(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】酸化還元電池
(51)【国際特許分類】
H01M 8/18 20060101AFI20240910BHJP
H01M 8/2465 20160101ALI20240910BHJP
H01M 8/0206 20160101ALI20240910BHJP
【FI】
H01M8/18
H01M8/2465
H01M8/0206
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509491
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 KR2022012214
(87)【国際公開番号】W WO2023022483
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10-2022-0044730
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517019603
【氏名又は名称】スタンダード エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】イ ドンヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ブギ
(72)【発明者】
【氏名】キム キヒュン
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA10
5H126AA28
5H126BB10
5H126FF05
5H126RR01
(57)【要約】
酸化還元電池は、積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル、酸化還元電池セルのそれぞれは、正極集電体と連結された第1ハーフセルと、負極集電体と連結された第2ハーフセルと、第1ハーフセルと第2ハーフセルとを分離するイオン交換膜と、を含み、積層方向に延在して、酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバーと、積層方向に延在して、酸化還元電池セルの複数の負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバーと、を含む。正極導電バスバー及び負極導電バスバーの少なくとも1つは、酸化還元電池を積層方向に結束する。
【選択図】
図5a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル、前記酸化還元電池セルのそれぞれは、正極集電体(positive current collector)に連結された第1ハーフセル(half cell)と、負極集電体(negative current collector)に連結された第2ハーフセルと、前記第1ハーフセルと前記第2ハーフセルとを分離するイオン交換膜と、を含み;
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバー;
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバー;及び
前記積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置された正極端部プレート及び負極端部プレートを含み、
前記正極端部プレートは、前記正極導電バスバーに連結され、
前記負極端部プレートは、前記負極導電バスバーに連結される、
酸化還元電池。
【請求項2】
前記正極端部プレートは、前記正極導電バスバーに対して電気伝導性であり、
前記負極端部プレートは、前記負極導電バスバーに対して電気伝導性である、
請求項1に記載の酸化還元電池。
【請求項3】
前記正極導電バスバー及び前記負極導電バスバーのうち一方または両方は、前記積層方向に沿って、前記積層された酸化還元電池セルを圧縮するため締結口の働きをする、
請求項1に記載の酸化還元電池。
【請求項4】
前記酸化還元電池は、前記積層された酸化還元電池セルを、前記積層方向に沿って圧縮するさらなる圧縮力を提供するさらなる締結口を含まない、
請求項3に記載の酸化還元電池。
【請求項5】
前記正極導電バスバーは、正極端部プレート及び負極端部プレートにいずれも機械的に固定され、かつ、前記正極端部プレートと電気的に連結されて、前記負極端部プレートと電気的に絶縁される、
請求項1に記載の酸化還元電池。
【請求項6】
前記負極導電バスバーは、前記正極端部プレート及び前記負極端部プレートにいずれも機械的に固定され、かつ、前記負極端部プレートと電気的に連結されて、前記正極端部プレートと電気的に絶縁される、
請求項1に記載の酸化還元電池。
【請求項7】
前記正極導電バスバー及び前記負極導電バスバーは、1つ以上の機械的結合構造を用いて、正極端部プレート及び負極端部プレートにいずれも機械的に固定される、
請求項1に記載の酸化還元電池。
【請求項8】
前記酸化還元電池セルスタックと正極端部プレート及び負極端部プレートのうち一方または両方の間に絶縁層が介在される、
請求項1に記載の酸化還元電池。
【請求項9】
前記負極導電バスバー及び前記正極導電バスバーは、前記酸化還元電池セルスタックの対向面上に配置される、
請求項1に記載の酸化還元電池。
【請求項10】
一対の負極導電バスバーは、前記酸化還元電池セルスタックの一対の対向面上に配置され、
一対の正極導電バスバーは、前記酸化還元電池セルスタックの他対の対向面上に配置される、
請求項1に記載の酸化還元電池。
【請求項11】
前記酸化還元電池セルスタックの周囲にループを形成するタイバンド(tie band)をさらに含む、
請求項1に記載の酸化還元電池。
【請求項12】
それぞれ請求項1に記載の酸化還元電池による複数の酸化還元電池を含む電池であって、
前記酸化還元電池は、互いに側方向に隣接して配列される、
電池。
【請求項13】
前記酸化還元電池のうち最隣接した酸化還元電池は、前記積層方向に積層され、反対の極性を持つ、前記正極端部プレート及び前記負極端部プレートのうち、各々の端部プレートを介して電気的に直列に連結される、
請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記酸化還元電池のうち最隣接した酸化還元電池は、前記積層方向に垂直な水平方向に互いに側方向に隣接して配列され、同一の極性を持つ、前記正極端部プレート及び前記負極端部プレートのうち、各々の端部プレートを介して電気的に並列に連結される、
請求項12に記載の電池。
【請求項15】
前記正極導電バスバーの端部部分は、前記正極端部プレートの一部をカバーするように曲がり、前記負極導電バスバーの端部部分は、前記負極端部プレートの一部をカバーするように曲がる、
請求項12に記載の電池。
【請求項16】
積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル、前記酸化還元電池セルのそれぞれは、正極集電体に連結された第1ハーフセルと、負極集電体に連結された第2ハーフセルと、及び前記第1ハーフセルと前記第2ハーフセルとを分離するイオン交換膜と、を含み;
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバー;
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバー;
前記積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置された第1の正極端部プレート及び第2の正極端部プレート、-前記第1の正極端部プレート及び前記第2の正極端部プレートは、前記正極導電バスバーに連結され-;及び
前記積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置された第1の負極端部プレート及び第2の負極端部プレートを含み、
前記第1の負極端部プレート及び前記第2の負極端部プレートは、前記負極導電バスバーに連結される、
酸化還元電池。
【請求項17】
前記第1の正極端部プレート及び前記第2の正極端部プレートは、前記正極導電バスバーに対して電気伝導性であり、
前記第1の負極端部プレート及び前記第2の負極端部プレートは、前記負極導電バスバーに対して電気伝導性である、
請求項16に記載の酸化還元電池。
【請求項18】
前記第1の正極端部プレートと前記第1の負極端部プレートは、互いに電気的に絶縁され、前記積層された酸化還元電池セルの同一端部上に隣接して配置される、
請求項16に記載の酸化還元電池。
【請求項19】
前記第2の正極端部プレートと前記第2の負極端部プレートは、互いに電気的に絶縁され、前記積層された酸化還元電池セルの同一端部上に隣接して配置される、
請求項16に記載の酸化還元電池。
【請求項20】
前記正極導電バスバーは、第1の正極端部プレート及び第2の正極端部プレートにいずれも機械的に固定される、
請求項16に記載の酸化還元電池。
【請求項21】
前記負極導電バスバーは、第1の負極端部プレート及び第2の負極端部プレートにいずれも機械的に固定される、
請求項16に記載の酸化還元電池。
【請求項22】
前記正極導電バスバー及び前記負極導電バスバーは、1つ以上の機械的な結合構造を用いて、第1の正極端部プレート及び第2の正極端部プレート、かつ、第1の負極端部プレート及び第2の負極端部プレートにそれぞれ機械的に固定される、
請求項16に記載の酸化還元電池。
【請求項23】
前記酸化還元電池セルスタックの周囲にループを形成するタイバンドをさらに含む、
請求項16に記載の酸化還元電池。
【請求項24】
複数の酸化還元電池を含み、
前記複数の酸化還元電池は、それぞれ、
積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル、前記酸化還元電池セルのそれぞれは、正極集電体及び負極集電体を含み、
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバー、
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバー、
前記積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置されて、前記正極導電バスバーに連結される一対の導電性の正極端部プレート、及び、
前記積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置されて、前記負極導電バスバーに連結される一対の導電性の負極端部プレートを含み、
前記酸化還元電池の1つ以上のサブセットは、前記セルの積層方向に直交する少なくとも1つの他の方向に積層されて、互いに電気的に連結される、
酸化還元電池システム。
【請求項25】
前記一対の導電性の正極端部プレートのうち1つ、及び前記一対の導電性の負極端部プレートのうち1つは、同じ酸化還元電池セルスタックの同一端部上に配置される反対の極性を持つ、隣接して配置された一対の端部プレートを形成する、
請求項24に記載の酸化還元電池システム。
【請求項26】
前記セルの積層方向は、第1水平方向であり、酸化還元電池の第1サブセットは、前記第1水平方向に直交する垂直方向に積層される、
請求項24に記載の酸化還元電池システム。
【請求項27】
酸化還元電池の第2サブセットは、前記垂直方向、及び前記第1水平方向に直交する第2水平方向に積層される、
請求項26に記載の酸化還元電池システム。
【請求項28】
前記複数の酸化還元電池は、垂直方向に垂直に積層され、第2水平方向に水平に積層され、前記セルの積層方向から見るとき、前記複数の酸化還元電池は、前記第2水平方向に延在する酸化還元電池の複数の行、及び前記垂直方向に延在する酸化還元電池の複数の列を含むアレイを形成する、
請求項24に記載の酸化還元電池システム。
【請求項29】
複数の酸化還元電池、前記複数の酸化還元電池のそれぞれは、
積層方向に積層され、酸化還元電池セルのそれぞれが、正極集電体及び負極集電体を含む複数の酸化還元電池セル、
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバー、
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバー、及び
1つ以上の導電性の正極端部プレート、及び1つ以上の導電性の負極端部プレートを含み;及び、
第1端部と第2端部に連結された構造の間に、電気の短絡を形成するように構成された導電性の短絡構造を含み、
前記第1端部は、前記複数の酸化還元電池の導電性の正極端部プレート、または導電性の負極端部プレートのうち1つに除去可能に固定され、
前記第2端部は、前記複数の酸化還元電池の導電性の正極端部プレート、または導電性の負極端部プレートのうち他の1つに電気的に連結されるように構成される、
酸化還元電池システム。
【請求項30】
前記酸化還元電池のそれぞれは、
セルの積層方向に積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置されて、前記正極導電バスバーに電気的に連結される、一対の導電性の正極端部プレートと、
前記セルの積層方向に積層された前記酸化還元電池セルの対向端部に配置されて、前記負極導電バスバーに電気的に連結される、一対の導電性の負極端部プレートと、を含む、
請求項29に記載の酸化還元電池システム。
【請求項31】
前記導電性の短絡構造は、前記酸化還元電池の同じ側に形成された導電性の正極端部プレート及び/または負極端部プレートの間に電気の短絡を形成するように構成される、
請求項29に記載の酸化還元電池システム。
【請求項32】
一対の導電性の正極端部プレートのうち1つ、及び前記一対の導電性の負極端部プレートのうち1つは、同じ酸化還元電池セルスタックの同一端部上に配置される反対の極性を持つ、隣接して配置された一対の端部プレートを形成し、
前記導電性の短絡構造は、前記隣接して配置された一対の正極端部プレートの間に電気の短絡を形成するように構成される、
請求項29に記載の酸化還元電池システム。
【請求項33】
積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル、前記酸化還元電池セルのそれぞれは、正極集電体に連結された第1ハーフセルと、負極集電体に連結された第2ハーフセルと、前記第1ハーフセルと前記第2ハーフセルとを分離するイオン交換膜と、を含み;
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバーと、
前記積層方向に延在して、前記酸化還元電池セルの負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバーと、を含み、
前記正極導電バスバーの端部部分は、曲がって、前記酸化還元電池セルスタックの端部に配置され、
前記負極導電バスバーの端部部分は、曲がって、前記酸化還元電池セルスタックの前記端部または他の端部に配置される、
酸化還元電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、通常、エネルギー貯蔵装置に関し、より具体的には、酸化還元(redox)電池、及び酸化還元電池のための連結部に関する。
【背景技術】
【0002】
世界の経済成長に伴う地球温暖化が進むことによって、再生可能エネルギー、例えば、太陽及び風力エネルギーに基づく再生かつ持続可能なエネルギーシステムに対する必要性に迫られている。これらエネルギーの形のような間歇的な可用性による変動に対して、グリッドネットワークの安定性を向上させるために、エネルギー貯蔵システム(ESS:energy storage system)の発達は、余剰電気を貯蔵するために用いられ、これは必要な際、最終顧客あるいは電力グリッドに伝達され得る。他のものの中、電気化学エネルギーに基づくESS、例えば、再充電可能な電池または二次電池は、コスト効果が良く、きれいな形態のエネルギー貯蔵ソリューションを提供することができる。電気化学エネルギー貯蔵システムの例は、リチウムイオン、鉛酸、ナトリウム硫黄、及びレドックスフロー(redox-flow)電池を含む。短期貯蔵(short-term storage)、中期貯蔵(medium-term storage)及び長期貯蔵(long-term storage)といった、互いに異なる適用に対しては、互いに異なる貯蔵時間が必要である。互いに異なるタイプの電気化学エネルギー貯蔵システムは、互いに異なる物理的及び/または化学的特性を有する。電気化学エネルギー貯蔵システムの特定の適用に対する適合性を定める要因は、幾つか言うと、投資費、電力、エネルギー、寿命、リサイクル可能性、効率性、拡張性(scalability)、及びメンテナンス費用を含む。適宜な電気化学貯蔵システムの選択及び設計は、競争要因に考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施例によれば、酸化還元電池は、積層方向に積層された複数の酸化還元電池セルを含み、酸化還元電池セルのそれぞれは、正極集電体(positive current collector)に連結された第1ハーフセル(half cell)と、負極集電体(negative current collector)に連結された第2ハーフセルと、第1ハーフセルと第2ハーフセルとを分離するイオン交換膜と、を含む。酸化還元電池は、また、積層方向に延在して、酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバーと、積層方向に延在して、負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバーと、を含む。正極バスバー及び負極バスバーのうち一方または両方は、積層された酸化還元電池セルを積層方向に機械的に締結するための締結手段として構成される。
【0004】
他の実施例によれば、酸化還元電池は、積層方向に積層された複数の酸化還元電池セルを含み、酸化還元電池セルのそれぞれは、正極集電体に連結された第1ハーフセルと、負極集電体に連結された第2ハーフセルと、第1ハーフセルと第2ハーフセルとを分離するイオン交換膜と、を含む。酸化還元電池は、また、積層方向に延在して、酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバーと、積層方向に延在して、負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバーと、を含む。酸化還元電池は、積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置された正極端部プレート及び負極端部プレートをさらに含み、正極端部プレートは、正極導電バスバーに連結され、負極端部プレートは、負極導電バスバーに連結される。
【0005】
さらに他の実施例によれば、酸化還元電池は、積層方向に積層された複数の酸化還元電池セルを含み、酸化還元電池セルのそれぞれは、正極集電体に連結された第1ハーフセルと、負極集電体に連結された第2ハーフセルと、第1ハーフセルと第2ハーフセルとを分離するイオン交換膜と、を含む。酸化還元電池は、また、積層方向に延在して、酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバーと、積層方向に延在して、負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバーと、を含む。酸化還元電池は、積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置された正極端部プレート及び負極端部プレートをさらに含み、正極端部プレート及び負極端部プレートは、正極導電バスバーに連結される。酸化還元電池は、積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置された第3の端部プレート及び第4の端部プレートをさらに含み、第3の端部プレート及び第4の端部プレートは、負極導電バスバーに連結される。
【0006】
さらに他の実施例によれば、酸化還元電池システムは、複数の酸化還元電池を含み、酸化還元電池のそれぞれは、上記実施例のうち任意の実施例に従う。酸化還元電池のそれぞれは、セルの積層方向に積層され、正極導電バスバーに電気的に連結された酸化還元電池セルの対向端部に配置された一対の導電性の正極端部プレートと、セルの積層方向に積層され、負極導電バスバーに電気的に連結された酸化還元電池セルの対向端部に配置された一対の導電性の負極端部プレートと、を含む。酸化還元電池の1つ以上のサブセットは、セルの積層方向に直交する少なくとも1つの他方向に積層されて、互いに電気的に連結される。
【0007】
さらに他の実施例によれば、酸化還元電池システムは、複数の酸化還元電池を含み、酸化還元電池のそれぞれは、上記実施例のうち任意の実施例に従って、1つ以上の導電性の正極端部プレートと、1つ以上の導電性の負極端部プレートと、を含む。導電性の短絡構造は、導電性の短絡構造の第1端部と第2端部によって連結された構造の間に、電気の短絡を形成するように構成され、第1端部は、複数の酸化還元電池の導電性の正極端部プレートまたは導電性の負極端部プレートのうち1つに除去可能に固定されて、電気的に連結されるように構成され、第2端部は、複数の酸化還元電池の導電性の正極端部プレートまたは導電性の負極端部プレートのうち他の1つに除去可能に固定されて、電気的に連結されるように構成される。
【0008】
さらに他の実施例によれば、酸化還元電池は、積層方向に積層された複数の酸化還元電池セルを含み、酸化還元電池セルのそれぞれは、正極集電体に連結された第1ハーフセルと、負極集電体に連結された第2ハーフセルと、第1ハーフセルと第2ハーフセルとを分離するイオン交換膜と、を含む。酸化還元電池は、また、積層方向に延在して、酸化還元電池セルの正極集電体を電気的に並列に連結する正極導電バスバーと、積層方向に延在して、負極集電体を電気的に並列に連結する負極導電バスバーと、を含む。正極導電バスバーの端部部分は、曲がって、酸化還元電池セルスタックの端部に配置され、負極導電バスバーの端部部分は、曲がって、酸化還元電池セルスタックの端部または他の端部に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的なレドックスフロー電池(redox flow battery)の概略図である。
【
図2a】実施例に従って密閉した酸化還元電池の概略図である。
【
図2b】一部の実施例に従って、積層構成により複数の密閉した酸化還元電池セルを含む、密閉した酸化還元電池の概略図である。
【
図2c】一部の他の実施例に従って、積層構成により複数の密閉した酸化還元電池セルを含む、密閉した酸化還元電池の概略図である。
【
図2d】実施例に従って、円筒状の積層構成により複数の密閉した酸化還元電池セルを含む、密閉した酸化還元電池の概略図である。
【
図3a】複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的な連結を有する酸化還元電池の概略図である。
【
図3b】複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的な連結を有する酸化還元電池の概略図である。
【
図3c】複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的な連結を有する酸化還元電池の概略図である。
【
図3d】複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的な連結を有する酸化還元電池の概略図である。
【
図4a】実施例に従って、複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的な連結をいずれも機能するバスバーを有する酸化還元電池の概略図である。
【
図4b】実施例に従って、複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的な連結をいずれも機能するバスバーを有する酸化還元電池の概略図である。
【
図4c】実施例に従って、複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的な連結をいずれも機能するバスバーを有する酸化還元電池の概略図である。
【
図4d】実施例に従って、複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的な連結をいずれも機能するバスバーを有する酸化還元電池の概略図である。
【
図5a】実施例に従って、バスバーに連結された電気伝導性の端部プレートの間に、酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、酸化還元電池の概略図である。
【
図5b】実施例に従って、バスバーに連結された電気伝導性の端部プレートの間に、酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、酸化還元電池の概略図である。
【
図5c】実施例に従って、バスバーに連結された電気伝導性の端部プレートの間に、酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、酸化還元電池の概略図である。
【
図5d】実施例に従って、バスバーに連結された電気伝導性の端部プレートの間に、酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、酸化還元電池の概略図である。
【
図5e】実施例に従って、バスバーに連結された電気伝導性の端部プレートの間に、酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、酸化還元電池の概略図である。
【
図5f】実施例に従って、バスバーに連結された電気伝導性の端部プレートの間に、酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、酸化還元電池の概略図である。
【
図5g】実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層され、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図5h】実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層され、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図5i】実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層され、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図6a】他の一部の実施例に従って、バスバーに電気伝導性の端部プレートが連結された酸化還元電池の概略図である。
【
図6b】他の一部の実施例に従って、バスバーに電気伝導性の端部プレートが連結された酸化還元電池の概略図である。
【
図6c】他の一部の実施例に従って、バスバーに電気伝導性の端部プレートが連結された酸化還元電池の概略図である。
【
図6d】他の一部の実施例に従って、バスバーに電気伝導性の端部プレートが連結された酸化還元電池の概略図である。
【
図6e】他の一部の実施例に従って、バスバーに電気伝導性の端部プレートが連結された酸化還元電池の概略図である。
【
図6f】他の一部の実施例に従って、バスバーに電気伝導性の端部プレートが連結された酸化還元電池の概略図である。
【
図6g】他の一部の実施例に従って、バスバーに電気伝導性の端部プレートが連結された酸化還元電池の概略図である。
【
図6h】他の一部の実施例に従って、バスバーに電気伝導性の端部プレートが連結された酸化還元電池の概略図である。
【
図6i】他の一部の実施例に従って、バスバーに電気伝導性の端部プレートが連結された酸化還元電池の概略図である。
【
図6j】実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層されて、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図6k】実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層されて、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図6l】実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層されて、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図6m】実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層されて、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図6n】実施例に従って、使用者が受信することができる一対の外部電極を含む、最終の酸化還元電池の例示図である。
【
図7a】一部の実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層されて、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図7b】他の一部の実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層されて、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図7c】他の一部の実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層されて、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図7d】他の一部の実施例に従って、結合された酸化還元電池が互いにスライドすることを防止するために、例示的な結合メカニズムの概略図である。
【
図7e】他の一部の実施例に従って、結合された酸化還元電池が互いにスライドすることを防止するために、例示的な結合メカニズムの概略図である。
【
図8a】導電性の短絡構造を用いて電気的に短絡するように構成される、反対の極性の導電性の端部プレートを有する、酸化還元電池の概略図である。
【
図8b】導電性の短絡構造を用いて電気的に短絡するように構成される、反対の極性の導電性の端部プレートを有する、垂直に積層された酸化還元電池の概略図である。
【
図8c】導電性の短絡構造を用いて電気的に短絡するように構成される、同一の極性の導電性の端部プレートを有する、水平に積層された酸化還元電池の概略図である。
【
図8d】他の一部の実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層されて、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。
【
図9a】一部の実施例による酸化還元電池セル10の分解斜視図である。
【
図9b】一部の実施例による酸化還元電池セル10の側面図である。
【
図10a】一部の実施例に従って、複数の積層された酸化還元電池セルを含む酸化還元電池の側面図である。
【
図10b】一部の実施例に従って、複数の積層された酸化還元電池セルを含む酸化還元電池の斜視図である。
【
図11a】一部の実施例に従って、複数の積層された酸化還元電池セルを含む酸化還元電池の側面図である。
【
図11b】一部の実施例に従って、複数の積層された酸化還元電池セルを含む酸化還元電池の平面図である。
【
図12a】他の一部の実施例に従って、複数の積層された酸化還元電池セルを含む酸化還元電池の側面図である。
【
図12b】他の一部の実施例に従って、複数の積層された酸化還元電池セルを含む酸化還元電池の平面図である。
【
図13】一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【
図14】一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【
図15a】一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含む貯蔵装置の側面図である。
【
図16】一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の側面図である。
【
図17a】一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の2つの互いに異なる状態の平面図である。
【
図17b】一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の2つの互いに異なる状態の平面図である。
【
図18a】一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【
図18b】一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【
図18c】一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【
図19a】一部の実施例に従って、酸化還元電池の1つ以上の行を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【
図19b】一部の実施例に従って、酸化還元電池の1つ以上の行を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【
図20】一部の実施例に従って、酸化還元電池の1つ以上の行を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【
図21】一部の実施例に従って、酸化還元電池の1つ以上の行を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【
図22】一部の実施例に従って、酸化還元電池の1つ以上の行を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述したように、特定の適用に適宜な電気化学エネルギー貯蔵システムの選択及び設計における考えられる競争要因は、特に、投資費、電力、エネルギー、寿命、リサイクル可能性、効率性、拡張性、及びメンテナンス費用を含む。様々な電気化学エネルギー貯蔵システムのうち、レドックスフロー電池(RFB:Redox Flow Battery)は、固定(stationary)エネルギー貯蔵所に適するものとされる。RFBは、溶液に溶解した酸化還元種(redox species)の酸化還元プロセスを活用する電気化学エネルギー変換装置である。溶液は、外部のタンクに貯蔵されて、必要な際にRFBセルに流入する。RFB技術の有利な特徴の一部は、電力及びエネルギーの独立した拡張性、高い放電深み(DOD:depth of discharge)、及び減少した環境の影響である。このような特徴は、広範囲な動作電力及び放電時間を可能にして、RFBを再生可能なソースから生成された電気の貯蔵を好ましくする。
【0011】
当業界における知られた一部の二次電池、例えば、リチウムイオン電池の特定の短所は、これら電池の動作中に過度な熱及び内部圧力の生成を含む。こうした効果を緩和するために一部の二次電池は、電池セル及び/または個別の冷却装置の間の隙間を利用する。好ましくは、本明細書で開示の実施例による電池において、熱及び圧力の生成は、よりさらに低く、これは結局、爆発のリスクを減らして、電池セル間の隙間または冷却装置が不要であり得、これにより、電池セル及び電池自体のコンパクトな結束を可能にする。
【0012】
様々な電池は、バスバーを用いて、電池セル及び/または電池自体を電気的に連結する。コンパクトな結束のため、バスバーを効率良く配置することにより、バスバーによって占有される空間の量を減少させる必要がある。電池セルと電池を電気的に連結するほか、効率良い方式で電池セルまたは電池をいずれも物理的かつ機械的にホールディングする必要性が別途存在する。これら、及び他の必要性を解決するために、本明細書で開示の様々な実施例は、電池セル及び/または電池の高密度の結束を可能にするバスバー、及びこれを含むエネルギー貯蔵装置を提供する。また、本明細書で開示の実施例は、設置後、メンテナンスしやすい電池、及びこれを含むエネルギー貯蔵装置を提供する。
【0013】
図1は、例示的なレドックスフロー電池(RFB)の概略図である。RFB100は、電池セル104を含む。電池セル104は、分離機(separator)またはイオン交換膜112によって分離された第1ハーフセル104A及び第2ハーフセル104Bを有する。第1ハーフセル104Aは、第1または正極電解質及び正電極が内部に配置された正極電解質貯蔵所106Aを含み、第2ハーフセル104Bは、第2または負極電解質及び負電極が内部に配置された負極電解質貯蔵所106Bを含む。正電極は、正極集電体108Aに電気的に連結され、負電極は、負極集電体108Bに電気的に連結される。正極電解質貯蔵所106Aは、流体連通して、正極電解質タンク116Aに物理的に連結され、負極電解質貯蔵所106Bは、流体連通して、正極電解質タンク116Bに物理的に連結される。動作の際、矢印で表されたように、正極電解質ポンプ128Aを用いて、流出口及び流入口の導管120A,124Bを介して、正極電解質タンク116Aと正極電解質貯蔵所106Aとの間で正極電解質が循環する。同様、流出口及び流入口の導管120B,124Bを介して、負極電解質タンク116Bと負極電解質貯蔵所106Bとの間で負極電解質が循環する。
【0014】
一部の構成において、複数の電池セル104-1,104-2,…,104-nが積層されて、RFBセル150を形成し、各々のセルは、電池セル104に類似する方式で構成される。複数の電池セル104-1,104-2,…,104-nは、互いに流体連通することができる正極電解質貯蔵所106Aの各々の正極電解質貯蔵所と、互いに流体連通することができる負極電解質貯蔵所106Bの各々の負極電解質貯蔵所と、を含む。正極電解質貯蔵所106Aのうち連結された正極電解質貯蔵所は、順次に正極電解質タンク116Aと流体連通し、負極電解質貯蔵所106Bのうち連結された負極電解質貯蔵所は、順次に負極電解質タンク116Bと流体連通する。
【0015】
リチウムイオン、鉛酸、及びナトリウム硫黄電池といった、他の電気化学貯蔵技術に比べて、RFBは、エネルギー貯蔵所からの電力変換の分離を含む幾つか長所を提供して、独立した電力及びエネルギーの拡張(scaling)を可能にする。例えば、RFBは、アプリケーションに応じて、柔軟かつ分散された方式で調整することができ、例えば、家庭用貯蔵所のため数kW/kWhから、グリッド貯蔵所のため数~数十MW/MWhのシステムまでの範囲の電力及びエネルギーを提供するように拡張することができる。また、燃料セルとは異なり、RFBにおける反応は、可逆的であり、これにより、同じセルが電気を化学エネルギーに、あるいはその逆に変換する変換器として動作できるようにする。RFBは、イオン金属を消費しない、かつ、金属イオン原子価を変化させることで動作し、これにより、長い周期のサービス寿命を可能にする。部分的には、比較的に高い熱容量の電解質によって電解質の流れを調節することで、セル温度が比較的に制御しやすくなる。充電状態(SOC:state of charge)は、セル電圧を介してモニタリングしやすい一方、非常に深い放電深み(DOD)を達成することができる。
【0016】
RFBの様々な利点にもかかわらず、RFBの商業化は、数十年にわたる技術に対して行われた比較的に大きな資本、研究、及び開発投資にもかかわらず、他の電気化学貯蔵技術に比べて、広くは普及されていない。特に、ESSの適用について近年、電池需要の急増と、火事、及び爆発に対するさらに高い安全性を含み、それらの適用に対するRFBの明らかな適合性にもかかわらず、広範囲な商業化は、未だ実現しておらず、長い間必要性を感じてはいたものの、RFBの商業化にはかなり障害物があることを示唆する。本発明者らは、相対的に低い信頼性、低い効率性、大きなシステム面積、及び高いシステムの複雑性を含み、これらの様々な障害物を認知した。
【0017】
RFBの広範囲な商業化に対する第一の障害物は、
図1について上述したRFB100と同様、RFBの比較的に高い複雑性、及びそれに関する信頼性の問題に関する。上述したように、RFBは、電池セル104に、そして、電池セル104から電解質を移送するため多数の導管120A,120B,124A,124B、電解質を循環させるためのポンプ128A,128B、及び電解質を貯蔵するためのタンク116A,116Bを含む。比較的に高い複雑性により、電池セル104とタンク116A,116Bとの間の導管120A,120B,124A,124Bに関する様々な連結点は、信頼性の欠如、例えば、漏れ(leakage)に繋がり得る。誤りの可能性及び頻度は、これら導管の数に比例して増加し、これは、ESSの大きさによって拡張する。誤りが発生すると、誤りは、安全のリスクだけではなく、予定になかった修理に繋がる。また、これら誤りの可能性を減らして、予防メンテナンスによって中断のない動作を保障することは、さらなる運営コストへと繋がる。
【0018】
RFBの広範囲な商業化に対する第二の障害物は、RFBの比較的に低い効率性に関する。比較的に低い効率性に対する1つの原因は、電解質を循環させるのに消費するエネルギーに関する。例えば、バナジウム系(vanadium-based)RFBのため電解質は、比較的に高い粘度を有する硫酸を含む。ランダムに配向された炭素繊維フェルト系電極の微細な多孔性構造によって電解質、特に、比較的に高い粘度を有する電解質を循環させることは、比較的に多い正極外部エネルギーを消費して、RFBの外的効率性を下げることができる。RFBシステムのさらに低い外的効率性は、リチウムイオン電池(LIB:lithium-ion battery)技術のような競争二次電池技術に比べて、さらに低い商業的競争力に対する主な理由の1つである。
【0019】
RFBの広範囲な商業化に対する第三の障害物は、他の電気化学貯蔵技術に比べて、比較的にさらに低い電力密度及びエネルギー密度に関し、これらモバイルへの適用を妨げる。本明細書で説明するように、電力及びエネルギー密度は、エネルギー貯蔵装置の総体積に対する貯蔵装置の電力の出力及びエネルギーの貯蔵をそれぞれ称する。したがって、RFBの場合、電力及びエネルギー密度は、セル体積、タンク体積、及び電解質を移送するため導管の体積を含む、総体積に対する電力の出力及びエネルギーの貯蔵の割合を称する。さらに低い電力及びエネルギー密度を部分的に補償するためにRFBは、たびたび比較的に大きいセル活性領域及び膜を有して、増加したセル寸法を引き起こし、これは結局、電解質貯蔵所116A,116Bの内部電解質の高い横軸の勾配を引き起こし得る。結果的に、RFBの平均電流密度及び公称電流は、均一な最大電流密度に基づく最大理論値に比べて実質的にさらに低くてもよい。また、個別タンク及び導管を含む循環システムに対する必要性によって、全体システムレベルの空間効率性がさらに減少する。
【0020】
RFBの広範囲な商業化に対する第四の障害物は、システムの複雑性に関し、これは、化学プラントのシステムの複雑性と比較することができる。RFBシステムを設計する複雑性が高く、これは結局、開発周期を増加させ、これは結局、かなり遅い技術開発を引き起こす。さらに、システムの複雑性は、労働かつ資本集約的であり、ESS現場における設置、メンテナンス、及び撤去に対する高い水準の専門知識を要求する。システムの複雑性は、システムを構築して維持するために要求される、増えた人力の配置及び訓練に対する潜在的必要性だけでなく、それに伴う全体コストの増加によって消費者を諦める。
【0021】
RFBによって付与されるほとんどの利点を維持し、かつ、これら及び他の制限を解決するために本開示内容は、個別の電解質タンクに連結されなくてもよい密閉した酸化還元電池に関する。また、本開示内容は、また、密閉できる複数の酸化還元電池セルの効率良い結束を可能にするバスバーに関する。しかし、密閉した酸化還元電池及びバスバーを含む本発明の概念は、個別的にまたは組み合わせて実施することができると認識される。
【0022】
密閉した酸化還元電池
一実施例において、ここで開示の酸化還元電池の様々な実施例は、酸化還元電池に関する。実施例による酸化還元電池は、RFBの利点を保持しながら、上述したRFBのあらゆる商業化障害物のうち一部を少なくとも部分的に克服するか緩和する。特に、一部のRFBとは異なり、酸化還元反応に関与する酸化還元対を用いる間、本明細書で開示の酸化還元電池の実施例は、密閉した酸化還元電池セルを含み、酸化還元電池セルに連結された個別の電解質タンクを有することもなく、酸化還元電池セルの外部から電解質を供給するためポンプのような電解質循環装置も有していない。
【0023】
図2aは、実施例に従って密閉した酸化還元電池の概略図である。図示の密閉した酸化還元電池200Aは、第1ハーフセル204Aと、第2ハーフセル204Bと、を含む。第1ハーフセル204Aは、正電極に接触する第1または正極電解質が内部に配置された正極電解質貯蔵所106Aを含む。第1電解質には、第1酸化還元半反応を経るように構成された第1酸化還元対が溶解している。第2ハーフセル204Bは、負電極に接触する第2または負極電解質が内部に配置された負極電解質貯蔵所106Bを含む。第2電解質には、第2酸化還元半反応を経るように構成された第2酸化還元対が溶解している。正極及び負極電解質貯蔵所106A,106Bは、各々の半反応のため反応空間を限定する。密閉した酸化還元電池200Aは、また、正極電解質貯蔵所106Aと負極電解質貯蔵所106Bとを分離するイオン交換膜112を含む。正電極は、正極集電体108Aに電気的に連結され、負電極は、負極集電体108Bに電気的に連結される。一部の具現において、正極集電体108Aと正極電解質貯蔵所106Aとの間に第1バイポーラプレート(bipolar plate)208Aが介在され、負極集電体108Bと負極電解質貯蔵所106Bとの間に第2バイポーラプレート208Bが介在される。
【0024】
従来のRFBとは異なり、密閉した酸化還元電池200において、第1ハーフセル204A、第2ハーフセル204B、及びイオン交換膜112は、ケーシングやフレーム212で密閉した酸化還元電池セルを限定する。密閉したケーシング212は、正常な動作下で、その内部の内容物が外部から物理的に接近不可能にする。すなわち、正極及び負極電解質は、電解質タンクのような外部容器と流体連通しない。ケーシング212は、酸化還元電池200Aを機密及び/または永久的に密閉することができる。こうした構成は、酸化還元電池セルが外部のタンクと流体連通する、従来の酸化還元流動電池と対照的である。すなわち、密閉した酸化還元電池200Aにおいて、
図1について上述したRFB100とは異なり、囲まれたセル内の正極電解質貯蔵所106Aまたは負極電解質貯蔵所106Bは、いずれも第1電解質または第2電解質のうち、各々の電解質を貯蔵する個別電解質タンクと流体連通するか物理的に連結されない。これによって、正極及び負極電解質の実質的に全体容量が酸化還元電池セル内に貯蔵され、ケーシング212によって密閉して囲まれる。すなわち、第1電解質貯蔵所106Aは、第1ハーフセル204Aのため第1電解質の実質的に全体体積を貯蔵し、第2電解質貯蔵所106Bは、第2ハーフセル204Bのため第2電解質の実質的に全体体積を貯蔵する。部分的に密閉した酸化還元電池200Aが個別の貯蔵タンクに連結されないため、
図1に例示のRFB100とは異なり、密閉した酸化還元電池200Aは、好ましくは、酸化還元電池セルに、かつ、酸化還元電池セルから電解質を移送するための導管120A,120B,124A,124B(
図1)も、電解質を循環させるためのポンプ128A,128B(
図1)も含まない。
【0025】
上述したように、密閉した酸化還元電池200Aにおける注目すべき構造的な相違点は、ポンプ128A,128B(
図1)の省略である。その代わり、実施例に従って密閉した酸化還元電池200Aは、第1ハーフセル204Aの正極電解質貯蔵所106Aと、第2ハーフセル204Bの負極電解質貯蔵所106Bの各々の電解質貯蔵所の内部において、第1電解質及び第2電解質が自体循環するように構成される。様々な構成において、第1電解質及び第2電解質の自体循環は、第1電解質貯蔵所と第2電解質貯蔵所との間の浸透圧差;第1電解質及び第2電解質のうち一方または両方の密度変化;第1電解質及び第2電解質のうち一方または両方の拡散または移動;第1電極及び第2電極のうち、各々の電極に対する第1電解質及び第2電解質のうち一方または両方の親和度;第1酸化還元半反応及び第2酸化還元半反応;及び第1電解質及び第2電解質のうち一方または両方の熱膨張または収縮のうち1つ以上によって引き起こされる。本発明者らは、
図2aの断面図における正極及び負極電解質貯蔵所106A,106Bの厚さが、20cm、15cm、10cm、5cm、2cm、1cm、またはこれら値のうち任意の値によって定義された範囲の値を超えないとき、自体循環が電力及びエネルギー出力の安定性を提供するのに効果的であることを見出した。
【0026】
さらに
図2aを参照すると、ケーシング212は、かなり酸性であり得る正極及び負極電解質を収容するのに適した耐食性材料で形成される。耐食性を提供することに加えて、ケーシング212は、密閉した酸化還元電池200Aに対する機械的な支持を提供するため剛性のケーシングであってもよい。一部の実施例において、実施例によるケーシング212の少なくとも部分は、正極及び負極電解質貯蔵所106A,106B内の内部圧力の変化を収容して変形するように構成された可撓性材料で形成されてもよい。例えば、圧力を制御して密閉した酸化還元電池について、下記で説明する様々な効果によって内部圧力の増加が引き起し得る。ケーシングの部分のみが可撓性材料で形成される構成において、残部は、剛性の材料で形成されてもよい。可撓性部分は、例えば、正極及び負極電解質貯蔵所106A,106Bのうち一方または両方が0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、50%を超える、各々の体積の増加を収容することができるように、圧力の増加に対応して膨張するように構成することができる。ケーシング212の適宜な材料は、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)、ポリエチレン(PE:polyethylene)、ポリスチレン(PS:polystyrene)、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、ABS、強化プラスチックなどを含んでいてもよい。
【0027】
このように構成される密閉した酸化還元電池200Aは、様々な技術的及び商業的長所を提供する。例えば、酸化還元電池セルとタンクとの間の導管、例えば、パイプジョイントのみならず、電解質を循環させるためのポンプに関する、様々な信頼性の欠如が実質的に減少するか除去され、これは結局、計画していない修理だけでなく、密閉した酸化還元電池200Aの動作に関する安全性のリスク及び動作コストを減少させる。また、RFB100(
図1)について上述したように、ポンプを用いて酸化還元電池セルとタンクとの間で電解質を循環させる必要性を除去することにより、外的効率性が実質的に向上する。本発明者らは、システムの大きさに応じて、密閉した酸化還元電池200Aがセルと電解質タンクとの間で電解質を循環させる必要性を除去することにより、従来のRFBに比べて、電力またはエネルギー密度を最大2~50倍向上させることが分かった。上述したように、電力またはエネルギー密度は、エネルギー貯蔵装置の総体積に対する貯蔵装置の電力またはエネルギーの出力をそれぞれ意味する。したがって、密閉した酸化還元電池の場合、電力またはエネルギー密度は、それぞれ密閉した酸化還元電池の総体積に対する電力またはエネルギーの出力比を意味する。また、個別タンク、ポンプ、及び導管を含む循環システムを省略することによって空間効率が大きく向上する。さらに、システムの複雑性が大きく減少することにより、密閉した酸化還元電池200Aの商業的具現に対する障壁を大きく減少させる。例えば、従来のRFBとは異なり、密閉した酸化還元電池200Aは、モジュール化した具現のため、リチウムイオン電池に類似するパック(pack)で製造され、従来のRFBを設置するために要する侵入的構成に対する必要性がなく、これらを自動化及び大量生産にさらに好適にすることができる。
【0028】
次に、密閉した酸化還元電池200Aの動作原理及び実施例は、バナジウム(V)系酸化還元対に基づく、密閉したバナジウム酸化還元電池の一例を用いて説明する。しかし、実施例は、これに限らず、本明細書で説明する原理は、様々な他の酸化還元対によって酸化還元電池に適用することができると理解される。
【0029】
実施例に従って密閉したV酸化還元電池において、第1ハーフセル204Aの第1または正極電解質に溶解した第1酸化還元対は、V4+/V5+酸化還元対であり、第2ハーフセル204Bの第2または負極電解質に溶解した第2酸化還元対は、V2+/V3+酸化還元対であってもよい。充放電中の酸化還元反応は、次の式を用いて説明することができ、ここで、→は、放電反応方向を示し、←は、充電反応方向を示す。
第2ハーフセル/負電極:V2+←→V3++e-
第1ハーフセル/正電極:V5++e-←→V4+
全体反応:V2++V5+←→V3++V4+
【0030】
充電中、第1ハーフセル204Aにおいて、4価のバナジウムイオン(V4+)は、5価のバナジウムイオン(V5+)に酸化される反面、第2ハーフセル204Bにおいて、3価のイオン(V3+)は、2価のイオン(V2+)に還元される。放電中、第1ハーフセル204Aにおいて、5価のバナジウムイオン(V5+)は、4価のバナジウムイオン(V4+)に還元される反面、第2ハーフセル204Bにおいて、2価のイオン(V2+)は、3価のイオン(V3+)に酸化される。これらの酸化還元反応が起こる間、電子は、外部回路を介して移送され、特定のイオンは、イオン交換膜112にわたって拡散し、それぞれ正極ハーフセルと負極ハーフセルの電気的中性の均衡を合わせる。
【0031】
実施例に従って、密閉した酸化還元電池200Aにおける他の酸化還元反応を具現することができる。様々な実施例に従って、第1酸化還元対や第2酸化還元対は、バナジウム(V)、亜鉛(Zn:zinc)、ブローム(Br:bromine)、クロム(Cr:chromium)、マンガン(Mn:manganese)、チタン(Ti:titanium)、鉄(Fe:iron)、セリウム(Ce:cerium)、及びコバルト(Co:cobalt)のうち1つ以上の元素のイオンを含む。一部の実施例において、第1酸化還元対及び第2酸化還元対は、上述の密閉したV酸化還元電池と同じ金属のイオンを含む。これらの実施例では、好ましく、正極及び負極電解質の混合によって、これらの電解質の交差汚染が起こらない。
【0032】
本明細書で説明するように、酸化還元電池の電解質は、イオン化によって電流を導電する溶液である。電解質は、還元された形と酸化された形の酸化還元対を支持する働きをし、酸化還元対の酸化及び還元中に溶液内イオンの電荷の均衡を合わせるために、当該カチオン及びアニオンも支持する。実施例による正極及び負極電解質は、酸性水溶液を含む。密閉したV酸化還元電池の場合、Vイオンの濃度は、電解質のエネルギー密度に関する。さらに高いエネルギー密度は、好ましく、与えられた量のエネルギー及び電力出力に要する正極及び負極電解質貯蔵所106A,106Bの体積を減らす働きをすることができる。しかし、高すぎるVイオンの濃度は、Vイオンの安定性を低下させ得る。したがって、与えられた適用に対する最適な範囲のVイオンが存在する。例えば、第1電解質及び第2電解質のうち一方または両方に溶解したバナジウムイオンは、1.0M、1.5M、2.0M、2.5M、またはこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値よりもさらに大きくてもよい。一方、1.0M未満のVイオン濃度は、一部の適用に適していないエネルギーレベルを引き起こし得る。他方、2.5Mを超えるVイオン濃度は、例えば、50℃よりも高い動作温度では、V5+イオンのさらに低い安定性を引き起こし得、例えば、-20℃未満の動作温度では、電解質内のV2+及びV3+イオンの溶解度限界に近付くことができる。
【0033】
好ましくは、実施例によれば、正極及び負極電解質は、同じ溶媒及び/または同じ金属のイオンを含んでいてもよい。これらの実施例において、イオン交換膜112を介する正極及び負極電解質の混合は、各々のハーフセルの汚染を引き起こさない。また、正極及び負極電解質は、同じ出発溶媒及び溶質から用意することができる。例えば、一部の実施例に従って密閉したV酸化還元電池の場合、正極及び負極電解質は、いずれも硫酸を含む。電解質は、4価のバナジウムイオン(V4+)及び/または3価のバナジウムイオン(V3+)を形成するように、例えば、水溶液における0.1M~6MのH2SO4に0.1M~2.5MのVOSO4(バナジル硫酸塩)を溶解させることで用意する。4価/3価のバナジウムイオンは、電気化学的に酸化されて、5価のバナジウムイオン(V5+)の溶液を含有する正極電解質(負極液)を形成することができる。逆に、4価/3価のバナジウムイオンは、電気化学的に還元されて、2価のバナジウムイオン(V2+)の溶液を含有する負極電解質(正極液)を形成することができる。
【0034】
さらに
図2aを参照すると、様々な実施例において、正極及び負極電解質貯蔵所106A,106Bにそれぞれ配置された正電極及び負電極は、幾つか言うと、炭素または黒鉛フェルト、炭素布(carbon cloth)、カーボンブラック(carbon black)、黒鉛粉末、及びグラフィンといった炭素系材料を含む。炭素系材料は、好ましく、相対的に高い動作範囲、優れた安定性及び高い可逆性を提供する。電極は、相対的に高い電気化学的活性度、低いバルク抵抗率、及び広い比表面積(specific area)に最適化する。電極の電気化学的活性度の改善は、密閉した酸化還元電池200Aのエネルギー効率性を増加させる。密閉した酸化還元電池200Aの性能を向上させるために電極の表面は、例えば、金属でコーティングするか、表面粗さを増加させるか、添加物でドーピングすることで改質し得る。
【0035】
反応空間を限定する正極及び負極電解質貯蔵所106A,106Bが存在する場合、イオン交換膜112と第1バイポーラプレート208A及び第2バイポーラプレート208Bのそれぞれの間に、またはイオン交換膜112と正極及び負極集電体108A,108Bのそれぞれの間に、各々の電極で部分的にまたは完全に満たされる。各々の電極で満たされた後、正極及び負極電解質貯蔵所106A,106Bの残空間は、第1バイポーラプレート208A及び第2バイポーラプレート208Bが存在する場合、イオン交換膜112と第1バイポーラプレート208A及び第2バイポーラプレート208Bのそれぞれの間に、またはイオン交換膜112と正極及び負極集電体108A,108Bのそれぞれの間に、各々の電解質で部分的にまたは完全に満たされる。様々な実施例では、下記で説明するように、意図的に打ち抜きされるか多孔性になる場合を除いては、イオン交換膜112は、2つのハーフセルを実質的に分離し、2つの電解質と酸化還元対の混合を実質的に防止する働きをしながら、電流の通過中に回路を完成するように、2つのハーフセルの間の電荷の均衡を合わせるため、H+のようなイオンの移送を可能にする。イオン交換膜112は、アニオン交換膜またはカチオン交換膜であってもよい。イオン交換膜112は、幾つかカテゴリーの材料を称するために、過フッ素化イオノマー(perfluorinated ionomer)、部分的なフッ素化ポリマー(partially fluorinated polymer)、及び非フッ素化炭化水素(non-fluorinated hydrocarbon)を含んでいてもよい。イオン交換膜112の特定例は、Nafion(登録商標)、Flemion(登録商標)、NEOSEPTA-F(登録商標)、及びGore Select(登録商標)を含み、これは優れた化学的安定性、高い導電性、及び機械的強度を提供する。
【0036】
例示された様々な実施例は、特定タイプのイオン、例えば、カチオンまたはアニオンに対して選択することができるイオン交換膜112を含むものの、実施例は、これに制限されない。例えば、様々な実施例において、イオン交換膜112は、非選択的膜、例えば、多孔性膜であってもよい。
【0037】
さらに
図2aを参照すると、一部の実施例において、出力電力は、セルスタックを形成するために、多数の単一の酸化還元電池セルを、例えば、直列に連結することで拡張することができる。こうした構成において、第1バイポーラプレート208A及び第2バイポーラプレート208Bは、単一セルの直列連結を可能にすることができ、隣接したバイポーラプレートの間の集電板108A,108Bを除去することができる。第1バイポーラプレート208A及び第2バイポーラプレート208Bは、黒鉛、炭素、炭素プラスチックなどのような適宜な材料で形成され、セルスタックの高い電気伝導性かつ低い内部抵抗を提供することができる。また、第1バイポーラプレート208A及び第2バイポーラプレート208Bは、電気伝導性を増加させるために、電極に対して加圧されるとき、電極が受ける接触圧力を支持する。また、第1バイポーラプレート208A及び第2バイポーラプレート208Bは、集電板108A,108Bの腐食または酸化を防止するために、高い耐酸性(acid resistance)を有するように提供される。
【0038】
正極及び負極集電体108A,108Bは、銅やアルミニウムのような高い電気伝導性を有する金属を含み、充放電プロセスの間に電流を流す働きをする。
【0039】
上述した単一の密閉した酸化還元電池200Aは、電気化学反応の特徴である、例えば、約1.65V以下の出力電圧を有するため、本明細書で説明するように、さらなるセルは、電気的に直列または並列に連結されて、高い電圧及び電流をそれぞれ達成することができる。
【0040】
図2bは、一部の実施例に従って、積層構成により複数の密閉した酸化還元電池セルを含む、密閉した酸化還元電池の概略図である。例示の密閉した酸化還元電池200Bは、積層され得る複数の酸化還元電池セル200B-1,200B-2,…,200B-nを含み、ここで、各々のセルは、密閉した酸化還元電池200A(
図2a)に類似する方式で構成される。複数の酸化還元電池セル200B-1,200B-2,…,200B-nのそれぞれは、正極電解質貯蔵所106Aと、負極電解質貯蔵所106Bと、イオン交換膜112と、を含む。例示の実施例において、複数の酸化還元電池セル200B-1,200B-2,…,200B-nのそれぞれは、別途ケーシング212によって密閉する。複数の酸化還元電池セル200B-1,200B-2,…,200B-nは、電気的に直列に連結されて、出力電圧を増加させる。
【0041】
図2cは、一部の他の実施例に従って、積層構成により複数の密閉した酸化還元電池セルを含む、密閉した酸化還元電池の概略図である。例示の密閉した酸化還元電池200Cは、積層され得る複数の酸化還元電池セル200C-1,200C-2,…,200C-nを含み、ここで、複数の酸化還元電池セル200C-1,200C-2,…,200C-nは、正極電解質貯蔵所106Aと、負極電解質貯蔵所106Bと、イオン交換膜112と、を含む、密閉した酸化還元電池200A(
図2a)に類似する方式で構成される。しかし、密閉した酸化還元電池200B(
図2b)とは異なり、例示の実施例において、複数の酸化還元電池セル200C-1,200C-2,…,200C-nは、共通ケーシング222によって囲まれる。密閉した酸化還元電池200B(
図2b)に類似する方式により、複数の酸化還元電池セル200C-1,200C-2,…,200C-nは、電気的に直列に連結されて、出力電圧を増加させる。しかも、一部の実施例において、複数の酸化還元電池セル200C-1,200C-2,…,200C-nの正極電解質貯蔵所106Aは、互いに流体連通することができ、複数の酸化還元電池セル200C-1,200C-2,…,200C-nの負極電解質貯蔵所106Bは、互いに流体連通することができる。密閉した酸化還元電池200Cは、パウチ型の酸化還元電池または剛性ケース型の酸化還元電池として構成することができる。
【0042】
図2dは、実施例に従って、円筒状の積層構成により複数の密閉した酸化還元電池セルを含む、密閉した酸化還元電池の概略図である。例示の密閉した酸化還元電池200Dは、円筒状に積層され得る複数の酸化還元電池セル200D-1,200D-2,…,200D-nを含み、ここで、複数の酸化還元電池セル200D-1,200D-2,…,200D-nは、正極電解質貯蔵所106Aと、負極電解質貯蔵所106Bと、イオン交換膜112と、を含む、密閉した酸化還元電池200A(
図2a)に類似する方式で構成される。複数の酸化還元電池セル200D-1,200D-2,…,200C-nは、密閉した酸化還元電池200B(
図2b)について上述したものに類似する方式により、ケーシングで個別に囲まれてもよい。その代わり、複数の酸化還元電池セル200D-1,200D-2,…,200C-nは、密閉した酸化還元電池200C(
図2c)について上述したものに類似する方式により、共通ケーシング222によって囲まれてもよい。密閉した酸化還元電池200B(
図2b)に類似する方式により、複数の酸化還元電池セル200D-1,200D-2,…,200D-nは、電気的に直列に連結されて、出力電圧を増加させる。さらに、一部の実施例において、複数の酸化還元電池セル200D-1,200D-2,…,200D-nの正極電解質貯蔵所106Aは、互いに流体連通することができ、複数の酸化還元電池セル200D-1,200D-2,…,200D-nの負極電解質貯蔵所106Bは、互いに流体連通することができる。
【0043】
図2b~
図2cについて上述した積層構成のそれぞれにおける複数の酸化還元電池セルのうち一部または全部は、セルの一部または全部の反対の極性の集電体を電気的に適宜連結することで、電気的に直列に、またはセルの一部または全部の同一の極性の集電体を電気的に適宜連結することで、電気的に並列に連結されてもよいと認識される。
【0044】
従来の二次電池と比較した、密閉した酸化還元電池の相違点
従来のRFBの遅い商業的具現の原因になるポンピングシステム、導管の連結網、及び電解質タンクの省略を含み、従来のRFBに対する実施例に従って密閉した酸化還元電池の相違点及び利点を上述した。別途電解質タンクが存在しなくてもよいものの、密閉した酸化還元電池200A~200D(
図2a~
図2d)は、従来のRFBにおける利用可能な固有な設計柔軟性の一部を維持する。例えば、液体の本質的な順応性により、セル幾何学的な構造の設計は、従来の二次電池に比べて、よりさらに柔軟である。さらに、電力及びエネルギー貯蔵容量は、例えば、電極表面積に対する電解質体積の比を調整することにより、制限された程に独立的に分離して拡張することができる。その比は、例えば、上述したように、正極及び負極電解質貯蔵所106A,106Bの厚さを用いて調整することができる。他方、実施例に従って密閉した酸化還元電池は、また、モジュール化した具現を可能にするように完全に密閉するため、従来の電池の主な利点も共有する。実施例に従って密閉した酸化還元電池、例えば、LIBは、類似する用語を使って称されるコンポーネントを有することができるものの、実施例に従って密閉した酸化還元電池のコンポーネント、及びこれらの動作原理は、従来の二次電池などと区別可能であると認識される。以下では、実施例に従って密閉した酸化還元電池とLIBとの間を比較することができるものの、比較は、他の従来の二次電池に適用可能であることが理解される。
【0045】
第一に、実施例に従って密閉した酸化還元電池内の電解質の構造、機能的な働き、及び動作原理は、従来の二次電池、例えば、LIBの構造、機能的な働き、及び動作原理と区別可能である。動作の際、LIBでは、電解質自体がエネルギーを貯蔵することもなく、充放電プロセスにおける電気化学反応にも関与しない。その代わり、LIB内の電解質は、主に充放電プロセスの間、正電極と負電極との間でリチウムイオンが移送される経路を提供する働きをする。したがって、電解質の移動は、分離膜(separator)によって実質的に制限されない。それに反して、実施例に従って密閉した酸化還元電池200Aにおいて、電気化学エネルギーは、溶解した活性材料、例えば、充放電プロセスの間、電気化学反応を経る正極及び負極電解質に溶解した各々の酸化還元対の形に電解質に貯蔵される。したがって、電解質は、実施例に従って密閉した酸化還元電池にエネルギーを貯蔵する媒体であると言える。V酸化還元電池の例において、上述したように、正極及び負極電解質に溶解したVイオン種の酸化状態は、各々の半反応によって変更する。したがって、密閉した酸化還元電池内の正極及び負極電解質の化学的組成は、LIBの電解質と互いに異なる。さらに、LIBとは異なり、実施例に従って密閉した酸化還元電池において、正極電解質と負極電解質の化学的組成の相違による起電力がエネルギー貯蔵に繋がるため、正極及び負極電解質の混合は、貯蔵されたエネルギーの損失を引き起こす。
【0046】
第二に、実施例に従って密閉した酸化還元電池内の電極の構造、機能的な働き、及び動作原理は、従来の二次電池、例えば、LIBのものと区別可能である。LIBにおいて、電極に含まれた活性材料は、電気化学反応に直接関与する。動作の際、LIBにおいて、リチウムイオンは、電気化学的平衡を達成するように、正電極の活性材料と負電極の活性材料との間で移動し、電極自体は、エネルギーを貯蔵するため主な媒体としての働きをする。対照的に、実施例に従って密閉した酸化還元電池の電極は、非常に互いに異なる働きをする。密閉した酸化還元電池の正電極は、第1酸化還元半反応に関与せず、密閉した酸化還元電池の負電極は、第2酸化還元半反応に関与しない。本明細書で説明するように、酸化還元半反応に関与しない電極は、触媒であって、類似する方式で電気化学反応のため物理的サイトを提供する電極の機能を排除しない。しかし、電極自体は、電気化学反応に関与せず、酸化還元イオンは、酸化還元電池の充放電の間、正電極と負電極との間で移動しない。組成に応じて、触媒として作用する作用基が表面上に存在し得る。しかし、これは、LIBの場合と同様、電気化学反応に能動的に関与する電極と区別可能である。返って、電極は、電気化学反応によって生成された電子を実質的に受動的に移送する。
【0047】
第三に、実施例に従って密閉した酸化還元電池におけるイオン交換膜の構造、機能的な働き、及び動作原理は、従来の二次電池、例えば、LIBの分離機などと区別可能である。LIBにおいて、電気化学反応が発生する電極の活性材料は、一般的に固体状態であり、正電極と負電極との間に配置された分離機は、主に電極の間の電気の短絡を防止する働きをする。したがって、分離機は、正電極と負電極との間の電気の接触を防止する働きをするものの、LIBにおける分離機は、これらによるリチウムイオンの移送を制限するか、これらの間の電気化学反応を制限するように特別に設計されるものではない。換言すると、LIBの分離機は、主に充放電のため電気化学反応の一部としてイオンの移送を妨げない、かつ、正電極と負電極を互いに電気的に絶縁する働きをする。したがって、LIBのための分離機は、電極の間でリチウムイオンを自在に移送するように設計される。対照的に、実施例に従って密閉した酸化還元電池において、酸化還元活性種は、電解質に溶解し、イオン交換膜112(
図2a)は、正極及び負極電解質を電気的に分離し、これらが互いに混合することを防止する働きをする。通常、イオン交換膜112は、2つのハーフセルの間で電荷の均衡を合わせるように、カチオンまたはアニオンが、その間で移送される選択的透過性膜を含む。例えば、イオン交換膜は、カチオンまたはアニオンを選択的に通過させるように構成することができる。したがって、実施例に従って密閉した酸化還元電池において、エネルギーを貯蔵する電解質は、液体であるため、イオン交換膜112がなく、正電極と負電極とが互いに接触するか否かに関係なく、正極及び負極電解質の混合によって電気の短絡が発生する。したがって、実施例に従って密閉した酸化還元電池において、第1酸化還元半反応及び第2酸化還元半反応は、正極電解質貯蔵所106Aと負極電解質貯蔵所106Bとを分離するイオン交換膜112にわたる第1酸化還元対または第2酸化還元対のイオンの実質的な移送なしで発生する。本明細書で説明するように、酸化還元対のイオンを実質的に移送しないイオン交換膜112は、正極及び負極電解質貯蔵所106A,106B(
図2a)の間の電解質のクロスオーバー(crossover)を実質的に防止する働きをするイオン交換膜112を言う。したがって、イオン交換膜112のための原料は、好ましくは、電解質内の酸化還元種、例えば、V酸化還元電池内のVイオンの移動を遮断し、かつ、ハーフセルの間の電荷均衡のため他のイオン、例えば、V酸化還元電池内のH
+イオンの移動を選択的に許容する膜であってもよい。しかし、酸化還元対のイオンを実質的に移送しないイオン交換膜112は、それにもかかわらず、意図していないクロスオーバーまたは制限的に意図した混合を許容して、内部圧力の蓄積を緩和することができる。
【0048】
積層された酸化還元電池セルを連結するためのバスバー
図2a~
図2cについて上述したように、複数の酸化還元電池セル、例えば、密閉した酸化還元電池セルは、電圧、電力、及びエネルギーのうち1つ以上を確張するために、電気的に直列または並列に連結することができる。
図3a~
図3dは、一部の例示的な具現に従って、複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的な連結を有する酸化還元電池の概略図である。
【0049】
図3aは、
図2aについて上述したものと一部の側面において類似する、単一の酸化還元電池セルに対する様々なコンポーネントである。側断面図の単一の酸化還元電池セル300Aは、第1ハーフセル304A及び第2ハーフセル304Bを含む。上述した様々に対応するコンポーネントに加えて、これら詳細な事項は、簡潔性のため本明細書では、繰り返しておらず、例示の酸化還元電池セル300Aは、また、機械的フレームまたはケーシング308、バイポーラプレート208A,208B、及びイオン交換膜112を含む隣接コンポーネントと機械的フレーム308との間の隙間を満たすシーラント312を含むことで、各々の貯蔵所106A,106Bからの電解質の漏れを防止する。
【0050】
図3bは、積層構成により配列され、バスバー316,318を用いて電気的に連結される酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックを含む酸化還元電池300Bの側断面図である。バスバー316は、スタックの最上部側の表面にわたって積層方向に延在する負極バスバーであり、バスバー318は、スタックの最下部側の表面にわたって積層方向に延在する正極バスバーであってもよい。
図2b~
図2dについて上述した複数の酸化還元電池セルに類似する方式により、例示の酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nは、電気的に直列に連結されて、出力電圧を増加させることができる。さらに、一部の実施例において、複数の酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの正極電解質貯蔵所106Aは、互いに流体連通することができ、負極電解質貯蔵所106Bは、互いに流体連通することができる。正極集電体108Aは、正極バスバー316に電気的に連結され、負極集電体108Bは、負極バスバー318に電気的に連結される。例示の酸化還元電池300Bは、また、スタックの各々の端部上に絶縁体320及び導電性の端部プレート324を含む。正極バスバー316及び負極バスバー318のそれぞれは、層スタック方向に延在して、複数のセルを電気的に連結して重畳させる。
【0051】
図3cは、積層構成であり、
図3bに例示の酸化還元電池300Bに類似する方式であって、バスバー316,318を用いて電気的に連結される酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックを含む酸化還元電池300Cの側断面図であり、類似するコンポーネントの説明は、簡潔性のため本明細書では、省略する。
図3bに例示の例とは異なり、例示の酸化還元電池300Cにおいて、互いに異なる酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nにわたる電気的な連結を提供するように構成される正極バスバー316及び負極バスバー318に加えて、セルを実質的にホールディングするか、共に締結するため個別の機械的な連結手段が提供されて、セルの信頼性を向上させる。例えば、酸化還元電池セルスタックを圧縮するためさらなる締結メカニズムがなく、電解質が漏れ得、及び/またはセルが分離され得る。
図3bに例示の例とは異なり、
図3cの酸化還元電池300Cは、締結口328、例えば、タイ(tie)バーを用いて物理的にホールディングされる。すなわち、正極バスバー316及び負極バスバー318にそれぞれ電気的に連結される正極及び負極集電体108A,108Bに加えて、1つ以上の締結口328がスタックの1つ以上の面における複数のセルにわたって積層方向に延在する。締結口328は、適宜な締結メカニズム、例えば、スクリューメカニズムのように調整可能な締結メカニズムを用いて、セルスタックの両端部における導電性の端部プレート324に締結、アンカー(anchor)、または固定される。締結口328は、剛性または可撓性であってもよく、任意の適宜な形状、例えば、ストラップ、ライン、またはロッド(rod)を有することができる。例示の例において、締結口328は、全体スタックの4つの面にわたってスタックの外部に延在し、導電性の端部プレート324を貫通して、さらに延在し、これらの間に圧縮圧力を提供する。締結口は、主に酸化還元電池セルを圧縮する機械的機能を提供し、したがって、適宜な材料、例えば、電気伝導性でない弾性材料で形成されてもよいと認識される。
【0052】
図3dは、積層構成であり、バスバー316,318を用いて電気的に連結される酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックを含む、酸化還元電池300Dの側断面図(左側)及び平面図(右側)である。バスバー316,318の配列を除いては、酸化還元電池300Cは、
図3cに例示の酸化還元電池300Cに類似する方式で配列され、類似するコンポーネントの説明は、簡潔性のため本明細書では、省略する。負極バスバー316及び正極バスバー318は、セルスタックが対向する(最上部及び最下部)面上で延在する酸化還元電池300C(
図3c)とは異なり、例示の酸化還元電池セル300Dにおけるバスバー316,318は、セルスタックの同じ(最上部)面にわたって延在する。締結口328は、バスバー316,318が延在しない、対向する面上で延在する。
【0053】
本発明者らは、積層構成における複数の結束した酸化還元電池セルの大きさ及び複雑性の減少など、様々な理由により、バスバーの機械的及び電気的な機能をいずれも統合して、酸化還元電池セルスタックに統合することを単純化する実質的な利点があり得ることを見出した。したがって、次に、バスバーが多数のセルを電気的に連結するとともに、機械的締結口としての働きをする様々な実施例を説明する。
【0054】
図4a~
図4dは、複数の酸化還元電池セルを連結するために、電気的かつ機械的/構造的な連結をいずれも機能するバスバーを含む、酸化還元電池の概略図である。
図4a~
図4dのそれぞれにおいて、
図3a~
図3dについて上述しものに類似する方式により、例示の酸化還元電池400A-1,400A-2,400B,400C,400Dは、積層方向に積層される複数の酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを含み、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのそれぞれは、正極集電体108Aと接触する第1ハーフセル304Aと、負極集電体108Bと接触する第2ハーフセル304Bと、第1ハーフセル304Aと第2ハーフセル304Bとを分離するイオン交換膜112と、を含む。また、酸化還元電池は、積層方向に長さ方向に延在して、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの正極集電体108Aを、例えば、電気的に並列に連結する1つ以上の正極導電バスバーと、積層方向に長さ方向に延在して、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの負極集電体108Bを、例えば、電気的に並列に連結する1つ以上の負極導電バスバーと、を含む。
図3a~
図3dの電池のコンポーネントに同様に構成されるコンポーネントの説明は、簡潔性のため本明細書では、省略する。しかし、上述した構成及び従来の構成とは異なり、
図4a~
図4dに例示の酸化還元電池400A-1,400A-2,400B-400Dにおいて、複数の酸化還元電池セルの間の電気的な連結を提供するほか、正極バスバー及び負極バスバーのうち一方または両方は、また、積層された酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを積層方向に機械的に締結するための締結手段として構成される。
【0055】
本発明者らは、正極バスバー及び負極バスバーが約1,000N、5,000N、10,000N、15,000N、20,000N、またはこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値よりも大きい圧縮力を提供するとき、バスバーは、スタックを効果的に共に固定するように、適宜な締結圧縮圧力を提供することができる。こうした構成において、
図3c及び
図3dについて上述した締結口328のような個別締結口が不要であり得、したがって、酸化還元電池セルのコンパクトな結束のため適宜省略することができる。
【0056】
バスバーは、酸化還元電池セルスタックの面のうち任意の面に配置されてもよい。
図4aは、バスバーの互いに異なる構成を有する酸化還元電池400A-1,400A-2の側面図及び平面図である。
図4aに例示の上部構成を参照すると、酸化還元電池400A-1は、スタックの対向面上に配置される正極バスバー408及び負極バスバー412を含む。
図4aに例示の下部構成を参照すると、酸化還元電池400A-2は、エッジを共有する隣接面上に配置された1つの極性を持つ、一対の正極バスバー408A,408Bを含む反面、対向エッジを共有する対向隣接面上に配置された他の極性を含む。酸化還元電池セル及び/または電池の間の電気の連結として機能するほか、様々な実施例によるバスバーは、本明細書で説明するように、酸化還元電池セルスタックに締結力または圧縮力を提供するための締結手段として同時に機能することができる。
図4aに例示の構成において、締結力または圧縮力は、バスバー408A,408Bが複数の酸化還元電池セルに固定的に、あるいは除去可能に付着する複数の接触点410を介して提供することができる。バスバー408A,408Bは、これらが積層方向にスタックにわたって圧縮力を加えるように構成することができる。圧縮力は、下記で説明するように、多数の他の構造によって適宜提供することができる。
【0057】
図4b~
図4dは、他の実施例に従って、複数の酸化還元電池セルを連結するため電気的かつ機械的な連結をいずれも機能するバスバーを有する、酸化還元電池400B-400Dの平面図である。
図4b~
図4dに例示の構成において、バスバーは、積層方向に沿って積層された酸化還元電池セルの周囲にループを形成する締結ストリップ状にスタックを圧縮するため締結手段としての働きをする。ループは、第1及び第2導電性の端部プレートの対向側の表面及び外側周の表面の周囲に形成される。
【0058】
酸化還元電池400Bを例示する
図4bに示された構成において、正極バスバー416及び負極バスバー420は、スタックの長さ方向に酸化還元電池セルスタックの周囲にループを形成する。正極バスバー416及び負極バスバー420のループによって形成された平面は、互いに交差して、正極バスバー416及び負極バスバー420が、第1及び/または第2導電性の端部プレート324の外側周の表面にわたってそれぞれ交差する。バスバーもセルを電気的に連結する働きをするため、正極バスバー416及び負極バスバー420は、例えば、その間の接合部における正極バスバー416と負極バスバー420との間に介在された絶縁体424によって、図示のように、互いに電気的に絶縁することができる。
【0059】
酸化還元電池400Cを例示する
図4cに示された構成において、正極バスバー428及び負極バスバー432は、スタックの長さ方向に酸化還元電池セルスタックの周囲にループを形成する。しかし、
図4bに例示の配列とは異なり、正極バスバー428及び負極バスバー432は、第1及び第2の導電性の端部プレート324の外側周の表面にわたって互いに交差しない。その代わり、ループのそれぞれは、第1及び第2の導電性の端部プレート324の外側周の表面のコーナーだけでなく、隣接した側の表面及びその隣接したエッジの周囲に形成される。好ましくは、正極バスバー428及び負極バスバー432が互いに交差しないため、
図4bに示されたような絶縁が不要であり得、よって、省略することができる。
【0060】
酸化還元電池400Dを例示する
図4dに示された構成において、正極バスバー408及び負極バスバー412は、ループを形成しなくてもよい。その代わり、上述した酸化還元電池400Aに類似する方式により、正極バスバー408及び負極バスバー412がスタックの対向面上に配置される。また、例示の構成において、さらなる締結力を提供するために、個別締結ストリップ436がセルスタックの周囲にループを形成して、圧縮力を提供することができる。
【0061】
導電性の端部プレートと電気的に結束したバスバーを有する酸化還元電池
酸化還元電池の既存の積層構成において、端部プレートは、例えば、酸化還元電池セルスタックに圧縮圧力を提供する構造的機能を提供する。例えば、
図3a~
図3dについて上述したように、導電性の端部プレートは、スタックに圧縮圧力を加えるために、その導電性の端部プレートに締結口を固定させるために用いることができる。しかし、実施例は、これに限らず、本発明者らは、導電性の端部プレートが電気的機能を更に提供するように構成することができることを見出した。導電性の端部プレートは、電気伝導性の材料で形成することができ、酸化還元電池セル及び/または電池を連結する全体の電気的連結網の一部として、バスバーと電気的に連結することができる。例えば、導電性の端部プレートは、正極または負極接触パッドとしての働きをすることができ、これは、順次に、酸化還元電池セルの多数のスタックを積層するための連結点として機能することができる。したがって、次に、酸化還元電池セルに対する連結経路網の一部として、バスバーと電気的に結束し得る導電性の端部プレートの様々な実施例を説明する。
【0062】
図5a~
図5fは、実施例に従って、酸化還元電池セルスタックの対向端部に配置され、バスバーに電気的に連結された電気伝導性の端部プレートを有する酸化還元電池500A~500Fの概略図である。
図5a~
図5fのそれぞれにおいて、
図4a~
図4dについて上述したものに類似する方式により、酸化還元電池500A-500Fは、積層方向に積層される複数の酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを含み、酸化還元電池セルのそれぞれは、
図3a~
図3dについて上述した酸化還元電池に類似する方式により、正極集電体108Aと接触する第1ハーフセル304Aと、負極集電体108Bと接触する第2ハーフセル304Bと、第1ハーフセルと第2ハーフセルとを分離するイオン交換膜112と、を含み、これら詳細な事項は、簡潔性のため本明細書では、省略する。また、酸化還元電池500A~500Fは、積層方向に延在して、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの正極集電体108Aを、例えば、電気的に並列に連結する正極導電バスバー512と、積層方向に延在して、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの負極集電体108Bを、例えば、電気的に並列に連結する負極導電バスバー516と、を含む。
図4a~
図4dについて上述した構成に類似する方式により、電気連結を提供するほか、バスバーは、また、積層方向に積層された酸化還元電池セルを機械的に締結するため締結手段としての働きをすることができる。しかし、上述した構成及び従来の構成とは異なり、
図5a~
図5fに例示の酸化還元電池500A~500Fは、積層された酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの対向端部に配置された第1導電性の端部プレート504、例えば、正極導電性の端部プレート及び第2導電性の端部プレート508、例えば、負極導電性の端部プレートをさらに含み、第1導電性の端部プレート504は、電気伝導性であり、正極導電バスバー512に連結され、第2導電性の端部プレート508は、電気伝導性であり、負極導電バスバー516に連結される。例示のバスバーは、両端部における導電性の端部プレート504,508に固く連結されて、他のものの中でも、圧縮力及び圧力を積層方向にセルスタックに提供する。
【0063】
図4a~
図4dについて上述した構成に類似する方式により、正極バスバー512及び負極バスバー516は、締結ストリップのような締結手段を提供することができる。また、同様、バスバー512,516は、約1,000N、5,000N、10,000N、15,000N、20,000N、またはこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値よりも大きい圧縮力を酸化還元電池セルの積層方向に提供して、スタックを効果的に共に固定し、電解質の漏れを防止するように適宜な締結圧縮圧力を提供することができる。こうした構成において、バスバー512,516は、十分な圧縮圧力を提供することができ、
図3cについて上述したような個別締結口が不要であり得、よって、省略することができる。
【0064】
バスバーは、酸化還元電池セルスタックの面のうち、任意の面に配置されてもよい。例えば、酸化還元電池500Aを例示する
図5aを参照すると、正極バスバー512及び負極バスバー516は、酸化還元電池セルスタックの対向面上に配置される。例示の実施例において、上部導電性の端部プレートは、負極バスバー516に電気的に連結されて、負極導電性の端部プレート508としての働きをし、下部導電性の端部プレートは、正極バスバー512に電気的に連結されて、正極導電性の端部プレート504としての働きをする。各々のバスバーは、同一の極性を持つ導電性の端部プレートに直接連結される反面、反対の極性を持つ導電性の端部プレートと物理的に連結されるものの、当該導電性の端部プレートと電気的に絶縁する。したがって、正極バスバー512は、第1(下部)及び第2(上部)の導電性の端部プレート504,508にいずれも機械的に固定されることで、正極導電性の端部プレート504としての働きをする第1(下部)の導電性の端部プレートにだけ電気的に連結されながら、積層方向に積層された酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを機械的に締結するため締結手段としての働きをする。同様、負極導電バスバー516は、第1(下部)及び第2(上部)の導電性の端部プレート504,508にいずれも機械的に固定されることで、負極導電性の端部プレート508としての働きをする第2(上部)の導電性の端部プレートにだけ電気的に連結されながら、積層方向に積層された酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを機械的に締結するため締結手段としての働きをする。
【0065】
効果的な締結手段としての働きをするために導電バスバー512,516は、適宜な手段を用いて、導電性の端部プレートに固定的に連結されるか付着していてもよい。導電性の端部プレートと同一の極性を持つバスバーの端部のうち1つは、溶接のような適宜な技法を用いて、高強度の連結を提供するように付着していてもよいと認識される。しかし、導電性の端部プレートと反対の極性を持つバスバーの端部のうち他の1つは、電気絶縁を維持するため溶接されなくてもよい。
図5bは、反対の極性を持つ導電性の端部プレート504,508とバスバー512,516との間の高強度の連結を提供することができる結合または締結手段505A~505Gの様々な例示的な具現を例示する。高強度の機械的な結合手段は、例示のように、L字状のブレイス(brace)524、スクリュー、ピン532、ボルト536、接着剤または溶接部540、凸凹(jagged)または鋸歯状のアンカー544などのうち1つ以上を制限なく含んでいてもよい。結合手段は、反対の極性を持つ導電性の端部プレート504,508とバスバー512,516との間の電気的隔離を維持するように、絶縁体520と共に使用される。例示のように、機械的な結合手段は、導電性の端部プレート504の側面及び最下部の表面の一方または両方にバスバー516を固定させることができる。
【0066】
図5cを参照すると、バスバー512,216に連結された電気伝導性の端部プレート504,508を有する例示の酸化還元電池500Cは、
図5aについて上述したものと同様であり、正及び負極導電バスバー512,516が酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックの対向面上に配置される。しかし、
図5aの構成とは異なり、例示の酸化還元電池500Cは、各々の導電性の端部プレート504,508と、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックの最も近いセルとの間に絶縁層548A,548Bを更に含む。絶縁層548A,548Bは、動作の際、改善した安全性のため、セルスタック300A-1,300A-2,…,300A-nと導電性の端部プレート504,508との間にさらなる電気絶縁を提供するように挿入されてもよい。また、絶縁層548A,548Bは、セルスタックで維持される圧縮力または圧力を支援するために、バスバー512,516に対するさらなる連結点を提供することを含み、導電性の端部プレートの機械的機能に類似する機械的機能を更に提供することができる。
【0067】
図5dを参照すると、例示の酸化還元電池500Dは、酸化還元電池500Dにおいて、一対の負極導電バスバー516A,516Bが酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックの一対の対向面上に配置され、一対の正極導電バスバー512A,512Bが酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックの他対の対向面上に配置されることを除いては、
図5cについて上述したものに同様に構成される。
【0068】
図4a~
図4dについて上述したように、
図5a~
図5dについて説明するように、導電性の端部プレートに電気的に連結されるバスバーは、電解質の漏れを防止し、及び/または分離されることなく、セルを共にホールディングするために、例えば、酸化還元電池セルスタックにわたって適宜な圧縮力及び圧力を提供するように構成することができる。これによって、一部の構成において、電気の連結を提供しないさらなる独立的な締結手段を省略することができる。しかし、他の一部の構成において、さらなる支持締結手段を提供することができる。
図5e及び
図5fは、他のものの中でも、積層方向にセル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックに圧縮力及び圧力を提供するために、
図5c及び
図5dについて上述したものに類似する方式により、電気伝導性の端部プレート504,508がバスバーに固く連結される酸化還元電池500E,500Fを例示する。また、例示の酸化還元電池500E,500Fは、また、スタックの周囲に積層方向にループを形成して、セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックにさらなる圧縮力及び圧力を提供するように巻かれるさらなる独立的な締結手段、例えば、1つ以上の締結タイストリップまたはバンド552を提供する。
図5eに例示の構成において、締結タイストリップ552は、バスバー512,516の積層方向または延在方向に延在する平面にループを形成する。しかし、実施例は、これに限らず、他の構成において、締結タイストリップ552は、互いに異なる平面、例えば、締結タイストリップ552によって形成された例示のループの平面と交差するか、それに垂直な平面でループを形成することができる。
図5fに例示の構成において、締結タイストリップ552は、バスバー512A,512Bの延在方向に平行な平面でループを形成する。
図3c、
図3d、及び
図4dの締結口について上述したように、締結タイストリップ552は、酸化還元電池セルまたは電池の間に電気の連結を提供する働きをすることなく、スタックを共にホールディングするに十分な機械的な力と圧力を実質的に提供する働きをすることができる。これによって、締結ストリップ552は、電気絶縁材料、例えば、重合体材料で形成することができる。
【0069】
上述したように、電気伝導性の端部プレート504,508は、何によりも、電気的かつ機械的な機能を提供するために、複数の酸化還元電池セルがバスバーと結束することを可能にすることができる。また、様々な実施例によれば、導電性の端部プレートは、これらが複数の酸化還元電池の機械的及び電気的結束を更に可能にするように構成することができる。
図5g~
図5iは、一対の導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セルスタックをそれぞれ含む、複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層され、各々の導電性の端部プレートを介して互いに電気的に連結される。酸化還元電池のそれぞれは、導電性の端部プレート556,560の間に酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを含む。酸化還元電池の個々の酸化還元電池は、上述したように、任意の構成によって適宜配列され得、これら詳細な説明は、簡潔性のため省略する。
【0070】
図5gに図示の積層された酸化還元電池500Mの例示的な構成において、反対の極性を持つ、最隣接した電池の導電性の端部プレート556,560が互いに結合されて、電池500G-1,500G-2,…,500G-nが直列に連結される。導電性の端部プレート556,560のうち結合された導電性の端部プレートは、これらの間の機械的結合が可能であるように適宜な形状を有することができる。機械的な結合は、結合された導電性の端部プレート556,560が少なくとも1つの方向、例えば、酸化還元電池セルの積層方向に直交する側方向のうち一方または両方に移動が制限されるように行うことができる。例えば、例示の酸化還元電池500Gを参照すると、正及び負極導電性の端部プレート556,560の対が突出部564及びリセス568を介して結合されてもよいものの、突出部564及びリセス568は、垂直に隣接した酸化還元電池の固定的な垂直ポジショニング及び/または側面滑り(slippage)を防止するため、突出部564とリセス568との間の当て嵌まり(snug fit)を提供するように形状化し、大きさが提供される。
【0071】
図5hに図示の積層された酸化還元電池500Hの例示的な構成において、酸化還元電池の複数の垂直スタックまたは列510M-1,510M-2,…,510M-mは、側方向に隣接して配列される。酸化還元電池の垂直スタック510M-1,510M-2,…,510M-mのそれぞれは、複数の酸化還元電池500G-1,500G-2,…,500G-nを含み、これらのそれぞれは、
図5gについて上述したように、順次に、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックを含む。例示の例において、酸化還元電池の列510M-1,510M-2,…,510M-mのそれぞれは、同じ垂直高さの電池が酸化還元電池の水平行510L-1,510L-2,…,510L-lを形成するように配列されるように、同じ数の酸化還元電池を有する。このように配列されると、酸化還元電池の垂直スタック510M-1,510M-2,…,510M-m、及び酸化還元電池の水平行510L-1,510L-2,…,510L-lは、酸化還元電池の(m×n)アレイを形成する。第1極性を持つ電池の各々の電池の最上部の導電性の端部プレート556は、第1極性の最上部の導電性の並列連結プレート572を介して互いに電気的に連結することができる。第2極性を持つ電池の最下部の導電性の端部プレート560は、第2極性の最下部の導電性の並列連結プレート576を介して互いに電気的に連結することができる。電気絶縁性であり得る一対の側面パネル580は、最上部及び最下部の導電性の並列連結プレート572,576、及び垂直スタック510M-1,510M-2,…,510M-mの両端部に配置して連結されることにより、酸化還元電池の(m×n)アレイを所定の位置にホールディングするためのラック(rack)構造の側面パネルを形成する。このように、酸化還元電池の(m×n)アレイが例示されたように、単一のラックユニットに結束し得る。
図5hに例示の例において、各々の垂直スタック510M-1,510M-2,…,510M-m内の酸化還元電池500G-1,500G-2,…,500G-nは、電気的に直列に連結されるものの、隣接した垂直スタックは、最上部及び最下部の導電性の並列連結プレート572,576によって電気的に並列に連結される。
【0072】
説明したように、酸化還元電池の最上部及び最下部の導電性の端部プレート556,560は、これらが
図5hについて上述した、積層された酸化還元電池500Hのような酸化還元電池のアレイの効率良い形成を可能にするように、電気的及び構造的機能を提供する。酸化還元電池のアレイを形成するため他の物理的及び電気的な配列が可能であると認識される。1つの他の例として、
図5iは、積層された酸化還元電池500Iの1つのそのような他の配列を示す。積層された酸化還元電池500Iは、
図5hについて上述したものと空間的に類似する方式により、酸化還元電池の垂直スタックまたは列510M-1,510M-2,…,510M-m、及び酸化還元電池の水平行510L-1,510L-2,…,510L-lを含む酸化還元電池の(m×n)アレイとして空間的に配列される。しかし、積層された酸化還元電池500H(
図5h)とは異なり、積層された酸化還元電池500Iにおいて、垂直スタックは、電気的に直列に連結されない。積層された酸化還元電池500Iにおいて、垂直に隣接した行510L-1,510L-2,…,510L-lの酸化還元電池のそれぞれは、電気的に並列に連結される。これは、酸化還元電池のうち互いに直接に対面する、同一の極性を持つ導電性の端部プレートを有する垂直に最隣接した酸化還元電池が、各々の並列連結プレートによって互いに電気的に連結されるように、あらゆる酸化還元電池の各々の他の行の酸化還元電池をひっくり返すことで達成される。例示によって、積層された酸化還元電池500Iにおいて、第1極性を持つ第1行510L-1の電池の最上部の導電性の端部プレート556は、第1極性の第1導電性の並列連結プレート572Aを介して互いに電気的に連結される。また、第1極性を持つ第2行510L-2及び第3行510L-3の電池の最上部の導電性の端部プレート556は、第1極性の第2導電性の並列連結プレート572Bを介して互いに電気的に連結される。類似する方式により、第2極性を持つ第1行510L-1及び第2行510L-2の電池の最下部の導電性の端部プレート560は、第2極性の第1導電性の並列連結プレート576Aを介して互いに電気的に連結される。また、第2極性を持つ第3行510L-3の最下部の導電性の端部プレート560は、第2極性の第2導電性の並列連結プレート576Bを介して互いに電気的に連結される。このように構成されると、積層された酸化還元電池500Iのあらゆる酸化還元電池は、電気的に並列に連結される。互いに異なる電気的構成を有する酸化還元電池の(m×n)アレイの2つの具体的かつ例示的な構成が立証されるものの、当該技術分野における通常の知識を有する者は、直列及び/または並列連結の任意の適宜な組み合わせによって電気的に連結される電池を有するアレイを形成するように物理的に積層される、酸化還元電池の様々な他の組み合わせを形成するのに適宜な修正を行うことができると認識される。
【0073】
上述したように、本発明者らは、
図5a~
図5iについて上述した様々な実施例に従って、導電性の端部プレートが1つ以上の酸化還元電池の全体の電気的連結網の部分としてバスバーと連結される、電気伝導性の材料で形成された電気コネクターとしての働きをするように構成され得ることを見出した。
図5a~
図5iについて上述した例示的な構成において、反対の極性を持つ導電性の端部プレートが酸化還元電池セルスタックの対向端部上に配置される。しかし、実施例は、これに制限されない。
図5a~
図5iに例示の構成において、バスバーは、極性の1つを有するため、バスバーの1つの端部は、1つの極性を持つ1つの導電性の端部プレートに電気的かつ物理的に連結される反面、バスバーの他の端部は、反対の極性を持つ他の導電性の端部プレートに物理的に連結されるものの、電気的には連結されない。例えば、連結点の間に電気絶縁体を形成することにより(例えば、
図5a、
図5b参照)、物理的のみの(すなわち、電気なし)連結を達成することができる。一部の設計では、反対の極性を持つ導電性の端部プレートとバスバーとの間の電気絶縁体を省略することにより、さらに容易な結束を可能にし、安全性及び信頼性を改善するように、導電性の端部プレートとバスバーとの間の物理専用連結を省略するのが好ましい。次に、酸化還元電池セルスタックに対する連結経路網の一部として、バスバーと電気的に結束し得る導電性の端部プレートの様々な実施例が説明され、ここで、同一の極性を持つ導電性の端部プレートは、酸化還元電池セルスタックの対向面に形成される。他の利点の中でも、このような構成は、酸化還元電池セルスタックの単純化した結束のためバスバーと導電性の端部プレートとの間の少なくとも一部の物理専用連結の省略を可能にすることができる。
【0074】
図6a~
図6iは、他の実施例に従って、電気伝導性の端部プレートがバスバーに連結される酸化還元電池600A~600Iの概略図である。
図6a~
図6iのそれぞれにおいて、
図5a~
図5fについて上述したものに類似する方式により、酸化還元電池600A~600Iのそれぞれは、積層方向に積層される複数の酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを含み、これらの詳細な説明は、簡潔性のため本明細書では、省略する。また、酸化還元電池600A~600Iは、積層方向に延在して、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの正極集電体108Aを電気的に並列に連結する正極導電バスバーと、積層方向に延在して、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの負極集電体108Bを電気的に並列に連結する負極導電バスバーと、を含む。
図5a~
図5fについて上述した構成に類似する方式により、
図6a~
図6iに例示の酸化還元電池600A~600Iは、例えば、多数の酸化還元電池セルスタックの電気的積層を可能にする電気的機能だけでなく、機械的結合メカニズムのような機械的機能を提供する導電性の端部プレートをさらに含む。しかし、
図5a~
図5fに例示の酸化還元電池とは異なり、
図6a~
図6iに例示の酸化還元電池600A~600Iは、電池セルスタックの各々のスタックの一端部または両端部上に形成された、同一の極性を持つ導電性の端部プレート、または電池セルスタックの各々のスタックの同一端部上に形成された、反対の極性を持つ導電性の端部プレートをさらに含む。例示の酸化還元電池600A~600Iは、積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置された同一の極性、例えば、正の極性をいずれも有することができる第1導電性の端部プレート及び第2導電性の端部プレートを含み、第1導電性の端部プレート及び第2導電性の端部プレートは、電気伝導性であり、正極導電バスバーに連結される。酸化還元電池600A~600Iは、積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置された同一の極性、例えば、負の極性をいずれも有することができる第3導電性の端部プレート及び第4導電性の端部プレートをさらに含み、第3導電性の端部プレート及び第4導電性の端部プレートは、電気伝導性であり、負極導電バスバーに連結される。換言すると、反対の極性を持つ導電性の端部プレートが積層された酸化還元電池セルの送信端部に形成されるか、例示の実施例で与えられた導電性の端部プレートが反対の極性を持つ少なくとも2個の部品に分割される。このように構成されると、他の利点のうちでも、酸化還元電池の同じ上部または下部側に反対の極性の電気の連結が行われる。
【0075】
図6aに示された酸化還元電池600Aを参照すると、第1導電性の端部プレート604A及び第3導電性の端部プレート608Aは、積層された酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの同一端部、例えば、最上部の端部上に隣接して配置される。第1導電性の端部プレート及び第3導電性の端部プレートが反対の極性を持つため、第1導電性の端部プレート604A及び第3導電性の端部プレート608Aは、これらの間の隙間または絶縁層(不図示)によって互いに電気的に絶縁し得る。同様、第2導電性の端部プレート604B及び第4導電性の端部プレート608Bは、互いに電気的に絶縁し、積層された酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの同一端部、例えば、最下部の端部に隣接して配置される。第2導電性の端部プレート及び第4導電性の端部プレートが反対の極性を持つため、第2の導電性の端部プレート604B及び第4の導電性の端部プレート608Bは、また、これらの間の隙間または絶縁層(不図示)によって互いに電気的に絶縁し得る。第1導電性の端部プレート604A及び第3導電性の端部プレート608Aは、選択的に、分割された導電性の端部プレートの部分または部品であると、本明細書で称することができる。同様、第2導電性の端部プレート604B及び第4導電性の端部プレート608Bは、選択的に、分割された導電性の端部プレートの部分または部品であると、本明細書で称することができる。
【0076】
さらに
図6aを参照すると、正極導電バスバー612A,612Bは、第1 導電性の端部プレート604A及び第2導電性の端部プレート604Bにいずれも機械的に固定されて、電気的に連結されることにより、正極集電体を連結する電気コネクターだけでなく、積層された酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを積層方向に機械的に締結するための締結手段としての働きをする。同様、負極導電バスバー616A,616Bは、第3導電性の端部プレート608A及び第4導電性の端部プレート608Bにいずれも機械的に固定されて、電気的に連結されることにより、負極集電体を連結する電気コネクターだけでなく、積層された酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを積層方向に機械的に締結するための締結手段としての働きをする。
【0077】
図4a~
図4dについて上述した構成に類似する方式により、正極導電バスバー612A,612B及び負極バスバー616A,616Bは、締結ストリップを含む締結手段を提供することができる。例えば、バスバーは、約1,000N、5,000N、10,000N、15,000N、20,000N、またはこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値を超える圧縮力を提供して、スタックを効果的に共に固定し、電解質の漏れを実質的に防止するのに適宜な締結圧縮圧力を提供することができる。一部の構成において、
図3cについて上述したような個別締結口が不要であり得、よって、省略することができる。
【0078】
バスバーは、スタックの面のうち任意の面上に配置されてもよい。
図6aを参照すると、同一の極性を持つバスバーが、スタックの対向面上に配置されてもよい。例示の実施例において、正の極性を持つ第1(上部)の導電性の端部プレート604A及び第2(下部)の導電性の端部プレート604Bは、セルスタックの対向側の表面上の正極バスバー612A,612Bに電気的に連結される。同様、負の極性を持つ第3(上部)の導電性の端部プレート608A及び第4(下部)の導電性の端部プレート608Bは、セルスタックの対向側の表面上の負極バスバー616A,616Bに電気的に連結される。
図5a~
図5fについて例示した配列とは異なり、各々のバスバーは、両端部における同一の極性を持つ導電性の端部プレートに物理的かつ電気的に直接連結され、これにより、バスバーの反対の極性を持つ導電性の端部プレートの間の電気絶縁に対する必要性を除去する。したがって、各々のバスバー612A,612B,616A,616Bは、積層された酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを積層方向に機械的に締結するための締結手段としての働きをし、かつ、バスバーと同一の極性を持つスタックの両側の導電性の端部プレートに連結された電気コネクターとしての働きをする。効果的な締結口としての働きをするように、導電バスバーは、上記において、例えば、
図5bで説明されたものに類似する方式により、溶接、L字状のブレイス、スクリュー、ピン、ボルト、接着剤、鋸歯状のアンカーなどのような適宜な技法を用いて、高強度の連結を提供するため適宜な手段を用いて、導電性の端部プレートに連結することができる。
図5bに例示されたように、L字状のブレイス、スクリュー、ピン、ボルト、接着剤、溶接、鋸歯状のアンカーなどのような高強度の機械的な結合手段を用いることができるものの、反対の極性を持つ導電性の端部プレートとバスバーとの間の電気的隔離を維持するため絶縁体は、省略することができる。
【0079】
図6bを参照すると、例示の酸化還元電池600Bは、
図6aに示されたものに類似する方式により、酸化還元電池セルスタックの各々の1つの端部または両端部上に形成された、同一の極性を持つ導電性の端部プレート、酸化還元電池セルスタックの各々の同一端部上に形成された、反対の極性を持つ導電性の端部プレート、または反対の極性を持つ少なくとも2つの部品にそれぞれ分割される導電性の端部プレートを含む。導電性の端部プレートが反対の極性を持つため、第1導電性の端部プレート604A及び第3導電性の端部プレート608Aは、これらの間に配置された絶縁層620Aによって互いに電気的に絶縁し得、第2導電性の端部プレート604B及び第4導電性の端部プレート608Bは、これらの間に配置された絶縁層620Bによって互いに電気的に絶縁し得る。また、
図6aについて上述した酸化還元電池とは異なり、そして、
図5cについて上述したものに類似する方式により、例示の酸化還元電池600Bは、また、各々の導電性の端部プレートと酸化還元電池セルスタックの最も近い各々の酸化還元電池セルの間に垂直に配置された絶縁層548A、548Bを含む。絶縁層548A,548Bは、動作の際、改善した安定性のため、セルスタックと導電性の端部プレートとの間にさらなる電気絶縁を提供するように挿入することができる。また、絶縁層548A,548Bは、酸化還元電池セルスタックで維持される圧縮力または圧力を支援するために、バスバーに対するさらなる連結点を提供することを含み、導電性の端部プレートの機械的機能に類似する機械的機能を更に提供することができる。
【0080】
図6cを参照すると、例示の酸化還元電池600Cは、
図6aに示されたものに類似する方式により、酸化還元電池セルスタックの各々の1つの端部または両端部上に形成された、同一の極性を持つ導電性の端部プレート、酸化還元電池セルスタックの各々の同一端部上に形成された反対の極性を持つ導電性の端部プレート、または反対の極性を持つ少なくとも両部分にそれぞれ側方向に分割される導電性の端部プレートを含む。しかし、
図6aとは異なり、同一の極性を持つ導電性の端部プレートは、酸化還元電池セルスタックの側面当たり1つよりも多いバスバーによって連結される。例示の構成において、酸化還元電池は、
図6a及び
図6bについて上述した酸化還元電池に類似する方式により、セルスタックの側表面上にそれぞれ配置された正極バスバー624A,624B及び負極バスバー628A,628Bを含む。また、酸化還元電池600Cは、セルスタックのエッジにそれぞれ配置された正極バスバー622A,622B及び負極バスバー626A,626Bをさらに含む。
【0081】
図6d~
図6gを参照すると、例示の酸化還元電池600D~600Gは、
図6aに示されたものに類似する方式により、酸化還元電池セルスタックの各々の1つの端部または両端部上に形成された、同一の極性を持つ導電性の端部プレート、酸化還元電池セルスタックの各々の同一端部上に形成された反対の極性を持つ導電性の端部プレート、または反対の極性を持つ少なくとも2つの部品にそれぞれ分割される導電性の端部プレートを含む。しかし、
図6aとは異なり、そして、5e及び
図5fについて上述したものに類似する方式により、例示の酸化還元電池において、さらなる支持締結手段、例えば、スタックの周囲に積層方向にループを形成して、セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックにさらなる圧縮力及び圧力を提供するように巻かれる1つ以上の締結タイストリップまたはバンドが提供される。例示の構成において、制限なく、締結タイストリップは、バスバーの延在方向に平行な平面にループを形成する。
図6に例示の構成において、酸化還元電池600Dは、バスバー612A,612B,616A,616Bの延在方向に平行な平面でループを形成する締結タイストリップ552を含む。
【0082】
図6eに例示の構成において、酸化還元電池600Eは、また、
図6bについて上述したものに類似する方式により、各々の導電性の端部プレートとスタックの最も近いセルとの間に垂直に配置された絶縁層548A,548Bのみならず、反対の極性を持つ端部プレートの間に側方向に配置された絶縁層620A,620Bを含む。締結タイストリップ552は、セル300A-1,300A-2,…,300A-nスタックのみならず、絶縁層548A,548Bの周囲にループを形成することができる。
【0083】
図6f及び
図6gに例示の構成において、さらなる支持締結手段、例えば、ストリップまたはバンドが導電性の端部プレートを含む酸化還元電池の全体スタックの周囲に形成される。ストリップまたはバンドは、任意の方向にループを形成することができる。
図6fに例示の構成において、酸化還元電池600Fは、互いに異なる極性を持つ導電性の端部プレート、及び酸化還元電池スタックの周囲にループを形成する締結ストリップ552を含む。
図6gに例示の構成において、酸化還元電池600Gは、同一の極性を持つ導電性の端部プレートと、酸化還元電池スタックの周囲にループを形成する締結ストリップ552と、を含む。
【0084】
酸化還元電池セルスタックの同一端部上に形成された、反対の極性を持つ導電性の端部プレートの間の他の構造的に分離された配列が可能である。
図6hを参照すると、例示の酸化還元電池600Hは、他の実施例に従って、反対の極性を持つ少なくとも2つの部品にそれぞれ側方向に分割される導電性の端部プレートを含む。例示の酸化還元電池600Hは、反対の極性を持つ部品632A,636Aに分割される最上部の導電性の端部プレートと、反対の極性を持つ部品632B,636Bに分割される最下部の導電性の端部プレートと、を含む。部品632A,632Bは、同一の極性、例えば、正の極性を有し、部品636A,636Bは、同一の極性、例えば、負の極性を持つ。同一の極性の導電性の端部プレートは、酸化還元電池セルスタック側の表面上に積層方向に延在する、例えば、正の極性を持つことができるバスバー612A~612Dと、例えば、負の極性を持つことができるバスバー616A~616Dと、を含む、同一の極性の1つよりも多いバスバーによって連結される。同一端部上の導電性の端部プレートが長さ方向に沿って分割される、
図6a~
図6gについて説明する酸化還元電池セルスタックの同一端部上に形成された反対の極性を持つ導電性の端部プレートとは異なり、
図6hに例示の実施例では、少なくとも1つの導電性の端部プレートが長さ方向、例えば、斜め方向または対角線方向と互いに異なる方向に沿って分割されて、2つの例が挙げられる。
図6a~
図6gに例示の配列と更に対照的に、少なくとも1つの導電性の端部プレートは、3つ以上の部品に分割することができる。例えば、部品632A,636A,632B,636Bのそれぞれは、対角線方向に延在するブリッジ部分によって連結される2つの対角線端部部分に分割されることを例示する。
【0085】
図6iを参照すると、例示の酸化還元電池600Iは、さらに他の実施例に従って、反対の極性を持つ少なくとも2つの部品にそれぞれ垂直方向に分割される導電性の端部プレートを含む。例示の酸化還元電池600Iは、反対の極性を持つ部品640A,644Aに垂直に分割される最上部の導電性の端部プレートと、反対の極性を持つ部品640B,644Bに垂直に分割される最下部の導電性の端部プレートと、を含む。
図6a~
図6hに例示の配列において、各々の導電性の端部プレートは、側方向に沿って少なくとも2つの部品に側方向に分割される。対照的に、
図6iに例示の実施例において、少なくとも1つの導電性の端部プレートは、2つ以上の部品が積層構成を有するように、垂直方向に沿って、例えば、積層方向に2つ以上の部品に分割することができる。
図6a~
図6hに例示の配列に加えて、導電性の端部プレートの垂直に積層された部品640A,644A及び640B,644Bは、これらの間に介在する絶縁体648A,648Bによって分離される。
【0086】
例えば、
図5g~
図5hについて上述したように、電気伝導性の端部プレートは、他のものの中でも、複数のスタックが効率良い方式により電気的に結束して積層されることを可能にすることができる。同様、酸化還元電池セルスタックの各々の同一端部上に形成された反対の極性を持つ導電性の端部プレートを有する酸化還元電池での効率良い積層配列が可能である。
図6j~
図6nは、実施例に従って、導電性の端部プレートの間に酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックをそれぞれ含む複数の酸化還元電池の概略図であって、酸化還元電池自体は、積層され、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。例示の配列600J~600Nは、さらなる結束柔軟性を実現することができるように部品、例えば、
図6a~
図6iについて上述した反対の極性を持つ部品に分割される導電性の端部プレートを含む。
【0087】
図6jに図示の積層された酸化還元電池600Jの例示的な構成において、各々の導電性の端部プレートは、導電性部分と絶縁部分とに分割される。例えば、
図6jに示された個別酸化還元電池600J-1において、最上部の導電性の端部プレートは、導電性部分652Aと絶縁部分660Aとに分割され、最下部の導電性の端部プレートは、導電性部分656Bと絶縁部分660Bとに分割される。正の極性及び負の極性をそれぞれ持つ導電性部分652A,656Bは、対応する極性を持つ酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの集電体612A、616Aに電気的に連結される。反対の極性を持つ最隣接した電池の導電性の端部プレート部分652A,656Bは、互いに物理的かつ電気的に結合されて、電池600J-1,600J-2,…,600J-nが直列に連結される。最隣接した電池の絶縁導電性の端部プレート部分660A、660Bは、隣接した電池の間の電気連結性に影響を及ぼさない、かつ、互いに物理的に結合される。導電性の端部プレートのうち結合された導電性の端部プレートは、
図5gについて上述したものに類似する方式により、これらの間の機械的結合、例えば、突出部-リセス結合を可能にするように適宜な形状を有することができる。機械的結合は、電池のうち垂直に隣接した電池の結合された導電性の端部プレート部分652A,656Bが少なくとも1つの方向、例えば、酸化還元電池セルの積層方向に直交する側方向のうち一方または両方に移動が制限されるように行われる。
【0088】
図6kに図示の積層された酸化還元電池600Kの例示的な構成において、
図5i及び/または
図5jについて上述したものに類似する方式により、酸化還元電池セルのアレイを含むラックを形成するように、酸化還元電池の複数の行610K-1,…,610K-nが配列されてもよい。例えば、
図6kに示された酸化還元電池600Kにおいて、各々の個別酸化還元電池610Kは、反対の極性を持つ導電性の端部プレート部分652A,656Aに分割される最上部の導電性の端部プレートと、反対の極性を持つ導電性部分652B,656Bに分割される最下部の導電性の端部プレートと、を含む。同一の極性、例えば、正の極性を持つ部分652A,652Bは、正極バスバー612Aを介して酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの正極集電体に、かつ、互いに電気的に連結される。同様、同一の極性、例えば、負の極性を持つ部分656A、656Bは、互いに、かつ、負極バスバー616Aを介して酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの負極集電体に電気的に連結される。
図5i及び/または
図5jに示された配列とは異なり、電池の上部行610K-1の電池は、電池の下部行610K-nの電池に対して側方向にオフセットされて、上部行610K-1の電池の分割された最下部の導電性の端部プレート652B,656Bは、反対の極性を持つ電池の下部行610K-nの電池の分割された最上部の導電性の端部プレート652A,656Aに電気的に連結される。このように、酸化還元電池のアレイは、
図5i及び/または
図5hについて上述したものに類似する方式により、単一のラックユニットにコンパクトに結束し得る。
【0089】
単に例示の目的で、
図6kにおいて、酸化還元電池は、電気的に直列に連結される。しかし、他の配列が可能であると認識される。例として、
図6lは、積層された酸化還元電池600Lの1つのそのような他の配列を示す。積層された酸化還元電池600Lの酸化還元電池は、
図5h及び
図5iについて上述した電池のアレイに類似する方式により、(m×n)アレイとして配列される。各々の個別酸化還元電池600Aは、反対の極性を持つ導電性の端部プレート部分652A,656Aに分割される最上部の導電性の端部プレートと、反対の極性を持つ導電性部分652B,656Bに分割される最下部の導電性の端部プレートと、を含む。同一の極性、例えば、正の極性を持つ部分652A,652Bは、正極バスバー612Aを介して酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの正極集電体に、かつ、互いに電気的に連結される。同様、同一の極性、例えば、負の極性を持つ部分656A,656Bは、互いに、かつ、負極バスバー616Aを介して酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nの負極集電体に電気的に連結される。積層された酸化還元電池600Lにおいて、各々の行610L-1,610L-2,…,610L-l内の酸化還元電池は、部分652A,652Bのうち隣接した部分及び/または電池のうち側方向に隣接した電池の部分656A,656Bのうち隣接した部分を介して電気的に直列に連結される反面、各々の列610M-1,610M-2,…,610M-m内の酸化還元電池は、電池のうち垂直に隣接した電池の部分652A,656A及び/または部分652B,656Bのうち隣接した部分を介して電気的に並列に連結される。互いに異なる電気的構成を有する酸化還元電池の(m×n)アレイの2つの具体的かつ例示的な構成が立証されるものの、当該技術分野における通常の知識を有する者は、直列及び並列の連結の任意の適宜な組み合わせによって、電気的に連結される電池を有するアレイを形成するように物理的に積層され得る酸化還元電池の様々な他の組み合わせを形成するのに適宜な修正を行うことができると認識される。
【0090】
図5h及び
図5iについて上述したものに類似する方式により、
図6mに例示の配列600Mにおいて、行610L-1,…,610L-nの各々の酸化還元電池は、最上部及び最下部の導電性の並列連結プレート664を介して互いに電気的に並列に連結することができる。積層された酸化還元電池600Mの酸化還元電池は、
図6lについて上述した電池のアレイに類似する方式により、(m×n)アレイとして配列される。各々の個別酸化還元電池610Aは、
図6lについて上述したものに同様に配列され、これらの詳細な説明は、簡潔性のため本明細書では、省略する。各々の行610L-1,610L-2,…,610L-l内の酸化還元電池は、電気的に並列に連結される。第1極性を持つ電池の各々の電池の最上部の導電性の端部プレート652A,652Bは、第1極性の最上部の導電性の並列連結プレート664を介して互いに電気的に連結することができる。第2極性を持つ電池の最下部の導電性の端部プレート656A,656Bは、第2極性の最下部の導電性の並列連結プレート576を介して互いに電気的に連結されてもよい。電気絶縁性であり得る一対の側面パネル580は、最上部及び最下部の導電性の並列連結プレート664の両端部に配置して連結されることにより、酸化還元電池の(m×n)アレイを所定の位置にホールディングするためラック構造の側面パネルを形成する。このように、酸化還元電池の(n×m)アレイは、
図5h及び5iについて上述したものに類似する方式により、例示のように、単一ラックユニットに結束し得る。
【0091】
好ましくは、本明細書で説明するような酸化還元電池セルスタックに対する様々な結束方式は、これらのコンパクトな結束を可能にする。
図6nは、使用者が受信することができる複数のパッケージングされた酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置600Nを例示する。エネルギー貯蔵装置600Nは、ボックスケーシング676、ケーシング676の外部にあり、正極導電性の端部プレート部分652A,652Bに連結された一対の正電極668A,668Bと、ケーシング676の外部にあり、負極導電性の端部プレート部分656A,656Bに連結された一対の負電極672A,672Bと、を含んでいてもよい。複数のエネルギー貯蔵装置600N自体が積層されて、例えば、直列に連結されるエネルギー貯蔵装置600Nのスタックを形成することができる。
【0092】
3次元に積層された酸化還元電池
上述したように、様々な実施例によれば、複数の酸化還元電池セルは、これらの間の電気連結によって積層されて、酸化還元電池を形成することができる。導電バスバー及び導電性の端部プレートのうち一方または両方によって形成された電気の連結は、電気の連結に更に機械的堅固性を提供することができる。また、バスバー及び/または導電性の端部プレートをそれぞれ有する複数の酸化還元電池が積層または結束して、例えば、酸化還元電池の1次元または2次元スタックを形成することができる。酸化還元電池は、本明細書で説明するように、酸化還元電池セルの効率良い積層配列が2次元及び3次元に延在するように形状化して配列される。
【0093】
図7a~
図7cは、それぞれ複数の酸化還元電池を含む酸化還元電池システム700A~700Cの概略図である。一部の実施例に従って、酸化還元電池のそれぞれは、導電性の端部プレート704A,704B,708A,708Bの間に酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのスタックを含み、酸化還元電池自体は、積層され、導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。酸化還元電池のそれぞれは、上述した例示的な構成のうち任意の構成によってそれぞれ構成することができる。
図7a~
図7cのそれぞれにおいて、
図6a~
図6hについて上述したものに類似する方式により、酸化還元電池700のそれぞれは、積層方向に積層される複数の酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを含み、その類似性の詳細な事項は、簡潔性のため本明細書では、繰り返していない。特に、酸化還元電池700のそれぞれは、セルの積層方向に積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置され(不図示)、正極導電バスバーに電気的に連結される一対の導電性の正極端部プレート704A,704Bを含む。また、酸化還元電池のそれぞれは、セルの積層方向に積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置され、負極導電バスバー716に電気的に連結される一対の導電性の負極端部プレート708A,708Bを含む。酸化還元電池のそれぞれに対して、一対の導電性の正極端部プレート704A,704Bのうち1つ、及び一対の導電性の負極端部プレート708A,708Bのうち1つは、
図6a~
図6lについて上述した様々な実施例のうち任意の実施例に従って、酸化還元電池セルスタックの同一端部上に配置される、反対の極性を持つ、隣接して配置された一対の導電性の端部プレートを形成する。
【0094】
様々な実施例による酸化還元電池は、セルの積層方向に直交する少なくとも1つの他の方向に積層され、互いに電気的に連結される酸化還元電池を形成する。本明細書で説明する様々な実施例によれば、電池の大きさ及び形状は、電池の間の効率良い積層及び電気の連結を形成するように適応される。例えば、例示の実施例の導電性の端部プレートは、長方形状を有し、反対の極性を持つ隣接して配置された導電性の端部プレートが結合された対は、同じ寸法を有することができ、酸化還元電池は、垂直及び/または水平に積層されてもよい。
【0095】
図7aを参照すると、例示の酸化還元電池システム700Aは、酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nのセルの積層方向に直交する側方向または水平方向に積層される酸化還元電池の複数の列710M-1,710M-2,…,710M-mを含む。酸化還元電池の列710M-1,710M-2,…,710M-mのそれぞれは、
図6lに例示の酸化還元電池600Lのアレイの列に類似する方式で配列される酸化還元電池を含む。例として、第一の列710M-1は、複数の酸化還元電池を含み、ここで、各々の酸化還元電池700は、
図6lに例示の酸化還元電池600Aに類似する方式で配列される。第一の列710M-1の酸化還元電池は、
図6lについて上述した酸化還元電池600Lのアレイの列610M-1に類似する方式で配列され、垂直方向に積層される。第一の列710M-1の酸化還元電池は、酸化還元電池の第一の列710M-1の導電性の正極端部プレート704A,704B及び導電性の負極端部プレート708A,708Bが垂直方向に交互に垂直方向に積層される。酸化還元電池に例示する第一の列710M-1は、電気的に直列に連結することができる。長方形状のような適宜な形状を有する酸化還元電池によって、酸化還元電池の第一の列と隣接した電池は、互いに物理的に接触する導電性の正極端部プレートと導電性の負極端部プレートのうち隣接したものによって、電気的に直接連結される。また、好ましくは、垂直に積層された酸化還元電池の導電性の端部プレートは、重力によってこれらの間に実質的に十分な電気連結を提供することができる。
【0096】
さらに
図7aを参照すると、例示の酸化還元電池システム700Aにおいて、酸化還元電池の複数の列710M-1,710M-2,…,710M-mは、セルの積層方向に直交する側方向または水平方向に水平に順次積層される。対応する垂直高さに配置される列710M-1,710M-2,…,710M-mのうち互いに異なる列の酸化還元電池は、セルの積層方向に直交する垂直方向に積層される酸化還元電池の複数の行710L-1,710L-2,…,710L-lを形成するように配列される。酸化還元電池の行710L-1,710L-2,…,710L-lは、与えられた行の導電性の正極端部プレート704A,704Bが側方向または水平方向に隣接して、または線形に配列され、与えられた行の導電性の負極端部プレート708A,708Bが同じ側方向または水平方向に隣接して、または線形に配列されるように垂直方向に積層される。例として、酸化還元電池の行710L-1,710L-2,…,710L-1のうち与えられた行の酸化還元電池は、電気的に並列に連結される。長方形状のような適宜な形状を有する酸化還元電池によって、第2サブセットの酸化還元電池のうち隣接した酸化還元電池は、互いに物理的に接触する導電性の正極端部プレートのうち隣接した導電性の正極端部プレートによって、及び/または互いに物理的に接触する導電性の正極端部プレートのうち隣接した導電性の正極端部プレートによって電気的に直接連結される。
【0097】
さらに
図7aを参照すると、配列されたように、酸化還元電池システム700Aに例示の酸化還元電池は、垂直方向に垂直に積層され、水平方向に水平に積層され、(ページ内に)セルの積層方向から見るとき、複数の酸化還元電池は、水平方向に延在する酸化還元電池の複数の行710L-1,710L-2,…,710L-lと、垂直方向に延在する酸化還元電池の複数の列710M-1,710M-2,…,710M-mと、を含むアレイを形成する。配列されたように、電池は、3次元アレイを形成するように配列される。1つ以上の行の酸化還元電池のうち少なくとも一部は、電気的に並列に連結されてもよく、及び/または1つ以上の列の酸化還元電池のうち少なくとも一部は、電気的に直列に連結されてもよい。
【0098】
好ましくは、本明細書で説明する様々な実施例によれば、電池の大きさ及び形状は、単に互いに接触するように酸化還元電池を物理的に配列することによって、積層された酸化還元電池の間の電気の連結を実質的に提供するように、1つ以上の方向への効率良い積層を形成するように適応される。垂直方向における連結は、重力によって更に補助される。積層された酸化還元電池は、また、クリップ、バンドなどのような適宜な固定構造によって互いに除去可能に固定されてもよい。
【0099】
本明細書で説明するような積層の配列は、例えば、セルの積層方向に引き出すことにより、酸化還元電池の個別の酸化還元電池が(例えば、取り替えまたはサービスのため)スタックから除去され得るという利点を更に提供する。
図7bは、これについてさらなる利点を提供することができる酸化還元電池システム700Bの他の配列を例示する。
図7bに例示の例において、酸化還元電池の行710L-1,710L-2,…,710L-lのうち垂直に隣接した電池は、水平方向に酸化還元電池の導電性の端部プレートの長さの一部だけ水平にオフセットされる。構成されたように、酸化還元電池の行710L-1,710L-2,…,710L-lのうち互いに異なる行は、同じ数の電池を有しなくてもよい。行のオフセットされた部分によって形成された空間のうち一部は、絶縁体720によって充電されて、構造的な支持を提供することができる。酸化還元電池は、また、以下で更に説明する酸化還元電池の除去可能に構成された開口724A,724Bを含む。構成されたように、酸化還元電池のうち1つ以上の電池の除去は、配列の崩壊を引き起こさない。
【0100】
上述したように、垂直に隣接した酸化還元電池の間の電気の連結は、1つの導電性の端部プレートを他の導電性の端部プレート上に物理的に垂直に配置することにより、実施例に従って比較的に容易に行うことができる。しかし、重力が垂直に隣接した導電性の端部プレートの間の電気の連結を維持することを助ける垂直方向とは異なり、水平方向においては、水平に隣接した導電性の端部プレートが電気接触をさらに容易に失い得る。
図7cは、こうした効果を緩和させるため例示的な構成を例示する。
図7cに示された配列700Cにおいて、導電性の正極端部プレートのそれぞれ、または導電性の負極端部プレートのそれぞれと接触する導電性の並列連結プレート664を介して水平に隣接した酸化還元電池の間のさらなる電気の連結が提供される。こうした構成において、酸化還元電池710L-1,710L-2,…,710L-lの垂直に隣接した行は、互いに直接接触するものではなく、導電性の並列連結プレート664によって物理的に分離して介在される。導電性の並列連結プレート664は、酸化還元電池がラック構造728によって単一ユニットに結束するように、
図5h、
図5i及び
図6mについて上述した方式に類似する方式により、側面パネルによって両端部で連結される。
【0101】
上述したように、垂直に積層された酸化還元電池の電気的連結及び/または物理的安定性は、重力によって補助することができる。しかし、本発明者らは、例えば、外部の振動によって水平スリップが依然として発生し得ることを見出した。このような、かつ、他の効果を解決するために
図7d及び
図7eは、他の一部の実施例に従って結合した酸化還元電池が、互いにスライドすることを防止し、コンパクトな結束可能にするため例示的な結合メカニズムを概略的に例示する。
図7d及び
図7eを参照すると、酸化還元電池のうち垂直に隣接した酸化還元電池は、垂直に積層され、結合した酸化還元電池が互いに側方向にスライドすることを防止するか、少なくとも1つの方向に、これらの間の相対的な側方向移動を制限するための結合構造によって、物理的に結合されるように構成することができる。酸化還元電池700は、
図6a~
図6hについて上述したものに類似する方式で構成され、積層方向に積層される複数の酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを含み、その類似性の詳細な事項は、簡潔性のため本明細書では、繰り返していない。酸化還元電池700は、セルの積層方向に積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置され(不図示)、正極導電バスバーに電気的に連結される一対の導電性の正極端部プレート704A,704Bを含む。また、酸化還元電池のそれぞれは、セルの積層方向に積層された酸化還元電池セルの対向端部に配置され、負極導電バスバー716に電気的に連結される一対の導電性の負極端部プレート708A、708Bを含む。また、
図7dに例示の例示的な酸化還元電池700は、導電性の正極端部プレート704A,704Bの最下部エッジに形成されたスロット736と、スロット736に結合するように対応するように形状化して、導電性の負極端部プレート708A、708Bの最上部エッジに形成される突出部またはレール732と、を含む。しかし、実施例は、これに限らず、スロット736は、酸化還元電池の導電性の正極及び負極導電性の端部プレート704A/704B、708A/708Bのうち任意の端部プレート上に形成されてもよく、突出部またはレール732は、酸化還元電池の正極及び負極導電性の端部プレート704A/704B、708A/708Bのうち他の1つ上に形成されてもよいと理解される。突出部またはレール732は、セルの積層方向にスロット736内にスライドし、その内に当て嵌まるように構成され、ここで、突出部またはレール732及びスロット736は、酸化還元電池700のうち垂直に隣接した電池が、突出部またはレール732及びスロット736の長さ方向に、互いに実質的にスライドすることを実質的に防止するように垂直及び側方向寸法を有する。
【0102】
図7dに例示の例示的な酸化還元電池700において、突出部またはレール732及びスロット736は、導電性の端部プレートの間の電気的かつ機械的な結合を提供するように対応する導電性の端部プレート708A/708B,704A/704Bの一部として形成され、実施例は、これに制限されない。
図7eに図示の結合された酸化還元電池700Eの例示的な配列において、レール740及びスロット744は、電池セルの全体スタックを貫通して延在する。さらに、レール740及びスロット744が構成されものの、
図7dについて上述したものに類似する結合構造としての働きをするほか、レール740及びスロット744は、酸化還元電池710の正極及び負極導電バスバーとしての働きをする。したがって、例示された配列において、個別バスバーを好ましく省略することができる。
【0103】
電気的に短絡するように構成される導電性の端部プレートを有する酸化還元電池
上述したように、様々な実施例によれば、複数の酸化還元電池セルは、これらの間の電気連結によって積層されて、酸化還元電池を形成することができる。また、複数の酸化還元電池自体が積層されて、例えば、これらの間に並列及び/または直列に電気連結を有する酸化還元電池のスタックまたはアレイを形成することができる。他の利点のうち、積層構成は、酸化還元電池のモジュール式配列を可能にして、酸化還元電池のうち個々の酸化還元電池が除去されて、便利に取り替えることができ、これは結局、取り替え及び/または修理のため、効率良いサービスの提供を可能にする。例えば、1つ以上の酸化還元電池が修理または取り替えを要するとき、スタックまたはアレイから電池が除去する前に、電池を少なくとも部分的に放電させることがさらに安全であり得る。スタックまたはアレイから個別の酸化還元電池を除去する前に、酸化還元電池を少なくとも部分的に放電させることがさらに安全であり得る。これら及び他の要求を解決するために一部の実施例では、一部の実施例による酸化還元電池は、互いに電気的に短絡するように、例えば、これによって、酸化還元電池を放電させるために構成された導電性の端部プレートを含む。こうした構成は、例えば、電池容量を改善するために、酸化還元電池の高速及び/または完全な放電または電荷バランスに有用であり得る。しかも、こうした構成は、スタックまたはアレイから酸化還元電池を除去することなく、酸化還元電池の並列/直列の連結を再構成するのに有用であり得る。
【0104】
図8b~
図8dは、それぞれ1つ以上の酸化還元電池を含む酸化還元電池システムの概略図であって、電池の少なくとも1つの酸化還元は、他の導電性の端部プレートと電気的に短絡するように構成される導電性の端部プレートを含む。酸化還元電池システム800A~800Dの酸化還元電池のそれぞれは、
図7a~
図7cについて上述したものに類似する方式により、積層方向に積層される複数の酸化還元電池セル300A-1,300A-2,…,300A-nを含み、その類似性の詳細な事項は、簡潔性のため本明細書では、繰り返していない。例示の酸化還元電池システム800A~800Dでは、一部の実施例に従って、酸化還元電池自体は、積層され、各々の導電性の端部プレートを介して電気的に連結される。酸化還元電池のそれぞれは、上述した例示的な構成のうち任意の構成によってそれぞれ構成することができる。
【0105】
図8a~
図8dにそれぞれ例示の酸化還元電池システム800A~800Dの酸化還元電池のそれぞれにおいて、酸化還元電池セルスタックの各々の1つの端部または両端部上に形成された、同一の極性を持つ導電性の端部プレート、酸化還元電池セルスタックの各々の同一端部上に形成された反対の極性を持つ導電性の端部プレート、または反対の極性を持つ少なくとも2つの部品にそれぞれ分割される導電性の端部プレートを含む。酸化還元電池システム800A~800Dは、また、導電性構造の第1端部と第2端部によって連結される導電性の端部プレートの間に、直接的な電気の連結または電気の短絡を形成するように構成された導電性短絡または電気連結構造を含む。導電性の短絡構造の第1端部は、除去可能に固定され、複数の酸化還元電池の導電性の正極端部プレート及び負極端部プレートのうち1つに電気的に連結されるように構成され、導電性の短絡構造の第2端部は、除去可能に固定されるように構成され、導電性の正極端部プレート及び負極端部プレートのうち他の1つに電気的に連結される。導電性の短絡構造は、同じ酸化還元電池、または互いに異なる酸化還元電池の導電正極及び/または負極端部プレートの間に電気の短絡を形成するように構成され、これは、酸化還元電池の同じ側に形成されてもよい。
【0106】
図8aは、導電性の短絡構造を用いて電気的に短絡するように構成される反対の極性の導電性の端部プレートを有する酸化還元電池を含む、酸化還元電池システム800Aの概略図である。例示の酸化還元電池700において、
図7a~
図7cについて上述したものに類似する方式により、一対の導電性の正極端部プレート704A,704Bのうち1つ、及び一対の導電性の負極端部プレート708A,708Bのうち1つが、同じ酸化還元電池セルスタックのそれぞれの端部に一対が隣接して配置された導電性の端部プレートを形成する。また、導電性の短絡構造804は、反対の極性を持つ、隣接して配置された正極導電性の端部プレート704Aと負極導電性の端部プレート708Aとの間に電気の短絡を形成するように構成される。使用者を保護するために、導電性の短絡構造804は、導電性の内側構造808を含むものの、これは、導電性の内側構造808の露出した端部を除いては、絶縁性外側構造812によってカバーされる。導電性の端部プレート上に形成された開口724A,724Bは、導電性経路を提供するために、導電性の短絡構造804を収容するように構成される。
【0107】
構成されたように、
図8aに例示の酸化還元電池システム800Aは、酸化還元電池の略0%の充電状態(SoC:state of charge)への実質的に完全な放電を可能にする。実質的に完全な放電は、サービスまたは取り替えのため酸化還元電池の除去中に安全性を向上させる。また、酸化還元電池のスタックまたはアレイのあらゆる酸化還元電池の実質的に完全な放電は、酸化還元電池がリセットされることを可能にして、これらが約0%のSoCから充電を始めることができ、これは、酸化還元電池のスタックまたはアレイの酸化還元電池のSoCの均一性を改善することができる。これは結局、他のものなどに比べて、さらに高いSoC値を有することができる、一部の酸化還元電池の過小充電を減少させるか防止することによって、システムの全体容量を改善する。
【0108】
図8bは、各々の端部に反対の極性の導電性の端部プレートをそれぞれ有する複数の垂直に積層された酸化還元電池700を含む、酸化還元電池システム800Bの概略図である。反対の極性を持つ垂直に隣接した酸化還元電池の導電性の端部プレートは、導電性の短絡構造804を用いて電気的に短絡するように構成される。例示の配列は、導電性の正極端部プレート704A及び負極端部プレート708Aが、酸化還元電池700の積層された列の第1端部から垂直方向に交互に、かつ、同様、酸化還元電池700の積層された列の第2端部にある導電性の正極端部プレート704B及び負極端部プレート708Bが垂直方向に交互に、垂直方向に積層される複数の酸化還元電池700の積層された列を含む。導電性の短絡構造804は、酸化還元電池のうち垂直に隣接した電池の導電性の正極端部プレート704Aと導電性の負極端部プレート708Aとの間に電気の短絡を形成するように構成される。構成されたように、反対の極性を持つ、隣接した酸化還元電池の導電性の端部プレートを短絡させる短絡構造804によって連結される、垂直に隣接した酸化還元電池は、電気的に直列に連結されてもよい。
【0109】
図8cは、各々の端部に反対の極性の導電性の端部プレートをそれぞれ有する複数の水平に積層された酸化還元電池700を含む、酸化還元電池システム800Cの概略図である。同一の極性を持つ、水平に隣接した酸化還元電池の導電性の端部プレートは、導電性の短絡構造804を用いて電気的に短絡するように構成される。例示の配列は、酸化還元電池700の積層された行の第1端部の導電性の正極端部プレート704A及び負極端部プレート708Aが水平方向に線形に配列され、同様、酸化還元電池700の積層された行の第2端部の導電性の正極端部プレート704B及び負極端部プレート708Bは、水平方向に線形に配列されるように、水平方向に積層される複数の酸化還元電池700の積層された行を含む。導電性の短絡構造804は、酸化還元電池700のうち水平に隣接した電池の導電性の正極端部プレート704Aの間に電気の短絡を形成するように構成される。また、導電性の短絡構造804は、酸化還元電池700のうち水平に隣接した電池の導電性の負極端部プレート708Aの間に電気の短絡を形成するように構成される。構成されたように、同一の極性を持つ、隣接した酸化還元電池の導電性の端部プレートを短絡させる短絡構造804によって連結される、水平に隣接した酸化還元電池は、電気的に並列に連結することができる。
【0110】
図8dは、各々の端部に反対の極性の導電性の端部プレートをそれぞれ有する、複数の水平及び垂直に積層された酸化還元電池700を含む、酸化還元電池システム800Dの概略図である。例示の酸化還元電池は、
図7cについて上述したものに類似する方式で配列され、その詳細な説明は、省略する。酸化還元電池システム800Dは、互いに直接接触するものではなく、導電性の並列連結プレート664によって物理的に分離して介在される酸化還元電池810L-1,810L-2,…,810L-lの垂直に隣接した行を含む。導電性の並列連結プレート664は、酸化還元電池がラック構造728によって単一のユニットで結束するように、
図5h、
図5i、及び
図6mについて上述した方式に類似する方式により、側面パネルによって両端部で連結される。与えられた行内の酸化還元電池は、電気的に並列に連結することができる。さらに、垂直に隣接した酸化還元電池の間の電気連結は、
図8bについて上述したものに類似する方式で配列された導電性の短絡構造804を介して提供される。したがって、短絡構造804によって連結された酸化還元電池は、電気的に直列に連結することができる。
【0111】
図8a~
図8dについて上述した酸化還元電池システムの構成のそれぞれにおいて、導電性の短絡構造804は、U状、または使用者が握りやすいハンドルの形状を有する。また、導電性の短絡構造804によって電気的に短絡した導電性の正極端部プレート704A及び/または負極端部プレート708Aは、その上に導電性の短絡構造の第1端部816A及び第2端部816Bのうち1つを収容するように構成された開口724A,724Bを形成する。また、導電性の短絡構造804は、酸化還元電池システムから酸化還元電池700を除去するためハンドルとしての働きをすることができる。これらの実施例において、導電性の短絡構造804は、手と接触するように構成された部分における導電性材料808を絶縁膜812でコーティングすることで形成されてもよい。しかし、実施例は、これに限らず、短絡構造804が任意の適宜な形状を取ることができ、絶縁膜812を省略することができると認識される。
【0112】
例示されてはいないものの、様々なセンサが導電性の短絡構造に連結されてもよい。センサの例は、電圧センサ、電流センサ、温度センサを含む。また、導電性の短絡構造は、酸化還元電池を電池管理システム(BMS:battery management system)と通信可能に結合させることができる。また、導電性の短絡構造は、例えば、0.6V~1.2Vの間で一方向への電流の流れを許容するものの、他方向への電流の流れは許容しないように、他の機能コンポーネント、例えば、電流または電圧調節機または整流器、例えば、ダイオードを含んでいてもよい。
【0113】
最上部の表面上で延在するバスバーを含む酸化還元電池
上述したように、実施例によるバスバーは、酸化還元電池内の酸化還元電池セルのみならず、エネルギー貯蔵システム内の複数の酸化還元電池のコンパクトな結束を可能にする。上述した様々な実施例において、酸化還元電池は、例えば、酸化還元電池セルの積層方向に、その側の表面上に延在するバスバーを含む。しかし、実施例は、これに限らず、次に、様々な他の実施例に従って、その側の表面上で延在し、かつ、その最上部及び/または最下部の表面上で更に延在するバスバーを含む、酸化還元電池の様々な実施例を説明する。例えば、正極導電バスバーの端部部分は、曲がって、酸化還元電池セルスタックの端部に配置され、負極導電バスバーの端部部分は、曲がって、酸化還元電池セルスタックの端部または他の端部に配置される。
【0114】
図9a及び
図9bは、それぞれ一部の実施例による酸化還元電池セル10の分解斜視図及び側面図である。酸化還元電池セル10は、フレームまたはケーシング11b、アノードまたは負電極12、カソードまたは正電極13、アノード12とカソード13とを分離する分離機またはイオン交換膜19を含む。分離機19と第1バイポーラプレート17aとの間の体積によって形成された負極電解質貯蔵所に配置されてもよいアノード12は、アノード集電体14に電気的に連結される。分離機19と第2バイポーラプレート17bとの間の体積によって形成された正極電解質貯蔵所に配置されてもよいカソード13は、カソード集電体15に電気的に連結される。フレームまたはケーシング11、第1バイポーラプレート17a及び第2バイポーラプレート17bは、分離機19によって2つの空間、つまり、アノード12を収容する負極電解質貯蔵所と、カソード13を収容する正極電解質貯蔵所と、に分けられる、閉鎖するか密閉した体積を限定する。負極電解質貯蔵所は、アノード酸化還元対が溶解する電解質を含み、
図2aについて上述したものに類似する方式により、導電性材料、例えば、アノード12の一部として炭素フェルトをさらに含んでいてもよい。例えば、アノード酸化還元対は、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、ブローム(Br)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、及びコバルト(Co)のうち1つ以上の元素を含んでいてもよい。一実施例において、アノード酸化還元対は、V
2+/V
3+酸化還元対であってもよい。電解質は、イオン化を介して電流を伝導する溶液である酸性水溶液であってもよく、好ましくは、硫酸を含有する。一実施例において、電解質は、H
2SO
4にVOSO
4(バナジル硫酸塩)を溶解させることで用意することができる。正極電解質貯蔵所は、カソード酸化還元対が溶解される電解質を含み、
図2aについて上述したものに類似する方式により、導電性材料、例えば、カソード13の一部として炭素フェルトをさらに含んでいてもよい。例えば、カソード酸化還元対は、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、ブローム(Br)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、及びコバルト(Co)のうち1つ以上の元素を含んでいてもよい。一実施例において、カソード酸化還元対は、V
4+/V
5+酸化還元対であってもよい。電解質は、好ましくは、正極電解質貯蔵所と負極電解質貯蔵所との間で同じである。アノード集電体14及びカソード集電体15は、高い電気伝導性を有する金属、例えば、銅またはアルミニウムで製造することができ、充放電プロセスの間に電流を流すことができる。アノード集電体14及びカソード集電体15は、フレーム11から突出し得、本明細書で説明するバスバーに連結されるように構成されてもよい。バイポーラプレート17a,17bは、アノード集電体14とアノードとの間に、かつ、カソード集電体15とカソードとの間にそれぞれ配置されてもよい。バイポーラプレート17a,17bは、他のものの中でも、集電体14,15が酸化することを防止する働きをする。一部の具現において、バイポーラプレート17a,17bは、それぞれ集電体14,15上に形成されたコーティングであってもよい。
【0115】
図10a及び
図10bは、一部の実施例に従って、複数の積層された酸化還元電池セルを含む、酸化還元電池の側面図及び斜視図である。一実施例による酸化還元電池20は、積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル10を含む。酸化還元電池セル10のうち任意のセルのアノード12は、最隣接した酸化還元電池セル10のアノード12と積層され、酸化還元電池セル10のうち任意の1つの酸化還元電池セル10のカソード13は、最隣接した酸化還元のカソード13と積層される。構成されたように、酸化還元電池セル10のうち最隣接した酸化還元電池セルは、1つのアノード集電体14またはカソード集電体15を共有する。すなわち、複数の酸化還元電池セル10は、第1の酸化還元電池セル10aのアノード12がアノード集電体14を介して、第2の酸化還元電池セル10bのアノード12に隣接して積層されるように積層される。同様、第2の酸化還元電池セル10bのカソード13は、カソード集電体15を介して、第3の酸化還元電池セル10cのカソード13に隣接して積層される。酸化還元電池20は、通常、酸化還元電池セル10の積層方向に積層される6面の直方体状を有する。アノード集電体14及びカソード集電体15は、フレーム11の側面から突出し、以下で説明するように、正極バスバー及び負極バスバーにそれぞれ連結されるように構成される。
【0116】
図11a及び
図11bは、一部の実施例に従って、複数の積層された酸化還元電池セルを含む、酸化還元電池の側面図及び平面図である。一実施例に従って例示の酸化還元電池30は、積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル10と、積層された酸化還元電池セル10の両端部に配置された一対の導電性の端部プレート130,140と、を含む。酸化還元電池30は、また、複数の酸化還元電池セル10を電気的に連結する一対のバスバー110,120を含む。一対の導電性の端部プレート130,140は、本明細書で説明する他の機能のうちでも、上述したように、積層された酸化還元電池セル10の端部を保護し、一対のバスバー110,120と共に、複数の酸化還元電池セル10に圧力を加える働きをする。上述したように、圧力の印加は、何よりも、フレーム11(
図9a,
図9b)とバイポーラプレート17a,17b(
図9a,
図9b)または集電体14,15(
図10a,
図10b)との間に漏れ遮断密閉(leak-tight seal)を提供する。一部の具現において、導電性の端部プレート130,140のそれぞれは、その外側エッジに形成された面取り(chamfer)を有する。例えば、バスバー110,120のうち一方または両方の湾曲した部分に対応する、導電性の端部プレート130,140のうち一方または両方のエッジ部分に面取りが形成されてもよい。この場合、面取りは、導電性の端部プレート130,140とバスバー110,120との間の摩擦を減少させる働きをすることができる。一対の導電性の端部プレート130,140は、積層された酸化還元電池セル10の一端部に配置された第1導電性の端部プレート130と、積層された酸化還元電池セル10の他端部に配置された第2導電性の端部プレート140と、を含む。バスバー110,120のそれぞれは、複数の酸化還元電池セル10を電気的かつ物理的に連結する。一対のバスバー110,120のそれぞれは、複数の酸化還元電池セル10の積層方向に延在するバー状に形成される。一対のバスバー110,120のそれぞれは、積層された酸化還元電池セル10の積層方向における長さ方向に配列される。一対のバスバー110,120の各々のバスの一端部は、一対の導電性の端部プレート130,140のうち任意の導電性の端部プレート上に曲がって配置される。一対のバスバー110,120は、一対の導電性の端部プレート130,140に結合されて、積層された酸化還元電池セル10に圧力を加える。一対のバスバー110,120の各々のバスバーは、これらが容易に損傷することを防止するために、湾曲した部分に適宜な曲率を有する。
【0117】
さらに
図11a及び
図11bを参照すると、一対のバスバー110,120は、複数の酸化還元電池セル10のアノード集電体14を互いに電気的に連結する負極バスバー110と、複数の酸化還元電池セル10のカソード集電体15を電気的に連結する正極バスバー120と、を含む。負極バスバー110の端部部分は、第2導電性の端部プレート140の一部をカバーするように曲がって、第2導電性の端部プレート140に電気的及び/または物理的に結合される。同様、正極バスバー120の端部部分は、第1導電性の端部プレート130の一部をカバーするように曲がって、第1導電性の端部プレート130に電気的及び/または物理的に結合される。一対の導電性の端部プレート130,140を省略する具現において、一対のバスバー110,120は、酸化還元電池セル10のスタックの端部に配置された酸化還元電池セル10のフレーム11上に形成される。これらの具現において、スタックの端部における酸化還元電池セル10の各々のフレーム11に連結されるバスバー110,120の部分は、導電性の端部プレートとしての働きをすることができる。また、一部の具現において、一対のバスバー110,120は、酸化還元電池セル10のアノード集電体14及び/またはカソード集電体15に結合され得、その上に、酸化還元電池セル10のスタックで湾曲した部分が配置される。
【0118】
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池において、導電性の端部プレート140、例えば、正極導電性の端部プレートは、電池10のスタックの一端部上に、例えば、存在する場合、第2導電性の端部プレート120上に湾曲した部分を有することができ、導電性の端部プレート130、例えば、負極導電性の端部プレートは、電池10のスタックの他の端部上に、例えば、第2導電性の端部プレート120が存在する場合、第1導電性の端部プレート130上に湾曲した部分を有することができる。しかし、実施例は、これに制限されない。
図12a及び
図12bは、他の一部の実施例に従って、複数の積層された酸化還元電池セルを含む酸化還元電池の側面図及び平面図である。一実施例に従って例示された酸化還元電池40は、
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池30に類似する方式により、積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル10と、積層された酸化還元電池セル10の両端部に配置された一対の導電性の端部プレート130,140と、を含む。しかし、酸化還元電池30(
図11a及び
図11b)とは異なり、例示の酸化還元電池40において、一対のバスバー110,120のそれぞれは、導電性の端部プレート130または140のうち同じ導電性の端部プレート上に曲がって結合される。例示の実施例において、負極バスバー110及び正極バスバー120は、いずれも曲がって、第1導電性の端部プレート130に結合される。また、負極バスバー110及び正極バスバー120の湾曲した部分は、導電性の端部プレート130,140の各々の導電性の端部プレートの表面積(例えば、50%超)を実質的にカバーする酸化還元電池30(
図11a及び
図11b)とは異なり、例示の酸化還元電池40において、負極バスバー110及び正極バスバー120の湾曲した部分は、導電性の端部プレート130または140の各々の導電性の端部プレートのさらに小さい(例えば、50%未満)表面積をカバーする。
【0119】
図13は、一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。エネルギー貯蔵装置400は、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200を含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される複数の酸化還元電池セル10を含む。第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200は、積層方向に直交する方向に積層されて、互いに接触することができる。エネルギー貯蔵装置400は、また、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の複数の酸化還元電池セル10を電気的かつ物理的に連結する共通バスバー150を含む。第1の酸化還元電池100は、第1積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル10を含み、正極バスバー120は、酸化還元電池セル10のカソード集電体15を互いに電気的に連結する。第2の酸化還元電池200は、第1積層方向と逆である第2積層方向に積層された複数の酸化還元電池セル10を含み、負極バスバー110は、酸化還元電池セル10のアノード集電体14を互いに電気的に連結する。第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の酸化還元電池セル10は、逆の酸化還元電池の積層方向に配列されるため、
図13に示されたような積層方向から見るとき、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の正面図は、導電性の端部プレート130上の正極バスバー120、及び導電性の端部プレート140上の負極バスバー110をそれぞれ示す。共通バスバー150は、第1の酸化還元電池100と第2の酸化還元電池200を物理的かつ電気的に直列に連結する。共通バスバー150は、第1の酸化還元電池100の導電性の端部プレート130,140のうち1つに連結され、第2の酸化還元電池200の導電性の端部プレート130,140のうち1つに更に連結されることにより、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200を物理的に連結する。
【0120】
図14は、一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。エネルギー貯蔵装置500は、第1~第4の酸化還元電池100,200,300,400を含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される、複数の酸化還元電池セル10を含む。第1~第4の酸化還元電池100,200,300,400は、積層方向に直交する方向に積層される。第1の酸化還元電池100及び第3の酸化還元電池300の酸化還元電池セル10は、第1電池の積層方向に積層される一方、第2の酸化還元電池200及び第4の酸化還元電池400の酸化還元電池セル10は、第2電池の積層方向に積層される。電池セルの積層方向が交互になることから、
図14に示されたような積層方向から見るとき、第1~第4の酸化還元電池100,200,300,400の正面図は、交互に正極バスバー120及び負極バスバー110を示す。エネルギー貯蔵装置500は、また、隣接した酸化還元電池、例えば、第1の酸化還元電池100と第2の酸化還元電池200、そして、第3の酸化還元電池300と第4の酸化還元電池400の複数の酸化還元電池セル10を電気的かつ物理的に連結する共通バスバー150を含む。エネルギー貯蔵装置500は、隣接した酸化還元電池、例えば、第2の酸化還元電池200と第3の酸化還元電池300の正極バスバー120及び負極バスバー110を連結する連結バスバー160をさらに含む。例示の配列において、連結バスバー160は、共通バスバー150に連結されていない酸化還元電池200、300を電気的に連結する。第1の酸化還元電池100と第2の酸化還元電池200は、共通バスバー150によって連結され、第3の酸化還元電池300と第4の酸化還元電池400は、共通バスバー150に連結される。連結バスバー160は、共通バスバー150によって直列に連結されていない第2の酸化還元電池200と第3の酸化還元電池300を連結する。連結バスバー160は、第2の酸化還元電池200の負極バスバー110、及び第3の酸化還元電池300の正極バスバー120に電気的に連結される。連結バスバー160は、第2の酸化還元電池200の第2導電性の端部プレート140上に配置された負極バスバー110の一部に連結される。同様、連結バスバー160は、第3の酸化還元電池300の第1導電性の端部プレート130上に配置された正極バスバー120の一部に連結される。
【0121】
図15aは、一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含む貯蔵装置の側面図である。
図15bは、
図15aに例示の貯蔵装置の平面図及び底面図である。
図13について上述したエネルギー貯蔵装置と同様、エネルギー貯蔵装置600は、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200を含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される、複数の酸化還元電池セル10を含む。第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200は、積層方向に直交する方向に積層されて、互いに接触することができる。しかし、隣接した酸化還元電池100,200の側壁上で延在するバスバー120,110が互いに対向しない、
図13について上述したエネルギー貯蔵装置とは異なり、貯蔵装置600において、第1の酸化還元電池100の側壁上で延在する負極バスバー110は、隣接して配置された第2の酸化還元電池200の側壁上で延在する負極バスバー110に向かうように配列される。例示の実施例において、第1の酸化還元電池100の側壁に沿って負極バスバー110は、第2の酸化還元電池200の側壁に沿って正極バスバー120と接触し、第1の酸化還元電池100と第2の酸化還元電池200が電気的に直列に連結される。さらに、互いに接触する負極バスバー110と正極バスバー120は、また、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の後方端部における連結バスバー160によって電気的に連結することができる。また、それぞれ第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200が対向する非接触側壁上の負極バスバー110及び正極バスバー120は、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の前端部における第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200から遠くなるように延在する連結バスバー160によって(不図示)、さらなる酸化還元電池に電気的に連結されるように更に構成することができる。
【0122】
図16は、一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の側面図である。エネルギー貯蔵装置700は、第1の酸化還元電池100と、第2の酸化還元電池200と、第3の酸化還元電池300と、を含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される、複数の酸化還元電池セル10を含む。エネルギー貯蔵装置700は、また、酸化還元電池100,200の酸化還元電池セル10を電気的かつ物理的に連結するように構成され、酸化還元電池の任意の部分で180度曲がるように構成された共通バスバー150を含む。共通バスバー150は、第1の酸化還元電池100の電池セル10のアノード集電体14に電気的に連結され、第2の酸化還元電池200の酸化還元電池セル10のカソード集電体15に更に電気的に連結される。共通バスバー150は、180度だけ曲がって、その自体が折り畳まれるように構成され、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の側壁上で延在する共通バスバー150は、
図15a及び
図15bについて上述したものに類似する方式で互いに接触することにより、第1の酸化還元電池100と第2の酸化還元電池200とを電気的に直列に連結する。構成されたように、共通バスバー150は、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の導電性の端部プレート130,140に連結されない。エネルギー貯蔵装置700は、共通バスバー150に連結されていない酸化還元電池200、300を電気的に連結する連結バスバー160をさらに含む。
【0123】
図17a及び
図17bは、一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の2個の互いに異なる状態の平面図である。エネルギー貯蔵装置800は、第1の酸化還元電池100と、第2の酸化還元電池200と、第3の酸化還元電池300と、を含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される、複数の酸化還元電池セル10を含む。エネルギー貯蔵装置800は、また、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の酸化還元電池セル10を電気的かつ物理的に連結するように構成された共通バスバー150を含む。エネルギー貯蔵装置800は、共通バスバー150(
図17b)によって連結される第1の酸化還元電池100と第2の酸化還元電池200、または共通バスバー150によって連結されていない第2の酸化還元電池200と第3の酸化還元電池300(
図17b)を交互に、電気的に連結することができる再構成可能な連結バスバー160を含む。実施例によれば、連結バスバー160は、適宜なスイッチングまたは再構成メカニズムを用いて、2つの例示されたポジションの間でトグル(toggle)されるように構成される。一部の実施例において、連結バスバー160は、共通バスバー150に連結されていない第2の酸化還元電池200及び第3の酸化還元電池300から物理的に分離され、続いて、共通バスバー150に連結される第1電池100及び第2電池200に物理的に付着するように構成される。他の一部の実施例において、連結バスバー160は、連結バスバー160の端部のうちピボット(pivot)としての働きをする端部を中心に回転するように構成されてもよい。さらに他の一部の実施例において、連結バスバー160は、一ポジションから他ポジションへ線形的にスライドすることができる。連結バスバー160は、共通バスバー150に連結される酸化還元電池100,200を電気的に連結して、酸化還元電池100,200を短絡させ、放電させるように構成される。好ましくは、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200が、連結バスバー160によって短絡して放電された後、使用者は、例えば、エネルギー貯蔵装置800の取り替えまたはメンテナンスのため、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200のうち一方または両方を安全に除去することができる。上述した一部の実施例において、酸化還元電池セル10の正極及び負極電解質貯蔵所は、同じ電解質を含有することができ、連結バスバー160は、信頼性をもって安全にアノード12及びカソード13を電気的に短絡させることができる。上述したものに類似する方式により、連結バスバー160は、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200を除去するとき、ハンドルとしての働きをすることができる。
【0124】
図18a~
図18cは、一部の実施例に従って、複数の酸化還元電池を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。エネルギー貯蔵装置900A(
図18a),900B(
図18b、
図18c)は、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200を含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図12a及び
図12bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される、複数の酸化還元電池セル10を含む。第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の酸化還元電池セルは、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の両方の前面が同じ配列を有するように、同じ積層方向に積層される。
図14~
図17bについて上述したエネルギー貯蔵装置の酸化還元電池とは異なり、エネルギー貯蔵装置900A、900Bの第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200のそれぞれは、これら前面にわたって正極バスバー120及び負極バスバー110の両方部分を含む。エネルギー貯蔵装置900A、900Bのそれぞれは、互いに隣接した第1の酸化還元電池100と第2の酸化還元電池200とを電気的に連結するために、一対のバスバー110,120が結合される導電性の端部プレート130,140上に配置された再構成可能な連結バスバー160を含む。連結バスバー160の配列方向及びスイッチングまたは再構成メカニズムは、以下で説明するように、酸化還元電池100,200の側方向の積層配列によって異なり得る。
【0125】
図18aを参照すると、エネルギー貯蔵装置900Aの第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200は、負極バスバー110及び正極バスバー120が、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の側方向の積層方向に線形に配列されるように側方向に積層される。負極バスバー110及び正極バスバー120は、いずれも曲がって、第1導電性の端部プレート130に結合され、連結バスバー160は、第1導電性の端部プレート130上に配置されて、第1の酸化還元電池100の負極バスバー110と第2の酸化還元電池200の正極バスバー120とを電気的に連結する。第1の酸化還元電池100の負極バスバー110の結果的な部分と、第2の酸化還元電池200の正極バスバー120の部分が対角線に配置されるため、連結バスバー160は、対角線に延在する。
【0126】
図18bを参照すると、エネルギー貯蔵装置900Bの第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200は、負極バスバー110及び正極バスバー120が第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200の側方向の積層方向に交互に配列されるように側方向に積層される。
図12a及び
図12bについて説明したように、例示のエネルギー貯蔵装置900Bは、
図17a及び
図17bについて上述と同様、そして、水平に配列される再構成可能な連結バスバー160を含む。例示のように、連結バスバー160は、連結バスバー160が同じ酸化還元電池100の負極バスバー110と正極バスバー120を電気的に連結する状態と、連結バスバー160が第2の酸化還元電池200の負極バスバー110を第1の酸化還元電池100の正極バスバー120に電気的に連結する状態との間に移動するように構成される。
図17a及び
図17bについて上述したものに類似する方式により、連結バスバー160は、適宜なメカニズムを用いて再構成またはスイッチングされてもよく、分離可能であるか、回転可能であるか、またはスライド可能である。連結バスバー160が第1の酸化還元電池100の負極バスバー110と正極バスバー120とを電気的に連結するとき、第1の酸化還元電池は、短絡し得る。
図17a及び
図17bについて上述したように、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200は、連結バスバー160によって短絡して放電された後、使用者は、例えば、エネルギー貯蔵装置900Bの取り替えまたはメンテナンスのため、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200のうち一方または両方を安全に除去することができる。さらに、連結バスバー160は、第1の酸化還元電池100及び第2の酸化還元電池200を除去するとき、ハンドルとしての働きをすることができる。
【0127】
図19a及び
図19bは、一部の実施例に従って、酸化還元電池の1つ以上の行を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。エネルギー貯蔵装置1000は、複数の第1の酸化還元電池100aと、複数の第2の酸化還元電池100bとを含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される、複数の酸化還元電池セル10を含む。複数の第1の酸化還元電池100aは、行の延在方向に延在する第1行に配列され、複数の第2の酸化還元電池100bは、第1の酸化還元電池100aと同じ行の延在方向に配列される。行の方向は、酸化還元電池セル10の積層方向に直交する。複数のバスバー160は、第1の酸化還元電池100a及び/または第2の酸化還元電池100bの対を電気的に連結する。第1の酸化還元電池100aまたは第2の酸化還元電池100bのうち同じ酸化還元電池を連結する連結バスバー160は、第1の酸化還元電池100aまたは第2の酸化還元電池100bの行の延在方向に平行な、あるいは第1の酸化還元電池100aと第2の酸化還元電池100bとの間の連結方向に直交する方向に配列される。
図19aを参照すると、一部の配列において、第1行の第1の酸化還元電池100a及び第2行の第2の酸化還元電池100bは、対応する水平ポジションにポジショニングされる。これらの配列において、第1の酸化還元電池100aのうち最後の第1の酸化還元電池と、第2の酸化還元電池100bのうち最後の第2の酸化還元電池とを連結する端部の連結バスバー160は、行の延在方向に直交する方向に延在する。
図19bを参照すると、他の一部配列において、第1行の第1の酸化還元電池100a及び第2行の第2の酸化還元電池100bは、水平にオフセットされたポジションにポジショニングされる。これらの配列において、第1の酸化還元電池100aのうち最後の第1の酸化還元電池と、第2の酸化還元電池100bのうち最後の第2の酸化還元電池とを連結する端部の連結バスバー160は、行の延在方向に直交する方向に対して斜め方向に延在する。
【0128】
さらに
図19a及び
図19bを参照すると、エネルギー貯蔵装置1000は、複数の第1の酸化還元電池100aと第2の酸化還元電池100bとの間に配置された支持体210をさらに含んでいてもよい。支持体210は、第1の酸化還元電池100aを第2の酸化還元電池モジュール100bから絶縁させるために、絶縁材料で製造することができる。支持体210は、第1の酸化還元電池100a及び第2の酸化還元電池100bの配列を案内する。支持体210は、第1の酸化還元電池100a及び/または第2の酸化還元電池100bのうち一部が除去されるか挿入されるとき、ガイドとしての働きをする。連結バスバー160は、示されたように、支持体210と交差することができる。
【0129】
図20は、一部の実施例に従って、酸化還元電池の1つ以上の行を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。エネルギー貯蔵装置1200は、複数の酸化還元電池100,200,300,400,500を含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される、複数の酸化還元電池セル10を含む。酸化還元電池100,200,300,400,500は、行の延在方向に延在する行に配列される。行の方向は、酸化還元電池セル10の積層方向に直交する。エネルギー貯蔵装置1200は、複数の連結バスバー160a,160bを含む。
図19について上述したものに類似する方式により、連結バスバー160a,160bは、酸化還元電池200,300及び400,500の対を電気的に連結する。エネルギー貯蔵装置1200は、また、複数の連結バスバー160a,160bを電気的に連結する短絡バスバー170を含む。短絡バスバー170は、共通バスバー150によって連結される酸化還元電池300,400に連結される連結バスバー160a,160bを電気的に連結する。短絡バスバー170は、連結バスバー160a,160bによって電気的に連結される酸化還元電池200,300,400,500を電気的に短絡させる。この実施例において、第1連結バスバー160aは、第2の酸化還元電池200と第3の酸化還元電池300とを電気的に直列に連結し、第2連結バスバー160bは、第4の酸化還元電池400と第5酸化還元電池500とを電気的に直列に連結する。短絡バスバー170は、第3の酸化還元電池300と第4の酸化還元電池400を短絡させるために、第1連結バスバー160aと第2連結バスバー160bとを電気的に連結する。好ましくは、第3電池300及び第4電池400のうち任意の電池で故障が発生するとき、これらは、エネルギー貯蔵装置1200の動作を中断させない、かつ、短絡バスバー170を用いて短絡し得る。短絡バスバー170を用いて、一部の酸化還元電池を短絡させることは、エネルギー貯蔵装置1200の全体性能を減少させることができるものの、それにもかかわらず、中断し切れることなく、その動作を続くことが有利であり得る。一部の具現において、短絡した第3電池300及び第4電池400は、熱を生成するための抵抗器として機能することができ、生成された熱は、酸化還元電池の熱管理のために使用することができる。
【0130】
図21は、一部の実施例に従って、酸化還元電池の1つ以上の行を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。エネルギー貯蔵装置1300は、複数の酸化還元電池100,200,300,400,500を含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図11a及び
図11bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される、複数の酸化還元電池セル10を含む。酸化還元電池100,200,300,400,500は、行の延在方向に延在する行に配列される。行の方向は、酸化還元電池セル10の積層方向に直交する。エネルギー貯蔵装置1300は、複数の連結バスバー160a,160bを含む。
図19について上述したものに類似する方式により、連結バスバー160a,160bは、酸化還元電池200,300及び400,500の対を電気的に連結する。エネルギー貯蔵装置1300は、また、連結バスバー160a,160bに連結される短絡バスバー170を含む。短絡バスバー170は、連結バスバー160a,160bを電気的に連結するように、例えば、電池管理システム1100によって制御することができる。短絡バスバー170は、複数の連結バスバー160に連結されるバスバーボディ171と、バスバーボディ171による電流の流れを制御するためのバスバースイッチ172と、バスバーボディ171を介する電流の流れ量を調整するためのバスバー抵抗器173と、を含む。バスバーボディ171の少なくとも一部は、バスバースイッチ172が短絡(ON)するとき、複数の連結バスバー160を電気的に連結するための導電体で形成される。バスバースイッチ172は、バスバーボディ171を短絡(ON)または開放(OFF)するようにエネルギー貯蔵装置1300を制御するために、電池管理システム1100によって制御されるように構成される。バスバー抵抗器173は、バスバースイッチ172が短絡(ON)するとき、大き過ぎる電流が流れることを防止するように、バスバーボディ171を介して流れる電流量を調整するように構成される。バスバー抵抗器173から生成された熱は、複数の酸化還元電池100,200,300,400,500の少なくとも1つの熱管理のために使用することができる。一実施例によれば、短絡したバスバー170は、複数のバスバースイッチ172及び複数のバスバー抵抗器173を含み、電流の量及び熱量を段階的に調整することができる。
【0131】
図22は、一部の実施例に従って、酸化還元電池の1つ以上の行を含むエネルギー貯蔵装置の平面図である。エネルギー貯蔵装置1400は、複数の酸化還元電池100,200,300,400,500を含み、これらのそれぞれは、積層方向に積層され、例えば、制限なく、
図12a及び
図12bについて上述した酸化還元電池に類似する方式で構成される、複数の酸化還元電池セル10を含む。酸化還元電池100,200,300,400,500は、行の延在方向に延在する行に配列される。行の方向は、酸化還元電池セル10の積層方向に直交する。
図19a~
図21について上述したエネルギー貯蔵装置の酸化還元電池とは異なり、エネルギー貯蔵装置1400の酸化還元電池100,200,300,400,500のそれぞれは、これらの前面にわたって正極バスバー120及び負極バスバー110の両方部分をいずれも含む。エネルギー貯蔵装置1400は、また、酸化還元電池のうち1つ、例えば、酸化還元電池100の負極バスバー110を酸化還元電池のうち隣接したもの、例えば、酸化還元電池200の正極バスバー120に連結する連結バスバー160を含む。エネルギー貯蔵装置1400は、また、酸化還元電池の各々のバスバー110,120の対に連結される、短絡したバスバー170を含む。短絡したバスバー170は、一対のバスバー110,120に連結されるバスバーボディ171と、バスバーボディ171を介する電流の流れを制御するためのバスバースイッチ172と、バーボディ171を介する電流の流れの量を制御するためのバスバー抵抗器173と、を含む。
【0132】
文脈上明らかに他に要求しない限り、説明及び請求項の全般における「包含す(comprise)」、「包含し(comprising)」、「含む(include)」、「含み(including)」などの単語は、排他的であるか総網羅する意味である反面、包括的な意味に;つまり、「含むものの、これに限らない」の意味に解釈される。ここで、一般的に使われる「結合された」という単語は、直接連結されるか、1つ以上の中間エレメントを介して連結されてもよい、2つ以上のエレメントを示す。同様、ここで、一般的に使われる「連結された」という単語は、直接連結されるか、1つ以上の中間エレメントを介して連結されてもよい、2つ以上のエレメントを示す。また、「ここに」、「上」、「下に」、及びこれに類似する意味の単語は、本願で用いられるとき、本願の任意の特定部分ではなく、本願を全体的に示す。文脈が許容する場合、単数または複数を使う上記の詳細な説明の単語は、また、それぞれ複数または単数を含んでいてもよい。2つ以上の項目のリストを参照して、「または」という単語は、その単語の次の解釈:リストの項目のうちいずれか、リストの項目のいずれも、及びリストの項目のいずれか組み合わせを、いずれも含む。
【0133】
また、他のものの中でも、「できる」、「できた」、「こともあった」、「ことがある」、「例えば」、「例えると」、「のような」などのように、ここで使われる条件付き言語は、特に他に言及されない限り、または使われた文脈内で他に理解されない限り、一般的に特定の実施例が特定の特徴、エレメント及び/または状態を含むものの、他の実施例は含まないことを伝達するためである。したがって、これらの条件付き言語は、一般的に、特徴、エレメント及び/または状態が1つ以上の実施例に対していずれの方式でも必要であるか、これらの特徴、エレメント及び/または状態が、任意の特定の実施例に含まれるか、行われるか否かを暗示することは意図していない。
【0134】
特定の実施例を説明したが、これらの実施例は、単に例として提示されており、本開示内容の範囲を制限することは意図していない。実際は、本明細書に述べる新しい装置、方法、及びシステムは、様々な他の形態に具現することができ;さらに、本明細書に記述の方法及びシステムの形への様々な省略、取り替え、及び変更は、本開示の内容思想を外れずに行うことができる。例えば、ブロックは、与えられた配列に提示されるものの、他の実施例は、他のコンポーネント及び/または回路トポロジーに類似する働きをすることができ、一部のブロックは、除去、移動、追加、細分化(subdivided)、組み合わせ及び/または修正することができる。これらのブロックのそれぞれは、様々な互いに異なる方式に具現することができる。上述した様々な実施例のエレメント及び動作の任意の適宜な組み合わせは、さらなる実施例を提供するように組み合わせることができる。上述した様々な特徴及びプロセスは、互いに独立して具現されるか、様々な方式で組み合わせることができる。本開示内容の特徴のすべての可能な組み合わせ及び下位の組み合わせは、本開示内容の範囲内に属するものであると理解される。
【国際調査報告】