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特表2024-5339815Gネットワークにおけるパケットペイロードデータの選択的圧縮
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】5Gネットワークにおけるパケットペイロードデータの選択的圧縮
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20240910BHJP
   H04W 80/02 20090101ALI20240910BHJP
   H04W 48/06 20090101ALI20240910BHJP
【FI】
H04W28/06
H04W80/02
H04W48/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507138
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 EP2022071110
(87)【国際公開番号】W WO2023030775
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】17/463,446
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】トリム、クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】アブラハムズ、ファリード
(72)【発明者】
【氏名】シヴァクマール、ガンジー
(72)【発明者】
【氏名】パテル、クシャル
(72)【発明者】
【氏名】パテル、サルヴェシュ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA12
5K067AA23
5K067DD34
5K067DD41
5K067EE02
5K067EE10
5K067LL11
(57)【要約】
5Gネットワークにおけるパケットペイロードデータの選択的圧縮は、ネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいてブロードバンドセルラーネットワークに接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号を受信し、ネットワークトラフィックの輻輳を示すことと、UEの現在のプロセッサ使用率を決定することと、受信された輻輳信号、決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定することと、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、UEによって生成されたデータパケットのペイロードデータを圧縮し、ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、圧縮されたペイロードデータを有するデータパケットを転送することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信することであって、前記輻輳信号は、前記ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、前記ネットワークトラフィックの輻輳を示す、受信することと、
前記UEの現在のプロセッサ使用率を決定することと、
前記受信された輻輳信号、前記決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、前記UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定することと、
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、前記UEによって生成された1または複数のデータパケットのペイロードデータを圧縮し、前記ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、前記圧縮されたペイロードデータを有する前記1または複数のデータパケットを転送することと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記ブロードバンドセルラーネットワークが5G新無線ネットワークであり、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークの無線基地局と直接ワイヤレス通信しており、前記無線基地局が、gNodeBデバイスおよび次世代進化型ノードB(eNodeB)デバイスからなる群から選択される1つを含み、前記ネットワークトラフィックの輻輳が、前記ブロードバンドセルラーネットワークの前記無線基地局および物理ネットワーク機能(PNF)デバイスからなる群から選択される少なくとも1つの輻輳を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮は、前記UEのユーザプレーンスタックのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤで実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択的パケットペイロードデータ圧縮が有効であるか無効であるかにかかわらず、前記PDCPレイヤが前記1または複数のパケットのヘッダデータの圧縮を実行する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記現在のCPU使用率を前記UEに対して設定された使用率閾値と比較し、前記決定することは、前記現在のCPU使用率が前記使用率閾値以下であることに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にすると決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
その後にCPU使用率が前記使用率閾値以上であると決定したことに基づいて、前記UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を無効にすることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記UEと前記ブロードバンドセルラーネットワークとの間のワイヤレス無線リンクを介したパケット送信待ち時間を監視することをさらに含み、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記パケット送信待ち時間と比較して、選択的パケットペイロードデータ圧縮が、前記ブロードバンドセルラーネットワークを介して前記ペイロードデータを転送する時間の純減少をもたらすかどうかを決定することにさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(i)前記ペイロードデータを圧縮する既知の時間、(ii)前記ペイロードデータを解凍する既知の時間、および(iii)圧縮されている場合に前記ペイロードデータを送信する既知の時間の合計が前記パケット送信待ち時間より短いことに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にし、前記ペイロードデータを圧縮することを決定する、任意の先行する請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記1または複数のパケットは、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークと確立した、サービス品質クラス識別子(QCI)に関連付けられた特定の専用論理チャネルでの送信用であり、前記方法は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかをチェックすることをさらに含み、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかは、前記専用論理チャネルに関連付けられた前記QCIに基づいており、前記圧縮は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であることを示す前記チェックに基づいて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ブロードバンドセルラーネットワークの物理ネットワーク機能(PNF)デバイスから圧縮無効化信号を受信することと、前記圧縮無効化信号の受信に基づいて、前記UE上の選択的パケットペイロードデータ圧縮を無効にすることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記圧縮の一部として、圧縮状態インジケータを前記1または複数のデータパケットの各々に固定することにより、前記データパケットの前記ペイロードが圧縮されていることを前記ブロードバンドセルラーネットワークの他のデバイスに示すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータシステムであって、
メモリと、
前記メモリと通信するプロセッサと、を備え、前記コンピュータシステムは、方法を実行するように構成され、前記方法は、
ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信することであって、前記輻輳信号は、前記ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、前記ネットワークトラフィックの輻輳を示す、受信することと、
前記UEの現在のプロセッサ使用率を決定することと、
前記受信された輻輳信号、前記決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、前記UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定することと、
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、前記UEによって生成された1または複数のデータパケットのペイロードデータを圧縮し、前記ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、前記圧縮されたペイロードデータを有する前記1または複数のデータパケットを転送することと、
を含む、コンピュータシステム。
【請求項13】
前記ブロードバンドセルラーネットワークが5G新無線ネットワークであり、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークの無線基地局と直接ワイヤレス通信しており、前記無線基地局が、gNodeBデバイスおよび次世代進化型ノードB(eNodeB)デバイスからなる群から選択される1つを含み、前記ネットワークトラフィックの輻輳が、
前記ブロードバンドセルラーネットワークの前記無線基地局および物理ネットワーク機能(PNF)デバイスからなる群から選択される少なくとも1つの輻輳を含み、前記圧縮は、前記UEのユーザプレーンスタックのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤで実行される、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記現在のCPU使用率を前記UEに対して設定された使用率閾値と比較し、前記決定することは、前記現在のCPU使用率が前記使用率閾値以下であることに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にすると決定する、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記方法は、前記UEと前記ブロードバンドセルラーネットワークとの間のワイヤレス無線リンクを介したパケット送信待ち時間を監視することをさらに含み、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記パケット送信待ち時間と比較して、選択的パケットペイロードデータ圧縮が、前記ブロードバンドセルラーネットワークを介して前記ペイロードデータを転送する時間の純減少をもたらすかどうかを決定することにさらに基づき、(i)前記ペイロードデータを圧縮する既知の時間、(ii)前記ペイロードデータを解凍する既知の時間、および(iii)圧縮されている場合に前記ペイロードデータを送信する既知の時間の合計が前記パケット送信待ち時間より短いことに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にし、前記ペイロードデータを圧縮することを決定する、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記1または複数のパケットは、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークと確立した、サービス品質クラス識別子(QCI)に関連付けられた特定の専用論理チャネルでの送信用であり、前記方法は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかをチェックすることをさらに含み、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかは、前記専用論理チャネルに関連付けられた前記QCIに基づいており、前記圧縮は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であることを示す前記チェックに基づいて実行される、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
処理回路によって読み取り可能であり、方法を実行するための前記処理回路によって実行される命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記方法は、
ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信することであって、前記輻輳信号は、前記ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、前記ネットワークトラフィックの輻輳を示す、受信することと、
前記UEの現在のプロセッサ使用率を決定することと、
前記受信された輻輳信号、前記決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、前記UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定することと、
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、前記UEによって生成された1または複数のデータパケットのペイロードデータを圧縮し、前記ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、前記圧縮されたペイロードデータを有する前記1または複数のデータパケットを転送することと、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記ブロードバンドセルラーネットワークが5G新無線ネットワークであり、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークの無線基地局と直接ワイヤレス通信しており、前記無線基地局が、gNodeBデバイスおよび次世代進化型ノードB(eNodeB)デバイスからなる群から選択される1つを含み、前記ネットワークトラフィックの輻輳が、前記ブロードバンドセルラーネットワークの前記無線基地局および物理ネットワーク機能(PNF)デバイスからなる群から選択される少なくとも1つの輻輳を含み、前記圧縮は、前記UEのユーザプレーンスタックのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤで実行される、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記現在のCPU使用率を前記UEに対して設定された使用率閾値と比較し、前記決定することは、前記現在のCPU使用率が前記使用率閾値以下であることに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にすると決定する、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記1または複数のパケットは、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークと確立した、サービス品質クラス識別子(QCI)に関連付けられた特定の専用論理チャネルでの送信用であり、前記方法は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかをチェックすることをさらに含み、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかは、前記専用論理チャネルに関連付けられた前記QCIに基づいており、前記圧縮は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であることを示す前記チェックに基づいて実行される、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
通信業界の進歩は、帯域幅の改善やその他の要因によって、人工知能(AI)処理のような多くのオンデマンド技術やウェブ提供技術の成功を可能にする重要な要因となってきた。ブロードバンド携帯電話ネットワークの第5世代技術規格を指す5G技術は、より高い帯域幅(例:毎秒1ギガビット)、モノのインターネット(IoT)機器へのアクセスの融合、その他の進歩を通じて、依存的な技術をさらに押し進めると予想される。
【発明の概要】
【0002】
従来技術の欠点は克服され、コンピュータ実装方法の提供によりさらなる利点が提供される。この方法は、ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信する。輻輳信号は、ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、ネットワークトラフィックの輻輳を示す。本方法は、UEの現在のプロセッサ使用率を決定する。次に、本方法は、受信された輻輳信号、決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定する。本方法は、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、UEによって生成されたデータパケットのペイロードデータを圧縮し、ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、圧縮されたペイロードデータを有するデータパケットを転送する。
【0003】
一態様から見ると、本発明は、ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信することであって、輻輳信号は、ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、ネットワークトラフィックの輻輳を示す、受信することと、UEの現在のプロセッサ使用率を決定することと、受信された輻輳信号、決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定することと、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、UEによって生成された1または複数のデータパケットのペイロードデータを圧縮し、ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、圧縮されたペイロードデータを有する1または複数のデータパケットを転送することと、を含むコンピュータ実装方法を提供する。
【0004】
別の態様から見ると、本発明はさらに、メモリと、メモリと通信するプロセッサと、を備えるコンピュータシステムが提供され、コンピュータシステムは、方法を実行するように構成される。方法は、ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信する。輻輳信号は、ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、ネットワークトラフィックの輻輳を示す。方法は、UEの現在のプロセッサ使用率を決定する。方法は、受信された輻輳信号、決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定する。選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、方法は、UEによって生成されたデータパケットのペイロードデータを圧縮し、ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、圧縮されたペイロードデータを有する1または複数のデータパケットを転送する。
【0005】
さらに別の態様から見ると、本発明はさらに、処理回路によって読み取り可能であり、方法を実行するために提供される処理回路によって実行される命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。方法は、ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信する。輻輳信号は、ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、ネットワークトラフィックの輻輳を示す。方法は、UEの現在のプロセッサ使用率を決定する。方法は、受信された輻輳信号、決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定する。選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、方法は、UEによって生成されたデータパケットのペイロードデータを圧縮し、ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、圧縮されたペイロードデータを有するデータパケットを転送する。
【0006】
さらなる特徴や利点は、本明細書に記載された概念によって実現される。
【0007】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、例示のためにのみ、以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】5Gブロードバンドセルラーネットワークを介したデータ伝送の概念図の一例を示している。
図2】5Gユーザプレーンプロトコルスタックのコンポーネントを示している。
図3】5Gブロードバンドセルラーネットワークにおける輻輳の概念図の一例を示している。
図4】本明細書で説明する態様を組み込んで使用するための物理ネットワーク機能の概念的な表現を示している。
図5】本明細書で説明する態様を組み込んで使用するためのモバイル機器(UE)の概念的な表現を示している。
図6】本明細書で説明する態様に従って、ユーザエンドポイントと基地局装置における5Gユーザプレーンプロトコルスタック間の無線通信メッセージを示す図である。
図7】本明細書で説明する態様に従って、ユーザエンドポイントデバイスのユーザプレーンプロトコルスタックにおける通信を示す図である。
図8A】本明細書に記載される態様に従って、選択的パケットペイロードデータ圧縮のための例示的なプロセスを示す図である。
図8B】本明細書に記載される態様に従って、選択的パケットペイロードデータ圧縮のための例示的なプロセスを示す図である。
図9】本明細書に記載された態様を組み込むもしくは使用するまたはその両方を行うためのコンピュータシステムおよび関連装置の一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態によるクラウドコンピューティング環境を示す図である。
図11】本発明の一実施形態による抽象化モデルレイヤを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、電気通信ネットワーク、例えば5Gブロードバンドセルラーネットワークにおけるデータパケットペイロードの選択的圧縮のためのアプローチについて説明する。図1は、5Gブロードバンドセルラーネットワークを介したデータ伝送、およびクライアント/ユーザ機器とコアクラウドのターゲットクラウドエンドポイントなどの通信エンドポイント間に存在するコンポーネントの例示的なハイレベル概念図を示す。図1を参照すると、コアクラウド102は、ユーザ機器(UE)エンドポイント(例えば、スマートフォンなどのセルラーベースのエンドポイント、図示せず)が相互作用するクラウド環境である。典型的には、この相互作用は、コアクラウドのコンピューティングデバイスによって提供されるサービス、例えば、データ関連サービスもしくは携帯電話通話サービスまたはその両方にアクセスすることである。
【0010】
UEは、「ラストマイル」(104)と呼ばれる場所に存在するユーザ無線デバイスである。「ラストマイル」とは、UEと電気通信プロバイダのコアネットワークとの間のリンクを指す用語である。5G電気通信技術では、「ラストマイル」は通常、UEと個々の基地局/無線エンドポイント(106)との間の無線通信を促進するハードウェアおよびソフトウェアを包含する。これらのデバイスは、フロント/バックホールネットワーク108を介して、他のネットワーク(例えば、5G管理および他のサービスのためのエッジクラウドネットワーク112)への接続性を提供する光アクセスネットワーク110と通信する。エッジクラウド112のシステムは、UEに提供される5G接続サービスをオーケストレーションするために、サービスオーケストレーション118と緊密に連携して動作するインフラストラクチャ管理プレーン116を有する5Gサービスおよびプログラマビリティプレーン114を提供する。
【0011】
光アクセスネットワーク110は、この例では、コアクラウド102への光コアネットワーク122と通信する光メトロポリタンネットワーク120を介して、コアクラウド102への接続性とアクセスを提供する。コンポーネント/ネットワーク間のリンク/ラインは、データを通信するための有線/無線通信経路を表し、追加/他の介在システム/ネットワークを包含する場合がある。5G関連のデータ伝送は、リンク124、126、128を介してUEとエッジクラウド112との間で行われる。制御コマンド130はさらに、無線エンドポイント106と接続されたUEとの間で通信されることがある。
【0012】
本明細書では5G、「5G NR」、「New Radio」、または単に「NR」とも呼ばれる5G電気通信技術は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))が監督する第5世代無線アクセス技術を指す。図2は、5Gユーザプレーンのプロトコルスタックの態様を、高レベルのビュー(スタック202として)とより詳細なビュー220の両方で示している。NRの媒体アクセス制御(MAC)レイヤ204は、論理チャネル224の形で無線リンク制御(RLC)レイヤ206にサービスを提供する。これらの論理チャネルは、無線インタフェースおよび5G固定アクセスネットワーク上で入力/出力(IO)コマンド(例えば、ネットワークデータパケット)および制御命令を転送するために使用される仮想化通信ネットワークインタフェースである。論理チャネルは、それが伝送する情報のタイプによって定義され、一般に、(i)制御および構成情報の伝送に使用される制御チャネル、または(ii)ユーザデータの伝送に使用されるトラフィック/伝送チャネルのいずれかとして区別される。5G NR技術では、5Gネットワークスライシングモデルを使用して、単一の無線ベアラネットワーク上に複数の論理チャネルを作成することができる。論理チャネルは、UEデバイスから5Gネットワークへの特殊なトラフィックの伝送に使用される。単一のデバイスから5Gネットワークに複数のチャネルが作成されるため、これらのチャネルはパケット伝送の並列性を実現し、5Gネットワークリソースの排他的なロックを低減するため、パフォーマンス上の利点が得られる。
【0013】
特に、UEデバイスのユーザプレーンスタック202/220を介した2つのUE(UR1、UEn)のダウンリンクパケットフロー214は、QoS(Quality-of-Service)フロー222を介して、サービスデータアダプテーションプロトコル(SDAP:Service Data Adaptation Protocol)レイヤ210のQoSフロー処理コンポーネント223に進む。パケットは、堅牢なヘッダ圧縮(Robust Header Compression:ROHC)228およびセキュリティ処理230(暗号化など)のために、無線ベアラ226を介してパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)レイヤ208に入る。その後、パケットは、RLCレイヤ206におけるセグメンテーション自動リピート要求(ARQ)234のために、RLCチャネル232を介して転送される。パケットは、論理チャネル224を介して、スケジューリング/優先順位処理236のためにMACレイヤ204に伝送される。MACレイヤは、ハイブリッド自動繰返し要求(HARQ)240エラー制御/訂正のために、それぞれのUEに向かうパケットを多重化し(238)、その後、伝送チャネル242を介して物理レイヤ212に下り、ネットワーク上で送信するために物理デバイスハードウェアを参照する。
【0014】
PDCPレイヤは従来、ヘッダ圧縮と、暗号化と、物理インフラストラクチャでのパケット伝送のためのパケット整列などの他のデータ収束アクティビティとを実行する。一般的なPDCP処理では、5Gデータパケットのパケットヘッダは圧縮されるが、パケットのペイロード、つまりパケットのペイロードデータは圧縮されない。しかし、5Gデータパケットのペイロードを圧縮する機能が存在する。かかる実装では、PDCPは、上位レイヤのプロトコル(UEスタックのSDAPなど)からデータパケットをキャプチャし、ハフマン符号化やLZ77などの既存の圧縮技術/アルゴリズムを使ってパケット全体を圧縮してから、無線リンクインタフェース上でパケットを送信する圧縮メカニズムを備えている。完全なペイロードが圧縮されるため(別個のオプションのROHC圧縮に加えて圧縮される可能性がある)、RLC、MAC、PHY無線リンクレイヤのトラフィックの負荷が軽減され、NR技術においてより優れた輻輳制御を提供できる可能性がある。さらに、これは無線インタフェースの容量向上に役立ち、NR多重化にも利点をもたらす。
【0015】
受信パケットを収集し、システムの上位レイヤから来る各パケットに対してデータ(パケットペイロード)の圧縮と収束を実行するために、ペイロード圧縮メカニズムが5G UEのPDCPに注入され得る。次世代電気通信ネットワークおよびアプリケーションソフトウェアの進歩により、アプリケーションレイヤから、セルラーネットワークインタフェースを介したデータ伝送に使用されるE-UTRANノードBデバイス(「Evolved Node B」、「eNodeB」、「eNB」デバイスとしても知られる)への専用論理チャネルの数が増加する。E-UTRANノードBデバイスは「eNodeB」と呼ばれる。5G技術のコンテキストでは、eNodeBは、NRを介してデータを送信するために、「5G Evolved Node B」、「5G eNodeB」、「gNodeB」、「次世代eNodeB」、「NG eNB」、または「5G eNB」デバイスと呼ばれることがある。呼称を簡略化して「eNodeB」を使用し、前述のデバイス、すなわち従来の3G、4G/LTE、もしくは5G技術、またはその組み合わせの能力を有するデバイスのいずれかを包含し、本明細書におけるeNodeBへの言及は、5G Evolved Node Bデバイスを包含することがある。
【0016】
これらの実装では、すべてのアプリケーションチャネルがPDCPにパケットを送信し、その後にパケットを処理する下位プロトコルが無線リンクを介して宛先にデータを転送する。データがPDCPレイヤに送信されると、PDCPはRLC制御に転送する前にアライメントとデータ収束を処理する。5Gではソフトウェア定義のネットワークスライシングモデルが可能になるため、ユーザプレーンプロトコルは、NRの輻輳状況を考慮した論理チャネル(専用トラフィックチャネル、Dedicated Traffic Channel:DTCH)のソフトウェア定義制御を採用するよう最適化する必要がある。
【0017】
NRにパケットペイロードデータ(およびROHCヘッダ)圧縮を組み込むためにPDCP処理を導入すると、待ち時間が発生し、圧縮アルゴリズムが時間的にも空間的にも複雑になるため、状況によっては使用に適さない。これは、多くのアプリケーションや論理チャネルがPDCPベースのペイロード圧縮をUEデバイスのデフォルトとして採用していない理由の1つである。ペイロード/フルパケットの圧縮にPDCPが使用される場合、その圧縮に必要な時間(およびそれに続く受信デバイスでの解凍)は、無線やネットワークの待ち時間に大きく影響する可能性がある。すべてのモバイルアプリケーションにとって、ネットワークの負荷を軽減するためにフルペイロードのデータ圧縮を使用することは現実的ではない。このため、アプリケーションは通常、非圧縮パケットを無線リンク(これはさらにS1ベアラに変換される)で送信することを優先し、このことは無線を介したデータ送信の増加に貢献する。5Gは、拡張現実のような速度に敏感なアプリケーションのリアルタイムデータ伝送や、その他多くのデータ集約型アプリケーションに対応することが期待されており、そのようなアプリケーションでは、無線リンクのデータ伝送は比較的大規模な運搬となる。
【0018】
ネットワークアクセスのピーク時には、NR技術の無線リンクは、無線リンクの多重化でパケットデータ伝送スロットが利用できないためにネットワークが輻輳することがある。専用トラフィックチャネル(DTCH)と呼ばれるNRの論理チャネルは、多重化を使用して利用可能な無線リンクリソースを共有する。エンドユーザデバイスをサポートするために、eNodeBやUEに必要な仮想インフラ(VI)をプロビジョニングするには、共有インフラ上でトラフィックを多重化するために、ハードウェアエレメントを直接サポートするか、ソフトウェアを介してエミュレーションする必要がある。そのため、多くのユーザが同じリソースのセットにアクセスするピーク時には、無線リンクが輻輳する可能性がある。一般的なシナリオの1つは、多くの追加ユーザがeNodeBへの接続を開始し、DTCHの作成を開始する場合である。物理ネットワーク機能(PNF)、つまり専用のPNFハードウェアエレメント上にソフトウェアによって実装され、eNodeBの制御を担当する機能がボトルネックになる可能性がある。
【0019】
図3は、5Gブロードバンドセルラーネットワークにおける輻輳の概念図の一例を示している。5Gネットワーク300は、「固定アクセスネットワーク」(FAN)とも呼ばれるコアネットワーク部分302と、eNodeB306およびUE308を含む無線アクセスネットワーク(RAN)部分304とを含む。実際のアプリケーションでは、5Gネットワークは、複数のeNodeBと、かかる各eNodeBに接続されたそれぞれのUEとを含む。UEは、モバイルデバイスまたは5Gセルラーネットワークに接続するあらゆる無線デバイスである。UE308は、確立されたRANプロトコルを使用して、RANを介してeNodeB306と通信する。eNodeB306は、RANトラフィックをFANトラフィック(公衆交換電話網(PSTN)のトラフィックなど)に変換する。RANとFANとの間のチャネルは、S1ベアラリンク/チャネルと呼ばれる。かかるチャネルの1つは、パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW312)およびコアクラウド(不図示)へのS5/S8リンクを介した通信のための、サービングゲートウェイ(S-GW)310へのS1uである。かかる別のチャネルは、モビリティ管理エンティティ(MME)314へのS1cであり、MME314もS11リンクを介してS-GW310に接続する。
【0020】
図3には、RANの単一のeNodeBのみが示されているが、通常は、それぞれがバックエンドコンポーネント、すなわちコアネットワーク302へのそれぞれの通信経路を有する複数のeNodeBが存在する。
【0021】
PNFボトルネックの状況は、例として、eNodeB306、S-GW310、MME314、もしくはP-GW312、またはその組み合わせで発生する可能性がある。5G接続を利用するアプリケーションは、パケット伝送の遅延を経験するようになり、その結果、予期しない動作をするようになり、リアルタイムの使い勝手が損なわれる。タグ付きDTCHにはQCI(Quality-of-Service Class Identifier)メカニズムがあり、無線分割スケジューリングに役立つが、輻輳が従来のQCIハンドラの能力を超えている場合もある。その結果、パケットのドロップ/ロス、影響を受けるアプリケーションのユーザ体験の低下、さらにはアプリケーションのクラッシュが発生する可能性がある。
【0022】
現在のアプローチでは、「ラストワンマイル」デバイス(UEなど)の利用可能な計算帯域幅に基づく圧縮の決定や、NR DTCH経路で送信するパケットの選択的なペイロード圧縮のためのPDCPレイヤとの相互作用など、このような状況に対処する方法を提供できていない。ペイロード圧縮は、圧縮アルゴリズムが複雑であるため、データ伝送速度に追加の待ち時間を追加するため、データ圧縮の有効化において選択性を提供することが望まれる。かかる選択性は、本明細書で説明するように、実際のまたは予測されるPNF/無線リンクの輻輳および送達統計に基づくことができる。従来のアプローチでは、無線リンクもしくはPNFまたはその両方の輻輳が発生した場合、(利用可能であれば)UEリソースを活用して無線リンクトラフィックを最小化し(これはPNF処理の低減につながる)、無線リソースの輻輳を低減する方法がない。さらに、追加の圧縮/伸長処理の影響を低減し、5Gセルラーネットワークの輻輳状況でより良いパフォーマンスを提供するために、例えばQCI値およびアプリケーションパケットタグ付けに基づいて、どのPDCPチャネルを圧縮するかを選択する方法はない。
【0023】
したがって、本明細書で説明する態様は、PDCPレイヤでインテリジェントかつ選択的なデータパケットペイロード圧縮を提供することによって、5G固定アクセスネットワークのeNodeBまたはPNFレベルで無線リソースの輻輳に対処するために、ユーザプレーンプロトコルスタックのDTCHコントローラおよびPDCPレイヤと通信するための5Gユーザプレーンプロトコルスタックで動作するアプローチを提供する。具体的には、UEから5Gネットワークに物理リンクを介してパケットを送信する際、データ収束の前にパケット圧縮が選択的にトリガされ、実行される。これにより、5G接続に依存する指定されたUEアプリケーションのトラフィックに対して、任意でROHCおよびPDCP暗号化とも組み合わせて、選択的なパケットペイロード圧縮の最適化された方法が提供される。いくつかの態様は、UEインスタンスでの選択的なペイロード圧縮と、パケット解凍のための5G eNodeB/PNFデバイスへの圧縮パケットの通信を提供し、それによって、例えばDTCH過負荷時(「DTCHストーム」)などのRANトラフィックと輻輳緩和(軽減)を提供する。さらなる態様は、QCIインデキシングおよびアプリケーションマッパーに基づく計算処理遅延と組み合わせて、既存のパケット遅延および許容パケット遅延の観察を提供し、データパケットのペイロード圧縮を実行するためにPDCP処理を選択的に有効化するタイミングの決定を容易にする。これにより、5GネットワークにおけるRANの輻輳を軽減し、さらに5GネットワークにおけるRANとPNFの輻輳を処理するための予約済みインフラストラクチャコストを節約することができる。
【0024】
選択的圧縮は、UEとeNodeBデバイスとの間を流れるパケットに適用される。それは、いくつかの実施形態では、例として、eNodeB/無線アクセスネットワークエンドポイントへのアップリンクのためのUEからのパケットの圧縮、および他の実施形態では、UEへのダウンリンクのためのRANエンドポイント(例えば、PNFデバイスまたはeNodeB)からのパケットの圧縮を包含する。また、パケットペイロードデータの選択的圧縮は、データパケット全体またはデータパケットのペイロードデータを含むその一部を圧縮することを指し得ることに留意されたい。
【0025】
一態様は、5GスタックのPNF(例えば、一部のPNFを提供するハードウェア上)で実行されるソフトウェアインスタンスを含む。このインスタンスは、eNodeB、およびオプションとしてコアネットワークへのリンクの他のコンポーネント(例えば、S1ベアラチャネルを含むS-GW、MMEの前に位置する)のリソース使用率およびトラフィックの輻輳を監視し、かかるコンポーネントはPNFを実装する。例として、1または複数のeNodeBが輻輳している場合、もしくはPNFデバイス自体が過負荷になっている場合、またはその両方があり得る。より一般的には、ネットワークトラフィックルーティングの観点からのリソース利用率および輻輳レベルは、RANの任意のコンポーネントについて評価することができる。この点に関して、リソース監視ツールおよび通知コンポーネントを物理コンポーネント(例えば、eNodeBおよびPNFデバイス)に配備して、リソースの消費および潜在的なトラフィックの輻輳を検出することができる。監視ツールは、輻輳が設定可能な閾値に到達/超過した場合に、物理デバイス(eNodeBまたはその他)上で実行されているPNFインスタンスに通知することができる。RAN無線リンク(over-the-air)リソースコンポーネントが過負荷/輻輳状態になると、例えば、eNodeBまたはその他の場所で実行されているPNFのソフトウェアインスタンスによって輻輳信号が生成され、PNFによって制御されているeNodeBに接続されているUEなどの下流のコンポーネントに提供される。これにより、選択的なパケット圧縮が可能になる可能性がUEに通知される。さらに、eNodeBはその判定を使用して、例えば、UEが圧縮/伸長アクティビティによる作業負荷の増加を許容できることを示す場合、UEに流れ落ちるパケットを圧縮するために選択的パケット圧縮が実施される可能性があることを識別することもできる。
【0026】
PNFは輻輳信号を策定し、それをブロードキャスト制御チャネル(BCCH)フレーム内のコマンドとしてeNodeBに提供し、eNodeBから接続されたUEに無線リンクインタフェースを介して送信することができる。輻輳信号はブロードキャストフレームとして提供され、例えば、その時点でeNodeBと通信しているすべての5G対応デバイスによって受信される。クライアント/UEデバイスで実行されるソフトウェアインスタンスは、これを5G上位レイヤスタックからのネットワーク輻輳ヒンティング信号として使用し、UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定する。
【0027】
クライアントインスタンスは、無線リンク/PNFの輻輳を示すBCCHイベントを監視する。輻輳を示す輻輳信号とともにBCCHイベントが受信されると、態様は、NR上で経験されるパケット待ち時間を監視し、UEのリソース使用率を監視して、パケット圧縮を実装する価値があるかどうか、すなわち、例えば、送信パケットペイロードデータを圧縮するための追加の計算処理が、検出された輻輳の純減少をもたらすかどうかを決定することができる。これは、影響を受けるエンドポイントアプリケーションがどの程度の待ち時間を許容できるかを示すパケット遅延バジェットに依存する可能性がある。アプリケーションが最大20ミリ秒(ms)の遅延を許容でき、PDCP処理がアプリケーションデータのパケットを圧縮および伸長するのに10msを必要とし、ネットワーク待ち時間が5ミリ秒である場合、全体的な処理遅延は、10msの圧縮時間+5msのネットワーク待ち時間+10msの伸長時間=25msとなり、これは20msのパケット遅延バジェットを超えるため、圧縮は実行可能なオプションではない。
【0028】
さらに、パケット伝送待ち時間(輻輳トラフィック待ち時間)が20msで、PDCP処理による圧縮に10msが必要であり、圧縮が有効な場合(すなわち、輻輳が緩和された場合)のネットワーク遅延が5msである場合、この場合も全体的な処理遅延は25msとなり、輻輳トラフィック待ち時間の20msよりも大きくなる。この場合、圧縮/解凍のために追加のPDCP処理を行う利点はない。しかし、圧縮/解凍によって輻輳が緩和され、圧縮/解凍にかかる全体的な待ち時間が現在の輻輳したトラフィックの待ち時間よりも短くなる場合は、輻輳が十分に緩和されるまで、その状況でパケットを圧縮することが望まれるかもしれない。最終的には、輻輳が十分に低いか存在しない場合には、圧縮/解凍がパケット伝送の全体的な待ち時間に追加され始めると予想される。したがって、このような予測される待ち時間の洞察に基づいて、圧縮/伸長のための追加のPDCP処理を行うかどうかの決定が適宜指示される。
【0029】
輻輳信号の発生と提供に基づいて、パケットペイロードデータの圧縮を適用するかどうかを決定することができる。ネットワークが輻輳している状況でパケットペイロードデータを実際に圧縮するかどうかの要因の1つは、関係するエンドポイント/ノードの現在のCPU使用率/消費量である。したがって、UEの現在のCPU使用率を決定し、それを使用してPDCPペイロードデータ圧縮を実行するかどうかを決定することができる。CPU使用率がある閾値(ユーザが設定した閾値またはPDCP処理の要件に基づいて設定された閾値であり得る)を下回っている状況では、ネットワークの輻輳を緩和するために、パケットペイロードデータを圧縮する追加のPDCP処理を有効にすることができる。CPU使用率が閾値を上回り、パケットペイロードデータを圧縮するためにCPUリソースを追加すると、処理リソースの過剰使用につながる可能性があるような状況では、ペイロード圧縮を控える決定を下すことができる。
【0030】
選択的圧縮が有効な場合、UEが送信するすべてのパケットまたは一部のパケットだけを圧縮することができる。どのパケットを圧縮するかは、パケットを転送する論理チャネル(DTCH)の機能となり得る。論理チャネル(DTCH)単位での圧縮を可能にする実施形態では、プロセスが、eNodeBとUEの間で確立されたDTCHのリストと、それらのDTCHのそれぞれのQCI値を収集する。これは、チャネル間のチャネル特性を把握するために行われる。QCI値は、保証ビットレート(GBR)モードと非GBRモードに基づいて、さらにDTCHの関連するパケット遅延バジェットによって分類される。より多くのパケット遅延バジェット(PDB)とオプションでより多くのパケットエラー損失率を持つDTCHは、低バジェットアプリケーションにマッピングされるDTCHを決定するために識別される。一般的に、これらのDTCHは、ネットワーク上でデータ損失や遅延パケット配信を許容するアプリケーションにマッピングされる。例として、66のQCIは、非ミッションクリティカルなユーザプレーンのプッシュツートーク音声トラフィック用のGBRを示し、75のQCIは、V2Xトラフィック用のGBRを示す。非GBRトラフィックは、他の専用QCIインデックスを使用する。この情報は、PDCPコンポーネントによるパケットペイロード圧縮のためのプロトコルフレーム伝送によって、PDCPデータ収束レイヤに供給することができる。
【0031】
したがって、選択的圧縮が有効である場合、受信したペイロードデータを圧縮するかどうかは、パケットデータを送信するDTCHの関数とすることができる。これに関して、所定のパケットを圧縮するかどうかは、論理チャネル(例えば、各パケットのチャネルID)ごとに決定することができる。所定のチャネル上のパケットに対して圧縮が実行される場合、SDAPレイヤからそのチャネル上のパケットが圧縮される。
【0032】
選択的圧縮は、選択的圧縮を無効にすることを示す圧縮無効化信号が(例えば、eNodeBによって/eNodeBから)生成/受信されるまで、有効なままであることができる。これは、(選択的圧縮をトリガした)ネットワークの輻輳の閾値レベルが解消されたと決定された場合に、いくつかの例で発生する。
【0033】
パケットが5Gユーザプレーンプロトコルスタックの上位レイヤからPDCPレイヤに入ると、PDCPペイロード圧縮モジュールによって追加のPDCP輻輳制御情報を追跡することができる。パケットに関連するDTCH/データストリームに対して選択的圧縮が有効になっている場合、PDCPレイヤのソフトウェアがペイロード圧縮を実行し、無線リンクを介して送信するためにパケットをRLCレイヤに送信する。これは、例えば、eNodeBへの送信のためにUEのエンドポイントで実行されることがある。
【0034】
パケットの圧縮状態(すなわち、パケットペイロードが圧縮されているかどうかを示す圧縮状態インジケータによる)は、転送中のパケットに固定することができる。その後、インジケータは、例えばパケットペイロードデータの解凍を担当するデバイスなど、任意の1または複数のコンポーネント/デバイスによってチェックされ得る。インジケータは、例えば、パケットペイロードデータの伸長を担当するeNodeBまたはS-GWの仮想ネットワーク機能(VNF)によってチェックされ得る。
【0035】
さらに、選択的圧縮が有効化されて実行されているにもかかわらず、CPU使用率が閾値を超えて上昇した場合、閾値超の使用率を知ったUEのOSまたはその他のコンポーネントは、UEもしくはeNodeBまたはその両方のプロセス/サービスに対して停止信号を送信して追加の圧縮処理を停止し、圧縮/解凍アクティビティを理由とするCPU使用率のさらなる上昇を防ぐことができる。同様に、UEがeNodeBから輻輳信号を受信したときにCPU使用率がすでに閾値を上回っている場合、UEは自動的に、ペイロードデータ圧縮を有効にするためのアクションを取らないことを決定し、オプションとして、CPU使用率が高いためUEはパケットを選択的に圧縮できないことを応答し返すことができる。さらに別の例として、UEのCPU使用率は、UEからeNodeBまたは他の制御エンティティに提供され、そのエンティティは、送信パケットのペイロードデータを圧縮する追加処理または受信パケットのペイロードデータを伸長する追加処理をUEデバイスに課すべきかどうかを決定することができる。
【0036】
輻輳信号の原因となった輻輳が、選択的圧縮を無効にするような一部の閾値以下にまで減少すると、PNFインスタンスはBCCHフレームをeNodeB/UEに送信して、無線回線の輻輳状態が解消したことを通知できる。受信側のUEはフレームをデコードして輻輳解消のインジケータを確認し、パケットペイロードデータが圧縮されない通常の動作モードに戻ることができる。本明細書で説明する選択的圧縮に従ったペイロードデータ/パケット全体の一般的な圧縮は、PDCPレイヤによって実行されるパケットヘッダの圧縮とは無関係である可能性があることに留意されたい。ヘッダは、選択的なパケットペイロードデータ圧縮が有効か無効かに関係なく、従来のPDCPヘッダ圧縮手法に従ってオプションで圧縮できる。
【0037】
これにより、利用可能なCPUリソースを活用して、例えば、ある地域でユーザアクセスの急増が予想または実際に検出された場合に、eNodeBにおける無線リンクの輻輳を軽減するのに役立てることができる。さらに、UEデバイスのアプリケーションレイヤへの待ち時間の改善につながると判断された場合にのみ、プロセスで選択的にパケットに圧縮を適用することができる。所定のパケットを圧縮する決定を下す前にQCIを検証することができるため、選択的圧縮は、許容可能なアプリケーション影響レベルで伝送遅延を許容できるパケットに適用することができ、他のパケットには適用しないようにすることができる。一部の例では、ネットワークの輻輳を緩和するための選択的圧縮は、5GネットワークのeNodeBおよびPNFデバイスによるUE接続アクティビティのバーストを処理するために有効化され、それによって追加のインフラストラクチャバッファのコストを削減することができる。
【0038】
ここで説明する態様は、インテリジェントなパケットデータ処理によってNR技術の無線リンクの輻輳に対処し、「ラストマイル」UEで利用可能な計算帯域幅を使用して多重化チャネル上の無線リンクの輻輳を処理することにより、eNodeBにおけるバッファリソースプールのインフラストラクチャおよびハードウェアコストを削減する。態様は、パケットのペイロードデータを圧縮するために追加されるPDCP処理の影響が、影響を受けるアプリケーションの許容範囲を超えないように、圧縮するパケットをインテリジェントに選択する。これにより、モバイルリソースの有効活用のためのPDCP圧縮アプローチが改善される。態様はまた、アプリケーションからネットワークへのパケット伝送待ち時間を改善し、5Gリソースが混雑している状況でのユーザ体験の向上につながる。
【0039】
図4は、本明細書で説明する態様を組み込んで使用するための物理ネットワーク機能の概念的な表現を示している。5G無線リンクアーキテクチャは、物理ネットワーク機能(PNF)および仮想ネットワーク機能(VNF)を包含し、PNFは、複数の基地トランシーバ局/eNodeBを制御するハードウェアインフラストラクチャを含む。
【0040】
図4では、無線アクセスネットワーク402は、例として、クライアントUE、専用および非専用のセンシングデバイス、および互いに通信する異なるタイプの基地局を含み、制御センター404に向かうデータフロー(例えば、電力測定値を含む)を介して制御エンティティ(制御センター404)と通信する。制御センター404は、データ収集、保存、更新(406)、無線マップ機能412をコンポーネント406に提供するための無線マップ推定408、およびスペクトル管理410のためのコンポーネントを含み、その間のデータフロー通信を行う。さらに、制御センター400は、例えば、プロアクティブな無線リソース割り当て、スペクトル監視、および他の制御などの制御フローをRAN402デバイスに通信し、制御フローを個々のデバイスに伝搬するために基地局によって受信され得る。
【0041】
制御センター404は、物理アクセスネットワーク上のS1ベアラリンクを介してPNF430に接続されている。物理アクセスネットワークはまた、PNF430と通信する、マルチドメインオーケストレーション452およびサービスプログラマビリティフレームワーク454を提供する5Gオーケストレーションサービス450を含む。PNF430は、UEに輻輳をシグナリングするために本明細書で議論されるようなフレームを生成して転送するためのBCCHフレーマ432、ネットワーク機器のリソースを監視し、eNodeB、PNF、ベアラリンクなどのネットワーク機器の利用/過剰利用の指示を受信するためのリソースモニタ434、ネットワークの輻輳がいつ存在するかを判定するための輻輳検出ロジック436、eNodeBと通信/通話するためのeNodeBコネクタAPI438、どのデバイスがどのeNodeBにアクセスするかの表示を含むネットワークリソースのインベントリおよび構成情報を有するリソース構成マップ440、本明細書で説明する態様に従ってパケットを圧縮/解凍するための圧縮および解凍エンジン442、ネットワーク輻輳状況を識別し、輻輳信号をトリガするための閾値ポリシー444、およびPDCPベースのデータおよびペイロード圧縮設定の現在のレベルをデコードするためのPDCPステータス抽出器446を含む。
【0042】
所定のPNFによって制御される1または複数の(すべてではない)eNodeBのみに関して輻輳が存在する場合、輻輳信号は、それらの輻輳しているeNodeBを介して、輻輳しているeNodeBのUEに伝搬され得る。それらのeNodeBのUEは、それらのUEから1または複数のeNodeBに流れるパケットの選択的圧縮を有効にするかどうかを決定することができる。
【0043】
輻輳の問題がPNF自体に存在する場合、そのPNFによって処理されるすべてのeNodeBに影響し、その場合、輻輳信号をすべてのeNodeBに送信することができる。選択的圧縮は、そのようなすべてのeNodeBとの間で流れるすべてのパケットに対して有効になる可能性がある。この点で、輻輳が存在する場所では、選択的圧縮の対象となる可能性のあるパケットを搬送する経路が通知される。
【0044】
履歴データ414は、輻輳のタイムラインを識別し、輻輳が発生しそうなタイミングを予測できるパターン/特徴を潜在的に識別するために使用することができる。輻輳が発生すると予測される時間枠は、輻輳が実現する前であっても、UEにおいて選択的なパケット圧縮/解凍を可能にするために輻輳信号をプロアクティブに送信する時間を通知することができる。この点で、選択的圧縮は、過去の傾向に基づいて予測される輻輳に対処するために、自動的かつプロアクティブにトリガされる可能性がある。さらに/あるいは、上記で説明したように、リアルタイムで観察/検出された実際の輻輳に基づいて、選択的圧縮を有効にすることもできる。
【0045】
本明細書で説明する態様に従ったPNF機能におけるフロー例は、以下のとおりである:最初に、リソース監視が5Gスタックの物理ネットワーク機能(PNF)で開始され、eNodeB、PNF、およびS-GWの前の他のリソースなどのリソースを過負荷状況について監視する。また、通知ジェネレータをリソースに配備して、PNFに輻輳を通知するビークルを提供することもできる。フローは、eNodeB、S1ベアラリンク、およびPNFリソースの使用率をポーリングし、いずれかの使用率が構成可能な閾値を上回っているかどうかをチェックする。そうである場合、フローはリソースマッパ(図4#440)からリソースの輻輳のタイプ(例えばPNFまたはeNodeB)を特定する。PNFは、BCCHフレーム上で輻輳信号コマンドを生成する。BCCHフレーマ(図4#432)は、eNodeBおよび無線アクセスネットワークのためのメッセージを生成する。BCCHフレーマはSTRUCT FRAMEをPNFに送信し、PNFはBCCHコントローラAPIを使用してフレームを受信する。ブロードキャストフレームは、無線アクセスネットワークの多重化フレームワークを介してeNodeBと通信する5G対応デバイスに送信される。クライアントデバイス(UE)上のソフトウェアは、これを5G上位レイヤスタックからのネットワーク輻輳ヒンティング信号として使用する。その後、フローはリソース利用の再ポーリングに戻り、輻輳がまだ存在するかどうかを判断する。輻輳が該当する閾値を下回ると、同様のプロセスで選択的圧縮を無効することができるが、圧縮無効化信号によってネットワークの輻輳がなくなったことを示す。
【0046】
図5は、本明細書で説明する態様を組み込んで使用するためのモバイル機器(例えば、UE)の概念的な表現を示している。UE500は、アプリケーションが実行される上記のオペレーティングシステム(OS)502を実行する。UE500は、ネットワーク輻輳のための輻輳信号を提供するフレームなどの受信フレームを復号するため(すなわち、パケットペイロードデータの選択的圧縮を潜在的に有効にするため)、もしくは選択的圧縮を無効にするため、またはその両方のためのBCCH復号器504を含む。また、UE500は、パケットペイロードデータ/フルパケット圧縮を実行するための圧縮デーモン506、UE500のリソースを監視するためのリソースモニタ508、PDCPレイヤと通信/通話するためのPDCPコネクタAPI510、CPUモニタおよびリアルタイム統計コレクタ512(リソースモニタ508の特殊な形態)、ローン閾値ポリシー514、待ち時間計算器516、節約モニタ518、eNodeB524へのRAN接続526の輻輳を検出するための輻輳モニタ520、およびデバイスOSコネクタインタフェース522も含む。ローン閾値ポリシー514は、モバイルデバイスのCPUが圧縮および解凍アクティビティに使用できるローカルCPUの限界を示す。限界は、定義された、ユーザ設定可能な入力として収集することができる。待ち時間計算器516は、パケット送信待ち時間およびパケットの往復時間を計算する待ち時間管理プロセスである。節約モニタ518は、全体的な往復時間とデバイスの圧縮待ち時間要件に基づいて伝送時間の節約を計算するプロセスである。輻輳モニタ520は、5Gネットワークの輻輳を検出し、デバイスOSコネクタインタフェース522は、CPU、メモリ、およびその他のシステムリソースを照会するための低レベルのアプリケーションプログラミングインタフェースである。
【0047】
本書で説明する態様に従ったUEデバイスでのフロー例は次のとおりである:クライアント/UEソフトウェアが、無線リンク/PNFの輻輳を示す輻輳信号でBCCHイベントをポーリングする。BCCHイベントが受信されると、フローは関数のオペコードを抽出し、それが輻輳信号を示す場合、フローはNR接続上で経験されるパケット待ち時間を監視する。パケット伝送遅延がパケット圧縮およびパケット解凍の処理時間よりも短い場合、選択的圧縮は起動されない。そうでない場合、この全体的な処理遅延が既存の遅延よりも小さい場合、適切なメッセージがPDCPに送信され、フローはCPU使用率を取得し(例えば、プラットフォームメッセージキューにメッセージを送信することによって)、設定ファイルまたはSTRUCT CONFIG MAP(例えば、プロセスの開始時にロードされる構成マップ。これには、CPU閾値などの必要なユーザ定義値をすべて含めることができる。)からCPU使用率閾値を導き、この値は、選択的圧縮を起動するためにCPUコア使用率がどの閾値未満でなければならないかを示し、現在のCPU使用率を閾値と比較する。現在のCPU使用率が閾値より小さい場合、選択的PDCPペイロードデータ圧縮が有効になり、そうでない場合は有効にならない。フローは、確立された論理チャネル(COLLECT_DTCH)と関連するQCI値の収集を開始し、QCI値のGBRモードと非GBRモードを分類し、さまざまなチャネルのパケット遅延バジェットを特定する。より多くのパケット遅延バジェットを持ち、オプションとしてより多くのパケットエラー損失を持つ論理チャネルが特定され、低バジェットのアプリケーションにマッピングされるDTCHが決定される。この情報はPDCPデータ収束レイヤに送信され、PDCPレイヤでデータが受信されると、そのデータのチャネルIDが特定され、そのチャネルIDで圧縮が有効になっている場合は、PDCPパケットペイロードデータ圧縮が適用され、圧縮が適用されたデータパケットがRLCレイヤに送信され、無線リンクを介して送信される。また、圧縮ステータスはパケットに固定され、ダウンストリームコンポーネントがパケットデータの圧縮解除のタイミングを知ることができる。CPU使用率が選択的圧縮を有効にするための使用率閾値を超えた場合、UEのCPU負荷を軽減するために、UEのOSは選択的圧縮を無効にする信号を送信する。さらに、選択的圧縮を無効にして、パケットペイロードデータを圧縮しないUEの通常の動作を再開するために、PNFはBCCHフレームを送信して、輻輳が解消したときにUEに通知することができる。
【0048】
図6は、本明細書で説明する態様に従って、UE602とgNodeB650の5Gユーザプレーンプロトコルスタック間の無線通信メッセージを示す図である。輻輳の検出に基づいて、gNodeB650のSDAPレイヤ652は、UE602のSDAPレイヤ604に輻輳を示す輻輳信号612を送信する。SDAPレイヤ604は、輻輳メッセージを受信したことの確認応答614を返す。UE602のPDCPレイヤ606は、圧縮ステータスインジケータ付きの圧縮ペイロードデータ616をgNodeB650のPDCPレイヤ654に通信する。UE602のRLCレイヤ608は、gNodeB650のRLCレイヤ656にパケットペイロードメッセージ618を送信し、RLCレイヤ656は確認応答メッセージ620を送り返すことによって受信を確認する。MACレイヤ610/658はMACベースのVNFコマンドを交換することができ、物理レイヤ611/660は物理リンク上でパケットを送信/受信するためのものである。
【0049】
図7は、本明細書で説明する態様に従って、UEデバイスのユーザプレーンプロトコルスタックにおける通信を示す図である。アプリケーションレイヤ708のアプリケーションインスタンス706は、STRUCT_TYPEメッセージ710をSDAPレイヤ704のリソースモニタに通信し、構造体タイプは、どのようなタイプのパケット(例えば、圧縮ペイロードまたは非圧縮ペイロード)が転送されているかを示す。リソースモニタ712は、選択的圧縮が有効であるかどうかを判断し、圧縮用のパケット/論理チャネルIDを示すcompression_enable(packet/DTCH_ID)メッセージ714をPDCPレイヤ716に送信する。リソースモニタは、ペイロードデータを渡す特定の論理チャネルが選択的ペイロードデータ圧縮のために有効であるかどうかを決定する際に、QCIロケータ713を活用することができる。一方、圧縮タイプメッセージ702は、適用可能な場合、適用される圧縮タイプを示すために、SDAP704によってアプリケーションインスタンスに提供される。PDCPレイヤ716は、物理ハードウェアを介して5Gネットワーク上に収束パケットを送信するために、圧縮ペイロードデータ(STRUCT COMP)718をRLCレイヤ720に提供する。
【0050】
図8A~8Bは、本明細書に記載される態様に従って、選択的なパケットペイロードデータ圧縮のための例示的なプロセスを示す。プロセスの態様は、UE、eNodeB、PNFデバイス、もしくは1または複数の他のコンピュータシステム、またはその組み合わせを含むか、またはそれらに組み込まれるものなどの、処理/コンピュータシステムによって実行される。例示的なプロセス図8Aは、PNFデバイスによって実行される態様を含む。
【0051】
図8Aを参照すると、プロセスは、ブロードバンドセルラーネットワークの無線リンクのネットワークトラフィックの輻輳を監視し(802)、無線リンクの輻輳は、ブロードバンドセルラーネットワークの無線基地局(gNodeB/eNodeBデバイスなど)もしくはPNFデバイス(別のPNFの図8Aのプロセスを実行するPNFのいずれか)またはその両方の輻輳である。ブロードバンドセルラーネットワークは、例えば、5G新無線ネットワークである。いくつかの例では、この監視802は、リソースを監視し、リソースの過負荷時にPNFを変更することによって実行される。プロセスは、輻輳が観察されるかどうかを決定し(804)、輻輳が観察される場合、(804,Y)、1または複数のUEデバイスに輻輳信号を送信し(806)、例えば、この輻輳を通知する輻輳信号がまだ送信されていなかった場合、BCCHブロードキャストフレームとして送信する。各UEは、ブロードバンドセルラネットワークの無線基地局(eNodeBなど)と直接無線通信を行う。806の後、プロセスは802に戻り、トラフィックの輻輳をさらに監視する。
【0052】
804で輻輳が観測されなかった場合(804,N)、プロセスは、輻輳が解消されたと判断する(804,N)まで解消されたことが知られていなかった輻輳状況を示す輻輳信号が以前に送信されたかどうかを判断する(808)。NOの場合(808,N)、ネットワークは輻輳していないままであり、プロセスは802に戻る。YESの場合(808,Y)、輻輳信号は輻輳を示すために以前に送信されたが、現在ネットワークは回復し、輻輳していない。したがって、プロセスは、圧縮無効化信号をUEに送信し(810)、その後、802に戻って繰り返す。
【0053】
プロセス図8Bは、本明細書で説明する態様に従ってUEによって実行される態様を示す。プロセスは、一例として、PNFデバイス(図8Aの806による)からの輻輳信号の受信をトリガとして開始する。UEは、例えば5Gネットワークなどのブロードバンドセルラーネットワークに無線接続されている。
【0054】
プロセスは、ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェア(eNodeBもしくはPNFデバイスまたはその両方など)におけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて、ネットワークトラフィックの輻輳を示す輻輳信号を無線で受信する(820)。プロセスは、UEの現在のプロセッサ使用率を決定し(822)、UEとブロードバンドセルラーネットワークとの間のワイヤレス無線リンクを介したパケット送信待ち時間を監視する(824)。この時点で、輻輳信号を受信し、現在のプロセッサ使用率を決定し、データ圧縮(例えば、UEにおいて)および伸長(例えば、受信ネットワークデバイスにおいて)が実行されるのにかかる時間を知っているため、プロセスは、UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定する。したがって、プロセスは、現在のCPU使用率をUEに対して設定された使用率閾値と比較し、使用率が閾値以下であるかどうかを決定する(826)。NOの場合(826,N)、プロセスは終了する。YESの場合(826,Y)、プロセスは、パケット送信待ち時間と比較して、選択的パケットペイロードデータ圧縮が、ブロードバンドセルラーネットワークを介してペイロードデータを転送する時間の純減少をもたらすかどうかを決定する(828)ことによって進行する。一例として、照会828は、(i)ペイロードデータを圧縮する既知の時間、(ii)ペイロードデータを解凍する既知の時間、および(iii)圧縮されている場合にペイロードデータを送信する既知の時間の合計がパケット送信待ち時間より短いことに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮が、ブロードバンドセルラーネットワークを介してペイロードデータを転送する時間の純減少をもたらすと決定する。
【0055】
照会828が否定的に回答された場合(828,N)、プロセスは終了する。YESの場合(828,Y)、プロセスは、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすることを決定し、有効にする(830)。選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすることを決定することに基づいて、プロセスは、UEによって生成された1または複数のデータパケットのペイロードデータを圧縮し(832)、ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、圧縮されたペイロードデータを有する1または複数のデータパケットを転送する。実施形態では、圧縮は、UEのユーザプレーンスタックのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤで実行される。PDCPレイヤは、選択的パケットペイロードデータ圧縮が有効であるか無効であるかにかかわらず、1または複数のパケットのヘッダデータの圧縮を実行するように構成することができる。さらに、プロセスは、パケットペイロードデータの圧縮の一部として、データパケットのペイロードが圧縮されていることをブロードバンドセルラーネットワークの他のデバイスに示す圧縮ステータスインジケータを、1または複数のデータパケットのそれぞれにピン留めすることができる。
【0056】
任意選択で、選択的圧縮が有効になっているときにペイロードデータを実際に圧縮するかどうかは、関係する特定の専用論理チャネルの機能であり得る。例えば、1または複数のパケットは、UEがブロードバンドセルラーネットワークと確立した、サービス品質クラス識別子(QCI)に関連付けられた特定の専用論理チャネルでの送信用である。この例のプロセスは、専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかを任意選択でチェックすることができ、これは専用論理チャネルに関連付けられたQCIに基づくことができる。圧縮(832)は、圧縮がその専用論理チャネルに対して有効であることを示すそのようなチェックに基づいて実行され得る。そのチャネルに対して有効でない場合、プロセスは終了し得る(または、選択的圧縮のために、より多くの受信ペイロードデータの処理を継続し得る)。
【0057】
ペイロードデータの圧縮は継続されるが、これを継続すべきかどうかについて定期的または非周期的なチェックが行われる。例えば、プロセスは、CPU使用率が使用率閾値を超えるまで増加したかどうかを決定する(834)。もしYESであれば(834,Y)、プロセスはUE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を無効にし(836)、終了する。代わりにCPU使用率が閾値を超えなかった場合(843,N)、プロセスは、圧縮無効化信号がPNFデバイスから受信されたかどうかを決定する(838)。NOの場合(838,N)、プロセスは832に戻り、該当するペイロードデータ圧縮を継続する。そうでない場合、無効化信号が受信され(838,Y)、プロセスはUE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を無効化し(836)、その後、プロセスは終了する。
【0058】
様々な実施例が提供されているが、特許請求された発明の範囲から逸脱することなく変形が可能である。
【0059】
本明細書に記載されるプロセスは、1または複数のコンピュータシステムによって単独または集合的に実行され得る。かかるコンピュータシステムは、例として、1または複数のPNFデバイス、gNodeBデバイス、もしくはUEデバイス、またはその組み合わせなど、電気通信ネットワークの1または複数のデバイスであるか、またはそのようなデバイスに組み込まれてもよい。図9は、本明細書に記載の態様を組み込む、もしくは使用する、またはその両方を行うための、かかるコンピュータシステムおよび関連デバイスの一例を示す。コンピュータシステムは、本明細書では、データ処理デバイス/システム、コンピューティングデバイス/システム/ノード、または単にコンピュータとも呼ばれることがある。
【0060】
図9は、外部装置912と通信するコンピュータシステム900を示す。コンピュータシステム900は、例えば中央処理装置(CPU)などの1または複数のプロセッサ902を含む。プロセッサは、キャッシュまたはメインメモリなどの場所からプログラム命令をフェッチし、プログラム命令をデコードし、プログラム命令を実行し、命令実行のためにメモリにアクセスし、実行された命令の結果を書き込む機能コンポーネントなど、命令の実行に使用される機能コンポーネントを含むことができる。プロセッサ902は、1または複数の機能コンポーネントによって使用されるレジスタを含むこともできる。コンピュータシステム900は、メモリ904、入力/出力(I/O)デバイス908、およびI/Oインタフェース910も含み、これらは、1または複数のバスもしくは他の接続またはその両方を介して、プロセッサ902および互いに結合され得る。バス接続は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、加速グラフィックスポート、および様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するプロセッサまたはローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれか1または複数を表す。例として、限定するものではないが、このようなアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)、拡張ISA(EISA)、ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)ローカルバス、および周辺コンポーネント相互接続(PCI)が含まれる。
【0061】
メモリ904は、プログラム命令の実行に使用されるメインメモリまたはシステムメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)、例としてハードドライブ、フラッシュメディア、または光メディアなどの記憶装置、もしくは例としてキャッシュメモリ、またはその組み合わせであるか、またはそれらを含むことができる。メモリ904は、例えば、プロセッサ902のローカルキャッシュ(例として、L1キャッシュ、L2キャッシュなど)に結合され得る共有キャッシュなどのキャッシュを含み得る。さらに、メモリ904は、1または複数のプロセッサによって実行されたときに本明細書に記載される実施形態の機能を実行するように構成されるプログラムモジュール、命令、コードなどのセット(例えば、少なくとも1つ)を有する少なくとも1つのコンピュータプログラム製品であるか、またはそれを含むことができる。
【0062】
メモリ904は、オペレーティングシステム905と、本明細書で説明する態様を実行するために実行される1または複数のコンピュータプログラム/アプリケーションなどの他のコンピュータプログラム906とを記憶することができる。具体的には、プログラム/アプリケーションは、本明細書に記載の態様の実施形態の機能を実行するように構成され得るコンピュータ可読プログラム命令を含み得る。
【0063】
I/Oデバイス908の例としては、マイク、スピーカ、全地球測位システム(GPS)デバイス、カメラ、ライト、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、光・近接・心拍数・体温および/または周囲温度・血圧および/または皮膚抵抗を感知するように構成されたセンサデバイス、ならびに活動モニタが挙げられるが、これらに限定されない。I/Oデバイスは、図示のようにコンピュータシステムに組み込むことができるが、いくつかの実施形態では、I/Oデバイスは、1または複数のI/Oインタフェース910を介してコンピュータシステムに結合された外部装置(912)とみなすことができる。
【0064】
コンピュータシステム900は、1または複数のI/Oインタフェース910を介して、1または複数の外部装置912と通信することができる。例示的な外部装置には、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ、もしくはユーザがコンピュータシステム900と対話することを可能にする任意の他のデバイス、またはその組み合わせが含まれる。他の例示的な外部装置には、コンピュータシステム900が1または複数の他のコンピューティングシステムまたはプリンタなどの周辺デバイスと通信することを可能にする任意のデバイスが含まれる。ネットワークインタフェース/アダプタは、コンピュータシステム900が、ローカルエリアネットワーク(LAN)、一般的なワイドエリアネットワーク(WAN)、もしくはパブリックネットワーク(例えば、インターネット)、またはその組み合わせなどの1または複数のネットワークと通信することを可能にする例示的なI/Oインタフェースであり、他のコンピューティングデバイスまたはシステム、ストレージデバイスなどとの通信を提供する。イーサネットベースの(Wi-Fiなどの)インタフェースやBluetooth(登録商標)アダプタは、コンピュータシステムで現在使用可能なネットワークアダプターの一例である(BLUETOOTHは、米国ワシントン州カークランドBluetooth SIG, Inc.の登録商標である)。
【0065】
I/Oインタフェース910と外部装置912との間の通信は、イーサネットベースの有線または無線接続などの、有線もしくは無線またはその両方の通信リンク911を介して起こり得る。例示的な無線接続には、セルラー、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、近接ベース、近距離無線、または他のタイプの無線接続が含まれる。より一般的には、通信リンク911は、データを通信するための任意の適切な無線もしくは有線またはその両方の通信リンクであってもよい。
【0066】
特定の外部装置912は、1または複数のプログラム、1または複数のコンピュータ可読プログラム命令、もしくはデータ、またはその組み合わせなどを記憶し得る、1または複数のデータ記憶デバイスを含み得る。コンピュータシステム900は、リムーバブル/非リムーバブル、揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶媒体を含む、もしくはこれと結合され、かつこれと通信する(例えば、コンピュータシステムの外部装置として)、またはその両方であることができる。例えば、非リムーバブルである、不揮発性の磁気媒体(典型的には「ハードディスク」と呼ばれる)、リムーバブルである、不揮発性の磁気ディスク(例えば「フロッピーディスク」)から読み出し、それに書き込むための磁気ディスクドライブ、もしくはCD-ROM、DVD-ROMや他の光学媒体などのリムーバブルである、不揮発性の光ディスクから読み出し、それに書き込むための光ディスクドライブ、またはその組み合わせを含む、もしくはこれと結合する、またはその両方であることができる。
【0067】
コンピュータシステム900は、多数の他の汎用または特殊目的のコンピューティングシステム環境または構成で動作可能である。コンピュータシステム900は、様々な形態のいずれを取ってもよく、その周知の例としては、パーソナルコンピュータ(PC)システム、メッセージングサーバなどのサーバコンピュータシステム、シンクライアント、シッククライアント、ワークステーション、ラップトップ、ハンドヘルドデバイス、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどのモバイルデバイス/コンピュータ、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、テレフォニーデバイス、ネットワークアプライアンス(エッジデバイスなど)マイクロプロセッサベースのシステム、テレフォニーデバイス、ネットワークアプライアンス(エッジアプライアンスなど)、仮想化デバイス、ストレージコントローラ、セットトップボックス、プログラマブル家電、ネットワークPC、ミニコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、および上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散型クラウドコンピューティング環境などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
本開示はクラウドコンピューティングに関する詳細な説明を含むが、本明細書に記載した教示の実装形態はクラウドコンピューティング環境に限定されないことを理解されたい。むしろ、本発明の実施形態は、現在公知のまたは将来開発される他の任意の種類のコンピュータ環境と共に実施することができる。
【0069】
クラウドコンピューティングは、設定可能なコンピューティングリソースの共有プール(例えばネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、記憶装置、アプリケーション、仮想マシンおよびサービス)へ、簡便かつオンデマンドのネットワークアクセスを可能にするためのサービス提供のモデルであり、リソースは、最小限の管理労力または最小限のサービスプロバイダとのやり取りによって速やかに準備(provision)およびリリースできるものである。このクラウドモデルは、少なくとも5つの特性、少なくとも3つのサービスモデル、および少なくとも4つの実装モデルを含むことがある。
【0070】
特性は以下の通りである。
オンデマンド・セルフサービス:クラウドの消費者は、サービスプロバイダとの人的な対話を必要することなく、必要に応じて自動的に、サーバ時間やネットワークストレージなどのコンピューティング能力を一方的に準備することができる。
ブロード・ネットワークアクセス:コンピューティング能力はネットワーク経由で利用可能であり、また、標準的なメカニズムを介してアクセスできる。それにより、異種のシンまたはシッククライアントプラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、PDA)による利用が促進される。
リソースプーリング:プロバイダのコンピューティングリソースはプールされ、マルチテナントモデルを利用して複数の消費者に提供される。様々な物理リソースおよび仮想リソースが、需要に応じて動的に割り当ておよび再割り当てされる。一般に消費者は、提供されたリソースの正確な位置を管理または把握していないため、位置非依存(location independence)の感覚がある。ただし消費者は、より高い抽象レベル(例えば、国、州、データセンタ)では場所を特定可能な場合がある。
迅速な柔軟性(elasticity):コンピューティング能力は、迅速かつ柔軟に準備することができるため、場合によっては自動的に、直ちにスケールアウトし、また、速やかにリリースされて直ちにスケールインすることができる。消費者にとって、準備に利用可能なコンピューティング能力は無制限に見える場合が多く、任意の時間に任意の数量で購入することができる。
測定されるサービス:クラウドシステムは、サービスの種類(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、アクティブユーザアカウント)に適したある程度の抽象化レベルでの測定機能を活用して、リソースの使用を自動的に制御し最適化する。リソース使用量を監視、制御、および報告して、利用されるサービスのプロバイダおよび消費者の両方に透明性を提供することができる。
【0071】
サービスモデルは以下の通りである。
サービスとしてのソフトウェア(SaaS):消費者に提供される機能は、クラウドインフラストラクチャ上で動作するプロバイダのアプリケーションを利用できることである。当該そのアプリケーションは、ウェブブラウザ(例えばウェブメール)などのシンクライアントインタフェースを介して、各種のクライアント装置からアクセスできる。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、ストレージや、個別のアプリケーション機能さえも含めて、基礎となるクラウドインフラストラクチャの管理や制御は行わない。ただし、ユーザ固有の限られたアプリケーション構成の設定はその限りではない。
サービスとしてのプラットフォーム(PaaS):消費者に提供される機能は、プロバイダによってサポートされるプログラム言語およびツールを用いて、消費者が作成または取得したアプリケーションを、クラウドインフラストラクチャに展開(deploy)することである。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、ストレージを含む、基礎となるクラウドインフラストラクチャの管理や制御は行わないが、展開されたアプリケーションを制御でき、かつ場合によってはそのホスティング環境の構成も制御できる。
サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS):消費者に提供される機能は、オペレーティングシステムやアプリケーションを含み得る任意のソフトウェアを消費者が展開および実行可能な、プロセッサ、ストレージ、ネットワーク、および他の基本的なコンピューティングリソースを準備することである。消費者は、基礎となるクラウドインフラストラクチャの管理や制御は行わないが、オペレーティングシステム、ストレージ、および展開されたアプリケーションを制御でき、かつ場合によっては一部のネットワークコンポーネント(例えばホストファイアウォール)を部分的に制御できる。
【0072】
展開モデルは以下の通りである。
プライベートクラウド:このクラウドインフラストラクチャは、特定の組織専用で運用される。このクラウドインフラストラクチャは、当該組織または第三者によって管理することができ、オンプレミスまたはオフプレミスで存在することができる。
コミュニティクラウド:このクラウドインフラストラクチャは、複数の組織によって共有され、共通の関心事(例えば、ミッション、セキュリティ要件、ポリシー、およびコンプライアンス)を持つ特定のコミュニティをサポートする。このクラウドインフラストラクチャは、当該組織または第三者によって管理することができ、オンプレミスまたはオフプレミスで存在することができる。
パブリッククラウド:このクラウドインフラストラクチャは、不特定多数の人々や大規模な業界団体に提供され、クラウドサービスを販売する組織によって所有される。
ハイブリッドクラウド:このクラウドインフラストラクチャは、2つ以上のクラウドモデル(プライベート、コミュニティまたはパブリック)を組み合わせたものとなる。それぞれのモデル固有の実体は保持するが、標準または個別の技術によってバインドされ、データとアプリケーションの可搬性(例えば、クラウド間の負荷分散のためのクラウドバースティング)を実現する。
【0073】
クラウドコンピューティング環境は、ステートレス性(statelessness)、低結合性(low coupling)、モジュール性(modularity)および意味論的相互運用性(semantic interoperability)に重点を置いたサービス指向型環境である。クラウドコンピューティングの中核にあるのは、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャである。
【0074】
図10を参照すると、例示的なクラウドコンピューティング環境50が示されている。図示するように、クラウドコンピューティング環境50は1つまたは複数のクラウドコンピューティングノード10を含む。これらに対して、クラウド消費者が使用するローカルコンピュータ装置(例えば、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)もしくは携帯電話54A、デスクトップコンピュータ54B、ラップトップコンピュータ54C、もしくは自動車コンピュータシステム54Nまたはこれらの組み合わせなど)は通信を行うことができる。ノード10は互いに通信することができる。ノード10は、例えば、上述のプライベート、コミュニティ、パブリックもしくはハイブリッドクラウドまたはこれらの組み合わせなど、1つまたは複数のネットワークにおいて、物理的または仮想的にグループ化(不図示)することができる。これにより、クラウドコンピューティング環境50は、サービスとしてのインフラストラクチャ、プラットフォームもしくはソフトウェアまたはこれらの組み合わせを提供することができ、クラウド消費者はこれらについて、ローカルコンピュータ装置上にリソースを維持する必要がない。なお、図10に示すコンピュータ装置54A~Nの種類は例示に過ぎず、コンピューティングノード10およびクラウドコンピューティング環境50は、任意の種類のネットワークもしくはネットワークアドレス指定可能接続(例えば、ウェブブラウザの使用)またはその両方を介して、任意の種類の電子装置と通信可能であることを理解されたい。
【0075】
図11を参照すると、クラウドコンピューティング環境50(図10)によって提供される機能的抽象化レイヤのセットが示されている。なお、図11に示すコンポーネント、レイヤおよび機能は例示に過ぎず、本発明の実施形態はこれらに限定されないことをあらかじめ理解されたい。図示するように、以下のレイヤおよび対応する機能が提供される。
ハードウェアおよびソフトウェアレイヤ60は、ハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントを含む。ハードウェアコンポーネントの例には、メインフレーム61、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャベースのサーバ62、サーバ63、ブレードサーバ64、記憶装置65、ならびにネットワークおよびネットワークコンポーネント66が含まれる。いくつかの実施形態において、ソフトウェアコンポーネントは、ネットワークアプリケーションサーバソフトウェア67およびデータベースソフトウェア68を含む。
仮想化レイヤ70は、抽象化レイヤを提供する。当該レイヤから、例えば以下の仮想エンティティを提供することができる:仮想サーバ71、仮想ストレージ72、仮想プライベートネットワークを含む仮想ネットワーク73、仮想アプリケーションおよびオペレーティングシステム74、ならびに仮想クライアント75。
【0076】
一例として、管理レイヤ80は以下の機能を提供することができる。リソース準備81は、クラウドコンピューティング環境内でタスクを実行するために利用されるコンピューティングリソースおよび他のリソースの動的な調達を可能にする。計量および価格設定82は、クラウドコンピューティング環境内でリソースが利用される際のコスト追跡、およびこれらのリソースの消費に対する請求またはインボイス送付を可能にする。一例として、これらのリソースはアプリケーションソフトウェアのライセンスを含んでよい。セキュリティは、データおよび他のリソースに対する保護のみならず、クラウドコンシューマおよびタスクの識別確認を可能にする。ユーザポータル83は、コンシューマおよびシステム管理者にクラウドコンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービスレベル管理84は、要求されたサービスレベルが満たされるように、クラウドコンピューティングリソースの割り当ておよび管理を可能にする。サービス品質保証(SLA)の計画および履行85は、SLAに従って将来必要になると予想されるクラウドコンピューティングリソースの事前手配および調達を可能にする。
【0077】
ワークロードレイヤ90は、クラウドコンピューティング環境が利用可能な機能の例を提供する。このレイヤから提供可能なワークロードおよび機能の例には、マッピングおよびナビゲーション91、ソフトウェア開発およびライフサイクル管理92、仮想教室教育の配信93、データ分析処理94、取引処理95、ならびに、5Gネットワークにおけるパケットの選択的圧縮96が含まれる。
【0078】
本発明は、任意の可能な技術詳細レベルで統合されたシステム、方法もしくはコンピュータプログラム製品またはそれらの組み合せとすることができる。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体を含んでよい。
【0079】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用される命令を保持し、記憶することができる有形の装置とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、一例として、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置またはこれらの適切な組み合わせであってよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な一例としては、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM、ROM、EPROMまたはフラッシュメモリ、SRAM、CD-ROM、DVD、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカードまたは溝内の隆起構造などに命令を記録した機械的に符号化された装置、およびこれらの適切な組み合せが挙げられる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波もしくは他の自由に伝播する電磁波、導波管もしくは他の伝送媒体を介して伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、またはワイヤを介して送信される電気信号のような、一過性の信号それ自体として解釈されるべきではない。
【0080】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理装置に、または、ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、もしくはワイヤレスネットワークまたはその組み合わせ)を介して外部コンピュータまたは外部記憶装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバー、無線伝送、ルーター、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、もしくはエッジサーバまたはその組み合わせで構成される。各コンピューティング/処理装置のネットワークアダプタカードまたはネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体に格納するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0081】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、統合回路のための構成データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と「C」プログラミング言語や類似のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかであってよい。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、または部分的にユーザのコンピュータ上で実行可能である。あるいは、部分的にユーザのコンピュータ上でかつ部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で実行可能である。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され、または(例えば、インターネットサービスプロバイダーを使用したインターネット経由で)外部コンピュータに接続されてよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用してパーソナライズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0082】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図もしくはブロック図またはその両方を参照して本明細書に記載されている。フローチャート図もしくはブロック図またはその両方の各ブロック、およびフローチャート図もしくはブロック図またはその両方のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることが理解されよう。
【0083】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令がフローチャートもしくはブロック図またはその両方の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実装するための手段を生成するように、機械を生成するためにコンピュータのプロセッサまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に提供されることができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、フローチャートもしくはブロック図またはその両方の1つまたは複数のブロックで指定された機能/行為の態様を実装する命令を含む生成品の1つを命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が構成するように、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、もしくは特定の方法で機能する他のデバイスまたはその組み合わせに接続可能なコンピュータ可読記憶媒体の中に記憶されることができる。
【0084】
コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上でフローチャートもしくはブロック図またはその両方の1つまたは複数のブロックで指定された機能/行為を実行する命令のように、コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスにロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上で一連の操作ステップを実行し、コンピュータ実装された過程を生成することができる。
【0085】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品が実行可能な実装の構成、機能、および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、または命令の一部を表してよく、これは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を構成する。いくつかの代替の実施形態では、ブロックに示されている機能は、図に示されている順序とは異なる場合がある。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、1つのステップとして達成される場合があり、同時に、実質的に同時に、部分的または全体的に時間的に重複する方法で実行されるか、またはブロックは、関係する機能に応じて逆の順序で実行される場合がある。ブロック図もしくはフローチャート図またはその両方の各ブロック、およびブロック図もしくはフローチャート図またはその両方のブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する、または特別な目的のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせを実行する特別な目的のハードウェアベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0086】
上記に加えて、1または複数の態様は、顧客環境の管理を提供するサービスプロバイダによって提供(provide)、提供(offer)、配備(deploy)、管理(manage)、サービス(service)などされ得る。例えば、サービスプロバイダは、1または複数の顧客のために1または複数の態様を実行するコンピュータコードもしくはコンピュータインフラストラクチャまたはその両方を作成、維持、サポートなどすることができる。その見返りとして、サービスプロバイダは、例として、サブスクリプションもしくは料金契約またはその両方に基づいて顧客から支払いを受け取ることができる。さらに、または代替的に、サービスプロバイダは、1または複数の第三者への広告コンテンツの販売から支払いを受け取ることができる。
【0087】
一態様において、アプリケーションは、1または複数の実施形態を実行するために配備され得る。一例として、アプリケーションの配備は、1または複数の実施形態を実行するように動作可能なコンピュータインフラストラクチャを提供することを含む。
【0088】
さらなる態様として、コンピューティングインフラストラクチャは、コンピュータ可読コードをコンピューティングシステムに統合することを含んで展開され得、このコードは、コンピューティングシステムと組み合わせて、1または複数の実施形態を実行することが可能である。
【0089】
さらに別の態様として、コンピュータ可読コードをコンピュータシステムに統合することを含む、コンピューティングインフラストラクチャを統合するためのプロセスが提供され得る。コンピュータシステムは、コンピュータ可読媒体を含み、コンピュータ媒体は、1または複数の実施形態を含む。コンピュータシステムと組み合わせたコードは、1または複数の実施形態を実行することができる。
【0090】
以上、様々な実施形態について説明したが、これらはあくまで一例に過ぎない。
【0091】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」またはその両方の用語は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、もしくはコンポーネントまたはその組み合わせの存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、もしくはそれらのグループまたはその組み合わせの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されたい。
【0092】
以下の特許請求の範囲におけるすべての手段またはステッププラスファンクションの対応する構造、材料、動作、および等価物は、具体的に請求された他の請求項の要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または動作を含むことを意図している。1または複数の実施形態の説明は、例示および説明の目的で提示されたが、網羅的であること、または開示された形態に限定されることを意図していない。多くの修正および変形が、当業者には明らかであろう。実施形態は、様々な態様および実用化を最もよく説明するために、また、当業者が、企図される特定の用途に適するように種々の変更を伴う種々の実施形態を理解できるように、選択および説明されたものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信することであって、前記輻輳信号は、前記ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、前記ネットワークトラフィックの輻輳を示す、受信することと、
前記UEの現在のプロセッサ使用率を決定することと、
前記受信された輻輳信号、前記決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、前記UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定することと、
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、前記UEによって生成された1または複数のデータパケットのペイロードデータを圧縮し、前記ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、前記圧縮されたペイロードデータを有する前記1または複数のデータパケットを転送することと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記ブロードバンドセルラーネットワークが5G新無線ネットワークであり、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークの無線基地局と直接ワイヤレス通信しており、前記無線基地局が、gNodeBデバイスおよび次世代進化型ノードB(eNodeB)デバイスからなる群から選択される1つを含み、前記ネットワークトラフィックの輻輳が、前記ブロードバンドセルラーネットワークの前記無線基地局および物理ネットワーク機能(PNF)デバイスからなる群から選択される少なくとも1つの輻輳を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮は、前記UEのユーザプレーンスタックのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤで実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択的パケットペイロードデータ圧縮が有効であるか無効であるかにかかわらず、前記PDCPレイヤが前記1または複数のデータパケットのヘッダデータの圧縮を実行する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記現在のプロセッサ使用率を前記UEに対して設定された使用率閾値と比較し、前記決定することは、前記現在のプロセッサ使用率が前記使用率閾値以下であることに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にすると決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
その後にプロセッサ使用率が前記使用率閾値以上であると決定したことに基づいて、前記UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を無効にすることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記UEと前記ブロードバンドセルラーネットワークとの間のワイヤレス無線リンクを介したパケット送信待ち時間を監視することをさらに含み、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記パケット送信待ち時間と比較して、選択的パケットペイロードデータ圧縮が、前記ブロードバンドセルラーネットワークを介して前記ペイロードデータを転送する時間の純減少をもたらすかどうかを決定することにさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(i)前記ペイロードデータを圧縮する既知の時間、(ii)前記ペイロードデータを解凍する既知の時間、および(iii)圧縮されている場合に前記ペイロードデータを送信する既知の時間の合計がパケット送信待ち時間より短いことに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にし、前記ペイロードデータを圧縮することを決定する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記1または複数のデータパケットは、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークと確立した、サービス品質クラス識別子(QCI)に関連付けられた特定の専用論理チャネルでの送信用であり、前記方法は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかをチェックすることをさらに含み、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかは、前記専用論理チャネルに関連付けられた前記QCIに基づいており、前記圧縮は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であることを示す前記チェックに基づいて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ブロードバンドセルラーネットワークの物理ネットワーク機能(PNF)デバイスから圧縮無効化信号を受信することと、前記圧縮無効化信号の受信に基づいて、前記UE上の選択的パケットペイロードデータ圧縮を無効にすることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記圧縮の一部として、圧縮状態インジケータを前記1または複数のデータパケットの各々に固定することにより、前記データパケットの前記ペイロードデータが圧縮されていることを前記ブロードバンドセルラーネットワークの他のデバイスに示すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータシステムであって、
メモリと、
前記メモリと通信するプロセッサと、を備え、前記コンピュータシステムは、方法を実行するように構成され、前記方法は、
ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信することであって、前記輻輳信号は、前記ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、前記ネットワークトラフィックの輻輳を示す、受信することと、
前記UEの現在のプロセッサ使用率を決定することと、
前記受信された輻輳信号、前記決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、前記UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定することと、
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、前記UEによって生成された1または複数のデータパケットのペイロードデータを圧縮し、前記ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、前記圧縮されたペイロードデータを有する前記1または複数のデータパケットを転送することと、
を含む、コンピュータシステム。
【請求項13】
前記ブロードバンドセルラーネットワークが5G新無線ネットワークであり、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークの無線基地局と直接ワイヤレス通信しており、前記無線基地局が、gNodeBデバイスおよび次世代進化型ノードB(eNodeB)デバイスからなる群から選択される1つを含み、前記ネットワークトラフィックの輻輳が、
前記ブロードバンドセルラーネットワークの前記無線基地局および物理ネットワーク機能(PNF)デバイスからなる群から選択される少なくとも1つの輻輳を含み、前記圧縮は、前記UEのユーザプレーンスタックのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤで実行される、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記現在のプロセッサ使用率を前記UEに対して設定された使用率閾値と比較し、前記決定することは、前記現在のプロセッサ使用率が前記使用率閾値以下であることに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にすると決定する、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記方法は、前記UEと前記ブロードバンドセルラーネットワークとの間のワイヤレス無線リンクを介したパケット送信待ち時間を監視することをさらに含み、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記パケット送信待ち時間と比較して、選択的パケットペイロードデータ圧縮が、前記ブロードバンドセルラーネットワークを介して前記ペイロードデータを転送する時間の純減少をもたらすかどうかを決定することにさらに基づき、(i)前記ペイロードデータを圧縮する既知の時間、(ii)前記ペイロードデータを解凍する既知の時間、および(iii)圧縮されている場合に前記ペイロードデータを送信する既知の時間の合計が前記パケット送信待ち時間より短いことに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にし、前記ペイロードデータを圧縮することを決定する、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記1または複数のデータパケットは、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークと確立した、サービス品質クラス識別子(QCI)に関連付けられた特定の専用論理チャネルでの送信用であり、前記方法は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかをチェックすることをさらに含み、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかは、前記専用論理チャネルに関連付けられた前記QCIに基づいており、前記圧縮は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であることを示す前記チェックに基づいて実行される、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
処理回路によって読み取り可能であり、方法を実行するための前記処理回路によって実行される命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記方法は、
ブロードバンドセルラーネットワークにワイヤレスで接続されたユーザ機器(UE)によって輻輳信号をワイヤレスで受信することであって、前記輻輳信号は、前記ブロードバンドセルラーネットワークのハードウェアにおけるネットワークトラフィックの輻輳に基づいて受信され、前記ネットワークトラフィックの輻輳を示す、受信することと、
前記UEの現在のプロセッサ使用率を決定することと、
前記受信された輻輳信号、前記決定された現在のプロセッサ使用率、およびデータ圧縮と解凍のための既知の時間に基づいて、前記UE上で選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを決定することと、
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にすると決定することに基づいて、前記UEによって生成された1または複数のデータパケットのペイロードデータを圧縮し、前記ブロードバンドセルラーネットワークでの送信のために、前記圧縮されたペイロードデータを有する前記1または複数のデータパケットを転送することと、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記ブロードバンドセルラーネットワークが5G新無線ネットワークであり、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークの無線基地局と直接ワイヤレス通信しており、前記無線基地局が、gNodeBデバイスおよび次世代進化型ノードB(eNodeB)デバイスからなる群から選択される1つを含み、前記ネットワークトラフィックの輻輳が、前記ブロードバンドセルラーネットワークの前記無線基地局および物理ネットワーク機能(PNF)デバイスからなる群から選択される少なくとも1つの輻輳を含み、前記圧縮は、前記UEのユーザプレーンスタックのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤで実行される、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
選択的パケットペイロードデータ圧縮を自動的に有効にするかどうかを前記決定することは、前記現在のプロセッサ使用率を前記UEに対して設定された使用率閾値と比較し、前記決定することは、前記現在のプロセッサ使用率が前記使用率閾値以下であることに基づいて、選択的パケットペイロードデータ圧縮を有効にすると決定する、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記1または複数のデータパケットは、前記UEが前記ブロードバンドセルラーネットワークと確立した、サービス品質クラス識別子(QCI)に関連付けられた特定の専用論理チャネルでの送信用であり、前記方法は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかをチェックすることをさらに含み、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であるかどうかは、前記専用論理チャネルに関連付けられた前記QCIに基づいており、前記圧縮は、前記専用論理チャネルに対して圧縮が有効であることを示す前記チェックに基づいて実行される、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
制御センター404は、物理アクセスネットワーク上のS1ベアラリンク420を介してPNF430に接続されている。物理アクセスネットワークはまた、PNF430と通信する、マルチドメインオーケストレーション452およびサービスプログラマビリティフレームワーク454を提供する5Gオーケストレーションサービス450を含む。PNF430は、UEに輻輳をシグナリングするために本明細書で議論されるようなフレームを生成して転送するためのBCCHフレーマ432、ネットワーク機器のリソースを監視し、eNodeB、PNF、ベアラリンクなどのネットワーク機器の利用/過剰利用の指示を受信するためのリソースモニタ434、ネットワークの輻輳がいつ存在するかを判定するための輻輳検出ロジック436、eNodeBと通信/通話するためのeNodeBコネクタAPI438、どのデバイスがどのeNodeBにアクセスするかの表示を含むネットワークリソースのインベントリおよび構成情報を有するリソース構成マップ440、本明細書で説明する態様に従ってパケットを圧縮/解凍するための圧縮および解凍エンジン442、ネットワーク輻輳状況を識別し、輻輳信号をトリガするための閾値ポリシー444、およびPDCPベースのデータおよびペイロード圧縮設定の現在のレベルをデコードするためのPDCPステータス抽出器446を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10
【国際調査報告】