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特表2024-534041インターロイキン-12バリアント及び使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】インターロイキン-12バリアント及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/54 20060101AFI20240910BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240910BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20240910BHJP
   C07K 14/765 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20240910BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240910BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20240910BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240910BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240910BHJP
   A61K 38/20 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20240910BHJP
【FI】
C07K14/54 ZNA
C07K19/00
C07K16/00
C07K14/765
C12N15/12
C12N15/62 Z
C12N15/86 Z
A61K47/60
A61K47/68
A61K47/64
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K31/7088
A61K48/00
A61K35/76
A61K35/17
A61K38/20
C12N15/113 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509040
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 US2022075002
(87)【国際公開番号】W WO2023023503
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/233,511
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593152720
【氏名又は名称】イェール ユニバーシティー
【氏名又は名称原語表記】Yale University
【住所又は居所原語表記】2 Whitney Avenue, New Haven, CT 06510, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リング,アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ハック,ジョン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA94
4C076AA95
4C076BB11
4C076BB40
4C076CC27
4C076EE23M
4C076EE41M
4C076FF31
4C084AA02
4C084AA13
4C084BA41
4C084DA12
4C084MA66
4C084MA70
4C084NA12
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZB26
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA66
4C086MA70
4C086NA12
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZB26
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB43
4C087BB65
4C087BC83
4C087CA12
4C087MA66
4C087MA70
4C087NA12
4C087NA13
4C087NA14
4C087ZB26
4H045BA41
4H045BA57
(57)【要約】
本開示は、治療用途及び非治療用途で使用するための、野生型IL-12に対して、部分的なアゴニズムを有するIL-12のバリアントポリペプチドを含む組成物及び方法を提供する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IL-12バリアントポリペプチドを含む組成物であって、前記IL-12バリアントポリペプチドが、野生型(WT)IL-12に対して、その受容体を介する最大未満のシグナル伝達有効性を有する、組成物。
【請求項2】
前記IL-12バリアントポリペプチドが、WT IL-12に対して、少なくとも1つの変異を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記IL-12バリアントポリペプチドが、シグナルペプチドの有無にかかわらず、p35サブユニット(IL-12p35)を含み、シグナルペプチドの有無にかかわらず、p40サブユニット(IL-12p40)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記IL-12バリアントポリペプチドの前記IL-12p40が、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記IL-12バリアントポリペプチドの前記IL-12p40が、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記IL-12バリアントポリペプチドの前記IL-12p40が、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9及び配列番号34からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記IL-12バリアントポリペプチドの前記IL-12p35が、配列番号2、配列番号30及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
更に、前記IL-12p40、前記IL-12p35、又はそれらの組み合わせが、IgG Fcドメイン、IgG Fcバリアントドメイン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、及び抗HSAナノボディからなる群から選択される少なくとも1つのインビボ半減期延長融合物に融合される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記IgG Fcドメインが、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒトIgG1ドメインを含み、前記IgG Fcバリアントドメインが、配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトIgG1 Fc「ノブ」ドメイン、及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトIgG1 Fc「ホール」ドメインからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記IL-12バリアントポリペプチドが、少なくとも2つのヒトIgG1 Fcドメインを含む二価ホモ二量体IgG Fcを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記IL-12バリアントポリペプチドが、少なくとも1つのヒトIgG1 Fc「ノブ」及び少なくとも1つのIgG Fc「ホール」を含む二重特異性ヘテロ二量体IgG Fcを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記IL-12バリアントポリペプチドが、リンカーを介して前記IL-p35に融合した前記IL-12p40、及び少なくとも2つのヒトIgG1 Fcドメインを含む一本鎖二価ホモ二量体IgG Fcを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記IL-12バリアントポリペプチドが、リンカーを介してIL-p35に融合したIL-12p40を含む一本鎖単量体IL-12、並びに少なくとも1つのヒトIgG1 Fc「ノブ」及び少なくとも1つのIgG Fc「ホール」を含む二重特異性ヘテロ二量体IgG Fcを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
前記IL-12バリアントポリペプチドが、前記IL-12p40及び前記IL-p35を含む二量体IL-12、並びに少なくとも1つのヒトIgG1 Fc「ノブ」及び少なくとも1つのIgG Fc「ホール」を含む二重特異性ヘテロ二量体IgG Fcを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9、並びに配列番号34からなる群から選択される少なくとも1つのIL-12p40ペプチドをコードする1つ以上の核酸分子を含む、組成物。
【請求項16】
配列番号2、配列番号30及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35ペプチドをコードする核酸分子を更に含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記IL-12p40をコードする前記核酸、前記IL-12p35をコードする前記核酸、又はそれらの組み合わせが、IgG Fcドメイン、IgG Fcバリアントドメイン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、及び抗HSAナノボディからなる群から選択されるインビボ半減期延長融合物をコードする核酸配列を更にコードする、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
疾患又は障害を治療又は予防することを必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に、IL-12バリアントポリペプチドを含む組成物を投与することを含み、前記IL-12バリアントポリペプチドが、WT IL-12に対して、その受容体を介する最大未満のシグナル伝達有効性を有する、方法。
【請求項19】
前記IL-12バリアントポリペプチドが、p35サブユニット(IL-12p35)及びp40サブユニット(IL-12p40)を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記IL-12バリアントポリペプチドの前記IL-12p40が、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記IL-12バリアントポリペプチドの前記IL-12p35が、配列番号2、配列番号30及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
更に、前記IL-12p40、前記IL-12p35、又はそれらの組み合わせが、IgG Fcドメイン、IgG Fcバリアントドメイン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、及び抗HSAナノボディからなる群から選択される少なくとも1つのインビボ半減期延長融合物に融合される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記疾患又は障害が、がんである、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
化学化合物、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド模倣物、抗体、サイトカイン、核酸分子(例えば、mRNA)、リボザイム、小分子化学化合物、及びアンチセンス核酸分子からなる群から選択される少なくとも1つの追加の薬剤を前記対象に投与することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの追加の薬剤が、がん療法薬又はがん免疫療法薬からなる群から選択される1つ以上を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
a)前記IL-12バリアントポリペプチドをコードする脂質ナノ粒子封入mRNA分子、
b)前記IL-12バリアントポリペプチドを発現するウイルスベクター、及び
c)前記IL-12バリアントポリペプチドを発現する操作された免疫細胞からなる群から選択される1つ以上の機構を介して前記IL-12バリアントポリペプチドを投与することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記投与が、
a)全身投与、及び
b)少なくとも1つの特定の組織への局所投与からなる群から選択される1つ以上を含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月16日に出願された米国仮出願第63/233,511号に対する優先権及びその利益を主張し、その開示は、その全体が参照により組み込まれる。
【0002】
連邦政府支援の研究又は開発に関する声明
本発明は、米国国立衛生研究所により授与された助成金番号U01 CA233096に基づく政府支援を受けて行われた。政府は、本発明において特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
インターロイキン-12(IL-12)は、Th1免疫を調整し、NK細胞及び細胞傷害性T細胞によるIFN-γの分泌を強力に誘導し、このことが、それをがん免疫療法の魅力的な候補にする。IL-12の投与は、前臨床的に抗腫瘍応答を刺激する上で絶大な有望性を示しているが、許容できない毒性及び狭い治療指数に起因して、ヒトには置き換えられていない。IL-12の完全な治療への可能性は、その多面発現性の性質によって制限される可能性があり、有益な効果及び有害な効果を促進する複数の細胞型の活性化をもたらす。
【0004】
したがって、がん並びに他の疾患及び障害を治療及び予防するために、最小限の毒性及び広範な治療指数を提供するIL-12を提供する改善された組成物及び方法が、当該技術分野で必要とされている。この開示は、この満たされていない必要性を満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一実施形態では、本開示は、IL-12バリアントポリペプチドを含む組成物であって、IL-12バリアントポリペプチドが、野生型(WT)IL-12に対して、その受容体を介する最大未満のシグナル伝達有効性を有する、組成物に関する。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、WT IL-12に対して、少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、シグナルペプチドの有無にかかわらず、p35サブユニット(IL-12p35)を含み、シグナルペプチドの有無にかかわらず、p40サブユニット(IL-12p40)を含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドの上述のIL-12p40は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドの上述のIL-12p40は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドの上述のIL-12p40は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9及び配列番号34からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0006】
本開示の組成物の一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドの上述のIL-12p35は、配列番号2、配列番号30及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0007】
本開示の組成物の一実施形態では、上述のIL-12p40、上述のIL-12p35、又はそれらの組み合わせは、IgG Fcドメイン、IgG Fcバリアントドメイン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、及び抗HSAナノボディからなる群から選択される少なくとも1つのインビボ半減期延長融合物に融合される。
【0008】
本開示の組成物の一実施形態では、上述のIgG Fcドメインは、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒトIgG1ドメインを含み、上述のIgG Fcバリアントドメインは、配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトIgG1 Fc「ノブ」ドメイン、及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトIgG1 Fc「ホール」ドメインからなる群から選択される少なくとも1つを含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、少なくとも2つのヒトIgG1 Fcドメインを含む二価ホモ二量体IgG Fcを含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、少なくとも1つのヒトIgG1 Fc「ノブ」及び少なくとも1つのIgG Fc「ホール」を含む二重特異性ヘテロ二量体IgG Fcを含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、リンカーを介して上述のIL-p35に融合した上述のIL-12p40、及び少なくとも2つのヒトIgG1 Fcドメインを含む一本鎖二価ホモ二量体IgG Fcを含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、リンカーを介してIL-p35に融合したIL-12p40を含む一本鎖単量体IL-12、並びに少なくとも1つのヒトIgG1 Fc「ノブ」及び少なくとも1つのIgG Fc「ホール」を含む二重特異性ヘテロ二量体IgG Fcを含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、上述のIL-12p40及び上述のIL-p35を含む二量体IL-12、並びに少なくとも1つのヒトIgG1 Fc「ノブ」及び少なくとも1つのIgG Fc「ホール」を含む二重特異性ヘテロ二量体IgG Fcを含む。
【0009】
一実施形態では、本開示は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9、並びに配列番号34からなる群から選択される少なくとも1つのIL-12p40ペプチドをコードする1つ以上の核酸分子を含む、組成物に関する。一実施形態では、本組成物は、配列番号2、配列番号30及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35ペプチドをコードする核酸分子を更に含む。
【0010】
本開示の組成物の一実施形態では、上述のIL-12p40をコードする上述の核酸、上述のIL-12p35をコードする上述の核酸、又はそれらの組み合わせは、IgG Fcドメイン、IgG Fcバリアントドメイン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、及び抗HSAナノボディからなる群から選択されるインビボ半減期延長融合物をコードする核酸配列を更にコードする。
【0011】
一実施形態では、本開示は、疾患又は障害を治療又は予防することを必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、IL-12バリアントポリペプチドを含む組成物を投与することを含み、上述のIL-12バリアントポリペプチドが、WT IL-12に対して、その受容体を介する最大未満のシグナル伝達有効性を有する、方法に関する。
【0012】
本開示の方法の一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、p35サブユニット(IL-12p35)及びp40サブユニット(IL-12p40)を含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドの上述のIL-12p40は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドの上述のIL-12p35は、配列番号2、配列番号30及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、上述のIL-12p40、上述のIL-12p35、又はそれらの組み合わせは、IgG Fcドメイン、IgG Fcバリアントドメイン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、及び抗HSAナノボディからなる群から選択される少なくとも1つのインビボ半減期延長融合物に融合される。一実施形態では、上述の疾患又は障害は、がんである。
【0013】
一実施形態では、本方法は、化学化合物、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド模倣物、抗体、サイトカイン、核酸分子(例えば、mRNA)、リボザイム、小分子化学化合物、及びアンチセンス核酸分子からなる群から選択される少なくとも1つの追加の薬剤を対象に投与することを更に含む。一実施形態では、上述の少なくとも1つの追加の薬剤は、がん療法薬又はがん免疫療法薬からなる群から選択される1つ以上を含む。
【0014】
一実施形態では、本開示の方法は、a)上述のIL-12バリアントポリペプチドをコードする脂質ナノ粒子封入mRNA分子、b)上述のIL-12バリアントポリペプチドを発現するウイルスベクター、及びc)上述のIL-12バリアントポリペプチドを発現する操作された免疫細胞からなる群から選択される1つ以上の機構を介して上述のIL-12バリアントポリペプチドを投与することを含む。一実施形態では、上述の投与は、a)全身投与、及びb)少なくとも1つの特定の組織への局所投与からなる群から選択される1つ以上を含む。
【0015】
本開示の実施形態の以下の詳細な記載は、添付の図面と併せて読むときに、より良く理解されるであろう。本開示は、図面に示される実施形態の正確な配置及び手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】IL-12Rβ1:IL-12p40界面における残基を予測するモデルを示す。中和ナノボディとの複合体におけるIL-12p40のズームインモデルを示す。ナノボディとの相互作用、したがってIL-12Rβ1との相互作用も同様に媒介すると予測される残基は、青色で示され(色について記載されたラベルを参照)、IL-12p40は、緑色で示され、ナノボディは、淡黄色で示される。
図1B】IL-12Rβ1:IL-12p40界面における残基を予測するモデルを示す。IL-12p40及びIL-12p35サブユニット、並びにIL-12Rβ2及びIL-12Rβ1を含む、IL-12との間の予測される相互作用の概略図を示す。灰色の「X」は、IL-12Rβ1とIL-12p40との間の界面を示し、選択的に破壊された場合、IL-12:IL-12Rβ2複合体へのIL-12Rβ1の動員を減少させ、下流のSTAT4シグナル伝達を減弱し得る。
図2A】野生型(WT)IL-12及び変異体バリアントのタンパク質発現及び精製を示す例示的な結果を示す。WT及び変異体IL-12タンパク質の同等の発現及び移動性を示す例示的な結果を示す。タンパク質をSDS-PAGEゲル上で分離し、Coomassie Brilliant Blueで染色した。
図2B】野生型(WT)IL-12及び変異体バリアントのタンパク質発現及び精製を示す例示的な結果を示す。IL-12及び変異体バリアントの精製を示す例示的な結果を示す。タンパク質をニッケル-NTAアフィニティークロマトグラフィーによって単離し、次いでサイズ排除クロマトグラフィーによって更に精製した。
図3A】アラニン残基に変異した界面残基の数及び性質に応じて、WTに対する段階的な応答を示す例示的な結果を示す。WT IL-12と比較したH216A/K217A/K219A三重変異体(HKK)の減少したアゴニズムを示す例示的な結果を示す。全ての場合では、ヒトNK細胞をIL-12変異体バリアントで刺激したか、又は非刺激のままにし、IL-12アゴニズムの尺度としてフローサイトメトリーによってリン酸化STAT4を測定した。
図3B】アラニン残基に変異した界面残基の数及び性質に応じて、WTに対する段階的な応答を示す例示的な結果を示す。WTと比較して、H216A/K219A二重変異体においてアゴニズムがより少ない程度に減少することを示す例示的な結果を示す。全ての場合では、ヒトNK細胞をIL-12変異体バリアントで刺激したか、又は非刺激のままにし、IL-12アゴニズムの尺度としてフローサイトメトリーによってリン酸化STAT4を測定した。
図3C】アラニン残基に変異した界面残基の数及び性質に応じて、WTに対する段階的な応答を示す例示的な結果を示す。WT IL-12及び非刺激細胞と比較した全てのバリアントに対する単一点応答の例示的な結果を示し、所望の特定のレベルのアゴニズムに合わせることができる段階的な応答を示している。全ての場合では、ヒトNK細胞をIL-12変異体バリアントで刺激したか、又は非刺激のままにし、IL-12アゴニズムの尺度としてフローサイトメトリーによってリン酸化STAT4を測定した。
図3D】アラニン残基に変異した界面残基の数及び性質に応じて、WTに対する段階的な応答を示す例示的な結果を示す。WTに対するアゴニズムの割合としての3Cの結果を示す。全ての場合では、ヒトNK細胞をIL-12変異体バリアントで刺激したか、又は非刺激のままにし、IL-12アゴニズムの尺度としてフローサイトメトリーによってリン酸化STAT4を測定した。
図4A】インビボ半減期を延長する方法である二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質として発現されるIL-12の例示的な結果を示す。IL-12アゴニズムについて試験したIL-12の二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質の概略図を示す。リン酸化STAT4を、図3A~3Dのようにフローサイトメトリーによって測定した。
図4B】インビボ半減期を延長する方法である二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質として発現されるIL-12の例示的な結果を示す。IL-12の二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、WT IL-12と比較して予想外にアゴニズムを減弱させたが、図3A~3Dに記載のHKK三重変異体ほど顕著に減弱させなかったことを示す例示的な結果を示す。リン酸化STAT4を、図3A~3Dのようにフローサイトメトリーによって測定した。
図5A】本開示の部分IL-12アゴニストの半減期を延長するためにFc融合IL-12バリアントを用いる例示的な方法を示す。p40又はp35のいずれかに融合し、対応するサブユニットと共発現して二量体IL-12を生成する二価Fcの概略図を示す。
図5B】本開示の部分IL-12アゴニストの半減期を延長するためにFc融合IL-12バリアントを用いる例示的な方法を示す。次いでp40に融合され、二量体IL-12を形成するために一本鎖構築物として発現される、p35に融合される二価Fcの概略図を示す。
図5C】本開示の部分IL-12アゴニストの半減期を延長するためにFc融合IL-12バリアントを用いる例示的な方法を示す。次いでp40に融合され、一本鎖構築物として発現され、対応する二重特異性Fc「ホール」と共発現されて、単量体IL-12を形成する、p35に融合される二重特異性Fc「ノブ」の概略図を示す。
図5D】本開示の部分IL-12アゴニストの半減期を延長するためにFc融合IL-12バリアントを用いる例示的な方法を示す。p40又はp35のいずれかに融合され、対応するサブユニット及び対応する二重特異性Fc「ホール」と共発現して単量体IL-12を形成する二重特異性Fc「ノブ」の概略図を示す。
図6A】選択したFc融合バリアントのFc融合のアゴニズムの更なる減少を示す例示的な結果を示す。WT IL-12及びIL-12 H216A/K217A/K219A三重変異体(HKK)と比較した、Fc融合バリアントに対する単一点応答の例示的な結果を示し、図3A~3Dに示される段階的な応答を、Fc融合を介して更に合わせることができることを示している。タンパク質をExpi293細胞において発現させ、分泌タンパク質を含有する細胞培養上清を使用してNK細胞を刺激した。x軸は、NK細胞を刺激するために使用される総体積の割合として示される細胞培養上清の滴定を示す。
図6B】選択したFc融合バリアントのFc融合のアゴニズムの更なる減少を示す例示的な結果を示す。滴定量の上清に応答してヒトNK細胞におけるSTAT4のリン酸化に対するWT IL-12、IL-12 HKK及びFc融合バリアントの効果を示す。タンパク質をExpi293細胞において発現させ、分泌タンパク質を含有する細胞培養上清を使用してNK細胞を刺激した。x軸は、NK細胞を刺激するために使用される総体積の割合として示される細胞培養上清の滴定を示す。
図7】本開示の部分IL-12アゴニストのインビボ半減期を延長する追加の例示的な方法の概略図を示す。例示的な方法としては、ヒト血清アルブミン(HSA)への融合、ポリエチレングリコール(PEG)への融合、又は抗HSAナノボディへの融合が挙げられるが、これらに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、一般に、野生型IL-12に対して、その受容体を介する最大未満のシグナル伝達有効性を有するIL-12のバリアントに関する。一態様では、本明細書で提供される開示は、野生型IL-12に匹敵する活性でIL-12Rβ2に特異的に結合するが、野生型IL-12に対して、IL-12Rβ1への結合が減少したか、又は破壊された、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドに関する。一態様では、本開示は、野生型IL-12と匹敵する程度にIL-12 p35サブユニットと二量体化するが、野生型IL-12に対して、IL-12Rβ1への結合が減少したか、又は破壊された、バリアントの1つ以上のIL-12 p40サブユニット(IL-12p40)に関する。
【0018】
様々な実施形態では、本開示は、野生型IL-12に対して、その受容体を介する最大未満のシグナル伝達有効性を有するIL-12の1つ以上のバリアントをコードする核酸を提供する。他の実施形態では、本開示は、野生型IL-12に対して、その受容体を介する最大未満のシグナル伝達有効性を有するIL-12の1つ以上のバリアントポリペプチド、又は1つ以上のバリアントをコードする1つ以上の核酸分子を含む組成物を投与する方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、単独で、又は他の療法薬と組み合わせて、野生型IL-12に対して、その受容体を介する最大未満のシグナル伝達有効性を有する、IL-12の1つ以上のバリアント、又はIL-12の1つ以上のバリアントをコードする1つ以上の核酸分子を含む組成物を投与することによる、1つ以上の疾患又は障害を治療又は予防する方法に関する。
【0019】
定義
別段定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。
【0020】
本明細書で使用される場合、以下の用語の各々は、本セクションでそれに関連する意味を有する。
【0021】
「a」及び「an」という冠詞は、冠詞の文法的目的語の1つ又は1つより多く(すなわち、少なくとも1つ)を指すために本明細書で使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素又は1つより多くの要素を意味する。
【0022】
量、時間的持続時間などの測定可能な値を指す場合に本明細書で使用される「約」は、指定された値からの±20%、±10%、±5%、±1%、又は±0.1%の変動を、開示された方法を実行するためにそのような変動が適切であるときに包含することを意味する。
【0023】
「抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、抗原上の特定のエピトープに特異的に結合することができる免疫グロブリン分子を指す。抗体は、天然源又は組換え源に由来するインタクトな免疫グロブリンであってもよく、インタクトな免疫グロブリンの免疫反応性部分であってもよい。本開示の抗体は、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、細胞内抗体(「イントラボディ」)、Fv、Fab、及びF(ab)2、並びに一本鎖抗体(scFv)、ラクダ科抗体などの重鎖抗体、合成抗体、キメラ抗体、及びヒト化抗体を含む様々な形態で存在し得る(Harlow et al.,1999,Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,NY、Harlow et al.,1989,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,New York、Houston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883、Bird et al.,1988,Science 242:423-426)。
【0024】
「がん」は、本明細書で使用される場合、細胞の異常な成長又は分裂を指す。一般に、がん細胞の成長及び/又は寿命は、正常な細胞及びその周囲の組織の成長及び/又は寿命を超えており、それらと協調していない。がんは、良性、前悪性、又は悪性であり得る。がんは、口腔(例えば、口、舌、咽頭など)、消化器系(例えば、食道、胃、小腸、結腸、直腸、肝臓、胆管、胆嚢、膵臓など)、呼吸器系(例えば、喉頭、肺、気管支など)、骨、関節、皮膚(例えば、基底細胞、扁平上皮、髄膜腫など)、乳房、生殖器系(例えば、子宮、卵巣、前立腺、精巣など)、泌尿器系(例えば、膀胱、腎臓、尿管など)、眼、神経系(例えば、脳など)、内分泌系(例えば、甲状腺など)、及び造血系(例えば、リンパ腫、骨髄腫、白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病など)を含む様々な細胞及び組織で生じる。
【0025】
「共投与」、「共投与する」、及び「~と組み合わせて」という用語は、特定の時間制限なしに同時に、併用して、又は連続的に、2つ以上の治療薬(例えば、追加の薬剤と組み合わせたIL-12バリアントポリペプチド)を投与することを含む。本明細書で使用される「共投与」という用語は、コンジュゲート化合物、及び非コンジュゲート化合物を包含することを意味する。
【0026】
「疾患」は、動物が恒常性を維持することができず、疾患が改善されないならば、そのときは、動物の健康状態が悪化し続ける動物の健康状態である。対照的に、動物における「障害」は、動物が恒常性を維持することができるが、障害がない場合よりも動物の健康状態が好ましくない健康状態である。未治療のままにしても、障害は、必ずしも動物の健康状態の更なる低下を引き起こすものではない。
【0027】
「コードする」とは、ヌクレオチドの定義された配列(すなわち、rRNA、tRNA及びmRNA)又はアミノ酸の定義された配列のいずれか、及びそれから生じる生物学的特性を有する生物学的プロセスにおける他のポリマー及び巨大分子の合成のための鋳型として機能する、遺伝子、cDNA、又はmRNAなどのポリヌクレオチドにおけるヌクレオチドの特定の配列の固有の特性を指す。したがって、遺伝子は、その遺伝子に対応するmRNAの転写及び翻訳が、細胞又は他の生物学的システムにおいてタンパク質を産生する場合、タンパク質をコードする。ヌクレオチド配列がmRNA配列と同一であり、通常は配列表に提供されるコード鎖と、遺伝子又はcDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖との両方は、その遺伝子又はcDNAのタンパク質又は他の産物をコードしていると呼ぶことができる。
【0028】
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈において本明細書で使用される「相同な」、「同一の」又は「同一性」は、配列が、特定の領域にわたって同じである残基の特定の割合を有することを意味する。割合は、2つの配列を最適に整列し、指定された領域にわたり2つの配列を比較し、一致した位置の数を得るために、両方の配列で同一の残基が発生する位置の数を決定し、一致した位置の数を指定された領域の位置の総数で割り、結果に100を掛けて、配列同一性の割合を得ることで計算することができる。2つの配列が異なる長さを有するか、又はアラインメントが1つ以上の食い違った末端をもたらし、特定の比較領域が単一の配列のみを含む場合、単一の配列の残基は、計算の分子ではなく分母に含まれる。DNA及びRNAを比較する場合、チミン(T)及びウラシル(U)は、同等とみなすことができる。同一性は、手動で、又はBLAST若しくはBLAST2.0などのコンピュータ配列アルゴリズムを使用して実行することができる。
【0029】
「単離された」とは、天然状態から変更又は除去されたことを意味する。例えば、生きている動物に天然に存在する核酸又はポリペプチドは「単離されない」が、その天然状態の共存材料から部分的又は完全に分離された同じ核酸又はポリペプチドは「単離される」。単離された核酸又はタンパク質は、実質的に精製された形態で存在することができるか、又は例えば、宿主細胞などの非天然環境に存在することができる。
【0030】
「単離された核酸」は、天然に存在する状態でそれに隣接する配列から分離されている核酸セグメント又は断片、例えば、通常、断片に隣接する配列から除去されているDNA断片、例えば、それが天然に存在するゲノム内の断片に隣接する配列を指す。この用語はまた、核酸に天然で付随する他の成分、例えば、細胞内でそれに天然で付随するRNA又はDNA又はタンパク質から実質的に精製された核酸にも適用される。したがって、この用語は、例えば、ベクターに組み込まれるか、自律的に複製するプラスミド若しくはウイルスに組み込まれるか、又は原核生物若しくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれるか、又は他の配列とは独立して別個の分子として(例えば、cDNAとして、又はPCR若しくは制限酵素消化によって産生されるゲノム若しくはcDNA断片として)存在する組換えDNAを含む。また、追加のポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも含む。
【0031】
「調節する」という用語は、本明細書で使用される場合、治療若しくは化合物の非存在下での対象におけるmRNA、ポリペプチド、若しくは応答の活性及び/若しくはレベルと比較して、及び/又は他の点で同一であるが治療されていない対象におけるmRNA、ポリペプチド、若しくは応答の活性及び/若しくはレベルと比較して、対象におけるmRNA、ポリペプチド、若しくは応答の活性及び/若しくはレベルの検出可能な増加又は低下を媒介することを意味する。この用語は、天然のシグナル又は応答を活性化すること、阻害すること、及び/又はそれ以外の方法で影響を与えることによって、対象、例えば、ヒトにおける有益な治療的、予防的、又は他の所望の応答を媒介することを包含する。
【0032】
「多重特異性」又は「二重特異性」という用語は、第1の標的に特異的な少なくとも1つの領域(例えば、第1の抗体のリガンド又はFab)、及び第2の標的に特異的な少なくとも第2の領域(例えば、第2の抗体のリガンド又はFab)を有することにより、2つ以上の異なる抗原を認識する薬剤(例えば、リガンド又は抗体)を指すときに一般的に使用される。二重特異性薬剤は、2つの標的に特異的に結合し、したがって、一種の多重特異性薬剤である。
【0033】
本明細書で使用される場合、「変異」、「変異体」、又は「バリアント」は、参照配列(天然に存在する正常又は「野生型」配列であり得る)と比較した核酸又はポリペプチド配列の変化を指し、転座、欠失、挿入、及び置換/点変異を含む。本明細書で使用される「変異体」又は「バリアント」は、変異を含む核酸又はタンパク質のいずれかを指す。
【0034】
「核酸」又は「核酸分子」は、ポリヌクレオチドを指し、ポリリボヌクレオチド及びポリデオキシリボヌクレオチドを含む。本開示による核酸は、それぞれ、シトシン、チミン、及びウラシル、並びにアデニン及びグアニンなどのピリミジン塩基及びプリン塩基の任意のポリマー又はオリゴマーを含み得る。(参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれるAlbert L.Lehninger,Principles of Biochemistry,at 793-800(Worth Pub.1982)を参照されたい)。実際、本開示は、任意のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド又はペプチド核酸成分、及びそれらの任意の化学バリアント、例えば、これらの塩基のメチル化、ヒドロキシメチル化、又はグルコシル化形態などを企図する。ポリマー又はオリゴマーは、組成が不均一であっても均一であってもよく、天然源から単離されてもよく、又は人工的若しくは合成的に製造されてもよい。加えて、核酸は、DNA若しくはRNA、又はそれらの混合物であってもよく、ホモ二本鎖、ヘテロ二本鎖、及びハイブリッド状態を含む一本鎖又は二本鎖形態で永続的に又は過渡的に存在してもよい。
【0035】
「オリゴヌクレオチド」又は「ポリヌクレオチド」は、少なくとも2、少なくとも8、少なくとも15、又は少なくとも25ヌクレオチド長の範囲の核酸であるが、最大50、100、1000、又は5000ヌクレオチド長であってもよく、又はポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする化合物であってもよい。ポリヌクレオチドは、天然源から単離されてもよく、組換え的に産生されてもよく、又は人工的に合成されてもよい、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)、又はそれらの模倣物の配列を含む。本開示のポリヌクレオチドの更なる例は、ペプチド核酸(PNA)であり得る。(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,156,501号を参照されたい)。本開示はまた、特定のtRNA分子において特定され、三重らせん中に存在すると仮定される、フーグスティーン塩基対などの非伝統的な塩基対合が存在する状況も包含する。「ポリヌクレオチド」及び「オリゴヌクレオチド」は、本開示において互換的に使用される。ヌクレオチド配列が本明細書でDNA配列(例えば、A、T、G、及びC)によって表される場合、これはまた、「U」が「T」を置き換える対応するRNA配列(例えば、A、U、G、C)を含むことが理解されるであろう。
【0036】
「患者」、「対象」、「個体」などの用語は、本明細書で互換的に使用され、本明細書に記載の方法に従うことが可能なインビボ、インビトロ又は系内のいずれかの動物又はその細胞を指す。特定の非限定的な実施形態では、患者、対象、又は個体は、ヒトである。
【0037】
本明細書で使用される場合、「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、互換的に使用され、ペプチド結合によって共有結合されたアミノ酸残基から構成される化合物を指す。タンパク質又はペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含み、タンパク質又はペプチドの配列を含み得るアミノ酸の最大数に制限はない。ポリペプチドは、ペプチド結合によって互いに連結された2つ以上のアミノ酸を含む任意のペプチド又はタンパク質を含む。本明細書で使用される場合、この用語は、短鎖(当該技術分野で、一般に、例えば、ペプチド、オリゴペプチド、及びオリゴマーとしても称される)並びに長鎖(当該技術分野で、一般に、多くの種類が存在するタンパク質として称される)の両方を指す。「ポリペプチド」には、例えば、とりわけ、生物学的に活性な断片、実質的に相同なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ポリペプチドのバリアント、修飾ポリペプチド、誘導体、類似体、融合タンパク質が含まれる。ポリペプチドとしては、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、変異体ポリペプチド、バリアントポリペプチド、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0038】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、本開示の組成物を組み合わせることができ、組み合わせの後、適切な組成物を対象に投与するために使用することができる化学組成物を意味する。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」には、cDNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、アンチセンスRNA、リボザイム、ゲノムDNA、合成形態、及び混合ポリマー、センス鎖及びアンチセンス鎖の両方が含まれ、非天然又は誘導体化、合成、又は半合成ヌクレオチド塩基を示すように化学的又は生化学的に修飾され得る。また、野生型又は合成遺伝子の変化が企図され、これには、1つ以上のヌクレオチドの欠失、挿入、置換、又は他のポリヌクレオチド配列への融合が含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
疾患又は障害を「予防する」とは、その用語が本明細書で使用される場合、対象によって経験される疾患又は障害のうちの少なくとも1つの徴候又は症状の重症度又は頻度を減少させることを意味する。
【0041】
本明細書で使用される「試料」又は「生物学的試料」は、対象から単離された生物学的材料を意味する。生物学的試料は、対象における生理学的又は病理学的プロセスのmRNA、ポリペプチド又は他のマーカーを検出するのに好適な任意の生物学的材料を含んでいてもよく、個体から得られる流体、組織、細胞及び/又は非細胞材料を含み得る。
【0042】
本明細書で使用される場合、「療法」又は「治療レジメン」という用語は、疾患又は障害、例えば、薬理学的、外科的、食事的及び/又は他の技術を使用して、疾患又は障害の少なくとも1つの徴候又は症状を低減又は排除することを意図した治療過程を予防、治療、又は変更するために行われるこれらの活動を指す。治療レジメンは、所定の投薬量の1つ以上の化合物又は手術を含み得る。療法は、最も多くの場合、有益であり、障害又は疾患状態の少なくとも1つの徴候又は症状を低減又は排除するが、いくつかの事例では、療法の効果は、望ましくないか、又は副作用を有するであろう。療法の効果はまた、対象の生理学的状態、例えば、年齢、性別、遺伝学、体重、他の疾患状態などによっても影響を受ける。
【0043】
「治療有効量」という用語は、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医によって求められている細胞、組織、臓器、系、又は対象の生物学的、生理学的、臨床的、又は医学的な応答を誘発するであろう主題の化合物又は組成物の量を意味する。「治療有効量」という用語は、投与されるときに、治療される障害又は疾患の徴候又は症状のうちの1つ以上の発症を予防するか、又はある程度治療するのに十分な化合物又は組成物の量を含む。治療有効量は、化合物又は組成物、疾患及びその重症度、並びに治療される対象の年齢、体重などに応じて異なるであろう。
【0044】
疾患又は障害を「治療する」とは、その用語が本明細書で使用される場合、対象が経験する疾患又は障害の少なくとも1つの徴候又は症状の頻度又は重症度を低減することを意味する。「治療」、「治療すること」、「治療する」などの用語は、所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を得ることを一般的に指すために本明細書で使用される。効果は、疾患若しくはその症状(複数可)を完全に若しくは部分的に予防する点で予防的であってもよく、かつ/又は疾患及び/若しくは疾患に起因する副作用の部分的若しくは完全な安定化若しくは治癒の点で治療的であってもよい。「治療」という用語は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患又は症状の素因があり得るが、まだそれを有すると診断されていない対象において疾患及び/又は症状(複数可)が発生するのを防止すること、(b)疾患及び/又は症状(複数可)を阻害すること、例えば、疾患及び/又は症状(複数可)の発症を遅らせるか、又は阻止すること(例えば、腫瘍の成長を停止すること、腫瘍の成長速度を遅延させること、がん細胞の増殖速度を停止することなど)、又は(c)疾患症状(複数可)を軽減すること、すなわち、疾患及び/又は症状(複数可)の退行を引き起こすこと(例えば、腫瘍サイズの低下を引き起こすこと、存在するがん細胞の数を減少させることなど)を含む。治療を必要としているものには、既に罹患しているもの(例えば、がんを有するもの、感染症を有するもの、代謝障害を有するもの、黄斑変性を有するものなど)、及び予防が望まれているもの(例えば、がんに対する感受性が高まっているもの、感染症の可能性が高いもの、がんを患っていると疑われているもの、感染症を抱えていると疑われているもの、代謝疾患に対する感受性が高まっているもの、黄斑変性に対する感受性が高まっているものなど)が含まれる。
【0045】
本明細書で使用される場合、「野生型」という用語は、天然源から単離された遺伝子又は遺伝子産物を指す。野生型遺伝子は、集団において最も頻繁に観察される遺伝子であり、したがって、遺伝子の「正常」又は「野生型」形態を任意に指定する。対照的に、「修飾された」、「バリアント」、又は「変異体」という用語は、野生型遺伝子又は遺伝子産物と比較した場合、配列及び/又は機能的特性(すなわち、変化した特性)における改変を有する遺伝子又は遺伝子産物を指す。
【0046】
範囲:本開示を通じて、本開示の様々な態様は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜及び簡潔のためであり、本開示の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきでないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、全ての可能な部分範囲並びにその範囲内の個々の値を具体的に開示しているとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、及び6が具体的に開示されるとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0047】
IL-12バリアントポリペプチドに関して本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」という用語は、IL-12Rβ2又はIL-12Rβ1などの特定の受容体を認識し、それに結合するIL-12バリアントポリペプチドを意味する。いくつかの事例では、IL-12バリアントポリペプチドは、野生型IL-12に対して、IL-12Rβ1への結合を実質的に減少させた。例えば、1つの種由来の受容体に特異的に結合するIL-12バリアントポリペプチドも、1つ以上の種由来のその受容体に結合し得る。しかしながら、そのような異種間反応性自体は、特異的であるとのIL-12バリアントポリペプチドの分類を変更しない。別の例では、受容体に特異的に結合するIL-12バリアントポリペプチドはまた、その受容体の異なる対立遺伝子形態に結合し得る。しかしながら、そのような交差反応性自体は、特異的であるとのIL-12バリアントポリペプチドの分類を変更しない。いくつかの事例では、「特異的結合」又は「特異的に結合する」という用語は、抗体、タンパク質、又はペプチドと第2の化学種との相互作用を参照して使用することができ、相互作用は、化学種に対する特定の構造(例えば、抗原決定基又はエピトープ)の存在に依存することを意味し、例えば、IL-12バリアントポリペプチドは、一般的にタンパク質ではなく、特定のタンパク質構造を認識し、結合する。
【0048】
組成物
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド分子を含み、バリアントは、免疫応答を増強するが、比較的低い毒性及び比較的広い治療指数を有する。いくつかの実施形態では、組成物は、IL-12Rβ2及びIL-12Rβ1の両方からなる活性受容体シグナル伝達複合体へのIL-12Rβ1の動員を減少させることによる、IL-12活性の部分的誘導剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、IL-12Rβ2に結合することができるが、IL-12Rβ1を介して結合を減少させるか、又は消滅させる、1つ以上の分子を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸分子を含む。
【0049】
ポリペプチド
いくつかの実施形態では、本開示は、IL-12Rβ2に特異的に結合するが、IL-12Rβ1への結合が減少した、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、野生型(WT)IL-12と比較して、IL-12Rβ2に対する増加した結合親和性を示す。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、WT IL-12と比較して、IL-12Rβ2に対する同様の結合親和性を示す。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、WT IL-12と比較して、IL-12Rβ1に対する低下した結合親和性を示す。
【0050】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、疾患又は障害の治療又は予防に有用である。いくつかの実施形態では、障害の疾患は、がんである。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、単独で、又は1つ以上の追加の療法薬と組み合わせて、疾患又は障害の治療又は予防に有用である。いくつかの実施形態では、追加の療法薬は、がん免疫療法薬である。いくつかの実施形態では、追加の療法薬は、化学療法薬である。任意のそのような実施形態では、疾患又は障害は、がん、例えば、急性骨髄腫白血病、未分化リンパ腫、星状細胞腫、B細胞がん、乳がん、結腸がん、上衣腫、食道がん、膠芽腫、神経膠腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、肝臓がん、肺がん、マントル細胞リンパ腫、黒色腫、神経芽腫、非小細胞肺がん、乏突起神経膠腫、卵巣がん、膵臓がん、末梢T細胞リンパ腫、腎臓がん、肉腫、胃がん、がん腫、中皮腫、又は肉腫を含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12Rβ2に結合し、IL-12Rβ1への実質的に減少した結合を示す。いくつかの実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、IL-12Rβ1への野生型IL-12の結合親和性の約0.000000000001%~約95%である結合親和性でIL-12Rβ1に結合する。いくつかの実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、IL-12Rβ1への野生型IL-12の結合親和性の約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約89%、約88%、約87%、約86%、約85%、約84%、約83%、約82%、約81%、約80%、約79%、約78%、約77%、約76%、約75%、約74%、約73%、約72%、約71%、約70%、約69%、約68%、約67%、約66%、約65%、約64%、約63%、約62%、約61%、約60%、約59%、約58%、約57%、約56%、約55%、約54%、約53%、約52%、約51%、約50%、約49%、約48%、約47%、約46%、約45%、約44%、約43%、約42%、約41%、約40%、約39%、約38%、約37%、約36%、約35%、約30%、約29%、約28%、約27%、約26%、約25%、約24%、約23%、約22%、約21%、約20%、約19%、約18%、約17%、約16%、約15%、約14%、約13%、約12%、約11%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%又は約0%である結合親和性でIL-12Rβ1に結合する。
【0052】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12バリアントポリペプチド及びIL-12Rβ2のKよりも実質的に高い解離定数(K、高いほど、より低い結合親和性を示す)でIL-12Rβ1に結合する。いくつかの実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、WT IL-12及びIL-12Rβ2のKと実質的に同じ、又はそれよりも低いKでIL-12Rβ2に結合する。
【0053】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、WT IL-12及びIL-12Rβ1のKよりも実質的に高いKでIL-12Rβ1に結合する。いくつかの実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、WT IL-12及びIL-12Rβ1のKよりも少なくとも10倍、少なくとも100倍、少なくとも1,000倍、少なくとも10,000倍、少なくとも100,000倍、少なくとも1,000,000倍大きいか、少なくとも10,000,000倍大きいか、又は少なくとも100,000,000倍大きいKでIL-12Rβ1に結合する。いくつかの実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、10nM以上、15nM以上、20nM以上、25nM以上、30nM以上、35nM以上、40nM以上、45nM以上、50nM以上、55nM以上、60nM以上、65nM以上、70nM以上、75nM以上、80nM以上、85nM以上、90nM以上、95nM以上、100nM以上、200nM以上、300nM以上、400nM以上、500nM以上、又は1μM以上のKでIL-12Rβ1に結合する。
【0054】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12Rβ1及びIL-12Rβ2に対して実質的に減少したアゴニズムを示す。いくつかの実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドは、IL-12Rβ1及びIL-12Rβ2へのWT IL-12の最大アゴニズムの約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約89%、約88%、約87%、約86%、約85%、約84%、約83%、約82%、約81%、約80%、約79%、約78%、約77%、約76%、約75%、約74%、約73%、約72%、約71%、約70%、約69%、約68%、約67%、約66%、約65%、約64%、約63%、約62%、約61%、約60%、約59%、約58%、約57%、約56%、約55%、約54%、約53%、約52%、約51%、約50%、約49%、約48%、約47%、約46%、約45%、約44%、約43%、約42%、約41%、約40%、約39%、約38%、約37%、約36%、約35%、約30%、約29%、約28%、約27%、約26%、約25%、約24%、約23%、約22%、約21%、約20%、約19%、約18%、約17%、約16%、約15%、約14%、約13%、約12%、約11%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%又は約0%であるIL-12Rβ1及びIL-12Rβ2に対するアゴニズムを提供する。
【0055】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12Rβ1及びIL-12Rβ2の最大アゴニズムの50%(EC50)に達するために実質的により高い有効濃度を必要とする。いくつかの実施形態では、IL-12バリアントは、IL-12Rβ1及びIL-12Rβ2についての野生型IL-12のEC50の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、約150%、約160%、約170%、約180%、約190%、約200%、約210%、約220%、約230%、約240%、約250%、約260%、約270%、約280%、約290%、約300%、約310%、約320%、約330%、約340%、約350%、約360%、約370%、約380%、約390%、約400%、約410%、約420%、約430%、約440%、約450%、約460%、約470%、約480%、約490%、約500%、約550%、約600%、約650%、約700%、約750%、約800%、約850%、約900%、約950%、約1000%、約1100%、約1200%、約1300%、約1400%、約1500%、約1600%、約1700%、約1800%、約1900%、約2000%、約2100%、又は約2200%であるIL-12Rβ1及びIL-12Rβ2についてのEC50を有する。いくつかの実施形態では、IL-12バリアントは、IL-12Rβ1及びIL-12Rβ2についてのWT IL-12のEC50よりも少なくとも2倍高い、少なくとも5倍高い、少なくとも10倍高い、少なくとも50倍高い、少なくとも100倍高い、少なくとも200倍高い、少なくとも500倍高い、又は少なくとも1000倍高いIL-12Rβ1及びIL-12Rβ2についてのEC50を有する。
【0056】
様々な実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、WT IL-12ポリペプチドに対して、1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態では、WT IL-12ポリペプチドは、ヒトWT IL-12を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド及びWT IL-12ポリペプチドは、両方とも、p35サブユニット(IL-12p35)及びp40サブユニット(IL-12p40)を含む。いくつかの実施形態では、WT IL-12のIL-12p40は、配列番号1のアミノ酸配列を含む(配列については、以下の実施例1の表1を参照されたい)。いくつかの実施形態では、WT IL-12のIL-12p35は、配列番号2のアミノ酸配列を含む。
【0057】
一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35は、シグナルペプチドの有無にかかわらず、WT IL-12p35のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35は、配列番号2又は配列番号35のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35は、精製タグを更に含む。いくつかの実施形態では、精製タグは、ポリヒスチジンタグである。いくつかの実施形態では、ポリヒスチジンタグは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、又は少なくとも10個のヒスチジン残基を含む。一実施形態では、精製タグを更に含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35は、配列番号30のアミノ酸配列を含む。別途指定されない限り、「X」という用語は、任意のアミノ酸を表すために以下で使用される。
【0058】
一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40は、シグナルペプチドの有無にかかわらず、WT IL-12p40のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40は、シグナルペプチドの有無にかかわらず、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0059】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、WT IL-12に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)WT IL-12に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)WT IL-12に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35、又はその断片は、WT IL-12p35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35、又はその断片は、(i)WT IL-12p35に対して100%の配列同一性を有し、(ii)WT IL-12p35に対して変異を含まない、アミノ酸配列を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、WT IL-12p40に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、(i)WT IL-12p40に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)WT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)WT IL-12p40に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、WT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、IL-12p40と、(ii)WT IL-12p35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35、又はその断片は、配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35、又はその断片は、(i)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有し、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して変異を含まない、アミノ酸配列を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号34に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、IL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号34に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、IL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含むアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含むアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含むアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含むアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、シグナルペプチドの有無にかかわらず、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0078】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)シグナルペプチドの有無にかかわらず、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片は、(i)配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22が、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、IL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0080】
いくつかの場合では、上述のように、本開示の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのインビボ半減期を延長することが望ましい場合がある。ポリペプチドのインビボ半減期を延長するための様々な技術は、ポリペプチドを1つ以上の安定なタンパク質又はタンパク質ドメインに融合させることを含め、当該技術分野で既知である。例示的な安定化融合タンパク質/ドメインとしては、限定されないが、IgG Fcドメイン(すなわち、ホモ二量体IgG Fcを形成することができる)、IgG Fcバリアントドメイン(すなわち、ヘテロ二量体IgG Fcを形成することができる)、ヒト血清アルブミン(HSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、及び抗HSAナノボディが挙げられる。
【0081】
一実施形態では、IL-12バリアントポリペプチド(複数可)は、本明細書に記載されるように、融合タンパク質の安定性又は半減期を増強するペプチドに融合される。一実施形態では、融合ペプチドは、免疫グロブリン、又はそのバリアント若しくは断片のうちの少なくとも1つの領域を含む。一実施形態では、ペプチドは、免疫グロブリンのFcドメインを含む。一実施形態では、融合ペプチドは、ヒトIgG1のFcドメインを含む。一実施形態では、融合ペプチドは、Fc受容体又は補体を介してFcエフェクター機能を除去するための1つ以上の変異を含む、免疫グロブリンのFcドメインを含む。一実施形態では、融合ペプチドは、野生型ヒトIgG1に対して、残基N297における変異を含むヒトIgG1のFcドメインを含み、Fcドメインを脱グリコシル化する。
【0082】
ヘテロ二量体Fc融合構築物は、抗体の重鎖の2つのFcドメイン、例えば、「二量体」に集合する2つの「単量体」の自己集合性に基づく。ヘテロ二量体Fc融合体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2018071919A1に記載される通り、各単量体のアミノ酸配列を変えることによって作製される。ヘテロ二量体Fcの生成は、ヘテロ二量体形成を促進するために、かつ/又はホモ二量体よりもヘテロ二量体の精製を容易にするために、各鎖で異なる定常領域中のアミノ酸バリアントに依存する。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、ヘテロ二量体Fcに融合し、それによってIL-12バリアントポリペプチド(複数可)の半減期を延長する、本明細書に記載のIL-12バリアントポリペプチド(複数可)を使用する組成物及び方法に関する。
【0083】
一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、二価ホモ二量体Fcを含む。一実施形態では、二価ホモ二量体Fcは、少なくとも2つのIgG Fcドメインを含む。一実施形態では、IgGは、ヒトIgGである。一実施形態では、ヒトIgGは、ヒトIgG1である。一実施形態では、ヒトIgG1 Fcドメインは、配列番号10のアミノ酸配列を含む。
【0084】
一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、WT IL-12のIL-12p40を含む。一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む。一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。
【0085】
一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、WT IL-12のIL-12p35を含む。一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、精製タグを含む。一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む。
【0086】
一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される。一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される。一実施形態では、リンカーは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0087】
一実施形態では、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有する。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。
【0088】
一実施形態では、二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)リンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)二価ホモ二量体FcのIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)リンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p35と、(ii)二価ホモ二量体FcのIL-12p40と、を含む。
【0089】
一実施形態では、二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分に1つ以上の変異を有するリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む。
【0090】
一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号13のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む二価ホモ二量体FcのIL-12p40と、を含む。
【0091】
一実施形態では、二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0092】
当業者は、リンカー及び対応するサブユニット(それぞれ、IL-12p35又はIL-12p40)によってIgG Fcに融合されるIL-12p40又はIL-12p35のいずれかの共発現が、二量体IL-12(すなわち、二価IgG Fcドメインによって安定化されたヘテロ二量体のホモ二量体を含む四量体構造、実施例1及び図5Aを参照されたい)をもたらすことを認識するであろう。
【0093】
一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、二重特異性ヘテロ二量体Fcを含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、IgG Fc「ノブ」と、IgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」及びIgG Fc「ホール」は、IgG Fcのバリアントである。一実施形態では、IgG Fcは、ヒトIgG Fcを含む。一実施形態では、ヒトIgG Fcは、ヒトIgG1 Fcを含む。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」は、配列番号14のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、IgG Fc「ホール」は、配列番号15のアミノ酸配列を含む。
【0094】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40は、WT IL-12のIL-12p40を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。
【0095】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0096】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0097】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35は、WT IL-12のIL-12p35を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35は、精製タグを含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む。
【0098】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合される。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合される。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35は、リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合される。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35は、リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合される。一実施形態では、リンカーは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0099】
一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号16のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有する。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する。
【0100】
一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号17のアミノ酸配列を含む。
【0101】
一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号18のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有する。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する。一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する。
【0102】
一実施形態では、リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcは、配列番号19のアミノ酸配列を含む。
【0103】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む。
【0104】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)配列番号16のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号17のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号17のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号17のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号17のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む。
【0105】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むが、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む。一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むが、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む。
【0106】
当業者は、IL-12p40「ノブ」又はIL-12p35「ホール」のいずれかと、対応するサブユニット(それぞれ、IL-12p40「ホール」又はIL-12p35「ノブ」)との共発現が、「ホール」と「ノブ」IgG Fcドメインとの間の相互作用によって安定化される修飾された二量体IL-12をもたらすことを認識するであろう(実施例1、図4A、及び図5Bを参照されたい)。
【0107】
一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体Fcは、少なくとも2つのIgG Fcドメインを含む。一実施形態では、IgGは、ヒトIgGである。一実施形態では、ヒトIgGは、ヒトIgG1である。一実施形態では、ヒトIgG1 Fcドメインは、配列番号10のアミノ酸配列を含む。
【0108】
一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、WT IL-12のIL-12p40を含む。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。
【0109】
一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0110】
一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0111】
一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、WT IL-12のIL-12p35を含む。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、精製タグを含む。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む。
【0112】
一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介して一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35に融合される。
【0113】
一実施形態では、(i)一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介して一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35に融合され、(ii)一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される。一実施形態では、(i)一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介して一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35に融合され、(ii)一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される。一実施形態では、リンカーは、配列番号20及び配列番号21からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0114】
一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分においてもう1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分においてもう1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む。一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む。
【0115】
当業者であれば、一本鎖二価ホモ二量体Fcのいずれかの構成の発現が、二量体IL-12(すなわち、二価IgG Fcドメインによって安定化された融合二量体の二量体、実施例1及び図5Bを参照されたい)をもたらすことを認識するであろう。
【0116】
一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、一本鎖単量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む。
【0117】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、IgG Fc「ノブ」と、IgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」及びIgG Fc「ホール」は、IgG Fcのバリアントである。一実施形態では、IgG Fcは、ヒトIgG Fcを含む。一実施形態では、ヒトIgG Fcは、ヒトIgG1 Fcを含む。一実施形態では、IgG Fc「ホール」は、リンカーを介してシグナルペプチドに融合される。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」は、リンカーを介してシグナルペプチドに融合される。一実施形態では、リンカーは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0118】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40は、WT IL-12のIL-12p40を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。
【0119】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0120】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0121】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p35は、WT IL-12のIL-12p35を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p35は、精製タグを含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12のIL-12p35は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む。
【0122】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、リンカーを介してIL-12p35に融合されるIL-12p40を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、(i)リンカーを介してIL-12p35に融合されるIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、(i)リンカーを介してIL-12p40に融合されるIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、(i)リンカーを介してIL-12p35に融合されるIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、(i)リンカーを介してIL-12p40に融合されるIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む。一実施形態では、リンカーは、配列番号20及び配列番号21からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0123】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0124】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むが、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40部分においてもう1つの変異を有する。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むが、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する。一実施形態では、一本鎖単量体IL-12は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むが、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する。
【0125】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号26のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12と、(ii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、を含む。
【0126】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号27のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12と、(ii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、を含む。
【0127】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号28のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12と、(ii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、を含む。
【0128】
一実施形態では、一本鎖単量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号27のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12と、(ii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、を含む。
【0129】
当業者は、対応するIgG Fc「ホール」又は「ノブ」にそれぞれ融合される一本鎖IL-12とのIgG Fc「ノブ」又は「ホール」の共発現が、ヘテロ二量体Fcによって安定化された単量体IL-12をもたらすことを認識するであろう(実施例1及び図5Cを参照されたい)。
【0130】
一実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む。
【0131】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、IgG Fc「ノブ」と、IgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」及びIgG Fc「ホール」は、IgG Fcのバリアントである。一実施形態では、IgG Fcは、ヒトIgG Fcを含む。一実施形態では、ヒトIgG Fcは、ヒトIgG1 Fcを含む。一実施形態では、IgG Fc「ホール」は、リンカーを介してシグナルペプチドに融合される。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」は、リンカーを介してシグナルペプチドに融合される。一実施形態では、リンカーは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0132】
一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p40は、WT IL-12のIL-12p40を含む。一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む。一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。
【0133】
一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p40は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0134】
一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p40は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0135】
一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p35は、WT IL-12のIL-12p35を含む。一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p35は、精製タグを含む。一実施形態では、二量体IL-12のIL-12p35は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む。
【0136】
一実施形態では、二量体IL-12は、(i)二量体IL-12のIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12は、(i)二量体IL-12のIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12は、(i)二量体IL-12のIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12は、(i)二量体IL-12のIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む。
【0137】
一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)二量体IL-12のIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(iii)IgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)二量体IL-12のIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)IgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)二量体IL-12のIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、(iii)IgG Fc「ノブ」と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)二量体IL-12のIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)IgG Fc「ノブ」と、を含む。
【0138】
一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)リンカーを介して配列番号19のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、を含む。
【0139】
一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むIL-12p40であって、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、IL-12p40と、(ii)リンカーを介して配列番号19のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、を含む。
【0140】
一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号16のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、を含む。
【0141】
一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)リンカーを介して配列番号17のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、を含む。
【0142】
一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むIL-12p40であって、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、IL-12p40と、(ii)リンカーを介して配列番号17のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、を含む。
【0143】
一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号18のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、を含む。一実施形態では、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、を含む。
【0144】
当業者であれば、(i)IgG Fc「ホール」又は「ノブ」に融合される対応するサブユニット、及び(ii)対応するIgG Fc「ノブ」又は「ホール」とのIL-12p40又はIL-12p35の共発現が、ヘテロ二量体IgG Fcによって安定化された二量体IL-12をもたらすことを認識するであろう(実施例1及び図5Dを参照されたい)。
【0145】
ヒト血清アルブミン(HSA)は、治療上有益なペプチド(WO2001079271A及びWO2003059934A、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)に遺伝的に融合されており、融合は、治療上有益なペプチドの活性を有し、治療上有益なペプチド単独の血漿半減期よりもかなり長い血漿半減期を有するという典型的な結果を有する。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、HSAに融合し、それによってIL-12バリアントポリペプチド(複数可)の半減期を延長する、本明細書に記載のIL-12バリアントポリペプチド(複数可)を使用する組成物及び方法に関する。
【0146】
タンパク質の安定性を改善するために最も広く使用される方法のうちの1つは、ポリエチレングリコール(「PEG」)などの高可溶性巨大分子を有するポリペプチドの化学修飾であり、これは、ポリペプチドがプロテアーゼと接触することを防止する。PEGは、非常に柔軟性であり、帯電しておらず、ほとんどが非免疫原性、親水性、非生分解性の分子であり、同等のサイズのタンパク質よりも大きな流体力学的半径を生じる。また、ポリペプチド薬物に特異的又は非特異的に結合した場合、PEGは、ポリペプチド薬物の溶解性を増加させ、その加水分解を防止し、それによって、抗原性が低いことに起因していかなる免疫応答を引き起こすことなく、ポリペプチド薬物の血清安定性を増加させることも周知である(Sada et al,J.Fermentation Bioengineering,1991,71:137-139)。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、PEGに融合し、それによってIL-12バリアントポリペプチド(複数可)の半減期を延長する、本明細書に記載のIL-12バリアントポリペプチド(複数可)を使用する組成物及び方法に関する。
【0147】
タンパク質のインビボ半減期を改善するための別の方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2004041865に記載されるような単一ドメイン抗体への融合を含む。単一ドメイン抗体は、相補性決定領域が単一ドメインポリペプチドの一部である抗体である。例には、重鎖抗体、軽鎖を天然に欠く抗体、従来の4鎖抗体に由来する単一ドメイン抗体、操作された抗体、及び抗体に由来するもの以外の単一ドメイン足場が含まれるが、これらに限定されない。単一ドメイン抗体は、当該技術分野のいずれか、又は任意の将来の単一ドメイン抗体であり得る。単一ドメイン抗体は、マウス、ヒト、ラクダ、ラマ、ヤギ、ウサギ、ウシを含むがこれらに限定されない任意の種に由来し得る。本開示の一態様によれば、本明細書で使用される単一ドメイン抗体は、軽鎖を欠く重鎖抗体として知られる天然に存在する単一ドメイン抗体である。明確な理由のために、軽鎖を天然に欠く重鎖抗体に由来するこの可変ドメインは、4鎖免疫グロブリンの従来のVHと区別するために、VHH又はナノボディとして本明細書で知られている。そのようなVHH分子又はナノボディは、ラクダ科種、例えば、ラクダ、ドロメダリ、アルパカ、及びグアナコで発生した抗体に由来し得る。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、ナノボディに融合し、それによってIL-12バリアントポリペプチド(複数可)の半減期を延長する、本明細書に記載のIL-12バリアントポリペプチド(複数可)を使用する組成物及び方法に関する。一実施形態では、ナノボディは、抗HSAナノボディを含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、1つ以上のシグナルペプチドを更に含む。一実施形態では、1つ以上のシグナルペプチドは、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドの細胞外分泌を促進する。一実施形態では、1つ以上のシグナルペプチドは、配列番号31、配列番号32、及び配列番号33からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0149】
当業者は、ポリペプチドを産生する任意の既知の方法を使用して、本開示のポリペプチド(複数可)を生成することができることを認識するであろう。本開示のポリペプチド(複数可)は、化学的方法を使用して作製され得る。例えば、ポリペプチド(複数可)は、固相技術によって合成され(Roberge J Y et al(1995)Science 269:202~204)、樹脂から切断され、分取高速液体クロマトグラフィーによって精製され得る。自動合成は、例えば、製造業者によって提供される指示に従って、ABI 431 A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を使用して達成されてもよい。
【0150】
本開示のポリペプチド(複数可)は、従来の技術によって合成され得る。例えば、ペプチド又はキメラタンパク質は、固相ペプチド合成を使用した化学合成によって合成され得る。これらの方法は、固相又は溶液相合成方法のいずれかを使用する(例えば、固相合成技術については、J.M.Stewart,and J.D.Young,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd Ed.,Pierce Chemical Co.,Rockford Ill.(1984)、及びG.Barany and R.B.Merrifield,The Peptides:Analysis Synthesis,Biology editors E.Gross and J.Meienhofer Vol.2 Academic Press,New York,1980,pp.3-254、及び古典的な溶液合成については、M Bodansky,Principles of Peptide Synthesis,Springer-Verlag,Berlin 1984、及びE.Gross and J.Meienhofer,Eds.,The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology,suprs,Vol 1を参照されたい)。例として、本開示のペプチドは、N-フルオレニルメトキシ-カルボニル-O-ベンジル-L-ホスホトレオニン誘導体としてホスホトレオニンを直接組み込んだ9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)固相化学を使用して合成されてもよい。
【0151】
ポリペプチド(複数可)は、代替的に、組換え手段によって、又は1つ以上のより長いポリペプチドからの切断によって作製されてもよい。ポリペプチド(複数可)の組成は、アミノ酸分析又は配列決定によって確認され得る。
【0152】
本開示によるポリペプチド(複数可)のバリアントは、(i)アミノ酸残基のうちの1つ以上が保存されたアミノ酸残基又は保存されていないアミノ酸残基で置換され、そのような置換されたアミノ酸残基が遺伝コードによってコードされたもの、又はコードされていないもの、(ii)1つ以上の修飾されたアミノ酸残基、例えば、置換基の付着によって修飾された残基が存在するもの、(iii)ペプチドが本開示のポリペプチド(複数可)の代替スプライスバリアントであるもの、(iv)ポリペプチド(複数可)の断片及び/又は(v)ポリペプチド(複数可)が別のペプチドと融合されている/融合されているもの、例えば、リーダー若しくは分泌配列、又は精製(例えば、His-タグ)若しくは検出(例えば、Sv5エピトープタグ)のために用いられる配列などであり得る。断片には、元の配列のタンパク質分解切断(多部位タンパク質分解を含む)によって生成されるポリペプチド(複数可)が含まれる。バリアントは、翻訳後修飾又は化学修飾されてもよい。そのようなバリアントは、本明細書の教示から当業者の範囲内であるとみなされる。
【0153】
本開示のポリペプチド(複数可)は、翻訳後修飾することができる。例えば、本開示の範囲内にある翻訳後修飾には、シグナルペプチド切断、グリコシル化、アセチル化、イソプレニル化、タンパク質分解、ミリストイル化、タンパク質折り畳み及びタンパク質分解処理などが含まれる。いくつかの改変又は処理イベントは、追加の生物学的機構の導入を必要とする。例えば、シグナルペプチド切断及びコアグリコシル化などの処理イベントは、イヌミクロソーム膜又はXenopus卵抽出物(米国特許第6,103,489号)を標準的な翻訳反応に添加することによって調べられる。
【0154】
本開示のポリペプチド(複数可)は、翻訳後修飾によって、又は翻訳中に非天然アミノ酸を導入することによって形成される非天然アミノ酸を含み得る。タンパク質翻訳中に非天然アミノ酸を導入するための様々なアプローチが利用可能である。
【0155】
本開示のポリペプチド(複数可)は、Reedijk et al.(The EMBO Journal 11(4):1365,1992)に記載される方法などの従来の方法を使用してリン酸化され得る。
【0156】
本開示のポリペプチド(複数可)は、無機酸、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸など、又は有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、及びトルエンスルホン酸と反応することによって、薬学的塩に変換され得る。
【0157】
いくつかの他の実施形態では、本開示のIL-12バリアントポリペプチドは、タンパク質分解に対する耐性を改善するか、又は溶解特性を最適化するか、又は療法薬としてより好適にするように更に修飾された試薬を含む。例えば、本開示のバリアントは、天然に存在するL-アミノ酸以外の残基、例えば、D-アミノ酸又は天然に存在しない合成アミノ酸を含む類似体を更に含む。D-アミノ酸は、アミノ酸残基の一部又は全てと置き換えることができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、別のタンパク質(すなわち、「第2のポリペプチド」)に融合され得る。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド(例えば、IL-12Rβ1及び/又はIL-12Rβ2以外)によって結合される標的分子以外の標的分子に特異的に結合する。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、ポリペプチドの第1の領域がIL-12バリアントポリペプチド配列(すなわち、第1の領域がIL-12バリアントポリペプチドを含む)と、別の標的分子(例えば、抗原)に特異的に結合する第2の領域とを含むように、多重特異性(例えば、二重特異性)である。例えば、いくつかの場合では、IL-12バリアントポリペプチドは、IL-12バリアントポリペプチドによって結合された標的分子以外の標的分子に特異的に結合する第2のポリペプチドに融合される。
【0159】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、リンカー(例えば、リンカーポリペプチド)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド及び融合パートナー(すなわち、第2のポリペプチド)は、リンカー(例えば、リンカーポリペプチド)によって分離される。リンカーポリペプチドは、様々なアミノ酸配列のうちのいずれかを有し得る。タンパク質は、柔軟な性質のものであり得るリンカーポリペプチド(例えば、柔軟なリンカーポリペプチド)によって結合され得るが、他の化学結合は除外されない。好適なリンカーには、約6アミノ酸~約40アミノ酸の長さ、又は約6アミノ酸~約25アミノ酸の長さのポリペプチドが含まれる。これらのリンカーは、リンカーをコードする合成オリゴヌクレオチドを使用してタンパク質とカップリングさせることによって生成され得る。ある程度の柔軟性を有するペプチドリンカーを使用することができる。いくつかの場合では、リンカーがほぼ柔軟なペプチドをもたらす配列を有することを踏まえて、結合ペプチドは、実質的にいずれのアミノ酸配列も有し得る。グリシン及びアラニンなどの小さいアミノ酸の使用は、柔軟なペプチドの作製に有用である。かかる配列の作製は、当業者にとって慣例である。様々な異なるリンカーが市販されており、使用に好適であるとみなされている。いくつかの実施形態では、リンカーは、配列番号11、配列番号20、及び配列番号21からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0160】
核酸
いくつかの実施形態では、本開示は、上述のように、本開示の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、上述の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする少なくとも2つの核酸分子を含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、本開示は、上述のように、本開示の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40をコードする1つ以上の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、上述のように、本開示の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35をコードする1つ以上の核酸分子を含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、本開示は、上述のように、本開示の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40及びIL-12p35をコードする1つ以上の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、上述の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40及びIL-12p35をコードする少なくとも2つの核酸分子を含む。
【0163】
一実施形態では、核酸分子は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40をコードし、IL-12p40は、シグナルペプチドの有無にかかわらず、WT IL-12p40のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40をコードし、IL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40をコードし、IL-12p40は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む。一実施形態では、核酸分子は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40をコードし、IL-12p40は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、核酸分子は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40をコードし、IL-12p40は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む。一実施形態では、核酸分子は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40をコードし、IL-12p40は、シグナルペプチドの有無にかかわらず、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40をコードし、IL-12p40は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0164】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、WT IL-12に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)WT IL-12に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)WT IL-12に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、アミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0165】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、WT IL-12p35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35、又はその断片をコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)WT IL-12p35に対して100%の配列同一性を有し、(ii)WT IL-12p35に対して変異を含まない、アミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35、又はその断片をコードする。
【0166】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードし、IL-12p40は、WT IL-12p40に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードし、IL-12p40は、(i)WT IL-12p40に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)WT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)WT IL-12p40に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、WT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、IL-12p40と、(ii)WT IL-12p35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0168】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35、又はその断片をコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有し、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して変異を含まない、アミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p35、又はその断片をコードする。
【0169】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、アミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードする。
【0170】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号34に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、アミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードする。
【0171】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、IL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0172】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号34に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む、IL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0173】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、アミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードする。
【0174】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、アミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードする。
【0175】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含むアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0176】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含むアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0177】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、アミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードする。
【0178】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、(ii)配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む、アミノ酸配列を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号1に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含むアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0180】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号34に対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有し、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含むアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0181】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、シグナルペプチドの有無にかかわらず、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードする。
【0182】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22は、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドのIL-12p40、又はその断片をコードする。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0183】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)シグナルペプチドの有無にかかわらず、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0184】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22が、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、IL-12p40と、(ii)配列番号2又は配列番号35に対して100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又はその断片をコードする。
【0185】
一実施形態では、核酸分子は、本明細書に記載されるように、IL-12バリアントポリペプチド(複数可)をコードし、融合タンパク質の安定性又は半減期を増強するペプチドに融合される。一実施形態では、核酸分子は、免疫グロブリン、又はそのバリアント若しくは断片のうちの少なくとも1つの領域を含む融合ペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、免疫グロブリンのFcドメインを含むペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、ヒトIgG1のFcドメインを含む融合ペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、Fc受容体又は補体を介してFcエフェクター機能を除去するための1つ以上の変異を含む、免疫グロブリンのFcドメインを含む融合ペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、野生型ヒトIgG1に対して、残基N297における変異を含むヒトIgG1のFcドメインを含む融合ペプチドをコードし、Fcドメインを脱グリコシル化する。
【0186】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、ヘテロ二量体Fcに融合し、それによってIL-12バリアントポリペプチド(複数可)の半減期を延長する、本明細書に記載のIL-12バリアントポリペプチド(複数可)をコードする。
【0187】
一実施形態では、核酸分子は、二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、少なくとも2つのIgG Fcドメインを含む二価ホモ二量体Fcをコードする。一実施形態では、核酸分子は、IgGをコードし、IgGは、ヒトIgGである。一実施形態では、核酸分子は、ヒトIgGをコードし、ヒトIgGは、ヒトIgG1である。一実施形態では、核酸分子は、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒトIgG1 Fcドメインをコードする。
【0188】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p40を含む二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。
【0189】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p35を含む二価ホモ二量体FcのIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、精製タグを含む二価ホモ二量体FcのIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む二価ホモ二量体FcのIL-12p35をコードする。
【0190】
一実施形態では、核酸分子は、IL-12p40がリンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体Fcをコードする。一実施形態では、核酸分子は、IL-12p35がリンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体Fcをコードする。一実施形態では、リンカーは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0191】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号12のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するリンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号13のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fcドメインに融合される二価ホモ二量体FcのIL-12p35をコードする。
【0192】
一実施形態では、核酸分子は、(i)リンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)二価ホモ二量体FcのIL-12p35と、を含む二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)リンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p35と、(ii)二価ホモ二量体FcのIL-12p40と、を含む二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。
【0193】
一実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、を含む二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。
【0194】
一実施形態では、核酸分子は、(i)配列番号13のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fcドメインに融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む二価ホモ二量体FcのIL-12p40と、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。
【0195】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22が、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0196】
当業者は、リンカー及び対応するサブユニット(それぞれ、IL-12p35又はIL-12p40)によってIgG Fcに融合されるIL-12p40又はIL-12p35のいずれかの共発現が、二量体IL-12(すなわち、二価IgG Fcドメインによって安定化されたヘテロ二量体のホモ二量体を含む四量体構造、実施例1及び図5Aを参照されたい)をもたらすことを認識するであろう。
【0197】
一実施形態では、核酸分子は、IgG Fc「ノブ」又はIgG Fc「ホール」をコードする。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」及びIgG Fc「ホール」は、IgG Fcのバリアントである。一実施形態では、核酸分子は、IgG Fcをコードし、IgG Fcは、ヒトIgG Fcを含む。一実施形態では、核酸分子は、ヒトIgG Fcをコードし、ヒトIgG Fcは、ヒトIgG1 Fcを含む。一実施形態では、核酸分子は、配列番号14のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号15のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」をコードする。
【0198】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p40を含む二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40をコードする。
【0199】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40をコードする。
【0200】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22が、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0201】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p35を含む二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、精製タグを含む二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35をコードする。
【0202】
一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合される二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合される二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合される二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合される二重特異性ヘテロ二量体FcのIL-12p35をコードする。一実施形態では、リンカーは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0203】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号16のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するリンカーを介してFc「ノブ」に融合されるIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40をコードする。
【0204】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号17のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35をコードする。
【0205】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号18のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40をコードする。
【0206】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号19のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35をコードする。
【0207】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。
【0208】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号16のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号17のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号17のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号17のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(ii)配列番号17のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。
【0209】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むが、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むリンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むが、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するリンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む二重特異性ヘテロ二量体Fcをコードする。
【0210】
当業者は、IL-12p40「ノブ」又はIL-12p35「ホール」のいずれかと、対応するサブユニット(それぞれ、IL-12p40「ホール」又はIL-12p35「ノブ」)との共発現が、「ホール」と「ノブ」IgG Fcドメインとの間の相互作用によって安定化される修飾された二量体IL-12をもたらすことを認識するであろう(実施例1、図4A、及び図5Bを参照されたい)。
【0211】
一実施形態では、核酸分子は、一本鎖二価ホモ二量体Fcをコードする。一実施形態では、核酸分子は、少なくとも2つのIgG Fcドメインを含む一本鎖二価ホモ二量体Fcをコードする。一実施形態では、IgGは、ヒトIgGである。一実施形態では、ヒトIgGは、ヒトIgG1である。一実施形態では、核酸分子は、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒトIgG1 Fcドメインをコードする。
【0212】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p40を含む一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。
【0213】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。
【0214】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22が、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0215】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p35を含む一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、精製タグを含む一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35をコードする。
【0216】
一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介して一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35に融合される一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40をコードする。
【0217】
一実施形態では、核酸分子は、一本鎖二価ホモ二量体Fcをコードし、(i)一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介して一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35に融合され、(ii)一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される。一実施形態では、核酸分子は、一本鎖二価ホモ二量体Fcをコードし、(i)一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介して一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p35に融合され、(ii)一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40は、リンカーを介してIgG Fcドメインに融合される。一実施形態では、リンカーは、配列番号20及び配列番号21からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0218】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号22のアミノ酸配列を含む一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号23のアミノ酸配列を含む一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号22のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分においてもう1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号22のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号22のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号23のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分においてもう1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号23のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号23のアミノ酸配列を含むが、一本鎖二価ホモ二量体FcのIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する、一本鎖二価ホモ二量体Fcを含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする。
【0219】
当業者であれば、一本鎖二価ホモ二量体Fcのいずれかの構成の発現が、二量体IL-12(すなわち、二価IgG Fcドメインによって安定化された融合二量体の二量体、実施例1及び図5Bを参照されたい)をもたらすことを認識するであろう。
【0220】
一実施形態では、本開示は、一本鎖単量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、を含む1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸分子を提供する。
【0221】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、IgG Fc「ノブ」と、IgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」及びIgG Fc「ホール」は、IgG Fcのバリアントである。一実施形態では、IgG Fcは、ヒトIgG Fcを含む。一実施形態では、ヒトIgG Fcは、ヒトIgG1 Fcを含む。一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介してシグナルペプチドに融合されるIgG Fc「ホール」をコードする。一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介してシグナルペプチドに融合されるIgG Fc「ノブ」をコードする。一実施形態では、リンカーは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0222】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p40を含む一本鎖単量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む一本鎖単量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む一本鎖単量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む一本鎖単量体IL-12のIL-12p40をコードする。
【0223】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12のIL-12p40をコードする。
【0224】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22が、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0225】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p35を含む一本鎖単量体IL-12のIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、精製タグを含む一本鎖単量体IL-12のIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12のIL-12p35をコードする。
【0226】
一実施形態では、核酸分子は、リンカーを介してIL-12p35に融合されるIL-12p40を含む一本鎖単量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)リンカーを介してIL-12p35に融合されるIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、を含む一本鎖単量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)リンカーを介してIL-12p40に融合されるIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、を含む一本鎖単量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)リンカーを介してIL-12p35に融合されるIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む一本鎖単量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)リンカーを介してIL-12p40に融合されるIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む一本鎖単量体IL-12をコードする。一実施形態では、リンカーは、配列番号20及び配列番号21からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0227】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むが、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40部分においてもう1つの変異を有する1つ以上の一本鎖単量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むが、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する1つ以上の一本鎖単量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むが、一本鎖単量体IL-12のIL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する1つ以上の一本鎖単量体IL-12をコードする。
【0228】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号26、配列番号27、配列番号28、及び配列番号29からなる群から選択される少なくとも1つに対して85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12をコードする。
【0229】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号26のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12と、(ii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、をコードする。
【0230】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号27のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12と、(ii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、をコードする。
【0231】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号28のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12と、(ii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、をコードする。
【0232】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号27のアミノ酸配列を含む一本鎖単量体IL-12と、(ii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、をコードする。
【0233】
当業者は、対応するIgG Fc「ホール」又は「ノブ」にそれぞれ融合される一本鎖IL-12とのIgG Fc「ノブ」又は「ホール」の共発現が、ヘテロ二量体Fcによって安定化された単量体IL-12をもたらすことを認識するであろう(実施例1及び図5Cを参照されたい)。
【0234】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、二量体IL-12と、二重特異性ヘテロ二量体Fcと、をコードする。
【0235】
一実施形態では、二重特異性ヘテロ二量体Fcは、IgG Fc「ノブ」と、IgG Fc「ホール」と、を含む。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」及びIgG Fc「ホール」は、IgG Fcのバリアントである。一実施形態では、IgG Fcは、ヒトIgG Fcを含む。一実施形態では、ヒトIgG Fcは、ヒトIgG1 Fcを含む。一実施形態では、IgG Fc「ホール」は、リンカーを介してシグナルペプチドに融合される。一実施形態では、IgG Fc「ノブ」は、リンカーを介してシグナルペプチドに融合される。一実施形態では、リンカーは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0236】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p40を含む二量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のアミノ酸配列を含む二量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1又は配列番号34のWT IL-12p40に対して、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの変異を含む二量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む二量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含む二量体IL-12のIL-12p40をコードする。
【0237】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む二量体IL-12のIL-12p40をコードする。
【0238】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22が、1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、二量体IL-12のIL-12p40をコードする。一実施形態では、1つ以上の異なるシグナルペプチドは、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される。
【0239】
一実施形態では、核酸分子は、WT IL-12のIL-12p35を含む二量体IL-12のIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、精製タグを含む二量体IL-12のIL-12p35をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号2、配列番号30又は配列番号35のアミノ酸配列を含む二量体IL-12のIL-12p35をコードする。
【0240】
一実施形態では、核酸分子は、(i)二量体IL-12のIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、を含む二量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)二量体IL-12のIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、を含む二量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)二量体IL-12のIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、を含む二量体IL-12をコードする。一実施形態では、核酸分子は、(i)二量体IL-12のIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、を含む二量体IL-12をコードする。
【0241】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)二量体IL-12のIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(iii)IgG Fc「ホール」と、をコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)二量体IL-12のIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)IgG Fc「ホール」と、をコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)二量体IL-12のIL-12p40と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、(iii)IgG Fc「ノブ」と、をコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)二量体IL-12のIL-12p35と、(ii)リンカーを介してIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)IgG Fc「ノブ」と、をコードする。
【0242】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)リンカーを介して配列番号19のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、をコードする。
【0243】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22が、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、IL-12p40と、(ii)リンカーを介して配列番号19のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p35と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、をコードする。
【0244】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号16のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、をコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において1つ以上の変異を有するIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、をコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、をコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号16のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ノブ」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」と、をコードする。
【0245】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号34からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むIL-12p40と、(ii)リンカーを介して配列番号17のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、をコードする。
【0246】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、及び配列番号9からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含み、配列MCHQQLVISWFSLVFLASPLVA(配列番号31)を含むアミノ酸残基1~22が、配列番号32及び配列番号33からなる群から選択される1つ以上の異なるシグナルペプチドで置き換えられる、IL-12p40と、(ii)リンカーを介して配列番号17のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p35と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、をコードする。
【0247】
一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号18のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、をコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、をコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216X、K217X、及びK219Xからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、をコードする。一実施形態では、1つ以上の核酸分子は、(i)配列番号2、配列番号30、及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-12p35と、(ii)リンカーを介して配列番号18のアミノ酸配列を含むが、IL-12p40部分において、配列番号1に対して、H216A、K217A、及びK219Aからなる群から選択される少なくとも1つの変異を有するIgG Fc「ホール」に融合されるIL-12p40と、(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むIgG Fc「ノブ」と、をコードする。
【0248】
当業者であれば、(i)IgG Fc「ホール」又は「ノブ」に融合される対応するサブユニット、及び(ii)対応するIgG Fc「ノブ」又は「ホール」とのIL-12p40又はIL-12p35の共発現が、ヘテロ二量体IgG Fcによって安定化された二量体IL-12をもたらすことを認識するであろう(実施例1及び図5Dを参照されたい)。
【0249】
本開示のポリペプチド(複数可)をコードする核酸分子(複数可)は、例えば、遺伝子を発現する細胞からのライブラリをスクリーニングすること、遺伝子を含むことが知られているベクターから遺伝子を誘導すること、又はそれらを含有する細胞及び組織から直接単離することなど、標準的な技術を使用して、当該技術分野で既知の多くの組換え方法を使用して得ることができる。代替的に、目的の遺伝子は、クローニングするのではなく、合成的に産生することができる。
【0250】
核酸分子(複数可)は、DNA及びRNAを含むがこれらに限定されない、任意の種類の核酸を含んでもよい。例えば、一実施形態では、組成物は、本開示のポリペプチド(複数可)をコードする、例えば、単離されたcDNA分子を含む、単離されたDNA分子を含む。一実施形態では、組成物は、本開示のポリペプチド(複数可)又はその機能的断片をコードする単離されたRNA分子を含む。
【0251】
本開示の核酸分子(複数可)は、血清中又は細胞培養用の成長培地中の安定性を改善するように修飾され得る。修飾を追加して、安定性、官能性、及び/又は特異性を増強させ、本開示の核酸分子の免疫刺激特性を最小限に抑えることができる。例えば、安定性を増強させるために、3’-残基を分解に対して安定化することができ、例えば、プリンヌクレオチド、特にアデノシン又はグアノシンヌクレオチドからなるように選択することができる。代替的に、修飾類似体によるピリミジンヌクレオチドの置換、例えば、2’-デオキシチミジンによるウリジンの置換が許容され、分子の機能に影響を与えない。
【0252】
本開示の一実施形態では、核酸分子(複数可)は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド類似体を含有し得る。例えば、修飾ヌクレオチド類似体を組み込むことによって、末端が安定化されてもよい。
【0253】
ヌクレオチド類似体の非限定的な例としては、糖及び/又は骨格修飾リボヌクレオチドが挙げられる(すなわち、リン酸-糖骨格に対する修飾が挙げられる)。例えば、天然RNAのホスホジエステル結合は、窒素又は硫黄ヘテロ原子のうちの少なくとも1つを含むように修飾され得る。例示的な骨格修飾リボヌクレオチドでは、隣接するリボヌクレオチドに接続するホスホエステル基は、修飾基、例えば、ホスホチオエート基によって置き換えられる。例示的な糖修飾リボヌクレオチドでは、2’OH基は、H、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2、又はONから選択される基で置き換えられ、式中、Rは、C1~C6アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり、ハロは、F、Cl、Br、又はIである。
【0254】
修飾の他の例は、天然に存在する核酸塩基の代わりに、少なくとも1つの天然に存在しない核酸塩基を含有する、核酸塩基修飾されたリボヌクレオチド、すなわち、リボヌクレオチドである。塩基は、アデノシンデアミナーゼの活性を遮断するように修飾され得る。例示的な修飾核酸塩基には、5位で修飾されたウリジン及び/又はシチジン、例えば、5-(2-アミノ)プロピルウリジン、5-ブロモウリジン、8位で修飾されたアデノシン及び/又はグアノシン、例えば、8-ブロモグアノシン、デアザヌクレオチド、例えば、7-デアザ-アデノシン、O-及びN-アルキル化ヌクレオチド、例えば、N6-メチルアデノシンが好適であるが、これらに限定されない。上述の修飾を組み合わせてもよいことに留意すべきである。
【0255】
いくつかの事例では、核酸分子は、以下の化学修飾:1つ以上のヌクレオチドの2’-H、2’-O-メチル、又は2’-OH修飾のうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態では、本開示の核酸分子は、ヌクレアーゼに対する増強された耐性を有することができる。ヌクレアーゼ耐性の増加のために、核酸分子は、例えば、2’修飾リボース単位及び/又はホスホロチオエート結合を含み得る。例えば、2’ヒドロキシル基(OH)は、修飾されていてもよく、又は多くの異なる「オキシ」若しくは「デオキシ」置換基によって置き換えることができる。ヌクレアーゼ耐性の増加のために、本開示の核酸分子は、2’-O-メチル、2’-フッ素、2’-O-メトキシエチル、2’-O-アミノプロピル、2’-アミノ、及び/又はホスホロチオエート結合を含み得る。ロックド核酸(LNA)、エチレン核酸(ENA)、例えば、2’-4’-エチレン架橋核酸、及び2-アミノ-A、2-チオ(例えば、2-チオ-U)、G-クランプ修飾などの特定の核酸塩基修飾を含むことはまた、標的への結合親和性を高めることができる。
【0256】
一実施形態では、核酸分子には、2’-修飾ヌクレオチド、例えば、2’-デオキシ、2’-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)が含まれる。一実施形態では、核酸分子には、少なくとも1つの2’-O-メチル修飾ヌクレオチドが含まれ、いくつかの実施形態では、核酸分子のヌクレオチドの全ては、2’-O-メチル修飾を含む。
【0257】
特定の実施形態では、本開示の核酸分子(複数可)は、以下の特性のうちの1つ以上を有する。
本明細書で考察される核酸薬剤には、そうでなければ修飾されていないRNA及びDNA、並びに例えば、有効性を改善するために修飾されたRNA及びDNA、並びにヌクレオシドサロゲートのポリマーが含まれる。非修飾RNAは、核酸の成分、すなわち糖、塩基、及びリン酸部分が、天然に存在するもの、又は人体に天然に存在するものと同じ、又は本質的に同じである分子を指す。当該技術分野は、修飾されたRNAとしてまれな又は珍しいが天然に存在するRNAを参照しており、例えば、Limbach et al.(Nucleic Acids Res.,1994,22:2183-2196)を参照されたい。かかるまれな又は珍しいRNAは、しばしば修飾RNAと呼ばれ、典型的には転写後修飾の結果であり、本明細書で使用される非修飾RNAという用語の範囲内である。本明細書で使用される場合、修飾RNAは、核酸の成分、すなわち、糖、塩基、及びリン酸部分のうちの1つ以上が、天然に存在するものとは異なるか、又は人体に存在するものとは異なる分子を指す。それらは「修飾RNA」と称されるが、修飾のために、厳密に言えば、RNAではない分子を当然含むであろう。ヌクレオシドサロゲートは、リボホスフェート骨格が、ハイブリダイゼーションがリボホスフェート骨格、例えば、リボホスフェート骨格の非帯電模倣物において見られるものと実質的に類似するように、塩基が正しい空間関係で提示されることを可能にする非リボホスフェート構築物で置き換えられた分子である。
【0258】
本開示の核酸の修飾は、リン酸基、糖基、骨格、N末端、C末端、又は核酸塩基のうちの1つ以上に存在し得る。
【0259】
本開示はまた、本開示の核酸分子(複数可)が挿入されるベクターを含む。当該技術分野には、本開示で有用な好適なベクターが豊富にある。
【0260】
簡単にまとめると、本開示の融合タンパク質をコードする天然又は合成核酸の発現は、典型的には、本開示の融合タンパク質又はその一部分をコードする核酸をプロモーターに作動可能に連結し、構築物を発現ベクターに組み込むことによって達成される。使用されるベクターは、真核生物細胞における複製及び任意選択的な組み込みに適している。典型的なベクターは、転写及び翻訳ターミネーター、開始配列、並びに所望の核酸配列の発現の調節に有用なプロモーターを含有する。
【0261】
本開示のベクターは、標準的な遺伝子送達プロトコルを使用して、核酸免疫付与及び遺伝子療法にも使用され得る。遺伝子送達のための方法は、当該技術分野で既知である。例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,399,346号、第5,580,859号、第5,589,466号を参照されたい。別の実施形態では、本開示は、遺伝子療法ベクターを提供する。
【0262】
本開示の単離される核酸は、いくつかの種類のベクターにクローニングすることができる。例えば、核酸は、限定されないが、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルス、及びコスミドを含むベクターにクローニングされ得る。特に目的のベクターには、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、及び配列決定ベクターが含まれる。
【0263】
更に、ベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に提供されてもよい。ウイルスベクター技術は、当該技術分野で周知であり、例えば、Sambrook et al.(2012,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)、並びに他のウイルス学及び分子生物学のマニュアルに記載されている。ベクターとして有用なウイルスには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルス、及びレンチウイルスが含まれるが、これらに限定されない。一般に、好適なベクターは、少なくとも1つの生物において機能的な複製起点、プロモーター配列、簡便な制限エンドヌクレアーゼ部位、及び1つ以上の選択可能なマーカー(例えば、WO01/96584;WO01/29058;及び米国特許第6,326,193号)を含有する。
【0264】
方法
様々な実施形態では、本開示は、上述のように、対象に、本開示の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又は本開示の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸分子を投与する方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、上述のように、対象において1つ以上の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、対象に、本開示の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド、又は本開示の1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸分子を投与することを含む、方法に関する。
【0265】
投与の方法
一実施形態では、本開示は、上述のように、対象に、本開示の1つ以上の組成物を投与する方法を含む。一実施形態では、組成物は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドを含み、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12受容体β2(IL-12Rβ2)に特異的に結合し、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12受容体β1(IL-12Rβ1)への実質的に減少した結合を示す。一実施形態では、組成物は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸分子を含み、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12受容体β2(IL-12Rβ2)に特異的に結合し、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12受容体β1(IL-12Rβ1)への実質的に減少した結合を示す。
【0266】
いくつかの実施形態では、対象は、IL-12受容体を介してアゴニズムの最大レベルを減少させることによって治療することができる疾患又は障害を有する。いくつかの実施形態では、対象は、IL-12受容体を介してアゴニズムの最大レベルを減少させることによって予防することができる疾患又は障害が進行するリスクがある。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、がんである。本開示の1つ以上の組成物の投与から利益を得ることができるがんの種類の非限定的な例は、本明細書の他の箇所に開示されている。
【0267】
本開示は、本明細書に開示される本開示の組成物を活性成分として含む、投与のための薬学的組成物の調製及び使用を包含する。そのような薬学的組成物は、対象への投与に好適な形態で、活性成分単独からなってもよく、又は薬学的組成物は、活性成分及び1つ以上の薬学的に許容される担体、1つ以上の追加の成分、又はこれらのいくつかの組み合わせを含み得る。活性成分は、当該技術分野で周知のように、生理学的に許容される塩又はエステルの形態で、例えば、生理学的に許容されるカチオン又はアニオンと組み合わせて、薬学的組成物中に存在してもよい。様々な実施形態では、活性成分は、本明細書の他の場所に記載されるように、1つ以上の核酸分子、1つ以上のポリペプチド、又はそれらの組み合わせである。本発明の薬学的組成物中の活性成分、薬学的に許容される単体、及び/又は任意の追加の成分の相対量は、治療される対象の独自性、大きさ、及び状態に応じて、更には組成物が投与される経路に応じて変動するであろう。例として、組成物は、0.1%~100%(重量/重量)の活性成分を含み得る。
【0268】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、タンパク質などの大きくてゆっくりと代謝される巨大分子、キトサンなどの多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸及びコポリマー(ラテックス官能化Sepharose(商標)、アガロース、セルロースなど)、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、及び脂質凝集塊(油滴又はリポソームなど)を含むことができる。
【0269】
本開示を実施するのに有用な薬学的組成物は、約0.1ng/kg/日~100mg/kg/日、又はそれより多くの用量を送達するように投与され得る。
【0270】
様々な実施形態では、本開示の方法で有用な薬学的組成物は、例として、全身的に、非経口的に、又は経口製剤、吸入製剤(固体又はエアロゾルを含む)などの局所的に、また、局所的製剤又は他の同様の製剤によって投与され得る。適切な治療用組成物に加えて、そのような薬学的組成物は、薬学的に許容される担体及び薬物投与を増強及び促進することが知られている他の成分を含有し得る。本開示の方法に従って、ナノ粒子、リポソーム、活性成分を含有する他の調製物、及び免疫学的に基づく系などの他の可能な製剤もまた、その適切な調節剤を投与するために使用され得る。
【0271】
担体は、直接的又はリンカー基を介した共有結合、及び非共有結合を含む様々な方法で主題の薬剤(例えば、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチド)を担持し得る。好適な共有結合担体としては、アルブミン、ペプチド、及びアミノデキストランなどの多糖類などのタンパク質が挙げられ、これらのそれぞれは、部分の結合のための複数の部位を有する。担体はまた、非共有結合などの非共有結合性会合、又はカプセル化によって、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドを担持し得る。担体の性質は、本開示の目的のために、可溶性であり得るか、又は不溶性であり得る。
【0272】
許容される担体、賦形剤、又は安定剤は、用いられる投薬量及び濃度でレシピエントに非毒性であり、これらには、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸などの緩衝液、アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤、防腐剤(例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル、若しくはベンジルアルコール、メチル若しくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、及びm-クレゾール)、低分子量(約10残基未満)のポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、若しくはリジンなどのアミノ酸、グルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む単糖、二糖、及び他の炭水化物、EDTAなどのキレート剤、スクロース、マンニトール、トレハロース、若しくはソルビトールなどの糖、ナトリウムなどの塩形成対イオン、金属複合体(例えば、亜鉛-タンパク質複合体)、及び/又はTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)、又はポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が含まれる。インビボ投与に使用される製剤は、滅菌でなければならない。これは、無菌濾過膜を通した濾過によって容易に達成される。
【0273】
これらの活性成分は、例えば、液滴形成技術又は界面重合によって調製されたマイクロカプセルに、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチンマイクロカプセル及びポリ-(メチルメタクリレート)マイクロカプセルに、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子、及びナノカプセル)に、又はマクロエマルションに封入される場合もある。かかる技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
【0274】
組成物は、液体溶液又は懸濁液のいずれかとして注射可能なものとして調製されるが、注射前の液体ビヒクル中の溶液又は懸濁液に好適な固体形態も調製することができる。この調製物はまた、上で論じたように、増強されたアジュバント効果のために、ポリラクチド、ポリグリコリド、又はコポリマーなどのリポソーム又はマイクロ粒子中に乳化又はカプセル化することができる。Langer,Science 249:1527,1990及びHanes, Advanced Drug Delivery Reviews 28:97-119,1997。本開示の薬剤は、活性成分の持続放出又は脈動的放出を可能にするような方法で製剤化することができるデポ注射剤又はインプラント調製物の形態で投与することができる。薬学的組成物は、一般に、滅菌の実質的に等張性であり、U.S.Food and Drug Administrationの全てのGood Manufacturing Practice(GMP)規制に完全に準拠した状態で製剤化される。
【0275】
本明細書で使用される場合、「生理学的に許容される」エステル又は塩という用語は、組成物が投与される対象に有害ではない、薬学的組成物の任意の他の成分と適合性がある活性成分のエステル又は塩形態を意味する。
【0276】
本明細書に記載の薬学的組成物の製剤は、薬理学の分野で知られているか、又は今後開発される任意の方法によって調製され得る。一般に、かかる調製方法は、活性成分を、担体又は1つ以上の他の副成分と会合させるステップと、次いで、必要に応じて、又は望ましい場合、生成物を所望の単回若しくは複数回用量単位に成形又はパッケージ化するステップと、を含む。
【0277】
本明細書に提供される薬学的組成物の説明は、主に、ヒトへの倫理的な投与に好適である薬学的組成物を対象とするが、かかる組成物が一般に、あらゆる種類の動物への投与に好適であることが当業者によって理解されるであろう。組成物を、様々な動物への投与に好適なものにするために、ヒトへの投与に好適な薬学的組成物の修飾は、十分に理解されており、当業者の獣医学者は、もしある場合には、単に通常の実験でそのような修飾を設計し、実施することができる。
【0278】
本開示の方法に有用な薬学的組成物は、経口、直腸、膣、非経口、局所、肺、鼻腔内、口腔、静脈内、経皮、病変内、皮下、筋肉内、眼、髄腔内、及び他の既知の投与経路に好適な製剤で調製、パッケージ化、又は販売され得る。他の企図される製剤としては、突出したナノ粒子、リポソーム製剤、活性成分を含有する他の調製物、及び免疫学的に基づく製剤が挙げられる。
【0279】
本開示の薬学的組成物は、単回単位用量として、又は複数の単回単位用量として、バルクで調製、パッケージ化、及び/又は販売され得る。本明細書で使用される場合、「単位用量」は、所定量の活性成分を含む薬学的組成物の別個の量である。活性成分の量は、一般に、対象に投与されるであろう活性成分の投薬量、又は例えば、そのような投薬量の2分の1若しくは3分の1などのそのような投薬量の都合のよい一部分に等しい。
【0280】
本開示の薬学的組成物中の活性成分、薬学的に許容される単体、及び任意の追加の成分の相対量は、治療される対象の独自性、大きさ、及び状態に応じて、更には組成物が投与される経路に応じて変動するであろう。例として、組成物は、0.1%~100%(重量/重量)の活性成分を含み得る。
【0281】
活性成分に加えて、本開示の薬学的組成物は、1つ以上の追加の薬学的に活性な薬剤を更に含み得る。
【0282】
本開示の薬学的組成物の制御放出製剤又は持続放出性製剤は、従来の技術を使用して作製され得る。
【0283】
経口投与に好適な本開示の薬学的組成物の製剤は、各々が所定量の活性成分を含有する錠剤、硬質又は軟質カプセル、カシェ、トローチ、又はロゼンジを含むがこれらに限定されない別個の固体用量単位の形態で調製、パッケージ化、又は販売され得る。経口投与に好適な他の製剤としては、粉末又は顆粒製剤、水性又は油性懸濁液、水性又は油性溶液、又はエマルションが挙げられるが、これらに限定されない。
【0284】
薬学的組成物の製造に使用される薬学的に許容される賦形剤には、不活性希釈剤、造粒剤及び崩壊剤、結合剤、及び滑沢剤が含まれるが、これらに限定されない。既知の分散剤としては、ジャガイモデンプン及びデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。既知の表面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。既知の希釈剤としては、限定されないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、及びリン酸ナトリウムが挙げられる。既知の造粒剤及び崩壊剤としては、トウモロコシデンプン及びアルギン酸が挙げられるが、これらに限定されない。既知の結合剤としては、ゼラチン、アカシア、アルファデンプン化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれるが、これらに限定されない。既知の滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリカ、及びタルクが挙げられるが、これらに限定されない。
【0285】
本開示の薬学的組成物の液体製剤は、使用前に、液体形態又は水若しくは別の好適なビヒクルで再構成することを意図した乾燥生成物の形態のいずれかで調製、パッケージ化、及び販売され得る。
【0286】
液体懸濁液は、水性又は油性ビヒクル中で活性成分の懸濁液を達成するための従来の方法を使用して調製され得る。水性ビヒクルには、例えば、水及び等張性生理食塩水が含まれる。油性ビヒクルとしては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、ラッカセイ、オリーブ、ゴマ、又はココナツ油などの植物油、分画植物油、及び液体パラフィンなどの鉱物油が挙げられる。液体懸濁液は、以下に限定されないが、懸濁剤、分散剤又は湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、防腐剤、緩衝剤、塩、香味剤、着色剤、及び甘味剤を含む1つ以上の追加の成分を更に含んでもよい。油性懸濁液は、増粘剤を更に含み得る。
【0287】
既知の懸濁剤としては、ソルビトールシロップ、水素化食用脂肪、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、アカシアガム、及びセルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。既知の分散剤又は湿潤剤としては、レシチンなどの天然に存在するホスファチド、脂肪酸との、長鎖脂肪族アルコールとの、脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステルとの、又は脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分エステルとのアルキレンオキシドの縮合生成物(例えば、それぞれ、ポリオキシエチレンステアレート、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられるが、これらに限定されない。公知の乳化剤としては、レシチン及びアカシアが挙げられるが、これらに限定されない。既知の防腐剤としては、メチル、エチル、又はn-プロピル-パラ-ヒドロキシベンゾエート、アスコルビン酸、及びソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。公知の甘味剤としては、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース、及びサッカリンが挙げられる。油性懸濁液のための既知の増粘剤としては、例えば、蜜ろう、硬質パラフィン、及びセチルアルコールが挙げられる。
【0288】
水性又は油性溶媒中の活性成分の液体溶液は、液体懸濁液と実質的に同じ方法で調製することができ、主な違いは、活性成分が溶媒中に懸濁されるのではなく、溶解されることである。本開示の薬学的組成物の液体溶液は、液体懸濁液に関して記載される各成分を含んでいてもよいが、懸濁剤は、必ずしも溶媒中の活性成分の溶解を助けるものではないことが理解される。水性溶媒には、例えば、水及び等張性生理食塩水が含まれる。油性溶媒としては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、ラッカセイ、オリーブ、ゴマ、又はココナツ油などの植物油、分画植物油、及び液体パラフィンなどの鉱物油が挙げられる。
【0289】
本開示の薬学的調製物の粉末製剤及び顆粒製剤は、既知の方法を使用して調製され得る。かかる製剤は、対象に直接投与されてもよく、例えば、錠剤を形成するために、カプセルを充填するために、又はそれに水性若しくは油性ビヒクルを添加することによって水性若しくは油性懸濁液若しくは溶液を調製するために使用されてもよい。これらの製剤のそれぞれは、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤、及び防腐剤のうちの1つ以上を更に含み得る。充填剤及び甘味剤、香味剤、又は着色剤などの追加の賦形剤も、これらの製剤に含まれ得る。
【0290】
本開示の薬学的組成物はまた、水中油型エマルション又は油中水型エマルションの形態で調製、パッケージ化、又は販売され得る。油相は、オリーブ油若しくはラッカセイ油などの植物油、液体パラフィンなどの鉱物油、又はこれらの組み合わせであり得る。かかる組成物は、1つ以上の乳化剤、例えば、天然に存在するガム、例えば、アカシアガム又はトラガカントガム、天然に存在するリン脂質、例えば、大豆又はレシチンホスファミド、脂肪酸及びヘキシトール無水物の組み合わせに由来するエステル又は部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、並びにこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを更に含み得る。これらのエマルションはまた、例えば、甘味料又は香味料を含む追加の成分を含有し得る。
【0291】
材料を化学組成物で含浸又はコーティングするための方法は、当該技術分野において知られており、化学組成物を表面上に堆積又は結合する方法、材料の合成中に(すなわち、生理学的に分解可能な材料などで)化学組成物を材料の構造に組み込む方法、及び水性又は油性溶液又は懸濁液を後続の乾燥の有無にかかわらず吸収性材料に吸収する方法が含まれるが、これらに限定されない。
【0292】
本明細書で使用される場合、薬学的組成物の「非経口投与」は、対象の組織の物理的破壊及び組織における破壊を通じた薬学的組成物の投与を特徴とする任意の投与経路を含む。したがって、非経口投与としては、組成物の注射による薬学的組成物の投与、外科的切開による組成物の適用、組織透過性非外科的創傷による組成物の適用などが挙げられるが、これらに限定されない。特に、非経口投与は、限定されないが、皮膚、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、胸骨内注射、及び腎臓透析注入技術を含むように企図される。
【0293】
非経口投与に好適な薬学的組成物の製剤は、滅菌水又は滅菌等張性生理食塩水などの薬学的に許容される担体と組み合わせた活性成分を含む。このような製剤は、ボーラス投与又は連続投与に好適な形態で調製、パッケージ化、又は販売されてもよい。注射用製剤は、単位剤形、例えば、アンプル又は防腐剤を含有する複数回用量容器中で調製、パッケージ化、又は販売されてもよい。非経口投与用の製剤には、懸濁液、溶液、油性又は水性ビヒクル中のエマルション、ペースト、及び移植可能な持続放出性製剤又は生分解性製剤などが含まれるが、これらに限定されない。このような製剤は、限定されないが、懸濁化剤、安定化剤、又は分散剤を含む、1つ以上の追加の成分を更に含んでもよい。非経口投与用の製剤のいくつかの実施形態では、活性成分は、再構成された組成物の非経口投与の前に、好適なビヒクル(例えば、滅菌の発熱物質を含まない水)で再構成するための乾燥(すなわち、粉末又は顆粒)形態で提供される。
【0294】
薬学的組成物は、滅菌注射可能な水性又は油性懸濁液又は溶液の形態で調製、パッケージ化、又は販売され得る。この懸濁液又は溶液は、既知の技術に従って製剤化されてもよく、活性成分に加えて、本明細書に記載の分散剤、湿潤剤、又は懸濁剤などの追加の成分を含み得る。そのような滅菌注射可能製剤は、例えば、水又は1,3-ブタンジオールなどの非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒を使用して調製され得る。他の許容される希釈剤及び溶媒としては、リンゲル溶液、等張性塩化ナトリウム溶液、及び合成モノグリセリド又はジグリセリドなどの固定油が挙げられるが、これらに限定されない。有用な他の非経口投与可能な製剤には、微結晶形態、リポソーム調製物中、又は生分解性ポリマー系の成分としての活性成分を含むものが含まれる。持続放出又は移植のための組成物は、エマルション、イオン交換樹脂、難溶性ポリマー、又は難溶性塩などの薬学的に許容されるポリマー材料又は疎水性材料を含み得る。
【0295】
局所投与に好適な製剤としては、限定されないが、塗布剤、ローション、水中油型又は油中水型エマルション、例えば、クリーム、軟膏又はペースト、及び溶液又は懸濁液などの液体又は半液体調製物が挙げられる。局所投与が可能な製剤は、例えば、約1%~約10%(重量/重量)の活性成分を含み得るが、活性成分の濃度は、局所投与用の溶媒製剤への活性成分の溶解限界と同程度であってもよく、本明細書に記載される追加の成分のうちの1つ以上を更に含み得る。
【0296】
本開示の薬学的組成物は、頬口腔を介した肺投与に好適な製剤で調製、パッケージ化、又は販売され得る。かかる製剤は、活性成分を含み、かつ約0.5~約7ナノメートルの範囲、又は特定の実施形態では約1~約6ナノメートルの範囲の直径を有する乾燥粒子を含んでもよい。かかる組成物は、好都合には、噴射剤の流れが粉末を分散させるように向けられ得る乾燥粉末貯蔵器を含むデバイスを使用して、又は密閉された容器内の低沸点噴射剤に溶解又は懸濁された活性成分を含むデバイスなどの自己噴射性溶媒/粉末分注容器を使用して、投与するための乾燥粉末の形態である。特定の実施形態では、かかる粉末は、粒子の少なくとも98重量%が0.5ナノメートルを超える直径を有し、粒子の少なくとも95数量%が7ナノメートル未満の直径を有する、粒子を含む。特定の実施形態では、粒子の少なくとも95重量%は、1ナノメートルを超える直径を有し、粒子の少なくとも90数量%は、6ナノメートル未満の直径を有する。特定の実施形態では、乾燥粉末組成物は、砂糖などの固体微細粉末希釈剤を含み、単位剤形で簡便に提供される。
【0297】
低沸点噴射剤は、一般に、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を含む。一般に、噴射剤は、組成物の50~99.9%(重量/重量)を構成してもよく、活性成分は、組成物の0.1~20%(重量/重量)を構成してもよい。噴射剤は、液体非イオン性又は固体アニオン性界面活性剤又は固体希釈剤(いくつかの事例では、活性成分を含む粒子と同じ程度の粒径を有する)などの追加の成分を更に含み得る。
【0298】
肺送達のために製剤化された本開示の薬学的組成物はまた、溶液又は懸濁液の液滴の形態の活性成分を提供し得る。かかる製剤は、活性成分を含む、任意選択的に滅菌された、水性又は希釈アルコール溶液又は懸濁液として、調製、パッケージ化、又は販売されてもよく、任意の噴霧又は霧化デバイスを使用して簡便に投与され得る。かかる製剤は、限定されないが、サッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、表面活性剤、又はヒドロキシ安息香酸メチルなどの防腐剤を含む1つ以上の追加の成分を更に含んでもよい。特定の実施形態では、この投与経路によって提供される液滴は、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均直径を有する。肺送達に有用であると本明細書に記載される製剤は、本開示の薬学的組成物の鼻腔内送達にも有用である。鼻腔内投与に好適な別の製剤は、活性成分を含み、約0.2~500マイクロメートルの平均粒子を有する粗い粉末である。
【0299】
このような製剤は、鼻から吸い込まれる様式、すなわち、鼻腔の近くに保持される粉末の容器から鼻通路を通って急速に吸入することによって投与される。経鼻投与に好適な製剤は、例えば、0.1%(重量/重量)程度に少なく、かつ100%(重量/重量)程度に多い活性成分を含んでもよく、本明細書に記載の追加の成分のうちの1つ以上を更に含み得る。
【0300】
本開示の薬学的組成物は、頬口腔投与に好適な製剤で調製、パッケージ化、又は販売され得る。かかる製剤は、例えば、従来の方法を使用して作製される錠剤又はロゼンジの形態であってもよく、例えば、0.1~20%(重量/重量)の活性成分を含有してもよく、残りは、経口的に溶解可能又は分解可能な組成物、並びに任意選択的に本明細書に記載の追加の成分のうちの1つ以上を含む。代替的に、頬口腔投与に好適な製剤は、活性成分を含む粉末又は噴霧又は霧化溶液又は懸濁液を含んでもよい。特定の実施形態では、かかる粉末、噴霧又は霧化製剤は、分散されるとき、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均粒子又は液滴サイズを有し、本明細書に記載される追加の成分のうちの1つ以上を更に含んでもよい。
【0301】
本開示の薬学的組成物は、眼科投与に好適な製剤で調製、パッケージ化、又は販売され得る。かかる製剤は、例えば、0.1~1.0%(重量/重量)の溶液、又は活性成分の水性若しくは油性液体担体中の懸濁液を含む、例えば、点眼剤の形態であり得る。かかる点眼剤は、緩衝剤、塩、又は本明細書に記載される追加成分のうちの1つ以上の他の成分を更に含み得る。有用な他の眼科投与可能な製剤には、微結晶形態又はリポソーム調製物中の活性成分を含むものが含まれる。
【0302】
本明細書で使用される場合、「追加の成分」は、賦形剤、表面活性剤、分散剤、不活性希釈剤、造粒剤及び崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、着色剤、防腐剤、ゼラチンなどの生理学的に分解可能な組成物、水性ビヒクル及び溶媒、油性ビヒクル及び溶媒、懸濁剤、分散剤又は湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、緩衝剤、塩、増粘剤、充填剤、乳化剤、抗酸化剤、抗生物質、抗真菌剤、安定剤、及び薬学的に許容されるポリマー又は疎水性材料のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。本発明の薬学的組成物に含まれ得る他の「追加の成分」は、当該技術分野で知られており、例えば、Genaro,ed.,1985,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Paに記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0303】
動物(例えば、ヒト)に投与され得る本開示の化合物の典型的な投薬量は、動物の体重1kg当たり約0.001mg~約1000mgの量の範囲である。投与される正確な投薬量は、動物の種類及び治療される疾患又は障害の種類、動物の年齢、並びに投与経路を含むがこれらに限定されない、任意の数の因子に応じて変化するであろう。いくつかの実施形態では、化合物の投薬量は、動物の体重1kg当たり約0.1mg~約10mgで変動する。化合物は、1日に数回の頻度で動物に投与することができるか、又は1日に1回、週に1回、2週ごとに1回、月に1回などのより少ない頻度で投与することができるか、又は数ヶ月ごとに1回、又は年に1回以下などの更に少ない頻度で投与することができる。投与頻度は、当業者には容易に明らかであり、限定するものではないが、治療される疾患又は障害の種類及び重症度、動物の種類及び年齢などの任意の数の因子に依存する。
【0304】
治療/予防方法
一実施形態では、本開示は、1つ以上の疾患又は障害の治療又は予防を必要とする対象においてそれを行う方法であって、上述のように、本開示の1つ以上の組成物を投与することを含む、方法を含む。一実施形態では、本方法は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドを含む組成物を対象に投与することを含み、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12受容体β2(IL-12Rβ2)に特異的に結合し、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、上述のように、IL-12受容体β1(IL-12Rβ1)への実質的に減少した結合を示す。一実施形態では、本方法は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸分子を含む組成物を対象に投与することを含み、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12受容体β2(IL-12Rβ2)に特異的に結合し、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、上述のように、IL-12受容体β1(IL-12Rβ1)への実質的に減少した結合を示す。
【0305】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、上述のように、疾患又は障害を治療又は予防するために、細胞、組織、臓器、系、又は対象に投与される。本明細書で提供される開示に基づいて、当業者は、本開示が、最大のIL-12シグナル伝達活性の減少が有益である疾患又は障害に対して治療されている、又は治療されるであろう、全体的に(例えば、全身的に)又は部分的に(例えば、局所的に、細胞、組織、臓器)対象において有用であることを理解するであろう。当業者は、本明細書で提供される教示に基づいて、本明細書に記載の組成物及び方法によって治療可能な疾患及び障害が、最大のIL-12シグナル伝達活性の減少が肯定的な生物学的、生理学的、臨床的又は治療的転帰を促進する任意の疾患又は障害を包含することを理解するであろう。当業者はまた、投与が急性(例えば、1日、1週間又は1ヶ月などの短期間にわたる)又は慢性(例えば、数ヶ月又は1年以上などの長期間にわたる)であり得ることを理解するであろう。
【0306】
本明細書に詳述される方法を含む本開示を用意している場合、本開示は、一度確立された疾患又は障害の治療に限定されないことが当業者によって理解されるであろう。特に、疾患又は障害の症状は、対象に有害な点まで現れる必要はなく、実際に、疾患又は障害は、治療が施される前に対象において検出される必要はない。すなわち、本開示が利益を提供し得る前に、疾患又は障害からの有意な病変が発生する必要はない。したがって、本明細書でより完全に記載されるように、本開示は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドにおいて、対象の疾患及び障害を予防するための方法を含み、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、IL-12Rβ2に特異的に結合するが、本明細書の他の箇所で考察されるように、IL-12Rβ1への実質的に減少した結合を示し、これを疾患又は障害の発症前に対象に投与し、それによって、疾患又は障害の発症を予防することができる。
【0307】
一実施形態では、1つ以上の疾患又は障害は、がんを含む。当業者は、本開示の組成物が、がんを治療するためにがんを有する対象に、又はがんを予防するためにがんを発症するリスクがある対象に投与され得ることを認識するであろう。本開示の方法及び組成物によって治療又は予防することができるがんの種類の非限定的な例としては、固形腫瘍がん、液体がん、血液がん、奇形腫、肉腫、及びがん腫が挙げられる。以下は、本開示の方法及び組成物によって治療又は予防することができるがんの非限定的な例である。急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質がん、虫垂がん、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳及び脊髄腫瘍、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、中枢神経系非定型テラトイド/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚腫瘍、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞腫、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、脳星状細胞腫/悪性膠腫、子宮頸がん、小児視覚経路腫瘍、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚がん、皮膚T細胞リンパ腫、子宮内膜がん、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道がん、ユーイングファミリーの腫瘍、頭蓋外がん、腺外生殖細胞腫瘍、肝臓外胆管がん、肝臓外がん、眼がん、息肉症、胆嚢がん、胃(gastric)(胃(stomach))がん、胃腸がん、胃腸カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(gist)、胚細胞腫瘍、妊娠性がん、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠芽腫、神経膠腫、毛様細胞白血病、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん、組織球症、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、視床下部及び視覚経路神経膠腫、視床下部腫瘍、眼内(眼)がん、眼内黒色腫、膵島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎(腎細胞)がん、ランゲルハンス細胞がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、白血病、口唇及び口腔がん、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、マクログロブリン血症、骨及び骨肉腫の悪性線維組織球腫、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、原発不明がんを伴う転移性扁平頸部がん、口腔がん、多発性内分泌新生物症候群、多発性骨髄腫、真菌症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成性/骨髄増殖性疾患、骨髄性(myelogenous)白血病、骨髄性(myeloid)白血病、骨髄腫、骨髄増殖性疾患、鼻腔及び副鼻腔がん、上咽頭がん、神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口のがん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫及び悪性線維組織球腫、骨肉腫及び骨の悪性線維組織球腫、卵巣、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性卵巣潜在腫瘍、膵臓がん、乳頭腫症、パラガングリオーマ、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、中間分化の松果体実質腫瘍、松果体芽腫及び原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞新生物、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系がん、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞(腎臓)がん、腎臓骨盤及び尿管がん、15番染色体上のnut遺伝子を伴う呼吸器がん、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、皮膚がん(黒色腫)、皮膚がん(非黒色腫)、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、軟組織がん、軟組織肉腫、扁平細胞がん、扁平頸部がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、小脳テント上原始神経外胚葉性腫瘍、小脳テント上原始神経外胚葉性腫瘍及び松果体腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん、咽頭がん、胸腺腫及び胸腺がん、甲状腺がん、移行細胞がん、腎盤及び尿管の移行細胞がん、トロホブラスト腫瘍、尿道がん、子宮がん、子宮肉腫、膣がん、視覚経路及び視床下部神経膠腫、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、及びウィルムス腫瘍。
【0308】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)に耐性のある腫瘍又はがんの治療又は予防に有用である。例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、限定されないが、抗PD1(例えば、ニボルマブ)、抗CTLA4(例えば、イピリムマブ)、抗TIM3、抗TIGIT、抗LAG3、抗B7H3、抗B7H4、抗VISTA、抗ICOS、抗GITR、抗41BB、抗OX40、及び抗CD40が挙げられる。免疫チェックポイント阻害剤の標的の例としては、限定されないが、PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、ICOS、GITR、41BB、OX40、及びCD40が挙げられる。したがって、免疫チェックポイント阻害剤の例としては、以下のようなタンパク質を阻害する薬剤が挙げられる。PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、ICOS、GITR、41BB、OX40、又はCD40。いくつかの場合では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、ICOS、GITR、41BB、OX40、若しくはCD40、又はそれらの任意の組み合わせを阻害する薬剤)と共に投与される。
【0309】
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の1つ以上の組成物を1つ以上の追加の薬剤と共に投与することを含む。いくつかの実施形態では、薬剤は、細胞内又は対象の体内に同時に存在するか、又はそれらの生物学的又は治療的効果を同時に発揮する。いくつかの実施形態では、治療薬は、同じ組成物又は単位剤形である。他の実施形態では、治療薬は、別個の組成物又は単位剤形である。特定の実施形態では、第1の薬剤を、第2の治療薬剤の投与の前に(例えば、分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、若しくは12週間前)に、投与と同時に、又は投与の後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、若しくは12週間後)に、投与してもよい。
【0310】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の薬剤は、化学化合物、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド模倣物、抗体、サイトカイン、核酸分子、リボザイム、小分子化学化合物、及びアンチセンス核酸分子からなる群から選択される1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の薬剤は、1つ以上のがん療法薬(例えば、化学療法薬)、又はがん免疫療法薬(例えば、がん特異的抗体)を含む。そのような投与は、本開示の1つ以上の薬剤の投与に関して、薬物/抗体の同時(すなわち、同時に)、事前、又は後続の投与を含み得る。当業者であれば、本開示の特定の薬物及び組成物の投与の適切な時期、シーケンス及び投薬量を決定することは困難ではないであろう。
【0311】
いくつかの実施形態では、がん療法薬は、化学療法薬を含む。がんを治療又は予防するために本開示の組成物と併せて投与することができる例示的な化学療法薬としては、限定されないが、アルデスロイキン、アルトレタミン、アミフォスチン、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クラドリビン、シサプリド、シスプラチン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロナビノール、デュオカルマイシン、エトポシド、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、グラニセトロン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロンアルファ、イリノテカン、ランソプラゾール、レバミゾール、ロイコボリン、メゲストロール、メスナ、メトトレキサート、メトクロプラミド、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、オメプラゾール、オンダンセトロン、パクリタキセル(Taxol(商標))、ピロカルピン、プロクロロペラジン、リツキシマブ、サプロイン、タモキシフェン、タキソール、トポテカン塩酸塩、トラスツズマブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビノレルビン酒石酸塩が挙げられる。
【0312】
いくつかの実施形態では、がん免疫療法薬は、標的細胞をオプソニン化する薬剤を含む。標的細胞をオプソニン化する薬剤(「オプソニン化剤」)は、標的細胞(例えば、がん細胞)に結合し、標的細胞をオプソニン化することができる(例えば、標的細胞に食作用及び/又は抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を示す)任意の薬剤である。例えば、標的細胞(例えば、腫瘍細胞などのがん細胞)に結合することができ、その抗体は、FC領域を有し、標的細胞をオプソニン化する薬剤であるとみなされる。いくつかの場合では、標的細胞をオプソニン化する薬剤は、標的細胞に結合する抗体(例えば、抗腫瘍抗体、抗がん抗体など)である。一実施形態では、標的細胞をオプソニン化するその薬剤は、リツキシマブである。リツキシマブは、CD20抗原に指向されたキメラ非コンジュゲートモノクローナル抗体である。CD20は、B細胞活性化、増殖、及び分化において重要な機能的役割を有する。一実施形態では、標的細胞をオプソニン化するその薬剤は、セツキシマブである。セツキシマブは、EGF受容体(EGFR)に結合し、結腸がん及び頭頸部の扁平上皮がん(SCCHN)を含む固形腫瘍の治療に使用されてきた。
【0313】
いくつかの実施形態では、がん免疫療法薬は、特異的抗体を含む。腫瘍細胞マーカー、放射線、手術、及び/又はホルモン欠乏に対して選択的な例示的な抗体は、Kwon et al.,Proc.Natl.Acad.Sci U.S.A.,96:15074-9,1999を参照されたい。血管新生阻害剤はまた、本開示の方法と組み合わせることができる。いくつかの抗体は、現在、がんの治療のために臨床的に使用されており、他の抗体は、臨床開発の様々な段階にある。例えば、B細胞悪性腫瘍の治療のためのいくつかの抗原及び対応するモノクローナル抗体が存在する。CD52抗原は、モノクローナル抗体アレムツズマブによって標的化され、これは、慢性リンパ性白血病の治療に適応される。CD22は、いくつかの抗体によって標的化され、最近、化学療法抵抗性有毛細胞白血病における毒素と組み合わせた有効性が示されている。CD20を標的とする2つの新しいモノクローナル抗体であるトシツモマブ及びイブリツモマブが、Food and Drug Administration(FDA)に提出されている。これらの抗体は、放射性同位体とコンジュゲートされる。アレムツズマブ(Campath)は、慢性リンパ性白血病の治療に用いられる。ゲムツズマブ(Mylotarg)は、急性骨髄性白血病の治療への用途が見出される。イブリツモマブ(Zevalin)は、非ホジキンリンパ腫の治療への用途が見出される。パニツムマブ(Vectibix)は、結腸がんの治療への用途が見出される。
【0314】
固形腫瘍において使用されている本開示の方法において有用なモノクローナル抗体としては、限定されないが、エドレコロマブ及びトラスツズマブ(ハーセプチン)が挙げられる。エドレコロマブは、結腸がん及び直腸がんに見られる17-1A抗原を標的としており、これらの適応症についてヨーロッパでの使用が承認されている。トラスツズマブは、HER-2/neu抗原を標的とする。
【0315】
一実施形態では、がん免疫療法薬は、セツキシマブ(EGFRに結合する)、パニツムマブ(EGFRに結合する)、リツキシマブ(CD20に結合する)、トラスツズマブ(HER2に結合する)、ペルツズマブ(HER2に結合する)、アレムツズマブ(CD52に結合する)、ブレンツキシマブ(CD30に結合する)、トシツモマブ、イブリツモマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブ、及びエドレコロマブ(17-1Aに結合する)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上である。
【0316】
一実施形態では、がん免疫療法薬は、以下からなる群から選択される1つ以上を標的とする抗原結合領域を含む。CD19、CD20、CD22、CD24、CD25、CD30、CD33、CD37、CD38、CD44、CD45、CD47、CD51、CD52、CD56、CD62L、CD70、CD74、CD79、CD80、CD96、CD97、CD99、CD123、CD134、CD138、CD152(CTLA-4)、CD200、CD213A2、CD221、CD248、CD276(B7-H3)、B7-H4、CD279(PD-1)、CD274(PD-L1)、CD319、EGFR、EPCAM、17-1A、HER1、HER2、HER3、CD117、C-Met、HGFR、PDGFRA、AXL、TWEAKR、PTHR2、HAVCR2(TIM3)、GD2ガングリオシド、MUC1、ムチンCanAg、メソテリン、エンドグリン、Lewis-Y抗原、CEA、CEACAM1、CEACAM5、CA-125、PSMA、BAFF、FGFR2、TAG-72、ゼラチナーゼB、グリピカン3、ネクチン-4、BCMA、CSF1R、SLAMF7、インテグリンαvβ3、TYRP1、GPNMB、CLDN18.2、FOLR1、CCR4、CXCR4、MICA、C242抗原、DLL3、DLL4、EGFL7、ビメンチン、フィブロネクチンエクストラドメイン-B、TROP-2、LRRC15、FAP、SLITRK6、NOTCH2、NOTCH3、Tenascin-3、STEAP1、及びNRP1。
【0317】
一実施形態では、がん免疫療法薬は、以下からなる群から選択される1つ以上を標的とする抗原結合領域を含む。CD19、CD20、CD22、CD24、CD25、CD30、CD33、CD38、CD44、CD47、SIRPA、CD52、CD56、CD70、CD96、CD97、CD99、CD123、CD279(PD-1)、CD274(PD-L1)、EGFR、17-1A、HER2、CD117、C-Met、PTHR2、及びHAVCR2(TIM3)。
【0318】
いくつかの実施形態では、がん免疫療法薬は、免疫調節剤を含む。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、限定されないが、抗CTLA4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、TIGIT抗体、TIM3抗体、LAG3抗体、VISTA抗体、B7H3抗体、B7H4抗体、CD40アゴニスト、4-1BB調節剤(例えば、41BB-アゴニスト)、OX-40調節剤(例えば、OX-40アゴニスト)、GITR調節剤(例えば、GITRアゴニスト)、CD47結合剤、例えば、抗CD47抗体又は高親和性CD47結合剤、SIRPA結合剤、例えば、抗SIRPA抗体又は高親和性SIRPA結合剤など)、TGFベータアンタゴニスト、例えば、抗TGFベータ抗体、IL-1、IL-2、IL-10、IL-15、IL-18、IL-21、IL-33を含むサイトカイン又はサイトカインバリアント、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、TNF、TRAIL、リンホトキシン、LIGHT/TNSF14、又はTLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR9を含むToll様受容体のアゴニスト、インフラマソームのアゴニスト、STING/cGAS経路のアゴニスト、RIG-I経路のアゴニスト、アデノシン受容体A2aR/A2bRのアンタゴニスト、アリール炭化水素受容体のアンタゴニスト、IDO及び/又はTDOのアンタゴニスト、又は腫瘍溶解性ウイルスが挙げられる。
【0319】
IL-12バリアントポリペプチドは、免疫チェックポイント阻害剤及び/又は腫瘍オプソニン化抗体と組み合わせて、又はそれらと融合して投与することができる。主題のポリペプチドは、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)、TCR-T細胞、キメラ抗原受容体NK細胞(CAR-NK細胞)、及び腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法などの細胞療法と組み合わせて投与することができる。主題のポリペプチドは、細胞療法の一部として投与することもでき、例えば、操作されたT細胞受容体で形質導入されたCAR-T細胞、CAR-NK細胞、TIL細胞、又はT又はNK細胞の一態様である、細胞、例えば、TRUCK細胞(「抗原非制限的サイトカインによって開始される殺傷のために再指向されたT細胞」)によって分泌されるタンパク質であり得る。他の実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドは、腫瘍溶解性ウイルスと共に投与される。
【0320】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸は、操作された(「改変された」)免疫細胞、例えば、CAR-T若しくはCAR-NK細胞、又は操作されたT細胞受容体で形質導入されたT細胞若しくはNK細胞内に含まれる。この事例では、操作された細胞(例えば、改変されたT細胞、改変されたNK細胞)は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドを分泌する。1つ以上のIL-12バリアントペプチドを分泌する能力は、文脈に応じた方法で(例えば、腫瘍微小環境内でオンにする)、例えば、合成NOTCH受容体によって調節することができる。
【0321】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸が、腫瘍溶解性ウイルス内に含まれる。この事例では、腫瘍溶解性ウイルスに感染した細胞は、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドを分泌する。
【0322】
いくつかの実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸は、脂質ナノ粒子として全身的又は局所的(例えば、腫瘍内)に製剤化されて投与される。他の実施形態では、1つ以上のIL-12バリアントポリペプチドをコードする1つ以上の核酸を、腫瘍内にエレクトロポレーションする。これらのシナリオでは、IL-12バリアントポリペプチドは、患者自身の細胞によって内因性に産生される。
【0323】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、MHCクラスIの表面発現を失った腫瘍又はがん腫瘍、例えば、B2m、MHC遺伝子座を失った腫瘍、又はタパシンなどの抗原提示及び/又は抗原担持複合体の他のメンバーに変異を有する腫瘍などの腫瘍又はがん腫瘍の治療又は予防に有用である。
【実施例
【0324】
実験例
本開示は、以下の実験例を参照することによって更に詳細に説明される。これらの例は、例示のみを目的として提供され、別途指定されない限り、限定であることは意図されない。したがって、いかなる方式でも本開示が以下の実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書で提供される教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形を包含すると解釈されるべきである。
【0325】
更なる説明なしに、当業者は、前述の説明及び以下の例示的な実施例を使用して、本開示を作製し、利用し、主張された方法を実践することができると考えられる。したがって、以下の作業例は、本開示の残りの部分を任意の方式で限定するものとして解釈されるべきではない。
【0326】
実施例1:IL-12部分アゴニスト
サイトカイン部分アゴニストは、異なる活性化閾値を有する細胞集団及びシグナル伝達経路の活性化を選択的にバイアスすることが可能である。ヒトIL-12の部分アゴニストは、サイトカインを変異させて、そのシグナル伝達受容体に対する親和性を減少させることによって生成された。これらのIL-12バリアントは、野生型分子に対して最大未満のシグナル伝達振幅の範囲を生成する。科学的理論に拘束されないが、これらの部分アゴニストは、誘発される毒性を回避しながら、抗腫瘍免疫を促進する所望の細胞集団を選択的に活性化する効果を有する可能性があると考えられる。
【0327】
図1A及び図1Bは、IL-12Rβ1:IL-12p40界面における残基を予測するモデルを示す。図1Aは、中和ナノボディとの複合体におけるIL-12p40のズームインモデルを示す。ナノボディとの相互作用、したがってIL-12Rβ1との相互作用も同様に媒介すると予測される残基は、青色で示され(色について記載されたラベルを参照)、IL-12p40は、緑色で示され、ナノボディは、淡黄色で示される。図1Bは、IL-12p40及びIL-12p35サブユニット、並びにIL-12Rβ2及びIL-12Rβ1を含む、IL-12との間の予測される相互作用の概略図を示す。灰色の「X」は、IL-12Rβ1とIL-12p40との間の界面を示し、選択的に破壊された場合、IL-12:IL-12Rβ2複合体へのIL-12Rβ1の動員を減少させ、下流のSTAT4シグナル伝達を減弱し得る。図2A及び図2Bは、野生型(WT)IL-12及び変異体バリアントのタンパク質発現及び精製を示す結果を提供する。図2Aは、WT及び変異体IL-12タンパク質の同等の発現及び移動性を示す例示的な結果を示す。タンパク質をSDS-PAGEゲル上で分離し、Coomassie Brilliant Blueで染色した。図2Bは、IL-12及び変異体バリアントの精製を示す例示的な結果を示す。タンパク質をニッケル-NTAアフィニティークロマトグラフィーによって単離し、次いでサイズ排除クロマトグラフィーによって更に精製した。
【0328】
中和ナノボディに結合したIL-12p40サブユニットの既存のタンパク質構造に基づき(PDB:5MZV、図1A)、IL-12p40の表面露出したアミノ酸His216、Lys217、及びLys219が、IL-12Rβ1との相互作用を媒介するかどうかを調べた(図1B)。この仮説を試験するために、各残基を、可能性のある各独自の組み合わせ(すなわち、3つの単一の変異体、3つの二重変異体、及び1つの三重変異体)においてアラニンに変異させ、Expi293細胞内で発現させ(図2A)、ニッケル-NTA親和性クロマトグラフィー、続いてサイズ排除クロマトグラフィーを使用して精製した(図2B)。次いで、IL-12Rβ1のアゴニズムを試験するために、ヒトNK細胞におけるシグナルトランスデューサー及び転写活性化因子4(STAT4)のリン酸化を、濃度を増加させたWT IL-12又は様々な変異体の存在下でフローサイトメトリーによって測定した。図3A図3Dは、アラニン残基に変異した界面残基の数及び性質に応じて、WTに対する段階的な応答を示す例示的な結果を示す。図3Aは、WT IL-12と比較したH216A/K217A/K219A三重変異体(HKK)の減少したアゴニズムを示す例示的な結果を提供する。図3Bは、WTと比較して、H216A/K219A二重変異体においてアゴニズムがより少ない程度に減少することを示す例示的な結果を提供する。図3Cは、WT IL-12及び非刺激細胞と比較した全てのバリアントに対する単一点応答の例示的な結果を示す。このことは、望ましい特定のレベルのアゴニズムに合わせることができる段階的な応答を示唆している。図3Dは、WTに対するアゴニズムの割合としての3Cの結果を示す。全ての場合では、ヒトNK細胞をIL-12変異体バリアントで刺激したか、又は非刺激のままにし、IL-12アゴニズムの尺度としてフローサイトメトリーによってリン酸化STAT4を測定した。
【0329】
図3Aに示されるように、3つの残基全ての変異(HKK)は、野生型(EC50=40.8ng/mL、Emax≒406)と比較した場合、最大アゴニズム(Emax≒192)の50%に達するのに必要なIL-12の有効濃度を顕著に増加させ(EC50=839ng/mL)、最大アゴニズムは約40~50%減少した。興味深いことに、応答は、変異の数及び性質に応じて段階的になり得る。図3Bに示されるように、H216A/K219A IL-12は、野生型(EC50=57.4ng/mL、Emax≒267)と比較して、約70~75%の最大アゴニズムの減少を有していた(EC50=290ng/mL、Emax≒191)。同様に、全てのバリアントの単一点スクリーニングにおいて、段階的な応答の傾向は、三重変異体が最も低下した応答を有し、二重変異体がわずかにより大きい応答を有し、単一変異体が野生型と同様の応答を有することで、ほぼ一貫していた(図3C~D)。1つの例外は、H216A/K217Aに現れ、K219Aより大きくないにしても同様の応答を有していた。K219Aはまた、H216A及びK217Aと個々に比較して、より少ない応答を有していたため、このことは、K219がH216及びK217よりもIL-12Rβ1:IL-12p40相互作用を媒介する上でより重要な役割を果たし得ることを示唆する。
【0330】
IL-12を送達するための既存のアプローチ、例えば、腫瘍内注射、抗体融合、及びIL-12発現細胞の養子移入は、野生型タンパク質を使用し、したがって依然として毒性である可能性が高い。本アプローチは、活性化することができる細胞型の固有の違いに起因して、腫瘍標的アプローチ又は全身送達アプローチで投与されるときに野生型よりも安全であり得る減弱型のIL-12を利用するという点で独特である。更に、これらのバリアントの半減期を延長し、有効性を改善するために、ヘテロ二量体Fc融合を含む、ある範囲の安定化タンパク質への融合が用いられ得る。
【0331】
図4A図4Bは、インビボ半減期を延長する方法である二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質として発現されるIL-12の例示的な結果を示す。図4Aは、IL-12アゴニズムについて試験したIL-12の二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質の概略図を示す。興味深いことに、IL-12の二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、WT IL-12と比較して予想外にアゴニズムを減弱させたが、HKK三重変異体ほど顕著に減弱させなかった(図4A及び4B)。図4Bは、IL-12の二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、WT IL-12と比較して予想外にアゴニズムを減弱させたが、図3A~3Dに記載のHKK三重変異体ほど顕著に減弱させなかったことを示す例示的な結果を示す。リン酸化STAT4を、図3A~3Dのようにフローサイトメトリーによって測定した。
【0332】
図5Aは、p40又はp35のいずれかに融合し、対応するサブユニットと共発現して二量体IL-12を生成する二価Fcの概略図を示す。図5Bは、次いでp40に融合され、二量体IL-12を形成するために一本鎖構築物として発現される、p35に融合される二価Fcの概略図を示す。図5Cは、次いでp40に融合され、一本鎖構築物として発現され、対応する二重特異性Fc「ホール」と共発現されて、単量体IL-12を形成する、p35に融合される二重特異性Fc「ノブ」の概略図を示す。図5Dは、p40又はp35のいずれかに融合され、対応するサブユニット及び対応する二重特異性Fc「ホール」と共発現して単量体IL-12を形成する二重特異性Fc「ノブ」の概略図を示す。
【0333】
図6Aは、WT IL-12及びIL-12 H216A/K217A/K219A三重変異体(HKK)と比較した、Fc融合バリアントに対する単一点応答の例示的な結果を示し、図3A~3Dに示される段階的な応答を、Fc融合を介して更に合わせることができることを示している。図6Bは、滴定量の上清に応答してヒトNK細胞におけるSTAT4のリン酸化に対するWT IL-12、IL-12 HKK及びFc融合バリアントの効果を示す。タンパク質をExpi293細胞において発現させ、分泌タンパク質を含有する細胞培養上清を使用してNK細胞を刺激した。x軸は、NK細胞を刺激するために使用される総体積の割合として示される細胞培養上清の滴定を示す。
【0334】
上述のように、IL-12の二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、WT IL-12と比較して予想外にアゴニズムを減弱させたが、HKK三重変異体ほど顕著に減弱させなかった(図4A及び4B)。したがって、IL-12Rβ1:IL-12p40界面における変異を、IL-12の二重特異性ヘテロ二量体Fc融合タンパク質(図4A~4B)及び/又は任意の数の追加のFc融合IL-12バリアント(図5A~5D)に組み込むことは、アゴニズムにおける更なる減弱をもたらすと考えられた。実際に、図6A及び図6Bは、HKK二重特異性ヘテロ二量体Fc融合IL-12が、WT二重特異性ヘテロ二量体Fc融合IL-12又はIL-12 HKKと比較して、更に減弱することを示す。
【0335】
図5A図5Dに概略的に示されるように、追加のFcバリアントも、WT IL-12及びWT二重特異性ヘテロ二量体Fc融合IL-12と比較して、減弱される。したがって、これらの追加のFc融合バリアントに変異を組み込むことは、アゴニズムを更に減弱すると考えられる。最後に、これらのバリアントのインビボ半減期を延長し、ヒト血清アルブミン(HSA)への融合、ポリエチレングリコール(PEG)への融合、又は抗HSAナノボディへの融合を含むがこれらに限定されない有効性を改善するために、追加の戦略が採用され得ると考えられる(図7)。例えば、図7は、本開示の部分IL-12アゴニストのインビボ半減期を延長する追加の例示的な方法を提供する概略図を提供する。したがって、これらのIL-12の部分アゴニストは、単独で、又は他の免疫療法と組み合わせて、様々な種類のがんを治療するための新規かつ安全なアプローチを表し得る。
【表1-1】


【表1-2】


【表1-3】


【表1-4】

【0336】
本明細書で引用される各々及び全ての特許、特許出願、及び刊行物の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示は、特定の実施形態を参照して開示されているが、本開示の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び変形は、当業者によって考案され得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような実施形態及び同等の変形を含むように解釈されることが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
【配列表】
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【国際調査報告】