(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】分子線構造を有する多層分子膜フォトレジストおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20240910BHJP
C07F 3/00 20060101ALI20240910BHJP
C07F 5/00 20060101ALI20240910BHJP
C07F 7/00 20060101ALI20240910BHJP
C07F 7/28 20060101ALI20240910BHJP
C07C 321/26 20060101ALI20240910BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G03F7/004 531
C07F3/00 C
C07F5/00 C
C07F7/00 Z
C07F7/28 C
C07C321/26
G03F7/20 503
G03F7/20 521
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508377
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 KR2022012143
(87)【国際公開番号】W WO2023018308
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0106631
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0005166
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0101505
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515084292
【氏名又は名称】漢陽大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】Industry-University Cooperation Foundation Hanyang University
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】ソン ミョンモ
(72)【発明者】
【氏名】アン ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】パク ヨンウン
(72)【発明者】
【氏名】ジ ヒョンソク
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェヒョク
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
4H006
4H048
4H049
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197CE01
2H197HA03
2H225AM24P
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CB18
2H225CC01
2H225CC28
4H006AA03
4H006AB99
4H006TA04
4H048AA03
4H048AB99
4H048VA66
4H048VA80
4H048VB40
4H049VN05
4H049VN07
4H049VP01
4H049VQ37
4H049VR24
4H049VU24
(57)【要約】
多層分子膜フォトレジストを提供する。前記多層分子膜フォトレジストは、基板の上部方向にそれぞれ延び、横方向に多数個配置された分子線を備える。各分子線は、多数の無機単分子と前記無機単分子のうち少なくとも一部の無機単分子の間に介在した有機単分子が結合により連結されたものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上部方向にそれぞれ延び、横方向に多数個配置された分子線を備え、
各分子線は、多数の無機単分子と前記無機単分子のうち少なくとも一部の無機単分子の間に介在した有機単分子が結合により連結されたものである多層分子膜フォトレジスト。
【請求項2】
前記分子線のうち横方向に隣接する分子線内の前記有機単分子の間にファンデルワールス相互作用が存在する、請求項1に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項3】
前記ファンデルワールス相互作用は、π-π結合である、請求項2に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項4】
前記各分子線は、前記無機単分子と前記有機単分子が交互積層されて結合したものである、請求項1に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項5】
前記分子線に設けられた無機単分子は、横方向に同一に配置されて無機単分子層を構成し、
前記分子線に設けられた無機単分子は、横方向に同一に配置されて有機単分子層を構成する、請求項1に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項6】
前記多層分子膜フォトレジストは、光吸収無機単分子を備える光吸収層、光反応無機単分子を備える光反応層、および耐エッチング無機単分子を備える耐エッチング性層のうち少なくとも1つの層を有する、請求項5に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項7】
前記光吸収無機単分子は、dオービタルを備える金属元素を有する無機単分子である、請求項6に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項8】
前記金属元素は、Sn、Sb、Te、またはBiである、請求項7に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項9】
前記光反応無機単分子は、Zr、Al、Hf、Zn、またはInの金属元素を有する無機単分子である、請求項6に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項10】
前記耐エッチング無機単分子は、Al、Ti、W、Zn、またはCuの金属元素を有する無機単分子である、請求項6に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項11】
基板の上部方向にそれぞれ延び、横方向に多数個配置された分子線を備え、
前記各分子線は、下記化学式1で示す層を有する多層分子膜フォトレジスト:
【化1】
前記化学式1において、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、
MMは、金属元素を含む無機単分子であり、
OMは、有機単分子であり、
mは、1~2であり、nは、1~2であり、lは、1~1000である。
【請求項12】
前記有機単分子は、下記化学式3で表示される、請求項11に記載の多層分子膜フォトレジスト:
【化2】
前記化学式3において、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、
X
bは、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH
3)であり、
MRは、置換または非置換の芳香族環、またはC1~C18の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基であり、
MRが前記芳香環である場合に、Z
3およびZ
4は、相互に関係なく、結合あるいはC1~C5の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基であり、
MRが前記アルキレン基である場合に、Z
3およびZ
4は、結合である。
【請求項13】
Mは、dオービタルを備える金属元素を含む光吸収無機単分子、Zr、Al、Hf、Zn、またはInを含む光反応無機単分子、あるいはAl、Ti、Cu、W、またはZnを含む耐エッチング無機単分子である、請求項11に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項14】
前記化学式1で示す層は、下記化学式1Aで示す層である、請求項11に記載の多層分子膜フォトレジスト:
【化3】
前記化学式1Aにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、
M1は、dオービタルを備える金属元素を含む光吸収無機単分子であり、
O1は、有機単分子であり、
m1は、1~2であり、n1は、1~2であり、l1は、1~1000である。
【請求項15】
前記各分子線は、前記化学式1Aで示す層の上部または下部に下記化学式1Bで示す層を備える、請求項14に記載の多層分子膜フォトレジスト:
【化4】
前記化学式1Bにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、
M2は、Zr、Al、Hf、Zn、またはInを含む光反応無機単分子であり、
O2は、有機単分子であり、
m2は、1~2であり、n2は、1~2であり、l2は、1~1000である。
【請求項16】
前記各分子線は、前記化学式1Aで示す層の上部または下部に下記化学式1Cで示す層を備える、請求項14に記載の多層分子膜フォトレジスト:
【化5】
前記化学式1Cにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、
M3は、Al、Ti、Cu、W、またはZnを含む耐エッチング無機単分子であり、
O3は、有機単分子であり、
m3は、1~2であり、n3は、1~2であり、l3は、1~1000である。
【請求項17】
前記多層分子膜フォトレジストは、EUV用フォトレジストである、請求項1または請求項11に記載の多層分子膜フォトレジスト。
【請求項18】
基板の上部方向にそれぞれ延び、横方向に多数個配置された分子線を備え、前記各分子線は、下記化学式1で示す層を有する多層分子膜フォトレジストを製造し、かつ
前記化学式1で示す層は、基板上に金属単分子層を形成する段階と有機分子層を形成する段階を含むサイクルを多数回行って形成する多層分子膜フォトレジスト蒸着装備:
【化6】
前記化学式1において、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、
MMは、金属元素を含む無機単分子であり、
OMは、有機単分子であり、
mは、1~2であり、nは、1~2であり、lは、1~1000である。
【請求項19】
Mは、dオービタルを備える金属元素を含む光吸収無機単分子、Zr、Al、Hf、Zn、またはInを含む光反応無機単分子、あるいはAl、Ti、Cu、W、またはZnを含む耐エッチング無機単分子である、請求項18に記載の多層分子膜フォトレジスト蒸着装備。
【請求項20】
前記有機単分子は、下記化学式3で表示される、請求項18に記載の多層分子膜フォトレジスト蒸着装備:
【化7】
前記化学式3において、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、
X
bは、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH
3)であり、
MRは、置換または非置換の芳香族環、またはC1~C18の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基であり、
MRが前記芳香環である場合に、Z
3およびZ
4は、相互に関係なく、結合あるいはC1~C5の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基であり、
MRが前記アルキレン基である場合に、Z
3およびZ
4は、結合である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトレジストに関し、詳細には、EUV用フォトレジストに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジストに関連して持続的に研究がなされてきており、特に液体状態の感光液を製造した後、スピンコートして基板に蒸着する方式が最も活発に研究されてきた。このような伝統的なフォトレジストとして高分子樹脂、PAG(Photo-Acid Generator)、およびベース(クエンチャー、quencher)を含有する化学増幅フォトレジスト(Chemically Amplified Resist;CAR)が主に使用される。
【0003】
最近、半導体業界では、10nm以下の超微細パターンの形成が可能な極紫外線(Extreme Ultraviolet,EUV)光源を用いたEUV露光技術(Photo Lithography)を導入している。
【0004】
しかしながら、EUVは、193nmのDUV(deep UV)と比べて1/14と低い光子密度を有することにより、確率的不良(stochastic failure)、具体的には、化学確率的不良(chemical stochastic failure)を誘発することができる。例えば、前記CARの場合、低い光子密度によってPAGが反応する確率が低くて、ショット雑音が発生することがある。これと共に、CARの場合、高分子樹脂粒子のサイズが4nm以上と大きくて、比較的大きいラインエッジ粗さ(line edge roughness)を示す短所があると知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、光子吸収性に優れ、ラインエッジ粗さが低いフォトレジストを提供することにある。
【0006】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、多層分子膜フォトレジストを提供する。前記多層分子膜フォトレジストは、基板の上部方向にそれぞれ延び、横方向に多数個配置された分子線を備える。各分子線は、多数の無機単分子と前記無機単分子のうち少なくとも一部の無機単分子の間に介在した有機単分子が結合により連結されたものである。
【0008】
前記分子線のうち横方向に隣接する分子線内の前記有機単分子の間にファンデルワールス相互作用が存在することができる。前記ファンデルワールス相互作用は、π-π結合でありうる。
【0009】
前記各分子線は、前記無機単分子と前記有機単分子が交互積層されて結合したものであってもよい。
【0010】
前記分子線に設けられた無機単分子は、横方向に同一に配置されて無機単分子層を構成し、前記分子線に設けられた無機単分子は、横方向に同一に配置されて有機単分子層を構成することができる。
【0011】
前記多層分子膜フォトレジストは、光吸収無機単分子を備える光吸収層、光反応無機単分子を備える光反応層、および耐エッチング無機単分子を備える耐エッチング性層のうち少なくとも1つの層を有することができる。前記光吸収無機単分子は、dオービタルを備える金属元素を有する無機単分子でありうる。前記光吸収無機単分子内前記金属元素は、Sn、Sb、Te、またはBiでありうる。前記光反応無機単分子は、Zr、Al、Hf、Zn、またはInの金属元素を有することができる。前記耐エッチング無機単分子は、Al、Ti、W、Zn、またはCuの金属元素を有することができる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、多層分子膜フォトレジストの他の例を提供する。前記多層分子膜フォトレジストは、基板の上部方向にそれぞれ延び、横方向に多数個配置された分子線を備える。前記各分子線は、下記化学式1で示す層を有する。
【0013】
【化1】
前記学式1において、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、Mは、金属元素を含む無機単分子であり、Oは、有機単分子であり、mは、1~2であり、nは、1~2であり、lは、1~1000である。前記有機単分子は、下記化学式3で表され得る。
【0014】
【化2】
前記化学式3において、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、X
bは、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH
3)であり、MRは、置換または非置換の芳香族環、またはC1~C18の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基であり、MRが前記芳香環である場合に、Z
3およびZ
4は、相互に関係なく、結合あるいはC1~C5の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基であり、MRが前記アルキレン基である場合に、Z
3およびZ
4は、結合である。
【0015】
前記化学式1において、Mは、dオービタルを備える金属元素を含む光吸収無機単分子、Zr、Al、Hf、Zn、またはInを含む光反応無機単分子、あるいはAl、Ti、Cu、W、またはZnを含む耐エッチング無機単分子でありうる。
【0016】
前記化学式1で示す層は、下記化学式1Aで示す層でありうる。
【0017】
【化3】
前記化学式1Aにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、M1は、dオービタルを備える金属元素を含む光吸収無機単分子であり、O1は、有機単分子であり、m1は、1~2であり、n1は、1~2であり、l1は、1~1000でありうる。
【0018】
前記各分子線は、前記化学式1Aで示す層の上部または下部に下記化学式1Bで示す層を備えることができる。
【0019】
【化4】
前記化学式1Bにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、M2は、Zr、Al、Hf、Zn、またはInを含む光反応無機単分子であり、O2は、有機単分子であり、m2は、1~2であり、n2は、1~2であり、l2は、1~1000でありうる。
【0020】
前記各分子線は、前記化学式1Aで示す層の上部または下部に下記化学式1Cで示す層を備えることができる。
【0021】
【化5】
前記化学式1Cにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、M3は、Al、Ti、Cu、W、Znを含む耐エッチング無機単分子であり、O3は、有機単分子であり、m3は、1~2であり、n3は、1~2であり、l3は、1~1000でありうる。
【0022】
前記多層分子膜フォトレジストは、EUV用フォトレジストでありうる。
【0023】
本発明の他の実施形態によれば、多層分子膜フォトレジスト蒸着装備を提供することができる。前記多層分子膜フォトレジスト蒸着装備は、基板の上部方向にそれぞれ延び、横方向に多数個配置された分子線を備え、前記各分子線は、下記化学式1で示す層を有する多層分子膜フォトレジストを製造し、かつ前記化学式1で示す層は、基板上に金属単分子層を形成する段階と、有機分子層を形成する段階とを含むサイクルを多数回行って形成する。
【0024】
【化6】
前記化学式1において、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、Mは、金属元素を含む無機単分子であり、Oは、有機単分子であり、mは、1~2であり、nは、1~2であり、lは、1~1000である。前記有機単分子は、下記化学式3で表され得る。
【0025】
【化7】
前記化学式3において、*のうち1つは、下部層内の官能基との結合であり、残りの1つは、上部層内の官能基との結合であり、X
bは、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH
3)であり、MRは、置換または非置換の芳香族環、またはC1~C18の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基であり、MRが前記芳香環である場合に、Z
3およびZ
4は、相互に関係なく、結合あるいはC1~C5の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基であり、MRが前記アルキレン基である場合に、Z
3およびZ
4は、結合である。
【0026】
前記化学式1において、Mは、dオービタルを備える金属元素を含む光吸収無機単分子、Zr、Al、Hf、Zn、またはInを含む光反応無機単分子、あるいはAl、Ti、Cu、W、またはZnを含む耐エッチング無機単分子でありうる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施形態による多層分子膜フォトレジストは、露光および現象時に粒子でない分子線間を分離することにより、パターン側面粗さを意味するラインエッジ粗さ(Line Edge Roughness、LER)が1.2nm以下と非常に低くてもよく、また、解像度(resolution)も、6nm以下に大きく向上することができる。
【0028】
これと共に、多層分子膜フォトレジストは、一例において、EUVに対する光吸収率が非常に高い無機原子、具体的には、4dまたは5dオービタルを有する金属原子を備える光吸収無機単分子を含み、光子密度の低いEUVに対しても確率的欠陥(Stochastic Failure)が低く、高い光感度(ex.10mJ/cm2)を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による垂直分子線構造を有する多層分子膜フォトレジストを示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による垂直分子線構造を有する多層分子膜フォトレジストのうち光吸収層の他の例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態によるフォトリソグラフィ法を順次に示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態によるフォトリソグラフィ法を順次に示す概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態によるフォトリソグラフィ法を順次に示す概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態によるフォトリソグラフィ法を順次に示す概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態によるフォトリソグラフィ法を順次に示す概略図である。
【
図8】
図8は、無機分子層を形成するための単位サイクル構成を示す。
【
図9】
図9は、
図8を参照して形成した垂直設計された無機多層分子膜フォトレジストをパターニングした後に撮影したSEMイメージである。
【
図10】
図10は、垂直分子線構造を有する多層分子膜フォトレジストを形成するための単位サイクル構成を示す。
【
図11a】
図11aは、
図10を参照して説明した方法を使用して形成したフォトレジストをパターニングした後に撮影したSEMイメージである。
【
図11b】
図11bは、
図10を参照して説明した方法を使用して形成したフォトレジストをパターニングした後に撮影したSEMイメージである。
【
図11c】
図11cは、
図10を参照して説明した方法を使用して形成したフォトレジストをパターニングした後に撮影したSEMイメージである。
【
図12】
図12は、
図10を参照して説明した方法を使用して形成したフォトレジストの電子ビームに関する感度を示すグラフである。
【
図13a】
図13aは、EUVを照射する形態とドーズ条件を示す概略図である。
【
図13b】
図13bは、
図13aに示されたようなEUVを
図10を参照して説明した方法を使用して形成したHf前駆体を用いたフォトレジストに照射した場合に得られるフォトレジストパターンを撮影した光学写真である。
【
図14a】
図14aは、
図10を参照して説明した方法を使用して形成したZn前駆体を使用したフォトレジストを電子ビーム露光および現象後に得られたAFM(Atomic force microscopy)イメージである。
【
図14b】
図14bは、PMMAフォトレジストを電子ビーム露光および現象後に得られたAFM(Atomic force microscopy)イメージである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書において、金属は、すべての金属を含む概念であってもよいが、一例として、遷移金属、ポスト遷移金属、あるいは半金属でありうる。
【0031】
本明細書において、放射線は、一例として、EUVあるいはE-beamでありうる。しかしながら、場合によっては、これらに限定されない。
【0032】
本明細書において、単分子は、高分子でない分子を意味し、一例として、低分子(small molecule)、具体的には、原子数100個以下、具体的には、原子数30個以下の分子を意味する。
【0033】
本明細書において、分子があるいは官能基が「結合により連結される」は、これらが直接的に連結されたり、あるいはこれらの間に他の分子あるいは官能基が配置されて間接的に連結されたことを意味することもできる。
【0034】
本明細書において「炭素数(C)X~炭素数(C)Y」と記載した場合には、炭素数Xと炭素数Yの間のすべての整数に該当する数の炭素数を有する場合も一緒に記載されたものと解釈されるべきである。例えば、C1~C10で記載した場合、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、およびC10がすべて記載されたものと解釈されるべきである。
【0035】
本明細書において「X~Y」と記載した場合には、XとYの間のすべての整数に該当する数も一緒に記載されたものと解釈されるべきである。例えば、1~10と記載した場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10がすべて皆記載されたものと解釈されるべきである。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態による垂直分子線構造を有する多層分子膜フォトレジストを示す概略図である。
【0037】
図1を参照すると、基板10を提供することができる。前記基板は、半導体基板、ガラス基板、またはフレキシブル基板などの裸(bare)基板でありうる。例えば、前記フレキシブル基板は、高分子基板でありうる。前記基板上には、トランジスター、メモリー、ダイオード、太陽電池、光素子、生体センサー、ナノ電子機械システム(NEMS)、マイクロ電子機械システム(MEMS)、ナノ素子、または化学センサーなどの素子(不図示)が少なくとも1つ形成されたものであってもよい。前記素子は、有機発光ダイオード、有機太陽電池などの有機電子素子でありうる。このように、本実施形態において、基板10は、前記裸(bare)基板、または前記裸基板の上部に前記素子が形成されたものであってもよい。
【0038】
前記基板10上に被エッチング層20を形成することができる。前記被エッチング層20は、フォトレジストパターン形成後にフォトレジストパターンをエッチングマスクとしてエッチングされてパターンを形成する層であり、半導体工程で使用する様々な材質で形成されてもよい。一例として、前記被エッチング層20は、金属膜、半導体膜、絶縁膜、またはこれらのうちいずれか1つが含まれた複合膜でありうる。前記金属膜は、配線を形成するためのものであり、アルミニウム、タングステン、チタン、またはこれらのうちいずれか1つが含まれた複合膜でありうる。前記半導体膜は、シリコン膜、例えば、単結晶シリコン、ポリシリコーン、非晶質シリコン膜、またはこれらのうちいずれか1つが含まれた複合膜でありうる。前記絶縁膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などの無機絶縁膜;非晶質炭素膜などの有機絶縁膜;またはこれらのうちいずれか1つが含まれた複合膜でありうる。一例において、前記被エッチング層20は、前記裸(bare)基板であってもよい。
【0039】
前記被エッチング層20の表面官能基、一例として、ヒドロキシ基、チオール基、アミン基、またはホスフィン基(phosphine group)を備えたり、あるいはこれを備えるように表面処理されたものであってもよい。
【0040】
前記被エッチング層20上に分子線構造を有する多層分子膜フォトレジスト30を形成することができる。
【0041】
前記多層分子膜フォトレジスト30は、それぞれが無機単分子(M1、M2、またはM3)が直接または間接に結合により連結された分子線MLを横方向に多数個備えるものであってもよい。この際、間接的に連結されているというのは、無機単分子M1、M2、またはM3の間に他の単分子、一例として後述する有機単分子O1、O2、またはO3、あるいは官能基が結合していることを意味する。前記結合は、共有結合または配位結合でありうる。一例において、前記分子線MLは、基板10に対して上部方向、一例として、垂直方向にそれぞれ延びてもよく、前記横方向は、基板10の表面と実質的に平行な方向でありうる。
【0042】
本実施形態において、多層分子膜フォトレジスト30は、原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition)あるいは分子層蒸着法(Molecular Layer Deposition)を用いて形成されるので、多層分子膜フォトレジスト30内のほぼすべての分子線MLは、実質的に同一積層構造を有することができる。その結果、多層分子膜フォトレジスト30内の分子線MLは、横方向に同じ無機単分子層と同じ有機単分子層を有することができる。言い換えれば、前記分子線に設けられた無機単分子は、横方向に同一に配置されて無機単分子層を構成し、前記分子線に設けられた有機単分子は、横方向に同一に配置されて有機単分子層を構成することができる。
【0043】
前記多層分子膜フォトレジスト30は、有・無機多層分子膜フォトレジストでありうる。具体的には、前記多層分子膜フォトレジスト30は、各分子線MLに含まれた一部の無機単分子M1、M2、M3の間に有機単分子O1、O2、O3が介在して結合したものを意味する。この場合、前記多層分子膜フォトレジスト30は、有機単分子O1、O2、O3と無機単分子M1、M2、M3が結合により連結された分子線MLを横方向に多数個備え、前記分子線MLのうち互いに隣接する分子線ML内の有機単分子O1、O2、O3の間にファンデルワールス相互作用VIを有するものでありうる。この際、ファンデルワールス相互作用VIは、横方向に隣接する分子線MLを安定化させて、高い縦横比を有する場合にも、パターンが崩れないようにする役割をすることができる。前記ファンデルワールス相互作用は、一例において、芳香族基間のπ-π結合でありうる。
【0044】
前記多層分子膜フォトレジスト30は、下記化学式1で表示される層構成を有することができる。
【0045】
【化8】
前記化学式1において、*のうち1つは、下部層内の官能基あるいは下部単分子内官能基との結合であってもよく、残りの1つは、上部層内の官能基あるいは上部単分子内官能基との結合であってもよい。この際、結合は、一例として、共有結合であってもよい。OMは、有機単分子でありうる。具体的には、前記OMは、下記化学式3で表示される有機単分子でありうる。前記化学式1において、mは、0~10であってもよく、nは、1~10であってもよく、lは、1~10000、具体的には、20~1000、さらに具体的には、25~100でありうる。具体的には、mは、1~2、一例として、mは、1でありうる。nも、1~2、一例として、nは、1でありうる。
【0046】
MMは、金属元素を含む無機単分子、具体的には、有機金属単分子でありうる。MMは、一例として、dオービタルを備える金属元素を含む光吸収無機単分子、Zr、Al、Hf、Zn、またはInを含む光反応無機単分子、あるいはAl、Ti、Cu、W、またはZnを含む耐エッチング無機単分子でありうる。前記dオービタル、具体的には、4dまたは5dオービタルを備える金属元素は、一例として、Sn、Sb、Te、またはBiでありうる。ここで、無機単分子の区分は、主機能を指すものであり、記載されたすべての無機単分子は、光吸収と光反応を行うことができる。前記MMは、下記化学式2、具体的には、下記化学式2A、2B、または2Bで表示される有機金属単分子でありうる。
【0047】
【化9】
前記化学式2において、*のうち1つは、下部層内の官能基あるいは下部単分子内官能基との結合であってもよく、残りの1つは、上部層内の官能基あるいは上部単分子内官能基との結合であってもよい。この際、結合は、一例として、共有結合であってもよい。Z
1およびZ
2は、相互に関係なく、結合、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレン基、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンオキシド、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンアミノ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンシリルアミノ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンチオ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンセレノ、またはC1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンホスフィノでありうる。M
0は、dオービタルを備える光吸収金属原子、Zr、Al、Hf、Zn、またはInなどの光反応金属原子、あるいはAl、Ti、Cu、W、またはZnなどの耐エッチング金属原子でありうる。前記dオービタル、具体的には、4dまたは5dオービタルを備える金属元素は、一例として、Sn、Sb、Te、またはBiでありうる。X
aは、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH
3)でありうる。
【0048】
LaとLbは、M0に結合したリガンドであり、当該リガンドの個数であるnaとnbの和は、M0によって起因する配位数によって決定することができる。例えば、naとnbの和は、1~4の整数でありうる。LaとLbは、相互に関係なく、ハロゲン基(ex.Cl、Br、またはI)、C1~C5のアルキル基、C1~C5のアルキルシリルアミノ基、C1~C5のアルコキシ基、C1~C5のアルキルチオ基、C1~C5のアルキルセレノ基、またはC1~C5のアルキルアミノ基、またはC1~C5のアルキルホスフィノ基でありうる。ここで、C1~C5のアルキル基は、置換または非置換の、線状または分岐状アルキル基でありうる。また、前記化学式2において、naおよび/またはnbが2以上の場合、Laおよび/またはLbは、上記例示のうち、相互に関係なく、選択することができる。一例において、naとnbの和が2以上の場合、LaとLbのうち2つは、これらが付着したM0と結合してヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成することができる。Z1、Z2、La、またはLbとM0の間の各結合は、相互に関係なく、共有結合または配位結合であってもよい。
【0049】
一例において、前記多層分子膜フォトレジスト30は、前記無機単分子、具体的には、有機金属単分子の種類によって区分される光吸収層FL1、光反応層FL2、および耐エッチング性層FL3のうち少なくとも1つの層を備えることができる。この際、各層の区分は、主機能を指すものであり、すべての層は、光吸収による二次電子の発生および後述する光反応を行うこともできる。一例として、前記多層分子膜フォトレジスト30は、少なくとも光吸収層FL1を含んでもよい。前記光吸収層FL1、光反応層FL2、および耐エッチング性層FL3の積層順序は、前記被エッチング層20の種類および/またはフォトリソグラフィを通じて形成しようとするパターンの種類によって変わることができる。
【0050】
前記光吸収層FL1は、放射線、具体的には、EUVまたはE-beam吸収率に優れており、放射線を吸収して二次電子を生成できる層でありうる。前記光吸収層FL1は、下記化学式1Aで表示される層構成を有することができる。
【0051】
【化10】
前記化学式1Aにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基あるいは下部単分子内官能基との結合であってもよく、残りの1つは、上部層内の官能基あるいは上部単分子内官能基との結合であってもよい。この際、結合は、一例として、共有結合であってもよい。M1は、光吸収無機単分子であり、一例として、dオービタル、具体的には、4dまたは5dオービタルを備える金属元素、一例として、Sn、Sb、Te、またはBiを含む有機金属単分子であってもよく、O1は、有機単分子でありうる。また、m1は、0~10であってもよく、n1は、1~10であってもよく、l1は、1~1000でありうる。具体的には、m1は、1~2、一例として、m1は、1でありうる。n1も、1~2、一例として、n1は、1でありうる。前記光吸収無機単分子M1は、下記化学式2Aで表示される光吸収有機金属単分子であってもよく、前記化学式1Aにおいて、n1が2以上あるいはl1が2以上の場合、各層の光吸収無機単分子M1は、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0052】
【化11】
前記化学式2Aにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基あるいは下部単分子内官能基との結合であってもよく、残りの1つは、上部層内の官能基あるいは上部単分子内官能基との結合であってもよい。この際、結合は、一例として、共有結合であってもよい。Z
1およびZ
2は、相互に関係なく、結合、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレン基、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンオキシド、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンアミノ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンシリルアミノ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンチオ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンセレノ、またはC1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンホスフィノでありうる。M
aは、放射線、具体的には、EUVまたはE-beam吸収率が優れた無機原子、一例として、dオービタル、一例として、4dまたは5dオービタルを有する金属原子でありうる。前記金属原子は、具体的には、Sn、Bi、Sb、またはTeでありうる。X
aは、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH3)でありうる。
【0053】
前記化学式2Aにおいて、L1とL2は、Maに結合したリガンドであり、当該リガンドの個数であるn1とn2の和は、Maによって起因する配位数によって決定することができる。例えば、n1とn2の和は、1~4の整数でありうる。L1とL2は、相互に関係なく、ハロゲン基(ex.Cl、Br、またはI)、C1~C5のアルキル基、C1~C5のアルキルシリルアミノ基、C1~C5のアルコキシ基、C1~C5のアルキルチオ基(alkylthio group)、C1~C5のアルキルセレノ基(alkylseleno group)、C1~C5のアルキルアミノ(alkylamino group)、またはC1~C5のアルキルホスフィノ(alkylphosphino group)でありうる。ここで、C1~C5のアルキル基は、置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキル基でありうる。また、前記化学式2Aにおいて。n1および/またはn2が2以上の場合、L1および/またはL2は、上記例示のうち、相互に関係なく、選択することができる。一例において、n1とn2の和が2以上の場合、L1とL2のうち2つは、これらが付着したMaと結合してヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成することができる。Z1、Z2、L1、またはL2とMaの間の各結合は、相互に関係なく、共有結合または配位結合であってもよい。
【0054】
前記有機単分子O1は、下記化学式3で表示され得、前記化学式1Aにおいて、m1が2以上あるいはl1が2以上の場合、各層の有機単分子O1は、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0055】
【化12】
前記化学式3において、*のうち1つは、下部層内の官能基あるいは下部単分子内官能基との結合であってもよく、残りの1つは、上部層内の官能基あるいは上部単分子内官能基との結合であってもよい。この際、結合は、一例として、共有結合であってもよい。X
bは、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH
3)でありうる。
【0056】
一例において、前記化学式3のMRは、置換または非置換の芳香族環でありうる。ここで、置換は、芳香環の水素が様々な官能基で置換されたものでありうる。MRが芳香環である場合に、Z3およびZ4は、相互に関係なく、結合あるいはC1~C5の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基でありうる。ここで、置換は、アルキレン基の水素がOH、SH、SeH、NR2(Rは相互に関係なく、HまたはCH3)またはPR2(Rは相互に関係なく、HまたはCH3)で置換されたものでありうる。
【0057】
他の例において、前記化学式3のMRは、C1~C18の置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキレン基でありうる。置換は、アルキレン基の水素が放射線によって架橋結合が可能な官能基、一例として、ビニル基を含む官能基による置換またはOH、SH、SeH、NR2(Rは相互に関係なく、HまたはCH3)またはPR2(Rは相互に関係なく、HまたはCH3)で置換されたものを意味する。MRがアルキレン基である場合に、Z3およびZ4は、結合であってもよい。
【0058】
前記多層分子膜フォトレジスト30は、前記光吸収層FL1以外に光反応層FL2をさらに備えることができる。前記光反応層FL2は、下記化学式1Bで表示される層構成を有することができる。
【0059】
【化13】
前記化学式1Bにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基あるいは下部単分子内官能基との結合であってもよく、残りの1つは、上部層内の官能基あるいは上部単分子内官能基との結合であってもよい。ここで、結合は、一例として、共有結合であってもよい。M2は、光反応無機単分子であり、一例として、Zr、Al、Hf、Zn、またはInを含む有機金属単分子であってもよく、O2は、有機単分子でありうる。また、m2は、0~10であってもよく、n2は、1~10であってもよく、l2は、1~1000でありうる。具体的には、m2は、1~2、一例として、m2は、1でありうる。n2も、1~2、一例として、n2は、1でありうる。
【0060】
前記光反応無機単分子M2は、下記化学式2Bで表示される光反応有機金属単分子であってもよく、前記化学式2Bにおいて、n2が2以上あるいはl2が2以上の場合、各層の光反応無機単分子M2は、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0061】
【化14】
前記化学式2Bにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基あるいは下部単分子内官能基との結合であってもよく、残りの1つは、上部層内の官能基あるいは上部単分子内官能基との結合であってもよい。ここで、結合は、一例として、共有結合であってもよい。Z
1およびZ
2は、相互に関係なく、結合、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレン基、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンオキシド、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンアミノ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンシリルアミノ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンチオ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンセレノ、またはC1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンホスフィノでありうる。M
bは、金属原子であり、具体的には、Zr、Al、Hf、Zn、またはInでありうる。X
aは、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH
3)でありうる。
【0062】
L3とL4は、Mbに結合したリガンドであり、当該リガンドの個数であるn1とn2の和は、Mbによって起因する配位数によって決定することができる。例えば、n1とn2の和は、1~4の整数でありうる。L3とL4は、相互に関係なく、ハロゲン基(ex.Cl、Br、またはI)、C1~C5のアルキル基、C1~C5のアルキルシリルアミノ基、C1~C5のアルコキシ基、C1~C5のアルキルチオ基、C1~C5のアルキルセレノ基、またはC1~C5のアルキルアミノ基、またはC1~C5のアルキルホスフィノ基でありうる。ここで、C1~C5のアルキル基は、置換または非置換の、線状または分岐状アルキル基でありうる。また、前記化学式2Bにおいて、n1および/またはn2が2以上の場合、L3および/またはL4は、上記例示のうち、相互に関係なく、選択することができる。一例において、n1とn2の和が2以上の場合、L3とL4のうち2つは、これらが付着したMbと結合してヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成することができる。Z1、Z2、L3、またはL4とMbの間の各結合は、相互に関係なく、共有結合または配位結合であってもよい。
【0063】
前記有機単分子O2は、前記化学式3で表され得る。ただし、前記光吸収層FL1内の有機単分子O1と同じでも異なっていてもよく、また、前記化学式1Bにおいて、m2が2以上あるいはl2が2以上の場合、各層の有機単分子O2は、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0064】
前記光吸収層FL1で生成された二次電子によってあるいは光反応無機単分子M2および/または下記耐エッチング無機単分子M3に含まれた金属で生成された二次電子によって、隣接する分子線ML内の光反応無機単分子M2の間に架橋結合を形成することができる。具体的には、互いに隣接する光反応無機単分子M2の間のMb-L4およびL3-Mb結合は、前記二次電子によって反応して、Mb-Y2-Mb結合を形成することができる。このようなMb-Y2-Mb結合は、露光によって形成された多層分子膜フォトレジストパターンを現象する現象剤、一例として、現象気体あるいは現象プラズマによってエッチングされなくてもよい。このために、前記Mbの種類は、上記のように選択することができる。ここで、Y2は、O、S、Se、N、またはPでありうる。
【0065】
しかしながら、これに限定されず、前記光吸収層FL1で生成された二次電子によって隣接する分子線ML内の光吸収無機単分子M1の間にも架橋結合を形成することができる。具体的には、前記隣接する光吸収無機単分子M1の間のMa-L2およびL1-Ma結合は、前記二次電子によって反応して、Ma-Y1-Ma結合を形成することができる。この結合も、現象剤によってエッチングされなくてもよい。ここで、Y1は、O、S、Se、N、またはPでありうる。
【0066】
前記多層分子膜フォトレジスト30は、前記光吸収層FL1以外に耐エッチング層FL3をさらに備えることができる。前記耐エッチング層FL3は、下記化学式1Cで表示される層構成を有することができる。
【0067】
【化15】
前記化学式1Cにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基あるいは下部単分子内官能基との結合であってもよく、残りの1つは、上部層内の官能基あるいは上部単分子内官能基との結合であってもよい。ここで、結合は、一例として、共有結合であってもよい。M3は、耐エッチング無機単分子であり、一例として、Al、Ti、Cu、W、またはZnを含む有機金属単分子であってもよく、O3は、有機単分子でありうる。また、m3は、0~10であってもよく、n3は、1~10であってもよく、l3は、1~1000でありうる。具体的には、m3は、1~2、一例として、m3は、1でありうる。また、n3は、1~2、一例としてn3は、1でありうる。
【0068】
前記耐エッチング無機単分子M3は、下記化学式2Cで表示される耐エッチング有機金属単分子であってもよく、前記化学式1Cにおいて、n3が2以上あるいはl3が2以上の場合、各層の耐エッチング無機単分子M3は、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0069】
【化16】
前記化学式2Cにおいて、*のうち1つは、下部層内の官能基あるいは下部単分子内官能基との結合であってもよく、残りの1つは、上部層内の官能基あるいは上部単分子内官能基との結合であってもよい。ここで、結合は、一例として、共有結合であってもよい。Z
1およびZ
2は、相互に関係なく、結合、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレン基、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンオキシド、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンアミノ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンシリルアミノ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンチオ、C1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンセレノ、またはC1~C20の置換または非置換の線状または分岐状アルキレンホスフィノでありうる。M
cは、金属原子であり、具体的には、Al、Ti、W、Zn、またはCuでありうる。X
aは、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH
3)でありうる。
【0070】
L5とL6は、Mcに結合したリガンドであり、当該リガンドの個数であるn1とn2の和は、Mcによって起因する配位数によって決定することができる。例えば、n1とn2の和は、1~4の整数でありうる。L5とL6は、相互に関係なく、ハロゲン基(ex.Cl、Br、またはI)、C1~C5のアルキル基、C1~C5のアルキルシリルアミノ基、C1~C5のアルコキシ基、C1~C5のアルキルチオ基、C1~C5のアルキルセレノ基、またはC1~C5のアルキルアミノ基、またはC1~C5のアルキルホスフィノ基でありうる。ここで、C1~C5のアルキル基は、置換または非置換の、線状または分岐状アルキル基でありうる。また、前記化学式2Cにおいて、n1および/またはn2が2以上の場合、L5および/またはL6は、上記例示のうち、相互に関係なく、選択することができる。一例において、n1とn2の和が2以上の場合、L5とL6のうち2つは、これらが付着したMcと結合してヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成することができる。Z1、Z2、L5、またはL6とMcの間の各結合は、相互に関係なく、共有結合または配位結合であってもよい。
【0071】
前記有機単分子O3は、前記化学式3で表され得る。前記有機単分子O3は、前記光吸収層FL1内の有機単分子O3あるいは前記光反応層FL2内の有機単分子O2と同じでも異なっていてもよく、また、前記化学式1Cにおいて、m3が2以上あるいはl3が2以上の場合、各層の有機単分子O3は、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0072】
前記光吸収層FL1で生成された二次電子によってあるいは光反応無機単分子M2および/または耐エッチング無機単分子M3に含まれた金属で生成された二次電子によって、隣接する分子線ML内の耐エッチング無機単分子M3の間に架橋結合を形成することができる。具体的には、互いに隣接する前記耐エッチング無機単分子M3内Mc-L5またはMc-L6結合は、前記二次電子によって反応して、Mc-Y3-Mc結合を形成することができる。このようなMc-Y3-Mc結合は、現象剤によってエッチングされなくてもよく、また、前記被エッチング層20をエッチングするエッチング剤、一例として、プラズマによってもエッチングされなくてもよい。このために、上記のようにMcの種類を選択することができる。ここで、Y3は、O、S、Se、N、またはPでありうる。
【0073】
図2は、本発明の一実施形態による垂直分子線構造を有する多層分子膜フォトレジストのうち光吸収層の他の例を示す概略図である。
【0074】
図2に示された光吸収層FL
1は、
図1のm1が1、n1が1、そしてl1が2の場合である。
図2において光吸収層FL
1を例示として図示したが、
図1の光反応層FL
2および/または耐エッチング層FL
3も、このような例示的構造のうち1つを有することもできる。
【0075】
このように、前記化学式1、1A、1B、または1Cにおいて、m、m1、m2、m3とn、n1、n2、n3が全部1の場合、前記多層分子膜フォトレジスト30は、無機単分子MM、M1、M2、またはM3と有機単分子OM、O1、O2、またはO3が交互積層された構造を有することができ、この場合、無機単分子MM、M1、M2、またはM3の間ごとに有機単分子OM、O1、O2、またはO3が配置され、無機単分子MM、M1、M2、またはM3と有機単分子OM、O1、O2、またはO3が全部下部(単分子)層に自己組織化され得る。その結果、前記分子線MLは、互いに離隔して配置された状態で基板10に対して上部方向、一例として、垂直方向にそれぞれ延びてもよい。
【0076】
図3~
図7は、本発明の一実施形態によるフォトリソグラフィ法を順次に示す概略図である。
図3~
図7は、説明の便宜のために、多層分子膜フォトレジスト30は、
図1のn1、n2、n3、m1、m2、m3、l1、l2、およびl3が全部1の場合を例示的に示し、無機単分子M1、M2、M3を示す化学式2A、2B、および2Cにおいて、Z1とZ2が全部結合であり、n1とn2が全部1の場合を例示的に示す。
【0077】
図3を参照すると、被エッチング層20が形成された基板10を提供することができる。基板10と被エッチング層20は、
図1を参照して説明したのと同じであり得る。
【0078】
前記被エッチング層20上に多層分子膜フォトレジスト30を形成することができる。前記多層分子膜フォトレジスト30は、後述することを除いては、
図1を参照して説明した実施例と同じであり得る。一実施形態において、前記多層分子膜フォトレジスト30は、耐エッチング性層FL
3、光吸収層FL
1、および光反応層FL
2が順に積層されたものを例示として説明するが、これに限定されず、積層順序は、前記被エッチング層20の種類および/またはフォトリソグラフィを通じて形成しようとするパターンの種類によって変わることができる。前記多層分子膜フォトレジスト30は、原子層蒸着装備あるいは分子層蒸着装備を用いて形成することができる。
【0079】
一例として、前記被エッチング層20上に光吸収層FL1を形成することができる。前記光吸収層FL1を形成することは、原子層蒸着法、具体的には、分子層蒸着法を用いて行うことができる。
【0080】
一例において、前記光吸収層FL1は、光吸収金属単分子層M1を形成する段階と有機分子層O1を形成する段階を含むサイクルを複数回(化学式1Aのl1)行って形成されてもよい。有機分子層O1を形成する段階で有機前駆体をドージングし、下部層に有機前駆体を自己組織化方式で化学結合させる有機前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の有機前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。
【0081】
ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。
【0082】
前記有機前駆体は、下記化学式4で表され得る。
【0083】
【化17】
前記化学式4において、R
a1とR
a2は、相互に関係なく、水素またはC1~C2のアルキル基であってもよく、X
bおよびX
aは、相互に関係なく、O、S、Se、NR(RはHまたはCH
3)またはPR(RはHまたはCH
3)でありうる。なお、Z
3、Z
4、およびMRは、前記化学式3で定義した通りである。
【0084】
前記有機前駆体の具体的例示は、次のとおりである。
【0085】
【0086】
【0087】
【化20】
前記有機前駆体ドージング段階で下記反応式1による反応が起こり得る。
【0088】
【化21】
前記反応式1において、R
0は、下部層表面上の官能基であり、R
0は、水素、ヒドロキシ基、チオール基、アミン基、ホスフィン基(phosphine group)、C1~C5のアルキル基、C1~C5のアルコキシ、C1~C5のアルキルチオ基、C1~C5のアルキルセレノ基、C1~C5のアルキルアミン基、またはC1~C5のアルキルホスフィノ基でありうる。R
a1X
b-Z
3-MR-Z
4-X
aR
a2は、有機前駆体であり、各官能基は、前記化学式4で定義した通りである。
【0089】
前記反応式1を参照すると、有機前駆体は、下部層表面上の官能基と反応して下部層上に自己組織化され得る。この過程でR0Ra1が反応副産物として生成され得る。その後、パージ段階で残存する有機前駆体と前記反応副産物をパージすることができる。
【0090】
光吸収金属単分子層M1を形成する段階で金属前駆体をドージングし、下部層に金属前駆体を自己組織化方式で化学結合させる金属前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の金属前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。
【0091】
前記光吸収金属単分子層M1を形成するための金属前駆体は、下記化学式5Aで表され得る。
【0092】
【化22】
前記化学式5Aにおいて、R
b1とR
b2は、相互に関係なく、ハロゲン基(ex.Cl、Br、またはI)、C1~C5のアルキル基、C1~C5のアルキルシリルアミノ基、C1~C5のアルコキシ、C1~C5のアルキルチオ基、C1~C5のアルキルセレノ基、C1~C5のアルキルアミノ基、またはC1~C5のアルキルホスフィノ基でありうる。ここで、C1~C5のアルキル基は、置換または非置換の線状または分岐状アルキル基でありうる。Z
1、Z
2、L
1、L
2、n1、n2、およびM
aは、化学式2Aに定義した通りである。これに加えて、場合によっては、R
b1、R
b2、L
1、およびL
2のうち2つは、これらが直間接に結合したM
aと結合してヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成することができる。あるいは、R
b1とR
b2のうち少なくとも1つは、M
aに配位結合された状態でありうる。
【0093】
前記光吸収金属単分子層M1を形成するための金属前駆体の具体的例示は、次のとおりである。
【0094】
【0095】
【化24】
前記金属前駆体においてR
1、R
2、R
3、およびR
4は、相互に関係なく、C1~C5のアルキル基でありうる。
【0096】
前記金属前駆体ドージング段階で下記反応式2による反応が起こり得る。
【0097】
【化25】
前記反応式2において、*-X
aR
a2は、下部層の表面官能基、具体的には、上記で形成した有機分子層O1の表面官能基であり、化学式5Aの金属前駆体は、上記で形成した有機分子層O1の表面官能基と反応して有機分子層O1の表面上に自己組織化され得る。この過程でR
a2R
b1が反応副産物として生成され得る。その後、パージ段階で残存する金属前駆体と前記反応副産物をパージすることができる。前記反応式2において、各官能基は、化学式4および化学式5Aで定義されたのと同じであり得る。
【0098】
図示とは異なって、前記光吸収層FL1が多数の金属単分子層M1で形成された場合(化学式1Aのn1が2以上の場合)、上記で説明した反応式2による金属前駆体ドージング段階およびパージ段階を行った後、反応ガスをドージングし、前記下部層に化学結合された金属前駆体と反応させる反応ガスドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の反応ガスおよび反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを繰り返すことができる。この際、反応ガスは、水素、酸素を含むガス(ex.O2、O3、H2O)、窒素を含むガス(ex.NH3)等でありうる。
【0099】
前記光吸収層FL1上にまたは前記光吸収層FL1を形成する前に、前記基板上に光反応層FL2を形成することができる。前記光反応層FL2を形成することは、原子層蒸着法、具体的には、分子層蒸着法を用いて行うことができる。
【0100】
一例として、前記光反応層FL2は、光反応金属単分子層M2を形成する段階と有機分子層O2を形成する段階を含むサイクルを行って形成されてもよい。有機分子層O2を形成する段階は、前記光吸収層FL1で説明した有機分子層O1を形成する方法と同一または類似の方法を用いて形成することができる。ただし、反応式1の有機前駆体ドージング段階で、-R0は、前記反応式2に記載された下部層上に自己組織化された金属前駆体の末端基である-Rb2で置換されてもよい。光反応金属単分子層M2を形成する段階は、金属前駆体をドージングし、下部層に金属前駆体を自己組織化方式で化学結合させる金属前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の金属前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。
【0101】
前記光反応金属単分子層M2を形成するための金属前駆体は、下記化学式5Bで表され得る。
【0102】
【化26】
前記化学式5Bにおいて、R
b1とR
b2は、相互に関係なく、ハロゲン基(ex.Cl、Br、またはI)、C1~C5のアルキル基、C1~C5のアルキルシリルアミノ基、C1~C5のアルコキシ、C1~C5のアルキルチオ基、C1~C5のアルキルセレノ基、C1~C5のアルキルアミノ基、またはC1~C5のアルキルホスフィノ基でありうる。ここで、C1~C5のアルキル基は、置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキル基でありうる。Z
1、Z
2、L
3、L
4、n1、n2、およびM
bは、化学式2Bに定義した通りである。これに加えて、場合によっては、R
b1、R
b2、L
3、およびL
4のうち2つは、これらが直間接に結合したMbと結合してヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成することができる。あるいは、R
b1とR
b2のうち少なくとも1つは、M
bに配位結合された状態でありうる。
【0103】
前記光反応金属単分子層M2を形成するための金属前駆体の具体的例示は、次のとおりである。
【0104】
【化27】
前記金属前駆体ドージング段階で下記反応式3による反応が起こり得る。
【0105】
【化28】
前記反応式3において、*-X
aR
a2は、下部層の表面官能基、具体的には、上記で形成した有機分子層O2の表面官能基であり、化学式5Bの金属前駆体は、上記で形成した有機分子層O2の表面官能基と反応して有機分子層O2の表面上に自己組織化され得る。この過程でR
a2R
b1が反応副産物として生成され得る。その後、パージ段階で残存する金属前駆体と前記反応副産物をパージすることができる。前記反応式3で、各官能基は、化学式4および化学式5Bで定義されたのと同じであり得る。
【0106】
図示とは異なって、前記光反応層FL1が多数の金属単分子層M2で形成された場合(化学式1Bのn2が2以上の場合)、上記で説明した反応式3による金属前駆体ドージング段階およびパージ段階を行った後、反応ガスをドージングし、前記下部層に化学結合された金属前駆体と反応させる反応ガスドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の反応ガスおよび反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを繰り返すことができる。この際、反応ガスは、水素、酸素を含むガス(ex.O2、O3、H2O)、窒素を含むガス(ex.NH3)等でありうる。
【0107】
前記光吸収層FL1上にまたは前記光吸収層FL1を形成する前に、前記基板上に耐エッチング層FL3を形成することができる。前記耐エッチング層FL3を形成することは、原子層蒸着法、具体的には、分子層蒸着法を用いて行うことができる。
【0108】
一例として、前記耐エッチング層FL3は、耐エッチング金属単分子層M3を形成する段階と有機分子層O3を形成する段階を含むサイクルを行って形成されてもよい。有機分子層O3を形成する段階は、前記光吸収層FL1で説明した有機分子層O1を形成する方法と同一または類似の方法を用いて形成することができる。ただし、反応式1の有機前駆体ドージング段階で、-R0は、被エッチング側の表面上に結合した表面作用基でありうる。
【0109】
耐エッチング金属単分子層M3を形成する段階は、金属前駆体をドージングし、下部層に金属前駆体を自己組織化方式で化学結合させる金属前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の金属前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。
【0110】
前記耐エッチング金属単分子層M3を形成するための金属前駆体は、下記化学式5Cで表され得る。
【0111】
【化29】
前記化学式5Cにおいて、R
b1とR
b2は、相互に関係なく、ハロゲン基(ex.Cl、Br、またはI)、C1~C5のアルキル基、C1~C5のアルキルシリルアミノ基、C1~C5のアルコキシ、C1~C5のアルキルチオ基、C1~C5のアルキルセレノ基、C1~C5のアルキルアミノ基、またはC1~C5のアルキルホスフィノ基でありうる。ここで、C1~C5のアルキル基は、置換または非置換の、そして線状または分岐状アルキル基でありうる。Z
1、Z
2、L
5、L
6、n1、n2、およびM
cは、化学式2Cに定義した通りである。これに加えて、場合によっては、R
b1、R
b2、L
5、およびL
6のうち2つは、これらが直間接に結合したM
cと結合してヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成することができる。あるいは、R
b1とR
b2のうち少なくとも1つは、M
cに配位結合された状態でありうる。
【0112】
前記耐エッチング金属単分子層M3を形成するための金属前駆体の具体的例示は、次のとおりである。
【0113】
【化30】
前記金属前駆体ドージング段階で下記反応式4による反応が起こり得る。
【0114】
【化31】
前記反応式4において、-X
aR
a2は、下部層の表面官能基、具体的には、上記で形成した有機分子層O3の表面官能基であり、化学式5Cの金属前駆体は、上記で形成した有機分子層O3の表面官能基と反応して有機分子層O3の表面上に自己組織化され得る。この過程でR
a2R
b1が反応副産物として生成され得る。その後、パージ段階で残存する金属前駆体と前記反応副産物をパージすることができる。前記反応式4において、各官能基は、化学式4および化学式5Cで定義されたのと同じであり得る。
【0115】
図示とは異なって、前記耐エッチング層FL1が多数の金属単分子層M3で形成された場合(化学式1Cのn3が2以上の場合)、上記で説明した反応式4による金属前駆体ドージング段階およびパージ段階を行った後、反応ガスをドージングし、前記下部層に化学結合された金属前駆体と反応させる反応ガスドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の反応ガスおよび反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを繰り返すことができる。この際、反応ガスは、水素、酸素を含むガス(ex.O2、O3、H2O)、窒素を含むガス(ex.NH3)等でありうる。
【0116】
しかしながら、上記に限定されず、本発明の他の実施形態において、前記多層分子膜フォトレジスト30は、金属単分子層(化学式1のMM)を形成する段階と有機分子層(化学式1のOM)を形成する段階を含むサイクルを行って形成されてもよい。前記有機分子層(化学式1のOM)を形成する段階は、前記化学式4の有機前駆体をドージングし、下部層に有機前駆体を自己組織化方式で化学結合させる有機前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の有機前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。前記有機前駆体ドージング段階で前記反応式1による反応が起こり得る。
【0117】
前記金属単分子層(化学式1のMM)を形成する段階は、下記化学式5の金属前駆体をドージングし、下部層に金属前駆体を自己組織化方式で化学結合させる金属前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の金属前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。
【0118】
【化32】
前記化学式5において、R
b1とR
b2は、相互に関係なく、ハロゲン基(ex.Cl、Br、またはI)、C1~C5のアルキル基、C1~C5のアルキルシリルアミノ基、C1~C5のアルコキシ、C1~C5のアルキルチオ基、C1~C5のアルキルセレノ基、C1~C5のアルキルアミノ基、またはC1~C5のアルキルホスフィノ基でありうる。ここで、C1~C5のアルキル基は、置換または非置換の線状または分岐状アルキル基でありうる。Z
1、Z
2、L
a、L
b、na、nb、およびM
0は、化学式2に定義した通りである。これに加えて、場合によっては、R
b1、R
b2、L
a、およびL
bのうち2つは、これらが直間接に結合したM
0と結合してヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成することができる。あるいはR
b1とR
b2のうち少なくとも1つは、M
0に配位結合された状態でありうる。
【0119】
前記金属前駆体ドージング段階で下記反応式5による反応が起こり得る。
【0120】
【化33】
前記反応式5において、*-X
aR
a2は、下部層の表面官能基、具体的には、上記で形成した有機分子層Oの表面官能基であり、化学式5の金属前駆体は、上記で形成した有機分子層Oの表面官能基と反応して有機分子層Oの表面上に自己組織化され得る。この過程でR
a2R
b1が反応副産物として生成され得る。その後、パージ段階で残存する金属前駆体と前記反応副産物をパージすることができる。前記反応式5において、各官能基は、化学式4および化学式5で定義されたのと同じであり得る。
【0121】
具体的には、金属前駆体は、前記化学式5A、5B、または5Cで表され得る。また、具体的には、前記金属前駆体ドージング段階で前記反応式2、3、または4による反応が起こり得る。
【0122】
図4を参照すると、多層分子膜フォトレジスト30の一部分に放射線hv、具体的には、EUVまたはEbeamを照射することができる。この場合、前記光吸収層FL
1内のdオービタル、一例として、4dまたは5dオービタルを有する金属原子であるM
aは、前記放射線を吸収して二次電子を生成することができる。しかしながら、これに限定されず、前記光反応層FL
2および/または前記耐エッチング層FL
3内の金属原子あるいは他の元素も、放射線を吸収して二次電子を生成することもできる。
【0123】
前記光吸収層FL1で生成された二次電子によって隣接する分子線ML内の光反応無機単分子M2の間に架橋結合を形成することができる。具体的には、互いに隣接する前記光反応無機単分子M2内Mb-L4およびL3-Mbは、前記二次電子によって反応して、Mb-Y2-Mb結合を形成することができる。ここで、Y2は、O、S、Se、N、またはPでありうる。また、前記光吸収層FL1で生成された二次電子によって隣接する分子線ML内の光吸収無機単分子M1の間にも架橋結合を形成することができる。具体的には、前記光吸収無機単分子M1内Ma-L2およびL1-Ma結合は、前記二次電子によって反応して、Ma-Y1-Ma結合を形成することができる。ここで、Y1は、O、S、Se、N、またはPでありうる。また、前記光吸収層FL1で生成された二次電子によって隣接する分子線ML内の耐エッチング無機単分子M3の間にも架橋結合を形成することができる。具体的には、前記耐エッチング無機単分子M3内Mc-L6およびL5-Mc結合は、前記二次電子によって反応して、Mc-Y3-Mc結合を形成することができる。ここで、Y3は、O、S、Se、N、またはPでありうる。
【0124】
図5を参照すると、放射線によって露光された多層分子膜フォトレジスト30を現象剤に露出させることができる。この場合、隣接する分子線ML内の無機単分子M1、M2、およびM3の間にも、架橋結合が形成された部分を除いては、現象剤によって除去され、多層分子膜フォトレジストパターン31を形成することができる。前記現象剤は、現象用溶液、一例として、水、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、または現象用気体、一例として、CF
4、Ar、O
2、CHF
3等またはこれから生成されたプラズマでありうる。
【0125】
図6を参照すると、多層分子膜フォトレジストパターン31をマスクとして被エッチング膜20をエッチングすることができる。このエッチングは、一例として、プラズマエッチングでありうる。この際、前記耐エッチング無機単分子M3間のM
c-Y3-M
c結合により多層分子膜フォトレジストパターン31の耐エッチング性が増加し、被エッチング膜20を選択的にエッチングすることができる。
【0126】
図7を参照すると、多層分子膜フォトレジストパターン31を除去することができる。これは、灰化法を用いて行うことができる。
【0127】
図3をさらに参照して多層分子膜フォトレジストを製造する分子層蒸着装備を説明することとする。後述するものを除いては、
図1、
図2a、
図2b、および
図3を参照して説明したものを参照することとする。
【0128】
本発明の一実施形態による分子層蒸着装備は、金属単分子層(化学式1のMM)を形成する段階と有機分子層(化学式1のOM)を形成する段階を含むサイクルを複数回、具体的には、化学式1のlで示した回数だけ行うことができる。前記有機分子層(化学式1のOM)を形成する段階は、前記化学式4の有機前駆体をドージングし、下部層に有機前駆体を自己組織化方式で化学結合させる有機前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の有機前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。前記有機前駆体ドージング段階で前記反応式1による反応が起こり得る。
【0129】
前記金属単分子層(化学式1のMM)を形成する段階は、前記化学式5の金属前駆体をドージングし、下部層に金属前駆体を自己組織化方式で化学結合させる金属前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の金属前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。前記金属前駆体ドージング段階で前記反応式5による反応が起こり得る。具体的には、金属前駆体は、前記化学式5A、5B、または5Cで表され得る。また、具体的には、前記金属前駆体ドージング段階で前記反応式2、3、または4による反応が起こり得る。
【0130】
本発明の一実施形態による分子層蒸着装備は、具体的には、基板上に光吸収金属単分子層M1を形成する段階と有機分子層O1を形成する段階を含むサイクルを複数回、具体的には、化学式1Aのl1で示した回数だけ行って光吸収層FL1を形成することができる。
【0131】
前記有機分子層O1を形成する段階で前記化学式4の有機前駆体をドージングし、下部層に有機前駆体を自己組織化方式で化学結合させる有機前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の有機前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。前記有機前駆体ドージング段階で前記反応式1による反応が起こり得る。
【0132】
前記光吸収金属単分子層M1を形成する段階は、前記化学式5Aの金属前駆体をドージングし、下部層に金属前駆体を自己組織化方式で化学結合させる金属前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の金属前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。前記金属前駆体ドージング段階で前記反応式2による反応が起こり得る。
【0133】
前記光吸収層FL1上にまたは前記光吸収層FL1を形成する前に、前記基板上に光反応金属単分子層M2を形成する段階と有機分子層O2を形成する段階を含むサイクルを複数回具体的には、化学式1Bのl2で示した回数だけ行って光反応層FL2を形成することができる。有機分子層O2を形成する段階は、前記光吸収層FL1で説明した方法と同一または類似の方法を用いて形成することができる。
【0134】
光反応金属単分子層M2を形成する段階は、前記化学式5Bの金属前駆体をドージングし、下部層に金属前駆体を自己組織化方式で化学結合させる金属前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の金属前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。前記金属前駆体ドージング段階で前記反応式3による反応が起こり得る。
【0135】
前記光吸収層FL1上にまたは前記光吸収層FL1を形成する前に、前記基板上に耐エッチング金属単分子層M3を形成する段階と有機分子層O3を形成する段階を含むサイクルを複数回具体的には、化学式1Cのl3で示した回数だけ行って耐エッチング層FL3を形成することができる。有機分子層O3を形成する段階は、前記光吸収層FL1で説明した方法と同一または類似の方法を用いて形成することができる。
【0136】
耐エッチング金属単分子層M3を形成する段階は、前記化学式5Cの金属前駆体をドージングし、下部層に金属前駆体を自己組織化方式で化学結合させる金属前駆体ドージング段階;およびパージガスを供給し、未反応の金属前駆体および反応生成物をパージするパージ段階を備える単位サイクルを行うことができる。ここで、パージガスは、アルゴンでありうる。前記金属前駆体ドージング段階で前記反応式4による反応が起こり得る。
【0137】
このように、本発明の一実施形態による多層分子膜フォトレジスト30は、前記分子線内に結合により連結される無機単分子と有機単分子が、自己組織化によって形成されることにより、各分子線が基板の上部方向に成長することができ、また、前記分子線を横方向に均一に配置することができる。
【0138】
この際、分子線間の間隔(
図1または
図4のD)が1nm以下、具体的には、0.5nm以下と非常に小さい。また、露光および現象時に粒子でない分子線間を分離することにより、パターン側面粗さを意味するラインエッジ粗さ(Line Edge Roughness、LER)が1.2nm以下と非常に低く、また、解像度(resolution)も6nm以下に大きく向上することができる。これと共に、多層分子膜フォトレジスト30は、EUVに対する光吸収率が非常に高い無機原子、具体的には、4dまたは5dオービタルを有する金属原子を備える光吸収無機単分子M1を含み、光子密度が低いEUVに対しても確率的欠陥(Stochastic Failure)が低いながらも、高い光感度(ex.10mJ/cm
2)を示すことができる。
【0139】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実験例(example)を提示する。ただし、下記の実験例は、ただ本発明の理解を助けるためのものであり、本発明が下記の実験例によって限定されるものではない。
【0140】
図8は、無機分子層を形成するための単位サイクル構成を示す。
【0141】
図8を参照すると、チャンバー内にDEZ(diethylzinc)を2秒間ドージングし、30秒間チャンバーをパージし、水(H
2O)を2秒間ドージングし、30秒間チャンバーをパージする単位サイクルを多数回(30回)進めて、ZnO無機分子層を形成した。
【0142】
図9は、
図8を参照して形成した垂直設計された無機多層分子膜フォトレジストをパターニングした後に撮影したSEMイメージである。具体的には、
図8を参照して形成した垂直設計された無機多層分子膜上に100kVの電圧および2500uC/cm
2のdose条件でe-beamを照射した後、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)in H
2O内で2分間超音波処理して現象した。
【0143】
図9を参照すると、1umの線幅を有するパターンと500nmの線幅を有するパターンがきれいに形成されたことが分かる。
【0144】
図10は、垂直分子線構造を有する多層分子膜フォトレジストを形成するための単位サイクル構成を示す。
【0145】
図10を参照すると、チャンバー内に基板をローディングし、基板温度を100~300℃(具体的には、100~150℃)に維持した状態で、無機前駆体としてHf前駆体(Tetrakisdimethylamido Hafnium)、Ti前駆体(Tetrakisdimethylamido Titanium)、Al前駆体(Trimethyl Aluminum)、またはDEZ(diethylzinc)を0.01~10torr(0.05~0.5torr)の圧力で1秒間ドージングし、5秒間チャンバーをパージし、有機前駆体として4-メルカプトフェノールを0.01~10torr(0.01torr)の圧力で1秒間ドージングし、5秒間チャンバーをパージする単位サイクルを多数回(約30回)進めて、厚さ約20nmの多層分子膜フォトレジストを形成した。
【0146】
図11a、
図11b、および
図11cは、
図10を参照して説明した方法を用いて形成したフォトレジストをパターニングした後に撮影したSEMイメージである。具体的には、
図10を参照して形成したフォトレジスト上に100kVの電圧、100pA、および2500uC/cm
2のdose条件でe-beamを照射して露光した後、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)in H
2O内で2分間超音波処理して現象した。
【0147】
図11a、
図11b、および
図11cを参照すると、ハーフピッチ(half pitch)が500nmの線幅を有するパターンがきれいに形成されたことが分かる。この際、パターンは、露光された部分で形成され、本実施形態によるフォトレジストは、ネガティブフォトレジストと定義することができる。
【0148】
図12は、
図10を参照して説明した方法を用いて形成したフォトレジストの電子ビームに関する感度を示すグラフである。具体的には、
図10を参照して形成したフォトレジスト上に100kVの電圧、100pAおよび1~10,000uC/cm
2のdose条件でe-beamを照射して露光した後、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)in H
2O内で2分間超音波処理して現象し、露光量によるパターンの厚さを測定して示した。
【0149】
図12を参照すると、本実験でネガティブフォトレジストの正規化された厚さ(normalized thickness)は、現象後にも蒸着直後の厚さを維持する場合、1nmで表示したが、Hf前駆体を用いて形成した多層分子膜フォトレジストは、最も低いe-beamトーズで1nmの正規化された厚さを示すことにより、最も感度に優れていることが分かる。
【0150】
図13aは、EUVを照射する形態とドーズ条件を示す概略図であり、
図13bは、
図13aに示されたようなEUVを
図10を参照して説明した方法を用いて形成したHf前駆体を用いたフォトレジストに照射した場合に得られるフォトレジストパターンを撮影した光学写真である。具体的には、
図13aは、
図10を参照して形成したHf前駆体を用いたフォトレジスト上に
図13aに示されたようなEUVを照射して露光した後、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)in H
2O内で2分間超音波処理して現象した写真である。
【0151】
図13aおよび
図13bを参照すると、蒸着直後、約20nmの厚さを示すHf前駆体を用いたフォトレジストをEUVを用いて露光した場合、約40mJ/cm
2以上のトーズで露光し、現象されたとき、約10nm以上の厚さを示すが、これを通じて、本実験例によるHf前駆体を用いたフォトレジストのEUV感度は、40mJ/cm
2であることが分かる。
【0152】
図14aは、
図10を参照して説明した方法を用いて形成したZn前駆体を使用したフォトレジストを電子ビーム露光および現象後に得られたAFM(Atomic force microscopy)イメージであり、
図14bは、PMMAフォトレジストを電子ビーム露光および現象後に得られたAFM(Atomic force microscopy)イメージである。この際、PMMAフォトレジストは、PMMAをクロロベンゼンに溶かした溶液を塗布した後、電子ビーム照射し、照射された部分を現象によって除去してパターンを得た。2つのフォトレジストに照射された電子ビームは、共通して100kVの電圧、100pA、2500uC/cm
2のdose条件で照射された。Zn前駆体を使用したフォトレジストは、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)in H
2O内で2分間超音波処理し、露光しない部分を現象によって除去した。
【0153】
図14aおよび
図14bを参照すると、Zn前駆体を使用したフォトレジストが、PMMAフォトレジストに比べてラインエッジ粗さがさらに低いことが分かる。
【国際調査報告】