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特表2024-534065無線電力送信システムにおける同時多重データ通信方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】無線電力送信システムにおける同時多重データ通信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20240910BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20240910BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509403
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 KR2022012032
(87)【国際公開番号】W WO2023022441
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0108250
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0120575
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ユン チンホ
(57)【要約】
本明細書(present disclosure)は無線電力送信システムにおいて無線電力送信機によって実行される無線電力を伝達する方法において、ネゴシエーションフェーズにおいて無線電力受信機と電力伝達契約をネゴシエーションして及び電力伝達フェーズにおいて前記電力伝達契約に基づいて前記無線電力を前記無線電力受信機に伝達するが、前記電力伝達フェーズの間、前記無線電力送信機は前記無線電力受信機に第1のデータストリームを送信し、及び前記無線電力送信機が前記第1のデータストリームを送信する間、第2のデータストリームの送信をオープン(open)することを特徴とする方法及びこれを用いる装置が提供される。
【選択図】図28
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力送信システムにおいて、無線電力送信機によって実行される無線電力を伝達する方法において、
ネゴシエーションフェーズにおいて無線電力受信機と電力伝達契約をネゴシエーションするステップと、
電力伝達フェーズにおいて前記電力伝達契約に基づいて前記無線電力を前記無線電力受信機に伝達するステップと、を含み、
前記電力伝達フェーズの間、前記無線電力送信機は前記無線電力受信機に第1のデータストリームを送信し、
前記無線電力送信機が前記第1のデータストリームを送信する間、第2のデータストリームの送信をオープン(open)する、方法。
【請求項2】
前記無線電力送信機は前記第1のデータストリームに関連する第1のイニシャルADCパケット、少なくとも1つの第1のADTパケット、第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信し、
前記第1のイニシャルADCパケットは前記第1のデータストリームのオープンに関連するパケットであり、
前記第1の最終のADCパケットは前記第1のデータストリームのクローズに関連するパケットである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線電力送信機が前記第1のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信した以降及び前記第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信する前に、前記無線電力送信機は前記第2のデータストリームのオープンに関連する第2のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線電力送信機が前記第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信することに基づいて、前記第2のデータストリームはクローズされず前記第1のデータストリームのみがクローズされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第1のADTパケット又は前記第1の最終のADCパケットのうち、少なくとも1つに前記第1のデータストリームに対するチャネルを識別する情報がマーキングされる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記無線電力送信機は前記第2のデータストリームに関連する少なくとも1つの第2のADTパケット、第2の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信し、
前記第2の最終のADCパケットは前記第2のデータストリームのクローズに関連するパケットである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第2のADTパケット又は前記第2の最終のADCパケットのうち、少なくとも1つに前記第2のデータストリームに対するチャネルを識別する情報がマーキングされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記無線電力送信機が前記第1のデータストリームを送信する間、第3のデータストリームの受信がオープンされる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記無線電力送信機が第1のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信した以降及び第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信する前に、前記無線電力送信機は前記第3のデータストリームのオープンに関連する第3のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機から受信する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
無線電力送信機は、
無線電力受信機に無線電力を伝達することに関連するコンバータと、
前記無線電力の伝達を制御することに関連するコミュニケーション/制御装置と、を含み、
前記無線電力送信機は、
ネゴシエーションフェーズにおいて前記無線電力受信機と電力伝達契約をネゴシエーションし、
電力伝達フェーズにおいて前記電力伝達契約に基づいて前記無線電力を前記無線電力受信機に伝達し、
前記電力伝達フェーズの間前記無線電力送信機は前記無線電力受信機に第1のデータストリームを送信し、
前記無線電力送信機が前記第1のデータストリームを送信する間、第2のデータストリームの送信をオープン(open)する、無線電力送信機。
【請求項11】
無線電力送信システムにおいて無線電力受信機によって実行される無線電力を受信する方法において、
ネゴシエーションフェーズにおいて無線電力送信機と電力伝達契約をネゴシエーションするステップと、
電力伝達フェーズにおいて前記電力伝達契約に基づいて前記無線電力を前記無線電力送信機から受信するステップと、を含み、
前記電力伝達フェーズの間前記無線電力受信機は前記無線電力送信機から第1のデータストリームを受信し、
前記無線電力受信機が前記第1のデータストリームを受信する間、第2のデータストリームの受信をオープン(open)することができる、方法。
【請求項12】
前記無線電力受信機は前記第1のデータストリームに関連する第1のイニシャルADCパケット、少なくとも1つの第1のADTパケット、第1の最終のADCパケットを前記無線電力送信機から受信し、
前記第1のイニシャルADCパケットは前記第1のデータストリームのオープンに関連するパケットであり、
前記第1の最終のADCパケットは前記第1のデータストリームのクローズに関連するパケットである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記無線電力受信機が前記第1のイニシャルADCパケットを前記無線電力送信機から受信した以降及び前記第1の最終のADCパケットを前記無線電力送信機から受信する前に、前記無線電力受信機は前記第2のデータストリームのオープンに関連する第2のイニシャルADCパケットを前記無線電力送信機から受信する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記無線電力受信機が前記第1の最終のADCパケットを前記無線電力送信機から受信することに基づいて、前記第2のデータストリームはクローズされず前記第1のデータストリームのみがクローズされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第1のADTパケット又は前記第1の最終のADCパケットのうち、少なくとも1つに前記第1のデータストリームに対するチャネルを識別する情報がマーキングされる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記無線電力受信機は前記第2のデータストリームに関連する少なくとも1つの第2のADTパケット、第2の最終のADCパケットを前記無線電力送信機から受信し、
前記第2の最終のADCパケットは前記第2のデータストリームのクローズに関連するパケットである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第2のADTパケット又は前記第2の最終のADCパケットのうち、少なくとも1つに前記第2のデータストリームに対するチャネルを識別する情報がマーキングされる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記無線電力受信機が前記第1のデータストリームを受信する間、第3のデータストリームの送信をオープンする、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記無線電力受信機が第1のイニシャルADCパケットを前記無線電力送信機から受信した以降及び第1の最終のADCパケットを前記無線電力送信機から受信する前に、前記無線電力受信機は前記第3のデータストリームのオープンに関連する第3のイニシャルADCパケットを前記無線電力送信機に送信する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
無線電力受信機は、
無線電力送信機から無線電力を受信することに関連する電力ピックアップ装置と、
前記無線電力の受信を制御することに関連するコミュニケーション/制御装置と、を含み、
前記無線電力受信機は、
ネゴシエーションフェーズにおいて前記無線電力送信機と電力伝達契約をネゴシエーションし、
電力伝達フェーズにおいて前記電力伝達契約に基づいて前記無線電力を前記無線電力送信機から受信し、
前記電力伝達フェーズの間、前記無線電力受信機は前記無線電力送信機から第1のデータストリームを受信し、
前記無線電力受信機が前記第1のデータストリームを受信する間、第2のデータストリームの受信をオープン(open)することができる、無線電力受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、無線電力送信に関する。
【背景技術】
【0002】
無線電力送信技術は、電源ソースと電子機器との間に無線で電力を伝達する技術である。一例として、無線電力送信技術は、スマートフォンやタブレットなどの無線端末を単に無線充電パッド上に置くことだけで無線端末のバッテリが充電されるようにすることによって、既存の有線充電コネクタを利用する有線充電環境に比べて優れた移動性と便宜性、そして安全性を提供することができる。無線電力送信技術は、無線端末の無線充電以外にも、電気自動車、ブルートゥース(登録商標)イヤホンや3Dメガネなど、各種ウェアラブルデバイス(wearable device)、家電機器、家具、地中施設物、建物、医療機器、ロボット、レジャーなどの多様な分野で既存の有線電力送信環境を代替することと注目を浴びている。
【0003】
無線電力送信方式を非接触(contactless)電力送信方式または無接点(no point of contact)電力送信方式、無線充電(wireless charging)方式ともいう。無線電力送信システムは、無線電力送信方式に電気エネルギーを供給する無線電力送信装置と、前記無線電力送信装置から無線で供給される電気エネルギーを受信してバッテリセル等の受電装置に電力を供給する無線電力受信装置と、で構成されることができる。
【0004】
無線電力送信技術は、磁気カップリング(magnetic coupling)を介して電力を伝達する方式、無線周波数(radio frequency:RF)を介して電力を伝達する方式、マイクロウェイブ(microwave)を介して電力を伝達する方式、超音波を介して電力を伝達する方式など、多様である。また、磁気カップリングに基づく方式は、磁気誘導(magnetic induction)方式と磁気共振(magnetic resonance)方式に分類される。磁気誘導方式は、送信側のコイルと受信側のコイルとの間の電磁気結合によって送信側コイルバッテリセルで発生させた磁場によって受信側コイルに誘導される電流を利用してエネルギーを送信する方式である。磁気共振方式は、磁場を利用するという点で磁気誘導方式と類似する。しかし、磁気共振方式は、送信側のコイルと受信側のコイルに特定共振周波数が印加される時に共振が発生し、それによって、送信側と受信側の両端に磁場が集中する現象によりエネルギーが伝達される側面で磁気誘導とは異なる。
【0005】
一方、無線電力送信システムにおいて同時多重データ通信方法とそれを利用する装置を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の一実施形態によれば、電力伝達フェーズの間、無線電力送信機は無線電力受信機に第1のデータストリームを送信し、及び無線電力送信機が第1のデータストリームを送信する間、第2のデータストリームの送信をオープン(open)することを特徴とする方法及び装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本明細書によれば、データトランスポートストリームの効率が向上され、安定的なデータ通信が提供され、様々なアプリケーションに対してデータストリームチャネルの開閉を実行することができる効果が起こり得る。
【0008】
本明細書の具体的な一例によって得られる効果は、以上で羅列された効果に制限されない。例えば、係わる技術分野において通常の知識を有する者(a person having ordinary skill in the related art)が本明細書から理解したり、誘導することができる多様な技術的効果が存在し得る。これによって、本明細書の具体的な効果は、本明細書に明示的に記載されたものに制限されず、本明細書の技術的特徴から理解されたり誘導されることができる多様な効果を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施例に係る無線電力システム10のブロック図である。
図2】他の実施例に係る無線電力システム10のブロック図である。
図3】無線電力送信システムが導入される多様な電子機器の実施例を示す。
図4】一実施例に係る無線電力送信システムのブロック図である。
図5】本明細書に係る一実施例が適用されることができるブルートゥース通信アーキテクチャ(Architecture)の一例を示した図である。
図6】一例によるBLE通信を利用する無線電力送信システムを示したブロック図である。
図7】他の例によるBLE通信を利用する無線電力送信システムを示したブロック図である。
図8】無線電力送信過程を説明するための状態遷移図である。
図9】ピンフェーズ810のプロトコルに対する一例を概略的に示したのである。
図10】構成フェーズ820のプロトコルに対する一例を概略的に示したのである。
図11】一実施例に係る無線電力受信装置の構成パケット(CFG)のメッセージフィールドを示した図面である。
図12】一実施例に係る交渉段階または再交渉段階のプロトコルを概略的に示した流れ図である。
図13】一実施例に係る無線電力送信装置の性能パケット(CAP)のメッセージフィールドを示した図面である。
図14】ベースラインプロトコルでの電力送信フェーズ840に対するデータフローの流れ図を概略的に示したのである。
図15】拡張されたプロトコルでの電力送信フェーズ840に対するデータフローの流れ図を概略的に示したのである。
図16】一例による無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間のアプリケーションレベルのデータストリームを示したのである。
図17】一実施例に係る電力制御コントロール方法を示す。
図18】MPP IDパケットの構造を模式的に示したものである。
図19】MPPでのXIDパケットの例を模式的に示したものである。
図20】MPP制限モードでのプロトコルを模式的に示したものである。
図21】MPPフルモードでのプロトコルを模式的に示したものである。
図22】MPPフルモードでのプロトコルを模式的に示したものである。
図23】ADCパケットの例を模式的に示したものである。
図24】ADTパケットの例を模式的に示したものである。
図25】アプリケーションメッセージがデータストリームイニシエータからデータストリームレスポンダに送信される例を模式的に示したものである。
図26】アプリケーション観点からのデータ送信に対する順序図を模式的に示したものである。
図27】1つのデータ送信ストリームがクローズされた以降、他のデータ送信ストリームがオープンされる例を模式的に示したものである。
図28】本明細書の一実施形態に係る、無線電力送信機が無線電力を伝達する方法の順序図である。
図29】従来の技術の例に係るデータ通信方法を模式的に示したものである。
図30】本明細書のデータ通信方法を模式的に示したものである。
図31】本明細書の実施形態に係る、同時双方向データ通信の例の順序図である。
図32】本明細書の実施形態に係る、同時双方向データ通信の例の順序図である。
図33】本明細書の実施形態に係る、多重データ通信の例の順序図である。
図34】本明細書の実施形態に係る、多重データ通信の例の順序図である。
図35】別途のデータストリームクローズパケットの例を模式的に示したものである。
図36】ADCパケットに追加機能を与える例を模式的に示したものである。
図37】本明細書において提供するADTパケットの例を模式的に示したものである。
図38】本明細書において提供するADTパケットの例を模式的に示したものである。
図39】本明細書の一実施形態に係る、無線電力送信機の観点から、無線電力を伝達する方法の順序図である。
図40】本明細書の一実施形態に係る、無線電力受信機の観点から、無線電力を受信する方法の順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において“AまたはB(A or B)”は、“Aのみ”、“Bのみ”または“AとBの両方とも”を意味することができる。他の表現として、本明細書において“AまたはB(A or B)”は“A及び/またはB(A and/or B)”と解釈できる。例えば、本明細書において“A、BまたはC(A,B or C)”は“Aのみ”、“Bのみ”、“Cのみ”、または“A、B及びCの任意の全ての組み合わせ(any combination of A,B and C)”を意味することができる。
【0011】
本明細書で使われるスラッシュ(/)やコンマ(comma)は“及び/または(and/or)”を意味することができる。例えば、“A/B”は“A及び/またはB”を意味することができる。それによって“A/B”は“Aのみ”、“Bのみ”、または“AとBの両方とも”を意味することができる。例えば、“A、B、C”は“A、BまたはC”を意味することができる。
【0012】
本明細書において“少なくとも一つのA及びB(at least one of A and B)”は、“Aのみ”、“Bのみ”または“AとBの両方とも”を意味することができる。また、本明細書において“少なくとも一つのAまたはB(at least one of A or B)”や“少なくとも一つのA及び/またはB(at least one of A and/or B)”という表現は“少なくとも一つのA及びB(at least one of A and B)”と同じく解釈できる。
【0013】
また、本明細書において“少なくとも一つのA、B及びC(at least one of A,B and C)”は、“Aのみ”、“Bのみ”、“Cのみ”、または“A、B及びCの任意の全ての組み合わせ(any combination of A,B and C)”を意味することができる。また、“少なくとも一つのA、BまたはC(at least one of A,B or C)”や“少なくとも一つのA、B及び/またはC(at least one of A,B and/or C)”は“少なくとも一つのA、B及びC(at least one of A,B and C)”を意味することができる。
【0014】
また、本明細書で使われる括弧は“例えば(for example)”を意味することができる。具体的に、“制御情報(PDCCH)”で表示された場合、“制御情報”の一例として“PDCCH”が提案されたものである。他の表現として、本明細書の“制御情報”は“PDCCH”に制限(limit)されるものではなく、“PDDCH”が“制御情報”の一例として提案されたものである。また、“制御情報(即ち、PDCCH)”で表示された場合も、“制御情報”の一例として“PDCCH”が提案されたものである。
【0015】
本明細書において、一つの図面内で個別的に説明される技術的特徴は、個別的に具現されることもでき、同時に具現されることもできる。以下で使われる“無線電力”という用語は、物理的な電磁気伝導体の使用なしに無線電力送信機(wireless power transmitter)から無線電力受信装置(wireless power receiver)に伝達される電場、磁場、電磁場などと関連した任意の形態のエネルギーを意味するように使われる。無線電力は、無線電力信号(wireless power signal)とも呼ばれ、1次コイルと2次コイルにより囲まれる(enclosed)振動する磁束(oscillating magnetic flux)を意味することができる。例えば、移動電話、コードレス電話、iPod(登録商標)、MP3プレイヤ、ヘッドセットなどを含むデバイスを無線で充電するためにシステムでの電力変換がここに説明される。一般的に、無線電力送信の基本的な原理は、例えば、磁気カップリング(magnetic coupling)を介して電力を伝達する方式、無線周波数(radio frequency:RF)を介して電力を伝達する方式、マイクロウェイブ(microwave)を介して電力を伝達する方式、超音波を介して電力を伝達する方式を全部含む。
【0016】
図1は、一実施例に係る無線電力システム10のブロック図である。
【0017】
図1を参照すると、無線電力システム10は、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200を含む。
【0018】
無線電力送信装置100は、外部の電源ソース(S)から電源の印加を受けて磁場を発生させる。無線電力受信装置200は、発生された磁場を利用して電流を発生させることで無線で電力の受信を受ける。
【0019】
また、無線電力システム10において、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200は、無線電力送信に必要な多様な情報を送受信することができる。ここで、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間の通信は、無線電力送信に利用される磁場を利用するイン-バンド通信(in-band communication)や別途の通信キャリアを利用するアウト-バンド通信(out-band communication)のうちいずれか一つの方式によって実行されることができる。アウト-バンド通信は、アウト-オブ-バンド(out-of-band)通信とも呼ばれる。以下、用語アウト-バンド通信に統一して記述する。アウト-バンド通信の例として、NFC、ブルートゥース(bluetooth)、BLE(bluetooth low energy)などを含むことができる。
【0020】
ここで、無線電力送信装置100は、固定型または移動型で提供されることができる。固定型の例として、室内の天井や壁面またはテーブルなどの家具に埋め込まれる(embedded)形態、室外の駐車場、バス停留場や地下鉄駅などにインプラント形式に設置される形態、車両や汽車などの運送手段に設置される形態などがある。移動型である無線電力送信装置100は、移動可能な重さや大きさの移動型装置やノートブックコンピュータのカバーなどのように他の装置の一部で具現されることができる。
【0021】
また、無線電力受信装置200は、バッテリを具備する各種電子機器及び電源ケーブルの代わりに無線で電源の供給を受けて駆動される各種家電機器を含む包括的な概念と解釈されなければならない。無線電力受信装置200の代表的な例として、移動端末(portable terminal)、携帯電話(cellular phone)、スマートフォン(smart phone)、個人情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯メディアプレイヤ(PMP:Portable Media Player)、ワイブロ端末(Wibro terminal)、タブレット(tablet)、ファブレット(phablet)、ノートブック(notebook)、デジタルカメラ、ナビゲーション端末、テレビ、電気自動車(EV:Electronic Vehicle)などがある。
【0022】
図2は、他の実施例に係る無線電力システム10のブロック図である。
【0023】
図2を参照すると、無線電力システム10において、無線電力受信装置200は、一つまたは複数である。図1では無線電力送信装置100と無線電力受信装置200が一対一で電力をやり取りすると表現されているが、図2のように一つの無線電力送信装置100が複数の無線電力受信装置200-1、200-2、...、200-Mに電力を伝達することも可能である。特に、磁気共振方式に無線電力送信を実行する場合は、一つの無線電力送信装置100が同時送信方式や時分割送信方式を応用して同時に複数の無線電力受信装置200-1、200-2、...、200-Mに電力を伝達することができる。
【0024】
また、図1には無線電力送信装置100が無線電力受信装置200に直接電力を伝達する方式が示されているが、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間に無線電力送信距離を増大させるためのリレイ(relay)または中継器(repeater)のような別途の無線電力送受信装置が備えられる場合もある。この場合、無線電力送信装置100から無線電力送受信装置に電力が伝達され、無線電力送受信装置が再び無線電力受信装置200に電力を伝達することができる。
【0025】
以下、本明細書で言及される無線電力受信機、電力受信機、受信機は、無線電力受信装置200を指す。また、本明細書で言及される無線電力送信機、電力送信機、送信機は、無線電力受信送信装置100を指す。
【0026】
図3は、無線電力送信システムが導入される多様な電子機器の実施例を示す。
【0027】
図3には無線電力送信システムで送信及び受信する電力量によって電子機器を分類して示す。図3を参照すると、スマート時計(Smart watch)、スマートグラス(Smart Glass)、HMD(Head Mounted Display)、及びスマートリング(Smart ring)のようなウェアラブル機器及びイヤホン、リモコン、スマートフォン、PDA、タブレットPCなどのモバイル電子機器(または、ポータブル電子機器)には小電力(約5W以下または約20W以下)無線充電方式が適用されることができる。
【0028】
ノートブック、ロボット清掃機、TV、音響機器、清掃機、モニタのような中/小型家電機器には中電力(約50W以下または約200W以下)無線充電方式が適用されることができる。ミキサー、電子レンジ、電気炊飯器のようなキッチン用家電機器、車椅子、電気キックボード、電気自転車、電気自動車などの個人用移動機器(または、電子機器/移動手段)は、大電力(約2kW以下または22kW以下)無線充電方式が適用されることができる。
【0029】
前述した(または、図1に示す)電子機器/移動手段は、後述する無線電力受信機を各々含むことができる。したがって、前述した電子機器/移動手段は、無線電力送信機から無線で電力を受信して充電されることができる。
【0030】
以下では電力無線充電方式が適用されるモバイル機器を中心に説明するが、これは実施例に過ぎず、本明細書による無線充電方法は、前述した多様な電子機器に適用されることができる。
【0031】
無線電力送信に対する標準(standard)は、WPC(wireless power consortium)、AFA(air fuel alliance)、PMA(power matters alliance)を含む。
【0032】
WPC標準は、基本電力プロファイル(baseline power profile:BPP)と拡張電力プロファイル(extended power profile:EPP)を定義する。BPPは、5Wの電力送信をサポートする無線電力送信装置と受信装置に関し、EPPは、5Wより大きい且つ30Wより小さい範囲の電力送信をサポートする無線電力送信装置と受信装置に関する。
【0033】
互いに異なる電力レベル(power level)を使用する多様な無線電力送信装置と受信装置が各標準別にカバーされ、互いに異なる電力クラス(power class)またはカテゴリに分類されることができる。
【0034】
例えば、WPCは、無線電力送信装置と受信装置を電力クラス(power class:PC)-1、PC0、PC1、PC2に分類し、各PCに対する標準文書を提供する。PC-1標準は、5W未満の保障電力(guaranteed power)を提供する無線電力送信装置と受信装置に関する。PC-1のアプリケーションは、スマート時計のようなウェアラブル機器を含む。
【0035】
PC0標準は、5Wの保障電力を提供する無線電力送信装置と受信装置に関する。PC0標準は、保障電力が30WまでであるEPPを含む。イン-バンド(in-band:IB)通信がPC0の必須な(mandatory)通信プロトコルや、オプションのバックアップチャネルとして使われるアウト-バンド(out-band:OB)通信も使われることができる。無線電力受信装置は、OBのサポート可否を構成パケット(configuration packet)内のOBフラグを設定することによって識別できる。OBをサポートする無線電力送信装置は、前記構成パケットに対する応答として、OBハンドオーバのためのビットパターン(bit-pattern)を送信することによってOBハンドオーバ段階(handover phase)に進入できる。前記構成パケットに対する応答は、NAK、NDまたは新しく定義される8ビットのパターンである。PC0のアプリケーションは、スマートフォンを含む。
【0036】
PC1標準は、30W~150Wの保障電力を提供する無線電力送信装置と受信装置に関する。OBは、PC1のための必須な通信チャネルであり、IBは、OBへの初期化及びリンク確立(link establishment)として使われる。無線電力送信装置は、構成パケットに対する応答として、OBハンドオーバのためのビットパターンを利用してOBハンドオーバ段階に進入できる。PC1のアプリケーションは、ラップトップや電動工具(power tool)を含む。
【0037】
PC2標準は、200W~2kWの保障電力を提供する無線電力送信装置と受信装置に関し、そのアプリケーションは、キッチン家電を含む。
【0038】
このように電力レベルによってPCが区別されることができ、同じPC間互換性(compatibility)をサポートするかどうかは、選択または必須事項である。ここで、同じPC間互換性は、同じPC間には電力送受信が可能であることを意味する。例えば、PCxである無線電力送信装置が、同じPCxを有する無線電力受信装置の充電が可能な場合、同じPC間互換性が維持されると判断することができる。同様に、互いに異なるPC間互換性もサポート可能である。ここで、互いに異なるPC間互換性は、互いに異なるPC間にも電力送受信が可能であることを意味する。例えば、PCxである無線電力送信装置が、PCyを有する無線電力受信装置の充電が可能な場合、互いに異なるPC間互換性が維持されると判断することができる。
【0039】
PC間互換性のサポートは、ユーザ経験(User Experience)及びインフラ構築側面で相当重要な問題である。ただし、PC間互換性維持には技術的に下記のような多数の問題点が存在する。
【0040】
同じPC間互換性の場合、例えば、連続的に電力が送信される場合にのみ安定的に充電が可能なラップ-トップ充電(lap-top charging)方式の無線電力受信装置は、同じPCの無線電力送信装置であるとしても、不連続的に電力を送信する電動ツール方式の無線電力送信装置から電力を安定的に供給を受けるときに問題がある。また、互いに異なるPC間互換性の場合、例えば、最小保障電力が200Wである無線電力送信装置は、最大保障電力が5Wである無線電力受信装置に電力を送信する場合、過電圧によって無線電力受信装置が破損される危険がある。その結果、PCは、互換性を代表/指示する指標/基準として定めにくい。
【0041】
無線電力送信及び受信装置は、相当便利なユーザ経験とインターフェース(UX/UI)を提供することができる。即ち、スマート無線充電サービスが提供されることができる。スマート無線充電サービスは、無線電力送信装置を含むスマートフォンのUX/UIに基づいて具現されることができる。このようなアプリケーションのために、スマートフォンのプロセッサと無線充電受信装置との間のインターフェースは、無線電力送信装置と受信装置との間の“ドロップアンドプレー(drop and play)”双方向通信を許容する。
【0042】
一例として、ユーザは、ホテルでスマート無線充電サービスを経験することができる。ユーザがホテルルームに入ってルームの無線充電器上にスマートフォンを置くと、無線充電器はスマートフォンに無線電力を送信し、スマートフォンは無線電力を受信する。この過程で、無線充電器は、スマート無線充電サービスに対する情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンが無線充電器上に位置することを検知し、または無線電力の受信を検知し、またはスマートフォンが無線充電器からスマート無線充電サービスに対する情報を受信すると、スマートフォンは、ユーザに付加的特徴への同意(opt-in)を問い合わせする状態に進入する。そのために、スマートフォンは、アラームを含んだり含まない方式にスクリーン上にメッセージをディスプレーすることができる。メッセージの一例は、“Welcome to ### hotel.Select“Yes”to activate smart charging functions:Yes|No Thanks.”のようなテキストを含むことができる。スマートフォンは、YesまたはNo Thanksを選択するユーザの入力を受け、ユーザにより選択された次の手順を実行する。もし、Yesが選択された場合、スマートフォンは、無線充電器に該当情報を送信する。そして、スマートフォンと無線充電器は、スマート充電機能を共に実行する。
【0043】
また、スマート無線充電サービスは、WiFi資格(wifi credentials)自動入力(auto-filled)を受信するものを含むことができる。例えば、無線充電器は、WiFi資格をスマートフォンに送信し、スマートフォンは、適切なAPPを実行することで無線充電器から受信されたWiFi資格を自動的に入力する。
【0044】
また、スマート無線充電サービスは、ホテルプロモーションを提供するホテルアプリケーションを実行し、または遠隔チェックイン/チェックアウト及びコンタクト情報を取得するものを含むことができる。
【0045】
他の例として、ユーザは、車両内でスマート無線充電サービスを経験することができる。ユーザが車両に搭乗してスマートフォンを無線充電器上に置くと、無線充電器はスマートフォンに無線電力を送信し、スマートフォンは無線電力を受信する。このような過程で、無線充電器は、スマート無線充電サービスに対する情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンが無線充電器上に位置することを検知し、または無線電力の受信を検知し、またはスマートフォンが無線充電器からスマート無線充電サービスに対する情報を受信すると、スマートフォンは、ユーザにID(identity)確認を問い合わせする状態に進入する。
【0046】
この状態で、スマートフォンは、WiFi及び/またはブルートゥースを介して自動的に自動車と接続される。スマートフォンは、アラームを含んだり含まない方式にスクリーン上にメッセージをディスプレーすることができる。メッセージの一例は、“Welcome to your car.Select“Yes”to synch device with in-car controls:Yes|No Thanks.”のようなテキストを含むことができる。スマートフォンは、YesまたはNo Thanksを選択するユーザの入力を受け、ユーザにより選択された次の手順を実行する。もし、Yesが選択された場合、スマートフォンは、無線充電器に該当情報を送信する。そして、スマートフォンと無線充電器は、車両内のアプリケーション/ディスプレーソフトウェアを駆動することで、車両内のスマート制御機能を共に実行することができる。ユーザは、望む音楽を楽しむことができ、正規的なマップ位置を確認することができる。車両内のアプリケーション/ディスプレーソフトウェアは、通行者のための同期化接近を提供する性能を含むことができる。
【0047】
他の例として、ユーザは、スマート無線充電をホーム内で経験することができる。ユーザが部屋へ入って方案の無線充電器上にスマートフォンを置くと、無線充電器はスマートフォンに無線電力を送信し、スマートフォンは無線電力を受信する。この過程で、無線充電器は、スマート無線充電サービスに対する情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンが無線充電器上に位置することを検知し、または無線電力の受信を検知し、またはスマートフォンが無線充電器からスマート無線充電サービスに対する情報を受信すると、スマートフォンは、ユーザに付加的特徴への同意(opt-in)を問い合わせする状態に進入する。そのために、スマートフォンは、アラームを含んだり含まない方式にスクリーン上にメッセージをディスプレーすることができる。メッセージの一例は、“Hi xxx,Would you like to activate night mode and secure the building?:Yes|No Thanks.”のようなテキストを含むことができる。スマートフォンは、YesまたはNo Thanksを選択するユーザの入力を受け、ユーザにより選択された次の手順を実行する。もし、Yesが選択された場合、スマートフォンは、無線充電器に該当情報を送信する。スマートフォンと無線充電器は、少なくともユーザのパターンを認知し、ユーザにドアと窓をかけたり電源をオフにしたり、アラームを設定したりするように勧誘できる。
【0048】
以下、互換性を代表/指示する指標/基準として‘プロファイル(profile)’を新しく定義する。即ち、同じ‘プロファイル’を有する無線電力送受信装置間には互換性が維持されて安定した電力送受信が可能であり、互いに異なる‘プロファイル’を有する無線電力送受信装置間には電力送受信が不可であると解釈されることができる。プロファイルは、電力クラスと関係なく(または、独立的に)互換可能可否及び/またはアプリケーションによって定義されることができる。
【0049】
プロファイルは、大いにi)モバイル及びコンピュータ、ii)電動ツール、及びiii)キッチン、このように3つに区分されることができる。
【0050】
または、プロファイルは、大いに、i)モバイル、ii)電動ツール、iii)キッチン、及びiv)ウェアラブル、このように四つに区分されることができる。
【0051】
‘モバイル’プロファイルの場合、PCはPC0及び/またはPC1、通信プロトコル/方式はIB及びOB、動作周波数は87~205kHzに定義されることができ、アプリケーションの例示として、スマートフォン、ラップ-トップなどが存在できる。
【0052】
‘電動ツール’プロファイルの場合、PCはPC1、通信プロトコル/方式はIB、動作周波数は87~145kHzに定義されることができ、アプリケーションの例示として電動ツールなどが存在できる。
【0053】
‘キッチン’プロファイルの場合、PCはPC2、通信プロトコル/方式はNFC-基盤、動作周波数は100kHz未満に定義されることができ、アプリケーションの例示としてキッチン/家電機器などが存在できる。
【0054】
電動ツールとキッチンプロファイルの場合、無線電力送信装置と受信装置との間にNFC通信が使われることができる。無線電力送信装置と受信装置は、WPC NDEF(NFC Data Exchange Profile Format)を交換することによって相互間にNFC機器であることを確認することができる。
【0055】
図4は、一実施例に係る無線電力システムのブロック図である。
【0056】
図4を参照すると、無線電力送信システム10は、無線で電力を受信するモバイル機器(Mobile Device)450及び無線で電力を送信するベースステーション(Base Station)400を含む。
【0057】
ベースステーション400は、誘導電力または共振電力を提供する装置であって、少なくとも一つの無線電力送信装置(power transmitter)100及びシステム回路405を含むことができる。無線電力送信装置100は、誘導電力または共振電力を送信し、送信を制御することができる。無線電力送信装置100は、1次コイル(primary coil(s))を介して磁場を生成することによって電気エネルギーを電力信号に変換する電力変換回路(power conversion circuit)110及び適切なレベルで電力を伝達するように無線電力受信装置200との通信及び電力伝達をコントロールする通信/コントロール回路(communications&control circuit)120を含むことができる。システム回路405は、入力電力プロビジョニング(provisioning)、複数の無線電力送信装置のコントロール、及びユーザインターフェース制御のようなベースステーション400のその他の動作制御を実行することができる。
【0058】
1次コイルは、交流電力(または電圧または電流)を利用して電磁場を発生させることができる。1次コイルは、電力変換回路110で出力される特定周波数の交流電力(または電圧または電流)の印加を受け、それによって、特定周波数の磁場を発生させることができる。磁場は、非放射形または放射形で発生でき、無線電力受信装置200は、これを受信して電流を生成するようになる。即ち、1次コイルは、無線で電力を送信する。
【0059】
磁気誘導方式で、1次コイルと2次コイルは、任意の適した形態を有することができ、例えば、フェライトまたは非晶質金属のような高透磁率の形成物の周囲に巻かれた銅線である。1次コイルは、送信コイル(transmitting coil)、1次コア(primary core)、1次ワインディング(primary winding)、1次ループアンテナ(primary loop antenna)などと呼ばれることもある。一方、2次コイルは、受信コイル(receiving coil)、2次コア(secondary core)、2次ワインディング(secondary winding)、2次ループアンテナ(secondary loop antenna)、ピックアップアンテナ(pickup antenna)などと呼ばれることもある。
【0060】
磁気共振方式を利用する場合、1次コイルと2次コイルは、各々、1次共振アンテナと2次共振アンテナの形態で提供されることができる。共振アンテナは、コイルとキャパシタを含む共振構造を有することができる。このとき、共振アンテナの共振周波数は、コイルのインダクタンスとキャパシタのキャパシタンスにより決定される。ここで、コイルは、ループの形態からなることができる。また、ループの内部にはコアが配置されることができる。コアは、フェライトコア(ferrite core)のような物理的なコアや空心コア(air core)を含むことができる。
【0061】
1次共振アンテナと2次共振アンテナとの間のエネルギー送信は、磁場の共振現象を介して行われることができる。共振現象とは、一つの共振アンテナで共振周波数に該当する近接場が発生する時、周囲に他の共振アンテナが位置する場合、両共振アンテナが互いにカップリングされて共振アンテナ間で高い効率のエネルギー伝達が発生する現象を意味する。1次共振アンテナと2次共振アンテナとの間で共振周波数に該当する磁場が発生すると、1次共振アンテナと2次共振アンテナが互いに共振する現象が発生し、それによって、一般的な場合、1次共振アンテナで発生した磁場が自由空間に放射される場合に比べて高い効率で2次共振アンテナに向かって磁場が執束され、したがって、1次共振アンテナから2次共振アンテナへ高い効率でエネルギーが伝達されることができる。磁気誘導方式は、磁気共振方式と類似するように具現されることができるが、このとき、磁場の周波数が共振周波数である必要はない。その代わりに、磁気誘導方式では1次コイルと2次コイルを構成するループ間の整合が必要であり、ループ間の間隔が相当近接しなければならない。
【0062】
図面には示されていないが、無線電力送信装置100は、通信アンテナをさらに含むこともできる。通信アンテナは、磁場通信以外の通信キャリアを利用して通信信号を送受信することができる。例えば、通信アンテナは、ワイパイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth)、ブルートゥースLE、ジグビー(ZigBee)、NFCなどの通信信号を送受信することができる。
【0063】
通信/コントロール回路120は、無線電力受信装置200と情報を送受信することができる。通信/コントロール回路120は、IB通信モジュールまたはOB通信モジュールのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0064】
IB通信モジュールは、特定周波数を中心周波数にする磁気波を利用して情報を送受信することができる。例えば、通信/コントロール回路120は、無線電力送信の動作周波数に通信情報を含ませて1次コイルを介して送信し、または情報が含まれている動作周波数を1次コイルを介して受信することによってイン-バンド通信を実行することができる。このとき、二進位相変位(BPSK:binary phase shift keying)、周波数変位(FSK:Frequency Shift Keying)または振幅変位(ASK:amplitude shift keying)などの変調方式と、マンチェスター(Manchester)コーディングまたはノンゼロ復帰レベル(NZR-L:non-return-to-zero level)コーディングなどのコーディング方式を利用して磁気波に情報を含んだり情報が含まれている磁気波を解釈することができる。このようなIB通信を利用すると、通信/コントロール回路120は、数kbpsのデータ送信率で数メートルに達する距離まで情報を送受信することができる。
【0065】
OB通信モジュールは、通信アンテナを介してアウト-バンド通信を実行することもできる。例えば、通信/コントロール回路120は、近距離通信モジュールで提供されることができる。近距離通信モジュールの例として、ワイパイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth)、ブルートゥースLE、ジグビー(ZigBee)、NFCなどの通信モジュールがある。
【0066】
通信/コントロール回路120は、無線電力送信装置100の全般的な動作を制御することができる。通信/コントロール回路120は、各種情報の演算及び処理を実行し、無線電力送信装置100の各構成要素を制御することができる。
【0067】
通信/コントロール回路120は、ハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせを利用してコンピュータやこれと類似した装置で具現されることができる。ハードウェア的に、通信/コントロール回路120は、電気的な信号を処理して制御機能を遂行する電子回路形態で提供されることができ、ソフトウェア的に、ハードウェア的な通信/コントロール回路120を駆動させるプログラム形態で提供されることができる。
【0068】
通信/コントロール回路120は、動作ポイント(operating point)をコントロールすることによって送信電力をコントロールすることができる。コントロールする動作ポイントは、周波数(または、位相)、デューティサイクル(duty cycle)、デューティ比(duty ratio)、及び電圧振幅の組み合わせに該当することができる。通信/コントロール回路120は、周波数(または、位相)、デューティサイクル、デューティ比、及び電圧振幅のうち少なくとも一つを調節して送信電力をコントロールすることができる。また、無線電力送信装置100は、一定の電力を供給し、無線電力受信装置200が共振周波数をコントロールすることによって受信電力をコントロールすることもできる。
【0069】
一方、WPCシステムで無線電力送信装置100は、例えば、電力送信量の観点で分類され得る。この時、最大5Wの無線電力送信量を支援する無線電力送信装置100(すなわち、BPPプロトコルを支援する無線電力送信装置100)は、例えば、タイプA(type A)の無線電力送信装置100、及びタイプB(type B)の無線電力送信装置100に分類され得、最大15Wの無線電力送信量を支援する無線電力送信装置100(すなわち、EPPプロトコルを支援する無線電力送信装置100)は、例えば、タイプMP A(type MP-A)の無線電力送信装置100、及びタイプMP B(type MP-B)の無線電力送信装置100に分類され得る。
【0070】
-タイプA及びタイプMP Aの無線電力送信装置100
【0071】
タイプA及びタイプMP Aの無線電力送信装置100には、一つ以上の1次コイルがあり得る。タイプA及びタイプMP Aの無線電力送信装置100は、一度に単一1次コイルを活性化するので、活性化された1次コイルと一致する単一プライマリセルが用いられてもよい。
【0072】
-タイプB及びタイプMP Bの無線電力送信装置100
【0073】
タイプB及びタイプMP Bの電力送信装置には、1次コイルアレイ(array)があり得る。そして、タイプB及びタイプMP Bの電力送信装置は、自由位置指定を可能にすることができる。このために、タイプB及びタイプMP Bの電力送信装置は、アレイで一つ以上の1次コイルを活性化して、インターフェース表面の他の位置でプライマリセルを実現することができる。
【0074】
モバイル機器450は、2次コイル(Secondary Coil)を介して無線電力を受信する無線電力受信装置(power receiver)200と無線電力受信装置200で受信された電力の伝達を受けて蓄電して機器に供給する負荷(load)455を含む。
【0075】
無線電力受信装置200は、電力ピックアップ回路(power pick-up circuit)210及び通信/コントロール回路(communications&control circuit)220を含むことができる。電力ピックアップ回路210は、2次コイルを介して無線電力を受信して電気エネルギーに変換できる。電力ピックアップ回路210は、2次コイルを介して得られる交流信号を整流して直流信号に変換する。通信/コントロール回路220は、無線電力の送信と受信(電力伝達及び受信)を制御することができる。
【0076】
2次コイルは、無線電力送信装置100で送信される無線電力を受信することができる。2次コイルは、1次コイルで発生する磁場を利用して電力を受信することができる。ここで、特定周波数が共振周波数である場合、1次コイルと2次コイルとの間に磁気共振現象が発生することで、より効率的に電力の伝達を受けることができる。
【0077】
一方、図4には図示しなかったが、通信/コントロール回路220は、通信アンテナをさらに含んでもよい。通信アンテナは、磁場通信以外の通信キャリアを利用して通信信号を送受信することができる。例えば、通信アンテナは、ワイパイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth)、ブルートゥースLE、ジグビー(ZigBee)、NFCなどの通信信号を送受信することができる。
【0078】
通信/コントロール回路220は、無線電力送信装置100と情報を送受信することができる。通信/コントロール回路220は、IB通信モジュールまたはOB通信モジュールのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0079】
IB通信モジュールは、特定周波数を中心周波数にする磁気波を利用して情報を送受信することができる。例えば、通信/コントロール回路220は、磁気波に情報を含ませて2次コイルを介して送信し、または情報が含まれている磁気波を2次コイルを介して受信することによってIB通信を実行することができる。このとき、二進位相変位(BPSK:binary phase shift keying)、周波数変位(FSK:Frequency Shift Keying)または振幅変位(ASK:amplitude shift keying)などの変調方式と、マンチェスター(Manchester)コーディングまたはノンゼロ復帰レベル(NZR-L:non-return-to-zero level)コーディングなどのコーディング方式を利用して磁気波に情報を含んだり情報が含まれている磁気波を解釈することができる。このようなIB通信を利用すると、通信/コントロール回路220は、数kbpsのデータ送信率で数メートルに達する距離まで情報を送受信することができる。
【0080】
OB通信モジュールは、通信アンテナを介してアウト-バンド通信を実行することもできる。例えば、通信/コントロール回路220は、近距離通信モジュールで提供されることができる。
【0081】
近距離通信モジュールの例として、ワイパイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth)、ブルートゥースLE、ジグビー(ZigBee)、NFCなどの通信モジュールがある。
【0082】
通信/コントロール回路220は、無線電力受信装置200の全般的な動作を制御することができる。通信/コントロール回路220は、各種情報の演算及び処理を実行し、無線電力受信装置200の各構成要素を制御することができる。
【0083】
通信/コントロール回路220は、ハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせを利用してコンピュータやこれと類似した装置で具現されることができる。ハードウェア的に、通信/コントロール回路220は、電気的な信号を処理して制御機能を遂行する電子回路形態で提供されることができ、ソフトウェア的に、ハードウェア的な通信/コントロール回路220を駆動させるプログラム形態で提供されることができる。
【0084】
通信/コントロール回路120及び通信/コントロール回路220がOB通信モジュールまたは近距離通信モジュールとして、ブルートゥースまたはブルートゥースLEである場合、通信/コントロール回路120及び通信/コントロール回路220は、それぞれ図5のような通信アーキテクチャで具現されて動作することができる。
【0085】
図5は、本明細書に係る一実施例が適用されることができるブルートゥース通信アーキテクチャ(Architecture)の一例を示した図である。
【0086】
図5を参照すると、図5の(a)は、GATTを支援するブルートゥースBR(Basic Rate)/EDR(Enhanced Data Rate)のプロトコルスタックの一例を示し、(b)は、ブルートゥースLE(Low Energy)のプロトコルスタックの一例を示す。
【0087】
具体的には、図5の(a)に示したように、ブルートゥースBR/EDRプロトコルスタックは、ホストコントローラインターフェース(Host Controller Interface、HCI、18)を基準として、上部のコントローラスタック(Controller stack)460、及び下部のホストスタック(Host Stack)470を含んでもよい。
【0088】
前記ホストスタック(またはホストモジュール)470は、2.4GHzのブルートゥース信号を受ける無線送受信モジュール、及びブルートゥースパケットを送信または受信するためのハードウェアを言い、前記コントローラスタック460は、ブルートゥースモジュールと連結されて、ブルートゥースモジュールを制御して動作を実行する。
【0089】
前記ホストスタック470は、BR/EDR PHY階層12、BR/EDR Baseband階層14、リンクマネージャ階層(Link Manager)16を含んでもよい。
【0090】
前記BR/EDR PHY階層12は、2.4GHz無線信号を送受信する階層で、GFSK(Gaussian Frequency Shift Keying)modulationを用いる場合、79個のRFチャンネルをホッピング(hopping)して、データを送信することができる。
【0091】
前記BR/EDR Baseband階層14は、デジタル信号(Digital Signal)を送信する役割を果たし、秒当たり1400回ホッピング(hopping)するチャンネルシーケンスを選択し、各チャンネル別625us長さのタイムスロット(time slot)を送信する。
【0092】
前記リンクマネージャ階層16は、LMP(Link Manager Protocol)を活用して、Bluetooth Connectionの全般的な動作(link setup、control、security)を制御する。
【0093】
前記リンクマネージャ階層16は、以下のような機能を実行することができる。
【0094】
-ACL/SCO logical transport、logical link setup及びcontrolをする。
【0095】
-Detach:connectionを中断し、中断理由を相手デバイスに知らせる。
【0096】
-Power control及びRole switchをする。
【0097】
-Security(authentication、pairing、encryption)機能を実行する。
【0098】
前記ホストコントローラインターフェース階層18は、ホスト(Host)モジュールとコントローラ(Controller)モジュールとの間のインターフェース提供して、ホスト(Host)がコマンド(command)とデータ(Data)をコントローラ(Controller)に提供するようにし、コントローラ(Controller)がイベント(event)とデータ(Data)をホスト(Host)に提供することができるようにする。
【0099】
前記ホストスタック(またはホストモジュール)20は、論理的リンク制御及び適応プロトコル(L2CAP)21、属性プロトコル(Protocol)22、一般属性プロファイル(Generic Attribute Profile、GATT)23、一般接近プロファイル(Generic Access Profile、GAP)24、BR/EDR プロファイル25を含む。
【0100】
前記論理的リンク制御及び適応プロトコル(L2CAP)21は、特定プロトコルまたはプロファイルにデータを送信するための一つの双方向チャンネルを提供することができる。
【0101】
前記L2CAP21は、ブルートゥース上位で提供する多様なプロトコル、プロファイルなどを多重化(multiplexing)することができる。
【0102】
ブルートゥースBR/EDRのL2CAPでは、動的な(dynamic)チャンネル使用し、protocol service multiplexer、retransmission、streaming modeを支援し、Segmentation及びreassembly、per-channel flow control、error controlを提供する。
【0103】
前記一般属性プロファイル(GATT)23は、サービスの構成時に前記属性プロトコル22がどのように利用されるかを説明するプロトコルとして動作することができる。例えば、前記一般属性プロファイル23は、ATT属性がどのようにサービスとして共にグループ化されるかを規定するように動作することができ、サービスと連携された特徴を説明するように動作することができる。
【0104】
したがって、前記一般属性プロファイル23及び前記属性プロトコル(ATT)22は、デバイスの状態とサービスを説明し、特徴が互いにどのように関連され、これらがどのように利用されるのかを説明するために、特徴を用いることができる。
【0105】
前記属性プロトコル22及び前記BR/EDR プロファイル25は、ブルートゥースBR/EDRを利用するサービス(profile)の定義及びこれらデータを取り交わすためのアプリケーション(application)プロトコルを定義し、前記一般接近プロファイル(Generic Access Profile、GAP)24は、デバイス発見、接続、及びセキュリティレベルを定義する。
【0106】
図5の(b)に示したように、ブルートゥースLEプロトコルスタックは、タイミングが重要な無線装置インターフェースを処理するように動作可能なコントローラスタック(Controller stack)480、及び高レベル(high level)データを処理するように動作可能なホストスタック(Host stack)490を含む。
【0107】
まず、コントローラスタック480は、ブルートゥース無線装置を含むことができる通信モジュール、例えば、マイクロプロセッサのようなプロセシングデバイスを含むことができるプロセッサモジュールを利用して具現されることができる。
【0108】
ホストスタック490は、プロセッサモジュール上において作動するOSの一部であって、またはOS上のパッケージ(package)のインスタンス生成(instantiation)により具現されることができる。
【0109】
一部事例において、コントローラスタック及びホストスタックは、プロセッサモジュール内の同じプロセシングデバイス上において作動または実行されることができる。
【0110】
前記コントローラスタック480は、物理階層(Physical Layer、PHY)32、リンク階層(Link Layer)34、及びホストコントローラインターフェース(Host Controller Interface)36を含む。
【0111】
前記物理階層(PHY、無線送受信モジュール)32は、2.4GHz無線信号を送受信する階層であって、GFSK(Gaussian Frequency Shift Keying)modulationと40個のRFチャンネルで構成された周波数ホッピング(frequency hopping)技法を使用する。
【0112】
ブルートゥースパケットを送信または受信する機能を果たす前記リンク階層34は、3個のAdvertisingチャンネルを利用してAdvertising、Scanning機能を実行した後にデバイス間接続を生成し、37個のDataチャンネルを介して最大257bytesのデータパケットを取り交わす機能を提供する。
【0113】
前記ホストスタックは、GAP(Generic Access Profile)40、論理的リンク制御及び適応プロトコル(L2CAP)41、セキュリティマネジャ(Security Manager、SM)42、属性プロトコル(Attribute Protocol、ATT)440、一般属性プロファイル(Generic Attribute Profile、GATT)44、一般接近プロファイル(Generic Access Profile)25、LTプロファイル46を含んでもよい。ただし、前記ホストスタック490は、これに限定されず、多様なプロトコル及びプロファイルを含んでもよい。
【0114】
ホストスタックは、L2CAPを使用してブルートゥース上位で提供する多様なプロトコル、プロファイルなどを多重化(multiplexing)する。
【0115】
まず、L2CAP(Logical Link Control and Adaptation Protocol)41は、特定プロトコルまたはプロファイルにデータを送信するための一つの双方向チャンネルを提供することができる。
【0116】
前記L2CAP41は、上位階層プロトコルの間でデータを多重化(multiplex)し、パッケージ(package)を分割(segment)及び再組み立て(reassemble)し、マルチキャストデータ送信を管理するように動作可能であり得る。
【0117】
ブルートゥースLEでは、3個の固定チャンネル(signaling CHのために1個、Security Managerのために1個、Attribute protocolのために1個)を基本的に用いる。そして、必要に応じて、動的チャンネルを用いてもよい。
【0118】
一方、BR/EDR(Basic Rate/Enhanced Data Rate)では、動的なチャンネルを基本的に用い、protocol service multiplexer、retransmission、streaming modeなどを支援する。
【0119】
SM(Security Manager)42は、デバイスを認証し、キー分配(key distribution)を提供するためのプロトコルである。
【0120】
ATT(Attribute Protocol)43は、サーバ-クライアント(Server-Client)構造で相手側デバイスのデータを接近するための規則を定義する。ATTには、以下の6種類のメッセージ類型(Request、Response、Command、Notification、Indication、Confirmation)がある。
【0121】
(1)Request及びResponseメッセージ:Requestメッセージは、クライアントデバイスからサーバデバイスに特定情報を要請及び伝達するためのメッセージであり、Responseメッセージは、Requestメッセージに対する応答メッセージであって、サーバデバイスからクライアントデバイスに送信される用途で使用できるメッセージを意味する。
【0122】
(2)Commandメッセージ:クライアントデバイスからサーバデバイスに主に特定動作の命令を指示するために送信するメッセージであって、サーバデバイスは、Commandメッセージに対する応答をクライアントデバイスに送信しない。
【0123】
(3)Notificationメッセージ:サーバデバイスからクライアントデバイスにイベントなどのような通知のために送信するメッセージであって、クライアントデバイスは、Notificationメッセージに対する確認メッセージをサーバデバイスに送信しない。
【0124】
(4)Indication及びConfirmメッセージ:サーバデバイスからクライアントデバイスにイベントなどのような通知のために送信するメッセージであって、Notificationメッセージとは異なり、クライアントデバイスは、Indicationメッセージに対する確認メッセージ(Confirm message)をサーバデバイスに送信する。
【0125】
本明細書は、前記属性プロトコル(ATT)43を用いるGATTプロファイルで長いデータの要請時に、データ長さに対する値を送信して、クライアントがデータ長さを明確に分かるようにし、UUIDを利用してサーバから特性(Characteristic)値を受信することができる。
【0126】
前記一般接近プロファイル(GAP)45は、ブルートゥースLE技術のために新しく具現された階層であって、ブルートゥースLEデバイス間の通信のための役割選択、マルチプロファイル作動がどのように起きるかを制御するのに用いられる。
【0127】
また、前記一般接近プロファイル45は、デバイス発見、接続生成及びセキュリティ手順部分に主に用いられ、ユーザに情報を提供する方案を定義し、下記のようなattributeのタイプを定義する。
【0128】
(1)Service:データと関連したbehaviorの組み合わせでデバイスの基本的な動作を定義
【0129】
(2)Include:サービス間の関係を定義
【0130】
(3)Characteristics:サービスで使用されるdata値
【0131】
(4)Behavior:UUID(Universal Unique Identifier、value type)で定義されたコンピュータが読むことができるフォーマット
【0132】
前記LEプロファイル46は、GATTに依存性を有するプロファイルであって、主にブルートゥースLEデバイスに適用される。LEプロファイル46は、例えば、Battery、Time、FindMe、Proximity、Timeなどがあり得、GATT-based Profilesの具体的な内容は、下記の通りである。
【0133】
(1)Battery:バッテリ情報交換方法
【0134】
(2)Time:時間情報交換方法
【0135】
(3)FindMe:距離に応じるアラームサービス提供
【0136】
(4)Proximity:バッテリ情報交換方法
【0137】
(5)Time:時間情報交換方法
【0138】
前記一般属性プロファイル(GATT)44は、サービスの構成時に前記属性プロトコル43がどのように利用されるかを説明するプロトコルとして動作可能であり得る。例えば、前記一般属性プロファイル44は、ATT属性がどのようにサービスとして共にグループ化されるかを規定するように動作可能であり得、サービスと関連した特徴を説明するように動作可能であり得る。
【0139】
したがって、前記一般属性プロファイル44及び前記属性プロトコル(ATT)43は、デバイスの状態とサービスを説明し、特徴が互いにどのように関連しこれらがどのように利用されるかを説明するために、特徴を使用することができる。
【0140】
以下、ブルートゥース低電力エネルギー(Bluetooth Low Energy:BLE)技術の手順(Procedure)について簡単に説明する。
【0141】
BLE手順は、デバイスフィルタリング手順(Device Filtering Procedure)、広告手順(Advertising Procedure)、スキャニング手順(Scanning Procedure)、ディスカバーリング手順(Discovering Procedure)、接続手順(Connecting Procedure)などに分けられることができる。
【0142】
デバイスフィルタリング手順(Device Filtering Procedure)
【0143】
デバイスフィルタリング手順は、コントローラスタックで要請、指示、お知らせなどに対する応答を実行するデバイスの数を減らすための方法である。
【0144】
すべてのデバイスで要請を受信する際、これに対して応答することが必要としないから、コントローラスタックは、要請を送信する数を減らして、BLEコントローラスタックで電力消費が減るように制御できる。
【0145】
広告デバイスまたはスキャニングデバイスは、広告パケット、スキャン要請または接続要請を受信するデバイスを制限するために、前記デバイスフィルタリング手順を実行することができる。
【0146】
ここで、広告デバイスは、広告イベントを送信する、すなわち、広告を実行するデバイスのことを言い、広告者(Advertiser)とも表現される。
【0147】
スキャニングデバイスは、スキャニングを実行するデバイス、スキャン要請を送信するデバイスを言う。
【0148】
BLEでは、スキャニングデバイスが一部広告パケットを広告デバイスから受信する場合、前記スキャニングデバイスは、前記広告デバイスにスキャン要請を送ることを必要とする。
【0149】
しかしながら、デバイスフィルタリング手順が用いられてスキャン要請の送信が不必要な場合、前記スキャニングデバイスは、広告デバイスから送信される広告パケットを無視できる。
【0150】
接続要請過程でもデバイスフィルタリング手順が使用されることができる。仮に、接続要請過程でデバイスフィルタリングが用いられる場合、接続要請を無視することによって、前記接続要請に対する応答を送信する必要がなくなる。
【0151】
広告手順(Advertising Procedure)
【0152】
広告デバイスは、領域内のデバイスで無指向性のブロードキャストを実行するために、広告手順を実行する。
【0153】
ここで、無指向性のブロードキャスト(Undirected Advertising)は、特定デバイスに向けたブロードキャストではない全(すべての)デバイスに向けた広告(Advertising)であり、すべてのデバイスが広告(Advertising)をスキャン(Scan)して追加情報要請や接続要請をすることができる。
【0154】
これと異なり、指向性ブロードキャスト(Directed advertising)は、受信デバイスに指定されたデバイスのみ広告(Advertising)をスキャン(Scan)して追加情報要請や接続要請をすることができる。
【0155】
広告手順は、近くの開始デバイスとブルートゥースの接続を確立するために用いられる。
【0156】
または、広告手順は、広告チャンネルでリスニングを実行しているスキャニングデバイスにユーザデータの周期的なブロードキャストを提供するために用いられることができる。
【0157】
広告手順ですべての広告(または広告イベント)は、広告物理チャンネルを介してブロードキャストされる。
【0158】
広告デバイスは、広告デバイスから追加的なユーザデータを得るために、リスニングを実行しているリスニングデバイスからスキャン要請を受信することができる。広告デバイスは、スキャン要請を受信した広告物理チャンネルと同じ広告物理チャンネルを介して、スキャン要請を送信したデバイスにスキャン要請に対する応答を送信する。
【0159】
広告パケットの一部分として送られるブロードキャストユーザデータは、動的なデータであることに対し、スキャン応答データは、一般的に静的なデータである。
【0160】
広告デバイスは、広告(ブロードキャスト)物理チャンネル上において開始デバイスから接続要請を受信することができる。仮に、広告デバイスが接続可能な広告イベントを使用し、開始デバイスがデバイスフィルタリング手順によりフィルタリングされないと、広告デバイスは、広告を中止し接続モード(connected mode)に進む。広告デバイスは、接続モード以後に再度広告を始めることができる。
【0161】
スキャニング手順(Scanning Procedure)
【0162】
スキャニングを実行するデバイス、すなわち、スキャニングデバイスは、広告物理チャンネルを使用する広告デバイスからユーザデータの無指向性ブロードキャストを聴取するためにスキャニング手順を実行する。
【0163】
スキャニングデバイスは、広告デバイスから追加的なデータを要請するために、広告物理チャンネルを介してスキャン要請を広告デバイスに送信する。広告デバイスは、広告物理チャンネルを介してスキャニングデバイスで要請した追加的なデータを含んで、前記スキャン要請に対する応答であるスキャン応答を送信する。
【0164】
前記スキャニング手順は、BLEピコネットで他のBLEデバイスと接続される間に使用されることができる。
【0165】
仮に、スキャニングデバイスがブロードキャストされる広告イベントを受信し、接続要請を開始できるイニシエーターモード(initiator mode)にある場合、スキャニングデバイスは、広告物理チャンネルを介して広告デバイスに接続要請を送信することによって、広告デバイスとブルートゥース接続を始めることができる。
【0166】
スキャニングデバイスが広告デバイスに接続要請を送信する場合、スキャニングデバイスは、追加的なブロードキャストのためのイニシエーターモードスキャニングを中止し、接続モードに進む。
【0167】
ディスカバーリング手順(Discovering Procedure)
【0168】
ブルートゥース通信が可能なデバイス(以下、「ブルートゥースデバイス」という。)は、近くに存在するデバイスを発見するためにまたは与えられた領域内で他のデバイスによって発見されるために広告手順とスキャニング手順を実行する。
【0169】
ディスカバーリング手順は、非対称的に実行される。周囲の他のデバイスを探そうとするブルートゥースデバイスをディスカバーリングデバイス(discovering device)と言い、スキャン可能な広告イベントを広告するデバイスを探すためにリスニングする。他のデバイスから発見されて利用可能なブルートゥースデバイスをディスカバラブルデバイス(discoverable device)と言い、積極的に広告 (ブロードキャスト)物理チャンネルを介して他のデバイスがスキャン可能に広告イベントをブロードキャストする。
【0170】
ディスカバーリングデバイスとディスカバラブルデバイスともピコネットで他のブルートゥースデバイスと既に接続されていることができる。
【0171】
接続手順(Connecting Procedure)
【0172】
接続手順は、非対称的であり、接続手順は、特定ブルートゥースデバイスが広告手順を実行する間に、他のブルートゥースデバイスは、スキャニング手順を実行することを要求する。
【0173】
すなわち、広告手順が目的になることができ、その結果、ただ一つのデバイスのみ広告に応答するはずである。広告デバイスから接続可能な広告イベントを受信した以後、広告(ブロードキャスト)物理チャンネルを介して広告デバイスに接続要請を送信することによって、接続を開始できる。
【0174】
次に、BLE技術での動作状態、すなわち、広告状態(Advertising State)、スキャニング状態(Scanning State)、開始状態(Initiating State)、接続状態(connection state)について簡単に説明する。
【0175】
広告状態(Advertising State)
【0176】
リンク階層(LL)は、ホスト (スタック)の指示によって広告状態に入る。リンク階層が広告状態にある場合、リンク階層は、広告イベントなどから広告PDU(Packet Data Circuit)を送信する。
【0177】
それぞれの広告イベントは、少なくとも一つの広告PDUから構成され、広告PDUは、使用される広告チャンネルインデックスを介して送信される。広告イベントは、広告PDUが使用される広告チャンネルインデックスを介してそれぞれ送信された場合、終了または広告デバイスが他の機能実行のために空間を確保する必要がある場合、さらに早く広告イベントを終了できる。
【0178】
スキャニング状態(Scanning State)
【0179】
リンク階層は、ホスト(スタック)の指示によってスキャニング状態に入る。スキャニング状態で、リンク階層は、広告チャンネルインデックスをリスニングする。
【0180】
スキャニング状態には、受動的スキャニング(passive scanning)、積極的スキャニング(active scanning)の2つのタイプがあり、各スキャニングタイプは、ホストにより決定される。
【0181】
スキャニングを行うための別途の時間または広告チャネルインデックスが定義されない。
【0182】
スキャニング状態の間に、リンク階層は、スキャンウィンドウ(scan Window)区間(duration)の間に広告チャネルインデックスをリスニングする。スキャンインターバル(scan Interval)は、2つの連続的なスキャンウィンドウの開始点間の間隔(インターバル)として定義される。
【0183】
リンク階層は、スケジューリングの衝突がない場合、ホストにより指示されるように、スキャンウィンドウのすべてのスキャンインターバル完成のためにリスニングしなければならない。各スキャンウィンドウにおけるリンク階層は、他の広告チャネルインデックスをスキャンしなければならない。リンク階層は、使用可能なすべての広告チャネルインデックスを使用する。
【0184】
受動的なスキャニングであるとき、リンク階層は、ただパケットだけを受信し、いかなるパケットも送信できない。
【0185】
能動的なスキャニングであるとき、リンク階層は、広告デバイスに広告PDUと広告デバイス関連追加的な情報を要請できる広告PDUタイプに依存するためにリスニングを行う。
【0186】
開始状態(Initiating State)
【0187】
リンク階層は、ホスト(スタック)の指示により開始状態に入る。
【0188】
リンク階層が開始状態にあるとき、リンク階層は、広告チャネルインデックスに対するリスニングを行う。
【0189】
開始状態の間に、リンク階層は、スキャンウィンドウ区間の間に広告チャネルインデックスをリスニングする。
【0190】
(接続状態(connection state))
【0191】
リンク階層は、接続要請を行うデバイス、すなわち、開始デバイスがCONNECT_REQ PDUを広告デバイスに送信する時または広告デバイスが開始デバイスからCONNECT_REQ PDUを受信する時に接続状態に入る。
【0192】
接続状態に入った以後、接続が生成されると考慮される。ただし、接続が接続状態に入った時点で確立されるように考慮される必要はない。新しく生成された接続と予め確立された接続間の唯一の差は、リンク階層接続監督タイムアウト(supervision timeout)値だけである。
【0193】
両デバイスが接続されているとき、両デバイスは、異なる役割を果たす。
【0194】
マスター役割を果たすリンク階層は、マスターと呼ばれ、スレーブ役割を果たすリンク階層は、スレーブと呼ばれる。マスターは、接続イベントのタイミングを調節し、接続イベントは、マスターとスレーブ間の同期化される時点をいう。
【0195】
以下では、ブルートゥースインターフェースで定義されるパケットについて簡単に説明する。BLEデバイスは、以下で定義されるパケットを用いる。
【0196】
パケットフォーマット(Packet Format)
【0197】
リンク階層(Link Layer)は、広告チャネルパケットとデータチャネルパケットの両方のために使用される一つのパケットフォーマットのみを有する。
【0198】
各パケットは、プリアンブル(Preamble)、接続アドレス(Access Address)、PDU(Packet Data Unit)及びCRCの4つのフィールドから構成される。
【0199】
一つのパケットが広告物理チャネルから送信されるとき、PDUは、広告チャネルPDUになるはずで、一つのパケットがデータ物理チャネルから送信されるとき、PDUは、データチャネルPDUになるはずである。
【0200】
広告チャンネル PDU(Advertising Channel PDU)
【0201】
広告チャンネルPDU(Packet Data Circuit)は、16ビットヘッダと多様な大きさのペイロードを有する。
【0202】
ヘッダに含まれる広告チャンネルPDUのPDUタイプフィールドは、下記表1で定義されたようなPDUタイプを示す。
【0203】
【表1】
【0204】
広告PDU(Advertising PDU)
【0205】
以下の広告チャネルPDUタイプは、広告PDUと呼ばれ、具体的なイベントで使用される。
【0206】
ADV_IND:接続可能な無指向性広告イベント
【0207】
ADV_DIRECT_IND:接続可能な指向性広告イベント
【0208】
ADV_NONCONN_IND:接続できない無指向性広告イベント
【0209】
ADV_SCAN_IND:スキャン可能な無指向性広告イベント
【0210】
前記PDUは、広告状態でリンク階層(Link Layer)から送信され、スキャニング状態または開始状態(Initiating State)でリンク階層により受信される。
【0211】
スキャニングPDU(Scanning PDU)
【0212】
以下の広告チャネルPDUタイプは、スキャニングPDUと呼ばれ、下記で説明される状態で使用される。
【0213】
SCAN_REQ:スキャニング状態でリンク階層により送信され、広告状態でリンク階層により受信される。
【0214】
SCAN_RSP:広告状態でリンク階層により送信され、スキャニング状グ状態でリンク階層により受信される。
【0215】
開始PDU(Initiating PDUs)
【0216】
以下の広告チャネルPDUタイプは、開始PDUと呼ばれる。
【0217】
CONNECT_REQ:開始状態でリンク階層により送信され、広告状態でリンク階層により受信される。
【0218】
データチャネルPDU(Data Channel PDU)
【0219】
データチャネルPDUは、16ビットヘッダ、多様な大きさのペイロードを有し、メッセージ無欠点チェック(Message Integrity C
heck:MIC)フィールドを含むことができる。
【0220】
前述したように、BLE技術での手順、状態、パケットフォーマットなどは、本明細書で提案する方法を実行するために適用されることができる。
【0221】
再び、図4を参照すると、負荷455はバッテリである。バッテリは、電力ピックアップ回路210から出力される電力を利用してエネルギーを保存することができる。一方、モバイル機器450にバッテリが必ず含まれるべきものではない。例えば、バッテリは、脱着が可能な形態の外部構成で提供されることができる。他の例として、無線電力受信装置200には電子機器の多様な動作を駆動する駆動手段がバッテリの代わりに含まれることもできる。
【0222】
モバイル機器450は、無線電力受信装置200を含むと図示されており、ベースステーション400は、無線電力送信装置100を含むと図示されているが、広い意味で、無線電力受信装置200は、モバイル機器450と同一視されることができ、無線電力送信装置100は、ベースステーション400と同一視されることもできる。
【0223】
通信/コントロール回路120と通信/コントロール回路220がIB通信モジュール以外にOB通信モジュールまたは近距離通信モジュールとしてブルートゥースまたはブルートゥースLEを含む場合、通信/コントロール回路120を含む無線電力送信装置100と通信/コントロール回路220を含む無線電力受信装置200は、図6のような単純化されたブロック図で表現されることができる。
【0224】
図6は、一例によるBLE通信を利用する無線電力送信システムを示したブロック図である。
【0225】
図6を参照すると、無線電力送信装置100は、電力変換回路110、及び通信/コントロール回路120を含む。通信/コントロール回路120は、インバンド通信モジュール121、及びBLE通信モジュール122を含む。
【0226】
一方、無線電力受信装置200は、電力ピックアップ回路210、及び通信/コントロール回路220を含む。通信/コントロール回路220は、インバンド通信モジュール221、及びBLE通信モジュール222を含む。
【0227】
一側面において、BLE通信モジュール122、222は、図5によるアーキテクチャ及び動作を実行する。例えば、BLE通信モジュール122、222は、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間の接続を確立し、無線電力送信に必要な制御情報とパケットを交換するのに用いられてもよい。
【0228】
他の側面において、通信/コントロール回路120は、無線充電のためのプロファイルを動作させるように構成されてもよい。ここで、無線充電のためのプロファイルは、BLE送信を利用するGATTであってもよい。
【0229】
図7は、他の例によるBLE通信を利用する無線電力送信システムを示したブロック図である。
【0230】
図7を参照すると、通信/コントロール回路120、220は、それぞれインバンド通信モジュール121、221のみを含み、BLE通信モジュール122、222は、通信/コントロール回路120、220と分離して備えられる形態も可能である。
【0231】
以下、コイルまたはコイル部は、コイル及びコイルと近接した少なくとも一つの素子を含んで、コイルアセンブリー、コイルセルまたはセルとして指称してもよい。
【0232】
一方、ユーザが無線電力送信装置100の作動空間内に無線電力受信装置200を配置すると、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200両方とも電力送信を構成及び制御するための目的で通信を始める。この時、電力シグナルは、すべての通信に対してキャリアを提供することができ、通信に対するプロトコルは、複数の段階で構成されることができる。以下、通信プロトコルについて説明する。
【0233】
図8は、無線電力送信手順を説明するための状態遷移図である。
【0234】
WPCでは2つの通信プロトコルを定義することができる。
【0235】
-ベースラインプロトコル(或はBPP):無線電力受信装置200から無線電力送信装置100への一方向通信のみを支援するオリジナルプロトコルを意味することができる。
【0236】
-拡張されたプロトコル(或はEPP):双方向通信及び向上されたFOD(foreign object detection)機能を支援し、データ送信ストリーム機能及び認証オプションも支援することができる。
【0237】
図8を参照すると、本明細書の一実施例に係る、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間の電力伝達動作は大きく、ピンフェーズ810(Ping Phase)、構成フェーズ820(Configuration Phase)、交渉フェーズ830(Negotiation Phase)、及び電力送信フェーズ(Power Transfer Phase)に分けられることができる。
【0238】
-ピンフェーズ810
【0239】
ピンフェーズ810で、無線電力送信装置100は無線電力受信装置200との通信の確立を試みる(try)ことができる。通信の確立を試みる前に、測定が行われてもよく、測定によって電力の送信中に損傷または加熱される可能性がある銀行カード、小銭またはその他金属のような物体があるか否かが確認されることができる。ここで、このような測定は、無線電力受信装置200を覚まさずに行われてもよい。
【0240】
ここで、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200から設計情報(design information)を得た後、検出された金属が異物(foreign object)であるか、或いは親和的な金属(friendly metal)であるかに対する結論を交渉フェーズ830に延期することができる。
【0241】
-構成フェーズ820
【0242】
構成フェーズ820で、無線電力受信装置200は、基本識別及び構成データ(basic identification and configuration data)を無線電力受信装置200に送信することができる。そして、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200の両側は、この情報を用いてベースライン(baseline)電力送信契約(power transfer contract)を生成することができる。
【0243】
また、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、構成フェーズ820でベースラインプロトコル(Baseline Protocol)または拡張されたプロトコル(Extended Protocol)を継続するか否かを決めることができる。
【0244】
ここで、無線電力受信装置200は、拡張されたプロトコルを具現する場合のみ向上されたFOD、データ送信ストリーム及び認証のような機能を利用することができる。
【0245】
-交渉フェーズ830
【0246】
交渉フェーズ830で、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200は、追加的な設定及び制限を含む拡張された電力送信契約(extended power transfer contract)を設定することができる。また、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100に設計情報を提供することができる。後で、設計情報は電力送信フェーズ840に切り替える前にFODを完了するのに用いられることができる。
【0247】
ここで、交渉フェーズ830は、ベースラインプロトコルでは存在しない段階に対応し得る。
【0248】
-電力送信フェーズ840
【0249】
電力送信フェーズ840は、無線電力受信装置200のロードに電力が伝達される段階であり得る。
【0250】
拡張プロトコルで、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200は、この段階が始まる時にシステム補正(system calibration)を行うことができる。電力伝達契約の要素を再交渉するために、この段階がたまに中断されることがあるが、このような再交渉中にも電力伝達は継続されてもよい。
【0251】
以下、前述した、ピンフェーズ810(Ping Phase)、構成フェーズ820(Configuration Phase)、交渉フェーズ830(Negotiation Phase)、及び電力送信フェーズ840(Power Transfer Phase)に対するプロトコルについてそれぞれより具体的に説明する。
【0252】
1.ピンフェーズ810
【0253】
ピンフェーズ810が開始される時、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200が作動ボリューム内にあるか否かをまだ分からない。また、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200を認知することができない。その理由として、このシステムは一般的にパワーシグナルの不足により非活性化されているからである。
【0254】
このような状況で、無線電力送信装置100が無線電力受信装置200からの応答を要請するためのデジタルピンを始める前に、無線電力送信装置100は次の段階を経てもよい。
【0255】
図9は、ピンフェーズ810のプロトコルに対する一例を概略的に示したのである。
【0256】
図9によれば、無線電力送信装置100は、アナログピンを実行することができる(S910)。すなわち、無線電力送信装置100は、アナログピンを送信して、作動空間(operating volume)内に物体が存在するか否かを確認することができる。例えば、無線電力送信装置は、送信コイルまたは1次コイル(Primary Coil)の電流変化に基づいて、作動空間内に物体が存在するか否かを感知することができる。
【0257】
無線電力送信装置100は、NFCタグ保護を適用することができる(S920)。ここで、NFCタグの保護は、次のような手順によって実行されることができる。
【0258】
a)まず、感知された個体の一つ以上がNFCタグを含むか否かが確認されることができる。
【0259】
b)以後に、NFCタグが含まれた物体の場合、損傷されることなく電源信号を耐えることができるか否かを確認することができる。
【0260】
c)無線電力送信装置100がNFCタグが電力信号を耐えられないと判断する場合、デジタルピンを始めずにピン段階を保持し、無線電力送信装置100は、実行し続けない理由をユーザに知らせることができる。
【0261】
無線電力送信装置100は、異物の感知を実行することができる(S930)。すなわち、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200以外の異物があるか否かを判断するのに役に立つ情報を収集することができる。このために、無線電力送信装置100は、フリー-パワーFOD方式等のような多様な方式を用いることができる。
【0262】
一方、前述した、3つの段階(S910、S920、S930)では、無線電力受信装置が動作しなくてもよい。
【0263】
無線電力送信装置100が上の段階を実行し、作動空間に潜在的に無線電力受信装置200があると判断する場合、無線電力送信装置100は、デジタルピンを開始することができる(S940)。ここで、デジタルピンは、SIG(signal strength)データパケットまたはEPT(End Power Transfer)データパケットのような応答を無線電力受信装置200に要請することができる。
【0264】
その後、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200からSIGまたはEPTを受信することができる(S950)。ここで、SIGデータパケットは、カップリングの測定を提供することができ、SIGデータパケットは、信号強度値に対する情報を含むことができる。また、EPTデータパケットは、電源送信中止要請と要請理由を提供することができる。
【0265】
仮に、無線電力送信装置100が無線電力受信装置200から上記のような応答を受信できない場合には、無線電力送信装置100は、ピンフェーズ810に止まりながら、上記のような段階を繰り返すことができる。
【0266】
2.構成フェーズ820
【0267】
構成フェーズ820は、次のようなプロトコルの一部である。
【0268】
-無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100に自分を識別させることができる。
【0269】
-無線電力受信装置200と無線電力送信装置100は、ベースライン電力伝達契約を確立することができる。
【0270】
-無線電力受信装置200と無線電力送信装置100は、電力送信に用いるプロトコル変形を決めることができる。
【0271】
構成フェーズ820で、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200は、デジタルピンパラメータを使用して動作し続けることができる。これは無線電力送信装置100と無線電力受信装置200両方の電力及び電流レベルは、ユーザが作動空間内の位置で無線電力受信装置200を移動する場合のみ変更されることを意味することができる。
【0272】
以下、構成フェーズ820でのプロトコルをより具体的に説明する。
【0273】
図10は、構成フェーズ820のプロトコルに対する一例を概略的に示したのである。
【0274】
図10によれば、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200からID(identification)を受信することができる(S1010)。または、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200からXID(extended identification)も受信することができる(S1020)。すなわち、無線電力受信装置200は、IDデータパケット及び選択的にXIDデータパケットを利用して無線電力受信装置200自体を識別させることができる。
【0275】
無線電力送信装置100は、選択的に無線電力受信装置200からPCH(power control hold-off)データパケットを受信することができ(S1030)、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200からCFGデータパケットを受信することができる(S1040)。すなわち、無線電力受信装置200は、PCH及び/またはCFGデータパケットを利用して、電力伝達契約での使用のためのデータを提供することができる。
【0276】
最後に、無線電力送信装置100は、できれば拡張されたプロトコルを確認することができる(S1050)。
【0277】
前述した各データパケットを要約して整理すれば、以下の通りである。
【0278】
-ID:IDデータパケットは、無線電力受信装置200を識別する情報であり得る。ここで、IDには、製造社コード、基本デバイス識別子などを含んでもよい。また、IDには、設定フェーズでXIDデータパケットの存在有無を識別する情報も含んでもよい。
【0279】
-XID:XIDデータパケットには、追加識別データが含まれてもよい。
【0280】
-PCH:PCHデータパケットは、CEデータパケットの受信と無線電力送信装置100がコイル電流調整を始める間の遅延を構成することができる。
【0281】
-CFG:CFGデータパケットは、基本構成データを提供することができる。
【0282】
例えば、CFGデータパケットは、ベースラインプロトコルで電力送信を勧めるすべてのパラメータを提供することができる。同時に、CFGデータパケットは、拡張プロトコルで用いられるすべてのFSK通信パラメータを提供することができる。また、CFGデータパケットは、無線電力受信装置200の追加機能を提供することができる。
【0283】
図11は、一実施例に係る無線電力受信装置の構成パケット(CFG)のメッセージフィールドを示した図面である。
【0284】
図11によれば、一実施例に係る構成パケット(CFG)は、0x51のヘッダ値を有してもよく、構成パケット(CFG)のメッセージフィールドには、1ビットの認証(AI)フラグ、および1ビットのアウトバンド(OB)フラグが含まれてもよい。
【0285】
認証フラグ(AI)は、無線電力受信装置が認証機能を支援するか否かを指示する。例えば、認証フラグ(AI)の値が「1」である場合、無線電力受信装置が認証機能を支援するか、認証イニシエータ(Authentication Initiator)として動作できることを指示し、認証フラグ(AI)の値が「0」である場合、無線電力受信装置が認証機能を支援しないか、認証イニシエータとして動作できないことを指示することができる。
【0286】
アウトバンド(OB)フラグは、無線電力受信装置がアウトバンド通信を支援するか否かを指示する。例えば、アウトバンド(OB)フラグの値が「1」である場合、無線電力受信装置がアウトバンド通信を指示し、アウトバンド(OB)フラグの値が「0」である場合、無線電力受信装置がアウトバンド通信を支援しないことを指示することができる。
【0287】
前述したID及び/またはXIDの提供は、識別のためである。そして、PCH及び/またはCFGの提供は、電力伝達契約の構築(build)のためである。
【0288】
3.交渉フェーズ830
【0289】
交渉フェーズ830は、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200が電力送信契約を変更することができる拡張プロトコルの一部である。この段階には2つの類型がある。
【0290】
-交渉フェーズ830:交渉フェーズ830は、構成フェーズ820以後に直接つながり、初期拡張電力送信契約を生成する役割を果たす。同時に、交渉フェーズ830は、前置電力(pre-power)FOD機能を完了する役割も果たす。ここで、交渉段階の長さは制限されない。
【0291】
-再交渉フェーズ:再交渉フェーズは、電力送信フェーズ840を複数回中断することができ、一般的に電力伝達契約の単一要素を調整する役割を果たす。また、FOD/qf、FOD/rf及びSRQ/rprデータパケットは、再交渉段階では利用されなくてもよい。電力送信フェーズ840でのCEデータパケットに対する制約は、再交渉段階の長さを制限する。
【0292】
交渉段階または再交渉段階で、無線電力受信装置と無線電力送信装置との間の無線電力の受信/送信と関連する電力送信契約(Power Transfer Contract)を拡張または変更したり、電力送信契約の要素の少なくとも一部を調整する電力送信契約の更新が行われたり、アウトバンド通信を確立するための情報の交換が行われてもよい。
【0293】
図12は、一実施例に係る交渉段階または再交渉段階のプロトコルを概略的に示した流れ図である。
【0294】
図12を参照すると、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200からFOD状態データパケット(e.g.FOD)を受信することができる(S1210)。ここで、無線電力受信装置200は、FOD状態データパケットを用いてその存在がレファレンス無線電力送信装置100の選択された属性に及ぶ影響を無線電力送信装置100に知らせることができる。そして、無線電力送信装置100は、この情報を利用してFOD機能を構成することができる。
【0295】
無線電力送信装置100は、上記FOD状態データパケットに対するACK/NAKを無線電力受信装置200に送信することができる(S1215)。
【0296】
一方、無線電力受信装置200は、GRQ(General Request data packet)を利用して無線電力送信装置100のID(Identification data packet)、CAP(Capabilities data packet)、XCAP(extended CAP)を受信することができる。
【0297】
一般要請パケット(GRQ)は、0x07のヘッダ値を有してもよく、1バイトのメッセージフィールドを含んでもよい。一般要請パケット(GRQ)のメッセージフィールドには無線電力受信装置200がGRQパケットを利用して無線電力送信装置100に要請するデータパケットのヘッダ値が含まれてもよい。
【0298】
例えば、交渉段階または再交渉段階で、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100のIDパケットを要請するGRQパケット(GRQ/id)を無線電力送信装置100に送信することができる(S1220)。
【0299】
GRQ/idを受信した無線電力送信装置100は、IDパケットを無線電力受信装置200に送信することができる(S1225)。無線電力送信装置100のIDパケットには、「Manufacturer Code」に対する情報が含まれる。「Manufacturer Code」に対する情報が含まれたIDパケットは、無線電力送信装置100の製造者(manufacturer)を識別することができるようにする。
【0300】
或は、交渉段階または再交渉段階で、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100の性能パケット(CAP)を要請するGRQパケット(GRQ/cap)を無線電力送信装置100に送信することができる(S1230)。GRQ/capのメッセージフィールドには、性能パケット(CAP)のヘッダ値(0x31)が含まれてもよい。
【0301】
GRQ/capを受信した無線電力送信装置100は、性能パケット(CAP)を無線電力受信装置200に送信することができる(S1235)。
【0302】
或は、交渉段階または再交渉段階で、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100の性能パケット(CAP)を要請するGRQパケット(GRQ/xcap)を無線電力送信装置100に送信することができる(S1240)。GRQ/xcapのメッセージフィールドには、性能パケット(XCAP)のヘッダ値(0x32)が含まれてもよい。
【0303】
GRQ/xcapを受信した無線電力送信装置100は、性能パケット(XCAP)を無線電力受信装置200に送信することができる(S1245)。
【0304】
図13は、一実施例に係る無線電力送信装置の性能パケット(CAP)のメッセージフィールドを示した図面である。
【0305】
一実施例に係る性能パケット(CAP)は、0x31のヘッダ値を有してもよく、図19を参照すると、3バイトのメッセージフィールドを含んでもよい。
【0306】
図13を参照すると、性能パケット(CAP)のメッセージフィールドには、1ビットの認証(AR)フラグと1ビットのアウトバンド(OB)フラグが含まれてもよい。
【0307】
認証フラグ(AR)は、無線電力送信装置100が認証機能を支援するか否かを指示する。例えば、認証フラグ(AR)の値が「1」である場合、無線電力送信装置100が認証機能を支援するか、または認証応答子(Authentication Responder)として動作できることを指示し、認証フラグ(AR)の値が「0」である場合、無線電力送信装置100が認証機能を支援しないか、または認証応答子として動作できないことを指示することができる。
【0308】
アウトバンド(OB)フラグは、無線電力送信装置100がアウトバンド通信を支援するか否かを指示する。例えば、アウトバンド(OB)フラグの値が「1」である場合、無線電力送信装置100がアウトバンド通信を指示し、アウトバンド(OB)フラグの値が「0」である場合、無線電力送信装置100がアウトバンド通信を支援しないことを指示することができる。
【0309】
交渉段階で、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100の性能パケット(CAP)を受信して、無線電力送信装置100の認証機能支援可否及びアウトバンド通信支援可否を確認することができる。
【0310】
再び図12に戻って、無線電力受信装置200は、交渉段階または再交渉段階で少なくとも一つの特定要請パケット(SRQ、Specific Request data packet)を利用して電力送信フェーズで提供される電力に関する電力送信契約(Power Transfer Contract)の要素を更新することができ(S1250)、これに対するACK/NAKを受信することができる(S1255)。
【0311】
一方、拡張された電力伝達契約を確認し、交渉段階を終了するために、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100にSRQ/enを送信し(S1260)、無線電力送信装置100からACKを受信することができる(S1265)。
【0312】
4.電力送信フェーズ840
【0313】
電力送信フェーズ840は、実際電力が無線電力受信装置200の負荷として送信されるプロトコルの一部である。ここで、電力伝達は、交渉フェーズ830で生成された電力伝達契約の条件によって行われることができる。
【0314】
<CEに基づく電力制御>
【0315】
無線電力受信装置200は、無線電力受信装置200の目標と実際動作地点との間の偏差を測定する制御エラー(control error;CE)データを無線電力送信装置100に送信して電力レベルを制御することができる。無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、制御エラーデータを0にすることを目標とし、この地点でシステムは、目標電力水準で作動するようになる。
【0316】
<電力伝達内でのFOD方法(In-power transfer FOD method)>
【0317】
制御エラーデータ以外にも無線電力送信装置100と無線電力受信装置200は、FODを容易にするための情報を交換することができる。無線電力受信装置200は、受信する電力の量(受信電力レベル(received power level))を定期的に無線電力送信装置100に報告し、無線電力送信装置100は、異物を感知したか否かを無線電力受信装置200に知らせることができる。電力送信フェーズでFODに対して使用可能な方法は、例えば、パワーロス計算に対応し得る。この接近方式で、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200によって報告された受信電力レベルを送信電力の量(送信電力レベル)と比較して、差が閾値を超える時に無線電力受信装置200に(異物を監視したのか否かに対する)信号を送信することができる。
【0318】
<再交渉フェーズ>
【0319】
状況によって、必要な場合、無線電力送信装置100または無線電力受信装置200は、電力送信フェーズ中に電力送信契約の再交渉を要請することができる。電力送信契約の再交渉が行われることができる変更された状況の例は、以下の通りである。
【0320】
-無線電力受信装置200が以前に交渉したよりも(実質的に)より多い電力が必要な場合。
【0321】
-無線電力送信装置100が低い効率で作動していることを感知した場合。
【0322】
-無線電力送信装置100が増加された作動温度によってこれ以上現在電力水準を保持できない場合(またはその反対の場合、すなわち、無線電力受信装置200が充分冷却された後、より高い電力レベルで作動できる場合)。
【0323】
ここで、再交渉フェーズに対する具体的なプロトコルの例示は、前述した通りである。
【0324】
<データ送信ストリーム>
【0325】
無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、データ送信ストリームを始めて電力送信フェーズ840全般にわたってアプリケーションレベルデータを交換することができる。
【0326】
ここで、重要な共通アプリケーションは、認証(authentication)であり、ここで両側は変調防止方式で相手の資格証明を確認することができる。例えば、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100が高い電力レベルで安全に作動するように信頼し得るのか確認するために、無線電力送信装置100の資格証明を確認しようとすることができる。適切な資格証明があれば、規定遵守テストをパスしたことを意味することができる。
【0327】
したがって、本明細書では、低い電力レベルの水準で電力の伝達を始め、認証プロトコルを成功的に完了した後のみに電力をより高い水準に制御する方式を提供することができる。
【0328】
<電力送信フェーズ840でのプロトコル>
【0329】
以上、電力送信フェーズ840での無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間の動作を概略的に説明した。以下、電力送信フェーズ840での動作に対する円滑な理解のために、電力送信フェーズ840でのプロトコルをベースラインプロトコルの場合と拡張されたプロトコルの場合をそれぞれ区別して説明する。
【0330】
図14は、ベースラインプロトコルでの電力送信フェーズ840に対するデータフローの流れ図を概略的に示したのである。
【0331】
図14によれば、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100にCEを送信することができる(S1410)。ここで、無線電力受信装置200は、通常CEデータパケットを秒当たり数回送信することができる。
【0332】
無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100に一般的に1.5秒ごとに一回ずつRP(received power)データパケット(ベースラインプロトコルではRP8)を送信することができる(S1420)。
【0333】
選択的に、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100にCHS(charge status)データパケットを送信することができる(S1430)。
【0334】
前述したデータパケットを整理して説明すれば、次の通りである。
【0335】
-CE:CEデータパケットは、望む電力レベルに対するフィードバックを提供することができる。CEデータパケットは、制御エラー値(control error value)を含むことができ、ここで制御エラー値は、無線電力受信装置200の実際動作地点と目標動作地点との間の偏差に対する相対測定値である符号付き整数値であってもよい。この時の制御エラー値が正数値である場合、実際動作地点が目標動作地点の下にあることを示し、無線電力送信装置100に電力信号を増加させるように要請することができる。制御エラー値が負数値である場合、実際動作地点が目標動作地点の上にあることを示し、無線電力送信装置100に電力信号を減らすように要請することができる。
【0336】
-RP8:RP8データパケットは、受信電力レベルを報告することができる。ここで、RP8データパケットは、ベースラインプロトコルのみに含まれてもよい。
【0337】
-CHS:CHSデータパケットは、負荷でバッテリの充電レベルを提供することができる。
【0338】
図15は、拡張されたプロトコルでの電力送信フェーズ840に対するデータフローの流れ図を概略的に示したのである。
【0339】
図15によれば、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100にCEを送信することができる(S1510)。ここで、無線電力受信装置200は、一般的にCEデータパケットを秒当たり数回送信することができる。
【0340】
無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100に一般的に1.5秒ごとに一回ずつRP(received power)データパケット(拡張されたプロトコルではRP)を送信することができる(S1515)。
【0341】
電力送信フェーズで、制御エラーパケット(CE)と受信電力パケット(RP)は、無線電力の制御のために、要求されるタイミング制約(timing constraint)に合わせて、繰り返し的に送信/受信されるべきデータパケットである。
【0342】
無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200から受信した制御エラーパケット(CE)と受信電力パケット(RP)に基づいて送信する無線電力のレベルを制御することができる。
【0343】
一方、拡張されたプロトコルでは、無線電力送信装置100は、受信電力パケット(RP)に対してACK、NAK、ATNなどのビットパターンで応答することができる(S1520)。
【0344】
モード値が0である受信電力パケット(RP/0)に対して、無線電力送信装置100がACKで応答することは、電力送信が現在のレベルで実行し続けることができることを意味する。
【0345】
モード値が0である受信電力パケット(RP/0)に対して、無線電力送信装置100がNAKで応答することは、無線電力受信装置200が電力消費を減らすべきことを意味する。
【0346】
モード値が1または2である受信電力パケット(RP/1またはRP/2)に対して、無線電力送信装置100がACKで応答することは、無線電力受信装置200が受信電力パケット(RP/1またはRP/2)に含まれた電力補正値を受け入れたことを意味する。
【0347】
モード値が1または2である受信電力パケット(RP/1またはRP/2)に対して、無線電力送信装置100がNAKで応答することは、無線電力受信装置200が受信電力パケット(RP/1またはRP/2)に含まれた電力補正値を受け入れなかったことを意味する。
【0348】
前述したモード値が1である受信電力パケット(RP/1)は、最初補正データポイント(first calibration data point)を意味することができ、モード値が2である受信電力パケット(RP/2)は、追加的な補正データポイント(additional calibration data point)を意味することができる。ここで、無線電力受信装置は、無線電力送信装置にモード値が2である受信電力パケット(RP/2)を数回送信して、複数の追加的な電力補正値を送信することができ、無線電力送信装置は受信されたRP/1及び複数個のRP/2に基づいて補正過程を行うことができる。
【0349】
受信電力パケット(RP)に対して、無線電力送信装置100がATNで応答することは、無線電力送信装置100が通信の許容を要請することを意味する。すなわち、無線電力送信装置100は、RPデータパケットに応答して、データパケットを送信する権限を要請するために、ATN(attention)応答パターンを送信することができる。言い換えれば、無線電力送信装置100は、RPデータパケットに応答して、ATNを無線電力受信装置200に送信して、データパケットを送信する権限を無線電力受信装置200に要請することができる。
【0350】
選択的に、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100にCHS(charge status)データパケットを送信することができる(S1525)。
【0351】
一方、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、電力送信契約での要素(一般的には、保障された負荷電力)に対する再交渉を開始するために、DSR(data stream response)データパケット、CAPデータパケット、NEGOデータパケットを交換することができる。
【0352】
例えば、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100にDSRデータパケットを送信し(S1530)、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200にCAPを送信することができる(S1535)。
【0353】
また、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100にNEGOデータパケットを送信し(S1540)、無線電力送信装置100は、NEGOデータパケットに応答して、無線電力受信装置200にACKを送信することができる(S1545)。
【0354】
ここで、再交渉フェーズの開始に関連するデータパケットを整理すれば、以下の通りである。
【0355】
-DSR:DSRデータパケットには、以下のような値の何れか一つの値が設定されてもよい。
【0356】
i)0x00-DSR/nak:最後に受信された無線電力送信装置100のデータパケットが拒否されたことを指示する。
【0357】
ii)0x33-DSR/poll:データパケットを送信するように、無線電力送信装置100を招待(invite)する。
【0358】
iii)0x55-DSR/nd:最後に受信された無線電力送信装置100のデータパケットが予想されなかったことを指示する。
【0359】
iv)0xFF-DSR/ack:最後に受信された無線電力送信装置100のデータパケットが正しく処理されたことを確認する。
【0360】
-CAP:CAPデータパケットは、無線電力送信装置100の機能に対する情報を提供する。具体的な内容は前述した通りである。
【0361】
-NEGO:NEGOデータパケットは、再交渉段階で行うように、無線電力送信装置100に要請することができる。
【0362】
無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、アプリケーションレベルデータの交換のために、ADC(auxiliary data transport)、ADT(auxiliary data transport)及びDSRデータパケットを利用することができる。
【0363】
すなわち、アプリケーションレベルデータの交換のためのデータ送信ストリームの送受信観点で、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100にADC/ADTを送信することができ(S1550)、無線電力送信装置100は、これに対する応答としてACK/NAKを無線電力受信装置200に送信することができる(S1555)。また、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100にDSRを送信することができ(S1560)、無線電力送信装置は、無線電力受信装置にADC/ADTを送信することができる(S1565)。
【0364】
ここで、データ送信ストリームは、データストリームイニシエータからデータストリーム応答子にアプリケーションレベルデータを伝達する役割を果たす。そして、アプリケーションレベルデータは、大きくi)認証(authentication)アプリケーション、ii)独占(汎用)アプリケーションに区別されることができる。
【0365】
アプリケーションレベルデータのうち、認証アプリケーションに関連するメッセージ/情報は、次のように整理されることができる。
【0366】
認証手順(authentication procedure)で用いられるメッセージを認証メッセージとする。認証メッセージは、認証に関する情報を運ぶのに用いられる。認証メッセージには、2つのタイプが存在する。一つは、認証要請(authentication request)であり、もう一つは、認証応答(authentication response)である。認証要請は、認証イニシエータによって送信され、認証応答は認証応答子によって送信される。無線電力送信装置と受信装置は、認証イニシエータまたは認証応答子になり得る。例えば、無線電力送信装置が認証イニシエータである場合、無線電力受信装置は認証応答子になり、無線電力受信装置が認証イニシエータである場合、無線電力送信装置が認証応答子になる。
【0367】
認証要請メッセージは、GET_DIGESTS、GET_CERTIFICATE、CHALLENGEを含む。
【0368】
-GET_DIGESTS:この要請は、認証書チェーンダイジェストを検索するのに用いられることができる。無線電力受信装置200は、一回に望む数のダイジェストを要請することができる。
【0369】
-GET_CERTIFICATE:この要請は、対象認証書チェーンのセグメントを読むのに用いられる。
【0370】
-CHALLENGE:この要請は、電力送信装置の製品装置の認証を始めるのに用いられることができる。
【0371】
認証応答メッセージは、DIGESTS、CERTIFICATE、CHALLENGE_AUTH、ERRORを含む。
【0372】
-DIGESTS:無線電力送信装置100は、DIGESTS応答を用いて認証書チェーン要約を送り、有効な認証書チェーン要約が含まれたスロットを報告することができる。
【0373】
-CERTIFICATE:この応答は、無線電力送信装置100が認証書チェーンの要請されたセグメントを送信するのに用いられることができる。
【0374】
-CHALLENGE_AUTH:無線電力送信装置100は、CHALLENGE_AUTHを用いて、CHALLENGE要請に応答することができる。
【0375】
-ERROR:この応答は、電力送信機でエラー情報を送信するのに用いられることができる。
【0376】
認証メッセージは、認証パケットとも呼ばれ得、認証データ、認証制御情報とも呼ばれ得る。また、GET_DIGEST、DIGESTSなどのメッセージは、GET_DIGESTパケット、DIGESTパケットなどとも呼ばれ得る。
【0377】
一方、前述したように、無線電力受信装置200及び無線電力送信装置100は、データ送信ストリームを介してアプリケーションレベルデータを伝達することができる。データ送信ストリームを介して伝達されるアプリケーションレベルデータは、次の構造のデータパケットシーケンスで構成されることができる。
【0378】
-ストリームを開く初期ADCデータパケット。
【0379】
i)ストリームに含まれたメッセージ類型。
【0380】
ii)ストリームのデータバイト数。
【0381】
-実際メッセージを含む一連のADTデータパケット。
【0382】
-ストリームを閉じる最終ADC/endデータパケット。
【0383】
以下、上記のようなADC、ADT、ADC/endデータパケットが利用される例示に対するデータ送信ストリームを図面を通じて説明する。
【0384】
図16は、一例による無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間のアプリケーションレベルのデータストリームを示したのである。
【0385】
図16を参照すると、データストリームは、補助データ制御(auxiliary data control:ADC)データパケット及び/または補助データ送信(auxiliary data transport:ADT)データパケットを含んでもよい。
【0386】
ADCデータパケットは、データストリームを始める(opening)のに用いられる。ADCデータパケットは、ストリームに含まれたメッセージのタイプと、データバイトの個数を指示することができる。一方、ADTデータパケットは、実際メッセージを含むデータのシーケンスである。ストリームの終了を知らせる時には、ADC/endデータパケットが用いられる。例えば、データ送信ストリーム内のデータバイトの最大個数は、2047に制限されてもよい。
【0387】
ADCデータパケットとADTデータパケットの正常な受信可否を知らせるために、ACKまたはNAC(NACK)が用いられる。ADCデータパケットとADTデータパケットの送信タイミングの間に、制御エラーパケット(CE)またはDSRなど無線充電に必要な制御情報が送信されてもよい。
【0388】
このようなデータストリーム構造を利用して、認証関連情報またはその他アプリケーションレベルの情報が無線電力送信装置と受信装置との間に送受信されてもよい。
【0389】
前述した、電力送信フェーズ840での無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間の動作の理解のための例示を説明すれば、以下の通りである。
【0390】
図17は、一実施例に係る電力制御コントロール方法を示す。
【0391】
図17で、電力送信フェーズで、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、電力送受信とともに通信を並行することによって、伝達される電力の量をコントロールすることができる。無線電力送信装置及び無線電力受信装置は、特定コントロールポイントで動作する。コントロールポイントは、電力の伝達が実行される時に無線電力受信装置の出力端(output)で提供される電圧及び電流の組み合わせ(combination)を示す。
【0392】
より詳細に説明すると、無線電力受信装置は、望むコントロールポイント(desired Control Point)-望む出力電流/電圧、モバイル機器の特定位置の温度などを選択し、追加で現在動作している実際コントロールポイント(actual control point)を決定する。無線電力受信装置は、望むコントロールポイントと実際コントロールポイントを使用し、コントロールエラー値(control error value)を算出し、これをコントロールエラーパケットとして無線電力送信装置に送信できる。
【0393】
そして、無線電力送信装置は、受信したコントロールエラーパケットを使用して新しい動作ポイント-振幅、周波数及びデューティサイクル-を設定/コントロールして電力伝達を制御することができる。したがって、コントロールエラーパケットは、電力伝達段階で一定時間の間隔に送信/受信され、実施例として、無線電力受信装置は、無線電力送信装置の電流を低減しようとする場合、コントロールエラー値を負数に設定し、電流を増加させようとする場合、コントロールエラー値を正数に設定して送信できる。このように誘導モードでは無線電力受信装置がコントロールエラーパケットを無線電力送信装置に送信することによって電力伝達を制御することができる。
【0394】
共振モードでは誘導モードとは異なる方式で動作してもよい。共振モードでは、一つの無線電力送信装置が複数の無線電力受信装置を同時にサービングする必要がある。ただし、上述した誘導モードのように電力伝達をコントロールする場合、伝達される電力が一つの無線電力受信装置との通信によってコントロールされるので、追加的な無線電力受信装置に対する電力伝達はコントロールが難しいことがある。したがって、本明細書の共振モードでは、無線電力送信装置は基本電力を共通的に伝達し、無線電力受信装置が自らの共振周波数をコントロールすることによって、受信する電力量をコントロールする方法を利用しようとする。ただし、このような共振モードの動作でも図17で説明した方法が完全に排除されるのではなく、追加的な送信電力の制御を図17の方法で実行してもよい。
【0395】
<プロファイルに係る動作>
【0396】
ワイヤレス充電方法には1次コイルと2次コイル間の磁気誘導現状を用いた磁気誘導方法と、数十kHzにおいて数MHz帯域の周波数を使用して磁気共鳴を行って電力を送信する磁気共鳴方法がある。ここで、磁気共鳴方法に対するワイヤレス充電標準はA4WPという協議会で主導し磁気誘導方法はWPC(Wireless Power Consortium)において標準を主導する。ここで、WPCではワイヤレス充電システムに関連する様々な状態情報及び命令をインバンド送受信できるように設計されている。
【0397】
WPCでの標準は基本電力プロファイル(baseline power profile:BPP)と拡張電力プロファイル(extended power profile:EPP)を定義する。以下、BPP及びEPPに対してそれぞれ説明する。
【0398】
A.BPP(baseline power profile)
【0399】
BPPは5Wまでの電力送信をサポートする無線電力送信装置と受信装置間の電力伝達プロファイルに関するものである。そして、BPPでは無線電力受信機から無線電力送信機への単方向通信(unidirectional communication)がサポートされる。このときの通信方法はASK(amplitude shift keying)に対応することができる。BPPではPing、設定、電力伝達のプロトコルフェーズが存在する。
【0400】
B.EPP(extended power profile)
【0401】
EPPは15Wまでの電力送信をサポートする無線電力送信装置と受信装置間の電力伝達プロファイルに関するものである。そして、EPPでは無線電力受信機と無線電力送信期間の双方向通信(bidirectional communication)がサポートされる。無線電力受信機から無線電力送信機への通信方法はASK(amplitude shift keying)に対応することができ、無線電力送信機から無線電力受信機への通信方法はFSK(frequency shift keying)に対応することができる。EPPではPing、設定、ネゴシエーション、電力伝達のプロトコルフェーズが存在する。
【0402】
(a)EPPでの互換性
【0403】
EPPはBPPの上位プロファイルに対応することができる。
【0404】
例えば、BPP無線電力受信機がEPP無線電力送信機上に配置されれば、EPP無線電力送信機はBPP無線電力送信機として動作することができる。
【0405】
例えば、EPP無線電力受信機がBPP無線電力送信機上に配置されれば、EPP無線電力受信機はBPP無線電力受信機として動作することができる。
【0406】
すなわち、EPPはBPPとの互換性を維持することができる。
【0407】
(b)EPP無線電力受信機のEPP指示方法
【0408】
EPP無線電力受信機は設定パケット(i.e.CFG)での「neg」ビットを1として設定することで、自身がEPP無線電力受信機であることを指示することができる。設定パケットに対する具体的な例は前述の通りである。
【0409】
(c)EPP無線電力送信機のEPP指示方法
【0410】
EPP無線電力送信機が「neg」ビットが1に設定された設定パケットを無線電力受信機から受信する場合、EPP無線電力送信機はこれに対してACK FSKビットパターンとして無線電力受信機に応答することができる。
【0411】
参考に、前述の通りBPP無線電力送信機はFSK通信方法をサポートしないためBPP無線電力送信機はFSKビットパターンを送信することができない。これに、「neg」ビットを1に設定して設定パケットをBPP無線電力送信機に送信したEPP無線電力受信機は、前記のACK応答を受信することができないことで、相手無線電力送信機がBPP無線電力送信機であることを識別することができる。
【0412】
一方、無線電力伝達システムでは新しい電力伝達プロファイルを提供しようとし、このとき提案される電力伝達プロファイルの中にはMPP(magnetic power profile)がある。MPPはQiv1.3.0に基づいた「Apple」の専用拡張に対応することができる。
【0413】
C.MPP(magnet power profile)
【0414】
MPPは15Wまでの電力送信をサポートする無線電力送信装置と受信装置間の電力伝達プロファイルに関するものである。そして、MPPでは無線電力受信機と無線電力送信期間の双方向通信(bidirectional communication)がサポートされる。無線電力受信機から無線電力送信機への通信方法はASK(amplitude shift keying)に対応することができ、無線電力送信機から無線電力受信機への通信方法はFSK(frequency shift keying)に対応することができる。このとき、ネゴシエーション及び電力伝達フェーズの間には速いFSK(NCYCLE=128)を使用することができる。
【0415】
MPPではPing、設定、MPPネゴシエーション、MPP電力伝達のプロトコルフェーズが存在する。
【0416】
(a)MPPでの互換性
【0417】
MPPはBPPの上位プロファイルに対応することができる。
【0418】
例えば、BPP無線電力受信機がMPP無線電力送信機上に配置されれば、MPP無線電力送信機はBPP無線電力送信機として動作することができる。
【0419】
例えば、MPP無線電力受信機がBPP無線電力送信機上に配置されれば、MPP無線電力受信機はBPP無線電力受信機として動作することができる。
【0420】
すなわち、MPPはBPPとの互換性を維持することができる。
【0421】
(b)MPP無線電力受信機のMPP動作(MPP指示方法)
【0422】
MPP無線電力受信機は拡張されたIDパケット内に特定のMPP指示子を用いることができる。
【0423】
MPP無線電力受信機がXIDを介してMPPのサポート可否を知らせるためには、無線電力受信機はIDパケットを介してXIDが送信されることを無線電力送信機に知らせる必要がある。MPP無線電力受信機が送信するようになるIDパケットは以下の通りであり得る。
【0424】
図18はMPP IDパケットの構造を模式的に示したものである。
【0425】
図18によれば、MPP IDパケットにおいて、B0のb4-b7までのメジャーバージョンフィールドの値は、1に設定することができる。
【0426】
MPP IDパケットにおいて、B0のb0-b3までのマイナーバージョンフィールドの値は、後で決定される値であり得る。
【0427】
MPP IDパケットにおいて、B1及びB2の製造コード(manufacture code)の値はPRMCコードに割り当てることができる。
【0428】
MPP IDパケットにおいて、B3のb7の「ext」フィールドの値は、1に設定されXIDパケットが追加送信されることを指示することができる。
【0429】
MPP IDパケットにおいて、B3のb0からb6、B4、B5のb3からb7のランダム識別子フィールドの値は、ランダムデバイス識別政策に応じて設定することができる。
【0430】
図19はMPPでのXIDパケットの例を模式的に示したものである。
【0431】
図19によれば、MPPでのXIDパケットは「XID Selector」フィールド、「Restricted」フィールド、「Freq Mask」フィールドなどを含むことができる。
【0432】
ここで、MPPのサポート有無は「XID Selector」の値が0xFEであるのか否かに応じて判断することができる。すなわち、XIDのB_0の値が0xFEである場合、このときのXIDは無線電力受信機がMPPをサポートすることを知らせる情報に対応することができる。
【0433】
「Restricted」フィールドは無線電力受信機がMPP制限モードで動作するか又はMPPフルモードで動作をするかを知らせる情報に対応することができる。もし、無線電力受信機がMPP制限モードで動作することを選択した場合、前記のフィールドは1に設定することができる。一方、他の場合には(例えば、無線電力受信機がMPP制限モードで動作しないことを選択した場合)、前記のフィールドは0に設定することができる。
【0434】
「Preferred Frequency」フィールドはMPP好ましい周波数を意味することができる。ここで、無線電力受信機は周波数のスイッチング前に(ネゴシエーションフェーズにおいて)無線電力送信機から情報を検索しようとする場合にはこのフィールドを128kHzに設定することができる。それ以外の場合には、無線電力受信機はこのフィールドを360kHzに設定することができる。
【0435】
「Freq Mask」フィールドは360kHzの動作周波数がサポートされるか否かを判断するためのフィールドに対応することができる。すなわち、「FreqMask」フィールドが0に設定された場合、360kHzがサポートされる。
【0436】
まとめると、無線電力送信機が無線電力受信機から受信したIDの「ext」ビットが1に設定されたかを判断し、XIDのB_0が0xFEに設定されたかを判断して、無線電力送信機は無線電力受信機のMPPに対するサポート可否を判断することができる。
【0437】
(c)MPP無線電力送信機のMPP動作(MPP指示方法)
【0438】
充電表面において無線電力受信機の配置を感知した後、MPP無線電力送信機はID及びXIDパケットに含まれた情報を使用してデジタルPingを実行して受信機を識別することができる。
【0439】
ここで、無線電力送信機は次の条件が全て満たされる場合、無線電力受信機がMPPをサポートすると決定することができる。
【0440】
-Qiバージョン:IDパケットのQiプロトコルバージョンは(Major=1、Minor=TBD)以上に設定される。
【0441】
-MPPサポートのお知らせ:XIDパケットの下位ヘッダ(バイト0)がMPPセレクター(selector)に設定される。
【0442】
もし前記の2つの条件が満たされない場合、無線電力送信機はQiv1.3仕様に応じてその後の手順を進めることができる。
【0443】
一方、XIDパケットにおいてMPP無線電力受信機が要求したMPP作動モードに応じて無線電力送信機は以下を実行する。
【0444】
-制限されている(restricted)プロファイル活性化(MPP制限モード):「restricted」フラグが1に設定された場合。
【0445】
-全体(full)プロファイル活性化(MPPフルモード):「restricted」フラグが0に設定された場合。
【0446】
前記の制限されているプロファイルに対する具体的な例と、フルプロファイルに対する具体的な例は後述する。
【0447】
一方、MPP無線電力送信機が「neg」ビットが1に設定された設定パケットを無線電力受信機から受信する場合、(MPPフルモードにおいて)MPP無線電力送信機はMPPフルモードにおいて)これに対してMPP ACK FSKビットパターンとして無線電力受信機に応答することができる。
【0448】
参考に、MPP制限モードの無線電力送信機はFSK通信方法をサポートしないためMPP制限モードの無線電力送信機はFSKビットパターンを送信することができない。但し、MPP制限モードの無線電力送信機は電力伝達のために360kHzの動作シグナルを用いるため、これに、「neg」ビットを1に設定して設定パケットをMPP制限モードで動作する無線電力送信機に送信したMPP無線電力受信機は動作周波数を介して相手無線電力送信機がMPP制限モードの無線電力送信機であることを識別することができる。
【0449】
(d)MPPのモード
【0450】
一方、MPPでは2つのモードが存在する。そのうち、1つはMPP制限モード(MPP Restricted mode)(又は、MPPベースラインプロファイル)であり、残りの1つはMPPフルモード(MPP Full mode)(又は、MPPフルプロファイル)である。
【0451】
2つの差を簡単に説明すると、MPP制限モードではXIDでの「restricted」フィールドが1に設定されるが、MPPフルモードではXIDでの「restricted」フィールドが0に設定されるということである。
【0452】
また、MPP制限モードではFSK通信がサポートされないが、MPPフルモードではFSK通信がサポートされる。
【0453】
さらに、MPP制限モードではFSK通信がサポートされないためCFGに対するMPP ACKを送信することができなく、これによって、MPP制限モードではMPPネゴシエーションがサポートされない。これに対して、MPPフルモードではFSK通信がサポートされるためCFGに対するMPP ACKを送信することができ、これによって、MPPフルモードではMPPネゴシエーションがサポートされる。
【0454】
以下、MPP制限モードとMPPフルモードに対してより具体的に説明する。ここで、MPP制限モードはMPPベースラインプロファイルと混用することができ、MPPフルモードはMPPフルプロファイルと混用することができる。
【0455】
以下、MPP制限モードとMPPフルモードに対する豊富な理解のために、各モードでのプロトコルに対してより具体的に説明する。
【0456】
i)MPP制限モード(MPP Restricted mode)
【0457】
前述の通り、MPP制限モードではFSKコミュニケーションがサポートされない。すなわち、MPP制限モードでは無線電力送信機から無線電力受信機に送信されるデータパケットが存在しない場合がある。このような背景下、図面を介してMPP制限モードでのプロトコルを説明する。
【0458】
図20はMPP制限モードでのプロトコルを模式的に示したものである。
【0459】
図20によれば、無線電力受信機は無線電力送信機に第1の動作周波数(例えば、128kHz)上でSIGを送信することができる。このとき、第1の動作周波数はBPP及び/又はEPPを実行することができる動作周波数に対応することができる。そして、このときの第1の動作周波数は無線電力送信機が駆動する周波数に対応することができる。
【0460】
無線電力受信機は無線電力送信機に第1の動作周波数上でIDパケットを送信することができる。このとき、MPPではXIDが必ず送信されるため、XIDがさらに送信されることを指示できるようにIDの「ext」ビットを1に設定することができる。
【0461】
無線電力受信機は無線電力送信機に第1の動作周波数上でXIDパケットを送信することができる。
【0462】
このときのXIDでのB0の値は0xFEであり、XIDでのB0の値が0xFEに設定されれば、これは無線電力受信機がMPPをサポートすることを知らせる情報に対応することができる。併せて、このときのXIDでの「restricted」フィールドは無線電力受信機がMPP制限モードで動作することを知らせることができるように、前記のフィールドは1に設定することができる。
【0463】
ここで、無線電力送信機がMPP制限モードを指示する前記のXIDパケットを受信した場合、無線電力送信機は電力シグナルを除去し、新しい動作周波数においてPingフェーズを再開始することができる。
【0464】
Pingフェーズが再開始されれば、無線電力受信機はSIGの送信から再び開始するようになる。但し、このときの動作周波数は第2の動作周波数(例えば、360kHz)であり得る。
【0465】
以降、無線電力受信機は第2の動作周波数においてID、XID、CFGパケットを無線電力送信機にそれぞれ送信する。併せて、無線電力受信機はCEPを無線電力送信機に送信することで無線電力送信機からMPPベースラインに基づいた無線電力を受信することができる。
【0466】
ii)MPPフルモード(MPP Full mode)
【0467】
前述の通り、MPPフルモードではFSKコミュニケーションがサポートされる。すなわち、MPPフルモードでは無線電力送信機から無線電力受信機に送信されるデータパケットが存在する。これを言い換えれば、無線電力送信機と無線電力受信機の間にはMPPネゴシエーションなどを進めることができる。このような背景下、図面を介してMPPフルモードでのプロトコルを説明する。
【0468】
図21及び図22はMPPフルモードでのプロトコルを模式的に示したものである。
【0469】
先ず、図21によれば、無線電力受信機は無線電力送信機に第1の動作周波数(例えば、128kHz)上でSIGを送信することができる。このとき、第1の動作周波数はBPP及び/又はEPPを実行することができる動作周波数に対応することができる。そして、このときの第1の動作周波数は無線電力送信機が駆動する周波数に対応することができる。
【0470】
無線電力受信機は無線電力送信機に第1の動作周波数上でIDパケットを送信することができる。このとき、MPPではXIDが必ず送信されるため、XIDがさらに送信されることを指示できるようにIDの「ext」ビットを1に設定することができる。
【0471】
無線電力受信機は無線電力送信機に第1の動作周波数上でXIDパケットを送信することができる。
【0472】
このときのXIDでのB0の値は0xFEであり、XIDでのB0の値が0xFEに設定されれば、これは無線電力受信機がMPPをサポートすることを知らせる情報に対応することができる。併せて、このときのXIDでの「restricted」フィールドは無線電力受信機がMPPフルモードで動作することを知らせることができるように、前記のフィールドは0に設定することができる。
【0473】
一方、MPPフルモードではMPP制限モードとは異なるように、無線電力送信機が無線電力受信機からXIDパケットを受信するとしてもパワーシグナルを除去しない。このとき、無線電力受信機はそれでもパワーシグナルが除去されなかったためXIDパケット以降CFGパケットを無線電力送信機に送信する。
【0474】
そして、無線電力受信機は前記のCFGパケットに対する応答として、MPP ACKを無線電力送信機から受信することができる。
【0475】
MPP ACKを受信した無線電力受信機は無線電力送信機とネゴシエーションフェーズに進入し、無線電力受信機及び無線電力送信機両方はネゴシエーションを進めることができる。
【0476】
ネゴシエーションを進めた以降、無線電力受信機は無線電力送信機と電力伝達フェーズに進入することができる。
【0477】
一方、無線電力受信機はEPTパケットを無線電力送信機に送信する。EPTパケットを受信した無線電力送信機はパワーシグナルを除去し、以降、新しい動作周波数においてPingフェーズを再開始することができる。
【0478】
図22によれば、Pingフェーズが再開始されれば、無線電力受信機はSIGの送信から再び開始するようになる。但し、このときの動作周波数は第2の動作周波数(例えば、360kHz)であり得る。
【0479】
以降、無線電力受信機は第2の動作周波数においてID、XID、CFGパケットを無線電力送信機にそれぞれ送信する。そして、無線電力受信機は無線電力送信機からMPP ACKを受信することができる。
【0480】
MPP ACKを受信した無線電力受信機は第2の動作周波数において無線電力送信機とネゴシエーションフェーズに進入し、無線電力受信機及び無線電力送信機両方はネゴシエーションを進めることができる。
【0481】
ネゴシエーションを進めた以降、無線電力受信機は第2の動作周波数において無線電力送信機と電力伝達フェーズに進入する。併せて、無線電力受信機はXCEを無線電力送信機に送信してこれに対する応答(例えば、ACKを受信)することで無線電力送信機からMPPフルモードに基づいた無線電力を受信することができる。
【0482】
以下、本明細書に対してより具体的に説明する。
【0483】
前述の通り、無線電力送信システムでは、無線電力送信機及び無線電力受信期間のアプリケーションレベルデータストリームを送受信できるデータトランスポートストリームのフォーマットが定義される。
【0484】
このとき、データトランスポートストリーム(言い換えれば、データストリーム)のフォーマットは次のようなパケットに定義される。
【0485】
-ストリームをオープニングするイニシャルADCデータパケット
【0486】
ここで、前記のADCデータパケットはストリームに含まれたメッセージのタイプを指示することができる。
【0487】
そして、前記のADCデータパケットはストリームに含まれたデータバイトの数を指示することができる。
【0488】
-実際のメッセージを含むADTデータパケットのシーケンス
【0489】
-ストリームをクローズするファイナルADC/endデータパケット
【0490】
又は、データトランスポートストリーム送信に関連して、次のようなパケットが定義される。
【0491】
-データストリームに関して:ADC及び/又はADT(無線電力送信機及び無線電力受信機)
【0492】
-ADC及びADTに対する応答に関して:DSR(無線電力受信機)、ACK/NAK/ND/ATN(無線電力送信機)
【0493】
ここで、ADCは無線電力送信機が送るパケットであり、ADCは無線電力受信機が送るパケットでもあり得る。一例として、無線電力送信機のADCパケットに対してより具体的に説明すると以下の通りである。
【0494】
図23はADCパケットの例を模式的に示したものである。
【0495】
図23によれば、ADCデータパケットは電力受信機へのデータ送信ストリーム送信を制御することができる。このとき、ADCパケットは要求(request)フィールド及びパラメータフィールドを含むことができる。そして、このときのフィールドそれぞれは以下の通りであり得る。
【0496】
-要求フィールド:以下のような値のうち、いずれか1つが設定することができる。
【0497】
0-ADC/end:無線電力受信機に出るデータ送信ストリームを閉める。
【0498】
2-ADC/auth:無線電力受信機への認証データ送信ストリームを開ける。
【0499】
5-ADC/rst:全てのインカミング及びアウトゴーイングデータ送信ストリームを再設定する。
【0500】
0x10...0x1F-ADC/prop:無線電力受信機への独占データ送信ストリームを開ける。
【0501】
そしてパラメータフィールドは以下の通りであり得る。
【0502】
-パラメータフィールド:独占(ADC/prop)及び認証(ADC/auth)データ送信ストリームに関して、ストリームでのデータバイトの数である。全ての他のADCデータパケットに対しては0に設定することができる。
【0503】
以降のDSRデータパケットは以下の通りであり得る。
【0504】
-DSR/ack:無線電力受信機が要求を正常に実行した。
【0505】
-DSR/nak:受信及び/又は発信データ送信ストリームが既に開けているか使用中であるため無線電力受信機が要求を実行しなかった。
【0506】
-DSR/nd(データ送信ストリーム開ける):無線電力受信機は要求されたデータ送信ストリームタイプをサポートしない。
【0507】
-DSR/nd(reserved Request value):無線電力受信機が要求をサポートしない。
【0508】
-DSR/poll:無線電力受信機が最後の電力送信機データパケットを受信しなかった。
【0509】
言い換えれば、DSR/pollはPRxがPTxに送るパケットである。DSR/pollはPTxにあるパケット(既存送っていたパケットに続いて、又は送ろうとするパケット)を送信することを許可することを意味する。すなわち、前述の通り、DSR/pollは無線電力送信機があるデータパケットを送信することをインバイトすることができる。
【0510】
一方、ADTも無線電力送信機が送るパケットであり、ADTは無線電力受信機が送るパケットでもあり得る。一例として、無線電力送信機のADTパケットに対してより具体的に説明すると以下の通りである。
【0511】
図24はADTパケットの例を模式的に示したものである。
【0512】
図24によれば、ADTデータパケットはデータ送信ストリームのアプリケーションデータを電力受信機に伝達する。ここで、1において7までのADTデータパケットサイズを使用することができる。
【0513】
このとき、それぞれのサイズに対するADTデータパケットは奇数及び偶数ヘッダとともに使用することができる。例えば、ADTデータパケットのサイズが7バイトだと仮定するとき、奇数ヘッダを持つ7バイトのADTデータパケットと偶数ヘッダを持つ7バイトのADTデータパケットがそれぞれ存在する。
【0514】
ここで、ADTパケットはデータフィールドを含むことができ、データフィールドは以下の通りであり得る。
【0515】
-データフィールド:アプリケーション層によって適切に定義することができる。
【0516】
以降のDSRデータパケットは以下の通りであり得る。
【0517】
-DSR/ack:無線電力受信機がパケットのデータを適切に処理した。
【0518】
-DSR/nak:無線電力受信機が最後の電力送信機データパケットを受信したがパケットのデータを処理できなかった。例えば、無線電力受信機は自身が忙しい場合であるのかデータをバッファリングできない場合に応答を使用することができる。
【0519】
-DSR/nd:無線電力受信機がインカミングデータトランスポートストリームオープンを持つことができない。
【0520】
-DSR/poll:無線電力受信機が最後の電力送信機データパケットを受信しなかった。
【0521】
言い換えれば、DSR/pollはPRxがPTxに送るパケットである。DSR/pollはPTxにあるパケット(既存送っていたパケットに続いて、又は送ろうとするパケット)を送信することを許可することを意味することができる。すなわち、前述の通り、DSR/pollは無線電力送信機があるデータパケットを送信することをインバイトすることができる。
【0522】
一方、データトランスポートストリーム(Data transport stream)(以下、TPL)は無線電力受信機/無線電力送信機に関係なくイニシエータ(Initiator)とレスポンダ(Responder)に分けることができる。
【0523】
このとき、データ伝達ストリーム及びこれに関連するパケットがイニシエータとレスポンダ間に交換される内容に対して図面を介して説明する。
【0524】
図25はアプリケーションメッセージがデータストリームイニシエータからデータストリームレスポンダに送信される例を模式的に示したものである。
【0525】
図25によれば、イニシエータはデータメッセージをレスポンダに送る。
【0526】
より具体的には、特定のアプリケーション(Application)(例えば、認証(Authentication))を対象に、イニシエータがアプリケーション要求(request)メッセージを送る。
【0527】
そのために、データストリームイニシエータは先ず、アプリケーションレイヤーにおいてアプリケーションに関連する要求メッセージを作り、バッファーに格納することができる。そしてデータストリームイニシエータはバッファーの要求メッセージをトランスポート(transport)レイヤーに伝達し、ローカルバッファーに格納することができる。データストリームイニシエータのトランスポートレイヤーではローカルバッファーに格納されたアプリケーション要求メッセージがADTサイズに合わせてスライスされた後、データストリームを介してデータストリームレスポンダに伝達することができる。
【0528】
データストリームレスポンダがイニシエータからスライスされたアプリケーション要求メッセージをADTなどを介して受信するたび、データストリームレスポンダは応答を(ACK/NAK/ND)実行することができる。そして、データストリームレスポンダは自身のローカルバッファーに受信されたスライスされたメッセージを重ねて格納することができる。
【0529】
データストリームイニシエータがアプリケーション要求メッセージを全部送り、データストリームを閉めると(自身の)アプリケーションレイヤーにfeedbackを与えることができる。そして、データストリームレスポンダは受信されたアプリケーション要求メッセージを完成した後、データストリームレスポンダのアプリケーションレイヤーに伝達することができる。
【0530】
このようなプロセスを介してアプリケーション要求メッセージがデータストリームレスポンダのアプリケーションレイヤーに伝達されれば、データストリームイニシエータはアプリケーション要求メッセージを伝達完了したことに対応することができる。そして、データストリームレスポンダはアプリケーション要求メッセージを受けることが完了されたことに対応することができる。
【0531】
以降、データストリームイニシエータとデータストリームレスポンダのポジションが互い変わる。すなわち、新しいデータストリームイニシエータは(アプリケーション要求メッセージに対する)アプリケーション応答メッセージを新しいデータストリームレスポンダに伝達することができる。そして、アプリケーション応答メッセージの伝達プロセスは前記説明したプロセスをそのまま繰り返しすればいい(すなわち、新しいデータストリームイニシエータはアプリケーション応答メッセージをスライスしてデータストリーム(例えばADTなど)を介して新しいデータストリームレスポンダに伝達)。
【0532】
ここで、前記のようなプロセス、すなわち、既存のデータストリームイニシエータが新しいデータストリームレスポンダに転換し、既存のデータストリームレスポンダが新しいデータストリームイニシエータに転換する例をアプリケーション観点から図面を介して説明すれば以下の通りであり得る。
【0533】
図26はアプリケーション観点からのデータ送信に対する順序図を模式的に示したものである。
【0534】
図26によれば、データストリームイニシエータはデータストリームレスポンダに(アプリケーション)要求メッセージを送信することができる。このとき、データストリームイニシエータがデータストリームレスポンダに(アプリケーション)要求メッセージを送信する方法は前述の通りである。すなわち、図25に示された通り、データストリームイニシエータは要求メッセージをスライスして、データストリーム(例えば、ADTパケットなど)を介してデータストリームレスポンダに送信することができる。
【0535】
以降、(アプリケーション)要求メッセージを受信したデータストリームレスポンダは新しくデータストリームイニシエータに転換する。すなわち、データストリームレスポンダがデータストリームイニシエータからアプリケーション要求メッセージに関連するデータストリームのクローズに対するパケットである最終のADCパケットを受信すれば、データストリームレスポンダはデータストリームイニシエータに転換することができる。
【0536】
以降、新しいデータストリームイニシエータはデータストリーム(例えばADTパケットなど)を介してアプリケーション応答メッセージを既存のデータストリームイニシエータに送信することができる。このとき、既存のデータストリームイニシエータは新しいデータストリームレスポンダになることができる。
【0537】
一方、現在のデータ通信によれば、特定のアプリケーション(e.g.認証(Authentication))のデータストリームがオープンされた状態において特定のアプリケーションのデータ通信が完了(すなわち、データストリームクローズ(close))する前までは、他のアプリケーションストリーム(stream)に対する通信が不可能である。
【0538】
これに関連する例を図面を介して説明すれば以下の通りである。
【0539】
図27は1つのデータ送信ストリームがクローズされた以降、他のデータ送信ストリームがオープンされる例を模式的に示したものである。
【0540】
図27に示された通り、データストリームイニシエータはデータ通信途中にproprietary(prop.)メッセージを送ることができなく、データストリームイニシエータはデータが大きいcertificate chainが終了した以降に至ってこそproprietaryメッセージをデータストリームレスポンダに送ることができる。
【0541】
より具体的には、現在の適用できるアプリケーションは認証(Authentication)とpropが存在する。そして、認証を開始するためにはADC/authが用いられ、propを開始するためにはADT/propが用いられる。すなわち、イニシエータが望むアプリケーションデータストリームに対してオープンをするために、前記それぞれのADCが用いられる。
【0542】
このとき、イニシエータがADC packetを送ることで当該アプリケーションデータストリームをオープンする。
【0543】
前記のような状況において、データストリームに対する終了に対するパケットは、adc/endのみが定義されている。したがって、データストリームイニシエータはADC/endを送信してデータストリームを終了することができる。
【0544】
すなわち、データストリームイニシエータがADC/endを送ることで臨むストリームに対してのみクローズを実行することが不可能である。言い換えれば、データストリームイニシエータは望むデータストリームのみをクローズできないため全てのストリームをクローズするようになる。
【0545】
ここでもし、データストリームイニシエータがmultiストリームオープンに基づいてmulti要求(例えば、Get-digest/Get-certificate/challengeなど)を送信するようになれば、レスポンダはどの要求に先ず応答が必要であるのかに対して判断をすることができない。だけでなく、データストリームレスポンダがADC/endを受信する場合にはどのデータストリームをクローズする必要があるかに対して判断をすることができない場合がある。
【0546】
そのため、現在の(データストリームイニシエータに対応することができる)無線電力送信機及び/又は無線電力受信機は複数のアプリケーションデータストリームをオープンすることができない。すなわち、現在の無線電力送信機及び/又は無線電力受信機は1つのストリームをオープンした後クローズまで実行した次に、他のストリームをオープンすることでデータ送信を実行するようになる。
【0547】
これを図27での例を介して説明すれば、無線電力送信機が認証書チェーンを送る間、位置(b)において無線電力受信機はpropデータ送信ストリームを開けるために試みることができる。しかし、この無線電力送信機は同時送受信データ送信ストリームをサポートしないためNDと応答することができる。
【0548】
前述の理由に応じて、現在の場合、無線電力送信機及び/又は無線電力受信機は同時にデータ送信ストリームを送信することがサポートされない。しかし、データ送信ストリームが全て同じ重要度を持っていない点を考慮すれば、比較的低い重要度を持つデータ送信ストリームが送信中に重要度が高いデータ送信ストリームが送信されないことは無線電力システムでの通信の非効率を起こす。
【0549】
特に、低い重要度を持つデータ送信ストリームが送信中に安全灯に関連するデータ送信ストリームが送信されない場合、無線電力送信機と無線電力受信機の間に発熱灯が起こり得る。このような点を考慮すれば、効率的であり安全な無線電力システムのためには、例えばデータの重要度が高いかデータの長さが短い場合に対するデータ送信のためにアプリケーションメッセージに対するマルチストリームの送信を提供する必要がある。
【0550】
これに、本明細書では、1つのデータストリームが送信される中に他のデータストリームが送信される構成を提供するようにする。
【0551】
以下の図面は本明細書の具体的な一例を説明するために作成された。図面に記載された具体的な装置の名称や具体的な信号/メッセージ/フィールドの名称は例示的に提示されたことであるため、本明細書の技術的な特徴が以下の図面に使用された具体的な名称に限られない。
【0552】
図28は本明細書の一実施形態に係る、無線電力送信機が無線電力を伝達する方法の順序図である。
【0553】
図28によれば、無線電力送信機はネゴシエーションフェーズにおいて無線電力受信機と電力伝達契約をネゴシエーションすることができる(S2810)。
【0554】
ここで、前述の通り、ネゴシエーションフェーズはBPPには存在しないフェーズに対応することができる。すなわち、EPP及び/又はMPPをサポートする無線電力送信機と無線電力受信期間でのみネゴシエーションフェーズが存在する。
【0555】
無線電力送信機と無線電力受信機がネゴシエーションフェーズに進入する具体的な説明と、無線電力送信機と無線電力受信機がネゴシエーションフェーズにおいて電力伝達契約をネゴシエーションする具体的な例は前述の通りである。
【0556】
以降、無線電力送信機は電力伝達フェーズにおいて電力伝達契約に基づいて無線電力を無線電力受信機に伝達することができる(S2820)。このとき、電力伝達フェーズでの無線電力送信機と無線電力受信期間の動作は基本的に前述の通りである。
【0557】
ここで、本明細書によれば、電力伝達フェーズの間、無線電力送信機は無線電力受信機に第1のデータストリームを送信し、無線電力送信機が第1のデータストリームを送信する間、第2のデータストリームの送信をオープン(open)することができる。
【0558】
これに対する具体的な方法を説明する前に、無線電力送信機は第1のデータストリームに関連する第1のイニシャルADCパケット、少なくとも1つの第1のADTパケット、第1の最終のADCパケットを無線電力受信機に送信することができるという点を先に説明する。そして、第1のイニシャルADCパケットは第1のデータストリームのオープンに関連するパケットであり、第1の最終のADCパケットは前記第1のデータストリームのクローズに関連するパケットであり得る。
【0559】
このとき、無線電力送信機が第1のイニシャルADCパケットを無線電力受信機に送信した以降及び第1の最終のADCパケットを無線電力受信機に送信する前に、無線電力送信機は第2のデータストリームのオープンに関連する第2のイニシャルADCパケットを無線電力受信機に送信することができる。そしてこれを介して、無線電力送信機が第1のデータストリームを送信する間第2のデータストリームの送信をオープン(open)することができる。
【0560】
前記のような状況において、最終のADCパケットの送信を介して全てのデータストリームがクローズされることを防ぐために、本明細書では、無線電力送信機が第1の最終のADCパケットを無線電力受信機に送信することに基づいて、第2のデータストリームはクローズされず第1のデータストリームのみがクローズされる。
【0561】
ここで、第1のイニシャルADCパケット、少なくとも1つの第1のADTパケット又は第1の最終のADCパケットのうち、少なくとも1つに第1のデータストリームに対するチャネルを識別する情報をマーキングすることができる。
【0562】
すなわち、例えば、端末が送信する最終のADCパケットに第1のデータストリームに対するチャネルを識別する情報がマーキングされることで、他のデータストリームではない第1のデータストリームのみがクローズされる。
【0563】
前述の内容は、第2のデータストリームにも同様に適用することができる。すなわち、無線電力送信機は第2のデータストリームに関連する少なくとも1つの第2のADTパケット、第2の最終のADCパケットを無線電力受信機に送信することができ、第2の最終のADCパケットは前記第2のデータストリームのクローズに関連するパケットであり得る。
【0564】
ここでも、前記のような状況において、最終のADCパケットの送信を介して全てのデータストリームがクローズされることを防ぐために、第2のイニシャルADCパケット、少なくとも1つの第2のADTパケット又は第2の最終のADCパケットのうち、少なくとも1つに第2のデータストリームに対するチャネルを識別する情報をマーキングすることができる。
【0565】
一方、今までは無線電力送信機が2つのデータストリームを同時に無線電力受信機に送信する例を説明した。さらに、又は別として、本明細書に係る無線電力送信機は1つのデータストリームを無線電力受信機に送信する間、他のデータストリームを無線電力受信機から受信することができる。
【0566】
すなわち、無線電力送信機が第1のデータストリームを送信する間、第3のデータストリームの受信がオープンできる。そして、無線電力送信機が第1のイニシャルADCパケットを無線電力受信機に送信した以降及び第1の最終のADCパケットを無線電力受信機に送信する前に、無線電力送信機は第3のデータストリームのオープンに関連する第3のイニシャルADCパケットを無線電力受信機から受信することができる。
【0567】
以下、図28において説明した例を問題状況とともにより具体的に説明する。
【0568】
ワイヤレス充電器期間にデータ通信時、WPCQiv1.3基準ではアプリケーションがただ1つ(認証(Authentication))に過ぎないため、無線電力送信機及び/又は無線電力受信機がデータストリームを同時多重に進める理由がない。
【0569】
また、他のアプリケーションストリーム(ADC/prop)に対しても、1つのストリームがオープンされている形において他のストリームがオープンされることのため、2つ以上のストリームがオープンされデータ送信を実行することは不可能である。
【0570】
本明細書では、後で他のアプリケーションを導入するようになれば、アプリケーションストリームをconcurrentに進める方法に対して説明する。
【0571】
本明細書では特定の(e.g.認証(Authentication)、ADC/auth)アプリケーションストリームがオープンされデータ送信中(データストリームがオープンされた状態においてクローズにならない条件)に他のアプリケーションストリーム(e.g.Prop、ADC/prop)に対するオープンをサポートする構成を提供する。また、ストリームがオープンされた状態において他のデータを送信することで、同時に多重(e.g.認証(Authentication)、Prop)のデータを送信する構成を提供する。
【0572】
1.概要
【0573】
無線電力受信機がイニシエータであるのか及び/又は無線電力送信機がイニシエータであるのかいずれかに関係なく、イニシエータはADC/authをレスポンダに送り、レスポンダはACK(レスポンダが無線電力送信機である場合)、DSR/ack(レスポンダが無線電力受信機である場合)を応答することができる。そして、これを介して、第1のアプリケーション(例えば、認証(Authentication))に対応することができるアプリケーションデータストリームがオープンできる。
【0574】
イニシエータがデータ送信途中、第2のアプリケーションのデータ送信(例えば、prop)が優先される場合がある。このような場合、イニシエータはADC/propをレスポンダに送り、レスポンダはACK(レスポンダが無線電力送信機である場合)、DSR/ack(レスポンダが無線電力受信機である場合)を応答することができる。そして、これを介して、第2のアプリケーション(Prop)に対応することができるアプリケーションデータストリームがオープンできる。
【0575】
これで、第1のアプリケーション(認証(Authentication))及び第2のアプリケーション(Prop)に対応することができる複数のデータストリームが同時にオープンされ、複数のデータ送信ができる。
【0576】
第2のアプリケーション(Prop)のデータが送信中に、第3のアプリケーション(例えば、XXX)のアプリケーションデータストリームをオープンする理由が生じれば、イニシエータはADC/xxxをレスポンダに送り、レスポンダはACK(レスポンダが無線電力送信機である場合)、DSR/ack(レスポンダが無線電力受信機である場合)を応答することができる。そして、これを介して、第3のアプリケーション(XXX)に対応することができるアプリケーションデータストリームがオープンできる。
【0577】
すなわち、3つのデータストリームが同時にオープンされ、3つのデータ送信ストリームの送受信ができる。
【0578】
一方、Propに対するデータ通信が完了されれば、イニシエータはADC/close_propをレスポンダに送り、対応するアプリケーションストリームをクローズすることができる。
【0579】
(Prop.データストリーム)以降認証(Authentication)アプリケーションデータストリームに対してデータ送信が完了されれば、イニシエータはADC/close_authを送り当該アプリケーションストリームをクローズすることができる。
【0580】
最後に、開いているxxxアプリケーションに対してデータ通信が完了されれば、イニシエータはADC/close_xxxをレスポンダに送り当該アプリケーションストリームをクローズすることができる。
【0581】
前記のような内容を無線電力送信機がイニシエータである場合と、無線電力受信機がイニシエータである場合に対する例をそれぞれ説明すれば以下の通りである。
【0582】
(1)無線電力送信機がイニシエータである場合
【0583】
無線電力送信機が無線電力受信機に特定のアプリケーションストリーム(e.g.ch1 or auth)に対してオープン意思を表示し、相手からDSR/ackを受ける瞬間、1番目である当該アプリケーションストリームがオープン機能を実行することができる。
【0584】
後で無線電力送信機が無線電力受信機に他のアプリケーションストリーム(e.g.ch2 or xxx)に対してオープン意思を表示し、相手からDSR/ackを受ける瞬間、2番目のアプリケーションストリームがオープン機能を実行することができる。
【0585】
そして無線電力送信機が無線電力受信機に別のアプリケーションストリーム(e.g.ch3 or yyy)に対しても前記のプロセスの通り3番目のアプリケーションストリームをオープン機能を実行することができる。
【0586】
以降、例えば、2番目のapp.ストリームに対してデータ通信が完了された後、無線電力送信機は「ch2 or xxx」のapp.ストリームに対してクローズ意思を表示した後、当該app.ストリームに対してのみデータ通信を終了することができる。
【0587】
以降、例えば、3番目のapp.ストリームに対してデータ通信が終了した後、無線電力送信機はクローズ意思を表示した後、当該app.ストリームに対してのみデータ通信を終了することができる。
【0588】
最後に、例えば、「ch1 or auth」の1番目のapp.ストリームに対してデータ通信が終了した後、無線電力送信機はこれに対するクローズ意思を表示した後、1番目のapp.ストリームに対してデータ通信を終了することができる。これで、無線電力送信機と無線電力受信機の間に開いていた3つのapp.ストリームに対して全てのデータ通信が終了される。
【0589】
(2)無線電力受信機がイニシエータである場合
【0590】
無線電力受信機が無線電力送信機に特定のアプリケーションストリーム(e.g.ch1 or auth)に対してオープン意思を表示し、相手からACKを受ける瞬間、1番目である当該アプリケーションストリームがオープン機能を実行することができる。
【0591】
後で無線電力受信機が無線電力送信機に他のアプリケーションストリーム(e.g.ch2 or xxx)に対してオープン意思を表示し、相手からACKを受ける瞬間、2番目アプリケーションストリームがオープン機能を実行することができる。
【0592】
そして無線電力受信機が無線電力送信機に別のアプリケーションストリーム(e.g.ch3 or yyy)に対しても前記のプロセスの通り3番目のアプリケーションストリームをオープンする機能を実行することができる。
【0593】
以降、例えば、2番目のapp.ストリームに対してデータ通信が完了された後、無線電力送信機は「ch2 or xxx」のapp.ストリームに対してクローズ意思を表示した後、当該app.ストリームに対してのみデータ通信を終了することができる。
【0594】
以降、例えば、3番目のapp.ストリームに対してデータ通信が終了した後、無線電力送信機はクローズ意思を表示した後、当該app.ストリームに対してのみデータ通信を終了することができる。
【0595】
最後に、例えば、「ch1 or auth」の1番目のapp.ストリームに対してデータ通信が終了した後、無線電力送信機はこれに対するクローズ意思を表示した後、1番目のapp.ストリームに対してデータ通信を終了することができる。これで、無線電力送信機と無線電力受信機の間に開いていた3つのapp.ストリームに対して全てのデータ通信が終了される。
【0596】
(3)まとめ
【0597】
前述の通り、app.ストリームのオープン順序に関係なく「複数 or 複数のchannel」のapp.ストリームに対してデータ通信オープンを実行することができる。そして、app.ストリームのオープン順序に関係なく先ず終了したデータ通信に対して、無線電力送信機及び/又は無線電力受信機がクローズを実行することで、当該app.ストリームのデータ通信を終了することができる。但し、この場合でも、既存オープンされているapp.ストリームに対してはデータ通信を行うことができる。
【0598】
ここで、無線電力受信機/無線電力送信機と関係なしで、無線電力受信機/無線電力送信機がどのロール(イニシエータ/レスポンダ)を持つかに応じて前記の動作が実行される。例えば、イニシエータがapp.ストリームの開閉権限を全て持っていることができる。
【0599】
2.従来の技術の例に係るデータ通信方法と本明細書でのデータ通信方法の比較
【0600】
前述の明細書の内容に対する理解の便宜上、従来の技術の例に係るデータ通信方法と本明細書でのデータ通信方法を比較して示すと以下の通りであり。
【0601】
図29は従来の技術の例に係るデータ通信方法を模式的に示したものである。
【0602】
図29に示した通り、例えば、チャネルナンバー1を持つ認証に関連するデータストリームがオープンされている間には、例えば、チャネルナンバー2を持つデータストリーム及び/又はチャネルナンバー3を持つデータストリームが送信されない。すなわち、従来の技術の例に係るデータ通信方法によれば、1つのストリームが送信中に、他のストリームが送信されることが不可能である。
【0603】
これに、従来の技術の例によれば、チャネルナンバー1を持つストリームが送信中にチャネルナンバー2を持つストリームを送信しようとすれば、送信されているチャネルナンバー1を持つストリームはとりあえず、クローズする必要がある。それ以降になって、チャネルナンバー2を持つストリームがオープンされ送信される。
【0604】
同様に、従来の技術の例によれば、チャネルナンバー3を持つストリームがオープンされ送信するためには、チャネルナンバー1を持つストリーム及びチャネルナンバー2を持つストリームの送信を中断する必要がある。
【0605】
まとめると、従来のデータ通信では同時にストリームが1個以上オープンされることが不可能である。先行ストリームが終了した後、他のストリームオープンが可能なだけである。
【0606】
図30は本明細書のデータ通信方法を模式的に示したものである。
【0607】
図30に示した通り、本明細書において提供する実施形態によれば、チャネルナンバー1を持つ認証に関連するデータストリームがオープンされ送信中に、チャネルナンバー2を持つデータストリームが送信されることもある。
【0608】
ここで、前述の通り、本明細書によれば、オープンされるアプリケーションデータストリームが何かがチャネルナンバーのマーキングを介して指示される。
【0609】
併せて、図30に示した通り、本明細書によれば、チャネルナンバー2を持つデータストリームが送信中に、チャネルナンバー1を持つデータストリームがクローズされる。
【0610】
これも、前述の通り、クローズされるアプリケーションデータストリームが何であるのかがチャネルナンバーのマーキングを介して指示される。これで、本明細書によれば、従来の技術でのADC/endが送信される場合には全てのデータストリームが終了される問題を解決することができる。
【0611】
一方、図30に示した通り、チャネルナンバー1を持つデータストリーム及びチャネルナンバー2を持つデータストリームが送信中に、チャネルナンバー3を持つデータストリームがオープンされ送信される。
【0612】
まとめると、本明細書技術のデータ通信は同時に複数のストリームに対してオープンが可能である。データ送信終了後にはオープン順序に関係なくデータ送信が終了されたときストリームのクローズが可能である。長さが長いデータ送信途中長さが短い他のストリームの送信も可能である。これは、従来の技術では長さが長いデータが送信されている場合には、長さが長いデータの送信以降になって長さが短いデータが送信されるという差異がある。
【0613】
3.本明細書でのデータ通信方法に対する例の順序図
【0614】
前述の明細書でのデータ通信方法に対する例を具体化して説明すれば以下の通りであり得る。
【0615】
(1)双方向多重データ通信の例
【0616】
前述の本明細書の例によれば、無線電力送信機と無線電力受信機は双方向に同時に複数のデータストリームを伝達することができる。
【0617】
これを図面を介して説明すれば以下の通りであり得る。
【0618】
図31及び図32は本明細書の実施形態に係る、同時双方向データ通信の例の順序図である。
【0619】
図31によれば、無線電力送信機は、データストリームイニシエータの立場において、無線電力受信機にチャネルナンバー1を持つ第1のデータストリームのオープンを指示するためにADC/ch1_auth/openを送信することができる。
【0620】
ここで、前述の通り、明示的に第1のデータストリームをオープンするために、無線電力送信機は無線電力受信機にストリームのオープンに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー1をマーキングすることができる。
【0621】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から前記のADCに対するDSR/ackを受信することができる。
【0622】
チャネルナンバー1を持つデータストリームがオープンされたため、無線電力送信機は無線電力受信機にADT(例えば、第1のヘッダを持つことができる)を送信することができる。このときのADTにもチャネルナンバー1を持つデータストリームに対応することを知らせるために、無線電力送信機は前記のADTにチャネルナンバー1をマーキングすることができる。
【0623】
無線電力送信機は前記のADTに対する応答として、無線電力受信機からDSR/ackを受信することができる。
【0624】
無線電力送信機は無線電力受信機にADT(例えば、第2のヘッダを持つことができる)を送信することができる。このときのADTにもチャネルナンバー1を持つデータストリームに対応することを知らせるために、無線電力送信機は前記のADTにチャネルナンバー1をマーキングすることができる。
【0625】
ここで、無線電力送信機がADTを送信するたびにヘッダをトグル(奇数値のヘッダ<->偶数値のヘッダ)する方法は前述の通りである。
【0626】
無線電力送信機は前記のADTに対する応答として、無線電力受信機からDSR/ackを受信することができる。
【0627】
一方、前記の通り第1のデータストリームがオープンされている状態において、無線電力送信機は無線電力受信機から第2のデータストリームを受信することができる。
【0628】
そのために、無線電力送信機は、データストリームレスポンダの立場において、無線電力受信機からチャネルナンバー2を持つ第2のデータストリームのオープンを指示するADC/ch2_xxx/openを受信することができる。
【0629】
ここで、前述の通り、明示的に第2のデータストリームをオープンするために、無線電力受信機は無線電力送信機にストリームのオープンに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー2をマーキングすることができる。
【0630】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機に前記のADCに対するACKを送信することができる。
【0631】
チャネルナンバー2を持つデータストリームがオープンされたため、無線電力送信機は無線電力受信機からADT(例えば、第3のヘッダを持つことができる)を受信することができる。このときのADTにもチャネルナンバー2を持つデータストリームに対応することを知らせるために、無線電力受信機は前記のADTにチャネルナンバー2をマーキングすることができる。
【0632】
無線電力送信機は前記のADTに対する応答として、無線電力受信機にACKを送信することができる。
【0633】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から第2のデータストリームに対する(すなわち、チャネルナンバー2がマーキングされた)ADTをさらに受信することができ、無線電力送信機は受信したADTに対するACKを無線電力受信機にさらに送信することができる。これに対する具体的な例は前述の通りである。
【0634】
一方、前記の通り、第1のデータストリーム及び第2のデータストリームがオープンされている状態において、無線電力送信機は無線電力受信機に第3のデータストリームを送信することができる。
【0635】
無線電力送信機が第3のデータストリームを送信する具体的な例は、単にチャネルナンバーが1からチャネルナンバーが3に変更することのみ異なり、前記の第1のデータストリームを送信する例と同じである。そのため、繰り返しの記載は省略する。
【0636】
一方、前記の通り、第1のデータストリーム、第2のデータストリーム、第3のデータストリームがオープンされ送信される中に、いずれか1つのデータストリームが終了される場合が起こり得る。以下では第2のデータストリームが一番先ず終了される例を説明する。
【0637】
図32によれば、無線電力送信機は、データストリームレスポンダの立場において、無線電力受信機から第2のデータストリームの終了を指示する情報であるADC/ch2_xxx/closeを受信することができる。
【0638】
前述の通り、明示的に第2のデータストリームをクローズするために、無線電力受信機は無線電力送信機にストリームのクローズに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー2をマーキングすることができる。
【0639】
すなわち、無線電力受信機はチャネルナンバー2を持つ第2のデータストリームを終了させるためのADCを送信することで、チャネルナンバー2を持つ第2のデータストリームのみが終了される。これで、前述の通り、従来の技術によればADC/endが送信される場合には全てのデータストリームが終了される問題点を解決することができる。
【0640】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機に前記のADCに対するACKを送信することができる。
【0641】
一方、第2のデータストリームのみが終了されたため、無線電力送信機はそれでも第1のデータストリーム及び第3のデータストリームを無線電力受信機に送信することができる。
【0642】
この中で、第3のデータストリームが終了される場合、無線電力送信機はデータストリームイニシエータの立場において、無線電力受信機に第3のデータストリームの終了を指示する情報であるADC/ch3_yyy/closeを送信することができる。
【0643】
前述の通り、明示的に第3のデータストリームをクローズするために、無線電力送信機は無線電力受信機にストリームのクローズに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー3をマーキングすることができる。
【0644】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から前記のADCに対するDSR/ackを受信することができる。
【0645】
一方、第2のデータストリーム及び第3のデータストリームのみが終了されたため、無線電力送信機はそれでも第1のデータストリームを無線電力受信機に送信することができる。
【0646】
この中で、第1のデータストリームが終了される場合、無線電力送信機はデータストリームイニシエータの立場において、無線電力受信機に第1のデータストリームの終了を指示する情報であるADC/ch1_auth/closeを送信することができる。
【0647】
前述の通り、明示的に第1のデータストリームをクローズするために、無線電力送信機は無線電力受信機にストリームのクローズに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー1をマーキングすることができる。
【0648】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から前記のADCに対するDSR/ackを受信することができる。
【0649】
(2)単方向多重データ通信の例
【0650】
前述の本明細書の例によれば、無線電力送信機は無線電力受信機に同時に複数のデータストリームを伝達することができる。
【0651】
これを図面を介して説明すれば以下の通りであり得る。
【0652】
図33及び図34は本明細書の実施形態に係る、多重データ通信の例の順序図である。
【0653】
図33によれば、無線電力送信機は、データストリームイニシエータの立場において、無線電力受信機にチャネルナンバー1を持つ第1のデータストリームのオープンを指示するためにADC/ch1_auth/openを送信することができる。
【0654】
ここで、前述の通り、明示的に第1のデータストリームをオープンするために、無線電力送信機は無線電力受信機にストリームのオープンに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー1をマーキングすることができる。
【0655】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から前記のADCに対するDSR/ackを受信することができる。
【0656】
以降、無線電力送信機は、データストリームイニシエータの立場において、無線電力受信機にチャネルナンバー2を持つ第2のデータストリームのオープンを指示するためにADC/ch2_xxx/openを送信することができる。
【0657】
ここで、前述の通り、明示的に第2のデータストリームをオープンするために、無線電力送信機は無線電力受信機にストリームのオープンに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー2をマーキングすることができる。
【0658】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から前記のADCに対するDSR/ackを受信することができる。
【0659】
また、無線電力送信機は、データストリームイニシエータの立場において、無線電力受信機にチャネルナンバー3を持つ第3のデータストリームのオープンを指示するためにADC/ch3_yyy/openを送信することができる。
【0660】
ここで、前述の通り、明示的に第3のデータストリームをオープンするために、無線電力送信機は無線電力受信機にストリームのオープンに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー3をマーキングすることができる。
【0661】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から前記のADCに対するDSR/ackを受信することができる。
【0662】
すなわち、図33において示した通り、無線電力送信機は第1のデータストリーム、第2のデータストリーム、第3のデータストリームをそれぞれオープンして、同時に第1のデータストリーム、第2のデータストリーム、第3のデータストリームを無線電力受信機に送信することができる。
【0663】
前記の通り、第1のデータストリーム、第2のデータストリーム、第3のデータストリームがオープンされ送信される中に、いずれか1つのデータストリームが終了される場合が起こり得る。以下では第2のデータストリームが一番先に終了される例を説明する。
【0664】
図34によれば、無線電力送信機は、データストリームイニシエータの立場において、無線電力受信機に第2のデータストリームの終了を指示する情報であるADC/ch2_xxx/closeを送信することができる。
【0665】
前述の通り、明示的に第2のデータストリームをクローズするために、無線電力送信機は無線電力受信機にストリームのクローズに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー2をマーキングすることができる。
【0666】
すなわち、無線電力送信機はチャネルナンバー2を持つ第2のデータストリームを終了させるためのADCを送信することで、チャネルナンバー2を持つ第2のデータストリームのみが終了される。これで、前述の通り、従来の技術によればADC/endが送信される場合には全てのデータストリームが終了される問題点を解決することができる。
【0667】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から前記のADCに対するDSR/ackを受信することができる。
【0668】
一方、第2のデータストリームのみが終了されたため、無線電力送信機はそれでも第1のデータストリーム及び第3のデータストリームを無線電力受信機に送信することができる。
【0669】
この中で、第3のデータストリームが終了される場合、無線電力送信機はデータストリームイニシエータの立場において、無線電力受信機に第3のデータストリームの終了を指示する情報であるADC/ch3_yyy/closeを送信することができる。
【0670】
前述の通り、明示的に第3のデータストリームをクローズするために、無線電力送信機は無線電力受信機にストリームのクローズに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー3をマーキングすることができる。
【0671】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から前記のADCに対するDSR/ackを受信することができる。
【0672】
一方、第2のデータストリーム及び第3のデータストリームのみが終了されたため、無線電力送信機はそれでも第1のデータストリームを無線電力受信機に送信することができる。
【0673】
この中で、第1のデータストリームが終了される場合、無線電力送信機はデータストリームイニシエータの立場において、無線電力受信機に第1のデータストリームの終了を指示する情報であるADC/ch1_auth/closeを送信することができる。
【0674】
前述の通り、明示的に第1のデータストリームをクローズするために、無線電力送信機は無線電力受信機にストリームのクローズに関連するADCを送信するとき、前記のADCにチャネルナンバー1をマーキングすることができる。
【0675】
以降、無線電力送信機は無線電力受信機から前記のADCに対するDSR/ackを受信することができる。
【0676】
4.本明細書でのデータ通信に用いられるパケット
【0677】
前述の本明細書の実施形態において、多重データストリームの同時送受信にADCパケットとADTパケットが用いられることを記載した。以下では、このとき用いるADCパケットとADTパケットの例を説明する。
【0678】
(1)ADCパケット
【0679】
無線電力受信機/無線電力送信機が相手機器にデータストリームの開閉の意思表示をする方法として、別途のTPL Packetを定義する方法と、又は既存のパケット(例えば、DSR/ADC/その他のPacket)に別途のビットを追加する方法が提供される。
【0680】
以下では、無線電力送信機であるのか又は無線電力受信機であるのかいずれかに関係なく、データストリームイニシエータが相手機器にデータストリームの開閉の意思表示をする方法として、別途のTPL Packetを定義する方法を優先に説明する。
【0681】
ここで、説明の便宜上、データストリームのクローズに対する例を重点的に説明するが、以下の説明した例はデータストリームのオープンに対する例にも適用することができる。このときには、以下の説明する例でのクローズをオープンに代替して解釈することができる。
【0682】
図35は別途のデータストリームクローズパケットの例を模式的に示したものである。
【0683】
図35によれば、別途のデータストリームクローズパケットにはTPL/typeフィールドとパラメータフィールドを含むことができる。
【0684】
ここで、TPL/typeフィールドは、例えば、以下のような値を持つことができる。
【0685】
-TPL/type
【0686】
0x00-TPL/Pause
【0687】
0x01-TPL/Busy
【0688】
0x02-TPL/Abort
【0689】
0x03-TPL/datastream_close
【0690】
0x04~0xFF-TPL/Reserved
【0691】
そしてパラメータフィールドにはデータストリームのクローズ対象になるチャネルに対する情報が含まれる。すなわち、パラメータフィールドには、データストリームクローズを望むアプリケーションストリーム(channel)に対するParameterが設定される。
【0692】
以下では、無線電力送信機であるのか又は無線電力受信機であるのかいずれかに関係なく、データストリームイニシエータが相手機器にデータストリームの開閉の意思表示をする方法として、例えば、既存のADCパケットに追加機能を与える方法を説明する。
【0693】
ここで、説明の便宜上、データストリームのクローズに対する例を重点的に説明するが、以下の説明した例はデータストリームのオープンに対する例にも適用することができる。このとき、以下の説明する例でのクローズをオープンに代替して解釈することができる。
【0694】
図36はADCパケットに追加機能を与える例を模式的に示したものである。
【0695】
図36によれば、ADCパケットにはリクエストフィールドとパラメータフィールドが含まれる。
【0696】
ここで、例として、ADCパケットがクローズを指示する場合は、リクエストフィールドが以下のように設定することができる。
【0697】
-要求
【0698】
ADC/end-0
【0699】
そして、前述の通り、前記のADC/endのみが単に提供される場合には、全てのデータストリームが終了されることがあるため、パラメータフィールドにはどのデータストリームがクローズされるかに対する情報が含まれる。
【0700】
言い換えれば、パラメータフィールドにはデータストリームのクローズ対象になるチャネルに対する情報(データストリームクローズchannel)が含まれる。すなわち、パラメータフィールドには、データストリームクローズを望むアプリケーションストリーム(channel)に対するParameterを設定することができる。
【0701】
(2)ADTパケット
【0702】
図37及び図38は本明細書において提供するADTパケットの例を模式的に示したものである。
【0703】
図37及び図38によれば、本ADTパケットがどのデータストリームに対するADTパケットであるのかを知らせるために、ADTパケットにはストリームチャネルに対する情報が含まれる。
【0704】
すなわち、データストリームイニシエータが送信するADTパケットにはストリームチャネルに対する情報が含まれる。そして、データストリームレスポンダは自身が受信したADTパケットに含まれたストリームチャネルに対する情報を確認して、前記のADTパケットがどのデータストリームに対するADTパケットであるのかを識別することができる。
【0705】
ここで、図37ではストリームチャネルに対する情報がADTパケットのB_0に含まれる例が示されており、図38ではストリームチャネルに対する情報がADTパケットのB_n+1に含まれた例が示されている。
【0706】
以下、様々な主体の観点から、本明細書の実施形態を再び説明する。
【0707】
以下の図面は本明細書の具体的な一例を説明するために作成された。図面に記載された具体的な装置の名称や具体的な信号/メッセージ/フィールドの名称は例示的に提示したことであるため、本明細書の技術的な特徴が以下の図面に使用された具体的な名称に限られない。
【0708】
図39は本明細書の一実施形態に係る、無線電力送信機の観点から、無線電力を伝達する方法の順序図である。
【0709】
図39によれば、無線電力送信機はネゴシエーションフェーズにおいて無線電力受信機と電力伝達の契約をネゴシエーションすることができる(S3910)。
【0710】
無線電力送信機は電力伝達フェーズにおいて前記電力伝達契約に基づいて前記無線電力を前記無線電力受信機に伝達することができる(S3920)。
【0711】
ここで、前記電力伝達フェーズの間、前記無線電力送信機は前記無線電力受信機に第1のデータストリームを送信し、及び前記無線電力送信機が前記第1のデータストリームを送信する間、第2のデータストリームの送信をオープン(open)することができる。
【0712】
ここで例えば、前記無線電力送信機は前記第1のデータストリームに関連する第1のイニシャルADCパケット、少なくとも1つの第1のADTパケット、第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信し、前記第1のイニシャルADCパケットは前記第1のデータストリームのオープンに関連するパケットであり、前記第1の最終のADCパケットは前記第1のデータストリームのクローズに関連するパケットであり得る。
【0713】
ここで例えば、前記無線電力送信機が前記第1のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信した以降及び前記第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信する前に、前記無線電力送信機は前記第2のデータストリームのオープンに関連する第2のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信することができる。
【0714】
ここで例えば、前記無線電力送信機が前記第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信することに基づいて、前記第2のデータストリームはクローズされず前記第1のデータストリームのみがクローズされる。
【0715】
ここで例えば、前記第1のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第1のADTパケット又は前記第1の最終のADCパケットのうち、少なくとも1つに前記第1のデータストリームに対するチャネルを識別する情報をマーキングすることができる。
【0716】
ここで例えば、前記無線電力送信機は前記第2のデータストリームに関連する少なくとも1つの第2のADTパケット、第2の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信し、前記第2の最終のADCパケットは前記第2のデータストリームのクローズに関連するパケットであり得る。
【0717】
ここで例えば、前記第2のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第2のADTパケット又は前記第2の最終のADCパケットのうち、少なくとも1つに前記第2のデータストリームに対するチャネルを識別する情報をマーキングすることができる。
【0718】
ここで例えば、前記無線電力送信機が前記第1のデータストリームを送信する間、第3のデータストリームの受信がオープンされる。
【0719】
ここで例えば、前記無線電力送信機が第1のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信した以降及び第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信する前に、前記無線電力送信機は前記第3のデータストリームのオープンに関連する第3のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機から受信することができる。
【0720】
別途示してはいないが、無線電力送信機が提供される。無線電力送信機は、無線電力受信機に無線電力を伝達することに関連するコンバータ、前記無線電力の伝達を制御することに関連するコミュニケーション/制御装置を含むことができる。前記無線電力送信機はネゴシエーションフェーズにおいて前記無線電力受信機と電力伝達契約をネゴシエーションして及び電力伝達フェーズにおいて前記電力伝達契約に基づいて前記無線電力を前記無線電力受信機に伝達することができる。前記電力伝達フェーズの間、前記無線電力送信機は前記無線電力受信機に第1のデータストリームを送信し、及び前記無線電力送信機が前記第1のデータストリームを送信する間、第2のデータストリームの送信をオープン(open)することができる。
【0721】
図40は本明細書の一実施形態に係る、無線電力受信機の観点から、無線電力を受信する方法の順序図である。
【0722】
図40によれば、無線電力受信機はネゴシエーションフェーズにおいて無線電力送信機と電力伝達契約をネゴシエーションすることができる(S4010)。
【0723】
無線電力受信機は電力伝達フェーズにおいて前記電力伝達契約に基づいて前記無線電力を前記無線電力送信機から受信することができる(S4010)。
【0724】
ここで、前記電力伝達フェーズの間、前記無線電力受信機は前記無線電力送信機から第1のデータストリームを受信し、及び前記無線電力受信機が前記第1のデータストリームを受信する間、第2のデータストリームの受信をオープン(open)することができる。
【0725】
別途示してはいないが、無線電力受信機が提供される。無線電力受信機は無線電力送信機から無線電力を受信することに関連する電力ピックアップ装置及び前記無線電力の受信を制御することに関連するコミュニケーション/制御装置を含むことができる。前記無線電力受信機はネゴシエーションフェーズにおいて前記無線電力送信機と電力伝達契約をネゴシエーションして及び電力伝達フェーズにおいて前記電力伝達契約に基づいて前記無線電力を前記無線電力送信機から受信することができる。前記電力伝達フェーズの間前記無線電力受信機は前記無線電力送信機から第1のデータストリームを受信し、及び前記無線電力受信機が前記第1のデータストリームを受信する間、第2のデータストリームの受信をオープン(open)することができる。
【0726】
以下、本明細書の効果を説明する。
【0727】
効果を説明するために、前述の問題事項をもう一度説明する。現在のデータストリームに対する終了に対するパケットは、adc/endのみが定義されている。そのため、データストリームイニシエータがADC/endを送ることで望むストリームに対してのみクローズを実行することが不可能である。言い換えれば、データストリームイニシエータは望むデータストリームのみをクローズできず全てのストリームをクローズするようになる。
【0728】
ここで、もし、データストリームイニシエータがmultiストリームオープンに基づいてmulti要求を送信するようになれば、レスポンダはどの要求に先に応答する必要があるかに対して判断ができない。だけでなく、データストリームレスポンダがADC/endを受信する場合にはどのデータストリームをクローズする必要があるかに対して判断ができない。
【0729】
本明細書では、前述の通り、ADCパケット及び/又はADTパケットに、前記のADCパケット及び/又はADTパケットがどのデータストリームに対するパケットであるのかマーキングする構成が提供される。
【0730】
そのため、本明細書によれば、従来の技術とは異なるように、どのストリームが開始されどのストリームがクローズされるかが明示的に指示される。
【0731】
これを介して本明細書によれば、多重データストリームの送受信が提供されるとしても、前述の通り、多重データストリームが同時にオープンされるか同時にクローズされる問題状況が発生しない効果が起こり得る。
【0732】
前記のような効果のため、以下のような追加の効果も起こり得る。
【0733】
前述の通り、データ送信ストリームが全て同じ重要度を持っていない点を考慮すれば、従来の技術のように比較的低い重要度を持つデータ送信ストリームが送信される途中には重要度が高いデータ送信ストリームが送信が不可能なことは非効率的な状況に対応する。
【0734】
これに対して、本明細書によれば、低い重要度を持つデータ送信ストリームが送信中に安全灯に関連するデータ送信ストリームが送信される。これによって、無線電力送信機と無線電力受信機の間に発熱灯が発生する問題状況を防ぐことができる。
【0735】
前記のような点を考慮すれば、例えばデータの重要度が高いかデータの短い場合に対するデータ送信のために、本明細書ではアプリケーションメッセージに対するマルチストリームの送信が提供される。これで本明細書では、効率的かつ安全な無線電力システムを提供することができる。
【0736】
本明細書の具体的な一例を通じて得られる効果は、以上で羅列された効果に制限されない。例えば、係わる技術分野において通常の知識を有する者(a person having ordinary skill in the related art)が本明細書から理解すしたり誘導することができる多様な技術的効果が存在し得る。これによって、本明細書の具体的な効果は、本明細書に明示的に記載されたものに制限されず、本明細書の技術的特徴から理解されたり誘導され得る多様な効果を含むことができる。
【0737】
本明細書に記載された請求項は、多様な方式に組み合わせてもよい。例えば、本明細書の方法請求項の技術的特徴が組み合わされて装置に具現されてもよく、本明細書の装置請求項の技術的特徴が組み合わされて方法に具現されてもよい。また、本明細書の方法請求項の技術的特徴と装置請求項の技術的特徴が組み合わされて装置に具現されてもよく、本明細書の方法請求項の技術的特徴と装置請求項の技術的特徴が組み合わされて方法に具現されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力送信システムにおいて、無線電力送信機によって実行される無線電力を伝達する方法において、
第1のデータストリームに関連する第1のイニシャルADCパケットを無線電力受信機に送信するステップであって、前記第1のイニシャルADCパケットは、前記第1のデータストリームのオープンに関連するパケットである、ステップと、
前記第1のデータストリームに関連する少なくとも1つの第1のADTパケットを前記無線電力受信機に送信するステップと、を含み、
前記第1のデータストリームのクローズに関連する第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信する前に、前記無線電力送信機は、第2のデータストリームのオープンに関連する第2のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信する、方法。
【請求項2】
前記無線電力送信機が前記第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信することに基づいて、前記第2のデータストリームはクローズされず、前記第1のデータストリームのみがクローズされる、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第1のADTパケット又は前記第1の最終のADCパケットの少なくとも1つは、前記第1のデータストリームに対するチャネルを識別する情報がマーキングされる、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記無線電力送信機は、前記第2のデータストリームに関連する少なくとも1つの第2のADTパケット及び第2の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信し、
前記第2の最終のADCパケットは、前記第2のデータストリームのクローズに関連するパケットである、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第2のADTパケット又は前記第2の最終のADCパケットの少なくとも1つは、前記第2のデータストリームに対するチャネルを識別する情報がマーキングされる、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記無線電力送信機が前記第1のデータストリームを送信する間、第3のデータストリームの受信がオープンされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記無線電力送信機が第1のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信した以降、及び前記無線電力送信機が第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信する前に、前記無線電力送信機は、前記第3のデータストリームのオープンに関連する第3のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機から受信する、請求項に記載の方法。
【請求項8】
無線電力送信機は、
無線電力受信機に無線電力を伝達することに関連するコンバータと、
前記無線電力の伝達を制御することに関連するコミュニケーション/制御装置と、を含み、
前記無線電力送信機は、
第1のデータストリームに関連する第1のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信し、前記第1のイニシャルADCパケットは、前記第1のデータストリームのオープンに関連するパケットであり、
前記第1のデータストリームに関連する少なくとも1つの第1のADTパケットを前記無線電力受信機に送信し、
前記第1のデータストリームのクローズに関連する第1の最終のADCパケットを前記無線電力受信機に送信する前に、前記無線電力送信機は、第2のデータストリームのオープンに関連する第2のイニシャルADCパケットを前記無線電力受信機に送信する、無線電力送信機。
【請求項9】
無線電力送信システムにおいて無線電力受信機によって実行される無線電力を受信する方法において、
第1のデータストリームに関連する第1のイニシャルADCパケットを無線電力送信機から受信するステップであって、前記第1のイニシャルADCパケットは、前記第1のデータストリームのオープンに関連するパケットである、ステップと、
前記第1のデータストリームに関連する少なくとも1つの第1のADTパケットを前記無線電力送信機から受信するステップと、を含み、
前記第1のデータストリームのクローズに関連する第1の最終のADCパケットを前記無線電力送信機から受信する前に、前記無線電力受信機は、第2のデータストリームのオープンに関連する第2のイニシャルADCパケットを前記無線電力送信機から受信する、方法。
【請求項10】
前記無線電力受信機が前記第1の最終のADCパケットを前記無線電力送信機から受信することに基づいて、前記第2のデータストリームはクローズされず、前記第1のデータストリームのみがクローズされる、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第1のADTパケット又は前記第1の最終のADCパケットの少なくとも1つは、前記第1のデータストリームに対するチャネルを識別する情報がマーキングされる、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記無線電力受信機は、前記第2のデータストリームに関連する少なくとも1つの第2のADTパケット及び第2の最終のADCパケットを前記無線電力送信機から受信し、
前記第2の最終のADCパケットは、前記第2のデータストリームのクローズに関連するパケットである、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のイニシャルADCパケット、前記少なくとも1つの第2のADTパケット又は前記第2の最終のADCパケットの少なくとも1つは、前記第2のデータストリームに対するチャネルを識別する情報がマーキングされる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記無線電力受信機は、前記第1のデータストリームを受信する間、第3のデータストリームの送信をオープンする、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記無線電力受信機が第1のイニシャルADCパケットを前記無線電力送信機から受信した以降、及び前記無線電力受信機が第1の最終のADCパケットを前記無線電力送信機から受信する前に、前記無線電力受信機は、前記第3のデータストリームのオープンに関連する第3のイニシャルADCパケットを前記無線電力送信機に送信する、請求項14に記載の方法。
【国際調査報告】