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特表2024-534138ヒト化フレームワーク領域を有する抗体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】ヒト化フレームワーク領域を有する抗体
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/28 20060101AFI20240910BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240910BHJP
   C07K 14/725 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/79 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240910BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20240910BHJP
   A61K 38/05 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C07K19/00
C07K14/725
C12N15/13
C12N15/12
C12N15/62 Z
C12N15/79 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61P35/00
A61K45/00
A61K47/68
A61K39/395 N
A61K47/54
A61K38/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512129
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 US2022075424
(87)【国際公開番号】W WO2023028537
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,928
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TWEEN
3.BRIJ
4.TRITON
5.PLUTRONIC
(71)【出願人】
【識別番号】520355792
【氏名又は名称】アール.ピー.シェーラー テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】シュプラコフ,ステパン
(72)【発明者】
【氏名】オグンコヤ,アヨデル・オー
(72)【発明者】
【氏名】ドレイク,ペネロペ・エム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユン
(72)【発明者】
【氏名】ボーゾン,マキシン
(72)【発明者】
【氏名】ヒックル,コリン
(72)【発明者】
【氏名】バーフィールド,ロビン・エム
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA91X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4B065CA46
4C076AA01
4C076AA06
4C076AA11
4C076AA24
4C076AA29
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA53
4C076AA93
4C076BB01
4C076BB11
4C076CC27
4C076DD60
4C076EE59
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA17
4C084AA27
4C084BA01
4C084BA14
4C084BA42
4C084MA05
4C084MA13
4C084MA17
4C084MA28
4C084MA31
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA41
4C084MA43
4C084MA56
4C084MA60
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA10
4C084ZB261
4C084ZB262
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB11
4C085BB36
4C085BB41
4C085BB43
4C085CC23
4C085EE01
4C085GG01
4C085GG08
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA72
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA28
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、ヒト化フレームワーク領域を含む可変領域を含む結合剤(特に、抗体)を提供する。本開示の結合剤の可変鎖の一方又は両方をコードする核酸も、そのような核酸を含む細胞と同様に提供される。また、本明細書に開示される結合剤を含む組成物(いくつかの事例において、薬学的組成物を含む)も提供される。本開示の結合剤を作製し、使用する方法も提供される。特定の態様において、細胞増殖性障害を有する個体に、治療有効量の本明細書に開示される結合剤を投与することを含み、結合剤を個体に投与して、異常増殖性細胞に対する免疫応答、例えば、T細胞応答を増強する方法が提供される。結合剤は、様々な診断及びモニタリング用途にも有用であり、これらも提供される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD30タンパク質に特異的に結合する結合剤であって、前記結合剤が、
i)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKVSCKASGYTFTDYYMTWVRQKPGQGLEWMGWIYPGSGNTKYNQKFKGRVTITVDTSSSTAFMELSSLTSEDTAVYFCANYGNYWFAYWGQGTQVTVSA(配列番号6)、及び
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYYITWVRQAPGQGLEWMGWIYPGSGNTKYNEKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCANYGNYWFAYWGQGTLVTVSS(配列番号11)から選択される配列を含む、可変重鎖(VH)鎖と、
ii)
DIVMTQSPASLAVSLGERATISCKSSQSVDFDGDSYLNWYQQKPGQPPKLLIYAASTRESGVPARFSGSGSGTDFTLTISSLQEEDVATYYCQQSNEDPWTFGGGTKVEIK(配列番号21)、及び
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCKASQSVDFDGDSYMNWYQQKPGQPPKLLIYAASNRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQSNEDPWTFGGGTKVEIK(配列番号26)から選択される配列を含む、可変軽鎖(VL)鎖と、を含む、結合剤。
【請求項2】
配列番号11を含むVH鎖と、配列番号26を含むVL鎖と、を含む、請求項1に記載の結合剤。
【請求項3】
CD30に特異的に結合する結合剤であって、
それぞれ、配列番号31~33の配列を有するH-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、それぞれ、配列番号34~36の配列を有するL-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含み、
前記VH鎖が、
i)配列番号7の配列を有する重鎖フレームワーク領域1(HFR1)、配列番号8の配列を有する重鎖フレームワーク領域2(HFR2)、配列番号9の配列を有する重鎖フレームワーク領域3(HFR3)、及び配列番号10の配列を有する重鎖フレームワーク領域4(HFR4)、又は
ii)配列番号12の配列を有するHFR1、配列番号13の配列を有するHFR2、配列番号14の配列を有するHFR3、及び配列番号15の配列を有するHFR4を含み、
前記VL鎖が、
i)配列番号22の配列を有する軽鎖フレームワーク領域1(LFR1)、配列番号23の配列を有する軽鎖フレームワーク領域2(LFR2)、配列番号24の配列を有する軽鎖フレームワーク領域3(LFR3)、及び配列番号25の配列を有する軽鎖フレームワーク領域4(LFR4)、又は
ii)配列番号27の配列を有するLFR1、配列番号28の配列を有するLFR2、配列番号29の配列を有するLFR3、及び配列番号30の配列を有するLFR4を含む、結合剤。
【請求項4】
抗原に特異的に結合する結合剤であって、
H-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、L-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含み、相補性決定領域が、前記抗原に対する前記結合剤の結合特異性を決定し、前記結合剤において、
前記VH鎖が、
i)配列番号7の配列を有するHFR1、配列番号8の配列を有するHFR2、配列番号9の配列を有するHFR3、及び配列番号10の配列を有するHFR4、又は
ii)配列番号12の配列を有するHFR1、配列番号13の配列を有するHFR2、配列番号14の配列を有するHFR3、及び配列番号15の配列を有するHFR4を含み、
前記VL鎖が、
i)配列番号22の配列を有するLFR1、配列番号23の配列を有するLFR2、配列番号24の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4、又は
ii)配列番号27の配列を有するLFR1、配列番号28の配列を有するLFR2、配列番号29の配列を有するLFR3、及び配列番号30の配列を有するLFR4を含む、結合剤。
【請求項5】
前記結合剤が、CD30に特異的に結合し、それぞれ、配列番号31~33の配列を有するH-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、それぞれ、配列番号34~36の配列を有するL-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含む、請求項1に記載の結合剤。
【請求項6】
前記結合剤が、キメラ抗体である、請求項1~5のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項7】
前記結合剤が、T細胞受容体、T細胞受容体様抗体、IgG、Fv、一本鎖抗体、scFv、Fab、F(ab’)2、又はFab’からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項8】
前記結合剤が、IgGである、請求項1~7のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項9】
前記IgGが、IgG1である、請求項8に記載の結合剤。
【請求項10】
前記結合剤が、Fabである、請求項1~7のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項11】
前記結合剤が、scFvである、請求項1~7のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項12】
CD30に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインを含む二重特異性結合剤であって、前記第1の抗原結合ドメインが、請求項1~5のいずれか一項に記載のVH鎖及びVL鎖を含む、二重特異性結合剤。
【請求項13】
前記結合剤が、検出可能に標識されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項14】
前記結合剤が、活性薬剤にコンジュゲートされている、請求項1~12のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項15】
前記活性薬剤が、サイトトキシンである、請求項14に記載の結合剤。
【請求項16】
前記結合剤が、スルファターゼモチーフのアミノ酸配列を含む定常領域アミノ酸配列を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項17】
前記結合剤が、スルファターゼモチーフのアミノ酸配列を含む定常領域アミノ酸配列を含む抗体であり、前記スルファターゼモチーフが、2-ホルミルグリシン(fGly)部分を含むように修飾される、請求項1~16のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項18】
以下の配列:
(fGly)X2030
を含み、
式中、
20が、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり、
30が、塩基性アミノ酸又は脂肪族アミノ酸であり、
が、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸であってもよく、但し、前記配列が前記抗体のN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXが、各々独立して、任意のアミノ酸である、請求項17に記載の結合剤。
【請求項19】
前記配列が、L(fGly)TPSRである、請求項18に記載の結合剤。
【請求項20】
30が、R、K、H、A、G、L、V、I、及びPから選択され、
が、L、M、S、及びVから選択され、
及びXが、各々独立して、S、T、A、V、G、及びCから選択される、請求項18に記載の結合剤抗体。
【請求項21】
前記配列が、前記抗体の重鎖定常領域のC末端にある、請求項18~20のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項22】
前記重鎖定常領域が、以下の配列:
(fGly)X2030
を含み、
式中、
20が、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり、
30が、塩基性アミノ酸又は脂肪族アミノ酸であり、
が、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸であってもよく、但し、前記配列が前記コンジュゲートのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXが、各々独立して、任意のアミノ酸であり、
前記配列が、アミノ酸配列SLSLSPGに対してC末端である、請求項21に記載の結合剤。
【請求項23】
前記重鎖定常領域が、配列SPGSL(fGly)TPSRGSを含む、請求項21に記載の結合剤。
【請求項24】
30が、R、K、H、A、G、L、V、I、及びPから選択され、
が、L、M、S、及びVから選択され、
及びXが、各々独立して、S、T、A、V、G、及びCから選択される、請求項21に記載の結合剤。
【請求項25】
前記fGly部分が、前記抗体の軽鎖定常領域内に配置されている、請求項18~20のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項26】
前記軽鎖定常領域が、以下の配列:
(fGly)X2030
を含み、
式中、
20が、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり、
30が、塩基性アミノ酸又は脂肪族アミノ酸であり、
が、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸であってもよく、但し、前記配列が前記コンジュゲートのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXが、各々独立して、任意のアミノ酸であり、
前記配列が、配列KVDNALに対してC末端であり、かつ/又は配列QSGNSQに対してN末端である、請求項25に記載の結合剤。
【請求項27】
前記軽鎖定常領域が、配列KVDNAL(fGly)TPSRQSGNSQを含む、請求項26に記載の結合剤。
【請求項28】
30が、R、K、H、A、G、L、V、I、及びPから選択され、
が、L、M、S、及びVから選択され、
及びXが、各々独立して、S、T、A、V、G、及びCから選択される、請求項27に記載の結合剤。
【請求項29】
前記fGly部分が、前記抗体の重鎖CH1領域内に配置されている、請求項18~20のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項30】
前記重鎖CH1領域が、以下の配列:
(fGly)X2030
を含み、
式中、
20が、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり、
30が、塩基性アミノ酸又は脂肪族アミノ酸であり、
が、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸であってもよく、但し、前記配列が前記コンジュゲートのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXが、各々独立して、任意のアミノ酸であり、
前記配列が、アミノ酸配列SWNSGAに対してC末端であり、かつ/又はアミノ酸配列GVHTFPに対してN末端である、請求項29に記載の結合剤。
【請求項31】
前記重鎖CH1領域が、配列SWNSGAL(fGly)TPSRGVHTFPを含む、請求項30に記載の結合剤。
【請求項32】
30が、R、K、H、A、G、L、V、I、及びPから選択され、
が、L、M、S、及びVから選択され、
及びXが、各々独立して、S、T、A、V、G、及びCから選択される、請求項30に記載の結合剤。
【請求項33】
前記結合剤が、前記重鎖CH1領域の91番目の位置のアスパラギン残基の前に、配列X(fGly)X2030を含む、請求項29又は30及び32のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項34】
前記重鎖CH1領域が、配列番号175の配列、又は配列番号175の配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む、請求項29又は30及び32又は33のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項35】
配列X(fGly)X2030が、配列LCTPSR(配列番号58)を含む、請求項33又は34に記載の結合剤。
【請求項36】
配列番号175の91番目の位置のアスパラギン残基の前に配列LCTPSR(配列番号58)を含み、KPSLCTPSRNTK(配列番号189)の配列を含む抗体を産生する、請求項35に記載の結合剤。
【請求項37】
以下の配列:
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSLCTPSRNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号190)を含む、請求項36に記載の結合剤。
【請求項38】
前記fGly部分が、前記抗体の重鎖CH2領域内に配置されている、請求項18~20のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項39】
前記fGly部分が、前記抗体の重鎖CH3領域内に配置されている、請求項18~20のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項40】
前記結合剤が、前記fGly部分を介して前記抗体に共有結合された異種部分を含む、請求項17~39のいずれか一項に記載の結合剤。
【請求項41】
前記異種部分が、薬物、オリゴヌクレオチド、タンパク質、脂質ナノ粒子、ウイルス粒子、毒素、検出可能な標識、水溶性ポリマー、又は合成ペプチドである、請求項40に記載の結合剤。
【請求項42】
請求項1~41のいずれか一項に記載の結合剤の可変重(VH)鎖、可変軽鎖(VL)、又はその両方をコードする核酸。
【請求項43】
前記結合剤が、一本鎖抗体であり、前記核酸が、前記一本鎖抗体をコードする、請求項42に記載の核酸。
【請求項44】
前記一本鎖抗体が、scFvである、請求項43に記載の核酸。
【請求項45】
請求項42~44のいずれか一項に記載の核酸を含む組換え発現ベクターであって、前記核酸が、真核細胞内で活性である転写制御エレメントに作動可能に連結されている、組換え発現ベクター。
【請求項46】
請求項42~44のいずれか一項に記載の核酸又は請求項45に記載の発現ベクターを含む、細胞。
【請求項47】
前記核酸が、前記結合剤の前記VH鎖及び前記VL鎖をコードする、請求項42に記載の細胞。
【請求項48】
前記結合剤が、一本鎖抗体であり、前記核酸が、前記一本鎖抗体をコードする、請求項47に記載の細胞。
【請求項49】
前記一本鎖抗体が、scFvである、請求項4に記載の細胞。
【請求項50】
細胞であって、
結合剤のVH鎖をコードする第1の核酸と、
前記結合剤のVL鎖をコードする第2の核酸と、を含み、
前記VH鎖及び前記VL鎖が、請求項1~41のいずれか一項に記載の結合剤を生成する、細胞。
【請求項51】
前記第1の核酸を含む第1の発現ベクターと、
前記第2の核酸を含む第2の発現ベクターと、を含む、請求項50に記載の細胞。
【請求項52】
融合タンパク質であって、
異種アミノ酸配列に融合した、請求項1~41のいずれか一項に記載の結合剤のVH鎖、VL鎖、又はその両方を含む、融合タンパク質。
【請求項53】
コンジュゲートであって、
請求項1~41のいずれか一項に記載の結合剤と、
前記結合剤にコンジュゲートされた薬剤と、を含む、コンジュゲート。
【請求項54】
前記薬剤が、半減期延長部分、標識剤、及び薬物からなる群から選択される、請求項53に記載のコンジュゲート。
【請求項55】
前記コンジュゲートが、式(I):
【化1】
のコンジュゲートであり、
式中、
Zが、CR又はNであり、
が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
及びRが、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRが任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成し、
各Rが、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
Lが、リンカーであり、
が、薬物であり、
が、前記結合剤である、請求項54に記載のコンジュゲート。
【請求項56】
Lが、
-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V
を含み、
式中、
a、b、c、d、e、及びfが、各々独立して、0又は1であり、a、b、c、d、e、及びfの合計は、1~6であり、
、T、T、T、T、及びTが、各々独立して、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、パラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)、アセタール、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから選択され、EDAが、エチレンジアミン部分であり、PEGが、ポリエチレングリコールであり、AAが、アミノ酸残基又はアミノ酸類似体であり、各wが、1~20の整数であり、各nが、1~30の整数であり、各pが、1~20の整数であり、各mが、1~12の整数であり、
、V、V、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-からなる群から選択され、各qが、1~6の整数であり、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される、請求項55に記載のコンジュゲート。
【請求項57】
が、(C-C12)アルキル及び置換(C-C12)アルキルから選択され、
、T、T、T、及びTが、各々独立して、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、PHP、アセタール基、ヒドラジン、及びエステルから選択され、
、V、V、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-からなる群から選択され、
(PEG)が、
【化2】
であり、式中、nが、1~30の整数であり、
EDAは、以下の構造:
【化3】
を有するエチレンジアミン部分であり、式中、yが、1~6の整数であり、rが、0又は1であり、
4-アミノ-ピペリジン(4AP)が、
【化4】
であり、
各R12が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アリール、及び置換アリールから選択され、任意の2つの隣接するR12基が、環状に連結され、ピペラジニル環を形成してもよい、請求項56に記載のコンジュゲート。
【請求項58】
MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPが各々、任意選択的にグリコシドで置換されている、請求項56又は57に記載のコンジュゲート。
【請求項59】
前記グリコシドが、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される、請求項58に記載のコンジュゲート。
【請求項60】
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
が、アミノ酸類似体であり、Vが、-NH-であり、
が、(PEG)であり、Vが、-CO-であり、
が、AAであり、Vが、存在せず、
が、PABCであり、Vが、存在せず、
fが、0である、請求項56~59のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項61】
前記薬物が、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)である、請求項55~60のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項62】
前記コンジュゲートが、以下の構造:
【化5】
を有する、請求項55~61のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項63】
前記コンジュゲートが、式(Ia):
【化6】
のコンジュゲートであり、
式中、
Zが、CR又はNであり、
が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
及びRが、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRが任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成し、
各Rが、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
Lが、-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-を含むリンカーであり、式中、a、b、c及びdが、各々独立して、0又は1であり、a、b、c及びdの合計が、1~4であり、
、T、T及びTが、各々独立して、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、ピペリジン-4-アミノ(4AP)、アセタール基、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから選択され、式中、EDAが、エチレンジアミン部分であり、PEGが、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコールであり、AAが、アミノ酸残基であり、式中、wが、1~20の整数であり、nが、1~30の整数であり、pが、1~20の整数であり、hが、1~12の整数であり、
、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-及び-P(O)OH-からなる群から選択され、式中、qが、1~6の整数であり、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
が、薬物であり、
が、前記結合剤である、請求項54に記載のコンジュゲート。
【請求項64】
が、(C-C12)アルキル及び置換(C-C12)アルキルから選択され、
、T及びTが、各々独立して、(EDA)、(PEG)、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、アセタール基、ヒドラジン、及びエステルから選択され、
、V、V及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-からなる群から選択され、
(PEG)が、
【化7】
であり、式中、nが、1~30の整数であり、
EDAは、以下の構造:
【化8】
を有するエチレンジアミン部分であり、式中、yが、1~6の整数であり、rが、0又は1であり、
4-アミノ-ピペリジン(4AP)が、
【化9】
であり、
各R12及びR15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アリール、及び置換アリールから選択され、任意の2つの隣接するR12基が、環状に連結して、ピペラジニル環を形成してもよく、
13が、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される、請求項63に記載のコンジュゲート。
【請求項65】
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、Tが、4APであり、Vが、-CO-であり、Tが、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、Tが、存在せず、Vが、存在しない、請求項63又は64に記載のコンジュゲート。
【請求項66】
前記リンカーLが、以下の構造:
【化10】
を含み、
式中、
各fが、独立して、1~12の整数であり、
nが、1~30の整数である、請求項63~65のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項67】
前記コンジュゲートが、式(II):
【化11】
のコンジュゲートであり、
式中、
、Z、Z及びZが、各々独立して、CR24、N及びC-L-W12から選択され、少なくとも1つのZ、Z、Z及びZが、C-L-W12であり、
21が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
22及びR23が、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR22及びR23が任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成し、
各R24が、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
が、第1のリンカーであり、
が、第2のリンカーであり、
11が、第1の薬物であり、
12が、第2の薬物であり、
13が、前記結合剤である、請求項54に記載のコンジュゲート。
【請求項68】
が、CR24である、請求項67に記載のコンジュゲート。
【請求項69】
が、Nである、請求項67に記載のコンジュゲート。
【請求項70】
が、C-L-W12である、請求項67に記載のコンジュゲート。
【請求項71】
が、
-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V
を含み、
式中、
a、b、c、d、e、及びfが、各々独立して、0又は1であり、
、T、T、T、T、及びTが、各々独立して、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、パラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)、アセタール基、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから選択され、EDAが、エチレンジアミン部分であり、PEGが、ポリエチレングリコールであり、AAが、アミノ酸残基又はアミノ酸類似体であり、各wが、1~20の整数であり、各nが、1~30の整数であり、各pが、1~20の整数であり、各xが、1~12の整数であり、
、V、V、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-からなる群から選択され、各qが、1~6の整数であり、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される、請求項67~70のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項72】
MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPが各々、任意選択的にグリコシドで置換されている、請求項61に記載のコンジュゲート。
【請求項73】
前記グリコシドが、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される、請求項72に記載のコンジュゲート。
【請求項74】
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CONH-であり、
が、置換(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
が、AAであり、Vが、存在せず、
が、PABCであり、Vが、存在せず、
e及びfが、各々0である、請求項67~73のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項75】
が、
-(T-V-(T-V-(T-V-(T10-V10-(T11-V11-(T12-V12-(T13-V13-を含み、
式中、
g、h、i、j、k、l、及びmが、各々独立して、0又は1であり、
、T、T、T10、T11、T12、及びT13が、各々独立して、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、パラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)、アセタール基、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから選択され、EDAが、エチレンジアミン部分であり、PEGが、ポリエチレングリコールであり、AAが、アミノ酸残基又はアミノ酸類似体であり、各wが、1~20の整数であり、各nが、1~30の整数であり、各pが、1~20の整数であり、各xが、1~12の整数であり、
、V、V、V10、V11、V12及びV13が、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-及び-P(O)OH-からなる群から選択され、各qが、1~6の整数であり、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される、請求項67~74のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項76】
MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPが各々、任意選択的にグリコシドで置換されている、請求項71に記載のコンジュゲート。
【請求項77】
前記グリコシドが、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される、請求項75又は76に記載のコンジュゲート。
【請求項78】
が、存在せず、Vが、-NHCO-であり、
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CONH-であり、
が、置換(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
10が、AAであり、V10が、存在せず、
11が、PABCであり、V11が、存在せず、
l及びmが、各々0である、請求項75~77のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項79】
前記コンジュゲートが、以下の構造:
【化12】
を有する、請求項67に記載のコンジュゲート。
【請求項80】
薬学的組成物であって、
a)請求項1~41のいずれか一項に記載の結合剤と、
b)薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物。
【請求項81】
薬学的組成物であって、
a)請求項52に記載の融合タンパク質と、
b)薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物。
【請求項82】
薬学的組成物であって、
a)請求項53~79のいずれか一項に記載のコンジュゲートと、
b)薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物。
【請求項83】
対象における細胞増殖性障害を治療する方法であって、前記方法が、
細胞増殖性障害を有する対象に、治療有効量の請求項80~82のいずれか一項に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月25日に出願された米国仮特許出願第63/236,928号に対する優先権の利益を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
電子的に提出された資料の参照による組み込み
配列表は、2022年8月24日に作成され、150KBのサイズを有するSequence Listing XML「RDWD-043WO_SEQ_LIST」として本明細書と共に提供される。Sequence Listing XMLの内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
序論
抗体生物学的製剤は、臨床的にますます普及しつつあり、したがって、いくつかの疾患を治療するための有望なクラスの薬物を提示し、がんは、抗体による治療のための特に重要な標的である。例えば、CD30に対する抗体、すなわちブレンツキシマブは、化学療法と併用して、以前に治療されていないステージIII又はIVの古典的ホジキンリンパ腫(cHL)を有する成人患者の治療に使用される。
【0004】
がんなどの慢性疾患を治療するためには、典型的には、数ヶ月又は数年にわたって抗体などの生物学的なものの投与を繰り返す必要がある。しかしながら、患者の免疫系は、投与された抗体に対して指向される自身の抗体を生成する場合があり、それによって、望ましくない免疫応答を誘導し、抗体薬物の有効性を低下させ、臨床的合併症を提示する場合がある。
【0005】
したがって、抗体などの治療薬は、ヒトに投与されたときに免疫応答を誘導しないことが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、特に、結合剤の抗原結合部分のフレームワーク領域における、ヒト化アミノ酸配列を含む結合剤を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、CD30などの標的に特異的に結合する抗体であって、本抗体が、特に、抗体などの結合剤の可変重(VH)鎖及び可変軽(VL)鎖のフレームワーク領域における、ヒト化アミノ酸配列を含む、抗体を提供する。
【0007】
本開示の特定の実施形態は、抗原に特異的に結合する結合剤であって、結合剤が、
H-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、L-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含み、CDRが、抗原に対する結合剤の結合特異性を決定し、結合剤において、
VH鎖が、
i)配列番号7の配列を有する重鎖フレームワーク領域1(HFR1)、配列番号8の配列を有する重鎖フレームワーク領域2(HFR2)、配列番号9の配列を有する重鎖フレームワーク領域3(HFR3)、及び配列番号10の配列を有する重鎖フレームワーク領域4(HFR4)、又は
ii)配列番号12の配列を有するHFR1、配列番号13の配列を有するHFR2、配列番号14の配列を有するHFR3、及び配列番号15の配列を有するHFR4を含み、
VL鎖が、
i)配列番号22の配列を有する軽鎖フレームワーク領域1(LFR1)、配列番号23の配列を有する軽鎖フレームワーク領域2(LFR2)、配列番号24の配列を有する軽鎖フレームワーク領域3(LFR3)、及び配列番号25の配列を有する軽鎖フレームワーク領域4(LFR4)、又は
ii)配列番号27の配列を有するLFR1、配列番号28の配列を有するLFR2、配列番号29の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4を含む、結合剤を提供する。
【0008】
いくつかの場合において、結合剤は、CD30に特異的に結合し、それぞれ、配列番号31~33の配列を有するH-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、それぞれ、配列番号34~36の配列を有するL-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含む。
【0009】
特定のそのような実施形態において、結合剤は、i)配列番号6及び配列番号11から選択される配列を含むVH鎖と、ii)配列番号21及び配列番号26から選択される配列を含むVL鎖と、を含む。
【0010】
結合剤は、抗体、例えば、IgG、Fv、一本鎖抗体、scFv、Fab、F(ab’)2、又はFab’であり得る。結合剤はまた、T細胞受容体又はT細胞受容体(TCR)様抗体であり得る。
【0011】
結合剤は、検出可能な標識、非ペプチド合成ポリマー、脂質若しくは脂肪酸、造影剤、親和性ドメイン、サイトトキシン、薬物、オリゴヌクレオチド、タンパク質、脂質ナノ粒子、ウイルス粒子、水溶性ポリマー、又は合成ペプチドなどの別の部分にコンジュゲートすることができる。
【0012】
本開示の更なる実施形態は、本明細書に開示されるVH鎖及び/又はVL鎖を含む結合剤をコードする核酸を提供する。核酸は、一過性又は永久に宿主細胞中に存在し得る。例えば、宿主細胞において、VH鎖及び/又はVL鎖を含む結合剤をコードする核酸は、宿主細胞内で活性である転写制御エレメントに作動可能に連結され得る。
【0013】
本開示の更に更なる実施形態は、本明細書に開示される結合剤と、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物を提供する。
【0014】
本開示の特定の実施形態は、対象における細胞増殖性障害などの疾患を治療することを提供し、本方法は、対象に、治療有効量の本明細書に開示される結合剤を含む薬学的組成物を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本明細書に開示されるAC10抗体及びH1バリアントの重鎖フレームワーク領域1~4の配列アラインメント。
図1B】本明細書に開示されるAC10抗体及びH4バリアントの重鎖フレームワーク領域1~4の配列アラインメント。
図1C】本明細書に開示されるAC10抗体及びL2バリアントの軽鎖フレームワーク領域1~4の配列アラインメント。
図1D】本明細書に開示されるAC10抗体及びL4バリアントの重鎖フレームワーク領域1~4の配列アラインメント。
図2A】HIPS媒介性コンジュゲート化を使用した、アルデヒドタグ化抗体の産生及びADCの生成。ホルミルグリシン認識配列(CXPXR)は、抗体に遺伝的にコードされる。
図2B】HIPS媒介性コンジュゲート化を使用した、アルデヒドタグ化抗体の産生及びADCの生成。共翻訳的にホルミルグリシンを生成する酵素は、認識配列内のシステインを、ヒドラジノ-イソ-ピクテット-スペングラー(HIPS)コンジュゲート化エレメントと特異的にコンジュゲートすることができるアルデヒド官能基を含有するホルミルグリシン残基に変換する。
図2C】HIPS媒介性コンジュゲート化を使用した、アルデヒドタグ化抗体の産生及びADCの生成。ヒドラジノ-イソ-ピクテット-スペングラー(HIPS)コンジュゲート化エレメント。
図3】メイタンシンペイロード(RED-106)を有する非切断可能なリンカーにコンジュゲートされたCTタグ化H1/L1抗体は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によって決定される場合、1.88のDARをもたらす。
図4】RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H1/L1抗体は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される場合、99.2%が単量体である。
図5】RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H1/L4抗体は、HICによって決定される場合、1.91のDARをもたらす。
図6】RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H1/L4抗体は、SECによって決定される場合、99.5%が単量体である。
図7】RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H4/L2抗体は、HICによって決定される場合、1.89のDARをもたらす。
図8】RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H4/L2抗体は、SECによって決定される場合、99.7%が単量体である。
図9】RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H4/L4抗体は、HICによって決定される場合、1.90のDARをもたらす。
図10】RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H4/L4抗体は、SECによって決定される場合、99.5%が単量体である。
図11】組換えヒトCD30タンパク質に対するヒト化抗CD30抗体のELISA結合。H1重鎖バリアントとL1~L5軽鎖との様々な組み合わせを含む抗体バリアントを試験した。キメラ抗体(H/L)は、参照のために含まれる。
図12】組換えヒトCD30タンパク質に対するヒト化抗CD30抗体のELISA結合。H4重鎖バリアントとL1~L5軽鎖との様々な組み合わせを含む抗体バリアントを試験した。キメラ抗体(H/L)は、参照のために含まれる。
図13】H1重鎖バリアントとL1~L5軽鎖バリアントとの様々な組み合わせを含む、メイタンシンコンジュゲートヒト化抗CD30 ADCのSU-DHL-1細胞に対するインビトロ効力。キメラ抗体(H/L)により作製されたADCは、参照のために含まれる。
図14】H1重鎖バリアントとL1~L5軽鎖バリアントとの様々な組み合わせを含む、メイタンシンコンジュゲートヒト化抗CD30 ADCのL540細胞に対するインビトロ効力。キメラ抗体(H/L)により作製されたADCは、参照のために含まれる。
図15】H4重鎖バリアントとL1~L5軽鎖バリアントとの様々な組み合わせを含む、メイタンシンコンジュゲートヒト化抗CD30 ADCのSU-DHL-1細胞に対するインビトロ効力。キメラ抗体(H/L)により作製されたADCは、参照のために含まれる。
図16】H4重鎖バリアントとL1~L5軽鎖バリアントとの様々な組み合わせを含む、メイタンシンコンジュゲートヒト化抗CD30 ADCのL540細胞に対するインビトロ効力。キメラ抗体(H/L)により作製されたADCは、参照のために含まれる。
図17】VH1/VL4、VH4/VL2、及びVH4/VL4バリアントを含むメイタンシンコンジュゲートヒト化抗CD30 ADCのHuT102異種移植片に対するインビボ有効性。VH4/VL4バリアントを、DAR4及びDAR2組成物として両方とも試験した。1回の10mg/kg用量のADCを0日目に投与した。
図18】列挙された抗CD30 ADCを0日目に単回静脈内投与したL-82異種移植片試験のグラフを示す。VH4/VL4化合物8(RED-601)は、内部91Nタグを使用し、アドセトリスと比較して、ペイロード用量の半分を送達する。50%のADC投薬(1.5mg/kg)及び等しい投薬(3mg/kg)では、VH4/VL4化合物8は、アドセトリスと比較して等しく有効であり、全てのアームは、8匹のマウス/群のうち8匹の完全奏効を示している。VH4/VL4抗体単独では、最小限の活性を有していた。
図19】列挙された抗CD30 ADCを0日目に単回静脈内投与したKarpas299異種移植片試験のグラフを示す。VH4/VL4化合物8(RED-601)は、内部91Nタグを使用し、アドセトリスと比較して、ペイロード用量の半分を送達する。50%のADC投薬(1.5mg/kg)及び等しい投薬(3mg/kg)で、VH4/VL4化合物8は、アドセトリスと比較して5/6及び6/6の完全奏効をもたらしたが、アドセトリスは、VH4/VL4化合物8と比較して2倍のペイロード量で6/6の完全奏効をもたらした。VH4/VL4抗体単独では、最小限の活性を有していた。
図20】91Nにおいて化合物8(RED-601)にコンジュゲートされた単一タグ化CD30 VH4/VL4抗体は、PLRPによって決定される場合、1.58のDARをもたらす。
図21】91Nにおいて化合物8(RED-601)にコンジュゲートされた単一タグ化CD30 VH4/VL4抗体は、SECによって決定される場合、98%が単量体である。
【0016】
定義
「結合剤」という用語は、可変重(VH)鎖及び可変軽(VL)鎖を含むタンパク質を指す。各VH鎖及びVL鎖は、相補性決定領域(CDR)によって中断されるフレームワーク(FR)領域を含む。典型的には、VH鎖は、連続的に配置されたHFR1-HCDR1-HFR2-HCDR2-HFR3-HCDR3-HFR4を含む。同様に、VL鎖は、典型的には、連続的に配置されたLFR1-LCDR1-LFR2-LCDR2-LFR3-LCDR3-LFR4を含む。したがって、「フレームワーク」という用語は、抗体などの結合剤に関して使用される場合、結合剤の可変領域内のCDRの外側のアミノ酸残基を意味することが意図される。
【0017】
「抗体」及び「免疫グロブリン」という用語は、任意のアイソタイプ(例えば、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)、IgE、IgD、IgA、IgMなど)、全抗体(例えば、重鎖及び軽鎖ポリペプチドの2つの二量体から構成される四量体から構成される抗体)、一本鎖抗体(例えば、scFv)、Fab、Fv、scFv、及びFd断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体、及び抗体及び非抗体タンパク質の抗原結合部分を含む融合タンパク質を含むがこれらに限定されない、抗原への特異的結合を保持する抗体の断片(例えば、全鎖抗体又は一本鎖抗体の断片)の抗体又は免疫グロブリンを含む。抗体は、例えば、放射性同位体、検出可能な生成物を生成する酵素、蛍光タンパク質などで検出可能に標識され得る。抗体は、他の部分、例えば、特異的結合対のメンバー、例えば、ビオチン(ビオチン-アビジン特異的結合対のメンバー)などに更にコンジュゲートされ得る。抗体はまた、限定されないが、ポリスチレンプレート又はビーズなどを含む固体支持体に結合してもよい。また、本用語に包含されるのは、Fab’、Fv、F(ab’)、及び/又は抗原への特異的結合を保持する他の抗体断片、並びにモノクローナル抗体である。抗体は、一価又は二価であり得る。
「抗体断片」は、インタクト抗体の一部分、好ましくはインタクト抗体の抗原結合領域又は可変領域を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片、ダイアボディ、線形抗体(Zapata et al.,Protein Eng.8(10):1057-1062(1995))、一本鎖抗体分子、及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる、各々が単一の抗原結合部位を有する2つの同一の抗原結合断片と、容易に結晶化する能力を反映する名称である残留「Fc」断片とを生成する。ペプシン処理は、2つの抗原組み合わせ部位を有し、なおも抗原を架橋することができるF(ab’)断片を生成する。
【0018】
いくつかの実施形態において、主題の結合剤は、組換え若しくは修飾された結合剤、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫化抗体、又はインビトロで生成された抗体である。本明細書で使用される場合、「組換え」又は「修飾」結合剤又は抗体という用語は、組換え手段によって調製され、発現され、作製されるか、又は単離される全ての結合剤、例えば、(i)宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体、(ii)組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリから単離された抗体、(iii)ヒト免疫グロブリン遺伝子にトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体、あるいは(iv)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列からの他のDNA配列へのスプライシングを伴う任意の他の手段によって調製され、発現され、作製されるか、又は単離された抗体を含むことを意図している。そのような組換え抗体は、ヒト化、CDRグラフティング、キメラ、脱免疫化、及びインビトロで生成された抗体を含み、任意選択的に、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する定常領域を含み得る。
【0019】
「Fv」は、完全な抗原認識部位及び結合部位を含む最小抗体断片である。この領域は、非共有結合性会合における1つの重鎖可変ドメイン及び1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。この構造においては、各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、VH-VL二量体の表面上の抗原結合部位を規定する。まとめると、6つのCDRは、抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、抗原を認識し、それに結合する能力を有するが、それは結合部位全体よりも低い親和性である。
【0020】
「Fab」断片はまた、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH)を含有する。Fab断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含む重鎖CHドメインのカルボキシル末端での数個の残基の付加により、Fab’断片とは異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を有するFab’の本明細書における名称である。F(ab’)抗体断片は、元々、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として生成された。抗体断片の他の化学結合もまた既知である。
【0021】
任意の脊椎動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる2つの明確に異なるタイプのうちの1つに割り当てることができる。それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスに割り当てられ得る。免疫グロブリンには、5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMが存在し、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2に更に分けられ得る。
【0022】
「一本鎖Fv」又は「sFv」抗体断片は、抗体のVH及びVLドメインを含み、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖に存在する。いくつかの態様において、Fvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーを更に含み、それにより、sFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする。
【0023】
「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体断片を指し、その断片は、同じポリペプチド鎖(V-V)内の軽鎖可変ドメイン(V)に結合された重鎖可変ドメイン(V)を含む。同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、これらのドメインは、別の鎖の相補的なドメインと対合し、2つの抗原結合部位を作成するように強制される。
【0024】
「結合」という用語は、例えば、塩架橋及び水架橋などの相互作用を含む、共有結合、静電結合、疎水性結合、及びイオン性結合及び/又は水素結合の相互作用に起因する、2つの分子間の直接会合を指す。主題の抗CD30抗体は、CD30タンパク質、例えば、ヒトCD30タンパク質、例えば、グリコシル化CD30又はその断片内のエピトープに特異的に結合する。非特異的結合は、約10-7M未満の親和性を有する結合、例えば、10-6M、10-5M、10-4Mなどの親和性を有する結合を指す。
【0025】
抗体及び抗原の文脈において「特異的に結合する」という用語は、抗体が、例えば、約10-1以上の親和性又はK(すなわち、1/Mの単位での特定の結合相互作用の平衡会合定数)を有する抗原に結合するか、又はその抗原と会合することを意味する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「CDR」又は「相補性決定領域」という用語は、重鎖及び軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域内に見られる非連続的抗原組み合わせ部位を意味することが意図される。CDRは、Kabat et al.,J.Biol.Chem.252:6609-6616(1977)、Kabat et al.,U.S.Dept.of Health and Human Services,“Sequences of proteins of immunological interest”(1991)によって、Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)、及びMacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732-745(1996)によって説明されており、その定義は、互いに比較された場合にアミノ酸残基の重複又はサブセットを含む。それにもかかわらず、抗体又は移植抗体又はそのバリアントのCDRを指すためのいずれかの定義の適用は、本明細書で定義及び使用される用語の範囲内であることが意図される。上で引用された参考文献の各々によって定義されるCDRを包含するアミノ酸残基を、比較として以下の表1に記載する。
【表1】
【0027】
本開示全体を通して、免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖内の残基の付番は、Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)に記載されており、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。また、本開示に参照されるフレームワーク領域及びCDRは、Chothia et al.によって記載される通りである。
【0028】
免疫グロブリンポリペプチドの文脈において、「定常領域」という用語は、当該技術分野で十分に理解されており、Ig重鎖又はIg軽鎖のC末端領域を指す。Ig重鎖定常領域は、CH1ドメイン、CH2ドメイン、及びCH3ドメイン(並びに、重鎖がμ重鎖又はε重鎖である場合、CH4ドメイン)を含む。天然Ig重鎖において、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン(及び、存在する場合、CH4)ドメインは、重鎖可変(VH)領域の直後(これに対してC末端)で開始し、かつ各々約100アミノ酸~約130アミノ酸長である。天然Ig軽鎖において、定常領域は、軽鎖可変(VL)領域の直後(これに対してC末端)で開始し、約100アミノ酸~約120アミノ酸長である。
【0029】
「エピトープ」は、抗体が結合する抗原上の部位(例えば、CD30上の部位)である。エピトープは、タンパク質の折り畳み(例えば、三次折り畳み)によって並置された連続アミノ酸又は非連続アミノ酸の両方から形成することができる。連続するアミノ酸から形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒への曝露時に保持されるが、折り畳みによって形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒での処理時に失われる。エピトープは、典型的には、少なくとも3個、更に通常には、少なくとも5個又は8~10個のアミノ酸を線形又は空間コンフォメーションで含む。エピトープの空間コンフォメーションを決定する方法には、例えば、X線結晶学及び二次元核磁気共鳴が含まれる。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66,Glenn E.Morris,Ed(1996)を参照されたい。いくつかの商業的研究所は、エピトープマッピングサービスを提供している。膜関連抗原と免疫反応性の抗体によって結合されたエピトープは、細胞の表面上(例えば、膜貫通タンパク質の細胞外領域内)に存在し得るため、そのようなエピトープは、細胞表面に接近可能である、溶媒に接近可能である、及び/又は細胞表面が露出しているとみなされる。
【0030】
ポリペプチド、ペプチド、又はタンパク質のアミノ酸配列に関して使用される「遺伝子的にコード可能な」とは、アミノ酸配列が、そのアミノ酸配列をコードする核酸の転写及び翻訳によって産生することができるアミノ酸残基で構成され、転写及び/又は翻訳が、細胞中、又は無細胞インビトロ転写/翻訳系において生じ得ることを意味する。
【0031】
「制御配列」という用語は、特定の発現系、例えば、哺乳類細胞、細菌細胞、無細胞合成などにおいて作動可能に連結されたコード配列の発現を容易にするDNA配列を指す。原核生物系に好適な制御配列は、例えば、プロモーター、任意選択によりオペレーター配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核細胞系は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサーを利用し得る。
【0032】
核酸は、別の核酸配列と機能的関係に置かれた場合、「作動可能に連結される」。例えば、前配列又は分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与する前タンパク質として発現される場合、ポリペプチドのDNAに作動可能に連結され、プロモーター若しくはエンハンサーが、配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に連結され、又はリボソーム結合部位は、翻訳の開始を促進するように配置される場合、コード配列に作動可能に連結される。一般に、「作動可能に連結された」とは、連結されているDNA配列が連続しており、分泌リーダーの場合、連続しており、リーディングフレームにあることを意味する。連結は、ライゲーションによって、又は増幅反応によって達成される。合成オリゴヌクレオチドアダプタ又はリンカーは、従来の慣行に従って配列を連結するために使用され得る。
【0033】
特定の実施形態において、本明細書に開示される抗体分子は、本明細書に提供される可変重鎖領域を含む重鎖と、UniProt:P01857-1,version 1に示されるアミノ酸配列配列を有するヒトIgG1定常領域と、を含む。特定の実施形態において、本明細書に開示される抗体分子は、本明細書に提供される可変軽鎖領域及びヒト軽鎖定常領域を含む軽鎖を含む。特定の実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、UniProtKB/Swiss-Prot:P01834.2に示されるアミノ酸を有するヒトカッパ軽鎖定常領域である。特定の実施形態において、対象の抗体に存在するヒトIgG1重鎖定常領域は、変異、例えば、Fc機能を調節するための置換を含んでもよい。例えば、LALAPGエフェクター機能変異(L234A、L235A、及びP329G)又はN297A変異を導入して、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を低減し得る。置換の付番は、EU付番システムに基づく。「EU付番システム」又は「EUインデックス」は、一般に、免疫グロブリン重鎖定常領域内の残基を参照するときに使用される(例えば、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991)で報告されたEUインデックス)。「KabatにおけるようなEUインデックス」は、ヒトIgG 1 EU抗体の残基の付番を指す。
【0034】
「キメラ結合剤」という用語は、軽鎖及び重鎖遺伝子が、異なる種に属している可変領域及び定常領域遺伝子から、典型的には遺伝子操作によって構築されている結合剤を指す。例えば、マウスからの遺伝子の可変セグメントは、ヒト定常セグメントに結合され得る。「キメラ結合剤」の一例は、キメラ抗体又はキメラTCR様抗体である。TCR様抗体の特定の態様は、He et al.(2019),J Hematol Oncol.;12(1):99によって記載されている。
【0035】
「キメラ抗体」という用語は、軽鎖及び重鎖遺伝子が、異なる種に属している抗体可変領域及び定常領域遺伝子から、典型的には遺伝子操作によって構築されている抗体を指す。例えば、マウスモノクローナル抗体からの遺伝子の可変セグメントは、ガンマ1及びガンマ3などのヒト定常セグメントに結合され得る。治療用キメラ抗体の一例は、マウス抗体由来の可変ドメイン又は抗原結合ドメインと、ヒト抗体由来の定常ドメイン又はエフェクタードメインとで構成されたハイブリッドタンパク質であるが、他の哺乳類種由来のドメインも使用され得る。
【0036】
「ヒト化抗体」という用語は、ヒトにおいて天然に産生された抗体との類似性を増加させるようにタンパク質配列が修飾されている非ヒト種由来の抗体を指す。ヒト化抗体は、ヒトに投与された場合、これらの抗体に対する免疫応答を誘導しないか、又は対応する非ヒト抗体の投与と比較してはるかに弱い免疫応答を誘導する。ヒト化抗体は、元の非ヒト抗体を上回る、以下の少なくとも3つの利点を有する:(マウスIg定常領域に対して免疫応答の多くが生じるため)抗体の免疫原性が低下する、ヒト定常領域は、ヒトエフェクター機能が生じることを可能にする、及びヒトにおけるヒト化抗体の血清半減期が有意に増加する。
【0037】
本明細書に開示される結合剤はまた、結合パートナー、例えば、特定又は精製に有用な、固体支持体上に固定化されたものなどと相互作用し得るペプチド配列を含む親和性ドメインも含み得る。ヒスチジンなどの連続した単一のアミノ酸は、タンパク質に融合すると、ニッケルセファロースなどの樹脂カラムに高親和性で結合することによって、融合タンパク質のワンステップ精製に使用することができる。親和性ドメインの例としては、His5(HHHHH)(配列番号177)、His X6(HHHHHH)(配列番号178)、C-myc(EQKLISEEDL)(配列番号179)、Flag(DYKDDDDK)(配列番号180)、StrepTag(WSHPQFEK)(配列番号181)、ヘマグルチニン、例えば、HAタグ(YPYDVPDYA、配列番号182)、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、RYIRS(配列番号183)、Phe-His-His-Thr(配列番号184)、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、SH2ドメイン、C末端RNAタグ、WEAAAREACCRECCARA(配列番号185)、金属結合ドメイン、例えば、亜鉛結合ドメイン又はカルシウム結合ドメイン、例えば、カルシウム結合タンパク質由来のもの、例えば、カルモジュリン、トロポニンC、カルシニューリンB、ミオシン軽鎖、リカバリン、S-モジュリン、ビシニン、VILIP、ニューロカルシン、ヒポカルシン、フリクエニン、カルトラクチン、カルパイン大ユニット、S100タンパク質、パルブアルブミン、カルビンジンD9K、カルビンジンD28K、及びカルレチニン、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン、MyoD、ロイシンジッパー配列、及びマルトース結合タンパク質が挙げられる。
【0038】
「天然アミノ酸配列」又は「親アミノ酸配列」は、本明細書で交換可能に使用され、修飾アミノ酸残基を含むような修飾の前のポリペプチドのアミノ酸配列を指す。本開示では、「天然アミノ酸配列」又は「親アミノ酸配列」は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0123536号に記載されているような抗CD30抗体AC10に見出される配列を指す。特に、AC10抗体のVH鎖及びVL鎖における様々なドメインのアミノ酸配列は、以下の表(表2)に示されている。
【表2】
【0039】
「コンジュゲートされた」という用語は、一般に、目的の1つの分子を目的の第2の分子と近位に会合させる、共有結合又は非共有結合、通常は共有結合のいずれかの化学結合を指す。いくつかの実施形態において、薬剤は、半減期延長部分、標識剤、及び薬物から選択される。半減期延長に関して、例えば、本開示の抗体は、任意選択的に、(例えば、PEG化、ハイパーグリコシル化などによって)改善された薬物動態プロファイルを提供するように修飾され得る。血清半減期を向上させることができる修飾は、目的のものである。
【0040】
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する」などの用語は、望ましい薬理学的効果及び/又は生理学的効果を得ることを指す。効果は、疾患若しくはその症状を完全に若しくは部分的に予防する点で予防的であり得、かつ/又は疾患及び/若しくは疾患に起因する副作用の部分的若しくは完全な治癒の点で治療的であり得る。本明細書で使用される場合、「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療を網羅し、(a)疾患の素因があり得るが、まだそれを有すると診断されていない対象において疾患が発生することを防止することと、(b)疾患を阻害すること、すなわち、その発症を阻止することと、(c)疾患を軽減すること、すなわち、疾患の退行を引き起こすことと、を含む。
【0041】
「個体」、「対象」、「宿主」、及び「患者」という用語は、本明細書において互換的に使用され、マウス(ラット、マウス)、非ヒト霊長類、ヒト、イヌ、ネコ、有蹄動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ)を含むが、これらに限定されない哺乳動物を指す。
【0042】
「治療有効量」又は「有効量」は、疾患を治療するために哺乳動物又は他の対象に投与される場合、疾患に対するそのような治療をもたらすのに十分である、抗体、例えば、抗CD30抗体などの主題の結合剤の量を指す。「治療有効量」は、抗体、疾患及びその重症度、並びに治療する対象の年齢、体重などに応じて異なるであろう。
【0043】
「アルキル」は、1~10個の炭素原子、例えば1~6個の炭素原子、又は1~5個、又は1~4個、又は1~3個の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例として、メチル(CH-)、エチル(CHCH-)、n-プロピル(CHCHCH-)、イソプロピル((CHCH-)、n-ブチル(CHCHCHCH-)、イソブチル((CHCHCH-)、sec-ブチル((CH)(CHCH)CH-)、t-ブチル((CHC-)、n-ペンチル(CHCHCHCHCH-)、及びネオペンチル((CHCCH-)などの直鎖及び分岐鎖ヒドロカルビル基を含む。
【0044】
「置換アルキル」という用語は、本明細書で定義されるアルキル基を指し、アルキル鎖の1つ以上の炭素原子(C炭素原子を除く)が、任意選択的に、-O-、-N-、-S-、-S(O)-(式中、nが、0~2である)、-NR-(式中、Rが、水素又はアルキルである)などのヘテロ原子で置き換えられ、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、及び-NRからなる群から選択される1~5個の置換基を有し、R’及びR”が、同じでも異なっていてもよく、水素、任意選択的に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び複素環式から選択される。
【0045】
「アルキレン」は、好ましくは、直鎖又は分岐鎖のいずれかである1~6個、より好ましくは1~3個の炭素原子を有し、任意選択的に-O-、-NR10-、-NR10C(O)-、-C(O)NR10-などから選択される1つ以上の基で中断されている、二価脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例として、メチレン(-CH-)、エチレン(-CHCH-)、n-プロピレン(-CHCHCH-)、イソプロピレン(-CHCH(CH)-)、(-C(CHCHCH-)、(-C(CHCHC(O)-)、(-C(CHCHC(O)NH-)、(-CH(CH)CH-)などを含む。
【0046】
「置換アルキレン」は、以下の「置換」の定義において炭素について記載されているように、置換基で置き換えられた1~3個の水素を有するアルキレン基を指す。
【0047】
「アルカン」という用語は、本明細書で定義されるアルキル基及びアルキレン基を指す。
【0048】
「アルキルアミノアルキル」、「アルキルアミノアルケニル」、及び「アルキルアミノアルキニル」という用語は、RNHR-基を指し、式中、Rは本明細書で定義されるアルキル基であり、Rは本明細書で定義されるアルキレン、アルケニレン又はアルキニレン基である。
【0049】
「アルカリール」又は「アラルキル」という用語は、-アルキレン-アリール及び-置換アルキレン-アリール基を指し、アルキレン、置換アルキレン及びアリールは、本明細書で定義される。
【0050】
「アルコキシ」は、-O-アルキル基を指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。アルコキシは、例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシなどを含む。「アルコキシ」という用語はまた、アルケニル-O-、シクロアルキル-O-、シクロアルケニル-O-、及びアルキニル-O-基を指し、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びアルキニルは、本明細書で定義される通りである。
【0051】
「置換アルコキシ」という用語は、置換アルキル-O-、置換アルケニル-O-、置換シクロアルキル-O-、置換シクロアルケニル-O-、及び置換アルキニル-O-の基を指し、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、及び置換アルキニルが、本明細書で定義される通りである。
【0052】
「アルコキシアミノ」という用語は、-NH-アルコキシ基を指し、アルコキシは、本明細書で定義される。
【0053】
「ハロアルコキシ」という用語は、アルキル-O-基を指し、アルキル基上の1個以上の水素原子がハロ基で置換されており、例として、トリフルオロメトキシなどの基を含む。
【0054】
「ハロアルキル」という用語は、上述の置換アルキル基を指し、アルキル基上の1個以上の水素原子がハロ基で置換されている。そのような基の例としては、限定されないが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチルなどのフルオロアルキル基が挙げられる。
【0055】
「アルキルアルコキシ」という用語は、-アルキレン-O-アルキル、アルキレン-O-置換アルキル、置換アルキレン-O-アルキル、及び置換アルキレン-O-置換アルキル基を指し、アルキル、置換アルキル、アルキレン及び置換アルキレンは、本明細書で定義される通りである。
【0056】
「アルキルチオアルコキシ」という用語は、-アルキレン-S-アルキル、アルキレン-S-置換アルキル、置換アルキレン-S-アルキル、及び置換アルキレン-S-置換アルキル基を指し、アルキル、置換アルキル、アルキレン、及び置換アルキレンは、本明細書で定義される通りである。
【0057】
「アルケニル」は、2~6個の炭素原子、好ましくは2~4個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1~2個の二重結合不飽和部位を有する直鎖又は分岐鎖ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例として、ビ-ビニル、アリル、及びブタ-3-エン-1-イルを含む。この用語には、シス及びトランス異性体、又はこれらの異性体の混合物が含まれる。
【0058】
「置換アルケニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、及び-SO-ヘテロアリールから選択される1~5個の置換基、又は1~3個の置換基を有する本明細書で定義されるアルケニル基を指す。
【0059】
「アルキニル」は、2~6個の炭素原子、好ましくは2~3個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1~2個の三重結合不飽和部位を有する直鎖又は分岐鎖一価ヒドロカルビル基を指す。そのようなアルキニル基の例としては、アセチレニル(-C≡CH)、及びプロパルギル(-CHC≡CH)が挙げられる。
【0060】
「置換アルキニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、及び-SO-ヘテロアリールから選択される1~5個の置換基、又は1~3個の置換基を有する本明細書で定義されるアルキニル基を指す。
【0061】
「アルキニルオキシ」は、-O-アルキニル基を指し、アルキニルは、本明細書で定義される通りである。アルキニルオキシは、例として、エチニルオキシ、プロピニルオキシなどを含む。
【0062】
「アシル」は、H-C(O)-、アルキル-C(O)-、置換アルキル-C(O)-、アルケニル-C(O)-、置換アルケニル-C(O)-、アルキニル-C(O)-、置換アルキニル-C(O)-、シクロアルキル-C(O)-、置換シクロアルキル-C(O)-、シクロアルケニル-C(O)-、置換シクロアルケニル-C(O)-、アリール-C(O)-、置換アリール-C(O)-、ヘテロアリール-C(O)-、置換ヘテロアリール-C(O)-、ヘテロシクリル-C(O)-、及び置換ヘテロシクリル-C(O)-基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式は、本明細書で定義される通りである。例えば、アシルは、「アセチル」基CHC(O)-を含む。
【0063】
「アシルアミノ」は、-NR20C(O)アルキル、-NR20C(O)置換アルキル、NR20C(O)シクロアルキル、-NR20C(O)置換シクロアルキル、-NR20C(O)シクロアルケニル、-NR20C(O)置換シクロアルケニル、-NR20C(O)アルケニル、-NR20C(O)置換アルケニル、-NR20C(O)アルキニル、-NR20C(O)置換アルキニル、-NR20C(O)アリール、-NR20C(O)置換アリール、-NR20C(O)ヘテロアリール、-NR20C(O)置換ヘテロアリール、-NR20C(O)複素環式、及び-NR20C(O)置換複素環式の基を指し、R20は、水素又はアルキルであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式は、本明細書で定義される通りである。
【0064】
「アミノカルボニル」又は「アミノアシル」という用語は、-C(O)NR5152基を指し、R51及びR52は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式からなる群から選択され、R51及びR52は、任意選択的に、それらに結合した窒素と連結して、複素環式又は置換複素環式基を形成し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式は、本明細書で定義される通りである。
【0065】
「アミノカルボニルアミノ」は、-NR51C(O)NR5253基を指し、R51、R52、及びR53は、独立して、水素、アルキル、アリール、若しくはシクロアルキルから選択されるか、又は2つのR基が結合してヘテロシクリル基を形成する。
【0066】
「アルコキシカルボニルアミノ」という用語は、-NRC(O)OR基を指し、式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
【0067】
「アシルオキシ」という用語は、アルキル-C(O)O-、置換アルキル-C(O)O-、シクロアルキル-C(O)O-、置換シクロアルキル-C(O)O-、アリール-C(O)O-、ヘテロアリール-C(O)O-、及びヘテロシクリル-C(O)O-の基を指し、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
【0068】
「アミノスルホニル」は、-SONR5152基を指し、式中、R51及びR52は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式からなる群から選択され、R51及びR52は、任意選択により、それらに結合した窒素と結合して、複素環式又は置換複素環式基を形成し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式は、本明細書で定義される通りである。
【0069】
「スルホニルアミノ」は、-NR51SO52基を指し、式中、R51及びR52は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式からなる群から選択され、R51及びR52は、任意選択により、それらに結合した原子と結合して、複素環式又は置換複素環式基を形成し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式は、本明細書で定義される通りである。
【0070】
「アリール」又は「Ar」は、単環(例えば、フェニル基に存在する)、又は結合点が芳香環の原子を介することを条件として、縮合環が芳香族であってもよい、若しくは芳香族でなくてもよい、複数の縮合環を有する環系(そのような芳香環系の例には、ナフチル、アントリル、及びインダニルが含まれる)を有する、6~18個の炭素原子の一価芳香族炭素環式基を指す。この用語は、例として、フェニル及びナフチルを含む。アリール置換基の定義によって別段制約を受けない限り、そのようなアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオテロアリールオキシ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、及びトリハロメチルから選択される1~5個の置換基、又は1~3個の置換基で任意選択的に置換され得る。
【0071】
「アリールオキシ」は、-O-アリール基を指し、アリールは、本明細書で定義される通りであり、例として、フェノキシ、ナフトキシなどを含み、同様に本明細書で定義される任意選択的に置換されたアリール基を含む。
【0072】
「アミノ」は、-NH基を指す。
【0073】
「置換アミノ」という用語は、-NRR基を指し、式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、但し、少なくとも1つのRは水素ではないことを条件とする。
【0074】
「アジド」という用語は、-N基を指す。
【0075】
「カルボキシル」、「カルボキシ」、又は「カルボキシレート」は、-COH又はその塩を指す。
【0076】
「カルボキシルエステル」若しくは「カルボキシエステル」、又は「カルボキシアルキル」若しくは「カルボキシルアルキル」という用語は、-C(O)O-アルキル、-C(O)O-置換アルキル、-C(O)O-アルケニル、-C(O)O-置換アルケニル、-C(O)O-アルキニル、-C(O)O-置換アルキニル、-C(O)O-アリール、-C(O)O-置換アリール、-C(O)O-シクロアルキル、-C(O)O-置換シクロアルキル、-C(O)O-シクロアルケニル、-C(O)O-置換シクロアルケニル、-C(O)O-ヘテロアリール、-C(O)O-置換ヘテロアリール、-C(O)O-複素環式、及び-C(O)O-置換複素環式の基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式は、本明細書で定義される通りである。
【0077】
「(カルボキシルエステル)オキシ」又は「カーボネート」は、-O-C(O)O-アルキル、-O-C(O)O-置換アルキル、-O-C(O)O-アルケニル、-O-C(O)O-置換アルケニル、-O-C(O)O-アルキニル、-O-C(O)O-置換アルキニル、-O-C(O)O-アリール、-O-C(O)O-置換アリール、-O-C(O)O-シクロアルキル、-O-C(O)O-置換シクロアルキル、-O-C(O)O-シクロアルケニル、-O-C(O)O-置換シクロアルケニル、-O-C(O)O-ヘテロアリール、-O-C(O)O-置換ヘテロアリール、-O-C(O)O-複素環式、及び-O-C(O)O-置換複素環式の基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式は、本明細書で定義される通りである。
【0078】
「シアノ」又は「ニトリル」は、-CN基を指す。
【0079】
「シクロアルキル」は、単一の環式環、又は縮合環式環系、架橋環系、及びスピロ環系を含む複数の環式環を有する3~10個の炭素原子の環式アルキル基を指す。好適なシクロアルキル基の例は、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどを含む。そのようなシクロアルキル基は、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどの単環構造、又はアダマンタニルなどの複数の環構造を含む。
【0080】
「置換シクロアルキル」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、及び-SO-ヘテロアリールから選択される1~5つの置換基、又は1~3つの置換基を有するシクロアルキル基を指す。
【0081】
「シクロアルケニル」は、単一又は複数の環を有し、かつ少なくとも1個の二重結合、好ましくは1~2個の二重結合を有する、3~10個の炭素原子の非芳香族環状アルキル基を指す。
【0082】
「置換シクロアルケニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、及び-SO-ヘテロアリールから選択される1~5個の置換基、又は1~3個の置換基を有するシクロアルケニル基を指す。
【0083】
「シクロアルキニル」は、単一又は複数の環を有し、かつ少なくとも1個の三重結合を有する、5~10個の炭素原子の非芳香族シクロアルキル基を指す。
【0084】
「シクロアルコキシ」は、-O-シクロアルキルを指す。
【0085】
「シクロアルケニルオキシ」は、-O-シクロアルケニルを指す。
【0086】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。
【0087】
「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
【0088】
「ヘテロアリール」は、環内の1~10個の炭素原子などの1~15個の炭素原子と、酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選択される1~10個のヘテロ原子との、芳香族基を指す。そのようなヘテロアリール基は、環系内に単一の環(ピリジニル、イミダゾリル、又はフリルなど)又は(例えば、インドリジニル、キノリニル、ベンゾフラン、ベンズイミダゾリル、又はベンゾチエニルなどの基におけるような)複数の縮合環を有し得、環系内の少なくとも1つの環は、芳香族である。価数の要件を満たすために、そのようなヘテロアリール環内の任意のヘテロ原子は、H又は置換基、例えば、本明細書に記載のアルキル基若しくは他の置換基に結合していてもよく、又は結合していなくてもよい。特定の実施形態において、ヘテロアリール基の窒素環原子及び/又は硫黄環原子(複数可)は、任意選択的に酸化されて、N-オキシド(N→O)、スルフィニル、又はスルホニル部分を提供する。この用語は、例として、ピリジニル、ピロリル、インドリル、チオフェニル、及びフラニルを含む。ヘテロアリール置換基の定義によって別段制約を受けない限り、そのようなヘテロアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオテロアリールオキシ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール及び-SO-ヘテロアリール、並びにトリハロメチルから選択される1~5個の置換基、又は1~3個の置換基で任意選択的に置換され得る。
【0089】
「ヘテロアラルキル」という用語は、-アルキレン-ヘテロアリール基を指し、アルキレン及びヘテロアリールは、本明細書で定義される通りである。この用語は、例として、ピリジルメチル、ピリジルエチル、インドリルメチルなどを含む。
【0090】
「ヘテロアリールオキシ」は、-O-ヘテロアリールを指す。
【0091】
「複素環」、「複素環式」、「ヘテロシクロアルキル」、及び「ヘテロシクリル」という用語は、単環又は縮合架橋環系及びスピロ環系を含む複数の縮合環を有し、1~10個のヘテロ原子を含む3~20個の環原子を有する、飽和又は不飽和基を指す。これらの環原子は、窒素、硫黄、又は酸素から選択され、縮合環系において、環のうちの1つ以上が、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり得、但し、結合点は、非芳香環を介することを条件とする。特定の実施形態において、複素環式基の窒素原子及び/又は硫黄原子(複数可)は、任意選択的に酸化されて、N-オキシド、-S(O)-、又は-SO-部分を提供する。価数の要件を満たすために、そのような複素環式環内の任意のヘテロ原子は、1つ以上のH又は1つ以上の置換基、例えば、本明細書に記載のアルキル基若しくは他の置換基に結合してもよく、又は結合しなくてもよい。
【0092】
複素環及びヘテロアリールの例としては、限定されないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも称される)、1,1-ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが挙げられる。
【0093】
複素環式置換基の定義によって別段制約を受けない限り、そのような複素環式基は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、SO-ヘテロアリール、及び縮合複素環から選択される1~5個、又は1~3個の置換基で任意選択的に置換され得る。
【0094】
「ヘテロシクリルオキシ」は、-O-ヘテロシクリル基を指す。
【0095】
「ヘテロシクリルチオ」という用語は、複素環式-S-基を指す。
【0096】
「ヘテロシクレン」という用語は、本明細書で定義されるように、複素環から形成されるジラジカル基を指す。
【0097】
「ヒドロキシアミノ」という用語は、-NHOH基を指す。
【0098】
「ニトロ」は、-NO基を指す。
【0099】
「オキソ」は、原子(=O)を指す。
【0100】
「スルホニル」は、SO-アルキル、SO-置換アルキル、SO-アルケニル、SO-置換アルケニル、SO-シクロアルキル、SO-置換シクロアルキル、SO-シクロアルケニル、SO-置換シルコアルケニル、SO-アリール、SO-置換アリール、SO-ヘテロアリール、SO-置換ヘテロアリール、SO-複素環式、及びSO-置換複素環式の基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式は、本明細書で定義される通りである。スルホニルは、例として、メチル-SO-、フェニル-SO-、及び4-メチルフェニル-SO-を含む。
【0101】
「スルホニルオキシ」は、-OSO-アルキル、OSO-置換アルキル、OSO-アルケニル、OSO-置換アルケニル、OSO-シルコアルキル、OSO-置換シクロアルキル、OSO-シクロアルケニル、OSO-置換シルコアルケニル、OSO-アリール、OSO-置換アリール、OSO-ヘテロアリール、OSO-置換ヘテロアリール、OSO-複素環式、及びOSO-置換複素環式の基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、及び置換複素環式は、本明細書で定義される通りである。
【0102】
「アミノカルボニルオキシ」という用語は、-OC(O)NRR基を指し、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環式であり、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、及び複素環式は、本明細書で定義される通りである。
【0103】
「チオール」は、-SH基を指す。
【0104】
「チオキソ」、又は「チオケト」という用語は、原子(=S)を指す。
【0105】
「アルキルチオ」又は「チオアルコキシ」という用語は、-S-アルキル基を指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。特定の実施形態において、硫黄は、-S(O)-へと酸化され得る。スルホキシドは、1つ以上の立体異性体として存在し得る。
【0106】
「置換チオアルコキシ」という用語は、-S-置換アルキル基を指す。
【0107】
「チオアリールオキシ」という用語は、アリール-S-基を指し、アリール基は本明細書で定義される通りであり、本明細書で定義される任意選択的に置換されたアリール基を含む。
【0108】
「チオヘテロアリールオキシ」という用語は、ヘテロアリール-S-基を指し、ヘテロアリール基は本明細書で定義される通りであり、同様に本明細書で定義される任意選択的に置換されたアリール基を含む。
【0109】
「チオヘテロシクロオキシ」という用語は、ヘテロシクリル-S-基を指し、ヘテロシクリル基は本明細書で定義される通りであり、同様に本明細書で定義される任意選択的に置換されたヘテロシクリル基を含む。
【0110】
本明細書の開示に加えて、「置換された」という用語はまた、指定された基(group)又は基(radical)を修飾するために使用される場合、指定された基(group)又は基(radical)の1つ以上の水素原子が、互いに独立して、以下に定義されるのと同じ又は異なる置換基で置き換えられることを意味することができる。
【0111】
本明細書の個々の用語に関して開示される基に加えて、特定の基又はラジカル中の飽和炭素原子上の1個以上の水素を置換するための置換基(単一の炭素上の任意の2個の水素を、=O、=NR70、=N-OR70、=N、又は=Sで置き換えることができる)は、別段の指定がない限り、-R60、ハロ、=O、-OR70、-SR70、-NR8080、トリハロメチル、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO、=N、-N、-SO70、-SO、-SOOR70、-OSO70、-OSO、-OSOOR70、-P(O)(O(M、-P(O)(OR70)O、-P(O)(OR70、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-C(O)O、-C(O)OR70、-C(S)OR70、-C(O)NR8080、-C(NR70)NR8080、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OC(O)O、-OC(O)OR70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70CO 、-NR70CO70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)NR8080、-NR70C(NR70)R70、及び-NR70C(NR70)NR8080であり、R60が、任意選択的に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、各R70が、独立して、水素若しくはR60であり、各R80が、独立してR70であるか、又は代替的に、2つのR80が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5員、6員、若しくは7員のヘテロシクロアルキルを形成し、これらは、任意選択的に、O、N、及びSからなる群から選択される同じ若しくは異なる1~4個の追加のヘテロ原子を含み得、そのうち、Nが、-H若しくはC-Cアルキル置換を有していてもよく、各Mが、正味の単一正電荷を有する対イオンである。各Mは、独立して、例えば、アルカリイオン、例えば、K、Na、Li、アンモニウムイオン、例えば、N(R60、又はアルカリ土類イオン、例えば、[Ca2+0.5、[Mg2+0.5、又は[Ba2+0.5(「添え字の0.5は、かかる二価のアルカリ土類イオンの対イオンのうちの1つが、本発明の化合物のイオン化した形態であってもよく、塩化物などの他の典型的な対イオン、又は本明細書に開示される2つのイオン化した化合物が、かかる二価アルカリ土類イオンの対イオンとして機能し得るか、本発明の二重イオン化した化合物が、かかる二価アルカリ土類イオンの対イオンとして機能し得ることを意味する)であってもよい。具体的な例として、-NR8080は、-NH、-NH-アルキル、N-ピロリジニル、N-ピペラジニル、4N-メチル-ピペラジン-1-イル、及びN-モルホリニルを含むことを意味する。
【0112】
本明細書の開示に加えて、「置換」アルケン、アルキン、アリール及びヘテロアリール基中の不飽和炭素原子上の水素の置換基は、別段の指定がない限り、-R60、ハロ、-O、-OR70、-SR70、-S、-NR8080、トリハロメチル、-CF、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO、-N、-SO70、-SO 、-SO70、-OSO70、-OSO 、-OSO70、-PO -2(M、-P(O)(OR70)O、-P(O)(OR70、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-CO 、-CO70、-C(S)OR70、-C(O)NR8080、-C(NR70)NR8080、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OCO 、-OCO70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70CO 、-NR70CO70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)NR8080、-NR70C(NR70)R70及び-NR70C(NR70)NR8080であり、式中、R60、R70、R80、及びMが、既に定義されている通りであり、但し、置換アルケン又はアルキンの場合には、置換基は、-O、-OR70、-SR70、又は-Sではないことを条件とする。
【0113】
本明細書の個々の用語に関して開示される基に加えて、「置換」ヘテロアルキル及びシクロヘテロアルキル基中の窒素原子上の水素の置換基は、別段に指定されない限り、-R60、-O、-OR70、-SR70、-S、-NR8080、トリハロメチル、-CF、-CN、-NO、-NO、-S(O)70、-S(O)、-S(O)OR70、-OS(O)70、-OS(O)、-OS(O)OR70、-P(O)(O(M、-P(O)(OR70)O、-P(O)(OR70)(OR70)、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-C(O)OR70、-C(S)OR70、-C(O)NR8080、-C(NR70)NR8080、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OC(O)OR70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70C(O)OR70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)NR8080、-NR70C(NR70)R70及び-NR70C(NR70)NR8080であり、式中、R60、R70、R80及びMは、以前に定義された通りである。
【0114】
本明細書における開示に加えて、特定の実施形態において、置換される基は、1、2、3、若しくは4つの置換基、1、2、若しくは3つの置換基、1若しくは2つの置換基、又は1つの置換基を有する。
【0115】
上で定義された全ての置換された基において、それ自体に更なる置換基を有する置換基(例えば、それ自体が置換アリール基で置換されており、置換アリール基によって更に置換されている、置換基として置換アリール基を有する置換アリールなど)を定義することによって到達するポリマーは、本明細書に含まれることを意図していないことが理解される。そのような場合において、そのような置換の最大数は3である。例えば、本明細書で具体的に企図される置換アリール基の連続的な置換は、置換アリール-(置換アリール)-置換アリールに限定される。
【0116】
別段示されない限り、本明細書で明示的に定義されない置換基の命名は、結合点に向かって、官能基の末端部分に続いて隣接する官能基を命名することによって到達される。例えば、「アリールアルキルオキシカルボニル」という置換基は、基(アリール)-(アルキル)-O-C(O)-を指す。
【0117】
1つ以上の置換基を含む本明細書に開示される基のいずれかに関して、そのような基は、立体的に実施不可能であり、及び/又は合成的に実現不可能である任意の置換又は置換パターンを当然含まないことを理解されたい。加えて、対象化合物には、これらの化合物の置換から生じる全ての立体化学異性体が含まれる。
【0118】
「薬学的に許容される塩」という用語は、哺乳動物などの患者への投与に対して許容される塩(所与の投薬レジメンに対して許容される哺乳類の安全性を有する対イオンを含む塩)を意味する。そのような塩は、薬学的に許容される無機又は有機塩基、及び薬学的に許容される無機又は有機酸に由来し得る。「薬学的に許容される塩」は、化合物の薬学的に許容される塩を指し、塩が、当該技術分野で周知の多様な有機及び無機対イオンに由来し、例としてのみであるが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど、並びに、分子が塩基性官能基を含有する場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、ベシル酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機又は無機酸の塩が挙げられる。
【0119】
「その塩」という用語は、酸のプロトンが、金属カチオン又は有機カチオンなどのカチオンによって置き換えられた場合に形成される化合物を意味する。該当する場合、塩は、薬学的に許容される塩であるが、これは、患者への投与を意図していない中間化合物の塩には必要ではない。例として、本発明の化合物の塩は、化合物が無機酸又は有機酸によってプロトン化されてカチオンを形成し、無機酸又は有機酸の共役塩基を塩のアニオン性成分として有するものを含む。
【0120】
「溶媒和物」は、溶媒分子と溶質の分子又はイオンとの組み合わせによって形成された複合体を指す。溶媒は、有機化合物、無機化合物、又は両方の混合物であり得る。溶媒のいくつかの例には、メタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、及び水が含まれるが、これらに限定されない。溶媒が水であるとき、形成される溶媒和物は水和物である。
【0121】
「立体異性体(stereoisomer)」及び「立体異性体(stereoisomers)」は、同じ原子連結性を有するが、空間における異なる原子配置を有する化合物を指す。立体異性体には、シス-トランス異性体、E及びZ異性体、鏡像異性体、並びにジアステレオマーが含まれる。
【0122】
「互変異性体」とは、原子の電子結合においてのみ、及び/又は陽子の位置において異なる分子の代替形態、例えば、エノールケト及びイミン-エナミン互変異性体、又はピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、及びテトラゾールなどの-N=C(H)-NH-環原子配置を含むヘテロアリール基の互変異性体を指す。当業者は、他の互変異性環原子配置が可能であることを認識するであろう。
【0123】
「又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体」という用語は、塩、溶媒和物、及び立体異性体の全ての置換(permutation)、例えば、対象化合物の立体異性体の薬学的に許容される塩の溶媒和物を含むことを意図していることを認識されたい。
【0124】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指すように本明細書において互換的に使用される。別段に指定されない限り、「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は、遺伝的にコードされた及びコードされていないアミノ酸、化学的若しくは生化学的に修飾された、又は誘導されたアミノ酸、並びに修飾ペプチド骨格を有するポリペプチドを含み得る。この用語は、異種のアミノ酸配列を有する融合タンパク質、異種及び相同のリーダー配列を有する融合物、少なくとも1つのN末端メチオニン残基を含有するタンパク質(例えば、組換え宿主細胞における産生を促進するため)などを含むが、これらに限定されない、融合タンパク質を含む。特定の実施形態において、ポリペプチドは、本明細書に記載の抗体又は結合剤である。
【0125】
本発明を更に説明する前に、本発明は記載された特定の実施形態に限定されず、それ自体は勿論、変化し得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することを意図されないことも理解されるべきである。
【0126】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、及びこの記載の範囲内の任意の他の記載される値又は中間値が本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、また、記載された範囲内の任意の特異的に除外された制限に従って、本発明内に包含されてもよい。記載された範囲が限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれか又は両方を除外する範囲も、同様に本発明に含まれる。
【0127】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は均等の任意の方法及び材料も、本発明の実施又は試験に使用され得るが、好ましい方法及び材料が、以下に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物は、刊行物が引用されることに関連して方法及び/又は材料を開示及び説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0128】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「抗体」への言及は、そのような複数の抗体を含み、「CDR」への言及は、当業者に既知の1つ以上のCDR及びその均等物への言及などを含む。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を排除するように起草され得ることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求項の要素の列挙に関連する「単に」、「のみ」などの排他的な用語の使用、又は「否定的」な限定の使用の先行詞としての役割を果たすことが意図される。
【0129】
本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日前に専らそれらの開示のために提供されている。本明細書におけるいかなるものも、本発明が先行発明によってそのような公開に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。更に、提供される刊行物の日付は、独立して確認する必要があり得る実際の刊行日とは異なる場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0130】
上で述べられたように、「ヒト化抗体」は、ヒトにおいて天然に産生される抗体バリアントとの類似性を増加させるようにタンパク質配列が修飾されている非ヒト種由来の抗体である。ヒト化抗体は、ヒトに投与された場合、これらの抗体に対する免疫応答を誘導しないか、又は対応する非ヒト抗体の投与と比較してはるかに弱い免疫応答を誘導する。ヒト化抗体は、元の非ヒト抗体を上回る、以下の少なくとも3つの利点を有する:(マウスIg定常領域に対して免疫応答の多くが生じるため)抗体の免疫原性が低下する、ヒト定常領域は、ヒトエフェクター機能が生じることを可能にする、及びヒトにおけるヒト化抗体の血清半減期が有意に増加する。
【0131】
また、上述したように、「フレームワーク」又は「フレームワーク領域」は、可変領域に関して使用される場合、抗体などの結合タンパク質の可変領域内のCDRの外側のアミノ酸残基を指す。可変領域フレームワークは、一般に、約100~120アミノ酸長の間の不連続アミノ酸配列であるが、CDRの外側のそれらのアミノ酸のみを参照することを意図する。本明細書で使用される場合、「フレームワーク領域」という用語は、CDRによって分離されるフレームワークの各ドメインを意味することが意図される。
【0132】
本開示の特定の実施形態は、ヒト化アミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含む結合剤を提供する。ヒト化フレームワーク領域内に挿入されたCDR領域に応じて、本明細書に開示される結合剤は、任意の抗原、特にCD30タンパク質に特異的に結合することができる。また、本明細書に開示される結合剤の可変鎖ポリペプチドの一方又は両方をコードする核酸も本明細書で提供される。そのような核酸を含む細胞もまた記載される。更に、いくつかの事例において、薬学的組成物を含む、本明細書に開示される結合剤、特に抗体を含む組成物が提供される。
【0133】
本開示の結合剤を作製し、使用する方法も提供される。特定の態様において、細胞増殖性障害を有する個体に、治療有効量の本開示の結合剤、特に抗体を投与することを含み、結合剤を個体に投与して、細胞増殖性障害の異常増殖性細胞に対する免疫応答、例えば、T細胞応答を増強する方法が提供される。抗体は、様々な診断及びモニタリング用途にも有用であり、これらも提供される。
【0134】
ヒト化フレームワーク領域
上で要約したように、本開示は、ヒト化フレームワーク領域を含む結合剤を提供する。「親アミノ酸配列」として、抗CD30抗体であるAC-10抗体のアミノ酸配列を使用して、ヒト化フレームワーク領域を有する結合剤を誘導する。
【0135】
例えば、図1Aは、AC10抗体のVH鎖のフレームワーク領域1~4(それぞれ、HFR1~HFR4について配列番号2~4、及び10)と、重鎖バリアント1(H1バリアント)のフレームワーク領域1~4(それぞれ、HFR1~HFR4について配列番号7~10)との間の配列アラインメントを説明する。AC10のものと比較したH1バリアントのフレームワーク領域内の特異的変異は、ヒトに投与された場合に、H1バリアントのフレームワーク領域を含む結合剤の免疫原性をより小さくし得る。
【0136】
同様に、図1Bは、AC10抗体のVH鎖のフレームワーク領域1~4(それぞれ、HFR1~HFR4について配列番号2~4、及び10)と、重鎖バリアント4(H4バリアント)のフレームワーク領域1~4(それぞれ、HFR1~HFR4について配列番号12~15、)との間の配列アラインメントを説明する。AC10のものと比較したH4バリアントのフレームワーク領域内の特異的変異は、ヒトに投与された場合に、H4バリアントのフレームワーク領域を含む結合剤の免疫原性をより小さくし得る。
【0137】
更に、図1Cは、AC10抗体のVL鎖のフレームワーク領域1~4(それぞれ、LFR1~LFR4について配列番号17~20)と、軽鎖バリアント2(L2バリアント)のフレームワーク領域1~4(それぞれ、LFR1~LFR4について配列番号22~25)との間の配列アラインメントを説明する。AC10のものと比較したL2バリアントのフレームワーク領域内の特異的変異は、ヒトに投与された場合に、L2バリアントのフレームワーク領域を含む結合剤の免疫原性をより小さくし得る。
【0138】
更に、図1Dは、AC10抗体のVL鎖のフレームワーク領域1~4(それぞれ、LFR1~LFR4について配列番号17~20)と、軽鎖バリアント4(L4バリアント)のフレームワーク領域1~4(それぞれ、LFR1~LFR4について配列番号27~30)との間の配列アラインメントを説明する。AC10のものと比較したL4バリアントのフレームワーク領域内の特異的変異は、ヒトに投与された場合に、L4バリアントのフレームワーク領域を含む結合剤の免疫原性をより小さくし得る。
【0139】
特定の実施形態において、
1)L2バリアントからのフレームワーク領域を有するH1バリアントからのフレームワーク領域、
2)L4バリアントからのフレームワーク領域を有するH1バリアントからのフレームワーク領域、
3)L2バリアントからのフレームワーク領域を有するH4バリアントからのフレームワーク領域、又は
4)L4バリアントからのフレームワーク領域を有するH4バリアントからのフレームワーク領域を含有する結合剤が記載される。
【0140】
本開示の特定の実施形態は、結合剤であって、H-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、L-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含み、CDRが、抗原に対する結合剤の結合特異性を決定し、結合剤において、
VH鎖が、
i)配列番号7の配列を有するHFR1、配列番号8の配列を有するHFR2、配列番号9の配列を有するHFR3、及び配列番号10の配列を有するHFR4、又は
ii)配列番号12の配列を有するHFR1、配列番号13の配列を有するHFR2、配列番号14の配列を有するHFR3、及び配列番号15の配列を有するHFR4を含み、
VL鎖が、
i)配列番号22の配列を有するLFR1、配列番号23の配列を有するLFR2、配列番号24の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4、又は
ii)配列番号27の配列を有するLFR1、配列番号28の配列を有するLFR2、配列番号29の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4を含む、結合剤を提供する。
【0141】
CDRグラフティング
本明細書で使用される「CDRグラフティング」という用語は、CDRドナー抗体の特異性及び親和性を、フレームワーク領域を提供する抗体に移すために、抗体から別の抗体のフレームワーク領域にCDRを移植することを指す。CDRグラフティングは、典型的には、非ヒト抗体からヒト抗体のフレームワーク領域にCDRを移してヒト化抗体を産生するために使用されるが、本明細書で使用される「CDRグラフティング」という用語は、任意のドナー抗体から任意のアクセプター抗体のフレームワーク領域にCDRを移植することを包含する。
【0142】
Almagro et al.(2018),Frontiers in Immunology,Vol.8,Article 1751(「Almagro」)は、CDRグラフティングの特定の態様を記載する。特に、Almagroは、抗体由来のCDRを別の抗体のフレームワーク領域にグラフティングして、CDRドナー抗体の特異性及び親和性を、フレームワーク領域を提供する抗体に移すことができることを教示する。Almagroはまた、CDRグラフティングを使用して、CD52に対するヒト抗体であり、臨床使用のために承認されたアレムツズマブを操作したと述べている。ラットIgG2a由来のCDRをヒトVH及びVLフレームワーク領域にグラフティングして、アレムツズマブを産生した。Almagroはまた、マウス抗体からのCDRグラフトを使用して、ヒト化抗体ダクリズマブを産生したことも教示している。Almagroは、CDRグラフティングが2017年7月30日時点で治療的使用のために承認された全てのヒト化抗体を操作するために使用されたことを教示している。実際、Almagroは、げっ歯類CDRをヒトFRにグラフティングすることによってヒト化抗体を調製することが、「治療用抗体の工学的及び臨床開発における顕著な進歩」を構成することを教示する。
【0143】
したがって、抗原に特異的に結合する第1の抗体からのCDRを、フレームワーク領域、例えば、ヒト化配列に起因する特定の有益な特徴を有する第2の抗体のフレームワーク領域にグラフティングすることができる。得られる抗体は、第1の抗体の結合特異性を保持すると同時に、ヒトにおける免疫原性の低下など、第2の抗体のフレームワーク領域の有益な特徴も獲得する。
【0144】
上で述べられたように、本開示の特定の実施形態は、ヒト化フレームワーク領域を有する抗体を提供する。したがって、抗原に特異的に結合する任意の抗体由来のCDRを、本明細書に開示されるフレームワーク領域にグラフティングして、CDRを提供する抗体に対して結合特異性を有するヒト化抗体を産生することができる。
【0145】
したがって、本開示の特定の実施形態は、抗原に特異的に結合する結合剤であって、結合剤が、H-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、L-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含み、CDRが、抗原に対する結合剤の結合特異性を決定し、結合剤において、
VH鎖が、
i)配列番号7の配列を有するHFR1、配列番号8の配列を有するHFR2、配列番号9の配列を有するHFR3、及び配列番号10の配列を有するHFR4、又は
ii)配列番号12の配列を有するHFR1、配列番号13の配列を有するHFR2、配列番号14の配列を有するHFR3、及び配列番号15の配列を有するHFR4を含み、
VL鎖が、
i)配列番号22の配列を有するLFR1、配列番号23の配列を有するLFR2、配列番号24の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4、又は
ii)配列番号27の配列を有するLFR1、配列番号28の配列を有するLFR2、配列番号29の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4を含む、結合剤を提供する。
【0146】
特定の実施形態において、結合剤のVH鎖は、フレームワーク領域において、表3に記載のFR1~FR4に示されるアミノ酸配列に対して80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、99%以上、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、親AC-10配列と比較して、バリアントにおいて変異した残基は除き、すなわち、変異した残基は保持される。親AC-10配列と比較して、H1及びH4バリアントにおける変異を、それぞれ、図1A及び図1Bに示す。
【0147】
特定の実施形態において、CD-30結合剤のVL鎖は、フレームワーク領域において、表3に記載のFR1~FR4に示されるアミノ酸配列に対して80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、99%以上、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、親AC-10配列と比較して、バリアントにおいて変異した残基は除き、すなわち、変異した残基は保持される。親AC-10配列と比較して、L2及びL4バリアントにおける変異を、それぞれ、図1C及び図1Dに示す。
【0148】
いくつかの場合において、結合剤は、キメラ結合剤である。キメラ結合剤は、キメラ抗体又はキメラTCR様抗体であり得る。
【0149】
いくつかの場合において、結合剤は、T細胞受容体、T細胞受容体様抗体、IgG、Fv、一本鎖抗体、scFv、Fab、F(ab’)2、又はFab’である。IgGは、IgG1であり得る。
【0150】
いくつかの実施形態において、主題の結合剤は、免疫グロブリンの定常領域(例えば、Fc領域)を含む。Fc領域は、存在する場合、ヒトFc領域であり得る。定常領域が存在する場合、抗体は、軽鎖定常領域及び重鎖定常領域の両方を含有し得る。本明細書に記載の抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA及びIgEを含む全てのタイプの定常領域、並びにIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含む任意のアイソタイプを有する抗体を含む。好適な重鎖Fc領域の一例は、ヒトアイソタイプIgG1 Fcである。軽鎖定常領域は、ラムダ又はカッパであり得る。主題の結合剤(例えば、主題のヒト化抗体)は、1つより多いクラス又はアイソタイプからの配列を含み得る。抗体は、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含有する四量体、別個の重鎖、軽鎖として、Fab、Fab’F(ab’)2、及びFvとして、又は重鎖及び軽鎖可変ドメインがスペーサーを通して連結される一本鎖抗体として、発現され得る。
【0151】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される結合剤、例えば、抗体、例えば、抗CD30抗体は、Fc領域に導入される1つ以上のアミノ酸置換を含み得る。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つ以上は、Fc領域の位置239、298、326、330、及び332にあり得る。いくつかの実施形態において、本開示の抗体は、Fc領域に導入された以下のアミノ酸置換のうちの1つ以上を含み得る:I332E;S239D/A330L/I332E;S239D/S298A/I332E;S239D/K326T/I332E;S239D/S298A/K326T/I332E;又はS239D/A330L/I332E/D356E/L358M。
【0152】
いくつかの実施形態において、抗体などの主題の結合剤は、カルボキシル末端に遊離チオール(-SH)基を含み、遊離チオール基を使用して、第2のポリペプチド(例えば、主題の抗体を含む別の抗体)、足場、担体などに抗体を結合させることができる。
【0153】
いくつかの実施形態において、抗体などの主題の結合剤は、1つ以上の天然に存在しないアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、天然にコードされないアミノ酸は、カルボニル基、アセチル基、アミノオキシ基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、セミカルバジド基、アジド基、又はアルキン基を含む。天然に存在しないアミノ酸を含むことで、ポリマー、第2のポリペプチド、足場などへの結合を提供することができる。そのような天然に存在しないアミノ酸の例としては、限定されないが、N-アセチルグルコサミニル-L-セリン、N-アセチルグルコサミニル-L-トレオニン、及びO-ホスホチロシンが挙げられる。
【0154】
いくつかの場合において、結合剤は、二重特異性結合剤、例えば、二重特異性抗体である。例えば、二重特異性抗体は、2つの連結した抗原結合断片又は追加のドメインが結合した2つの大きい免疫グロブリン様分子を含み得る。かかる二重特異性抗体において、2つの可変ドメインは、本明細書に記載のフレームワーク領域を有することができるが、異なる標的に特異的であるCDRを有する。
【0155】
完全長二重特異性抗体は、例えば、2つの単一特異性二価抗体間のFabアーム交換(又は半分の分子の交換)を使用して、各半分の分子の重鎖CH3界面に置換を導入して、インビトロの無細胞環境で、又は共発現を使用して、異なる特異性を有する2つの抗体の半分の分子のヘテロ二量体形成を促進することによって、生成されてもよい。Fabアーム交換反応は、ジスルフィド結合異性化反応及びCH3ドメインの解離-会合の結果である。親の単一特異性抗体のヒンジ領域における重鎖ジスルフィド結合が減少する。親の単一特異性抗体のうちの1つの得られる遊離システインは、第2の親の単一特異性抗体分子のシステイン残基と重鎖ジスルフィド間結合を形成し、同時に親抗体のCH3ドメインは、解離-会合によって放出され、改質される。FabアームのCH3ドメインは、ホモ二量体化よりもヘテロ二量体化を好むように操作され得る。得られた生成物は、各々が異なるエピトープを結合する2つのFabアーム又は半分の分子を有する二重特異性抗体である。
【0156】
「ノブ・イン・ホール」戦略(例えば、PCT国際公開第WO2006/028936号を参照されたい)を使用して、完全長二重特異性抗体を生成してもよい。簡潔に述べると、ヒトIgG中のCH3ドメインの界面を形成する選択されたアミノ酸は、CH3ドメイン相互作用に影響を及ぼす位置で変異させて、ヘテロ二量体形成を促進することができる。小さい側鎖(ホール)を有するアミノ酸を、第1の抗原に特異的に結合する抗体の重鎖に導入し、大きい側鎖(ノブ)を有するアミノ酸を、第2の抗原に特異的に結合する抗体の重鎖に導入する。2つの抗体の共発現後、ヘテロ二量体は、「ホール」を有する重鎖と「ノブ」を有する重鎖との優先的相互作用の結果として形成される。ノブ及びホールを形成する例示的なCH3置換対は、以下である(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける修飾位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける修飾位置として表される):T366Y/F405A、T366W/F405W、F405W/Y407A、T394W/Y407T、T3945/Y407A、T366W/T394S、F405W/T394S及びT366W/T366S/L368A/Y407V。
【0157】
米国特許公開第2010/0015133号、米国特許公開第2009/0182127号、米国特許公開第82010/028637号、又は米国特許公開第2011/0123532号に記載されるように、1つのCH3表面で正に帯電した残基を置換し、第2のCH3表面で負に帯電した残基を置換することによって、静電相互作用を使用して重鎖ヘテロ二量体化を促進するなどの他の戦略を使用してもよい。他の戦略において、ヘテロ二量体化は、以下の置換によって促進され得る(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける修飾位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける修飾位置として表される):米国特許公開第2012/0149876号又は米国特許公開第2013/0195849号に記載されるような、L351Y/F405A/Y407V/T394W、T366I/K392M/T394W/F405A/Y407V、T366L/K392M/T394W/F405A/Y407V、L351Y/Y407A/T366A/K409F、L351Y/Y407A/T366V/K409F、Y407A/T366A/K409F、又はT350V/L351Y/F405A/Y407V、T350V/T366L/K392L/T394W。
【0158】
一本鎖二重特異性抗体も提供される。いくつかの実施形態において、本開示の一本鎖二重特異性抗体は、二重特異性scFvである。
【0159】
いくつかの実施形態において、主題の結合剤は、scFv多量体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、主題の結合剤は、scFv二量体(例えば、2つのタンデムscFv(scFv)を含む)、scFv三量体(例えば、3つのタンデムscFv(scFv)を含む)、scFv四量体(例えば、4つのタンデムscFv(scFv)を含む)、又は4つを超えるscFvの多量体(例えば、タンデムで)である。scFv単量体は、長さが約2アミノ酸~約10アミノ酸、例えば、長さが2aa、3aa、4aa、5aa、6aa、7aa、8aa、9aa、又は10aaのリンカーを介してタンデムに連結することができる。好適なリンカーとしては、例えば、(Gly)(式中、xは2~10の整数(配列番号191)である)、グリシン-セリンポリマーなどが挙げられる。
【0160】
CD30結合剤
上にまとめたように、抗原に特異的に結合する第1の抗体からのCDRのCDRグラフティングによって、フレームワーク領域、例えば、ヒト化配列に起因する特定の有益な特徴を有する第2の抗体のフレームワーク領域にグラフティングすることができる。得られる抗体は、第1の抗体の結合特異性を保持すると同時に、ヒトにおける免疫原性の低下など、第2の抗体のフレームワーク領域の有益な特徴も獲得する。
【0161】
また、上で考察されたように、本開示の特定の実施形態は、ヒト化フレームワーク領域を有する抗体を提供する。したがって、抗原に特異的に結合する任意の抗体由来のCDRを、本明細書に開示されるフレームワーク領域にグラフティングして、CDRを提供する抗体に対して結合特異性を有するヒト化抗体を産生することができる。
【0162】
特定の実施形態において、本開示は、CD30タンパク質に特異的に結合する結合剤を提供する。そのような結合剤は、抗CD30抗体であり得る。CD-30結合剤は、結合剤の可変ドメインにCD30に特異的に結合する能力を付与するCDRをグラフティングすることによって生成することができる。
【0163】
一実施形態において、結合剤にCD30結合特異性を付与するVH鎖CDRは、配列番号31~33の配列を含み、結合剤にCD30結合特異性を付与するVL鎖CDRは、配列番号34~36の配列を含む。結合剤にCD30結合特異性を付与するCDRの任意の他の組み合わせも、本明細書に記載のVHドメイン及びVLドメインにグラフティングすることができる。
【0164】
したがって、本開示の特定の実施形態は、CD30タンパク質に特異的に結合する結合剤であって、結合剤が、
i)配列番号6及び配列番号11から選択される配列を含むVH鎖と、
ii)配列番号21及び配列番号26から選択される配列を含むVL鎖と、を含む、結合剤を提供する。
【0165】
例えば、CD30に特異的に結合する結合剤は、1)それぞれ、配列番号31~33の配列を有するH-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、それぞれ、配列番号34~36の配列を有するL-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含み得る。
【0166】
一実施形態において、CD30に特異的に結合する結合剤は、配列番号31~33の配列を有するH-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3と、配列番号34~36の配列を有するL-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3と、を含み、結合剤において、
VH鎖が、
i)配列番号7の配列を有するHFR1、配列番号8の配列を有するHFR2、配列番号9の配列を有するHFR3、及び配列番号10の配列を有するHFR4、又は
ii)配列番号12の配列を有するHFR1、配列番号13の配列を有するHFR2、配列番号14の配列を有するHFR3、及び配列番号15の配列を有するHFR4を含み、
VL鎖が、
i)配列番号22の配列を有するLFR1、配列番号23の配列を有するLFR2、配列番号24の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4、又は
ii)配列番号27の配列を有するLFR1、配列番号28の配列を有するLFR2、配列番号29の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4を含む。
【0167】
本開示の特定の実施形態は、CD30タンパク質に特異的に結合する結合剤であって、結合剤が、
a)配列番号6を含むVH鎖及び配列番号21を含むVL鎖、
b)配列番号6を含むVH鎖及び配列番号26を含むVL鎖、
c)配列番号11を含むVH鎖及び配列番号21を含むVL鎖、並びに
d)配列番号11を含むVH鎖及び配列番号26を含むVL鎖から選択されるVH鎖とVL鎖の組み合わせを含む、結合剤を提供する。
【0168】
いくつかの実施形態によれば、本開示の抗体は、CD30に特異的に結合し、CD30に対する結合について、以下を含む抗体と競合する。
【0169】
第1の抗体が、CD30に対する結合に関して第2の抗体と競合するかどうかを決定するための任意の好適なアプローチを用いてもよい。第1の抗体が、化合物への結合に関して第2の抗体「と競合する」かどうかは、当該技術分野で既知の競合結合アッセイを使用して容易に決定され得る。競合抗体は、例えば、抗体競合アッセイを介して特定され得る。例えば、第1の抗体の試料を、固体支持体に結合させることができる。次いで、そのような第1の抗体と競合し得ると疑われる第2の抗体の試料を添加する。この2つの抗体のうちの1つが標識される。標識された抗体及び標識されていない抗体が、化合物上の別個の異なる部位に結合する場合、標識された抗体は、疑われる競合抗体が存在するか否かにかかわらず、同じレベルまで結合する。しかしながら、相互作用の部位が同一であるか、又は重複している場合、標識されていない抗体が競合し、抗原に結合した標識された抗体の量が低下する。標識されていない抗体が過剰に存在する場合、標識された抗体は、もしあるとしても、結合することはほとんどない。
【0170】
本開示の目的のために、競合抗体は、化合物に対する抗体の結合を約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、又は約99%以上低下させる抗体である。かかる競合アッセイを実施するための手順の詳細は、当該技術分野において周知である。そのようなアッセイは、精製された抗体を使用することによって定量的に行うことができる。標準曲線は、1つの抗体をそれ自体に対して滴定することによって確立され得、すなわち、同じ抗体が標識及び競合物の両方に使用される。標識されていない競合抗体がプレートへの標識された抗体の結合を阻害する能力が、滴定され得る。その結果がプロットされ得、望ましい結合阻害度を達成するために必要な濃度が比較され得る。
【0171】
いくつかの実施形態によれば、本開示の抗体は、CD30に特異的に結合し、以下を含む。
【0172】
Chothia命名法によって定義されるHCDR1~HCDR3及びLCDR1~LCDR3。列挙される命名法に従って定義されるような本明細書に開示される抗CD30抗体のHCDR1~3及びLCDR1~LCDR3は、以下の表(表3)に記載される通りであってもよい。
【0173】
表3:配列番号によって特定される、AC-10抗体並びにH1、H4、L2、及びL4バリアントにおけるドメイン及び配列
【表3】
【0174】
特定の実施形態において、CD30結合剤のVH鎖は、表3に示されるHCDR1~HCDR3を含み、フレームワーク領域において、表3に記載のFR1~FR4に示されるアミノ酸配列に対して80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、99%以上、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、親AC-10配列と比較して、バリアントにおいて変異した残基は除き、すなわち、変異した残基は保持され、すなわち、変異した残基は保持される。親AC-10配列と比較して、H1及びH4バリアントにおける変異を、それぞれ、図1A及び図1Bに示す。
【0175】
特定の実施形態において、CD-30結合剤のVL鎖は、本明細書で表3に示されるLCDR1~3を含み、フレームワーク領域において、表3に記載のFR1~FR4に示されるアミノ酸配列に対して80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、99%以上、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、親AC-10配列と比較して、バリアントにおいて変異した残基は除き、すなわち、変異した残基は保持される。親AC-10配列と比較して、L2及びL4バリアントにおける変異を、それぞれ、図1C及び図1Dに示す。
【0176】
本明細書に開示されるCD30結合剤は、米国特許出願第2002/0064527号、同第2004/0136992号、同第2008/0003221号、同第2008/0206242号、同第2006/0177442号、同第2010/0239571号、同第2009/0214544号、同第2019/0218293号、同第2018/0280532号、同第2020/0095329号、同第2020/0095330号、及び同第2020/0102399号に記載の方法のうちのいずれかを実施するためのものを含む、様々な研究、診断、及び治療用途での使用が見出され、その開示は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0177】
「CD30抗原」又は「CD30タンパク質」は、NCBI Entry,GenBank受託番号:CAC16652.1に記載のタンパク質配列に対して少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0178】
いくつかの場合において、本明細書に開示されるCD30結合剤は、例えば、追加の部分にコンジュゲートすることによって修飾される。本明細書に開示される抗体、例えば、抗CD30抗体などの結合剤にコンジュゲートされ得る様々な部分を以下に記載する。
【0179】
結合剤コンジュゲート
本開示は、結合剤コンジュゲートなどのコンジュゲートを提供する。いくつかの事例において、結合剤は、抗体であり、したがって、これらの事例において、本開示は、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を提供する。「コンジュゲート」とは、目的の部分(例えば、薬物又は活性薬剤)に共有結合するポリペプチド(例えば、結合剤又は抗体)を意味する。例えば、結合剤コンジュゲートは、薬物又は活性薬剤に共有結合する結合剤(例えば、抗体)を含む。特定の実施形態において、ポリペプチド(例えば、抗体)及び薬物又は活性薬剤は、1つ以上の官能基及び共有結合を介して互いに結合している。例えば、1つ以上の官能基及び共有結合は、本明細書に記載のリンカーを含み得る。
【0180】
特定の実施形態において、コンジュゲートは、目的の部分にコンジュゲートされたポリペプチドを含む、ポリペプチドコンジュゲートである。特定の実施形態において、ポリペプチドにコンジュゲートされる部分は、限定されないが、検出可能な標識、薬物、水溶性ポリマー、又は膜若しくは表面へのポリペプチドの固定化のための部分などの、様々な目的の部分のいずれかであり得る。特定の実施形態において、コンジュゲートは、ポリペプチドが、薬物又は活性薬剤にコンジュゲートされた薬物コンジュゲートである。好適な薬物及び活性薬剤、並びにそれらの類似体及び誘導体は、本明細書により詳細に記載される。
【0181】
目的の部分(例えば、薬物又は活性薬剤)は、ポリペプチドの任意の所望の部位でポリペプチドにコンジュゲートされ得る。したがって、本開示は、例えば、ポリペプチドのC末端又はその付近の部位でコンジュゲートされた部分を有するポリペプチドを提供する。他の例としては、ポリペプチドのN末端又はその付近の位置でコンジュゲートされた部分を有するポリペプチドが挙げられる。また、例としては、ポリペプチドのC末端とN末端との間の位置(例えば、ポリペプチドの内部部位)にコンジュゲートされた部分を有するポリペプチドも挙げられる。上の組み合わせは、ポリペプチドが2つ以上の部分にコンジュゲートされている場合にも可能である。
【0182】
特定の実施形態において、本開示のコンジュゲートは、アミノ酸残基のα炭素でポリペプチドのアミノ酸残基にコンジュゲートされた薬物又は活性薬剤を含む。別の言い方をすれば、コンジュゲートは、ポリペプチド中の1つ以上のアミノ酸残基の側鎖が、薬物又は活性薬剤に結合される(例えば、本明細書に記載されるリンカーを介して薬物又は活性薬剤に結合される)ポリペプチドを含む。例えば、コンジュゲートは、ポリペプチド中の1つ以上のアミノ酸残基のα-炭素が、薬物又は活性薬剤に結合される(例えば、本明細書に記載されるリンカーを介して薬物又は活性薬剤に結合される)ポリペプチドを含む。
【0183】
本開示の実施形態は、ポリペプチドが、1個以上の部分、例えば、2個の部分、3個の部分、4個の部分、5個の部分、6個の部分、7個の部分、8個の部分、9個の部分、又は10個以上の部分にコンジュゲートされるコンジュゲートを含む。部分は、ポリペプチド中の1つ以上の部位でポリペプチドにコンジュゲートされ得る。例えば、1つ以上の部分は、ポリペプチドの単一アミノ酸残基にコンジュゲートされ得る。いくつかの場合において、1つの部分が、ポリペプチドのアミノ酸残基にコンジュゲートされる。他の実施形態において、2つの部分が、ポリペプチドの同じアミノ酸残基にコンジュゲートされ得る。他の実施形態において、第1の部分は、ポリペプチドの第1のアミノ酸残基にコンジュゲートされ、第2の部分は、ポリペプチドの第2のアミノ酸残基にコンジュゲートされる。例えば、ポリペプチドが第1のアミノ酸残基で第1の部分にコンジュゲートされ、第2のアミノ酸残基で2つの他の部分にコンジュゲートされる場合、上記の組み合わせもまた可能である。これらに限定されないが、第1のアミノ酸残基で第1及び第2の部分にコンジュゲートされ、第2のアミノ酸残基で第3及び第4の部分にコンジュゲートされたポリペプチドなどの他の組み合わせも可能である。
【0184】
1つ以上の部分にコンジュゲートされるポリペプチドの1つ以上のアミノ酸残基は、天然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸、又はそれらの組み合わせであり得る。例えば、コンジュゲートは、ポリペプチドの天然に存在するアミノ酸残基にコンジュゲートされた部分を含み得る。他の事例において、コンジュゲートは、ポリペプチドの非天然アミノ酸残基にコンジュゲートされた部分を含み得る。1つ以上の部分は、上述のように、単一の天然又は非天然アミノ酸残基でポリペプチドにコンジュゲートされ得る。ポリペプチド中の1つ以上の天然又は非天然アミノ酸残基は、本明細書に記載のように、1つ以上の部分にコンジュゲートされ得る。例えば、ポリペプチド中の2つ(以上)のアミノ酸残基(例えば、天然又は非天然アミノ酸残基)は、各々、1つ又は2つの部分にコンジュゲートされてもよく、その結果、ポリペプチド中の複数の部位が、目的の部分にコンジュゲートされる。
【0185】
本明細書に記載されるように、ポリペプチドは、1つ以上の部分にコンジュゲートされ得る。特定の実施形態において、目的の部分は、薬物又は検出可能な標識などの化学エンティティである。例えば、薬物又は活性薬剤は、ポリペプチドにコンジュゲート化されてもよく、又は他の実施形態において、検出可能な標識が、ポリペプチドにコンジュゲートされてもよい。したがって、例えば、本開示の実施形態としては、限定されないが、ポリペプチド及び薬物のコンジュゲート、ポリペプチド及び検出可能な標識のコンジュゲート、2つ以上の薬物及びポリペプチドのコンジュゲート、2つ以上の検出可能な標識及びポリペプチドのコンジュゲートなどが挙げられる。
【0186】
特定の実施形態において、目的のポリペプチド及び部分は、カップリング部分を介してコンジュゲートされる。例えば、ポリペプチド及び目的の部分は、各々、カップリング部分に結合(例えば、共有結合)してもよく、したがって、ポリペプチド及び目的の部分(例えば、薬物又は活性薬剤)は、カップリング部分を介して一緒に間接的に結合する。いくつかの場合において、カップリング部分は、ヒドラジニル-インドリル若しくはヒドラジニル-ピロロ-ピリジニル化合物、又はヒドラジニル-インドリル若しくはヒドラジニル-ピロロ-ピリジニル化合物の誘導体を含む。例えば、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を介して目的の部分(例えば、薬物又は活性薬剤)をポリペプチドにカップリングするための一般的なスキームは、以下の一般的反応スキームに示される。ヒドラジニル-インドリル及びヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分は、本明細書において、それぞれ、ヒドラジノ-イソ-ピクテット-スペングラー(HIPS)カップリング部分及びアザ-ヒドラジノ-イソ-ピクテット-スペングラー(azaHIPS)カップリング部分とも称される。
【化1】
【0187】
上の反応スキームにおいて、各Rは、ポリペプチドにコンジュゲートされる目的の部分(例えば、薬物又は活性薬剤)であり、式中、nは、1~4の整数である。上の反応スキームに示されるように、2-ホルミルグリシン残基(fGly)を含むポリペプチドは、カップリング部分(例えば、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分)を含むように修飾されている薬物と反応し、カップリング部分に結合したポリペプチドコンジュゲートを産生し、したがって、カップリング部分を介して、薬物をポリペプチドに結合する。
【0188】
本明細書に記載されるように、この部分は、様々な部分、例えば、限定されないが、化学エンティティ、例えば、検出可能な標識、又は薬物若しくは活性薬剤のうちのいずれかであり得る。R’及びR”は、各々独立して、任意の所望の置換基、例えば、限定されないが、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルであり得る。Zは、CR61、NR62、N、O、又はSであってもよく、式中、R61及びR62は、各々独立して、上記R’及びR”について説明される置換基のいずれかから選択される。
【0189】
本明細書に記載のコンジュゲート及び化合物において示されるように、他のヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分もまた可能である。例えば、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分は、リンカーに結合(例えば、共有結合)し得る。したがって、本開示の実施形態は、リンカーを介して薬物又は活性薬剤に結合されるヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を含む。ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を薬物又は活性薬剤にカップリングし得るリンカーの様々な実施形態を、本明細書で詳細に記載する。
【0190】
本明細書に記載されるコンジュゲート及び化合物に示されるように、追加のヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分もまた可能である。例えば、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分は、2つ以上のリンカーに結合(例えば、共有結合)し得る。したがって、本開示の実施形態は、各々対応するリンカーを介して2つ以上の薬物又は活性薬剤に結合されたヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を含む。したがって、本開示のコンジュゲートは、2つ以上のリンカーを含んでいてもよく、各リンカーは、対応する薬物又は活性薬剤をヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分に結合する。したがって、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分及び2つ以上のリンカーは、全体として「分岐リンカー」とみなすことができ、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分は、多くの「分岐」のうちの2つに結合し、各分岐は、薬物又は活性薬剤に結合するリンカーを含む。
【0191】
異なるペイロードの同じものの組み合わせは、分岐リンカーを介してポイペプチドにコンジュゲート化され得る。特定の実施形態において、分岐リンカーに結合した2つのペイロード(例えば、薬物、活性薬剤、又は検出可能な標識)は、同じペイロード(例えば、薬物、活性薬剤、又は検出可能な標識)である。例えば、分岐リンカーの第1の分岐は、ペイロード(例えば、薬物、活性薬剤、又は検出可能なラベル)に結合し得、分岐リンカーの第2の分岐は、第1の分岐と同じペイロード(例えば、薬物、活性薬剤、又は検出可能なラベル)に結合し得る。
【0192】
他の実施形態において、分岐リンカーに結合した2つのペイロード(例えば、薬物、活性薬剤、又は検出可能な標識)は、異なるペイロード(例えば、薬物、活性薬剤、又は検出可能な標識)である。例えば、分岐リンカーの第1の分岐は、第1のペイロード(例えば、第1の薬物、活性薬剤、又は検出可能なラベル)に結合し得、分岐リンカーの第2の分岐は、第1の分岐に結合した第1のペイロード(例えば、第1の薬物、活性薬剤、又は検出可能なラベル)とは異なる第2のペイロード(例えば、第2の薬物、活性薬剤、又は検出可能なラベル)に結合し得る。
【0193】
特定の実施形態において、ポリペプチド(例えば、抗体)は、目的の部分にコンジュゲートされてもよく、ポリペプチドの1つ以上のアミノ酸は、目的の部分にコンジュゲートする前に修飾される。ポリペプチドの1つ以上のアミノ酸の修飾は、目的の部分にコンジュゲートするのに好適な1つ以上の反応性基を含有するポリペプチドを産生し得る。いくつかの場合において、ポリペプチドは、1つ以上の修飾アミノ酸残基を含み、目的の部分(例えば、上述のヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分などのカップリング部分を含む部分)へのコンジュゲート化に好適な1つ以上の反応性基を提供し得る。例えば、ポリペプチドのアミノ酸は、反応性アルデヒド基(例えば、反応性アルデヒド)を含むように修飾され得る。反応性アルデヒドは、「アルデヒドタグ」又は「ald-タグ」に含まれてもよく、これらは、本明細書で使用される場合、ホルミルグリシン生成酵素(FGE)の作用によって、2-ホルミルグリシン残基(本明細書では「fGly」と称される)を含有するように変換されている、スルファターゼモチーフから産生されるアミノ酸配列(例えば、L(C/S)TPSR)を指す。FGEによって生成されるfGly残基は、「ホルミルグリシン」としても称され得る。言い換えれば、「アルデヒドタグ」という用語は、本明細書において、「変換された」スルファターゼモチーフ(すなわち、システイン又はセリン残基がFGEの作用によってfGlyに変換されているスルファターゼモチーフ、例えば、L(fGly)TPSR)を含むアミノ酸配列を指すように使用される。変換されたスルファターゼモチーフは、「変換されていない」スルファターゼモチーフ(すなわち、システイン又はセリン残基がFGEによってfGlyに変換されていないが、変換されることは可能であるスルファターゼモチーフ、例えば、配列L(C/S)TPSRを有する変換されていないスルファターゼモチーフ)を含むアミノ酸配列から生成され得る。スルファターゼモチーフ上のホルミルグリシン生成酵素(FGE)の作用の文脈において使用される場合の「変換」は、スルファターゼモチーフにおけるシステイン又はセリン残基のホルミルグリシン(fGly)残基への(例えば、CysからfGlyへの、又はSerからfGlyへの)生化学的修飾を指す。部位特異的タンパク質修飾におけるアルデヒドタグ及びその使用の追加の態様は、米国特許第7,985,783号及び米国特許第8,729,232号に記載され、これらの各々の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0194】
いくつかの場合において、コンジュゲートを産生するために、fGly残基を含有するポリペプチドは、fGlyと化合物(例えば、上述のように、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を含有する化合物)との反応によって、目的の部分にコンジュゲートされ得る。例えば、fGly含有ポリペプチドを、ポリペプチドへの薬物のコンジュゲート化を提供するのに好適な条件下、反応性パートナーを含有する薬物と接触させてもよい。いくつかの事例において、反応性パートナー含有薬物は、上述のヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を含み得る。例えば、薬物又は活性薬剤は、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を含むように修飾され得る。いくつかの場合において、薬物又は活性薬剤は、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分に結合し、例えば、本明細書に詳細に記載されるリンカーを介して、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分に共有結合する。
【0195】
特定の実施形態において、本開示のコンジュゲートは、目的の部分(例えば、薬物又は活性薬剤)に結合している少なくとも1つのアミノ酸残基を有するポリペプチド(例えば、結合剤又は抗体)を含む。コンジュゲートを作製するために、ポリペプチドのアミノ酸残基が修飾され、次いで、上述のヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を含有する薬物又は活性薬剤にカップリングされ得る。特定の実施形態において、ポリペプチドのアミノ酸残基は、上述のように、fGly残基に変換されるシステイン又はセリン残基である。特定の実施形態において、アミノ酸残基(例えば、fGly残基)は、上述のヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を含有する薬物又は活性薬剤にコンジュゲートし、薬物又は活性薬剤がヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を介してポリペプチドにコンジュゲートされる本開示のコンジュゲートを提供する。本明細書で使用される場合、fGly’という用語は、目的の部分(例えば、薬物又は活性薬剤)にカップリングされるポリペプチド(例えば、結合剤又は抗体)のアミノ酸残基を指す。
【0196】
特定の実施形態において、コンジュゲートは、本明細書に記載のリンカーに結合する少なくとも1つのアミノ酸残基を有するポリペプチド(例えば、結合剤又は抗体)を含み、これが次いで薬物又は活性薬剤に結合する。例えば、コンジュゲートは、薬物又は活性薬剤にコンジュゲートされた少なくとも1つのアミノ酸残基(fGly’)を有するポリペプチド(例えば、結合薬剤又は抗体)を含み得る。
【0197】
式(I)のコンジュゲート
本開示の態様は、式(I):
【化2】
のコンジュゲートを含み、
式中、
Zが、CR又はNであり、
が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
及びRが、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRが任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成し、
各Rが、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
Lが、リンカーであり、
が、薬物(又は活性薬剤)であり、
が、本明細書に記載の結合剤である。
【0198】
特定の実施形態において、Zは、CR又はNである。特定の実施形態において、Zは、CRである。特定の実施形態において、Zは、Nである。
【0199】
特定の実施形態において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0200】
特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、Rは、メチルである。特定の実施形態において、Rは、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アルキニル若しくは置換アルキニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0201】
特定の実施形態において、R及びRは、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRが任意選択的に環状に連結され、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。
【0202】
特定の実施形態において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、Rは、メチルである。特定の実施形態において、Rは、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、Rは、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、Rは、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、Rは、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、Rは、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、Rは、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、Rは、スルホニルである。特定の実施形態において、Rは、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0203】
特定の実施形態において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、Rは、メチルである。特定の実施形態において、Rは、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、Rは、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、Rは、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、Rは、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、Rは、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、Rは、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、Rは、スルホニルである。特定の実施形態において、Rは、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0204】
特定の実施形態において、R及びRは、任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R及びRは、環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R及びRは、環状に連結して、5員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R及びRは、環状に連結して、6員のヘテロシクリルを形成する。
【0205】
特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0206】
各Rについての様々な可能性が、以下でより詳細に説明される。特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、各Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、F、Cl、Br、又はIなどのハロゲンである。特定の実施形態において、Rは、Fである。特定の実施形態において、Rは、Clである。特定の実施形態において、Rは、Brである。特定の実施形態において、Rは、Iである。特定の実施形態において、Rは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、Rは、メチルである。特定の実施形態において、Rは、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、Rは、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、Rは、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、Rは、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、Rは、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、Rは、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、Rは、スルホニルである。特定の実施形態において、Rは、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリール(例えば、フェニル又は置換フェニル)である。特定の実施形態において、Rは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0207】
特定の実施形態において、Wは、薬物である。薬物の更なる説明は、本明細書の開示に見出される。
【0208】
特定の実施形態において、Wは、本明細書に記載の結合剤である。特定の実施形態において、Wは、本明細書に記載の1つ以上のfGly’残基を含む。特定の実施形態において、結合剤は、本明細書に記載のfGly’残基を介して、コンジュゲートの残りの部分に結合する。本主題のコンジュゲートにおける用途が見出される結合剤の更なる記載は、本明細書の開示に見出される。
【0209】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、リンカーLを含む。リンカーは、目的の1つ以上の部分にコンジュゲート化部分(例えば、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分)を結合させるために利用され得る。リンカーは、任意の好都合な位置で(例えば、本明細書に記載されるように)コンジュゲート化部分に結合され得る(例えば、共有結合され得る)。例えば、リンカーは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を薬物に結合し得る。ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を使用して、リンカー(したがって薬物)をポリペプチド、例えば、本明細書に記載の抗体又は結合剤にコンジュゲートし得る。例えば、コンジュゲート化部分を使用して、リンカー(したがって薬物)を、ポリペプチドの修飾アミノ酸残基、例えば、本明細書に記載されるような、抗体又は結合剤のfGly残基にコンジュゲートし得る。
【0210】
特定の実施形態において、Lは、コンジュゲート化部分をWに結合し、したがって、コンジュゲート化部分は、リンカーLを介してWに間接的に結合される。上述のように、Wは、薬物であり、したがって、Lは、コンジュゲート化部分を薬物に結合し、例えば、コンジュゲート化部分は、リンカーLを介して薬物に間接的に結合される。
【0211】
任意の好都合なリンカーが、主題のコンジュゲートで利用され得る。特定の実施形態において、Lは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシルアミノ、アルキルアミド、置換アルキルアミド、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルキル又は置換アルキル基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルケニル又は置換アルケニル基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルキニル又は置換アルキニル基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルコキシ又は置換アルコキシ基を含む。特定の実施形態において、Lは、アミノ又は置換アミノ基を含む。特定の実施形態において、Lは、カルボキシル又はカルボキシルエステル基を含む。特定の実施形態において、Lは、アシルアミノ基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルキルアミド又は置換アルキルアミド基を含む。特定の実施形態において、Lは、アリール又は置換アリール基を含む。特定の実施形態において、Lは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリール基を含む。特定の実施形態において、Lは、シクロアルキル又は置換シクロアルキル基を含む。特定の実施形態において、Lは、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリル基を含む。
【0212】
特定の実施形態において、Lは、ポリマーを含む。例えば、ポリマーは、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー(例えば、ホモポリマー及びコポリマーは、非置換であるか、又はアルキル基で一端で置換されている)、ポリビニルアルコール、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルピロリドン、それらの組み合わせなどを含む、ポリアルキレングリコール及びその誘導体を含み得る。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキレングリコールである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコールである。以下でより詳細に説明されるコンジュゲート及び化合物において示されるように、他のリンカーもまた可能である。
【0213】
いくつかの実施形態において、Lは、以下の式:
-(L-(L-(L-(L-(L-(L-、
によって記載されるリンカーであり、
式中、L、L、L、L、L、及びLが、各々独立して、リンカーサブユニットであり、a、b、c、d、e、及びfが、各々独立して、0又は1であり、a、b、c、d、e、及びfの合計は、1~6である。
【0214】
特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、1である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、2である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、3である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、4である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、5である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、6である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e、及びfは、各々1である。特定の実施形態において、a、b、c、d、及びeは、各々1であり、fは、0である。特定の実施形態において、a、b、c、及びdは、各々1であり、e及びfは、各々0である。特定の実施形態において、a、b、及びcは、各々1であり、d、e、及びfは、各々0である。特定の実施形態において、a及びbは、各々1であり、c、d、e、及びfは、各々0である。特定の実施形態において、aは、1であり、b、c、d、e、及びfは、各々0である。
【0215】
特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分(例えば、上の式(I)に示される通り)に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、薬物に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、薬物に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、薬物に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、薬物に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、薬物に結合する。
【0216】
任意の好都合なリンカーサブユニットが、リンカーLに利用され得る。目的のリンカーサブユニットとしては、限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリエチレン及びポリアクリレート、アミノ酸残基(複数可)、炭水化物系ポリマー又はその炭水化物残基及びその誘導体、ポリヌクレオチド、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基などのポリマーの単位、それらの組み合わせ、並びにそれらの置換バージョンが挙げられる。いくつかの実施形態において、L、L、L、L、L、及びL(存在する場合)の各々は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、及びジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)から独立して選択される1つ以上の基を含む。
【0217】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0218】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0219】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0220】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0221】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0222】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0223】
いくつかの実施形態において、Lは、-(L-(L-(L-(L-(L-(L-を含むリンカーであり、式中、
-(L-が、-(T-V-であり、
-(L-が、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
、T、T、T、T、及びTが、存在する場合、テザー基であり、
、V、V、V、V、及びVが、存在する場合、共有結合又は連結官能基であり、
a、b、c、d、e、及びfが、各々独立して、0又は1であり、a、b、c、d、e、及びfの合計は、1~6である。
【0224】
上述のように、特定の実施形態において、Lは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分に結合している(例えば、上の式(I)において示される通り)。したがって、特定の実施形態において、Tは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分に結合している(例えば、上の式(I)において示される通り)。特定の実施形態において、Vは、薬物に結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、薬物に結合している。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、薬物に結合しているか、又はVは、存在する場合、薬物に結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、薬物に結合している。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、薬物に結合しているか、又はVは、存在する場合、薬物に結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、薬物に結合している。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、薬物に結合しているか、又はVは、存在する場合、薬物に結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、薬物に結合している。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、薬物に結合しているか、又はVは、存在する場合、薬物に結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、薬物に結合している。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、薬物に結合しているか、又はVは、存在する場合、薬物に結合している。
【0225】
テザー基、T、T、T、T、T、及びTに関して、任意の好都合なテザー基が、本主題のリンカーで利用され得る。いくつかの実施形態において、T、T、T、T、T、及びTは各々、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、パラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)、アセタール基、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから独立して選択される1つ以上の基を含み、式中、各wが、1~20の整数であり、各nが、1~30の整数であり、各pが、1~20の整数であり、各mが、1~12の整数である。
【0226】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、(C-C12)アルキル又は置換(C-C12)アルキルを含む。特定の実施形態において、(C-C12)アルキルは、1~12個の炭素原子、例えば、1~10個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子、又は1~6個の炭素原子、又は1~5個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基である。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、アルキル又は置換アルキル、例えば、C-C12アルキル、又はC-C10アルキル、又はC-Cアルキル、又はC-Cアルキルであり得る。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、C-アルキルである。例えば、(C-C12)アルキルは、アルキレン又は置換アルキレン、例えば、C~C12アルキレン、又はC-C10アルキレン、又はC-Cアルキレン、又はC-Cアルキレンであり得る。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、C-アルキレン(例えば、CHCH)である。
【0227】
特定の実施形態において、置換(C-C12)アルキルは、1~12個の炭素原子、例えば、1~10個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子、又は1~6個の炭素原子、又は1~5個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖置換アルキル基である。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換アルキル、例えば、置換C-C12アルキル、又は置換C-C10アルキル、又は置換C-Cアルキル、又は置換C-Cアルキルであり得る。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換C-アルキルである。例えば、置換(C-C12)アルキルは、置換アルキレン、例えば、置換C-C12アルキレン、又は置換C-C10アルキレン、又は置換C-Cアルキレン、又は置換C-Cアルキレンであり得る。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換C-アルキレンである。
【0228】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、又は置換ヘテロシクリルを含む。いくつかの事例において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及びT)は、アリール又は置換アリールを含む。例えば、アリールは、フェニルであり得る。いくつかの場合において、置換アリールは、置換フェニルである。置換フェニルは、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される1つ以上の置換基で置換され得る。いくつかの事例において、置換アリールは、置換フェニルであり、置換基は、本明細書に記載の切断可能な部分(例えば、酵素的に切断可能な部分、例えば、グリコシド又はグリコシド誘導体)を含む。
【0229】
いくつかの事例において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールを含む。いくつかの事例において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及びT)は、シクロアルキル又は置換シクロアルキルを含む。いくつかの事例において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及びT)は、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリルを含む。いくつかの事例において、置換ヘテロアリール、置換シクロアルキル、又は置換ヘテロシクリル上の置換基は、本明細書に記載の切断可能な部分(例えば、酵素的に切断可能な部分、例えば、グリコシド又はグリコシド誘導体)を含む。
【0230】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、エチレンジアミン(EDA)部分、例えば、EDA含有テザーを含む。特定の実施形態において、(EDA)は、1つ以上のEDA部分を含み、例えば、式中、wは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、又は6の整数である)。連結したエチレンジアミン(EDA)部分は、任意選択的に、1つ以上の好都合な位置で、任意の好都合な置換基、例えば、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリール、又は置換アリールで置換されてもよい。特定の実施形態において、EDA部分は、以下の構造:
【化3】
により説明され、
式中、yが、1~6、又は0若しくは1の整数であり、各R12が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、yは、1、2、3、4、5、又は6である。特定の実施形態において、yは、1であり、rは、0である。特定の実施形態において、yは、1であり、rは、1である。特定の実施形態において、yは、2であり、rは、0である。特定の実施形態において、yは、2であり、rは、1である。特定の実施形態において、各R12は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される。特定の実施形態において、EDAの任意の2つの隣接するR12基は、環状に連結して、例えば、ピペラジニル環を形成してもよい。特定の実施形態において、yは、1であり、2つの隣接するR12基は、アルキル基であり、環状に連結してピペラジニル環を形成する。特定の実施形態において、yは、1であり、隣接するR12基は、水素、アルキル(例えば、メチル)、及び置換アルキル(例えば、低級アルキル-OH、例えば、エチル-OH又はプロピル-OH)から選択される。
【0231】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、4-アミノ-ピペリジン(4AP)部分(本明細書では、ピペリジン-4-アミノ、P4Aとも称される)を含む。4AP部分は、任意選択的に、1つ以上の好都合な位置で、任意の好都合な置換基、例えば、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アシル、置換アシル、アリール、又は置換アリールで置換されてもよい。特定の実施形態において、4AP部分は、以下の構造:
【化4】
により説明され、
式中、R12は、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分(例えば、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコール)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R12は、ポリエチレングリコール部分である。特定の実施形態において、R12は、カルボキシ修飾ポリエチレングリコールである。
【0232】
特定の実施形態において、R12は、式(PEG)によって説明されるポリエチレングリコール部分を含み、以下の構造:
【化5】
によって表され得、
式中、kは、1~20、例えば、1~18、又は1~16、又は1~14、又は1~12、又は1~10、又は1~8、又は1~6、又は1~4、又は1若しくは2、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の整数である。いくつかの事例において、kは、2である。特定の実施形態において、R17は、OH、COOH、又はCOORから選択され、式中、Rは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R17は、COOHである。
【0233】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、(PEG)を含み、式中、(PEG)が、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコール連結単位である。特定の実施形態において、(PEG)は、以下の構造:
【化6】
により説明され、
式中、nは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20の整数である。いくつかの事例において、nは、2である。いくつかの事例において、nは、3である。いくつかの事例において、nは、6である。いくつかの事例において、nは、12である。
【0234】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、(AA)を含み、式中、AAが、アミノ酸残基である。任意の好都合なアミノ酸が利用され得る。目的のアミノ酸としては、限定されないが、L-アミノ酸及びD-アミノ酸、天然に存在するアミノ酸、例えば、20個の主なアルファ-アミノ酸及びベータ-アラニンのうちのいずれか、天然に存在しないアミノ酸(例えば、アミノ酸類似体)、例えば、天然に存在しないアルファ-アミノ酸又は天然に存在しないベータ-アミノ酸などが挙げられる。特定の実施形態において、pは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20などの整数である。特定の実施形態において、pは、1である。特定の実施形態において、pは、2である。
【0235】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、アミノ酸類似体を含む。アミノ酸類似体は、天然に存在するタンパク質(例えば、Ala又はA、Cys又はC、Asp又はD、Glu又はE、Phe又はF、Gly又はG、His又はH、Ile又はI、Lys又はK、Leu又はL、Met又はM、Asn又はN、Pro又はP、Gln又はQ、Arg又はR、Ser又はS、Thr又はT、Val又はV、Trp又はW、Tyr又はY)中に一般的に見出される1つ以上のアミノ酸と構造及び/又は全体的な形状が類似している化合物を含む。アミノ酸類似体はまた、修飾側鎖又は骨格を有する天然アミノ酸を含む。アミノ酸類似体はまた、天然に存在するD形態と同じ立体化学を有するアミノ酸類似体、並びにアミノ酸類似体のL形態を含む。いくつかの事例において、アミノ酸類似体は、1つ以上の天然アミノ酸の骨格構造及び/又は側鎖構造を共有し、その違い(複数可)は、分子中の1つ以上の修飾基である。そのような修飾としては、限定されないが、ある原子(例えばN)の関連する原子(例えばS)による置換、ある基(例えば、メチル、若しくはヒドロキシルなど)又はある原子(例えば、Cl、若しくはBrなど)の付加、ある基の欠失、共有結合の置換(例えば、単結合の二重結合による置換)、あるいはそれらの組み合わせが挙げられ得る。例えば、アミノ酸類似体は、α-ヒドロキシ酸、及びα-アミノ酸などを含み得る。アミノ酸類似体の例としては、スルホアラニンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0236】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、式-(CR13OH)-によって記載される部分を含み、式中、mが0であるか、又はnが、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の整数である。特定の実施形態において、mは、1である。特定の実施形態において、mは、2である。特定の実施形態において、各R13は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R13は、水素である。特定の実施形態において、R13は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R13は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R13は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R13は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R13は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R13は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R13は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R13は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R13は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R13は、スルホニルである。特定の実施形態において、R13は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R13は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R13は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R13は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R13は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0237】
特定の実施形態において、R13は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される。これらの実施形態において、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールは、R13について上で説明された通りである。
【0238】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、及び/又はT)は、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、又はパラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)を含む。
【0239】
いくつかの実施形態において、テザーは、以下の構造:
【化7】
によって記載されるMABO基を含む。
【0240】
いくつかの実施形態において、テザーは、以下の構造:
【化8】
によって記載されるMABC基を含む。
【0241】
いくつかの実施形態において、テザーは、以下の構造:
【化9】
によって記載されるPABO基を含む。
【0242】
いくつかの実施形態において、テザーは、以下の構造:
【化10】
によって記載されるPABC基を含む。
【0243】
いくつかの実施形態において、テザーは、以下の構造:
【化11】
によって記載されるPAB基を含む。
【0244】
いくつかの実施形態において、テザーは、以下の構造:
【化12】
によって記載されるPABA基を含む。
【0245】
いくつかの実施形態において、テザーは、以下の構造:
【化13】
によって記載されるPAP基を含む。
【0246】
いくつかの実施形態において、テザーは、以下の構造:
【化14】
によって記載されるPHP基を含む。
【0247】
特定の実施形態において、各R14は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0248】
特定の実施形態において、R14は、水素である。特定の実施形態において、各R14は、水素である。特定の実施形態において、R14は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R14は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R14は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R14は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R14は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R14は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R14は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R14は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R14は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R14は、スルホニルである。特定の実施形態において、R14は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R14は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R14は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R14は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R14は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0249】
上に示されるMABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPテザー構造のいくつかの実施形態において、フェニル環は、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される1つ以上の追加の基で置換され得る。
【0250】
リンカーLの特定の実施形態において、テザー基T、T、T、T、T、又はTのうちの1つ以上は各々、任意選択的にグリコシド又はグリコシド誘導体で置換されている。特定の実施形態において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される。
【0251】
特定の実施形態において、上に示されるMABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPテザー構造は、グリコシド及びグリコシド誘導体から選択される1つ以上の追加の基で置換され得る。例えば、上に示されるMABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPテザー構造のいくつかの実施形態において、フェニル環は、グリコシド及びグリコシド誘導体から選択される1つ以上の追加の基で置換され得る。特定の実施形態において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される。
【0252】
例えば、いくつかの実施形態において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、以下の構造:
【化15】
から選択される。
【0253】
連結官能基、V、V、V、V、V、及びVに関して、任意の好都合な連結官能基が、リンカーLで利用され得る。目的の連結官能基としては、限定されないが、アミノ、カルボニル、アミド、オキシカルボニル、カルボキシ、スルホニル、スルホキシド、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、チオ、オキシ、ホスホ、ホスホロアミデート、チオホスホライデートなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、V、V、V、V、V、及びVは、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-から選択され、式中、qは、1~6の整数である。特定の実施形態において、qは、1~6(例えば、1、2、3、4、5、又は6)の整数である。特定の実施形態において、qは、1である。特定の実施形態において、qは、2である。特定の実施形態において、qは、3である。特定の実施形態において、qは、4である。特定の実施形態において、qは、5である。特定の実施形態において、qは、6である。
【0254】
いくつかの実施形態において、各R15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0255】
特定の実施形態において、R15は、水素である。特定の実施形態において、各R15は、水素である。特定の実施形態において、R15は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R15は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R15は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R15は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R15は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R15は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R15は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R15は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R15は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R15は、スルホニルである。特定の実施形態において、R15は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R15は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R15は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R15は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R15は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0256】
特定の実施形態において、各R15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。これらの実施形態において、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルは、R15について上に記載されている通りである。
【0257】
特定の実施形態において、テザー基は、アセタール基、ジスルフィド、ヒドラジン、又はエステルを含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、アセタール基を含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、ヒドラジンを含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、ジスルフィドを含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、エステルを含む。
【0258】
上述のように、いくつかの実施形態において、Lは、-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-を含むリンカーであり、式中、a、b、c、d、e、及びfが、各々独立して、0又は1であり、a、b、c、d、e、及びfの合計が、1~6である。
【0259】
いくつかの実施形態において、リンカーLにおいて、
が、(C-C12)アルキル及び置換(C-C12)アルキルから選択され、
、T、T、T、及びTが、各々独立して、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、PHP、アセタール基、ジスルフィド、ヒドラジン、及びエステルから選択され、
、V、V、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-から選択され、式中、qが、1~6の整数であり、
(PEG)が、
【化16】
であり、式中、nが、1~30の整数であり、
EDAは、以下の構造:
【化17】
を有するエチレンジアミン部分であり、式中、yが、1~6の整数であり、rが、0又は1であり、
4-アミノ-ピペリジン(4AP)が、
【化18】
であり、
AAは、アミノ酸残基であり、pは、1~20の整数であり、
各R12が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アリール、及び置換アリールから選択され、任意の2つの隣接するR12基が、環状に連結され、ピペラジニル環を形成してもよく、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0260】
特定の実施形態において、T、T、T、T、T及びT、並びにV、V、V、V、V及びVは、以下から選択され、
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
が、アミノ酸類似体であり、Vが、-NH-であり、
が、(PEG)であり、Vが、-CO-であり、
が、AAであり、Vが、存在せず、
が、PABCであり、Vが、存在せず、
fが、0であるか、又は
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
が、4APであり、Vが、-CO-であり、
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
d、e、及びfが、各々0である。
【0261】
例えば、特定の実施形態において、式(I)のコンジュゲートは、以下から選択される構造を有する。
【化19】
【0262】
特定の実施形態において、リンカー構造の左側は、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分に結合し、リンカー構造の右側は、例えば、上に示されるように、薬物Wに結合している。
【0263】
特定の実施形態において、コンジュゲートは、上述のように、抗体及び薬物がリンカー(例えば、L)によって一緒に連結されている、抗体-薬物コンジュゲートである。いくつかの事例において、リンカーは、切断可能なリンカーである。切断可能なリンカーは、1つ以上の切断可能な部分を含むリンカーであり、切断可能な部分は、特定の条件下で解離することができ、したがって、切断可能なリンカーを2つ以上の分離可能な部分に分離することができる1つ以上の結合を含む。例えば、切断可能な部分は、1つ以上の共有結合を含んでもよく、1つ以上の共有結合は、特定の条件下で解離又は分離して、切断可能なリンカーを2つ以上の部分に分離することができる。そのような切断可能なリンカーは、抗体-薬物コンジュゲート中に含まれ得るため、その結果、適切な条件下で、切断可能なリンカーが切断され、その薬物についての所望の作用標的部位で抗体から薬物を分離するか、又は放出する。
【0264】
いくつかの事例において、切断可能なリンカーは、2つの切断可能な部分、例えば、第1の切断可能な部分及び第2の切断可能な部分を含む。切断可能な部分は、その薬物についての所望の作用標的部位で抗体から薬物を分離するためか、又は放出するために、両方の切断可能な部分の切断が必要となるように構成され得る。例えば、切断可能なリンカーの切断は、最初に2つの切断可能な部分のうちの1つを切断し、次いで2つの切断可能な部分の他方を切断することによって達成することができる。特定の実施形態において、切断可能なリンカーは、第1の切断可能な部分と、第1の切断可能な部分の切断を妨害する第2の切断可能な部分と、を含む。「切断を妨害する」とは、切断されていない第2の切断可能な部分の存在が、第1の切断可能な部分の切断の可能性を減少させるか、又は切断を実質的に阻害し、したがって、切断可能なリンカーの切断の量を実質的に減少させるか、又は切断を防止することを意味する。例えば、切断されていない第2の切断可能な部分の存在は、第1の切断可能な部分の切断を妨害することができる。第2の切断可能な部分の存在による第1の切断可能な部分の切断の妨害は、ひいては、抗体からの薬物の放出の量を実質的に減少させるか、又は放出を防止する。例えば、抗体-薬物コンジュゲートが、その薬物についての所望の作用標的部位にあるか、又はその付近にあるようになるまで、抗体からの薬物の早期放出を実質的に減少又は防止することができる。
【0265】
いくつかの場合において、第2の切断可能な部分が、第1の切断可能な部分の切断を妨害するため、切断可能なリンカーの切断は、最初に第2の切断可能な部分を切断し、次いで第1の切断可能な部分を切断することによって達成することができる。第2の切断可能な部分の切断は、第1の切断可能な部分の切断に対する妨害を減少させるか、又はなくすことができ、したがって、第1の切断可能な部分の切断を可能にする。第1の切断可能な部分の切断により、切断可能なリンカーが上述のように2つ以上の部分に解離又は分離して、抗体-薬物コンジュゲートから薬物を放出することができる。いくつかの事例において、第1の切断可能な部分の切断は、切断されていない第2の切断可能な部分の存在下では実質的に起こらない。実質的にとは、切断されていない第2の切断可能な部分の存在下で、第1の切断可能な部分の約10%以下の切断が起こること、例えば、切断されていない第2の切断可能な部分の存在下で、第1の切断可能な部分の約9%以下、又は約8%以下、又は約7%以下、又は約6%以下、又は約5%以下、又は約4%以下、又は約3%以下、又は約2%以下、又は約1%以下、又は約0.5%以下、又は約0.1%以下の切断が起こることを意味する。
【0266】
別の言い方をすれば、第2の切断可能な部分は、第1の切断可能な部分を切断されないように保護することができる。例えば、切断されていない第2の切断可能な部分の存在は、第1の切断可能な部分を切断されないように保護することができ、したがって、抗体-薬物コンジュゲートが、その薬物についての所望の作用標的部位にあるか、又はその付近にあるようになるまで、抗体からの薬物の早期放出を実質的に減少又は防止することができる。したがって、第2の切断可能な部分の切断により、第1の切断可能な部分を露出させ(例えば、第1の切断可能な部分を脱保護し)、したがって、第1の切断可能な部分の切断を可能にし、切断可能なリンカーの切断が起こり、次いで、上述の薬物についての所望の作用標的部位で抗体から薬物を分離又は放出する。特定の事例において、第2の切断可能な部分の切断により、第1の切断可能な部分を、その後の切断に対して露出させるが、第2の切断可能な部分の切断は、切断可能なリンカーの中にはなく、それ自体は切断可能なリンカーの切断をもたらさない(例えば、切断可能なリンカーを切断するために、第1の切断可能な部分の切断が依然として必要である)。
【0267】
切断可能なリンカーに含まれる切断可能な部分は、各々、酵素的に切断可能な部分であり得る。例えば、第1の切断可能な部分は、第1の酵素的に切断可能な部分であってもよく、第2の切断可能な部分は、第2の酵素的に切断可能な部分であってもよい。酵素的に切断可能な部分は、酵素の酵素作用によって上述のように2つ以上の部分に分離することができる切断可能な部分である。酵素的に切断可能な部分は、酵素の酵素作用によって切断することができる任意の切断可能な部分、例えば、限定されないが、ペプチド、グリコシドなどであり得る。いくつかの事例において、酵素的に切断可能な部分を切断する酵素は、抗体-薬物コンジュゲートから放出される薬物の所望の作用標的部位などの所望の作用標的部位に存在する。いくつかの場合において、酵素的に切断可能な部分を切断する酵素は、全血液、血漿、又は血清などの他の領域に有意な量では存在しない。したがって、酵素的に切断可能な部分の切断は、実質的な切断が所望の作用部位で起こるように制御することができ、一方で、他の領域で、又は抗体-薬物コンジュゲートが所望の作用部位に到達する前に、切断は有意に起こらない。
【0268】
例えば、本明細書に記載されるように、本開示の抗体-薬物コンジュゲートは、がんの治療のために、例えば、がん細胞が存在する所望の作用部位へのがん療法薬の送達のために使用することができる。いくつかの場合において、酵素、例えば、プロテアーゼ酵素カテプシンBは、がん細胞において過剰発現される、がんについてのバイオマーカーであり得る。がんにおける特定の酵素の過剰発現、したがって局在化を、本開示の抗体-薬物コンジュゲートの切断可能なリンカーに含まれる酵素的に切断可能な部分の文脈で使用して、所望の作用部位(例えば、がん(及び過剰発現した酵素)の部位)で薬物を特異的に放出させることができる。したがって、いくつかの実施形態において、酵素的に切断可能な部分は、がん細胞において過剰発現される酵素によって切断され得る切断可能な部分(例えば、ペプチド)である。例えば、酵素は、プロテアーゼ酵素カテプシンBであり得る。したがって、いくつかの事例において、酵素的に切断可能な部分は、プロテアーゼ酵素(例えば、カテプシンB)によって切断され得る切断可能な部分(例えば、ペプチド)である。
【0269】
特定の実施形態において、酵素的に切断可能な部分は、ペプチドである。ペプチドは、切断可能なリンカーにおける使用に好適であり、かつ酵素の酵素作用によって切断することができる、任意のペプチドであり得る。酵素的に切断可能な部分として使用され得るペプチドの非限定的な例としては、例えば、Val-Ala、Phe-Lysなどが挙げられる。例えば、上述の第1の切断可能な部分(例えば、第2の切断可能な部分によって早期切断から保護される切断可能な部分)は、ペプチドを含み得る。切断されていない第2の切断可能な部分の存在は、第1の切断可能な部分(ペプチド)を、プロテアーゼ酵素(例えば、カテプシンB)によって切断されないように保護することができ、したがって、抗体-薬物コンジュゲートが、その薬物についての所望の作用標的部位にあるか、又はその付近にあるようになるまで、抗体からの薬物の早期放出を実質的に減少又は防止することができる。いくつかの事例において、第1の切断可能な部分を含むペプチドのアミノ酸残基のうちの1つは、置換基に連結しているか、又は置換基を含み、置換基は、第2の切断可能な部分を含む。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、グリコシドを含む。
【0270】
いくつかの実施形態において、酵素的に切断可能な部分は、糖部分、例えば、グリコシド(又はグリコシル)である。いくつかの場合において、グリコシドは、グリコシドを含まない切断可能なリンカーと比較して、切断可能なリンカーの親水性の増加を促進することができる。グリコシドは、切断可能なリンカーにおける使用に好適であり、かつ酵素の酵素作用によって切断することができる、任意のグリコシド又はグリコシド誘導体であり得る。例えば、第2の切断可能な部分(例えば、第1の切断可能な部分を早期切断から保護する切断可能な部分)は、グリコシドであり得る。例えば、いくつかの実施形態において、第1の切断可能な部分は、ペプチドを含み、第2の切断可能な部分は、グリコシドを含む。特定の実施形態において、第2の切断可能な部分は、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択されるグリコシド又はグリコシド誘導体である。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、グルクロニドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、ガラクトシドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、グルコシドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、マンノシドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、フコシドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、O-GlcNAcである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、O-GalNAcである。
【0271】
グリコシドは、グリコシド結合を介して切断可能なリンカーに結合(例えば、共有結合)することができる。グリコシド結合は、様々なタイプの結合、例えば、限定されないが、O-グリコシド結合(O-グリコシド)、N-グリコシド結合(グリコシルアミン)、S-グリコシド結合(チオグリコシド)、又はC-グリコシド結合(C-グリコシド又はC-グリコシル)を介して、グリコシドを切断可能なリンカーに連結し得る。いくつかの事例において、グリコシド結合は、O-グリコシド結合(O-グリコシド)である。いくつかの場合において、グリコシドは、酵素によって結合する切断可能なリンカーから(例えば、グリコシド結合の酵素によって媒介される加水分解を介して)切断され得る。グリコシドを、グリコシドを切断可能なリンカーに結合するグリコシド結合の切断(加水分解)を実行することが可能な任意の好都合な酵素によって、切断可能なリンカーから除去又は切断することができる。グリコシドを切断可能なリンカーに結合するグリコシド結合の切断(加水分解)を媒介するために使用され得る酵素の一例は、グルクロニダーゼ、グリコシダーゼ、例えば、ガラクトシダーゼ、グルコシダーゼ、マンノシダーゼ、フコシダーゼなどである。他の好適な酵素も、グリコシドを切断可能なリンカーに結合するグリコシド結合の切断(加水分解)を媒介するために使用され得る。いくつかの場合において、グリコシドを切断可能なリンカーに結合するグリコシド結合の切断(加水分解)を媒介するために使用される酵素は、抗体-薬物コンジュゲートの薬物についての所望の作用部位に、又はその付近に見出される。例えば、酵素は、抗体-薬物コンジュゲートの薬物についての所望の作用部位に、又はその付近の細胞において見出される、リソソーム酵素、例えば、リソソームグリコシダーゼであり得る。いくつかの場合において、酵素は、第1の切断可能な部分の切断を媒介する酵素が見出される標的部位、又はその付近で見出される酵素である。
【0272】
特定の実施形態において、式(I)のコンジュゲートは、以下から選択される構造を有する。
【化20】
【0273】
上の説明及び構造において示される化学エンティティ、薬物、リンカー及びカップリング部分のうちのいずれも、主題のコンジュゲートにおける使用に適合され得る。
【0274】
ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニル化合物、及びコンジュゲートを生成するための方法に関する追加の開示は、米国特許第9,310,374号及び米国特許第9,493,413号に見出され、これらの各々の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。切断可能なリンカーに関連する追加の開示は、2021年6月24日に出願された米国仮特許出願第63/214,525号に見出され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0275】
式(I)の特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia):
【化21】
のコンジュゲートであり、
式中、
Zが、CR又はNであり、
が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
及びRが、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRが任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成し、
各Rが、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
Lが、-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-を含むリンカーであり、式中、a、b、c及びdが、各々独立して、0又は1であり、a、b、c及びdの合計が、1~4であり、
、T、T及びTが、各々独立して、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、ピペリジン-4-アミノ(4AP)、アセタール基、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから選択され、式中、EDAが、エチレンジアミン部分であり、PEGが、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコールであり、AAが、アミノ酸残基であり、式中、wが、1~20の整数であり、nが、1~30の整数であり、pが、1~20の整数であり、hが、1~12の整数であり、
、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-及び-P(O)OH-からなる群から選択され、式中、qが、1~6の整数であり、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
が、薬物(又は活性薬剤)であり、
が、本明細書に記載の結合剤である。
【0276】
特定の実施形態において、Zは、CR又はNである。特定の実施形態において、Zは、CRである。特定の実施形態において、Zは、Nである。
【0277】
特定の実施形態において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、Rは、メチルである。特定の実施形態において、Rは、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アルキニル若しくは置換アルキニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0278】
特定の実施形態において、R及びRは、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRが任意選択的に環状に連結され、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。
【0279】
特定の実施形態において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、Rは、メチルである。特定の実施形態において、Rは、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、Rは、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、Rは、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、Rは、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、Rは、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、Rは、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、Rは、スルホニルである。特定の実施形態において、Rは、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0280】
特定の実施形態において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、Rは、メチルである。特定の実施形態において、Rは、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、Rは、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、Rは、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、Rは、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、Rは、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、Rは、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、Rは、スルホニルである。特定の実施形態において、Rは、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0281】
特定の実施形態において、R及びRは、任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R及びRは、環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R及びRは、環状に連結して、5員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R及びRは、環状に連結して、6員のヘテロシクリルを形成する。
【0282】
特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0283】
各Rについての様々な可能性が、以下でより詳細に説明される。特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、各Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、F、Cl、Br、又はIなどのハロゲンである。特定の実施形態において、Rは、Fである。特定の実施形態において、Rは、Clである。特定の実施形態において、Rは、Brである。特定の実施形態において、Rは、Iである。特定の実施形態において、Rは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、Rは、メチルである。特定の実施形態において、Rは、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、Rは、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、Rは、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、Rは、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、Rは、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、Rは、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、Rは、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、Rは、スルホニルである。特定の実施形態において、Rは、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、Rは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリール(例えば、フェニル又は置換フェニル)である。特定の実施形態において、Rは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、Rは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0284】
特定の実施形態において、Wは、薬物又は活性薬剤である。本主題のコンジュゲートに好適な薬物及び活性薬剤の更なる記載は、本明細書の開示に見出される。
【0285】
特定の実施形態において、Wは、本明細書に記載の結合剤である。例えば、いくつかの場合において、Wは、抗体である。特定の実施形態において、Wは、本明細書に記載の1つ以上のfGly’残基を含む。特定の実施形態において、結合剤は、本明細書に記載のfGly’残基を介して、コンジュゲートの残りの部分に結合する。本主題のコンジュゲートにおける用途が見出される結合剤及び抗体の更なる記載は、本明細書の開示に見出される。
【0286】
特定の実施形態において、式(Ia)の化合物は、リンカーLを含む。リンカーは、目的の1つ以上の部分及び/又は1つ以上のポリペプチドにカップリング部分を結合させるために利用され得る。いくつかの実施形態において、リンカーは、カップリング部分をポリペプチド又は化学エンティティのいずれかに結合する。リンカーは、任意の好都合な位置で(例えば、本明細書に記載の)カップリング部分に結合され得る(例えば、共有結合され得る)。例えば、リンカーは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を薬物又は活性薬剤に結合し得る。ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分を使用して、リンカー(したがって薬物又は活性薬剤)をポリペプチド、例えば、結合剤又は抗体にコンジュゲートし得る。例えば、カップリング部分を使用して、リンカー(したがって薬物又は活性薬剤)を、ポリペプチドのアミノ酸残基、例えば、結合剤又は抗体のfGly残基(reside)にコンジュゲートし得る。
【0287】
特定の実施形態において、Lは、カップリング部分をWに結合し、したがって、カップリング部分は、リンカーLを介してWに間接的に結合される。上述のように、Wは、薬物又は活性薬剤であり、したがって、Lは、カップリング部分を薬物又は活性薬剤に結合し、例えば、カップリング部分は、リンカーLを介して薬物又は活性薬剤に間接的に結合される。
【0288】
任意の好都合なリンカーが、主題のコンジュゲート及び化合物において利用され得る。特定の実施形態において、Lは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシルアミノ、アルキルアミド、置換アルキルアミド、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルキル又は置換アルキル基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルケニル又は置換アルケニル基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルキニル又は置換アルキニル基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルコキシ又は置換アルコキシ基を含む。特定の実施形態において、Lは、アミノ又は置換アミノ基を含む。特定の実施形態において、Lは、カルボキシル又はカルボキシルエステル基を含む。特定の実施形態において、Lは、アシルアミノ基を含む。特定の実施形態において、Lは、アルキルアミド又は置換アルキルアミド基を含む。特定の実施形態において、Lは、アリール又は置換アリール基を含む。特定の実施形態において、Lは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリール基を含む。特定の実施形態において、Lは、シクロアルキル又は置換シクロアルキル基を含む。特定の実施形態において、Lは、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリル基を含む。
【0289】
特定の実施形態において、Lは、ポリマーを含む。例えば、ポリマーは、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー(例えば、ホモポリマー及びコポリマーは、非置換であるか、又はアルキル基で一端で置換されている)、ポリビニルアルコール、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルピロリドン、それらの組み合わせなどを含む、ポリアルキレングリコール及びその誘導体を含み得る。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキレングリコールである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコールである。以下でより詳細に説明されるコンジュゲート及び化合物において示されるように、他のリンカーもまた可能である。
【0290】
いくつかの実施形態において、Lは、式-(L-(L-(L-(L-によって説明されるリンカーであり、式中、L、L、L及びLは、各々独立して、リンカー単位であり、a、b、c、及びdは、各々独立して、0又は1であり、a、b、c、及びdの合計は、1~4である。
【0291】
特定の実施形態において、a、b、c及びdの合計は、1である。特定の実施形態において、a、b、c及びdの合計は、2である。特定の実施形態において、a、b、c及びdの合計は、3である。特定の実施形態において、a、b、c及びdの合計は、4である。特定の実施形態において、a、b、c、及びdは、各々1である。特定の実施形態において、a、b及びcは、各々1であり、dは、0である。特定の実施形態において、a及びbは、各々1であり、c及びdは、各々0である。特定の実施形態において、aは、1であり、b、c及びdは、各々0である。
【0292】
特定の実施形態において、Lは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分に結合している(例えば、上記の式(Ia)に示される通り)。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、Wに結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、Wに結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、Wに結合している。
【0293】
任意の好都合なリンカー単位が、主題のリンカーで利用され得る。目的のリンカー単位としては、限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリエチレン及びポリアクリレート、アミノ酸残基(複数可)、炭水化物系ポリマー又は炭水化物残基及びそれらの誘導体、ポリヌクレオチド、アルキル基、アリール基、複素環式基、それらの組み合わせ、並びにそれらの置換型などのポリマーの単位が挙げられる。いくつかの実施形態において、L、L、L、及びL(存在する場合)の各々は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、及びジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)から独立して選択される1つ以上の基を含む。
【0294】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0295】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0296】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0297】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0298】
いくつかの実施形態において、Lは、-(L-(L-(L-(L-を含むリンカーであり、式中、
-(L-が、-(T-V-であり、
-(L-が、-(T-V-であり、
-(L-が、-(T-V-であり、
-(L-が、-(T-V-であり、
、T、T、及びTは、存在する場合、テザー基であり、
、V、V、及びVは、存在する場合、共有結合又は連結官能基であり、
a、b、c及びdが、各々独立して、0又は1であり、a、b、c及びdの合計が、1~4である。
【0299】
上述のように、特定の実施形態において、Lは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分に結合している(例えば、上記の式(Ia)に示される通り)。したがって、特定の実施形態において、Tは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分に結合している(例えば、上記の式(Ia)に示される通り)。特定の実施形態において、Vは、W(薬物又は活性薬剤)に結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、Wに結合している。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、Wに結合しているか、又は、Vは、存在する場合、Wに結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、Wに結合している。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、Wに結合しているか、又は、Vは、存在する場合、Wに結合している。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、Wに結合している。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、Wに結合しているか、又は、Vは、存在する場合、Wに結合している。
【0300】
テザー基、T、T、T、及びTに関して、任意の好都合なテザー基が、主題のリンカーで利用され得る。いくつかの実施形態において、T、T、T、及びTは、各々、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、ピペリジン-4-アミノ(4AP)、アセタール基、ジスルフィド、ヒドラジン、及びエステルから独立して選択される1つ以上の基を含み、式中、wは、1~20の整数であり、nは、1~30の整数であり、pは、1~20の整数であり、hは、1~12の整数である。
【0301】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、及び/又はT)は、(C-C12)アルキル又は置換(C-C12)アルキルを含む。特定の実施形態において、(C-C12)アルキルは、1~12個の炭素原子、例えば、1~10個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子、又は1~6個の炭素原子、又は1~5個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基である。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、アルキル又は置換アルキル、例えば、C-C12アルキル、又はC-C10アルキル、又はC-Cアルキル、又はC-Cアルキルであり得る。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、C-アルキルである。例えば、(C-C12)アルキルは、アルキレン又は置換アルキレン、例えば、C-C12アルキレン、又はC-C10アルキレン、又はC-Cアルキレン、又はC-Cアルキレンであり得る。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、C-アルキレンである。
【0302】
特定の実施形態において、置換(C-C12)アルキルは、1~12個の炭素原子、例えば、1~10個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子、又は1~6個の炭素原子、又は1~5個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖置換アルキル基である。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換アルキル、例えば、置換C-C12アルキル、又は置換C-C10アルキル、又は置換C-Cアルキル、又は置換C-Cアルキルであり得る。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換C-アルキルである。例えば、置換(C-C12)アルキルは、置換アルキレン、例えば、置換C-C12アルキレン、又は置換C-C10アルキレン、又は置換C-Cアルキレン、又は置換C-Cアルキレンであり得る。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換C-アルキレンである。
【0303】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、及び/又はT)は、エチレンジアミン(EDA)部分、例えば、EDA含有テザーを含む。特定の実施形態において、(EDA)は、1つ以上のEDA部分を含み、例えば、式中、wは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、又は6の整数である)。連結したエチレンジアミン(EDA)部分は、任意選択的に、1つ以上の好都合な位置で、任意の好都合な置換基、例えば、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリール、又は置換アリールで置換されてもよい。特定の実施形態において、EDA部分は、以下の構造:
【化22】
により説明され、
式中、yが、1~6の整数であり、rが、0又は1であり、各R12が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、yは、1、2、3、4、5、又は6である。特定の実施形態において、yは、1であり、rは、0である。特定の実施形態において、yは、1であり、rは、1である。特定の実施形態において、yは、2であり、rは、0である。特定の実施形態において、yは、2であり、rは、1である。特定の実施形態において、各R12は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される。特定の実施形態において、EDAの任意の2つの隣接するR12基は、環状に連結して、例えば、ピペラジニル環を形成してもよい。特定の実施形態において、yは、1であり、2つの隣接するR12基は、アルキル基であり、環状に連結してピペラジニル環を形成する。特定の実施形態において、yは、1であり、隣接するR12基は、水素、アルキル(例えば、メチル)、及び置換アルキル(例えば、低級アルキル-OH、例えば、エチル-OH又はプロピル-OH)から選択される。
【0304】
特定の実施形態において、テザー基は、4-アミノ-ピペリジン(4AP)部分(ピペリジン-4-アミノ、P4Aとも称される)を含む。4AP部分は、任意選択的に、1つ以上の好都合な位置で、任意の好都合な置換基、例えば、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アシル、置換アシル、アリール、又は置換アリールで置換されてもよい。特定の実施形態において、4AP部分は、以下の構造:
【化23】
により説明され、
式中、R12は、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分(例えば、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコール)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R12は、ポリエチレングリコール部分である。特定の実施形態において、R12は、カルボキシ修飾ポリエチレングリコールである。
【0305】
特定の実施形態において、R12は、式(PEG)により説明されるポリエチレングリコール部分を含み、これは、以下の構造:
【化24】
により表され得、
式中、kは、1~20、例えば、1~18、又は1~16、又は1~14、又は1~12、又は1~10、又は1~8、又は1~6、又は1~4、又は1若しくは2、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の整数である。いくつかの事例において、kは、2である。特定の実施形態において、R17は、OH、COOH、又はCOORから選択され、式中、Rは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R17は、COOHである。
【0306】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、及び/又はT)は、(PEG)を含み、式中、(PEG)は、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコール連結単位である。特定の実施形態において、(PEG)は、以下の構造:
【化25】
により説明され、
式中、nは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20の整数である。いくつかの事例において、nは、2である。いくつかの事例において、nは、3である。いくつかの事例において、nは、6である。いくつかの事例において、nは、12である。
【0307】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、及び/又はT)は、(AA)を含み、AAは、アミノ酸残基である。任意の好都合なアミノ酸が利用され得る。目的のアミノ酸としては、限定されないが、L-アミノ酸及びD-アミノ酸、天然に存在するアミノ酸、例えば、20個の主なアルファ-アミノ酸及びベータ-アラニンのうちのいずれか、天然に存在しないアミノ酸(例えば、アミノ酸類似体)、例えば、天然に存在しないアルファ-アミノ酸又は天然に存在しないベータ-アミノ酸などが挙げられる。特定の実施形態において、pは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20などの整数である。特定の実施形態において、pは、1である。特定の実施形態において、pは、2である。
【0308】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、及び/又はT)は、式-(CR13OH)-により説明される部分を含み、式中、hは、0であるか、又は、nは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12などの整数である。特定の実施形態において、hは、1である。特定の実施形態において、hは、2である。特定の実施形態において、各R13は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R13は、水素である。特定の実施形態において、R13は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R13は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R13は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R13は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R13は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R13は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R13は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R13は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R13は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R13は、スルホニルである。特定の実施形態において、R13は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R13は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R13は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R13は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R13は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0309】
特定の実施形態において、R13は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される。これらの実施形態において、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールは、R13について上で説明された通りである。
【0310】
連結官能基、V、V、V、及びVに関して、任意の好都合な連結官能基が、主題のリンカーで利用され得る。目的の連結官能基としては、限定されないが、アミノ、カルボニル、アミド、オキシカルボニル、カルボキシ、スルホニル、スルホキシド、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、チオ、オキシ、ホスホ、ホスホロアミデート、チオホスホライデートなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、V、V、V、及びVは、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-及び-P(O)OH-から選択され、式中、qは、1~6の整数である。特定の実施形態において、qは、1~6(例えば、1、2、3、4、5、又は6)の整数である。特定の実施形態において、qは、1である。特定の実施形態において、qは、2である。
【0311】
いくつかの実施形態において、各R15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0312】
各R15についての様々な可能性が、以下でより詳細に説明される。特定の実施形態において、R15は、水素である。特定の実施形態において、各R15は、水素である。特定の実施形態において、R15は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R15は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R15は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R15は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R15は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R15は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R15は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R15は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R15は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R15は、スルホニルである。特定の実施形態において、R15は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R15は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R15は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R15は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R15は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0313】
特定の実施形態において、各R15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。これらの実施形態において、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル置換基は、R15について上で説明された通りである。
【0314】
特定の実施形態において、テザー基は、アセタール基、ジスルフィド、ヒドラジン、又はエステルを含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、アセタール基を含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、ジスルフィドを含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、ヒドラジンを含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、エステルを含む。
【0315】
上述のように、いくつかの実施形態において、Lは、-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-を含むリンカーであり、式中、a、b、c及びdは、各々独立して、0又は1であり、a、b、c及びdの合計は、1~4である。
【0316】
いくつかの実施形態において、主題のリンカー中、
が、(C-C12)アルキル及び置換(C-C12)アルキルから選択され、
、T及びTは、各々独立して、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、アセタール基、ジスルフィド、ヒドラジン、及びエステルから選択され、
、V、V、及びVは、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-及び-P(O)OH-から選択され、式中、qは、1~6の整数であり、
(PEG)が、
【化26】
であり、式中、nが、1~30の整数であり、
EDAは、以下の構造:
【化27】
を有するエチレンジアミン部分であり、式中、yが、1~6の整数であり、rが、0又は1であり、
4-アミノ-ピペリジン(4AP)が、
【化28】
であり、
AAが、アミノ酸残基であり、式中、pが、1~20の整数であり、
各R15及びR12は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、任意の2つの隣接するR12基は、環状に連結して、ピペラジニル環を形成してもよく、
13が、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される。
【0317】
特定の実施形態において、T、T、T、及びT、並びにV、V、V、及びVは、以下の表、例えば、以下の表(表A)の1つの列から選択される。
【表4】
【0318】
特定の実施形態において、Lは、-(L-(L-(L-(L-を含むリンカーであり、式中、-(L-は、-(T-V-であり、-(L-は、-(T-V-であり、-(L-は、-(T-V-であり、-(L-は、-(T-V-である。
【0319】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、-NR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0320】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(EDA)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(CR13OH)であり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-である。
【0321】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、-NR15-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0322】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0323】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0324】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-NR15-であり、Tは、存在せず、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0325】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、-NR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-NR15-であり、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0326】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(EDA)であり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0327】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-NR15-であり、Tは、存在せず、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0328】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(EDA)であり、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0329】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(EDA)であり、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0330】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0331】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(EDA)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(CR13OH)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)アルキルであり、Vは、存在しない。
【0332】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、-NR15-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、存在しない。
【0333】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、-NR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、存在しない。
【0334】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、-NR11-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-SO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、存在しない。
【0335】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(EDA)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(CR13OH)であり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-CO-である。
【0336】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(CR13OH)であり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0337】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、置換(C-C12)アルキルであり、Vは、-NR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0338】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-SO-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0339】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、存在せず、Tは、(CR13OH)hであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0340】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、-NR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、-NR15-である。
【0341】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、-NR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-P(O)OH-であり、Tは、(AA)であり、Vは、存在しない。
【0342】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(EDA)であり、Vは、存在せず、Tは、(AA)であり、Vは、存在せず、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0343】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(EDA)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(CR13OH)であり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO(AA)-である。
【0344】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-NR15-であり、Tは、存在せず、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0345】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-NR15-であり、Tは、存在せず、Vは、-CO-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-NR15-である。
【0346】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(EDA)であり、Vは、-CO-であり、Tは、(CR13OH)であり、Vは、-CONR15-であり、Tは、(PEG)であり、Vは、-CO(AA)-である。
【0347】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、4APであり、Vは、-CO-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、(AA)であり、Vは、存在しない。
【0348】
特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、4APであり、Vは、-CO-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在しない。
【0349】
特定の実施形態において、リンカーは、以下の構造のうちの1つにより説明される。


【化29-1】


【表29-2】


【表29-3】
【0350】
上で描画されたリンカー構造の特定の実施形態において、各fは、独立して、0又は1~12の整数であり、各yは、独立して、0又は1~20の整数であり、各nは、独立して、0又は1~30の整数であり、各pは、独立して、0又は1~20の整数であり、各hは、独立して、0又は1~12の整数であり、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルであり、各R’は、独立して、H、アミノ酸の側鎖、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルである。上で描画されたリンカー構造の特定の実施形態において、各fは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり、各yは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり、各nは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり、各pは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり、各hは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。上で描画されたリンカー構造の特定の実施形態において、各Rは、独立して、H、メチル、又は-(CH-OHであり、式中、mは、1、2、3、又は4(例えば、2)である。
【0351】
リンカーLの特定の実施形態において、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、4APであり、Vは、-CO-であり、Tは、(C-C12)アルキルであり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在しない。特定の実施形態において、Tは、エチレンであり、Vは、-CO-であり、Tは、4APであり、Vは、-CO-であり、Tは、エチレンであり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在しない。特定の実施形態において、Tは、エチレンであり、Vは、-CO-であり、Tは、4APであり、Vは、-CO-であり、Tは、エチレンであり、Vは、-CO-であり、Tは、存在せず、Vは、存在せず、T(例えば、4AP)は、以下の構造:
【化30】
を有し、
式中、
12は、ポリエチレングリコール部分(例えば、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコール)である。
【0352】
特定の実施形態において、リンカーLは、以下の構造:
【化31】
を含み、
式中、
各fが、独立して、1~12の整数であり、
nが、1~30の整数である。
【0353】
特定の実施形態において、fは、1である。特定の実施形態において、fは、2である。特定の実施形態において、1つのfが2であり、1つのfが1である。
【0354】
特定の実施形態において、nは、1である。
【0355】
特定の実施形態において、上記リンカー構造の左側は、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分に結合しており、上記リンカー構造の右側は、薬物又は活性薬剤に結合している。
【0356】
上記構造において示される化学エンティティ、リンカー及びカップリング部分のうちのいずれも、主題の化合物及びコンジュゲートにおける使用に適合され得る。
【0357】
ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニル化合物、及びコンジュゲートを生成するための方法に関する追加の開示は、米国特許第9,310,374号及び米国特許第9,493,413号に見出され、これらの各々の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0358】
式(II)のコンジュゲート
本開示の態様は、式(II):
【化32】
のコンジュゲートを含み、
式中、
、Z、Z及びZが、各々独立して、CR24、N及びC-L-W12から選択され、少なくとも1つのZ、Z、Z及びZが、C-L-W12であり、
21が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
22及びR23が、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR22及びR23が任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成し、
各R24が、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
が、第1のリンカーであり、
が、第2のリンカーであり、
11が、第1の薬物(又は活性薬剤)であり、
12が、第2の薬物(又は活性薬剤)であり、
13が、本明細書に記載の結合剤である。
【0359】
式(II)のコンジュゲートに関連する置換基は、以下により詳細に記載される。
【0360】
特定の実施形態において、Z、Z、Z及びZが、各々独立して、CR24、N及びC-L-W12から選択され、少なくとも1つのZ、Z、Z及びZが、C-L-W12である。特定の実施形態において、Zは、CR24である。特定の実施形態において、Zは、Nである。特定の実施形態において、Zは、C-L-W12である。特定の実施形態において、Zは、CR24である。特定の実施形態において、Zは、Nである。特定の実施形態において、Zは、C-L-W12である。特定の実施形態において、Zは、CR24である。特定の実施形態において、Zは、Nである。特定の実施形態において、Zは、C-L-W12である。特定の実施形態において、Zは、CR24である。特定の実施形態において、Zは、Nである。特定の実施形態において、Zは、C-L-W12である。
【0361】
様々なZ、Z、Z、及びZの組み合わせが可能である。例えば、いくつかの事例において、Zは、C-L-W12であり、Zは、CR24であり、Zは、CR24であり、Zは、CR24である。いくつかの事例において、Zは、CR24であり、Zは、C-L-W12であり、Zは、CR24であり、Zは、CR24である。いくつかの事例において、Zは、CR24であり、Zは、CR24であり、Zは、C-L-W12であり、Zは、CR24である。いくつかの事例において、Zは、CR24であり、Zは、CR24であり、Zは、CR24であり、Zは、C-L-W12である。
【0362】
特定の実施形態において、R21は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R21は、水素である。特定の実施形態において、R21は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R21は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R21は、アルキニル若しくは置換アルキニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R21は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R21は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R21は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R21は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0363】
特定の実施形態において、R22及びR23は、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR22及びR23が任意選択的に環状に連結され、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。
【0364】
特定の実施形態において、各R22は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R22は、水素である。特定の実施形態において、R22は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R22は、メチルである。特定の実施形態において、R22は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R22は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R22は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R22は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R22は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R22は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R22は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R22は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R22は、スルホニルである。特定の実施形態において、R22は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R22は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R22は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R22は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R22は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0365】
特定の実施形態において、各R23は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R23は、水素である。特定の実施形態において、R23は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R23は、メチルである。特定の実施形態において、R23は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R23は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R23は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R23は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R23は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R23は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R23は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R23は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R23は、スルホニルである。特定の実施形態において、R23は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R23は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R23は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R23は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R23は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0366】
特定の実施形態において、R22及びR23の両方が、メチルである。
【0367】
特定の実施形態において、R22及びR23は、任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R22及びR23は、環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R22及びR23は、環状に連結して、5員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R22及びR23は、環状に連結して、6員のヘテロシクリルを形成する。
【0368】
特定の実施形態において、各R24は、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0369】
各R24についての様々な可能性が、以下でより詳細に説明される。特定の実施形態において、R24は、水素である。特定の実施形態において、各R24は、水素である。特定の実施形態において、R24は、F、Cl、Br、又はIなどのハロゲンである。特定の実施形態において、R24は、Fである。特定の実施形態において、R24は、Clである。特定の実施形態において、R24は、Brである。特定の実施形態において、R24は、Iである。特定の実施形態において、R24は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R24は、メチルである。特定の実施形態において、R24は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R24は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R24は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R24は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R24は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R24は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R24は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R24は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R24は、スルホニルである。特定の実施形態において、R24は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R24は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリール(例えば、フェニル又は置換フェニル)である。特定の実施形態において、R24は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R24は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R24は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0370】
特定の実施形態において、Lは、第1のリンカーである。本開示のコンジュゲートで使用され得るリンカーの例は、以下により詳細に記載される。
【0371】
特定の実施形態において、Lは、第2のリンカーである。本開示のコンジュゲートで使用され得るリンカーの例は、以下により詳細に記載される。
【0372】
特定の実施形態において、W11は、第1の薬物(又は第1の活性薬剤)である。本開示のコンジュゲートに使用され得る薬物及び活性薬剤の例は、以下により詳細に記載される。
【0373】
特定の実施形態において、W12は、第2の薬物(又は第2の活性薬剤)である。本開示のコンジュゲートに使用され得る薬物及び活性薬剤の例は、以下により詳細に記載される。
【0374】
特定の実施形態において、W13は、ポリペプチド(例えば、本明細書に記載の抗体又は結合剤)である。特定の実施形態において、W13は、本明細書に記載の1つ以上のfGly’残基を含む。特定の実施形態において、ポリペプチドは、本明細書に記載のfGly’残基を介して、コンジュゲートの残りの部分に結合する。本開示のコンジュゲートで使用され得るポリペプチド(例えば、抗体及び結合剤)の例は、以下により詳細に記載される。いくつかの事例において、W13は、抗体(例えば、本明細書に記載の抗体)である。いくつかの事例において、W13は、結合剤(例えば、本明細書に記載の結合剤)である。
【0375】
特定の実施形態において、式(II)のコンジュゲートは、第1のリンカー、Lを含む。第1のリンカー、Lは、コンジュゲート化部分を介して、目的の第1の部分(例えば、第1の薬物又は活性薬剤)をポリペプチド(例えば、抗体)に結合するために利用され得る。第1のリンカー、Lは、(例えば、本明細書に記載されるように)コンジュゲート化部分に結合(例えば、共有結合)し得る。例えば、第1のリンカー、Lは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を第1の薬物に結合し得る。ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を使用して、第1のリンカー、L(したがって第1の薬物)をポリペプチド、例えば、抗体にコンジュゲート化し得る。
【0376】
例えば、上の式(II)に示されるように、Lは、コンジュゲート化部分を介してW13に結合し、したがって、W13は、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を介してリンカーLに間接的に結合する。上述のように、W13は、ポリペプチド(例えば、本明細書に記載の抗体又は結合剤)であり、したがって、Lは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を介してポリペプチド(例えば、本明細書に記載の抗体又は結合剤)に結合し、例えば、リンカーLは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を介してポリペプチド(例えば、本明細書に記載の抗体又は結合剤)に間接的に結合する。
【0377】
任意の好都合なリンカーが、本主題のコンジュゲート及び化合物中の第1のリンカーLのために利用され得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシルアミノ、アルキルアミド、置換アルキルアミド、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、アルキル又は置換アルキル基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、アルケニル又は置換アルケニル基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、アルキニル又は置換アルキニル基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、アルコキシ又は置換アルコキシ基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、アミノ又は置換アミノ基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、カルボキシル又はカルボキシルエステル基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、アシルアミノ基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、アルキルアミド又は置換アルキルアミド基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、アリール又は置換アリール基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリール基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、シクロアルキル又は置換シクロアルキル基を含み得る。特定の実施形態において、第1のリンカーLは、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリル基を含み得る。
【0378】
特定の実施形態において、第1のリンカーLは、ポリマーを含み得る。例えば、ポリマーは、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー(例えば、ホモポリマー及びコポリマーは、非置換であるか、又はアルキル基で一端で置換されている)、ポリビニルアルコール、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルピロリドン、それらの組み合わせなどを含む、ポリアルキレングリコール及びその誘導体を含み得る。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキレングリコールである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコールである。以下でより詳細に説明されるコンジュゲート及び化合物において示されるように、他のリンカーもまた可能である。
【0379】
いくつかの実施形態において、Lは、以下の式:
-(L-(L-(L-(L-(L-(L-、
により説明された第1のリンカーであり、
式中、L、L、L、L、L及びLは、各々独立して、リンカーサブユニットであり、a、b、c、d、e、及びfは、各々独立して、0又は1である。
【0380】
特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、0~6である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、0である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、1である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、2である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、3である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、4である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、5である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、6である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e、及びfは、各々1である。特定の実施形態において、a、b、c、d、及びeは、各々1であり、fは、0である。特定の実施形態において、a、b、c、及びdは、各々1であり、e及びfは、各々0である。特定の実施形態において、a、b、及びcは、各々1であり、d、e、及びfは、各々0である。特定の実施形態において、a及びbは、各々1であり、c、d、e、及びfは、各々0である。特定の実施形態において、aは、1であり、b、c、d、e、及びfは、各々0である。
【0381】
特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分(例えば、上の式(I)に示される通り)に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤W11に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤W11に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤W11に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤W11に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤W11に結合する。
【0382】
任意の好適なリンカーサブユニットが、第1のリンカーLに利用され得る。目的のリンカーサブユニットとしては、ポリエチレングリコール、ポリエチレン及びポリアクリレート、アミノ酸残基(複数可)、炭水化物系ポリマー又はその炭水化物残基及びその誘導体、ポリヌクレオチド、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基などのポリマーの単位、それらの組み合わせ、並びにそれらの置換態様が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、L、L、L、L、L、及びL(存在する場合)の各々は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、及びジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)から独立して選択される1つ以上の基を含む。
【0383】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0384】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0385】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0386】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0387】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0388】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0389】
いくつかの実施形態において、Lは、-(L-(L-(L-(L-(L-(L-を含む第1のリンカーであり、式中、
-(L-が、-(T-V-であり、
-(L-が、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
、T、T、T、T、及びTが、存在する場合、テザー基であり、
、V、V、V、V、及びVが、存在する場合、共有結合又は連結官能基であり、
a、b、c、d、e、及びfが、各々独立して、0又は1である。
【0390】
特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、0~6である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、0である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、1である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、2である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、3である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、4である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、5である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e及びfの合計は、6である。特定の実施形態において、a、b、c、d、e、及びfは、各々1である。特定の実施形態において、a、b、c、d、及びeは、各々1であり、fは、0である。特定の実施形態において、a、b、c、及びdは、各々1であり、e及びfは、各々0である。特定の実施形態において、a、b、及びcは、各々1であり、d、e、及びfは、各々0である。特定の実施形態において、a及びbは、各々1であり、c、d、e、及びfは、各々0である。特定の実施形態において、aは、1であり、b、c、d、e、及びfは、各々0である。
【0391】
上述のように、特定の実施形態において、Lは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分(例えば、上の式(II)に示される通り)に結合する。したがって、特定の実施形態において、Tは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分(例えば、上の式(II)に示される通り)に結合する。特定の実施形態において、Vは、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はVは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はVは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はVは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はVは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はVは、存在する場合、第1の薬物又は活性薬剤に結合する。
【0392】
特定の実施形態において、式(II)のコンジュゲートは、第2のリンカー、Lを含む。第2のリンカー、Lは、コンジュゲート化部分を介して、目的の第2の部分(例えば、第2の薬物又は活性薬剤)をポリペプチド(例えば、抗体)に結合するために利用され得る。第2のリンカー、Lは、(例えば、本明細書に記載されるように)コンジュゲート化部分に結合(例えば、共有結合)し得る。例えば、第2のリンカー、Lは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を第2の薬物に結合し得る。ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を使用して、第2のリンカー、L(したがって第2の薬物)をポリペプチド、例えば、抗体にコンジュゲート化し得る。
【0393】
例えば、上の式(II)に示されるように、Lは、コンジュゲート化部分を介してW13に結合し、したがって、W13は、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を介して第2のリンカーLに間接的に結合する。上述のように、W13は、ポリペプチド(例えば、抗体)であり、したがって、Lは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を介してポリペプチド(例えば、抗体)に結合し、例えば、リンカーLは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分を介してポリペプチド(例えば、抗体)に間接的に結合する。
【0394】
任意の好都合なリンカーが、本主題のコンジュゲート及び化合物中の第2のリンカーLのために利用され得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシルアミノ、アルキルアミド、置換アルキルアミド、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、アルキル又は置換アルキル基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、アルケニル又は置換アルケニル基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、アルキニル又は置換アルキニル基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、アルコキシ又は置換アルコキシ基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、アミノ又は置換アミノ基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、カルボキシル又はカルボキシルエステル基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、アシルアミノ基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、アルキルアミド又は置換アルキルアミド基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、アリール又は置換アリール基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリール基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、シクロアルキル又は置換シクロアルキル基を含み得る。特定の実施形態において、第2のリンカーLは、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリル基を含み得る。
【0395】
特定の実施形態において、第2のリンカーLは、ポリマーを含み得る。例えば、ポリマーは、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー(例えば、ホモポリマー及びコポリマーは、非置換であるか、又はアルキル基で一端で置換されている)、ポリビニルアルコール、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルピロリドン、それらの組み合わせなどを含む、ポリアルキレングリコール及びその誘導体を含み得る。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキレングリコールである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコールである。以下でより詳細に説明されるコンジュゲート及び化合物において示されるように、他のリンカーもまた可能である。
【0396】
いくつかの実施形態において、Lは、以下の式:
-(L-(L-(L-(L10-(L11-(L12-(L13
によって説明される第2のリンカーであり、
式中、L、L、L、L10、L11、L12及びL13が、各々独立して、リンカーサブユニットであり、g、h、i、j、k、l、及びmが、各々独立して、0又は1である。
【0397】
特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、0~7である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、0である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、1である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、2である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、3である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、4である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、5である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、6である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、7である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmは、各々1である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、及びlは、各々1であり、mは、0である。特定の実施形態において、g、h、i、j、及びkは、各々1であり、l及びmは、各々0である。特定の実施形態において、g、h、i、及びjは、各々1であり、k、l、及びmは、各々0である。特定の実施形態において、g、h、及びiは、各々1であり、j、k、l、及びmは、各々0である。特定の実施形態において、g及びhは、各々1であり、i、j、k、l、及びmは、各々0である。特定の実施形態において、gは、1であり、h、i、j、k、l、及びmは、各々0である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmは、各々0である。
【0398】
特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分(例えば、上の式(II)に示される通り)に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤W12に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットLは、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤W12に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットL10は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤W12に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットL11は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤W12に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットL12は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤W12に結合する。特定の実施形態において、リンカーサブユニットL13は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤W12に結合する。
【0399】
任意の好都合なリンカーサブユニットが、第2のリンカーLに利用され得る。目的のリンカーサブユニットとしては、ポリエチレングリコール、ポリエチレン及びポリアクリレート、アミノ酸残基(複数可)、炭水化物系ポリマー又はその炭水化物残基及びその誘導体、ポリヌクレオチド、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基などのポリマーの単位、それらの組み合わせ、並びにそれらの置換態様が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、L、L、L、L10、L11、L12及びL13(存在する場合)の各々は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、及びジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)から独立して選択される1つ以上の基を含む。
【0400】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0401】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0402】
いくつかの実施形態において、L(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、Lは、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、Lは、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、Lは、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0403】
いくつかの実施形態において、L10(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、L10は、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、L10は、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、L10は、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、L10は、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、L10は、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、L10は、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0404】
いくつかの実施形態において、L11(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、L11は、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、L11は、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、L11は、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、L11は、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、L11は、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、L11は、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0405】
いくつかの実施形態において、L12(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、L12は、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、L12は、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、L12は、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、L12は、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、L12は、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、L12は、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0406】
いくつかの実施形態において、L13(存在する場合)は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、アミノ酸残基、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、又はジアミンを含む。いくつかの実施形態において、L13は、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、L13は、修飾ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、L13は、アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、L13は、アルキル基又は置換アルキルを含む。いくつかの実施形態において、L13は、アリール基又は置換アリール基を含む。いくつかの実施形態において、L13は、ジアミン(例えば、アルキレンジアミンを含む連結基)を含む。
【0407】
いくつかの実施形態において、Lは、-(L-(L-(L-(L10-(L11-(L12-(L13-を含む第2のリンカーであり、式中、
-(L-は、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
-(L-は、-(T-V-であり、
-(L10-は、-(T10-V10-であり、
-(L11-は、-(T11-V11-であり、
-(L12-は、-(T12-V12-であり、
-(L13-は、-(T13-V13-であり、
、T、T、T10、T11、T12、及びT13が、存在する場合、テザー基であり、
、V、V、V10、V11、V12、及びV13が、存在する場合、共有結合又は連結官能基であり、
g、h、i、j、k、l、及びmが、各々独立して、0又は1である。
【0408】
特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、0~7である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、0である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、1である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、2である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、3である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、4である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、5である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、6である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmの合計は、7である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmは、各々1である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、及びlは、各々1であり、mは、0である。特定の実施形態において、g、h、i、j、及びkは、各々1であり、l及びmは、各々0である。特定の実施形態において、g、h、i、及びjは、各々1であり、k、l、及びmは、各々0である。特定の実施形態において、g、h、及びiは、各々1であり、j、k、l、及びmは、各々0である。特定の実施形態において、g及びhは、各々1であり、i、j、k、l、及びmは、各々0である。特定の実施形態において、gは、1であり、h、i、j、k、l、及びmは、各々0である。特定の実施形態において、g、h、i、j、k、l、及びmは、各々0である。
【0409】
上述のように、特定の実施形態において、Lは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分(例えば、上の式(II)に示される通り)に結合する。したがって、特定の実施形態において、Tは、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分(例えば、上の式(II)に示される通り)に結合する。特定の実施形態において、Vは、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はVは、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、Lは、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、Tは、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はVは、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、L10は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、T10は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はV10は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、L11は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、T11は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はV11は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、L12は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、T12は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はV12は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。特定の実施形態において、L13は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。したがって、特定の実施形態において、T13は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合するか、又はV13は、存在する場合、第2の薬物又は活性薬剤に結合する。
【0410】
テザー基、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、及びT13に関して、任意の好都合なテザー基が、本主題のリンカーで利用され得る。いくつかの実施形態において、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、及びT13は、各々、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノピペリジン(4AP)、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、パラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)、アセタール基、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから独立して選択される1つ以上の基を含み、式中、各wが、1~20の整数であり、各nが、1~30の整数であり、各pが、1~20の整数であり、各xが、1~12の整数である。
【0411】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、及び/又はT13)は、(C-C12)アルキル又は置換(C-C12)アルキルを含む。特定の実施形態において、(C-C12)アルキルは、1~12個の炭素原子、例えば、1~10個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子、又は1~6個の炭素原子、又は1~5個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基である。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、アルキル又は置換アルキル、例えば、C-C12アルキル、又はC-C10アルキル、又はC-Cアルキル、又はC-Cアルキルであり得る。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、C-アルキルである。例えば、(C-C12)アルキルは、アルキレン又は置換アルキレン、例えば、C-C12アルキレン、又はC-C10アルキレン、又はC-Cアルキレン、又はC-Cアルキレンであり得る。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、C-アルキレン(例えば、CH)である。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、C-アルキレン(例えば、CHCH)である。いくつかの事例において、(C-C12)アルキルは、C-アルキレン(例えば、CHCHCH)である。
【0412】
特定の実施形態において、置換(C-C12)アルキルは、1~12個の炭素原子、例えば、1~10個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子、又は1~6個の炭素原子、又は1~5個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖置換アルキル基である。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換アルキル、例えば、置換C-C12アルキル、又は置換C-C10アルキル、又は置換C-Cアルキル、又は置換C-Cアルキルであり得る。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換C-アルキルである。例えば、置換(C-C12)アルキルは、置換アルキレン、例えば、置換C-C12アルキレン、又は置換C-C10アルキレン、又は置換C-Cアルキレン、又は置換C-Cアルキレンであり得る。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換C-アルキレン(例えば、-SOHで置換されたC-アルキレン)である。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換C-アルキレンである。いくつかの事例において、置換(C-C12)アルキルは、置換C-アルキレンである。例えば、置換(C-C12)アルキルは、本明細書に記載の(PEG)基(例えば、-CONH(PEG)、例えば、-CONH(PEG)若しくは-CONH(PEG)、又は-NHCO(PEG)、例えば、-NHCO(PEG))で置換されたC-C12アルキレン(例えば、C-アルキレン又はC-アルキレン)を含み得るか、又は-CONHCHCHSOH基で置換されたC-C12アルキレン(例えば、C-アルキレン)を含み得るか、又は-NHCOCHSOH基で置換されたC-C12アルキレン(例えば、C-アルキレン)を含み得る。
【0413】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13)は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、又は置換ヘテロシクリルを含む。いくつかの事例において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、及び/又はT13)は、アリール又は置換アリールを含む。例えば、アリールは、フェニルであり得る。いくつかの場合において、置換アリールは、置換フェニルである。置換フェニルは、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される1つ以上の置換基で置換され得る。いくつかの事例において、置換アリールは、置換フェニルであり、置換基は、本明細書に記載の切断可能な部分(例えば、酵素的に切断可能な部分、例えば、グリコシド又はグリコシド誘導体)を含む。
【0414】
いくつかの事例において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、及び/又はT13)は、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリール、そのようなトリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾリル)を含む。いくつかの事例において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、及び/又はT13)は、シクロアルキル又は置換シクロアルキルを含む。いくつかの事例において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、及び/又はT13)は、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリルを含む。いくつかの事例において、置換ヘテロアリール、置換シクロアルキル、又は置換ヘテロシクリル上の置換基は、本明細書に記載の切断可能な部分(例えば、酵素的に切断可能な部分、例えば、グリコシド又はグリコシド誘導体)を含む。
【0415】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13)は、エチレンジアミン(EDA)部分、例えば、EDA含有テザー基を含む。特定の実施形態において、(EDA)は、1つ以上のEDA部分を含み、例えば、wは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、又は6の整数である)。連結したエチレンジアミン(EDA)部分は、任意選択的に、1つ以上の好都合な位置で、任意の好都合な置換基、例えば、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリール、又は置換アリールで置換されてもよい。特定の実施形態において、EDA部分は、以下の構造:
【化33】
により説明され、
式中、yが、1~6、又は0若しくは1の整数であり、各R12が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、yは、1、2、3、4、5、又は6である。特定の実施形態において、yは、1であり、rは、0である。特定の実施形態において、yは、1であり、rは、1である。特定の実施形態において、yは、2であり、rは、0である。特定の実施形態において、yは、2であり、rは、1である。特定の実施形態において、各R12は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される。特定の実施形態において、EDAの任意の2つの隣接するR12基は、環状に連結して、例えば、ピペラジニル環を形成してもよい。特定の実施形態において、yは、1であり、2つの隣接するR12基は、アルキル基であり、環状に連結してピペラジニル環を形成する。特定の実施形態において、yは、1であり、隣接するR12基は、水素、アルキル(例えば、メチル)、及び置換アルキル(例えば、低級アルキル-OH、例えば、エチル-OH又はプロピル-OH)から選択される。
【0416】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13)は、4-アミノ-ピペリジン(4AP)部分(本明細書では、ピペリジン-4-アミノ、P4Aとも称される)を含む。4AP部分は、任意選択的に、1つ以上の好都合な位置で、任意の好都合な置換基、例えば、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アシル、置換アシル、アリール、又は置換アリールで置換されてもよい。特定の実施形態において、4AP部分は、以下の構造:
【化34】
により説明され、
式中、R12は、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分(例えば、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコール)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R12は、ポリエチレングリコール部分である。特定の実施形態において、R12は、カルボキシ修飾ポリエチレングリコールである。
【0417】
特定の実施形態において、R12は、式(PEG)によって説明されるポリエチレングリコール部分を含み、以下の構造:
【化35】
によって表され得、
式中、kは、1~20、例えば、1~18、又は1~16、又は1~14、又は1~12、又は1~10、又は1~8、又は1~6、又は1~4、又は1若しくは2、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の整数である。いくつかの事例において、kは、2である。特定の実施形態において、R17は、OH、COOH、OR、又はCOORから選択され、式中、Rが、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R17は、COOHである。特定の実施形態において、R17は、OHである。特定の実施形態において、R17は、OCHである。
【0418】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13)は、(PEG)を含み、式中、(PEG)が、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコール連結単位である。特定の実施形態において、(PEG)は、以下の構造:
【化36】
により説明され、
式中、nは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20の整数である。いくつかの事例において、nは、2である。いくつかの事例において、nは、3である。いくつかの事例において、nは、6である。いくつかの事例において、nは、12である。
【0419】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13)は、(AA)を含み、式中、AAが、アミノ酸残基である。任意の好都合なアミノ酸が利用され得る。目的のアミノ酸としては、限定されないが、L-アミノ酸及びD-アミノ酸、天然に存在するアミノ酸、例えば、20個の主なアルファ-アミノ酸及びベータ-アラニンのうちのいずれか、天然に存在しないアミノ酸(例えば、アミノ酸類似体)、例えば、天然に存在しないアルファ-アミノ酸又は天然に存在しないベータ-アミノ酸などが挙げられる。特定の実施形態において、pは、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20などの整数である。特定の実施形態において、pは、1である。特定の実施形態において、pは、2である。
【0420】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13)は、アミノ酸類似体を含む。アミノ酸類似体は、天然に存在するタンパク質(例えば、Ala又はA、Cys又はC、Asp又はD、Glu又はE、Phe又はF、Gly又はG、His又はH、Ile又はI、Lys又はK、Leu又はL、Met又はM、Asn又はN、Pro又はP、Gln又はQ、Arg又はR、Ser又はS、Thr又はT、Val又はV、Trp又はW、Tyr又はY)中に一般的に見出される1つ以上のアミノ酸と構造及び/又は全体的な形状が類似している化合物を含む。アミノ酸類似体はまた、修飾側鎖又は骨格を有する天然アミノ酸を含む。アミノ酸類似体はまた、天然に存在するD形態と同じ立体化学を有するアミノ酸類似体、並びにアミノ酸類似体のL形態を含む。いくつかの事例において、アミノ酸類似体は、1つ以上の天然アミノ酸の骨格構造及び/又は側鎖構造を共有し、その違い(複数可)は、分子中の1つ以上の修飾基である。そのような修飾としては、限定されないが、ある原子(例えばN)の関連する原子(例えばS)による置換、ある基(例えば、メチル、若しくはヒドロキシルなど)又はある原子(例えば、Cl、若しくはBrなど)の付加、ある基の欠失、共有結合の置換(例えば、単結合の二重結合による置換)、あるいはそれらの組み合わせが挙げられ得る。例えば、アミノ酸類似体は、α-ヒドロキシ酸、及びα-アミノ酸などを含み得る。アミノ酸類似体の例としては、スルホアラニンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0421】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13)は、式-(CR13OH)-によって記載される部分を含み、式中、xが0であるか、又はxが、1~50、例えば、1~40、1~30、1~20、1~12、又は1~6、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の整数である。特定の実施形態において、xは、1である。特定の実施形態において、xは、2である。特定の実施形態において、各R13は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R13は、水素である。特定の実施形態において、R13は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R13は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R13は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R13は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R13は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R13は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R13は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R13は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R13は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R13は、スルホニルである。特定の実施形態において、R13は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R13は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R13は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R13は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R13は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0422】
特定の実施形態において、R13は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される。これらの実施形態において、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールは、R13について上で説明された通りである。
【0423】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13)は、アセタール基、ジスルフィド、ヒドラジン、又はエステルを含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、アセタール基を含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、ヒドラジンを含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、ジスルフィドを含む。いくつかの実施形態において、テザー基は、エステルを含む。
【0424】
特定の実施形態において、テザー基(例えば、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13)は、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、又はパラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)を含む。
【0425】
いくつかの実施形態において、テザー基は、以下の構造:
【化37】
によって記載されるMABO基を含む。
【0426】
いくつかの実施形態において、テザー基は、以下の構造:
【化38】
によって記載されるMABC基を含む。
【0427】
いくつかの実施形態において、テザー基は、以下の構造:
【化39】
によって記載されるPABO基を含む。
【0428】
いくつかの実施形態において、テザー基は、以下の構造:
【化40】
によって記載されるPABC基を含む。
【0429】
いくつかの実施形態において、テザー基は、以下の構造:
【化41】
によって記載されるPAB基を含む。
【0430】
いくつかの実施形態において、テザー基は、以下の構造:
【化42】
によって記載されるPABA基を含む。
【0431】
いくつかの実施形態において、テザー基は、以下の構造:
【化43】
によって記載されるPAP基を含む。
【0432】
いくつかの実施形態において、テザー基は、以下の構造:
【化44】
によって記載されるPHP基を含む。
【0433】
特定の実施形態において、各R14は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0434】
特定の実施形態において、R14は、水素である。特定の実施形態において、各R14は、水素である。特定の実施形態において、R14は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R14は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R14は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R14は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R14は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R14は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R14は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R14は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R14は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R14は、スルホニルである。特定の実施形態において、R14は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R14は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R14は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R14は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R14は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0435】
上に示されるMABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPテザー構造のいくつかの実施形態において、フェニル環は、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される1つ以上の追加の基で置換され得る。
【0436】
特定の実施形態において、テザー基T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12及び/又はT13のうちの1つ以上は各々、任意選択的にグリコシド又はグリコシド誘導体で置換されている。例えば、いくつかの事例において、T、T、T、T、T、及びTは各々、任意選択的にグリコシドで置換されている。いくつかの事例において、T、T、T、T10、T11、T12、及びT13は各々、任意選択的にグリコシドで置換されている。特定の実施形態において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される。
【0437】
特定の実施形態において、上に示されるMABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPテザー構造は、グリコシド及びグリコシド誘導体から選択される1つ以上の追加の基で置換され得る。例えば、上に示されるMABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPテザー構造のいくつかの実施形態において、フェニル環は、グリコシド及びグリコシド誘導体から選択される1つ以上の追加の基で置換され得る。特定の実施形態において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される。
【0438】
例えば、いくつかの実施形態において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、以下の構造:
【化45】
から選択される。
【0439】
連結官能基、V、V、V、V、V、V、V、V、V、V10、V11、V12、及びV13に関して、任意の好都合な連結官能基が、本主題のリンカーで利用され得る。目的の連結官能基としては、限定されないが、アミノ、カルボニル、アミド、オキシカルボニル、カルボキシ、スルホニル、スルホキシド、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、チオ、オキシ、ホスホ、ホスホロアミデート、チオホスホライデートなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、V、V、V、V、V、V、V、V、V、V10、V11、V12及びV13は、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-及び-P(O)OH-から選択され、式中、qは、1~6の整数である。特定の実施形態において、qは、1~6(例えば、1、2、3、4、5、又は6)の整数である。特定の実施形態において、qは、1である。特定の実施形態において、qは、2である。特定の実施形態において、qは、3である。特定の実施形態において、qは、4である。特定の実施形態において、qは、5である。特定の実施形態において、qは、6である。
【0440】
いくつかの実施形態において、各R15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0441】
特定の実施形態において、R15は、水素である。特定の実施形態において、各R15は、水素である。特定の実施形態において、R15は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R15は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R15は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R15は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R15は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R15は、カルボキシル又はカルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R15は、アシル又はアシルオキシである。特定の実施形態において、R15は、アシルアミノ又はアミノアシルである。特定の実施形態において、R15は、アルキルアミド又は置換アルキルアミドである。特定の実施形態において、R15は、スルホニルである。特定の実施形態において、R15は、チオアルコキシ又は置換チオアルコキシである。特定の実施形態において、R15は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R15は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R15は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R15は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-8ヘテロシクリル若しくはC3-8置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0442】
特定の実施形態において、各R15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。これらの実施形態において、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルは、R15について上に記載されている通りである。
【0443】
上述のように、いくつかの実施形態において、Lは、-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-を含む第1のリンカーであり、式中、a、b、c、d、e、及びfは、各々独立して、0又は1である。
【0444】
いくつかの実施形態において、第1のリンカーLにおいて、
が、(C~C12)アルキル及び置換(C~C12)アルキルから選択され、
、T、T、T、及びTが、各々独立して、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、PHP、アセタール基、ジスルフィド、ヒドラジン、及びエステルから選択され、
、V、V、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-から選択され、式中、qが、1~6の整数であり、
(PEG)が、
【化46】
であり、式中、nが、1~30の整数であり、
EDAは、以下の構造:
【化47】
を有するエチレンジアミン部分であり、式中、yが、1~6の整数であり、rが、0又は1であり、
4-アミノ-ピペリジン(4AP)が、
【化48】
であり、
AAは、アミノ酸残基であり、pは、1~20の整数であり、
各R12が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アリール、及び置換アリールから選択され、任意の2つの隣接するR12基が、環状に連結され、ピペラジニル環を形成してもよく、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0445】
特定の実施形態において、T、T、T、T、T及びT、並びにV、V、V、V、V及びVは、以下から選択され、
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CONH-であり、
が、置換(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
が、AAであり、Vが、存在せず、
が、PABCであり、Vが、存在せず、
e及びfが、各々0である。
【0446】
特定の実施形態において、第1のリンカーLについての上のリンカー構造の左側は、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分に結合し、第1のリンカーLについての上のリンカー構造の右側は、第1の薬物又は活性薬剤に結合している。
【0447】
上述のように、いくつかの実施形態において、Lは、-(T-V-(T-V-(T-V-(T10-V10-(T11-V11-(T12-V12-(T13-V13-を含む第2のリンカーであり、式中、g、h、i、j、k、l、及びmは、各々独立して、0又は1である。
【0448】
いくつかの実施形態において、第2のリンカーLにおいて、
が、(C-C12)アルキル及び置換(C-C12)アルキルから選択され、
、T、T10、T11、T12、及びT13が、各々独立して、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、PHP、アセタール基、ジスルフィド、ヒドラジン、及びエステルから選択され、
、V、V、V10、V11、V12及びV13が、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-及び-P(O)OH-から選択され、式中、qが、1~6の整数であり、
(PEG)が、
【化49】
であり、式中、nが、1~30の整数であり、
EDAは、以下の構造:
【化50】
を有するエチレンジアミン部分であり、式中、yが、1~6の整数であり、rが、0又は1であり、
4-アミノ-ピペリジン(4AP)が、
【化51】
であり、
AAは、アミノ酸残基であり、pは、1~20の整数であり、
各R12が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アリール、及び置換アリールから選択され、任意の2つの隣接するR12基が、環状に連結され、ピペラジニル環を形成してもよく、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0449】
任意の好都合なテザー基は、T、T、T、T10、T11、T12、及びT13で利用され得る。例えば、T、T、T、T、T、及びTに関連して上に記載されるテザー基のうちのいずれかが、テザー基T、T、T、T10、T11、T12、及びT13のために使用され得る。
【0450】
任意の好都合な連結官能基が、V、V、V、V10、V11、V12、及びV13のために利用され得る。例えば、V、V、V、V、V、及びVに関連して上に記載される連結官能基のうちのいずれかが、連結官能基V、V、V、V10、V11、V12、及びV13のために使用され得る。
【0451】
特定の実施形態において、各R13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される。これらの実施形態において、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールは、R13について上で説明された通りである。
【0452】
特定の実施形態において、各R15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。これらの実施形態において、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルは、R15について上に記載されている通りである。これらの実施形態において、様々な可能な置換基は、R15について上に記載されている通りである。
【0453】
第2のリンカーLの特定の実施形態において、テザー基T、T、T、T10、T11、T12、及びT13のうちの1つ以上は各々、任意選択的にグリコシド又はグリコシド誘導体で置換されている。特定の実施形態において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される。
【0454】
第2のリンカーLの特定の実施形態において、上に示されるMABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPテザー構造は、グリコシド及びグリコシド誘導体から選択される1つ以上の追加の基で置換され得る。例えば、上に示されるMABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPテザー構造のいくつかの実施形態において、フェニル環は、グリコシド及びグリコシド誘導体から選択される1つ以上の追加の基で置換され得る。特定の実施形態において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される。
【0455】
特定の実施形態において、T、T、T、T10、T11、T12及びT13、並びにV、V、V、V10、V11、V12及びV13は、以下のものから選択され、
が、存在せず、Vが、-NHCO-であり、
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CONH-であり、
が、置換(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
10が、AAであり、V10が、存在せず、
11が、PABCであり、V11が、存在せず、
l及びmが、各々0である。
【0456】
特定の実施形態において、第2のリンカーLについての上のリンカー構造の左側は、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルコンジュゲート化部分に結合し、第2のリンカーLについての上のリンカー構造の右側は、第2の薬物又は活性薬剤に結合している。
【0457】
特定の実施形態において、コンジュゲートは、上述のように、抗体及び薬物がリンカーによって一緒に連結されている、抗体-薬物コンジュゲートである。いくつかの事例において、リンカーm(例えば、L及び/又はL)は、切断可能なリンカーである。切断可能なリンカーは、1つ以上の切断可能な部分を含むリンカーであり、切断可能な部分は、特定の条件下で解離することができ、したがって、切断可能なリンカーを2つ以上の分離可能な部分に分離することができる1つ以上の結合を含む。例えば、切断可能な部分は、1つ以上の共有結合を含んでもよく、1つ以上の共有結合は、特定の条件下で解離又は分離して、切断可能なリンカーを2つ以上の部分に分離することができる。したがって、抗体-薬物コンジュゲート中に含まれるそのようなリンカーは、切断可能なリンカーであり得、その結果、適切な条件下で、切断可能なリンカーが切断され、その薬物についての所望の作用標的部位で、その薬物をその抗体から分離するか、又は放出する。
いくつかの事例において、切断可能なリンカーは、2つの切断可能な部分、例えば、第1の切断可能な部分及び第2の切断可能な部分を含む。切断可能な部分は、その薬物についての所望の作用標的部位で抗体から薬物を分離するためか、又は放出するために、両方の切断可能な部分の切断が必要となるように構成され得る。例えば、切断可能なリンカーの切断は、最初に2つの切断可能な部分のうちの1つを切断し、次いで2つの切断可能な部分の他方を切断することによって達成することができる。特定の実施形態において、切断可能なリンカーは、第1の切断可能な部分と、第1の切断可能な部分の切断を妨害する第2の切断可能な部分と、を含む。「切断を妨害する」とは、切断されていない第2の切断可能な部分の存在が、第1の切断可能な部分の切断の可能性を減少させるか、又は切断を実質的に阻害し、したがって、切断可能なリンカーの切断の量を実質的に減少させるか、又は切断を防止することを意味する。例えば、切断されていない第2の切断可能な部分の存在は、第1の切断可能な部分の切断を妨害することができる。第2の切断可能な部分の存在による第1の切断可能な部分の切断の妨害は、ひいては、抗体からの薬物の放出の量を実質的に減少させるか、又は放出を防止する。例えば、抗体-薬物コンジュゲートが、その薬物についての所望の作用標的部位にあるか、又はその付近にあるようになるまで、抗体からの薬物の早期放出を実質的に減少又は防止することができる。
【0458】
いくつかの場合において、第2の切断可能な部分が、第1の切断可能な部分の切断を妨害するため、切断可能なリンカーの切断は、最初に第2の切断可能な部分を切断し、次いで第1の切断可能な部分を切断することによって達成することができる。第2の切断可能な部分の切断は、第1の切断可能な部分の切断に対する妨害を減少させるか、又はなくすことができ、したがって、第1の切断可能な部分の切断を可能にする。第1の切断可能な部分の切断により、切断可能なリンカーが上述のように2つ以上の部分に解離又は分離して、抗体-薬物コンジュゲートから薬物を放出することができる。いくつかの事例において、第1の切断可能な部分の切断は、切断されていない第2の切断可能な部分の存在下では実質的に起こらない。実質的にとは、切断されていない第2の切断可能な部分の存在下で、第1の切断可能な部分の約10%以下の切断が起こること、例えば、切断されていない第2の切断可能な部分の存在下で、第1の切断可能な部分の約9%以下、又は約8%以下、又は約7%以下、又は約6%以下、又は約5%以下、又は約4%以下、又は約3%以下、又は約2%以下、又は約1%以下、又は約0.5%以下、又は約0.1%以下の切断が起こることを意味する。
【0459】
別の言い方をすれば、第2の切断可能な部分は、第1の切断可能な部分を切断されないように保護することができる。例えば、切断されていない第2の切断可能な部分の存在は、第1の切断可能な部分を切断されないように保護することができ、したがって、抗体-薬物コンジュゲートが、その薬物についての所望の作用標的部位にあるか、又はその付近にあるようになるまで、抗体からの薬物の早期放出を実質的に減少又は防止することができる。したがって、第2の切断可能な部分の切断により、第1の切断可能な部分を露出させ(例えば、第1の切断可能な部分を脱保護し)、したがって、第1の切断可能な部分の切断を可能にし、切断可能なリンカーの切断が起こり、次いで、上述の薬物についての所望の作用標的部位で抗体から薬物を分離又は放出する。特定の事例において、第2の切断可能な部分の切断により、第1の切断可能な部分を、その後の切断に対して露出させるが、第2の切断可能な部分は、切断可能なリンカーの中にはなく、それ自体は切断可能なリンカーの切断をもたらさない(すなわち、切断可能なリンカーを切断するために、第1の切断可能な部分の切断が依然として必要である)。
【0460】
切断可能なリンカーに含まれる切断可能な部分は、各々、酵素的に切断可能な部分であり得る。例えば、第1の切断可能な部分は、第1の酵素的に切断可能な部分であってもよく、第2の切断可能な部分は、第2の酵素的に切断可能な部分であってもよい。酵素的に切断可能な部分は、酵素の酵素作用によって上述のように2つ以上の部分に分離することができる切断可能な部分である。酵素的に切断可能な部分は、酵素の酵素作用によって切断することができる任意の切断可能な部分、例えば、限定されないが、エステル、ペプチド、グリコシドなどであり得る。いくつかの事例において、酵素的に切断可能な部分を切断する酵素は、抗体-薬物コンジュゲートから放出される薬物の所望の作用標的部位などの所望の作用標的部位に存在する。いくつかの場合において、酵素的に切断可能な部分を切断する酵素は、全血液、血漿、又は血清などの他の領域に有意な量では存在しない。したがって、酵素的に切断可能な部分の切断は、実質的な切断が所望の作用部位で起こるように制御することができ、一方で、他の領域で、又は抗体-薬物コンジュゲートが所望の作用部位に到達する前に、切断は有意に起こらない。
【0461】
例えば、本明細書に記載されるように、本開示の抗体-薬物コンジュゲートは、がんの治療のために、例えば、がん細胞が存在する所望の作用部位へのがん療法薬の送達のために使用することができる。いくつかの場合において、酵素、例えば、エステル結合を切断するエステラーゼは、がん細胞において過剰発現される、がんについてのバイオマーカーであり得る。がんにおける特定の酵素の過剰発現、したがって局在化を、本開示の抗体-薬物コンジュゲートの切断可能なリンカーに含まれる酵素的に切断可能な部分の文脈で使用して、所望の作用部位(すなわち、がん(及び過剰発現した酵素)の部位)で薬物を特異的に放出させることができる。したがって、いくつかの実施形態において、酵素的に切断可能な部分は、がん細胞において過剰発現される酵素によって切断され得る切断可能な部分(例えば、エステル又はグリコシド)である。例えば、酵素は、エステラーゼであり得る。したがって、いくつかの事例において、酵素的に切断可能な部分は、エステラーゼ酵素によって切断され得る切断可能な部分(例えば、エステル)である。いくつかの事例において、酵素は、グリコシダーゼであり得る。したがって、いくつかの事例において、酵素的に切断可能な部分は、グリコシダーゼ酵素によって切断され得る切断可能な部分(例えば、グリコシド又はグリコシド誘導体)である。
【0462】
特定の実施形態において、酵素的に切断可能な部分は、エステル結合である。例えば、上述の第1の切断可能な部分(すなわち、第2の切断可能な部分によって早期切断から保護される切断部分)は、エステルを含み得る。切断されていない第2の切断可能な部分の存在は、第1の切断可能な部分(エステル)を、エステラーゼ酵素によって切断されないように保護することができ、したがって、抗体-薬物コンジュゲートが、その薬物についての所望の作用標的部位にあるか、又はその付近にあるようになるまで、抗体からの薬物の早期放出を実質的に減少又は防止することができる。いくつかの事例において、第1の切断可能な部分に隣接するリンカーの部分は、置換基に連結しているか、又は置換基を含み、置換基は、第2の切断可能な部分を含む。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、グリコシド又はグリコシド誘導体を含む。
【0463】
いくつかの実施形態において、酵素的に切断可能な部分は、糖部分、例えば、グリコシド(若しくはグリコシル)又はグリコシド誘導体である。いくつか場合において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、グリコシド又はグリコシド誘導体を含まない切断可能なリンカーと比較して、切断可能なリンカーの親水性の増加を促進することができる。グリコシド又はグリコシド誘導体は、切断可能なリンカーにおける使用に好適であり、かつ酵素の酵素作用によって切断することができる、任意のグリコシド又はグリコシド誘導体であり得る。例えば、第2の切断可能な部分(すなわち、第1の切断可能な部分を早期切断から保護する切断可能な部分)は、グリコシド又はグリコシド誘導体であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、第1の切断可能な部分は、エステルを含み、第2の切断可能な部分は、グリコシド又はグリコシド誘導体を含む。特定の実施形態において、第2の切断可能な部分は、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択されるグリコシド又はグリコシド誘導体である。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、グルクロニドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、ガラクトシドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、グルコシドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、マンノシドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、フコシドである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、O-GlcNAcである。いくつかの事例において、第2の切断可能な部分は、O-GalNAcである。
【0464】
グリコシド又はグリコシド誘導体は、グリコシド結合を介して切断可能なリンカーに結合(共有結合)することができる。グリコシド結合は、様々なタイプの結合、例えば、限定されないが、O-グリコシド結合(O-グリコシド)、N-グリコシド結合(グリコシルアミン)、S-グリコシド結合(チオグリコシド)、又はC-グリコシド結合(C-グリコシド又はC-グリコシル)を介して、グリコシド又はグリコシド誘導体を切断可能なリンカーに連結し得る。いくつかの事例において、グリコシド結合は、O-グリコシド結合(O-グリコシド)である。いくつかの場合において、グリコシド又はグリコシド誘導体は、酵素によって結合する切断可能なリンカーから(例えば、グリコシド結合の酵素によって媒介される加水分解を介して)切断され得る。グリコシド又はグリコシド誘導体を、グリコシド又はグリコシド誘導体を切断可能なリンカーに結合するグリコシド結合の切断(加水分解)を実行することが可能な任意の好都合な酵素によって、切断可能なリンカーから除去又は切断することができる。グリコシド又はグリコシド誘導体を切断可能なリンカーに結合するグリコシド結合の切断(加水分解)を媒介するために使用され得る酵素の一例は、グリコシダーゼ、例えば、グルクロニダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコシダーゼ、マンノシダーゼ、フコシダーゼなどである。他の好適な酵素も、グリコシド又はグリコシド誘導体を切断可能なリンカーに結合するグリコシド結合の切断(加水分解)を媒介するために使用され得る。いくつかの場合において、グリコシド又はグリコシド誘導体を切断可能なリンカーに結合するグリコシド結合の切断(加水分解)を媒介するために使用される酵素は、抗体-薬物コンジュゲートの薬物についての所望の作用部位に、又はその付近に見出される。例えば、酵素は、抗体-薬物コンジュゲートの薬物についての所望の作用部位に、又はその付近の細胞において見出される、リソソーム酵素、例えば、リソソームグリコシダーゼであり得る。いくつかの場合において、酵素は、第1の切断可能な部分の切断を媒介する酵素が見出される標的部位、又はその付近で見出される酵素である。
【0465】
本開示によるコンジュゲートの例としては、以下の構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【化52】
【0466】
上の構造において示される化学エンティティ、リンカー及びコンジュゲート化部分のうちのいずれも、本主題の化合物及びコンジュゲートにおける使用に適合され得る。
【0467】
ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニル化合物、及びコンジュゲートを生成するための方法に関する追加の開示は、米国特許第9,310,374号及び米国特許第9,493,413号に見出され、これらの各々の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0468】
結合剤コンジュゲートの追加の実施形態
いくつかの場合において、結合剤は、目的の結合部分、例えば、検出可能な標識、薬物、又は半減期延長部分を有する。結合剤の修飾は、様々な合成及び/又は組換え方法によって達成され得る。結合剤に結合した1つ以上の部位は、幅広い様々な機能又は特徴のうちの1つ以上を提供し得る。例示的な部分には、検出可能な標識(例えば、染料標識(例えば、発色団、フルオロフォア)、生体物理学的プローブ(スピン標識、核磁気共鳴(NMR)プローブ)、蛍光共鳴エネルギー伝達(FRET)型の標識(例えば、フルオロフォア/クエンチャーペアの少なくとも1つのメンバーを含む、FRET対の少なくとも1つのメンバー)、生物発光共鳴エネルギー伝達(BRET)型の標識(例えば、BRET対の少なくとも1つのメンバー)、免疫検出可能なタグ(例えば、FLAG、His(6)など)が含まれる。
【0469】
結合した部分はまた、水溶性ポリマー(例えば、PEG化)、精製タグ(例えば、親和性クロマトグラフィー(例えば、FLAGエピトープの結合)による単離を容易にするため)、膜局在化ドメイン(例えば、脂質又はグリコホスファチジルイノシトール(GPI)型アンカー)、固定化タグ(例えば、選択的結合を含む、ポリペプチドの表面への結合を容易にするため)、薬物(例えば、薬物の抗体への結合を介した薬物標的化を容易にするため)などであり得る。
【0470】
半減期延長に関して、本開示の結合剤は、任意選択的に、(例えば、PEG化、ハイパーグリコシル化などによって)改善された薬物動態プロファイルを提供するように修飾され得る。
【0471】
いくつかの場合において、結合剤は、共有結合された非ペプチドポリマーを有し得る。好適なポリマーとしては、例えば、生体適合性ポリマー、及び水溶性生体適合性ポリマーが挙げられる。適切なポリマーには、合成ポリマー及び天然に存在するポリマーが含まれる。好適なポリマーとしては、例えば、置換若しくは非置換の直鎖若しくは分岐鎖ポリアルキレン、ポリアルケニレン若しくはポリオキシアルキレンポリマー、又は分岐若しくは非分岐多糖、例えば、ホモ多糖若しくはヘテロ多糖が挙げられる。好適なポリマーとしては、例えば、エチレンビニルアルコールコポリマー(一般的な名称EVOH又は商品名EVALによって一般的に知られる);ポリメタクリル酸ブチル;ポリ(ヒドロキシバレレート);ポリ(L-乳酸);ポリカプロラクトン;ポリ(ラクチド-コ-グリコリド);ポリ(ヒドロキシブチレート);ポリ(ヒドロキシブチレート-コ-バレレート);ポリジオキサノン;ポリオルトエステル;ポリ無水物;ポリ(グリコール酸);ポリ(D,L-乳酸);ポリ(グリコール酸-コ-トリメチレンカーボネート);ポリホスホエステル;ポリホスホエステルウレタン;ポリ(アミノ酸);シアンアクリレート;ポリ(トリメチレンカーボネート);ポリ(イミノカーボネート);コポリ(エーテル-エステル)(例えば、ポリ(エチレンオキシド)-ポリ(乳酸)(PEO/PLA)コポリマー);ポリアルキレンオキサレート;ポリホスファゼン;フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン及びヒアルロン酸などの生体分子;ポリウレタン;シリコーン;ポリエステル;ポリオレフィン;ポリイソブチレン及びエチレン-アルファオレフィンコポリマー;アクリルポリマー及びコポリマー;ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー;ポリビニルエーテル、例えば、ポリビニルメチルエーテル、ハロゲン化ポリビニリデン、例えば、フッ化ポリビニリデン及び塩化ポリビニリデン;ポリアクリニトリル;ポリビニルケトン;ポリスチレンなどのポリスチレン芳香族;ポリ酢酸ビニルなどのポリエステル;エチレン-メチル-メタクリレートコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、ABS樹脂、及びエチレン-酢酸ビニルコポリマーなどの互いのビニルモリマーのコポリマー及びオレフィンとのコポリマー;Nylon66及びポリカプロラクタムなどのポリアミド;アルキド樹脂;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリイミド;ポリエーテル;エポキシ樹脂;ポリウレタン;レーヨン;レーヨン-トリアセテート;セルロース;酢酸セルロース;酪酸セルロース;酢酸酪酸セルロース;セロファン;硝酸セルロース;プロピオン酸セルロース;セルロースエーテル;非晶質テフロン;ポリ(エチレングリコール);並びにカルボキシメチルセルロースが挙げられる。
【0472】
好適な合成ポリマーとしては、非置換及び置換の直鎖又は分岐鎖ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ポリ(ビニルアルコール)、及びその誘導体、例えば、メトキシポリ(エチレングリコール)などの置換ポリ(エチレングリコール)、並びにそれらの誘導体が挙げられる。好適な天然に存在するポリマーは、例えば、アルブミン、アミロース、デキストラン、グリコーゲン、及びその誘導体を含む。
【0473】
好適なポリマーは、500Da~50000Da、例えば、5000Da~40000Da、又は25000~40000Daの範囲の平均分子量を有し得る。例えば、主題の抗体がポリ(エチレングリコール)(PEG)又はメトキシポリ(エチレングリコール)ポリマーを含むいくつかの実施形態において、PEG又はメトキシポリ(エチレングリコール)ポリマーは、約0.5キロダルトン(kDa)~1kDa、約1kDa~5kDa、5kDa~10kDa、10kDa~25kDa、25kDa~40kDa、又は40kDa~60kDaの範囲の分子量を有し得る。
【0474】
いくつかの実施形態において、主題の結合剤は、PEGポリマーに共有結合している。いくつかの実施形態において、主題のscFv多量体は、PEGポリマーに共有結合している。タンパク質へのコンジュゲート化に好適なPEGは、一般に、室温で水に可溶性であり、一般式R(O-CH-CH-O-Rを有し、式中、Rが、水素又は保護基、例えば、アルキル又はアルカノール基であり、nが、1~1000の整数である。Rが保護基である場合、それは、一般に、1~8個の炭素を有する。主題の抗体にコンジュゲートされたPEGは、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。分岐PEG誘導体としては、星型PEG及び多アーム型PEGが挙げられる。
【0475】
主題の結合剤、例えば、抗体は、グリコシル化されてもよく、例えば、主題の抗体は、共有結合された炭水化物又は多糖部分を含んでもよい。抗体のグリコシル化は、典型的には、N結合型又はO結合型であり得る。抗体へのグリコシル化部位の付加は、N結合又はO結合したグリコシル化部位を含むようにアミノ酸配列を改変することによって好都合に達成される。同様に、グリコシル化部位の除去は、抗体の天然グリコシル化部位内のアミノ酸変化によって達成され得る。
【0476】
主題の結合剤、例えば、抗体は、例えば、グルタルアルデヒド、ホモ二官能性架橋剤、又はヘテロ二官能性架橋剤を使用して、第2の部分(例えば、脂質、主題の抗体以外のポリペプチド、合成ポリマー、炭水化物など)に共有結合してもよい。グルタルアルデヒドは、それらのアミノ部分を介してポリペプチドを架橋する。ホモ二官能性架橋剤(例えば、ホモ二官能性イミドエステル、ホモ二官能性N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステル、又はホモ二官能性スルフヒドリル反応性架橋剤)は、2つ以上の同一の反応性部分を含有し、架橋剤が、連結されるポリペプチドの混合物を含有する溶液に添加されるワンステップ反応手順で使用することができる。ホモ二官能性NHSエステル及びイミドエステルは、アミン含有ポリペプチドを架橋する。穏和なアルカリ性pHでは、イミドエステルは一級アミンとのみ反応してイミドアミドを形成し、架橋ポリペプチドの全体的な電荷は影響を受けない。ホモ二官能性スルフヒドリル反応性架橋剤としては、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン(DFDNB)、及び1,4-ジ-(3’,2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミドブタン(DPDPB)が挙げられる。
【0477】
ヘテロ二官能性架橋剤は、2つ以上の異なる反応性部分(例えば、アミン反応性部分及びスルフヒドリル反応性部分)を有し、アミン又はスルフヒドリル反応性部分を介してポリペプチドのうちの1つと架橋され、次いで、非反応性部分を介して他のポリペプチドと反応する。ピリジルジスルフィド架橋剤と同様に、複数のヘテロ二官能性ハロアセチル架橋剤が利用可能である。カルボジイミドは、アミド結合をもたらす、カルボキシルをアミンにカップリングさせるためのヘテロ二官能性架橋試薬の典型的な例である。
【0478】
主題の結合剤、例えば、抗体は、固体支持体上に固定化され得る。好適な支持体は、当該技術分野で周知であり、とりわけ、市販のカラム材料、ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、磁気ビーズ、コロイド金属粒子、ガラス及び/又はシリコンチップ及び表面、ニトロセルロースストリップ、ナイロン膜、シート、デュラサイト、反応トレイのウェル(例えば、マルチウェルプレート)、プラスチックチューブなどを含む。固体支持体は、例えば、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、デキストラン、ナイロン、アミロース、天然及び修飾セルロース、ポリアクリルアミド、寒天、及び磁鉄鉱を含む様々な物質のうちのいずれかを含み得る。主題の抗体を固体支持体上に固定するための適切な方法は周知であり、限定されないが、イオン性、疎水性、共有結合相互作用などが挙げられる。固体支持体は、例えば、水溶液中で、可溶性又は不溶性であり得る。いくつかの実施形態において、好適な固体支持体は、一般に、水溶液中で不溶である。
【0479】
抗体などの主題の結合剤は、いくつかの実施形態において、検出可能な標識を含み得る。好適な検出可能な標識としては、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、又は化学的手段によって検出可能な任意の組成物が挙げられる。好適なものとしては、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(商標))、蛍光性染料(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光性タンパク質、赤色蛍光性タンパク質、黄色蛍光性タンパク質など)、放射性標識(例えば、H、125I、35S、14C、又は32P)、酵素(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼ、及び酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)で一般的に使用される他のもの)、並びにコロイドゴールド又はカラーガラス若しくはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズなどの比色標識が挙げられるが、これらに限定されない。
【0480】
いくつかの実施形態において、抗体などの主題の結合剤は、造影剤又は放射性同位体を含み、造影剤又は放射性同位体は、例えば、撮像、例えば、ヒトで実施される撮像手順において、検出可能な標識としての使用に好適であるものである。標識の非限定的な例としては、1231I(ヨウ素)、18F(フッ素)、99Tc(テクネチウム)、111In(インジウム)、及び67Ga(ガリウム)などの放射性同位体、並びにガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム、及び鉄などの造影剤が挙げられる。放射性Gd同位体(153Gd)も入手可能であり、非ヒト哺乳動物での撮像手順に好適である。
【0481】
抗体などの主題の結合剤は、標準的な技術を使用して標識することができる。例えば、主題の抗体は、クロラミンT又は1,3,4,6-テトラクロロ-3α,6α-デフェニルグリコウリルを使用してヨウ素化することができる。抗体などの対象の結合剤は、標準的な技術を介して造影剤で標識することもできる。例えば、主題の抗体は、Gdジエチレントリアミン五酢酸(GdDTPA)又はGdテトラアザシクロドデカン四酢酸(GdDOTA)などの低分子Gdキレートを抗体にコンジュゲートすることによって、Gdで標識することができる。主題の抗体は、例えば、ポリリジン-Gdキレートを抗体にコンジュゲートすることによって、Gdで標識することができる。代替的に、主題の抗体は、Gdキレーター脂質を含む常磁性重合リポソームをアビジン及びビオチン化抗体とインキュベートすることによって、Gdで標識することができる。
【0482】
主題の結合剤に連結され得る好適な蛍光タンパク質としては、限定されないが、Aequoria victoria由来の緑色蛍光タンパク質又はその変異体若しくは誘導体、Enhanced GFP、例えば、Clontech,Inc.から市販されている多くのそのようなGFP、赤色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、Anthozoan種由来の様々な蛍光及び着色タンパク質のいずれかなどが挙げられる。
【0483】
抗体などの主題の結合剤は、いくつかの実施形態において、「放射線不透過性」標識、例えば、例えばX線を使用して容易に視覚化することができる標識を含む。放射線不透過性材料は、当業者に周知である。最も一般的な放射線不透過性材料には、ヨウ化物、臭化物、又はバリウム塩が含まれる。他の放射線不透過性材料も知られており、限定されないが、有機ビスマス誘導体、放射線不透過性マルチウレタン、有機ビスマス複合体、放射線不透過性バリウム多量体複合体などが挙げられる。
【0484】
抗体などの主題の結合剤は、いくつかの実施形態において、融合パートナー、例えば、リガンド、エピトープタグ、ペプチド、抗体以外のタンパク質などに連結される(例えば、共有結合又は非共有結合される)。好適な融合パートナーとしては、インビボでの安定性の増強(例えば、血清半減期の増強)を付与し、精製の容易さなども提供し、細胞からの融合タンパク質の分泌を提供し、エピトープタグ、例えば、His5(HHHHH)(配列番号177)、His X6(HHHHHH)(配列番号178)、C-myc(EQKLISEEDL)(配列番号179)、Flag(DYKDDDDK)(配列番号180)、StrepTag(WSHPQFEK)(配列番号181)、ヘマグルチニン、例えば、HA Tag(YPYDVPDYA、配列番号182)、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、セルラーゼ結合ドメイン、RYIRS(配列番号183)、Phe-His-His-Thr(配列番号184)、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、SH2ドメイン、C末端RNAタグ、WEAAAREACCRECCARA(配列番号185)などを提供し、検出可能なシグナル、例えば、検出可能な生成物(例えば、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ)を生成する酵素、又はそれ自体を検出可能なタンパク質、例えば、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質などを提供し、多量体化、例えば、免疫グロブリンのFc部分などの多量化ドメインなどを提供する、ペプチド及びポリペプチドが挙げられる。
【0485】
いくつかの実施形態において、主題の抗体は、ポリアミン修飾を含む。主題の抗体は、天然に存在するか、又は合成のいずれかであるポリアミンで修飾され得る。有用な天然に存在するポリアミンとしては、プトレシン、スペルミジン、スペルミン、1,3-デアミノプロパン、ノルスペルミジン、syn-ホモスペルミジン、テルミン、テルモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、及びカナバルミンが挙げられる。プトレシン、スペルミジン、及びスペルミンは、特に有用である。合成ポリアミンは、経験式Cで構成され、1~6個のNR又はN(R)部分を更に含む3~12個の炭素原子の環状又は非環状、分岐又は非分岐の炭化水素鎖であってもよく、式中、RはH、(C-C)アルキル、フェニル、又はベンジルである。ポリアミンは、任意の標準的な架橋法を使用して抗体に連結され得る。
【0486】
本開示の抗体などの結合剤が、共有結合した異種部分を含む場合、異種部分は、重鎖及び/若しくは軽鎖に直接的に、又はリンカーを介して連結してもよい。好適なリンカーは、容易に選択されてもよく、1個のアミノ酸(例えば、Gly)~20個のアミノ酸、2個のアミノ酸~15個のアミノ酸、3個のアミノ酸~12個のアミノ酸(4個のアミノ酸~10個のアミノ酸、5個のアミノ酸~9個のアミノ酸、6個のアミノ酸~8個のアミノ酸、又は7個のアミノ酸~8個のアミノ酸を含む)などの様々な長さの好適なもののうちのいずれかであってもよく、1、2、3、4、5、6、又は7個のアミノ酸であり得る。
【0487】
可撓性リンカーの例としては、グリシンポリマー(G)n、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)、(GSGGS)(配列番号186)及び(GGGS)(配列番号187)を含む、式中、nは、少なくとも1の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、及び当該技術分野で既知の他の可撓性リンカーが挙げられる。
【0488】
いくつかの場合において、結合剤、例えば、抗体は、共有結合された脂質又は脂肪酸部分を含む。
【0489】
特定の実施形態において、結合剤は、切断可能なリンカー又は非切断可能なリンカーを介して、薬剤にコンジュゲートされる。主題の抗体を使用するのに好適なリンカーとしては、「可撓性リンカー」が挙げられる。存在する場合、リンカー分子は、一般に、連結領域間のある程度の柔軟な移動を可能にするのに十分な長さである。リンカー分子は、一般に、約6~50原子長である。リンカー分子はまた、例えば、アリールアセチレン、2~10個の単量体単位を含有するエチレングリコールオリゴマー、ジアミン、二塩基酸、アミノ酸、又はそれらの組み合わせであり得る。ポリペプチドに結合することができる他のリンカー分子が、本開示に照らして使用され得る。
【0490】
いくつかの実施形態によれば、リンカーは、中性pH(血流pH7.3~7.5)では安定であるが、標的細胞(例えば、がん細胞)の穏やかな酸性エンドソーム(pH5.0~6.5)及びリソソーム(pH4.5~5.0)への内在化時に加水分解を受ける酸切断可能なリンカーなどの化学的に不安定なリンカーである。化学的に不安定なリンカーとしては、限定されないが、ヒドラゾン系リンカー、オキシム系リンカー、カーボネート系リンカー、エステル系リンカーなどが挙げられる。特定の実施形態において、リンカーは、酵素に不安定なリンカー、例えば、血流中で安定であるが、標的細胞への内在化時に、例えば、標的細胞(例えば、がん細胞)のリソソーム内のリソソームプロテアーゼ(例えば、カテプシン又はプラスミン)によって酵素切断を受ける、酵素に不安定なリンカーである。酵素に不安定なリンカーとしては、限定されないが、ペプチド結合、例えば、マレイミドカプロイル-バリン-シトルリン-p-アミノベンジル(MC-vc-PAB)リンカー、バリル-アラニル-パラ-アミノベンジルオキシ(Val-Ala-PAB)リンカーなどのバリン-シトルリン(VC)リンカーなどのジペプチド系リンカーを含むリンカーが挙げられる。
【0491】
結合剤の修飾のための方法
抗体などの結合剤は、様々な方法のうちのいずれかを使用することによって、共有結合した異種部分(例えば、検出可能な標識、薬物など)を有するように修飾され得る。本開示は、目的の部分にコンジュゲートされた結合剤を提供し、ここで、目的の部分にコンジュゲートされた結合剤は、「結合剤コンジュゲート」と称される。本開示の結合剤コンジュゲートは、1)目的の部分にコンジュゲートされたIg重鎖定常領域、及び目的の部分にコンジュゲートされたIg軽鎖定常領域、2)目的の部分にコンジュゲートされたIg重鎖定常領域、及び目的の部分にコンジュゲートされていないIg軽鎖定常領域、又は3)目的の部分にコンジュゲートされていないIg重鎖定常領域、及び目的の部分にコンジュゲートされたIg軽鎖定常領域を含み得る。主題の結合剤コンジュゲートは、本明細書に記載されるVHドメイン及び/又はVLドメインを含み得る。
【0492】
上に説明されるように、結合剤は、異種部分の結合のための化学ハンドルとして機能し得る2-ホルミルグリシン残基(fGly)を含むように修飾され得る。例えば、本開示の結合剤の重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域は、2-ホルミルグリシン生成酵素(FGE)の作用によって、2-ホルミルグリシン(fGly)を含有するように変換されることができる、スルファターゼモチーフのアミノ酸配列を含むように修飾され得る。そのようなスルファターゼモチーフは、本明細書では、FGE修飾部位とも称され得る。FGEの作用は、FGEが免疫グロブリンポリペプチド内に配置されたスルファターゼモチーフに作用するという点で、配列特異的な様式で指向される。目的の部分は、本明細書に記載されるように、タグ化Igポリペプチドの変換されたアルデヒドタグのfGly残基のアルデヒドと反応するための反応性パートナーの構成要素として提供される。
【0493】
修飾定常領域配列
いくつかの場合において、本明細書に開示される結合剤(例えば、抗体)のアミノ酸配列は、インビボで(例えば、細胞においてアルデヒドタグ含有タンパク質の翻訳時に)、又はインビトロで(例えば、無細胞系においてアルデヒドタグ含有タンパク質とFGEとを接触させることによって)のいずれかで、ホルミルグリシン生成酵素(FGE)の作用によって、2-ホルミルグリシン(fGly)残基へと変換する(酸化する)ことが可能なセリン又はシステイン残基を含有するスルファターゼモチーフを含むように修飾される。そのようなスルファターゼモチーフは、本明細書では、FGE修飾部位とも称され得る。
【0494】
スルファターゼモチーフ
アルデヒドタグの最小スルファターゼモチーフは、通常、5アミノ酸残基又は6アミノ酸残基の長さであり、通常、6アミノ酸残基以下の長さである。Igポリペプチドにおいて提供されるスルファターゼモチーフは、少なくとも5個又は6個のアミノ酸残基であり、例えば、16、15、14、13、12、11、10、9、8又は7アミノ酸残基未満の長さを有するスルファターゼモチーフを定義するために、5~16、6~16、5~15、6~15、5~14、6~14、5~13、6~13、5~12、6~12、5~11、6~11、5~10、6~10、5~9、6~9、5~8、又は6~8アミノ酸残基の長さであり得る。
【0495】
特定の実施形態において、目的の結合剤は、結合剤中にスルファターゼモチーフの配列を提供するための天然アミノ酸配列に比べて、1個以上のアミノ酸残基、例えば、2個以上、又は3個以上、又は4個以上、又は5個以上、又は6個以上、又は7個以上、又は8個以上、又は9個以上、又は10個以上、又は11個以上、又は12個以上、又は13個以上、又は14個以上、又は15個以上、又は16個以上、又は17個以上、又は18個以上、又は19個以上、又は20個以上のアミノ酸残基が挿入され、欠失され、置換され(置き換えられ)ているものを含む。特定の実施形態において、ポリペプチドは、結合剤の天然アミノ酸配列に比べて、アミノ酸配列の20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2個未満のアミノ酸残基の修飾(挿入、付加、欠失、及び/又は置換/置き換え)を含む。結合剤(例えば、抗CD30抗体)の天然のアミノ酸配列が、所望のスルファターゼモチーフの1つ以上の残基を含有する場合、残基の修飾の総数は、例えば、所望のスルファターゼモチーフの配列を提供するような天然のアミノ酸残基に隣接するアミノ酸残基の部位特異的修飾(挿入、付加、欠失、置換/置き換え)によって低減され得る。特定の実施形態において、挿入される、欠失される、置換される(置き換えられる)、又は付加される(例えば、N末端又はC末端に対して)アミノ酸残基の数を最小限に抑えるために、標的結合剤、例えば、抗CD30抗体の天然アミノ酸配列の修飾の程度が最小限に抑えられる。結合剤、例えば、抗CD30抗体のアミノ酸配列の修飾の程度を最小限に抑えることによって、そのような修飾が結合剤の機能及び/又は構造に及ぼし得る影響を最小限に抑えることができる。
【0496】
特定の目的のアルデヒドタグは、少なくとも最小スルファターゼモチーフ(「コンセンサススルファターゼモチーフ」とも称される)を含むものであるが、より長いアルデヒドタグが、本開示によって企図及び包含され、本開示の組成物及び方法において用途を見出し得ることが容易に理解されることに留意されたい。したがって、アルデヒドタグは、5個又は6個の残基の最小スルファターゼモチーフを含んでもよく、又はより長くてもよく、追加のアミノ酸残基がモチーフのN末端側及び/又はC末端側に隣接し得る最小スルファターゼモチーフを含んでもよい。例えば、5個又は6個のアミノ酸残基のアルデヒドタグ、並びに5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上を超えるアミノ酸残基のより長いアミノ酸配列が企図される。
【0497】
アルデヒドタグは、Ig重鎖のC末端又はその付近に存在してもよく、例えば、アルデヒドタグは、天然の野生型Ig重鎖のC末端の1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸内に存在し得る。アルデヒドタグは、Ig重鎖のCH1ドメイン内に存在し得る。アルデヒドタグは、Ig重鎖のCH2ドメイン内に存在し得る。アルデヒドタグは、Ig重鎖のCH3ドメイン内に存在し得る。アルデヒドタグは、Ig軽鎖定常領域内に、例えば、カッパ軽鎖定常領域又はラムダ軽鎖定常領域内に存在し得る。
【0498】
特定の実施形態において、使用されるスルファターゼモチーフは、以下の式:
102030(I’)
により説明されてもよく、
式中、
10は、システイン又はセリンであり((C/S)により表すこともできる)、
20は、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり((P/A)により表すこともできる)、
30は、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(R)であり、リジン(K)又はヒスチジン(H)、例えば、リジンであってもよい)、又は脂肪族アミノ酸(アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)、又はプロリン(P)、例えば、A、G、L、V、又はI)であり、
は、存在するか、又は存在せず、存在する場合、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、L、M、V、S又はT、例えば、L、M、S又はVであってもよく、但し、スルファターゼモチーフが結合剤のN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXは、独立して、任意のアミノ酸であってもよいが、通常は、脂肪族アミノ酸、極性非帯電アミノ酸、又は硫黄含有アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、S、T、A、V、G又はC、例えば、S、T、A、V又はGであってもよい。
【0499】
抗体の重鎖及び/又は軽鎖のアミノ酸配列は、式X102030の少なくとも5個のアミノ酸の配列を提供するように修飾されてもよく、式中、
10は、システイン又はセリンであり、
20は、プロリン又はアラニン残基であり、
30は、脂肪族アミノ酸又は塩基性アミノ酸であり、
は、存在するか、又は存在せず、存在する場合、任意のアミノ酸であり、但し、異種スルファターゼモチーフがポリペプチドのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXは、各々独立して、任意のアミノ酸であり、
この配列は、Ig定常領域の溶媒接近可能なループ領域の内部にあるか、又はそれに隣接しており、この配列は、Ig重鎖のC末端にはない。
【0500】
スルファターゼモチーフは、一般に、選択されたFGE、例えば、アルデヒドタグ化結合剤が発現される宿主細胞中に存在するFGE、又は無細胞インビトロ法においてアルデヒドタグ化ポリペプチドと接触されるFGEによって変換可能なように選択される。
【0501】
例えば、FGEが真核生物FGE(例えば、ヒトFGEを含む哺乳類FGE)である場合、スルファターゼモチーフは、以下の式:
CXPX30(I”)
のものであってもよく、
式中、
は、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、L、M、S又はVであってもよく、但し、スルファターゼモチーフが標的ポリペプチドのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXは、独立して、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、S、T、A、V、G又はC、例えば、S、T、A、V又はGであってもよく、
30は、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(R)であり、リジン(K)又はヒスチジン(H)、例えば、リジンであってもよい)、又は脂肪族アミノ酸(アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)、又はプロリン(P)、例えば、A、G、L、V、又はI)である。
【0502】
スルファターゼモチーフの具体例としては、VCTPSR(配列番号37)、LCSPSR(配列番号38)、LCAPSR(配列番号39)、LCVPSR(配列番号40)、LCGPSR(配列番号41)、ICTPAR(配列番号42)、LCTPSK(配列番号43)、MCTPSK(配列番号44)、VCTPSK(配列番号45)、LCSPSK(配列番号46)、LCAPSK(配列番号47)、LCVPSK(配列番号48)、LCGPSK(配列番号49)、LCTPSA(配列番号50)、ICTPAA(配列番号51)、MCTPSA(配列番号52)、VCTPSA(配列番号53)、LCSPSA(配列番号54)、LCAPSA(配列番号55)、LCVPSA(配列番号56)、LCGPSA(配列番号57)、LCTPSR(配列番号58)、及びMCTPSR(配列番号59)が挙げられる。
【0503】
fGly含有配列
重鎖及び/又は軽鎖にFGEが作用すると、スルファターゼモチーフ中のセリン又はシステインが、fGlyに変換される。したがって、fGly含有スルファターゼモチーフは、以下の式:
(fGly)X2030(I’’’)
のものであってもよく、
式中、
fGlyは、ホルミルグリシン残基であり、
20は、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり((P/A)により表すこともできる)、
30は、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(R)であり、リジン(K)又はヒスチジン(H)、通常はリジンであってもよい)、又は脂肪族アミノ酸(アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)、又はプロリン(P)、例えば、A、G、L、V、又はI)であり、
は、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、L、M、V、S又はT、例えば、L、M又はVであってもよく、但し、スルファターゼモチーフが標的ポリペプチドのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXは、独立して、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、S、T、A、V、G又はC、例えば、S、T、A、V又はGであってもよい。
【0504】
上述のように、コンジュゲートを産生するために、fGly残基を含有する結合剤は、fGlyと薬物又は活性薬剤に結合したリンカーの反応性部分(例えば、上述のように、ヒドラジニル-インドリル又はヒドラジニル-ピロロ-ピリジニルカップリング部分)との反応によって、薬物又は活性薬剤にコンジュゲートされ、fGly’含有スルファターゼモチーフを産生し得る。本明細書で使用される場合、fGly’という用語は、本明細書に記載されるように、リンカーを介して薬物又は活性薬剤にカップリングされるスルファターゼモチーフのアミノ酸残基を指す。したがって、fGly’含有スルファターゼモチーフは、以下の式:
(fGly’)X2030(II)
のものであってもよく、
式中、
fGly’は、本明細書に記載のリンカーを介して薬物又は活性薬剤にカップリングされたアミノ酸残基であり、
20は、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり((P/A)により表すこともできる)、
30は、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(R)であり、リジン(K)又はヒスチジン(H)、通常はリジンであってもよい)、又は脂肪族アミノ酸(アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)、又はプロリン(P)、例えば、A、G、L、V、又はI)であり、
は、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、L、M、V、S又はT、例えば、L、M又はVであってもよく、但し、スルファターゼモチーフが結合剤のN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXは、独立して、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、S、T、A、V、G又はC、例えば、S、T、A、V又はGであってもよい。
【0505】
特定の実施形態において、薬物又は活性薬剤にカップリングされたアミノ酸残基は、結合剤の重鎖定常領域のC末端に配置されている。いくつかの事例において、重鎖定常領域は、式(III)の配列を含み、
(fGly’)X2030(III)
式中、
fGly’は、本明細書に記載のリンカーを介して薬物又は活性薬剤にカップリングされたアミノ酸残基であり、
20は、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり((P/A)により表すこともできる)、
30は、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(R)であり、リジン(K)又はヒスチジン(H)、通常はリジンであってもよい)、又は脂肪族アミノ酸(アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)、又はプロリン(P)、例えば、A、G、L、V、又はI)であり、
は、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、L、M、V、S又はT、例えば、L、M又はVであってもよく、但し、スルファターゼモチーフが標的ポリペプチドのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXは、独立して、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、S、T、A、V、G又はC、例えば、S、T、A、V又はGであってもよく、
この配列は、アミノ酸配列QKSLSLSPGK(配列番号188)に対してC末端であり、この配列は、天然の野生型重鎖Ig定常領域内に存在しない1、2、3、4、5、又は5~10個のアミノ酸を含んでもよい。
【0506】
特定の実施形態において、重鎖定常領域は、Ig重鎖のC末端に、例えば、天然SLSLSPGK(配列番号61)配列の代わりに、配列SLSLSPGSL(fGly’)TPSRGS(配列番号60)を含む。
【0507】
特定の実施形態において、薬物又は活性薬剤にカップリングされたアミノ酸残基は、結合剤の軽鎖定常領域内に配置されている。特定の実施形態において、軽鎖定常領域は、式(III)の配列を含み、
(fGly’)X2030(III)
式中、
fGly’は、本明細書に記載のリンカーを介して薬物又は活性薬剤にカップリングされたアミノ酸残基であり、
20は、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり((P/A)により表すこともできる)、
30は、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(R)であり、リジン(K)又はヒスチジン(H)、通常はリジンであってもよい)、又は脂肪族アミノ酸(アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)、又はプロリン(P)、例えば、A、G、L、V、又はI)であり、
は、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、L、M、V、S又はT、例えば、L、M又はVであってもよく、但し、スルファターゼモチーフが標的ポリペプチドのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXは、独立して、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、S、T、A、V、G又はC、例えば、S、T、A、V又はGであってもよく、
この配列が、アミノ酸配列KVDNAL(配列番号62)に対してC末端であり、かつ/又はアミノ酸配列QSGNSQ(配列番号63)に対してN末端である。
【0508】
特定の実施形態において、軽鎖定常領域は、配列KVDNAL(fGly’)TPSRQSGNSQ(配列番号64)を含む。
【0509】
特定の実施形態において、薬物又は活性薬剤にカップリングされたアミノ酸残基は、抗体などの結合剤の重鎖CH1領域内に配置されている。特定の実施形態において、重鎖CH1領域は、式(III)の配列を含み、
(fGly’)X2030(III)
式中、
fGly’は、本明細書に記載のリンカーを介して薬物又は活性薬剤にカップリングされたアミノ酸残基であり、
20は、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり((P/A)により表すこともできる)、
30は、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(R)であり、リジン(K)又はヒスチジン(H)、通常はリジンであってもよい)、又は脂肪族アミノ酸(アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)、又はプロリン(P)、例えば、A、G、L、V、又はI)であり、
は、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、L、M、V、S又はT、例えば、L、M又はVであってもよく、但し、スルファターゼモチーフが標的ポリペプチドのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXは、独立して、任意のアミノ酸、例えば、脂肪族アミノ酸、硫黄含有アミノ酸、又は極性非帯電アミノ酸(すなわち、芳香族アミノ酸又は帯電アミノ酸以外)、例えば、S、T、A、V、G又はC、例えば、S、T、A、V又はGであってもよく、
この配列が、アミノ酸配列SWNSGA(配列番号65)に対してC末端であり、かつ/又はアミノ酸配列GVHTFP(配列番号66)に対してN末端である。
【0510】
特定の実施形態において、重鎖CH1領域は、配列SWNSGAL(fGly’)TPSRGVHTFP(配列番号67)を含む。
【0511】
修飾部位
上に示されるように、抗体などの結合剤のアミノ酸配列は、インビボ(例えば、細胞中のアルデヒドタグ含有タンパク質の翻訳のときに)又はインビトロ(例えば、無細胞系において、アルデヒドタグ含有タンパク質をFGEと接触させることによって)のいずれかで、FGEの作用によってfGly残基に変換(酸化)され得るセリン又はシステイン残基を含有するスルファターゼモチーフを含むように修飾される。本開示のコンジュゲートを生成するために使用された結合剤は、少なくともIg定常領域、例えば、Ig重鎖定常領域(例えば、少なくともCH1ドメイン;少なくともCH1ドメイン及びCH2ドメイン;CH1ドメイン、CH2ドメイン、及びCH3ドメイン;若しくはCH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、及びCH4ドメイン)、又はIg軽鎖定常領域を含む。そのようなIgポリペプチドは、本明細書において「標的Igポリペプチド」又は「標的抗CD30抗体」又は「標的抗CD30 Igポリペプチド」と称される。
【0512】
スルファターゼモチーフが導入される結合剤、例えば、抗体、特に、抗CD30抗体中の部位は、任意の好都合な部位であり得る。上に示されるように、いくつかの事例において、挿入される、欠失される、置換される(置き換えられる)、及び/又は付加される(例えば、N末端又はC末端に対して)アミノ酸残基の数を最小限に抑えるために、標的抗CD30ポリペプチドの天然アミノ酸配列の修飾の程度が最小限に抑えられる。標的抗CD30ポリペプチドのアミノ酸配列の修飾の程度を最小限に抑えることによって、そのような修飾が抗CD30の機能及び/又は構造に及ぼし得る影響を最小限に抑えることができる。
【0513】
抗体、例えば、抗CD30抗体において、重鎖定常領域は、任意の重鎖アイソタイプのIg定常領域、天然に存在しないIg重鎖定常領域(コンセンサスIg重鎖定常領域を含む)を含み得る。Ig定常領域アミノ酸配列は、アルデヒドタグを含むように修飾されてもよく、アルデヒドタグは、Ig定常領域の溶媒接近可能なループ領域の中、又はそれに隣接して存在する。Ig定常領域アミノ酸配列は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、若しくは16個のアミノ酸、又は16個超のアミノ酸の挿入及び/又は置換によって修飾され、上述のようなスルファターゼモチーフのアミノ酸配列を提供することができる。
【0514】
いくつかの場合において、アルデヒドタグ化抗体、例えば、抗CD30抗体は、アルデヒドタグ化Ig重鎖定常領域(例えば、少なくともCH1ドメイン;少なくともCH1ドメイン及びCH2ドメイン;CH1ドメイン、CH2ドメイン、及びCH3ドメイン;又はCH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、及びCH4ドメイン)を含む。アルデヒドタグ化Ig重鎖定常領域は、IgA、IgM、IgD、IgE、IgG1、IgG2、IgG3、若しくはIgG4のアイソタイプ重鎖、又はその任意のアロタイプバリアントの重鎖定常領域配列、例えば、ヒト重鎖定常領域配列若しくはマウス重鎖定常領域配列、ハイブリッド重鎖定常領域、合成重鎖定常領域、又はFGEによって修飾され、fGly修飾Igポリペプチドを生成し得る少なくとも1つのスルファターゼモチーフを含むコンセンサス重鎖定常領域配列などを含み得る。Ig重鎖のアロタイプバリアントは、当該技術分野で既知である。例えば、Jefferis and Lefranc(2009)MAbs 1:4を参照されたい。
【0515】
いくつかの場合において、アルデヒドタグ化抗体、例えば、抗CD30抗体は、アルデヒドタグ化Ig軽鎖定常領域を含む。アルデヒドタグ化Ig軽鎖定常領域は、カッパ軽鎖、ラムダ軽鎖の定常領域配列、例えば、ヒトカッパ軽鎖定常領域若しくはラムダ軽鎖定常領域、ハイブリッド軽鎖定常領域、合成軽鎖定常領域、又はFGEによって修飾され、fGly修飾抗体、例えば、fGly修飾抗CD30抗体を生成し得る少なくとも1つのスルファターゼモチーフを含むコンセンサス軽鎖定常領域配列などを含み得る。例示的な定常領域は、ヒトガンマ1及びガンマ3領域を含む。スルファターゼモチーフを除き、定常領域は、野生型アミノ酸配列を有していてもよく、又は野生型アミノ酸配列に対して少なくとも70%同一(例えば、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一)であるアミノ酸配列を有し得る。
【0516】
いくつかの実施形態において、スルファターゼモチーフは、Igポリペプチド重鎖のC末端以外の位置、又はそれに追加した位置にある。上に示されるように、単離されたアルデヒドタグ化抗体、例えば、抗CD30抗体は、上述のスルファターゼモチーフを含むように修飾された重鎖定常領域アミノ酸配列を含んでいてもよく、スルファターゼモチーフは、抗体重鎖定常領域の表面接近可能なループ領域の中にあるか、又はそれに隣接している。
【0517】
いくつかの事例において、抗体、例えば、抗CD30抗体において、免疫グロブリンアミノ酸配列は、上記のスルファターゼモチーフを含むように修飾され、この修飾には、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換が含まれる。特定の実施形態において、スルファターゼモチーフは、1)アミノ酸122~127、2)アミノ酸137~143、3)アミノ酸155~158、4)アミノ酸163~170、5)アミノ酸163~183、6)アミノ酸179~183、7)アミノ酸190~192、8)アミノ酸200~202、9)アミノ酸199~202、10)アミノ酸208~212、11)アミノ酸220~241、12)アミノ酸247~251、13)アミノ酸257~261、14)アミノ酸269~277、15)アミノ酸271~277、16)アミノ酸284~285、17)アミノ酸284~292、18)アミノ酸289~291、19)アミノ酸299~303、20)アミノ酸309~313、21)アミノ酸320~322、22)アミノ酸329~335、23)アミノ酸341~349、24)アミノ酸342~348、25)アミノ酸356~365、26)アミノ酸377~381、27)アミノ酸388~394、28)アミノ酸398~407、29)アミノ酸433~451、及び30)アミノ酸446~451のうちの1つ以上に対応するIgG1重鎖定常領域の領域内であるか、又はそれに隣接しており、アミノ酸の付番は、ヒトIgG1のアミノ酸の付番に基づく。
【0518】
いくつかの事例において、抗体、例えば、抗CD30抗体において、免疫グロブリンアミノ酸配列は、上記のスルファターゼモチーフを含むように修飾され、この修飾には、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換が含まれる。特定の実施形態において、スルファターゼモチーフは、1)アミノ酸1~6、2)アミノ酸16~22、3)アミノ酸34~47、4)アミノ酸42~49、5)アミノ酸42~62、6)アミノ酸34~37、7)アミノ酸69~71、8)アミノ酸79~81、9)アミノ酸78~81、10)アミノ酸87~91、11)アミノ酸100~121、12)アミノ酸127~131、13)アミノ酸137~141、14) amino acid 149~157、15)アミノ酸151~157、16)アミノ酸164~165、17)アミノ酸164~172、18)アミノ酸169~171、19)アミノ酸179~183、20)アミノ酸189~193、21)アミノ酸200~202、22)アミノ酸209~215、23)アミノ酸221~229、24)アミノ酸22~228、25)アミノ酸236~245、26)アミノ酸217~261、27)アミノ酸268~274、28)アミノ酸278~287、29)アミノ酸313~331、and 30)アミノ酸324~331のうちの1つ以上に対応するIgG1重鎖定常領域の領域内であるか、又はそれに隣接しており、アミノ酸の付番は、ヒトIgG1(ヒトIgG1定常領域)のアミノ酸の付番に基づく。
【0519】
IgG1重鎖の例示的な表面接近可能なループ領域としては、1)ASTKGP(配列番号68)、2)KSTSGGT(配列番号69)、3)PEPV(配列番号70)、4)NSGALTSG(配列番号71)、5)NSGALTSGVHTFPAVLQSSGL(配列番号72)、6)QSSGL(配列番号73)、7)VTV、8)QTY、9)TQTY(配列番号74)、10)HKPSN(配列番号75)、11)EPKSCDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号76)、12)FPPKP(配列番号77)、13)ISRTP(配列番号78)、14)DVSHEDPEV(配列番号79)、15)SHEDPEV(配列番号80)、16)DG、17)DGVEVHNAK(配列番号81)、18)HNA、19)QYNST(配列番号82)、20)VLTVL(配列番号83)、21)GKE、22)NKALPAP(配列番号84)、23)SKAKGQPRE(配列番号85)、24)KAKGQPR(配列番号86)、25)PPSRKELTKN(配列番号87)、26)YPSDI(配列番号88)、27)NGQPENN(配列番号89)、28)TPPVLDSDGS(配列番号90)、29)HEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号91)、及び30)SLSPGK(配列番号92)が挙げられる。
【0520】
いくつかの事例において、標的免疫グロブリンアミノ酸配列は、上記のスルファターゼモチーフを含むように修飾され、この修飾には、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換が含まれる。特定の実施形態において、スルファターゼモチーフは、1)アミノ酸1~6、2)アミノ酸13~24、3)アミノ酸33~37、4)アミノ酸43~54、5)アミノ酸58~63、6)アミノ酸69~71、7)アミノ酸78~80、8)87~89、9)アミノ酸95~96、10)114~118、11)122~126、12)134~136、13)144~152、14)159~167、15)175~176、16)184~188、17)195~197、18)204~210、19)216~224、20)231~233、21)237~241、22)252~256、23)263~269、24)273~282、25)アミノ酸299~302のうちの1つ以上に対応するIgG2重鎖定常領域の領域内であるか、又はそれに隣接しており、アミノ酸の付番は、アミノ酸配列(ヒトIgG2)の付番に基づく。
【0521】
IgG2重鎖の例示的な表面接近可能なループ領域としては、1)ASTKGP(配列番号68)、2)PCSRSTSESTAA(配列番号93)、3)FPEPV(配列番号94)、4)SGALTSGVHTFP(配列番号95)、5)QSSGLY(配列番号96)、6)VTV、7)TQT、8)HKP、9)DK、10)VAGPS(配列番号97)、11)FPPKP(配列番号77)、12)RTP、13)DVSHEDPEV(配列番号79)、14)DGVEVHNAK(配列番号81)、15)FN、16)VLTVV(配列番号101)、17)GKE、18)NKGLPAP(配列番号102)、19)SKTKGQPRE(配列番号103)、20)PPS、21)MTKNQ(配列番号104)、22)YPSDI(配列番号88)、23)NGQPENN(配列番号89)、24)TPPMLDSDGS(配列番号107)、25)GNVF(配列番号108)、及び26)HEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号91)が挙げられる。
【0522】
いくつかの事例において、標的免疫グロブリンアミノ酸配列は、上記のスルファターゼモチーフを含むように修飾され、この修飾には、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換が含まれる。特定の実施形態において、スルファターゼモチーフは、1)アミノ酸1~6、2)アミノ酸13~22、3)アミノ酸33~37、4)アミノ酸43~61、5)アミノ酸71、6)アミノ酸78~80、7)87~91、8)アミノ酸97~106、9)111~115、10)147~167、11)173~177、16)185~187、13)195~203、14)210~218、15)226~227、16)238~239、17)246~248、18)255~261、19)267~275、20)282~291、21)アミノ酸303~307、22)アミノ酸313~320、23)アミノ酸324~333、24)アミノ酸350~352、25)アミノ酸359~365、及び26)アミノ酸372~377のうちの1つ以上に対応するIgG3重鎖定常領域の領域内であるか、又はそれに隣接しており、アミノ酸の付番は、アミノ酸配列(ヒトIgG3)の付番に基づく。
【0523】
IgG3重鎖の例示的な表面接近可能なループ領域としては、1)ASTKGP(配列番号68)、2)PCSRSTSGGT(配列番号110)、3)FPEPV(配列番号94)、4)SGALTSGVHTFPAVLQSSG(配列番号112)、5)V、6)TQT、7)HKPSN(配列番号75)、8)RVELKTPLGD(配列番号114)、9)CPRCPKP(配列番号115)、10)PKSCDTPPPCPRCPAPELLGG(配列番号116)、11)FPPKP(配列番号77)、12)RTP、13)DVSHEDPEV(配列番号79)、14)DGVEVHNAK(配列番号81)、15)YN、16)VL、17)GKE、18)NKALPAP(配列番号84)、19)SKTKGQPRE(配列番号103)、20)PPSREEMTKN(配列番号122)、21)YPSDI(配列番号88)、22)SSGQPENN(配列番号124)、23)TPPMLDSDGS(配列番号107)、24)GNI、25)HEALHNR(配列番号126)、及び26)SLSPGK(配列番号92)が挙げられる。
【0524】
いくつかの事例において、標的免疫グロブリンアミノ酸配列は、上記のスルファターゼモチーフを含むように修飾され、この修飾には、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換が含まれる。特定の実施形態において、スルファターゼモチーフは、1)アミノ酸1~5、2)アミノ酸12~23、3)アミノ酸32~36、4)アミノ酸42~53、5)アミノ酸57~62、6)アミノ酸68~70、7)アミノ酸77~79、8)アミノ酸86~88、9)アミノ酸94~95、10)アミノ酸101~102、11)アミノ酸108~118、12)アミノ酸122~126、13)アミノ酸134~136、14)アミノ酸144~152、15)アミノ酸159~167、16)アミノ酸175~176、17)アミノ酸185~186、18)アミノ酸196~198、19)アミノ酸205~211、20)アミノ酸217~226、21)アミノ酸232~241、22)アミノ酸253~257、23)アミノ酸264~265、24)269~270、25)アミノ酸274~283、26)アミノ酸300~303、27)アミノ酸399~417のうちの1つ以上に対応するIgG4重鎖定常領域の領域内であるか、又はそれに隣接しており、アミノ酸の付番は、アミノ酸配列(ヒトIgG4)の付番に基づく。
【0525】
IgG4重鎖の例示的な表面接近可能なループ領域としては、1)STKGP(配列番号128)、2)PCSRSTSESTAA(配列番号93)、3)FPEPV(配列番号94)、4)SGALTSGVHTFP(配列番号95)、5)QSSGLY(配列番号96)、6)VTV、7)TKT、8)HKP、9)DK、10)YG、11)CPAPEFLGGPS(配列番号133)、12)FPPKP(配列番号77)、13)RTP、14)DVSQEDPEV(配列番号135)、15)DGVEVHNAK(配列番号81)、16)FN、17)VL、18)GKE、19)NKGLPSS(配列番号137)、20)SKAKGQPREP(配列番号138)、21)PPSQEEMTKN(配列番号139)、22)YPSDI(配列番号88)、23)NG、24)NN、25)TPPVLDSDGS(配列番号90)、26)GNVF(配列番号108)、及び27)HEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号143)が挙げられる。
【0526】
いくつかの事例において、結合剤は、上に記載されるスルファターゼモチーフを含むように修飾され、修飾が、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換を含む。特定の実施形態において、スルファターゼモチーフは、1)アミノ酸1~13、2)アミノ酸17~21、3)アミノ酸28~32、4)アミノ酸44~54、5)アミノ酸60~66、6)アミノ酸73~76、7)アミノ酸80~82、8)アミノ酸90~91、9)アミノ酸123~125、10)アミノ酸130~133、11)アミノ酸138~142、12)アミノ酸151~158、13)アミノ酸165~174、14)アミノ酸181~184、15)アミノ酸192~195、16)アミノ酸199、17)アミノ酸209~210、18)アミノ酸222~245、19)アミノ酸252~256、20)アミノ酸266~276、21)アミノ酸293~294、22)アミノ酸301~304、23)アミノ酸317~320、24)アミノ酸329~353のうちの1つ以上に対応するIgA重鎖定常領域の領域内であるか、又はそれに隣接しており、アミノ酸の付番は、アミノ酸配列(ヒトIgA)の付番に基づく。
【0527】
IgA重鎖の例示的な表面接近可能なループ領域としては、1)ASPTSPKVFPLSL(配列番号144)、2)QPDGN(配列番号145)、3)VQGFFPQEPL(配列番号146)、4)SGQGVTARNFP(配列番号147)、5)SGDLYTT(配列番号148)、6)PATQ(配列番号149)、7)GKS、8)YT、9)CHP、10)HRPA(配列番号150)、11)LLGSE(配列番号151)、12)GLRDASGV(配列番号152)、13)SSGKSAVQGP(配列番号153)、14)GCYS(配列番号154)、15)CAEP(配列番号155)、16)PE、17)SGNTFRPEVHLLPPPSEELALNEL(配列番号156)、18)ARGFS(配列番号157)、19)QGSQELPREKY(配列番号158)、20)AV、21)AAED(配列番号159)、22)HEAL(配列番号160)、及び23)IDRLAGKPTHVNVSVVMAEVDGTCY(配列番号161)が挙げられる。
【0528】
スルファターゼモチーフは、Ig重鎖のそのような修飾部位のこれらのアミノ酸配列のうちの1つ以上の内部に、又はそれに隣接して提供され得る。例えば、Ig重鎖ポリペプチドアミノ酸配列は、これらのアミノ酸配列のうちの1つ以上で修飾され(例えば、修飾が、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換を含む場合)、これらの修飾部位に隣接してN末端に、及び/又は隣接してC末端にスルファターゼモチーフを提供することができる。代替的に、又はこれに加えて、Ig重鎖ポリペプチドアミノ酸配列は、これらのアミノ酸配列のうちの1つ以上で修飾され(例えば、修飾が、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換を含む場合)、Ig重鎖修飾部位の任意の2つの残基間にスルファターゼモチーフを提供することができる。いくつかの実施形態において、Ig重鎖ポリペプチドアミノ酸配列は、2つのモチーフを含むように修飾されてもよく、これらは互いに隣接していてもよく、又は1個、2個、3個、4個以上(例えば、約1~約25個、約25~約50個、若しくは約50~約100個以上)のアミノ酸によって分離されてもよい。代替的に、又はこれに加えて、天然アミノ酸配列がスルファターゼモチーフ配列の1つ以上のアミノ酸残基を提供する場合、Ig重鎖ポリペプチドアミノ酸配列の修飾部位の選択されたアミノ酸残基は、修飾部位にスルファターゼモチーフを提供するように修飾され得る(例えば、修飾が、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換を含む場合)。
【0529】
したがって、表面接近可能なループ領域のアミノ酸配列を修飾してスルファターゼモチーフを提供することができ、修飾は、挿入、欠失、及び/又は置換を含み得る。例えば、修飾がCH1ドメイン中にある場合、表面接近可能なループ領域は、アミノ酸配列NSGALTSG(配列番号71)を有していてもよく、アルデヒドタグ化配列は、例えば、NSGALCTPSRG(配列番号162)であってもよく、例えば、NSGALTSG(配列番号71)配列の「TS」残基が、スルファターゼモチーフが配列LCTPSRを有するように、「CTPSR」と置き換えられている。別の例として、修飾がCH2ドメイン内にある場合、表面接近可能なループ領域は、アミノ酸配列NKALPAP(配列番号84)を有してもよく、アルデヒドタグ化配列は、例えば、NLCTPSRAP(配列番号163)であってもよく、例えば、NKALPAP配列の「KAL」残基は、スルファターゼモチーフが配列LCTPSRを有するように、「LCTPSR」と置き換えられている。別の例として、修飾がCH2/CH3ドメイン内にある場合、表面接近可能なループ領域は、アミノ酸配列KAKGQPR(配列番号86)を有してもよく、アルデヒドタグ化配列は、例えば、
(配列表1)
であってもよく、例えば、KAKGQPR配列の「GQP」残基は、スルファターゼモチーフが配列LCTPSRを有するように、「LCTPS」と置き換えられている。
【0530】
上に示されるように、単離されたアルデヒドタグ化抗体、例えば、抗CD30抗体は、上述のスルファターゼモチーフを含むように修飾された軽鎖定常領域アミノ酸配列を含んでいてもよく、スルファターゼモチーフは、Igポリペプチド軽鎖定常領域の表面接近可能なループ領域の中にあるか、又はそれに隣接している。
【0531】
いくつかの事例において、標的免疫グロブリンアミノ酸配列は、上記のスルファターゼモチーフを含むように修飾され、この修飾には、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換が含まれる。特定の実施形態において、スルファターゼモチーフは、1)アミノ酸130~135、2)アミノ酸141~143、3)アミノ酸150、4)アミノ酸162~166、5)アミノ酸163~166、6)アミノ酸173~180、7)アミノ酸186~194、8)アミノ酸211~212、9)アミノ酸220~225、10)アミノ酸233~236のうちの1つ以上に対応するIg軽鎖定常領域の領域内であるか、又はそれに隣接しており、アミノ酸の付番は、ヒトカッパ軽鎖のアミノ酸の付番に基づく。いくつかの事例において、標的免疫グロブリンアミノ酸配列は、上記のスルファターゼモチーフを含むように修飾され、この修飾には、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換が含まれる。特定の実施形態において、スルファターゼモチーフは、1)アミノ酸1~6、2)アミノ酸12~14、3)アミノ酸21、4)アミノ酸33~37、5)アミノ酸34~37、6)アミノ酸44~51、7)アミノ酸57~65、8)アミノ酸83~83、9)アミノ酸91~96、10)アミノ酸104~107のうちの1つ以上に対応するIg軽鎖定常領域の領域内であるか、又はそれに隣接しており、アミノ酸の付番は、ヒトカッパ軽鎖に基づく。
【0532】
Ig軽鎖(例えば、ヒトカッパ軽鎖)の例示的な表面接近可能なループ領域は、1)RTVAAP(配列番号165)、2)PPS、3)Gly(例えば、ヒトカッパ軽鎖配列の位置150のGlyを参照されたい)、4)YPREA(配列番号166)、5)PREA、6)DNALQSGN(配列番号167)、7)TEQDSKDST(配列番号168)、8)HK、9)HQGLSS(配列番号169)、及び10)RGEC(配列番号170)を含む。
【0533】
Igラムダ軽鎖の例示的な表面接近可能なループ領域としては、QPKAAP(配列番号171)、PPS、NK、DFYPGAV(配列番号172)、DSSPVKAG(配列番号173)、TTP、SN、HKS、EG、及びAPTECS(配列番号174)が挙げられる。
【0534】
いくつかの事例において、標的免疫グロブリンアミノ酸配列は、上記のスルファターゼモチーフを含むように修飾され、この修飾には、1つ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換が含まれる。特定の実施形態において、スルファターゼモチーフは、1)アミノ酸1~6、2)アミノ酸12~14、3)アミノ酸121~22、4)アミノ酸31~37、5)アミノ酸44~51、6)アミノ酸55~57、7)アミノ酸61~62、8)アミノ酸81~83、9)アミノ酸91~92、10)アミノ酸102~105のうちの1つ以上に対応するラットIg軽鎖定常領域の領域内であるか、又はそれに隣接しており、アミノ酸の付番は、ラット軽鎖のアミノ酸の付番に基づく。
【0535】
いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、重鎖定常領域のCH1領域に導入される。いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、重鎖のC末端又はその付近(例えば、1~10アミノ酸以内)に導入される。いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、軽鎖定常領域に導入される。
【0536】
いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、抗CD30重鎖定常領域のCH1領域に、例えば、IgG1重鎖アミノ酸配列のアミノ酸121~219内に導入される。例えば、いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、以下のアミノ酸配列に導入される。
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVE(配列番号175)。例えば、これらの実施形態のいくつかにおいて、アミノ酸配列GALTSGVH(配列番号193)は、GALCTPSRGVH(配列番号194)へと修飾され、ここで、スルファターゼモチーフが、LCTPSR(配列番号58)である。
【0537】
いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、配列番号175の91番目の位置のアスパラギン残基の前に追加される。スルファターゼモチーフは、LCTPSR(配列番号58)であってもよい。例えば、スルファターゼモチーフLCTPSR(配列番号58)を、配列番号175の91番目の位置のアスパラギン残基の前に追加し、KPSLCTPSRNTK(配列番号189)の配列を含む抗体を産生することができる。スルファターゼモチーフのこの挿入部位は、本明細書において91Nとして参照される。
【0538】
91N部位におけるスルファターゼモチーフの挿入の特定の詳細は、米国特許出願公開第2020/0010561号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0539】
例えば、スルファターゼモチーフLCTPSR(配列番号58)を、配列番号175の91番目の位置のアスパラギン残基の前に追加し、以下の配列を含む抗体を産生することができる(スルファターゼモチーフは、太字及び斜体で強調表示され、91番目のアスパラギン残基は、太字で強調表示される)。
(配列表2)
【0540】
いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、配列番号175に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する配列において、91番目のアスパラギン残基の前に追加される。そのような配列と配列番号175の配列との配列アラインメントに基づいて、当業者は、91番目のアスパラギン残基の位置を容易に決定することができ、したがって、スルファターゼモチーフの挿入部位を決定することができる。
【0541】
91N部位にスルファターゼモチーフの挿入を有する抗体の非限定的な例は、以下に記載される実施例9~10及び図18~21に提供される。
【0542】
いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、抗体重鎖のC末端又はその付近に導入され、例えば、スルファターゼモチーフは、抗体重鎖のC末端の1アミノ酸、2アミノ酸(aa)、3aa、4aa、5aa、6aa、7aa、8aa、9aa、又は10aa内に導入される。1つの非限定的な例として、抗体重鎖のC末端リジン残基を、アミノ酸配列SLCTPSRGS(配列番号195)と置き換えることができる。
【0543】
いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、抗CD30抗体の軽鎖の定常領域に導入される。1つの非限定的な例として、いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、抗CD30抗体の軽鎖の定常領域に導入され、スルファターゼモチーフが、KVDNAL(配列番号62)に対してC末端であり、かつ/又はQSGNSQ(配列番号63)に対してN末端である。例えば、いくつかの場合において、スルファターゼモチーフは、LCTPSR(配列番号58)であり、抗CD30軽鎖は、アミノ酸配列KVDNALLCTPSRQSGNSQ(配列番号176)を含む。
【0544】
薬物
いくつかの場合において、本開示の結合剤は、抗体の重鎖及び/又は軽鎖に共有結合した薬物を含む。「薬物」としては、小分子薬物、ペプチド薬物、毒素(例えば、サイトトキシン)などが挙げられる。いくつかの場合において、本開示の結合剤は、抗体の重鎖及び/又は軽鎖に共有結合した薬物(例えば、本明細書に記載の式(I)及び式(Ia)のコンジュゲート中のW、又は本明細書に記載の式(II)のコンジュゲート中のW11若しくはW12)を有する。例えば、本開示の結合剤(例えば、抗体)コンジュゲートは、置換基W、W11又はW12として、本明細書に記載されるような薬物又は活性薬剤を含み得る。
【0545】
本明細書で使用される場合の「小分子薬物」は、化合物、例えば、有機化合物を指し、それは、対象の薬学的活性を示し、それが概して、約800Da以下、又は2000Da以下の分子量であるが、最大5kDaの分子を包含してもよく、約10kDaと同じ程度の大きさであり得る。小さな無機分子は、炭素原子を含有しない分子を指し、小さな有機分子は、少なくとも1個の炭素原子を含有する化合物を指す。
【0546】
本明細書で使用される場合の「ペプチド薬物」は、ポリマー化合物を含有するアミノ酸を指し、天然型及び非天然型ペプチド、オリゴペプチド、環式ペプチド、及びタンパク質、並びにペプチド模倣物を包含することを意味する。ペプチド薬物は、化学合成によって得られることができるか、又は遺伝子的にコードされた供給源(例えば、組換え源)から生成され得る。ペプチド薬物は、分子量を変動し得、200Da~10kDa以上の分子量であり得る。
【0547】
いくつかの場合において、薬物は、毒素、例えば、サイトトキシンである。高等植物に遍在するタンパク質の一種であるリボソーム不活性化タンパク質(RIP)は、そのようなサイトトキシンの一例である。好適なサイトトキシンとしては、限定するものではないが、リシン、アブリン、ジフテリア毒素、Pseudomonas外毒素(例えば、PE35、PE37、PE38、PE40など)、サポリン、ゲロニン、ポケウィード抗ウイルスタンパク質(PAP)、ボツリヌス毒素、ブリオジン、モモルジン、及びブガニンが挙げられる。
【0548】
いくつかの場合において、薬物は、がん化学療法剤である。がん化学療法剤は、がん細胞の増殖を低減する非ペプチド性(すなわち、非タンパク質性)化合物を含み、細胞傷害性剤及び細胞増殖抑制剤を包含する。化学療法剤の非限定的な例としては、アルキル化剤、ニトロソウレア、代謝拮抗物質、抗腫瘍抗生物質、植物(ビンカ)アルカロイド、又はステロイドホルモンが挙げられる。ペプチド性化合物も又は使用され得る。
【0549】
好適ながん化学療法剤は、ドラスタチン並びにその活性類似体及び誘導体と、アウリスタチン並びにその活性類似体及び誘導体とを含む。好適ながん化学療法剤はまた、メイタンシノイド並びにその活性類似体及び誘導体と、デュオカルマイシン並びにその活性類似体及び誘導体とを含む。
【0550】
特定の実施形態において、薬物又は活性薬剤は、メイタンシンであり得る。「メイタンシン」、「メイタンシン部分」、「メイタンシン活性薬剤部分」、及び「メイタンシノイド」は、メイタンシン、並びにその類似体及び誘導体、並びに薬学的に活性なメイタンシン部分及び/又はその一部を指す。ポリペプチドにコンジュゲートされたメイタンシンは、限定されないが、本明細書に記載されるようなメイタンシン並びにその類似体及び誘導体(例えば、デアシルメイタンシン)など、様々なメイタンシノイド部分のうちのいずれかであり得る。
【0551】
特定の実施形態において、薬物又は活性薬剤は、アウリスタチン、又はその類似体若しくは誘導体、又は薬学的に活性なアウリスタチン部分及び/又はその部分であり得る。ポリペプチドにコンジュゲートされたアウリスタチンは、限定されないが、本明細書に記載されるようなアウリスタチン並びにその類似体及び誘導体など、様々なアウリスタチン部分のうちのいずれかであり得る。本明細書に記載のコンジュゲート及び化合物で使用されることが見出される薬物の例としては、モノメチルアウリスタチンD(MMAD)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、それらの誘導体などのアウリスタチン又はアウリスタチン誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0552】
いくつかの場合において、好適ながん化学療法剤は、カンプトテシン及びその誘導体(例えば、トポテカン、イリノテカン、ベロテカン、エキサテカン、SN-38、シラテカン、コシテカン、ルルトテカン、ギマテカン、ルビテカン、9-アミノカンプトテシン(9-AC)など)などのトポイソメラーゼ阻害剤を含むが、これらに限定されない。
【0553】
特定の実施形態において、本明細書に記載の式(I)及び式(Ia)中の薬物W、又は本明細書に記載の式(II)中のW11若しくはW12は、カンプトテシン、又はその類似体若しくは誘導体である。例えば、いくつかの事例において、カンプトテシン、又はその類似体若しくは誘導体は、式(IV):
【化53】
の化合物であり、
式中、
31及びR32が、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択されるか、又はR31及びR32が、任意選択的に環状に連結され、5若しくは6員のシクロアルキル若しくはヘテロシクリル環を形成し、
33及びR34が、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択されるか、又はR33及びR34が、任意選択的に環状に連結され、5若しくは6員のシクロアルキル若しくはヘテロシクリル環を形成し、
35が、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
36が、OH及びOC(O)R37から選択され、
37が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。
【0554】
式(IV)の特定の実施形態において、本明細書に記載の式(I)又は式(Ia)中のリンカーL、又は本明細書に記載の式(II)中の第1のリンカーL若しくは第2のリンカーLは、R31、R32、R33、R34、R35又はR36で式(IV)の化合物に結合している。
【0555】
特定の実施形態において、R31及びR32は、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択されるか、又はR31及びR32が、任意選択的に環状に連結され、5若しくは6員のシクロアルキル若しくはヘテロシクリル環を形成する。
【0556】
特定の実施形態において、R31は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R31は、水素である。特定の実施形態において、R31は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)である。特定の実施形態において、R31は、ヒドロキシである。特定の実施形態において、R31は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R31は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R31は、メチルである。特定の実施形態において、R31は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R31は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R31は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R31は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R31は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R31は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R31は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0557】
特定の実施形態において、R32は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R32は、水素である。特定の実施形態において、R32は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)である。特定の実施形態において、R32は、ヒドロキシである。特定の実施形態において、R32は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R32は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R32は、メチルである。特定の実施形態において、R32は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R32は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R32は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R32は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R32は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R32は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R32は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0558】
特定の実施形態において、R31及びR32は、任意選択的に環状に連結され、5又は6員のシクロアルキル又はヘテロシクリル環を形成する。特定の実施形態において、R31及びR32は、環状に連結され、5又は6員のシクロアルキルを形成する。特定の実施形態において、R31及びR32は、環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R31及びR32は、環状に連結して、5員のシクロアルキルを形成する。特定の実施形態において、R31及びR32は、環状に連結され、6員のシクロアルキルを形成する。特定の実施形態において、R31及びR32は、環状に連結して、5員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R31及びR32は、環状に連結して、6員のヘテロシクリルを形成する。
【0559】
特定の実施形態において、R33及びR34は、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択されるか、又はR33及びR34が、任意選択的に環状に連結され、5若しくは6員のシクロアルキル若しくはヘテロシクリル環を形成する。
【0560】
特定の実施形態において、R33は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R33は、水素である。特定の実施形態において、R33は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)である。特定の実施形態において、R33は、ヒドロキシである。特定の実施形態において、R33は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R33は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1~6アルキル若しくはC1~6置換アルキル、又はC1~4アルキル若しくはC1~4置換アルキル、又はC1~3アルキル若しくはC1~3置換アルキルである。特定の実施形態において、R33は、メチルである。特定の実施形態において、R33は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R33は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R33は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R33は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R33は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R33は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R33は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0561】
特定の実施形態において、R34は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R34は、水素である。特定の実施形態において、R34は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)である。特定の実施形態において、R34は、ヒドロキシである。特定の実施形態において、R34は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R34は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R34は、メチルである。特定の実施形態において、R34は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R34は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R34は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R34は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R34は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R34は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R34は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0562】
特定の実施形態において、R33及びR34は、任意選択的に環状に連結され、5又は6員のシクロアルキル又はヘテロシクリル環を形成する。特定の実施形態において、R33及びR34は、環状に連結され、5又は6員のシクロアルキルを形成する。特定の実施形態において、R33及びR34は、環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R33及びR34は、環状に連結して、5員のシクロアルキルを形成する。特定の実施形態において、R33及びR34は、環状に連結され、6員のシクロアルキルを形成する。特定の実施形態において、R33及びR34は、環状に連結して、5員のヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R33及びR34は、環状に連結して、6員のヘテロシクリルを形成する。
【0563】
特定の実施形態において、R35は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R35は、水素である。特定の実施形態において、R35は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)である。特定の実施形態において、R35は、ヒドロキシである。特定の実施形態において、R35は、アミノ又は置換アミノである。特定の実施形態において、R35は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R35は、メチルである。特定の実施形態において、R35は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R35は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R35は、アルコキシ又は置換アルコキシである。特定の実施形態において、R35は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R35は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R35は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R35は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0564】
特定の実施形態において、R36は、OH及びOC(O)R37から選択される。特定の実施形態において、R36は、OHである。特定の実施形態において、R36は、OC(O)R37である。
【0565】
特定の実施形態において、R37は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R37は、水素である。特定の実施形態において、R37は、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R37は、アルケニル若しくは置換アルケニル、例えば、C2-6アルケニル若しくはC2-6置換アルケニル、又はC2-4アルケニル若しくはC2-4置換アルケニル、又はC2-3アルケニル若しくはC2-3置換アルケニルである。特定の実施形態において、R37は、アルキニル又は置換アルキニルである。特定の実施形態において、R37は、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R37は、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R37は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R37は、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。
【0566】
特定の実施形態において、式(IV)の化合物は、式(IVa):
【化54】
の構造を有する。
【0567】
式(IVa)の化合物の特定の実施形態において、R33は、上に説明した通りである。
【0568】
式(IVa)の化合物の特定の実施形態において、R36は、上に説明した通りである。
【0569】
式(IVa)の化合物の特定の実施形態において、R33は、OHであり、Lは、R36に結合している。式(IVa)の化合物の特定の実施形態において、Lは、R33に結合しており、R36は、OHである。
【0570】
特定の実施形態において、式(IV)の化合物は、式(IVb):
【化55】
の構造を有する。
【0571】
式(IVb)の化合物の特定の実施形態において、R31aは、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、及びスルホニルから選択される。特定の実施形態において、R31aは、水素である。特定の実施形態において、R31aは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R31aは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R31aは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R31aは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R31aは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、R31aは、カルボキシルである。特定の実施形態において、R31aは、カルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R31aは、アシルである。特定の実施形態において、R31aは、スルホニルである。
【0572】
式(IVb)の化合物の特定の実施形態において、R36は、上に説明した通りである。
【0573】
式(IVb)の化合物の特定の実施形態において、R31aは、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、及びスルホニルから選択され、Lは、R36に結合している。式(IVb)の化合物の特定の実施形態において、Lは、R31aに結合しており、R36は、OHである。
【0574】
特定の実施形態において、式(IV)の化合物は、式(IVc):
【化56】
の構造を有する。
【0575】
式(IVc)の化合物の特定の実施形態において、R31bは、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、及びスルホニルから選択される。特定の実施形態において、R31bは、水素である。特定の実施形態において、R31bは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R31bは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R31bは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R31bは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R31bは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、R31bは、カルボキシルである。特定の実施形態において、R31bは、カルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R31bは、アシルである。特定の実施形態において、R31bは、スルホニルである。
【0576】
式(IVc)の化合物の特定の実施形態において、R36は、上に説明した通りである。
【0577】
式(IVc)の化合物の特定の実施形態において、R31bは、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、及びスルホニルから選択され、Lは、R36に結合している。式(IVc)の化合物の特定の実施形態において、Lは、R31bに結合しており、R36は、OHである。
【0578】
特定の実施形態において、式(IV)の化合物は、式(IVd):
【化57】
の構造を有する。
【0579】
式(IVd)の化合物の特定の実施形態において、R32a及びR32bは、各々独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、及びスルホニルから選択される。
【0580】
式(IVd)の化合物の特定の実施形態において、R32aは、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、及びスルホニルから選択される。特定の実施形態において、R32aは、水素である。特定の実施形態において、R32aは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R32aは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R32aは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R32aは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R32aは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、R32aは、カルボキシルである。特定の実施形態において、R32aは、カルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R32aは、アシルである。特定の実施形態において、R32aは、スルホニルである。
【0581】
式(IVd)の化合物の特定の実施形態において、R32bは、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、及びスルホニルから選択される。特定の実施形態において、R32bは、水素である。特定の実施形態において、R32bは、アルキル若しくは置換アルキル、例えば、C1-6アルキル若しくはC1-6置換アルキル、又はC1-4アルキル若しくはC1-4置換アルキル、又はC1-3アルキル若しくはC1-3置換アルキルである。特定の実施形態において、R32bは、アリール若しくは置換アリール、例えば、C5-8アリール若しくはC5-8置換アリール、例えば、Cアリール若しくはC置換アリール、又はCアリール若しくはC置換アリールである。特定の実施形態において、R32bは、ヘテロアリール若しくは置換ヘテロアリール、例えば、C5-8ヘテロアリール若しくはC5-8置換ヘテロアリール、例えば、Cヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリール、又はCヘテロアリール若しくはC置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、R32bは、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、例えば、C3-8シクロアルキル若しくはC3-8置換シクロアルキル、例えば、C3-6シクロアルキル若しくはC3-6置換シクロアルキル、又はC3-5シクロアルキル若しくはC3-5置換シクロアルキルである。特定の実施形態において、R32bは、ヘテロシクリル若しくは置換ヘテロシクリル、例えば、C3-6ヘテロシクリル若しくはC3-6置換ヘテロシクリル、又はC3-5ヘテロシクリル若しくはC3-5置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、R32bは、カルボキシルである。特定の実施形態において、R32bは、カルボキシルエステルである。特定の実施形態において、R32bは、アシルである。特定の実施形態において、R32bは、スルホニルである。
【0582】
式(IVd)の化合物の特定の実施形態において、R36は、上に説明した通りである。
【0583】
式(IVd)の化合物の特定の実施形態において、R32a及びR32bは、各々独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、及びスルホニルから選択され、Lは、R36に結合している。式(IVd)の化合物の特定の実施形態において、Lは、R32a又はR32bに結合しており、R36は、OHである。式(IVd)の化合物の特定の実施形態において、Lは、R32aに結合しており、R36は、OHである。式(IVd)の化合物の特定の実施形態において、Lは、R32bに結合しており、R36は、OHである。
【0584】
細胞増殖を減少させるために作用する薬剤は、当該技術分野で既知であり、幅広く使用される。そのような薬剤としては、メクロレタミン、シクロホスファミド(シトキサン(商標))、メルファラン(L-サルコリシン)、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル-CCNU)、ストレプトゾシン、クロロゾトシン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、ダカルバジン、及びテモゾロミドを含むが、これらに限定されない、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホネート、及びトリアゼンなどのアルキル化剤が挙げられる。
【0585】
代謝拮抗剤としては、シタラビン(CYTOSAR-U)、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル(5-FU)、フロクスウリジン(FudR)、6-チオグアニン、6-メルカプトプリン(6-MP)、ペントスタチン、5-フルオロウラシル(5-FU)、メトトレキサート、10-プロパルギル-5,8-ジデアザフォレート(PDDF、CB3717)、5,8-ジデアザテトラヒドロ葉酸(DDATHF)、ロイコボリン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、及びゲムシタビンを含む、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体、及びアデノシンデアミナーゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0586】
好適な天然生成物及びそれらの誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンホカイン、及びエピポドフィロトキシン)としては、Ara-C、パクリタキセル(タキソール(登録商標))、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、アザチオプリン;ブレキナル;アルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシンなど;ポドフィロトキシン、例えば、エトポシド、テニポシドなど;抗生物質、例えば、アントラサイクリン、ダウノルビシン塩酸塩(ダウノマイシン、ルビドマイシン、セルビジン)、イダルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、及びモルホリノ誘導体など;フェノキシゾンビスシクロペプチド、例えば、クチノマイシン;塩基糖ペプチド、例えば、ブレオマイシン;アントラキノン配糖体、例えば、プリカマイシン(ミトラマイシン);アントラセンジオン、例えば、ミトキサントロン;アジリノピロロインドールジオン、例えば、マイトマイシン;大環状免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、FK-506(タクロリムス、プログラフ)、ラパマイシンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0587】
他の抗増殖性細胞傷害性剤は、ナベルビン、CPT-11、アナストロゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキサフェン、シクロホスファミド、イホスファミド、及びドロロキシフェンである。
【0588】
抗増殖性活性を有する微小管作用剤はまた、使用するのに好適であり、これらに限定されないが、アロコルヒチン(NSC 406042)、ハリコンドリンB(NSC 609395)、コルヒチン(NSC 757)、コルヒチン誘導体(例えば、NSC 33410)、ドラスタチン10(NSC 376128)、メイタンシン(NSC 153858)、リゾキシン(NSC 332598)、パクリタキセル(タキソール(登録商標))、タキソール(登録商標)誘導体、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、チオコルヒチン(NSC 361792)、トリチルシステイン、ビンブラスチンサルフェート、ビンクリスチンサルフェート、これらに限定されないが、エポチロンA、エポチロンB、ジスコデルモリドを含む天然及び合成エポチロン;エストラムスチン、ノコダゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0589】
使用するのに好適であるホルモン調節剤及びステロイド(合成類似体を含む)としては、副腎皮質ステロイド、例えば、プレドニゾン、デキサメタゾンなど;エストロゲン及びプレゲスチン、例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロールアセテート、エストラジオール、クロミフェン、タモキシフェンなど;及び副腎皮質抑制剤、例えば、アミノグルテチミド;17α-エチニルエストラジオール;ジエチルスチルベストロール、テストステロン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、メチルプレドニゾロン、メチル-テストステロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロンアセテート、ロイプロリド、フルタミド(ドロゲニル(Drogenil))、トレミフェン(フェアストン(Fareston))、及びゾラデックス(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。エストロゲンは増殖及び分化を刺激し、それ故に、エストロゲン受容体に結合する化合物がこの活性を抑止するために使用される。
【0590】
他の好適な化学療法剤としては、金属錯体、例えばシスプラチン(シス-DDP)、カルボプラチンなど;尿素、例えば、ヒドロキシ尿素;及びヒドラジン、例えば、N-メチルヒドラジン;エピポフィロトキシン;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロン;ロイコボリン;テガフールなどが挙げられる。目的の他の抗増殖性剤としては、免疫抑制剤、例えば、ミコフェノール酸、サリドマイド、デスオキシスペルグアリン、アザスポリン、レフルノミド、ミゾリビン、アザスピラン(SKF105685);イレッサ(登録商標)(ZD1839、4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-メトキシ-6-(3-(4-モルホリニル)プロポキシ)キナゾリン)などが挙げられる。
【0591】
タキサンは、使用するのに好適である。「タキサン」は、パクリタキセル、並びに任意の活性タキサン誘導体又はプロドラッグを含む。「パクリタキセル」(例えば、ドセタキセル、タキソール(商標)、タキソテール(商標)、パクリタキセルの10-デスアセチル類似体、及びパクリタキセルの3’N-デスベンゾイル-3’N-t-ブトキシカルボニル類似体などの類似体、製剤、及び誘導体を含むことを本明細書で理解されるべきである)は、当業者に既知の技術を利用して容易に調製され得るか(WO94/07882、WO94/07881、WO94/07880、WO94/07876、WO93/23555、WO93/10076、米国特許第5,294,637号、同第5,283,253号、同第5,279,949号、同第5,274,137号、同第5,202,448号、同第5,200,534号、同第5,229,529号、及びEP590,267もまた参照されたい)、又は例えば、Sigma Chemical Co.,St.Louis,Moを含む様々な市販の供給源から得ることができる(Taxus brevifoliaからのT7402、又はTaxus yannanensisからのT-1912)。
【0592】
パクリタキセルは、一般の化学的に利用可能な形態のパクリタキセルのみではなく、類似体及び誘導体(例えば、上記に記載されるようなタキソテール(商標)ドセタキセル)並びにパクリタキセルコンジュゲート(例えば、パクリタキセル-PEG、パクリタキセル-デキストラン、又はパクリタキセル-キシロース)も指すことを理解されるべきである。
【0593】
親水性誘導体、及び疎水性誘導体の両方を含む、様々な既知の誘導体もまた、用語「タキサン」の内に含まれる。タキサン誘導体としては、ガラクトース及びマンノース誘導体、ピペラジノ及びピペラジノ誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0594】
抗体を産生する方法
主題の結合剤は、任意の既知の方法、例えば、タンパク質合成のための従来の合成方法、組換えDNA方法などによって生成され得る。
【0595】
主題の結合剤が一本鎖ポリペプチドである場合、それは、標準的な化学ペプチド合成技術を使用して合成することができる。ポリペプチドが化学合成される場合、合成は、液相又は固相を介して進行し得る。配列のC末端アミノ酸が不溶性支持体に結合し、続いて配列中の残りのアミノ酸を連続的に追加する固相ポリペプチド合成(SPPS)は、主題の抗体の化学合成のための好適な方法の一例である。Fmoc及びBocなどの様々な形態のSPPSは、主題の抗体を合成するために利用可能である。
【0596】
標準的な組換え方法は、主題の結合剤の生成に使用することができる。例えば、任意選択的に定常領域に連結された、軽鎖及び重鎖可変領域をコードする核酸は、発現ベクターに挿入される。軽鎖及び重鎖は、同じ又は異なる発現ベクターでクローニングすることができる。免疫グロブリン鎖をコードするDNAセグメントは、免疫グロブリンポリペプチドの発現を確実にする発現ベクター(複数可)中の制御配列に作動可能に連結される。発現制御配列としては、これらに限定されないが、プロモーター(例えば、天然関連又は異種プロモーター)、シグナル配列、エンハンサーエレメント、及び転写終結配列が挙げられる。発現制御配列は、真核宿主細胞(例えば、COS又はCHO細胞)を形質転換又はトランスフェクトすることができるベクターにおける真核プロモーター系であり得る。ベクターが適切な宿主に組み込まれると、宿主は、ヌクレオチド配列の高レベル発現、並びに抗体の収集及び精製に好適な条件下で維持される。
【0597】
コードの縮重のために、様々な核酸配列が、各免疫グロブリンアミノ酸配列をコードすることができる。所望の核酸配列は、デノボ固相DNA合成によって、又は所望のポリヌクレオチドの以前に調製されたバリアントのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)変異誘発によって生成され得る。
【0598】
好適な発現ベクターは、典型的には、エピソームとして、又は宿主染色体DNAの不可欠な部分として、宿主生物において複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列で形質転換されたそれらの細胞の検出を可能にする選択マーカー(例えば、アンピシリン耐性、ハイグロマイシン耐性、テトラサイクリン耐性、カナマイシン耐性又はネオマイシン耐性)を含む。
【0599】
Escherichia coliは、主題の抗体コードポリヌクレオチドをクローニングするために使用することができる原核宿主細胞の一例である。使用するのに好適な他の微生物宿主としては、Bacillus subtilisなどの細菌、Salmonella、Serratia、及び様々なPseudomonas種などの他の腸内細菌が挙げられる。酵母などの他の微生物も、発現に有用である。Saccharomyces(例えば、S.cerevisiae)及びPichiaは、好適な酵母宿主細胞の一例である。
【0600】
微生物に加えて、哺乳類細胞(例えば、インビトロ細胞培養で成長した哺乳類細胞)を使用して、本発明のポリペプチド(例えば、免疫グロブリン又はその断片をコードするポリヌクレオチド)を発現し、産生することもできる。好適な哺乳類宿主細胞としては、CHO細胞株、様々なCos細胞株、HeLa細胞、骨髄腫細胞株、及び形質転換されたB細胞又はハイブリドーマが挙げられる。これらの細胞の発現ベクターとしては、複製起点、プロモーター、及びエンハンサーなどの発現制御配列、並びにリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、及び転写ターミネーター配列などの必要な処理情報部位を挙げることができる。好適な発現制御配列の例は、免疫グロブリン遺伝子、SV40、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス、サイトメガロウイルスなどに由来するプロモーターである。
【0601】
(化学的又は組換えのいずれかで)合成されると、抗体全体、それらの二量体、個々の軽鎖及び重鎖、又は主題の抗体の他の形態(例えば、scFvなど)は、硫酸アンモニウム沈殿、親和性カラム、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)精製、ゲル電気泳動などを含む当該技術分野の標準的な手順に従って精製され得る(一般に、Protein Purification(Springer-Verlag,N.Y.,(1982)を参照されたい)。主題の抗体は、実質的に純粋、例えば、少なくとも約80%~85%純粋、少なくとも約85%~90%純粋、少なくとも約90%~95%純粋、若しくは98%~99%、又はそれ以上純粋、例えば、細胞デブリ、主題の抗体以外の巨大分子などの汚染物質を含まなくてもよい。
【0602】
組成物
本開示は、主題の結合剤を含む組成物を提供する。主題の結合剤組成物は、結合剤に加えて、塩、例えば、NaCl、MgCl、KCl、MgSOなど;緩衝剤、例えば、Tris緩衝液、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-(2-エタンスルホン酸)(HEPES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸ナトリウム塩(MES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N-トリス[ヒドロキシメチル]メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)など;可溶化剤;洗剤、例えば、Tween-20などの非イオン性洗剤;プロテアーゼ阻害剤;グリセロールなどのうちの1つ以上を含み得る。
【0603】
核酸
本開示は、主題の結合剤をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。主題の結合剤をコードするヌクレオチド配列は、意図した標的細胞(例えば、コードされた抗体を合成するように遺伝子修飾された細胞)でのヌクレオチド配列の発現を可能にする、プロモーター及びエンハンサーなどの1つ以上の調節エレメントに作動可能に連結され得る。
【0604】
好適なプロモーター及びエンハンサーエレメントは、当該技術分野で知られている。細菌細胞内での発現のために、好適なプロモーターには、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダP及びtrcが含まれるが、これらに限定されない。真核細胞における発現のために、好適なプロモーターとしては、軽鎖及び/又は重鎖の免疫グロブリン遺伝子プロモーター及びエンハンサーエレメント、サイトメガロウイルス最初期プロモーター、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼプロモーター、早期及び後期SV40プロモーター、レトロウイルスからの長い末端反復に存在するプロモーター、マウスメタロチオネイン-Iプロモーター、並びに様々な当該技術分野で知られている組織特異的プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0605】
いくつかの実施形態において、例えば、酵母細胞での発現のために、好適なプロモーターは、ADH1プロモーター、PGK1プロモーター、ENOプロモーター、PYK1プロモーターなどの構成的プロモーター、又は調節可能なプロモーター、例えば、GAL1プロモーター、GAL10プロモーター、ADH2プロモーター、PHO5プロモーター、CUP1プロモーター、GAL7プロモーター、MET25プロモーター、MET3プロモーター、CYC1プロモーター、HIS3プロモーター、ADH1プロモーター、PGKプロモーター、GAPDHプロモーター、ADC1プロモーター、TRP1プロモーター、URA3プロモーター、LEU2プロモーター、ENOプロモーター、TP1プロモーター、及びAOX1(例えば、Pichiaにおいて使用するための)である。適切なベクター及びプロモーターの選択は、十分に当該技術分野のレベル内である。
【0606】
原核宿主細胞で使用するための好適なプロモーターとしては、限定されないが、バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼプロモーター、trpプロモーター、lacオペロンプロモーター、ハイブリッドプロモーター、例えば、lac/tacハイブリッドプロモーター、tac/trcハイブリッドプロモーター、trp/lacプロモーター、T7/lacプロモーター、trcプロモーター、tacプロモーターなどが挙げられる。Escherichia coliなどの原核生物で使用するのに好適な強力なプロモーターとしては、限定されないが、Trc、Tac、T5、T7、及びPLambdaが挙げられる。細菌宿主細胞で使用するためのオペレーターの非限定的な例としては、ラクトースプロモーターオペレーター(LacIリプレッサータンパク質は、ラクトースと接触したときにコンフォメーションを変化させ、それによって、LacIリプレッサータンパク質がオペレーターに結合するのを防ぐ)、トリプトファンプロモーターオペレーター(トリプトファンと複合体化された場合、TrpRリプレッサータンパク質は、オペレーターに結合するコンフォメーションを有し、トリプトファンの不在下では、TrpRリプレッサータンパク質は、オペレーターに結合しないコンフォメーションを有する)、及びtacプロモーターオペレーターが挙げられる。
【0607】
主題の結合剤をコードするヌクレオチド配列は、発現ベクター及び/又はクローニングベクター中に存在し得る。主題の結合剤が2つの別個のポリペプチドを含む場合、その2つのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、同じ又は別個のベクターでクローニングすることができる。発現ベクターは、選択可能なマーカー、複製起点、及びベクターの複製及び/又は維持を提供する他の特徴を含み得る。
【0608】
多数の好適なベクター及びプロモーターが、当業者に既知であり、多くが、主題の組換え構築物を生成するために市販されている。以下のベクターが、例として提供される。細菌:pBs、ファージスクリプト、PsiX174、pBluescript SK、pBs KS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(Stratagene、La Jolla,Calif.,USA);pTrc99A、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、及びpRIT5(Pharmacia、Uppsala,Sweden)。真核生物:pWLneo、pSV2cat、pOG44、PXR1、pSG(Stratagene)pSVK3、pBPV、pMSG、及びpSVL(Pharmacia)。
【0609】
細胞
本開示は、主題の核酸で遺伝子修飾された、単離された遺伝子修飾された宿主細胞(例えば、インビトロ細胞)を提供する。いくつかの実施形態において、主題の単離された遺伝子修飾された宿主細胞は、主題の結合剤を生成することができる。
【0610】
好適な哺乳類細胞には、初代細胞及び不死化細胞株が含まれる。好適な哺乳類細胞株としては、ヒト細胞株、非ヒト霊長類細胞株、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)細胞株などが挙げられる。好適な哺乳類細胞系としては、限定されないが、HeLa細胞(例えば、American Type Culture Collection(ATCC)番号CCL-2)、CHO細胞(例えば、ATCC番号CRL9618、CCL61、CRL9096)、Vero細胞、NIH 3T3細胞(例えば、ATCC番号CRL-1658)、Huh-7細胞、BHK細胞(例えば、ATCC番号CCL10)、PC12細胞(ATCC番号CRL1721)、COS細胞、COS-7細胞(ATCC番号CRL1651)、RAT1細胞、マウスL細胞(ATCC番号CCLI.3)、ヒト胚性腎臓(HEK)293細胞(ATCC番号CRL1573)、HLHepG2細胞が挙げられる。
【0611】
好適な酵母細胞には、限定されないが、Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia koclamae、Pichia membranaefaciens、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichia salictaria、Pichia guercuum、Pichia pijperi、Pichia stiptis、Pichia methanolica、Pichia sp.、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces sp.、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces sp.、Kluyveromyces lactis、Candida albicans、Aspergillus nidulans、Aspergillus niger、Aspergillus oryzae、Trichoderma reesei、Chrysosporium lucknowense、Fusarium sp.、Fusarium gramineum、Fusarium venenatum、Neurospora crassa、Chlamydomonas reinhardtiiなどが含まれる。
【0612】
好適な原核細胞としては、限定されないが、Escherichia coli、Lactobacillus sp.、Salmonella sp.、Shigella sp.などの様々な実験室株のうちのいずれかが挙げられる。
【0613】
薬学的組成物
本開示は、主題の結合剤、例えば、本明細書に記載されるVH配列及びVL配列を含む抗体を含む、薬学的組成物を含む組成物を提供する。具体的な実施形態において、薬学的組成物は、本明細書に記載のVH及びVLフレームワーク領域を含む抗CD30抗体を含む。特定の実施形態において、薬学的組成物は、配列番号6、11、21、又は26の配列を有する少なくとも1つのVH鎖又はVL鎖を含む抗CD30抗体を含む。
【0614】
一般に、製剤は、有効量の主題の結合剤を含む。「有効量」とは、所望の結果、例えば、がん性細胞の数の低減を引き起こすのに十分な投薬量を意味する。いくつかの場合において、所望の結果は、対照と比較して、悪性腫瘍の症状の少なくとも低減である。
【0615】
製剤
主題の方法において、主題の結合剤は、所望の治療効果又は診断効果をもたらすことができる任意の便利な手段を使用して、宿主に投与され得る。結合剤は、本明細書に記載されるVH配列及びVL配列を含む抗体であり得る。具体的な実施形態において、結合剤は、本明細書に記載のVH及びVLフレームワーク領域を含む抗CD30抗体である。特定の実施形態において、薬学的組成物は、配列番号6、11、21、又は26の配列を有する少なくとも1つのVH鎖又はVL鎖を含む抗CD30抗体を含む。
【0616】
結合剤は、治療投与のために様々な製剤に組み込むことができる。より具体的には、結合剤は、適切な薬学的に許容される担体又は希釈剤との組み合わせによって薬学的組成物へと製剤化されてもよく、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤、及びエアロゾルなどの固体、半固体、液体又は気体形態の調製物へと製剤化され得る。
【0617】
医薬剤形において、主題の結合剤は、それらの薬学的に許容される塩の形態で投与されてもよく、又はそれらは、単独で、又は適切な組み合わせで、若しくは他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて使用されてもよい。以下の方法及び賦形剤は、単なる例示であり、決して限定的ではない。
【0618】
経口調製物については、主題の結合剤を単独で、又は適切な添加剤と組み合わせて使用して、例えば、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン又はジャガイモデンプンなどの従来の添加剤と、結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、トウモロコシデンプン又はゼラチンなどの結合剤と、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン又はカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの崩壊剤と、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤と、及び必要に応じて希釈剤、緩衝剤、保湿剤、保存剤及び香味剤と共に、錠剤、粉末、顆粒、又はカプセルを作製することができる。
【0619】
主題の結合剤は、植物性又は他の同様の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステル、又はプロピレングリコールなどの水性又は非水性溶媒中にそれらを溶解、懸濁、又は乳化させることによって、及び必要に応じて、可溶化剤、等張化剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、及び保存剤などの従来の添加剤と共に注射用の調製物へと製剤化され得る。
【0620】
主題の結合剤を含む薬学的組成物は、所望の純度を有する結合剤を、任意選択的な生理学的に許容される担体、賦形剤、安定剤、界面活性剤、緩衝剤、及び/又は張力剤と混合することによって調製される。許容される担体、賦形剤及び/又は安定剤は、用いられる投薬量及び濃度でレシピエントに無毒であり、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸、グルタチオン、システイン、メチオニン及びクエン酸を含む抗酸化剤;保存剤(エタノール、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール、p-クロル-m-クレゾール、メチル若しくはプロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、又はそれらの組み合わせなど);アルギニン、グリシン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン、イソロイシン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン、プロリン及びそれらの組み合わせなどのアミノ酸;単糖類、二糖類及び他の炭水化物;低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;ゼラチン又は血清アルブミンなどのタンパク質;EDTAなどのキレート剤;トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラフィノース、グルコサミン、N-メチルグルコサミン、ガラクトサミン、及びノイラミン酸などの糖類;並びに/あるいはTween、Brij Pluronics、Triton-X、又はポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0621】
薬学的組成物は、液体形態、凍結乾燥形態、又は凍結乾燥形態から再構成された液体形態であってもよく、凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌溶液で再構成される。凍結乾燥組成物を再構成するための標準的な手順は、ある体積の(典型的には、凍結乾燥中に除去された体積に等しい)純水を加えることであるが、抗菌剤を含む溶液は、非経口投与のための薬学的組成物の生成に使用され得る。
【0622】
主題の薬学的組成物中の例示的な抗体濃度は、約1mg/mL~約200mg/mL、又は約50mg/mL~約200mg/mL、又は約150mg/mL~約200mg/mLの範囲であり得る。
【0623】
結合剤の水性製剤は、pH緩衝溶液中、例えば、約4.0~約7.0、又は約5.0~約6.0の範囲、又は代替的に約5.5のpHで調製され得る。この範囲内のpHに好適な緩衝液の例としては、リン酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液、クエン酸緩衝液、コハク酸緩衝液、酢酸緩衝液、及び他の有機酸緩衝液が挙げられる。緩衝液濃度は、例えば、緩衝液及び製剤の所望の張力に応じて、約1mM~約100mM、又は約5mM~約50mMであってもよい。
【0624】
また、凍結乾燥プロセス中に不安定な活性成分(例えば、タンパク質)を不安定化条件から保護するために、凍結保護剤を添加してもよい。例えば、既知の凍結保護剤としては、糖(グルコース及びスクロースを含む)、ポリオール(マンニトール、ソルビトール、及びグリセロールを含む)、並びにアミノ酸(アラニン、グリシン、及びグルタミン酸を含む)が挙げられる。凍結保護剤は、約10mM~500nMの量で含まれ得る。
【0625】
いくつかの実施形態において、主題の製剤は、主題の結合剤、及び1つ以上の薬剤(例えば、界面活性剤、緩衝液、安定剤、張力剤)を含み、エタノール、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール、p-クロル-m-クレゾール、メチル若しくはプロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、及びそれらの組み合わせなどの1つ以上の保存剤を本質的に含まない。他の実施形態において、保存剤は、製剤に、例えば、約0.001~約2%(w/v)の範囲の濃度で含まれる。
【0626】
例えば、主題の製剤は、非経口投与に好適な液体又は凍結乾燥製剤であってもよく、約1mg/mL~約200mg/mLの主題の抗体、約0.001%~約1%の少なくとも1つの界面活性剤、約1mM~約100mMの緩衝液、任意選択的に約10mM~約500mMの安定剤、及び約5mM~約305mMの張力剤を含んでもよく、約4.0~約7.0のpHを有する。
【0627】
別の例として、主題の非経口製剤は、約1mg/mL~約200mg/mLの主題の抗体、0.04%のTween20(w/v)、20mMのL-ヒスチジン、及び250mMのスクロースを含む液体又は凍結乾燥製剤であり、pHは5.5である。
【0628】
「単位剤形」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒト及び動物対象のための単位投薬量として好適な物理的に別個の単位を指し、各単位が、薬学的に許容される希釈剤、担体、又はビヒクルと関連して所望な効果を引き起こすのに十分な量で計算された所定の量の本発明の結合剤を含有する。主題の結合剤の仕様は、用いられる特定の抗体及び達成される効果、並びに宿主中の各結合剤に関連する薬力学に依存し得る。
【0629】
主題の結合剤は、注射可能な製剤として投与することができる。典型的には、注射可能な組成物は、液体溶液又は懸濁液のいずれかとして調製されるが、注射前の液体ビヒクル中の溶液又は懸濁液に好適な固体形態も調製することができる。調製物はまた、乳化されてもよく、又は抗体は、リポソームビヒクルに封入されてもよい。
【0630】
ビヒクル、アジュバント、担体、又は希釈剤などの薬学的に許容される賦形剤は、容易に公的に入手可能である。更に、pH調整剤及び緩衝剤、張度調整剤、安定剤、湿潤剤などの薬学的に許容される補助物質は、容易に公的に入手可能である。
【0631】
いくつかの実施形態において、主題の結合剤は、制御放出製剤中で製剤化される。徐放性調製物は、当該技術分野で周知の方法を使用して調製され得る。徐放性調製物の好適な例としては、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透明性マトリックスが挙げられ、マトリックスは、成形物品、例えば、フィルム、又はマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例には、ポリエステル、L-グルタミン酸及びL-グルタミン酸エチルのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、ヒドロゲル、ポリラクチド、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、並びにポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が含まれる。生物学的活性の損失の可能性及び徐放性調製物に含まれる抗体の免疫原性の変化の可能性は、適切な添加物を使用すること、水分含有量を制御すること、及び特定のポリマーマトリックス組成物を開発することによって防止され得る。
【0632】
物理的系は、マイクロカプセル化、マクロカプセル化、及び膜系などの速度制御膜を有するリザーバ系;中空繊維、超微多孔質セルローストリアセテート、及び多孔質ポリマー基材及び発泡体などの速度制御膜を伴わないリザーバ系;非多孔質、ポリマー、又はエラストマーマトリックス(例えば、非侵食性、侵食性、環境剤浸入、及び分解性)に物理的に溶解した系、及び非多孔質、ポリマー、又はエラストマーマトリックス(例えば、非侵食性、侵食性、環境剤浸入、及び分解性)に物理的に分散した材料を含むモノリシック系;外側制御層とは化学的に類似又は外側制御層とは異なるリザーバ層を含む積層構造;並びに浸透性ポンプ、又はイオン交換樹脂への吸着などの他の物理的方法を含むが、これらに限定されない。
【0633】
化学系としては、限定されないが、ポリマーマトリックスの化学侵食(例えば、不均一な、若しくは均一な侵食)、又はポリマーマトリックスの生物学的侵食(例えば、不均一な、若しくは均一な)が挙げられる。
【0634】
投薬量
好適な投与量は、様々な臨床的要因に基づいて、主治医又は他の資格を有する医療従事者によって決定することができる。医療分野で周知であるように、任意の1人の患者の投薬量は、患者の大きさ、体表面積、年齢、投与される特定の化合物、患者の性別、投与の時間及び経路、一般的な健康状態、並びに同時に投与される他の薬物を含む、多くの要因に依存する。主題の結合剤は、1用量当たり1ng/kg体重~20mg/kg体重、例えば、0.1mg/kg体重~10mg/kg体重、例えば、0.5mg/kg体重~5mg/kg体重の量で投与され得るが、特に前述の要因を考慮して、この例示的な範囲を下回るか、又は上回る用量が想定される。レジメンが連続注入である場合、1分当たり体重1キログラム当たり1μg~10mgの範囲にもあり得る。
【0635】
当業者は、用量レベルが、特異的結合剤、症状の重症度、及び副作用に対する対象の感受性の関数として変化し得ることを容易に理解するであろう。所与の化合物の好ましい投薬量は、様々な手段によって当業者によって容易に決定可能である。
【0636】
投与経路
主題の結合剤は、インビボ及びエクスビボの方法、並びに全身及び局所化された投与経路を含む、薬物送達に好適な任意の利用可能な方法及び経路を使用して個体に投与される。
【0637】
従来かつ薬学的に許容される投与経路としては、鼻腔内、筋肉内、気管内、皮下、皮内、局所塗布、静脈内、動脈内、直腸、鼻腔、経口、並びに他の経腸及び非経口投与経路が挙げられる。所望の場合、投与経路を組み合わせてもよく、又は抗体及び/若しくは所望の効果に応じて調整してもよい。主題の抗体組成物は、単回用量又は複数回用量で投与され得る。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は、経口投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は、吸入経路を介して投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は、鼻腔内投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は、局所投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は、頭蓋内投与される。いくつかの実施形態において、主題の抗体組成物は、静脈内投与される。
【0638】
結合剤は、全身的経路又は局所的経路を含む、従来の薬物の送達に好適な任意の利用可能な従来の方法及び経路を使用して、宿主に投与され得る。一般に、本発明によって企図される投与経路には、必ずしも限定されないが、経腸、非経口、又は吸入経路が含まれる。
【0639】
吸入投与以外の非経口投与経路としては、局所経路、経皮経路、皮下経路、筋肉内経路、眼窩内経路、嚢内経路、脊髄内経路、胸骨内経路、肝臓内経路、及び静脈内経路、すなわち、消化管経由以外の任意の投与経路が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。非経口投与を実施して、主題の抗体の全身性送達又は局所送達をもたらすことができる。全身送達が所望される場合、投与は、典型的には、薬学的調製物の侵襲的又は全身的に吸収された局所的投与又は粘膜投与を伴う。
【0640】
主題の結合剤はまた、経腸投与によって対象に送達され得る。経腸投与経路としては、必ずしも限定されないが、経口及び直腸(例えば、座薬を使用した)送達が挙げられる。
【0641】
治療とは、宿主が罹患している病的状態と関連する症状の少なくとも改善を意味し、改善は、治療されている病的状態(例えば、乳がん、膵臓がん、又は肺がん)と関連するパラメータ、例えば症状の大きさの少なくとも低減を指すために広義で使用される。したがって、治療はまた、病的状態、又は少なくともそれと関連する症状が、宿主がもはやその病的状態、又は少なくともその病的状態を特徴付ける症状を患わないように、完全に阻害される、例えば発生が防止されるか、又は停止される、例えば終了される状況も含む。
【0642】
いくつかの実施形態において、主題の結合剤は、注射によって、例えば、全身送達(例えば、静脈内注入)のために、又は局所部位に投与される。
【0643】
様々な宿主(「宿主」という用語は、本明細書で「対象」、「個体」、及び「患者」という用語と交換可能に使用される)は、主題の方法に従って治療可能である。一般に、そのような宿主は、「哺乳動物」又は「哺乳類」であり、これらの用語は、肉食動物(例えば、イヌ及びネコ)、げっ歯類(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、並びに霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む、哺乳綱内にある生物を広く説明するために使用される。いくつかの実施形態において、宿主は、ヒトであろう。
【0644】
治療方法
本開示は、細胞、CD30陽性細胞、例えば、がん性CD30陽性細胞、自己反応性CD30陽性細胞に関連するか、又はそれらによって引き起こされる疾患又は障害を治療する方法を提供する。
【0645】
本明細書に開示されるフレームワーク領域を含むVH鎖及びVL鎖を使用して、任意の標的に対する特異性を有する抗体を産生することができるため、そのような抗体は、目的の標的に結合する抗体を投与することによって治療することができる疾患又は障害を治療する方法で使用することができる。
【0646】
悪性腫瘍の治療
本開示は、固形腫瘍又は血液悪性腫瘍を含む悪性腫瘍を治療する方法を提供し、本方法は、一般に、それを必要とする個体(例えば、悪性腫瘍を有する個体)に、有効量の主題の結合剤を、単独で(例えば、単独療法で)、又は1つ以上の追加の治療剤と組み合わせて(例えば、併用療法で)投与することを含む。
【0647】
悪性腫瘍には、例えば、HCC、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、有毛細胞白血病、前リンパ球性白血病、肛門がん、虫垂がん、胆道がん(すなわち、胆管がん)、膀胱がん、脳腫瘍、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、原発不明がん(CUP)、食道がん、眼のがん、卵管がん、胃腸がん、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、髄芽腫、黒色腫、口腔がん、卵巣がん、膵臓がん、副甲状腺疾患、陰茎がん、下垂体腫瘍、前立腺がん、直腸がん、皮膚がん、胃がん、精巣がん、咽喉がん、甲状腺がん、子宮がん、膣がん、外陰がんなどが挙げられる。
【0648】
いくつかの実施形態において、主題の結合剤の有効量は、単独で(例えば、単独療法で)、又は1つ以上の追加の治療剤と併用して(例えば、併用療法で)投与される場合に、1回以上の用量で、結合剤での治療の不在下での個体におけるがん性細胞の数と比較して、個体におけるがん性細胞の数を、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%以上減少させるのに有効な量である。
【0649】
併用療法
いくつかの実施形態において、悪性腫瘍を治療する主題の方法は、主題の結合剤及び1つ以上の追加の治療剤を投与することを伴う。好適な追加の治療剤としては、がん化学療法剤(上述のもの)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0650】
いくつかの場合において、追加の治療剤は、チェックポイント阻害剤又はインターロイキンなどの免疫調節治療薬である。免疫チェックポイント阻害剤は、タンパク質などの免疫阻害チェックポイント分子の機能を阻害する。免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質に特異的に結合する抗体であり得る。様々な免疫チェックポイント阻害剤が知られている。免疫チェックポイント阻害剤には、ペプチド、抗体、核酸分子、及び小分子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0651】
任意の好適なチェックポイント阻害剤が、本明細書に開示される方法において使用され得る。阻害性チェックポイント分子の例としては、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、CD277、IDO、KIR、PD-1、LAG-3、TIM-3、TIGIT及びVISTAが挙げられる。
【0652】
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、例えば、PD-1又はPD-L1の阻害を介して、PD-1シグナル伝達を阻害する。いくつかの実施形態において、PD-1シグナル伝達を阻害する薬剤は、抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、又はアベルマブである。いくつかの実施形態において、PD-L1を阻害する免疫チェックポイント阻害剤としては、例えば、AMP-244、MEDI-4736、MPDL328OA、及びMIH1が挙げられる。
【0653】
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4を標的とする抗体、例えば、イピリムマブなどのCTLA-4の阻害剤である。
【0654】
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有タンパク質-3(TIM-3)としても知られる膜貫通タンパク質であるCD366を標的とする。
【0655】
免疫チェックポイント阻害剤の追加の例及び特定の態様は、Hui(2019),Immune checkpoint inhibitors,J.Cell Biol.,Vol.218 No.3 740-741(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0656】
治療に好適な対象
様々な対象が、主題の方法による治療に好適である。好適な対象には、悪性腫瘍を有する、悪性腫瘍を有すると診断されている、過去に悪性腫瘍を有しており、悪性腫瘍の再発のリスクがある、主題の結合剤以外の薬剤で悪性腫瘍を治療されている(例えば、がん化学療法剤で治療されている)が、その薬剤に応答していない、又は主題の結合剤以外の薬剤で悪性腫瘍を治療されている(例えば、がん化学療法剤で治療されている)が、薬剤に最初は応答したが、その後応答を停止した(例えば、再発した)、任意の個体、例えば、ヒトが挙げられる。
【0657】
検出方法
本開示は、主題の結合剤の使用を伴う様々な検出方法を提供する。検出方法には、診断方法、予後方法、及びモニタリング方法が含まれる。主題の検出方法は、一般に、主題の結合剤の標的を発現する細胞、例えば、がん性細胞を検出することを伴う。
【0658】
いくつかの実施形態において、主題の方法は、例えば、個体が悪性腫瘍を有するかどうかを決定するための診断方法である。
【0659】
いくつかの実施形態において、主題の方法は、モニタリング方法であり、例えば、悪性腫瘍を有すると診断され、障害のために治療されている個人は、障害の治療及び/又は進行/退行への応答についてモニタリングされる。
【0660】
いくつかの場合において、主題の検出方法は、個体に、本開示の検出可能に標識された結合剤、特に、抗CD30抗体を投与することと、個体の組織への結合剤の結合を検出することと、を伴う。検出は、例えば、磁気共鳴撮像又は他の好適な撮像技術によって達成することができる。
【0661】
他の事例において、主題の検出方法は、本開示の検出可能に標識された結合剤、例えば、CD30抗体を、個体から得られた生物学的試料と接触させることと、生物学的試料中の分子への結合剤の結合を検出することと、を伴う。
【0662】
結合剤、例えば、CD30抗体は、直接的又は間接的に標識することができる。間接標識は、検出可能な標識を含む二次抗体を含み、二次抗体は、主題の結合剤に結合する。他の間接標識としては、ビオチンが挙げられ、抗CD30抗体などのビオチン化結合剤は、検出可能な標識を含むアビジン又はストレプトアビジンを使用して検出され得る。
【0663】
好適な検出可能な標識としては、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、又は化学的手段によって検出可能な任意の組成物が挙げられる。好適なものとしては、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(商標))、蛍光性染料(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光性タンパク質、赤色蛍光性タンパク質、黄色蛍光性タンパク質など)、放射性標識(例えば、H、125I、35S、14C、又は32P)、酵素(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼ、及び酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)で一般的に使用される他のもの)、並びにコロイド金又はカラーガラス若しくはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズなどの比色標識が挙げられるが、これらに限定されない。
【0664】
実施形態
本開示の特定の実施形態は、以下に列挙される項に記載される。これらの実施形態は、例示のみであり、範囲を限定することは意図されない。
1.CD30タンパク質に特異的に結合する結合剤であって、結合剤が、
i)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKVSCKASGYTFTDYYMTWVRQKPGQGLEWMGWIYPGSGNTKYNQKFKGRVTITVDTSSSTAFMELSSLTSEDTAVYFCANYGNYWFAYWGQGTQVTVSA(配列番号6)、及び
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYYITWVRQAPGQGLEWMGWIYPGSGNTKYNEKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCANYGNYWFAYWGQGTLVTVSS(配列番号11)から選択される配列を含む、可変重鎖(VH)鎖と、
ii)
DIVMTQSPASLAVSLGERATISCKSSQSVDFDGDSYLNWYQQKPGQPPKLLIYAASTRESGVPARFSGSGSGTDFTLTISSLQEEDVATYYCQQSNEDPWTFGGGTKVEIK(配列番号21)、及び
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCKASQSVDFDGDSYMNWYQQKPGQPPKLLIYAASNRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQSNEDPWTFGGGTKVEIK(配列番号26)から選択される配列を含む、可変軽鎖(VL)鎖と、を含む、結合剤。
2.配列番号11を含むVH鎖と、配列番号26を含むVL鎖と、を含む、項1に記載の結合剤。
3.CD30に特異的に結合する結合剤であって、
それぞれ、配列番号31~33の配列を有するH-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、それぞれ、配列番号34~36の配列を有するL-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含み、
VH鎖が、
i)配列番号7の配列を有する重鎖フレームワーク領域1(HFR1)、配列番号8の配列を有する重鎖フレームワーク領域2(HFR2)、配列番号9の配列を有する重鎖フレームワーク領域3(HFR3)、及び配列番号10の配列を有する重鎖フレームワーク領域4(HFR4)、又は
ii)配列番号12の配列を有するHFR1、配列番号13の配列を有するHFR2、配列番号14の配列を有するHFR3、及び配列番号15の配列を有するHFR4を含み、
VL鎖が、
i)配列番号22の配列を有する軽鎖フレームワーク領域1(LFR1)、配列番号23の配列を有する軽鎖フレームワーク領域2(LFR2)、配列番号24の配列を有する軽鎖フレームワーク領域3(LFR3)、及び配列番号25の配列を有する軽鎖フレームワーク領域4(LFR4)、又は
ii)配列番号27の配列を有するLFR1、配列番号28の配列を有するLFR2、配列番号29の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4を含む、結合剤。
4.抗原に特異的に結合する結合剤であって、
H-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、L-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含み、相補性決定領域が、抗原に対する結合剤の結合特異性を決定し、結合剤において、
VH鎖が、
i)配列番号7の配列を有するHFR1、配列番号8の配列を有するHFR2、配列番号9の配列を有するHFR3、及び配列番号10の配列を有するHFR4、又は
ii)配列番号12の配列を有するHFR1、配列番号13の配列を有するHFR2、配列番号14の配列を有するHFR3、及び配列番号15の配列を有するHFR4を含み、
VL鎖が、
i)配列番号22の配列を有するLFR1、配列番号23の配列を有するLFR2、配列番号24の配列を有するLFR3、及び配列番号25の配列を有するLFR4、又は
ii)配列番号27の配列を有するLFR1、配列番号28の配列を有するLFR2、配列番号29の配列を有するLFR3、及び配列番号30の配列を有するLFR4を含む、結合剤。
5.結合剤が、CD30に特異的に結合し、それぞれ、配列番号31~33の配列を有するH-CDR1、H-CDR2、及びH-CDR3を含むVH鎖と、それぞれ、配列番号34~36の配列を有するL-CDR1、L-CDR2、及びL-CDR3を含むVL鎖と、を含む、項1に記載の結合剤。
6.結合剤が、キメラ抗体である、項1~5のいずれか一項に記載の結合剤。
7.結合剤が、T細胞受容体、T細胞受容体様抗体、IgG、Fv、一本鎖抗体、scFv、Fab、F(ab’)2、又はFab’からなる群から選択される、項1~6のいずれか一項に記載の結合剤。
8.結合剤が、IgGである、項1~7のいずれか一項に記載の結合剤。
9.IgGが、IgG1である、項8に記載の結合剤。
10.結合剤が、Fabである、項1~7のいずれか一項に記載の結合剤。
11.結合剤が、scFvである、項1~7のいずれか一項に記載の結合剤。
12.CD30に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインを含む二重特異性結合剤であって、第1の抗原結合ドメインが、項1~5のいずれか一項に記載のVH鎖及びVL鎖を含む、二重特異性結合剤。
13.結合剤が、検出可能に標識されている、項1~12のいずれか一項に記載の結合剤。
14.結合剤が、共有結合した非ペプチド合成ポリマーを含む、項1~13のいずれか一項に記載の結合剤。
15.合成ポリマーが、ポリ(エチレングリコール)ポリマーである、項14に記載の結合剤。
16.抗体が、共有結合した脂質又は脂肪酸部分を含む、項1~15のいずれか一項に記載の結合剤。
17.結合剤が、共有結合した多糖又は炭水化物部分を含む、項1~16のいずれか一項に記載の結合剤。
18.結合剤が、造影剤を含む、項1~17のいずれか一項に記載の結合剤。
19.結合剤が、親和性ドメインを更に含む、項1~18のいずれか一項に記載の結合剤。
20.結合剤が、固体支持体上に固定される、項1~19のいずれか一項に記載の結合剤。
21.結合剤が、共有結合したサイトトキシンを含む、項1~20のいずれか一項に記載の結合剤。
22.結合剤が、スルファターゼモチーフのアミノ酸配列を含む定常領域アミノ酸配列を含む、項1~21のいずれか一項に記載の結合剤。
23.結合剤が、スルファターゼモチーフのアミノ酸配列を含む定常領域アミノ酸配列を含む抗体であり、スルファターゼモチーフが、2-ホルミルグリシン(fGly)部分を含むように修飾される、項1~22のいずれか一項に記載の結合剤。
24.以下の配列:
(fGly)X2030
を含み、
式中、
20が、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり、
30が、塩基性アミノ酸又は脂肪族アミノ酸であり、
が、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸であってもよく、但し、配列が抗体のN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXが、各々独立して、任意のアミノ酸である、項23に記載の結合剤。
25.配列が、L(fGly)TPSRである、項24に記載の結合剤。
26.
30が、R、K、H、A、G、L、V、I、及びPから選択され、
が、L、M、S、及びVから選択され、
及びXが、各々独立して、S、T、A、V、G、及びCから選択される、項24に記載の結合剤抗体。
27.配列が、抗体の重鎖定常領域のC末端にある、項24~26のいずれか一項に記載の結合剤。
28.重鎖定常領域が、以下の配列:
(fGly)X2030
を含み、
式中、
20が、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり、
30が、塩基性アミノ酸又は脂肪族アミノ酸であり、
が、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸であってもよく、但し、配列がコンジュゲートのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXは、各々独立して、任意のアミノ酸であり、
配列が、アミノ酸配列SLSLSPGに対してC末端である、項27に記載の結合剤。
29.重鎖定常領域が、配列SPGSL(fGly)TPSRGSを含む、項27に記載の結合剤。
30.
30が、R、K、H、A、G、L、V、I、及びPから選択され、
が、L、M、S、及びVから選択され、
及びXが、各々独立して、S、T、A、V、G、及びCから選択される、項27に記載の結合剤。
31.fGly部分が、抗体の軽鎖定常領域内に配置されている、項24~26のいずれか一項に記載の結合剤。
32.重鎖定常領域が、以下の配列:
(fGly)X2030
を含み、
式中、
20が、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり、
30が、塩基性アミノ酸又は脂肪族アミノ酸であり、
が、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸であってもよく、但し、配列がコンジュゲートのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXが、各々独立して、任意のアミノ酸であり、
配列が、配列KVDNALに対してC末端であり、かつ/又は配列QSGNSQに対してN末端である、項31に記載の結合剤。
33.軽鎖定常領域が、配列KVDNAL(fGly)TPSRQSGNSQを含む、項32に記載の結合剤。
34.
30が、R、K、H、A、G、L、V、I、及びPから選択され、
が、L、M、S、及びVから選択され、
及びXが、各々独立して、S、T、A、V、G、及びCから選択される、項33に記載の結合剤。
35.fGly部分が、抗体の重鎖CH1領域内に配置されている、項24~26のいずれか一項に記載の結合剤。
36.重鎖CH1領域が、以下の配列:
(fGly)X2030
を含み、
式中、
20が、プロリン又はアラニン残基のいずれかであり、
30が、塩基性アミノ酸又は脂肪族アミノ酸であり、
が、存在してもよく、又は存在しなくてもよく、存在する場合、任意のアミノ酸であってもよく、但し、配列がコンジュゲートのN末端にある場合、Xが存在することを条件とし、
及びXが、各々独立して、任意のアミノ酸であり、
配列が、アミノ酸配列SWNSGAに対してC末端であり、かつ/又はアミノ酸配列GVHTFPに対してN末端である、項35に記載の結合剤。
37.重鎖CH1領域が、配列SWNSGAL(fGly)TPSRGVHTFPを含む、項36に記載の結合剤。
38.
30が、R、K、H、A、G、L、V、I、及びPから選択され、
が、L、M、S、及びVから選択され、
及びXが、各々独立して、S、T、A、V、G、及びCから選択される、項36に記載の結合剤。
39.結合剤が、重鎖CH1領域の91番目の位置のアスパラギン残基の前に、配列X(fGly)X2030を含む、項35又は36及び38のいずれか一項に記載の結合剤。
40.重鎖CH1領域が、配列番号175の配列、又は配列番号175の配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む、項35又は36及び38又は39のいずれか一項に記載の結合剤。
41.配列X(fGly)X2030が、配列LCTPSR(配列番号58)を含む、項39又は40に記載の結合剤。
42.配列番号175の91番目の位置のアスパラギン残基の前に配列LCTPSR(配列番号58)を含み、KPSLCTPSRNTK(配列番号189)の配列を含む抗体を産生する、項41に記載の結合剤。
43.以下の配列:
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSLCTPSRNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号190)を含む、項42に記載の結合剤。
44.fGly部分が、抗体の重鎖CH2領域内に配置されている、項24~26のいずれか一項に記載の結合剤。
45.fGly部分が、抗体の重鎖CH3領域内に配置されている、項24~26のいずれか一項に記載の結合剤。
46.結合剤が、fGly部分を介して抗体に共有結合された異種部分を含む、項23~45のいずれか一項に記載の結合剤。
47.異種部分が、薬物、オリゴヌクレオチド、タンパク質、脂質ナノ粒子、ウイルス粒子、毒素、検出可能な標識、水溶性ポリマー、又は合成ペプチドである、項46に記載の結合剤。
48.項1~47のいずれか一項に記載の結合剤の可変重(VH)鎖、可変軽鎖(VL)、又はその両方をコードする核酸。
49.結合剤が、一本鎖抗体であり、核酸が、一本鎖抗体をコードする、項48に記載の核酸。
50.一本鎖抗体が、scFvである、項49に記載の核酸。
51.項48~50のいずれか一項に記載の核酸を含む組換え発現ベクターであって、核酸が、真核細胞内で活性である転写制御エレメントに作動可能に連結されている、組換え発現ベクター。
52.項48~50のいずれか一項に記載の核酸又は項51に記載の発現ベクターを含む、細胞。
53.核酸が、結合剤のVH鎖及びVL鎖をコードする、項52に記載の細胞。
54.結合剤が、一本鎖抗体であり、核酸が、一本鎖抗体をコードする、項53に記載の細胞。
55.一本鎖抗体が、scFvである、項54に記載の細胞。
56.細胞であって、
結合剤のVH鎖をコードする第1の核酸と、
結合剤のVL鎖をコードする第2の核酸と、を含み、
VH鎖及びVL鎖が、項1~47のいずれか一項に記載の結合剤を生成する、細胞。
57.
第1の核酸を含む第1の発現ベクターと、
第2の核酸を含む第2の発現ベクターと、を含む、項56に記載の細胞。
58.融合タンパク質であって、
異種アミノ酸配列に融合した、項1~47のいずれか一項に記載の結合剤のVH鎖、VL鎖、又はその両方を含む、融合タンパク質。
59.コンジュゲートであって、
項1~47のいずれか一項に記載の結合剤と、
結合剤にコンジュゲートされた薬剤と、を含む、コンジュゲート。
60.薬剤が、半減期延長部分、標識剤、及び薬物からなる群から選択される、項59に記載のコンジュゲート。
61.コンジュゲートが、式(I):
【化58】
のコンジュゲートであり、
式中、
Zが、CR又はNであり、
が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
及びRが、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRが任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成し、
各Rが、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
Lが、リンカーであり、
が、薬物であり、
が、結合剤である、項60に記載のコンジュゲート。
62.Lが、
-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-を含み、
式中、
a、b、c、d、e、及びfが、各々独立して、0又は1であり、a、b、c、d、e、及びfの合計は、1~6であり、
、T、T、T、T、及びTが、各々独立して、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、パラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)、アセタール、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから選択され、EDAが、エチレンジアミン部分であり、PEGが、ポリエチレングリコールであり、AAが、アミノ酸残基又はアミノ酸類似体であり、各wが、1~20の整数であり、各nが、1~30の整数であり、各pが、1~20の整数であり、各mが、1~12の整数であり、
、V、V、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-からなる群から選択され、各qが、1~6の整数であり、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される、項61に記載のコンジュゲート。
63.
が、(C-C12)アルキル及び置換(C-C12)アルキルから選択され、
、T、T、T、及びTが、各々独立して、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、PHP、アセタール基、ヒドラジン、及びエステルから選択され、
、V、V、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-からなる群から選択され、
(PEG)が、
【化59】
であり、式中、nが、1~30の整数であり、
EDAは、以下の構造:
【化60】
を有するエチレンジアミン部分であり、式中、yが、1~6の整数であり、rが、0又は1であり、
4-アミノ-ピペリジン(4AP)が、
【化61】
であり、
各R12が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アリール、及び置換アリールから選択され、任意の2つの隣接するR12基が、環状に連結され、ピペラジニル環を形成してもよい、項62に記載のコンジュゲート。
64.MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPが各々、任意選択的にグリコシドで置換されている、項62又は63に記載のコンジュゲート。
65.グリコシドが、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される、項58に記載のコンジュゲート。
66.
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
が、アミノ酸類似体であり、Vが、-NH-であり、
が、(PEG)であり、Vが、-CO-であり、
が、AAであり、Vが、存在せず、
が、PABCであり、Vが、存在せず、
fが、0である、項62~65のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
67.薬物が、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)である、項61~66のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
68.コンジュゲートが、以下の構造:
【化62】
を有する、項61~67のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
69.コンジュゲートが、式(Ia):
【化63】
のコンジュゲートであり、
式中、
Zが、CR又はNであり、
が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
及びRが、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRが任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成し、
各Rが、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
Lが、-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-を含むリンカーであり、式中、a、b、c及びdが、各々独立して、0又は1であり、a、b、c及びdの合計が、1~4であり、
、T、T及びTが、各々独立して、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、ピペリジン-4-アミノ(4AP)、アセタール基、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから選択され、式中、EDAが、エチレンジアミン部分であり、PEGが、ポリエチレングリコール又は修飾ポリエチレングリコールであり、AAが、アミノ酸残基であり、式中、wが、1~20の整数であり、nが、1~30の整数であり、pが、1~20の整数であり、hが、1~12の整数であり、
、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-及び-P(O)OH-からなる群から選択され、式中、qが、1~6の整数であり、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
が、薬物であり、
が、結合剤である、項60に記載のコンジュゲート。
70.
が、(C-C12)アルキル及び置換(C-C12)アルキルから選択され、
、T及びTが、各々独立して、(EDA)、(PEG)、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、アセタール基、ヒドラジン、及びエステルから選択され、
、V、V及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-からなる群から選択され、
(PEG)が、
【化64】
であり、式中、nが、1~30の整数であり、
EDAは、以下の構造:
【化65】
を有するエチレンジアミン部分であり、式中、yが、1~6の整数であり、rが、0又は1であり、
4-アミノ-ピペリジン(4AP)が、
【化66】
であり、
各R12及びR15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ポリエチレングリコール部分、アリール、及び置換アリールから選択され、任意の2つの隣接するR12基が、環状に連結して、ピペラジニル環を形成してもよく、
13が、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択される、項69に記載のコンジュゲート。
71.T、T、T及びT、並びにV、V、V及びVが、以下の表から選択される、項69に記載のコンジュゲート。


【表5】

72.リンカーLが、以下の構造のうちの1つから選択され、


【化67-1】


【化67-2】


【化67-3】
式中、
各fが、独立して、0又は1~12の整数であり、
各yが、独立して、0又は1~20の整数であり、
各nが、独立して、0又は1~30の整数であり、
各pが、独立して、0又は1~20の整数であり、
各hが、独立して、0又は1~12の整数であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルであり、
各R’が、独立して、H、アミノ酸の側鎖基、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルである、項69~71のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
73.Tが、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、Tが、4APであり、Vが、-CO-であり、Tが、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、Tが、存在せず、Vが、存在しない、項69~72のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
74.リンカーLが、以下の構造:


【化68】
を含み、
式中、
各fが、独立して、1~12の整数であり、
nが、1~30の整数である、項69~73のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
75.コンジュゲートが、式(II):
【化69】
のコンジュゲートであり、
式中、
、Z、Z及びZが、各々独立して、CR24、N及びC-L-W12から選択され、少なくとも1つのZ、Z、Z及びZが、C-L-W12であり、
21が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
22及びR23が、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、又はR22及びR23が任意選択的に環状に連結して、5若しくは6員のヘテロシクリルを形成し、
各R24が、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノアシル、アルキルアミド、置換アルキルアミド、スルホニル、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択され、
が、第1のリンカーであり、
が、第2のリンカーであり、
11が、第1の薬物であり、
12が、第2の薬物であり、
13が、結合剤である、項60に記載のコンジュゲート。
76.Zが、CR24である、項75に記載のコンジュゲート。
77.Zが、Nである、項75に記載のコンジュゲート。
78.Zが、C-L-W12である、項75に記載のコンジュゲート。
79.Lが、
-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-(T-V-を含み、
式中、
a、b、c、d、e、及びfが、各々独立して、0又は1であり、
、T、T、T、T、及びTが、各々独立して、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、パラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)、アセタール基、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから選択され、EDAが、エチレンジアミン部分であり、PEGが、ポリエチレングリコールであり、AAが、アミノ酸残基又はアミノ酸類似体であり、各wが、1~20の整数であり、各nが、1~30の整数であり、各pが、1~20の整数であり、各xが、1~12の整数であり、
、V、V、V、V、及びVが、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-、及び-P(O)OH-からなる群から選択され、各qが、1~6の整数であり、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される、項75~78のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
80.MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPが各々、任意選択的にグリコシドで置換されている、項79に記載のコンジュゲート。
81.グリコシドが、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される、項80に記載のコンジュゲート。
82.
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CONH-であり、
が、置換(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
が、AAであり、Vが、存在せず、
が、PABCであり、Vが、存在せず、
e及びfが、各々0である、項75~81のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
83.Lが、
-(T-V-(T-V-(T-V-(T10-V10-(T11-V11-(T12-V12-(T13-V13-を含み、
式中、
g、h、i、j、k、l、及びmが、各々独立して、0又は1であり、
、T、T、T10、T11、T12、及びT13が、各々独立して、共有結合、(C-C12)アルキル、置換(C-C12)アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリル、(EDA)、(PEG)、(AA)、-(CR13OH)-、4-アミノ-ピペリジン(4AP)、メタ-アミノ-ベンジルオキシ(MABO)、メタ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(MABC)、パラ-アミノ-ベンジルオキシ(PABO)、パラ-アミノ-ベンジルオキシカルボニル(PABC)、パラ-アミノベンジル(PAB)、パラ-アミノ-ベンジルアミノ(PABA)、パラ-アミノ-フェニル(PAP)、パラ-ヒドロキシ-フェニル(PHP)、アセタール基、ヒドラジン、ジスルフィド、及びエステルから選択され、EDAが、エチレンジアミン部分であり、PEGが、ポリエチレングリコールであり、AAが、アミノ酸残基又はアミノ酸類似体であり、各wが、1~20の整数であり、各nが、1~30の整数であり、各pが、1~20の整数であり、各xが、1~12の整数であり、
、V、V、V10、V11、V12及びV13が、各々独立して、共有結合、-CO-、-NR15-、-NR15(CH-、-NR15(C)-、-CONR15-、-NR15CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-SONR15-、-NR15SO-及び-P(O)OH-からなる群から選択され、各qが、1~6の整数であり、
各R13が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、及び置換アリールから選択され、
各R15が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、及び置換ヘテロシクリルから選択される、項75~82のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
84.MABO、MABC、PABO、PABC、PAB、PABA、PAP、及びPHPが各々、任意選択的にグリコシドで置換されている、項83に記載のコンジュゲート。
85.グリコシドが、グルクロニド、ガラクトシド、グルコシド、マンノシド、フコシド、O-GlcNAc、及びO-GalNAcから選択される、項83又は84に記載のコンジュゲート。
86.
が、存在せず、Vが、-NHCO-であり、
が、(C-C12)アルキルであり、Vが、-CONH-であり、
が、置換(C-C12)アルキルであり、Vが、-CO-であり、
10が、AAであり、V10が、存在せず、
11が、PABCであり、V11が、存在せず、
l及びmが、各々0である、項83~85のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
87.コンジュゲートが、以下の構造:


【化70】
を有する、項75に記載のコンジュゲート。
88.薬学的組成物であって、
a)項1~47のいずれか一項に記載の結合剤と、
b)薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物。
89.薬学的組成物であって、
a)項58に記載の融合タンパク質と、
b)薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物。
90.薬学的組成物であって、
a)項59~87のいずれか一項に記載のコンジュゲートと、
b)薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物。
91.T細胞活性化剤を更に含む、項88~90のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
92.T細胞活性化剤が、免疫チェックポイント阻害剤、サイトカイン、及び阻害性免疫受容体のアンタゴニストからなる群から選択される、項91に記載の薬学的組成物。
93.抗体が、リポソーム中に封入される、項88~92のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
94.対象における細胞増殖性障害を治療する方法であって、本方法が、
細胞増殖性障害を有する対象に、治療有効量の項88~93のいずれか一項に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
95.対象に、治療有効量の免疫調節治療剤を投与することを更に含む、項94に記載の方法。
96.免疫調節治療剤が、免疫チェックポイント阻害剤又はインターロイキンである、項95に記載の方法。
97.免疫チェックポイント阻害剤が、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、CD277、IDO、KIR、PD-1、LAG-3、TIM-3、TIGIT及びVISTAを阻害する、項96に記載の方法。
98.免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1シグナル伝達を阻害する、項97に記載の方法。
99.PD-1シグナル伝達を阻害する免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体である、項98に記載の方法。
100.抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、又はアベルマブである、項99に記載の方法。
101.免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA-4を阻害する、項97に記載の方法。
102.CTLA-4の阻害が、抗CTLA-4抗体である、項101に記載の方法。
103.CTLA-4抗体が、イピリムマブである、項102に記載の方法。
【実施例
【0665】
以下の実施例は、当業者に、本発明の作製及び使用方法の完全な開示及び記載を提供するために提示されるものであり、発明者が発明とみなす範囲を限定することを意図せず、また、以下の実験が実行される全て又は唯一の実験であることを表すことを意図するものではない。使用される数字(例えば、量、温度など)に対する正確性を確保する努力がなされているが、ある程度の実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。別段示されない限り、部とは重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧又は略大気圧である。標準的な略語、例えば、bp(塩基対)(複数可)、kb(キロ塩基)(複数可)、pl(ピコリットル)(複数可)、s又はsec(秒)(複数可)、min(分)(複数可)、h又はhr(時間)(複数可)、aa(アミノ酸)(複数可)、kb(キロ塩基)(複数可)、bp(塩基対)(複数可)、nt(ヌクレオチド)(複数可)、i.m.(筋肉内(で))、i.p.(腹腔内(で))、s.c.(皮下(で))などが使用されてもよい。
【0666】
実施例で言及される市販の試薬は、別段の指示がない限り、製造業者の指示に従って使用した。別途明示されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されているものと同じ意味を有する。以下に例示的な方法及び材料が記載されているが、本明細書に記載の方法及び材料に類似又はそれらと同等の方法及び材料もまた、本発明の実践又は試験に使用することができる。材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、範囲を限定することを意図するものではない。
【0667】
実施例1:AC-10のバリアントの生成
異なるレベルのヒト生殖細胞系列様類似性を有するフレームワーク領域へのキメラ配列のCDRグラフティングに基づいて、25個のAC-10の変異体を生成した。具体的には、フレームワーク領域が83.5%~100%のヒト生殖系列配列の範囲である、5つの重鎖及び5つの軽鎖配列バリアントを設計した。各重鎖及び軽鎖を互いに組み合わせて試験し、合計25個のバリアントを分析した。これらのうち、2つの重鎖バリアント(VH2及びVH3)を、任意の軽鎖配列と組み合わせて試験した場合、CD30抗原にもはや結合しない抗体が得られ、10個の抗体バリアントを選択から除外した。85~98.9%のヒト生殖系列細胞様の範囲の組み合わせられた重鎖及び軽鎖フレームワーク領域を表す残りの15個の抗体を、ADCとして調製し、インビトロ効力について試験した(表4~6)。これらのデータから、最も強力なヒト化バリアントを、安定性試験及びADCとしてのインビボ有効性を含む追加の試験へと進めた。
【0668】
実施例2
4-アミノ-ピペリジン(4AP)基を含有するリンカー-ペイロード(RED-106)を、以下に示すスキーム1に従って合成した。
【0669】
スキーム1
【化71】
tert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(210)の合成
磁気撹拌棒が入った100mLの丸底フラスコに、ピペリジン-4-オン塩酸塩一水和物(1.53g、10mmol)、ジ-tert-ブチルジカーボネート(2.39g、11mmol)、炭酸ナトリウム(1.22g、11.5mmol)、ジオキサン(10mL)、及び水(1mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を真空下で乾燥させ、1.74g(87%)の化合物210を白色固体として得た。
【0670】
H NMR (CDCl) δ 3.73 (t, 4H, J = 6.0), 2.46 (t, 4H, J = 6.0), 1.51 (s, 9H).
【0671】
MS(ESI)m/z:[M+H]1018NOについての計算値200.3、実測値200.2。
【0672】
tert-ブチル4-((2-(2-(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロポキシ)エトキシ)エチル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(211)の合成
磁気撹拌棒が入った乾燥したシンチレーションバイアルに、tert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(399mg、2mmol)、HN-PEG-COOt-Bu(550mg、2.4mmol)、4Åモレキュラーシーブ(活性化粉末、200mg)、及び1,2-ジクロロエタン(5mL)を加えた。混合物を、室温で1時間撹拌した。反応混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(845mg、4mmol)を加えた。混合物を3日間、室温で撹拌した。得られた混合物をEtOAcと飽和NaHCO水溶液との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、850mgの化合物211を粘性油として得た。
【0673】
MS(ESI)m/z:[M+H]2141についての計算値417.3、実測値417.2。
【0674】
13-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2,2-ジメチル-4,14-ジオキソ-3,7,10-トリオキサ-13-アザヘプタデカン-17-酸(212)の合成
磁気撹拌棒が入った乾燥したシンチレーションバイアルに、tert-ブチル4-((2-(2-(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロポキシ)エトキシ)エチル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート211(220mg、0.5mmol)、無水コハク酸(55mg、0.55mmol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(5mg、0.04mmol)、及びジクロロメタン(3mL)を加えた。混合物を、室温で24時間撹拌した。反応混合物をフラッシュクロマトグラフィー(50~100%のEtOAc/ヘキサンで溶出)によって部分的に精製して、117mgの化合物212を透明油として得て、これを更に特性決定することなく次に進めた。
【0675】
MS(ESI)m/z:[M+H]2545についての計算値517.6、実測値517.5。
【0676】
17-(tert-ブチル)1-((1S,1S,3S,2R,4S,10E,12E,14R)-8-クロロ-1-ヒドロキシ-8,14-ジメトキシ-3,2,7,10-テトラメチル-1,6-ジオキソ-7-アザ-1(6,4)-オキサジナナ-3(2,3)-オキシラナ-8(1,3)-ベンゼナシクロテトラデカファン-10,12-ジエン-4-イル)(2S)-8-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2,3-ジメチル-4,7-ジオキソ-11,14-ジオキサ-3,8-ジアザヘプタデカンジオエート(213)の合成
磁気撹拌棒が入った乾燥したシンチレーションバイアルに、13-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2,2-ジメチル-4,14-ジオキソ-3,7,10-トリオキサ-13-アザヘプタデカン-17-酸212(55mg、0.1mmol)、N-デアシルメイタンシン124(65mg、0.1mmol)、HATU(43mg、0.11mmol)、DMF(1mL)、及びジクロロメタン(0.5mL)を加えた。混合物を、室温で8時間撹拌した。反応混合物をC18フラッシュクロマトグラフィー(5~100%のMeCN/水で溶出)によって直接的に精製して、18mg(16%)の化合物213を白色フィルムとして得た。
【0677】
MS(ESI)m/z:[M+H]5787ClN17についての計算値1148.6、実測値1148.7。
【0678】
(2S)-1-(((1S,1S,3S,2R,4S,10E,12E,14R)-8-クロロ-1-ヒドロキシ-8,14-ジメトキシ-3,2,7,10-テトラメチル-1,6-ジオキソ-7-アザ-1(6,4)-オキサジナナ-3(2,3)-オキシラナ-8(1,3)-ベンゼナシクロテトラデカファン-10,12-ジエン-4-イル)オキシ)-2,3-ジメチル-1,4,7-トリオキソ-8-(ピペリジン-4-イル)-11,14-ジオキサ-3,8-ジアザヘプタデカン-17-酸(214)の合成
磁気撹拌棒が入った乾燥したシンチレーションバイアルに、メイタンシノイド213(31mg、0.027mmol)及びジクロロメタン(1mL)を加えた。溶液を0℃まで冷却し、四塩化スズ(IV)(ジクロロメタン中1.0Mの溶液、0.3mL、0.3mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物をC18フラッシュクロマトグラフィー(5~100%のMeCN/水で溶出)によって直接的に精製して、16mg(60%)の化合物214を白色固体として得た(16mg、収率60%)。
【0679】
MS(ESI)m/z:[M+H]4871ClN15についての計算値992.5、実測値992.6。
【0680】
(2S)-8-(1-(3-(2-((2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-1,2-ジメチルヒドラジニル)メチル)-1H-インドール-1-イル)プロパノイル)ピペリジン-4-イル)-1-(((1S,1S,3S,2R,4S,10E,12E,14R)-8-クロロ-1-ヒドロキシ-8,14-ジメトキシ-3,2,7,10-テトラメチル-1,6-ジオキソ-7-アザ-1(6,4)-オキサジナナ-3(2,3)-オキシラナ-8(1,3)-ベンゼナシクロテトラデカファン-10,12-ジエン-4-イル)オキシ)-2,3-ジメチル-1,4,7-トリオキソ-11,14-ジオキサ-3,8-ジアザヘプタデカン-17-酸(215)の合成
磁気撹拌棒が入った乾燥したシンチレーションバイアルに、メイタンシノイド214(16mg、0.016mmol)、(9H-フルオレン-9-イル)メチル1,2-ジメチル-2-((1-(3-オキソ-3-(ペルフルオロフェノキシ)プロピル)-1H-インドール-2-イル)メチル)ヒドラジン-1-カルボキシレート(5)(13mg、0.02mmol)、DIPEA(8μL、0.05mmol)、及びDMF(1mL)を加えた。溶液を18時間、室温で撹拌した。反応混合物をC18フラッシュクロマトグラフィー(5~100%のMeCN/水で溶出)によって直接的に精製して、18mg(77%)の化合物215を白色固体として得た。
【0681】
MS(ESI)m/z:[M+H]7798ClN18についての計算値1457.7、実測値1457.9。
【0682】
(2S)-1-(((1S,1S,3S,2R,4S,10E,12E,14R)-8-クロロ-1-ヒドロキシ-8,14-ジメトキシ-3,2,7,10-テトラメチル-1,6-ジオキソ-7-アザ-1(6,4)-オキサジナナ-3(2,3)-オキシラナ-8(1,3)-ベンゼナシクロテトラデカファン-10,12-ジエン-4-イル)オキシ)-8-(1-(3-(2-(1,2-ジメチルヒドラジニル)メチル)-1H-インドール-1-イル)プロパノイル)ピペリジン-4-イル)-2,3-ジメチル-1,4,7-トリオキソ-11,14-ジオキサ-3,8-ジアザヘプタデカン-17-酸(216)の合成
磁気撹拌棒が入った乾燥したシンチレーションバイアルに、メイタンシノイド215(18mg、0.012mmol)、ピペリジン(20μL、0.02mmol)、及びDMF(1mL)を加えた。溶液を20分間、室温で撹拌した。反応混合物をC18フラッシュクロマトグラフィー(1~60%のMeCN/水で溶出)によって直接的に精製して、15mg(98%)の化合物216(本明細書では、HIPS-4AP-メイタンシン又はHIPS-4-アミノ-ピペリジン-メイタンシンとも称される)を白色固体として得た。
【0683】
MS(ESI)m/z:[M+H]6288ClN16についての計算値1235.6、実測値1236.0。
【0684】
実施例3:ADCのバイオコンジュゲート化、精製、及びHPLC分析
1つ又は2つのアルデヒドタグ(単一又は二重タグ化構築物、図1A~1C)を有する抗体(15mg/mL)を、それぞれ、1.1又は1.7mMでリンカー-ペイロードにコンジュゲートした。反応は、20mMのクエン酸ナトリウム、0.85~2.5%のDMAを含有する50mMのNaCl pH5.5(20/50緩衝液)中、37℃で72時間進行した。いくつかの場合において、Triton-X-100を0.25%に添加して、リンカー-ペイロード溶解度を改善した。コンジュゲート化の後、遊離薬物を、30kDのMWCO 0.5mLのAmiconスピン濃縮器を使用して除去した。試料をスピン濃縮器に添加し、15,000×gで7分間遠心分離し、次いで450μLの20mMのクエン酸ナトリウム、50mMのNaCl pH5.5で希釈し、再び遠心分離した。このプロセスを10回繰り返した。最終生成物の薬物-抗体比(DAR)を決定するために、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を、HIC(Tosoh#14947)又はPLRP-RP(Agilent PL1912-1802 1000A、8μm、50×2.1mm)カラムを使用する分析クロマトグラフィーによって調べた。HIC分析は、移動相A:1.5Mの硫酸アンモニウム、25mMのリン酸ナトリウムpH7.0、及び移動相B:25%イソプロパノール、18.75mMのリン酸ナトリウム pH7.0を使用した。PLRP分析は、移動相A:水中の0.1%のトリフルオロ酢酸、及び移動相B:アセトニトリル中の0.1%のトリフルオロ酢酸を使用した。PLRP分析前に、試料を、50mMのDTT、4MのグアニジンHCl(最終濃度)の添加によって変性し、37℃で30分間加熱した。凝集を測定するために、300mMのNaCl、25mMのリン酸ナトリウムpH6.8の移動相を用いた分析サイズ排除クロマトグラフィー(SEC、Tosoh#08541)を使用して試料を分析した。
【0685】
ADCを、約1.9のDARについてメイタンシンペイロード(RED-106)を有する非切断可能なリンカーに対して抗体重鎖C末端でコンジュゲートした。
【0686】
図3。メイタンシンペイロード(RED-106)を有する非切断可能なリンカーにコンジュゲートされたCTタグ化H1/L1抗体は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によって決定される場合、1.88のDARをもたらす。
【0687】
図4。RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H1/L1抗体は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される場合、99.2%が単量体である。
【0688】
図5。RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H1/L4抗体は、HICによって決定される場合、1.91のDARをもたらす。
【0689】
図6。RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H1/L4抗体は、SECによって決定される場合、99.5%が単量体である。
【0690】
図7。RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H4/L2抗体は、HICによって決定される場合、1.89のDARをもたらす。
【0691】
図8。RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H4/L2抗体は、SECによって決定される場合、99.7%が単量体である。
【0692】
図9。RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H4/L4抗体は、HICによって決定される場合、1.90のDARをもたらす。
【0693】
図10。RED-106にコンジュゲートされたCTタグ化H4/L4抗体は、SECによって決定される場合、99.5%が単量体である。
【0694】
実施例4:組換えCD30に対するヒト化抗CD30抗体の結合
本開示に記載のVH鎖及びVL鎖からのフレームワーク領域を含む抗CD30抗体の結合を推定するために、ELISAを実施した。CD30への結合は、いくつかの軽鎖バリアントL1~L5と組み合わせたH1バリアントを含有する試験されたバリアントの様々な組み合わせでは影響を受けなかった(図11)。
【0695】
同様に、本開示に記載のVH鎖及びVL鎖からのフレームワーク領域を含む抗CD30抗体の結合を推定するために、ELISAを実施した。CD30への結合は、いくつかの軽鎖バリアントL1~L5と組み合わせたH4バリアントを含有する試験されたバリアントの様々な組み合わせでは影響を受けなかった(図12)。
【0696】
実施例5:CD30発現細胞株に対する抗CD30 ADCのインビトロ細胞傷害性
細胞株を、100μLの成長培地中で5×10細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート(Costar3610)に播種した。翌日に、培地で連続希釈した20μLの試験結合剤で細胞を処理した。5%CO2、37℃で5日間インキュベートした後、製造者の推奨に従ってPromega CellTiter Glo(登録商標)試薬を使用して、生存率を測定した。GI50曲線を、ペイロード濃度に対して正規化されたGraphPad Prismで計算した。重鎖及び軽鎖バリアントの様々な組み合わせを、標的細胞に対するそれらのインビトロ細胞傷害性の効力について試験した。
【0697】
表4。抗体H1重鎖を含むヒト化CD30標的化メイタンシンとコンジュゲートしたADCのインビトロ効力を反映するIC50値。
【表6】
【0698】
ADCを、約1.9のDARについてメイタンシンペイロードを有する非切断可能なリンカーに対して抗体重鎖C末端でコンジュゲートした。
【0699】
表5。抗体H4重鎖を含むヒト化CD30標的化メイタンシンとコンジュゲートしたADCのインビトロ効力を反映するIC50値。


【表7】
【0700】
表6。抗体H5重鎖を含むヒト化C30標的化メイタンシンとコンジュゲートしたADCのインビトロ効力を反映するIC50値。
【表8】
【0701】
本開示に記載のVH鎖及びVL鎖からのフレームワーク領域を含む抗CD30抗体について、インビトロ細胞傷害性評価を実施した。いくつかの軽鎖バリアントL1~L5と組み合わせたH1バリアントを含有する試験したバリアントのいくつかは、SU-DHL-1細胞に対する望ましい細胞傷害性を示した(図13)。
【0702】
本開示に記載のVH鎖及びVL鎖からのフレームワーク領域を含む抗CD30抗体について、インビトロ細胞傷害性評価を実施した。いくつかの軽鎖バリアントL1~L5と組み合わせたH1バリアントを含有する試験したバリアントのいくつかは、L540細胞に対する望ましい細胞傷害性を示した(図14)。
【0703】
本開示に記載のVH鎖及びVL鎖からのフレームワーク領域を含む抗CD30抗体について、インビトロ細胞傷害性評価を実施した。いくつかの軽鎖バリアントL1~L5と組み合わせたH4バリアントを含有する試験したバリアントのいくつかは、SU-DHL-1細胞に対する望ましい細胞傷害性を示した(図15)。
【0704】
本開示に記載のVH鎖及びVL鎖からのフレームワーク領域を含む抗CD30抗体について、インビトロ細胞傷害性評価を実施した。いくつかの軽鎖バリアントL1~L5と組み合わせたH4バリアントを含有する試験したバリアントのいくつかは、L540細胞に対する望ましい細胞傷害性を示した(図16)。
【0705】
実施例6:生物物理学的特性評価-安定性
融解温度及び強制安定性の結果は、ヒト化バリアントが、親キメラと比較して改善された特性を示したことを示した。例えば、以下の表7は、示差走査蛍光定量法によって決定されるヒト化抗体及びADC融解温度が、キメラ配列よりも改善を示すことを示す。
【0706】
【表9】
【0707】
ADCを、約1.9のDARについてメイタンシンペイロードを有する非切断可能なリンカーに対して抗体重鎖C末端でコンジュゲートした。
【0708】
【表10】
【0709】
ADCを、約1.9のDARについてメイタンシンペイロードを有する非切断可能なリンカーに対して抗体重鎖C末端でコンジュゲートした。試料を、指定されたpH及び温度の緩衝液中に3日間配置し、次いでサイズ排除クロマトグラフィーによって分析した。HMW、高分子量種。
【0710】
実施例7:HUT102異種移植片モデルに対する抗CD30 ADCのインビボ有効性
方法:雌NCGマウス(8匹/群)に、HuT102細胞を皮下接種した。治療は、腫瘍が平均139mmに達したときに開始し、その時点で、動物に、ビヒクル単独、又は10mg/kgの単回用量の抗CD30 ADCを静脈内投与した。2つのアルデヒドタグ(CH1/CT)又は1つのアルデヒドタグ(CT)を担持し、メイタンシンペイロード(RED-106)を担持する非切断性リンカーにコンジュゲートして、それぞれ、約4又は約2の薬物対抗体比を得た抗CD30 ADCを試験した。動物を、体重及び腫瘍サイズについて週に2回モニタリングした。腫瘍が2000mmに達したとき、動物を安楽死させた。全てのDAR4 ADCは、HuT 102腫瘍に対して有効であり、投与後約2週間腫瘍成長を遅らせた。DAR2 ADCは、更により有効であり、研究の期間中、腫瘍成長を防止した(図17)。
【0711】
実施例8
MMAE構築物8の合成
化合物1及び4は、Shanghai Medicilonから商業的に入手し、受領したまま使用した。モノメチルアウリスタチンA5(MMAE)は、BroadPharmから購入した。他の全ての試薬は、商業的供給源から得て、精製することなく使用した。
【0712】
(R)-2-(3-(2-((2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-1,2-ジメチルヒドラジンエニル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-イル)プロパンアミド)-3-オキソ-3-((2-(2-(3-オキソ-3-(ペルフルオロフェノキシ)プロポキシ)エトキシ)エチル)アミノ)プロパン-1-スルホン酸(3)の調製
【化72】
カルボン酸1(1.33g、1.67mmol)を、6.5mLの無水DMF中のペンタフルオロフェノール2(1.23g、6.68mmol)と合わせた。この混合物を、EDCI-HCl(0.64g、3.34mmol)を用いて、室温で一度に処理し、HPLC分析によって判断される場合に、1が完全に消費されるまで、20時間撹拌した。反応混合物を逆相クロマトグラフィー(C18カラム、0.05%TFAを含む0~80%アセトニトリル-水)によって直接精製した。純粋な画分を合わせ、濁るまで真空下で濃縮し、凍結乾燥させて、黄褐色粉末としてPFP-エステル生成物3(1.40g、1.46mmol、収率87%)を得た。LRMS(ESI):m/z 961.2[M+H]、C444511Sについての計算値m/z 961.3。
【0713】
(2S,3R,4S,5S,6S)-2-(2-((S)-2-((S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)プロパンアミド)-5-((5S,8S,11S,12R)-11-((S)-sec-ブチル)-12-(2-((S)-2-((1R,2R)-3-(((1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,8-ジイソプロピル-4,10-ジメチル-3,6,9-トリオキソ-2,13-ジオキサ-4,7,10-トリアザテトラデシル)フェノキシ)-6-(メトキシカルボニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(6)の調製


【化73】
20mLのガラスバイアル中、モノメチルアウリスタチンA5(720mg、1.0mmol)、5mLの無水DMF、及び0.35mLのDIPEA(2.0mmol)を室温で合わせた。得られた混合物を撹拌し、固体としてPNPカーボネート4(1014mg、1.0mmol)を用いて少量ずつ処理し、続いて、HOAt(136mg、1.0mmol)を室温で一度に添加した。反応が完了したと判断されるまで(HPLC)、反応混合物を6時間撹拌した。反応混合物を30mLの水に注ぎ、得られた沈殿物を紡糸によって分離して収集し、5mLの水で洗浄し、高真空下で短時間乾燥させて、1.87gの粗生成物6を黄色がかった固体として得て、これを精製することなく次のステップに進めた。
【0714】
(2S,3S,4S,5R,6S)-6-(2-((S)-2-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)プロパンアミド)-5-((5S,8S,11S,12R)-11-((S)-sec-ブチル)-12-(2-((S)-2-((1R,2R)-3-(((1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,8-ジイソプロピル-4,10-ジメチル-3,6,9-トリオキソ-2,13-ジオキサ-4,7,10-トリアザテトラデシル)フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸(7)の調製
【化74】
15mLのTHF中の粗化合物6(1.87g)の溶液を氷浴中で0℃まで冷却し、1Mの水酸化リチウム水溶液(3mL)でゆっくりと処理した。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、次いで周囲温度まで加温し、3mLの1M水酸化リチウム水溶液で処理し、3mLのメタノールで希釈した。得られた混合物を、加水分解が完了するまで(HPLC)、室温で3時間撹拌し、次いで、1MのHCl水溶液をpH7に添加することによってクエンチした。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、10mLのMTBEで洗浄した。水層を逆相クロマトグラフィー(C18カラム、0.05%TFAを含む0~40%アセトニトリル-水)によって精製した。純粋な生成物画分を合わせ、減圧下で濃縮し、凍結乾燥させて、化合物7を白色固体として得た(735mg、0.60mmol、2ステップで収率60%)。LRMS(ESI):m/z 1229.7[M+H]、C619618についての計算値m/z 1229.7。
【0715】
(2S,3S,4S,5R,6S)-6-(5-((5S,8S,11S,12R)-11-((S)-sec-ブチル)-12-(2-((S)-2-((1R,2R)-3-(((1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,8-ジイソプロピル-4,10-ジメチル-3,6,9-トリオキソ-2,13-ジオキサ-4,7,10-トリアザテトラデシル)-2-((2S,5S,18R)-22-(2-((1,2-ジメチルヒドラジンエニル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-イル)-5-イソプロピル-2-メチル-4,7,17,20-テトラオキソ-18-(スルホメチル)-10,13-ジオキサ-3,6,16,19-テトラアザドコサナミド)フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸(8)の調製
【化75】
化合物7(735mg、0.60mmol)の3mLの無水DMA中の撹拌溶液に、DIPEA(0.21mL、1.2mmol)及びPFP-エステル3(575mg、0.60mmol)の2mLのDMA中の溶液を室温で添加し、続いてHOAt(84mg、0.60mmol)を添加した。カップリングが完了したと判断されるまで(HPLC分析)、得られた混合物を30分間撹拌し、次いで、室温で1.2mLのピペリジンで直接処理した。15分後、反応混合物を逆相クロマトグラフィー(C18カラム、0~40%勾配のアセトニトリル-水)によって精製した。純粋な画分を合わせ、減圧及び室温下で濃縮し、凍結乾燥させ、化合物8(808mg、0.45mmol、収率75%)を白色のふわふわの粉末として得た。LRMS(ESI):m/z 1783.9[M+H]、C841301426Sについての計算値m/z 1783.9。
【0716】
ベロテカン構築物21の合成
合成中間体4及び9は、Shanghai Medicilonから商業的に入手し、受領したまま使用した。ベロテカン15は、AstaTechから購入した。全ての他の試薬は、商業的供給源から得て、精製することなく使用した。
【0717】
スキーム2。中間体14の合成。
【化76】
(9H-フルオレン-9-イル)メチル2-((5-アミノ-1-(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)-1H-インドール-2-イル)メチル)-1,2-ジメチルヒドラジン-1-カルボキシレート(10)の調製
ニトロ化合物9(116mg、0.20mmol)を1mLのTHFに溶解し、塩化アンモニウム(85mg、1.6mmol)の0.5mLの水及び1mLのメタノール中の溶液と合わせた。得られた混合物を室温で激しく撹拌し、5分間にわたって亜鉛粉末(104mg、1.6mmol)を少量ずつ用いて処理した。反応混合物を2時間撹拌し、固体を濾別し、濾液を20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈し、酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を高減圧下で除去して粗生成物10を得て、これを精製することなく次のステップに進めた。LRMS(ESI):m/z 555.3[M+H]、C3338についての計算値m/z 555.3。
【0718】
(9H-フルオレン-9-イル)メチル2-((1-(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)-5-(4-(tert-ブトキシ)-4-オキソブタンアミド)-1H-インドール-2-イル)メチル)-1,2-ジメチルヒドラジン-1-カルボキシレート(12)の調製
粗化合物10(約0.20mmol)を、2mLのDMF中の4-(tert-ブトキシ)-4-オキソブタン酸11(40mg、0.23mmol)と合わせた。この混合物に、DIPEA(0.12mL、0.6mmol)、続いてPyAOP(110mg、0.21mmol)を室温で一度に加えた。30分後、反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぐことによってクエンチし、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を高減圧下で除去して、120mg(0.17mmol、2ステップで収率85%)の生成物12を暗色油として得て、それを更に精製することなく使用した。LRMS(ESI):m/z 733.4[M+Na]、C4150についての計算値m/z 733.4。
【0719】
4-((2-((2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-1,2-ジメチルヒドラジニル)メチル)-1-(2-カルボキシエチル)-1H-インドール-5-イル)アミノ)-4-オキソブタン酸(13)の調製
ビス-tert-ブチルエステル化合物12(120mg、0.17mmol)を、2mLの無水DCM、2mLのTFA、及び0.5mLのトリソプロピルシラン(trisopropylsilane)の混合物に溶解した。得られた混合物を室温で4時間放置した。溶媒を高減圧下で除去し、残渣を逆相クロマトグラフィー(C18カラム、0.05%TFAを含むCHCN/HOの0~70%v/v勾配)によって精製して、53mg(0.09mmol、収率53%)の二塩基酸生成物13を得た。LRMS(ESI):m/z 599.3[M+H]、C3334についての計算値m/z 599.2。
【0720】
(9H-フルオレン-9-イル)メチル1,2-ジメチル-2-((1-(3-オキソ-3-(ペルフルオロフェノキシ)プロピル)-5-(4-オキソ-4-(ペルフルオロフェノキシ)ブタンアミド)-1H-インドール-2-イル)メチル)ヒドラジン-1-カルボキシレート(14)の調製
二塩基酸13(50mg、0.084mmol)及びペンタフルオロフェノール(46mg、0.25mmol)の2mLの無水THF中の混合物に、DCC(51mg、0.25mmol)を室温で一度に添加した。得られた混合物を16時間撹拌し、固体を濾別し、濾液を濃縮し、逆相クロマトグラフィー(C18カラム、0.05%TFAを含むCHCN/HOの0~100%v/v勾配)によって精製した。生成物を含有する画分を約20mLに濃縮し、50mLの10%クエン酸水溶液に注ぎ、酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を高減圧下で除去して、67mg(0.072mmol、収率86%)のbis-PFPエステル生成物14を、暗色粘性油として得た。LRMS(ESI):m/z 953.1[M+Na]、C453210についての計算値m/z 953.2。
【0721】
(2S,3S,4S,5R,6S)-6-(2-((S)-2-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)プロパンアミド)-5-((((2-((S)-4-エチル-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-3,4,12,14-テトラヒドロ-1H-ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-11-イル)エチル)(イソプロピル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸(16)の調製
【化77】
2mLのDMF中のベロテカン15(HCl塩、20mg、43μmol)の溶液に、15uLのDIPEA(86μmol)及び6mgのHOAt(43μmol)を添加した。得られた混合物をPNPカーボネート4(43mg、43μmol)によって室温で処理し、1時間撹拌し、次いでDMFを高減圧下で除去した。残渣を1mLのMeOHに溶解し、1MのLiOH水溶液1mLで処理した。10分後、1MのHCl水溶液1mLを混合物に加え、続いて、0.5MのpH4.7酢酸緩衝液1mLを添加した。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、逆相HPLC(C18カラム、0.05%TFAを含むCHCN/HOの0~50%v/vの勾配)によって直接精製した。溶媒を真空下で除去して、ガラス状黄色固体として17mg(18μmol、収率43%)の化合物16を得た。LRMS(ESI):m/z 945.4[M+H]、C475615についての計算値m/z 945.4。
【0722】
スキーム3。分岐鎖ベロテカン構築物21の合成


【化78】
-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-N-(3-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)プロパノイル)-L-リジン19)
2mLの無水DMF中のmPEG8-酸17(100mg、0.24mmol)の溶液に、DIPEA(0.13mL、0.72mmol)及びHATU(93mg、0.24mmol)を室温で添加した。得られた混合物を1時間撹拌し、次いで、Lys(Fmoc)-OH 18(89mg、0.24mmol)を混合物に添加し、撹拌を1時間続けた。反応混合物を逆相クロマトグラフィーHPLC(C18、0.05%TFAを含む0~70%v/vのMeCN-HO)によって直接精製し、120mgの化合物19(0.16mmol、収率67%)を無色油として得た。LRMS(ESI):m/z 763.4[M+H]、C395813についての計算値m/z 763.4。
【0723】
(2S,3S,4S,5R,6S)-6-(2-((28S,31S,34S)-28-(4-アミノブチル)-31-イソプロピル-34-メチル-26,29,32-トリオキソ-2,5,8,11,14,17,20,23-オクタオキサ-27,30,33-トリアザペンタトリアコンタン-35-アミド)-5-((((2-((S)-4-エチル-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-3,4,12,14-テトラヒドロ-1H-ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-11-イル)エチル)(イソプロピル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸(20)の調製
3mLの無水DMF中のカルボン酸23(45mg、59μmol)の溶液に、DIPEA(21μL、120μmol)及びHATU(22mg、59μmol)を室温で添加した。得られた混合物を20分間撹拌し、1mLのDMF中のアミン16(55mg、58μmol)と合わせた。反応混合物を30分間撹拌し、次いで、ピペリジン(115μL、1.2mmol)を混合物に室温で添加した。20分後、反応混合物を逆相分取HPLC(C18、0.05%TFAを含む0~50%v/vのMeCN-HO)によって直接精製した。純粋な画分の凍結乾燥により、黄色粉末として34mgの化合物20(23μmol、収率40%)を得た。LRMS(ESI):m/z 1467.7[M+H]、C7110225についての計算値m/z 1467.7。
【0724】
(2S,3S,4S,5R,6S)-6-(2-((28S,31S,34S)-28-(4-(3-(5-((S)-28-(((S)-1-(((S)-1-((2-(((2S,3R,4S,5S,6S)-6-カルボキシ-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4-((((2-((S)-4-エチル-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-3,4,12,14-テトラヒドロ-1H-ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-11-イル)エチル)(イソプロピル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバモイル)-26,34-ジオキソ-2,5,8,11,14,17,20,23-オクタオキサ-27,33-ジアザヘプタトリアコンタン-37-アミド)-2-((1,2-ジメチルヒドラジンエニル)メチル)-1H-インドール-1-イル)プロパンアミド)ブチル)-31-イソプロピル-34-メチル-26,29,32-トリオキソ-2,5,8,11,14,17,20,23-オクタオキサ-27,30,33-トリアザペンタトリアコンタン-35-アミド)-5-((((2-((S)-4-エチル-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-3,4,12,14-テトラヒドロ-1H-ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-11-イル)エチル)(イソプロピル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸(21)の調製
2mLのDMA中の化合物20(34mg、23μmol)及びDIPEA(8μL、46μmol)の混合物に、ビス-PFP-エステル14(9.4mg、10.5μmol)を添加し、続いてHOAt(3mg、23μmol)を室温で添加した。得られた混合物を室温で30分間放置し、次いでピペリジン(21μL、0.21mmol)を混合物に室温で添加した。20分後、反応混合物を逆相分取HPLC(C18、0.05%TFAを含む0~50%v/vのMeCN-HO)によって直接精製した。純粋な画分を合わせ、凍結乾燥させ、黄色固体として化合物21(23mg、7μmol、収率67%)を得た。LRMS(ESI):m/z 1638.3[M+H]2+、C1602242053についての計算値m/z 1638.8。
【0725】
実施例9
バイオコンジュゲート化、精製、及びHPLC分析
1つのアルデヒドタグを有するアルデヒドタグ化抗体である抗体(15mg/mL)のHIPSコンジュゲート化を、それぞれ、1.1mMでリンカー-ペイロード(実施例7を参照)にコンジュゲートした。反応は、20mMのクエン酸ナトリウム、0.85~2.5%のDMAを含有する50mMのNaCl pH5.5(20/50緩衝液)中、37℃で72時間進行した。コンジュゲート化の後、遊離薬物を、30kDのMWCO 0.5mLのAmiconスピン濃縮器を使用して除去した。試料をスピン濃縮器に添加し、15,000×gで7分間遠心分離し、次いで450μLの20mMのクエン酸ナトリウム、50mMのNaCl pH5.5で希釈し、再び遠心分離した。このプロセスを10回繰り返した。最終生成物のDARを決定するために、ADCを、HIC(Tosoh#14947)又はPLRP-RP(Agilent PL1912-1802 1000A、8um、50×2.1mm)カラムを使用して分析クロマトグラフィーによって検査した。HIC分析は、移動相A:1.5Mの硫酸アンモニウム、25mMのリン酸ナトリウムpH7.0、及び移動相B:25%イソプロパノール、18.75mMのリン酸ナトリウム pH7.0を使用した。PLRP分析は、移動相A:水中の0.1%のトリフルオロ酢酸、及び移動相B:アセトニトリル中の0.1%のトリフルオロ酢酸を使用した。PLRP分析前に、試料を、50mMのDTT、4MのグアニジンHCl(最終濃度)の添加によって変性し、37℃で30分間加熱した。凝集を測定するために、300mMのNaCl、25mMのリン酸ナトリウムpH6.8の移動相を用いた分析サイズ排除クロマトグラフィー(SEC、Tosoh#08541)を使用して試料を分析した。
【0726】
図20。91Nにおいて化合物8(RED-601)にコンジュゲートされた単一タグ化CD30 VH4/VL4抗体は、PLRPによって決定される場合、1.58のDARをもたらす。
【0727】
図21。91Nにおいて化合物8(RED-601)にコンジュゲートされた単一タグ化CD30 VH4/VL4抗体は、SECによって決定される場合、98%が単量体である。
【0728】
実施例10:異種移植片試験
CD30 ADCを有するL-82異種移植片
雌NOD/SCIDマウス(8匹/群)を試験に使用した。50%PBS/50%Matrigel中1000万個の細胞を、動物の脇腹に皮下接種した。腫瘍が平均体積100mmに達したとき、全ての動物を、単回の10mg/kg静脈内用量のヒトIgGで治療した(0日目)。次いで、1日目に、動物を、ビヒクル単独、非コンジュゲート抗体(3mg/kg)、又は1.5若しくは3mg/kgのADCで治療した。動物を、体重及び腫瘍サイズについて週に2回モニタリングした。腫瘍が2000mmに達したとき、動物を安楽死させた。この試験において、ADCは、非常に有効であった。
【0729】
図18は、列挙された抗CD30 ADCを0日目に単回静脈内投与したL-82異種移植片試験のグラフを示す。VH4/VL4化合物8(RED-601)は、内部91Nタグを使用し、アドセトリスと比較して、ペイロード用量の半分を送達する。50%のADC投薬(1.5mg/kg)及び等しい投薬(3mg/kg)では、VH4/VL4化合物8は、アドセトリスと比較して等しく有効であり、全てのアームは、8匹のマウス/群のうち8匹の完全奏効を示している。VH4/VL4抗体単独では、最小限の活性を有していた。
【0730】
CD30 ADCを有するKarpas299異種移植片
雌CB17/SCIDマウス(6匹/群)を試験に使用した。PBS中500万個の細胞を、動物の脇腹に皮下接種した。腫瘍が平均体積214mmに達したとき、動物を、ビヒクル単独、非コンジュゲート抗体(3mg/kg)、又は1.5若しくは3mg/kgのADCで治療した。動物を、体重及び腫瘍サイズについて週に2回モニタリングした。腫瘍が2000mmに達したとき、動物を安楽死させた。この試験において、ADCは、非常に有効であった。
【0731】
図19は、列挙された抗CD30 ADCを0日目に単回静脈内投与したKarpas299異種移植片試験のグラフを示す。VH4/VL4化合物8(RED-601)は、内部91Nタグを使用し、アドセトリスと比較して、ペイロード用量の半分を送達する。50%のADC投薬(1.5mg/kg)及び等しい投薬(3mg/kg)で、VH4/VL4化合物8は、アドセトリスと比較して5/6及び6/6の完全奏効をもたらしたが、アドセトリスは、VH4/VL4化合物8と比較して2倍のペイロード量で6/6の完全奏効をもたらした。VH4/VL4抗体単独では、最小限の活性を有していた。
【0732】
本発明は、その特定の実施形態に関して説明されてきたが、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われてもよく、均等物が置換され得ることを当業者は理解すべきである。加えて、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、単一のプロセスステップ、又は複数のプロセスステップを本発明の目的、趣旨、及び範囲に適合させるために、多くの修正を行うことができる。全てのそのような修正は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【配列表】
2024534138000001.xml
【国際調査報告】