(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】検知フィルム及び内蔵式ポケットに基づくスマート吸収用品及び関連装置
(51)【国際特許分類】
A61F 13/42 20060101AFI20240910BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A61F13/42 F
A61F13/49
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512081
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 CN2022091190
(87)【国際公開番号】W WO2023024567
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110992486.1
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518303181
【氏名又は名称】深▲せん▼一代科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN EDIAPER TECHNOLOGY LIMITED
(71)【出願人】
【識別番号】516130754
【氏名又は名称】三和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウァン サン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ゼン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ フェー
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA02
3B200DF04
(57)【要約】
静電容量型検知フィルム(40)及び内蔵式ポケット(26)に基づくスマート吸収用品(10)、スマート吸収用品(10)の湿り状態の監視を実現するシステム装置、及びスマート吸収用品(10)の製作に適した、内蔵ポケット(26)を含む2種類の静電容量型検知フィルム(40)である。スマート吸収用品(10)は、使い捨て吸収用品、静電容量型検知フィルム(40)、内蔵式ポケット(26)及び短絡保護メカニズムを含む。使い捨て吸収用品は、表面層(11)、吸収層及びベースフィルム(15)を含む。検知フィルム(40)は、接触面、検知面(62)、誘電体層及び少なくとも2本の検知ライン(21、22)を含み、誘電体層は検知ライン(21、22)と検知面(62)を互いに分離及び絶縁させており、検知面(62)が電解質を含む液体に浸潤されると、検知ライン(21、22)が誘電体層を介して電解容量方式で検知面(62)の湿り検出機能を実現することができる。内蔵式ポケット(26)はセンサを挿入するために用いられ、接触面はセンサと検知ライン(21、22)の面対面の接触及び電気接続に便利である。短絡保護メカニズムは、検知ライン(21、22)を使い捨て吸収用品内外の湿気の影響から保護するために用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量型検知フィルム及び内蔵式ポケットに基づくスマート吸収用品において、使い捨て吸収用品と、静電容量型検知フィルムと、内蔵式ポケットと、短絡保護メカニズムとを含み、前記使い捨て吸収用品は、表面層、吸収層及びベースフィルムを含み、前記検知フィルムは接触面、検知面、誘電体層及び少なくとも2本の検知ラインを含み、前記誘電体層の外表面は前記検知面を構成し、前記誘電体層は前記検知ラインと前記検知面を互いに分離及び絶縁させており、前記検知面が電解質を含む液体に浸潤されると、前記検知ラインが前記誘電体層を介して電解容量方式で前記検知面の湿り検出機能を実現することができ、前記内蔵式ポケットは湿り検出を実施するセンサを挿入するために用いられ、前記接触面は前記センサと前記検知ラインの面対面の接触及び電気接続に便利であり、前記短絡保護メカニズムは前記検知ラインが前記使い捨て吸収用品内外の湿気の影響を受けないよう保護するために用いられることを特徴とする、スマート吸収用品。
【請求項2】
前記検知ラインは少なくとも一部が前記接触面内に位置し、かつ露出部分を含み、前記短絡保護メカニズムは前記接触面上を被覆する防水カバー層を含み、前記接触面と前記防水カバー層の間には互いに分離可能な部分が含まれて前記内蔵式ポケットを構成しており、前記検知面は前記吸収層に面しており、前記検知ラインが前記誘電体層を介して電解容量方式で前記吸収層に対する湿り検出機能を実現できるようにしていることを特徴とする、請求項1に記載のスマート吸収用品。
【請求項3】
前記検知フィルムは片面式検知フィルムを含み、前記誘電体層はプラスチックフィルム基材を含み、前記検知ラインは前記プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置されて前記接触面を構成しており、前記プラスチックフィルム基材のもう1つの面は前記検知面を構成しており、前記ベースフィルムは前記防水カバー層を構成しており、前記接触面は前記ベースフィルムに面し、かつ前記ベースフィルムとの間に互いに分離可能な部分を含んで前記内蔵式ポケットを構成しており、前記吸収層は前記検知面上を被覆し、前記表面層は前記吸収層上を被覆しており、前記表面層の前記吸収層及び前記検知面を越えている部分は前記ベースフィルムと互いに貼合されており、これにより前記内蔵ポケットを固定し、かつそれを前記検知フィルムの幅と一致させ、センタリングして位置合わせしており、または、
前記検知フィルムは複合式検知フィルムを含み、前記複合式検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、前記検知ラインは前記プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置されており、前記検知フィルムは接触領域及び検知領域をさらに含み、前記検知領域は防水保護層を含み、かつ前記検知ラインを保護しており、前記プラスチックフィルム基材の外表面は前記吸収層に面し、かつ前記誘電体層を構成しており、前記接触領域上の検知ラインは露出部分を含み、かつ前記接触面を構成しており、前記ベースフィルムは前記防水カバー層を構成し、かつ前記接触面上を被覆しており、前記吸収層は前記検知面上を被覆し、前記表面層は前記吸収層上を被覆しており、前記表面層の前記吸収層及び前記検知面を越えている部分は前記ベースフィルムと互いに貼合されており、これにより前記内蔵ポケットを固定し、かつそれを前記検知フィルムの幅と一致させ、センタリングして位置合わせしており、または、
前記検知フィルムは複合式検知フィルムを含み、前記複合式検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、前記検知ラインは前記プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置されており、前記複合式検知フィルムは接触領域及び検知領域をさらに含み、前記検知領域は防水保護層を含み、かつ前記検知ラインを保護しており、前記接触領域上の検知ラインは露出部分を含み、かつ前記接触面を構成しており、前記防水保護層は前記吸収層に面し、かつ前記誘電体層を構成しており、前記検知フィルムは前記表面層と前記ベースフィルムとの間に位置し、かつ前記表面層、防水カバー層及び前記ベースフィルムと互いに貼合されており、これにより前記内蔵ポケットを固定し、かつそれを前記検知フィルムの幅と一致させ、センタリングして位置合わせしており、または、
前記検知フィルムは頭尾式内蔵ポケットの検知フィルムを含み、前記検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、前記検知ラインは前記プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置されており、前記防水カバー層は前記検知ライン上を被覆しており、前記防水カバー層と前記プラスチックフィルム基材の中段位置には互いに貼合されている部分が含まれて検知領域を構成しており、先端と末端の両端位置には互いに分離可能な部分が含まれて内蔵式ポケットを構成しており、前記プラスチックフィルム基材または前記防水カバー層の外表面は前記吸収層に面し、かつ前記検知面を構成しており、または、
前記検知フィルムは貫通式内蔵ポケットの検知フィルムを含み、前記検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、前記検知ラインは前記プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、かつ前記接触面を構成しており、前記プラスチックフィルム基材のもう1つの面は前記吸収層に面し、かつ前記検知面を構成しており、前記プラスチックフィルム基材は前記誘電体層を構成しており、前記防水カバー層は前記接触面上を被覆しており、前記防水カバー層と前記プラスチックフィルム基材の両辺の辺縁部分は互いに貼合されている部分を含み、かつ液体の浸透進入を阻止する境界を構成しており、前記防水カバー層と前記プラスチックフィルム基材の間にはさらに中空部分が含まれて貫通式の内蔵式ポケットを構成しており、または、
前記検知フィルムは複合ベースフィルム式検知フィルムを含み、前記検知ラインは前記ベースフィルムの外表面上に設置されて前記接触面を構成しており、前記ベースフィルムの内表面は前記吸収層に面して前記検知面を構成しており、前記ベースフィルムは前記誘電体層を構成し、前記防水カバー層は一体に裁断された瑕疵のない外層不織布を含み、それが前記接触面上を被覆し、かつ前記ベースフィルムと複合して複合ベースフィルムを構成しており、前記外層不織布と前記ベースフィルムの間には、さらに互いに分離可能な部分が含まれて前記内蔵式ポケットを構成しており、または、
外層不織布を含み、前記検知フィルムは複合ベースフィルム式検知フィルムを含み、前記検知ラインは前記ベースフィルムの外表面に設置されて前記接触面を構成しており、前記ベースフィルムの内表面は前記吸収層に面して前記検知面を構成しており、前記ベースフィルムは前記誘電体層を構成しており、前記防水カバー層は前記検知ライン上を被覆しており、前記外層不織布は前記防水カバー層上を被覆し、その幅が前記防水カバー層を越えている部分は前記ベースフィルムと貼合されて複合ベースフィルムを構成しており、これにより前記防水カバー層と前記内蔵ポケットを固定し、前記内蔵ポケットと前記防水カバー層の幅を一致させることができることを特徴とする、
請求項2に記載のスマート吸収用品。
【請求項4】
前記使い捨て吸収用品の前端辺縁部分の二重層内には1つの隠し開口が含まれており、前記隠し開口は前記内蔵式ポケットに通じ、センサを挿入して前記湿り検出機能を実現するために用いられており、または、
前記使い捨て吸収用品の前端辺縁部分と後端辺縁部分の二重層内には、それぞれ1つの隠し開口が含まれており、前記隠し開口はそれぞれ1つの内蔵式ポケットに通じており前記前端辺縁部分に位置する内蔵式ポケットは機能性ポケットを構成し、センサを挿入して前記湿り検出を実現するために用いられ、前記後端辺縁部分に位置する内蔵式ポケットは余地ポケットを構成し、前記スマート吸収用品の生産における定位置での切断に誤差の余地を提供しており、または、
前記使い捨て吸収用品の外表面または前端辺縁の内表面は切欠きを含み、前記切欠きは前記内蔵式ポケットに通じ、センサを挿入して前記湿り検出機能を実現するために用いられることを特徴とする、
請求項3に記載のスマート吸収用品。
【請求項5】
前記使い捨て吸収用品は、前腹シール及び左右シールを含み、前記内蔵式ポケットの少なくとも一部は前記前腹シールの正投影範囲内に位置しており、前記使い捨て吸収用品が着用状態にある場合、そのウエスト上に生じる弾力は内蔵式ポケットを使用者の前腹部に密着させる作用力に転化することができ、これにより前記内蔵式ポケット内に設置されたセンサを押圧し、前記センサの接触点と前記検知ラインの接触をより確実にすることができ、前記使い捨て吸収用品が着用状態にない場合は、前記使用者の前腹部に密着させる作用力が自動的に消失し、前記センサが取り出しやすくなることを特徴とする、請求項4に記載のスマート吸収用品。
【請求項6】
前記使い捨て吸収用品は弾性ウエストを含み、前記内蔵式ポケットは前記弾性ウエスト上に設置されており、前記スマート吸収用品が着用状態にある時、前記弾性ウエスト上に生じる弾力は前記内蔵式ポケットを使用者の身体に密着させる作用力に転化することができ、これにより前記内蔵式ポケット内に設置されたセンサを押圧して前記センサの接触点と前記検知ラインとの接触をより確実にすることができることを特徴とする、請求項4に記載のスマート吸収用品。
【請求項7】
前記使い捨て吸収用品は、紙おむつ、シートタイプの紙おむつ、生理用ナプキン、産褥ナプキンまたは尿パッドを含み、前記表面層は親水性不織布を含み、前記吸収層は高分子吸収材料を含み、前記ベースフィルムは空気を通す、または通さないPEフィルムを含み、前記検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ラインと、銅箔ラインとを含み、前記プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、前記防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙または撥水性不織布を含み、前記防水保護層は高分子防水コート層または高分子防水複合層を含み、前記電解質を含む液体は、塩分を含む尿、水分の多い便、汗または血液を含むことを特徴とする、請求項4に記載のスマート吸収用品。
【請求項8】
前記使い捨て吸収用品の吸収層が電解質を含む液体に浸潤されると、前記検知ライン、誘電体層及び液体が共同で電解コンデンサを構成し、前記検知ラインは前記電解コンデンサの電極を構成し、前記誘電体層は前記電解コンデンサの誘電体を構成し、前記液体は前記電解コンデンサの電解質を構成しており、前記使い捨て吸収用品の湿り度合いは前記電解コンデンサの電気容量に比例し、前記電気容量は前記液体と前記検知ラインに対応する面積に比例し、前記誘電体層の誘電定数に比例し、前記誘電体層の厚さに反比例することを特徴とする、請求項4に記載のスマート吸収用品。
【請求項9】
請求項1に記載のスマート吸収用品の製作に適した、頭尾式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムにおいて、プラスチックフィルム基材と、防水カバー層と、少なくとも2本の検知ラインとを含み、前記検知ラインは前記プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置されており、前記防水カバー層は前記検知ライン上を被覆しており、前記防水カバー層と前記プラスチックフィルム基材の中段位置には互いに貼合されている部分が含まれ、保護された検知領域を構成して、液体の浸透進入により前記検知ラインが短絡することを防止することができ、前記防水カバー層及び前記プラスチックフィルム基材は、先端と末端の両端に互いに分離可能な部分を含んで接触領域を構成ており、前端辺縁部分に位置する接触領域は機能性ポケットを構成し、前記検知ラインは前記機能性ポケット内で露出して接触面を構成し、ポケットに挿入されたセンサの接触点と面対面で接触して電気接続を行うために用いられ、後端辺縁部分に位置する接触領域は余地ポケットを構成し、前記スマート吸収用品の生産において定位置の切断に誤差の余地を提供することができ、
前記プラスチックフィルム基材または前記防水カバー層は誘電体層を構成し、その外表面は検知面を構成しており、前記検知ラインは前記誘電体層を介して電解容量方式で前記検知面上の湿り状態を検出することができ、検出感度は誘電体層の誘電定数に比例し、誘電体層の厚さに反比例することを特徴とする、
静電容量型検知フィルム。
【請求項10】
前記検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ラインと、銅箔ラインとを含み、前記プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、前記防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙、撥水性不織布またはホットメルト接着剤フィルムを含むことを特徴とする、請求項9に記載の静電容量型検知フィルム。
【請求項11】
請求項1に記載のスマート吸収用品の製作に適した、貫通式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムにおいて、プラスチックフィルム基材と、防水カバー層と、少なくとも2本の検知ラインとを含み、前記検知ラインは前記プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、前記防水カバー層は前記検知ライン上を被覆しており、前記防水カバー層とプラスチックフィルム基材の両辺は、辺縁部分に互いに接合された部分を含み、かつそれにより液体の浸透進入を阻止する境界を生成し、かつ短絡保護メカニズムを構成しており、前記防水カバー層と前記プラスチックフィルム基材の間には中空部分が含まれて貫通式内蔵ポケットを構成しており、前記検知ラインは前記内蔵式ポケット内で露出して接触面を構成し、前記内蔵ポケットに挿入するセンサの接触点と面対面で接触して電気接続を行うために用いられ、
前記プラスチックフィルム基材は誘電体層を構成し、その外表面は検知面を構成しており、前記検知ラインは前記誘電体層を介して電解容量方式で前記検知面上の湿り状態を検出することができ、その検出感度は前記誘電体層の誘電定数に比例し、前記誘電体層の厚さに反比例することを特徴とする、
静電容量型検知フィルム。
【請求項12】
前記検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ラインと、銅箔ラインとを含み、前記プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、前記防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙、撥水性不織布またはホットメルト接着剤フィルムを含むことを特徴とする、請求項11に記載のスマート吸収用品。
【請求項13】
スマート吸収用品の湿り状態の監視を実現するシステム装置において、センサ及び請求項1に記載のスマート吸収用品を含み、前記センサは、前記内蔵式ポケット内の検知ラインと接触して電気接続を行うための少なくとも2つの接触点を含み、前記センサがさらに、電解容量方式で前記使い捨て吸収用品の湿り検出機能を実現するための容量検出装置を含むことを特徴とする、システム装置。
【請求項14】
前記センサは少なくとも3つの接触点を含み、その中の2つの接触点が挿入検出装置を構成しており、前記センサが前記内蔵式ポケットに挿入され、かつ前記2つの接触点が同時に同じ検知ラインに接触した時に、前記挿入検出装置をトリガして前記センサを動作状態に入らせることを特徴とする、請求項13に記載のシステム装置。
【請求項15】
前記センサは、無線方式によって前記スマート吸収用品の湿り状態の情報を送受信するための無線送信装置及び無線受信装置をさらに含み、前記無線受信装置が音響光学警報装置、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータを含むことを特徴とする、請求項14に記載のシステム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年8月27日に中国特許局に提出された出願番号202110992486.1、発明の名称「検知ライン及び隠しポケットを含むスマート吸収用品」の特許出願の優先権を請求しており、上記のすべての内容は引用により本願内に組み込まれている。
【0002】
本発明は吸収用品に関し、特に静電容量型検知フィルム及び内蔵式ポケットに基づくスマート吸収用品及び関連装置に関する。
【背景技術】
【0003】
使い捨て吸収用品は紙おむつ、シートタイプの紙おむつ、生理用ナプキン、尿パッドなどの衛生製品を含み、捨てることのできる介護用品であり、使用時には必要に応じて交換しなければならず、交換が早すぎたり頻繁すぎたりすると、手間が増え、浪費にもなる。交換が遅すぎると、漏れやすくなり、しかも排泄物が長時間皮膚を刺激するので、皮膚疾患も生じやすくなる。そのため、人々はリアルタイムで湿気を検出し、かつ適切なタイミングで交換を知らせるスマート型使い捨て吸収用品を待ち望んでおり、これは製品の科学的使用にとって積極的な意味を有している。
【0004】
従来技術の面では、特許文献1で吸収用品及び関連方法を開示しており、紙おむつのベースフィルムの外表面に2本の検知ライン(フレキシブル電極)を設置する方式により、電解容量に基づく精確で確実性があり、定量化が可能な尿濡れ検出機能を実現しており、これは従来技術の中で最も代表的な解決手段のひとつである。使用する際には、センサを紙おむつの外表面に貼り付け、その後、センサの動作ボタンをオンにし、プローブを紙おむつの検知ラインに位置合わせして挟む。このようにすると、検知ラインと接続されて、リアルタイムで紙おむつの湿り状態を検出することができる。
【0005】
上記の従来技術に存在する不十分な点としては、主に、1、検知ラインは炭素系インクを用いて紙おむつのベースフィルムの外表面に印刷されており、2本の黒い線が生じるので、紙おむつの外観に影響すること、2、紙おむつのベースフィルムの外表面に設置されている検知ラインは外部の湿気の影響を受けやすく、例えば、濡れた手で紙おむつを触ると、誤って反応することがあること、3、センサは紙おむつの外面に貼るので、有効に固定することが難しいこと、4、センサはプローブで紙おむつの外層の不織布を刺し貫かなければ検知ラインと接続できないので、接触不良が発生しやすいこと、5、センサと検知ラインとは肉眼と経験による位置合わせに頼っているので、ずれが発生して接続に失敗しやすいこと、などが含まれる。
【0006】
上記の問題点を解決するために、特許文献2では、紙おむつの裏面に検知ラインを設置し、かつ紙おむつの外表面上に物入れポケットを設置し、物入れポケット自体の弾性を利用してセンサを固定し、紙おむつの外側のセンサが容量結合方式で紙おむつ内の検知ラインと連通して湿り検出機能を実現する、おむつなどに用いられる湿り検出装置及びそのような装置を有するおむつを開示している。その中には、主に次のような欠点が含まれている。1、センサと検知ラインの間が面対面の接触ではないので、確実な電気接続を実現しにくい。2、物入れポケットと検知ラインはそれぞれ紙おむつの内と外の両側に位置しているので、ずれやすい。3、検知ラインが尿液と接触することによって尿濡れを検出するのは、従来の電気抵抗式尿濡れ警報システムなので、電解容量に基づく精確で確実な湿り検出機能を実現できない。4、紙おむつの外に設置された物入れポケットは、紙おむつの着用状態で発生するウエストの弾力を利用してセンサを固定することができず、センサの接触点と検知ラインとの間の電気接続をより確実にすることができない。
【0007】
上記のこれらの従来技術の欠点は、いずれも新しい技術手法で解決する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許公開番号CN107174408B
【特許文献2】中国特許公開番号CN1226855A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明で解決しようとする技術的課題は主に、背景技術で言及している従来技術の中に存在する問題点であり、これらの問題を解決するために本発明が採用する措置は、主に以下を含む。1、検知ラインを紙おむつの内部に設置することで、検知ラインが紙おむつの外観に影響する問題と、外部の湿気の影響を受ける問題を解決する。2、紙おむつ内に短絡保護メカニズムを設置し、検知ラインが紙おむつ内部の湿気の影響を受けないようにするとともに、電解容量に基づく精確かつ確実で、定量化が可能な湿り検出機能を実現する。3、紙おむつの内部にポケットを設置することで、センサの固定という問題を解決する。4、センサの接触点と検知ラインを面対面で接触させることで、電気接続の確実性の問題を解決する。5、内蔵式のポケットを検知ラインと自動的にセンタリング及び位置合わせするような措置を講じることで、センサをポケットに挿入する際にずれないことを確保する。6、内蔵ポケット付きの検知フィルムをスマート紙おむつ生産の原材料として提供し、製品の量産に役立たせている。7、紙おむつの着用時にウエストに生じる弾力を利用してセンサを固定できるという手段を提供し、センサと検知ラインの間の電気接続をより確実にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は静電容量型検知フィルム及び内蔵式ポケットに基づくスマート吸収用品を提供しており、使い捨て吸収用品、静電容量型検知フィルム、内蔵式ポケット及び短絡保護メカニズムを含み、使い捨て吸収用品は表面層、吸収層及びベースフィルムを含み、検知フィルムは接触面、検知面、誘電体層及び少なくとも2本の検知ラインを含み、誘電体層の外表面は検知面を構成し、誘電体層が検知ラインと検知面を互いに分離及び絶縁させており、検知面が電解質を含む液体に浸潤されると、検知ラインが誘電体層を介して電解容量方式で検知面に対する湿り検出機能を実現することができ、内蔵式ポケットは湿り検出を実施するセンサを挿入するために用いられ、接触面はセンサと検知ラインの面対面の接触及び電気接続に便利であり、短絡保護メカニズムは検知ラインが使い捨て吸収用品内外の湿気の影響を受けないよう保護するために用いられている。
【0011】
検知ラインは少なくとも一部が接触面内に位置し、かつ露出部分を含み、短絡保護メカニズムは防水カバー層を含み、防水カバー層は接触面上を被覆しており、接触面と防水カバー層の間には互いに分離可能な部分が含まれて内蔵式ポケットを構成しており、検知面は吸収層に面しており、検知ラインが誘電体層を介して電解容量方式で吸収層に対する湿り検出機能を実現できるようにしている。
【0012】
検知フィルムは片面式検知フィルムを含み、誘電体層はプラスチックフィルム基材を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、かつ接触面を構成しており、プラスチックフィルム基材のもう1つの面は検知面を構成し、ベースフィルムは防水カバー層を構成しており、接触面はベースフィルムに面し、かつベースフィルムとの間に互いに分離可能な部分が含まれて内蔵式ポケットを構成しており、吸収層は検知面上を被覆し、表面層は吸収層上を被覆しており、表面層の吸収層及び検知面を越えている部分はベースフィルムと互いに貼合されており、これにより内蔵ポケットを固定し、かつその幅を検知フィルムと一致させ、センタリングして位置合わせしており、または
検知フィルムは複合式検知フィルムを含み、誘電体層はプラスチックフィルム基材を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、かつ接触面を構成しており、プラスチックフィルム基材のもう1つの面は検知面を構成しており、検知フィルムは接触領域及び検知領域を含み、検知領域は防水保護層を含み、かつ検知ラインを保護しており、ベースフィルムは防水カバー層を構成し、接触面及び防水保護層はベースフィルムに面しており、吸収層は検知面上を被覆し、表面層は吸収層上を被覆しており、表面層の吸収層及び検知面を越えている部分はベースフィルムと貼合されており、これにより内蔵ポケットを固定し、その幅を検知フィルムと一致させ、センタリングして位置合わせしており、または
検知フィルムは複合式検知フィルムを含み、複合式検知フィルムはプラスチックフィルム基材及び防水保護層を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置されており、複合式検知フィルムは接触領域及び検知領域を含み、検知領域は防水保護層を含み、防水保護層は吸収層に面し、かつ誘電体層を構成しており、検知フィルムは表面層とベースフィルムとの間に位置し、かつ表面層、防水カバー層及びベースフィルムと互いに貼合されている部分を含み、これにより内蔵ポケットを固定し、かつその幅を検知フィルムと一致させ、センタリングして位置合わせしており、または
検知フィルムは頭尾式内蔵ポケットの検知フィルムを含み、検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、防水カバー層は検知ライン上を被覆しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材との間には互いに貼合されている部分及び互いに分離可能な部分が同時に含まれ、互いに貼合されている部分は検知フィルムの中段に位置して検知領域を構成しており、互いに分離可能な部分は検知フィルムの先端と末端の両端に位置し、接触面を含んで内蔵式ポケットを構成しており、プラスチックフィルム基材または防水カバー層の外表面は吸収層に面し、かつその外表面は検知面を構成しており、または
検知フィルムは貫通式内蔵ポケットの検知フィルムを含み、検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、かつ接触面を構成しており、プラスチックフィルム基材のもう1つの面は吸収層に面し、かつ検知面を構成しており、プラスチックフィルム基材は誘電体層を構成し、防水カバー層は接触面上を被覆しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材の両辺の辺縁部分は互いに貼合されている部分を含み、液体の浸透進入を阻止する境界を構成しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材の間に含まれる中空部分は貫通式の内蔵ポケットを構成しており、または
検知フィルムは複合ベースフィルム式検知フィルムを含み、検知ラインはベースフィルムの外表面に設置されて接触面を構成しており、ベースフィルムの内表面は吸収層に面し、検知面を構成しており、ベースフィルムは誘電体層を構成しており、防水カバー層は一体に裁断された瑕疵のない外層不織布を含み、外層不織布は接触面上を被覆し、外層不織布とベースフィルムの間には、接着剤のない、互いに分離可能な部分が含まれて内蔵式ポケットを構成しており、または
検知フィルムは複合ベースフィルム式検知フィルム及び外層不織布を含み、検知ラインはベースフィルムの外表面に設置されて接触面を構成しており、ベースフィルムの内表面は吸収層に面して検知面を構成しており、ベースフィルムは誘電体層を構成しており、防水カバー層は検知ライン上を被覆し、外層不織布は防水カバー層上を被覆し、その防水カバー層を越えている部分はベースフィルムと貼合されており、これにより内蔵ポケットを固定し、かつその幅を防水カバー層と一致させている。
【0013】
使い捨て吸収用品の前端辺縁部分の二重層の隙間には1つの隠し開口が含まれており、隠し開口は内蔵式ポケットに通じ、センサを挿入して湿り検出機能を実現するために用いられており、または
使い捨て吸収用品の前端辺縁部分と後端辺縁部分の二重層の隙間には、それぞれ1つの隠し開口が含まれており、隠し開口はそれぞれ1つの内蔵式ポケットに通じており、前端辺縁部分に位置する内蔵式ポケットは機能性ポケットを構成し、センサを挿入して湿り検出を実現するために用いられ、後端辺縁部分に位置する内蔵式ポケットは余地ポケットを構成し、スマート吸収用品の生産における定位置での切断に誤差の余地を提供しており、または
使い捨て吸収用品の外表面または使い捨て吸収用品の前端辺縁の内表面は切欠きを含み、該切欠きは内蔵式ポケットに通じ、センサを挿入して湿り検出機能を実現するために用いられる。
【0014】
使い捨て吸収用品は前腹シール及び左右シールを含み、内蔵式ポケットの少なくとも一部は前腹シールの正投影範囲内に位置しており、使い捨て吸収用品が着用状態にある場合、そのウエスト上に生じる弾力は内蔵式ポケットを使用者の前腹部に密着させる作用力に転化することができ、これにより内蔵式ポケット内のセンサを押圧して、センサの接触点と検知ラインとの接触をより確実にすることができる。使い捨て吸収用品が着用状態にない場合は、使用者の前腹部に密着させる作用力が自動的に消失し、センサが取り出しやすくなり、または
使い捨て吸収用品は弾性ウエストを含み、内蔵式ポケットは弾性ウエスト上に設置され、スマート吸収用品が着用状態にある時、そのウエスト上に生じる弾力は内蔵式ポケットを使用者の身体に密着させる作用力に転化することができ、これにより内蔵式ポケット内のセンサを押圧して、センサの接触点と検知ラインとの接触をより確実にすることができる。
【0015】
使い捨て吸収用品は、紙おむつ、シートタイプの紙おむつ、生理用ナプキンまたは尿パッドを含み、表面層は親水性不織布を含み、吸収層は高分子吸収材料を含み、ベースフィルムは空気を通す、または通さないPEフィルムを含み、検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ライン、銅箔ラインとを含み、プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙または撥水性不織布を含み、防水保護層は高分子防水コート層または高分子防水複合層を含み、及び
使い捨て吸収用品の吸収層が電解質を含む液体に浸潤されると、検知ラインと誘電体層と液体とが共同で電解コンデンサを構成し、検知ラインは電解コンデンサの電極を構成し、誘電体層は電解コンデンサの誘電体を構成し、液体は電解コンデンサの電解質を構成しており、使い捨て吸収用品の湿り度合いは電解コンデンサの電気容量に比例し、電気容量は液体と検知ラインに対応する面積に比例し、誘電体層の誘電定数に比例し、誘電体層の厚さに反比例する。
【0016】
その一方で、本発明は、スマート吸収用品の製作に適した、頭尾式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムを提供しており、プラスチックフィルム基材と、防水カバー層と、少なくとも2本の検知ラインとを含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、防水カバー層は検知ライン上を被覆しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材との間には、互いに貼合されている部分と互いに分離可能な部分が同時に含まれており、互いに貼合されている部分は短絡保護メカニズムを構成し、液体が浸透進入して検知ラインの短絡を引き起こすことを防止しており、互いに分離可能な部分は検知フィルムの先端と末端の位置においてそれぞれ機能性ポケット及び余地ポケットを構成しており、検知ラインは機能性ポケット内で露出して接触面を構成し、内蔵式ポケット内に挿入するセンサの接触点と面対面で接触し、電気接続を行うために用いられており、及び
プラスチックフィルム基材または防水カバー層は誘電体層を構成し、その外表面は検知面を構成しており、検知ラインは誘電体層を介して電解容量方式で検知面の湿り状態の検出を実現することができ、その検出感度は誘電体層の誘電定数に比例し、誘電体層の厚さに反比例しており、及び
検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ラインと、銅箔ラインとを含み、プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙、撥水性不織布またはホットメルト接着剤フィルムを含む。
【0017】
その一方で、本発明はさらに、スマート吸収用品の製作に適した、貫通式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムを提供しており、プラスチックフィルム基材と、防水カバー層と、少なくとも2本の検知ラインとを含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、防水カバー層は検知ライン上及びプラスチックフィルム基材上を被覆しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材の両辺は、辺縁部分に互いに貼合されている部分を含み、かつそれにより液体の浸透進入を阻止できる境界を生成し、短絡保護メカニズムを構成して、検知ラインを有効に保護しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材の間の中空部分は貫通した内蔵式ポケットを構成しており、検知ラインは内蔵式ポケット内で露出して接触面を構成し、内蔵式ポケット内に挿入するセンサの接触点と面対面で接触し、電気接続を行うために用いられており、及び
プラスチックフィルム基材は誘電体層を構成し、その外表面は検知面を構成しており、検知ラインは誘電体層を介して電解容量方式で検知面の湿り状態の検出を実現することができ、その検出感度は誘電体層の誘電定数に比例し、誘電体層の厚さに反比例しており、及び
貫通した内蔵式ポケットの両端はそれぞれ機能性ポケット及び余地ポケットを構成しており、検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ラインと、銅箔ラインとを含み、プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙、撥水性不織布またはホットメルト接着剤フィルムを含む。
【0018】
さらに、本発明は、センサ式スマート吸収用品を含む、スマート吸収用品の湿り状態の監視を実現するシステム装置を提供しており、センサは、内蔵式ポケット内の検知ラインと接触して電気接続を行うための少なくとも2つの接触点を含み、センサはさらに、電解容量方式で使い捨て吸収用品の湿り検出機能を実現するための容量検出装置を含む。
【0019】
センサは少なくとも3つの接触点を含み、その中の2つの接触点は挿入検出装置を構成しており、センサが内蔵式ポケットに挿入され、かつ2つの接触点が同時に同じ検知ラインに接触した時に、挿入検出装置をトリガしてセンサを動作状態に入らせるために用いられており、センサは、無線方式によって使い捨て吸収用品の湿り状態の情報を送受信するための無線送信装置及び無線受信装置をさらに含み、無線受信装置は音声または光の提示装置、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータを含む。
【0020】
本発明の有益な効果は、背景技術で言及している従来技術の不十分な点を逐一解決しているところにあり、その中には次のことが含まれている。1、検知ラインを紙おむつの内部に設置し、検知ラインの色が紙おむつの外観に与える影響をなくすことに成功している。2、検知ラインの短絡保護を行い、紙おむつの内外の湿気の影響を受けないようにしている。3、紙おむつ内に設置された物入れポケットにより、センサをより有効に収納し、固定することができる。4、センサと検知ラインの間で面対面の接触を実現して、接続をより確実にしている。5、内蔵式ポケットと検知フィルムの間で自動センタリング及び位置合わせを実現し、ずれの発生を回避している。6、検知フィルムを共通の生産材料として使用することができ、より広範な汎用性と利便性を有する。7、紙おむつを着用する際にウエストに生じる弾力を巧みに利用してセンサを固定するとともに、センサと検知ラインの間の接続をより確実にしている。
【0021】
本発明の技術手法は製品の信頼性及び使いやすさを有効に向上させており、紙おむつ産業の発展及びスマート化のアップグレードのための有利な条件を産み出している。
【0022】
本発明の実施例の技術手法をより明確に説明するために、以下では実施例で使用する必要のある図面について簡単に紹介しているが、以下に記述している図面は本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働を行わないという前提において、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施例におけるスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した片面式検知フィルムの立体構造概略図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した片面式検知フィルムの断面構造概略図/等価回路図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のA-A’の断面構造概略図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した複合式検知フィルムの立体構造概略図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した複合式検知フィルムの断面構造概略図/等価回路図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のA-A’の断面構造概略図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のC-C’の断面構造概略図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のC-C’の断面構造概略図である。
【
図8C】
図8Cは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のC-C’の断面構造概略図である。
【
図9A】
図9Aは、本発明の実施例の複合ベースフィルム式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のA-A’の断面構造概略図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明の実施例の複合ベースフィルム式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、頭尾式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムの正面構造概略図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、頭尾式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムのD-D’の断面構造概略図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、貫通式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムの正面構造概略図である。
【
図11B】
図11Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、貫通式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムのE-E’の断面構造概略図である。
【
図11C】
図11Cは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、貫通式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムの、センサ挿入時の位置関係概略図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例のスマート吸収用品の弾性ウエスト上に内蔵式ポケットが含まれている外観構造概略図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例のスマート吸収用品の外部に内蔵式ポケットに通じる切欠きが含まれている外観構造概略図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、ループ検知ライン設計及びマルチ検知ライン設計を有する検知フィルムの外観構造概略図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、ループ検知ライン設計及びマルチ検知ライン設計を有する検知フィルムの外観構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の各実施例の説明は、図面を参照し、本発明での実施に用いることができる特定の実施例を示すものである。本発明で言及している方向及び位置用語、例えば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「頂部」、「底部」、「側面」などは、図面の方向または位置を参考にしているにすぎない。つまり、使用されている方向及び位置用語は、本発明を説明及び理解するためのものであって、本発明の保護範囲を限定するものではないのである。
【0025】
図1は、本発明の実施例におけるスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図であり、外観上は従来の使い捨て吸収用品とほぼ同じである。使い捨て吸収用品の中では、紙おむつが最も代表的なものであり、本発明の実施例では、主に紙おむつを例として説明しているが、関連する説明は、パンツ型おむつ、トレーニングパンツ、パンツ型おむつ、シートタイプの紙おむつ、生理用ナプキン、産褥ナプキン、尿パッドなどの使い捨て吸収製品にも適用され、多くの場合、本発明の実施例で論述している紙おむつは、使い捨て吸収用品と同じ意味を有している。
【0026】
本発明の実施例におけるスマート吸収用品10は、従来の紙おむつを基に、尿濡れ(湿り)を検知(検出)できるいくつかの材料または装置を追加することによって実現される。これらの材料及び装置は、紙おむつをスマート化させているので、スマート紙おむつと呼ぶことができる。紙おむつは通常、ベースフィルム(漏れ防止層)、吸収層(二重層)、表面層(ドライ層)、外層不織布(複合層)などの構成部分を含み、ベースフィルムは通常、空気を通す、または通さないポリエチレンフィルム(PE)を含み、吸収層は通常、高分子吸収材料(SAP)及びパルプを含み、表面層は通常、柔らかく快適な親水性不織布を含み、外層不織布は通常、ベースフィルムと複合して複合ベースフィルムを構成しており、ベースフィルムにより良い手触りを持たせるとともに、ベースフィルムの強度を増加させることもできる。
【0027】
紙おむつの前部/前端18は、前腹部、前腰部、またはズボン前と称することもでき、紙おむつの後部/後端19は、背部、後腰部、またはズボン後と称することもできる。典型的な紙おむつはさらに、左右シール/テープ/マジックテープ16、17を含むこともあり、それぞれ紙おむつの前腹部の左右両側に位置し、使用時には前腹シール/前腰シール25上に貼り付けることで、紙おむつのウエストを締めて紙おむつがずり落ちることを防止することができる。
【0028】
湿り検出の面では、本発明の実施例では、主に紙おむつの内部に検出電極を含む静電容量型検知フィルム(検知フィルムと略称する)材料を設置するという方式で実現される。検知フィルムは少なくとも2本の検出電極/フレキシブル電極/尿濡れ検知ライン(検知ラインと総称する)を含み、例えば、本実施例中の検知フィルム40は第1検知ライン21及び第2検知ライン22を含む。検知ラインは通常、紙おむつの前端辺縁から始まり、紙おむつの吸収層12の領域(まち部)を横断して紙おむつの後端辺縁に到達し、または接近することで、紙おむつ全体の湿りの検出を実現する。本発明の実施例のスマート吸収用品はさらに、前腹シール25の下面にセンサ30を収容できる1つの内蔵式ポケット26を含み、検知フィルム/検知ラインの少なくとも一部が該ポケットの中に位置することで、ポケットに挿入されるセンサと接触して電気接続を行うことができる。
【0029】
検知フィルム40及び内蔵式ポケット26は、紙おむつのベースフィルムと表面層の間、またはベースフィルムと外層不織布の間に設置することができる。本実施例では、紙おむつ前端辺縁部分の二重層の隙間を内蔵式ポケット26の開口として利用し、センサを挿入している。図中のセンサ30は2つの接触点31、32を含み、それぞれが内蔵式ポケット内に露出する第1、第2検知ライン21、22と面対面で接触し、かつ電気接続を行っており、さらに電解容量方式により吸収層の湿り状態を検出することによって、紙おむつの湿り検出機能を実現している。
【0030】
本発明の実施例の検知フィルムは一種のフレキシブルフィルムであり、2つの外表面を含み、排泄物/未測定液体と接触する面が検知面と呼ばれる。検知フィルムは通常、接触領域と検知領域に分けることもでき、検知領域は通常、紙おむつの吸収層に対応し、主に紙おむつの湿り状態を検出するために用いられ、接触領域は主にセンサの接触点と接触して電気接続を行うために用いられ、センサの接触点と接触する平面は接触面と呼ばれ、接触面の少なくとも一部が内蔵式ポケット26内に位置し、かつ検知ラインの少なくとも一部が接触面上に露出することで、センサの接触点と電気接続することができる。
【0031】
本発明の実施例の検知ラインと未測定液体の間は非接触であり、検知ラインは非接触の容量検知(容量結合)方式によって紙おむつの湿り検出を実施する。液体が検知ライン領域に浸透進入することを防止するために、本発明の実施例は短絡保護メカニズムをさらに含み、その目的は、検知ラインが電解質を含む液体に接触して短絡を起こし、検出の失敗やエラーを引き起こすことを防止することにある。検知フィルムは紙おむつの内部に設置されるため、本発明の実施例の紙おむつは外部から見ると従来の紙おむつと何ら区別はなく、検知フィルム/検知ラインは紙おむつの外観にほとんど影響を与えない。本発明の実施例の検知フィルム、検知ライン、接触面、検知面と、紙おむつの表面層、吸収層、ベースフィルム及び外層不織布との間の関係を説明するために、以下のいくつかの図例において、
図1に示される実施例に関連するA-A’及びA-B’断面についてさらに説明している。
【0032】
図2A及び
図2Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した片面式検知フィルムの立体構造概略図及び断面構造概略図/等価回路図である。本実施例の検知フィルム40は片面式の静電容量型検知フィルムであり、フィルム基材45及びフィルム基材中の1つの面に設置された第1検知ライン21及び第2検知ライン22を含み、検知ラインはフィルム基材45を分離し/透過し/通過するとともに、電解容量方式でフィルム基材の他の面の湿り状態を検出する。
【0033】
本発明の実施例の検知ラインには、通常、導電性インク(例えばカーボンペーストやシルバーペースト)により印刷されたインクライン(導電フィルム)、物理蒸着(例えばアルミニウムの真空蒸着)による金属ライン(金属フィルム)、またはアルミ箔ライン、銅箔ラインなどが含まれている。本実施例では、フィルム基材45の検知ラインが設置される面を接触面61、もう一方の面を検知面62、検知ラインと検知面とが互いに分離絶縁されたフィルム基材45を誘電体層と呼んでおり、常用されるフィルム基材には、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、CPP(キャストポリプロピレン)、BOPP(二軸延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエステル)などのプラスチックフィルムが含まれているので、プラスチックフィルム基材とも呼ぶことができ、その厚さは一般的に5マイクロメートルから50マイクロメートルの間である。
【0034】
検知面62に電解質を含む液体(例えば、塩分を含む尿、水分の多い便、汗、経血、血液などの液体で、液体と略称する)14が蓄積すると、検知ライン21、22が液体14及びプラスチックフィルム基材45と共に電解コンデンサC1を構成し、その中の検知ライン21、22がC1の電極を構成し、プラスチックフィルム基材45がC1の誘電体を構成し、液体14はC1の電解質(電解液)を構成する。C1の電気容量は誘電体の厚さに反比例し、誘電体の誘電定数に比例し、液体と電極(検知ライン)に対応する面積に比例するので、C1の電気容量値を読み取ることによって検知面上の定量化(定量)された湿り状態を精確に知ることができる。
【0035】
本発明の実施例の電解容量は、人の排泄物の導電性に基づいて生成されるものであり、これは、尿を高誘電定数(例えば80)の非導電性液体と見なすいくつかの従来技術によって生成される誘電容量とは本質的に異なることに注意が必要である。実際には、本発明の実施例の第1、第2検知ラインの間にも、電解容量とは無関係のいくつかの誘電容量が生成されるが、紙おむつの湿った状況において、これらの誘電容量は電解容量よりもはるかに小さいので、本発明の実施例ではこれらの誘電容量は無視し、電解質液体から生じる電解容量についてのみ議論を展開する。
【0036】
図3A及び
図3Bは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品の、
図1に関連するA-A’の断面構造概略図及びB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。図中、第1、第2検知ライン21、22はプラスチックフィルム基材45上に設置されて片面式検知フィルムを構成し、かつ紙おむつの表面層11とベースフィルム15の間に設置されており、A-A’断面(
図3A)から、接触面61はベースフィルム15に面し、かつベースフィルムとの間に互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26を構成していることがわかり、センサ30は内蔵式ポケット26内に設置することができ、接触点31、32を含む面が接触面61に貼り付き、かつ接触面上に露出する検知ライン21、22と面対面で接触して電気接続を行っている。
【0037】
本実施例の内蔵式ポケット26の紙おむつ前端辺縁18に近い部分には吸収層12が存在しないので、表面層11は検知面62上に直接貼り付いており、その幅において検知面/検知フィルムを越えている部分は、接着剤28(ホットメルト接着剤、構造接着剤などを含む)によってベースフィルム15上に貼合され、かつ内蔵式ポケット26の貼合境界を構成しており、水分が接触面61に浸透進入して検知ライン21、22の短絡を引き起こすことを防止できると同時に、検知フィルムを有効に固定し、かつ内蔵式ポケット26の幅とプラスチックフィルム基材45の幅を自動的に一致させて保持し、それと同時に検知フィルムと内蔵式ポケットの間で自動センタリング及び位置合わせを実現することで、ポケットに挿入するセンサの接触点31、32が接触面61上の検知ライン21、22に位置合わせされることを確保して、確実な電気接続を実現している。
【0038】
本実施例では、内蔵式ポケット26は前腹シール25の下面に設置され、内蔵式ポケット26の少なくとも一部は前腹シール25の正投影範囲内に位置しており、紙おむつが着用状態にある場合、そのウエスト上に生じる弾力は、左右シール16、17によって内蔵式ポケット26を使用者の前腹部に密着させる作用力に転化することができ(図の下向きの作用力)、これによりポケット内のセンサ30を押圧して、その接触点と検知ラインとの接触をより確実なものにすることができる。紙おむつが非着用状態にある場合は、使用者の前腹部に密着させる作用力が自動的に消失し、センサ30が取り出しやすくなるが、これは本発明の実施例で内蔵式ポケットを前腹に貼り付けることによる1つの技術的特徴であり、紙おむつの外表面に設置されているポケットにはできないことである。
【0039】
B-B’断面(
図3B)からは、吸収層12と検知面62が一体に貼り合わされ、検知ライン21、22が誘電体層としてのプラスチックフィルム基材45を介して電解容量方式で吸収層12上の水分14を検知していることがわかり、これにより紙おむつの吸収層に対する湿り検出機能を実現することができ、その湿り度合いは電解コンデンサC1に比例する。該断面には内蔵ポケット26が存在しないので、接触面61は接着剤28によってベースフィルム15と貼り合わされており、これにより吸収層12中の水分が接触面61に浸透進入して検知ライン21、22を短絡させることを有効に防止することができる。本実施例では、ベースフィルム15は検知フィルムの接触面61全体を被覆しているので、ベースフィルム15を防水カバー層と見なすことができ、また本発明の実施例の短絡保護メカニズムの1つの構成部分も構成している。
【0040】
図4A及び
図4Bは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図であり、紙おむつ、片面式検知フィルム40、内蔵式ポケット26、短絡保護メカニズムなどの構成部分を含む。紙おむつは表面層11、吸収層12及びベースフィルム15を含み、表面層11及びベースフィルム15は寸法が同じで一体に重なっている。検知フィルム40の接触面61はベースフィルム15に貼り付いており、検知フィルム40の検知面62は吸収層に面し、検知ライン21、22は電解容量方式によって吸収層12の湿り状態を検出することができる。
【0041】
本実施例では、ベースフィルム15を防水カバー層として利用し、接触面61上の検知ライン21、22に短絡保護を実施しているが、それ以外にも、接触面61とベースフィルム15との間の紙おむつの前後の辺縁18、19がそれぞれ1つの互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26、26’を構成しており、紙おむつの前端辺縁18部分が構成するのは機能性ポケット26であり、センサを挿入してセンサの接触点と検知ラインに電気接続を行わせるために用いられ、後端辺縁19部分が構成するのは余地ポケット26’であり、スマート紙おむつ生産における定位置での切断のために誤差の余地を提供することができる。紙おむつの生産過程では、各紙おむつはもともと先端と末端が連結されており、生産後期になってから隣接する2枚の紙おむつを切断して1枚の独立した紙おむつ完成品を得る。もとの1つの内蔵式ポケットは2つの部分に切り離され、それぞれが紙おむつの前、後辺縁部分に位置してポケット26及び26’を構成する。
【0042】
図4Aに示す実施例では、余地ポケット26’内には検知ラインが存在しないので、液体が余地ポケット26’を浸潤させても検知ライン21、22の正常な動作に影響を与えることはなく、これも短絡保護メカニズムの一部と見なすことができる。検知ラインは前後非対称なので、検知フィルムを紙おむつの正しい位置に置くために、検知フィルム40はさらに色位置決めマーク(カラーマーク)42を含む。
図4Bに示す実施例の検知フィルムに至っては完全に対称であるが、このような状況では位置決めを行う必要がなく、検知フィルムを紙おむつ内の特定の層面に入れて使用するだけでよいので、この対称的な構造は検知フィルムの汎用性及び利便性を増加させることができ、異なる規格長さのスマート紙おむつの生産に対応することができる。
【0043】
スマート紙おむつの生産過程では、通常、まず検知フィルム40をベースフィルム15に貼り付け、その後、吸収層12を検知フィルム40に被せて貼合し、さらに表面層11を吸収層12に被せて貼合し、吸収層12を越えている表面層を直接ベースフィルム15と貼合する。これらすべての貼合により、吸収層の水分が浸透進入することを防止する貼合境界を生成することができ、例えば、
図4Aの貼合領域28/28’は吸収層12とベースフィルム15の間に生成され、検知フィルム40の両辺においてそれぞれ1つの貼合境界を構成している。また、例えば
図4Bの貼合領域28/28’は、検知フィルムの両辺の辺縁部分とベースフィルム15との間の貼合によって生成されたもので、検知フィルムの両辺で貼合境界を構成するだけでなく、接触面61とベースフィルム15との間に接着剤のない互いに分離可能な中空部分を生成しており、該中空部分が1つの連通した内蔵式ポケットを構成し、紙おむつの前後両端にそれぞれ1つの機能性ポケット26と1つの余地ポケット26’を製作している。
【0044】
実際の応用では、内蔵式ポケット26/26’が所在する範囲の外の領域(例えば41から41’までの領域)の検知フィルムをベースフィルム15と貼合することができ、これらの貼合により、検知ライン21、22をより有効に保護することができる。本実施例では、内蔵式ポケット内の領域に検知ラインが存在する場合は、挿入するセンサの接触点と接触して電気接続を行うための接触領域を構成することができ、内蔵式ポケット以外の領域に検知ラインが存在する場合(例えば
図4Bの41から41’までの領域)は、主に紙おむつの吸収層に対して湿り検出を行うための検知領域を構成することができる。
【0045】
図5A及び
図5Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した複合式検知フィルムの立体構造概略図及び断面構造概略図/等価回路図である。前述の片面式検知フィルムと異なるのは、本実施例の検知ラインは少なくとも一部が2種類の防水材料からなる防水二重層の中に位置して複合フィルムを構成しているという点であり、複合式容量検知フィルムと呼ぶことができる。例えば、本実施例では、プラスチックフィルム基材45及び第1、第2検知ライン21、22の外に、さらに防水保護層46を含み、検知ライン21、22を被覆し、かつプラスチックフィルム基材45と共に1つの防水二重層を構成して検知ラインをその中に挟み込んでおり、本発明実施例の防水保護層46は高分子防水コート層または高分子防水複合層/被覆層を含む。
【0046】
検知ラインがプラスチックフィルム基材45及び防水保護層46によって上下に被覆されている領域47は検知フィルムの検知領域であり、検知ラインは、プラスチックフィルム基材45を介してその外表面62上の湿り検出を実現することができるだけでなく、防水保護層46を通してその外表面63上の湿り検出を実現することもでき、つまり本実施例の複合式検知フィルムは両面検出能力を有しているのである。実際の応用では、通常、吸収層に面している面を検知面と見なし、検知ラインと検知面を互いに分離絶縁する材料を誘電体層と見なしている。
【0047】
検知面62上に電解質を含む液体14Aが蓄積すると、検知ライン21、22の間に電解コンデンサC1が発生し、その容量値はプラスチックフィルム基材45の厚さに反比例し、プラスチックフィルム基材45の誘電定数に比例し、液体14Aと電極(検知ライン)に対応する面積に比例する。検知面63上に電解質を含む液体14Bが蓄積すると、検知ライン21、22の間に電解コンデンサC2が発生し、その容量値は防水保護層46の厚さに反比例し、防水保護層46の誘電定数に比例し、液体14Bと電極(検知ライン)に対応する面積に比例する。
【0048】
本実施例では、検知ライン上に防水保護層46のない領域43を検知フィルムの接触領域としており、検知ライン21、22は接触領域43部分で露出し、センサの接触点と面対面で接触して電気接続を行うための接触面61を構成する。本実施例では接触面61と検知面63の向きは一致しており、防水保護層46が非常に薄いので、接触面61と検知面63は、位置/領域が異なるだけで、同一平面上にあると見なすことができる。
【0049】
図6A及び
図6Bは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品の、
図1に関連するA-A’の断面構造概略図及びB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。図中の検知フィルムはプラスチックフィルム基材45、接触面61、検知面62、防水保護層46、検知面63、第1検知ライン21及び第2検知ライン22などの構成部分を含む。
【0050】
A-A断面(
図6A)に見られるように、本実施例は、検知フィルムの接触領域を被覆し、かつ検知フィルムの接触面61に対応するとともに、接触面61と防水カバー層24との間に互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26を構成する防水カバー層24をさらに含む。吸収層12中の水分が内蔵式ポケット26に進入して検知ライン21、22を短絡させることを防止するために、防水カバー層24は良好な防水性能を有している必要があり、通常はプラスチックフィルム、防水紙、撥水性不織布などの材料を用いて構成されている。防水カバー層24の幅は、通常、接触面61全体を有効に被覆できるよう、プラスチックフィルム基材45を下回らない。
【0051】
表面層11は防水カバー層24上を被覆しており、それが防水カバー層24を越えている部分は接着剤28によってベースフィルム15と一体に貼合されており、防水カバー層24の幅においてプラスチックフィルム基材45を越えている部分も、ベースフィルム15と互いに貼合されており、これらのすべての貼合により、水分の浸透進入を防止する境界を生成することができるだけでなく、内蔵式ポケット26の幅と検知フィルム/プラスチックフィルム基材45の幅を自動的に一致させて保持し、かつセンタリングして位置合わせできる。これは、本発明の実施例が検知フィルム方式を採用して内蔵式ポケットを生成するという技術的特徴及び有益な効果である。
【0052】
本実施例のプラスチックフィルム基材45の外表面62はベースフィルム15に面しており、プラスチックフィルム基材45とベースフィルム15との間には液体が存在しないので、プラスチックフィルム基材45は、本実施例では主に検知ラインを支持し、保護する役割を果たす。B-B’断面(
図6B)から、吸収層12が防水保護層46上を被覆しており、幅において防水保護層46を越えている部分がベースフィルム15と貼合されていることがわかる。防水保護層46の外表面63は吸収層に面し、かつ検知面を構成しているので、防水保護層46は、本実施例では、検知ラインを検知面から分離し絶縁する誘電体層の役割を果たしており、検知ラインは防水保護層46を介して電解容量方式で吸収層12の水分を検出し、かつ紙おむつの吸収層の湿り検出機能を実現している。
【0053】
図7は、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図であり、紙おむつ、複合式検知フィルム40、内蔵式ポケット26、短絡保護メカニズムなどの構成部分を含む。紙おむつは表面層11、吸収層12及びベースフィルム15を含み、検知フィルム40は第1、第2検知ライン21、22を含み、検知フィルム中の防水カバー層24/24’に覆われていない部分が検知領域を構成し、検知領域の吸収層12に面している面が検知面を構成しており、表面層11及びベースフィルム15は検知フィルム40及び吸収層12を上下に被覆し、検知ライン21、22は検知フィルム40の検知面を介して紙おむつ吸収層12の湿り状態を検出することができる。
【0054】
防水カバー層24/24’は検知フィルムの接触面上を被覆しており、接触面との間には互いに分離可能な部分を含み、かつそれぞれが機能性ポケット26及び余地ポケット26’を構成しており、機能性ポケット26は紙おむつの前端に位置し、その開口は前端辺縁18と面一であり、センサ30を開口部分から挿入することができ、センサの接触点31、33は検知ライン21と電気接続され、センサの接触点32、34は検知ライン22と電気接続される。余地ポケット26’は紙おむつの後端辺縁19部分に位置し、主として紙おむつの切断誤差に余地を提供しており、位置決めマーク42はスマート紙おむつの生産において位置決めを行うためのものである。防水カバー層24/24’が接触面を越えている部分は、ベースフィルム15と互いに貼合され、かつ図中の陰影部分に示すように、吸収層の水分が浸透進入することを防止する境界を構成している。
【0055】
本実施例では、接触点31、33(または接触点32、34)は挿入検出装置を構成することができ、センサ30が内蔵ポケット26内に挿入され、2つの接触点が同時に同じ検知ラインに接触した時に、挿入検出装置がトリガされ、センサを動作状態に入らせることができ、センサ30がポケット26から取り出されると、挿入検出装置が遮蔽され、センサをスリープ/オフ状態にして電気エネルギーを節約することができる。
【0056】
図8A、
図8B及び
図8Cは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品の、
図7に関連するC-C’の断面構造概略図であり、複合式検知フィルムをスマート紙おむつに応用する場合のいくつかの具体的な例である。図には表面層11、吸収層12、ベースフィルム15より構成される紙おむつ、及び紙おむつ内に設置される複合式検知フィルム40が含まれており、検知フィルムはプラスチックフィルム基材45及び防水保護層46を含み、1つの防水二重層を構成して検知ライン21、22を保護しており、検知ラインはプラスチックフィルム基材45または防水保護層46を誘電体層とし、かつ電解容量方式で吸収層12の湿り状態を検出することができる。
【0057】
検知フィルムの接触面61上には防水保護層46が存在しないので、検知ラインは接触面上に露出している。検知ラインを保護するために、防水カバー層24で接触面61上を被覆し、両者の間に互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26を構成することができ(
図8A、
図8Bに示す通り)、この時、防水カバー層24は、吸収層12中の水分が接触面61に浸透することを防止する役割を果たしており、本発明の実施例の短絡保護メカニズムを構成している。
【0058】
実際の応用においては、検知フィルム40はベースフィルム15と吸収層12の間に設置してもよいし(
図8A、
図8Cの通り)、表面層11と吸収層12の間に設置してもよい(
図8Bの通り)。それと同時に、防水保護層46の外表面63を吸収層12に向けて検知面を構成してもよいし(
図8A、
図8Bの通り)、またはプラスチックフィルム基材45の外表面62を吸収層に向けて検知面を構成してもよい(
図8Cの通り)。防水カバー層24を用いて接触面61上を被覆し、内蔵式ポケット26を構成するだけでなく(
図8A、
図8Bの通り)、紙おむつのベースフィルム15を防水カバー層として利用して接触面61上を被覆し、かつベースフィルム15と接触面61との間に互いに分離可能な部分を含ませて内蔵式ポケット26を構成することもできる(
図8Cの通り)。
【0059】
図9A及び
図9Bは、本発明の実施例の複合ベースフィルム式検知フィルムを採用したスマート吸収用品の、
図1に関連するA-A’の断面構造概略図及びB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。前述の他の実施例で紙おむつのベースフィルムと表面層の間に検知ラインが設置されているのとは異なり、本実施例の検知ライン21、22は、ベースフィルム15の外表面(吸収層に背向する)に設置されている。検知ラインを保護するために、本実施例ではベースフィルム15の外表面上を外層不織布13で被覆し、この外層不織布13が防水カバー層の役割を果たしており、さらに外層不織布13は接着剤によってベースフィルム15と一体に複合されて複合ベースフィルムを構成しているので、本実施例の検知フィルムは複合ベースフィルム式検知フィルムと呼ぶことができる。
【0060】
内蔵式ポケット26の寸法を正確に制御できるように、A-A断面(
図9A)において、ベースフィルム15と外層不織布13の間には、さらに追加された防水カバー層64が含まれている。実際のスマート紙おむつの生産過程では、一般に、まず検知ライン21、22をベースフィルム15の外表面上に印刷して接触面61を構成し、その後、防水カバー層64を検知ライン21、22上に貼り付け、防水カバー層64と接触面61との間に互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26を構成し、さらに外層不織布13で防水カバー層64上を被覆し、かつ接着剤28によって互いに貼合し、その幅において防水カバー層64を越えている部分をベースフィルム15と貼合している。これにより、液体の浸透進入を阻止する境界を構成し、短絡保護メカニズムを構成することができるだけでなく、さらに内蔵式ポケット26の幅と防水カバー層64の幅を自動的に一致させて保持している。
【0061】
本実施例の防水カバー層64は選択可能なものであり、防水カバー層64を使用しない場合は、紙おむつの生産過程で部分的接着剤吹付工程によって外層不織布13とベースフィルム15との間に接着剤を吹き付けない領域を作って互いに分離可能な部分を形成し、かつそれによって内蔵式ポケット26を構成する必要があり、このような状況では、外層不織布13を防水カバー層と見なし、短絡保護メカニズムの役割を担わせることができる。部分的接着剤吹付工程は、通常、一定の発散性を有しているので、製作される内蔵式ポケットの寸法にもある程度の誤差が生じるおそれがあることに注意が必要であるが、要求が高くない状況では完全に使用可能である。
【0062】
本実施例では、ベースフィルム15に検知ラインが存在しない方の面(内表面62)は吸収層に面し、かつ検知面の役割を担っており、ベースフィルム15自体は検知ライン21、22と検知面62を互いに分離して絶縁する誘電体層の役割を果たしている。吸収層12中に電解質を含む液体14が存在する場合、液体14は誘電体層15、検知ライン(電極)21、22と共に電解コンデンサC1を構成するので、C1の大きさを検出するだけで、検知面上の湿り状態を知ることができ、これにより紙おむつの吸収層に対する湿り状態検出機能を実現することができる。
【0063】
本実施例の外層不織布13には、一体化裁断された瑕疵のない不織布を選択することができ、複合用不織布、疎水性不織布、撥水性不織布などの材料を用いることができる。内蔵式ポケット26は紙おむつの前端に設置することができ、かつ辺縁部分まで延伸しているので、前端辺縁部分に隠し開口が製作され、センサ30を隠し開口部分から内蔵式ポケット26内に挿入することができる。本実施例では、検知ライン21、22上を外層不織布13及び防水カバー層64が被覆しているので、検知ラインの色が紙おむつの外観に与える影響を減少または除去することができると同時に、紙おむつ外部の湿気が検知ラインに与える影響も除去して、誤ったアラートの発生を回避することができる。
【0064】
図10A及び
図10Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、頭尾式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムの正面構造概略図及び対応するD-D’の断面構造概略図である。前述の実施例では、検知フィルム自体にポケットがないので、他の材料、例えば防水カバー層24、ベースフィルム15または外層不織布13などと共に内蔵式ポケットを構成する必要がある。本実施例では、事前に防水カバー層を検知フィルム上に整合させ、ポケット及び短絡保護メカニズム付きの検知フィルムを構成しており、検知フィルムの応用及びスマート紙おむつの生産に役立たせている。
【0065】
本実施例の検知フィルム40は、プラスチックフィルム基材45、プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置された検知ライン21/22、及び検知ライン上を被覆する防水カバー層64を含み、検知ライン21、22を完全に保護している。防水カバー層64とプラスチックフィルム基材45との間には、互いに貼合されている部分(中間エリア)と、互いに分離可能な部分(先端と末端の両端)が含まれており、前端辺縁68部分に含まれる互いに分離可能な部分が機能性ポケット26を構成し、検知フィルム後端辺縁69部分に含まれる互いに分離可能な部分が余地ポケット26’を構成している。検知ライン21、22はこの2つのポケット内で露出しており、それらが所在する平面が接触面61を構成して、ポケット内に挿入されたセンサの接触点と接触して電気接続を行うことができ、対応する領域は同時に検知フィルムの接触領域を構成している。
【0066】
ポケット26の底部境界66からポケット26’の底部境界66’までのエリアでは、防水カバー層64はプラスチックフィルム基材45と一体に貼合され、短絡保護メカニズムの一部を構成し、かつプラスチックフィルム基材45の外表面62または防水カバー層64の外表面63上の湿り状態を検出するための検知フィルムの検知領域を構成している。本実施例は遮断点65をさらに含み、検知ライン21、22の先端と末端の両端を互いに連通させないことで、余地ポケット26’内の検知ラインの短絡が機能性ポケット26の検知ラインの動作に影響することを防止することができる。また、遮断点65は位置決めマークとしても使用することができ、検知フィルムを紙おむつの適切な位置に設置することに役立つ。
【0067】
検知フィルムが紙おむつ内に設置されて使用される場合、その前端辺縁68は、通常、紙おむつの前端辺縁18と面一になり、検知領域は紙おむつの吸収層に対応する。本実施例では、プラスチックフィルム基材45を吸収層に向けて誘電体層を構成し、かつ外表面62を検知面として構成できるだけでなく、防水カバー層64を吸収層に向けて誘電体層を構成し、かつ外表面63を検知面として構成することもできる。検知ライン21、22は、対応する誘電体層を介して電解容量方式で検知面に対応する吸収層の湿り状態を検出することができ、その検出感度(電解容量を生成する能力)は誘電体層の誘電定数に比例し、誘電体層の厚さに反比例する。
【0068】
図11A、
図11B及び
図11Cは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、貫通式内蔵ポケットを含む静電容量型検知フィルムの正面構造概略図、対応するE-E’の断面構造概略図及びセンサ挿入時の位置関係概略図である。
図10A及び
図10Bに示す実施例での検知フィルムの中間エリアで貼合されていることとは異なり、本実施例のプラスチックフィルム基材45と防水カバー層64は両辺の辺縁部分で貼合され、それぞれが貼合領域28及び28’を構成しており、接着剤による貼合や熱圧着による貼合を選択することができ、熱圧着貼合を選択する場合は、EVA、TPU、PES、PVCなどのホットメルト接着剤フィルムを防水カバー層として選択することができる。本実施例では、検知フィルムの両辺の辺縁部分で貼合することで、液体の浸透進入を防止可能な境界を構成するとともに、本発明の実施例の短絡保護メカニズムを構成して検知ライン21、22を有効に保護しており、中空部分は貫通した内蔵式ポケットを構成しており、該貫通ポケットは、検知フィルムの左右両端でも、機能性ポケット26及び余地ポケット26’として、それぞれ開口付きのポケットを構成している。
【0069】
本実施例のプラスチックフィルム基材45の、検知ライン21、22が設置されている面が接触面61、プラスチックフィルム基材45の、検知ラインが存在しない面が検知面62であり、プラスチックフィルム基材45は誘電体層を構成し、検知ライン21、22は誘電体層45を介して電解容量方式で検知面62上の湿り状態を検出する。本実施例の検知フィルムは、検知領域と接触領域が分かれていないもの、または検知フィルムの任意のエリアが同時に検知領域と接触領域を含むというものである。また、本実施例の防水カバー層64は、検知ラインの保護層としてのみ用いられ、誘電体層としては用いられていない。本実施例の検知フィルムは、内蔵式ポケット及び短絡保護メカニズムを有しており、紙おむつのいずれの層面上にも設置して使用しやすく、その検知面62を紙おむつの吸収層12に向けるだけでよい。それと同時に、本実施例の検知フィルムは完全対称なので、スマート吸収用品の生産過程において位置決めを行う必要がなく、これらの特色により、応用において、より高い汎用性及び利便性を有している。
【0070】
本実施例の検知フィルムは任意の長さに切断して使用することができ、例えば、紙おむつと同じ長さを選択し、その前端辺縁68を紙おむつの前端辺縁18と面一にしたり、紙おむつより長くして、その前端辺縁68を紙おむつの前端辺縁18から突出させることもでき、センサは該突出部分から挿入して使用することができる。生産しやすくするため、検知フィルムを大きいロール材形式に包装することもでき、各ロール状検知フィルムで数千枚の異なるスマート紙おむつを生産することができ、検知フィルムをスマート紙おむつ生産の共通の原材料にすることができる。
【0071】
本実施例のポケットは貫通ポケットなので、センサをポケット内で固定できるように、
図11Cに示すフリップ付きのセンサ設計を採用することができる。図中、センサ30は挿入部301及びフリップ302を含み、それぞれがヒンジ303を介してより合わせされている。使用時には、まずフリップ302を開き、その後、挿入部301を内蔵式ポケット26内に挿入し、接触点31/32を検知ライン21/22と面対面で接触させた後、フリップ302を閉じてプラスチックフィルム基材45を挟む。このようにすると、センサの接触点と検知ラインとの間の接触がより確実になるだけでなく、センサが貫通ポケット内からより深い位置までずり落ちることがない。このようなセンサ設計は、本実施例に適用されるだけでなく、本発明の他の実施例への応用にも適している。
【0072】
図12は、本発明の実施例のスマート吸収用品の弾性ウエスト上に内蔵式ポケットが含まれている外観構造概略図である。前述の他の実施例の紙おむつと異なるのは、本実施例の紙おむつが、例えばパンツ型おむつ、トレーニングパンツ、パンツ型おむつといった、弾性ウエスト27を含むパンツ式紙おむつであるという点である。内蔵式ポケット26は弾性ウエスト27の二重層内に設置され、紙おむつが着用状態にある時、その弾性ウエスト上で生じる弾力は内蔵式ポケット26を使用者の体に押し付ける垂直作用力に転化することができ、ポケット26内のセンサ30を有効に押圧及び固定し、かつセンサ30の接触点と検知フィルム40の接触面上の検知ライン21、22との接触をより確実にすることができる。
【0073】
本実施例の検知フィルム40の検知領域は紙おむつの吸収層12に対応しており、検知フィルム40の接触領域は紙おむつの弾性ウエストの内蔵式ポケット26内に位置している。即ち、両者は位置的に互いに分離しているので、吸収層12の水分が接触領域に浸透進入して検知ラインに短絡を発生させることをさらに防止することができ、これも一種の短絡保護メカニズムと見なすことができる。検知フィルム40は前述の実施例中のいずれを採用してもよく、内蔵式ポケット26は紙おむつのウエスト辺縁に向かって延伸し、かつ辺縁部分の二重層の隙間に内蔵式ポケットに通じる開口を含むことで、該開口を通して、湿り検出を実施するセンサ30を挿入できるようにしている。
【0074】
図13は、本発明の実施例のスマート吸収用品の外部に内蔵式ポケットに通じる切欠きが含まれている外観構造概略図である。前述の実施例では、機能性ポケット26の開口は、一般に紙おむつの前端辺縁部分に位置し、検知フィルムの接触面61とベースフィルム15または防水カバー層24/64との間の二重層の隙間を利用して、隠し開口として使用している。実際の応用においては、紙おむつの外表面または内表面に1つの切欠きを開設する形を採用し、センサを内蔵式ポケットに入れて使用することもできる。
【0075】
本実施例のスマート紙おむつ10は、表面層11、吸収層12、ベースフィルム15、検知フィルム40及び防水カバー層24などの構成部分を含み、検知フィルムは検知ライン21、22を含み、かつ検知フィルム40の接触面と防水カバー層またはベースフィルムとの間には、互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26が構成されており、紙おむつの外表面または前端辺縁部分の内表面はさらに切欠き23を含み、切欠き23は内蔵式ポケット26に通じており、切欠き23によってセンサ30を内蔵式ポケット26内に入れて使用することができる。
【0076】
図14及び
図15は、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、ループ検知ライン設計及びマルチ検知ライン設計を有する検知フィルムの外観構造概略図である。図中の検知フィルム40は、接触領域43、検知領域47及び余地領域48を含み、応用時には、接触領域43は紙おむつの前端辺縁に対応し、露出した検知ラインを含んで接触面を構成しており、該部分に機能性ポケットを製作し、かつ挿入するセンサの接触点との接触及び電気接続に用いることができる。余地領域48は紙おむつの後端辺縁に対応しており、該部分に余地ポケットを製作し、おむつの切断のための余地を提供することができる。検知領域47は紙おむつのまち部の位置に対応しており、紙おむつの吸収層の湿り状態を検出するために用いられる。
【0077】
図14に示す実施例では、検知領域47はループ検知ライン設計を含み、上から下までで6本の検知ラインを含み、奇数の検知ラインは検知ライン22と接続され、偶数の検知ラインは検知ライン21と接続されており、この方法によって、検知領域47のカバー面積及び検出範囲を有効に拡張することができる。
図15に示す実施例の検知領域47は、7本の互いに平行な検知ライン(51から57)を含み、このような設計でも、検知ラインのカバー範囲を有効に拡大することができ、かつより多くの位置上の湿り状態情報を提供することもできる。本実施例のこれらの検知ラインパターンは先端と末端が非対称なので、検知フィルムを紙おむつの特定位置に正確に嵌め込むことができるよう、検知フィルム40上にはさらに位置決めマーク42が含まれている。
【0078】
また、本発明の実施例の検知フィルムは、より多くの構造形式及びより多くの検知ラインパターン設計を有することができ、前述の実施例を基に、実際の需要と結び付けて、相応の変更を行うこともできる。また、前述の実施例では、内蔵式ポケットは紙おむつの前端正面に設置されているが、実際の応用では、検知フィルム/検知ラインが通ってさえいれば、ポケットを紙おむつのその他の位置、例えば紙おむつのまち部、背部または側面の位置に設置することもできる。
【0079】
本発明の実施例のスマート吸収用品10はスマート化された湿り検出機能を有しているので、内蔵式ポケット26内にセンサ30を挿入するだけで、スマート化された湿り状態監視システムを構成することができる。このような監視システムでは、センサは、第1及び第2検知ラインと接触して電気接続をことができるよう少なくとも2つの接触点を含んでおり、センサはさらに、電解容量方式で吸収用品の湿り状態を検出できる容量検出装置を含む。実際の応用では、センサは好適には4つ以上の接触点を有し、そのうちの2つの接触点により挿入検出装置を構成することができる。センサは通常、無線送信装置を含むことができ、また、無線受信装置を設置してそれと組み合わせることもできる。このようにすることで、無線方式を用いて吸収用品の湿り状態情報を送信及び受信することができ、無線受信装置には通常、音響光学警報装置、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータが含まれている。
【0080】
上で開示しているのは本発明の好適な実施例にすぎないので、当然、これによって本発明の権利範囲を限定することはできない。よって、本発明の請求項に基づいて行われる同等の変更も、引き続き本発明がカバーする範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年8月27日に中国特許局に提出された出願番号202110992486.1、発明の名称「検知ライン及び隠しポケットを含むスマート吸収用品」の特許出願の優先権を請求しており、上記のすべての内容は引用により本願内に組み込まれている。
【0002】
本発明は吸収用品に関し、特に静電容量型検知フィルム及び内蔵式ポケットに基づくスマート吸収用品及び関連装置に関する。
【背景技術】
【0003】
使い捨て吸収用品は紙おむつ、シートタイプの紙おむつ、生理用ナプキン、尿パッドなどの衛生製品を含み、捨てることのできる介護用品であり、使用時には必要に応じて交換しなければならず、交換が早すぎたり頻繁すぎたりすると、手間が増え、浪費にもなる。交換が遅すぎると、漏れやすくなり、しかも排泄物が長時間皮膚を刺激するので、皮膚疾患も生じやすくなる。そのため、人々はリアルタイムで湿気を検出し、かつ適切なタイミングで交換を知らせるスマート型使い捨て吸収用品を待ち望んでおり、これは製品の科学的使用にとって積極的な意味を有している。
【0004】
従来技術の面では、特許文献1で吸収用品及び関連方法を開示しており、紙おむつのベースフィルムの外表面に2本の検知ライン(フレキシブル電極)を設置する方式により、電解容量に基づく精確で確実性があり、定量化が可能な尿濡れ検出機能を実現しており、これは従来技術の中で最も代表的な解決手段のひとつである。使用する際には、センサを紙おむつの外表面に貼り付け、その後、センサの動作ボタンをオンにし、プローブを紙おむつの検知ラインに位置合わせして挟む。このようにすると、検知ラインと接続されて、リアルタイムで紙おむつの湿り状態を検出することができる。
【0005】
上記の従来技術に存在する不十分な点としては、主に、1、検知ラインは炭素系インクを用いて紙おむつのベースフィルムの外表面に印刷されており、2本の黒い線が生じるので、紙おむつの外観に影響すること、2、紙おむつのベースフィルムの外表面に設置されている検知ラインは外部の湿気の影響を受けやすく、例えば、濡れた手で紙おむつを触ると、誤って反応することがあること、3、センサは紙おむつの外面に貼るので、有効に固定することが難しいこと、4、センサはプローブで紙おむつの外層の不織布を刺し貫かなければ検知ラインと接続できないので、接触不良が発生しやすいこと、5、センサと検知ラインとは肉眼と経験による位置合わせに頼っているので、ずれが発生して接続に失敗しやすいこと、などが含まれる。
【0006】
上記の問題点を解決するために、特許文献2では、紙おむつの裏面に検知ラインを設置し、かつ紙おむつの外表面上に物入れポケットを設置し、物入れポケット自体の弾性を利用してセンサを固定し、紙おむつの外側のセンサが容量結合方式で紙おむつ内の検知ラインと連通して湿り検出機能を実現する、おむつなどに用いられる湿り検出装置及びそのような装置を有するおむつを開示している。その中には、主に次のような欠点が含まれている。1、センサと検知ラインの間が面対面の接触ではないので、確実な電気接続を実現しにくい。2、物入れポケットと検知ラインはそれぞれ紙おむつの内と外の両側に位置しているので、ずれやすい。3、検知ラインが尿液と接触することによって尿濡れを検出するのは、従来の電気抵抗式尿濡れ警報システムなので、電解容量に基づく精確で確実な湿り検出機能を実現できない。4、紙おむつの外に設置された物入れポケットは、紙おむつの着用状態で発生するウエストの弾力を利用してセンサを固定することができず、センサの接触点と検知ラインとの間の電気接続をより確実にすることができない。
【0007】
上記のこれらの従来技術の欠点は、いずれも新しい技術手法で解決する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許公開番号CN107174408B
【特許文献2】中国特許公開番号CN1226855A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明で解決しようとする技術的課題は主に、背景技術で言及している従来技術の中に存在する問題点であり、これらの問題を解決するために本発明が採用する措置は、主に以下を含む。1、検知ラインを紙おむつの内部に設置することで、検知ラインが紙おむつの外観に影響する問題と、外部の湿気の影響を受ける問題を解決する。2、紙おむつ内に短絡保護メカニズムを設置し、検知ラインが紙おむつ内部の湿気の影響を受けないようにするとともに、電解容量に基づく精確かつ確実で、定量化が可能な湿り検出機能を実現する。3、紙おむつの内部にポケットを設置することで、センサの固定という問題を解決する。4、センサの接触点と検知ラインを面対面で接触させることで、電気接続の確実性の問題を解決する。5、内蔵式のポケットを検知ラインと自動的にセンタリング及び位置合わせするような措置を講じることで、センサをポケットに挿入する際にずれないことを確保する。6、内蔵式ポケット付きの検知フィルムをスマート紙おむつ生産の原材料として提供し、製品の量産に役立たせている。7、紙おむつの着用時にウエストに生じる弾力を利用してセンサを固定できるという手段を提供し、センサと検知ラインの間の電気接続をより確実にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は静電容量型検知フィルム及び内蔵式ポケットに基づくスマート吸収用品を提供しており、使い捨て吸収用品、静電容量型検知フィルム、内蔵式ポケット及び短絡保護メカニズムを含み、使い捨て吸収用品は表面層、吸収層及びベースフィルムを含み、検知フィルムは接触面、検知面、誘電体層及び少なくとも2本の検知ラインを含み、誘電体層の外表面は検知面を構成し、誘電体層が検知ラインと検知面を互いに分離及び絶縁させており、検知面が電解質を含む液体に浸潤されると、検知ラインが誘電体層を介して電解容量方式で検知面に対する湿り検出機能を実現することができ、内蔵式ポケットは湿り検出を実施するセンサを挿入するために用いられ、接触面はセンサと検知ラインの面対面の接触及び電気接続に便利であり、短絡保護メカニズムは検知ラインが使い捨て吸収用品内外の湿気の影響を受けないよう保護するために用いられている。
【0011】
検知ラインは少なくとも一部が接触面内に位置し、かつ露出部分を含み、短絡保護メカニズムは防水カバー層を含み、防水カバー層は接触面上を被覆しており、接触面と防水カバー層の間には互いに分離可能な部分が含まれて内蔵式ポケットを構成しており、検知面は吸収層に面しており、検知ラインが誘電体層を介して電解容量方式で吸収層に対する湿り検出機能を実現できるようにしている。
【0012】
検知フィルムは片面式検知フィルムを含み、誘電体層はプラスチックフィルム基材を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、かつ接触面を構成しており、プラスチックフィルム基材のもう1つの面は検知面を構成し、ベースフィルムは防水カバー層を構成しており、接触面はベースフィルムに面し、かつベースフィルムとの間に互いに分離可能な部分が含まれて内蔵式ポケットを構成しており、吸収層は検知面上を被覆し、表面層は吸収層上を被覆しており、表面層の吸収層及び検知面を越えている部分はベースフィルムと互いに貼合されており、これにより内蔵式ポケットを固定し、かつその幅を検知フィルムと一致させ、センタリングして位置合わせしており、または
検知フィルムは複合式検知フィルムを含み、誘電体層はプラスチックフィルム基材を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、かつ接触面を構成しており、プラスチックフィルム基材のもう1つの面は検知面を構成しており、検知フィルムは接触領域及び検知領域を含み、検知領域は防水保護層を含み、かつ検知ラインを保護しており、ベースフィルムは防水カバー層を構成し、接触面及び防水保護層はベースフィルムに面しており、吸収層は検知面上を被覆し、表面層は吸収層上を被覆しており、表面層の吸収層及び検知面を越えている部分はベースフィルムと貼合されており、これにより内蔵式ポケットを固定し、その幅を検知フィルムと一致させ、センタリングして位置合わせしており、または
検知フィルムは複合式検知フィルムを含み、複合式検知フィルムはプラスチックフィルム基材及び防水保護層を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置されており、複合式検知フィルムは接触領域及び検知領域を含み、検知領域は防水保護層を含み、防水保護層は吸収層に面し、かつ誘電体層を構成しており、検知フィルムは表面層とベースフィルムとの間に位置し、かつ表面層、防水カバー層及びベースフィルムと互いに貼合されている部分を含み、これにより内蔵式ポケットを固定し、かつその幅を検知フィルムと一致させ、センタリングして位置合わせしており、または
検知フィルムは頭尾式の内蔵式ポケットの検知フィルムを含み、検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、防水カバー層は検知ライン上を被覆しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材との間には互いに貼合されている部分及び互いに分離可能な部分が同時に含まれ、互いに貼合されている部分は検知フィルムの中段に位置して検知領域を構成しており、互いに分離可能な部分は検知フィルムの先端と末端の両端に位置し、接触面を含んで内蔵式ポケットを構成しており、プラスチックフィルム基材または防水カバー層の外表面は吸収層に面し、かつその外表面は検知面を構成しており、または
検知フィルムは貫通式の内蔵式ポケットの検知フィルムを含み、検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、かつ接触面を構成しており、プラスチックフィルム基材のもう1つの面は吸収層に面し、かつ検知面を構成しており、プラスチックフィルム基材は誘電体層を構成し、防水カバー層は接触面上を被覆しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材の両辺の辺縁部分は互いに貼合されている部分を含み、液体の浸透進入を阻止する境界を構成しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材の間に含まれる中空部分は貫通式の内蔵式ポケットを構成しており、または
検知フィルムは複合ベースフィルム式検知フィルムを含み、検知ラインはベースフィルムの外表面に設置されて接触面を構成しており、ベースフィルムの内表面は吸収層に面し、検知面を構成しており、ベースフィルムは誘電体層を構成しており、防水カバー層は一体に裁断された瑕疵のない外層不織布を含み、外層不織布は接触面上を被覆し、外層不織布とベースフィルムの間には、接着剤のない、互いに分離可能な部分が含まれて内蔵式ポケットを構成しており、または
検知フィルムは複合ベースフィルム式検知フィルム及び外層不織布を含み、検知ラインはベースフィルムの外表面に設置されて接触面を構成しており、ベースフィルムの内表面は吸収層に面して検知面を構成しており、ベースフィルムは誘電体層を構成しており、防水カバー層は検知ライン上を被覆し、外層不織布は防水カバー層上を被覆し、その防水カバー層を越えている部分はベースフィルムと貼合されており、これにより内蔵式ポケットを固定し、かつその幅を防水カバー層と一致させている。
【0013】
使い捨て吸収用品の前端辺縁部分の二重層の隙間には1つの隠し開口が含まれており、隠し開口は内蔵式ポケットに通じ、センサを挿入して湿り検出機能を実現するために用いられており、または
使い捨て吸収用品の前端辺縁部分と後端辺縁部分の二重層の隙間には、それぞれ1つの隠し開口が含まれており、隠し開口はそれぞれ1つの内蔵式ポケットに通じており、前端辺縁部分に位置する内蔵式ポケットは機能性ポケットを構成し、センサを挿入して湿り検出を実現するために用いられ、後端辺縁部分に位置する内蔵式ポケットは余地ポケットを構成し、スマート吸収用品の生産における定位置での切断に誤差の余地を提供しており、または
使い捨て吸収用品の外表面または使い捨て吸収用品の前端辺縁の内表面は切欠きを含み、該切欠きは内蔵式ポケットに通じ、センサを挿入して湿り検出機能を実現するために用いられる。
【0014】
使い捨て吸収用品は前腹シール及び左右シールを含み、内蔵式ポケットの少なくとも一部は前腹シールの正投影範囲内に位置しており、使い捨て吸収用品が着用状態にある場合、そのウエスト上に生じる弾力は内蔵式ポケットを使用者の前腹部に密着させる作用力に転化することができ、これにより内蔵式ポケット内のセンサを押圧して、センサの接触点と検知ラインとの接触をより確実にすることができる。使い捨て吸収用品が着用状態にない場合は、使用者の前腹部に密着させる作用力が自動的に消失し、センサが取り出しやすくなり、または
使い捨て吸収用品は弾性ウエストを含み、内蔵式ポケットは弾性ウエスト上に設置され、スマート吸収用品が着用状態にある時、そのウエスト上に生じる弾力は内蔵式ポケットを使用者の身体に密着させる作用力に転化することができ、これにより内蔵式ポケット内のセンサを押圧して、センサの接触点と検知ラインとの接触をより確実にすることができる。
【0015】
使い捨て吸収用品は、紙おむつ、シートタイプの紙おむつ、生理用ナプキンまたは尿パッドを含み、表面層は親水性不織布を含み、吸収層は高分子吸収材料を含み、ベースフィルムは空気を通す、または通さないPEフィルムを含み、検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ライン、銅箔ラインとを含み、プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙または撥水性不織布を含み、防水保護層は高分子防水コート層または高分子防水複合層を含み、及び
使い捨て吸収用品の吸収層が電解質を含む液体に浸潤されると、検知ラインと誘電体層と液体とが共同で電解コンデンサを構成し、検知ラインは電解コンデンサの電極を構成し、誘電体層は電解コンデンサの誘電体を構成し、液体は電解コンデンサの電解質を構成しており、使い捨て吸収用品の湿り度合いは電解コンデンサの電気容量に比例し、電気容量は液体と検知ラインに対応する面積に比例し、誘電体層の誘電定数に比例し、誘電体層の厚さに反比例する。
【0016】
その一方で、本発明は、スマート吸収用品の製作に適した、頭尾式の内蔵式ポケットを含む静電容量型検知フィルムを提供しており、プラスチックフィルム基材と、防水カバー層と、少なくとも2本の検知ラインとを含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、防水カバー層は検知ライン上を被覆しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材との間には、互いに貼合されている部分と互いに分離可能な部分が同時に含まれており、互いに貼合されている部分は短絡保護メカニズムを構成し、液体が浸透進入して検知ラインの短絡を引き起こすことを防止しており、互いに分離可能な部分は検知フィルムの先端と末端の位置においてそれぞれ機能性ポケット及び余地ポケットを構成しており、検知ラインは機能性ポケット内で露出して接触面を構成し、内蔵式ポケット内に挿入するセンサの接触点と面対面で接触し、電気接続を行うために用いられており、及び
プラスチックフィルム基材または防水カバー層は誘電体層を構成し、その外表面は検知面を構成しており、検知ラインは誘電体層を介して電解容量方式で検知面の湿り状態の検出を実現することができ、その検出感度は誘電体層の誘電定数に比例し、誘電体層の厚さに反比例しており、及び
検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ラインと、銅箔ラインとを含み、プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙、撥水性不織布またはホットメルト接着剤フィルムを含む。
【0017】
その一方で、本発明はさらに、スマート吸収用品の製作に適した、貫通式の内蔵式ポケットを含む静電容量型検知フィルムを提供しており、プラスチックフィルム基材と、防水カバー層と、少なくとも2本の検知ラインとを含み、検知ラインはプラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、防水カバー層は検知ライン上及びプラスチックフィルム基材上を被覆しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材の両辺は、辺縁部分に互いに貼合されている部分を含み、かつそれにより液体の浸透進入を阻止できる境界を生成し、短絡保護メカニズムを構成して、検知ラインを有効に保護しており、防水カバー層とプラスチックフィルム基材の間の中空部分は貫通した内蔵式ポケットを構成しており、検知ラインは内蔵式ポケット内で露出して接触面を構成し、内蔵式ポケット内に挿入するセンサの接触点と面対面で接触し、電気接続を行うために用いられており、及び
プラスチックフィルム基材は誘電体層を構成し、その外表面は検知面を構成しており、検知ラインは誘電体層を介して電解容量方式で検知面の湿り状態の検出を実現することができ、その検出感度は誘電体層の誘電定数に比例し、誘電体層の厚さに反比例しており、及び
貫通した内蔵式ポケットの両端はそれぞれ機能性ポケット及び余地ポケットを構成しており、検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ラインと、銅箔ラインとを含み、プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙、撥水性不織布またはホットメルト接着剤フィルムを含む。
【0018】
さらに、本発明は、センサ式スマート吸収用品を含む、スマート吸収用品の湿り状態の監視を実現するシステム装置を提供しており、センサは、内蔵式ポケット内の検知ラインと接触して電気接続を行うための少なくとも2つの接触点を含み、センサはさらに、電解容量方式で使い捨て吸収用品の湿り検出機能を実現するための容量検出装置を含む。
【0019】
センサは少なくとも3つの接触点を含み、その中の2つの接触点は挿入検出装置を構成しており、センサが内蔵式ポケットに挿入され、かつ2つの接触点が同時に同じ検知ラインに接触した時に、挿入検出装置をトリガしてセンサを動作状態に入らせるために用いられており、センサは、無線方式によって使い捨て吸収用品の湿り状態の情報を送受信するための無線送信装置及び無線受信装置をさらに含み、無線受信装置は音声または光の提示装置、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータを含む。
【0020】
本発明の有益な効果は、背景技術で言及している従来技術の不十分な点を逐一解決しているところにあり、その中には次のことが含まれている。1、検知ラインを紙おむつの内部に設置し、検知ラインの色が紙おむつの外観に与える影響をなくすことに成功している。2、検知ラインの短絡保護を行い、紙おむつの内外の湿気の影響を受けないようにしている。3、紙おむつ内に設置された物入れポケットにより、センサをより有効に収納し、固定することができる。4、センサと検知ラインの間で面対面の接触を実現して、接続をより確実にしている。5、内蔵式ポケットと検知フィルムの間で自動センタリング及び位置合わせを実現し、ずれの発生を回避している。6、検知フィルムを共通の生産材料として使用することができ、より広範な汎用性と利便性を有する。7、紙おむつを着用する際にウエストに生じる弾力を巧みに利用してセンサを固定するとともに、センサと検知ラインの間の接続をより確実にしている。
【0021】
本発明の技術手法は製品の信頼性及び使いやすさを有効に向上させており、紙おむつ産業の発展及びスマート化のアップグレードのための有利な条件を産み出している。
【0022】
本発明の実施例の技術手法をより明確に説明するために、以下では実施例で使用する必要のある図面について簡単に紹介しているが、以下に記述している図面は本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働を行わないという前提において、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施例におけるスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した片面式検知フィルムの立体構造概略図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した片面式検知フィルムの断面構造概略図/等価回路図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のA-A’の断面構造概略図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した複合式検知フィルムの立体構造概略図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した複合式検知フィルムの断面構造概略図/等価回路図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のA-A’の断面構造概略図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のC-C’の断面構造概略図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のC-C’の断面構造概略図である。
【
図8C】
図8Cは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のC-C’の断面構造概略図である。
【
図9A】
図9Aは、本発明の実施例の複合ベースフィルム式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のA-A’の断面構造概略図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明の実施例の複合ベースフィルム式検知フィルムを採用したスマート吸収用品のB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、頭尾式内蔵
式ポケットを含む静電容量型検知フィルムの正面構造概略図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、頭尾式内蔵
式ポケットを含む静電容量型検知フィルムのD-D’の断面構造概略図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、貫通式内蔵
式ポケットを含む静電容量型検知フィルムの正面構造概略図である。
【
図11B】
図11Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、貫通式内蔵
式ポケットを含む静電容量型検知フィルムのE-E’の断面構造概略図である。
【
図11C】
図11Cは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、貫通式内蔵
式ポケットを含む静電容量型検知フィルムの、センサ挿入時の位置関係概略図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例のスマート吸収用品の弾性ウエスト上に内蔵式ポケットが含まれている外観構造概略図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例のスマート吸収用品の外部に内蔵式ポケットに通じる切欠きが含まれている外観構造概略図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、ループ検知ライン設計及びマルチ検知ライン設計を有する検知フィルムの外観構造概略図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、ループ検知ライン設計及びマルチ検知ライン設計を有する検知フィルムの外観構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の各実施例の説明は、図面を参照し、本発明での実施に用いることができる特定の実施例を示すものである。本発明で言及している方向及び位置用語、例えば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「頂部」、「底部」、「側面」などは、図面の方向または位置を参考にしているにすぎない。つまり、使用されている方向及び位置用語は、本発明を説明及び理解するためのものであって、本発明の保護範囲を限定するものではないのである。
【0025】
図1は、本発明の実施例におけるスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図であり、外観上は従来の使い捨て吸収用品とほぼ同じである。使い捨て吸収用品の中では、紙おむつが最も代表的なものであり、本発明の実施例では、主に紙おむつを例として説明しているが、関連する説明は、パンツ型おむつ、トレーニングパンツ、パンツ型おむつ、シートタイプの紙おむつ、生理用ナプキン、産褥ナプキン、尿パッドなどの使い捨て吸収製品にも適用され、多くの場合、本発明の実施例で論述している紙おむつは、使い捨て吸収用品と同じ意味を有している。
【0026】
本発明の実施例におけるスマート吸収用品10は、従来の紙おむつを基に、尿濡れ(湿り)を検知(検出)できるいくつかの材料または装置を追加することによって実現される。これらの材料及び装置は、紙おむつをスマート化させているので、スマート紙おむつと呼ぶことができる。紙おむつは通常、ベースフィルム(漏れ防止層)、吸収層(二重層)、表面層(ドライ層)、外層不織布(複合層)などの構成部分を含み、ベースフィルムは通常、空気を通す、または通さないポリエチレンフィルム(PE)を含み、吸収層は通常、高分子吸収材料(SAP)及びパルプを含み、表面層は通常、柔らかく快適な親水性不織布を含み、外層不織布は通常、ベースフィルムと複合して複合ベースフィルムを構成しており、ベースフィルムにより良い手触りを持たせるとともに、ベースフィルムの強度を増加させることもできる。
【0027】
紙おむつの前部/前端18は、前腹部、前腰部、またはズボン前と称することもでき、紙おむつの後部/後端19は、背部、後腰部、またはズボン後と称することもできる。典型的な紙おむつはさらに、左右シール/テープ/面ファスナー16、17を含むこともあり、それぞれ紙おむつの前腹部の左右両側に位置し、使用時には前腹シール/前腰シール25上に貼り付けることで、紙おむつのウエストを締めて紙おむつがずり落ちることを防止することができる。
【0028】
湿り検出の面では、本発明の実施例では、主に紙おむつの内部に検出電極を含む静電容量型検知フィルム(検知フィルムと略称する)材料を設置するという方式で実現される。検知フィルムは少なくとも2本の検出電極/フレキシブル電極/尿濡れ検知ライン(検知ラインと総称する)を含み、例えば、本実施例中の検知フィルム40は第1検知ライン21及び第2検知ライン22を含む。検知ラインは通常、紙おむつの前端辺縁から始まり、紙おむつの吸収層12の領域(まち部)を横断して紙おむつの後端辺縁に到達し、または接近することで、紙おむつ全体の湿りの検出を実現する。本発明の実施例のスマート吸収用品はさらに、前腹シール25の下面にセンサ30を収容できる1つの内蔵式ポケット26を含み、検知フィルム/検知ラインの少なくとも一部が該ポケットの中に位置することで、ポケットに挿入されるセンサと接触して電気接続を行うことができる。
【0029】
検知フィルム40及び内蔵式ポケット26は、紙おむつのベースフィルムと表面層の間、またはベースフィルムと外層不織布の間に設置することができる。本実施例では、紙おむつ前端辺縁部分の二重層の隙間を内蔵式ポケット26の開口として利用し、センサを挿入している。図中のセンサ30は2つの接触点31、32を含み、それぞれが内蔵式ポケット内に露出する第1、第2検知ライン21、22と面対面で接触し、かつ電気接続を行っており、さらに電解容量方式により吸収層の湿り状態を検出することによって、紙おむつの湿り検出機能を実現している。
【0030】
本発明の実施例の検知フィルムは一種のフレキシブルフィルムであり、2つの外表面を含み、排泄物/未測定液体と接触する面が検知面と呼ばれる。検知フィルムは通常、接触領域と検知領域に分けることもでき、検知領域は通常、紙おむつの吸収層に対応し、主に紙おむつの湿り状態を検出するために用いられ、接触領域は主にセンサの接触点と接触して電気接続を行うために用いられ、センサの接触点と接触する平面は接触面と呼ばれ、接触面の少なくとも一部が内蔵式ポケット26内に位置し、かつ検知ラインの少なくとも一部が接触面上に露出することで、センサの接触点と電気接続することができる。
【0031】
本発明の実施例の検知ラインと未測定液体の間は非接触であり、検知ラインは非接触の容量検知(容量結合)方式によって紙おむつの湿り検出を実施する。液体が検知ライン領域に浸透進入することを防止するために、本発明の実施例は短絡保護メカニズムをさらに含み、その目的は、検知ラインが電解質を含む液体に接触して短絡を起こし、検出の失敗やエラーを引き起こすことを防止することにある。検知フィルムは紙おむつの内部に設置されるため、本発明の実施例の紙おむつは外部から見ると従来の紙おむつと何ら区別はなく、検知フィルム/検知ラインは紙おむつの外観にほとんど影響を与えない。本発明の実施例の検知フィルム、検知ライン、接触面、検知面と、紙おむつの表面層、吸収層、ベースフィルム及び外層不織布との間の関係を説明するために、以下のいくつかの図例において、
図1に示される実施例に関連するA-A’及びA-B’断面についてさらに説明している。
【0032】
図2A及び
図2Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した片面式検知フィルムの立体構造概略図及び断面構造概略図/等価回路図である。本実施例の検知フィルム40は片面式の静電容量型検知フィルムであり、フィルム基材45及びフィルム基材中の1つの面に設置された第1検知ライン21及び第2検知ライン22を含み、検知ラインはフィルム基材45を分離し/透過し/通過するとともに、電解容量方式でフィルム基材の他の面の湿り状態を検出する。
【0033】
本発明の実施例の検知ラインには、通常、導電性インク(例えばカーボンペーストやシルバーペースト)により印刷されたインクライン(導電フィルム)、物理蒸着(例えばアルミニウムの真空蒸着)による金属ライン(金属フィルム)、またはアルミ箔ライン、銅箔ラインなどが含まれている。本実施例では、フィルム基材45の検知ラインが設置される面を接触面61、もう一方の面を検知面62、検知ラインと検知面とが互いに分離絶縁されたフィルム基材45を誘電体層と呼んでおり、常用されるフィルム基材には、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、CPP(キャストポリプロピレン)、BOPP(二軸延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエステル)などのプラスチックフィルムが含まれているので、プラスチックフィルム基材とも呼ぶことができ、その厚さは一般的に5マイクロメートルから50マイクロメートルの間である。
【0034】
検知面62に電解質を含む液体(例えば、塩分を含む尿、水分の多い便、汗、経血、血液などの液体で、液体と略称する)14が蓄積すると、検知ライン21、22が液体14及びプラスチックフィルム基材45と共に電解コンデンサC1を構成し、その中の検知ライン21、22がC1の電極を構成し、プラスチックフィルム基材45がC1の誘電体を構成し、液体14はC1の電解質(電解液)を構成する。C1の電気容量は誘電体の厚さに反比例し、誘電体の誘電定数に比例し、液体と電極(検知ライン)に対応する面積に比例するので、C1の電気容量値を読み取ることによって検知面上の定量化(定量)された湿り状態を精確に知ることができる。
【0035】
本発明の実施例の電解容量は、人の排泄物の導電性に基づいて生成されるものであり、これは、尿を高誘電定数(例えば80)の非導電性液体と見なすいくつかの従来技術によって生成される誘電容量とは本質的に異なることに注意が必要である。実際には、本発明の実施例の第1、第2検知ラインの間にも、電解容量とは無関係のいくつかの誘電容量が生成されるが、紙おむつの湿った状況において、これらの誘電容量は電解容量よりもはるかに小さいので、本発明の実施例ではこれらの誘電容量は無視し、電解質液体から生じる電解容量についてのみ議論を展開する。
【0036】
図3A及び
図3Bは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品の、
図1に関連するA-A’の断面構造概略図及びB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。図中、第1、第2検知ライン21、22はプラスチックフィルム基材45上に設置されて片面式検知フィルムを構成し、かつ紙おむつの表面層11とベースフィルム15の間に設置されており、A-A’断面(
図3A)から、接触面61はベースフィルム15に面し、かつベースフィルムとの間に互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26を構成していることがわかり、センサ30は内蔵式ポケット26内に設置することができ、接触点31、32を含む面が接触面61に貼り付き、かつ接触面上に露出する検知ライン21、22と面対面で接触して電気接続を行っている。
【0037】
本実施例の内蔵式ポケット26の紙おむつ前端辺縁18に近い部分には吸収層12が存在しないので、表面層11は検知面62上に直接貼り付いており、その幅において検知面/検知フィルムを越えている部分は、接着剤28(ホットメルト接着剤、構造接着剤などを含む)によってベースフィルム15上に貼合され、かつ内蔵式ポケット26の貼合境界を構成しており、水分が接触面61に浸透進入して検知ライン21、22の短絡を引き起こすことを防止できると同時に、検知フィルムを有効に固定し、かつ内蔵式ポケット26の幅とプラスチックフィルム基材45の幅を自動的に一致させて保持し、それと同時に検知フィルムと内蔵式ポケットの間で自動センタリング及び位置合わせを実現することで、ポケットに挿入するセンサの接触点31、32が接触面61上の検知ライン21、22に位置合わせされることを確保して、確実な電気接続を実現している。
【0038】
本実施例では、内蔵式ポケット26は前腹シール25の下面に設置され、内蔵式ポケット26の少なくとも一部は前腹シール25の正投影範囲内に位置しており、紙おむつが着用状態にある場合、そのウエスト上に生じる弾力は、左右シール16、17によって内蔵式ポケット26を使用者の前腹部に密着させる作用力に転化することができ(図の下向きの作用力)、これによりポケット内のセンサ30を押圧して、その接触点と検知ラインとの接触をより確実なものにすることができる。紙おむつが非着用状態にある場合は、使用者の前腹部に密着させる作用力が自動的に消失し、センサ30が取り出しやすくなるが、これは本発明の実施例で内蔵式ポケットを前腹に貼り付けることによる1つの技術的特徴であり、紙おむつの外表面に設置されているポケットにはできないことである。
【0039】
B-B’断面(
図3B)からは、吸収層12と検知面62が一体に貼り合わされ、検知ライン21、22が誘電体層としてのプラスチックフィルム基材45を介して電解容量方式で吸収層12上の
液体14を検知していることがわかり、これにより紙おむつの吸収層に対する湿り検出機能を実現することができ、その湿り度合いは電解コンデンサC1に比例する。該断面には内蔵
式ポケット26が存在しないので、接触面61は接着剤28によってベースフィルム15と貼り合わされており、これにより吸収層12中の水分が接触面61に浸透進入して検知ライン21、22を短絡させることを有効に防止することができる。本実施例では、ベースフィルム15は検知フィルムの接触面61全体を被覆しているので、ベースフィルム15を防水カバー層と見なすことができ、また本発明の実施例の短絡保護メカニズムの1つの構成部分も構成している。
【0040】
図4A及び
図4Bは、本発明の実施例の片面式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図であり、紙おむつ、片面式検知フィルム40、内蔵式ポケット26、短絡保護メカニズムなどの構成部分を含む。紙おむつは表面層11、吸収層12及びベースフィルム15を含み、表面層11及びベースフィルム15は寸法が同じで一体に重なっている。検知フィルム40の接触面61はベースフィルム15に貼り付いており、検知フィルム40の検知面62は吸収層に面し、検知ライン21、22は電解容量方式によって吸収層12の湿り状態を検出することができる。
【0041】
本実施例では、ベースフィルム15を防水カバー層として利用し、接触面61上の検知ライン21、22に短絡保護を実施しているが、それ以外にも、接触面61とベースフィルム15との間の紙おむつの前後の辺縁18、19がそれぞれ1つの互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26、26’を構成しており、紙おむつの前端辺縁18部分が構成するのは機能性ポケット26であり、センサを挿入してセンサの接触点と検知ラインに電気接続を行わせるために用いられ、後端辺縁19部分が構成するのは余地ポケット26’であり、スマート紙おむつ生産における定位置での切断のために誤差の余地を提供することができる。紙おむつの生産過程では、各紙おむつはもともと先端と末端が連結されており、生産後期になってから隣接する2枚の紙おむつを切断して1枚の独立した紙おむつ完成品を得る。もとの1つの内蔵式ポケットは2つの部分に切り離され、それぞれが紙おむつの前、後辺縁部分に位置してポケット26及び26’を構成する。
【0042】
図4Aに示す実施例では、余地ポケット26’内には検知ラインが存在しないので、液体が余地ポケット26’を浸潤させても検知ライン21、22の正常な動作に影響を与えることはなく、これも短絡保護メカニズムの一部と見なすことができる。検知ラインは前後非対称なので、検知フィルムを紙おむつの正しい位置に置くために、検知フィルム40はさらに色位置決めマーク(カラーマーク)42を含む。
図4Bに示す実施例の検知フィルムに至っては完全に対称であるが、このような状況では位置決めを行う必要がなく、検知フィルムを紙おむつ内の特定の層面に入れて使用するだけでよいので、この対称的な構造は検知フィルムの汎用性及び利便性を増加させることができ、異なる規格長さのスマート紙おむつの生産に対応することができる。
【0043】
スマート紙おむつの生産過程では、通常、まず検知フィルム40をベースフィルム15に貼り付け、その後、吸収層12を検知フィルム40に被せて貼合し、さらに表面層11を吸収層12に被せて貼合し、吸収層12を越えている表面層を直接ベースフィルム15と貼合する。これらすべての貼合により、吸収層の水分が浸透進入することを防止する貼合境界を生成することができ、例えば、
図4Aの貼合領域28/28’は吸収層12とベースフィルム15の間に生成され、検知フィルム40の両辺においてそれぞれ1つの貼合境界を構成している。また、例えば
図4Bの貼合領域28/28’は、検知フィルムの両辺の辺縁部分とベースフィルム15との間の貼合によって生成されたもので、検知フィルムの両辺で貼合境界を構成するだけでなく、接触面61とベースフィルム15との間に接着剤のない互いに分離可能な中空部分を生成しており、該中空部分が1つの連通した内蔵式ポケットを構成し、紙おむつの前後両端にそれぞれ1つの機能性ポケット26と1つの余地ポケット26’を製作している。
【0044】
実際の応用では、内蔵式ポケット26/26’が所在する範囲の外の領域(例えば41から41’までの領域)の検知フィルムをベースフィルム15と貼合することができ、これらの貼合により、検知ライン21、22をより有効に保護することができる。本実施例では、内蔵式ポケット内の領域に検知ラインが存在する場合は、挿入するセンサの接触点と接触して電気接続を行うための接触領域を構成することができ、内蔵式ポケット以外の領域に検知ラインが存在する場合(例えば
図4Bの41から41’までの領域)は、主に紙おむつの吸収層に対して湿り検出を行うための検知領域を構成することができる。
【0045】
図5A及び
図5Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した複合式検知フィルムの立体構造概略図及び断面構造概略図/等価回路図である。前述の片面式検知フィルムと異なるのは、本実施例の検知ラインは少なくとも一部が2種類の防水材料からなる防水二重層の中に位置して複合フィルムを構成しているという点であり、複合式容量検知フィルムと呼ぶことができる。例えば、本実施例では、プラスチックフィルム基材45及び第1、第2検知ライン21、22の外に、さらに防水保護層46を含み、検知ライン21、22を被覆し、かつプラスチックフィルム基材45と共に1つの防水二重層を構成して検知ラインをその中に挟み込んでおり、本発明実施例の防水保護層46は高分子防水コート層または高分子防水複合層/被覆層を含む。
【0046】
検知ラインがプラスチックフィルム基材45及び防水保護層46によって上下に被覆されている領域47は検知フィルムの検知領域であり、検知ラインは、プラスチックフィルム基材45を介してその外表面62上の湿り検出を実現することができるだけでなく、防水保護層46を通してその外表面63上の湿り検出を実現することもでき、つまり本実施例の複合式検知フィルムは両面検出能力を有しているのである。実際の応用では、通常、吸収層に面している面を検知面と見なし、検知ラインと検知面を互いに分離絶縁する材料を誘電体層と見なしている。
【0047】
検知面62上に電解質を含む液体14Aが蓄積すると、検知ライン21、22の間に電解コンデンサC1が発生し、その容量値はプラスチックフィルム基材45の厚さに反比例し、プラスチックフィルム基材45の誘電定数に比例し、液体14Aと電極(検知ライン)に対応する面積に比例する。検知面63上に電解質を含む液体14Bが蓄積すると、検知ライン21、22の間に電解コンデンサC2が発生し、その容量値は防水保護層46の厚さに反比例し、防水保護層46の誘電定数に比例し、液体14Bと電極(検知ライン)に対応する面積に比例する。
【0048】
本実施例では、検知ライン上に防水保護層46のない領域43を検知フィルムの接触領域としており、検知ライン21、22は接触領域43部分で露出し、センサの接触点と面対面で接触して電気接続を行うための接触面61を構成する。本実施例では接触面61と検知面63の向きは一致しており、防水保護層46が非常に薄いので、接触面61と検知面63は、位置/領域が異なるだけで、同一平面上にあると見なすことができる。
【0049】
図6A及び
図6Bは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品の、
図1に関連するA-A’の断面構造概略図及びB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。図中の検知フィルムはプラスチックフィルム基材45、接触面61、検知面62、防水保護層46、検知面63、第1検知ライン21及び第2検知ライン22などの構成部分を含む。
【0050】
A-A断面(
図6A)に見られるように、本実施例は、検知フィルムの接触領域を被覆し、かつ検知フィルムの接触面61に対応するとともに、接触面61と防水カバー層24との間に互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26を構成する防水カバー層24をさらに含む。吸収層12中の水分が内蔵式ポケット26に進入して検知ライン21、22を短絡させることを防止するために、防水カバー層24は良好な防水性能を有している必要があり、通常はプラスチックフィルム、防水紙、撥水性不織布などの材料を用いて構成されている。防水カバー層24の幅は、通常、接触面61全体を有効に被覆できるよう、プラスチックフィルム基材45を下回らない。
【0051】
表面層11は防水カバー層24上を被覆しており、それが防水カバー層24を越えている部分は接着剤28によってベースフィルム15と一体に貼合されており、防水カバー層24の幅においてプラスチックフィルム基材45を越えている部分も、ベースフィルム15と互いに貼合されており、これらのすべての貼合により、水分の浸透進入を防止する境界を生成することができるだけでなく、内蔵式ポケット26の幅と検知フィルム/プラスチックフィルム基材45の幅を自動的に一致させて保持し、かつセンタリングして位置合わせできる。これは、本発明の実施例が検知フィルム方式を採用して内蔵式ポケットを生成するという技術的特徴及び有益な効果である。
【0052】
本実施例のプラスチックフィルム基材45の外表面62はベースフィルム15に面しており、プラスチックフィルム基材45とベースフィルム15との間には液体が存在しないので、プラスチックフィルム基材45は、本実施例では主に検知ラインを支持し、保護する役割を果たす。B-B’断面(
図6B)から、吸収層12が防水保護層46上を被覆しており、幅において防水保護層46を越えている部分がベースフィルム15と貼合されていることがわかる。防水保護層46の外表面63は吸収層に面し、かつ検知面を構成しているので、防水保護層46は、本実施例では、検知ラインを検知面から分離し絶縁する誘電体層の役割を果たしており、検知ラインは防水保護層46を介して電解容量方式で吸収層12の水分を検出し、かつ紙おむつの吸収層の湿り検出機能を実現している。
【0053】
図7は、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品とセンサを組み合わせて使用する際の外観構造概略図であり、紙おむつ、複合式検知フィルム40、内蔵式ポケット26、短絡保護メカニズムなどの構成部分を含む。紙おむつは表面層11、吸収層12及びベースフィルム15を含み、検知フィルム40は第1、第2検知ライン21、22を含み、検知フィルム中の防水カバー層24/24’に覆われていない部分が検知領域を構成し、検知領域の吸収層12に面している面が検知面を構成しており、表面層11及びベースフィルム15は検知フィルム40及び吸収層12を上下に被覆し、検知ライン21、22は検知フィルム40の検知面を介して紙おむつ吸収層12の湿り状態を検出することができる。
【0054】
防水カバー層24/24’は検知フィルムの接触面上を被覆しており、接触面との間には互いに分離可能な部分を含み、かつそれぞれが機能性ポケット26及び余地ポケット26’を構成しており、機能性ポケット26は紙おむつの前端に位置し、その開口は前端辺縁18と面一であり、センサ30を開口部分から挿入することができ、センサの接触点31、33は検知ライン21と電気接続され、センサの接触点32、34は検知ライン22と電気接続される。余地ポケット26’は紙おむつの後端辺縁19部分に位置し、主として紙おむつの切断誤差に余地を提供しており、位置決めマーク42はスマート紙おむつの生産において位置決めを行うためのものである。防水カバー層24/24’が接触面を越えている部分は、ベースフィルム15と互いに貼合され、かつ図中の陰影部分に示すように、吸収層の水分が浸透進入することを防止する境界を構成している。
【0055】
本実施例では、接触点31、33(または接触点32、34)は挿入検出装置を構成することができ、センサ30が内蔵式ポケット26内に挿入され、2つの接触点が同時に同じ検知ラインに接触した時に、挿入検出装置がトリガされ、センサを動作状態に入らせることができ、センサ30がポケット26から取り出されると、挿入検出装置が遮蔽され、センサをスリープ/オフ状態にして電気エネルギーを節約することができる。
【0056】
図8A、
図8B及び
図8Cは、本発明の実施例の複合式検知フィルムを採用したスマート吸収用品の、
図7に関連するC-C’の断面構造概略図であり、複合式検知フィルムをスマート紙おむつに応用する場合のいくつかの具体的な例である。図には表面層11、吸収層12、ベースフィルム15より構成される紙おむつ、及び紙おむつ内に設置される複合式検知フィルム40が含まれており、検知フィルムはプラスチックフィルム基材45及び防水保護層46を含み、1つの防水二重層を構成して検知ライン21、22を保護しており、検知ラインはプラスチックフィルム基材45または防水保護層46を誘電体層とし、かつ電解容量方式で吸収層12の湿り状態を検出することができる。
【0057】
検知フィルムの接触面61上には防水保護層46が存在しないので、検知ラインは接触面上に露出している。検知ラインを保護するために、防水カバー層24で接触面61上を被覆し、両者の間に互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26を構成することができ(
図8A、
図8Bに示す通り)、この時、防水カバー層24は、吸収層12中の水分が接触面61に浸透することを防止する役割を果たしており、本発明の実施例の短絡保護メカニズムを構成している。
【0058】
実際の応用においては、検知フィルム40はベースフィルム15と吸収層12の間に設置してもよいし(
図8A、
図8Cの通り)、表面層11と吸収層12の間に設置してもよい(
図8Bの通り)。それと同時に、防水保護層46の外表面63を吸収層12に向けて検知面を構成してもよいし(
図8A、
図8Bの通り)、またはプラスチックフィルム基材45の外表面62を吸収層に向けて検知面を構成してもよい(
図8Cの通り)。防水カバー層24を用いて接触面61上を被覆し、内蔵式ポケット26を構成するだけでなく(
図8A、
図8Bの通り)、紙おむつのベースフィルム15を防水カバー層として利用して接触面61上を被覆し、かつベースフィルム15と接触面61との間に互いに分離可能な部分を含ませて内蔵式ポケット26を構成することもできる(
図8Cの通り)。
【0059】
図9A及び
図9Bは、本発明の実施例の複合ベースフィルム式検知フィルムを採用したスマート吸収用品の、
図1に関連するA-A’の断面構造概略図及びB-B’の断面構造概略図/等価回路図である。前述の他の実施例で紙おむつのベースフィルムと表面層の間に検知ラインが設置されているのとは異なり、本実施例の検知ライン21、22は、ベースフィルム15の外表面(吸収層に背向する)に設置されている。検知ラインを保護するために、本実施例ではベースフィルム15の外表面上を外層不織布13で被覆し、この外層不織布13が防水カバー層の役割を果たしており、さらに外層不織布13は接着剤によってベースフィルム15と一体に複合されて複合ベースフィルムを構成しているので、本実施例の検知フィルムは複合ベースフィルム式検知フィルムと呼ぶことができる。
【0060】
内蔵式ポケット26の寸法を正確に制御できるように、A-A断面(
図9A)において、ベースフィルム15と外層不織布13の間には、さらに追加された防水カバー層64が含まれている。実際のスマート紙おむつの生産過程では、一般に、まず検知ライン21、22をベースフィルム15の外表面上に印刷して接触面61を構成し、その後、防水カバー層64を検知ライン21、22上に貼り付け、防水カバー層64と接触面61との間に互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26を構成し、さらに外層不織布13で防水カバー層64上を被覆し、かつ接着剤28によって互いに貼合し、その幅において防水カバー層64を越えている部分をベースフィルム15と貼合している。これにより、液体の浸透進入を阻止する境界を構成し、短絡保護メカニズムを構成することができるだけでなく、さらに内蔵式ポケット26の幅と防水カバー層64の幅を自動的に一致させて保持している。
【0061】
本実施例の防水カバー層64は選択可能なものであり、防水カバー層64を使用しない場合は、紙おむつの生産過程で部分的接着剤吹付工程によって外層不織布13とベースフィルム15との間に接着剤を吹き付けない領域を作って互いに分離可能な部分を形成し、かつそれによって内蔵式ポケット26を構成する必要があり、このような状況では、外層不織布13を防水カバー層と見なし、短絡保護メカニズムの役割を担わせることができる。部分的接着剤吹付工程は、通常、一定の発散性を有しているので、製作される内蔵式ポケットの寸法にもある程度の誤差が生じるおそれがあることに注意が必要であるが、要求が高くない状況では完全に使用可能である。
【0062】
本実施例では、ベースフィルム15に検知ラインが存在しない方の面(内表面62)は吸収層に面し、かつ検知面の役割を担っており、ベースフィルム15自体は検知ライン21、22と検知面62を互いに分離して絶縁する誘電体層の役割を果たしている。吸収層12中に電解質を含む液体14が存在する場合、液体14は誘電体層15、検知ライン(電極)21、22と共に電解コンデンサC1を構成するので、C1の大きさを検出するだけで、検知面上の湿り状態を知ることができ、これにより紙おむつの吸収層に対する湿り状態検出機能を実現することができる。
【0063】
本実施例の外層不織布13には、一体化裁断された瑕疵のない不織布を選択することができ、複合用不織布、疎水性不織布、撥水性不織布などの材料を用いることができる。内蔵式ポケット26は紙おむつの前端に設置することができ、かつ辺縁部分まで延伸しているので、前端辺縁部分に隠し開口が製作され、センサ30を隠し開口部分から内蔵式ポケット26内に挿入することができる。本実施例では、検知ライン21、22上を外層不織布13及び防水カバー層64が被覆しているので、検知ラインの色が紙おむつの外観に与える影響を減少または除去することができると同時に、紙おむつ外部の湿気が検知ラインに与える影響も除去して、誤ったアラートの発生を回避することができる。
【0064】
図10A及び
図10Bは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、頭尾式
の内蔵
式ポケットを含む静電容量型検知フィルムの正面構造概略図及び対応するD-D’の断面構造概略図である。前述の実施例では、検知フィルム自体にポケットがないので、他の材料、例えば防水カバー層24、ベースフィルム15または外層不織布13などと共に内蔵式ポケットを構成する必要がある。本実施例では、事前に防水カバー層を検知フィルム上に整合させ、ポケット及び短絡保護メカニズム付きの検知フィルムを構成しており、検知フィルムの応用及びスマート紙おむつの生産に役立たせている。
【0065】
本実施例の検知フィルム40は、プラスチックフィルム基材45、プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置された検知ライン21/22、及び検知ライン上を被覆する防水カバー層64を含み、検知ライン21、22を完全に保護している。防水カバー層64とプラスチックフィルム基材45との間には、互いに貼合されている部分(中間エリア)と、互いに分離可能な部分(先端と末端の両端)が含まれており、前端辺縁68部分に含まれる互いに分離可能な部分が機能性ポケット26を構成し、検知フィルム後端辺縁69部分に含まれる互いに分離可能な部分が余地ポケット26’を構成している。検知ライン21、22はこの2つのポケット内で露出しており、それらが所在する平面が接触面61を構成して、ポケット内に挿入されたセンサの接触点と接触して電気接続を行うことができ、対応する領域は同時に検知フィルムの接触領域を構成している。
【0066】
ポケット26の底部境界66からポケット26’の底部境界66’までのエリアでは、防水カバー層64はプラスチックフィルム基材45と一体に貼合され、短絡保護メカニズムの一部を構成し、かつプラスチックフィルム基材45の外表面62または防水カバー層64の外表面63上の湿り状態を検出するための検知フィルムの検知領域を構成している。本実施例は遮断点65をさらに含み、検知ライン21、22の先端と末端の両端を互いに連通させないことで、余地ポケット26’内の検知ラインの短絡が機能性ポケット26の検知ラインの動作に影響することを防止することができる。また、遮断点65は位置決めマークとしても使用することができ、検知フィルムを紙おむつの適切な位置に設置することに役立つ。
【0067】
検知フィルムが紙おむつ内に設置されて使用される場合、その前端辺縁68は、通常、紙おむつの前端辺縁18と面一になり、検知領域は紙おむつの吸収層に対応する。本実施例では、プラスチックフィルム基材45を吸収層に向けて誘電体層を構成し、かつ外表面62を検知面として構成できるだけでなく、防水カバー層64を吸収層に向けて誘電体層を構成し、かつ外表面63を検知面として構成することもできる。検知ライン21、22は、対応する誘電体層を介して電解容量方式で検知面に対応する吸収層の湿り状態を検出することができ、その検出感度(電解容量を生成する能力)は誘電体層の誘電定数に比例し、誘電体層の厚さに反比例する。
【0068】
図11A、
図11B及び
図11Cは、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、貫通式
の内蔵
式ポケットを含む静電容量型検知フィルムの正面構造概略図、対応するE-E’の断面構造概略図及びセンサ挿入時の位置関係概略図である。
図10A及び
図10Bに示す実施例での検知フィルムの中間エリアで貼合されていることとは異なり、本実施例のプラスチックフィルム基材45と防水カバー層64は両辺の辺縁部分で貼合され、それぞれが貼合領域28及び28’を構成しており、接着剤による貼合や熱圧着による貼合を選択することができ、熱圧着貼合を選択する場合は、EVA、TPU、PES、PVCなどのホットメルト接着剤フィルムを防水カバー層として選択することができる。本実施例では、検知フィルムの両辺の辺縁部分で貼合することで、液体の浸透進入を防止可能な境界を構成するとともに、本発明の実施例の短絡保護メカニズムを構成して検知ライン21、22を有効に保護しており、中空部分は貫通した内蔵式ポケットを構成しており、該貫通ポケットは、検知フィルムの左右両端でも、機能性ポケット26及び余地ポケット26’として、それぞれ開口付きのポケットを構成している。
【0069】
本実施例のプラスチックフィルム基材45の、検知ライン21、22が設置されている面が接触面61、プラスチックフィルム基材45の、検知ラインが存在しない面が検知面62であり、プラスチックフィルム基材45は誘電体層を構成し、検知ライン21、22は誘電体層45を介して電解容量方式で検知面62上の湿り状態を検出する。本実施例の検知フィルムは、検知領域と接触領域が分かれていないもの、または検知フィルムの任意のエリアが同時に検知領域と接触領域を含むというものである。また、本実施例の防水カバー層64は、検知ラインの保護層としてのみ用いられ、誘電体層としては用いられていない。本実施例の検知フィルムは、内蔵式ポケット及び短絡保護メカニズムを有しており、紙おむつのいずれの層面上にも設置して使用しやすく、その検知面62を紙おむつの吸収層12に向けるだけでよい。それと同時に、本実施例の検知フィルムは完全対称なので、スマート吸収用品の生産過程において位置決めを行う必要がなく、これらの特色により、応用において、より高い汎用性及び利便性を有している。
【0070】
本実施例の検知フィルムは任意の長さに切断して使用することができ、例えば、紙おむつと同じ長さを選択し、その前端辺縁68を紙おむつの前端辺縁18と面一にしたり、紙おむつより長くして、その前端辺縁68を紙おむつの前端辺縁18から突出させることもでき、センサは該突出部分から挿入して使用することができる。生産しやすくするため、検知フィルムを大きいロール材形式に包装することもでき、各ロール状検知フィルムで数千枚の異なるスマート紙おむつを生産することができ、検知フィルムをスマート紙おむつ生産の共通の原材料にすることができる。
【0071】
本実施例のポケットは貫通ポケットなので、センサをポケット内で固定できるように、
図11Cに示すフリップ付きのセンサ設計を採用することができる。図中、センサ30は挿入部301及びフリップ302を含み、それぞれがヒンジ303を介して
接続されている。使用時には、まずフリップ302を開き、その後、挿入部301を内蔵式ポケット26内に挿入し、接触点31/32を検知ライン21/22と面対面で接触させた後、フリップ302を閉じてプラスチックフィルム基材45を挟む。このようにすると、センサの接触点と検知ラインとの間の接触がより確実になるだけでなく、センサが貫通ポケット内からより深い位置までずり落ちることがない。このようなセンサ設計は、本実施例に適用されるだけでなく、本発明の他の実施例への応用にも適している。
【0072】
図12は、本発明の実施例のスマート吸収用品の弾性ウエスト上に内蔵式ポケットが含まれている外観構造概略図である。前述の他の実施例の紙おむつと異なるのは、本実施例の紙おむつが、例えばパンツ型おむつ、トレーニングパンツ、パンツ型おむつといった、弾性ウエスト27を含むパンツ式紙おむつであるという点である。内蔵式ポケット26は弾性ウエスト27の二重層内に設置され、紙おむつが着用状態にある時、その弾性ウエスト上で生じる弾力は内蔵式ポケット26を使用者の体に押し付ける垂直作用力に転化することができ、ポケット26内のセンサ30を有効に押圧及び固定し、かつセンサ30の接触点と検知フィルム40の接触面上の検知ライン21、22との接触をより確実にすることができる。
【0073】
本実施例の検知フィルム40の検知領域は紙おむつの吸収層12に対応しており、検知フィルム40の接触領域は紙おむつの弾性ウエストの内蔵式ポケット26内に位置している。即ち、両者は位置的に互いに分離しているので、吸収層12の水分が接触領域に浸透進入して検知ラインに短絡を発生させることをさらに防止することができ、これも一種の短絡保護メカニズムと見なすことができる。検知フィルム40は前述の実施例中のいずれを採用してもよく、内蔵式ポケット26は紙おむつのウエスト辺縁に向かって延伸し、かつ辺縁部分の二重層の隙間に内蔵式ポケットに通じる開口を含むことで、該開口を通して、湿り検出を実施するセンサ30を挿入できるようにしている。
【0074】
図13は、本発明の実施例のスマート吸収用品の外部に内蔵式ポケットに通じる切欠きが含まれている外観構造概略図である。前述の実施例では、機能性ポケット26の開口は、一般に紙おむつの前端辺縁部分に位置し、検知フィルムの接触面61とベースフィルム15または防水カバー層24/64との間の二重層の隙間を利用して、隠し開口として使用している。実際の応用においては、紙おむつの外表面または内表面に1つの切欠きを開設する形を採用し、センサを内蔵式ポケットに入れて使用することもできる。
【0075】
本実施例のスマート紙おむつ10は、表面層11、吸収層12、ベースフィルム15、検知フィルム40及び防水カバー層24などの構成部分を含み、検知フィルムは検知ライン21、22を含み、かつ検知フィルム40の接触面と防水カバー層またはベースフィルムとの間には、互いに分離可能な部分を含んで内蔵式ポケット26が構成されており、紙おむつの外表面または前端辺縁部分の内表面はさらに切欠き23を含み、切欠き23は内蔵式ポケット26に通じており、切欠き23によってセンサ30を内蔵式ポケット26内に入れて使用することができる。
【0076】
図14及び
図15は、本発明の実施例のスマート吸収用品の使用に適した、ループ検知ライン設計及びマルチ検知ライン設計を有する検知フィルムの外観構造概略図である。図中の検知フィルム40は、接触領域43、検知領域47及び余地領域48を含み、応用時には、接触領域43は紙おむつの前端辺縁に対応し、露出した検知ラインを含んで接触面を構成しており、該部分に機能性ポケットを製作し、かつ挿入するセンサの接触点との接触及び電気接続に用いることができる。余地領域48は紙おむつの後端辺縁に対応しており、該部分に余地ポケットを製作し、おむつの切断のための余地を提供することができる。検知領域47は紙おむつのまち部の位置に対応しており、紙おむつの吸収層の湿り状態を検出するために用いられる。
【0077】
図14に示す実施例では、検知領域47はループ検知ライン設計を含み、上から下までで6本の検知ラインを含み、奇数の検知ラインは検知ライン22と接続され、偶数の検知ラインは検知ライン21と接続されており、この方法によって、検知領域47のカバー面積及び検出範囲を有効に拡張することができる。
図15に示す実施例の検知領域47は、7本の互いに平行な検知ライン(51から57)を含み、このような設計でも、検知ラインのカバー範囲を有効に拡大することができ、かつより多くの位置上の湿り状態情報を提供することもできる。本実施例のこれらの検知ラインパターンは先端と末端が非対称なので、検知フィルムを紙おむつの特定位置に正確に嵌め込むことができるよう、検知フィルム40上にはさらに位置決めマーク42が含まれている。
【0078】
また、本発明の実施例の検知フィルムは、より多くの構造形式及びより多くの検知ラインパターン設計を有することができ、前述の実施例を基に、実際の需要と結び付けて、相応の変更を行うこともできる。また、前述の実施例では、内蔵式ポケットは紙おむつの前端正面に設置されているが、実際の応用では、検知フィルム/検知ラインが通ってさえいれば、ポケットを紙おむつのその他の位置、例えば紙おむつのまち部、背部または側面の位置に設置することもできる。
【0079】
本発明の実施例のスマート吸収用品10はスマート化された湿り検出機能を有しているので、内蔵式ポケット26内にセンサ30を挿入するだけで、スマート化された湿り状態監視システムを構成することができる。このような監視システムでは、センサは、第1及び第2検知ラインと接触して電気接続をことができるよう少なくとも2つの接触点を含んでおり、センサはさらに、電解容量方式で吸収用品の湿り状態を検出できる容量検出装置を含む。実際の応用では、センサは好適には4つ以上の接触点を有し、そのうちの2つの接触点により挿入検出装置を構成することができる。センサは通常、無線送信装置を含むことができ、また、無線受信装置を設置してそれと組み合わせることもできる。このようにすることで、無線方式を用いて吸収用品の湿り状態情報を送信及び受信することができ、無線受信装置には通常、音響光学警報装置、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータが含まれている。
【0080】
上で開示しているのは本発明の好適な実施例にすぎないので、当然、これによって本発明の権利範囲を限定することはできない。よって、本発明の請求項に基づいて行われる同等の変更も、引き続き本発明がカバーする範囲に属する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量型検知フィルム及び内蔵式ポケットに基づくスマート吸収用品において、
使い捨て吸収用品と、静電容量型検知フィルムと、内蔵式ポケットと、短絡保護メカニズムとを含み、
前記使い捨て吸収用品は、表面層、吸収層及びベースフィルムを含み、
前記
静電容量型検知フィルムは接触面、検知面、誘電体層及び少なくとも2本の検知ラインを含み、前記誘電体層の外表面は前記検知面を構成し、前記誘電体層は前記検知ラインと前記検知面を互いに分離及び絶縁させており、前記検知面が電解質を含む液体に浸潤されると、前記検知ラインが前記誘電体層を介して電解容量方式で前記検知面の湿り検出機能を実現することができ、
前記内蔵式ポケットは湿り検出を実施するセンサを挿入するために用いられ、前記接触面は前記センサと前記検知ラインの面対面の接触及び電気接続に便利であり、
前記短絡保護メカニズムは前記検知ラインが前記使い捨て吸収用品内外の湿気の影響を受けないよう保護するために用いられ
、
前記検知ラインは少なくとも一部が前記接触面内に位置し、かつ露出部分を含み、
前記短絡保護メカニズムは前記接触面上を被覆する防水カバー層を含み、
前記接触面と前記防水カバー層の間には互いに分離可能な部分が含まれて前記内蔵式ポケットを構成
し、
前記検知面は前記吸収層に面しており、前記検知ラインが前記誘電体層を介して電解容量方式で前記吸収層に対する湿り検出機能を実現できる
スマート吸収用品であって、
前記
静電容量型検知フィルムは頭尾式
の内蔵
式ポケットの検知フィルムを含み、前記
静
電容量型検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、前記検知ラインは前記プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置されており、前記防水カバー層は前記検知ライン上を被覆しており、前記防水カバー層と前記プラスチックフィルム基材の中段位置には互いに貼合されている部分が含まれて検知領域を構成しており、先端と末端の両端位置には互いに分離可能な部分が含まれて内蔵式ポケットを構成しており、前記プラスチックフィルム基材または前記防水カバー層の外表面は前記吸収層に面し、かつ前記検知面を構成
する、
または、
前記
静電容量型検知フィルムは貫通式
の内蔵
式ポケットの検知フィルムを含み、前記
静
電容量型検知フィルムはプラスチックフィルム基材を含み、前記検知ラインは前記プラスチックフィルム基材の中の1つの面に設置され、かつ前記接触面を構成しており、前記プラスチックフィルム基材のもう1つの面は前記吸収層に面し、かつ前記検知面を構成しており、前記プラスチックフィルム基材は前記誘電体層を構成しており、前記防水カバー層は前記接触面上を被覆しており、前記防水カバー層と前記プラスチックフィルム基材の両辺の辺縁部分は互いに貼合されている部分を含み、かつ液体の浸透進入を阻止する境界を構成しており、前記防水カバー層と前記プラスチックフィルム基材の間にはさらに中空部分が含まれて貫通式の内蔵式ポケットを構成
する、ことを特徴とする、
スマート吸収用品。
【請求項2】
前記使い捨て吸収用品の前端辺縁部分の二重層内には1つの隠し開口が含まれており、前記隠し開口は前記内蔵式ポケットに通じ、センサを挿入して前記湿り検出機能を実現するために用いられ
ることを特徴とする、請求項1に記載のスマート吸収用品。
【請求項3】
前記使い捨て吸収用品の前端辺縁部分と後端辺縁部分の二重層内には、それぞれ1つの隠し開口が含まれており、前記隠し開口はそれぞれ1つの内蔵式ポケットに通じており前記前端辺縁部分に位置する内蔵式ポケットは機能性ポケットを構成し、センサを挿入して前記湿り検出を実現するために用いられ、前記後端辺縁部分に位置する内蔵式ポケットは余地ポケットを構成し、前記スマート吸収用品の生産における定位置での切断に誤差の余地を提供
することを特徴とする、請求項1に記載のスマート吸収用品。
【請求項5】
前記使い捨て吸収用品は、紙おむつ、シートタイプの紙おむつ、生理用ナプキン、産褥ナプキンまたは尿パッドを含み、前記表面層は親水性不織布を含み、前記吸収層は高分子吸収材料を含み、
前記ベースフィルムは空気を通す、または通さないPEフィルムを含み、
前記検知ラインは導電性インクで印刷されたインクラインと、物理蒸着された金属ラインまたはアルミ箔ラインと、銅箔ラインとを含み、
前記プラスチックフィルム基材はPE、PP、CPP、BOPPまたはPETフィルムを含み、
前記防水カバー層はプラスチックフィルム、防水紙または撥水性不織布を含み
、
前記電解質を含む液体は、塩分を含む尿、水分の多い便、汗または血液を含むことを特徴とする、請求項4に記載のスマート吸収用品。
【請求項10】
前記センサは、無線方式によって前記スマート吸収用品の湿り状態の情報を送受信するための無線送信装置及び無線受信装置をさらに含み、前記無線受信装置が音響光学警報装置、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータを含むことを特徴とする、請求項
9に記載のシステム装置。
【国際調査報告】