IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特表2024-534092オプトエレクトロニクス装置および製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクス装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20240910BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L31/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510397
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2022075259
(87)【国際公開番号】W WO2023036975
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021123663.0
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー ディルク
(72)【発明者】
【氏名】ツィッツルスペルガー ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
5F142
5F149
【Fターム(参考)】
5F142BA22
5F142CA11
5F142CB16
5F142CC14
5F142DB24
5F149JA02
5F149JA10
5F149JA19
5F149KA20
5F149XB02
(57)【要約】
本発明は、第1の金属領域と第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域とを有するリードフレームであって、リードフレームの第1の側において、第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域が第1のキャビティを形成する、リードフレームを備えるオプトエレクトロニクス装置に関する。オプトエレクトロニクス装置は、第1のキャビティに配置され、ポッティング材料でポッティングされ、かつ第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域を電気的に互いに接続する少なくとも1つの電気部品と、リードフレームの第1のキャビティとは反対側の第2の側において、第1の金属領域と第2の金属領域を電気的に接続する少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品、またはリードフレームの第1のキャビティとは反対側の第2の側において、第1の金属領域と第3の金属領域を電気的に接続する少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品と、をさらに備える。
【選択図】 図8B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクス装置(1)であって、
第1の金属領域(2.a)と前記第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)とを有するリードフレーム(2)であって、前記リードフレーム(2)の第1の側(5.1)において、前記第1の金属領域と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.a、2.b)が第1のキャビティ(3.1)を形成する、リードフレームと、
前記第1のキャビティ(3.1)に配置され、ポッティング材料(4)でポッティングされ、かつ前記第1の金属領域(2.a)と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)を電気的に互いに接続する少なくとも1つの電気部品(6)と、
前記リードフレーム(2)の前記第1のキャビティ(3.1)とは反対側の第2の側(5.2)において、前記第1の金属領域(2.a)と前記第2の金属領域(2.b)を電気的に接続する少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)、または
前記リードフレーム(2)の前記第1のキャビティ(3.1)とは反対側の第2の側(5.2)において、前記第1の金属領域(2.a)と第3の金属領域(2.c)を電気的に接続する少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)と、を備え、
前記第2の側(5.2)が、前記リードフレーム(2)の第1の外面(8.1)によって形成されており、前記第1の側(5.1)が、前記リードフレーム(2)の内部に位置する側によって形成されており、
前記第1のキャビティ(3.1)は、前記リードフレーム(2)の前記第1の側(5.1)から、前記リードフレーム(2)の前記第1の外面(8.1)に対向する第2の外面(8.2)の方向に延びる空洞によって形成されている、オプトエレクトロニクス装置。
【請求項2】
前記ポッティング材料(4)は、前記第1の金属領域と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.1、2.b)を機械的に互いに接続する、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項3】
前記ポッティング材料(4)が前記第1のキャビティ(3.1)を充填し、前記リードフレーム(2)の前記第1の側(5.1)と実質的に面一になる、請求項1または2に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項4】
前記電気部品(6)は、
直列抵抗と、
ESD保護ダイオードと、
RFIDチップ、および
集積回路と、
のうちの少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項5】
前記第1の側および前記第2の側(5.1、5.2)は、前記リードフレーム(2)の対向する2つの外面(8.1、8.2)によって形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項6】
第3の金属領域(2.c)が前記ポッティング材料(4)において前記第1の金属領域(2.a)に対して離間して配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項7】
第4の金属領域(2.d)が前記第3の金属領域(2.c)に対して離間して配置されており、別のオプトエレクトロニクス部品(7、7.1)が、前記第3の金属領域(2.c)と前記第4の金属領域(2.d)を電気的に互いに接続する、請求項6に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電気部品(6)と前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)が直列に互いに接続されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの電気部品(6)と前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)が並列に互いに接続されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項10】
前記オプトエレクトロニクス装置(1)は、前記リードフレーム(2)の前記第2の側(5.2)に対向する第2の外面(8.2)に、第1のコンタクト面と第2のコンタクト面とを有し、前記第1のコンタクト面と前記第2のコンタクト面を介して、前記オプトエレクトロニクス装置を電気的に接続可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電気部品(6)が、前記第1の金属領域(2.a)と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)を、ボンディングワイヤ(9)を介して電気的に互いに接続する、請求項1~10のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項12】
オプトエレクトロニクス装置の製造方法であって、
金属製の基板(2.0)を提供する工程であって、前記基板は、前記基板の第1の側(5.1)において少なくとも1つの第1のキャビティ(3.1)を有する、工程と、
前記第1のキャビティ(3.1)に少なくとも1つの電気部品(6)を配置する工程と、
前記第1のキャビティ(3.1)における前記少なくとも1つの電気部品(6)をポッティング材料(4)で、特に前記第1のキャビティ(3.1)が前記ポッティング材料(4)で実質的に充填されるようにポッティングする工程と、
前記基板(2.0)の前記第1の側(5.1)に対向する第2の側(5.2)に少なくとも1つの第2のキャビティ(3.2)を作製する工程であって、第1の金属領域(2.a)と前記第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)が前記少なくとも1つの第1のキャビティと前記少なくとも1つの第2のキャビティ(3.1、3.2)によって形成され、前記少なくとも1つの電気部品(6)が前記第1の金属領域(2.a)と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)を電気的に互いに接続するように、作製する工程と、
少なくとも前記第1の金属領域(2.a)に少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)を配置する工程であって、前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)が前記第1の金属領域(2.a)と、前記第2の金属領域(2.b)または第3の金属領域(2.c)のうちの少なくとも1つの領域を電気的に接続するように配置する工程と、
前記基板(2.0)の前記第1の側(5.1)にパターニングされた金属層(2.2)を設ける工程であって、前記パターニングされた金属層(2.2)が少なくとも1つの電気的に絶縁された領域を含む工程と、を包含する方法。
【請求項13】
前記パターニングされた金属層(2.2)を設ける前記工程は、前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)を配置する工程の前に行われ、前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)は、前記パターニングされた金属層(2.2)の領域に配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)は、前記第1の金属領域(2.a)と第3の金属領域(2.c)を電気的に互いに接続し、前記第3の金属領域(2.c)は、前記パターニングされた金属層(2.2)の領域によって形成される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のキャビティ(3.1)に前記少なくとも1つの電気部品(6)を配置する工程はワイヤボンディングを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの第2のキャビティ(3.2)を作製する工程はエッチングプロセスを含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記パターニングされた金属層(2.2)を設ける前記工程は、スパッタリング、金属層の電気鍍金、およびフォトリソグラフィのうちの少なくとも1つを含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年9月13日の特許文献1の優先権を主張し、その開示内容は参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、オプトエレクトロニクス装置、特に少なくとも1つの電気部品と少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品とを備えたリードフレーム、およびオプトエレクトロニクス装置、特に少なくとも1つの電気部品と少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品とを備えたリードフレームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
オプトエレクトロニクス部品を設けるために最も多く使用される基板技術は、
1)PCB基板、
2)セラミック基板、
3)リードフレームベースの基板
である。
【0004】
その場合、実際には、PCB基板のみでさらなる電気部品がボリューム材に導入される。しかし、PCB基板は製造プロセスにおいて強く加圧され、それによってワイヤボンディングが損傷される可能性があるため、ワイヤボンディングは、通常、これらの部品の電気的接続には考慮に入れられない。これに対して、電気部品(例えば半導体チップ)の埋め込みは、セラミック基板では可能でなく、これまでに知られているリードフレームベースの基板では可能でないか、または限られた範囲でのみ可能である。したがって、リードフレームベースの基板における複雑な相互接続(Verschaltung)は事実上可能ではない。
【0005】
オプトエレクトロニクス部品のためのリードフレームベースの基板には、他の技術に比べて多くの利点があるが、現在の時点ではその構造の細かさに限界があり、例えばリードフレームベースの基板において複雑な相互接続を可能にするために配線変更することができない。したがって、上記の問題のうちの少なくとも1つに対処するオプトエレクトロニクス装置、特に少なくとも1つの電気部品と少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品とを備えたリードフレームを提供する必要がある。さらに、上記の問題のうちの少なくとも1つに対処するオプトエレクトロニクス装置、特に少なくとも1つの電気部品と少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品とを備えたオプトエレクトロニクス装置、特にリードフレームの製造方法を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102021123663.0号明細書
【発明の概要】
【0007】
この必要は、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置によって考慮される。請求項14は、本発明によるオプトエレクトロニクス装置の製造方法の特徴を示す。他の実施形態は従属請求項の主題である。
【0008】
本発明の出発点は、基板のポッティング材料に少なくとも1つの電気部品を埋め込むことによって、リードフレームベースの基板、特にQFN基板(Quad Flat No Leads Package)をより完全なものにするということである。したがって、例えばESDダイオードまたは直列抵抗などによって、基板に追加の機能を非常に省スペース的に組み込むことができる。
【0009】
そのために、本発明によるオプトエレクトロニクス装置は、第1の金属領域と第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域とを有するリードフレームの他に、リードフレームの第1のキャビティに配置され、ポッティング材料でポッティングされる少なくとも1つの電気部品を備える。その場合、第1のキャビティは、リードフレームの第1の側において第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域によって形成される。少なくとも1つの電気部品は、第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域を電気的に互いに接続するように第1のキャビティに配置されている。少なくとも1つのオプトエレクトロニクスコンポーネントは、さらに、リードフレームの第1のキャビティとは反対側の第2の側に配置されており、第1の金属領域と第2の金属領域を電気的に互いに接続する。代替的に、少なくとも1つのオプトエレクトロニクスコンポーネントがリードフレームの第1のキャビティとは反対側の第2の側に配置されてもよく、第1の金属領域と第3の金属領域を電気的に互いに接続することができる。
【0010】
特に、少なくとも1つの電気部品がリードフレームのキャビティにおいてポッティング材料に埋め込まれ、リードフレームの金属領域を互いに接続する。そのために、少なくとも1つのオプトエレクトロニクスコンポーネントは、リードフレームの金属領域のうちの少なくとも2つに、特に少なくとも1つの電気部品とは違う平面に配置されている。したがって、リードフレームベースの基板においてより複雑な相互接続を可能にするために、リードフレームにおける異なった平面に複数の異なる部品を配置し、電気的に接続することができる。
【0011】
そのために、リードフレーム基板もしくはリードフレームの金属領域とポッティング材料を、複数の工程で、特に段階的もしくは層ごとに設けることができ、それにより第1の金属領域と第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域とを有する少なくとも1つの第1のリードフレーム層が第1のリードフレーム層の第1の側に第1のキャビティを形成し、このキャビティに少なくとも1つの電気部品が配置される。少なくとも1つの電気部品は、第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域を電気的に互いに接続するようにキャビティに配置され、ポッティング材料に埋め込まれる。したがって、第1の例示的実施形態によれば、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品は、第1のリードフレーム層の第1のキャビティとは反対側の第2の側に配置されてもよく、第1の金属領域と第2の金属領域を電気的に互いに接続することができる。これに代えて、第2の例示的実施形態によれば、第1のリードフレーム層の第1の側に少なくとも1つの第2のリードフレーム層を配置することができ、第2のリードフレーム層も、例えば第1の金属領域または第2の金属領域に部分的にそれぞれ導電接続されている金属領域を有する。第2のリードフレーム層は、さらに、第1のリードフレーム層および第2のリードフレーム層の金属領域に導電接続していない金属領域、例えば第3の金属領域を有することができる。その場合、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品は、第2のリードフレーム層の第1のキャビティとは反対側に配置されてもよく、第1の金属領域と第3の金属領域を電気的に互いに接続することができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、ポッティング材料が電気的に絶縁する材料によって形成されており、第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域、もしくは特にオプトエレクトロニクス装置のすべての金属領域を互いに機械的に接続する。ポッティング材料は、例えばプラスチックまたはエポキシドによって形成されていてもよい。好ましくは、ポッティング材料は、装置の動作中に発生する熱をできるだけ良く外に出すために、高い熱伝導率を特徴とする。そのために、ポッティング材料は、例えば、ポッティング材料の熱伝導率を向上させる材料もしくは粒子が充填されるか、もしくはこれらを含むことができる。
いくつかの実施形態において、ポッティング材料は、不透明な材料、特に光吸収材料によって形成されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、ポッティング材料は、第1のキャビティを完全に充填し、リードフレームの第1の側と実質的に面一になる(plan abschliessen)。その場合、リードフレームの第1の側は、リードフレームの外面によって、またはリードフレームの内部に位置する、特に仮想の、リードフレームの側によって形成され得る。2つ目のものは、特に、オプトエレクトロニクス装置が複数のリードフレーム層を含む場合に当てはまり得る。その場合、リードフレームの第1の側は、例えば第1のリードフレーム層の「外面」によって形成することができ、この第1のリードフレーム層にはさらに別のリードフレーム層が形成されている。これは最終的には認識できなくなるか、または認識し難くなるかもしれないが、このような実施形態で重要なのは、この構造によって凹部、または開放空洞さえ形成できるということである。
【0014】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電気部品が、
直列抵抗、
ESD保護ダイオード、
ゼロ抵抗、
RFIDチップ、および
集積回路
のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
リードフレームに追加的に設けられるこのような部品によって、例えば過電圧および許容されない電圧に対して保護するESDダイオードによって、または直列抵抗に直列に接続される1つまたは複数の部品の電圧もしくは電流強度を許容値に制限するための直列抵抗によって追加の機能を提供することができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品が発光部品によって形成されており、発光部品は、発光部品の動作中に、特定波長の光を発するように形成されている。例えば、オプトエレクトロニクス部品はLED(発光ダイオード)またはOLED(有機発光ダイオード)を含むことができる。これに代えて、またはこれに加えて、オプトエレクトロニクス部品は、センサ、例えば光センサを含むこともできる。
【0017】
いくつかの実施形態において、リードフレームの第1の側と第2の側は、リードフレームの2つの対向する外面によって形成されている。これは、特に、リードフレームが実質的にただ1つのリードフレーム層によって形成され、したがって、リードフレームもしくは第1のリードフレーム層の第1の側と第2の側が、リードフレームの互いに対向する外面を形成する場合に当てはまる。
【0018】
いくつかの実施形態において、リードフレームの第2の側は、リードフレームの第1の外面によって形成され、第1の側は、リードフレームの内部に位置する側によって形成されている。これは、特に、リードフレームが上下に配置された少なくとも2つのリードフレーム層を有する場合に当てはまり、リードフレームの第2の側は、第2のリードフレーム層の第1のキャビティとは反対側の外面によって形成されており、リードフレームの第1の側は、上下に配置された2つのリードフレーム層の間の側もしくは面によって形成されている。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1のキャビティは、リードフレームの第1の側から、リードフレームの第1の側に対向する第2の外面の方向に延びる空洞によって形成されている。これは、特に、リードフレームが上下に配置された少なくとも2つのリードフレーム層を有し、第1のキャビティは、上下に配置された2つのリードフレーム層の間の側もしくは面から第1のリードフレーム層の方向に延び、第2のリードフレーム層の金属領域によって少なくとも部分的に覆われている場合に当てはまる。
【0020】
いくつかの実施形態において、第3の金属領域が、ポッティング材料において第1の金属領域に対して離間して配置されている。これは、特に、リードフレームが上下に配置された少なくとも2つのリードフレーム層を有し、第2のリードフレーム層が、第1のリードフレーム層のキャビティの領域に形成されている金属領域を有する場合に当てはまる。
【0021】
いくつかの実施形態において、オプトエレクトロニクス装置は、第3の金属領域に対して離間して配置された第4の金属領域を有する。第4の金属領域は、例えば、第1、第2、および第3の金属領域に導電接続されていない金属領域によって形成されてもよく、例えばポッティング材料において第3の金属領域に対して離間して配置され得る。リードフレームが上下に配置された少なくとも2つのリードフレーム層を有する場合、第4の金属領域は、例えば第2のリードフレーム層の金属領域によって形成されてもよい。これに対して、第4の金属領域は、第1の金属領域および第2の金属領域と一緒に第1のキャビティを形成することもでき、リードフレームが上下に配置された少なくとも2つのリードフレーム層を有する場合、第1のリードフレーム層および第2のリードフレーム層の、上下に位置して互いに電気的に接続されている金属領域によって形成されてもよい。
【0022】
別のオプトエレクトロニクス部品は、第3の金属領域および第4の金属領域に配置され、これらを電気的に互いに接続することができる。さらに、オプトエレクトロニクス装置は、さらなる金属領域と、さらなる金属領域に配置され、これを電気的に互いに接続するさらなるオプトエレクトロニクス部品を有することができる。その場合、オプトエレクトロニクス部品を直列または並列に互いに電気的に接続することができるか、またはオプトエレクトロニクス部品を互いに独立して電気的に接触可能にすることができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電気部品と少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品が直列に互いに相互接続されている。これは、特に、電気部品が直列抵抗である場合に当てはまり得る。
【0024】
これに対して、少なくとも1つの電気部品と少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品を並列に互いに相互接続することもできる。これは、特に、電気部品がESD保護ダイオードである場合に当てはまり得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、オプトエレクトロニクス装置は、リードフレームの第2の側に対向する外面に第1のコンタクト面と第2のコンタクト面を有し、これらのコンタクト面を介して、オプトエレクトロニクス装置を電気的に接続することができる。それによって、オプトエレクトロニクス装置が表面実装可能であることを可能にすることができる。リードフレームが上下に配置された少なくとも2つのフィードフレーム層を有する場合に、第1のリードフレーム層の、第2のリードフレーム層とは反対側に、したがって、リードフレームの第2のリードフレーム層とは反対側の外面に第1のコンタクト面と第2のコンタクト面を配置することができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電気部品は第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域を、ボンディングワイヤを介して電気的に互いに接続する。これに対して、少なくとも1つの電気部品は、これが第1の金属領域および第2の金属領域においてそれぞれのボンディングパッドに配置され、これらに電気的に接続されることにより、第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域を接続することもできる。しかし少なくとも1つの電気部品を、例えば導電性接着剤によって接着することもできる。
本発明によるオプトエレクトロニクス装置の製造方法は、
金属製の基板を提供する工程であって、前記基板は、前記基板の第1の側において少なくとも1つの第1のキャビティを有する、工程と、
第1のキャビティに少なくとも1つの電気部品を配置する工程と、
第1のキャビティにおける少なくとも1つの電気部品をポッティング材料で、特に第1のキャビティがポッティング材料で実質的に充填されるようにポッティングする工程と、
基板の第1の側に対向する第2の側において少なくとも1つの第2のキャビティを作製する工程であって、第1の金属領域と第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域が少なくとも1つの第1のキャビティと少なくとも1つの第2のキャビティによって形成され、少なくとも1つの電気部品が第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域を電気的に互いに接続するように、作製する工程と、
少なくとも第1の金属領域に少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品を配置する工程であって、金属製の基板の第1のキャビティとは反対側において少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品が第1の金属領域と第2の金属領域を電気的に接続するように、または、金属製の基板の第1のキャビティとは反対側において少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品が第1の金属領域と第3の金属領域を電気的に接続するように、配置する工程と、を包含する。
【0027】
いくつかの実施形態において、方法は、別の工程において、基板の第1の側に少なくとも1つのパターニングされた(strukturiert)金属層を設ける工程であって、パターニングされた金属層が少なくとも1つの電気的に絶縁された領域を含む工程、を包含する。その場合、少なくとも1つのパターニングされた金属層は、特に金属製の基板と同じ材料から形成されてもよく、この金属製の基板の上に設けられた後に、金属製の基板と共に、複数の金属領域を含むリードフレームを形成することができる。少なくとも1つのパターニングされた金属層は、特に、第1の側、すなわち第1のキャビティが形成された側に設けられ、特に、少なくとも部分的にポッティング材料に配置される。
【0028】
このような方法によって、複数の工程で、もしくは層ごとに、複数の金属領域を有するリードフレーム基板を作製することができ、リードフレーム基板は、第1の金属領域と第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域とを有する少なくとも1つの第1のリードフレーム層を備える。第1のリードフレーム層の第1の側の第1のキャビティと、第1のリードフレーム層の、第1の側に対向する第2の側の第2のキャビティとによって、第1の金属領域と第2の金属領域とが互いに分離される。第1のキャビティにおいて、少なくとも1つの電気部品が、第1の金属領域と少なくとも1つの第2の金属領域を電気的に互いに接続し、ポッティング材料に埋め込まれるように配置される。第1の例示的実施形態によれば、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品は、第1のリードフレーム層の第1のキャビティとは反対側の第2の側に配置されてもよく、第1の金属領域と第2の金属領域を電気的に互いに接続することができる。これに代えて、第2の例示的実施形態によれば、少なくとも1つのパターニングされた金属層、特に第2のリードフレーム層を第1のリードフレーム層の第1の側に配置することができ、第2のリードフレーム層は、例えば第1の金属領域または第2の金属領域に部分的にそれぞれ導電接続されている金属領域を有する。第2のリードフレーム層は、第1および第2のリードフレーム層の金属領域に導電接続されていない金属領域、例えば第3の金属領域をさらに有することができる。その場合、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品は、第2のリードフレーム層の第1のキャビティとは反対側に配置されてもよく、第1の金属領域と、例えば第3の金属領域を電気的に互いに接続することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、パターニングされた金属層を設ける工程は、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品を配置する工程の前に行われ、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品は、パターニングされた金属層の金属領域に配置される。
【0030】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品は、第1の金属領域と第3の金属領域を電気的に互いに接続し、第3の金属領域は、パターニングされた金属層の領域によって形成されている。
【0031】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電気部品を第1のキャビティに配置する工程は、ワイヤボンディングを含む。これに対して、少なくとも1つの電気部品を配置する工程は、少なくとも1つの電気部品を第1の金属領域および少なくとも1つの第2の金属領域にボンド付けまたは半田付けすることを含むこともできる。その場合、電気部品を第1の金属領域および第2の金属領域におけるそれぞれのボンディングパッドに配置することができ、ボンディングパッドに電気的に接続することができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2のキャビティを作製する工程は、エッチングプロセスを含む。特に、第2のキャビティの作製は、第1のキャビティに少なくとも1つの電気部品を配置する工程の後、もしくは第1のキャビティに少なくとも1つの電気部品をポッティングした後に行われる。第2のキャビティは、特に、その下に位置する電気部品もしくはポッティング材料が第2のキャビティを作製することによって損傷されないように、しかし少なくとも1つの第1のキャビティおよび少なくとも1つの第2のキャビティによって互いに分離される第1の金属領域と第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域が得られるように作製もしくはエッチングされる。そのために、基板を、第1の側に対向する第2の側から、例えば、基板の材料が第1のキャビティまで、もしくはポッティング材料まで除去されるようにパターニングもしくはエッチングすることができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、パターニングされた金属層を設ける工程は、シード層をスパッタリングすること、続いて、例えば銅などの金属層を電気鍍金により設けること、さらにこれに続いて、金属層を、例えばフォトリソグラフィによりパターニングすることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】オプトエレクトロニクス装置の製造方法の工程を示す概略図である。
図2】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の製造工程を示す概略図である。
図3】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の別の製造工程を示す概略図である。
図4A】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の製造工程を示す概略図である。
図4B】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の製造工程を示す概略図である。
図5A】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の製造工程を示す概略図である。
図5B】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の製造工程を示す概略図である。
図6A】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の製造工程を示す概略図である。
図6B】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の製造工程を示す概略図である。
図7A】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の例示的実施形態を示す概略図である。
図7B】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の例示的実施形態を示す概略図である。
図8A】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の製造工程を示す概略図である。
図8B】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の製造工程を示す概略図である。
図9A】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の別の例示的実施形態を示す概略図である。
図9B】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の別の例示的実施形態を示す概略図である。
図10A】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の別の例示的実施形態を示す概略図である。
図10B】提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置の別の例示的実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の例示的実施形態を添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【0036】
以下の実施形態および例示的実施形態は、提示される原理による様々な態様、およびそれらの組み合わせを示す。実施形態および例示的実施形態は必ずしも縮尺通りではない。個々の態様を誇張するために、様々な要素が拡大または縮小して示される可能性もある。当然のことながら、図に示される実施形態および例示的実施形態の個々の態様および特徴は、本発明の原理を妨げない限りで問題なく互いに組み合わせることができる。いくつかの態様は、規則的な構造または形状を有する。実際には、本発明の思想に矛盾しない限りで理想的な形状からわずかに逸脱する可能性があることに注意すべきである。
【0037】
さらに、個々の図、特徴、および態様は、必ずしも正しい大きさで示されず、個々の要素間の比率も基本的に必ずしも正しくない。いくつかの態様および特徴は、これらが拡大して示されることにより誇張される。しかし「上」、「上方」、「下」、「下方」、「より大きい」、「より小さい」などの用語は図における要素との関係で正確に示される。したがって、図をもとにして要素間のそのような関係を導き出すことが可能である。
【0038】
図1は、図の下図に示されるオプトエレクトロニクス装置の製造方法の工程を示す。オプトエレクトロニクス装置は、第1の金属領域2.aと第2の金属領域2.bとを有するリードフレーム2を備え、第1の金属領域と第2の金属領域は、リードフレーム2の第1の側の第1のキャビティ3.1によって、およびリードフレーム2の第2の側の第2のキャビティ3.2によって互いに分離されている。これらの金属領域は、少なくとも第1のキャビティ3.1に配置されているポッティング材料4を介して機械的に結合されている。リードフレーム2において、リードフレーム2の第1のキャビティに対向する側には、第1の金属領域と第2の金属領域2.a、2.bを電気的に互いに接続するオプトエレクトロニクス部品7が配置されている。
【0039】
そのようなオプトエレクトロニクス装置の製造工程が、図において上から順に下へ見ていくように示されている。第1の工程において、金属製の基板2.0が提供され、この金属製の基板2.0に、この基板2.0の第1の側から、例えばエッチングプロセスによって少なくとも1つの第1のキャビティ3.1が設けられる。続いて、次の工程において、キャビティがポッティング材料で充填され、基板2.0の第1の側に対向する第2の側から、例えば同様にエッチングプロセスによって少なくとも1つの第2のキャビティ3.2が設けられる。その場合、第2のキャビティは第1のキャビティに対向する側に形成され、基板を通って第1のキャビティまで延び、それにより基板が2つのキャビティによって第1の金属領域と第2の金属領域2.a、2.bに分割され、それによりリードフレーム2が作製される。
【0040】
続いて、オプトエレクトロニクス部品7がリードフレームのキャビティとは反対側に配置され、第1の金属領域と第2の金属領域を電気的に互いに接続するように、オプトエレクトロニクス部品がリードフレームに配置される。しかしそのようなオプトエレクトロニクス装置には、それによって複雑な相互接続が事実上可能でないという欠点がある。
【0041】
したがって、本発明は、ポッティング材料に埋め込まれた電気部品によって複雑な相互接続を可能にするオプトエレクトロニクス装置を提供する。それにより、リードフレームもしくはリードフレームのポッティング材料に、例えばESDダイオードまたは直列抵抗によって追加の機能を組み込むことができる。図2および図3は、提示される原理のいくつかの態様によるそのようなオプトエレクトロニクス装置の第1の製造工程を示す。
【0042】
図2に示されるように、第1の工程において、金属製の基板2.0が提供され、金属製の基板2.0の第1の側5.1に、例えばエッチングによって少なくとも1つの第1のキャビティ3.1が設けられる。次いで、図4Aおよび図4Bに従って、第1のキャビティ3.1に電気部品6が配置される。図4Aに示されるように、電気部品6は、ワイヤボンディングプロセスによってキャビティに配置され、したがってボンディングワイヤ9を含むことができ、あるいは、第1のキャビティ3.1にボンディングパッドまたは半田パッド10が配置され、これらに電気的に接続することができる。図4Aおよび図4Bに例示的に示される例では、電気部品6は、ESD保護ダイオード(図4A)または直列抵抗(図4B)であり得る。
【0043】
図5Aおよび図5Bに従って、次の工程において、それぞれの電気部品6がポッティング材料4でポッティングされ、それにより2つの図にそれぞれ示される例示的実施形態の第1のキャビティ3.1にポッティング材料4が充填され、金属製の基板2.0の第1の側5.1と実質的に面一となる。
【0044】
続いて、図6Aおよび図6Bに示されるように、部品が反転され、金属製の基板2.0の第1の側に対向する側に、例えばエッチングによって少なくとも1つの第2のキャビティ3.2が設けられる。その場合、第2のキャビティ3.2が第1のキャビティ3.1に対向する側に形成され、金属製の基板2.0を通って第1のキャビティまで、もしくはポッティング材料4まで延び、それにより金属製の基板2.0が2つのキャビティによって第1の金属領域と第2の金属領域2.a、2.bに分割され、それによりリードフレーム2が作製される。第2のキャビティを作製する場合、特に、第1の金属領域と第2の金属領域2.a、2.bが互いに分割されて作製されるが、それによって電気部品6が損傷されないように第2のキャビティ3.2を形成することに注意する必要がある。
【0045】
次の工程において、リードフレーム2の第1のキャビティ3.1とは反対側の第2の側5.2に、オプトエレクトロニクス部品7が第1の金属領域2.aと第2の金属領域2.bを電気的に接続するように、オプトエレクトロニクス部品が配置される。図示される例では、オプトエレクトロニクス部品7が配置される、第1のキャビティ3.1とは反対側の第2の側5.2は、リードフレームの第1の外面8.1を形成し、リードフレームの第1の側5.1はリードフレームの第2の外面8.2を形成する。
【0046】
この工程によって作製されるオプトエレクトロニクス装置1が2つの例示的実施形態の形態で図7Aおよび図7Bに示されている。その場合、これらは電気部品6の点でのみ異なり、この電気部品は、第1のキャビティに配置され、ポッティング材料4でポッティングされている。
【0047】
図9Aおよび図9Bは、提示される原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクス装置1の2つの代替的実施形態を示す。オプトエレクトロニクス装置を製造するために、第2のキャビティ3.2を設ける図6Aもしくは図6Bに示される工程に続いて、図8Aおよび図8Bに示されるように、それまでに存在するリードフレームの第1の側5.1(第1のリードフレーム層2.1とも呼ばれる)にパターニングされた金属層2.2が設けられる。パターニングされた金属層もしくはさらなるリードフレーム層2.2は、例えば第1のリードフレーム層2.1の第1の金属領域2.aおよび第2の金属領域2.bに部分的にそれぞれ導電接続されている金属領域を含む。第2のリードフレーム層2.2は、第1のリードフレーム層および第2のリードフレーム層の金属領域に導電接続されるのではなく、これらの金属領域から電気的に絶縁されてポッティング材料4に配置されている金属領域、例えば第3の金属領域2.cおよび第4の金属領域2.dをさらに含む。
【0048】
次に、1つのオプトエレクトロニクス部品7もしくは複数のオプトエレクトロニクス部品7、7.1、7.2が、第2のリードフレーム層2.2の第1のキャビティ3.1とは反対側、特にリードフレーム2の第2の側5.2に配置され、例えば第1の金属領域2.aと第3の金属領域2.c、もしくは第3の金属領域2.cと第4の金属領域2.d、および第4の金属領域2.dと第2の金属領域2.bを電気的に互いに接続する。図示される例では、前述の例示的実施形態と比較して、リードフレームの第1の側5.1がリードフレームの外面によって形成されているのではなく、むしろ、第1のリードフレーム層2.1と第2のリードフレーム層2.1、2.2の間の中間面によって形成され、これに対してリードフレーム2の第2の側5.2は、同様にリードフレームの第1の外面8.1を形成する。
【0049】
第2のリードフレーム層2.2を第1のキャビティ3.1に設けることによって、第1のキャビティが、リードフレーム2の第1の側5.1から、リードフレーム2の第1の外面8.1に対向する第2の外面8.2の方向に延び、ポッティング材料4が充填されるいわば空洞を形成する。
【0050】
図7Aおよび図7Bの例示的実施形態と図9Aおよび図9Bの例示的実施形態の両方において、電圧が第1の金属領域と第2の金属領域2.a、2.bに印加される場合、オプトエレクトロニクス部品7もしくはオプトエレクトロニクス部品7、7.1、7.2が電気部品6と並列に相互接続される。図10Aにおいて、電圧が第2の金属領域2.bと第4の金属領域2.dに印加される場合、オプトエレクトロニクス部品7、7.1が電気部品6と並列に相互接続される金属領域の配置を有する代替的実施形態が示される。これは、例示的に2つの記号「+」および「-」によって示されている。電圧を印加することによって、電気部品6を通る電流の流れIと、それぞれオプトエレクトロニクス部品を通る電流の流れIledが可能になる。
【0051】
図10Bは、図10Aに示されるオプトエレクトロニクス装置1の平面図を示す。平面図においても、第3の金属領域2.cが第1の金属領域もしくは第4の金属領域2.a、2.dから離間して配置され、オプトエレクトロニクス部品7、7.1を介する以外は、第1の金属領域もしくは第4の金属領域に電気的に接続されないことが見て取れる。さらに、ポッティング材料4が個々の金属領域を取り囲み、したがってこれらを電気的に互いに接続することが見て取れる。
【符号の説明】
【0052】
1 オプトエレクトロニクス装置
2 リードフレーム
2.1 リードフレーム層
2.2 リードフレーム層
2.a 第1の金属領域
2.b 第2の金属領域
2.c 第3の金属領域
2.d 第4の金属領域
3.1 第1のキャビティ
3.2 第2のキャビティ
4 ポッティング材料
5.1 第1の側
5.2 第2の側
6 電気部品
7、7.1、7.2 オプトエレクトロニクス部品
8.1 第1の外面
8.2 第2の外面
9 ボンディングワイヤ
10 ボンディングパッド 半田パッド
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクス装置(1)であって、
第1の金属領域(2.a)と前記第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)とを有するリードフレーム(2)であって、前記リードフレーム(2)の第1の側(5.1)において、前記第1の金属領域と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.a、2.b)が第1のキャビティ(3.1)を形成する、リードフレームと、
前記第1のキャビティ(3.1)に配置され、ポッティング材料(4)でポッティングされ、かつ前記第1の金属領域(2.a)と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)を電気的に互いに接続する少なくとも1つの電気部品(6)と、
前記リードフレーム(2)の前記第1のキャビティ(3.1)とは反対側の第2の側(5.2)において、前記第1の金属領域(2.a)と前記第2の金属領域(2.b)を電気的に接続する少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)、または
前記リードフレーム(2)の前記第1のキャビティ(3.1)とは反対側の第2の側(5.2)において、前記第1の金属領域(2.a)と第3の金属領域(2.c)を電気的に接続する少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)と、を備え、
前記第2の側(5.2)が、前記リードフレーム(2)の第1の外面(8.1)によって形成されており、前記第1の側(5.1)が、前記リードフレーム(2)の内部に位置する側によって形成されており、
前記第1のキャビティ(3.1)は、前記リードフレーム(2)の前記第1の側(5.1)から、前記リードフレーム(2)の前記第1の外面(8.1)に対向する第2の外面(8.2)の方向に延びる空洞によって形成されている、オプトエレクトロニクス装置。
【請求項2】
前記ポッティング材料(4)は、前記第1の金属領域と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.1、2.b)を機械的に互いに接続する、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項3】
前記ポッティング材料(4)が前記第1のキャビティ(3.1)を充填し、前記リードフレーム(2)の前記第1の側(5.1)と実質的に面一になる、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項4】
前記電気部品(6)は、
直列抵抗と、
ESD保護ダイオードと、
RFIDチップと、および
集積回路と、
のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項5】
前記第1の側および前記第2の側(5.1、5.2)は、前記リードフレーム(2)の対向する2つの外面(8.1、8.2)によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項6】
第3の金属領域(2.c)が前記ポッティング材料(4)において前記第1の金属領域(2.a)に対して離間して配置されている、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項7】
第4の金属領域(2.d)が前記第3の金属領域(2.c)に対して離間して配置されており、別のオプトエレクトロニクス部品(7、7.1)が、前記第3の金属領域(2.c)と前記第4の金属領域(2.d)を電気的に互いに接続する、請求項6に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電気部品(6)と前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)が直列に互いに接続されている、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの電気部品(6)と前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)が並列に互いに接続されている、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項10】
前記オプトエレクトロニクス装置(1)は、前記リードフレーム(2)の前記第2の側(5.2)に対向する第2の外面(8.2)に、第1のコンタクト面と第2のコンタクト面とを有し、前記第1のコンタクト面と前記第2のコンタクト面を介して、前記オプトエレクトロニクス装置を電気的に接続可能である、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電気部品(6)が、前記第1の金属領域(2.a)と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)を、ボンディングワイヤ(9)を介して電気的に互いに接続する、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス装置。
【請求項12】
オプトエレクトロニクス装置の製造方法であって、
金属製の基板(2.0)を提供する工程であって、前記基板は、前記基板の第1の側(5.1)において少なくとも1つの第1のキャビティ(3.1)を有する、工程と、
前記第1のキャビティ(3.1)に少なくとも1つの電気部品(6)を配置する工程と、
前記第1のキャビティ(3.1)における前記少なくとも1つの電気部品(6)をポッティング材料(4)で、特に前記第1のキャビティ(3.1)が前記ポッティング材料(4)で実質的に充填されるようにポッティングする工程と、
前記基板(2.0)の前記第1の側(5.1)に対向する第2の側(5.2)に少なくとも1つの第2のキャビティ(3.2)を作製する工程であって、第1の金属領域(2.a)と前記第1の金属領域から離間した少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)が前記少なくとも1つの第1のキャビティと前記少なくとも1つの第2のキャビティ(3.1、3.2)によって形成され、前記少なくとも1つの電気部品(6)が前記第1の金属領域(2.a)と前記少なくとも1つの第2の金属領域(2.b)を電気的に互いに接続するように、作製する工程と、
少なくとも前記第1の金属領域(2.a)に少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)を配置する工程であって、前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)が前記第1の金属領域(2.a)と、前記第2の金属領域(2.b)または第3の金属領域(2.c)のうちの少なくとも1つの領域を電気的に接続するように配置する工程と、
前記基板(2.0)の前記第1の側(5.1)にパターニングされた金属層(2.2)を設ける工程であって、前記パターニングされた金属層(2.2)が少なくとも1つの電気的に絶縁された領域を含む工程と、を包含する方法。
【請求項13】
前記パターニングされた金属層(2.2)を設ける前記工程は、前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)を配置する工程の前に行われ、前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)は、前記パターニングされた金属層(2.2)の領域に配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス部品(7)は、前記第1の金属領域(2.a)と第3の金属領域(2.c)を電気的に互いに接続し、前記第3の金属領域(2.c)は、前記パターニングされた金属層(2.2)の領域によって形成される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のキャビティ(3.1)に前記少なくとも1つの電気部品(6)を配置する工程はワイヤボンディングを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの第2のキャビティ(3.2)を作製する工程はエッチングプロセスを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記パターニングされた金属層(2.2)を設ける前記工程は、スパッタリング、金属層の電気鍍金、およびフォトリソグラフィのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【国際調査報告】