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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】インビトロ転写技術
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/10 20060101AFI20240910BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALN20240910BHJP
   C07H 21/02 20060101ALN20240910BHJP
   A61K 39/00 20060101ALN20240910BHJP
   A61K 48/00 20060101ALN20240910BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20240910BHJP
   A61P 31/00 20060101ALN20240910BHJP
   A61P 31/14 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
C12N15/10 Z
A61K31/7105 ZNA
C07H21/02
A61K39/00 H
A61K48/00
A61P35/00
A61P31/00
A61P31/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024511980
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2021074139
(87)【国際公開番号】W WO2023025404
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,660
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522021206
【氏名又は名称】ビオンテック・ソシエタス・エウロパエア
【氏名又は名称原語表記】BioNTech SE
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100221545
【弁理士】
【氏名又は名称】白江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】ラーベ,イレーナ
(72)【発明者】
【氏名】ブッフ,マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】ツィーゲンハルス,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ドレーゲミュラー,ヨハンナ
(72)【発明者】
【氏名】クーン,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フェッサー,シュテファニー
(72)【発明者】
【氏名】コームズ,ロドニー ジーン
(72)【発明者】
【氏名】エシュマン,ニコル
(72)【発明者】
【氏名】ロマイン,ジェニファー アン ショボーグ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムソン,ジェナ キャスリン
【テーマコード(参考)】
4C057
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C057CC03
4C057DD03
4C057MM01
4C057MM02
4C057MM08
4C057MM09
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZB32
4C084ZB33
4C085AA03
4C085DD90
4C085EE01
4C086AA04
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB32
4C086ZB33
(57)【要約】
本開示は、インビトロ転写反応のための技術、特に医薬品グレードRNAの産生のための技術、及びいくつかの実施形態では、大規模産生のための技術を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インビトロ転写を介してリボ核酸(RNA)分子を産生する方法であって、反応混合物を反応条件下で作製して、前記RNA分子を形成することを含み、前記反応混合物が、核酸ポリメラーゼ、核酸テンプレート、ならびに
総グアノシン三リン酸(GTP)及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)に対するモル比aの総シチジン三リン酸(CTP)及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)及び/または
総ウリジン三リン酸(UTP)及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)に対するモル比bの総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)及び/または
総アデノシン三リン酸(ATP)及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)に対するモル比cの総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)を含み、
前記RNA分子が、
総グアノシン及び/または1つ以上の機能的グアノシン類似体(複数可)に対するモル比xの総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)、及び/または
総ウリジン及び/または1つ以上の機能的ウリジン類似体(複数可)に対するモル比yの総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)、及び/または
総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)に対するモル比zの総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)を含み、
aが、少なくとも1.25であり、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、及び/または
bが、少なくとも1.25であり、及び/またはbが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/または
cが、少なくとも1.10であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍である、前記方法。
【請求項2】
aが、少なくとも1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、または1.8である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
aが、少なくとも1.5である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
aが、xの少なくとも約1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、1.50倍、1.55倍、1.60倍、1.65倍、1.70倍、または1.75倍である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
aが、xの少なくとも約1.15倍である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
aが、xの少なくとも約1.20倍である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
bが、少なくとも1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、または1.8である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
bが、少なくとも1.5である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
bが、yの少なくとも約1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、1.50倍、1.55倍、1.60倍、1.65倍、1.70倍、または1.75倍である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
bが、yの少なくとも約1.15倍である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
bが、yの少なくとも約1.20倍である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
cが、少なくとも1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
cが、少なくとも1.25である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
cが、zの少なくとも約1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、1.50倍、1.55倍、1.60倍、1.65倍、1.70倍、または1.75倍である、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
cが、zの少なくとも約1.15倍である、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
cが、zの少なくとも約1.20倍である、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記反応混合物中に、
総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)に対するモル比dの総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)、及び/または
総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)に対するモル比eの総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)を組み合わせることを更に含み、
前記RNA分子が、
総グアノシン及び/または1つ以上の機能的グアノシン類似体(複数可)に対するモル比vの総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)、及び/または
総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)に対するモル比wの総ウリジン及び/または1つ以上の機能的ウリジン類似体(複数可)を更に含み、
dが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍であり、及び/または
eが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
dが、少なくとも1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
dが、少なくとも1.20である、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記dが、vの少なくとも約1.10倍、1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、または1.50倍である、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
dが、vの少なくとも約1.10倍である、請求項17~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
dが、vの少なくとも約1.20倍である、請求項17~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
eが、少なくとも1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
eが、少なくとも1.20である、請求項17~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記eが、wの少なくとも約1.10倍、1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、または1.50倍である、請求項17~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
eが、wの少なくとも約1.10倍である、請求項17~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
eが、wの少なくとも約1.20倍である、請求項17~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)の一部分が、転写が始まる前及び/または転写の開始時に前記反応混合物に添加され、前記総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)の残りの部分が、前記転写の開始後に前記反応混合物に添加される、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)の全てが、転写が始まる前及び/または転写の開始時に前記反応混合物に添加される、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)の一部分が、転写が始まる前及び/または転写の開始時に前記反応混合物に添加され、前記総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)の残りの部分が、前記転写の開始後に前記反応混合物に添加される、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)の全てが、転写が始まる前及び/または転写の開始時に前記反応混合物に添加される、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)の一部分が、転写が始まる前及び/または転写の開始時に前記反応混合物に添加され、前記総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)の残りの部分が、前記転写の開始後に前記反応混合物に添加される、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)の全てが、転写が始まる前及び/または転写の開始時に前記反応混合物に添加される、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)の一部分が、転写が始まる前及び/または転写の開始時に前記反応混合物に添加され、前記総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)の残りの部分が、前記転写の開始後に前記反応混合物に添加される、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)の全てが、転写が始まる前及び/または転写の開始時に前記反応混合物に添加される、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記RNA分子が、一本鎖である、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記RNA分子が、直鎖RNA、メッセンジャーRNA、及び/またはヌクレオシド修飾メッセンジャーRNAである、請求項1~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記核酸テンプレートが、DNAテンプレートである、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記反応混合物が、前記核酸テンプレートを0.05~2μg/μLの濃度で含む、請求項1~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記核酸ポリメラーゼが、RNAポリメラーゼである、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記核酸ポリメラーゼが、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、N4ビリオンRNAポリメラーゼ、またはそれらのバリアントもしくは機能ドメインである、請求項1~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記反応混合物が、反応緩衝液、RNase阻害剤、ピロホスファターゼ、1つ以上の塩、還元剤、及びスペルミジンのうちの1つ以上を更に含む、請求項1~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記反応緩衝液が、HEPES、Tris-HCl、またはPBSを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記反応混合物が、前記反応緩衝液を20~60mMの濃度で含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記反応緩衝液が、7~9のpHを有する、請求項42~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記反応混合物が、前記RNase阻害剤を0.01~0.1U/μLの濃度で含む、請求項42~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記RNase阻害剤の1つの単位(U)が、5ngのRNase Aの活性を少なくとも50%阻害する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記ピロホスファターゼが、無機ピロホスファターゼである、請求項42~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記反応混合物が、前記ピロホスファターゼを0.01~0.2mU/μLの濃度で含む、請求項42~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記1つ以上の塩が、1つ以上のマグネシウム塩及び/または1つ以上のカルシウム塩を含む、請求項42~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記1つ以上のマグネシウム塩が、酢酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記反応混合物が、前記1つ以上の塩を20~60mMの濃度で含む、請求項42~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記還元剤が、ジチオスレイトールまたは2-メルカプトエタノールを含む、請求項42~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記反応混合物が、前記還元剤を5~15mMの濃度で含む、請求項42~53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記反応混合物が、前記スペリミジンを0.5~3mMの濃度で含む、請求項42~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
インビトロ転写が、少なくとも20~180分間実施される、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
インビトロ転写が、25~55℃の温度で実施される、請求項1~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記RNA分子のインビトロ転写後に前記核酸テンプレートを消化することを更に含む、請求項1~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記核酸テンプレートが、DNaseによって消化される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記DNaseが、DNase Iを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記RNA分子のインビトロ転写後に前記核酸ポリメラーゼを消化することを更に含む、請求項1~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記核酸ポリメラーゼが、プロテイナーゼによって消化される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記プロテイナーゼが、プロテイナーゼKを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記RNA分子のインビトロ転写のための1つ以上の品質管理パラメータを評価することを更に含む、請求項1~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
インビトロ転写のための前記1つ以上の品質管理パラメータが、転写中及び/または転写後の前記RNA分子のRNA完全性、RNA濃度、残留二本鎖RNA(dsRNA)、及び/またはキャッピングを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記RNA完全性が、アガロースゲル電気泳動を使用して評価される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記RNA完全性が、キャピラリーゲル電気泳動を使用して評価される、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記方法によって産生される前記RNA分子の前記RNA完全性が、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%である、請求項1~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記方法によって産生される前記RNA分子の前記RNA完全性が、aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが少なくとも1.10ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項1~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記方法によって産生される前記RNA分子の前記RNA完全性が、
dが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない、
aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、cが少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない、
aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、cが少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが少なくとも1.10であり、及び/またはeが少なくとも1.10である、及び/または
aが少なくとも1.25であり、bが少なくとも1.25であり、及び/またはcが少なくとも1.10であり、及び/またはdが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項17~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記方法によって産生される前記RNA分子の前記RNA完全性が、aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcがzの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項1~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記方法によって産生される前記RNA分子の前記RNA完全性が、
dがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない、
aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、cがzの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない、
aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、cがzの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍である、及び/または
aがxの少なくとも約1.10倍であり、bがyの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcがzの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項17~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記RNA完全性が、少なくとも約5%増加する、請求項69~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記RNA完全性が、少なくとも約8%増加する、請求項71または72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記RNA濃度が、UV吸収分光光度法を使用して評価される、請求項65~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記方法によって産生される前記RNA分子の濃度が、少なくとも約1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、または15mg/mLである、請求項1~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記方法によって産生される前記RNA分子の濃度が、aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが少なくとも1.10ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、または30%増加する、請求項1~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記方法によって産生される前記RNA分子の濃度が、
dが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない、
aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、cが少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない、
aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、cが少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが少なくとも1.10であり、及び/またはeが少なくとも1.10である、及び/または
aが少なくとも1.25であり、bが少なくとも1.25であり、及び/またはcが少なくとも1.10であり、及び/またはdが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項17~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記方法によって産生される前記RNA分子の濃度が、aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcがzの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、または30%増加する、請求項1~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記方法によって産生される前記RNA分子の濃度が、
dがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない、
aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、cがzの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない、
aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、cがzの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍である、及び/または
aがxの少なくとも約1.10倍であり、bがyの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcがzの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項17~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記方法によって産生される前記RNA分子の濃度が、少なくとも約20%増加する、請求項77~80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記残留dsRNAが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、吸光度、蛍光染料、及び/またはゲル電気泳動を使用して評価される、請求項65~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記残留dsRNAが、定量PCRを使用して評価される、請求項65~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記方法によって産生される前記RNA分子の転写中及び/または転写後の前記残留dsRNAが、少なくとも約25pg dsRNA/μg RNA、50pg dsRNA/μg RNA、75pg dsRNA/μg RNA、100pg dsRNA/μg RNA、125pg dsRNA/μg RNA、150pg dsRNA/μg RNA、175pg dsRNA/μg RNA、200pg dsRNA/μg RNA、225pg dsRNA/μg RNA、250pg dsRNA/μg RNA、275pg dsRNA/μg RNA、または300pg dsRNA/μg RNAである、請求項1~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記方法によって産生される前記RNA分子の転写中及び/または転写後の前記残留dsRNAが、aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが少なくとも1.10ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、または80%減少する、請求項1~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記方法によって産生される前記RNA分子の転写中及び/または転写後の前記残留dsRNAが、
dが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない、
aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、cが少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない、
aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、cが少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが少なくとも1.10であり、及び/またはeが少なくとも1.10である、及び/または
aが少なくとも1.25であり、bが少なくとも1.25であり、及び/またはcが少なくとも1.10であり、及び/またはdが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項17~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記方法によって産生される前記RNA分子の転写中及び/または転写後の前記残留dsRNAが、aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcがzの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、または80%減少する、請求項1~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記方法によって産生される前記RNA分子の転写中及び/または転写後の前記残留dsRNAが、
dがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない、
aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、cがzの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない、
aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、cがzの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍である、及び/または
aがxの少なくとも約1.10倍であり、bがyの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcがzの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項17~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
前記残留dsRNA濃度が、少なくとも約70%減少する、請求項85~88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記RNA分子のキャッピングが、
(a)機能的にキャッピングされたRNAの翻訳を評価すること、
(b)生体活性試験を実施して、前記RNA分子が、正しいサイズのタンパク質に翻訳されていることを確認すること、
(c)ヌクレアーゼベースのアッセイを行うこと、及び/または
(d)触媒核酸ベースのアッセイを行うこと、によって評価される、請求項65~89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記ヌクレアーゼベースのアッセイが、RNaseベースのアッセイを含み、前記RNaseベースのアッセイが、
(a)多数のRNA分子を、前記RNA分子に結合する1つ以上のプローブにアニーリングして、RNAプローブ複合体を形成すること、
(b)前記RNAプローブ複合体をRNaseで消化して、前記RNA分子の5’末端を含む断片を生成すること、
(c)親和性ベースの精製、クロマトグラフィーベースの精製、もしくはそれらの組み合わせを使用して、前記断片を精製すること、
(d)前記精製された断片を質量分析(MS)に供すること、
(e)観察されたMS値に基づいて、キャッピングされた及びキャッピングされていない断片を特定すること、及び/または
(f)キャッピングされた及びキャッピングされていない断片の量を比較して、キャッピングされたRNAの割合を計算すること、のうちの1つ以上を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記RNaseが、RNase Hを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記ヌクレアーゼベースのアッセイが、
(a)多数の前記RNA分子を、5’RNAキャップもしくは前記RNAのキャッピングされていない最後から2番目の塩基に隣接する前記RNA分子の5’非翻訳領域内の配列に相補的な1つ以上のDNAオリゴヌクレオチドと接触させること、
(b)前記1つ以上のDNAオリゴヌクレオチドを前記RNA分子の前記5’非翻訳領域内の前記配列にアニーリングして、DNA/RNAハイブリッド複合体を形成すること、
(c)前記DNA/RNAハイブリッド複合体及び/またはアニーリングされていないRNA分子を1つ以上のヌクレアーゼで分解して、キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片及び3’RNA断片を産生すること、
(d)親和性ベースの精製、クロマトグラフィーベースの精製、もしくはそれらの組み合わせを使用して、前記キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片を前記3’RNA断片から分離すること、及び/または
(e)キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片の量を比較して、キャッピングされたRNAの割合を計算すること、のうちの1つ以上を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
触媒核酸ベースのアッセイが、
(a)多数のRNA分子を触媒核酸分子で5’末端RNA断片及び少なくとも1つの3’RNA断片に切断することであって、前記RNA分子が前記触媒核酸分子の切断部位を有する、前記切断すること、
(b)親和性ベースの精製、クロマトグラフィーベースの精製、もしくはそれらの組み合わせを使用して、5’末端RNA断片及び3’RNA断片を分離すること、
(c)分光学、定量的質量分析、配列決定、もしくはそれらの組み合わせを使用して、キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片の量を測定すること、及び/または
(d)キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片の量を比較して、キャッピングされたRNAの割合を計算すること、のうちの1つ以上を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
前記触媒核酸分子が、DNAザイムまたはリボザイムを含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記方法によって産生される前記RNA分子の少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%が、キャッピングされる、請求項1~95のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
前記方法によって産生される前記RNA分子の前記キャッピングが、aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが少なくとも1.10ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%増加する、請求項1~96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記方法によって産生される前記RNA分子の転写中及び/または転写後の前記残留dsRNAが、
dが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない、
aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、cが少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない、
aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、cが少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが少なくとも1.10であり、及び/またはeが少なくとも1.10である、及び/または
aが少なくとも1.25であり、bが少なくとも1.25であり、及び/またはcが少なくとも1.10であり、及び/またはdが少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが少なくとも1.10ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項17~97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記方法によって産生される前記RNA分子の前記キャッピングが、aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcがzの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%増加する、請求項1~98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記方法によって産生される前記RNA分子の転写中及び/または転写後の前記残留dsRNAが、
dがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない、
aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、cがzの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない、
aがxの少なくとも約1.10倍ではなく、bがyの少なくとも約1.10倍ではなく、cがzの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍である、及び/または
aがxの少なくとも約1.10倍であり、bがyの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcがzの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdがvの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeがwの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物中のインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項17~99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記方法によって産生される前記RNA分子の前記キャッピングが、少なくとも約5%増加する、請求項97~100のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
特に、治療モダリティとしての重要性が高まっていることに照らして、RNAを製造するための技術は重要であり、貴重である。
【発明の概要】
【0002】
本開示は、RNA、特に治療用RNA(例えば、治療用mRNA)を製造するための技術に関するある特定の洞察を提供する。いくつかの実施形態では、提供される技術は、例えば、治療グレードRNAの大規模産生に使用される場合、特に有用であり、及び/または驚くべき利益及び/または利点を提供する。
【0003】
例えば、本開示は、インビトロ転写(IVT)反応混合物中のシチジン三リン酸(CTP)及び/またはアデノシン三リン酸(ATP)の特に有用な濃度に関する洞察を提供する(例えば、初期反応混合物中では、NTPは、補充されない限り、それらの濃度が時間の経過とともに減少するように、反応中に利用されることが当業者によって理解される)。
【0004】
いくつかの実施形態では、本開示は、RNA収率、RNA完全性、RNAキャッピングレベル、及び/または効率のうちの1つ以上を改善する技術を提供し、代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上の夾雑物または異常産物(例えば、dsRNA)のレベルを低減する技術を提供する。
【0005】
いくつかの実施形態では、本開示は、反応で生成されるRNA転写物の配列とは無関係に有用であるIVT反応条件(例えば、反応混合物中のヌクレオチド濃度)を提供する。
【0006】
本開示は、特に大規模(例えば、商業規模)でのIVTによるRNAの産生に関する問題の認識を包含する。とりわけ、本開示は、インビトロで転写されたRNAが、高収率及び/または完全性で、及び/または低レベルの異常産物(例えば、二本鎖RNA(dsRNA))で産生することが困難であり得ることを特定する。本開示は、そのような課題が、特に商業規模(例えば、0.1~10g、10~500g、500g~1kg、750g~1.5kg、当業者は、異なる産物が、例えば、患者集団サイズに応じて異なる規模で製造され得ることを理解するであろう)で、及び/または医薬品品質(これは、例えば、夾雑物及び/または完全性問題がそのような規模でより顕著であり得るため、例えば、より大きな規模で達成することが典型的により困難であり得る)で、治療用(例えば、動物(複数可)、及び特にヒトへの投与のための)RNA(例えば、mRNA)を産生するときに特に緊急であり得ることを特に理解する。
【0007】
いくつかの実施形態では、提供される技術は、(例えば、転写物中のG及び/またはU含有量と比較して)比較的高いC及び/またはA含有量を有する転写物の産生に適用されるときに有用であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、本開示は、提供される反応条件(例えば、反応混合物中のCTP及び/またはATP[またはその類似体]のレベル[例えば、絶対レベル及び/または相対レベル])が、転写物配列とは無関係に有用であり得るという驚くべき洞察を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の上昇したCTP及び/またはATPは、産生されるRNA中のヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド含有量)のパーセント及び/またはモル比とは独立して、収率及び/または完全性及び/またはキャッピングを改善し、及び/または1つ以上の異常産物(例えば、dsRNA)の産生を低下させる。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術は、商業的品質及び/または商業規模でのRNAの製造に特に有用である。当業者は、異なる治療用RNAが、非常に異なる規模で利用されることを認識するであろう。例えば、対象特異的RNAが記載されており、個別化されたがんワクチンで使用されており(例えば、RO7198457を参照されたい)、これらは、関連する個体を処置するのに十分な規模でのみ製造される必要がある。対照的に、他の目的のために、例えば、一般的ながんワクチンとして、感染作用因子ワクチンとして、抗体、酵素、サイトカインなどの発現のためのベクターとして開発されたRNAは、典型的には、より大きな規模(複数可)で製造され得る。治療用RNAは、前例のない規模での製造を必要とする最近のSARS-CoV-2パンデミックにおいて特に価値があることが証明されている。本明細書で提供される技術は、様々な実施形態では、これらの規模の各々で利用され得る。したがって、例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、約0.01gRNA/時間~約1gRNA/時間、1gRNA/時間~約100gRNA/時間、約1g RNA/時間~約20g RNA/時間、または約100g RNA/時間~約10,000g RNA/時間の範囲内のRNAを(例えば、製造規模で)産生するのに有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、バッチ当たり数十または数百ミリグラムから数十または数百グラム(またはそれ以上)のRNAを産生する反応に利用される。当業者は、本開示を読むことで、達成されたある特定の利点(例えば、改善された完全性及び/または収率)が、医薬品グレードで、及び/または特に本明細書に記載されるような大規模での製造で、特に有利であり得ることを理解するであろう。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、例えば、スループット容量を更に改善するために、並行して利用され得る。
【0011】
いくつかの特定の実施形態では、提供される技術は、少なくとも0.01g、0.02g、0.03g、0.04g、0.05g、0.06g、0.07g、0.08g、0.09g、0.1g、0.5g、1g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、10g RNA(例えば、少なくとも15g RNA、少なくとも20g RNA、少なくとも25g RNA、少なくとも30g RNA、少なくとも35g RNA、少なくとも40g RNA、少なくとも45g RNA、少なくとも50g RNA、少なくとも55g RNA、少なくとも60g RNA、少なくとも70g RNA、少なくとも80g RNA、少なくとも90g RNA、少なくとも100g RNA、少なくとも150g RNA、少なくとも200g RNA、少なくとも300g RNA、少なくとも400g RNA、少なくとも500g RNA、少なくとも750g、少なくとも1kg、少なくとも1.1kg、少なくとも1.2kg、少なくとも1.3kg、少なくとも1.4kg、少なくとも1.5kg以上を含む)のバッチサイズでのRNA調製物(例えば、RNA原薬)を製造するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する技術を使用して、約0.01g~約500g RNA、約0.01g~約10g RNA、約1g~約10g RNA、約10g~約500g RNA、約10g~約300g RNA、約10g~約200g RNA、または約30g~約60g RNAの範囲内のバッチサイズを産生することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術は、1時間当たり少なくとも1.5g RNA(例えば、1時間当たり少なくとも2g RNA、1時間当たり少なくとも2.5g RNA、1時間当たり少なくとも3g RNA、1時間当たり少なくとも3.5g RNA、1時間当たり少なくとも4g RNA、1時間当たり少なくとも4.5g RNA、1時間当たり少なくとも5g RNA、1時間当たり少なくとも5.5g RNA、1時間当たり少なくとも6g RNA、1時間当たり少なくとも6.5g RNA、1時間当たり少なくとも7g RNA、1時間当たり少なくとも7.5g RNA、1時間当たり少なくとも8g RNA、1時間当たり少なくとも8.5g RNA、1時間当たり少なくとも9g RNA、1時間当たり少なくとも10g RNA以上を含む)の大規模スループットを産生する大規模な製造に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の大規模な製造方法は、1時間当たり15g RNA~1時間当たり20g RNA(例えば、1時間当たり約17g)の容量に達することができる。
【0013】
実際、いくつかの実施形態では、提供される技術は、様々な規模で、及び/または具体的には、非常に大きな製造規模(例えば、約数十または更には数百グラム/バッチを超える)で有用であること、及び/またはRNA配列から実質的に独立して(例えば、様々なC及び/またはA含有量を有するRNAの産生のために)有用であること(例えば、そのような非常に大きな規模でさえ)という驚くべき利点を提供する。
【0014】
いくつかの態様では、本開示は、インビトロ転写を介してリボ核酸(RNA)分子を産生する方法であって、反応混合物を反応条件下で作製して、RNA分子を形成することを含み、反応混合物が、核酸ポリメラーゼ、核酸テンプレート、ならびに総グアノシン三リン酸(GTP)及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)に対するモル比aの総シチジン三リン酸(CTP)及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)、及び/または総ウリジン三リン酸(UTP)及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)に対するモル比bの総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)、及び/または総アデノシン三リン酸(ATP)及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)に対するモル比cの総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)を含み、RNA分子が、総グアノシン及び/または1つ以上の機能的グアノシン類似体(複数可)に対するモル比xの総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)、及び/または総ウリジン及び/または1つ以上の機能的ウリジン類似体(複数可)のモル比yの総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)、及び/または総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)に対するモル比zの総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)を含み、aが、少なくとも1.25であり、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはbが、少なくとも1.25であり、及び/またはbが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcが、少なくとも1.10であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍である、方法を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態では、aは、少なくとも1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、または1.8である。いくつかの実施形態では、aは、少なくとも1.5である。いくつかの実施形態では、aは、xの少なくとも約1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、1.50倍、1.55倍、1.60倍、1.65倍、1.70倍、または1.75倍である。いくつかの実施形態では、aは、xの少なくとも約1.15倍である。いくつかの実施形態では、aは、xの少なくとも約1.20倍である。
【0016】
いくつかの実施形態では、bは、少なくとも1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、または1.8である。いくつかの実施形態では、bは、少なくとも1.5である。いくつかの実施形態では、bは、yの少なくとも約1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、1.50倍、1.55倍、1.60倍、1.65倍、1.70倍、または1.75倍である。いくつかの実施形態では、bは、yの少なくとも約1.15倍である。いくつかの実施形態では、bは、yの少なくとも約1.20倍である。
【0017】
いくつかの実施形態では、cは、少なくとも1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である。いくつかの実施形態では、cは、少なくとも1.25である。いくつかの実施形態では、cは、zの少なくとも約1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、1.50倍、1.55倍、1.60倍、1.65倍、1.70倍、または1.75倍である。いくつかの実施形態では、cは、zの少なくとも約1.15倍である。いくつかの実施形態では、cは、zの少なくとも約1.20倍である。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示は、反応混合物中に、総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)に対するモル比dの総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)、及び/または総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)に対するモル比eの総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)を組み合わせることを更に含み、RNA分子が、総グアノシン及び/または1つ以上の機能的グアノシン類似体(複数可)に対するモル比vの総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)、及び/または総ウリジン及び/または1つ以上の機能的ウリジン類似体(複数可)に対するモル比wの総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)を更に含み、dが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍である、方法を提供する。いくつかのそのような実施形態では、dは、少なくとも1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である。いくつかのそのような実施形態では、dは、少なくとも1.20である。いくつかのそのような実施形態では、dは、vの少なくとも約1.10倍、1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、または1.50倍である。いくつかのそのような実施形態では、dは、vの少なくとも約1.10倍である。いくつかのそのような実施形態では、dは、vの少なくとも約1.20倍である。いくつかのそのような実施形態では、eは、少なくとも1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である。いくつかのそのような実施形態では、eは、少なくとも1.20である。いくつかのそのような実施形態では、eは、wの少なくとも約1.10倍、1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、または1.50倍である。いくつかのそのような実施形態では、eは、wの少なくとも約1.10倍である。いくつかのそのような実施形態では、eは、wの少なくとも約1.20倍である。
【0019】
いくつかの実施形態では、総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)の一部分が、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加され、総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)の残りの部分が、転写の開始後に反応混合物に添加される。
【0020】
いくつかの実施形態では、総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)の全てが、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加される。
【0021】
いくつかの実施形態では、総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)の一部分が、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加され、総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)の残りの部分が、転写の開始後に反応混合物に添加される。
【0022】
いくつかの実施形態では、総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)の全てが、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加される。
【0023】
いくつかの実施形態では、総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)の一部分が、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加され、総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)の残りの部分が、転写の開始後に反応混合物に添加される。
【0024】
いくつかの実施形態では、総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)の全てが、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加される。
【0025】
いくつかの実施形態では、総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)の一部分が、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加され、総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)の残りの部分が、転写の開始後に反応混合物に添加される。
【0026】
いくつかの実施形態では、総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)の全てが、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加される。
【0027】
いくつかの実施形態では、RNA分子は、一本鎖である。いくつかの実施形態では、RNA分子は、直鎖RNA、メッセンジャーRNA、及び/またはヌクレオシド修飾メッセンジャーRNAである。
【0028】
いくつかの実施形態では、核酸テンプレートは、DNAテンプレートである。いくつかの実施形態では、テンプレートは、直鎖テンプレート(例えば、直鎖DNAテンプレート)である。いくつかの実施形態では、テンプレートは、プラスミド(例えば、DNAプラスミド)である。いくつかの実施形態では、テンプレートは、(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応によって生成される)アンプリコンである。
【0029】
いくつかの実施形態では、反応混合物は、核酸テンプレートを0.01~2μg/μLの濃度で含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、核酸ポリメラーゼは、RNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態では、核酸ポリメラーゼは、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、N4ビリオンRNAポリメラーゼ、またはそれらのバリアントもしくは機能ドメインである。
【0031】
いくつかの実施形態では、反応混合物は、反応緩衝液、RNase阻害剤、ピロホスファターゼ、1つ以上の塩、還元剤、及びスペルミジンのうちの1つ以上を含む(例えば、更に含む)。いくつかの実施形態では、反応緩衝液は、HEPES、Tris-HCl、またはPBSを含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、反応緩衝液を20~60mMまたは100~150mMの濃度で含む。いくつかの実施形態では、反応緩衝液は、7~9のpHを有する。いくつかの実施形態では、反応混合物は、RNase阻害剤を0.01~0.1U/μLの濃度で含む。いくつかの実施形態では、RNase阻害剤の1つの単位(U)は、5ngのRNase Aの活性を少なくとも50%阻害する。いくつかの実施形態では、ピロホスファターゼは、無機ピロホスファターゼである。いくつかの実施形態では、反応混合物は、ピロホスファターゼを0.01~0.2mU/μLの濃度で含む。いくつかの実施形態では、反応混合物に含まれる1つ以上の塩は、1つ以上のマグネシウム塩及び/または1つ以上のカルシウム塩を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のマグネシウム塩は、酢酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、1つ以上の塩を20~60mMの濃度で含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、1つ以上の塩を100~150mMの濃度で含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、ジチオスレイトールまたは2-メルカプトエタノールを含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、還元剤を5~15mMの濃度で含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、スペリミジンを0.5~3mMの濃度で含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、インビトロ転写は、少なくとも20~180分間実施される。いくつかの実施形態では、インビトロ転写は、25~55℃の温度で実施される。
【0033】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、RNA分子のインビトロ転写後に核酸テンプレートを消化することを更に含む。いくつかのそのような実施形態では、核酸テンプレートは、DNaseによって消化される。いくつかのそのような実施形態では、DNaseは、DNase Iを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、インビトロ転写後にIVT反応混合物のポリペプチド(例えば、核酸ポリメラーゼ、ピロホスファターゼ、DNAse IなどのDNAse、RNAse阻害剤)を消化して、RNA分子を産生することを含む(例えば、更に含む)。いくつかのそのような実施形態では、核酸ポリメラーゼは、プロテイナーゼによって消化される。いくつかのそのような実施形態では、プロテイナーゼは、プロテイナーゼKであるか、またはそれを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される技術は、インビトロ転写反応及び/またはそれによって産生されるRNAの1つ以上の評価(例えば、1つ以上の品質管理パラメータの評価)を実施することを含む(例えば、更に含む)。いくつかのそのような実施形態では、1つ以上の品質管理パラメータは、転写中及び/または転写後のRNA分子のRNA完全性、RNA濃度、残留二本鎖RNA(dsRNA)、及び/またはキャッピングからなる群から選択される。いくつかのそのような実施形態では、RNA完全性は、アガロースゲル電気泳動を使用して評価される。いくつかのそのような実施形態では、RNA完全性は、キャピラリーゲル電気泳動を使用して評価される。いくつかのそのような実施形態では、本方法によって産生されるRNA分子のRNA完全性は、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%である。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)のRNA完全性は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、RNA完全性は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも約1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、少なくとも1.10であり、及び/またはaが、少なくとも1.25であり、bが、少なくとも1.25であり、及び/またはcが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、RNA完全性は、適切な比較対照(例えば、他の方法では同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、RNA完全性は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、bが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかのそのような実施形態では、RNA完全性は、少なくとも約5%増加する。いくつかのそのような実施形態では、RNA完全性は、少なくとも約8%増加する。
【0037】
いくつかの実施形態では、RNA濃度は、UV吸収分光光度法を使用して評価される。本開示のいくつかの実施形態では、本明細書で提供される技術に従って産生される関連する試料または調製物(例えば、IVT溶液)中のRNA分子(複数可)の濃度は、少なくとも約1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、または15mg/mLである。いくつかのそのような実施形態では、(例えば、IVT溶液中などの関連する試料または調製物中の)RNA分子(複数可)の濃度は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、または30%増加する。いくつかのそのような実施形態では、RNA分子(複数可)の濃度は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、少なくとも1.10であり、及び/またはaが、少なくとも1.25であり、bが、少なくとも1.25であり、及び/またはcが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかのそのような実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)の濃度は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、または30%増加する。いくつかのそのような実施形態では、RNA分子(複数可)の濃度は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかのそのような実施形態では、RNA分子(複数可)の濃度は、少なくとも約20%増加する。
【0038】
いくつかの実施形態では、残留dsRNAは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、吸光度、蛍光染料、及び/またはゲル電気泳動を使用して評価される。いくつかの実施形態では、残留dsRNA(例えば、IVT溶液中の)は、定量的PCRを使用して評価される。いくつかのそのような実施形態では、RNA分子の転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、少なくとも約25pg dsRNA/μg RNA、50pg dsRNA/μg RNA、75pg dsRNA/μg RNA、100pg dsRNA/μg RNA、125pg dsRNA/μg RNA、150pg dsRNA/μg RNA、175pg dsRNA/μg RNA、200pg dsRNA/μg RNA、225pg dsRNA/μg RNA、250pg dsRNA/μg RNA、275pg dsRNA/μg RNA、または300pg dsRNA/μg RNAである。いくつかのそのような実施形態では、転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法では同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して(例えば、適切な比較対照と比較して)、少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、または80%減少する。いくつかの実施形態では、転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも約1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、少なくとも1.10であり、及び/またはaが、少なくとも1.25であり、bが、少なくとも1.25であり、及び/またはcが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法では同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、または80%減少する。いくつかのそのような実施形態では、転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、bが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかのそのような実施形態では、残留dsRNA濃度は、少なくとも約70%減少する。
【0039】
いくつかの実施形態では、RNA分子(複数可)のキャッピングは、(a)機能的にキャッピングされたRNAの翻訳を評価すること、(b)生体活性試験を実施して、RNA分子が、正しいサイズのポリペプチド(例えば、タンパク質)に翻訳されていることを確認すること、(c)ヌクレアーゼベースのアッセイを行うこと、及び/または(d)触媒核酸ベースのアッセイを行うことによって評価される。いくつかのそのような実施形態では、ヌクレアーゼベースのアッセイは、RNaseベースのアッセイを含み、例えば、RNaseベースのアッセイは、(a)多数のRNA分子を、RNA分子に結合する1つ以上のプローブにアニーリングして、RNAプローブ複合体を形成すること、(b)RNAプローブ複合体をRNaseで消化して、RNA分子の5’末端を含む断片を生成すること、(c)親和性ベースの精製、クロマトグラフィーベースの精製、もしくはそれらの組み合わせを使用して、断片を精製すること、(d)精製された断片を質量分析(MS)に供すること、(e)観察されたMS値に基づいて、キャッピングされた及びキャッピングされていない断片を特定すること、及び/または(f)キャッピングされた及びキャッピングされていない断片の量を比較して、キャッピングされたRNAの割合を計算することのうちの1つ以上を含む。いくつかのそのような実施形態では、RNaseは、RNase Hを含む。いくつかのそのような実施形態では、ヌクレアーゼベースのアッセイは、(a)多数のRNA分子を、5’RNAキャップもしくはRNAのキャッピングされていない最後から2番目の塩基に隣接するRNA分子の5’非翻訳領域内の配列に相補的な1つ以上のDNAオリゴヌクレオチドと接触させること、(b)1つ以上のDNAオリゴヌクレオチドをRNA分子の5’非翻訳領域内の配列にアニーリングして、DNA/RNAハイブリッド複合体を形成すること、(c)DNA/RNAハイブリッド複合体及び/またはアニーリングされていないRNA分子を1つ以上のヌクレアーゼで分解して、キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片及び3’RNA断片を産生すること、(d)親和性ベースの精製、クロマトグラフィーベースの精製、またはそれらの組み合わせを使用して、キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片を3’RNA断片から分離すること、及び/または(e)キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片の量を比較して、キャッピングされたRNAの割合を計算することのうちの1つ以上を含む。いくつかのそのような実施形態では、触媒核酸ベースのアッセイは、(a)多数のRNA分子を触媒核酸分子で5’末端RNA断片及び少なくとも1つの3’RNA断片に切断することであって、RNA分子が、触媒核酸分子の切断部位を有する、切断すること、(b)親和性ベースの精製、クロマトグラフィーベースの精製、またはそれらの組み合わせを使用して、5’末端RNA断片及び3’RNA断片を分離すること、(c)分光学、定量的質量分析、配列決定、もしくはそれらの組み合わせを使用して、キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片の量を測定すること、及び/または(d)キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片の量を比較して、キャッピングされたRNAの割合を計算することのうちの1つ以上を含む。いくつかのそのような実施形態では、触媒核酸分子は、DNAザイムまたはリボザイムを含む。いくつかのそのような実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)の少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%は、キャッピングされる。いくつかのそのような実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)のキャッピングは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%増加する。
【0040】
いくつかの実施形態では、転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも約1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、少なくとも1.10であり、及び/またはaが、少なくとも1.25であり、bが、少なくとも1.25であり、及び/またはcが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)のキャッピングは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%増加する。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)の転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、bが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。
【0043】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)のキャッピングは、少なくとも約5%増加する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】例示的なIVT反応混合物の成分及び条件を提供する。
図2】2つの異なる構築物で実施された例示的な大規模IVT反応(36.7L)の後の残留ヌクレオチド三リン酸(NTP)を示す。構築物1は、BNT162b1であり、構築物2は、BNT162b2である。
図3】+0%CTP体積を含む対照(例えば、標準)IVT反応混合物と比較して、-10%、+10%、+20%、または+50%CTP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用した例示的なIVT反応から産生されるRNAのRNA完全性及びキャッピングパーセントを示す。これらの反応は、CTP体積の増加が、+20%のCTP体積及び+50%のCTP体積でのRNA完全性及びキャッピングの増加をもたらしたが、対照IVT反応混合物を使用して生成されたRNAと比較して、+/-10%のCTP開始濃度で比較的安定していたことを示した。
図4】+0%CTP体積を含む対照(例えば、標準)IVT反応混合物と比較して、-10%、+10%、+20%、または+50%CTP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用した例示的なIVT反応から産生されるRNAのポリA完全性及びRNA完全性を示す。CTPの増加は、対照と比較して、産生されたRNAのポリ(A)及びRNAの完全性の増加をもたらした。
図5】+0%CTP体積を含む対照(例えば、標準)IVT反応混合物と比較して、-10%、+10%、+20%、または+50%のCTP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用した例示的なIVT反応からの残留NTP及びキャップレベル、ならびに収率を示す。収率の増加は、CTP濃度の増加とともに観察された。対照を上回るCTP体積の増加は、定量限界を上回るCTP濃度の維持をもたらした。より高いCTP濃度は、ATP濃度を定量限界未満にした。
図6】+0%CTP体積を含む対照(例えば、標準)IVT反応混合物と比較して、-10%、+10%、+20%、または+50%のCTP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用した例示的なIVT反応からのRNA完全性及びキャッピングパーセント、ならびに収率及び残留CTPレベルを実証する追加の例示的な研究を示す。薄いピンク色のマーカーは、この研究でアッセイされた以前の実験からの対照を示す。
図7図1に要約される条件を利用した例示的なIVT反応からの収率(上)、RNA完全性(中央)、及び残留二本鎖RNA(下)を示す。例示的なIVT反応は、対照(+0%CTP)と比較して、+10%、+20%、または+50%CTPのいずれかを含む反応混合物を比較した。GTP/m1ΨTPの開始濃度を開始濃度の0.5mM(1/18*9mM)に低下させ、最終濃度に達するまで11回の添加で転写反応の過程にわたって供給した。
図8】+0%CTP体積を含む対照(例えば、標準)IVT反応混合物と比較して、+40%、+50%、または+60%CTP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用した例示的なIVT反応から産生されるRNAのRNA完全性及びキャッピングパーセントを示す。
図9】+0%CTP体積を含む対照(例えば、標準)IVT反応混合物と比較して、+40%、+50%、または+60%CTP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用した例示的なIVT反応から産生されるRNAのポリA完全性及びRNA完全性を示す。
図10】+0%CTP体積を含む対照(例えば、標準)IVT反応混合物と比較して、+40%、+50%、または+60%CTP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用した例示的なIVT反応からの残留NTP及びキャッピングレベルならびに収率を示す。
図11】+0%CTP体積を含む対照(例えば、標準)IVT反応混合物と比較して、+40%、+50%、または+60%CTP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用した例示的なIVT反応からのRNA完全性及びキャッピングパーセント、ならびに収率及び残留CTPレベルを実証する追加の例示的な研究を示す。CTPを+40%、+50%、及び+60%CTP体積に増加させると、ATPが定量限界を下回って枯渇し、収率が10mg/mLに増加し、完全性(FA)が73.4%から83.4%に増加した。
図12】+50%CTP体積及び+0%ATP体積を含む対照IVT反応混合と比較して、+50%CTP体積及び+10%ATP体積または+50%CTP体積及び+20%ATP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用する、例示的なIVT反応から産生されるRNAのRNA完全性及びキャッピングパーセントを示す。
図13】+50%CTP体積及び+0%ATP体積を含む対照IVT反応混合と比較して、+50%CTP体積及び+10%ATP体積または+50%CTP体積及び+20%ATP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用する、例示的なIVT反応から産生されるRNAのポリA完全性及びRNA完全性を示す。
図14】+50%CTP体積及び+0%ATP体積を含む対照IVT反応混合と比較して、+50%CTP体積及び+10%ATP体積または+50%CTP体積及び+20%ATP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用する、例示的なIVT反応からのRNA完全性及びキャッピングパーセント、ならびに収率及び残留NTPレベルを実証する追加の例示的な研究を示す。
図15】+50%CTP体積及び+0%ATP体積を含む対照IVT反応混合と比較して、+50%CTP体積及び+10%ATP体積または+50%CTP体積及び+20%ATP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用する、例示的なIVT反応からのRNA完全性及びキャッピングパーセント、ならびに収率及び残留CTPレベルを実証する追加の例示的な研究を示す。CTPが+50%であったとき、ATPを+10%に増加させると、収率及び完全性が増加したが、ATPは依然として枯渇しているか、またはほぼ枯渇していた。CTPが+50%であったとき、ATPを+20%に増加させると、収率が更に増加したが、完全性の有意な改善は観察されず、GTPは枯渇した。
図16】様々なレベルのCTP(+0%CTPに対して+10%CTP、+20%CTP、+50%CTP)ならびに収率、RNA完全性、dsRNA含有量、及び残留DNA含有量の特性評価を有するIVT反応混合物の追加の例示的な評価を示す。
図17】収率(上)、RNA完全性(中央)、及びdsRNA(下)の更なる例示的な研究を示す。例示的なIVT反応は、対照反応混合物(+0%CTP体積、+0%ATP体積)と比較して、+50%CTP体積、+50%ATP体積、または+50%CTP体積及び+50%ATP体積のいずれかを含むIVT反応混合物を利用した。
図18】様々なレベルのNTP(対照と比較して+50%CTP及び+20%ATP、+50%CTP、+20%ATP)を有するIVT反応混合物の追加の例示的な評価を示す。収率、完全性、dsRNA含有量、及び残留DNA含有量を特性評価した。
図19】+50%CTP及び+20%ATP(プロセス2b)または標準/対照(例えば、1:1:1:1、例えば、各々9mM)反応混合物(プロセス2a)のいずれかを含む反応混合物を利用する、例示的なIVT反応の収率、残留NTP、及び完全性の例示的な評価を示す。
図20】10.8mM ATP、13.5mM CTP、9mM GTP、及び9mM UTPを含む反応混合物と比較して、+25% ATP及び+7% CTP、-21% ATP及び-37% CTP、+25% ATP、または+7% CTPのいずれかを含む反応混合物を利用する、例示的なIVT反応の収率、完全性、及び残留dsRNA含有量の例示的な評価を示す。
【0045】
定義
約:「約」という用語は、値に関して本明細書で使用される場合、言及される値に関連して、同様である値を指す。一般に、文脈に精通している当業者は、その文脈において「約」に包含される妥当な差異の度合いを理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、「約」という用語は、参照される値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満内のある範囲の値を包含し得る。
【0046】
投与:本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、典型的には、対象または系への組成物の投与を指す。当業者は、適切な状況下で、対象、例えばヒトへの投与に利用できる様々な経路を認識されよう。例えば、いくつかの実施形態では、投与は、眼、経口、非経口、局所などであり得る。いくつかの特定の実施形態では、投与は、気管支(例えば、気管支滴下による)、頬側、真皮(例えば、真皮、皮内、皮間、経皮などの局所的なもののうちの1つ以上であり得るか、またはそれらを含み得る)、経腸、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、心室内、特定の臓器内(例えば、肝内)、粘膜、鼻腔、経口、直腸、皮下、舌下、局所的、気管(例えば、気管内滴下による)、膣、硝子体などであり得る。いくつかの実施形態では、投与は、断続的(例えば、時間的に分離された複数の用量)及び/または定期的(例えば、共通の期間で分離された個々の用量)投与である投薬を伴い得る。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも選択された期間の連続投薬(例えば、灌流)を伴い得る。
【0047】
作用因子:概して、本明細書で使用される「作用因子」という用語は、実体(例えば、脂質、金属、核酸、ポリペプチド、多糖、小分子など、またはそれらの複合体、組み合わせ、混合物もしくは系[例えば、細胞、組織、生物])、または現象(例えば、熱、電流または電界、磁力または磁界など)を意味するように使用される。適切な状況下では、当業者には文脈から明らかになるように、この用語は、細胞もしくは生物、またはその画分、抽出物、もしくは成分である、またはそれを含む実体を意味するように用いられ得る。代替的にまたは追加的に、文脈から明らかになるように、この用語は、自然界で見出される、及び/または自然界から採取される、天然の産物を意味するように用いられ得る。場合によっては、再度、文脈から明らかになるように、この用語は、人工的に設計され、操作され、及び/または作製された人工の、及び/または自然界に見出されない1つ以上の実体を意味するように用いられ得る。いくつかの実施形態では、作用因子は、単離形態または純粋形態で利用されてよく、いくつかの実施形態では、作用因子は、粗製形態で利用され得る。いくつかの実施形態では、潜在的な作用因子は、例えば、それらの中で活性作用因子を特定または特性評価するためにスクリーニングされることがあるコレクションまたはライブラリとして提供されてよい。場合によっては、「作用因子」という用語は、高分子であるか、または高分子を含む化合物または実体を指し得、場合によっては、この用語は、1つ以上の高分子部分を含む化合物または実体を指し得る。いくつかの実施形態では、「作用因子」という用語は、高分子ではない、及び/または任意の高分子及び/または1つ以上の特定の高分子部分を実質的に含まない化合物または実体を指し得る。いくつかの実施形態では、この用語は、いかなる高分子部分も欠いているか、または実質的に含まない、化合物または実体を指し得る。
【0048】
対立遺伝子:本明細書で使用される場合、「対立遺伝子」という用語は、特定の多型ゲノム遺伝子座の2つ以上の既存の遺伝子バリアントのうちの1つを指す。
【0049】
アミノ酸:本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、最も広義には、ポリペプチド鎖であり得るか、ポリペプチド鎖であるか、または、例えば、1つ以上のペプチド結合の形成を通してポリペプチド鎖に組み込まれた化合物及び/または物質を意味する。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般構造H2N-C(H)(R)-COOHを有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、非天然アミノ酸であり、いくつかの実施形態では、アミノ酸は、D-アミノ酸であり、いくつかの実施形態では、アミノ酸は、L-アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然に存在するペプチドに一般的に見出される20種類の標準的なL-アミノ酸のうちのいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、それが合成的に調製されるか天然源から得られるかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、ポリペプチドにおけるカルボキシ末端及び/またはアミノ末端のアミノ酸を含め、上記の一般構造と比較して構造修飾を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般構造と比較して、(例えば、アミノ基、カルボン酸基、1つ以上のプロトン、及び/またはヒドロキシル基の)メチル化、アミド化、アセチル化、ペグ化、グリコシル化、リン酸化、及び/または置換によって修飾されていてもよい。いくつかの実施形態では、このような修飾は、例えば、修飾されたアミノ酸を含むポリペプチドの循環半減期を、修飾されていないことを除いては同一のアミノ酸を含むものと比較して変化させ得る。いくつかの実施形態では、このような修飾は、修飾されたアミノ酸を含むポリペプチドの関連する活性を、修飾されていないことを除いては同一のアミノ酸を含むものと比較して著しく変化させない。文脈から明らかになるように、いくつかの実施形態では、「アミノ酸」という用語は、遊離アミノ酸を指すように使用される場合があり、いくつかの実施形態では、この用語は、ポリペプチドのアミノ酸残基を指すように使用される場合がある。
【0050】
類似体:本明細書で使用される場合、「類似体」という用語は、1つ以上の特定の構造特徴、要素、成分、または部分を参照物質と共有する物質を指す。典型的には、「類似体」は、例えば、コアまたはコンセンサス構造を共有するなど、参照物質と著しい構造的類似性を示すが、ある特定の別個の方法でも異なる。いくつかの実施形態では、類似体は、参照物質から、例えば、参照物質の化学操作によって生成され得る物質である。いくつかの実施形態では、類似体は、参照物質を生成する合成プロセスと実質的に同様の(例えば、複数のステップを共有する)合成プロセスの実行を通じて生成され得る物質である。いくつかの実施形態では、類似体は、参照物質を生成するために使用される合成プロセスとは異なる合成プロセスの実行によって生成されるか、または生成され得る。
【0051】
動物:本明細書で使用される場合、動物界の任意のメンバーを指す。いくつかの実施形態では、「動物」は、いずれかの性別の、発達の任意の段階にあるヒトを指す。いくつかの実施形態では、「動物」は、発達の任意の段階にある非ヒト動物を指す。特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長目、及び/またはブタ)である。いくつかの実施形態では、動物としては、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫、及び/または寄生虫が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、動物は、遺伝子導入動物、遺伝子組換え動物、及び/またはクローンであり得る。
【0052】
抗原:本明細書で使用される「抗原」という用語は、免疫応答を誘発する作用因子、及び/またはT細胞受容体(例えば、MHC分子によって提示された場合)もしくは抗体に結合する作用因子を指す。いくつかの実施形態では、抗原は、液性応答(例えば、抗原特異的抗体の産生を含む)を誘発するし、いくつかの実施形態では、抗原は、細胞性応答(例えば、受容体が抗原と特異的に相互作用するT細胞の関与)を誘発する。いくつかの実施形態では、抗原は、抗体に結合し、生物における特定の生理学的応答を誘導する場合もしない場合もある。一般に、抗原は、例えば小分子、核酸、ポリペプチド、炭水化物、脂質、高分子(いくつかの実施形態では、生体高分子以外[例えば、核酸またはアミノ酸高分子以外])などのような任意の化学的実体であるか、またはそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、抗原は、ポリペプチドであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、抗原は、グリカンであるか、またはグリカンを含む。当業者は、一般に、抗原が、単離されたまたは純粋な形態で提供され得るか、代替的に粗製形態で(例えば、他の材料、例えば細胞抽出物または抗原含有供給源の他の比較的粗雑な調製物と一緒に)提供され得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、本発明に従って利用される抗原は、粗製形態で提供される。いくつかの実施形態では、抗原は、組換え抗原である。
【0053】
結合:本明細書で使用される「結合」という用語は、典型的には、2以上の実体間の非共有結合を指すものと理解される。「直接」結合は、実体または部分間の物理的接触を伴い、間接結合は、1つ以上の中間体実体による物理的接触による物理的相互作用を伴う。2以上の実体同士の間の結合は、典型的には、相互作用する実体または部分が単独で、またはより複雑な系との関連で(例えば、担体実体及び/または生物学的系もしくは細胞と共有結合的もしくは別様に結合した状態で)研究される場合を含め、種々の状況のうちのいずれかにおいて評価され得る。評価される条件下で、関連する実体同士が、他の有効な結合パートナーよりも、互いに結合する可能性が高い場合、2つの実体間の結合は、「特異的」であるとみなされ得る。
【0054】
特徴的な配列要素:本明細書で使用される場合、「特徴的な配列要素」という語句は、高分子(例えば、ポリペプチドまたは核酸)に見出される、その高分子の特徴的部分を表す配列要素を指す。いくつかの実施形態では、特徴的な配列要素の存在は、高分子の特定の活性または性質の存在またはレベルと相関する。いくつかの実施形態では、特徴的な配列要素の存在(または非存在)は、特定の高分子を、そのような高分子の特定のファミリーまたは群のメンバー(またはメンバーではない)として定義する。特徴的な配列要素は、典型的には、少なくとも2つの単量体(例えば、アミノ酸またはヌクレオチド)を含む。いくつかの実施形態では、特徴的な配列要素は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、またはそれ以上の単量体(例えば、連続的に連結された単量体)を含む。いくつかの実施形態では、特徴的な配列要素は、配列要素を共有する高分子間で長さが変化してもしなくてもよい1つ以上のスペーサ領域によって離隔された連続的単量体の少なくとも第1及び第2の区間を含む。
【0055】
比較可能な:本明細書で使用される場合、「比較可能な」という用語は、互いに同一ではない場合があるが、それらの間の比較が許容されるほどに十分に同様であるので、当業者は、観察される相違または類似性に基づいて結論を合理的に引き出すことができることを理解するであろう、2つ以上の作用因子、実体、状況、一連の条件などを指す。いくつかの実施形態では、条件、状況、個体、または集団の比較可能なセットは、複数の実質的に同一の特徴及び1つまたは少数の様々な特徴によって特徴付けられる。当業者は、文脈に応じて、任意の所与の状況において、2つ以上のかかる作用因子、実体、状況、条件のセットなどが比較可能とみなされるために、どの程度の同一性が必要とされるかを理解するであろう。例えば、当業者は、一連の状況、個体、または集団は、異なる一連の状況、個体、または集団の下で、またはそれらを用いて得られた結果または観察された現象の違いが、変動するそれらの特徴の変動によって引き起こされるか、または特徴の変動を示す合理的な結論を保証するのに十分な数及び種類の実質的に同一の特徴によって特徴付けられる場合、互いに比較可能であることを理解するであろう。
【0056】
組成物:当業者は、本明細書で使用される場合、「組成物」という用語が、1つ以上の定められた成分を含む別個の物理的実体を指すために使用され得ることを理解するであろう。一般に、別段の定めがない限り、組成物は、任意の形態、例えば、気体、ゲル、液体、固体などのものであり得る。
【0057】
含む(comprising):1つ以上の列挙される要素またはステップを「含む(comprising)」として本明細書に記載される組成物または方法は、オープンエンドであり、列挙される要素またはステップが必須であることを意味するが、他の要素またはステップが、組成物または方法の範囲内に追加され得る。冗長さを避けるために、名前を挙げた要素またはステップを1つ以上「含む(comprisingまたはcomprises)」と記載される任意の組成物または方法は、名前を挙げた同じ要素またはステップ「から本質的になる(consisting essentially ofまたはconsists essentially of)」という、対応する、より限定された組成物または方法も表し、これは、組成物または方法が、名前を挙げた必須の要素またはステップを含み、組成物または方法の基本的特性及び新規特性(複数可)に実質的に影響を与えない追加の要素またはステップを含んでもよいことを意味することも理解されたい。また、名前を挙げた要素またはステップを1つ以上「含む(comprising)」またはそれら「から本質的になる(consisting essentially of)」として本明細書に記載される任意の組成物または方法は、名前を挙げていない他のあらゆる要素またはステップを除外する、名前を挙げた要素またはステップ「からなる」(consisting ofまたはconsists of)という、対応する、より限定された、クローズエンドの組成物または方法も表すことを理解されたい。本明細書で開示されるあらゆる組成物または方法において、名前を挙げた必須の要素またはステップのいずれかの公知のまたは開示された均等物が、その要素またはステップの代わりに使用されてもよい。
【0058】
設計された:本明細書で使用される場合、「設計された」という用語は、(i)その構造が人の手によって選択されるか、または選択された作用因子、(ii)人の手を必要とするプロセスによって産生される作用因子、及び/または(iii)天然物質及び他の既知の作用因子とは別個の作用因子を指す。
【0059】
ドメイン:本明細書で使用される「ドメイン」という用語は、実体のセクションまたは一部分を意味する。いくつかの実施形態では、「ドメイン」は、ドメインがその親実体の残部から物理的に分離したとき、特定の構造的特徴及び/または機能的特徴を実質的または完全に保持するように、実体の特定の構造的特徴及び/または機能的特徴に関連している。代替的に、または追加的に、ドメインは、その(親)実体から分離し、異なる(レシピエント)実体と結合したとき、親実体を特徴付ける1つ以上の構造的特徴及び/または機能的特徴を実質的に保持する、及び/またはそれをレシピエント実体に付与する実体の一部分であるか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、ドメインは、分子(例えば、小分子、炭水化物、脂質、核酸、またはポリペプチド)のセクションまたは一部分である。いくつかの実施形態では、ドメインは、ポリペプチドのセクションであり、いくつかのそのような実施形態では、ドメインは、特定の構造要素(例えば、特定のアミノ酸配列または配列モチーフ、αヘリックス特徴、βシート特徴、コイル状コイル特徴、ランダムコイル特徴など)、及び/または特定の機能的特徴(例えば、結合活性、酵素活性、折り畳み活性、シグナル伝達活性など)によって特徴付けられる。
【0060】
操作された:一般に、「操作された」という用語は、人の手によって操作された態様を指す。例えば、ポリヌクレオチドは、自然界でその順序で一緒に連結されていない2つ以上の配列が、操作されたポリヌクレオチド内で互いに直接連結されるように人の手によって操作される場合、及び/またはポリヌクレオチド内の特定の残基が非天然に存在している場合、及び/または人工的に、それが自然界で連結されていない実体または部分と連結されるように引き起こされる場合、「操作された」とみなされる。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、第1のコード配列と作動可能に会合して自然に見出されるが、第2のコード配列とは作動可能に会合していない調節配列を含み、第2のコード配列と作動可能に会合するように、人の手によって連結される。比較的、細胞または生物は、その遺伝子、エピジェネティック、及び/または表現型の同一性が、そのように操作されていない他の同一の細胞などの適切な参照細胞と比較して変更されるように、操作された場合、「操作された」とみなされる。いくつかの実施形態では、操作は、その遺伝情報が変更されるように、遺伝的操作であるか、または遺伝的操作を含む(例えば、以前に存在しなかった新しい遺伝物質が、例えば、形質転換、交配、体細胞ハイブリダイゼーション、トランスフェクション、形質導入、もしくは他の機構によって導入されたか、または以前に存在した遺伝物質が、例えば、置換もしくは欠失変異、または交配プロトコルによって変更もしくは除去される)。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、目的の特定の作用因子(例えば、ポリペプチド(例えば、タンパク質)、核酸、及び/またはその特定の形態)を、そのような適切な参照細胞に対して改変された量で、及び/または改変されたタイミングに従って含有する、及び/または発現するように操作されたものである。一般的な慣行であり、当業者に理解されるように、操作されたポリヌクレオチドまたは細胞の子孫は、実際の操作が以前の実体に対して実施されたにもかかわらず、典型的には依然として「操作された」と称される。
【0061】
エピトープ:本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語は、免疫グロブリン(例えば、抗体または受容体)の結合成分によって特異的に認識される部分を指す。いくつかの実施形態では、エピトープは、抗原上の複数の化学原子または基から構成される。いくつかの実施形態では、このような化学原子または基は、抗原が関連する三次元コンフォメーションの形をとる場合に、表面露出する。いくつかの実施形態では、このような化学原子または基は、抗原がそのようなコンフォメーションの形をとる場合に空間的に互いに、物理的に近くにある。いくつかの実施形態では、少なくともいくつかのそのような化学原子または基は、抗原が代替のコンフォメーションをとる(例えば、直鎖化される)とき、互いから物理的に分離される。
【0062】
発現:本明細書で使用される場合、核酸配列の「発現」という用語は、核酸配列からの任意の遺伝子産物の生成を指す。いくつかの実施形態では、遺伝子産物は転写物であり得る。いくつかの実施形態では、遺伝子産物はポリペプチドであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列の発現は、(1)DNA配列からのRNAテンプレートの産生(例えば、転写による)、(2)RNA転写物の処理(例えば、スプライシング、編集などによる)、(3)ポリペプチド(例えば、タンパク質)へのRNAの翻訳、及び/または(4)ポリペプチド(例えば、タンパク質)の翻訳後修飾のうちの1つ以上を伴う。
【0063】
断片:本明細書に記載するような物質または実体の「断片」は、全体のうちの別個の部分を含むが、全体に見出される1つ以上の部分を欠いている構造を有する。いくつかの実施形態では、断片は、そのような別個の部分からなる。いくつかの実施形態では、断片は、全体に見出される特徴的な構造要素または部分からなるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、高分子の断片は、高分子全体に見出される、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500以上の単量体単位(例えば、残基)を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、高分子の断片は、高分子全体に見出される単量体単位(例えば、残基)の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、25%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上を含むか、またはそれらからなる。物質または実体の全体は、いくつかの実施形態では、断片の「親」と称される場合がある。
【0064】
遺伝子:本明細書で使用される場合、「遺伝子」という用語は、産物(例えば、RNA産物及び/またはポリペプチド産物)をコードする染色体中のDNA配列を指す。いくつかの実施形態では、遺伝子は、コード配列(すなわち、特定の産物をコードする配列)を含み、いくつかの実施形態では、遺伝子は、非コード配列を含む。いくつかの特定の実施形態では、遺伝子は、コード(例えば、エキソン)配列と非コード(例えば、イントロン)配列との両方を含み得る。いくつかの実施形態では、遺伝子は、例えば、1つ以上の態様の遺伝子発現(例えば、細胞型特異的発現、誘導性発現など)を制御し得るか、またはそれに影響を与え得る、1つ以上の制御性要素を含み得る。
【0065】
宿主:「宿主」という用語は、本明細書では、目的のポリペプチドが存在する系(例えば、細胞、生物など)を指すように使用される。いくつかの実施形態では、宿主は、特定の感染作用因子による感染に感受性がある系である。いくつかの実施形態では、宿主は、特定の目的のポリペプチドを発現する系である。
【0066】
宿主細胞:本明細書で使用される場合、外因性核酸(組換えかまたはそうでないもの)が導入された細胞を指す。当業者は、本開示を読めば、そのような用語が特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の子孫も意味することを理解するであろう。ある特定の修飾は、変異または環境の影響のいずれかにより後の世代で生じ得るため、そのような子孫は、実際には、親細胞と同一ではないが、依然として本明細書で使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞には、外因性DNA(例えば、組換え核酸配列)を発現するのに好適な生命界のいずれかから選択される原核細胞及び真核細胞が含まれる。例示的な細胞としては、原核生物及び真核生物のもの(単細胞または多細胞)、細菌細胞(例えば、E.coli、Bacillus spp.、Streptomyces spp.などの株)、マイコバクテリア細胞、真菌細胞、酵母細胞(例えば、S.cerevisiae、S.pombe、P.pastoris、P.methanolicaなど)、植物細胞、昆虫細胞(例えば、SF-9、SF-21、バキュロウイルス感染昆虫細胞、Trichoplusia niなど)、非ヒト動物細胞、ヒト細胞、または例えばハイブリドーマもしくはクアドローマなどの細胞融合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト、サル、類人猿、ハムスター、ラット、またはマウスの細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、例えば、CHO(例えば、CHO Kl、DXB-1 1 CHO、Veggie-CHO)、COS(例えば、COS-7)、網膜細胞、Vero、CV1、腎臓(例えば、HEK 293、293EBNA、MSR293、MDCK、HaK、BHK)、ヒーラ、HepG2、WI38、MRC 5、Colo205、HB8065、HL-60、(例えば、BHK21)、Jurkat、Daudi、A431(表皮)、CV-1、U937、3T3、L細胞、C127細胞、SP2/0、NS-0、MMT 060562、Sertoli細胞、BRL 3 A細胞、HT1080細胞、骨髄腫細胞、腫瘍細胞、及び前述の細胞に由来する細胞株などの真核性である。いくつかの実施形態では、細胞は、1つ以上のウイルス遺伝子を含む。
【0067】
同一性:本明細書で使用される場合、「同一性」という用語は、高分子分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。いくつかの実施形態では、高分子分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である場合、互いに「実質的に同一」であるとみなす。例えば、2つの核酸またはポリペプチド配列の同一性パーセントの計算は、最適な比較目的のために2つの配列をアラインすることによって実施することができる(例えば、最適な整列のために第1及び第2の配列のうちの一方または両方にギャップを導入することができ、非同一の配列は、比較目的のために無視することができる)。ある特定の実施形態では、比較目的のためのアラインされた配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または実質的に100%である。次いで、対応する位置にあるヌクレオチドを比較する。第1の配列の位置が、第2の配列の対応する位置と同一の残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)で占められている場合、分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、ギャップの数、及び2つの配列の最適なアラインメントのために導入される必要がある各ギャップの長さを考慮した配列によって共有される同一の位置の数の関数である。配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成され得る。例えば、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているMeyers and Miller(CABIOS,1989,4:11-17)のアルゴリズムを使用して、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントを決定することができる。いくつかの例示的な実施形態では、ALIGNプログラムで作製した核酸配列比較は、PAM120重量残基表、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を使用する。2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、代替的に、NWSgapdna.CMPマトリクスを使用して、GCGソフトウェアパッケージ内のGAPプログラムを使用して決定することができる。
【0068】
「改善された」、「増加された」、または「低減された」:本明細書で使用される場合、これらの用語または文法的に同等の比較用語は、同等の参照測定値に対して相対的な値を示す。例えば、いくつかの実施形態では、目的の作用因子によって達成された評価値は、同等の参照作用因子によって得られたものと比較して、「改善されている」場合がある。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、目的の対象または系で達成された評価値は、同じ対象または系で異なる条件(例えば、目的の作用因子の投与などの事象の前後)下で、または異なる同等の対象で(例えば、目的の対象または系とは異なる同等の対象または系で、特定の目的の疾患、障害、または病態のうち1つ以上の指標の存在下で、あるいは、病態または作用因子に曝される前に)、得られたものと比較して、「改善されている」場合がある。いくつかの実施形態では、比較用語は、統計的に関連のある差(例えば、統計的関連性を達成するのに十分な発生率及び/または大きさのもの)を指す。当業者は、所与の文脈において、そのような統計的有意差を達成するのに必要であるか、または十分な差の程度及び/または発生率を知っているか、または容易に決定することができるであろう。
【0069】
インビトロ:本明細書で使用される「インビトロ」という用語は、多細胞生物内ではなく、人工環境、例えば、試験管または反応容器内、細胞培養物中などにおいて生じる事象を指す。
【0070】
リンカー:本明細書で使用される場合、異なる要素を互いに接続する多要素作用因子のその部分を指すために使用される。例えば、当業者は、その構造に2つ以上の機能的または組織的ドメインを含むポリペプチドが、多くの場合、それらを互いに連結するそのようなドメイン間の一続きのアミノ酸を含むことを理解する。いくつかの実施形態では、リンカー要素を含むポリペプチドは、一般形態S1-L-S2の全体的な構造を有し、S1及びS2が、同じであっても異なっていてもよく、リンカーによって互いに会合している2つのドメインを表し得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100以上のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、リンカーは、強固な三次元構造をとらない傾向があり、むしろポリペプチドに柔軟性を与えることを特徴とする。当該技術分野において既知のポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)を操作する場合に適切に使用することができる様々な異なるリンカー要素(例えば、Holliger,P.,et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448;Poljak,R.J.,et al.(1994)Structure 2:1 121-1123を参照されたい)。
【0071】
部分:当業者は、「部分」は、本明細書に記載するような特定の構造及び/または活性を有する、定義された化学基または実体であることを理解されるであろう。
【0072】
核酸:本明細書で使用される場合、その最も広い意味で、オリゴヌクレオチド鎖に組み込まれる、または組み込むことができる、任意の化合物及び/または物質を意味する。いくつかの実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合を介してオリゴヌクレオチド鎖に組み込まれているか、または組み込まれ得る化合物及び/または物質である。文脈から明らかであろうように、いくつかの実施形態では、「核酸」は、個々の核酸残基(例えば、ヌクレオチド及び/またはヌクレオシド)を指し、いくつかの実施形態では、「核酸」は、個々の核酸残基を含むオリゴヌクレオチド鎖を指す。いくつかの実施形態では、「核酸」は、RNAであるか、またはそれを含み、いくつかの実施形態では、「核酸」は、DNAであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の天然の核酸残基であるか、それを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の核酸類似体であるか、それを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、核酸類似体は、ホスホジエステル骨格を利用しないという点で核酸とは異なる。例えば、いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の「ペプチド核酸」であるか、それを含むか、またはそれからなり、ペプチド核酸は、当該技術分野において公知であり、ホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を骨格に有し、本発明の範囲内にあるとみなされる。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合ではなく、1つ以上のホスホロチオエート及び/または5’-N-ホスホラミダイト結合を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の天然ヌクレオシド(例えば、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、及びデオキシシチジン)であるか、それを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上のヌクレオシド類似体(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、0(6)-メチルグアニン、2-チオシチジン、メチル化塩基、インターカレート塩基、及びそれらの組み合わせ)であるか、それを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、核酸は、天然核酸のものと比較して、1つ以上の修飾糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース、及びヘキソース)を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、RNAまたはポリペプチド(例えば、タンパク質)などの機能的遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上のイントロンを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、天然源からの単離、相補的テンプレートに基づく重合による酵素合成(インビボまたはインビトロ)、組換え細胞または系における複製、及び化学合成のうちの1つ以上によって調製される。いくつかの実施形態では、核酸は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、20、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000以上の残基長である。いくつかの実施形態では、核酸は部分的または全体的に一本鎖である。いくつかの実施形態では、核酸は部分的または全体的に二本鎖である。いくつかの実施形態では、核酸は、ポリペプチドをコードする、またはポリペプチドをコードする配列の相補体である、少なくとも1つの要素を含むヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、酵素活性を有する。
【0073】
医薬組成物:本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、1つ以上の薬学的に許容される担体とともに製剤化された活性作用因子を指す。いくつかの実施形態では、活性作用因子は、適切な集団に投与された場合に既定の治療効果を達成する統計的に有意な確率を示す治療レジメンにおける投与に適切な単位用量で存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与、例えば、ドレンチ(水性または非水性の溶液または懸濁液)、錠剤、例えば、口腔、舌下、及び全身吸収を標的とするもの、ボーラス、粉末、顆粒、舌に適用するためのペースト;例えば、無菌溶液もしくは懸濁液、または持続放出製剤としての、例えば、皮下、筋肉内、静脈内、もしくは硬膜外注射による非経口投与;皮膚、肺、もしくは口腔に適用される、例えば、クリーム、軟膏、または制御放出パッチもしくはスプレーとしての局所適用;例えば、ペッサリー、クリーム、もしくはフォームとして膣内もしくは直腸内;舌下;眼;経皮;または鼻、肺、及び他の粘膜表面に適合するものを含む、固体または液体の形態での投与のために特別に製剤化され得る。
【0074】
ポリペプチド:本明細書で使用される場合、アミノ酸の高分子鎖を指す。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、天然に存在しないアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、人工的に設計及び/または産生されるという点で、操作されたアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、またはその両方を含むか、またはそれらからなり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸のみまたは非天然アミノ酸のみを含むか、またはそれらからなり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、D-アミノ酸、L-アミノ酸、または両方を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、D-アミノ酸のみを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、L-アミノ酸のみを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチドのN末端で、ポリペプチドのC末端で、またはそれらの任意の組み合わせで、1つ以上のペンダント基または他の修飾、例えば、1つ以上のアミノ酸側鎖の修飾またはそれへの結合を含み得る。いくつかの実施形態では、そのようなペンダント基または修飾は、アセチル化、アミド化、脂質化、メチル化、ペグ化など、例えばそれらの組み合わせ、からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは環状であってもよく、及び/または環状部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは環状ではなく、及び/または任意の環状部分を含まない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは直鎖状である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、ステープルポリペプチドであるか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、「ポリペプチド」という用語は、参照ポリペプチド、活性、または構造の名称に付加され得、そのような場合、これは、関連する活性または構造を共有し、したがってポリペプチドの同じクラスまたはファミリーのメンバーであると考えることができるポリペプチドを指すために本明細書で使用される。そのようなクラスごとに、アミノ酸配列及び/または機能が知られているクラス内の例示的なポリペプチドを本明細書が提供し、及び/または当業者はそれに気付くであろう。いくつかの実施形態では、そのような例示的なポリペプチドは、ポリペプチドのクラスまたはファミリーの参照ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドクラスまたはファミリーのメンバーは、クラスの参照ポリペプチドと(いくつかの実施形態では、クラス内の全てのポリペプチドと)、有意な配列相同性または同一性を示し、共通の配列モチーフ(例えば、特徴的な配列要素)を共有し、及び/または共通の活性を共有する(いくつかの実施形態では、同等のレベルで、または指定範囲内で)。例えば、いくつかの実施形態では、メンバーポリペプチドは、少なくとも約30~40%であり、多くの場合、約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上を超える参照ポリペプチドとの全体的な程度の配列相同性または同一性を示し、及び/または、多くの場合90%、または更に95%、96%、97%、98%、または99%を超える非常に高い配列同一性を示す少なくとも1つの領域(例えば、いくつかの実施形態では、特徴的な配列要素であるか、またはそれを含み得る保存領域)を含む。このような保存領域は、通常、少なくとも3~4つ、多くの場合最大20個以上のアミノ酸を包含し、いくつかの実施形態では、保存領域は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15以上の連続アミノ酸の区間を少なくとも1つ包含する。いくつかの実施形態では、関連するポリペプチドは、親ポリペプチドの断片を含むか、またはそれからなり得る。いくつかの実施形態では、有用なポリペプチドは、複数の断片を含むか、または複数の断片からなり得、その各々は、目的のポリペプチドに見出されるものとは互いに対し異なる空間配置で、同じ親ポリペプチドに見出され(例えば、親に直接連結された断片は、目的のポリペプチドでは空間的に分離されているか、またはその逆である場合があり、及び/または断片は、親とは異なる順序で目的のポリペプチドに存在する場合がある)、したがって、目的のポリペプチドは、その親ポリペプチドの誘導体である。
【0075】
予め定められた:予め定められたとは、例えば、ランダムに発生または達成するのとは対照的に、計画的に選択されることを意味する。
【0076】
防止するまたは防止:本明細書で使用される場合、疾患、障害、及び/または病態の発生に関連して使用される場合、疾患、障害、及び/または病態を発症するリスクを低減すること、及び/または疾患、障害、もしくは病態の1つ以上の特徴もしくは症状の発症を遅延させることを指す。防止は、事前に定義された期間の間、疾患、障害、または病態の発症を遅延させた場合、完了したとみなし得る。
【0077】
純粋:本明細書で使用される場合、作用因子または実体は、他の成分を実質的に含まない場合、「純粋」である。例えば、約90%超の特定の作用因子または実体を含有する調製物は、典型的には、純粋な調製物とみなされる。いくつかの実施形態では、作用因子または実体は、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%純粋である。
【0078】
参照:本明細書で使用される場合、それに対して比較が行われる、基準または対照について記載する。例えば、いくつかの実施形態では、目的の作用因子、動物、個体、集団、試料、配列、または値が、参照または対照の作用因子、動物、個体、集団、試料、配列、または値と比較される。いくつかの実施形態では、参照または対照は、目的の試験または決定と実質的に同時に試験及び/または決定される。いくつかの実施形態では、参照または対照は、任意選択で有形媒体に具現化された歴史的参照または対照である。典型的には、当業者に理解されるように、参照または対照は、評価対象と比較可能な条件または状況下で決定または特性評価される。当業者は、考えられる特定の参照または対照への依存及び/または比較を正当化するのに十分な類似性が存在する場合を理解するであろう。
【0079】
試料:本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、典型的には、本明細書に記載の目的の供給源から得られるか、またはそれに由来する材料のアリコートを指す。いくつかの実施形態では、目的の供給源は、生物学的または環境的供給源である。いくつかの実施形態では、目的の供給源は、細胞、または微生物、植物、もしくは動物(例えば、ヒト)などの生物であり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、目的の供給源は、生体組織または流体であるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、生体組織または流体は、羊水、房水、腹水、胆汁、骨髄、血液、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、チャイム(chime)、射精液、内リンパ液、滲出液、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、心嚢水、外リンパ液、腹腔液、胸膜液、膿、目ヤニ、唾液、皮脂、精液、血清、恥垢、痰、滑液、汗、涙、尿、膣分泌物、硝子体、嘔吐物、及び/またはそれらの組み合わせもしくは成分(複数可)であり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、生体液は、細胞内液、細胞外液、血管内液(血漿)、間質液、リンパ液、及び/または細胞間液であり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、生体液は、植物滲出物であり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、生体組織または試料は、例えば、吸引、生検(例えば、細針生検または組織生検)、スワブ(例えば、口腔、鼻、皮膚、または膣スワブ)、擦過、手術、洗浄(washing)、または洗浄(lavage)(例えば、気管支肺胞、乳管、鼻、眼、口腔、子宮、膣、または他の洗浄(washing)もしくは洗浄(lavage))によって得ることができる。いくつかの実施形態では、生体試料は、個体から得られた細胞であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、試料は、任意の適切な手段によって目的の供給源から直接得られる「一次試料」である。いくつかの実施形態では、文脈から明らかになるように、「試料」という用語は、一次試料の加工によって(例えば、1つ以上の成分を除去すること及び/または1つ以上の作用因子を加えることによって)得られる調製物を意味する。例えば、半透膜を使用する濾過。そのような「加工された試料」は、例えば、試料から抽出されたか、または核酸の増幅もしくは逆転写、ある特定の成分の単離及び/または精製などの1つ以上の技法を一次試料に施すことによって得られた、核酸またはポリペプチド(例えばタンパク質)を含み得る。
【0080】
対象:本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、生物、典型的には哺乳動物(例えば、いくつかの実施形態では出生前のヒト形態を含むヒト)を指す。いくつかの実施形態では、対象は、関連する疾患、障害、または病態に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、または病態に感受性がある。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害または病態の1つ以上の症状または特徴を示す。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、または病態のいかなる症状または特性も示さない。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、または病態への感受性またはそのリスクに特徴的な1つ以上の特徴を有する者である。いくつかの実施形態では、対象は、患者である。いくつかの実施形態では、対象は、診断及び/または療法が施される及び/または施された個体である。
【0081】
治療用作用因子:本明細書で使用される場合、「治療用作用因子」という用語は、概して、生物に投与されると所望の薬理学的効果を誘発するあらゆる作用因子を意味する。いくつかの実施形態では、作用因子は、適切な集団において統計的に有意な効果を示す場合、治療用作用因子であるとみなされる。いくつかの実施形態では、適切な集団は、モデル生物の集団であり得る。いくつかの実施形態では、適切な集団は、ある特定の年齢群、性別、遺伝的バックグラウンド、既存の臨床状態などの様々な基準によって定義され得る。いくつかの実施形態では、治療用作用因子は、疾患、障害、及び/または病態の1つ以上の症状または特徴を緩和する、改善する、軽減する、阻害する、防止する、発生を遅延させる、重症度を低下させる、及び/または発生率を低下させるために使用され得る物質である。いくつかの実施形態では、「治療用作用因子」は、ヒトへの投与のために販売可能となる前に、政府機関によって承認されているか、または承認が必要な作用因子である。いくつかの実施形態では、「治療用作用因子」は、ヒトへの投与のために医学的処方が必要とされる作用因子である。
【0082】
処置:本明細書で使用される場合、「処置」(また「処置する」または「処置すること」)という用語は、特定の疾患、障害、及び/または病態の1つ以上の症状、特徴、及び/または原因を部分的または完全に緩和する、改善する、軽減する、阻害する、その発生を遅延させる、その重症度を低下させる、及び/またはその発生率を低下させる療法の投与を指す。いくつかの実施形態では、そのような処置は、関連する疾患、障害及び/または状態の徴候を呈さない対象、及び/または、疾患、障害、及び/または病態の初期徴候のみを呈する対象の処置であり得る。代替的にまたは付加的に、そのような処置は、関連する疾患、障害及び/または状態の1つ以上の確立された徴候を呈する対象の処置であり得る。いくつかの実施形態では、処置は、関連する疾患、障害、及び/または病態に罹患していると診断された対象の処置であり得る。いくつかの実施形態では、処置は、関連する疾患、障害、及び/または病態の発生リスクの増加と統計的に相関している1つ以上の感受性因子を有することが分かっている対象の処置であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、処置は予防的であり得、いくつかの実施形態では、処置は治療的であり得る。
【0083】
ワクチン接種:本明細書で使用する場合、「ワクチン接種」という用語は、例えば、疾患関連(例えば、疾患を引き起こす)作用因子に対する、免疫応答を生成することを意図した組成物の投与を指す。いくつかの実施形態では、ワクチン接種は、疾患関連作用因子への曝露の前、その間、及び/またはその後、ならびにある特定の実施形態では、その作用因子への曝露の前、その間、及び/またはその直後に投与することができる。いくつかの実施形態では、ワクチン接種は、ワクチン組成物の適切な時間をおいた複数回の投与を含む。
【0084】
バリアント:分子、例えば、核酸、ポリペプチド(例えば、タンパク質)、または小分子の文脈で本明細書で使用される場合、「バリアント」という用語は、参照分子との有意な構造的同一性を示すが、参照分子とは構造的に異なる、例えば、参照実体と比較して、1つ以上の化学部分の存在もしくは非存在、またはレベルが異なる分子を指す。いくつかの実施形態では、バリアントはまた、その参照分子と機能的にも異なる。一般に、特定の分子が参照分子の「バリアント」であると適切にみなされるかどうかは、当該参照分子との構造的同一性の程度に基づく。当業者によって理解されるように、任意の生物学的または化学的な参照分子は、ある特定の特徴的な構造要素を有する。定義上、バリアントは、1つ以上のそのような特徴的な構造要素を共有するが、参照分子とは少なくとも1つの側面が異なる別個の分子である。いくつか例を挙げると、ポリペプチドは、線形もしくは三次元空間において互いに対して指定された位置を有する、及び/または特定の構造モチーフ及び/または生物学的機能に寄与する、複数のアミノ酸から構成された特徴的な配列要素を有していてもよく、核酸は、線形または三次元空間において互いに対して指定された位置を有する複数のヌクレオチド残基から構成された特徴的な配列要素を有していてもよい。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドまたは核酸は、アミノ酸またはヌクレオチド配列における1つ以上の差、及び/または、ポリペプチドまたは核酸の共有結合的成分(例えば、ポリペプチドまたは核酸骨格が結合している)である化学的部分(例えば、炭水化物、脂質、リン酸基)における1つ以上の差の結果として、参照ポリペプチドまたは核酸とは異なる場合がある。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドまたは核酸は、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または99%である、参照ポリペプチドまたは核酸との全体的な配列同一性を示す。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドまたは核酸は、参照ポリペプチドまたは核酸と少なくとも1つの特徴的な配列要素を共有しない。いくつかの実施形態では、参照ポリペプチドまたは核酸は、1つ以上の生物学的活性を有する。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドまたは核酸は、参照ポリペプチドまたは核酸の生物学的活性のうちの1つ以上を共有する。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドまたは核酸は、参照ポリペプチドまたは核酸の生物学的活性のうちの1つ以上が欠けている。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドまたは核酸は、参照ポリペプチドまたは核酸と比較して、1つ以上の生物学的活性の低下したレベルを示す。いくつかの実施形態では、対象のポリペプチドまたは核酸は、参照ポリペプチドまたは核酸のアミノ酸またはヌクレオチド配列が参照のアミノ酸またはヌクレオチド配列と同一であるが、特定の位置での少数の配列変化を有する場合、参照ポリペプチドまたは核酸の「バリアント」であるとみなされる。典型的には、バリアントにおける約20%、約15%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、または約2%未満の残基が、参照と比較して、置換されるか、挿入されるか、または欠失されている。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドまたは核酸は、参照と比較して、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2、または約1個の置換された残基を含む。多くの場合、バリアントポリペプチドまたは核酸は、参照と比較して、非常に少数(例えば、約5、約4、約3、約2、または約1個未満)の、置換されたか、挿入されたか、または欠失された機能的残基(すなわち、特定の生物学的活性に関与する残基)を含む。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドまたは核酸は、参照と比較して、約5、約4、約3、約2、または約1つ以下の付加または欠失を含み、いくつかの実施形態では、参照と比較して、付加または欠失を含まない。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドまたは核酸は、参照と比較して、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約10、約9、約8、約7、約6個未満、及び一般的には約5、約4、約3、または約2個未満の付加または欠失を含む。いくつかの実施形態では、参照ポリペプチドまたは核酸は、自然界に見出されるものである。いくつかの実施形態では、参照ポリペプチドまたは核酸は、ヒトポリペプチドまたは核酸である。
【0085】
ベクター:本明細書で使用される場合、その核酸分子に連結された別の核酸を輸送できる核酸分子を指す。1つの種類のベクターとして、更なるDNAセグメントをライゲートすることができる環状二本鎖DNAループのことを指す「プラスミド」がある。別の種類のベクターとして、更なるDNAセグメントをウイルスゲノムにライゲートすることができるウイルスベクターがある。ある特定のベクターは、ベクターが導入された宿主細胞内で自律的に複製することが可能である(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム性の哺乳動物ベクターなど)。他のベクター(例えば、非エピソーム性の哺乳動物ベクター)は、宿主細胞内に導入されると宿主細胞のゲノムに組み込まれることができることにより、宿主ゲノムとともに複製される。更に、特定のベクターはベクターが機能的に連結された遺伝子の発現を誘導することができる。そのようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と称される。組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに組織培養及び形質転換の標準的な技術が使用され得る(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)。酵素反応及び精製技術は、製造業者の仕様書に従って、または当該技術分野において一般的に行われるようにして、または本明細書に記載されるようにして行うことができる。上記の技術及び手順は一般に、当該技術分野では周知の従来の方法に従って、かつ本明細書全体を通して引用され、考察される、一般的かつより具体的な様々な参考文献に記載されるようにして行うことができる。任意の目的のために、参照により本明細書に援用される、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989))を参照されたい。
【0086】
野生型:本明細書で使用される場合、「野生型」という用語は、(変異型、病変した、改変したなどとは対照的に)「正常」な状態または文脈において自然界に見出されるような構造及び/または活性を有する実体を指す、当該技術分野において理解される意味を有する。当業者は、野生型遺伝子及びポリペプチドが多くの場合複数の異なる形態(例えば、対立遺伝子)で存在することを理解するであろう。
【0087】
特定の実施形態の詳細な説明
RNA治療剤は、最近、がん、感染症、及び/またはある特定のポリペプチド(例えば、タンパク質)の欠乏に関連する疾患もしくは障害などの様々な疾患の処置及び/または予防のための比較的新しく有望なクラスの治療法として浮上している。特に、これらの技術の有望性、及び大規模な規模(例えば、インフルエンザ、コロナウイルス[例えば、SARS、MERSなど]などの伝染性疾患に対する世界規模のワクチン接種及び/または処置)を含む多種多様な臨床状況への適応性を考慮すると、製造技術、特に大規模産生に適用可能な製造技術の改善は特に価値がある。
【0088】
本明細書に提供される技術は、とりわけ、例えば、商業規模及び/または商業条件下で、RNAを含む組成物及び/または調製物の、特に効果的及び/または効率的な産生を達成するのに有用である。例えば、様々な実施形態では、提供される技術は、例えば、バッチサイズ及び/または産生速度及び/または所定の品質管理パラメータなどの医薬品グレード(及び/または規模)の産生に固有の要件の達成を可能にする及び/または容易にする。
【0089】
本開示は、とりわけ、IVTによって、RNA、例えば、治療用mRNAなどの治療用RNA及び/またはそれを含む組成物を製造するための技術を提供する。いくつかの実施形態では、提供される技術は、医薬品グレードのRNA及び/またはRNA治療剤を製造するのに有用である。いくつかの実施形態では、提供される技術は、RNA治療剤、例えば、医薬品グレードのRNA治療剤の大規模な製造に有用である。
【0090】
例えば、いくつかのそのような実施形態では、本明細書に提供される技術を使用して、RNA治療剤の少なくとも1,000バイアル(例えば、少なくとも2,000バイアル、少なくとも5,000バイアル、少なくとも10,000バイアル、少なくとも20,000バイアル、少なくとも30,000バイアル、少なくとも40,000バイアル、少なくとも50,000バイアル、少なくとも60,000バイアル、少なくとも70,000バイアル、少なくとも80,000バイアル、少なくとも90,000バイアル、少なくとも100,000バイアル、少なくとも200,000バイアル、少なくとも300,000バイアル、少なくとも400,000バイアル、少なくとも500,000バイアル、600,000バイアル、700,000バイアル、800,000バイアル、900,000バイアル、1,000,000バイアル以上を含む)のバッチスループット(例えば、医薬品グレードのバッチスループット)を産生することができる。
【0091】
例えば、いくつかのそのような実施形態では、本明細書に提供される技術を使用して、RNA治療剤の少なくとも50L(例えば、少なくとも50L、少なくとも60L、少なくとも70L、少なくとも80L、少なくとも100L、少なくとも110L、少なくとも120L、少なくとも130L、少なくとも140L、少なくとも150L以上を含む)のバッチスループット(例えば、医薬品グレードのバッチスループット)を産生することができる。いくつかの実施形態では、各バイアルは、0.01mg~5mgの量(例えば、0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg)のRNAを含むことができる。
【0092】
とりわけ、本開示は、上昇したシチジン三リン酸(CTP)及び/またはアデノシン三リン酸(ATP)濃度が、産生されたRNA中のヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド含有量)のパーセント及び/またはモル比とは無関係に、医薬品グレードのRNA組成物及び/または調製物の産生のためを含む、IVT反応においてある特定の利点を提供することができるという洞察を提供する。
【0093】
本明細書に記載の技術は、RNA組成物(例えば、例えば、mRNAなどのRNA、及びそれを含む組成物)を製造するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、疾患、障害、または病態(例えば、がん、感染症、ポリペプチド(例えば、タンパク質)欠乏症に関連する疾患など)の処置及び/または予防のためのmRNA組成物の製造に有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される技術は、ポリペプチド及び/または複数のポリペプチドをコードするmRNA組成物を製造するために有用であり得る。
【0094】
組成物
いくつかの実施形態では、本開示は、とりわけ、インビトロ転写(IVT)によるRNAを含む組成物及び/または調製物を製造する方法を提供する。いくつかの実施形態では、組成物及び/または調製物は、治療用RNA(例えば、mRNA)を含む。いくつかの実施形態では、本開示の組成物及び/または調製物を製造する方法は、商業規模で、例えば、少なくとも0.01g、0.02g、0.03g、0.04g、0.05g、0.06g、0.07g、0.08g、0.09g、0.1g、0.5g、1g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、10g RNA(例えば、少なくとも15g RNA、少なくとも20g RNA、少なくとも25g RNA、少なくとも30g RNA、少なくとも35g RNA、少なくとも40g RNA、少なくとも45g RNA、少なくとも50g RNA、少なくとも55g RNA、少なくとも60g RNA、少なくとも70g RNA、少なくとも80g RNA、少なくとも90g RNA、少なくとも100g RNA、少なくとも150g RNA、少なくとも200g RNA、少なくとも300g RNA、少なくとも400g RNA、少なくとも500g RNA以上を含む)の大規模バッチスループットである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のそのような方法を使用して、約0.01g~約500g RNA、約0.01g~約10g RNA、約1g~約10g RNA、約10g~約500g RNA、約10g~約300g RNA、約10g~約200g RNA、または約30g~約60g RNAの大規模バッチスループットを産生することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のそのような方法は、1時間当たり少なくとも1.5g RNA(例えば、1時間当たり少なくとも2gのRNA、1時間当たり少なくとも2.5g RNA、1時間当たり少なくとも3g RNA、1時間当たり少なくとも3.5g RNA、1時間当たり少なくとも4g RNA、1時間当たり少なくとも4.5g RNA、1時間当たり少なくとも5g RNA、1時間当たり少なくとも5.5g RNA、1時間当たり少なくとも6g RNA、1時間当たり少なくとも6.5g RNA、1時間当たり少なくとも7g RNA、1時間当たり少なくとも7.5g RNA、1時間当たり少なくとも8g RNA、1時間当たり少なくとも8.5g RNA、1時間当たり少なくとも9g RNA、1時間当たり少なくとも10g RNA以上を含む)の大規模バッチスループットを産生する大規模な製造に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の大規模な製造方法は、1時間当たり15g RNA~1時間当たり20g RNA(例えば、1時間当たり約17g)の容量に達することができる。
【0095】
RNA
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される技術に適応可能なRNAは、一本鎖RNAである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるRNAは、直鎖RNAである。いくつかの実施形態では、一本鎖RNAは、そのヌクレオチド配列がオープンリーディングフレーム(またはその相補鎖)を含まないという点で非コードRNAである。いくつかの実施形態では、一本鎖RNAは、本開示のポリペプチドまたは複数のポリペプチド(例えば、エピトープ)をコードする(またはコードする配列の相補鎖である)ヌクレオチド配列を有する。
【0096】
多くの実施形態では、関連するRNAは、mRNAである。
【0097】
いくつかの実施形態では、RNAは、非修飾ウリジン残基を含み、非修飾ウリジン残基のみを含むRNAは、「uRNA」と称され得る。いくつかの実施形態では、RNAは、1つ以上の修飾されたウリジン残基を含み、いくつかの実施形態では、そのようなRNA(例えば、完全に修飾されたウリジン残基を含むRNA)は、「modRNA」と称される。いくつかの実施形態では、RNAは、自己増幅RNA(saRNA)であり得る。いくつかの実施形態では、RNAは、トランス増幅RNAであり得る(例えば、WO2017/162461を参照されたい)。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、少なくとも500個のリボヌクレオチド(例えば、少なくとも600個のリボヌクレオチド、少なくとも700個のリボヌクレオチド、少なくとも800個のリボヌクレオチド、少なくとも900個のリボヌクレオチド、少なくとも1000個のリボヌクレオチド、少なくとも1250個のリボヌクレオチド、少なくとも1500個のリボヌクレオチド、少なくとも1750個のリボヌクレオチド、少なくとも2000個のリボヌクレオチド、少なくとも2500個のリボヌクレオチド、少なくとも3000個のリボヌクレオチド、少なくとも3500個のリボヌクレオチド、少なくとも4000個のリボヌクレオチド、少なくとも4500個のリボヌクレオチド、少なくとも5000個のリボヌクレオチド、またはそれ以上などの)の長さを有するRNA(例えば、一本鎖RNA)の産生に特に有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される技術は、約800リボヌクレオチド~5000リボヌクレオチドの長さを有する一本鎖RNAを合成するために特に有用であり得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、関連するRNAは、ポリペプチドをコードする部分または複数のポリペプチドをコードする部分を含む。いくつかの特定の実施形態では、そのような1つ以上の部分は、抗原(またはそのエピトープ)、サイトカイン、酵素などであるか、またはそれらを含む1つ以上のポリペプチドをコードし得る。いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチド(複数可)は、腫瘍に関連する1つ以上の新抗原または新エピトープであってもよく、またはそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチド(複数可)は、感染作用因子(例えば、細菌、真菌、ウイルスなど)の1つ以上の抗原(またはそのエピトープ)であってもよく、またはそれらを含んでもよい。ある特定の実施形態では、コードされたポリペプチドは、野生型ポリペプチドのバリアントであり得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、一本鎖RNA(例えば、mRNA)は、分泌シグナルをコードする領域(例えば、コードされた1つ以上の標的実体が細胞による翻訳時に分泌されることを可能にする分泌シグナルをコードする領域)を含み得る。いくつかの実施形態では、そのような分泌シグナルをコードする領域は、非ヒト分泌シグナルであり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、そのような分泌シグナルをコードする領域は、ヒト分泌シグナルであり得るか、またはそれを含み得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、一本鎖RNA(例えば、mRNA)は、(例えば、RNAの安定性及び/または翻訳効率を向上させるために)少なくとも1つの非コード配列要素を含んでもよい。非コード配列要素の例としては、3’非翻訳領域(UTR)、5’UTR、mRNAの共転写キャッピングのためのキャップ構造、ポリアデニン(ポリA)尾部、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
形式
RNA医薬組成物(例えば、免疫原性組成物またはワクチン)に有用な少なくとも4つの形式、すなわち、mRNA(uRNA)、ヌクレオシド修飾mRNA(modRNA)、自己増幅mRNA(saRNA)、及びトランス増幅RNAを含有する非修飾ウリジンが開発されている。
【0103】
非修飾ウリジンプラットフォームの特徴は、例えば、固有のアジュバント効果、良好な忍容性及び安全性、ならびに強力な抗体及びT細胞応答のうちの1つ以上を含み得る。
【0104】
修飾されたウリジン(例えば、シュードウリジン)プラットフォームの特徴は、低減されたアジュバント効果、鈍化された免疫自然免疫センサ活性化能力、したがっての増加した抗原発現、良好な忍容性及び安全性、ならびに強い抗体及びCD4-T細胞応答を含み得る。本明細書に記載のように、本開示は、そのような強力な抗体及びCD4 T細胞応答が、ワクチン接種に特に有用であり得るという洞察を提供する。
【0105】
自己増幅プラットフォームの特徴は、例えば、ポリペプチド(例えば、タンパク質)発現の長期間、良好な忍容性及び安全性、非常に低いワクチン用量での有効性の高い可能性を含み得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、自己増幅プラットフォーム(例えば、RNA)は、2つの核酸分子を含み、1つの核酸分子は、レプリカーゼ(例えば、ウイルスレプリカーゼ)をコードし、もう1つの核酸分子は、トランス(トランス複製系)の当該レプリカーゼによって複製可能である(例えば、レプリコン)。いくつかの実施形態では、自己増幅プラットフォーム(例えば、RNA)は、複数の核酸分子を含み、当該核酸は、複数のレプリカーゼ及び/またはレプリコンをコードする。
【0107】
いくつかの実施形態では、トランス複製系は、単一の宿主細胞内に核酸分子の両方の存在を含む。
【0108】
いくつかのそのような実施形態では、レプリカーゼ(例えば、ウイルスレプリカーゼ)をコードする核酸は、標的細胞及び/または標的生物において自己複製することができない。いくつかのそのような実施形態では、レプリカーゼ(例えば、ウイルスレプリカーゼ)をコードする核酸は、(+)鎖テンプレートに基づく(-)鎖合成及び/または(-)鎖テンプレートに基づく(+)鎖合成に重要な少なくとも1つの保存配列要素を欠く。
【0109】
いくつかの実施形態では、自己増幅RNAは、5’-キャップを含む。いかなる1つの理論に拘束されることを望むものではないが、5’-キャップが、トランスにおける目的の遺伝子の高レベル発現に重要であることが見出されている。いくつかの実施形態では、5’-キャップは、レプリカーゼの発現を駆動する。
【0110】
いくつかの実施形態では、自己増幅RNAは、内部リボソーム進入部位(IRES)要素を含まない。いくつかのそのような実施形態では、目的の遺伝子及び/またはレプリカーゼの翻訳は、IRES要素によって駆動されない。いくつかの実施形態では、IRES要素は、5’-キャップによって置換される。いくつかのそのような実施形態では、5’-キャップによる置換は、RNAによってコードされるポリペプチドの配列に影響を与えない。
【0111】
いくつかの実施形態では、自己増幅プラットフォームは、ウイルス粒子の増殖を必要としない(例えば、望ましくないウイルス粒子形成と関連付けられない)。いくつかの実施形態では、自己増幅プラットフォームは、ウイルス粒子を形成することができない。
【0112】
5’-キャップ
いくつかの実施形態では、本開示に従って利用されるポリヌクレオチド(例えば、RNA)は、5’-キャップを含む。RNAキャッピングは十分に研究されており、例えば、Decroly E et al.(2012)Nature Reviews 10:51-65、及びRamanathan A.et al.,(2016)Nucleic Acids Res;44(16):7511-7526に記載されており、その各々の内容全体は、参照により本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、本発明の文脈で好適であり得る5’-キャップ構造は、キャップ0(第1の核酸塩基のメチル化、例えば、m7GpppN)、キャップ1(m7GpppNの隣接するヌクレオチドのリボースの追加のメチル化)、キャップ2(m7GpppNの下流の第2のヌクレオチドのリボースの追加のメチル化)、キャップ3(m7GpppNの下流の第3のヌクレオチドのリボースの追加のメチル化)、キャップ4(m7GpppNの下流の第4のヌクレオチドのリボースの追加のメチル化)、ARCA(抗リバースキャップ類似体)、修飾ARCA(ホスホロチオエート修飾ARCA、例えば、ベータ-S-ARCA)、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’-フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、及び2-アジド-グアノシンである。
【0113】
いくつかの実施形態では、利用される5’-キャップは、キャップ0(本明細書では「Cap0」とも称される)、キャップ1(本明細書では「Cap1」とも称される)、またはキャップ2(本明細書では「Cap2」とも称される)である。例えば、Ramanathan A et al.の図1、及びDecroly E et al.の図1を参照されたい。
【0114】
本明細書で使用される「5’-キャップ」という用語は、RNA、例えば、mRNAの5’-末端上に見出される構造を指し、概して、5’-5’-三リン酸結合を介して、RNA、例えば、mRNAに接続されたグアノシンヌクレオチドを含む(GpppまたはG(5’)ppp(5’)とも称される)。いくつかの実施形態では、5’キャップに含まれるグアノシンヌクレオシドは、例えば、塩基(グアニン)上の1つ以上の位置での(例えば、7位での)メチル化、及び/またはリボースの1つ以上の位置でのメチル化によって修飾され得る。いくつかの実施形態では、5’キャップに含まれるグアノシンヌクレオシドは、リボースでの3’Oメチル化(3’OMeG)を含む。いくつかの実施形態では、5’キャップに含まれるグアノシンヌクレオシドは、グアニンの7位でのメチル化(m7G)を含む。いくつかの実施形態では、5’キャップに含まれるグアノシンヌクレオシドは、グアニンの7位でのメチル化及びリボースでの3’Oメチル化(m7(3’OMeG))を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、5’-キャップまたは5’-キャップ類似体を有する本明細書に開示のRNAを提供することは、インビトロ転写によって達成され得、この場合、5’-キャップは、RNA鎖内に共転写的に発現されるか、またはキャッピング酵素を使用して、転写後にRNAに結合し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるキャップを用いた、例えば、cap1またはcap1類似体を用いた同時転写キャッピングは、適切な参照比較対照を用いた同時転写キャッピングと比較して、RNAのキャッピング効率を改善する。いくつかの実施形態では、キャッピング効率を改善することは、RNAの翻訳効率及び/または翻訳速度を増加させ、及び/またはコードされたポリペプチドの発現を増加させることができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、5’-キャップまたは5’キャップ類似体、例えば、Cap0、Cap1、またはCap2を含む。いくつかの実施形態では、提供されたRNAは、キャッピングされていない5’-三リン酸塩を有しない。いくつかの実施形態では、RNAは、5’-キャップ類似体でキャッピングされ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、Cap0を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるRNAは、例えば、本明細書に記載されるCap1を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、Cap2を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの変化は、例えば、デキャッピングを防止し、RNA半減期を増加させることができる、非加水分解性のキャップ構造を生成する。
【0117】
いくつかの実施形態では、Cap0構造は、グアニンの7位でメチル化されたグアノシンヌクレオシド(m7G)を含む。いくつかの実施形態では、Cap0構造は、5’-5’-三リン酸結合を介してRNAに接続されており、本明細書では、m7Gpppまたはm7G(5’)ppp(5’)とも称される。
【0118】
いくつかの実施形態では、Cap1構造は、RNA中のグアニンの7位でメチル化されたグアノシンヌクレオシド(m7Gまたは7mG)及び2’Oメチル化された第1のヌクレオチド(2’OMeN1またはN12’OMeまたはN12’OMe)を含む。いくつかの実施形態では、Cap1構造は、5’-5’-三リン酸結合を介してRNAに接続されており、いくつかの実施形態では、Cap1構造は、m7Gppp(N12’OMe)またはm7G(5’)ppp(5’)(N12’OMe)または7mG(5’)ppp(5’)N12’-OMe)として表され得る。いくつかの実施形態では、N1は、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1は、Aである。いくつかの実施形態では、N1は、Cである。いくつかの実施形態では、N1は、Gである。いくつかの実施形態では、N1は、Uである。
【0119】
当業者は、ある特定の位置(例えば、N1)におけるメチル基(例えば、2’OMe基)の存在が、ARCA技術の基礎となる、例えば、特定のポリメラーゼ(例えば、T7)による伸長を妨げる可能性があるため、キャップ構造内の1つ以上の位置のメチル化が、組み込みモード(例えば、同時転写対転写後)に影響を与え得るか、または反映し得ることを理解するであろう。
【0120】
いくつかの実施形態では、m7G(5’)ppp(5’)(N12’OMe)Cap1構造は、+2位のキャップ近位A、G、C、またはUである第2のヌクレオチド、N2を含む。いくつかの実施形態では、そのようなCap1構造は、(m7G(5’)ppp(5’)(N12’OMe)pN2)として表される。いくつかの実施形態では、N2はAである。いくつかの実施形態では、N2はCである。いくつかの実施形態では、N2はGである。いくつかの実施形態では、N2はUである。
【0121】
いくつかの実施形態では、Cap1構造は、m7G(5’)ppp(5’)(A12’OMe)pG2であるか、またはそれを含み、式中、A1は、+1位のキャップ近位Aであり、G2は、+2位のキャップ近位Gであり、以下の構造を有する。
【化1】
【0122】
いくつかの実施形態では、Cap1構造は、m7G(5’)ppp(5’)(A12’OMe)pU2 であるか、またはそれを含み、式中、A1は、+1位のキャップ近位Aであり、U2は、+2位のキャップ近位Uであり、以下の構造を有する。
【化2】
【0123】
いくつかの実施形態では、Cap1構造は、m7G(5’)ppp(5’)(G12’OMe)pG2 であるか、またはそれを含み、式中、G1は、+1位のキャップ近位Gであり、G2は、+2位のキャップ近位Gであり、以下の構造を有する。
【化3】
【0124】
いくつかの実施形態では、Cap1構造は、グアニン(m7G)の7位でメチル化されたグアノシンヌクレオシド、ならびに1つ以上の追加の修飾、例えば、リボース上のメチル化、及びRNA中の2’Oメチル化された第1のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、Cap1構造は、グアノシンの7位でメチル化されたグアノシンヌクレオシド、及びリボースでの3’Oメチル化(m7G3’OMe)または7mG3’OMe、ならびにRNA中の2’Oメチル化された第1のヌクレオチド(N12’OMe)を含む。いくつかの実施形態では、Cap1構造は、5’-5’三リン酸結合を介してRNAに接続されており、本明細書では、(m7G3’OMe)ppp(2’OMeN1)または(m7G3’OMe)(5’)ppp(5’)(2’OMeN1)とも称される。いくつかの実施形態では、N1は、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1は、Aである。いくつかの実施形態では、N1は、Cである。いくつかの実施形態では、N1は、Gである。いくつかの実施形態では、N1は、Uである。
【0125】
いくつかの実施形態では、(m7G3’OMe)(5’)ppp(5’)(N12’OMe)Cap1構造は、2位のキャップ近位ヌクレオチドである第2のヌクレオチドN2を含み、A、G、C、またはU(m7G3’OMe)(5’)ppp(5’)(N12’OMe)pN2)から選択される。いくつかの実施形態では、N2はAである。いくつかの実施形態では、N2はCである。いくつかの実施形態では、N2はGである。いくつかの実施形態では、N2はUである。
【0126】
いくつかの実施形態では、Cap1構造は、(m7G3’OMe)(5’)ppp(5’)(A12’OMe)pG2であるか、またはそれを含み、式中、A1は、+1位のキャップ近位Aであり、G2は、+2位のキャップ近位Gであり、以下の構造を有する。
【化4】
【0127】
いくつかの実施形態では、Cap1構造は、(m7G3’OMe)(5’)ppp(5’)(G12’OMe)pG2であるか、またはそれを含み、式中、G1は、+1位のキャップ近位Gであり、G2は、+2位のキャップ近位Gであり、以下の構造を有する。
【化5】
【0128】
いくつかの実施形態では、Cap1構造の第2のヌクレオチドは、1つ以上の修飾、例えば、メチル化を含むことができる。いくつかの実施形態では、2’Oメチル化を含む第2のヌクレオチドを含むCap1構造は、Cap2構造である。
【0129】
いくつかの実施形態では、Cap1構造を含むRNAポリヌクレオチドは、適切な参照比較対照と比較して、増加した翻訳効率、増加した翻訳速度、及び/または増加したコードされたペイロードの発現を有する。いくつかの実施形態では、A1が、+1位のキャップ近位ヌクレオチドであり、かつG2が、+2位のキャップ近位ヌクレオチドである、(m7G3’OMe)(5’)ppp(5’)(A12’OMe)pG2を有するCap1構造を含むRNAポリヌクレオチドは、G1が、1位のキャップ近位ヌクレオチドであり、かつG2が、2位のキャップ近位ヌクレオチドである、(m7G3’OMe)(5’)ppp(5’)(G12’OMe)pG2を有するCap1構造を含むRNAポリヌクレオチドと比較して翻訳効率が向上している。いくつかの実施形態では、増加した翻訳効率は、RNAポリヌクレオチドを細胞または生物に投与するときに評価される。
【0130】
いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドに使用されるキャップ類似体は、m7G3’OMeGppp(m12’-OMe)ApGであり、(m27,3’-OMeG(5’)ppp(5’)m2’-OMeApGまたは(m7G3’OMe)(5’)ppp(5’)(A2’OMe)pG)と称されることもある)以下の構造を有する。
【化6】
【0131】
以下は、RNA及びm27,3’OMeG(5’)ppp(5’)m2’-OMeApGを含む、例示的なCap1 RNAである。
【化7】
【0132】
以下は、別の例示的なCap1 RNAである。
【化8】
【0133】
以下は、例示的なARCAである。
【化9】
【0134】
5’-UTR及び近位配列
いくつかの実施形態では、本開示に従って利用される核酸(例えば、DNA、RNA)は、5’-UTRを含む。いくつかの実施形態では、5’-UTRは、複数の別個の配列要素を含み得、いくつかの実施形態では、そのような複数の配列要素は、1つ以上の特定の配列要素の複数のコピーであり得るか、またはそれを含み得る(例えば、特定の供給源に由来し得るか、またはそれ以外の場合、機能的もしくは特徴的配列要素として知られ得る)。いくつかの実施形態では、5’UTRは、複数の異なる配列要素を含む。
【0135】
「非翻訳領域」または「UTR」という用語は、当該技術分野において、転写されるがアミノ酸配列に翻訳されないDNA分子中の領域、またはmRNA分子などのRNA分子中の対応する領域に、一般的に利用される。非翻訳領域(UTR)は、オープンリーディングフレームの5’(上流)(5’-UTR)及び/またはオープンリーディングフレームの3’(下流)(3’-UTR)に存在し得る。存在する場合、5’-UTRは、ポリペプチド(例えば、タンパク質)コード領域の開始コドンの上流の5’末端に位置する。5’-UTRは、(存在する場合)5’-キャップの下流にあり、例えば、5’-キャップに直接隣接している。
【0136】
本開示のいくつかの実施形態では、5’UTRは、異種5’UTRであり、すなわち、異なるORFに関連する天然に見出される5’UTRである。別の実施形態では、5’UTRは、合成5’UTRであり、すなわち、天然には存在しない。いくつかの実施形態では、親参照5’UTRに対して配列が変更された5’UTRなどの合成5’UTRを利用してもよい。当業者は、例えば、バリアント5’UTRが関連するORFの発現を増加させると報告され得る様々な5’UTR配列変化を認識するであろう。
【0137】
ほんの数例を挙げると、いくつかの実施形態では、利用される5’UTRは、例えば、Xenopusまたはヒトα-グロビン、β-グロビン、もしくはオク-グロビンなどのα-グロビンまたはβ-グロビン(例えば、米国特許第8278063号及び/または米国特許第9012219号に記載されるような)遺伝子などの遺伝子、ヒトシトクロムb-245aポリペプチド、ヒドロキシステロイド(17b)デヒドロゲナーゼ、タバコエッチウイルス(例えば、例えば、米国特許第8278063号及び/または米国特許第9012219号に記載されるような)からの5’UTRであり得るか、またはそれを含み得る。CMV即時早期1(IE1)遺伝子(例えば、例えば、US2014/0206753、W02013/185069に記載されているような);HSD17B4、RPL32、ASAH1、ATP5A1、MP68、NDUFA4、NOSIP、RPL31、SLC7A3、TUBB4B、UBQLN2、PSMB3、RPS9、CASP1、COX6B1、NDUFA1、Rpl31、GNAS、ALB7。いくつかの実施形態では、5’UTRは、α-グロビン遺伝子からの5’UTR、もしくはそのバリアントであるか、またはそれを含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、利用される5’UTRは、トップ遺伝子の5’UTR、例えば、5’TOPモチーフを欠くTOP遺伝子の5’UTR(オリゴピリミジントラクト)(例えば、例えば、WO/2015/101414、WO2015/101415、WO/2015/062738、WO2015/024667、WO2015/024667に記載されているように)、リボソームタンパク質Large32(L32)遺伝子の5’UTR要素(例えば、例えば、WO/2015/101414、WO2015/101415、WO/2015/062738に記載されているように)、ヒドロキシステロイド(17-β)デヒドロゲナーゼ4遺伝子(HSD17B4)の5’UTR要素(例えば、例えば、WO2015/024667に記載されているように)、またはATP5Alの5’UTR要素(例えば、例えば、WO2015/024667に記載されているように)である。
【0139】
いくつかの実施形態では、5’UTRの代わりにまたは5’UTRに加えて、内部リボソーム進入部位(IRES)を使用する。
【0140】
いくつかの実施形態では、本開示に従って利用される5’UTRは、配列:
【化10】
であるか、またはそれを含む。
いくつかの実施形態では、本開示に従って利用される5’UTRは、配列:
【化11】
であるか、またはそれを含む。
いくつかの実施形態では、5’UTRは、配列GGGAUCCUACCであり得るか、またはそれを含み得る(例えば、WO2014/144196を参照)。いくつかの実施形態では、5’UTRは、WO2021/156267の配列番号231~252、もしくは22848~22875のうちの1つに記載の配列または上記のいずれかの断片もしくはバリアントであり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、5’UTRは、WO2019/077001A1の請求項9に記載の、及び/または配列番号1~20のうちの1つ以上の配列、または上記のいずれかの断片もしくはバリアントであり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、5’UTRは、WO2013/143700に記載のもの、例えば、WO2013/143700の配列番号1~1363、配列番号1395、配列番号1421、及び配列番号1422のうちの1つ以上、または上記のいずれかの断片もしくはバリアントであり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、5’-UTRは、WO2016/107877、例えば、WO2016/107877の配列番号25~30もしくは319~382に記載の5’UTR、または上記のいずれかの断片もしくはバリアントであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、5’-UTRは、WO2017/036580、例えば、WO2017/036580の配列番号1~151に記載の5’UTR、または前述のいずれかの断片もしくはバリアントであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、5’UTRは、WO2016/022914、例えば、WO2016/022914の配列番号3~19に記載の5’-UTR、または上記のいずれかの断片もしくはバリアントであるか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、5’UTRは、供給源及び/または異なる供給源からの第1のポリヌクレオチド断片及び第2のポリヌクレオチド断片を含み得る(例えば、米国特許出願公開第2010/0293625号及びPCT/US2014/069155に記載の5’UTRを参照されたい)。いくつかの実施形態では、本開示に従って利用される5’UTRは、例えば、本明細書に開示されるようなキャップ近位配列を含む。いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、5’-キャップに隣接する配列を含む。いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、RNAポリヌクレオチドの+1、+2、+3、+4、及び/または+5位にヌクレオチドを含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、Cap構造は、キャップ近位配列の1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、Cap構造は、m7グアノシンキャップ及びRNAポリヌクレオチドのヌクレオチド+1(N1)を含む。いくつかの実施形態では、Cap構造は、m7グアノシンキャップ及びRNAポリヌクレオチドのヌクレオチド+2(N2)を含む。いくつかの実施形態では、Cap構造は、m7グアノシンキャップ及びRNAポリヌクレオチドのヌクレオチド+1及び+2(N1及びN2)を含む。
【0142】
当業者は、本開示を読むことで、いくつかの実施形態では、キャップ近位配列の1つ以上の残基(例えば、残基+1、+2、+3、+4、及び/または+5のうちの1つ以上)が、(例えば、Cap1構造などの)キャップ実体に含まれていることにより、RNAに含まれ得ることを理解するであろう。代替的に、いくつかの実施形態では、キャップ近位配列の残基の少なくともいくつかは、(例えば、T7ポリメラーゼなどのポリメラーゼによって)酵素的に付加され得る。例えば、ある特定の例示的な実施形態では、m27,3’-OGppp(m12’-O)ApGキャップが利用され、+1及び+2が、キャップの(m12’-O)A及びG残基であり、+3、+4、及び+5がポリメラーゼ(例えば、T7ポリメラーゼ)によって付加される。
【0143】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、Cap構造のN1及びN2を含み、N1及びN2は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAである。いくつかの実施形態では、N1はCである。いくつかの実施形態では、N1はGである。いくつかの実施形態では、N1はUである。いくつかの実施形態では、N2はAである。いくつかの実施形態では、N2はCである。いくつかの実施形態では、N2はGである。いくつかの実施形態では、N2はUである。
【0144】
いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はUである。
【0145】
いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はUである。
【0146】
いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はUである。
【0147】
いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はUである。
【0148】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、Cap構造のN1及びN2ならびにN3、N4及びN5を含み、N1~N5は、RNAポリヌクレオチドの+1、+2、+3、+4、及び/または+5位に対応する。
【0149】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0150】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0151】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0152】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0153】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0154】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0155】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0156】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0157】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0158】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0159】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0160】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0161】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0162】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0163】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0164】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はAである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0165】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0166】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0167】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0168】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0169】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0170】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0171】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0172】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0173】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0174】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0175】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0176】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0177】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0178】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0179】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0180】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はCである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0181】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0182】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0183】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0184】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0185】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0186】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0187】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0188】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0189】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0190】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0191】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0192】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0193】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0194】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0195】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0196】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はGである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0197】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0198】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0199】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0200】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はAである。
【0201】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0202】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0203】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0204】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はGである。
【0205】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0206】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0207】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0208】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はCである。
【0209】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はAである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0210】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はCである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0211】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はGである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0212】
いくつかの実施形態では、N1、N2、N3、N4、またはN5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N3はUである。いくつかの実施形態では、N4はUである。いくつかの実施形態では、N5はUである。
【0213】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される5’UTRは、例えば、本明細書に開示されるようなキャップ近位配列を含む。いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、5’-キャップに隣接する配列を含む。いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、RNAポリヌクレオチドの+1、+2、+3、+4、及び/または+5位にヌクレオチドを含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、Cap構造は、キャップ近位配列の1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、Cap構造は、m7グアノシンキャップ及びRNAポリヌクレオチドのヌクレオチド+1(N1)を含む。いくつかの実施形態では、Cap構造は、m7グアノシンキャップ及びRNAポリヌクレオチドのヌクレオチド+2(N2)を含む。いくつかの実施形態では、Cap構造は、m7グアノシンキャップ及びRNAポリヌクレオチドのヌクレオチド+1及び+2(N1及びN2)を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、N1及びN2は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1はAである。いくつかの実施形態では、N1はCである。いくつかの実施形態では、N1はGである。いくつかの実施形態では、N1はUである。いくつかの実施形態では、N2はAである。いくつかの実施形態では、N2はCである。いくつかの実施形態では、N2はGである。いくつかの実施形態では、N2はUである。
【0216】
いくつかの実施形態では、N1及びN2は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1はAである。いくつかの実施形態では、N1はCである。いくつかの実施形態では、N1はGである。いくつかの実施形態では、N1はUである。いくつかの実施形態では、N2はAである。いくつかの実施形態では、N2はCである。いくつかの実施形態では、N2はGである。いくつかの実施形態では、N2はUである。
【0217】
いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はUである。
【0218】
いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はUである。
【0219】
いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はUである。
【0220】
いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はUである。
【0221】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、Cap構造のN1及びN2、及びA3A4X5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、X5は、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、X5はAである。いくつかの実施形態では、X5はCである。いくつかの実施形態では、X5はGである。いくつかの実施形態では、X5はUである。
【0222】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、キャッピング構造のN1及びN2、及びC3A4X5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、X5は、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、X5はAである。いくつかの実施形態では、X5はCである。いくつかの実施形態では、X5はGである。いくつかの実施形態では、X5はUである。
【0223】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、キャッピング構造のN1及びN2、ならびにX3Y4X5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、X3及びX5は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5はAである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5はCである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5はGである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5はUである。いくつかの実施形態では、Y4はCではない。いくつかの実施形態では、Y4はAである。いくつかの実施形態では、Y4はGである。いくつかの実施形態では、Y4はUである。
【0224】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、キャッピング構造のN1及びN2、ならびにX3Y4X5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、X3及びX5は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5はAである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5はCである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5はGである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5はUである。いくつかの実施形態では、Y4はGではない。いくつかの実施形態では、Y4はAである。いくつかの実施形態では、Y4はCである。いくつかの実施形態では、Y4はUである。
【0225】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、キャッピング構造のN1及びN2、ならびにA3C4A5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。
【0226】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、キャッピング構造のN1及びN2、ならびにA3U4G5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、各々独立して、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。
【0227】
いくつかの実施形態では、Cap構造は、キャップ近位配列の1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、Cap構造は、m7グアノシンキャップ及びRNAポリヌクレオチドのヌクレオチド+1(N1)を含む。いくつかの実施形態では、Cap構造は、m7グアノシンキャップ及びRNAポリヌクレオチドのヌクレオチド+2(N2)を含む。いくつかの実施形態では、Cap構造は、m7グアノシンキャップ及びRNAポリヌクレオチドのヌクレオチド+1及び+2(N1及びN2)を含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、N1及びN2は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAである。いくつかの実施形態では、N1はCである。いくつかの実施形態では、N1はGである。いくつかの実施形態では、N1はUである。いくつかの実施形態では、N2はAである。いくつかの実施形態では、N2はCである。いくつかの実施形態では、N2はGである。いくつかの実施形態では、N2はUである。
【0229】
いくつかの実施形態では、N1及びN2は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAである。いくつかの実施形態では、N1はCである。いくつかの実施形態では、N1はGである。いくつかの実施形態では、N1はUである。いくつかの実施形態では、N2はAである。いくつかの実施形態では、N2はCである。いくつかの実施形態では、N2はGである。いくつかの実施形態では、N2はUである。
【0230】
いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はUである。
【0231】
いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はCであり、N2はUである。
【0232】
いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はGであり、N2はUである。
【0233】
いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はAである。いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はCである。いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、N1はUであり、N2はUである。
【0234】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、Cap構造のN1及びN2、及びA3A4X5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、X5は、A、C、G、またはUから選択される。いくつかの実施形態では、X5はAである。いくつかの実施形態では、X5はCである。いくつかの実施形態では、X5はGである。いくつかの実施形態では、X5はUである。
【0235】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、Cap構造のN1及びN2、及びC3A4X5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、X5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、X5はAである。いくつかの実施形態では、X5はCである。いくつかの実施形態では、X5はGである。いくつかの実施形態では、X5はUである。
【0236】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、キャッピング構造のN1及びN2、ならびにX3Y4X5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、X3及びX5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5は、Aである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5は、Cである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5は、Gである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5は、Uである。いくつかの実施形態では、Y4は、Cではない。いくつかの実施形態では、Y4はAである。いくつかの実施形態では、Y4はGである。いくつかの実施形態では、Y4はUである。
【0237】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、キャッピング構造のN1及びN2、ならびにX3Y4X5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。いくつかの実施形態では、X3及びX5は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5は、Aである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5は、Cである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5は、Gである。いくつかの実施形態では、X3及び/またはX5は、Uである。いくつかの実施形態では、Y4は、Gではない。いくつかの実施形態では、Y4はAである。いくつかの実施形態では、Y4はCである。いくつかの実施形態では、Y4はUである。
【0238】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、Cap構造のN1及びN2、ならびにA3C4A5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。
【0239】
いくつかの実施形態では、キャップ近位配列は、Cap構造のN1及びN2、ならびにA3U4G5を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、N1及びN2は、任意のヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUである。いくつかの実施形態では、N1はAであり、N2はGである。
【0240】
例示的な5’UTRとしては、ヒトアルファグロビン(hAg)5’UTRもしくはその断片、TEV5’UTRもしくはその断片、HSP70 5’UTRもしくはその断片、またはc-Jun 5’UTRもしくはその断片が挙げられる。
【0241】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるRNAは、hAg 5’UTRまたはその断片を含む。
【0242】
3’UTR
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるRNAは、3’-UTRを含む。「3’非翻訳領域」または「3’-UTR」または「3’-UTR要素」は、当業者によって認識され、理解されるであろう。当該技術分野で知られているように、3’UTRは、典型的には、コード配列の3’(すなわち、下流)に位置し、かつタンパク質に翻訳されない核酸分子の一部である。いくつかの実施形態では、3’-UTRは、コード配列と(任意選択の)末端ポリ(A)配列との間に位置し得る。いくつかの実施形態では、3’-UTRは、調節要素と称され得るような、遺伝子発現を制御するための要素を含み得る。そのような調節要素は、例えば、リボソーム結合部位、miRNA結合部位などであり得るか、またはそれらを含み得る。
【0243】
存在する場合、3’-UTRは、ポリペプチド(例えば、タンパク質)コード領域の終端コドンの下流の3’末端に位置するが、「3’-UTR」という用語は、好ましくは、ポリ(A)配列を含まない。したがって、3’-UTRは、(存在する場合)ポリ(A)配列の上流であり、例えば、ポリ(A)配列に直接隣接する。
【0244】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるRNAは、F要素及び/またはI要素を含む3’UTRを含む。いくつかの実施形態では、3’UTRまたはそれに対する近位配列は、制限部位を含む。いくつかの実施形態では、制限部位は、BamHI部位である。いくつかの実施形態では、制限部位は、XhoI部位である。
【0245】
いくつかの実施形態では、RNA構築物は、F要素を含む。いくつかの実施形態では、F要素配列は、スプリットのアミノ末端エンハンサー(AES)の3’-UTRである。
【0246】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示するRNAは、CUGGUACUGCAUGCACGCAAUGCUAGCUGCCCCUUUCCCGUCCUGGGUACCCCGAGUCUCCCCCGACCUCGGGUCCCAGGUAUGCUCCCACCUCCACCUGCCCCACUCACCACCUCUGCUAGUUCCAGACACCUCCCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCACGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCCACACC(配列番号60)を含む配列を有する3’UTRに対して99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、または80%の同一性を有する3’UTRを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるRNAは、配列番号60に提供される3’UTRを含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、3’UTRは、WO2017/060314に記載のFI要素である。
【0248】
ほんの数例を挙げると、いくつかの実施形態では、利用される3’UTRは、Xenopus β-グロビンUTR及びヒトβ-グロビンUTRを含む、グロビンUTRなどの遺伝子からの3’UTRであり得るか、またはそれを含み得る(例えば、8278063、9012219、US2011/0086907を参照されたい)。いくつかの実施形態では、いくつかの細胞型において向上した安定性を有する修飾β-グロビン構築物を利用してもよく、そのような構築物は、2つの連続ヒトβ-グロビン3’UTRを頭部から尾部へクローニングすることによって作製されたものとして報告されている(US2012/0195936、W02014/071963)。加えて、α2-グロビン、αl-グロビン、UTR、及びそれらのバリアントも、当該技術分野で既知である(W02015/101415、W02015/024667)。非特許文献中のmRNA構築物に記載されている例示的な3’UTRとしては、CYBA(Ferizi et al.,2015)及びアルブミン(Thess et al.,2015)からのものが挙げられる。いくつかの実施形態では、例示的な3’UTRとしては、ウシまたはヒト成長ホルモン(野生型または修飾)(W02013/185069、US2014/0206753、W02014152774)、ウサギβグロビン及びB型肝炎ウイルス(HBV)、α-グロビン3’UTR、ならびにウイルスVEEV 3’UTR配列のものが挙げられ、また、当該技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、配列UUUGAAUU(W02014/144196)が使用される。いくつかの実施形態では、ヒト及び/またはマウスリボソームタンパク質の3’UTRが使用される。いくつかの実施形態では、例としては、rps9 3’UTR(W02015/101414)、FIG4(W02015/101415)、及びヒトアルブミン7(W02015/101415)が挙げられる。いくつかの実施形態では、核酸は、少なくとも1つの異種3’-UTRを含み、少なくとも1つの異種3’-UTRは、PSMB3、ALB7、アルファ-グロビン(「muag」と称される)、CASP1、COX6B1、GNAS、NDUFA1、及びRPS9から選択される遺伝子の3’-UTR、またはこれらの遺伝子のうちのいずれか1つの相同体、断片、またはバリアントに由来する核酸配列を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、利用される3’UTRは、例えば、公開されたPCT出願WO2019/077001A1、特に、WO2019/077001A1の請求項9に例示され得る。いくつかの実施形態では、3’UTRは、WO2019/077001A1の配列番号23~34のうちの1つ、またはその断片もしくはバリアントであり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、本開示に従って利用される3’UTRは、配列:
【化12】
を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の3’UTRは、配列:
【化13】
を含む。
いくつかの実施形態では、核酸は、WO2016/107877に記載される3’-UTRを含み得る。いくつかの実施形態では、好適な3’-UTRは、WO2016/107877の配列番号1~24及び配列番号49~318、またはこれらの配列の断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、WO2017/036580に記載の3’-UTRが利用され得る。いくつかの実施形態では、好適な3’-UTRは、WO2017/036580の配列番号152~204、またはこれらの配列の断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、WO2016/022914に記載されている3’-UTRが利用される。いくつかの実施形態では、3’-UTRは、WO2016/022914の配列番号20~36に記載の配列、またはこれらの配列の断片もしくはバリアントであるか、もしくはそれらを含む。
【0250】
ポリA
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNA)は、例えば、本明細書に記載されるようなポリアデニル酸(ポリA)配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリA配列は、3’-UTRの下流に、例えば、3’-UTRに隣接して位置する。
【0251】
本明細書で使用される場合、「ポリ(A)配列」または「ポリA尾部」という用語は、典型的には、RNAポリヌクレオチドの3’末端に位置するアデニル酸塩残基の中断されていない配列または中断された配列を指す。ポリ(A)配列は、当業者に既知であり、本明細書に記載のRNAにおける3’-UTRに続いてもよい。中断されていないポリ(A)配列は、連続したアデニル酸塩残基を特徴とする。自然界では、中断されていないポリ(A)配列が典型的である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、中断されていないポリ(A)配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、中断されたポリ(A)配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるRNAは、転写後にテンプレート非依存性RNAポリメラーゼによってRNAの遊離3’末端に付着したポリ(A)配列、またはDNAによってコードされ、テンプレート依存性RNAポリメラーゼによって転写されるポリ(A)配列を有することができる。
【0252】
約120個のAヌクレオチドのポリ(A)配列は、トランスフェクトされた真核細胞におけるRNAのレベル、ならびにポリ(A)配列の上流(5’)に存在するオープンリーディングフレームから翻訳されるポリヌクレオチド(例えば、タンパク質)のレベルに有益な影響を有することが実証されている(Holtkamp et al.,2006,Blood,vol.108,pp.4009-4017)。
【0253】
いくつかの実施形態では、本開示によるポリ(A)配列は、特定の長さに限定されず、いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、任意の長さである。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも80、または少なくとも100、及び最大1000、最大500、最大400、最大300、最大200、または最大150個のAヌクレオチド、特に約120個のAヌクレオチドを含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。この文脈において、「本質的にからなる」とは、ポリ(A)配列中の大部分のヌクレオチド、典型的にはポリ(A)配列中のヌクレオチドの数によって少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%がAヌクレオチドであるが、残りのヌクレオチドが、Aヌクレオチド以外のヌクレオチド、例えば、Uヌクレオチド(ウリジル酸塩)、Gヌクレオチド(グアニル酸塩)、またはCヌクレオチド(シチジル酸塩)であることを可能にすることを意味する。この文脈において、「からなる」とは、ポリ(A)配列中の全てのヌクレオチド、すなわち、ポリ(A)配列中のヌクレオチドの数によって100%がAヌクレオチドであることを意味する。「Aヌクレオチド」または「A」という用語は、アデニル酸塩を指す。
【0254】
いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、RNA転写の間、例えば、インビトロで転写されたRNAの調製の間、コード鎖に相補的な鎖に反復dTヌクレオチド(デオキシチミジル酸塩)を含むDNAテンプレートに基づいて付着する。ポリ(A)配列をコードするDNA配列(コード鎖)は、ポリ(A)カセットと称される。
【0255】
いくつかの実施形態では、DNAのコード鎖に存在するポリ(A)カセットは、本質的に、dAヌクレオチドからなるが、4つのヌクレオチド(dA、dC、dG、及びdT)のランダム配列によって中断される。かかるランダム配列は、5~50、10~30、または10~20ヌクレオチド長であり得る。かかるカセットは、参照により本明細書に組み込まれる、WO2016/005324A1に開示される。WO2016/005324A1に開示される任意のポリ(A)カセットを、本開示に従って使用してもよい。本質的にdAヌクレオチドからなるが、4つのヌクレオチド(dA、dC、dG、dT)の等しい分布を有し、例えば、5~50ヌクレオチドの長さを有するランダム配列によって中断されるポリ(A)カセットは、DNAレベルでは、E.coliにおけるプラスミドDNAの一定の増殖を示し、RNAレベルでは、やはり、RNAの安定性及び翻訳効率を支持することに関して有益な特性を包含する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAポリヌクレオチドに含まれるポリ(A)配列は、本質的に、Aヌクレオチドからなるが、4つのヌクレオチド(A、C、G、U)のランダム配列によって中断される。かかるランダム配列は、5~50、10~30、または10~20ヌクレオチド長であり得る。
【0256】
いくつかの実施形態では、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドは、その3’末端でポリ(A)配列に隣接しておらず、すなわち、ポリ(A)配列は、マスクされていないか、またはその3’末端でA以外のヌクレオチドが続いていない。
【0257】
いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも80、または少なくとも100、及び最大500、最大400、最大300、最大200、または最大150個のヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも80、または少なくとも100、及び最大500、最大400、最大300、最大200、または最大150個のヌクレオチドから本質的になってもよい。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも80、または少なくとも100、及び最大500、最大400、最大300、最大200、または最大150個のヌクレオチドからなってもよい。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも100個のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、約150個のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、約120個のヌクレオチドを含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、ポリA尾部は、約50以上、約60以上、約70以上、約80以上、約90以上、約100以上、約120、または約150もしくは約200などの特定の数のアデノシンを含む。いくつかの実施形態では、ストリング構築物のポリA尾部は、200個以下のA残基を含み得る。いくつかの実施形態では、ストリング構築物のポリA尾部は、約200個のA残基を含み得る。いくつかの実施形態では、ストリング構築物のポリA尾部は、180個以下のA残基を含み得る。いくつかの実施形態では、ストリング構築物のポリA尾部は、約180個のA残基を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリA尾部は、150個以下の残基を含み得る。
【0259】
いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、約10~約500個のアデノシンヌクレオチド、約10~約200個のアデノシンヌクレオチド、約40~約200個のアデノシンヌクレオチド、または約40~約150個のアデノシンヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列の長さは、少なくとも約10、50、64、75、100、200、300、400、もしくは500個またはそれを超えるアデノシンヌクレオチドでもよい。
【0260】
いくつかの実施形態では、核酸は、約30個~約200個のアデノシンヌクレオチドを含む少なくとも1つのポリ(A)配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、約64個のアデノシンヌクレオチド(A64)を含む。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、約100個のアデノシンヌクレオチド(A100)を含む。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、約150個のアデノシンヌクレオチドを含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、核酸は、約100個のアデノシンヌクレオチドを含む少なくとも1つのポリ(A)配列を含み、ポリ(A)配列は、非アデノシンヌクレオチドによって、好ましくは10個の非アデノシンヌクレオチドによって中断される(A30-N10-A70)。
【0262】
オープンリーディングフレーム
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNAは、オープンリーディングフレーム(ORF)を含み、ORFは、例えば、目的のポリペプチドをコードするか、または目的の複数のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNAは、複数のORF(例えば、複数のポリペプチドをコードする)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書の技術に従って産生されるRNAは、複数のポリペプチドをコードする単一のORFを含む。いくつかのそのような実施形態では、ポリペプチドは、抗原またはそのエピトープ(例えば、関連する抗原)であるか、またはそれを含む。
【0263】
いくつかの例を挙げると、いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチドは、提供されたRNAが投与される対象で発現されるとき、免疫応答(例えば、抗原またはその1つ以上のエピトープに特異的に向けられた抗体及び/またはT細胞によって特徴付けられる)となるように、抗原またはそのエピトープであり得るか、抗原またはそのエピトープを含み得、いくつかのそのような実施形態では、例えば、複数のポリペプチド要素を含むコードされたポリペプチドは、ポリエピトープ(polyepitopic)であってもよく、それらの各々は、少なくとも1つのエピトープを含み、互いに連結され、任意選択的にリンカーによって分離される。当該技術分野で理解されるように、いくつかの実施形態では、ポリエピトープ構築物は、自然界で同じタンパク質の異なる部分に見出される個々のエピトープを含み得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、ポリエピトープ構築物は、自然界の異なるタンパク質に見出される個々のエピトープを含み得る。当業者は、本開示に従って有用な、所望のポリエピトープ構築物、及び/またはその中に含まれるための抗原及び/またはエピトープの選択に関連する様々な考慮事項を認識するであろう(例えば、WO2014082729、WO2012159754、WO2017173321、WO2014180659、WO20161283762、WO2017194610、WO2011143656、WO2015103037、Nielsen JS,et al.J Immunol Methods.2010 Aug 31;360(1-2):149-56.,“Polyepitope Vaccine Technology.”Polyepitope Vaccine Technology-Creative Biolabs,www.creative-biolabs.com/vaccine/polyepitope-vaccine-technology.htm.、Li,L.et al.Genome Med 13,56(2021).、Cafri G.et al.Journal of Clinical Investigation 130,5976-5988(2020)、Khairkhah N.et al.(2020)PLOS ONE 15(10):e0240577.を参照されたい)。
【0264】
いくつかの実施形態では、関連する抗原は、感染性抗原(すなわち、感染性ウイルス、細菌、真菌などの感染性因子に関連する抗原)及び/またはがん抗原(例えば、腫瘍のクラスまたは特定の腫瘍に関連する抗原、いくつかの実施形態では、がん関連抗原は、新抗原または新エピトープであり得るか、またはそれを含み得る)、またはそのエピトープであり得るか、またはそれを含み得る。
【0265】
代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、ORFは、例えば、抗体またはその部分(例えば、抗原結合部分)、酵素、サイトカイン、治療用タンパク質などをコードし得る(例えば、WO2017186928、WO2017191274、US10669322、Dammes et al Trens Pharmacol Sci 4:755,2020-10-01、Wang et al Nature Reviews Drug Discovery 19,441-442(2020)、Damase et al Front.Bioeng.Biotechnol.,18 March 2021を参照されたい)。
【0266】
いくつかの実施形態では、本開示による使用のためのORFは、例えば、哺乳類細胞において機能的であるシグナル配列を含むポリペプチドをコードする。
【0267】
いくつかの実施形態では、利用されるシグナル配列は、自然界では、コードされたポリペプチドと会合する(例えば、連結される)という点で「内在的」である。
【0268】
いくつかの実施形態では、利用されるシグナル配列は、コードされたポリペプチドに対して異種であり、例えば、その配列がコードされたポリペプチドに含まれるポリペプチド(例えば、タンパク質)の天然部分ではない。
【0269】
いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、典型的には、約15~30アミノ酸の長さを特徴とする配列である。
【0270】
多くの実施形態では、シグナルペプチドは、本明細書に記載のコードされたポリペプチドのN末端に配置されるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、好ましくは、それらが関連する本開示のRNAによってコードされるポリペプチドの、規定の細胞区画、好ましくは、細胞表面、小胞体(ER)、またはエンドソーム-リソソーム区画への輸送を可能にする。
【0271】
いくつかの実施形態では、シグナル配列は、S1S2シグナルペプチド(aa1-19)、免疫グロブリン分泌シグナルペプチド(aa1-22)、HSV-1 gDシグナルペプチド(MGGAAARLGAVILFVVIVGLHGVRSKY)、HSV-2 gDシグナルペプチド(MGRLTSGVGTAALLVVAVGLRVVCA)、ヒトSPARCシグナルペプチド、ヒトインスリンアイソフォーム1シグナルペプチド、ヒトアルブミンシグナルペプチド等から選択される。当業者は、例えば、WO2017/081082(例えば、配列番号1~1115及び1728、またはそれらの断片バリアント)ならびにWO2019008001に開示されるような他の分泌シグナルペプチドを認識するであろう。
【0272】
いくつかの実施形態では、RNA配列は、表1に列挙されるもの、または少なくともそれに対して1、2、3、4、または5つのアミノ酸差を有する配列などのシグナル配列(例えば、分泌配列)を含むか、またはそうでなければそれに連結され得るエピトープをコードする。いくつかの実施形態では、MFVFLVLLPLVSSQCVNLTなどのシグナル配列、または少なくともそれに対して1、2、3、4、または最大5つのアミノ酸差を有する配列が利用される。いくつかの実施形態では、MFVFLVLLPLVSSQCVNLTなどの配列、またはそれに対して1、2、3、4、もしくは最大5つのアミノ酸差を有する配列が利用される。
【0273】
いくつかの実施形態では、シグナル配列は、以下の表1に含まれるもの及び/または以下の表2の配列によってコードされるものから選択される。
【表1】
【表2】
【0274】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように利用されるRNAは、多量体化要素(例えば、異種多量体化要素)をコードする。いくつかの実施形態では、異種多量体化要素は、二量体化、三量体化、または四量体化要素を含む。
【0275】
いくつかの実施形態では、多量体化要素は、WO2017/081082(例えば、配列番号1116~1167、またはその断片もしくはバリアント)に記載されるものである。
【0276】
例示的な三量体化及び四量体化要素としては、操作されたロイシンジッパー、腸内細菌ファージT4からのフィブリチンフォルドンドメイン、GCN4pll、GCN4-pll、及びp53が挙げられるが、これらに限定されない。
【0277】
いくつかの実施形態では、提供されるコードされたポリペプチド(複数可)は、三量体複合体を形成することができる。例えば、利用されるコードされたポリペプチド(複数可)は、例えば、本明細書に記載のコードされたポリペプチド(複数可)を含むアミノ酸配列の特定の三量体複合体などの多量体複合体の形成を可能にするドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、多量体複合体の形成を可能にするドメインは、三量体化ドメイン、例えば、本明細書に記載の三量体化ドメインを含む。
【0278】
いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチド(複数可)は、例えば、その免疫原性を増大させるために、T4-フィブリチン由来の「フォルドン」三量体化ドメインを付加することによって修飾され得る。
【0279】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、膜貫通ドメインなどの膜会合要素(例えば、異種膜会合要素)をコードする。
【0280】
膜貫通ドメインは、N末端、C末端、またはコードされたポリペプチドの内部であり得る。膜貫通要素のコード配列は、典型的には、それが連結される配列(例えば、ポリペプチド(複数可)をコードする配列)のコード配列のフレーム(すなわち、同じリーディングフレーム)、5’、3’、または内部に配置される。
【0281】
いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)、HIV-1のEnv、ウマ感染性貧血ウイルス(EIAV)、マウス白血病ウイルス(MLV)、マウス乳がん腫瘍ウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)のGタンパク質、狂犬病ウイルス、または7つの膜貫通ドメイン受容体の膜貫通ドメインを含むか、またはそれである。
【0282】
コドン最適化
いくつかの実施形態では、本開示のORFコードポリペプチドは、コドン最適化されている。コドン最適化方法は、当該技術分野で既知である。例えば、本明細書で提供される配列のうちのいずれか1つ以上のORFが、コドン最適化され得る。いくつかの実施形態では、コドン最適化は、標的生物及び宿主生物におけるコドン頻度を一致させて、適切な折り畳みを確実にするために;GC含量をバイアスして、mRNA安定性を増加させるか、もしくは二次構造を低減するために;遺伝子構築もしくは発現を損なう可能性のあるタンデムリピートコドンもしくは塩基ランを最小化するために;転写及び翻訳制御領域をカスタマイズするために;ポリペプチド輸送配列を挿入もしくは除去するために;コードされたポリペプチドにおける翻訳後修飾部位(例えば、グリコシル化部位)を除去/付加するために;タンパク質ドメインを追加、除去、もしくはシャッフルするために;制限部位を挿入もしくは削除するために;リボソーム結合部位及びmRNA分解部位を修飾するために;ポリペプチドの様々なドメインが適切に折り畳まれるように翻訳速度を調整するために;またはポリヌクレオチド内の問題の二次構造を低減または排除するために使用され得る。コドン最適化ツール、アルゴリズム、及びサービスは、当該技術分野で公知であり、非限定的な例としては、GeneArt(Life Technologies)、DNA2.0(Menlo Park CA)からのサービス及び/または独自の方法が挙げられる。いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレーム(ORF)配列は、最適化アルゴリズムを使用して最適化される。
【0283】
いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在するか、または野生型の配列ORF(例えば、ポリペプチドをコードする天然に存在するか、または野生型のmRNA配列)に対して95%未満の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在するか、または野生型の配列(例えば、ポリペプチドをコードする天然に存在するか、または野生型のmRNA配列)に対して90%未満の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在するか、または野生型の配列(例えば、ポリペプチドをコードする天然に存在するか、または野生型のmRNA配列)に対して85%未満の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在するか、または野生型の配列(例えば、ポリペプチドをコードする天然に存在するか、または野生型のmRNA配列)に対して80%未満の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在するか、または野生型の配列(例えば、ポリペプチドをコードする天然に存在するか、または野生型のmRNA配列)に対して75%未満の配列同一性を共有する。
【0284】
いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在するか、または野性型の配列(例えば、ポリペプチドをコードする天然に存在するか、または野性型のmRNA配列)に対して65%~85%(例えば、約67%~約85%または約67%~約80%)の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在するか、または野生型の配列(例えば、ポリペプチドをコードする天然に存在するか、または野生型のmRNA配列)に対して65%~75%または約80%の配列同一性を共有する。
【0285】
いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、非コドン最適化配列によってコードされるポリペプチドと免疫原性が同じか、またはそれよりも免疫原性が高い(例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも100%、または少なくとも200%高い)ポリペプチド(例えば、抗原)をコードする。
【0286】
いくつかの実施形態では、哺乳動物宿主細胞にトランスフェクションされた場合、修飾mRNAは、12~18時間、または18時間超、例えば、24、36、48、60、72、または72時間超の安定性を有し、哺乳動物宿主細胞による発現が可能である。
【0287】
いくつかの実施形態では、コドン最適化RNAは、G/Cのレベルが向上され、及び/またはA/Uが向上されたものであり得る。いくつかの実施形態では、核酸分子(例えば、mRNA)のG/C含量は、RNAの安定性に影響を及ぼし得る。グアニン(G)及び/またはシトシン(C)残基の量が増加したRNAは、大量のアデニン(A)及びチミン(T)またはウラシル(U)ヌクレオチドを含有するRNAより機能的に安定し得る。一例として、WO02/098443は、翻訳領域内の配列修飾によって安定化されたmRNAを含有する医薬組成物を開示している。いくつかの実施形態では、遺伝暗号の縮退のために、該修飾は、得られるアミノ酸を変更することなく、例えば、より大きなRNA安定性を促進するものに既存のコドンを置換することによって機能する。いくつかの実施形態では、該アプローチは、該RNAのコード領域に限定される。
【0288】
ヌクレオチド含有量
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA及び/またはORFは、ヌクレオチド三リン酸の特定の組成物を含み、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA及び/またはORFは、ヌクレオチド三リン酸の任意の特定の組成物を含むことに限定されない。
【0289】
いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、x個の総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)対総グアノシン及び/または1つ以上の機能的グアノシン類似体(複数可)のモル比を含む。いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)対総ウリジン及び/または1つ以上の機能的ウリジン類似体(複数可)のモル比yを含む。いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)対総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)のモル比zを含む。いくつかのそのような実施形態では、xのモル比は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0である。いくつかのそのような実施形態では、yのモル比は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0である。いくつかのそのような実施形態では、yのモル比は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0である。いくつかのそのような実施形態では、zのモル比は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0である。
【0290】
いくつかの実施形態では、RNA及び/またはORFにおける関連するモル比は、反応混合物における対応する比とは異なる。
【0291】
いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、15%、20%、25%、30%、35%、40%以上のATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)のヌクレオチド含有量を含む。いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、15%、20%、25%、30%、35%、40%以上のCTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)のヌクレオチド含有量を含む。いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、15%、20%、25%、30%、35%、40%以上のGTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)のヌクレオチド含有量を含む。いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、15%、20%、25%、30%、35%、40%以上のUTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)のヌクレオチド含有量を含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)対総グアノシン及び/または1つ以上の機能的グアノシン類似体(複数可)のモル比vを含む。いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)対総ウリジン及び/または1つ以上の機能的ウリジン類似体(複数可)のモル比wを含む。いくつかの実施形態では、ORF及び/またはRNA分子は、総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)対総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)のモル比qを含む。いくつかのそのような実施形態では、vのモル比は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0である。いくつかのそのような実施形態では、wのモル比は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0である。いくつかのそのような実施形態では、qのモル比は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0である。
【0293】
産生
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される技術は、IVTによって、例えば、バイオリアクタ内で、RNAを合成することによって、RNA組成物及び/または調製物(例えば、大規模バッチ調製物を含む医薬品グレードRNA調製物)の産生を達成する。いくつかの実施形態では、産生されたRNAを含む組成物及び/または調製物は、少なくとも1mg/mL(例えば、少なくとも1.5mg/mL、少なくとも2mg/mL、少なくとも2.5mg/mL、少なくとも3mg/mL、少なくとも3.5mg/mL、少なくとも4mg/mL、少なくとも4.5mg/mL、少なくとも5mg/mL、少なくとも6mg/mL以上を含む)の特定の濃度のRNAを含む。いくつかの実施形態では、産生されたRNAは、1.5mg/mL~5mg/mLまたは2mg/mL~4mg/mLの濃度で存在してもよい。
【0294】
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、治療用mRNA)は、IVTによって、例えば、バイオリアクタ内で、例えば、少なくとも1つのRNA-ポリメラーゼ及びその適切なヌクレオチド三リン酸塩またはバリアント(例えば、修飾されたリボヌクレオチド三リン酸塩)を含む適切な試薬の存在下で、DNAテンプレートから合成される。いくつかの実施形態では、IVTに有用であるバイオリアクタは、例えば、少なくとも1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50リットル以上を含む、少なくとも1リットルのIVT反応体積に十分な大きさである。いくつかの実施形態では、商業規模のIVTに特に有用なバイオリアクタは、例えば、少なくとも25、30、40、45、50リットル、またはそれ以上を含む、少なくとも20リットルのIVT反応体積に十分な大きさである。
【0295】
例示的な出発材料
DNAテンプレート
当業者は、核酸テンプレート(例えば、DNAテンプレート)が、RNA(例えば、一本鎖RNA、例えば、治療用RNA)の合成を指示するために使用されることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、直鎖DNA分子である。いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、環状DNA分子である。DNAは、例えば、遺伝子合成、組換えDNA技術、またはそれらの組み合わせを含む、当該技術分野で既知の方法を使用して取得または生成されることができる。いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、目的の転写された領域をコードする(例えば、本明細書に記載のRNAをコードする)ヌクレオチド配列、及びIVTで使用するために選択されたRNAポリメラーゼによって認識されるプロモーター配列を含む。いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、目的の複数の転写された領域をコードするヌクレオチド配列、及びIVTで使用するために選択されたRNAポリメラーゼによって認識される1つ以上のプロモーター配列を含む。例えば、DNA依存性RNAポリメラーゼ(例えば、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、N4ビリオンRNAポリメラーゼ、またはそれらのバリアントもしくは機能ドメイン)を含む、様々なRNAポリメラーゼは、当該技術分野において公知である。当業者は、本明細書で利用されるRNAポリメラーゼが、組換えRNAポリメラーゼ及び/または精製されたRNAポリメラーゼであってもよく、すなわち、RNAポリメラーゼ(複数可)に加えて他の成分を含有する細胞抽出物の一部としてではなく、及び/または野生ポリメラーゼのバリアントであり得ることを容易に理解するであろう(例えば、重合活性を付与するのに十分な1つ以上の特徴的な配列要素を、そのような野生型ポリメラーゼと共有する、及び/またはそのような野生型ポリメラーゼと少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%<96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を共有する)。いくつかの実施形態では、利用されるポリメラーゼは、(例えば、ThermoFisher、New England Biolabsなどの供給源からの)市販のポリメラーゼである。当業者は、選択されたRNAポリメラーゼのための適切なプロモーター配列を認識するであろう。いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、T7 RNAポリメラーゼのプロモーター配列を含む。
【0296】
いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、本明細書に記載のRNAをコードするヌクレオチド配列(例えば、目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、任意選択的に、例えば、ポリA尾部、3’UTR、及び/または5’UTRなどを含む、本明細書に記載のRNAの特徴的な要素をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む)を含む。いくつかの実施形態では、そのようなコード配列は、遺伝子合成によって生成され得る。いくつかの実施形態では、そのようなコード配列は、当該技術分野で知られている任意の適切なクローニング方法(例えば、コールド融合クローニング、ギブソンアセンブリなど)によってベクターに挿入され得る。
【0297】
いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、(例えば、直鎖化に利用される)適切な制限エンドヌクレアーゼの認識配列、適切な耐性遺伝子、及び/または適切な複製起点のうちの1つ以上を更に含み得る。いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、適切な制限エンドヌクレアーゼ(例えば、限定されないが、クラスII制限エンドヌクレアーゼなどの直鎖化に利用される)、適切な耐性遺伝子(例えば、カナマイシン耐性遺伝子に限定されない)、及び適切な複製起点の認識配列を更に含み得る。
【0298】
いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、プラスミドDNAからポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して増幅され得る。いくつかの実施形態では、プラスミドDNAは、例えば、細菌細胞(例えば、大腸菌(E.coli))から得られ、続いて、エンドトキシン及び動物産物を含まないプラスミド単離手順を経て得ることができる。
【0299】
いくつかの実施形態では、DNAテンプレートは、PCRベースの増幅の非存在下で直鎖化プラスミドDNA(pDNA)テンプレートであり得る。いくつかのそのような実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)目的のpDNAについての細胞バンクまたは細胞ストックは、安定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、そのような細胞バンクまたは細胞ストックは、所定の仕様を有する目的のpDNAテンプレート(例えば、本明細書に記載されるような)を含むように遺伝子操作されている細菌細胞(例えば、DH10B E.coli細胞などのE.coli細胞)の凍結ストックを含み得る。いくつかの実施形態では、pDNAは、プロモーター配列(例えば、T7 RNAポリメラーゼ)を含有する。いくつかの実施形態では、pDNAは、(例えば、直鎖化のための)エンドヌクレアーゼの認識配列を含有する。いくつかの実施形態では、pDNAは、耐性遺伝子を含有する。いくつかの実施形態では、pDNAは、複製起点を含有する。いくつかの実施形態では、pDNAは、プロモーター配列、エンドヌクレアーゼの認識配列、耐性遺伝子、及び/または複製起点のうちの1つ以上を含有する。
【0300】
いくつかの実施形態では、DNAテンプレート(例えば、直鎖DNAテンプレート)濃度(g/L IVT開始体積)は、少なくとも約0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15g/Lである。いくつかの実施形態では、DNAテンプレート(例えば、直鎖DNAテンプレート)開始濃度は、約0.01~0.15、0.02~0.14、0.03~0.13、0.04~0.12、0.05~0.11、0.06~0.11、0.07~0.11、0.08~0.11~0.09~0.11g/Lである。
【0301】
リボヌクレオチド
インビトロ転写で使用するためのリボヌクレオチドは、少なくとも2つ以上(例えば、少なくとも3つ以上、少なくとも4つ以上、少なくとも5つ以上、少なくとも6つ以上)の異なるタイプのリボヌクレオチドを含み得、各タイプは、異なるヌクレオシドを有する。インビトロ転写で使用するためのリボヌクレオチドは、非修飾及び/または修飾リボヌクレオチドを含むことができる。非修飾リボヌクレオチドには、プリン塩基アデニン(A)及びグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基シトシン(C)及びウラシル(U)が含まれる。いくつかの実施形態では、非修飾リボヌクレオチドの4つのタイプ全てを、インビトロ転写に使用してもよい。
【0302】
いくつかの実施形態では、インビトロ転写に含まれるリボヌクレオチドの少なくとも1つのタイプは、修飾リボヌクレオチドである。修飾リボヌクレオチドは、例えば、(a)末端修飾、例えば、5’末端修飾(例えば、リン酸化、脱リン酸化、コンジュゲーション、反転結合など)、3’末端修飾(例えば、コンジュゲーション、反転結合など)、(b)塩基修飾、例えば、修飾塩基、安定化塩基、不安定化塩基、またはパートナーの拡大されたレパートリーと塩基対を有する塩基、または共役塩基への置換、(c)糖修飾(例えば、2’位または4’位における)または糖の置換、ならびに(d)ホスホジエステル結合の修飾または置換を含む、ヌクレオシド間結合修飾を含むが、これらに限定されない、1つ以上の修飾を含み得る。そのような修飾が翻訳を妨げる程度で(例えば、修飾の非存在と比較して、例えば、ウサギ網状赤血球インビトロ翻訳アッセイを使用して特徴付けられるように、50%以上の翻訳の減少をもたらす)、そのような修飾されたリボヌクレオチドは、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるシステム及び方法での使用には望ましくない。
【0303】
いくつかの実施形態では、修飾リボヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオシド(「塩基」)修飾または置換を有し得る。様々なヌクレオシド修飾または置換が当該技術分野で知られており、当業者は、修飾ヌクレオシドとしては、例えば、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、ヌブラリン、イソグアニシン、ツベルシジン、2-(ハロ)アデニン、2-(アルキル)アデニン、2-(プロピル)アデニン、2-(アミノ)アデニン、2-(アミノアルキル)アデニン、2-(アミノプロピル)アデニン、2-(メチルチオ)-N6-(イソペンテニル)アデニン、6-(アルキル)アデニン、6-(メチル)アデニン、7-(デアザ)アデニン、8-(アルケニル)アデニン、8-(アルキル)アデニン、8-(アルキニル)アデニン、8-(アミノ)アデニン、8-(ハロ)アデニン、8-(ヒドロキシル)アデニン、8-(チオアルキル)アデニン、8-(チオール)アデニン、N6-(イソペンチル)アデニン、N6-(メチル)アデニン、N6、N6-(ジメチル)アデニン、2-(アルキル)グアニン、2-(プロピル)グアニン、6-(アルキル)グアニン、6-(メチル)グアニン、7-(アルキル)グアニン、7-(メチル)グアニン、7-(デアザ)グアニン、8-(アルキル)グアニン、8-(アルケニル)グアニン、8-(アルキニル)グアニン、8-(アミノ)グアニン、8-(ハロ)グアニン、8-(ヒドロキシル)グアニン、8-(チオアルキル)グアニン、8-(チオール)グアニン、N-(メチル)グアニン、2-(チオ)シトシン、3-(デアザ)-5-(アザ)シトシン、3-(アルキル)シトシン、3-(メチル)シトシン、5-(アルキル)シトシン、5-(アルキニル)シトシン、5-(ハロ)シトシン、5-(メチル)シトシン、5-(プロピニル)シトシン、5-(プロピニル)シトシン、5-(トリフルオロメチル)シトシン、6-(アゾ)シトシン、N4-(アセチル)シトシン、3-(3アミノ-3カルボキシプロピル)ウラシル、2-(チオ)ウラシル、5-(メチル)-2-(チオ)ウラシル、5-(メチルアミノメチル)-2(チオ)ウラシル、4-(チオ)ウラシル、5-(メチル)-4(チオ)ウラシル、5-(メチルアミノメチル)-4(チオ)ウラシル、5-(メチル)-2,4-(ジチオ)ウラシル、5-(メチルアミノメチル)-2,4(ジチオ)ウラシル、5-(2-アミノプロピル)ウラシル、5-(アルキル)ウラシル、5-(アルキニル)ウラシル、5-(アリルアミノ)ウラシル、5-(アミノアリル)ウラシル、5-(アミノアルキル)ウラシル、5-(グアニジニウムアルキル)ウラシル、5-(1,3-ジアゾール-1アルキル)ウラシル、5-(シアノアルキル)ウラシル、5-(ジアルキルアミノアルキル)ウラシル、5-(ジメチルアミノアルキル)ウラシル、5-(ハロ)ウラシル、5-(メトキシ)ウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-(メトキシカルボニルメチル)-2-(チオ)ウラシル、5-(メトキシカルボニル-メチル)ウラシル、5-(プロピニル)ウラシル、5-(プロピニル)ウラシル、5-(トリフルオロメチル)ウラシル、6-(アゾ)ウラシル、ジヒドロウラシル、N3-(メチル)ウラシル、5-ウラシル(すなわち、シュードウラシル)、2-(チオ)シュードウラシル、4-(チオ)シュードウラシル、2,4-(ジチオ)シュードウラシル、5-(アルキル)シュードウラシル、5-(メチル)シュードウラシル、5-(アルキル)-2-(チオ)シュードウラシル、5-(メチル)-2-(チオ)シュードウラシル、5-(アルキル)-4(チオ)シュードウラシル、5-(メチル)-4(チオ)シュードウラシル、5-(アルキル)-2,4(ジチオ)シュードウラシル、5-(メチル)-2,4(ジチオ)シュードウラシル、1-置換シュードウラシル(例えば、1-メチル-シュードウリジン)、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロムウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、1-置換-2(チオ)-シュードウラシル、1-置換4(チオ)シュードウラシル、1-置換2,4-(ジチオ)シュードウラシル、1-(アミノカルボニルエチレニル)-シュードウラシル、1-(アミノカルボニルエチレニル)-2(チオ)-シュードウラシル、1(アミノカルボニルエチレニル)-4(チオ)シュードウラシル、1-(アミノカルボニルエチレニル)-2,4-(ジチオ)シュードウラシル、1-(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)-シュードウラシル、1(アミノアルキルアミノ-カルボニルエチレニル)-2(チオ)-シュードウラシル、1-(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)-4(チオ)シュードウラシル、1-(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)-2,4-(ジチオ)シュードウラシル、1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-リル、1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル、7-置換1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、7-置換1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、7-置換1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル、7-置換1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル,7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル、1,3,5-(トリアザ)-2,6-(ジオキサ)-ナフタレン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、ヌブラリン、ツベルシジン、イソグアニシン、イノシニル、2-アザ-イノシニル、7-デアザイノシニル、ニトロイミダゾリル、ニトロピラゾリル、ニトロベンゾイミダゾリル、ニトロインダゾリル、アミノインドリル、ピロロピリミジニル、3-(メチル)イソカルボスチリリル、5-(メチル)イソカルボスチリリル、3-(メチル)-7-(プロピニル)イソカルボスチリリル、7-(アザ)インドリル、6-(メチル)-7-(アザ)インドリル、イミジゾピリジニル、9-(メチル)-イミジゾピリジニル、ピロロピリジニル、イソカルボスチリリル、7-(プロピニル)イソカルボスチリリル、プロピニル-7-(アザ)インドリル、2,4,5-(トリメチル)フェニル、4-(メチル)インドリル、4,6-(ジメチル)インドリル、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントラセニル、ピレニル、スチルベニル、テトラセニル、ペンタセニル、ジフルオロトリル、4-(フルオロ)-6-(メチル)ベンズイミダゾール、4-(メチル)ベンズイミダゾール、6-(アゾ)チミン、2-ピリジノン、5ニトロインドール、3ニトロピロール、6-(アザ)ピリミジン、2(アミノ)プリン、2,6-(ジアミノ)プリン、5置換ピリミジン、N2-置換プリン、N6-置換プリン、06-置換プリン、置換1,2,4-トリアゾール、ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、パラ置換-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、オルト-置換-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、ビス-オルト-置換-6-フェニルピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、パラ-(アミノアルキルヒドロキシ)-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、オルト-(アミノアルキルヒドロキシ)-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、ビス-オルト-(アミノアルキルヒドロキシ)-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、ピリドピリミジン-3-イル、2-オキソ-7-アミノ-ピリドピリミジン-3-イル、2-オキソ-ピリドピリミジン-3-イル、またはそれらの任意のO-アルキル化もしくはNアルキル化誘導体などの合成及び天然の核酸塩基が挙げられるが、これらに限定されないことを理解するであろう。
【0304】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のIVTシステム及び/または方法で利用される修飾ヌクレオチドは、例えば、トール様受容体(TLR)3、TLR7、TLR8、レチノイン酸誘導遺伝子I(RIG-I)、黒色腫分化関連遺伝子5(MDA5)、タンパク質キナーゼR(PKR)、2’-5’オリゴアデニル酸合成酵素(OAS)、及び遺伝学及び生理学研究室2(LGP2)、ならびにそれらの組み合わせを含むが、限定されない1つ以上の哺乳類(例えば、ヒト)内因性RNAセンサ(例えば、先天性免疫RNAセンサ)へのRNAの結合を破壊し得る。いくつかの実施形態では、そのような修飾リボヌクレオチドは、US9,334,328に記載の修飾を含み得、その内容は、本明細書に記載の目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。修飾ヌクレオシドは、典型的には、宿主細胞において翻訳可能であることが望ましい(例えば、修飾ヌクレオシドの存在は、それぞれのポリペプチド配列へのRNA配列の翻訳を妨げない)。修飾ヌクレオチドの翻訳への影響は、例えば、ウサギ網状赤血球溶解物翻訳アッセイを使用して、当業者によってアッセイされることができる。
【0305】
いくつかの実施形態では、修飾リボヌクレオチドは、修飾ヌクレオシド間結合を含み得る。様々なそのような修飾ヌクレオシド間結合が当業者に知られており、当業者は、本明細書で提供される技術で使用され得る修飾ヌクレオシド間結合の非限定的な例として、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルならびに3’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホロアミデート及びアミノアルキルホロミデートを含むホスホロアミデート、チオノホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホトリエステル、及びこれらの通常の3’-5’結合、2’-5’結合類似体を有するボラノホスフェート、ならびに隣接するヌクレオシド単位の対が3’-5’から5’-3’または2’-5’から5’-2’に結合される反転極性を有するものが挙げられることを理解するであろう。様々な塩、混合塩、及び遊離酸形態も含まれる。修飾ヌクレオシド間結合は、その中にリン原子を含まず、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子及びアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環式ヌクレオシド間結合によって形成されるヌクレオシド間結合を有し得る。これらは、モルホリノ結合(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される)を有するもの;シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシド及びスルホン骨格;ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファメート骨格;メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格;スルホン酸塩及びスルホンアミド骨格;アミド骨格;ならびにN、O、S、及びCH2成分部分を混合した他のものを含む。
【0306】
いくつかの実施形態では、修飾リボヌクレオチドは、1つ以上の置換糖部分を含み得る。様々なそのような修飾糖部分が当該技術分野で知られており、当業者は、いくつかの実施形態では、リボヌクレオチドの糖部分が、2’位で以下:アルキル、アルケニル、及びアルキニルは、置換または非置換であり得る、H(デオキシリボース);OH(リボース);F;O-、S-、もしくはN-アルキル、O-、S-、もしくはN-アルケニル;O-、S-、もしくはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキル)のうちの1つを含み得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、リボヌクレオチドの糖部分は、2’メトキシエトキシ(2’-O-(2-メトキシエチル)または2’-MOEとしても知られている2’-O-CH2CH2OCH3)、2’-ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、2’-DMAOEとしても知られているO(CH2)2ON(CH3)2基、及び2’-ジメチルアミノエトキシエトキシ(2’O-ジメチルアミノエトキシエチルまたは2’-DMAEOEとしても当技術分野で知られている)、すなわち、2’-O-CH2-OCH2-N(CH2)2、2’-メトキシ(2’-OCH3)、2’-アミノプロポキシ(2’-OCH2CH2CH2NH2)、及び2’-フルオロ(2’-F)を含み得る。他の位置で、例えば、3’末端ヌクレオチドまたは2’-5’結合ヌクレオチドにおける糖の3’位、及び5’末端ヌクレオチドの5’位で同様の修飾が行われることができる。
【0307】
いくつかの実施形態では、インビトロ転写反応に有用なリボヌクレオチドの混合物は、ATP、CTP、GTP、及びN1-メチルシュードウリジン-5’トリホスフェート(m1ΨTP)を含み得る。
【0308】
当業者は、多くの標準的なインビトロ転写反応が、リボヌクレオチド(すなわち、ATP、CTP、GTP、及びUTPが1:1:1:1の比率で利用される(すなわち、ATPまたはATP類似体のモル量(一緒に考慮される)が、反応混合物中のCTPまたはCTP類似体のモル量(一緒に考慮される)と等しい)反応混合物を利用することを認識している。いくつかの実施形態では、標準または対照IVT反応は、各リボヌクレオチド(例えば、ATP、CTP、GTP、及びUTP)が9mMの濃度で存在する反応混合物を利用する。
【0309】
いくつかの実施形態では、IVT反応で使用するための反応混合物中のATP、CTP、GTP、UTP(1つ以上のNTP類似体(複数可)を含む)の比率を最適化して、収率及び/または完全性を向上させ、及び/または異常産物(例えば、dsRNA)の産生を低減させる。いくつかの実施形態では、総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)対総GTP及び/または1つ以上の機能的類似体(複数可)のモル比aは、0.5、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2,1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、aは、少なくとも1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、1.80、1.85、1.90以上である。いくつかの実施形態では、aは、少なくとも1.5である。いくつかの実施形態では、aは、xの少なくとも約1.10倍、約1.15倍、約1.20倍、約1.25倍、約1.30倍、約1.35倍、約1.40倍、約1.45倍、約1.50倍、約1.55倍、約1.60倍、約1.65倍、約1.70倍、または約1.75倍であり、xは、総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)対総グアノシン及び/または1つ以上の機能的グアノシン類似体(複数可)のモル比である。いくつかの実施形態では、aは、xの少なくとも約1.15倍である。いくつかの実施形態では、aは、xの少なくとも約1.20倍である。
【0310】
いくつかの実施形態では、総CTP及び/または1つ以上の機能的類似体(複数可)対総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)のモル比bは、0.5、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、bは、少なくとも1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、1.80、1.85、1.90以上である。いくつかの実施形態では、bは、少なくとも1.5である。いくつかの実施形態では、bは、yの少なくとも約1.10倍、1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、1.50倍、1.55倍、1.60倍、1.65倍、1.70倍、または1.75倍であり、yは、総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)対総ウリジン及び/または1つ以上の機能的ウリジン類似体(複数可)のモル比である。いくつかの実施形態では、bは、yの少なくとも約1.15倍である。いくつかの実施形態では、bは、yの少なくとも約1.20倍である。
【0311】
いくつかの実施形態では、総CTP及び/または1つ以上の機能的類似体(複数可)対総アデノシン三リン酸(ATP)及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)のモル比cは、0.5、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、cは、少なくとも1.10、1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である。いくつかの実施形態では、cは、少なくとも1.25である。いくつかの実施形態では、cは、zの少なくとも約1.10倍、1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、1.50倍、1.55倍、1.60倍、1.65倍、1.70倍、または1.75倍であり、zは、総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)対総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)のモル比である。いくつかの実施形態では、cは、zの少なくとも約1.15倍である。いくつかの実施形態では、cは、zの少なくとも約1.20倍である。
【0312】
いくつかの実施形態では、aは、少なくとも1.25であり、及び/またはaは、xの少なくとも約1.10倍である。いくつかの実施形態では、bは、少なくとも1.25であり、及び/またはbは、yの少なくとも約1.10倍である。いくつかの実施形態では、cは、少なくとも1.10であり、及び/またはcは、zの少なくとも約1.10倍である。
【0313】
いくつかの実施形態では、開始CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)体積(ml/L開始IVT体積)は、少なくとも約85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150ml/L以上である。いくつかの実施形態では、開始CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)体積は、約80~150、85~145、または90~140ml/Lである。
【0314】
いくつかの実施形態では、開始ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)体積(ml/L開始IVT体積)は、少なくとも約85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150ml/L以上である。いくつかの実施形態では、開始ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)体積は、約80~150、85~145、85~140、または85~135ml/Lである。
【0315】
いくつかの実施形態では、開始GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)体積(ml/L開始IVT体積)は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10ml/L以上である。いくつかの実施形態では、開始GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)体積は、約1~10、2~9、3~8、4~7、4~6、または4~5ml/Lである。
【0316】
いくつかの実施形態では、開始UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)体積(ml/L開始IVT体積)は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10ml/L以上である。いくつかの実施形態では、開始UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)体積は、約1~10、2~9、3~8、4~7、4~6、または4~5ml/Lである。
【0317】
いくつかの実施形態では、本開示によるインビトロ転写で使用するための反応混合物中のATP、CTP、GTP、及びm1ΨTPの比率は、生成される転写物中に存在するものとは無関係である。
【0318】
5’-キャップ
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術によって産生されるRNAは、その5’端にキャップを含み得る。当業者は、RNA(例えば、mRNA)に5’キャップを付加することで、RNAの認識及びリボソームへの付着を容易にして、翻訳を開始し、翻訳効率を高めることができることを理解するであろう。当業者は、5’キャップはまた、5’エキソヌクレアーゼ媒介分解からRNA産物を保護し、したがって半減期を増加させることができることも理解するであろう。キャッピングのための方法は、当該技術分野で既知であり、当業者は、いくつかの実施形態では、キャッピングが、キャッピングシステム(例えば、ワクシニアウイルスのキャッピング酵素などの酵素ベースのキャッピングシステム)の存在下でインビトロ転写の後に実施され得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、キャッピングされたRNAは、キャッピング酵素系(例えば、ワクシニアキャッピング酵素系またはSaccharomyces cerevisiaeキャッピング酵素系を含むが限定されない)を有する、5’三リン酸基を有するRNAまたは5’二リン酸基を有するRNAのインビトロキャッピングによって得られ得る。いくつかの実施形態では、キャッピング剤は、転写中にキャップがRNAに組み込まれる(共転写キャッピングとしても知られる)ように、複数のリボヌクレオチドとともに、インビトロ転写反応混合物(例えば、本明細書に記載のもの)に導入され得る。いくつかの実施形態では、RNAに5’キャップを含むことが望ましい場合があるが、いくつかの実施形態では、RNAは、5’-キャップを有さない場合がある。
【0319】
いくつかの実施形態では、5’-キャッピング剤は、インビトロ転写反応混合物に添加することができる。いくつかの実施形態では、5’-キャッピング剤は、修飾ヌクレオチド、例えば、修飾グアニンヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、5’-キャッピング剤は、例えば、メチル基または複数の基、グリセリル、逆デオキシ脱塩基部分、4’5’メチレンヌクレオチド、l-(ベータ-D-エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4’チオヌクレオチド、カルボ環式ヌクレオチド、1,5-アンヒドロヘキシトールヌクレオチド、L-ヌクレオチド、アルファヌクレオチド、修飾塩基ヌクレオチド、トレオ-ペントフラノシルヌクレオチド、非環式3’、4’-セコヌクレオチド、非環式3,4-ジヒドロキシブチルヌクレオチド、非環式3,5-ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3’-3’-逆ヌクレオチド部分、3’-3’-逆脱塩基部分、3’-2’-逆ヌクレオチド部分、3’-2’-逆脱塩基部分、1,4-ブタンジオールホスフェート、3’-ホスホルアミデート、ヘキシルホスフェート、アミノヘキシルホスフェート、3’-ホスフェート、3’ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、または架橋もしくは非架橋メチルホスホネート部分、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’-フルオロ-グアノシン、7’デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノグアノシン、LNA-グアノシン、2-アジド-グアノシンを含み得る。いくつかの実施形態では、5’-キャッピング剤は、ジヌクレオチドキャップ類似体(例えば、m7GpppGキャップ類似体またはN7-メチル、2’-O-メチル-GpppGアンチリバースキャップ類似体(ARCA)キャップ類似体またはN7-メチル、3’-O-メチル-GpppG ARCAキャップ類似体を含む)であり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、5’キャッピング剤は、5’N7-メチル-3’-O-メチルグアノシン構造、例えば、CleanCap(登録商標)試薬(Trilink BioTechnologies)を含む。いくつかの実施形態では、5’-キャッピング剤は、特定のリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド(例えば、GTP、ATP、UTP、CTP、またはそれらの修飾バージョン)に過剰に添加され、RNA転写物への第1の添加として5’-キャップの組み込みを可能にする。
【0320】
ポリメラーゼ
RNAポリメラーゼを含むが限定されない、転写反応に好適である様々なRNAポリメラーゼは、当該技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、RNAポリメラーゼは、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、N4ビリオンRNAポリメラーゼ、またはそれらのバリアントもしくは機能ドメインである。天然に触媒されるRNA依存性RNAポリメラーゼは、典型的には、レトロウイルスを除く全てのRNAウイルスによってコードされる。RNA依存性RNAポリメラーゼをコードするウイルスの典型的な代表は、アルファウイルスである。当業者は、本明細書で利用されるRNAポリメラーゼが、組換えRNAポリメラーゼ、及び/または精製されたRNAポリメラーゼであってもよく、すなわち、RNAポリメラーゼに加えて他の成分を含有する細胞抽出物の一部としてではないことを理解するであろう。いくつかの実施形態では、商業規模の転写に有用なRNAポリメラーゼは、T7 RNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態では、無機ピロホスファターゼを添加して、転写反応の収率を改善し得る(例えば、いくつかの実施形態では、T7 RNAポリメラーゼによって触媒される)。
【0321】
例示的なインビトロ転写反応
当業者は、典型的にはIVT反応混合物に含まれる成分を認識するであろう。例えば、IVT反応混合物は、典型的には、核酸テンプレート(例えば、本明細書に記載されるような、例えば、DNAテンプレート)、リボヌクレオチド(例えば、本明細書に記載されるような)、RNAポリメラーゼ(例えば、DNA依存性RNAポリメラーゼ)を含む。
【0322】
いくつかの実施形態では、反応混合物は、0.05~2μg/μL(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0μg/μLを含む)の濃度で核酸テンプレートを含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、約70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90ml/LのRNAポリメラーゼ体積(ml/L開始IVT体積)を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、約70~90、72~88、72~90、または70~88ml/LのRNAポリメラーゼ体積を含む。
【0323】
いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、反応緩衝液、RNase阻害剤、ピロホスファターゼ、1つ以上の塩、還元剤、及び/またはスペルミジンのうちの1つ以上を更に含む。
【0324】
いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、反応緩衝液を更に含む。いくつかの実施形態では、反応緩衝液は、HEPES、Tris-HCl、またはPBSを含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、20~60mMの濃度で反応緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、反応緩衝液は、7~9(例えば、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、及び9.0を含む)のpHを有する。
【0325】
いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、RNAse阻害剤を更に含み得る。いくつかのそのような実施形態では、RNAse阻害剤は、0.01~0.1U/μL(例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.10U/μLを含む)の濃度である。いくつかの実施形態では、1つの単位(U)のRNAse阻害剤は、5ngのRNAse(例えば、RNAse A)の活性を少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも99%以上を含む)阻害する。
【0326】
いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、ピロホスファターゼ(例えば、無機ピロホスファターゼ)を更に含み得る。いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、0.01~0.2mU/μLの濃度でピロホスファターゼ(例えば、無機ピロホスファターゼ)を含む。いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、0.01、0.05、0.1、0.15、または0.20mU/μLの濃度のピロホスファターゼ(例えば、無機ピロホスファターゼ)を含む。いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、約0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.05、1.10ml/Lのピロホスファターゼ体積(ml/L開始IVT体積)を含む。いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、0.80~1.10、0.80~1.05、0.85~1.10、0.85~1.05、0.90~1.10、0.90~1.05、0.95~1.10、または0.95~1.05ml/Lのピロホスファターゼ体積を含む。
【0327】
いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、1つ以上の塩(例えば、一価塩及び/または二価塩)を更に含み得る。いくつかの実施形態では、反応混合物は、20~60mMの濃度で1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の塩は、1つ以上のマグネシウム塩及び/または1つ以上のカルシウム塩を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のマグネシウム塩は、酢酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムを含む。
【0328】
いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、還元剤(例えば、ジチオスレイトール、2-メルカプトエタノールなど)を更に含み得る。いくつかのそのような実施形態では、反応混合物は、5~15mMの濃度で還元剤を含む。
【0329】
いくつかの実施形態では、IVT反応混合物は、スペリミジンを更に含み得る。いくつかのそのような実施形態では、反応混合物は、0.5~3mMの濃度でスペリミジンを含む。
【0330】
いくつかの実施形態では、特定の反応混合物成分は、特定の順序で添加される。いくつかの実施形態では、総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)の一部分は、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加され、総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)の残りの部分は、転写の開始後に反応混合物に添加される。いくつかの実施形態では、総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)の全ては、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加される。いくつかの実施形態では、総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)の一部分は、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加され、総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)の残りの部分は、転写の開始後に反応混合物に添加される。いくつかの実施形態では、総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)の全ては、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加される。いくつかの実施形態では、総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)の一部分は、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加され、総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)の残りの部分は、転写の開始後に反応混合物に添加される。いくつかの実施形態では、総UTP及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)の全ては、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加される。いくつかの実施形態では、総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)の一部分は、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加され、総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)の残りの部分は、転写の開始後に反応混合物に添加される。いくつかの実施形態では、総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)の全ては、転写が始まる前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加される。いくつかの実施形態では、複数のヌクレオチド(例えば、ATP、CTP、GTP、及び/またはUTP、及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可))の合計の一部分は、転写が開始される前及び/または転写の開始時に、反応混合物に添加され、残りの部分は、転写の開始後に反応混合物に添加される。いくつかの実施形態では、複数のヌクレオチド(例えば、ATP、CTP、GTP、及び/またはUTP、及び/またはそれらの1つ以上の機能的類似体(複数可))の合計の全ては、転写が開始される前及び/または転写の開始時に反応混合物に添加される。
【0331】
いくつかの実施形態では、GTP及び/またはUTP及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可)は、IVT反応中に制限される(例えば、十分に低い濃度で維持される)。いくつかのそのような実施形態では、GTP及び/またはUTP及び/またはそれらの1つ以上の機能的類似体(複数可)は、例えば、フェドバッチアプローチを使用することによって、十分に低い濃度で維持される。いかなる1つの理論によっても拘束されることを望むものではないが、cap類似体は、初期ヌクレオチド(開始ヌクレオチド)としての組み込みのためにGTPと直接競合することができ、任意の他のヌクレオチドと同様に容易に組み込まれる(WO2006/004648)。cap類似体の組み込みを有利にするために、典型的には、GTPよりもキャップ類似体のモル過剰が使用され(例えば、4:1の比で)、GTP濃度は、他のリボヌクレオシド三リン酸(例えば、ATP、CTP、及び/またはUTP、またはそれらの類似体)と比較して低減される。これらの条件下では、GTPは通常、RNA分子の合成のための制限因子となる。したがって、他のNTPの高い割合(通常、40~70%)は、RNA合成に使用されず、無駄にされる。このアプローチでは、RNA収率は、典型的には、約1mg/mlに制限される(WO2006/004648)。
【0332】
低GTP濃度に起因する限られた収率を補償するために、キャッピングされたRNAの収率は、1:1~1:50のGTP対キャップ類似体の比率が維持されるように、競合するヌクレオチド(Aキャップを使用する場合はGTPまたはATP)で反応を補充することによって、増加する。このアプローチにより、反応ごとに産生されるキャッピングされたRNAの量を2倍にすることができることが報告されている(WO2006/004648)。
【0333】
任意の1つの理論に拘束されることを望むものではないが、直鎖化DNAテンプレートのランオフ転写中にT7 RNAポリメラーゼによって合成されるRNA分子は、コードされたRNAよりも長くなり得る(Triana-Alonso et al.,1995,JBC;270(11):6298-6307)。DNAテンプレートを去った後、RNAポリメラーゼは、転写物をテンプレート部位に結合し、転写物の3’末端を産物部位に結合し、3’末端が、安定した二次構造の一部でない場合、それを伸長することができる(自己相補性3’伸長)。この効果は、UTP濃度に特に感受性があるようであり、UTP濃度の排他的な減少は、忠実な転写につながる。しかしながら、UTP濃度を低下させることはまた、RNA収率に影響を及ぼし得る。特に、RNAが、mRNAなどのRNAで一般的であるように、ポリ(A)尾部を含有する場合、転写反応における過剰な組み込みされていないUTPは、ポリA配列とは反対のウリジンヌクレオチドのRNAテンプレート依存的組み込みをもたらし得、先天性免疫応答を活性化し、ポリペプチド合成を低下させ得る二本鎖RNA分子をもたらし得る(Kariko et al.,2011,Nucleic Acids Res.;39(21):e142)。
【0334】
インビトロ転写反応は、いくつかの実施形態では、全ての成分が組み合わされ、次いでインキュベートされて、反応が終了するまでRNA分子の合成を可能にするバッチ反応として実施される。インビトロ転写反応の効率を高めるために、フェドバッチ反応を開発した(Kern et al.,1997.Biotechnol.Prog.13,747-756、Kern et al.,1999.Biotechnol.Prog.15,174-184)。いくつかの実施形態では、フェドバッチシステムでは、全ての成分が組み合わされるが、次いで、一定の反応条件を維持するために、一部の試薬(例えば、NTP及びマグネシウム)の追加量が経時的に添加される。
【0335】
いくつかの実施形態では、総GTP及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可)は、IVT反応の期間を通して(例えば、フェドバッチによって)IVT反応混合物に添加される。いくつかのそのような実施形態では、総GTP及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可)ボーラス体積(ml/L開始IVT体積)は、約150、155、160、165、170、175、180、185、または190ml/Lで添加される。いくつかのそのような実施形態では、総GTP及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可)ボーラス体積(ml/L開始IVT体積)は、約150、155、160、165、170、175、180、185、または190ml/Lで添加される。いくつかのそのような実施形態では、総GTP及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可)ボーラス体積は、約140~200、145~195、または150~190ml/Lの範囲で添加される。
【0336】
いくつかの実施形態では、総UTP及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可)は、IVT反応の期間を通して(例えば、フェドバッチによって)IVT反応混合物に添加される。いくつかのそのような実施形態では、総UTP及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可)ボーラス体積(ml/L開始IVT体積)は、約150、155、160、165、170、175、180、185、または190ml/Lで添加される。いくつかのそのような実施形態では、総UTP及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可)ボーラス体積(ml/L開始IVT体積)は、約150、155、160、165、170、175、180、185、または190ml/Lで添加される。いくつかのそのような実施形態では、総UTP及び/またはその1つ以上の機能的類似体(複数可)ボーラス体積は、約140~200、145~195、または150~190ml/Lの範囲で添加される。いくつかの実施形態では、GTP及び/またはUTPは制限され、CTP及び/またはATPのいずれかまたは両方が、IVT反応中の初期IVT反応混合物中及び/または1つ以上の時点で増加される(例えば、本明細書の他の場所で論じられるように)。
【0337】
例示的なインビトロ転写反応条件
いくつかの実施形態では、IVT反応は、例えば、本明細書に記載される(例えば、本明細書に記載されるようなある特定のIVT反応体積に対して選択される)バイオリアクタ内で一定期間行われる。いくつかの実施形態では、期間は、例えば、少なくとも25分、少なくとも30分、少なくとも40分、少なくとも55分、少なくとも60分、少なくとも75分、少なくとも90分、少なくとも105分、少なくとも120分、少なくとも135分、少なくとも150分、少なくとも165分、または少なくとも180分を含む、少なくとも20分である。いくつかの実施形態では、期間は、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、または180分である。いくつかの実施形態では、期間は、約1.5~3時間である。いくつかの実施形態では、期間は、約25~30分である。
【0338】
いくつかの実施形態では、IVT反応は、例えば、本明細書に記載されるバイオリアクタにおいて、(例えば、本明細書に記載されるような)期間、選択されるRNAポリメラーゼが機能的に活性である温度で行われる。典型的なファージRNAポリメラーゼ(例えば、IVT反応を実施するT7ポリメラーゼは、通常、高温(例えば、45℃を超える)では活性化されないが、熱安定性RNAポリメラーゼ(例えば、US10519431に記載されるものなどのT7 RNAポリメラーゼの熱安定性バリアントであって、その内容は、本明細書に記載される目的のために参照により組み込まれる)は、高温で増加した安定性を示すことができる。いくつかの実施形態では、IVT反応は、例えば、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、または45℃を含む、約25℃以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、インビトロ転写は、例えば、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃以上を含む、約45℃以上の温度で実施される。
【0339】
いくつかの実施形態では、IVT反応は、例えば、約6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、または9のpHで、本明細書に記載のバイオリアクタ内で行われる。いくつかの実施形態では、インビトロ転写に好適なpHは、約7.0~9.0であり得る。
【0340】
いくつかの実施形態では、本開示に従って(例えば、本明細書に記載されるようなバイオリアクタで)実施されるインビトロ転写反応は、連続的な供給反応として実施され得、いくつかの実施形態では、それらは、バッチフェド反応として実施され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のヌクレオチドを、段階的に(例えば、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ以上のボーラス供給)インビトロ転写反応に添加してもよい。いくつかの実施形態では、攪拌速度は、RNA合成中に修飾ヌクレオチド溶液及び1つ以上の他のヌクレオチド溶液の最適な利用可能性を確実にするためにボーラス添加物の急速な混合を可能にするための特定のブレンド時間が達成されるように選択される。
【0341】
バイオリアクタ
いくつかの実施形態では、IVT反応は、本明細書に記載のバイオリアクタで(すなわち、バイオリアクタを使用して)行われる。
【0342】
本明細書で使用される「バイオリアクタ」または「転写リアクタ」という用語は、チャンバまたは試験管またはカラムなどの容器を指し、転写反応は、本明細書に記載されるような特定の条件下で行われる。転写のためのバイオリアクタは、当該技術分野で知られている(WO1995/08626及びEP3155129を参照されたい)。バイオリアクタは、典型的には、反応成分が供給ラインによって反応器コアに送達され、RNA産物が限外濾過膜(EP3155129及びvan de Merbel,(1999),J.Chromatogr.A856(1-2):55~82)を通過することによって出口ストリームに移動するように構成されている。本発明の方法に有用なバイオリアクタは、転写反応を行うための反応モジュールと、転写されたRNA分子を一時的に捕捉するための捕捉モジュールと、反応混合物の成分の反応モジュールへのインフィードを制御するための制御モジュールと、を含み得、反応モジュールは、反応混合物からヌクレオチドを分離するための濾過膜を含み得、制御モジュールによる反応混合物の成分のインフィードの制御は、分離されたヌクレオチドの測定濃度に基づき得る。バイオリアクタは、本明細書に記載される転写反応の温度、例えば、通常、4℃~40℃などの特定の温度を正確に維持するように、熱的に調節され得る。バイオリアクタは、流入フィート及び出口ポートを含み得る。バイオリアクタは、転写反応中に、例えば、可変の攪拌速度で反応混合物を攪拌することを可能にし得る。攪拌は、連続的であっても、間隔を空けるなど不連続であってもよい。
【0343】
本発明による使用のためのバイオリアクタは、例えば、0.2リットル、0.3リットル、0.4リットル、0.5リットル、0.6リットル、0.7リットル、0.8リットル、0.9リットル、1.0リットル、1.1リットル、1.2リットル、1.3リットル、1.4リットル、1.5リットル、1.6リットル、1.7リットル、1.8リットル、1.9リットル、2リットル、3リットル、4リットル、5リットル、6リットル、7リットル、8リットル、9リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、30リットル、35リットル、40リットル、45リットル、50リットル以上、またはその間の任意の体積などの、例えば、0.2リットル以上のサイズであり得る。pH及び温度を含むがこれらに限定されないバイオリアクタの内部条件は、典型的には、本明細書に記載の転写反応中に制御される。バイオリアクタは、ガラス、プラスチック、または金属を含む、本明細書に記載される条件下でインビトロ転写に好適な任意の材料で構成され得る。
【0344】
いくつかの実施形態では、バイオリアクタには、反応混合物を補充するためのポンプが装備されてもよい。いくつかの実施形態では、プログラム可能なポンプは、補充のために使用され得る。いくつかの実施形態では、プログラム可能なシリンジポンプは、例えば、1つ以上の反応混合物成分の段階的な添加を自動的に実施するために使用され得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、モニタ(例えば、センサ)は、1つ以上の成分のレベル(複数可)を検出するために利用されてもよく、いくつかのそのような実施形態では、モニタは、例えば、そのような成分(複数可)の減少した量の検出時に追加の供給物を放出し得るように、ポンプと自動的に通信してもよい。
【0345】
ヌクレオチドレベルを制御する方法
いくつかの実施形態では、本開示に従って(例えば、本明細書に記載されるようなバイオリアクタで)実施されるインビトロ転写反応は、連続的な供給反応として実施され得、いくつかの実施形態では、それらは、バッチフェド反応として実施され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のヌクレオチドを、段階的に(例えば、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ以上のボーラス供給)インビトロ転写反応に添加してもよい。いくつかの実施形態では、攪拌速度は、RNA合成中に修飾ヌクレオチド溶液及び1つ以上の他のヌクレオチド溶液の最適な利用可能性を確実にするためにボーラス添加物の急速な混合を可能にするための特定のブレンド時間が達成されるように選択される。
【0346】
例示的な処理
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のIVTによって産生されるRNAは、1つ以上の処理ステップ(例えば、精製)を受ける。
【0347】
本明細書に記載の核酸の精製には、核酸クリーンアップ、品質保証、及び品質管理が含まれ得るが、これらに限定されない。クリーンアップは、限定されるものではないが、例えば、プロテイナーゼK及びDNaseI、AGENCOURT(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter Genomics,Danvers,MA)、ポリTビーズ、LNATMオリゴ-Tキャプチャプローブ(EXIQON(登録商標)Inc,Vedbaek,Denmark)によって残留タンパク質消化及び/またはDNA消化などの当該技術分野で知られている方法、または限定されるものではないが、強陰イオン交換HPLC、弱陰イオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)、及び疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)などのHPLCベースの精製方法によって実施され得る。「精製された」という用語は、「精製された核酸」などの核酸に関して使用される場合、少なくとも1つの夾雑物から分離されたものを指す。「夾雑物」とは、別の不適切なもの、不純なもの、または粗悪なものにする任意の物質である。したがって、精製された核酸(例えば、DNA及びRNA)は、それが天然に見出されるものとは異なる形態もしくは設定で、またはそれに処置もしくは精製方法を施す前に存在していたものとは異なる形態もしくは設定で存在する。
【0348】
特性評価
いくつかの実施形態では、RNAは、1つ以上の品質管理パラメータによって評価することができる。いくつかの実施形態では、品質管理パラメータは、RNA及び/またはそれを含む組成物の産生プロセス中の任意の時点で評価及び/または監視され得る。例えば、いくつかの実施形態では、RNA完全性、RNA濃度、残留dsRNA、及び/またはキャッピングのうちの1つ以上を含むRNA品質管理パラメータは、RNA製造進行の各ステップまたはある特定のステップの間、及び/または後、例えば、IVT及び/または各精製ステップの後に評価及び/または監視され得る。
【0349】
いくつかの実施形態では、1つ以上の品質管理パラメータは、RNAの製造または他の調製もしくは使用中に(例えば、放出試験として)利用され得る。
【0350】
いくつかの実施形態では、1つ以上の品質管理パラメータを評価して、本明細書に記載されるRNAが(例えば、後続の製剤及び/または流通へのリリースに向けた)許容基準を満たすか、または超えるかを決定し得る。いくつかの実施形態では、そのような品質管理パラメータは、RNA完全性、RNA濃度、残留dsRNA、及び/またはキャッピングを含み得るが、これらに限定されない。
【0351】
RNA品質を評価するためのある特定の方法は、当該技術分野で知られており、例えば、当業者は、いくつかの実施形態では、1つ以上の分析試験をRNA品質評価に使用することができることを認識するであろう。そのようなある特定の分析試験の例としては、ゲル電気泳動(例えば、アガロースゲル電気泳動、キャピラリーゲル電気泳動)、UV吸収、及び/またはPCRアッセイが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0352】
RNA完全性
いくつかの実施形態では、RNA完全性は、評価及び/または監視される(例えば、経時的に1つ以上の点で決定される)。いくつかの実施形態では、RNA完全性は、アガロースゲル電気泳動によって評価及び/または監視することができる。いくつかの実施形態では、RNA完全性は、キャピラリーゲル電気泳動によって評価及び/または監視することができる。いくつかの実施形態では、RNA完全性は、キャピラリー電気泳動を使用して定量的に決定することができる。いくつかの実施形態では、RNA溶液は、標準的なラダーの保持時間と比較して、予想される長さと一致する予想される保持時間に単一のピークを生じさせなければならない。いくつかの実施形態では、主要RNAピークの定量は、分解産物が検出可能である電気泳動図におけるシグナル強度に関連して計算される。
【0353】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する技術に従って産生されるRNA分子(複数可)のRNA完全性は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応)と比較して、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)のRNA完全性は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、本開示によって産生されるRNA分子(複数可)のRNA完全性は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、少なくとも1.10であり、及び/またはaが、少なくとも1.25であり、bが、少なくとも1.25であり、及び/またはcが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)のRNA完全性は、適切な比較対照(例えば、本明細書に開示されていないIVT反応によって産生されるRNA)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)のRNA完全性は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、本開示によって産生されるRNA分子(複数可)のRNA完全性は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、bが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。
【0354】
いくつかの実施形態では、RNA完全性は、適切な比較対照と比較して、少なくとも約5%増加する。いくつかの実施形態では、RNA完全性は、適切な比較対照と比較して、少なくとも約8%増加する。
【0355】
RNA濃度
いくつかの実施形態では、RNA濃度(例えば、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子)を評価及び/または監視する(例えば、時間の経過とともに1つ以上の点で、例えば、IVT反応中またはIVT反応後に決定する)。いくつかの実施形態では、RNA濃度は、UV吸収分光光度法を使用して決定される。いくつかの実施形態では、RNA濃度は、Ph.Eur.2.2.25内に記載の方法に従って決定される。いくつかの実施形態では、所望の特定のRNA濃度は、特定のバッチ規模で達成される。いくつかの特定の実施形態では、高RNA濃度は、大規模な製造プロセスで達成される。
【0356】
いくつかの実施形態では、達成されたRNA濃度(例えば、本明細書に記載のIVT反応によって産生されるRNAの)は、少なくとも1mg/mL(例えば、少なくとも1.5mg/mL、少なくとも2mg/mL、少なくとも2.5mg/mL、少なくとも3mg/mL、少なくとも3.5mg/mL、少なくとも4mg/mL、少なくとも4.5mg/mL、少なくとも5mg/mL、少なくとも6mg/mL、またはそれ以上を含む)であり得る。いくつかの実施形態では、RNA濃度は、1.5mg/mL~5mg/mLまたは2mg/mL~4mg/mLまたは2.0~2.5mg/mLであり得る。
【0357】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される技術に従って(例えば、本明細書に記載されるIVT反応で)産生されるRNA分子の濃度は、少なくとも約1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、または15mg/mLである。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術によって産生されるRNA分子(複数可)の濃度は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、または30%である。いくつかの実施形態では、本開示の技術によって産生されるRNA分子の濃度は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく;aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく;aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、少なくとも1.10であり;及び/またはaが、少なくとも1.25であり、bが、少なくとも1.25であり、及び/またはcが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子の濃度は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、または30%増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子の濃度は、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、bが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子の濃度は、適切な比較対照と比較して、少なくとも約20%(例えば、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%以上を含む)増加する。
【0358】
残留二本鎖RNA
とりわけ、本開示は、提供される技術が、例えば、dsRNAのレベルの低下などのある特定の利点を提供し得るという洞察を提供する。いくつかの実施形態では、低いdsRNAレベルは、治療用RNAの調製に特に有用である。代替的にまたは追加的に、dsRNAを低減する能力は、大規模(例えば、本明細書に記載されるような商業規模)のRNA製造において特に有益であり得る。
【0359】
いくつかの実施形態では、残留dsRNA(dsRNA)は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、吸光度、蛍光染料、及び/またはゲル電気泳動を使用して評価及び/または監視することができる。いくつかの実施形態では、dsRNAは、定量的PCRを使用して評価及び/または監視される。
【0360】
いくつかの特定の実施形態では、例えば、dsRNAは、RNA試料を評価することによって評価及び/または監視され、許容される残留dsRNA含有量の上限を表すdsRNA参照(2000pg dsRNA/μg RNA、1500pg dsRNA/μg RNA、1000pg dsRNA/μg RNA、500pg dsRNA/μg RNA、またはそれ以下)は、正に荷電したナイロン膜上に固定され、dsRNA特異的モノクローナル抗体とともにインキュベートされる。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識二次抗体とのインキュベーション後、増強された化学発光(ECL)基質を膜に添加し、化学発光をバイオイメージャーシステムによって検出する。シグナル強度は、密度測定によって定量化され、RNA試料の値は、dsRNA参照のシグナル強度と比較される。結果は、指定された上限に準拠しているとして報告される。いくつかの実施形態では、dsRNA特異的モノクローナル抗体は、マウスIgGクローンJ2である。いくつかの実施形態では、HRP標識二次抗体は、抗マウスIgG二次抗体である。
【0361】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される技術に従って産生されるRNA分子の転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、少なくとも約25pg dsRNA/μg RNA、50pg dsRNA/μg RNA、75pg dsRNA/μg RNA、100pg dsRNA/μg RNA、125pg dsRNA/μg RNA、150pg dsRNA/μg RNA、175pg dsRNA/μg RNA、200pg dsRNA/μg RNA、225pg dsRNA/μg RNA、250pg dsRNA/μg RNA、275pg dsRNA/μg RNA、または300pg dsRNA/μg RNAである。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)の転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、または80%減少する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)の転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも約1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、少なくとも1.10であり、及び/またはaが、少なくとも1.25であり、bが、少なくとも1.25であり、及び/またはcが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)の転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、または80%減少する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子の転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍であり、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、bが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、残留dsRNA濃度は、例えば、少なくとも約60%、50%、40%、30%、20%、10%以下を含む、少なくとも約70%減少する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)の転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではなく、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも約1.25ではなく、cが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはdが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、少なくとも1.10であり、及び/またはaが、少なくとも1.25であり、bが、少なくとも1.25であり、及び/またはcが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、少なくとも1.10ではなく、及び/またはeが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子(複数可)の転写中及び/または転写後の残留dsRNAは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、dが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、cが、zの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、bが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍ではなく、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する。
【0362】
本開示は、とりわけ、本明細書で提供される技術が、IVT反応におけるdsRNAのレベルの低下を達成することができることを文書化する。いくつかの実施形態では、ATPのレベルの上昇を含む反応混合物を利用するIVT反応は、(例えば、適切な比較対照、例えば、本明細書に記載されるような標準的な反応混合物を利用するIVT反応と比較して)dsRNAのレベルの低下をもたらす。いくつかの実施形態では、CTPのレベルの上昇を含む反応混合物を利用するIVT反応は、(例えば、適切な比較対照、例えば、本明細書に記載されるような標準的な反応混合物を利用するIVT反応と比較して)dsRNAのレベルの低下をもたらす。いくつかの実施形態では、CTP及び/またはATPのレベルの上昇を含む反応混合物を利用するIVT反応は、(例えば、適切な比較対照、例えば、本明細書に記載の標準反応混合物を利用するIVT反応と比較して)dsRNAのレベルの低下をもたらす。
【0363】
特定の実施形態では、本開示は、提供される技術(例えば、反応混合物中のCTP及び/またはATPレベルの上昇、特に、ATPレベルの上昇)が、dsRNAレベルの低下を達成することができることを文書化する。更に、本開示は、そのような利益が、異なるC及び/またはA含有量を有する様々なRNA転写産物の産生において達成されることができることを文書化する。したがって、いくつかのそのような実施形態では、本明細書に提供される技術は、産生されたRNAのヌクレオチド含有量とは無関係に、IVT反応におけるdsRNAレベルの低下を達成し、いくつかのそのような実施形態では、産生されたRNAのヌクレオチド含有量は、任意のポリ(A)尾部を除いて評価される。
【0364】
キャッピング
いくつかの実施形態では、RNA分子のキャッピング(例えば、本開示の技術によって産生される)は、評価及び/または監視される(例えば、経時的に1つ以上の点で決定される)。いくつかの実施形態では、インビトロで転写されたRNAのキャッピングは、例えば、(典型的には、機能的キャップの存在を必要とする)翻訳を評価することによって検証することができる。いくつかの実施形態では、例えば、動物試験材料のプロセス特性評価の間に実施され得る生体活性試験は、RNAが、正しいサイズのポリペプチド(例えば、タンパク質)に翻訳されることを確認するものである。いくつかの実施形態では、インビトロで転写されるRNAのキャッピングは、ヌクレアーゼベースのアッセイを行うことによって評価される。いくつかの実施形態では、インビトロで転写されるRNAのキャッピングは、触媒核酸ベースのアッセイを行うことによって評価される。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、非臨床試験を実施して、様々な異なるmRNAバッチのキャッピングを実証する。
【0365】
いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に開示される技術によって産生される)RNA分子のキャッピングは、(a)機能的にキャッピングされたRNAの翻訳を評価すること、(b)生体活性試験を実施して、RNA分子が、正しいサイズのポリペプチド(例えば、タンパク質)に翻訳されていることを確認すること、(c)ヌクレアーゼベースのアッセイを行うこと、及び/または(d)触媒核酸ベースのアッセイを行うこと、によって評価される。
【0366】
いくつかのそのような実施形態では、ヌクレアーゼベースのアッセイは、RNaseベースのアッセイを含む。いくつかのそのような実施形態では、RNaseベースのアッセイは、(a)多数のRNA分子を、RNA分子に結合する1つ以上のプローブにアニーリングして、RNAプローブ複合体を形成すること、(b)RNAプローブ複合体をRNaseで消化して、RNA分子の5’末端を含む断片を生成すること、(c)親和性ベースの精製、クロマトグラフィーベースの精製、もしくはそれらの組み合わせを使用して、断片を精製すること、(d)精製された断片を質量分析(MS)に供すること、(e)観察されたMS値に基づいて、キャッピングされた及びキャッピングされていない断片を特定すること、及び/または(f)キャッピングされた及びキャッピングされていない断片の量を比較して、キャッピングされたRNAの割合を計算することのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、RNaseは、RNase Hを含む。
【0367】
いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼベースのアッセイは、(a)多数のRNA分子を、5’RNAキャップもしくはRNAのキャッピングされていない最後から2番目の塩基に隣接するRNA分子の5’非翻訳領域内の配列に相補的な1つ以上のDNAオリゴヌクレオチドと接触させること、(b)1つ以上のDNAオリゴヌクレオチドをRNA分子の5’非翻訳領域内の配列にアニーリングして、DNA/RNAハイブリッド複合体を形成すること、(c)DNA/RNAハイブリッド複合体及び/またはアニーリングされていないRNA分子を1つ以上のヌクレアーゼで分解して、キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片及び3’RNA断片を産生することと、(d)親和性ベースの精製、クロマトグラフィーベースの精製、またはそれらの組み合わせを使用して、キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片を3’RNA断片から分離することと、及び/または(e)キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片の量を比較して、キャッピングされたRNAの割合を計算すること、のうちの1つ以上を含む。
【0368】
いくつかの実施形態では、触媒核酸ベースのアッセイは、(a)多数のRNA分子を触媒核酸分子で5’末端RNA断片及び少なくとも1つの3’RNA断片に切断することであって、RNA分子が、触媒核酸分子の切断部位を有する、切断すること、(b)親和性ベースの精製、クロマトグラフィーベースの精製、またはそれらの組み合わせを使用して、5’末端RNA断片及び3’RNA断片を分離すること、(c)分光学、定量的質量分析、配列決定、もしくはそれらの組み合わせを使用して、キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片の量を測定すること、及び/または(d)キャッピングされた及びキャッピングされていない5’末端RNA断片の量を比較して、キャッピングされたRNAの割合を計算すること、のうちの1つ以上を含む。いくつかのそのような実施形態では、触媒核酸分子は、DNAザイムまたはリボザイムを含む。
【0369】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子の少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%は、キャッピングされる。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子のキャッピングは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、少なくとも1.25ではなく、bが、少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが、少なくとも1.10ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子のキャッピングは、適切な比較対照(例えば、他の方法で同等のインビトロ転写反応、例えば、aが、xの少なくとも約1.10倍ではなく、bが、yの少なくとも約1.10倍ではなく、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍ではない反応混合物を利用する)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される技術に従って産生されるRNA分子のキャッピングは、適切な比較対照と比較して、少なくとも約5%増加する。
【0370】
収率
いくつかの実施形態では、本開示の技術によって産生されるRNA分子の収率が評価される。いくつかの実施形態では、収率は、g/L開始IVT体積として決定される。いくつかの実施形態では、収率は、IVT反応によって産生されるように計算されたRNAの理論値と比較して、IVT反応で生成されるRNAの総量を測定することによって決定される。いくつかの実施形態では、収率は、式:
推定RNA収率(例えば、mg/mL)=(D)×(W)×(Z)/(X)=(Y)に従って決定され、
式中、(D)、(W)(例えば、mg/mL)、Z(例えば、mL)、X(例えば、mL)、及びY(例えば、mg/mL)は、それぞれ、ペレットを(例えば、水、例えば、RNaseを含まない水中で)再懸濁させるために使用された希釈係数、RNA濃度(例えば、ARDによって測定される)、プロテイナーゼK消化ステップ後の理論上の総反応体積、IVTプロセスの初期体積、及び収率を表す。
【0371】
いくつかの実施形態では、収率は、理論値の少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%、125%以上、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、収率は、約70~125%、75~125%、80~125%、85~125%、70~120%、75~120%、80~120%、または85~120%である。いくつかの実施形態では、収率(g/L開始IVT体積)は、3.30、3.31、3.32、3.33、3.34、3.35、3.36、3.37、3.38、3.39、3.40、3.50、3.60、3.70、3.80、3.90、4.0以上である。
【0372】
使用
いくつかの実施形態では、本開示の技術によって産生されるRNA(例えば、治療用RNA、例えば、mRNA)は、収率、完全性、及び/またはキャッピングの増加、及び/または異常な産物及び/または夾雑物(例えば、dsRNA)の減少した形成を有する。いくつかの実施形態では、産生されるRNAは、医薬品グレードのRNAである。いくつかの実施形態では、本開示の技術によって産生されるRNAは、感染(例えば、細菌、ウイルス)及び/または疾患及び/または障害を治療または予防するための治療薬として使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、感染及び/または疾患及び/または障害に関連する病態を治療及び/または防止するための治療薬として使用することができる。
【0373】
いくつかの実施形態では、本開示の技術によって産生されるRNAは、免疫応答の特徴のうちの1つ以上を(例えば、感染及び/または疾患及び/または障害を有する対象からの血清によって、提供される抗原への結合を検出することによって)検出及び/または特性評価するのに有用であり得る。
【0374】
いくつかの実施形態では、本開示の技術によって産生されるRNAは、本明細書に含まれる1つ以上のエピトープに対する抗体を呼び起こすのに有用であり、そのような抗体自体は、例えば、感染症及び/または疾患及び/または障害の検出及び/または治療のために有用であり得る。
【0375】
いくつかの実施形態では、本開示は、コードされた抗原を産生するためのRNAの使用、及び/またはRNAを産生するためのDNA構築物の使用を提供する。
【実施例
【0376】
実施例1:例示的な参照インビトロ転写(IVT)反応
本実施例は、例示的な参照IVT反応を提供する。
【0377】
いくつかの実施形態では、DNAテンプレート(直鎖化プラスミド)、共転写キャッピングのためのm27,3’-OGppp(m2’-O)ApG(CC413)キャップ類似体(1.5mM)、及びヌクレオシド三リン酸塩(GTP、ATP、及びm1ΨTP(各々9mMの最終濃度))の存在下で、参照(例えば、対照または標準)IVT反応を実施した。GTP/m1ΨTPの開始濃度を開始濃度の0.5mM(1/18*9mM)に低下させ、最終濃度に達するまで11回の添加で転写反応の過程にわたって供給した。T7 RNAポリメラーゼ、RNAse阻害剤(Ribolock)、及び無機ピロホスファターゼ(0.0001U/μl)の存在下、酢酸マグネシウム(MgAc、40mM)、ジチオスレイトール、及びスペルミジンを含有するHEPES緩衝液(40mM、pH8.3)を用いて、37℃で105分間反応を実施した。IVT後、DNAテンプレートをDNase消化を介して除去し、RNAを固定化のために磁性ビーズを使用して精製した(例えば、Berensmeier,S.Magnetic particles for the separation and purification of nucleic acids.Appl.Microbiol.Biotechnol.73,495-504;10.1007/s00253-006-0675-0(2006)を参照されたい)。RNAを水中で溶出した。
【0378】
利用した構築物は、BNT162b1またはBNT162b2であった(例えば、Shoura et al.Assemblies of putative SARS-CoV-2-spike-encoding mRNA sequences for vaccines BNT-162b2 and mRNA-1273,PCT/EP21/59947,US17/233,396)を参照されたい)。
【0379】
実施例2:インビトロ転写(IVT)によってRNAを産生する例示的な方法
本実施例は、本明細書に記載の戦略を利用するIVTによってRNAを産生する例示的な方法を実証する。
【0380】
N1-メチル-シュードウリジン(m1ΨTP)フェドバッチを使用して、IVT反応を行った。IVT反応混合物の成分及び条件を図1に要約する。当業者は、(例えば、図7及び/または図17を参照して)本開示を読むことで、いくつかの実施形態では、dsRNAは、上昇したCを使用する場合、上昇したAを使用する場合、及び/または上昇したC及び上昇したAの両方を使用する場合に低くなり得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、Cが、本明細書に記載の適切な比較対照と比較して、例えば、+10%~+50%の範囲内の濃度で使用される場合、dsRNAは、減少し得る(例えば、約25~約50pg dsRNA/μg RNAの範囲内の量)。いくつかの実施形態では、Aが、本明細書に記載の適切な比較対照と比較して、例えば、+20%~+50%の範囲内の濃度で使用される場合、dsRNAは、減少し得る(例えば、約0~10pg dsRNA/μg RNAの範囲内の量)。いくつかの実施形態では、Cが、例えば、+10%~+50%の範囲内の濃度で使用され、Aが、本明細書に記載の適切な比較対照と比較して、例えば、+20~+50%の範囲内の濃度で使用される場合、dsRNAは、減少し得る(例えば、約0~約10pg dsRNA/μg RNAの範囲内の量)。
【0381】
例示的な大規模IVT産生(37.6L)の後の残留ヌクレオチド三リン酸(NTP)を、2つの構築物について分析した(図2)。
【0382】
実施例3:CTP及び/またはATPが増加した例示的なIVT反応混合物
本実施例は、例示的なIVT反応を提供し、反応混合物中のATP及び/またはCTPの開始体積は、実施例1に記載されるような対照反応から調整された(用語「+0%」のCTP及び/またはATPは、対照条件を示すために使用される)。例示的なRNAを、IVTを使用してDNAテンプレートから合成し、更に、DNAse I消化(例えば、DNAテンプレートを除去するため)及びプロテイナーゼK消化(例えば、限外濾過/ダイアフィルトレーションによるタンパク質、例えば、ポリメラーゼの除去を容易にするため)を含むステップによって処理した。プロテイナーゼK消化ステップの後に反応試料を採取し、分析のために精製した。IVTは、表2.1に要約された条件に従って、マイクロバイオリアクタ(例えば、AMBR15(登録商標))で行った。
【表3】
【0383】
産生されたRNA試料を、RNA濃度、RNA完全性、5’-キャッピング、残留NTP、及びポリ(A)尾部完全性について分析した。いかなる1つの理論に拘束されることを望むものではないが、CTP濃度の変化からの潜在的な影響のために、これらの特徴を分析のために選択した。各規模のRNA収率を計算するために、以下の式:
推定RNA収率(mg/mL)=(D)×(W)×(Z)/(X)=(Y)を利用し、
式中、(D)、W(mg/mL)、Z(mL)、X(mL)、及びY(mg/mL)は、水中でRNAを再懸濁させるために利用される希釈係数を表す。それぞれ、プロテイナーゼK消化ステップ後の理論上の総反応体積、IVTプロセスの初期体積、及び収率。小規模での収率に対するサンプリングの影響を最小化するために、理論上の総反応体積を使用して、IVTプロセスで産生されるRNAの総量を推定した。
【0384】
残留NTP分析のための試料を、プロテイナーゼK消化後に採取した。残留NTP分析に際して、CTPは、定量限界未満であることが同定された(表2.2)。
【表4】
【0385】
観察されたCTP枯渇に基づいて、産生されたRNAを改善するために、IVT反応混合物中のCTP濃度を、対照/標準(+0%CTP)と比較して、10%少ないCTP体積から50%追加のCTP体積まで評価した(表2.3)。
【表5】
【0386】
次いで、表2.3の様々な例示的な条件から産生されたRNAを、RNA完全性及びキャッピングについて評価した。CTP体積の増加は、+20%CTP体積及び+50%CTP体積での完全性及びキャッピングの増加を示したが、+/-10%CTP開始濃度では比較的安定していた(図3)。追加的に、産生されたRNAを、デジタル液滴ポリメラーゼ連鎖反応(ddPCR)によってポリ(A)完全性及びRNA完全性について評価した。CTPの増加は、産生されたRNAのポリ(A)及びRNAの完全性の増加をもたらした(図4)。収率の増加もまた、CTP濃度の増加とともに観察された(図5)。対照(+0%)を超えるCTP体積の増加はまた、定量限界を超えるCTP濃度の維持をもたらした(図5)。しかしながら、より高いCTP濃度(例えば、対照から+50%)は、ATP濃度を定量限界未満にした(図5)。
【0387】
更なる研究は、例示的なIVT反応混合物におけるCTP開始濃度の増加(対照と比較して+10%CTP、+20%CTP、+50%CTP)が、完全性及びキャッピングの増加をもたらすことを更に実証した。収率はまた、評価され、CTP開始濃度の増加が収率の増加をもたらすことを更に確認した(図6)。
【0388】
更なる例示的なIVT反応は、DNAテンプレート(直鎖化プラスミド)、同時転写キャッピングのためのm27,3’-OGppp(m2’-O)ApG(CC413)キャップ類似体(1.5mM)、及びヌクレオシド三リン酸塩(GTP、ATP、及びm1ΨTP(各々9mMの最終濃度))の存在下で、実施された。開始CTP濃度は、9mM(標準/対照)、9.9mM(+10%)、10.8mM(+20%)、及び13.5mM(+50%)であった。GTP/m1ΨTPの開始濃度を開始濃度の0.5mM(1/18*9mM)に減少させ、最終濃度に達するまで11回の添加で転写反応の過程にわたって供給し、任意の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、そのようなアプローチが、キャッピング効率を向上させ、及び/またはdsRNAを低減し得ることを提言する。T7 RNAポリメラーゼ、RNAse阻害剤(Ribolock)、及び無機ピロホスファターゼ(0.0001U/μl)の存在下、酢酸マグネシウム(MgAc、40mM)、ジチオスレイトール、及びスペルミジンを含有するHEPES緩衝液(40mM、pH8.3)を用いて、37℃で105分間反応を実施した。IVT後、DNAテンプレートをDNase消化を介して除去し、RNAを固定化のために磁性ビーズを使用して精製した(例えば、Berensmeier,S.Magnetic particles for the separation and purification of nucleic acids.Appl.Microbiol.Biotechnol.73,495-504;10.1007/s00253-006-0675-0(2006)を参照されたい)。RNAを水中で溶出した。RNA濃度を、UV(Nanodrop)によって測定し、IVTの収率を計算した(μgの生成されたRNA/μlのIVT反応体積)。RNAの完全性をAgilent Bioanalyzerで分析した。このために、50%ホルムアミド中の250ngのRNAを70℃で10分間変性させ、Agilent RNA 6000 Nano Kit(5067-1511、Agilent)で更に処理した。完全性は後に、完全な電気泳動図の積分に対する主要ピーク積分の関係によって計算された。dsRNAの量を決定するために、ナイロンブロッティング膜(Nytran SuPerCharge(SPC)Nylon Blotting Membrane(GE Healthcare Life Sciences,Cat#10416216)上に、5μlのアリコートで1μgのRNAをスポットした。次いで、膜を、5%(w/v)の脱脂粉乳を含有するTBS-T緩衝液(20mM TRIS pH7.4、137mM NaCl、0.1%(v/v)TWEEN-20)中で1時間ブロックした。dsRNAの検出のために、膜を、1%(w/v)の脱脂粉乳を含有するTBS-T緩衝液中で1:10,000希釈したJ2 dsRNA特異的マウスmAb(English&Scientific Consulting,Szirak,Hungary)と1時間インキュベートした。TBS-Tで洗浄した後、膜を、1%(w/v)の脱脂粉乳を含有するTBS-T緩衝液中で1:10,000希釈したHRP標識ロバ抗マウスIgG(Jackson ImmunoResearch,Cat#715-035-150)で1時間インキュベートし、TBS-Tで洗浄し、Amersham ECL Prime Western Blotting Detection Reagent(Fisher Scientific,Cat#RPN2232)及びChemiDoc MPイメージングシステム(BIO-RAD)を使用して発色させた。
【0389】
例示的なIVT反応混合物におけるCTPレベルの濃縮は、産生されたRNA収率を高めた(図7A)。いかなる1つの理論に拘束されることを望むものではないが、これは、IVT反応中のCTPの減少が、より少ないRNAが産生され得る点に達することを示す。CTP開始濃度を増加させることは、この効果を回避することができる。完全性についても同様の効果が見られる。ここで、CTPレベルを制限することは、ほとんどの場合、未完成のRNA転写物を介して、完全性を低下させる。繰り返しになるが、この効果は、CTPレベルの上昇によって救済することができる(図7B)。追加のプラスの効果として、CTP開始濃度を増加させることは、dsRNA形成を減少させる(図7C)。本開示によって提供される1つの洞察は、本明細書に記載されるような上昇したCTP及び/またはATPの使用が、枯渇とは無関係であってもある特定の利点を提供し得ることである。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、提供される反応条件が、構築物配列とは無関係に利用され得るという洞察を提供する(例えば、いくつかの実施形態では、C及び/またはAが、反応混合物中よりも低いレベル及び/または関連する比率で(本明細書に記載されるように)転写物中に存在する場合)。とりわけ、この洞察は、本明細書に記載されるような標準化されたIVT産生技術に、商業用グレード及び/または規模の産生のための特定の利点及び効率を提供する。例えば、様々な複数の産生物(例えば、異なるRNA転写産物の)のために同等の条件及び/または成分を利用する能力は、そのような商業用グレード及び/または規模の産生の再現性、実現可能性、及び/または信頼性を著しく促進及び/または改善することができる。
【0390】
CTP濃度を増加させることは、完全性を向上させるだけでなく、収率を向上させ、dsRNA含有量を減少させる。
【0391】
増加したCTP濃度を含む追加のIVT反応混合物を評価した。全ての特性を、プロテイナーゼK消化後に測定した。
【表6】
【0392】
表2.4の様々な例示的な条件から産生されたRNAを、プロテイナーゼK消化後に測定したCTP体積によって完全性及びキャッピングについて評価した(図8)。追加的に、産生されたRNAを、デジタル液滴ポリメラーゼ連鎖反応(ddPCR)によってポリ(A)完全性及びRNA完全性について評価した。CTPの増加は、産生されたRNAのポリ(A)及びRNAの完全性の増加をもたらした(図9)。IVT反応混合物を含む+40%~+60%のCTPは、(フラグメントアナライザによる)完全性、5’-キャップ、ポリ(A)尾部、及びddPCRによる完全性のためのこれらの条件の間にほとんど差を示さないが、これらの条件は、対照IVT反応混合物(+0%IVT)よりも改善を示す。図10は、+40%~+60%のIVT反応混合物の対照を上回る収率の増加を示すが、+40%~+60%の範囲で一貫している。残留ヌクレオチド分析は、全ての条件がATPを枯渇させ続けたことを示した(図10)。
【0393】
更なる研究は、例示的なIVT反応混合物における開始CTP濃度の増加(対照と比較して+40%CTP、+50%CTP、+60%CTP)が収率及び残留CTPの増加をもたらす一方、ATPがこの反応において制限NTPになったことを更に実証した。興味深いことに、+40%を超えるCTPを有するこれらの反応混合物では、更なる収率または完全性の改善は観察されなかった。開始CTP濃度が増加したIVT反応混合物によって産生されたRNAの完全性及びキャッピングは、対照と比較して増加した(図11)。
【0394】
CTP及びATPが増加したIVTによって、生成された例示的なRNAを評価するために、IVT反応を、反応混合物中の+50%CTP体積及び増加したATP体積で行った。いかなる1つの理論に拘束されることを望むものではないが、ATPは、とりわけ、ポリ(A)尾部の合成のために特に重要であり得る。追加的に増加するATP体積の効果を評価するために試験した条件を表2.5に要約する。
【表7】
【0395】
次いで、表2.5の様々な例示的な条件から産生されたRNAを、プロテイナーゼK消化後に測定したCTP体積によって、完全性及びキャッピングについて評価した(図12)。追加的に、産生されたRNAを、デジタル液滴ポリメラーゼ連鎖反応(ddPCR)によってポリ(A)完全性及びRNA完全性について評価した。CTPの増加は、産生されたRNAのポリ(A)及びRNAの完全性の増加をもたらした(図13)。図14は、IVT反応混合物を含む+10%及び+20%のATPの対照を上回る収率の増加、ならびにIVT反応混合物を含む+10及び+20%のATPからの増加を示す。ATPレベルは、IVT反応混合物を含む+20%ATPについては定量下限を超えていたが、ATPレベルは、対照及びIVT反応混合物を含む+10%ATPについては定量下限以下であった(図14)。
【0396】
更なる研究は、例示的なIVT反応混合物中の開始CTP濃度の増加(対照と比較して+50%CTP)に加えて、開始ATP濃度の増加(対照と比較して+10%ATP、+20%ATP)が、+10%ATPでの収率、完全性、及びキャッピングの増加をもたらしたが、ATPは依然として枯渇またはほぼ枯渇していることを更に実証した。+20%ATP IVT反応混合物は、収率の更なる増加を実証したが、完全性またはキャッピングにおいて有意な改善は実証されず、GTPは、枯渇する(図15)。
【0397】
実施例4:IVT反応混合物の追加の例示的な評価
本実施例は、IVT反応混合物の追加の例示的な評価を実証する。図16は、評価される例示的なIVT反応混合物、及びIVT反応混合物中のCTPが増加したときの、産生されたRNAの例示的な特性評価を要約する。RNA収率及び完全性の両方は、より高いCTP開始濃度で増加したが、dsRNA含有量は、より高いCTP濃度で減少した。残留DNAは、より高いCTP開始濃度で増加した(図16)。任意の1つの理論に拘束されることを望むものではないが、残留DNAは、DNAse Iの活性が、例えば、より低い遊離マグネシウムカチオンレベルから減少していることに起因して、より高いCTP開始濃度で増加していた可能性がある。
【0398】
追加のCTPのプラスの効果(複数可)は、その制限を回避することによってのみ引き起こされるものではない。他のNTPレベル(例えば、ATP)の上昇は、IVT性能を更に増加させることができる。任意の1つの理論に拘束されることを望むものではないが、追加のATPは、「遊離」Mg2+イオンを低減し、ポリA尾部の転写に寄与し、転写終結の改善をもたらし、潜在的に、dsRNAの形成を更に低減することができる。40mM MgAcを有するIVT反応混合物中のCTP及び/またはATPの濃縮は、GTP及びUTPを供給し、かつ全体的なNTP濃度を十分に低く保つことにより、ATP及びCTPの濃縮がIVT性能を損なわないため、この範囲においてのみ可能である。
【0399】
例示的なIVTは、DNAテンプレート(直鎖化プラスミド)、同時転写キャッピングのためのm27,3’-OGppp(m2’-O)ApG(CC413)キャップ類似体(1,5mM)、及びヌクレオシド三リン酸GTP及びm1ΨTP(各々9mMの最終濃度)の存在下で、実施した。開始CTP及びATP濃度は、9mM(標準/対照)及び13.5mM(+50%)であった。CTP及びATP濃度の上昇を、単独で及び組み合わせて試験した。
【0400】
実施例2に記載されるように、RNAをインビトロで転写し、精製し、分析した。
【0401】
IVT反応混合物中のCTPレベルの濃縮は、産生されたRNA収率を増加させた(図17A)。いずれの1つの理論に拘束されることを望むものではないが、これらの反応において、反応が進行するにつれて、CTPの減少が、より少ないRNAが産生され得る点に達したことを提言する。CTP開始濃度を増加させることは、この効果を回避した。同様の効果が、完全性について見られた。ここで、CTPレベルを制限することが、未完成のRNA転写物を介して、完全性を低下させた可能性が最も高い。再度、この効果は、CTPレベルの上昇によって救済された(図17B)。追加のプラスの効果として、CTP開始濃度を増加させると、dsRNAの形成が減少した(図17C)。
【0402】
とりわけ、本開示は、CTP開始濃度の増加が、産生された転写物におけるCTP表現とは無関係に有益であり得るという洞察を提供する。例えば、任意の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、dsRNA形成の低減は、転写物中のCTPのレベルとは無関係に観察され得ることを提言する。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、上昇したCTPは、産生された転写物中のCTP表現とは無関係に完全性を改善し得る。かかわらず、本開示は、CTPを、産生された転写物に表されるレベルを上回るレベルまで増加させることは、多くの実施形態では、インビトロ転写反応に害を及ぼさないことを教示するため、とりわけ、いくつかの実施形態では、本開示は、様々な転写物、例えば、異なる長さ及び/または異なるヌクレオチド組成物の産生に、一般的に、または普遍的に適用され得るIVT反応条件(例えば、それにおいて有用な反応混合物NTP濃度)を提供する。
【0403】
図18は、評価される例示的なIVT反応混合物、ならびにIVT反応混合物中のCTP及び/またはATPが増加したときの、産生されたRNAの例示的な特性評価を要約する。更に、IVT反応混合物が、+50%CTP及び+20%ATPでより高いRNA収率及びより高いRNA完全性をもたらしたことを確認した(図18及び図19)。ATP体積が増加するにつれて、収率、完全性、及び残留NTPは安定していた。ATP、CTP、GTP、及びmodUTPのレベルは、定量下限を超えており、ATPの量が増加するにつれて安定していた(図19)。
【0404】
図20は、対照と比較して、+25%ATP及び+7%CTP、-21%ATP及び-37%CTP、+25%ATP、または+7%CTPのいずれかを含む反応混合物を利用した、例示的なIVT反応の収率、完全性、及び残留dsRNA含有量の例示的な評価を示す。
【0405】
追加の転写物(例えば、非BNT162b1及びBNT162b2)を、様々なヌクレオチド含有量で評価した。更なるATP及び/またはCTPを、例示的なIVT反応中の反応混合物に添加して、転写物を産生した。13.5mM、10.8mM ATP、9mM GTP、及び9mM UTPを含む対照反応混合物と比較して、+50% ATPまたは+50% ATP及び+20% CTPのいずれかを利用した。追加の転写物及び例示的な反応混合物のヌクレオチド含有量を表4.1に示す。
【表8】
【0406】
均等物
当業者は、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または定型的な実験のみを使用してそれらを確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、以下の特許請求の範囲に記述されるようなものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【配列表】
2024534120000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インビトロ転写を介してリボ核酸(RNA)分子を産生する方法であって、反応混合物を反応条件下で作製して、前記RNA分子を形成することを含み、前記反応混合物が、核酸ポリメラーゼ、核酸テンプレート、ならびに
総グアノシン三リン酸(GTP)及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)に対するモル比aの総シチジン三リン酸(CTP)及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)及び/または
総ウリジン三リン酸(UTP)及び/または1つ以上の機能的UTP類似体(複数可)に対するモル比bの総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)及び/または
総アデノシン三リン酸(ATP)及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)に対するモル比cの総CTP及び/または1つ以上の機能的CTP類似体(複数可)を含み、
前記RNA分子が、
総グアノシン及び/または1つ以上の機能的グアノシン類似体(複数可)に対するモル比xの総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)、及び/または
総ウリジン及び/または1つ以上の機能的ウリジン類似体(複数可)に対するモル比yの総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)、及び/または
総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)に対するモル比zの総シチジン及び/または1つ以上の機能的シチジン類似体(複数可)を含み、
aが、少なくとも1.25であり、及び/またはaが、xの少なくとも約1.10倍であり、及び/または
bが、少なくとも1.25であり、及び/またはbが、yの少なくとも約1.10倍であり、及び/または
cが、少なくとも1.10であり、及び/またはcが、zの少なくとも約1.10倍である、前記方法。
【請求項2】
aが、少なくとも1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、または1.8である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
aが、xの少なくとも約1.15倍である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
bが、少なくとも1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、または1.8である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
bが、yの少なくとも約1.15倍である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
cが、少なくとも1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
cが、zの少なくとも約1.15倍である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応混合物中に、
総GTP及び/または1つ以上の機能的GTP類似体(複数可)に対するモル比dの総ATP及び/または1つ以上の機能的ATP類似体(複数可)、及び/または
TP及び/または1つ以上の機能的TP類似体(複数可)に対するモル比eの総TP及び/または1つ以上の機能的TP類似体(複数可)を組み合わせることを更に含み、
前記RNA分子が、
総グアノシン及び/または1つ以上の機能的グアノシン類似体(複数可)に対するモル比vの総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)、及び/または
ウリジン及び/または1つ以上の機能的ウリジン類似体(複数可)に対するモル比wの総アデノシン及び/または1つ以上の機能的アデノシン類似体(複数可)を更に含み、
dが、少なくとも1.10であり、及び/またはdが、vの少なくとも約1.05倍であり、及び/または
eが、少なくとも1.10であり、及び/またはeが、wの少なくとも約1.05倍である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
dが、少なくとも1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である、請求項に記載の方法。
【請求項10】
dが、vの少なくとも約1.10倍である、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
eが、少なくとも1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、または1.50である、請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記eが、wの少なくとも約1.10倍、1.15倍、1.20倍、1.25倍、1.30倍、1.35倍、1.40倍、1.45倍、または1.50倍である、請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記総CTP、GTP、UTP、またはATP及び/または1つ以上の機能的CTP、GTP、UTP、またはATP類似体(複数可)の一部分または全部が、転写が始まる前及び/または転写の開始時に前記反応混合物に添加され、前記総CTP、GTP、UTP、またはATP及び/または1つ以上の機能的CTP、GTP、UTP、またはATP類似体(複数可)の残りの部分が、前記転写の開始後に前記反応混合物に添加される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記RNA分子が、一本鎖である、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記核酸テンプレートが、DNAテンプレートである、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記反応混合物が、反応緩衝液、RNase阻害剤、ピロホスファターゼ、1つ以上の塩、還元剤、及びスペルミジンのうちの1つ以上を更に含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法によって産生されるNA分子のNA完全性が、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法によって産生されるNA分子のNA完全性が、aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが少なくとも1.10ではない反応混合物中でのインビトロ転写と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%増加する、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法によって産生されるNA分子の濃度が、少なくとも約1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、または15mg/mLである、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法によって産生されるNA分子の転写中及び/または転写後の残留dsRNAが、少なくとも約25pg dsRNA/μg RNA、50pg dsRNA/μg RNA、75pg dsRNA/μg RNA、100pg dsRNA/μg RNA、125pg dsRNA/μg RNA、150pg dsRNA/μg RNA、175pg dsRNA/μg RNA、200pg dsRNA/μg RNA、225pg dsRNA/μg RNA、250pg dsRNA/μg RNA、275pg dsRNA/μg RNA、または300pg dsRNA/μg RNAである、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記方法によって産生されるNA分子の転写中及び/または転写後の残留dsRNAが、aが少なくとも1.25ではなく、bが少なくとも1.25ではなく、及び/またはcが少なくとも1.10ではない反応混合物中でのインビトロ転写と比較して、少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、または80%減少する、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記方法によって産生されるNA分子の少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%が、キャッピングされる、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
RNA分子の配列から実質的に独立している、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
RNAが、治療用RNAである、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
RNAの大規模産生のためのものである、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】