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特表2024-534017組み込み制御システムを有するフィールドプログラマブルはんだボールグリッドアレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】組み込み制御システムを有するフィールドプログラマブルはんだボールグリッドアレイ
(51)【国際特許分類】
   B23K 31/02 20060101AFI20240910BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20240910BHJP
   B23K 1/008 20060101ALI20240910BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B23K31/02 310F
B23K1/00 330E
B23K1/008 Z
H01L23/12 F
H01L23/12 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508676
(86)(22)【出願日】2022-08-15
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 US2022040356
(87)【国際公開番号】W WO2023022992
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/260,374
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリティヴァサン,ヴィジャイクマール
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジアンジュン
(57)【要約】
フィールドプログラマブルはんだBeTA(FPSBGA)モジュールを利用して、任意のスタックアップ構成でPCB/基板を組み立てることができる。局所的なフィールドプログラマブルはんだ付けBGAは、熱プロファイルの効果的な制御のために必要なフィードバックを提供する制御システムを含む。FPSBGAは、制御コンポーネント(110)が温度適用コンポーネント(120)の実行を引き起こして、基板への指定された温度パラメータの不均一な適用を引き起こすことを可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
温度適用コンポーネントであって、前記温度適用コンポーネントが、位置及び温度に関する命令に従って制御可能である温度適用コンポーネントと、
前記温度適用コンポーネントの動作を引き起こすための制御ユニットであって、前記制御ユニットが、実行されると、前記制御ユニットに、
基板上のリフローグリッドアレイに関連するシステム構成を取得させ、前記システム構成が、前記リフローグリッドアレイに従って、前記温度適用コンポーネントのための指定された温度パラメータのうちの少なくとも1つ及び、前記基板に沿って前記温度適用コンポーネントを位置決めするための少なくとも1つのトレースパターンとを含み取得させ、
前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントを適用させる、ように制御プログラムを実行させるコンピュータ実行可能命令を含む、制御ユニットとを備え、
前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントを適用することが、前記基板への前記指定された温度パラメータの不均一な適用を特徴とする、システム。
【請求項2】
前記温度適用コンポーネントの適用を引き起こすための前記制御プログラムが、前記基板上の前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントの適用を引き起こすための少なくとも1つの機械学習構成要素を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのトレースパターンが、前記基板の片面に対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システム構成が、複数の基板上にリフローグリッドアレイを含み、各個々の基板が、前記リフローグリッドアレイに従って前記基板に沿って前記温度適用コンポーネントを位置決めするための少なくとも1つのトレースパターンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の基板の個々のトレースパターンが、隣接する基板に対して相補的である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御ユニットが、前記基板の指定された部分への前記温度適用コンポーネントの適用に関するフィードバックを受信するように更に動作する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記基板が、誘電材料に関連する1つ又は複数の部分を含み、前記少なくとも1つのトレースパターンによる前記温度適用コンポーネントの適用は、前記指定された温度パラメータの前記基板への不均一な適用を特徴とし、誘電材料に関連する前記1つ又は複数の部分への前記温度適用コンポーネントの適用を最小限に抑えることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記基板が、前記基板に実装された1つ又は複数の構成要素を含み、前記少なくとも1つのトレースパターンによる前記温度適用コンポーネントの前記基板への適用が、前記指定された温度パラメータの前記基板への不均一な適用を特徴とし、前記基板に実装された前記構成要素への前記温度適用コンポーネントの直接適用を最小限に抑えることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのトレースパターンが、前記基板の軸に対して対称なパターンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのトレースパターンが、前記基板の軸に対して非対称なパターンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
基板に温度制御コンポーネントを選択的に適用させるための制御システムであって、
1つ又は複数の処理コンポーネントであって、前記制御システムに、
前記リフローグリッドアレイに従って前記基板に沿って前記温度適用コンポーネントを位置決めするための少なくとも1つのトレースパターンの仕様を取得し、
前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントを適用させる、ように制御プログラムを実行させる実行可能命令を実行可能な1つ又は複数の処理コンポーネントを備え、
前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントを適用することが、前記基板への指定された温度パラメータの不均一な適用を特徴とする制御システム。
【請求項12】
前記1つ又は複数の処理コンポーネントが、前記基板上の前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントの適用を引き起こすための少なくとも1つの機械学習構成要素を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのトレースパターンが、前記基板の片面に対応する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記システム構成が、複数の基板上のリフローグリッドアレイを含み、各個々の基板が、前記リフローグリッドアレイに従って前記基板に沿って前記温度適用コンポーネントを位置決めするための少なくとも1つのトレースパターンを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の基板の個々のトレースパターンが、隣接する基板に対して相補的である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御ユニットが、前記基板の指定された部分への前記温度適用コンポーネントの適用に関するフィードバックを受信するように更に動作する、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントを適用することが、前記基板への前記指定された温度パラメータの不均一な適用を特徴とし、前記基板の1つ又は複数の識別された部分への前記温度適用コンポーネントの適用を最小限に抑えることを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのトレースパターンが、前記基板の軸に対して対称なパターンを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのトレースパターンが、前記基板の軸に対して非対称なパターンを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
基板に温度制御コンポーネントを適用するための制御方法であって、
前記リフローグリッドアレイに従って前記基板に沿って前記温度適用コンポーネントを位置決めするための少なくとも1つのトレースパターンの仕様を取得するステップと、
前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントの適用を引き起こすための制御プログラムを実行するステップであって、前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントを適用することが、前記基板への指定された温度パラメータの不均一な適用を特徴とする、ステップと、
を含む制御方法。
【請求項21】
前記制御プログラムを実行するステップが、前記基板上の前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントを適用するための機械学習アルゴリズムを実行することを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記基板の指定された部分への前記温度適用コンポーネントの適用に関するフィードバックを受信するステップを更に備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つのトレースパターンに従って前記温度適用コンポーネントを適用することが、前記基板への前記指定された温度パラメータの不均一な適用を特徴とし、前記基板の1つ又は複数の識別された部分への前記温度適用コンポーネントの適用を最小限に抑えることを含む、請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年8月18日に出願された米国仮特許出願第63/260,374号「FIELD PROGRAMMABLE SOLDER BALL GRID ARRAY WITH EMBEDDED CONTROL SYSTEMS」の利益を主張し、その開示は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、電子システムアセンブリに関し、特に、フィールドプログラマブルはんだを利用するための制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電子システムアセンブリは、システムオンチップ(SOC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)などの複数の構成要素を含むことができる。そのような電子システムアセンブリは、構成要素を基板に固定するためにリフローはんだを利用することができる。従来の対流又は質量リフローは、アレイベースの用途に対処する場合には著しく制限され、熱質量は、組み立ての可能性を著しく低下させる。これにより、パッケージの整合性が壊滅的になる可能性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本出願の態様による制御システム及び温度適用コンポーネントを含むプログラマブルはんだボールリフローグリッドアレイを実装するためのシステムを示す。
【0005】
図2A】電子システムアセンブリ上に電子トレースを生成するために利用することができるはんだボールのアレイを含む例示的な電子システムアセンブリの斜視図である。
図2B】電子システムアセンブリ上に電子トレースを生成するために利用することができるはんだボールのアレイを含む例示的な電子システムアセンブリの斜視図である。
【0006】
図3】本出願の1つ又は複数の態様によるプログラマブルはんだボールのリフローを実施するための制御システムの例示的なアーキテクチャのブロック図である。
【0007】
図4A】本出願の1つ又は複数の態様による制御コンポーネントによって実施される実行プログラムに従って生成されたトレースを組み込んだ基板の例示である。
図4B】本出願の1つ又は複数の態様による制御コンポーネントによって実施される実行プログラムに従って生成されたトレースを組み込んだ基板の例示である。
図4C】本出願の1つ又は複数の態様による制御コンポーネントによって実施される実行プログラムに従って生成されたトレースを組み込んだ基板の例示である。
図4D】本出願の1つ又は複数の態様による制御コンポーネントによって実施される実行プログラムに従って生成されたトレースを組み込んだ基板の例示である。
【0008】
図5】本出願の態様による、温度適用コンポーネントを適用させるために制御コンポーネントによって実装される制御プログラムを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に記載された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって定義及び包含されるように、多数の異なる方法で具体化することができる。この説明では、図面を参照し、同様の参照番号及び/又は用語は同一の要素又は機能的に同様の要素を示すことができる。図に示されている要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。更に、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素及び/又は図面に示されている要素のサブセットを含むことができることが理解されよう。更に、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0010】
本出願の態様によれば、フィールドプログラマブルはんだBGA(FPSBGA)モジュールを利用して、任意のスタックアップ構成でPCB/基板を組み立てることができる。制御システムは、基板上のリフローグリッドアレイに関連するシステム構成を取得するように動作可能である。システム構成は、温度適用コンポーネントの指定された温度パラメータのうちの少なくとも1つと、リフローグリッドアレイに従って基板に沿って温度適用コンポーネントを位置決めするための少なくとも1つのトレースパターンとを含むことができる。次いで、制御システムは、少なくとも1つのトレースパターンに従って温度適用コンポーネントを適用させるための制御プログラムを実行することができる。詳細に説明するように、少なくとも1つのトレースパターンによる温度適用コンポーネントの適用は、基板への指定された温度パラメータの不均一な適用を特徴とする。不均一な適用は、指定されたトレースを作成するために、例示的にはんだボールアレイを用いて、基板の部分に指定された温度属性を適用することに対応することができる。更に、指定された温度パラメータの不均一な適用は、誘電材料の部分、実装された構成要素(例えば、感温性構成要素)などの基板の他の部分への温度上昇の適用を最小化又は緩和することができる。
【0011】
局所的なフィールドプログラマブルはんだ付けBGAは、局所的な加熱に対する全体的な加熱の必要性を切り離すことによって問題を解決する。例示的には、FPSBGAの組み込みは、電子システム上の非常に必要な領域を開放することによって追加の空間を作成し、適用の密度を高めることができる。例示的には、FPSBGAはまた、モジュールのアウトライン内に埋め込まれたパッシブ/アクティブ埋め込み技術を利用する完全に統合された制御システムである。この制御システムは、使用されるはんだ材料に基づいてカスタマイズすることができる熱プロファイルの効果的な制御のために必要なフィードバックを提供する。それは、ニューラルネットワークコンピューティング又は機械学習計算ノードアプリケーションなどのアレイベースのアプリケーションを対象とする。更に、FPSBGAは、垂直リフローソリューションを可能にし、パッケージングの密度を増加させるのに役立ち、その結果、集積密度が増加する。また、従来のリフロー手法が、性能又は寿命の信頼性を損なうことなく解決することが困難な全体的な熱質量に関して有する課題に対処することもできる。
【0012】
本明細書に記載のFPSBGA及び関連する制御システムは、電子システムアセンブリ上に構成要素を実装するための質量リフローはんだを提供するために使用することができる。組み込み又は利用することができる構成要素には、回路基板(例えば、PCBA、ドーターボード、積層PCBAなど)、ヒートシンク、バスバー、金属プレート、板金プレート、及び/又は他の金属構成要素が含まれるが、これらに限定されない。
【0013】
図1は、本出願の態様による制御システム及び温度適用コンポーネントを含むプログラマブルはんだボールリフローグリッドアレイを実装するためのシステム100を示す。システム100は、実装された基板上のプログラマブルリフローに関連する構成情報を受信するための少なくとも1つの制御処理コンポーネント112を含む制御処理システム110を含む。制御処理コンポーネント112はまた、温度適用コンポーネント120を動作させ、所望の/指定された温度パラメータの達成に関するフィードバックを受信することもできる。制御処理システム100は、制御プログラムを実施するための1つ又は複数のデータストアを含むことができる。データストアは、基板上に実装される指定又は生成されたトレースパターンに対応するトレースパターンデータストア114を含むことができる。データストアはまた、温度適用コンポーネント120に制御信号を提供し、制御信号の実行に関するフィードバック/動作パラメータを受信し、追加又は更新された制御信号を提供するように訓練された1つ又は複数の機械学習アルゴリズムを含むことができる。
【0014】
システム100は、基板を実装し、実装された基板の少なくとも一部に熱源122を局所的に適用させるための1つ又は複数の物理的構成要素に対応する温度適用制御コンポーネント120を更に含む。温度適用制御コンポーネント120は、基板の寸法、動作温度、電力消費量などの動作パラメータに基づいて、様々な物理ハードウェア及び関連するソフトウェア構成要素のいずれかに対応することができる。温度適用制御コンポーネント120は、位置決め情報、温度制御、持続時間などを含む制御信号を制御処理コンポーネントから受信することができる。温度適用制御コンポーネント120は、受信した制御信号を記憶及び実行し、フィードバックを記録及び記憶するための複数のデータストア124、126を含むことができる。
【0015】
図1は、システム100の様々な構成要素/システムの論理的表現であることを意図している。従って、システム100に含まれる個々のシステム又は構成要素の実装は、任意の数の物理デバイス、コンピューティングデバイス、通信ネットワーク及び他の構成要素又は物理アイテムを含み得ることが当業者には理解されよう。従って、図1は例示のみを目的としている。
【0016】
図2A及び図2Bは、電子システムアセンブリ上に電子トレースを生成するために利用することができるはんだボールのアレイを含む例示的な電子システムアセンブリの斜視図である。より具体的には、図2A及び図2Bは、電子システムアセンブリ上に電子トレースを生成するために利用することができるはんだボール202、252のアレイを含む例示的な電子システムアセンブリ200、250の斜視図である。温度適用コンポーネント120などからの熱源の適用に基づいて、アレイ202、252内のはんだボールのうちの1つ又は複数は、液体又は半液体形態に移行することによって活性化されてもよい。
【0017】
例示的には、はんだボールのアレイは、電子システムアセンブリの異なる設計に対応することができる。例えば、図1Aの電子システムアセンブリ200は、電子システムアセンブリの最上層に対応することができる。図1Bの電子システムアセンブリ250は、電子システムアセンブリの内層に対応することができる。例示的な実施形態では、はんだボールのアレイは、33行204、254を有するマトリックスとして形成され、各行は31個のはんだボールを有する。アレイの行の数及び個々の行のはんだボールの数は変えることができ、図示の電子システムアセンブリ200、250は例示的なものである。以下でより詳細に説明するように、はんだボールアレイ202、252に指定された期間熱源を局所的に適用することにより、はんだボールの個々のセットは、電子システムアセンブリの一部に沿ってトレースパターンを形成することができる。
【0018】
例示的な実施形態では、アレイ上の個々のはんだボールを活性化するのに必要な熱量は、一実施形態では、はんだ材料及びはんだボールのアレイの対称性の関数として計算することができる。例示的には、はんだ温度を上昇させるのに必要な熱は、以下のように定義される。
【0019】
【0020】
はんだを溶融するのに必要な総熱量は、以下のように定義することができる。
【0021】

【0022】
従って、個々のはんだボールに必要な総熱量は、以下のように定義することができる。
【0023】
表1は、サンプル電流及び温度の値を示す。
【表1】
【0024】
図3は、本出願の1つ又は複数の態様によるプログラマブルはんだボールのリフローを実施するための制御システムコンポーネント112の例示的なアーキテクチャのブロック図である。図3に示す制御システムコンポーネント112の一般的なアーキテクチャは、本開示の態様を実施するために使用され得るコンピュータハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの配置を含む。図示されるように、制御システムコンポーネント112は、処理ユニット302、入力/出力デバイスインターフェース308、コンピュータ可読媒体306、及びネットワークインターフェース304を含むことができ、それらはすべて通信バスを介して互いに通信することができる。制御システムコンポーネント112の構成要素は、物理ハードウェアコンポーネントであってもよく、又はソフトウェアモジュールとして実装されてもよい。例えば、制御システムコンポーネント112は、機能を実装するために図示された実行可能コードで構成された汎用コンピューティングデバイスとして、又は専用コンピューティングコンポーネントとして実装されてもよい。
【0025】
ネットワークインターフェース304は、温度適用コンポーネント120と相互作用するための通信ネットワークなどの1つ又は複数のネットワークへの接続性を提供することができる。入力/出力デバイスインターフェース308は、信号を受信又は送信するためのインターフェースとすることができる。コンピュータ可読媒体ドライブ306は、実行可能な構成要素又はデータにアクセスするために利用することができる。いくつかの実施形態では、制御システムコンポーネント112は、図3に示す構成要素よりも多くの(又はより少ない)構成要素を含むことができる。
【0026】
メモリ310は、処理ユニット302が1つ又は複数の実施形態を実施するために実行するコンピュータプログラム命令を含むことができる。メモリ310は、一般に、RAM、ROM、又は他の永続的若しくは非一時的メモリを含む。メモリ310は、インターフェースソフトウェア312及び、制御システムコンポーネント112の一般的な管理及び動作において処理ユニット302によって使用されるコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム314とを記憶することができる。メモリ310は、本開示の態様を実施するためのコンピュータプログラム命令及び他の情報を更に含むことができる。例えば、一実施形態では、メモリ310は、温度適用コンポーネント120に制御信号を送信し、基板への局所エネルギ/熱の適用に関するフィードバック/処理結果を受信するためのインターフェースソフトウェア316を含む。メモリ310は、プログラマブルはんだボールリフローグリッドアレイに関連する構成情報を処理するためのリフロー構成処理コンポーネント318を更に含む。構成情報は、例示的に、温度適用コンポーネント120のための1つ又は複数の温度パラメータ/属性及び、実装された基板上に生成される所望の/指定されたトレースを含むことができる。
【0027】
メモリは、温度パラメータ/属性、生成されたフィードバック/処理結果及び所望のトレースパターンを処理し、温度適用コンポーネント120のための対応する制御信号を生成するための1つ又は複数の機械学習アルゴリズムに対応する機械学習アルゴリズムコンポーネント320を更に含む。例示的には、機械学習アルゴリズムは、熱の適用に関連する入力の処理と出力の生成に対応するトレーニングセットに基づく機械学習アルゴリズムのトレーニングに基づいて生成される。しかしながら、非限定的な例として、機械学習アルゴリズムは、教師あり学習モデル、教師なし学習モデル、強化学習モデル、又は特徴あり学習モデルを含むがこれらに限定されない、異なる学習モデルを組み込むことができる。機械学習アルゴリズムで採用される学習モデルの種類に応じて、収集された個々の情報を処理するための構成が異なる場合がある(例えば、教師あり学習モデル又は半教師あり学習モデルのトレーニングセットを使用するなど)。他の実施形態では、機械学習アルゴリズムは、制御システムによって実施されるペナルティ/報酬モデルを実施する強化ベースの学習モデルを実施することができる。
【0028】
上述したように、本出願の態様によれば、温度適用コンポーネント120の動作は、基板の一部に不均一に熱を適用することができるように制御することができる。例示的には、温度適用コンポーネント120の動作は、特定の温度パラメータを局所化して、(図2A又は図2Bに示すように)はんだボールのアレイ内の1つ又は複数のはんだボールが所望のトレースパターンに従ってトレースを形成するか、そうでなければ所望のパターンに従って液体又は半液体になるように制御することができる。図4A図4Dは、本出願の1つ又は複数の態様による制御コンポーネントによって実施される実行プログラムに従って生成されたトレースを組み込んだ基板の例示である。
【0029】
図4A及び図4Bは、電子アセンブリの1つ又は複数の層上で利用することができる微量元素の例示である。例示的には、図4A及び図4Bは、層の両側で利用することができるトレース402を含む電子アセンブリ400及び420の1つ又は複数の実施形態に対応する。この実施形態では、微量元素402は、基板402の水平軸に対して対称である。図4Aは、トレース404を有する単一の基板402を含む単一の電子アセンブリ400を示す。基板402は、1つ又は複数の構成要素を実装することができる基板402の一部/領域に対して銅パッド406を含むことができる。更に、基板402は、絶縁層(例えば、導電性が低い)として使用される誘電材料など、非導電性又は実質的に非導電性であり得る1つ又は複数の部分又はセクション408を含むことができる。誘電材料は、磁器、マイカ、ガラス、プラスチック、金属酸化物などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0030】
図4Bは、複数の基板422A~422Jを含む多層電子アセンブリ420を示す。この実施形態では、複数の基板は相補的であり、1つおきの層は微量元素を有していない。
【0031】
図4C図4Dは、電子アセンブリの1つ又は複数の層上で利用することができる微量元素の例示である。例示的には、図4C図4Dは、層の片面で利用することができるトレースに対応する。この実施形態では、微量元素402は、基板452の水平軸に対して非対称である。図4Cは、トレース454を有する単一の基板452を含む単一の電子アセンブリ450を示す。基板452は、1つ又は複数の構成要素を実装することができる基板452の一部/領域に対して銅パッド456を含むことができる。更に、基板452は、絶縁層(例えば、導電性が低い)として使用される誘電材料など、非導電性又は実質的に非導電性であり得る1つ又は複数の部分又はセクション408を含むことができる。上述したように、誘電材料は、磁器、マイカ、ガラス、プラスチック、金属酸化物などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0032】
図4Bは、複数の基板472A~472Jを含む多層電子アセンブリ470を示す。この実施形態では、複数の基板は相補的であり、1つおきの層は微量元素を有していない。基板472では、基板472上に二つの銅パッド476が実装されてもよい。
【0033】
図5は、本出願の態様による温度適用コンポーネント120を適用させるために制御コンポーネント112によって実装される制御プログラムを示すフロー図である。ブロック502において、制御コンポーネント112は、基板上のリフローグリッドアレイに関連するシステム構成を取得する。例示的には、システム構成は、温度適用コンポーネント120のための指定された温度パラメータのうちの少なくとも1つを含む。温度パラメータは、適用されるべき指定された温度範囲を含むことができる。他の実施形態では、温度パラメータは、温度カテゴリ又はレベル(例えば、低、高、中など)を含むことができる。
【0034】
更に、システム構成は、リフローグリッドアレイに従って基板に沿って温度適用コンポーネントを位置決めするための少なくとも1つのトレースパターンを含むことができる。トレースパターンは、グラフィカル表現、テンプレート設計又は予め構成された形状/パターンの参照、座標記述などを含む様々な方法で指定することができる。
【0035】
ブロック504において、制御コンポーネント112は、少なくとも1つのトレースパターンに従って温度適用コンポーネントの適用を引き起こすための制御プログラムを実行する、又は実行させる。例示的には、これは、基板の第1の部分における温度パラメータの適用から始まる。前述のように、温度適用コンポーネントの適用は、基板への指定された温度パラメータの結果として生じる不均一な適用が適用されるように構成することができる。例示的には、制御プログラムは、はんだボールが液相又は半液相を達成するように、指定された時間にわたって、又は指定された温度範囲を達成するために、はんだボールグリッドアレイを有する基板の部分に沿って温度適用コンポーネントを適用することを含むことができる。例えば、温度パラメータの適用は、微量元素の形態を引き起こす可能性がある。
【0036】
ブロック506において、制御コンポーネント112は、適用に関するフィードバックを受信することができる。所望の温度又は結果として生じる状態が達成されない場合、制御コンポーネント112は、現在のセクションに留まる。或いは、所望の温度構成が達成された場合、制御コンポーネントは、構成コンポーネント内の指定されたパターンに従って追加の又は次の部分に進み続ける。例示的には、温度パラメータの不均一な適用を達成するために、基板の1つ又は複数の構成要素又は部分を省略することができる。更なる部分又は部分が必要とされなくなると、制御コンポーネント112は、制御信号の送信を停止するか、又は温度適用コンポーネント120に動作を停止させることができる。従って、銅パッド上の構成要素又は誘電材料の一部などの部分は、温度適用コンポーネント120からより少ない温度入力を受け取ることができる。ブロック508において、ルーチン500は終了する。
【0037】
前述の開示は、本開示を開示された正確な形態又は特定の使用分野に限定することを意図していない。従って、本明細書に明示的に記載されているか暗示されているかにかかわらず、本開示に対する様々な代替の実施形態及び/又は修正が本開示に照らして可能であると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく形態及び詳細に変更を行うことができることを認識するであろう。従って、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0038】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正又は実施することができる。従って、この説明は例示と見なされるべきであり、開示されたプレスフィットファスナアセンブリの様々な実施形態を作成及び使用する方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセス又はステップは、本明細書に代表的に示され記載されたものに置き換えられてもよい。更に、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を得た後に当業者に明らかになるように、他の特徴の使用とは無関係に利用することができる。本開示を説明及び特許請求するために使用される「含む」、「備える」、「組み込む」、「からなる」、「有する」、「である」などの表現は、非排他的に解釈されること、すなわち、明示的に説明されていない項目、構成要素又は要素も存在することを可能にすることを意図している。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
【0039】
更に、本明細書に開示された様々な実施形態は、例示的且つ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。すべての結合についての言及(例えば、取り付けられる、貼り付けられる、結合される、接続されるなど)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の位置、向き、又は使用に関して限定を生じさせるものではない。従って、結合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。更に、そのような接合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。更に、限定するものではないが、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「一次」、「二次」、「主」、又はその他の通常の用語及び/又は数値用語などのすべての数値用語も、本開示の様々な要素、実施形態、変形形態及び/もしくは修正形態の読者の理解を助けるために、識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、他の要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態に対する、又は、他の要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態を超える任意の要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態の順序又は優先に関して、いかなる制限も設けることはできない。
【0040】
特定の適用に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つ又は複数はまた、より分離又は統合された方法で実装されてもよく、又は特定の場合には動作不能として除去又はレンダリングされてもよいことも理解されよう。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
【国際調査報告】