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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】抗菌性組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/08 20060101AFI20240910BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20240910BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20240910BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240910BHJP
   A01N 41/02 20060101ALI20240910BHJP
   A01N 31/02 20060101ALI20240910BHJP
   A01N 37/02 20060101ALI20240910BHJP
   A01N 37/34 20060101ALI20240910BHJP
   A01N 37/12 20060101ALI20240910BHJP
   A01N 33/12 20060101ALI20240910BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20240910BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240910BHJP
   C11D 1/94 20060101ALI20240910BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20240910BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20240910BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20240910BHJP
   C11D 3/34 20060101ALI20240910BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240910BHJP
   C11D 3/33 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A01N43/08 B
A61K8/33
A61Q13/00 100
A61Q17/00
A01P3/00
A01N41/02
A01N31/02
A01N37/02
A01N37/34 101
A01N37/12
A01N33/12
C11D3/48
C11D3/50
C11D1/94
C11D1/29
C11D1/90
C11D1/68
C11D3/34
C11D3/20
C11D3/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509396
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2022072527
(87)【国際公開番号】W WO2023020929
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/112970
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】21199840.6
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ホァン
(72)【発明者】
【氏名】チウ-ミン マ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング フィーバー
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
4H011
【Fターム(参考)】
4C083AB332
4C083AC051
4C083AC052
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC242
4C083AC271
4C083AC302
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC531
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC892
4C083AD201
4C083AD202
4C083AD211
4C083AD282
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB07
4C083BB41
4C083BB44
4C083BB45
4C083BB47
4C083BB48
4C083CC01
4C083CC23
4C083CC38
4C083CC41
4C083DD23
4C083EE11
4C083EE21
4C083EE31
4C083KK01
4H003AB03
4H003AB31
4H003AC05
4H003AD04
4H003DA01
4H003DA02
4H003DA04
4H003DA05
4H003DA17
4H003DA18
4H003EA19
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB06
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB16
4H003EB22
4H003EB24
4H003EB42
4H003ED02
4H003ED29
4H003FA07
4H003FA26
4H003FA34
4H003FA36
4H011AA01
4H011BA05
4H011BB03
4H011BB04
4H011BB05
4H011BB07
4H011BB08
4H011BC03
4H011BC04
4H011BC07
(57)【要約】
本発明は、表面または体部分上の微生物を低減または除去するために、液体石鹸、泡状石鹸、液体食器洗い洗剤、シャワージェル、シャンプー、乳化消臭剤、洗口剤、歯磨剤および洗顔料を含む、パーソナルクリーニング、オーラルケア、消臭剤および硬質表面クリーニング用途に適用され得る、方法および組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.エタノール溶液中で0.1%以下の濃度でエタノール溶液において5.5対数減少の殺菌効果を有する香料成分、および
b.界面活性剤
c.ヒドロトロープ
を含む、抗菌性組成物。
【請求項2】
前記香料成分が、前記抗菌性組成物の少なくとも0.001%(w/v)である、請求項1記載の抗菌性組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1または2記載の抗菌性組成物。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤が、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムであり、前記両性界面活性剤が、コカミドプロピルベタインであり、前記非イオン性界面活性剤が、ココ-グルコシドである、請求項1から3までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項5】
前記抗菌性組成物が、4%未満のヒドロトロープを含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項6】
前記ヒドロトロープが、短鎖アルキルポリグリコシド、トルエンスルホネート、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、ジイソブチルスルホスクシネート、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるか、または前記ヒドロトロープが、トルエンスルホネート、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、ジイソブチルスルホスクシネートからなる群から選択されるヒドロトロープのナトリウム塩、アンモニウム塩またはカリウム塩;ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル;およびそれらの組み合わせである、請求項5記載の抗菌性組成物。
【請求項7】
前記抗菌性組成物が、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌に対して活性を有する追加の薬剤をさらに含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項8】
前記抗菌性組成物が、EDTAおよびCDTAからなる群から選択されるキレート剤、ならびにそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項9】
前記香料成分が、1-フェニルエチルアセテート、1-オクタノール、(1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、ウンデカナール、(2E)-2-メチル-3-フェニル-2-プロペナール、(Z)-2-ノネナール、1-(5-プロピル-1,3-ベンゾジオキソール-2-イル)エテノン、(2E,6Z)-2,6-ノナジエン-1-オール、安息香酸エチル、1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、酪酸ベンジル、1-ブトキシカルボニルエチルブタノエート、ヘキサン酸エチル、5-イソプロピル-2-メチルフェノール、(4E,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E,8Z)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4Z,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、メチル(2E)-2-メチル-2-ヘキセノエート、エチル(E)-3-フェニル-2-プロペノエート、メチル(E)-3-フェニル-2-プロペノエート、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール、3-[4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-1-ブタノール、(2E)-2-エチル-4-[2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オール、4-デカノリド、(Z)-4-デセナール、2-メトキシ-4-プロピルフェノール、2,6-ジメチル-7-オクテン-4-オン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール、2-メトキシ-4-[(1E)-1-プロペン-1-イル]フェノール、(2E)-2-メチル-3-(4-メチルフェニル)-2-プロペン-1-オール、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、1,2-ジメトキシ-4-[(1Z)-1-プロペン-1-イル]ベンゼン、1,2-ジメトキシ-4-[(1E)-1-プロペン-1-イル]ベンゼン、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、(2,2-ジメチル-3-[(2Z)-3-メチル-2,4-ペンタジエン-1-イル]オキシラン、(2,2-ジメチル-3-[(2E)-3-メチル-2,4-ペンタジエン-1-イル]オキシラン、2-エチル-1-ヘキサノール、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、1-(3-メチル-1-ベンゾフラン-2-イル)エテノン、(Z)-6-ノネン-1-オール、(2E,6Z)-2,6-ノナジエナール、1,8-p-メンタジエン-7-オール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-カルバルデヒド、2-ヒドロキシ安息香酸エチル、2-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、4-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-(1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-メチルインドール、8-メルカプト-3-p-メンタノン、3,7-ジメチル-3-オクタノール、1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン、チモール、6-ヘキシルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン、3-プロピルフェノール、2-シクロヘキシルエチルアセテート、オクタナール、1,3-ノナンジイルジアセテート、テトラヒドロ-3-ペンチル-4(2H)-ピラニルアセテート、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、3-ブチリデン1-ベンゾ[C]フラノン、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、コリアンダー油、シクロプロピルメチル(3Z)-3-ヘキセノエート、シクロプロピルメチル(3E)-3-ヘキセノエート、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、シナモン葉油、4-デカノリド、3,5,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、ラバンジンスミアン精油、ペパーミント油、3,6,7-トリメチル-2,6-オクタジエナール、プチグレンパラグアイ精油、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から8までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項10】
前記香料成分が、(4E,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E,8Z)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4Z,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オール、1,3-ノナンジイルジアセテート、テトラヒドロ-3-ペンチル-4(2H)-ピラニルアセテート、(Z)-4-デセナール、3-[4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-1-ブタノール、ウンデカナール、(2E)-2-エチル-4-[2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、2-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.1.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、4-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-(1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-シクロヘキシルエチルアセテート、1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オンまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から9までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項11】
前記香料成分が、シクロプロピルメチル(3Z)-3-ヘキセノエートまたはシクロプロピルメチル(3E)-3-ヘキセノエート、3,6,7-トリメチル-2,6-オクタジエナール、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オール、オクタナール、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、シナモン葉油、ラバンジンスミアン精油、2-シクロヘキシルエチルアセテート、ペパーミント油、コリアンダー油、プチグレンパラグアイ精油、3-ブチリデン-1-ベンゾ[C]フラノンまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から10までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項12】
溶媒および/または水混和性補助溶媒をさらに含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項13】
着色剤、防腐剤、粘性剤、乳白剤、軟化剤、保湿剤、酸化防止剤、ゲル化剤、ガム、キレート剤、機能性ポリマー、セルロース誘導体、精油、電解質、およびpH調整剤などの成分をさらに含む、請求項1から12までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項14】
悪臭中和系および/または悪臭アンタゴニスト系をさらに含む、請求項1から13までのいずれか1項記載の抗菌性組成物。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載の抗菌性組成物を含み、ヘアケア製品、ボディケア製品、スキンケア製品、オーラルケア製品、女性用ケア製品、ホームケア製品、ランドリーケア製品、またはボディクレンジング製品、例えば、これらに限定されないが、シャンプー、シャワージェル、洗顔料、シェービングジェル、液体ハンドソープ、泡状石鹸、ハンドサニタイザー、ソープバー、洗口剤、歯磨剤、女性用衛生組成物、布地クレンザー、カーペットクレンザー、汎用クレンザー、食器洗い洗剤、生鮮商品洗剤、消臭剤、エアフレッシュナーおよび空気殺菌剤からなる群から選択される、消費者製品。
【請求項16】
表面または体部分を、請求項1から14までのいずれか1項記載の抗菌性組成物と接触させることを含む、表面または体部分上の微生物を除去または/およびその数を減少させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、微生物を低減または除去するための、ヒトまたは動物の体表面および毛髪の洗浄用途、布地のような柔らかくて多孔質の基材または硬質表面の洗浄用途、消臭剤、口腔ケア、またはエアケア用途のための方法および組成物に関する。
【0002】
背景
香料成分は、抗菌活性を有し得る。しかしながら、香料成分の抗菌活性は、適用ベース、特に界面活性剤ベース、例えば液体石鹸またはシャンプーにより大きく影響され得る。これらのベースでは、香料成分が、界面活性剤ミセルに組み込まれ、香料成分の生物学的利用能は大幅に低下する。したがって、かなり高い濃度の香料成分が必要とされるが、感覚的影響、コスト、および溶解性の問題の点では許容できない。これらの障害は、本発明の組成物、方法、および使用により克服される。
【0003】
発明の概要
本発明は、香料成分と界面活性剤とヒドロトロープとを含み、香料成分は、エタノール溶液中で0.1%以下の濃度でエタノール溶液において5.5対数減少の殺菌効果を有する、方法および抗菌性組成物を包含する。
【0004】
本発明の実施形態では、香料成分は、1-フェニルエチルアセテート、1-オクタノール、(1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、ウンデカナール、(2E)-2-メチル-3-フェニル-2-プロペナール、(Z)-2-ノネナール、1-(5-プロピル-1,3-ベンゾジオキソール-2-イル)エテノン、(2E,6Z)-2,6-ノナジエン-1-オール、安息香酸エチル、1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、酪酸ベンジル、1-ブトキシカルボニルエチルブタノエート、ヘキサン酸エチル、5-イソプロピル-2-メチルフェノール、(4E,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E,8Z)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4Z,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、メチル(2E)-2-メチル-2-ヘキセノエート、エチル(E)-3-フェニル-プロペノエート、メチル(E)-3-フェニル-2-プロペノエート、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール、3-[4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-1-ブタノール、(2E)-2-エチル-4-[2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オール、4-デカノリド、(Z)-4-デセナール、2-メトキシ-4-プロピルフェノール、2,6-ジメチル-7-オクテン-4-オン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール、2-メトキシ-4-[(1E)-1-プロペン-1-イル]フェノール、(2E)-2-メチル-3-(4-メチルフェニル)-2-プロペン-1-オール、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、1,2-ジメトキシ-4[(1Z)-1-プロペン-1-イル]ベンゼン、1,2-ジメトキシ-4-[(1E)-1-プロペン-1-イル]ベンゼン、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、(2,2-ジメチル-3-[(2Z)-3-メチル-2,4-ペンタジエン-1-イル]オキシラン、(2,2-ジメチル-3-[(2E)-3-メチル-2,4-ペンタジエン-1-イル]オキシラン、2-エチル-1-ヘキサノール、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、1-(3-メチル-1-ベンゾフラン-2-イル)エテノン、(Z)-6-ノネン-1-オール、(2E,6Z)-2,6-ノナジエナール、1,8-p-メンタジエン-7-オール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-カルバルデヒド、2-ヒドロキシ安息香酸エチル、2-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、4-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-(1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-メチルインドール、8-メルカプト-3-p-メンタノン、3,7-ジメチル-3-オクタノール、1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン、チモール、6-ヘキシルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン、3-プロピルフェノール、2-シクロヘキシルエチルアセテート、オクタナール、1,3-ノナンジイルジアセテート、テトラヒドロ-3-ペンチル-4(2H)-ピラニルアセテート、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、3-ブチリデン1-ベンゾ[C]フラノン、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、コリアンダー油、シクロプロピルメチル(3Z)-3-ヘキセノエート、シクロプロピルメチル(3E)-3-ヘキセノエート、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、シナモン葉油、4-デカノリド、3,5,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、ラバンジンスミアン精油、ペパーミント油、3,6,7-トリメチル-2,6-オクタジエナール、プチグレンパラグアイ精油、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの組み合わせである。
【0005】
本発明の更なる実施形態では、香料成分は、(4E,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E,8Z)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4Z,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オール、1,3-ノナンジイルジアセテート、テトラヒドロ-3-ペンチル-4(2H)-ピラニルアセテート、(Z)-4-デセナール、3-[4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-1-ブタノール、ウンデカナール、(2E)-2-エチル-4-[2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、2-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.1.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、4-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-(1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-シクロヘキシルエチルアセテート、1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オンまたはそれらの組み合わせである。
【0006】
本発明の実施形態では、香料成分は、シクロプロピルメチル(3Z)-3-ヘキセノエートまたはシクロプロピルメチル(3E)-3-ヘキセノエート、3,6,7-トリメチル-2,6-オクタジエナール、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オール、オクタナール、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、シナモン葉油、ラバンジンスミアン精油、2-シクロヘキシルエチルアセテート、ペパーミント油、コリアンダー油、プチグレンパラグアイ精油、3-ブチリデン-1-ベンゾ[C]フラノンまたはそれらの組み合わせである。
【0007】
本発明の組成物中の香料成分は、抗菌効果を提供するのに有効な量で存在し得る。
【0008】
本発明の態様では、香料成分は、抗菌性組成物の少なくとも0.001%(w/v)である。
【0009】
界面活性剤は、抗菌性組成物の0.1%~30%(w/w)であり得る。特定の態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の0.1%~20%(w/w)である。更なる態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の0.1%~10%(w/w)である。更なる態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の9.1%~30%(w/w)である。更なる態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の9.1%~20%(w/w)である。更なる態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の9.1%~10%(w/w)である。
【0010】
本発明の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤またはそれらの組み合わせであり得る。
【0011】
アニオン性界面活性剤は、例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムであり得、両性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインであり得る。非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシドであり得る。本発明による非イオン性界面活性剤は、ココグルコシドであり得る。
【0012】
本発明の態様では、抗菌性組成物は、さらにヒドロトロープを含み得る。更なる態様では、抗菌性組成物は、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌に対して活性を有する追加の薬剤を含む。他の態様では、抗菌性組成物は、EDTAおよびCDTAからなる群から選択されるキレート剤、ならびにそれらの組み合わせをさらに含み得る。
【0013】
本発明の抗菌性組成物は、さらにヒドロトロープを含む。
【0014】
本発明の態様では、ヒドロトロープは、トルエンスルホネート、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、ジイソブチルスルホスクシネート、またはそれらの組み合わせである。更なる態様では、ヒドロトロープは、トルエンスルホネート、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、ジイソブチルスルホスクシネート、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよび安息香酸ナトリウムから選択されるヒドロトロープのナトリウム塩、アンモニウム塩またはカリウム塩;ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル;またはそれらの組み合わせである。
【0015】
本発明の態様では、抗菌性フレグランスは、少なくとも25%(w/v)の香料成分を含有する。すなわち、殺菌効果を有する香料成分は、組成物に添加される全フレグランス混合物の少なくとも25%(w/v)を示す。
【0016】
本発明の態様では、組成物は、好ましくは、ヒトまたは動物の体の外表面上または布地のような柔らかくて多孔質の基材上の微生物を低減または除去するために、または硬質表面のために、または消臭剤、エアケア、口腔ケアおよびヘアケア用途のために使用される。
【0017】
本発明は、本発明による抗菌性組成物を含み、ヘアケア製品、ボディケア製品、スキンケア製品、オーラルケア製品、女性用ケア製品、ホームケア製品、ランドリーケア製品、またはボディクレンジング製品、例えば、これらに限定されないが、シャンプー、シャワージェル、洗顔料、シェービングジェル、液体ハンドソープ、泡状石鹸、ハンドサニタイザー、ソープバー、洗口剤、歯磨剤、女性用衛生組成物、布地クレンザー、カーペットクレンザー、汎用クレンザー、食器洗い洗剤、生鮮商品洗剤、消臭剤、エアフレッシュナーおよび空気殺菌剤である、消費者製品を包含する。
【0018】
本発明は、表面または体部分を本発明の抗菌性組成物と接触させることを含む、表面または体部分上の微生物を除去または/およびその数を減少させる方法を包含する。
【0019】
さらに、本発明は、表面または体部分上の微生物を除去するか、その数を減少させるための本発明の抗菌性組成物の使用を含む。
【0020】
本発明の態様では、抗菌性組成物は、悪臭中和系と組み合わされ得る。
【0021】
悪臭中和系は、(a)(i)式R1CHO(式中、R1は、1~12個の炭素原子を含む脂肪族の直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和炭素鎖である)の少なくとも1種のアルデヒド、(ii)式R2COR3(式中、R2は、エチル基またはメチル基であり、R3は、1~12個の炭素原子を含む脂肪族の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和炭素鎖である)の少なくとも1種のケトン、および(iii)式R4CH2OH(式中、R4は、任意に芳香族部分で置換された、1~12個の炭素原子を含む、脂肪族の直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和炭素鎖である)の第一級アルコールから選択される少なくとも1種の成分を含む組成物;ならびに(b)(i)(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,2-ジメチル-6-メチレンシクロヘキシル)-2-ブテン-1-オン、(E)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、(+-)-メチル-2,2-ジメチル-6-メチレン-1-シクロヘキサンカルボキシレート、α-またはβ-(E)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン(α-またはβ-イオノン)、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンγ-メチル-イオノン、1-(2,6,6-トリメチル-1(2)-シクロヘキセン-1-イル)-1,6-ヘプタジエン-3-オンおよび1-(4,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オンからなる群から選択される少なくとも1種の成分;および(ii)3-フェニル-2-プロペンニトリル、(E/Z)-3-メチル-5-フェニル-2-ペンテンニトリルシトロニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリルシトロネリルニトリル、2-プロピル-1-ヘプタンニトリル、ドデカンニトリル、および3-(2,3-ジメチル-2(3)-シクロペンテン-1-イル)ブタンニトリルと3-(2-メチル-3-メチレン-1-シクロペンチル)ブタンニトリルとの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のニトリル成分を含む組成物;ならびにc)a)とb)との組み合わせであり得る。
【0022】
本発明の抗菌性組成物は、悪臭アンタゴニスト系と組み合わされ得る。本発明の態様では、抗菌性組成物は、DMTS嗅覚受容体、インドール/スカトール嗅覚受容体、酪酸嗅覚受容体、およびp-クレゾール嗅覚受容体からなる群から選択される少なくとも1つの嗅覚受容体の活性を阻害する少なくとも1種の化合物と組み合わされ得る。少なくとも1つの嗅覚受容体の活性を阻害する少なくとも1種の化合物は、酢酸ベンジル、(1R,2R)-1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルアセテート(イソボルニルアセテート)、ウンデカ-10-エナール、ウンデカ-9-エナール、シダーウッド・バージニア精油、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル、クマリン、(E)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンメチルイオノンガンマ、(Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルヘプタ-3-エン-2-オン、2,6-ジメチルヘプタ-5-エナール、メントン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセニル)ペンタ-4-エン-1-オン、パチョリ精油、2,6-ノナジエナール、(2-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート、2-メチル-3-ヘキサノンオキシム(バートキシム)、または2-メトキシナフタレンであり得る。
【0023】
詳細な説明
本発明によれば、香料成分が、エタノール濃度0.1%以下の濃度でエタノール溶液に対して5.5対数減少の殺菌効果を有する、香料成分と、界面活性剤と、ヒドロトロープとを含む方法および抗菌性組成物が提供される。
【0024】
本明細書で使用される「香料成分」とは、組成物の匂いを心地よい方法で、またはポジティブな方法で付与または変更することが可能な化合物を意味する。一般的に、香料成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、含窒素または含硫黄複素環式化合物および精油などの様々な化学クラスに属し得る。
【0025】
本発明の別の対象は、付香補助成分、香料担体およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の成分と、任意で少なくとも1種の香料補助剤とを含む付香組成物である。
【0026】
液体香料担体としては、非限定的な例として、香料で一般的に使用されている可溶化剤または溶媒を挙げることができる。香料で一般的に使用される溶媒の性質および種類の詳細な説明は、網羅することができない。しかしながら、非限定的な例として、ジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタノールまたはクエン酸エチルなどの溶媒を挙げることができ、これらが最も一般的に使用されている。香料担体と香料補助成分との両方を含む組成物の場合、先に特定されたもの以外の適切な香料担体は、エタノール、リモネンもしくは他のテルペン、イソパラフィン、例えばIsopar(登録商標)(製造元:Exxon Chemical)の商標で知られているもの、またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えばDowanol(登録商標)(製造元:Dow Chemical Company)の商標で知られているものであってもよい。「香料補助成分」とは、本明細書では、快楽効果を付与するために付香調製物または組成物に使用される化合物であって、上記で定義されたマイクロカプセルではないものを意味する。換言すれば、付香成分であると考えられるべきこのような補助成分は、単に匂いを有しているものとしてではなく、組成物の匂いをポジティブにまたは心地よいように付与または変更できるものとして、当業者には認識されなければならない。
【0027】
非限定的な例としては、以下が挙げられる:
・ アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2-メチル-ウンデカナール、10-ウンデセナール、オクタナールおよび/またはノネナール;
・ 芳香族ハーブ成分:ユーカリ油、カンファー、ユーカリプトール、メントールおよび/またはアルファ-ピネン;
・ バルサミック成分:クマリン、エチルバニリン、および/またはバニリン;
・ シトラス成分:ジヒドロミルセノール、3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール、オレンジオイル、酢酸リナリル、(-)-(R)-3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1-P-メンテン-8-イルアセテートおよび/または1,4(8)-P-メンタジエン;
・ フローラル成分:メチルジヒドロジャスモネート、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール、β-イオノン、メチル2-(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、ヘキシルサリチレート、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、ベルジルアセテート、ゲラニオール、P-メンタ-1-エン-8-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、サリチル酸アミル、ハイシスメチルジヒドロジャスモネート、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、ベルジルプロピオネート、ゲラニルアセテート、テトラヒドロ-リナロール、シス-7-P-メンタノール、プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2-メトキシナフタレン、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート、4/3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、4-フェニル-2-ブタノン、イソノニルアセテート、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、ベルジルイソブチレートおよび/またはメチルイオノン異性体の混合物;
・ フルーティー成分:ガンマウンデカラクトン、4-デカノリド、エチル2-メチル-ペンタノエート、酢酸ヘキシル、エチル2-メチルブタノエート、ガンマノナラクトン、ヘプタン酸アリル、2-フェノキシエチルイソブチレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテートおよび/またはジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート;
・ グリーン成分:2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート、(+-)-1-フェニルエチルアセテート、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、4-メチル-3-デセン-5-オール、ジフェニルエーテル、(Z)-3-ヘキセン-1-オールおよび/または1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;
・ ムスク成分:1,4-ジオキサ-5,17-シクロヘプタデカンジオン、ペンタデセノリド、3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,7,8,8-ヘキサメチル-シクロペンタ-g-2-ベンゾピラン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、ペンタデカノリドおよび/または(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
・ ウッディ成分:1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、パチョリ油、パチョリ油のテルペン画分、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メチルセドリルケトン、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オンおよび/またはイソボルニルアセテート;
・ 他の成分(例えば、アンバー、パウダリースパイシーまたはウォータリー):ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フランおよびその立体異性体のいずれか、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、クローブ油、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナールおよび/または3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール。
【0028】
香料成分は、上記のものに限定されない。香料成分は、S. Arctanderによる書籍、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAもしくはその最新版などの参照テキスト、または類似の性質の他の論文、および香料分野の特許文献にも見出すことができる。
【0029】
本発明の更なる実施形態では、香料成分は、1-フェニルエチルアセテート、1-オクタノール、(1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、ウンデカナール、(2E)-2-メチル-3-フェニル-2-プロペナール、(Z)-2-ノネナール、1-(5-プロピル-1,3-ベンゾジオキソール-2-イル)エテノン、(2E,6Z)-2,6-ノナジエン-1-オール、安息香酸エチル、1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、酪酸ベンジル、1-ブトキシカルボニルエチルブタノエート、ヘキサン酸エチル、5-イソプロピル-2-メチルフェノール、(4E,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E,8Z)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4Z,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、メチル(2E)-2-メチル-2-ヘキセノエート、エチル(E)-3-フェニル-2-プロペノエート、メチル(E)-3-フェニル-2-プロペノエート、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール、3-[4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-1-ブタノール、(2E)-2-エチル-4-[2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オール、4-デカノリド、(Z)-4-デセナール、2-メトキシ-4-プロピルフェノール、2,6-ジメチル-7-オクテン-4-オン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール、2-メトキシ-4-[(1E)-1-プロペン-1-イル]フェノール、(2E)-2-メチル-3-(4-メチルフェニル)-2-プロペン-1-オール、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、1,2-ジメトキシ-4[(1Z)-1-プロペン-1-イル]ベンゼン、1,2-ジメトキシ-4-[(1E)-1-プロペン-1-イル]ベンゼン、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、(2,2-ジメチル-3-[(2Z)-3-メチル-2,4-ペンタジエン-1-イル]オキシラン、(2,2-ジメチル-3-[(2E)-3-メチル-2,4-ペンタジエン-1-イル]オキシラン、2-エチル-1-ヘキサノール、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、1-(3-メチル-1-ベンゾフラン-2-イル)エテノン、(Z)-6-ノネン-1-オール、(2E,6Z)-2,6-ノナジエナール、1,8-p-メンタジエン-7-オール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-カルバルデヒド、2-ヒドロキシ安息香酸エチル、2-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、4-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-(1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-メチルインドール、8-メルカプト-3-p-メンタノン、3,7-ジメチル-3-オクタノール、1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン、チモール、6-ヘキシルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン、3-プロピルフェノール、2-シクロヘキシルエチルアセテート、オクタナール、1,3-ノナンジイルジアセテート、テトラヒドロ-3-ペンチル-4(2H)-ピラニルアセテート、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、3-ブチリデン-1-ベンゾ[C]フラノン、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、コリアンダー油、シクロプロピルメチル(3Z)-3-ヘキセノエート、シクロプロピルメチル(3E)-3-ヘキセノエート、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、シナモン葉油、4-デカノリド、3,5,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、ラバンジンスミアン精油、ペパーミント油、3,6,7-トリメチル-2,6-オクタジエナール、プチグレンパラグアイ精油、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの組み合わせである。
【0030】
本発明の更なる実施形態では、香料成分は、(4E,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E,8Z)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4Z,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オール、1,3-ノナンジイルジアセテート、テトラヒドロ-3-ペンチル-4(2H)-ピラニルアセテート、(Z)-4-デセナール、3-[4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-1-ブタノール、ウンデカナール、(2E)-2-エチル-4-[2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、2-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.1.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、4-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-(1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-シクロヘキシルエチルアセテート、1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オンまたはそれらの組み合わせである。
【0031】
本発明の実施形態では、香料成分は、シクロプロピルメチル(3Z)-3-ヘキセノエートまたはシクロプロピルメチル(3E)-3-ヘキセノエート、3,6,7-トリメチル-2,6-オクタジエナール、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オール、オクタナール、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、シナモン葉油、ラバンジンスミアン精油、2-シクロヘキシルエチルアセテート、ペパーミント油、コリアンダー油、プチグレンパラグアイ精油、3-ブチリデン-1-ベンゾ[C]フラノンまたはそれらの組み合わせである。
【0032】
香料成分は、抗菌性組成物の少なくとも0.001%(w/v)であり得る。本発明の香料成分は、抗菌性組成物の約0.001%~約5.0%(w/v)であり得る。好ましくは、香料成分は、抗菌性組成物の約0.01%~約5.0%w/vである。さらに好ましくは、香料成分は、抗菌性組成物の約0.05~約5.0%w/vである。更なる態様では、香料成分は、抗菌性組成物の約0.1%~約5.0%w/vである。
【0033】
本発明の5.5対数減少の殺菌効果のための香料成分の濃度は、エタノール溶液中で0.1%以下であり得る。
【0034】
本明細書で使用される「硬質表面」とは、任意の硬質表面を指す。洗浄されるべき表面には、台所や浴室、例えば、セラミック、ビニル、ノーワックスビニル、リノリウム、メラミン、ガラス、スチールのような異なる材料で作られた床、壁、タイル、窓、食器棚、流し台、シャワー、プラスチックシャワーカーテン、洗面台、トイレ、家具什器等、台所の作業面、任意のプラスチック、可塑化された木材、金属または任意の塗装されたまたはニスが塗られたまたはシールされた表面等が含まれる。家庭用の硬質表面には、家庭用電化製品、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、自動乾燥機、オーブン、電子レンジ、食器洗い機などが含まれるが、これらに限定されない。そのような硬質表面は、民間の家庭内と、商業環境、施設環境および産業環境との双方で見出され得る。
【0035】
本明細書で使用される「体部分」とは、外部環境に曝され、かつ皮膚および粘膜表面を含む、哺乳動物の体の任意の部分を指す。したがって、例えば、体部分には、皮膚、口腔粘膜、および歯が含まれる。好ましい実施形態では、体部分は、ヒトの体部分である。
【0036】
本発明による界面活性剤は、アニオン性、両性、非イオン性またはカチオン性の界面活性剤の群から選択され得るが、これらに限定されない。
【0037】
アニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルスルホン酸塩、脂肪酸メチルエステルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、第二級アルカンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルコール硫酸塩、アルコールエーテル硫酸塩、アルコールエーテルリン酸塩、硫酸化アルカノールアミド、グリセリド硫酸塩、脂肪酸、ジアルキルスルホコハク酸塩、N-アシル-サルコシン酸塩、N-アシル-タウリン酸塩、アシル-イセチオン酸塩、N-アシル-グルタミン酸塩、N-アシル-グリシン酸塩、およびN-アシル-アラニン酸塩のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩が挙げられる。
【0038】
両性界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルアミンオキシド、レシチン(リン脂質)、例えばホスファチジルコリン、リゾレシチン、アルキル-アンホアセテート、およびアルキルアンホジアセテートが挙げられる。
【0039】
非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、エトキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化チオール、混合プロポキシル化およびエトキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化ヒマシ油または水素化ヒマシ油、酸エトキシル化脂肪酸、ヘキシトールおよび環状アンヒドロヘキシトールの脂肪エステル(例えば、ソルビタン)、エトキシル化ヘキシトールおよび環状アンヒドロヘキシトールの脂肪エステル(例えば、ポリソルベート)、糖エステル、アルキルポリグリコシド、ポリグリセリル脂肪酸エステル、エトキシル化アミン、エトキシル化アミド、およびアルキルジエタノールアミドが挙げられる。
【0040】
非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロックを含む水溶性トリブロックコポリマー(Pluronic、Tetronic、Poloxamer、Syperonicsなどの商品名で販売されている)の群から選択され得る。
【0041】
界面活性剤は、また、糖脂質(例えば、ソホロ脂質、マンノシルエリスリトール脂質およびラムノ脂質)およびサポニンを含む天然のバイオ界面活性剤の群からも選択され得る。
【0042】
界面活性剤は、また、アルキル第四級アンモニウム塩、エステルクワット(esterquats)、直鎖状アルキル-アミン、アミド-アミン、エステル-アミン、またはエトキシル化アミンを含むカチオン性界面活性剤の群からも選択され得る。
【0043】
界面活性剤は、上述の界面活性剤の組み合わせとして使用され得る。
【0044】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムである。
【0045】
別の実施形態では、両性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0046】
別の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、ココ-グルコシドである。
【0047】
界面活性剤は、抗菌性組成物の0.1%~30%(w/w)であり得る。特定の態様では、本発明の界面活性剤は、抗菌性組成物の全重量の約0.1~約20%w/wであり得る。更なる態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の全重量の約1%~約10%w/wである。
【0048】
界面活性剤は、抗菌性組成物の0.1%~30%(w/w)であり得る。特定の態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の0.1%~20%(w/w)である。更なる態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の0.1%~10%(w/w)である。更なる態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の9.1%~30%(w/w)である。更なる態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の9.1%~20%(w/w)である。更なる態様では、界面活性剤は、抗菌性組成物の9.1%~10%(w/w)である。
【0049】
本発明の抗菌性組成物は、さらにヒドロトロープを含む。ヒドロトロープは、それ自体ではマイクロエマルジョンまたはリオトロピック液晶を形成しないが、その存在下で疎水性化合物の水への溶解度が高まる物質である。
【0050】
本発明のヒドロトロープは、抗菌性組成物の全重量の約0.5~約20%w/wであり得る。一態様では、ヒドロトロープは、抗菌性組成物の全重量の約1%~約10%w/wである。
【0051】
好ましい実施形態では、本発明の抗菌性組成物は、4%(w/w)未満のヒドロトロープ、3%(w/w)未満のヒドロトロープ、2%(w/w)未満のヒドロトロープ、1%(w/w)未満のヒドロトロープまたはそれ以下のヒドロトロープを含む。
【0052】
さらに別の好ましい実施形態では、抗菌性組成物は、抗菌性組成物の10%(w/w)以上の界面活性剤を含み、次いで、ヒドロトロープは、抗菌性組成物の4%(w/w)超、好ましくは抗菌性組成物の5%(w/w)超、好ましくは抗菌性組成物の6%(w/w)超、好ましくは抗菌性組成物の7%(w/w)超、好ましくは抗菌性組成物の10%(w/w)超、好ましくは抗菌性組成物の15%(w/w)超である。ヒドロトロープは、アリールスルホン酸塩の群から選択され得る。特定の態様では、ヒドロトロープは、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、またはそれらの組み合わせ、および対応するナトリウム塩、アンモニウム塩またはカリウム塩の形である。
【0053】
ヒドロトロープは、また、ジイソブチルスルホスクシネート、ジイソプロピルスルホスクシネート、ジ-n-プロピルスルホスクシネート、ジエチルスルホスクシネート、またはそれらの組み合わせの群から、対応するナトリウム塩、アンモニウム塩またはカリウム塩の形で選択され得る。
【0054】
ヒドロトロープは、ベンゾエート、サリチレート、またはブチルモノグリコールスルフェートの群から、対応するナトリウム塩、アンモニウム塩、またはカリウム塩の形で選択され得る。
【0055】
ヒドロトロープは、ジプロピレングリコール-n-ブチルエーテルであり得る。
【0056】
ヒドロトロープは、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ヒドロキノン、または4-メトキシフェノールであり得る。
【0057】
ヒドロトロープは、ベンジルアルコール、尿素、ニコチンアミドの群から選択され得る。
【0058】
ヒドロトロープは、安息香酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウムであり得る。
【0059】
ヒドロトロープは、短鎖(約C4)アルキルポリグリコシドであり得る。
【0060】
ヒドロトロープは、上述のヒドロトロープの組み合わせとして使用され得る。
【0061】
適切なヒドロトロープの非限定的な例としては、トルエン-スルホネート、キシレン-スルホネート、クメン-スルホネート、ジイソブチル-スルホスクシネート、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよび安息香酸ナトリウムが挙げられる。本発明の抗菌性組成物は、溶媒をさらに含み得る。実施形態によれば、抗菌性組成物は、水混和性補助溶媒、好ましくは一価溶媒および多価溶媒からなる群において選択される水混和性補助溶媒を含む。そのような溶媒の非限定的な例は、エタノール、n-プロパノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、イソプロピリデングリセロール、ブチレングリコール(1,3-ブタンジオール)、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-プロパンジオール、およびイソプロパノールならびにそれらの混合物を含む群から見出され得る。別の実施形態によれば、水混和性補助溶媒は、クエン酸トリエチル、トリアセチン、乳酸エチル、グリコールエーテルの群から選択される。
【0062】
本発明の抗菌性組成物は、着色剤、防腐剤、粘性剤、乳白剤、軟化剤、保湿剤、酸化防止剤、ゲル化剤、ガム、キレート剤、機能性ポリマー、セルロース誘導体、精油、電解質、およびpH調整剤などの任意の成分をさらに含み得る。
【0063】
本発明は、抗菌性組成物、例えば、パーソナルクリーニング製品、オーラルケア製品、消臭剤製品、硬質表面クリーニング製品、液体石鹸、泡状石鹸、液体洗剤、シャンプー、シャワージェル、洗顔料、洗口剤、および歯磨剤を含む消費者製品を包含する。
【0064】
本発明による抗菌性組成物は、グラム陰性細菌およびグラム陽性細菌に対して活性を有し得る。さらに、本発明による抗菌性組成物は、以下の細菌に対して活性であり得る:大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ種(Salmonella sp.)、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)およびリステリア単球菌(Listeria monocytogenes)またはそれらの組み合わせ。
【0065】
本発明による抗菌性組成物は、真菌種、特にアスペルギルス、ペニシリウム、クラドスポリウム、およびカンジダ種の真菌に対しても活性であり得る。
【0066】
当業者に理解されるように、上記の細菌および真菌種は、望ましくない個人の匂い、衣類上および家庭内での匂いに寄与し得る。特に、モラクセラ種およびシュードモナス種の細菌、ならびにクラドスポリウム種の真菌は、布地上や洗濯物中に湿気またはカビの臭いを引き起こすことがよく知られている。
【0067】
したがって、本発明の好ましい実施形態では、本発明の抗菌性組成物を含む消費者製品は、洗浄製品、好ましくは洗濯製品であり、望ましくない湿気またはカビの臭いを低減する。
【0068】
本発明の更なる態様は、衣類を本発明の抗菌性組成物と接触させることを含む、衣類からカビ臭を除去または/および低減する方法を提供する。
【0069】
悪臭アンタゴニスト
本発明の抗菌性組成物は、悪臭アンタゴニスト系と組み合わせて(例えば、1つの組成物中で、または同時にもしくは時間的に近く投与される別々の組成物中で)使用され得る。悪臭化合物は、悪臭に関連する少なくとも1つの嗅覚受容体を活性化し得る。いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、悪臭は、通常、様々なアミン、チオール、スルフィド、短鎖脂肪族および不飽和酸、例えば脂肪酸、およびそれらの誘導体を含み得る1種より多くの悪臭化合物の複合混合物である。一態様では、少なくとも1つの嗅覚受容体は、国際公開第2019/101821号に開示された嗅覚受容体である。別の態様では、少なくとも1つの嗅覚受容体は、国際公開第2018/091686号に開示された嗅覚受容体である。別の態様では、少なくとも1つの嗅覚受容体は、国際公開第2018/091686号に開示された嗅覚受容体である。
【0070】
一態様では、少なくとも1つの嗅覚受容体の阻害により、消費者における悪臭の知覚が、阻害、低減、抑制される。
【0071】
本明細書で使用される場合、嗅覚受容体の「アンタゴニスト」、「阻害剤」、「遮断剤」、「抑制剤」、「中和剤」および「調節剤」という用語は、嗅覚伝達のためのin vivo、ex vivoおよびin vitroアッセイを使用して同定される、阻害、遮断、抑制または調節する分子、例えばリガンド、アンタゴニスト、ならびにそれらの相同体および擬態を指すのに交換可能に使用される。阻害剤は、例えば、結合し、刺激を部分的または完全に遮断し、活性化を低減、抑制、防止、遅延させ、不活性化、脱感作、または嗅覚伝達を下方制御する化合物、例えば、アンタゴニストである。活性剤は、例えば、結合し、刺激し、増加し、活性化を開始し、促進させ、活性化を増強し、感作し、または嗅覚伝達を上方制御する化合物、例えば、アゴニストである。調節剤には、化合物、例えば、活性化因子または阻害因子を結合する細胞外タンパク質(例えば、匂い物質結合タンパク質、エブネリンおよび疎水性担体ファミリーの他のメンバー);Gタンパク質;キナーゼ(例えば、ロドプシンキナーゼおよびβアドレナリン受容体キナーゼのホモログで、受容体の不活性化や脱感作に関与する);ならびにアレシンと、受容体との相互作用を変化させる化合物が含まれ、これは受容体の不活性化および脱感作も行う。
【0072】
少なくとも1つの嗅覚受容体を阻害または拮抗するための本開示の化合物および方法の能力は、当業者によって容易に選択される任意の適切な方法、例えば、生体外培養ニューロンアッセイにより、または酪酸嗅覚受容体を発現する細胞株を使用するインビトロアッセイにより決定され得る。
【0073】
本明細書で使用される場合、「嗅覚受容体」または「OR」という用語は、嗅覚細胞で発現するGタンパク質共役受容体(GPCR)のファミリーの1つ以上のメンバーを指す。嗅覚受容体細胞は、形態に基づいて、または嗅覚細胞において特異的に発現されるタンパク質の発現によっても同定され得る。ORファミリーメンバーは、匂い物質に対する受容体として作用し、嗅覚伝達カスケードを誘導する能力を有し得る。
【0074】
一態様では、少なくとも1つの嗅覚受容体の活性を阻害する少なくとも1種の化合物は、酢酸ベンジル、イソボルニルアセテート、ウンデカ-10-エナール、ウンデカ-9-エナール、シダーウッド・バージニア精油、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3,7-ジメチルオクテン-6-エンニトリル、クマリン、(2E)-1-(2,2-ジメチル-6-メチレンヘキシル)-2-ブテン-1-オン、メチルイオノンガンマ、(Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルヘプタ-3-エン-2-オン、2,6-ジメチルヘプタ-5-エナール、メントン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセニル)ペンタ-4-エン-1-オン、パチョリ精油、2,6-ノナジエナール、(2-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート、ベルトキシム、および2-メトキシナフタレンからなる群から選択される。
【0075】
DMTS嗅覚受容体、インドール/スカトール嗅覚受容体、酪酸嗅覚受容体、およびp-クレゾール嗅覚受容体からなる群から選択される少なくとも1つの嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な他の化合物の例としては、国際公開第2019/101821号に開示された化合物が挙げられる。
【0076】
DMTS嗅覚受容体、インドール/スカトール嗅覚受容体、酪酸嗅覚受容体、およびp-クレゾール嗅覚受容体からなる群から選択される少なくとも1つの嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な他の化合物の更なる例としては、国際特許出願公開番号の国際公開第2018/091686号に開示された化合物が挙げられる。
【0077】
一態様では、DMTS嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な少なくとも1種の化合物は、国際特許出願公開番号の国際公開第2019/101821号に開示されたDMTS嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な化合物から選択され得る。
【0078】
一態様では、酪酸嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な少なくとも1種の化合物は、国際特許出願公開番号の国際公開第2019/101821号に開示された酪酸嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な化合物から選択され得る。
【0079】
一態様では、インドール/スカトール嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な少なくとも1種の化合物は、国際特許出願公開番号の国際公開第2019/101821号に開示されたインドール/スカトール嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な化合物から選択され得る。
【0080】
一態様では、p-クレゾール嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な少なくとも1種の化合物は、国際特許出願公開番号の国際公開第2018/091686号に開示されたp-クレゾール嗅覚受容体の活性を阻害することが可能な化合物から選択され得る。
【0081】
一態様では、悪臭アンタゴニスト系は、抗菌性組成物中に、抗菌性組成物に対して30~50重量%の量で存在する。
【0082】
一態様では、悪臭アンタゴニスト系は、抗菌性組成物中に、抗菌性組成物に対して30~45重量%の量で、または代替的に30~40重量%の量で、または代替的に30~35重量%の量で存在する。
【0083】
一態様では、悪臭アンタゴニスト系は、抗菌性組成物中に、抗菌性組成物に対して35~50重量%、または代替的に40~50重量%、または代替的に45~50重量%の量で存在する。
【0084】
一態様では、悪臭アンタゴニスト系は、抗菌性組成物中に、抗菌性組成物に対して30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%、または50重量%で存在する。
【0085】
悪臭中和系
本発明の抗菌性組成物は、悪臭中和系と組み合わせて(例えば、1つの組成物中で、または同時にもしくは近いうちに投与される別個の組成物中で)使用され得る。悪臭中和系は、悪臭の原因となり得る様々な化合物と反応することにより、悪臭の知覚を制限、低減、または排除する。反応の結果、悪臭物質の空中濃度が低下し、その結果、悪臭の知覚が低下する。
【0086】
一態様では、少なくとも1種の悪臭中和系は、a)(i)式RCHO(式中、Rは、1~12個の炭素原子を含む脂肪族の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和炭素鎖である)の少なくとも1種のアルデヒド;(ii)式RCOR(式中、Rは、エチル基またはメチル基であり、Rは、1~12個の炭素原子を含む脂肪族の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和炭素鎖である)の少なくとも1種のケトン;および(iii)式RCHOH(式中、Rは、任意に芳香族部分で置換された、1~12個の炭素原子を含む脂肪族の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和炭素鎖である)の第一級アルコールからなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む組成物;b)(i)(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,2-ジメチル-6-メチレンシクロヘキシル)-2-ブテン-1-オン、(E)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、(+-)-メチル-2,2-ジメチル-6-メチレン-1-シクロヘキサンカルボキシレート、α-またはβ-(E)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン(α-またはβ-イオノン)、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、1-(2,6,6-トリメチル-1(2)-シクロヘキセン-1-イル)-1,6-ヘプタジエン-3-オンおよび1-(4,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オンからなる群から選択される少なくとも1種の成分;および(ii)3-フェニル-2-プロペンニトリル、(E/Z)-3-メチル-5-フェニル-2-ペンテンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、2-プロピル-1-ヘプタンニトリル、ドデカンニトリル、および3-(2,3-ジメチル-2(3)-シクロペンテン-1-イル)ブタンニトリルと3-(2-メチル-3-メチレン-1-シクロペンチル)ブタンニトリルとの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のニトリル成分を含む組成物;ならびにc)a)およびb)の組み合わせからなる群から選択される。
【0087】
(i)式RCHO(式中、Rは、1~12個の炭素原子を含む脂肪族の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和炭素鎖である)の少なくとも1種のアルデヒド、(ii)式RCOR(式中、Rは、エチル基またはメチル基であり、Rは1~12個の炭素原子を含む脂肪族の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和炭素鎖である)の少なくとも1種のケトン;および(iii)式RCHOH(式中、Rは、任意に芳香族部分で置換された、1~12個の炭素原子を含む、脂肪族の直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和炭素鎖である)の第一級アルコールからなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む組成物の例は、米国特許第8,772,354号明細書に見出され得る。
【0088】
(i)(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,2-ジメチル-6-メチレンシクロヘキシル)-2-ブテン-1-オン、(E)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、(+-)-メチル-2,2-ジメチル-6-メチレン-1-シクロヘキサンカルボキシレート、α-またはβ-(E)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン(α-またはβ-イオノン)、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、1-(2,6,6-トリメチル-1(2)-シクロヘキセン-1-イル)-1,6-ヘプタジエン-3-オンおよび1-(4,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オンからなる群から選択される少なくとも1種の成分;および(ii)3-フェニル-2-プロペンニトリル、シトロニトリル、シトロネリルニトリル、2-プロピル-1-ヘプタンニトリル、ドデカンニトリル、ならびに3-(2,3-ジメチル-2(3)-シクロペンテン-1-イル)ブタンニトリルおよび3-(2-メチル-3-メチレン-1-シクロペンチル)ブタンニトリルからなる群から選択される少なくとも1種のニトリル成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む組成物の例は、米国特許出願公開第2017/0266334号明細書に見出され得る。
【0089】
一態様では、少なくとも1種の悪臭中和系は、抗菌性組成物中に、抗菌性組成物に対して5~20重量%の量で存在する。
【0090】
一態様では、少なくとも1種の悪臭中和系は、抗菌性組成物中に、抗菌性組成物に対して5~19重量%の量で、または代替的に5~18重量%の量で、または代替的に5~17重量%の量で、または代替的に5~16重量%の量で、または代替的に5~15重量%の量で、または代替的に5~14重量%の量で、または代替的に5~13重量%の量で、または代替的に5~12重量%の量で、または代替的に5~11重量%の量で、または代替的に5~10重量%の量、または代替的に5~9重量%の量で、または代替的に5~8重量%の量で、または代替的に5~7重量%の量で、または代替的に5~6重量%の量で存在する。
【0091】
一態様では、少なくとも1種の悪臭中和系は、抗菌性組成物中に、抗菌性組成物に対して6~20重量%の量で、または代替的に7~20重量%の量で、または代替的に8~20重量%の量で、または代替的に9~20重量%の量で、または代替的に10~20重量%の量で、または代替的に11~20重量%の量で、または代替的に12~20重量%の量で、または代替的に13~20重量%の量で、または代替的に14~20重量%の量で、または代替的に15~20重量%の量で、または代替的に16~20重量%の量で、または代替的に17~20重量%の量で、または代替的に18~20重量%の量で、または代替的に19~20重量%の量で存在する。
【0092】
一態様では、少なくとも1種の悪臭中和系は、悪臭中和組成物中に、抗菌性組成物に対して5重量%、または6重量%、または7重量%、または8重量%、または9重量%、または10重量%、または11重量%、または12重量%、または13重量%、または14重量%、または15重量%、または16重量%、または17重量%、または18重量%、または19重量%、または20重量%で存在する。
【0093】
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、それらに限定されるものではない。
【0094】
実施例
実施例1:エタノール溶液中のフレグランス物質の抗菌効果の測定
a.細菌懸濁液の調製
大腸菌(E.coli)ATCC 10536の細菌懸濁液を、以下のように抗菌性試験のために調製した。-80℃で保存した保存培養物を、トリプティックソイ寒天(TSA)プレート上で継代培養し、37℃で24時間インキュベートして、単一コロニーを得た。一次培養物の単一コロニーを、TSAプレート上にストリークし、37℃で24時間インキュベートして、二次培養物を調製した。二次培養物の単一コロニーを、トリプティックソイブロス(TSB)50mL中に播種し、37℃にて180rpmで18時間インキュベートした。18時間の培養物のアリコート(0.5ml)を、新しいTSB 50ml中に播種し、37℃にて180rpmで2~3時間インキュベートした。ブロスのOD600nm値が1~2に達した際に、5,000rpmで10分間遠心分離することにより細胞を回収し、次いで同じ新しいブロス培地中に再懸濁し、目標レベルの1~5×10コロニー形成単位(CFU)/mLを達成した。この懸濁液を、更なる抗菌性試験に使用した。
【0095】
b.エタノール溶液中の香料成分の殺菌活性の測定
特段の記載がない限り、本発明による対数減少試験は、以下の方法に従って測定される。
【0096】
欧州規格EN-1276に基づく細菌接触時間(BCT)試験を使用して、20%のエタノール溶液中の香料成分の用量依存的殺菌活性を測定した。
【0097】
様々な濃度(用量)の香料成分を、40%のエタノール溶液中で調製した。エタノール溶液の対照試料として行Bを用いて、1行の列1~11内の96ウェルマイクロタイタープレート(ウェル1個あたり120μl)に、各試料の11個の複製を添加した。次に、120μlの細胞懸濁液を、(上記で調製したような)約1~5×10CFU/MLの濃度でマイクロタイタープレートの各ウェルに添加した。標的細菌株に対しては、特定の接触時間(45秒)が許容された。接触時間の最後に、段階希釈液を、増殖培地を用いて96ウェルプレートで調製した:10分の1希釈液で3回、次いで2分の1希釈液で17回。各プレートを密封し、撹拌(180rpm)下にて37℃でインキュベートした。インキュベーション後、ウェルの濁度(OD 600nm)を、Tecanマイクロプレートリーダーによって記録した。混濁細胞は、生細胞の増殖が陽性と考えられた。各試料について生細胞の総数(log CFU/mL)を計算した。そして、最終濃度(用量)での各試験組成物についての対数減少を、20%エタノール溶液の対照試料に対して計算した。
【0098】
実施例2:異なる界面活性剤ベース中の香料成分の抗菌効果の測定
a.試験試料の調製
香料成分を界面活性剤ベースと混合し、24時間激しく撹拌することにより、試験試料を調製した。透明な外観を有する試料を、抗菌性試験のために選択した。
【0099】
b.界面活性剤系中のフレグランス物質の抗菌効果の測定
欧州規格EN-1276および欧州特許第2787827号明細書に基づくロボット細菌接触時間(BCT)試験を用いて、代表的なグラム陰性細菌株である大腸菌(Escherichia coli)ATCC 10536に対して抗菌効果を試験した。
【0100】
スクリーニングプレートおよび希釈プレートの調製:組成物のアリコート(270μl)を、2つのカラム(B1-H1およびB7-H7)に沿って96ウェルマイクロタイタープレート(MTP)のウェルに分配し、対照試料としてのウェルA1およびA7に270μlのMilliQ水を添加した。このMTPを「スクリーニングプレート」とラベル付けした。「希釈プレート」とラベル付けした別のMTPにおいて、270μLのDey-Engley(D/E)中和溶液を、カラム1およびカラム7に添加した。270μlのトリプトン希釈溶液を、ハミルトンロボットのリキッドハンドリングステーションによって希釈MTPのカラム2~6およびカラム8~12に添加した。
【0101】
BCT試験&中和&希釈:細菌ストック(30μl)を、次いで「スクリーニングプレート」のカラム1に添加し、ハミルトンロボットのリキッドハンドリングステーションにより混合した。45秒の接触時間の後、カラム1内の30μlの混合物を、「希釈プレート」のカラム1の対応するウェルに移した。D/E中和溶液中で5分間中和した後、中和した混合物30μlを、希釈MTPのカラム1からカラム2に移して混合し、次いで混合物30μlを、カラム2からカラム3に移した。このプロセスを繰り返し、細菌懸濁液を、プレート全体でカラム6まで連続的に希釈した。次いで、細菌ストック(30μl)を、「スクリーニングプレート」のカラム7に添加し、ハミルトンロボットのリキッドハンドリングステーションにより混合した。45秒の接触時間の後、カラム7内の30μlの混合物を、「希釈プレート」のカラム7の対応するウェルに移した。D/E中和溶液中で5分間中和した後、30μlの混合物を、希釈MTPのカラム7からカラム8に移して混合し、次いでさらに混合物30μlを、カラム8からカラム9に移した。このプロセスを繰り返し、細菌懸濁液を、プレート全体でカラム12まで連続的に希釈した。
【0102】
めっき:希釈MTP内の各ウェルから30μlの容量を、4枚のトリプトンソイ寒天(TSA)プレート上に移した。TSAプレートを、約2時間静置して、30μlの接種スポットを乾燥させ、次いでプレートを反転させ、37℃で24時間にわたって一晩インキュベートした。インキュベーション後、コロニーを数えた。
【0103】
対数減少の計算:希釈をコロニー数で選択し、「スクリーニングプレート」中の混合物の生細胞数(CFU/mL)を計算し、対照MilliQ試料に対する対数減少を計算した。
【0104】
結果
エタノール溶液中で高い殺菌活性を有する香料成分:実施例1に記載の試験手順に従って試験した場合、少なくとも1つのグラム陰性細菌、好ましくは、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ種(Salmonella sp.)、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)およびクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)のうちの少なくとも1つに対して、0.1%(w/v)以下のエタノール溶液中の殺菌性香料成分で、細菌生存率が少なくとも5.5log減少する。
【0105】
殺菌活性の高い香料成分:1-フェニルエチルアセテート、1-オクタノール、(1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、ウンデカナール、(2E)-2-メチル-3-フェニル-2-プロペナール、(Z)-2-ノネナール、1-(5-プロピル-1,3-ベンゾジオキソール-2-イル)エテノン、(2E,6Z)-2,6-ノナジエン-1-オール、安息香酸エチル、1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、酪酸ベンジル、1-ブトキシカルボニルエチルブタノエート、エチルヘキサノエート、5-イソプロピル-2-メチルフェノール、(4E,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4E,8Z)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、(4Z,8E)-4,8-シクロドデカジエン-1-オン、メチル(2E)-2-メチル-2-ヘキセノエート、エチル(E)-3-フェニル-2-プロペノエート、メチル(E)-3-フェニル-2-プロペノエート、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール、3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール、3-[4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-1-ブタノール、(2E)-2-エチル-4-[2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オール、4-デカノリド、(Z)-4-デセナール、2-メトキシ-4-プロピルフェノール、2,6-ジメチル-7-オクテン-4-オン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、(E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール、2-メトキシ-4-[(1E)-1-プロペン-1-イル]フェノール、(2E)-2-メチル-3-(4-メチルフェニル)-2-プロペン-1-オール、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、1,2-ジメトキシ-4-[(1Z)-1-プロペン-1-イル]ベンゼン、1,2-ジメトキシ-4-[(1E)-1-プロペン-1-イル]ベンゼン、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、(2,2-ジメチル-3-[(2Z)-3-メチル-2,4-ペンタジエン-1-イル]オキシラン、(2,2-ジメチル-3-[(2E)-3-メチル-2,4-ペンタジエン-1-イル]オキシラン、2-エチル-1-ヘキサノール、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、1-(3-メチル-1-ベンゾフラン-2-イル)エテノン、(Z)-6-ノネン-1-オール、(2E,6Z)-2,6-ノナジエナール、1,8-p-メンタジエン-7-オール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-カルバルデヒド、2-ヒドロキシ安息香酸エチル、2-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、4-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、2-(1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-1-シクロヘキサノール、3-メチルインドール、8-メルカプト-3-p-メンタノン、3,7-ジメチル-3-オクタノール、1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン、1-イソプロピル-4-メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン、チモール、6-ヘキシルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン、3-プロピルフェノール、2-シクロヘキシルエチルアセテート、オクタナール、1,3-ノナンジイルジアセテート、テトラヒドロ-3-ペンチル-4(2H)-ピラニルアセテート、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、3-ブチリデン1-ベンゾ[C]フラノン、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、コリアンダー油、シクロプロピルメチル(3Z)-3-ヘキセノエート、シクロプロピルメチル(3E)-3-ヘキセノエート、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、シナモン葉油、4-デカノリド、3,5,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、ラバンジンスミアン精油、ペパーミント油、3,6,7-トリメチル-2,6-オクタジエナール、プチグレンパラグアイ精油、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの組み合わせ。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
【表3-1】
【表3-2】
【0109】
【表4】
【0110】
結論:
低い界面活性剤含量を有する界面活性剤ベース(例えば、第1表に示すように2.5%の界面活性剤)では、香料成分は、高い殺菌活性を有していた。ベース中の界面活性剤の量(例えば、第2表に示される6%の界面活性剤)が増加するにつれて、香料成分の抗菌活性は、劇的に低下した。第2表および第3表に示すように、SCSまたはサリチル酸ナトリウムなどのヒドロトロープは、界面活性剤ベース中の香料成分の抗菌活性を高めることができた。国際公開第2006053458号とは異なり、本発明におけるヒドロトロープ量は、界面活性剤ベースにおいて高い殺菌活性を達成するために4%未満であり得る。
【0111】
実施例3 表面洗浄剤製品における本発明の組成物のインビトロ有効性
市販の表面洗浄剤試料、Pine-Sol(登録商標)Multi-Surface Cleaner(Lemon Fresh)における本発明の組成物の抗細菌効果を測定した。簡単に説明すると、本発明の組成物を、Pine-Sol(登録商標)Multi-Surface Cleanerに、0.25%、0.5%、0.75%、1.0%および1.25%の最終濃度まで添加した。各試料のアリコート(120μL)を、96ウェルプレート(11個の複製)のウェル内で前述のように等量の大腸菌(E.coli)ATCC 10536の細菌懸濁液と混合した。3分の接触時間の後、各ウェルの生細胞(log CFU)を数えた。殺菌効果を、MilliQ水の対照試料に対する対数減少として測定した。
【0112】
高い抗菌効果は、0.5~2%の本発明の組成物をベースに添加した場合に検出された。
【0113】
実施例4 ソープバーベースにおける本明細書に提示された本発明の組成物のインビトロ有効性
第5表は、ソープバーベースの組成を示す。
【表5】
【0114】
高い抗菌効果は、0.5~2%の本発明の組成物をベースに添加した場合に検出された。
【0115】
実施例5 ロールオン式消臭剤石鹸ベースにおける本明細書に提示された本発明の組成物のインビトロ有効性
第6表は、ロールオン式消臭剤石鹸ベースの組成を示す。
【表6】
【0116】
高い抗菌効果は、0.5~1%の本発明の組成物をベースに添加した場合に検出された。
【国際調査報告】