(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】患者位置決めシステム 本出願は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2021年8月26日に出願された米国仮特許出願第63/237,513号に対する優先権を主張する。
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
A61N5/10 T
A61N5/10 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512062
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022041313
(87)【国際公開番号】W WO2023028102
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523209531
【氏名又は名称】レオ・キャンサー・ケア・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ストレンジマン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】スプリーステルスバッハ,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】デイクソン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ウエストウッド,トニー
(72)【発明者】
【氏名】フォーシー,ダレン
(72)【発明者】
【氏名】トウ,スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082AG24
4C082AL01
4C082AL02
4C082AL04
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、医療撮像および放射線治療に関する技術であり、特に、限定はしないが、放射線源によって生成された放射線ビームに患者を曝露することによって患者を撮像し、および/または患者を治療するために放射線源に対して患者を位置決めするための装置、方法、およびシステムに関する技術である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者支持体であって、
患者に接触するように構成された第1の支持部材と、
患者に接触するように構成された第2の支持部材と、
第1の支持部材および第2の支持部材に連結された作動アセンブリと、
を備え、
作動アセンブリは、第1の支持部材および第2の支持部材を、第1の構成と第2の構成との間で移動させるように構成される、患者支持体。
【請求項2】
作動アセンブリは、第1の構成と第2の構成との間で第1の支持部材および第2の支持部材を同時に移動させるように構成される、請求項1に記載の患者支持体。
【請求項3】
第1の構成および第2の構成は、患者に合わせてカスタマイズされる、請求項1に記載の患者支持体。
【請求項4】
第1の構成は患者進入状態であり、第2の構成は患者の撮像または治療状態である、請求項1に記載の患者支持体。
【請求項5】
第1の構成は患者進入状態であり、第2の構成は患者待機状態である、請求項4に記載の患者支持体。
【請求項6】
第1の構成は患者待機状態であり、第2の構成は患者の撮像または治療状態である、請求項1に記載の患者支持体。
【請求項7】
第1の構成は患者待機状態であり、第2の構成は患者退出状態である、請求項1に記載の患者支持体。
【請求項8】
第1の構成は患者の撮像または治療状態であり、第2の構成は患者退出状態である、請求項1に記載の患者支持体。
【請求項9】
作動アセンブリはモータおよびマイクロプロセッサを含む、請求項1に記載の患者支持体。
【請求項10】
第1の支持部材は、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、またはフットブレースである、請求項1に記載の患者支持体。
【請求項11】
患者支持体は動的構成をさらに含む、請求項1に記載の患者支持体。
【請求項12】
動的構成は患者支持体への患者の進入を支援する、請求項11に記載の患者支持体。
【請求項13】
動的構成は患者支持体からの患者の退出を支援する、請求項11に記載の患者支持体。
【請求項14】
患者位置決めシステムであって、
中心ビーム軸と、
患者を支持するように構成された支持体と、
支持体に連結され、支持体を移動させるように構成された作動アセンブリと、
を備え、
支持体は、第1の軸線に沿って移動可能であり、第1の軸線に直交する第2の軸線に沿って移動可能であり、第1の軸線および第2の軸線に直交する第3の軸線に沿って移動可能であり、支持体は、第1の軸線、第2の軸線、および第3の軸線周りに回転可能であり、
支持体が第1の位置および第1の位置とは異なる第2の位置にあるときに、患者の所望の領域は中心ビーム軸と位置合わせされる、患者位置決めシステム。
【請求項15】
支持体は、第1の軸線、第2の軸線、および第3の軸線のいずれか1つの周りの支持体の回転に応じて、第1の軸線に沿って第1の補償量を移動させ、第2の軸線に沿って第2の補償量を移動させる、請求項14に記載の患者位置決めシステム。
【請求項16】
支持体における第1の量の機械的撓みは第1の位置で発生し、支持体における第2の量の機械的撓みは患者のサイズに関係なく発生する、請求項14に記載の患者位置決めシステム。
【請求項17】
プロセッサとメモリとをさらに含み、メモリは、複数の位置での支持に関する、かつ複数の患者の体重に関する中心ビーム軸と位置合わせされた所望の領域を維持するための、複数の補償を有する偏向補正テーブルを含む、請求項14に記載の患者位置決めシステム。
【請求項18】
調整可能シートアセンブリであって、
スロットを含むベースと、
第1の位置と第2の位置との間でベースに移動可能に連結されたシートと、
シートに連結され、スロット内に位置決めされたロッドと、
ベースに連結された台座と、
を備え、シートは台座に対して摺動し、シートが第1の位置と第2の位置との間を移動する際に、ロッドはスロット内を摺動する、調整可能シートアセンブリ。
【請求項19】
シートは、患者を支持するように構成された第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面とを含み、第2の表面は台座に連結される、請求項18に記載の調整可能シートアセンブリ。
【請求項20】
第2の表面は円弧状の表面である、請求項19に記載の調整可能シートアセンブリ。
【請求項21】
ロッドはシートの回転軸線からオフセットされている、請求項18に記載の調整可能シートアセンブリ。
【請求項22】
シートに連結されたクリートをさらに備え、クリートはウィングを含む、請求項18に記載の調整可能シートアセンブリ。
【請求項23】
台座はクリートのウィングと係合可能なフランジを含む、請求項22に記載の調整可能シートアセンブリ。
【請求項24】
クリートおよび台座はシートの垂直移動を制限する、請求項23に記載の調整可能シートアセンブリ。
【請求項25】
スロットは円弧状である、請求項18に記載の調整可能シートアセンブリ。
【請求項26】
台座は、シートを受け入れる円弧状の表面を含む、請求項18に記載の調整可能シートアセンブリ。
【請求項27】
システムであって、
第1の構成の患者支持アセンブリと、
患者支持アセンブリが第1の構成のままである間に、患者支持アセンブリを第1の方向に移動させるように構成された調整器と、
備えるシステム。
【請求項28】
調整器は、第1のブロックと、第1のブロックに対して移動可能な第2のブロックとを含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
調整器は、第1のブロックと第2のブロックとの間に位置決めされた第1のシートと、第2のブロック上に位置決めされた第2のシートとを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
調整器は、第1のブロックと第2のブロックとの間に画定された溝を含み、溝は、第2のブロックの位置を第1のブロックに対して調整するくさびを受け入れるように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
調整器は第1の調整器であり、システムは第2の調整器および第3の調整器をさらに含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
第1の調整器は、患者支持アセンブリの第1の位置を第1の方向に設定し、第2の調整器および第3の調整器は、患者支持アセンブリの第2の位置を第2の方向に設定する、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
患者位置決めシステムであって、
プラットフォームと、
プラットフォームに連結されたロードセルであって、プラットフォームの重量およびプラットフォーム上で支持される重量に基づいて出力を生成する、ロードセルと、
出力を受信し、プラットフォーム上で支持される重量を決定するように構成されたプロセッサと、
を備える、患者位置決めシステム。
【請求項34】
ロードセルは歪ゲージを含む、請求項33に記載の患者位置決めシステム。
【請求項35】
ロードセルはプラットフォームとチェーンドライブとの間に位置決めされる、請求項33に記載の患者位置決めシステム。
【請求項36】
チェーンドライブは、チェーンと、チェーンの端部に連結された支持部材とを含み、支持部材は、ロードセルの一部を受け入れるように構成される、請求項35に記載の患者位置決めシステム。
【請求項37】
支持部材は、ロードセルの一部を受け入れるためのノッチを含む、請求項36に記載の患者位置決めシステム。
【請求項38】
プロセッサは、重量が支持されるプラットフォーム上の位置を決定するようにさらに構成される、請求項33に記載の患者位置決めシステム。
【請求項39】
プロセッサは、プラットフォーム上で支持される重量の変化を検出するようにさらに構成される、請求項33に記載の患者位置決めシステム。
【請求項40】
プロセッサは、プラットフォーム上に支持された検出された重量に応答して、患者位置決めシステムの一部の動きを制御する、請求項33に記載の患者位置決めシステム。
【請求項41】
患者支持アセンブリであって、
レセプタクルと、レセプタクル内に位置決めされた第1のパッドとを含むベースと、
第2のパッドを有する舌部を含む支持部材であって、
支持部材をベースに連結するために、舌部がレセプタクル内に取り外し可能に受け入れられる支持部材と、
を備え、
第2のパッドは、舌部がレセプタクル内に受け入れられるときに第1のパッドに直接係合する、患者支持アセンブリ。
【請求項42】
第1のパッドはナイロンである、請求項41に記載の患者支持アセンブリ。
【請求項43】
第2のパッドはナイロンである、請求項42に記載の患者支持アセンブリ。
【請求項44】
第1のパッドは第1の傾斜縁部を含み、第2のパッドは第2の傾斜縁部を含む、請求項41に記載の患者支持アセンブリ。
【請求項45】
第1のパッドは、レセプタクルの第1の側面に位置決めされ、レセプタクルは、第1の側面の反対側の、レセプタクルの第2の側面に位置決めされた第3のパッドをさらに含み、舌部は、舌部がレセプタクル内に受け入れられたときに第3のパッドに直接係合する第4のパッドを含む、請求項41に記載の患者支持アセンブリ。
【請求項46】
支持部材は第1のロッドおよび第2のロッドをさらに含む、請求項41に記載の患者支持アセンブリ。
【請求項47】
舌部は第1のロッドと第2のロッドとの間に位置決めされる、請求項46に記載の患者支持アセンブリ。
【請求項48】
第1のロッドおよび第2のロッドは、舌部に平行な方向に延びる、請求項46に記載の患者支持アセンブリ。
【請求項49】
ベースは、第1の孔を有する第1のブロックと、第2の孔を有する第2のブロックとを含み、舌部がレセプタクル内に受け入れられると、第1のロッドは第1のブロック内に受け入れられ、第2のロッドは第2のブロック内に受け入れられる、請求項46に記載の患者支持アセンブリ。
【請求項50】
第1のブロックは第1の方向の調整を可能にし、第2のブロックは第1の方向に直交する第2の方向の調整を可能にする、請求項49に記載の患者支持アセンブリ。
【請求項51】
患者位置決めシステムであって、
ベースと、
患者支持体を有するプラットフォームと、
ベースおよびプラットフォームに連結されたシザーフレームと、
ベースおよびプラットフォームに連結されたチェーンドライブと、
を備え、
チェーンドライブは、格納位置と展開位置との間でプラットフォームを移動させるように構成される、
患者位置決めシステム。
【請求項52】
プラットフォームは、格納位置においてベースから第1の距離にあり、プラットフォームは、展開位置においてベースから第2の距離にあり、第2の距離は第1の距離よりも大きい、請求項51に記載の患者位置決めシステム。
【請求項53】
シザーフレームは、プラットフォームに連結された第1の上部台座および第2の上部台座を含み、第1の上部台座は、プラットフォームに対して摺動可能である、請求項51に記載の患者位置決めシステム。
【請求項54】
シザーフレームは、第1の下部台座と、ベースに連結された第2の下部台座とを含み、第1の下部台座は、ベースに対して摺動可能である、請求項53に記載の患者位置決めシステム。
【請求項55】
チェーンドライブは、複数のリンクを有するチェーンを含み、複数のリンクは、インターロックプロファイルを含む、請求項51に記載の患者位置決めシステム。
【請求項56】
シザーフレームは第1のシザーフレームであり、チェーンドライブは第1のチェーンドライブであり、患者位置決めシステムは、プラットフォームに連結された第2のシザーフレームと、プラットフォームに連結された第2のチェーンドライブとをさらに含む、請求項51に記載の患者位置決めシステム。
【請求項57】
適合可能な患者支持体であって、
外層と、
第1の部分と、第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に位置決めされた分割部材とを含む内部キャビティと、
第1の部分内に位置決めされた第1の複数のビーンと、
第2の部分内に位置決めされた第2の複数のビーンと、
を備え、
第1の部分は、適合可能な患者支持体が直立姿勢の患者に適合するように配向されたときに第2の部分の上方に位置決めされる、
適合可能な患者支持体。
【請求項58】
直立姿勢の患者にバッグを適合させる方法であって、
複数のビーンを含むバッグ内の空気の一部を真空引きし、
バッグを垂直に向け、
直立姿勢の患者にバッグを押し付け、
真空バッグ内の空気の第2の部分を真空引きする、方法。
【請求項59】
患者位置決めシステムであって、
移動可能な患者支持体と、
移動可能な患者支持体を移動させるように構成されたアクチュエータと、
アクチュエータに電気的に連結された主電源と、
アクチュエータに連結されたバックアップ電気回路であって、低電圧バッテリ、リレー、およびブレーキを含むバックアップ電気回路と、
を備え、
バックアップ電気回路は、主電源が動作不能になっているときにアクチュエータを動作させるように構成される、患者位置決めシステム。
【請求項60】
患者位置決めシステムであって、
排水孔を具備する床パネルと、
前記床パネルの下方の一体型流体制御カセットと、
を備え、
前記流体制御カセットは吸収材料を備える、患者位置決めシステム。
【請求項61】
前記患者位置決めシステムは、一体型流体制御カセットを受け入れるように構成された流体制御受入開口部を備える、請求項60に記載の患者位置決めシステム。
【請求項62】
前記患者位置決めシステムは、流体制御カセット受入開口部内への流体制御カセットの挿入を案内して、挿入された流体制御カセットを支持する第1のレールおよび第2のレールを備える、請求項61に記載の患者位置決めシステム。
【請求項63】
前記流体制御カセットは使い捨てまたは再使用可能である、請求項60に記載の患者位置決めシステム。
【請求項64】
前記流体制御カセットは、抗菌化合物、抗ウイルス化合物、抗細菌化合物、消毒剤、消臭化合物、および/または超吸収性ポリマーを含有する、請求項60に記載の患者位置決めシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で提供されるのは、医療撮像および放射線治療に関する技術であり、特に、限定はしないが、放射線源によって生成された放射線ビームに患者を曝露することによって患者を撮像し、および/または患者を治療するために放射線源に対して患者を位置決めするための装置、方法、およびシステムに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
放射線源は、医療撮像および放射線治療を含む医学において多くの用途を有する。一般に、放射線源は、例えば、患者の特定の部分または領域を放射線源によって生成された放射線に曝露するために、静止している患者に対して移動するように構成される。さらに、放射線治療および関連する診断および計画撮像は、従来、腹臥位または仰臥位の患者で行われているが、一部の患者は、直立姿勢などの従来とは異なる姿勢にある間に治療から利益を得る。しかしながら、直立治療を計画するための直立撮像データの取得における制限は、有益な直立放射線療法の方法の採用および使用を妨げている。例えば、直立位置決めシステムは、水平患者位置決めと比較して姿勢再現性が低下していることが実証されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Rahimら著(2020)Frontiers in Oncology 10,article 213を参照されたい。この必要性を満たすために開発されたいくつかの従来技術は、患者の姿勢を直立した安定した姿勢に維持して、患者の快適性を最大にし、画質を低下させる可能性がある患者の動きを最小限に抑えるように構成された患者位置決めシステムを提供する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20200268327号明細書を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第20200268327号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Rahimら著(2020)、Frontiers in Oncology 10,article 213
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書で提供される技術は、医療撮像および/または放射線治療のための患者位置決めシステムの或る態様に関する。或る実施形態では、本明細書に記載の技術は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20200268327号明細書に記載されているように、患者位置決め機器および/または患者支持体を補足および/または修正する。或る実施形態では、患者位置決めシステムは、直立(例えば、立位、座位、膝立位、端座位)姿勢で患者を安定させて支持する。直立姿勢での患者の撮像および/または治療は、患者の快適性を高めるという利点を提供する。さらに、直立姿勢の患者の診断および/または治療は、多くの適応症(例えば、肺癌、乳癌)に対して、水平姿勢の患者の従来の診断および/または治療を超える利点を提供する。直立した患者の撮像および/または治療は診断上および治療上の利点を提供するが、医療撮像および治療は、治療用放射線量を標的領域に送達するために、および医療撮像を使用した治療を計画するために、患者を適切な直立姿勢で安定させて支持するための改善された患者位置決めシステムを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
或る実施形態では、本技術は患者支持体を提供する。例えば、或る実施形態では、患者支持体は、患者に接触するように構成された第1の支持部材と、患者に接触するように構成された第2の支持部材と、第1の支持部材および第2の支持部材に連結された作動アセンブリと、を備え、作動アセンブリは、第1の支持部材および第2の支持部材を第1の構成と第2の構成との間で移動させるように構成される。或る実施形態では、作動アセンブリは、第1の構成と第2の構成との間で第1の支持部材および第2の支持部材を同時に移動させるように構成される。或る実施形態では、第1の構成および第2の構成は、患者に合わせてカスタマイズされる。或る実施形態では、第1の構成は患者進入状態であり、第2の構成は患者の撮像または治療状態である。或る実施形態では、第1の構成は患者進入状態であり、第2の構成は患者待機状態である。或る実施形態では、第1の構成は患者待機状態であり、第2の構成は患者の撮像または治療状態である。或る実施形態では、第1の構成は患者待機状態であり、第2の構成は患者退出状態である。或る実施形態では、第1の構成は患者の撮像または治療状態であり、第2の構成は患者退出状態である。
【0007】
或る実施形態では、作動アセンブリは、モータおよびマイクロプロセッサを含む。或る実施形態では、第1の支持部材は、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、またはフットブレース(foot brace)(例えば、ヒールストップ)である。或る実施形態では、患者支持体は、動的構成をさらに含む。或る実施形態では、動的構成は、患者支持体への患者の進入を支援する。或る実施形態では、動的構成は、患者支持体からの患者の退出を支援する。
【0008】
或る実施形態では、本技術はさらに、中心ビーム軸と、患者を支持するように構成された支持体と、支持体に連結され、支持体を移動させるように構成された作動アセンブリと、を備える患者位置決めシステムであって、支持体は、第1の軸線に沿って移動可能であり、第1の軸線に直交する第2の軸線に沿って移動可能であり、また第1の軸線および第2の軸線に直交する第3の軸線に沿って移動可能であり、支持体は、第1の軸線、第2の軸線、および第3の軸線周りに回転可能であり、また、支持体が第1の位置および第1の位置とは異なる第2の位置にあるときに、患者の所望の領域が中心ビーム軸と位置合わせされる、患者位置決めシステムを提供する。或る実施形態では、支持体は、第1の軸線、第2の軸線、および第3の軸線のいずれか1つの周りの支持体の回転に応じて、第1の軸線に沿って第1の補償量を移動させ、第2の軸線に沿って第2の補償量を移動させる。或る実施形態では、患者のサイズに関係なく、支持体における第1の量の機械的撓みが第1の位置で発生し、支持体における第2の量の機械的撓みが発生する。或る実施形態では、患者位置決めシステムは、プロセッサとメモリとをさらに備え、メモリは、複数の位置での支持に関する、また複数の患者の体重に関する中心ビーム軸と位置合わせされた所望の領域を維持するための複数の補償を有する偏向補正テーブルを含む。
【0009】
或る実施形態では、本技術は、調整可能シートアセンブリを提供する。例えば、或る実施形態では、本技術は、スロットを含むベースと、第1の位置と第2の位置との間でベースに移動可能に連結されたシートと、シートに連結され、スロット内に位置決めされたロッドと、ベースに連結された台座と、を備える調整可能シートアセンブリであって、シートが台座に対して摺動し、シートが第1の位置と第2の位置との間を移動する際に、ロッドがスロット内を摺動する、調整可能シートアセンブリを提供する。或る実施形態では、シートは、患者を支持するように構成された第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面とを含み、第2の表面は台座に連結される。或る実施形態では、第2の表面は円弧状の表面である。或る実施形態では、ロッドはシートの回転軸線からオフセットされている。或る実施形態では、調整可能シートアセンブリは、シートに連結されたクリートをさらに備え、クリートはウィングを含む。或る実施形態では、台座は、クリートのウィングと係合可能なフランジを含む。或る実施形態では、クリートおよび台座は、シートの垂直移動を制限する。或る実施形態では、スロットは円弧状である。或る実施形態では、台座は、シートを受け入れる円弧状の表面を含む。
【0010】
或る実施形態では、本技術は、第1の構成の患者支持アセンブリと、患者支持アセンブリが第1の構成のままである間に患者支持アセンブリを第1の方向に移動させるように構成された調整器と、を備えるシステムを提供する。或る実施形態では、調整器は、第1のブロックと、第1のブロックに対して移動可能な第2のブロックとを含む。或る実施形態では、調整器は、第1のブロックと第2のブロックとの間に位置決めされた第1のシートと、第2のブロック上に位置決めされた第2のシートとを含む。或る実施形態では、調整器は、第1のブロックと第2のブロックとの間に画定された溝を含み、溝は、第2のブロックの位置を第1のブロックに対して調整するくさびを受け入れるように構成される。或る実施形態では、調整器は第1の調整器であり、システムは第2の調整器および第3の調整器をさらに含む。或る実施形態では、第1の調整器は、患者支持アセンブリの第1の位置を第1の方向に設定し、第2の調整器および第3の調整器は、患者支持アセンブリの第2の位置を第2の方向に設定する。
【0011】
或る実施形態では、本技術は、プラットフォームと、プラットフォームに連結されたロードセルであって、プラットフォームの重量およびプラットフォーム上で支持される重量に基づいて出力を発生するロードセルと、出力を受信し、プラットフォーム上で支持される重量を決定するように構成されたプロセッサと、備える患者位置決めシステムを提供する。或る実施形態では、ロードセルは歪ゲージを含む。或る実施形態では、ロードセルは、プラットフォームとチェーンドライブとの間に位置決めされる。或る実施形態では、チェーンドライブは、チェーンと、チェーンの端部に連結された支持部材とを含み、支持部材は、ロードセルの一部を受け入れるように構成される。或る実施形態では、支持部材は、ロードセルの一部を受け入れるためのノッチを含む。或る実施形態では、プロセッサは、重量が支持されるプラットフォーム上の位置を決定するようにさらに構成される。或る実施形態では、プロセッサは、プラットフォーム上で支持される重量の変化を検出するようにさらに構成される。或る実施形態では、プロセッサは、プラットフォーム上で支持される検出された重量に応答して、患者位置決めシステムの一部の動きを制御する。
【0012】
或る実施形態では、本技術は、レセプタクルとレセプタクル内に位置決めされた第1のパッドとを含むベースと;第2のパッドを有する舌部を含む支持部材であって、支持部材をベースに連結するために舌部がレセプタクル内に取り外し可能に受け入れられる支持部材とを備える患者支持アセンブリであって、第2のパッドは、舌部がレセプタクル内に受け入れられるときに第1のパッドに直接係合する、患者支持アセンブリを提供する。或る実施形態では、第1のパッドはナイロンである。或る実施形態では、第2のパッドはナイロンである。或る実施形態では、第1のパッドは第1の傾斜縁部を含み、第2のパッドは第2の傾斜縁部を含む。或る実施形態では、第1のパッドは、レセプタクルの第1の側面に位置決めされ、レセプタクルは、第1の側面の反対側の、レセプタクルの第2の側面に位置決めされた第3のパッドをさらに含み、舌部は、舌部がレセプタクル内に受け入れられたときに第3のパッドに直接係合する第4のパッドを含む。或る実施形態では、支持部材は、第1のロッドおよび第2のロッドをさらに含む。或る実施形態では、舌部は、第1のロッドと第2のロッドとの間に位置決めされる。或る実施形態では、第1のロッドおよび第2のロッドは、舌部に平行な方向に延びる。或る実施形態では、ベースは、第1の孔を有する第1のブロックと、第2の孔を有する第2のブロックとを含み、舌部がレセプタクル内に受け入れられると、第1のロッドは第1のブロック内に受け入れられ、第2のロッドは第2のブロック内に受け入れられる。或る実施形態では、第1のブロックは第1の方向の調整を可能にし、第2のブロックは第1の方向に直交する第2の方向の調整を可能にする。
【0013】
或る実施形態では、本技術は、ベースと、患者支持体を備えるプラットフォームと、ベースおよびプラットフォームに連結されたシザーフレームと、ベースおよびプラットフォームに連結されたチェーンドライブと、を備える患者位置決めシステムであって、チェーンドライブが、格納位置と展開位置との間でプラットフォームを移動させるように構成される、患者位置決めシステムを提供する。或る実施形態では、プラットフォームは、格納位置においてベースから第1の距離であり、プラットフォームは、展開位置においてベースから第2の距離であり、第2の距離は第1の距離よりも大きい。或る実施形態では、シザーフレームは、プラットフォームに連結された第1の上部台座および第2の上部台座を含み、第1の上部台座は、プラットフォームに対して摺動可能である。或る実施形態では、シザーフレームは、ベースに連結された第1の下部台座および第2の下部台座を含み、第1の下部台座は、ベースに対して摺動可能である。或る実施形態では、チェーンドライブは、複数のリンクを有するチェーンを含み、複数のリンクは、インターロックプロファイルを含む。或る実施形態では、シザーフレームは第1のシザーフレームであり、チェーンドライブは第1のチェーンドライブであり、患者位置決めシステムは、プラットフォームに連結された第2のシザーフレームおよびプラットフォームに連結された第2のチェーンドライブをさらに含む。
【0014】
或る実施形態では、本技術は、適合可能な患者支持体であって、外層と;内部キャビティであって、第1の部分と、第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に位置決めされた分割部材とを含む内部キャビティと;第1の部分内に位置決めされた第1の複数のビーン(例えば、直径が約2mm~10mmの、(例えば、ポリスチレン、発泡スチロール(EPS)、発泡ポリプロピレン(EPP)、STYROFOAMなどの)ポリマービーズまたはビーン)と;第2の部分内に位置決めされた第2の複数のビーンとを備え、第1の部分は、適合可能な患者支持体が直立姿勢の患者に適合するように方向付けられたときに第2の部分の上方に位置決めされる、適合可能な患者支持体を提供する。或る実施形態では、本技術は、適合可能な患者支持体に関連する方法を提供する。例えば、或る実施形態では、本技術は、直立姿勢の患者にバッグを適合させる方法を提供し、前記方法は、複数のビーンを含むバッグ内の空気の一部を真空引きすることと、バッグを垂直に方向付けすることと、直立姿勢の患者にバッグを押し付けることと、バッグ内の空気の第2の部分を真空引きすることと、を含む。
【0015】
或る実施形態では、本技術は、移動可能な患者支持体と、移動可能な患者支持体を移動させるように構成されたアクチュエータと、アクチュエータに電気的に連結された主電源と、低電圧バッテリ、リレー、およびブレーキを含む、アクチュエータに連結されたバックアップ電気回路であって、主電源が無効になっているときにアクチュエータを動作させるように構成された、バックアップ電気回路と、を備える患者位置決めシステムを提供する。
【0016】
或る実施形態では、本技術は、排水孔を備える床パネルと、前記床パネルの下方の一体型流体制御カセットと、を備え、前記流体制御カセットは吸収材料を備える、患者位置決めシステムを提供する。或る実施形態では、患者位置決めシステムは、一体型流体制御カセットを受け入れるように構成された流体制御受入開口を備える。或る実施形態では、患者位置決めシステムは、流体制御カセット受入開口内への流体制御カセットの挿入を案内して、挿入された流体制御カセットを支持する第1のレールおよび第2のレールを備える。或る実施形態では、流体制御カセットは使い捨て可能または再使用可能である。或る実施形態では、流体制御カセットは、抗菌化合物、抗ウイルス化合物、抗細菌化合物、消毒剤、消臭化合物、および/または超吸収性ポリマーを含む。
【0017】
さらなる実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて当業者には明らかであろう。
【0018】
特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を伴うこの特許または特許出願公開の写しは、請求および必要な料金の支払いに応じて特許庁によって提供される。
【0019】
本技術のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の図面に関してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】明確にするために複数の構成要素が取り外された
図1の患者位置決めシステムの斜視図である。
【
図3】
図1の患者位置決めシステムの側面図である。
【
図4】
図1の患者位置決めシステムの別の側面図である。
【
図5A】
図1の患者位置決めシステムにおける患者の斜視図である。
【
図5B】
図5Aの患者位置決めシステムにおける患者の側面図である。
【
図5C】
図5Aの患者位置決めシステムにおける患者の正面図である。
【
図6A】所望の患者領域が治療ビームおよび/または撮像ビームと位置合わせされる第1の向きにある、
図1の患者位置決めシステムにおける患者の側面図である。
【
図6B】
図6Aに示す患者位置決めシステムおよび患者が軸線周りに回転された後の第2の向きにある、
図1の患者および患者位置決めシステムの側面図であり、これにより、所望の患者領域が治療ビームおよび/または撮像ビームと位置ずれする。
【
図6C】
図6Bに示す患者位置決めシステムおよび患者が、所望の患者領域と治療ビームおよび/または撮像ビームを再位置合わせするように並進された後の第3の向きにある、
図1に示す患者および患者位置決めシステムの側面図である。
【
図7A】折り畳まれた垂直位置にある
図1の患者位置決めシステムの斜視図である。
【
図7B】展開された垂直位置にある
図1の患者位置決めシステムの斜視図である。
【
図8】シザーリフト機構の斜視図であり、一部が透明で示されている。
【
図9】
図8のシザーリフト機構のチェーンドライブアクチュエータの部分斜視図である。
【
図10】重量検知アセンブリを示す、
図1の患者位置決めシステムの上面図である。
【
図13A】重量検知アセンブリによって検出された状況の斜視図である。
【
図14】シート部材を含む調整可能シートアセンブリの部分斜視図である。
【
図16】
図14の調整可能シートアセンブリのクリートの斜視図である。
【
図17】
図14の調整可能シートアセンブリの台座の斜視図である。
【
図18】別の実施形態による調整可能シートアセンブリの部分斜視図である。
【
図20】水平化および位置合わせのための3つの調整器を有する、
図1の患者位置決めシステムの底面図である。
【
図21】構成可能な患者支持体の部分斜視断面図である。
【
図22】舌部および2つの位置合わせロッドを含む取り外し可能なシートバックの部分断面図である。
【
図23A】構成可能な患者支持体のベースの色付き斜視図である。
【
図25】
図22の取り外し可能なシートバックの部分斜視断面図である。
【
図26】
図25の取り外し可能なシートバックの断面図である。
【
図27】第1のロッドブロックの部分断面図である。
【
図28】第2のロッドブロックの部分断面図である。
【
図29】ブロック内に位置決めされたロッドの部分断面図である。
【
図31】垂直の適合可能な患者支持体の斜視図である。
【
図33】床パネルに取り付けられた取り外し可能な流体制御カセットの斜視図である。
【
図34】
図33の取り外し可能な流体制御カセットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、図における物体も相互の関係において必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解されたい。図は、本明細書に開示される機器、システム、および方法の様々な実施形態に明瞭さおよび理解をもたらすことを意図した描写である。可能な限り、同じまたは同様の部分を指すために図面全体を通して同じ参照番号が使用される。さらに、図面は、本教示の範囲を決して限定するものではないことを理解されたい。
【0022】
本明細書で提供されるのは、医療撮像および放射線治療に関する技術であり、特に、限定はしないが、放射線源によって生成された放射線ビームに患者を曝露することによって患者を撮像し、および/または患者を治療するために放射線源に対して患者を位置決めするための装置、方法、およびシステムに関する技術である。
【0023】
様々な実施形態に関するこの詳細な説明では、説明の目的で、開示された実施形態の完全な理解をもたらすために多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者は、これらの様々な実施形態が、これらの具体的な詳細の有無にかかわらず実施されることを理解するであろう。他の例では、構造および装置がブロック図形式で示されている。さらに、当業者は、方法が提示され実施される特定の順序が例示的なものであり、順序は変更可能であり、本明細書に開示される様々な実施形態の趣旨および範囲内に依然としてあり得ることを容易に理解することができる。
【0024】
本出願で引用されたすべての文献および同様の資料は、特許、特許出願、記事、書籍、論文、およびインターネットウェブページを含むがこれらに限定されないが、その全体が任意の目的のために参照により明示的に組み込まれる。他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本明細書に記載の様々な実施形態が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。組み込まれた参考文献中の用語の定義が本教示で提供される定義と異なるように見える場合、本教示で提供される定義が優先されるものとする。本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的のためだけであり、記載された主題を限定するものと決して解釈されるべきではない。
【0025】
定義
本技術の理解を容易にするために、いくつかの用語および語句を以下に定義する。さらなる定義は、詳細な説明を通して記載される。
【0026】
明細書および特許請求の範囲を通して、以下の用語は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、本明細書に明示的に関連する意味をとる。本明細書で使用される「一実施形態では」という語句は、同じ実施形態を指す場合もあるが、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、本明細書で使用される「別の実施形態では」という語句は、異なる実施形態を指す場合もあるが、必ずしも異なる実施形態を指すとは限らない。したがって、以下に説明するように、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明の様々な実施形態を容易に組み合わせることができる。
【0027】
さらに、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包括的な「または」演算子であり、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、「および/または」という用語と同等である。「に基づく」という用語は排他的ではなく、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、記載されていない追加の要因に基づくことを可能にする。さらに、本明細書全体を通して、「a」、「an」、および「the」の意味は、複数の言及を含む。「in」の意味は、「in」および「on」を含む。
【0028】
本明細書で使用される場合、「約(about)」、「およそ(approximately)」、「実質的に(substantially)」、および「有意に(significantly)」という用語は、当業者によって理解され、それらが使用される文脈上である程度変化する。これらの用語が使用される文脈を考慮すると、当業者に明確でないこれらの用語の使用がある場合、「約(about)」および「およそ(approximately)」は、特定の用語の10%以下のプラスまたはマイナスを意味し、「実質的に(substantially)」および「有意に(significantly)」は、特定の用語の10%を超えるプラスまたはマイナスを意味する。
【0029】
本明細書で使用される場合、範囲の開示は、範囲に与えられた端点およびサブ範囲を含む、全範囲内のすべての値およびさらに分割された範囲の開示を含む。本明細書で使用される場合、数値範囲の開示は、端点およびそれらの間に介在する各数字を同じ精度で含む。例えば、6~9の範囲では、6および9に加えて数字7および8が企図され、6.0~7.0の範囲では、数字6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、および7.0が明示的に企図される。
【0030】
本明細書で使用される場合、接尾辞「~フリー」は、「フリー」が付加される単語の基本語根の特徴を省略する技術の一実施形態を指す。すなわち、本明細書で使用される「Xフリー」という用語は「Xなし」を意味し、Xは「Xフリー」技術で省略された技術の特徴である。例えば、「カルシウムフリー」の組成物はカルシウムを含まず、「混合フリー」の方法は混合ステップなどを含まない。
【0031】
「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、本明細書では様々なステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、および/または部分を説明するために使用されるが、これらのステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、および/または部分は、特に明記しない限り、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つのステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層および/または部分を別のステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層および/または部分と区別するために使用される。本明細書で使用される場合、「第1の」、「第2の」などの用語、および他の数値用語は、文脈によって明確に示されない限り、順序または順番を意味しない。したがって、本明細書で論じられる第1のステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、または部分は、技術から逸脱することなく、第2のステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、または部分と呼ぶことができる。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「存在」または「不存在」(あるいは、「存在する」または「存在しない」)は、特定の実体(例えば、構成要素、動作、要素)の量またはレベルを説明するために相対的な意味で使用される。例えば、実体が「存在する」と言われる場合、それは、この実体のレベルまたは量が所定の閾値を上回ることを意味する。逆に、実体が「存在しない」と言われる場合、それは、この実体のレベルまたは量が所定の閾値を下回ることを意味する。所定の閾値は、実体または任意の他の閾値を検出するために使用される特定の試験に関連する検出可能性の閾値である。実体が「検出された」場合、それは「存在する」。実体が「検出されない」場合、それは「存在しない」。
【0033】
本明細書で使用される場合、「増加」または「減少」は、変数の以前に測定された値に対する、事前に確立された値に対する、および/または標準対照の値に対する、変数の値の検出可能な(例えば、測定される)正または負の変化をそれぞれ指す。増加は、変数の以前に測定された値、予め確立された値、および/または標準対照の値に対する、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは50%、さらにより好ましくは2倍、さらにより好ましくは少なくとも5倍、最も好ましくは少なくとも10倍の正の変化である。同様に、減少は、変数の以前に測定された値、予め確立された値、および/または標準対照の値の好ましくは少なくとも10%、より好ましくは50%、さらにより好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の負の変化である。「より多い」または「より少ない」などの定量的な変化または差を示す他の用語は、本明細書では上記と同じ様式で使用される。
【0034】
本明細書で使用される場合、「システム」は、共通の目的のために一緒に動作する複数の実際のおよび/または抽象的な構成要素を指す。或る実施形態では、「システム」は、ハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素の統合された集合である。或る実施形態では、システムの各構成要素は、1つ以上の他の構成要素と相互作用し、および/または1つ以上の他の構成要素に関連する。或る実施形態では、システムは、方法を制御および指示するための構成要素とソフトウェアとの組み合わせを指す。例えば、「システム」または「サブシステム」は、システムまたはサブシステムの機能を実行するために、機械装置、ハードウェア、ハードウェアの構成要素、回路、電気回路構成、論理設計、論理構成要素、ソフトウェア、ソフトウェアモジュール、ソフトウェアまたはソフトウェアモジュールの構成要素、ソフトウェア手順、ソフトウェア命令、ソフトウェアルーチン、ソフトウェアオブジェクト、ソフトウェア機能、ソフトウェアクラス、ソフトウェアプログラム、ソフトウェアを含むファイルなどのうちの1つ以上、または任意の組み合わせを含むことができる。したがって、実施形態の方法および機器、またはその特定の態様もしくは部分は、フロッピーディスケット、CD-ROM、ハードドライブ、フラッシュメモリ、または任意の他の機械可読記憶媒体などの有形媒体で具現化されたプログラムコード(例えば、命令)の形態をとることができ、プログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされて実行されると、機械は実施形態を実施するための機器になる。プログラム可能なコンピュータ上でプログラムコードを実行する場合、コンピューティングデバイスは、一般に、プロセッサと、プロセッサによって読み取り可能な記憶媒体(例えば、揮発性および不揮発性メモリならびに/または記憶素子)と、少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの出力装置とを含む。1つ以上のプログラムは、例えば、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、再利用可能な制御装置などの使用を介して、実施形態に関連して説明されたプロセスを実施または利用することができる。そのようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するために、高レベル手続き型プログラミング言語またはオブジェクト指向プログラミング言語で実装されることが好ましい。しかしながら、プログラムは、必要に応じて、アセンブリ言語または機械語で実装することができる。いずれの場合でも、言語は、コンパイル言語またはインタープリタ言語であり、ハードウェア実装と組み合わされる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「コンピュータ断層撮影」という用語は「CT」と略され、断層撮影および非断層撮影の両方を指す。例えば、「CT」という用語は、X線CT、陽電子放射断層撮影法(PET)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、および光子計数型コンピュータ断層撮影法を含むがこれらに限定されない多数の形態のCTを指す。一般に、コンピュータ断層撮影(CT)は、X線源および患者の周りを回転する検出器の使用と、その後の異なる平面への画像の再構成とを含む。本明細書に記載のCT(例えば、CTのために提供される装置、機器、および方法)の実施形態では、X線源は静止源であり、患者は静止源に対して回転する。CTで使用されるX線の電流は、カソードからアノードへの電流の流れを表し、典型的にはミリアンペア(mA)で測定される。
【0036】
本明細書で使用される場合、「~するように構築された」という用語は、識別された要素またはアセンブリが、識別された動詞を実行するように成形、サイズ設定、配置、連結、および/または構成された構造を有することを意味する。例えば、「移動するように構築された」部材は、別の要素に移動可能に連結され、部材を移動させる要素を含むか、または他の要素もしくはアセンブリに応答して移動するように構成される。したがって、本明細書で使用される場合、「~するように構築された」は、機能ではなく構造を列挙する。さらに、本明細書で使用される場合、「~するように構築された」とは、識別された要素またはアセンブリが、識別された動詞を実行するように意図され、設計されていることを意味する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「関連する」という用語は、要素が同じアセンブリの一部であり、および/または一緒に動作するか、または何らかの方法で互いに作用することを意味する。例えば、自動車は4本のタイヤと4つのハブキャップを有する。すべての要素が自動車の一部として連結されているが、各ハブキャップは特定のタイヤに「関連している」ことが理解される。
【0038】
本明細書で使用される場合、「連結された」という用語は、任意の適切な手段によって一緒に固定された2つ以上の構成要素を指す。したがって、或る実施形態では、2つ以上の部品または構成要素が「連結された」という記述は、部品が直接的または間接的に、例えば1つ以上の中間部品または構成要素を介して共に接合されるまたは動作することを意味するものとする。本明細書で使用される場合、「直接連結された」とは、2つの要素が互いに直接接触していることを意味する。本明細書で使用される場合、「固定的に連結された」または「固定された」は、2つの構成要素が互いに対して一定の向きを維持しながら1つとして移動するように連結されることを意味する。したがって、2つの要素が連結されると、それらの要素のすべての部分が連結される。しかしながら、第2の要素に連結されている第1の要素の特定の部分、例えば、第1のホイールに連結されている車軸の第1の端部の説明は、第1の要素の特定の部分がその他の部分よりも第2の要素の近くに配置されていることを意味する。さらに、重力のみによって適所に保持された別の物体に載っている物体は、上部物体が実質的に適所に維持されない限り、下部物体に「連結」されない。すなわち、例えば、テーブル上の書籍は連結されず、テーブルに接着された書籍が連結される。
【0039】
本明細書で使用される場合、「取り外し可能に連結された」または「一時的に連結された」という用語は、1つの構成要素が別の構成要素と本質的に一時的に連結されることを意味する。すなわち、2つの構成要素は、構成要素の接合または分離が容易であり、構成要素を損傷しないように連結される。したがって、「取り外し可能に連結された」構成要素は、構成要素に損傷を与えることなく容易に分離および再連結される。
【0040】
本明細書で使用される場合、「動作可能に連結された」という用語は、それぞれが第1の位置と第2の位置との間、または第1の構成と第2の構成との間で移動可能な複数の要素またはアセンブリが、第1の要素が一方の位置/構成から他方の位置/構成に移動すると、第2の要素も位置/構成間で移動するように連結されることを意味する。第1の要素は、別の要素に「動作可能に連結され」ていても、その逆は真ではないことに留意されたい。
【0041】
本明細書で使用される場合、「回転可能に連結された」という用語は、構成要素の少なくとも1つが他方に対して回転可能であるように連結された2つ以上の構成要素を指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、「並進可能に連結された」という用語は、構成要素の少なくとも1つが他方に対して並進可能であるように連結された2つ以上の構成要素を指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「一時的に配置された」という用語は、第1の要素またはアセンブリが、第1の要素を分離または操作する必要なしに第1の要素/アセンブリを移動させることができるように、第2の要素またはアセンブリ上に載っていることを意味する。例えば、本がテーブルに接着または固定されていないなど、単にテーブル上に載っている本は、テーブル上に「一時的に配置されて」いる。
【0044】
本明細書で使用される場合、「対応する」という用語は、2つの構造的構成要素が互いに類似するようなサイズおよび形状であり、最小量の摩擦で連結されることを示す。したがって、部材に「対応する」開口部は、部材が最小量の摩擦で開口部を通過することができるように、部材よりもわずかに大きいサイズにされる。この定義は、2つの構成要素が「ぴったりと」一緒に嵌合する場合に変更される。その場合、構成要素のサイズの差がさらに小さくなり、摩擦量が増加する。開口部を画定する要素および/または開口部に挿入された構成要素が変形可能または圧縮可能な材料から作られている場合、開口部は、開口部に挿入されている構成要素よりもわずかに小さくてもよい。表面、形状、および線に関して、2つ以上の「対応する」表面、形状、または線は、一般に、同じサイズ、形状、および輪郭を有する。
【0045】
本明細書で使用される場合、「移動経路」または「経路」は、移動する要素に関連して使用される場合、要素が動いているときに移動する空間を含む。したがって、移動する任意の要素は、本質的に「移動経路」または「経路」を有する。
【0046】
本明細書で使用される場合、2つ以上の部品または構成要素が互いに「係合」するという記述は、要素が直接または1つ以上の中間要素または構成要素を介して互いに力または付勢を及ぼすことを意味するものとする。さらに、可動部品に関して本明細書で使用されるように、可動部品は、ある位置から別の位置への運動中に別の要素に「係合」することができ、および/または記載された位置で一度別の要素に「係合」することができる。したがって、「要素Aが要素Aの第1の位置に移動すると、要素Aは要素Bと係合する」および「要素Aが要素Aの第1の位置にあるとき、要素Aは要素Bと係合する」という記述は同等の記述であり、要素Aが要素Aの第1の位置に移動している間に要素Bと係合するか、および/または要素Aが要素Aの第1の位置にある間に要素Bと係合することを意味することが理解される。
【0047】
本明細書で使用される場合、「動作可能に係合する」という用語は、「係合して移動する」ことを意味する。すなわち、移動可能または回転可能な第2の構成要素を移動させるように構築された第1の構成要素に関して使用される場合の「動作可能に係合する」とは、第1の構成要素が、第2の構成要素を移動させるのに十分な力を加えることを意味する。例えば、スクリュードライバはねじに接触して配置される。スクリュードライバに力が加えられていない場合、スクリュードライバは単にねじに「連結」される。スクリュードライバに軸力が加えられると、スクリュードライバはねじに押し付けられ、ねじに「係合」する。しかしながら、スクリュードライバに回転力が加えられると、スクリュードライバはねじに「動作可能に係合し」、ねじを回転させる。さらに、電子部品では、「動作可能に係合する」とは、ある構成要素が制御信号または電流によって別の構成要素を制御することを意味する。
【0048】
本明細書で使用される場合、「数」という用語は、1または1より大きい整数(例えば、複数)を意味するものとする。
【0049】
本明細書で使用される場合、「[x]がその第1の位置と第2の位置との間を移動する」、または「[y]がその第1の位置と第2の位置との間を[x]を移動させるように構築されている」という語句において、「[x]」は要素またはアセンブリの名前である。さらに、[x]が複数の位置の間を移動する要素またはアセンブリである場合、代名詞「その」は「[x]」、すなわち、代名詞「その」に先行する指定された要素またはアセンブリを意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、円形または円筒形の本体の「半径方向側面/半径方向表面」は、その中心またはその中心を通る高さ線の周りに延びる、またはその中心を取り囲む側面/表面である。本明細書で使用される場合、円形または円筒形の本体の「軸線方向側面/軸線方向表面」は、中心を通る高さ線にほぼ垂直に延びる平面内に延びる側面である。すなわち、一般に、円筒形のスープ缶の場合、「半径方向側面/半径方向表面」は、ほぼ円形の側壁であり、「軸線方向側面/軸線方表面」は、スープ缶の上部および底部である。
【0051】
本明細書で使用される場合、「診断」検査は、対象の疾患状態または症状の検出または同定、対象が所与の疾患または症状に罹患する可能性を判定すること、疾患または症状を有する対象が治療に反応する可能性を判定すること、疾患または症状(またはその可能性のある進行もしくは退行)を有する対象の予後を判定すること、および疾患または症状を有する対象に対する治療の効果を判定することを含む。例えば、診断は、対象が癌を患っているか、またはその可能性を検出するために、またはそのような対象が化合物(例えば、医薬品、例えば薬物)もしくは他の治療に有利に応答する可能性を検出するために使用されることができる。
【0052】
本明細書で使用される場合、「症状」という用語は、一般に、疾患、疾病、傷害、事象、または健康状態の変化を指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、症状に関して「治療する」または「治療」という用語は、症状を予防すること、症状の発症もしくは発症速度を遅らせること、症状を発症するリスクを低下させること、症状に関連する症候の発症を予防もしくは遅延させること、症状に関連する症候を軽減もしくは終了させること、症状の完全もしくは部分的な退縮を生成すること、またはそれらの何らかの組み合わせを指す。或る実施形態では、「治療」は、患者またはその一部(例えば、組織、器官、身体部分、または患者の身体の他の局所領域)を放射線(例えば、電磁放射線、電離放射線)に曝露することを含む。
【0054】
本明細書で使用される場合、用語「ビーム」は、放射線(例えば、電磁波および/または粒子放射線)の流れを指す。或る実施形態では、ビームは光源によって生成され、小さい立体角に制限される。或る実施形態では、ビームはコリメートされる。或る実施形態では、ビームは一般に一方向である。或る実施形態では、ビームは発散性である。
【0055】
本明細書で使用される場合、「患者」または「対象」という用語は、放射線による撮像および/または治療のために識別および/または選択された哺乳動物を指す。したがって、或る実施形態では、患者または対象は、放射線ビーム、例えば放射線源によって生成された一次ビームと接触する。或る実施形態では、患者または対象はヒトである。或る実施形態では、患者または対象は、獣医学的動物もしくは飼育動物、家畜もしくはペット、または臨床研究に使用される動物である。或る実施形態では、対象または患者は癌を有し、および/または対象または患者は癌を有するかまたは有するリスクがあると認識されている。
【0056】
本明細書で使用される場合、「治療体積」または「撮像体積」という用語は、放射線による撮像および/または治療のために選択された患者の体積(例えば、組織)を指す。例えば、或る実施形態では、「治療体積」または「撮像体積」は、癌患者の腫瘍を含む。本明細書で使用される場合、「健康な組織」という用語は、治療体積ではないおよび/または治療体積を含まない患者の体積(例えば、組織)を指す。或る実施形態では、撮像体積は治療体積よりも大きく、治療体積を含む。
【0057】
本明細書で使用される場合、「放射線源」または「線源」という用語は、光子(例えば、粒子または波として記載される)の形態の放射線(例えば、電離放射線)を生成する機器を指す。或る実施形態では、放射線源は、腫瘍をX線ビームまたは電子ビームと接触させることによって癌患者を治療するためにX線または電子を生成する線形加速器(「ライナック」)である。或る実施形態では、線源は粒子(例えば、光子、電子、中性子、ハドロン、イオン(例えば、プロトン、炭素イオン、他の重イオン))を生成する。或る実施形態では、線源は電磁波(例えば、約1pm~約1nmの範囲の波長を有するX線およびガンマ線)を生成する。放射線は、波様および粒子様の両方の態様を有すると説明することができることが理解されるが、波に関して放射を指すことが時には好都合であり、粒子に関して放射を指すことが時には好都合である。したがって、両方の説明は、本技術を限定することなく、量子力学の法則が、すべての粒子または量子実体が粒子または波のいずれかとして説明されることを提供するという理解の下で、全体を通して使用される。
【0058】
本明細書で使用される場合、「静止源」という用語は、撮像または治療のための線源の使用中に患者の周りを回転しない線源を指す。具体的には、「静止源」は、患者が撮像または治療されている間、患者を通過する軸線に対して固定されたままである。患者は、静止した患者の周りを回転する線源の相対運動と同等の、静止源と回転する患者との間の相対運動を生成するために前記軸線の周りを回転することができるが、静止源は、撮像または治療中に第3の物体、基準フレーム(例えば、患者が位置決めされる治療室)、または患者の回転軸線に対して移動せず、患者は、撮像または治療中に前記第3の物体、前記基準フレーム(例えば、前記患者が位置決めされる前記治療室)、または患者を通る患者の回転軸線に対して回転される。したがって、静止源は、移動プラットフォーム上に設置され、したがって、静止源は、移動プラットフォームが移動して静止源を輸送する際に、地上および地上の固定具に対して移動することができる。したがって、「静止源」という用語は、可動「静止源」が患者の撮像または治療中に患者を通る回転軸線の周りを回転しない限り、可動「静止源」を指すことができる。さらに、静止源は、患者の撮像もしくは治療の前に、または患者の撮像もしくは治療の後に、静止源を位置決めするために患者の周りを並進および/または回転することができる。したがって、「静止源」という用語は、例えば、患者が撮像および/または治療されていないときに患者に対して線源を位置決めするために、非撮像および非治療使用において患者の周りを並進または回転する線源を指すことができる。或る実施形態では、「静止源」は光子源であり、したがって「静止光子源」と呼ばれる。
【0059】
本明細書に記載の技術の実施形態は、軸線に沿った並進および/または軸線周りの回転に関する。或る実施形態では、患者支持体および/または患者に対して画定されたX軸、Y軸、およびZ軸を含む座標系が使用される。
図1を参照されたい。
図1に示すように、実施形態は、X軸およびY軸は共に水平面内にあり、かつ/または水平面を画定し、Z軸は垂直軸であり、かつ/または垂直軸を画定する座標系を使用する。患者支持体(例えば、患者位置決め機器)上に位置決めされた患者に関して、X軸は、左右、水平、または正面軸であり、Y軸は、前後軸、背腹軸または矢状軸であり、Z軸は、矢状軸または長手方向軸である。X軸およびY軸は共に、水平、横断、および/または軸方向の平面内にあり、かつ/またはこれを画定する。Y軸およびZ軸は共に、矢状面または長手方向面内にあり、かつ/またはこれを画定する。X軸およびZ軸は共に、正面または冠状面内にあり、かつ/またはこれを画定する。
【0060】
したがって、或る実施形態では、「前方」または「後方」としての移動の説明は、Y軸に沿った移動であり、「左」または「右」としての移動の説明は、X軸に沿った移動であり、「上」および「下」としての動きの説明は、Z軸に沿った動きである。また、「ロール」と記載した回転は、Y軸周りの回転であり、「ピッチ」と記載された回転は、X軸周りの回転であり、「ヨー」と記載された回転は、Z軸周りの回転である。したがって、或る実施形態では、技術は、6つの自由度、例えば、X、Y、および/またはZ軸の1つ以上に沿った並進ならびにX、Y、および/またはZ軸の1つ以上の周りの回転を有するものとして説明される。
【0061】
説明
本明細書の開示は特定の図示の実施形態に言及しているが、これらの実施形態は限定ではなく例として提示されていることを理解されたい。
【0062】
患者位置決めシステム
本明細書に記載の技術は、放射線源(例えば、治療用処置ビームまたは医療用撮像ビーム)に対して患者を位置決めするためのシステムおよび関連する方法に関する。或る実施形態では、本技術は、胴体が垂直方向に位置合わせされた状態(例えば、立位、膝立位、座位など)で患者をほぼ直立姿勢に位置決めするための患者位置決めシステム10に関する。或る実施形態では、放射線源は静止源である。或る実施形態では、放射線源は移動可能に取り付けられ、放射線源の向きを変えるために移動される。
【0063】
或る実施形態では、患者位置決めシステム10は並進可能部材を備え、並進可能部材は、患者位置決めシステムが支持される表面に向かって、および、そこから外方に関節運動するように垂直に並進可能である。並進可能部材は、垂直方向に方向付けされ、本体部分を備えるキャリッジの形態である。或る実施形態では、並進可能部材は支持構造体に取り付けられ、支持構造体は次いで表面に取り付けられる。或る実施形態では、支持構造体は、患者位置決めシステムに安定性を提供し、並進可能部材の垂直移動に影響を与える駆動機構を収容する。
【0064】
或る実施形態では、患者位置決めシステム10は、構成可能な患者支持体110(例えば、患者支持体、患者支持アセンブリなど)を備える。或る実施形態では、患者支持体110は、ほぼ細長い構造体を備える。患者支持体110は、患者をほぼ直立姿勢で受け入れて固定するように構成される。患者支持体110は、患者支持体が並進可能部材に対して垂直軸線(例えば、本質的に垂直な軸線および/または実質的に垂直な軸線)周りに回転可能であるように、並進可能部材に回転可能に取り付けられる。患者支持体の下端は、回転ディスクに取り付けられている。或る実施形態では、患者支持体の上端は、別の回転ディスクに取り付けられる。この構成により、患者支持体は、患者支持体が垂直軸線周りに回転可能であるように、並進可能部材に回転可能に取り付けられる。また、並進可能部材が垂直に関節運動することができるので、並進可能部材に取り付けられた患者支持体も同様に垂直に関節運動することができる。
【0065】
患者支持体110は、治療ビームおよび/または撮像ビームへの曝露を必要とする患者を受け入れるように適合される。患者支持体は、患者支持体に固定された患者の胴体が垂直回転軸線と位置合わせされる(例えば、患者の垂直軸線が垂直回転軸線と位置合わせされる)ように、垂直回転軸線からオフセットされる。したがって、或る実施形態では、患者支持体によって支持された患者の位置は、患者支持体の並進可能部材への回転連結および/または並進可能部材の垂直並進によって調整されることができる。この構成により、患者の位置は、治療ビームまたは撮像ビームが治療または撮像を必要とする患者の領域を標的とすることができるように、治療ビームまたは撮像ビームに対して調整されることができる。
【0066】
或る実施形態では、患者は座位姿勢にあり、患者の胴体は垂直回転軸線周りに垂直直立姿勢にある。或る実施形態では、固定治療ビーム源は、支持構造と同じ表面によって支持され、したがって静止源を提供するために定位置に固定される。治療ビーム源は、患者支持体上に位置決めされた患者に向かって固定治療ビームを向けるように構成される。或る実施形態では、治療ビーム源はライナックであり、ビームはマルチリーフコリメータによって成形される。線源は、水平方向(例えば、本質的に水平および/または実質的に水平な方向)に沿ってビームを向けるように位置決めされる。検出パネルは、検出パネルが治療ビームの経路内に配置可能であるように支持構造に取り付けられる。或る実施形態では、検出パネルは、検出パネルの位置を変更して、患者位置決めシステムへの進入および患者位置決めシステムからの退出のための患者支持体への患者のアクセスを容易にすることができるように、調整可能な装着台に調整可能に取り付けられる。調整可能な装着台は、検出パネルが治療ビームと位置合わせされてその位置から離れるように揺動するように、旋回可能な装着台である。或る実施形態では、追加の検出パネルが、撮像ビーム源と共に使用するために治療ビーム源のハウジングに取り付けられる(例えば、支持構造体に取り付けられる)。或る実施形態では、追加の検出パネルが、患者支持体への患者のアクセスを容易にするように移動されることができるように調整可能に取り付けられる。或る実施形態では、撮像ビーム源が、患者支持体上に位置する患者の領域でビーム経路が交差するように治療ビーム源に対して水平に直交する向きに位置決めされるが、撮像ビーム源および/または治療ビーム源の他の向きも本技術の実施形態に含まれる。治療ビームおよび撮像ビームの両方は、垂直回転軸線と交差するように方向づけられる。
【0067】
或る実施形態では、並進可能部材は、第1の位置と呼ばれる垂直下方位置にある。或る実施形態では、第1の位置は、並進可能部材および、それに取り付けられた患者支持体を、患者位置決めシステムを支持する表面の近くに位置決めする。したがって、第1の位置は、患者が患者支持体に固定され得るように、患者位置決めシステムへの患者の進入を可能にし得る。或る実施形態では、並進可能部材が第1の位置にあるとき、回転ディスクが表面と実質的に同じ高さになるように、並進可能部材は表面内に部分的に陥凹しており、したがって、患者を不均一な表面に合わせる必要なしに患者支持体への患者のアクセスを容易にする。或る実施形態では、第1の位置は、患者が着座姿勢で患者支持体に固定されたときに、固定治療ビームが患者(例えば、身長約1900mmの患者)の頭部に向けられるように構成される。この高さは、95パーセンタイルの米国人男性患者の身長に対応し、患者位置決めシステムを集団の大部分での使用に適応可能にするが、本技術の実施形態は他の構成を含み、身長および/または体重の上限および下限の患者に適している。
【0068】
例示的な実施形態では、患者を着座姿勢で患者支持体に固定することにより、固定治療ビームが患者の頭部の上部から患者の腹部の一般領域(例えば、臀部および/またはへその近く)までの領域で患者を標的とすることが可能になる。例えば、治療ビームは、着座した患者の頭部(例えば、身長約1900mmの着座した患者の頭部)と位置合わせするように構成される。患者の身長が約1900mmよりも低い場合、治療ビームは、第1の位置で着座した患者の頭部の上に向けられる。したがって、実施形態は、患者位置決めシステムを支持する表面から離れるように並進可能部材を垂直上方に並進させることによって、身長が約1900mm未満の患者の頭部を治療ビームと位置合わせすることを提供する。同様に、患者は、並進可能部材の並進によって垂直上方に位置決めされ、固定治療ビームを患者のへその全体領域まで胴体の任意の部分と位置合わせする。実施形態はさらに、患者を立位姿勢において支持するように患者支持体を構成することによって患者を立位姿勢において提供することによって、へそより下の患者の一部(例えば、臀部、脚、および/または足)を固定治療ビームで標的化することを提供する。
【0069】
例えば、或る実施形態では、立位患者は、並進可能部材が第1の位置にあるときに患者支持体によって支持される。患者支持体の垂直高さは、身長約1900mmの患者を収容するように構成される。さらに、或る実施形態では、立位患者は、並進可能部材が第2の位置と呼ばれる垂直上方位置にあるときに患者支持体によって支持される。並進可能部材が第2の位置にあるとき、固定治療ビームは、或る実施形態では、患者の足および/または足首に向けられてもよく、したがって足および/または足首の治療を提供する。或る実施形態では、並進可能部材は、第1の位置と第2の位置との間の適切な垂直位置に移動して、固定治療ビームを患者の足とへそとの間の患者の部分と位置合わせする。したがって、本技術は、並進可能部材の垂直移動を最小限に抑えながら、患者の任意の部分、例えば頭の頂部から足を標的とする固定治療ビームを提供する。したがって、患者位置決めシステムは、あらゆる高さ、例えば、95パーセンタイルの米国人男性患者から5パーセンタイルの日本人女性患者までの身長の範囲の立位および座位の患者に適した患者支持体を提供する。或る実施形態では、並進可能部材は、約3000~4000mm(例えば、3000、3050、3100、3150、3200、3250、3300、3350、3400、3450、3500、3550、3600、3650、3700、3750、3800、3850、3900、3950、または4000mm)垂直に並進して、95パーセンタイルの身長の米国人男性患者の頭から足までの任意の部分を標的とする。並進可能部材の垂直移動を最小限に抑えることの1つの利点は、患者位置決めシステムによって必要とされる垂直空間が最小限に抑えられ、したがって、患者位置決めシステムが従来の治療バンカ(treatment bunkers)よりも小さい空間に配置されることを可能にし、設置および組み立てのコストを削減することである。
【0070】
治療を必要とする患者の一部が立位姿勢または着座姿勢のいずれかで標的とされ得る場合、患者が患者支持体によって支持される位置は(例えば、患者の快適性、患者の症状、および/または治療プロトコルに基づいて)選択可能である。さらに、或る実施形態では、並進可能部材の並進は、患者の頭の頂部から患者の足まで座位姿勢または立位姿勢での患者の治療を提供する。さらに、或る実施形態では、並進可能部材の移動は、患者の頭の頂部から患者の腹部および生殖器領域まで座位姿勢または立位姿勢での患者の治療を提供する。
【0071】
或る実施形態では、並進可能部材は、垂直上方の第2の位置と垂直下方の第1の位置との間を移動するように適合され、並進可能部材は、患者位置決めシステムを支持する表面の凹部に配置され、それにより、並進可能部材上に位置決めされた患者の一部も同様に凹部に配置される。或る実施形態では、患者位置決めシステムは、その患者が第1の位置で患者支持体に固定され、凹部内に患者の一部を配置するときに、固定治療ビームが95パーセンタイルの身長の米国人男性の頭部に向けられるように構成される。或る実施形態では、患者位置決めシステムは、固定治療ビームが第2の位置で患者支持体に固定された患者の足および/または足首に向けられるように構成される。或る例示的な実施形態では、この構成は、患者支持体を支持する表面内への第1の位置と第2の位置との間の並進可能部材の垂直移動の一部を構成することによって、患者支持体の垂直高さを低減する。
【0072】
したがって、或る実施形態では、並進可能部材の並進は、患者の頭の頂部から患者の足までのどこかである患者の身体の領域において座位姿勢または立位姿勢での患者の治療を提供する。さらに、或る実施形態では、並進可能部材の並進は、患者の頭の頂部から患者の腹部および生殖器領域までのどこかである患者の身体の領域において座位姿勢または立位姿勢での患者の治療を提供する。したがって、本技術の実施形態は、例えば、患者の頭、首、胸、乳房、上腕、肘、下腕、手、腹部、内臓、生殖器、肛門、上腿、膝、下腿、足首、および足の治療を提供する。このリストは例示的なものであり、限定的なものではない。したがって、患者の頭と足との間および/または患者の頭と生殖器との間の他の身体部分および領域は、本技術によって治療することができるすべての可能な領域である。
【0073】
或る実施形態では、本技術は、患者位置決めシステムの垂直上方に位置する水平リングを備える撮像システム(例えば、CTスキャナ)を提供する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20220183641号明細書を参照されたい。患者位置決めシステムを撮像システムに垂直に隣接して配置することにより、患者位置決めシステムは、固定治療ビームおよび撮像システムの両方に対して患者を方向付ける。この構成を含む実施形態は、直立位置にある撮像システムによって撮像される位置に患者を提供し、したがって医療従事者に、固定治療ビームも受ける同じ直立位置にある患者の解剖学的構造の画像を提供する。したがって、本技術は、治療に対して異なる患者位置で撮像が行われるときに、患者の解剖学的構造の重力シフトから生じる可能性がある不確実性を低減する。
【0074】
或る実施形態では、例えば上述したように、放射線源(例えば、治療ビーム)は、患者と治療ビームとの間の相対運動が患者位置決めシステムの運動の影響を受けるように定位置に固定される。代替的な実施形態では、治療ビームの位置は、患者と治療ビームとの間の相対運動が患者位置決めシステムの移動によって、および治療ビームの位置を調整することによって達成されるように調整可能である。例えば、或る実施形態では、治療ビームの位置は、患者支持体によって必要とされる垂直移動が低減され、代わりに治療ビームの垂直調整によって考慮されるように、2つの垂直に変位した位置の間で調整可能である。さらに、本技術は、治療ビームの調整の程度が比較的小さいので、必要とされる遮蔽量を低減および/または最小化するという利点を提供する。
【0075】
或る実施形態では、本明細書に記載の技術は、治療ビーム源である放射線源、例えば、マルチデフコリメータによって成形されたビームを生成するライナックを備える。しかしながら、本技術は、治療ビーム源、例えば、マルチデフコリメータによって成形されたビームを生成するライナックを含む実施形態に限定されず、他の形態の放射線源と共に、例えばCTやMRIなどの撮像技術と共に使用される患者位置決めシステムを含む実施形態を含む。
【0076】
或る実施形態では、患者支持体110は患者固定システムを備える。或る実施形態では、患者固定システムは、患者を患者支持体にしっかりとかつ快適に固定するために患者支持体に取り付けられる。或る実施形態では、患者固定システムは、患者を着座姿勢で患者支持体に固定するために第1の向きに構成可能であり、立位または実質的に立位の姿勢で患者を患者支持体に固定するために第2の向きに構成可能である。
【0077】
本明細書に記載されるように、実施形態は、患者支持アセンブリを備える患者位置決めシステムを提供する。或る実施形態では、患者支持アセンブリは、背もたれ、シート部材、脛当て、アームレスト、ヘッドレスト、および/またはフットブレースを備える。或る実施形態では、フットブレースはヒールストップを備える。実施形態は、背もたれ、シート部材、脛当て、アームレスト、ヘッドレスト、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)が、患者支持システムからの(例えば、患者支持アセンブリからの)患者の進入および/または退出に対応するために、および/または撮像または治療のために患者を複数の位置で支持するために、複数の位置の間で構成可能であることを提供する。
【0078】
例えば、或る実施形態では、患者支持アセンブリ110は、垂直軸線に対して胴体がある角度で傾斜した患者を受け入れて支持するように構成可能である。この構成により、垂直軸線に対する患者の傾斜した向きに作用する重力の効果は、患者支持アセンブリによって受け入れられる患者の安定化を助けることができる。実施形態は、患者の胴体が前方に傾斜しているか、または後方に傾斜していることを提供する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20200268327号明細書を参照されたい。
【0079】
或る例示的な実施形態では、患者支持体110は、放射線源による患者の乳房の標的化を容易にするために、胴体が垂直軸線に対して前方向に傾斜した患者を提供する。或る実施形態では、患者の胴体が傾斜するように構成される角度は、約±0°~約20°、約±5°~約15°、または約±10°である。構成可能な患者支持体110は、第1の向き、すなわち患者がほぼ着座姿勢にある第1の構成と、第2の向き、すなわち患者がほぼ立位姿勢の、または実質的に立位姿勢にある第2の構成との両方において、ある角度で胴体が傾斜した患者を受け入れるように構成される。或る実施形態では、患者支持アセンブリは、「端座位姿勢」にある患者を提供する。本明細書で使用される場合、「端座位姿勢」という用語は、垂直軸線に対して後方に傾斜した胴体を有し、任意選択的に、膝を曲げたほぼ立位姿勢の患者を指す。
【0080】
或る実施形態では、患者支持体110は、第1の向きにおいて、ほぼ着座姿勢の患者を受け入れるように構成されている。或る実施形態では、患者支持アセンブリは、着座姿勢にある広範囲の患者集団、例えば、米国人男性の95パーセンタイルに相当する身長から日本人女性の5パーセンタイルに相当する身長までの範囲を有する患者を支持するように構成可能である。
【0081】
或る実施形態では、患者支持体110は背もたれ12を備える。或る実施形態では、背もたれ12は、垂直軸線と位置合わせされているか、または実質的にもしくは効果的に位置合わせされている。或る実施形態では、背もたれ12は垂直軸線に対して傾斜しており、したがって、背もたれに寄りかかっている患者が垂直軸線に対して同様に傾斜する(例えば、患者の胴体は、垂直軸線に対して傾斜する)。さらに、或る実施形態では、第1の向きの患者支持体110は、着座姿勢にある患者の臀部または後方を収容するために背もたれ12とほぼ位置合わせした平面から直角に延びるシート部材511を備える。或る実施形態では、第1の向きの患者支持体110は、患者の足首の後方に位置し、それによって着座姿勢にある患者のいかなる部分にも接触しないように、背もたれに向かって位置決めされた脛当てを備える。或る実施形態では、患者支持体110が第1の向きにあるとき、脛当て13はシート部材12の下に位置する。或る実施形態では、患者支持体110は、背もたれの軸線に沿って位置調整可能なアームレストを備える。背もたれの軸線に沿ってアームレストの垂直位置を調整することにより、人体計測的変動が変化する患者が腕を或る位置で静止させることができ、特定の標的領域が放射線源によって標的とされることが容易になる。
【0082】
或る実施形態では、第2の向きの患者支持体110は、ほぼ立位姿勢の患者を受け入れるように構成される。或る実施形態では、第2の向きは、ほぼ立位姿勢にあり、膝を曲げた患者(例えば、端座位姿勢にある患者)の背中を受け入れる、後方に傾斜し、垂直上方に変位した背もたれ12を含む。したがって、或る実施形態では、患者支持体110を第2の向きに構成することは、例えば、背もたれの平面と位置合わせした位置までシート部材を下方に回転させることによって、シート部材をアセンブリから変位させるおよび/または取り外すか、またはそうでなければ、シート部材を第1の向きのその位置から変位させて、第2の位置の患者支持アセンブリへの患者の進入に障害物を提供しない、および/または第2の位置の患者支持体によって受け入れられた患者に障害物を提供しない位置に、シート部材を配置することを含む。さらに、或る実施形態では、第2の向きの患者支持体110は、患者の踵に接触し、患者をほぼ立位姿勢で支持するように位置決めされたフットブレース(例えば、ヒールストップ)を備える。或る実施形態では、フットブレース(例えば、ヒールストップ)は、回転可能なディスクに調整可能に取り付けられる。或る実施形態では、フットブレース(例えば、ヒールストップ)は、フットブレース(例えば、ヒールストップ)を並進させることによって調整可能である。
【0083】
或る実施形態では、シート部材511は、患者の大腿部の後方に配置されて、患者が膝を曲げてほぼ立位姿勢にあるとき(例えば、端座位姿勢にある患者)に患者の上腿を支持する。或る実施形態では、第2の向きの患者支持体110は、例えば、患者がほぼ立位姿勢にあるときに患者の脛に接触するように、患者の足首の前方に脛当て13を備える。この構成では、患者は、脛当て13および背もたれ12によって支持される。或る実施形態では、他の構成も可能であるが、脛当ては、足首とほぼ垂直に位置合わせされた患者の脛を受け入れる。或る実施形態では、脛当ては、ほぼ立位姿勢の(例えば、垂直軸線に対して約10°傾斜した胴体を有する)患者が、胴体と大腿部との間で測定して臀部が約150°の角度で曲げられた状態で位置決めされるように位置決めされる。そのような構成は、患者を安定した快適な姿勢、例えば、患者が臀部および膝を曲げてほぼ立位の姿勢に静止して快適に留まることを可能にする姿勢に維持し、その間、患者の体重は背もたれおよび脛当てによって支持される。或る実施形態では、臀部は、胴体と大腿部との間で測定して、約135°~約165°の間、約145°~約155°の間、または別の適切な角度で曲げられる。或る実施形態では、臀部の角度の選択は、患者のサイズ、患者の胴体の後傾の角度、および/または患者の快適性および/または可動性の範囲を含む要因に依存する。或る実施形態では、調整可能なアームレストの位置は、患者の上腕が垂直回転軸線に直交する水平面に対して約25°の角度にあるように選択される。そのような位置は、例えば、胸部領域が放射線源によって標的化されることを可能にするために、胸部より上の位置に腕を有する患者に快適で安定した支持を提供する。
【0084】
或る実施形態では、第2の向きの患者支持体110は、例えば、患者がほぼ立位姿勢にあるときに患者の脛に接触するための、患者の足首の前方の脛当て13と、例えば、患者がほぼ立位姿勢にあるときに患者の踵に接触するための、患者の足の後方のフットブレース14(例えば、ヒールストップ)とを備える。この構成では、患者は、脛当て13、フットブレース14(例えば、ヒールストップ)、および背もたれ12によって支持される。或る実施形態では、他の構成も可能であるが、脛当ては、足首とほぼ垂直に位置合わせされた患者の脛を受け入れる。或る実施形態では、脛当ては、ほぼ立位姿勢の(例えば、垂直軸線に対して約10°傾斜した胴体を有する)患者が、胴体と大腿部との間で測定して臀部が約150°の角度で曲げられた状態で位置決めされるように位置決めされる。そのような構成は、患者を安定した快適な位置、例えば、患者が臀部および膝を曲げてほぼ立位姿勢に静止して快適に留まることを可能にする位置に維持し、その間、患者の体重は背もたれ、脛当て、およびフットブレース(例えば、ヒールストップ)によって支持される。或る実施形態では、臀部は、胴体と大腿部との間で測定して、約135°~約165°の間、約145°~約155°の間、または別の適切な角度で曲げられる。或る実施形態では、臀部の角度の選択は、患者のサイズ、患者の胴体の後傾の角度、および/または患者の快適性および/または可動性の範囲を含む要因に依存する。或る実施形態では、調整可能なアームレストの位置は、患者の上腕が垂直回転軸線に直交する水平面に対して約25°の角度にあるように選択される。そのような位置は、例えば、胸部領域が放射線源によって標的化されることを可能にするために、胸部より上の位置に腕を有する患者に快適で安定した支持を提供する。
【0085】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、患者の解剖学的構造、例えば患者の背中の湾曲に適合するように輪郭形成されたパッド付き材料を含む一体型背もたれを有するほぼ細長い直立構造を含む。或る実施形態では、一体型背もたれは、患者の身体、例えば患者の背中の形状を補完するように特別に成形された剛性または半剛性のクッションによって提供される輪郭形成された構成要素を備える。或る実施形態では、輪郭形成された構成要素は、患者の身体に合わせて成形し、(例えば、クッションの自己封止型クイックリリースバルブを通って引き込まれる真空を提供することによって)クッション内部のガスが除去されたときに成形形状を保持するように構成されたクッションである。クッションからガスを除去した後、クッションはその形状を保持する(例えば、1~6週間以上)。或る例示的な実施形態では、輪郭形成された構成要素は、CIVCO Radiotherapy社から市販されているVAC-LOKクッションによって提供される。同様の製品は、他のベンダーから市販されている。
【0086】
或る実施形態では、本技術は、一体型患者支持体(および任意選択的に、患者固定システム)を備える患者支持アセンブリを提供する。或る実施形態では、背もたれは、垂直軸線に対してある角度で患者の背中を維持するように適合されている。背もたれの患者を受け入れる側は、垂直軸線に対して後方に傾斜しており、患者を受け入れる側は、垂直軸線に面している。背もたれは、第1の向きまたは第2の向きのいずれかで患者の背中を受け入れるように垂直に調整可能である。或る実施形態では、背もたれは、垂直軸線に対してある角度で傾斜した軸線に沿って摺動するように構成される。或る実施形態では、背もたれは、95パーセンタイルの米国人男性と5パーセンタイルの米国人女性との間の身長を有する患者を収容するために、第1の向きと第2の向きとの間で約400mmだけ垂直に調整可能である。さらに、患者支持アセンブリは、垂直軸線周りの、患者支持アセンブリの回転(および患者支持アセンブリが患者を支持している場合は患者の回転)を提供するために、回転可能構造体(例えば、回転可能なディスク、回転可能なプラットフォーム)に取り付けられる。
【0087】
或る実施形態では、背もたれ12は、以下でさらに説明するように、ロックインターフェースによって患者支持体110に取り付けられる。
【0088】
或る実施形態では、背もたれの垂直位置は、患者の垂直移動とは無関係に調整可能である。例えば、或る実施形態では、患者の垂直移動は、並進可能部材によって、または並進可能部材に対する患者支持アセンブリの垂直移動によって行われる(例えば、患者支持アセンブリは、患者支持アセンブリが並進可能部材に対して垂直方向に回転および/または移動するように適合されるように、並進可能部材に移動可能に取り付けられる)。したがって、患者の垂直位置は、患者支持アセンブリに対する患者の姿勢に影響を与えることなく調整されることができる。
【0089】
背もたれの垂直位置を調整することは、患者の姿勢に影響を及ぼし、望ましくない動き(例えば、患者の脚の範囲を変更)を引き起こし、したがって患者の器官の望ましくない動きを引き起こす可能性がある。さらに、治療または撮像計画が螺旋パターンで患者に衝突するビームを患者に接触させることを含む場合、患者は、患者支持アセンブリ上の患者の姿勢が一定または不変のままである間に、治療または撮像中に垂直に移動および回転される。したがって、実施形態は、患者支持アセンブリに対する患者姿勢ならびに患者支持システムおよび/またはビームラインに対する垂直位置を独立して調整することを提供する。したがって、或る実施形態では、背もたれの垂直位置を調整することによって患者支持アセンブリに対する患者姿勢を調整するために、第1のアクチュエータまたは第1のセットのアクチュエータが設けられる。或る実施形態では、そのような移動は、放射線源がオフの間に(例えば、治療または撮像のために患者の姿勢を調整するため、または患者の快適性を改善するために)行われる。さらに、或る実施形態では、患者支持システムおよび/またはビームラインに対して患者の垂直位置を調整するために、例えば、放射線源がオンである間に患者を移動させるために、または治療もしくは撮像計画、アイソセンタ、もしくはビームラインと位置合わせするように患者を移動させるために、第2のアクチュエータまたは第2のセットのアクチュエータが提供される。
【0090】
或る実施形態では、第1および第2のアクチュエータ、または第1のセットおよび第2のセットのアクチュエータは、例えば、進入および/または退出を容易にする静的構成に構成要素を移動させることによって、および/または、例えば、本明細書でさらに説明するように、患者に動作可能に係合して、患者に力を加えることによって進入および/または退出を容易にすることによって、患者位置決めシステムからの患者の進入または退出を容易にするように(例えば、独立してまたは同時に)動作する。或る実施形態では、患者位置決めシステムの他の要素は、患者の垂直移動とは無関係に調整可能である。例えば、或る実施形態では、例えば以下でさらに説明するように、シート部材の傾斜、向き、または垂直位置を調整するために、第3のアクチュエータまたはアクチュエータの第3のセットが提供される。例えば、シート部材は、車椅子から患者位置決めシステムへの非歩行患者の位置決めを支援するために使用されてもよい。さらなる例として、シート部材を調整すると、患者の垂直位置を調整するのを助けることができる。
【0091】
或る実施形態では、脛当ては、回転可能なディスクに調整可能に取り付けられ、したがって、患者支持アセンブリがそれぞれ第1の向きおよび第2の向きにあるときに、第1の位置と第2の位置との間で構成可能である。或る実施形態では、脛当ては、患者の脛を受け入れるために、ほぼ垂直に位置合わせされたパッド付部材を備える。或る実施形態では、脛当ては、左脚用の脛支持部と右脚用の脛支持部との間の幅を変えるように調整可能である。例えば、或る実施形態では、脛当ては、下腿および/または脛の間に幅の範囲を有する患者の範囲を収容し、快適かつ安定して支持するために、調整可能な幅を有する。或る実施形態では、患者支持体は、下腿および/または脛の間に幅の範囲を有する患者を収容し、快適かつ安定して支持するために、異なるサイズの交換可能な脛当てを備える。或る実施形態では、患者に支持を提供するために、例えば、患者支持体内への患者の進入を支持するために、患者支持体上に患者を位置決めするのを補助するために、および/または患者支持体からの患者の退出を支持するために、患者支持体に(例えば、脛当てに)手すり(例えば、安定化バー)が取り付けられる。
【0092】
或る実施形態では、脛当ては、例えば背もたれに対する調整可能な位置を提供するために、回転ディスクに調整可能に取り付けられる。或る実施形態では、第1の向きにおいて、脛当ては、患者支持アセンブリによって支持された着座した患者と接触しないように、シート部材の下に配置される。或る実施形態では、第2の向きにおいて、患者の背中が背もたれに対して位置するときに患者の脛を支持するために、脛当てが背もたれの前方に位置する。あるいは、実施形態は、第1の向きおよび第2の向きの両方において、脛当て部が調整可能であり、患者の脛に対して配置されてもよく、したがって患者の脛を支持することができることを提供する。或る実施形態では、脛当ては、回転ディスクに対して摺動可能に取り付けられ、所定の位置にロックされてもよい。或る実施形態では、脛当ては、患者を支える支持面を提供することによって、患者をさらに安定させる。患者支持体の回転速度は、遠心力が無視でき、撮像中に患者を不安定にしないように十分に低いが、或る実施形態では、脛当ては、回転中に患者の安定化を提供することができる。
【0093】
或る実施形態では、患者支持体110は、患者の足を第2の向きに維持するためのフットレスト14(例えば、ヒールストップ)を備える。或る実施形態では、フットレストは、患者支持アセンブリの第1および第2の向きの両方において患者の足をさらに維持する。或る実施形態では、患者支持アセンブリが取り付けられる回転ディスクはフットレストでもある。或る実施形態では、フットレスト(例えば、隆起フットレストおよび/またはヒールストップ)は、別個の構成要素として提供され、回転ディスクとは異なる。
【0094】
或る実施形態では、フットレスト14は、ヒールストップである。或る実施形態では、ヒールストップは、回転可能なディスクに調整可能に取り付けられる。或る実施形態では、ヒールストップは、患者の踵を受け入れるためのパッド付き部材を備える。或る実施形態では、ヒールストップは、ヒールストップを並進させることによって調整可能である。或る実施形態では、ヒールストップは、回転ディスクに対して摺動可能に取り付けられ、所定の位置にロックされてもよい。或る実施形態では、第4のアクチュエータまたはアクチュエータの第4のセットが、ヒールストップの位置を調整するために提供される。或る実施形態では、ヒールストップは、例えば、ヒールストップをシート部材の下に位置決めすることによって、患者位置決めシステムからの患者の進入または退出を容易にする位置に調整される。
【0095】
或る実施形態では、本明細書に記載の患者支持アセンブリは、患者との3つの接触点、すなわちシート部材、背もたれ、および脛当てを提供する。或る実施形態では、本明細書に記載の第1の(例えば、着座の)向きの患者支持アセンブリは、患者との3つの接触点、すなわちシート部材、背もたれ、および脛当てを提供する。或る実施形態では、本明細書に記載の第2の(例えば、立位または端座位の)向きの患者支持アセンブリは、患者との3つの接触点、すなわちシート部材、背もたれ、および脛当てを提供する。或る実施形態では、本明細書に記載の第2の(例えば、立位または端座位の)向きの患者支持アセンブリは、患者との3つの接触点、すなわち背もたれ、脛当て、およびフットブレース(例えば、ヒールストップ)を提供する。
【0096】
或る実施形態では、本明細書に記載の患者支持アセンブリは、患者との4つの接触点、すなわち(例えば、回転ディスクによって提供されるような)フットレスト、シート部材、背もたれ、および脛当てを提供する。或る実施形態では、本明細書に記載の第1の(例えば、着座の)向きの患者支持アセンブリは、患者との4つの接触点、すなわち(例えば、回転ディスクによって提供されるような)フットレスト、シート部材、背もたれ、および脛当てを提供する。或る実施形態では、本明細書に記載の第2の(例えば、立位または端座位の)向きの患者支持アセンブリは、患者との4つの接触点、すなわち(例えば、回転ディスクによって提供されるような)フットレスト、シート部材、背もたれ、および脛当てを提供する。或る実施形態では、本明細書に記載の患者支持アセンブリは、患者との4つの接触点、すなわちヒールストップ、シート部材、背もたれ、および脛当てを提供する。或る実施形態では、本明細書に記載の第1の(例えば、着座の)向きの患者支持アセンブリは、患者との4つの接触点、すなわちヒールストップ、シート部材、背もたれ、および脛当てを提供する。或る実施形態では、本明細書に記載の第2の(例えば、立位または端座位の)向きの患者支持アセンブリは、患者との4つの接触点、すなわちヒールストップ、シート部材、背もたれ、および脛当てを提供する。4つの接触点はすべて、患者支持アセンブリの第1および第2の向きにおいて患者に接触し、患者を支持するが、或る実施形態では、第1の(例えば、着座の)向きにおける患者の安定化にとって脛当てはあまり重要ではなく、第2の(例えば、立位または端座位の)向きにおける患者の安定化にとってシート部材はあまり重要ではない。それにもかかわらず、第1の(例えば、着座の)向きの脛当ては、患者を再生し、患者が(例えば、疲労によって)時間とともに前屈みになるのを防止するのに役立ち、第2の(例えば、立位または端座位の)向きのシート部材は、臀部の横方向の動きを防止し、患者をインデックスする(ならびに荷重の一部を支持する)のに役立つ。
【0097】
したがって、本明細書に記載の患者支持アセンブリは、患者を支持するための患者との少なくとも3つの主要な接触点、例えば、(例えば、回転ディスクおよび/またはヒールストップによって提供されるような)フットレスト、シート部材、背もたれ、および/または脛当てのうちの少なくとも3つを提供する。少なくとも3つの接触点は、患者の身体の3つの異なる領域に接触することで患者を支持または維持することによって、患者の快適性を改善する。したがって、患者は、撮像および/または治療中に長時間連続して快適な位置に維持される。さらに、少なくとも3つの接触点は、例えば3つ未満の接触点を有する構成と比較して、患者の動きを最小化および/または排除することによって患者の安定性を改善する。例えば、いくつかの従来の患者位置決め技術では、3つ未満の接触点では、特に第2の向きにあるときに、患者が位置を維持するための力を加える必要がある場合がある。患者位置の再現性はまた、本明細書に記載の少なくとも3つの接触点を提供することによって改善され得る。
【0098】
しかしながら、患者の位置によっては、患者支持アセンブリ(例えば、背もたれ、シート部材、脛当て、フットブレース(例えば、ヒールストップ)、および/またはアームレスト)の1つ以上の構成要素が(例えば、第1の構成または第2の構成のいずれかにおいて)患者を維持または支持する必要がない場合がある。例えば、或る実施形態では、患者支持アセンブリは、患者の身体に沿った3つ以上の異なる点で患者を維持する。或る実施形態では、患者の少なくとも3つの支持領域は、患者の1つ以上の端点(例えば、患者の足)または患者の可動関節付近の領域(例えば、膝、肩、臀部)を含む。このようにして、患者支持アセンブリは、患者が所定の位置を維持するのを助けることができる。
【0099】
或る実施形態では、シート部材は、旋回台座によって患者支持アセンブリに取り付けられる。この構成により、シート部材は、患者支持アセンブリが第1の向きにあるときに背もたれから外側に延びるように位置決めされ、それにより、その患者の背中が背もたれに対して位置するときに着座した患者の臀部に対する支持を提供する。また、この構成によって、シート部材は、背もたれと同じ平面に向かって位置するように旋回軸線の周りで下方に位置決めされ、したがって、第2の位置において患者支持アセンブリによって受け入れられた患者から離れて位置決めされる。
【0100】
或る実施形態では、アームレストは、異なるサイズの患者を収容するために、それらの位置が背もたれに対して調整され得るように、患者支持アセンブリに調整可能に取り付けられる。アームレストの調整可能性はまた、放射線源が患者の解剖学的構造の特定の部分を標的とすることを可能にするために、患者の腕が様々な位置に支持されるのを容易にすることができる。例えば、或る実施形態では、アームレストを背もたれに対して高い垂直位置に位置決めすることにより、アームレストが胸部の高さより上に患者の腕を受け入れることが可能になり、快適な支持を提供することによって患者を安定した位置に維持するのを助けることができる。或る実施形態では、アームレストは、患者の上腕の重量を支持し、患者の上半身に関する特定の位置構成を維持および再現するのを助ける。或る実施形態では、アームレストは、患者支持アセンブリの移動(並進および/または回転)中に患者をさらに安定させる。或る実施形態では、アームレストは、撮像ビームおよび/または治療ビームと干渉しない位置で患者の腕を支持する。例えば、或る実施形態では、アームレストは、線源と治療領域との間にない快適な位置にアームを位置決めする。(例えば、胸部の治療(例えば、乳房の治療)に関する)或る実施形態では、患者の一方または両方の腕は、ビームが患者の腕に接触することなく治療領域に接触するように、胴体に対して90度より大きい角度にある(例えば、一方または両方のアームを肩の高さまたは肩より上に配置する)。言い換えれば、実施形態は、治療ビームおよび/または撮像ビームに干渉せず(例えば、患者の頭部の上)、したがって追加のビーム散乱を最小限にするか、または全く導入しない、快適で安定した位置で患者の腕を支持するアームレストを提供する。
【0101】
或る実施形態では、患者位置決めシステムは、様々なサイズの患者を収容するために位置を垂直方向に調整可能なヘッドレストを備える。或る実施形態では、ヘッドレストは、背もたれに対してヘッドレストの垂直位置を達成するために、例えば、様々なサイズの患者を受け入れ、快適な支持を提供するために、背もたれと摺動可能に接続される。或る実施形態では、第1の向きの患者位置決めシステムは、放射線源で患者の頭部、頸部、乳房、および/または肺を標的とするのに適している。
【0102】
或る実施形態では、第2の向きは、背もたれの平面との位置合わせに向けてその旋回可能な接続部を中心に下方に折り畳まれたシート部材を含み、背もたれは、背もたれの傾斜した軸線に沿って垂直上方に調整され、脛当ては、背もたれから離れて水平に調整され、アームレストは、背もたれに対して垂直に調整される。或る実施形態では、第2の向きは、水平に(例えば、回転可能なディスクの平面内でヒールストップを並進させることによって)調整されたヒールストップをさらに含む。或る実施形態では、ヒールストップは、患者の踵に接触するように位置決めされる。或る実施形態では、第2の向きは、様々な治療位置に患者を快適に収容するために、ほぼ横方向の患者軸線に沿って回転された様々な位置にあるアームレストをさらに含む。
【0103】
例えば、胴体が垂直軸線に対して後方に傾斜した状態であり、足首が脛当てによって(或る実施形態では、フットブレース(例えば、ヒールストップ)によって)支持された状態で、第2の向きで患者を受け入れるように適合された患者位置決めシステムは、患者の位置がほぼ自立して快適であるため有利である。したがって、患者は、かなりの時間にわたって、快適にこのアセンブリを使用して必要な治療位置を維持することができる。それにもかかわらず、患者支持アセンブリの主要な構成要素(例えば、背もたれ、脛当て、シート部材、アームレスト、フットブレース(例えば、ヒールストップ)、およびヘッドレスト)に加えて、或る実施形態は、補足的な支持、安定性、および/または固定を提供するための追加の構成要素(例えば、ハーネス、膨張可能要素、細長いストラップなど)をさらに含む。
【0104】
或る例示的な実施形態では、(例えば、患者の背部を維持または支持するための)背もたれは、背もたれを支持するためにピラーまたは支柱に取り付けられる。ピラー自体は、プラットフォーム、ベース、または表面に取り付けられる。患者支持アセンブリは、患者の後部、臀部、または大腿部を維持または支持するためのシート部材をさらに備える。シート部材は、背もたれに近接してピラーに取り付けられる。他の例では、シート部材は、背もたれに取り付けられる。背もたれおよびシート部材は、それぞれの傾きを調整するためにピラーに旋回可能に取り付けられている。また、ピラーの垂直高さは、背もたれおよびシート部材の垂直高さを調整するために調整可能である。
【0105】
或る例示的な実施形態では、患者支持アセンブリは、患者の脛(例えば、患者の脚の前部、例えば、膝と足首との間)を維持または支持するための脛当てをさらに備える。脛当ては、背もたれおよびシート部材の前のプラットフォームに取り付けられる。脛当ては、患者が背もたれに背を向けて位置決めされたときに患者の脛に面するように、背もたれからオフセットされる。或る実施形態では、プラットフォームは、脛当て取り付けベースの相補的な嵌合部材を受け入れるための複数の穴を備える。穴は、背もたれに対して複数の水平方向のオフセットで設けられており、背もたれと脛当てとの間の水平方向の距離は、脛当てを異なる穴に取り付けることによって調整される。或る実施形態では、例えば、それに沿って脛当てが移動され得るレールと、レールに沿った特定の位置に脛当てを固定するための対応するロック機構とを使用して、脛当てと背もたれとの間の水平距離の連続的な調整を提供するための機構が提供される。
【0106】
背もたれ、シート部材、および脛当ては、実質的に平坦な表面を備え、患者の身体のそれぞれの領域を収容するためのパッドをさらに備えることができる。
【0107】
或る実施形態では、患者支持アセンブリは、患者の足を固定するための一対のフットブレース(例えば、ヒールストップ)をさらに備える。或る実施形態では、フットブレース(例えば、ヒールストップ)は、背もたれと脛当てとの間でプラットフォームに取り付けられる。或る実施形態では、フットブレース(例えば、ヒールストップ)は、背もたれと脛当てとの間で回転可能なディスクに取り付けられる。
【0108】
或る実施形態では、フットブレースはヒールストップを備える。或る実施形態では、ヒールストップは、患者が背もたれに対して位置決めされた背中を有するときに、患者の踵に接触する表面を提供するように設けられる。或る実施形態では、プラットフォームは、ヒールストップの相補的な嵌合部材を受け入れるための複数の穴を備える。穴は、背もたれに対して複数の水平方向のオフセットで設けられており、背もたれとヒールストップとの間の水平方向の距離は、ヒールストップを異なる穴に取り付けることによって調整される。或る実施形態では、例えば、それに沿ってヒールストップが移動され得るレールと、レールに沿った特定の位置にヒールストップを固定するための対応するロック機構とを使用して、ヒールストップと背もたれとの間の水平距離の連続的な調整を提供するための機構が提供される。或る実施形態では、フットブレースは、患者の足をプラットフォームに固定するために、患者の足の上側を覆って留めるように適合されたストラップ、留金、または他のアーチピースを備える。他の例では、患者の足をプラットフォームに固定するためのフットブレース以外の手段、例えば足型くぼみまたは隆起足止めが設けられる。
【0109】
或る実施形態では、患者支持アセンブリは、患者の一方または両方の腕を維持するための1つまたは2つのアームレストまたはアーム支持体をさらに備える。一方または両方のアームレストは、背もたれの左側および右側で背もたれに取り付けられて、患者の一方または両方の左右の腕をそれぞれ受け入れる。アームレストの垂直高さ、ならびに背もたれに対するそれらの位置は、異なるサイズおよび異なる患者位置の患者を収容するために調整される。各アームレストは、肩と肘との間に延びる患者の上腕の一部を受け入れるための屈曲部分を備える。屈曲部分は、患者の身体寸法に適合するように屈曲部分を配向するために、背もたれに接続されたアームに旋回可能に取り付けられる。アームレストは、アームが患者の左側および右側にそれぞれ位置決めされるように、図示のような頭上位置、または下向きの横方向位置などの所定の位置で患者の腕を維持することができる。
【0110】
或る実施形態では、第2の構成の患者支持アセンブリは、ほぼ立位姿勢で患者を支持し、さらに、アームレストは、患者の上腕と係合し、腕を頭上位置に維持し、アームは垂直上方に傾斜し、患者の頭部の上方に延びる。
【0111】
例示的な実施形態では、患者支持アセンブリの第2の構成は、患者の大腿部が少なくとも部分的に垂直方向に沿って延び、患者の膝部が大腿部に対して曲げられた状態で、患者をほぼ立位姿勢に維持する。さらに、或る実施形態では、患者の背中は背もたれによって維持され、患者の臀部はシート部材によって維持され、患者の脛は脛当てによって維持される。或る実施形態では、患者の背中は背もたれによって維持され、患者の脛は脛当てによって維持され、患者の足(例えば、踵)はフットブレース(例えば、ヒールストップ)によって支持される。或る実施形態では、患者の足は、患者の足首の後ろに位置決めされるフットブレースによって固定されない。或る実施形態では、患者の足(例えば、踵)はフットブレース(例えば、ヒールストップ)によって固定され、患者の脛は、患者の脛から離れるように動かされる脛当てによって維持されない。或る実施形態では、患者の腕は、アームレストによって頭上位置に維持される。あるいは、或る実施形態では、患者の腕は、患者の側面で下方に延びるように位置決めされる。
【0112】
例示的な実施形態では、患者支持アセンブリの第1の構成は、患者の大腿部が実質的に水平方向に沿って延び、患者の膝部が大腿部に対してほぼ垂直に曲げられた状態で、患者を着座姿勢に維持する。さらに、或る実施形態では、患者の背中は背もたれによって維持され、患者の臀部はシート部材によって維持され、患者の脛は脛当てによって維持され、したがって、患者をシート部材に沿って前方に摺動させる可能性がある動きを最小限に抑えるおよび/または排除する。或る実施形態では、患者の足(例えば、踵)は、フットブレース(例えば、ヒールストップ)によっても維持される。或る実施形態では、患者の足は、患者の足首の後ろに位置決めされるフットブレースによって固定されない。或る実施形態では、患者の足(例えば、踵)はフットブレース(例えば、ヒールストップ)によって固定され、脛当ては患者の脛から離れるように動かされる。或る実施形態では、患者の腕は、患者の側面で下方に延びるように位置決めされる。或る実施形態では、患者の腕は、アームレストによって頭上位置に維持される。
【0113】
本明細書に記載されるように、実施形態は、患者支持体110が回転可能構造体、例えば並進可能部材の回転ディスクに取り付けられて、患者支持アセンブリを垂直軸線の周りに回転させることを提供する。例えば、或る実施形態では、プラットフォームが回転ディスクに取り付けられる。或る実施形態では、プラットフォームは、回転ディスクと一体的に形成され、回転ディスクの一部を形成する。
【0114】
或る実施形態では、患者支持アセンブリは、垂直方向に沿って移動または並進するように構成される。例えば、或る実施形態では、患者支持アセンブリは、例えば、本明細書に記載されるように、シザーディフト(scissordift)機構310の上方に取り付けられる。したがって、患者支持アセンブリおよび患者の垂直位置は、患者支持アセンブリの構成または患者支持アセンブリに対する患者の位置に影響を及ぼすことなく調整されることができる。或る実施形態では、患者支持アセンブリおよび並進可能部材は、同じ垂直軸線を共有する。
【0115】
本明細書に記載されるように、本技術は、垂直軸線に対する調整可能な傾斜を有する背もたれを提供する。或る実施形態では、背もたれの平面は、例えば、実質的に垂直に配向された所定の位置に患者の胴体を提供するために、患者支持アセンブリの垂直軸線に平行である。或る実施形態では、背もたれの平面は、例えば、垂直軸線に対して後方に傾斜した位置に患者の胴体を提供するために、垂直軸線に対して時計回りに傾斜している(例えば、背もたれは、垂直軸線に対して後方に傾斜している)。或る実施形態では、背もたれの平面は、例えば、垂直軸線に対して前方に傾斜した位置に患者の胴体を提供するために、垂直軸線に対して反時計回りに傾斜している(例えば、背もたれは、垂直軸線に対して前方に傾斜している)。
【0116】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、並進可能部材の水平面または任意の他の固定水平面に対して傾斜または旋回するように適合される。或る実施形態では、プラットフォーム11は、患者支持体110がプラットフォームの一点の周りに傾斜または旋回するように、且つ傾斜点がプラットフォームの中心点またはプラットフォームによって画定された領域内に位置する任意の他の点であるように、並進可能部材に旋回可能に取り付けられる。例えば、或る実施形態では、プラットフォームは、(例えば、球、半球、球の一部、または他の丸みを帯びた表面の形状を含む)丸みを帯びた部材に取り付けられ、プラットフォームは、丸みを帯びた部材に対して傾斜して回転することができる。したがって、丸みを帯びた部材の周りのプラットフォーム11の旋回は、丸みを帯びた部材に対するプラットフォームのピッチおよびロールに2自由度を提供する。或る実施形態では、この移動の自由度は、例えば、治療計画または撮像計画との位置合わせのために患者の角度位置を調整するために、または放射線治療または撮像を意図していない患者の領域の照射を回避するために、患者支持体110および患者を傾けるために使用される。ボールジョイントまたは他の丸いジョイントなどの丸い部材(例えば、プラットフォームの前面に連結される)へのプラットフォームの取り付けは、その周りに角運動が方向付けされる空間内の固定基準点を提供する。或る実施形態では、ベースの安定性を改善するために、丸みを帯びた部材に対するベースの傾斜の向きおよび大きさを制御するための複数のアクチュエータが提供される。例えば、或る実施形態では、2つのアクチュエータがベースの後部に設けられ、後部アクチュエータの両方を一緒に移動させるとベースがピッチし、後部アクチュエータを異なるように移動させるとベースがロールする。ベースは、ベースの中心で球面ジョイントの周りを移動し、ベースの前部に連結された丸みを帯びた部材は、ピッチおよびロール運動を可能にするが、ヨー運動を防止する。
【0117】
或る実施形態では、患者支持体110は旋回可能なベースを備える。或る実施形態では、旋回可能なベースは、患者支持アセンブリが取り付けられるプラットフォームをさらに備え、プラットフォームは、球面ジョイントによってスタンドに旋回可能に接続される。スタンドは、並進可能部材の固定面または回転ディスクに取り付けられる。或る実施形態では、旋回可能なベースは、複数のアクチュエータ(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれ以上のアクチュエータ)をさらに備える。
【0118】
例えば、或る実施形態では、旋回可能なベースは、例えば、スタンドに対して球面ジョイントの周りでプラットフォームを旋回させるために、プラットフォームとスタンドとの間に接続された3つのアクチュエータを備える。例示的な実施形態では、3つのアクチュエータは、球面ジョイントに近接して配置され、プラットフォームの第1の側面と係合する1つの前部アクチュエータと、球面ジョイントの遠位に配置され、第1の側面の反対側のプラットフォームの第2の側面と係合する2つの後部アクチュエータとを備える。或る実施形態では、アクチュエータはプラットフォームのピッチ運動を生成し、前部アクチュエータは、例えば、後部アクチュエータが拡張すると、前部アクチュエータが収縮し、その逆も同様である、後部アクチュエータとのプッシュプル構成を提供する。或る実施形態では、アクチュエータはプラットフォームのロール運動を生成し、後部アクチュエータは、前部アクチュエータ内で大きな運動をすることなく互いにプッシュプル構成にある。球面ジョイント(したがって、旋回可能なベースの旋回点)は、プラットフォームの幾何学的中心からオフセットして配置される。或る実施形態では、旋回可能なベースの旋回点は、ベースの中心および治療または撮像システムのアイソセンタから変位またはオフセットされる。特定の実施形態では、アクチュエータは、旋回点がアクチュエータの1つに近接して配置された三角形構成の3つのアクチュエータと共に配置され、旋回点がすべてのアクチュエータから等距離または実質的に等距離にある構成に対して、ピッチとロールの組み合わせから生じるヨー運動を低減する。或る実施形態では、旋回点およびアクチュエータの構成は、患者支持アセンブリおよび患者の荷重の大部分が球面ジョイントと後部アクチュエータとの間に位置するようになっている。
【0119】
例えば、或る実施形態では、旋回可能なベースは、プラットフォームとスタンドとの間に接続された2つのアクチュエータを備え、例えば、ベースの中心にある球面ジョイントの周りでプラットフォームを旋回させ、ベースの前部に連結された丸みを帯びた部材(例えば、第2の球面ジョイント)がヨー運動を防止する。例示的な実施形態では、前部の丸みを帯びた部材は、中心球面ジョイントに近接して配置され、プラットフォームの第1の側面に係合し、2つの後部アクチュエータは、球面ジョイントの遠位に配置され、第1の側面の反対側のプラットフォームの第2の側面に係合する。或る実施形態では、後部アクチュエータはプラットフォームのピッチ運動を生成し、後部アクチュエータはプッシュ-プッシュまたはプル-プル構成を提供し、例えば、両方の後部アクチュエータが拡張するか、または両方の後部アクチュエータが収縮する。或る実施形態では、後部アクチュエータはプラットフォームのロール運動を生成し、後部アクチュエータは互いにプッシュ-プル構成にあり、例えば、第1の後部アクチュエータは拡張し、第2の後部アクチュエータは収縮する。球面ジョイント(したがって、旋回可能なベースの旋回点)は、プラットフォームの幾何学的中心からオフセットして配置される。或る実施形態では、旋回可能なベースの旋回点は、ベースの中心および治療または撮像システムのアイソセンタから変位またはオフセットされる。特定の実施形態では、2つの後部アクチュエータは、前部の丸みを帯びた部材と共に三角形の構成で配置され、旋回点は丸みを帯びた部材に近接して配置され、旋回点が(例えば、2つの後部アクチュエータと丸みを帯びた部材とを備える)三角形のすべての点から等距離または実質的に等距離にある構成に対して、ピッチとロールの組み合わせから生じるヨー運動を低減および/または排除する。或る実施形態では、旋回点およびアクチュエータの構成は、患者支持アセンブリおよび患者の荷重の大部分が球面ジョイントと後部アクチュエータとの間に位置するようになっている。
【0120】
或る実施形態では、患者支持体110は、例えば、垂直軸線周りに回転可能であることに加えて、水平面内で並進可能である。或る実施形態では、患者支持体110は、垂直回転軸線に直交する水平面内で並進可能である。或る実施形態では、患者支持体110は、直交関係にある2対の平行なレールを備え、患者支持体110は、第1の直交方向に並進するために第1の対のレールに摺動可能に接続され、第1のセットのレールは、第2の直交方向に並進するために第2の対のレールに摺動可能に接続される。
【0121】
構成可能な特許サポート
或る実施形態では、本技術は、構成可能な患者支持体110を提供し、患者支持体110は、例えば背もたれ12(例えば、構成可能かつ可動な背もたれ)、ヘッドレスト(例えば、構成可能かつ可動なヘッドレスト)、アームレスト(例えば、構成可能かつ可動なアームレスト)、シート部材511(例えば、構成可能かつ可動なシート部材)、脛当て13(例えば、構成可能かつ可動な脛当て)、および/またはフットブレース14(例えば、構成可能かつ可動なフットブレース)などの1つ以上の構成可能かつ可動な構成要素を備える。或る実施形態では、フットブレース14は、ヒールストップである。或る実施形態では、構成可能な患者支持体110の1つ以上の構成可能かつ可動な構成要素は、1つ以上の電動構成要素、例えば、電動背もたれ(例えば、背もたれモータと動作可能に係合する背もたれ)、電動ヘッドレスト(例えば、ヘッドレストモータと動作可能に係合するヘッドレスト)、電動アームレスト(例えば、アームレストモータと動作可能に係合するアームレスト)、電動シート部材(例えば、シート部材モータと動作可能に係合するシート部材)、電動脛当て(例えば、脛当てモータと動作可能に係合する脛当て)、および/または電動フットブレース(例えば、フットブレースモータと動作可能に係合するフットブレース)を備える。或る実施形態では、電動フットブレースは電動ヒールストップ(例えば、ヒールストップモータと動作可能に係合するヒールストップ)である。
【0122】
或る実施形態では、背もたれモータは、背もたれを動かす(例えば、並進および/または回転させる)ように構築されており、ヘッドレストモータは、ヘッドレストを動かす(例えば、並進および/または回転させる)ように構築されており、アームレストモータは、アームレストを動かす(例えば、並進および/または回転させる)ように構築されており、シート部材モータは、継目部材を動かす(例えば、並進および/または回転させる)ように構築されており、脛当てモータは、脛当てを動かす(例えば、並進および/または回転させる)ように構築されており、および/または、フットブレースモータ(例えば、ヒールストップモータ)は、フットブレース(例えば、ヒールストップ)を動かす(例えば、並進および/または回転させる)ように構築されている。或る実施形態では、本技術は、静的構成で構成された構成可能な患者支持体110を提供する。或る実施形態では、本技術は、動的構成(例えば、患者の進入および/または患者の退出のために、患者の移動を支援するように移動する構成など)で構成された構成可能な患者支持体110を提供する。
【0123】
或る実施形態では、本技術は、1つ以上の電動構成要素、例えば、電動背もたれ、電動ヘッドレスト、電動アームレスト、電動シート部材、電動脛当て、および/または電動フットブレース(例えば、電動ヒールストップ)の制御および/または移動を調整して、構成可能な患者支持体を、指定された位置にある電動背もたれ、電動ヘッドレスト、電動アームレスト、電動シート部材、電動脛当て、および/または電動フットブレース(例えば、電動ヒールストップ)を備える1つ以上の特定の構成に提供するように構成された構成要素(例えば、コンピュータ、マイクロコントローラ、および/またはマイクロプロセッサ)を提供する。或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、例えば、患者支持体への患者の進入のために構成された患者進入状態、患者が進入した後、患者が撮像および/または治療されるのを待っている間(例えば、患者の撮像および/または患者の治療の前に)、患者を支持するように構成された患者待機状態、患者が撮像および/または治療されている間に患者を支持するように構成された患者の撮像状態/治療状態、および/または患者支持体からの患者の退出のために構成された患者退出状態を含む、特定の構成で構成されてもよい。
【0124】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110を1つ以上の特定の構成に提供するための電動構成要素(例えば、電動背もたれ、電動ヘッドレスト、電動アームレスト、電動シート部材、電動脛当て、および/または電動フットブレース(例えば、電動ヒールストップ))の制御および/または移動を調整するように構成された構成要素(例えば、コンピュータ、マイクロコントローラ、および/またはマイクロプロセッサ)は、背もたれモータ、ヘッドレストモータ、アームレストモータ、シート部材モータ、脛当てモータ、および/またはフットブレースモータ(例えば、ヒールストップモータ)を作動および/または制御するように構成される。或る実施形態では、1つ以上の電動構成要素(例えば、電動背もたれ、電動ヘッドレスト、電動アームレスト、電動シート部材、電動脛当て、および/または電動フットブレース(例えば、電動ヒールストップ))を作動させることは、1つ以上の電動構成要素を(例えば、1つ以上の電動構成要素に(例えば、電動構成要素に動作可能に連結されたモータに)電流および/または電圧を供給することによって、)「オン」状態にすること、または(例えば、1つ以上の電動構成要素への(例えば、電動構成要素に動作可能に連結されたモータへの)電流および/または電圧を排除することによって、)「オフ」状態に設定することを含む。或る実施形態では、電動構成要素(例えば、電動背もたれ、電動ヘッドレスト、電動アームレスト、電動シート部材、電動脛当て、および/または電動フットブレース(例えば、電動ヒールストップ))の1つ以上を作動させることは、直線速度および/もしくは回転速度を制御すること、ならびに/または(例えば、線形速度および/または回転速度を制御することによって、ならびに/または電動構成要素に動作可能に連結されたモータの線形および/もしくは回転加速度を制御することによって、)1つ以上の電動構成要素の直線加速度および/もしくは回転加速度を制御すること、を含む。
【0125】
或る実施形態では、本技術は、1つ以上の電動構成要素、例えば、電動背もたれ、電動ヘッドレスト、電動アームレスト、電動シート部材、電動脛当て、および/または電動フットブレース(例えば、電動ヒールストップ)の指定位置および/または指定移動(例えば、協調運動)のための命令を含むソフトウェア(例えば、ソフトウェアオブジェクト)を備え、ソフトウェアを記憶するため、および/または構成可能な患者支持体の1つもしくは複数の位置および/または構成可能な患者支持体の電動構成要素の1つもしくは複数の位置を記述するデータを記憶するための関連するコンピュータメモリと、を含む。或る実施形態では、目的方法として、電動構成要素の1つ以上を移動させる方法が提供される。或る実施形態では、電動構成要素の位置および/または指定された動きを記述するデータおよび/またはデータ構造は、オブジェクトデータ構造として提供される。或る実施形態は、例えば1つ以上のソフトウェアオブジェクトを含む1つ以上の電動構成要素を移動させて、1つ以上の電動構成要素を移動させるためのオブジェクト指向パイプラインを提供する。
【0126】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110の位置および/または構成可能な患者支持体の電動構成要素の位置は、個々の患者に固有のものであり、個々の撮像および/もしくは治療計画に固有のものであり、ならびに/または、個々の患者の個々の撮像計画および/または治療計画に固有のものである。或る実施形態では、構成可能な患者支持体の電動構成要素の位置を記述するデータおよび/またはデータ構造は、オブジェクトデータ構造として提供される。
【0127】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、患者支持体への患者の進入のために構成され、例えば、構成可能な患者支持体は、例えば、患者進入状態である静的構成を提供するために、患者進入状態に移動するように構成される。患者進入状態に構成された患者支持体は、患者支持体への患者の進入を容易にする位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)を備える。例えば、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)は、患者支持体への患者の容易なアクセスを可能にし、患者支持体への患者の進入を妨げない位置にある。或る実施形態では、患者進入状態は、立位姿勢への患者の進入を容易にするように構成される。或る実施形態では、患者進入状態は、座位姿勢への患者の進入を容易にするように構成される。
【0128】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、例えば、患者を支持することによって、および/または患者に力を加えて構成可能な患者支持体上の位置に患者を案内し、押し、または引っ張ることによって、患者支持体への患者の進入を支援する動的構成を提供するように構成される。例えば、或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、患者に接触し、患者に動作可能に係合し、患者の少なくとも一部(例えば、腕、脚、胴体、頭、足、手、臀部、膝、肘)に力を加えて、患者支持体への進入を容易にするように構成される。或る実施形態では、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上は、患者に接触し、患者に動作可能に係合し、患者の少なくとも一部(例えば、腕、脚、胴体、頭、足、手、臀部、膝、肘)に力を加えて、患者支持体への患者の進入を容易にする。或る実施形態では、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上は、患者支持体への患者の進入を容易にするように患者を案内するように移動する。
【0129】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、患者待機状態である静的構成に移動するように構成され、例えば、患者支持体に進入し、撮像および/または治療を待っている患者(例えば、患者支持体に進入しているが、撮像または治療されるための最終位置にはまだない患者)のための安定した快適な支持である患者待機状態を提供する。患者待機状態は、患者の撮像状態/治療状態と同じまたは同様であってもよく、或る実施形態では、患者待機状態は、患者の撮像状態/治療状態とは異なる。患者待機状態は、患者進入状態における背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)の位置とは異なる待機位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上を含むことができる。或る実施形態では、患者待機状態に構成された患者支持体は、患者の進入後、患者の撮像および/または治療の前に患者に快適な支持を提供する位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)を備える。例えば、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)は、患者の身体を支持し、撮像および/または治療の前に患者の動きを最小限に制限する快適な着座姿勢および/または立位姿勢を提供する位置にある。或る実施形態では、患者待機状態は、患者支持体からの退出を妨げる待機位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上を含むが、そのような妨げは、患者待機構成の結果であり、必ずしも患者待機構成に必要ではない。
【0130】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、例えば、撮像および/または治療のために患者15を撮像位置および/または治療位置(例えば、静止位置、実質的に静止位置、および/または事実上静止位置)に維持するための安定した快適な支持である患者の撮像状態/治療状態を提供するために、患者の撮像状態/治療状態(
図5A~
図5B)である静的構成に移動するように構成される。
【0131】
本明細書に記載の或る実施形態では、放射線源(例えば、撮像ビームおよび/または治療ビーム)は、患者と治療ビームまたは撮像ビームとの間の相対運動が患者位置決めシステムおよび/または患者支持体の運動によってもたらされるような位置に固定される。医療撮像および放射線療法の当業者は、患者の何らかの動きが画質に悪影響を及ぼす可能性があり、患者の何らかの動きが撮像プロセスの一部として含まれることを理解している。したがって、本明細書で使用される場合、患者の「静止位置」(例えば、「実質的に静止」、および/または「事実上静止位置」)は、患者が患者位置決めシステムに対しておよび/または患者支持体に対して静止している患者の位置を指す。「静止位置」(例えば、「実質的に静止している」および/または「事実上静止位置」)にある患者は、例えば、患者および患者支持体が治療または撮像ビームに対して回転されるおよび/または並進されるとき、治療ビームまたは撮像ビームに対して静止していてもよいが、必ずしも静止していなくてもよい。
【0132】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、患者進入状態から患者の撮像状態/治療状態に移動する。或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、患者待機状態から患者の撮像状態/治療状態に移動する。患者の撮像状態/治療状態は、患者待機状態と同じまたは同様であってもよく、或る実施形態では、患者の撮像状態/治療状態は患者待機状態とは異なる。患者の撮像状態/治療状態は、患者進入状態および/または患者待機状態における背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)の位置とは異なる撮像/治療位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上を含むことができる。或る実施形態では、患者の撮像状態/治療状態に構成された患者支持体は、患者の撮像および/または患者の治療のための撮像位置および/または治療位置(例えば、静止位置、実質的に静止位置、および/または事実上静止位置)に患者を維持するための安定した快適な支持を提供する位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)を備える。例えば、患者の撮像状態/治療状態における背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)は、患者の身体を支持し、撮像中および/または治療中の患者の動きを最小化および/または排除する快適な着座姿勢および/または立位姿勢を提供する位置にある。
【0133】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、例えば、撮像および/または治療され、患者支持体からの退出を待っている患者のための安定した快適な支持である患者退出前状態を提供するために、患者退出前状態である静的構成に移動するように構成される。患者退出前状態は、患者の撮像状態/治療状態と同じまたは類似であってもよく、或る実施形態では、患者の退出前状態は、患者の撮像状態/治療状態とは異なる。或る実施形態では、患者退出前状態は、患者待機状態と同じまたは類似している。患者退出前状態は、患者の撮像状態/治療状態における背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)の位置とは異なる退出前位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上を含むことができる。患者退出前状態は、患者退出状態における背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)の位置とは異なる退出前位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上を含むことができる。或る実施形態では、患者退出前状態に構成された患者支持体は、患者の撮像後および/または治療後、患者支持体からの患者の退出前に、患者に快適な支持を提供する位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)を備える。例えば、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)は、患者の身体を支持し、患者が退出を待つ間に患者の動きを最小限に制限する快適な着座姿勢および/または立位姿勢を提供する位置にある。或る実施形態では、患者退出前状態は、患者支持体からの退出を妨げる退出前位置にある背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上を含むが、そのような妨げは、患者退出前構成の結果であり、必ずしも患者退出前構成に必要ではない。
【0134】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、例えば、患者のための支持を提供することによって、ならびに/または患者に力を加えて患者を患者支持体からおよび/もしくは患者位置決めアセンブリから案内し、押し出し、または引き出すことによって、患者支持体からの患者の退出を支援する動的構成を提供するように構成される。例えば、或る実施形態では、構成可能な患者支持体は、患者と接触し、患者と動作可能に係合し、患者の少なくとも一部(例えば、腕、脚、胴体、頭、足、手、臀部、膝、肘)に力を加えて、患者支持体からのおよび/または患者位置決めアセンブリからの退出を容易にするように構成される。或る実施形態では、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上が患者に接触し、患者に動作可能に係合し、患者の少なくとも一部(例えば、腕、脚、胴体、頭、足、手、臀部、膝、肘)に力を加えて、患者の患者支持体からの退出および/または患者支持アセンブリからの退出を容易にする。或る実施形態では、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上は、患者を案内して患者支持体からの患者の退出および/または患者支持アセンブリからの患者の退出を容易にするために移動する。
【0135】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、患者支持体からの患者の退出および/または患者支持アセンブリからの患者の退出のための静的構成に移動するように構成され、例えば、構成可能な患者支持体は、例えば、患者退出状態である静的構成を提供するために、患者退出状態に移動するように構成される。患者退出状態に構成された患者支持体は、患者支持体からの患者の退出および/または患者支持アセンブリからの患者の退出を容易にする位置に、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)を備える。例えば、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)は、患者支持体からの患者の容易な移動を可能にし、患者支持体からの患者の退出を妨げない位置にある。或る実施形態では、患者退出状態は、立位姿勢での患者の退出を容易にするように構成される。或る実施形態では、患者退出状態は、例えば、患者が立って患者支持体から移動および/または患者支持アセンブリから離れるのを支援することによって、座位姿勢での患者の退出を容易にするように構成される。
【0136】
上述のように、本技術の実施形態は、電動構成要素(例えば、電動背もたれ(例えば、背もたれモータと動作可能に係合する背もたれ)、電動ヘッドレスト(例えば、ヘッドレストモータと動作可能に係合するヘッドレスト)、電動アームレスト(例えば、アームレストモータと動作可能に係合するアームレスト)、電動シート部材(例えば、シート部材モータと動作可能に係合するシート部材)、電動脛当て(例えば、脛当てモータと動作可能に係合する脛当て)、および/または電動フットブレース(例えば、フットブレースモータと動作可能に係合するフットブレース))と、電動構成要素のうちの1つ以上の制御および/または移動を調整するように構成された構成要素(例えば、コンピュータ、マイクロコントローラ、および/またはマイクロプロセッサ)と、電動構成要素のうちの1つ以上の位置および/または移動(例えば、協調運動)のための命令を含むソフトウェアと、ソフトウェアを記憶するため、および/または構成可能な患者支持体の1つもしくは複数の位置および/または構成可能な患者支持体の電動構成要素の1つもしくは複数の位置を記述するデータを記憶するための、関連するコンピュータメモリ(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)と、を備える。或る実施形態では、電動フットブレースは電動ヒールストップ(例えば、ヒールストップモータと動作可能に係合するヒールストップ)である。
【0137】
したがって、本技術の実施形態は、構成可能な患者支持体(例えば、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上の自動化された再現可能な設定)の自動化された再現可能な設定を提供する。例えば、本技術の実施形態は、個々の患者のためのカスタマイズされた構成、個々の治療計画、ならびに/またはコンピュータメモリに記憶されたパラメータであって、任意の特定の患者および/もしくは治療計画のための個別の構成を再現するために呼び出すことができるパラメータによって記述される個々の撮像計画を提供する。パラメータは、本明細書に記載の静的構成および/または動的構成(例えば、患者進入状態、患者支持体への患者の進入を支援する動的構成、患者待機状態、患者の撮像状態/治療状態、患者退出前状態、患者支持体からの患者の退出を支援する動的構成、および/または患者退出状態)のいずれかを提供するために、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)の1つ以上の位置、移動経路、速度、および/または加速度を記述する。或る実施形態では、予め定義された標準化された構成が、特定のクラスの患者(例えば、身長、体重、撮像領域または治療領域、性別、人種、または他の人口統計データに基づく人口統計)に対して提供される。或る実施形態では、予め定義された標準化された構成は、特定の個別化された患者特性および/または患者の特定の個別化された撮像計画および/または治療計画に対応するように変更された基本構成を提供する。
【0138】
したがって、本技術は、例えば、設定時間を短縮する自動設定を提供することによって、および治療の有効性および安全性を高める再現可能な設定を提供することによって、以前の技術と比較して利点を提供する。
【0139】
6自由度の移動と補償
或る実施形態では、患者支持体110は、6自由度で移動するように構成され、別の自由度が調整されている間に、少なくとも1つの自由度における能動的補償をさらに備える。或る実施形態では、能動的補償は、治療ビームまたは撮像ビームと位置合わせされた所望の患者領域(例えば、治療ゾーン、撮像ゾーン)を維持するために利用される。言い換えれば、補償は、患者の治療ゾーンがアイソセンタと位置合わせされることを保証する。
【0140】
例えば、ピッチ(X軸周りの回転)またはロール(Y軸周りの回転)に移動する患者支持体110内に患者15が位置決めされると、患者支持体はまた、治療ビームまたは撮像ビームと位置合わせされた所望の患者領域を維持するためにX方向またはY方向に並進する。言い換えれば、患者支持アセンブリの回転は、患者の部分をアイソセンタビームから離れるように移動させることができ、そのような移動は、再位置合わせするための対応する並進によって補償されることができる。補償量は、回転量および所望の患者領域が位置する場所に依存する。或る実施形態では、X方向およびY方向の並進の組み合わせは、アイソセンタビームから離れて円弧軌道で移動する所望の患者領域を補償する。或る実施形態では、本技術は、多軸アクチュエータシステムと共に移動可能な構成可能な患者支持体110を提供する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20200268327号明細書として公開されている米国特許出願第16/649,337号明細書を参照されたい。
【0141】
図6A~
図6Cを参照すると、補償は連続的なステップとして示されている。
図6Aは、第1の向きにある患者位置決めシステム10内の患者15を示している。線源230によって生成される撮像ビームおよび/または治療ビーム220は、所望の患者領域210と位置合わせされる。
【0142】
図6Bは、(例えば、患者位置決めシステムおよび患者のピッチまたはロールを生成するために)軸線240周りに回転235された第2の向きにある患者位置決めシステム10内の患者15を示す。
図6Bに示す回転(例えば、ピッチおよび/またはロール)の結果として、所望の患者領域210は、撮像ビームおよび/または治療ビーム220(例えば、所望の患者領域210は、アイソセンタとの位置合わせから外れて移動している)との位置合わせから外れて移動してしまっている。
【0143】
図6Cは、(例えば、患者位置決めシステム10および患者15を並進250させることによって)補償された第3の向きにある患者位置決めシステム10内の患者15を示す。具体的には、患者位置決めシステム10は、所望の患者領域210を撮像ビームおよび/または治療ビーム220と再位置合わせするように(例えば、所望の患者領域210をアイソセンタと再位置合わせするように)並進250される。言い換えれば、患者位置決めシステム10およびその上に位置決めされた患者15は、回転(例えば、ピッチおよび/またはロール)を補償するように、したがって、患者位置決めシステム10が回転または旋回されるときに所望の患者領域210を撮像ビームおよび/または治療ビーム220と(例えば、アイソセンタと)位置合わせさせて維持するように並進される。
【0144】
本技術は、回転が垂直位置からリクライニング位置までであり、並進が前方および上方である
図6A~
図6Cに示される実施形態に限定されない。この技術は、任意の軸線または複数の軸線周りの回転の補償と、1次元、2次元、および/または3次元における適切な補償とを含む。或る実施形態では、第1の回転は、第2の回転を使用して補償される。或る実施形態では、第1の並進は、第2の並進による補償である。或る実施形態では、回転は並進によって補償される。或る実施形態では、並進は回転によって補償される。或る実施形態では、補償(例えば、並進および/または回転)は、補償されている動き(例えば、並進および/または回転)と同時にまたは実質的に同時に行われる。
【0145】
或る実施形態では、補償は、既知の固定アイソセンタ高さに基づく。例えば、プラットフォームをビーム高さまで持ち上げるように高く配置することによって位置決めされる低いシート上にいる背の低い(例えば、座位の)患者の場合、アイソセンタからプラットフォームまでの円の半径は小さいため、プラットフォームの傾斜を補償するために小さな並進が必要となる。一方、より高いシートにいるより背の高い患者の場合、治療部位をアイソセンタに配置するためにプラットフォームはより低くなる。したがって、プラットフォームとアイソセンタとの間の半径はより大きく、したがってより多くの補償を必要とする。プラットフォームの高さは既知であり、シートの高さは既知であり、これらは共に、任意の測定されたピッチおよび/またはロールに必要な補償量を規定する。
【0146】
患者位置決めシステム、患者位置決め機器、患者支持体、患者、品質保証装置などの位置合わせ、ならびに回転および並進の補償のための技術もまた、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第63/399,862号明細書に記載されている。
【0147】
従来の調整システムは、所望の補償を達成するために交差結合された様々な軸線を移動させるために反復プロセスを必要とする。言い換えれば、補償のための従来の手法は、反復的な試行錯誤を伴う。
【0148】
有利には、患者位置決めシステム10は、従来のシステムと比較して機械的撓みが少ない。従来のシステムでは、構成要素の機械的撓みは、ビームラインに対する患者位置決めに変動を生じさせ、不正確なシステムアイソセンタをもたらす可能性がある。システムの撓みは、典型的には、患者の位置決めおよび患者の体重に依存する。従来のシステム(例えば、ロボットアーム)は、ベースからオーバーハングする大きな質量を有する。例えば、或る従来のシステムでは、大きなガントリが患者の周りを回転し、機械的撓みがアイソセンタを位置決めする精度および/または精度を低下させる。患者がベースから離れるほど、結果として生じる機械的撓みは大きくなる。さらに、患者の体重は、従来のシステムで生じる機械的撓みの量に追加の変数を与える。機械的撓みを位置合わせさせて補償するための従来の手法には、あまり正確ではないレーザ、および患者に追加の放射線量を提示するポータル撮像が含まれる。機械的撓みを補償するための従来の手法は、セッションごとに繰り返されなければならず、セットアップの複雑さおよび時間を増加させなければならない。対照的に、患者位置決めシステムを備える本明細書で提供される技術は、システムのアイソセンタをはるかに精密かつ/または正確に画定(例えば、位置を特定)する。例えば、治療は、患者位置決めシステムの移動に関連するシステムのアイソセンタに腫瘍を再配置することを含むときがある。本明細書に記載の技術は、患者位置決めシステムの回転および/または並進の精度が従来の技術と比較して向上するので、精密かつ正確な再配置を提供する。
【0149】
図示の実施形態では、6自由度は、支持されていないオーバーハングの量が変化せず、患者の位置にかかわらず一定のままであるように設計されている。したがって、本明細書に開示される患者位置決めシステムにおける機械的撓みの量は、患者が患者位置決めシステム内に再位置決めされるときに排除および/または最小化される。本技術の実施形態は、支持されていないオーバーハングの量を最小限に抑えることによって撓みを最小限に抑える。言い換えれば、患者位置決めシステムは、発生する機械的撓みの量から異なる患者の可変の体重を切り離すように患者と共に移動する。
【0150】
或る実施形態では、発生する機械的撓みの量は、ある範囲の位置(患者なし)に対する屈曲測定値と、様々な荷重を伴う屈曲測定値とを組み合わせたモデルによって特徴付けられる。或る実施形態では、偏向補正テーブルがモデルに基づいて作成され、患者位置決めシステムが移動すると自動的に適用される。或る実施形態では、そのようなモデルのデータは、画像ガイダンスシステムまたは適切な品質保証ツールで取得される。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第63/396,444号明細書を参照されたい。
【0151】
有利には、本明細書に開示される患者位置決めシステムは、様々な患者体位における様々な患者体重に対して機械的撓みを自動的に補償する。従来の設計は、機械的撓みを考慮するために治療位置にある患者の画像を必要とし、これは患者の撮像線量および設定時間を増加させる。
【0152】
従来のCTスキャンでは、X線管によってX線が生成され、X線検出器がX線管の反対側に取り付けられる。CT画像データを取得することは、管および検出器を保持するガントリが360度の回転で回転するときに複数のX線写真を記録することを含む。従来のガントリの質量に起因して、重力は、線源および/または検出器のガントリ支持アームに機械的撓みを引き起こし、ガントリ回転軸線を移動させる可能性がある。したがって、従来のCTスキャンシステムは、重力によって引き起こされるガントリシステムの回転における幾何学的非理想性を補償するためにCTスキャン画像の補正を必要とすることが多い。撓みは、従来はバランスのとれたリングを含むため、CTスキャナでは問題が少ないが、コーンビームCT(CBCT)スキャナは、大規模なオーバーハングアームによって引き起こされる実質的な撓みを有することが多いため、依然として問題がある。
【0153】
或る実施形態では、スキャナは、撮像源または検出器を移動させず、画質を損なう機械的撓みを生成しない。言い換えれば、回転源または検出器を有さないことにより、線源または検出器の機械的撓みの複雑な補正は必要とされない。
【0154】
チェーンドライブおよびシザーリフト
或る実施形態では、患者位置決めシステム10は、例えば、患者支持アセンブリ10を垂直方向に沿って並進させるためのシザーリフト機構310を備える。或る実施形態では、患者支持アセンブリ10は、シザーリフト機構310の上方に取り付けられる。図示の実施形態では、患者位置決めシステム10は、両側に配置された2つのシザーリフト機構310を含む。
【0155】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、シザーリフト機構310は、完全に格納された(折り畳まれた)位置(
図7A)および完全に展開された位置(
図7B)において示されている。本明細書に開示されるシザーリフト機構310は、シザーフレーム311と、シザーリフト機構310を格納位置と展開位置との間で移動させるように構成されたチェーンドライブアクチュエータ312とを含む。図示の実施形態では、シザーズフレーム311の前側317は、プラットフォーム11に対して固定された固定端318を含み、シザーズフレーム311の後側319は、プラットフォーム11に対して摺動可能な可動端320を含む。
【0156】
図8および
図9を参照すると、或る実施形態では、チェーンドライブアクチュエータ312は、ハウジング317およびチェーン313を含むプッシュチェーンドライブである。チェーン313は、チェーン313が一方向に転動したり折り畳まれたりして剛性推力装置を形成することを可能にする連結プロファイル315を有する個々のリンク314を含む。具体的には、チェーン313の端部316は、プラットフォーム11に連結され、チェーン313がハウジング317から上方に駆動されるときにプラットフォーム11に垂直力を加える。
【0157】
従来のシザーリフトは、シザーフレームの移動の終わりに発生するピーク荷重用に設計された従来のアクチュエータを含む。例えば、折り畳み構成のシザーフレームで必要とされる力は、シザーフレームが部分的に展開される場合よりも大きい。従来のアクチュエータ設計は、(他の負荷条件では非効率的である)ピーク負荷条件に対処するように過剰設計されるか、またはプラットフォームがその最低点およびピーク負荷にあるときにプラットフォームを持ち上げるのに苦労するかのいずれかである。
【0158】
図8を参照すると、チェーンドライブアクチュエータ312は、シザーフレーム311が折り畳み位置にあるときにシザーフレーム311の中間点321に位置決めされる。したがって、チェーンドライブアクチュエータ312によって必要とされる力は、フレーム311の移動全体にわたってほぼ一定である。言い換えれば、チェーンドライブアクチュエータ312によって必要とされる力とシザーフレーム311内の移動距離との間には一定の関係がある。開示されたシザーアセンブリ310を通る重量分布も、従来のシザーリフト機構と比較して改善される。
【0159】
有利には、開示されたシザーリフトアセンブリ310はコンパクトである。具体的には、チェーンドライブアクチュエータ312は、完全に折り畳まれた位置と完全に展開された位置との間で必要な移動が可能なコンパクトなアクチュエータである。所望の移動を提供するために長い全体パッケージを有する従来のアクチュエータとは異なり、本明細書に開示されるチェーンドライブアクチュエータ312は、シザーフレーム311に必要な移動をコンパクトな形態で提供する。或る実施形態では、チェーンドライブアクチュエータ312は、約1トンの力を提供する。
【0160】
重量検知
或る実施形態では、患者位置決めシステム10は、少なくとも1つのロードセル411を有する重量検知アセンブリ410を含む。図示の実施形態では、重量検知アセンブリ410は、4つのロードセル411を含む。或る実施形態では、ロードセル411は歪ベースのロードセルである。或る実施形態では、ロードセルは、Variohm Eurosensor社から入手可能なSSM11 Load Cellである。
【0161】
図10および
図11を参照すると、プラットフォーム11および構成可能患者支持体110の垂直荷重全体が通過し、ロードセル411によって検出される。具体的には、ロードセル411は、プラットフォーム11とチェーンドライブアクチュエータ312との間に取り付けられる。言い換えれば、ロードセル411の第1の端部412はプラットフォーム11に連結され、ロードセル411の第2の端部413はチェーンドライブアクチュエータ312のチェーン313に連結される。プラットフォームおよび位置決めシステムおよび/または患者の重量は、ロードセル411の撓みを引き起こし、ロードセル411の歪は、例えば、プラットフォーム11上に支持された重量の量を検出するために、プロセッサによって受信される電気出力信号に変換される。
【0162】
図11および
図12を参照すると、チェーン313の端部316に支持部材414が連結され、ロードセル411は支持部材414上に位置決めされる。図示の実施形態では、支持部材414は、チェーン313の延在方向に対して(例えば、垂直に)ほぼ垂直に(例えば、水平方向に)方向付けされている。支持部材414に形成されたノッチ415は、対応するロードセル411の第2の端部413を受け入れる。図示の実施形態では、各支持部材414は、2つのロードセル411を受け入れるための2つのノッチ415を含む。
【0163】
患者位置決めシステム10は、ロードセル411によって検出された情報を様々な用途のために利用する。例えば、検出された重量は、重量の量、重量の位置、重量が存在すべきかもしくは存在すべきでないか、および重量が変化しているかまたは移動しているかに関して監視されることができる。
【0164】
或る実施形態では、シート、フットレスト(例えば、ヒールストップ)、背もたれなどを様々な位置/構成のうちの1つに移動させるとき、および構成要素が進入、退出などを助けるために患者に力を加えているとき、ロードセル411からの情報は、患者の体重を決定するために使用され、その後、(例えば、患者支持体からの患者の出入りを支援するための動的構成によって)患者を押したり引いたりするために所望または必要とされる力の量を決定するために利用されることができる。
【0165】
或る実施形態では、ロードセル411は、患者および/または技術者の位置および配置を決定するために使用される。検出された重みの位置は、動作(例えば、ビームエネルギーを与えること、支持体を移動させること、患者を並進および/または回転させることなど)が安全に行われるかどうかを判定するために使用されることができる。言い換えれば、或る実施形態では、ロードセル411からの出力が監視されて、安全ロックアウトを提供し、検出された重量が重量の予想値と一致しない場合に動作を防止する。例えば、技術者16(
図13Aおよび
図13B)の体重がプラットフォーム11上で検出された場合、技術者がもはやプラットフォーム上で検出されなくなるまで、プラットフォーム(例えば、X、Y、Z、ピッチ、ロール、および/またはヨーの6つの自由度の軸のうちの1つ以上における移動)の移動および/または撮像ビームもしくは治療ビームの通電はロックアウトされる。別の例として、患者支持体上以外の位置で検出された重量は、物体がプラットフォーム上に位置しており、したがって物体が除去されるまでプラットフォームが移動されるべきではないことを示すことができる。
【0166】
或る実施形態では、ロードセル411は、患者支持体上の重量および/もしくは重量分布の突然の変化、ならびに/または患者支持体以外の領域のプラットフォーム上の重量の突然の増加を検出するために使用され、これは患者が患者支持システムの上または外に転倒することを示すことが可能になる。同様に、ロードセル411によって検出される重量の突然の増加は、患者支持体の構成要素が移動中に何かと衝突することを示すことができる。
【0167】
或る実施形態では、ロードセル411は、撮像中に患者支持体上の重量の位置の変化を検出するために使用され、これは、撮像中に患者が動いたこと、および(例えば、動かなかった患者の画像に関して)患者の画像の品質が低下している可能性があることを示すことができる。患者の動きを検出することは、適切なおよび/または改善された品質の画像を取得するために撮像が繰り返されるべきであることを示し得る。
【0168】
或る実施形態では、ロードセル411は、患者の体重を使用して、および/または検出された重量が適切であるかおよび/または予想されるかを確認して、患者の身元を識別および/または確認するために使用される。例えば、ロードセルによって検出された患者の体重は、以前の遭遇に基づいて予想される患者の体重と比較され、および/または患者の記録は、少なくとも部分的に、患者の身元を確認するために使用される。
【0169】
或る実施形態では、ロードセル411は、プラットフォームの撓みを補償するために使用され、例えば、プラットフォームの片側の質量は、質量を補償するためにプラットフォームを移動させるために本明細書に記載のアクチュエータ(例えば、3つのアクチュエータの実施形態における1つ、2つ、または3つのアクチュエータ、2つのアクチュエータの実施形態における1つまたは2つのアクチュエータ)を作動させることによって補償されることができる。
【0170】
シート傾斜軸線
図14を参照すると、構成可能な患者支持体110は、2つのオフセットロッド512を有するシート部材511を含む、調整可能シートアセンブリ510を含む。この構成により、シート部材511は、調整可能シートアセンブリ510が第1の向きにあるときに背もたれから外側に延びるように位置決めされ、それにより、その患者の背中が背もたれに対して位置するときに着座した患者の臀部に対する支持を提供する。また、この構成によって、シート部材511は、背もたれと同じ平面に向かって位置するように下方に位置決めされ(回転軸線513周りに回転され)、したがって、第2の位置において患者支持アセンブリによって受け入れられる患者から離れて位置決めされる。従来の調整可能なシートは、シートの回転軸線と位置合わせされた大きな金属軸を含み、金属軸が撮像または治療ビームラインの近くに位置決めされるため、問題を引き起こす。調整可能シートアセンブリ510は、シート部材511の回転軸線513と位置合わせされた金属の軸またはシャフトを含まない。対照的に、ロッド512は、シート部材511の回転軸線513からオフセットされた軸線513を有する。
【0171】
図14および
図15を参照すると、シート部材511は、オフセットロッド512を受け入れるように構成された2つのラグ514を含む。シート部材511は、2つの台座517(
図17)の円弧状の表面516に摺動可能に連結された円弧状の表面515を含む。或る実施形態では、シート部材511は、P字形である。図示の実施形態では、シート部材511の円弧状の表面515は、2つのラグ514の間に位置決めされる。
【0172】
図14を参照すると、ロッド512の一部は、フレーム部材519に形成された円弧状のスロット518内に受け入れられる。シート部材511が回転軸線513周りに回転すると、ロッド512はスロット518内で移動し、円弧状の表面515は台座517に対して摺動する。図示の実施形態では、ロッド512は、シート部材511の回転軸線513から第1の方向(例えば、Y方向)および第2の方向(例えば、Z方向)にオフセットされている。したがって、シート部材511は、回転軸線513周りに回転可能であるが、ビームと干渉するような回転軸線513に沿った金属軸を含まない。
【0173】
引き続き
図14を参照すると、調整可能シートアセンブリ510は、シート部材511に連結されたクリート520を含み、シート部材511が位置間を移動するときにシート部材511の垂直移動を抑制および/または防止するように構成される。
図16を参照すると、クリート520は、シート部材511の円弧状の表面515に連結された中央部分521を含む。クリート520はまた、台座517上に形成された対応するフランジ523の下に受け入れられるように構成された2つのウィング522(アーム)を含む。言い換えれば、クリート520のウィング522は、台座517のフランジ523と係合して、シート部材511の垂直移動を制限する。
【0174】
図18を参照すると、別の実施形態による調整可能シートアセンブリ550は、軸線513周りに回転するシート部材511と、回転軸線513と位置合わせした非金属軸524とを含む。言い換えれば、従来の金属軸は、非金属軸524が撮像ビームまたは治療ビームと干渉しないように、シート部材511の回転軸線513と位置合わせした非金属軸524に置き換えられる。或る実施形態では、非金属軸は、ポリマーまたはガラス繊維(例えば、G-10)で作られる。
【0175】
設置水平化調整
設置中、患者位置決めシステムの回転軸線がビーム軸と位置合わせされることが重要である。また、表面に凹凸があるような長い距離で軸を投影すると、位置合わせが困難になる。或る実施形態では、ビームは座標系の原点を定義するので、患者位置決めシステムとビームおよび/またはビーム座標系との位置合わせが重要である。従来の患者位置決めシステムは、治療実施中に回転または移動されず、したがって、従来のシステムの調整は必要とされない。
【0176】
或る実施形態では、本明細書に開示される患者位置決めシステムはガントリを使用せず、したがってビームアイソセンタへの正確な位置合わせが望ましい。例えば、患者が患者位置決めシステムまで歩くことができる患者位置決めシステムは、アイソセンタへの大きな突出(例えば、約148cm)をもたらす。
【0177】
或る実施形態では、設置中に患者位置決めシステム10を水平化するために、複数の調整器610が利用される。調整器610はそれぞれ、水平化のためのX、Y、Z調整を有する。例えば、調整器610は、Z方向に調整され、次いで半径方向に調整されてXおよび/またはY方向調整を提供することができる。或る実施形態では、X調整およびY調整は、Z調整から独立している(影響を及ぼさない)。調整器610は、ピット深さを増大させないコンパクトな設計である。或る実施形態では、調整器610は、三点軸調整のための患者位置決めシステム10の軸受の下に位置決めされる。
【0178】
図20を参照すると、3つの調整器610が患者位置決めシステム10の底部611に結合されている。図示の実施形態では、調整器610は周方向に等間隔に配置されている。言い換えれば、3つの調整器610は、約120度離間している。図示の実施形態では、調整器610は、患者位置決めシステム10とピットの底部との間のピット内に位置決めされる。
【0179】
図19を参照すると、調整器610は、第1のブロック612と、第1のブロック612に対して移動可能な第2のブロック613とを含む。調整器610は、第1のブロック612と第2のブロック613との間に位置決めされる第1の低摩擦シート614と、第2のブロック613上に位置決めされる第2の低摩擦シート615とを含む。或る実施形態では、低摩擦シート614、615は、低摩擦IGUSシート材料(例えば、igus.comで商業的に提供されている、IGLIDUR Gなどの材料)である。患者位置決めシステム10の部分616(
図20)は、第2のブロック613上の第2の低摩擦シート615上に位置決めされる。或る実施形態では、部分616は、底部軸受の一部である。
【0180】
引き続き
図19を参照すると、第1のブロック612と第2のブロック613との間に溝617が画定され、溝617は水平化ウェッジを受け入れて第1のブロック612に対する第2のブロック613の位置を調整するように構成される。水平化ウェッジが溝617に挿入されるのに応じて、第2のブロック613は、第1のブロック612に対して第1の低摩擦シート614に沿って摺動する。
【0181】
設置中、調整器610はピット内に位置決めされ、垂直方向(例えば、Z方向)の水平面を画定する。そして、一方の調整器610を第1の方向(例えば、X方向)の所望の位置に移動させ、他方の2つの調整器610を第2の方向(例えば、Y方向)の所望の位置に移動させる。或る実施形態では、調整器610は、約+/-2.5mm(例えば、約2~3mm(例えば、2.00、2.05、2.10、2.15、2.20、2.25、2.30、2.35、2.40、2.45、2.50、2.55、2.60、2.65、2.70、2.75、2.80、2.85、2.90、2.95、または3.00mm))の調整範囲を達成する。
【0182】
患者支持体インターフェースのロック
図23A、
図23B、および
図24を参照すると、患者位置決めシステム10用の傾斜および並進インターフェース710は、背もたれ(垂直座位の患者用)、水平テーブル(腹臥位/仰臥位の患者用)、および小型テーブル(QC目的用)の(総称して支持部材と呼ばれる)モジュールを受け入れる。インターフェース710は、レセプタクル715内に位置決めされた第1の低摩擦パッド716Aと第2の低摩擦パッド716Bとを含むレセプタクル715を有するベース714を含む。図示の実施形態では、第1のパッド716Aは、レセプタクル715の第1の側(前側)に位置決めされ、第2のパッド716Bは、レセプタクル715の第1の側とは反対の第2の側(後側)に位置決めされる。或る実施形態では、第1のパッド716Aおよび/またはセクションパッド716Bはナイロンである。
【0183】
図21および
図22を参照すると、図示の実施形態では、支持部材(例えば、背もたれ12)は、インターフェース710に対応する機械的舌部およびロッドインターフェース711を含む。舌部およびロッドインターフェース711は、背もたれ12(または任意の他のモジュール構成要素)がベース714に対して完全かつ正確に挿入されることを保証する。位置合わせの目的のために、いかなるインターフェースも、製造および組み立ての公差に依然として適応しながら、設置された背もたれの移動を可能にしないことが重要である。
【0184】
本明細書に開示される実施形態は、舌部712および2つのロッド713A、713Bという2つの支持手段を有する舌部とロッドインターフェース711を含む。本明細書で説明するように、開示されたモジュール背もたれは、一般ユーザによってインターフェース710と交換可能であり、反復可能であり、設置されたときに撓まない。
【0185】
レセプタクル715と同様に、舌部712は、少なくとも1つの低摩擦(例えば、ナイロン)パッド717A~717Dを含む。図示の実施形態では、舌部712は4つのパッド717A~717Dを含み、これらは舌部712の各側に1つずつある。或る実施形態では、低摩擦パッド717A~717Dはナイロンである。舌部712は、支持部材(例えば、背もたれ、テーブルトップなど)をベース714に連結するために、レセプタクル715内に取り外し可能に受け入れられる。舌部712上のパッド717A~717Dは、舌部712がレセプタクル715内に受け入れられると、レセプタクル715内のパッド716A~716Bに直接係合する。低摩擦パッド716A~716Bとパッド717A~717Dとの間の精密な嵌合は、小さい撓みを維持しながら挿入を容易にする。
【0186】
図25および
図26を参照すると、レセプタクル715内のパッド716A~716Bは前傾斜縁部718を含み、舌部712上のパッド717A~717Dは対応する前傾斜縁部719を含む。対応する傾斜縁部718、719は、舌部712がレセプタクル715内に挿入されるときに舌部が適切に位置合わせされるのを助ける。
【0187】
図22を参照すると、舌部712は、第1のロッド713Aと第2のロッド713Bとの間に位置決めされている。図示の実施形態では、ロッド713A、713Bは、舌部712に平行な方向に延びる。インターフェース710は、第1の孔721を有する第1のブロック720(
図28)と、第2の孔723を有する第2のブロック722(
図27)とをさらに含む。舌部712がレセプタクル715内に受け入れられると、第1のロッド713Aは第1のブロック720の第1の孔721内に受け入れられ、第2のロッド713Bは第2のブロック722の第2の孔723内に受け入れられる。
【0188】
或る実施形態では、各ブロック720、722は、対応するロッド713A、713B(および最終的には背もたれ12)をX方向またはY方向の一方に拘束する。言い換えれば、第1のブロック720は第1の方向(X方向)の調整を可能にし、第2のブロック722は第1の方向に直交する第2の方向(Y方向)の調整を可能にする。他の実施形態では、ブロック720、722のいずれか一方は、背もたれ位置のX方向およびY方向の両方を拘束することができる。
【0189】
或る実施形態では、第1のブロック720または722は、対応するロッド713Aまたはロッド713Bを受け入れるように構成された、正確に寸法決めされた孔を備え、第2のブロック720または722は、対応するロッド713Aまたはロッド713Bを受け入れるように構成された、正確に寸法決めされた孔を備え、第2のブロック720または722は、ブロック720および722における孔同士の間の幅に不正確に一致する背もたれの2つのロッド713Aおよび713Bの間の幅を収容するために、第1のブロック720または722に向かっておよびそこから離れるように自由に移動(例えば、摺動)するように構成される。したがって、或る実施形態では、第1のブロックは固定され、第2のブロックは、背もたれのロッドの幅に一致するように第1のブロック720または722に向かっておよびそこから離れるように摺動することができる。
【0190】
図29を参照すると、或る実施形態では、ロッド713A、713Bはそれぞれ、外部の周りに位置決めされた周方向溝724を含む。対応するボール戻り止め725は、孔内に少なくとも部分的に延び、溝724内に受け入れられる。言い換えれば、ボール戻り止め725および溝724は、背もたれ12のZ方向設定点を形成する。
【0191】
或る実施形態では、スイッチ(例えば、マイクロスイッチ)が、孔721、723の底部に位置決めされる。或る実施形態では、2つ以上のスイッチが含まれる。或る実施形態では、ロッドが孔内に完全に位置決めされると、スイッチは機械的に作動され、スイッチ出力は、シートレストが設置され、完全に設置され、かつ/または適切に設置されていることを保証する。
【0192】
或る実施形態では、割り出しノブまたは抵抗器は、各付属品を一意に識別する。従来の卓上および付属品は、正しい部品が正しく取り付けられ、正しく設置されていることを確実にするためにオペレータに依存している。割り出しノブまたは抵抗器は、オペレータが正しい付属品を取り付けたことの確認を可能にし、それによってオペレータのエラーを軽減する。或る実施形態では、特定の付属品を取り付けることで、特定のワークフローの自動実行または準備が生じ得る。
【0193】
真空バッグ
図30を参照すると、従来の真空バッグは、シート、背もたれ、およびアームレストに使用される。従来の真空バッグは、(例えば、お手玉の中にあるような(発泡スチロールなどの)ポリマー球体の)「豆」を含むバッグであり、真空引き前に押し潰されて柔軟性がある。解剖学的構造が真空バッグに押し込まれ、真空引きされてビーンを定位置にロックする(例えば、真空バッグを患者に成形して、カスタムフィット輪郭を提供する)。その後、カスタム真空バッグは取り外され、保管され、後で再び利用されることができる。しかしながら、従来の真空バッグは、垂直向きの患者にはうまく形成されない。具体的には、真空バッグが垂直に位置決めされると、ビーンがバッグの底部に沈降し、その結果、真空バッグは、バッグの最上部に輪郭を形成することができない。
【0194】
図31を参照すると、本明細書に開示される垂直の適合可能な患者支持体810(例えば、垂直真空バッグ)は、ビーン用のセグメント化された区画を含む。或る実施形態では、適合可能な患者支持体は、外層と、第1の部分811、第2の部分812、および第1の部分と第2の部分との間に位置決めされた分割部材813を含む内部空洞と、を含む。第1の複数のビーンは第1の部分811内に位置決めされ、第2の複数のビーンは第2の部分812内に位置決めされる。第1のセクションは、適合可能な患者支持体が直立姿勢の患者に適合するように方向付けられたときに第2のセクションの上方に位置決めされる。
【0195】
本明細書に開示される直立姿勢の患者にバッグを適合させる方法は、複数のビーンを含むバッグ内の空気の一部を真空引きすることと、バッグを垂直に向けることと、直立姿勢の患者にバッグを押し付けることと、真空バッグ内の空気の第2の部分を真空引きすることとを含む。言い換えれば、或る実施形態では、本明細書に開示される垂直真空バッグは、患者の輪郭を形成する前に部分的に真空引きされたバッグを含む。部分的な真空引きは、垂直に向けられたときに患者の輪郭をとるのに適した位置にビーンを保持するのに役立つ。
【0196】
或る実施形態では、個人向けの輪郭形成された真空バッグは、真空バッグの正しい再位置決めを確実にするためのキー付インターフェース(例えば、キーおよび溝)を含む。例えば、或る実施形態では、バッグの底部は、シートに形成された対応するノッチ内に位置決めされたキーを含む。
【0197】
流体制御カセット
或る実施形態では、患者位置決めシステム10は、流体制御カセット900(
図32~
図34)を備える。或る実施形態では、(例えば、患者支持体の下にあり、患者支持体を支持する)回転ディスクは流体制御カセット900を備える。或る実施形態では、患者位置決めシステム10および/または回転ディスクは、上面および底面を有する床パネル910を備え、床パネル910は、床パネル910の上面に接触する流体を流すことができる排水孔920を備える。或る実施形態では、床パネル910は、流体制御カセット900を受け入れ、床パネル910の下方の位置に流体制御カセット900を取り外し可能に連結するように構築された流体制御カセット受入開口部を備える。或る実施形態では、流体制御カセット900および流体制御カセット受入開口部は、流体制御カセット900を流体制御カセット受入開口部内に摺動させることによって流体制御カセット900が流体制御カセット受入開口部内に挿入されることができるように構築される。或る実施形態では、流体制御カセット受入開口部は、流体制御カセット900の第1の縁部および第2の縁部とそれぞれ係合する第1のレールおよび第2のレールを備え、流体制御カセット900の流体制御カセット受入開口部への挿入を案内し、挿入された流体制御カセット900を支持する。
【0198】
流体制御カセット900が流体制御カセット受入開口に挿入されると、流体制御カセット900は、床パネル910の排水孔920を通って流れる流体に接触し、したがって床パネル910の排水孔920を通って流れる流体を制御する(例えば、吸収して保持する)ように位置決めされる。或る実施形態では、床パネル910は、排水孔920を通る流体排出および流体排水を促進する流体耐性(例えば、疎水性)コーティングを含む。或る実施形態では、床パネル910は、排水孔920へ、排水孔内へ、および排水孔を通って流体を案内する溝または他の構造案内機構を備える。或る実施形態では、床パネル910は、排水孔920に向かっておよびそれを通る流体の移動を促進するために、水平に対して傾斜している。
【0199】
或る実施形態では、流体制御カセット900および流体制御カセット受入開口部は、流体制御カセット900を流体制御カセット受入開口部から摺動させることによって、流体制御カセット900を流体制御カセット受入開口部から取り外すことができるように構築される。取り外しの後、流体制御カセット900は、廃棄、洗浄、および/または再使用されることができる。
【0200】
或る実施形態では、流体制御カセットはハンドル930を備え、ハンドル930は、ユーザによる流体制御カセット受入開口部内への流体制御カセット900の挿入を容易にする、および/またはユーザによる流体制御カセット受入開口部からの流体制御カセット900の取り外しを容易にする。
【0201】
或る実施形態では、流体制御カセット900は、支持プレート901および吸収パッド902(例えば、吸収材料を含む)を備える。或る実施形態では、流体制御カセット900は、(例えば、柔軟なおよび/または圧縮可能な材料を含む)周縁シーリングガスケットをさらに備える。或る実施形態では、周辺シーリングガスケットは、流体制御カセット900を患者位置決めシステム10内にシールし、したがって流体制御カセット900を流体制御のために患者位置決めシステム10に一体化する。或る実施形態では、周辺シーリングガスケットは、吸収パッド902から離れる液体の流れを最小化および/または排除し、したがって流体収容を提供する。或る実施形態では、吸収パッド902は、抗菌化合物、抗ウイルス化合物、抗細菌化合物、消毒剤、消臭化合物、および/または超吸収性ポリマー(SAP)(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、および/またはポリアクリロニトリルのコポリマーを含む)を含有する。
【0202】
或る実施形態では、流体制御カセット900は、患者位置決めシステム10(例えば、回転ディスク内に)に組み込まれる。したがって、或る実施形態では、床パネル910は、患者によって接触される(例えば、患者は、足が床パネル910に接触するように位置決めされる)。
【0203】
或る実施形態では、流体制御カセット900は、患者位置決めアセンブリを操作する人(例えば、ユーザ(例えば、技術者、療法士、または洗浄者))によって取り外し可能であり、且つ患者位置決めシステム10を操作または洗浄する人(例えば、(技術者、療法士、または洗浄者などの)ユーザ)によって(例えば、別の(例えば、乾燥、清浄、および/または新しい)流体制御カセット900を用いて)交換可能である消耗流体制御カセット900である。或る実施形態では、流体制御カセット900は、患者位置決めシステム10を操作または洗浄する人(例えば、(技術者、療法士、または洗浄者などの)ユーザ)によって取り外し可能であり、(例えば、取り外された流体制御カセット900を洗浄および/または滅菌した後に)再使用可能であり、患者位置決めシステム10を操作または洗浄する人(例えば、(技術者、療法士、または洗浄者などの)ユーザ)によって交換可能である、洗浄可能および/または滅菌可能な流体制御カセット900である。
【0204】
したがって、流体制御カセット900は、例えば、患者支持アセンブリ上に位置決めされた患者が、患者支持体上に配置されている間に体液(例えば、尿、嘔吐、下痢など)を排出する場合に、回転ディスクおよび/または床パネル910に接触する流体の収容および/または吸収を提供する。流体制御カセット900は、流体が患者位置決めシステム10の床(例えば、回転ディスクおよび/または床パネル920)を汚すことを防止および/または最小限に抑える。さらに、流体制御カセット900は、回転ディスクおよび/または床パネル900上に排出された流体が患者支持体の下(例えば、回転ディスクの下)の機械的構成要素および/または電気的構成要素に接触すること、ならびに機械的構成要素および/または電気的構成要素の誤動作または非機能、およびその後の患者位置決めシステム10の誤動作または非機能を引き起こすことを防止および/または最小化する。
【0205】
緊急患者避難
電力喪失の場合、患者の退出が依然として必要である。従来の手法は、従来の高電圧無停電電源装置(UPS)を使用する。UPSは、システム内に高電圧を維持し、危険を引き起こす可能性があり(例えば、水による損傷を考慮して)、動作制御電子機器に依存している。従来の代替形態は、患者の移動を容易にするための手動クランク(例えば、ハンドクランク)を含む。従来の機械的または手動の解決策は、面倒で時間がかかる。
【0206】
本明細書で開示される緊急患者避難システムは、患者の避難を支援するために必要なアクチュエータおよびブレーキに電力を供給するために、少なくとも1つのリレーと電気的に連結された低電圧バッテリを含む。開示された設計は、高電圧を排除することによってリスクを低減し、動作電子機器が必要とされないために堅牢性を改善する。
【0207】
或る実施形態では、プラットフォームの位置エネルギーは、例えば、プラットフォーム下降の運動エネルギーを電位(例えば、エネルギー)に変換するプラットフォームの制御された下降を開始することによって、(例えば、ダイナモ等を用いて)患者避難システムの電子機器を作動させるために使用され、電位は患者支持体の構成要素に電力を供給してそれらを移動させて安全な患者退出を可能にするのに使用される。或る実施形態では、(例えば、運動エネルギーに変換され、そこから電位に変換される)プラットフォームの位置エネルギーと低電圧バッテリの両方が、緊急患者避難システムに電力を供給するのに使用される。
【0208】
或る実施形態では、電力損失後の制御された解放を必要とする軸(例えば、プラットフォームを垂直に下げる)は、プラットフォームの速度低下を制御するためにモータ端子間の制動抵抗器を電気的に接続する。
【0209】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、例えば、患者のための支持を提供することによって、および/または電力喪失または他の緊急事態の場合に患者に力を加えて患者を患者支持体からおよび/または患者位置決めアセンブリから案内し、押し出し、または引き出すことによって、患者支持体からの患者の緊急退出を支援する動的構成を提供するように構成される。例えば、或る実施形態では、構成可能な患者支持体は、電力喪失または他の緊急事態の場合に、患者と接触し、患者と動作可能に係合し、患者の少なくとも一部(例えば、腕、脚、胴体、頭、足、手、臀部、膝、肘)に力を加えて、患者支持体からのおよび/または患者位置決めアセンブリからの緊急退出を容易にするように構成される。或る実施形態では、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上は、患者に接触し、患者に動作可能に係合し、患者の少なくとも一部(例えば、腕、脚、胴体、頭、足、手、臀部、膝、肘)に力を加えて、患者の患者支持体からの退出および/または患者支持アセンブリからの緊急退出を容易にする。或る実施形態では、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)のうちの1つ以上は、患者を案内して患者支持体からの患者の緊急退出および/または患者支持アセンブリからの患者の緊急退出を容易にするために移動する。本明細書に開示される(例えば、少なくとも1つのリレーと電気的に連結された低電圧バッテリを備える)緊急患者避難システムは、患者支持体からの患者の緊急退出を支援するためにアクチュエータおよびブレーキに電気的に電力を供給する。
【0210】
或る実施形態では、構成可能な患者支持体110は、患者支持体からの患者の緊急退出および/または患者支持アセンブリからの患者の緊急退出のための静的構成に移動するように構成され、例えば、構成可能な患者支持体は、例えば、患者緊急退出状態である静的構成を提供するために、患者緊急退出状態に移動するように構成される。患者緊急退出状態に構成された患者支持体は、電力喪失または他の緊急事態の場合に患者支持体からの患者の緊急退出および/または患者支持アセンブリからの患者の緊急退出を容易にする位置に、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)を備える。例えば、背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、シート部材、脛当て、および/またはフットブレース(例えば、ヒールストップ)は、患者支持体からの患者の容易な移動を可能にし、患者支持体からの患者の緊急退出を妨げない位置にある。或る実施形態では、患者緊急退出状態は、立位姿勢での患者の緊急退出を容易にするように構成される。或る実施形態では、患者緊急退出状態は、例えば、患者が立って患者支持体から移動および/または患者支持アセンブリから離れるのを支援することによって、座位姿勢での患者の緊急退出を容易にするように構成される。本明細書に開示される(例えば、少なくとも1つのリレーと電気的に連結された低電圧バッテリを備える)緊急患者避難システムは、緊急退出構成の患者支持体を提供するためにアクチュエータおよびブレーキに電気的に電力を供給する。
【0211】
上記の明細書で言及されたすべての刊行物および特許は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。記載された技術の範囲および精神から逸脱することなく、本技術の記載された組成物、方法および使用の様々な改変および変形が当業者には明らかであろう。本技術を特定の例示的な実施形態に関連して説明したが、特許請求される本発明はそのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際、当業者に明らかな本発明を実施するための記載された態様の様々な変更は、以下の特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【国際調査報告】