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特表2024-534122位置測定システムを備えた曲げ加工機、特にプレスブレーキ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】位置測定システムを備えた曲げ加工機、特にプレスブレーキ
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/02 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
B21D5/02 P
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024512000
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022073058
(87)【国際公開番号】W WO2023025647
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】21192576.3
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503168692
【氏名又は名称】バイストロニック レーザー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボイダスキー ラルス
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063BA07
4E063FA01
4E063FA05
4E063LA17
(57)【要約】
本発明は、上ビーム7および下ビーム9を有する曲げ加工機、特にプレスブレーキに関する。上ビーム7は、曲げ加工機1の幅方向zに延びる曲げ線に沿った曲げによって曲げ加工機1の前面を通して上ビーム7と下ビーム9との間に挿入され得るワークを成形するために、下ビーム9に対して曲げ加工機1の主軸線yの方向において可動である。曲げ加工機1は、作業プロセス中に基準位置に対して上ビーム7の測定および監視位置をそれぞれ測定および監視するための少なくとも1つの位置測定システム11を含み、位置測定システム11は、位置測定システム11の直線可動測定ユニット12が主軸線yの方向における上ビーム7の移動に従い、プロセスにおいて、固定線形素子13に沿って移動するように設計されている。位置測定システム11の直線可動測定ユニット12が、主軸線yの方向における変形に対して抵抗性があり、曲げ加工機1の幅方向zおよび/または奥行き方向xにおいて弾性があるように設計された接続要素14によって上ビーム7に対して保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上ビーム(7)および下ビーム(9)を有する曲げ加工機、特にプレスブレーキであって、前記上ビーム(7)は、前記曲げ加工機(1)の前面を通して前記上ビーム(7)と前記下ビーム(9)との間に挿入されたワークを曲げ線に沿った曲げによって成形するために、前記下ビーム(9)に対して前記曲げ加工機(1)の主軸線(y)の方向において可動であり、前記曲げ線は前記曲げ加工機(1)の幅方向(z)に延びており、前記曲げ加工機(1)は、作業プロセス中に基準位置に対して前記上ビーム(7)の測定および監視対象の位置をそれぞれ測定および監視するための少なくとも1つの位置測定システム(11)を含み、前記位置測定システム(11)は、前記位置測定システム(11)の直線可動測定ユニット(12)が前記主軸線(y)の方向における前記上ビーム(7)の移動に従い、前記プロセスにおいて、固定線形素子(13)に沿って移動するように設計されており、
前記位置測定システム(11)の前記直線可動測定ユニット(12)が、前記主軸線(y)の方向における変形に対して抵抗性があり、かつ前記曲げ加工機(1)の前記幅方向(z)および/または奥行き方向(x)において弾性があるように設計された接続要素(14)によって前記上ビーム(7)に対して保持されていることを特徴とする、曲げ加工機。
【請求項2】
請求項1に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、前記曲げ加工機(1)の前記幅方向(z)および/または前記奥行き方向(x)にばね弾性があるように設計されているねじれ要素として設計されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、前記曲げ加工機(1)の前記幅方向(z)および/または前記奥行き方向(x)において、前記下ビーム(9)に対して保持された前記固定線形素子(13)およびそのレセプタクル(19)よりも低い剛性を有することを特徴とする曲げ加工機。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記主軸線の方向の変形に対して抵抗性がある前記接続要素(14)が、その主側面(14a、14b)が前記幅方向(z)に直交する平面内にあるように延在する平坦片として形成され、前記主側面(14a、14b)の長い辺が前記曲げ加工機の前記奥行き方向(x)に延在していることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項5】
請求項4に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が脆弱化要素(18)を備えたセクション(15)を有することを特徴とする曲げ加工機。
【請求項6】
請求項5に記載の曲げ加工機であって、前記脆弱化要素(18)が、脆弱化要素を有さないセクション(16、17)と比較して、前記幅方向(z)における部材の厚さを減少することによって形成されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項7】
請求項5または6に記載の曲げ加工機であって、前記脆弱化要素(18)が、1つ以上のくぼみによって形成されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、サンドイッチ法を使用して2つ以上の相互接続された材料層から形成され、前記脆弱化要素(18)を備えた前記セクション(15)において前記材料層のうちの少なくとも1つにおいて材料が中断されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項9】
請求項5~8のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)における前記脆弱化要素(18)を備えた前記セクション(15)が、前記奥行き方向(x)において、前記直線可動測定ユニット(12)に対してよりも、前記上ビーム(7)に対してより近くに形成されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、ばね鋼を有する、またはばね鋼から形成されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、前記上ビーム(7)の下面(7b)に、かつ、前記上ビーム(7)の、前記幅方向(z)における外側に位置するセクションに保持されることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が前記上ビーム(7)に対して直接、またはレセプタクル(20)を介して保持されることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が前記直線可動測定ユニット(12)の摺動子(21)に対して保持され、前記直線可動測定ユニット(12)の感知素子(22)が前記摺動子(21)に対して固定されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、それぞれの締結手段(23)によって前記上ビーム(7)および前記直線可動測定ユニット(12)に取り外し可能に配置されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)、ならびに前記直線可動測定ユニット(12)および前記上ビーム(7)に対する前記接続要素(14)の取り付け部が熱伝導性であることを特徴とする曲げ加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測定システムを備えた曲げ加工機、特にプレスブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
曲げ加工機において、ワークの変形は、垂直に可動な上ビームが、上ビームの下方に位置する下ビーム上に置かれたワークを押圧することによって達成される。上ビームの調整経路を制御するために、さらにワークの変形プロセスを制御するために、曲げ加工機における位置測定システムを提供することが知られており、位置測定システムによって、変形プロセス中に上ビームの位置が基準位置に対して判定される。
【0003】
例えば、曲げ加工機は、欧州特許出願公開第1902792号明細書(EP1902792A2)から知られており、これは、上方反転位置と下方反転位置との間で駆動デバイスを用いて調整可能なプレスビームの調整経路を判定するための位置測定デバイスを備える。この位置測定デバイスを用いることによって、ストローク位置が確認され得る。位置測定デバイスは、プレスビームの互いに反対側の両末端領域に配置される光学電子測定デバイスによって構成され、線形目盛によってそれぞれの位置を判定する。欧州特許出願公開第1902792号明細書(EP1902792A1)は、位置測定デバイスの設計に関する詳細を全く提供していない。
【0004】
ワークの変形プロセス中に発生する曲げ加工機に対する力および変形は、位置測定システムの絶対位置および相対位置を変化させ、特に上ビームが下ビームに対して移動する際に沿う曲げ加工機の主軸線の方向においてそれらを変化させる。その力および変形に起因して、達成可能な角度精度が悪影響を受ける。角度精度の低下を可能な限り少なく抑えるために、他の知られている解決策は、継ぎ手、球面支持器などを使用して、位置測定システムを曲げ加工機の望ましくない変形から分離し、可能な限り高精度な位置信号を機械制御に転送する。
【0005】
しかしながら、これらの解決策の欠点は、位置測定システムに必要な支持器または接続が、いくらかでも遊びがなければ相対的な移動ができないため、完全に遊びがないように設計することができないからである。したがって、熱膨張および部材疲労の結果としてもたらされる変形も、完全に補償されることができない。これにより誤って得られた測定結果は、曲げ加工の結果に悪影響を及ぼし、望ましくない。
【0006】
国際公開第03/072278号(WO03/072278A1)は、静止した下側工具と、直線軸によって駆動される、上側工具が設けられた曲げビームとから構成されている曲げプレスにおいて、金属板を曲げるときの曲げ角度誤差を低減するための方法を開示している。曲げ金型の下方の反転点は、曲げ角度の事前に設定された指定値と、曲げプロセス中に測定された力経路過程とに基づいて事前に計算される。力経路過程は、位置変換器および力変換器によって測定され、制御ユニットの内部で処理される。
【0007】
欧州特許出願公開第1011886号明細書(EP1011886A1)は、曲げ角度の少なくとも4点に対して動作する測定および制御システムを有する、金属板を曲げるためのプレス曲げ加工機を開示している。このプレス曲げ加工機は、垂直に往復する細長い上側曲げパンチと、少なくとも長手方向の曲げ溝を有する固定の細長い下側曲げマトリックスと、曲げ加工機における曲げプロセスの曲げパラメータをデータプロセス論理ユニットによって制御および命令するために、その曲げ溝の内側に曲げる際の金属板のそれぞれの曲げ移動を測定するフィーラ手段とを備える。フィーラ手段は、少なくとも4つの曲げ検出点を用いて動作する。全ての検出点は、曲げ検出点からなる2つセットに分割される、すなわち、一方のセットが一方の側に、もう一方のセットを他方の側にあり、結果として得られた曲げられた板の曲がり角(かど)と対応するそれぞれの板曲げ線に沿った垂直面に対してそれぞれ数および位置において対称的になるよう分割されるように、考案されている。
【0008】
したがって、位置測定システムに対する塑性変形および結果的な損傷、ならびに位置測定システムの測定誤差を防ぐために位置測定システムに対する外力を避ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1902792号明細書
【特許文献2】国際公開第03/072278号
【特許文献3】欧州特許出願公開第1011886号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、機能的に改善されており、かつ曲げプロセス中に高精度を有する、曲げ加工機における位置測定システムを提供することである。特に、本位置測定システムは、曲げ加工機の変形に対してより強固であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、特許請求項1に記載の曲げ加工機によって達成される。本発明のさらなる発展は、従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明による曲げ加工機は、上ビームおよび下ビームを含み、上ビームは、曲げ加工機の前面を通して上ビームと下ビームとの間に挿入可能または挿入されたワーク、特に板を、曲げ線に沿った曲げによって成形するために、下ビームに対して曲げ加工機の主軸線の方向において可動であり、曲げ線は曲げ加工機の幅方向に延びている。曲げ加工機の作業方向に対応する主軸線方向は、曲げ加工機の垂直高さ方向(鉛直方向)に延びることが好ましい。
【0013】
以下において、上または下と接続して、または作業方向または(垂直)高さ方向と関連して用語が使用される場合、それらの用語は、常に、曲げ加工機の動作位置、すなわちその意図される使用の位置における鉛直な上下方向を指す。
【0014】
本曲げ加工機は、特にプレスブレーキとして設計されているが、曲げ加工機はまた、押曲げ加工機、旋回曲げ加工機などでもよい。
【0015】
曲げ加工機は、作業プロセス中に基準位置に対して上ビームの測定および監視対象の位置をそれぞれ測定および監視するための少なくとも1つの位置測定システムを含む。位置測定システムは、位置測定システムの直線可動測定ユニットが、主軸線の方向における上ビームの移動に従い、プロセスにおいて、固定線形素子に沿って移動するように設計されている。好ましくは、固定線形素子は、測定ルーラであり、それに沿って位置測定システムの直線可動測定ユニットが移動する。
【0016】
本発明によれば、位置測定システムの直線可動測定ユニットが、主軸線の方向における変形に対して抵抗性があり、さらに曲げ加工機の幅方向および/または奥行き方向において弾性があるように設計されている接続要素によって上ビームに対して保持される。
【0017】
本発明による曲げ加工機は、変形プロセス中に発生する曲げ加工機の変形が、曲げ加工機の幅方向および/または奥行き方向の接続要素の弾性に起因して位置測定システムからほぼ完全に分離され、曲げ加工機の変形の場合、接続要素のみが特に可逆的に変形されるという利点を提供する。したがって、曲げ加工機の望ましくない変形は、測定結果に影響を及ぼさない。その代わり、主軸線方向における上ビームの位置のみが位置測定システムによって判定される。
【0018】
好ましい実施形態では、変形に対する抵抗性がある接続要素が、曲げ加工機の幅方向および/または奥行き方向にばね弾性があるねじれ要素として設計されている。この接続要素が、曲げ加工機の幅方向および曲げ加工機の奥行き方向の両方に弾性がある、特に、ばね弾性があるねじれ要素として設計されていると、特に好ましい。これは、曲げ加工機の幅方向および奥行き方向における変形を可能にし、それらを、位置測定システム、特に互いに対して移動する部品から分離する。ねじれ要素の材料および/または形状に起因して、曲げ加工機の幅方向および奥行き方向の弾性は選択および自動調整可能であり、状況の変化があっても遊びがない状態を保つ。例えば機械ガイドの摩耗は、移動する機械要素と固定された機械要素との間の距離を変化させる場合がある。ここで、ねじれ要素は、独立してその状況に適応する。
【0019】
さらなる好都合な実施形態は、接続要素が、曲げ加工機の幅方向および/または奥行き方向において、下ビームに対して保持された固定線形素子およびそのレセプタクルよりも低い剛性を有することを実現する。好ましくは、接続要素が、曲げ加工機の幅方向および奥行き方向の両方において、下ビームに対して保持された固定線形素子およびそのレセプタクルよりも低い剛性を有する。この好ましい設計は、曲げ加工機に発生し得るあらゆる変形からの位置測定システムの分離を容易にする。
【0020】
概して、接続要素は、曲げ加工機の変形に起因する力の印加の結果として弾性的に変形するために、所望の変形の方向、すなわち曲げ加工機の幅方向および/または奥行き方向に、材料をあまり用いずに幾何学的に設計され得る。したがって、主軸線方向(すなわち作業方向)において、接続要素は、変形に対してより高い抵抗性を達成するために、かなり大量の材料を特徴とする。
【0021】
好ましい実施形態は、主軸線の方向の変形に対して抵抗性がある接続要素が、その主側面が幅方向に直交する平面内にあるように延在する平坦片として形成され、主側面の長い辺が曲げ加工機の奥行き方向に延在することを実現する。平坦片は、曲げ加工機の幅方向および/または奥行き方向において弾性、特にばね弾性があり、主軸線方向の変形に対して抵抗性があるねじれ要素を表す。この平坦片は、直線可動測定ユニットの部分的に弾性がある接続を可能にする。加えて、望ましくない方向における変形を可能にし、それらを、位置測定システムから、特に互いに(すなわち、直線可動測定ユニットおよび固定線形素子に)対して可動である部品から分離する高疲労強度を有する。そのような平坦片は、容易に、低コストで設けられ得る。弾性は、平坦片の材料および/または形状に基づいて選択され得る。
【0022】
さらなる好ましい実施形態によれば、接続要素は、脆弱化要素を備えたセクションを有する。第1の変形例では、脆弱化要素が、脆弱化要素を有さないセクションと比較して、部材の幅方向の厚さを減少することによって形成される。代替的または追加的に、脆弱化要素は1つ以上のくぼみによって形成される。さらに代替的または追加的に、接続要素が、サンドイッチ法を使用して2つ以上の相互接続された材料層から形成され、脆弱化要素を備えたセクションにおける材料層のうちの少なくとも1つにおいて材料が中断されている。脆弱化要素についての上記の選択肢を選択または結合することによって、変形に対する抵抗性がある接続要素の弾性が調整され得る。この点について、曲げ加工機の種類および/もしくはサイズならびに/または設計に対する適合が可能である。
【0023】
さらなる好ましい実施形態によれば、接続要素における脆弱化要素を備えたセクションが、奥行き方向において、直線可動測定ユニットに対してよりも上ビームに対してより近くに形成される。これは、主軸線方向における変形に対する同時の抵抗を有する曲げ加工機の幅方向および/または奥行き方向における弾性を促進する。
【0024】
さらなる好都合な実施形態によれば、変形に対する抵抗性がある接続要素は、ばね鋼を有し、またはばね鋼から形成される。この接続要素はまた、高弾性と類似した特性を有する材料から作成され得る、または形成され得る。
【0025】
さらなる好ましい実施形態によれば、接続要素が、上ビーム下面に、かつ、上ビームの、幅方向における外側に位置するセクションに保持される。曲げ加工機の機械フレームに対して変形の影響が少ない位置に接続要素、したがって位置測定システムを取り付けることは、加工機フレームの潜在的変形による位置測定システムへの最も低い潜在的影響の所望の特徴に有利である。
【0026】
このアプローチは、最も変形の影響が少ない位置が上ビームおよび下ビームの外端に位置するという考慮すべき事柄に基づく。例えば熱膨張に起因する相対的移動および/または伸長は、上ビームと下ビームとの間の測定対象点の距離が同じ程度だけ変化した場合に、ワークを曲げる際の結果を確実に達成させ得る。しかしながら、固定線形素子の望ましくないねじれまたは曲げは、等しく回避され得る。
【0027】
さらなる好ましい実施形態は、接続要素が直接上ビームに対して、またはレセプタクルを介して保持されることを実現する。これは高い剛性を有することが好ましい。
【0028】
さらなる好ましい実施形態では、接続要素が直線可動測定ユニットの摺動子に対して保持され、直線可動測定ユニットの感知素子が摺動子に対して固定されている。
【0029】
さらなる好ましい実施形態によれば、接続要素は、上ビームおよび直線可動測定ユニットに対して、ねじなどのそれぞれの締結手段を介して取り外し可能に配置される。これによって、例えば動作条件が変化した場合、接続要素を迅速に交換可能にする。結果として、モジュラー曲げ加工機が提供され得る。例えば、様々な材料特性を有する変形に対して抵抗性がある接続要素が、作業プロセス中または幾何学的な条件変化中に特に大きな変形が予想される場合に主軸線方向に使用され得る。これは、曲げの長さまたは力における変化が大きい状況ではとりわけ有効である。損傷、すなわち接続要素に対する損傷が発生した場合も、迅速に交換可能であり、これが加工機の停止時間を減少させる。
【0030】
さらなる好ましい実施形態によれば、接続要素、ならびに直線可動測定ユニットおよび上ビームに対する接続要素の取り付け部が熱伝導性である。これは、位置測定システムおよび曲げ加工機の機械フレームの平行な拡張を可能にし、所望の変形特性および精度要件に対して有効である。
【0031】
以下において、本発明の例示的な実施形態が添付図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】正面から斜めに見た場合のプレスブレーキの形態の本発明による曲げ加工機の一実施形態の斜視図である。
図2図1の曲げ加工機の正面図である。
図3】左側部分を省略した図1の曲げ加工機の詳細な斜視図である。
図4】搭載された位置測定システムを有する曲げ加工機の上ビームの背後からの詳細な斜視図である。
図5図4の位置測定システムを詳細に示した詳細図である。
図6図4の位置測定システムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下において、本発明の実施形態が、プレスブレーキの形態の曲げ加工機に基づいて説明される。参照符号1で示されているプレスブレーキの斜視図が図1に示される。図1、さらに他の図2図6において、空間座標系が、曲げ加工機1の方向を説明するために示されている。x方向は、曲げ加工機1の奥行き方向に対応し、曲げ加工の対象であるワークは、曲げ加工機1の前面を通して曲げ加工機1内へとx方向の方向に挿入される。一方、z方向は、曲げ加工機1の幅方向である。奥行き方向xおよび幅方向zは、一水平面内に存在する。y方向は鉛直方向であり、曲げ加工機1の高さ方向yに対応する。曲げ加工機1の主軸線は、座標系のy方向に延びており、以下では作業方向とも称される。
【0034】
曲げ加工機1は、とりわけ、2つのサイドスタンド3、3’およびフレームプレート4を含むフレーム2を備える。上ビーム7および下ビーム9は、曲げ加工機1の前面に設けられている。上ビーム7の前面は参照符号7aで示され、下ビーム9の前面は参照符号9aで示されている。下ビーム9の上縁部には工具台10が存在し、曲げ加工機1の動作中には、工具台10に対して下側工具が固定される。一方、上ビーム7は、対応する上側工具を固定するための工具レセプタクル8を有する。曲げ加工機1の動作中に、板(図示せず)が上ビーム7と下ビーム9との間の空間内に挿入され、次いで、上ビーム7はその作業方向において下方に移動され、それによって上側工具が下側工具へ押し入り、それにより板を変形させる。曲げ加工機1は、曲げプロセス中の曲げ加工機の安定した設置状態を確実にするために、曲げ加工機の角において、それぞれの角に対応する固定手段26、26’を使用して床に固定される。
【0035】
油圧アクチュエータは上ビーム7を作業方向に移動させるために使用され、上ビーム7は補強板5の上部にほぼ位置し、サイドスタンド3とサイドスタンド3’との間に延在している。図1の図では、アクチュエータの2つの油圧シリンダ6および6’のみが示されており、油圧シリンダ6および6’は、フレームプレート4に取り付けられ、上ビーム7の凹部に位置決めされている。対応するシリンダロッドは、この凹部の領域において上ビーム7に接続され、上ビーム7を主軸線の方向、すなわち作業方向または鉛直方向yに移動させることができる。
【0036】
上ビーム7が下ビーム9に対して曲げ加工機1の主軸線方向(すなわち、鉛直方向y)に移動される作業プロセス中に基準位置に対する上ビーム7の測定および監視の位置をそれぞれ測定および監視するために、2つの位置測定システム11、11’が曲げ加工機1に設けられる。例示的な実施形態では、曲げ加工機1が2つの別個の位置測定システム11、11’とともに示されるが、上ビーム7の位置の測定および監視を実現するためには、曲げ加工機に対して単一の位置測定システム11または11’のみを設けるだけで十分であることに留意されたい。
【0037】
図2図4からより明確にわかるように、位置測定システム11、11’は、上ビーム7および下ビーム9の互いに反対側の外側端部に配置および保持され、位置測定システム11、11’は、サイドスタンド3、3’、フレームプレート4および補強板5によって形成される加工機本体の内部に延在する。これは、例えば図3の詳細な斜視図に最も明確に示されている。
【0038】
位置測定システムは、後方からの詳細な斜視図および上面図における図5および図6に示されている位置測定システム11を参照して以下に詳細に説明される。図2図4に示される位置測定システム11’の設計は、位置測定システム11と構造的に同一であり、一例として、垂直x-y平面に関して鏡反転されているのに過ぎない。
【0039】
位置測定システム11は、直線可動測定ユニット12と、固定線形素子13とを有する。直線可動測定ユニット12は、摺動子21と、摺動子21に固定された感知要素22とを有する。位置測定システム11の直線可動測定ユニット12は、主軸線、すなわち鉛直方向yの方向における変形に対して抵抗性がある接続要素14によって上ビーム7に対して保持される。
【0040】
例えば測定ルーラとして設計されている固定線形素子13は、変形に対して抵抗性があるレセプタクル19を用いて、図5には図示していない下ビームに固定され、それによって幅方向zにおける工具保持部10の隣で静止するようになる。固定線形素子13は、下ビーム9に取り付けられ、それによってレセプタクル19を介して曲げ加工機1に固定される。
【0041】
上ビーム7が、作業方向、すなわち主軸線方向または高さ方向yに移動するとき、位置測定システム11の直線可動測定ユニット12が上ビーム7の移動に従い、プロセスにおいて固定線形素子13に沿って移動する。このため、直線可動測定ユニット12の摺動子21は、ガイド25(図6参照)によって固定線形素子13に沿って移動される。直線可動測定ユニット12が固定線形素子13に沿って相対的に移動すると、その感知素子22は固定線形素子13に沿って移動し、事前に定義された基準位置に対する上ビーム7の位置を、作業プロセス中に判定可能にする。
【0042】
摺動子21の要素が固定線形素子の対応要素の周りで係合する図6に示すガイド25の構造設計は、本質的に例示に過ぎない。概して言えば、原理上知られている固定線形素子13に沿った摺動子21の内部または外部ガイドは、代替案であるとも考えられ得る。
【0043】
レセプタクル20が、上ビーム7の下面7bに設けられて、変形に対する抵抗性がある接続要素14を上ビーム7に接続する。上ビーム7のレセプタクル20は、「L」形状で例示的に形成されている。レセプタクル20の2本の脚のうちの一方は上ビーム7の下面7bに取り外し可能または取り外し不可能に固定されている。2本の脚のうち、主軸線方向、すなわち高さ方向yに延びる他方の脚は、接続要素14の加工機側の端部を固定するために使用される。接続要素14の測定システム側の他方の端部は、直線可動測定ユニット12の摺動子21に固定されている。
【0044】
上ビーム7の、幅方向zにおいて外側に位置するセクションは板金の曲げプロセス中において他のセクションと比較して変形の影響を受けにくいため、接続要素14は、この上ビーム7の、外側に位置するセクション上に、図1図5に示すようにレセプタクル20を介して固定されていることが好ましい。これは、とりわけ以下で説明する他の態様の中でも、曲げプロセス中の位置測定システムの精度に有利である。
【0045】
接続要素14は、1つ以上の締結手段23、例えばねじを用いて上ビーム7のレセプタクル20に対して、さらに摺動子21に対して固定され、いずれにおいても、接続要素14および上ビーム7のレセプタクル20および直線可動測定ユニット12が取り外し可能にできる。これは、既存の動作条件に応じて、接続要素14の容易な交換を可能にする。
【0046】
ここで示される例示的な実施形態では、2つの締結手段23が、接続要素14をレセプタクル20と摺動子21に対して固定するために、それぞれ設けられている。それぞれの対の締結手段23の間に、ここでは一例として、固定を容易にし、レセプタクル20および摺動子21に対する位置合わせを修正するために、接続要素は、締結手段23の各対に対応した、例えば穴の形態の調整要素24を有する。この目的のため、レセプタクル20および摺動子21は、調整要素24に対応した突起部を有してもよく、この突起部は関連する調整要素24と係合する。
【0047】
上ビーム7のストロークに従う摺動子21の上ビーム7への接続は、変形要素14を介してのみなされ、それゆえ、この要素は、加工機本体の好ましくない変形に対する影響を伴う唯一の接続要素である。これらの変形は、幅方向zおよび奥行き方向xにおいて望ましくない。上ビーム7の測定データは、高さ方向y、すなわち主軸線方向においてのみ望ましく、適切である。
【0048】
位置測定に対して悪影響を及ぼす加工機本体の変形は、例えば上ビーム7が主軸線(高さ軸y)方向において下ビーム9と平行に移動しない場合に発生し得て、結果として上ビーム7の姿勢が傾斜する。図1図4に示すように上ビーム7で2つの位置測定システム11、11’を使用するとき、これは幅方向zにおける望ましくない同時移動につながる。この変形の許容は、芳しくない曲げ加工結果と、位置測定システム11、11’に対する損傷につながる。同様に、そのような悪影響は、加工機本体が曲げの間に印加される力の結果として膨張して上ビーム7が加工機本体に対して移動したときに、奥行き方向xに発生する。
【0049】
これらの悪影響は、変形要素14によって除去される、または少なくとも大幅に低減される。接続要素14の「変形抵抗」なる用語は、主軸線方向、すなわち高さ方向yにおける変形抵抗を指す。接続要素14は、例えば、対照的に、曲げ加工機1の幅方向zおよび/または曲げ加工機1の奥行き方向xに弾性、特にばね弾性を有するように設計されたねじれ要素として設計されている。好ましくは、弾性は、曲げ加工機1の幅方向zおよび奥行き方向xの両方に与えられる。
【0050】
したがって、曲げ加工機1の加工機本体および/または加工機軸線に対して曲げプロセス中に生じる力および変形に起因する望ましくないねじれまたは曲げは、固定線形素子13に伝達されない。曲げ加工機1の幅方向zおよび/または奥行き方向xに弾性を有する接続要素14は、加工機本体の変形をほぼ完全に位置測定システム11から分離する。代わりに、接続要素14のみが変形され、特に可逆的に変形される。この変形は、加工機本体が無負荷のときに、接続要素が作業プロセスまたは曲げプロセスの終了時に元の形状に戻るため可逆的である。これは、曲げ加工機1の加工機本体の望ましくない変形が測定結果に影響を及ぼさず、上ビーム7の主軸線方向、すなわち高さ方向yの位置のみが、摺動子21と、それに固定された感知素子22とによって判定されるという利点を有する。
【0051】
意図的に、接続要素14は、望ましくない方向、すなわち幅方向zおよび/または奥行き方向xにおける変形を可能にする高疲労強度を有する少なくとも1つの部分的に弾性がある部材を有し、それにより位置測定システム11、特に摺動子21からそれらを分離する。
【0052】
接続要素14は、上述した好適な方向において弾性がある要素として設計されるが、下ビーム9のレセプタクル19および上ビーム7のレセプタクル20は、相対的により剛性を有するように設計されている。この取り合わせは、必要に応じて接続要素14が変形することによって加工機本体の変形を位置測定システム11からほぼ完全に分離する。
【0053】
変形に対して抵抗性がある接続要素14は、力の印加の結果として弾性的に変形可能にするために、概して、所望の弾性の方向、すなわち幅方向zおよび/または奥行き方向xに材料をあまり用いずに設計されている。主軸線方向(高さ方向y)において、接続要素14は、変形に対してより高い抵抗性を達成するように、かなり大量の材料によって特徴付けられる。
【0054】
図に示される例示的な実施形態では、接続要素14は、上記の要件を満たす平坦片として設計されている。平坦片の互いに表裏の主側面14a、14bは、幅方向zに垂直な垂直x-y平面内に延在している。平坦片として設計されている接続要素14は、曲げ加工機1の奥行き方向xに延びる長い縁または辺を有する。この長い辺は、平坦片の最長の辺であり、高さ方向yおよび幅方向zにおける他の2つの辺よりも大幅に長い。これは、例えば図5に最も明確に示されている。
【0055】
所望の弾性特性を達成するために、接続要素14は、部材を脆弱化する脆弱化要素18を備えたセクション15を有する(図6)。脆弱化要素18を備えたセクション15は、長さl15および厚さd15を有する。部材が脆弱化されたセクション15は、部材が脆弱化されていない2つのセクション16、17の間に存在し、セクション16、17は、それぞれ、長さl16およびl17並びに厚さd16およびd17を有する。接続要素14の合計の長さlは、セクション15、16、17の長さl15、l16、l17の和であり、すなわちl=l15+l16+l17である。部材が脆弱化されていないセクション16、17の厚さd16およびd17は、本例示的な実施形態において同じであり、すなわちd16=d17である。同時に、本例示的な実施形態における部材が脆弱化されていないセクション16、17の厚さd16およびd17は、部材が脆弱化されたセクション15の厚さd15よりも大きく、すなわちd15<d16およびd15<d17である。
【0056】
部材が脆弱化されたセクション15および部材が脆弱化されていないセクション16、17の長さl15、l16、l17、および厚さd15、d16、d17は、概して、曲げ加工機1、その形状条件、および/または曲げプロセス中に発生する力に応じて選択される。好ましくは、上ビーム7のレセプタクル20に固定されている部材が脆弱化されていないセクション16の長さl16は、摺動子21に固定されている部材が脆弱化されていないセクション17の長さl17よりも小さく、すなわちl16<l17である。
【0057】
脆弱化要素18を備えたセクション15は、脆弱化要素を全く有さないセクション16、17と比較すると、図5および図6に示すように、幅方向zにおいて材料厚さが減少するように形成され得る。代替的または追加的に、脆弱化要素18は、1つ以上のくぼみ(象徴的な表現では図示せず)によっても形成され得る。この場合、部材が脆弱化されていないセクション16、17の厚さd16およびd17は、脆弱化されたセクション15の厚さd15に対応することができ、すなわちd15=d16=d17である。部材が脆弱化されていないセクション16、17の厚さd16およびd17は、部材が脆弱化されたセクション15の厚さd15よりも代替的に大きくてもよく、すなわちd15<d16およびd15<d17でもよい。
【0058】
さらなる代替案において、変形に対して抵抗性がある接続要素もまた、サンドイッチ法を使用して2つ以上の相互接続された材料層から形成され得る。これに関して、脆弱化要素18を備えるセクション15において、他の材料層(図では図示せず)のうちの少なくとも1つの層において材料が中断される。脆弱化要素18を備えたセクション15において、1つ以上のくぼみもまた設けられ得る。
【0059】
接続要素14は、ばね鋼から作製され得る、またはばね鋼を有し得る。代替的または追加的に、高い弾性を有する類似材料が使用可能である。
【0060】
変形に対して抵抗性がある接続要素、および下ビーム9および上ビーム7に対するそのレセプタクル19、20の材料は熱伝導性を有することが好都合である。これによって、位置測定システム11および加工機本体の平行な膨張が可能になる。
【0061】
上記で説明した本発明の実施形態は、多くの利点を提供する。
【0062】
上ビーム7および直線可動測定ユニット12に対する変形に対して抵抗性がある接続要素14を保持するために使用される締結手段23は、動作条件が変化したときに、接続要素14が単純なやり方で迅速に交換可能であるモジュラーシステムを有することを可能にする。例えば、加工機本体の特に大きい変形が予想される場合、または形状条件が変化する場合、例えば曲げの長さまたは力がより大きい場合、異なる材料特性を有する異なる材料からなる、変形に対して抵抗性がある接続要素が使用され得る。加えて、接続要素14は、損傷が発生したときに、迅速に交換可能である。これは、加工機の停止時間を減少させ得る。
【0063】
変形に対する抵抗性がある接続要素14の使用は、潤滑手段または特別な保守手段を必要とせず、したがって単純かつ安価な手段によって信頼性のある位置測定システムを提供する。
【0064】
上ビーム7および直線可動測定ユニット12に対する接続要素の接続は、固定線形素子13と、それに対して移動する直線可動測定ユニット12との間の遊びが確実に存在しないようにして、主軸線方向における最適な位置制御を可能にする。遊びがない接続によって、制御パラメータ変更の結果としての振動が発生し得ない。これが測定精度を高める。
【符号の説明】
【0065】
1 曲げ加工機、 2 フレーム、 3,3’ サイドスタンド、 4 フレームプレート、 5 補強板、 6,6’ 油圧シリンダ、 7 上ビーム、 7a 上ビームの前面、 7b,7b’ 上ビームの下面、 8 工具レセプタクル、 9 下ビーム、 9a 下ビームの前面、 10 工具保持部、 11,11’ 位置測定システム、 12 直線可動測定ユニット、 13 固定線形素子、 14 接続要素、 14a 接続要素の主側面、 14b 接続要素の主側面、 15 部材が脆弱化されたセクション、 16 部材が脆弱化されていないセクション、 17 部材が脆弱化されていないセクション、 18 脆弱化要素、 19 下ビーム9のレセプタクル、 20 上ビーム7のレセプタクル、 21 摺動子、 22 感知素子、 23 締結手段(例えば、ねじ)、 24 調整要素(例えば、穴)、 25 ガイド、 26,26’ 固定手段、 l 接続要素14の長さ、 l15 セクション15の長さ、 l16 セクション16の長さ、 l17 セクション17の長さ、 d15 セクション15の厚さ、 d16 セクション16の厚さ、 d17 セクション17の厚さ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上ビーム(7)および下ビーム(9)を有する曲げ加工機、特にプレスブレーキであって、前記上ビーム(7)は、前記曲げ加工機(1)の前面を通して前記上ビーム(7)と前記下ビーム(9)との間に挿入可能なワークを曲げ線に沿った曲げによって成形するために、前記下ビーム(9)に対して前記曲げ加工機(1)の主軸線(y)の方向において可動であり、前記曲げ線は前記曲げ加工機(1)の幅方向(z)に延びており、前記曲げ加工機(1)は、作業プロセス中に基準位置に対して前記上ビーム(7)の測定および監視対象の位置をそれぞれ測定および監視するための少なくとも1つの位置測定システム(11)を含み、前記位置測定システム(11)は、前記位置測定システム(11)の直線可動測定ユニット(12)が前記主軸線(y)の方向における前記上ビーム(7)の移動に従い、前記作業プロセスにおいて、固定線形素子(13)に沿って移動するように設計されており、
前記位置測定システム(11)の前記直線可動測定ユニット(12)が、前記主軸線(y)の方向における変形に対して抵抗性があり、かつ前記曲げ加工機(1)の前記幅方向(z)および/または奥行き方向(x)において弾性があるように設計された接続要素(14)によって前記上ビーム(7)に対して保持されていることを特徴とする、曲げ加工機。
【請求項2】
請求項1に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、前記曲げ加工機(1)の前記幅方向(z)および/または前記奥行き方向(x)にばね弾性があるように設計されているねじれ要素として設計されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項3】
請求項1に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、前記曲げ加工機(1)の前記幅方向(z)および/または前記奥行き方向(x)において、前記下ビーム(9)に対して保持された前記固定線形素子(13)およびそのレセプタクル(19)よりも低い剛性を有することを特徴とする曲げ加工機。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の曲げ加工機であって、前記主軸線の方向の変形に対して抵抗性がある前記接続要素(14)が、その主側面(14a、14b)が前記幅方向(z)に直交する平面内にあるように延在する平坦片として形成され、前記主側面(14a、14b)の長い辺が前記曲げ加工機の前記奥行き方向(x)に延在していることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項5】
請求項4に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が脆弱化要素(18)を備えたセクション(15)を有することを特徴とする曲げ加工機。
【請求項6】
請求項5に記載の曲げ加工機であって、前記脆弱化要素(18)が、脆弱化要素を有さないセクション(16、17)と比較して、前記幅方向(z)における部材の厚さを減少することによって形成されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項7】
請求項5に記載の曲げ加工機であって、前記脆弱化要素(18)が、1つ以上のくぼみによって形成されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項8】
請求項5に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、サンドイッチ法を使用して2つ以上の相互接続された材料層から形成され、前記脆弱化要素(18)を備えた前記セクション(15)において前記材料層のうちの少なくとも1つにおいて材料が中断されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項9】
請求項5に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)における前記脆弱化要素(18)を備えた前記セクション(15)が、前記奥行き方向(x)において、前記直線可動測定ユニット(12)に対してよりも、前記上ビーム(7)に対してより近くに形成されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項10】
請求項1に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、ばね鋼を有する、またはばね鋼から形成されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項11】
請求項1に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、前記上ビーム(7)の下面(7b)に、かつ、前記上ビーム(7)の、前記幅方向(z)における外側に位置するセクションに保持されることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項12】
請求項1に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が前記上ビーム(7)に対して直接、またはレセプタクル(20)を介して保持されることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項13】
請求項1に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が前記直線可動測定ユニット(12)の摺動子(21)に対して保持され、前記直線可動測定ユニット(12)の感知素子(22)が前記摺動子(21)に対して固定されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項14】
請求項1または13に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)が、それぞれの締結手段(23)によって前記上ビーム(7)および前記直線可動測定ユニット(12)に取り外し可能に配置されていることを特徴とする曲げ加工機。
【請求項15】
請求項14に記載の曲げ加工機であって、前記接続要素(14)、ならびに前記直線可動測定ユニット(12)および前記上ビーム(7)に対する前記接続要素(14)の取り付け部が熱伝導性であることを特徴とする曲げ加工機。
【国際調査報告】