒト、またはウマ、ブタ、イヌ、ネコ、有蹄動物及び霊長類動物を含むがこれらに限定されない動物であり得る。一実施形態では、個体はヒトである。本明細書に記載の方法及び使用は、医学的使用及び獣医学的使用の両方に有用である。「患者」は、そうでない旨の断りのない限り、ヒト対象である。
【0035】
本明細書で使用する場合、「ペプチド」とは、そうでない旨の断りのない限り、糖ペプチドを含むことを意図する。
【0036】
本明細書で使用する場合、「多重反応モニタリング(MRM)トランジション」という語句は、糖ペプチドまたはその断片がMRM-MSによって検出される際に観察される質量電荷比(m/z)のピークまたはシグナルを指す。MRMトランジションは、プリカーサーイオン及びプロダクトイオンのトランジションとして検出される。
【0037】
本明細書で使用される場合、「多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出すること」という表現は、質量分析計が、タンデム質量分析計のイオン断片化法を使用して試料を分析し、試料中のイオン断片の質量電荷比を同定するプロセスを指す。これらの同定される質量電荷比の絶対値は、トランジションと呼ばれる。本明細書に記載の方法との関連で、質量電荷比のトランジションは、グリカン、ペプチド、または糖ペプチドイオン断片を示す値である。本明細書に記載のいくつかの糖ペプチドについて、単一のトランジションピークまたはシグナルが存在する。本明細書に記載の他のいくつかの糖ペプチドについて、複数のトランジションピークまたはシグナルが存在する。MRM質量分析の背景情報は、Introduction to Mass Spectrometry:Instrumentation,Applications,and Strategies for Data Interpretation,4th Edition,J.Throck Watson,O.David Sparkman,ISBN:978-0-470-51634-8,November 2007(この全内容は、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。
【0038】
本明細書で使用する場合、「糖ペプチドを示す多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出すること」という語句は、MRM-MSトランジションが検出され、次に、糖ペプチドを同定するために、計算された糖ペプチドまたはその断片の質量電荷比(m/z)と比較されるMSプロセスを指す。いくつかの例では、単一のトランジションは、それらの糖ペプチドが同一のMRM-MS断片化パターンを有する場合、2つ以上の糖ペプチドを示し得る。トランジションピークまたはシグナルには、表1~5、例えば、表1、表2、表3、表4、表5、またはそれらの組み合わせによる配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドに関連する、本明細書に記載されるトランジションが含まれるが、これらに限定されない。トランジションピークまたはシグナルには、表1~5、例えば、表1、表2、表3、表4、表5、またはそれらの組み合わせによる配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドに関連する、本明細書に記載されるトランジションが含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書で使用する場合、「参照値」という用語は、病態が既知である個人(複数可)の集団から得られた値を指す。参照値は、n次元特徴空間内にあり得、最大マージン超平面によって定義され得る。参照値は、当業者に周知の標準的な方法に従って、個体の任意の特定の集団、部分集団、または群について判定することができる。
【0040】
本明細書で使用される場合、「個体の集団」という用語は、1以上の個体を意味する。一実施形態では、個体の集団は、1の個体からなる。一実施形態では、個体の集団は、複数の個体を含む。本明細書で使用される場合、「複数の」という用語は、少なくとも2(例えば、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、または30)の個体を意味する。一実施形態では、個体の集団は、少なくとも10の個体を含む。
【0041】
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置する」という用語は、1)疾患もしくは状態を予防もしくはそれから保護すること、つまり臨床症状が発症しないようにすること、2)疾患もしくは状態を阻止すること、つまり臨床症状の発症を停止もしくは抑制すること、及び/または3)疾患もしくは状態を軽減すること、つまり臨床症状の退行を引き起こすことを含む、哺乳動物等の対象における疾患または状態の任意の処置を意味する。治療することは、治療薬を、治療を必要とする対象に投与することを含んでもよい。
【0042】
本明細書では、グリカンを説明するためにグリカンの記号命名法(SNFG)を使用してグリカンを参照する。この図解システムの説明は、あらゆる目的でその内容全体を本明細書に参照によって援用するところのwww.ncbi.nlm.nih.gov/glycans/snfg.htmlにてインターネット上で入手可能である。Glycobiology 25:1323-1324,2015に公開されるSymbol Nomenclature for Graphical Representation of Glycans(これはdoi.org/10.1093/glycob/cwv091にてインターネットで入手可能である)。SNFGシステムの図を示す追加情報は、以下の通りである。このシステム内では、Hex_i:という用語は、次のように解釈される。iは、緑色の円(マンノース)の数及び黄色の円(ガラクトース)の数を示す。HexNAC_jという項目は、jを使用して青色の正方形(GlcNAC)の数を示す。Fuc_dという項目は、dを使用して赤色の三角形(フコース)の数を示す。NeuAC_lという項目は、lを使用して紫色のひし形(シアル酸)の数を示す。本明細書で使用されるグリカン参照コードは、これらのi、j、d、及びlの項目を組み合わせて、4~5の合成数のグリカン参照コード、例えば、5300または5320を作成する。例として、図1のグリカン3200及び3210はどちらも、3個の緑色の丸(マンノース)、2個の青色の四角(GlcNAC)を含み、紫色のひし形(シアル酸)は含まないが、グリカン3210が1個の赤色の三角(フコース)も含む点で異なる。例えば、あらゆる目的で本明細書に参照によってその全容を援用するところの、2020年1月31日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2020/0162861号の図1~14を参照されたい。
【0043】
III.バイオマーカー
本明細書ではバイオマーカーについて記載する。これらのバイオマーカーは、これらに限定されるものではないが、疾患及び症状の診断を含むさまざまな用途で有用である。例えば、本明細書に記載される特定のバイオマーカー、またはそれらの組み合わせは、結腸直腸癌または進行性腺腫を診断するうえで有用である。いくつかの他の例では、本明細書に記載されるある特定のバイオマーカー、またはそれらの組み合わせは、がん、自己免疫疾患、または線維症を有する患者を診断及びスクリーニングするのに有用である。いくつかの例では、本明細書に記載されるバイオマーカー、またはそれらの組み合わせは、患者が適切な医学的治療を受けるように患者を分類するのに有用である。いくつかの他の例では、本明細書に記載されるバイオマーカー、またはそれらの組み合わせは、例えば、患者の治療に用いる治療剤を特定することによって、患者における疾患または状態を治療または改善するのに有用である。いくつかの他の例では、本明細書に記載されるバイオマーカー、またはそれらの組み合わせは、患者の治療の予後または治療レジメンの奏功の可能性もしくは生存率を判定するうえで有用である。
【0044】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~38のいずれかのアミノ酸配列を含む糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0045】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0046】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれかのアミノ酸配列を含む糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0047】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38から選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0048】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号5のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号8のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号9のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号10のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号11のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号13のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号14のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号16のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号17のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号18のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号19のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号20のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号21のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号22のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号26のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号27のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号28のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号30のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号31のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号34のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号35のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号36のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号37のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号38のアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0049】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号5のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号8のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号9のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号10のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号11のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号13のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号14のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号16のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号17のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号18のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号19のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号20のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号21のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号22のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号26のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号27のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号28のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号30のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号31のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号34のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号35のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号36のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号37のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号38のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0050】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号5の配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号8のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号9のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号10のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号11のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号13のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号14のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号16のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号17のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号18のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号19のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号20のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号21のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号22のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号26のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号27のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号28のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号30のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号31のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号34のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号35のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号36のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号37のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号38のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0051】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれかのアミノ酸配列を含む糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0052】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列からなるか、または本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0053】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれかのアミノ酸配列を含む糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0054】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択されるアミノ酸配列からなるか、または本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0055】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0056】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列からなるか、または本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0057】
いくつかのその他の例では、本明細書の方法は、MSによって分析される試料を有する患者を選択することを含み、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0058】
いくつかのその他の例では、本明細書の方法は、MSによって分析される試料を有する患者を選択することを含み、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかのその他の例では、本明細書の方法は、MSによって分析される試料を有する患者を選択することを含み、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、本明細書の方法は、MSによって分析される試料を有する患者を選択することを含み、その結果を使用して試料中の配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列からなるか、それから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0059】
本明細書では、グリカン、ペプチド、糖ペプチド、それらの断片、及びそれらの組み合わせから選択されるバイオマーカーについて記載する。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列からなる。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列から本質的になる。
【0060】
本明細書では、グリカン、ペプチド、糖ペプチド、それらの断片、及びそれらの組み合わせから選択されるバイオマーカーについて記載する。いくつかの例では、ペプチドは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のアミノ酸配列を含む。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のアミノ酸配列からなる。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のアミノ酸配列から本質的になる。
【0061】
本明細書では、グリカン、ペプチド、糖ペプチド、それらの断片、及びそれらの組み合わせから選択されるバイオマーカーについて記載する。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列からなる。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列から本質的になる。
【0062】
本明細書では、グリカン、ペプチド、糖ペプチド、それらの断片、及びそれらの組み合わせから選択されるバイオマーカーについて記載する。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択されるアミノ酸配列からなる。いくつかの例では、糖ペプチドは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択されるアミノ酸配列から本質的になる。
【0063】
a.O-グリコシル化
いくつかの例では、本明細書に記載される糖ペプチドは、O-グリコシル化ペプチドを含む。これらのペプチドは、グリカンがアミノ酸の酸素原子を介してペプチドに結合している糖ペプチドを含む。通常、グリカンが結合しているアミノ酸は、スレオニン(T)またはセリン(S)である。いくつかの例では、グリカンが結合しているアミノ酸は、スレオニン(T)である。いくつかの例では、グリカンが結合しているアミノ酸は、セリン(S)である。
【0064】
特定の例では、O-グリコシル化ペプチドとしては、アルファ-1-アンチトリプシン、アルファ-1B-糖タンパク質、アルファ-2-マクログロブリン、アルファ-1-アンチキモトリプシン、アルファ-1-酸性糖タンパク質1、アルファ-1-酸性糖タンパク質2、アポリポタンパク質C-III(APOC3)、アポリポタンパク質D、カルパイン-3、セルロプラスミン、ハプトグロビン、免疫グロブリン重鎖定常μ、血漿カリクレイン、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1、タンパク質unc-13ホモログA、アルファ-2-HS-糖タンパク質(FETUA)、及びそれらの組み合わせから選択される群からのペプチドが挙げられる。
【0065】
特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1-アンチトリプシンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1B-糖タンパク質ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、アルファ-2-マクログロブリンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1-アンチキモトリプシンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1-酸性糖タンパク質1ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1-酸性糖タンパク質2ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、アポリポタンパク質C-III(APOC3)ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、アポリポタンパク質Dペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、カルパイン-3ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、セルロプラスミンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、ハプトグロビンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、免疫グロブリン重鎖定常μペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、血漿カリクレインペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、タンパク質unc-13ホモログAペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるO-グリコシル化ペプチドは、アルファ-2-HS-糖タンパク質(FETUA)である。
【0066】
b.N-グリコシル化
いくつかの例では、本明細書に記載される糖ペプチドは、N-グリコシル化ペプチドを含む。これらのペプチドは、グリカンがアミノ酸の窒素原子を介してペプチドに結合している糖ペプチドを含む。通常、グリカンが結合しているアミノ酸は、アスパラギン(N)またはアルギニン(R)である。いくつかの例では、グリカンが結合しているアミノ酸は、アスパラギン(N)である。いくつかの例では、グリカンが結合しているアミノ酸は、アルギニン(R)である。
【0067】
特定の例では、N-グリコシル化ペプチドは、からなる群から選択されるメンバーを含む。特定の例では、O-グリコシル化ペプチドとしては、アルファ-1-アンチトリプシン、アルファ-1B-糖タンパク質、アルファ-2-マクログロブリン、アルファ-1-アンチキモトリプシン、アルファ-1-酸性糖タンパク質1、アルファ-1-酸性糖タンパク質2、アポリポタンパク質C-III(APOC3)、アポリポタンパク質D、カルパイン-3、セルロプラスミン、ハプトグロビン、免疫グロブリン重鎖定常μ、血漿カリクレイン、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1、タンパク質unc-13ホモログA、アルファ-2-HS-糖タンパク質(FETUA)、及びそれらの組み合わせから選択される群からのペプチドが挙げられる。
【0068】
特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1-アンチトリプシンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1B-糖タンパク質ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、アルファ-2-マクログロブリンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1-アンチキモトリプシンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1-酸性糖タンパク質1ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、アルファ-1-酸性糖タンパク質2ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、アポリポタンパク質C-III(APOC3)ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、アポリポタンパク質Dペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、カルパイン-3ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、セルロプラスミンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、ハプトグロビンペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、免疫グロブリン重鎖定常μペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、血漿カリクレインペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、タンパク質unc-13ホモログAペプチドである。特定の例では、本明細書に記載されるN-グリコシル化ペプチドは、アルファ-2-HS-糖タンパク質(FETUA)である。
【0069】
c.ペプチド及び糖ペプチド
いくつかの例では、本明細書では、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む糖ペプチドが記載される。
【0070】
いくつかの例では、本明細書では、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドが記載される。
【0071】
いくつかの例では、本明細書では、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドが記載される。
【0072】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号1に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5411を含み、グリカン(複数可)は残基107に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはA1AT-GP001_107_5411である(例えば、表10を参照)。本明細書において、A1ATは、アルファ-1-アンチトリプシンを指す。
【0073】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号2から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号2に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6503を含み、グリカン(複数可)は残基271に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはA1AT-GP001_271_6503である(例えば、表10を参照)。
【0074】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号3から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号3に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5401を含み、グリカン(複数可)は残基271に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはA1AT-GP001_271_5401である(例えば、表10を参照)。
【0075】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号4から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号4に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5402を含み、グリカン(複数可)は残基179に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはA1BG-GP002_179_5421/5402である(例えば、表10を参照)。本明細書において、A1BGは、アルファ-1B-糖タンパク質を指す。本明細書において、2つのグリカンがそれらの間にスラッシュ(/)を入れて記載されている場合、これは、特に明記されない限り、質量分析法がこれらの2つのグリカンを区別できないことを意味する(例えば、それらが共通の質量電荷比を共有するため)。特にそうでない旨が明記されない限り、5421/5402はグリカン5421または5402のいずれかが存在することを意味する。グリカン5421/5402の量の定量化には、任意のグリカン5421の検出量と任意のグリカン5402の検出量の合計が含まれる。本明細書において、A1BGは、アルファ-1B-糖タンパク質を指す。
【0076】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号5から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号5に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5402を含み、グリカン(複数可)は残基1424に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはA2MG-GP004_1424_5402である(例えば、表10を参照)。本明細書において、A2MGは、アルファ-2-マクログロブリンを指す。
【0077】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号6から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号6に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5412を含み、グリカン(複数可)は残基1424に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはA2MG-GP004_1424_5412である(例えば、表10を参照)。
【0078】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号7から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号7に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5402を含み、グリカン(複数可)は残基55に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはA2MG-GP004_55_5402である(例えば、表10を参照)。
【0079】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号8から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号8に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5401を含み、グリカン(複数可)は残基869に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはA2MG-GP004_869_5401である(例えば、表10を参照)。
【0080】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号9から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号9に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6301を含み、グリカン(複数可)は残基869に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはA2MG-GP004_869_6301である(例えば、表10を参照)。
【0081】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号10から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号10に記載の糖ペプチドはさらにグリカン7603を含み、グリカン(複数可)は残基271に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAACT-GP005_271_7603である(例えば、表10を参照)。本明細書において、AACTは、アルファ-1-アンチキモトリプシンを指す。
【0082】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号11から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号11に記載の糖ペプチドはさらにグリカン9804を含み、グリカン(複数可)は残基103に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAGP1-GP007_103_9804である(例えば、表10を参照)。本明細書において、AGPは、アルファ-1-酸性糖タンパク質1を指す。
【0083】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号12から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号12に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6501を含み、グリカン(複数可)は残基33に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAGP1-GP007_33_6501である(例えば、表10を参照)。
【0084】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号13から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号13に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6502を含み、グリカン(複数可)は残基93に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAGP1-GP007_93_6502である(例えば、表10を参照)。
【0085】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号14から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号14に記載の糖ペプチドはさらにグリカン7611を含み、グリカン(複数可)は残基93に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAGP1-GP007_93_7611である(例えば、表10を参照)。
【0086】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号15から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号15に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6503を含み、グリカン(複数可)は残基103に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAGP2-GP008_103_6503である(例えば、表10を参照)。本明細書において、AGPは、アルファ-1-酸性糖タンパク質2を指す。
【0087】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号16から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号16に記載の糖ペプチドはさらにグリカン1102を含み、グリカン(複数可)は残基74に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAPOC3-GP012_74_1102である(例えば、表10を参照)。本明細書において、APOCは、アポリポタンパク質C-IIIを指す。
【0088】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号17から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号17に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5402または5421を含み、グリカン(複数可)は残基98に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAPOD-GP014_98_5402/5421である(例えば、表10を参照)。本明細書において、APODは、アポリポタンパク質Dを指す。
【0089】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号18から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号18に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5410を含み、グリカン(複数可)は残基98に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAPOD-GP014_98_5410である(例えば、表10を参照)。
【0090】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号19から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号19に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6510を含み、グリカン(複数可)は残基98に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAPOD-GP014_98_6510である(例えば、表10を参照)。
【0091】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号20から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号20に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6530を含み、グリカン(複数可)は残基98に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAPOD-GP014_98_6530である(例えば、表10を参照)。
【0092】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号21から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号21に記載の糖ペプチドはさらにグリカン9800を含み、グリカン(複数可)は残基98に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはAPOD-GP014_98_9800である(例えば、表10を参照)。
【0093】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号22から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号22に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6513を含み、グリカン(複数可)は残基366に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはCAN3-GP022_366_6513である(例えば、表10を参照)。本明細書において、CANは、カルパイン-3を指す。
【0094】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号23から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号23に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5412を含み、グリカン(複数可)は残基138に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはCERU-GP023_138_5412である(例えば、表10を参照)。本明細書において、CERUは、セルロプラスミンを指す。
【0095】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号24から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号24に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5421または5402を含み、グリカン(複数可)は残基138に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはCERU-GP023_138_5421/5402である(例えば、表10を参照)。
【0096】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号25から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号25に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5401を含み、グリカン(複数可)は残基176に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはFETUA-GP036_176_5401である(例えば、表10を参照)。本明細書において、FETUAは、アルファ-2-HS-糖タンパク質を指す。
【0097】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号26から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号26に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6513を含み、グリカン(複数可)は残基176に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはFETUA-GP036_176_6513である(例えば、表10を参照)。
【0098】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号27から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号27に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5401を含み、グリカン(複数可)は残基207に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはHPT-GP044_207_5401である(例えば、表10を参照)。本明細書において、HPTは、ハプトグロビンを指す。
【0099】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号28から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号28に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5402または5421を含み、グリカン(複数可)は残基241に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはHPT-GP044_241_5402/5421である(例えば、表10を参照)。
【0100】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号29から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号29に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5511を含み、グリカン(複数可)は残基241に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはHPT-GP044_241_5511である(例えば、表10を参照)。
【0101】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号30から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号30に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6511を含み、グリカン(複数可)は残基241に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはHPT-GP044_241_6511である(例えば、表10を参照)。
【0102】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号31から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号31に記載の糖ペプチドはさらにグリカン7511を含み、グリカン(複数可)は残基241に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはHPT-GP044_241_7511である(例えば、表10を参照)。
【0103】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号31から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号31に記載の糖ペプチドはさらにグリカン4310を含み、グリカン(複数可)は残基46に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはIgM-GP053_46_4310である(例えば、表10を参照)。本明細書において、IGMは、重鎖定常μを指す。|
【0104】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号33から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号33に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6503を含み、グリカン(複数可)は残基494に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはKLKB1-GP056_494_6503である(例えば、表10を参照)。本明細書において、KLKBは、血漿カリクレインを指す。
【0105】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号34から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号34に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5420を含み、グリカン(複数可)は残基324に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはPON1-GP060_324_5420である(例えば、表10を参照)。本明細書において、PONは、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1を指す。
【0106】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号35から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号35に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6501を含み、グリカン(複数可)は残基324に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはPON1-GP060_324_6501である(例えば、表10を参照)。
【0107】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号36から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号36に記載の糖ペプチドはさらにグリカン6502を含み、グリカン(複数可)は残基324に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはPON1-GP060_324_6502である(例えば、表10を参照)。
【0108】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号37から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号37に記載の糖ペプチドはさらにグリカン5431を含み、グリカン(複数可)は残基1005に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはUN13A-GP066_1005_5431である(例えば、表10を参照)。本明細書において、UN13は、タンパク質unc-13ホモログAを指す。
【0109】
特定の例では、糖ペプチドアミノ酸配列は、配列番号38から選択されるアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。特定の例では、配列番号38に記載の糖ペプチドはさらにグリカン7420を含み、グリカン(複数可)は残基1005に結合している。いくつかの例では、糖ペプチドはUN13A-GP066_1005_7420である(例えば、表10を参照)。
【0110】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドは、配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドは、配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列の組み合わせである。
【0111】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個々に、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるペプチドである。
【0112】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個々に、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるペプチドである。
【0113】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個々に、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるペプチドである。
【0114】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個々に、配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含むペプチドである。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個々に、配列番号1~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になるペプチドである。
【0115】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個々に、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列、またはそれらの組み合わせを含むペプチドである。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個々に、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるペプチドである。
【0116】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個々に、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列、またはそれらの組み合わせを含むペプチドである。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個々に、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるペプチドである。
【0117】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個別に、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列、またはそれらの組み合わせを含むペプチドである。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において1つ以上のペプチドが記載され、各ペプチドは、それぞれの場合において個別に、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になるペプチドである。
【0118】
IV.バイオマーカーの使用方法
A.糖ペプチドを検出するための方法
いくつかの実施形態では、本明細書において、1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出するための方法であって、表9に記載の1つ以上の糖タンパク質を含む生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、試料中の1つ以上の糖タンパク質を1つ以上の糖ペプチドに消化及び/または断片化することと、トランジション1~38からなる群から選択される多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出することと、を含む、方法が記載される。いくつかの実施形態では、トランジション1~38は、生体試料からの少なくとも1つのペプチド構造を含むペプチド構造データに対応する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10に記載される1つ以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれかのアミノ酸配列を含む1つ以上の糖ペプチドを含む 。
【0119】
いくつかの実施形態では、本明細書において、1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出するための方法であって、1つ以上の糖ペプチドを含む生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化することと、トランジション1~38からなる群から選択される多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出することと、を含む、方法が提供される。これらのトランジションは、さまざまな例において、表1~5のトランジションのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。これらのトランジションは、さまざまな例において、表1~3のトランジションのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。これらのトランジションは、さまざまな例において、表1のトランジションのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。これらのトランジションは、さまざまな例において、表2のトランジションのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。これらのトランジションは、さまざまな例において、表3のトランジションのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。これらのトランジションは、さまざまな例において、表4のトランジションのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。これらのトランジションは、さまざまな例において、表5のトランジションのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。これらのトランジションは、糖ペプチドを示すものであってよい。
【0120】
いくつかの例では、本明細書において、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法であって、各糖ペプチドが、それぞれの場合において個々に、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドから選択される、方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法であって、1つ以上の糖ペプチドが表10から選択される、方法が記載される。
【0121】
いくつかの例では、本明細書において、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法であって、各糖ペプチドが、それぞれの場合において個々に、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドから選択される、方法が記載される。
【0122】
いくつかの例では、本明細書において、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法であって、各糖ペプチドが、それぞれの場合において個々に、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドから選択される、方法が記載される。
【0123】
いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号5のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号8のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号9のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号10のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号11のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号13のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号14のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号16のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号17のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号18のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号19のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号20のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号21のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号22のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号26のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号27のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号28のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号30のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号31のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号34のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号35のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号36のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号37のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号38のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0124】
いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号5のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号8のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号9のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号10のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号11のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号13のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号14のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号16のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号17のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号18のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号19のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号20のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号21のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号22のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号26のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号27のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号28のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号30のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号31のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号34のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号35のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号36のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号37のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号38のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0125】
いくつかの例では、患者からの試料は、MSによって分析され、その結果を使用して試料中の配列番号5の配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量が決定される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号8のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号9のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号10のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号11のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号13のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号14のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号16のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号17のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号18のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号19のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号20のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号21のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号22のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号26のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号27のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号28のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号30のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号31のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号34のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号35のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号36のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号37のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料中の配列番号38のアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを検出する方法が記載される。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0126】
いくつかの例では、本明細書において、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法であって、各糖ペプチドが、それぞれの場合において個々に、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドから選択される、方法が記載される。
【0127】
いくつかの例では、本明細書において、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法であって、各糖ペプチドが、それぞれの場合において個々に、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドから選択される、方法が記載される。
【0128】
いくつかの例では、本明細書において、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法であって、各糖ペプチドが、それぞれの場合において個々に、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドから選択される、方法が記載される。
【0129】
いくつかの例では、本明細書において、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法であって、各糖ペプチドが、それぞれの場合において個々に、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドから選択される、方法が記載される。
【0130】
いくつかの例では、本明細書において、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法であって、各糖ペプチドが、それぞれの場合において個々に、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドから選択される、方法が記載される。
【0131】
いくつかの例では、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法が本明細書に記載される。いくつかの例では、1つ以上の糖ペプチド断片を検出する方法が本明細書に記載される。特定の例では、方法は、糖ペプチドまたはその断片が属する糖ペプチド群を検出することを含む。いくつかの例では、方法は、表9に記載の糖タンパク質を検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号39~54のいずれかのアミノ酸配列を含む糖タンパク質を検出することを含む。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アルファ-1-アンチトリプシン(A1AT)、アルファ-1B-糖タンパク質(A1BG)、アルファ-2-マクログロブリン(A2MG)、アルファ-1-アンチキモトリプシン(AACT)、アルファ-1-酸性糖タンパク質1及び2(AGP12)、アルファ-1-酸性糖タンパク質1(AGP1)、アルファ-1-酸性糖タンパク質2(AGP2)、アポリポタンパク質C-III(APOC3)、アポリポタンパク質D(APOD)、カルパイン-3(CAN3)、セルロプラスミン(CERU)、アルファ-2-HS糖タンパク質(FETUA)、ハプトグロビン(HPT)、免疫グロブリン重鎖定常μ(IgM)、血漿カリクレイン(KLKB1)、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1(PON1)、タンパク質unc-13ホモログA(UN13A)、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0132】
これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アルファ-1-アンチトリプシン (A1AT) である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アルファ-1B-糖タンパク質(A1BG)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アルファ-2-マクログロブリン(A2MG)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アルファ-1-アンチキモトリプシン(AACT)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アルファ-1-酸性糖タンパク質1及び2(AGP12)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アルファ-1-酸性糖タンパク質1(AGP1)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アルファ-1-酸性糖タンパク質2(AGP2)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アポリポタンパク質C-III(APOC3)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アポリポタンパク質D(APOD)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、カルパイン-3(CAN3)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、セルロプラスミン(CERU)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、アルファ-2-HS糖タンパク質(FETUA)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、ハプトグロビン(HPT)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、免疫グロブリン重鎖定常μ(IgM)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、血漿カリクレイン(KLKB1)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1(PON1)である。これらの例のうちのいくつかでは、糖ペプチド群は、タンパク質unc-13ホモログA(UN13A)である。いくつかの例では、糖タンパク質群は、表9の糖タンパク質のうちの1つ以上により記載される。いくつかの例では、糖タンパク質群は、配列番号39~54のいずれかのアミノ酸配列を含む。
【0133】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、糖ペプチド、糖ペプチド上のグリカン、及びグリカンが糖ペプチドに結合しているグリコシル化部位の残基を検出することを含む。特定の例では、方法は、グリカン残基を検出することを含む。いくつかの例では、方法は、糖ペプチド上のグリコシル化部位を検出することを含む。いくつかの例では、このプロセスは、液体クロマトグラフィーとタンデムで使用される質量分光法を用いて行われる。
【0134】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることを含む。いくつかの例では、生体試料は、滑液、全血、血清、血漿、尿、痰、組織、唾液、涙、脊髄液、生検により得られた組織切片(複数可);組織培養に配置または適合される細胞(複数可);汗、粘液、糞便材料、胃液、腹水、羊水、嚢胞液、腹腔液、膵液、母乳、肺洗浄液、骨髄、胃酸、胆汁、精液、膿、房水、漏出液、または上述したものの組み合わせである。特定の例では、生体試料は、血液、血漿、唾液、粘液、尿、便、組織、汗、涙、毛髪、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。これらの例のうちのいくつかでは、生体試料は、血液試料である。これらの例のうちのいくつかでは、生体試料は、血漿試料である。これらの例のうちのいくつかでは、生体試料は、唾液試料である。これらの例のうちのいくつかでは、生体試料は、粘液試料である。これらの例のうちのいくつかでは、生体試料は、尿試料である。これらの例のうちのいくつかでは、生体試料は、便試料である。これらの例のうちのいくつかでは、生体試料は、汗試料である。これらの例のうちのいくつかでは、生体試料は、涙試料である。これらの例のうちのいくつかでは、生体試料は、毛髪試料である。
【0135】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法または、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化することを含む。特定の例では、方法は、試料中の糖ペプチドを消化することを含む。特定の例では、方法は、試料中の糖ペプチドを断片化することを含む。いくつかの例では、消化または断片化された糖ペプチドは、質量分光法を使用して分析される。いくつかの例では、糖ペプチドは、消化酵素を使用して溶液相中で消化または断片化される。いくつかの例では、糖ペプチドは、質量分析計または質量分析計に関連する機器内の気相中で消化または断片化される。いくつかの例では、質量分析の結果は、機械学習アルゴリズムを使用して分析される。いくつかの例では、質量分析の結果は、糖ペプチド、グリカン、ペプチド、及びそれらの断片の定量化である。いくつかの例では、この定量化は、出力確率を生成するための訓練済みモデルの入力として使用される。出力確率は、特定のカテゴリーまたは分類、例えば、結腸直腸癌または進行性腺腫を有するという分類または結腸直腸癌または進行性腺腫を有さないという分類内にある確率である。いくつかの他の例では、出力確率は、特定のカテゴリーまたは分類、例えば、がんを有するという分類またはがんを有さないという分類内にある確率である。いくつかの他の例では、出力確率は、特定のカテゴリーまたは分類、例えば、自己免疫疾患を有するという分類または自己免疫疾患を有さないという分類内にある確率である。いくつかの他の例では、出力確率は、特定のカテゴリーまたは分類、例えば、線維症を有するという分類または線維症を有さないという分類内にある確率である。
【0136】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料、またはその一部分を質量分析計に導入することを含む。
【0137】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料、またはその一部分を質量分析計に導入した後に、試料中の糖ペプチドを断片化することを含む。
【0138】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、質量分光法は、多重反応モニタリング(MRM)モードを使用して実施される。いくつかの例では、質量分光法は、データ依存取得でQTOF MSを使用して実施される。いくつかの例では、質量分光法は、MSのみモードを使用して実施される。いくつかの例では、免疫測定法が、質量分光法と組み合わせて使用される。
【0139】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料、またはその一部を質量分析計に導入する前に、試料中の糖ペプチドの消化が行われることを含む。
【0140】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを断片化して、糖ペプチドイオン、ペプチドイオン、グリカンイオン、グリカン付加イオン、またはグリカンフラグメントイオンを提供することを含む。
【0141】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供する。
【0142】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供する。
【0143】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供する。
【0144】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供する。
【0145】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを断片化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供する。
【0146】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを断片化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び3~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供する。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供する。
【0147】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、トランジション1~38からなる群から選択される多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。いくつかの例では、方法は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、トランジション1~38からなる群からの構成員の組み合わせから選択される複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。
【0148】
いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。
【0149】
いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及び組み合わせから本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及び組み合わせから本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。
【0150】
いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38から選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。
【0151】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、多重反応モニタリング質量分光法(MRM-MS)を使用して生体試料に対して質量分光法を実施することを含む。
【0152】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供することを含む。特定の例では、生体試料は、化学試薬と組み合わされる。ある特定の例では、生体試料は、酵素と組み合わされる。いくつかの例では、酵素は、リパーゼである。いくつかの例では、酵素は、プロテアーゼである。いくつかの例では、酵素は、セリンプロテアーゼである。これらの例のうちのいくつかでは、酵素は、トリプシン、キモトリプシン、トロンビン、エラスターゼ、及びスブチリシンからなる群から選択される。これらの例のうちのいくつかでは、酵素は、トリプシンである。いくつかの例では、方法は、少なくとも2つのプロテアーゼを試料中の糖ペプチドと接触させることを含む。いくつかの例では、少なくとも2つのプロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼからなる群から選択される。いくつかの例では、少なくとも2つのプロテアーゼは、トリプシン、キモトリプシン、エンドプロテイナーゼ、Asp-N、Arg-C、Glu-C、Lys-C、ペプシン、サーモリシン、エラスターゼ、パパイン、プロテイナーゼK、スブチリシン、クロストリパイン、及びカルボキシペプチダーゼプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、ならびにアスパラギンペプチドリアーゼからなる群から選択される。
【0153】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、トランジション1~38からなる群から選択される多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。いくつかの例では、方法は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、トランジション1~38からなる群からの構成員の組み合わせから選択される複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~38から選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。
【0154】
いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれらから本質的になる。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれらから本質的になる。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれらから本質的になる。
【0155】
いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。
【0156】
いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。
【0157】
いくつかの例では、方法は、トランジション5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群からの構成員の組み合わせから選択される複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、トランジション3、7、9、28、29、32、及び33からなる群からの構成員の組み合わせから選択される複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、トランジション1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群からの構成員の組み合わせから選択される複数のMRMトランジションを検出することを含む。
【0158】
いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38から選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、32から選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。
【0159】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、多重反応モニタリング質量分光法(MRM-MS)を使用して生体試料に対して質量分光法を実施することを含む。
【0160】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供することを含む。特定の例では、生体試料は、1つ以上の化学試薬と接触させられる。ある特定の例では、生体試料は、1つ以上の酵素と接触させられる。いくつかの例では、酵素は、リパーゼである。いくつかの例では、酵素は、プロテアーゼである。いくつかの例では、酵素は、セリンプロテアーゼである。これらの例のうちのいくつかでは、酵素は、トリプシン、キモトリプシン、トロンビン、エラスターゼ、及びスブチリシンからなる群から選択される。これらの例のうちのいくつかでは、酵素は、トリプシンである。いくつかの例では、方法は、少なくとも2つのプロテアーゼを試料中の糖ペプチドと接触させることを含む。いくつかの例では、少なくとも2つのプロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼからなる群から選択される。いくつかの例では、少なくとも2つのプロテアーゼは、トリプシン、キモトリプシン、エンドプロテイナーゼ、Asp-N、Arg-C、Glu-C、Lys-C、ペプシン、サーモリシン、エラスターゼ、パパイン、プロテイナーゼK、スブチリシン、クロストリパイン、及びカルボキシペプチダーゼプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、ならびにアスパラギンペプチドリアーゼからなる群から選択される。
【0161】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、MRMトランジションは、表1、2、または3のうちのいずれか1つおけるトランジション、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0162】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、生体試料に対してタンデム液体クロマトグラフィー-質量分光法を実施することを含む。
【0163】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、生体試料に対する多重反応モニタリング質量分光法(MRM-MS)質量分光法を含む。
【0164】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、トリプル四重極(QQQ)及び/または四重極飛行時間型(qTOF)質量分析計を使用してMRMトランジションを検出することを含む。ある特定の例では、方法は、QQQ質量分析計を使用してMRMトランジションを検出することを含む。ある特定の他の例では、方法は、qTOF質量分析計を使用して検出することを含む。いくつかの例では、本方法と共に使用するのに好適な機器は、Agilent 6495Bトリプル四重極LC/MSであり、これはwww.agilent.com/en/products/mass-spectrometry/lc-ms-instruments/triple-quadrupole-lc-ms/6495b-triple-quadrupole-lc-msにて見出すことができる。ある特定の他の例では、方法は、QQQ質量分析計を使用して検出することを含む。いくつかの例では、本方法と共に使用するのに好適な機器は、Agilent 6545 LC/Q-TOFであり、これはhttps://www.agilent.com/en/products/liquid-chromatography-mass-spectrometry-lc-ms/lc-ms-instruments/quadrupole-time-of-flight-lc-ms/6545-q-tof-lc-msにて見出すことができる。
【0165】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、QQQ及び/またはqTOF質量分析計を使用して1つよりも多くのMRMトランジションを検出することを含む。ある特定の例では、方法は、QQQ質量分析計を使用して1つよりも多くのMRMトランジションを検出することを含む。ある特定の例では、方法は、qTOF質量分析計を使用して1つよりも多くのMRMトランジションを検出することを含む。ある特定の例では、方法は、QQQ質量分析計を使用して1つよりも多くのMRMトランジションを検出することを含む。
【0166】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、連結されたクロマトグラフィー手順を用いることを含む、1つ以上の生体試料の1つ以上のグライコミクスパラメータを定量化することを含む。いくつかの例では、これらのグライコミクスパラメータは、糖ペプチド群の同定、糖ペプチド上のグリカンの同定、グリコシル化部位の同定、糖ペプチドが含むアミノ酸配列の部分の同定を含む。いくつかの例では、連結されたクロマトグラフィー手順は、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)操作を実施または遂行することを含む。いくつかの例では、連結されたクロマトグラフィー手順は、多重反応モニタリング質量分析(MRM-MS)操作を実施または遂行することを含む。いくつかの例では、本明細書の方法は、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)操作を実施または実行することと、多重反応モニタリング質量分析(MRM-MS)操作を実行することと、を含む。いくつかの例では、方法は、トリプル四重極(QQQ)質量分析操作及び/または四重極飛行時間型(qTOF)質量分析操作の1つ以上により得られる1つ以上の生体試料の1つ以上のグライコミクスパラメータを使用して機械学習アルゴリズムを訓練することを含む。いくつかの例では、方法は、トリプル四重極(QQQ)質量分析操作によって得られた1つ以上の生体試料の1つ以上のグライコミクスパラメータを使用して機械学習アルゴリズムを訓練することを含む。いくつかの例では、方法は、四重極飛行時間型(qTOF)質量分析操作で得られた1つ以上の生物試料の1つ以上のグライコミクスパラメータを使用して機械学習アルゴリズムを訓練することを含む。いくつかの例では、方法は、トリプル四重極(QQQ)質量分析操作及び四重極飛行時間型(qTOF)質量分析操作のうちの1つ以上を用いることを含む、1つ以上の生体試料の1つ以上のグライコミクスパラメータを定量化することを含む。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、これらのグライコミクスパラメータを定量化するために使用される。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、質量分析法は、多重反応モニタリング(MRM)モードを使用して実施される。いくつかの例では、質量分光法は、データ依存取得でQTOF MSを使用して実施される。いくつかの例では、質量分光法は、MSのみモードを使用して実施される。いくつかの例では、免疫測定法(例えば、ELISA)が、質量分析法と組み合わせて使用される。
【0167】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドまたはそれらの組み合わせは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる。
【0168】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドまたはそれらの組み合わせは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。
【0169】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供することを含む。
【0170】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供することを含む。
【0171】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドまたはそれらの組み合わせは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドまたはそれらの組み合わせは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドまたはそれらの組み合わせは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる。
【0172】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドまたはそれらの組み合わせは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドまたはそれらの組み合わせは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチドまたはそれらの組み合わせは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる。
【0173】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを提供することを含む。
【0174】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化して、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを提供することを含む。
【0175】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、グリカン3200、3210、3300、3310、3320、3400、3410、3420、3500、3510、3520、3600、3610、3620、3630、3700、3710、3720、3730、3740、4200、4210、4300、4301、4310、4311、4320、4400、4401、4410、4411、4420、4421、4430、4431、4500、4501、4510、4511、4520、4521、4530、4531、4540、4541、4600、4601、4610、4611、4620、4621、4630、4631、4641、4650、4700、4701、4710、4711、4720、4730、5200、5210、5300、5301、5310、5311、5320、5400、5401、5402、5410、5411、5412、5420、5421、5430、5431、5432、5500、5501、5502、5510、5511、5512、5520、5521、5522、5530、5531、5541、5600、5601、5602、5610、5611、5612、5620、5621、5631、5650、5700、5701、5702、5710、5711、5712、5720、5721、5730、5731、6200、6210、6300、6301、6310、6311、6320、6400、6401、6402、6410、6411、6412、6420、6421、6432、6500、6501、6502、6503、6510、6511、6512、6513、6520、6521、6522、6530、6531、6532、6540、6541、6600、6601、6602、6603、6610、6611、6612、6613、6620、6621、6622、6623、6630、6631、6632、6640、6641、6642、6652、6700、6701、6711、6721、6703、6713、6710、6711、6712、6713、6720、6721、6730、6731、6740、7200、7210、7400、7401、7410、7411、7412、7420、7421、7430、7431、7432、7500、7501、7510、7511、7512、7600、7601、7602、7603、7604、7610、7611、7612、7613、7614、7620、7621、7622、7623、7632、7640、7700、7701、7702、7703、7710、7711、7712、7713、7714、7720、7721、7722、7730、7731、7732、7740、7741、7751、8200、9200、9210、10200、11200、12200、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるグリカンを示す1つ以上のMRMトランジションを検出することを含む。本明細書において、これらのグリカンを図1~14に示す。
【0176】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、グリカンを定量化することを含む。
【0177】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、第1のグリカンを定量化すること及び第2のグリカンを定量化することを含み、第1のグリカンの定量化を第2のグリカンの定量化と比較することをさらに含む。
【0178】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、検出されたグリカンを、グリカンが結合していたペプチド残基の部位に関連付けることを含む。
【0179】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料のグリコシル化プロファイルを生成することを含む。
【0180】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料に関連する組織切片上のグリカンを空間的にプロファイリングすることを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料に関連する組織切片上の糖ペプチドを空間的にプロファイリングすることを含む。いくつかの例では、方法は、本明細書の方法と組み合わせたマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF)質量分光法を含む。
【0181】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、グリカン及び/またはペプチドの相対存在量を定量化することを含む。
【0182】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを定量化することによって糖ペプチドの量を正規化することと、その定量化を別の化学種の量と比較することと、を含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを定量化することによってペプチドの量を正規化することと、その定量化を配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる別の糖ペプチドの量と比較することと、を含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを定量化することによってペプチドの量を正規化することと、その定量化を配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる別の糖ペプチドの量と比較することと、を含む。
【0183】
B.糖ペプチドを含む試料を分類するための方法
別の実施形態では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、表10に示され、本明細書に記載される任意の関連するグリカンとともに、配列番号1~38のいずれかのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む、定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて試料の分類を特定することと、を含む、方法が記載される。
【0184】
別の実施形態では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、例えば本明細書に記載の関連する任意のグリカンとともに、配列番号1~38からなるか、またはそれらから本質的になる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含むか、それらからなるか、またはそれらから本質的になる、定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて試料の分類を特定することと、を含む、方法が記載される。
【0185】
別の実施形態では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、表10に示され、本明細書に記載される任意の関連するグリカンとともに、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれかのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む、定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて試料の分類を特定することと、を含む、方法が記載される。
【0186】
別の実施形態では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、例えば本明細書に記載されるような任意の関連するグリカンとともに、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなるか、またはそれらから本質的になる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる、定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて試料の分類を特定することと、を含む、方法が記載される。
【0187】
別の実施形態では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、表10に示され、本明細書に記載される任意の関連するグリカンとともに、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれかのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む、定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて試料の分類を特定することと、を含む、方法が記載される。
【0188】
別の実施形態では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、例えば本明細書に記載されるような任意の関連するグリカンとともに、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなるか、またはそれらから本質的になる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる、定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて試料の分類を特定することと、を含む、方法が記載される。
【0189】
別の実施形態では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、表10に示され、本明細書に記載される任意の関連するグリカンとともに、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれかのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む、定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて試料の分類を特定することと、を含む、方法が記載される。
【0190】
別の実施形態では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、例えば本明細書に記載されるような任意の関連するグリカンとともに、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなるか、またはそれらから本質的になる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる、定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて試料の分類を特定することと、を含む、方法が記載される。
【0191】
いくつかの例では、糖ペプチドを分類するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化することと、トランジション1~38からなる群から選択される多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出することと、検出されたMRMトランジションに基づいて糖ペプチドを分類することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、分析されたMRMトランジションを入力として使用してモデルを訓練するために使用される。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、MRMトランジションを訓練データセットとして使用して訓練される。いくつかの例では、本明細書の方法は、質量分光法による相対存在量に基づいて糖ペプチド、ペプチド、及びグリカンを特定することを含む。いくつかの例では、機械学習アルゴリズム(複数可)が、質量分光スペクトル内のピークを選択及び/または特定する。
【0192】
いくつかの例では、糖ペプチドを分類するための方法であって、生体試料を個人から得ること、または生体試料が個人から既に得られていることと、試料中の糖ペプチドを消化及び/または断片化することと、トランジション1~38からなる群から選択される多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出することと、検出されたMRMトランジションに基づいて糖ペプチドを分類することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、分析されたMRMトランジションを入力として使用してモデルを訓練するために使用される。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、MRMトランジションを訓練データセットとして使用して訓練される。いくつかの例では、本明細書の方法は、質量分光法による相対存在量に基づいて糖ペプチド、ペプチド、及びグリカンを特定することを含む。いくつかの例では、機械学習アルゴリズム(複数可)が、質量分光スペクトル内のピークを選択及び/または特定する。
【0193】
いくつかの例では、本明細書において、MRMトランジションを入力データセットとして使用して機械学習アルゴリズムを訓練する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドは、例えば本明細書に記載されるような任意の関連するグリカンとともに、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれから本質的になる、定量化することと、定量化に基づいて分類を特定することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、定量化することは、試料中の糖ペプチド、または糖ペプチドの組み合わせの存在または非存在を判定することを含む。いくつかの例では、定量化することは、試料中の糖ペプチド、または糖ペプチドの組み合わせの相対存在量を判定することを含む。いくつかの例では、訓練済みモデルを使用して、検出されたポリペプチドの定量化またはMRMトランジションを入力することに基づいて出力確率を生成する。
【0194】
いくつかの例では、本明細書において、MRMトランジションを入力データセットとして使用して機械学習アルゴリズムを訓練する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドは、例えば本明細書に記載されるような任意の関連するグリカンとともに、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれから本質的になる、定量化することと、定量化に基づいて分類を特定することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、定量化することは、試料中の糖ペプチド、または糖ペプチドの組み合わせの存在または非存在を判定することを含む。いくつかの例では、定量化することは、試料中の糖ペプチド、または糖ペプチドの組み合わせの相対存在量を判定することを含む。いくつかの例では、訓練済みモデルを使用して、検出されたポリペプチドの定量化またはMRMトランジションを入力することに基づいて出力確率を生成する。
【0195】
いくつかの例では、本明細書において、MRMトランジションを入力データセットとして使用して機械学習アルゴリズムを訓練する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドは、例えば本明細書に記載されるような任意の関連するグリカンとともに、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれらから本質的になる、定量化することと、定量化に基づいて分類を特定することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、定量化することは、試料中の糖ペプチド、または糖ペプチドの組み合わせの存在または非存在を判定することを含む。いくつかの例では、定量化することは、試料中の糖ペプチド、または糖ペプチドの組み合わせの相対存在量を判定することを含む。いくつかの例では、訓練済みモデルを使用して、検出されたポリペプチドの定量化またはMRMトランジションを入力することに基づいて出力確率を生成する。
【0196】
いくつかの例では、本明細書において、MRMトランジションを入力データセットとして使用して機械学習アルゴリズムを訓練する方法が記載される。いくつかの例では、本明細書において、試料の分類を特定するための方法であって、質量分光法(MS)によって試料中の糖ペプチドを定量化することであって、糖ペプチドは、例えば本明細書に記載されるような任意の関連するグリカンとともに、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれから本質的になる、定量化することと、定量化に基づいて分類を特定することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、定量化することは、試料中の糖ペプチド、または糖ペプチドの組み合わせの存在または非存在を判定することを含む。いくつかの例では、定量化することは、試料中の糖ペプチド、または糖ペプチドの組み合わせの相対存在量を判定することを含む。いくつかの例では、訓練済みモデルを使用して、検出されたポリペプチドの定量化またはMRMトランジションを入力することに基づいて出力確率を生成する。
【0197】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、試料は、疾患または状態を有する患者からの生体試料である。
【0198】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、患者は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する。
【0199】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、患者は、がんを有する。
【0200】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、患者は、線維症を有する。
【0201】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、患者は、自己免疫疾患を有する。
【0202】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、疾患または状態は、結腸直腸癌または進行性腺腫である。
【0203】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、MSは、QQQ及び/またはqTOF質量分析計を用いるMRM-MSである。
【0204】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、質量分光法は、多重反応モニタリング(MRM)モードを使用して実施される。いくつかの例では、質量分光法は、データ依存取得でQTOF MSを使用して実施される。いくつかの例では、質量分光法は、MSのみモードを使用して実施される。いくつかの例では、免疫測定法が、質量分光法と組み合わせて使用される。
【0205】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、機械学習アルゴリズムは、深層学習アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム、教師あり機械学習アルゴリズム、線形判別分析アルゴリズム、2次判別分析アルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、線形基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、放射基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、最近傍アルゴリズム、k近傍、ナイーブベイズ分類器アルゴリズム、ロジスティック回帰アルゴリズム、正則化回帰アルゴリズム、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の例では、機械学習アルゴリズムは、ラッソ回帰である。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、複合判別分析である。
【0206】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、試料を、疾患分類または疾患重症度分類内のものとして、またはそれに包含されるものとして分類することを含む。
【0207】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、MSによって第1の時点での試料中の糖ペプチドを定量化することと、MSによって第2の時点での試料中の糖ペプチドを定量化することと、第1の時点での定量化を第2の時点での定量化と比較することとを含む。
【0208】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、MSによって第3の時点での試料中の異なる糖ペプチドを定量化することと、MSによって第4の時点での試料中の異なる糖ペプチドを定量化することと、第4の時点での定量を第3の時点での定量化と比較することとを含む。
【0209】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、患者の健康状態をモニタリングすることを含む。
【0210】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、患者の健康状態をモニタリングすることは、遺伝子変異などのリスク因子を有する患者における疾患の発症及び進行をモニタリングすること、ならびにがん再発を検出することを含む。いくつかの実施形態では、患者は、結腸直腸癌(CRC)の1つ以上のリスク因子または臨床指標を有する。いくつかの実施形態では、対象は、CRCに関連する1つ以上のリスク因子を有する。いくつかの実施形態では、CRCの1つ以上のリスク因子は、年齢、過敏性腸疾患、2型糖尿病、CRCの家族歴、遺伝性症候群(例えば、リンチ症候群)、肥満、喫煙、アルコール摂取、食事内容、及び運動不足からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、CRCの臨床指標は、排便習慣の変化、血便、下痢、便秘、持続する腹痛、持続する腹部けいれん、及び原因不明の体重減少からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個人は健康な状態を有すると判定され、健康な状態にはCRCもAAもないことが含まれる。いくつかの実施形態では、方法は、対象について検出された対応する状態に基づく診断を含むレポートを生成することをさらに含む。
【0211】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、MSによって、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドを定量化することを含む。
【0212】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、MSによって、例えば本明細書に記載されるような任意の関連するグリカンとともに配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを定量化することを含む。
【0213】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、MSによって、グリカン3200、3210、3300、3310、3320、3400、3410、3420、3500、3510、3520、3600、3610、3620、3630、3700、3710、3720、3730、3740、4200、4210、4300、4301、4310、4311、4320、4400、4401、4410、4411、4420、4421、4430、4431、4500、4501、4510、4511、4520、4521、4530、4531、4540、4541、4600、4601、4610、4611、4620、4621、4630、4631、4641、4650、4700、4701、4710、4711、4720、4730、5200、5210、5300、5301、5310、5311、5320、5400、5401、5402、5410、5411、5412、5420、5421、5430、5431、5432、5500、5501、5502、5510、5511、5512、5520、5521、5522、5530、5531、5541、5600、5601、5602、5610、5611、5612、5620、5621、5631、5650、5700、5701、5702、5710、5711、5712、5720、5721、5730、5731、6200、6210、6300、6301、6310、6311、6320、6400、6401、6402、6410、6411、6412、6420、6421、6432、6500、6501、6502、6503、6510、6511、6512、6513、6520、6521、6522、6530、6531、6532、6540、6541、6600、6601、6602、6603、6610、6611、6612、6613、6620、6621、6622、6623、6630、6631、6632、6640、6641、6642、6652、6700、6701、6711、6721、6703、6713、6710、6711、6712、6713、6720、6721、6730、6731、6740、7200、7210、7400、7401、7410、7411、7412、7420、7421、7430、7431、7432、7500、7501、7510、7511、7512、7600、7601、7602、7603、7604、7610、7611、7612、7613、7614、7620、7621、7622、7623、7632、7640、7700、7701、7702、7703、7710、7711、7712、7713、7714、7720、7721、7722、7730、7731、7732、7740、7741、7751、8200、9200、9210、10200、11200、12200、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のグリカンを定量化することを含む。
【0214】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、定量化に基づいて患者を疾患または状態を有するものとして診断することを含む。
【0215】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、患者を、定量化に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして診断することを含む。
【0216】
いくつかの例では、上記のもののいずれも含めて、方法は、患者を、化学療法、免疫療法、ホルモン療法、標的療法、ネオアジュバント療法、外科手術、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療有効量の治療薬で治療することを含む。
【0217】
C.治療方法
いくつかの例では、本明細書において、疾患または状態を有する患者を治療するための方法であって、質量分析法によって患者からの試料中の糖ペプチドを測定することを含む方法が記載される。いくつかの例では、患者は、ヒトである。特定の例では、患者は、女性である。特定の他の例では、患者は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する女性である。特定の例では、患者は、ステージ1の結腸直腸癌または進行性腺腫を有する女性である。特定の例では、患者は、ステージ2の結腸直腸癌または進行性腺腫を有する女性である。特定の例では、患者は、ステージ3の結腸直腸癌または進行性腺腫を有する女性である。特定の例では、患者は、ステージ4の結腸直腸癌または進行性腺腫を有する女性である。いくつかの例では、女性は、10~20歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、女性は、20~30歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、女性は、30~40歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、女性は、40~50歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、女性は、50~60歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、女性は、60~70歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、女性は、70~80歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、女性は、80~90歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、女性は、90~100歳に等しいまたはその間の年齢を有する。
【0218】
いくつかの例では、本明細書において、疾患または状態を有する患者を治療するための方法であって、質量分析法によって患者からの試料中の糖ペプチドを測定することを含む方法が記載される。いくつかの例では、患者は、ヒトである。特定の例では、患者は、男性である。特定の他の例では、患者は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する男性である。特定の例では、患者は、ステージ1の結腸直腸癌または進行性腺腫を有する男性である。特定の例では、患者は、ステージ2の結腸直腸癌または進行性腺腫を有する男性である。特定の例では、患者は、ステージ3の結腸直腸癌または進行性腺腫を有する男性である。特定の例では、患者は、ステージ4の結腸直腸癌または進行性腺腫を有する男性である。いくつかの例では、男性は、10~20歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、男性は、20~30歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、男性は、30~40歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、男性は、40~50歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、男性は、50~60歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、男性は、60~70歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、男性は、70~80歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、男性は、80~90歳に等しいまたはその間の年齢を有する。いくつかの例では、男性は、90~100歳に等しいまたはその間の年齢を有する。
【0219】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を治療するための方法であって、患者から生体試料を得ること、または患者から生体試料が既に得られていることと、試料中の1つ以上の糖ペプチドを消化及び/または断片化することと、トランジション1~38からなる群から選択される1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出して定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者を、(A)切除を必要とする患者、(B)治療薬を必要とする患者、(C)アルキル化療法を必要とする患者、(D)標的治療薬を必要とする患者、(E)免疫治療薬を必要とする患者、(F)免疫チェックポイント阻害薬を必要とする患者、(G)T細胞関連療法を必要とする患者、(H)がんワクチンを必要とする患者、(I)放射線療法を必要とする患者、(J)大腸内視鏡検査を必要とする患者、または(K)これらの組み合わせからなる群から選択される分類に分類することと、分類AまたはKが判定される場合、切除を行うこと、または切除が既に行われていることと、分類IまたはKが判定される場合、放射線療法を行うこと、または放射線療法が既に行われていることと、分類JまたはKが判定される場合、大腸内視鏡検査を行うこと、または大腸内視鏡検査が既に行われていることと、または、治療有効量の治療薬を患者に投与することであって、分類BまたはKが判定される場合、治療薬は治療薬から選択され、または分類CまたはKが判定される場合、治療薬はアルキル化剤から選択され、または分類DまたはKが判定される場合、治療薬は標的化治療薬から選択され、分類EまたはKが判定される場合、治療薬は免疫治療薬から選択され、分類FまたはKが判定される場合、治療薬は免疫チェックポイント阻害薬から選択され、分類GまたはKが判定される場合、治療薬はT細胞関連療法から選択され、分類HまたはKが判定される場合、治療薬はがんワクチンから選択される、投与することと、を含む、方法が記載される。
【0220】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を治療するための方法であって、1つ以上の糖ペプチドを含む生体試料を有する患者を選択することであって、試料中の1つ以上の糖ペプチドが消化及び/または断片化されており、試料中の1つ以上の糖ペプチドが、トランジション1~38からなる群から選択される1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを用いて検出及び定量化され、定量化が訓練済みモデルに入力されて出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかが判定される、選択することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者を、(A)切除を必要とする患者、(B)治療薬を必要とする患者、(C)アルキル化療法を必要とする患者、(D)標的治療薬を必要とする患者、(E)免疫治療薬を必要とする患者、(F)免疫チェックポイント阻害薬を必要とする患者、(G)T細胞関連療法を必要とする患者、(H)がんワクチンを必要とする患者、(I)放射線療法を必要とする患者、(J)大腸内視鏡検査を必要とする患者、または(K)これらの組み合わせからなる群から選択される分類に分類することと、分類AまたはKが判定される場合、切除を行うこと、または切除が既に行われていることと、分類IまたはKが判定される場合、放射線療法を行うこと、または放射線療法が既に行われていることと、分類JまたはKが判定される場合、大腸内視鏡検査を行うこと、または大腸内視鏡検査が既に行われていることと、または、治療有効量の治療薬を患者に投与することであって、分類BまたはKが判定される場合、治療薬は治療薬から選択され、または分類CまたはKが判定される場合、治療薬はアルキル化剤から選択され、または分類DまたはKが判定される場合、治療薬は標的化治療薬から選択され、分類EまたはKが判定される場合、治療薬は免疫治療薬から選択され、分類FまたはKが判定される場合、治療薬は免疫チェックポイント阻害薬から選択され、分類GまたはKが判定される場合、治療薬はT細胞関連療法から選択され、分類HまたはKが判定される場合、治療薬はがんワクチンから選択される、投与することと、を含む、方法が記載される。
【0221】
いくつかの例では、MRMトランジションは定量化され、この定量化が出力確率を生成するために訓練済みモデルの入力として使用される。出力確率は、特定のカテゴリーまたは分類、例えば、結腸直腸癌または進行性腺腫を有するという分類または結腸直腸癌または進行性腺腫を有さないという分類内にある確率である。いくつかの他の例では、出力確率は、特定のカテゴリーまたは分類、例えば、がんを有するという分類またはがんを有さないという分類内にある確率である。いくつかの他の例では、出力確率は、特定のカテゴリーまたは分類、例えば、自己免疫疾患を有するという分類または自己免疫疾患を有さないという分類内にある確率である。いくつかの他の例では、出力確率は、特定のカテゴリーまたは分類、例えば、線維症を有するという分類または線維症を有さないという分類内にある確率である。いくつかの例では、方法は、定量化されたMRMトランジションを訓練済みモデルに入力して出力確率を生成した後に患者を治療することと、出力確率に従って患者を治療することとを含む。
【0222】
いくつかの例では、機械学習を使用して、MRMトランジションに関連するMSピークが特定される。いくつかの例では、MRMトランジションは、機械学習を使用して分析される。いくつかの例では、MRMトランジションは、訓練済み機械学習アルゴリズムを用いて分析される。これらの例のうちのいくつかでは、訓練済み機械学習アルゴリズムは、結腸直腸癌または進行性腺腫を有することが知られている患者からの試料を分析することによって観察されたMRMトランジションを使用して訓練されたものである。
【0223】
いくつかの例では、訓練済みモデルは、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を治療するために使用される。いくつかの例では、訓練済みモデルは、患者を治療するためのMRMトランジションに関連するMSピークを特定するために使用される。いくつかの例では、訓練済みモデルは、患者を治療するためのMRMトランジションを特定するために使用される。いくつかの例では、訓練済みモデルは、MRMトランジション(複数可)に関連する糖ペプチドの量を定量化し、患者を治療するために使用される出力確率を生成する。これらの例のうちのいくつかでは、訓練済みモデルは、患者を治療するために結腸直腸癌または進行性腺腫を有することが分かっている患者からの試料を分析することによって観察されたMRMトランジションを使用する。
【0224】
いくつかの例では、結腸直腸癌(CRC)の1つ以上のリスク因子または臨床指標が患者を診断及び治療するうえで考慮される。いくつかの実施形態では、診断される患者は、CRCに関連する1つ以上のリスク因子を有する。いくつかの実施形態では、治療される患者は、CRCに関連する1つ以上のリスク因子を有する。いくつかの実施形態では、CRCのリスク因子は、年齢、過敏性腸疾患、2型糖尿病、CRCの家族歴、遺伝性症候群(例えば、リンチ症候群)、肥満、喫煙、アルコール摂取、食事内容、運動不足及びそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、診断される患者は、CRCに関連する1つ以上の臨床指標を有する。いくつかの実施形態では、治療される患者は、CRCに関連する1つ以上の臨床指標を有する。いくつかの実施形態では、CRCの臨床指標は、排便習慣の変化、血便、下痢、便秘、持続する腹痛、持続する腹部けいれん、及び原因不明の体重減少のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、個人は健康な状態を有すると判定され、健康な状態にはCRCもAAもないことが含まれる。いくつかの実施形態では、方法は、対象について検出された対応する状態に基づく診断を含むレポートを生成することをさらに含む。
【0225】
いくつかの例では、患者が結腸直腸癌を有するものとして診断された後、患者は手術で治療される。いくつかの例では、患者が結腸直腸癌を有するものとして診断された後、患者は切除により治療される。いくつかの実施形態では、結腸直腸癌(CRC)を治療するための手術は、結腸の1つ以上の部分の除去を含む。いくつかの実施形態では、治療は、ポリープ切除術、局所切除術、経肛門切除術(TAE)、リンパ節切除術、経肛門内視鏡顕微手術(TEM)、低位前方切除術(LAR)、結腸肛門吻合を伴う直腸切除術、腹会陰切除術(APR)、骨盤摘出術、または便流変更結腸瘻造設術を含む。いくつかの実施形態では、手術は凍結手術をさらに含んでもよい。
【0226】
いくつかの例では、患者が結腸直腸癌を有するものとして診断された後、患者は、ロイコボリン、フルオロウラシル(5F0U)、カペシタビン、及びトリフルリジン/チピラシルなどの治療有効量の代謝拮抗薬で治療される。いくつかの実施形態では、結腸直腸癌(CRC)を治療するための化学療法は、5-フルオロウラシル、カペシタビン、オキサリプラチン、イリノテカン、トリフルリジン及びチピラシル、またはそれらの組み合わせを含む。5-フルオロウラシルは、1日当たり約0.4g/m~1日当たり約3g/mの範囲でヒト対象に投与することができる。カペシタビンは、ヒト対象に約1250mg/mをBIDで2週間投与し、その後1週間の休薬期間の3週間のサイクルとして投与することができる。オキサリプラチンは、ヒト対象に1日当たり約85g/m~1日当たり約600mg/mの範囲で投与することができる。イリノテカンは、ヒト対象に1日当たり約125g/m~1日当たり約350mg/mの範囲で投与することができる。トリフルリジン/チピラシルは、ヒト対象に約35g/mPO BID~1日当たり約80mg以下の範囲で投与することができる。mはヒト対象のおおよその表面積を指し、POは経口すなわち口からを意味し、BIDは、bis in dieすなわち1日2回を指すことに留意されたい。
【0227】
いくつかの例では、患者が結腸直腸癌を有するものとして診断された後、患者は、イリノテカンなどの治療有効量のトポイソメラーゼ阻害剤で治療される。
【0228】
いくつかの例では、患者は、治療有効量のアルキル化剤で処置される。特定の例では、アルキル化剤は、オキサリプラチン及びエロキサチンなどの薬物を含む。
【0229】
いくつかの例では、患者は、治療有効量の標的治療薬で治療される。特定の例では、標的治療薬は、血管内皮成長因子(VEGF)を標的とする血管を標的とする薬物、例えば、ベバシズマブ(アバスチン)、ラムシルマブ(サイラムザ)、及びZiv-アフリベルセプト(ザルトラップ)である。特定の例では、標的治療薬は、セツキシマブ(アービタックス)またはパニツムマブ(ベクティビックス)などの上皮成長因子受容体(EGFR)である。特定の例では、標的治療薬は、レゴラフェニブ(スチバーガ)などのキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、標的治療薬は、VEGF、EGFR、BRAF、及びMEK遺伝子の変化を含む(ただし、これに限定されない)腫瘍細胞遺伝子発現の患者特異的変化に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、標的治療薬は、がん遺伝子の阻害剤である。いくつかの例では、標的治療薬は、VEGF、EGFR、BRAF、及びMEKのうちの1つ以上の阻害剤である。いくつかの実施形態では、標的治療薬は、アフリベルセプト、セツキシマブ、パニツムマブ、エンコラフェニブ、及びそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、標的治療薬は血管新生阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、血管新生阻害剤は、ベバシズマブ(アバスチン、BEV)及びラムシルマブ(サイラムザ、RAM)のうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、CRCの療法は1つ以上の標的治療薬を含む。
【0230】
いくつかの例では、患者は、治療有効量の免疫治療薬で治療される。特定の例では、免疫治療薬は、免疫チェックポイント阻害薬からなる群から選択される。特定の例では、チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫療法は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、PD-1、PD-L1、及びCTLA-4を含む(ただし、これらに限定されない)免疫系チェックポイントタンパク質に対するものである。いくつかの実施形態では、PD-1を標的とする抗体は、ニボルマブ(オプジーボ)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、及びセミプリマブ(リブタヨ)を含む。いくつかの実施形態では、PD-L1を標的とする抗体は、アテゾリズマブ( テセントリク )、デュルバルマブ(イミフィンジ)、及びアベルマブ(バベンチオ)を含む。いくつかの実施形態では、CTLA-4を標的とする抗体はイピリムマブ(ヤーボイ)を含む。いくつかの実施形態では、CRCの療法は、PD-1、PD-L1、及びCTLA-4を標的とする1つ以上の抗体の組み合わせを含む。
【0231】
いくつかの例では、患者は、治療有効量のT細胞関連療法で治療される。特定の例では、T細胞関連療法は、CAR-Tアプローチ、TCRアプローチ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0232】
いくつかの例では、患者は、治療有効量のがんワクチンで治療される。
【0233】
いくつかの例では、患者は、治療有効量の放射線療法で治療される。特定の例では、放射線療法は、外部ビーム放射線療法及び内部放射線療法、化学放射線療法、近接照射療法、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、放射線療法は、結腸直腸癌(CRC)を治療するための高エネルギー線または粒子の使用を含む放射線処置である。いくつかの実施形態では、放射線処置は、外部ビーム放射線療法(EBRT)及び内部放射線療法(近接照射療法とも呼ばれる)を含む。いくつかの実施形態では、EBRTは、定位切除放射線療法(SABR)、三次元原体放射線療法(3D-CRT)、強度変調放射線療法(IMRT)、体幹部定位放射線療法(SBRT)、定位手術的照射(SRS)、またはその組み合わせのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、近接照射療法は、結腸(例えば、直腸腔)内の腫瘍内または腫瘍に隣接して放射性物質を配置することを含む。
【0234】
いくつかの例では、患者は、標的治療薬から選択される治療薬で治療される。いくつかの例では、本明細書の方法は、治療有効量の5-フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン(ゼローダ)、イリノテカン(カンプトサール)、オキサリプラチン(エロキサチン)、トリフルリジン、及びチピラシル(ロンサーフ)を投与することを含む。
【0235】
いくつかの例では、治療薬は、150mg、250mg、300mg、350mg、及び600mg用量で投与される。いくつかの例では、治療薬は、1日2回投与される。
【0236】
化学療法剤には、パクリタキセル(タキソール)またはドセタキセル(タキソテール)等のタキサンと併せたカルボプラチン(パラプラチン)またはシスプラチン等の白金系薬物が含まれるが、これらに限定されない。パラプラチンは、10mg/mLの注射用濃度(50、150、450、及び600mgのバイアル中)で投与され得る。進行性がんに対しては、360mg/m^2(IV)の単回薬剤用量が4週間投与され得る。パラプラチンは、300mg/m^2(IV)(+シクロホスファミド600mg/m^2(IV))として組み合わせて4週間毎に投与され得る。タキソールは、3時間にわたって175mg/m^2(IV)で3週間毎に投与され得る(続いてシスプラチン)。タキソールは、24時間にわたって135mg/m^2(IV)で3週間毎に投与され得る(続いてシスプラチン)。タキソールは、3時間にわたって135~175mg/m^2(IV)で3週間毎に投与され得る。
【0237】
標的療法剤には、PARP阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0238】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、生体試料及び/またはコントロール試料に対して多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を実施することを含む。
【0239】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、質量分析法は、多重反応モニタリング(MRM)モードを使用して実施される。いくつかの例では、質量分析法は、データ依存取得でQTOF MSを使用して実施される。いくつかの例では、質量分析法は、MSのみモードを使用して実施される。いくつかの例では、免疫測定法(例えば、ELISA)が、質量分析法と組み合わせて使用される。
【0240】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号1~38のアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。
【0241】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。
【0242】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。
【0243】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のアミノ酸配列及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のアミノ酸配列及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のアミノ酸配列及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。
【0244】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる1つ以上の糖ペプチドを定量することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる1つ以上の糖ペプチドを定量することを含む。
【0245】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量することを含む。
【0246】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、QQQ及び/またはqTOF質量分析計を使用してトランジション1~38からなる群から選択される多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出することを含む。いくつかの実施形態では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、QQQ及び/またはqTOF質量分析計を使用して表10の1つ以上のペプチド構造を検出することを含む。いくつかの実施形態では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、QQQ及び/またはqTOF質量分析計を使用して配列番号1~38のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチド構造を検出することを含む。
【0247】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、定量化ステップに基づいて分類を特定するために機械学習アルゴリズムを訓練することを含む。
【0248】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、定量化ステップに基づいて分類を特定するために機械学習アルゴリズムを訓練することを含む。
【0249】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、機械学習アルゴリズムは、深層学習アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム、教師あり機械学習アルゴリズム、線形判別分析アルゴリズム、2次判別分析アルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、線形基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、放射基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、最近傍アルゴリズム、k近傍、ナイーブベイズ分類器アルゴリズム、ロジスティック回帰アルゴリズム、正則化回帰アルゴリズム、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0250】
D.患者の診断方法
いくつかの例では、本明細書において、疾患または状態を有する患者を診断するための方法であって、質量分析法によって患者からの試料中の糖ペプチドを測定することを含む方法が記載される。
【0251】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量化するか、またはトランジション1~38から選択される1つ以上のMRMトランジションを検出し、定量化することと、検出された糖ペプチドの定量化またはMRMトランジションを訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者に対する診断分類を特定することと、診断分類に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして患者を診断することと、を含む、方法が記載される。
【0252】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションの定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者に対する診断分類を特定することと、診断分類に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして患者を診断することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、方法は、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出し、定量化するか、またはトランジション1~38から選択される1つ以上のMRMトランジションを検出し、定量化することとを含む。
【0253】
いくつかの例では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出するか、またはトランジション1~38から選択される1つ以上のMRMトランジションを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析するかまたはモデルを訓練して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして患者を診断することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、方法は、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出するか、またはトランジション1~38から選択される1つ以上のMRMトランジションを検出することとを含む。
【0254】
いくつかの例では、本明細書において、個人における老化を診断、モニタリング、または分類するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出するか、またはトランジション1~38から選択される1つ以上のMRMトランジションを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて老化分類を有するものとして個人を診断、モニタリング、または分類することと、を含む方法が記載される。
【0255】
いくつかの例では、本明細書において、個人における老化を診断、モニタリング、または分類するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出するか、またはトランジション1~38から選択される1つ以上のMRMトランジションを検出することと、検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを使用してモデルを訓練して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて老化分類を有するものとして個人を診断、モニタリング、または分類することと、を含む、方法が記載される。
【0256】
いくつかの例では、本明細書において、個人における老化を診断、モニタリング、または分類するための方法であって、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出するか、またはトランジション1~38から選択される1つ以上のMRMトランジションを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて老化分類を有するものとして個人を診断、モニタリング、または分類することと、を含む、方法が記載される。
【0257】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量化することと、検出された糖ペプチドの定量化またはMRMトランジションを訓練済みモデルに入力するかまたはモデルを訓練して出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者に対する診断分類を特定することと、診断分類に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして患者を診断することと、を含む、方法が記載される。
【0258】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量化することと、検出された糖ペプチドの定量化またはMRMトランジションを訓練済みモデルに入力して出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者に対する診断分類を特定することと、診断分類に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして患者を診断することと、を含む、方法が記載される。
【0259】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量化することと、検出された糖ペプチドの定量化またはMRMトランジションを使用してモデルを訓練して出力確率を生成することと、を含む、方法が記載される。
【0260】
別の実施形態では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量化することと、検出された糖ペプチドの定量化またはMRMトランジションを訓練済みモデルに入力して出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者に対する診断分類を特定することと、診断分類に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして患者を診断することと、を含む、方法が記載される。
【0261】
いくつかの例では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して診断分類を生成することと、診断分類に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして患者を診断することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドが、診断分類を生成するためのモデルを訓練するために使用される。
【0262】
いくつかの例では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして患者を診断することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドが、診断分類を特定するためのモデルを訓練するために使用される。
【0263】
いくつかの例では、本明細書において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして患者を診断することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドが、診断分類を特定するためのモデルを訓練するために使用される。
【0264】
いくつかの例では、本明細書において、個人における老化を診断、モニタリング、または分類するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて老化分類を有するものとして個人を診断、モニタリング、または分類することと、を含む方法が記載される。いくつかの例では、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドが、診断分類を特定するためのモデルを訓練するために使用される。
【0265】
いくつかの例では、本明細書において、個人における老化を診断、モニタリング、または分類するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて老化分類を有するものとして個人を診断、モニタリング、または分類することと、を含む方法が記載される。いくつかの例では、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドが、診断分類を特定するためのモデルを訓練するために使用される。
【0266】
いくつかの例では、本明細書において、個人における老化を診断、モニタリング、または分類するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて老化分類を有するものとして個人を診断、モニタリング、または分類することと、を含む方法が記載される。いくつかの例では、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドが、診断分類を特定するためのモデルを訓練するために使用される。
【0267】
いくつかの例では、本明細書において、個人における老化を診断、モニタリング、または分類するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出することと、訓練済みモデルを使用して検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して診断分類を特定することと、診断分類に基づいて老化分類を有するものとして個人を診断、モニタリング、または分類することと、を含む方法が記載される。いくつかの例では、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドが、診断分類を特定するためのモデルを訓練するために使用される。
【0268】
いくつかの例では、本明細書において、個人における老化を診断、モニタリング、または分類するための方法であって、生体試料を患者から得ること、または生体試料が患者から既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して生体試料の質量分析法を実施して、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、もしくはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出することと、モデルを訓練して診断分類を特定することと、を含む方法が記載される。いくつかの他のステップでは、方法は、診断分類に基づいて個人を老化分類を有するものとして診断、モニタリング、または分類することを含んでもよい。いくつかの例では、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドが、診断分類を特定するためのモデルを訓練するために使用される。
【0269】
E.疾患及び状態
種々の疾患及び状態を診断するためのバイオマーカーが本明細書に記載される。
【0270】
いくつかの例では、疾患及び状態は、がんを含む。いくつかの例では、疾患及び状態は、がんに限定されない。
【0271】
いくつかの例では、疾患及び状態は、結腸直腸癌または進行性腺腫を含む。いくつかの例では、疾患及び状態は、結腸直腸癌または進行性腺腫に限定されない。
【0272】
いくつかの実施形態では、結腸直腸癌(CRC)は、例えば結腸、直腸及び/または虫垂などの下部消化管のがんである。いくつかの実施形態では、CRCは結腸ポリープから発生する可能性がある。いくつかの実施形態では、結腸ポリープは、大腸または直腸の内壁上で成長する。いくつかの実施形態では、結腸ポリープは良性である。いくつかの実施形態では、結腸ポリープは悪性である。いくつかの実施形態では、結腸ポリープは、診断及び/または治療されない場合、結腸直腸腺腫に進行する。いくつかの実施形態では、結腸ポリープは、診断及び/または治療されない場合、進行性結腸直腸腺腫に進行する。いくつかの実施形態では、結腸ポリープは、診断及び/または治療されない場合、CRCに進行する。適時の診断及び/または治療が行われない場合、CRCを有する個人の生存率は顕著に低くなる。
【0273】
いくつかの実施形態では、本明細書において、個人をCRCを有するかまたはCRCを有さないものとして分類するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、個人を進行性腺腫(AA)を有するかまたはAAを有さないものとして分類するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、個人をCRCを有するかまたはCRCを有さないものとして診断するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、個人を進行性腺腫(AA)を有するかまたはAAを有さないものとして診断するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、CRCを有する個人を治療するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、進行性腺腫(AA)を有する個人を治療するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、CRCまたはAAを有する個人を治療する方法は、特定の療法を選択することと、及び/または特定の療法を投与することとを含む。本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、方法は、ペプチド及び/または糖ペプチドのセットのペプチド構造データから特定された定量化データを、疾患指標を特定するように訓練された1つ以上の機械学習モデルに入力することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、疾患指標に基づいて試料を、CRCもしくはAAを有するか、またはCRCもしくはAAを有さないものとして分類することを含む。いくつかの実施形態では、療法は、表10の少なくとも1つのペプチド構造の存在及び/または量に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、療法は、配列番号1~38のアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドの存在及び/または量に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、療法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドの存在及び/または量に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、療法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドの存在及び/または量に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、療法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドの存在及び/または量に基づいて選択される。
【0274】
本明細書では、個人の診断及び治療の方法が提供される。さらに、本明細書では、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)に関連する1つ以上のリスク因子を有する個人の診断及び治療の方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、CRCまたはAAに関連する1つ以上のリスク因子を有する個人における表10の1つ以上のペプチド構造の量/存在または非存在を測定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、表10の1つ以上のペプチド構造の存在及び/または量に基づいて個人を診断することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、表10の1つ以上の糖ペプチドの存在及び/または量に基づいて個人を診断することを含む。いくつかの実施形態では、診断は、表10に記載の配列番号1~38のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチド及び/または糖ペプチドの存在及び/または量に基づく。いくつかの実施形態では、診断は、表10に記載の配列番号1~38のアミノ酸配列を含む1つ以上の糖ペプチドの存在及び/または量に基づく。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号1~38のアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの存在及び/または量と、表10に記載の関連するグリカンとに基づく。いくつかの実施形態では、CRCまたはAAと診断された個人は、診断によって決定された疾患指標に基づいて、本明細書に記載される1つ以上のCRCまたはAA療法を投与される。いくつかの実施形態では、個人は、診断によって決定された疾患指標に基づいて、本明細書に記載される1つ以上のCRCまたはAA療法を投与される。いくつかの実施形態では、CRCまたはAAを有することが確認された個人は、診断によって決定された疾患指標に基づいて治療される。
【0275】
いくつかの実施形態では、個人は、表10の1つ以上のペプチド構造が検出され、それらが健康なコントロール試料とは異なる場合に、診断される。いくつかの実施形態では、個人は、配列番号1~38のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチド構造が検出され、それらが健康なコントロール試料とは異なる場合に、診断される。いくつかの実施形態では、個人は、配列番号1~38のアミノ酸配列を含む1つ以上の糖ペプチドが検出され、それらが健康なコントロール試料とは異なる場合に、診断される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造の量は存在しないか、または検出限界未満である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの糖ペプチド構造の量は存在しないか、または検出限界未満である。いくつかの実施形態では、表10の少なくとも1つのペプチド構造の量は存在しないか、または検出限界未満である。いくつかの実施形態では、表10に記載される配列番号1~38のアミノ酸配列を含む少なくとも1つのペプチド構造の量は、存在しないか、または検出限界未満である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造の量は、健康な個人からのコントロール試料よりも有意に少ない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの糖ペプチド構造の量は、健康な個人からのコントロール試料よりも有意に少ない。いくつかの実施形態では、表10の少なくとも1つのペプチド構造の量は、健康な個人からのコントロール試料よりも有意に少ない。いくつかの実施形態では、表10に記載される配列番号1~38のアミノ酸配列を含む少なくとも1つのペプチド構造の量は、健康な個人からのコントロール試料よりも有意に少ない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造の量は、健康な個人からのコントロール試料よりも有意に多い。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの糖ペプチド構造の量は、健康な個人からのコントロール試料よりも有意に多い。いくつかの実施形態では、表10の少なくとも1つのペプチド構造の量は、健康な個人からのコントロール試料よりも有意に多い。いくつかの実施形態では、表10に記載される配列番号1~38のアミノ酸配列を含む少なくとも1つのペプチド構造の量は、健康な個人からのコントロール試料よりも有意に多い。いくつかの実施形態では、個人は、表10の1つ以上のペプチド構造の存在及び/または量に基づいて診断及び治療される。いくつかの実施形態では、個人は、配列番号1~38のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチド構造の存在及び/または量と、表10に記載される関連するグリカンとに基づいて診断及び治療される。
【0276】
いくつかの実施形態では、個人はCRCまたはAAを有する。いくつかの実施形態では、個人は、ステージ0、ステージI、ステージII、ステージIII、またはステージIVのCRCを有する。いくつかの実施形態では、個人は早期のCRCを有する。いくつかの実施形態では、個人は末期のCRCまたは進行性CRCを有する。いくつかの実施形態では、個人は、発生部位から広がっていないCRCを有する。いくつかの実施形態では、個人は、周囲の組織に局所的に広がったCRCを有する。いくつかの実施形態では、個人は、元の腫瘍及び/または局所腫瘍環境を超えて広がったCRCを有する。いくつかの実施形態では、個人は、肺を越えて1つ以上の臓器に広がったCRCを有する。いくつかの実施形態では、個人は転移性CRCを有する。いくつかの実施形態では、個人はCRCを有し、再発及び/または進行している。いくつかの実施形態では、方法は、表10に示される1つ以上のペプチド構造に基づいてCRCに関連する複数の状態に関して生体試料を分類することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、表10に示される1つ以上の糖ペプチドに基づいてCRCまたはAAに関連する複数の状態に関して生体試料を分類することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、ペプチド及び/または糖ペプチドのセットのペプチド構造データから特定された定量化データを、疾患指標をように訓練された1つ以上の機械学習モデルに入力することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、疾患指標に基づいて試料を、CRCもしくはAAを有するか、またはCRCもしくはAAを有さないものとして分類することを含む。いくつかの実施形態では、ペプチド構造データは、表10に示される1つ以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチド及び/または糖ペプチドの存在、非存在、及び/または量は、MRM-MSによって決定される。いくつかの実施形態では、方法は、表10に示されるペプチド構造を含む1つ以上のバイオマーカーの存在、量、及び/または相対量に基づいて、本明細書に記載される特定の療法を選択することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、表10に示される糖ペプチドを含む1つ以上のバイオマーカーの存在、量、及び/または相対量に基づいて、本明細書に記載される特定の療法を選択することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、表10に示されるペプチド構造を含む1つ以上のバイオマーカーの存在、量、及び/または相対量に基づいて、本明細書に記載される特定の療法を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、表10に示される糖ペプチドを含む1つ以上のバイオマーカーの存在、量、及び/または相対量に基づいて、本明細書に記載される特定の療法を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、疾患指標及び/または分類に基づいて、本明細書に記載される特定の療法を選択することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、疾患指標及び/または分類に基づいて、本明細書に記載される特定の療法を投与することをさらに含む。
【0277】
いくつかの実施形態では、個人は、CRCまたはAAを治療するための一連の療法を以前に受けている。いくつかの実施形態では、個人は、CRCまたはAAを治療するための少なくとも1回、少なくとも2回、または少なくとも3回の一連の以前の療法を受けている。いくつかの実施形態では、個人は、CRCまたはAAを治療するための1回以下、2回以下、または3回以下の一連の依然の療法を受けている。いくつかの実施形態では、個人は、CRCまたはAAを治療するための一連の以前の療法を受けていない。
【0278】
いくつかの実施形態では、個人は、結腸直腸癌(CRC)治療に関連する遺伝子発現が変化している。いくつかの実施形態では、個人はがん遺伝子発現が変化している。いくつかの実施形態では、個人は腫瘍細胞の遺伝子発現が変化している。いくつかの実施形態では、遺伝子発現の変化は、VEGF、EGFR、BRAF、及びMEKのうちの1つ以上の遺伝子発現の変化を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子発現の変化は、免疫系チェックポイントタンパク質PD-1、PD-L1、及びCTLA-4のうちの1つ以上の遺伝子発現の変化を含む。いくつかの実施形態では、CRC治療に関連する遺伝子発現の変化を有する個人は、PD-1、PD-L1、及びCTLA-4、またはそれらの組み合わせを標的とする1つ以上の抗体を含む療法から利する可能性がある。
【0279】
いくつかの実施形態では、個人は、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、CRCまたはAAのリスクは、表10の1つ以上のペプチド構造の存在及び/または量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、CRCのリスクは、配列番号1~38のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、個人は、CRCを発症する可能性を増大させる1つ以上のリスク因子について陽性である。いくつかの実施形態では、1つ以上のリスク因子は、年齢、過敏性腸疾患、2型糖尿病、CRCの家族歴、遺伝性症候群(例えば、リンチ症候群)、肥満、喫煙、タバコの使用、アルコール摂取、食事内容、及び運動不足からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個人は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つのCRCのリスク因子を有する。
【0280】
いくつかの実施形態では、個人は、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を発症する可能性を増大させる1つ以上のリスク因子について陽性である。いくつかの実施形態では、1つ以上のリスク因子は個人の年齢を含む。いくつかの実施形態では、個人は、少なくとも30歳、少なくとも35歳、少なくとも40歳、少なくとも45歳、少なくとも50歳、少なくとも55歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、少なくとも70歳、少なくとも75歳、少なくとも80歳、少なくとも85歳、または少なくとも90歳である。いくつかの実施形態では、個人は少なくとも約30歳である。いくつかの実施形態では、個人は少なくとも約40歳である。いくつかの実施形態では、個人は少なくとも約50歳である。いくつかの実施形態では、個人は少なくとも約60歳である。
【0281】
いくつかの実施形態では、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を発症するリスクがある個人は、体重過多または肥満である。いくつかの実施形態では、CRCを発症するリスクのある個人は、BMI≧30kg/mを有する。いくつかの実施形態では、CRCを発症するリスクのある個人は、BMI≧35kg/mを有する。いくつかの実施形態では、CRCを発症するリスクのある個人は、BMI≧40kg/mを有する。いくつかの実施形態では、個人は極度の肥満とみなされる。
【0282】
いくつかの実施形態では、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を発症するリスクがある個人は、遺伝性症候群を有する。いくつかの実施形態では、遺伝性症候群は、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)または遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌(リンチ症候群)を含む。
【0283】
いくつかの実施形態では、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を発症するリスクがある個人は、CRCまたはAAのリスクを増大させ得る食品を摂取している。いくつかの実施形態では、個人は赤身肉または加工肉を大量に摂取している。いくつかの実施形態では、CRCまたはAAを発症するリスクがある個人は、CRCまたはAAのリスクを増大させ得る食品を摂取していない。いくつかの実施形態では、個人は野菜及び繊維の摂取量が不足している。
【0284】
いくつかの実施形態では、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を発症するリスクがある個人は、喫煙者またはタバコ製品の消費者である。いくつかの実施形態では、個人は紙巻きタバコ、葉巻、パイプ、及び他のタバコベースの製品を喫煙する。いくつかの実施形態では、個人は喫煙者である。いくつかの実施形態では、個人はタバコ含有製品を使用している。
【0285】
いくつかの実施形態では、個人は、本明細書に記載される結腸直腸癌(CRC)の1つ以上の臨床指標について陽性である。いくつかの実施形態では、CRCの1つ以上の臨床指標は、排便習慣の変化、血便、下痢、便秘、持続する腹痛、持続する腹部けいれん、及び原因不明の体重減少を含む。いくつかの実施形態では、個人は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つのCRCの臨床指標を有する。いくつかの実施形態では、個人は、本明細書に記載されるCRCの臨床指標の任意の組み合わせを有する。
【0286】
いくつかの例では、状態は、老化である。いくつかの例では、本明細書に記載の「患者」は、「個体」と同等に記載される。例えば、本明細書のいくつかの方法では、個体における老化または老化状態をモニタリングまたは診断するためのバイオマーカーが記載される。これらの例のいくつかでは、個体は、必ずしも、治療を必要とする医学的状態を有する患者とは限らない。いくつかの例では、個体は、雄性である。いくつかの例では、個体は、雌性である。いくつかの例では、個体は、雄性の哺乳動物である。いくつかの例では、個体は、雌性の哺乳動物である。いくつかの例では、個体は、男性のヒトである。いくつかの例では、個人は女性である。
【0287】
いくつかの例では、個人は1歳である。いくつかの例では、個人は2歳である。いくつかの例では、個人は3歳である。いくつかの例では、個人は4歳である。いくつかの例では、個人は5歳である。いくつかの例では、個人は6歳である。いくつかの例では、個人は7歳である。いくつかの例では、個人は8歳である。いくつかの例では、個人は9歳である。いくつかの例では、個人は10歳である。いくつかの例では、個人は11歳である。いくつかの例では、個人は12歳である。いくつかの例では、個人は13歳である。いくつかの例では、個人は14歳である。いくつかの例では、個人は15歳である。いくつかの例では、個人は16歳である。いくつかの例では、個人は17歳である。いくつかの例では、個人は18歳である。いくつかの例では、個人は19歳である。いくつかの例では、個人は20歳である。いくつかの例では、個人は21歳である。いくつかの例では、個人は22歳である。いくつかの例では、個人は23歳である。いくつかの例では、個人は24歳である。いくつかの例では、個人は25歳である。いくつかの例では、個人は26歳である。いくつかの例では、個人は27歳である。いくつかの例では、個人は28歳である。いくつかの例では、個人は29歳である。いくつかの例では、個人は30歳である。いくつかの例では、個人は31歳である。いくつかの例では、個人は32歳である。いくつかの例では、個人は33歳である。いくつかの例では、個人は34歳である。いくつかの例では、個人は35歳である。いくつかの例では、個人は36歳である。いくつかの例では、個人は37歳である。いくつかの例では、個人は38歳である。いくつかの例では、個人は39歳である。いくつかの例では、個人は40歳である。いくつかの例では、個人は41歳である。いくつかの例では、個人は42歳である。いくつかの例では、個人は43歳である。いくつかの例では、個人は44歳である。いくつかの例では、個人は45歳である。いくつかの例では、個人は46歳である。いくつかの例では、個人は47歳である。いくつかの例では、個人は48歳である。いくつかの例では、個人は49歳である。いくつかの例では、個人は50歳である。いくつかの例では、個人は51歳である。いくつかの例では、個人は52歳である。いくつかの例では、個人は53歳である。いくつかの例では、個人は54歳である。いくつかの例では、個人は55歳である。いくつかの例では、個人は56歳である。いくつかの例では、個人は57歳である。いくつかの例では、個人は58歳である。いくつかの例では、個人は59歳である。いくつかの例では、個人は60歳である。いくつかの例では、個人は61歳である。いくつかの例では、個人は62歳である。いくつかの例では、個人は63歳である。いくつかの例では、個人は64歳である。いくつかの例では、個人は65歳である。いくつかの例では、個人は66歳である。いくつかの例では、個人は67歳である。いくつかの例では、個人は68歳である。いくつかの例では、個人は69歳である。いくつかの例では、個人は70歳である。いくつかの例では、個人は71歳である。いくつかの例では、個人は72歳である。いくつかの例では、個人は73歳である。いくつかの例では、個人は74歳である。いくつかの例では、個人は75歳である。いくつかの例では、個人は76歳である。いくつかの例では、個人は77歳である。いくつかの例では、個人は78歳である。いくつかの例では、個人は79歳である。いくつかの例では、個人は80歳である。いくつかの例では、個人は81歳である。いくつかの例では、個人は82歳である。いくつかの例では、個人は83歳である。いくつかの例では、個人は84歳である。いくつかの例では、個人は85歳である。いくつかの例では、個人は86歳である。いくつかの例では、個人は87歳である。いくつかの例では、個人は88歳である。いくつかの例では、個人は89歳である。いくつかの例では、個人は90歳である。いくつかの例では、個人は91歳である。いくつかの例では、個人は92歳である。いくつかの例では、個人は93歳である。いくつかの例では、個人は94歳である。いくつかの例では、個人は95歳である。いくつかの例では、個人は96歳である。いくつかの例では、個人は97歳である。いくつかの例では、個人は98歳である。いくつかの例では、個人は99歳である。いくつかの例では、個人は100歳である。いくつかの例では、個人は100歳よりも高齢である。
【0288】
V.機械学習
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、質量分析法(MS)及び/または液体クロマトグラフィー(LC)を使用して、表10の1つ以上のペプチド構造を含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、MS及び/またはLCを使用して、配列番号1~38のいずれか1つのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、方法は、MS及び/またはLCを使用して、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、方法は、MS及び/またはLCを使用して、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、方法は、MS及び/またはLCを使用して、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。
【0289】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、質量分光法及び/または液体クロマトグラフィーを使用して、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量することを含む。いくつかの例では、方法は、質量分光法及び/または液体クロマトグラフィーを使用して、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、方法は、質量分光法及び/または液体クロマトグラフィーを使用して、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量することを含む。いくつかの例では、方法は、質量分光法及び/または液体クロマトグラフィーを使用して、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。
【0290】
いくつかの例では、定量化の結果は、訓練済みモデルの入力として使用される。いくつかの例では、定量化の結果は、試験試料中で定量された各グリカンまたは糖ペプチドの絶対量、相対量、及び/または種類に基づく診断アルゴリズムを用いて分類またはカテゴライズされ、診断アルゴリズムは、既知の疾患または状態を有する個体の集団から得られた各マーカーについての対応する値で訓練される。いくつかの例では、疾患または状態は、結腸直腸癌または進行性腺腫である。
【0291】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、質量分析法(MS)及び/または液体クロマトグラフィー(LC)を使用して、表10の1つ以上のペプチド構造を含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、MS及び/またはLCを使用して、配列番号1~38のいずれか1つのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含む1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む。
【0292】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、機械学習システムを訓練するための方法であって、配列番号1~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することと、コントロール試料を示すMRMトランジションシグナルの第2のデータセットを提供することと、機械学習アルゴリズムを使用して第1のデータセットと第2のデータセットとを比較することと、を含む、方法が記載される。いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することを含む。
【0293】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、機械学習システムを訓練するための方法であって、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することと、コントロール試料を示すMRMトランジションシグナルの第2のデータセットを提供することと、機械学習アルゴリズムを使用して第1のデータセットと第2のデータセットとを比較することとを含む、方法が記載される。いくつかの例では、方法は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することを含む。
【0294】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。
【0295】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。
【0296】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。
【0297】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。
【0298】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料である、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。
【0299】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、コントロール試料を使用することを含み、コントロール試料は、結腸直腸癌も進行性腺腫も有さない患者からの試料である。
【0300】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する1人以上の患者からプールされた試料である、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。
【0301】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する1人以上の患者からプールされた試料である、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する1人以上の患者からプールされた試料である、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する1人以上の患者からプールされた試料である、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つのアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせを含む1つ以上の糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。
【0302】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する1人以上の患者からプールされた試料である、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する1人以上の患者からプールされた試料である、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する1人以上の患者からプールされた試料である、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む試料を使用することを含む。
【0303】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書の方法は、結腸直腸癌も進行性腺腫も有しない1人以上の患者からプールされた試料であるコントロール試料を使用することを含む。
【0304】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、疾患または状態を有する患者及び疾患または状態を有しない患者からの質量分析データ(例えば、MRM-MSトランジションシグナル)を使用して訓練された機械学習モデルを生成することを含む。いくつかの例では、疾患または状態は、結腸直腸癌または進行性腺腫である。いくつかの例では、方法は、既知の標準物質または他の試料との交差検証によって機械学習モデルを最適化することを含む。いくつかの例では、方法は、質量分析データを使用して性能を評価して、個々の感度及び特異度を有するグリカン及び糖ペプチドのパネルを形成することを含む。特定の例では、方法は、診断に関して信頼度パーセントを決定することを含む。いくつかの例では、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1~10種の糖ペプチドが、特定の信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。いくつかの例では、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる10~50種の糖ペプチドが、より高い信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。
【0305】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、生体試料に対してMRM-MS及び/またはLC-MSを実施することを含む。いくつかの例では、方法は、計算装置によって、複数の質量スペクトルを表す理論的質量スペクトルデータを構築することを含み、複数の質量スペクトルのそれぞれは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドに対応する。いくつかの例では、方法は、計算装置によって、質量スペクトルデータと理論的質量スペクトルデータとを比較して、複数の質量スペクトルのそれぞれと複数の糖ペプチドのうちの対応する糖ペプチドに関連する複数の理論的標的質量スペクトルのそれぞれとの類似性を示す比較データを生成することを含む。
【0306】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、疾患または状態を有する患者及び疾患または状態を有しない患者からの質量分析データ(例えば、MRM-MSトランジションシグナル)を使用して訓練された機械学習モデルを生成することを含む。いくつかの例では、疾患または状態は、結腸直腸癌または進行性腺腫である。いくつかの例では、方法は、既知の標準物質または他の試料との交差検証によって機械学習モデルを最適化することを含む。いくつかの例では、方法は、質量分析データを使用して性能を評価して、個々の感度及び特異度を有するグリカン及び糖ペプチドのパネルを形成することを含む。特定の例では、方法は、診断に関して信頼度パーセントを決定することを含む。
【0307】
いくつかの例では、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドが、特定の信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。いくつかの例では、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つのアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドが、特定の信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。いくつかの例では、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つのアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドが、特定の信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。
【0308】
いくつかの例では、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つのアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる少なくとも1つの糖ペプチドが、特定の信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。いくつかの例では、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる少なくとも1つの糖ペプチドが、特定の信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。いくつかの例では、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる少なくとも1つの糖ペプチドが、特定の信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。
【0309】
いくつかの例では、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドが、より高い信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。いくつかの例では、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つのアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドが、より高い信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。いくつかの例では、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つのアミノ酸配列を含む少なくとも1つの糖ペプチドが、より高い信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。
【0310】
いくつかの例では、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つのアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる少なくとも1つの糖ペプチドが、より高い信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。いくつかの例では、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる少なくとも1つの糖ペプチドが、より高い信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。いくつかの例では、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる少なくとも1つの糖ペプチドが、より高い信頼度パーセントで結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を診断するのに有用であり得る。
【0311】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、生体試料に対してMRM-MS及び/またはLC-MSを実施することを含む。いくつかの例では、方法は、計算装置によって、複数の質量スペクトルを表す理論的質量スペクトルデータを構築することを含み、複数の質量スペクトルのそれぞれは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドに対応する。いくつかの例では、方法は、計算装置によって、複数の質量スペクトルを表す理論的質量スペクトルデータを構築することを含み、複数の質量スペクトルのそれぞれは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドに対応する。いくつかの例では、方法は、計算装置によって、複数の質量スペクトルを表す理論的質量スペクトルデータを構築することを含み、複数の質量スペクトルのそれぞれは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドに対応する。
【0312】
いくつかの例では、方法は、計算装置によって、質量スペクトルデータと理論的質量スペクトルデータとを比較して、複数の質量スペクトルのそれぞれと複数の糖ペプチドのうちの対応する糖ペプチドに関連する複数の理論的標的質量スペクトルのそれぞれとの類似性を示す比較データを生成することを含む。
【0313】
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、計算装置によって、MRM-MSデータに基づいて、複数の質量スペクトルにおける複数の特徴的なイオンの分布を決定し、計算装置によって、分布に基づいて、複数の特徴的なイオンのうちの1つ以上が糖ペプチドイオンであるかどうかを決定するために使用される。
【0314】
いくつかの例では、本明細書の方法は、診断アルゴリズムを訓練することを含む。本明細書において、診断アルゴリズムを訓練することは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドについての値に基づく診断アルゴリズムの教師あり学習を指し得る。診断アルゴリズムを訓練することは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドについての値に基づく統計モデルにおける変数選択を指し得る。診断アルゴリズムを訓練することは、例えば、各カテゴリーについて特徴空間内の重み付けベクトルを判定すること、または関数もしくは関数パラメータを判定することを含んでもよい。
【0315】
いくつかの例では、本明細書の方法は、診断アルゴリズムを訓練することを含む。本明細書において、診断アルゴリズムを訓練することは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれらから本質的になる1つ以上の糖ペプチドについての値に基づく診断アルゴリズムの教師あり学習を指し得る。本明細書において、診断アルゴリズムを訓練することは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドについての値に基づく診断アルゴリズムの教師あり学習を指し得る。本明細書において、診断アルゴリズムを訓練することは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドについての値に基づく診断アルゴリズムの教師あり学習を指し得る。
【0316】
診断アルゴリズムを訓練することは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドについての値に基づく統計モデルにおける変数選択を指し得る。診断アルゴリズムを訓練することは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドについての値に基づく統計モデルにおける変数選択を指し得る。診断アルゴリズムを訓練することは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドについての値に基づく統計モデルにおける変数選択を指し得る。
【0317】
診断アルゴリズムを訓練することは、例えば、各カテゴリーについて特徴空間内の重み付けベクトルを判定すること、または関数もしくは関数パラメータを判定することを含んでもよい。
【0318】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、機械学習アルゴリズムは、深層学習アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム、教師あり機械学習アルゴリズム、線形判別分析アルゴリズム、2次判別分析アルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、線形基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、放射基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、最近傍アルゴリズム、k近傍、ナイーブベイズ分類器アルゴリズム、ロジスティック回帰アルゴリズム、正則化回帰アルゴリズム、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の例では、機械学習アルゴリズムは、ラッソ回帰である。
【0319】
特定の例では、機械学習アルゴリズムは、ラッソ、リッジ回帰、ランダムフォレスト、K近傍法(KNN)、ディープニューラルネットワーク(DNN)、及び主成分分析(PCA)である。特定の例では、DNNは、質量分析データを分析可能な形式に処理するために使用される。いくつかの例では、DNNは、質量スペクトルからのピークの抽出に使用される。いくつかの例では、PCAが特徴検出に有用である。いくつかの例では、機械学習は、複合判別分析である。
【0320】
いくつかの例では、ラッソを使用して、特徴選択を提供する。
【0321】
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムを使用して、タンパク質の存在量を表す各タンパク質からのペプチドを定量化する。いくつかの例では、この定量化は、グリコシル化が測定されないタンパク質を定量化することを含む。
【0322】
いくつかの例では、糖ペプチド配列は、質量分析計における断片化及びByonicソフトウェアを使用したデータベース検索によって同定される。
【0323】
いくつかの例では、本明細書の方法は、タンパク質機能またはグリカンモチーフ等の既知の生物学的量を表すMRMS-MSデータの特徴を検出するための教師なし学習を含む。ある特定の例では、これらの特徴は、機械による分類のための入力として使用される。いくつかの例では、分類は、ラッソ、リッジ回帰、またはランダムフォレストの性質を使用して実施される。
【0324】
いくつかの例では、本明細書の方法は、アルゴリズムで値を処理する前に、入力データ(例えば、MRMトランジションピーク)を値(例えば、0~100に基づくスケール)にマッピングすることを含む。例えば、MRMトランジションが特定され、ピークが特徴付けられた後、本明細書の方法は、所与の患者について、ピーク付近のm/z及び保持時間ウィンドウでのMSスキャンを評価することを含む。いくつかの例では、得られたクロマトグラムは、機械学習アルゴリズムによって積分されることで、ピークの開始点及び停止点を決定し、それらの点で囲まれた面積及び強度(高さ)が計算される。得られた積分値は存在量であり、これが次いで、機械学習及び統計分析の訓練及びデータセットに供給される。
【0325】
いくつかの例では、あるインスタンスにおける機械学習出力が、別のインスタンスにおける機械学習入力として使用される。例えば、分類プロセスに使用されるPCAに加えて、DNNデータ処理がPCA及び他の分析に供給される。これは、少なくとも3レベルのアルゴリズム処理をもたらす。他の階層構造も本開示の範囲内で企図される。
【0326】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、方法は、診断アルゴリズムにおいて、試料中で定量された各グリカンまたは糖ペプチドの量を各グリカンまたは糖ペプチドについての対応する参照値と比較することを含む。いくつかの例では、方法は、診断アルゴリズムを使用して、試料中で定量化されたグリカンまたは糖ペプチドの量を同じグリカンまたは糖ペプチドの参照値と比較する比較プロセスを含む。比較プロセスは、診断アルゴリズムによる分類の一部であってもよい。比較プロセスは、例えば、n次元特徴空間または高次元空間における、抽象レベルで生じ得る。
【0327】
いくつかの例では、本明細書の方法は、診断アルゴリズムを用いて、試料中で定量された各グリカンまたは糖ペプチドの量に基づいて患者の試料を分類することを含む。いくつかの例では、方法は、統計または機械学習分類プロセスを使用することを含み、試験試料中で定量されたグリカンまたは糖ペプチドの量を使用して、診断アルゴリズムによって健康のカテゴリーが決定される。いくつかの例では、診断アルゴリズムは、統計的または機械学習の分類アルゴリズムである。
【0328】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、診断アルゴリズムによる分類は、考えられる各カテゴリーに属するグリカンまたは糖ペプチド値のパネルの尤度をスコア付けし、最高スコアのカテゴリーを判定することを含んでもよい。診断アルゴリズムによる分類は、距離関数を用いてマーカー値のパネルを以前の観察と比較することを含んでもよい。分類に適した診断アルゴリズムの例としては、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、ロジスティック回帰(例えば、多クラスまたは多項ロジスティック回帰、及び/またはスパースロジスティック回帰に適合したアルゴリズム)、正則化回帰が挙げられる。当業者に既知であるような、分類に好適である多種多様な他の診断アルゴリズムが使用されてもよい。
【0329】
いくつかの例では、本明細書の方法は、疾患または状態(例えば、結腸直腸癌または進行性腺腫)を有する個人の集団から得られた各グリカンまたは糖ペプチドについての値に基づく診断アルゴリズムの教師あり学習を含む。いくつかの例では、方法は、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する個人の集団から得られた各グリカンまたは糖ペプチドについての値に基づく統計モデルにおける変数選択を含む。診断アルゴリズムを訓練することは、例えば、各カテゴリーについて特徴空間内の重み付けベクトルを判定すること、または関数もしくは関数パラメータを判定することを含んでもよい。
【0330】
一実施形態では、参照値は、1人の個人に由来する1つ以上のサンプル(複数可)中のグリカンまたは糖ペプチドの量である。あるいは、参照値は、複数の個人から得られたデータをプールし、グリカンまたは糖ペプチドの平均量(例えば、平均値または中央値)を計算することにより導出され得る。したがって、参照値は、複数の個体におけるグリカンまたは糖ペプチドの平均量を反映し得る。該量は、本明細書に記載されるのと同じ様態で、絶対値または相対値で表され得る。
【0331】
いくつかの例では、参照値は、試験されている試料と同じ試料から導出され得、それにより2つの間の適切な比較が可能になる。例えば、試料が尿に由来する場合、参照値も尿に由来する。いくつかの例では、試料が血液試料(例えば、血漿または血清試料)である場合、参照値も血液試料(例えば、必要に応じて血漿試料または血清試料)となる。試料及び参照値を比較する場合、量の表現方法は、試料及び参照値で一致する。したがって、絶対量は、絶対量と比較することができ、相対量は、相対量と比較することができる。同様に、診断アルゴリズムによる分類のための量の表現方法は、診断アルゴリズムの訓練のための量の表現方法と一致する。
【0332】
グリカンまたは糖ペプチドの量が決定される場合、本方法は、各グリカンまたは糖ペプチドの量を、その対応する参照値と比較することを含んでもよい。1つ、いくつか、または全てのグリカンまたは糖ペプチドの累積量が判定される場合、方法は、累積量を対応する参照値と比較することを含んでもよい。グリカンまたは糖ペプチドの量が、指標値を形成するように式中で相互に組み合わされる場合、指標値は、同じ様態で導出された対応する参照指標値と比較することができる。
【0333】
基準値は、本明細書に記載の方法の内部(すなわち、ステップを構成する)または外部(すなわち、ステップを構成しない)のいずれかで取得され得る。いくつかの例では、方法は、マーカーの量の参照値を確立するステップを含む。他の例では、参照値は、本明細書に記載の方法の外部で取得され、本発明の比較ステップの間にアクセスされる。
【0334】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、診断アルゴリズムの訓練は、本明細書に記載の方法の内部(すなわち、そのステップを構成する)または外部(すなわち、そのステップを構成しない)のいずれかで得られてもよい。いくつかの例では、方法は、診断アルゴリズムを訓練するステップを含む。いくつかの例では、診断アルゴリズムは、本明細書の方法の外部で訓練され、本発明の分類ステップの間にアクセスされる。参照値は、健康な個人(複数可)の集団から得られた試料中のグリカンまたは糖ペプチドの量を定量化することによって判定することができる。診断アルゴリズムは、健康な個人(複数可)の集団から得られた試料中のグリカンまたは糖ペプチドの量を定量化することによって訓練することができる。本明細書で使用される場合、「健康な個人」という用語は、健康な状態にある個人または個人群、例えば、疾患のいかなる症状も示していない、疾患と診断されていない、及び/または疾患を発症する可能性が低い患者を指す。好ましくは、健康な個人(複数可)は、疾患に影響を与える投薬中でなく、他のいかなる疾患とも診断されていない。1人以上の健康な個人は、試験個人と比較して同様の性別、年齢、及び肥満度指数(BMI)を有してもよい。参照値は、疾患に罹患している個人複数可)の集団から得られた試料中のグリカンまたは糖ペプチドの量を定量化することにより決定することができる。診断アルゴリズムは、疾患を患う個人(複数可)の集団から得られた試料中のマーカーの量を定量することによって訓練することができる。より好ましくは、そのような個人(複数可)は、試験個人と比較して同様の性別、年齢、及び肥満度指数(BMI)を有し得る。参照値は、結腸直腸癌または進行性腺腫に罹患している個人の集団から得ることができる。診断アルゴリズムは、結腸直腸癌または進行性腺腫に罹患している個人の集団から得られた試料中のグリカンまたは糖ペプチドの量を定量化することによって訓練することができる。結腸直腸癌または進行性腺腫の特徴的なグリカンまたは糖ペプチドプロファイルが決定された後、個人から得られた生物試料のマーカーのプロファイルをこの参照プロファイルと比較することで試験対象も結腸直腸癌または進行性腺腫に罹患しているかどうかを判定することができる。診断アルゴリズムが結腸直腸癌または進行性腺腫を分類するように訓練された後、個人から得られた生物試料のマーカーのプロファイルを、訓練済み診断アルゴリズムにより分類することで試験対象もまた、その特定の結腸直腸癌または進行性腺腫のステージにあるかどうかを判定することができる。
【0335】
VI.組成物及びキット
本明細書では、表10の1つ以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。本明細書では、表10の1つ以上の糖ペプチドを含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の2つ以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の3つ以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の4つ以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の5つ以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の10種以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の15種以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の20種以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の25種以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の30種以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の35種以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は生体試料からのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の精製されたペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の精製された糖ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表10に示されるものなどの酵素的に消化されたペプチド及び/または糖ペプチド断片を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表10に示されるものなどの酵素的に消化された糖ペプチド断片を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも10種、少なくとも15種、少なくとも20種、少なくとも25種、少なくとも30種、または少なくとも35種のペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む。
【0336】
いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも1つのペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも2つのペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも3つのペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも4つのペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも5つのペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも10種のペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも15種のペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも20種のペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも25種のペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも30種のペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含む少なくとも35種のペプチド及び/または糖ペプチドを、表10に記載される関連するグリカンとともに含む組成物が提供される。
【0337】
いくつかの実施形態では、本明細書において、表10に記載のペプチド及び/または糖ペプチドが提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、表10に記載の糖ペプチドが提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、配列番号1~38に記載の配列を含むペプチド及び/または糖ペプチドが、表10に記載される関連するグリカンとともに提供される。
【0338】
本明細書ではまた、いくつかの例において、上述したもののうちのいずれも含めて、糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号1~38に記載される配列を含む1つ以上のペプチドを含むキットも提供される。
【0339】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、個人におけるがんを診断またはモニタリングするためのキットであって、個体からの試料のグリカンまたは糖ペプチドプロファイルが判定され、測定されたプロファイルが正常な患者のプロファイルまたはがんの家族歴を有する患者のプロファイルと比較されるような、キットが提供される。いくつかの例では、キットは、1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号1~38に記載される配列を含む1つ以上のペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38に記載の配列を含む1つ以上のペプチド、及びそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、キットは、1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号3、7、9、28、29、32、及び33に記載の配列を含む1つ以上のペプチド、及びそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、キットは、1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32に記載の配列を含む1つ以上のペプチド、及びそれらの組み合わせを含む。
【0340】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、糖ペプチド標準物質、緩衝液、及び配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが記載される。
【0341】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、糖ペプチド標準物質、緩衝液、及び配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが記載される。
【0342】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、個人におけるがんを診断またはモニタリングするためのキットであって、個体からの試料のグリカンまたは糖ペプチドプロファイルが判定され、測定されたプロファイルが正常な患者のプロファイルまたはがんの家族歴を有する患者のプロファイルと比較されるような、キットが記載される。いくつかの例では、キットは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含む。
【0343】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、糖ペプチド標準物質、緩衝液、及び配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが記載される。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、糖ペプチド標準物質、緩衝液、及び配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが記載される。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、糖ペプチド標準物質、緩衝液、及び配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが記載される。
【0344】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、糖ペプチド標準物質、緩衝液、及び配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが記載される。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、糖ペプチド標準物質、緩衝液、及び配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが記載される。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、糖ペプチド標準物質、緩衝液、及び配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが記載される。
【0345】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、個人におけるがんを診断またはモニタリングするためのキットであって、個体からの試料のグリカンまたは糖ペプチドプロファイルが判定され、測定されたプロファイルが正常な患者のプロファイルまたはがんの家族歴を有する患者のプロファイルと比較されるような、キットが記載される。いくつかの例では、キットは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含む。
【0346】
いくつかの例では、キットは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含む。
【0347】
いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号5のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号8のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号9のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号10のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号11のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号13のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号14のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号16のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号17のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号18のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号19のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号20のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号21のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号22のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号26のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号27のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号28のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号30のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号31のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号34のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号35のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号36のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号37のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号38のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0348】
いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号5の配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号8のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号9のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号10のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号11のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号13のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号14のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号16のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号17のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号18のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号19のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号20のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号21のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号22のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号26のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号27のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号28のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号30のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号31のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号34のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号35のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号36のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号37のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に本質的に配列番号38のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0349】
いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号5の配列の、またはその配列から本質的になる糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号8のアミノ酸配列の、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号9のアミノ酸配列の、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号10のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号11のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号13のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号14のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号16のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号17のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号18のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号19のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号20のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号21のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号22のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号26のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号27のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号28のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号30のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号31のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号34のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号35のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号36のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号37のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、試料中に配列番号38のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0350】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書において、糖ペプチドから誘導される酸化、ニトロ化、及び/または糖化された遊離付加物の定量化のための試薬を含むキットが記載される。
【0351】
VII.臨床アッセイ
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、バイオマーカー、方法、及び/またはキットが、患者を診断するための臨床場面で使用されてもよい。これらの例のいくつかでは、試料の分析は、内部標準の使用を含む。これらの標準物質は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。これらの標準物質は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。
【0352】
臨床場面において、試料は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。
【0353】
臨床場面において、試料は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。
【0354】
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量と、別のバイオマーカーの濃度とを比較することによって評価することができる。
【0355】
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量と、別のバイオマーカーの濃度とを比較することによって評価することができる。
【0356】
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量と、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量とを比較することによって評価することができる。
【0357】
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量と、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量とを比較することによって評価することができる。
【0358】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、糖ペプチドMRMトランジションシグナルの正規化を計算するためのソフトウェアを含んでもよい。
【0359】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれらから本質的になる糖ペプチドの量を定量化するためのソフトウェアを含んでもよい。
【0360】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれらから本質的になる糖ペプチドの相対量を定量化するためのソフトウェアを含んでもよい。
【0361】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、訓練済みモデルは、本明細書に記載される方法を実施する臨床医によってアクセスされるサーバー上に格納される。いくつかの例では、臨床医は、患者の試料からのMRMトランジションシグナルの定量を、サーバー上に格納されている訓練済みモデルに入力する。いくつかの例では、サーバーは、インターネット、無線通信、または他のデジタルもしくは遠隔通信方法によってアクセスされる。
【0362】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、訓練済みモデルは、本明細書に記載される方法を実施する臨床医によってアクセスされるサーバー上に格納される。いくつかの例では、臨床医は、患者の試料からの、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれらから本質的になる糖ペプチド(複数可)の定量化を、サーバー上に格納されている訓練済みモデルに入力する。いくつかの例では、サーバーは、インターネット、無線通信、または他のデジタルもしくは遠隔通信方法によってアクセスされる。
【0363】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、MRMトランジションシグナル1~38は、本明細書に記載される方法を実施する臨床医によりアクセスされるサーバー上に格納されている。いくつかの例では、臨床医は、患者の試料からのMRMトランジションシグナルを、サーバー上に格納されているMRMトランジションシグナル1~38と比較する。いくつかの例では、サーバーは、インターネット、無線通信、または他のデジタルもしくは遠隔通信方法によってアクセスされる。
【0364】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、本明細書に記載のMRMトランジションシグナル1~38を使用して訓練された機械学習アルゴリズムは、本明細書に記載される方法を実施する臨床医によってアクセスされるサーバー上に格納されている。いくつかの例では、サーバー上で遠隔にアクセスされる機械学習アルゴリズムは、患者の試料からのMRMトランジションシグナルを分析する。いくつかの例では、サーバーは、インターネット、無線通信、または他のデジタルもしくは遠隔通信方法によってアクセスされる。
【0365】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、バイオマーカー、方法、及び/またはキットが、患者を診断するための臨床場面で使用されてもよい。これらの例のいくつかでは、試料の分析は、内部標準の使用を含む。これらの標準物質は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。これらの標準物質は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。これらの標準物質は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。
【0366】
いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号5のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号8のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号9のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号10のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号11のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号13のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号14のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号16のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号17のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号18のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号19のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号20のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号21のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号22のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号26のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号27のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号28のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号30のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号31のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号34のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号35のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号36のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号37のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号38のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。特定の実施形態では、各糖ペプチドは、例えば本明細書に記載されるように、グリカンを含むか、グリカンに結合している。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0367】
いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号5の配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号8のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号9のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号10のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号11のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号13のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号14のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号16のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号17のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号18のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号19のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号20のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号21のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号22のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号26のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号27のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号28のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号30のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号31のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号34のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号35のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号36のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号37のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。特定の実施形態では、各糖ペプチドは、例えば本明細書に記載されるように、グリカンを含むか、グリカンに結合している。いくつかの例では、標準物質は、試料中に本質的に配列番号38のアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0368】
いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号5の配列の、またはその配列から本質的になる糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号8のアミノ酸配列の、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号9のアミノ酸配列の、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号10のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号11のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号13のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号14のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号16のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号17のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号18のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号19のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号20のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号21のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号22のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号26のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号27のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号28のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号30のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号31のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号34のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号35のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号36のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号37のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、標準物質は、試料中に配列番号38のアミノ酸配列の、または本質的にそのアミノ酸配列の糖ペプチドを含む。特定の実施形態では、各糖ペプチドは、例えば本明細書に記載されるように、グリカンを含むか、グリカンに結合している。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0369】
これらの標準物質は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。これらの標準物質は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。これらの標準物質は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。
【0370】
臨床場面において、試料は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むように(例えば、消化により)調製することができる。臨床場面において、試料は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。
【0371】
臨床場面において、試料は、試料中に配列番号5のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号8のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号9のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号10のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号11のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号13のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号14のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号16のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号17のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号18のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号19のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号20のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号21のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号22のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号26のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号27のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号28のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号30のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号31のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号34のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号35のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号36のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号37のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号38のアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0372】
臨床場面において、試料は、試料中に配列番号5のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号8のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号9のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号10のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号11のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号13のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号14のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号16のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号17のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号18のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号19のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号20のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号21のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号22のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号26のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号27のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号28のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号30のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号31のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号34のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号35のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号36のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号37のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、試料中に配列番号38のアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0373】
臨床場面において、試料は、試料中に配列番号5のアミノ酸配列からなるか、またはその配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号8のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号9のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号10のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号11のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号13のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号14のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号16のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号17のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号18のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号19のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号20のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号21のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号22のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号26のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号27のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号28のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号30のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号31のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号34のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号35のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号36のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号37のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料からなる糖ペプチドまたは、試料中に配列番号38のアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。いくつかの例では、下記に記載されるように、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MSの結果を分析することによって決定される。いくつかの例では、MSの結果は、機械学習を使用して分析される。
【0374】
臨床場面において、試料は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むように(例えば、消化により)調製することができる。臨床場面において、試料は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。臨床場面において、試料は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むように調製することができる(例えば、消化によって)。
【0375】
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量と、別のバイオマーカーの濃度とを比較することにより評価することができる。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量と、別のバイオマーカーの濃度とを比較することによって評価することができる。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量と、別のバイオマーカーの濃度とを比較することによって評価することができる。
【0376】
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量と、別のバイオマーカーの濃度とを比較することにより評価することができる。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量と、別のバイオマーカーの濃度とを比較することによって評価することができる。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量と、別のバイオマーカーの濃度とを比較することによって評価することができる。
【0377】
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量と、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量とを比較することによって評価することができる。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量を、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量と比較することによって評価することができる。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量と、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量とを比較することによって評価することができる。
【0378】
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量と、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量とを比較することによって評価することができる。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量を、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量と比較することによって評価することができる。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量と、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、32からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量とを比較することによって評価することができる。
【0379】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、糖ペプチドMRMトランジションシグナルの正規化を計算するためのソフトウェアを含んでもよい。
【0380】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれらから本質的になる糖ペプチドの量を定量化するためのソフトウェアを含んでもよい。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの量を定量化するためのソフトウェアを含んでもよい。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの量を定量化するためのソフトウェアを含んでもよい。
【0381】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれらから本質的になる糖ペプチドの相対量を定量化するためのソフトウェアを含んでもよい。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの相対量を定量化するためのソフトウェアを含んでもよい。いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、キットは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの相対量を定量化するためのソフトウェアを含んでもよい。
【0382】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、訓練済みモデルは、本明細書に記載される方法を実施する臨床医によってアクセスされるサーバー上に格納される。いくつかの例では、臨床医は、患者の試料からのMRMトランジションシグナルの定量を、サーバー上に格納されている訓練済みモデルに入力する。いくつかの例では、サーバーは、インターネット、無線通信、または他のデジタルもしくは遠隔通信方法によってアクセスされる。
【0383】
いくつかの例では、上述したもののうちのいずれも含めて、訓練済みモデルは、本明細書に記載される方法を実施する臨床医によってアクセスされるサーバー上に格納される。いくつかの例では、臨床医は、患者の試料からの配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれらから本質的になる糖ペプチド(複数可)の定量化を、サーバー上に格納された訓練済みモデルに入力する。いくつかの例では、臨床医は、患者の試料からの配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれらから本質的になる糖ペプチド(複数可)の定量化を、サーバー上に格納された訓練済みモデルに入力する。いくつかの例では、臨床医は、患者の試料からの配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれらから本質的になる糖ペプチド(複数可)の定量化を、サーバー上に格納された訓練済みモデルに入力する。
【0384】
いくつかの例では、サーバーは、インターネット、無線通信、または他のデジタルもしくは遠隔通信方法によってアクセスされる。
【0385】
VIII.実施例
化学物質及び試薬ヒト血清/血漿から精製された糖タンパク質標準物質は、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)から購入した。シーケンシンググレードのトリプシンは、Promega(Madison,WI)から購入した。ジチオスレイトール(DTT)及びヨードアセトアミド(IAA)は、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)から購入した。ヒト血清は、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)から購入した。
【0386】
試料調製血清試料及び糖タンパク質標準物質を還元し、アルキル化し、次いで37℃の水浴中で18時間、トリプシンで消化した。
【0387】
LC-MS/MS分析定量分析のために、トリプシンで消化された血清試料を、トリプル四重極(QqQ)質量分析計に結合された高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムに注入した。分離は逆相カラムで実施した。二成分勾配で使用した溶媒A及びBは、水、アセトニトリル、及びギ酸の混合物から構成されていた。販売業者から供給された標準物質でのソースチューニング後に、典型的な正イオン化源パラメータを利用した。以下の範囲を評価した:ソーススプレー電圧3~5kV、温度250~350℃、及び窒素シースガス流量20~40psi。使用した機器のスキャンモードはdMRMであった。
【0388】
糖プロテオミクス分析のために、濃縮した血清糖ペプチドを、Q Exactive(商標)ハイブリッド四重極-Orbitrap(商標)質量分析計またはAgilent 6495Bトリプル四重極LC/MSを用いて分析した。
【0389】
MRM質量分光法の設定、試料調製、及び試薬は、Li,et al.,Site-Specific Glycosylation Quantification of 50 serum Glycoproteins Enhanced by Predictive Glycopeptidomics for Improved Disease Biomarker Discovery,Anal.Chem.2019,91,5433-5445;DOI:10.1021/acs.analchem.9b00776に記載され、同文献の全内容は参照によりその全体が全目的で本明細書に援用される。
【0390】
実施例1-糖ペプチドバイオマーカーの同定
本実施例では、あらゆる目的で本明細書に参照によってその全容を援用するところの2020年1月31日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2020/0162861号の図15を参照する。
【0391】
図15に示されるように、ステップ1において、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料と、結腸直腸癌または進行性腺腫を有さない患者からの試料を用意した。ステップ2において、プロテアーゼ酵素を使用して試料を消化して、糖ペプチド断片を生成した。ステップ3において、糖ペプチド断片をタンデムLC-MS/MS装置に導入して、上述の試料に関連する保持時間及びMRM-MSトランジションシグナルを分析した。ステップ4において、糖ペプチド及びグリカンバイオマーカーを同定した。機械学習アルゴリズムにより、一連のMSスペクトルからのMRM-MSトランジションシグナルを選択し、それらのシグナルを特定の糖ペプチド断片の質量計算値に関連付けた。質量分析ピークの境界の自動検出方法を使用した。2020年3月27日に出願された米国特許第16/833,324号に開示される方法の全容をあらゆる目的で本明細書に参照によって援用する。
【0392】
ステップ5において結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者からの試料中で同定された糖ペプチドを、ラッソ回帰を含む機械学習アルゴリズムを使用して、結腸直腸癌または進行性腺腫を有さない患者からの試料中で同定された糖ペプチドと比較した。この比較は、糖ペプチドの種類、絶対量、及び相対量の比較を含んでいた。この比較から、ペプチドの正規化、及び糖ペプチドの相対存在量を計算した。
【0393】
実施例2-糖ペプチドバイオマーカーの同定
本実施例では、あらゆる目的で本明細書に参照によってその全容を援用するところの2020年1月31日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2020/0162861号の図16を参照する。
【0394】
図16に示されるように、ステップ1において、患者からの試料を用意する。ステップ2において、プロテアーゼ酵素を使用して試料を消化して、糖ペプチド断片を生成した。ステップ3において、糖ペプチド断片をタンデムLC-MS/MS装置に導入して、試料に関連する保持時間及びMRM-MSトランジションシグナルを分析した。ステップ4において、MRM-MSトランジションシグナルを選択する機械学習アルゴリズムを使用して糖ペプチドを同定し、それらのシグナルを特定の糖ペプチド断片の質量計算値に関連付ける。ステップ5において、データを正規化する。ステップ6において、機械学習を使用して正規化データを分析し、結腸直腸癌または進行性腺腫を有する患者を示すバイオマーカーを同定する。
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】

【表2-1】

【表2-2】

【表3-1】

【表3-2】

【表4-1】

【表4-2】

【表4-3】

【表4-4】

【表4-5】

【表4-6】

【表4-7】

【表4-8】

【表5-1】

【表5-2】

【表5-3】

【表5-4】

【表5-5】

【表5-6】

【表5-7】
【0395】
実施例3-糖プロテオミクスの訓練済みモデルの試験
本実施例では、図1及び図2を参照する。
【0396】
各マーカーは、診断された進行性腺腫(AA)または結腸直腸癌(CRC)との関連性によって同定した。47人の進行性腺腫(AA)患者と74人の結腸直腸癌(CRC)患者を、疾患の4つのステージすべてにわたって分析した。さらに、InterVennプラットフォームにより、年齢と性別が一致した121人の健康なコントロールについて分析を行った。得られた糖ペプチドの存在量を、バッチ全体で実行したプールされたヒト血清のレベル、及び同じタンパク質からの非グリコシル化ペプチドのレベルに対して正規化した。
【0397】
3つの糖ペプチドのセットが同定された。
【0398】
第1のセットには、CRCとAAを個別に区別するものが含まれていた(FDR<0.05)。これらはまた、個々のCRCと健康な個人(FDR<0.05、CRC対AAと同じ方向)、または個人のAAと健康な個人(FDR<0.05、CRC対AAと同じ方向)を区別した。下記表6にはスコア(CRC.FC)が含まれているが、このモデルにおける高いスコアは大腸内視鏡検査を行う必要があることを示していると考えられる。
【0399】
第2のセットには、CRCの個人からの試料と健康な個人からの試料とから構築した多変数LASSOモデルに用いるものが含まれた(モデル1)。モデル1では、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33を使用して分析モデルを作成した。図1にモデル1の結果を示す。訓練セットのデータは三角形で示され、患者試料は丸で示されている。このモデルは、CRC患者と健康な患者とを識別することができる。モデル1は、モデルの構築に進行性腺腫データが使用されいないにもかかわらず、進行性腺腫も予測している。モデル1で使用した分類の確率閾値は0.318である。
【0400】
第3のセットには、AAの個人からの試料と健康な個人からの試料とから構築した多変数LASSOモデルに用いるものが含まれた(モデル2)。モデル2では、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、32を使用して分析モデルを作成した。図2にモデル2の結果を示す。訓練セットのデータは三角形で示され、患者試料は丸で示されている。このモデルは、AA患者と健康な患者とを識別することができる。モデル2は、モデルの構築にCRCデータが使用されいないにもかかわらず、CRCも予測している。モデル2で使用した分類の確率閾値は0.385である。
【0401】
242の試料セットを、がんのステージ、年齢、性別のバランスを考慮して70%の訓練セットと30%の試験セットに分割することにより、多変量モデリングを行った。最適なLASSOハイパーパラメータを特定するために訓練セット内で10分割交差検証を5回繰り返し、それらのパラメータに基づくモデルを訓練データセット全体を用いて構築した。モデルのパフォーマンスを、試験セットでブラインド評価した。
【表6-1】

【表6-2】
【0402】
CRC.FC(完全変化)は、個々のマーカーにおけるCRC患者群と健康な患者群との間の平均倍率差である。例として、個々のマーカーについて、CRC.FCが2ということは、健康な患者と比較して、そのマーカーがCRCで発現される可能性が2倍であることを意味する。さらなる例として、この値が0.5である場合、マーカーの発現は健康な患者と比較した場合、実際には半分である。
【0403】
CRC.P値はCRC.FCの統計的なP値であり、CRC.FCの有意性を測定する。
【0404】
個々の区別(individual.diff)は、個々のマーカーがCRCとAA、またはCRCと健康な細胞とを区別できるかどうかの割り当てであり、CRC.P値が有意であるとみなされるか否か、具体的には各群間に差が認められるか否かに基づいている。「はい」の応答は、マーカーがCRCとAA、またはCRCと健康な細胞とを区別できることを示す。トランジション番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38を用いて、CRCとAA、またはCRCと健康な細胞とを区別することができる。各トランジション番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38を用いて、CRCとAA、またはCRCと健康な細胞とを区別することができる。1つ以上のトランジション番号を組み合わることで、CRCとAA、またはCRCと健康な細胞とをより高い確率で区別することができる。上記のいずれの表のトランジション番号1~38も、表10に示すアミノ酸配列に対応している。
【0405】
各モデルを標準検査と比較することでCRC及びAAが判定される。場合によっては、これらの標準検査には患者の便試料から採取されたDNA試料が含まれる。このアプリケーションの方法とモデルは、優れた予測パフォーマンスを有することが示される。さらに、このアプリケーションの方法とモデルは、診断目的で便試料のみに依存する必要はない。
【0406】
実施例4:モデル1とモデル2の曲線下面積分析
モデル1及び2を、図3A及び図3Bに示すように、特定のバイオマーカー及び全バイオマーカーのAUC分析を使用して分析した。AUCが大きいほど、モデルはバイオマーカーが病態を識別するか否かをより良好に予測する。診断精度とは、正しい検査結果の数を検査を受けた患者の数で割った値を指す。感度(疾患における陽性)とは、対象となる状態を有し、陽性の検査結果が得られた被験者の割合を指す。特異度とは、対象となる状態を有さず、陰性の検査結果が得られた被験者の割合である。
【表7】

【表8】
【0407】
モデル1は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33に記載のアミノ酸配列を含む。本明細書に記載のモデル1は、1つ以上の糖ペプチドを使用して、結腸直腸癌(CRC)を有する個人と健康な個人を優れた予測結果で区別する。モデル1では、精度は0.962と測定され、感度は0.971と測定され、特異度は0.944と測定された。モデル1のAUC、精度、感度、特異度の高い値は、モデル1が優れた予測結果を与えることを示している。
【0408】
本明細書に記載のモデル2は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、32に記載のアミノ酸配列を含む1つ以上の糖ペプチドを使用する。本明細書に記載のモデル2は、1つ以上の糖ペプチドを使用して、進行性腺腫(AA)を有する個人と健康な個人を優れた予測結果で区別する。モデル2では、精度は0.976と測定され、感度は0.977と測定され、特異度は0.972と測定された。モデル2のAUC、精度、感度、特異度の高い値は、モデル2が優れた予測結果を与えることを示している。
【0409】
AUC、精度、感度、特異度の高い値は、モデル1が優れた予測結果を与えることを示している。
【表9-1】

【表9-2】

【表9-3】

【表9-4】

【表9-5】

【表9-6】

【表9-7】

【表9-8】

【表9-9】

【表10-1】

【表10-2】

【表10-3】

【表11】

【表12-1】

【表12-2】

【表12-3】

【表12-4】

【表12-5】

【表13】
【0410】
表11A及び表11Bに、グリカンのGL番号に基づく、表10の糖ペプチドに対応する検出されたグリカン部分の記号構造及び組成を示す。記号構造という用語は、炭水化物の幾何学的連結構造を示し、N結合型グリカンの場合、N-アセチルグルコサミンなどの一番下の炭水化物が指定のアミノ酸に結合しており、O結合型グリカンの場合、N-アセチルガラクトサミンなどの一番右の炭水化物が指定のアミノ酸に結合している。グリカン構造のGL番号1102は表11Aに示されるO結合型グリカンであり、N結合型グリカンは表11Bに示されている点に留意されたい。参考として、N結合型グリカンは、アミノ酸のアスパラギンに結合したグリカンを有し、O結合型グリカンは、セリンまたはスレオニンのいずれかに結合したグリカンを有する。
【0411】
さまざまな単糖の種類は、表11Aの終わりの凡例のセクションに示される。凡例の略号において、Glcは、グルコースを表し、暗色の円で示され、Galは、ガラクトースを表し、白抜きの円によって示され、Manは、マンノースを表し、中間の灰色の陰影を有する円で示され、Fucは、フコースを表し、暗色の三角形によって示され、Neu5Acは、N-アセチルノイラミン酸を表し、暗色のひし形によって示され、GlcNAcは、N-アセチルグルコサミンを表し、暗色の正方形によって示され、GalNAcは、N-アセチルガラクトサミンを表し、白抜きの正方形によって示され、ManNAcは、N-アセチルマンノサミンを表し、中間の灰色の陰影を有する正方形によって示される。
【0412】
「組成」という用語は、グリカンを構成するさまざまなクラスの炭水化物の数を指す。炭水化物の各クラスの量は、炭水化物のクラスに対応した略語の右側に括弧内の数字として表示している。これらのクラスの略語は、Hex、HexNAc、Fuc、NeuAcで、それぞれヘキソース、N-アセチルヘキソサミン、フコース、N-アセチルノイラミン酸に対応する。ヘキソース糖には、グルコース、ガラクトース、及びマンノースが含まれ、N-アセチルヘキソサミン糖には、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、及びN-アセチルマンノサミンが含まれる点に留意されたい。さまざまな実施形態において、Neu5Ac、NeuAc、及びN-アセチルノイラミン酸という用語は、シアル酸と呼ばれる場合もある。
【0413】
上記に記載した実施形態及び実施例は、あくまで例示を目的としたものにすぎず、限定的なものではない。当業者であれば、通常の実験以上のことを行うことなく、特定の化合物、材料、及び手順の多くの均等物が認識されるかまたは確認できるであろう。そのような等価物はすべて本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲に包含される。
【0414】
IX.例示的な方法
いくつかの態様では、本明細書において、対象から得られた生体試料を結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)に関連する複数の状態に関して分類する方法であって、生体試料中のタンパク質のセットに対応するペプチド構造データを受け取ることを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、ペプチド構造データは、生体試料中の糖タンパク質のセットに対応する。いくつかの実施形態では、対象から得られた生体試料中の糖タンパク質のセットに対応するペプチド構造データは、表10の少なくとも1つのペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、方法は、ペプチド構造のセットについてペプチド構造データから特定された定量データを、定量データに基づいて疾患指標を特定するように訓練された機械学習モデルに入力することをさらに含み、ペプチド構造のセットは、表10の複数のペプチド構造から特定された少なくとも1つのペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、方法は、機械学習モデルによって疾患指標を特定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、特定された疾患指標に基づいてCRCまたはAAに関連する複数の状態に関して生体試料を分類することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、疾患指標に基づいて試料をCRCを有するものとして、またはCRCを有さないものとして分類することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、疾患指標に基づいて試料をAAを有するものとして、またはAAを有さないものとして分類することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチド及び/または糖ペプチドの存在、非存在、及び/または量は、MRM-MSによって決定される。
【0415】
いくつかの態様では、本明細書において、対象における結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)の存在を検出する方法であって、対象から得られた生体試料中のタンパク質のセットに対応するペプチド構造データを受け取ることを含み、ペプチド構造データが、表10の少なくとも1つのペプチド構造を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、ペプチド構造データは、生体試料中の糖タンパク質のセットに対応する。いくつかの実施形態では、方法は、ペプチド構造のセットについてペプチド構造データから特定された定量データを、定量データに基づいて疾患指標を特定するように訓練された機械学習モデルに入力することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、特定された疾患指標がCRCまたはAAに関連する選択された範囲内に含まれるという判定に応じて、CRCまたはAAの存在を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチド及び/または糖ペプチドの存在、非存在、及び/または量は、MRM-MSによって決定される。
【0416】
いくつかの実施形態では、タンパク質のセットは、1つ以上の糖タンパク質を含み 、糖タンパク質は表9の少なくとも1つの糖タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖タンパク質は、配列番号39~54のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は糖ペプチドを含み、ペプチド構造は表10の少なくとも1つの糖ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖ペプチドは、配列番号1~38のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、方法は、表10に示される1つ以上の糖ペプチドに基づいてCRCまたはAAに関連する複数の状態に関して生体試料を分類することを含む。いくつかの実施形態では、複数の状態は、CRC状態、AA状態、または健康状態のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、複数の状態は、CRC状態、AA状態、及び健康状態のうちの少なくとも2つを含む。いくつかの実施形態では、複数の状態は、CRC状態、AA状態、及び健康状態のそれぞれを含む。
【0417】
いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、ロジスティック回帰モデルを含む。いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、正則化回帰モデルを含む。いくつかの実施形態では、正則化回帰モデルは、最小絶対収縮及び選択演算子(LASSO)回帰モデルを含む。
【0418】
いくつかの実施形態では、ペプチド構造のセットのペプチド構造についての定量データは、存在量、相対存在量、正規化済み存在量、または差分存在量のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ペプチド構造のセットのペプチド構造についての定量化データは、相対量、調整済み量、正規化済み量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化済み濃度のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、定量データは、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)システムを使用して生成される。いくつかの実施形態では、ペプチド構造データは、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される。例えば、CRCまたはAAを有する個人からの試料を示すMRMトランジション信号の第1のデータセットと、コントロール試料を示すMRMトランジション信号の第2のデータセットが収集される。第1のデータセットと第2のデータセットとの比較により、CRCまたはAAを有する個人からの試料とコントロール試料からの試料に関連する糖ペプチドの相対存在量、正規化済み存在量、または差分存在量の計算が可能となる。
【0419】
いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、対象からの生体試料が複数の状態のうちのどの状態であるかを判定するために、ペプチド構造のパネルのサブセットであるペプチド構造のセットに対応する定量化データの一部を用いて訓練されたものである。いくつかの実施形態では、ペプチド構造のセットは、配列番号1~38のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ペプチド構造のサブセットは、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ペプチド構造のサブセットは、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ペプチド構造のサブセットは、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数の対象についての定量化データを使用して示差的発現分析を行うことをさらに含む。いくつかの実施形態では、CRCの完全変化(CRC.FC)が用いられ、CRC.FCは、個々のマーカーにおけるCRC患者群と健康な患者群との間の平均倍率差である。いくつかの実施形態では、CRC.FCは2であり、健康な患者と比較して、トランジションがCRCで発現される可能性が2倍であることを意味する。いくつかの実施形態では、CRC.FCは0.5であり、健康な患者と比較して、トランジションがCRCで発現される可能性が1/2であることを意味する。いくつかの実施形態では、CRC.FCは、CRCまたはAAを有する個人からの第1の生体試料及びCRCまたはAAを有さない個人からの第2のコントロール試料からのペプチドトランジションの差次的発現分析である。いくつかの実施形態では、差次的発現分析は、CRCまたはAAを有する個人からの第1の生体試料及びCRCまたはAAを有さない個人からの第2のコントロール試料からのペプチドトランジションの発現の倍率変化を決定する。いくつかの実施形態では、差次的発現分析は、CRCまたはAAを有する個人からの第1の生体試料及びCRCまたはAAを有さない個人からの第2のコントロール試料からのペプチドトランジションの存在量の倍率変化を決定する。
【0420】
いくつかの実施形態では、生体試料は、血液、血清、血漿、または便のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、生体試料は、血液試料を含む。いくつかの実施形態では、生体試料は、全血試料を含む。いくつかの実施形態では、生体試料は、血清試料を含む。いくつかの実施形態では、生体試料は、血漿試料を含む。いくつかの実施形態では、生体試料は、便試料を含む。
【0421】
いくつかの態様では、本明細書において、対象における結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を治療する方法であって、対象から得られた生体試料中のタンパク質のセットに対応するペプチド構造データを受け取ることを含み、ペプチド構造データが、表10の少なくとも1つのペプチド構造を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、複数のペプチド構造から特定される少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つのペプチド構造の定量データを、定量データに基づいてCRCまたはAAについての疾患指標を生成するように訓練された機械学習モデルに入力することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、機械学習モデルによって疾患指標を特定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、疾患指標に基づいて、CRCまたはAAを治療するために本明細書に記載の複数の治療レジメンのうちの少なくとも1つを選択することをさらに含む。いくつかの実施形態では、タンパク質のセットは、1つ以上の糖タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖タンパク質は、配列番号39~54のアミノ酸配列を含む。
【0422】
いくつかの態様では、本明細書において、対象における結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を治療する方法であって、生体試料中のタンパク質のセットに対応するペプチド構造データを受け取ることを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、ペプチド構造のセットについてペプチド構造データから特定された定量データを、定量データに基づいて疾患指標を特定するように訓練された機械学習モデルに入力することをさらに含み、ペプチド構造データは、表10の複数のペプチド構造から特定された少なくとも1つのペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、複数のペプチド構造から特定される少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、方法は、機械学習モデルによって疾患指標を特定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、特定された疾患指標に基づいてCRCまたはAAの分類を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、分類に基づいて、CRCまたはAAを治療するために本明細書に記載の複数の治療レジメンのうちの少なくとも1つを選択することをさらに含む。いくつかの実施形態では、タンパク質のセットは、1つ以上の糖タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖タンパク質は、配列番号39~54のアミノ酸配列を含む。
【0423】
いくつかの実施形態では、この方法は、選択された治療レジメンを対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を有する個人、またはCRCまたはAAを有する疑いのある個人に対する治療レジメンは、手術、代謝拮抗薬、化学療法、トポイソメラーゼ阻害剤、アルキル化剤、標的治療薬、免疫療法薬、免疫療法、抗体、T細胞関連療法、放射線療法、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0424】
いくつかの態様では、本明細書において、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を有する個人を診断する方法であって、表10の少なくとも1つのペプチド構造の存在または量を検出することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、検出された少なくとも1つのペプチド構造の定量化を、分類ラベルを生成するように訓練された機械学習モデルに入力することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、分類ラベルが分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、分類ラベルが分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて個人の診断分類を特定することと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、診断分類に基づいて個人をCRCまたはAAを有すると診断することをさらに含む。
【0425】
いくつかの実施形態では、定量化データは、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)システムを使用して生成される。いくつかの実施形態では、ペプチド構造データは、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造の量は存在しないか、または検出限界未満である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号1~38のアミノ酸を含む。
【0426】
いくつかの実施形態では、CRCは早期のものである。いくつかの実施形態では、CRCは末期CRCのものである。いくつかの実施形態では、CRCは、ステージIのCRC、ステージIIのCRC、ステージIIIのCRC、またはステージIVのCRCのうちの1つである。いくつかの実施形態では、CRCは、重症CRCの1つである。
【0427】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される1種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される2種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される3種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される4種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される5種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される10種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される15種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される20種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される25種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される30種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、表10で特定される35種以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1つのペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1つのペプチドを含む。
【0428】
いくつかの実施形態では、対象は、結腸直腸癌(CRC)の1つ以上のリスク因子または臨床指標を有する。いくつかの実施形態では、個人は、CRCに関連する1つ以上のリスク因子を有する。いくつかの実施形態では、CRCの1つ以上のリスク因子は、年齢、過敏性腸疾患、2型糖尿病、CRCの家族歴、遺伝性症候群(例えば、リンチ症候群)、肥満、喫煙、アルコール摂取、食事内容、及び運動不足からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、CRCの臨床指標は、排便習慣の変化、血便、下痢、便秘、持続する腹痛、持続する腹部けいれん、及び原因不明の体重減少からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個人は健康な状態を有すると判定され、健康な状態にはCRCもAAもないことが含まれる。いくつかの実施形態では、方法は、対象について検出された対応する状態に基づく診断を含むレポートを生成することをさらに含む。
【0429】
いくつかの態様では、本明細書において、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)に関連する複数の状態のうちの1つを有する対象を診断するためのモデルを訓練する方法であって、CRCまたはAAに関連する複数の状態を診断された複数の対象におけるペプチド構造のパネルについての定量化データを受け取ることを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、定量化データに基づいて対象からの生体試料の複数の状態のうちの特定の状態を判定するように機械学習モデルを訓練することをさらに含む。
【0430】
いくつかの実施形態では、複数の状態のうちの特定の状態を判定するように機械学習モデルを訓練することは、複数の状態のうちの特定の状態についての分類ラベルを生成するように機械学習モデルを訓練することを含む。いくつかの実施形態では、複数の状態は、CRC状態、AA状態、または健康な状態のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、複数の状態は、CRC状態、AA状態、または健康な状態のうちの少なくとも2つを含む。いくつかの実施形態では、複数の状態は、CRC状態、AA状態、及び健康な状態のそれぞれを含む。いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、ロジスティック回帰モデルを含む。いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、正則化回帰モデルを含む。いくつかの実施形態では、正則化回帰モデルは、最小絶対収縮及び選択演算子(LASSO)回帰モデルを含む。
【0431】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも5種、少なくとも10種、少なくとも15種、少なくとも20種、少なくとも25種、少なくとも30種、または少なくとも35種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも2種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも3種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも4種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも5種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも10種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも20種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも30種の異なるペプチドを含む。
【0432】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、または少なくとも5種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも2種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも3種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも4種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも5種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも6種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33のいずれか1つに記載の配列を含む7種の異なるペプチドを含む。
【0433】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも5種、少なくとも10種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも2種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも3種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも5種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも10種の異なるペプチドを含む。
【0434】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも5種、少なくとも10種、少なくとも15種、または少なくとも20種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも1種のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも2種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも3種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも5種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも10種の異なるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造は、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38のいずれか1つに記載の配列を含む少なくとも20種の異なるペプチドを含む。
【0435】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造はペプチド配列及びグリカン構造を含み、グリカン構造は表10に記載のペプチド配列中の結合部位位置に結合されている。いくつかの実施形態では、ペプチド配列のグリカン構造は、表10に記載のグリカン構造GL番号に対応し、グリカン構造は、表10、表11A、及び表11Bに記載のグリカン構造GL番号に記載される記号構造を含む。いくつかの実施形態では、ペプチド配列のグリカン構造は、表10に記載のグリカン構造GL番号に対応し、グリカン構造は、表10、表11A、及び表11Bに記載のグリカン構造GL番号に記載される組成を含む。いくつかの実施形態では、表11Aのグリカン構造の一番右のN-アセチルガラクトサミンは、表10に記載されるペプチド配列内の結合部位位置に結合されており、表11Bのグリカン構造の一番下のN-アセチルグルコサミンは、表10に記載されるペプチド配列内の結合部位位置に結合されている。
【0436】
いくつかの実施形態では、本明細書において、表10の1つ以上のペプチド構造を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのペプチド構造はペプチド配列及びグリカン構造を含み、グリカン構造は表10に記載のペプチド配列中の結合部位位置に結合されている。いくつかの実施形態では、ペプチド配列のグリカン構造は、表10に記載のグリカン構造GL番号に対応し、グリカン構造は、表10、表11A、及び表11Bに記載のグリカン構造GL番号に記載される記号構造を含む。いくつかの実施形態では、ペプチド配列のグリカン構造は、表10に記載のグリカン構造GL番号に対応し、グリカン構造は、表10、表11A、及び表11Bに記載のグリカン構造GL番号に記載される組成を含む。いくつかの実施形態では、表11Aのグリカン構造の右端のN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)は、表10に記載されるペプチド配列の結合部位位置に結合されている。いくつかの実施形態では、表11Bのグリカン構造の右端のN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)は、表10に記載されるペプチド配列の結合部位位置に結合されている。
【0437】
特定の態様では、本明細書において、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)に関連する複数の状態に関して対象から得られた生体試料を分類する方法であって、生体試料から得られた質量分析(MS)定量化データを受け取ることであって、定量化データは、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドのそれぞれに関連する定量化レベルを含む、前記受け取ることと、MS定量化データを機械学習モデルに入力することであって、機械学習モデルは、CRCを有するか、AAを有するか、またはCRCもAAも有さないものとして特徴付けられる訓練試料からの定量化データを含む1つ以上の訓練MS定量化データセットで訓練されており、各訓練試料について、関連する訓練MS定量化データは、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドのそれぞれに関連する定量化レベルを含む、前記入力することと、CRCまたはAAに関連する複数の状態に関して生体試料を分類することと、を含む、方法が提供される。
【0438】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のプロセッサを含むシステムで実行される。いくつかの実施形態では、生体試料は、本方法によってCRCを有するものとして分類される。いくつかの実施形態では、生体試料は、本方法によってAAを有するものとして分類される。いくつかの実施形態では、生体試料は、本方法によってCRCもAAも有さないものとして分類される。いくつかの実施形態では、CRCもAAも有さないことを特徴とする訓練試料のうちの少なくとも1つは、胃腸または結腸関連の状態または疾患に罹患していない対象などの健康な対象から得られる。
【0439】
特定の態様では、MS定量化データは、本明細書に記載の方法に有用な量以外に、例えば、クロマトグラフィーの保持時間などの定量化された化合物の種類またはその属性に関連する情報などの情報を含む。
【0440】
いくつかの実施形態では、MS定量化データはペプチド配列情報を含む。いくつかの実施形態では、MS定量化データは、翻訳後修飾のアミノ酸部位を含む、翻訳後修飾情報を含む。いくつかの実施形態では、翻訳後修飾情報は、グリカン構造(複数可)及び/または結合アミノ酸部位情報を含む、グリカン情報を含む。いくつかの実施形態では、MS定量データは、表9のモデル1またはモデル2の各タンパク質に由来する1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルを含む。いくつかの実施形態では、MS定量データは、表10の1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルを含む。いくつかの実施形態では、表10のペプチドは糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、MS定量データは、表9のモデル1またはモデル2の各タンパク質に由来する少なくとも1つのペプチドに関連する定量化レベルを含む。いくつかの実施形態では、訓練MS定量データは、表9のモデル1またはモデル2の各タンパク質に由来する1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルを含む。いくつかの実施形態では、訓練MS定量データは、表10の1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルを含む。いくつかの実施形態では、表10のペプチドは糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドの定量化レベルは、本明細書に記載されるさまざまなMS定量化技術に基づいたものなど、ペプチドの絶対量またはペプチドの相対量を反映する。いくつかの実施形態では、ペプチドの定量化レベルは、ペプチドの非存在を反映する。いくつかの実施形態では、MS定量化データ及び/または訓練MS定量化データは、全体的または部分的に、例えば、あらゆる目的で本明細書に参照によってその全容を援用するところの米国特許出願公開第2020/0372973号に記載されるような、例えば自動化されたAUC決定を含む、自動化されたピーク検出技術から取得される。
【0441】
いくつかの実施形態では、MS定量化データは、MS技術を使用して生体試料またはその誘導体の分析から取得される。いくつかの実施形態では、MS技術は、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドの存在または非存在(その量を含む)について生体試料などの試料を調べるように設計されたMS技術などの標的MS技術である。いくつかの実施形態では、MS技術モデルは、表9のモデル1及び/またはモデル2の各タンパク質に由来する1つ以上のペプチドの存在または非存在(その量を含む)について生体試料などの試料を調べるように設計される。いくつかの実施形態では、MS技術は、MRM技術である。いくつかの実施形態では、MRM技術は、(a)3、7、9、28、29、32、及び/または(b)1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、32などのトランジションのセットを含む、トランジション1~38のうちの1つ以上に基づいて構成される。いくつかの実施形態では、MRM技術は、クロマトグラフィーの保持時間を考慮して質量分析データ取得を設計する動的MRM技術である。
【0442】
特定の態様では、本明細書において、対象から得られた生体試料の糖ペプチドプロファイルを決定する方法であって、糖ペプチドプロファイルが、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルに基づいたものであり、生体試料またはその誘導体を、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドを評価するように構成された質量分析(MS)技術に供してMS情報を取得することと、MS情報に基づいて、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルを決定することと、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドに関連する定量化レベルに基づいて糖ペプチドプロファイルを決定することと、を含む、方法が提供される。
【0443】
特定の態様では、本明細書において、質量分析の分析を行う方法であって、生体試料またはその誘導体を、表9の1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のペプチドを評価するように構成された質量分析(MS)技術に供することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、MS技術は、本明細書に記載されるような標的MS技術である。いくつかの実施形態では、標的MS技術は、本明細書に記載されるようなMRM技術である。
【0444】
特定の態様では、本明細書において、対象の結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)を治療する方法であって、対象をCRCまたはAAに関連する複数の状態に関して分類することと、対象に分類に基づいた治療レジメンを投与することと、を含む、方法が提供される。
【0445】
特定の態様では、本明細書において、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプログラムを格納したメモリと、を備えるシステムであって、1つ以上のプログラムは、1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され、1つ以上のプログラムは、結腸直腸癌(CRC)または進行性腺腫(AA)に関連する複数の状態に関して対象から得られた生体試料を分類する方法など、本明細書に提供される方法のための命令を含む、システムが提供される。
【0446】
X.実施形態
1.1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出する方法であって、1つ以上の糖タンパク質、グリカン、または糖ペプチドを含む生体試料を患者から得ること、または前記生体試料が前記患者から既に得られていることと、前記試料中の糖タンパク質を消化及び/または断片化することと、トランジション1~38からなる群から選択されるMRMトランジションを検出することと、を含む、前記方法。
【0447】
2.前記試料中の前記糖ペプチドを断片化することが、前記試料、またはその一部を質量分析計に導入した後に行われる、実施形態1に記載の方法。
【0448】
3.前記試料中の糖タンパク質または糖ペプチドを断片化することが、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になるペプチドまたは糖ペプチドを生成する、実施形態1~2のいずれか1つに記載の方法。
【0449】
4.前記試料中の糖タンパク質または糖ペプチドを断片化することが、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になるペプチドまたは糖ペプチドを生成する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0450】
5.前記試料中の糖タンパク質または糖ペプチドを断片化することが、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になるペプチドまたは糖ペプチドを生成する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0451】
6.前記試料中の糖タンパク質または糖ペプチドを断片化することが、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になるペプチドまたは糖ペプチドを生成する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0452】
7.前記MRMトランジションが、表1~3のうちのいずれか1つの前記トランジション、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0453】
8.トランジション1~38からなる群から選択されるMRMトランジションを検出することが、トリプル四重極(QQQ)質量分析計または四重極飛行時間型質量分析計(qTOF)を使用してMRMトランジションを検出することを含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0454】
9.前記1つ以上の糖ペプチドが、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になるペプチドまたは糖ペプチドを含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0455】
10.グリカン3200、3210、3300、3310、3320、3400、3410、3420、3500、3510、3520、3600、3610、3620、3630、3700、3710、3720、3730、3740、4200、4210、4300、4301、4310、4311、4320、4400、4401、4410、4411、4420、4421、4430、4431、4500、4501、4510、4511、4520、4521、4530、4531、4540、4541、4600、4601、4610、4611、4620、4621、4630、4631、4641、4650、4700、4701、4710、4711、4720、4730、5200、5210、5300、5301、5310、5311、5320、5400、5401、5402、5410、5411、5412、5420、5421、5430、5431、5432、5500、5501、5502、5510、5511、5512、5520、5521、5522、5530、5531、5541、5600、5601、5602、5610、5611、5612、5620、5621、5631、5650、5700、5701、5702、5710、5711、5712、5720、5721、5730、5731、6200、6210、6300、6301、6310、6311、6320、6400、6401、6402、6410、6411、6412、6420、6421、6432、6500、6501、6502、6503、6510、6511、6512、6513、6520、6521、6522、6530、6531、6532、6540、6541、6600、6601、6602、6603、6610、6611、6612、6613、6620、6621、6622、6623、6630、6631、6632、6640、6641、6642、6652、6700、6701、6711、6721、6703、6713、6710、6711、6712、6713、6720、6721、6730、6731、6740、7200、7210、7400、7401、7410、7411、7412、7420、7421、7430、7431、7432、7500、7501、7510、7511、7512、7600、7601、7602、7603、7604、7610、7611、7612、7613、7614、7620、7621、7622、7623、7632、7640、7700、7701、7702、7703、7710、7711、7712、7713、7714、7720、7721、7722、7730、7731、7732、7740、7741、7751、8200、9200、9210、10200、11200、12200、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のグリカンを示す1つ以上のMRMトランジションを検出することを含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0456】
11.第1のグリカンを定量化し、第2のグリカンを定量化することをさらに含み、前記第1のグリカンの前記定量化と前記第2のグリカンの前記定量化とを比較することをさらに含む、実施形態10に記載の方法。
【0457】
12.前記検出されたグリカンを、前記グリカンが結合していたペプチド残基の部位に関連付けることをさらに含む、実施形態10または11に記載の方法。
【0458】
13.配列番号1~38を有するアミノ酸から本質的になるペプチドまたは糖ペプチドの量に基づいて前記糖ペプチドの量を正規化することを含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0459】
14.試料の分類を特定するための方法であって、質量分析法(MS)によって試料中の1つ以上の糖ペプチドを定量化することであって、前記糖ペプチドがそれぞれ、各場合において個々に、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる、前記定量化することと、前記定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、前記出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、前記出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて前記試料の分類を特定することと、を含む、前記方法。
【0460】
15.前記試料が、疾患または状態を有する患者または個人からの生体試料である、実施形態14に記載の方法。
【0461】
16.前記患者が、結腸直腸癌または進行性腺腫を含む腺腫を有する、実施形態15に記載の方法。
【0462】
17.前記MSが、QQQ及び/またはqTOF質量分析計を用いたMRM-MSである、実施形態14~16のいずれか1つに記載の方法。
【0463】
18.前記訓練済みモデルが、深層学習アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム、教師あり機械学習アルゴリズム、線形判別分析アルゴリズム、複合判別分析アルゴリズム、2次判別分析アルゴリズム、サポートベクトルマシンアルゴリズム、線形基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、放射基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、最近傍アルゴリズム、k最近傍法、ナイーブベイズ分類器アルゴリズム、ロジスティック回帰アルゴリズム、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される機械学習アルゴリズムを使用して訓練されたものである、実施形態14~17のいずれか1つに記載の方法。
【0464】
19.前記分類が、疾患分類または疾患重症度分類である、実施形態14~18のいずれか1つに記載の方法。
【0465】
20.前記分類が、信頼度80%超、信頼度85%超、信頼度90%超、信頼度95%超、信頼度99%、または信頼度99.9999%超で特定される、実施形態19に記載の方法。
【0466】
21.試料中の1つまたは複数の糖ペプチド(複数可)を第1の時点でMSにより定量化することと、試料中の1つまたは複数の糖ペプチド(複数可)を第2の時点でMSにより定量化することと、前記第1の時点の定量化と前記第2の時点の定量化とを比較することと、をさらに含む、実施形態14~20のいずれか1つに記載の方法。
【0467】
22.試料中の1つまたは複数の糖ペプチドを第3の時点でMSにより定量化することと、試料中の1つまたは複数の糖ペプチドを第4の時点でMSにより定量化することと、前記第4の時点の定量と前記第3の時点の定量化とを比較することと、をさらに含む、実施形態21に記載の方法。
【0468】
23.患者の健康状態をモニタリングすることをさらに含む、実施形態14~22のいずれか1つに記載の方法。
【0469】
24.前記患者の健康状態をモニタリングすることが、遺伝子変異などのリスク因子を有する患者における疾患の発症及び進行をモニタリングすることと、がんの再発を検出することとを含む、実施形態23に記載の方法。
【0470】
25.配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列をMSによって定量化することをさらに含む、実施形態14~24のいずれか1つに記載の方法。
【0471】
26.配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせをMSによって定量化することをさらに含む、実施形態14~25のいずれか1つに記載の方法。
【0472】
27.配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせをMSによって定量化することをさらに含む、実施形態14~25のいずれか1つに記載の方法。
【0473】
28.配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせをMSによって定量化することをさらに含む、実施形態14~25のいずれか1つに記載の方法。
【0474】
29.グリカン3200、3210、3300、3310、3320、3400、3410、3420、3500、3510、3520、3600、3610、3620、3630、3700、3710、3720、3730、3740、4200、4210、4300、4301、4310、4311、4320、4400、4401、4410、4411、4420、4421、4430、4431、4500、4501、4510、4511、4520、4521、4530、4531、4540、4541、4600、4601、4610、4611、4620、4621、4630、4631、4641、4650、4700、4701、4710、4711、4720、4730、5200、5210、5300、5301、5310、5311、5320、5400、5401、5402、5410、5411、5412、5420、5421、5430、5431、5432、5500、5501、5502、5510、5511、5512、5520、5521、5522、5530、5531、5541、5600、5601、5602、5610、5611、5612、5620、5621、5631、5650、5700、5701、5702、5710、5711、5712、5720、5721、5730、5731、6200、6210、6300、6301、6310、6311、6320、6400、6401、6402、6410、6411、6412、6420、6421、6432、6500、6501、6502、6503、6510、6511、6512、6513、6520、6521、6522、6530、6531、6532、6540、6541、6600、6601、6602、6603、6610、6611、6612、6613、6620、6621、6622、6623、6630、6631、6632、6640、6641、6642、6652、6700、6701、6711、6721、6703、6713、6710、6711、6712、6713、6720、6721、6730、6731、6740、7200、7210、7400、7401、7410、7411、7412、7420、7421、7430、7431、7432、7500、7501、7510、7511、7512、7600、7601、7602、7603、7604、7610、7611、7612、7613、7614、7620、7621、7622、7623、7632、7640、7700、7701、7702、7703、7710、7711、7712、7713、7714、7720、7721、7722、7730、7731、7732、7740、7741、7751、8200、9200、9210、10200、11200、12200、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のグリカンをMSにより定量化することをさらに含む、実施形態14~25のいずれか1つに記載の方法。
【0475】
30.前記分類に基づいて疾患または状態を有する患者を診断することをさらに含む、実施形態14~29のいずれか1つに記載の方法。
【0476】
31.前記分類に基づいて前記患者を進行性腺腫を有するものとして診断することをさらに含む、実施形態30に記載の方法。
【0477】
32.前記患者を進行性腺腫を含む腺腫を有するものとして診断することと、前記患者を切除により治療することと、を含む、実施形態14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0478】
33.前記患者を結腸直腸癌を有するものとして診断することと、前記患者を、治療薬、アジュバント、ネオアジュバント、化学塞栓、腹腔内温熱化学療法、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療有効量の治療薬で治療することと、を含む、実施形態14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0479】
34.前記患者を結腸直腸癌を有するものとして診断することと、前記患者を、治療有効量のアルキル化剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性薬、及びそれらの組み合わせで治療することと、を含む、実施形態14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0480】
35.前記患者を結腸直腸癌を有するものとして診断することと、前記患者を治療有効量の標的治療薬で治療することと、を含む、実施形態14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0481】
36.前記患者を結腸直腸癌を有するものとして診断することと、前記患者を治療有効量の免疫治療薬で治療することと、を含む、実施形態14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0482】
37.前記免疫治療薬が、免疫チェックポイント阻害薬からなる群から選択される、実施形態36に記載の方法。
【0483】
38.前記免疫チェックポイント阻害薬が、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、CTLA-4阻害薬、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態37に記載の方法。
【0484】
39.前記患者を結腸直腸癌を有するものとして診断することと、前記患者を治療有効量のT細胞関連療法で治療することと、を含む、実施形態14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0485】
40.前記T細胞関連療法が、CAR-Tアプローチ、TCRアプローチ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態39に記載の方法。
【0486】
41.前記患者を結腸直腸癌を有するものとして診断することと、前記患者を治療有効量のがんワクチンで治療することと、を含む、実施形態14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0487】
42.前記患者を結腸直腸癌を有するものとして診断することと、前記患者を治療有効量の放射線療法で治療することと、を含む、実施形態14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0488】
43.前記放射線療法が、外部ビーム放射線療法及び内部放射線療法、化学放射線療法、近接照射療法、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
【0489】
44.1つ以上の糖タンパク質または糖ペプチドを含む生体試料を患者から得ること、または前記生体試料が患者から既に得られていることと、前記試料中の前記1つ以上の糖タンパク質または糖ペプチドを消化及び/または断片化することと、トランジション1~38からなる群から選択される少なくとも1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジション(複数可)を検出して定量化することと、を含む、実施形態15~43のいずれか1つに記載の方法。
【0490】
45.前記MRMトランジションを入力として使用してモデルを訓練するために機械学習アルゴリズムを使用することをさらに含む、実施形態44に記載の方法。
【0491】
46.生体試料を分類するための方法であって、1つ以上の糖タンパク質または糖ペプチドを含む生体試料を患者から得ること、または前記生体試料が患者から既に得られていることと、前記試料中の前記1つ以上の糖タンパク質または糖ペプチドを消化及び/または断片化することと、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる少なくとも1つ以上の糖ペプチドに関連した少なくとも1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出して定量化することと、前記定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、前記出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、前記出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて前記生体試料を分類することと、を含む、前記方法。
【0492】
47.配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる少なくとも1つ以上の糖ペプチドに関連した少なくとも1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出して定量化することを含む、実施形態46に記載の方法。
【0493】
48.配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる少なくとも1つ以上の糖ペプチドに関連した少なくとも1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出して定量化することを含む、実施形態46に記載の方法。
【0494】
49.配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる少なくとも1つ以上の糖ペプチドに関連した少なくとも1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出して定量化することを含む、実施形態46に記載の方法。
【0495】
50.前記MRMトランジションを入力として使用して機械学習アルゴリズムを訓練することを含む、実施形態46に記載の方法。
【0496】
51.結腸直腸癌または進行性腺腫を含む腺腫を有する患者を治療するための方法であって、患者から生体試料を得ること、または患者から生体試料が既に得られていることと、前記試料中の1つ以上の糖タンパク質または糖ペプチドを消化及び/または断片化すること、または糖タンパク質または糖ペプチドが既に消化及び/または断片化されていることと、トランジション1~38からなる群から選択される1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出して定量化することと、定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて患者を、(A)切除を必要とする患者、(B)治療薬を必要とする患者、(C)アルキル化剤を必要とする患者、(D)標的化治療薬を必要とする患者、(E)免疫治療薬を必要とする患者、(F)免疫チェックポイント阻害薬を必要とする患者、(G)T細胞関連療法を必要とする患者、(H)がんワクチンを必要とする患者、(I)放射線療法を必要とする患者、(J)大腸内視鏡検査を必要とする患者、または(K)これらの組み合わせからなる群から選択される分類に分類することと、分類AまたはKが判定される場合、切除を行うこと、または切除が既に行われていることと、分類IまたはKが判定される場合、放射線療法を行うこと、または放射線療法が既に行われていることと、分類JまたはKが判定される場合、大腸内視鏡検査を行うこと、または大腸内視鏡検査が既に行われていることと、または、治療有効量の治療薬を患者に投与することであって、分類BまたはKが判定される場合、治療薬は治療薬から選択され、または分類CまたはKが判定される場合、治療薬はアルキル化剤から選択され、または分類DまたはKが判定される場合、治療薬は標的治療薬から選択され、分類EまたはKが判定される場合、治療薬は免疫治療薬から選択され、分類FまたはKが判定される場合、治療薬は免疫チェックポイント阻害薬から選択され、分類GまたはKが判定される場合、治療薬はT細胞関連療法から選択され、分類HまたはKが判定される場合、治療薬はがんワクチンから選択される、投与することと、を含む、前記方法。
【0497】
52.前記生体試料に多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を行うことを含む、実施形態51に記載の方法。
【0498】
53.配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む、実施形態51または52に記載の方法。
【0499】
54.配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む、実施形態51~53のいずれか1つに記載の方法。
【0500】
55.配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む、実施形態51~53のいずれか1つに記載の方法。
【0501】
56.配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量化することを含む、実施形態51~53のいずれか1つに記載の方法。
【0502】
57.配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの量の前記定量化を訓練済みモデルに入力するか、または前記定量化を用いてモデルを訓練すること、を含む、実施形態51~56のいずれか1つに記載の方法。
【0503】
58.前記機械学習アルゴリズムが、深層学習アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム、教師あり機械学習アルゴリズム、線形判別分析アルゴリズム、複合判別分析アルゴリズム、2次判別分析アルゴリズム、サポートベクトルマシンアルゴリズム、線形基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、放射基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、最近傍アルゴリズム、k最近傍法、ナイーブベイズ分類器アルゴリズム、ロジスティック回帰アルゴリズム、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態57に記載の方法。
【0504】
59.前記トランジション1~38からなる群から選択される1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出して定量化することが、ピークを選択することと、及び/または検出された糖ペプチド断片を機械学習アルゴリズムにより定量化することと、を含む、実施形態51~58のいずれか1つの方法。
【0505】
60.機械学習システムを訓練するための方法であって、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列からそれぞれ個々になる1つ以上の糖ペプチドを含む試料を示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供することと、コントロール試料を示すMRMトランジションシグナルの第2のデータセットを提供することと、機械学習アルゴリズムを使用して前記第1のデータセットと前記第2のデータセットとを比較することとを含む、前記方法。
【0506】
61.配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む前記試料が、結腸直腸癌または進行性腺腫を含む腺腫を有する患者からの試料である、実施形態60に記載の方法。
【0507】
62.配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む前記試料が、結腸直腸癌または進行性腺腫を含む腺腫を有する患者からの試料である、実施形態61に記載の方法。
【0508】
63.配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む前記試料が、結腸直腸癌または進行性腺腫を含む腺腫を有する患者からの試料である、実施形態61に記載の方法。
【0509】
64.配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドを含む前記試料が、結腸直腸癌または進行性腺腫を含む腺腫を有する患者からの試料である、実施形態61に記載の方法。
【0510】
65.前記コントロール試料が、結腸直腸癌も進行性腺腫を含む腺腫も有さない患者からの試料である、実施形態60~64のいずれか1つに記載の方法。
【0511】
66.配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む前記試料が、結腸直腸癌または進行性腺腫を含む腺腫を有する1人以上の患者からのプールされた試料である、実施形態60~65のいずれか1つに記載の方法。
【0512】
67.前記コントロール試料が、結腸直腸癌も進行性腺腫を含む腺腫も有さない1人以上の患者からのプールされた試料である、実施形態60~66のいずれか1つに記載の方法。
【0513】
68.結腸直腸癌または進行性腺腫を含む腺腫を有する患者を診断するための方法であって、患者から生体試料を得ること、または患者から生体試料が既に得られていることと、QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを用いて生体試料の質量分析を行って、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量化するか、またはトランジション1~38から選択される1つ以上のMRMトランジションを検出することと、前記検出された糖ペプチドまたは前記MRMトランジションの前記定量化を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成することと、前記出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかを判定することと、前記出力確率が分類の閾値を上回るかまたは下回るかに基づいて前記患者の診断分類を特定することと、前記診断分類に基づいて前記患者を結腸直腸癌または進行性腺腫を有するものとして診断することと、を含む、前記方法。
【0514】
69.前記検出された糖ペプチドを分析することが、機械学習アルゴリズムを使用することを含む、実施形態68に記載の方法。
【0515】
70.前記MRMトランジションを入力として使用して機械学習アルゴリズムを訓練することを含む、実施形態68に記載の方法。
【0516】
71.QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して前記生体試料の質量分析を行って、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量することを含む、実施形態68に記載の方法。
【0517】
72.QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して前記生体試料の質量分析を行って、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量することを含む、実施形態68に記載の方法。
【0518】
73.QQQ及び/またはqTOF質量分析計とともにMRM-MSを使用して前記生体試料の質量分析を行って、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出して定量することを含む、実施形態68に記載の方法。
【0519】
74.配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる、糖ペプチド。
【0520】
75.配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる、糖ペプチド。
【0521】
76.配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる、糖ペプチド。
【0522】
77.配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせからなる、糖ペプチド。
【0523】
78.配列番号1~38から本質的になる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる、糖ペプチド。
【0524】
79.配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38から本質的になる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる、糖ペプチド。
【0525】
80.配列番号3、7、9、28、29、32、及び33から本質的になる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる、糖ペプチド。
【0526】
81.配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32から本質的になる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる、糖ペプチド。
【0527】
82. 1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含む、キット。
【0528】
83.1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含む、キット。
【0529】
84.1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含む、キット。
【0530】
85.1つ以上の糖ペプチド標準物質(複数可)、緩衝液、及び配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含む、キット。
【0531】
86.1つ以上のMRMトランジション(複数可)を検出するためのニューラルネットワークを訓練するためのコンピュータで実施される方法であって、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの質量分析スペクトルのセットを収集することと、1乃至複数のスペクトルのピークの開始、停止、最大、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを特定することを含む、前記スペクトルにアノテーションを付けてアノテーション付きの質量分析スペクトルのセットを生成することと、前記収集された質量分析スペクトルのセット、前記アノテーション付きの質量分析スペクトルのセット、及び配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの第2の質量分析スペクトルのセットを含む第1の訓練セットを生成することと、前記第1の訓練セットを使用して第1の段階で前記ニューラルネットワークを訓練することと、前記第1の訓練セットと前記第1の段階の訓練後に配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むものとして誤って検出された質量分析スペクトルとを含む、第2の訓練段階のための第2の訓練セットを生成することと、前記第2の訓練セットを使用して第2の段階で前記ニューラルネットワークを訓練することと、を含む、前記方法。
【0532】
87.前記1つ以上の糖ペプチドがそれぞれ個々に、それぞれの場合で、配列番号5、8~11、13~14、16~22、26~28、30~31、及び34~38からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドから選択される、実施形態86に記載の方法。
【0533】
88.前記1つ以上の糖ペプチドがそれぞれ個々に、それぞれの場合で、配列番号3、7、9、28、29、32、及び33からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドである、実施形態86に記載の方法。
【0534】
89.前記1つ以上の糖ペプチドがそれぞれ個々に、それぞれの場合で、配列番号1~4、6~7、12、15、23~25、28、29、及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びそれらの組み合わせから本質的になる糖ペプチドである、実施形態86に記載の方法。
【0535】
90.前記MRMトランジションを、モデルを訓練するための入力として用いることを含む、実施形態46に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
【配列表】
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【国際調査報告】