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特表2024-534093油圧システム、採掘車両、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】油圧システム、採掘車両、および方法
(51)【国際特許分類】
   F15B 21/041 20190101AFI20240910BHJP
   E21B 15/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
F15B21/041
E21B15/00
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024510408
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2022071695
(87)【国際公開番号】W WO2023025541
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】21192506.0
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515277780
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パーキネン, ペルティ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルホ, サムリ
(72)【発明者】
【氏名】ホンジェル, テーム
【テーマコード(参考)】
2D129
3H082
【Fターム(参考)】
2D129AB09
2D129BA05
2D129BA17
2D129DC00
3H082AA11
3H082BB27
3H082CC02
3H082DB18
3H082DB26
3H082DB32
3H082DB35
3H082EE01
(57)【要約】
油圧システム、採掘車両、および閉ループ油圧回路をフラッシングするための方法。本油圧システム(HS)は、油圧ポンプ、モータ、および1つまたは複数の油圧アクチュエータを備える少なくとも1つの閉じた油圧回路(CL)を提供する。本油圧システムはさらに、閉ループ油圧回路をフラッシングするための限られた量の油圧流体を排出および供給するためのフラッシングシステムを備える。制御ユニット(CU)によって能動的に制御される排出弁(DV)があり、これにより、弁を通る流体流が選択的に制御される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
採掘車両(1)であって、
移動可能キャリア(2)と、
前記キャリア(2)上に取り付けられた少なくとも1つの採掘作業デバイスと、
少なくとも1つの油圧システム(HS)であって、
前記油圧システム(HS)には、
少なくとも1つの第1のモータ(M1)によって駆動される少なくとも1つの第1の油圧ポンプ(Hp1)、
少なくとも1つの油圧アクチュエータ(HA)、を備える少なくとも1つの閉ループ油圧回路(CL)が設けられており、
加圧された油圧流体が、前記閉ループ油圧回路(CL)において、前記第1の油圧ポンプ(Hp1)の出口ポートから前記油圧アクチュエータ(HA)の入口ポートに、さらに前記油圧アクチュエータ(HA)の出口ポートから前記第1の油圧ポンプ(Hp1)の入口ポートに循環するように方向付けられる、少なくとも1つの油圧システム(HS)と、
限られた量の追加の油圧流体を別個の油圧流体源(T)から前記閉ループ油圧回路(CL)に供給するための少なくとも1つの供給機構(FA)と、限られた量の使用済み油圧流体を前記閉ループ油圧回路(CL)から前記別個の油圧流体源(T)に排出するための排出機構(DA)とを備えるフラッシングシステム(FLS)であって、
前記排出機構(DA)が、少なくとも1つの制御ユニット(CU)の制御下で能動的に制御される少なくとも1つの排出弁(DV)を備え、前記排出弁(DV)を通る流体流が、選択的に制御可能である、フラッシングシステム(FLS)と、
を備える、採掘車両(1)において、
前記油圧システム(HS)が、コモンレール油圧回路としての働きをする開いた油圧回路(Op)を備え、前記開いた油圧回路(Op)が、油圧流体を、前記フラッシングシステムと、前記開いた油圧回路(Op)に結合された少なくとも1つの油圧アクチュエータ(Aa)とに提供するように構成され、
前記開いた油圧回路(Op)には、前記制御ユニット(CU)の制御下で少なくとも1つの専用の第2のモータ(M2)によって駆動される第2の油圧ポンプ(Hp2)が設けられることを特徴とする、採掘車両(1)。
【請求項2】
前記閉ループ油圧回路(CL)には、前記油圧流体の特性を感知するための少なくとも1つの感知デバイス(S)が設けられ、
前記制御ユニット(CU)が、前記感知デバイス(S)から感知データを受信するように構成され、受信された前記感知データに応答して、前記フラッシングシステム(FLS)の少なくとも前記排出弁(DV)を制御するための制御信号を生成するように構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の採掘車両(1)。
【請求項3】
前記感知デバイス(S)が、前記油圧流体の温度を感知するための温度センサであることを特徴とする、
請求項2に記載の採掘車両(1)。
【請求項4】
前記感知デバイス(S)が、前記油圧流体の流体特性を感知するための流体状態監視センサであることを特徴とする、
請求項2に記載の採掘車両(1)。
【請求項5】
前記制御ユニット(CU)が、前記閉ループ油圧回路(CL)の動作状況を検出するように構成され、検出された前記動作状況に応答して、前記フラッシングシステム(FLS)の少なくとも前記排出弁(DV)を制御するための制御信号を生成するように構成されることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の採掘車両(1)。
【請求項6】
フラッシングシステム(FLS)によって油圧システム(HS)の閉ループ油圧回路(CL)をフラッシングする方法であって、
追加の油圧流体を前記閉ループ油圧回路(CL)に供給することと、
前記閉ループ油圧回路(CL)から油圧流体を排出することと、
を含む方法において、
制御ユニット(CU)によって前記油圧流体の少なくとも前記排出の大きさを制御することを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、採掘車両の油圧システムに関する。油圧システムには、閉ループ油圧回路が設けられている。閉ループ油圧回路は、フラッシングシステムによってフラッシングされる。
【0002】
本発明はさらに、採掘車両と、フラッシングシステムによって油圧システムの閉ループ油圧回路をフラッシングする方法とに関する。
【0003】
本発明の分野は、独立請求項のプリアンブルでより具体的に定義される。
【0004】
鉱山および他の作業現場において、異なるタイプの採掘車両が使用される。採掘車両には、油圧システムに接続されているいくつかの油圧アクチュエータが設けられている。さらに、油圧システムは、1つまたは複数の閉ループ油圧システムであって、加圧された油圧流体が油圧ポンプの出口ポートから油圧アクチュエータの入口ポートに、さらに油圧アクチュエータの出口ポートから第1の油圧ポンプの入口ポートに循環される、1つまたは複数の閉ループ油圧システムを備えてよい。しかしながら、新しい油圧流体を閉ループ油圧システム内に供給することによって閉ループ油圧システムをフラッシングする必要がある場合がある。いくつかの既知の解決手段では、閉じた油圧システムをフラッシングすることは、同時に駆動されるように主油圧ポンプに並列に接続されたフラッシングポンプによって引き起こされるフラッシング流体流によって実行される。そして、引き起こされたフラッシング流および圧力は、別個の制御弁によって制御される。フラッシングのための既知の解決手段には、特に、不十分なエネルギー効率およびフラッシングの不満足な制御可能性に関するいくつかの欠点があることが示されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、新規の改善された油圧システム、そのような閉じた油圧システムが装備された採掘車両、および閉ループ油圧回路をフラッシングするための方法を提供することである。
【0006】
本発明に係る油圧システムは、第1の独立装置請求項の特徴によって特徴付けられる。
【0007】
本発明に係る採掘車両は、第2の独立装置請求項の特徴によって特徴付けられる。
【0008】
本発明に係る方法は、独立方法請求項の特徴によって特徴付けられる。
【0009】
開示される解決手段の考えは、限られた量の追加の油圧流体を別個の油圧流体源から閉ループ油圧回路に供給するための少なくとも1つの供給機構と、限られた量の使用済み油圧流体を閉ループ油圧回路から別個の油圧流体源に排出するための排出機構とを備えるフラッシングシステムを、油圧システムの閉ループ油圧回路に設けることである。それによって、フラッシングシステムは、供給と排出を制御することによって、限られたフラッシング流を閉ループ油圧回路に提供する。開示される解決手段では、上記排出機構は、少なくとも1つの制御ユニットの制御下で能動的に制御される少なくとも1つの排出弁を備え、排出弁を通る流体流は、選択的に制御可能である。
【0010】
換言すれば、閉ループ油圧回路には、システム内の油圧流体の適切な品質を保証するために、限られた圧力流体の流れを閉ループ油圧回路に供給し、そこから送り出すことを可能にする能動的に制御されたバイパス流システムが設けられる。
【0011】
開示される解決手段の利点は、制御ユニットがバイパス流システムを能動的に制御すると、フラッシングを効果的かつ正確に制御することができるということである。制御ユニットはまた、いくつかのパラメータを監視し、そのいくつかのパラメータをフラッシングの制御で考慮に入れることができる。制御ユニットによって能動制御が実行されると、より多目的なフラッシング制御原理および環境を実現することができる。さらに、改善された制御により、システムもより効果的になり、エネルギーを節約する。
【0012】
閉ループ油圧回路において、加圧された油圧流体は、油圧ポンプから、典型的には油圧モータである油圧アクチュエータに直接流れ、タンクまたは他の油圧流体リザーバには入らずに油圧ポンプに直接戻る。油圧流体の流れと方向が油圧モータを制御する。油圧モータは、いずれの方向にも動作することができる。閉ループシステムにおいて、油圧および流れは、必要なときにのみ必要なだけ生成される。
【0013】
一実施形態によれば、供給機構は、閉ループ油圧回路への新しい油圧流体の供給を制御するための1つまたは複数の供給弁を備えてよい。
【0014】
一実施形態によれば、供給機構および排出機構の両方は、別個の油圧流体源としての働きをするタンクと直接流体接続している。
【0015】
一実施形態によれば、油圧システムは、排出された油圧流体を、供給機構を通して閉ループ油圧回路に供給する前に処理するために少なくとも1つの濾過または冷却デバイスを備える。濾過または冷却デバイスは、流体源または貯蔵容器と接続して配置されてよい。
【0016】
一実施形態によれば、上記供給機構は、少なくとも1つの専用の第2のモータによって駆動される第2の油圧ポンプを備える。換言すれば、開示されるフラッシング機構は、必要なフラッシング流を引き起こすための別個の油圧ポンプを備える。ポンプは、専用のモータによって作動され、それによって、ポンプの動作は、閉ループ油圧回路の圧送手段に対して独立して制御可能である。
【0017】
一実施形態によれば、油圧システムは、コモンレール油圧回路としての働きをする開いた油圧回路を備え、開いた油圧回路は、油圧流体を、フラッシングシステムと、開いた油圧回路に結合された少なくとも1つの油圧アクチュエータとに提供するように構成される。開いた油圧回路には、制御ユニットの制御下で少なくとも1つの専用の第2のモータによって駆動される第2の油圧ポンプが設けられる。この実施形態では、第2の油圧ポンプを、フラッシング目的のためだけではなく、採掘車両の選択された油圧補助デバイスを駆動するためにも利用することができる。そして、フラッシングのためだけに別個の油圧ポンプは必要ない。
【0018】
一実施形態によれば、少なくとも第2のモータは、少なくとも1つの電気モータ制御デバイスによって制御される速度制御電気モータであり、少なくとも第2の油圧ポンプは、固定容積式ポンプである。そして、制御ユニットは、フラッシングシステムの供給機構内で影響を及ぼす油圧流体の圧力および流れの大きさを調整するために上記電気モータ制御デバイスを制御するように構成される。
【0019】
一実施形態によれば、フラッシング流を引き起こすための第2の油圧ポンプは、代替として、任意の種類の油圧ポンプであってもよい。したがって、第2の油圧ポンプは、例えば、可変容積式ポンプであってもよい。
【0020】
一実施形態によれば、閉ループ油圧回路には、油圧流体の特性を感知するための1つまたは複数の感知デバイスが設けられる。制御ユニットには、感知データが提供され、感知データに応答して、少なくとも排出弁を制御するための制御信号を生成する。
【0021】
一実施形態によれば、前の実施形態に記載の感知データが、第2のモータの動作と引き起こされたフラッシング流の大きさとを制御するためにも使用される。
【0022】
一実施形態によれば、上記感知デバイスは、油圧流体の温度を感知するための温度センサである。制御ユニットは、回路の温度を冷却するようにフラッシングを制御してよい。
【0023】
一実施形態によれば、上記感知デバイスは、油圧流体の流体特性を感知するための流体状態監視センサである。
【0024】
一実施形態によれば、流体状態監視センサは、油圧流体の清浄度を検出するためのセンサまたは分析デバイスである。
【0025】
一実施形態によれば、閉ループ油圧回路にはさらに、1つまたは複数の圧力センサもしくはフローセンサが設けられる。作成された感知データは、制御ユニットに送信される。さらに、少なくとも1つの油圧アクチュエータに接続して圧力流体の温度を感知することができる。制御ユニットは、受信された感知データに応答して制御信号を提供するように構成されてよい。
【0026】
一実施形態によれば、制御ユニットは、閉ループ油圧回路の動作状況を検出し、検出された動作状況に応答して、フラッシングシステムの少なくとも排出弁を制御するための制御信号を生成する。
【0027】
一実施形態によれば、制御ユニットは、閉ループ油圧回路の使用率を検出するように構成され、検出された使用率が所定の限界値を超えたときにフラッシングを増加させるように構成される。
【0028】
一実施形態によれば、制御ユニットは、閉ループ油圧回路の動作時間または期間を検出するように構成され、検出された動作時間が所定の限界値を超えたときにフラッシングを増加させるように構成される。
【0029】
一実施形態によれば、制御ユニットは、閉ループ油圧回路の動作を監視するように構成され、負荷の累積的な大きさまたは次の動作の負荷の推定される大きさが、負荷に対して設定された所定の限界値を超えたときにフラッシングを増加させるように構成される。
【0030】
一実施形態によれば、制御ユニットは、閉ループ油圧回路の動作がオフに切り替えられたときでも、閉ループ油圧回路内の圧力流体の冷却を継続するようにフラッシングシステムを動作させるように構成される。こうして、油圧流体を独立して所望の期間にわたり冷却するための一種の最終冷却を実現することができる。こうして、油圧システムは次の動作に備えることができる。
【0031】
一実施形態によれば、制御ユニットは、閉ループ油圧回路が動作する動作状態を検出するように構成される。制御ユニットは、例えば、過酷状態および高温で動作しているときにフラッシングを増加させてよい。
【0032】
一実施形態によれば、制御ユニットには、採掘車両のオペレータが制御ユニットと通信することができ、制御パラメータを入力でき、選択を行うことができるユーザインターフェースが設けられてよい。制御ユニットは、ユーザインターフェースによって、使用可能な情報をオペレータに提供してよい。
【0033】
一実施形態によれば、開示される解決手段は、採掘車両に関する。採掘車両は、移動可能キャリアと、キャリア上に取り付けられた1つまたは複数の採掘作業デバイスとを備える。採掘車両はさらに、本文書で開示される実施形態および特徴に係る少なくとも1つの油圧システムを備える。
【0034】
一実施形態によれば、採掘車両は、削岩リグ、ロックボルトデバイス、ショットクリートデバイス、鉱山用積載車両、またはマイントラックである。開示される閉ループ油圧回路は、例えば、軌道運搬もしくは駆動アクチュエータ、または採掘アクチュエータを動作させるように配置されてよい。
【0035】
一実施形態によれば、開示される解決手段は、フラッシングシステムによって油圧システムの閉ループ油圧回路をフラッシングする方法に関する。本方法は、追加の油圧流体を閉ループ油圧回路に供給することと、油圧流体を閉ループ油圧回路から排出することとを備える。本方法はさらに、制御ユニットによって油圧流体の少なくとも排出の大きさを制御することを備える。
【0036】
上記開示された実施形態は、上記特徴のうち必要とされるものを有する好適な解決手段を形成するために組み合わされてよい。
【0037】
いくつかの実施形態について添付図面においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】閉ループ油圧回路と閉ループ油圧回路をフラッシングするためのフラッシングシステムとを備える開示される油圧システムの油圧回路図の概略図である。
図2】開示される解決手段のいくつかの制御原理を示す概略図である。
図3】開示される油圧システムの代替の油圧回路図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
明確にするために、図は、開示される解決手段のいくつかの実施形態を簡略的に示す。図において、同様の参照番号は同様の要素を特定する。
【0040】
図1は、削岩リグなどの採掘車両の油圧システムHSの油圧回路図を示す。油圧システムHSには、第1のモータM1によって駆動される第1の油圧ポンプHp1を備える閉ループ油圧回路CLが設けられている。油圧アクチュエータHAが、閉ループ油圧回路CLに接続されている。図1に示すように、加圧された油圧流体が、閉ループ油圧回路CLにおいて、第1の油圧ポンプHp1の出口ポートから油圧アクチュエータHAの入口ポートに、さらに油圧アクチュエータHAの出口ポートから第1の油圧ポンプHp1の入口ポートに循環するように方向付けられる。図1では、第1の油圧ポンプHp1および油圧アクチュエータHpを両方の回転方向に回転させることができるため、明確にするために、入口ポートおよび出口ポートにはマークが付いていない。
【0041】
油圧システムHSは、限られた量の追加の油圧流体を別個の油圧流体源Tから閉ループ油圧回路CLに供給するための供給機構FAが設けられ、かつ限られた量の使用済み油圧流体を閉ループ油圧回路CLから別個の油圧流体源Tに排出するための排出機構DAも設けられたフラッシングシステムFLSを備える。別個の油圧流体源Tは、例えば、タンクまたはリザーバであってよい。
【0042】
上記排出機構DAはさらに、制御ユニットCUの制御下で能動的に制御される排出弁DVを備える。排出弁DVを通る流体流を、制御ユニットCUの制御下で選択的に制御することができる。制御ユニットCUは、感知データが1つまたは複数の感知デバイスSから受信されることに応答して制御信号を生成するように構成されたプロセッサを備えてよい。制御ユニットCUには、オペレータと通信するためのユーザインターフェースUIが設けられていてよい。制御パラメータおよびコンピュータプログラム製品は、制御ユニットCUに入力されてよい。
【0043】
上記供給機構FAは、専用の第2のモータM2によって駆動される第2の油圧ポンプHp2を備える。供給機構はさらに、閉ループ油圧回路CLへの新しい油圧流体の供給を制御するための供給弁を備える。
【0044】
供給機構FAおよび排出機構DAの両方は、別個の油圧流体源Tとしての働きをするタンクと直接流体接続している。
【0045】
排出された油圧流体を、供給機構FAを通して閉ループ油圧回路CLに供給する前に処理するために1つまたは複数の濾過または冷却デバイスCDがあってよい。濾過または冷却デバイスCDは、流体源Tに接続して配置されてよい。
【0046】
図2は、閉ループ油圧回路のフラッシングを制御するためのいくつかの制御原理1を開示する。制御1は、流体制御監視2もしくは動作事項3、またはその両方に基づいてよい。流体状態監視2は、油圧流体の特性に関する感知データ4を備えてよい。そして、油圧流体の流体特性を感知するための1つまたは複数の流体状態監視センサがある。油圧流体の温度5を感知するための温度センサが設けられていてよい。制御ユニットは、回路の温度を冷却するようにフラッシングを制御してよい。代替としてまたは追加として、油圧流体の清浄度6を検出するための1つまたは複数の流体状態監視センサまたは分析デバイスがあってもよい。
【0047】
上記動作事項3は、閉ループ油圧回路の動作状況の検出7に関連してよい。制御は、使用使用率8、動作時間9、動作の負荷の大きさ10を考慮に入れてよく、また次の負荷環境の前のプレフラッシング11も手配してよい。
【0048】
さらに、制御ユニットは、閉ループ油圧回路が動作する動作状態12を検出してよい。そして、制御ユニットは、例えば、過酷状態および高温で動作しているときにフラッシングを増加させてよい。
【0049】
図3は、第2のポンプHp2が、1つまたは複数の油圧補助アクチュエータAaが設けられた開ループ油圧回路Opのための油圧動力も発生させるように構成されているという点のみが図1に示すものとは異なる油圧システムHSを開示している。開ループ油圧回路Op内の油圧流体の補助アクチュエータAaへの供給を制御するための弁Vがあってよい。補助アクチュエータAaを備える開ループ油圧回路を、コモンレール回路と呼んでもよい。
【0050】
図面および関連する説明は、本発明の考えを例示することのみを意図している。本発明は、その詳細が、特許請求の範囲内で変わる場合がある。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
採掘車両(1)であって、
移動可能キャリア(2)と、
前記キャリア(2)上に取り付けられた少なくとも1つの採掘作業デバイスと、
少なくとも1つの油圧システム(HS)であって、
前記油圧システム(HS)には、
少なくとも1つの第1のモータ(M1)によって駆動される少なくとも1つの第1の油圧ポンプ(Hp1)、
少なくとも1つの油圧アクチュエータ(HA)、を備える少なくとも1つの閉ループ油圧回路(CL)が設けられており、
加圧された油圧流体が、前記閉ループ油圧回路(CL)において、前記第1の油圧ポンプ(Hp1)の出口ポートから前記油圧アクチュエータ(HA)の入口ポートに、さらに前記油圧アクチュエータ(HA)の出口ポートから前記第1の油圧ポンプ(Hp1)の入口ポートに循環するように方向付けられる、少なくとも1つの油圧システム(HS)と、
限られた量の追加の油圧流体を別個の油圧流体源(T)から前記閉ループ油圧回路(CL)に供給するための少なくとも1つの供給機構(FA)と、限られた量の使用済み油圧流体を前記閉ループ油圧回路(CL)から前記別個の油圧流体源(T)に排出するための排出機構(DA)とを備えるフラッシングシステム(FLS)であって、
前記排出機構(DA)が、少なくとも1つの制御ユニット(CU)の制御下で能動的に制御される少なくとも1つの排出弁(DV)を備え、前記排出弁(DV)を通る流体流が、選択的に制御可能である、フラッシングシステム(FLS)と、
を備える、採掘車両(1)において、
前記油圧システム(HS)が、コモンレール油圧回路としての働きをする開いた油圧回路(Op)を備え、前記開いた油圧回路(Op)が、油圧流体を、前記フラッシングシステムと、前記開いた油圧回路(Op)に結合された少なくとも1つの油圧アクチュエータ(Aa)とに提供するように構成され、
前記開いた油圧回路(Op)には、前記制御ユニット(CU)の制御下で少なくとも1つの専用の第2のモータ(M2)によって駆動される第2の油圧ポンプ(Hp2)が設けられることを特徴とする、採掘車両(1)。
【請求項2】
前記閉ループ油圧回路(CL)には、前記油圧流体の特性を感知するための少なくとも1つの感知デバイス(S)が設けられ、
前記制御ユニット(CU)が、前記感知デバイス(S)から感知データを受信するように構成され、受信された前記感知データに応答して、前記フラッシングシステム(FLS)の少なくとも前記排出弁(DV)を制御するための制御信号を生成するように構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の採掘車両(1)。
【請求項3】
前記感知デバイス(S)が、前記油圧流体の温度を感知するための温度センサであることを特徴とする、
請求項2に記載の採掘車両(1)。
【請求項4】
前記感知デバイス(S)が、前記油圧流体の流体特性を感知するための流体状態監視センサであることを特徴とする、
請求項2に記載の採掘車両(1)。
【請求項5】
前記制御ユニット(CU)が、前記閉ループ油圧回路(CL)の動作状況を検出するように構成され、検出された前記動作状況に応答して、前記フラッシングシステム(FLS)の少なくとも前記排出弁(DV)を制御するための制御信号を生成するように構成されることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の採掘車両(1)。
【国際調査報告】