(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】安全性を高めたバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240910BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240910BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240910BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240910BHJP
H01M 50/383 20210101ALI20240910BHJP
H01M 50/367 20210101ALI20240910BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240910BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240910BHJP
H01M 10/658 20140101ALI20240910BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240910BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/211
H01M50/249
H01M50/242
H01M50/383
H01M50/367
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/658
H01M50/291
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510381
(86)(22)【出願日】2023-03-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 KR2023004137
(87)【国際公開番号】W WO2023191467
(87)【国際公開日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0040406
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0029081
(32)【優先日】2023-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン-ファン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ミュン-キ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-ヨブ・ソン
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012CC10
5H031AA09
5H031CC01
5H031HH03
5H031HH06
5H031HH08
5H040AA07
5H040AA14
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS04
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY04
5H040NN00
5H040NN03
(57)【要約】
本発明は、バッテリーモジュールの内部で熱的事象が発生した場合の安全性を高めることができるように改善された構造を有するバッテリーモジュール等を開示する。本発明の一側面によるバッテリーモジュールは、少なくとも一方向に積層された複数のバッテリーセルと;内部空間に前記複数のバッテリーセルを収容するモジュールケースと;隣接するバッテリーセル間に介在された遮断部材であって、前記隣接するバッテリーセル間の熱伝達を妨げるように構成された熱転移防止部と、前記熱転移防止部の内側に設けられていて、前記隣接するバッテリーセル間で火炎を遮断するように構成された火炎転移防止部と、を備える遮断部材と;を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方向に積層された複数のバッテリーセルと、
内部空間に前記複数のバッテリーセルを収容するモジュールケースと、
隣接するバッテリーセル間に介在された遮断部材であって、前記隣接するバッテリーセル間の熱伝達を妨げるように構成された熱転移防止部と、前記熱転移防止部の内側に設けられていて、前記隣接するバッテリーセル間で火炎を遮断するように構成された火炎転移防止部と、を備える遮断部材と、
を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記熱転移防止部は、前記火炎転移防止部よりも低い熱伝導率を有する材料で構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記火炎転移防止部は、前記熱転移防止部よりも高い融点を有する材料で構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記遮断部材は、前記熱転移防止部が溶融した場合に、前記バッテリーセルに向けて前記火炎転移防止部が露出するように構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記遮断部材は、シート状に構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記遮断部材は、熱転移防止シートの内部に火炎転移防止シートが介在した形態で構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記遮断部材は、前記バッテリーセルのスウェリングを吸収できるように構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記熱転移防止部は、中央部分の厚さが末端部分の厚さよりも厚く形成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記火炎転移防止部は、中央部分に凹状の溝が形成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記火炎転移防止部は、前記中央部分に形成された前記凹状の溝の少なくとも一側が外側に開放された形態で構成されている、請求項9に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記複数のバッテリーセルの各々は、収容部及び封止部を備えるパウチ型二次電池であり、
前記火炎転移防止部は、前記複数のバッテリーセル間において、前記封止部に対面する部分の厚さが、前記収容部に対面する部分の厚さよりも厚く形成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記遮断部材は、前記複数のバッテリーセルの積層方向に沿って複数配置されており、
前記複数の遮断部材のうちの少なくとも2つは、圧縮率が異なるように構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記複数のバッテリーセルは、直列に接続された2つ以上のセルバンクを備え、
互いに異なるセルバンク間に前記遮断部材が介在している、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年3月31日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0040406号及び第2023年3月6日付け出願の韓国特許出願第10-2023-0029081号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーに関し、より詳細には、安全性を高めたバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車などに関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチなどの携帯用電子製品の需要が大幅に増加し、電気自動車の普及が進む中、それに搭載されるバッテリー、特に繰り返し充放電が可能な二次電池の研究が盛んに行われている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などが挙げられるが、中でも、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
リチウム二次電池は、主として、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、たとえば、電池ケースと、を備える。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池と、に大別できる。
【0007】
最近には、携帯型電子機器などの小型装置のみならず、電気自動車やエネルギー貯蔵システム(ESS:Energy Starge System)などの中大型装置にも駆動用やエネルギー貯蔵用として二次電池が広く用いられている。このような二次電池は、複数が電気的に接続された状態で、モジュールケースの内部に一緒に収容される形態に、1つのバッテリーモジュールを構成することができる。なお、このようなバッテリーモジュールが複数接続されて一つのバッテリーパックを構成することができる。
【0008】
ところが、このように複数の二次電池(バッテリーセル)又は複数のバッテリーモジュールが狭い空間に密集している場合、熱的事象に脆弱になることが懸念される。特に、あるバッテリーセルにおいて熱暴走(thirmal runaway)などの事象が発生すると、高温のガスや火炎、熱などが生成される虞がある。仮に、このようなガスや火炎、熱などが同じバッテリーモジュール内に含まれる他のバッテリーセルに伝達されると、熱伝播(thermal propagation)などの爆発的な連鎖反応が起こる可能性がある。また、このような連鎖反応は、当該バッテリーモジュールで火災や爆発などの事故を引き起こすだけでなく、他のバッテリーモジュールでも火災や爆発などを引き起こす可能性がある。
【0009】
また、電気自動車のような中大型のバッテリーモジュールやバッテリーパックの場合、出力及び/又は容量の増大のために数多くのバッテリーセルが含まれるため、熱連鎖反応の危険性はさらに大きくなる虞がある。さらに、電気自動車などに搭載されたバッテリーパックの場合、周りに運転者などのユーザーが存在することがある。したがって、特定のバッテリーモジュールで発生した熱的事象が適切に制御できずに連鎖反応が起こる場合、甚大な財産上の被害はもとより、人命の被害まで引き起こされる虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、上記のような問題を解決するために案出されたものであって、バッテリーモジュールの内部で熱的事象が発生した場合の安全性を高めることができるように改善された構造を有するバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車などを提供することを目的とする。
【0011】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した課題に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の課題は、下記に記載されている発明の詳細な説明から当業者にとって明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような目的を達成するための本発明の一側面によるバッテリーモジュールは、少なくとも一方向に積層された複数のバッテリーセルと;内部空間に前記複数のバッテリーセルを収容するモジュールケースと;隣接するバッテリーセル間に介在された遮断部材であって、前記隣接するバッテリーセル間の熱伝達を妨げるように構成された熱転移防止部と、前記熱転移防止部の内側に設けられていて、前記隣接するバッテリーセル間で火炎を遮断するように構成された火炎転移防止部と、を備える遮断部材と;を含む。
【0013】
ここで、前記熱転移防止部は、前記火炎転移防止部よりも低い熱伝導率を有する材料で構成され得る。
【0014】
また、前記火炎転移防止部は、前記熱転移防止部より高い融点を有する材料で構成され得る。
【0015】
さらに、前記遮断部材は、前記熱転移防止部が溶融した場合に、前記バッテリーセルに向けて前記火炎転移防止部が露出するように構成され得る。
【0016】
さらにまた、前記遮断部材は、シート状に構成され得る。
【0017】
さらにまた、前記遮断部材は、前記熱転移防止シートの内部に前記火炎転移防止シートが介在した形態で構成され得る。
【0018】
さらにまた、前記遮断部材は、前記バッテリーセルのスウェリングを吸収できるように構成され得る。
【0019】
さらにまた、前記熱転移防止部は、中央部分の厚さが末端部分の厚さよりも厚く形成され得る。
【0020】
さらにまた、前記火炎転移防止部は、中央部分に凹状の溝が形成され得る。
【0021】
さらにまた、前記火炎転移防止部は、中央部分に形成された溝の少なくとも一側が外側に開放された形態で構成され得る。
【0022】
さらにまた、前記複数のバッテリーセルの各々は、収容部及び封止部を備えるパウチ型二次電池であり、前記火炎転移防止部は、前記複数のバッテリーセル間において、前記封止部に対面する部分の厚さが、前記収容部に対面する部分の厚さよりも厚く形成され得る。
【0023】
さらにまた、前記遮断部材は、前記複数のバッテリーセルの積層方向に沿って複数配置されており、前記複数の遮断部材のうちの少なくとも2つは、圧縮率が異なるように構成され得る。
【0024】
さらにまた、前記複数のバッテリーセルは、直列に接続された2つ以上のセルバンクを備え、互いに異なるセルバンク間に前記遮断部材が介在し得る。
【0025】
また、上記のような目的を達成するための本発明の他の側面によるバッテリーパックは、本発明によるバッテリーモジュールを含む。
【0026】
さらに、上記のような目的を達成するための本発明のさらに他の側面による自動車は、本発明によるバッテリーモジュールを含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、バッテリーモジュールの内部で熱的事象が発生した場合、事象を効果的に制御することができる。
【0028】
特に、本発明の一側面によれば、バッテリーモジュール内の特定のバッテリーセルでガス、火炎、熱などが発生した場合に、当該バッテリーモジュールに含まれる他のバッテリーセルへのガス及び/又は熱の伝播を遮断することができる。
【0029】
さらに、本発明の一実施形態によれば、熱的事象の発生により多くの熱が発生した場合にはセル間の熱伝達を遮断し、熱的事象が激化して火炎が発生した場合にはセル間の火炎伝達を遮断することができる。
【0030】
すなわち、本発明では、熱的事象の程度に応じて、熱遮断及び火炎遮断などの事象制御を適切に順次行うことができる。
【0031】
したがって、本発明の一側面によれば、バッテリーモジュールの内部でセル間、またはセルグループ間の区域を分割することで、特定のバッテリーセルで熱的事象が発生しても、爆発的な連鎖反応が起こるのを防ぐことができる。
【0032】
また、本発明のこのような側面によれば、バッテリーモジュールの火災や爆発の可能性を低減したり、その時間を遅延させたりすることができる。特に、バッテリーモジュールの火災や爆発の時間を遅延させる場合、自動車の運転手などのバッテリーユーザーが避難するのに十分な時間を確保することができ、それによって人的被害を低減することができる。
【0033】
これらに加えて、本発明は色々な他の効果を有することができ、これについては各実施構成の欄において説明したり、当業者が容易に類推可能な効果などについては当該説明を省略したりする。
【0034】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割のためのものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示す結合斜視図である。
【
図2】
図1のバッテリーモジュールの分離斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による遮断部材の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図8】本発明の他の実施形態による遮断部材の構成を概略的に示す断面図である。
【
図9】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの一部の断面構成を概略的に示す断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態による遮断部材の一部の構成を概略的に示す断面図である。
【
図12】本発明のさらに他の実施形態による遮断部材の構成を概略的に示す断面図である。
【
図13】本発明のさらに他の実施形態による遮断部材の構成を概略的に示す断面図である。
【
図14】本発明のさらに他の実施形態による遮断部材の構成を概略的に示す断面図である。
【
図15】本発明のさらに他の実施形態による遮断部材の構成を概略的に示す断面図である。
【
図16】本発明のさらに他の実施形態による遮断部材に設けられた火炎転移防止部の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図17】本発明のさらに他の実施形態による遮断部材に設けられた火炎転移防止部の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図18】本発明のさらに他の実施形態による遮断部材に設けられた火炎転移防止部の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図20】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成を上から見た様子を示す概略図である。
【
図21】本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成を示す分離斜視図である。
【
図22】
図21のバッテリーモジュールに含まれる異なる遮断部材の構成の拡大図である。
【
図23】
図21のバッテリーモジュールに含まれる異なる遮断部材の構成の拡大図である。
【
図24】本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールの分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。
【0037】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示す結合斜視図であり、
図2は、
図1のバッテリーモジュールの分離斜視図である。また、
図3は、
図1のA1-A1’線に沿う断面図であり、
図4は、
図1のA2-A2’線に沿う断面図である。
【0039】
図1~
図4を参照すると、本発明によるバッテリーモジュールは、バッテリーセル100、モジュールケース200及び遮断部材300を含む。
【0040】
前記バッテリーセル100は、バッテリーモジュールに複数含まれ得る。また、各バッテリーセル100は、二次電池を意味し得る。二次電池は、電極組立体(正極板、負極板、セパレーターを含む)、電解質及び電池ケースを備え得る。複数のバッテリーセル100は、互いに電気的に接続され得る。例えば、複数のバッテリーセル100は、バスバー等を介して互いに直列及び/又は並列に電気的に接続され得る。
【0041】
複数のバッテリーセル100は、互いに積層された形態でバッテリーモジュールに含まれ得る。すなわち、本発明によるバッテリーセル100は、少なくとも一方向に積層されたセル積層体(セルアセンブリ)を構成するといえる。例えば、
図2に示すように、複数のバッテリーセル100は、左右方向(Y軸方向)に並んで配置され得る。
【0042】
前記モジュールケース200は、内部に空き空間が形成され、このような内部空間に複数のバッテリーセル100を収容するように構成され得る。例えば、前記モジュールケース200は、上板210、下板220、左板230、右板240、前板250及び後板260を備えて内部空間を限定し得る。また、このように限定された内部空間にセル積層体を位置させ得る。ここで、前記モジュールケース200は、金属及び/又はプラスチック材料で構成され得る。
【0043】
また、モジュールケース200を構成する複数の板状部材の少なくとも一部は、互いに一体化された形態で構成され得る。例えば、前記モジュールケース200は、
図2に示すように、下板220、左板230及び右板240が互いに一体化されたU字フレーム形状の本体を備え、上板210、前板250及び後板260が本体の上部、前部及び後部を覆うかまたは密閉するように構成され得る。このとき、上板210、前板250及び後板260と本体との間の結合固定のためには、溶接、接着、ボルト締め、フックなどの様々な締結方式を利用することができる。または、前記モジュールケース200は、上板210、下板220、左板230及び右板240が互いに一体化されたモノフレームの形態で構成され得る。ただし、本発明は、このようなモジュールケース200の特定の材料や形態に限定されるものではない。
【0044】
前記遮断部材300は、隣接するバッテリーセル100の間に介在し得る。例えば、前記遮断部材300は、左右方向に積層された複数のバッテリーセル100のうち、少なくとも一部のバッテリーセル100の間に介在し得る。さらに、前記遮断部材300は、複数設けられており、バッテリーセル100の積層方向に互いに離間するように配置され得る。また、前記遮断部材300は、互いに異なるバッテリーセル100の間に介在し得る。より具体的な例として、前記遮断部材300は、3つまたは4つのバッテリーセル100ごとに1つずつ配置され得る。この場合、互いに隣接するが離間した2つの遮断部材300の間には、3つまたは4つのバッテリーセル100が位置すると言える。前記遮断部材300については、
図5~
図7をさらに参照してより具体的に説明する。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態による遮断部材300の構成を概略的に示す斜視図である。また、
図6及び
図7は、
図5のA3-A3’線に沿う断面図及び
図5のA4-A4’線に沿う断面図である。
【0046】
図5~
図7を参照すると、前記遮断部材300は、熱転移防止部310及び火炎転移防止部320を備える。
【0047】
ここで、熱転移防止部310は、バッテリーセル100間の熱伝達を妨げるように構成され得る。すなわち、前記熱転移防止部310は、互いに異なるバッテリーセル100の間に介在して、一側のバッテリーセル100から生成された熱が反対側のバッテリーセル100に伝達されることを防止または抑制するように構成され得る。
【0048】
火炎転移防止部320は、熱転移防止部310の内側に設けられ得る。例えば、熱転移防止部310は、火炎転移防止部320の外部表面の全部又は一部を覆う形で配置され得る。すなわち、火炎転移防止部320は、熱転移防止部310の内部に埋設された形で構成され得る。また、前記火炎転移防止部320は、バッテリーセル100の間での火炎の転移を遮断するように構成され得る。すなわち、前記火炎転移防止部320は、一側のバッテリーセル100から生成された火炎が反対側のバッテリーセル100に移動することを防止または抑制するように構成され得る。熱転移防止部310の場合、セル間の熱を遮断するための構成である一方、火炎転移防止部320の場合、セル間の火炎を遮断するための構成であって、熱転移防止部310と火炎転移防止部320は、互いに異なる材料で構成され得る。
【0049】
熱転移防止部310及び火炎転移防止部320という用語は、区分または説明の便宜のためのものであり、必ずしも当該用語にのみ機能が限定されるものではない。このような観点から、熱転移防止部310及び火炎転移防止部320を、それぞれ第1の防止部及び第2の防止部という用語に置き換えることもできる。
【0050】
熱転移防止部310と火炎転移防止部320は、コーティング、接着、溶接、ボルト締めなどの様々な締結方式で結合され得る。例えば、熱転移防止部310は、火炎転移防止部320の外面の全部又は一部にコーティングされた形態で構成され得る。または、熱転移防止部310は、火炎転移防止部320の外部表面に接着剤で接着された形態で構成され得る。
【0051】
本発明のこのような構成によれば、バッテリーモジュールの内部で熱的事象が発生した場合に、その熱的事象を効果的に抑制することができる。特に、本発明の一側面によれば、バッテリーモジュールの内部に含まれる複数のバッテリーセル100のうち、特定のバッテリーセル100で熱暴走(thermal runaway)状況が発生した場合に、熱暴走の他のバッテリーセル100への伝播を防止又は低減することができる。さらに、特定のバッテリーセル100で熱的事象が発生した場合、熱及び火炎等が一緒に発生することがあり、上記実施構成によれば、バッテリーセル100間での熱転移だけでなく火炎転移も防止することができる。特に、本発明の一実施構成によれば、遮断部材300において、火炎転移防止部320が高い熱伝導率を有する場合であっても、火炎転移防止部320の外側には熱転移防止部310が存在しているため、熱転移防止部310によってセル間の熱転移を抑制することができる。
【0052】
好ましくは、前記熱転移防止部310は、火炎転移防止部320よりも低い熱伝導率を有する材料で構成され得る。特に、前記熱転移防止部310は、隣接するバッテリーセル100間での熱の伝達を防止または低減するために、断熱材で構成され得る。例えば、前記熱転移防止部310は、シリコン、ポリウレタン、または類似の系列の材料で構成され得る。この他にも、前記熱転移防止部310は、本発明の出願時点において公知となっている様々な断熱材を採用することができる。
【0053】
このような実施構成によれば、遮断部材300によるセル間の熱転移の防止効果をより効果的に達成できる。さらに、特定のバッテリーセル100で熱的事象が発生した場合、初期には多量の熱が発生することがあるが、上記実施構成によれば、このように発生した熱が、他のバッテリーセル100に転移することを抑制又は低減することができる。また、上記実施構成によれば、遮断部材300の重量を軽くして、バッテリーモジュール全体の軽量化を促進することができる。
【0054】
また、前記火炎転移防止部320は、熱転移防止部310よりも高い融点を有する材料で構成され得る。特に、前記火炎転移防止部320は、隣接するバッテリーセル100間での火炎の伝達を防止又は低減するために、火炎に強い難燃性材料または耐熱性材料で構成され得る。例えば、前記火炎転移防止部320は、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料を含み得る。あるいは、前記火炎転移防止部320は、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastic)及び炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)の少なくとも一方の材料を含み得る。その他、火炎転移防止部320は、アルミニウムなどの金属材料、またはそのような金属材料を含む合金などで構成され得る。
【0055】
このような実施構成によれば、効果的な火炎遮断性能を達成することができる。また、この場合、遮断部材の構造的強度を向上させ、かつ、バッテリーモジュールの製造コストや重量を低減するのに有利となり得る。このほか、前記火炎転移防止部320は、本発明の出願時点において公知となっている様々な火炎遮断材料、例えばセラミック材料などを採用することができる。
【0056】
本発明のこのような実施構成によれば、熱暴走などの熱的事象が激化して火炎などが発生した場合に、セル間の火炎伝播を防止することができる。したがって、バッテリーセル100間の火炎伝播によるバッテリーモジュール全体への火災の広がりを抑制したり、その速度を遅らせたりすることができる。
【0057】
また、上記実施構成によれば、火炎転移防止部320を熱転移防止部310に比べて構造的剛性の高い材料で構成できるため、遮断部材300の機械的強度をさらに向上させることができる。また、これにより、熱転移防止部310の断熱性能も安定的に確保することができる。また、上記実施構成によれば、バッテリーモジュールの内部で火炎が発生して熱転移防止部310が溶融して消失しても、火炎転移防止部320によって遮断部材300の形状を安定的に維持することができる。したがって、火災発生時におけるバッテリーモジュールの構造的な崩壊を抑制することができる。
【0058】
また、前記遮断部材300は、熱転移防止部310が溶融したときに、火炎転移防止部320がバッテリーセル100に向けて露出するように構成され得る。すなわち、前記遮断部材300は、熱転移防止部310が溶融していない状態では、火炎転移防止部320がバッテリーセル100に直接対面しないように構成され得る。例えば、
図6に示すように、熱転移防止部310は、火炎転移防止部320の左側表面及び右側表面を包み込むように構成され得る。したがって、熱転移防止部310の存在下では、火炎転移防止部320の左側表面及び右側表面は、左バッテリーセル100及び右バッテリーセル100に対して露出しない可能性がある。しかしながら、火炎や高温のガス等が発生し、熱転移防止部310の融点よりも高い温度の熱が遮断部材300に加えられると、熱転移防止部310が溶融する場合がある。この場合、熱転移防止部310が溶融または消失して、火炎転移防止部320の表面、例えば
図6における左側表面及び/又は右側表面が外部に露出することがある。したがって、遮断部材300の左側と右側に位置する2つのバッテリーセル100の間に、火炎転移防止部320が介在し、このような火炎転移防止部320が2つのバッテリーセル100の間での火炎の伝播を遮断することができる。
【0059】
本発明のこのような実施側面によれば、遮断部材300において、熱転移防止部310は、火炎転移防止部320よりもバッテリーセル100に近く位置し得る。したがって、たとえ火炎転移防止部320が高い熱伝導率を有するとしても、まず、低い熱伝導率を有する熱転移防止部310のために、バッテリーセル100間の熱転移が遮断され得る。
【0060】
さらに、前記遮断部材300は、火炎転移防止部320が熱転移防止部310によって外側全体が包まれるように構成され得る。すなわち、前記遮断部材300は、熱転移防止部310が火炎転移防止部320の表面全体を包むように構成され得る。例えば、
図5~
図7等に示す実施構成を参照すると、熱転移防止部310は、火炎転移防止部320の左側部、右側部、上部、下部、前端部及び後端部を全て包むように構成され得る。この場合、熱転移防止部310から排出された熱は、火炎転移防止部320に到達する前に熱転移防止部310によって遮断され得る。したがって、熱転移防止部310が溶融または消失する前に、バッテリーセル100から排出された熱に対して遮断部材300の断熱性能をより安定的に確保することができる。
【0061】
また、前記遮断部材300は、シート状に構成され得る。ここで、シートは、プレートやパッドなどの用語に置き換えることもできる。例えば、前記遮断部材300は、
図5などに示すように、2つの広い表面を有するシート状に構成され得る。このような遮断部材300の構成において、2つの広い表面は、バッテリーセル100を向くように配置され得る。すなわち、遮断部材300は、2つのバッテリーセル100の間に介在し得、遮断部材300がシート状に構成される場合、2つの広い表面は、それぞれ異なるバッテリーセル100を向くように配置され得る。例えば、
図3の実施構成を参照すると、前記遮断部材300は、左側表面と右側表面との2つの広い表面を有し、左側表面は左側に位置するバッテリーセル100に対面し、右側表面は右側に位置するバッテリーセル100に対面し得る。
【0062】
本発明のこのような実施構成によれば、シート状に構成された遮断部材300により、バッテリーセル100の間に遮断部材300が介在する構成をより容易に実現することができる。また、この場合、遮断部材300によってバッテリーモジュールの体積が大幅に増加することを防止することができる。
【0063】
また、前記遮断部材300は、熱転移防止シートの内部に火炎転移防止シートが介在した形態で構成され得る。特に、遮断部材300がシート状に構成された実施形態では、遮断部材300に含まれる熱転移防止部310及び火炎転移防止部320もそれぞれシート状に構成され得る。このとき、熱転移防止部310及び火炎転移防止部320を、それぞれ熱転移防止シート及び火炎転移防止シートと称することができる。
【0064】
例えば、前記遮断部材300は、
図5~
図7の実施形態に示すように、内部に空き空間が形成された熱転移防止シートの内部に火炎転移防止シートが挿入された形態で構成され得る。この場合、遮断部材300は、火炎転移防止シートの外部側面に熱転移防止シートがコーティングされた形態で構成されているといえる。
【0065】
このような実施構成によれば、遮断部材300を容易に製造することができる。また、上記実施構成によれば、熱転移防止部310の内部に火炎転移防止部320が含まれ、シート形状を有する遮断部材300を容易に実現することができる。
【0066】
図8は、本発明の他の実施形態による遮断部材300の構成を概略的に示す断面図である。例えば、
図8は、
図5のA3-A3’線に沿う断面構成の他の変形例であるといえる。本実施形態をはじめとして本明細書における複数の実施形態については、他の実施形態で説明した部分が同一又は類似に適用可能である場合にはその詳細な説明を省略し、相違点がある部分に重点をおいて説明する。
【0067】
図8を参照すると、前記遮断部材300は、火炎転移防止部320の外部表面の一部が熱転移防止部310によって包まれ、他の一部が熱転移防止部310によって包まれないように構成され得る。特に、前記遮断部材300がシート状に構成されている場合、火炎転移防止部320もシート状に構成され得る。このとき、火炎転移防止部320の2つの広い表面は、熱転移防止部310によって覆われるように構成され、他の縁部は、熱転移防止部310によって覆われず、外部に露出するように構成され得る。例えば、
図8に示す実施構成を参照すると、火炎転移防止部320は、左側表面と右側表面の2つの広い表面を有し、縁部が上端部、下端部、前端部及び後端部にそれぞれ位置し得る。このとき、熱転移防止部310は、火炎転移防止部320の左側表面と右側表面の外側に位置し、火炎転移防止部320の縁部、すなわち、上端部、下端部、前端部及び後端部には位置しない形態で構成され得る。特に、熱転移防止部310は2枚の熱転移シートで構成され、火炎転移防止部320は1枚の火炎転移シートで構成され得、火炎転移シートは2枚の熱転移シートの間に介在し得る。すなわち、火炎転移シートの左側表面と右側表面には2枚の熱転移シートが貼り付けられ得る。
【0068】
本発明のこのような実施構成によれば、遮断部材300をより容易に製造することができる。また、上記実施構成によれば、熱転移防止部310が火炎により消失しても、遮断部材300の全高をそのまま維持することができる。したがって、バッテリーモジュールの内部において遮断部材300による火炎伝播遮断効果をそのまま維持することができる。例えば、
図3の実施構成において、左右方向に積層されたバッテリーセル100の間に介在した遮断部材300の上端部は、B1部分に示すように、モジュールケース200の上板210の内面と直接接触するように構成され得る。このとき、前記
図8に示す実施構成のように、火炎転移防止部320の上部側に熱転移防止部310が存在しない場合には、火炎転移防止部320の上端部がモジュールケース200の上板210と直接接触することができる。したがって、火炎が発生して熱転移防止部310が除去されたとしても、火炎転移防止部320の上端部とモジュールケース200との間の密閉状態はそのまま維持され得る。したがって、火炎転移防止部320による火炎遮断効果を安定的に確保することができる。また、この場合、熱転移防止部310が除去された場合であっても、モジュールケース200の内部における遮断部材300の位置は、安定的に維持され得る。
【0069】
図9は、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの一部の断面構成を概略的に示す断面図である。例えば、
図9は、
図3のB1部分の変形例の拡大図である。また、
図10は、
図9の構成の分離断面図である。すなわち、
図10は、
図9の構成において、遮断部材300がモジュールケース200から分離された構成を示す図である。
【0070】
図9及び
図10を参照すると、前記遮断部材300は、端部がモジュールケース200に挿入され得る。この場合、モジュールケース200には、遮断部材300の端部を挿入するための挿入溝が形成され得る。例えば、
図10におけるG1と示されている部分である、モジュールケース200の内側表面には、挿入溝が形成され得る。また、このようなモジュールケース200の挿入溝G1に、遮断部材300の端部、例えば遮断部材300の上端部が挿入され得る。
【0071】
本発明の上記実施構成によれば、遮断部材300とモジュールケース200との間の嵌合構成により、遮断部材300をモジュールケース200の内部に安定的に固定することができる。
【0072】
特に、遮断部材300の端部がモジュールケース200に挿入された実施形態において、遮断部材300に設けられた火炎転移防止部320は、モジュールケース200の挿入溝に挿入されるように構成され得る。例えば、
図9に示すように、遮断部材300の上端部がモジュールケース200の挿入溝G1に挿入されるとき、火炎転移防止部320は、B2で示す長さだけモジュールケース200の挿入溝G1に挿入され得る。すなわち、遮断部材300に熱転移防止部310が存在する状態でも、火炎転移防止部320は、モジュールケースに挿入された形態を有し得る。
【0073】
本発明のこのような実施構成によれば、熱転移防止部310が火炎により溶融又は消失したとしても、モジュールケース200の挿入溝G1に火炎転移防止部320が挿入された状態をそのまま維持することができる。特に、
図9及び
図10の実施形態のように、火炎転移防止部320の端部、例えば上端が熱転移防止部310で覆われた状態で構成された遮断部材300の場合、熱転移防止部310が溶融又は消失したにもかかわらず、火炎転移防止部320がモジュールケース200の挿入溝G1から外れることがない。したがって、この場合には、火炎が発生した後においても、遮断部材300の位置をそのまま維持することができ、遮断部材300の端部側、例えば上部側に火炎が移ることを最大限に抑制することができる。
【0074】
また、前記遮断部材300は、バッテリーセル100のスウェリングを吸収できるように構成され得る。これについては、
図11を参照してより具体的に説明する。
【0075】
図11は、本発明の一実施形態による遮断部材300の一部の構成を概略的に示す断面図である。例えば、
図11は、
図6のB3部分が変形された構成を示す図である。
【0076】
図11を参照すると、遮断部材300において、シート状に構成された火炎転移防止部320の左側表面と右側表面には、シート状の熱転移防止部310、すなわち、左側の熱転移シート310Lと右側の熱転移シート310Rが位置し得る。また、このような遮断部材300の左側と右側には、それぞれバッテリーセル100が配置され得る。このとき、遮断部材300の左側または右側に位置するバッテリーセル100にスウェリング現象が発生した場合には、遮断部材300に圧力が加わることができる。例えば、
図11に示す実施形態を参照すると、遮断部材300の左側に位置するバッテリーセル100にスウェリング現象が発生した場合、矢印D1で示すように、遮断部材300を右方向に加圧することができる。このとき、熱転移防止部310は、このような加圧力を吸収して形状が変形するように構成され得る。すなわち、左側の熱転移シート310Lは、左側のバッテリーセル100のスウェリング前には、左側の表面が点線C1で示すような形状を有し得る。しかし、左側のバッテリーセル100にスウェリングが発生すると、左側の熱転移シート310Lは、右方向(-Y軸方向)に押され、左側表面が実線C2のような形状となり得る。このとき、左側の熱転移シート310Lは、バッテリーセル100のスウェリングによる加圧力によって左側表面の形状が変形するが、右側表面は形状を維持するように構成され得る。また、左側の熱転移シート310Lは、左側表面に圧力が加えられているにもかかわらず、全体または右側の表面が右方向に移動しないように構成され得る。
【0077】
このため、前記熱転移防止部310は、少なくとも一部が弾性材料で形成され得る。例えば、前記熱転移防止部310は、シリコンシートまたはポリウレタンシートなどであり得る。さらに、シリコンやポリウレタン材料の場合には、断熱性及び弾性の両方を良好に確保することができる。また、前記熱転移防止部310は、バッテリーセル100のスウェリングによる体積膨張を吸収可能な他の種々の材料、例えば、ゴム等の他の種々の弾性体材料で構成され得る。
【0078】
本発明のこのような実施構成によれば、遮断部材300に設けられた熱転移防止部310により、バッテリーセル100間の熱転移を防止することはもとより、特定のバッテリーセル100のスウェリング現象によるバッテリーモジュールの内部構造の変形または崩壊を防止することができる。特に、複数のバッテリーセル100がすべてパウチ型電池である場合、バッテリーセル100のスウェリング現象がより深刻になる可能性がある。しかしながら、上記実施構成によれば、遮断部材300、特に熱転移防止部310は、パウチ型電池のスウェリング現象に適切に対応することができる。
【0079】
図12は、本発明のさらに他の実施形態による遮断部材300の構成を概略的に示す断面図である。
【0080】
図12を参照すると、前記熱転移防止部310は、中央部分の厚さが末端部分の厚さよりも厚く形成されるように構成され得る。より具体的には、前記熱転移防止部310は、上下方向(Z軸方向)に立設されるように構成でき、この場合、上下方向の中央部分の厚さは、
図12においてE1で示すようになる。また、前記熱転移防止部310の上端部又は下端部の厚さは、
図12においてE2で示す通りである。このとき、E1がE2よりも大きい長さを有するように、熱転移防止部310を構成し得る。すなわち、熱転移防止部310は、中央部分が相対的に厚く形成され、端部、例えば、上端部、下端部、前端部及び後端部に向かうにつれて厚くなるように形成され得る。
【0081】
本発明のこのような実施構成によれば、熱転移防止部310の断熱性能又はスウェリング吸収性能をより効果的に向上させることができる。すなわち、バッテリーセル100の場合、通常、熱転移防止部310の中央部分に対面する部分において最も体積膨張が起こり得るが、上記実施構成によれば、当該部分において熱転移防止部310が厚く形成されているため、そのような体積膨張を十分に吸収することができる。また、バッテリーセル100の場合、中央部分で熱が多く発生することがあるが、上記実施構成によれば、中央部分に熱転移防止部310が十分に形成されているため、当該部分における熱転移を効果的に防止することができる。特に、バッテリーセル100がパウチ型電池である場合、中央部分は、パウチ型セルの収容部に対面する部分である可能性がある。したがって、上記実施構成のように、熱転移防止部310の中央部分を相対的に厚く形成する場合、パウチ型セルの収容部で起こる体積膨張や発熱に効果的に対応することができる。
【0082】
また、前記火炎転移防止部320は、中央部分に凹状の溝が形成され得る。例えば、
図12の実施構成を参照すると、火炎転移防止部320は、上下方向に立設されるように構成され、上端部と下端部との間の中央部分に、G2及びG2’で示す溝が形成され得る。この場合、火炎転移防止部320は、断面構成が略「I」字状に構成されていると言える。このような構成において、熱転移防止部310は、火炎転移防止部320の中央溝G2、G2’にも充填され得る。すなわち、熱転移防止部310は、火炎転移防止部320の左側表面及び右側表面全体を覆うように構成されるが、より多くの熱転移防止部310が火炎転移防止部320の中央溝G2、G2’に存在し得る。
【0083】
本発明のこのような実施構成によれば、遮断部材300の厚さを部分的に変化させなくても、熱転移防止部310の中央部分を厚くしてバッテリーセル100のスウェリング吸収性能及び断熱性能を向上させる構成を容易に実現することができる。特に、熱転移防止部310の厚さ及び火炎転移防止部320の厚さを含む遮断部材300の全体的な厚さを均一化することができる。例えば、
図12の実施構成において、熱転移防止部310の厚さが上部から下部にかけて変化しており、同一ではないが、遮断部材300の全体の厚さを上部から下部にかけて全体的に均一に形成し得る。したがって、バッテリーセル100の間に遮断部材300を介在させる場合に、無駄なスペースの消費を回避することができ、バッテリーセル100と遮断部材300とを良好に並設することができる。また、上記実施構成によれば、熱転移防止部310の少なくとも一部が、火炎転移防止部320の中央部分溝G2、G2’に挿入されているので、熱転移防止部310と火炎転移防止部320との結合力をさらに向上させることができる。特に、上記実施構成によれば、熱転移防止部310が火炎転移防止部320の前方、後方、上方及び下方に移動することを抑制することができる。
【0084】
図13は、本発明のさらに他の実施形態による遮断部材300の構成を概略的に示す断面図である。
【0085】
図13を参照すると、遮断部材300における火炎転移防止部320は、G3及びG3’で示すように、左側表面及び右側表面の中央部分に凹状の溝が形成されているが、このような溝は、曲面状又は傾斜状に形成され得る。すなわち、火炎転移防止部320の左右方向(Y軸方向)の厚さは、上端部から中央部分に向かって徐々に薄くなり、その後、中央部分から下端部に向かって再び徐々に厚くなるように形成され得る。また、火炎転移防止部320は、このように中央部分の厚さが薄いため、溝が形成されているといえる。また、このように中央部分に形成された溝G3、G3’には、熱転移防止部310が充填され得る。そのため、熱転移防止部310は、端部よりも中央部分の厚さがより厚く形成され得る。
【0086】
本発明のこのような実施構成によれば、バッテリーセル100のスウェリング現象により効率的に対応することが可能である。特に、バッテリーセル100にスウェリングが発生した場合、バッテリーセル100の中央部分が最も多く膨張し、端部に向かうにつれて膨張の程度が徐々に減少することになる。上記実施構成によれば、熱転移防止部310及び火炎転移防止部320は、バッテリーセル100のこのような膨張形態に対応するように構成されているといえる。したがって、バッテリーセル100のスウェリングにより適切に対応することができる。
【0087】
図14は、本発明のさらに他の実施形態による遮断部材300の構成を概略的に示す断面図である。
【0088】
図14を参照すると、前記火炎転移防止部320は、中央部分に凹状の溝が形成されており、中央部分のこのような凹状の溝には、熱転移防止部310によって充填されない空き空間が形成され得る。例えば、
図14においてF1で示すように、火炎転移防止部320の左側表面と左側の熱転移防止部310との間には、空き空間、例えば空気層が存在し得る。また、
図14においてF1’で示すように、火炎転移防止部320の右側表面と右側の熱転移防止部310との間には、空き空間が形成され得る。
【0089】
本発明のこのような実施構成によれば、火炎転移防止部320と熱転移防止部310との間の空き空間F1、F1’は、バッテリーセル100のスウェリングを吸収する空間として機能し得る。また、上記実施構成によれば、遮断部材300の重量を低減して、バッテリーモジュール全体の軽量化を図ることができる。
【0090】
図15は、本発明のさらに他の実施形態による遮断部材300の構成を概略的に示す断面図である。
【0091】
図15を参照すると、前記火炎転移防止部320は、一端から他端に向かって厚さが徐々に増加又は減少する形態で構成され得る。特に、前記火炎転移防止部320は、外面に傾斜面が形成されるように構成され得る。例えば、
図15に示すように、火炎転移防止部320は、上部から下部(-Z軸方向)に向かって厚さが徐々に減少するように傾斜した傾斜面F2、F2’を有し得る。
【0092】
本発明のこのような実施構成によれば、バッテリーモジュールの内部で火炎が発生した場合に、火炎転移防止部320が外部に露出する可能性があり、火炎転移防止部320に形成された傾斜面F2、F2’に沿ってベントガスや火炎などの排出又は移動方向を制御することができる。例えば、
図15に示す構成によれば、火炎転移防止部320の傾斜面F2、F2’によって、ガスや火炎を最大限下方に誘導することができる。特に、ガスや火炎は上方に移動する傾向があるが、上記実施構成によれば、このようなガスや火炎が上方に移動することを抑制することができる。したがって、ガスや火炎がバッテリーモジュールの上方側へ排出されることを防止し、バッテリーモジュールの上部側に位置する装置や運転者などを保護することができる点でより有利である。
【0093】
図16は、本発明のさらに他の実施形態による遮断部材300に設けられた火炎転移防止部320の構成を概略的に示す斜視図である。特に、
図16の構成では、遮断部材300における火炎転移防止部320の形状のみが示されており、熱転移防止部310は除去されている。例えば、
図16の実施構成は、火炎等により熱転移防止部310が溶融して消失した状態の構成を示すものであるといえる。
【0094】
図16を参照すると、前記火炎転移防止部320は、中央部分に形成された溝を有し得る。すなわち、前記火炎転移防止部320は、G4で示すように、左側表面と右側表面にそれぞれ形成された、内側に凹んだ溝を有し得る。また、火炎転移防止部320は、このような溝G4の少なくとも一側が外側に開放された形態で構成され得る。例えば、前記火炎転移防止部320の右側表面に形成された溝G4は、
図16においてH1で示すように、前方側が開放された形態で構成され得る。また、前記火炎転移防止部320の左側表面に形成された溝は、
図16においてH1’で示すように、前方側が開放された形態で構成され得る。
【0095】
本発明のこのような実施構成によれば、火炎転移防止部320に形成された溝の開放部H1、H1’により、ベントガスを排出することができる。例えば、
図16に示すように、火炎転移防止部320の溝G4に対して前方側に開放部H1、H1’が形成されている場合には、火炎転移防止部320の溝G4に流入したベントガスを、前方開放部H1、H1’を介して外部に排出することができる。この場合、ガスは、
図16において矢印D2で示すように、火炎転移防止部320の表面に沿って前方側へ移動することができる。したがって、上記実施構成によれば、ベントガスの排出及びその方向を適切に制御又は誘導することができる。
【0096】
特に、バッテリーモジュールのモジュールケース200にはベント孔(図示せず)が形成され得る。例えば、モジュールケース200の前板250にはベント孔が形成され得る。このとき、
図16に示すように、遮断部材300の火炎転移防止部320を通じて、ベントガスが前方側に導かれると、ベントガスを円滑かつ迅速にベント孔に排出することができる。したがって、バッテリーモジュールの内部で熱暴走などの異常状況が発生してガスが発生した場合、バッテリーモジュールの爆発などを防止すすることができ、かつ、ベントガスの排出時の安全性を確保することができる。
【0097】
図17は、本発明のさらに他の実施形態による遮断部材300に設けられた火炎転移防止部320の構成を概略的に示す斜視図である。
図17の構成でも、
図16と同様に、遮断部材300における火炎転移防止部320の形状のみが示されており、熱転移防止部310は除去されている。すなわち、
図17の実施構成は、
図16と同様に、火炎等により熱転移防止部310が溶融して消失した状態の構成を示すものであるといえる。
【0098】
図17を参照すると、前記火炎転移防止部320は、
図16と同様に、中央部分に溝G4が形成されており、一側、例えば前方側に開放部H1が形成されていて、ガス等が開放部H1側に排出されるように構成されている。ただし、
図17の実施構成では、火炎転移防止部320の溝G4に、P1で示すように、外側に向けて突出するように構成された阻止突起が形成されている。例えば、火炎転移防止部320の右側表面には溝G4が形成され、このような溝G4には、右側に向けて突出するように構成された阻止突起P1が形成され得る。
【0099】
このような構成の火炎転移防止部320では、溝G4に流入したベントガスは前方に位置する開放部H1に向けて排出されるが、阻止突起P1によってベントガスの流れが阻止され得る。ただし、このような阻止突起P1は、溝G4から開放部H1に向けて排出されるベントガスを完全に阻止するのではなく、ベントガスの流れ方向を屈曲させるように構成され得る。例えば、
図17に示すように、火炎転移防止部320の溝G4には、複数の阻止突起P1が形成され、これにより、矢印D3で示すように、ベントガスが前方側へ排出される過程で上方向及び/又は下方向に屈曲するようにできる。また、
図17には、火炎転移防止部320の右側表面のみが示されているが、火炎転移防止部320の左側表面にも溝G4が形成され、その溝に阻止突起P1が形成され得る。
【0100】
特に、阻止突起P1は、ガス等の排出方向と直交する方向に細長く形成され得る。例えば、
図17に示すように、遮断部材300の火炎転移防止部320において、溝G4を介して前方側(-X軸方向)にベントガスを排出することができる。このとき、阻止突起P1は、このようなベントガスの排出方向と直交する方向である上下方向(Z軸方向)に細長く形成され得る。
【0101】
本発明のこのような実施構成によれば、遮断部材300の火炎転移防止部320を介してベントガスを誘導する過程において、ベントガスの排出経路を長くすることにより、ベントガスの温度を下げることができる。また、上記実施構成によれば、ベントガスの排出経路に屈曲した部分が形成されるので、ベントガスと共に火炎が排出される際に、直進性の強い火炎の外部排出を阻止することができる。また、上記実施構成によれば、ベントガスに含まれる火花(スパーク)や活物質の粒子等が外部に排出されることを抑制することができる。したがって、この場合、バッテリーモジュール外部または他のバッテリーセル100で火災が発生することを阻止することができる。
【0102】
特に、上記実施構成において、阻止突起P1は、火炎転移防止部320の開放部H1側に位置し得る。この場合、ベントガスが溝G4に流入することをむしろ阻止突起P1が妨害する問題を防止又は低減することができる。
【0103】
図18は、本発明のさらに他の実施形態による遮断部材300に設けられた火炎転移防止部320の構成を概略的に示す斜視図である。また、
図19は、
図18のA5-A5’線に沿う断面図である。
図18及び
図19に示す構成もまた、熱転移防止部310が除去された状態を示すものであるといえる。
【0104】
図18及び
図19を参照すると、火炎転移防止部320の両表面に形成された溝において、開放部は、互いに異なる側面に形成され得る。より具体的には、火炎転移防止部320の右側表面と左側表面にそれぞれ溝G4’、G4が形成され、各溝(G4’、G4には開放部H1、H1’が形成され得る。このとき、右側表面の開放部H1は、火炎転移防止部320の前方側に形成され、左側表面の開放部H1’は、火炎転移防止部320の後方側に形成され得る。すなわち、火炎転移防止部320の両表面に形成された開放部は、互いに反対側に形成され得る。
【0105】
この場合、火炎転移防止部320の右側に位置するバッテリーセル100から排出されたベントガスは、
図19において矢印D4で示すように、火炎転移防止部320の右側表面に沿って前方側(-X軸方向)に移動することができる。また、火炎転移防止部320の左側に位置するバッテリーセル100から排出されたベントガスは、
図19において矢印D4’で示すように、火炎転移防止部320の左側表面に沿って後方側(+X軸方向)に移動することができる。
【0106】
本発明のこのような実施構成によれば、1つの遮断部材300を基準にして、左側に配置されたバッテリーセル100から生成されたガスの排出方向と、右側に配置されたバッテリーセル100から生成されたガスの排出方向とが異なる方向、特に反対方向に排出されるようにすることができる。したがって、高温や高圧のベントガスが特定の部分に集中することを防止することができる。
【0107】
また、上記実施構成によれば、一側に排出されたベントガスが、火炎転移防止部の向こう側に位置するバッテリーセル100側に流入することをより効果的に防止することができる。例えば、
図18及び
図19の実施構成において、火炎転移防止部320の右側に位置するバッテリーセル100から生成されたベントガスが火炎転移防止部320の右側開放部H1側に排出されるとき、火炎転移防止部320の左側開放部H1’を通って火炎転移防止部320の左側に位置するバッテリーセル100側に流入することを防止することができる。したがって、本発明のこのような側面によれば、バッテリーセル100間の熱暴走転移防止効果をより効果的に確保することができる。
【0108】
本発明によるバッテリーモジュールにおいて、複数のバッテリーセル100のそれぞれは、
図2及び
図3等に示すように、パウチ型二次電池であり得る。この場合、各二次電池は、収容部と封止部とを備え得る。
【0109】
このような構成において、前記火炎転移防止部320は、封止部に対面する部分の厚さが、収容部に対面する部分の厚さよりも厚く形成され得る。これについては、
図20をさらに参照してより具体的に説明する。
【0110】
図20は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成を上から見た様子を示す概略図である。
図20には、説明の便宜上、1つのバッテリーセル100及び1つの遮断部材300のみが示されている。
【0111】
図20を参照すると、バッテリーセル100は、パウチ型二次電池であり得、このとき、バッテリーセル100は、J1で示す収容部と、J2で示す封止部とを備え得る。ここで、収容部J1は、電極組立体(正極板、負極板及びセパレーターを含む)及び電解質をパウチ外装材の内部空間に収容するための部分であり得る。また、封止部J2は、収容部J1の縁部に位置し、パウチ外装材が融着された形態で収容部J1の内部空間を密閉する部分であり得る。このような収容部J1及び封止部J2の構成は、本発明の出願時点で広く知られているため、その詳細な説明は省略する。
【0112】
このような形態のバッテリーセル100に対応して、火炎転移防止部320は、複数のバッテリーセル100の間に介在した状態で、収容部J1に対面する部分の厚さが、封止部J2に対面する部分の厚さよりも薄く形成され得る。より具体的には、
図20に示す構成を参照すると、火炎転移防止部320において、収容部J1に対面する部分はI1で示す部分であり得、封止部J2に対面する部分はI2で示す部分であり得る。このとき、火炎転移防止部320は、I2で示す部分がI1で示す部分よりも厚く形成され得る。特に、遮断部材300がパウチ型バッテリーセル100の間に介在した状態で、封止部J2に対面する部分は、遮断部材の端部側、例えば前後方向端部とし得る。したがって、火炎転移防止部320は、端部側が、例えば、立設されたシート状である場合、バッテリーセル100の封止部J2に対面する前後方向端部及び/又は上下方向端部側が、バッテリーセル100の収容部J1に対応する中央部分に比べて厚く形成されているといえる。
【0113】
本発明のこのような実施構成によれば、パウチ型バッテリーセル100間の火炎遮断効果をさらに向上させることができる。特に、複数のパウチ型バッテリーセル100を並べて積層する場合、収容部J1に比べて封止部J2側に空き空間がより多く形成され得る。そのため、特定のバッテリーセル100から火炎が排出された場合、排出された火炎及び高温のガス等は、バッテリーセル100の封止部J2側に向かい得る。このとき、上記実施構成では、火炎転移防止部320の厚さが封止部J2側で厚く形成されているため、封止部J2側に位置する火炎が他のバッテリーセル100側に伝播するのをより効果的に遮断することができる。
【0114】
特に、パウチ型バッテリーセル100の場合、略長方形の形状を有し、収容部J1を中心に4縁部又は3縁部に封止部J2が形成され得る。このとき、複数の封止部J2のうち一部の封止部J2に向けて電極リード101が突出することがある。例えば、上下方向に立設された形態のパウチ型バッテリーセル100において、封止部J2は、前方、後方、上部及び下部にそれぞれ位置し得る。このとき、電極リード101は、
図20に示すように、前側の封止部と後側の封止部に向けてそれぞれ突出するように設けられ得る。このとき、電極リード101が突出する封止部を、他の封止部と区別するためにテラス部と称することがある。この場合、火炎転移防止部320は、このようなテラス部に対面する部分の厚さが、収容部に対面する部分の厚さよりも厚く形成され得る。さらに、テラス部に対面する部分の厚さを、テラス部以外の他の封止部に対面する部分の厚さよりも厚く形成し得る。
【0115】
本発明のこのような実施構成によれば、火炎転移防止部320の火炎遮断効果をさらに向上させることができる。特に、テラス部は、他の封止部J2に比べて面積が大きい場合があるため、火炎や高温のベントガスがより集中する可能性がある。このため、上記実施形態と同様に、火炎転移防止部320の各部のうちこのようなテラス部に対応する部分の厚さを厚くする場合、テラス部に火炎が集中した場合であっても、バッテリーセル100間の火炎遮断性能をより安定的に確保することができる。また、上記実施構成によれば、火炎転移防止部320の厚さの違いにより、電極リードを火炎から安定して保護することができる。
【0116】
また、
図20の実施形態に示す構成を参照して、熱転移防止部310において、バッテリーセル100の収容部J1に対面する部分の厚さを、バッテリーセル100の封止部J2に対面する部分の厚さよりも厚く形成し得る。この場合、バッテリーセル100の収容部J1に相対的に大きな熱や膨張が発生しても、熱転移防止部310が厚く形成されているため、発生した熱や体積膨張等を適切に吸収することができる。
【0117】
前記遮断部材300は、バッテリーセル100の間だけでなく、バッテリーセル100とモジュールケース200との間にも配置され得る。例えば、
図2及び
図3に示すように、複数のバッテリーセル100が左右方向(Y軸方向)に配置されてセルアセンブリを形成する場合、前記遮断部材300は、セルアセンブリの左右両側にそれぞれ配置され得る。この場合、前記遮断部材300は、セルアセンブリとモジュールケース200との間に配置されているといえる。
【0118】
本発明のこのような実施構成によれば、バッテリーモジュールの内部で熱や火炎が発生した場合に、バッテリーモジュールの外部への熱や火炎等の伝達を遮断または抑制することができる。特に、バッテリーモジュールの外部には、他のバッテリーモジュールや、バッテリーパックの他の構成要素、例えば、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)などが配置され得る。上記実施構成によれば、そのような他のバッテリーモジュールやBMS等への熱や火炎の伝達を最小限に抑えることができる。
【0119】
図21は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールの一部の構成を示す分離斜視図である。
【0120】
図21を参照すると、各パウチ型のバッテリーセル100は、収容部が左右方向を向くように起立した状態で、左右方向(Y軸方向)に複数配置され得る。このとき、各バッテリーセル100では、電極リード101が前後方向(X軸方向)に突出配置され得る。前記遮断部材300は、複数のバッテリーセル100の積層方向(Y軸方向)に沿って複数配置され得る。特に、複数の遮断部材300のうちの一部は、セル積層体の外側に位置し、残りの遮断部材300はセル積層体の内側に位置し得る。より具体的には、
図21の実施形態において、K1~K5で示すように、5つの遮断部材300が左右方向に互いに離間して配置され得る。ここで、第1の部材K1及び第5の部材K5は、セル積層体の最も左右外側に配置され、第2の部材K2、第3の部材K3及び第4の部材K4は、セル積層体の内側に配置される。
【0121】
このような実施構成において、複数の遮断部材300のうちの少なくとも2つは、圧縮率が異なるように構成され得る。例えば、
図21の実施構成において、K1~K5で示す5つの遮断部材300のうちの少なくとも2つは、圧縮率が異なるように構成され得る。ここで、圧縮率とは、厚さ方向に圧力が加えられたときの圧縮の程度を指し得る。例えば、各遮断部材300の圧縮率は、
図11の実施形態においてD1で示すように、外側表面に圧力が加えられたときに厚さが幅方向(Y軸方向)に減少する程度を意味し得る。したがって、圧縮率が高いということは、同じ力が加えられたときに、相対的により多くの圧縮を達成することができるということを意味し得る。
【0122】
特に、複数の遮断部材300は、セル積層体の外側に配置された遮断部材300とセル積層体の内側に配置された遮断部材300との間で圧縮率に差を有するように構成され得る。さらに、外側の遮断部材300は、内側の遮断部材300よりも低い圧縮率を有するように構成され得る。例えば、
図21の実施形態において、セル積層体の外側に配置された第1の部材K1及び第5の部材K5は、セル積層体の内側に配置された第2の部材K2、第3の部材K3及び第4の部材K4よりも低い圧縮率を有するように構成され得る。
【0123】
このような実施構成によれば、セル積層体に含まれるバッテリーセル100にスウェリングが発生した場合に、スウェリングに対する対応能力を確保しつつ、バッテリーセル100の破損の問題をより効果的に防止することができる。すなわち、第2~第4の部材K2~K4などの内側の遮断部材は、その圧縮率が相対的に高いため、セル積層体のスウェリングを良好に吸収することができる。一方、第1及び第5の部材K1、K5などの外側の遮断部材は、その圧縮率が相対的に低いため、最外側のバッテリーセル100の過度の移動を抑制することができる。
【0124】
特に、セル積層体の少なくとも一側、例えば各バッテリーセル100の下端は、接着剤によってモジュールケース200に接着固定され得る。例えば、
図21の実施構成において、セル積層体の下部と下板220の上面との間には、接着剤として熱伝導性樹脂(thermal resin、サーマルレジン)が介在し得る。また、セル積層体に属する複数のバッテリーセル100にスウェリングが生じると、最も外側のバッテリーセル100が最も移動することがある。このとき、下端が接着固定された状態で最外側のセルの移動距離が長くなると、当該バッテリーセル100が破断する可能性が高くなる。
【0125】
しかしながら、上記実施構成によれば、K1及びK5などの外側の遮断部材の圧縮率を低くすることで、最外側のバッテリーセル100の過度の移動を抑制することができる。また、セル積層体のスウェリングは、K2~K4などの相対的に内側に位置する遮断部材300によって良好に吸収され得る。したがって、最外側のバッテリーセル100の破れの問題を防止することができる。また、この場合、最外側の遮断部材300の厚さを薄く構成することができるため、モジュールケース200の内部空間が広くなる効果も得ることができる。したがって、バッテリーモジュールのエネルギー密度の向上にも寄与することができる。
【0126】
上述したように、遮断部材300の圧縮率に差を設ける代表的な実施形態については、
図22及び
図23を参照してより具体的に説明する。
【0127】
【0128】
図22及び
図23を参照すると、複数の遮断部材300は、異なる厚さを有するように構成され得る。例えば、
図21の実施形態において、最も外側の遮断部材K1は、
図22においてT1で示す厚さを有するように構成され、内側の遮断部材K3は、
図23においてT3で示す厚さを有するように構成され得る。このとき、最外側の遮断部材K1の厚さT1は、内側の遮断部材K3の厚さT3よりも薄くすることができる。すなわち、T1及びT3は、T1<T3の関係を有し得る。ここで、2つの最外側遮断部材K1、K5は互いに同じ厚さを有し得、3つの内側遮断部材K2、K3、K4は互いに同じ厚さを有し得る。
【0129】
あるいは、複数の内側遮断部材が設けられる場合、複数の内側遮断部材の間でも異なる厚さを有するように構成され得る。例えば、
図21の実施形態において、3つの内側遮断部材K2、K3、K4のうち、中央に位置する内側遮断部材K3は、相対的に外側に位置する他の2つの内側遮断部材K2、K4よりも厚い厚さを有するように構成されることもできる。この場合、遮断部材300の厚さは、セル積層体の外側から内側に向かって順次厚くなっていると言える。
【0130】
さらに、複数の遮断部材300は、主に熱転移防止部310がスウェリングを吸収する役割を果たすことができる。したがって、複数の遮断部材300は、熱転移防止部310の厚さを異ならせて構成し得る。特に、外側に位置する遮断部材の熱転移防止部310は、内側に位置する遮断部材の熱転移防止部310よりも薄い厚さを有するように構成され得る。
【0131】
例えば、最外側の遮断部材K1の熱転移防止部310は、
図22においてT11で示す厚さを有し、内側の遮断部材K3の熱転移防止部310は、
図23においてT31で示す厚さを有し得る。このとき、T11とT31は、T11<T31の関係を有するように設定され得る。すなわち、最外側の遮断部材K1の熱転移防止部310の厚さT31は、内側の遮断部材K3の熱転移防止部310の厚さT31よりも薄く構成され得る。この場合、最外側の遮断部材K1の全体厚さT1は、内側の遮断部材K3の全体厚さT3よりも薄く構成され得る。
【0132】
このような実施構成によれば、最外側遮断部材の熱転移防止部310が相対的に薄く形成されているので、最外側のバッテリーセル100の移動を制限する効果を高めることができる。したがって、最外側のバッテリーセル100の過度な移動による破れ現象などを効果的に防止することができる。
【0133】
また、最外側遮断部材K1の火炎転移防止部320は、
図22においてT12で示す厚さを有し、内側遮断部材K3の火炎転移防止部320は、
図23においてT32で示す厚さを有し得る。このとき、T12とT32は、T12>T32の関係を有するように設定され得る。すなわち、最外側遮断部材K1の火炎転移防止部320の厚さT32は、内側遮断部材K3の火炎転移防止部320の厚さT32よりも厚く構成され得る。さらに、最外側遮断部材K1は、内側遮断部材K3と比較して、火炎転移防止部320が相対的に厚く形成され、熱転移防止部310が相対的に薄く形成され得る。火炎転移防止部320は、熱転移防止部310よりも高い剛性を有していてもよいので、上記実施構成によれば、最外側バッテリーセル100が押されることを抑制する性能をより良好に確保することができる。また、この場合、最外側遮断部材K1と内側遮断部材K3とは、同じ厚さを有していてもよいし、厚さの差が大きくなくてもよい。
【0134】
また、前記遮断部材300は、互いに異なるセルバンクの間に介在し得る。これについては、
図24及び
図25を参照してより具体的に説明する。
【0135】
図24は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールの分離斜視図である。
図25は、
図24のバッテリーモジュールの断面図である。本実施形態についても、上述した実施形態と相違点がある部分に重点を置いて説明する。
【0136】
図24及び
図25を参照すると、バッテリーモジュールに含まれる複数のバッテリーセル100は、CB1~CB8で示すように、複数のセルバンクにグループ化され得る。また、複数のセルバンクCB1~CB8は、互いに直列に接続され得る。すなわち、複数のバッテリーセル100は、直列に接続された2つ以上のセルバンクを備え得る。
【0137】
また、各セルバンクCB1~CB8には、複数のバッテリーセル100が含まれ得る。このとき、各セルバンクにおけるバッテリーセル100は、互いに並列に接続され得る。例えば、
図24及び
図25の実施形態では、各セルバンクは、並列に接続された3つのバッテリーセル100を含み得る。
【0138】
このような実施構成において、遮断部材300は、異なるセルバンクの間に介在し得る。例えば、
図24及び
図25に示すように、バッテリーモジュールに8つのセルバンクCB1~CB8が含まれる場合、それぞれ異なるセルバンクの間に遮断部材300が介在し得る。
【0139】
このような実施構成によれば、一部のセルバンクの内部で熱暴走等が発生しても、直列に接続された他のセルバンクへの熱暴走の伝播を防止又は抑制することができる。したがって、特定のセルバンクのガス放出や火炎発生の状況などによってバッテリーモジュールの電圧降下(voltage drop)が発生しても、セルバンク単位で段階的にそのような電圧降下が起こるようにすることができる。したがって、バッテリーモジュール全体の電圧降下速度を低減することで、電圧降下を最大限遅らせるという効果を得ることができる。
【0140】
さらに、この場合、バッテリーモジュールやこのようなバッテリーモジュールが適用された装置の安全性を向上させることができる。例えば、電気自動車等に搭載されるバッテリーモジュールでは、走行中に熱暴走等の事態が発生しても、電圧降下ができるだけ緩やかに行われるようにすることができる。したがって、運転者は、電気自動車を一定時間継続して走行させ、できるだけ路肩などの安全な地点に移動させることができる。
【0141】
バッテリーモジュールのエネルギー密度を高め、スウェリングや振動などに対しても安定性を確保するためには、モジュールケース200内部の所定の空間に収容される構成要素の寸法や空間などを適切に設計する必要がある。
【0142】
本発明によるバッテリーモジュールの場合、モジュールケース200の内部空間には、複数の構成要素を積層して形成された積層ユニットが収容され得る。ここで、積層ユニットは、バッテリーセル100及び遮断部材300を含み得る。特に、遮断部材300は、バッテリーセル100の外側及び/又はバッテリーセル100の間の空間に配置され得る。また、積層ユニットには、各種構成要素を固定するための接着部材が介在し得る。例えば、接着部材は、2つのバッテリーセル100の間及び/又はバッテリーセル100と遮断部材300との間に配置されて、互いに異なる構成要素間を密着させることができる。ここで、接着部材は、スプレー等の方式で接着剤が塗布されるように構成されていてもよいし、接着シートや接着パッド等がセル表面に貼り付けられるように構成されていてもよい。特に、スプレー等の方式により接着剤が塗布されて接着部材が設けられる場合であっても、接着剤が硬化した際に一定の厚さを有するシート状やパッド状に接着部材が設けられ得る。
【0143】
このような実施構成において、積層ユニットの全幅は、以下の式により算出することができる。ここで、幅とは、複数のバッテリーセル100が積層される方向(例えば、
図24におけるY軸方向)に設定された積層ユニットの全長を意味し得、mm等の単位を有し得る。
【0144】
W
T=W
C+W
O+W
I+W
A
ここで、W
Tは積層ユニットの全幅を表し、W
Cは全バッテリーセルの総厚を表し、W
Oは最外側パッドの全幅を表し、W
Iは内部パッドの全幅を表し得る。このとき、最外側パッドは、
図21のK1やK5のような最外側の遮断部材300を表し、内部パッドは、
図21のK2~K4のように、セル積層体の内部、すなわちバッテリーセル100の間に位置する内側の遮断部材300を表し得る。また、W
Aは、接着部材の全幅を指し得る。W
O、W、W
IAなどは、mmなどの長さ単位を有し得る。
【0145】
上記式中、WCは、以下のように、バッテリーセルの総数NCに各バッテリーセルの厚さ(TC)を乗じて導出することができる。以下、「*」は乗算を意味する。
【0146】
WC=NC*TC
また、WOは、最外側パッドの数NO、最外側パッドの個々の厚さTO及び最外側パッドの初期圧縮率COを用いて、以下のように算出することができる。
【0147】
WO=NO*(TO*(1-CO))
ここで、初期圧縮率COとは、積層ユニットをモジュールケースの内部に挿入して組み立てた後、バッテリーセルのスウェリング等が起こらない状態で、最外側パッドの圧縮率を指し得る。すなわち、初期圧縮率COは、バッテリーモジュールの組み立て時の最外側パッドの初期圧縮の程度を意味し得る。例えば、積層ユニットがモジュールケースの内部に挿入された状態で、最外側パッドが加圧前に比べて15%圧縮されている場合、初期圧縮率COは0.15であり得る。
【0148】
また、WIは、内部パッドの数NI、内部パッドの個々の厚さTI及び内部パッドの初期圧縮率CIを用いて、以下のように算出することができる。
【0149】
WI=NI*(TI*(1-CI))
ここで、初期圧縮率CIとは、積層ユニットをモジュールケースの内部に挿入して組み立てた後、バッテリーセルのスウェリング等が起こらない状態で、内部パッドの圧縮率を指し得る。すなわち、初期圧縮率CIは、バッテリーモジュールの初期組み立て時の内部パッドの圧縮程度を意味し得る。例えば、積層ユニットがモジュールケースの内部に挿入された状態で、内部パッドが加圧前に比べて20%圧縮されている場合、初期圧縮率CIは0.2であり得る。
【0150】
また、WAは、接着部材の数NA及び接着部材の個々厚さTAを用いて、以下のように算出することができる。
【0151】
WA=NA*TA
一方、遮断部材の初期圧縮率、すなわち、最外側パッドの初期圧縮率CO及び/又は内部パッドの初期圧縮率CIを、適宜に設定することができる。特に、遮断部材の初期圧縮率を、8%以上、さらに10%以上、特に12%以上に設定することができる。また、遮断部材の初期圧縮率を、22%以下、さらに20%以下、特に18%以下に設定することができる。例えば、遮断部材の初期圧縮率を10%~20%に設定することができる。遮断部材の初期圧縮率をこの範囲よりも小さく設定すると、公差等によりモジュールケース内での積層ユニットの移動量が大きくなり、構造的安定性が低下するおそれがある。一方、遮断部材の初期圧縮率がこの範囲を超えると、積層ユニットをモジュールケース内に挿入することが困難になるおそれがある。したがって、上記のように遮断部材の初期圧縮率を適切に設定することにより、バッテリーモジュールの組立性及び/又は構造的安定性などをより向上させることができる。
【0152】
本発明によるバッテリーパックは、上述した本発明によるバッテリーモジュールを1つ以上含み得る。また、本発明によるバッテリーパックは、このようなバッテリーモジュールに加えて、他の様々な構成要素、たとえば、バッテリー管理システム(BMS)やバスバー、パックケース、リレー、電流センサーなどといったように、本発明の出願時点において公知となっているバッテリーパックの構成要素などをさらに含み得る。また、本発明によるバッテリーパックでは、上述したモジュールケース200がパックケースとして機能することもある。この場合、モジュールケース200の内部に、BMS、バスバー、リレーなどのバッテリーパックの構成要素が含まれ得る。この場合、バッテリーセル100がパックケースに直接収容されるという点で、セル・トゥ・パック(cell to pack)と呼ばれることもある。
【0153】
本発明によるバッテリーモジュールは、電気自動車やハイブリッド自動車などの自動車に適用され得る。すなわち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーモジュール又は本発明によるバッテリーパックを含み得る。また、本発明による自動車は、このようなバッテリーモジュールやバッテリーパックの他に、自動車に含まれる他の様々な構成要素などをさらに含み得る。例えば、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーモジュールの他に、車体やモーター、エレクトロニックコントロールユニット(ECU;Electronic Control Unit)などの制御装置などをさらに含み得る。
【0154】
一方、本明細書においては、上、下、左、右、前、後などの方向を表す用語が用いられたが、これらの用語は説明の便宜上のものであり、対象となる物事の位置や観測者の位置などに応じて異なってくる可能性があるということは、本発明の当業者にとって自明である。
【0155】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0156】
100 バッテリーセル
200 モジュールケース
210 上板
220 下板
230 左板
240 右板
250 前板
260 後板
300 遮断部材
310 熱転移防止部
320 火炎転移防止部
【国際調査報告】