(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】光投影画像を表示するシステム、光画像を生成し、その光画像を対象物に投影する方法、デジタル画像を処理する方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240910BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20240910BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240910BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240910BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20240910BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240910BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20240910BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G09G5/00 530H
H04N1/387 200
H04N7/18 U
H04N5/74 Z
G09G5/36 300
G09G5/37 300
G09G5/37 320
G09G5/02 B
G09G5/377 100
G09G5/00 550C
G09G5/00 510D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510246
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 NL2022050467
(87)【国際公開番号】W WO2023022590
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524061840
【氏名又は名称】イマガン ベスローテン・ヴェンノーツハップ
【氏名又は名称原語表記】IMAGAN B.V.
【住所又は居所原語表記】Tielse Hoeve 13, 5271 TE Sint Michielsgestel (NL)
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100145218
【氏名又は名称】川島 曉
(72)【発明者】
【氏名】ニナベル,ヨハネス ヘンドリックス
【テーマコード(参考)】
5C054
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FE14
5C054HA33
5C054HA35
5C058EA31
5C182AA04
5C182AA13
5C182AA31
5C182AB02
5C182AB03
5C182AB35
5C182AC03
5C182BA14
5C182CA02
5C182CA11
5C182CA32
5C182CA35
5C182CA36
5C182CB03
5C182CB12
5C182CB23
5C182CB44
5C182CC02
(57)【要約】
デジタル画像は、ピクセルのプロパティに基づいてN個のピクセルグループに分割される。この分割に基づいて、N個の投影画像のセットが生成される。各投影画像は、ピクセルのグループのうちの1をある光強度で実質的に白色光で示し、他のピクセルを異なる光強度で示す。好ましくは、分割の基礎となるピクセル特性はグレースケール値であり、好ましくは残りのピクセルも実質的に白色光で投影される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光投影画像を表示するシステムであって、
ピクチャを入力する手段と、
異なる色を使用して対象物上にペイントされまたは描画されるピクチャを適用するために、物体上に光の画像を表示するための光投影セットアップに画像情報を提供する手段と、
入力ピクチャ又はその切り抜き、または、入力ピクチャもしくはその切り抜きの編集版を、各サブエリアの特定のピクセルプロパティ範囲を有するピクセルプロパティに基づいて3つ以上のサブエリアに分割する手段と、
前記画像情報は、3以上の投影画像を一組として表示するための情報を含み、
セットの各投影画像は、第1の光強度の実質的に着色されていない光を有する3以上の別個のサブエリアのうちの1を表示し、ピクチャの残りの部分またはピクチャの切り抜きの残りの部分については第1の光強度とは異なる第2の光強度の光で表示し、
サブエリアは一緒にピクチャまたはピクチャの切り抜きを少なくとも実質的に覆う、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ピクセルプロパティグループがピクセルのグレースケール値に基づいて分割される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の光強度と前記第2の光強度との商が、少なくとも2より大きいか、または少なくとも0.5より小さい、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の光強度と前記第2の光強度との商が、少なくとも10より大きい、または少なくとも0.1未満である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の光強度と前記第2の光強度との商が、少なくとも50より大きい、または少なくとも0.02未満である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の光強度が前記第2の光強度よりも大きい、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
各投影画像が、実質的にペイントされていない光でピクチャの残りの部分またはピクチャの切り抜きの残りの部分を表示する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記投影画像のセットが4、5、6、または7の投影画像を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、前記投影画像のセットのうちの3以上の投影画像をグレースケール値の昇順または降順で連続的に表示するように構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、ユーザーが入力ピクチャから切り抜きを行うことを可能にする手段を備えることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
切り抜きを作成する手段が、ユーザーが切り抜きの位置、サイズ、および/または、形状を選択できるように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
オブジェクト上またはオブジェクトの隣に投影された光によって投影画像に属するサブエリアを適用する場合に、投影画像とともに、指導目的で使用される1つまたは複数の色手段の特性を表示するための出力機能を備える手段を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一向に記載のシステム。
【請求項13】
前記手段は、既存のデータベースポートフォリオから3以上の投影画像のセットを入力するための入力機能も備える、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光投影画像を表示するシステム。
【請求項14】
前記手段は、ピクチャをグレースケール値で供給する供給機能を備える、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光投影画像を表示するシステム。
【請求項15】
前記手段は、カラーピクチャをグレースケールピクチャに変換するコンバーターに色値のピクチャを供給する供給機能を備える、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光投影画像を表示するシステム。
【請求項16】
ユーザーが3以上の投影画像のセットを入力できるようにする入力機能を備える、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の光投影画像を表示するシステム。
【請求項17】
入力されたカラーピクチャまたは切り抜きおよび/またはグレースケールピクチャまたはカットアウトを分析するための分析器と、分析の結果を色平均のデータを含むデータベースと比較し、分析に一致する色平均の1つまたは複数のサンプルセットを作成してユーザーに示す比較器とを備える、請求項12、13または14に記載の光投影画像を表示するためのシステム。
【請求項18】
前記投影画像は、前記投影画像に特有の下位グレースケール値と上位グレースケール値との間のグレースケール値を有するサブエリアを含む、請求項2に記載の光投影画像を表示するシステム。
【請求項19】
3以上の投影画像のセットを表示するためのプロジェクタまたはデジタルライトスクリーンを備える、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の光投影画像を表示するシステム。
【請求項20】
入力ピクチャに対する投影画像のセットを提供するデジタルサービスの使用を可能にするインターネットサイトまたはアプリケーションを含む手段を備えた、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の光投影画像を表示するシステム。
【請求項21】
インターネットサイトまたはアプリケーションを含む手段と、
前記インターネットサイトまたはアプリケーションは、入力されたピクチャまたは切り抜きに対して表示される投影画像のセットを生成するためにユーザーがピクチャまたは切り抜きを入力できるようにする入力オプションを備え、
光投影セットアップで使用するために生成された投影画像をユーザーに示す出力機能を備える手段、を備える請求項1乃至20のいずれか一項に記載の光投影画像を表示するためのシステム。
【請求項22】
ユーザーが入力ピクチャの特性を変更できるようにする入力機能を備えた、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の光投影画像を表示するシステム。
【請求項23】
ユーザーが入力ピクチャの以下の特性のうちの1以上を変更できるように構成された、請求項22に記載の光投影画像を表示するシステム。
‐明るさ
‐コントラスト
‐切り抜きのサイズ
‐切り抜きの形状
‐切り抜きのフォーカス
‐切り抜きの詳細レベル
【請求項24】
ユーザーが所望の技法またはスタイルを指定できるようにする入力機能を含む手段と、作品の制作に所望の技法を含めるために、指定された所望の技法に応じて指示または提案を与える出力機能を含む手段と、 を備える請求項1乃至23のいずれか一項に記載の光投影画像を表示するためのシステム。
【請求項25】
前記システムが、適用された塗料の色特性を測定するための測定装置を備え、前記測定装置は、色特性を観察するためのカメラを含む、請求項1乃至24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
実質的に白色光を発するランプが設けられている測定セットアップを備える請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
請求項1乃至26のいずれか一項に記載のシステムを使用して光画像を生成し、その光画像を投影する方法であって、
実装ステップにおいて明るさの昇順または降順に投影される投影画像を有し、
投影画像に対して選択または表示された色手段を使用して、照明された部分のそれぞれに色が適用される、方法。
【請求項28】
請求項1乃至26のいずれか一項に記載のシステムを使用して絵を制作する方法であり、
対象物は絵画キャンバスであり、
投影画像を表示する前に、背景テクスチャおよび/または色が提供されている絵画キャンバスと、
最も明るいまたは最も暗い投影画像に対して絵画キャンバスはペイントされずに残され、背景のテクスチャや色が適用されるピクチャの一部として表示されたままになる、方法。
【請求項29】
請求項27または28に記載の絵を制作する方法であり、
ペイントされるピクチャの背景がペイントされる面として含まれていないため、開いたままになっており、ペイントされる背景の色が維持され、
投影画像は、ピクチャまたは画像の切り抜きから表示される対象のみを表示する、方法。
【請求項30】
デジタルピクチャを処理する方法であって、
デジタルピクチャはデジタルグレースケールピクチャに変換され、
デジタルグレースケール画像は、各サブエリアの特定のグレースケール範囲を持つピクセルグレースケール値に基づいて3以上のサブエリアに分割され、デジタルグレースケールピクチャから3つ以上のデジタル画像のセットが生成され、
セットの各デジタル画像は、3以上のサブエリアのうちの1つを含み、そのサブエリアのピクセルには、第1の光強度の実質的に無色の光を有するディスプレイに対応するピクセル値が割り当てられ、
デジタルピクチャの残りの部分には、第1の光強度とは異なる第2の光強度の光に対応するピクセル値が割り当てられ、
結合サブエリアはデジタルピクチャを少なくとも実質的に覆う、方法。
【請求項31】
前記デジタルピクチャは、前記デジタルグレースケールピクチャに変換される前に編集される、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光投影画像を表示するシステムに関するものであり、ピクチャを入力する手段、異なる色手段を使用して対象にピクチャを適用するために、対象上に光画像を表示するための光投影セットアップに画像情報を提供する手段、を備えるシステムに関する。
【0002】
本発明は、光画像を生成し、その光画像を対象上に投影する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
フランス特許FR2683769は、画像をカーペットに投影する方法を示している。細かい部分はエアブラシで塗られ、残りは彩色される。
【0004】
GB1366724は、カラー画像を線画に変換し、線画内の色領域を番号で指定する方法およびシステムを示している。線画を透明材料に転写し、壁やその他の表面に投影することができる。
【0005】
GB2127753は、そのような線画を背景に投影するためのスライドの使用を示している。 線画は、線で囲まれ区切られた大小の領域で構成される。大小のエリアにはそれぞれ目に見える番号が付けられる。塗料としての異なる色のセットが提案されており、塗料には対応する番号が付けられる。実際のピクチャは、番号が示されたすべての大小の領域を、示された対応する番号に一致するペイントオプションでペイントすることによって作成される。
【0006】
現在、商用サービスでは、写真を、数字により色が示されている線画に変換するプログラムが提供されている。
【0007】
既知のシステムおよび方法にはいくつかの欠点がある。図は多くの場合、複雑で多くの詳細が含まれており、特に明るい色の場合、領域を分離するために必要な黒い線がピクチャを乱すことがよくあり、また、最終結果に表示されなくなるようにペイントを使用して図面をペイントするのは困難である。数値によるペイントの投影の欠点は、一連の線は、投影内の線が細く、光投影セットアップの焦点をはっきりと合わせないと見えにくいことであり、さらに、あまりに小さい領域が互いに近く、複雑な形状であると、色を塗りつぶすときに区別することが困難になるため、線で囲まれる領域の寸法は制限される。
【0008】
カラー画像をカラーで直接投影する場合には、線によってもたらされる欠点はないものの、他の欠点がある。多くの場合、異なる色を適切に区別するのは困難であり、通常、光の色がこれから着色する色に見えて互いに打ち消し合う場合、何かすでに着色されているかどうかを識別するのは困難であり、着色領域が空の点または縞を含む場合、赤色投影色領域上の赤色の着色は、着色された部分と比較して、赤色領域の非着色部分と区別することが実質的に不可能であり、目は問題のある環境を認識し、光の色を見ているのか、着色された色を見ているのかを区別しようとして、視覚的に混乱し続ける。
【0009】
既存のシステムと方法の一般的な欠点は、絵を描く者の創造的な色の選択の自由が、絵が正確に同じ色になることを確認するため、または、使用する色の数がピクチャを描く人によって選択できないが、事前に決定されている場合において、色の厳密な指示に制限されていることである。
【0010】
したがって、これらと適された欠点を防止または少なくとも軽減できる新しいシステムおよび方法が必要である。
【発明の概要】
【0011】
この目的のために、本発明によるシステムは、所定のピクセルプロパティ範囲を有するピクセルのピクセルプロパティに基づいて、入力ピクチャもしくはその切り抜き、または、入力ピクチャもしくはその切り抜きの編集バージョンを3以上のサブエリアに分割する手段と、各サブエリアごとに、好ましくはグレースケール範囲に基づいて分割されたピクセルプロパティのグループを有する3以上の投影画像のセットを表示するための情報を含む画像情報と、ピクセルプロパティのグループごとに、3以上のサブエリアの1を表示するセットの1の投影画像を、第1の光強度の実質的に着色されていないの光で表示され、ピクチャの残りの部分またはピクチャの切り抜きの残りの部分を、第1の光強度とは異なる第2の光強度の光で表示し、サブエリアは一緒にピクチャまたはピクチャの切り抜きを少なくとも実質的に覆うことを特徴とする。
【0012】
本発明の目的のために、光投影セットアップは、例えば、使用時にある距離から物体上に光画像を投影するプロジェクタであってもよいし、例えば、ユーザーが少なくとも部分的に透明な物体を置くことができるデジタル制御されたVDUまたはライトボックスでもよい。
【0013】
本発明の目的のために、好ましい実施形態では、対象は絵画キャンバスであってよく、さらなる例として、一枚の紙、および、投影によって着色される対象からある程度の距離を置いてプロジェクタが使用される実施形態では、壁、ドア、フェンス、または、車のルーフ、広告看板、または、トラックの側面などの他の物体である。
【0014】
システムが単一の画像ですべての情報を提供する既存のシステムおよび方法とは対照的に、本発明によるシステムおよび方法における画像情報は、一連の投影画像に分割され、本発明によるシステムは、入力ピクチャ内、または入力ピクチャの切り抜き内に、各サブエリアに特有のピクセル特性範囲、好ましくは特定のグレースケール範囲内のピクセルを有する3つ以上のサブエリアを確立する。プロジェクタに提供される画像情報は、3以上の投影画像を1セットとして表示するための情報を含む。セットの各投影画像は、第1の光強度の実質的に無色の光を有する3以上のサブエリアのうちの1つを表示する。
【0015】
投影画像のセットの投影画像のそれぞれにおいて、ピクチャの残りの部分、または、ピクチャの切り抜きの残りの部分は、第1の光強度とは異なる第2の光強度の光によって示される。投影画像は集合的に、ピクチャまたはピクチャの切り抜きを少なくとも実質的にカバーする。着色の指示は実際に各投影ステップで照明されていない領域を埋めるのに役立てるため、着色する明るい部分と着色しない暗い部分の使用を逆にして実装することもできる。
【0016】
3以上の領域に分割する前に、まず入力ピクチャが、オートコントラストの適用、明るさの変更、コントラストの変更、切り抜きの形状の変更、写真または切り抜きのフォトショップ(登録商標)加工、別の写真の一部の挿入、等の編集がされるようにしてもよい。
【0017】
好ましくは、ピクチャの残りの部分または切り抜きの光は実質的に着色されていない。
【0018】
実施形態では、ピクチャの残りの部分またはピクチャの切り抜きは、着色された光を使用して表現することができる。
【0019】
実施形態では、サブエリアの情報は、使用される色手段および/または問題のサブエリアに対して実行される技術的ステップを含むことができ、これは、着色する個々のステップで色ごとに指定できる。着色されるサブエリアは、無色の光、白色光、および問題の色手段を使用してペイントされない部分、または技術的に適応されていない部分によって段階的に投影され、また、無色の白色光によっても表示される。光の強さの違いは、何をペイントまたは描画する必要があるかを示す。
【0020】
単一の画像にすべての情報が投影される既知の従来技術とは対照的に、本発明によるシステムおよび方法では、3以上の投影画像が連続的に別々に投影される。図面の関連部分、および、実施形態では、形状に忠実に着色するために、問題の投影画像およびステップに必要な情報が、ステップごとにユーザーに提示される。
【0021】
投影画像には分割線が表示されないため、光画像内のカラー投影領域の検索がいくつかの異なる分割線の存在によって妨げられることが回避される。分割線がある場合、着色する領域のさらなるコースを探すとき、分割線間の隣接する2または3の領域のどの色を着色に使用する必要があるかが明確ではない。この問題は本発明により回避される。
【0022】
着色されていない光が、着色されるされる1以上の色領域を示す各投影画像において、ピクチャの残りの部分は、例えば、少なくとも実質的に照明されない、好ましくは、完全に照明されないままにして、異なる光強度によって示される。ユーザーに、問題の適用ステップ中にアクションを必要としないピクチャ、または、切り抜きの一部について混乱を招く情報が与えられないため、混乱の可能性が大幅に減少する。
【0023】
好ましくは、着色されるピクチャの一部は白色光で示され、着色されない残りの部分は照明されないままである。実施形態では、着色される部分に投影される光の量と比較して、着色されない部分に少量の光を投影することが可能である。実施形態において、着色または描画される部分が所定の光強度の白色光によって投影される場合、ピクチャの残りの部分または切り抜きを、より低い光強度、例えば光の強度は10分の1から50分の1、で投影することが可能である。多くの場合、着色しない部分を見えるようにするのに十分な周囲光があるが、周囲光が非常に少ない場合、たとえば、着色しない場合は、 暗い部屋では、着色しない部分にいくらかの光を投影すると便利である。
【0024】
本発明による方法およびシステムを使用する場合、ユーザーは、これから着色される他のすべての色に関する過剰な色情報によって過度の負担を負うことがなくなる。一連の投影画像の各投影画像は、光で区切られた領域の各ステップで実装される色の情報のみを提供し、各ステップで、ユーザーはピクチャの特定の部分またはオブジェクトに適用される切り抜きに特に適用される色に集中できる。
【0025】
既存の手法やシステムとは対照的に、本発明のシステムの好ましい実施形態によれば、使用される材料が着色指示を提供するのに必要なく、光で表現する情報の中にほぼ全て組み込まれているため、準備が不要であり、そして、着色するピクチャの選択を変更するのはいまだ容易である。本発明による材料、特に着色される対象、好ましくは絵画キャンバスの使用は、従来の方法で描かれるピクチャにも使用される標準的な材料でよい。既知の投影システムですべての情報を含む単一の投影画像を使用する場合、所定の色に着色しなければならない部分を忘れたり、色番号を間違えたりすることがある。
【0026】
このような投影システムを使用する場合、色領域の番号の表示が常に目に見えるように表示され、表示から省略されないことを保証するために、着色されるされる対象上でピクチャ全体が見えるようにする必要があることも事前に決定されている。
【0027】
これは、たとえば、対象物上に拡大または縮小したり、ピクチャの一部だけを表示したりするといった絵を描く人の自由な選択が妨げるか、あるいは、この可能性を大幅に減らす。本発明は、適用される各色が光の明るい領域として見え、その領域には色の表示がないため、これを防止する。これにより、ユーザーは何をすべきかを探す必要がなくなり、ピクチャのどの部分を対象物に適用するかを自由に決定できるようになる。
【0028】
既知のシステムでプロセスを成功させるために、着色の選択は事前に確立され、固定されている。本発明は、アプリケーションを実行する人に、色の決定においてある程度の自由な選択を与え、選択した色のコントラスト値が、着色される投影ステップごとに増減する限り、描かれる対象を現実的に認識できる表現が存在する。
【0029】
さらなる利点は、全体として着色が仕上げることができることであり、着色が全体として完成したかどうかがすぐにわかることにあるが、一方、既知のシステムおよび方法では、色を着色するときに色番号もペイントされるため、その結果、その指示は見えなくなる。
【0030】
本発明による方法を実行する人は、強調表示された領域のどの部分が既に着色されており、どの部分がまだ着色される必要があるかを容易に確認することができる。
【0031】
明るく実質的に着色されていない光により、光で区切られた領域の色投影領域が既に着色または描画されているかどうかを簡単に確認でき、そして、それが上手く描かれているか、描かれているか、見逃した線、縞、または、部分は、背景の色、または、着色されていない対象物の色によりすぐに視認することができる。また、着色または描画が、着色または描画される領域を適切に塗りつぶしているかどうかをすばやく簡単に確認することもできる。
【0032】
本発明に従って着色する場合、絵を描く人は、使用する色に関してある程度の創造的自由を享受するが、これは、部分的には、このシステムが深さと形状が最も決定的な要素とするシステムを提供しているためであり、必ずしも、描かれるピクチャの色が元のピクチャの色に忠実になることを想定していないためである。
【0033】
本発明の別の利点は、本発明によるペイントシステムおよび方法を、特にシステムが色を提案する場合において、色盲でない人と同様に、色盲の人が使用できることである。
すべての色が連続して適用されるため、色盲の人でも、これが正しく行われているかどうかを確認できる。
【0034】
色盲の人は、カラーの投影からはほとんど、またはまったく情報を読み取ることができず、数字でペイントした画像からもほとんど情報を読み取ることができない;それは、これらが数字を塗りつぶします、また通常は数字が多すぎるため、数字の色もピクチャで示されることがよくあるためである。男性の12人に1人が何らかの色覚異常を抱えている。
【0035】
好ましい実施形態では、セット内の投影画像の数は12以下、好ましくは8以下である。好ましい実施形態では、投影画像の数は4、5、6または7である。投影画像の数が不十分であると、絵や描画の奥行きが相対的に浅くなる可能性があり、投影画像が多すぎると、アクションが多くなりすぎる可能性がある。
【0036】
本システムは、投影画像がグレースケール値の昇順または降順で表示されるように設定されることが好ましい。アーティストは、明から暗へと作業することができ、つまり、最初に画像の最も低いグレースケール値を持つ部分をペイントまたは描画し、次に2番目に低いグレースケール値を持つ部分をペイントまたは描画することもできるし、暗から明へと作業するできる。
【0037】
このシステムは、ユーザーが入力画像から切り抜きを作成できる手段を備え、その切り抜きが分析され、投影画像の手段によって投影されることが好ましい。これにより、例えば、大きな写真の顔などの一部を使って絵画を作成することが可能になる。
【0038】
切り抜きを作成する手段は、ユーザーが切り抜きの位置、サイズ、および/または形、状を選択できるように設計されることが好ましい。ユーザーは、たとえば顔のどの部分を使用するかを選択できる。本システムは、入力ピクチャを分析し、切り抜きを提案する手段を備えるようにしてもよい。本システムは、ピクチャの中の顔の輪郭を見つけることができる。顔認識によって、それに基づいて潜在的に興味深い切り抜きを発見し、それをピクチャのプレゼンテーションで示す。ユーザーは希望に応じて形状やサイズを調整できる。
【0039】
実施形態では、その手段は、投影画像の色領域を対象物上または対象物に隣接して適用するときに使用される1以上の色手段の特性を、投影画像とともに表示するための出力機能を備える。これにより、投影光を使用して色パレット上で使用する色を強調表示したり、各プロセスのステップで光を使用して色を示したりするなど、いくつかのことが可能になる。特性はオブジェクトの下、上、または隣に表示できる。追加または代替として、投影画像を投影しているときに、情報がアプリケーションまたはインターネットサイトなどの、ユーザーが開き、受信し、表示することができる、タブレットコンピュータやスマートフォンといった、携帯画像表示端末上の他のチャネルを通じてユーザーに送信されるようにしてもよく、一方、光投影セットアップは、投影画像を表示し、投影される光画像を描くために部分的に半透明の物体の下に置くことができるタブレットコンピュータで構成することができる。
【0040】
色領域を適用するための1以上の色手段の特性を投影画像とともに表示することにより、システムの使用が容易になる。
【0041】
色手段の特性として、次の1以上の特性でよい:色、1以上の色の名前、番号、製造元、または、混合比。特に対象が元の色に忠実になるようにリペイントされる場合、どの色を組み合わせたいのか、どのような混合比率で混合したいのかを指定することで、希望の混色情報が表示される。
【0042】
最小の要件として、色は、名前、番号、および/または製造業者などの指定とともに表示されることが好ましい。できればピクチャのエッジの隣に色を表示すると、ユーザーが正しい色手段が使用されているかどうかをすぐに確認できる。実施形態では、ユーザーが投影画像上で色の表示をシフトできるようにするシフト手段を備える。これにより、ユーザーは、例えば、対象物の前にある色パレットなど、パレット上で使用する色を強調表示する場所など、ユーザーにとって最も便利な場所に色の表示を配置することができる。本発明のシステムによって提供される命令には、2色以上の色を混ぜて、パレットにその色を投与するための組み合わせるための混合指示も含めることができる。
【0043】
本発明の目的上、色手段という用語は、網羅的ではないが、アクリル絵の具、油絵の具、水性絵の具、インク、フェルトペン、色鉛筆、ワックスクレヨン、色付けクレヨンおよび/またはスプレーペイントを指すものと解釈される。塗料には油性、合成、水性がある。実施形態では、色手段は、透明なワニス層または限定された色濃度を有する色手段であってもよい。
【0044】
好ましい実施形態では、この手段は、既存のポートフォリオから投影画像を入力するための入力機能も備える。
【0045】
ユーザーは、例えば、親戚の顔などの自分にとって大切な人の写真を絵の作成に使用することができる。実施形態では、ユーザーは、ポートフォリオからピクチャをコピーすることを選択することもできる。
【0046】
好ましい実施形態では、描かれる1のピクチャに対して、描かれるサブエリアのセットが2以上存在する場合があり、本システムは、投影画像の最初のセットが表示された後に最初のレイヤーが適用されるように構成されており、最初のレイヤーの上にさらに1以上のペイント層を適用するために、1以上のさらなる投影画像セットが表示され、この層は、不透明度が低いか、前の層を部分的にのみ覆うことが好ましい。これにより、ピクチャを複数のグレージング層に適用することができる。この実施形態は、第2の層または連続する部分的に透明な層をピクチャ全体に適用する必要はなく、ピクチャの1以上の部分に限定することができる。
【0047】
レイヤーごとの投影画像の数は異なる場合がある。実施形態では、第1の層、つまり下方の層の投影画像の数は、第2の層、つまり上方の層よりも少なく、例えば、最初の層は3または4であり、第2の層は5、6、または、7である。
【0048】
本発明において、本発明における色手段の適用は、筆やペンに限定されるものではなく、パレットナイフ、手や指、スタンプ、エアブラシ、スポンジ等を用いた適用も可能である。
【0049】
好ましい実施形態では、画像情報は、選択されたピクチャのさらに多くの投影画像に関する情報を含み、各投影画像は、少なくとも実質的に無色の光によって問題の投影画像に適用される部分を示すことによって、適用されるピクチャ内で問題の投影画像に特に適用される部分を示し、各投影画像に適用される特定の投影画像に関するいかなる情報も含まない、適用されるピクチャの残りの部分を照明なしのままにし、結合投影画像が少なくとも実質的にピクチャを覆うことによって、各投影画像は特定のグレースケール範囲の情報を含み、グレースケール範囲は重なり合わないか少なくとも実質的に重ならず、投影画像の数は3以上である。
【0050】
この好ましい実施形態では、さらに多くの投影画像が表示される。これらの好ましい一の実施形態によるシステムは、ユーザーが適用されるピクチャを層状に構築することを可能にし、オリジナルに忠実なピクチャ、またはユーザーの裁量で芸術的表現の画像を再作成する可能性を大幅に高める。既存のシステムや方法ではこれを可能にするものはない。また、第2の層以降の場合、投影画像の数は4~12であることが好ましく、4、5、6、または7であることが最も好ましい。第2の層以降では、透明層または部分的に透明なワニス層を1以上の投影画像にリンクできる。
【0051】
好ましい実施形態では、手段は、投影画像に従って指示に従うための特性を表示する出力を備え、この特性は、対象物上で2以上の色手段を混合するのに役立ち、投影画像上で色をマージさせるための混合指示を含む。本発明によるこの実施形態では、光投影画像を使用して、どの色、例えば、まだウェットでまだ加工できる隣接する色を部分的にまたは一部に混合してもよい、または混合しなければならないかをユーザーに示すことが可能である。これは、領域内で実行する必要があり、特に無色の光でマークされた投影領域内で実行する必要があり、照明されていないサブエリアでは実行できない。本発明によるこの方法は、例えば、テキスト、装飾要素、または元のピクチャにない他の要素などの追加要素を描画する対象に追加するために使用することもできる。
【0052】
ある色から別の隣接する色への移行は、素人や訓練を受けたアーティストにとっても判断が難しく、適用するのはさらに困難である。これは、その場合、ある色を別の色から厳密に分離するのではなく、すでに適用されている色を一致させる際に、より良い結果を得るために2の色の所定の色の混合が役立つ領域を示す指示が必要だからである。好ましい実施形態では、システムは投影画像を使用して、色手段の混合を使用するか、これらの投影画像領域内の編集可能な色を混合することによって、隣接する色への遷移をマージできる場所を示す。これにより、より現実的な外観とよりプロフェッショナルな外観を実現でる。既存のシステムや方法では、これほど詳細な着色指示を行うことはできない。
【0053】
実施形態では、手段は、入力ピクチャから描かれる対象を分析する。特にピクチャの対象が元のピクチャに忠実な色以外の色で描かれている場合、ユーザーがある色領域から別の隣接する色領域への移行を判断することは困難である。本システムは、グレースケール値のコントラストを計算して決定し、適用される色の使用される光強度値とのバランスが最適な領域、および、次の色領域への移行がどこに位置するか、およびどの明るい領域内でコントラスト値が一致するかを決定する。実施形態では、本システムは、コントラストサブエリアに使用されるグレースケール値を分析し、選択された色のセットの色が、システムに従って互いにグレースケール距離で十分なコントラストを持っているという条件で、使用する色のセットを選択するのに一定の許容範囲がユーザーに残される。これにより、ユーザーはあらかじめ決められた色の組み合わせに固執することなく、システムによって独自の創造的な選択を行う余地が与えられる。本発明は、色が予め定められており、特定の範囲内で色を調整することがオプションではない数字によるペイントアプリケーションを含む従来技術の多くの例とは対照的に、色を選択するある程度の自由を許容することを特徴とする。
【0054】
数字による着色の実施形態で色を変更すると、オリジナルに忠実な再現が損なわれる可能性があり、描かれた対象がオリジナルに忠実であるかどうかを評価する際の最終結果に悪影響を及ぼす可能性がある。数字による着色などの従来技術では、背景やピクチャ内の他の領域を省略することもできない。
【0055】
本発明による一実施形態では、手段は、カラー画像をグレースケール値に変換するために、色値の画像をコンバーターに供給する供給機能を備え、グレースケール範囲が各投影画像に割り当てられ、グレースケール範囲が一緒になって、明から暗まで実質的に途切れのないグレースケール範囲を構成する投影画像の数に分割される。
【0056】
投影画像は本システムに、例えば、夜警やひまわりを描くために、例えば、標準的な主題のデータベースポートフォリオからの絵画の投影画像のセットを直接供給できる。その場合、本システムへの入力は事前に準備され、本システムのデータベースに保存されているため、それ以上の変換を必要とせずに直接使用できる。
【0057】
好ましい実施形態では、画像をグレースケール値で供給できるようにする。これにより、たとえば、古い白黒写真を投影画像に変換し、これらを使用してカラーの絵画や図面を作成することができる。
【0058】
グレースケール画像を投影画像に変換する方法はいくつかあり、投影画像では、グレースケール値を持つピクセルの集合がサブエリア内の特定のグレースケール範囲に変換され方法がある。
【0059】
グレースケール値はデジタルで表すことができ、最も一般的に使用されるスケール値は0~255である。第1のピクセルの可能な分割は、このスケールを等しい範囲に分割するものである。第2に考えられる分布は、スケールの中央に向かって、グレースケール範囲が最小および最大のグレースケール値よりも徐々に小さくなる分布である。
【0060】
第3の可能な分割は次のように行うことができる:
グレースケールヒストグラムは、画像のピクセルのグレースケール値で作成されが、その画像は、ピクチャ全体、ピクチャの切り抜き、または、その編集版のいずれかである。次に、合計M個のピクセルに対してn個のグレースケール範囲を使用する場合、最も低いグレースケール値を持つM/nピクセルが最初の投影画像に表示され、最後の投影画像内で最も高いグレースケール値を持つM/nピクセル、というように、投影画像は1つおきにM/n ピクセルのグループで構成される。
【0061】
この後者の分割では、分割は入力ピクチャのグレースケール値の内容に依存するため、分割の前にグレースケール画像の分析を実行する必要がある。本発明の一部は、このグレー値の分割が、ユーザーが輪郭を描いたピクチャ内の対象の一部で実行され、この輪郭の外側のグレー値は輪郭の内側の領域のグレー値よりも高い値、または、低い値に変換されないシステムを提供する。本発明によるこのステップは、1以上の投影画像が対象の外側のみにある光投影領域を示し、したがって対象自体に必要な色の数を減らすことを防ぐことができる。
【0062】
ユーザーが色のセットまたは色手段のセットを指定した実施形態では、これにより、対象を、指定された色のグレースケール値の周囲の領域をそれぞれカバーするグレースケール範囲に分割することができる。
【0063】
白黒写真を使用してカラーの絵、または、カラー描画を作成する実施形態では、システムには、1以上の投影画像を見せられた後、ユーザーに、1以上の投影画像に希望の色を入力を可能にし、手段に入力色または複数の色に一致する色手段の色手段の特徴を選択させ、表示させる入力機能が提供されることが好ましい。
【0064】
白黒写真を使用してカラーの絵画またはカラー描画を作成する実施形態において、本システムには、白黒写真の形状を分析し、分析された形状に一致する色手段の特性を表示する手段を使用するための形状分析器が設けられることが好ましい。
【0065】
木、低木、空、雲、顔、手、衣服、帽子、地球など、多くの形状が知られており、認識可能である。形状と形状の平均グレー値に基づいて、最もよく一致する色の推定を行うことができる。好ましい実施形態では、システムには、ユーザーが色を入力できるようにする入力機能と形状分析器の両方が提供される。白黒写真の所定の部分に対してユーザーが入力した色は、システムに情報を提供し、その情報は、本発明の一部として形状分析器によって使用され得る。
【0066】
一実施形態では、本手段は、カラー画像をグレースケール画像に変換するさらなる変換器にカラー画像を供給するためのさらなる供給機能を備える。
【0067】
カラー画像をグレースケール画像に変換できる。
【0068】
これを行うにはいくつかの方法があり、カラー画像をグレースケール画像に変換する(カラーからグレースケールへの変換)のいくつかの方法の概要は、M.Cad▲i▼k著「Perceptual Evaluation of Color-to-Grayscale Image Conversions」 Pacific Graphics 2008 Vol.27 (2008)、No.7、および、その他の出版物に掲載されている。別の例は、Kaleigh Smith、Pierre-Edouard Landes、Jo▲e▼lle Thollot、Karol Myszkowski著「Apparent Greyscale: A Simple and Fast Conversion to Perceptally Accurate Images and Vide」 EUROGRAPHICS 2008、Vol.27 (2008)、No.2に記載されている。
【0069】
カラー画像をグレースケール画像に変換し、さらにグレーの色相の画像に変換した後、投影画像に変換し、投影画像を色特性とともに表示することにより、素人や初心者のアーティストでも、オリジナルに忠実に、キャンバスなどの対象物にカラー画像を描いたり、紙に描いたりペイントしたりすることが可能になる。これは、ピクチャは多くの場合、認識できない、あるいは、所定の色の領域を区切る線で区切られるなどといった互いに混ざり合う異なる色で構成されているという事実の結果でもある。オリジナルに忠実な認識可能な複製は、必ずしも元のピクチャを同じ色で複製した結果であるとは限らないが、それは具体的には、その色のコントラストまたはコントラスト値が、再現されるそれぞれの色領域ごとに元のピクチャから既知のものと実質的に同じコントラストをもたらす色の使用の結果である。
【0070】
実施形態では、各投影画像のサブエリアをペインティングまたは描画するために使用される色は、本発明によるシステムによって決定されるか、あるいは、色の可能な組み合わせとしてユーザーに提示されか、あるいは、ユーザーによってシステムに入力される。
【0071】
好ましい実施形態では、本システムは、塗料の特性を測定するための測定セットアップを備え、測定セットアップはカメラを備える。
【0072】
測定される塗料の特性は、色値および/またはグレースケール値とすることができる。
【0073】
測定セットアップは複数の目的に使用できる。
【0074】
A.本システムは、1以上の塗料、または、塗料の混合物を提案した可能性がある。塗料を選択する場合、ユーザーは、たとえば、ペインティングに間違った塗料を選択したり、正しい塗料を選択したが間違った順序で塗ることを計画したりするなど、間違いを犯す可能性がある。塗布前の測定設備で使用する塗料の物性を測定することで、使用する塗料が目的の塗料であることを確認することができる。特に、ユーザーが色盲である場合、または、周囲の光が薄暗いか色がある場合、ユーザーが正しい色が適用されるかどうかを確認するために色を基準としてのみ使用することは困難または不可能である。プロパティ、色、グレースケール値を測定することで、間違いを防ぐことができる。本システムが色の混合を示した場合、測定により、作成された混合物が想定された色および/またはグレー値を持っているかどうかについて最終的な答えが得られる。色が適切でない場合、本システムはユーザーに1以上のコンポーネントを混合するように指示できる。色は正しいが、塗料が明るすぎるか暗すぎる場合、システムはユーザーに白または黒を混ぜてペイントを明るくまたは暗くするようアドバイスする。混合物を修正した後、使用する塗料の色および/またはグレースケール値が許容できるかどうかを判断するために新しい測定を実行できる。
【0075】
B.ユーザーが使用する1以上の所定の塗料を選択した場合、測定システムは、使用する塗料のグレースケール値と場合によってはカラー値も測定できる。ユーザーが選択した塗料に対して測定されたグレースケール値に応じて、本システムは1以上のサブエリアを確立できる。サブエリアは、選択された1以上の塗料のグレースケール値によっても決定され得る。選択した塗料のグレースケール値の距離が好ましくない場合、本システムは、選択した塗料の1以上の色またはグレースケール値を、例えば、白または黒のペイントを混ぜることによって調整する必要があることをユーザーに提案することもできる。一例は、一連の5つの選択された塗料であり、そのうちの2つの塗料の一方のグレースケール値は実質的に同一であり、他のペイントは明らかに異なるグレースケール値を有する。次に、塗料を明るくしたり暗くしたりして、選択した塗料の少なくとも1のグレースケール値を調整すると有益な場合がある。
【0076】
好ましい実施形態では、測定装置には、実質的に白色光を放射するランプが備えられる。これにより、測定中に同じ既知の方法で測定対象のすべての塗料が照明される。
【0077】
好ましい実施形態では、本システムは、選択された色の組み合わせがオリジナルと同等の昇順ステップを経ることを条件として、一緒に使用される色に関して創造的な選択を行うある程度の自由をユーザーに残す。熟練した画家は、リアルな色の再現でオリジナルと忠実に比較するために適切な色を選択することができるが、塗料を混ぜて適切な色を作り出すのは困難である。本発明の実施形態は、利用可能な色を考慮した色領域のデジタル分析を提供する。色と塗料は、利用可能な顔料によって作られ、決まる。(CMYKおよびRGB)カラーシステムが使用され、色の信頼性が高い印刷技術以外では、原色であっても、画家向けの多くの塗料には、乾いた後の色と比較した濡れた塗料の見え方に関して多くの違いがある。熟練したアーティストは、特定のアーティストが作品の特徴として繰り返し使用する主題を忠実に再現するために選択した色によって見分けられることがよくあり、この意味において、本発明によるシステムは、認識可能な創造的な選択の余地を提供し、これらの特徴的な選択を個人的に認識可能なスタイルとして採用することができる。
【0078】
本発明による実施形態は、ユーザーによって入力される投影画像の数のための入力システムを備える。このような実施形態では、ユーザーは投影画像を自分で入力することができる。
【0079】
実施形態では、本システムは、入力されたカラー画像および/またはグレースケール画像を分析するための分析器と、分析結果を塗料および塗料のデータを含むデータベースと比較するため、および、一緒に使用する塗料の1以上のサンプルセットを準備してユーザーに表示する比較器を備え、到達可能な結果のプレビューを表示する。そのような実施形態では、本システムは投影画像の評価を実行して、どの色が平均色のコントラストに最もよく一致するかを決定する。たとえば、投影画像の平均色値を計算し、塗料または色手段のデータベースを検索して、グレースケールコントラストとカラーポイントが投影画像の平均グレースケール値と平均カラーポイントに最もよく一致する色手段を選択する。このような比較の結果により、サンプルカラーセットが決定される。本システムは、いくつかの異なるサンプルセットを生成できる。たとえば、ユーザーは特定の色または色の組み合わせに対する好みを示すことができる。次に、本システムは、いくつかのカラーサンプル セットを生成し、指定された好みと比較し、この色の組み合わせのセットを塗料または着色用のペイントパレットとして使用するために指定された好みと一致する昇順でユーザーに提示する。
【0080】
ピクチャの投影画像は、投影画像に特有の下位グレースケール値と上位グレースケール値との間のグレースケール値を有する元のピクチャの部分を含む。
【0081】
本発明による実施形態では、本システムは光投影セットアップを備える。
【0082】
本発明による実施形態では、手段は、指定された画像および/または入力ピクチャから対象に投影画像のセットを提供するためのデジタルサービスの使用を可能にするインターネットサイトまたはアプリケーションを含む。
【0083】
インターネットサイトまたはアプリは、好ましくは、ユーザーがピクチャを送信して、送信されたピクチャから作成される投影画像を提示できるようにする入力機能と、ユーザーの光投影セットアップに対して作成された投影画像を送信する出力機能を備え、好ましくは、使用可能な色手段の特性の指定と、ペイントするキャンバスまたは紙の上または下に投影画像を表示するために、光投影セットアップを制御するサイトまたはアプリケーションをリンクして使用する。
【0084】
投影画像を視覚的に辿ることができるように光投影セットアップがキャンバスまたは紙の下にある場合、ペイントされるキャンバスまたは紙はわずかに半透明であることが好ましい。
【0085】
好ましくは、手段は、投影画像を表示するときに、ユーザーが所望の技術またはスタイルを指示できるようにする入力機能を備え、手段は、指定された所望の技術に応じて、指示または提案を示す出力機能を備える。これにより、ユーザーは特定の適用スタイルやテクニックを練習できるようになる。所望のテクニックやスタイルの指標としては、たとえば、使用する素材の指標が挙げられ、ブラシ、ブラシのサイズ、ブラシの種類、ナイフ、エアブラシ、手、または、印象派、表現主義、リアリズム、ハイパーリアリズムなどがある。
【0086】
また、本発明は、選択されたピクチャをカラーピクチャとして対象物に適用する方法であり、選択されたピクチャの特定のグレースケール範囲に対応する一連の投影画像が、グレースケール値の降順または昇順で投影され、投影画像に対して選択または表示される色手段を使用して、照明部分の投影画像のそれぞれに色が適用される。
【0087】
好ましい実施形態では、対象物は絵画キャンバスであり、投影画像を表示する前に、絵画キャンバスには背景テクスチャ層および/または背景色が提供され、最も明るいまたは最も暗い投影画像に対して絵画キャンバスはペイントされないままにされる。使用するカラー適用技術や素材と組み合わせて、特定の効果や特定の技術を実現するには、前処理された背景が必要になる場合がある。
【0088】
描画されるピクチャの背景が投影画像に描画される表面として含まれず、そのため開いたままになっている実施形態では、これらの領域では背景の色が保持されるようにするか、色または特定のテクスチャを含む背景を適用するかどうかは、ペイントまたは描画を行う人の裁量に任される。
【0089】
本発明による方法では、投影画像が表示される順序は、通常好ましい、明から暗、または所定の描写に対してより良い効果をもたらす暗から明であってもよい。
【0090】
本発明はまた、デジタルピクチャを処理する方法にも関するものであり、デジタルピクチャはデジタルグレースケールピクチャに変換され、デジタルグレースケールピクチャは、各サブエリアの特定のグレースケール範囲を持つピクセルグレースケール値に基づいて3以上のサブエリアに分割され、デジタルグレースケールピクチャから3以上のデジタル画像のセットが生成され、セットの各デジタル画像は、3以上のサブエリアのうちの1を含み、当該サブエリアのピクセルには、第1の光強度の実質的に着色されていない光を有するディスプレイに対応するピクセル値が割り当てられ、デジタルピクチャの残りの部分には、デジタルピクチャを少なくとも実質的に覆う結合サブエリアを有する第1の光強度とは異なる第2の光強度の光に対応するピクセル値が割り当てられる。
【0091】
簡潔にいうと、本発明は、オリジナルに忠実なピクチャをキャンバス上に描くことができる絵画技術を提供するものであるといえ、それは、コンピュータによって比較された色領域がグレースケール範囲に変換され、対象物に投影される光投影システムを使用することにより、光投影を使用して実質的に白色光で対象物を照明し、その後で、ユーザーが選択した色、または照明された投影画像ごとにシステムによって指示された色を適用することによって行われる。本発明は、デジタルピクチャを編集し、本発明によるペインティングモードでの投影に使用できるデジタル画像のセットを生成する方法も提供する。
【0092】
本発明は、本発明による方法を実施するための命令を含むコンピュータプログラムにも関する。本発明によるコンピュータプログラムは、本発明による方法の1以上の異なる実施形態を実施するための命令を含むことができる。
【0093】
本発明は、本発明による方法を実行するための命令を含むコンピュータコードにも関する。本発明によるコンピュータコードは、本発明による方法の1以上の様々な実施形態を実行するための命令を含むことができる。
【0094】
本発明は、本発明による方法に従って生成される投影画像のセットにも関する。
【0095】
本発明のこれらおよびさらなる態様を以下に説明し、図面を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
図面に含まれる図は次のことを示している。
図1は、PBNifyと呼ばれるオンライン色分解システムの操作に関するデジタル出版物から知られているピクチャを示している。
図2は、
図1の元のピクチャが限られた数の色に分割された、PBNifyシステムによる色分解の表現を示している。
図3は、
図2の色分割を表したものであり、各色が線で囲まれており、各線の輪郭内に数字を入れることができる。
図4および
図5A、
図5Bおよび
図5Cは、本発明によるシステムの概略例を示す。
図6および7は、本発明の実施形態のフローチャートを提供する。
図8から16は、本発明の一実施形態を示す。
図17から25は、本発明のさらなる実施形態の図を示す。
図26から58は、本発明の実施形態のさらなる態様を示す。
【0097】
【0098】
図1は、PBNifyと呼ばれるオンライン色分解システムの操作に関し、この方法が説明されているデジタル出版物からの既知のピクチャを示している。
【0099】
図2は、PBNifyシステムによる色分解の表現、すなわち、
図1の元のピクチャが限られた数の色に分割されている場合、ピクチャは同じ色値の色領域にデジタル的に分割される表現を示している。
【0100】
図3は、
図2の色分割の表現を示しているが、各色の輪郭が線で囲まれており、輪郭が描かれた各領域内に、選択された限られた数の色値が線内の領域に適用できるかどうかを示す数字を入れることができる。
【0101】
したがって、同じ色の領域には同じ番号が付けられます。
【0102】
図3に従ってピクチャをキャンバスに投影すると、すべてのカラー領域が同時に表示されるため、ペイント中の色の適用が正しいかどうかを発見するのは依然として困難である。単純にピクチャをカラーで投影する場合、同じ色の光投影で色をペイントするのは、同種の色は互いに打ち消し合うため、非常に困難であり、その結果、特定の領域に既に何らかのペインティングがさているのか、それとも見えている光の色だけなのかが分かりにくくなる。これは、こういったシステムではそういった結果を発見することが困難である場合があることを意味し、既に行われた作業を目に見えるかたちで観察できないため、この検索が妨げられることを意味する。
【0103】
図4は、プロジェクタを使用した光投影を示す、本発明による光投影セットアップを示す。
図4は、コンピュータ41を示し、コンピュータはデジタルピクチャを受信する。デジタルピクチャを入力するには、電子メール、携帯電話、ソーシャルメディア、クラウドサービスからなど、さまざまな方法がある。次いで、入力デジタルピクチャは、任意に編集された後、3以上の光投影画像のセットに変換される。投影画像は、プロジェクタ42によって投影される。
図4は、キャンバス43上の投影画像46の一例を示す。コンピュータの代わりにモバイルデバイスを使用することもできる。投影画像と共にさらなる情報を投影することができます。システムにはカメラ45を設けることができる。これにより、システムは何が行われているかを監視し、必要に応じて指示を投影できるようになる。このシステムは、例えば、図の右上隅にデバイス44として示されているように、スマートフォンまたは別の携帯デバイスによってアクセスされ、写真がウェブサイトに送信され、ウェブサイトで編集が行われるウェブサイトを備えることもでき、デバイス44は、例えば次の投影画像に切り替えるためにプロジェクタ42を制御するときにも使用することができる。投影画像のセットは、携帯デバイス44を介して、ウェブサイトからプロジェクタ42に送信される場合もある。ウェブサイト自体は、投影画像のセットのポートフォリオを含むこともでき、ウェブサイトは、データベースポートフォリオ内の投影画像のセットに関する情報をユーザーに送信して、ユーザーがポートフォリオから投影画像のセットを選択できるようにすることがでる。
【0104】
ウェブサイトには、ユーザーが以前に使用または選択した投影画像のセットのポートフォリオを含めることもでき、これをデータベースポートフォリオに追加して、他のユーザーと共有できる。これにより、ユーザーは、例えば、亡くなった愛する人の写真に基づいて絵を作成でき、その絵画はより良く似たものになり、例えば、第2のバージョンでは、結局満足のいくものとはみなされなかった色の選択、または最初のバージョンでの投影画像の数の選択を修正することができ、さらなるバージョンでは改良され、同じ画像のいくつかの異なるセットを、部分的に透明な色の複数のグレージング層で相互に適用できるようになった。
【0105】
‘練習すれば完璧になる’は、本発明によるペイントのためのシステムおよび方法の使用にも当てはまり、したがって、使用された投影セットは、システムの好ましい実施形態におけるさらなる改良または改良のために保存されることが好ましい。情報47は、投影されたピクチャの下または隣にピクチャとともに投影することができる。コンピュータには、たとえば、アンテナ58を使用した無線などの、デジタル画像を入力するための入力機能が備えられるが、これは固定電話経由で行ったり、USBポート経由でカメラに直接接続したりすることもできる。
【0106】
図5A、5B、および5Cは、本発明による光投影セットアップの一実施形態を示し、キャンバスまたは透明紙などの部分的に半透明の物体43が置かれたデジタル制御視覚表示ユニット51による光投影を示す。ここでの
図5の関連部分のその他の機能は、
図4の説明と一致する。
図5Bは、本発明によるシステム用のツールを示す。このツールは、装置51を含む携帯視覚表示ユニット用の支持体52と、動作中に支持体52の上に設置される透明部分を有するカバー53と、から構成される。キャビティ55は、カバー53とサポート52との間に開いたままとなっている。装置51はこのキャビティ55内に設置できる。動作中、少なくとも部分的に透明な物体43がカバー53の上に配置され、クランプ部品54が物体43の上に配置される。
図5Cに示されている寸法は例である。これらは寸法を限定するものではない。
【0107】
図6および
図7は、本発明の一実施形態の概略フローチャートを示す。フローチャートは、カラー画像をピクセルプロパティまたはグレースケール画像に変換するなどの方法のステップと、カラー画像をグレースケール画像に変換するコンバーターなどのシステムの部分の両方を示している。ステップ61において、デジタルフルカラー画像、例えばフルカラー写真がシステムの入力機能61に導入される。あるいは、ステップ62において、ピクセルのプロパティまたはグレースケール画像をシステムの入力機能に導入することもできる。ステップ63において、システム内の切り抜き装置63を用いて、写真またはピクチャから切り抜きを作成することができる。
【0108】
カラーピクチャが入力される場合、システム内のコンバーター64は、ステップ64において、切り抜きを行う前または後に、グレースケールピクチャへの変換を行うことができる。任意に、ステップ75において、グレースケールピクチャを編集するようにすることできる。編集ステップを実行して、切り抜きを作成したり、グレースケール画像に変換したりすることもできる。グレースケールピクチャを分割するためにグレースケール範囲の設定を使用するかどうかの選択に応じて、グレースケールピクチャは、N個のサブエリアに分割される。
【0109】
分割された画像は、ステップ71において、システムの画像表示装置71上に表示され得る。ユーザーは、コントラスト、サブエリアの数、使用したい色などのさまざまな特性に作用することができる。ユーザーは、任意に、希望のスタイル、色手段、およびアプリケーション手段を入力することもできる。
【0110】
入力または変更されたパラメータに応じて、ステップ93において、N個の投影画像のセットが作成される。投影画像は、ユーザーの制御に従って、最初の投影画像から順に投影される。
【0111】
図8は人物の写真を示している。
図9から16は、この写真が本発明によるシステムをどのように通過するかを段階的に示している。
【0112】
図9は、
図8の写真をデジタル編集したバージョン、すなわち、写真は3つのカラー領域に分割されており、それぞれが同じグレースケール値のグレースケールスペクトルの一部を表し、昇順に3つの領域が色付けされたものを示している。これらの色には、最も明るい色グループ、すなわち、最も明るい値と第1の閾値の間のグレースケール値を持つ色として白が含まれ、グレースケールスペクトルの中間の色、すなわち、第1の閾値と第2の閾値の間のグレースケール値を持つ色としてグレーが含まれ、そして、すべての暗い色領域、すなわち、第2の閾値より低いグレースケール値を持つ色としての黒が含まれる。これにより、これら3つの値は、所定の制限内における値の同じ範囲に属するすべての色のコレクションになる。この例の写真はグレースケール範囲に細分化されている。これは好ましい実施形態である。写真をピクセル値の領域に分割することもできる。ピクセル値には、たとえば、RGB(またはCMY)および輝度またはグレースケール値といった、通常4つの座標がある。これら4つのピクセル値は、4次元空間をカバーする。分割は、この4次元空間内のピクセル値領域に基づいて行うこともできる。さらに考えられるピクセル値グループと対応するピクセル値領域への分割は次のとおりである:問題の領域内のピクセルのグレースケール値および/または色値の平均変化が、ピクセルの周囲の領域の写真のすべてのピクセルについて測定される、例えば、問題のピクセルが中心となる3*3または5*5のピクセル領域。変化が比較的大きいピクセルは、写真の要素の鋭いエッジ、または、ある色からその色とは明らかに異なる色への移行部に位置する。変化が比較的小さいピクセルは、全体に渡って同じ色の領域に位置する。平均変化に基づいて、以下のように、ピクセルをピクセル値グループに分類できる;鋭いエッジが一のピクセル値グループを形成し、ソフトエッジがさらなるピクセル値グループ、明るさ又は色が比較的徐々に別の明るさ又は色に変化する領域はさらに別のグループ、全体に渡って同じ色の領域はさらに別のグループとなる。
【0113】
また、組み合わせを用いてピクセル値グループに分類することも可能である。特定のピクセル値グループが、たとえば最も硬いエッジ、たとえば、ピクセルの周囲のピクセル値の最大の変化を示すもの、用に指定される。残りのピクセルはグレースケール値に分割することができる。これにより、グレースケールエリアに基づいたペイントが生成されますが、ハードエッジが強調される可能性がある。
【0114】
示された好ましい実施形態では、分割はピクセルのグレースケール値のみに基づいている。これにより、良好な結果が得られることが示された。。
【0115】
図10は、表面(22)が斜線によって陰影付けされた、ペイントされた対象物を示している。
【0116】
図11は、本発明による投影を示しており、着色される3つの領域のうちの最も明るい領域のみが白領域(1)として可視であり、中間の色スペクトルと最も暗い色のスペクトルの両方の色領域が黒となる、つまり、このような画像が、黒の領域(2)としてペイントされる表面に投影される場合、それらの領域は、照明されておらず、光を通過させず、キャンバス上に光を表示しない。この場合、このピクチャを投影ランプで表示すると、キャンバス上の白部分(1)だけが光として見える。
【0117】
図12は、ペイントされる表面上で最も明るい色の塗料で見える領域を示しており、また、どの部分が、
図7に斜線領域として示された、ペイントされる表面の元の表面(22)を示しているのかを示す。
【0118】
図13は、本発明による投影を示しており、着色される3つの領域のうち真ん中の領域のみが白色領域(1)として可視であり、最も明るいグレースケール範囲と最も暗いグレースケール範囲の両方のカラー領域を黒としている。このような画像がペイントされる表面に黒い斜線領域(2)として投影される場合、光は通過させず、キャンバス上に光も表示しない。この場合、白い部分(1)のみがキャンバス上で光として表示される。
【0119】
図14は、
図13において説明されたように、中間色スペクトルの投影に従ってペイントされるペイントまたはその他の媒体の結果と同様に、ペイントされる表面上で最も明るい色のペイントで見える領域がどこに残るかを示し、また、どの部分が、
図7に斜線領域として示されている、ペイントされる表面の元の表面(22)を未だ示しているのかを示している。
【0120】
図15は、本発明による投影を示しており、色分けされる3つの領域のうち最も暗い領域のみが白色領域(1)として可視であり、最も明るいグレースケール範囲と中間のグレースケール範囲の両方の色領域は黒となり、このような画像が、黒い斜線領域でペイントされる表面に投影される場合、光を通さず、キャンバス上に光を表示しない。この場合、投影ランプでこのピクチャを表示すると、キャンバス上では白部分(1)だけが光として見えるが、これは使用する3色の中で最も暗い色を適用することを意図している。
【0121】
図16は、本発明の一実施形態によれば、カラー画像の3つの投影すべてでペイントされる表面は、最も明るいグレースケール値グループの色については白、中間のグレースケール値グループの色については灰色、および最も暗いグレースケール値グループの色については黒で描かれており、着色ステップに従った結果、
図6に示す本発明のシステムに従って意図された結果とほぼ同等の結果が得られることを示している。
【0122】
図17は、システムが着色される連続領域を示さない本発明の実施形態を示す、ただし、概略的に配置される丸い形状の集合は、それらが表す色値に応じて、所定の寸法を持ち、したがって、背景と対比し、所望のピクチャを所定のサイズの円に変換し、必要に応じて所定の色に変換する。
【0123】
図18は、本発明による投影画像を示しており、最大の円のみが光によって示され、それらがどこに配置され、色手段が提供されるべきかを認識できるように示している。
【0124】
図19は、本発明による投影画像を示しており、小さい円のみが光によって表示され、それらがどこに配置され、色手段が提供されるべきかを認識できるように示している。
【0125】
図20は、すべての投影において円のサイズが等しい、本発明による円の位置の同様のセットアップを示しているが、グレースケール値によって、どれが同じ色に属するかが決定される。
【0126】
図21は、本発明による投影画像を示しており、最も暗い円のみが光によって示され、それらがどこに配置され、色手段が提供されるべきかを認識できるように示している。
【0127】
図22は、本発明による投影画像を示しており、最も明るい色の円または色の円のグループのみが光によって示され、それらがどこに配置され、色手段が提供されるべきかを認識できるように示している。
【0128】
図23は、システムが着色される連続領域の集合を示すものではなく、ダイヤモンドパターンで概略的に配置された正方形の集合であって、それらによって表される色の値に応じて、画像内の所定の色を表し、したがって、それらが配置されている隣接する正方形の形状と対比し、同時に所望のピクチャを所定のサイズの正方形の連続領域に変換し、必要に応じて所定の色に変換する、本発明の実施形態を示す。
【0129】
図24は、
図23のように意図された技術において、ダイヤモンドパターンの最も暗い正方形領域のみが光によって示され、それらがどこに配置され、色手段が提供されるべきかを認識できるようにする、本発明による投影画像を示している。
【0130】
図25は、
図23のように意図された技術において、ダイヤモンドパターンの最も明るい正方形領域のみが光によって示され、それらがどこに配置され、色手段が提供されるべきかを認識できるようにする、本発明による投影画像を示している。
【0131】
図26は、露出過度の写真と、その下のバーは、その写真における色スペクトルの勾配のバランスを示すと共に、色のバランスの大部分が明のスペクトルに含まれ、明から暗へ上昇する様子を示している。
【0132】
図27は、十分に照明された構成での
図26の写真を示しており、その下のバーは、その写真における色スペクトルの勾配を示しており、均一な分布で明から暗に上昇している様子を示している。写真の下のグレースケールバーは、明から暗まで特に均一な勾配を示している。
【0133】
図26は、露出不足の写真と、その下のバーは、その写真におけるカラースペクトルの勾配のバランスを示すと共に、色のバランスの大部分が暗のスペクトルに含まれ、明から暗へ上昇する様子を示している。
【0134】
図29は、明るい領域がより多くのスペースを取るようにした
図28の露出不足の写真を示している。
図30の均等に分散された色構成の中間色よりも暗い4つの色セットを使用して4つの領域をペイントすることにより、ペイント時に比較的暗い色を使用することで写真の露出不足効果が補正される。
【0135】
図30は、
図27の適切な露出の写真を示しており、その画像は、比例的に徐々に暗くなる4つの色調領域に分割されており、正しい顔の形状が与えられている。これらの領域を比較的明るい中間色のペイントでペイントすると、最終結果は画像が露出オーバーになったような印象を与えることになる。これらの領域を比較的暗い中間色のペイントでペイントした場合、最終結果は画像が露出不足の印象を与えることになる。
【0136】
図31は、
図26の露出過度の写真を示しており、暗い領域がより多くのスペースを取るようにしたものである。
図30の均等に分散された色構成の中間色よりも明るい4つの色セットを使用して4つの領域をペイントすることにより、ペイント時に比較的明るい色を使用することで写真の露出過度の効果が補正される。
【0137】
図32は、露出不足の写真を示す
図29から導き出される明から暗への3番目に暗い色の光の投影を示しており、つまり、明から暗までの4色構成の中間色が、比較的明るい
図30の色構成の昇順で番目の暗い領域で使用されている色と比較された場合にいて、昇順で3番目に暗い色でペイントされる領域を定義している。
【0138】
図33は、適切な露出の写真を示す
図30から導き出される明から暗への3番目に暗い色の光の投影を示しており、つまり、明から暗までの4色構成の中間色が、明から暗まで均等に上昇する暗い段階とよく一致する場合において、昇順で3番目に暗い色でペイントされる領域を定義している。
【0139】
図34は、露出過度の写真を示す
図31から導き出される明から暗への3番目に暗い色の光の投影を示しており、つまり、明から暗までの4色構成の中間色が、比較的暗い
図30の色構成の昇順で番目の暗い領域で使用されている色と比較された場合にいて、昇順で3番目に暗い色でペイントされる領域を定義している。
【0140】
図35は、
図27の適切な露出の写真を示しており、画像は比例的に暗くなる3つの色調領域に分割されており、したがって、顔の正しい形状が得られている。これらの領域が、比例して徐々に暗くなる色手段でペイントされると、最終結果は、画像が適切に露出された写真であるように、自然な形の顔の印象を与えることになる。
【0141】
図36は、
図27の適切な露出の写真を示しており、画像は比例的に暗くなる5つの色調領域に分割されており、したがって、顔の正しい形状を与えられている。これらの領域を、比例して暗くなるペイントの色でペイントすると、最終結果は、画像が適切に露出された写真であるように、自然な形の顔の印象を与えることになる。
【0142】
図37は、
図27の適切な露出の写真を示しており、画像は比例的に暗くなるように7つの色調領域に分割されており、したがって、顔の正しい形状が与えられている。これらの領域を、比例して暗くなるペイントの色でペイントすると、最終結果は、適切に露出された写真であるように、自然な形の顔の印象を与えることになる。
【0143】
図38は、
図42に示すピクチャからペイントされる最も明るい色手段の本発明による光投影が、光投影のセットアップで、色パレットのどの色を使用するかを示す光投影の色パレットに適用される色手段において、絵を描く人にどの色手段が使用されるかを明確にする簡単な方法として示される色投影領域に属するかを示す。上のピクチャの拡大は、色を塗る最小の線及び領域であっても、その色で塗るべきではない部分と簡単に区別できることをはっきりと示している。
【0144】
図39は、
図42に示すピクチャからペイントされる2番目に明るい色手段の本発明による光投影が、光投影のセットアップで、色パレットのどの色を使用するかを示す光投影の色パレットに適用される色手段において、絵を描く人にどの色手段が使用されるかを明確にする簡単な方法として示される色投影領域に属するかを示し、それが2番目に明るい色としてパレット上で強調されている。
【0145】
図40は、
図42に示すピクチャからペイントされる2番目に暗い色手段の本発明による光投影が、光投影のセットアップで、色パレットのどの色を使用するかを示す光投影の色パレットに適用される色手段において、絵を描く人にどの色手段が使用されるかを明確にする簡単な方法として示される色投影領域に属するかを示し、それが2番目に暗い色としてパレット上で強調されている。
【0146】
図41は、
図42に示すピクチャからペイントされる最も暗い色手段の本発明による光投影が、光投影のセットアップで、色パレットのどの色を使用するかを示す光投影の色パレットに適用される色手段において、絵を描く人にどの色手段が使用されるかを明確にする簡単な方法として示される色投影領域に属するかを示し、それが最も暗い色としてパレット上で強調されている。
【0147】
図42は、白で示された背景はペイントされていないままの、
図38から
図41で説明したように色領域に分割された本発明による
図45のピクチャを示している。
【0148】
図43は、本発明によるピクチャを示しており、その画像は、従うべき塗装技法によれば、明るい画像領域は、
図38と39に示す2つの隣接する色を混合できる領域を示し、または、ある色手段から次の色手段への激しい移行を和らげるために、色を混ぜ合わせて色を付けることができることを示し、また、部分的に照明されている領域は、適用されるこれらの色手段が混合されるべきではないところを示している。
【0149】
本発明に係る上記の指示によれば、パレットは、このステップに関係する2つの色手段を示し、その表示は可能な混合比も示すことができる。
【0150】
図44は、
図43に示すピクチャがグレースケール範囲に基づいて12の領域に分割された場合の、本発明による最も明るい領域の投影を示す。
【0151】
図45は、システムに入力されるピクチャまたは写真を示している。
【0152】
図46は、色領域の輪郭が描かれた、本発明による
図45のピクチャの実装を示しており、従来技術で知られているように、
図38における拡大をそのような既知の従来技術に従って再度示しており、色番号などの表示の配置が、判読可能な数字を配置できる輪郭に限定される。
【0153】
図47は、印刷技術で一般的なCMYK表色系への色分割を参考のために示した、グレースケール値に変換されるフルカラースペクトルを示しており、ここで、白(W)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、および黒(B)は、それぞれ、この図 47 のカラースペクトル内にある。
【0154】
図48は、
図47のフルカラースペクトルが、本発明のシステムおよび方法に従って4つのグレースケール値領域に分割されることを示している。最も明るい領域は白と黄色で構成され、最も暗い領域はCとBの色で構成されます。
【0155】
図49は、本発明のシステムによる、7つの色領域に分割された
図47からのフルカラースペクトルを示す。
【0156】
図50は、本発明による投影ステップを示しており、左側が、ペイントされる領域が第1の光強度で強調表示されており、右側は、これと同じ領域であって、この第1の光強度の領域のちょうど周囲の領域のみを強調表示することによって特定されているものであり、第2の光強度の実質的に照明されていない部分を含み、これに従ってペイントされる領域を含む。
【0157】
図51の左側に入力写真を示す。写真では点線で示した部分が切り抜きである。システムは、この写真を切り抜きながら画像表示装置、例えば、 iPad(登録商標)、iPhone(登録商標)、または、コンピュータの画面等に表示する。その後、ユーザーは切り抜きを変更できる、たとえば、 シフト、拡大、アスペクト比の変更、回転、および/または、コーナーポイントまたはコーナーポイントの数の調整等である。写真全体のグレースケールヒストグラムが左側の写真の下に描かれている。切り抜きの最終バージョンが保存されるか、切り抜きがユーザーによって承認されると、システムはカットアウト内のピクセルを分析する。真ん中の写真はその切り抜きを示す。カットアウトのグレースケールヒストグラムが中央の写真の下に表示される。実施形態では、システムは、コントラストを改善するために、切り抜きのグレースケール値を編集することができる。たとえば、グレースケール値は、0~255の全範囲に拡張できる。次に、0が黒および255が最高強度における、グレースケール値0~255のうちはじめの四分の一に該当するすべてのピクセルに、グレースケール値0(黒)が割り当てられ、2番目の四分の一のピクセルにはグレースケール値85が割り当てられ、3番目の四分の一にはグレースケール値170が、そして、最も明るい四分の一にはグレースケール値255(最も高い光強度による白)が割り当てられる。次に、これらのグレースケール値が割り当てられたピクセルがグレースケールピクチャとしてユーザーに表示される。それが
図51の右側に示されているピクチャである。このピクチャは、ユーザーに、ペイントするとペインティングがどのように見えるかについてのアイデアを与える。一般に、ユーザーにはヒストグラムは表示されない。この後、ユーザーは承認を与えることができる。右側の写真は、4つのサブエリアで構成されており、
図35(3つのサブエリア)と
図36(5つのサブエリア)の間の状況である。実施形態では、システムは、例えば、
図35、36および37に、すなわち、
図35は3つへの分割を、
図36は5つへの分割を、
図37は7つへの分割を、概略的に示しているように、いくつかの可能な分割をユーザーに示す。このシステムでは、ユーザーがピクチャを暗くしたり明るくしたりすることもできる。これにより、ユーザーが、相互に関連する異なるサブエリアのサイズを拡大または縮小することができる。切り抜きを明るくすると、より多くのピクセルが最も明るい部分に表示される。ユーザーが満足した場合は、承認を与えることができる。次に、システムはサブエリアを確立し、第1の投影画像を、たとえば右側のピクチャの最も明るいピクセルを白色光(光強度255)で投影し、残りのピクセルを、たとえば、光強度0で、ペインティングキャンバスに投影する。ユーザーが色を選択し、または、システムから最も明るいセグメントにグレースケール値を持つ色をアドバイスされ、ユーザーは白色光で示された部分をその色で着色する。ユーザーがこれが終了したことを指示すると、システムは2番目に明るいピクセルを投影する。このプロセスは、すべての投影画像が終了するまで繰り返される。使用されるデッドカラーによっては、使用されるデッドカラーが最も暗いピクセルに使用され、最後に投影される投影画像に使用される可能性のあるペイントである状況が発生する可能性があるが、その場合、ユーザーがこれに満足していれば、最も暗いピクセルに追加のペイントを適用する必要はない。
【0158】
図52は、ユーザーがサブエリアの生成を制御し、画像を投影画像に分割する方法を独自の創造的な選択を行う方法を示している。
【0159】
この好ましい実施形態では、ユーザーはピクチャを入力することができ、これは’新しいピクチャ’ボタンによって概略的に表される。その後、ユーザーはピクチャから切り抜きを作成することを決定できる。切り抜きのサイズや形状を設定できる。切り抜きは、ユーザーがペイントまたは描画したい入力ピクチャの一部を形成する。この実施形態では、切り抜きがピクチャの下に示されている。この図は、同じ切り抜きを示しているが、この切り抜きの左右において色合いが暗いものと、明るいものがある。ユーザーは、カーソルを使用して関連する暗いまたは明るいピクチャを選択して、切り抜きを暗くまたは明るくすることができます。この図は明るさを調整する画像編集動作の説明図である。本発明の実施形態では、コントラスト、ピクチャの鮮明さ、切り抜きのサイズおよび形状の変更など、他の形式の編集も可能である。所定の実施形態では、フォトショップ(登録商標)を使用したり、要素を追加または削除したりすることも可能である。切り抜きがどのようにサブエリアに分割されるかが、切り抜きの下にユーザーに表示される。これにより、分割が粗すぎて細部が失われていないか、細かすぎてペイントが困難になっていないかを確認できる。ユーザーがペイントを適用するために使用したい手段を入力できる実施形態では、システムはサブエリアの数に関するアドバイスを与えることができる。
【0160】
パレットナイフなどのかなり粗いペイント手段を選択した場合、最適なサブエリアの数は、細いブラシを使用した場合よりも少なくなる。実施形態では、システムは、ユーザーがペイントスタイルを選択できるようにする入力機能を備え、システムは、選択されたペイントスタイルに従って画像が処理された後に画像をユーザーに示す出力機能を備えることが好ましい。実施形態では、表示は、投影によって、または、例えばユーザーの携帯表示装置上の画像によって行うことができる。選択できるスタイルの例としては、印象派、表現主義、キュビスム、ピカソやダリのスタイルの絵画、目、唇、耳などの顔の特定の部分を大きくした漫画のスタイル、ミラー効果の歪み、ピクチャを
図14~22等に示すようなブロックまたはドットで構成されるピクチャに変更する、等がある。
【0161】
好ましい実施形態では、システムが、サブエリアが確立された後、サブエリア用のペイントの一以上のセットを選択し、一以上のセットをユーザーに提示するように構成されている。
【0162】
図53から56は、考えられる方法を示している。
黒0から白色の光最高強度255までの範囲のグレースケール値が、
図53の左端に示されている。
【0163】
各ペイントにグレースケール値を割り当てる。これは、色をグレースケール値に変換することと何ら変わらない。中央の列は、ペイントAからKまでのいくつかのペイントのグレースケール値を示している。グレースケール値は4つの等しい部分に分割できる。ペイントは4つのグループに分類できる。
図52はグループ1~4を示しており、グループ1は最も高いグレースケール値(白またはほぼ白)を持ち、グループ4は最も低いグレースケール値(黒または濃い灰色)を持つ。
図53は同じことを6つのグループに分割したものを示している。
【0164】
図53と54では、グレースケールが4つまたは6つの等しい部分に分割されている。可能な分割はこれだけではない。
図55は、グレースケールの中心付近の分布が端よりも細かい分割を示している。すべてのグレースケール範囲は、もちろん、別のグレースケール範囲分割により、グループ間のペイントの配分が変わるようにしてもよい。
【0165】
本発明の好ましい実施形態では、システムは、一以上の適切な色手段のセットを決定し、それらを使用可能なセットとしてユーザーに提示するように構成される。有用となる色手段のセットを決定する場合、次の規則に沿うことが好ましい:
‐問題のサブエリアのグレースケール範囲内のグレースケール値を持つ色手段がサブエリアごとに選択される。
‐選択された二の色手段のグレースケール値の差は、基本差より大きいべきであるが、基本差は次のように決定されることが望ましい:
基本差=(選択された色のグレースケール範囲の平均幅)/Nで、Nは最大4、好ましくは3、最も好ましくは2である。
【0166】
ペイントの選択は、赤、緑、青などの所定の色に対するユーザーの好みに応じて決めてよい。
【0167】
選択された2の色の間のグレースケール値の距離は、グレースケール範囲の幅の四分の一より大きく、好ましくはグレースケール範囲の幅の三分の一より大きく、さらに好ましくは、半分よりも大きいのが望ましい。選択した2のペイントのグレースケール値の差が小さい場合、光学効果は小さくなる。
【0168】
図56は、60のペイントのスキームを示しており、各ペイントはグレーで表示されている。
図55では、ペイントが14のグループに細分化されている。グループ1は最も明るいグループでチタンホワイトで構成され、グループ14は最も暗いグループで非常に暗い色で構成されている。
【0169】
本発明がここで与えられた例に限定されないことは明らかである。
【0170】
図57は、サブエリア57Aが投影され、また、例えば、投影されたサブエリア57Aに属さない残りの元の画像の部分であって、元の強度の四分の一または三分の一の減衰バージョン57Bも投影される実施形態を示す。これにより、ユーザーは元の画像全体におけるサブエリアの位置をより適切に推定できるようになる。この方法は、実施形態において、サブエリアに隣接する画像の残りを減衰バージョンで表示するかどうか、および/または画像の残りの強度を調整するかどうかの選択をユーザーに与えてもよい。
【0171】
図58は、仮想現実メガネ58を介してユーザーに画像が表示される実施形態を示す。キャンバス上に仮想的に投影されたサブエリアはユーザーに表示され、絵を描くことができる。部分的な領域は周囲の人には見えず、ペイントされるキャンバスだけが見える。
【0172】
これは、周囲の人に、ユーザーはよく知られたイメージである「空から」の見栄えの良い絵を思い付いたような作業方法に神秘的な側面を与える。
【0173】
仮想現実メガネには、目に直接投影されるか、またはメガネの内側に投影される画像情報をユーザーに提供することを目的として、さまざまなバージョンがある。
【0174】
本発明によれば、両方のタイプの投影を光投影画像を表示するためのシステムとして使用することができる。
【0175】
仮想現実メガネをかけた人が見る画像においては、光の投影画像は、ペイントされる対象に投影されたように見え、したがって、仮想現実メガネの着用者にとっては、視覚的に、ペイントされるオブジェクトに投影される。
【0176】
簡潔にいえば、本発明は次のように要約できる:
デジタルピクチャは、ピクセルのプロパティに基づいてN個のピクセルグループに分割される。この分割に基づいて、N個の投影画像のセットが生成される。各投影画像は、ピクセルグループのうちの1つをある光強度で実質的に白色光で示し、他のピクセルを異なる光強度で示す。好ましくは、分割の基礎となるピクセル特性はグレースケール値であり、好ましくは残りのピクセルも実質的に白色光で投影される。
【国際調査報告】