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特表2024-534164人工装置を埋め込むための送達装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】人工装置を埋め込むための送達装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240910BHJP
   A61F 2/962 20130101ALI20240910BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/962
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513097
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022041087
(87)【国際公開番号】W WO2023028005
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/237,755
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.KEVLAR
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ジェイ・デロシアーズ
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC05
4C097MM09
4C097SB10
4C267AA05
4C267AA56
4C267BB05
4C267BB10
4C267BB13
4C267BB15
4C267CC19
4C267GG22
4C267GG24
(57)【要約】
人工インプラント(200)を送達するための送達装置(300)は、ハンドル本体(304)、外側シャフト(309)、および内側シャフト(305、600)を含む。ハンドル本体は、近位端(308)、遠位端(312)、および近位端から遠位端まで延在する長手方向軸(315)を含む。外側シャフトは、ハンドル本体に移動可能に連結された近位端を含む。内側シャフトは、外側シャフトの内腔(313)を通って延在し、ハンドル本体に対して固定される。内側シャフトは、第一の補強層(604)および第二の補強層(606)を含む。第一の補強層は、内側シャフトの近位端部分から内側シャフトの第一の遠位位置に延在する。第二の補強層は、内側シャフトの近位端部分から内側シャフトの第二の遠位位置まで延在し、第二の遠位位置は第一の遠位位置の近位にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送達装置であって、
近位端と、遠位端と、前記近位端から前記遠位端まで延在する長手方向軸と、を備える、ハンドル本体と、
前記ハンドル本体に移動可能に連結された近位端を備える、外側シャフトと、
前記外側シャフトの内腔を通って延在し、前記ハンドル本体に対して固定される内側シャフトと、を備え、前記内側シャフトが、第一の補強層および第二の補強層を備え、前記第一の補強層が、前記内側シャフトの近位端部分から前記内側シャフトの第一の遠位位置に延在し、前記第二の補強層が、前記内側シャフトの前記近位端部分から前記内側シャフトの第二の遠位位置に延在し、前記第二の遠位位置が、前記第一の遠位位置の近位にある、送達装置。
【請求項2】
前記第一の遠位位置が、前記内側シャフトに連結されたノーズコーンと軸方向に重なり合う、請求項1に記載の送達装置。
【請求項3】
前記第二の遠位位置が、前記内側シャフトに連結されたフレームコネクタと軸方向に重なり合う、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項4】
前記第二の遠位位置が、前記内側シャフトに連結されたフレームコネクタの遠位端の近位にある、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項5】
前記第二の遠位位置が、前記内側シャフトに連結された前記フレームコネクタの遠位端の近位にあり、前記フレームコネクタの近位端の遠位にある、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項6】
前記第二の遠位位置が、前記内側シャフトに連結されたフレームコネクタの近位端の近位にある、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項7】
前記第一の補強層および前記第二の補強層が前記内側シャフトの近位端に対して近位に延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項8】
前記内側シャフトの前記近位端部分が、移植処置中に患者の身体の外側に配置されるように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項9】
前記第一の補強層が第一の編組材料を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項10】
前記第一の編組材料が金属ワイヤを含む、請求項9に記載の送達装置。
【請求項11】
前記第一の編組材料が、5~60 PPIの範囲内の第一の編組密度を含む、請求項9または請求項10のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項12】
前記第一の編組材料が、40~60 PPIの範囲内の第一の編組密度を含む、請求項11に記載の送達装置。
【請求項13】
前記第一の編組密度が45 PPIである、請求項12に記載の送達装置。
【請求項14】
前記第一の編組密度が5~20 PPIの範囲内である、請求項11に記載の送達装置。
【請求項15】
前記第一の編組密度が10 PPIである、請求項14に記載の送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月27日に出願された米国仮特許出願第63/237,755号の利益を主張するものであり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、人工装具を埋め込むための送達装置および方法に関し、より具体的には、支持構造および/または人工心臓弁を埋め込むための送達装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの心臓は、様々な弁膜症に罹患する可能性がある。これらの弁膜症は、心臓の深刻な機能不全を引き起こし得るものであって、最終的には、自己弁を修復することが必要となったり、自己弁を人工弁へと置換することが必要となったりすることがある。多くの既知の修復機器(例えば、ステント)および人工弁、ならびにこれらの機器および弁をヒトに埋め込む多くの既知の方法が存在する。経皮的および低侵襲的な外科的アプローチが、外科手術によって容易にはアクセス可能ではない、または外科手術を伴わないアクセスが望ましい身体の内部の場所に人工医療機器を送達するために、さまざまな手技において使用される。
【0004】
特定の一実施例では、人工弁を、送達装置の遠位端上に圧着状態で装着し、人工弁が心臓内の埋め込み位置に到達するまで、患者の血管系を通して(例えば、大腿動脈および大動脈を通して)前進させることができる。その後、人工弁は、例えば、人工弁が装着されているバルーンを膨張させ、人工弁に拡張力を加える機械的アクチュエータを作動させることによって、または人工弁がその機能的サイズに自己拡張することができるように、人工弁を送達装置のシースから展開することによって、その機能的サイズに拡張される。
【0005】
一部の事例では、人工弁を自己弁輪に固定することは、例えば、自己弁輪が大きすぎる場合、または自己弁の幾何学的形状が複雑すぎて弁のしっかりした埋め込みを可能にすることができない場合に、不可能であり得る。これらの場合における一つのアプローチは、まず、埋め込み位置にドッキングステーションを展開し、次に、人工弁をドッキングステーション内に取り付けることである。ドッキングステーションは、人工弁を自己弁輪内に固定するために必要なインターフェースを提供するように選択され得る。望ましくは、ドッキングステーションは、低侵襲的処置で埋め込み位置に送達することができ、これにより、人工弁を送達するために使用される同じ処置内でドッキングステーションを展開することが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書では、ドッキングステーションなどの人工インプラントを患者の身体内の埋め込み位置に送達するために使用できる送達装置の例が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ドッキングステーションは、複数の支柱を含むフレーム(また、「ステント」または「プレステント」とも呼ばれ得る)を含み得る。支柱は、支柱が半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で移動することを可能にする様式で相互接続され得る。
【0008】
送達装置は、ハンドルおよび(任意選択的に)ハンドルに結合されたシャフト組立品を含む。一部の実施例では、シャフト組立品は、一つ以上のシャフトを含む。一部の実施例では、シャフト組立品は、外側シャフトおよび外側シャフトの内腔を通って延在する内側シャフトを含む。
【0009】
一部の実施例では、送達装置の一つ以上のシャフトは、一つ以上の補強層を含み得る。補強層は、シャフトを強化する一方で、シャフトが十分に可撓性であることを可能にするように構成され得る。このように、開示されたシャフトは、シャフトに加えられる力に耐えることができ(例えば、移植処置中)、患者の解剖学的構造(例えば、脈管構造)を通して進むことができる。
【0010】
一部の実施例では、送達装置は、ハンドル本体、外側シャフト、および内側シャフトを含む。ハンドル本体は、近位端、遠位端、および近位端から遠位端まで延在する長手方向軸を有する。外側シャフトは、ハンドル本体に移動可能に連結された近位端を備える。内側シャフトは、外側シャフトの内腔を通って延在し、ハンドル本体に対して固定される。内側シャフトは、第一の補強層および第二の補強層を備える。第一の補強層は、内側シャフトの近位端部分から内側シャフトの第一の遠位位置に延在する。第二の補強層は、内側シャフトの近位端部分から内側シャフトの第二の遠位位置に延在する。第二の遠位位置は、第一の遠位位置の近位にある。
【0011】
一部の実施例では、送達装置は、ハンドル本体、外側シャフト、および内側シャフトを含む。ハンドル本体は、近位端、遠位端、および近位端から遠位端まで延在する長手方向軸を含む。外側シャフトは、ハンドル本体に移動可能に連結された近位端を含む。内側シャフトは、外側シャフトの内腔を通って延在し、ハンドル本体に対して固定される。内側シャフトは、第一の編組密度を含む第一の編組材料および第二の編組密度を含む第二の編組材料を含む。第二の編組密度は、第一の編組密度よりも小さい。
【0012】
一部の実施例では、送達装置のシャフトは、近位端、遠位端、第一の補強層、および第二の補強層を含む。第一の補強層は、シャフトの第一の近位位置からシャフトの第一の遠位位置に延在する。第二の補強層は、シャフトの第二の近位位置からシャフトの第二の遠位位置まで延在し、第二の遠位位置は第一の遠位位置の近位にある。
【0013】
一部の実施例では、送達装置のシャフトは、近位端、遠位端、第一の編組材料、および第二の編組材料を含む。第一の編組材料は、第一の編組密度を含む。第二の編組材料は、第一の編組密度よりも小さい第二の編組密度を含む。
【0014】
一部の実施例では、送達装置のシャフトは、近位端、遠位端、および補強層を含む。補強層は、シャフトの第一の近位位置からシャフトの遠位位置に延在し、三軸編組材料を備える。
【0015】
上記の装置は、生きた動物上で実施することができる、あるいは、死体、死体の心臓、擬人化ゴースト、シミュレータ(例えば、身体の一部、心臓、組織、等がシミュレートされる)、等のように、シミュレーション上で実施することができる移植処置の一部として使用することができる。
【0016】
本開示の様々な革新は、組み合わせて、または別々に、使用され得る。本発明の概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明する様々な概念の選択を、簡略的な形態で紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題に関する主要な特徴または必須の特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求される主題の範囲を限定するために使用することを意図したものでもない。本開示に関する上記のおよび他の、目的、特徴、ならびに利点は、以下の詳細な説明から、特許請求の範囲から、さらに添付図面から、より明瞭となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、半径方向に拡張された状態のドッキングステーションのフレームの一部分の立面図である。
図2図2は、半径方向に圧縮された状態の図1のフレームの斜視図である。
図3図3は、図1のフレームを含むドッキングステーションの斜視図である。
図4図4は、患者の解剖学的構造内の埋め込み位置で展開された図3のドッキングステーションの破断図である。これは、断面で概略的に図示され、その中に人工心臓弁が展開されている。
図5A図5Aは、ドッキングステーションを展開するための送達装置の斜視図である。
図5B図5Bは、図5Aの送達装置の遠位部分の周りに配置される、図3のドッキングステーションを示す。
図6A図6Aは、送達装置の外側シャフトが収縮位置にある、図5Aの送達装置の遠位部分の立面図である。
図6B図6Bは、送達装置の外側シャフトが拡張位置にあり、破断されて、封入されたドッキングステーションを示す、図5Aの送達装置の遠位部分の立面図である。
図6C図6Cは、図5Aの送達装置から図3のドッキングステーションを展開する段階を図示する。
図6D図6Dは、図5Aの送達装置から図3のドッキングステーションを展開する段階を図示する。
図6E図6Eは、図5Aの送達装置から図3のドッキングステーションを展開する段階を図示する。
図6F図6Fは、図5Aの送達装置から図3のドッキングステーションを展開する段階を図示する。
図7A図7Aは、図5Aに図示した送達装置のハンドル部分の斜視図である。
図7B図7Bおよび7Cは、ハンドルの一部分が切り取られて様々な内部構成要素を示す、図7Aのハンドル部分の斜視図である。
図8A図8Aは、図7Aのハンドル部分のキャリッジ部材の斜視図である。
図8B図8Bは、図7Aのハンドル部分のキャリッジ部材の斜視図である。
図8C図8Cは、図8Aおよび8Bのキャリッジ部材の断面図である。
図9図9は、図8Aおよび8Bのキャリッジ部材のヘッド部分の断面図である。
図10図10は、シャフト組立品の近位部分がキャリッジ部材を通って延在する、図8Aおよび8Bのキャリッジ部材の断面図である。
図11A図11Aは、図7Aに図示する線11A‐11Aと交わる面に沿った、図7Aのハンドル部分の断面図である。
図11B図11Bは、図11Aに図示する線11B-11Bに沿った、図7Aのハンドル部分の断面図である。
図12A図12Aは、シャフト組立品の一部が破断されて、シャフト組立品の内側シャフト内の流体ポートを示す、図7Aのハンドル部分に結合された、シャフト組立品の近位部分の断面図である。
図12B図12Bは、図12Aに図示したシャフト組立品の内側シャフトの一部分の断面図である。
図12C図12Cは、図12Aに図示した領域12Cの拡大図である。
図13A図13Aは、フレームコネクタの立面図である。
図13B図13Bは、フレームコネクタの立面図である。
図14図14は、図13Aに示す線14-14に沿った破断面を有する、図13Aおよび13Bのフレームコネクタの斜視図である。
図15図15は、ドッキングステーションのコネクタタブが、フレームコネクタの凹部に保持されている、図13Aおよび13Bのフレームコネクタを図示する。
図16A図16Aは、図13Aに示す線16A-16Aに沿った破断面を有する、図13Aおよび13Bのフレームコネクタの斜視図である。
図16B図16Bは、図16Aに示す破断面での、図13Aおよび13Bのフレームコネクタの断面図である。
図17A図17Aは、図13Aに示す線17A-17Aに沿った破断面を有する、図13Aおよび13Bのフレームコネクタの斜視図である。
図17B図17Bは、図17Aに示す破断面での、図13Aおよび13Bのフレームコネクタの断面図である。
図18図18は、図5Aおよび5Bのシャフト組立品の内側シャフトに接続された、図13Aおよび13Bのフレームコネクタを図示した送達装置の遠位部分の断面図である。
図19図19は、送達装置の外側シャフトが拡張位置にあり、破断されて、外側シャフトによって抑制されたドッキングステーション、ならびに図13Aおよび13Bのフレームコネクタを示す、図5Aの送達装置の遠位部分の立面図である。
図20図20は、フレームコネクタが破断されてドッキングステーションのコネクタタブとの係合を示す、図19に示す送達装置の遠位部分の回転図である。
図21図21は、コネクタタブに加えられる軸力に応答した、図19および20のドッキングステーションのコネクタタブの半径方向の偏向を示す。
図22図22は、一実施例による、送達装置のシャフトの概略断面図である。
図23図23は、カバー管および複数の流体ポートを備えるシャフトの一部分を示す、図22のシャフトの部分側面図である。
図24図24は、別の実施例による、送達装置のシャフトの概略断面図である。
図25図25は、別の実施例による、送達装置のシャフトの概略断面図である。
図26図26は、別の実施例による、送達装置のシャフトの概略断面図である。
図27図27は、別の実施例による、送達装置のシャフトの概略断面図である。
図28図28は、別の実施例による、送達装置のシャフトの概略断面図である。
図29図29は、別の実施例による、送達装置のシャフトの概略断面図である。
図30図30は、別の実施例による、送達装置のシャフトの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一般的な考慮事項
本明細書の目的のために、本開示の例における特定の態様、利点、および新規な特徴について、本明細書で説明する。説明する方法、装置、およびシステムは、いかようにも限定的なものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、互いの様々な組み合わせで、および互いの様々な下位組み合わせで、様々な開示する例に関する、すべての新規かつ非自明な、特徴および態様を対象とする。方法、装置、およびシステムが、任意の特定の態様もしくは特徴、またはそれらの組み合わせに限定されることもなく、開示される実施例が、任意の一つ以上の特定の利点が存在すること、または問題が解決されることを必要とすることもない。
【0019】
開示される実施例のいくつかの操作が、提示の便宜上、特定の連続的な順序で記載されるが、以下に記載される特定の言葉によって特定の順序が要求されない限り、この記載方法が並べ替えを包含することは、理解されるべきである。例えば、順次的に説明する操作は、場合によっては、並べ替えられてもよく、または同時に実行されてもよい。その上、簡略化のために、添付図面は、開示する方法を他の方法と組み合わせて使用し得る様々な態様を示していないことがあり得る。追加的に、説明では、開示する方法を記述するために、時に、「提供する」または「達成する」などの用語を使用する。これらの用語は、実行される実際の操作に関する高レベルの抽象概念である。これらの用語に対応した実際の操作は、特定の実装によって相違し得るものであって、当業者であれば容易に認識可能である。
【0020】
簡潔さのため、および説明の連続性のために、同じまたは類似の参照文字は、異なる図の同じまたは類似の要素に使用されることがあり、一つの図の中の要素の説明は、要素が同じまたは類似の参照文字を有する他の図に現れるとき、持ち越されるとみなされる。一部の事例では、「に対応する」という用語は、異なる図の要素間の対応を記述するために使用され得る。使用例において、第一の図の中の要素が第二の図の中の別の要素に対応するものとして記述される場合、第一の図の中の要素は、別段の記載がない限り、第二の図の中の他の要素の特徴を有するとみなされ、その逆も同様である。
【0021】
本出願および特許請求の範囲で使用した際には、「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その(the)」という単数形は、文脈が別段のことを明確に記述しない限り、複数形を含む。「含む(comprise)」という語、ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などのその派生語は、オープンで、包括的な意味で、すなわち「含むがこれに限定されない(including, but not limited to)」と解釈されるべきである。追加的に、「含む(includes)」という用語は、「含む(comprises)」ことを意味する。さらに、「結合する(coupled)」という用語は、一般に、物理的に、機械的に、化学的に、磁気的に、および/または電気的に、結合あるいは連結することを意味するものであり、特定の反対の文言がない限り、結合されたまたは関連付けられた部材どうしの間における中間介在要素の存在を排除するものではない。
【0022】
本明細書で使用した際には、「近位」という用語は、ユーザに対してより近くであり、かつ、移植部位から離間している、デバイスの位置、方向、または部分を指す。本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、ユーザからより遠く離間しており、かつ、移植部位に対してより近くである、デバイスの位置、方向、または部分を指す。よって、例えば、デバイスの近位移動とは、デバイスが移植部位から離間して、ユーザへと向かう(例えば、患者の身体外へと向かう)移動であり、他方、デバイスの遠位移動とは、デバイスがユーザから離間して、移植部位へと向かう(例えば、患者の身体内へと向かう)移動である。「長手方向」および「軸方向」という用語は、別段に明示的に定義されない限り、近位方向におよび遠位方向に延びた軸を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、「シミュレーション」という用語は、死体、死体の心臓、擬人化ゴースト、および/またはコンピュータシミュレータ(例えば、シミュレーション対象の身体部分、組織)を動作させることを意味する。
【0024】
開示される技術の概論
本開示は、ドッキングステーションおよび/または人工心臓弁などの人工インプラントを患者の解剖学的構造内の埋め込み位置に送達するために使用できる、複数の送達装置を説明する。送達装置は、ハンドルに結合されたシャフト組立品を含み、これは送達装置の動作を制御する。人工インプラントは、埋め込み位置への送達のために、シャフト組立品のシャフトのうちの一つの遠位端部分内に封入され得る。
【0025】
シャフト組立品は、送達装置上に装填された人工インプラントを封入するための拡張位置と、埋め込み位置に展開するために人工インプラントを露出させるための収縮位置との間で移動可能な外側シャフトを含む。キャリッジ部材がハンドルに含まれ、収縮位置と拡張位置との間で外側シャフトを移動させる。シャフト組立品は、外側シャフトの内腔を通って延在する内側シャフトを含む。
【0026】
特定の実施例では、キャリッジ部材および外側シャフトは、シール部材を保持するためにグランドまたは環状溝を形成する。特定の実施例では、内側シャフトは、一つ以上の流体ポートを含み、これはキャリッジ部材内に配置されたシール部材と一緒に、内側シャフトおよび外側シャフトを単一の注入ポートからの流体でフラッシングすることを可能にする。
【0027】
特定の実施例では、内側シャフトは、一つ以上の凹部を有するフレームコネクタを担持して、人工インプラントの一つ以上のコネクタタブを受け、それによって、人工インプラントを軸方向に抑制することができる。特定の実施例では、凹部は、コネクタタブに加えられた張力を、コネクタタブに作用する半径方向の力に変換するアンダーカット壁を有し、これは、人工インプラントの再圧縮および/または回収中に、コネクタタブと凹部との係合を維持するのに役立ち得る。
【0028】
また、送達装置のシャフトの例が本明細書に開示される。開示されたシャフトは、一つ以上の補強層を含み得る。補強層は、シャフトを強化する一方で、シャフトが十分に可撓性であることを可能にするように構成され得る。このように、開示されたシャフトは、シャフトに加えられる力に耐えることができ(例えば、移植処置中)、患者の解剖学的構造(例えば、脈管構造)を通して進むことができる。
【0029】
一部の実施例では、複数の補強層が提供され得る。一部の例では、各補強層は、シャフトの異なる部分に沿って延在し得る。特定の例では、補強層は、長さの少なくとも一部分に対して軸方向に重なることができ、および/または長さの少なくとも一部分に対して重なり合うことができる。
【0030】
一部の実施例では、補強層のうちの一つ以上は、金属編組などの編組材料を含み得る。複数の補強層を有する実施例では、各補強材は同一であってもよく、または異なってもよい。特定の実施例では、第一の編組密度および/または第一のワイヤ数を有する第一の編組材料を第一の補強層として使用することができ、第二の編組密度および/または第二のワイヤ数を有する第二の編組材料を第二の補強層として使用することができる。
【0031】
開示される技術の実施例
ここで図面を参照すると、図1は、ドッキングステーションの本体を形成することができるフレーム100(またはステント)の例示的な実装形態を示す。フレーム100は、第一の端104および第二の端108を有する。一部の実施例では、第一の端104は流入端であり得、第二の端108は流出端であり得る。一部の実施例では、第一の端104は流出端であり得、第二の端108は流入端であり得る。「流入」および「流出」という用語は、フレームを通る血流の正常な方向(例えば、順行性血流)に関連する。図1に示すフレーム100の制約のない拡張状態では、第一の端104と第二の端108との間のフレーム100の比較的より狭い部分(またはくびれ)112が、弁座116を形成する。フレーム100は、送達装置による埋め込み位置への送達のために圧縮され得る(図2に図示するように)。
【0032】
ドッキングステーション、送達装置、人工心臓弁、および/または方法は、特定の埋め込み位置(例えば、肺動脈弁)および/または特定の送達アプローチ(例えば、経大腿)に関して本明細書に記述されているが、本明細書に開示される装置および方法は、様々な他の埋め込み位置(例えば、大動脈弁、僧帽弁、および三尖弁)および/または送達アプローチ(例えば、経心尖部、経中隔)に適合され得る。
【0033】
図1によって図示された実施例では、フレーム100は、セル124を形成するように配置された複数の支柱120を含む。支柱120の端は、フレーム100の端の頂点128を形成する。頂点128のうち一つ以上は、コネクタタブ132を含み得る。頂点128と弁座116(またはくびれ112)との間の支柱120の部分は、フレーム100の封止部分130を形成する。図1に図示したフレーム100の制約のない拡張状態では、頂点128は、概して半径方向外向きに延在し、弁座116の半径方向外向きである。
【0034】
フレーム100は、解剖学的構造における大きな変化に対応するために、高弾性または適合する材料から作製することができる。例えば、フレーム100は、可撓性の金属、金属合金、ポリマー、またはオープンセルフォームで作製することができる。高弾性金属の例としては、ニッケルとチタンの金属合金であるニチノールがあるが、他の金属および高弾性または適合する非金属材料が使用され得る。フレーム100は、自己拡張、手動で拡張可能(例えば、バルーンを介して拡張可能)、または機械的に拡張可能であり得る。自己拡張フレームは、例えば、ニチノールなどの形状記憶材料から作製され得る。このようにして、フレームは、図2に図示するように(例えば、圧着装置を介して)半径方向に圧縮され得、図1に図示する構成に半径方向に拡張し得る。
【0035】
図3は、フレーム100と、フレーム内に配置された不浸透性材料140とを含む、例示的なドッキングステーション136を示す。不浸透性材料140は、フレーム100に取り付けられる(例えば、縫合144によって)。図3によって図示された実施例では、不浸透性材料140は、少なくとも、フレーム100の封止部分130のセル124を覆う。封止部分130で不浸透性材料140によって形成されるシールは、近位流入端104から弁座116(および弁座に取り付けられたら、弁)へと、ドッキングステーション136内に血液を流れ込ませるのに役立ち得る。遠位流出端108に近接したセル124の列一つ以上は、開放されていてもよい。
【0036】
不浸透性材料140は、血液に対して不浸透性である布であり得る。様々な生体適合性材料が不浸透性材料140として使用され得、例えば、血液に対して不浸透性のコーティングで処理された発泡体もしくは布、ポリエステル材料、または処理された生物学的材料(心膜など)などである。一つの特定の例では、不浸透性材料140は、ポリエチレンテレフタレート(PET)とすることができる。
【0037】
ドッキングステーション136は、フレーム100のくびれ112の周りに延在する(またはくびれと一体的な)バンド146を含み得る。バンド146は、弁座116の拡張を、展開状態の特定の直径に制約して、弁座116が特定の弁サイズを支持することを可能にすることができる。バンド146は、多種多様な異なる形態を取ることができ、多種多様な異なる材料で作製することができる。例えば、バンド146は、PET、一つ以上の縫合糸、布、金属、ポリマー、生体適合性テープ、または当技術分野で既知であり、かつ弁座116の形状を維持し得る、他の比較的拡張不可能な材料から作製され得る。
【0038】
図4は、自己弁輪148内で展開状態にあるドッキングステーション136を示す。見ることができる通り、ドッキングステーション136のフレーム100は、拡張された状態にあり、フレームの端部分は、自己弁輪の内面152に押し付けられる。バンド146(図3に示す)は、フレーム100の拡張された状態で、弁座116を一定または実質的に一定の直径に維持することができる。図4はまた、ドッキングステーション136内に展開され、ドッキングステーション136の弁座116と係合する、人工弁200を示す。人工弁200は、まず、ドッキングステーション136を埋め込み位置に展開し、次いで、ドッキングステーション内に人工弁を設置することによって埋め込むことができる。
【0039】
人工弁200は、自己心臓弁(例えば、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、および/または三尖弁)を置き換えるように構成され得る。一実施例では、人工弁200は、フレーム204と、フレーム204内に配置され、フレーム204に取り付けられる弁膜構造208とを含み得る。弁膜構造208は、心臓の拡張期および収縮期の間、開状態と閉状態との間を循環する、一つ以上の弁尖212を含み得る。フレーム204は、ドッキングステーション136のフレーム100について記載したフレーム材料から作製することができる。弁尖212は、心膜組織(例えば、ウシ心膜組織)、生体適合性合成材料、または当技術分野で既知の様々な他の好適な天然材料もしくは合成材料から全体または部分的に作製することができる。
【0040】
ドッキングステーション136は、図4に図示した人工弁200の特定の実施例での使用に限定されない。例えば、例えば米国特許公開第2018/0153689号および第2019/0060057号、米国特許出願第62/869,948号、ならびに国際特許出願第PCT/US2019/056865号(それらの関連する開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載される、機械的に拡張可能な人工弁は、ドッキングステーション136内に設置されてもよい。
【0041】
図5Aは、ドッキングステーションを埋め込み位置に送達するために使用できる例示的な送達装置300を示す。送達装置300は概して、ハンドル302と、ハンドル302に結合され、ハンドル302から遠位に延在するシャフト組立品303とを含む。シャフト組立品303は、内側シャフト305および外側シャフト309を含む。内側シャフト305は、外側シャフト309の内腔を通って延在する。
【0042】
図5Aによって図示された実施例では、フレームコネクタ400は、内側シャフト305に結合される。ドッキングステーション136は、図5Bに示すように、フレームコネクタ400から遠位に延在する内側シャフト305の一部分の周りに配置され得る。一実施例では、フレームコネクタ400は、ドッキングステーション136の近位端で一つ以上のコネクタタブ132を受けそれによってドッキングステーション136を軸方向に抑制することができる、一つ以上の凹部を含む。
【0043】
ノーズコーン317は、内側シャフト305の遠位端に取り付けられ得る。ノーズコーン317は、ガイドワイヤを受けるための中央開口部319を含む。このように、ガイドワイヤの近位端は、中央開口部319内に、内側シャフト305を通って挿入されてもよく、送達装置300の遠位端部分は、患者の血管系を通して、および埋め込み位置にガイドワイヤにわたって前進させられてもよい。ガイドワイヤは、患者の血管系を通した送達装置の前進中に、ノーズコーン317を通って内側シャフト305内に通過することができる。
【0044】
ハンドル302は、内側シャフト305に対して外側シャフト309を動かすように、概して拡張位置と収縮位置との間で動作してもよい。ハンドル302は、外側シャフト309をフレームコネクタ400の上に、およびフレームコネクタ400に結合された任意のドッキングステーションの上に摺動させて、ドッキングステーションを外側シャフト309内に封入するように、拡張され得る。外側シャフト309がドッキングステーション136の上に摺動するにつれて、外側シャフト309は、ドッキングステーションが外側シャフト309内に圧縮状態で封入されるように、ドッキングステーション136を圧縮することができる。完全に拡張した位置では、外側シャフト309の遠位端は、送達組立品にギャップがないように、ノーズコーン317の近位端に当接し得る。追加的または代替的に、圧着装置を使用して、ドッキングステーションを、それが送達装置の外側シャフトに挿入され得るように、半径方向に圧縮し得る。
【0045】
図6A~7Dは、解剖学的構造内の埋め込み位置にドッキングステーションを展開する方法を示す。説明の目的で、患者の解剖学的構造は省略する。図6Aでは、方法は、内側シャフト305へのドッキングステーション136の装填を可能にするために、送達装置のハンドルによって外側シャフト309を引き込むことを含む。図6Bでは、方法は、内側シャフト305の周りにドッキングステーション136を配置し、ドッキングステーション136のコネクタタブ132の各々をフレームコネクタ400と係合することを含む。方法はまた、ドッキングステーションがその中に封入されるように、外側シャフト309をドッキングステーション上に位置付けることを含む。これは、送達装置のハンドルを操作することによって達成することができる。図6Bに示すように、外側シャフト309の遠位端は、ノーズコーン317の近位端に当接する。方法は、ノーズコーン317端から患者の血管系内に送達装置を挿入すること、および患者の血管系を通して送達装置を埋め込み位置に前進させることを含む。
【0046】
埋め込み位置において、方法は、外側シャフト309を送達装置のハンドルによって引き込んで、ドッキングステーション136を露出させることを含む。図6C~6Fは、外側シャフト309を引き込む異なる段階を示す。見ることができる通り、ドッキングステーション136が自己拡張する場合、ドッキングステーション136は外側シャフト309から徐々に出、外側シャフト309が引き込まれるにつれて、圧縮状態から徐々に拡張する。外側シャフト309が十分に引き込まれると、コネクタタブ132は、フレームコネクタ400から係合解除される。ドッキングステーション136がフレームコネクタ400から係合解除されると、ドッキングステーション136は半径方向に拡張して解剖学的構造と係合することができる。
【0047】
図7A~7Cは、送達装置のハンドル302の例示的な実装形態を示す。ハンドル302は、ハンドル本体304と、ハンドル本体に結合され、かつハンドル本体内に部分的に配置される展開機構306とを含む。ハンドル本体304は、近位端308、遠位端312、および近位端308から遠位端312へ延在するキャビティ316を含む。ハンドル302は、近位端308から遠位端312へ延在する長手方向軸315を含む。長手方向軸315は、ハンドルの軸方向を画定する。
【0048】
ハンドル本体304は、キャビティ316を有する一体成形の本体とすることができる。代替的に、ハンドル本体304は、キャビティ316を形成するために一緒に組み立てることができる二つの本体部分品304a、304bを有し得る。例えば、第一の本体部分品304bは、第二の本体部分品304aの相補的な凹部にはめ込むスナップフック307を有してもよい。
【0049】
ハンドル302の展開機構306は、キャリッジ部材500および駆動部材320を含む。キャリッジ部材500は、キャビティ316内に配置され、ハンドル本体304に対して軸方向に移動可能である。駆動部材320は、キャリッジ部材500と係合し、ハンドル本体304に対して移動可能(例えば、回転可能)であって、ハンドル本体304に対してキャリッジ部材500の軸方向位置を調整する。
【0050】
シャフト305、309の近位部分は、ハンドル本体304のキャビティに挿入される。ハンドル本体304に対するキャリッジ部材500の移動が拡張位置と収縮位置との間で外側シャフト309の移動を引き起こすように、シャフト組立品303の外側シャフト309の近位端部分をキャリッジ部材500に結合することができる(例えば、締結具、接着剤、および/または他の結合手段によって)。
【0051】
内側シャフト305の近位部分は、外側シャフト309の内腔313を通ってキャビティ316の近位部分内へ延在し、ハンドル本体304に結合される。外側シャフト309がハンドル本体304に対して動く間、内側シャフト305が静止するように、内側シャフト305はハンドル本体304に対して固定され得る。
【0052】
図7A~7Cによって図示された実施例では、注入ポート324は、ハンドル本体304の近位端308の開口部に取り付けられる。注入ポート324は、例えば、ルアーフィッティングであってもよい。内側シャフト305の近位端は、インジェクタポート324(図11Aに示す)に挿入されることができ、注入ポート324に(例えば、結合によって)固定されることができる。一部の事例では、内側シャフト305の注入ポート324への取り付けは、ハンドル本体304に対して内側シャフト305を固定する目的を果たすことができる。
【0053】
注入ポート324は、生理食塩水などのフラッシング流体を内側シャフト305の内腔に注入するために使用することができる。一部の事例では、内側シャフト305は、一つ以上の流体ポート311を含み得、それを通して、注入された流体が内側シャフト305を出て外側シャフト309の内腔313に入り、それによって、内側シャフト305および外側シャフト309の内腔の、単一の注入ポートからのフラッシングを可能にする。
【0054】
図8A~8Cは、キャリッジ部材500の例示的な実装形態を示す。キャリッジ部材500は、遠位端506および近位端510を有するキャリッジ本体504を含む。キャリッジ本体504は、遠位端506と近位端510の間にヘッド部分508およびステム部分512を有する。キャリッジ本体504は、単一の単体構成要素として形成(例えば、成形)され得る。好ましくは、キャリッジ本体504は、ハンドル本体304(図7Bおよび7Cに示す)内に受けられるシャフト組立品の一部分を支持するのに十分な剛性を有する。
【0055】
キャリッジ本体504のヘッド部分508は、外部表面516を有する。外ねじ518は、外部表面516のヘッド部分508の対向側面にある部分上に形成される。外ねじ518は、ハンドルの駆動部材320(図7Bおよび7Cに示す)内にある相補的な内ねじに係合し得る。ヘッド部分508は、シャフト組立品の一部分を受けるように構成された内部ボア524を画定する内部表面520を有する。
【0056】
ステム部分512は、ヘッド部分508の内部ボア524と長手方向に整列し、かつ接続される中央開口部532を含み、キャリッジ本体504の全長に沿って延在する通路を形成する。長手方向スロット536a、536b(またはガイド部材)は、ステム部分512の対向側面上に形成される。長手方向スロット536aは、図8Cに示すように、中央開口部532(またはボア524および中央開口部532によって形成される通路)に接続されてもよい。長手方向スロット536a、536bは、ハンドル本体の細長いキャビティ内にある相補的なガイド部材348a、348b(図11Aおよび11Bに示す)を受けることができる。
【0057】
図9を参照すると、位置決めショルダー540は、ヘッド部分508の内部表面520上に形成される。位置決めショルダー540は、内部ボア524における第一のステップダウン移行部を画定する。例えば、位置決めショルダー540は、直径d1から直径d2まで内部ボア524の直径をステップダウンし、直径d1は直径d2よりも大きい。位置決めショルダー540は、キャリッジ本体504の遠位端506から距離L1だけオフセットされる。位置決めショルダー540は、遠位端506に向かって配向された環状面を有するのであり、一部の事例では「遠位に面する環状ショルダー」と呼ばれてもよい。
【0058】
グランドショルダー544は、ヘッド部分508の内部表面520上に形成される。グランドショルダー544は、内部ボア524における第二のステップダウン移行部を画定する。例えば、グランドショルダー544は、直径d2から直径d3まで内部ボア524の直径をステップダウンし、直径d2は直径d3よりも大きい。グランドショルダー544は、キャリッジ本体504の遠位端506から、距離L1よりも大きい距離L2だけオフセットされ、これは、グランドショルダー544が位置決めショルダー540に対して近位に位置することを意味する。グランドショルダー544は、遠位端506に向かって配向された環状面を有するのであり、一部の事例では「遠位に面する環状ショルダー」と呼ばれてもよい。
【0059】
図10は、外側シャフト309の近位端(または近位面)が内部ボア524内に位置付けられるように、内部ボア524および中央開口部532によって形成される通路を通って延在するシャフト組立品303を示す。外側シャフト309の近位端は、グランドショルダー544に対して対向する関係にあり、かつ遠位にある、ショルダー546を形成する。外側シャフト309は、この位置で(例えば、締結具、接着剤、および/または他の結合手段を介して)、キャリッジ部材500のヘッド部分508に固定され得る。環状溝548(またはグランド)は、対向するショルダー544、546、および対向するショルダー544、546の間の内部表面520の一部分によって、内部ボア524内に画定される。環状溝548は、シール部材552を受けることができる。
【0060】
一部の実施例では、位置決めショルダー540は、外側シャフト309の近位端のための停止面として作用し得る。この場合、位置決めショルダー540の内径に対応する直径d2(図9に示す)は、外側シャフト309の近位端が位置決めショルダー540に当接するとき、外側シャフト309の近位端の一部分が第一のステップダウン移行部においてショルダー546を形成するように、外側シャフト309の近位端で外側シャフト309の内径よりも大きいように選択され得る。例えば図10に示すように、外側シャフト309の近位端によって形成されるショルダー546は、第一のステップダウン移行部において位置決めショルダー540の半径方向内向きであってもよい。
【0061】
一部の実施例では、キャリッジ本体504は、位置決めショルダー540なしで形成されてもよく、外側シャフト309は、外側シャフト309の近位面がシール部材522の遠位面に当接する点まで、内部ボア524に挿入されてもよく、これは同時に環状溝548の遠位端を形成する。
【0062】
図10に示すように、外側シャフト309の内腔を通って延在する内側シャフト305は、対向するグランドショルダー544、546の間の内部ボア524の部分を通過し、これは、環状溝548が内側シャフト305の周囲の周りに配置されることを意味する。したがって、環状溝548内に配置されたシール部材552は、内側シャフト305と内部表面520との間に、外側シャフト309の近位端においてシールを形成し得る。シール部材552は、動的封止と静的封止との間を循環することができる。動的封止は、シール部材552が内側シャフト305に沿って摺動する時に、キャリッジ部材500がハンドル本体304に対して移動するにつれて、発生する(図7Bおよび7Cに示す)。このようにして、シール部材552は、「ワイパーシール」とも呼ばれ得る。シール部材552は、任意の適切なシール(例えば、Oリング)であり得る。
【0063】
グランドショルダー544は、環状溝548の近位端(または近位グランドショルダー)を形成し、外側シャフト309の近位端(または近位面)は、環状溝548の遠位端(または遠位グランドショルダー)を形成する。一部の事例では、位置決めショルダー540は、外側シャフト309のための停止部を形成し得る。段付きショルダーとしてキャリッジ本体のショルダーを形成することで、とりわけ、キャリッジ本体504(またはキャリッジ部材500)を一体成形することを可能にすることができる。成形プロセスは、位置決めショルダーおよびグランドショルダー540、544を含む内部ボアを形成するために、キャリッジ本体およびコアピンのための金型キャビティを形成することを含み得る。コアピンは、金型キャビティ内に固定され、溶融熱可塑性材料が、成形体を形成するために金型キャビティ内に注入される。段付きショルダーは、例えば、コアピンが成形部品の遠位端から容易に取り外されることを可能にし得る。このように、開示される構成は、一つの例示的な利点として、ハンドルの製造および組み立ての両方を単純化する。
【0064】
図7Cに戻ると、キャリッジ部材500は、駆動部材320の回転によって、キャビティ316内で、ハンドル本体304に対して軸方向に移動可能である。図11Aによって図示された実施例では、駆動部材320は、ハンドル本体304の遠位端312からキャビティ316内へ延在するバレル部分320aと、ハンドル本体304の遠位端312から突出するノブ部分320bとを有する。バレル部分320aは、ハンドル本体304の凹部336内へ延在するリング部材332を有する。リング部材332の遠位面は、凹部336の近位面に当接して、駆動部材320の遠位方向への移動を制限することができる。
【0065】
駆動部材320は、内部ボア340を画定する内部表面328を含む。内部表面328は、キャリッジ部材500のヘッド部分にある外ねじ518(図8Aおよび8Bに示す)に対して相補的な、内ねじ344を含む。示されるように、キャリッジ部材500は、キャリッジ部材500のヘッド部分にある外ねじ518が駆動部材320の内ねじ344と係合するように、内部ボア340内へ延在する。
【0066】
ノブ部分320bの回転は、ハンドル本体304に対する駆動部材320の回転を引き起こし、これが、キャリッジ部材500を駆動部材320の内部ボア340に沿って移動させる。ねじ山344、518は、駆動部材320の回転運動を、キャリッジ部材500の直線運動に変換する。しかしながら、親ねじ機構以外の他の機構を使用して、ハンドル本体304に対して軸方向にキャリッジ部材500を並進移動させることができる。
【0067】
図11Aおよび11Bを参照すると、ハンドル本体304は、キャビティ316内へ延在する扁平な突出部348a、348b(またはガイド部材)を含み得る。扁平な突出部348aは、キャリッジ部材500の長手方向スロット536a内に受けられる。扁平な突出部348bは、長手方向スロット536b内に受けられる。長手方向スロット536a、536bは、キャリッジ部材500がキャビティ316内で軸方向にハンドル本体304に対して移動するにつれて、それぞれの扁平な突出部348a、348bに沿って移動する。扁平な突出部348a、348bは、ハンドル本体304と長手方向に整列し、長手方向スロット536a、536bと協働して、駆動部材320が回転するときのキャリッジ部材500の回転を防止する。
【0068】
図12Aは、シャフト組立品303の近位部分(すなわち、ハンドルに直ちに結合されたシャフト組立品303の部分)を示す。シャフト組立品303の近位部分は、外側シャフト309の近位部分と、外側シャフト309の内腔313を通って延在する内側シャフト305の近位部分とを含む。図11Aに関連して前述したように、外側シャフト309の近位端は、キャリッジ部材500内に受けられ、内側シャフト305は、外側シャフト309を通って、およびキャリッジ部材を通って延在する。図12Aに示すように、内側シャフト305の近位端部分は、注入ポート324(図7A~7Cおよび11Aに示す)に流体接続され得る、近位端305aと、注入ポートで内側シャフト305に注入された流体が、内側シャフト305を出、外側シャフト309の内腔313に入ることを可能にする、流体ポート311とを含む。
【0069】
一つの実装形態では、内側シャフト305は補強された管321を含む。図12Bによって図示された実施例では、補強された管321は、内層325、内層325の上に配置された補強層329、および補強層329の上に配置された外層333を含み得る。内層325、補強層329、および外層333は、実質的に内側シャフト305の長さに沿って延在する、管の形態であり得る。
【0070】
補強層329は、内側シャフト305の様々な部分に沿って延在し得る。一部の実施例では、補強層329は、近位端305(例えば、注入ポート324に隣接した)から内側シャフト305の遠位端(例えば、ノーズコーン317に隣接した、または少なくとも部分的に軸方向に重複した)まで延在し得る。一部の実施例では、補強層329は、内側シャフトのより小さい部分に沿って(例えば、近位端305aから、フレームコネクタ400が取り付けられる内側シャフトの部分まで)延在し得る。
【0071】
補強層329は、例えば、金属ワイヤ(ステンレス鋼ワイヤまたはニチノールワイヤなど)または合成繊維(例えば、Kevlar)から作製され得る編組管であってもよい。ワイヤは、ワイヤの長手方向軸に垂直な平面で取られた様々な断面プロファイルを備え得る。例えば、断面プロファイルは、円形、長方形などとすることができる。
【0072】
編組構成では、補強層は、4~32本のワイヤ(または特定の実施例では8~24本のワイヤ)を含む編組で形成され得る。特定の実施例では、補強層は、10~20本のワイヤを備え得る。特定の実施例では、補強層は、16本のワイヤ編組を備え得る。編組密度も変化し得る。例えば、補強層の編組密度は、40~60ピック/インチ(PPI)の範囲内とすることができる。特定の実施例では、編組密度は45 PPIであり得る。
【0073】
補強層は、編組材料の代わりに、またはそれに加えて、一つ以上の軸方向に延在する要素(例えば、ワイヤ、繊維など)を備え得る。例えば、複数のワイヤは、内側シャフトの長さのすべてまたは一部分に沿って軸方向に延在し得る。これらのワイヤは互いに交差しないため、編組ワイヤとは異なる(ただし、それらは編組と交差する場合があり、場合によっては「三軸編組」と呼ばれ得る)。言い換えれば、これらのワイヤは、内側シャフトの周りで互いに対して円周方向に離間している。
【0074】
補強された管321は、患者の血管系を通した管の移動を容易にする可撓性管として構成され得る。内層325および外層333は、ポリマー材料で作製された管とすることができる。適切なポリマー材料の例としては、PEBAX(登録商標)エラストマー、ナイロン、およびポリウレタンが挙げられるが、これらに限定されない。内層325および外層333は、同じ材料または異なる材料で作製することができる。一部の事例では、補強された管321は、押出成形によって作製され得る。
【0075】
内側シャフト305は、一つ以上の流体ポートを含み得る。流体ポートは、補強された管の壁に形成されるのであり、フラッシング流体が内側シャフトの内側内腔から外側シャフト309の内腔内に流れることを可能にすることができる。このようにして、流体ポート311は、シャフトが別々にフラッシングされるのを必要とする代わりに、単一の注入ポートからの内側シャフト305および外側シャフト309のフラッシングを可能にする。図12Bおよび12Cを参照すると、各流体ポート311は、内層325内に第一の開口部325a、第一の開口部と半径方向に整列した外層333内に第二の開口部333a、および二つの開口部325a、333aの間に補強層329の部分329aの細孔(または開口部)を含む。開口部325a、333aは、任意の適切な形状(例えば、図12Aおよび12Cに示す長円形や、円形、正方形、または長方形)を有し得る。
【0076】
任意の数の流体ポート311が、補強された管321内に形成され得る。例えば、図示した補強された管321は、4つのポート311(図12Bに示す)を備える。複数の流体ポート311がある場合、補強された管321上の流体ポート311の様々な配置が可能である。例えば、図12A~12Cは、軸方向に離間し、補強された管321に沿って円周方向に整列した、二つの流体ポート311を示す。図12Bに図示するように、補強された管321はまた、軸方向に整列し、図12Cに図示した流体ポートから円周方向に距離を置いた(例えば、180度だけ)、二つの追加的な流体ポート311を備える。一部の実施例では、流体ポート311は、補強された管321の周りに離間して、および/または互い違いに配置され得る。例えば、流体ポート311は、補強された管321の周りに間隔を置き、かつ互い違いに配置して、らせんパターンを形成することができる。一部の実施例では、流体ポートは、管の第一の側面が、複数のポート(例えば、第一の近位ポートおよび第一の遠位ポート)を備え、管の第二の側面(例えば、第一の側面から180度に位置する)が、複数のポート(例えば、第二の近位ポートおよび第二の遠位ポート)を備え、かつポートが、近位から遠位へ、第一の近位ポート、第二の近位ポート、第一の遠位ポート、第二の遠位ポートに移動するという様式で軸方向に配置されるように、交互型パターンを形成し得る。
【0077】
内側シャフト305は、一部の実例では、補強された管321の近位部分の上に延在するカバー管337を含み得る。カバー管337は、流体ポート311を露出するように位置付けられた一つ以上の窓341を含む。カバー管337は、内側シャフト305がキャリッジ部材500(図11Aに示す)を通して延在する時に、シール部材552(図11Aに示す)に接触する内側シャフト305の一部分である。カバー管337は、シール部材の摺動を支持できる剛性の部材であることが好ましい。カバー管337は、シール部材552に適切な封止面を提供する表面仕上げを有することが好ましい。カバー管337は、金属またはプラスチックで作製され得る。例えば、カバー管337は、ステンレス鋼から作製され得る。カバー管337は、圧着、接着剤など、任意の適切な方法によって補強された管321に固定され得る。
【0078】
図11Aおよび12Aを参照すると、流体(例えば、生理食塩水)は、内側シャフトをフラッシングする目的で、注入ポート324を通して内側シャフト305内に注入され得る。流体は、内側シャフト305の内腔を通って移動することになる。内側シャフト305の内腔を通って移動する流体の一部分は、流体ポート311を通って出、外側シャフト309の内腔313に入り、外側シャフトのフラッシングを可能にする。したがって、内側シャフト305および外側シャフト309の両方を、単一の注入ポートを使用してフラッシングすることができる。シール部材552は、外側シャフト309の近位端においてシールを形成し、外側シャフトの近位端からの流体の漏れを防止する。その後、送達装置の使用中に、シール部材552はまた、外側シャフトの近位端からの血液の漏れを防止し、それによって止血を維持する。
【0079】
図6A~6Fに戻ると、ドッキングステーション136は、ドッキングステーション136とコネクタタブ132が拡張された構成に向かって自然に付勢される、自己拡張型ドッキングステーションとして構成することができる。ドッキングステーション136が送達システムに取り付けられている間、ドッキングステーション136は、血管系を通した挿入および追跡のために、より小さな構成(図6Bに示す)に圧縮される。ドッキングステーションの圧縮された構成は、フレームコネクタ400(内側シャフト305に対して固定される)によって軸方向に定位置に保持され、外側シャフト309によって半径方向に定位置に保持される。したがって、フレームコネクタ400および外側シャフト309によって、ドッキングステーション136は、早すぎる展開を防止される。ドッキングステーション136が、解剖学的構造内の埋め込み位置にあると、外側シャフト309は引き込まれて、ドッキングステーション136を露出および展開することができる。
【0080】
外側シャフト309が引き込まれてドッキングステーション136を露出させると、ドッキングステーション136の遠位部分が拡張する(例えば、図6Cおよび6Dに示すように)。一部の事例では、外側シャフト309の引き込みが完了する前に、ドッキングステーション136を再配置および/または回収することが望ましい場合がある。この場合、外側シャフト309は、ドッキングステーション136が再配置および/または回収されることを可能にするために、再び拡張されてドッキングステーション136を再捕捉および再圧縮してもよい。しかしながら、拡張された構成に向かう付勢は、ドッキングステーションとフレームコネクタとの間に軸力を生成することができる。軸力は、外側シャフトが再捕捉のためにドッキングステーション上に遠位に延長される際に、ドッキングステーションのコネクタタブのフランジに集中することがある。再捕捉および/または回収中の比較的高い力のために、ドッキングステーションのコネクタタブは、フレームコネクタ400から係合解除されることを試みながら半径方向外向きに移動する傾向がある。これにより、ドッキングステーションを再捕捉するために必要な力が増大し得る。極端な場合、コネクタタブはコネクタから係合解除され得、これはドッキングステーションの再圧縮および/または回収を阻止し得る。
【0081】
図13A~17Bは、ドッキングステーションの再圧縮/回収中に、半径方向に圧縮された構成にコネクタタブを保持するのを助けることができる、フレームコネクタ400の例示的な実装形態を示す。図13Aおよび13Bを参照すると、フレームコネクタ400は、コネクタ本体404、コネクタ本体404の一端に取り付けられたフランジ408、およびコネクタ本体404の別の端に取り付けられたフランジ412を含む。フランジ408は、コネクタの近位端410を提供し、フランジ412は、コネクタの遠位端414を提供する。フレームコネクタ400は、近位端410から遠位端414まで延在する長手方向軸415(または中心軸)を有する。長手方向軸415は、コネクタの軸方向を画定する。
【0082】
図14に示すように、フレームコネクタ400は、フランジ408、412およびコネクタ本体404を通って、長手方向軸(図13Bの415)に沿って延在する内部ボア413を有する。内部ボア413は、送達装置のシャフト組立品の内側シャフトの近位部分を受けることができる。フランジ408は、内部ボア413に接続する半径方向の穴406を含み得る。後述するように、半径方向の穴406は、フレームコネクタ400がシャフト組立品の内側シャフトに固定される(例えば、オーバーモールドプロセスによって)とき、役割を果たし得る。
【0083】
図13Aおよび13Bに戻ると、コネクタ本体404は、外部表面416および一つ以上の凹部420を有する、外部を含む。凹部420の各々は、ドッキングステーションのコネクタタブのうちの一つを受けることができる。図13A~17Bによって図示された実施では、二つの凹部420は、コネクタ本体404の外部上で正反対の位置に形成される。一般に、複数の凹部420がコネクタ本体404の外部上に形成されるとき、凹部420は、コネクタ本体404の外部に沿って角度的に(「円周方向に」とも呼ばれ得る)間隔を置いた位置に形成され(すなわち、コネクタ本体404の周囲に沿って分布され)得る。
【0084】
なおも図13Aおよび13Bを参照すると、各凹部420は、「T」形状を形成するように配置された第一のスロット部分420aおよび第二のスロット部分420bを有する凹部スロットであってもよい。示されるように、第一のスロット部分420aは、概してコネクタの長手方向軸415と整列し、概して第二のスロット部分420bに対して垂直である。第一のスロット部分420aは第一の幅W1を有し、第二のスロット部分420bは第二の幅W2を有する。第二の幅W2は、第一の幅W1よりも大きく、これは、凹部420が、より大きな幅のスロット部分420bからより小さな幅のスロット部分420aに移行することを意味する。図15に示すように、凹部420は、張り出し部分132aを有するコネクタタブ132が外部表面416からの凹部内に位置付けられ得るように、外部表面416において開いている。
【0085】
図13Aおよび16Aを参照すると、各凹部420は、凹部床面424、対向側壁428、429、および端壁430を有する。側壁428、429は、凹部床面424の対向側面から突出する。側壁428は、外部表面416の一部分417に接続される。側壁429は、外部表面416の一部分418に接続される。端壁430は、凹部床面424の端から突出し、外部表面416の一部分419に接続される。凹部床面424は、表面部分417、418、419と比較して異なる平面上にある。特に、凹部床面424は、図16Aでより明瞭に示すように、表面部分417、418、419に対して凹んでいる(または半径方向内向きである)。
【0086】
一実施例では、表面部分417、418は、同じ平面上にあるが、表面部分419と比較して異なる平面上にある。例えば、図13Bに示すように、表面部分417、418の各々は、オフセット距離dだけ、表面部分419の半径方向外向きであってもよい。別の言い方をすれば、凹部床面424に対する側壁428、429の高さh1は、凹部床面424に対する端壁430の高さh2より高くてもよい。凹部420内に受けられるコネクタタブは、側壁428、429に接触するため、側壁428、429の高さは、コネクタタブのための十分な係合面を提供するように選択され得る。
【0087】
側壁428の第一の部分428aおよび側壁429の第一の部分429aは、凹部420の第一のスロット部分420a(図13A)の対向側面を形成する。端壁430は、第一および第二の壁428、429から、凹部420の第二のスロット部分420b(図13A)の高さを決定する距離だけ長手方向に変位する。側壁428の第二の部分428bおよび側壁429の第二の部分429bは、端壁430と対向する関係にある。端壁430、および側壁428、429の第二の部分428b、429bは、凹部420の第二のスロット部分420bの対向する端を形成する。
【0088】
図15は、埋め込み位置にドッキングステーションを展開する前に、フレームコネクタ400の凹部420内に位置付けられたドッキングステーションのコネクタタブ132を示す。コネクタタブ132は、前述したように、ドッキングステーションのフレームの支柱120の頂点に形成され得る。図15によって図示された実施例では、コネクタタブ132は、第二のスロット部分420b内に収まり、側壁428、429と係合する張り出し部分132aを有する。張り出し部分132aは、張り出し部分132aが第一のスロット部分420aよりも広いため、側壁428、429と係合する。示されるように、張り出し部分132aが側壁428、429と係合するとき、コネクタタブ132は、第一のスロット部分420aを通して軸方向に引かれることを防止される。
【0089】
半径方向に圧縮された構成でのコネクタタブ132の保持を助けるために、および、したがって、ドッキングステーションとフレームコネクタとの間に軸力が生成されるときのフレームコネクタ400とのそれの接続を助けるために、側壁428、429の第二の部分428b、429bは、アンダーカット壁として形成され、これは、第二の部分428b、429bの各々の下側(または、第二の部分428b、429bの各々と凹部床面424との間)に空間または凹部があることを意味する。図17Aおよび17Bに図示するように、アンダーカット壁として形成される第二の部分428b、429bは、凹部床面424に対して傾斜している(すなわち、第二の部分428b、429bは凹部床面424に対して垂直ではない)。第二の部分428bと凹部床面424との間の角度αは、90度未満であり、第二の部分429bと凹部床面424との間の角度θは、90度未満である。一部の実施例では、角度αおよびθの各々は、45~89.9度の範囲であり得る。一部の実施例では、角度αおよびθの各々は、75~89.9度の範囲であり得る。一つの好ましい実施例では、角度αおよびθの各々は、81~86度の範囲であり得る。角度α およびθは同一であってもよく、または異なっていてもよい。
【0090】
図17Aおよび17Bに図示するように、フレームコネクタ400が、ドッキングステーション136を軸方向に抑制するために使用される時、拡張された構成へのドッキングステーションの付勢によって生成された張力は、コネクタタブの張り出し部分(図15の132a)を第二の部分428b、429bに対して軸方向に引く。第二の部分428b、429bのアンダーカットは、張力の一部分を、コネクタタブをフレームコネクタ400の中心軸に向かって半径方向内向きに押す半径方向の力に変換し、それによって、ドッキングステーションの展開前のドッキングステーションの保持特性を改善する。81~86度の範囲(特定の実例では)の第二の部分428b、429bと凹部床面424との間の角度α、θの各々は、ドッキングステーションの再捕捉中に外側シャフトが拡張されたときに、ドッキングステーションの送達システムへの固定を改善することが見出された。
【0091】
図13Aおよび16Aに戻ると、第一の部分428a、429aは、アンダーカット壁として形成されてもよく、これは、第一の部分428a、429aの各々の下側(または、第一の部分428a、429aの各々と凹部床面424との間)に空間または凹部があることを意味する。図16Bに図示するように、アンダーカット壁としての第一の部分428a、428bは、凹部床面424に対して傾斜している(すなわち、第一の部分428a、429bは、凹部床面424に対して垂直ではない)。第一の部分428aと凹部床面424との間の角度βは90度未満であり、第一の部分429aと凹部床面424との間の角度φは90度未満である。一部の実施例では、角度βおよびφの各々は、45~89.9度の範囲であり得る。一部の実施例では、角度βおよびの各々は、75~89.9度の範囲であり得る。一実施例では、角度βおよびφの各々は、81~86度の範囲であり得る。角度βおよびφは同一であってもよく、または異なっていてもよい。一部の実施例では、角度βおよび/またはφは、角度αおよび/またはθと同一であってもよい。一部の実施例では、角度βおよび/またはφは、角度αおよび/またはθと異なってもよい。
【0092】
図13Aに戻ると、側壁428、429の各々は、第一のスロット部分420aが第二のスロット部分420bに接続される、隅部を含む。これらの隅部は丸くすることができ、アンダーカットが側壁428、429の各々の全長の下側に延在するようにアンダーカットを有することができる。側壁428、429が外部表面部分417、418と交わる、縁部は、同様に丸みを帯びてもよい。
【0093】
図18を参照すると、フレームコネクタ400を内側シャフト305(図5Aに示す)の遠位部分に結合する一つの好ましい方法は、オーバーモールドプロセスによるものである。オーバーモールドプロセス中、フランジ408の半径方向の穴406は、注入された材料の流れを受けることができる。半径方向の穴406の材料は、固化されると、フレームコネクタ400を内側シャフト305に固定することができる。図18は、外側シャフト309の内腔を通って延在する内側シャフト305を示す。フレームコネクタ400は、外側シャフト309がフレームコネクタ400の上に、およびフレームコネクタ400に対して遠位の内側シャフト305の一部分の周りに配置されたドッキングステーションの上に延長され得るように、外側シャフト309に対してサイズ設定される。
【0094】
図19および20は、圧縮された構成のドッキングステーション136を含む送達装置300の一部分を示す。外側シャフト309は、ドッキングステーション136を封入するために延長される。ドッキングステーション136のコネクタタブ132のそれぞれは、フレームコネクタ400のそれぞれの凹部420内に配置され、凹部420の側壁と係合される。ドッキングステーション136は、フレームコネクタ400によって軸方向に、かつ外側シャフト309によって半径方向に、定位置に保持される。当然のことながら、送達装置の一部分のみが図19および20に示されている。図5Aでは、送達装置の残りの部分(例えば、ノーズコーンへ延在する部分、ハンドルに結合される部分、ノーズコーン、およびハンドル)が見える。
【0095】
図19および20に示すように構成される送達組立品は、患者の身体内に挿入され、患者の血管系を通って埋め込み位置に前進させられることができる。埋め込み位置で、外側シャフト309は、ドッキングステーション136を露出させドッキングステーションを展開するために、引き込まれることができる(図6C~6Fに図示するように)。ドッキングステーション136の再捕捉中、内側シャフト305は、外側シャフト309がドッキングステーション136を覆うために拡張される間、高張力荷重下であってもよい。凹部420の側壁のアンダーカットは、図21に示すように、それぞれのコネクタタブ132に作用する張力を、コネクタタブ132をフレームコネクタ400の中心軸に向かって内向きに押す半径方向の力に変換し、それによって送達装置とドッキングステーションとの間の接続 を保持することができる。
【0096】
図22~30は、送達装置の様々なシャフトを図示する。これらのシャフトは、一部の例では、内側シャフト305の代わりに送達装置300と共に使用され得る。このように、これらのシャフトは、一部の例では、「内側シャフト」と呼ばれ得る。開示されたシャフトは、追加的または代替的に、人工心臓弁を移植するように構成された送達装置などの他の送達装置と共に使用することができる。図22~30に図示したシャフトは、図22~30のシャフトが一つ以上の追加の補強要素(例えば、追加の層および/または部材)を含むことを除いて、シャフト305と概して類似している。
【0097】
図22~23は、シャフト600の例を示す。シャフト600は、第一の層602、第二の層604、第三の層606、および第四の層608を備える。第一の層602および第四の層608は、ライナー/被覆層とすることができる。第二の層604および第三の層606は、シャフト600が張力を受けている時(例えば、ドッキングステーションの再捕捉中)を含む、シャフト600を強化するように構成された補強層であってもよい。
【0098】
シャフト600の層は、様々な材料で形成され得る。例えば、シャフト600の第一の層602および第四の層608は、ポリマー材料で作製され得る。適切なポリマー材料の例には、以下が含まれる:PEBAX(登録商標)、ナイロン、および/またはポリウレタン。第一の層602および第四の層608は、同じ材料または異なる材料で作製することができる。一部の実施例では、第一の層602および/または第四の層608は、押出成形によって作製され得る。
【0099】
第二の層604および第三の層606は、様々な材料で作製され得る。例えば、一部の例では、第二の層604および第三の層606は、編組材料、一つ以上の非編組材料、織物材料、および/または他の材料で形成され得る。一部の実施例では、第二の層604および/または第三の層606は、シャフト600に加えられる荷重(例えば、引張荷重)を担持するように構成された一つ以上の材料を含み得る。
【0100】
編組材料を含む場合、金属および/または非金属編組を使用することができる。金属編組の例としては、数例を挙げると、ステンレス鋼、ニチノール、およびチタンなどが挙げられる。非金属編組の例としては、Kevlar、縫合糸などが挙げられる。
【0101】
一部の実施例では、シャフト600の層は、別個の層(すなわち、半径方向の重なりがない)であってもよい。言い換えれば、各層は、その前の層上に「積み重ねられる」か、または二つの層の間に「挟まれる」。一部の実施例では、シャフト600の層は半径方向に重なり合う。これは、ポリマー層を補強層上に再び流すことによって達成され得る。このように、ポリマー材料は、非ポリマー層の周りに、および/または非ポリマー層内に(例えば、編組、織りなどの開口部内に)半径方向に流れることができる。このようにして、補強層は、一部の例では、ポリマー材料内に封入されるか、またはポリマー材料によって囲まれ得る。
【0102】
第二の層604および第三の層606は、同じまたは異なる材料で作製することができる。一例として、第二の層604は、第一の編組密度を有する第一の編組材料を含むことができ、第三の層606は、第一の編組密度とは異なる(例えば、より少ない)第二の編組密度を有する第二の編組材料を含むことができる。特定の実施例では、第一の編組材料および第二の編組材料は、ステンレス鋼編組であってもよい。編組は、4~32本のワイヤなどの様々な数のワイヤを含み得る。特定の実施例では、編組のうちの一つ以上は、16本のワイヤ編組であり得る。編組密度も変化し得る。例えば、いくつかの実装形態では、第一の編組密度は、40~60ピック/インチ(PPI)の範囲内であってもよく、第二の編組密度は、5~20 PPIの範囲内であってもよい。一部の実施例では、第一の編組密度は、38~55 PPI(または38~52 PPI)であってもよく、および/または第二の編組密度は、1~10 PPI(または2~8 PPI)であってもよい。一部の実施例では、第一の編組密度は、45 PPIであってもよく、および/または第二の編組密度は、10 PPIであってもよい。一部の実施例では、第一の編組密度は、45 PPIであってもよく、および/または第二の編組密度は、5 PPIであってもよい。上述の様々な編組密度は、別段の明示的な記載がない限り、本明細書に開示される編組のいずれかに適用される。
【0103】
第二の層604および第三の層606は、シャフト600の同じまたは異なる長さに沿って延在し得る。一例として、第二の層604および/または第三の層606は、シャフト600の近位端からシャフトの遠位端まで延在し得る。一部の実施例では、第二の層604および/または第三の層606は、シャフト600の全長未満に延在し得る。
【0104】
特定の構成では、第二の層604は、シャフト600の近位端から、それに連結されたノーズコーンを有するように構成されたシャフト600の部分に隣接するまたはその一部分の位置まで、延在し得る。第三の層606は、シャフト600の近位端から、第二の層604の遠位端の近位の位置まで(例えば、それに連結されたフレームコネクタを有するように構成されたシャフト600の位置まで)延在し得る。一部の実施例では、第三の層606は、フレームコネクタの少なくとも一部分と軸方向に重なり合い得る。一部の実施例では、第三の層606は、フレームコネクタの近位端の近位の位置まで延在し得る。シャフト600に関して説明される補強層の相対的位置は、別段の明示的な記載がない限り、本明細書に開示される他のシャフトに適用される。
【0105】
第一のより高密度の編組材料および第二のより密度の低い編組材料を含み、かつ/またはシャフトの全長(または少なくとも実質的に全長)を走る第一の編組材料を有し、かつシャフトの長さのより小さい部分を走る第二の編組材料を有する、シャフト600の構成(例えば、図22~23に図示)は、一つ以上の利点を提供することができる。例えば、この構成は、患者の曲がりくねった脈管構造を通してシャフトを進めることができるように十分に可撓性であることを可能にする一方で、シャフトに比較的高い力(例えば、引張強さ)を加える人工インプラントを再捕捉する場合を含め、シャフトに加えられる力に耐えるのに十分な引張強度を提供する。
【0106】
図23に示すように、シャフト600は、一部の例では、一つ以上の流体ポート610を含み得る。流体ポート610は、シャフト600を通って半径方向に延在し、フラッシング流体がシャフト600の内側管腔から送達装置の外側シャフトの内腔内に流れることを可能にし得る。このようにして、流体ポート610は、シャフトが別々にフラッシングされることを必要とする代わりに、(例えば、シャフト600の近位端での)単一の注入ポートからのシャフト600および外側シャフトのフラッシングを可能にする。シャフト600はまた、窓614を備える、それに連結されたカバー管612を有することができる。一部の実施例では、流体ポート610は、(例えば、アブレーションによって)シャフト600のポリマー材料を除去し、補強層604、606を定位置に残すことによって形成され得る。ポート610の形成に関する追加情報は、国際特許出願第PCT/US2022/018093号に見出され、同出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0107】
図24は、シャフト700を示す。シャフト700は、第一の層702、第二の層704、第三の層706、および第四の層708を備える。第一の層702および第四の層708は、ライナー/カバー層とすることができる。第二の層704および第三の層706は、シャフト700が張力を受けている時(例えば、ドッキングステーションの再捕捉中)を含む、シャフト700を強化するように構成された補強層であってもよい。このようにして、シャフト700は、シャフト600と概して類似して構成される。
【0108】
シャフト700とシャフト600との間の一つの違いは、シャフト700の第二の層704はより密度の低い編組材料を含み、シャフト700の第三の層706はより密度の高い編組材料を含むことである。したがって、シャフト700の補強層は、第二の層604がより高密度の編組材料を含み、第三の層606がより少ない密度の編組材料を含むシャフト600に対して反転される。
【0109】
図25は、シャフト800を示す。シャフト800は、第一の層802、第二の層804、第三の層806、および第四の層808を備える。第一の層802および第四の層808は、ライナー/カバー層とすることができる。第二の層804および第三の層806は、シャフト800が張力を受けている時(例えば、ドッキングステーションの再捕捉中)を含む、シャフト800を強化するように構成された補強層であってもよい。このようにして、シャフト800は、シャフト600と概して類似して構成される。
【0110】
シャフト800とシャフト600(およびシャフト700)との間の一つの違いは、シャフト800の第三の層806は、シャフト600の第三の層606のような編組材料を含むのではなく、それを通って延在する複数の軸方向に延在する補強部材810を備えることである。
【0111】
補強部材810の数、サイズ(例えば、直径、長さなど)、材料、および位置は変化し得る。図示の実施例は、8つの補強部材810を含む。一部の実施例では、シャフトは、8つの補強部材よりも少ない(例えば、1~7)または多い(例えば、9~25)補強部材を備えることができる。一部の実例では、補強部材810は、隣接する補強部材の少なくとも一部の間にギャップがあるように円周方向に離間することができる。補強部材の各々の間の間隔は、均一(例えば、図示するように)または不均一とすることができる。一部の実例では、ギャップがないように、一つ以上の隣接する補強部材が互いに接触できる。
【0112】
図26は、シャフト900を示す。シャフト900は、第二の層904が補強部材910を備え、第三の層906が編組材料を備え、これがシャフト800の補強層の構成に対して反転されることを除いて、シャフト800と同様に構成される。
【0113】
図27は、シャフト1000を示す。シャフト1000は、第三の層1006が三軸編組材料を含むことを除いて、シャフト600および800と同様に構成される。三軸編組材料は、編組部材がシャフトの長手方向軸に対して対角である「正規の」編組材料と、シャフトの長手方向軸に対して平行に延在する軸方向に延在する部材との組み合わせとみなされ得る。
【0114】
図28は、シャフト1100を示す。シャフト1100は、第二の層1104が、シャフト1000に対して逆さまである三軸編組を含み、第三の層が「正規の」編組を含むことを除いて、シャフト1000と類似している。
【0115】
図29は、シャフト1200を示す。第一の層1202および第四の層1208は、ポリマー材料を含む。第二の層1204および第三の層1206はそれぞれ、三軸編組を含む。図示した構成では、第二の層1204の三軸編組は、第三の層1206の三軸編組よりも高い編組密度を有する。一部の実施例では、第二の層の三軸編組は、第三の層の三軸編組よりも低い編組密度を有し得る。
【0116】
図30は、シャフト1300を示す。このシャフトは3つの層を含む。第一の層1302および第三の層1306は、ポリマー材料を含む。第二の層1304は、三軸編組を含む。
【0117】
シャフトは、図示した実施例に図示される層よりも多い、または少ない層を含み得ることに留意されたい。例えば、シャフトは、第一の層の半径方向に内向きに配置された潤滑性層を含むことができる。一例として、シャフトは、一つ以上の他の補強層に隣接して配置される第三の補強層を備えることができる。
【0118】
本明細書に開示されるシャフトの寸法(例えば、直径および/または相対的厚さ)は、様々な層を例示することを意図することに留意されたい。寸法は、所望の実装形態に基づいて変更することができる。
【0119】
本明細書に記載の様々なシャフト構成は、十分に可撓性であってもよく、それによって、シャフト(およびシャフトが構成要素である送達装置)が患者の脈管構造を通して進むことを可能にする。開示されたシャフトはまた、(例えば、移植処置中に)シャフトに加えられる様々な荷重に耐えるのに十分な強度を提供することができる。シャフトは類似性を有するが、各シャフト構成は、固有の利点を提供することができる。
【0120】
本開示における様々なシステム、装置、装置などのいずれかは、患者に使用するのに安全であることを確実にするために滅菌され得(例えば、熱、放射線、エチレンオキシド、過酸化水素などを用いて)、本明細書の方法には、関連するシステム、装置、機器などの滅菌を含み得る(例えば、熱、放射線、エチレンオキシド、過酸化水素などを用いて)。
【0121】
本明細書に記載または示唆される治療技術、方法、ステップなど、または本明細書に組み込まれる参考文献は、生きている動物に対して、または死体、死体の心臓、擬人化ゴースト、シミュレータ(例えば、シミュレート対象の身体部分、組織などで)などの非生体シミュレーションに対して実行することができる。
【0122】
開示する技術に関する追加的な例
開示する主題に関して上述した実装を考慮して、本出願は、以下に列挙する追加的な実施例を開示する。単独である実施例の一つの特徴、または、組み合わせて、および任意的に一つ以上のさらなる実施例の一つ以上の特徴と組み合わせて取り込まれる実施例の二つ以上の特徴は、本出願の開示内に同様に含まれるさらなる実施例であることに留意すべきである。
【0123】
実施例1.ハンドル本体、外側シャフト、および内側シャフトを備える送達装置。ハンドル本体は、近位端、遠位端、および近位端から遠位端まで延在する長手方向軸を有する。外側シャフトは、ハンドル本体に移動可能に連結された近位端を備える。内側シャフトは、外側シャフトの内腔を通って延在し、ハンドル本体に対して固定される。内側シャフトは、第一の補強層および第二の補強層を備える。第一の補強層は、内側シャフトの近位端部分から内側シャフトの第一の遠位位置に延在する。第二の補強層は、内側シャフトの近位端部分から内側シャフトの第二の遠位位置に延在する。第二の遠位位置は、第一の遠位位置の近位にある。
【0124】
実施例2.第一の遠位位置が、内側シャフトに連結されたノーズコーンと軸方向に重なり合う、本明細書の任意の実施例、特に実施例1に記載の送達装置。
【0125】
実施例3.第二の遠位位置が、内側シャフトに連結されたフレームコネクタと軸方向に重なり合う、本明細書の任意の実施例、特に実施例1または実施例2のいずれかに記載の送達装置。
【0126】
実施例4.第二の遠位位置が、内側シャフトに連結されたフレームコネクタの遠位端の近位にある、請求項1または請求項2のいずれかに記載の送達装置。
【0127】
実施例5.第二の遠位位置が、内側シャフトに連結されたフレームコネクタの遠位端の近位にあり、フレームコネクタの近位端の遠位にある、請求項1または請求項2のいずれかに記載の送達装置。
【0128】
実施例6.第二の遠位位置が、内側シャフトに連結されたフレームコネクタの近位端の近位にある、請求項1または請求項2のいずれかに記載の送達装置。
【0129】
実施例7.第一の補強層および第二の補強層が内側シャフトの近位端に対して近位に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~6のいずれか一つに記載の送達装置。
【0130】
実施例8.内側シャフトの近位端部分が、移植処置中に患者の身体の外側に配置されるように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~7のいずれか一つに記載の送達装置。
【0131】
実施例9.第一の補強層が第一の編組材料を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~8のいずれか一つに記載の送達装置。
【0132】
実施例10.第一の編組材料が金属ワイヤを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例9に記載の送達装置。
【0133】
実施例11.第一の編組材料が、5~60 PPIの範囲内の第一の編組密度を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例9または実施例10のいずれかの送達装置。
【0134】
実施例12.第一の編組材料が、40~60 PPIの範囲内の第一の編組密度を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例11に記載の送達装置。
【0135】
実施例13.第一の編組密度が45 PPIである、本明細書の任意の実施例、特に実施例12に記載の送達装置。
【0136】
実施例14.第一の編組密度が5~20 PPIの範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例11に記載の送達装置。
【0137】
実施例15.第一の編組密度が10 PPIである、本明細書の任意の実施例、特に実施例14に記載の送達装置。
【0138】
実施例16.第二の補強層が第二の編組材料を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~11のいずれか一つに記載の送達装置。
【0139】
実施例17.第二の編組材料が金属ワイヤを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例16に記載の送達装置。
【0140】
実施例18.第二の編組材料が、5~60 PPIの範囲内の第二の編組密度を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例16または実施例17のいずれかの送達装置。
【0141】
実施例19.第二の編組密度が40~60 PPIの範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例18に記載の送達装置。
【0142】
実施例20.第二の編組密度が45 PPIである、本明細書の任意の実施例、特に実施例18に記載の送達装置。
【0143】
実施例21.第二の編組密度が5~20 PPIの範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例18に記載の送達装置。
【0144】
実施例22.第二の編組密度が10 PPIである、本明細書の任意の実施例、特に実施例21に記載の送達装置。
【0145】
実施例23.第一の補強層が第二の補強層に対して半径方向に内向きに配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~22のいずれか一つに記載の送達装置。
【0146】
実施例24.第一の補強層が第二の補強層に対して半径方向に外向きに配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~22のいずれか一つに記載の送達装置。
【0147】
実施例25.第一の補強層が三軸編組材料である、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~24のいずれか一つに記載の送達装置。
【0148】
実施例26.第二の補強層が三軸編組材料である、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~25のいずれか一つに記載の送達装置。
【0149】
実施例27.内側シャフトが、第一の補強層または第二の補強層に対して半径方向に内向きに配置される、一つ以上のポリマー層をさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~26のいずれか一つに記載の送達装置。
【0150】
実施例28.内側シャフトが、第一の補強層または第二の補強層に対して半径方向に外向きに配置される、一つ以上のポリマー層をさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~27のいずれか一つに記載の送達装置。
【0151】
実施例29.ハンドル本体、外側シャフト、および内側シャフトを備える送達装置。ハンドル本体は、近位端、遠位端、および近位端から遠位端まで延在する長手方向軸を含む。外側シャフトは、ハンドル本体に移動可能に連結された近位端を含む。内側シャフトは、外側シャフトの内腔を通って延在し、ハンドル本体に対して固定される。内側シャフトは、第一の編組密度を含む第一の編組材料および第二の編組密度を含む第二の編組材料を含む。第二の編組密度は、第一の編組密度よりも小さい。
【0152】
実施例30.第一の編組材料が、第二の編組材料に対して半径方向に内向きに配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例29に記載の送達装置。
【0153】
実施例31.第一の編組材料が、第二の編組材料に対して半径方向に外向きに配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例29に記載の送達装置。
【0154】
実施例32.近位端、遠位端、第一の補強層、および第二の補強層を備える、送達装置のシャフト。第一の補強層は、シャフトの第一の近位位置からシャフトの第一の遠位位置に延在する。第二の補強層は、シャフトの第二の近位位置からシャフトの第二の遠位位置まで延在し、第二の遠位位置は第一の遠位位置の近位にある。
【0155】
実施例33.近位端、遠位端、第一の編組材料、および第二の編組材料を含む、送達装置のシャフト。第一の編組材料は、第一の編組密度を含む。第二の編組材料は、第一の編組密度よりも小さい第二の編組密度を含む。
【0156】
実施例34.近位端、遠位端、および補強層を備える、送達装置のシャフト。補強層は、シャフトの第一の近位位置からシャフトの遠位位置に延在し、三軸編組材料を備える。
【0157】
実施例35.本明細書の任意の実施例、特に実施例1~34のいずれか一つのドッキングステーションまたはフレームのいずれか一つを滅菌することを含む、方法。
【0158】
実施例36.本明細書に開示される装置のうちのいずれか一つ、特に実施例1~34に記載の装置のうちのいずれか一つを含む、人工装置を移植する方法。
【0159】
実施例37.本明細書に開示される装置のうちのいずれか一つ、特に実施例1~34に記載の装置のうちのいずれか一つを含む、人工装置の移植処置をシミュレーションする方法。
【0160】
別段の記載がない限り、任意の実施例に関して本明細書に記載される特徴は、他の実施例のうちの任意の一つ以上に記載される他の特徴と組み合わせることができる。
【0161】
本開示の原理が適用され得る多くの可能なやり方を考慮すると、図示される構成が、開示される技術の実施例を示すのであり、本開示または請求項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことは、認識されるべきである。むしろ、特許請求される主題の範囲は、以下の特許請求の範囲によって、およびその均等物によって、規定される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】