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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】遠隔昇華装置
(51)【国際特許分類】
   G21G 4/08 20060101AFI20240910BHJP
   G21K 1/00 20060101ALI20240910BHJP
   B01D 5/00 20060101ALI20240910BHJP
   B01D 7/02 20060101ALI20240910BHJP
   B01D 7/00 20060101ALI20240910BHJP
   G21K 5/02 20060101ALN20240910BHJP
   A61N 5/10 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
G21G4/08
G21K1/00 R
B01D5/00 Z
B01D7/02
B01D7/00
G21K5/02 R
A61N5/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510389
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022040705
(87)【国際公開番号】W WO2023027933
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】17/460,150
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518132226
【氏名又は名称】ユーシカゴ アーゴン,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ロッチュ
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー・エー・ノレン・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ・ディー・ケメリソフ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス・エル・ベイリー
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ティー・ケイマック
【テーマコード(参考)】
4C082
4D076
【Fターム(参考)】
4C082AA05
4D076AA08
4D076AA14
4D076AA22
4D076AA24
4D076BC01
4D076BD07
4D076CD50
4D076DA02
4D076DA21
4D076DA22
4D076EA02Y
4D076EA12Y
4D076EA45
4D076HA15
4D076JA01
(57)【要約】
1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼ(307)を保持するように適合されたるつぼブロック(316)と、固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の第1の加熱要素(358)を備える第1の加熱ブロック(350)と、第1の加熱ブロックに結合された収集容器(312)と、を含む、遠隔制御可能な昇華装置(300)。るつぼブロックは、第1の加熱ブロックに対して、開位置と閉位置との間で移動可能である。るつぼブロックが閉位置にあるときに、1つ以上の第1の加熱要素は、るつぼブロックを第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、固体混合物を加熱し、収集容器によって収集される蒸気を生成し、るつぼに、実質的に、1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残す。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽された環境に配設されるように適合されており、かつ前記遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されている、昇華装置であって、前記昇華装置が、
1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、
前記固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の第1の加熱要素を備える第1の加熱ブロックと、
前記第1の加熱ブロックに結合された収集容器と、を備え、
前記るつぼブロックは、前記第1の加熱ブロックに対して、前記るつぼブロックが前記第1の加熱ブロック及び前記収集容器から離間されている開位置と、前記るつぼブロックが前記第1の加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、かつ前記収集容器が前記るつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、
前記るつぼブロックが前記閉位置にあるときに、前記1つ以上の第1の加熱要素が、前記るつぼブロックを前記第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、前記固体混合物を加熱し、前記収集容器によって収集される蒸気を生成し、前記るつぼに、実質的に、前記1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残す、昇華装置。
【請求項2】
前記第1の加熱ブロックから熱的に絶縁された第2の加熱ブロックを更に備え、前記第1の加熱ブロックが、前記第1の温度を有する前記熱を選択的に発生させるように構成された前記1つ以上の第1の加熱要素を備え、前記第2の加熱ブロックが、前記収集容器によって収集された前記蒸気の凝縮物を溶解するのに十分な第2の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の第2の加熱要素を備える、請求項1に記載の昇華装置。
【請求項3】
前記るつぼブロックが前記閉位置にあるときに、前記るつぼブロックが、前記第1の加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、前記1つ以上の第1の加熱要素が、前記るつぼブロックを前記第1の温度に加熱するために前記第1の温度を有する前記熱を発生させるように構成されている、請求項2に記載の昇華装置。
【請求項4】
前記第2の加熱ブロックが、前記収集容器の上部分を囲繞する、請求項2に記載の昇華装置。
【請求項5】
前記第2の加熱ブロックに直接隣接して形成された1つ以上の冷却通路を更に備え、前記1つ以上の冷却通路が、金属蒸気の凝縮を容易にするために、前記収集容器に向かって選択的に冷却流体を方向付けるように構成されている、請求項2に記載の昇華装置。
【請求項6】
前記るつぼブロックは、前記るつぼブロックが前記閉位置にあるときに、前記るつぼを周囲環境から封止するように構成された封止要素を更に備える、請求項1に記載の昇華装置。
【請求項7】
前記るつぼブロックに動作可能に結合された補償器アセンブリを更に備え、前記補償器アセンブリが、前記封止要素に一定の負荷を適用するように構成された1つ以上のばねを備える、請求項6に記載の昇華装置。
【請求項8】
前記第1の加熱ブロックに及び前記補償器アセンブリに結合された複数の補償器シャフトを更に備え、前記るつぼブロックが、前記複数の補償器シャフトを介して、前記第1の加熱ブロックに対して、前記開位置と前記閉位置との間で移動可能である、請求項7に記載の昇華装置。
【請求項9】
前記るつぼブロックを前記開位置と前記閉位置との間で移動させるように、前記るつぼブロックに動作可能に結合された駆動アセンブリを更に備える、請求項1に記載の昇華装置。
【請求項10】
前記駆動アセンブリが、
ねじジャッキと、
前記ねじジャッキに及び前記るつぼブロックに動作可能に結合されたねじジャッキシャフトと、
前記ねじジャッキを駆動して、前記ねじジャッキシャフトを移動させ、それによって、前記るつぼブロックを前記開位置と前記閉位置との間で移動させるように構成された駆動モータと、を備える、請求項9に記載の昇華装置。
【請求項11】
前記駆動モータと前記ねじジャッキとの間に設置されたスリップクラッチを更に備える、請求項10に記載の昇華装置。
【請求項12】
遮蔽された環境に配設されるように適合されており、かつ前記遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されている、昇華装置であって、前記昇華装置が、
1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、
下部加熱ブロックであって、前記下部加熱ブロックが、前記固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の下部加熱要素を備える、下部加熱ブロックと、
前記下部加熱ブロックから熱的に絶縁された上部加熱ブロックと、
前記上部加熱ブロックに結合された収集容器と、を備え、
前記るつぼブロックは、前記下部加熱ブロックに対して、前記るつぼブロックが前記下部加熱ブロック及び前記収集容器から離間されている開位置と、前記るつぼブロックが前記下部加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、前記収集容器が前記るつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、
前記るつぼブロックが前記閉位置にあるときに、前記1つ以上の下部加熱要素が、前記るつぼブロックを前記第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、前記固体混合物を加熱し、前記収集容器によって収集される蒸気を生成し、前記るつぼに、実質的に、前記1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残し、
前記上部加熱ブロックが、前記収集容器内の前記蒸気を溶解するのに十分な第2の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の上部加熱要素を備える、昇華装置。
【請求項13】
前記上部加熱ブロックを通って形成された1つ以上の冷却通路を更に備え、前記1つ以上の冷却通路が、金属蒸気の凝縮を容易にするために前記収集容器に向かって選択的に冷却流体を方向付けるように構成されている、請求項12に記載の昇華装置。
【請求項14】
前記1つ以上の冷却通路に流体的に結合されており、前記冷却流体を前記1つ以上の冷却通路に方向付けるように構成されている、空気送風機を更に備える、請求項13に記載の昇華装置。
【請求項15】
前記上部加熱ブロックと前記下部加熱ブロックとの間に形成された1つ以上の排出通路を更に備え、前記1つ以上の排出通路が、前記冷却流体を排出するように、前記1つ以上の冷却通路に流体的に結合されている、請求項13に記載の昇華装置。
【請求項16】
前記るつぼブロックは、前記るつぼブロックが前記閉位置にあるときに、前記るつぼを周囲環境から封止するように構成された封止要素を更に備える、請求項12に記載の昇華装置。
【請求項17】
前記るつぼブロックに動作可能に結合された補償器アセンブリを更に備え、前記補償器アセンブリが、前記封止要素に一定の負荷を適用するように構成された1つ以上のばねを備える、請求項16に記載の昇華装置。
【請求項18】
前記加熱ブロックに及び前記補償器アセンブリに結合された複数の補償器シャフトを更に備え、前記るつぼブロックが、前記複数の補償器シャフトを介して、前記加熱ブロックに対して、前記開位置と前記閉位置との間で移動可能である、請求項17に記載の昇華装置。
【請求項19】
前記るつぼブロックを前記開位置と前記閉位置との間で移動させるように、前記るつぼブロックに動作可能に結合された駆動アセンブリを更に備える、請求項12に記載の昇華装置。
【請求項20】
前記第2の温度が、前記第1の温度と実質的に等しい、請求項12に記載の昇華装置。
【請求項21】
遮蔽された環境に配設されるように適合されており、かつ前記遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されている、昇華装置であって、前記昇華装置が、
1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、
前記固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の下部加熱要素を備える、下部加熱ブロックと、
前記下部加熱ブロックから熱的に絶縁された上部加熱ブロックと、
前記上部加熱ブロックに結合された収集容器であって、前記上部加熱ブロックが、前記収集容器を加熱するために熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の上部加熱要素を備える、収集容器と、
前記上部加熱ブロックを通って形成された1つ以上の冷却通路であって、前記1つ以上の冷却通路が、金属蒸気の凝縮を容易にするために前記収集容器に向かって選択的に冷却流体を方向付けるように構成されている、1つ以上の冷却通路と、を備え、
前記るつぼブロックは、前記下部加熱ブロックに対して、前記るつぼブロックが前記下部加熱ブロック及び前記収集容器から離間されている開位置と、前記るつぼブロックが前記下部加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、前記収集容器が前記るつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、
前記るつぼブロックが前記閉位置にあるときに、前記1つ以上の下部加熱要素は、前記るつぼブロックを前記第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、前記固体混合物を加熱し、前記収集容器によって収集される蒸気を生成し、前記るつぼに、実質的に、前記1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残す、昇華装置。
【請求項22】
遮蔽された環境に配設されるように適合されており、かつ前記遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されている、昇華装置であって、前記昇華装置は、
るつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、
蒸気凝縮物を含む収集容器と、
前記収集容器に結合されており、前記収集容器内で前記蒸気凝縮物を溶解するのに十分な温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の加熱要素を備える加熱ブロックと、を備え、
前記るつぼブロックは、前記加熱ブロックに対して、前記るつぼブロックが前記加熱ブロック及び前記収集容器から離間されている開位置と、前記収集容器が前記るつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、
前記るつぼブロックが前記閉位置にあるときに、前記1つ以上の加熱要素が、前記収集容器を前記第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、前記収集容器内の金属蒸気の実質的に全てを溶解し、
前記るつぼが、前記溶解された蒸気凝縮物を収集する、昇華装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府による資金提供を受けた研究又は開発に関する記載
アメリカ合衆国(「米国」)政府は、米国エネルギー省と米国アルゴンヌ国立研究所を代表するUChicago Argonne,LLCとの間の契約番号DE-AC02-06CH11357に従って本発明に権利を有する。
【0002】
本開示は、概して、昇華に関し、より具体的には、遠隔で制御することができる昇華装置に関する。
【背景技術】
【0003】
核医学は、様々な種類のがん、心臓の病態(例えば、心臓病)、及び他の障害を含む様々な状態を診断及び治療するために、放射性医薬品として知られる少量の放射性粒子の使用を伴う医学の専門分野である。これらの放射性医薬品は、活性医薬成分として放射性核種に依存している。そのような放射性核種の1つである銅-67は、医薬品と組み合わせると、例えば、非ホジキンリンパ腫及び他の種類のがんに関連する小腫瘍を標的とし、照射する際に、周囲の健康な組織を損傷することなく有効である。
【0004】
放射性核種、放射性医薬品中の活性成分は、多くの既知の方法を使用して精製及び単離することができる。昇華として知られているそのような方法の1つは、昇華装置を使用して、所望の放射性核種のみから実質的になる固体残渣から分離された金属蒸気を生成するような方法で、所望の放射性核種を含む固体混合物を選択的に加熱することを伴う。より具体的には、固体混合物は、昇華容器内に位置付けされ、その中で選択的に加熱され、それによって、金属蒸気を生成し、金属蒸気は、昇華容器に結合され、真空圧を受ける収集容器内に凝縮され、収集される。金属蒸気の凝縮及び収集は、昇華容器内の放射性核種のみから実質的になる固体残渣を残す。固体残渣は、次に除去され、所望の放射性核種を完全に精製及び単離するために、更なる化学処理(例えば、アニオン交換を使用して他の微量金属から分離された、水性酸に溶解された)を受けることができる。一方、収集容器の固体表面上で固化した金属蒸気(通常、それが昇華された場所から温度が低い)は、所望に応じて溶解され、リサイクル又は再利用され得る。
【0005】
図1及び図2は、昇華容器(昇華された固体を含む)104及び収集容器108(昇華された材料が凝縮及び固化される)を含む既知の昇華装置100の一実施例を例解する。昇華容器104は、プレート112及びプレート112上に配設され、かつ1つ以上の所望の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼ116の形態を採る。この実施例では、固体混合物は、亜鉛-68(標的材料)及び銅-67を含む同位体濃縮金属標的であり、銅-67は所望の放射性核種である。収集容器108は、昇華容器104の上に設置され、シリンダ120及びシリンダ120に結合されたプレート124を含む。収集容器108を昇華容器104(及びその逆)に固定するために、収集容器108は、シリンダ120がるつぼ116を囲繞し、プレート124がプレート112(及びその逆)と係合するように位置付けされ、プレート間に位置するガスケットが密閉封止を作成し、そのとき、複数のボルト128が、プレート112及びプレート124の各々に形成された開口に挿入され、複数のナット132が、複数のボルト128を適所に固定し、かつガスケットを圧縮するために必要とされる力を作り出すために使用される。
【0006】
収集容器108が昇華容器104上に設置されると、真空が収集容器108の内部容積に適用され、るつぼ116は、昇華装置100の下部分(るつぼ116が位置する場所)を囲繞する加熱要素(図示せず)によって特定の温度(この場合、約650℃)に加熱される。次いで、この特定の温度で銅-67の蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する亜鉛-68は、選択的かつ実質的に蒸気相に変換される。亜鉛-68は、その後、収集容器108によって収集され、収集容器108内で凝縮され、それによって、実質的に銅-67のみからなる固体残渣をるつぼ116内に残す。したがって、るつぼ116を除去し、固体残渣を更に処理して、銅-67を完全に精製及び単離することができるが、亜鉛-68は、上で考察されるように、溶解及びリサイクルされ得る。
【0007】
昇華装置100は、例えば、亜鉛-68及び銅-67を含む同位体濃縮金属標的から銅-67を単離するのに有効であるが、昇華装置100が真空密閉封止を有することを確実にするために、昇華装置100の構成要素、特に複数のボルト128及び複数のナット132を操作することは困難であり得る。例えば、複数のボルト128の各々を適切に設置するためには、90インチポンドのトルクが必要とされる。操作は、遮蔽された環境(例えば、ホットセル)内で行われなければならないという事実によって、大量の放射性物質を扱うときの難しさが増大され、操作は、比較的巧妙さが少ない効果的な手サイズのピンサーであるマニピュレータと呼ばれる遠隔の機械的な手で行われることが一般的である。
【発明の概要】
【0008】
第1の態様によれば、遮蔽された環境に配設されるように適合された昇華装置が提供される。昇華装置は、遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されており、昇華装置が、1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の第1の加熱要素を含む第1の加熱ブロックと、第1の加熱ブロックに結合された収集容器と、を含み、るつぼブロックは、第1の加熱ブロックに対して、るつぼブロックが第1の加熱ブロック及び収集容器から離間されている開位置と、るつぼブロックが第1の加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、かつ収集容器がるつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、るつぼブロックが閉位置にあるときに、1つ以上の第1の加熱要素が、るつぼブロックを第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、固体混合物を加熱し、収集容器によって収集される蒸気を生成し、るつぼに、実質的に、1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残す。
【0009】
第2の態様によれば、遮蔽された環境に配設されるように適合された昇華装置が提供される。昇華装置は、遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されており、昇華装置が、1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、下部加熱ブロックであって、下部加熱ブロックが、固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の下部加熱要素を含む、下部加熱ブロックと、下部加熱ブロックから熱的に絶縁された上部加熱ブロックと、上部加熱ブロックに結合された収集容器と、を含み、るつぼブロックは、下部加熱ブロックに対して、るつぼブロックが下部加熱ブロック及び収集容器から離間されている開位置と、るつぼブロックが下部加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、収集容器がるつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、るつぼブロックが閉位置にあるときに、1つ以上の下部加熱要素が、るつぼブロックを第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、固体混合物を加熱し、収集容器によって収集される蒸気を生成し、るつぼに、実質的に、1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残し、上部加熱ブロックが、収集容器内の蒸気を溶解するのに十分な第2の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の上部加熱要素を含む。
【0010】
第3の態様によれば、遮蔽された環境に配設されるように適合された昇華装置が提供される。昇華装置は、遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されており、昇華装置が、1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の下部加熱要素を含む、下部加熱ブロックと、下部加熱ブロックから熱的に絶縁された上部加熱ブロックと、上部加熱ブロックに結合された収集容器であって、上部加熱ブロックが、収集容器を加熱するために熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の上部加熱要素を含む、収集容器と、上部加熱ブロックを通って形成された1つ以上の冷却通路であって、1つ以上の冷却通路が、金属蒸気の凝縮を容易にするために収集容器に向かって選択的に冷却流体を方向付けるように構成されている、1つ以上の冷却通路と、を含み、るつぼブロックは、下部加熱ブロックに対して、るつぼブロックが下部加熱ブロック及び収集容器から離間されている開位置と、るつぼブロックが下部加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、収集容器がるつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、るつぼブロックが閉位置にあるときに、1つ以上の下部加熱要素は、るつぼブロックを第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、固体混合物を加熱し、収集容器によって収集される蒸気を生成し、るつぼに、実質的に、1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残す。
【0011】
第4の態様によれば、遮蔽された環境に配設されるように適合された昇華装置が提供される。昇華装置は、遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されており、昇華装置は、るつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、蒸気凝縮物を含む収集容器と、収集容器に結合されており、収集容器内で蒸気凝縮物を溶解するのに十分な温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の加熱要素を含む加熱ブロックと、を含み、るつぼブロックは、加熱ブロックに対して、るつぼブロックが加熱ブロック及び収集容器から離間されている開位置と、収集容器がるつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、るつぼブロックが閉位置にあるときに、1つ以上の加熱要素が、収集容器及びるつぼブロックを囲繞する加熱ブロックを第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、収集容器内の金属蒸気の実質的に全てを溶解し、るつぼが、溶解された蒸気凝縮物を収集する。
【0012】
前述の第1、第2、第3、又は第4の態様のいずれか1つ以上によれば、昇華装置は、以下の好ましい形態のいずれか1つ以上を更に含み得る。
【0013】
いくつかの形態では、昇華装置は、第1の加熱ブロックから熱的に絶縁された第2の加熱ブロックを更に含み、第1の加熱ブロックが、第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の第1の加熱要素を含み、第2の加熱ブロックが、収集容器によって収集された蒸気を溶解するのに十分な第2の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の第2の加熱要素を含む。
【0014】
いくつかの形態では、るつぼブロックが閉位置にあるときに、るつぼブロックが、第1の加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、1つ以上の第1の加熱要素が、るつぼブロックを第1の温度に加熱するために第1の温度を有する熱を発生させるように構成されている。
【0015】
いくつかの形態では、第2の加熱ブロックが、収集容器の上部分を囲繞する。
【0016】
いくつかの形態では、昇華装置が、第2の加熱ブロックに直接隣接して形成された1つ以上の冷却通路を更に含み、1つ以上の冷却通路が、金属蒸気の凝縮を容易にするために、収集容器に向かって選択的に冷却流体を方向付けるように構成されている。
【0017】
いくつかの形態では、るつぼブロックは、るつぼブロックが閉位置にあるときにるつぼを周囲環境から封止するように構成された封止要素を更に含む。
【0018】
いくつかの形態では、昇華装置は、るつぼブロックに動作可能に結合された補償器アセンブリを更に含み、補償器アセンブリが、封止要素に一定の負荷を適用するように構成された1つ以上のばねを含む。
【0019】
いくつかの形態では、昇華装置が、るつぼブロックを開位置と閉位置との間で移動させるように、るつぼブロックに動作可能に結合された駆動アセンブリを更に含む。
【0020】
いくつかの形態では、駆動アセンブリが、ねじジャッキと、ねじジャッキに及びるつぼブロックに動作可能に結合されたねじジャッキシャフトと、ねじジャッキを駆動して、ねじジャッキシャフトを移動させ、それによって、るつぼブロックを開位置と閉位置との間で移動させるように構成された駆動モータと、を含む。
【0021】
いくつかの形態では、昇華装置が、駆動モータとねじジャッキとの間に設置されたスリップクラッチを更に含む。
【0022】
いくつかの形態では、昇華装置が、上部加熱ブロックを通って形成された1つ以上の冷却通路を更に含み、1つ以上の冷却通路が、金属蒸気の凝縮を容易にするために収集容器に向かって選択的に冷却流体を方向付けるように構成されている。
【0023】
いくつかの形態では、昇華装置が、1つ以上の冷却通路に流体的に結合されており、冷却流体を1つ以上の冷却通路に方向付けるように構成されている、空気送風機を更に含む。
【0024】
いくつかの形態では、昇華装置が、上部加熱ブロックと下部加熱ブロックとの間に形成された1つ以上の排出通路を更に含み、1つ以上の排出通路が、冷却流体を排出するように、1つ以上の冷却通路に流体的に結合されている。
【0025】
いくつかの形態では、るつぼブロックは、るつぼブロックに動作可能に結合された補償器アセンブリを更に含み、補償器アセンブリが、封止要素に一定の負荷を適用するように構成された1つ以上のばねを含む。
【0026】
いくつかの形態では、第2の温度が、第1の温度と実質的に等しい。
【0027】
いくつかの形態では、第2の温度が、第1の温度とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の実施例を、ここで添付図面を参照して説明する。
【0029】
図1】既知の昇華装置の実施例を例解する。
図2図1の既知の昇華装置の昇華容器を例解する。
図3】本開示の教示に従って構築され、遮蔽された環境に配設された昇華装置の実施例の斜視図である。
図4図3と同様であるが、明確にするために遮蔽された環境を除去した状態である。
図5図3の正面図である。
図6図3図5の昇華装置の加熱ブロックの斜視図であるが、明確にするために絶縁ブロックを取り外している。
図7図3図5の昇華装置の加熱ブロックの断面図である。
図8】開位置にある図3図5の昇華装置のるつぼブロックを例解する。
図9】開位置にあるるつぼブロックの拡大図である。
図10】閉位置にある図3図5の昇華装置のるつぼブロックを例解する。
図11】閉位置にあるるつぼブロックの拡大図である。
図12図3図5の昇華装置の補償器アセンブリの斜視図である。
図13図12の補償器アセンブリの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示は、概して、上で説明される既知の昇華装置100及び1つ以上の放射性核種を生成及び単離するための他の昇華装置及び昇華方法に関する問題に対処することを目的とする昇華装置に関する。より具体的には、開示された昇華装置は、昇華装置が配設されている遮蔽された環境の外側から遠隔制御されながら、1つ以上の放射性核種を精製及び単離するように構成される。言い換えれば、開示された昇華装置の構成要素は、昇華を実行するために、マニピュレータを介して、又は遮蔽された環境内のオペレータによって手動で、(例えば、真空密閉封止を作成するために)操作される必要はない。代わりに、開示された昇華装置の構成要素は、オペレータが遮蔽された環境の外側に配設されている間、遠隔に位置するコントローラによって、又はオペレータによって完全に遠隔制御され得る。したがって、開示の昇華装置は、既知の昇華装置よりも使用が容易であり、より安全である。同時に、開示された昇華装置は、既知の昇華装置と同じくらい(それ以上ではないにしても)効果的であり、有益なことに、昇華プロセスを最適化するために、昇華装置内の熱条件を迅速かつ容易に調整することを可能にする。
【0031】
図3図13は、本開示の教示に従って構築され、遮蔽された環境304(図3にのみ示されている)に配設された昇華装置300の一実施例を例解する。この実施例では、遮蔽された環境304は、ホットセル、すなわち、その中で使用される放射性物質から周囲の環境を保護する厚い壁を有するコンクリートバンカーであるが、他の実施例では、遮蔽された環境は異なる形態を採ることができる。昇華装置300は、概して、1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼ307を受容及び保持するように構成されたるつぼブロック316と、所望に応じてるつぼ307を選択的に加熱するために熱を発生させるように構成された1つ以上の第1の加熱要素358を含む第1の(又は下部)加熱ブロック350と、るつぼブロック316に選択的に結合された収集容器312と、所望に応じて収集容器312を選択的に加熱するために熱を発生させるように構成された1つ以上の第2の加熱要素362を含む第2の(又は上部)加熱ブロック354と、を含む。
【0032】
この実施例では、固体混合物は、好ましくは、亜鉛-68及び銅-67(所望の放射性核種)を含む同位体濃縮金属標的の形態を採るが、他の固体混合物も同様に使用することができる。したがって、少なくともこの実施例では、昇華装置300は、亜鉛-68及び銅-67を含む同位体濃縮金属標的から銅-67を精製し、実質的に単離するように構成され、その全てが、遮蔽された環境304の外側から遠隔制御される。この目的のために、るつぼブロック316は、下部加熱ブロック350に対して、るつぼブロック316が下部加熱ブロック350及び収集容器312から離間されている、図8及び図9に具体的に示す開位置と、るつぼブロック316が下部加熱ブロック350内に少なくとも部分的に配設され、収集容器312がるつぼ307と流体連通している、図10及び図11に具体的に示す閉位置との間で移動可能である。固体混合物を実質的に昇華させることが所望される場合、るつぼブロック316は閉位置に位置付けされ、1つ以上の第1の加熱要素358は、るつぼブロック316によって運ばれるるつぼ307を、固体混合物を加熱する第1の所定の温度に加熱して、蒸気(この場合、収集容器312内で固化する亜鉛-68の金属蒸気)及びるつぼ307内の所望の放射性核種(この場合、銅-67の)のみから実質的になる固体残渣を生成するように構成される。この実施例では、るつぼ307を加熱すると、固体混合物中の金属亜鉛68の少なくともおよそ95%が昇華し、その結果、固体残渣は、最初に固体混合物中の金属亜鉛-68のおよそ5%を含み、残りの固体残渣は、銅-67及び他の微量金属である。したがって、本明細書で使用される場合、「実質的に昇華する」とは、昇華される1つ以上の金属材料の少なくとも約95%が実際に昇華されることを意味する。他方、昇華された構成要素を実質的に溶解することが所望されるときに、るつぼブロック316は閉位置に位置付けされ、1つ以上の第2の加熱要素362は、収集容器312の少なくとも一部分を、金属蒸気を実質的に溶解し、液化金属をるつぼ307に戻す第2の所定の温度に加熱するように構成される。同様に、本明細書で使用される場合、「実質的に溶解する」とは、溶解される昇華された成分の少なくともおよそ95%が実際に液化されることを意味する。
【0033】
るつぼブロック316は、一般に、るつぼ307を受容し、るつぼブロック316が開位置と閉位置との間で移動するときにるつぼ307を保持するように構成されている。図6及び図7に最良に例解されるように、るつぼブロック316は、るつぼブロック316が周囲環境から熱的に絶縁されるように、完全ではないにしても少なくとも部分的に、絶縁ブロック318によって囲繞されている。図8図11に最良に例解されるように、この実施例のるつぼブロック316は、このようにしてるつぼ307を受容及び保持するように具体的に構成された一体型フランジ部分の形態を採る。この目的のために、一体型フランジ部分316は、周囲壁320及び周囲壁320によって画定される空洞324を有する。空洞324は、その中にるつぼ307の一部を受容するようにサイズ設定され、次に、周囲壁320は、るつぼ307を空洞324に保持するように構成される。
【0034】
この実施例では、第1の加熱ブロック350及び第2の加熱ブロック354はそれぞれ、互いに独立して動作可能な2つの加熱ゾーンを画定する。上方に導入された1つ以上の下部加熱要素358は、第1の所定の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成され、これは、るつぼ307内の固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分である。いくつかの実施例では、例えば、固体混合物が、亜鉛-68及び銅-67を含む同位体濃縮金属標的である場合、第1の所定の温度は、約650℃~700℃に等しくなり、これは、固体混合物中の亜鉛-68を実質的に昇華させるのに十分である。しかしながら、他の実施例では、第1の所定の温度は、内部圧力に応じて、650℃未満(例えば、約200℃又は約450℃)であり得る。同様に、上方に導入された1つ以上の上部加熱要素362は、第2の所定の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成され、これは、312に収集された金属を液化又は溶解するのに十分である。いくつかの実施例では、第2の所定の温度は、第1の所定の温度と等しいか、又は実質的に等しい(例えば、約650℃~700℃の間)が、他の実施例では、第2の所定の温度は、第1の所定の温度よりも低い場合がある。
【0035】
この実施例では、下部加熱ブロック350は、4つの下部加熱要素358を含み、上部加熱ブロック354はまた、4つの上部加熱要素362を含むが、下部加熱要素358及び上部加熱要素362の正確な数は変化し得る。下部加熱要素358及び上部加熱要素362の各々は、好ましくは、下部加熱ブロック350又は上部加熱ブロック354に形成されたポケット364に配設されたカートリッジヒータ(例えば、125Wの定格電力を有する)の形態を採り、下部カートリッジヒータ358は、概して水平に(すなわち、昇華装置300の長手方向軸366に垂直に)配向され、上部加熱カートリッジ362は、概して垂直に(すなわち、長手方向軸366に平行に)配向される。しかしながら、他の実施例では、下部加熱カートリッジ及び/又は上部加熱カートリッジは、異なる方法で配置することができ、及び/又は異なる加熱要素を使用することができる。例えば、ヒートポンプ、ヒートパイプ、又は電気抵抗線を、加熱カートリッジの代わりに使用することができる。
【0036】
したがって、この実施例では、下部加熱ブロック350は、昇華装置300の第1の(又は下部)部分を第1の所定の温度に加熱するように構成された第1の(又は下部)加熱ゾーンを画定し、上部加熱ブロック354は、第1の加熱ゾーンから熱的に絶縁され、昇華装置300の第2の(又は上部)部分を第2の所定の温度に加熱するように構成された第2の(又は上部)加熱ゾーンを画定する。第2の加熱ゾーンは、概して、複数の絶縁ブロック(例えば、マリナイトで作製された)を介して第1の加熱ゾーンから(及びその逆)絶縁される。この実施例では、複数の絶縁ブロックは、上部加熱ブロック354(及び、より具体的には、1つ以上の上部加熱要素362)を囲繞する4つの同一の固体絶縁ブロック368A、上部加熱ブロック354を囲繞する部分的に開放された絶縁ブロック368B、及び下部加熱ブロック350を囲繞する固体絶縁ブロック368Cを含む。好ましくは、部分的に開放されたブロック368Bは、以下でより詳細に考察されるように、2つの隣接する固体絶縁ブロック368Aの間に配設されるが、いくつかの実施例では、部分的に開放されたブロック368Bは、固体絶縁ブロック368Aのうちの1つと固体絶縁ブロック368Cとの間に配設され得る。いずれにせよ、第1及び第2の加熱ゾーンは互いに熱的に絶縁されているため、昇華装置300の第1及び第2の部分は、異なる時間に異なる温度に加熱されることができる。例えば、昇華装置300の第1の部分は、昇華装置300の第2の部分が加熱されていない(又は冷却されている)間、(例えば、第1の温度まで)加熱され得る。同様に、昇華装置300の第1の部分が加熱されていない間、昇華装置の第2の部分を(例えば、第2の温度まで)加熱することができる。所望される場合、第1及び第2のゾーンを同時に(同じ温度又は異なる温度に)加熱することもできる。
【0037】
収集容器312は、概して、下部加熱ブロック350が固体混合物を第1の所定の温度に加熱するときに生成される金属蒸気を収集するように構成される。図6及び図7に最良に例解されるように、この実施例では、収集容器312は、アルミナで作製された(しかし、別のセラミック材料又はグラファイトで作製することができる)伸縮チューブの形態を採り、第1の円筒形部分370及び第2の円筒形部分374が互いに対して摺動可能であるように、第2の円筒形部分374に配設された第1の円筒形部分370を有する。収集容器312はまた、第1の円筒形部分370によって運ばれるバッフル376を含み、第1の円筒形部分370と第2の円筒形部分374とを流体的に結合する複数の穴を含む(穴のサイズのために限られた程度であるが)。この実施例では、バッフル376は、第1の円筒形部分370の底端部と第2の円筒形部分374の上端部との間のほぼ中間に位置し、その結果、バッフル376は、上部加熱ブロック354のほぼ中央に位置する。しかしながら、他の実施例では、バッフル376は、第2の円筒形部分374の上端部により近くに位置することができる。例えば、代わりに、バッフル376は、第2の円筒形部分374の上端部に直接隣接して位置することができる。
【0038】
図6及び図7に最良に例解されるように、収集容器312は、下部加熱ブロック350の中央開口部378及び中央開口部378と同軸である上部加熱ブロック354の中央開口部382内に配設され、両方とも長手方向軸366に沿って延在する。下部加熱ブロック350は、第1の円筒形部分370及び第2の円筒形部分374の両方の下部分、並びにるつぼブロック316の一部分を囲繞する(るつぼブロック316が閉位置にあるとき)。したがって、下部加熱要素358が熱を発生させるときに、下部加熱要素358は、以下でより詳細に考察されるように、(るつぼブロック316が閉位置にあるときに)るつぼブロック316と同様に、第1の円筒形部分370及び第2の円筒形部分374の両方の少なくとも下部分を加熱するように構成される。一方、上部加熱ブロック354は、第1の円筒形部分370の上部分及び第2の円筒形部分374の少なくとも中間部分を囲繞する。したがって、上部加熱要素362が熱を発生させるときに、上部加熱要素362は、以下でより詳細に考察されるように、第1の円筒形部分370の少なくとも上部分及び第2の円筒形部分374の中央部分を加熱するように構成される。
【0039】
好ましくは、昇華装置300はまた、例えば、第1の加熱ゾーンが昇華装置300の第1の(又はより低い)部分を第1の所定の温度に加熱しているときに、昇華プロセスを容易にする又は促進するために、第2の加熱ゾーン(及びより具体的には、第1の円筒形部分370の上部分)を選択的かつ制御可能に冷却するための手段を含む。この目的のために、第2の加熱ゾーンを選択的に冷却するための手段は、第2の加熱ゾーンを第1の所定の温度未満の1つ以上の温度に冷却することができる。いくつかの実施例では、第2の加熱ゾーンを選択的に冷却するための手段は、第2の加熱ゾーンを、第2の加熱ゾーンが下部加熱ブロック350から離れて移動するにつれて低下する複数の異なる温度に冷却することができる。例えば、第2の加熱ゾーンを選択的に冷却するための手段は、第2の加熱ゾーンが下部加熱ブロック350から離れて移動するにつれて、第2の加熱ゾーンを4つの異なる温度、例えば、30℃未満、50℃未満、70℃未満、及び120℃未満に冷却することができる。いずれにしても、昇華プロセス及び蒸気が凝縮する収集容器内の位置を制御するために、必要に応じて温度を調整することができることが理解されるであろう。
【0040】
この実施例の昇華装置300は、1つ以上の冷却通路400の形態で、そのような手段と、空気送風機404と、1つ以上の排出通路408と、を含む。好ましくは、昇華装置300は、上部加熱ブロック354(図6を参照)の周囲に概ね配置された4つの冷却通路400を含むが、他の実施例では、昇華装置300は、より多く又はより少ない冷却通路400を含むことができる。1つ以上の冷却通路400は、1つ以上の冷却通路400が上部加熱ブロック354に直接隣接し、上部加熱ブロック354に熱的に結合されるように、上部加熱ブロック354と絶縁ブロック368との間に画定される。次いで、1つ以上の冷却通路400は、概して、長手方向軸366に沿った方向に延在する。一方、空気送風機404は、1つ以上の冷却通路400に流体的に結合され、冷却流体、例えば、冷却流体源(図示せず)からの空気又は水を昇華装置300及び1つ以上の冷却通路400に選択的に方向付け、それによって、上部加熱ブロック354(並びに第1の円筒形部分370の上部分)を冷却するように構成される。この実施例では、空気送風機404は、第2の円筒形部分374の上部分に直接隣接する位置で、絶縁ブロック368を通って、部分的に外向きに延在する。好ましくは、昇華装置300は、4つの排出通路408を含む(図6を参照)が、他の実施例では、昇華装置300は、より多くの又はより少ない排出通路408を含むことができる。1つ以上の排出通路408は、1つ以上の冷却通路400に流体的に結合されて、1つ以上の冷却通路400に提供され、かつ1つ以上の冷却通路400を通って流れる(空気送風機404を介して)任意の冷却流体を排出する。この実施例では、1つ以上の排出通路408は、1つ以上の排出通路408が下部加熱要素358の上流に位置付けされるように、部分的に開いた絶縁ブロック368Bと最下部の固体絶縁ブロック368Aとの間に画定される。このようにして、冷却通路400から排出される任意の冷却流体(及び上部加熱ブロック354から次に引き出される任意の熱)は、下部加熱ブロック350(又は第1の加熱ゾーン)の温度に影響を与えない。
【0041】
図9及び図11に最良に例解されるように、この実施例の昇華装置300はまた、封止要素500を含む。封止要素500は、概して、るつぼブロック316が閉位置にあるときに、下部加熱ブロック350内及び周囲環境からるつぼ307を封止するように構成されている。この実施例では、封止要素500は、るつぼ307に含まれる固体混合物を部分的に昇華させるために、本明細書において説明される第1の所定の温度などのより高い温度に耐えることができるグラフォイルガスケット(例えば、高純度グラフォイルガスケット又は反応器グレードのグラフォイルガスケット)の形態を採る。しかしながら、他の実施例では、封止要素500は、代わりに、C-封止又は他のタイプの封止要素の形態を採ることができ、及び/又は代わりに、例えば、アルミニウム又は金で作製することができる。いずれにせよ、封止要素500は、封止要素500が一体型フランジ部分316の周囲壁320を囲繞するように、るつぼブロック316によって運ばれる。したがって、るつぼブロック316が閉位置にあるときに、封止要素500は、下部加熱ブロック350の底部分と封止係合し、(例えば、るつぼブロック316と下部加熱ブロック350との間の)任意の材料(又は熱)が昇華装置300から逃げるのを防ぐ。図11に最良に例解されるように、るつぼブロック316が閉位置にあるときに、封止要素500は、それぞれ、下部加熱ブロック350及びるつぼブロック316上に形成された第1の対向突起502及び第2の対向突起503によってそれらの間に挟まれるという事実によって、封止係合が増大される。他の実施例において、例えば、封止要素500がC-封止又は他のタイプの封止要素の形態を採るとき、封止要素500は、封止要素500を所望の位置に挟むのを助ける溝内に配設され得る。
【0042】
図9及び図11にも最良に例解されるように、この実施例の昇華装置300は、カラー504及びスペーサ508を更に含む。カラー504は、収集容器312に配設され(より具体的には、第1の円筒形部分370と嵌合係合する)、昇華される金属(この場合は亜鉛-68)と下部加熱ブロック350の材料(この場合はステンレス鋼)との間の化学反応を防止するバリアとして機能するが、化学反応は昇華装置300の構成要素を損傷し、昇華された材料の損失を引き起こす可能性がある。この実施例では、カラー504は、カラー504が収集容器312内に固定的に配設されるように、第1の円筒形部分370の底部分に嵌合係合する。しかしながら、他の実施例では、カラー504は、その代わりに、るつぼブロック316が開位置にあるときにカラー504が第1の位置を占め、るつぼブロック316が閉位置にあるときにカラー504が第2の位置を占めるように、収集容器312内に移動可能に配設することができる。一方、スペーサ508は、一体型フランジ部分316に対して封止要素500を所望の位置に維持するのを助けるようにサイズ設定及び配置される。この実施例では、スペーサ508は、スペーサ508が封止要素500とカラー504との間に固定的に配設されるように、カラー504と嵌合係合する。次に、図11に例解されるように、スペーサ508は、下部加熱ブロック350によって囲繞され、るつぼブロック316が閉位置にあるときに、スペーサ508は、一体型フランジ部分316(及び、次に、るつぼ307)の周囲壁320を囲繞する。
【0043】
任意選択的に、この実施例の昇華装置300は、所望されるときに、昇華した(収集容器312に収集された凝縮金属蒸気)溶解された金属をるつぼ307に(又は新しいるつぼ307に)戻す)のを助けるためにるつぼ307に結合された漏斗512を更に含む。この実施例では、漏斗512は、漏斗512が周囲壁320の一部を受容及び囲繞するように、るつぼ307に結合されている。次に、漏斗512は、るつぼブロック316が開位置と閉位置との間で移動されるときに、カラー504及びスペーサ508に対して、るつぼ307(及びるつぼブロック316)とともに移動可能である。るつぼブロック316が開位置に向かって移動し、開位置に入ると、スペーサ508は、漏斗512(及びるつぼ307)を適切な位置に導くのを助ける。るつぼブロック316が図10及び図11に示す閉位置に到達してそこにいるときに、漏斗512は、収集容器312内に配設され、漏斗512が実質的にカラー504とスペーサ508との間に配設されるように、カラー504とスペーサ508の両方と係合する。逆に、るつぼブロック316が図8及び図9に示される開位置にあるときに、漏斗512はまた、漏斗512がカラー504及びスペーサ508の両方から離間されるように、収集容器312の外側に配設される。
【0044】
ここで図12及び図13を参照すると、この実施例の昇華装置300は、るつぼブロック316に動作可能に結合された補償器アセンブリ600を更に含む。補償器アセンブリ600は、概して、昇華装置300の動作中の熱膨張及び封止クリープ条件を補償するために、封止要素500上の比較的一定の負荷を維持するように構成されている。この実施例では、補償器アセンブリ600は、複数の補償器ハウジングプレート608、二対の補償器ばね612、及び補償器ばね612を保持するための上部ばねプレート616及び下部ばねプレート620を含む。補償器ハウジングプレート608は、ばね612のためのハウジングを形成するように一緒に結合される(例えば、ボルトで固定される)。補償器ばね612は、各対の補償器ばね612の補償器ばね612が同心円状に配置され、各補償器ばね612の一端部がハウジングに固定的に結合された上部ばねプレート616に固定されるように、このハウジング内に配設される。しかしながら、図12及び図13に最良に例解されるように、各補償器ばね612の他端部は、下部ばねプレート616を通って形成されたそれぞれの開口部を通って延在し、下部ばねプレート616は、一対の補償器ばね612によって発生する総負荷(すなわち、ばね力)を調整するためにハウジング内で移動可能である。
【0045】
この実施例の補償器アセンブリ600はまた、シャフトプレート624と、補償器ハウジングプレート608のうちの底部の1つとシャフトプレート624との間に延在し、それらを接続する一対のばねシャフト628と、を含む。ばねシャフト628の各々は、長手方向軸366に平行な方向に延在する。図12及び図13に例解されるように、ばねシャフト628の各々は、補償器ばね612の対のうちのそれぞれの1つによって少なくとも部分的に囲繞されている。したがって、二対の補償器ばね612によって発生した総負荷は、その後、一対のばねシャフト624に伝達され、ばねシャフトは、次に、総負荷をシャフトプレート624に伝達する。
【0046】
ここで図4図5図8、及び図10を参照すると、この実施例の昇華装置300はまた、複数の補償器シャフト650及び駆動アセンブリ654を含む。複数の補償器シャフト650は、概して、補償器アセンブリ600をるつぼブロック316に動作可能に結合するように構成される。これらの図に最良に例解されるように、複数の補償器シャフト650は、各シャフト650の第1の端部658が下部加熱ブロック350に配設され、下部加熱ブロック350に固定され、各シャフト650の第2の端部662がシャフトプレート624を通って延在し、シャフトプレート624に固定されるように配置される。複数の補償器シャフト650はこのように固定されているため、二対の補償器ばね612によって発生し、シャフトプレート624に伝達される総負荷は、同様に補償器シャフト650に伝達され、補償器シャフト650は次に、下部加熱ブロック350から離れた第1の方向(この場合は下向き)に封止要素500に第1の力を適用する。るつぼブロック316が開位置と閉位置との間を移動するときに、るつぼブロック316が複数の補償器シャフト650に沿って(るつぼブロック316に形成された開口を介して)移動可能であるように、補償器シャフト650の各々は、長手方向軸366に平行な方向に延在する。
【0047】
複数の補償器シャフト650と同様に、駆動アセンブリ654もまた、るつぼブロック316に動作可能に結合されるが、これは、複数の補償器シャフト650に沿った、開位置と閉位置との間のるつぼブロック316の移動を駆動するためである。この実施例では、駆動アセンブリ654は、るつぼブロック316の所望の動きを達成するためにジャッキアセンブリの構成要素を駆動するように構成された駆動モータ720とともに、ジャッキチューブ700と、ジャッキプレート704と、ジャッキシャフト708と、延長チューブ712と、ねじジャッキ716と、を含む、ジャッキアセンブリの形態を採る。更に、駆動アセンブリ654は、下部加熱ブロック350に向かって、第2の方向(この場合は上向き)に(ジャッキチューブ700を介して)封止要素500に適用される第2の力を発生させるように構成される。
【0048】
図4図5図8、及び図9に最良に例解されるように、ジャッキチューブ700は、ジャッキチューブ700及びるつぼブロック316が長手方向軸366に沿ってともに移動するように、るつぼブロック316に固定的に結合される。より具体的には、ジャッキチューブ700は、一体型フランジ部分316の底面に対して固定的に結合された第1の端部720を有する。ジャッキチューブ700はまた、ジャッキプレート704に固定的に結合された第2の端部724を有し、その結果、ジャッキチューブ700及びジャッキプレート704もまた、長手方向軸366に沿ってともに移動する。見るのはある程度難しいが、図8及び図10に最良に見られるが、ジャッキプレート704は、一対の補償器シャフト650を受容するようにサイズ設定された一対のシャフト開口部728を有し、一対の補償器シャフト650はそれぞれ一対のシャフト開口部728を通って延在する。
【0049】
ジャッキシャフト708がジャッキプレート704(及びジャッキチューブ700及びるつぼブロック316)と一致して移動するように、ジャッキシャフト708はジャッキプレート704に固定的に結合されている。より具体的には、ジャッキシャフト708は、ジャッキチューブ700の第2の端部724の反対側のジャッキプレート704の表面に固定的に結合された第1の端部を有する。他方、ジャッキシャフト708は、(例えば、上部ばねプレート616によって)適所に固定された、延長チューブ712内に移動可能に(例えば、摺動可能に)配設された第2の端部を有する。したがって、るつぼブロック316、ジャッキチューブ700、ジャッキプレート704、及びジャッキシャフト708は、ジャッキシャフト708の第2の端部を長手方向軸366に沿って延長チューブ712の更に内側又は更に外側に移動させることによって、延長チューブ712に対して全て移動可能である。
【0050】
ねじジャッキ716は、ジャッキシャフト708の第2の端部(及びるつぼブロック316)の延長チューブ712に対する位置を制御するように、既知の方法でジャッキシャフト708の一部に動作可能に結合される。同様に、駆動モータ720は、ねじジャッキ716、及び次に、延長チューブ712に対するジャッキシャフト708の第2の端部の位置を制御するように、ねじジャッキ716に動作可能に結合される。この実施例では、駆動モータ720は、可変速度コントローラを有する直流(DC)モータである。しかしながら、他の実施例では、駆動モータ720は、交流モータとすることができる。更に、この実施例では、ジャッキアセンブリによる過負荷を防止するために、駆動モータ720からジャッキシャフト708までの大きなギア比がある。任意選択的に、この実施例では、駆動アセンブリ654はまた、ねじジャッキ716と駆動モータ720との間に配置されたスリップクラッチを含む。スリップクラッチは、ジャッキアセンブリによる過負荷を更に防止するために、ねじジャッキ716と駆動モータ720との間のトルクを制御するのを助ける。
【0051】
図3図13に例解される実施例のようないくつかの実施例では、昇華装置300は、昇華装置300の構成要素を保持及び支持するように構成された支持構造750を含む。図4及び図5に最良に例解されるように、この実施例の支持構造750は、複数の脚754と、複数の脚754に結合された第1の支持体758と、複数の脚754に結合された第2の支持体762とを有するテーブルの形態を採る。図4及び図5に最良に例解されるように、補償器アセンブリ600は、概して、第1の支持体758と第2の支持体762との間に配設される。より具体的には、複数の補償器ハウジングプレート608の底部ハウジングプレート608は、第1の支持体758に直接結合(例えば、ボルトで固定)され、複数の補償器ハウジングプレート608の上部ハウジングプレート608は、第2の支持体762に直接結合(例えば、ボルトで固定)され、残りの補償器ハウジングプレート608、一対の補償器ばね612、及び上部ばねプレート616及び下部ばねプレート620は、第1の支持体758と第2の支持体762との間に配設されている。しかしながら、第2の支持体762は、一対のばねシャフト628がそれぞれに通って延在する一対の開口を含み、それによって、シャフトプレート624が、第2の支持体762の上方に配設され、かつ一対のばねシャフト628が、第2の支持体762の上方に部分的に配設される。他方、駆動アセンブリ654は、概して、第2の支持体762に結合され、かつ第2の支持体762の上方に配設される。より具体的には、ねじジャッキ716及び駆動モータ720は、第2の支持体762に直接結合され、ジャッキチューブ700及びジャッキプレート704は、第2の支持体762の上方に配設され、ジャッキシャフト708及び延長チューブ712は、第2の支持体762の上方に部分的に配設される。
【0052】
上で考察されるように、昇華装置300は、遮蔽された環境304の外側から遠隔制御されながら、1つ以上の放射性核種(この実施例では、銅-67)を精製及び単離するように構成される。この目的のために、昇華装置300は、昇華装置300の動作を制御するために、昇華装置300に(有線又は無線接続を介して)通信可能に接続されたローカル制御システム800を含む。より具体的には、ローカル制御システム800は、昇華装置300の下部加熱要素358、上部加熱要素362、空気送風機404、駆動アセンブリ654、及び他の構成要素(例えば、センサ、スイッチ)を制御することによって、昇華装置300内の温度及び加熱レートを制御するように構成される。
【0053】
この実施例では、ローカル制御システム800は、ローカルコントローラ804と、ローカルコントローラ804に通信可能に接続された複数のセンサと、ローカルコントローラ804に通信可能に接続された複数のバルブ(例えば、複数の電磁バルブ)と、を含み、昇華装置300の構成要素を開き、閉じ、又は別様に調整する。好ましくは、J-KEMコントローラであるローカルコントローラ804は、下部加熱要素358、上部加熱要素362、空気送風機404、駆動モータ720、複数のセンサ、及び複数のバルブに通信可能に接続されるので、ローカルコントローラ804が昇華装置300の動作を制御することができる。ローカルコントローラ804は、次に、遠隔に位置するコントローラ(例えば、遮蔽された環境304の外側に位置する中央コントローラ)に(有線又は無線接続を介して)通信可能に接続することができ、遠隔に位置するコントローラ(例えば、遮蔽された環境304の外側に位置する中央コントローラ)によって自動的に制御することができるか、又は遮蔽された環境304の外側に位置するオペレータによって手動で制御することができる。
【0054】
複数のセンサは、概して、昇華装置300内の圧力、温度、力、及び他の変数を感知するために、昇華装置300の構成要素に結合される。この実施例では、複数のセンサは、複数のロードセル、複数の熱電対、及び収集容器312内の圧力を測定する圧力計を含む。本明細書には例解されていないが、複数のロードセルは、補償器アセンブリ600によって発生した総負荷を検出するために、補償器アセンブリ600全体に分散される。また本明細書には例解されていないが、複数の熱電対は、下部加熱ブロック350及び上部加熱ブロック354の温度及び加熱速度をそれぞれ検出するために、下部加熱ブロック350及び上部加熱ブロック354に配設されている。しかしながら、他の実施例では、複数のセンサは、異なる及び/又は追加のセンサを含むことができる。いずれにしても、ローカルコントローラ804は、昇華及び溶解プロセスが適切に実行されていることを確実にし、昇華装置300を制御しながら使用するために、昇華装置300に採用されたセンサからデータを収集することができる。例えば、ローカルコントローラ804は、下部加熱要素350及び上部加熱要素354によって発生する熱の温度を調整するために、下部加熱ブロック350及び上部加熱ブロック354内の複数の熱電対からの温度データを使用することができる。複数のバルブも本明細書には例解されていないが、昇華装置300の所望の動作に応じて、収集容器312を真空圧力又は不活性ガスに開閉するための1つ以上のバルブ、並びにねじジャッキ716を制御するための1つ以上のバルブを含む。しかしながら、他の実施例では、複数のバルブは、異なる及び/又は追加のバルブを含むことができる。
【0055】
昇華装置300を操作して、るつぼ307に含まれる亜鉛-68及び銅-67(又は他の金属標的)を含む同位体濃縮金属標的から銅-67(又は他の放射性医薬品)を精製し、実質的に単離することが所望されるときに、ローカルコントローラ804は(遠隔に位置するコントローラ又は遠隔に位置するオペレータからの要求に応答して)、概して、るつぼ307を含む、るつぼブロック316を、開位置から閉位置に移動させる。ローカルコントローラ804は、駆動モータ720を作動させることによってこれを行い、駆動モータ720は、第1の方向(例えば、時計回りの方向)にねじジャッキ716の回転を駆動し、ジャッキシャフト708を図8及び図9に示す位置から図10及び図11に示す位置まで上方に移動させる。ジャッキチューブ700及びジャッキプレート704は、ジャッキシャフト708と一致して移動するため、これによって、同時に、ジャッキチューブ700及びジャッキプレート704を、図8及び図9に示す位置から図10及び図11に示す位置まで上方に移動させる。るつぼブロック316はまた、ジャッキチューブ700と一致して移動するため、これによって、同時に、るつぼブロック316を、図10及び図11に示すように、るつぼブロック316がその閉位置に到達するまで、図8及び図9に示す位置から上方に移動させる。上で考察されるように、るつぼブロック316が閉位置にあるときに、るつぼブロック316は、下部加熱ブロック350内に少なくとも部分的に配設される。より具体的には、一体型フランジ部分316は、下部加熱要素358が一体型フランジ部分316によって運ばれるるつぼ307に直接隣接し、実質的に囲繞するように位置付けされるように、下部加熱ブロック350内に部分的に配設される。同時に、封止要素500は、下部加熱ブロック350の底部分と封止係合し、収集容器312は、るつぼ307と流体連通しており、それによって、収集容器312内にある封止された処理チャンバを作成し、るつぼ307を周囲環境から封止する。それぞれ、補償器シャフト650及び駆動アセンブリ654によって発生及び適用される、第1の力及び第2の力は、また、封止要素500が下部加熱ブロック350の底部分に封止係合するときに、この封止されたプロセスチャンバを維持するのを助ける。更に、例解されていないが、昇華プロセスが開始される前のある時点で、収集容器312は、真空源を収集容器312の第2の円筒形部分374に結合することによって、動的又は静的真空にさらされることが理解されるであろう。
【0056】
次に、ローカルコントローラ804は、下部加熱要素358を作動させ、下部加熱要素358に、昇華装置300の下部分、特に一体型フランジ部分316及びるつぼ307を(複数の熱電対によって監視される)第1の所定の温度に加熱する第1の温度を有する熱を生成させる。るつぼ307に含まれる固体混合物が第1の所定の温度に加熱されると、固体混合物中の亜鉛-68の実質的に全て(すなわち、少なくとも約95%)が、収集容器312によって収集され、収集容器312内、特に収集容器312の第1の円筒形部分370の上部分内に凝縮される金属蒸気に変換される。亜鉛-68の金属蒸気への変換は、固体残渣が実質的に銅-67のみからなるるつぼ307を残す(銅-67は、第1の温度で亜鉛-68よりも低い蒸気圧を有し、したがって蒸気に変換されない)。
【0057】
一般的に言えば、下部加熱要素358が亜鉛-68の実質的に全てを昇華させる第1の温度を有する熱を生成している間、ローカルコントローラ804は、上部加熱要素362が第2の加熱ゾーンにいかなる熱も提供しないように、上部加熱要素362をオフに保つ。いくつかの場合では、亜鉛-68の昇華を容易に又は促進するために、第2の加熱ゾーンの温度を実際に下げる必要がある場合がある。これらのような場合、ローカルコントローラ804は、第2の加熱ゾーンを選択的に冷却するための手段を作動させる。より具体的には、ローカルコントローラ804は、空気送風機404に冷却流体を引き込ませ、冷却流体は、その後、1つ以上の冷却通路400を通って送られ、それによって、上部加熱ブロック354並びに第1の円筒形部分370の上部分を冷却する。次いで、冷却流体は、1つ以上の排出通路408を介して第2の加熱ゾーン(及び昇華装置300)から送り出される。
【0058】
昇華プロセスが完了すると(すなわち、実質的に全ての亜鉛-68が昇華され、これはいくつかのケースでは最低100分を要するが、他のケースでは200~230分を要する)、ローカルコントローラ804は、1つ以上のバルブを開き、収集容器312を周囲圧力に戻し、次いで概して、るつぼブロック316を閉位置から開位置に戻す。ローカルコントローラ804は、駆動モータ720を再び作動させることによってこれを行うが、今回は、第2の方向(例えば、反時計回りの方向)にねじジャッキ716の回転を駆動し、これにより、ジャッキシャフト708が図10及び図11に示す位置から図8及び図9に示す位置まで下方に移動する。このようにジャッキシャフト708を移動させると、ジャッキプレート704、ジャッキチューブ700、及びるつぼブロック316が、図10及び図11に示す位置から図8及び図9に示す位置に同時に下方に移動する。上で考察されるように、るつぼブロック316が開位置にあるときに、るつぼブロック316は、下部加熱ブロック350及び収集容器312から離間される。同様に、ジャッキチューブ700及びジャッキプレート704は、下部加熱ブロック350及び収集容器312から離間され、ジャッキプレート704は、下部加熱ブロック350とシャフトプレート624との間のほぼ中間に位置する。
【0059】
るつぼブロック316が開位置に戻ると、るつぼ307は(例えば、上で説明されるマニピュレータ又は他のロボット手段を介して)除去され得、そこに含まれる固体残渣は、銅-67を完全に精製及び単離するために更なる処理を受ける。同時に、所望される場合、昇華装置300は、収集容器312内で凝縮された亜鉛-68(より具体的には、第1の円筒形部分370の内部側壁上で固化された)を溶解させ、るつぼブロック316上に設置された新しいるつぼ307内で溶解された亜鉛-68を収集するように動作させることができる。この目的のために、ローカルコントローラ804は、再び、新しいるつぼ307を含むるつぼブロック316に、上で説明されるように、開位置から閉位置に戻るようにさせる。ローカルコントローラ804は、上部加熱要素362を作動させ、上部加熱要素362に、昇華装置300の上部分、特に第1の円筒形部分370の上部分及び第2の円筒形部分374の中間部分を第2の所定の温度に加熱する、第2の所定の温度を有する熱を発生させる。ローカルコントローラ804はまた、下部加熱要素358を作動させ得、下部加熱要素358に、少なくとも亜鉛-68を溶解させるのを助けるのに十分であり、昇華装置300の下部分、特に下部加熱ブロック350を第1の所定の温度(第2の所定の温度と同じ又は異なる場合がある)に加熱する第1の所定の温度を有する熱を発生させる。これが起こる前のある時点で、収集容器312(特に第2の円筒形部分374)は、不活性ガス、例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素(若しくはこれらのガスの任意の組み合わせ)、又は水素と混合されたこれらのガスの任意の組み合わせで充填される。次いで、収集容器312内で縮合した亜鉛-68は加熱され、それによって、亜鉛-68の実質的に全てを固体から液体に変換する。液化された亜鉛-68はその後、収集容器312内に落下し、カラー504及び漏斗512によって新しいるつぼ307内に方向付けられる。次いで、新しいるつぼ307によって収集された液化された亜鉛-68は、システムが周囲温度に戻ることを可能にすることによって固化され得、次いで、放射性核種の更なる生成及び更なる昇華プロセスにおいてリサイクル又は再利用され得る。
【0060】
本明細書において説明される昇華及び溶解プロセスは、任意の数の異なるるつぼ及び異なる固体混合物を用いて、任意の回数繰り返すことができることが理解されるであろう。また、昇華装置300は、本明細書に具体的に例解されていない多数の他の構成要素を含むことができることも認識されるであろう。いくつかの実施例では、昇華装置300は、補償器アセンブリ600を周囲温度に維持するのを助けるファンを含むことができる。
【0061】
以下の態様のリストは、本出願によって明示的に企図される様々な実施形態を反映する。当業者は、以下の態様が本明細書に開示された実施形態を限定するものでも、上記の開示から考えられる全ての実施形態を網羅するものでもなく、代わりに本質的に例示的であることを意味することを容易に理解するであろう。
【0062】
態様1.遮蔽された環境に配設されるように適合されており、かつ遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されている、昇華装置であって、昇華装置が、1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の第1の加熱要素を備える第1の加熱ブロックと、第1の加熱ブロックに結合された収集容器と、を備え、るつぼブロックは、第1の加熱ブロックに対して、るつぼブロックが第1の加熱ブロック及び収集容器から離間されている開位置と、るつぼブロックが第1の加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、かつ収集容器がるつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、るつぼブロックが閉位置にあるときに、1つ以上の第1の加熱要素が、るつぼブロックを第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、固体混合物を加熱し、収集容器によって収集される蒸気を生成し、るつぼに、実質的に、1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残す、昇華装置。
【0063】
態様2.第1の加熱ブロックから熱的に絶縁された第2の加熱ブロックを更に備え、第1の加熱ブロックが、第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の第1の加熱要素を備え、第2の加熱ブロックが、収集容器によって収集された蒸気の凝縮物を溶解するのに十分な第2の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の第2の加熱要素を備える、態様1に記載の昇華装置。
【0064】
態様3.るつぼブロックが閉位置にあるときに、るつぼブロックが、第1の加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、1つ以上の第1の加熱要素が、るつぼブロックを第1の温度に加熱するために第1の温度を有する熱を発生させるように構成されている、請求項2に記載の昇華装置。
【0065】
態様4.第2の加熱ブロックが、収集容器の上部分を囲繞する、態様2又は3に記載の昇華装置。
【0066】
態様5.第2の加熱ブロックに直接隣接して形成された1つ以上の冷却通路を更に備え、1つ以上の冷却通路が、金属蒸気の凝縮を容易にするために、収集容器に向かって選択的に冷却流体を方向付けるように構成されている、態様1~4のいずれか一態様に記載の昇華装置。
【0067】
態様6.るつぼブロックは、るつぼブロックが閉位置にあるときに、るつぼを周囲環境から封止するように構成された封止要素を更に備える、態様1~5のいずれか一態様に記載の昇華装置。
【0068】
態様7.るつぼブロックに動作可能に結合された補償器アセンブリを更に備え、補償器アセンブリが、封止要素に一定の負荷を適用するように構成された1つ以上のばねを備える、態様6に記載の昇華装置。
【0069】
態様8.第1の加熱ブロックに及び補償器アセンブリに結合された複数の補償器シャフトを更に備え、るつぼブロックが、複数の補償器シャフトを介して、第1の加熱ブロックに対して、開位置と閉位置との間で移動可能である、態様7に記載の昇華装置。
【0070】
態様9.るつぼブロックを開位置と閉位置との間で移動させるように、るつぼブロックに動作可能に結合された駆動アセンブリを更に備える、態様1~8のいずれか一態様に記載の昇華装置。
【0071】
態様10.駆動アセンブリが、ねじジャッキと、ねじジャッキに及びるつぼブロックに動作可能に結合されたねじジャッキシャフトと、ねじジャッキを駆動して、ねじジャッキシャフトを移動させ、それによって、るつぼブロックを開位置と閉位置との間で移動させるように構成された駆動モータと、を備える、態様9に記載の昇華装置。
【0072】
態様11.駆動モータとねじジャッキとの間に設置されたスリップクラッチを更に備える、態様10に記載の昇華装置。
【0073】
態様12.遮蔽された環境に配設されるように適合されており、かつ遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されている、昇華装置であって、昇華装置が、1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、下部加熱ブロックであって、下部加熱ブロックが、固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の下部加熱要素を備える、下部加熱ブロックと、下部加熱ブロックから熱的に絶縁された上部加熱ブロックと、上部加熱ブロックに結合された収集容器と、を備え、るつぼブロックは、下部加熱ブロックに対して、るつぼブロックが下部加熱ブロック及び収集容器から離間されている開位置と、るつぼブロックが下部加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、収集容器がるつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、るつぼブロックが閉位置にあるときに、1つ以上の下部加熱要素が、るつぼブロックを第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、固体混合物を加熱し、収集容器によって収集される蒸気を生成し、るつぼに、実質的に、1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残し、上部加熱ブロックが、収集容器内の蒸気を溶解するのに十分な第2の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の上部加熱要素を備える、昇華装置。
【0074】
態様13.上部加熱ブロックを通って形成された1つ以上の冷却通路を更に備え、1つ以上の冷却通路が、金属蒸気の凝縮を容易にするために収集容器に向かって選択的に冷却流体を方向付けるように構成されている、態様12に記載の昇華装置。
【0075】
態様14.1つ以上の冷却通路に流体的に結合されており、冷却流体を1つ以上の冷却通路に方向付けるように構成されている、空気送風機を更に備える、態様13に記載の昇華装置。
【0076】
態様15.上部加熱ブロックと下部加熱ブロックとの間に形成された1つ以上の排出通路を更に備え、1つ以上の排出通路が、冷却流体を排出するように、1つ以上の冷却通路に流体的に結合されている、態様13又は14に記載の昇華装置。
【0077】
態様16.るつぼブロックは、るつぼブロックが閉位置にあるときに、るつぼを周囲環境から封止するように構成された封止要素を更に備える、態様12~15のいずれか一態様に記載の昇華装置。
【0078】
態様17.るつぼブロックに動作可能に結合された補償器アセンブリを更に備え、補償器アセンブリが、封止要素に一定の負荷を適用するように構成された1つ以上のばねを備える、態様16に記載の昇華装置。
【0079】
態様18.加熱ブロックに及び補償器アセンブリに結合された複数の補償器シャフトを更に備え、るつぼブロックが、複数の補償器シャフトを介して、加熱ブロックに対して、開位置と閉位置との間で移動可能である、態様17に記載の昇華装置。
【0080】
態様19.るつぼブロックを開位置と閉位置との間で移動させるように、るつぼブロックに動作可能に結合された駆動アセンブリを更に備える、態様12に記載の昇華装置。
【0081】
態様20.第2の温度が、第1の温度と実質的に等しい、態様12に記載の昇華装置。
【0082】
態様21.遮蔽された環境に配設されるように適合されており、かつ遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されている、昇華装置であって、昇華装置が、1つ以上の放射性核種を含む固体混合物を含むるつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、固体混合物を少なくとも部分的に昇華させるのに十分な第1の温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の下部加熱要素を備える、下部加熱ブロックと、下部加熱ブロックから熱的に絶縁された上部加熱ブロックと、上部加熱ブロックに結合された収集容器であって、上部加熱ブロックが、収集容器を加熱するために熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の上部加熱要素を備える、収集容器と、上部加熱ブロックを通って形成された1つ以上の冷却通路であって、1つ以上の冷却通路が、金属蒸気の凝縮を容易にするために収集容器に向かって選択的に冷却流体を方向付けるように構成されている、1つ以上の冷却通路と、を備え、るつぼブロックは、下部加熱ブロックに対して、るつぼブロックが下部加熱ブロック及び収集容器から離間されている開位置と、るつぼブロックが下部加熱ブロック内に少なくとも部分的に配設されており、収集容器がるつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、るつぼブロックが閉位置にあるときに、1つ以上の下部加熱要素は、るつぼブロックを第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、固体混合物を加熱し、収集容器によって収集される蒸気を生成し、るつぼに、実質的に、1つ以上の放射性核種のみからなる固体残渣を残す、昇華装置。
【0083】
態様22.遮蔽された環境に配設されるように適合されており、かつ遮蔽された環境の外側から遠隔制御されるように構成されている、昇華装置であって、昇華装置は、るつぼを保持するように適合されたるつぼブロックと、蒸気凝縮物を含む収集容器と、収集容器に結合されており、収集容器内で蒸気凝縮物を溶解するのに十分な温度を有する熱を選択的に発生させるように構成された1つ以上の加熱要素を備える加熱ブロックと、を備え、るつぼブロックは、加熱ブロックに対して、るつぼブロックが加熱ブロック及び収集容器から離間されている開位置と、収集容器がるつぼと流体連通している閉位置との間で移動可能であり、るつぼブロックが閉位置にあるときに、1つ以上の加熱要素が、収集容器及びるつぼブロックを囲繞する加熱ブロックを第1の温度に加熱するように構成されており、それによって、収集容器内の金属蒸気の実質的に全てを溶解し、るつぼが、溶解された蒸気凝縮物を収集する、昇華装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】