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特表2024-534174ボンディングおよび/またはオーミック接触-反射材料を有する発光ダイオード装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】ボンディングおよび/またはオーミック接触-反射材料を有する発光ダイオード装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/40 20100101AFI20240910BHJP
   H01L 33/10 20100101ALI20240910BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20240910BHJP
   H01L 33/32 20100101ALN20240910BHJP
   H01L 33/00 20100101ALN20240910BHJP
   G02B 27/02 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
H01L33/40
H01L33/10
H01L33/48
H01L33/32
H01L33/00 L
G02B27/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513204
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2022042415
(87)【国際公開番号】W WO2023034547
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,589
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/901,281
(32)【優先日】2022-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ワリ
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,ジャン ホォン
(72)【発明者】
【氏名】ング,ウィーホン
(72)【発明者】
【氏名】テオ,ヨウ メン
【テーマコード(参考)】
2H199
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
2H199CA30
2H199CA92
2H199CA94
5F142CB12
5F142CB14
5F142CB23
5F142DB12
5F241CA05
5F241CA40
5F241CA65
5F241CA66
5F241CA74
5F241CA75
5F241CA92
(57)【要約】
発光ダイオード(LED)装置のN型層と接触する層の金属スタックは、前記N型層と電気的に接触し、前記N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層と、前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層と、前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層と、前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流搬送層と、前記電流搬送層と電気的に接触する第2の材料バリア層とを有する。LED装置は、ボンディング材料および/またはオーミック接触-反射材料として、前記層の金属スタックを取り込んでいる。前記金属スタックを製造する方法、使用する方法、およびLED装置についても提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)装置であって、
複数のメサであって、該メサの各々は、半導体層を有し、前記半導体層は、N型層、活性領域、およびP型層を有し、各メサは、上面および少なくとも1つのメサ側壁を有する、複数のメサと、
前記メサ同士の間の複数のトレンチであって、それぞれのメサ側壁によって画定され、各々が底面を有し、各トレンチは、前記メサの各々の前記N型層と電気的に接触するNオーミック接触-反射材料を有し、
前記Nオーミック接触-反射材料は、
多層構造であり、
前記N型層と電気的に接触し、該N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層、
前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層、
前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層、
前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流搬送層、および
前記電流搬送層と電気的に接触する第2の材料バリア層、
を有する、複数のトレンチと、
前記Nオーミック接触-反射材料に収容されるN電極金属と、
前記P型層と前記活性領域を前記Nオーミック接触-反射材料から絶縁する誘電体材料と、
前記メサの各々の前記P型層と電気的に接触するP電極金属と、
を有する、LED装置。
【請求項2】
前記Nオーミック接触-反射材料は、前記N型層に直接接触する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項3】
前記N型層は、n-GaNを有し、
前記オーミック接触層は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、またはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)を含み、
前記反射層は、銀(Ag)または金(Au)を含み、
前記第1および第2の材料バリア層は、各々独立に、チタン(Ti)、クロム(Cr)、白金(Pt)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、またはタングステン(W)を含み、
前記電流搬送層は、銅(Cu)、金(Au)、またはアルミニウム(Al)を含む、請求項1に記載のLED装置。
【請求項4】
前記オーミック接触層は、5Å以上200Å以下の範囲の厚さを有し、
前記反射層は、1000Å以上の厚さを有し、
前記第1および第2の材料バリア層は、各々独立に、1000Å以上の厚さを有し、
前記電流搬送層は、5000Å以上の厚さを有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項5】
前記Nオーミック接触-反射材料は、さらに、
前記反射層および前記第1の材料バリア層と電気的に接触する第1の材料泳動抑制層と、
前記電流搬送層および前記第2の材料バリア層と電気的に接触する第2の材料泳動抑制層と、
を有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項6】
前記第1および第2の材料泳動抑制層は、各々独立に、ニッケル(Ni)またはパラジウム(Pd)を含み、および/または独立に、50Å以上、100Å以下の範囲の厚さを有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項7】
さらに、前記P電極金属を含むPオーミック接触-反射材料を有し、
前記Pオーミック接触-反射材料は、前記Nオーミック接触-反射材料と同じ構造を有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項8】
前記メサの各々は、100マイクロメートル未満の少なくとも1つの特徴寸法を有し、
前記特徴寸法は、高さ、幅、および深さからなる群から選択される、請求項1に記載のLED装置。
【請求項9】
前記半導体層は、2μmから10μmの範囲の全体厚さを有するエピタキシャル半導体層である、請求項1に記載のLED装置。
【請求項10】
前記メサの各々は、前記半導体層の側壁を有し、該側壁は、前記N型層および前記P型層に平行な水平面から60度から90度の範囲の角度を画定する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項11】
前記複数のメサは、モノリシックダイに一体化されている、請求項1に記載のLED装置。
【請求項12】
前記半導体層は、基板上にある、請求項1に記載のLED装置。
【請求項13】
発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、
複数のメサおよびトレンチを調製するステップであって、
前記メサの各々は、半導体層を含み、前記半導体層は、N型層、活性領域、およびP型層を有し、各メサは、上面および少なくとも1つのメサ側壁を有し、前記トレンチは、それぞれのメサ側壁によって画定され、各々が底面を有する、ステップと、
前記N型層を露出させるステップと、
以下のステップ:
前記N型層と電気的に接触し、前記N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層を成膜するステップ、
前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層を成膜するステップ、
前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層を成膜するステップ、
前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流搬送層を成膜するステップ、および
前記電流搬送層と電気的に接触する第2の材料バリア層を成膜するステップ、
により、前記メサの各々の前記N型層と電気的に接触するNオーミック接触-反射材料を調製するステップと、
前記Nオーミック接触-反射材料によって収容されるN電極金属、および前記メサの各々の前記P型層と電気的に接触するP電極金属を成膜し、パターン化するステップと、
誘電体材料を成膜しパターン化するステップであって、前記誘電体材料は、前記P型層および前記活性領域を前記Nオーミック接触-反射材料から絶縁する、ステップと、
を有する、方法。
【請求項14】
前記N型層上に前記Nオーミック接触-反射材料を直接成膜するステップを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記N型層はn-GaNを含み、
前記オーミック接触層は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、またはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)を含み、
前記反射層は、銀(Ag)または金(Au)を含み、
前記第1および第2の材料バリア層は、各々独立に、チタン(Ti)、クロム(Cr)、白金(Pt)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、またはタングステン(W)を含み、
前記電流搬送層は、銅(Cu)、金(Au)、またはアルミニウム(Al)を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記オーミック接触層は、5Å以上200Å以下の範囲の厚さを有し、
前記反射層は、1000Å以上の厚さを有し、
前記第1および第2の材料バリア層は、各々独立に、1000Å以上の厚さを有し、
前記電流搬送層は、5000Å以上の厚さを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
さらに、
前記反射層および前記第1の材料バリア層と電気的に接触する第1の材料泳動抑制層、ならびに/または前記電流搬送層および前記第2の材料バリア層と電気的に接触する第2の材料泳動抑制層を成膜するステップ
を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第2の材料泳動抑制層は、各々独立に、ニッケル(Ni)またはパラジウム(Pd)を含み、および/または独立に、50Å以上1000Å以下の範囲の厚さを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記P型層と電気的に接触する前記オーミック接触層を成膜するステップ、
前記オーミック接触層と電気的に接触する前記反射層を成膜するステップ、
前記反射層と電気的に接触する前記第1のNボンディング材料バリア層を成膜するステップ、および
前記第1の材料バリア層と電気的に接触する前記電流搬送層を成膜するステップ、
により、
Pボンディング材料が前記P型層と接触するように調製される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記メサの各々は、100マイクロメートル未満の少なくとも1つの特徴寸法を有し、
前記特徴寸法は、高さ、幅、および深さからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ボンディングおよび/またはオーミック接触-反射材料を有する発光ダイオード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の実施形態は、概して、発光ダイオード(LED)装置、およびその製造方法に関する。より詳細には、本実施形態は、金属スタックおよびそれを組み込んだLED装置に関する。金属スタックは、装置のN型層と接触する。金属スタックは、オーミック接触層、反射層、第1の材料バリア層、電流搬送層、および第2の材料バリア層を有する。
【0003】
発光ダイオード(LED)は、電流が流れた際に可視光を放射する半導体光源である。LEDは、p型半導体とn型半導体を組み合わせたものである。LEDには、一般にIII-V族化合物半導体が使用される。III-V族化合物半導体は、他の半導体を用いた装置よりも高温で安定した動作を提供する。III-V族化合物は、通常、サファイアアルミニウム酸化物(Al2O3)または炭化ケイ素(SiC)で形成された基板上に形成される。
【0004】
可視スペクトルにわたって動作が可能な高強度/高輝度の発光装置には、III-V族半導体、特にIII族-窒化物材料とも称される、ガリウム、アルミニウム、インジウム、および窒素の二元、三元、および四元の合金が含まれる。通常、Ill族-窒化物発光装置は、金属-有機化学気相成膜(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)、または他のエピタキシャル技術により、サファイア、炭化ケイ素、III族-窒化物、または他の好適な基板のような成長基板上に、異なる組成およびドーパント濃度の半導体層のスタックをエピタキシャル成長させることによって製造される。サファイアは、その広い商業的入手可能性および比較的使用が容易であるため、成長基板としてしばしば使用される。成長基板上に成長されたスタックは、通常、基板上に形成され、例えばSiでドープされた1つ以上のn型層、1つ以上のn型層上に形成された発光領域または活性領域、および活性領域上に形成され、例えばMgでドープされた1つ以上のp型層を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、低仕事関数金属が用いられ、n-GaNとのオーミック接触が形成される。現在、n-GaN用の現状のオーミック接触材料は、アルミニウム(Al)およびチタン(Ti)の金属であり、n-GaNに対して低い接触抵抗が得られており、これは、AlおよびTi材料の低い仕事関数に起因している。Alは、Tiと比較して光学反射率および電気伝導率が良好であるため、Alは、高電力LED装置用のn-GaNオーミック接触金属として、広く使用される。Alの光学反射率は、銀(Ag)および金(Au)のような反射材料よりも有意に低く、特に低い入射光角および長波長の光ではその傾向が高い。しかしながら、AgまたはAuは、その高い材料仕事関数のため、n-GaNに対して良好なオーミック接触材料ではなく、その結果、n-GaNに対して極めて高い接触抵抗が生じてしまう。
【0006】
当技術分野では、N型層にオーミック接触および反射性を提供することに適した金属スタックを提供することに対してニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願では、発光ダイオード(LED)装置、それを製造する方法およびそれを使用する方法が提供される。
【0008】
一態様では、発光ダイオード(LED)装置は、N型層、活性領域、およびP型層を含む半導体層と、N型層と接触する層の金属スタックと、P型層および活性領域をNボンディング材料から絶縁する誘電体材料と、を有する。層の金属スタックは、N型層と電気的に接触し、N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層と、前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層と、前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層と、前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流搬送層と、前記電流搬送層と電気的に接触する第2の材料バリア層と、を有する。
【0009】
別の態様は、発光ダイオード(LED)装置の金属スタックを製造する方法であって、当該方法は、前記LED装置のN型層と電気的に接触し、前記N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層を成膜するステップと、前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層を成膜するステップと、前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層を成膜するステップと、前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流運搬層を成膜するステップと、前記電流運搬層と電気的に接触する第2の材料バリア層を成膜するステップと、を有する。
【0010】
別の態様では、発光ダイオード(LED)装置は、N型層、活性領域、およびP型層を含む半導体層と、前記N型層と電気的に接触するNボンディング材料と、前記P型層と電気的に接触し、前記Nボンディング材料から絶縁されたPボンディング材料と、前記P型層および前記活性領域を前記Nボンディング材料から絶縁する第1の誘電体材料と、を有する。前記Nボンディング材料は、多層構造であり、前記N型層と電気的に接触し、前記N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層と、前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層と、前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層と、前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流運搬層と、前記電流運搬層と電気的に接触する第2の材料バリア層と、を有する。ある実施形態では、LED装置は、チップスケールパッケージの形態である。ある実施形態では、LED装置は、マイクロLEDモノリシックアレイの形態である。
【0011】
別の態様は、発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、当該方法は、N型層、活性領域、およびP型層を含む複数の半導体層を調製するステップと、前記N型層を露出するステップと、前記N型層に接触するボンディング材料を調製するステップと、前記P型層および前記活性領域を前記Nボンディング材料から絶縁する誘電体材料を成膜するステップと、を有する。ボンディング材料は、以下のステップ:前記N型層と電気的に接触し、前記N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層を成膜するステップと、前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層を成膜するステップと、前記反射層と電気的に接触する第1のNボンディング材料バリア層を成膜するステップと、前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流搬送層を成膜するステップと、前記電流搬送層と電気的に接触する第2のNボンディング材料バリア層を成膜するステップと、により形成される。
【0012】
一態様では、発光ダイオード(LED)装置は、複数のメサであって、各メサは、半導体層を含み、前記半導体層は、N型層、活性領域、およびP型層を含み、各メサは、上面および少なくとも1つのメサ側壁を有する、複数のメサと、それぞれのメサ側壁によって画定され、各々が底面を有する、メサ同士の間の複数のトレンチであって、各トレンチは、メサの各々のN型層と電気的に接触するNオーミック接触-反射材料を有する、複数のトレンチと、Nオーミック接触-反射材料の傍に含まれるN電極金属と、前記P型層および前記活性領域を前記Nオーミック接触-反射材料から絶縁する誘電体材料と、各メサのP型層と電気的に接触するP電極金属と、を有する。N-オーミック接触-反射材料は、多層構造であり、前記N-型層と電気的に接触し、前記N型層の仕事関数値以下である仕事関数値を有するオーミック接触層と、前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層と、前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層と、前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流運搬層と、前記電流運搬層と電気的に接触する第2の材料バリア層と、を有する。
【0013】
別の態様は、発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、当該方法は、複数のメサおよびトレンチを調製するステップであって、前記メサの各々は、半導体層を有し、前記半導体層は、N型層、活性領域、およびP型層を含み、各メサは、上面および少なくとも1つのメサ側壁を有し、前記トレンチは、それぞれのメサ側壁により画定され、各々が底面を有する、ステップと、前記N型層を露出させるするステップと、前記メサの各々のN型層と電気的に接触するNオーミック接触-反射材料を調製するステップと、前記N接オーミック接触-反射材料の傍に含まれるN電極金属、および各メサのP型層と電気的に接触するP電極金属を成膜し、パターン化するステップと、前記P型層および前記活性領域を前記Nオーミック接触-反射材料から絶縁する誘電体材料を成膜し、パターン化するステップと、を有する。前記Nオーミック接触-反射材料は、以下のステップ:前記N型層と電気的に接触し、前記N型層の仕事関数値以下である仕事関数値を有するオーミック接触層を成膜するステップと、前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層を成膜するステップと、前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層を成膜するステップと、前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流搬送層を成膜するステップと、前記電流搬送層と電気的に接触する第2の材料バリア層を成膜するステップと、により調製される。
【0014】
本開示の上記特徴が詳細に理解できるよう、実施形態を参照することにより、前述の簡単に要約した本開示のより具体的な記載が得られ、そのいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は、単に本開示の典型的な実施形態を示すものであり、従って、本開示は、その範囲を限定するものではなく、他の同等に有効な実施形態を許容できることに留意する必要がある。本願に記載の実施形態は、一例として示されており、添付図面の記載に限定されるものではない。図面において、同様の参照符号は、同様の素子を示す。本願において、図面にスケールは記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】1つ以上の実施形態による金属の層スタックの断面図である。
図2】1つ以上の実施形態によるLED装置、特にチップスケールパッケージの断面を示した図である。
図3】1つ以上の実施形態によるLED装置、特にモノリシックuLEDアレイの断面を示した図である。
図4】1つ以上の実施形態によるLED装置、特に基板上のuLEDのアレイの断面を示した図である。
図5】本願の方法により製造された一例の実施形態の抜粋の透過型電子顕微鏡(TEM)像である。
図6】1つ以上の実施形態による金属スタックの製造の例示的なプロセスフローを示した図である。
図7】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造用の例示的なプロセスフローを示した図である
図8】1つ以上の実施形態による例示的な表示装置の上面を概略的に示した図である。
図9】本願の実施形態によるLED装置を有する例示的な表示システムを概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の記載における構成または方法ステップの詳細に限定されないことが理解される。本開示は、他の実施形態で用いることができ、各種方法で実現されまたは実施されることができる。
【0017】
本願で1つ以上の実施形態により使用される「基板」という用語は、プロセスが作用する表面または表面の一部を有する、中間または最終的な構造を表す。また、ある実施形態における基板という言及は、文脈的に明確に別の意味が示されない限り、基板の一部のみを表す。さらに、ある実施形態による基板上に成膜するという言及は、裸の基板または基板に、1つ以上の膜、特徴部、または成膜されもしくは形成された材料を成膜するステップを含む。
【0018】
1つ以上の実施形態において、「基板」とは、製造プロセス中に薄膜の処理が実施される、任意の基板または基板上に形成される材料表面を意味する。一例の実施形態では、処理が実施される基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、シリコンオンインシュレータ(SOI)、歪みシリコン、非晶質シリコン、ドープ化シリコン、炭素ドープ酸化ケイ素、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイア、および任意の他の好適な材料、例えば、金属、金属窒化物、III族-窒化物(例えば、GaN、AlN、InNおよび合金)、金属合金、および他の導電性材料のような材料、を含む。基板は、これに限られるものではないが、uLED装置を含む発光ダイオード(LED)装置を含む。ある実施態様では、基板は、前処理プロセスに晒され、基板表面が研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシ化、アニール、UV硬化、電子ビーム硬化、および/またはベーキングされる。基板自体の表面上での直接的な薄膜処理に加えて、ある実施形態では、任意の開示の薄膜処理ステップが基板上に形成された下地層で実施され、「基板表面」という用語は、文脈が示す場合、そのような下地層を含むことが意図される。従って、例えば、薄膜/層または部分薄膜/層が基板表面上に成膜された場合、新たに成膜された薄膜/層の露出表面が基板表面となる。
【0019】
本願において、「ウェハ」および「基板」という用語は、相互互換的に使用される。従って、本願で使用されるウェハは、本願に記載のLED装置の形成用の基板として提供される。
【0020】
マイクロLED(uLEDまたはμLED)という記載は、100マイクロメートル未満の1つ以上の特徴寸法(例えば、高さ、幅、深さ、厚さなど)を有する発光ダイオードを意味する。1つ以上の実施形態において、高さ、幅、深さ、厚さの1つ以上の寸法は、2から25マイクロメートルの範囲の値を有する。
【0021】
本発明の装置の利点は、新たな金属スタックを有することであり、N型層、例えばn-GaNと反射層(例えば、AgまたはAuミラー)との間に、極めて薄い光学的に透明なオーミック接触層、例えばn-GaNオーミック接触層を挿入することにより、n-GaNとの間に良好なオーミック接触が得られる一方、高い反射率が達成される。そのような装置では、低い接触抵抗(Alベースラインと比較して1%の仕事関数(Vf)低減)、および十分に高い光抽出(Alベースラインと比較して1.5%の光出力パワー(LOP)ゲイン)を達成することができる。
【0022】
1つ以上の実施形態では、層の金属スタックは、LED装置に低い抵抗および高い反射率を提供するためのオーミック接触-反射材料として有効である。
【0023】
1つ以上の実施形態では、本願に記載の層の金属スタックは、1つ以上のLED装置を、基板、回路基板、またはバックプレーンのような、別の構造に接着するための接着材料として有効である。
【0024】
図面を参照すると、図1には、1つ以上の実施形態による層の金属スタックの断面が示されており、図6には、金属スタックの製造のための例示的なプロセスフロー図550が提供されている。材料、層、および薄膜を成膜する方法には、これに限られるものではないが、スパッタ成膜、蒸着、原子層成膜(ALD)、化学気相成膜(CVD)、物理気相成膜(PV)、プラズマ増強原子層成膜(PEALD)、プラズマ増強化学気相成膜(PECVD)、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0025】
層の金属スタック100は、オーミック接触層151を有し、該オーミック接触層151は、発光ダイオード(LED)装置のN層と電気的に接触される層であり、特に1つ以上の実施形態では、直接接触される。図6の操作551では、オーミック接触層は、複数の半導体層のN型層と電気的に接触するように成膜される。1つ以上の実施形態では、オーミック接触層は、N型層と直接接触される。オーミック接触層151は、N型層の仕事関数値よりも低い、または同等の仕事関数値を有する。例えば、n-GaNのN型層は、約4.1eVの仕事関数値を有する。1つ以上の実施形態による例示的なオーミック接触層は、Al(Vfが~4.06~4.26eV)、Ti(Vfが~4.0~4.33)、またはAZO(AlドープZnO)(Vfが~3.1~4.5)を含む。1つ以上の実施形態では、オーミック接触層は、5Å以上200Å以下の範囲の厚さを有し、およびそれらの間の全ての値とサブ範囲の厚さを有する。オーミック接触層は、N層との間でオーミック接触を形成するように十分な厚さで設計され、反射層153(例えば、AgまたはAu)に対して十分な接着力を提供するように設計されるが、反射層の反射率を低下させないように、極端に厚くならないように設計される。
【0026】
さらに、オーミック接触層(例えば、Ti)は、界面での下流熱サイクルステップ中に、メサにおいてN層(例えば、n-GaN)と反応することが期待される。このステップでは、例えばn-GaN/Ti界面が形成され、これにより、接触抵抗がさらに低減され、透過性が改善される。
【0027】
図5には、本願の方法により製造された例示的な実施形態の抜粋の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示すが、図には、Tiオーミック接触層が成膜されたGaN層が示されており、Ti層上には、Ag反射層が存在する。界面でのGaNとTiの反応が矢印“I”で示されている。
【0028】
また層の金属スタック100は、オーミック接触層151と電気的に接触する反射層153を有する。図6の操作553では、オーミック接触層151と直接接触するように、反射層153が成膜される。1つ以上の実施形態では、反射層153は、銀(Ag)または金(Au)を含む。1つ以上の実施形態では、反射層は、1000Å以上の厚さを有する。ある実施態様では、オーミック接触層は、反射層に対して極めて薄い(例えば、5Å以上200Å以下)ことが有意である。1つ以上の実施形態では、オーミック接触層は、反射層の厚さの20%以下の厚さを有し、例えば、10%、5%、1%または0.5%以下を含み、およびそれらの間の全ての値およびサブ範囲を有する。
【0029】
また層の金属スタック100は、反射層153と電気的に接触する第1の材料バリア層157を有する。図6の操作557では、第1の材料バリア層157は、反射層153と電気的に接触するように成膜される。1つ以上の実施形態では、第1の材料バリア層157は、反射層153と直接接触される。他の実施形態では、図6のオプション操作555に従って第1の材料泳動抑制層155が成膜される場合、第1の材料バリア層157は、反射層153と非直接的に接触する。第1の材料バリア層157は、反射層153の金属が、電流搬送層159の金属との間で金属間化合物または合金を形成することを妨げおよび/または防止する。ある実施形態では、第1の材料バリア層157は、チタン(Ti)、クロム(Cr)、白金(Pt)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、またはこれらの組み合わせを含む。1つ以上の実施形態では、第1の材料バリア層157は、1000Å以上の厚さを有する。
【0030】
また層の金属スタック100は、任意で、第1の材料泳動抑制層155を有する。1つ以上の実施形態では、第1の材料泳動抑制層155は、一方の表面上の反射層153および他方の表面上の第1の材料バリア層157と直接接触する。第1の材料泳動抑制層155は、反射層153の金属の熱的および電気的な泳動を抑制することができる。ある実施形態では、第1の材料泳動抑制層155は、ニッケル(Ni)またはパラジウム(Pd)を含む。ある実施形態では、第1の材料泳動抑制層155は、50Å以上1000Å以下の厚さを有し、それらの間の全ての値とサブ範囲の厚さを有する。
【0031】
層の金属スタック100は、第1の材料バリア層157と電気的に接触する電流搬送層159を有する。図6の操作559では、電流搬送層159は、第1の材料バリア層157上に成膜される。ある実施形態では、電流搬送層159は、第1の材料バリア層157と直接接触する。ある実施形態では、電流搬送層159は、銅(Cu)、金(Au)、アルミニウム(Al)、またはそれらの組み合わせを含む。ある実施形態では、電流搬送層は、5000Å以上の厚さを有する。
【0032】
層の金属スタック100は、電流搬送層159と電気的に接触し層の金属スタック100をキャッピングする第2の材料バリア層163を有する。図6の操作563において、第2の材料バリア層163は、電流搬送層159と電気的に接触するように成膜される。1つ以上の実施形態では、第2の材料バリア層163は、電流搬送層159と直接接触する。他の実施形態では、図6のオプショナルな操作561に従って第2の材料泳動抑制層161が成膜される場合、第2の材料バリア層163は、電流搬送層159と非直接的に接触する。第2の材料バリア層163は、保護層であり、下流の処理ステップ、すなわち、ドライエッチング、ウェットエッチング、洗浄等による金属スタックの攻撃を抑制および/または防止する。1つ以上の実施例では、第2材料バリア層163は、チタン(Ti)、クロム(Cr)、白金(Pt)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、またはこれらの組み合わせを含む。1つ以上の実施形態では、第2の材料バリア層163は、1000Å以上の厚さを有する。
【0033】
また層の金属スタック100は、任意で、第2の材料泳動抑制層161を有する。1つ以上の実施形態では、第2の材料泳動抑制層161は、一方の表面上の電流搬送層159および他方の表面上の第2の材料バリア層163と直接接触する。第2の材料泳動抑制層161は、電流搬送層159の金属の熱的および電気的な泳動を抑制することができる。ある実施形態では、第2の材料泳動抑制層161は、ニッケル(Ni)またはパラジウム(Pd)を含む。ある実施形態では、第2の材料泳動抑制層161は、50Å以上1000Å以下の厚さを有し、およびそれらの間の全ての値とサブ範囲を含む厚さを有する。ある実施形態では、第2の材料バリア層163は、単独で、または第2の材料泳動抑制層161と組み合わされ、全体として、金属スタック100全体のキャッピング層として有効であり、下流プロセスステップ中の劣化が防止される。
【0034】
図7には、1つ以上の一般的な実施形態によるLED装置の製造の例示的なプロセスフロー図500を提供する。操作510では、N型層、活性領域、およびP型層を含む半導体層が、当技術分野で知られる方法に従って形成される。一つ以上の実施態様では、半導体層は、エピタキシャル(EPI)成長によって形成される。一つ以上の実施例による半導体層は、エピタキシャル層、III族-窒化物層、またはエピタキシャルIII族-窒化物層を含む。一つ以上の実施形態では、半導体層は、III族-窒化物材料を含み、特定の実施形態では、エピタキシャルIII族-窒化物材料を含む。ある実施形態では、III族-窒化物材料は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)およびインジウム(In)の1つ以上を含む。従って、ある実施形態では、半導体層は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化インジウムアルミニウム(InAlN)、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)等の1つ以上を含む。
【0035】
ある実施形態では、半導体層は、基板上に成長され、基板は残存し、または製造中の後の時点で除去されてもよい。基板は、当業者に知られる任意の基板であってもよい。ある実施形態では、基板は、サファイア、炭化ケイ素、ケイ素(Si)、石英、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネルなどの1つ以上を含む。ある実施形態では、基板は、エピタキシャル層の成長の前にパターン化されていない。従って、いくつかの実施形態では、基板は、パターン化されておらず、平坦であり、または実質的に平坦であるとみなすことができる。他の実施形態では、基板は、例えば、パターン化され、例えば、パターン化サファイア基板(PSS)である。
【0036】
一つ以上の実施例では、半導体層は、未ドープIII族-窒化物材料およびドープされたIII族-窒化物材料のスタックを含む。III族-窒化物材料は、p型またはn型のIII族-窒化物材料のいずれが必要であるかに応じて、シリコン(Si)、酸素(O)、ホウ素(B)、リン(P)、ゲルマニウム(Ge)、マンガン(Mn)、またはマグネシウム(Mg)の1つ以上でドープされてもよい。一つ以上の実施例では、半導体層は、約2μmから約10μmの範囲の組み合わされた厚さを有し、およびそれらの間の全ての値およびサブ範囲の厚さを有する。
【0037】
ある実施形態では、N型層とP型層との間に活性層が形成される。活性層は、当業者に知られる任意の好適な材料を含むことができる。ある実施形態では、活性層は、III族-窒化物材料の多重量子井戸(MQW)、およびIII族-窒化物電子ブロック層を含む。
【0038】
操作515では、誘電体材料が成膜される。好適な誘電体材料には、これに限られるものではないが、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlOx)、窒化アルミニウム(AlN)、およびこれらの組み合わせが含まれる。当業者には、酸化ケイ素を表すためのSiOのような式の使用が、元素間の任意の特定の化学量論的関係を意味しないことは、当業者には認識できる。この式は、単に薄膜の主要な元素を特定するものである。
【0039】
操作520では、エッチングまたはパターニングが実施され、少なくともN型層が露出される。1つ以上の実施形態では、従来のマスキング、ウェットエッチング、および/またはドライエッチングプロセスを使用することができる。
【0040】
操作550では、接合層および/またはオーミック接触-反射層として好適な金属スタックが、少なくともN型層と接触するように成膜される。金属スタックを形成する操作550は、図6に関して詳細に説明される。操作570および575では、材料の任意の別の成膜および/または別のエッチングが実施され、所望の装置構成が得られる。
【0041】
操作580では、任意の別の後処理が実施される。ある実施形態では、別の処理は、LEDもしくはuLEDの一部または全体の周囲、または装置全体に、不動態化層を形成することを含む。ある実施形態では、処理された構造は、基板を保持し、個片化され、さらに処理される。ある実施形態では、処理された構造は、反転され、支持体、例えばテープ支持体に固定され、基板は除去される。基板の除去は、基板レーザリフトオフを含む当技術分野で知られる方法で実施される。基板の除去の際に、個片化されたLEDまたはuLEDが形成される。
【0042】
別の処理は、下位変換材料、例えば蛍光体材料の層の成膜を含むことができる。
【0043】
図2には、1つ以上の実施形態によるLED装置の断面図を示す。図2の実施形態では、チップスケールパッケージ200は、N型層204n、活性領域206、およびP型層204pを含む半導体層を有する。半導体層は、基板202上に存在する。
【0044】
Nボンディング材料200nは、N型層204nと電気的に接触する。N-ボンディング材料200nは、図1に例示される100と類似の多層構造であり、N-型層と電気的に接触し、N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層151と、オーミック接触層151と電気的に接触する反射層153と、例えば図2の場合、第1のN-ボンディング材料バリア層のような材料バリア層157であって、前記反射層と電気的に接触する、材料バリア層157と、材料バリア層157(例えば、第1のN-ボンディング材料バリア層)と電気的に接触する電流搬送層159と、別の材料バリア層161、例えば、図2の場合、前記電流搬送層159と電気的に接触する第2のN-ボンディング材料層と、を有する。この実施形態では、オーミック接触層151は、N型層204nと直接接触する。
【0045】
Pボンディング材料200pは、P金属層212、ガードシート214、および電流拡散層208を介してP型層204pと電気的に接触する。Pボンディング材料200pは、第2の誘電体層216および第3の誘電体層218により、Nボンディング材料200nから絶縁される。ある実施形態では、Pボンディング材料200pは、Nボンディング材料200nと同じである。
【0046】
第1の誘電体材料210は、P型層204pおよび活性領域206をNボンディング材料200nから絶縁する。また図2の第1の誘電体材料210は、P型層204p上の電流拡散層208をN型層204nから分離する。
【0047】
P金属層212は、電流拡散層208と直接接触するため、およびP型層と電気接触するため、第1の誘電体材料210上およびビア開口207内に存在する。ガードシート214は、p-金属層212上にある。
【0048】
Nパッド230は、第3の誘電体層218のn開口219を介してNボンディング層200nと接触する。N-パッド230は、多層構造であり、シード層および各種n電極金属の1つ以上を有してもよい。
【0049】
Pパッド220は、第3の誘電体層218のp開口217を介してPボンディング層200pと接触する。Pパッド220は、多層構造であり、シード層および各種p電極金属の1つ以上を有してもよい。
【0050】
図3には、1つ以上の実施形態によるLED装置の断面図を示す。図3の実施形態では、マイクロ発光ダイオード(uLED)300のモノリシックダイは、アレイの形態の複数のメサ350、351を有する。メサ350および351は、N型層304n、活性領域306、およびP型層304pを含む半導体層を有する。この実施形態では、オーミック接触層151は、N型層304nと直接接触している。
【0051】
P型層304p上には電流拡散層308がある。この実施形態では、基板は存在しない。むしろ、N型層304nの第1の部分301は、モノリシック本体を形成し、活性領域と組み合わされたN型層の第2の部分303およびP型層が、モノリシック本体に一体化された複数のメサ350、351を形成する。メサ350上の電流拡散層308上のP金属層312は、活性画素を提供し、アノードおよびカソードと共に、電流の印加の際に光を提供する。P金属層は、メサ351上には含まれず、これは、不活性領域を与え、すなわち、電流の印加の際に光が生じない。メサ350、351は、通常、半導体層の構造をエッチングすることによって形成される。
【0052】
Nボンディング材料300nは、誘電体材料316内のN開口319を介して、N型層304nの第1の部分301と電気的に接触する。N-ボンディング材料は、図1と類似の多層構造であり、N型層と電気的に接触し、N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層151と、オーミック接触層151と電気的に接触する反射層153と、材料バリア層157、例えば図3の場合、反射層と電気的に接触する第1のNボンディング材料バリア層157と、材料バリア層157(例えば、第1のN-ボンディング材料バリア層)と電気的に接触する電流搬送層159と、別の材料バリア層161、例えば図2の場合、電流搬送層159と電気的に接触する第2のNボンディング材料バリア層と、を有する。
【0053】
Pボンディング材料300pは、P金属層312および電流拡散層308を介して、誘電体材料316のp開口317を介してP型層304pと電気的に接触する。Pボンディング材料300pは、物理的に分離されることにより、N-ボンディング材料300nから分離される。ある実施形態では、Pボンディング材料300pは、Nボンディング材料300nと同じである。
【0054】
誘電体層材料316は、P型層および活性領域をNボンディング材料から絶縁する。また図3の誘電体材料316は、P型層304p上の電流拡散層308をN型層304nから分離する。
【0055】
図4には、1つ以上の実施形態によるLED装置の断面図を示す。図4の実施形態では、マイクロ発光ダイオード(uLED)400のアレイは、複数のメサ450を有する。メサ450の各々は、N型層404n、活性領域406、およびP型層404pを含む半導体層を有する。メサ450は、通常、半導体層のメサが残るように基板上の半導体層の構造をエッチングまたはパターン化することにより形成され、トレンチは、各々、メサ間の基板の露出表面によって画定される底部を有する。いくつかの実施形態では、トレンチが層および/または材料で充填されることを含む装置の別の構成の後、基板が除去されてもよい。
【0056】
エッチングに関して、1つ以上の実施形態では、高異方性のエッチング方法が使用され、垂直(90度)から80度まで、さらにはより小さい値までの範囲、およびそれらの間のすべての値の角度が得られる。ある実施形態では、メサ/トレンチのエッチング深さは、通常、5マイクロメートルを超えない。1つ以上の実施形態では、異方性エッチングを用いてトレンチが形成される。ある実施形態では、メサの幅は、100マイクロメートル未満である。ある実施形態では、メサの高さは、メサの幅以下である。
【0057】
各メサは、上面453(通常、P型層404pの上部)および少なくとも1つのメサ側壁455を有する。1つ以上の実施態様では、半導体層は、基板402上にある。メサ450の間の複数のトレンチは、それぞれのメサ側壁455によって画定され、各々は、底面457を有し、トレンチの各々は、メサ450の各々のN型層400nと電気的に接触するNオーミック接触-反射材料400nを有する。N-オーミック接触-反射材料400nは、図1に例示されるように、多層構造であり、N型層と電気的に接触し、N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層151と、オーミック接触層151と電気的に接触する反射層153と、反射層と電気的に接触する材料バリア層157と、材料バリア層157と電気的に接触する電流搬送層159と、電流搬送層159と電気的に接触する別の材料バリア層161と、を有する。この実施形態では、オーミック接触層151は、N型層404nと直接接触する。
【0058】
各メサ450の上面453において、P型層404p上には電流拡散層408がある。誘電体材料409、410、および411は、電気絶縁性を提供する。例えば、第1の誘電体材料409は、P型層404pおよび活性領域406をNオーミック接触-反射材料400nから絶縁する。また、第1の誘電体材料409は、P型層404p上の電流拡散層408をN型層404nから分離する。
【0059】
Pオーミック接触-反射材料400pは、P金属層412および電流拡散層408を介して、第2の誘電体材料410内のビア407を介してP型層404pと電気的に接触する。Pオーミック接触-反射材料400pは、第1の誘電体材料409および第3の誘電体材料411により、Nオーミック接触-反射材料400nから絶縁される。1つ以上の実施態様では、Pオーミック接触-反射材料400pは、Nオーミック接触反射材料400nと同じである。
【0060】
装置はさらに、電極金属を有し、すなわちNオーミック接触-反射材料400nの傍に含まれるN電極金属434、およびPオーミック接触-反射材料400pの傍に含まれるP電極金属424を有する。
【0061】
1つ以上の実施態様では、第1の誘電体材料409およびN電極金属434上に、不動態化層440が提供される。必要な場合、アンダーバンプ金属442が各P電極金属424上にあり、これは、プラグの形態であってもよい。
【0062】
(表示装置)
一部の表示装置は、単一のもしくは単離化されたLEDまたは画素を有し、これらは、本願に開示の接合および/またはオーミック接触-反射材料を有する。
【0063】
他の表示装置は、LEDまたは画素のアレイおよび群を有し、これらは、本願に開示の接合および/またはオーミック接触-反射材料を有する。
【0064】
図8には、6×19のグリッドに配列された複数の画素を有するLEDモノリシックアレイ800の上面図を示す。画素855aおよび855bは、一例である。この実施形態では、画素に共通カソード840が接続される。アノードは、示されていないが、これらは、下側にあり、各画素に含まれる。ある実施形態では、アレイは、2×2メサ、4×4メサ、20×20メサ、50×50メサ、100×100メサ、またはn1×n2メサの配置を有し、ここで、n1およびn2の各々は、2から1000の範囲の数であり、n1およびn2は、等しくても、異なってもよい。
【0065】
ある実施形態では、マイクロLED(μLEDまたはuLED)のアレイが使用される。マイクロLEDは、100μm×100μm未満の横方向寸法を有する高密度画素をサポートできる。いくつかの実施形態では、直径または幅が約50μm以下のマイクロLEDを使用することができる。そのようなマイクロLEDは、赤、青、および緑の波長を含むマイクロLEDを近接して配置することにより、カラーディスプレイの製造に使用することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、発光アレイは、センチメートルスケールの領域以上の基板上に配置された少数のマイクロLEDを有する。いくつかの実施形態では、発光アレイは、センチメートルスケールの領域基板またはそれより小さい基板にまとめて配置された、数百、数千、または数百万の発光LEDを有するマイクロLED画素アレイを有する。一部の実施形態では、マイクロLEDは、30ミクロンから500ミクロンのサイズの発光ダイオードを含むことができる。発光アレイは、単色、RGB、または他の所望の色度であってもよい。いくつかの実施形態では、画素は、正方形、長方形、六角形、または湾曲した周を有し得る。画素は、同じサイズ、異なるサイズ、または同様のサイズでより大きな有効画素サイズを提供するようにグループ化されたものであってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、発光画素と、発光アレイを支持する回路とがパッケージ化され、必要に応じて、給電用に接続されたサブマウントまたは印刷回路基板を有し、半導体LEDによる光生成が制御される。特定の実施形態では、発光アレイを支持する印刷回路基板は、電気ビア、ヒートシンク、接地面、電気トレース、およびフリップチップまたは他の実装システムを有する。サブマウントまたは印刷回路基板は、セラミック、シリコン、アルミニウムのような、任意の好適な材料で形成されてもよい。サブマウント材料が導電性である場合、基板材料の上に絶縁層が形成され、絶縁層の上に金属電極パターンが形成される。サブマウントは、機械的支持体として機能することができ、発光アレイ上の電極と電源との間に電気的インターフェースが提供されるとともに、ヒートシンク機能が提供される。
【0068】
いくつかの実施形態では、LED発光アレイは、レンズ、メタレンズ、および/またはプレコリメータのような光学素子を有する。また光学素子は、開口、フィルタ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、または発光アレイからの投射光に影響を及ぼす任意の他の好適な光学素子を有し、または代替的に有することができる。また、1つ以上の光学素子は、UVブロッキングまたは反射防止コーティングを含む、1つ以上のコーティングを有することができる。いくつかの実施形態では、光学系を用いて、ピンクッション歪み、バレル歪み、長手方向色収差、球面収差、色収差、視野湾曲、非点収差、または任意の他の種類の光学誤差を含む、2次元または3次元の光学エラーが補正されまたは最小化される。いくつかの実施形態では、光学素子を用いて、画像が拡大されおよび/または補正される。いくつかの実施形態では、有意に、表示画像の倍率により、発光アレイを物理的に小さくし、軽量化し、大きなディスプレイよりも必要電力を少なくすることができる。また、拡大は、表示内容の視野を高め、表示の提示をユーザの通常の視野と等しくすることができる。
【0069】
(用途)
図9には、本願に開示のLEDを用いた例示的な表示システム900を概略的に示す。表示システム900は、LED発光アレイ902およびLEDドライバ904と電気的に通信するディスプレイ908を有する。また表示システム900は、マイクロプロセッサのようなシステムコントローラ906を有する。コントローラ906は、LEDドライバ904に結合される。また、コントローラ906は、ディスプレイ908およびオプションのセンサ910に結合され、電源912により給電されてもよい。ある実施形態では、ユーザデータ入力がシステムコントローラ906に提供される。
【0070】
1つ以上の実施形態では、システムは、uLEDを用いたカメラフラッシュシステムである。そのような実施形態では、LED発光アレイ902は、照明アレイおよびレンズシステムであり、ディスプレイ908は、カメラを有し、902のLEDおよび908のカメラは、それらの視野に適合するように制御装置906によって制御されてもよい。
【0071】
必要な場合、制御入力を有するセンサ910は、例えば、位置センサ(例えば、ジャイロスコープおよび/または加速度計)、および/または他のセンサを有してもよく、後者は、システムの位置、速度、および方向を決定するために使用されてもよい。センサ910からの信号は、コントローラ906に供給され、該コントローラ906の適切な動作経路(例えば、どのLEDが現時点で対象に照射しており、どのLEDが所定の時間後に対象に照射するか)を定めるために使用されてもよい。
【0072】
操作において、902におけるLEDアレイの画素の一部または全部からの照射は、不活性化、全強度での動作、または中間強度での動作に調整されてもよい。前述のように、902におけるLEDアレイにより放射された光のビーム焦点化またはステアリングは、画素の1つ以上のサブセットをアクティブ化することにより、電子的に実施され、光学素子を動かさずに、または照明機器内のレンズの焦点を変更することなく、ビーム形状の動的な調整が可能となる。
【0073】
本願に記載のLEDアレイシステムは、各種他のビームステアリング、または光分布の微細粒強度、空間的および時間的制御からの恩恵を受ける他の用途を支援することができる。これらの用途には、これに限られるものではないが、画素ブロックまたは個々の画素から放射された光の精密な空間パターン処理が含まれる。用途に応じて、放射された光は、スペクトル的に別個であってもよく、時間にわたって適応的であってもよく、および/または環境的に応答性であってもよい。発光画素アレイは、各種強度、空間、または時間的なパターンで予めプログラムされた光分布を提供してもよい。関連の光学系は、画素、画素ブロック、または装置レベルで別個であってもよい。例示的な発光画素アレイは、関連する共通光学系を有する高強度画素の共通に制御される中央ブロックを有する装置を有する一方、エッジ画素は、個々の光学系を有してもよい。懐中電灯に加えて、発光画素アレイによって支持される一般的な用途には、ビデオ照明、自動車用ヘッドライト、建築用照明および区画照明、ならびに街路照明が含まれる。
【0074】
本願に開示のLED装置の他の用途には、本願に開示のuLEDを用いた、拡張現実/仮想現実(AR/VR)システムが含まれる。1つ以上のAR/VRシステムは、拡張現実(AR)または仮想現実(VR)ヘッドセット、メガネ、プロジェクタを含む。そのようなAR/VRシステムは、LED発光アレイ、LEDドライバ(または発光アレイコントローラ)、システムコントローラ、ARまたはVRディスプレイ、センサシステム810を有する。センサシステムに制御入力が提供されてもよく、一方でシステムコントローラに電力およびユーザデータ入力が提供されてもよい。理解されるように、いくつかの実施形態では、AR/VRシステムに含まれるモジュールを、単一の構造にコンパクトに配置することができ、または1つ以上の素子を別々に取り付け、無線または有線通信を介して接続することができる。例えば、発光アレイ、ARまたはVRディスプレイ、およびセンサシステムは、ヘッドセットまたはメガネに取り付けられ、LEDドライバおよび/またはシステムコントローラは、別個に取り付けられてもよい。
【0075】
一実施形態では、発光アレイを使用して、AR/VRシステムを支援できるグラフィックまたはオブジェクトのパターンで光を投射することができる。いくつかの実施形態では、別個の発光アレイを使用して、表示画像を提供することができ、AR特徴部は、別個の分離されたマイクロLEDアレイによって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、画素の選択された群は、コンテンツをユーザに表示するために使用される一方、画素のトラッキングを用いて、眼のトラッキングに使用されるトラッキング光が提供されてもよい。コンテンツ表示画素は、可視バンドの少なくとも一部(約400nmから750nm)を有する、可視光を放射するように設計される。一方、トラッキング画素は、可視光バンド、赤外バンド(約750nmから2,200nm)、またはそれらの一部の組み合わせの光を放射できる。代替例として、トラッキング画素は、800から1000ナノメートルの範囲で作動されてもよい。いくつかの実施形態では、トラッキング画素は、コンテンツ画素がオフにされ、ユーザにコンテンツが表示されていない時間中に、トラッキング光を放射することができる。
【0076】
AR/VRシステムは、LED発光アレイおよび/またはAR/VRディスプレイに広範囲の光学系を組み込むことができ、例えば、前述のように、LED光放射アレイによって放射された光をAR/VRディスプレイに結合させることができる。AR/VR用途では、これらの光学系は、ナノフィンを有してもよく、それらが透過する光を偏光するように設計される。
【0077】
一実施形態では、発光アレイコントローラを使用して、発光アレイの電力およびリアルタイム制御を提供することができる。例えば、発光アレイコントローラは、振幅およびデューティサイクルの画素またはグループ画素のレベル制御を実施できる。いくつかの実施形態では、発光アレイコントローラは、さらに、フレームバッファを有し、発光アレイに供給され得る生成されたまたは処理された画像が保持される。他のサポートモジュールは、インターインテグレーテッドサーキット(I2C)シリアルバス、シリアル周辺インターフェース(SPI)、USB-C、HDMI(登録商標)、表示ポート、または必要な画像データ、制御データもしくは命令を送信するように構成された他の好適な画像もしくは制御モジュールのような、デジタル制御インターフェースを有し得る。
【0078】
操作において、画像内の画素を使用して、対応する発光アレイの応答を画定することができ、LED画素の強度および空間変調は、画像に基づく。データレートの問題を抑制するため、いくつかの実施形態では、画素の群(例えば、5×5ブロック)を単一ブロックとして制御することができる。いくつかの実施形態では、高速および高データ速度動作がサポートされ、30Hzと100Hzの間の速度、通常60Hzで画像シーケンス内の連続するフレームとして、連続する画像からの画素値がロードできる。パルス幅変調を用いて各画素を制御し、少なくとも一部が画像に依存する強度でパターン状に光を放射することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、センサシステムは、カメラ、深さセンサ、または音声センサのような、環境を監視する外部センサと、加速度計、または2軸もしくは3軸ジャイロスコープのような、AR/VRヘッドセット位置を監視する内部センサと、を有することができる。他のセンサは、これに限られるものではないが、空気圧センサ、応力センサ、温度センサ、または局所的なまたは遠隔環境モニタリングに必要な任意の他の好適なセンサを有し得る。いくつかの実施形態では、制御入力は、検出されたタッチまたはタップ、ジェスチャー入力、またはヘッドセットもしくは表示位置に基づく制御を有し得る。別の例として、並進運動または回転運動を測定する1つ以上のジャイロスコープまたは位置センサからの1つ以上の測定信号に基づいて、初期位置に対するAR/VRシステムの推定位置を定めることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、システムコントローラは、センサシステムからのデータを使用して、加速度計から受信した測定信号を経時的に積分し、速度ベクトルを推定し、速度ベクトルを経時的に積分して、AR/VRシステムの参照点の推定位置を決定する。他の実施形態では、AR/VRシステムの位置を記述するために使用される参照点は、深度センサ、カメラ配置ビュー、または光学場の流れに基づいてもよい。
【0081】
AR/VRシステムの位置、向き、または動きの変化に基づいて、システムコントローラは、発光アレイコントローラに画像または命令を送信することができる。また画像または命令の変更または修正は、必要な場合、ユーザデータ入力または自動データ入力によって行うことができる。ユーザデータ入力は、これに限られるものではないが、音声命令、触覚フィードバック、眼または瞳孔の配置、または接続されたキーボード、マウス、もしくはゲームコントローラにより提供される。
【0082】
(実施形態)
各種実施形態が、以下に列挙される。以下に記載された実施形態は、本発明の範囲に従って、全ての態様および他の実施形態と組み合わせることができることが理解される。
【0083】
実施形態(a)
発光ダイオード(LED)装置であって、
複数のメサであって、該メサの各々は、半導体層を有し、前記半導体層は、N型層、活性領域、およびP型層を有し、各メサは、上面および少なくとも1つのメサ側壁を有する、複数のメサと、
前記メサ同士の間の複数のトレンチであって、それぞれのメサ側壁によって画定され、各々が底面を有し、各トレンチは、前記メサの各々の前記N型層と電気的に接触するNオーミック接触-反射材料を有し、
前記Nオーミック接触-反射材料は、
多層構造であり、
前記N型層と電気的に接触し、該N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層、
前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層、
前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層、
前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流搬送層、および
前記電流搬送層と電気的に接触する第2の材料バリア層、
を有する、複数のトレンチと、
前記Nオーミック接触-反射材料に収容されるN電極金属と、
前記P型層と前記活性領域を前記Nオーミック接触-反射材料から絶縁する誘電体材料と、
前記メサの各々の前記P型層と電気的に接触するP電極金属と、
を有する、LED装置。
【0084】
実施形態(b)
前記Nオーミック接触-反射材料は、前記N型層に直接接触する、実施形態(a)に記載のLED装置。
【0085】
実施形態(c)
前記N型層は、n-GaNを有し、
前記オーミック接触層は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、またはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)を含み、
前記反射層は、銀(Ag)または金(Au)を含み、
前記第1および第2の材料バリア層は、各々独立に、チタン(Ti)、クロム(Cr)、白金(Pt)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、またはタングステン(W)を含み、
前記電流搬送層は、銅(Cu)、金(Au)、またはアルミニウム(Al)を含む、実施形態(a)または(b)に記載のLED装置。
【0086】
実施形態(d)
前記オーミック接触層は、5Å以上200Å以下の範囲の厚さを有し、
前記反射層は、1000Å以上の厚さを有し、
前記第1および第2の材料バリア層は、各々独立に、1000Å以上の厚さを有し、
前記電流搬送層は、5000Å以上の厚さを有する、実施形態(a)乃至(c)のいずれかに記載のLED装置。
【0087】
実施形態(e)
前記Nオーミック接触-反射材料は、さらに、
前記反射層および前記第1材料バリア層と電気的に接触する第1の材料泳動抑制層と、
前記電流搬送層および前記第2の材料バリア層と電気的に接触する第2の材料泳動抑制層と、
を有する、実施形態(a)乃至(d)のいずれかに記載のLED装置。
【0088】
実施形態(f)
前記第1および第2の材料移動抑制層は、各々独立に、ニッケル(Ni)またはパラジウム(Pd)を含み、および/または独立に、50Å以上、100Å以下の範囲の厚さを有する、実施形態(e)に記載のLED装置。
【0089】
実施形態(g)
さらに、前記P電極金属を含むPオーミック接触-反射材料を有し、
前記Pオーミック接触-反射材料は、前記Nオーミック接触-反射材料と同じ構造を有する、実施形態(a)乃至(f)のいずれかに記載のLED装置。
【0090】
実施形態(h)
前記メサの各々は、100マイクロメートル未満の少なくとも1つの特徴寸法を有し、
前記特徴寸法は、高さ、幅、および深さからなる群から選択される、実施形態(a)乃至(g)のいずれかに記載のLED装置。
【0091】
実施形態(i)
前記半導体層は、2μmから10μmの範囲の全体厚さを有するエピタキシャル半導体層である、実施形態(a)乃至(h)のいずれかに記載のLED装置。
【0092】
実施形態(j)
前記メサの各々は、前記半導体層の側壁を有し、該側壁は、前記N型層および前記P型層に平行な水平面から60度から90度の範囲の角度を画定する、実施形態(a)乃至(i)のいずれかに記載のLED装置。
【0093】
実施形態(k)
前記複数のメサは、モノリシックダイに一体化されている、実施形態(a)乃至(j)のいずれかに記載のLED装置。
【0094】
実施形態(l)
前記半導体層は、基板上にある、実施形態(a)乃至(j)のいずれかに記載のLED装置。
【0095】
実施形態(m)
発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、
複数のメサおよびトレンチを調製するステップであって、
前記メサの各々は、半導体層を含み、前記半導体層は、N型層、活性領域、およびP型層を有し、各メサは、上面および少なくとも1つのメサ側壁を有し、前記トレンチは、それぞれのメサ側壁によって画定され、各々が底面を有する、ステップと、
前記N型層を露出させるステップと、
以下のステップ:
前記N型層と電気的に接触し、前記N型層の仕事関数値以下の仕事関数値を有するオーミック接触層を成膜するステップ、
前記オーミック接触層と電気的に接触する反射層を成膜するステップ、
前記反射層と電気的に接触する第1の材料バリア層を成膜するステップ、
前記第1の材料バリア層と電気的に接触する電流搬送層を成膜するステップ、および
前記電流搬送層と電気的に接触する第2の材料バリア層を成膜するステップ、
により、前記メサの各々の前記N型層と電気的に接触するNオーミック接触-反射材料を調製するステップと、
前記Nオーミック接触-反射材料によって収容されるN電極金属、および前記メサの各々の前記P型層と電気的に接触するP電極金属を成膜し、パターン化するステップと、
誘電体材料を成膜しパターン化するステップであって、前記誘電体材料は、前記P型層および前記活性領域を前記Nオーミック接触-反射材料から絶縁する、ステップと、
を有する、方法。
【0096】
実施形態(n)
前記N型層上に前記Nオーミック接触-反射材料を直接成膜するステップを有する、実施形態(m)に記載の方法。
【0097】
実施形態(o)
前記N型層はn-GaNを含み、
前記オーミック接触層は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、またはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)を含み、
前記反射層は、銀(Ag)または金(Au)を含み、
前記第1および第2の材料バリア層は、各々独立に、チタン(Ti)、クロム(Cr)、白金(Pt)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、またはタングステン(W)を含み、
前記電流搬送層は、銅(Cu)、金(Au)、またはアルミニウム(Al)を含む、実施形態(m)乃至(n)のいずれかに記載の方法。
【0098】
実施形態(p)
前記オーミック接触層は、5Å以上200Å以下の範囲の厚さを有し、
前記反射層は、1000Å以上の厚さを有し、
前記第1および第2の材料バリア層は、各々独立に、1000Å以上の厚さを有し、
前記電流搬送層は、5000Å以上の厚さを有する、実施形態(m)乃至(o)のいずれかに記載の方法。
【0099】
実施形態(q)
さらに、
前記反射層および前記第1の材料バリア層と電気的に接触する第1の材料泳動抑制層、ならびに/または前記電流搬送層および前記第2の材料バリア層と電気的に接触する第2の材料泳動抑制層を成膜するステップ
を有する、実施形態(m)乃至(p)のいずれかに記載の方法。
【0100】
実施形態(r)
前記第1および第2の材料泳動抑制層は、各々独立に、ニッケル(Ni)またはパラジウム(Pd)を含み、および/または独立に、50Å以上1000Å以下の範囲の厚さを有する、実施形態(q)に記載の方法。
【0101】
実施形態(s)
前記P型層と電気的に接触する前記オーミック接触層を成膜するステップ、
前記オーミック接触層と電気的に接触する前記反射層を成膜するステップ、
前記反射層と電気的に接触する前記第1のNボンディング材料バリア層を成膜するステップ、および
前記第1の材料バリア層と電気的に接触する前記電流搬送層を成膜するステップ、
により、
Pボンディング材料が前記P型層と接触するように調製される、実施形態(m)乃至(r)のいずれかに記載の方法。
【0102】
実施形態(t)
前記メサの各々は、100マイクロメートル未満の少なくとも1つの特徴寸法を有し、
前記特徴寸法は、高さ、幅、および深さからなる群から選択される、実施形態(m)乃至(s)のいずれかに記載の方法。
【0103】
本明細書を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」または「ある実施形態」という言及は、実施形態に関して記載された特定の特徴物、構造、材料、または特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本願を通じて各箇所における「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」または「一実施形態では」などの文言の見かけは、必ずしも本開示の同じ実施形態を参照するものではない。さらに、特定の特徴物、構造、材料、または特徴は、ある実施形態では、任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
【0104】
本発明の多くの修正および他の実施形態が、前述の記載および関連する図面に示された教示の利点を有することは、当業者には理解される。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正および実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意図することが理解される。また、本発明の他の実施形態は、本願に具体的に開示されていない要素/ステップの非存在下で実施されてもよいことが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】