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特表2024-534014癌の処置のための不可逆的メニン-MLL阻害剤、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドの結晶形態
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】癌の処置のための不可逆的メニン-MLL阻害剤、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドの結晶形態
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20240910BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
C07D487/04 140
A61P35/02
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K31/5377
A61K47/36
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/04
A61K47/12
A61P7/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508654
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 US2022039941
(87)【国際公開番号】W WO2023022912
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/235,662
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/279,053
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/310,076
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】521274692
【氏名又は名称】バイオメア フュージョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ソマナス,プリヤンカー
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】キノシタ,タイセイ
(72)【発明者】
【氏名】ロー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,ジェームズ ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,アンジェリーナ サウ マン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ナン-ホン
(72)【発明者】
【氏名】タン,ヒョウ
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,ホンヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シイ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076BB01
4C076CC27
4C076DD29
4C076DD41
4C076DD67
4C076EE16
4C076EE38
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA52
4C086NA20
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
4C086ZC41
(57)【要約】
【課題】
メニン-MLL阻害剤。
【解決手段】
本発明は、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(式(I))
【化1】

の結晶形態に関する。式(I)の化合物は、例えば癌(例えばリンパ腫及び白血病を含む)並びに自己免疫疾患の処置における使用のための不可逆的メニン-MLL阻害剤である。本発明は、例えば、XRPD、FTIR、DSC及びTGA並びに薬理学的データによる結晶形態の特徴付けを開示する。
【選択図】図33
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

による化合物N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(II):
【化2】

による化合物N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(S)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
エナンチオマー過剰である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%のエナンチオマー過剰である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物であって、前記組成物中の前記化合物の相対重量は、前記組成物中の前記化合物の全ての立体異性体の総重量と比較して少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%である、組成物。
【請求項6】
式(III):
【化3】

による化合物(化合物P)又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
薬学的に許容される塩である、請求項1~4又は6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
経口投与のための医薬製剤であって、
(a)約10mg~約250mgの、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物又は組成物;
(b)約50重量%~約80重量%の1種以上の希釈剤;
(c)約1重量%~約10重量%の1種以上の崩壊剤;
(d)約0.2重量%~約3重量%の1種以上の流動促進剤;及び
(e)約0.2重量%~約1.0重量%の1種以上の滑沢剤
を含む医薬製剤。
【請求項9】
前記希釈剤は、ラクトース、スクロース、デキストロース、デキストレート、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、シクロデキストリン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、微結晶セルロース、マイクロセルロース及びタルクからなる群から選択される、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記希釈剤は、アルファ化トウモロコシデンプン及びラクトースである、請求項9に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記崩壊剤は、天然デンプン、アルファ化デンプン、ナトリウムデンプン、メチル結晶セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロース、架橋クロスカルメロース、グリコール酸デンプンナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドンなどの架橋ポリマー、アルギン酸ナトリウム、粘土及びゴムからなる群から選択される、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記崩壊剤は、クロスポビドンである、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記流動促進剤は、パルミチン酸アスコルビル、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ、デンプン及びタルクからなる群から選択される、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記流動促進剤は、ヒュームドシリカである、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記滑沢剤は、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、コーンスターチ、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛及びワックスからなる群から選択される、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである、請求項15に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記希釈剤は、アルファ化トウモロコシデンプン及びラクトースであり、前記崩壊剤は、クロスポビドンであり、前記流動促進剤は、ヒュームドシリカであり、及び前記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項18】
(a)約25、50、100、150、200又は250mgの前記化合物;
(b)約70重量%~約80重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及びラクトース;
(c)約5重量%のクロスポビドン;
(d)約0.5重量%~1重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.2重量%~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項19】
剤形は、硬ゼラチンカプセルである、請求項8~18のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項20】
1つ以上の別個のブリスターポケットを含むパッケージであって、各ブリスターポケットは、
a)約25、50、100、150、200又は250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
b)約70重量%~約80重量%の希釈剤;c)約3重量%~約10重量%の崩壊剤;d)約0.5重量%~約1重量%の流動促進剤;及び
e)約0.2重量%~約1.0重量%の滑沢剤
を含む単位剤形を含み、各ブリスターポケットは、金属箔又はプラスチック箔を含む、パッケージ。
【請求項21】
各単位用量は、
a)約25、50、100、150、200又は250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
b)70重量%~80重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及びラクトース;
c)2重量%~5重量%のクロスポビドン;及び
d)0.5重量%~1重量%のヒュームドシリカ;並びに
e)0.2重量%~1.0重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、請求項20に記載のパッケージ。
【請求項22】
以下の特性:
(a)図4Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)3.4±0.1°2-シータ、5.3±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、21.5±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン、
(c)3.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.7±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)開放容器内で40℃及び75%の相対湿度(RH)において少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(e)開放容器内で25℃及び92%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(f)閉鎖容器内で60℃及び75%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(g)図9Aに記載されるものと実質的に同様の赤外(IR)スペクトル;
(h)約3332cm-1、約2853cm-1、約1561cm-1、約1524cm-1、約1319cm-1、約1258cm-1及び約1067cm-1における赤外(IR)スペクトル(図9A)のピーク;
(i)図10に記載されるものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラム;
(j)図11に記載されるものと実質的に同様の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;
(k)約260.5℃における開始及び約273℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラム;
(l)図12に記載されるものと実質的に同様のH NMR(NMR)スペクトル;
(m)25℃において40%RH~70%RHで観察される吸湿性及び約2.1%の水分吸収;
(n)約pH4.5で観察される約0.004mg/mLの水溶解度;又は
(o)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドの形態D。
【請求項23】
結晶形態である、請求項22に記載の形態。
【請求項24】
水和物である、請求項22に記載の形態。
【請求項25】
図4Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項26】
以下に示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項22に記載の形態。
【表1】
【請求項27】
3.4±0.1°2-シータ、5.3±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、21.5±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項28】
3.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.7±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項29】
開放容器内で40℃及び75%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項30】
開放容器内で25℃及び92%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項31】
閉鎖容器内で60℃及び75%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項32】
前記図9Aに記載されるものと実質的に同様の赤外(IR)スペクトルを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項33】
約3332cm-1、約2853cm-1、約1561cm-1、約1524cm-1、約1319cm-1、約1258cm-1及び約1067cm-1にピークを有する赤外(IR)スペクトルを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項34】
約272~274℃の融解温度を有する、請求項22に記載の形態。
【請求項35】
前記図10に記載されるものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項36】
前記図11に記載されるものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項37】
約260.5℃における開始及び約273℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラムを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項38】
前記図12に記載されるものと実質的に同様のH NMR(NMR)スペクトルを有する、請求項22に記載の形態。
【請求項39】
約pH4.5で観察される約0.004mg/mLの水溶解度を有する、請求項22に記載の形態。
【請求項40】
前記結晶形態は、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)又は(o)を有するものとして特徴付けられる、請求項23に記載の形態。
【請求項41】
前記結晶形態は、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)及び(o)を有するものとして特徴付けられる、請求項23に記載の形態。
【請求項42】
結晶形態であり、及び前記結晶形態は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、ニトロメタン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジオキサン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、アニソール、アセトン、ヘプタン、メタノール:水又はアセトン:ヘプタン混合物から得られたものである、請求項23~41のいずれか一項に記載の形態。
【請求項43】
溶媒和されていない、請求項23~42のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項44】
無水である、請求項23~43のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項45】
N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Dである、請求項8~19のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項46】
経口投与のための医薬製剤であって、
(a)25mgの、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約21重量%のアルファ化トウモロコシデンプン(Starch 1500);
(c)約37%のラクトース(FastFlo Lactose 316);
(d)約5重量%のクロスポビドン;
(e)約1重量%のヒュームドシリカ;及び
(f)約0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む医薬製剤。
【請求項47】
経口投与のための医薬製剤であって、
(a)100mgの、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約28重量%のアルファ化トウモロコシデンプン(Starch 1500);
(c)約27%のラクトース(FastFlo Lactose 316);
(d)約4重量%のクロスポビドン;
(e)約0.8重量%のヒュームドシリカ;及び
(f)約0.4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む医薬製剤。
【請求項48】
経口投与のための医薬製剤であって、
(a)25mgの、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約45mgのアルファ化トウモロコシデンプン(Starch 1500);
(c)約43mgのラクトース(FastFlo Lactose 316);
(d)約6mgのクロスポビドン;
(e)約1mgのヒュームドシリカ又はコロイド状二酸化ケイ素;及び
(f)約0.6mgのステアリン酸マグネシウム
を含む医薬製剤。
【請求項49】
経口投与のための医薬製剤であって、
(a)100mgの、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約331mgのアルファ化トウモロコシデンプン(Starch 1500);
(c)約174mgのラクトース(FastFlo Lactose 316);
(d)約24mgのクロスポビドン;
(e)約5mgのヒュームドシリカ又はコロイド状二酸化ケイ素;及び
(f)約2.4mgのステアリン酸マグネシウム
を含む医薬製剤。
【請求項50】
N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Dである、請求項20又は21に記載のパッケージ。
【請求項51】
哺乳動物において癌を処置する方法であって、請求項1~49のいずれか一項に記載の医薬製剤を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項52】
前記癌は、白血病である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記癌は、急性骨髄性白血病(AML)又は急性リンパ芽球性白血病(ALL)である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記哺乳動物は、MLL/KMT2A遺伝子再構成を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記哺乳動物は、NPM1変異を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記医薬製剤は、BCL-2阻害剤と組み合わせて投与される、請求項51~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
哺乳動物においてKRAS変異癌を処置する方法であって、治療有効量のN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項59】
前記癌は、固形腫瘍である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
KRAS変異は、KRAS G12変異である、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
KRAS変異は、KRAS G12C、G12V、G12D又はG13D変異である、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、請求項1~49のいずれか一項に記載の形態又は医薬製剤におけるものである、請求項58~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
哺乳動物においてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫又は多発性骨髄腫を処置する方法であって、治療有効量のN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項64】
前記哺乳動物は、トリプルヒットリンパ腫を有する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記哺乳動物は、二重発現リンパ腫を有する、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記哺乳動物は、多発性骨髄腫を有する、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、請求項1~49のいずれか一項に記載の形態又は医薬製剤におけるものである、請求項58~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記哺乳動物は、TP53変異を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項69】
前記哺乳動物は、NOTCH1変異を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項70】
前記哺乳動物は、NPM1変異を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項71】
前記哺乳動物は、ATM変異を有する、請求項51記載の方法。
【請求項72】
前記哺乳動物は、WT1変異を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項73】
前記哺乳動物は、KMT2A変異を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項74】
前記哺乳動物は、TET2変異を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項75】
前記哺乳動物は、MLL再構成を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項76】
前記哺乳動物は、MYC増幅を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項77】
前記哺乳動物は、del(13q)核型を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項78】
前記哺乳動物は、12トリソミー核型を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項79】
前記哺乳動物は、ヒトである、請求項51~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
化合物、形態又は医薬製剤の用量は、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、325mg、500mg及び650mgから選択される、請求項51~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
化合物、形態又は医薬製剤の用量は、毎日投与される、請求項51~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
化合物、形態又は医薬製剤の用量は、28日間にわたって毎日投与される、請求項51~79のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001] 本出願は、2021年8月20日に出願された米国仮特許出願第63/235,662号、2021年11月12日に出願された米国仮特許出願第63/279,053号及び2022年2月14日に出願された米国仮特許出願第63/310,076号の利益を主張し、これらのそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
[0002] その立体異性体、結晶形態、溶媒和物及び薬学的に許容される塩を含む、メニン-MLLの共有結合性阻害剤N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド並びに上記のメニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤を含む医薬組成物及びメニン-MLL活性の阻害から利益を受けるであろう疾患又は状態の処置において、上記のメニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤を使用する方法が本明細書に記載される。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] ヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ2(KMT2)ファミリーのタンパク質は、現在、少なくとも5つのメンバーで構成されており、ゲノムの重要な制御領域にあるヒストンH3テールのリジン4をメチル化し、それによりクロマチン構造及びDNAアクセシビリティの調節を通して重要な機能を与える(Morera, Luebbert, and Jung., Clin.Epigenetics 8, 57-(2016))。これらの酵素は、発生初期及び造血中の遺伝子発現の制御において重要な役割を果たすことが知られている(Rao & Dou., Nat.Rev. Cancer 15, 334-346 (2015))。
【0004】
[0004] ヒトKMT2ファミリーは、当初、この疾患で最初に発見されたメンバーであるKMT2Aの役割にちなんで混合系統白血病(MLL)ファミリーと名付けられた。KMT2Aは、日常の臨床診療では依然として一般的にMLL1又はMLLと呼ばれている。
【0005】
[0005] KMT2A(MLL1)は、いくつかのタイプの白血病(例えば、ALL及びAML)で細胞遺伝学的に標的とされることがよくあり、バランスの取れた染色体転座が見られる場合、これらは、典型的には、KMT2A(MLL1)及びこれまでに記載されている80を超える転座パートナー遺伝子の1つを標的とする(Winters and Bernt, Front.Pediatr.5, 4 (2017))。これらの染色体異常は、多くの場合、疾患の発症及び/又は進行に因果関係があると考えられている融合タンパク質をコードする融合遺伝子の形成を生じる。メニンの阻害は、白血病を含むMLL関連疾患を処置するための有望な戦略であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
[0006] 立体異性体、薬学的に許容される溶媒和物(水和物を含む)、多形体及び非晶質相を含む、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド及びその使用方法が本明細書に記載される。立体異性体、薬学的に許容される溶媒和物(水和物を含む)、多形体及び非晶質相を含む、メニン-MLL相互作用の阻害剤の薬学的に許容される塩及びその使用方法も記載される。N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド並びにその立体異性体及び薬学的に許容される塩は、メニン-MLL活性に関連する疾患又は状態の処置のための医薬品の製造に使用される。N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤である。
【0007】
[0007] N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドの結晶形態を調製する方法も本明細書に記載される。結晶形態を含む医薬組成物及び疾患又は状態(メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害が、その疾患又は状態を有する哺乳動物に治療上の利益をもたらす疾患又は状態を含む)の処置において、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤を使用する方法がさらに記載される。
【0008】
[0008] 一実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、(R)異性体である。別の実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤は、(S)異性体である。
【0009】
[0009] 特定の実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤は、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドである。
【0010】
[0010] 一実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤は、無水N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドである。
【0011】
[0011] 別の実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤は、結晶性無水N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドである。
【0012】
[0012] さらなる実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤は、非晶質無水N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドである。
【0013】
[0013] 別の実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤は、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドの結晶性水和物である。
【0014】
[0014] さらなる実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤は、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドの非晶質水和物である。
【0015】
[0015] 一実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、(R)異性体であり、化合物Aと呼ばれる。特定の実施形態では、化合物Aは、他のエナンチオマーを実質的に含まない。特定の実施形態では、化合物Aは、単離される。特定の実施形態では、化合物Aは、鏡像体過剰である。
【0016】
[0016] 一実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、(S)異性体であり、化合物Bと呼ばれる。特定の実施形態では、化合物Bは、他のエナンチオマーを実質的に含まない。特定の実施形態では、化合物Bは、単離される。特定の実施形態では、化合物Bは、鏡像体過剰である。
【0017】
形態A
[0017] 特定の一態様では、以下の特性:
(a)図1Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)3.5±0.1°2-シータ、10.4±0.1°2-シータ、14.7±0.1°2-シータ、17.1±0.1°2-シータ、21±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、29.5±0.1°2-シータ及び34.1±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)3.5±0.1°2-シータ、17.1±0.1°2-シータ、21.0±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ及び29.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)約234.6℃における開始及び約245℃におけるピークを有する吸熱を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;又は
(e)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の形態Aが本明細書に記載される。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、形態Aは、結晶形態である。いくつかの実施形態では、形態Aは、水和物である。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態では、形態Aは、図1Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Aは、以下に示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0020】
【表1】
【0021】
[0020] いくつかの実施形態では、形態Aは、3.5±0.1°2-シータ、10.4±0.1°2-シータ、14.7±0.1°2-シータ、17.1±0.1°2-シータ、21±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、29.5±0.1°2-シータ及び34.1±0.1°2-シータの1、2、3、4、5、6、7又は8個において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0022】
[0021] いくつかの実施形態では、形態Aは、3.5±0.1°2-シータ、17.1±0.1°2-シータ、21.0±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ及び29.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0023】
[0022] いくつかの実施形態では、形態Aは、約245℃の融解温度を有する。
【0024】
[0023] いくつかの実施形態では、形態Aは、約200℃まで1.80%の重量減少を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。
【0025】
[0024] いくつかの実施形態では、形態Aは、約234.6℃における開始及び約245.0℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラムを有する。
【0026】
[0025] いくつかの実施形態では、形態Aは、吸湿性である。
【0027】
形態B
[0026] 特定の一態様では、以下の特性:
(a)図2Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)5.9±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、10.5±0.1°2-シータ、12.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、19±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータの1、2、3、4、5、6、7又は8個において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)8.6±0.1°2-シータ、10.5±0.1°2-シータ、12.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;又は
(d)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の形態Bが本明細書に記載される。
【0028】
[0027] いくつかの実施形態では、形態Bは、結晶形態である。いくつかの実施形態では、形態Bは、水和物である。
【0029】
[0028] いくつかの実施形態では、形態Bは、図2Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Bは、以下に示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0030】
【表2】
【0031】
[0029] いくつかの実施形態では、形態Bは、5.9±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、10.5±0.1°2-シータ、12.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、19±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0032】
[0030] いくつかの実施形態では、形態Bは、8.6±0.1°2-シータ、10.5±0.1°2-シータ、12.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0033】
[0031] いくつかの実施形態では、形態Bは、約100℃まで1.350%の重量減少を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。
【0034】
[0032] いくつかの実施形態では、形態Bは、吸湿性である。
【0035】
形態C
[0033] 特定の一態様では、以下の特性:
(a)図3Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)5.2±0.1°2-シータ、5.9±0.1°2-シータ、7.2±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.6±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.1±0.1°2-シータ、15.9±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.1±0.1°2-シータ及び20.1±0.1°2-シータの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)5.2±0.1°2-シータ、5.9±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.9±0.1°2-シータ及び17.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)約150.23℃における開始及び約156.86℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラム;又は
(e)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の形態Cが本明細書に記載される。
【0036】
[0034] いくつかの実施形態では、形態Cは、結晶形態である。いくつかの実施形態では、形態Cは、溶媒和物である。いくつかの実施形態では、形態Cは、2,2,2-トリフルオロエタノール(TFE)溶媒和物である。
【0037】
[0035] いくつかの実施形態では、形態Cは、図3Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0038】
[0036] いくつかの実施形態では、形態Cは、以下に示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0039】
【表3】
【0040】
[0037] いくつかの実施形態では、形態Cは、5.2±0.1°2-シータ、5.9±0.1°2-シータ、7.2±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.6±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.1±0.1°2-シータ、15.9±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.1±0.1°2-シータ及び20.1±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0041】
[0038] いくつかの実施形態では、形態Cは、5.2±0.1°2-シータ、5.9±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.9±0.1°2-シータ及び17.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0042】
[0039] いくつかの実施形態では、形態Cは、約150.23℃における開始及び約156.86℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラムを有する。
【0043】
[0040] いくつかの実施形態では、形態Cは、吸湿性である。
【0044】
形態D
[0041] 特定の一態様では、以下の特性:
(a)図4Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)3.4±0.1°2-シータ、5.3±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、21.5±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)3.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.7±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)開放容器内で40℃及び75%の相対湿度(RH)において少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(e)開放容器内で25℃及び92%RHで少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(f)閉鎖容器内で60℃及び75%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(g)図9Aに記載のものと実質的に同様の赤外(IR)スペクトル;
(h)約3332cm-1、約2853cm-1、約1561cm-1、約1524cm-1、約1319cm-1、約1258cm-1及び約1067cm-1の赤外(IR)スペクトル(図9A)のピーク;
(i)図10に記載のものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラム;
(j)図11に記載のものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(k)約260.5℃における開始及び約273℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラム;
(l)図12に記載のものと実質的に同様のH NMR(NMR)スペクトル;
(m)25℃において40%RH~70%RHで観察される吸湿性及び約2.1%の水分吸収;
(n)約pH4.5で観察される約0.004mg/mLの水溶解度;又は
(o)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の形態Dが本明細書に記載される。
【0045】
[0042] いくつかの実施形態では、形態Dは、結晶形態である。
【0046】
[0043] いくつかの実施形態では、形態Dは、水和物である。
【0047】
[0044] いくつかの実施形態では、形態Dは、図4Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0048】
[0045] いくつかの実施形態では、形態Dは、以下に示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0049】
【表4】
【0050】
[0046] いくつかの実施形態では、形態Dは、3.4±0.1°2-シータ、5.3±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、21.5±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0051】
[0047] いくつかの実施形態では、形態Dは、3.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.7±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0052】
[0048] いくつかの実施形態では、形態Dは、開放容器内で40℃及び75%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0053】
[0049] いくつかの実施形態では、形態Dは、開放容器内で25℃及び92%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0054】
[0050] いくつかの実施形態では、形態Dは、閉鎖容器内で60℃及び75%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0055】
[0051] いくつかの実施形態では、形態Dは、図9Aに記載のものと実質的に同様の赤外(IR)スペクトルを有する。
【0056】
[0052] いくつかの実施形態では、形態Dは、約3332cm-1、約2853cm-1、約1561cm-1、約1524cm-1、約1319cm-1、約1258cm-1及び約1067cm-1の赤外(IR)スペクトルの弱いピークを有する。
【0057】
[0053] いくつかの実施形態では、形態Dは、約272~274℃の融解温度を有する。
【0058】
[0054] いくつかの実施形態では、形態Dは、図10に記載のものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。
【0059】
[0055] いくつかの実施形態では、形態Dは、図11に記載のものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する。
【0060】
[0056] いくつかの実施形態では、形態Dは、約260.5℃における開始及び約273℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラムを有する。
【0061】
[0057] いくつかの実施形態では、形態Dは、図12に記載のものと実質的に同様のH NMR(NMR)スペクトルを有する。
【0062】
[0058] いくつかの実施形態では、形態Dは、吸湿性である。
【0063】
[0059] いくつかの実施形態では、形態Dは、約pH4.5で観察される約0.004mg/mLの水溶解度を有する。
【0064】
形態E
[0060] 特定の一態様では、以下の特性:
(a)図5Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)3.4±0.1°2-シータ、4.7±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、6.9±0.1°2-シータ、7.1±0.1°2-シータ、7.6±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、9.3±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、13±0.1°2-シータ、13.8±0.1°2-シータ、15.7±0.1°2-シータ、16.2±0.1°2-シータ、16.7±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.4±0.1°2-シータ、18.6±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、20.7±0.1°2-シータ、21.4±0.1°2-シータ、22.2±0.1°2-シータ、23±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、26±0.1°2-シータ、28±0.1°2-シータ、29.2±0.1°2-シータ、30.5±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.6±0.1°2-シータ及び34.5±0.1°2-シータの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33又は34個において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)4.7±0.1°2-シータ、7.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、13.8±0.1°2-シータ、17.0±0.1°2-シータ、18.4±0.1°2-シータ及び18.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)約112.34℃における開始及び約137.26℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラム;又は
(e)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の形態Eが本明細書に記載される。
【0065】
[0061] いくつかの実施形態では、形態Eは、結晶形態である。いくつかの実施形態では、形態Eは、DMSO溶媒和物である。
【0066】
[0062] いくつかの実施形態では、形態Eは、図5Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0067】
[0063] いくつかの実施形態では、形態Eは、以下に示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0068】
【表5】
【0069】
[0064] いくつかの実施形態では、形態Eは、4±0.1°2-シータ、4.7±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、6.9±0.1°2-シータ、7.1±0.1°2-シータ、7.6±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、9.3±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、13±0.1°2-シータ、13.8±0.1°2-シータ、15.7±0.1°2-シータ、16.2±0.1°2-シータ、16.7±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.4±0.1°2-シータ、18.6±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、20.7±0.1°2-シータ、21.4±0.1°2-シータ、22.2±0.1°2-シータ、23±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、26±0.1°2-シータ、28±0.1°2-シータ、29.2±0.1°2-シータ、30.5±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.6±0.1°2-シータ及び34.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0070】
[0065] いくつかの実施形態では、形態Eは、4.7±0.1°2-シータ、7.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、13.8±0.1°2-シータ、17.0±0.1°2-シータ、18.4±0.1°2-シータ及び18.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0071】
[0066] いくつかの実施形態では、形態Eは、約112.34℃における開始及び約137.26℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラムを有する。
【0072】
[0067] いくつかの実施形態では、形態Eは、吸湿性である。
【0073】
形態F
[0068] 特定の一態様では、以下の特性:
(a)図6Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)4.2±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、8.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、14.4±0.1°2-シータ、15±0.1°2-シータ、16±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、17.8±0.1°2-シータ、18.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ、20.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、21.7±0.1°2-シータ、22.1±0.1°2-シータ、23.4±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、25.5±0.1°2-シータ、26.3±0.1°2-シータ、27.1±0.1°2-シータ、29±0.1°2-シータ、30.3±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.1±0.1°2-シータ、34.3±0.1°2-シータ及び35.6±0.1°2-シータの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31又は32個において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)6.3±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、8.8±0.1°2-シータ、11.9±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.4±0.1°2-シータ、15.0±0.1°2-シータ及び20.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;又は
(d)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の形態Fが本明細書に記載される。
【0074】
[0069] いくつかの実施形態では、形態Fは、結晶形態である。
【0075】
[0070] いくつかの実施形態では、形態Fは、溶媒和物である。いくつかの実施形態では、形態Fは、ヘテロ溶媒和物である。いくつかの実施形態では、形態Fは、二溶媒和物である。いくつかの実施形態では、形態Fは、MeOH及びDCM(1:1)ヘテロ溶媒和物又は二溶媒和物である。
【0076】
[0071] いくつかの実施形態では、形態Fは、図6Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0077】
[0072] いくつかの実施形態では、形態Fは、以下に示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0078】
【表6】
【0079】
[0073] いくつかの実施形態では、形態Fは、4.2±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、8.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、14.4±0.1°2-シータ、15±0.1°2-シータ、16±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、17.8±0.1°2-シータ、18.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ、20.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、21.7±0.1°2-シータ、22.1±0.1°2-シータ、23.4±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、25.5±0.1°2-シータ、26.3±0.1°2-シータ、27.1±0.1°2-シータ、29±0.1°2-シータ、30.3±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.1±0.1°2-シータ、34.3±0.1°2-シータ及び35.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0080】
[0074] いくつかの実施形態では、形態Fは、6.3±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、8.8±0.1°2-シータ、11.9±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.4±0.1°2-シータ、15.0±0.1°2-シータ及び20.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0081】
[0075] いくつかの実施形態では、形態Fは、吸湿性である。
【0082】
形態G
[0076] 特定の一態様では、以下の特性:
(a)図7Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)8±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、12.1±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータの1、2、3、4、5又は6個において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)8.1±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、12.1±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;又は
(d)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の形態Gが本明細書に記載される。
【0083】
[0077] いくつかの実施形態では、形態Gは、結晶形態である。いくつかの実施形態では、形態Gは、TFE溶媒和物である。
【0084】
[0078] いくつかの実施形態では、形態Gは、図7Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0085】
[0079] いくつかの実施形態では、形態Gは、以下に示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0086】
【表7】
【0087】
[0080] いくつかの実施形態では、形態Gは、8.1±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、12.1±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0088】
[0081] いくつかの実施形態では、形態Gは、吸湿性である。
【0089】
形態J
[0082] 特定の一態様では、以下の特性:
(a)図8Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)3.5±0.1°2-シータ、4.5±0.1°2-シータ、6.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、11.3±0.1°2-シータ、11.8±0.1°2-シータ、13.2±0.1°2-シータ、13.6±0.1°2-シータ、14±0.1°2-シータ、14.6±0.1°2-シータ、15.4±0.1°2-シータ、16.1±0.1°2-シータ、16.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、18.3±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、20.8±0.1°2-シータ、21.6±0.1°2-シータ、23.5±0.1°2-シータ、23.8±0.1°2-シータ、24.6±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、25.2±0.1°2-シータ、25.8±0.1°2-シータ、26.2±0.1°2-シータ、26.7±0.1°2-シータ、26.8±0.1°2-シータ、27.4±0.1°2-シータ、27.7±0.1°2-シータ、28.7±0.1°2-シータ、29.3±0.1°2-シータ、30.1±0.1°2-シータ、31.2±0.1°2-シータ、31.8±0.1°2-シータ、34.1±0.1°2-シータ、34.9±0.1°2-シータ、35.6±0.1°2-シータ、36.4±0.1°2-シータ、36.7±0.1°2-シータ、38.5±0.1°2-シータ及び38.8±0.1°2-シータの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43又は44個において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)3.5±0.1°2-シータ、4.5±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、21.6±0.1°2-シータ、22.5±0.1°2-シータ及び27.4±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)25℃において40%RH~70%RHで観察される吸湿性及び約2.1%の水分吸収;
(e)約pH4.5で観察される約0.004mg/mLの水溶解度;又は
(f)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有する、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の形態Jが本明細書に記載される。
【0090】
[0083] いくつかの実施形態では、形態Jは、結晶形態である。いくつかの実施形態では、形態Jは、無水物である。
【0091】
[0084] いくつかの実施形態では、形態Jは、図8Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0092】
[0085] いくつかの実施形態では、形態Jは、3.5±0.1°2-シータ、4.5±0.1°2-シータ、6.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、11.3±0.1°2-シータ、11.8±0.1°2-シータ、13.2±0.1°2-シータ、13.6±0.1°2-シータ、14±0.1°2-シータ、14.6±0.1°2-シータ、15.4±0.1°2-シータ、16.1±0.1°2-シータ、16.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、18.3±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、20.8±0.1°2-シータ、21.6±0.1°2-シータ、23.5±0.1°2-シータ、23.8±0.1°2-シータ、24.6±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、25.2±0.1°2-シータ、25.8±0.1°2-シータ、26.2±0.1°2-シータ、26.7±0.1°2-シータ、26.8±0.1°2-シータ、27.4±0.1°2-シータ、27.7±0.1°2-シータ、28.7±0.1°2-シータ、29.3±0.1°2-シータ、30.1±0.1°2-シータ、31.2±0.1°2-シータ、31.8±0.1°2-シータ、34.1±0.1°2-シータ、34.9±0.1°2-シータ、35.6±0.1°2-シータ、36.4±0.1°2-シータ、36.7±0.1°2-シータ、38.5±0.1°2-シータ及び38.8±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0093】
[0086] いくつかの実施形態では、形態Jは、3.5±0.1°2-シータ、4.5±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、21.6±0.1°2-シータ、22.5±0.1°2-シータ及び27.4±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0094】
[0087] いくつかの実施形態では、形態Jは、吸湿性である。
【0095】
製剤
[0088] 別の態様では、
(a)約10mg~約250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約50重量%~約80重量%の1種以上の希釈剤;
(c)約1重量%~約10重量%の1種以上の崩壊剤;
(d)約0.2重量%~約3重量%の1種以上の流動促進剤;及び
(e)約0.2重量%~約1.0重量%の1種以上の滑沢剤
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0096】
[0089] いくつかの実施形態では、希釈剤は、ラクトース、スクロース、デキストロース、デキストレート、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、シクロデキストリン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、微結晶セルロース、マイクロセルロース及びタルクからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、希釈剤は、アルファ化トウモロコシデンプン及びラクトースである。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、天然デンプン、アルファ化デンプン、ナトリウムデンプン、メチル結晶セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロース、架橋クロスカルメロース、グリコール酸デンプンナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドンなどの架橋ポリマー、アルギン酸ナトリウム、粘土又はゴムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスポビドンである。いくつかの実施形態では、流動促進剤は、パルミチン酸アスコルビル、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ、デンプン及びタルクからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、流動促進剤は、ヒュームドシリカである。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、コーンスターチ、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛及びワックスからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0097】
[0090] いくつかの実施形態では、
(a)約10mg~約500mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)合計約20重量%~約80重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及びラクトース;
(c)約3重量%~約10重量%のクロスポビドン;
(d)約0.1重量%~約1.0重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.1重量%~約1.0重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0098】
[0091] いくつかの実施形態では、
(a)約10mg~約250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)合計約70重量%~約80重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及びラクトース;
(c)約3重量%~約10重量%のクロスポビドン;
(d)約0.1重量%~約1.0重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.1重量%~約1.0重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0099】
[0092] いくつかの実施形態では、
(a)約10重量%~約30重量%のN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約25重量%~約65重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及び約25重量%~約40重量%のラクトース;
(c)約1重量%~約10重量%のクロスポビドン;
(d)約0.1重量%~約1.0重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.1重量%~約1.0重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0100】
[0093] いくつかの実施形態では、
(a)約10重量%~約25重量%のN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約25重量%~約60重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及び約25重量%~約40重量%のラクトース;
(c)約1重量%~約10重量%のクロスポビドン;
(d)約0.1重量%~約1.0重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.1重量%~約1.0重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0101】
[0094] いくつかの実施形態では、
(a)約25、50、100、150、200又は250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約37重量%のアルファ化トウモロコシデンプン(Starch 1500);
(c)約36%のラクトース(FastFlo Lactose 316);
(d)約5重量%のクロスポビドン;
(e)約1重量%のヒュームドシリカ;及び
(f)約0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0102】
[0095] いくつかの実施形態では、
(a)約25、50、100、150、200又は250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約52重量%のアルファ化トウモロコシデンプン(Starch 1500);
(c)約27%のラクトース(FastFlo Lactose 316);
(d)約4重量%のクロスポビドン;
(e)約0.8重量%のヒュームドシリカ;及び
(f)約0.4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0103】
[0096] いくつかの実施形態では、
(a)約25、50、100、150、200又は250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約21重量%のアルファ化トウモロコシデンプン(Starch 1500);
(c)約37%のラクトース(FastFlo Lactose 316);
(d)約5重量%のクロスポビドン;
(e)約1重量%のヒュームドシリカ;及び
(f)約0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0104】
[0097] いくつかの実施形態では、
(a)約25、50、100、150、200又は250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約28重量%のアルファ化トウモロコシデンプン(Starch 1500);
(c)約27%のラクトース(FastFlo Lactose 316);
(d)約4重量%のクロスポビドン;
(e)約0.8重量%のヒュームドシリカ;及び
(f)約0.4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0105】
[0098] 特定の実施形態では、医薬製剤は、実質的に均一である。特定の実施形態では、医薬製剤は、顆粒である。特定の実施形態では、顆粒内組成物は、上記の実施形態の1つに従う。特定の実施形態では、顆粒外組成物は、アルファ化トウモロコシデンプン、例えばStarch 1500を含む。
【0106】
[0099] いくつかの実施形態では、希釈剤は、ラクトース、スクロース、デキストロース、デキストレート、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、シクロデキストリン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、微結晶セルロース、マイクロセルロース及びタルクからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、希釈剤は、アルファ化トウモロコシデンプン及びラクトースである。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、天然デンプン、アルファ化デンプン、ナトリウムデンプン、メチル結晶セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロース、架橋クロスカルメロース、グリコール酸デンプンナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドンなどの架橋ポリマー、アルギン酸ナトリウム、粘土又はゴムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスポビドンである。いくつかの実施形態では、流動促進剤は、パルミチン酸アスコルビル、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ、デンプン及びタルクからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、コーンスターチ、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛及びワックスからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0107】
[00100] いくつかの実施形態では、
(a)約10mg~約250mgの結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約70重量%~約80重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及びラクトース;
(c)約5重量%のクロスポビドン;
(d)約0.5重量%~1重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.2重量%~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0108】
[00101] いくつかの実施形態では、
(a)約10重量%~約25重量%の結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約70重量%~約80重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及びラクトース;
(c)約5重量%のクロスポビドン;
(d)約0.5重量%~1重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.2重量%~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0109】
[00102] いくつかの実施形態では、
(a)約25mgの結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約70重量%~約80重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及びラクトース;
(c)約5重量%のクロスポビドン;
(d)約0.5重量%~1重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.2重量%~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0110】
[00103] いくつかの実施形態では、
(a)約100mgの結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約70重量%~約80重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及びラクトース;
(c)約5重量%のクロスポビドン;
(d)約0.5重量%~1重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.2重量%~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0111】
[00104] 前述の医薬製剤の実施形態のいくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Aである。前述の医薬製剤の実施形態のいくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Bである。前述の医薬製剤の実施形態のいくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Cである。前述の医薬製剤の実施形態のいくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Dである。前述の医薬製剤の実施形態のいくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Eである。前述の医薬製剤の実施形態のいくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Fである。前述の医薬製剤の実施形態のいくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Gである。前述の医薬製剤の実施形態のいくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、結晶形態Jである。前述の医薬製剤の実施形態のいくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、形態F、形態G及び形態Jからなる群から選択される2つ以上の結晶形態の混合物である。前述の医薬製剤の実施形態の別の実施形態では、剤形がゼラチン硬カプセルである医薬製剤が本明細書に提供される。
【0112】
[00105] 別の態様では、
(a)約10mg~約250mgの、結晶形態AとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約50重量%~約80重量%の1種以上の希釈剤;
(c)約1重量%~約10重量%の1種以上の崩壊剤;
(d)約0.2重量%~約3重量%の1種以上の流動促進剤;及び
(e)約0.2重量%~約1.0重量%の1種以上の滑沢剤
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0113】
[00106] いくつかの実施形態では、希釈剤は、ラクトース、スクロース、デキストロース、デキストレート、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、シクロデキストリン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、微結晶セルロース、マイクロセルロース及びタルクからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、希釈剤は、微結晶セルロースである。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、天然デンプン、アルファ化デンプン、ナトリウムデンプン、メチル結晶セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロース、架橋クロスカルメロース、グリコール酸デンプンナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドンなどの架橋ポリマー、アルギン酸ナトリウム、粘土又はゴムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマーからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、コーンスターチ、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛及びワックスからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0114】
[00107] いくつかの実施形態では、
(a)約10mg~約250mgの、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約70重量%~約80重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及びラクトース;
(c)約5重量%のクロスポビドン;
(d)約0.5重量%~1重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.2重量%~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0115】
[00108] いくつかの実施形態では、
(a)約10重量%~約25重量%の、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約37.2重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及び約35.6%のラクトース;
(c)約5重量%のクロスポビドン;
(d)約1重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0116】
[00109] いくつかの実施形態では、
(a)約10重量%~約25重量%の、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約52重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及び約27.3%のラクトース;
(c)約3.8重量%のクロスポビドン;
(d)約0.8重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0117】
[00110] いくつかの実施形態では、
(a)25mgの、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約45.2mgのアルファ化トウモロコシデンプン及び約43.44mgのラクトース;
(c)約6.1mgのクロスポビドン;
(d)約1.2mgのヒュームドシリカ;及び
(e)約0.61mgのステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0118】
[00111] いくつかの実施形態では、
(a)100mgの、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約330.6mgのアルファ化トウモロコシデンプン及び約173.8mgのラクトース;
(c)約24.3mgのクロスポビドン;
(d)約4.9mgのヒュームドシリカ;及び
(e)約2.4mgのステアリン酸マグネシウム
を含む、経口投与のための医薬製剤が本明細書に提供される。
【0119】
[00112] 別の態様では、a)約10mg~約250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;b)約50重量%~約80重量%の1種以上の希釈剤;c)約1重量%~約10重量%の崩壊剤;d)約0.2重量%~約3重量%の流動促進剤;及びe)約0.2重量%~約1.0重量%の滑沢剤を含む医薬製剤であって、ボトル又はブリスターパックに入った単位剤形におけるものである医薬製剤が本明細書に提供される。特定の実施形態では、剤形は、ブリスターパックにおけるものであり、及び前記ブリスターパックは、金属箔又はプラスチック箔を含む。いくつかの実施形態では、
(a)25mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約37.2重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及び約35.6%のラクトース;
(c)約5重量%のクロスポビドン;
(d)約1重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む医薬製剤であって、ボトル又はブリスターパックに入った単位剤形におけるものである医薬製剤が提供される。特定の実施形態では、剤形は、ブリスターパックにおけるものであり、及び前記ブリスターパックは、金属箔又はプラスチック箔を含む。いくつかの実施形態では、
a)100mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約330.6mgのアルファ化トウモロコシデンプン及び約173.8mgのラクトース;
(c)約24.3mgのクロスポビドン;
(d)約4.9mgのヒュームドシリカ;及び
(e)約2.4mgのステアリン酸マグネシウム
を含む医薬製剤であって、ボトル又はブリスターパックに入った単位剤形におけるものである医薬製剤が提供される。特定の実施形態では、剤形は、ブリスターパックにおけるものであり、及び前記ブリスターパックは、金属箔又はプラスチック箔を含む。
【0120】
[00113] 別の実施形態では、1つ以上の別個のブリスターポケットを含むパッケージであって、各ブリスターポケットは、
(a)約10mg~約250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約50重量%~約80重量%の1種以上の希釈剤;
(c)約1重量%~約10重量%の1種以上の崩壊剤;
(d)約0.2重量%~約3重量%の1種以上の流動促進剤;及び
(e)約0.2重量%~約1.0重量%の1種以上の滑沢剤
を含む単位剤形を含み、各ブリスターポケットは、金属箔又はプラスチック箔を含む、パッケージである。
【0121】
[00114] 別の態様では、
a)約10mg~約250mgの、結晶形態AとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約50重量%~約80重量%の1種以上の希釈剤;
(c)約1重量%~約10重量%の1種以上の崩壊剤;
(d)約0.2重量%~約3重量%の1種以上の流動促進剤;及び
(e)約0.2重量%~約1.0重量%の1種以上の滑沢剤
を含む医薬製剤であって、ボトル又はブリスターパックに入った単位剤形におけるものである医薬製剤が本明細書に提供される。特定の実施形態では、剤形は、ブリスターパックにおけるものであり、及び前記ブリスターパックは、金属箔又はプラスチック箔を含む。いくつかの実施形態では、
a)25mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約37.2重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及び約35.6%のラクトース;
(c)約5重量%のクロスポビドン;
(d)約1重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む医薬製剤であって、ボトル又はブリスターパックに入った単位剤形におけるものである医薬製剤が提供される。特定の実施形態では、剤形は、ブリスターパックにおけるものであり、及び前記ブリスターパックは、金属箔又はプラスチック箔を含む。いくつかの実施形態では、
a)100mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約52重量%のアルファ化トウモロコシデンプン及び約27.3%のラクトース;
(c)約3.8重量%のクロスポビドン;
(d)約0.8重量%のヒュームドシリカ;及び
(e)約0.4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む医薬製剤であって、ボトル又はブリスターパックに入った単位剤形におけるものである医薬製剤が提供される。特定の実施形態では、剤形は、ブリスターパックにおけるものであり、及び前記ブリスターパックは、金属箔又はプラスチック箔を含む。
【0122】
[00115] 別の実施形態では、1つ以上の別個のブリスターポケットを含むパッケージであって、各ブリスターポケットは、
a)約10mg~約250mgの、結晶形態AとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約50重量%~約80重量%の1種以上の希釈剤;
(c)約1重量%~約10重量%の1種以上の崩壊剤;
(d)約0.2重量%~約3重量%の1種以上の流動促進剤;及び
(e)約0.2重量%~約1.0重量%の1種以上の滑沢剤
を含む単位剤形を含み、各ブリスターポケットは、金属箔又はプラスチック箔を含む、パッケージである。
【0123】
[00116] 一実施形態では、錠剤又はカプセルなどの複数の経口剤形;経口剤形を含む瓶などの包装;及び本明細書に記載の方法に従って経口剤形を投与するための使用説明書を含むキットが提供される。ブリスターパックなどの単位用量包装は、本明細書に記載の製剤の経口剤形を包装する有用な方法を提供し、他の実施形態では使用説明書と組み合わせてキットを具体化する。他の実施形態では、詳細な製品情報がキットの使用説明書に含まれる。ブリスター包装は、固体経口剤形に特に有用であり、さらなる実施形態では例えば隔日投与スケジュールに有用である。一実施形態では、本明細書に記載の製剤の固体単位剤形は、本明細書に記載の製剤の投与量が十分に投与されるように、毎日1つ以上の錠剤又はカプセルを投与するための説明書が記載されたブリスターパックに含まれる。別の実施形態では、固体単位剤形は、1日あたりの投与量が十分に投与されるように、1つ以上の錠剤又はカプセルを隔日で投与するための説明書とともにブリスターパックに含まれる。
【0124】
[00117] 一態様では、化合物Aを投与することによって患者を処置する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、哺乳動物において、メニン-MLL相互作用を阻害する方法又はメニン-MLL相互作用の阻害から利益を受けるであろう疾患、障害若しくは状態を処置する方法が本明細書に提供され、これは、治療有効量の化合物A又は薬学的に許容される塩、薬学的に活性な代謝物、薬学的に許容されるプロドラッグ若しくは薬学的に許容される溶媒和物を哺乳動物に投与することを含む。
【0125】
[00118] 別の態様では、メニン-MLL相互作用を阻害するか、又はメニン-MLL相互作用の阻害により利益を受けるであろう疾患、障害若しくは状態を処置するための化合物Aの使用が本明細書に提供される。
【0126】
[00119] 別の態様では、哺乳動物においてKRAS変異癌を処置するための化合物Aの使用が本明細書に提供される。特定の実施形態では、癌は、固形腫瘍である。特定の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12変異である。特定の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12C、G12V、G13D又はG12D変異である。特定の実施形態では、KRAS変異は、G12C変異である。特定の実施形態では、KRAS変異は、G12V変異である。特定の実施形態では、KRAS変異は、G13D変異である。特定の実施形態では、KRAS変異は、G12D変異である。特定の実施形態では、化合物Aは、本明細書の他の箇所に記載されるような形態又は医薬製剤におけるものである。
【0127】
[00120] 別の態様では、KRAS変異を示さない哺乳動物(例えば、ヒト患者)の癌を処置するための化合物Aの使用が本明細書に提供される。
【0128】
[00121] 別の態様では、哺乳動物(例えば、ヒト患者)においてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を処置するための化合物Aの使用が本明細書に提供される。特定の実施形態では、哺乳動物は、トリプルヒットリンパ腫を有する。特定の実施形態では、哺乳動物は、二重発現(double expresser)リンパ腫を有する。特定の実施形態では、哺乳動物は、多発性骨髄腫を有する。特定の実施形態では、化合物Aは、本明細書の他の箇所に記載されるような形態又は医薬製剤におけるものである。
【0129】
[00122] 特定の実施形態では、化合物Aは、結晶形態Dにおけるものである。
【0130】
[00123] 特定の実施形態では、哺乳動物(例えば、患者)は、ダブルヒットリンパ腫(DHL)を有する。特定の実施形態では、哺乳動物(例えば、患者)は、トリプルヒットリンパ腫(THL)を有する。
【0131】
[00124] 特定の実施形態では、哺乳動物(例えば、患者)は、二重発現リンパ腫(DEL)を有する。
【0132】
[00125] 別の態様では、哺乳動物(例えば、ヒト患者)においてびまん性多発性骨髄腫を処置するための化合物Aの使用が本明細書に提供される。特定の実施形態では、化合物Aは、本明細書の他の箇所に記載されるような形態又は医薬製剤におけるものである。
【0133】
[00126] いくつかの実施形態では、結晶性化合物Aは、ヒトに投与される。
【0134】
[00127] いくつかの実施形態では、結晶性化合物Aは、経口投与される。
【0135】
[00128] 他の実施形態では、結晶性化合物Aは、メニン-MLL相互作用を阻害するための薬剤の製剤に使用される。いくつかの他の実施形態では、結晶性化合物Aは、メニン-MLL相互作用を阻害するための薬剤の製剤に使用される。
【0136】
[00129] 一態様では、化合物Aをさらに含む、本明細書に記載の医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において癌を処置する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、癌は、B細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、癌は、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)及び多発性骨髄腫から選択されるB細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、癌は、急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、癌は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、MLL/KMT2A遺伝子再構成を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、ATM変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、NPM1変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、TP53変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、NOTCH1変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、WT1変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、RAS変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、KRAS G12C変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、KRAS G12D変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、KRAS G12V変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、KRAS G13D変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、TET2変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、MYC増幅を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、del(13q)核型を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、12トリソミー核型を有する。いくつかの実施形態では、癌は、リンパ腫、白血病又は固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、癌は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病又はリンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象が癌に罹患している場合、上述の化合物又は実施形態の1つに加えて、抗癌剤が哺乳動物又は対象に投与される。一実施形態では、抗癌剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達の阻害剤である。
【0137】
[00130] 一態様では、化合物Aを含む、本明細書に記載の医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において炎症性疾患又は自己免疫疾患を処置する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、炎症性疾患は、喘息、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液嚢炎、子宮頸管炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、汗腺膿瘍、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、ブドウ膜炎、膣炎、脈管炎又は外陰炎である。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、炎症性腸疾患、関節炎、紅斑性狼瘡、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、スティル病、若年性関節炎、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オード甲状腺炎、グレーブス病、シェーグレン症候群、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経障害、子宮内膜症、間質性膀胱炎、ニューロミオトニア、強皮症又は外陰部痛である。
【0138】
[00131] 包装材料、包装材料内の化合物A及び化合物Aがメニン-MLLの活性を阻害するために使用されることを示すラベルを含む製品が提供される。
【0139】
[00132] さらなる態様では、哺乳動物に化合物Aを投与することを含む、哺乳動物において自己免疫疾患を処置する方法が本明細書に提供される。
【0140】
[00133] さらなる態様では、哺乳動物に化合物Aを投与することを含む、哺乳動物においてヘテロ免疫疾患又は状態を処置する方法が本明細書に提供される。
【0141】
[00134] さらなる態様では、哺乳動物に化合物Aを投与することを含む、哺乳動物において炎症性疾患を処置する方法が本明細書に提供される。
【0142】
[00135] さらなる態様では、哺乳動物に化合物Aを投与することを含む、哺乳動物において癌を処置する方法が本明細書に提供される。
【0143】
[00136] さらなる態様では、哺乳動物に化合物Aを投与することを含む、哺乳動物において血栓塞栓性障害を処置する方法が本明細書に提供される。血栓塞栓性疾患は、心筋梗塞、狭心症、血管形成後の再閉塞、血管形成後の再狭窄、大動脈冠動脈バイパス後の再閉塞、大動脈冠動脈バイパス後の再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性疾患、肺塞栓症又は深部静脈血栓症を含むが、これらに限定されない。
【0144】
[00137] 別の態様では、哺乳動物に有効量の化合物Aを少なくとも1回投与することを含む、炎症を処置する方法が提供される。
【0145】
[00138] 本明細書で提供されるさらなる態様は、有効量の化合物Aを哺乳動物に少なくとも1回投与することを含む、癌の処置方法である。癌の種類は、膵臓癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌及び他の固形腫瘍又は血液腫瘍を含み得るが、これらに限定されない。
【0146】
[00139] 別の態様では、哺乳動物に有効量の化合物Aを少なくとも1回投与することを含む、呼吸器疾患を処置する方法が提供される。この態様のさらなる実施形態では、呼吸器疾患は、喘息である。この態様のさらなる実施形態では、呼吸器系疾患は、成人呼吸窮迫症候群及びアレルギー性(外因性)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、急性の重度の喘息、慢性喘息、臨床的喘息、夜間喘息、アレルゲン誘発性喘息、アスピリン喘息、運動誘発性喘息、等炭酸ガス性過換気、小児期発症喘息、成人発症喘息、咳型喘息、職業性喘息、ステロイド抵抗性喘息及び季節性喘息を含むが、これらに限定されない。
【0147】
[00140] 別の態様では、哺乳動物に有効量の化合物Aを少なくとも1回投与することを含む、関節リウマチ及び/又は変形性関節症を予防する方法が提供される。
【0148】
[00141] 別の態様では、哺乳動物に有効量の化合物Aを少なくとも1回投与することを含む、皮膚の炎症反応を処置する方法が提供される。このような皮膚の炎症反応は、一例として、皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、酒さ及び瘢痕化を含む。別の態様では、有効量の化合物Aを哺乳動物に投与することを含む、皮膚、関節又は他の組織若しくは器官における乾癬性病変を軽減する方法が提供される。
【0149】
[00142] 前述の態様のいずれかでは、化合物Aが(a)哺乳動物に全身投与されるか;(b)哺乳動物に経口投与されるか;(c)哺乳動物に静脈内投与されるか;(d)吸入によって投与されるか;(e)経鼻投与によって投与されるか;(f)哺乳動物に注射により投与されるか;(g)哺乳動物に局所的(すなわち皮膚)に投与されるか;(h)眼部投与により投与されるか;又は(i)哺乳動物に直腸投与される、さらなる実施形態が提供される。
【0150】
[00143] 前述の態様のいずれかでは、化合物Aが(i)1日にわたって複数回;(ii)連続的に;又は(iii)継続的に投与される、さらなる実施形態を含む、化合物Aの単回投与を含むさらなる実施形態が提供される。
【0151】
[00144] 上記の態様のいずれかでは、化合物Aの複数回投与を含むさらなる実施形態であり、(i)化合物Aが単一用量で投与され;(ii)複数回投与間の時間が6時間おきであり;(iii)化合物Aが8時間ごとに哺乳動物に投与される、さらなる実施形態を含む。さらなる又は代替の実施形態では、方法は、休薬期間を含み、化合物Aの投与が一時的に中止されるか、又は投与される化合物Aの用量が一時的に低減される。特定の実施形態では、休薬期間の終わりに化合物Aの投与が再開される。休薬期間の長さは、2日~1年で変動し得る。
【0152】
[00145] 本明細書に開示される実施形態のいずれかに関連するいくつかの実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、化合物A又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、光学的に純粋である(すなわちHPLCで99%を超えるキラル純度)。本明細書に開示される実施形態のいずれかに関連するいくつかの実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、化合物A又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、a)より低いキラル純度の化合物A又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;b)N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド又は任意の光学純度の薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物;又はc)ラセミN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物で置き換えられる。
【0153】
[00146] 本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、非晶質化合物Aが使用される。本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物Aが使用される。本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物A(形態A)が使用される。本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物A(形態B)が使用される。本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物A(形態C)が使用される。本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物A(形態D)が使用される。本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物A(形態E)が使用される。本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物A(形態F)が使用される。本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物A(形態G)が使用される。本明細書に開示される任意の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物A(形態J)が使用される。
【0154】
[00147] 本明細書に開示される任意の特定の実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、結晶性化合物A(形態D)が使用される。
【0155】
[00148] 本明細書に開示される実施形態のいずれかに関連するいくつかの実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、化合物A又はその薬学的に許容される塩は、化合物Aの活性代謝物で置き換えられる。いくつかの実施形態では、活性代謝産物は、結晶形態におけるものである。いくつかの実施形態では、活性代謝産物は、非晶質相におけるものである。さらなる実施形態では、代謝産物は、単離される。本明細書に開示される実施形態のいずれかに関連するいくつかの実施形態(方法、使用、製剤、併用療法などを含む)では、化合物A又はその薬学的に許容される塩は、化合物Aのプロドラッグ若しくは化合物Aの重水素化類似体又はその薬学的に許容される塩で置き換えられる。特定の実施形態では、化合物Aは、結晶形態Dにおけるものである。
【0156】
[00149] 本明細書に記載の方法及び組成物の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明及び特定の例は、特定の実施形態を示すが、本開示の趣旨及び範囲内での様々な変形形態及び変更形態がこの詳細な説明から当業者に明らかになるため、例示として示されるにすぎないことが理解されるべきである。本明細書で使用される節の見出しは、整理のみを目的としたものであり、説明される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、論文、書籍、マニュアル及び論説を含むが、これらに限定されない、本出願において引用される全ての文献又は文献の一部は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0157】
参照による組み込み
[00150] 本明細書で言及される全ての刊行物及び特許出願公開は、適用可能な及び関連する範囲で参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
図の簡単な説明
図1A】[00151]形態Aの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
図2A】[00152]形態Bの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
図3A】[00153]形態Cの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
図4A】[00154]形態Dの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
図5A】[00155]形態Eの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
図6A】[00156]形態Fの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
図7A】[00157]形態Gの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
図8A】[00158]形態Jの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
図9A】[00159]遊離型パターンDの赤外(IR)スペクトルを示す。
図10】[00160]形態Dの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。
図11】[00161]形態DのDSCサーモグラムを示す。
図12】[00162]形態DのNMRスペクトルを示す。
図13】[00163]パターンDのXRPDパターンを示す。
図14】[00164]50℃で3時間乾燥させた後のパターンD(すなわちパターンD-乾燥)のTGAサーモグラムを示す。
図15】[00165]50℃で3時間乾燥させた後のパターンD(すなわちパターンD-乾燥)のDSCサーモグラムを示す。
図16】[00166]50℃で3時間乾燥させた後のパターンD(すなわちパターンD-乾燥)のH NMRスペクトルを示す。
図17】[00167]50℃で3時間乾燥させた後の遊離型パターンDのPLM写真を示す(すなわちパターンD-乾燥)。
図18】[00168]パターンD(すなわちパターンD-THF-水-乾燥)のXRPDパターンを示す。
図19】[00169]パターンD(すなわちパターンD-THF-水-乾燥)のTGAサーモグラムを示す。
図20】[00170]パターンD(すなわちパターンD-THF-水-乾燥)のDSCサーモグラムを示す。
図21】[00171]パターンD(すなわちパターンD-THF-水-乾燥)のH NMRスペクトルを示す。
図22】[00172]10分間の粉砕模擬実験後のパターンD(50mg)のXRPDオーバーレイを示す。
図23】[00173]10分間の粉砕模擬実験後のパターンD(50mg)のmDSCサーモグラムを示す。
図24】[00174]10分間の粉砕模擬実験後のパターンD(600mg)のXRPDオーバーレイを示す。
図25】[00175]10分間の粉砕模擬実験後のパターンD(600mg)のmDSCサーモグラムを示す。
図26】[00176]10分間の粉砕模擬実験後のパターンD(2g)のXRPDオーバーレイを示す。
図27】[00177]10分間の粉砕模擬実験後のパターンD(2g)のmDSCサーモグラムを示す。
図28A】[00178]第1相臨床試験のコホート、群、用量漸増及び用量拡大戦略を示す。
図28B】[00179]DHL(DB、Toledo、DOHH2)、THL(VAL)、DEL(U2932)及びGCB(SUDH8L)DLBCLサブタイプにおける、0.005μM~10μMの範囲の8つの用量濃度で4日間処理した後の、化合物A又はPS-341で処置した代表的なDLBCL細胞株の抗増殖効果及び強力な細胞致死性を示す。
図28C】[00180]MM1.R、JJN3、SKMM1及びSKMM2細胞株における、0.005μM~10μMの範囲の8つの用量濃度で4日間処理した後の、化合物A又はPS-341で処置した代表的なMM細胞株の抗増殖効果及び細胞致死性を示す。
図28D】[00181]化合物A又は臨床可逆的メニン阻害剤で処置した、患者由来のDLBCLトリプルヒットリンパ腫(THL)及びMYC増幅PDXサンプルの、6日間の処置後の相対生存率を示す。
図28E】[00182]化合物A又はPS-341による6日間の処置後の、新たに診断された(A、B)及び再発性/難治性(R/R)(C、D)MM患者由来の骨髄単核細胞(BMMC)の細胞増殖阻害を示す。
図28F】[00183]化合物AがDLBCL細胞においてメニンタンパク質を減少させることを示す。
図29A】[00184]化合物AがKRAS G12C細胞株の細胞死滅を誘導することを示す。
図29B】[00185]KRAS及びMEN1 KRAS変異細胞株の遺伝子発現の変化を示す。
図29C】[00186]化合物AがインビトロでKRAS変異細胞増殖を阻害することを示す。
図30A】[00187]エクスビボPDX組織の成長阻害%を示す。
図30B】[00188]エクスビボPDX組織の用量反応曲線を示す。
図31】[00189]化合物Aが、MOLM-13 AML細胞において、処置後24時間でBCL2転写物の90%超の減少を誘発することを示す。
図32A】[00190]化合物A又は臨床可逆的メニン阻害剤で処置した、患者由来のCLL PDXサンプルの、6日間の処置後の増殖阻害を示し、遺伝的バックグラウンドによって整理されている。
図32B】[00190]化合物A又は臨床可逆的メニン阻害剤で処置した、患者由来のCLL PDXサンプルの、6日間の処置後の増殖阻害を示し、データが入手可能な場合にはRai-Binetステージによって整理されている。
図32C】[00191]以前のベンダムスチンによる治療後の進行の臨床プロファイルを示す、化合物A又は臨床的可逆性メニン阻害剤で処置されたCLL PDXサンプルの用量反応曲線を示し、98.5%超の細胞致死率を有する化合物Aに対する高い感受性を示す。
図32D】[00192]以前のイブルチニブによる治療後の進行の臨床プロファイルを示す、化合物A又は臨床的可逆性メニン阻害剤で処置されたCLL PDXサンプルの用量反応曲線を示し、98.5%超の細胞致死率を有する化合物Aに対する高い感受性を示す。
図32E】[00193]以前のイブルチニブ及びベネトクラクスによる治療後の進行の臨床プロファイルを示す、化合物A又は臨床的可逆性メニン阻害剤で処置されたCLL PDXサンプルの用量反応曲線を示し、98.5%超の細胞致死率を有する化合物Aに対する高い感受性を示す。
図33】[00194]メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤である化合物Pを示す。
【発明を実施するための形態】
【0159】
詳細な説明
[00195] 様々な造血性細胞機能においてメニン-MLL相互作用が果たす多様な役割は、化合物Aなどのメニン-MLL相互作用の小分子阻害剤が、造血系統の多くの細胞により影響を受けるか又はそれに影響を及ぼす、様々な疾患(例えば、自己免疫疾患、異種免疫疾病又は疾患、炎症性疾患、癌(例えば、B細胞増殖性障害)及び血栓塞栓症の障害)の危険性を減少させること又はそれらを処置することに役立つことを示唆する。
【0160】
[00196] いくつかの実施形態では、化合物Aは、哺乳動物における自己免疫疾患の処置に使用することができ、それには、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、スティル病、若年性関節炎、紅斑性狼瘡、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オード甲状腺炎、グレーブス病、シェーグレン症候群、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経障害、子宮内膜症、間質性膀胱炎、ニューロミオトニア、強皮症及び外陰部痛が含まれるが、これらに限定されない。
【0161】
[00197] いくつかの実施形態では、化合物Aは、哺乳動物の異種免疫疾患又は状態の処置において使用することができ、異種免疫疾患又は状態には、移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー(例えば、植物の花粉、ラテックス、薬物、食物、昆虫毒、獣毛、動物のふけ、チリダニ又はゴキブリの萼に対するアレルギー)、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎及びアトピー性皮膚炎が含まれるが、これらに限定されない。
【0162】
[00198] いくつかの実施形態では、化合物Aは、哺乳動物における炎症性疾患の処置に使用することができ、それには、喘息、炎症性腸疾患、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液嚢炎、子宮頸管炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、汗腺膿瘍、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、ブドウ膜炎、膣炎、脈管炎及び外陰炎が含まれるが、これらに限定されない。
【0163】
[00199] さらに他の実施形態では、本明細書に記載される方法は、癌、例えば、B細胞増殖性疾患を処置するために使用され得、それには、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病及びリンパ腫様肉芽腫症が含まれるが、これらに限定されない。
【0164】
[00200] さらなる実施形態では、本明細書に記載される方法は、血栓塞栓性疾患を処置するために使用され得、血栓塞栓性疾患としては、心筋梗塞、狭心症(不安定狭心症を含む)、血管形成又は大動脈冠動脈バイパス後の再閉塞又は再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性疾患、肺塞栓症及び深部静脈血栓症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0165】
血液悪性腫瘍
[00201] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において血液悪性腫瘍を処置する方法が開示される。
【0166】
[00202] いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL又は非CLL/SLLリンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫(MM)、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫又は節外辺縁帯B細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、急性若しくは慢性骨髄性(又は骨髄球性)白血病、骨髄異形成症候群、急性リンパ芽球性白血病又は前駆体B細胞急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、急性前骨髄球性白血病(AMPL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、マントル細胞リンパ腫(MCL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、ABCサブタイプである。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、GCBサブタイプである。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、ダブルヒットリンパ腫(DHL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、トリプルヒットリンパ腫(THL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、ダブル/トリプルヒットリンパ腫(DHL/THL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、二重発現リンパ腫(DEL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、多発性骨髄腫(MM)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、バーキットリンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、濾胞性リンパ腫(FL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、形質転換濾胞性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、辺縁帯リンパ腫である。
【0167】
[00203] いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性の非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、再発性又は難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)、再発性又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)、再発性又は難治性のCLL、再発性又は難治性のSLL、再発性又は難治性の多発性骨髄腫、再発性又は難治性のワルデンシュトレームマクログロブリン血症、再発性又は難治性の多発性骨髄腫(MM)、再発性又は難治性の辺縁帯リンパ腫、再発性又は難治性のバーキットリンパ腫、再発性又は難治性の非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、再発性又は難治性の節外辺縁帯B細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性若しくは難治性の急性若しくは慢性骨髄性(又は骨髄球性)白血病、再発性若しくは難治性の骨髄異形成症候群、再発性若しくは難治性の急性リンパ芽球性白血病又は再発性若しくは難治性の前駆体B細胞急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性の急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性の急性前骨髄球性白血病(AMPL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性の急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、ABCサブタイプである。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、GCBサブタイプである。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のダブルヒットリンパ腫(DHL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のトリプルヒットリンパ腫(THL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のダブル/トリプルヒットリンパ腫(DHL/THL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性の二重発現リンパ腫(DEL)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性の多発性骨髄腫(MM)である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性のバーキットリンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)である。
【0168】
[00204] いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、高リスクとして分類される血液悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は高リスクCLL又は高リスクSLLである。
【0169】
[00205] B細胞リンパ増殖性疾患(BCLD)は血液の新生物であり、特に、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、白血病を包含する。BCLDは、リンパ組織(リンパ腫の場合のように)又は骨髄(白血病と髄腫の場合のように)のいずれかにおいて生じ得、それらは全て、リンパ細胞又は白血球の未制御成長と関連する。BCLDには、多くのサブタイプ、例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)がある。BCLDの疾患経過及び処置は、BCLDの亜型に依存する。しかし、各亜型内でも、臨床症状、形態学的外観及び治療に対する反応は、不均一である。
【0170】
[00206] 悪性リンパ腫は、主にリンパ組織内に存在する細胞の腫瘍性形質転換である。悪性リンパ腫には、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫(NHL)の2つのグループがある。いずれのタイプのリンパ腫も細網内皮系組織に浸潤する。しかし、それらは、起源の新生細胞、疾患の部位、全身病徴の存在及び処置に対する反応において、異なる(Freedman et al.,“Non-Hodgkin’s Lymphomas” Chapter 134, Cancer Medicine(American Cancer Society, B.C.Decker Inc., Hamilton, Ontario, 2003の承認された刊行物))。
【0171】
非ホジキンリンパ腫
[00207] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において非ホジキンリンパ腫を処置する方法が開示される。
【0172】
[00208] 本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性の非ホジキンリンパ腫を処置する方法がさらに開示される。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、再発性若しくは難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、再発性若しくは難治性のマントル細胞リンパ腫、再発性若しくは難治性の濾胞性リンパ腫又は再発性若しくは難治性のCLLである。
【0173】
[00209] 非ホジキンリンパ腫(NHL)は、主にB細胞起源である多様な悪性腫瘍のグループである。NHLは、脾臓、リンパ節又は扁桃腺など、リンパ系に関連するあらゆる器官で発生する可能性があり、あらゆる年齢で発生し得る。NHLは、多くの場合、リンパ節の腫大、発熱及び体重減少を特徴とする。NHLは、B細胞NHL又はT細胞NHLのいずれかに分類される。骨髄又は幹細胞移植後のリンパ増殖性疾患に関連するリンパ腫は、通常、B細胞NHLである。Working Formulation分類スキームでは、NHLは自然経過に基づいて低悪性度、中悪性度、高悪性度のカテゴリーに分類されている(“The Non-Hodgkin’s Lymphoma Pathologic Classification Project,”Cancer 49(1982):2112-2135を参照されたい)。低悪性度リンパ腫は緩徐進行性であり、生存期間中央値は5~10年である(Horning and Rosenberg (1984) N. Engl.J. Med.311:1471-1475)。化学療法は大部分の緩徐進行性リンパ腫で寛解を誘導できるが、治癒することは稀であり、大半の患者は最終的には再発し、さらなる治療が必要になる。中悪性度及び高悪性度のリンパ腫は、より侵襲性の腫瘍であるが、化学療法で治癒する可能性がより高い。しかし、これらの患者のかなりの割合は再発し、さらなる処置が必要になる。
【0174】
[00210] B細胞NHLの非限定的なリストは、バーキットリンパ腫(例えば、地方病性バーキットリンパ腫及び散発性バーキットリンパ腫)、皮膚B細胞リンパ腫、皮膚辺縁帯リンパ腫(MZL)、びまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)、びまん性混合小細胞及び大細胞型リンパ腫、びまん性小正円形細胞、小リンパ球性リンパ腫、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性小正円形細胞(グレード1)、濾胞性混合小正円形細胞及び大正円形細胞(グレード2)、濾胞性大型細胞(グレード3)、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、血管内リンパ腫症、大型免疫芽球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫(LCL)、リンパ芽球性リンパ腫、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)、節外辺縁帯B細胞リンパ腫粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、リンパ節周辺帯B細胞性リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、有毛細胞白血病、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症及び原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫を含む。さらなる非ホジキンリンパ腫も本開示の範囲内で企図されており、当業者に明らかであるはずである。
【0175】
DLBCL
[00211] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体においてDLCBLを処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性のDLCBLを処置する方法がさらに開示される。
【0176】
[00212] 本明細書で使用される場合、「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」という用語は、びまん性増殖パターン及び高い中間増殖指数を有する胚中心Bリンパ球の新生物を指す。DLBCLは全リンパ腫のおよそ30%を占め、中心芽球性、免疫芽球性、T細胞/組織球リッチ、未分化及び形質芽球性サブタイプを含むいくつかの形態学的変異を呈し得る。遺伝子検査では、DLBCLには異なるサブタイプがあることが示されている。これらのサブタイプは、異なる見通し(すなわち予後)及び処置への応答を有するようである。DLBCLはあらゆる年齢群に影響を及ぼすが、主に高齢者に発生する(例えば、平均年齢は60代半ば)。
【0177】
[00213] 特定の実施形態では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤を、300mg/日~最大で1000mg/日の量で個体に投与することを含む、それを必要とする個体においてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、活性化B細胞様サブタイプ(ABC-DLBCL)を処置するための方法が本明細書に開示される。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のABCサブタイプ(ABC-DLBCL)は、血漿分化中に停止した胚中心後B細胞から生じると考えられている。DLBCLのABCサブタイプ(ABC-DLBCL)は、DLBCL診断全体のおよそ30%を占める。これは、DLBCL分子サブタイプの中で最も治癒性が低いと考えられており、そのように、ABC-DLBCLと診断された患者は、典型的には、他のタイプのDLCBLを有する患者と比較して、生存率の大幅な低下を示す。ABC-DLBCLは、胚中心マスター制御因子BCL6の制御を解除する染色体転座及び形質細胞の分化に必要な転写抑制因子をコードするPRDM1遺伝子を不活性化する変異と、最も一般的に関連している。
【0178】
[00214] ABC-DLBCLの発症に特に関連するシグナル伝達経路は、核因子(NF)-κB転写複合体によって媒介されるものである。NF-κBファミリーは、様々な増殖、アポトーシス、炎症、免疫反応を媒介する転写因子として、ホモ二量体及びヘテロ二量体を形成する5つのメンバー(p50、p52、p65、c-rel及びRelB)を含み、正常なB細胞の発生及び生存に重要である。NF-κBは、細胞増殖及び細胞生存を制御する遺伝子の調節因子として、真核細胞によって広く使用されている。そのため、多くの異なる種類のヒト腫瘍ではNF-κBが誤って制御されており、NF-κBは構成的に活性である。活性型NF-κBは、細胞の増殖を維持し、アポトーシスによって細胞死を引き起こす可能性がある状態から細胞を保護する遺伝子の発現をオンにする。
【0179】
[00215] ABC DLBCLのNF-kBへの依存性は、CARD11、BCL10及びMALT1(すなわちCBM複合体)で構成されるIkBキナーゼの上流のシグナル伝達経路に依存する。CBM経路の干渉により、ABC DLBCL細胞のNF-kBシグナル伝達が消失し、アポトーシスが誘導される。NF-κB経路の構成的活性の分子基盤は現在の研究の対象であるが、ABC DLBCLのゲノムに対するいくつかの体細胞変化は明らかにこの経路を引き起こす。例えば、DLBCLにおけるCARD11のコイルドコイルドメインの体細胞変異により、このシグナル伝達足場タンパク質がMALT1及びBCL10とのタンパク質間相互作用の核を自発的に形成できるようになり、IKK活性及びNF-κB活性化が引き起こされる。B細胞受容体シグナル伝達経路の構成的活性は、野生型CARD11によるABC DLBCLにおけるNF-kBの活性化に関与しており、これはB細胞受容体サブユニットCD79A及びCD79Bの細胞質テール内の変異と関連している。シグナル伝達アダプターMYD88の発癌性活性化変異は、NF-κBを活性化し、ABC DLBCL細胞の生存を維持する際にB細胞受容体シグナル伝達と相乗作用する。さらに、NF-κB経路の負の制御因子であるA20の不活化変異は、ほぼ排他的にABC DLBCLで発生する。
【0180】
[00216] 実際、NF-κBシグナル伝達経路の複数の構成要素に影響を与える遺伝子変異が、ABC-DLBCL患者の50%超で最近特定されており、これらの病変は構成的なNF-κB活性化を促進し、それによりリンパ腫の増殖に寄与している。これらには、MALT1及びBCL10とともに、抗原受容体からNF-κB活性化の下流メディエーターにシグナルを中継するBCRシグナロソームを形成する、リンパ球特異的な細胞質足場タンパク質であるCARD11の変異(症例の約10%)が含まれる。さらに大部分の症例(約30%)は、負のNF-κB調節因子A20を不活性化する両アレル性の遺伝的病変を有する。さらに、ABC-DLBCL腫瘍サンプルでは、NF-κB標的遺伝子の高レベルの発現が観察されている。例えば、U. Klein et al., (2008), Nature Reviews Immunology 8:22-23;R.E.Davis et al., (2001), Journal of Experimental Medicine 194:1861-1874;G. Lentz et al., (2008), Science 319:1676-1679;M. Compagno et al., (2009), Nature 459:712-721;及びL. Srinivasan et al., (2009), Cell 139:573-586を参照されたい。
【0181】
[00217] OCI-Ly10などのABCサブタイプのDLBCL細胞は、慢性的に活性なBCRシグナル伝達を有し、本明細書に記載のメニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤に対して非常に感受性が高い。本明細書に記載のメニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤は、OCI-Ly10の増殖を強力及び不可逆的に阻害する(EC50連続曝露=10nM、EC501時間パルス=50nM)。さらに、カスパーゼ活性化、アネキシンVフローサイトメトリー及びサブG0画分の増加によって示されるように、アポトーシスの誘導がOCILy10で観察される。
【0182】
濾胞性リンパ腫
[00218] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において濾胞性リンパ腫を処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性の濾胞性リンパ腫を処置する方法がさらに開示される。
【0183】
[00219] 本明細書で使用される場合、「濾胞性リンパ腫」という用語は、リンパ腫細胞が結節又は濾胞に集合しているいくつかのタイプの非ホジキンリンパ腫のいずれかを指す。「濾胞性」という用語が使用されるのは、細胞がリンパ節内で環状又は節状のパターンで増殖する傾向にあるためである。このリンパ腫を有する患者の平均年齢は、約60歳である。
【0184】
CLL/SLL
[00220] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体においてCLL又はSLLを処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性のCLL又はSLLを処置する方法がさらに開示される。
【0185】
[00221] 慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)は、わずかに異なる症状を有する同じ疾患であると一般に考えられている。癌細胞がいずれの箇所に集まるかにより、その疾患がCLLと呼ばれるかSLLと呼ばれるかが決まる。癌細胞が主にリンパ系(主に体内にある小さい血管からなるシステム)のライマメ形状の構造であるリンパ節で見つかる場合、この疾患はSLLと呼ばれる。SLLは全てのリンパ腫の約5%~10%を占める。癌細胞の大部分が血流及び骨髄にある場合、この疾患はCLLと呼ばれる。
【0186】
[00222] CLL及びSLLはいずれも進行が遅い疾患であるが、はるかに一般的であるCLLは、より進行が遅い傾向にある。CLLとSLLは同じように処置される。これらは通常、標準処置では治癒できないと考えられているが、疾患の段階及び成長速度に依存して、大半の患者は10年以上生存する。場合により、経時的に、これらのゆっくりと進行するリンパ腫は、より侵襲性のリンパ腫に変化し得る。
【0187】
[00223] 慢性リンパ性白血病(CLL)は、最も一般的なタイプの白血病である。米国では100,760人がCLLを有するか又は寛解していると推定される。新たにCLLと診断された人の大半(>75%)は、50歳を超えている。現在、CLLの処置は、完全な治癒よりも、疾患及びその症状の制御に焦点を当てている。CLLは、化学療法、放射線療法、生物学的療法又は骨髄移植によって処置される。症状は、外科的(脾臓摘出による肥大した脾臓の除去)に又は放射線療法(腫脹したリンパ節の「減量」)によって処置されることもある。ほとんどの場合、CLLはゆっくりと進行するが、CLLは一般に治らないと考えられている。特定のCLLは、高リスクとして分類される。本明細書で使用される場合、「高リスクCLL」は、以下の少なくとも1つを特徴とするCLLを意味する:1)17p13-;2)11q22-;3)ZAP-70+及び/又はCD38+を伴う非変異IgVH;又は4)12トリソミー。
【0188】
[00224] CLL処置は、典型的には、患者の臨床症状又は血球数が、疾患が患者の生活の質に影響を与え得る点まで進行していることを示す場合に投与される。
【0189】
[00225] 小リンパ球性白血病(SLL)は、上記CLLに非常に類似しており、B細胞の癌でもある。SLLでは、異常なリンパ球が主にリンパ節に影響を与える。しかし、CLLでは、異常細胞は主に血液及び骨髄に影響を与える。脾臓はいずれの条件でも影響を受け得る。SLLは、非ホジキンリンパ腫の全症例の約25人に1人を占める。これは、若年成人期から老年期までいつでも発生し得るが、50歳未満では稀である。SLLは緩徐進行性リンパ腫であると考えられている。これは、疾患が非常にゆっくりと進行することを意味し、患者は診断後何年も生きる傾向にある。しかし、大半の患者は、進行疾患と診断されており、SLLは、様々な化学療法薬によく反応するが、一般に治らないと考えられている。一部の癌は、いずれかの性別でより頻繁に発生する傾向にあるが、SLLによる症例及び死亡は、男性と女性とで均等に分かれている。診断時の平均年齢は、60歳である。
【0190】
[00226] SLLは緩徐進行性であるが、持続進行性である。この疾患の通常のパターンは、放射線療法及び/又は化学療法に対する反応率が高く、一定期間の疾患の寛解を伴うものである。その数ヶ月又は数年後に不可避の再発が起こる。再処置により再び反応が得られるが、疾患は、再発もする。これは、SLLの短期的な予後は、非常に良好であるが、経時的に多くの患者が再発性疾患による致命的な合併症を発症することを意味する。典型的にCLL及びSLLと診断される個人の年齢を考慮すると、当技術分野では、患者の生活の質を妨げない、副作用が最小限の、疾患の簡単及び効果的な処置が必要とされている。本開示は、当技術分野におけるこの長年のニーズを満たすものである。
【0191】
マントル細胞リンパ腫
[00227] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体においてマントル細胞リンパ腫(MCL)を処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性のマントル細胞リンパ腫を処置する方法がさらに開示される。
【0192】
[00228] 本明細書で使用される場合、「マントル細胞リンパ腫」という用語は、正常な胚中心濾胞を取り囲むマントル層内のCD5陽性抗原ナイーブプレ胚中心B細胞に起因する、B細胞リンパ腫のサブタイプを指す。MCL細胞は一般に、DNA内のt(11:14)染色体転座によりサイクリンD1を過剰発現する。より具体的には、転座は、t(11;14)(q13;q32)にある。このタイプのリンパ腫は、わずか約5%である。細胞の大きさは小~中程度である。男性が最も頻繁に罹患する。患者の平均年齢は、60代前半である。リンパ腫が診断されるときは通常、リンパ節、骨髄、そして非常に多くの場合、脾臓を含む広範囲に広がっている。マントル細胞リンパ腫は、非常に速く増殖するリンパ腫ではないが、処置が困難である。
【0193】
辺縁帯B細胞リンパ腫
[00229] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において辺縁帯B細胞リンパ腫を処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性の辺縁帯B細胞リンパ腫を処置する方法がさらに開示される。
【0194】
[00230] 本明細書で使用される場合、「辺縁帯B細胞リンパ腫」という用語は、濾胞性マントル帯の外側の斑状領域である辺縁帯のリンパ組織を含む、関連するB細胞新生物のグループを指す。辺縁帯リンパ腫はリンパ腫の約5%~10%を占める。これらのリンパ腫の細胞は顕微鏡下で小さく見える。辺縁帯リンパ腫には、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫及び脾辺縁帯リンパ腫を含む3つの主なタイプがある。
【0195】
MALT
[00231] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体においてMALTを処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性のMALTを処置する方法がさらに開示される。
【0196】
[00232] 本明細書で使用される「粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫」という用語は、辺縁帯リンパ腫の節外発現を指す。MALTリンパ腫の大半は低悪性度であるが、少数は、最初に中悪性度の非ホジキンリンパ腫(NHL)として発現するか、又は低悪性度の形態から発展する。MALTリンパ腫の大半は胃で発生し、胃MALTリンパ腫の約70%はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染に関連している。いくつかの細胞遺伝学的異常が確認されており、最も一般的なものは3トリソミー又はt(11;18)である。これら他のMALTリンパ腫の多くも、細菌又はウイルスによる感染と関連付けられている。MALTリンパ腫を有する患者の平均年齢は、約60歳である。
【0197】
節性辺縁帯B細胞リンパ腫
[00233] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において節性辺縁帯B細胞リンパ腫を処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性の節性辺縁帯B細胞リンパ腫を処置する方法がさらに開示される。
【0198】
[00234] 「節性辺縁帯B細胞リンパ腫」という用語は、主にリンパ節で見られる緩徐進行性B細胞リンパ腫を指す。この疾患は稀で、非ホジキンリンパ腫(NHL)全体の1%のみを占める。これは最も一般的には高齢の患者で診断され、女性は男性よりも感受性が高い。変異がB細胞の辺縁帯で発生するため、この疾患は辺縁帯リンパ腫として分類される。リンパ節に疾患が限局されているため、この疾患は節性としても分類される。
【0199】
脾辺縁帯B細胞リンパ腫
[00235] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において脾辺縁帯B細胞リンパ腫を処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性の脾辺縁帯B細胞リンパ腫を処置する方法がさらに開示される。
【0200】
[00236] 「脾辺縁帯B細胞リンパ腫」という用語は、世界保健機関の分類に組み込まれている特定の低悪性度小細胞型B細胞リンパ腫を指す。特徴的な特性は、脾腫、絨毛形態を伴う中程度のリンパ球増加、様々な臓器、特に骨髄の類洞内関与パターン及び比較的緩徐進行性の経過である。芽球形態の増加を伴う腫瘍の進行及び侵襲性の挙動が少数の患者で観察される。分子及び細胞遺伝学的試験では、おそらく標準化された診断基準の欠如のため、不均一な結果が示されている。
【0201】
バーキットリンパ腫
[00237] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体においてバーキットリンパ腫を処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性のバーキットリンパ腫を処置する方法がさらに開示される。
【0202】
[00238] 「バーキットリンパ腫」という用語は、一般的に小児が罹患する非ホジキンリンパ腫(NHL)の一種を指す。これは非常に侵襲性の高いB細胞リンパ腫で、多くの場合リンパ節以外の身体部分に発生し、影響を及ぼす。バーキットリンパ腫は急速に増殖する性質であるが、多くの場合、最新の集中療法で治癒可能である。バーキットリンパ腫には、大きく分けて散発性と地方病性の2つのタイプがある。
【0203】
[00239] 地方病性バーキットリンパ腫。この疾患は、成人よりも小児ではるかに多く発生しており、95%の症例でエプスタイン・バーウイルス(EBV)感染に関連している。これはアフリカの赤道付近で主に発生しており、全ての小児癌の約半数はバーキットリンパ腫である。これは顎骨に関与する可能性が高いという特徴があり、散発性バーキットリンパ腫では稀な、特徴的な特性である。これは、一般に、腹部にも関与する。
【0204】
[00240] 散発性バーキットリンパ腫。ヨーロッパ及びアメリカ大陸を含む世界の他の地域に影響を及ぼすバーキットリンパ腫のタイプは、散発性タイプである。これも、主には小児における疾患である。エプスタイン・バーウイルス(EBV)との関連性は、地方病性の種類ほど強くはないが、患者の5人に1人にEBV感染の直接的なエビデンスが存在する。リンパ節関与よりも、90%を超える小児において顕著に影響を及ぼすのは腹部である。骨髄関与は、散発性の種類よりも一般的である。
【0205】
ワルデンシュトレームマクログロブリン血症
[00241] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体においてワルデンシュトレームマクログロブリン血症を処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性のワルデンシュトレームマクログロブリン血症を処置する方法がさらに開示される。
【0206】
[00242] 「ワルデンシュトレームマクログロブリン血症」という用語は、リンパ形質細胞性リンパ腫としても知られ、リンパ球と呼ばれる白血球のサブタイプが関与する癌である。これは、最終分化したBリンパ球の制御されないクローン増殖を特徴とする。これは、リンパ腫細胞が免疫グロブリンM(IgM)と呼ばれる抗体を作製することも特徴とする。IgM抗体は、血液中を大量に循環し、血液の液体部分をシロップのように濃くする。これにより、多くの臓器への血流が低下し、脳内の血流不良によって引き起こされる視力の問題(目の奥の血管の循環不良による)及び神経性の問題(すなわち頭痛、めまい及び錯乱)が発生し得る。他の症状には、疲労感及び脱力感並びに出血しやすい傾向が含まれ得る。根本的な病因は完全には理解されていないが、第6染色体上の遺伝子座6p21.3を含む、多くの危険因子が特定されている。自己抗体による自己免疫疾患の既往歴がある人では、WMを発症するリスクが2~3倍に増加し、特に肝炎、ヒト免疫不全ウイルス及びリケッチア症に関連するリスクが高くなる。
【0207】
多発性骨髄腫
[00243] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において骨髄腫を処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性の骨髄腫を処置する方法がさらに開示される。
【0208】
[00244] 多発性骨髄腫は、MM、骨髄腫、形質細胞骨髄腫又はカーレル病(すなわちOtto Kahlerにちなんで)としても知られ、形質細胞として知られる白血球の癌である。B細胞の一種である形質細胞は、ヒト及び他の脊椎動物の抗体の産生を担う免疫系の重要な部分である。これらは骨髄で産生され、リンパ系を通して輸送される。
【0209】
白血病
[00245] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において白血病を処置する方法が開示される。本明細書において、特定の実施形態では、治療有効量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において再発性又は難治性の白血病を処置する方法がさらに開示される。
【0210】
[00246] 白血病は、血液細胞、通常、白血球(白血球細胞)の異常な増加を特徴とする血液又は骨髄の癌である。白血病は、様々な疾患を含む広範な用語である。第1の区分は、急性型及び慢性型である。
【0211】
[00247] 急性白血病は、未熟な血液細胞の急速な増加を特徴とする。この密集により、骨髄は健康な血液細胞を産生できなくなる。急性白血病では、急速な進行及び悪性細胞の蓄積があり、その後血流に波及し、体の他の臓器に拡散するため、即時の処置が必要である。急性型の白血病は、小児における白血病の最も一般的な形態である。
【0212】
[00248] 慢性白血病は、比較的成熟しているが依然として異常な白血球が過剰に蓄積することによって区別される。典型的には、進行には数ヶ月又は数年かかり、正常な細胞よりもはるかに高い速度で細胞が産生され、その結果、血液中に異常な白血球が多数生じる。慢性白血病は主に高齢者に発生するが、理論的にはどの年齢層でも発生し得る。
【0213】
[00249] さらに、疾患は、どの種類の血液細胞が影響を受けるかに応じて細分化される。この分割により、白血病は、リンパ芽球性又はリンパ性白血病及び骨髄球性又は骨髄性白血病に分類される:(i)リンパ芽球性又はリンパ性白血病。癌の変化は、通常、感染に対処する免疫系細胞であるリンパ球を形成する一種の骨髄細胞において生じる;(ii)骨髄球性又は骨髄性白血病。癌の変化は、赤血球、他のいくつかのタイプの白血球及び血小板を形成する、一種の骨髄細胞において生じる。
【0214】
[00250] これらの主分類には、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、前駆体B細胞急性リンパ芽球性白血病(前駆体B-ALL;前駆体Bリンパ芽球性白血病とも呼ばれる)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)及び有毛細胞白血病(HCL)を含むが、これらに限定されない、いくつかの下位分類が存在する。したがって、特定の実施形態では、本明細書には、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体の急性リンパ芽球性白血病(ALL)、前駆体B細胞急性リンパ芽球性白血病(前駆体B-ALL;前駆体Bリンパ芽球性白血病とも呼ばれる)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)又は有毛細胞白血病(HCL)を処置する方法が開示される。いくつかの実施形態では、白血病は、再発性又は難治性の白血病である。いくつかの実施形態では、白血病は、再発性若しくは難治性の急性リンパ芽球性白血病(ALL)、再発性若しくは難治性の前駆体B細胞性急性リンパ芽球性白血病(前駆体B-ALL;前駆体Bリンパ芽球性白血病とも呼ばれる)、再発性若しくは難治性の急性骨髄性白血病(AML)、再発性若しくは難治性の慢性骨髄性白血病(CML)又は再発性若しくは難治性の有毛細胞白血病(HCL)である。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、MLL/KMT2A遺伝子再構成を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、NPM1変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、TP53変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、NOTCH1変異を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、del(13q)核型を有する。いくつかの実施形態では、哺乳動物又は対象は、12トリソミー核型を有する。
【0215】
[00251] 上述の各状態の症状、診断検査及び予後検査は、公知である。例えば、Harrison’s Principles of Internal Medicine(著作権),” 16th ed., 2004, The McGraw-Hill Companies, Inc. Dey et al. (2006), Cytojournal 3(24)及び「Revised European American Lymphoma」(REAL)分類システムを参照されたい(例えば、国立癌研究所が管理するウェブサイトを参照されたい)。
【0216】
[00252] 多くの動物モデルは、前述の疾患のいずれかを処置するための、化合物Aなどのメニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤化合物の治療有効量の範囲を確立するのに有用である。
【0217】
[00253] 前述の疾患のいずれかに対する化合物Aの治療効果は、処置の過程中に最適化することができる。例えば、処置を受けている哺乳動物又は対象は、疾患の症状又は病状の軽減を、所与の用量の化合物Aを投与することによって達成されるインビボのメニン-MLL活性の阻害と関連付けるための診断評価を受けることができる。したがって、哺乳動物又は対象に投与されるメニン-MLL相互作用阻害剤化合物の共有結合性阻害剤の量は、哺乳動物又は対象における疾患状態を処置するのに最適な阻害レベルを維持するために、必要に応じて増減することができる。
【0218】
[00254] 化合物Aは、メニン-MLLを不可逆的に阻害することができ、メニン-MLL又はメニン-MLL媒介性の状態又は疾患(癌、自己免疫疾患及び他の炎症性疾患を含むが、これらに限定されない)に罹患している哺乳動物を処置するために使用され得る。化合物Aは、本明細書に記載される多様な疾患及び状態において有効性を示している。
【0219】
[00255] いくつかの実施形態では、化合物Aは、前述の状態(例えば、自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー障害、B細胞増殖性障害又は血栓塞栓性障害)のいずれかを処置するための薬剤の製造に使用される。いくつかの実施形態では、癌はB細胞増殖性障害である。
【0220】
[00256] いくつかの実施形態では、B細胞増殖性障害は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、リンパ性白血病、ALL、軟部組織腫瘍、膠芽腫、膵臓腫瘍又は腎細胞癌である。
【0221】
[00257] いくつかの実施形態では、癌は、青年期の癌、小児副腎皮質癌、エイズ関連癌(例えば、リンパ腫及びカポジ肉腫)、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、非定型奇形腫、基底細胞癌、胆管癌又は膀胱癌である。
【0222】
[00258] いくつかの実施形態では、癌は、骨癌、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、非定型奇形腫、胎児性腫瘍、胚細胞腫瘍、原発性リンパ腫、子宮頸癌、小児癌、脊索腫又は心臓腫瘍、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、肝外非浸潤性管癌(DCIS)、胎児性腫瘍、ユーイング肉腫、頭蓋外生殖細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、ホジキンリンパ腫、島細胞腫瘍、膵臓神経内分泌腫瘍、正中線癌及び/又は非ホジキンリンパ腫である。
【0223】
[00259] いくつかの実施形態では、癌は、多発性内分泌新生物症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物及び/又は多発性骨髄腫である。
【0224】
[00260] いくつかの実施形態では、癌は、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、骨の悪性線維性組織球腫及び骨肉腫、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、口腔癌、口唇口腔癌、中咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、胸膜肺芽腫又は原発性中枢神経系(CNS)である。
【0225】
[00261] いくつかの実施形態では、癌は、有毛細胞白血病、頭頸部癌、心臓癌、肝臓癌、下咽頭癌、眼内黒色腫、腎臓癌、喉頭癌、口唇口腔癌、肝臓癌、非浸潤性小葉癌(LCIS)、肺癌、リンパ腫、原発不明の転移性扁平上皮頸部癌又は口腔癌である。
【0226】
[00262] いくつかの実施形態では、癌は、多発性内分泌新生物症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、多発性骨髄腫、リンパ腫、前立腺癌、直腸癌又は移行上皮癌である。
【0227】
[00263] いくつかの実施形態では、癌は、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、腹部(胃)癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、T細胞リンパ腫、精巣癌、咽頭癌、胸腺腫及び胸腺癌、甲状腺癌、腎盂及び尿管の移行上皮癌、絨毛性腫瘍、小児稀少癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌又はウイルス誘発癌である。いくつかの実施形態では、前記方法は、皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄又は前立腺障害(例えば、良性前立腺肥大症(BPH))などの非癌性過剰増殖性障害の処置に関する。
【0228】
[00264] いくつかの実施形態では、癌は、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌及び/又は結腸直腸癌である。
【0229】
[00265] いくつかの実施形態では、癌は、CNS癌、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、感覚神経芽腫、眼癌、骨の線維性組織球腫、胆嚢癌及び/又は胃癌である。
【0230】
[00266] 特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物を哺乳動物に投与することを含む、以下の疾患又は状態を処置する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、疾患又は状態は、ALL(急性リンパ芽球性リンパ腫)、DLBCL(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、FL(濾胞性リンパ腫)、RCC(腎細胞癌)、小児髄芽腫、膠芽腫、膵臓の腫瘍又は癌、肝臓癌(肝細胞癌)、前立腺癌(Myc)、トリプルネガティブ乳癌(Myc)、AML(急性骨髄性白血病)又はMDS(骨髄異形成症候群)である。いくつかの実施形態では、疾患又は状態は、早発性ジストニアである。さらにいくつかの実施形態では、疾患又は状態は、歌舞伎症候群である。
【0231】
[00267] いくつかの実施形態では、疾患又は状態は、p53駆動型の腫瘍である。
【0232】
[00268] いくつかの実施形態では、疾患又は状態は、MYC駆動型の腫瘍である。MYCは多くの癌に広く関与していることが確認されており、ヒトの癌の最大70%でその発現が上昇しているか、又は無秩序であると推定されている。高レベルのMYC発現は、侵襲性のヒト前立腺癌及びトリプルネガティブ乳癌と関連付けられている(Gurel et al., Mod Pathol.2008 Sep; 21(9):1156-67;Palaskas et al., Cancer Res.2011 Aug 1; 71(15):5164-74)。Myc媒介腫瘍形成の実験モデルは、確立された腫瘍がMycに依存し、Mycの発現の調節が解除されると、Mycだけでなく、栄養素にも依存することが示唆されている。これらのMyc誘導性の変化は、新しい治療戦略のためのユニークな機会を提供する。正常な増殖細胞(幹細胞コンパートメント及び免疫細胞)も再生にMYCを使用するという事実にもかかわらず、多くの研究が癌治療のためにMycを標的とすることに焦点を当ててきた。MYC発現を阻害し、Myc-Max二量体化を妨げ、Myc-Max DNA結合を阻害し、主要なMyc標的遺伝子に干渉する戦略が出現した(Dang et al.Cell.2012, 149(1):22-35)。
【0233】
[00269] いくつかの実施形態では、化合物Aは、メニン依存性急性骨髄性白血病(AML)、メニン依存性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、メニン依存性ダブル/トリプルヒットリンパ腫(DHL/THL)、メニン依存性二重発現リンパ腫(DEL)及びメニン依存性多発性骨髄腫(MM)を処置するために使用され得る。
【0234】
[00270] いくつかの実施形態では、化合物Aは、メニン非依存性急性骨髄性白血病(AML)、メニン非依存性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、メニン非依存性ダブル/トリプルヒットリンパ腫(DHL/THL)、メニン非依存性二重発現リンパ腫(DEL)及びメニン非依存性多発性骨髄腫(MM)を処置するために使用され得る。
【0235】
[00271] いくつかの実施形態では、化合物Aは、メニン依存性癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、メニン非依存性癌を処置するために使用され得る。
【0236】
[00272] いくつかの実施形態では、化合物Aは、メニン依存性血液悪性腫瘍を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、メニン非依存性血液悪性腫瘍を処置するために使用され得る。
【0237】
[00273] いくつかの実施形態では、化合物Aは、ヌクレオホスミン(NMP1)遺伝子の変異を伴う血液悪性腫瘍を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、ヌクレオホスミン(NMP1)遺伝子の変異を伴わない血液悪性腫瘍を処置するために使用され得る。
【0238】
[00274] いくつかの実施形態では、化合物Aは、再構成されたMLLを伴う血液悪性腫瘍を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、MLLを再構成しない血液悪性腫瘍を処置するために使用され得る。
【0239】
[00275] いくつかの実施形態では、化合物Aは、MYC依存性急性骨髄性白血病(AML)、MYC依存性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、MYC依存性ダブル/トリプルヒットリンパ腫(DHL/THL)、MYC依存性二重発現リンパ腫(DEL)及びMYC依存性多発性骨髄腫(MM)を処置するために使用され得る。
【0240】
[00276] いくつかの実施形態では、化合物Aは、MYC非依存性急性骨髄性白血病(AML)、MYC非依存性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、MYC非依存性ダブル/トリプルヒットリンパ腫(DHL/THL)、MYC非依存性二重発現リンパ腫(DEL)及びMYC非依存性多発性骨髄腫(MM)を処置するために使用され得る。
【0241】
[00277] いくつかの実施形態では、化合物Aは、再発性/難治性(R/R)急性白血病(AL)、DLBCL及びMMを処置するために使用され得る。
【0242】
[00278] いくつかの実施形態では、化合物Aは、p53遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、p53遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0243】
[00279] いくつかの実施形態では、化合物Aは、RAS遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、KRAS遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、KRAS遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0244】
[00280] いくつかの実施形態では、化合物Aは、過剰発現したBCL2を有するCLL患者を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、BCL2を過剰発現しないCLL患者を処置するために使用され得る。
【0245】
[00281] いくつかの実施形態では、化合物Aは、ATM遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、ATM遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0246】
[00282] いくつかの実施形態では、化合物Aは、Notch1遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、Notch1遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0247】
[00283] いくつかの実施形態では、化合物Aは、TP53遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、TP53遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0248】
[00284] いくつかの実施形態では、化合物Aは、WT1遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、WT1遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0249】
[00285] いくつかの実施形態では、化合物Aは、KMT2A遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、KMT2A遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0250】
[00286] いくつかの実施形態では、化合物Aは、TET2遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、TET2遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0251】
[00287] いくつかの実施形態では、化合物Aは、Del(13q)遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、Del(13q)遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0252】
[00288] いくつかの実施形態では、化合物Aは、12トリソミー遺伝子の変異を伴う癌を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物Aは、12トリソミー遺伝子の変異を伴わない癌を処置するために使用され得る。
【0253】
化合物A及びその薬学的に許容される塩
[00289] 「化合物A」又は「N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(「1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド」又は他の適切な名称は、以下の構造を有する化合物を指す。
【化1】
【0254】
[00290] 多様な薬学的に許容される塩が化合物Aから形成され、以下を含む。
- 化合物Aを、有機酸(脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシルアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸、アミノ酸などを含み;例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む)と反応させることによって形成される酸付加塩;
- 化合物Aを、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などを含む)と反応させることによって形成される酸付加塩。
【0255】
[00291] 化合物Aに関する「薬学的に許容される塩」という用語は、投与される哺乳動物に重大な刺激を引き起こさず、中性化合物の生物学的活性及び特性を実質的に無効にしない、化合物Aの塩を指す。
【0256】
[00292] 薬学的に許容される塩への言及には、溶媒付加形態(溶媒和物)が含まれることが理解されるべきである。溶媒和物は、化学量論的量又は非化学量論的量の溶媒を含有し、水、エタノール、メタノール、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、ヘプタン、トルエン、アニソール、アセトニトリルなど、薬学的に許容される溶媒による生成物形成又は分離のプロセス中に形成される。一態様では、溶媒和物は、クラス3溶媒を使用して形成されるが、これに限定されない。溶媒の分類は、例えば、医薬品規制調和国際会議(ICH、the International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use)、「Impurities: Guidelines for Residual Solvents, Q3C(R3)」(2005年11月)に定義されている。溶媒が水である場合には水和物が形成され、溶媒がアルコールである場合にはアルコラートが形成される。いくつかの実施形態では、化合物Aの溶媒和物又はその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載のプロセス中に好都合に調製又は形成される。いくつかの実施形態では、化合物Aの溶媒和物は無水である。いくつかの実施形態では、化合物A又はその薬学的に許容される塩は、非溶媒和形態で存在する。いくつかの実施形態では、化合物A又はその薬学的に許容される塩は、非溶媒和形態で存在し、無水である。
【0257】
[00293] さらに他の実施形態では、化合物A又はその薬学的に許容される塩は、非晶質相、結晶形態、粉砕形態及びナノ粒子形態を含むが、これらに限定されない様々な形態で調製される。いくつかの実施形態では、化合物A又はその薬学的に許容される塩は、非晶質である。いくつかの実施形態では、化合物A又はその薬学的に許容される塩は、非晶質及び無水である。いくつかの実施形態では、化合物A又はその薬学的に許容される塩は、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物A又はその薬学的に許容される塩は、結晶性及び無水である。
【0258】
[00294] 組成物に関して「実質的に含まない」又は「実質的に存在しない」という用語は、少なくとも50重量%、60重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%若しくは90重量%、特定の実施形態では、95重量%、98重量%、99重量%若しくは100重量%又は特定の実施形態では、95%、98%、99%若しくは100%の化合物の指定されたエナンチオマーを含む組成物を指す。特定の実施形態では、本明細書に提供される方法及び化合物において、化合物は、2つのエナンチオマーの1つを実質的に含まない。特定の実施形態では、本明細書に提供される方法及び化合物において、化合物は、別のエナンチオマーを実質的に含まない。
【0259】
[00295] 同様に、組成物に関する「単離された」という用語は、少なくとも50重量%、60重量%、70重量%、75重量%、85重量%、90重量%、95重量%、98重量%又は99重量%~100重量%の化合物を含み、残りは他方のエナンチオマーを含む組成物を指す。
【0260】
[00296] 本明細書で使用される場合、「鏡像異性体過剰率(ee)」は、例えば単一の立体中心を含む、キラル物質の純度を表す無次元モル比を指す。例えば、エナンチオマー過剰率がゼロである場合、ラセミ体(例えば、エナンチオマーの50:50混合物又は一方のエナンチオマーが他方に対して過剰でないこと)を示すであろう。さらなる例として、99のエナンチオマー過剰率は、ほぼ立体純粋なエナンチオマー化合物(すなわち一方のエナンチオマーが他方に対して大過剰)であることを示すであろう。エナンチオマー過剰率、%ee=([(R)-化合物]-[(S)-化合物])/([(R)-化合物]+[(S)-化合物])×100、ここで、(R)-化合物>(S)-化合物;又は%ee=([(S)-化合物]-[(R)-化合物])/([(S)-化合物]+[(R)-化合物])×100、ここで、(S)-化合物>(R)-化合物。
【0261】
[00297] いくつかの実施形態では、化合物Aは、米国特許第11,084,825号に概説されているように調製される。
【0262】
非晶質化合物A
[00298] いくつかの実施形態では、化合物Aは、非晶質及び無水である。いくつかの実施形態では、化合物Aは、非晶質である。いくつかの実施形態では、非晶質化合物Aは、結晶性の欠如を示す粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0263】
化合物A、形態A
[00299] いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶形態Aである。化合物Aの結晶形態Aは、以下の特性:
(a)図1Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)3.5±0.1°2-シータ、10.4±0.1°2-シータ、14.7±0.1°2-シータ、17.1±0.1°2-シータ、21±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、29.5±0.1°2-シータ及び34.1±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)3.5±0.1°2-シータ、17.1±0.1°2-シータ、21.0±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ及び29.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)約234.6℃における開始及び約245℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラム;又は
(e)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0264】
[00300] いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Aは、(a)~(e)から選択される少なくとも2つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Aは、(a)~(e)から選択される少なくとも3つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Aは、(a)~(e)から選択される少なくとも4つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Aは、(a)~(e)から選択される5つ全ての特性を有することを特徴とする。
【0265】
[00301] いくつかの実施形態では、形態Aは、図1Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Aは、3.5±0.1°2-シータ、10.4±0.1°2-シータ、14.7±0.1°2-シータ、17.1±0.1°2-シータ、21.0±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、29.5±0.1°2-シータ及び30.0±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0266】
[00302] いくつかの実施形態では、形態Aは、非吸湿性を有する。いくつかの実施形態では、形態Aは、吸湿性を有する。
【0267】
[00303] いくつかの実施形態では、形態Aは、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、ニトロメタン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジオキサン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、アニソール、アセトン、ヘプタン、メタノール:水混合物又はアセトン:ヘプタン混合物から得られる。いくつかの実施形態では、形態Aは、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、ニトロメタン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジオキサン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、アニソール、アセトン、ヘプタン又はアセトン:ヘプタン混合物から得られる。
【0268】
[00304] いくつかの実施形態では、形態Aは、溶媒和されていない。いくつかの実施形態では、形態Aは、無水物である。いくつかの実施形態では、形態Aは、溶媒和されている。いくつかの実施形態では、形態Aは、含水であるか又は水和物である。
【0269】
化合物A、形態B
[00305] いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶形態Bである。化合物Aの結晶形態Bは、以下の特性:
(a)図2Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)5.9±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、10.5±0.1°2-シータ、12.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、19±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)8.6±0.1°2-シータ、10.5±0.1°2-シータ、12.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;又は
(d)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0270】
[00306] いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Bは、(a)~(d)から選択される少なくとも2つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Bは、(a)~(d)から選択される少なくとも3つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Bは、(a)~(d)から選択される4つ全ての特性を有することを特徴とする。
【0271】
[00307] いくつかの実施形態では、形態Bは、図2Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Bは、8.6±0.1°2-シータ、10.5±0.1°2-シータ、12.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0272】
[00308] いくつかの実施形態では、形態Bは、メタノールと水との混合物から得られたものである。
【0273】
[00309] いくつかの実施形態では、形態Bは、溶媒和されていない。いくつかの実施形態では、形態Bは、無水物である。いくつかの実施形態では、形態Bは、溶媒和されている。いくつかの実施形態では、形態Bは、水和物である。
【0274】
化合物A、形態C
[00310] いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶形態Cである。化合物Aの結晶形態Cは、以下の特性:
(a)図3Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)5.2±0.1°2-シータ、5.9±0.1°2-シータ、7.2±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.6±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.1±0.1°2-シータ、15.9±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.1±0.1°2-シータ及び20.1±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)5.2±0.1°2-シータ、5.9±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.9±0.1°2-シータ及び17.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)約150.23℃における開始及び約156.86℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラム;又は
(e)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0275】
[00311] いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Cは、(a)~(e)から選択される少なくとも2つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Cは、(a)~(e)から選択される少なくとも3つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Cは、(a)~(e)から選択される少なくとも4つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Cは、(a)~(e)から選択される5つ全ての特性を有することを特徴とする。
【0276】
[00312] いくつかの実施形態では、形態Cは、図3Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Cは、5.2±0.1°2-シータ、5.9±0.1°2-シータ、7.2±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.6±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.1±0.1°2-シータ、15.9±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.1±0.1°2-シータ及び20.1±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Cは、5.2±0.1°2-シータ、5.9±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.9±0.1°2-シータ及び17.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0277】
化合物A、形態D
[00313] いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶形態Dである。化合物Aの結晶形態Dは、以下の特性:
(a)図4Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)3.4±0.1°2-シータ、5.3±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、21.5±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)3.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.7±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)開放容器内で40℃及び75%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(e)開放容器内で25℃及び92%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(f)閉鎖容器内で60℃及び75%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後の実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(g)図9Aに記載のものと実質的に同様の赤外(IR)スペクトル;
(h)約3332cm-1(標識なし)、約2853cm-1(標識なし)、約1561cm-1(標識なし)、約1523cm-1、約1438cm-1、約1257cm-1、1112cm-1及び約930cm-1の赤外(IR)スペクトルピーク(図9A);
(i)図10に記載のものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラム;
(j)図11に記載のものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(k)約260.5℃における開始及び約273℃におけるピークを有する吸熱及び発熱を有するDSCサーモグラム;
(l)図12に記載のものと実質的に同様のH NMR(NMR)スペクトル;
(m)25℃において40%RH~70%RHで観察される吸湿性及び約2.1%の水分吸収;
(n)約pH4.5で観察される約0.004mg/mLの水溶解度;又は
(o)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0278】
[00314] いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、(a)~(n)から選択される少なくとも2つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、(a)~(n)から選択される少なくとも3つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、(a)~(n)から選択される少なくとも4つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、(a)~(n)から選択される少なくとも5つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、(a)~(n)から選択される少なくとも6つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、(a)~(n)から選択される少なくとも7つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、(a)~(n)から選択される少なくとも8つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、(a)~(n)から選択される少なくとも9つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、(a)~(n)から選択される少なくとも10個の特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Dは、特性(a)~(n)を有することを特徴とする。
【0279】
[00315] いくつかの実施形態では、形態Dは、図4Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Dは、3.4±0.1°2-シータ、5.3±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、21.5±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Dは、3.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.7±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0280】
[00316] いくつかの実施形態では、形態Dは、図10に記載のものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。
【0281】
[00317] いくつかの実施形態では、形態Dは、図11に記載のものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する。
【0282】
[00318] いくつかの実施形態では、形態Dは、図12に記載のものと実質的に同様のNMRスペクトルを有する。
【0283】
[00319] いくつかの実施形態では、形態Dは、メチルイソブチルケトン(MIBK)から得られた。いくつかの実施形態では、形態Dは、溶媒和されている。いくつかの実施形態では、形態Dは、メチルイソブチルケトン(MIBK)で溶媒和される。
【0284】
化合物A、形態E
[00320] いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶形態Eである。化合物Aの結晶形態Eは、以下の特性:
(a)図5Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)3.4±0.1°2-シータ、4.7±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、6.9±0.1°2-シータ、7.1±0.1°2-シータ、7.6±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、9.3±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、13±0.1°2-シータ、13.8±0.1°2-シータ、15.7±0.1°2-シータ、16.2±0.1°2-シータ、16.7±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.4±0.1°2-シータ、18.6±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、20.7±0.1°2-シータ、21.4±0.1°2-シータ、22.2±0.1°2-シータ、23±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、26±0.1°2-シータ、28±0.1°2-シータ、29.2±0.1°2-シータ、30.5±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.6±0.1°2-シータ及び34.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)4.7±0.1°2-シータ、7.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、13.8±0.1°2-シータ、17.0±0.1°2-シータ、18.4±0.1°2-シータ及び18.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)約112.34℃における開始及び約137.26℃におけるピークを有する吸熱を有するDSCサーモグラム;又は
(e)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0285】
[00321] いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Eは、(a)~(d)から選択される少なくとも2つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Eは、(a)~(d)から選択される少なくとも3つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Eは、(a)~(d)から選択される4つ全ての特性を有することを特徴とする。
【0286】
[00322] いくつかの実施形態では、形態Eは、図5Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Eは、3.4±0.1°2-シータ、4.7±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、6.9±0.1°2-シータ、7.1±0.1°2-シータ、7.6±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、9.3±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、13±0.1°2-シータ、13.8±0.1°2-シータ、15.7±0.1°2-シータ、16.2±0.1°2-シータ、16.7±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.4±0.1°2-シータ、18.6±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、20.7±0.1°2-シータ、21.4±0.1°2-シータ、22.2±0.1°2-シータ、23±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、26±0.1°2-シータ、28±0.1°2-シータ、29.2±0.1°2-シータ、30.5±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.6±0.1°2-シータ及び34.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Eは、4.7±0.1°2-シータ、7.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、13.8±0.1°2-シータ、17.0±0.1°2-シータ、18.4±0.1°2-シータ及び18.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0287】
化合物A、形態F
[00323] いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶形態Fである。化合物Aの結晶形態Fは、以下の特性:
(a)図6Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)4.2±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、8.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、14.4±0.1°2-シータ、15±0.1°2-シータ、16±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、17.8±0.1°2-シータ、18.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ、20.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、21.7±0.1°2-シータ、22.1±0.1°2-シータ、23.4±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、25.5±0.1°2-シータ、26.3±0.1°2-シータ、27.1±0.1°2-シータ、29±0.1°2-シータ、30.3±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.1±0.1°2-シータ、34.3±0.1°2-シータ及び35.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)6.3±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、8.8±0.1°2-シータ、11.9±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.4±0.1°2-シータ、15.0±0.1°2-シータ及び20.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;又は
(d)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0288】
[00324] いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Fは、(a)~(d)から選択される少なくとも2つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Fは、(a)~(d)から選択される少なくとも3つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Fは、(a)~(d)から選択される4つ全ての特性を有することを特徴とする。
【0289】
[00325] いくつかの実施形態では、形態Fは、図6Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Fは、4.2±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、8.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、14.4±0.1°2-シータ、15±0.1°2-シータ、16±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、17.8±0.1°2-シータ、18.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ、20.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、21.7±0.1°2-シータ、22.1±0.1°2-シータ、23.4±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、25.5±0.1°2-シータ、26.3±0.1°2-シータ、27.1±0.1°2-シータ、29±0.1°2-シータ、30.3±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.1±0.1°2-シータ、34.3±0.1°2-シータ及び35.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Fは、6.3±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、8.8±0.1°2-シータ、11.9±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.4±0.1°2-シータ、15.0±0.1°2-シータ及び20.5±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0290】
化合物A、形態G
[00326] いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶形態Gである。化合物Aの結晶形態Gは、以下の特性:
(a)図7Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)8±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、12.1±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)8.1±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、12.1±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;又は
(d)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0291】
[00327] いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Gは、(a)~(d)から選択される少なくとも2つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Gは、(a)~(d)から選択される少なくとも3つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Gは、(a)~(d)から選択される4つ全ての特性を有することを特徴とする。
【0292】
[00328] いくつかの実施形態では、形態Gは、図7Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Gは、8±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、12.1±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Gは、8.1±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、12.1±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0293】
化合物A、形態J
[00329] いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物Aは、結晶形態Jである。化合物Aの結晶形態Jは、以下の特性:
(a)図8Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン;
(b)3.5±0.1°2-シータ、4.5±0.1°2-シータ、6.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、11.3±0.1°2-シータ、11.8±0.1°2-シータ、13.2±0.1°2-シータ、13.6±0.1°2-シータ、14±0.1°2-シータ、14.6±0.1°2-シータ、15.4±0.1°2-シータ、16.1±0.1°2-シータ、16.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、18.3±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、20.8±0.1°2-シータ、21.6±0.1°2-シータ、23.5±0.1°2-シータ、23.8±0.1°2-シータ、24.6±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、25.2±0.1°2-シータ、25.8±0.1°2-シータ、26.2±0.1°2-シータ、26.7±0.1°2-シータ、26.8±0.1°2-シータ、27.4±0.1°2-シータ、27.7±0.1°2-シータ、28.7±0.1°2-シータ、29.3±0.1°2-シータ、30.1±0.1°2-シータ、31.2±0.1°2-シータ、31.8±0.1°2-シータ、34.1±0.1°2-シータ、34.9±0.1°2-シータ、35.6±0.1°2-シータ、36.4±0.1°2-シータ、36.7±0.1°2-シータ、38.5±0.1°2-シータ及び38.8±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(c)3.5±0.1°2-シータ、4.5±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、21.6±0.1°2-シータ、22.5±0.1°2-シータ及び27.4±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターン;
(d)25℃において40%RH~70%RHで観察される吸湿性及び約2.1%の水分吸収;又は
(e)それらの組み合わせ
の少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0294】
[00330] いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Jは、(a)~(e)から選択される少なくとも2つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Jは、(a)~(e)から選択される少なくとも3つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Jは、(a)~(e)から選択される少なくとも4つの特性を有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Aの形態Jは、(a)~(e)から選択される5つ全ての特性を有することを特徴とする。
【0295】
[00331] いくつかの実施形態では、形態Gは、図8Aに示されるのと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Gは、.5±0.1°2-シータ、4.5±0.1°2-シータ、6.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、11.3±0.1°2-シータ、11.8±0.1°2-シータ、13.2±0.1°2-シータ、13.6±0.1°2-シータ、14±0.1°2-シータ、14.6±0.1°2-シータ、15.4±0.1°2-シータ、16.1±0.1°2-シータ、16.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、18.3±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、20.8±0.1°2-シータ、21.6±0.1°2-シータ、23.5±0.1°2-シータ、23.8±0.1°2-シータ、24.6±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、25.2±0.1°2-シータ、25.8±0.1°2-シータ、26.2±0.1°2-シータ、26.7±0.1°2-シータ、26.8±0.1°2-シータ、27.4±0.1°2-シータ、27.7±0.1°2-シータ、28.7±0.1°2-シータ、29.3±0.1°2-シータ、30.1±0.1°2-シータ、31.2±0.1°2-シータ、31.8±0.1°2-シータ、34.1±0.1°2-シータ、34.9±0.1°2-シータ、35.6±0.1°2-シータ、36.4±0.1°2-シータ、36.7±0.1°2-シータ、38.5±0.1°2-シータ及び38.8±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Gは、3.5±0.1°2-シータ、4.5±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、21.6±0.1°2-シータ、22.5±0.1°2-シータ及び27.4±0.1°2-シータにおいて特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
【0296】
結晶形態の調製
[00332] いくつかの実施形態では、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドの結晶形態は、実施例に概説するように調製される。本明細書に示される溶媒、温度及び他の反応条件は変化し得ることに留意されたい。
【0297】
適切な溶媒
[00333] ヒトなどの哺乳動物に投与可能な治療剤は、規制ガイドラインに従って調製される。このような政府規制のガイドラインは、適正製造規範(GMP)と呼ばれる。GMPガイドラインでは、有効な治療剤の許容可能な汚染レベル、例えば、最終製品中の残留溶媒の量を概説している。許容される溶媒は、GMP施設における使用に適しており、産業安全上の懸念と一致するものである。溶媒の分類は、例えば、医薬品規制調和国際会議(ICH、the International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use)、「Impurities: Guidelines for Residual Solvents, Q3C(R3)」(2005年11月)に定義されている。
【0298】
[00334] 溶媒は3つのクラスに分類される。クラス1溶媒は有毒であり、避けるべきである。クラス2溶媒は、治療剤の製造中における使用が制限される溶媒である。クラス3溶媒は、毒性の可能性が低く、ヒトの健康に対するリスクが低い溶媒である。クラス3溶媒のデータは、急性又は短期間の試験では毒性が低く、遺伝毒性試験では陰性であることを示す。
【0299】
[00335] クラス1溶媒は、避けるべきであり、ベンゼン;四塩化炭素;1,2-ジクロロエタン;1,1-ジクロロエテン;及び1,1,1-トリクロロエタンが含まれる。
【0300】
[00336] クラス2溶媒の例は、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N-メチルピロリジン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラリン、トルエン、1,1,2-トリクロロエテン及びキシレンである。
【0301】
[00337] クラス3溶媒は、毒性が低く、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル及びテトラヒドロフランが含まれる。
【0302】
[00338] 医薬品有効成分(API)中の残留溶媒は、APIの製造に由来する。場合により、実用的な製造技術では溶媒が完全に除去されない。APIの合成のための溶媒を適切に選択すると、収率が強化するか又は結晶形、純度及び溶解度などの特徴が決定され得る。したがって、溶媒は、合成プロセスにおいて重要なパラメーターであり得る。
【0303】
[00339] いくつかの実施形態では、化合物Aを含む組成物は有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、化合物Aを含む組成物は、残留量の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、化合物Aを含む組成物は、残留量のクラス3溶媒を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒はクラス3溶媒である。いくつかの実施形態では、クラス3溶媒は、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル及びテトラヒドロフランからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、クラス3溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、tert-ブチルメチルエーテル、ヘプタン、イソプロパノール及びエタノールから選択される。一実施形態では、クラス3溶媒は酢酸エチルである。一実施形態では、クラス3溶媒は酢酸イソプロピルである。一実施形態では、クラス3溶媒はtert-ブチルメチルエーテルである。一実施形態では、クラス3溶媒はヘプタンである。一実施形態では、クラス3溶媒はイソプロパノールである。一実施形態では、クラス3溶媒はエタノールである。
【0304】
特定の用語
[00340] 他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。前述の概要及び以下の詳細な説明は、例示及び説明にすぎず、特許請求される主題を限定するものではないことを理解されたい。本開示では、特に別段の記載がない限り、単数形の使用は、複数形も含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本開示では、別段の記載がない限り、「又は」の使用は、「及び/又は」を意味する。さらに、「含むこと」という用語並びに「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含まれる」などの他の形式の使用は、限定的なものではない。
【0305】
[00341] 本明細書で使用される節の見出しは、整理のみを目的としたものであり、説明される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、刊行物、論文、書籍、マニュアル及び論説を含むが、これらに限定されない、本開示において引用される全ての文献又は文献の一部は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0306】
[00342] 本明細書で使用される製剤、組成物又は成分に関して「許容される」又は「薬学的に許容される」という用語は、処置される対象の一般的な健康に永続的な悪影響を及ぼさないこと又は化合物の生物学的活性若しくは特性を無効にしないこと及び比較的毒性が低いことを意味する。
【0307】
[00343] 本明細書で使用される場合、特定の化合物又は医薬組成物の投与による特定の疾患、障害又は状態の症状の「改善」は、永続的であるか又は一時的であるか、持続性であるか又は一過性であるかにかかわらず、化合物又は組成物の投与に起因し得るか又はそれに関連し得る、重症度の軽減、発症の遅延、進行の遅延又は持続期間の短縮を指す。
【0308】
[00344] 「バイオアベイラビリティ」は、投与された化合物(例えば、化合物A)が研究される動物又はヒトの全身循環に送達されるパーセンテージを指す。静脈内投与された場合の薬物の総曝露量(AUC(0-∞))は、通常、100%生体利用可能(F%)として定義される。「経口バイオアベイラビリティ」は、静脈内注射と比較して、医薬組成物を経口摂取した場合に化合物(例えば、化合物A)が全身循環に吸収される程度を指す。
【0309】
[00345] 「血漿濃度」は、対象内の血液の血漿成分中の化合物(例えば、化合物A)の濃度を指す。化合物(例えば、化合物A)の血漿濃度は、代謝及び/又は他の治療剤との可能な相互作用に関する変動により、対象間で大きく変動し得ることが理解される。本明細書に開示される一実施形態によれば、化合物(例えば、化合物A)の血漿濃度は、対象ごとに変動し得る。同様に、最大血漿濃度(Cmax)又は最大血漿濃度に達するまでの時間(Tmax)又は血漿濃度時間曲線下の総面積(AUC(0-∞))などの値は、対象ごとに変動し得る。この変動性により、化合物(例えば、化合物A)の「治療有効量」を構成するために必要な量は、対象ごとに変動し得る。
【0310】
[00346] 本明細書で使用される「共投与」などの用語は、単一の対象への選択された治療剤の投与を包含することを意味し、同じ若しくは異なる投与経路により又は同じ若しくは異なる時間に薬剤が投与される処置レジメンを含むことが意図される。
【0311】
[00347] 本明細書で使用される「有効量」又は「治療有効量」という用語は、処置される疾患又は状態の1つ以上の症状をある程度緩和する、投与される薬剤又は化合物の十分な量を指す。その結果は、疾患の兆候、症状若しくは原因の軽減及び/又は緩和又は生体系の他の望ましい変化であり得る。例えば、治療的使用のための「有効量」は、過度の有害な副作用を伴わずに疾患症状の臨床的に有意な減少を提供するのに必要な、本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。個々の場合における適切な「有効量」は、用量漸増試験などの技術を使用して決定され得る。「治療有効量」という用語には、例えば、予防有効量が含まれる。本明細書に開示される化合物の「有効量」は、過度の有害な副作用を伴わずに、所望の薬理効果又は治療上の改善を達成するのに有効な量である。「有効量」又は「治療有効量」は、化合物(例えば、化合物A)の代謝、年齢、体重、対象の全身状態、処置される状態、処置される状態の重症度及び処方医師の判断の変動のため、対象ごとに変動し得ることが理解される。単なる例として、治療有効量は、用量漸増臨床試験を含むが、これに限定されない日常的な実験によって決定され得る。
【0312】
[00348] 「強化する」又は「強化すること」という用語は、所望の効果の効力又は持続期間を増加又は延長することを意味する。例として、治療剤の効果を「強化する」とは、疾患、障害又は状態の処置中に治療剤の効果を、効力又は期間のいずれかにおいて増大又は延長する能力を指す。本明細書で使用される「強化有効量」とは、疾患、障害又は状態の処置における治療剤の効果を強化するのに十分な量を指す。対象に使用する場合、この使用に有効な量は、疾患、障害又は症状の重症度及び経過、以前の治療、患者の健康状態、薬物に対する反応及び処置医師の判断に依存する。
【0313】
[00349] 本明細書で使用される「同一の」という用語は、同じである2つ以上の配列又は部分配列を指す。さらに、「実質的に同一」という用語は、比較アルゴリズムを用いて若しくは手作業によるアライメント及び目視検査によって測定される際、比較窓又は指定領域にわたって比較され、最大一致のためにアラインされたとき、同じである配列単位のパーセンテージを有する2つ以上の配列を指す。単なる例として、2つ以上の配列は、配列単位が指定領域にわたって約60%同一、約65%同一、約70%同一、約75%同一、約80%同一、約85%同一、約90%同一又は約95%同一である場合、「実質的に同一」であり得る。このようなパーセンテージは、2つ以上の配列の「同一性パーセント」を表す。配列の同一性は、長さが少なくとも約75~100の配列単位である領域にわたって、長さが約50の配列単位である領域にわたって又は指定のない場合には配列全体にわたって存在し得る。この定義は、試験配列の補体も指す。単なる例として、アミノ酸残基が同じである場合、2つ以上のポリペプチド配列は同一である一方、アミノ酸残基が指定領域にわたって約60%同一、約65%同一、約70%同一、約75%同一、約80%同一、約85%同一、約90%同一又は約95%同一である場合、2つ以上のポリペプチド配列は「実質的に同一」である。同一性は、長さが少なくとも約75~100アミノ酸である領域にわたって、長さが約50アミノ酸である領域にわたって又は指定されない場合にはポリペプチド配列の全体の配列にわたって存在し得る。さらに、単なる例として、核酸残基が同じである場合、2つ以上のポリヌクレオチド配列は同一である一方、核酸残基が指定領域にわたって約60%同一、約65%同一、約70%同一、約75%同一、約80%同一、約85%同一、約90%同一又は約95%同一である場合、2つ以上のポリヌクレオチド配列は「実質的に同一」である。同一性は、長さが少なくとも約75~100核酸である領域にわたって、長さが約50核酸である領域にわたって又は指定されない場合にはポリヌクレオチド配列の全体の配列にわたって存在し得る。
【0314】
[00350] 本明細書で使用されるメニンを「阻害する」、「阻害すること」又はメニンの「阻害剤」という用語は、メニン活性、例えばメニン-MLL相互作用及び活性の阻害を指す。
【0315】
[00351] 本明細書で使用される「共有結合性阻害剤」という用語は、標的タンパク質(例えば、メニン又はメニン-MLL)と接触すると、そのタンパク質との又はタンパク質内で新しい共有結合の形成を引き起こし、それにより、その後の共有結合性阻害剤の存在又は非存在にかかわらず、標的タンパク質の生物学的活性(例えば、ホスホトランスフェラーゼ活性)の1つ以上が減少又は消失する化合物を指す。特定の実施形態では、阻害剤は不可逆的である。
【0316】
[00352] 本明細書で使用される「共有結合性メニン阻害剤」という用語は、メニンのアミノ酸残基と共有結合を形成することができるメニンの阻害剤を指す。特定の実施形態では、阻害剤は不可逆的である。
【0317】
[00353] 本明細書で使用される「調節する」という用語は、標的の活性を変化させる(単なる例として、標的の活性を強化すること、標的の活性を阻害すること、標的の活性を制限すること、標的の活性を拡大することを含む)ために、直接的又は間接的に標的と相互作用することを意味する。
【0318】
[00354] 本明細書で使用される場合、「調節因子」という用語は、分子の活性を変化させる化合物を指す。例えば、調節因子は、調節因子の非存在下での活性の大きさと比較して、分子の特定の活性の大きさの増加又は減少を引き起こすことができる。特定の実施形態では、調節因子は、分子の1つ以上の活性の大きさを減少させる阻害剤である。特定の実施形態では、阻害剤は、分子の1つ以上の活性を完全に妨げる。特定の実施形態では、調節因子は、分子の少なくとも1つの活性の大きさを増加させる活性化剤である。特定の実施形態では、調節因子の存在により、調節因子の非存在下では起こらない活性が生じる。
【0319】
[00355] 本明細書で使用される「予防有効量」という用語は、処置される疾患、状態又は障害の1つ以上の症状をある程度軽減する、患者に適用される組成物の量を指す。このような予防的用途では、そのような量は、患者の健康状態、体重などに依存し得る。用量漸増臨床試験を含むが、これに限定されない日常的な実験により、そのような予防有効量を決定することは、十分に当業者の技術の範囲内であると見なされる。
【0320】
[00356] 本明細書で使用される「対象」という用語は、処置、観察又は実験の対象となる動物を指す。単なる例として、対象は、ヒトを含むが、これに限定されない哺乳動物であり得るが、これに限定されない。
【0321】
[00357] 本明細書で使用される場合、「標的活性」という用語は、選択的調節因子によって調節され得る生物学的活性を指す。特定の例示的な標的活性には、結合親和性、シグナル伝達、酵素活性、腫瘍増殖、炎症又は炎症関連プロセス及び疾患又は状態に関連する1つ以上の症状の改善が含まれるが、これらに限定されない。
【0322】
[00358] 本明細書で使用される場合、「標的タンパク質」という用語は、選択的結合化合物によって結合することができる分子又はタンパク質の一部を指す。特定の実施形態では、標的タンパク質はメニンである。
【0323】
[00359] 本明細書で使用される「処置する」、「処置する」又は「処置」という用語には、疾患又は状態の症状を緩和、軽減又は改善すること、追加の症状を予防すること、症状の根本的な代謝原因を改善又は予防すること、疾患又は状態を阻害すること、例えば、疾患又は状態の発症を阻止すること、疾患又は状態を緩和すること、疾患又は状態を退行させること、疾患又は状態によって引き起こされる状態を緩和すること又は疾患又は状態の症状を止めることが含まれる。「処置する」、「処置すること」又は「処置」という用語には、予防的及び/又は治療的処置が含まれるが、これらに限定されない。
【0324】
[00360] 本明細書で使用される場合、IC50は、メニン阻害などの応答を測定するアッセイにおいて、最大応答の50%阻害を達成する特定の試験化合物の量、濃度又は投与量を指す。
【0325】
[00361] 本明細書で使用される場合、EC50は、特定の試験化合物によって誘導、誘発又は増強される特定の応答の最大発現の50%で用量依存的応答を誘発する、特定の試験化合物の投与量、濃度又は量を指す。
【0326】
医薬組成物/製剤
[00362] 医薬組成物は、活性化合物を医薬的に使用できる製剤に加工することを容易にする賦形剤及び補助剤を含む、1つ以上の生理学的に許容される担体を使用して従来の方法で製剤化することができる。適切な製剤は、選択された投与経路に依存する。周知の技術、担体及び賦形剤は、いずれも当技術分野で理解されているように適切に使用され得る。医薬組成物の概要は、本明細書に記載のものに加えて、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995);Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975;Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980;及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams & Wilkins1999)に見出すことができ、これらは、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0327】
[00363] 本明細書で使用される医薬組成物は、化合物(例えば、化合物A)と、担体、安定化剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤及び/又は賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、対象(例えば、哺乳動物)への化合物の投与を容易にする。本明細書に提供される処置又は使用の方法を実施する際、治療有効量の、例えば化合物Aが、処置される疾患、障害又は状態を有する対象(例えば、哺乳動物)に医薬組成物として投与される。一実施形態では、対象は、哺乳動物である。一実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康状態、使用される化合物の効力並びに他の要因に応じて大きく変動し得る。化合物は、単独で又は混合物の成分として1つ以上の治療剤と組み合わせて使用することができる。
【0328】
[00364] 本明細書で使用される「医薬組み合わせ」という用語は、複数の有効成分の混合又は組み合わせから生じる製品を意味し、有効成分の固定及び非固定組み合わせの両方を含む。「固定組み合わせ」という用語は、有効成分、例えば化合物A及び共薬剤が、いずれも単一の実体又は投与量の形態で同時に対象に投与されることを意味する。「非固定組み合わせ」という用語は、有効成分、例えば、化合物A及び共薬剤が、別個の実体として、特定の介在期限なしで、同時に、並行して又は連続して対象に投与されることを意味し、このような投与は、対象の身体内で2つの化合物の有効なレベルを提供する。後者は、カクテル療法、例えば3つ以上の有効成分の投与にも適用される。
【0329】
[00365] いくつかの実施形態では、結晶性化合物Aを医薬組成物に組み込んで固体経口剤形を提供する。他の実施形態では、結晶性化合物Aは、経口固体剤形以外の医薬組成物を調製するために使用される。本明細書に記載される医薬製剤は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、口腔、局所、直腸又は経皮投与経路を含むが、これらに限定されない複数の投与経路によって対象に投与され得る。本明細書に記載される医薬製剤としては、水性液体分散体、自己乳化分散体、固溶体、リポソーム分散体、エアロゾル、固形剤形、粉末剤、即時放出製剤、制御放出製剤、速溶製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤並びに混合即時及び制御放出製剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0330】
[00366] 本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物は、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、粉砕、乳化、カプセル化、捕捉又は圧縮プロセスなどの従来の方法で製造することができる。
【0331】
剤形
[00367] 本明細書に記載の医薬組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下又は筋肉内)、頬側、鼻腔内、直腸又は経皮投与経路を含むが、これらに限定されない任意の従来の手段を介して対象(例えば、哺乳動物)に投与するために製剤化することができる。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、動物、例えば、ヒト又は非ヒトを含む哺乳動物を意味するために使用される。患者と対象という用語は、互換的に使用され得る。
【0332】
[00368] さらに、化合物Aを含む、本明細書に記載の医薬組成物は、固体経口剤形、徐放性製剤、速溶製剤、発泡性製剤、錠剤、粉末、丸剤、カプセル、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤並びに混合即時放出製剤及び制御放出製剤を含むが、これらに限定されない任意の適切な剤形に製剤化することができる。
【0333】
[00369] 経口使用のための医薬製剤は、1つ以上の固体賦形剤を本明細書に記載の1つ以上の化合物と混合し、任意選択により得られた混合物を粉砕し、必要に応じて適切な助剤を加えた後、顆粒の混合物を処理して、錠剤又は糖衣錠のコアを得ることによって得られる。適切な賦形剤には、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトールを含む糖などの充填剤;トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース製剤;又はポリビニルピロリドン(PVP又はポビドン)又はリン酸カルシウムなどの他のものが含まれる。必要に応じて、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を加え得る。
【0334】
[00370] 経口的に使用できる医薬製剤には、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセル及びゼラチンとグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤とで作られた密封軟カプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤並びに任意選択により安定化剤と混合して有効成分を含有することができる。軟カプセルでは、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解又は懸濁され得る。さらに、安定剤を添加し得る。経口投与のための全ての製剤は、そのような投与に適した投与量でなければならない。
【0335】
[00371] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される固形剤形は、錠剤(懸濁液錠剤、速溶錠剤、咬崩壊錠剤、急速崩壊錠剤、発泡錠又はカプレットを含む)、丸剤、粉末剤(無菌包装した粉末剤、分配可能な粉末剤若しくは発泡性粉末剤を含む)、カプセル剤(軟カプセル剤若しくは硬カプセル剤、例えば、動物由来のゼラチン若しくは植物由来のHPMCから作製されるカプセル剤又は「スプリンクルカプセル」を含む)、固形分散体、固溶体、生体内分解性剤形、制御放出製剤、パルス放出剤形、多粒子剤形、ペレット、顆粒又はエアロゾルの形態であり得る。他の実施形態では、医薬製剤は、粉末の形態である。さらに他の実施形態では、医薬製剤は、急速融解錠剤を含むが、これに限定されない錠剤の形態である。さらに、本明細書に記載の医薬製剤は、単一のカプセルとして又は複数のカプセル剤形で投与され得る。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、2つ、又は3つ、又は4つのカプセル又は錠剤で投与される。
【0336】
[00372] いくつかの実施形態では、固形剤形、例えば、錠剤、発泡錠及びカプセル剤は、バルクブレンド組成物を形成するために、化合物Aの粒子を1つ以上の医薬賦形剤と混合することによって調製される。均質なものとしてこれらのバルクブレンド組成物に言及する場合、組成物が錠剤、丸剤及びカプセル剤などの同様に有効な単位剤形へと容易に分割され得るように、化合物Aの粒子は、組成物全体にわたって均等に分散されることを意味する。個々の単位剤形は、経口摂取時又は希釈剤との接触時に崩壊するフィルムコーティングも含み得る。これらの製剤は、従来の薬理学的手法によって製造することができる。
【0337】
[00373] 従来の薬理学的技術は、例えば、以下の方法:(1)乾燥混合;(2)直接圧縮;(3)ミリング;(4)乾式若しくは非水性の造粒;(5)湿式造粒;又は(6)融合の1つ又はそれらの組み合わせを含む。例えば、Lachman et al., The Theory and Practice of Industrial Pharmacy (1986)を参照されたい。他の方法としては、例えば、噴霧乾燥、パンコーティング、溶融造粒、造粒、流動床噴霧乾燥又はコーティング(例えば、ウースターコーティング)、タンジェンシャルコーティング、トップスプレー、錠剤化、押し出しなどが挙げられる。
【0338】
[00374] 本明細書に記載される医薬固形剤形は、化合物Aと、適合性の担体、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、溶解剤、湿潤化剤、可塑剤、安定化剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、抗酸化剤、保存剤又はそれらの1つ以上の組み合わせなどの1つ以上の薬学的に許容される添加剤とを含み得る。さらに他の実施形態では、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th Edition (2000)に記載されるものなどの標準的なコーティング手順を用いて、フィルムコーティングが、化合物Aの製剤の周囲に提供される。一実施形態では、化合物Aの粒子の一部又は全部がコーティングされる。別の実施形態では、化合物Aの粒子の一部又は全部がマイクロカプセル化される。さらに別の実施形態では、化合物Aの粒子は、マイクロカプセル化されておらず、コーティングされていない。
【0339】
[00375] 本明細書に記載される固形剤形における使用に適した担体としては、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセロール、ケイ酸マグネシウム、カゼイン塩ナトリウム、大豆レシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0340】
[00376] 本明細書に記載される固形剤形における使用に適した充填剤としては、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0341】
[00377] できる限り効率的に固形剤形マトリックスから化合物(例えば、化合物A)を放出するために、崩壊剤は、特に、剤形が結合剤で圧縮される場合、製剤中に使用されることが多い。崩壊剤は、湿気が剤形に吸収されるときに膨潤又は毛細管現象によって剤形マトリックスの破壊を促進する。本明細書に記載の固体剤形における使用に適した崩壊剤としては、トウモロコシデンプン若しくはジャガイモデンプンなどの天然デンプン、National 1551若しくはAmijel(登録商標)などのアルファ化デンプン又はPromogel(登録商標)若しくはExplotab(登録商標)などのデンプングリコール酸ナトリウム、セルロース、例えば、木製品、メチル結晶セルロース、例えば、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)及びSolka-Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース又は架橋セルロース(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース若しくは架橋クロスカルメロース)、デンプングリコール酸ナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドンなどの架橋ポリマー、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸の塩などのアルギネート、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)などの粘土、寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、トラガカントなどのガム、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然のスポンジ、界面活性剤、カチオン交換樹脂などの樹脂、柑橘類のパルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンを組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に提供されるいくつかの実施形態では、崩壊剤は、天然デンプン、アルファ化デンプン、ナトリウムデンプン、メチル結晶セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロース、架橋クロスカルメロース、グリコール酸デンプンナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドンなどの架橋ポリマー、アルギン酸ナトリウム、粘土又はゴムからなる群から選択される。本明細書に提供されるいくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
【0342】
[00378] 結合剤は、固体経口剤形製剤に粘着性を与える。粉末を充填したカプセル製剤について、それらは、ソフトシェル又はハードシェルカプセルに充填され得る栓の形成を促進し、錠剤製剤について、それらは、錠剤を圧縮後に確実に無傷なまま保ち、圧縮又は充填ステップ前にブレンド均一性を確実にすることを促進する。本明細書に記載の固形剤形における結合剤としての使用に適した材料としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒプロメロースUSP Pharmacoat-603、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Aqoate HS-LF及びHS)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、微結晶性デキストロース、アミロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、酸性多糖、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン:酢酸ビニルコポリマー、クロスポビドン、ポビドン、デンプン、アルファ化デンプン、トラガカント、デキストリン、スクロース(例えば、Dipac(登録商標))、グルコース、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、Xylitab(登録商標))、ラクトースなどの糖、アカシア、トラガカント、ガッチガム、イサポール外皮の粘液などの天然又は合成ゴム、デンプン、ポリビニルピロリドン(例えば、Povidone(登録商標)CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL-10及びPovidone(登録商標)K-12)、カラマツアラビノガラクタン、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0343】
[00379] 一般に、粉末充填ゼラチンカプセル製剤では、20~70%の結合剤レベルが使用される。錠剤製剤における結合剤使用レベルは、直接圧縮、湿式造粒、ローラー圧縮又はそれ自体が中程度の結合剤として作用し得る充填剤などの他の賦形剤の使用のいずれかで異なる。製剤の当業者は、製剤の結合剤レベルを決定することができるが、錠剤製剤における結合剤使用レベルは最大70%が一般的である。
【0344】
[00380] 本明細書に記載される固形剤形における使用に適した好適な滑沢剤又は流動促進剤としては、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、ステアリルフマル酸ナトリウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩(例えば、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛)、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール又はメトキシポリエチレングリコール(Carbowax(商標)、PEG 4000、PEG 5000、PEG 6000など)、プロピレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ベへン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸グリセリル、マグネシウム又はラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に提供されるいくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、コーンスターチ、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛及びワックスからなる群から選択される。本明細書に提供されるいくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0345】
[00381] 本明細書に記載の固形剤形における使用に適した希釈剤としては、糖(ラクトース、スクロース及びデキストロースを含む)、多糖類(デキストレート及びマルトデキストリンを含む)、ポリオール(マンニトール、キシリトール及びソルビトールを含む)、シクロデキストリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に提供されるいくつかの実施形態では、希釈剤は、ラクトース、スクロース、デキストロース、デキストレート、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、シクロデキストリン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、微結晶セルロース、マイクロセルロース及びタルクからなる群から選択される。本明細書に提供されるいくつかの実施形態では、希釈剤は、微結晶セルロースである。
【0346】
[00382] 「非水溶性希釈剤」という用語は、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン及び微結晶性セルロース及び微細セルロース(例えば、約0.45g/cmの密度を有し、例えば、Avicel、粉末セルロース)及びタルクなど、医薬品の製剤化において典型的に使用される化合物を表す。
【0347】
[00383] 本明細書に記載の固形剤形における使用に適した湿潤剤としては、例えば、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、第四級アンモニウム化合物(例えば、Polyquat 10(登録商標))、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ドクサートナトリウム、トリアセチン、ビタミンE TPGSなどが挙げられる。
【0348】
[00384] 本明細書に記載の固形剤形における使用に適した界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)(BASF)などが挙げられる。本明細書に提供されるいくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマーからなる群から選択される。本明細書に提供されるいくつかの実施形態では、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムである。
【0349】
[00385] 本明細書に記載の固形剤形における使用に適した懸濁化剤としては、ポリビニルピロリドン、例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25若しくはポリビニルピロリドンK30、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは、約300~約6000又は約3350~約4000又は約5400~約7000の分子量を有し得る)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S630)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、ポリソルベート-80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ガム(例えば、トラガカントガム及びアカシアガム、グアーガム、キサンタンガムを含むキサンタン)、糖、セルロース化合物(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリソルベート-80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポビドンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0350】
[00386] 本明細書に記載の固体剤形における使用に適した酸化防止剤には、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム及びトコフェロールが含まれる。
【0351】
[00387] 本明細書に記載の固体剤形に使用される添加剤間にかなりの重複があることが理解されるべきである。したがって、上に列挙される添加剤は、本明細書に記載の固形剤形に含まれ得る添加剤のタイプの、限定はされないが、単に例示的なものとして見なされるべきである。このような添加剤の量は、所望の特定の特性に従って当業者によって容易に決定され得る。
【0352】
[00388] 他の実施形態では、医薬製剤の1つ以上の層が可塑化される。例示的には、可塑剤は一般に高沸点の固体又は液体である。適切な可塑剤は、コーティング組成物の約0.01重量%~約50重量%(w/w)で添加することができる。可塑剤には、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアリン酸塩及びヒマシ油が含まれるが、これらに限定されない。
【0353】
[00389] 圧縮錠剤は、上記の製剤のバルクブレンドを圧縮することによって調製される固体剤形である。様々な実施形態では、口中で溶解するように設計された圧縮錠剤は、1種以上の香味剤を含む。他の実施形態では、圧縮錠剤は、最終圧縮錠剤を取り囲むフィルムを含む。いくつかの実施形態では、フィルムコーティングは、製剤からの化合物(例えば、化合物A)の遅延放出を提供することができる。他の実施形態では、フィルムコーティングは、患者のコンプライアンスを促進する(例えば、Opadry(登録商標)コーティング又は糖衣)。Opadry(登録商標)を含むフィルムコーティングは、典型的には錠剤重量の約1%~約3%の範囲である。他の実施形態では、圧縮錠剤は、1種以上の賦形剤を含む。
【0354】
[00390] カプセルは、例えば、化合物(例えば、化合物A)の製剤のバルクブレンドをカプセル中に入れることによって調製され得る。いくつかの実施形態では、製剤(非水性懸濁液及び溶液)は、ゼラチン軟カプセルに入れられる。他の実施形態では、製剤は、標準的なゼラチンカプセル又はHPMCを含むカプセルなどの非ゼラチンカプセルに入れられる。他の実施形態では、製剤は、スプリンクルカプセルに入れられ、カプセルは、丸ごと嚥下され得るか、又はカプセルを開けて、食べる前に内容物を食物に振りかけ得る。いくつかの実施形態では、治療用量は、複数(例えば、2、3又は4つ)のカプセルに分割される。いくつかの実施形態では、製剤の全用量がカプセル形態で送達される。
【0355】
[00391] 様々な実施形態では、化合物Aの粒子及び1つ以上の賦形剤は、乾燥ブレンドされ、錠剤などの塊に圧縮され、この塊は、経口投与後、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満又は約60分未満以内で実質的に崩壊し、それにより製剤を胃腸液中に放出する医薬組成物を提供するのに十分な硬度を有する。
【0356】
[00392] 別の態様では、剤形は、マイクロカプセル化製剤を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の他の適合性材料がマイクロカプセル化材料中に存在する。例示的な材料としては、pH調整剤、侵食促進剤、消泡剤、抗酸化剤、香味剤並びに結合剤、懸濁化剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、湿潤剤及び希釈剤などの担体材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0357】
[00393] 本明細書に記載されるマイクロカプセル化に有用な材料は、化合物(例えば、化合物A)と適合する材料を含み、これは、他の非適合性賦形剤から、化合物(例えば、化合物A)を十分に単離する。化合物(例えば、化合物A)と適合する材料は、インビボでの化合物(例えば、化合物A)の放出を遅らせるものである。
【0358】
[00394] 本明細書に記載される化合物を含む製剤の放出を遅らせるのに有用な、例示的なマイクロカプセル化材料としては、限定はされないが、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC)(Klucel(登録商標)若しくはNisso HPCなど)、低置換ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(L-HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(HPMC)(Seppifilm-LC、Pharmacoat(登録商標)、Metolose SR、Methocel(登録商標)-E、Opadry YS、PrimaFlo、Benecel MP824及びBenecel MP843など)、メチルセルロースポリマー(Methocel(登録商標)-A、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースAqoat(HF-LS、HF-LG、HF-MS)及びMetolose(登録商標)など)、エチルセルロース(EC)及びその混合物(E461、Ethocel(登録商標)、Aqualon(登録商標)-EC、Surelease(登録商標)など)、ポリビニルアルコール(PVA)(Opadry AMBなど)、ヒドロキシエチルセルロース(Natrosol(登録商標)など)、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(CMC)の塩(Aqualon(登録商標)-CMCなど)、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールコポリマー(Kollicoat IR(登録商標)など)、モノグリセリド(Myverol)、トリグリセリド(KLX)、ポリエチレングリコール、加工食物デンプン、アクリルポリマー及びアクリルポリマーとセルロースエーテルとの混合物(Eudragit(登録商標)EPO、Eudragit(登録商標)L30D-55、Eudragit(登録商標)FS 30D、Eudragit(登録商標)L100-55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)RD100、Eudragit(登録商標)E100、Eudragit(登録商標)L12.5、Eudragit(登録商標)S12.5、Eudragit(登録商標)NE30D及びEudragit(登録商標)NE 40Dなど)、酢酸セルロースフタレート、セピフィルム(HPMC及びステアリン酸の混合物など)、シクロデキストリン並びにこれらの材料の混合物が挙げられる。
【0359】
[00395] さらに他の実施形態では、ポリエチレングリコール、例えば、PEG 300、PEG 400、PEG 600、PEG 800、PEG 1450及びPEG 3350、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸並びにトリアセチンなどの可塑剤が、マイクロカプセル化材料に組み込まれる。他の実施形態では、医薬組成物の放出を遅延させるのに有用なマイクロカプセル化材料は、USP又はNational Formulary(NF)からのものである。さらに他の実施形態では、マイクロカプセル化材料は、Klucelである。さらに他の実施形態では、マイクロカプセル化材料は、メトセルである。
【0360】
[00396] マイクロカプセル化された化合物(例えば、化合物A)は、当業者に公知の方法によって製剤化され得る。このような公知の方法としては、例えば、噴霧乾燥プロセス、スピニングディスク-溶媒プロセス、ホットメルトプロセス、噴霧冷却法、流動床、静電気沈着、遠心押し出し、回転懸濁液分離、液体ガス又は固形ガスの界面における重合、圧力押し出し又は噴霧溶媒抽出浴が挙げられる。これらに加えて、いくつかの化学技術、例えば複合コアセルベーション、溶解蒸発、ポリマー間の不適合性、液体培地中の界面重合、インサイチュの重合、液中乾燥及び液体培地中の脱溶媒和も使用され得る。さらに、ローラー圧縮、押出/球形化、コアセルベーション又はナノ粒子コーティングなどの他の方法を使用し得る。
【0361】
[00397] 一実施形態では、化合物Aの粒子は、上記の形態の1つに製剤化される前にマイクロカプセル化される。さらに別の実施形態では、粒子の一部又は大部分は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th Edition (2000)に記載されるものなどの標準的なコーティング手順を使用することにより、さらに製剤化される前にコーティングされる。
【0362】
[00398] 他の実施形態では、化合物Aの固体剤形は、1つ以上の層で可塑化(コーティング)される。可塑剤は一般的に、高沸点の固体又は液体であることを想起されたい。適切な可塑剤は、コーティング組成物の約0.01重量%~約50重量%(w/w)で添加することができる。可塑剤には、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアリン酸塩及びヒマシ油が含まれるが、これらに限定されない。
【0363】
[00399] 他の実施形態では、化合物Aを含む製剤を含む粉末は、1種以上の医薬賦形剤及び香味剤を含むように製剤化され得る。このような粉末は、例えば、製剤と任意選択による医薬賦形剤を混合してバルクブレンド組成物を形成することによって調製され得る。さらなる実施形態には、懸濁剤及び/又は湿潤剤も含まれる。このバルクブレンドは、単位用量包装又は複数回用量包装単位に均一に細分される。
【0364】
[00400] さらに他の実施形態では、発泡性粉末も本開示に従って調製される。発泡性塩は、経口投与用に薬を水に分散させるために使用されてきた。発泡性塩は、乾燥混合物中に薬剤を含有する顆粒又は粗粉末であり、通常、重炭酸ナトリウム、クエン酸及び/又は酒石酸で構成される。本明細書に記載の組成物の塩を水に加えると、酸と塩基が反応して二酸化炭素ガスを放出し、それにより「発泡」を引き起こす。発泡性塩の例としては、例えば、以下の成分:重炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムとの混合物、クエン酸及び/又は酒石酸が挙げられる。二酸化炭素の遊離を生じる酸と塩基の組み合わせは、成分が医薬品用途に適しており、pH約6.0以上になる限り、重炭酸ナトリウム、クエン酸及び酒石酸の組み合わせの代わりに使用できる。
【0365】
[00401] いくつかの実施形態では、本明細書に記載の固体剤形は、腸溶性コーティングされた遅延放出経口剤形として(すなわち胃腸管の小腸での放出に影響を与えるために腸溶性コーティングを利用する、本明細書に記載の医薬組成物の経口剤形として)製剤化することができる。腸溶性コーティング剤形は、有効成分及び/又は他の組成成分の顆粒、粉末、ペレット、ビーズ又は粒子(それ自体コーティングされた又はコーティングされていない)を含有する圧縮、成形又は押出成形された錠剤/型(コーティングされた又はコーティングされていない)であり得る。腸溶性コーティング経口剤形は、それ自体コーティングされた又はコーティングされていない固体担体又は組成物のペレット、ビーズ又は顆粒を含有するカプセル(コーティングされた又はコーティングされていない)であり得る。
【0366】
[00402] 本明細書で使用される「遅延放出」という用語は、遅延放出の変化がなかった場合に達成されるであろう位置よりも遠位の、腸管内の何らかの一般的に予測可能な位置で放出が達成され得る送達を指す。いくつかの実施形態では、放出を遅延させる方法はコーティングである。いかなるコーティングも、コーティング全体が約5未満のpHでは胃腸液に溶解しないが、約5以上のpHでは溶解するような十分な厚さに塗布されるべきである。pH依存性の溶解度プロファイルを示す任意のアニオン性ポリマーは、下部胃腸管への送達を達成するために、本明細書に記載の方法及び組成物における腸溶性コーティングとして使用できることが期待される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマーは、アニオン性カルボン酸ポリマーである。他の実施形態では、ポリマー及びその適合性混合物並びにそれらの特性のいくつかには、以下が含まれるが、これらに限定されない:
・昆虫の樹脂状分泌物から得られる精製製品である、シェラック(精製ラックとも呼ばれる)。このコーティングは、pH>7で媒体に溶解する。
・アクリルポリマー。アクリルポリマーの性能(主に体液への溶解度)は、置換の程度及び種類に基づいて変動し得る。適切なアクリルポリマーの例としては、メタクリル酸コポリマー及びメタクリル酸アンモニウムコポリマーが挙げられる。EudragitシリーズE、L、S、RL、RS及びNE(Rohm Pharma)は、有機溶媒に可溶化したもの、水分散液又は乾燥粉末として入手できる。EudragitシリーズのRL、NE、RSは、胃腸管では不溶性であるが透過性であり、主に結腸の標的化に使用される。EudragitシリーズEは胃で溶解する。EudragitシリーズL、L-30D及びSは、胃では不溶性であり、腸で溶解する;及び
・セルロース誘導体。適切なセルロース誘導体の例としては、エチルセルロース;及びセルロースの部分酢酸エステルと無水フタル酸の反応混合物が挙げられる。パフォーマンスは、置換の程度及び種類によって異なり得る。酢酸フタル酸セルロース(CAP)は、pH6超で溶解する。Aquateric(FMC)は水性ベースのシステムであり、粒子が1μm未満の噴霧乾燥されたCAP擬似ラテックスである。Aquatericの他の成分は、プルロニック、Tween、アセチル化モノグリセリドを含み得る。他の適切なセルロース誘導体には、酢酸トリメリット酸セルロース(Eastman);メチルセルロース(Pharmacoat、Methocel);ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP);ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート(HPMCS);ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(例えば、AQOAT(信越化学工業))が含まれる。パフォーマンスは、置換の程度及び種類によって異なり得る。例えば、HP-50、HP-55、HP-55S及びHP-55Fグレード等のHPMCPが好適である。パフォーマンスは、置換の程度及び種類によって異なり得る。例えば、適切なグレードのヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートには、pH5で溶解するAS-LG(LF)、pH5.5で溶解するAS-MG(MF)及びより高いpHで溶解するAS-HG(HF)が含まれるが、これらに限定されない。これらのポリマーは顆粒として又は水性分散液のための微粉末;及びポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)として提供される。PVAPはpH>5で溶解し、水蒸気及び胃液の透過性がはるかに低い。
【0367】
[00403] いくつかの実施形態では、コーティングは、当技術分野で周知の可塑剤並びに場合により着色剤、タルク及び/又はステアリン酸マグネシウムなどの他のコーティング賦形剤を含むことができ、通常、それを含む。適切な可塑剤には、クエン酸トリエチル(Citroflex 2)、トリアセチン(三酢酸グリセリル)、クエン酸アセチルトリエチル(Citroflec A2)、Carbowax 400(ポリエチレングリコール400)、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコール及びフタル酸ジブチルが含まれる。特に、アニオン性カルボン酸アクリルポリマーは、通常、10~25重量%の可塑剤、特にフタル酸ジブチル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル及びトリアセチンを含有する。コーティングを施すには、スプレーコーティング又はパンコーティングなどの従来のコーティング技術が使用される。腸管内の局所送達の所望の部位まで経口剤形が無傷のままであることを保証するのに十分なコーティング厚が推奨される。
【0368】
[00404] 着色剤、粘着防止剤、界面活性剤、消泡剤、滑沢剤(例えば、カルナバロウ又はPEG)を可塑剤の代わりにコーティングに加えて、コーティング材料を可溶化又は分散させ、コーティング性能及びコーティングされた製品を改善し得る。
【0369】
[00405] 他の実施形態では、化合物Aを含む、本明細書に記載の製剤は、パルス剤形を使用して送達される。パルス剤形は、制御された遅延時間後の所定の時点又は特定の部位で1つ以上の即時放出パルスを提供することができる。他の多くのタイプの放出制御システムが当業者に知られており、本明細書に記載の製剤との使用に適している。このような送達システムの例には、例えば、ポリ乳酸及びポリグリコール酸、ポリ無水物及びポリカプロラクトンなどのポリマーベースのシステム;多孔質マトリックス、コレステロール、コレステロールエステル及び脂肪酸などのステロール又はモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドなどの中性脂肪を含む脂質である非ポリマーベースのシステム;ヒドロゲル放出システム;シラスティックシステム;ペプチドベースのシステム;ワックスコーティング、生侵食性剤形、従来の結合剤を使用した圧縮錠剤などが含まれる。例えば、Liberman et al., Pharmaceutical Dosage Forms, 2 Ed., Vol. 1, pp. 209-214 (1990);Singh et al., Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, 2nd Ed., pp. 751-753 (2002);米国特許第4,327,725号、同第4,624,848号、同第4,968,509号、同第5,461,140号、同第5,456,923号、同第5,516,527号、同第5,622,721号、同第5,686,105号、同第5,700,410号、同第5,977,175号、同第6,465,014号及び同第6,932,983号を参照されたい。これらはそれぞれ、参照により具体的に本明細書に組み込まれる。
【0370】
[00406] いくつかの実施形態では、対象への経口投与のための、化合物Aの粒子、少なくとも1種の分散剤又は懸濁化剤を含む医薬製剤が提供される。製剤は、懸濁のための粉末及び/又は顆粒であり得、水と混合すると、実質的に均一な懸濁液が得られる。
【0371】
[00407] 所与の添加剤は、当技術分野で異なる専門家によって異なって分類されることが多いか又はいくつかの異なる機能のいずれかに一般的に使用されるため、本明細書に記載の水分散液又は懸濁液に使用される上に挙げた添加剤間に重複があることを理解されたい。したがって、上に列挙される添加剤は、単に例示的なものとして、限定はされないが、本明細書に記載される製剤に含まれ得る添加剤のタイプのものとして見なされるべきである。このような添加剤の量は、所望の特定の特性に従って当業者によって容易に決定され得る。
【0372】
投与量及び処置レジメン
[00408] いくつかの実施形態では、対象(例えば、哺乳動物)に投与される化合物Aの量は、300mg/日~最大で1000mg/日である。いくつかの実施形態では、対象(例えば、哺乳動物)に投与される化合物Aの量は、420mg/日~最大で840mg/日である。いくつかの実施形態では、対象(例えば、哺乳動物)に投与される化合物Aの量は、約420mg/日、約560mg/日又は約840mg/日である。いくつかの実施形態では、対象(例えば、哺乳動物)に投与される化合物Aの量は、約300mg/日、約325mg/日、約350mg/日、約375mg/日、約400mg/日、約425mg/日、約450mg/日、約475mg/日、約500mg/日、約525mg/日、約550mg/日、約560mg/日、約575mg/日、約600mg/日、約625mg/日、約650mg/日、約675mg/日、約700mg/日、約725mg/日、約750mg/日、約775mg/日、約800mg/日、約825mg/日、約840mg/日、約850mg/日、約875mg/日、約900mg/日、約925mg/日、約950mg/日、約975mg/日又は約1000mg/日である。いくつかの実施形態では、哺乳動物に投与される化合物Aの量は、約420mg/日である。いくつかの実施形態では、哺乳動物に投与される化合物Aの量は、約560mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物AのAUC0-24は、約150~約3500ng*h/mLである。いくつかの実施形態では、化合物AのAUC0-24は、約500~約1100ng*h/mLである。いくつかの実施形態では、化合物Aは経口投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、1日1回、1日2回又は1日3回投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは毎日投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは1日1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは隔日で投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは維持療法剤である。
【0373】
[00409] 特定の実施形態では、化合物Aの用量は25mg~1000mgから選択される。特定の実施形態では、化合物Aの用量は25mg~750mgから選択される。特定の実施形態では、化合物Aの用量は25mg~650mgから選択される。特定の実施形態では、化合物Aの用量は25mg~500mgから選択される。特定の実施形態では、化合物Aの用量は、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、325mg、500mg及び650mgから選択される。特定の実施形態では、化合物Aの用量は25mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は50mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は75mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は100mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は125mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は150mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は175mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は200mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は325mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は500mgである。特定の実施形態では、化合物Aの用量は650mgである。
【0374】
[00410] 特定の実施形態では、化合物Aは毎日投与される。特定の実施形態では、化合物Aは1日2回投与される。特定の実施形態では、化合物Aは1日3回投与される。特定の実施形態では、化合物Aは1日4回投与される。特定の実施形態では、化合物Aは、分割用量で毎日投与される。特定の実施形態では、化合物Aは、28日のサイクルで毎日投与される。
【0375】
[00411] 化合物Aは、メニン若しくはそのホモログを阻害するための医薬の調製において又は血液悪性腫瘍と診断された対象を含む、メニン若しくはそのホモログの阻害から少なくとも部分的に利益を受けるであろう疾患又は状態の処置のために使用することができる。さらに、本明細書に記載の疾患又は状態のいずれかを、そのような処置を必要とする対象において処置する方法は、化合物A又はその薬学的に許容される塩、薬学的に許容されるN-オキシド、薬学的に活性な代謝物、薬学的に許容されるプロドラッグ若しくは薬学的に許容される溶媒和物を含有する医薬組成物の治療有効量での前記対象への投与を含む。
【0376】
[00412] 化合物Aを含有する組成物は、予防的、治療的又は維持処置のために投与することができる。いくつかの実施形態では、化合物Aを含有する組成物は、治療用途のために投与される(例えば、血液悪性腫瘍と診断された対象に投与される)。いくつかの実施形態では、化合物Aを含有する組成物は、治療用途のために投与される(例えば、血液悪性腫瘍にかかりやすい対象又は血液悪性腫瘍を発症するリスクがある対象に投与される)。いくつかの実施形態では、化合物Aを含有する組成物は、維持療法として寛解状態にある患者に投与される。
【0377】
[00413] 化合物Aの量は、用途(例えば、治療、予防又は維持)に依存する。化合物Aの量は、疾患又は症状の重症度及び経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、薬物に対する反応及び処置医師の判断に依存する。日常的な実験(用量漸増臨床試験を含むが、これに限定されない)により、そのような治療有効量を決定することは、十分に当業者の技術の範囲内であると考えられる。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は、10mg/日~最大で250mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は、25mg/日~最大で300mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は、25mg/日~最大で100mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は約25mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は約50mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は約100mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は約150mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は約200mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は約250mg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は、2mg/kg/日~最大で13mg/kg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は、2.5mg/kg/日~最大で8mg/kg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は、2.5mg/kg/日~最大で6mg/kg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は、2.5mg/kg/日~最大で4mg/kg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は約2.5mg/kg/日である。いくつかの実施形態では、化合物Aの量は約8mg/kg/日である。
【0378】
[00414] いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、約25mgの化合物Aを含む。いくつかの実施形態では、約100mgの化合物Aを含むカプセル製剤が調製される。いくつかの実施形態では、1、2、3、4又は5つのカプセル製剤が毎日投与される。いくつかの実施形態では、3つ又は4つのカプセルが毎日投与される。いくつかの実施形態では、3つの140mgのカプセルが1日1回投与される。いくつかの実施形態では、4つの140mgのカプセルが1日1回投与される。いくつかの実施形態では、カプセルは1日1回投与される。他の実施形態では、カプセルは1日に複数回投与される。
【0379】
[00415] いくつかの実施形態では、化合物Aは1日1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは1日2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは1日3回投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは1日4回投与される。
【0380】
[00416] いくつかの実施形態では、化合物Aは、疾患が進行するまで、許容できない毒性に至るまで又は個人の選択に基づいて投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、疾患が進行するまで、許容できない毒性に至るまで又は個人の選択に基づいて毎日投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、疾患が進行するまで、許容できない毒性に至るまで又は個人の選択に基づいて隔日で投与される。
【0381】
[00417] 患者の状態が改善した場合、医師の裁量により、化合物(例えば、化合物A)の投与を継続的に行い得るか、又は投与されている薬剤の用量を一時的に減量するか又は一定期間にわたって一時的に中止し得る(すなわち「休薬期間」)。休薬期間の長さは、2日間~1年間(単に例として、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、12日間、15日間、20日間、28日間、35日間、50日間、70日間、100日間、120日間、150日間、180日間、200日間、250日間、280日間、300日間、320日間、350日間又は365日間)で変動し得る。休薬期間中の用量減量は、10%~100%(単に例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%を含む)であり得る。
【0382】
[00418] 患者の状態が改善すれば、必要に応じて維持量を投与する。その後、症状に応じて、投与量若しくは投与頻度又はその両方を、改善された疾患、障害又は状態が維持されるレベルまで減らすことができる。しかし、症状が再発した場合、長期にわたって断続的な処置を要し得る。
【0383】
[00419] そのような量に相当する所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の重篤度、処置を必要とする対象又は宿主のアイデンティティー(例えば、体重)などの要因に応じて変動するが、それでもなお、例えば、投与される特定の薬剤、投与経路及び処置される対象又は宿主を含む、症例を取り巻く特定の状況に応じて、当技術分野で公知の方法で日常的に決定することができる。しかし、一般的に、成人の処置に用いられる用量は、典型的には1日あたり0.02~5000mg又は1日あたり約1~1500mgの範囲であろう。所望の用量は、単回用量で、又は同時に(又は短時間に)投与される分割用量として、又は適切な間隔で例えば1日あたり2、3、4又はそれを超える分割用量として好都合に提供され得る。
【0384】
[00420] 本明細書に記載の医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に適した単位剤形であり得る。単位剤形では、製剤は、適切な量の1つ以上の化合物(例えば、化合物A)を含有する単位用量に分割される。単位剤形は、離散量の製剤を含有するパッケージの形態であり得る。非限定的な例は、包装された錠剤又はカプセル及びバイアル又はアンプルに入った粉末である。水性懸濁組成物は、単回用量の再封できない容器に包装することができる。代わりに、複数回用量の再封可能な容器を使用することもでき、この場合、組成物中に保存剤を含めることが一般的である。単なる例として、非経口注射のための製剤は、アンプルを含むが、これに限定されない単位剤形において又は保存剤を添加した複数回用量の容器で提供され得る。いくつかの実施形態では、各単位剤形は140mgの化合物Aを含む。いくつかの実施形態では、個体には1日あたり1単位剤形が投与される。いくつかの実施形態では、個体には1日あたり2単位剤形が投与される。いくつかの実施形態では、個体には1日あたり3単位剤形が投与される。いくつかの実施形態では、個体には1日あたり4単位剤形が投与される。
【0385】
[00421] 個々の処置レジメンに関する変数の数が多く、これらの推奨値からの大幅な逸脱が一般的であるため、前述の範囲は単なる示唆にすぎない。このような用量は、使用される化合物の活性、処置される疾患又は状態、投与方法、個々の対象の要件、処置される疾患又は状態の重症度及び医師の判断に限定されない、多くの可変要素に応じて変更され得る。
【0386】
[00422] このような治療レジメンの毒性及び治療効果は、LD50(集団の50%の致死量)及びED50(集団の50%で治療上有効な用量)の決定を含むが、これらに限定されない、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手順によって決定できる。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数として知られており、LD50とED50の比として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が推奨される。細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、例えば、ヒトにおける使用のための用量範囲を処方する際に使用できる。このような化合物の投与量は、最小限の毒性でED50を含む循環濃度の範囲内にある。投与量は、使用される剤形及び利用される投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。
【0387】
併用療法
[00423] 特定の場合、化合物Aを別の治療剤と組み合わせて投与することが適切である。
【0388】
[00424] 一実施形態では、本明細書に記載の組成物及び方法は、処置中の状態に対する特定の有用性について選択される他の治療用薬剤と併用される。一般に、本明細書に記載の組成物及び併用療法が使用される実施形態では、他の薬剤は同じ医薬組成物中で投与される必要はなく、物理的及び化学的特徴が異なるため、異なる経路で投与される。一実施形態では、初期投与は確立されたプロトコルに従って行われ、その後、観察された効果に基づいて、投与量、投与様式及び投与回数をさらに変更することができる。
【0389】
[00425] 様々な実施形態では、化合物は、疾患の性質、患者の状態及び使用される化合物の実際の選択に応じて、同時に(例えば、同時に、本質的に同時に又は同じ処置プロトコル内で)又は逐次的に投与される。特定の実施形態では、処置プロトコル中の各治療剤の投与順序及び投与の反復回数の決定は、処置される疾患及び患者の状態の評価に基づく。
【0390】
[00426] 本明細書に記載の併用療法について、共投与される化合物の投与量は、使用される共薬のタイプ、使用される具体的な薬物、処置される疾患又は状態などに応じて変動する。
【0391】
[00427] このような組み合わせの個々の化合物は、別々の又は組み合わせた医薬製剤として連続的に又は同時に投与される。一実施形態では、個々の化合物は、組み合わされた医薬製剤として同時に投与される。公知の治療薬の適切な用量は、当業者に理解されるであろう。
【0392】
[00428] 本明細書で言及される組み合わせは、薬学的に許容される希釈剤又は担体と一緒に医薬組成物の形態で使用するために好都合に提供される。
【0393】
[00429] 本明細書において、特定の実施形態では、ある量の化合物Aを個体に投与することを含む、それを必要とする個体において癌を処置する方法が開示される。いくつかの実施形態では、方法は、第2の癌処置レジメンを投与することをさらに含む。
【0394】
[00430] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンの前にメニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤を投与することにより、第2の癌処置レジメンに対する免疫媒介反応が減少する。いくつかの実施形態では、アツムマブの前に化合物Aを投与すると、アツムマブに対する免疫媒介反応が減少する。
【0395】
[00431] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、化学療法剤、ステロイド、免疫療法剤、標的療法又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、B細胞受容体経路阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、B細胞受容体経路阻害剤は、CD79A阻害剤、CD79B阻害剤、CD19阻害剤、Lyn阻害剤、Syk阻害剤、PI3K阻害剤、Blnk阻害剤、PLCγ阻害剤、PKCβ阻害剤又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、抗体、B細胞受容体シグナル伝達阻害剤、PI3K阻害剤、IAP阻害剤、mTOR阻害剤、放射線免疫療法剤、DNA損傷剤、プロテオソーム阻害剤、Cyp3A4阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、プロテインキナーゼ阻害剤、ヘッジホッグ阻害剤、Hsp90阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、Jak1/2阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、PKC阻害剤、PARP阻害剤又はそれらの組み合わせを含む。
【0396】
[00432] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンはBCL-2阻害剤である。いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、オブリメルセン(G3139)、ABT-737(CAS登録番号852808-04-9)、ナビトクラクス(ABT-263)及びベネトクラクス(ABT-199)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、ABT-199(ベネトクラクス、RG7601、GDC-0199、CAS登録番号1257044-40-8又は4-(4-((2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-N-((3-ニトロ-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ)フェニル)スルホニル)-2-(1H-ピロロ(2,3-b)ピリジン-5-イルオキシ)ベンズアミド)である。いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンはABT-199(ベネトクラクス)であり、処置は相乗的である。
【0397】
[00433] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、クロラムブシル、イホスファミド、ドキソルビシン、メサラジン、サリドマイド、レナリドミド、テムシロリムス、エベロリムス、フルダラビン、フォスタマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、オファツムマブ、リツキシマブ、デキサメタゾン、プレドニゾン、CAL-101、イブリツモマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、ペントスタチン、エンドスタチン又はそれらの組み合わせを含む。
【0398】
[00434] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン並びに任意選択によりリツキシマブを含む。
【0399】
[00435] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、ベンダムスチン及びリツキシマブを含む。
【0400】
[00436] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、フルダラビン、シクロホスファミド及びリツキシマブを含む。
【0401】
[00437] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びプレドニゾン並びに任意選択によりリツキシマブを含む。
【0402】
[00438] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、エトポシド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、プレドニゾロン及び任意選択によりリツキシマブを含む。
【0403】
[00439] いくつかの実施形態では、第2の癌処置レジメンは、デキサメタゾン及びレナリドミドを含む。
【0404】
[00440] いくつかの実施形態では、第2の癌処置はプロテアソーム阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、第2の処置はボルテゾミブを含む。いくつかの実施形態では、第2の癌処置はエポキシケトンを含む。いくつかの実施形態では、第2の癌処置はエポキソマイシンを含む。いくつかの実施形態では、第2の癌処置はテトラペプチドエポキシケトンを含む。いくつかの実施形態では、第2の癌処置はカーフィルゾミブを含む。いくつかの実施形態では、第2の癌処置は、ジスルフラム、エピガロカテキン-3-ガレート、サリノスポラミドA、ONX 0912m、CEP-18770、MLN9708又はMG132を含む。
【0405】
[00441] いくつかの実施形態では、第2の癌処置はCyp3A4阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、第2の癌処置は、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ケトコナゾール及び/又はネファゾドンを含む。いくつかの実施形態では、第2の癌処置はケトコナゾールを含む。
【0406】
[00442] いくつかの実施形態では、第2の癌処置は、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、第2の処置は、レスタウルチニブ、トファシチニブ、ルキソリチニブ、CYT387、バリシチニブ又はパクリチニブを含む。
【0407】
[00443] いくつかの実施形態では、第2の癌処置は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤、HDI)を含む。いくつかの実施形態では、第2の癌処置は、ヒドロキサム酸(又はヒドロキサマート)、例えばトリコスタチンA、ボリノスタット(SAHA)、ベリノスタット(PXD101)、LAQ824及びパノビノスタット(LBH589)など、環状テトラペプチド、例えばトラポキシンB、デプシペプチド、ベンズアミド、例えば、エンチノスタット(MS-275)、CI994及びモセチノスタット(MGCD0103)など、フェニルブチレート、求電子ケトン又は脂肪酸化合物、例えばバルプロ酸などを含む。
【0408】
[00444] 追加の癌処置レジメンは、ベンダムスチン、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、プレドニマスチン及びトホスファミドなどのナイトロジェンマスタード;ブスルファン、マンノスルファン及びトレオスルファンなどのスルホン酸アルキル;カルボコン、チオテパ及びトリアジクオンなどのエチレンイミン;カルムスチン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、セムスチン及びストレプトゾシンなどのニトロソ尿素;エトグルシドなどのエポキシド;ダカルバジン、ミトブロニトール、ピポブロマン及びテモゾロミドなどの他のアルキル化剤;メトトレキサート、ペメトレキセド、プララトレキサート及びラルチトレキセドなどの葉酸類似体;クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ネララビン及びチオグアニンなどのプリン類似体;アザシチジン、カペシタビン、カルモフール、シタラビン、デシタビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びテガフールなどのピリミジン類似体;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン及びビノレルビンなどのビンカアルカロイド;エトポシド及びテニポシドなどのポドフィロトキシン誘導体;デメコルチンなどのコルヒチン誘導体;ドセタキセル、パクリタキセル及びパクリタキセルポリグルメックスなどのタキサン;トラベクテジンなどの他の植物アルカロイド及び天然物;ダクチノマイシンなどのアクチノマイシン;アクラルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピラルビシン、バルルビシン及びゾルビシンなどのアントラサイクリン;ブレオマイシン、イクサベピロン、マイトマイシン及びプリカマイシンなどの他の細胞傷害性抗生物質;カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン及びサトラプラチンなどの白金化合物;プロカルバジンなどのメチルヒドラジン;アミノレブリン酸、エファプロキシラル、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウム及びテモポルフィンなどの感作物質;ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾナニブ、ソラフェニブ、スニチニブ及びテムシロリムスなどのタンパク質キナーゼ阻害剤;アリトレチノイン、アルトレタミン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキンジフチトクス、エストラムスチン、ヒドロキシカルバミド、イリノテカン、ロニダミン、マソプロコール、ミルテホシン、ミトグアゾン、ミトタン、オブリメルセン、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、ロミデプシン、シチマジーンセラデノベック、チアゾフリン、トポテカン、トレチノイン及びボリノスタットなどの他の抗腫瘍薬;ジエチルスチルベノール、エチニルエストラジオール、ホスフェストロール及びリン酸ポリエストラジオールなどのエストロゲン;ゲストノロン、メドロキシプロゲステロン及びメゲストロールなどのプロゲストゲン;ブセレリン、ゴセレリン、リュープロレリン及びトリプトレリンなどのゴナドトロピン放出ホルモン類似体;フルベストラント、タモキシフェン及びトレミフェンなどの抗エストロゲン;ビカルタミド、フルタミド及びニルタミドなどの抗アンドロゲン;アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン、レトロゾール及びボロゾールなどの酵素阻害剤;アバレリクス及びデガレリクスなどの他の抗ホルモン物質;ヒスタミン二塩酸塩、ミファムルチド、ピドチモド、プレリキサフォル、ロキニメックス及びチモペンチンなどの免疫賦活剤;エベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ミコフェノール酸及びシロリムスなどの免疫抑制剤;シクロスポリン及びタクロリムスなどのカルシニューリン阻害剤;アザチオプリン、レナリドミド、メトトレキサート及びサリドマイドなどの他の免疫抑制剤;並びにイオベングアンなどの放射性医薬品を含む。
【0409】
[00445] 追加の癌処置レジメンには、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、成長因子などが含まれる。
【0410】
[00446] 追加の癌処置レジメンは、アンセスチム、フィルグラスチム、レノグラスチム、モルグラモスチム、ペグフィルグラスチム及びサルグラモスチムなどの免疫賦活剤;天然型インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ-n1、天然型インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-1a、インターフェロンベータ-1b、インターフェロンガンマ、ペグインターフェロンアルファ-2a及びペグインターフェロンアルファ-2bなどのインターフェロン;アルデスロイキン及びオプレルベキンなどのインターロイキン;BCGワクチン、グラチラマーアセタート、ヒスタミン二塩酸塩、イムノシアニン、レンチナン、黒色腫ワクチン、ミファムルチド、ペガデマーゼ、ピドチモド、プレリキサフォル、ポリI:C、ポリICLC、ロキニメックス、タソネルミン及びチモペンチンなどの他の免疫賦活剤;アバタセプト、アベチムス、アレファセプト、抗リンパ性の免疫グロブリン(ウマ)、抗胸腺細胞免疫グロブリン(ウサギ)、エクリズマブ、エファリズマブ、エベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ムロマブ-CD3、ミコフェノール酸、ナタリズマブ及びシロリムスなどの免疫抑制剤;アダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴール、エタネルセプト、ゴリムマブ及びインフリキシマブなどのTNFアルファ阻害剤;アナキンラ、バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、リロナセプト、トシリズマブ及びウステキヌマブなどのインターロイキン阻害剤;シクロスポリン及びタクロリムスなどのカルシニューリン阻害剤;アザチオプリン、レナリドミド、メトトレキサート及びサリドマイドなどの他の免疫抑制剤を含む。
【0411】
[00447] 追加の癌処置レジメンは、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、セルトリズマブペゴール、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブチウクセタン、インフリキシマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ又はそれらの組み合わせなどを含む。
【0412】
[00448] 追加の癌処置レジメンは、アレムツズマブ、ベバシズマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、エドレコロマブ、ゲムツズマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、免疫抑制剤、エクリズマブ、エファリズマブ、ムロマブ-CD3及びナタリズマブなどのモノクローナル抗体;アダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴール、ゴリムマブ及びインフリキシマブなどのTNFアルファ阻害剤;バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、トシリズマブ及びウステキヌマブなどのインターロイキン阻害剤;イブリツモマブチウクセタン及びトシツモマブなどの放射性医薬品;アバゴボマブ、アデカツムマブ、アレムツズマブ、抗CD30モノクローナル抗体Xmab2513、抗METモノクローナル抗体MetMab、アポリズマブ、アポマブ、アルシツモマブ、バシリキシマブ、二重特異性抗体2B1、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、カプロマブペンデチド、シクスツムマブ、クローディキシマブ、コナツムマブ、ダセツズマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エプラツズマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、フィギツムマブ、フレソリムマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、グレバツムマブ、イブリツモマブ、イブリツモマブオゾガマイシン、イピリムマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、リンツズマブ、ルカツムマブ、パマツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、モノクローナル抗体CC49、ネシツムマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オレゴボマブ、ペルツズマブ、ラマクリマブ、ラニビズマブ、シプリズマブ、ソネプシズマブ、タネズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブ、セルモロイキン、ベルツズマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ及びザルツムマブなどの他のモノクローナル抗体を含む。
【0413】
[00449] 追加の癌処置レジメンは、細胞のシグナル伝達ネットワーク(例えば、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)シグナル経路、B細胞受容体及びIgEレセプターからのシグナル伝達)など、腫瘍のミクロ環境に影響を及ぼす薬剤を含む。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、PI3Kシグナル伝達阻害剤又はsycキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、syk阻害剤はR788である。別の実施形態では、第2の薬剤は、エンザスタウリンなどのPKCγ阻害剤である。
【0414】
[00450] 腫瘍のミクロ環境に影響を及ぼす薬剤の例は、PI3Kシグナル伝達阻害剤、sycキナーゼ阻害剤、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾナニブ、ソラフェニブ、スニチニブ及びテムシロリムスなどのタンパク質キナーゼ阻害剤;GT-111、JI-101及びR1530などの他の血管形成阻害剤;AC220、AC480、ACE-041、AMG900、AP24534、Arry-614、AT7519、AT9283、AV-951、アキシチニブ、AZD1152、AZD7762、AZD8055、AZD8931、バフェチニブ、BAY73-4506、BGJ398、BGT226、BI811283、BI6727、BIBF 1120、BIBW2992、BMS-690154、BMS-777607、BMS-863233、BSK-461364、CAL-101、CEP-11981、CYC116、DCC-2036、ディナシクリブ、乳酸ドビチニブ、E7050、EMD1214063、ENMD-2076、フォスタマチニブ二ナトリウム、GSK2256098、GSK690693、INCB18424、INNO-406、JNJ-26483327、JX-594、KX2-391、リニファニブ、LY2603618、MGCD265、MK-0457、MK1496、MLN8054、MLN8237、MP470、NMS-1116354、NMS-1286937、ON01919.Na、OSI-027、OSI-930、Btk阻害剤、PF-00562271、PF-02341066、PF-03814735、PF-04217903、PF-04554878、PF-04691502、PF-3758309、PHA-739358、PLC3397、プロゲニポイエチン、R547、R763、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、RO5185426、SAR103168、SCH727965、SGI-1176、SGX523、SNS-314、TAK-593、TAK-901、TKI258、TLN-232、TTP607、XL147、XL228、XL281RO5126766、XL418及びXL765などの他のキナーゼ阻害剤を含む。
【0415】
[00451] メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤化合物(例えば、化合物A)と組み合わせた使用のための抗ガン剤のさらなる例としては、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY-142886、SB239063、SP600125、BAY 43-9006、ウォルトマンニン又はLY294002などのマイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤;Syk阻害剤;mTOR阻害剤;及び抗体(例えば、リツキサン)が挙げられる。
【0416】
[00452] メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤化合物(例えば、化合物A)と組み合わせて用いられ得る他の抗癌剤には、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン及びアシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸エステルナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;フォストリエシナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシウレア;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イイモホシン;インターロイキンIl(組み換えインターロイキンII若しくはrlL2を含む)、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-la;インターフェロンγ-lb;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチド酢酸塩;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイコシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;及びゾルビシン塩酸塩が含まれる。
【0417】
[00453] メニン-MLL相互作用化合物の共有結合性阻害剤(例えば、化合物A)と組み合わせて用いられ得る他の抗癌剤としては、20-epi-1、25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子モジュレータ;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリア痘IL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキサミドアミノトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロラムブシル;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;ホルフェニメクス;ホルメスタン;フォストリエシ;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激ペプチド;成長因子-1受容体阻害剤などのインスリン;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメラリン-N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトールスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリンアミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ラルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチのある二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+マイコバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制因子1に基づく療法;マスタード抗癌剤;マイカペルオキシド;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレータ;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;多硫酸ペントサンナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベースの免疫調節因子;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣薬;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達調節因子;一本鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣薬;チマルファシン;チモポエチン受容体作用薬;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソル;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタチンスチマラマーが挙げられる。
【0418】
[00454] メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤化合物(例えば、化合物A)と組み合わせて用いられ得るさらに他の抗癌剤としては、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然産物又はホルモン、例えばナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド及びクロラムブシルなど)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン及びロムスチンなど)又はトリアゼン(例えば、デカルバジンなど)が挙げられる。代謝拮抗剤の例としては、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)又はピリミジン類似体(例えば、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン及びペントスタチン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0419】
[00455] メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤化合物(例えば、化合物A)と組み合わせて使用することができるアルキル化剤の例としては、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロランブシル及びメイファランなど)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン及びストレプトゾシンなど)又はトリアゼン(例えば、デカルバジンなど)が挙げられるが、これらに限定されない。代謝拮抗剤の例としては、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)又はピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクソウリジン及びシタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン及びペントスタチン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0420】
[00456] 安定化された微小管によりG2-M相中の細胞を阻止することによって作用し、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤化合物(化合物A)と組み合わせて使用され得る抗癌剤の例としては、限定はされないが、以下の市販の薬剤及び開発中の薬剤が挙げられる:エルブロゾール(R-55104としても知られている)、ドラスタチン10(DLS-10及びNSC-376128としても知られている)、イセチオン酸ミボブリン(CI-980としても知られている)、ビンクリスチン、NSC-639829、ディスコデルモライド(NVP-XX-A-296としても知られている)、ABT-751(Abbott、E-7010としても知られている)、アルトリルチン(アルトリルチンA及びアルトリルチンCなど)、スポンジスタチン(スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8及びスポンジスタチン9など)、セマドチン塩酸塩(LU-103793及びNSC-D-669356としても知られている)、エポチロン(エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(デソキシエポチロンA又はdEpoAとしても知られている)、エポチロンD(KOS-862、dEpoB及びデソキシエポチロンBとも呼ばれる)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロンB(BMS-310705としても知られている)、21-ヒドロキシエポチロンD(デソキシエポチロンF及びdEpoFとしても知られている)、26-フルオロエポチロンなど)、アウリスタチンPE(NSC-654663としても知られている)、ソブリドチン(TZT-1027としても知られている)、LS-4559-P(Pharmacia、LS-4577としても知られている)、LS-4578(Pharmacia、LS-477-Pとしても知られている)、LS-4477(Pharmacia)、LS-4559(Pharmacia)、RPR-112378(Aventis)、ビンクリスチン硫酸塩、DZ-3358(Daiichi)、FR-182877(Fujisawa、WS-9885Bとしても知られている)、GS-164(Takeda)、GS-198(Takeda)、KAR-2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF-223651(BASF、ILX-651及びLU-223651としても知られている)、SAH-49960(Lilly/Novartis)、SDZ-268970(Lilly/Novartis)、AM-97(Armad/Kyowa Hakko)、AM-132(Armad)、AM-138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN-5005(Indena)、クリプトフィシン52(LY-355703としても知られている)、AC-7739(Ajinomoto、AVE-8063A及びCS-39.HCIとしても知られている)、AC-7700(Ajinomoto、AVE-8062、AVE-8062A、CS-39-L-Ser.HCI及びRPR-258062Aとしても知られている)、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン(NSC-106969としても知られている)、T-138067(Tularik、T-67、TL-138067及びTI-138067としても知られている)、COBRA-1(Parker Hughes Institute、DDE-261及びWHI-261としても知られている)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジンA1(BTO-956及びDIMEとしても知られている)、DDE-313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリドB、ラウリマリド、SPA-2(Parker Hughes Institute)、SPA-1(Parker Hughes Institute、SPIKET-Pとしても知られている)、3-IAABU(Cytoskeleton/Mt. Sinai School of Medicine、MF-569としても知られている)、ナルコシン(NSC-5366としても知られている)、ナスカピン、D-24851(Asta Medica)、A-105972(Abbott)、ヘミアスタリン、3-BAABU(Cytoskeleton/Mt. Sinai School of Medicine、MF-191としても知られている)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトネート、T-138026(Tularik)、モンサトロール、イナノシン(NSC-698666としても知られている)、3-lAABE(Cytoskeleton/Mt. Sinai School of Medicine)、A-204197(Abbott)、T-607(Tuiarik、T-900607としても知られている)、RPR-115781(Aventis)、エロイテロビン(デスメチルエロイテロビン、デスアセチルエロイテロビン、イソエロイテロビンA及びZ-エロイテロビンなど)、カリベオシド、カリベオリン、ハリコンドリンB、D-64131(Asta Medica)、D-68144(Asta Medica)、ジアゾナミドA、A-293620(Abbott)、NPI-2350(Nereus)、タッカロノリドA、TUB-245(Aventis)、A-259754(Abbott)、ジオゾスタチン、(-)-フェニルアヒスチン(NSCL-96F037としても知られている)、D-68838(Asta Medica)、D-68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D-43411(Zentaris、D-81862としても知られている)、A-289099(Abbott)、A-318315(Abbott)、HTI-286(SPA-110、トリフルオロ酢酸塩としても知られている)(Wyeth)、D-82317(Zentaris)、D-82318(Zentaris)、SC-12983(NCI)、レスベラスタチンリン酸ナトリウム、BPR-OY-007(National Health Research Institutes)及びSSR-250411(Sanofi)。
【0421】
[00457] 特定の実施形態では、個体が、自己免疫疾患、炎症性疾患又はアレルギー疾患に罹患しているか又はそれに罹患するリスクがある場合、化合物Aは、任意の組み合わせで以下の治療剤の1つ以上とともに使用され得る:免疫抑制剤(例えば、タクロリムス、シクロスポリン、ラパマイシン、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ミコフェノール酸若しくはFTY720)、糖質コルチコイド(例えば、プレドニゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン)、非ステロイド性抗炎症薬(例えば、サリチレート、アリールアルカン酸、2-アリールプロピオン酸、N-アリールアントラニル酸、オキシカム、コキシブ若しくはスルホンアニリド)、Cox-2-特異的阻害剤(例えば、バルデコキシブ、セレコキシブ若しくはロフェコキシブ)、レフルノミド、金チオグルコース、金チオマレート、アウロフィン、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、ミノサイクリン、TNF-α結合タンパク質(例えば、インフリキシマブ、エタネルセプト若しくはアダリムマブ)、アバタセプト、アナキンラ、インターフェロン-β、インターフェロン-γ、インターロイキン-2、アレルギーワクチン、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン、β-アゴニスト、テオフィリン又は抗コリン作用薬。
【0422】
キット又は製品
[00458] 本明細書に記載の治療的使用方法における使用のためのキット及び製品も本明細書に記載されている。このようなキットには、バイアル、チューブなどの1つ以上の容器を受けるように区画化されたキャリア、パッケージ又は容器が含まれ、各容器は、本明細書に記載の方法で使用される別個の要素の1つを含む。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、注射器及び試験管が含まれる。一実施形態では、容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成される。
【0423】
[00459] 本明細書に提供される製品は、包装材料を含む。医薬品の包装における使用のための包装材料には、例えば米国特許第5,323,907号に記載されているものが含まれる。医薬包装材料の例としては、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、ボトル及び選択された製剤及び意図された投与及び処置様式に適した任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0424】
[00460] いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物又は組成物は、有効成分を含む1つ以上の単位剤形を含み得るパッケージ又はディスペンサー装置で提供される。本明細書に記載の化合物又は組成物は、単独で包装されるか又は別の化合物若しくは別の成分若しくは添加剤とともに包装される。いくつかの実施形態では、パッケージは、本明細書に記載の医薬組成物の成分の1つ以上が充填された1つ以上の容器を含む。いくつかの実施形態では、パッケージは、ブリスターパックなどの金属箔又はプラスチック箔を含む。いくつかの実施形態では、パッケージ又はディスペンサー装置には、腫瘍性疾患を処置するための化合物又は組成物を投与するための説明書など、投与のための説明書が付属している。いくつかの実施形態では、パッケージ又はディスペンサーには、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって規定された形式で、容器に関連付けられた通知が添付されており、この通知は、ヒト又は動物への投与のための薬物の形態での当局による承認を反映している。いくつかの実施形態では、そのような通知は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認されたラベル又は承認された製品添付文書である。いくつかの実施形態では、組成物は、適合する医薬担体中に製剤化された本明細書に記載の化合物(例えば、化合物A)を含み、調製され、適切な容器に入れられ、適応症の処置についてラベルが付される。
【0425】
[00461] 例えば、容器は、任意選択により組成物中において又は本明細書に記載の別の薬剤と組み合わせて化合物Aを含む。このようなキットには、任意選択により、本明細書に記載の方法におけるその使用に関する識別のための説明若しくはラベル又は説明書が含まれる。
【0426】
[00462] キットには、典型的には、内容物及び/又は使用説明書を記載したラベル並びに使用説明書が記載された添付文書が含まれる。典型的には、説明書一式も含まれる。
【0427】
[00463] 一実施形態では、ラベルは、容器上にあるか又は容器に関連付けられている。一実施形態では、ラベルを形成する文書、数字又は他の文字が容器自体に取り付けられるか、成形されるか又はエッチングされる場合、ラベルは、容器上にあり;ラベルが容器を保持する容器又はキャリア内に存在する場合(例えば、添付文書として)、ラベルは、容器に関連付けられる。一実施形態では、ラベルは、内容物が特定の治療用途に使用されることを示すために使用される。ラベルには、本明細書に記載の方法におけるものなど、内容物の使用方法も示されている。
【0428】
[00464] 特定の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に提供される化合物(例えば、化合物A)を含有する1つ以上の単位剤形を含有するパック又はディスペンサー装置中に提供される。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属箔又はプラスチック箔を含む。一実施形態では、パック又はディスペンサー装置には、投与のための説明書が付属している。一実施形態では、パック又はディスペンサーは、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって規定された形式において、容器に関連付けられた通知も添付されており、この通知は、ヒト又は動物への投与のための薬物の形態での当局による承認を反映している。そのような通知は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認されたラベル又は承認された製品添付文書である。一実施形態では、適合する医薬担体中に製剤化された本明細書に提供される化合物(例えば、化合物A)を含有する組成物も調製され、適切な容器に入れられ、適応症の処置についてラベルが付される。
【0429】
[00465] 別の態様では、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤、[N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド、重水素類似体](その立体異性体、薬学的に許容される溶媒和物(水和物を含む)、多形体及び非晶質相を含む)としての化合物Aの重水素類似体及びその使用方法が本明細書に記載される。特定の実施形態では、1つの水素のみが重水素で置換される。特定の実施形態では、1つ以上の水素が重水素で置換される。
【0430】
[00466] 特定の実施形態では、化合物Aの重水素類似体は、
【化2】

である。
【0431】
[00467] ここで、重水素は、上に示されるように、2、3、5、6、13、15、19、20、22、23、26、28、29、31、33~37、40及び42から選択される任意の1つ以上の位置に結合している。
【0432】
[00468] 特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、2、3、5及び6から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、13及び15から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、19、20、22及び23から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、26、28及び29から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。特定の実施形態では、上に示されるように、重水素が位置31に結合している。特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、33~36から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、40~42から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。
【0433】
[00469] 特定の実施形態では、化合物Aの重水素類似体は、
【化3】

である。
【0434】
[00470] 特定の実施形態では、中心のピリジン環の1つ以上の水素が重水素で置換される。
【0435】
[00471] 別の態様では、立体異性体、薬学的に許容される溶媒和物(水和物を含む)、多形体及び非晶質相を含む、メニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤である化合物P及びその使用方法が本明細書に記載される。特定の実施形態では、化合物Pの1つの水素のみが重水素で置換される。
【化4】
【0436】
[00472] 別の態様では、立体異性体、薬学的に許容される溶媒和物(水和物を含む)、多形体及び非晶質相を含むメニン-MLL相互作用の共有結合性阻害剤としての化合物Pの重水素類似体及びその使用方法が本明細書に記載される。特定の実施形態では、化合物Pの1つの水素のみが重水素で置換される。特定の実施形態では、化合物Pの1つ以上の水素が重水素で置換される。
【0437】
[00473] 特定の実施形態では、化合物Pの重水素類似体は、
【化5】

である。
【0438】
[00474] ここで、重水素は、上に示されるように、1、3、4、6、13、14、16、18~20、23、24、27、33、36、37、39及び40から選択される任意の1つ以上の位置に結合している。
【0439】
[00475] 特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、1、3、4及び6から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。
【0440】
[00476] 特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、13、14及び16から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。
【0441】
[00477] 特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、18~20から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。
【0442】
[00478] 特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、23及び24から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。
【0443】
[00479] 特定の実施形態では、上に示されるように、重水素が位置27に結合している。
【0444】
[00480] 特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、33から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。
【0445】
[00481] 特定の実施形態では、重水素は、上に示されるように、36、37、39及び40から選択される任意の1つ以上の位置に結合されている。
【0446】
[00482] 特定の実施形態では、化合物Pの重水素類似体は、
【化6】

である。
【実施例
【0447】
実施例
[00483] 以下の成分、製剤、プロセス及び本明細書に開示される化合物を作製し方法を実施するための手順は、上記に開示される化合物及び方法に対応する。
【0448】
化合物Aの調製
[00484] 化合物Aは、米国特許第11,084,825号(その全体が参照により組み込まれる)に記載される方法に従って調製された。
【0449】
[00485] 代わりに、化合物Aは、以下に示す合成スキームに従って調製され得る。
【化7】
【0450】
実施例1:N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の結晶形態の調製
多形パターンAの調製
[00486] HCl塩としての化合物Aを脱イオン水(3.00体積)に溶解し、溶液が中性(pH=7)になるまで、飽和NaHCO水溶液を混合物にゆっくり加えた。添加中に固体が沈殿した。固体を濾過により収集し、MeOH(2.00体積)で洗浄した。フィルターケーキをオーブン中45℃で24時間乾燥させて、化合物Aを遊離塩基として得た。
【0451】
パターンBの調製
[00487] 化合物AをDCM:MeOH(1:1、150体積)に溶解し、樹脂(SMA-905、50重量%)を加えた。次いで、混合物を65℃で12時間撹拌した。次いで、混合物を25℃に冷却し、濾過した。濾液を真空下で濃縮して、化合物Aを得た。
【0452】
多形パターンCの調製
[00488] パターンCは、以下の手順を使用して問題なく調製された。
・約200mgの化合物Aを4mLのガラスバイアルに秤量した。次いで、TFE(2.2mL)をバイアルに加えた。
・得られた懸濁液をスラリーとして50℃で約2時間保持し;次いで、スラリーを遮光して約3日間撹拌し続けた。
・固体を濾過によって分離し、湿ケーキをXRPDで調べた。
・中結晶性パターンCが淡黄色固体として得られた。固体は、XRPD、TGA、DSC及びH NMRによってさらに特性評価された。
【0453】
【表8】
【0454】
多形パターンEの調製
[00489] パターンE(DMSO溶媒和物):約50mgの化合物Aを、25℃で撹拌しながらDMSO(0.4mL)中で平衡化した。1日後、追加のDMSO(0.4mL)を加えて懸濁液を維持した。2週間にわたって平衡化した後、固体を遠心濾過により分離し、パターンEを得た。
【0455】
多形パターンGの調製
[00490] パターンG(TFE溶媒和物):約30mgの化合物AをTFE(2mL)に溶解した。得られた溶液を0.45μmのナイロンフィルターで濾過した。得られた透明溶液を周囲温度でゆっくりと蒸発させた。8日後、残留固体をXRPDで分析し、パターンGを得た。
【0456】
多形パターンFの調製
[00491] パターンEは、以下の手順を使用して問題なく調製された。
・約250mgの化合物Aを8mLガラスバイアルに秤量した。MeOH:DCM(1:1 v/v、4mL)をバイアルに加えた。
・得られた懸濁液をスラリーとして25℃で約2時間保持し、次いで遮光して約5日間撹拌した。
・固体を濾過によって分離し、湿ケーキをXRPDで調べた。
・高結晶性パターンFが淡黄色固体として得られた。固体は、XRPD及びH NMRによってさらに特性評価された。
【0457】
【表9】
【0458】
パターン多形Dの調製
[00492] パターンD、化合物A、パターンD-乾燥は、以下の手順を使用して問題なく調製された。
・約500mgの化合物Aを8mLのガラスバイアルに秤量した。THF:水(80:20 v/v、8mL)をバイアルに加えた。
・得られた懸濁液をスラリーとして50℃で約4日間、遮光して保管した。
・固体を濾過により単離し、湿ケーキを真空下50℃で約3時間乾燥させた。
・高結晶性パターンDが淡黄色固体として得られた(収率54%)。乾燥固体は、XRPD、TGA、DSC、H NMR、KF及びDVSによってさらに特性評価された。
【0459】
多形パターンD-1の調製
[00493] パターンD、化合物A、パターンD-THF-水-乾燥は、以下の手順を使用して問題なく調製された。
・約8gの化合物Aを120mLのガラスバイアルに秤量した。THF:水(80:20v/v、80mL)をバイアルに加え、懸濁液を維持した。
・得られた懸濁液をスラリーとして50℃で約2日間、遮光して保管した。
・THF:水(80:20v/v、20mL)を加えて懸濁液を維持した。
・固体を濾過により単離し、湿ケーキを真空下50℃で約12時間乾燥させた。
・6.66gの中結晶性パターンDが淡黄色固体として得られた(収率82.5%)。
・乾燥固体は、XRPD、TGA、DSC、1HNMR及びKFによってさらに特性評価された。
【0460】
[00494] 手動粉砕による非晶質遊離型の調製
[00495] 非晶質遊離型、パターンD-粉砕-非晶質遊離型は、以下の手順を使用して問題なく調製された。
・2gの遊離型パターンDを、乳鉢及び乳棒を用いて10分間手動で粉砕した。
・1.83gの非晶質遊離型が淡黄色固体として得られた(収率91.5%)。
・黄色粉末をXRPD及びmDSCで調べた。
【0461】
【表10】
【0462】
[00496] 化合物Aの非晶質遊離型の特性評価、サンプルパターンD-粉砕-非晶質遊離型を以下の表に報告する。
【0463】
[00497] 化合物A形態パターンDの特性評価、サンプルスケールアップ-パターンD-THF-水-乾燥を以下の表に報告する。
【0464】
【表11】
【0465】
多形パターンJの調製
[00498] HCl塩としての化合物Aを脱イオン水(3.00体積)に溶解し、pH=7になるまで、飽和NaHCO水溶液を混合物にゆっくり加えた。添加中に固体が沈殿した。次いで、固体を濾過によって収集し、MeOH(2.00体積)で洗浄した。フィルターケーキをオーブン中45℃で24時間乾燥させて、化合物AをパターンJとして得た。
【0466】
実施例2:粉末X線回折(XRPD)
[00499] 粉末X線回折パターンは、Bruker AXS C2 GADDS又はBruker AXS D8回折計で収集された。
【0467】
Bruker AXS C2 GADDS
[00500] 粉末X線回折パターンは、Cu Kα照射(40kV、40mA)、自動XYZステージ、自動サンプル位置決めのためのレーザービデオ顕微鏡及びHiStar 2次元領域検出器を使用して、Bruker AXS C2 GADDS回折計で収集された。X線光学系は、0.3mmのピンホールコリメーターと組み合わせた単一のGoebel多層膜ミラーで構成されている。毎週の性能チェックは、認証規格NIST 1976コランダム(平板)を使用して実行される。ビームの発散(すなわちサンプル上のX線ビームの有効サイズ)は、およそ4mmであった。θ-θ連続スキャンモードは、サンプルと検出器の距離が20cmで使用され、有効2θ範囲は3.2°~29.7°になる。典型的には、サンプルは、120秒間にわたってX線ビームにさらされ得る。データ収集に使用したソフトウェアは、GADDS for WNT 4.1.16であり、データは、Diffrac Plus EVA v11.0.0.2又はv13.0.0.2を使用して分析及び表示された。
【0468】
[00501] 周囲条件
[00502] 周囲条件下で実行されたサンプルは、粉砕せずに受け取ったままの粉末を使用して平板試験片として調製された。およそ1~2mgのサンプルをスライドガラス上で軽く押して平坦面を得た。
【0469】
[00503] 非周囲条件
[00504] 非周囲条件下で実行されたサンプルは、熱伝導性化合物とともにシリコンウエハ上に乗せた。次いで、サンプルを10℃/分で適切な温度まで加熱し(別段の記載がない限り)、その後、データ収集を開始する前に1分間等温に保持した。
【0470】
Bruker AXS D8 Advance
[00505] 粉末X線回折パターンは、Cu Kα照射(40kV、40mA)、θ-2θゴニオメーター及びV4と受光スリットの発散を使用するBruker D8回折計並びにGeモノクロメーター及びLynxeye検出器で収集された。この装置は、認証されたコランダム規格(NIST 1976)を使用して性能検査が行われる。データ収集に使用したソフトウェアは、Diffrac Plus XRD Commander v2.5.0であり、データは、Diffrac Plus EVA v11.0.0.2又はv13.0.0.2を使用して分析及び表示された。サンプルは、受け取ったままの粉末を使用して、平板試験片として周囲条件下で実行された。サンプルは、研磨されたゼロバックグラウンド(510)シリコンウエハに切り取られた空間に静かに充填された。分析中、サンプルを面内回転させた。データ収集の詳細は、以下の通りである。
・角度範囲:2~42°2θ
・ステップ幅:0.05°2θ
・収集時間:0.5秒/ステップ
【0471】
形態AのXRPD
[00506] 形態Aの粉末X線回折を図1Aに示す。特徴的なピークとしては、3.5±0.1°2-シータ、10.4±0.1°2-シータ、14.7±0.1°2-シータ、17.1±0.1°2-シータ、21±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、29.5±0.1°2-シータ及び34.1±0.1°2-シータが挙げられる。
【0472】
形態BのXRPD
[00507] 形態Bの粉末X線回折を図2Aに示す。特徴的なピークとしては、5.9±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、10.5±0.1°2-シータ、12.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、19±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータが挙げられる。
【0473】
形態CのXRPD
[00508] 形態Cの粉末X線回折を図3Aに示す。特徴的なピークとしては、5.2±0.1°2-シータ、5.9±0.1°2-シータ、7.2±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.6±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.1±0.1°2-シータ、15.9±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.1±0.1°2-シータ及び20.1±0.1°2-シータが挙げられる。
【0474】
形態DのXRPD
[00509] 形態Dの粉末X線回折を図4Aに示す。特徴的なピークとしては、3.4±0.1°2-シータ、5.3±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、21.5±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータが挙げられる。
【0475】
[00510] 40℃/75%RHにおいて1週間にわたって保管した後又は25℃/92%RHにおいて1週間にわたって保管した後、結晶化度は、影響を受けなかった。
【0476】
形態EのXRPD
[00511] 形態Eの粉末X線回折を図5Aに示す。特徴的なピークとしては、3.4±0.1°2-シータ、4.7±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、6.9±0.1°2-シータ、7.1±0.1°2-シータ、7.6±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、9.3±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、13±0.1°2-シータ、13.8±0.1°2-シータ、15.7±0.1°2-シータ、16.2±0.1°2-シータ、16.7±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、18.4±0.1°2-シータ、18.6±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、20.7±0.1°2-シータ、21.4±0.1°2-シータ、22.2±0.1°2-シータ、23±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、26±0.1°2-シータ、28±0.1°2-シータ、29.2±0.1°2-シータ、30.5±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.6±0.1°2-シータ及び34.5±0.1°2-シータが挙げられる。
【0477】
形態FのXRPD
[00512] 形態Fの粉末X線回折を図6Aに示す。特徴的なピークとしては、4.2±0.1°2-シータ、6.3±0.1°2-シータ、8.6±0.1°2-シータ、8.8±0.1°2-シータ、12±0.1°2-シータ、12.2±0.1°2-シータ、12.5±0.1°2-シータ、14.4±0.1°2-シータ、15±0.1°2-シータ、16±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、17.5±0.1°2-シータ、17.8±0.1°2-シータ、18.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ、20.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、21.7±0.1°2-シータ、22.1±0.1°2-シータ、23.4±0.1°2-シータ、24.2±0.1°2-シータ、25.3±0.1°2-シータ、25.5±0.1°2-シータ、26.3±0.1°2-シータ、27.1±0.1°2-シータ、29±0.1°2-シータ、30.3±0.1°2-シータ、31.6±0.1°2-シータ、33.1±0.1°2-シータ、34.3±0.1°2-シータ及び35.6±0.1°2-シータが挙げられる。
【0478】
形態GのXRPD
[00513] 形態Gの粉末X線回折を図7Aに示す。特徴的なピークとしては、8±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、12.1±0.1°2-シータ、16.8±0.1°2-シータ、19.2±0.1°2-シータ及び24.6±0.1°2-シータが挙げられる。
【0479】
形態JのXRPD
[00514] 形態Jの粉末X線回折を図8Aに示す。特徴的なピークとしては、3.5±0.1°2-シータ、4.5±0.1°2-シータ、6.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.2±0.1°2-シータ、11.3±0.1°2-シータ、11.8±0.1°2-シータ、13.2±0.1°2-シータ、13.6±0.1°2-シータ、14±0.1°2-シータ、14.6±0.1°2-シータ、15.4±0.1°2-シータ、16.1±0.1°2-シータ、16.6±0.1°2-シータ、16.9±0.1°2-シータ、17.2±0.1°2-シータ、18.3±0.1°2-シータ、19.1±0.1°2-シータ、20.5±0.1°2-シータ、20.8±0.1°2-シータ、21.6±0.1°2-シータ、23.5±0.1°2-シータ、23.8±0.1°2-シータ、24.6±0.1°2-シータ、24.9±0.1°2-シータ、25.2±0.1°2-シータ、25.8±0.1°2-シータ、26.2±0.1°2-シータ、26.7±0.1°2-シータ、26.8±0.1°2-シータ、27.4±0.1°2-シータ、27.7±0.1°2-シータ、28.7±0.1°2-シータ、29.3±0.1°2-シータ、30.1±0.1°2-シータ、31.2±0.1°2-シータ、31.8±0.1°2-シータ、34.1±0.1°2-シータ、34.9±0.1°2-シータ、35.6±0.1°2-シータ、36.4±0.1°2-シータ、36.7±0.1°2-シータ、38.5±0.1°2-シータ及び38.8±0.1°2-シータが挙げられる。
【0480】
形態Dについての模擬XRPD
[00515] 形態Dについて模擬XRPDパターンを生成した。形態Dについての粉末X線回折模擬パターンを図4Aに示す。特徴的なピークとしては、5.3±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、21.5±0.1°2-シータ及び24.2±0.1°2-シータが挙げられる。
【0481】
実施例4:フーリエ変換-赤外(FTIR)
[00516] データは、汎用性の減衰全反射(ATR)サンプリングアクセサリーを備えたPerkin-Elmer Spectrum Oneで収集された。データは、Spectrum v5.0.1ソフトウェアを使用して収集及び分析された。
【0482】
[00517] 形態Dの赤外スペクトルを図9Aに示す。形態Dの赤外スペクトルで観察される特徴的なピークには、約3332cm-1(標識なし)、約2853cm-1(標識なし)、約1561cm-1(標識なし)、約1523cm-1、約1438cm-1、約1257cm-1、1112cm-1及び約930cm-1が含まれる。
【0483】
実施例5:示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量分析(TGA)
[00518] DSCデータは、50ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Q2000で収集された。熱容量の較正はサファイアを使用して実行され、エネルギー及び温度の較正は認証インジウムを使用して実行された。典型的には、0.5~3mgの各サンプルを、ピンホール付きアルミニウムパン中、10℃/分で25℃から300℃まで加熱した。別段の記載がない限り、50mL/分での乾燥窒素のパージをサンプル全体に維持した。温度変調DSCは、2℃/分の基礎加熱速度及び60秒(周期)ごとの±0.318℃(振幅)の温度変調パラメーターを使用して実行した。機器制御ソフトウェアはAdvantage for Q Series v2.8.0.392及びThermal Advantage v4.8.3であり、データはUniversal Analysis v4.4Aを使用して分析された。
【0484】
[00519] TGAデータは、16ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGAで収集された。装置は、認証されたアルメル及びニッケルを使用して温度較正された。典型的には、3~10mgの各サンプルをあらかじめ風袋を測定したアルミニウムDSCパンに入れ、周囲温度から350℃まで10℃/分で加熱した。別段の記載がない限り、60mL/分での窒素パージをサンプル全体に維持した。機器制御ソフトウェアはAdvantage for Q Series v2.8.0.392及びThermal Advantage v4.8.3であり、データはUniversal Analysis v4.4Aを使用して分析された。
【0485】
形態A
[00520] DSC(加熱速度:10℃/分又は20℃/分)において、約234.6℃における開始及び約245℃におけるピークを有する吸熱が観察された。
【0486】
形態C
[00521] DSC(加熱速度:10℃/分又は20℃/分)において、約150~151℃における開始及び約156~157℃におけるピークを有する吸熱が観察された。
【0487】
形態D
[00522] DSC(加熱速度:10℃/分又は20℃/分)において、約260~261℃における開始及び約273℃におけるピークを有する吸熱が観察された。
【0488】
形態E
[00523] DSC(加熱速度:10℃/分又は20℃/分)において、約112~113℃における開始及び約137~138℃におけるピークを有する吸熱が観察された。
【0489】
[00524] いくつかの実施形態では、形態Aは、HPLC分析で95%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Aは、HPLC分析で96%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Aは、HPLC分析で97%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Aは、HPLC分析で98%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Aは、HPLC分析で99%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Aは、HPLC分析で99.8%の純度である。
【0490】
[00525] いくつかの実施形態では、形態Bは、HPLC分析で95%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Bは、HPLC分析で96%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Bは、HPLC分析で97%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Bは、HPLC分析で98%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Bは、HPLC分析で99%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Bは、HPLC分析で97.8%の純度である。いくつかの実施形態では、形態Bは、HPLC分析で99.8%の純度である。
【0491】
[00526] いくつかの実施形態では、形態Cは、HPLC分析で95%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Cは、HPLC分析で96%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Cは、HPLC分析で97%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Cは、HPLC分析で98%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Cは、HPLC分析で99%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Cは、HPLC分析で99.4%の純度である。
【0492】
[00527] いくつかの実施形態では、形態Dは、HPLC分析で95%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Dは、HPLC分析で96%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Dは、HPLC分析で97%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Dは、HPLC分析で98%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Dは、HPLC分析で99%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Dは、HPLC分析で99.4%の純度である。
【0493】
[00528] いくつかの実施形態では、形態Eは、HPLC分析で95%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Eは、HPLC分析で96%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Eは、HPLC分析で97%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Eは、HPLC分析で98%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Eは、HPLC分析で99%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Eは、HPLC分析で99.4%の純度である。
【0494】
[00529] いくつかの実施形態では、形態Fは、HPLC分析で95%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Fは、HPLC分析で96%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Fは、HPLC分析で97%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Fは、HPLC分析で98%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Fは、HPLC分析で99%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Fは、HPLC分析で99.4%の純度である。
【0495】
[00530] いくつかの実施形態では、形態Gは、HPLC分析で95%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Gは、HPLC分析で96%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Gは、HPLC分析で97%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Gは、HPLC分析で98%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Gは、HPLC分析で99%超の純度である。いくつかの実施形態では、形態Gは、HPLC分析で99.4%の純度である。
【0496】
固体経口剤形
[00531] いくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、固体経口剤形に製剤化される。いくつかの実施形態では、N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドの結晶化度は、固体経口剤形において維持される。いくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、錠剤に製剤化される。いくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、丸剤に製剤化される。いくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、カプセル剤に製剤化される。いくつかの実施形態では、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、賦形剤を伴い又は伴わず、カプセルに入れられる。これらの実施形態のいずれかでは、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、形態Aである。これらの実施形態のいずれかでは、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、形態Bである。これらの実施形態のいずれかでは、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、形態Cである。これらの実施形態のいずれかでは、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、形態Dである。これらの実施形態のいずれかでは、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、形態Eである。これらの実施形態のいずれかでは、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、形態Fである。これらの実施形態のいずれかでは、結晶性N-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミドは、形態A、形態B、形態C、形態D、形態E及び形態Fからなる群から選択される2つ以上の結晶形態の混合物である。
【0497】
実施例6:カプセル製剤
[00532] 一実施形態では、ヒトに投与するための化合物Aのカプセル製剤は、以下の成分を用いて調製される。
【0498】
【表12】
【0499】
[00533] いくつかの実施形態では、製造プロセスは、以下のステップを含む:指定された量の成分を秤量し、一緒に混合し、適切なサイズのカプセルに加え、カプセルを閉じる。いくつかの実施形態では、カプセルは、使用されるまで長期間室温で保管される。
【0500】
実施例7:化合物A
[00534] 化合物Aのカプセル(25mg及び100mg)を製造するためのプロセスステップを以下に説明する(表2及び表3)。APIは、タンブルブレンダーでアルファ化デンプン、ラクトース、クロスポビドン及びコロイド状二酸化ケイ素とブレンドされる。ブレンドは、コニカルミルを使用して粉砕される(塊をなくすため)。粉砕したブレンドをタンブルブレンダーで再度ブレンドする。ステアリン酸マグネシウムを加え、粉末をブレンドする。ブレンドをローラー圧縮する。100mgカプセルの場合、顆粒外のアルファ化デンプンを顆粒に加え、ブレンドする。最終ブレンドは、半手動のプロセスを使用してカプセルに充填される。カプセルは、除塵/研磨され、金属について検査され、重量が選別される。
【0501】
【表13】
【0502】
【表14】
【0503】
実施例8:慢性リンパ性白血病における化合物Aの安全性及び忍容性の研究
[00535] 化合物Aの非盲検用量漸増試験では、化合物Aの漸増用量の安全性、忍容性、PK/PD及び臨床活性が決定される。ALL、AML及び急性混合表現型白血病(AMPL)を含むR/R急性白血病を有する成人患者(すなわち18歳以上の個人)に投与される場合、化合物は、修正フィボナッチ数列に従った用量漸増による加速漸増デザイン(ATD)を使用して、28日サイクルで毎日投与される(すなわち増分比:最初の漸増において2.00、2回目で1.67、3回目で1.50、その後の全ての用量レベルで1.33を使用する)。
【0504】
[00536] 2つの別個の用量漸増が並行して実行され、用量漸増アーム(アームA、アームB)には、シトクロムP450 3A4(CYP3A4)活性を阻害する薬剤を投与されていない患者(アームA)又は投与中の患者(アームB)が選択的に登録される。最適生物学的用量(OBD)の決定に続き、OBDで投与された場合の薬剤の安全性及び忍容性をさらに評価し、初期の有効性シグナルを特定するために、それぞれR/R急性白血病を有する患者およそ12人の2つの拡大コホート(患者がCYP3A4阻害剤を投与されているかどうかに基づいて区別される)が第1相の後半で実施される。単一のOBDが特定できた場合、R/R急性白血病を有する患者およそ24人の単一拡大コホートが実施される。
【0505】
[00537] 化合物Aは、連続28日サイクルで経口用量として1日1回投与される。最適な生物学的用量及び推奨される第2相用量を決定するために、用量は潜在的な最大耐量まで漸増及び/又は拡大される。
【0506】
[00538] 第2段階では、急性白血病患者が登録される。患者には、混合系統白血病遺伝子の再構成(MLL、別名リジンメチルトランスフェラーゼ2A、KMT2A)、MLL/KMT2A部分タンデム重複(MLL-PTD)、PICALM-AF10(別名CALM-AF10)再構成、ヌクレオホスミン1(NPM1)変異、髄膜腫-1の転座(MN1)又はCCAATエンハンサー結合タンパク質アルファ(CEBP/A)変異を含む、R/R AML、ALL又はAMPLを有する患者が含まれる。患者は1日目から開始して28日間の連続サイクルで処置を受ける。患者は、試験全体を通して薬物動態及び薬力学について評価される。エンドポイントには、完全寛解、部分的な血液学的回復を伴う完全寛解、全生存及び無イベント生存が含まれる。
【0507】
実施例9:慢性リンパ性白血病における化合物Aの安全性及び忍容性の研究
[00539] 目的:この研究の目的は、B細胞慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫/びまん性高分化型リンパ球性リンパ腫の患者における、経口投与される化合物A(25又は100mg/日)の安全性及び最適用量を確立することである。
主要評価項目:化合物Aの安全性及び忍容性(有害事象の頻度、重症度及び関連性)。
副次的評価項目:薬物動態/薬力学評価。腫瘍反応:CLL及びSLL(B細胞リンパ腫)に関する最近のガイドラインで定義される全体的反応率及び反応期間。
適格性:18歳以上;いずれの性別も適格である。
【0508】
[00540] 包含基準:1.未処置グループのみ:CLL/SLLと確定診断され、NCI又は国際作業部会ガイドライン11-14に従った処置を要する65歳以上の男性及び女性。2.再発/難治性グループのみ:治療に応答しない再発性/難治性のCLL/SLLと確定診断されている18歳以上の男性及び女性(すなわちCLL/SLLに対する過去の処置に2回以上失敗し、CLLの対象について少なくとも1つのレジメンがプリン類似体[例えば、フルダラビン]を有していなければならない)。3.体重40kg以上。4.ECOGパフォーマンスステータス2以下。5.性的に活動的であり子供を産むことができる場合、試験中及び試験薬の最後の投与後30日間の避妊への同意。6.困難を伴わないカプセルの嚥下を含む、この試験プロトコルで必要な全ての評価及び手順に参加する意思があり、それが可能である。7.試験の目的及びリスクを理解し、署名及び日付付きのインフォームドコンセント並びに保護医療情報を使用するための許可を提供する能力(国及び地方の対象のプライバシー規制に従って)。
【0509】
[00541] 除外基準:1.治験責任医師の意見において、対象の安全性を損ね、化合物AのPOの吸収及び代謝に干渉するか又は試験アウトカムを過度の危険性に曝し得る、生命にかかわる病気、病状又は臓器系機能不全。2.試験薬の最初の投与前の4週以内の、任意の免疫療法、化学療法、放射線療法又は実験的治療(疾患関連の症状に関するコルチコステロイドは認められるが、治験薬の投与前に1週間のウォッシュアウトを必要とする)。3.リンパ腫による中枢神経系(CNS)関与。4.試験薬の初回投与前4週間以内の大手術。5.クレアチニン>1.5×組織的な正常値上限(ULN);総ビリルビン>1.5×ULN(ジルベール病によるものでない限り);及び疾患が関連しない限り、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)又はアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>2.5×ULN。6.QT延長又はトルサード・ド・ポワンツを引き起こすことが知られている薬剤の併用。7.左脚ブロック、2度AVブロックII型、3度ブロック、徐脈及びQTc>470ミリ秒を含む有意なスクリーニング心電図(ECG)異常性。8.授乳中又は妊娠中。
【0510】
実施例10:再発性/難治性(R/R)マントル細胞リンパ腫(MCL)を有する患者における化合物Aの安全性及び有効性
[00542] この試験の主要目的は、マントル細胞リンパ腫(MCL)を有する再発/難治性(R/R)対象における化合物Aの有効性を評価することである。副次的目的は、この集団における化合物Aの毎日の固定投与レジメン(カプセルの形態で25又は100mg/日)の安全性を評価することである。
主要評価項目:化合物Aに対する反応を有する参加者の数を測定すること。
副次的評価項目:安全性及び忍容性の尺度として、有害事象を有する参加者の数を測定すること。試験薬に対して身体がどのように反応するかを判断することを補助するために薬物動態を測定すること。患者報告アウトカム(健康関連の生活の質を決定する際にアウトカムを報告した参加者の数を測定すること)。
適格性:18歳以上;いずれの性別も適格である。
包含基準:18歳以上の男性及び女性。ECOGパフォーマンスステータス2以上。サイクリンD1又はt(11;14)の過剰発現のいずれか記録があり、最長直径が2cm以上で、垂直な2次元で測定可能な断面画像で測定可能な疾患を有する、病理学的に確認されたMCL。最新の処置レジメンで少なくとも部分奏効(PR)を達成できなかったことの確認又はその後の疾患進行の確認。少なくとも1回であるが5回以下のMCLの前処置レジメン(注記:単剤又は併用療法レジメンの一部として、ボルテゾミブによる事前処置を2サイクル以上受けている対象は、ボルテゾミブ曝露と見なされる)。困難を伴わないカプセルの嚥下を含む、この試験プロトコルで必要な全ての評価及び手順に参加する意思があり、それが可能である。試験の目的及びリスクを理解し、署名及び日付付きのインフォームドコンセント並びに保護医療情報を使用するための許可を提供する能力(国及び地方の対象のプライバシー規制に従って)。
主要除外基準:3週間以内の化学療法、6週間以内のニトロソウレア、4週間以内の治療用抗癌抗体、10週間以内の放射性免疫複合体又は毒素免疫複合体、3週間以内の放射線療法又は試験薬の初回投与後2週間以内の大手術。治験責任医師の意見において、対象の安全性を損ねるか、化合物Aカプセルの吸収及び代謝に干渉するか又は試験アウトカムを過度の危険性に曝し得る、生命にかかわる病気、病状又は臓器系機能不全。スクリーニングの6ヶ月以内の制御されない若しくは徴候的な不整脈、鬱血性心不全若しくは心筋梗塞などの臨床的に有意な心疾患又はニューヨーク心臓協会の機能別分類によって定義されるような任意のクラス3若しくはクラス4の心臓病。吸収不良症候群、胃腸の機能に著しく影響する疾患又は胃、小腸若しくは潰瘍性大腸炎の切除、徴候的な炎症性腸疾患又は部分的若しくは完全な腸閉塞。以下の臨床検査異常のいずれか:1.骨髄関与が確認されていない限り、絶対好中球数(ANC)<750細胞/mm(0.75×109/L)。2.骨髄関与が確認されていない限り、輸血サポートに依存しない血小板数<50,000細胞/mm(50×109/L)。3.血清アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)又はアラニントランスアミナーゼ(ALT/SGPT)≧3.0×正常上限(ULN)。4.クレアチニン2.0×ULN超。
【0511】
実施例B1a
Pan KRASインビトロ阻害活性
[00543] 本実施例は、本明細書に提供される化合物の、KRAS変異細胞の増殖を阻害する能力を評価する。
【0512】
[00544] 細胞増殖に対する阻害効果は、ヒト膵臓KRAS変異細胞株MIA PaCa-2、HuP-T4、HPAF-II、ヒト肺KRAS変異細胞株NCI-H358並びにヒト結腸KRAS変異細胞株SW837、SW60及びNCI-H747で調査された。細胞は、RPMI-1640培地(ThermoFisherカタログ番号61870036)、Eagle’s Minimum Essential培地(EMEM、ATCCカタログ番号30-2003)、Leibovitz’s L-15培地(L-15、ATCCカタログ番号30-2008)中で維持し、細胞株ベンダーの培地要件に従って10%の熱不活性化FBS(ThermoFisherカタログ番号A31605)及び1%のPen-Strep(Pen-Strepカタログ番号10378016)を添加し、5%COの加湿インキュベーター内、37℃で培養した。細胞は培養フラスコに付着して増殖し、70%~80%のコンフルエンシーに維持された。
【0513】
[00545] ATPは代謝活動が活発な全ての細胞に存在し、生存細胞のマーカーと考えられている。培養物中の代謝活性な生細胞の数は、サプライヤーの実験推奨に従って、添加されたUltraGlo(登録商標)組換えルシフェラーゼとATPの反応による発光の生成に基づくATPモニタリングシステムであるCellTiter-Gloキット(Promegaカタログ番号G7572)を使用して決定された(Kawano et al., 2016, PLOS One, 8;11(7): e0158888)。細胞増殖アッセイは、96ウェルプレート形式を使用して実施された。
【0514】
[00546] 薬剤AをDMSO(Sigmaカタログ番号D8418;純度99.9%以上)に溶解し、10mMストック溶液を調製した。各実験実行について、8つの濃度の試験化合物を二重に評価した。100%細胞増殖は、未処置細胞(0.2%DMSO)で表される。
【0515】
[00547] 実験当日(T)、TrypLE(ThermoFisherカタログ番号12604054)で細胞を剥離し、細胞生存率分析装置NucleoCounter(Chemometec NC-200)を使用して定量し、培地200μLあたり約5000細胞の細胞密度で新鮮な培地に再懸濁した。200μLの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに加えた。
【0516】
[00548] 化合物Aは、公知のKRAS治療薬と比較して、試験した全ての癌細胞タイプにわたってKRAS変異細胞株の顕著に大きい増殖阻害を示した。各KRAS変異は、サブタイプにかかわらず、化合物Aに対して感受性であった。化合物Aは、CRC、NSCLC及び膵臓癌の、KRAS変異を有する患者サンプルに対し、高い効力及び増殖阻害を示した。化合物Aは、臨床可逆的メニン阻害剤と比較して、著しく強力で、エクスビボ患者サンプルの増殖を劇的に減少させた。化合物Aは単剤として強力であり、CRC、NSCLC及び膵臓の前臨床モデルにおいて、公知のKRAS治療薬及び可逆的メニン阻害剤よりも優れた利点を示す。
【0517】
実施例B1a
トリプルヒットリンパ腫(THL)、二重発現リンパ腫(DEL)及び多発性骨髄腫(MM)における化合物A
[00549] 本実施例は、前臨床モデルにおいて、本明細書に提供される化合物の、トリプルヒットリンパ腫(THL)、二重発現リンパ腫(DEL)DLBCL及び多発性骨髄腫を阻害する能力を評価する。
【0518】
[00550] THL及びDELは、標準的なR-CHOP/R-EPOCH療法に対する反応が乏しく、満たされていない臨床ニーズが高い、DLBCLのサブセットを表す。THLはMYCに転座を有し、BCL2/BCL6及びDELはMYC/BCL2の高発現を有する。集合的に、これらは高度にMYC駆動型の腫瘍を表す。この実施例では、THL及びDEL前臨床モデルにおける化合物A並びに様々な変異及び細胞遺伝学的転座を示すMM細胞株及び患者サンプルのパネルを評価する。
【0519】
[00551] 化合物AをTHL細胞株(VAL)及びDEL細胞株(U2932)に対して試験した。DHL細胞株の拡大パネルを、化合物Aに対する感受性について試験した。THL及びMYC増幅DLBCLのエクスビボ患者サンプルを化合物Aで試験した。インビトロモデル及びエクスビボモデルの両方におけるTHL及びMYC駆動型DLBCLの感受性を、臨床可逆性メニン阻害剤と比較した。化合物AをMM細胞株のパネル及びp53del、13qdel並びに再発性/難治性症例のエクスビボMM患者サンプルに対して試験した。
【0520】
[00552] 化合物Aは、THL及びDEL細胞株モデルに対する高い効力と、完全な増殖阻害を示した。拡大したDHL細胞株パネルは、化合物Aによる増殖阻害に対して非常に感受性が高かった。化合物Aは、THL/R-CHOP難治性臨床プロファイル及びMYC増幅/R-EPOCH難治性臨床プロファイルを有するエクスビボ患者サンプルに対して非常に強力であり、両モデルとも完全な増殖阻害を示した。化合物Aは、臨床可逆的メニン阻害剤と比較して、DHL/THL/DELのインビトロモデルとTHL/MYC増幅DLBCLのエクスビボ患者サンプルの両方に対して有意に強力であり、顕著に大きい増殖阻害を発揮した。TP53、KRAS及びNRASに変異を有するMM細胞株は、単剤としての化合物Aに感受性があり、1μMの曝露で100%の増殖阻害を達成した。
【0521】
[00553] MM細胞株における化合物Aの標準治療剤との併用処置も検討された。化合物Aは、エクスビボMM患者サンプルのパネルに対して有効性を実証した。
【0522】
[00554] 化合物Aは、MYC駆動型DHL/THL/DEL DLBCLサブセットにおける強力な単剤であり、これらの前臨床モデルにおいて、臨床可逆的メニン阻害剤と比較して数倍高い効力を示す。化合物Aは、MM細胞株及びエクスビボ患者サンプルにおいて単一薬剤としても活性を示す。
【0523】
実施例B2a
[00555] この実施例では、再発性又は難治性(R/R)の急性リンパ性白血病(ALL)又は急性骨髄性白血病(MLL)、R/Rびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、R/R多発性骨髄腫(MM)を有する成人患者における、経口共有結合性メニン阻害剤である化合物Aの第1相ファースト・イン・ヒューマン用量漸増及び用量拡大研究について説明する。処置できる追加の状態又は疾患には、急性リンパ芽球性白血病、急性混合表現型、白血病、癌、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、骨髄腫症、形質細胞骨髄腫及び/又はその全てのR/Rサブタイプが含まれる。
【0524】
[00556] この第1相試験にはおよそ100人の参加者が登録できる。この研究は、標準治療を受けた、R/R ALL、R/R AML、R/R DLBCL及びR/R MMを有する患者において1日1回経口投与される化合物Aの漸増用量の安全性、忍容性及び臨床活性を評価する、非無作為化、アンマスク、前向き、非盲検、多コホート及び多施設研究であり得る。この試験の用量漸増段階では、化合物Aの最適生物学的用量(OBD)及び推奨される第2相用量(RP2D)が決定される。コホート1(急性白血病)の対象は、2つの並行群:群A(CYP3A4阻害剤を投与されていない対象)及び群B(CYP3A4阻害剤を投与されている対象)のいずれかに割り当てられる。コホート2(DLBCL)及びコホート3(多発性骨髄腫)の対象は単一の群(群A)に割り当てられる。用量拡大段階では、OBD及びRP2Dで投与した場合の化合物Aのさらなる安全性及び有効性データが得られる。
【0525】
[00557] 中程度又は強力なCYP3A4阻害剤の投与を受けていない試験参加者の群Aでは、コホート1:急性白血病を有する参加者;コホート2:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を有する参加者;及びコホート3:多発性骨髄腫を有する参加者について用量漸増段階がある。参加者は、OBD/RP2Dを特定するために、連続28日サイクルで1日1回、100mgの化合物Aを経口投与される。治験薬の安全性/有効性をさらに評価するために、コホート1、2及び3がOPD/RP2Dで化合物Aを投与される用量拡大段階もある。
【0526】
[00558] 中程度又は強力なCYP3A4阻害剤の投与を受けている試験参加者の群Bでは、コホート1:急性白血病を有する参加者について用量漸増段階がある。参加者は、OBD/RP2Dを特定するために、連続28日サイクルで1日1回、25mgの化合物Aを経口投与される。治験薬の安全性及び有効性をさらに評価するために、コホート1がOBD/RP2Dで化合物Aを投与される用量拡大段階もある。
【0527】
[00559] この試験の主要評価項目及び副次的評価項目が決定される。主要評価項目は、難治性又は再発性(R/R)の急性白血病(コホート1)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(コホート2)及び多発性骨髄腫(コホート3)を有する対象において、28日間の期間内でコホート1、2及び3に対する化合物A単独療法のOBD及びRP2Dを決定することである。副次的評価項目は、32サイクルの時間枠内で処置中に発現した有害事象(TEAE)及び重篤な有害事象(SAE)によって表される化合物Aの安全性を評価することである。
【0528】
[00560] 加速漸増デザインを利用して、化合物Aの用量は、1人の対象がグレード2以上の関連有害事象又は用量制限毒性(DLT)を経験するまで、適応症ごとに独立に単一対象コホートで増量される。その時点で、コホートは古典的な「3+3」デザインに切り替わる。処置は、増悪又は不耐容まで28日周期で継続する。各適応症の拡大コホートでは、患者を登録して、さらなる安全性及び有効性データを取得する。2回以上5回以下の治療を受けた、R/R ALL、R/R DLBCLを有する患者及び3回以上の治療に失敗したか又は標準治療に適格でなかった、R/R MMを有する患者が適格である。患者はECOG PS≦2であり、十分な臓器機能を有する。主要な除外基準には、既知のCNS疾患関与、以前のメニン阻害剤治療及び臨床的に重大な心血管疾患が含まれる(図28A)。
【0529】
[00561] この研究の包含基準には、18歳以上の人々が含まれる。全ての対象は、以下のように、悪性腫瘍及び/又は測定可能なR/R疾患の組織学的又は病理学的に確認された診断を受けていなければならない。
1.コホート1のみ:骨髄内の芽球が5%を超えるか又は末梢血における芽球の再発として定義される、難治性又は再発性の急性白血病;
2.コホート2のみ:以前に処置され、病理学的に確認された新規DLBCL又は進行性若しくは持続性疾患の臨床的又は放射線学的エビデンスが確認された、以前に緩徐進行性リンパ腫(例えば、濾胞性リンパ腫)から形質転換されたDLBCL。試験参加時、対象はリンパ腫の反応評価のための改訂された基準に従って測定可能な疾患を有しなければならない;及び
3.コホート3のみ:国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)ガイドラインに基づいた測定可能なMM。
【0530】
[00562] 患者は、以下の点を考慮して、難治性であるか又は最新の抗癌療法中若しくはその中止後に増悪していなければならない。
1.コホート1のみ:造血幹細胞移植(HSCT)を含む承認された標準治療法に失敗したことがあるか又はそれに適格でない;
2.コホート2のみ:新規又は形質転換DLBCL(すなわち以前に診断された緩徐進行性リンパ腫[例えば、濾胞性リンパ腫]から形質転換した)の処置のため、以前に少なくとも2回であるが5回以下の全身レジメンを受けていなければならない;及び
3.コホート3のみ:プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ又はカルフィルゾミブ)及び免疫調節薬(IMiD)(例えば、レナリドミド又はポマリドミド)療法を含む、少なくとも3回であるが6回以下の、抗MMレジメンを以前に受けていなければならない。
【0531】
[00563] この試験の除外基準は、以下の基準のいずれかを満たす対象によって定義される(別段示されていない限り、全てのコホート):
・以下の特定の疾患のサブタイプ又は発生:
1.コホート1:急性前骨髄球性白血病(APL)、急性転化期の慢性骨髄性白血病(CML)、孤立性髄外再発(iEMR)。
2.コホート2:原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)、緩徐進行性非ホジキンリンパ腫(NHL)以外の疾患から形質転換したDLBCL;及び
3.コホート3:活動性形質細胞白血病、アミロイドーシスを伴う骨髄腫、全身性軽鎖アミロイドーシス;
・白血球数(WBC)>25,000/μL(細胞減少療法で制御不能);
・以下の中枢神経関与が知られている:
4.コホート1:臨床的活動性中枢神経系(CNS)白血病。以前に制御されていたCNS白血病は許容される;
5.コホート2:活動性CNSリンパ腫又は髄膜関与;
・以前のメニン阻害剤療法;
・ヒト免疫不全ウイルス、C型肝炎又はB型肝炎表面抗原に対する既知の陽性反応;
・重篤又は生命を脅かす感染症にかかりやすい既存の疾患(例えば、嚢胞性線維症、先天性又は後天性免疫不全、出血性障害又は急性白血病、DLBCL若しくはMMに関連しない血球減少症)を有する対象;及び
・制御されていない活動性の急性又は慢性の全身性真菌、細菌又はウイルス感染症。
【0532】
実施例B2b
[00564] この実施例では、高悪性度B細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫前臨床モデルにおける共有結合型メニン阻害剤化合物Aの抗腫瘍活性について説明する。
【0533】
[00565] DLBCL細胞株TOLEDOを、化合物A又は臨床可逆的メニン阻害剤の存在下で6時間及び14時間培養した。メニンタンパク質の発現は、同様の濃度での臨床可逆的阻害剤の20%未満と比較して、14時間後に化合物Aにより1μMで最大60%減少した。メニンタンパク質発現は、Wesシステムによって測定され、Compassソフトウェア(Protein Simple)を使用して分析された。シグナルをGAPDHに対して正規化し、DMSO対照を参照した(図28F)。DLBCL及びMM細胞株を、化合物A、ボルテゾミブ(PS-341)又はDMSOとともに4日間培養し、細胞増殖をCell Titer Gloによって測定した。DLBCL及びMMモデルのエクスビボ試験は、化合物A、PS-341又はDMSO対照で6日間処置した後の細胞増殖を測定(Cell Titer Glo)することによって実施した。
【0534】
[00566] 化合物Aは、高い効力を示し、DHL、THL及びDELDLBCL細胞株に対して90%超の細胞致死性(図28B、表4)及びMM細胞株に対して99%超の細胞致死性(図28C、表5)を示した。化合物Aは、エクスビボでTHL及びMYC増幅DLBCL PDXモデルの顕著な相対生存率を発現した(図28D)。化合物Aは、新たに診断されたR/R MM患者由来の検体に対して非常に強力であった(図28E)。
【0535】
【表15】
【0536】
【表16】
【0537】
[00567] エクスビボ研究において、化合物Aは、THL及びMYC増幅遺伝的バックグラウンドを有するR-CHOP及びR-EPOCH難治性患者モデルに対して非常に有効であった(図28D)。化合物Aは、p53欠失臨床プロファイル(表6)を含む、新たに診断された及びR/RエクスビボMMサンプル(図28E)のパネルに対して単剤有効性(0.1μM~0.3μMのIC50値)を実証した。
【0538】
【表17】
【0539】
実施例B3
[00569] この実施例では、KRAS変異固形腫瘍の増殖阻害のための共有結合型メニン阻害剤としての化合物Aについて説明する。
【0540】
[00570] MOLM-13及びMiaPaCa-2細胞を化合物Aとともに24時間インキュベートし、Illumina NextSeq 550プラットフォーム上のRNA-seqによって分析した。化合物A、臨床可逆的メニン阻害剤又は臨床的に承認されたKRAS G12C阻害剤であるソトラシブを、結腸直腸癌(CRC)、非小細胞肺癌(NSCLC)及び膵臓癌細胞株とともに4日間培養した。細胞生存率は、CellTiter Gloを使用して測定した。KRAS変異を有するヒトエクスビボPDX組織モデルを、化合物A及び臨床可逆的メニン阻害剤とともに6日間培養した。細胞生存率は、CellTiter Gloを使用して測定した。
【0541】
[00571] KRAS G12C変異細胞株であるMiaPaCa-2は、4日間の化合物Aの処置後に増殖阻害%を示し(図29A;プロットは3回以上の実験を表す)、化合物Aの処置の24時間後に0.5μM及び1μMでMiaPaCa-2細胞におけるKRAS及びMEN1発現レベルの顕著な減少を示した(図29B)。G12C、G12D、G12V及びG13D変異を有する14個のCRC、NSCLC及び膵臓KRAS変異細胞株の拡大パネルは、4日間の処置後に単剤化合物Aの活性を明らかにした。試験した細胞株の大半は、KRAS変異型とは無関係に、90%超の増殖阻害を示した(図29C;各データポイントは2回以上の実験の平均である)。ソトラシブは、KRAS G12C NSCLC細胞株10株のうちの3株において、最大86~93%の増殖阻害に達した(図29C)。対照的に、化合物Aは、KRAS G12C NSCLC細胞株10株のうちの7株において、90%以上の細胞生存率を阻害した(図29C)。G12C及びG12D KRAS変異を有するヒトCRC、NSCLC及び膵臓エクスビボ前臨床モデルは全て、化合物Aの6日間の処置に対して感受性であった(図30A)。全てのサンプルで増殖の完全な停止が観察され、GI50値は0.2μM~0.7μMの範囲であった。臨床可逆的メニン阻害剤は、試験した全ての前臨床モデルにおいて活性が低かった(図30B)。
【0542】
[00572] 全体として、MEN1及びKRAS遺伝子発現は、KRAS G12C変異細胞株MIA PaCa-2(膵臓癌)における化合物Aによる24時間の処置後に劇的に減少した(図29B)。KRAS変異細胞株におけるインビトロでの1μMの化合物Aの単剤処置は、標準治療のKRAS G12C阻害剤、ソトラシブ、他の臨床可逆的メニン阻害剤及び臨床KRAS G12C共有結合性阻害剤であるMRTX-849と比較して、様々な組織タイプにわたって高い増殖阻害を示した(図29C)。化合物Aは、KRAS変異を有するエクスビボ処置された患者由来のCRC、NSCLC及び膵臓モデルにわたって広範に高い腫瘍増殖阻害を達成する(図30)。2つの高度に特異的なKRAS G12C阻害剤と比較して、化合物Aは、KRAS変異細胞株及びPDX組織モデルにわたっても広く効力を示し、化合物Aが、CRC、NSCLC及び膵臓癌における使用について、これらのKRAS変異特異的阻害剤よりも治療上の利点を提供し得ることを示している。ソトラシブのような強力な臨床的KRAS阻害剤は、臨床的に適切な濃度で非常に有効であり、最大50%阻害する。しかし、これらの濃度では、化合物Aの方がより効果が高く、細胞死滅率が高くなる。これは、化合物Aが反応の深さを増加させることを示唆している。
【0543】
【表18】
【0544】
【表19】
【0545】
実施例B4
[00573] この実施例では、慢性リンパ性白血病(CLL)における共有結合型メニン阻害剤である化合物Aの前臨床活性について説明する。
【0546】
[00574] 再発性又は難治性の疾患を含む、Raiステージ1~3の患者から単離されたCLLサンプルの包括的なパネルを、化合物A又は臨床可逆的メニン阻害剤の存在下、エクスビボで培養し、化合物の抗白血病活性を評価した。
【0547】
[00575] 遺伝子発現データはCLL細胞にはないため、化合物Aは、MOLM-13細胞において、処置後24時間でBCL2転写物の90%超の減少を誘発する。倍率変化をビヒクル対照と比較して計算した(図31)。化合物Aは、多様なCLLエクスビボモデルに対して98%超の細胞致死率を達成する(図32A~32E)。
【0548】
[00576] 化合物Aは高い効力を示し、試験した全ての患者サンプルにおいて1μM曝露で98%超の細胞致死率を達成し、IC50値は0.1~0.38μMの範囲であった。TP53及びNOTCH1の変異、del(13q)、12トリソミー並びに複雑核型などの染色体異常など、標準治療よりも劣ったアウトカムに関連する高リスクの遺伝的バックグラウンドを含む臨床プロファイルを有する患者から分離された検体は、化合物A処置に対して高い感受性を示した(表9)。
【0549】
【表20】
【0550】
【表21】
【0551】
【表22】
【0552】
[00578] 化合物Aは、ベンダムスチン、イブルチニブ及びベネトクラクス療法に対する耐性の臨床プロファイルを有する患者サンプルに対しても非常に有効であった(図32C~32E)。臨床可逆的メニン阻害剤は、試験した全ての患者サンプルにわたって有意な活性を示さず、1μM曝露で算出不能なIC50値及び15%未満の細胞生存率の減少を示した(図32C~32E)。まとめると、データは、高リスクのカテゴリーを含む、様々な変異及び細胞遺伝学的バックグラウンドを有するCLL患者検体に対する化合物Aの強力な前臨床活性を示しており、CLLを有する患者の新規治療選択肢としての共有結合性メニン阻害のユニークな可能性を強調している。
【0553】
[00579] 本明細書に記載される例及び実施形態は、例示的なものであり、当業者に示唆される様々な修正形態又は変更形態が本開示に含まれるものとする。当業者に理解されるように、上記の例に挙げた特定の成分は、機能的に均等な他の成分、例えば希釈剤、結合剤、滑沢剤、充填剤などと置き換えることができる。
図1A
図2A
図3A
図4A
図5A
図6A
図7A
図8A
図9A
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図28C
図28D
図28E
図28F
図29A
図29B
図29C
図30A
図30B
図31
図32A
図32B
図32C
図32D
図32E
図33
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

のN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の、結晶形態Dであって、
18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、及び24.2±0.1°2-シータからなる群より選ばれる角度(°2-シータ)において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、結晶形態D。
【請求項2】
哺乳動物における癌の処置のための、治療有効量の、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項3】
前記癌は、白血病である、請求項2に記載の結晶形態D。
【請求項4】
前記癌は、急性骨髄性白血病(AML)又は急性リンパ芽球性白血病(ALL)である、請求項2に記載の結晶形態D。
【請求項5】
哺乳動物におけるKRAS変異癌の処置のための、治療有効量の、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項6】
前記癌は、固形腫瘍である、請求項5に記載の結晶形態D。
【請求項7】
哺乳動物におけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫又は多発性骨髄腫の処置のための、治療有効量の、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項8】
25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、325mg、500mg及び650mgからなる群から選択される治療有効量の前記結晶形態Dが、それを必要とする前記哺乳動物に投与される、請求項2に記載の結晶形態D。
【請求項9】
3.4±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.7±0.1°2-シータ、及び15.6±0.1°2-シータからなる群より選ばれる角度(°2-シータ)において1、2、3、又は4のさらなる特徴的なピークを有する、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項10】
3.4±0.1°2-シータ、5.3±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、及び17±0.1°2-シータからなる群より選ばれる角度(°2-シータ)において4、5、又は6のさらなる特徴的なピークを有する、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項11】
3.4±0.1°2-シータ、5.3±0.1°2-シータ、6.9±0.1°2-シータ、7±0.1°2-シータ、8.7±0.1°2-シータ、10.8±0.1°2-シータ、12.9±0.1°2-シータ、14.3±0.1°2-シータ、15.6±0.1°2-シータ、17±0.1°2-シータ、及び21.5±0.1°2-シータからなる群より選ばれる角度(°2-シータ)において7、8、又は9のさらなる特徴的なピークを有する、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項12】
図4Aに示される粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項13】
開放容器内で40℃及び75%の相対湿度(RH)において少なくとも1週間にわたって保管した後に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項14】
開放容器内で25℃及び92%の相対湿度(RH)において少なくとも1週間にわたって保管した後に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項15】
閉鎖容器内で60℃及び75%の相対湿度(RH)において少なくとも1週間にわたって保管した後に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項16】
以下の特性:
(a)開放容器内で40℃及び75%の相対湿度(RH)において少なくとも1週間にわたって保管した後に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する;
(b)開放容器内で25℃及び92%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する;又は
(c)閉鎖容器内で60℃及び75%RHにおいて少なくとも1週間にわたって保管した後に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する、
のいずれか一つを有する、請求項1に記載の結晶形態D。
【請求項17】
式(I):
【化2】

のN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド(化合物A)の、結晶形態Dを調整する方法であって、
前記結晶形態Dは、18.5±0.1°2-シータ、19.6±0.1°2-シータ、及び24.2±0.1°2-シータからなる群より選ばれる角度(°2-シータ)において特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有し、
前記方法は、
(1)前記式(I)の化合物Aをテトラヒドロフラン:水混合物を含むバイアルに加えて懸濁液を得る工程;
(2)前記工程(1)で得られた懸濁液を遮光して50度で4日間スラリーとする工程;
(3)前記工程(2)で得られた懸濁液をろ過して前記式(I)の化合物Aの結晶形態Dを含む湿ケーキを得る工程;及び
(4)前記工程(3)で得られた湿ケーキを真空下50℃で3時間乾燥して前記式(I)の化合物Aの結晶形態Dを得る工程、
を含む、方法。
【請求項18】
前記テトラヒドロフラン:水混合物は80:20v/vテトラヒドロフラン:水混合物である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
薬学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤と、請求項1に記載の結晶形態Dとを含む、医薬組成物。
【請求項20】
哺乳動物における癌の処置のための医薬組成物であって、治療有効量の前記結晶形態Dを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記癌は、白血病である、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記癌は、急性骨髄性白血病(AML)又は急性リンパ芽球性白血病(ALL)である、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項23】
哺乳動物におけるKRAS変異癌の処置のための医薬組成物であって、治療有効量の前記結晶形態Dを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記癌は、固形腫瘍である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
哺乳動物におけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫又は多発性骨髄腫の処置のための医薬組成物であって、治療有効量の前記結晶形態Dを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項26】
経口投与のための医薬製剤であって、
(a)100mgの、結晶形態DとしてのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約28重量%のアルファ化トウモロコシデンプン(Starch 1500);
(c)約27%のラクトース(FastFlo Lactose 316);
(d)約4重量%のクロスポビドン;
(e)約0.8重量%のヒュームドシリカ;及び
(f)約0.4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む医薬製剤。
【請求項27】
1つ以上の別個のブリスターポケットを含むパッケージであって、各ブリスターポケットは、
(a)約25、50、100、150、200又は250mgのN-[4-[4-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]フェニル]-4-[[3(R)-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-1-ピペリジニル]メチル]-2-ピリジンカルボキサミド;
(b)約70重量%~約80重量%の希釈剤;
(c)約3重量%~約10重量%の崩壊剤;
(d)約0.5重量%~約1重量%の流動促進剤;及び
(e)約0.2重量%~約1.0重量%の滑沢剤
を含む単位剤形を含み、各ブリスターポケットは、金属箔又はプラスチック箔を含む、パッケージ。
【国際調査報告】