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  • 特表-抗トリプターゼ抗体のための投与量 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】抗トリプターゼ抗体のための投与量
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20240910BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240910BHJP
   C07K 16/40 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A61K39/395 P ZNA
A61K31/495
A61K31/445
A61K31/4545
A61K31/454
A61P17/04
A61P37/08
A61P43/00 111
A61P43/00 121
C07K16/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508444
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 US2022074900
(87)【国際公開番号】W WO2023019239
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/233,094
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グリックステイン バー-ゼエヴ, サラ ベス
(72)【発明者】
【氏名】リー, ホーレス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】リムト, シャロン マリー
(72)【発明者】
【氏名】ステイトン, トレイシー リン
(72)【発明者】
【氏名】ヨシダ, ケンタ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ, デーヴィッド フォン
【テーマコード(参考)】
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA14
4C085BB22
4C085CC23
4C085EE01
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC21
4C086BC27
4C086BC39
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZA89
4C086ZB13
4C086ZC45
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、特に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を患者に投与することによる、慢性特発性じん麻疹(CIU)を有する患者を治療する方法、CSUの治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)、ならびに、例えば、CSUを治療する医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用を特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性自発性じん麻疹(CSU)を有する患者を治療する方法であって、前記方法が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、前記投与サイクルが、300mgを皮下で(SC)、600mg SC、900mgを静脈内で(IV)、または1800mg IVから選択される前記抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、前記抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つの相補性決定領域(CDR):
(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、方法。
【請求項2】
前記抗体が、(a)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン;(b)配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン;または(c)(a)にあるようなVHドメインおよび(b)にあるようなVLドメインを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記VHドメインが、配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記VLドメインが、配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記VHドメインが、配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記VLドメインが、配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記抗体が、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記抗体が、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記C1D1が、300mg SCである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記C1D1が、600mg SCである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記C1D1が、900mg IVである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記C1D1が、1800mg IVである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記投与サイクルが、前記抗トリプターゼベータ抗体の第2の用量(C1D2)および第3の用量(C1D3)をさらに含み、前記C1D2および前記C1D3が、各々、前記C1D1に等しい、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記投与サイクルの前記用量が、4週間ごとに(Q4W)前記対象に投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記投与サイクルが、約57日の長さを有する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記C1D1が、前記投与サイクルの1日目に投与され、前C1D2が、前記投与サイクルの29日目(±1日)に投与され、前記C1D3が、前記投与サイクルの57日目(±1日)に投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記投与レジメンが、1つの投与サイクルからなる、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
CSUを有する患者を治療する方法であって、前記方法が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、前記投与サイクルが、2~6の用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの前記抗トリプターゼ抗体が、前記投与サイクルにおいて前記患者にSCもしくはIV投与され、前記抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:
(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、方法。
【請求項18】
CSUを有する患者を治療する方法であって、前記方法が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、前記投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される用量で、前記抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、前記抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:
(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、方法。
【請求項19】
前記CSUが、抗ヒスタミン薬に対して難治性である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記CSUが、第2世代H1抗ヒスタミン薬(sgH1-AH)に対して難治性である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記患者が、
(i)6ヶ月間以上(≧)CSUを有している診断されており;
(ii)この期間中の標準治療に準じたsgH1-AHが現在使用されているにもかかわらず、治療前のいつでも連続6週を超えて(>)かゆみおよび皮疹が存在しており;
(iii)治療の少なくとも14日(-4/+2日)前から連続して、CSUの標準治療に準じた安定用量のsgH1-AHの投与を受けており、かつ/または
(iv)7日間の合計したじん麻疹活動性スコア(UAS7)の症状スコアが、前記C1D1の前の7日間で≧16である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記患者が、≧16のUAS7症状スコアを有している、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記患者が、慢性じん麻疹指数(CU Index(登録商標))が正である、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記患者が、基礎sgH1-AH療法を受けている、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記基礎sgH1-AH療法が、セチリジン10~40mg 1日1回(QD)、レボセチリジン5~20mg QD、フェキソフェナジン180~720mg QD、ロラタジン10~40mg QD、デスロラタジン5~20mg QD、ルパタジン10~40mg QD、またはビラスチン20~80mg QDを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記患者が、症状が悪化した場合、24時間以内にレスキュー療法の単回投与を受ける、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記レスキュー療法が、最大10mgのロラタジンまたは最大10mgのセチリジンを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記治療することが、プラセボと比較して、12週目での前記患者のUAS7におけるベースラインからの改善をもたらす、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
(i)前記治療が、コントロール良好なじん麻疹(12週目で6以下の(≦)UAS7)をもたらすか、または(ii)前記治療が、12週目での完全寛解(UAS7=0)をもたらす、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか一項に記載の方法に従って、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与するための、前記抗トリプターゼベータ抗体と、指示書とを含むキット。
【請求項31】
CSUを有する患者の治療における使用のための抗トリプターゼベータ抗体であって、前記抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、前記投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される前記抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、前記抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:
(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項32】
前記抗体が、(a)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン;(b)配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン;または(c)(a)にあるようなVHドメインおよび(b)にあるようなVLドメインを含む、請求項31に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項33】
前記VHドメインが、配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項34】
前記VLドメインが、配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項35】
前記VHドメインが、配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記VLドメインが、配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項36】
前記抗体が、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項31~35のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項37】
前記抗体が、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項31~35のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項38】
前記C1D1が、300mg SCである、請求項31~37のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項39】
前記C1D1が、600mg SCである、請求項31~37のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項40】
前記C1D1が、900mg IVである、請求項31~37のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項41】
前記C1D1が、1800mg IVである、請求項31~37のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項42】
前記投与サイクルが、前記抗トリプターゼベータ抗体の第2の用量(C1D2)および第3の用量(C1D3)をさらに含み、前記C1D2および前記C1D3が、各々、前記C1D1に等しい、請求項31~41のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項43】
前記投与サイクルの前記用量が、4週間ごとに(Q4W)前記対象に投与される、請求項42に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項44】
前記投与サイクルが、約57日の長さを有する、請求項42または43に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項45】
前記C1D1が、前記投与サイクルの1日目に投与され、前C1D2が、前記投与サイクルの29日目(±1日)に投与され、前記C1D3が、前記投与サイクルの57日目(±1日)に投与される、請求項44に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項46】
前記投与レジメンが、1つの投与サイクルからなる、請求項42~45のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項47】
CSUを有する患者の治療における使用のための抗トリプターゼベータ抗体であって、前記抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、前記投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの前記抗トリプターゼ抗体が、前記投与サイクルにおいて前記患者にSCもしくはIV投与され、前記抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:
(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項48】
CSUを有する患者の治療における使用のための抗トリプターゼベータ抗体であって、前記抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、前記投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される用量で、前記抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、前記抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:
(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項49】
前記CSUが、抗ヒスタミン薬に対して難治性である、請求項31~48のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項50】
前記CSUが、sgH1-AHに対して難治性である、請求項49に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項51】
前記患者が、
(i)≧6ヶ月間CSUを有していると診断されており;
(ii)この期間中の標準治療に準じたsgH1-AHが現在使用されているにもかかわらず、治療前のいつでも>連続6週、かゆみおよび皮疹が存在しており;
(iii)治療の少なくとも14日(-4/+2日)前から連続して、CSUの標準治療に準じた安定用量のsgH1-AHの投与を受けており、かつ/または
(iv)前記C1D1の前の7日間で≧16のUAS7症状スコアを有している、請求項50に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項52】
前記患者が、≧16のUAS7症状スコアを有している、請求項31~51のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項53】
前記患者が、CU Index(登録商標)が正である、請求項31~52のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項54】
前記患者が、基礎sgH1-AH療法を受けている、請求項31~53のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項55】
前記基礎sgH1-AH療法が、セチリジン10~40mg 1日1回(QD)、レボセチリジン5~20mg QD、フェキソフェナジン180~720mg QD、ロラタジン10~40mg QD、デスロラタジン5~20mg QD、ルパタジン10~40mg QD、またはビラスチン20~80mg QDを含む、請求項54に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項56】
前記患者が、症状が悪化した場合、24時間以内にレスキュー療法の単回投与を受ける、請求項31~55のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項57】
前記レスキュー療法が、最大10mgのロラタジンまたは最大10mgのセチリジンを含む、請求項56に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項58】
前記治療することが、プラセボと比較して、12週目での前記患者のUAS7におけるベースラインからの改善をもたらす、請求項31~57のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項59】
(i)前記治療が、コントロール良好なじん麻疹(12週目で6以下の(≦)UAS7)をもたらすか、または(ii)前記治療が、12週目での完全寛解(UAS7=0)をもたらす、請求項31~58のいずれか一項に記載の使用のための抗トリプターゼベータ抗体。
【請求項60】
CSUを有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用であって、前記医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、前記投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される前記抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、前記抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:
(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、使用。
【請求項61】
CSUを有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用であって、前記医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、前記投与サイクルが、2~6の用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの前記抗トリプターゼ抗体が、前記投与サイクルにおいて前記患者にSCもしくはIV投与され、前記抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:
(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、使用。
【請求項62】
CSUを有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用であって、前記医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、前記投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される用量で、前記抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、前記抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:
(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、XML形式で電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に援用される。2022年8月1日に作成された当該XMLコピーは、50474-263WO2_Sequence_Listing_7_29_22という名称であり、サイズは18,322バイトである。
【0002】
本開示は、慢性自発性じん麻疹(CSU)を治療する方法および関連組成物ならびに使用に関する。
【背景技術】
【0003】
慢性特発性じん麻疹(CIU)とも呼ばれる慢性自発性じん麻疹(CSU)は、典型的には、明白な原因なしに、少なくとも6週間の膨疹(wheals)(皮疹(hives))、血管性水腫、またはそれら両方の存在によって定義される。CSUの有病率に関するこれまでの推定値はおよそ0.1%であり、CSU患者の20%において診断後20年も持続した。最近の知見は、この疾患の点有病率がおよそ1%であることを示している。罹患した患者は、紅斑と関連する頻繁な掻痒性皮疹および/または血管性水腫のエピソードを経験し、CSUは、症例のおよそ50%で血管性水腫と関連している。古典的なじん麻疹の説明は、青白く隆起した病変と周囲の紅斑を伴う膨疹と潮紅である。じん麻疹は、数ミリメートルから数センチメートルのサイズに及び、通常は、大きな融合性病変に癒合することが多い群として発生する。
【0004】
CSUの病因は、不明である。いくつかの理論がある中で、感染起源と自己免疫起源との両方が考えられてきた。いくつかの研究では、CSU患者の30%~60%が、自己血清皮内テストが陽性であることが判明しており、自己免疫病因を示唆している。加えて、CSUは、内因性抗原を標的とするIgE抗体の高親和性 IgE受容体(FcεRI)の結合後の皮膚マスト細胞の活性化から生じるとする理論が立てられている。活性化された皮膚マスト細胞は、ヒスタミンおよびトリプターゼなどのケミカルメディエーターを放出し、これらは、皮疹および掻痒の膨疹と潮紅の形成をもたらす。実際に、ある研究は、CSU患者のおよそ50%が、甲状腺ペルオキシダーゼに対するIgE抗体を有していることを実証した。それにもかかわらず、多くの患者で、同様の疾患症状にもかかわらず、この自己免疫リンクを得ることができない。
【0005】
CSUに対する改善された療法が、依然として求められている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、特に、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(第2世代抗H1ヒスタミン薬(sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法、CSUの治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)、例えば、CSUを治療する医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用、ならびに関連するキットおよび製造品を特徴とする。
【0007】
一態様では、本発明は、CSUを有する患者を治療する方法を特徴とし、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、300mgを皮下で(SC)、600mg SC、900mgを静脈内で(IV)、または1800mg IVから選択される抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つの相補性決定領域(CDR):(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0008】
別の態様では、本発明は、CSUを有する患者を治療する方法を特徴とし、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、2~6種の用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与され、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0009】
別の態様では、本発明は、CSUを有する患者を治療する方法を特徴とし、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、4週間ごとに(Q4W)300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される用量で、抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0010】
別の対象では、本明細書に開示される方法のいずれか1つに従って、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与するための、抗トリプターゼベータ抗体と、指示書とを含むキットを特徴とする。
【0011】
別の態様では、本発明は、CSUを有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体を特徴とし、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0012】
別の態様では、本発明は、CSUを有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体を特徴とし、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与され、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0013】
別の態様では、本発明は、CSUを有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体を特徴とし、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、4週間ごとに(Q4W)300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される用量で、抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0014】
別の態様では、本発明は、CSUを有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用を特徴とし、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0015】
別の態様では、本発明は、CSUを有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用を特徴とし、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与され、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0016】
別の態様では、本発明は、CSUを有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用を特徴とし、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、4週間ごとに(Q4W)300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される用量で、抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0017】
いくつかの態様では、抗体は、(a)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン;(b)配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン;または(c)(a)にあるようなVHドメインおよび(b)にあるようなVLドメインを含む。
【0018】
いくつかの態様では、VHドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。
【0019】
いくつかの態様では、VLドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0020】
いくつかの態様では、VHドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含み、VLドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0021】
いくつかの態様では、抗体は、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
【0022】
いくつかの態様では、抗体は、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
【0023】
いくつかの態様では、C1D1は、300mg SCである。
【0024】
いくつかの態様では、C1D1は、600mg SCである。
【0025】
いくつかの態様では、C1D1は、900mg IVである。
【0026】
いくつかの態様では、C1D1は、1800mg IVである。
【0027】
いくつかの態様では、投与サイクルは、抗トリプターゼベータ抗体の第2の用量(C1D2)および第3の用量(C1D3)をさらに含み、C1D2およびC1D3は、各々C1D1に等しい。
【0028】
いくつかの態様では、投与サイクルの用量は、4週間ごとに(Q4W)対象に投与される。
【0029】
いくつかの態様では、投与サイクルは、約57日の長さを有する。
【0030】
いくつかの態様では、C1D1は、投与サイクルの1日目に投与され、C1D2は、投与サイクルの29日目(±1日)に投与され、C1D3は、投与サイクルの57日目(±1日)に投与される。
【0031】
いくつかの態様では、投与レジメンは、1つの投与サイクルからなる。
【0032】
いくつかの態様では、CSUは、抗ヒスタミン薬に対して難治性である。
【0033】
いくつかの態様では、CSUは、sgH1-AHに対して難治性である。
【0034】
いくつかの態様では、患者は、(i)6ヶ月間以上(≧)CSUを有していると診断されており;(ii)この期間中の標準治療に準じたsgH1-AHが現在使用されているにもかかわらず、治療前のいつでも連続6週を超えて(>)かゆみおよび皮疹が存在しており;(iii)治療の少なくとも14日(-4/+2日)前から連続して、CSUの標準治療に準じた安定用量のsgH1-AHの投与を受けており、かつ/または(iv)7日間の合計したじん麻疹活動性スコア(UAS7)の症状スコアが、C1D1の前の7日間で≧16である。
【0035】
いくつかの態様では、患者は、≧16のUAS7症状スコアを有する。
【0036】
いくつかの態様では、患者は、慢性じん麻疹指数(CU Index(登録商標))が正である。
【0037】
いくつかの態様では、患者は、基礎sgH1-AH療法を受けている。
【0038】
いくつかの態様では、基礎sgH1-AH療法は、セチリジン10~40mg QD、レボセチリジン5~20mg QD、フェキソフェナジン180~720mg QD、ロラタジン10~40mg QD、デスロラタジン5~20mg QD、ルパタジン10~40mg QD、またはビラスチン20~80mg QDを含む。
【0039】
いくつかの態様では、患者は、症状が悪化した場合、24時間以内にレスキュー療法の単回投与を受ける。
【0040】
いくつかの態様では、レスキュー療法は、最大10mgのロラタジンまたは最大10mgのセチリジンを含む。
【0041】
いくつかの態様では、治療することで、プラセボと比較して、12週目での患者のUAS7におけるベースラインからの改善をもたらす。
【0042】
いくつかの態様では、(i)治療は、コントロール良好なじん麻疹(12週目での6以下の(≦)UAS7)をもたらすか、または(ii)治療は、12週目での完全寛解(UAS7=0)をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】GA43512第II相臨床試験の試験デザインの概略図である。IV、静脈内;Q4W、4週間ごと;SC、皮下。
【発明を実施するための形態】
【0044】
I. 序論
本発明は、CSU(抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)のための治療方法および組成物を提供する。本発明は、少なくとも一部には、例えば、実施例1に記載されるような、CSUの治療に好適な抗トリプターゼ抗体についての投与レジメンの開発に基づいている。
【0045】
II. 定義
本明細書で使用される「約」という用語は、本技術分野における当業者に容易に知られるそれぞれの値についての通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」に続く値またはパラメータへの参照は、その値またはパラメータ自体を対象とする態様を含む(かつ記載する)。
【0046】
本明細書で使用される場合、「トリプターゼ」という用語は、別段の指示がない限り、霊長類(例えば、ヒト)およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)などの哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源からの任意の天然トリプターゼを指す。トリプターゼは、当該技術分野において、マスト細胞トリプターゼ、マスト細胞プロテアーゼII、皮膚トリプターゼ、肺トリプターゼ、下垂体トリプターゼ、マスト細胞中性プロテイナーゼ、およびマスト細胞セリンプロテイナーゼIIとしても知られている。「トリプターゼ」という用語は、トリプターゼアルファ(ヒトではTPSAB1によってコードされる)、トリプターゼベータ(ヒトではTPSAB1 およびTPSB2によってコードされる;以下を参照されたい)、トリプターゼデルタ(ヒトではTPSD1によってコードされる)、トリプターゼガンマ(ヒトではTPSG1によってコードされる)、ならびにトリプターゼイプシロン(ヒトではPRSS22によってコードされる)を包含する。トリプターゼアルファ(α)、ベータ(β)、およびガンマ(γ)タンパク質は可溶型であるが、一方、トリプターゼイプシロン(イプシロン)タンパク質は、膜に固定されている。トリプターゼベータおよびガンマは、活性セリンプロテアーゼであるが、それらは異なる特異性を有する。トリプターゼアルファおよびデルタ(δ)タンパク質は、大部分は不活性であり、これは、それらが典型的なセリンプロテアーゼとは異なる重要な位置で残基を有するためである。例示的なトリプターゼアルファ完全長タンパク質配列は、NCBI GenBank登録番号ACZ98910.1で見出すことができる。例示的なトリプターゼガンマ完全長タンパク質配列は、Uniprot 登録番号Q9NRR2またはGenBank登録番号Q9NRR2.3、AAF03695.1、NP_036599.3もしくはAAF76457.1で見出すことができる。例示的なトリプターゼデルタ完全長タンパク質配列は、Uniprot登録番号Q9BZJ3またはGenBank登録番号NP_036349.1で見出すことができる。いくつかのトリプターゼ遺伝子は、ヒト染色体16p13.3上にクラスター化されている。この用語は、「完全長」の未処理のトリプターゼならびに細胞の処理から生じるトリプターゼの任意の形態を包含する。トリプターゼベータは、マスト細胞中で発現される主なトリプターゼであり、一方トリプターゼアルファは、好塩基球中で発現される主なトリプターゼである。トリプターゼアルファおよびトリプターゼベータは、典型的には、およそ30個のアミノ酸のリーダー配列と、およそ245個のアミノ酸の触媒配列とを含む(例えば、Schwartz,Immunol.Allergy Clin.N.Am.26:451-463,2006を参照されたい)。
【0047】
本明細書で使用される場合、「トリプターゼベータ」という用語は、別段の指示がない限り、霊長類(例えば、ヒト)およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)などの哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源からの任意の天然トリプターゼを指す。トリプターゼベータは、マスト細胞分泌顆粒の主要な成分であるセリンプロテアーゼである。本明細書で使用される場合、この用語は、トリプターゼベータ1(トリプターゼアルファ1もコードする、TPSAB1遺伝子によってコードされる)、トリプターゼベータ2(TPSB2遺伝子によってコードされる)、およびトリプターゼベータ3(またTPSB2遺伝子によってコードされる)を包含する。例示的なヒトトリプターゼベータ1配列は、配列番号12に示されている(GenBank登録番号NP_003285.2も参照されたい)。例示的なヒトトリプターゼベータ2配列は、配列番号13に示されている(GenBank登録番号AAD13876.1も参照されたい)。例示的なヒトトリプターゼベータ3配列は、配列番号14に示されている(GenBank登録番号NP_077078.5も参照されたい)。トリプターゼベータという用語は、「完全長」の未処理のトリプターゼベータならびにタンパク質分解処理を含む翻訳後修飾から生じるトリプターゼベータを包含する。完全長のプロトリプターゼは、2工程でのタンパク質分解で処理されると考えられる。最初に、特に、酸性pHにおいて、かつポリアニオン(例えば、ヘパリンまたはデキストラン硫酸塩)の存在下で、R-3での自己触媒的分子内切断が生じる。次に、残存するプロ’ジペプチドが除去される(恐らくは、ジペプチジルペプチダーゼIによって)。完全長のヒトトリプターゼベータ1については、以下の配列番号12を参照すると、下線部のアミノ酸残基は、天然のリーダー配列に相当し、太字のアミノ酸残基、プロドメインに相当し、これらは、切断されて成熟タンパク質を形成する(例えば、Sakaiら、J.Clin.Invest.97:988-995,1996を参照されたい)
成熟した、酵素的に活性なトリプターゼベータは、典型的には、ホモ四量体またはヘテロ四量体であるが、活性単量体が報告されている(例えば、Fukuoka et al.J.Immunol.176:3165,2006を参照されたい)。トリプターゼベータ四量体のサブユニットは、サブユニット間の疎水性および極性相互作用によってつなぎ合わされ、ポリアニオン(特に、ヘパリンおよびデキストラン硫酸塩)によって安定化されている。トリプターゼという用語は、トリプターゼ四量体またはトリプターゼ単量体を指すことができる。成熟ヒトトリプターゼベータ1、ベータ2、およびベータ3についての例示的な配列は、それぞれ配列番号15、配列番号16、および配列番号17に示されている。各サブユニットの活性部位は、およそ50×30オングストロームの寸法である四量体の中心細孔に面している(例えば、Pereira et al.Nature 392:306-311,1998を参照されたい)。中心細孔のサイズは、典型的には、阻害剤による活性部位へのアクセスを制限する。トリプターゼベータの例示的な基質としては、PAR2、C3、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、およびキニノーゲンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
「障害」または「疾患」は、本発明の方法による治療から効果が得られるあらゆる状態である。これには、哺乳動物を問題とする障害にかかりやすくする病的状態を含む慢性および急性の障害または疾患が含まれる。本明細書で治療される障害の例には、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)が含まれる。
【0049】
「投与すること」という用語は、組成物の患者(例えば、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSUを有する患者)への投与を意味する。本明細書に記載される方法および使用で利用される組成物(例えば、抗トリプターゼ抗体)は、例えば、非経口的に、腹腔内に、筋肉内に、静脈内に、皮内に、経皮で、動脈内に、病巣内に、頭蓋内に、関節内に、前立腺内に、胸膜内に、気管内に、髄腔内に、鼻腔内に、膣内に、直腸内に、局所的に、腫瘍内に、腹膜に、皮下に(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって)、結膜下に、小胞内に、粘膜に、心膜内に、臍帯内に、眼内に、眼窩内に、経口的に、局所的に、経皮的に、硝子体内に、眼球周囲に、結膜に、眼球鞘下に、前房内に、網膜下に、球後に、小管内に、吸入により、注射により、移植により、注入により、連続的注入により、標的細胞を直接流す局部的灌流により、カテーテルにより、洗浄により、クリーム中で、または脂質組成物中で投与することができる。非経口投与としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内または皮下投与が挙げられる。いくつかの場合には、投与は、静脈内で行われる。いくつかの場合には、投与は、皮下で行われる。本明細書に記載される方法で利用される組成物はまた、全身的または局所的に投与することができる。投与の方法は、様々な要因(例えば、投与される化合物または組成物および治療される状態、疾患、もしくは障害の重症度)に応じて変化することができる。
【0050】
「治療剤」または「薬剤」という用語は、疾患、例えばCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を治療するために用いられるあらゆる薬剤を指す。治療剤は、例えば、ポリペプチド(複数可)(例えば、抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体))、イムノアドヘリン、またはペプチボディ)、アプタマー、タンパク質に結合することができる小分子、または標的をコードする核酸分子に結合することができる核酸分子(例えば、siRNA)などであってもよい。
【0051】
「抗トリプターゼ抗体」、「トリプターゼに結合する抗体」、および「トリプターゼに特異的に結合する抗体」という用語は、抗体がトリプターゼの標的化において診断薬および/または治療剤として有用であるようにトリプターゼに十分な親和性で結合することができる抗体を指す。一態様では、無関係な非トリプターゼタンパク質に対する抗トリプターゼ抗体の結合度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定されるトリプターゼに対する抗体の結合の約10%未満である。ある特定の態様では、トリプターゼに結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10-8M以下、例えば、10-8M~10-13M、例えば10-9M~10-13M)の解離定数(K)を有する。ある特定の態様では、抗トリプターゼ抗体は、異なる種のトリプターゼ間で保存されているトリプターゼのエピトープに結合する。例示的な抗トリプターゼ抗体は、米国特許第10,738,131号および同第10,752,703号に、米国特許出願公開第US2018/0230233号に、ならびに国際特許出願公開第2018/148585号に記載されており、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0052】
「マスト細胞」は、一種の顆粒球免疫細胞である。マスト細胞は、典型的には、粘膜および上皮組織中に全身にわたって存在する。マスト細胞は、トリプターゼ(特に、トリプターゼベータ)、ヒスタミン、ヘパリン、およびサイトカインを含む炎症性メディエーターを蓄える細胞質顆粒を含有する。マスト細胞は、抗原/IgE/FcイプシロンRI架橋によって活性化され得、これが脱顆粒および炎症性メディエーターの放出をもたらし得る。マスト細胞は、粘膜マスト細胞または結合組織マスト細胞であり得る。例えば、Krystel-Whittemore et al.Front.Immunol.6:620,2015を参照されたい。
【0053】
本明細書では互換的に使用される「患者」、「対象」および「個体」という用語は、あらゆる単一の動物、より具体的には、治療が望まれる哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ヒツジ、動物園の動物、および非ヒト霊長類のような非ヒト動物を含む)を指す。さらにより具体的には、本明細書での患者はヒトである。
【0054】
「有効量」という用語は、哺乳動物、例えばヒトなどの対象または患者において、疾患または障害(例えば、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を治療するのに効果的な薬物または治療剤(例えば、抗トリプターゼ抗体)の量を指す。
【0055】
本明細書で使用される場合、「療法」または「治療、処置(treatment)」は、処置される個体または細胞の自然な経過を変化させるための臨床的介入を指し、それは予防を目的として、または臨床病理の過程で実施できる。処置の所望の効果としては、疾患の発症または再発の予防、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的帰結の減弱の予防、疾患進行率を低下させること、病状の改善または緩和、および寛解または改善された予後が挙げられる。治療が必要な人としては、すでに障害を患っている人、ならびに障害を抱えているリスクのある人、または障害を予防する必要がある人を挙げることができる。例えば、CSU療法を受けた後に、例えば、じん麻疹活動性スコア(UAS)またはUAS7における低下、例えば、療法の開始後4週目、8週目、および/または12週目において、患者のUAS7スコアのベースラインからの低下によって評価されるような、次の:膨疹(皮疹)またはかゆみ(掻痒症)うちの1つ以上における観察可能および/もしくは測定可能な低減またはそれらが存在しないことを患者が示す場合、患者はCSUに対する「治療に」成功した可能性がある。
【0056】
治療または療法、例えば、抗トリプターゼ抗体を含む療法に対する患者の「応答」または患者の「応答性」は、治療からのまたは治療の結果としての、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)のリスクがあるか、またはそれを有する患者に付与される臨床的もしくは治療上の有益性を指す。当業者であれば、患者が応答性であるかどうかを判断できる立場にあるであろう。例えば、抗トリプターゼ抗体を含む療法に応答性であるCSUを有する患者は、1つ以上のCSU症状、例えば、膨疹(皮疹)、かゆみ(掻痒症)、または血管性水腫における観察可能および/もしくは測定可能な低下またはそれらが存在しないことを示し得る。いくつかの例では、応答は、任意の適切な基準、例えば、患者のUASもしくはUAS7スコア、かゆみ重症度スコア(ISS)もしくはISS7、皮疹重症度スコア(HSS)もしくはHSS7、じん麻疹コントロールテスト(UCT)、血管性水腫活動性スコア(AAS)、血管性水腫コントロールテスト(AECT)、または当該技術分野において既知の他の基準を使用して評価されてもよい。
【0057】
「慢性じん麻疹指数(CU Index(登録商標)」および「好塩基球ヒスタミン放出アッセイ」という用語は、患者が好塩基球脱顆粒およびメディエーター放出の増加につながる上昇した血清因子のレベルを有するかどうかを特定するために使用されるアッセイを互換的に指す。CU Index(登録商標)は、患者の血清がドナー好塩基球と混合され、放出されたヒスタミンレベルが、イムノアッセイによって測定されるin vitro好塩基球ヒスタミン遊離アッセイである。例えば、Cho et al.Ann.Allergy Asthma Immunol.110:29-33,2013、Biagtan et al.J.Allergy Clin.Immunol.127:1626-1627,2011、および米国特許第7,824,877号を参照されたい(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に援用される)。具体的には、健康なドナーの血中好塩基球を、患者の血清、ネガティブコントロール、およびポジティブコントロールとインキュベートされる。細胞を遠心分離し、上清を放出されたヒスタミンのアッセイ用に回収する。定量的酵素イムノアッセイを使用して、上清中に放出されたヒスタミンを測定し、好塩基球中の総ヒスタミンと比較する。CU Index(登録商標)を陽性と定義するために使用される値は、健康な対照の基準範囲に基づいて、アッセイ閾値として確立されている。いくつかの例では、≧10のCU Index(登録商標)スコアは、患者がCU Index(登録商標)陽性であることを示す。CU Index(登録商標)は、Eurofins Viracorから市販されている。いくつかの例では、上昇したCU Index(登録商標)値を有する(すなわち、CU Index(登録商標)陽性)患者は、患者がより重症のおよび/または難治性のCSUを有すると特定することができる。いくつかの例では、上昇したCU Index(登録商標)値は、患者が、彼らのじん麻疹に対して自己免疫の基礎(IgE、FcεRI、もしくは抗FcεRIIのいずれかに対する抗体)または別のヒスタミン放出因子のいずれかを有することを示し得る(例えば、Cho et al.上記を参照されたい)。
【0058】
「じん麻疹活動性スコア」および「UAS」という用語は、CSU症状を評価するために使用される問診票を指す。UASは、過去12時間にわたる(a)膨腫(皮疹)の数および(b)膨疹(wheals)(皮疹(hives))の強さについての数値的重症度強度評価判定(0=なしから3=強い/重度)を有する総合スコア(1日2回)である。皮疹重症度に関しては、0は皮疹なしを示し;1は1~6個の皮疹があることを示し;2は7~12個の皮疹があることを示し、3は12個を超える皮疹があることを示す。かゆみ重症度に関しては、0はかゆみがないことを示し;1は軽度を示し;2は中等度を示し;3は重度を示す。いくつかの例では、「毎日のUAS」は、朝と晩のUASスコアの平均として計算される。
【0059】
「7日間の点数を合計したじん麻疹活動性スコア」および「UAS7」は、7日間にわたって合計した毎日のUASを指す。最大UAS7値は、42である。いくつかの例では、中等度の活動性のじん麻疹を有する患者は、16~27のUAS7を有し得る。いくつかの例では、重度の活動性のじん麻疹を有する患者は、28~42のUAS7を有し得る。いくつかの例では、コントロール良好なじん麻疹を有する患者は、例えば、療法の開始後4週目、8週目、および/または12週目で≦7のUAS7値を有し得る。いくつかの例では、完全寛解を有する患者は、例えば、療法の開始後4週目、8週目、および/または12週目で0のUAS7値を有し得る。いくつかの例では、患者は、例えば、療法の開始後12週目までに、≧11点のベースラインからの低下として、UAS7における臨床における最小重要差(MID)を達成し得る。
【0060】
「第2世代H1抗ヒスタミン薬」および「sgH1-AH」は、1つの部類のヒスタミンH1受容体アンタゴニストを指す。sgH1-AHは、典型的には、第1世代H1抗ヒスタミン薬と比較して、中枢神経系のH1受容体に比べて末梢H1受容体に対してより選択的であり、通常、アレルギー反応の効果的緩和をなお提供しながら、有害な薬物反応(例えば、鎮静)の発生を低減させる。例示的なsgH1-AHとしては、セチリジン、ロラタジン、ケトチフェン、ルパタジン、ビラスチン、テルフェナジン、アステミゾール、ミゾラスチン、アクリバスチン、エバスチン、ベポタスチン、ケフェナジン、アゼラスチン、レボカルバスチン、オロパタジン、レボセチリジン、デスロラタジン、およびフェキソフェナジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
本明細書における「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体、(例えば、二重特異性抗体)、および抗体断片が挙げられるが、これらに限定されない、様々な抗体構造を包含する。
【0062】
「親和性成熟」抗体は、その1つ以上のHVRおよび/またはフレームワーク領域に1つ以上の改変を有し、これらの改変が、これらの改変(複数可)を有さない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性に改善をもたらす抗体である。好ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモル、またはさらにはピコモルの親和性を有する。親和性成熟抗体は、当技術分野に公知の手順によって産生される。例えば、Marks et al.Marksら、Bio/Technology 10:779~783,1992は、VHおよびVLドメインシャッフリングによる親和性成熟を記載している。HVRおよび/またはフレームワーク残基のランダム突然変異誘発は、Barbas et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3809-3813,1994;Schier et al.Gene 169:147-155,1995;Yelton et al.J.Immunol.155:1994-2004,1995;Jackson et al.J.Immunol.154(7):3310-3319,1995;およびHawkins et al.J.Mol.Biol.226:889-896,1992によって記載されている。
【0063】
本明細書における目的のための「アクセプターヒトフレームワーク」は、以下に定義されるような、ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに由来する軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワークまたは重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに「由来する」アクセプターヒトフレームワークは、それらの同じアミノ酸配列を含んでもよく、またはそれはアミノ酸配列変化を含有してもよい。いくつかの態様では、アミノ酸変化の数は10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、または2個以下である。いくつかの態様では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列またはヒトコンセンサスフレームワーク配列と配列が同一である。
【0064】
「親和性」とは、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位と、その結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有相互作用の総和の強度を指す。別途指示がない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」とは、結合対のメンバー(例えば、抗体と抗原)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離定数(K)で表すことができる。親和性は、本明細書に記載のものを含む、当該技術分野において既知の一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための特定の具体的および例示的な態様を以下に記載する。
【0065】
参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」は、参照抗体と比較して抗原のアミノ酸残基の重複するセットと接触するか、または競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上だけブロックする抗体を指す。いくつかの態様では、抗体によって接触されたアミノ酸残基のセットは、参照抗体によって接触されたアミノ酸残基のセットと完全に重複しても、または部分的に重複してもよい。いくつかの態様では、参照抗体と同じエピトープに結合する抗体は、競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上だけブロックし、逆に言えば、参照抗体は、競合アッセイにおいて抗体のその抗原への結合を50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上だけブロックする。例示的な競合アッセイが、本明細書に提供されている。
【0066】
「抗体断片」は、インタクトな抗体の一部、好ましくは、インタクトな抗体の抗原結合領域もしくは可変領域を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)およびFv断片;ダイアボディ(diabody);直鎖状抗体(米国特許第5,641,870号、実施例2;Zapata et al.Protein Eng.8(10):1057-1062,1995を参照されたい);単鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられる。
【0067】
抗体のパパイン消化は、「Fab」と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、および残留物の「Fc」断片(容易に結晶化する能力を反映する呼称)を生じる。Fab断片は、完全なL鎖と併せてH鎖の可変領域ドメイン(VH)、および1つの重鎖の定常ドメイン(C1)からなる。抗体のペプシン処理は、単一の大きなF(ab’)断片を生じ、それは、二価の抗原結合活性を有する2つのジスルフィド連結されたFab断片におおむね対応し、なお抗原を架橋することができる。Fab’断片は、抗体のヒンジ領域に由来する1つ以上のシステインを含むC1ドメインのカルボキシ末端にいくつかの追加の残基を有するという点でFab断片とは異なる。Fab’-SHは、Fab’についての本明細書における呼称であり、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオールを保持する。F(ab’)抗体断片は、元々Fab’断片の間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として生成された。抗体断片の他の科学的結合物もまた公知である。
【0068】
本明細書の「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。この用語には、天然配列Fc領域および変異Fc領域が含まれる。一態様では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端まで伸長する。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は存在しても存在しなくてもよい。本明細書に別途指定がない限り、Fc領域または定常領域内のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載されているような、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けに従う。
【0069】
「Fv」は、しっかりと固定された非共有結合の1つの重鎖および1つの軽鎖可変領域ドメインの二量体からなる。これらの2つのドメインの折り畳みからは、6つの超可変ループ(H鎖およびL鎖から各々3ループ)が発し、それは、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗原結合特異性を抗体に付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(または1つの抗原に特異的な3つのCDRのみを含む半分のFv)でも、抗原を認識し、結合する能力を有するが、親和性は完全な結合部位より低い。
【0070】
「単鎖Fv」は、「sFv」または「scFv」とも略され、単一ポリペプチド腐りに連結されたVHおよびVL抗体ドメインを含む抗体断片である。好ましくは、sFvポリペプチドはさらに、抗原結合のためにsFvに所望の構造を形成させることができるポリペプチドリンカーをVHドメインとVLドメインとの間に含む。sFvの概説については、PluckthunのThe Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer-Verlag,New York,pp.269-315,1994を参照されたい。
【0071】
「ダイアボディ」という用語は、Vドメインの鎖内ではなく鎖間のペアリングが達成されるように、それによって二価断片、すなわち、2つの抗原結合部位を有する断片を生じるように、VHとVLドメインとの間に短いリンカー(約5~10残基)を有するsFv断片を構築する(先行する段落を参照されたい)ことによって調製された小さな抗体断片を指す。二重特異性ダイアボディは、2つの「クロスオーバー」sFv断片のヘテロ二量体であり、2つの抗体のVHおよびVLドメインが異なるポリペプチド鎖上に存在する。ダイアボディは、例えば、 EP404,097;WO93/11161;およびHollinger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448、1993により詳細に記載されている。
【0072】
「ブロッキング」抗体または「アンタゴニスト」抗体は、該抗体が結合する抗原の生物活性を阻害または低減する抗体である。ある特定のブロッキング抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物活性を実質的にまたは完全に阻害する。例えば、抗トリプターゼ抗体に関して、いくつかの態様では、活性は、トリプターゼ酵素活性、例えば、プロテアーゼ活性であり得る。他の例では、活性は、気管支平滑筋細胞増殖および/またはコラーゲンベースの収縮のトリプターゼ媒介刺激であり得る。他の例では、活性は、マスト細胞のヒスタミン放出(例えば、IgE誘起ヒスタミン放出および/またはトリプターゼ誘起ヒスタミン放出)であり得る。いくつかの態様では、抗体は、抗体が結合する抗原の生物活性を少なくとも約1%、約5%、約10%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約100%だけ阻害することができる。
【0073】
抗体の「クラス」とは、その重鎖が有する定常ドメインまたは定常領域のタイプを指す。抗体の5つの主なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、およびIgAにさらに分けることができる。免疫グロブリンの様々なクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。
【0074】
抗体の「エフェクター機能」は、抗体のFc領域(天然配列Fc領域またはアミノ酸配列バリアントFc領域)に起因するそれらの生物活性を指し、抗体アイソタイプと共に変動する。抗体エフェクター機能の例としては:C1q結合および補体依存性細胞傷害;Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)のダウンレギュレーション;ならびにB細胞活性化が挙げられる。
【0075】
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」または「ADCC」は、特定の細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NKK)細胞、好中球、およびマクロファージ)上に存在するFc受容体(FcR)に結合した分泌されたIgが、これらの細胞傷害性エフェクター細胞が抗原を含む標的細胞に特異的に結合し、その後細胞傷害性で標的細胞を殺傷することを可能にする、細胞傷害性の一形態を指す。抗体は、細胞傷害性細胞に「結合し」、そのような殺傷には不可欠である。ADCCを媒介するための主な細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、一方単球は、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIを発現する。造血細胞上のFcR発現は、Ravetch et al.Annu.Rev.Immunol.9:457ー492、1991の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号または同第5,821,337号に記載されるものなどのin vitro ADCCアッセイを実施することができる。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。代替的に、または追加的に、目的の分子のADCC活性は、例えば、Clynes et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:652-656,1998に開示されるものなどの動物モデルにおいて、in vivoで評価することができる。
【0076】
「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を表す。好ましいFcRは、天然配列のヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体と結合するもの(ガンマ受容体)であり、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIサブクラスの受容体を含み、これには、対立遺伝子バリアントおよびこれらの受容体の別のスプライス型を含む。FcγRII受容体は、FcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「阻害性受容体」)を含み、それらは同様のアミノ酸配列を有し、主としてその細胞質ドメインにおいて相違する。活性化受容体FcγRIIAは、免疫受容活性化チロシンモチーフ((「ITAM」)をその細胞質ドメインに含有する。阻害性受容体FcγRIIbは、免疫受容阻害チロシンモチーフ((「ITIM」)をその細胞質ドメインに含有する(M.Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203ー234,1997における概説M.を参照されたい)。FcRは、例えば、Ravetch et al.Annu.Rev.Immunol.9:457-492,1991;Capel et al.IImmunomethods 4:25-34,1994;およびde Haas et al.J.Lab.Clin.Med.126:330-41,1995に概説されている。他のFcRは、将来同定されるものを含み、本明細書において用語「FcR」に包含される。この用語には、母体のIgGの胎児への移動に関与する、新生児受容体、FcRnも含まれる(例えば、Guyer et al.J.Immunol.117:587,1976;およびKim et al.J.Immunol.24:249、1994を参照されたい)。
【0077】
「ヒトエフェクター細胞」は、1つ以上のFcRを発現し、エフェクター機能を実行する白血球である。好ましくは、この細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機構を実行する。ADCCを媒介するヒト白血球の例としては、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞、および好中球が挙げられ、PBMCおよびNK細胞が好ましい。エフェクター細胞は、天然供給源、例えば、血液から単離され得る。
【0078】
「補体依存性細胞傷害」または「CDC」は、補体の存在下での標的細胞の溶解を指す。古典的な補体経路の活性化は、補体系の第1成分(C1q)の、それらの同種抗原に結合している(適切なサブクラスの)抗体への結合によって開始される。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano-Santoro et al.J.Immunol.Methods,202:163,1996に記載されるような、CDCアッセイを実行することができる。
【0079】
「エピトープ」は、抗体が選択的に結合する抗原の一部である。ポリペプチド抗原の場合、線状エピトープは、約4~15個(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12個)のアミノ酸残基のペプチド部分であり得る。非線状の、立体構造エピトープは、タンパク質の3次元(3D)構造の近くに持ち込まれたポリペプチド配列の残基を含み得る。いくつかの態様では、エピトープは、抗体の任意の原子の4オングストローム(Å)以内にあるアミノ酸を含む。ある特定の態様では、エピトープは、抗体の任意の原子の3.5Å、3Å、2.5Å、または2Å以内にあるアミノ酸を含む。抗原に接触する抗体のアミノ酸残基(すなわち、パラトープ)は、例えば、抗原と複合体を形成する抗体の結晶構造を決定することによって、または水素/重水素交換を実行することによって決定することができる。
【0080】
「完全長抗体」、「インタクトな抗体」および「全抗体」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、天然の抗体構造と実質的に類似した構造を有する抗体、または本明細書で定義されるFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
【0081】
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生された抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸を有するヒト抗体、および/またはヒト抗体を作製するための技術のいずれかを用いて作製されたヒト抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を明確に除外する。
【0082】
「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に存在するアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループに由来する。一般的に、配列のサブグループは、Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,NIH Publication 91-3242,Bethesda MD,vols.1-3,1991におけるようなサブグループである。VLについての一態様では、サブグループは、Kabatら(上述)におけるようなサブグループのカッパIIIまたはカッパIVである。VHについての一態様では、サブグループは、上述のKabatらにおけるようなサブグループIIIである。
【0083】
非ヒト(例えば、齧歯類)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト抗体由来の最小の配列を含有するキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)の超可変領域の残基を、所望の抗体特異性、親和性、および能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えば、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類の超可変領域の残基で置き換えた抗体である。いくつかの態様では、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)の残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体に見出されない残基を含むことができる。これらの修飾は、抗体性能をさらに洗練させるために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインのうちの実質的にすべてを含み、HVR(例えば、CDR)のうちのすべて、または実質的にすべてが、非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、FRのうちのすべて、または実質的にすべてがヒト免疫グロブリン配列のFRである。ヒト化抗体はまた、任意選択で免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部分も含む。さらなる詳細については、Jones et al.Nature 321:522-525,1986;Riechmann et al.Nature 332:323-329,1988;およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596,1992を参照されたい。
【0084】
本明細書で使用される「超可変領域」または「HVR」という用語は、配列が超可変である抗体可変ドメインの領域の各々(「相補性決定領域」または「CDR」)を指す。一般的に、抗体は6つのCDR:VHに3つ(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)、およびVLに3つ(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)を含む。本明細書の例示的なCDRには、以下が含まれる:
(a)アミノ酸残基26~32(L1)、50~52(L2)、91~96(L3)、26~32(H1)、53~55(H2)、および96~101(H3)に存在するCDR(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901ー917、1987);
(b)アミノ酸残基24~34(L1)、50~56(L2)、89~97(L3)、31~35b(H1)、50~65(H2)、および95~102(H3)に存在するCDR(Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991));ならびに
(c)アミノ酸残基27c~36(L1)、46~55(L2)、89~96(L3)、30~35b(H1)、47~58(H2)、および93~101(H3)に存在する抗原接触部(MacCallum et al.J.Mol.Biol.262:732-745,1996)。
【0085】
別途指示がない限り、可変ドメイン内のHVR残基および他の残基(例えば、FR残基)は、本明細書において、上記のKabatらに従って番号付けされる。
【0086】
「免疫コンジュゲート」とは、細胞傷害性剤が挙げられるが、これに限定されない、1つ以上の異種分子(複数可)にコンジュゲートした抗体である。
【0087】
「単離された」という用語は、本明細書に開示される様々な抗体を説明するために使用される場合、同定され、抗体が発現された細胞もしくは細胞培養物から分離および/または回収された抗体を意味する。その天然の環境の夾雑物成分は、典型的には、ポリペプチドのための診断的または治療的使用に干渉する物質であり、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性のもしくは非タンパク質性の溶質が含まれ得る。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)、等電点電気泳動法(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換HPLCもしくは逆相HPLC)によって測定した場合に95%または99%を超える純度まで精製される。抗体純度を評価するための方法に関する概説については、例えば、Flatman.et al.J.Chromatogr.B 848:79~87,2007を参照されたい。好ましい態様では、抗体は、(1)スピニングカップシークエネーターの使用によって、N末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度に、または(2)非還元または還元条件下でクマシーブルー、または好ましくは銀染色を用いたSDS-PAGEによって均質になるまで精製される。単離された抗体には、組換え細胞内のin situ抗体が含まれ、これは、当該抗体の天然の環境の少なくとも1つの成分が存在しないためである。しかしながら、通常、単離されたポリペプチドは、少なくとも1つの精製工程によって精製される。
【0088】
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は同一であり、および/または抗原上の同じエピトープに結合し、例えば、天然に存在する突然変異を含有するか、もしくはモノクローナル抗体調製物の産生中に生じる可能性のあるバリアント抗体(そのようなバリアントは一般に微量で存在する)を除く。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対する。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、抗体の実質的に均一な集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法が挙げられるが、これらに限定されない、様々な技術によって作製することができ、そのような方法およびモノクローナル抗体を作製するための他の例示的な方法は、本明細書に記載されている。ある特定の態様では、「モノクローナル抗体」という用語は、二重特異性抗体を包含する。
【0089】
「二価抗体」という用語は、抗原に対する2つの結合部位を有する抗体を指す。二価抗体は、限定されないが、IgGフォーマットであり得るか、またはF(ab’)フォーマットであり得る。
【0090】
「多重特異性抗体」という用語は、広義に使用され、1つの抗現上の2つ以上の決定基もしくはエピトープまたは2つ以上の抗原上の2つ以上の決定基もしくはエピトープに結合する抗体を網羅する。そのような多重特異性抗体としては、完全長抗体、2つ以上のVLおよびVHドメインを有する抗体、Fab、Fv、dsFv、scFv、ダイアボディ、二重特異性ダイアボディおよびトリアボディなどの抗体断片、共有結合または非共有結合された抗体断片が挙げられるが、これらに限定されない。「ポリエピトープ特異性」とは、同じまたは異なる標的(複数可)上の2つ以上の異なるエピトープに特異的に結合する能力を指す。ある特定の態様では、多重特異性抗体は、二重特異性抗体である。「二特異性(dual specificity)」または「二重特異性」とは、同じまたは異なる標的(複数可)上の2つの異なるエピトープに特異的に結合する能力を指す。しかしながら、二重特異性抗体とは対照的に、二特異性抗体は、アミノ酸配列が同一である2つの抗原結合アームを有し、各Fabアームは2つの抗原を認識することができる。二特異性抗体により、抗体は、単一のFabまたはIgG分子として、2つの異なる抗原と高親和性で相互作用することが可能となる。一態様によれば、多重特異性抗体は、5μM~0.001pM、3μM~0.001pM、1μM~0.001pM、0.5μM~0.001pMまたは0.1μM~0.001pMの親和性で各エピトープに結合する。「単一特異性」とは、1つのみのエピトープに結合する能力を指す。
【0091】
「ネイキッド抗体」とは、異種部分(例えば、細胞傷害性部分)または放射標識にコンジュゲートされない抗体を指す。ネイキッド抗体は、薬学的組成物で存在してもよい。
【0092】
抗体の標的分子への結合に関して、「結合する」もしくは「結合」または「特異的結合」もしくは「~に特異的に結合する」または特定のポリペプチドもしくは特定のポリペプチド標的上のエピトープ「に特異的」であるという用語は、非特異的な相互作用とは明らかに異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、分子の結合を対照分子の結合と比較して決定することによって測定することができる。例えば、特異的結合は、標的に対して、例えば、過剰な非標識に対して類似している対照分子との競合によって決定することができる。この場合、標識標的のプローブへの結合が、過剰な非標識標的によって競合的に阻害される場合に、特異的結合が示される。本明細書で使用される「特異的結合」もしくは「~に特異的に結合する」または特定のポリペプチドもしくは特定のポリペプチド標的上のエピトープ「に特異的」であるという用語は、例えば、10-4M以下、あるいは10-5M以下、あるいは10-6M以下、あるいは10-7M以下、あるいは10-8M以下、あるいは10-9M以下、あるいは10-10M以下、あるいは10-11M以下、あるいは10-12M以下の標的に対するK、もしくは10-4M~10-6Mまたは10-6M~10-10Mまたは10-7M~10-9Mの範囲のKを有する分子によって示され得る。当業者によって理解されるように、親和性とK値とは逆の関係にある。抗原に対する高い親和性は、低いKD値によって測定される。一態様では、「特異的結合」という用語は、分子が、いかなる他のポリペプチドもしくはポリペプチドエピトープにも結合することなく、特定のポリペプチドもしくは特定のポリペプチド上のエピトープに結合する結合を指す。
【0093】
「Kabatにおけるような可変ドメイン残基番号付け」または「Kabatにおけるようなアミノ酸位置番号付け」という用語およびそれらの変形は、Kabatら(上述の)における抗体の編集(compliation)の重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに使用される番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを使用すると、ペプチドの実際の直鎖状アミノ酸配列は、可変ドメインのFRもしくはHVRの短縮またはそれらへの挿入に対応して、より少ない、または追加のアミノ酸を含有し得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後ろの単一のアミノ酸インサート(Kabatによると、残基52a)と、重鎖FR残基82の後ろの挿入された残基(例えば、Kabatによると、残基82a、82b、および82cなど)を含む場合がある。残基のカバット番号付けは、抗体の配列の相同領域における「標準」カバット番号付け配列との配列比較(alignment)により、任意の抗体について決定することができる。
【0094】
カバット番号付けシステムは、一般的に、可変ドメインにおける残基(軽鎖の残基1~107程度および重鎖の残基1~113程度)に言及する場合に使用される(例えば、Kabat et al.(上述))。「EU番号付けシステム」または「EUインデックス」は、一般的に、免疫グロブリン重鎖定常領域における残基に言及するときに使用される(例えば、Kabat et al.(上述)において報告されているEUインデックス)。「KabatにおけるようなEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。特に明記しない限り、抗体の可変ドメインにおける残基番号への言及は、カバット番号付けシステムによる残基番号付与を意味する。特に明記しない限り、抗体の定常ドメインにおける残基番号への言及は、EU番号付けシステムによる残基番号付与を意味する(例えば、米国特許仮出願第60/640,323号のEU番号付けに関する図を参照されたい)。
【0095】
本明細書で特定されたポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列アライメントを行い、必要であれば、最大の配列同一性パーセントを達成するためにギャップを導入した後、比較されるポリペプチド中のアミノ酸残基と同一であり、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮しない、候補配列中のアミノ酸残基の割合として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの一般に公開されているコンピュータソフトウェアを使用して、当該技術分野の技能範囲内である様々な方法で達成することができる。当業者であれば、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含め、アライメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書の目的のために、アミノ酸配列同一性%値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用して生成される。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって作成され、ソースコードは、米国著作権局、Washington D.C.,20559にユーザドキュメントと共に提出され、ここで米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。ALIGN-2プログラムは、Genentech,Inc.,South San Francisco,Californiaを通じて一般公開されている。ALIGN-2プログラムは、UNIXオペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX V4.0Dで使用するためにコンパイルする必要がある。すべての配列比較パラメータは、ALIGN-2 プログラムによって設定され、変化しない。
【0096】
ALIGN-2がアミノ酸配列比較に使用される状況では、所与のアミノ酸配列A対所与のアミノ酸配列B、所与のアミノ酸配列Aの所与のアミノ酸配列Bとの、または所与のアミノ酸配列Aの所与のアミノ酸配列Bに対してアミノ酸配列同一性%(あるいは、対所与のアミノ酸配列B、所与のアミノ酸配列Bとの、または所与のアミノ酸配列Bに対してある特定のアミノ酸配列同一性%を有するまたは含む所与のアミノ酸配列Aと言い換えることができる)は、以下のように計算され:
100×分数X/Y
式中、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2によってAとBのプログラムのアラインメントで完全な一致としてスコア付けされたアミノ酸残基の数であり、YはBのアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAのアミノ酸配列同一性%は、Aに対するBのアミノ酸配列同一性%と等しくないことが理解されたい。別段の明確な記載がない限り、本明細書で使用されるすべてのアミノ酸配列同一性%値は、ALIGN-2コンピュータプログラムを使用して、直前の段落で説明したように得られる。
【0097】
「添付文書」という用語は、治療用製品の使用に関する説明、使用、剤形、投与、併用療法、禁忌および/または注意に関する情報を含む、かかる治療用製品の市販パッケージに慣習的に含まれる使用説明書を指すものとして用いられる。
【0098】
「薬学的製剤」および「薬学的組成物」という用語は、本明細書では互換的に使用され、それに含まれる有効成分の生物活性が有効であることを可能にするような形態であり、製剤が投与される対象にとって許容できないほど有毒な追加の成分を含まない調製物を指す。そのような製剤は、滅菌製剤である。
【0099】
「滅菌」製剤は、無菌であるか、またはすべての生きた微生物およびそれらの胞子を含まないか、または本質的に含まない。
【0100】
「薬学的に許容される担体」とは、対象に取って非毒性の活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体としては、バッファー、添加物、安定剤、または防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
「キット」は、少なくとも1つの試薬、例えば、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)の治療のための医薬(例えば、抗トリプターゼ抗体)を含む任意の製造品(例えば、パッケージまたは容器)である。製造品は、好ましくは、本開示の方法を実行するための単位として促進、分配、または販売される。
【0102】
III. 本発明の治療方法、使用のための組成物、および使用
本発明は、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法、CSUを有する患者の治療で使用するための組成物(例えば、抗トリプターゼ抗体)、および例えば、CSUを有する患者を治療するための医薬の製造または調製における、抗トリプターゼ抗体の使用を特徴とする。
【0103】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、2~12回の投与を含み、合計で約150mg~約43,200mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与される。
【0104】
別の態様では、本発明は、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、2~12回の投与を含み、合計で約130mg~約43,200mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与される。
【0105】
さらに別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、2~12回の投与用量を含み、合計で約150mg~約43,200mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与される。
【0106】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与される。
【0107】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与される。
【0108】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与される。
【0109】
例えば、いくつかの態様では、投与サイクルは、2、3、4、5、または6回の投与を含む。いくつかの態様では、投与サイクルは、2回の投与を含む。他の態様では、投与サイクルは、3回の投与を含む。他の態様では、投与サイクルは、4回の投与を含む。他の態様では、投与サイクルは、5回の投与を含む。他の態様では、投与サイクルは、6回の投与を含む。
【0110】
いくつかの態様では、合計で約300mg~約21,600mg、約300mg~約21,000mg、約300mg~約20,000mg、約300mg~約19,000mg、約300mg~約18,000mg、約300mg~約17,000mg、約300mg~約16,000mg、約300mg~約15,000mg、約300mg~約14,000mg、約300mg~約13,000mg、約300mg~約12,000mg、約300mg~約11,000mg、約300mg~約10,000mg、約300mg~約9,000mg、約300mg~約8,000mg、約300mg~約7,000mg、約300mg~約6,000mg、約300mg~約7,000mg、約300mg~約6,000mg、約300mg~約5,000mg、約300mg~約4,000mg、約300mg~約3,000mg、約300mg~約2,000mg、約300mg~約1,000mg、約300mg~約900mg、約300mg~約600mg、約600mg~約21,600mg、約600mg~約21,000mg、約600mg~約20,000mg、約600mg~約19,000mg、約600mg~約18,000mg、約600mg~約17,000mg、約600mg~約16,000mg、約600mg~約15,000mg、約600mg~約14,000mg、約600mg~約13,000mg、約600mg~約12,000mg、約600mg~約11,000mg、約600mg~約10,000mg、約600mg~約9,000mg、約600mg~約8,000mg、約600mg~約7,000mg、約600mg~約6,000mg、約600mg~約7,000mg、約600mg~約6,000mg、約600mg~約5,000mg、約600mg~約4,000mg、約600mg~約3,000mg、約600mg~約2,000mg、約600mg~約1,000mg、約600mg~約900mg、約900mg~約21,600mg、約900mg~約21,000mg、約900mg~約20,000mg、約900mg~約19,000mg、約900mg~約18,000mg、約900mg~約17,000mg、約900mg~約16,000mg、約900mg~約15,000mg、約900mg~約14,000mg、約900mg~約13,000mg、約900mg~約12,000mg、約900mg~約11,000mg、約900mg~約10,000mg、約900mg~約9,000mg、約900mg~約8,000mg、約900mg~約7,000mg、約900mg~約6,000mg、約900mg~約7,000mg、約900mg~約6,000mg、約900mg~約5,000mg、約900mg~約4,000mg、約900mg~約3,000mg、約900mg~約2,000mg、約900mg~約1,000mg、約1,000mg~約21,600mg、約1,000mg~約21,000mg、約1,000mg~約20,000mg、約1,000mg~約19,000mg、約1,000mg~約18,000mg、約1,000mg~約17,000mg、約1,000mg~約16,000mg、約1,000mg~約15,000mg、約1,000mg~約14,000mg、約1,000mg~約13,000mg、約1,000mg~約12,000mg、約1,000mg~約11,000mg、約1,000mg~約10,000mg、約1,000mg~約9,000mg、約1,000mg~約8,000mg、約1,000mg~約7,000mg、約1,000mg~約6,000mg、約1,000mg~約7,000mg、約1,000mg~約6,000mg、約1,000mg~約5,000mg、約1,000mg~約4,000mg、約1,000mg~約3,000mg、約1,000mg~約2,000mg、約2,000mg~約21,600mg、約2,000mg~約21,000mg、約2,000mg~約20,000mg、約2,000mg~約19,000mg、約2,000mg~約18,000mg、約2,000mg~約17,000mg、約2,000mg~約16,000mg、約2,000mg~約15,000mg、約2,000mg~約14,000mg、約2,000mg~約13,000mg、約2,000mg~約12,000mg、約2,000mg~約11,000mg、約2,000mg~約10,000mg、約2,000mg~約9,000mg、約2,000mg~約8,000mg、約2,000mg~約7,000mg、約2,000mg~約6,000mg、約2,000mg~約7,000mg、約2,000mg~約6,000mg、約2,000mg~約5,000mg、約2,000mg~約4,000mg、約2,000mg~約3,000mg、約3,000mg~約21,600mg、約3,000mg~約21,000mg、約3,000mg~約20,000mg、約3,000mg~約19,000mg、約3,000mg~約18,000mg、約3,000mg~約17,000mg、約3,000mg~約16,000mg、約3,000mg~約15,000mg、約3,000mg~約14,000mg、約3,000mg~約13,000mg、約3,000mg~約12,000mg、約3,000mg~約11,000mg、約3,000mg~約10,000mg、約3,000mg~約9,000mg、約3,000mg~約8,000mg、約3,000mg~約7,000mg、約3,000mg~約6,000mg、約3,000mg~約7,000mg、約3,000mg~約6,000mg、約3,000mg~約5,000mg、約3,000mg~約4,000mg、約4,000mg~約21,600mg、約4,000mg~約21,000mg、約4,000mg~約20,000mg、約4,000mg~約19,000mg、約4,000mg~約18,000mg、約4,000mg~約17,000mg、約4,000mg~約16,000mg、約4,000mg~約15,000mg、約4,000mg~約14,000mg、約4,000mg~約13,000mg、約4,000mg~約12,000mg、約4,000mg~約11,000mg、約4,000mg~約10,000mg、約4,000mg~約9,000mg、約4,000mg~約8,000mg、約4,000mg~約7,000mg、約4,000mg~約6,000mg、約4,000mg~約7,000mg、約4,000mg~約6,000mg、約4,000mg~約5,000mg、約5,000mg~約21,600mg、約5,000mg~約21,000mg、約5,000mg~約20,000mg、約5,000mg~約19,000mg、約5,000mg~約18,000mg、約5,000mg~約17,000mg、約5,000mg~約16,000mg、約5,000mg~約15,000mg、約5,000mg~約14,000mg、約5,000mg~約13,000mg、約5,000mg~約12,000mg、約5,000mg~約11,000mg、約5,000mg~約10,000mg、約5,000mg~約9,000mg、約5,000mg~約8,000mg、約5,000mg~約7,000mg、約5,000mg~約6,000mg、約5,000mg~約7,000mg、約5,000mg~約6,000mg、約6,000mg~約21,600mg、約6,000mg~約21,000mg、約6,000mg~約20,000mg、約6,000mg~約19,000mg、約6,000mg~約18,000mg、約6,000mg~約17,000mg、約6,000mg~約16,000mg、約6,000mg~約15,000mg、約6,000mg~約14,000mg、約6,000mg~約13,000mg、約6,000mg~約12,000mg、約6,000mg~約11,000mg、約6,000mg~約10,000mg、約6,000mg~約9,000mg、約6,000mg~約8,000mg、約6,000mg~約7,000mg、約7,000mg~約21,600mg、約7,000mg~約21,000mg、約7,000mg~約20,000mg、約7,000mg~約19,000mg、約7,000mg~約18,000mg、約7,000mg~約17,000mg、約7,000mg~約16,000mg、約7,000mg~約15,000mg、約7,000mg~約14,000mg、約7,000mg~約13,000mg、約7,000mg~約12,000mg、約7,000mg~約11,000mg、約7,000mg~約10,000mg、約7,000mg~約9,000mg、約7,000mg~約8,000mg、約8,000mg~約21,600mg、約8,000mg~約21,000mg、約8,000mg~約20,000mg、約8,000mg~約19,000mg、約8,000mg~約18,000mg、約8,000mg~約17,000mg、約8,000mg~約16,000mg、約8,000mg~約15,000mg、約8,000mg~約14,000mg、約8,000mg~約13,000mg、約8,000mg~約12,000mg、約8,000mg~約11,000mg、約8,000mg~約10,000mg、約8,000mg~約9,000mg、約9,000mg~約21,600mg、約9,000mg~約21,000mg、約9,000mg~約20,000mg、約9,000mg~約19,000mg、約9,000mg~約18,000mg、約9,000mg~約17,000mg、約9,000mg~約16,000mg、約9,000mg~約15,000mg、約9,000mg~約14,000mg、約9,000mg~約13,000mg、約9,000mg~約12,000mg、約9,000mg~約11,000mg、約9,000mg~約10,000mg、約10,000mg~約21,600mg、約10,000mg~約21,000mg、約10,000mg~約20,000mg、約10,000mg~約19,000mg、約10,000mg~約18,000mg、約10,000mg~約17,000mg、約10,000mg~約16,000mg、約10,000mg~約15,000mg、約10,000mg~約14,000mg、約10,000mg~約13,000mg、約10,000mg~約12,000mg、約10,000mg~約11,000mg、約11,000mg~約21,600mg、約11,000mg~約21,000mg、約11,000mg~約20,000mg、約11,000mg~約19,000mg、約11,000mg~約18,000mg、約11,000mg~約17,000mg、約11,000mg~約16,000mg、約11,000mg~約15,000mg、約11,000mg~約14,000mg、約11,000mg~約13,000mg、約11,000mg~約12,000mg、約12,000mg~約21,600mg、約12,000mg~約21,000mg、約12,000mg~約20,000mg、約12,000mg~約19,000mg、約12,000mg~約18,000mg、約12,000mg~約17,000mg、約12,000mg~約16,000mg、約12,000mg~約15,000mg、約12,000mg~約14,000mg、約12,000mg~約13,000mg、約13,000mg~約21,600mg、約13,000mg~約21,000mg、約13,000mg~約20,000mg、約13,000mg~約19,000mg、約13,000mg~約18,000mg、約13,000mg~約17,000mg、約13,000mg~約16,000mg、約13,000mg~約15,000mg、約1
3,000mg~約14,000mg、約14,000mg~約21,600mg、約14,000mg~約21,000mg、約14,000mg~約20,000mg、約14,000mg~約19,000mg、約14,000mg~約18,000mg、約14,000mg~約17,000mg、約14,000mg~約16,000mg、約14,000mg~約15,000mg、約15,000mg~約21,600mg、約15,000mg~約21,000mg、約15,000mg~約20,000mg、約15,000mg~約19,000mg、約15,000mg~約18,000mg、約15,000mg~約17,000mg、約15,000mg~約16,000mg、約16,000mg~約21,600mg、約16,000mg~約21,000mg、約16,000mg~約20,000mg、約16,000mg~約19,000mg、約16,000mg~約18,000mg、約16,000mg~約17,000mg、約17,000mg~約21,600mg、約17,000mg~約21,000mg、約17,000mg~約20,000mg、約17,000mg~約19,000mg、約17,000mg~約18,000mg、約18,000mg~約21,600mg、約18,000mg~約21,000mg、約18,000mg~約20,000mg、約18,000mg~約19,000mg、約19,000mg~約21,600mg、約19,000mg~約21,000mg、約19,000mg~約20,000mg、約20,000mg~約21,600mg、約20,000mg~約21,000mg、または約21,000mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与される。
【0111】
抗トリプターゼ抗体は、任意の好適な投与用量、例えば、本明細書に記載される任意の投与用量で投与されてもよい。いくつかの例では、投与用量は、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVである。
【0112】
例えば、一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約50mg~約1000mg SC(例えば、ポンプによる(例えば、パッチポンプによる))の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与される。
【0113】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約50mg~約1000mg SC(例えば、ポンプによる(例えば、パッチポンプによる))の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。
【0114】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約50mg~約1000mg SC(例えば、ポンプによる(例えば、パッチポンプによる))の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。
【0115】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約450mg~約3600mg IVの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。
【0116】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約450mg~約3600mg IVの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。
【0117】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約450mg~約3600mg IVの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。
【0118】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約300mg~約3600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、静脈内(IV)でまたは皮下(SC)で投与され得る。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0119】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約300mg~約3600mg の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0120】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約300mg~約3600mg IVの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0121】
例えば、一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約25mg~約450mg(例えば、約300mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、IVまたはSCで投与されてもよい。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0122】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約25mg~約450mg(例えば、約300mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0123】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約25mg~約450mg(例えば、約300mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0124】
例えば、先行する態様のいずれかにおいて、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、および/または抗トリプターゼ抗体の任意の追加の用量は、約25mg~約450mg、約25mg~約425mg、約25mg~約400mg、約25mg~約375mg、約25mg~約350mg、約25mg~約325mg、約25mg~約300mg、約25mg~約275mg、約25mg~約250mg、約25mg~約225mg、約25mg~約200mg、約25mg~約175mg、約25mg~約150mg、約25mg~約125mg、約25mg~約100mg、約25mg~約75mg、約25mg~約50mg、約50mg~約450mg、約50mg~約425mg、約50mg~約400mg、約50mg~約375mg、約50mg~約350mg、約50mg~約325mg、約50mg~約300mg、約50mg~約275mg、約50mg~約250mg、約50mg~約225mg、約50mg~約200mg、約50mg~約175mg、約50mg~約150mg、約50mg~約125mg、約50mg~約100mg、約50mg~約75mg、約75mg~約450mg、約75mg~約425mg、約75mg~約400mg、約75mg~約375mg、約75mg~約350mg、約75mg~約325mg、約75mg~約300mg、約75mg~約275mg、約75mg~約250mg、約75mg~約225mg、約75mg~約200mg、約75mg~約175mg、約75mg~約150mg、約75mg~約125mg、約75mg~約100mg、約100mg~約450mg、約100mg~約425mg、約100mg~約400mg、約100mg~約375mg、約100mg~約350mg、約100mg~約325mg、約100mg~約300mg、約100mg~約275mg、約100mg~約250mg、約100mg~約225mg、約100mg~約200mg、約100mg~約175mg、約100mg~約150mg、約100mg~約125mg、約125mg~約450mg、約125mg~約425mg、約125mg~約400mg、約125mg~約375mg、約125mg~約350mg、約125mg~約325mg、約125mg~約300mg、約125mg~約275mg、約125mg~約250mg、約125mg~約225mg、約125mg~約200mg、約125mg~約175mg、約125mg~約150mg、約150mg~約450mg、約150mg~約425mg、約150mg~約400mg、約150mg~約375mg、約150mg~約350mg、約150mg~約325mg、約150mg~約300mg、約150mg~約275mg、約150mg~約250mg、約150mg~約225mg、約150mg~約200mg、約150mg~約175mg、約175mg~約450mg、約175mg~約425mg、約175mg~約400mg、約175mg~約375mg、約175mg~約350mg、約175mg~約325mg、約175mg~約300mg、約175mg~約275mg、約175mg~約250mg、約175mg~約225mg、約175mg~約200mg、約200mg~約450mg、約200mg~約425mg、約200mg~約400mg、約200mg~約375mg、約200mg~約350mg、約200mg~約325mg、約200mg~約300mg、約200mg~約275mg、約200mg~約250mg、約200mg~約225mg、約225mg~約450mg、約225mg~約425mg、約225mg~約400mg、約225mg~約375mg、約225mg~約350mg、約225mg~約325mg、約225mg~約300mg、約225mg~約275mg、約225mg~約250mg、約250mg~約450mg、約250mg~約425mg、約250mg~約400mg、約250mg~約375mg、約250mg~約350mg、約250mg~約325mg、約250mg~約300mg、約250mg~約275mg、約275mg~約450mg、約275mg~約425mg、約275mg~約400mg、約275mg~約375mg、約275mg~約350mg、約275mg~約325mg、約275mg~約300mg、約300mg~約450mg、約300mg~約425mg、約300mg~約400mg、約300mg~約375mg、約300mg~約350mg、約300mg~約325mg、約325mg~約450mg、約325mg~約425mg、約325mg~約400mg、約325mg~約375mg、約325mg~約350mg、約350mg~約450mg、約350mg~約425mg、約350mg~約400mg、約350mg~約375mg、約375mg~約450mg、約375mg~約425mg、約375mg~約400mg、約400mg~約450mg、約400mg~約425mg、または約425mg~約450mgであり得る。
【0125】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約300mg~約750mg(例えば、約450mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、IVまたはSCで投与されてもよい。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0126】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約300mg~約750mg(例えば、約450mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0127】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約300mg~約750mg(例えば、約450mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0128】
例えば、先行する態様のいずれかにおいて、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、および/または抗トリプターゼ抗体の任意の追加の用量は、約300mg~約750mg、約300mg~約725mg、約300mg~約700mg、約300mg~約675mg、約300mg~約650mg、約300mg~約625mg、約300mg~約600mg、約300mg~約575mg、約300mg~約550mg、約300mg~約525mg、約300mg~約500mg、約300mg~約475mg、約300mg~約450mg、約300mg~約425mg、約300mg~約400mg、約300mg~約375mg、約300mg~約350mg、約300mg~約325mg、約325mg~約750mg、約325mg~約725mg、約325mg~約700mg、約325mg~約675mg、約325mg~約650mg、約325mg~約625mg、約325mg~約600mg、約325mg~約575mg、約325mg~約550mg、約325mg~約525mg、約325mg~約500mg、約325mg~約475mg、約325mg~約450mg、約325mg~約425mg、約325mg~約400mg、約325mg~約375mg、約325mg~約350mg、約350mg~約750mg、約350mg~約725mg、約350mg~約700mg、約350mg~約675mg、約350mg~約650mg、約350mg~約625mg、約350mg~約600mg、約350mg~約575mg、約350mg~約550mg、約350mg~約525mg、約350mg~約500mg、約350mg~約475mg、約350mg~約450mg、約350mg~約425mg、約350mg~約400mg、約350mg~約375mg、約375mg~約750mg、約375mg~約725mg、約375mg~約700mg、約375mg~約675mg、約375mg~約650mg、約375mg~約625mg、約375mg~約600mg、約375mg~約575mg、約375mg~約550mg、約375mg~約525mg、約375mg~約500mg、約375mg~約475mg、約375mg~約450mg、約375mg~約425mg、約375mg~約400mg、約400mg~約750mg、約400mg~約725mg、約400mg~約700mg、約400mg~約675mg、約400mg~約650mg、約400mg~約625mg、約400mg~約600mg、約400mg~約575mg、約400mg~約550mg、約400mg~約525mg、約400mg~約500mg、約400mg~約475mg、約400mg~約450mg、約400mg~約425mg、約425mg~約750mg、約425mg~約725mg、約425mg~約700mg、約425mg~約675mg、約425mg~約650mg、約425mg~約625mg、約425mg~約600mg、約425mg~約575mg、約425mg~約550mg、約425mg~約525mg、約425mg~約500mg、約425mg~約475mg、約425mg~約450mg、約450mg~約750mg、約450mg~約725mg、約450mg~約700mg、約450mg~約675mg、約450mg~約650mg、約450mg~約625mg、約450mg~約600mg、約450mg~約575mg、約450mg~約550mg、約450mg~約525mg、約450mg~約500mg、約450mg~約475mg、約475mg~約750mg、約475mg~約725mg、約475mg~約700mg、約475mg~約675mg、約475mg~約650mg、約475mg~約625mg、約475mg~約600mg、約475mg~約575mg、約475mg~約550mg、約475mg~約525mg、約475mg~約500mg、約500mg~約750mg、約500mg~約725mg、約500mg~約700mg、約500mg~約675mg、約500mg~約650mg、約500mg~約625mg、約500mg~約600mg、約500mg~約575mg、約500mg~約550mg、約500mg~約525mg、約525mg~約750mg、約525mg~約725mg、約525mg~約700mg、約525mg~約675mg、約525mg~約650mg、約525mg~約625mg、約525mg~約600mg、約525mg~約575mg、約525mg~約550mg、約550mg~約750mg、約550mg~約725mg、約550mg~約700mg、約550mg~約675mg、約550mg~約650mg、約550mg~約625mg、約550mg~約600mg、約550mg~約575mg、約575mg~約750mg、約575mg~約725mg、約575mg~約700mg、約575mg~約675mg、約575mg~約650mg、約575mg~約625mg、約575mg~約600mg、約600mg~約750mg、約600mg~約725mg、約600mg~約700mg、約600mg~約675mg、約600mg~約650mg、約600mg~約625mg、約625mg~約750mg、約625mg~約725mg、約625mg~約700mg、約625mg~約675mg、約625mg~約650mg、約650mg~約750mg、約650mg~約725mg、約650mg~約700mg、約650mg~約675mg、約675mg~約750mg、約675mg~約725mg、約675mg~約700mg、約700mg~約750mg、約700mg~約725mg、または約725mg~約750mgであり得る。
【0129】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約400mg~約800mg(例えば、約600mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、IVまたはSCで投与されてもよい。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0130】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約400mg~約800mg(例えば、約600mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0131】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約400mg~約800mg(例えば、約600mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0132】
例えば、先行する態様のいずれかにおいて、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、および/または抗トリプターゼ抗体の任意の追加の用量は、約400mg~約800mg、約400mg~約775mg、約400mg~約750mg、約400mg~約725mg、約400mg~約700mg、約400mg~約675mg、約400mg~約650mg、約400mg~約625mg、約400mg~約600mg、約400mg~約575mg、約400mg~約550mg、約400mg~約525mg、約400mg~約500mg、約400mg~約475mg、約400mg~約450mg、約400mg~約425mg、約425mg~約800mg、約425mg~約775mg、約425mg~約750mg、約425mg~約725mg、約425mg~約700mg、約425mg~約675mg、約425mg~約650mg、約425mg~約625mg、約425mg~約600mg、約425mg~約575mg、約425mg~約550mg、約425mg~約525mg、約425mg~約500mg、約425mg~約475mg、約425mg~約450mg、約450mg~約800mg、約450mg~約775mg、約450mg~約750mg、約450mg~約725mg、約450mg~約700mg、約450mg~約675mg、約450mg~約650mg、約450mg~約625mg、約450mg~約600mg、約450mg~約575mg、約450mg~約550mg、約450mg~約525mg、約450mg~約500mg、約450mg~約475mg、約475mg~約800mg、約475mg~約775mg、約475mg~約750mg、約475mg~約725mg、約475mg~約700mg、約475mg~約675mg、約475mg~約650mg、約475mg~約625mg、約475mg~約600mg、約475mg~約575mg、約475mg~約550mg、約475mg~約525mg、約475mg~約500mg、約500mg~約800mg、約500mg~約775mg、約500mg~約750mg、約500mg~約725mg、約500mg~約700mg、約500mg~約675mg、約500mg~約650mg、約500mg~約625mg、約500mg~約600mg、約500mg~約575mg、約500mg~約550mg、約500mg~約525mg、約525mg~約800mg、約525mg~約775mg、約525mg~約750mg、約525mg~約725mg、約525mg~約700mg、約525mg~約675mg、約525mg~約650mg、約525mg~約625mg、約525mg~約600mg、約525mg~約575mg、約525mg~約550mg、約550mg~約800mg、約550mg~約775mg、約550mg~約750mg、約550mg~約725mg、約550mg~約700mg、約550mg~約675mg、約550mg~約650mg、約550mg~約625mg、約550mg~約600mg、約550mg~約575mg、約575mg~約800mg、約575mg~約775mg、約575mg~約750mg、約575mg~約725mg、約575mg~約700mg、約575mg~約675mg、約575mg~約650mg、約575mg~約625mg、約575mg~約600mg、約600mg~約800mg、約600mg~約775mg、約600mg~約750mg、約600mg~約725mg、約600mg~約700mg、約600mg~約675mg、約600mg~約650mg、約600mg~約625mg、約625mg~約800mg、約625mg~約775mg、約625mg~約750mg、約625mg~約725mg、約625mg~約700mg、約625mg~約675mg、約625mg~約650mg、約650mg~約800mg、約650mg~約775mg、約650mg~約750mg、約650mg~約725mg、約650mg~約700mg、約650mg~約675mg、約675mg~約800mg、約675mg~約775mg、約675mg~約750mg、約675mg~約725mg、約675mg~約700mg、約700mg~約800mg、約700mg~約775mg、約700mg~約750mg、約700mg~約725mg、約725mg~約800mg、約725mg~約775mg、約725mg~約750mg、約750mg~約800mg、約750mg~約775mg、または約775mg~約800mgであり得る。
【0133】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約450mg~約900mg(例えば、約750mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、IVまたはSCで投与されてもよい。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0134】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約450mg~約900mg(例えば、約750mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0135】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約450mg~約900mg(例えば、約750mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0136】
例えば、先行する態様のいずれかにおいて、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、および/または抗トリプターゼ抗体の任意の追加の用量は、約450mg~約900mg、約450mg~約875mg、約450mg~約850mg、約450mg~約825mg、約450mg~約800mg、約450mg~約775mg、約450mg~約750mg、約450mg~約725mg、約450mg~約700mg、約450mg~約675mg、約450mg~約650mg、約450mg~約625mg、約450mg~約600mg、約450mg~約575mg、約450mg~約550mg、約450mg~約525mg、約450mg~約500mg、約450mg~約475mg、約475mg~約900mg、約475mg~約875mg、約475mg~約850mg、約475mg~約825mg、約475mg~約800mg、約475mg~約775mg、約475mg~約750mg、約475mg~約725mg、約475mg~約700mg、約475mg~約675mg、約475mg~約650mg、約475mg~約625mg、約475mg~約600mg、約475mg~約575mg、約475mg~約550mg、約475mg~約525mg、約475mg~約500mg、約500mg~約900mg、約500mg~約875mg、約500mg~約850mg、約500mg~約825mg、約500mg~約800mg、約500mg~約775mg、約500mg~約750mg、約500mg~約725mg、約500mg~約700mg、約500mg~約675mg、約500mg~約650mg、約500mg~約625mg、約500mg~約600mg、約500mg~約575mg、約500mg~約550mg、約500mg~約525mg、約500mg~約900mg、約500mg~約875mg、約500mg~約850mg、約500mg~約825mg、約500mg~約800mg、約500mg~約775mg、約500mg~約750mg、約500mg~約725mg、約500mg~約700mg、約500mg~約675mg、約500mg~約650mg、約500mg~約625mg、約500mg~約600mg、約500mg~約575mg、約500mg~約550mg、約500mg~約525mg、約525mg~約900mg、約525mg~約875mg、約525mg~約850mg、約525mg~約825mg、約525mg~約800mg、約525mg~約775mg、約525mg~約750mg、約525mg~約725mg、約525mg~約700mg、約525mg~約675mg、約525mg~約650mg、約525mg~約625mg、約525mg~約600mg、約525mg~約575mg、約525mg~約550mg、約550mg~約900mg、約550mg~約875mg、約550mg~約850mg、約550mg~約825mg、約550mg~約800mg、約550mg~約775mg、約550mg~約750mg、約550mg~約725mg、約550mg~約700mg、約550mg~約675mg、約550mg~約650mg、約550mg~約625mg、約550mg~約600mg、約550mg~約575mg、約575mg~約900mg、約575mg~約875mg、約575mg~約850mg、約575mg~約825mg、約575mg~約800mg、約575mg~約775mg、約575mg~約750mg、約575mg~約725mg、約575mg~約700mg、約575mg~約675mg、約575mg~約650mg、約575mg~約625mg、約575mg~約600mg、約600mg~約900mg、約600mg~約875mg、約600mg~約850mg、約600mg~約825mg、約600mg~約800mg、約600mg~約775mg、約600mg~約750mg、約600mg~約725mg、約600mg~約700mg、約600mg~約675mg、約600mg~約650mg、約600mg~約625mg、約625mg~約900mg、約625mg~約875mg、約625mg~約850mg、約625mg~約825mg、約625mg~約800mg、約625mg~約775mg、約625mg~約750mg、約625mg~約725mg、約625mg~約700mg、約625mg~約675mg、約625mg~約650mg、約650mg~約900mg、約650mg~約875mg、約650mg~約850mg、約650mg~約825mg、約650mg~約800mg、約650mg~約775mg、約650mg~約750mg、約650mg~約725mg、約650mg~約700mg、約650mg~約675mg、約675mg~約900mg、約675mg~約875mg、約675mg~約850mg、約675mg~約825mg、約675mg~約800mg、約675mg~約775mg、約675mg~約750mg、約675mg~約725mg、約675mg~約700mg、約700mg~約900mg、約700mg~約875mg、約700mg~約850mg、約700mg~約825mg、約700mg~約800mg、約700mg~約775mg、約700mg~約750mg、約700mg~約725mg、約725mg~約900mg、約725mg~約875mg、約725mg~約850mg、約725mg~約825mg、約725mg~約800mg、約725mg~約775mg、約725mg~約750mg、約750mg~約900mg、約750mg~約875mg、約750mg~約850mg、約750mg~約825mg、約750mg~約800mg、約750mg~約775mg、約775mg~約900mg、約775mg~約875mg、約775mg~約850mg、約775mg~約825mg、約775mg~約800mg、約800mg~約900mg、約800mg~約875mg、約800mg~約850mg、約800mg~約825mg、約825mg~約900mg、約825mg~約875mg、約825mg~約850mg、約850mg~約900mg、約850mg~約875mg、または約875mg~約900mgであり得る。
【0137】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約750mg~約1350mg(例えば、約900mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、IVまたはSCで投与されてもよい。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0138】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約750mg~約1350mg(例えば、約900mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0139】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約750mg~約1350mg(例えば、約900mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0140】
例えば、先行する態様のいずれかにおいて、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、および/または抗トリプターゼ抗体の任意の追加の用量は、約750mg~約1350mg、約750mg~約1325mg、約750mg~約1300mg、約750mg~約1275mg、約750mg~約1250mg、約750mg~約1225mg、約750mg~約1200mg、約750mg~約1175mg、約750mg~約1150mg、約750mg~約1125mg、約750mg~約1100mg、約750mg~約1075mg、約750mg~約1050mg、約750mg~約1025mg、約750mg~約1000mg、約750mg~約975mg、約750mg~約950mg、約750mg~約925mg、約750mg~約900mg、約750mg~約875mg、約750mg~約850mg、約750mg~約825mg、約750mg~約800mg、約750mg~約775mg、約775mg~約1350mg、約775mg~約1325mg、約775mg~約1300mg、約775mg~約1275mg、約775mg~約1250mg、約775mg~約1225mg、約775mg~約1200mg、約775mg~約1175mg、約775mg~約1150mg、約775mg~約1125mg、約775mg~約1100mg、約775mg~約1075mg、約775mg~約1050mg、約775mg~約1025mg、約775mg~約1000mg、約775mg~約975mg、約775mg~約950mg、約775mg~約925mg、約775mg~約900mg、約775mg~約875mg、約775mg~約850mg、約775mg~約825mg、約775mg~約800mg、約800mg~約1350mg、約800mg~約1325mg、約800mg~約1300mg、約800mg~約1275mg、約800mg~約1250mg、約800mg~約1225mg、約800mg~約1200mg、約800mg~約1175mg、約800mg~約1150mg、約800mg~約1125mg、約800mg~約1100mg、約800mg~約1075mg、約800mg~約1050mg、約800mg~約1025mg、約800mg~約1000mg、約800mg~約975mg、約800mg~約950mg、約800mg~約925mg、約800mg~約900mg、約800mg~約875mg、約800mg~約850mg、約800mg~約825mg、約825mg~約1350mg、約825mg~約1325mg、約825mg~約1300mg、約825mg~約1275mg、約825mg~約1250mg、約825mg~約1225mg、約825mg~約1200mg、約825mg~約1175mg、約825mg~約1150mg、約825mg~約1125mg、約825mg~約1100mg、約825mg~約1075mg、約825mg~約1050mg、約825mg~約1025mg、約825mg~約1000mg、約825mg~約975mg、約825mg~約950mg、約825mg~約925mg、約825mg~約900mg、約825mg~約875mg、約825mg~約850mg、約850mg~約1350mg、約850mg~約1325mg、約850mg~約1300mg、約850mg~約1275mg、約850mg~約1250mg、約850mg~約1225mg、約850mg~約1200mg、約850mg~約1175mg、約850mg~約1150mg、約850mg~約1125mg、約850mg~約1100mg、約850mg~約1075mg、約850mg~約1050mg、約850mg~約1025mg、約850mg~約1000mg、約850mg~約975mg、約850mg~約950mg、約850mg~約925mg、約850mg~約900mg、約850mg~約875mg、約875mg~約1350mg、約875mg~約1325mg、約875mg~約1300mg、約875mg~約1275mg、約875mg~約1250mg、約875mg~約1225mg、約875mg~約1200mg、約875mg~約1175mg、約875mg~約1150mg、約875mg~約1125mg、約875mg~約1100mg、約875mg~約1075mg、約875mg~約1050mg、約875mg~約1025mg、約875mg~約1000mg、約875mg~約975mg、約875mg~約950mg、約875mg~約925mg、約875mg~約900mg、約900mg~約1350mg、約900mg~約1325mg、約900mg~約1300mg、約900mg~約1275mg、約900mg~約1250mg、約900mg~約1225mg、約900mg~約1200mg、約900mg~約1175mg、約900mg~約1150mg、約900mg~約1125mg、約900mg~約1100mg、約900mg~約1075mg、約900mg~約1050mg、約900mg~約1025mg、約900mg~約1000mg、約900mg~約975mg、約900mg~約950mg、約900mg~約925mg、約925mg~約1350mg、約925mg~約1325mg、約925mg~約1300mg、約925mg~約1275mg、約925mg~約1250mg、約925mg~約1225mg、約925mg~約1200mg、約925mg~約1175mg、約925mg~約1150mg、約925mg~約1125mg、約925mg~約1100mg、約925mg~約1075mg、約925mg~約1050mg、約925mg~約1025mg、約925mg~約1000mg、約925mg~約975mg、約925mg~約950mg、約950mg~約1350mg、約950mg~約1325mg、約950mg~約1300mg、約950mg~約1275mg、約950mg~約1250mg、約950mg~約1225mg、約950mg~約1200mg、約950mg~約1175mg、約950mg~約1150mg、約950mg~約1125mg、約950mg~約1100mg、約950mg~約1075mg、約950mg~約1050mg、約950mg~約1025mg、約950mg~約1000mg、約950mg~約975mg、約975mg~約1350mg、約975mg~約1325mg、約975mg~約1300mg、約975mg~約1275mg、約975mg~約1250mg、約975mg~約1225mg、約975mg~約1200mg、約975mg~約1175mg、約975mg~約1150mg、約975mg~約1125mg、約975mg~約1100mg、約975mg~約1075mg、約975mg~約1050mg、約975mg~約1025mg、約975mg~約1000mg、約1000mg~約1350mg、約1000mg~約1325mg、約1000mg~約1300mg、約1000mg~約1275mg、約1000mg~約1250mg、約1000mg~約1225mg、約1000mg~約1200mg、約1000mg~約1175mg、約1000mg~約1150mg、約1000mg~約1125mg、約1000mg~約1100mg、約1000mg~約1075mg、約1000mg~約1050mg、約1000mg~約1025mg、約1025mg~約1350mg、約1025mg~約1325mg、約1025mg~約1300mg、約1025mg~約1275mg、約1025mg~約1250mg、約1025mg~約1225mg、約1025mg~約1200mg、約1025mg~約1175mg、約1025mg~約1150mg、約1025mg~約1125mg、約1025mg~約1100mg、約1025mg~約1075mg、約1025mg~約1050mg、約1050mg~約1350mg、約1050mg~約1325mg、約1050mg~約1300mg、約1050mg~約1275mg、約1050mg~約1250mg、約1050mg~約1225mg、約1050mg~約1200mg、約1050mg~約1175mg、約1050mg~約1150mg、約1050mg~約1125mg、約1050mg~約1100mg、約1050mg~約1075mg、約1075mg~約1350mg、約1075mg~約1325mg、約1075mg~約1300mg、約1075mg~約1275mg、約1075mg~約1250mg、約1075mg~約1225mg、約1075mg~約1200mg、約1075mg~約1175mg、約1075mg~約1150mg、約1075mg~約1125mg、約1075mg~約1100mg、約1100mg~約1350mg、約1100mg~約1325mg、約1100mg~約1300mg、約1100mg~約1275mg、約1100mg~約1250mg、約1100mg~約1225mg、約1100mg~約1200mg、約1100mg~約1175mg、約1100mg~約1150mg、約1100mg~約1125mg、約1125mg~約1350mg、約1125mg~約1325mg、約1125mg~約1300mg、約1125mg~約1275mg、約1125mg~約1250mg、約1125mg~約1225mg、約1125mg~約1200mg、約1125mg~約1175mg、約1125mg~約1150mg、約1150mg~約1350mg、約1150mg~約1325mg、約1150mg~約1300mg、約1150mg~約1275mg、約1150mg~約1250mg、約1150mg~約1225mg、約1150mg~約1200mg、約1150mg~約1175mg、約1175mg~約1350mg、約1175mg~約1325mg、約1175mg~約1300mg、約1175mg~約1275mg、約1175mg~約1250mg、約1175mg~約1225mg、約1175mg~約1200mg、約1200mg~約1350mg、約1200mg~約1325mg、約1200mg~約1300mg、約1200mg~約1275mg、約1200mg~約1250mg、約1200mg~約1225mg、約1225mg~約1350mg、約1225mg~約1325mg、約1225mg~約1300mg、約1225mg~約1275mg、約1225mg~約1250mg、約1250mg~約1350mg、約1250mg~約1325mg、約1250mg~約1300mg、約1250mg~約1275mg、約1275mg~約1350mg、約1275mg~約1325mg、約1275mg~約1300mg、約1300mg~約1350mg、約1300mg~約1325mg、または約1325mg~約1350mgであり得る。
【0141】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約900mg~約1800mg(例えば、約1350mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、IVまたはSCで投与されてもよい。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0142】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約900mg~約1800mg(例えば、約1350mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0143】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約900mg~約1800mg(例えば、約1350mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0144】
例えば、先行する態様のいずれかにおいて、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、および/または抗トリプターゼ抗体の任意の追加の用量は、約900mg~約1800mg、約900mg~約1775mg、約900mg~約1750mg、約900mg~約1725mg、約900mg~約1700mg、約900mg~約1675mg、約900mg~約1650mg、約900mg~約1625mg、約900mg~約1600mg、約900mg~約1575mg、約900mg~約1550mg、約900mg~約1525mg、約900mg~約1500mg、約900mg~約1475mg、約900mg~約1450mg、約900mg~約1425mg、約900mg~約1400mg、約900mg~約1375mg、約900mg~約1350mg、約900mg~約1325mg、約900mg~約1300mg、約900mg~約1275mg、約900mg~約1250mg、約900mg~約1225mg、約900mg~約1200mg、約900mg~約1175mg、約900mg~約1150mg、約900mg~約1125mg、約900mg~約1100mg、約900mg~約1075mg、約900mg~約1050mg、約900mg~約1025mg、約900mg~約1000mg、約900mg~約975mg、約900mg~約950mg、約900mg~約925mg、約925mg~約1800mg、約925mg~約1775mg、約925mg~約1750mg、約925mg~約1725mg、約925mg~約1700mg、約925mg~約1675mg、約925mg~約1650mg、約925mg~約1625mg、約925mg~約1600mg、約925mg~約1575mg、約925mg~約1550mg、約925mg~約1525mg、約925mg~約1500mg、約925mg~約1475mg、約925mg~約1450mg、約925mg~約1425mg、約925mg~約1400mg、約925mg~約1375mg、約925mg~約1350mg、約925mg~約1325mg、約925mg~約1300mg、約925mg~約1275mg、約925mg~約1250mg、約925mg~約1225mg、約925mg~約1200mg、約925mg~約1175mg、約925mg~約1150mg、約925mg~約1125mg、約925mg~約1100mg、約925mg~約1075mg、約925mg~約1050mg、約925mg~約1025mg、約925mg~約1000mg、約925mg~約975mg、約925mg~約950mg、約950mg~約1800mg、約950mg~約1775mg、約950mg~約1750mg、約950mg~約1725mg、約950mg~約1700mg、約950mg~約1675mg、約950mg~約1650mg、約950mg~約1625mg、約950mg~約1600mg、約950mg~約1575mg、約950mg~約1550mg、約950mg~約1525mg、約950mg~約1500mg、約950mg~約1475mg、約950mg~約1450mg、約950mg~約1425mg、約950mg~約1400mg、約950mg~約1375mg、約950mg~約1350mg、約950mg~約1325mg、約950mg~約1300mg、約950mg~約1275mg、約950mg~約1250mg、約950mg~約1225mg、約950mg~約1200mg、約950mg~約1175mg、約950mg~約1150mg、約950mg~約1125mg、約950mg~約1100mg、約950mg~約1075mg、約950mg~約1050mg、約950mg~約1025mg、約950mg~約1000mg、約950mg~約975mg、約975mg~約1800mg、約975mg~約1775mg、約975mg~約1750mg、約975mg~約1725mg、約975mg~約1700mg、約975mg~約1675mg、約975mg~約1650mg、約975mg~約1625mg、約975mg~約1600mg、約975mg~約1575mg、約975mg~約1550mg、約975mg~約1525mg、約975mg~約1500mg、約975mg~約1475mg、約975mg~約1450mg、約975mg~約1425mg、約975mg~約1400mg、約975mg~約1375mg、約975mg~約1350mg、約975mg~約1325mg、約975mg~約1300mg、約975mg~約1275mg、約975mg~約1250mg、約975mg~約1225mg、約975mg~約1200mg、約975mg~約1175mg、約975mg~約1150mg、約975mg~約1125mg、約975mg~約1100mg、約975mg~約1075mg、約975mg~約1050mg、約975mg~約1025mg、約975mg~約1000mg、約1000mg~約1800mg、約1000mg~約1775mg、約1000mg~約1750mg、約1000mg~約1725mg、約1000mg~約1700mg、約1000mg~約1675mg、約1000mg~約1650mg、約1000mg~約1625mg、約1000mg~約1600mg、約1000mg~約1575mg、約1000mg~約1550mg、約1000mg~約1525mg、約1000mg~約1500mg、約1000mg~約1475mg、約1000mg~約1450mg、約1000mg~約1425mg、約1000mg~約1400mg、約1000mg~約1375mg、約1000mg~約1350mg、約1000mg~約1325mg、約1000mg~約1300mg、約1000mg~約1275mg、約1000mg~約1250mg、約1000mg~約1225mg、約1000mg~約1200mg、約1000mg~約1175mg、約1000mg~約1150mg、約1000mg~約1125mg、約1000mg~約1100mg、約1000mg~約1075mg、約1000mg~約1050mg、約1000mg~約1025mg、約1025mg~約1800mg、約1025mg~約1775mg、約1025mg~約1750mg、約1025mg~約1725mg、約1025mg~約1700mg、約1025mg~約1675mg、約1025mg~約1650mg、約1025mg~約1625mg、約1025mg~約1600mg、約1025mg~約1575mg、約1025mg~約1550mg、約1025mg~約1525mg、約1025mg~約1500mg、約1025mg~約1475mg、約1025mg~約1450mg、約1025mg~約1425mg、約1025mg~約1400mg、約1025mg~約1375mg、約1025mg~約1350mg、約1025mg~約1325mg、約1025mg~約1300mg、約1025mg~約1275mg、約1025mg~約1250mg、約1025mg~約1225mg、約1025mg~約1200mg、約1025mg~約1175mg、約1025mg~約1150mg、約1025mg~約1125mg、約1025mg~約1100mg、約1025mg~約1075mg、約1025mg~約1050mg、約1050mg~約1800mg、約1050mg~約1775mg、約1050mg~約1750mg、約1050mg~約1725mg、約1050mg~約1700mg、約1050mg~約1675mg、約1050mg~約1650mg、約1050mg~約1625mg、約1050mg~約1600mg、約1050mg~約1575mg、約1050mg~約1550mg、約1050mg~約1525mg、約1050mg~約1500mg、約1050mg~約1475mg、約1050mg~約1450mg、約1050mg~約1425mg、約1050mg~約1400mg、約1050mg~約1375mg、約1050mg~約1350mg、約1050mg~約1325mg、約1050mg~約1300mg、約1050mg~約1275mg、約1050mg~約1250mg、約1050mg~約1225mg、約1050mg~約1200mg、約1050mg~約1175mg、約1050mg~約1150mg、約1050mg~約1125mg、約1050mg~約1100mg、約1050mg~約1075mg、約1075mg~約1800mg、約1075mg~約1775mg、約1075mg~約1750mg、約1075mg~約1725mg、約1075mg~約1700mg、約1075mg~約1675mg、約1075mg~約1650mg、約1075mg~約1625mg、約1075mg~約1600mg、約1075mg~約1575mg、約1075mg~約1550mg、約1075mg~約1525mg、約1075mg~約1500mg、約1075mg~約1475mg、約1075mg~約1450mg、約1075mg~約1425mg、約1075mg~約1400mg、約1075mg~約1375mg、約1075mg~約1350mg、約1075mg~約1325mg、約1075mg~約1300mg、約1075mg~約1275mg、約1075mg~約1250mg、約1075mg~約1225mg、約1075mg~約1200mg、約1075mg~約1175mg、約1075mg~約1150mg、約1075mg~約1125mg、約1075mg~約1100mg、約1100mg~約1800mg、約1100mg~約1775mg、約1100mg~約1750mg、約1100mg~約1725mg、約1100mg~約1700mg、約1100mg~約1675mg、約1100mg~約1650mg、約1100mg~約1625mg、約1100mg~約1600mg、約1100mg~約1575mg、約1100mg~約1550mg、約1100mg~約1525mg、約1100mg~約1500mg、約1100mg~約1475mg、約1100mg~約1450mg、約1100mg~約1425mg、約1100mg~約1400mg、約1100mg~約1375mg、約1100mg~約1350mg、約1100mg~約1325mg、約1100mg~約1300mg、約1100mg~約1275mg、約1100mg~約1250mg、約1100mg~約1225mg、約1100mg~約1200mg、約1100mg~約1175mg、約1100mg~約1150mg、約1100mg~約1125mg、約1125mg~約1800mg、約1125mg~約1775mg、約1125mg~約1750mg、約1125mg~約1725mg、約1125mg~約1700mg、約1125mg~約1675mg、約1125mg~約1650mg、約1125mg~約1625mg、約1125mg~約1600mg、約1125mg~約1575mg、約1125mg~約1550mg、約1125mg~約1525mg、約1125mg~約1500mg、約1125mg~約1475mg、約1125mg~約1450mg、約1125mg~約1425mg、約1125mg~約1400mg、約1125mg~約1375mg、約1125mg~約1350mg、約1125mg~約1325mg、約1125mg~約1300mg、約1125mg~約1275mg、約1125mg~約1250mg、約1125mg~約1225mg、約1125mg~約1200mg、約1125mg~約1175mg、約1125mg~約1150mg、約1150mg~約1800mg、約1150mg~約1775mg、約11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【0145】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約1350mg~約3600mg(例えば、約1800mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、IVまたはSCで投与されてもよい。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0146】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約1350mg~約3600mg(例えば、約1800mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0147】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約1350mg~約3600mg(例えば、約1800mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0148】
例えば、先行する態様のいずれかにおいて、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、および/または抗トリプターゼ抗体の任意の追加の用量は、約1350mg~約3600mg、約1350mg~約3550mg、約1350mg~約3500mg、約1350mg~約3450mg、約1350mg~約3400mg、約1350mg~約3350mg、約1350mg~約3300mg、約1350mg~約3250mg、約1350mg~約3200mg、約1350mg~約3150mg、約1350mg~約3100mg、約1350mg~約3050mg、約1350mg~約3000mg、約1350mg~約2950mg、約1350mg~約2900mg、約1350mg~約2850mg、約1350mg~約2800mg、約1350mg~約2750mg、約1350mg~約2700mg、約1350mg~約2650mg、約1350mg~約2600mg、約1350mg~約2550mg、約1350mg~約2500mg、約1350mg~約2450mg、約1350mg~約2400mg、約1350mg~約2350mg、約1350mg~約2300mg、約1350mg~約2250mg、約1350mg~約2200mg、約1350mg~約2150mg、約1350mg~約2100mg、約1350mg~約2050mg、約1350mg~約2000mg、約1350mg~約1950mg、約1350mg~約1900mg、約1350mg~約1850mg、約1350mg~約1800mg、約1350mg~約1750mg、約1350mg~約1700mg、約1350mg~約1650mg、約1350mg~約1600mg、約1350mg~約1550mg、約1350mg~約1500mg、約1350mg~約1450mg、約1350mg~約1400mg、約1400mg~約3600mg、約1400mg~約3550mg、約1400mg~約3500mg、約1400mg~約3450mg、約1400mg~約3400mg、約1400mg~約3350mg、約1400mg~約3300mg、約1400mg~約3250mg、約1400mg~約3200mg、約1400mg~約3150mg、約1400mg~約3100mg、約1400mg~約3050mg、約1400mg~約3000mg、約1400mg~約2950mg、約1400mg~約2900mg、約1400mg~約2850mg、約1400mg~約2800mg、約1400mg~約2750mg、約1400mg~約2700mg、約1400mg~約2650mg、約1400mg~約2600mg、約1400mg~約2550mg、約1400mg~約2500mg、約1400mg~約2450mg、約1400mg~約2400mg、約1400mg~約2350mg、約1400mg~約2300mg、約1400mg~約2250mg、約1400mg~約2200mg、約1400mg~約2150mg、約1400mg~約2100mg、約1400mg~約2050mg、約1400mg~約2000mg、約1400mg~約1950mg、約1400mg~約1900mg、約1400mg~約1850mg、約1400mg~約1800mg、約1400mg~約1750mg、約1400mg~約1700mg、約1400mg~約1650mg、約1400mg~約1600mg、約1400mg~約1550mg、約1400mg~約1500mg、約1400mg~約1450mg、約1450mg~約3600mg、約1450mg~約3550mg、約1450mg~約3500mg、約1450mg~約3450mg、約1450mg~約3400mg、約1450mg~約3350mg、約1450mg~約3300mg、約1450mg~約3250mg、約1450mg~約3200mg、約1450mg~約3150mg、約1450mg~約3100mg、約1450mg~約3050mg、約1450mg~約3000mg、約1450mg~約2950mg、約1450mg~約2900mg、約1450mg~約2850mg、約1450mg~約2800mg、約1450mg~約2750mg、約1450mg~約2700mg、約1450mg~約2650mg、約1450mg~約2600mg、約1450mg~約2550mg、約1450mg~約2500mg、約1450mg~約2450mg、約1450mg~約2400mg、約1450mg~約2350mg、約1450mg~約2300mg、約1450mg~約2250mg、約1450mg~約2200mg、約1450mg~約2150mg、約1450mg~約2100mg、約1450mg~約2050mg、約1450mg~約2000mg、約1450mg~約1950mg、約1450mg~約1900mg、約1450mg~約1850mg、約1450mg~約1800mg、約1450mg~約1750mg、約1450mg~約1700mg、約1450mg~約1650mg、約1450mg~約1600mg、約1450mg~約1550mg、約1450mg~約1500mg、約1500mg~約3600mg、約1500mg~約3550mg、約1500mg~約3500mg、約1500mg~約3450mg、約1500mg~約3400mg、約1500mg~約3350mg、約1500mg~約3300mg、約1500mg~約3250mg、約1500mg~約3200mg、約1500mg~約3150mg、約1500mg~約3100mg、約1500mg~約3050mg、約1500mg~約3000mg、約1500mg~約2950mg、約1500mg~約2900mg、約1500mg~約2850mg、約1500mg~約2800mg、約1500mg~約2750mg、約1500mg~約2700mg、約1500mg~約2650mg、約1500mg~約2600mg、約1500mg~約2550mg、約1500mg~約2500mg、約1500mg~約2450mg、約1500mg~約2400mg、約1500mg~約2350mg、約1500mg~約2300mg、約1500mg~約2250mg、約1500mg~約2200mg、約1500mg~約2150mg、約1500mg~約2100mg、約1500mg~約2050mg、約1500mg~約2000mg、約1500mg~約1950mg、約1500mg~約1900mg、約1500mg~約1850mg、約1500mg~約1800mg、約1500mg~約1750mg、約1500mg~約1700mg、約1500mg~約1650mg、約1500mg~約1600mg、約1500mg~約1550mg、約1550mg~約3600mg、約1550mg~約3550mg、約1550mg~約3500mg、約1550mg~約3450mg、約1550mg~約3400mg、約1550mg~約3350mg、約1550mg~約3300mg、約1550mg~約3250mg、約1550mg~約3200mg、約1550mg~約3150mg、約1550mg~約3100mg、約1550mg~約3050mg、約1550mg~約3000mg、約1550mg~約2950mg、約1550mg~約2900mg、約1550mg~約2850mg、約1550mg~約2800mg、約1550mg~約2750mg、約1550mg~約2700mg、約1550mg~約2650mg、約1550mg~約2600mg、約1550mg~約2550mg、約1550mg~約2500mg、約1550mg~約2450mg、約1550mg~約2400mg、約1550mg~約2350mg、約1550mg~約2300mg、約1550mg~約2250mg、約1550mg~約2200mg、約1550mg~約2150mg、約1550mg~約2100mg、約1550mg~約2050mg、約1550mg~約2000mg、約1550mg~約1950mg、約1550mg~約1900mg、約1550mg~約1850mg、約1550mg~約1800mg、約1550mg~約1750mg、約1550mg~約1700mg、約1550mg~約1650mg、約1550mg~約1600mg、約1600mg~約3600mg、約1600mg~約3550mg、約1600mg~約3500mg、約1600mg~約3450mg、約1600mg~約3400mg、約1600mg~約3350mg、約1600mg~約3300mg、約1600mg~約3250mg、約1600mg~約3200mg、約1600mg~約3150mg、約1600mg~約3100mg、約1600mg~約3050mg、約1600mg~約3000mg、約1600mg~約2950mg、約1600mg~約2900mg、約1600mg~約2850mg、約1600mg~約2800mg、約1600mg~約2750mg、約1600mg~約2700mg、約1600mg~約2650mg、約1600mg~約2600mg、約1600mg~約2550mg、約1600mg~約2500mg、約1600mg~約2450mg、約1600mg~約2400mg、約1600mg~約2350mg、約1600mg~約2300mg、約1600mg~約2250mg、約1600mg~約2200mg、約1600mg~約2150mg、約1600mg~約2100mg、約1600mg~約2050mg、約1600mg~約2000mg、約1600mg~約1950mg、約1600mg~約1900mg、約1600mg~約1850mg、約1600mg~約1800mg、約1600mg~約1750mg、約1600mg~約1700mg、約1600mg~約1650mg、約1650mg~約3600mg、約1650mg~約3550mg、約1650mg~約3500mg、約1650mg~約3450mg、約1650mg~約3400mg、約1650mg~約3350mg、約1650mg~約3300mg、約1650mg~約3250mg、約1650mg~約3200mg、約1650mg~約3150mg、約1650mg~約3100mg、約1650mg~約3050mg、約1650mg~約3000mg、約1650mg~約2950mg、約1650mg~約2900mg、約1650mg~約2850mg、約1650mg~約2800mg、約1650mg~約2750mg、約1650mg~約2700mg、約1650mg~約2650mg、約1650mg~約2600mg、約1650mg~約2550mg、約1650mg~約2500mg、約1650mg~約2450mg、約1650mg~約2400mg、約1650mg~約2350mg、約1650mg~約2300mg、約1650mg~約2250mg、約1650mg~約2200mg、約1650mg~約2150mg、約1650mg~約2100mg、約1650mg~約2050mg、約1650mg~約2000mg、約1650mg~約1950mg、約1650mg~約1900mg、約1650mg~約1850mg、約1650mg~約1800mg、約1650mg~約1750mg、約1650mg~約1700mg、約1700mg~約3600mg、約1700mg~約3550mg、約1700mg~約3500mg、約1700mg~約3450mg、約1700mg~約3400mg、約1700mg~約3350mg、約1700mg~約3300mg、約1700mg~約3250mg、約1700mg~約3200mg、約1700mg~約3150mg、約1700mg~約3100mg、約1700mg~約3050mg、約1700mg~約3000mg、約1700mg~約2950mg、約17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【0149】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、約1800mg~約4000mg(例えば、約3600mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、IVまたはSCで投与されてもよい。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0150】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、約1800mg~約4000mg(例えば、約3600mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0151】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、約1800mg~約4000mg(例えば、約3600mg)の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0152】
例えば、先行する態様のいずれかにおいて、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、および/または抗トリプターゼ抗体の任意の追加の用量は、約1800mg~約4000mg、約1800mg~約3900mg、約1800mg~約3800mg、約1800mg~約3700mg、約1800mg~約3600mg、約1800mg~約3500mg、約1800mg~約3400mg、約1800mg~約3300mg、約1800mg~約3200mg、約1800mg~約3100mg、約1800mg~約3000mg、約1800mg~約2900mg、約1800mg~約2800mg、約1800mg~約2700mg、約1800mg~約2600mg、約1800mg~約2500mg、約1800mg~約2400mg、約1800mg~約2300mg、約1800mg~約2200mg、約1800mg~約2100mg、約1800mg~約2000mg、約1800mg~約1900mg、約1900mg~約4000mg、約1900mg~約3900mg、約1900mg~約3800mg、約1900mg~約3700mg、約1900mg~約3600mg、約1900mg~約3500mg、約1900mg~約3400mg、約1900mg~約3300mg、約1900mg~約3200mg、約1900mg~約3100mg、約1900mg~約3000mg、約1900mg~約2900mg、約1900mg~約2800mg、約1900mg~約2700mg、約1900mg~約2600mg、約1900mg~約2500mg、約1900mg~約2400mg、約1900mg~約2300mg、約1900mg~約2200mg、約1900mg~約2100mg、約1900mg~約2000mg、約2000mg~約4000mg、約2000mg~約3900mg、約2000mg~約3800mg、約2000mg~約3700mg、約2000mg~約3600mg、約2000mg~約3500mg、約2000mg~約3400mg、約2000mg~約3300mg、約2000mg~約3200mg、約2000mg~約3100mg、約2000mg~約3000mg、約2000mg~約2900mg、約2000mg~約2800mg、約2000mg~約2700mg、約2000mg~約2600mg、約2000mg~約2500mg、約2000mg~約2400mg、約2000mg~約2300mg、約2000mg~約2200mg、約2000mg~約2100mg、約2100mg~約4000mg、約2100mg~約3900mg、約2100mg~約3800mg、約2100mg~約3700mg、約2100mg~約3600mg、約2100mg~約3500mg、約2100mg~約3400mg、約2100mg~約3300mg、約2100mg~約3200mg、約2100mg~約3100mg、約2100mg~約3000mg、約2100mg~約2900mg、約2100mg~約2800mg、約2100mg~約2700mg、約2100mg~約2600mg、約2100mg~約2500mg、約2100mg~約2400mg、約2100mg~約2300mg、約2100mg~約2200mg、約2200mg~約4000mg、約2200mg~約3900mg、約2200mg~約3800mg、約2200mg~約3700mg、約2200mg~約3600mg、約2200mg~約3500mg、約2200mg~約3400mg、約2200mg~約3300mg、約2200mg~約3200mg、約2200mg~約3100mg、約2200mg~約3000mg、約2200mg~約2900mg、約2200mg~約2800mg、約2200mg~約2700mg、約2200mg~約2600mg、約2200mg~約2500mg、約2200mg~約2400mg、約2200mg~約2300mg、約2300mg~約4000mg、約2300mg~約3900mg、約2300mg~約3800mg、約2300mg~約3700mg、約2300mg~約3600mg、約2300mg~約3500mg、約2300mg~約3400mg、約2300mg~約3300mg、約2300mg~約3200mg、約2300mg~約3100mg、約2300mg~約3000mg、約2300mg~約2900mg、約2300mg~約2800mg、約2300mg~約2700mg、約2300mg~約2600mg、約2300mg~約2500mg、約2300mg~約2400mg、約2400mg~約4000mg、約2400mg~約3900mg、約2400mg~約3800mg、約2400mg~約3700mg、約2400mg~約3600mg、約2400mg~約3500mg、約2400mg~約3400mg、約2400mg~約3300mg、約2400mg~約3200mg、約2400mg~約3100mg、約2400mg~約3000mg、約2400mg~約2900mg、約2400mg~約2800mg、約2400mg~約2700mg、約2400mg~約2600mg、約2400mg~約2500mg、約2500mg~約4000mg、約2500mg~約3900mg、約2500mg~約3800mg、約2500mg~約3700mg、約2500mg~約3600mg、約2500mg~約3500mg、約2500mg~約3400mg、約2500mg~約3300mg、約2500mg~約3200mg、約2500mg~約3100mg、約2500mg~約3000mg、約2500mg~約2900mg、約2500mg~約2800mg、約2500mg~約2700mg、約2500mg~約2600mg、約2600mg~約4000mg、約2600mg~約3900mg、約2600mg~約3800mg、約2600mg~約3700mg、約2600mg~約3600mg、約2600mg~約3500mg、約2600mg~約3400mg、約2600mg~約3300mg、約2600mg~約3200mg、約2600mg~約3100mg、約2600mg~約3000mg、約2600mg~約2900mg、約2600mg~約2800mg、約2600mg~約2700mg、約2700mg~約4000mg、約2700mg~約3900mg、約2700mg~約3800mg、約2700mg~約3700mg、約2700mg~約3600mg、約2700mg~約3500mg、約2700mg~約3400mg、約2700mg~約3300mg、約2700mg~約3200mg、約2700mg~約3100mg、約2700mg~約3000mg、約2700mg~約2900mg、約2700mg~約2800mg、約2800mg~約4000mg、約2800mg~約3900mg、約2800mg~約3800mg、約2800mg~約3700mg、約2800mg~約3600mg、約2800mg~約3500mg、約2800mg~約3400mg、約2800mg~約3300mg、約2800mg~約3200mg、約2800mg~約3100mg、約2800mg~約3000mg、約2800mg~約2900mg、約2900mg~約4000mg、約2900mg~約3900mg、約2900mg~約3800mg、約2900mg~約3700mg、約2900mg~約3600mg、約2900mg~約3500mg、約2900mg~約3400mg、約2900mg~約3300mg、約2900mg~約3200mg、約2900mg~約3100mg、約2900mg~約3000mg、約3000mg~約4000mg、約3000mg~約3900mg、約3000mg~約3800mg、約3000mg~約3700mg、約3000mg~約3600mg、約3000mg~約3500mg、約3000mg~約3400mg、約3000mg~約3300mg、約3000mg~約3200mg、約3000mg~約3100mg、約3100mg~約4000mg、約3100mg~約3900mg、約3100mg~約3800mg、約3100mg~約3700mg、約3100mg~約3600mg、約3100mg~約3500mg、約3100mg~約3400mg、約3100mg~約3300mg、約3100mg~約3200mg、約3200mg~約4000mg、約3200mg~約3900mg、約3200mg~約3800mg、約3200mg~約3700mg、約3200mg~約3600mg、約3200mg~約3500mg、約3200mg~約3400mg、約3200mg~約3300mg、約3300mg~約4000mg、約3300mg~約3900mg、約3300mg~約3800mg、約3300mg~約3700mg、約3300mg~約3600mg、約3300mg~約3500mg、約3300mg~約3400mg、約3400mg~約4000mg、約3400mg~約3900mg、約3400mg~約3800mg、約3400mg~約3700mg、約3400mg~約3600mg、約3400mg~約3500mg、約3500mg~約4000mg、約3500mg~約3900mg、約3500mg~約3800mg、約3500mg~約3700mg、約3500mg~約3600mg、約3600mg~約4000mg、約3600mg~約3900mg、約3600mg~約3800mg、約3600mg~約3700mg、約3700mg~約4000mg、約3700mg~約3900mg、約3700mg~約3800mg、約3800mg~約4000mg、約3800mg~約3900mg、または約3900mg~約4000mgであり得る。
【0153】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、300mg、450mg、600mg、750mg、900mg、1350mg、1800mg、または3600mgから選択される抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。C1D1は、例えば、静脈内(IV)でまたは皮下(SC)で(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))投与され得る。
【0154】
いくつかの態様では、本明細書に開示される用量のいずれかは、IV投与され得る。注射(例えば、ボーラス注射)または点滴を含む、IV投与のための任意の好適な手法が使用されてもよい。いくつかの例では、抗トリプターゼ抗体は、点滴によってIV投与されてもよい。例えば、IV点滴は、重力で供給される圧力を使用してもよく、またはポンプ(例えば、点滴ポンプ)を使用してもよい。いくつかの例では、IV点滴は、連続的または間欠的であってもよい。いくつかの実施形態では、中心静脈カテーテル、末梢静脈カテーテル、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)、ミッドラインカテーテル、または埋め込み可能なポートが、IV投与に使用されてもよい。いくつかの例では、抗トリプターゼ抗体は、ポンプを使用してIV投与されてもよい。任意の好適なポンプ、例えば、点滴ポンプ(例えば、携帯用点滴ポンプもしくは静止型点滴ポンプ)、シリンジポンプ、パッチポンプ、または大容量ポンプ(LVP)が、IV投与に使用されてもよい。
【0155】
他の態様では、本明細書に開示される用量のいずれかは、SC投与され得る。注射(例えば、ボーラス注射)または点滴を含む、SC投与のための任意の好適な手法が使用されてもよい。例えば、抗トリプターゼ抗体は、ポンプ(例えば、パッチポンプ、シリンジポンプ(例えば、点滴セットを備えたシリンジポンプ)、もしくは点滴ポンプ(例えば、携帯用点滴ポンプもしくは静止型点滴ポンプ))、プレフィルドシリンジ、ペン型注射器、または自動注射器を使用してSC投与されてもよい。
【0156】
例えば、本明細書に開示される方法または使用のいずれかでは、抗トリプターゼ抗体は、ポンプを使用してSC投与されてもよい。いくつかの例では、ポンプは、患者もしくは医療提供者(HCP)の利便性、改善された安全性プロファイル(例えば、薬物の作用機序もしくはIV関連感染のリスクに関して)のために、および/または併用療法のために使用され得る。任意の好適なポンプ、例えば、パッチポンプ、シリンジポンプ(例えば、点滴セットを備えたシリンジポンプ)、点滴ポンプ(例えば、携帯用点滴ポンプもしくは静止型点滴ポンプ))、またはLNPが使用されてもよい。特定の例では、抗トリプターゼ抗体は、パッチポンプを使用してSC投与されてもよい。いくつかの例では、ポンプ(例えば、パッチポンプ)は、ウェアラブルもしくはオンボディ型ポンプ(例えば、ウェアラブルもしくはオンボディ型パッチポンプ)、例えば、Enable ENFUSE(登録商標)オンボディ型注入器またはWest SMARTDOSE(登録商標)ウェアラブル注射器(例えば、West SMARTDOSE(登録商標)10ウェアラブル注射器)であってもよい。他の例では、抗トリプターゼ抗体は、シリンジポンプ(例えば、点滴セットを備えたシリンジポンプ)を使用して、SC投与されてもよい。
【0157】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、300mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1はIV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0158】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、450mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1はIV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0159】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1はIV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0160】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、750mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1はIV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0161】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、900mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1はIV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0162】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、1350mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1はIV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0163】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、1800mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1はIV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0164】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、3600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1はIV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0165】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、300mg、450mg、600mg、750mg、900mg、1350mg、1800mg、または3600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0166】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、300mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0167】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、450mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0168】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0169】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、750mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0170】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、900mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0171】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、1350mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0172】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、1800mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0173】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、3600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0174】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg、450mg、600mg、750mg、900mg、1350mg、1800mg、または3600mgから選択される抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0175】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0176】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、450mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0177】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0178】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、750mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0179】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、900mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0180】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、1350mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0181】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、1800mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0182】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、3600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0183】
本明細書に開示される態様のいずれかでは、投与サイクルは、抗トリプターゼ抗体の1つ以上の追加の用量をさらに含む。投与サイクルは、抗トリプターゼ抗体の任意の好適な数の追加の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100またはそれ以上の追加の用量)を含んでもよい。例えば、いくつかの態様では、投与サイクルは、第2の用量(C1D2)を含んでもよい。別の例では、いくつかの態様において、投与サイクルは、C1D2および第3の用量(C1D3)を含んでもよい。1つ以上の追加の用量は、C1D1と等しくても、または等しくなくてもよい。例えば、いくつかの態様では、投与サイクルは、抗トリプターゼベータ抗体の第2の用量(C1D2)および第3の用量(C1D3)をさらに含み、C1D2およびC1D3は、各々C1D1に等しい。1つ以上の追加の用量は、任意の好適な投与経路によって、例えばIVまたはSCで(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))投与され得る。
【0184】
例えば、一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、300mg、450mg、600mg、750mg、900mg、1350mg、1800mg、または3600mgから選択される。の抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0185】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々300mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0186】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々450mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0187】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々600mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0188】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々750mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0189】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々900mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0190】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々1350mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0191】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々1800mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0192】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々3600mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0193】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、300mg、450mg、600mg、750mg、900mg、1350mg、1800mg、または3600mgから選択される。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0194】
例えば、本明細書では、CSUを有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々300mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0195】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々450mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0196】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々600mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0197】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、750mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0198】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々900mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0199】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)抗体が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々1350mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0200】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々1800mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0201】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々3600mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0202】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、300mg、450mg、600mg、750mg、900mg、1350mg、1800mg、または3600mgから選択される。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0203】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々300mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0204】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々450mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0205】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々600mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0206】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々750mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0207】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々900mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0208】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々1350mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0209】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々1800mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0210】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に投与するためのものであり、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々3600mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0211】
各投与サイクルの用量は、任意の好適な時間間隔で、例えば、1週間ごと(Q1W)、2週間ごとに(Q2W)、3週間ごとに(Q3W)、4週間ごとに(Q4W)、6週間ごとに(Q6W)、または8週間ごとに(Q8W)投与されてもよい。例えば、いくつかの態様では、投与サイクルの用量は、4週間ごとに(Q4W)対象に投与される。
【0212】
例えば、一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を、300mg SC、300mg IV、450mg SC、450mg IV、600mg SC、600mg IV、750mg SC、750mg IV、900mg SC、900mg IV、1350mg SC、1350mg IV、1800mg SC、1800mg IV、3600mg SC、または3600mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与することを含む。いくつかの例では、投与用量は、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVである。
【0213】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を、300mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ことを含む。
【0214】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を300mg IVの用量で4週間ごとに(Q4W)投与することを含む。
【0215】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を、450mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ことを含む。
【0216】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を450mg IVの用量で4週間ごとに(Q4W)投与することを含む。
【0217】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を、600mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ことを含む。
【0218】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を600mg IVの用量で4週間ごとに(Q4W)投与することを含む。
【0219】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を、750mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ことを含む。
【0220】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を750mg IVの用量で4週間ごとに(Q4W)投与することを含む。
【0221】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を、900mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ことを含む。
【0222】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を900mg IVの用量で4週間ごとに(Q4W)投与することを含む。
【0223】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を、1350mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ことを含む。
【0224】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を1350mg IVの用量で4週間ごとに(Q4W)投与することを含む。
【0225】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を、1800mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ことを含む。
【0226】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を1800mg IVの用量で4週間ごとに(Q4W)投与することを含む。
【0227】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を、3600mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ことを含む。
【0228】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、CSUを有する患者に、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)を3600mg IVの用量で4週間ごとに(Q4W)投与することを含む。
【0229】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、300mg SC、300mg IV、450mg SC、450mg IV、600mg SC、600mg IV、750mg SC、750mg IV、900mg SC、900mg IV、1350mg SC、1350mg IV、1800mg SC、1800mg IV、3600mg SC、または3600mg IVのから選択される用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。いくつかの例では、投与用量は、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVである。
【0230】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、300mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0231】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、300mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0232】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、450mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0233】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、450mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0234】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、600mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0235】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、600mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0236】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、750mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0237】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、750mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0238】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、900mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0239】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、900mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0240】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、1350mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0241】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、1350mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0242】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、1800mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0243】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、1800mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0244】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、3600mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0245】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が提供され、抗トリプターゼ抗体が、CSUを有する患者に、3600mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0246】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、300mg SC、300mg IV、450mg SC、450mg IV、600mg SC、600mg IV、750mg SC、750mg IV、900mg SC、900mg IV、1350mg SC、1350mg IV、1800mg SC、1800mg IV、3600mg SC、または3600mg IVのから選択される用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。いくつかの例では、投与用量は、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVである。
【0247】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、300mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0248】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、300mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0249】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、450mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0250】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、450mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0251】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、600mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0252】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、600mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0253】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、750mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0254】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、750mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0255】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、900mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0256】
さらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、900mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0257】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、1350mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0258】
さらに他の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、1350mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0259】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、1800mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0260】
なおさらなる例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、1800mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0261】
さらに別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、3600mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ためのものである。
【0262】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)の使用が提供され、医薬が、CSUを有する患者に、3600mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するためのものである。
【0263】
各投与サイクルは、任意の好適な長さを有してもよい。
【0264】
例えば、いくつかの態様では、投与サイクルは、約57日の長さを有してもよい。
【0265】
各投与サイクルの用量は、投与サイクルの任意の好適な日(複数可)に投与されてもよい。例えば、いくつかの態様では、C1D1は、投与サイクルの1日目に投与され、C1D2は、投与サイクルの29日目(±1日)に投与され、C1D3は、投与サイクルの57日目(±1日)に投与される。
【0266】
他の態様では、投与サイクルは、約48日の長さを有してもよい。例えば、いくつかの態様では、投与サイクルの用量は、4週間ごとに(Q4W)48週間にわたって対象に投与される。例えば、いくつかの態様では、C1D1が、投与サイクルの0週目に投与され、C1D2が、投与サイクルの4週目に投与され、C1D3が、投与サイクルの8週目に投与され、C1D3が、投与サイクルの12週目に投与され、C1D4が、投与サイクルの16週目に投与され、C1D5が、投与サイクルの20週目に投与され、C1D6が、投与サイクルの24週目に投与され、C1D7が、投与サイクルの28週目に投与され、C1D8が、投与サイクルの32週目に投与され、C1D9が、投与サイクルの36週目に投与され、C1D10が、投与サイクルの40週目に投与され、C1D11が、投与サイクルの44週目に投与され、C1D12が、投与サイクルの48週目に投与される。
【0267】
他の態様では、投与サイクルは、例えば、患者が治療に応答している間、または患者が再発を経験するまで、無期限に継続する場合がある。例えば、患者には、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が、例えば、1週間ごと(Q1W)、2週間ごとに(Q2W)、3週間ごとに(Q3W)、4週間ごとに(Q4W)、6週間ごとに(Q6W)、または8週間ごとに(Q8W)、無期限に投与されてもよい。例えば、いくつかの態様では、投与サイクルの用量は、4週間ごとに(Q4W)無期限に対象に投与される。
【0268】
本明細書に記載される投与レジメンは、任意の好適な投与サイクル数を含んでもよい。例えば、いくつかの態様では、投与レジメンは、1投与サイクルを含むかまたは1投与サイクルからなる。他の態様では、2以上の投与サイクル(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上の投与サイクル)を含んでもよい。
【0269】
任意の好適な抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が、本明細書に記載される態様のいずれかで使用されてもよい。例えば、以下のセクションIVのサブセクションAに記載される抗トリプターゼ抗体のいずれかを使用することができる。いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体は、米国特許第10,738,131号または同第10,752,703号に;米国特許出願公開第2018/0230233に;もしくは国際特許出願公開第2018/148585号に記載されるあらゆる抗トリプターゼ抗体であり得る。
【0270】
例えば、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)のいずれかは、以下の相補性決定領域(CDR):(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3、のうちの1、2、3、4、5、または6つを含んでもよい。
【0271】
一態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0272】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、300mg SCの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0273】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体)を投与することを含み、投与サイクルが、600mg SCの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0274】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、900mg IVの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0275】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、1800mg IVの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0276】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0277】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SCの抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0278】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、600mg SCの抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0279】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、900mg IVの抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0280】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、1800mg IVの抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0281】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0282】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SCの抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0283】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、600mg SCの抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0284】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、900mg IVの抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0285】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、1800mg IVの抗トリプターゼベータ抗体の第1の用量(C1D1)を含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0286】
いくつかの態様では、投与サイクルは、抗トリプターゼベータ抗体の第2の用量(C1D2)および第3の用量(C1D3)をさらに含み、C1D2およびC1D3は、各々C1D1に等しい。
【0287】
いくつかの態様では、投与サイクルの用量は、4週間ごとに(Q4W)対象に投与される。
【0288】
いくつかの態様では、投与サイクルは、約57日の長さを有する。
【0289】
いくつかの態様では、C1D1は、投与サイクルの1日目に投与され、C1D2は、投与サイクルの29日目(±1日)に投与され、C1D3は、投与サイクルの57日目(±1日)に投与される。
【0290】
いくつかの態様では、投与レジメンは、1つの投与サイクルからなる。
【0291】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与され、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0292】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与され、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0293】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与され、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0294】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0295】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、300mg SCの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0296】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、600mg SCの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0297】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、900mg IVの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0298】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療する方法が提供され、本方法は、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて、CSUを有する患者に抗トリプターゼベータ抗体を投与することを含み、投与サイクルが、1800mg IVの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0299】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0300】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SCの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0301】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、600mg SCの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0302】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、900mg IVの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0303】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者の治療で使用するための抗トリプターゼベータ抗体が提供され、抗トリプターゼベータ抗体が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、1800mg IVの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0304】
別の態様では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SC、600mg SC、900mg IV、または1800mg IVから選択される用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0305】
例えば、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、300mg SCの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0306】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、600mg SCの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0307】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、900mg IVの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0308】
別の例では、本明細書では、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性のCSU)を有する患者を治療するための医薬の製造における抗トリプターゼベータ抗体の使用が提供され、医薬が、投与サイクルを含む投与レジメンにおける、CSUを有する患者への投与のためのものであり、投与サイクルが、1800mg IVの用量で、抗トリプターゼベータ抗体を4週間ごとに(Q4W)投与することを含み、抗トリプターゼベータ抗体が、以下の6つのCDR:(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0309】
本明細書に提供される態様のいずれかでは、抗体は、(a)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)にあるようなVHドメインおよび(b)にあるようなVLドメインを含み得る。
【0310】
例えば、いくつかの態様では、抗体は、配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメインを含んでもよい。いくつかの態様では、VHドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。
【0311】
別の例では、いくつかの態様では、抗体は、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含んでもよい。いくつかの態様では、VLドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0312】
本明細書に記載される態様のいずれかでは、VHドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含み、VLドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0313】
別の例では、本明細書に記載される態様のいずれかでは、抗体は、(a)配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する軽鎖と、を含み得る。例えば、いくつかの態様では、抗体は、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖と、を含んでもよい。
【0314】
別の例では、本明細書に記載される態様のいずれかでは、抗体は、(a)配列番号11のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する軽鎖と、を含み得る。例えば、いくつかの態様では、抗体は、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖と、を含んでもよい。
【0315】
本開示の方法、使用のための組成物(例えば、使用のための抗トリプターゼ抗体)、および使用は、任意の好適な種類のCSUを治療するために使用されてもよい。
【0316】
いくつかの態様では、CSUは、抗ヒスタミン薬に対して難治性である。
【0317】
いくつかの態様では、CSUは、第2世代H1抗ヒスタミン薬(sgH1-AH)に対して難治性である。
【0318】
いくつかの態様では、患者は、(i)6ヶ月間以上(≧)CSUを有していると診断されており;(ii)この期間中の標準治療に準じたsgH1-AHが現在使用されているにもかかわらず、治療前のいつでも連続6週を超えて(>)かゆみおよび皮疹が存在しており;(iii)治療の少なくとも14日(-4/+2日)前から連続して、CSUの標準治療に準じた安定用量のsgH1-AHの投与を受けており、かつ/または(iv)7日間の合計したじん麻疹活動性スコア(UAS7)の症状スコアが、C1D1の前の7日間で≧16である。
【0319】
いくつかの態様では、患者は、≧16のUAS7症状スコアを有する。
【0320】
いくつかの態様では、患者は、慢性じん麻疹指数(CU Index(登録商標))が正である。
【0321】
いくつかの態様では、患者は、基礎sgH1-AH療法を受けている。例えば、いくつかの態様では、患者は、セチリジン、レボセチリジン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、ルパタジン、またはビラスチンを受けていてもよい。
【0322】
いくつかの態様では、基礎sgH1-AH療法は、セチリジン10~40mg 1日1回(QD)、レボセチリジン5~20mg QD、フェキソフェナジン180~720mg QD、ロラタジン10~40mg QD、デスロラタジン5~20mg QD、ルパタジン10~40mg QD、またはビラスチン20~80mg QDを含む。
【0323】
いくつかの態様では、患者は、症状が悪化した場合、24時間以内にレスキュー療法の単回投与を受ける。
【0324】
いくつかの態様では、レスキュー療法は、最大10mgのロラタジンまたは最大10mgのセチリジンを含む。
【0325】
いくつかの態様では、治療することで、プラセボと比較して、12週目での患者のUAS7におけるベースラインからの改善をもたらす。
【0326】
いくつかの態様では、(i)治療は、コントロール良好なじん麻疹(12週目での6以下の(≦)UAS7)をもたらすか、または(ii)治療は、12週目での完全寛解(UAS7=0)をもたらす。
【0327】
本明細書に開示される態様のいずれかは、1つ以上の追加の治療剤を患者に投与することを含んでもよい。任意の好適な追加の治療剤(複数可)が使用されてもよく、例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH、例えば、セチリジン、レボセチリジン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、ルパタジン、ビラスチン、またはそれらの組合せ)、抗IgE抗体(例えば、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))またはリゲリズマブ(QGE031としても知られる))、脾臓チロシンキナーゼ(Syk)阻害剤(例えば、GSK2646264)、シアル酸結合免疫グロブリン様レクチン8(Siglec-8)抗体(例えば、リレンテリマブ(AK002としても知られる))、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤(例えば、イブルチニブまたはフェネブルチニブ)、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(LTRA)(例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト、またはプランルカスト)、ロイコトリエン合成阻害剤(例えば、ジレウトン)、Tヘルパー2型に発現する発現化学物質誘因受容体類似分子(CRTh2)アンタゴニスト(例えば、AZD1981)、インターロイキン1(IL-1)アンタゴニスト(例えば、抗IL-1抗体、例えば、抗IL-1β抗体、例えば、カナキヌマブ)、インターロイキン5(IL-5)アンタゴニスト(例えば、抗IL-5抗体(例えば、メポリズマブ)または抗IL-5受容体アルファ抗体(例えば、ベンラリズマブ))、ダプソン、シクロスポリンA、もしくはそれらの任意の組合せである。CSUの治療のための例示的な追加の治療剤は、例えば、Min et al.Allergy Asthma Immunol.Res.11(4):470-481,2019に記載されている。いくつかの例では、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH、例えば、セチリジン、レボセチリジン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、ルパタジン、ビラスチン、またはそれらの組合せ)は、抗ヒスタミン薬の標準用量よりも高い用量で、例えば、標準用量よりも最大4倍高い用量で投与されてもよい。1つ以上の追加の治療剤は、CSUに対する標準治療であり得る(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH、例えば、セチリジン、レボセチリジン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、ルパタジン、ビラスチン、またはそれらの組合せ))。当業者であれば、必要に応じて、標準治療を選択することができるであろう。
【0328】
併用療法は、「相乗作用」を提供し、「相乗作用があること」、すなわち、一緒に使用される有効成分が、化合物を別個に使用することから生じる効果の合計よりも大きい場合に達成される効果を証明する。相乗効果は、活性成分が、(1)合剤にされ、組み合わされた単位投与製剤で同時に投与もしくは送達される場合、(2)別個の製剤として交互にもしくは並行して送達される場合、または(3)別のレジメンによる場合に達成され得る。併用投与には、別個の製剤または単一の薬学的製剤を使用する共投与、およびいずれかの順序での連続投与が含まれ、両方の活性剤(またはすべての)活性剤が同時に生物活性を発揮する期間があることが望ましい。代替療法で送達される場合、相乗効果は、化合物が、例えば、別個のシリンジで異なる注射によって、逐次的に投与または送達される場合に達成され得る。一般に、代替療法中には、各活性成分の有効投与量が逐次的に、すなわち、連続的に投与されるが、併用療法では、2つ以上の活性成分の有効投与量が一緒に投与される。逐次的に投与される場合、組合せは、2回以上の投与回数で投与されてもよい。
【0329】
上で述べたそのような併用療法は、併用投与(ここでは、2つ以上の治療剤が同じまたは別個の製剤中に含まれる)および分離投与を包含し、分離投与の場合、薬剤(例えば、抗トリプターゼ抗体)、またはその薬学的組成物の投与は、追加の治療剤(複数可)の投与の前に、それと同時に、および/またはその後に行うことができる。一態様では、薬剤(例えば、抗トリプターゼ抗体)、またはその薬学的組成物の投与と、追加の治療剤の投与とは、互いの約1ヶ月以内、または約1、2、もしくは3週間以内、または約1、2、3、4、5、もしくは6日以内、または約1、5、10、20、30、40、もしくは50分以内に行われる。逐次的投与に関わる態様については、薬剤(例えば、抗トリプターゼ抗体)は、追加の治療剤(複数可)の投与の前または投与後に投与されてもよい。
【0330】
本明細書に記載される態様のいずれかでは、抗トリプターゼ抗体と、任意の追加の治療剤とは、非経口的に、腹腔内に、筋肉内に、静脈内に、皮内に、経皮で、動脈内に、病巣内に、頭蓋内に、関節内に、前立腺内に、胸膜内に、気管内に、髄腔内に、鼻腔内に、膣内に、直腸内に、局所的に、腫瘍内に、腹膜に、皮下に、結膜下に、小胞内に、粘膜に、心膜内に、臍帯内に、眼内に、眼窩内に、経口的に、局所的に、経皮的に、硝子体内に、眼球周囲に、結膜に、眼球鞘下に、前房内に、網膜下に、球後に、小管内に、吸入により、注射により、移植により、注入により、連続的注入により、標的細胞を直接流す局部的灌流により、カテーテルにより、洗浄により、クリーム中、または脂質組成物中を含む、任意の好適な手段によって投与することができる。投与は、全身投与であってもまたは局所投与であってもよい。加えて、アンタゴニストは、例えば、アンタゴニストの用量が減少する状態で、パルス点滴によって好適に投与され得る。
【0331】
本明細書に記載される態様のいずれかでは、抗トリプターゼ抗体と、任意の追加の治療剤とは、静脈内投与され得る。
【0332】
本明細書に記載される態様のいずれかでは、抗トリプターゼ抗体と、任意の追加の治療剤とは、皮下投与され得る(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0333】
任意の治療剤、例えば、抗トリプターゼ抗体、任意の追加の治療剤、またはその薬学的組成物は、良質の医療のための原則に準じた方法で製剤化、投薬、および投与される。抗トリプターゼ抗体についての投与量は、本明細書に開示されている。追加の治療剤についての投与量は、当該技術分野において公知である。この文脈において考慮すべき要因には、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床的症状、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジューリング、および医師に公知な他の要因が含まれる。治療剤(例えば、抗トリプターゼ抗体)、またはその薬学的組成物は、必ずしも必要ではないが、任意選択で、問題とする障害(例えば、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を予防または治療するために現在使用されている1つ以上の薬剤と共に製剤化される。そのような他の薬剤の有効量は、製剤中に存在する抗体の量、障害または治療の種類、および上述した他の要因に依存する。これらは、一般的に、本明細書に記載される同じ投与量で、かつ同じ投与経路で使用されるか、または本明細書で記載される投与量の約1~99%で使用されるか、または経験的/臨床的に適切であると判断される任意の投与量および任意の経路で使用される。
【0334】
一例として、疾患の予防または治療のために、抗体の適切な投与量は、単独で使用されるかまたは1つ以上の他の追加の治療剤と組み合わせて使用される場合、抗体が予防または治療目的に投与されようとなかろうと、治療される疾患の種類、抗体の種類、疾患の重症度および経過、以前の治療、患者の病歴および抗体に対する反応、ならびに主治医の判断に依存するであろう。抗体は、患者に1回投与されるか、または一連の治療を通して適切に投与される。疾患の種類および重症度に応じて、抗体の約1μg/kg~15mg/kg(例えば、0.1mg/kg~10mg/kg)が、例えば、1つ以上の別個の投与によっても、または連続的注入によっても、患者への投与のための初回候補投与量であり得る。1つの典型的な1日投与量は、上述した要因に依存して、約1μg/kg~200mg/kg以上の範囲であり得る。数日間またはそれ以上にわたる繰り返し投与については、条件に応じて、治療は一般的に、病徴の所望の抑制が生じるまで持続される。抗体の1つの例示的投与量は、約0.05mg/kg~約10mg/kgの範囲となる。したがって、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kgもしくは10mg/kgのうちの1つ以上の用量(またはそれらの任意の組合せ)が患者に投与されてもよい。例えば、用量は、1ヶ月に1回投与されてもよい。より高い初回負荷用量、それに続いて1つ以上のより低い用量が投与されてもよい。しかしながら、他の投薬レジメンが有用である場合もある。この療法の進行は、従来の技法およびアッセイによって容易に監視される。いくつかの態様では、抗体の約50mg/mL~約200mg/mL(例えば、約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、約150mg/mL、約160mg/mL、約170mg/mL、約180mg/mL、約190mg/mL、またはr約200mg/mL)の用量が投与されてもよい。
【0335】
IV. 組成物および薬学的製剤
任意の好適な組成物(例えば、抗トリプターゼ抗体)またはその薬学的製剤を、本明細書に記載される方法、使用のための組成物、および使用で用いることができる。本明細書に記載される方法、使用のための組成物、および使用に好適な非限定的な例を、以下にさらに記載する。
【0336】
A. 抗トリプターゼ抗体
任意の好適な抗トリプターゼ抗体を、本発明の方法、使用のための組成物、および使用で用いることができる。例えば、抗トリプターゼ抗体は、米国特許第10,738,131号または同第10,752,703号に;米国特許出願公開第2018/0230233に;もしくは国際特許出願公開第2018/148585号に記載されるあらゆる抗トリプターゼ抗体であり得る。
【0337】
いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)は、(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、もしくはすべて6つのCDR、または上記CDRのうちの1つ以上と配列番号1~6のいずれか1つに対して少なくとも約80%の配列同一性(例えば、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性)を有するその1つ以上のバリアントとの組合せを含むことができる。例えば、いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体は、(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)を含む。
【0338】
いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)は、(a)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列、または配列番号7のアミノ酸配列の配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン;(b)配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列、または配列番号8のアミノ酸配列の配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン;または(c)(a)にあるようなVHドメインおよび(b)にあるようなVLドメインを含み得る。例えば、いくつかの態様では、VHドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、VLドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。特定の態様では、VHドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含み、VLドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0339】
いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)は、(a)配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列、または配列番号9のアミノ酸配列の配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸配列の配列を含む軽鎖と、を含み得る。例えば、いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)は、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖と、を含む。
【0340】
他の態様では、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)は、(a)配列番号11のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列、または配列番号11のアミノ酸配列の配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸配列の配列を含む軽鎖と、を含み得る。例えば、いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)は、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖と、を含む。
【0341】
いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体は、前述の抗体のいずれか1つと同じエピトープに結合する抗体である。いくつかの態様では、抗体が同じエピトープに結合するかまたはヒトトリプターゼベータ1への結合と競合するかどうかは、エピトープビニングアッセイによって判定される。いくつかの態様では、エピトープビニングアッセイは、国際公開第2018/148585号の実施例3、セクションCに記載されているようなOCTET(登録商標)エピトープビニングアッセイである。いくつかの態様では、ヒトトリプターゼベータ1単量体タンパク質は、NHS-PEG4-ビオチンと反応させることによって、Lys残基でビオチン化されている。ビオチン化単量体は、キネティックバッファー(ForteBio,Inc.)中で5μg/mlに希釈し、ストレプトアビジンセンサーチップ(ForteBio,Inc.)上に固定化される。固定化のステップ後に、ヒトトリプターゼ1が固定化されているセンサーを、10~20μg/mlに希釈された一次抗体で飽和し、2.5μg/mlで希釈された二次抗体とビニングする。いくつかの態様では、エピトープビニングアッセイは、30℃で実施される。
【0342】
いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体は、前述の抗体のいずれか1つと結合を競合するか、またはそれをクロスブロックするか、または前述の抗体のいずれか1つによってクロスブロックされる抗体である。
【0343】
本明細書に列挙された態様のいずれかで使用するためのそのような抗トリプターゼ抗体が、以下のセクション1~7に記載される特徴のいずれかを単独で、または組み合わせて有し得ることが明示的に考えられる。
【0344】
1. 抗体親和性
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体)は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、≦1pM、または≦0.1pM(例えば、10-6M以下、例えば、10-6M~10-9M以下、例えば、10-9M~10-13M以下)の解離定数(K)を有する。例えば、いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体は、約100nM以下(例えば、100nM以下、10nM以下、1nM以下、100pM以下、10pM以下、1pM以下、または0.1pM以下)のKでトリプターゼ(例えば、ヒトトリプターゼ、例えば、ヒトトリプターゼベータ)に結合する。いくつかの態様では、抗体は、10nM以下(例えば、10nM以下、1nm以下、100pM以下、10pM以下、1pM以下、または0.1pM以下)のKでトリプターゼ(例えば、ヒトトリプターゼ、例えば、ヒトトリプターゼベータ)に結合する。いくつかの態様では、抗体は、1nM以下(例えば、1nm以下、100pM以下、10pM以下、1pM以下、または0.1pM以下)のKでトリプターゼ(例えば、ヒトトリプターゼ、例えば、ヒトトリプターゼベータ)に結合する。いくつかの態様では、上述のまたは本明細書に記載の抗トリプターゼ抗体のいずれかは、約0.5nM以下(例えば、0.5nm以下、400pM以下、300pM以下、200pM以下、100pM以下、50pM以下、25pM以下、10pM以下、1pM以下、または0.1pM以下)のKでトリプターゼ(例えば、ヒトトリプターゼ、例えば、ヒトトリプターゼベータ)に結合する。いくつかの態様では、抗体は、約0.1nM~約0.5nM(例えば、約0.1nM、約0.2nM、約0.3nM、約0.4nM、または約0.5nM)のKでトリプターゼ(例えば、ヒトトリプターゼ、例えば、ヒトトリプターゼベータ)に結合する。いくつかの態様では、抗体は、約0.4nMのKでトリプターゼ(例えば、ヒトトリプターゼ、例えば、ヒトトリプターゼベータ)に結合する。いくつかの態様では、抗体は、約0.18nMのKでトリプターゼ(例えば、ヒトトリプターゼ、例えば、ヒトトリプターゼベータ)に結合する。本明細書に記載される他の抗体のいずれかは、抗トリプターゼ抗体に関して上述したような親和性で、その抗原に結合し得る。
【0345】
一態様では、KDは、放射標識抗原結合アッセイ(RIA)Iによって測定される。一態様では、RIAは、目的とする抗体のFabバージョンおよびその抗原を用いて実行される。例えば、抗原に対するFabの溶液結合親和性は、滴定系列の未標識抗原の存在下でFabを最小濃度の(125I)標識抗原と平衡化し、次いで、結合抗原を抗Fab抗体でコートされたプレートで捕捉することによって測定される(例えば、Chen et al.J.Mol.Biol.293:865-881,1999)を参照されたい。アッセイのための条件を確立するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を、50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中の5μg/mlの捕捉用抗Fab抗体(Cappel Labs)を用いて一晩かけてコーティングし、続いてPBS中2%(1/v)のウシ血清アルブミンを用いて室温(約23℃)で2~5時間かけてブロックする。非吸着プレート(Nunc、269620番)、100pMまたは26pMの[125I]-抗原を、目的とするFabの段階希釈液と混合する(例えば、Presta et al.Cancer Res.57:4593-4599,1997における抗VEGF抗体Fab-12の評価と一致するように)。次いで、目的とするFabを一晩インキュベートするが、しかしながら、確実に平衡に達するために、インキュベーションはより長い期間続けてもよい(例えば、約65時間)。その後、混合液を室温でのインキュベーション(例えば、1時間)のために捕捉用プレートに移す。次いで、溶液を除去し、プレートを、PBS中0.1%のポリソルベート20(TWEEN(登録商標)-20)で8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μl/ウェルの閃光物質(MICROSCINT-20(商標);Packard)を添加し、プレートをTOPCOUNT(商標)ガンマカウター(Packard)で10分間計測する。最大結合の20%以下をもたらすFabの濃度を、競合結合アッセイにおける使用のために選択する。
【0346】
別の態様によれば、KDは、BIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴アッセイを使用して測定される。例えば、BIACORE(登録商標)ー2000またはBIACORE(登録商標)ー3000(Biacore,Inc.,Piscataway,NJ)を使用するアッセイを、25℃で、約10の反応単位(RU)で抗原が固定化されているCM5チップを用いて実行する。一態様では、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIACORE,Inc.)を、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)およびN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を用いて供給業者の指示に従って活性化する。抗原を10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)を用いて5μg/ml(約0.2μM)になるまで希釈し、その後、5μl/分の流速で注入して、約10の反応単位(RU)の結合タンパク質に達した。抗原の注入後、1Mのエタノールアミンを注入して、未反応の基をブロックする。動力学測定のために、0.05%のポリソルベート20(TWEEN(登録商標)-20)界面活性剤を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(PBST)中のFabの2倍段階希釈液(0.78nM~500nM)を、25℃で約25μl/分の流速で注入する。会合速度(kon)および解離速度(koff)を、会合センサーグラムと解離センサーグラムを同時に当てはめることによって、単純一対一ラングミュア結合モデル(BIACORE(登録商標)評価ソフトウェアバージョン3.2)を使用して計算する。平衡解離定数(K)は、koff/kon比として計算される。例えば、Chen et al.(J.Mol.Biol.293:865-881,1999)を参照されたい。会合速度が上記の表面プラズモン共鳴アッセイによって10-1-1を上回る場合、会合速度は、分光光度計、例えば、流動停止を備えた分光光度計(Aviv Instruments)または撹拌キュベットを備えた8000シリーズSLM-AMINCO(商標)分光光度計(ThermoSpectronic)で測定されるような、漸増濃度の抗原の存在下におけるpH7.2のPBS中の20nMの抗原に対する抗体(Fab形態)の25℃における蛍光発光強度(励起=295nm;発光=340nm、16nmのバンドパス)の増加または減少を測定する蛍光消光技術を使用することによって決定され得る。
【0347】
いくつかの態様では、Kは、BIACORE(登録商標)SPRアッセイを使用して測定される。いくつかの態様では、SPRアッセイは、BIAcore(登録商標)T200または同等のデバイスを使用することができる。いくつかの態様では、BIAcore(登録商標)シリーズS CM5センサーチップ(または同等のセンサーチップ)は、モノクローナルマウス抗ヒトIgG(Fc)抗体で固定化され、続いて、抗トリプターゼ抗体がフローセル上で捕捉される。Hisタグ付けヒトトリプターゼベータ1単量体(配列番号128)の段階3倍希釈液を、30μl/分の流速で注入する。各試料を3分の会合および10分の解離で分析する。アッセイは、25℃で実行する。各注入後に、3MのMgClを使用して、チップを再生する。結合反応を、同様の密度で無関係なIgGを捕捉するフローセルから反応単位(RU)を差し引くことによって修正される。konおよびkoffの同時当てはめの1:1Languirモデルを、動力学分析に使用する。
【0348】
2. 抗体断片
ある特定の態様では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体)は、抗体断片である。抗体断片としては、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)、Fv、およびscFv断片、ならびに以下に記載される他の断片が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の抗体断片の概説については、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)を参照されたい。scFv断片の概説については、例えば、Pluckthunの、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer-Verlag、New York),pp.269-315(1994)を参照されたく、また国際公開第93/16185号、ならびに米国特許第5,571,894号および同第5,587,458も参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、in vivo半減期が長くなったFabおよびF(ab’)断片の説明については、米国特許第5,869,046号を参照されたい。
【0349】
ダイアボディは、二価または二重特異性であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、欧州特許第404,097号、国際公開第1993/01161号;Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003);およびHollinger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448,1993を参照されたい。トリアボディおよびテトラボディもまた、Hudson et al..Nat.Med.9:129-134,2003を参照されたい。
【0350】
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインのすべてまたは一部または軽鎖可変ドメインのすべてまたは一部を含む抗体断片である。ある特定の態様では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(例えば、米国特許第6,248,516号B1を参照されたい)。
【0351】
抗体断片は、限定されないが、本明細書に記載されるように、インタクトな抗体のタンパク質分解による消化、および組換え宿主細胞(例えば、大腸菌(E.coli)またはファージ)による産生を含め、種々の技術によって作られてもよい。
【0352】
3. キメラおよびヒト化抗体
ある特定の態様では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体)はキメラ抗体である。ある特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、およびMorrison et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855,1984)に記載されている。一例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、またはサルなどの非ヒト霊長類に由来する可変領域)およびヒト定常領域を含む。さらなる例では、キメラ抗体は、そのクラスまたはサブクラスが親抗体のものから変更された「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
【0353】
ある特定の態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、親非ヒト抗体の特異性および親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低下させるためにヒト化される。一般に、ヒト化抗体は、HVR(またはその一部)が非ヒト抗体に由来し、FR(またはその一部)がヒト抗体配列に由来する1つ以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体はまた、任意選択で、ヒト定常領域の少なくとも一部も含む。いくつかの態様では、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基は、例えば、抗体の特異性または親和性を修復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、そのHVR残基が由来する抗体)からの対応する残基で置換されている。
【0354】
ヒト化抗体およびそれらの作製方法は、例えば、Almagro et al.Front.Biosci.13:1619-1633,2008で概説されており、さらに、例えば、Riechmann et al.Nature 332:323-329,1988;Queen et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029-10033,1989;米国特許第5,821,337号、同第7,527,791号、同第6,982,321号、および同第 7,087,409号;Kashmiri et al.Methods 36:25-34,2005(特異性決定領域(SDR)移植を記載);Padlan, Mol.Immunol.28:489-498,1991(「リサーフェシング」を記載);Dall’Acqua et al.Methods 36:43-60,2005(「FRシャッフリング」を記載);ならびにOsbourn et al.Methods 36:61-68,2005およびKlimka et al.Br.J.Cancer,83:252-260,2000(「誘導選択」アプローチを記載)に記載されている。
【0355】
ヒト化のために使用され得るヒトフレームワーク領域は、「ベストフィット」法を使用して選択されたフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296,1993を参照されたい);軽鎖または重鎖可変領域の特定の亜群のヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285,1992;およびPresta et al.J.Immunol.,151:2623,1993を参照されたい);ヒト成熟(体細胞の突然変異した)フレームワーク領域(例えば、Almagro et al.Front.Biosci.13:1619-1633,2008を参照されたい);およびFRライブラリーのスクリーニングに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca et al.J.Biol.Chem.272:10678-10684,1997およびRosok et al.J.Biol.Chem.271:22611-22618,1996を参照されたい)。
【0356】
4. ヒト抗体
ある特定の態様では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体)はヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野において公知の様々な技術を使用して産生され得る。ヒト抗体は、van Dijk et al.Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74,2001およびLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450-459,2008に一般的に記載されている。
【0357】
ヒト抗体は、免疫原を、抗原チャレンジに応答してインタクトなヒト抗体またはヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように改変されているトランスジェニック動物に投与することによって調製されてもよい。そのような動物は、典型的には、ヒト免疫グロブリン遺伝子座のすべてまたは一部を含有し、それらは、内因性免疫グロブリン遺伝子座に置き換わるか、または染色体外に存在するか、もしくは動物の染色体にランダムに組み込まれる。そのようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般的に、不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法のための概説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125,2005に一般的に記載されている。また、例えば、XENOMOUSE(商標)技術を記載する米国特許第6,075,181号および同第6,150,584号;HUMAB(登録商標)技術を記載する米国特許第5,770,429号;K-M MOUSE(登録商標)技術を記載する米国特許第7,041,870号、ならびにVELOCIMOUSE(登録商標)を記載する米国特許出願公開第2007/0061900号も参照されたい。そのような動物によって生成されたインタクトな抗体からのヒト可変領域は、異なるヒト定常領域と組み合わせることによって、さらに改変されてもよい。
【0358】
ヒト抗体はまた、ハイブリドーマベースの方法によっても作製することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫細胞株およびマウス-ヒト異種骨髄腫細胞株が記載されている(例えば、Kozbor J. Immunol.133:3001,1984;Brodeur et al.Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987);およびBoerner et al.J.Immunol.147:86,1991を参照されたい)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体もまた、Li et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA、103:3557-3562,2006に記載されている。追加の方法には、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載する)およびNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265-268,2006(ヒト-ヒトハイブリドーマを記載する)において記載されているものが挙げあれる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)もまた、Vollmers et al.Histology and Histopathology 20(3):927-937,2005およびVollmers et al.Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology 27(3):185-91,2005に記載されている。
【0359】
ヒト抗体はまた、ヒト由来ファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成されてもよい。そのような可変ドメイン配列は、次いで、所望のヒト定常ドメインと組み合わされてもよい。ヒト抗体を抗体ライブラリーから選択するための技術が、以下に記載される。
【0360】
5. ライブラリー由来の抗体
抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体)は、所望の活性(単数または複数)を有する抗体についてのコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。例えば、ファージディスプレイライブラリーを生成し、所望の結合特性を保有する抗体についてのそのようなライブラリーをスクリーニングするための種々の方法が、当該技術分野において公知である。そのような方法は、例えば、Molecular Biology 178:1-37 (O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)に概説されており、さらに、例えば、McCafferty et al.Nature 348:552-554,1990;Clackson et al.Nature 352:624-628,1991;Marks et al.J.Mol.Biol.222:581-597,1992;Marks et al.のMethods in Molecular Biology 248:161-175(Lo,ed.,Human Press, Totowa,NJ,2003)に;Sidhu et al.J.Mol.Biol.338(2):299-310,2004;Lee et al.J.Mol.Biol.340(5):1073-1093,2004;Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472,2004;ならびにLee et al.J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132,2004に記載されている。
【0361】
ある特定のファージディスプレイ法では、VHおよびVL遺伝子のレパートリーが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別個にクローンされ、ファージライブラリー中でランダムに組み換えられ、次いで、それがWinter et al.Ann.Rev.Immunol.,12:433-455,1994に記載されるように、抗原結合ファージについてスクリーニングされ得る。ファージは、典型的には、抗体断片を、単鎖Fv(scFv)断片として、またはFab断片としてのいずれかで抗体断片を表示する。免疫化供給源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要なしに、免疫原に対して高親和性の抗体を提供する。あるいは、ナイーブなレパートリーは、(例えばヒトから)クローニングされ、Griffiths et al.EMBO J.12:725-734,1993によって記載されるように、いかなる固定化もなしに広範囲の非自己抗原および自己抗原に対しても単一の抗体源を提供することができる。最後に、ナイーブライブラリーはまた、Hoogenboom et al.J.Mol.Biol.,227:381-388、1992によって記載されるように、幹細胞からの再配列されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、高度可変HVR3領域をコードし、in vitroで再配列を達成するためのランダムな配列を含有するPCRプライマーを使用することによって、合成的に作製することができる。ヒト抗体ファージディスプレイを記載する特許公開としては、例えば、米国特許第5,750,373号、ならびに米国特許公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、および2009/0002360が挙げられる。
【0362】
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体または抗体断片は、本明細書ではヒト抗体またはヒト抗体断片とみなされる。
【0363】
6. 多重特異性抗体
ある特定の態様では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体)は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。例えば、抗トリプターゼ抗体に関して、ある特定の態様では、二重特異性抗体は、トリプターゼの2つの異なるエピトープに結合してもよい。ある特定の態様では、結合特異性の一方は、トリプターゼに対するものであり、他方はいずれかの他の抗原(例えば、第2の生物分子)に対するものである。いくつかの態様では、二重特異性抗体は、トリプターゼの2つの異なるエピトープに結合し得る。他の態様では、結合特異性の一方は、トリプターゼ(例えば、ヒトトリプターゼ、例えば、ヒトトリプターゼベータ)に対するものであり、他方はいずれかの他の抗原(例えば、第2の生物分子、例えば、IL-13、IL-4、IL-5、IL-17、IL-33、IgE、M1プライム(prime)、CRTH2、またはTRPA)に対するものである。したがって、二重特異性抗体は、トリプターゼとIL13に、トリプターゼとIgEに、トリプターゼとIL14に、トリプターゼとIL5に、トリプターゼとIL17に、またはトリプターゼとIL33に結合特異性を有し得る。特に、二重特異性抗体は、トリプターゼとIL-13に、またはトリプターゼとIL-33に結合特異性を有し得る。他の特定の態様では、二重特異性抗体は、トリプターゼとIgEに結合特異性を有し得る。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体断片として調製することができる。
【0364】
多重特異性抗体を作製するための技術には、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組換え共発現(Milstein et al.Nature 305:537,1983;国際公開第93・08829号;およびTraunecker et al.EMBO J.10:3655、1991を参照されたい)、および「ノブ・イン・ホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号を参照されたい)が含まれるが、これらに限定されない。多重特異性抗体もまた、抗体Fcヘテロ二量体分子を作製するための静電気的操縦(electrostatic steering)効果を操作すること(WO 2009/089004A1);2つまたはそれ以上の抗体または断片を架橋すること(例えば、米国特許第4,676,980号、およびBrennan et al.Science,229:81,1985を参照されたい);二重特異性抗体を産生するためのロイシンジッパーを用いること(例えば、Kostelny et al.J.Immunol.,148(5):1547-1553,1992を参照されたい);二重特異性抗体断片を作製するための「ダイアボディ」技術を用いること(例えば、Hollinger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448,1993を参照されたい);および単鎖Fv(sFv)二量体を用いること(例えば、Gruber et al.J.Immunol.152:5368,1994を参照されたい);ならびに例えばTutt et al.J.Immunol.147:60,1991で説明されているようにして、三重特異性抗体を調製することによって、作製することもできる。
【0365】
「オクトパス抗体」を含む、3つ以上の機能性抗原結合部位を有する改変抗体も、本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576A1を参照されたい)。
【0366】
また、本明細書の抗体または断片には、トリプターゼならびに別の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む「二重作用性Fab」または「DAF」も含まれる(例えば米国特許出願公開第2008/0069820号を参照されたい)。
【0367】
ノブ・イントゥー・ホール
多重特異性抗体を産生するための方法としてのノブ・イントゥー・ホールの使用は、例えば、米国特許第5,731,168号、国際公開第2009/089004号、米国特許出願公開第2009/0182127号、同第2011/0287009号、Marvin and Zhu,Acta Pharmacol.Sin.(2005)26(6):649-658、およびKontermann(2005)Acta Pharmacol.Sin.26:1-9に記載されている。簡単な非限定的説明を、以下に提供する。
【0368】
「突起(protuberance)」は、第1のポリペプチドの接触面から突出する少なくとも1つのアミノ酸側鎖を指し、したがって、ヘテロ多量体を安定化させるように隣接する接触面(すなわち、第2のポリペプチドの接触面)における補償的空洞中に配置可能であり、これによって、例えば、ホモ多量体形成よりもヘテロ多量体形成を好む。突起は、元の接触面に存在してよく、または合成的に導入されてもよい(例えば、接触面をコードする核酸を改変することによって)。いくつかの態様では、第1のポリペプチドの接触面をコードする核酸が、突起をコードするように改変される。これを達成するために、第1のポリペプチドの接触面における少なくとも1つの「元の」アミノ酸残基が、元のアミノ酸残基よりも大きい側鎖体積を有する少なくとも1つの「インポート」アミノ酸残基をコードする核酸で置き換えられる。1つ以上の元の対応するインポート残基があり得ることが理解されよう。様々なアミノ酸残基の側鎖体積は、例えば、米国特許出願公開第2011/0287009号の表1または米国特許第7,642,228号の表1に示されている。
【0369】
いくつかの態様では、突起の形成のためのインポート残基は、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)およびトリプトファン(W)から選択される天然に存在するアミノ酸残基である。いくつかの態様では、インポート残基は、トリプトファンまたはチロシンである。いくつかの態様では、突起の形成のための元の残基は、小さい側鎖体積を有し、例えば、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グリシン、セリン、スレオニン、またはバリンである。例えば、米国特許第7,642,228号を参照されたい。
【0370】
「空洞」は、第2のポリペプチドの接触面から凹んでいる少なくとも1つのアミノ酸側鎖を指し、したがって、第1のポリペプチドの隣接する接触面上の対応する突起を収容する。空洞は、元の接触面に存在してよく、または合成的に導入されてもよい(例えば、接触面をコードする核酸を改変することによって)。いくつかの態様では、第2のポリペプチドの接触面をコードする核酸が、空洞をコードするように改変される。これを達成するために、第2のポリペプチドの接触面における少なくとも1つの「元の」アミノ酸残基が、元のアミノ酸残基よりも小さい側鎖体積を有する少なくとも1つの「インポート」アミノ酸残基をコードするDNAで置き換えられる。1つ以上の元の対応するインポート残基があり得ることが理解されよう。いくつかの態様では、空洞の形成のためのインポート残基は、アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T)、およびバリン(V)から選択される天然に存在するアミノ酸残基である。いくつかの態様では、インポート残基は、セリン、アラニン、またはチロシンである。いくつかの態様では、空洞の形成のための元の残基は、大きい側鎖体積を有し、例えばチロシン、アルギニン、フェニルアラニン、またはトリプトファンである。
【0371】
突起が空洞内に「配置可能」とは、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドの接触面上のそれぞれ突起および空洞の空間位置ならびに突起および空洞のサイズが、接触面における第1および第2のポリペプチドの正常な関連性を著しく乱すことなく、突起が空洞内に配置できるようになっていることを意味する。Tyr、Phe、およびTrpなどの突起が典型的に、接触面の軸から垂直には伸びずに、好ましい立体構造を有するため、突起の対応する空洞との整列は、いくつかの態様では、X線結晶構造解析または核磁気共鳴(NMR)によって得られるような3次元構造に基づいて突起/空洞対をモデル化することに依存する。これは、当該技術分野において広く受け入れられている技術を使用して達成することができる。
【0372】
いくつかの態様では、IgG1定常領域中のノブ変異(knob mutation)は、T366Wである。いくつかの態様では、IgG1定常領域中のホール変異(hole mutation)は、T366S、L368A、およびY407Vから選択される1つ以上の変異を含む。いくつかの態様では、IgG1定常領域中のホール変異は、T366S、L368A、およびY407Vを含む。
【0373】
いくつかの態様では、 IgG4定常領域中のノブ変異は、T366Wである。いくつかの態様では、IgG4定常領域中のホール変異は、T366S、L368A、およびY407Vから選択される1つ以上の変異を含む。いくつかの態様では、IgG4定常領域中のホール変異は、T366S、L368A、およびY407Vを含む。
【0374】
7. 抗体バリアント
ある特定の態様では、本明細書に提供される抗体のアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、抗体の結合親和性および/または阻害活性などの他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体)のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な改変を導入することによって、またはペプチド合成によって、調製することができる。そのような改変としては、例えば、抗体のアミノ酸配列からの残基の欠失、ならびに/またはそれへの挿入、および/もしくは抗体のアミノ酸配列内の残基の置換が挙げられるが、これらに限定されない。最終コンストラクトが所望の特性、例えば、抗原結合を示すことを条件として、欠失、挿入、および置換の任意の組合せを行って、最終コンストラクトに到達することができる。
【0375】
a)置換、挿入、および欠失バリアント
ある特定の態様では、1つ以上のアミノ酸置換を有する抗体バリアントが提供される。目的とする置換突然変異誘発部位には、HVR(例えば、CDR)およびFRが含まれる。保存的置換は、表Aの「好ましい置換」という項目の下に示す。より実質的な変更は、表Aの「例示的置換」という項目の下に提供し、アミノ酸側鎖のクラスに関してさらに後述する。アミノ酸置換を、目的とする抗体に導入し、その産物を所望の活性、例えば、保持された/改善された抗原結合、減少した免疫原性、または改善されたADCCもしくはCDCについてスクリーニングすることができる。
【0376】
アミノ酸は、共通の側鎖特性に従ってグループ分けされ得る:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性で親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖の向きに影響する残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0377】
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴う。
【0378】
置換バリアントの1つのタイプは、親抗体(例えば、ヒト化抗体またはヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基を伴う。一般に、その後の研究のために選択される得られたバリアントは、親抗体と比べてある特定の生物学的特性(例えば、改善)(例えば、増加した親和性、低下した免疫原性)を有し、かつ/または親抗体のある特定の生物学的特性を実質的に保持する。例示的な置換バリアントは、例えば、本明細書に記載されるもののようなファージディスプレイに基づく親和性成熟技術を用いて簡便に生成されてもよい。簡潔に述べると、1つ以上のHVR残基を変異させ、バリアント抗体をファージ上に提示させ、特定の生物活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。
【0379】
変更(例えば、置換)をHVRにおいて行い、例えば、抗体親和性を改善してもよい。そのような変更は、HVR「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟プロセスの間に高頻度で変異を受けるコドンにコードされる残基(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179ー196、2008を参照されたい)、および/または抗原と接触する残基中で行われてもよく、得られたバリアントVHまたはVLを結合親和性について試験する。二次ライブラリーを構築し、それらを再選択することによる親和性成熟は、例えば、Hoogenboom et al. in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al. ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)において記載されている。親和性成熟のいくつかの態様において、様々な方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリング、またはオリゴヌクレオチド指定突然変異)のいずれかによって成熟のために選択された可変遺伝子中に多様性が導入される。次いで、二次ライブラリーが作製される。次いで、ライブラリーをスクリーニングして、所望の親和性を有するバリアントを同定する。多様性を導入するための別の方法は、いくつかのHVR残基(例えば、同時に4~6個の残基)がランダム化される、HVRを対象とするアプローチを伴う。抗原結合に関与しているHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発またはモデル化を使用して、特異的に同定されてもよい。特に、HVR-H3およびHVR-L3は、しばしば標的とされる。
【0380】
ある特定の態様では、置換、挿入、または欠失は、そのような変更によって、抗体が抗原に結合する能力が実質的に低下しない限り、1つ以上のHVR内に存在してよい。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的変更(例えば、保存的置換)を、HVRにおいて行ってもよい。そのような変更は、例えば、HVR中の抗原接触残基の外側であってもよい。上記で提供したバリアントVHおよびVL配列のある特定の態様では、各HVRは、不変であるか、または1個、2個もしくは3個以下のアミノ酸置換を含有するかのいずれかである。
【0381】
突然変異誘発の標的とされ得る抗体の残基または領域を同定するのに有用な方法は、「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれ、Cunningham et al.Science 244:1081-1085,1989によって記載されている。この方法では、残基または標的残基群(例えば、Arg、Asp、His、Lys、およびGluなどの荷電残基)を同定し、中性アミノ酸または負電荷を有するアミノ酸(例えば、Alaまたはポリアラニン)によって置換して、抗体の抗原との相互作用が影響を受けるかどうかを判定する。最初の置換に対して機能的感受性を示すアミノ酸位置に、さらに置換を導入してもよい。代替的に、または追加的に、抗原-抗体複合体の結晶構造から、抗体と抗原との間の接触点を特定する。そのような接触残基および隣接残基は、置換の候補として標的とするか、または排除してもよい。バリアントをスクリーニングして、それらが所望の特性を含有する可動かを判定してもよい。
【0382】
アミノ酸配列挿入としては、長さが残基1個から100個またはそれ以上の残基を含有するポリペプチドまで及ぶアミノ末端融合および/またはカルボキシ末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が挙げられる。末端挿入の例には、N末端メチオニル残基を有する抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入バリアントには、(例えば、ADEPTのための)酵素または抗体の血清半減期を長くするポリペプチドへの、抗体のN末端またはC末端の融合が含まれる。
【0383】
b)グリコシル化バリアント
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体)は、抗体がグリコシル化される程度を増加または減少させるように変更された抗体である。抗体のグリコシル化部位の付加または欠失は、1つ以上のグリコシル化部位が作り出されるかまたは除去されるようにアミノ酸配列を変更することによって、簡便に達成することができる。
【0384】
抗体がFc領域を含む場合、それに結合する炭水化物が変更されてもよい。典型的には、哺乳動物細胞によって産生される天然抗体は、Fc領域のCH2ドメインのAsn297にN結合によって通常結合している分枝状の二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26-32,1997を参照されたい。オリゴ糖には、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、およびシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖構造の「軸(stem)」中のGlcNAcに結合したフコースが含まれ得る。いくつかの態様では、ある特定の改善された特性を有する抗体バリアントを作り出すために、本発明の抗体中のオリゴ糖の改変が行われてもよい。
【0385】
一態様では、Fc領域に結合した(直接的または間接的に)フコースを欠く糖鎖構造を有する抗体バリアントが提供される。例えば、そのような抗体中のフコースの量は、1%~80%、1%~65%、5%~65%または20%~40%であってもよい。フコースの量は、例えば、国際公開第2008/077546号に記載されるような、MALDI-TOF質量分析によって測定されるAsn297に結合したすべての糖構造体(例えば、複合体、ハイブリッドおよび高マンノース構造)の合計に対するAsn297での糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域の約297位に位置するアスパラギン残基を指す(Fc領域残基のEu番号付け);ただし、Asn297はまた、抗体のマイナーな配列変化のために、位置297の上流または下流、すなわち位置294と300の間の約±3個のアミノ酸に位置していてもよい。そのようなフコシル化バリアントは、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許公開第2003/0157108号および同第2004/0093621号を参照されたい。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体バリアントに関する刊行物の例としては、米国特許公開第2003/0157108号;国際公開第2000/61739号;国際公開第2001/29246号;米国特許公開第2003/0115614号;米国特許公開第2002/0164328号;米国特許公開第2004/0093621号;米国特許公開第2004/0132140号;米国特許公開第2004/0110704号;米国特許公開第2004/0110282号;米国特許公開第2004/0109865号;米国特許公開第2003/085119号;米国特許公開第2003/084570号;米国特許公開第2005/035586号;米国特許公開第2005/035778号;国際公開第2005/053742号;米国特許公開第2002/031140号;Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249,2004;Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614,2004が挙げられる。脱フコシル化抗体を産生可能な細胞株の例には、タンパク質のフコシル化が欠損したLec13 CHO細胞が挙げられる(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545,1986;米国特許公開第2003/0157108号;ならびに国際公開第2004/056312 A1号、特に実施例11における)、およびノックアウト細胞株、例えば、アルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614,2004;Kanda et al.Biotechnol.Bioeng.94(4):680-688,2006;および国際公開第WO2003/085107号を参照されたい)。
【0386】
抗体バリアントは、二分されたオリゴ糖を含むように、例えば、その中で、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二分されているようにさらに提供される。そのような抗体バリアントは、低下されたフコシル化および/または改善されたADCC機能を有し得る。そのような抗体の例は、例えば、国際公開第2003/011878号;米国特許第6,602,684号;および米国特許公開第2005/0123546号に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体バリアントも提供される。そのような抗体バリアントは、改善されたCDC機能を有し得る。そのような抗体の例は、例えば、国際公開第1997・30087号;同第1998/58964号;および同第1999/22764号に記載されている。
【0387】
c)Fc領域バリアント
ある特定の態様では、1つ以上のアミノ酸改変を、本明細書に提供される抗体(例えば、抗トリプターゼ抗体)のFc領域中に導入することができ、それによって、Fc領域バリアントを生成する。Fc領域バリアントは、1つ以上のアミノ酸位置でアミノ酸改変(例えば、置換)を含む、ヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 Fc領域)を含んでもよい。
【0388】
ある特定の態様では、本発明は、すべてではないが一部のエフェクター機能を保有する抗体バリアントを企図し、それは、in vivoでの抗体の半減期が重要であるにもかかわらず、特定のエフェクター機能(補体およびADCCなど)が不必要または有害である用途にとって望ましい候補となる。CDCおよび/またはADCC活性の低減/枯渇を確認するために、in vitroおよび/またはin vivo細胞傷害性アッセイを行うことができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイは、抗体がFcγR結合を欠いている(したがって、ADCC活性を欠いている可能性が高い)が、FcRn結合能力を保持していることを確実にするために行うことができる。ADCCを媒介するための主な細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、一方単球は、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIを発現する。造血細胞上のFcR発現は、Ravetch et al.Annu.Rev.Immunol.9:457-492,1991の464頁の表3に要約されている。目的とする分子のADCC活性を評価するためのin vitroアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:7059-7063,1986およびHellstrom et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:1499-1502,1985を参照されたい;米国特許第5,821,337号(Bruggemann et al.J.Exp.Med.166:1351-1361,1987を参照されたい)。あるいは、非放射性アッセイ方法を用いてもよい(例えば、フローサイトメトリー(CellTechnology,Inc.Mountain View,CAのためのACTI(商標)非放射性細胞傷害性アッセイ、およびCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega,Madison,WI)を参照されたい)。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。代替的に、または追加的に、目的の分子のADCC活性は、例えば、Clynes et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:652-656,1998に開示されるものなどの動物モデルにおいて、in vivoで評価することができる。C1q結合アッセイもまた、抗体がC1qに結合することができず、したがってCDC活性を欠いていることを確認するために行ってもよい。例えば、国際公開第2006/029879号および同第2005/100402号におけるC1qおよびC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実行してもよい(例えば、Gazzano-Santoro et al.J.Immunol.Methods 202:163,1996;Cragg et al.Blood101:1045-1052,2003;およびCragg et al.Blood 103:2738-2743、2004を参照されたい)。FcRn結合およびin vivoクリアランス/半減期の決定もまた、当該技術分野において公知の方法を使用して実行することができる(例えば、Petkova et al.Intl.Immunol.18(12):1759-1769、2006を参照されたい)。
【0389】
低下したエフェクター機能を有する抗体には、Fc残基238、265、269、270、297、327および329のうちの1つ以上の置換を有するものが含まれる(米国特許第6,737,056号)。そのようなFc変異変異体は、アミノ酸位置265、269、270、297および327のうちの2つ以上で置換を有するFc変異体を含み、残基265および297のアラニンへの置換を有するいわゆる「DANA」Fc変異体が含まれる(米国特許第7,332,581号)。
【0390】
FcRに対する改善されたまたは減少した結合を有するある特定の抗体バリアントが記載されている。(例えば、米国特許第6,737,056号;核再公開第2004/056312号;およびShields et al.J.Biol.Chem.9(2):6591-6604,2001を参照されたい)。
【0391】
ある特定の態様では、抗体バリアントは、ADCCを改善する1つ以上のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置298、333、および/または334での(残基のEU番号付け)置換を有するFc領域を含む。
【0392】
いくつかの態様では、Fc領域において変更が行われ、その結果、例えば、米国特許第6,194,551号、国際公開第99/51642号、およびIdusogie et al.J.Immunol.164:4178-4184,2000によって記載されるように、変更された(すなわち、改善されたか、もしくは減少した)C1q結合および/または補体依存性細胞傷害(CDC)をもたらす。
【0393】
増大した半減期および新生児Fc受容体(FcRn)への改善された結合を有する抗体で、母体のIgGの胎児にへの移動に関与する抗体(Guyer et al.J.Immunol.117:587,1976およびKim et al.J.Immunol.24:249,1994)は、米国特許公開第2005/0014934号に記載されている。これらの抗体は、Fc領域のFcRnへの結合を改善する、その中に1つ以上の置換を有するFc領域を含む。そのようなFcバリアントには、Fc領域残基:238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424または434のうちの1つ以上での置換、例えば、Fc領域残基434の置換(米国特許第7,371,826号)を有するものが含まれる。
【0394】
例えば、Fc領域バリアントの他の例に関するDuncan et al.Nature 322:738-40,1988;米国特許第5,648,260号および同第5,624,821号;ならびに国際公開第94/29351号も参照されたい。
【0395】
d)システイン操作抗体バリアント
ある特定の態様では、システイン操作抗体、例えば、抗体の1つ以上の残基がシステイン残基で置換されている「チオMAb」を作り出すことが望ましい場合がある。特定の実施形態では、置換残基は、抗体のアクセス可能な部位で生じる。これらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基が抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書でさらに記載されるように、抗体を薬物部分またはリンカー-薬物部分などの他の部分にコンジュゲートさせてイムノコンジュゲートを作成するために使用することができる。ある特定の実施形態では、以下の残基のいずれか1つ以上をシステインで置換することができる:軽鎖のV205(カバット番号付け);重鎖のA118(EU番号付け);および重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されるように生成され得る。
【0396】
e)抗体誘導体
ある特定の態様では、本明細書で提供される抗体は、当該技術分野において公知であり、容易に入手可能である付加的な非タンパク質性部分を含むようにさらに改変され得る。抗体の誘導体化に好適な部分二は、水溶性ポリマーが挙げられるが、それに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例には、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダム共重合体のいずれか)、およびデキストランまたはポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキシド(prolypropylene oxide)/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中で安定であるため、製造の際に有利であり得る。ポリマーは、任意の分子量のものでよく、分岐状または非分岐状でよい。抗体に結合されるポリマーの数は変動してよく、2つ以上のポリマーが結合される場合、それらは同じ分子または異なる分子であってもよい。通常、誘導体化に使用されるポリマーの数および/またはタイプは、限定されないが、改善しようとする抗体の特定の特性または機能、その抗体誘導体が所定の条件下で療法において使用されるかなどを含む考慮すべき事柄に基づいて決定することができる。
【0397】
別の態様では、抗体と放射線への曝露によって選択的に加熱され得る非タンパク質性部分とのコンジュゲートが提供される。一態様では、非タンパク質性部分は、炭素ナノチューブである(Kam et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:11600-11605,2005)。放射線は、任意の波長のものでよく、普通の細胞には害を与えないが、抗体非タンパク質性部分の近位にある細胞が死滅する温度で非タンパク質性部分を加熱する波長が含まれるが、それに限定されない。
【0398】
B. 薬学的製剤
本開示に従って使用される治療剤(例えば、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれかを含む、抗トリプターゼ抗体を含む薬学的製剤)は、所望の程度の純度を有する治療剤(複数可)を、薬学的に許容される担体、添加物、または安定剤と混合することによって、凍結乾燥剤または水溶液の形態で調製される。製剤に関する一般的な情報は、例えば、Gilman et al.(eds.)The Pharmacological Bases of Therapeutics,8th Ed.,Pergamon Press,1990;A.Gennaro(ed.),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.,Pennsylvania,1990;Avis et al.(eds.)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker,New York,1993;Lieberman et al.(eds.)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker,New York,1990;Lieberman et al.(eds.),Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker,New York,1990;ならびにWalters(ed.)Dermatological and Transdermal Formulations(Drugs and the Pharmaceutical Sciences),Vol.119,Marcel Dekker,2002を参照されたい。
【0399】
許容される担体、添加物、または安定剤には、用いられる投与量および濃度でレシピエントに対して無毒であり、リン酸、クエン酸、および他の有機酸などのバッファー;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド;ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルバラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾールなど);低分子量(約10個未満の残基)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含むその他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);ならびに/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)もしくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0400】
本明細書の製剤はまた、1つ以上の活性化合物、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさないを及ぼさない補完的な活性を有するものを含有してもよい。そのような医薬のタイプおよび有効量は、例えば、製剤中に存在する治療剤(複数可)の量およびタイプ、ならびに対象の臨床パラメータに依存する。
【0401】
活性成分は、例えば、コアセルベート技術または界面重合により調製されたマイクロカプセル中に、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースマイクロカプセルもしくはゼラチンマイクロおよびポリ-(メチルメタクリレート)カプセル中に、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、および名のカプセル)中に、閉じ込めることができる。そのような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
【0402】
徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例には、アンタゴニストを含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、これらのマトリックスは、造形品、例えば、フィルム、またはマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸とγエチル-L-グルタメートとの共重合体、非分解性エチレン-酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸共重合体、例えば、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸共重合体と酢酸ロイプロリドとから構成される注入可能なミクロスフェア)、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
【0403】
in vivo投与のために使用される製剤は、滅菌済みでなければならない。これは、滅菌濾過膜を通して濾過することによって、容易に実現される。
【0404】
V. 製造品およびキット
別の態様では、本明細書に記載される方法および使用に有用な材料を含有する製造品またはキットが提供される。製造品は、本明細書に提供される組成物のいずれか(例えば、抗トリプターゼ抗体またはその組成物)を含み得る。製造品およびキットは、容器と、容器上または容器に付随したラベルもしくは添付文書を含み得る。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、輸液バッグなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成されてもよい。容器は、単独であるか、または生涯(例えば、CSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AHs)に対して難治性のCSUを治療、予防、および/もしくは診断するのに有効な別の組成物と組み合わされた組成物を含み、滅菌アクセスポートを有してもよい(例えば、容器は、皮下注射針によって穿刺可能な栓を有する静静脈内溶液バッグまたはバイアルであってもよい)。いくつかの態様では、組成物中の少なくとも1つの活性薬剤は、抗トリプターゼ抗体である。ラベルまたは添付文書は、選択された状態を治療するために組成物が用いられることを示す。製造品またはキットは、本明細書に記載される組成物(例えば、薬学的組成物)のいずれかを含み得る。製造品またはキットは、例えば、抗トリプターゼ抗体またはその抗原結合断片の皮下投与のための、ポンプ(例えば、パッチポンプ)を含んでもよい。本明細書に記載されるかまたは当該技術分野において公知の任意の好適なポンプが含まれてもよい。
【0405】
一態様では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、本明細書に記載される方法に従って抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供される。
【0406】
例えば、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、2~6用量を含み、合計で約300mg~約21,600mgの抗トリプターゼ抗体が、投与サイクルにおいて患者にSCもしくはIV投与される。
【0407】
例えば、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、300mg、450mg、600mg、750mg、900mg、1350mg、1800mg、または3600mgから選択される抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0408】
例えば、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、300mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0409】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、450mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0410】
さらに別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0411】
さらに別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、750mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0412】
さらなる例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、900mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0413】
さらなる例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、1350mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0414】
なおさらなる例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、1800mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0415】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、3600mgの抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)を含む。いくつかの態様では、C1D1は、IV投与される。別の態様では、C1D1は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0416】
本明細書に開示される態様のいずれかでは、投与サイクルは、抗トリプターゼ抗体の1つ以上の追加の用量をさらに含む。投与サイクルは、抗トリプターゼ抗体の任意の好適な数の追加の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100またはそれ以上の追加の用量)を含んでもよい。例えば、いくつかの態様では、投与サイクルは、第2の用量(C1D2)を含んでもよい。別の例では、いくつかの態様において、投与サイクルは、C1D2および第3の用量(C1D3)を含んでもよい。1つ以上の追加の用量は、C1D1と等しくても、または等しくなくてもよい。例えば、いくつかの態様では、投与サイクルは、抗トリプターゼベータ抗体の第2の用量(C1D2)および第3の用量(C1D3)をさらに含み、C1D2およびC1D3は、各々C1D1に等しい。1つ以上の追加の用量が、任意の好適な投与経路を使用して投与されてもよい。例えば、1つ以上の追加の用量は、IVまたはSCで(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))投与され得る。
【0417】
例えば、一態様では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、300mg、450mg、600mg、750mg、900mg、1350mg、1800mg、または3600mgから選択される。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0418】
例えば、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々300mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0419】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々450mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0420】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々600mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0421】
さらに別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々750mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0422】
さらなる例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々900mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0423】
さらに他の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々1350mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0424】
なおさらなる例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々1800mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0425】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、投与サイクルを含む投与レジメンにおいて抗トリプターゼ抗体を投与するための指示書とを含むキットが提供され、投与サイクルが、抗トリプターゼ抗体の第1の用量(C1D1)、第2の用量(C1D2)、および第3の用量(C1D3)を含み、C1D1、C1D2、およびC1D3が、各々3600mgである。いくつかの態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、IV投与される。別の態様では、C1D1、C1D2、およびC1D3は、SC投与される(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))。
【0426】
各投与サイクルの用量は、任意の好適な時間間隔で対象に投与されてもよい。例えば、いくつかの態様では、投与サイクルの用量は、4週間ごとに(Q4W)対象に投与される。
【0427】
例えば、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、300mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ための指示書とを含むキットが提供される。
【0428】
例えば、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、300mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するための指示書とを含むキットが提供される。
【0429】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、450mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ための指示書とを含むキットが提供される。
【0430】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、450mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するための指示書とを含むキットが提供される。
【0431】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、600mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ための指示書とを含むキットが提供される。
【0432】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、600mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するための指示書とを含むキットが提供される。
【0433】
さらに別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、750mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ための指示書とを含むキットが提供される。
【0434】
さらなる例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、750mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するための指示書とを含むキットが提供される。
【0435】
さらに別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、900mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ための指示書とを含むキットが提供される。
【0436】
さらなる例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、900mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するための指示書とを含むキットが提供される。
【0437】
さらに別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、1350mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ための指示書とを含むキットが提供される。
【0438】
さらに他の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、1350mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するための指示書とを含むキットが提供される。
【0439】
さらに別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、1800mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ための指示書とを含むキットが提供される。
【0440】
なおさらなる例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、1800mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するための指示書とを含むキットが提供される。
【0441】
さらに別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、3600mg SCの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与する(例えば、ポンプによって(例えば、パッチポンプによって))ための指示書とを含むキットが提供される。
【0442】
別の例では、本明細書では、本明細書に記載される抗トリプターゼ抗体のいずれか(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)と抗トリプターゼ抗体をCSU(例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH)に対して難治性であるCSU)を有する患者に、3600mg IVの用量で、4週間ごとに(Q4W)投与するための指示書とを含むキットが提供される。
【0443】
各投与サイクルは、任意の好適な長さを有してもよい。例えば、いくつかの態様では、投与サイクルは、約57日の長さを有してもよい。
【0444】
各投与サイクルの用量は、投与サイクルの任意の好適な日(複数可)に投与されてもよい。例えば、いくつかの態様では、C1D1は、投与サイクルの1日目に投与され、C1D2は、投与サイクルの29日目(±1日)に投与され、C1D3は、投与サイクルの57日目(±1日)に投与される。
【0445】
本明細書に記載される投与レジメンは、任意の好適な投与サイクル数を含んでもよい。例えば、いくつかの態様では、投与レジメンは、1投与サイクルを含むかまたは1投与サイクルからなる。他の態様では、2以上の投与サイクル(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上の投与サイクル)を含んでもよい。
【0446】
任意の好適な抗トリプターゼ抗体(例えば、抗トリプターゼベータ抗体)が、本明細書に記載される製造品およびキットのいずれかで使用されてもよい。例えば、上記のセクションIVのサブセクションAに記載される抗トリプターゼ抗体のいずれかを使用することができる。いくつかの態様では、抗トリプターゼ抗体は、その全体において参照により本明細書に援用される、国際特許出願公開第2018/148585号に記載される任意の抗トリプターゼ抗体であってもよい。
【0447】
例えば、製造品またはキットのいずれかは、以下の相補性決定領域(CDR):(a)DYGMV(配列番号1)のアミノ酸配列を含むCDR-H1;(b)FISSGSSTVYYADTMKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むCDR-H2;(c)RNYDDWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むCDR-H3;(d)SASSSVTYMY(配列番号4)のアミノ酸配列を含むCDR-L1;(e)RTSDLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(f)QHYHSYPLT(配列番号6)のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つすべてを含む抗トリプターゼ抗体を含み得る。
【0448】
本明細書に提供される態様のいずれかでは、抗体は、(a)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン、(b)配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン、または(c)(a)にあるようなVHドメインおよび(b)にあるようなVLドメインを含み得る。
【0449】
例えば、いくつかの態様では、抗体は、(a)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み得る。いくつかの態様では、VHドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。
【0450】
別の例では、いくつかの態様では、抗体は、(b)配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含み得る。いくつかの態様では、VLドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0451】
本明細書に記載される態様のいずれかでは、VHドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含み、VLドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0452】
別の例では、本明細書に記載される態様のいずれかでは、抗体は、(a)配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する軽鎖と、を含み得る。例えば、いくつかの態様では、抗体は、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖と、を含み得る。
【0453】
別の例では、本明細書に記載される態様のいずれかでは、抗体は、(a)配列番号11のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する軽鎖と、を含み得る。例えば、いくつかの態様では、抗体は、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖と、(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖と、を含み得る。
【0454】
本明細書に開示される製造品またはキットのいずれかは、1つ以上の追加の治療剤を含んでもよい。任意の好適な追加の治療剤(複数可)が含まれてもよく、例えば、抗ヒスタミン薬(例えば、sgH1-AH、例えば、セチリジン、レボセチリジン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、ルパタジン、ビラスチン、またはそれらの組合せ)、抗IgE抗体(例えば、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))またはリゲリズマブ(QGE031としても知られる))、Syk阻害剤(例えば、GSK2646264)、抗Siglec-8抗体(例えば、リレンテリマブ(AK002としても知られる))、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブまたはフェネブルチニブ)、LTRA、CRTh2アンタゴニスト(例えば、AZD1981)、IL-1アンタゴニスト(例えば、抗IL-1抗体、例えば、抗IL-1β抗体、例えば、カナキヌマブ)、IL-5アンタゴニスト(例えば、抗IL-5抗体(例えば、メポリズマブ)または抗IL-5受容体アルファ抗体(例えば、ベンラリズマブ))、ダプソン、シクロスポリンA、もしくはそれらの任意の組合せである。CSUの治療のための例示的な追加の治療剤は、例えば、Min et al.Allergy Asthma Immunol.Res.11(4):470-481,2019に記載されている。1つ以上の追加の治療剤は、CSUのための標準治療であり得る。CSUのための任意の好適な標準治療、例えば、sgH1-AHが含まれてもよい。当業者であれば、必要に応じて、標準治療を選択することができるであろう。
【実施例
【0455】
以下の実施例は、現在特許請求されている発明を例示するために提供されており、限定するためのものではない。
【0456】
実施例1
難治性の慢性自発性じん麻疹を有する治験参加者におけるMTPS9579Aの第II相、多施設、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照パイロットおよび用量範囲探索試験
A. 目的および評価項目
この実施例は、抗ヒスタミン薬に対して難治性(局所治療ガイドラインによる承認された用量の最大4倍)の慢性自発性じん麻疹(CSU)を有する患者において、MTPS9579Aの有効性、安全性、および薬物動態をプラセボと比較して評価するための第II相、多施設、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照パイロットおよび用量範囲探索試験を説明する。試験についての特定の目的および対応する評価項目を以下に概説する。
【0457】
I. 有効性の主要目的
この試験についての有効性の主要目的は、以下の評価項目に基づいて、MTPS9579Aの有効性をプラセボと比較して評価することである:
・ 12週目での直近7日間の点数を合計したじん麻疹活動性スコア(UAS7)におけるベースラインからの変化
【0458】
ii. 有効性の副次的目的
この試験についての有効性の副次的目的は、以下の評価項目に基づいて、MTPS9579Aの有効性をプラセボと比較して評価することである:
・ 12週目でコントロール良好なじん麻疹(UAS7≦6)を有する患者集団
・ 12週目で完全寛解(UAS7=0)を達成する患者集団
【0459】
iii. 有効性の探索的目的
この試験についての有効性の探索的目的は、以下の評価項目に基づいて、MTPS9579Aの有効性をプラセボと比較して評価することである:
・ 4週目および8週目でのUAS7におけるベースラインからの変化
・ 4、8、および12週目での直近7日間の点数を合計したかゆみ重症度スコア(ISS7)におけるベースラインからの変化
・ 4、8、および12週目での直近7日間の点数を合計した皮疹重症度スコア(HSS7)におけるベースラインからの変化
・ 4週および8週目で完全寛解(UAS7=0)を達成する患者集団
・ 12週目でUAS7における最小重要差(MID)(≧11点のベースラインからの低下)を達成する患者集団
・ 12週目でISS7における最小重要差(MID)(≧5点のベースラインからの低下)を達成する患者集団
・ 12週目でHSS7における最小重要差(MID)(≧6点のベースラインからの低下)を達成する患者集団
・ UAS7におけるMID(≧11点のベースラインからの低下)を達成するまでの時間
・ ISS7におけるMID(≧5点のベースラインからの低下)を達成するまでの時間
・ HAA7におけるMID(≧6点のベースラインからの低下)を達成するまでの時間
・ 12週目でのじん麻疹コントロールテスト(UCT)スコアにおけるベースラインからの変化
・ 12週目でコントロール良好なじん麻疹(UCTスコアン≦12)を有する患者集団
・ 4、8、および12週目での直近7日間の点数を合計した血管性水腫活動性スコア(AAS7)におけるベースラインからの変化
・ 12週目でAAS7における最小重要差(MID)(≧8点のベースラインからの低下)を達成する患者集団
・ AAS7におけるMID(≧8点のベースラインからの低下)を達成するまでの時間
・ 12週目での血管性水腫コントロールテスト(AECT)スコアにおけるベースラインからの変化
・ 12週目でコントロール良好な血管性水腫(AECTスコア≧10)を有する患者集団
・ 血管性水腫エピソードの数
・ レスキュー薬の使用
【0460】
iv. 安全性の目的
この試験についての安全性の目的は、以下の評価項目に基づいて、MTPS9579Aの安全性をプラセボと比較して評価することである:
・ Division of AIDS Table for Grading the Severity of Adult and Pediatric Adverse Events(DAIDS AE Grading Table)に従って判定される重症度を用いた有害事象発生率および重症度
・ 目標とされたバイタルサイン、身体検査所見、臨床検査結果、およびECGパラメータにおけるベースラインからの変化
【0461】
V. 薬物動態の目的
この試験についての薬物動態(PK)の目的は、以下の評価項目に基づいて、MTPS9579AのPKプロファイルを特徴づけることである:
・ 指定された時点でのMTPS9579Aの血清濃度
【0462】
この試験についてのPKの探索的目的は、以下の通りである:
・ MTPS9579Aの薬物曝露と有効性と安全性との間の関係を評価するために、以下の評価項目に基づく:
○ MTPS9579Aの血清濃度またはPKパラメータと有効性評価項目との間の関係
○ MTPS9579Aの血清濃度またはPKパラメータと安全性評価項目との間の関係
【0463】
vi. 免疫原性の目的
この試験についての薬免疫原性の目的は、以下の評価項目に基づいて、MTPS9579Aに対する免疫応答を評価することである:
・ ベースラインでの抗薬物抗体(ADA)の陽性率および試験中のADAの発生率
【0464】
この試験についての薬免疫原性の探索的目的は、以下の評価項目に基づいて、ADAの潜在的効果を評価することである:
・ ADAの状態と、有効性、安全性、またはPK評価項目との間の関係
【0465】
vii. バイオマーカーの目的
この試験についてのバイオマーカーの探索的目的は、以下の評価項目に基づいて、MTPS9579Aに対する応答を予測できるバイオマーカー(すなわち、効果予測バイオマーカー)、MTPS9579A活性の証拠を提供することができるバイオマーカー(すなわち、薬力学マーカー)、または疾患の生態ならびに薬物安全性の知識および理解を高めることができるバイオマーカーを同定および/または評価することである:
・ 血清、尿、および鼻粘膜内層液中のバイオマーカーと、有効性、安全性、PK、免疫原性、または他のバイオマーカー評価項目との間の関係
・ 血清、尿、および鼻粘膜内層液試料中のバイオマーカーレベルにおけるベースラインからの変化
【0466】
B. 試験デザイン
これは、MTPS9579Aの、CSUと診断され、第2世代H1抗ヒスタミン薬(sgH1-AH)による治療(局所治療ガイドラインによる承認された用量の最大4倍の用量におけるものを含む)にもかかわらず症状が残る、18~75歳の成人患者の治療のための追加(add-on)療法としての第II相、多施設、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照パイロットおよび用量範囲探索試験である。以前に抗IgEを経験したことがある患者は許可されるが、現在使用している患者は許可されず、主なノンレスポンダーには上限が設けられる。
【0467】
この試験は、2つのパートを含む(図1を参照されたい)。この試験のパート1および2は、全世界のおよそ95の場所において推定240人の患者をランダム化する。パート1において、適格な慢性じん麻疹指数(CU Index(登録商標))が正である患者(n=40)がMTPS9579A(1800mg IV Q4W)またはプラセボを受けるために1:1の比にランダム化される。パート1の良好な成果に基づいて、用量探索のパート2は、CU Indexの状態に関係なく適格な患者に対して開放することができ(オールカマー図(all-comers);n=200)、ここでは、患者は4つのMTPS9579Aの用量またはプラセボ(1800mg IV Q4W;900mg IV Q4W;プラセボ IV Q4W;600mg SC Q4W;300mg SC Q4W;プラセボ SC Q4W)のうちの1つを受けるために2:2:1:2:2:1の比にランダム化される。CU Indexに基づく異なる用量および試験集団の評価以外は、両方の試験パートは同様に行われ、以下を含む:
・ スクリーニング期間.基礎sgH1-AH療法およびベースライン症状スコアの安定した使用を含む、適格性を確立するための最大2週間
・ 二重盲検治療期間.ランダム化の治験来院(0週目)、4週目、および8週目において、示されるように、IV点滴またはSC注射によるMTPS9579Aの投与を伴う、0週目から12週目まで
・ 安全性フォローアップ期間.12週目から20週目まで
【0468】
スクリーニング期間中、患者は、-14日目において、また
-14日目の直前の少なくとも連続する3日間の、CSUの標準治療の基礎sgH1-Ahを含むレジメンによる治療を文書に記録していなければならない(この試験において使用が許可されているsgH1-AHのリストについては、以下を参照されたい)。すべての患者は、スクリーニング期から安全性フォローアップ期に至るまで、試験全体を通して、sgH1-AH(基礎療法)の安定用量で維持される。
【0469】
適格基準を、以下の材料および方法のセクションにリストする。注目すべきことに、いずれかの試験パートにおいてランダム化に適格であるためには、患者はランダム化の7日前に以下の基準を満たす必要がある:(1)電子日誌(eDiary)に7日間連続で入力すること、および(2)UAS7症状スコアが≧16(範囲、0~42)であること。適格性に関する情報が未解決の場合(検査結果の遅延などで)のような、例外的な状況においてのみ、より長いスクリーニング期間、最大3就業日まで許容される。
【0470】
治療期間中に、CSU関連症状およびレスキュー療法の使用の1日2回の評価が自宅で継続して実施され、eDiaryに記録される。CSUの徴候および症状の追加の評価は、計画された現場治験来院で、UCTを使用して実施される。すべての患者は、PK、バイオマーカー、およびADAのサンプリングを受ける。
【0471】
8週目の安全性フォローアップ期間中に、追加の安全性および有効性データが収集され、MTPS9579Aの薬物動態および薬力学の特徴づけが実施される。フォローアップ期間中に試験治療は施されないが、患者ドロップアウトを低減させるため、したがって、安全性評価を向上させるために、患者には、症状が悪化した場合、1つの付加的なsgH1-AH療法を加えてもよい(下記の試験治療セクションを参照されたい)。
【0472】
患者は、試験の全体を通して、必要に応じて、そのようなレスキュー療法の使用が許可される。
【0473】
この試験における参加基準を満たさない患者(スクリーニング不適格)には、メディカルモニターとの審議後に、治験責任医師の判断で、再スクリーニングの機会が1回提供され得る(患者1人当たり合計で2回のスクリーニング)。加えて、CU Index(登録商標)状態のためにパート1に適格ではない対象(すなわち、負のCU Index(登録商標)を有する対象)は、試験のパート2に対して再スクリーニングされてもよい。
【0474】
この試験の終了は、最後の患者の最終来院(LPLV)が行われたか、または最後の患者が安全性フォローアップを受けた、いずれか遅い方の日付として定義される。試験の終了は、最後の患者が登録されてから20週後になると予想される。
【0475】
最初の患者のスクリーニングから試験の終了に至る試験の全体の長さは、パート1ではおよそ48週間およびパート2では96週間であると予想される。
【0476】
C. 材料および方法
i. 組み入れ基準
患者は、試験登録のために以下の基準を満たす必要がある:
・ インフォームドコンセント用紙に署名する時点での年齢が18~75歳であること
・ 治験責任医師の判断で、安定した基礎療法、治験来院スケジュール、およびeDiaryの毎日の使用を含む試験プロトコルに準拠する能力があること
・ スクリーニング時に18~38kg/mのボディ・マス指数(BMI)および≧40kgの体重であること
・ 以下の基準のすべてによって定義されるような、ランダム化の時点でsgH1-AHに対して難治性のCSUと診断されていること:
○ ≧6ヶ月間にわたってCSUと診断されている
○ この期間中の標準治療に準じたsgH1-AH(すなわち、局所治療ガイドラインによる承認された用量の最大4倍)が現在使用されているにもかかわらず、登録前のいつでも>連続6週、かゆみおよび皮疹が存在している
○ スクリーニング治験来院の直前の少なくとも3日間連続して開始して1日目までのCSUための標準治療に準じたsgH1-AHの安定用量(すなわち、局所治療ガイドラインによる承認された用量の最大4倍)の投与があり、安全性フォローアップまで安定して使用を継続し、現在の使用を記録することに合意する
○ ランダム化(1日目)前7日間にUAS7≧16
・ パート1のみについて:中央検査室によって確認された、スクリーニング時にCU Index(登録商標)が正であること
○ 注記:パート2の患者については、CU Index(登録商標)に関する要件はない。
・ 試験の期間中のUPDDの必要な使用に対する遵守を示していること
○ ランダム化の7日前において7日間のUPDD記入を完了していること(7日中7つは完了する必要がある(すなわち、毎日の1日に回の記入のうち1つ)は完了する必要があり、2つ以上の非連続的な記入が欠落してはならない)
・ 非CSU適応症(すなわち、胃食道逆流症(GERD)または喘息)に対してH2抗ヒスタミン薬またはロイコトリエン受容体アンタゴニスト(LTRA)を使用している患者の場合、スクリーニングの≧2週間前に安定用量での治療が行われ、スクリーニング期間を含む試験期間を通じて予想される変化がないこと
【0477】
ii. 除外基準
以下の基準のいずれかを満たす患者は、試験登録から除外される:
・ 以前にMTPS9579Aの臨床治験に参加していること
○ 注記:この試験のパート1に登録された患者は、彼らがプラセボ群にランダム化されとしても、この試験のパート2に対して適格者ではない。
・ 既知の原因伴う慢性じん麻疹(例えば、誘導性)またはじん麻疹もしくは血管性水腫の症状を伴う他の疾患(じん麻疹様血管炎、色素性じん麻疹、肥満細胞症、遺伝性もしくは後天性血管性水腫)を有していること
○ 注記:患者は、彼らのCSUが物理性じん麻疹または誘導性じん麻疹を併発している場合(例えば、症候性皮膚描記症)、適格である可能性がある。
・ 慢性掻痒に関連する皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎または乾癬)を有していること
・ 炎症が一般的に全身性(経口もしくは非経口)コルチコステロイドで処置される、コントロール不能な疾患(例えば、喘息または炎症性腸疾患)を有していること
・ 治験責任医師の判断において、試験への患者の安全な参加および試験の完了を妨げるか、または試験の実施および解釈に干渉する、なんらかの臨床的に重大な病状/疾患(例えば、精神、神経、心血管、腎臓、肝臓、胃腸、内分泌、自己免疫など)の病歴もしくは証拠または臨床検査における異常があること
○ スクリーニング前の4週間に安定した治療レジメンでコントロール良好な併発疾患を有する患者は、試験に適格である。
○ 不確実性の原因となるいかなる項目も、メディカルモニターと審議せねばならない。
・ 治験責任医師の判断で、患者の試験に参加する能力、患者の安全性に危険をもたらし、試験の実施に干渉し、または試験結果に影響を与えるであろう薬物乱用歴または証拠があること
・ 明らかに特定可能で回避可能な抗原(例えば、植物アレルギー)ではないアナフィラキシーの既往歴があること
・ 任意の適応症のためのいずれかの生物学的療法に対するアナフィラキシーの既往歴があること
・ モノクローナル抗体に対する免疫複合体疾患(III型過敏性反応)の記録された病歴があること
・ 投与期間中に投与される活性物質またはそれらの添加物のいずれかに対する既知の感受性があること
・ スクリーニング前3ヶ月以内に、CSUを治療するために用いられた抗IgE抗体または他のモノクローナル抗体療法による治療を受けていること
・ スクリーニング前2週間以内に第1世代H1抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、プロメタジン、クロルフェニラミン)を使用していること
・ 1日目での試験薬投与前、30日以内または5薬物排泄半減期以内、どちらか長い期間内の非生物学的治験用薬物の使用または非生物学的薬物を用いた治験の参加があること
・ 1日目での試験薬投与前、90日以内または5薬物排泄半減期以内、どちらか長い期間内の生物学的治験用薬物の使用または生物学的薬物を用いた治験の参加があること
・ スクリーニング前の30日以内に、以下の薬剤を常套的に(毎日または5日以上連続して1日おきに)投与していること:全身性または皮膚性(局所)コルチコステロイド(処方薬または市販薬)、ヒドロキシクロロキン、メトトレキサート、シクロスポリン、タクロリムス、またはシクロホスファミド
○ 吸入コルチコステロイドを含む吸入喘息コントローラは、試験中に許可される。
・ 咽頭の血管性水腫の治療のためにIVコルチコステロイドをr以前に使用していたこと
・ スクリーニング前30日以内にIVIGまたは血漿交換療法があったこと
・ スクリーニング前3ヶ月以内またはスクリーニング期間中に、アレルゲン免疫療法の開始もしくはその変化があったか、または試験の過程でその必要性が予想されること
・ スクリーニング前4週間以内またはスクリーニング期間中に、免疫グロブリンもしくは血液製剤による治療があったか、または試験の過程でその必要性が予想されること
・ スクリーニング前4週間以内またはスクリーニング期間中に、関節内コルチコステロイドによる治療があったか、または試験の過程でその必要性が予想されること
・ スクリーニング前2週間以内またはスクリーニング期間中に、マスト細胞安定剤(例えば、クロモリン)による治療があったか、または試験の過程でその必要性が予想されること
・ スクリーニング前2週間以内またはスクリーニング期間中に、アレルギー性疾患のためのホメオパシー薬物療法、植物療法、鍼治療、もしくは催眠療法による治療があったか、または試験の過程でその必要性が予想されること
・ ランダム化前4主観以内の弱毒化生ワクチンの接種歴があるか、またはワクチンが医学的に必要であるとみなされ、不活化ワクチンの代替手段がない限り、試験薬治療中のいずれかの時点でこれらの予防接種を受ける必要があること
○ 非複製ウイルスベクターによって送達されるものを含むSARS-CoV-2の認められたワクチンのほとんどが許容され得る。しかしながら、これは急速に発展している分野であり、スクリーニング前またはスクリーニング中に生SARS-CoV-2ワクチン(入手可能な場合)を受けられるようになった患者は、試験に登録するためにワクチン接種を遅らせるべきではなく、ワクチン接種のスケジュールの完了後4週間で再スクリーニングすることができる。
・ スクリーニング前8週間以内に大きな手術を受けたか、または試験が終了する前に(ランダム化後20週間)手術が計画されていること
・ 試験が終了する前に(ランダム化後20週間)、なんらかの病状に対して入院が計画されていること
・ スクリーニング前12ヶ月以内に心筋梗塞、不安定狭心症、または発作があったこと
・ スクリーニング前12ヶ月以内に何らかの慢性心不全の憎悪があったか、または治験責任医師の意見で、心不全の憎悪のリスクがあること
・ 完全左脚ブロック、第2度もしくは第3度房室ブロックを含む治験責任医師の意見で臨床的に重要である異常なECGの既往歴もしくは存在、または心筋梗塞の既往の証拠があること
・ 少なくとも2つのECGが>30分間隔を置いて示された、患者が男性である場合、Fridericiaの式を用いた補正QT間隔(QTcF)が>450msであるか、または患者が女性の場合、QTcF>470であること
・ スクリーニングの5年以内の活動性悪性腫瘍または悪性腫瘍の既往があること、ただし適切に治療された非黒色腫皮膚癌、子宮頸部上皮内癌(cervical carcinoma in situ)、乳房の非浸潤性乳癌(breast ductal carcinoma in situ)、またはステージIの子宮がんを除く。
・ スクリーニング時におけるヘモグロビンA1c(HbA1c)が>8.5%であるか、治験責任医師の意見で、コントロール不能な糖尿病を定義し得る任意の他の臨床的に意味のある所見
・ スクリーニング時にC型肝炎ウイルス(HCV)抗体が陽性であること、ただし、スクリーニングの少なくとも6ヶ月前にHCV抗ウイルス治療が正常に完了した状態で、スクリーニング時のHCV RNAが<15IU/mL(または検出不能)である場合を除く。
・ 以下のいずれかによって証明される、B型肝炎の感染があること:
○ スクリーニング時にB型肝炎表面抗原(HBsAg)が陽性
○ スクリーニング時のB型肝炎ウイルス(HBV)DNAテストが陽性と同時にB肝炎コア抗体(HBcAb)が陽性
・ スクリーニング時にHIV抗体が陽性であること
・ 任意の既知の免疫不全障害の病歴があること
・ スクリーニング前4週間以内の外科的処置(例えば、ドレナージ)または医学療法(例えば、抗生物質)を必要とする急性感染症があること
○ COVID-19についての検査は、現地の慣行に従って実施されるべきであり、スクリーニング前4週間以内に検査が陽性の場合は、除外される。
・ 現在または最近の蠕虫感染症を含む、スクリーニング前6ヶ月以内に活動的寄生虫感染があること
【0478】
iii. 試験治療
この試験のための治験用医薬品(IMP)は、MTPS9579Aおよびプラセボである。基礎およびレスキューのsgH1-AHは、非治験用医薬品(NIMP)とみなされる。
【0479】
治験用医薬品
MTPS9579Aおよびプラセボ
静脈内投与
IMPのIV用量およびレジメンは、以下とおりである:1800mg IV Q4W、900mg IV Q4W、およびプラセボIV Q4W。IV投与については、MTPS9579Aまたは釣り合うプラセボの用量を試験薬またはプラセボを生理食塩水で希釈することによって調製する。軽度の輸注反応の徴候または症状(≦2のグレード)を経験する患者の場合、点滴時間が修正されてもよい。治療を必要とするグレード3以上の輸注反応の徴候または症状を有する患者の場合、点滴は中断するべきであり、治験依頼者に直ちに通知せねばならない。試験薬のIV投与に耐えるために、患者は投薬または事前投薬されるべきではない。点滴の速度のいかなる変化も、または点滴の中断も注意深く記録される。MTPS9579Aまたはプラセボの点滴は、重症になる可能性のある反応を管理するために、訓練された人材および適切な機器ならびに医薬品への即時アクセスがある監視された環境で投与される。
【0480】
皮下投与
IMPのSC用量およびレジメンは、以下とおりである:600mg SC Q4W、300mg SC Q4W、およびプラセボ SC Q4W。SC投与については、未希釈のMTPS9579A(150mg/mLの濃度)または釣り合うプラセボを、試験現場によって提供されたシリンジを使用して注射する。すべての試験薬は、可能であれば、腹部に注射する。IM注射ではなくSCを確保するために、必要に応じて代替注射部位の使用が考慮される場合がある。好ましい代替注射部位は上腕裏側である。注射の正確な場所は注意深く記録されねばならない(例えば、3時の位置、へその端から5cmの位置)。MTPS9579Aまたはプラセボの注射は、重症になる可能性のある反応を管理するために、訓練された人材および適切な機器ならびに医薬品への即時アクセスがある監視された環境で投与される。
【0481】
非治験用医薬品
CSUのための基礎療法
すべての患者は、スクリーニング期間、治療期間、およびフォローアップ期間中にCSUのための安定な基礎療法を受けている。基礎療法は、EAACI/GALEN/EDF/WAO(欧州アレルギーおよび臨床免疫学アカデミー(European Academy of Allergology and Clinical Immunology(EAACI))、世界アレルギーおよび喘息欧州ネットワーク(Global Allergy and Asthma European Network (GALEN))、欧州皮膚科フォーラム(European Dermatology Forum(EDF))および 世界アレルギー機構(World Allergy Organization(WAO))ガイドラインに準じたsgH1-AH CSU治療レジメン(すなわち、局所治療ガイドラインに従って承認された用量の最大4倍)として定義される。患者は、試験期間全体に通じて安定なsgH1-AHレジメンを受けるよう維持しなければならない。登録の前にCSUの治療のために使用された療法は、患者の病歴の一部として収集される。
【0482】
基礎療法として、以下のsgH1-AH薬剤が許可される:セチリジン、10~40mg QD、レボセチリジン、5~20mg QD、フェキソフェナジン、180~720mg QD、ロラタジン、10~40mg QD、デスロラタジン、5~20mg QD、ルパタジン、10~40mg QD、またはビラスチン、20~80mg QD。
【0483】
レスキュー療法
彼らの毎日の基礎療法に加えて、試験期間中、すべての患者は、スクリーニング期間、治療期間、またはフォローアップ期間中に症状が悪化した場合に、24時間以内にレスキュー薬剤として、ロラタジンの承認された単回用量(最大10mg)またはセチリジンの承認された単回用量(最大10mg)を使用することができる。患者がレスキュー療法を必要とし、セチリジンまたはロラタジンによる基礎治療をすでに受けている場合、合計の1日容量が承認された用量の4倍未満のままである場合に限り、患者は同じ薬物の10mgだけ多い用量を受けてもよい。別の方法では、代替レスキュー薬剤が使用されてもよい。患者は、彼らのeDiaryにこの薬剤の使用を記録しなければならない。禁止されているが、他のレスキュー薬剤(例えば、コルチコステロイドまたはH2抗ヒスタミン薬)の使用もまた、報告されねばならない。
【0484】
iv. 試験評価
患者報告アウトカム(PRO)尺度が、MTPS9579Aの治療の利点を評価するために完成される。PROデータは、以下の尺度を使用して、電子アンケートを介して収集される:UPDD(じん麻疹活動性スコア(UAS)、血管性水腫活動性スコア(AAS)、および追加の項目から構成される)、じん麻疹コントロールテスト(UCT)、および血管性水腫コントロールテスト(AECT)。
【0485】
PRO尺度は、試験中の指定された時点で自己管理され、UCTおよびAECTは診療所で(またはモバイルナーシング(MN)を介して)改選され、eDiaryは、自宅で完成される。特に指定しない限り、診療所において(またはMNを介して)、UCTおよびAECTは、患者が疾患状態に関する任意の情報を受け取る前に、非PRO評価の実施に先立って、および試験治療の投与に先立って施される。
【0486】
UPDDは、UAS7を計算するために使用されるUAS質問票;AAS7を計算するために使用されるAAS;ならびに最大皮疹サイズ、睡眠妨害、活動妨害、レスキュー薬剤の使用、医師もしくは診療看護師の呼び出し回数、および基礎療法の遵守に関する追加の項目から構成される。
【0487】
eDiaryは、試験期間中に、患者によって1日2回完成されるべきである。eDiaryのプログラミングによって、かゆみの重症度、皮疹の数、および最大皮疹の項目が1日2回尋ねられ、他の項目は、1回尋ねられる。eDiaryは、-14日目の治験来院時に患者に提供される。
【0488】
UASは、過去12時間にわたる(a)膨腫(皮疹)の数および(b)膨疹(wheals)(皮疹(hives))の強さについての数値的重症度強度評価判定(0=なしから3=強い/重度)を有する総合のeDiary記録スコア(1日2回)である。毎日のUASは、朝と晩のスコアの平均として計算される。ベースラインUAS7は、毎日のUAS値の1日目の前1週間(7日間)にわたる合計として計算される。UAS7は、7日間にわたって合計された、膨疹の数および掻痒の強さの総合スコアである、毎日のUASとして計算される。最大UAS7値は42であり、膨疹/皮疹の数およびかゆみ/掻痒の強さが等級付けされる。膨疹/皮疹についての週間スコア(HSS7)および掻痒/かゆみの強さについての週間スコア(ISS7)は、各成分についての毎日の平均スコアの合計(範囲、0~21)として計算される。
【0489】
AASは、回答者に過去24時間に浮腫エピソードを経験したかどうかを尋ねる質問によってゲートされた、eDiaryで記録された総合スコアである。イエスと答えた場合、フォローアップの質問は、8時間の血管浮腫の存在と不快感の重症度レベルの評価、日常活動を行う上での妨害、外観への悪影響、およびエピソードの全体的な重症度を示すように求められる。毎日の最大スコアの範囲は0~15であり、これは、7日間にわたって合計され、AAS7を計算する(範囲、0~105)。より高いスコアは、悪化した血管性水腫を示し、MIDは8点である(Weller at al.Allergy.68:1185-1192、2013)。
【0490】
UCTは、疾患活動性を評価するための4項目の質問票である。想起期間(recall period)は4週間であり、スコア範囲は0~16であり、より高いスコアは、より大きな疾患活動性/より低い疾患コントロールを示す。MIDは2.8点である(Kulthanan et al.Health Qual Life Outcomes.14:1-9,2016)。質問票は、ベースライン時(1日目)および指定された時点に記入される。
【0491】
AECTは、血管性水腫に特異的な疾患活動性を評価するための4項目の質問票である。想起期間(recall period)は4週間であり、スコア範囲は0~16であり、より高いスコアは、より大きな疾患活動性/より低い疾患コントロールを示す。スコア≧10は、コントロール良好な血管性水腫を示す(Weller et al.J Allergy Clin Immunol.8:2050-2057,2020)。質問票は、ベースライン時(1日目)および指定された時点に記入される。
【0492】
以下の試料が、分析のために、1つまたはいくつかの中央検査室または治験依頼者もしくは治験依頼者が指名した者に送られる:
・ CU Index(登録商標)を決定するための血清試料
・ バイオマーカーに関する探索的研究のための、血清、血液、尿、および鼻粘膜内層液試料
・ PK分析のための血清試料
・ 免疫原性分析のための血清試料
【0493】
血液および尿試料の収集は、MN専門家によって実施されてもよい。
【0494】
探索的バイオマーカー研究としては、限定されないが、CU Index(登録商標)、活性トリプターゼ、総トリプターゼ、尿素、および炎症性脂質が挙げられ得る。研究は、DNAの抽出および単一ヌクレオチド多型の使用を通じてのゲノムプロファイリングならびに遺伝子の包括的パネルの次世代シーケンシング(NGS)を伴い得る。ゲノム研究は、遺伝的な特性を探索することを目的としている。NGS法は、血液試料の全ゲノムシーケンス(WGS)を含み得る。
【0495】
v. 統計解析
主要および副次的有効性解析は、修正された治療の意図による(intent-to-treat)(mITT)アプローチに基づいている。試験薬の少なくとも1つの用量を受けたすべての患者は、mITT集団に含まれ、患者はランダム化の際に割り付けられた治療に従ってグループ分けされる。安全性解析は、試験薬の少なくとも1つの用量を受けたすべての患者として定義された安全性評価可能集団で行われ、患者は受けた実際の治療に従ってグループ分けされる。
【0496】
各パートについて、以下の2つの基準が満たされた場合に、12週目のプラセボを対照とした期間からの最終解析が実施される:1)コホート内のすべての患者が、85日目(12週目)の治験来院を完了したか、またはプラセボ対照期間から早期に中止し、かつ2)コホート内のプラセボを対照とした期間からのすべてのデータがデータベース内にあり、クリーンアップされ検証されている。患者および試験現場職員は、試験が完了するまで(すなわち、両方のパート内のすべての患者が、安全性フォローアップ期間を完了するか、または試験を早期に中止した後に)個々の治療割り付けに関して盲検のままであり、データベースはロックされ、試験の解析は、両方のパートについて最終的なものである。
【0497】
治験の焦点は、将来の治験で確認される仮説の推定および生成であり、したがって、第1種過誤(Type I error)コントロールは対処されていない。
【0498】
標本サイズ決定
パート1
試験のパート1の目的は、UAS7の改善におけるMTPS9579A 1800mg IV Q4Wの有効性をプラセボと比較して評価することである。各治療群におけるUAS7のベースラインからの変化ならびに治療群間のUAS7のベースラインからの変化の違いの点推定値および区間推定値が提示される。パート1には、およそ40人の患者が登録される。患者は、MTPS9579Aまたはプラセボのいずれかによる治療を受けるように、1:1の比でランダム化される。各アーム中のおよそ20人の患者の標本サイズは、以下の仮定の下、治療群間で12週目でのベースラインからのUAS7の変化における11点の差を検出するためのおよそ80%の検出力を提供する:
・ 12週目でのベースラインからの絶対変化は、13の標準偏差を伴って、正規分布に従う。
・ 両側検定のαが0.10である。
・ 12週目でのドロップアウト率が10%であり、これは10%の情報損失につながる。
【0499】
パート2
試験のパート2の目的は、UAS7の改善における、プラセボと比較したMTPS9579Aの用量範囲探索効果に関する推定および仮説生成である。各治療群におけるUAS7のベースラインからの変化ならびに治療群間対プラセボのUAS7のベースラインからの変化の違いの点推定値および区間推定値が提示される。パート2には、およそ200人の患者が登録される。患者は、MTPS9579Aまたはプラセボの4つの用量レベルのうちの1つによる治療を受けるように、2:2:1:2:2:1の比でランダムに割り付けられる。2つのプラセボアームが、解析用にプールされる。各MTPS9579Aアームおよびプールされたプラセボアーム中のおよそ40人の患者の標本サイズは、以下の仮定の下、1つのMTPS9579Aアームとプールされたプラセボアーム間で12週目でのベースラインからのUAS7の変化における11点の差を検出するためのおよそ97%の検出力を提供する:
・ 12週目でのベースラインからの絶対変化は、13の標準偏差を伴って、正規分布に従う。
・ 両側検定のαが0.10である。
・ 12週目でのドロップアウト率が10%であり、これは10%の情報損失につながる。
【0500】
有効性解析
統計解析を、各パートについて別個に行う。統計的検定は確認ではなく仮説生成とみなされ、全体的な第1種過誤を制御するための多重性の調整は実行されない。
【0501】
継続的な縦断有効性の評価項目は、反復測定混合モデル(MMRM)と必要に応じて記述統計の混合モデルを使用して分析される。イベント発現までの時間(time-to-event)の評価項目を、コックス比例ハザードモデルを使用して解析する。カテゴリー評価項目を、コクラン・マンテル・ヘンツェルの検定またはフィッシャーの直接検定などの適切な統計的手法を使用して解析する。
【0502】
別途指定のない限り、パート1における有効性アウトカム尺度のすべての解析は、以前の抗IgEの経験(ナイーブ対経験あり)、CSUの重症度(中等度の活動性のじん麻疹(UAS7 16~27)対重度活動性のじん麻疹(UAS7 28~42))によって調整され;パート2における有効性アウトカム尺度のすべての解析は、以前の抗IgEの経験(ナイーブ対経験あり)、CSUの重症度(中等度の活動性のじん麻疹(UAS7 16~27)対重度活動性のじん麻疹(UAS7 28~42))、およびCU Index(登録商標)(正対負)によって調整される。
【0503】
主要評価項目は、MMRMモデルを使用して解析される。追加のモデル共変量には、ベースラインUAS7およびその治験来院との相互作用が含まれる。
【0504】
安全性解析
安全性解析集団は、試験薬の少なくとも1つの用量を受けたすべてのランダム化された患者からなり、患者は受けた治療に従ってグループ分けされる。有害事象、重篤な有害事象、死亡、特に注目すべき有害事象、中止を要する有害事象、ECG所見、臨床検査試験結果、およびバイタルサイン測定値の概要が、提示されることになる。
【0505】
薬物動態解析
PK解析集団は、血清濃度の少なくとも1回の治療後測定を受けた、MTPS9579Aを受けた患者からなる。個々のおよび平均血清MTPS9579A濃度対時間のデータを表にして、用量レベルでプロットする。追加のPKおよびPK/PD解析は、必要に応じて行われる。
【0506】
免疫原性解析
モノクローナル抗トリプターゼ抗体のMTPS9579Aの投与は、患者において免疫応答をもたらし、ADAを生じる場合がある。血清試料を指定された間隔で収集し、ADAの発生を監視する。免疫原性解析集団は、少なくとも1回のADA評価を受けたすべての患者からなる。患者は、受けた治療に従ってグループ分けされるか、または試験の中止前に治療を受けていない場合、割り付けられた治療に従ってグループ分けされる。
【0507】
バイオマーカー解析
バイオマーカーを評価して、MTPS9579Aの薬理活性および作用機序を判定する。データは、各治療群のバイオマーカーの絶対レベルならびにランダム化からの絶対的および相対的な変化(投与前と定義)によって要約される。追加のPD解析は、必要に応じて行われる。
【0508】
MTPS9579A応答の潜在的予測マーカーを、主要評価項目および重要な副次評価項目において評価し、患者のサブセットがMTPS9579Aから増強された臨床的利益を得ているかどうかを評価する。予測バイオマーカー候補としては、限定されないが、CU Index(登録商標)、ベースライン血清総トリプターゼレベル、およびトリプターゼをコードする遺伝子における生殖系列変異(TPSAB1とTPSB2)が挙げられる(例えば、その全体が本明細書で参照により援用される、米国特許出願公開第2020/0377953号を参照されたい)。
【0509】
中間解析
本試験の仮説生成の性質を考慮して、治験依頼者は、中間有効性解析を実施するよう選択してもよい。任意選択の中間解析の実施の決定および解析のタイミングは、中間解析の実施に先立ち、治験依頼者の治験マスターファイルに記入される。
【0510】
他の態様
上述の発明は、理解を明確にする目的のために説明および実施例によってある程度詳細に記載されているが、これらの説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。ここに引用されるすべての特許および科学文献の開示は、参照によりその全体が明示的に援用される。
図1
【配列表】
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【国際調査報告】