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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】結核ワクチン
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240910BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20240910BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20240910BHJP
   C12N 15/869 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240910BHJP
   A61P 31/06 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240910BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240910BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20240910BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240910BHJP
   C07K 14/35 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N5/0783
C12N15/86 Z
C12N15/869 Z
A61P37/04
A61P31/06
A61K35/17
A61K35/76
A61K38/16
A61K48/00
C07K14/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513275
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2022075645
(87)【国際公開番号】W WO2023034783
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,278
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/392,778
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521268130
【氏名又は名称】ヴィア・バイオテクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Vir Biotechnology, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100221545
【弁理士】
【氏名又は名称】白江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】アービン,アン エム
(72)【発明者】
【氏名】ディ イウリオ,ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス,ジャネット エル
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル,エミリー
(72)【発明者】
【氏名】ソリアガ,リー ビー
(72)【発明者】
【氏名】バージン,ハーバート ダブリュー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA36Y
4B065AA95X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA13
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084BA41
4C084MA16
4C084MA17
4C084MA22
4C084MA23
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA59
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZB091
4C084ZB092
4C084ZB351
4C084ZB352
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB64
4C087CA12
4C087MA16
4C087MA17
4C087MA22
4C087MA23
4C087MA52
4C087MA55
4C087MA56
4C087MA59
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZB09
4C087ZB35
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA11
4H045DA86
4H045EA31
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、結核抗原及び抗原を送達するためのベクターに関する。本開示はまた、それを含む免疫原性組成物、及びそれらの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
融合タンパク質であって、
(a)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、Ra12、TbH9、Ra35、及びRpfD、若しくはそれらの断片、
(b)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-Ra12-TbH9-Ra35-RpfD、
(c)配列番号42に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(d)配列番号42に記載のアミノ酸配列、
(e)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35、若しくは
それらの断片、
(f)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfA-RpfD-Ra12-TbH9-Ra35、
(g)(i)配列番号9~10のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号18~22のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(h)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号19に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(i)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号22に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(j)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列、及び(ii)配列番号19に記載のアミノ酸配列、
(k)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列、及び(ii)配列番号22に記載のアミノ酸配列、
(l)配列番号27に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(m)配列番号28に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(n)配列番号29に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(o)配列番号30に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(p)配列番号27に記載のアミノ酸配列、
(q)配列番号28に記載のアミノ酸配列、
(r)配列番号29に記載のアミノ酸配列、
(s)配列番号30に記載のアミノ酸配列、
(t)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、及びTbH9、若しくはそれらの断片、
(u)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfA-RpfD-TbH9、
(v)(i)配列番号9~10のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(w)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(x)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列、及び(ii)配列番号24に記載のアミノ酸配列、
(y)配列番号31に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(z)配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(aa)配列番号31に記載のアミノ酸配列、
(bb)配列番号32に記載のアミノ酸配列、
(cc)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35、若しくはそれらの断片、
(dd)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfD-Ra12-TbH9-Ra35、
(ee)(i)配列番号1及び11~12のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(ii)配列番号2又は13に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iii)配列番号3又は14に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iv)配列番号4又は15に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(v)配列番号6又は17に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(vi)配列番号23に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(vii)配列番号8又は24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(viii)配列番号25~26のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(ff)配列番号33に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(gg)配列番号34に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(hh)配列番号35に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(ii)配列番号36に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(jj)配列番号33に記載のアミノ酸配列、
(kk)配列番号34に記載のアミノ酸配列、
(ll)配列番号35に記載のアミノ酸配列、
(mm)配列番号36に記載のアミノ酸配列、
(nn)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfD、及びTbH9、若しくはそれらの断片、
(oo)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfD-TbH9、
(pp)(i)配列番号1及び11~12のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(ii)配列番号2又は13に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iii)配列番号3又は14に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iv)配列番号4又は15に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(v)配列番号6又は17に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(vi)配列番号8又は24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(qq)配列番号37に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(rr)配列番号38に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(ss)配列番号37に記載のアミノ酸配列、又は
(tt)配列番号38に記載のアミノ酸配列を含むか、又はそれらからなる、融合タンパク質。
【請求項2】
配列番号41に記載の核酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有する配列を含む核酸によってコードされる、融合タンパク質。
【請求項3】
配列番号41に記載の核酸配列を含む核酸によってコードされる、融合タンパク質。
【請求項4】
ポリHisタグを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記ポリHisタグが、2~6個のHis残基を含むか又はそれらからなる、請求項4に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記ポリHisタグが、前記融合タンパク質のN末端に位置する、請求項1~5のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記ポリHisタグが、最初のMet残基の後に挿入される、請求項6に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
HAタグを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記HAタグが、前記融合タンパク質のC末端に位置する、請求項8に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
前記融合タンパク質が、Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35のうちの1つ以上を接続する1つ以上のリンカーを更に含み、前記1つ以上のリンカーの各々が、1つ以上のアミノ酸残基を含むか、又はそれらからなる、請求項1~9のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする、核酸分子。
【請求項12】
請求項11に記載の核酸分子を含む、ベクター。
【請求項13】
プロモーターを更に含み、プロモーターが、前記融合タンパク質をコードする前記核酸分子に作動可能に連結されている、請求項12に記載のベクター。
【請求項14】
前記ベクターが、ウイルスベクターである、請求項12又は13に記載のベクター。
【請求項15】
前記ウイルスベクターが、サイトメガロウイルス(CMV)ベクターである、請求項14に記載のベクター。
【請求項16】
配列番号44に記載の核酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する核酸配列を含む、ベクター。
【請求項17】
配列番号44に記載の核酸配列を含む、ベクター。
【請求項18】
配列番号44に記載の核酸配列から本質的になる、ベクター。
【請求項19】
配列番号44に記載の核酸配列からなる、ベクター。
【請求項20】
前記ウイルスベクターが、RhCMVベクター、HCMVベクター、又は組換えHCMVベクターである、請求項15~19のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項21】
前記プロモーターが、前記融合タンパク質をコードする前記核酸分子に作動可能に連結されており、前記プロモーターが、UL78プロモーター、又はそのオーソログである、請求項15~20のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項22】
前記融合タンパク質をコードする前記核酸分子が、UL78の全部又は一部分を置き換える、請求項21に記載のベクター。
【請求項23】
前記ベクターが、配列番号44に記載の核酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する核酸配列を含む、請求項22に記載のベクター。
【請求項24】
前記プロモーターが、前記融合タンパク質をコードする前記核酸分子に作動可能に連結されており、前記プロモーターが、UL82プロモーター、又はそのオーソログである、請求項15又は20に記載のベクター。
【請求項25】
前記融合タンパク質をコードする前記核酸分子が、UL82の全部又は一部分を置き換える、請求項24に記載のベクター。
【請求項26】
前記RhCMVベクター又はHCMVベクターが、UL128若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現しない、請求項15~25のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項27】
TR3骨格及び配列番号42に記載の異種抗原をコードする核酸配列を含む組換えHCMVベクターであって、
(a)前記ベクターが、UL128若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現せず、
(b)前記ベクターが、UL146、UL147、UL18、及びUL82、又はそれらのオーソログをコードする核酸配列を含み、
(c)前記異種抗原が、UL78の全部又は一部分を置き換え、かつ
UL78プロモーターに作動可能に連結されている、組換えHCMVベクター。
【請求項28】
前記組換えHCMVベクターが、配列番号44に記載の核酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する核酸配列を含む、請求項27に記載の組換えHCMVベクター。
【請求項29】
前記RhCMV又はHCMVベクターが、(i)UL146をコードする核酸配列及びUL147をコードする核酸配列、又はそれらのオーソログを含み、かつ(ii)UL128若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現しない、請求項15~28のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項30】
前記ベクターが、UL128及びUL130をコードする核酸配列における1つ以上の変異の存在からもたらされる、UL128タンパク質又はUL130タンパク質を発現しない、請求項26~29のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項31】
前記UL128及びUL130をコードする核酸配列における前記変異が、点変異、フレームシフト変異、切断変異、又はウイルスタンパク質をコードする前記核酸配列の全ての欠失である、請求項30に記載のベクター。
【請求項32】
前記ベクターが、TR3骨格を含むHCMVベクターである、請求項15~31のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項33】
前記ベクターが、マイクロRNA(miRNA)認識エレメント(MRE)をコードする核酸配列を更に含み、前記MREが、内皮細胞において発現されるmiRNAの標的部位を含有する、請求項15~32のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項34】
前記ベクターが、MREをコードする核酸配列を更に含み、前記MREが、骨髄細胞において発現されるmiRNAの標的部位を含有する、請求項15~33のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項35】
(i)(a)請求項1~10のいずれか一項に記載の融合タンパク質、(b)請求項11に記載の核酸、又は(c)請求項12~34のいずれか一項に記載のベクターと、(ii)薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項36】
(i)(a)請求項1~10のいずれか一項に記載の融合タンパク質、(b)請求項11に記載の核酸、又は(c)請求項12~34のいずれか一項に記載のベクターと、(ii)薬学的に許容される担体と、を含む、免疫原性組成物。
【請求項37】
対象において免疫応答を生成する方法であって、前記対象に、請求項1~36のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物を投与することを含む、方法。
【請求項38】
対象における免疫応答の生成における使用のための薬剤の製造における、請求項1~36のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物の使用。
【請求項39】
対象における免疫応答の生成における使用のための、請求項1~36のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項40】
対象における結核を治療又は予防する方法であって、前記対象に、請求項1~36のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物を投与することを含む、方法。
【請求項41】
対象における結核の治療又は予防における使用のための薬剤の製造における、請求項1~36のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物の使用。
【請求項42】
対象における結核の治療又は予防における使用のための、請求項1~36のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項43】
対象における結核の治療又は予防における使用のための、請求項1~36のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、前記対象が、CMV陽性である、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項44】
対象における結核の治療又は予防における使用のための、請求項1~36のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、前記対象が、CMV陰性である、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項45】
対象における結核の治療又は予防における使用のための、請求項1~36、43、又は44のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、前記対象が、インターフェロンγ放出アッセイにおいて陽性の検査結果が出る、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項46】
対象における結核の治療又は予防における使用のための、請求項1~36、43、又は44のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、前記対象が、インターフェロンγ放出アッセイにおいて陰性の検査結果が出る、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項47】
対象における結核の治療又は予防における使用のための、請求項1~36又は43~46のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、前記対象が、以前にbacille Calmette-Guerinワクチン(BCG)を投与されている、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項48】
対象における結核の治療又は予防における使用のための、請求項1~36又は43~47のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、前記対象が、HIV陽性である、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項49】
対象における結核の治療又は予防における使用のための、請求項1~36又は43~48のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、前記対象が、HIV陽性であり、現在抗レトロウイルス治療薬を服用している、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項50】
対象における結核の治療又は予防における使用のための、請求項1~36又は43~49のいずれか一項に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、前記対象が、第2の療法を投与される、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
【請求項51】
前記結核が、潜在性結核感染症である、請求項40~50のいずれか一項に記載の方法、製造における使用、又は使用。
【請求項52】
前記結核が、肺結核感染症である、請求項40~51のいずれか一項に記載の方法、製造における使用、又は使用。
【請求項53】
前記結核が、再発性結核感染症である、請求項40~52のいずれか一項に記載の方法、製造における使用、又は使用。
【請求項54】
前記ベクターが、CMVベクターであり、前記CMVベクターが、Mtb抗原に対するCD4+T細胞応答を誘発するのに有効な量で投与される、請求項37~53のいずれか一項に記載の方法、製造における使用、又は使用。
【請求項55】
前記組換えHCMVベクターによって誘発されたCD4+T細胞のうちの少なくとも10%が、MHC-II又はそのオーソログによって拘束される、請求項54に記載の方法、製造における使用、又は使用。
【請求項56】
前記組換えHCMVベクターによって誘発された前記CD4+T細胞のうちの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が、MHC-II又はそのオーソログによって拘束される、請求項55に記載の方法、製造における使用、又は使用。
【請求項57】
前記ベクターが、CMVベクターであり、前記CMVベクターが、Mtb抗原に対するCD8+T細胞応答を誘発するのに有効な量で投与される、請求項37~56のいずれか一項に記載の方法、製造における使用、又は使用。
【請求項58】
前記CMVベクターによって誘発されたCD8+T細胞のうちの少なくとも10%が、MHC-Ia又はそのオーソログによって拘束される、請求項57に記載の方法、製造における使用、又は使用のためのベクター若しくは組成物。
【請求項59】
前記CMVベクターによって誘発された前記CD8+T細胞のうちの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が、MHC-Ia又はそのオーソログによって拘束される、請求項58に記載の方法、製造における使用、又は使用のためのベクター若しくは組成物。
【請求項60】
MHC-II/ペプチド複合体を認識するCD4+T細胞を生成する方法であって、前記方法が、
(a)MHC-II/ペプチド複合体を認識するCD4+T細胞のセットを生成するのに有効な量の請求項15~34のいずれか一項に記載のCMVベクターを第1の対象に投与することと、
(b)前記CD4+T細胞のセットから第1のCD4+TCRを特定することであって、前記第1のCD4+TCRが、MHC-II/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(c)第2の対象から1つ以上のCD4+T細胞を単離することと、
(d)前記第2の対象から単離された前記1つ以上のCD4+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、前記発現ベクターが、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列と、前記第2のCD4+TCRをコードする前記核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、前記第2のCD4+TCRが、前記第1のCD4+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-II/ペプチド複合体を認識する1つ以上のCD4+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む、方法。
【請求項61】
MHC-II/ペプチド複合体を認識するCD4+T細胞を生成する方法であって、前記方法が、
(a)CD4+T細胞のセットから第1のCD4+TCRを特定することであって、前記CD4+T細胞のセットが、請求項15~34のいずれか一項に記載のCMVベクターを投与された対象から単離され、前記第1のCD4+TCRが、MHC-II/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(b)第2の対象から1つ以上のCD4+T細胞を単離することと、
(c)前記第2の対象から単離された前記1つ以上のCD4+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、前記発現ベクターが、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列と、前記第2のCD4+TCRをコードする前記核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、前記第2のCD4+TCRが、前記第1のCD4+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-II/ペプチド複合体を認識する1つ以上のTCRトランスジェニックCD4+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む、方法。
【請求項62】
MHC-Ia/ペプチド複合体を認識するCD8+T細胞を生成する方法であって、前記方法が、
(a)MHC-Ia/ペプチド複合体を認識するCD8+T細胞のセットを生成するのに有効な量の請求項15~34のいずれか一項に記載のCMVベクターを第1の対象に投与することと、
(b)前記CD8+T細胞のセットから第1のCD8+TCRを特定することであって、前記第1のCD8+TCRが、MHC-Ia/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(c)第2の対象から1つ以上のCD8+T細胞を単離することと、
(d)前記第2の対象から単離された前記1つ以上のCD8+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、前記発現ベクターが、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列と、前記第2のCD8+TCRをコードする前記核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、前記第2のCD8+TCRが、前記第1のCD8+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-Ia/ペプチド複合体を認識する1つ以上のCD8+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む、方法。
【請求項63】
MHC-Ia/ペプチド複合体を認識するCD8+T細胞を生成する方法であって、前記方法が、
(a)CD8+T細胞のセットから第1のCD8+TCRを特定することであって、前記CD8+T細胞のセットが、請求項15~34のいずれか一項に記載のCMVベクターを投与された対象から単離され、前記第1のCD8+TCRが、MHC-Ia/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(b)第2の対象から1つ以上のCD8+T細胞を単離することと、
(c)前記第2の対象から単離された前記1つ以上のCD8+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、前記発現ベクターが、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列と、前記第2のCD8+TCRをコードする前記核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、前記第2のCD8+TCRが、前記第1のCD8+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-Ia/ペプチド複合体を認識する1つ以上のTCRトランスジェニックCD8+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む、方法。
【請求項64】
前記第1のCD4+TCR又は前記第1のCD8+TCRが、DNA又はRNA配列決定によって特定される、請求項60~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記第2のCD4+TCRをコードする前記核酸配列又は前記第2のCD4+TCRをコードする前記核酸配列が、前記第1のCD4+TCR又は前記第1のCD8+TCRをコードする前記核酸配列と同一である、請求項60~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の対象が、ヒトである、請求項60~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記第2の対象が、ヒトである、請求項60~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
請求項60、61及び64~67のいずれか一項に記載の方法によって生成される、CD4+T細胞。
【請求項69】
対象における疾患を治療又は予防する方法であって、前記方法が、請求項68に記載のCD4+T細胞を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項70】
対象における疾患の治療又は予防における使用のための薬剤の製造における、請求項68に記載のCD4+T細胞の使用。
【請求項71】
対象における疾患の治療又は予防における使用のための、請求項68に記載のCD4+T細胞。
【請求項72】
請求項62~67のいずれか一項に記載の方法によって生成されるCD8+T細胞。
【請求項73】
対象における疾患を治療又は予防する方法であって、前記方法が、請求項72に記載のCD8+T細胞を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項74】
対象における疾患の治療又は予防における使用のための薬剤の製造における、請求項72に記載のCD8+T細胞の使用。
【請求項75】
対象における疾患の治療又は予防における使用のための、請求項72に記載のCD8+T細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表に関する声明
本出願に関連する配列表は、ハードコピーの代わりにXML形式で提供され、参照により本明細書に組み込まれる。配列表を含有するXMLファイルの名称は、930485_439WO_SequenceListing.xmlである。XMLファイルは、558,770バイトであり、2022年8月22日に作成され、EFS-Webを介して電子的に提出されている。
【背景技術】
【0002】
結核は、依然として世界的に疾患及び死亡の主要な原因であり続けている(Schito,M et al.Perspectives on Advances in Tuberculosis Diagnostics,Drugs,and Vaccines.Clin Infect Dis.61 Suppl 3,S102-118(2015))。したがって、Mycobacterium tuberculosis感染症のための効果的な予防又は治療用ワクチンが依然として必要とされている。
【0003】
サイトメガロウイルス(CMV)ベースのワクチンベクターは、伝統的に自然免疫を回避し、反復又は慢性感染を引き起こすことができる病原体に対してさえも、送達された抗原に対する強い免疫応答をもたらすことが見出されている。例えば、サル免疫不全ウイルス(SIV)抗原をコードするように修飾されたアカゲザルサイトメガロウイルス(RhCMV)の68-1株は、SIVチャレンジに対する長期的な防御に関連している(Hansen,SG et al.,Immune clearance of highly pathogenic SIV infection.Nature 502,100-104(2013)、Hansen,SG et al.,Profound early control of highly pathogenic SIV by an effector memory T-cell vaccine.Nature 473,523-527(2011)、Hansen,SG et al.,Effector memory T cell responses are associated with protection of rhesus monkeys from mucosal simian immunodeficiency virus challenge.Nat Med.15,293-299(2009))。CMVベクターを用いたその後の研究は、異なる免疫応答が、CMV骨格の特定の遺伝的構成要素に応じて誘発され得ることを明らかにした(Frueh,K et al.,CD8+ T cell programming by cytomegalovirus vectors: applications in prophylactic and therapeutic vaccination.Curr Opin Immunol.47,52-56(2017)、Hansen,SG et al.Cytomegalovirus vectors violate CD8+T cell epitope recognition paradigms.Science 340,1237874(2013))。
【0004】
アカゲザルサイトメガロウイルス(RhCMV)の68-1は、従来のMHC-Iの代わりに、MHC-II及びMHC-Eによって提示されるペプチドを認識するCD8+T細胞を誘発することが示されている。この効果は、カニクイザルCMV(CyCMV)においても観察されており、HCMV UL128、UL130、UL146、及びUL147のRhCMV及びCyCMVホモログの欠失が、MHC-E拘束CD8+T細胞の誘導を可能にすることを実証している(国際出願公開第2016/130693A1号、同第2018/075591A1号)。更に、これらのベクターは、MHC-II拘束CD8+T細胞を誘発する。MHC-II拘束CD8+T細胞の誘導は、これらのベクターの必須ウイルス遺伝子への内皮細胞特異的マイクロRNA(miR)126の標的化部位の挿入によって排除され、MHC-E拘束CD8+T細胞を専ら誘発する「MHC-Eのみ(MHC-E only)」ベクターをもたらす(国際出願公開第2018/075591A1号)。対照的に、68-1 RhCMVへの骨髄細胞特異的miR142-3pの挿入は、MHC-E拘束CD8+T細胞の誘導が妨げられ、MHC-IIによって専ら拘束されるCD8+T細胞を誘発するベクターをもたらすことが示されている(国際出願公開第2017/087921A1号)。UL40ホモログRh67の欠失はまた、MHC-E拘束CD8+T細胞の誘導を防止し、「MHC-IIのみベクター」をもたらすことも示されている(国際出願公開第2016/130693A1号)。したがって、特定の遺伝子欠失を有するようにCMVベクターをデザインすることによって、CMVを使用して抗原を送達し、それらの抗原に対する免疫応答を「プログラム」することができる。
【発明の概要】
【0005】
Mycobacterium tuberculosis(Mtb)抗原を含む融合タンパク質及びその融合タンパク質をコードする核酸が、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本開示は、Mtb Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35、又はそれらの一部分若しくは断片のうちの1つ以上を含む融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、上記の融合タンパク質をコードするベクターを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】Mtb抗原を含む融合タンパク質の例を示す。
図2】Mtb抗原を含む融合タンパク質融合体6、融合体7、及び融合体8を示す。図中の「M72」は、M72-融合体-2を指す。
図3】Mtb抗原及びRpfAバリアントのタンパク質保存を要約する。合計4884個の株/単離株が、全てのMtb抗原及びRpfAバリアントにわたる分析に含まれた。アミノ酸位置ごとのアラインメントされた単離株の数を図に示す。「Rv0867c」として注釈付けされた単離株は、RpfAバリアントの分析に含まれた。
図4】Mtb単離株にわたって分布する可変性のRpfAタンパク質長を示す。丸で囲まれた領域は、切断及び/又は欠失の異なるカテゴリを有する単離株の群を示す。
図5】完全長RpfAバリアントの地理的分布を示す。図4から「完全長タンパク質を有する単離株」と標識された単離株の群に対して分析を実施した。完全長RpfA遺伝子を有する単離株の最大割合を有する上位20の地理的位置を示す。完全長RpfAは、400アミノ酸よりも長いとして定義された。y軸ラベル「欠落」は、位置情報が不明な単離株を指す。
図6A】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6B】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6C】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6D】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6E】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6F】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6G】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6H】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6I】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6J】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6K】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図6L】UL78又はUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体6を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、6、8、及び10週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図6A~6B)、Rv2626(図6C~6D)、RpfA(図6E~6F)、ESAT6(図6G~6H)、Rv3407(図6I~6J)、又はRpfD(図6K~6L))において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7A】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7B】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7C】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7D】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7E】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7F】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7G】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7H】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7I】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7J】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7K】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7L】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7M】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図7N】UL78若しくはUL82プロモーターのいずれかの制御下で融合体7を、又はUL82プロモーターの制御下で融合体8を発現するウイルスベクターを投与されたアカゲザルから単離された末梢血単核細胞(PBMC)中の(示されるように)「応答」(サイトカイン発現)CD4+又はCD8+T細胞の頻度を示す。PBMCを、投薬の0、2、4、及び6週間後に収集し、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6(Ag58A(図7A~7B)、Rv2626(図7C~7D)、RpfA(図7E~7F)、ESAT6(図7G~7H)、Rv3407(図7I~7J)、又はRpfD(図7K~7L))及びM72-融合体-2(図7M~7Nにおいて「M72」と標識される)において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。実線は、10pfuのウイルスベクター用量を示し、点線は、10pfuのウイルスベクター用量を示す。
図8】ベクター4(配列番号44)の潜在的適応症を要約する。「TB」は結核を指す。「NHP」は、非ヒト霊長類を指す。
図9】青年及び成人における肺結核の予防における使用のためのベクター4(配列番号44)を評価するための開発計画を示す。
図10】青年及び成人におけるMtb感染の予防及び結核再発の予防における使用のためのベクター4(配列番号44)を評価するための開発計画を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
I.用語集
以下のセクションは、結核抗原、及び関連する医薬組成物、並びに抗Mycobacterium tuberculosis応答などの免疫応答を誘導する方法、及び結核を治療又は予防する方法の詳細な説明を提供する。本開示をより詳細に説明する前に、本明細書で使用される特定の用語の定義を提供することは、その定義を理解することに役立ち得る。追加の定義は、本開示全体を通して記載されている。
【0008】
文脈が別途必要としている場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」という文言並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などのその変形は、開放的、包括的な意味で、すなわち、「含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきである。「~からなる」とは、本明細書に開示される他の成分の微量要素及び実質的な方法工程を超えるものを除外することを意味し、アミノ酸又は核酸配列の場合、それぞれ、追加のアミノ酸又はヌクレ:オチドを除外することを意味するものとする。「から本質的になる」という用語は、特許請求の範囲を、特定の材料若しくは工程、又は特許請求された発明の基本的な特徴に実質的に影響を与えないものに限定する。例えば、本明細書に定義される構成要素から本質的になる組成物は、単離及び精製方法からの微量汚染物質、並びに薬学的に許容される担体、例えば、リン酸緩衝食塩水、防腐剤などを除外しない。同様に、タンパク質が、該タンパク質の長さの最大20%に寄与し、かつ、タンパク質の活性に実質的に影響を与えない(例えば、タンパク質の活性を50%以下変化させる)追加のアミノ酸を含む場合、タンパク質は、本質的に特定のアミノ酸配列からなる。移行用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
【0009】
本発明の記載において、「約」という用語は、別途指示されない限り、示される範囲、値、又は構造の±20%を意味する。
【0010】
本明細書で使用される「a」及び「an」という用語は、明記されない限り、列挙される構成要素のうちの「1つ以上」を含むと理解されるべきである。選択肢(例えば、「又は」)の使用は、選択肢のうちの1つ、両方、又はそれらの任意の組み合わせのいずれかを意味すると理解されるべきであり、「及び/又は」と同義に使用され得る。本明細書で使用される場合、「含む(include)」及び「有する」という用語は、同義に使用され、その用語及び変形は、非限定的なものとして解釈されることが意図される。
【0011】
「実質的に」という文言は、「完全に」を除外するものではない。例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要に応じて、「実質的に」という文言は、本明細書で提供される定義から省略されてもよい。
【0012】
本明細書で使用される場合、「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語、並びにこれらの用語の変形は、例えば、等配性のペプチドの場合など、正常なペプチド結合、又は修飾されたペプチド結合によって互いに結合された少なくとも2つのアミノ酸を含む分子、特に、融合タンパク質を含むペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質をそれぞれ指す。例えば、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、遺伝コードによって定義される20個のアミノ酸から選択されるアミノ酸で構成されてもよく、通常のペプチド結合によって互いに連結されてもよい(「古典的な」ポリペプチド)。ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、L-アミノ酸及び/又はD-アミノ酸から構成され得る。特に、「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語にはまた、そのペプチドが天然の親ペプチドの生物学的作用(複数可)を模倣又は拮抗することができる、非ペプチド構造エレメントを含有するペプチド類似体として定義される「ペプチド模倣物」も含まれる。ペプチド模倣物は、酵素的に切断しやすいペプチド結合などの古典的なペプチド特性を欠いている。具体的には、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、これらのアミノ酸に加えて、遺伝コードによって定義される20個のアミノ酸以外のアミノ酸を含み得るか、又は遺伝コードによって定義される20個のアミノ酸以外のアミノ酸で構成され得る。具体的には、本開示の文脈におけるペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、翻訳後成熟プロセスなどの自然プロセスによって、又は当業者に周知の化学プロセスによって修飾されたアミノ酸から等しく構成され得る。そのような修飾は、文献に十分に詳述されている。これらの修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸鎖、又はカルボキシ末端若しくはアミノ末端でさえも、ポリペプチドにおける任意の場所に現れ得る。具体的には、ペプチド又はポリペプチドは、ユビキチン化後に分岐され得るか、又は分岐の有無にかかわらず環状であり得る。この種類の修飾は、当業者に周知の天然又は合成の翻訳後プロセスの結果であり得る。本開示の文脈における「ペプチド」、「ポリペプチド」、又は「タンパク質」という用語には、特に、修飾されたペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質も含まれる。例えば、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質修飾には、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、ヌクレオチド若しくはヌクレオチド誘導体の共有結合固定、脂質若しくは脂質誘導体の共有結合固定、ホスファチジルイノシトールの共有結合固定、共有結合若しくは非共有結合の架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、ペグ化を含むグリコシル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセス、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セネロイル化、硫酸化、アルギニル化などのアミノ酸付加、又はユビキチン化が含まれ得る。そのような修飾は、文献に十分に詳述されている(Proteins Structure and Molecular Properties,2nd Ed.,T.E.Creighton,New York(1993)、Post-translational Covalent Modifications of Proteins,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York(1983)、Seifter,et al.,Analysis for protein modifications and nonprotein cofactors,Meth.Enzymol.182:626-46(1990)、及びRattan,et al.,Protein Synthesis: Post-translational Modifications and Aging,Ann NY Acad Sci 663:48-62(1992))。したがって、「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語には、例えば、リポペプチド、リポタンパク質、糖ペプチド、糖タンパク質などが含まれる。
【0013】
タンパク質の「オーソログ」は、典型的には、アラインメントアルゴリズム、例えば、デフォルトパラメータに設定されたALIGNプログラム(バージョン2.0)を使用して、特定のタンパク質のアミノ酸配列との完全長アラインメントにわたって計数された75%超の配列同一性を有することによって特徴付けられる。参照配列と更に大きな類似性を有するタンパク質は、この方法によって評価したときに、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性などの増加した同一性パーセンテージを示す。更に、配列同一性は、本開示のペプチドの特定のドメインの完全長にわたって比較することができる。
【0014】
本明細書で使用される場合、「(ポリ)ペプチド」は、上で説明されたように、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸単量体の一本鎖を含む。本明細書で使用される場合、「タンパク質」は、1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の(ポリ)ペプチド、すなわち、上で説明されたように、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸単量体の1つ以上の鎖を含む。特定の実施形態では、本開示によるタンパク質は、1、2、3、又は4個のポリペプチドを含む。
【0015】
本明細書で使用される場合、「核酸」、「核酸分子」、「核酸配列」、及び「ポリヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、メッセンジャーRNA(mRNA)、DNA/RNAハイブリッド、又は合成核酸を含むがこれらに限定されないDNA分子及びRNA分子を含むことが意図されている。核酸は、一本鎖、又は部分的若しくは完全に二本鎖(二重鎖)であり得る。二重鎖核酸は、ホモ二重鎖又はヘテロ二重鎖であり得る。核酸分子は、一本鎖又は二本鎖であり得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、「コード配列」という用語は、タンパク質産物のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド分子を指すよう意図されている。コード配列の境界は、概して、通常、ATG開始コドンで始まるオープンリーディングフレームによって決定される。
【0017】
本明細書で使用される「発現」という用語は、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、分泌などを含む、ポリペプチドの産生に関与する任意の工程を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「配列バリアント」という用語は、参照配列と比較して1つ以上の変化を有する任意の配列を指し、参照配列は、配列表に列挙される配列、すなわち、配列番号1~配列番号40のうちのいずれかである。したがって、「配列バリアント」という用語は、ヌクレオチド配列バリアント及びアミノ酸配列バリアントを含む。ヌクレオチド配列の文脈における配列バリアントについて、参照配列は、ヌクレオチド配列でもあるが、アミノ酸配列の文脈における配列バリアントについて、参照配列は、アミノ酸配列でもある。本明細書で使用される「配列バリアント」は、参照配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一である。配列同一性は、別途指定されない限り、通常、参照配列の完全長(すなわち、本出願に記載されている配列)に関して計算される。本明細書で言及されるような同一性パーセンテージは、例えば、NCBI(National Center for Biotechnology Information; http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)[Blosum62マトリックス、ギャップオープンペナルティ=1 1及びギャップ拡張ペナルティ=1]によって指定された既定パラメータを使用するBLASTなどの、当該技術分野で既知の様々なアラインメント方法を使用して決定され得る。核酸(ヌクレオチド)配列の文脈における「配列バリアント」は、参照配列におけるヌクレオチドのうちの1つ以上が欠失若しくは置換されているか、又は1つ以上のヌクレオチドが参照ヌクレオチド配列の配列に挿入されている、変化された配列を有する。ヌクレオチドは、本明細書では、標準的な1文字の指定(A、C、G、又はT)によって言及される。遺伝コードの縮重に起因して、ヌクレオチド配列の「配列バリアント」は、それぞれの参照アミノ酸配列、すなわち、アミノ酸「配列バリアント」の変化をもたらし得るか否かのいずれかであり得る。ある特定の実施形態では、ヌクレオチド配列バリアントは、アミノ酸配列バリアントをもたらさないバリアントである(すなわち、サイレント変異)。しかしながら、「非サイレント」変異をもたらすヌクレオチド配列バリアント、特に、参照アミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列をもたらす、そのようなヌクレオチド配列バリアントもまた、その範囲内にある。アミノ酸配列の文脈における「配列バリアント」は、参照アミノ酸配列と比較して、アミノ酸のうちの1つ以上が、欠失、置換、又は挿入される変化された配列を有する。変化の結果、そのような配列バリアントは、参照アミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する。例えば、参照配列の100アミノ酸当たり、10個以下の変化、すなわち、欠失、挿入、又は置換の任意の組み合わせを有するバリアント配列は、参照配列と「少なくとも90%同一」である。
【0019】
非保存的アミノ酸置換を有することは、可能であるが、ある特定の実施形態では、置換は、保存的アミノ酸置換であり、置換されたアミノ酸は、参照配列における対応するアミノ酸と同様の構造又は化学的特性を有する。例えば、保存的アミノ酸置換には、1つの脂肪族又は疎水性アミノ酸、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンの別のアミノ酸での置換、1つのヒドロキシル含有アミノ酸、例えば、セリン及びスレオニンの別のアミノ酸での置換、1つの酸性残基、例えば、グルタミン酸又はアスパラギン酸の別のアミノ酸での置換、1つのアミド含有残基、例えば、アスパラギン及びグルタミンの別のアミノ酸での置き換え、1つの芳香族残基、例えば、フェニルアラニン及びチロシンの別のアミノ酸での置き換え、1つの塩基性残基、例えば、リジン、アルギニン、及びヒスチジンの別のアミノ酸での置き換え、1つの小アミノ酸、例えば、アラニン、セリン、スレオニン、メチオニン、及びグリシンの別のアミノ酸での置き換えが含まれる。
【0020】
アミノ酸配列挿入には、1つの残基から100個以上の残基を含むポリペプチドまでの長さのアミノ末端及び/又はカルボキシル末端の融合、並びに単一若しくは複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例としては、アミノ酸配列のN末端又はC末端へのレポーター分子又は酵素への融合が挙げられる。
【0021】
別段明記されない限り、配列バリアントの変化は、それぞれの参照配列の機能性、例えば、本場合では、本明細書に開示される抗原又はベクターの機能性を消失させない。そのような機能性を消失させることなく、どのヌクレオチド及びアミノ酸残基が、それぞれ、置換、挿入、又は欠失され得るかを決定する際のガイダンスは、当該技術分野で周知のコンピュータプログラムを使用することによって見出され得る。
【0022】
本開示のヌクレオチド配列は、コドン最適化され得、例えば、コドンは、ヒト細胞での使用のために最適化され得る。例えば、任意のウイルス又は細菌配列がそのように変化され得る。HIV及び他のレンチウイルスを含む多くのウイルスは、多数の希少コドンを使用しており、Andre,S et al.(Increased Immune Response Elicited by DNA Vaccination with a Synthetic gp120 Sequence with Optimized Codon Usage.J Virol.72,1497-1503(1998))に記載のように、これらのコドンを変化させて所望の対象において一般的に使用されるコドンに対応させることによって、抗原の発現の増強が達成される場合がある。
【0023】
本明細書で使用される場合、指定された核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質「に由来する」核酸配列又はアミノ酸配列は、核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質の起源を指す。いくつかの実施形態では、特定の配列に由来する核酸配列又はアミノ酸配列は、それが由来するその配列又はその一部分に本質的に同一であるアミノ酸配列を有し、それによって「本質的に同一」には、上で定義される配列バリアントが含まれる。ある特定の実施形態では、特定のペプチド又はタンパク質に由来する核酸配列又はアミノ酸配列は、特定のペプチド又はタンパク質における対応するドメインに由来する。それによって、「対応する」は、特に、同じ機能性を指す。例えば、「細胞外ドメイン」は、(別のタンパク質の)別の「細胞外ドメイン」に対応するか、又は「膜貫通ドメイン」は、(別のタンパク質の)別の「膜貫通ドメイン」に対応する。したがって、ペプチド、タンパク質、及び核酸の「対応する」部分は、当業者には識別可能である。同様に、他の配列「に由来する」配列は、通常、その配列においてその起源を有するものとして当業者には特定可能である。
【0024】
いくつかの実施形態では、別の核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質に由来する核酸配列又はアミノ酸配列は、(それが由来する)出発核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質と同一であり得る。しかしながら、別の核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質に由来する核酸配列又はアミノ酸配列はまた、(それが由来する)出発核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質に対して1つ以上の変異を有し得、特に、別の核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質に由来する核酸配列又はアミノ酸配列は、(それが由来する)出発核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質の上記の機能的配列バリアントであり得る。例えば、ペプチド/タンパク質において、1つ以上のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換され得るか、又は1つ以上のアミノ酸残基の挿入若しくは欠失が生じ得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、「変異」という用語は、参照配列、例えば、対応するゲノム配列と比較した核酸配列及び/又はアミノ酸配列における変化に関する。変異は、例えば、ゲノム配列と比較して、例えば、(天然に生じる)体細胞変異、自然発生変異、例えば、酵素、化学物質、若しくは放射線によって誘導される誘導変異、又は部位指向性変異誘発(核酸配列及び/又はアミノ酸配列において特異的かつ意図的な変化を行うための分子生物学的方法)によって得られる変異であり得る。したがって、「変異」又は「変異させること」という用語は、例えば、核酸配列又はアミノ酸配列において、物理的に変異を行うことも含むと理解される必要がある。変異は、1つ以上のヌクレオチド又はアミノ酸の置換、欠失、及び挿入、並びにいくつかの連続したヌクレオチド又はアミノ酸の逆位を含む。コード配列変異のいくつかの種類には、点変異(個々のヌクレオチド又はアミノ酸の差異)、サイレント変異(アミノ酸変化をもたらさないヌクレオチドの差異)、欠失(1つ以上のヌクレオチド又はアミノ酸を失う差異、最大で遺伝子のコード配列全体の欠失を含む)、フレームシフト変異(3によって割ることができない多くのヌクレオチドの欠失がアミノ酸配列の変化をもたらす差異)が含まれる。アミノ酸の差異をもたらす変異は、アミノ酸置換変異とも呼ばれ得る。アミノ酸置換変異は、アミノ酸配列中の特定の位置における野生型に対するアミノ酸変化によって説明され得る。アミノ酸配列における変異を達成するために、変異は、(組換え)変異型ポリペプチドを発現するために、当該アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に導入され得る。変異は、例えば、1つのアミノ酸をコードする核酸分子のコドンを変化させ、例えば、部位指向性変異誘発し、異なるアミノ酸をコードするコドンをもたらすことによって、又は配列バリアントを合成することによって、例えば、ポリペプチドをコードする核酸分子のヌクレオチド配列を知り、核酸分子の1つ以上のヌクレオチドを変異させる必要なしに、ポリペプチドのバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子の合成をデザインすることによって、達成され得る。
【0026】
「組換え」という用語は、本明細書で使用される場合(例えば、組換えタンパク質、組換え核酸、組換え抗体など)、組換え手段によって調製、発現、作製、又は単離され、天然に生じない任意の分子(タンパク質、核酸、抗体など)を指す。核酸又はポリペプチドに関して、「組換え」は、天然に生じない配列を有するものか、又はそうでなければ2つ以上の分離された配列のセグメントの人工的な組み合わせによって作製された配列、例えば、異種抗原を含むCMVベクターを有するものを指す。この人工的な組み合わせは、多くの場合、化学合成によって達成され、又はより一般的には、単離された核酸セグメントの人工的な操作、例えば、遺伝子工学技術によって達成される。組換えポリペプチドは、ポリペプチドの天然供給源ではない宿主生物に転写される組換え核酸(例えば、異種抗原を含むCMVベクターを形成するポリペプチドをコードする核酸)を含む組換え核酸を使用して作製されたポリペプチドも指し得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、特定の配列の核酸分子が組み込まれ、次いで、宿主細胞に導入され、それによって形質転換された宿主細胞を産生し得る担体を指す。ベクターは、宿主細胞においてその複製を可能にする核酸配列、例えば、複製起点を含み得る。ベクターはまた、1つ以上の選択可能なマーカー遺伝子、及び核酸発現を指示するプロモーターエレメントを含む当該技術分野で既知の他の遺伝子エレメントを含み得る。ベクターは、CMVベクターなどのウイルスベクターであり得る。ウイルスベクターは、野生型ウイルス又は複製欠損ウイルスを含む減弱ウイルスから構築され得る。
【0028】
「作動可能に連結された」という用語が本明細書で使用される場合、第1の核酸配列が第2の核酸配列に影響を及ぼすような様式で配置される場合、第1の核酸配列は、第2の核酸配列と作動可能に連結される。作動可能に連結されたDNA配列は、連続であり得、又は離れて作動し得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、「プロモーター」という用語は、核酸の転写を指示する多くの核酸制御配列のうちのいずれかを指し得る。典型的には、真核生物プロモーターは、ポリメラーゼII型プロモーターの場合などの転写の開始部位近くに必要な核酸配列、TATAエレメント、又は1つ以上の転写因子によって認識される任意の他の特異的DNA配列が含まれる。プロモーターによる発現は、エンハンサー又はリプレッサーエレメントによって更に調節され得る。プロモーターの多数の例が利用可能であり、当業者に周知である。特定のポリペプチドをコードする核酸配列と作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸は、発現ベクターと称され得る。プロモーターは、UL82及びUL78を含むが、これらに限定されないCMV遺伝子由来であり得る。
【0030】
本明細書中で使用される場合、「細胞」、「細胞株」、及び「細胞培養物」という用語は、互換的に使用され、全てのそのような指定には、子孫が含まれる。したがって、「形質転換体」及び「形質転換された細胞」という文言は、移入の数に関係なく、それが由来する初代対象細胞及び培養物を含む。また、全ての子孫は、故意又は不注意の変異により、DNAの内容において正確に同一ではない場合があることを理解されたい。元の形質転換された細胞においてスクリーニングされたものと同じ機能又は生物学的活性を有するバリアント子孫が含まれる。別個の指定が意図される場合、文脈から明らかであろう。
【0031】
本明細書で使用される場合、「マイクロRNA」という用語は、遺伝子発現の制御に関与する生体分子の主要なクラスを指す。例えば、ヒトの心臓、肝臓、又は脳において、miRNAは、組織の特定又は細胞系列の決定において役割を果たす。更に、miRNAは、早期発達、細胞増殖、及び細胞死、並びにアポトーシス及び脂肪代謝を含む様々なプロセスに影響を与える。多数のmiRNA遺伝子、多様な発現パターン、及び潜在的なmiRNA標的が豊富であることは、miRNAが遺伝的多様性の重要な供給源であり得ることを示唆している。成熟miRNAは、典型的には、miRNAに相補的な配列を含むmRNAの発現を調節する8~25ヌクレオチドの非コードRNAである。これらの小さなRNA分子は、mRNAの安定性及び/又は翻訳を調節することによって遺伝子発現を制御することが既知である。例えば、miRNAは、標的mRNAの3’UTRに結合し、翻訳を抑制する。miRNAはまた、標的mRNAに結合し、RNAi経路を介して遺伝子サイレンシングを媒介し得る。miRNAはまた、クロマチン凝縮を引き起こすことによって遺伝子発現を調節し得る。
【0032】
miRNAは、mRNA転写産物上のどこかでmiRNAと直接塩基対を形成してmiRNAと相互作用する任意の配列として定義されるmiRNA認識エレメント(MRE)に結合することによって、1つ以上の特異的mRNA分子の翻訳をサイレンシングする。MREは、多くの場合、mRNAの3’非翻訳領域(UTR)に存在するが、MREは、コード配列又は5’UTRにも存在し得る。MREは、必ずしもmiRNAに対して完全な相補体ではなく、通常、miRNAに対して相補性であるいくつかの塩基のみしか有さず、多くの場合、それらの相補性の塩基内に1つ以上のミスマッチを含む。MREは、MREが作動可能に連結されている遺伝子(インビボでの増殖に必須であるか又はそれを増強するCMV遺伝子など)の翻訳がRISCなどのmiRNAサイレンシング機序によって抑制されるように、miRNAによって十分に結合可能な任意の配列であり得る。
【0033】
本明細書で使用される「ワクチン」という用語は、典型的には、少なくとも1つの抗原又は免疫原を提供する予防的又は治療的材料であると理解される。抗原又は免疫原は、ワクチン接種に好適な任意の材料に由来し得る。例えば、抗原又は免疫原は、細菌又はウイルス粒子などの病原体、又は腫瘍若しくはがん性組織に由来し得る。抗原又は免疫原は、身体の適応免疫系を刺激して、適応免疫応答を提供する。特に、「抗原」又は「免疫原」は、典型的には、免疫系(例えば、適応免疫系)によって認識され得、例えば、適応免疫応答の一部分としての抗体及び/又は抗原特異的T細胞の形成によって、抗原特異的免疫応答を誘発することができる物質を指す。典型的には、抗原は、MHCによってT細胞に提示され得るペプチド又はタンパク質であり得るか、又はそれらを含み得る。ワクチンは、予防的又は治療的に使用することができる。したがって、ワクチンは、疾患(腫瘍若しくは病的感染症など)を発症する可能性を低減するか、又は疾患若しくは状態の症状の重症度を低減するか、又は疾患若しくは状態(腫瘍若しくは病的感染症など)の進行を制限するか、又は疾患若しくは状態(腫瘍など)の再発を制限するために使用することができる。特定の実施形態では、ワクチンは、異種抗原を発現する複製欠損CMVを含む。特定の実施形態では、ワクチンは、Mtb抗原を含む融合タンパク質を発現する複製欠損CMVを含む。本明細書で使用される場合、「抗原」又は「免疫原」という用語は、対象における免疫応答を誘導することができる物質、典型的にはタンパク質を指すために互換的に使用される。この用語はまた、対象に投与したときに(対象に、直接投与するか、又はタンパク質をコードするヌクレオチド配列若しくはベクターを対象に投与することによるいずれか)、タンパク質がタンパク質に対して指向される体液性及び/又は細胞性免疫応答を誘発することができるという意味で、免疫学的に活性であるタンパク質を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、「異種」又は「外因性」の核酸分子、構築物、又は配列は、文脈に応じて、第2の核酸分子又は宿主細胞に対して天然ではないが、第2の核酸分子又は宿主細胞の核酸分子又は一部分に相同であり得る核酸分子又は核酸分子の一部分を指す。異種又は外因性核酸分子、構築物、又は配列の供給源は、異なる属若しくは種に由来し得るか、又は合成であり得る。特定の実施形態では、異種又は外因性核酸分子は、例えば、コンジュゲーション、形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーションなどによって宿主細胞又は宿主ゲノムに添加され(すなわち、内因性又は天然ではない)、添加された分子は、宿主ゲノムに組み込まれてもよく、又は染色体外の遺伝物質として(例えば、プラスミド又は他の形態の自己複製ベクターとして)存在してもよく、複数のコピーで存在してもよい。更に、「異種」という用語は、第2の核酸分子又は宿主細胞が相同タンパク質又は活性をコードする場合でさえ、第2の核酸分子又は宿主細胞に導入される外因性核酸分子によってコードされる非天然酵素、タンパク質、又は他の活性を含む。
【0035】
本明細書で使用される場合、「異種抗原」という用語は、それが挿入されるベクターに由来しない任意のタンパク質又はその断片を指す。例えば、いくつかの実施形態では、「異種抗原」は、CMVに由来しない任意のタンパク質又はその断片である。異種抗原は、病原体特異的抗原、腫瘍ウイルス抗原、腫瘍抗原、宿主自己抗原、又は任意の他の抗原であり得る。
【0036】
本明細書で使用される場合、「抗原特異的T細胞」とは、特定の抗原を認識するCD8+又はCD4+リンパ球を指す。一般に、抗原特異的T細胞は、MHC分子によって提示される特定の抗原に特異的に結合するが、同じMHCによって提示される他の抗原には特異的に結合しない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「免疫原性ペプチド」とは、ペプチドがMHC分子に結合して、細胞傷害性Tリンパ球(「CTL」)応答又は免疫原性ペプチドが由来する抗原に対するB細胞応答(例えば、抗体産生)を誘導するような対立遺伝子特異的モチーフ又はN末端反復などの他の配列を含むペプチドを指す。いくつかの実施形態では、免疫原性ペプチドは、配列モチーフ、又はニューラルネット若しくは多項式決定などの当該技術分野で既知の他の方法を使用して特定される。典型的には、特定の親和性で結合する高い可能性を与えるスコアを有し、かつ、免疫原性であるペプチドを選択するためのペプチドの「結合閾値」を決定するために、アルゴリズムが使用される。アルゴリズムは、特定の位置での特定のアミノ酸のMHC結合に対する効果、特定の位置での特定のアミノ酸の抗体結合に対する効果、又はモチーフ含有ペプチド中の特定の置換の結合に対する効果のいずれかに基づく。免疫原性ペプチドの関連内で、「保存された残基」は、ランダム分布によって予想されるよりも有意に高い頻度で、ペプチド中の特定の位置に現れる残基である。いくつかの実施形態では、保存された残基は、MHC構造が免疫原性ペプチドとの接触点を提供し得る残基である。
【0038】
本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、任意の有効な経路により、有効量の抗原を含む組成物又は外因性抗原を含む医薬組成物などの薬剤を対象に提供又は与えることを意味する。例示的な投与経路には、注射(例えば、皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、及び静脈内)、経口、舌下、直腸、経皮、鼻腔内、膣、及び吸入経路が含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書で使用される場合、使用の「薬学的に許容される担体」は、従来のものである。Remington’s Pharmaceutical Sciences,E.W.Martin,Mack Publishing Co.,Easton,PA,19th Edition,1995は、本明細書に開示される組成物の薬学的送達に好適な組成物及び製剤を記載している。一般に、担体の性質は、使用される特定の投与様式に依存する。例えば、非経口製剤は、通常、ビヒクルとして、水、生理食塩水、平衡塩溶液、水性デキストロース、グリセロールなどの薬学的及び生理学的に許容される流体を含む、注射可能な流体を含む。固体組成物(散剤、丸剤、錠剤、又はカプセル形態など)のために、従来の非毒性固体担体は、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、又はステアリン酸マグネシウムを含み得る。生物学的に中性の担体に加えて、投与される医薬組成物は、少量の非毒性補助物質、例えば、湿潤剤又は乳化剤、防腐剤、及びpH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウム又はソルビタンモノラウレートを含み得る。
【0040】
用量は、多くの場合、体重に関連して表される。したがって、[g、mg、又は他の単位]/kg(又はg、mgなど)として表される用量は、通常、「体重」という用語が明示的に言及されていなくても、「kg(又はg、mgなど)体重当たり」の[g、mg、又は他の単位]を指す。
【0041】
本明細書で使用される「疾患」という用語は、概して、「障害」及び「状態」(医学的状態として)という用語と同義であることが意図され、互換的に使用され、つまり、全てが、正常な機能を損なうヒト及び動物の身体、又はその部分のうちの1つの異常な状態を反映しており、典型的には、特徴的な徴候及び症状によって明らかにされ、ヒト又は動物の生活の期間又は質の低減を引き起こす。
【0042】
本明細書で使用される場合、「結核」は、概して、通常、肺に感染するMycobacterium tuberculosisによって引き起こされる疾患を意味する。しかしながら、M.kansasiiなどの他の「非定型」マイコバクテリアは、疾患の同様の臨床的及び病理学的外観を産生する可能性がある。M.tuberculosisの伝播は、換気の悪い閉鎖された領域で空気感染経路によって生じる。症例の90%超において、M.tuberculosisの感染の後、免疫系は、多くの場合、活動性結核と呼ばれるM.tuberculosisからの疾患の発症を予防する。しかしながら、M.tuberculosisの全てが殺されるわけではなく、したがって、小さな硬いカプセルが形成される。「一次結核」は、通常は小児を中心に初期感染後に発症する疾患とみなされている。感染症の初期の病巣は、肉芽腫性肺門リンパ節感染症を伴う小さな胸膜下肉芽腫である。まとめると、これらが、Ghon複合体を構成する。ほぼ全ての場合では、これらの肉芽腫は、解消し、感染の更なる拡大はない。「二次結核」は、主に成人において、特に、健康状態が低下した場合に、以前の感染(又は再感染)の再活性化として見られる。肉芽腫性炎症は、はるかに派手で広範囲に広がる。典型的には、上肺葉が、最も影響を受け、キャビテーションが生じる場合がある。肺の外側への結核の拡散は、骨格結核、生殖器結核、尿路結核、中枢神経系(CNS)結核、胃腸結核、副腎結核、瘰癧、及び心臓結核を含む特徴的なパターンを伴う多くの珍しい所見の出現をもたらす場合がある。「潜在性」結核は、ツベルクリン皮膚検査(TST)などであるがこれらに限定されない診断アッセイによって検出することができ、感染がその個体において症状を生じない、個体におけるMtb感染症である。「活動性」結核は、対象における症候性Mtb感染症である。顕微鏡的には、TB感染で産生される炎症は、肉芽腫性であり、リンパ球、形質細胞、おそらくいくつかの多形核細胞、コラーゲンを有する線維芽細胞、及び中心に特徴的なチーズ状壊死とともに上皮様マクロファージ及びラングハンス巨細胞を有する。炎症応答は、IV型過敏症性反応によって媒介され、皮膚検査は、この反応に基づいている。いくつかの例では、結核は、皮膚検査、抗酸染色、オーラミン染色、又はそれらの組み合わせによって診断され得る。スクリーニングされる最も一般的な検体は、痰であるが、組織学的染色はまた、組織又は他の体液上で実施され得る。「肺」結核は、肺実質及び/又は気管気管支樹を含む、肺を含む任意の結核の細菌学的に確認されたか、又は臨床的に診断された症例を指す。「肺外」結核は、胸膜、リンパ節、腹部、尿生殖路、皮膚、関節、骨、及び/又は髄膜を含むがこれらに限定されない、肺以外の臓器を含む任意の結核の細菌学的に確認されたか、又は臨床的に診断された症例を指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「再発性」結核は、内因性の一次M.tuberculosis感染症の再活性化、又はM.tuberculosisによる最近の外因性再感染症を指す。再発性結核はまた、一次感染の後、何年もして生じる可能性のある「一次後結核」を指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「補助」は、一次治療とともに使用される治療を指し、補助治療の目的は、一次治療を支援することである。
【0045】
II.結核抗原
Mycobacterium tuberculosis(Mtb)抗原を含む融合タンパク質及びそれをコードする核酸が、本明細書に開示される。
【0046】
いくつかの実施形態では、本開示は、Mtb Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35、又はそれらの一部分若しくは断片のうちの1つ以上を含む融合タンパク質を提供する。
【0047】
Ag85Aは、Ag85B及びAg85Cと複合体を形成するMtbアセチルトランスフェラーゼ酵素であり、マイコバクテリア細胞エンベロープの成分の合成に関与する(例えば、Elamin,AA et al.,The Mycobacterium tuberculosis Ag85A is a novel diacylglycerol acyltransferase involved in lipid body formation.Molecular Microbiology 81,1577-1592(2011)を参照されたい)。本明細書で使用される場合、「Ag85A」は、文脈に応じて、酵素、又はAg85Aタンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、Ag85Aは、UniProtKB-P9WQP3(A85A_MYCTU)(配列番号1)に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Ag85Aは、配列番号1に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、Ag85Aは、配列番号11に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Ag85Aは、配列番号12に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Ag85Aは、配列番号1に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Ag85Aは、配列番号11に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Ag85Aは、配列番号12に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0048】
ESAT-6は、病原性毒性及び宿主免疫応答の調節に関連する分泌型Mtbタンパク質である(Sreejit,G et al.The ESAT-6 Protein of Mycobacterium tuberculosis Interacts with Beta-2-Microglobulin(β2M)Affecting Antigen Presentation Function of Macrophage.PLoS Pathog 10,e1004446(2014))。本明細書で使用される場合、「ESAT-6」は、文脈に応じて、タンパク質若しくはペプチド、又はESAT-6タンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、ESAT-6は、UniProtKB-P9WNK7(ESXA_MYCTU)(配列番号2)に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、ESAT-6は、配列番号2に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、ESAT-6は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、ESAT-6は、配列番号2に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、ESAT-6は、配列番号13に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0049】
Rv3407は、Mtb抗原である(Mollenkopf,HJ et al.Application of Mycobacterial Proteomics to Vaccine Design: Improved Protection by Mycobacterium bovis BCG Prime-Rv3407 DNA Boost Vaccination against Tuberculosis.Infection and Immunity 72,6471-6479(2004))。本明細書で使用される場合、「Rv3407」は、文脈に応じて、抗原性タンパク質若しくはペプチド、又はRv3407タンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、Rv3407は、UniProtKB-P9WF23(VPB47_MYCTU)(配列番号3)に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Rv3407は、配列番号3に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、Rv3407は、配列番号14に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Rv3407は、配列番号3に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Rv3407は、配列番号14に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0050】
Rv2626cは、Mtb潜在抗原として特定されている(Amiano,NO et al.IFN-γ and IgG responses to Mycobacterium tuberculosis latency antigen Rv2626c differentiate remote from recent tuberculosis infection.Sci Rep 10,7472(2020))。本明細書で使用される場合、「Rv2626c」は、文脈に応じて、抗原性タンパク質若しくはペプチド、又はRv2626cタンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、Rv2626cは、UniProtKB-P9WJA3(HRP1_MYCTU)(配列番号4)に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Rv2626cは、配列番号4に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、Rv2626cは、配列番号15に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Rv2626cは、配列番号4に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Rv2626cは、配列番号15に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0051】
RpfA及びRpfDは、毒性及び休眠状態からの蘇生に関与するが、概してインビトロ成長に必要ではないMtbタンパク質のファミリーに属する(Kana,BD et al.The resuscitation-promoting factors of Mycobacterium tuberculosis are required for virulence and resuscitation from dormancy but are collectively dispensable for growth in vitro.Mol Microbiol.67,672-684(2008))。本明細書で使用される場合、「RpfA」は、文脈に応じて、タンパク質若しくはペプチド、又はRpfAタンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。RpfAは、Mtb株において可変性の発現を有する。Mtb株におけるRpfAは、完全長であり得るか、又はC末端のみ、N末端のみ、及び/若しくはタンパク質の中心部分を欠くものを含み得る。いくつかの実施形態では、RpfAは、UniProtKB-P9WG31(RPFA_MYCTU)(配列番号5)に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、RpfAは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、RpfAは、配列番号16に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、RpfAは、配列番号5に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、RpfAは、配列番号16に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0052】
本明細書で使用される場合、「RpfD」は、文脈に応じて、タンパク質若しくはペプチド、又はRpfDタンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、RpfDは、UniProtKB-P9WG27(RPFD_MYCTU)(配列番号6)に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、RpfDは、配列番号6に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、RpfDは、配列番号17に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、RpfDは、配列番号6に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、RpfDは、配列番号17に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0053】
Ra12は、典型的には、Mtb32Aの最後の約132アミノ酸を含む、Mtb32AのC末端部分を指す(国際出願公開第2006/117240A2号、Ra12及びRa35抗原並びにそれらを含む融合体に関する教示について参照により本明細書に組み込まれる)。Mtb32Aは、Mtbセリンプロテアーゼである(Skeiky,YAW et al.Cloning,Expression,and Immunological Evaluation of Two Putative Secreted Serine Protease Antigens of Mycobacterium tuberculosis.Infection and Immunity 67,3998-4007(1999))。実施例は、UniProtKB-O07175(O07175_MYCTU)(配列番号7)に対応するMtb32A配列である。本明細書で使用される場合、「Ra12」は、文脈に応じて、タンパク質若しくはペプチド、又はRa12タンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、Ra12は、配列番号23に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Ra12は、配列番号23に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、Ra12は、配列番号23に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0054】
Ra35は、Mtb32AのN末端部分を指す(国際出願公開第2006/117240A2号)。本明細書で使用される場合、「Ra35」は、文脈に応じて、タンパク質若しくはペプチド、又はRa35タンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、Ra35は、配列番号25に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Ra35は、配列番号25に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、Ra35は、配列番号25に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0055】
いくつかの実施形態では、Ra35は、配列番号26に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Ra35は、配列番号26に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、Ra35は、配列番号26に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0056】
TbH9(Mtb39a又はPPE18としても知られる)は、タンパク質のマイコバクテリアプロリン-プロリン-グルタミン酸(PPE)ファミリーのメンバーであり、Mtbの細胞内生存に関与しているようである(Bhat,KH et al.Role of PPE18 Protein in Intracellular Survival and Pathogenicity of Mycobacterium tuberculosis in Mice.PLoS ONE 7,e52601(2012))。TbH9(Mtb39a)は、Mtb39b及びMtb39cに非常に相同であり、これらはともに、Mtb39遺伝子ファミリーを含む。本明細書で使用される場合、「TbH9」は、文脈に応じて、タンパク質若しくはペプチド、又はTbH9タンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、TbH9は、UniProtKB-L7N675(PPE18_MYCTU)(配列番号8)に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、TbH9は、配列番号8に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、TbH9は、配列番号24に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、TbH9は、配列番号8に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、TbH9は、配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0057】
Mtb72fは、M.tuberculosisタンパク質Mtb32a及びTbH9を含む融合タンパク質である。Mtb72fを、以下のようにTbH9をMtb32aのC末端及びN末端部分と融合させることによって構築した:Mtb32C末端-Mtb39-Mtb32N末端。Mtb32aの約14kDaのC末端断片をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)は、TbH9の完全長ORF、続いてMtb32aの約20kDaのN末端部分に続けて連結された。本明細書で使用される場合、「Mtb72f」は、文脈に応じて、抗原性融合タンパク質若しくはペプチド、又はMtb72fタンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、Mtb72fは、配列番号18に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、Mtb72fは、配列番号18に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、Mtb72fは、配列番号18に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0058】
Mtb72fはまた、配列番号19に記載の、アミノ酸位置1のメチオニンが除去されたMtb72fを指し得る。いくつかの実施形態では、Mtb72fは、配列番号19に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、Mtb72fは、配列番号19に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0059】
M72は、N末端に2残基ヒスチジンタグ、及びアミノ酸位置710にセリンからアラニンへの置換を含むMtb72fのバリアントである。Mtb32aのC末端部分及びTbH9の完全長ORFは、それ以外、Mtb72f(配列番号18)と同じ配列である。Mtb32aのN末端部分は、S710A置換を含有する。本明細書で使用される場合、「M72」は、文脈に応じて、抗原性融合タンパク質若しくはペプチド、又はM72タンパク質若しくはペプチドをコードするアミノ酸配列、又はそれらの一部分を指し得る。いくつかの実施形態では、M72は、配列番号21に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、M72は、配列番号21に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、M72は、配列番号21に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0060】
「M72-融合体-2」は、N末端に3アミノ酸欠失を有するM72のバリアントであり、アミノ酸位置1のメチオニン及び2残基ヒスチジンタグの両方が除去されている。いくつかの実施形態では、M72-融合体-2は、配列番号22に記載のアミノ酸配列を指す。いくつかの実施形態では、M72-融合体-2は、配列番号22に記載のアミノ酸配列の断片を指す。いくつかの実施形態では、M72-融合体-2は、配列番号22に記載のアミノ酸配列又はその断片に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を指す。
【0061】
図1及び2は、本明細書に記載の融合タンパク質の非限定的な例を示す。
【0062】
いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、Ra12、TbH9、Ra35、及びRpfD、又はそれらの断片を含むか、それらからなるか、又はそれらから本質的になる融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-Ra12-TbH9-Ra35-RpfD融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号42に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号42に記載のアミノ酸配列を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、及びRpfD、又はそれらの断片を含むか、それらからなるか、又はそれらから本質的になる融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfA-RpfD融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号9~10のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35、又はそれらの断片を含むか、それらからなるか、又はそれらから本質的になる融合タンパク質を提供する。別途指定されない限り、個々のMtb抗原は、融合タンパク質中に任意の順序で存在し得る。更に、それらは、本明細書に記載のリンカーを有するか又は有さず、C末端からN末端からC末端へ接続され得る。いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfA-RpfD-Ra12-TbH9-Ra35融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、(i)配列番号9~10のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号18~22のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号27に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号28に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号29に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号30に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号27に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号30に記載のアミノ酸配列を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、及びTbH9、又はそれらの断片を含むか、それらからなるか、又はそれらから本質的になる融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfA-RpfD-TbH9融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、(i)配列番号9~10のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号31に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号31に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35、又はそれらの断片を含むか、それらからなるか、又はそれらから本質的になる融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfD-Ra12-TbH9-Ra35融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、(i)配列番号1及び11~12のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(ii)配列番号2又は13に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iii)配列番号3又は14に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iv)配列番号4又は15に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(v)配列番号6又は17に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(vi)配列番号23に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(vii)配列番号8又は24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(viii)配列番号25~26のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号33に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号34に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号35に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号36に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号33に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号34に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号35に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号36に記載のアミノ酸配列を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfD、及びTbH9、又はそれらの断片を含むか、それらからなるか、又はそれらから本質的になる融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfD-TbH9融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、(i)配列番号1及び11~12のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(ii)配列番号2又は13に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iii)配列番号3又は14に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iv)配列番号4又は15に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、(v)配列番号6又は17に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(vi)配列番号8又は24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号38に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号38に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号42及び1~38のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号42に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号42に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号42に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0069】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号27に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号27に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号27に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号27に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0070】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号28に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号28に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号28に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0071】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号29に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号29に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号29に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0072】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号30に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号30に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号30に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号30に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0073】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号31に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号31に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号31に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号31に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0074】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号32に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号32に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0075】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号33に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号33に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号33に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号33に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0076】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号34に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号34に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号34に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号34に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0077】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号35に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号35に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号35に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号35に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0078】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号36に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号36に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号36に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号36に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0079】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0080】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号38に記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号38に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号38に記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号38に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
【0081】
前述の実施形態のうちのいずれかでは、融合タンパク質は、タグを更に含み得る。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、ポリHisタグを更に含み得る。いくつかの実施形態では、ポリHisタグは、2~6個のHis残基を含むか又はそれらからなる。いくつかの実施形態では、ポリHisタグは、融合タンパク質のN末端に位置するか、又はN末端の最初のMet残基の後に挿入される。前述の実施形態のうちのいずれかでは、融合タンパク質は、アミノ酸配列YPYDVPDYA(配列番号40)を含むヒトインフルエンザ血球凝集素(HA)タグを更に含み得る。いくつかの実施形態では、HAタグは、融合タンパク質のC末端に位置する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、タグ又はビオチン、蛍光部分、放射性部分、若しくは他のペプチドタグなどの他の撮像剤にコンジュゲートされ得る。
【0082】
個々のMtb抗原は、任意のリンカーなしで、C末端からN末端又はN末端からC末端に一緒に連結され得る。あるいは、リンカーは、本明細書に開示される融合タンパク質のうちのいずれか内の任意の2つのMtb抗原の間に存在し得る。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35のうちの1つ以上を接続する1つ以上のリンカーを更に含み得る。例えば、リンカーは、2つのMtb抗原の接合部に含まれる1つ以上のアミノ酸残基を含むか、又はそれからなり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、任意選択で、1つ以上の制限部位を含有するDNAのセグメントによってコードされ、DNAのセグメントは、本明細書に開示される融合タンパク質のうちのいずれかの2つのMtb抗原をコードする核酸分子の間に挿入される。いくつかの実施形態では、制限部位は、EcoRI制限部位又はEcoRV制限部位を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、Ra12とTbH9との間にリンカーを含み、EcoRI制限部位をもたらす。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、TbH9とRa35との間にリンカーを含み、EcoRV制限部位をもたらす。
【0083】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質のうちのいずれかをコードする核酸分子を提供する。
【0084】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号41に記載の核酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有する配列を含む核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号41に記載の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号41に記載の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列から本質的になる。
【0085】
III.ベクター
いくつかの実施形態では、本開示は、上記の融合タンパク質をコードするベクターを提供する。
【0086】
ベクターは、当該技術分野で既知の任意の発現ベクターであり得る。抗原が発現されるためには、融合タンパク質のタンパク質コード配列は、タンパク質の転写及び翻訳を指示する調節配列又は核酸制御配列に「作動可能に連結」されている必要がある。コード配列及び核酸制御配列又はプロモーターは、それらが、コード配列の発現又は転写及び/又は翻訳を核酸制御配列の影響又は制御下に置くような様式で共有結合されている場合、「作動可能に連結されている」と言われる。「核酸制御配列」は、核酸エレメントに作動可能に連結された核酸配列又はコード配列の発現を指示する、プロモーター、エンハンサー、IRES、イントロン、及び本明細書に記載の他のエレメントなどであるがこれらに限定されない任意の核酸エレメントであり得る。「プロモーター」という用語は、RNAポリメラーゼIIの開始部位の周りでクラスター化され、かつ、本開示のタンパク質コード配列に作動可能に連結された場合にコードタンパク質の発現をもたらす、転写制御モジュールの群を指す。本開示の異種抗原及び融合タンパク質の発現は、限定されないが、テトラサイクリンなどの抗生物質、エクジソンなどのホルモン、又は重金属などのいくつかの特定の外部刺激に曝露されたときにのみ転写を開始する構成的プロモーター又は誘導性プロモーターの制御下にあり得る。プロモーターはまた、特定の細胞型、組織、又は臓器に特異的であり得る。多くの好適なプロモーター及びエンハンサーが当該技術分野で既知であり、任意のそのような好適なプロモーター又はエンハンサーが、本開示の導入遺伝子の発現のために使用され得る。例えば、好適なプロモーター及び/又はエンハンサーは、真核生物プロモーターデータベース(EPDB)から選択され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質をコードするベクターは、プラスミド、コスミド、ファージ、細菌ベクター、又はウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、ベクターは、ポックスウイルス、アデノウイルス、風疹、センダイウイルス、ラブドウイルス、アルファウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス、又はアデノ随伴ウイルスなどのウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、融合タンパク質をコードするベクターは、細菌人工染色体(BAC)である。いくつかの実施形態では、融合タンパク質をコードするベクターは、CMVベクター、例えば、RhCMV又はHCMVベクターである。いくつかの実施形態では、融合タンパク質をコードするベクターは、TR3骨格を含む組換えHCMVベクターである。
【0088】
いくつかの実施形態では、組換えCMVベクターは、HCMV TR3であるか、又はそれに由来する。本明細書で言及される場合、「HCMV TR3」又は「TR3」は、Caposio,P et al.(Characterization of a live attenuated HCMV-based vaccine platform.Scientific Reports 9,19236(2019))に記載されているように、臨床分離株HCMV TRに由来するHCMV-TR3ベクター骨格を指す。
【0089】
本明細書に記載される場合、組換えCMVベクターは、1つ以上のCMV遺伝子の存在又は非存在によって特徴付けられ得る。CMVベクターはまた、1つ以上のCMV遺伝子によってコードされる1つ以上のタンパク質の存在又は非存在によって特徴付けられ得る。CMV遺伝子によってコードされるタンパク質は、CMV遺伝子をコードする核酸配列における変異の存在により、非存在であり得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、CMV遺伝子のオーソログ又はホモログを含み得る。CMV遺伝子の例としては、UL82、UL128、UL130、UL146、UL147、UL18、及びUL78が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
ヒトサイトメガロウイルスUL82遺伝子は、ウイルス粒子の外皮ドメインに局在されるタンパク質であるpp71をコードする。例えば、CMV TR株のUL82遺伝子は、GenBankアクセッション番号KF021605.1の118811~120490である。
【0091】
pp71は、ウイルス遺伝子転写のDaxx抑制の阻害、STINGの負の調節、及び細胞抗ウイルス応答の回避を含む1つ以上の機能を果たし得る(Kalejta RF,et al.Expanding the Known Functional Repertoire of the Human Cytomegalovirus pp71 Protein.Front Cell Infect Microbiol.2020 Mar 12;10:95)。UL82遺伝子座での外来遺伝子の挿入によるUL82の欠失又はUL82の破壊は、pp71タンパク質の非存在をもたらし、その結果、線維芽細胞、内皮細胞、上皮細胞、及び星状細胞における複製を低減する(Caposio P et al.,Characterization of a live-attenuated HCMV-based vaccine platform.Sci Rep.2019 Dec 17;9(1):19236)。UL82の欠失又は破壊の効果は、細胞キナーゼ阻害剤によって可逆的である。アカゲザルサイトメガロウイルス(RhCMV)遺伝子RhCMV110は、ヒトCMV UL82と相同である(Hansen SG,et al.Complete sequence and genomic analysis of rhesus cytomegalovirus.J Virol.2003 Jun;77(12):6620-36)。
【0092】
ヒトサイトメガロウイルス遺伝子UL128及びUL130は、ウイルスエンベロープの構成要素をコードする(Patrone,M et al.Human cytomegalovirus UL130 protein promotes endothelial cell infection through a producer cell modification of the virion.J Virol.79(13):8361-73(2005)、Ryckman,BJ et al.Characterization of the human cytomegalovirus gH/gL/UL128-131 complex that mediates entry into epithelial and endothelial cells.J Virol.82(1):60-70(2008)、Wang,D et al.Human cytomegalovirus virion protein complex required for epithelial and endothelial cell tropism.Proc Natl Acad Sci U S A.102(50):18153-8(2005))。例えば、CMV TR株のUL128遺伝子は、GenBankアクセッション番号KF021605.1の176206~176964であり、CMV TR株のUL130遺伝子は、GenBankアクセッション番号KF021605.1の177004~177648である。
【0093】
ヒトサイトメガロウイルス遺伝子UL146及びUL147は、それぞれ、CXCケモカインvCXC-1及びvCXC-2をコードする(Penfold,ME et al.Cytomegalovirus encodes a potent alpha chemokine.Proc Natl Acad Sci U S A.96(17):9839-44(1999))。例えば、CMV TR株のUL146遺伝子は、GenBankアクセッション番号KF021605.1の180954~181307であり、CMV TR株のUL147遺伝子は、GenBankアクセッション番号KF021605.1の180410~180889である。
【0094】
ヒトサイトメガロウイルスUL18遺伝子は、β2-ミクログロブリンと会合し、内因性ペプチドに結合し得るI型膜糖タンパク質をコードする(Park,B et al.Human cytomegalovirus inhibits tapasin-dependent peptide loading and optimization of the MHC class I peptide cargo for immune evasion.Immunity.20(1):71-85(2004)、Browne,H et al.A complex between the MHC class I homologue encoded by human cytomegalovirus and beta 2 microglobulin.Nature.347(6295):770-2(1990)、Fahnestock,ML et al.The MHC class I homolog encoded by human cytomegalovirus binds endogenous peptides.Immunity.3(5):583-90(1995))。例えば、CMV TR株のUL18遺伝子は、GenBankアクセッション番号KF021605.1の24005~25111である。
【0095】
ヒトサイトメガロウイルスUL78遺伝子は、推定上のGタンパク質共役受容体をコードし(Chee,MS et al.Analysis of the protein-coding content of the sequence of human cytomegalovirus strain AD169.Curr Top Microbiol Immunol.1154:125-69(1990))、ウイルス複製にも役割を有し得る(Michel,D et al.The human cytomegalovirus UL78 gene is highly conserved among clinical isolates,but is dispensable for replication in fibroblasts and a renal artery organ-culture system.J Gen Virol.86(Pt 2):297-306(2005))。例えば、CMV TR株のUL78遺伝子は、GenBankアクセッション番号KF021605.1の114247~115542である。
【0096】
いくつかの実施形態では、組換えCMVベクターは、UL128若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現する。いくつかの実施形態では、組換えCMVベクターは、UL146若しくはUL147、又はそれらのオーソログを発現する。いくつかの実施形態では、組換えCMVベクターは、UL128、UL130、UL146、及びUL147を発現する。
【0097】
いくつかの実施形態では、組換えCMVベクター(例えば、組換えHCMVベクター又はTR3骨格を含む組換えHCMVベクター)は、UL128及びUL130、又はそれらのオーソログをコードする核酸配列における変異の存在により、UL128若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現しない。いくつかの実施形態では、CMVベクターは、UL146、UL147、UL18、UL78、若しくはUL82、又はそれらのオーソログをコードする核酸配列における変異の存在により、UL146、UL147、UL18、UL78、及びUL82、並びにそれらのオーソログのうちの1つ以上が欠損している。いくつかの実施形態では、CMVベクターは、US11又はそのオーソログをコードする核酸配列における変異の存在により、US11及びそのオーソログが欠損している。前述の実施形態では、1つ以上の変異は、活性タンパク質の発現の欠如をもたらす任意の変異であり得る。そのような変異には、例えば、点変異、フレームシフト変異、タンパク質をコードする配列の全て未満の欠失(切断変異)、又はタンパク質をコードする核酸配列の全ての欠失が含まれる。いくつかの実施形態では、組換えCMVベクター(例えば、組換えHCMVベクター又はTR3骨格を含む組換えHCMVベクター)は、UL40及びUS28、又はそれらのオーソログを発現する。
【0098】
いくつかの実施形態では、組換えCMVベクター(例えば、組換えHCMVベクター又はTR3骨格を含む組換えHCMVベクター)は、UL78、UL128、及びUL130、又はそれらのオーソログをコードする核酸配列における変異の存在により、UL78、UL128、若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現しない。いくつかの更なる実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質をコードする核酸分子は、UL78を置き換えるである。いくつかの更なる実施形態では、融合タンパク質は、UL78プロモーターに作動可能に連結され、UL78プロモーターによって発現される。
【0099】
いくつかの実施形態では、組換えCMVベクター(例えば、組換えHCMVベクター又はTR3骨格を含む組換えHCMVベクター)は、UL78、UL128、及びUL130、又はそれらのオーソログをコードする核酸配列における変異の存在により、UL78、UL128、若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現しない。いくつかの更なる実施形態では、組換えCMVベクターは、UL18、UL82、UL146、及びUL147、又はそれらのオーソログを発現する。いくつかの更なる実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質をコードする核酸分子は、UL78を置き換えるである。いくつかの更なる実施形態では、融合タンパク質は、UL78プロモーターに作動可能に連結され、UL78プロモーターによって発現される。
【0100】
いくつかの実施形態では、組換えCMVベクター(例えば、組換えHCMVベクター又はTR3骨格を含む組換えHCMVベクター)は、UL82、UL128、及びUL130、又はそれらのオーソログをコードする核酸配列における変異の存在により、UL82、UL128、若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現しない。いくつかの更なる実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質をコードする核酸分子は、UL82を置き換えるである。いくつかの更なる実施形態では、融合タンパク質は、UL82プロモーターに作動可能に連結され、UL82プロモーターによって発現される。
【0101】
ワクチンのために望ましい特性を有するHCMVベクターを製造するための課題は、ベクターが、多くの場合、ウイルス複製又は増殖が低減するようにデザインされることである。例えば、いくつかの生減弱HCMV-HIVワクチンベクターは、HCMV遺伝子UL82(外皮タンパク質pp71をコードする)の欠失によって成長が欠損するように操作され、より低いウイルス収率をもたらす。pp71は、この外皮タンパク質が、細胞Daxx機能を抑制する核に転座され、したがって、複製サイクルを誘発するCMV前初期(IE)遺伝子発現を可能にするため、野生型HCMV感染にとって重要である。いくつかの製造プロセスは、HCMV pp71の機能のうちの1つを模倣する、Daxxを標的とするsiRNAでのMRC-5細胞の一過性トランスフェクションを使用する機能的相補性に依存する。別のアプローチは、宿主細胞が必須ウイルス遺伝子を発現することを可能にするために、pp71をコードするmRNAのトランスフェクションを使用することである。必須ウイルス遺伝子を発現させるためのmRNAのトランスフェクションは、細胞周期刺激、効率的なビリオンパッケージング、及びウイルス安定性など、感染プロセスを強化する可能性が高い遺伝子の全ての機能を提供することが可能であり得る。更に、感染の後半に存在するタンパク質は、子孫ウイルスにパッケージングされる可能性を有し、これは、より効率的な第1のラウンドの感染及び持続的な感染の確立によって、ワクチンの必要な用量を低下させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、組換えCMVウイルスベクターを産生する方法であって、(a)pp71タンパク質をコードするmRNAを細胞に導入することと、(b)細胞を組換えCMVで感染させることと、(c)細胞をインキュベーションすることと、(d)組換えCMVウイルスベクターを収集することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、pp71タンパク質をコードする核酸は、トランスフェクションを使用して細胞に送達される。いくつかの実施形態において、細胞は、MRC-5細胞である。いくつかの実施形態では、組換えCMVは、本明細書に記載の組換えHCMV(例えば、TR3骨格に由来する組換えHCMVベクター)である。いくつかの実施形態では、組換えCMV及び組換えCMVウイルスベクターは、本明細書に記載のMtb抗原などの異種病原体特異的抗原をコードする核酸を含む。そのような方法によって作製されるCMVウイルスベクターもまた、本開示の範囲内である。
【0102】
いくつかの実施形態では、組換えCMVベクター(例えば、組換えHCMVベクター又はTR3骨格を含む組換えHCMVベクター)は、マイクロRNA(miRNA)認識エレメント(MRE)をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HCMVベクターは、内皮細胞において発現されるマイクロRNAの標的部位を含有するMREをコードする核酸配列を含む。内皮細胞において発現されるmiRNAの例は、miR126、miR-126-3p、miR-130a、miR-210、miR-221/222、miR-378、miR-296、及びmiR-328である。いくつかの実施形態では、組換えCMVベクター(例えば、組換えHCMVベクター又はTR3骨格を含む組換えHCMVベクター)は、骨髄細胞において発現されるマイクロRNAの標的部位を含有するMREをコードする核酸配列を含む。骨髄細胞において発現されるmiRNAの例は、miR-142-3p、miR-223、miR-27a、miR-652、miR-155、miR-146a、miR-132、miR-21、miR-124、及びmiR-125である。
【0103】
本明細書に開示されるベクターに含まれ得るMREは、内皮細胞によって発現されるmiRNA又は骨髄細胞によって発現されるmiRNAの存在下で発現をサイレンシングする任意のmiRNA認識エレメントであり得る。そのようなMREは、miRNAの正確な相補体であり得る。あるいは、他の配列を所与のmiRNAのためのMREとして使用し得る。例えば、MREは、公的に利用可能なデータベースを使用して配列から予測され得る。一例では、miRNAは、ウェブサイトmicroRNA.org(www.microrna.org)で検索され得る。次いで、miRNAのmRNA標的のリストが列挙される。そのページの列挙された各標的について、「アラインメントの詳細」にアクセスし、推定MREにアクセスし得る。当業者は、文献から、マクロファージなどの骨髄細胞で発現されるmiRNAの存在下でサイレンシングを誘導すると予測される妥当な、推定の、又は変異したMRE配列を選択し得る。一例には、上記の参照のウェブサイトが含まれる。次いで、当業者は、レポーター遺伝子(蛍光タンパク質、酵素、又は他のレポーター遺伝子など)が、構成的に活性なプロモーター又は細胞特異的プロモーターなどのプロモーターによって駆動される発現を有する、発現構築物を取得し得る。次いで、MRE配列を発現構築物に導入し得る。発現構築物を適切な細胞にトランスフェクトし、細胞を関心のあるmiRNAでトランスフェクトし得る。レポーター遺伝子の発現の欠如は、MREがmiRNAの存在下で遺伝子発現をサイレンシングしていることを示す。
【0104】
いくつかの実施形態では、CMVベクターは、任意のMREをコードしない核酸配列を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCMVベクターは、宿主から宿主への拡散を妨げ、それによって、ウイルスが、免疫不全の対象又はCMV感染の結果として合併症に直面し得る他の対象に感染できなくし得る変異を含有する。本明細書に記載のCMVベクターはまた、免疫優性及び非免疫優性エピトープの提示並びに非典型的なMHC拘束をもたらす変異を含み得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCMVベクターにおける変異は、以前にCMVに感染した対象を再感染させるベクターの能力に影響を及ぼさない。そのようなCMV変異は、例えば、米国特許出願公開第2013/0136768A1号、同第2013/0142823A1号、同第2014/0141038A1号、及び国際出願公開第2014/138209A1号に記載され、これらは、これらの変異に関する教示について、参照により本明細書に組み込まれる。
【0106】
本明細書に開示されるCMVベクターは、Mtb抗原(例えば、本明細書に開示される融合タンパク質)をコードする配列を含むDNAをCMVゲノムの必須又は非必須領域に挿入することによって調製され得る。方法は、CMVゲノムから1つ以上の領域を欠失させることを更に含み得る。この方法は、インビボでの組換えを含み得る。したがって、方法は、CMVゲノムの部分と相同なDNA配列に隣接する異種DNAを含むドナーDNAの存在下で、細胞適合培地中で細胞をCMV DNAでトランスフェクトし、それによって、異種DNAをCMVのゲノムに導入することと、任意選択で、次いでインビボ組換えによって修飾されたCMVを回収することと、を含み得る。方法は、CMV DNAを切断して切断型CMV DNAを得ることと、異種DNAを切断型CMV DNAに連結してハイブリッドCMV-異種DNAを得ることと、細胞をハイブリッドCMV-異種DNAでトランスフェクトすることと、任意選択で、次いで異種DNAの存在によって修飾されたCMVを回収することと、を含み得る。インビボ組換えが含まれるため、方法はまた、CMVに対して外来性であるポリペプチドをコードする、CMV中に天然では存在しないドナーDNAを含むプラスミドを提供し、ドナーDNAは、さもなくばCMVゲノムの必須又は非必須領域と共直鎖状である(co-linear)CMV DNAのセグメント内にあり、したがって、CMVの必須又は非必須領域由来のDNAがドナーDNAに隣接している。異種DNAは、そのDNAの安定的な組み込み及び所望する場合にはその発現を生じさせる任意の配向で組換えCMVを生成するように、CMVに挿入され得る。
【0107】
組換えCMVベクターにおけるMtb抗原(例えば、本明細書に開示される融合タンパク質)をコードするDNAはまた、プロモーターを含み得る。プロモーターは、内因性サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、例えば、ヒトCMV(HCMV)、アカゲザルCMV(RhCMV)、マウス、又は他のCMVプロモーターを含む、ヘルペスウイルスなどの任意の供給源に由来し得る。プロモーターはまた、EF1αプロモーターなどの非ウイルスプロモーターであり得る。プロモーターは、ウイルスによって提供されるトランス活性化タンパク質でトランス活性化された領域と、切断型転写活性プロモーターが由来する完全長プロモーターの最小プロモーター領域と、を含む、切断型転写活性プロモーターであり得る。プロモーターは、最小限のプロモーター及び上流の調節配列に対応するDNA配列の結合からなり得る。最小限のプロモーターは、CAP部位及びATAボックス(転写の非調節レベルである、転写の基本レベルのための最小配列)からなり、「上流の調節配列」は、上流のエレメント(複数可)及びエンハンサー配列(複数可)からなる。更に、「切断型の(truncated)」という用語は、完全長プロモーターが完全には存在しないこと、すなわち、完全長プロモーターのある部分が除去されていることを示す。切断型プロモーターは、MCMV又はHCMV、例えばHCMV-IE又はMCMV-IEなどのヘルペスウイルスに由来し得る。塩基対に基づいて、完全長プロモーターから最大40%、更には最大90%のサイズ縮小があり得る。プロモーターはまた、修飾された非ウイルスプロモーターであり得る。HCMVプロモーターに関して、米国特許第5,168,062号及び同第5,385,839号を参照されたい。細胞からの発現のためにプラスミドDNAで細胞をトランスフェクトすることに関しては、Felgner,JH et al.が参照される(Enhanced gene delivery and mechanism studies with a novel series of cationic lipid formulations.J Biol.Chem.269,2550-2561(1994))。様々な感染症に対するワクチン接種の簡単かつ効果的な方法としてのプラスミドDNAの直接注射に関しては、Ulmer,JB et al.が参照される(Heterologous protection against influenza by injection of DNA encoding a viral protein.Science 259,1745-1749(1993))。したがって、ベクターDNAの直接注射によってベクターを使用し得ることは本開示の範囲内である。切断型転写活性プロモーターを含む組換えウイルス又はプラスミドに挿入され得る発現カセットもまた開示される。発現カセットは、機能的な切断型ポリアデニル化シグナル、例えば、切断されているがなおも機能的であるSV40ポリアデニル化シグナルを更に含み得る。切断型ポリアデニル化シグナルは、CMVなどの組換えウイルスの挿入サイズ制限の問題に対処する。発現カセットはまた、異種DNAが挿入されるウイルス又はシステムに関連して、異種DNAを含み得、DNAは本明細書に記載の異種DNAであり得る。
【0108】
融合タンパク質をコードする配列を含むDNAがそれ自体、発現を駆動するためのプロモーターをCMVベクター中に含み得るか、又はDNAが、融合タンパク質のコードDNAに限定され得ることに留意されたい。この構築物は、プロモーターに作動可能に連結され、それによって発現されるように、内因性CMVプロモーターに対する配向で配置され得る。更に、融合タンパク質をコードするDNAの複数コピー、又は強力若しくは早期プロモーター若しくは早期及び後期プロモーターの使用、又はそれらの任意の組み合わせは、発現を増幅又は増加させるために行われ得る。したがって、融合タンパク質をコードするDNAは、CMV内因性プロモーターに関して好適に配置され得るか、又はそれらのプロモーターは、融合タンパク質をコードするDNAとともに別の位置に挿入されるように転座され得る。2つ以上の融合タンパク質、又は融合タンパク質及び追加の抗原をコードする核酸は、CMVベクターにパッケージングされ得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号44に記載の核酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する核酸配列を含む、組換えHCMVベクターを提供する。いくつかの実施形態では、組換えHCMVベクターは、配列番号44に記載の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えHCMVベクターは、配列番号44に記載の核酸配列からなる。
【0110】
IV.医薬組成物
本開示は、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質と、薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む、医薬組成物(例えば、免疫原性又はワクチン組成物)を提供する。本開示はまた、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質をコードするベクター(例えば、本明細書に開示される組換えCMVベクター)を含む医薬組成物(例えば、免疫原性又はワクチン組成物)を提供する。組換えCMVウイルス又はベクター(又はその発現産物)を含有する免疫原性又はワクチン組成物は、(局所又は全身的に)免疫応答を誘発する。応答は、保護用であってもよいが、保護用である必要はない。換言すれば、免疫原性又はワクチン組成物は、局所又は全身の防御又は治療応答を誘発する。
【0111】
そのような医薬組成物は、医薬分野において当業者に周知の標準的な技術に従って調製され得る。そのような組成物は、特定の患者の種(breed)又は種(species)、年齢、性別、体重、及び状態、並びに投与経路などの要因を考慮して、医学分野の当業者に周知の投与量で及び技術により投与され得る。組成物は、単独で投与され得るか、他のタンパク質若しくはペプチドとともに、他のベクター(例えば、CMVベクター)とともに、あるいは他の免疫、抗原、もしくワクチン、又は治療組成物とともに、同時に又は順次投与され得る。そのような他の組成物は、精製された天然抗原若しくはエピトープ、又は組換えCMV若しくは別のベクター系による発現からの抗原若しくはエピトープを含み得る。
【0112】
本明細書に開示される医薬組成物は、当該技術分野で既知の任意の投与手順で使用されるように製剤化され得る。そのような医薬組成物は、非経口経路(皮内、腹腔内、筋肉内、皮下、静脈内、又はその他)を介し得る。投与はまた、経口、鼻、生殖器などの粘膜経路を介し得る。
【0113】
組成物の例には、オリフィス、例えば、経口、鼻、肛門、生殖器、例えば、膣などの投与のための液体調製物、例えば、懸濁液、シロップ剤、又はエリキシル剤、並びに非経口、皮下、腹腔内、皮内、筋肉内、又は静脈内投与(例えば、注射可能な投与)のための調製物、例えば、滅菌懸濁液又は乳剤が含まれる。そのような組成物において、組換え体は、滅菌水、生理食塩水、グルコース、トレハロースなどの好適な担体、希釈剤、又は賦形剤との混合物中にあってもよい。
【0114】
本明細書に開示される医薬組成物は、典型的には、所望の応答を誘発するために、アジュバント及びある量の抗原(例えば、融合タンパク質)又は抗原をコードするベクターを含むか、又は含有し得る。ヒト用途では、ミョウバン(リン酸アルミニウム又は水酸化アルミニウム)が典型的なアジュバントである。サポニン及びその精製成分であるQuil A、完全フロイントアジュバント、並びに研究及び獣医学的用途で使用される他のアジュバントは、ヒトワクチンにおけるそれらの潜在的な使用を制限する毒性を有する。Goodman-Snitkoff,G.et al.(Role of intrastructural/intermolecular help in immunization with peptide-phospholipid complexes.J Immunol.147,410-415 (1991))によって記載されているものなど、ムラミルジペプチド、モノホスホリル脂質A、リン脂質コンジュゲートなどの化学的に定義された調製物、Miller,MD et al.(Vaccination of rhesus monkeys with synthetic peptide in a fusogenic proteoliposome elicits simian immunodeficiency virus-specific CD8+ cytotoxic T lymphocytes.J Exp.Med.176:1739-1744(1992))によって記載されるようなプロテオリポソーム内のタンパク質のカプセル化、及びノバソーム(Novasome)脂質小胞などの脂質小胞中のタンパク質のカプセル化(Micro Vescular Systems,Inc.、Nashua,N.H.)もまた、使用され得る。
【0115】
組成物は、非経口(例えば、筋肉内、皮内、又は皮下)投与又はオリフィスでの投与、例えば、舌下(例えば、経口)、胃内、口腔内、肛門内、膣内などを含む粘膜の投与による免疫化のために、単一の剤形でパッケージングされ得る。有効な投与量及び投与経路は、組成物の性質、発現産物の性質、ベクターが直接使用される場合の発現レベル、並びに対象の種(breed)又は種(species)、年齢、性別、体重、状態、及び性質などの既知の因子、並びにLD50及び既知で過度の実験を必要としない他のスクリーニング手順によって決定される。発現される生成物の投与量は、数マイクログラム~数百マイクログラム、例えば、5~500μgの範囲であり得る。抗原又は抗原をコードするベクターは、これらの投与量レベルの発現を達成するために、任意の好適な量で投与され得る。非限定的な例では、本明細書に開示される融合タンパク質をコードするCMVベクターは、少なくとも10pfuの量、又は約10pfu~約10pfuの範囲で投与され得る。他の好適な担体又は希釈剤は、防腐剤を含むか又は含まない、水又は緩衝生理食塩水であり得る。組成物は、投与時に再懸濁のために凍結乾燥され得るか、又は溶液中にあり得る。
【0116】
V.治療方法及び他の使用
本明細書に開示される融合タンパク質及びベクター(組換えCMVベクターなど)は、融合タンパク質、ベクター、又は組換えCMVウイルス若しくはベクターと、薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を対象に投与することを含む、対象において免疫学的又は免疫応答を誘導する方法において使用され得る。
【0117】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト及び非ヒト哺乳動物の両方を含むカテゴリである、生きている多細胞脊椎動物を指す。対象は、Mycobacterium tuberculosisに感染され得る任意の哺乳動物、例えば、霊長類(ヒト、非ヒト霊長類、例えば、サル、又はチンパンジーなど)を含む哺乳動物、又は結核感染の許容される臨床モデルとみなされる動物であり得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。更なる実施形態では、対象は、18歳以上の成人である。なお更なる実施形態では、対象は、13~17歳の青年である。
【0119】
いくつかの実施形態では、対象は、結核が風土性ではない地理的位置に居住している。いくつかの実施形態では、対象は、結核が風土性である地理的位置(例えば、南アフリカ)に居住している。本明細書で使用される場合、「風土性」は、ある特定の地理的領域又は特定の群の人々に常に存在する疾患を説明するために使用される。
【0120】
いくつかの実施形態では、対象は、CMVに対して陽性の検査結果が出たことがある。いくつかの実施形態では、患者は、CMVに対して陰性の検査結果が出たことがある。CMV検査は、尿、唾液、血液、痰、又は他の体液中のウイルスの存在を決定するアッセイを指す。CMV検査の非限定的な例としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、例えば、CMVサリバリーPCR検査が挙げられる。
【0121】
いくつかの実施形態では、対象は、インターフェロンγ放出アッセイ(IGRA)からの陽性の結果を有する。いくつかの実施形態では、対象は、インターフェロンγ放出アッセイからの陰性の結果を有する。インターフェロンγ放出アッセイを使用して、結核を診断する。Tリンパ球は、特定のMycobacterium tuberculosis抗原に曝露すると、インターフェロンγを放出し、これは検査されたMycobacterium tuberculosis抗原への以前の曝露を示す。
【0122】
いくつかの実施形態では、対象は、CMVに対して陽性の検査結果が出たことがあり、インターフェロンγ放出アッセイからの陽性の結果を有する。いくつかの実施形態では、対象は、CMVに対して陰性の検査結果が出たことがあり、インターフェロンγ放出アッセイからの陰性の結果を有する。いくつかの実施形態では、対象は、CMVに対して陰性の検査結果が出たことがあり、インターフェロンγ放出アッセイからの陽性の結果を有する。いくつかの実施形態では、対象は、CMVに対して陽性の検査結果が出たことがあり、インターフェロンγ放出アッセイからの陰性の結果を有する。更なる実施形態では、対象は、以前に、bacille Calmette-Guerinワクチン(BCG)を投与されている。なお更なる実施形態では、対象は、CMVに対して陽性の検査結果が出たことがあり、インターフェロンγ放出アッセイからの陽性の結果を有し、更に、以前に、bacille Calmette-Guerinワクチン(BCG)を投与されている。
【0123】
いくつかの実施形態では、対象は、HIV陽性である。更なる実施形態では、対象は、HIV陽性であり、現在、抗レトロウイルス療法(ART)を受けている。
【0124】
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、疾患又は病的状態の徴候又は症状を改善する介入を指す。本明細書で使用される場合、疾患、病的状態又は症状に関する「治療(treatment)」、「治療する(treat)」、及び「治療する(treating)」という用語はまた、治療の任意の観察可能な有益な効果を指す。有益な効果は、例えば、罹患しやすい対象における疾患の臨床症状の発症の遅延、いくつか又は全ての疾患臨床症状の重症度の低減、疾患の進行の遅延、疾患の再発数の低減、対象の全体的な健康又は福祉の改善、又は特定の疾患に特異的な当該技術分野で周知の他のパラメータによって証明付けされ得る。予防的治療は、病状を発症するリスクを低下させる目的で、疾患の徴候を示さない、又は初期徴候のみを示す対象に施される治療である。療法的治療(therapeutic treatment)は、疾患の徴候及び症状が発現した後に対象に施される治療である。
【0125】
本明細書で使用される場合、「予防すること」又は「予防」は、疾患、障害、又は状態を発症させないか、あるいは、そのような疾患、障害、若しくは状態に関連する徴候若しくは症状の発症の低減(例えば、臨床的に関連する量)、又は徴候若しくは症状の発現の遅延の表示(例えば、数日、数週間、数か月、又は数年)を指す。予防は、1用量超の投与を必要とし得る。
【0126】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、状態若しくは疾患の徴候若しくは症状を低減若しくは排除するか、又は抗原に対する免疫応答を誘導するなどの所望の応答を生成するのに十分である、薬剤(例えば、融合タンパク質又は融合タンパク質をコードするベクター)の量を指す。いくつかの例では、「有効量」は、障害又は疾患のいずれかの1つ以上の症状及び/又は根本的な原因を治療する(予防を含む)ものである。有効量は、感染症又はがんに関連する1つ以上の徴候又は症状などの特定の疾患又は状態の1つ以上の徴候又は症状が発症することを防止する量を含む、治療有効量であり得る。
【0127】
開示される融合タンパク質又はベクターは、例えば、目的が、CD4+T細胞/免疫及び/又はCD8+T細胞/免疫を含む免疫原性応答を産生することである場合、インビボで投与され得る。例えば、いくつかの例では、アカゲザルなどの実験動物において、RhCMVを使用した免疫原性組成物及びワクチンの前臨床試験のために、開示される融合タンパク質又はベクターを使用することが所望され得る。他の例では、臨床試験などのヒト対象において、HCMVを使用する免疫原性組成物の実際の臨床使用のために、開示される融合タンパク質又はベクターを使用することが望ましい。
【0128】
そのようなインビボ用途のために、開示される融合タンパク質又はベクターは、薬学的に許容される担体を更に含む免疫原性組成物又は医薬組成物の構成要素として投与され得る。いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、融合タンパク質に対する免疫応答を刺激するのに有用であり、予防又は治療用ワクチンの1つ以上の構成要素として使用され得る。本開示の核酸及びベクターは、遺伝子ワクチン、すなわち、本開示の抗原をコードする核酸をヒトなどの対象に送達し、それによって、次いで抗原が対象において発現され、免疫応答を誘発するためのワクチンを提供するために特に有用である。
【0129】
免疫化スケジュール(又はレジメン)は、動物(ヒトを含む)について周知であり、特定の対象及び免疫原性組成物について容易に決定され得る。したがって、免疫原は、対象に1回以上投与されてもよい。好ましくは、免疫原性組成物の別々の投与間における設定時間間隔が存在する。この間隔は、対象ごとで異なるが、典型的には、10日から数週間の範囲であり、多くの場合、2、4、6、又は8週間である。ヒトの場合、間隔は、典型的には2~6週間である。本開示の特に有利な実施形態では、間隔は、より長く、有利には、約10週間、12週間、14週間、16週間、18週間、20週間、22週間、24週間、26週間、28週間、30週間、32週間、34週間、36週間、38週間、40週間、42週間、44週間、46週間、48週間、50週間、52週間、54週間、56週間、58週間、60週間、62週間、64週間、66週間、68週間、又は70週間である。免疫化レジームは、典型的には、免疫原性組成物の1~6回の投与を有するが、1回、2回、又は4回と少なくてもよい。免疫応答を誘導する方法はまた、免疫原とともにアジュバントを投与することを含んでもよい。いくつかの場合では、毎年、年2回、又は他の長い間隔(5~10年)のブースター免疫化により、初期の免疫化プロトコルが補完されてもよい。本発明方法はまた、様々なプライム-ブーストレジメンを含む。これらの方法では、1つ以上のプライミング免疫化の後に、1つ以上のブースト免疫化が行われる。実際の免疫原性組成物は、各免疫化について同じでも又は異なっていてもよく、免疫原性組成物(例えば、タンパク質又は発現ベクターを含む)の種類、経路、及び免疫原の製剤も変動してもよい。例えば、発現ベクターがプライミング及びブースト工程に使用される場合、それは同じ又は異なる種類(例えば、DNA又は細菌又はウイルス発現ベクター)のいずれかであってもよい。1つの有用なプライムブーストレジメンは、4週間離れた2つのプライミング免疫化、続いて最後のプライミング免疫化後の4週間目及び8週目における2つのブースト免疫化を提供する。プライミング及びブースティングレジメンを提供するために、本開示のDNA、細菌、及びウイルス発現ベクターを使用して包含されるいくつかの並び替え及び組み合わせがあることも当業者に容易に明らかである必要がある。異なる病原体に由来する異なる抗原を発現しながら、CMVベクターを繰り返し使用し得る。
【0130】
したがって、本開示は、いくつかの実施形態では、対象において免疫応答を生成する方法であって、前述の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物のうちのいずれかを対象に投与することを含む、方法を提供する。対象における免疫応答の生成における使用のための医薬の製造における、前述の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物のうちのいずれかの使用もまた本明細書に提供される。
【0131】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象における結核を治療又は予防する方法であって、本明細書に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物は、対象における結核の治療又は予防における使用のための医薬品の製造において使用される。いくつかの実施形態では、結核は、潜在性結核感染症である。いくつかの実施形態では、本開示は、対象における結核疾患を予防する方法を提供する。更なる実施形態では、対象は、インターフェロンγ放出アッセイからの陽性の結果を有したことがある。いくつかの実施形態では、本開示は、Mycobacterium tuberculosis感染症を予防する方法を提供する。更なる実施形態では、対象は、インターフェロンγ放出アッセイからの陰性の結果を有したことがある。
【0132】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象における結核及び/又はM.tuberculosis感染症の再発を予防する方法を提供する。更なる実施形態では、再発の予防は、結核の以前の治療の後に生じる。
【0133】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質及びベクター(例えば、組換えCMVベクター)は、第2の結核治療の前に、同時に、又はそれに続いて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質及びベクターは、第2の治療に補助的である。いくつかの実施形態では、補助治療を受ける対象は、薬物耐性M.tuberculosisに感染している。
【0134】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象における肺結核を予防する方法を提供する。
【0135】
前述の方法、使用、又は使用のための組成物のうちのいくつかでは、ベクターは、CMVベクターであり、CMVベクターは、Mtb抗原に対するCD4+T細胞応答を誘発するのに有効な量で投与される。いくつかの実施形態では、組換えHCMVベクターによって誘発されるCD4+T細胞の少なくとも10%は、MHC-II又はそのオーソログによって拘束される。いくつかの更なる実施形態では、組換えHCMVベクターによって誘発されるCD4+T細胞のうちの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%は、MHC-II又はそのオーソログによって拘束される。
【0136】
前述の方法、使用、又は使用のための組成物のうちのいくつかでは、ベクターは、CMVベクターであり、CMVベクターは、Mtb抗原に対するCD8+T細胞応答を誘発するのに有効な量で投与される。いくつかの実施形態では、CMVベクターによって誘発されるCD8+T細胞の少なくとも10%は、MHC-Ia又はそのオーソログによって拘束される。いくつかの更なる実施形態では、CMVベクターによって誘発されるCD8+T細胞のうちの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%は、MHC-Ia又はそのオーソログによって拘束される。
【0137】
いくつかの更なる態様では、本開示は、本明細書に記載の融合タンパク質をコードするCMVベクターを投与することによって、MHC-II/ペプチド複合体を認識するCD4+T細胞を生成する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、
(a)MHC-II/ペプチド複合体を認識するCD4+T細胞のセットを生成するのに有効な量の本明細書に記載のCMVベクターを第1の対象に投与することと、
(b)CD4+T細胞のセットから第1のCD4+TCRを特定することであって、第1のCD4+TCRが、MHC-II/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(c)第2の対象から1つ以上のCD4+T細胞を単離することと、
(d)第2の対象から単離された1つ以上のCD4+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、発現ベクターが、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列と、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、第2のCD4+TCRが、第1のCD4+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-II/ペプチド複合体を認識する1つ以上のCD4+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、方法は、
(a)CD4+T細胞のセットから第1のCD4+TCRを特定することであって、CD4+T細胞のセットが、本明細書に記載のCMVベクターを投与された対象から単離され、第1のCD4+TCRが、MHC-II/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(b)第2の対象から1つ以上のCD4+T細胞を単離することと、
(c)第2の対象から単離された1つ以上のCD4+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、発現ベクターが、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列と、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、第2のCD4+TCRが、第1のCD4+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-II/ペプチド複合体を認識する1つ以上のTCRトランスジェニックCD4+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む。
【0139】
いくつかの更なる態様では、本開示は、本明細書に記載の融合タンパク質をコードするCMVベクターを投与することによって、MHC-Ia/ペプチド複合体を認識するCD8+T細胞を生成する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、
(a)MHC-Ia/ペプチド複合体を認識するCD8+T細胞のセットを生成するのに有効な量の本明細書に開示されるCMVベクターを第1の対象に投与することと、
(b)CD8+T細胞のセットから第1のCD8+TCRを特定することであって、第1のCD8+TCRが、MHC-Ia/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(c)第2の対象から1つ以上のCD8+T細胞を単離することと、
(d)第2の対象から単離された1つ以上のCD8+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、発現ベクターが、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列と、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、第2のCD8+TCRが、第1のCD8+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-Ia/ペプチド複合体を認識する1つ以上のCD8+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、方法は、
(a)CD8+T細胞のセットから第1のCD8+TCRを特定することであって、CD8+T細胞のセットが、本明細書に開示されるCMVベクターを投与された対象から単離され、第1のCD8+TCRが、MHC-Ia/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(b)第2の対象から1つ以上のCD8+T細胞を単離することと、
(c)第2の対象から単離された1つ以上のCD8+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、発現ベクターが、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列と、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、第2のCD8+TCRが、第1のCD8+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-Ia/ペプチド複合体を認識する1つ以上のTCRトランスジェニックCD8+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む。
【0141】
T細胞を生成する方法のいくつかの実施形態では、第1のCD4+TCR又は第1のCD8+TCRは、DNA又はRNA配列決定によって特定される。いくつかの実施形態では、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列又は第2のCD4+TCRをコードする核酸配列は、第1のCD4+TCR又は第1のCD8+TCRをコードする核酸配列と同一である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の対象は、ヒトである。
【0142】
本開示はまた、前述の方法によって生成されたCD4+T細胞又はCD8+T細胞も提供する。いくつかの更なる実施形態では、CD4+又はCD8+T細胞は、対象における疾患を治療又は予防する方法において使用される。CD4+又はCD8+T細胞は、対象における疾患の治療又は予防における使用のための薬剤の製造における、なお更なる実施形態で使用され得る。
【0143】
VI.例示的実施形態
いくつかの実施形態では、本開示は、以下を提供する:
1.融合タンパク質であって、
(a)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、Ra12、TbH9、Ra35、及びRpfD、若しくはそれらの断片、
(b)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-Ra12-TbH9-Ra35-RpfD、
(c)配列番号42に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(d)配列番号42に記載のアミノ酸配列、
(e)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35、若しくはそれらの断片、
(f)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfA-RpfD-Ra12-TbH9-Ra35、
(g)(i)配列番号9~10のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号18~22のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(h)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号19に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(i)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号22に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(j)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列、及び(ii)配列番号19に記載のアミノ酸配列、
(k)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列、及び(ii)配列番号22に記載のアミノ酸配列、
(l)配列番号27に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(m)配列番号28に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(n)配列番号29に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(o)配列番号30に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(p)配列番号27に記載のアミノ酸配列、
(q)配列番号28に記載のアミノ酸配列、
(r)配列番号29に記載のアミノ酸配列、
(s)配列番号30に記載のアミノ酸配列、
(t)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、及びTbH9、若しくはそれらの断片、
(u)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfA-RpfD-TbH9、
(v)(i)配列番号9~10のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(w)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(ii)配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(x)(i)配列番号10に記載のアミノ酸配列、及び(ii)配列番号24に記載のアミノ酸配列、
(y)配列番号31に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(z)配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(aa)配列番号31に記載のアミノ酸配列、
(bb)配列番号32に記載のアミノ酸配列、
(cc)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35、若しくはそれらの断片、
(dd)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfD-Ra12-TbH9-Ra35、
(ee)(i)配列番号1及び11~12のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(ii)配列番号2又は13に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iii)配列番号3又は14に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iv)配列番号4又は15に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(v)配列番号6又は17に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(vi)配列番号23に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(vii)配列番号8又は24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(viii)配列番号25~26のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(ff)配列番号33に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(gg)配列番号34に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(hh)配列番号35に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(ii)配列番号36に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(jj)配列番号33に記載のアミノ酸配列、
(kk)配列番号34に記載のアミノ酸配列、
(ll)配列番号35に記載のアミノ酸配列、
(mm)配列番号36に記載のアミノ酸配列、
(nn)Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfD、及びTbH9、若しくはそれらの断片、
(oo)Ag85A-ESAT-6-Rv3407-Rv2626c-RpfD-TbH9、
(pp)(i)配列番号1及び11~12のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(ii)配列番号2又は13に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iii)配列番号3又は14に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(iv)配列番号4又は15に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、(v)配列番号6又は17に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、及び(vi)配列番号8又は24に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(qq)配列番号37に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(rr)配列番号38に記載のアミノ酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列、
(ss)配列番号37に記載のアミノ酸配列、又は
(tt)配列番号38に記載のアミノ酸配列を含むか、又はそれらからなる、融合タンパク質。
2.配列番号41に記載の核酸配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有する配列を含む核酸によってコードされる、融合タンパク質。
3.配列番号41に記載の核酸配列を含む核酸によってコードされる、融合タンパク質。
4.ポリHisタグを更に含む、実施形態1~3のうちのいずれか1つの融合タンパク質。
5.ポリHisタグが、2~6個のHis残基を含むか又はそれらからなる、実施形態4の融合タンパク質。
6.ポリHisタグが、融合タンパク質のN末端に位置する、実施形態1~5のうちのいずれか1つの融合タンパク質。
7.ポリHisタグが、最初のMet残基の後に挿入される、実施形態6の融合タンパク質。
8.HAタグを更に含む、実施形態1~7のうちのいずれかの融合タンパク質。
9.HAタグが、融合タンパク質のC末端に位置する、実施形態8の融合タンパク質。
10.融合タンパク質が、Ag85A、ESAT-6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、RpfD、Ra12、TbH9、及びRa35のうちの1つ以上を接続する1つ以上のリンカーを更に含み、1つ以上のリンカーの各々が、1つ以上のアミノ酸残基を含むか、又はそれらからなる、実施形態1~9のうちのいずれか1つの融合タンパク質。
11.実施形態1~10のうちのいずれか1つの融合タンパク質をコードする、核酸分子。
12.実施形態11の核酸分子を含む、ベクター。
13.プロモーターを更に含み、プロモーターが、融合タンパク質をコードする核酸分子に作動可能に連結されている、実施形態12のベクター。
14.ベクターが、ウイルスベクターである、実施形態12又は実施形態13のベクター。
15.ウイルスベクターが、サイトメガロウイルス(CMV)ベクターである、実施形態14のベクター。
16.配列番号44に記載の核酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する核酸配列を含む、ベクター。
17.配列番号44に記載の核酸配列を含む、ベクター。
18.配列番号44に記載の核酸配列から本質的になる、ベクター。
19.配列番号44に記載の核酸配列からなる、ベクター。
20.ウイルスベクターが、RhCMVベクター、HCMVベクター、又は組換えHCMVベクターである、実施形態15~19のうちのいずれか1つのベクター。
21.プロモーターが、融合タンパク質をコードする核酸分子に作動可能に連結されており、プロモーターが、UL78プロモーター、又はそのオーソログである、実施形態15~20のうちのいずれか1つのベクター。
22.融合タンパク質をコードする核酸分子が、UL78の全部又は一部分を置き換える、実施形態21のベクター。
23.ベクターが、配列番号44に記載の核酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する核酸配列を含む、実施形態22のベクター。
24.プロモーターが、融合タンパク質をコードする核酸分子に作動可能に連結されており、プロモーターが、UL82プロモーター、又はそのオーソログである、実施形態15又は実施形態20のベクター。
25.融合タンパク質をコードする核酸分子が、UL82の全部又は一部分を置き換える、実施形態24のベクター。
26.RhCMVベクター又はHCMVベクターが、UL128若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現しない、実施形態15~25のうちのいずれか1つのベクター。
27.TR3骨格及び配列番号42に記載の異種抗原をコードする核酸配列を含む組換えHCMVベクターであって、
(a)ベクターが、UL128若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現せず、
(b)ベクターが、UL146、UL147、UL18、及びUL82、又はそれらのオーソログをコードする核酸配列を含み、
(c)異種抗原が、UL78の全部又は一部分を置き換え、かつUL78プロモーターに作動可能に連結されている、組換えHCMVベクター。
28.組換えHCMVベクターが、配列番号44に記載の核酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する核酸配列を含む、実施形態27の組換えHCMVベクター。
29.RhCMV又はHCMVベクターが、(i)UL146をコードする核酸配列及びUL147をコードする核酸配列、又はそれらのオーソログを含み、かつ(ii)UL128若しくはUL130、又はそれらのオーソログを発現しない、実施形態15~28のうちのいずれか1つのベクター。
30.ベクターが、UL128及びUL130をコードする核酸配列における1つ以上の変異の存在からもたらされる、UL128タンパク質又はUL130タンパク質を発現しない、実施形態26~29のうちのいずれか1つのベクター。
31.UL128、及びUL130をコードする核酸配列における変異が、点変異、フレームシフト変異、切断変異、又はウイルスタンパク質をコードする核酸配列の全ての欠失である、実施形態30のベクター。
32.ベクターが、TR3骨格を含むHCMVベクターである、実施形態15~31のうちのいずれか1つのベクター。
33.ベクターが、マイクロRNA(miRNA)認識エレメント(MRE)をコードする核酸配列を更に含み、MREが、内皮細胞において発現されるmiRNAの標的部位を含有する、実施形態15~32のうちのいずれか1つのベクター。
34.ベクターが、MREをコードする核酸配列を更に含み、MREが、骨髄細胞において発現されるmiRNAの標的部位を含有する、実施形態15~33のうちのいずれか1つのベクター。
35.(i)(a)実施形態1~10のうちのいずれか1つの融合タンパク質、(b)実施形態11の核酸、又は(c)実施形態12~34のうちのいずれか1つのベクターと、(ii)薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
36.薬学的に許容される担体が、ヒスチジントレハロース(HT)緩衝液である、実施形態35の医薬組成物。
37.薬学的に許容される担体が、約20mMのL-ヒスチジン及び約10%(w/v)のトレハロースを含むヒスチジントレハロース(HT)緩衝液である、実施形態35又は36の医薬組成物。
38.薬学的に許容される担体が、20mMのL-ヒスチジン及び10%(w/v)のトレハロースを含むヒスチジントレハロース(HT)緩衝液である、実施形態35~37のうちのいずれか1つの医薬組成物。
39.薬学的に許容される担体が、20mMのL-ヒスチジン及び10%(w/v)のトレハロースを含むpH7.2を有するヒスチジントレハロース(HT)緩衝液である、実施形態35~38のうちのいずれか1つの医薬組成物。
40.(i)(a)実施形態1~10のうちのいずれか1つの融合タンパク質、(b)実施形態11の核酸、又は(c)実施形態12~34のうちのいずれか1つのベクターと、(ii)薬学的に許容される担体と、を含む、免疫原性組成物。
41.対象において免疫応答を生成する方法であって、対象に、実施形態1~40のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物を投与することを含む、方法。
42.対象における免疫応答の生成における使用のための薬剤の製造における、実施形態1~40のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物の使用。
43.対象における免疫応答の生成における使用のための、実施形態1~40のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
44.対象における結核を治療又は予防する方法であって、対象に、実施形態1~40のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物を投与することを含む、方法。
45.対象における結核の治療又は予防における使用のための薬剤の製造における、実施形態1~40のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物の使用。
46.対象における結核の治療又は予防における使用のための、実施形態1~40のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
47.対象における結核の治療又は予防における使用のための、実施形態1~40のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、対象が、CMV陽性である、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
48.対象における結核の治療又は予防における使用のための、実施形態1~40のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、対象が、CMV陰性である、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
49.対象における結核の治療又は予防における使用のための、実施形態1~40、47、又は48のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、対象が、インターフェロンγ放出アッセイにおいて陽性の検査結果が出る、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
50.対象における結核の治療又は予防における使用のための、実施形態1~40、47、又は48のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、対象が、インターフェロンγ放出アッセイにおいて陰性の検査結果が出る、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
51.対象における結核の治療又は予防における使用のための、実施形態1~40又は47~50のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、対象が、以前にbacille Calmette-Guerinワクチン(BCG)を投与されている、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
52.対象における結核の治療又は予防における使用のための、実施形態1~40又は47~51のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、対象が、HIV陽性である、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
53.対象における結核の治療又は予防における使用のための、実施形態1~40又は47~52のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、対象が、HIV陽性であり、現在抗レトロウイルス治療薬を服用している、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
54.対象における結核の治療又は予防における使用のための、実施形態1~40又は47~53のうちのいずれか1つの融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物であって、対象が、第2の療法を投与される、融合タンパク質、核酸、ベクター、又は組成物。
55.結核が、潜在性結核感染症である、実施形態44~54のうちのいずれか1つの方法、製造における使用、又は使用。
56.結核が、肺結核感染症である、実施形態44~55のうちのいずれか1つの方法、製造における使用、又は使用。
57.結核が、再発性結核感染症である、実施形態44~56のうちのいずれか1つの方法、製造における使用、又は使用。
58.ベクターが、CMVベクターであり、CMVベクターが、Mtb抗原に対するCD4+T細胞応答を誘発するのに有効な量で投与される、実施形態41~57のうちのいずれか1つの方法、製造における使用、又は使用。
59.ベクターが、CMVベクターであり、CMVベクターが、約10pfu~約10pfuの量で投与される、実施形態41~58のうちのいずれか1つの方法、製造における使用、又は使用。
60.組換えHCMVベクターによって誘発されたCD4+T細胞のうちの少なくとも10%が、MHC-II又はそのオーソログによって拘束される、実施形態58又は実施形態59の方法、製造における使用、又は使用。
61.組換えHCMVベクターによって誘発されたCD4+T細胞のうちの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が、MHC-II又はそのオーソログによって拘束される、実施形態60の方法、製造における使用、又は使用。
62.ベクターが、CMVベクターであり、CMVベクターが、Mtb抗原に対するCD8+T細胞応答を誘発するのに有効な量で投与される、実施形態41~61のうちのいずれか1つの方法、製造における使用、又は使用。
63.CMVベクターによって誘発されたCD8+T細胞のうちの少なくとも10%が、MHC-Ia又はそのオーソログによって拘束される、実施形態62の方法、製造における使用、又は使用のためのベクター若しくは組成物。
64.CMVベクターによって誘発されたCD8+T細胞のうちの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が、MHC-Ia又はそのオーソログによって拘束される、実施形態63の方法、製造における使用、又は使用のためのベクター若しくは組成物。
65.MHC-II/ペプチド複合体を認識するCD4+T細胞を生成する方法であって、方法が、
(a)MHC-II/ペプチド複合体を認識するCD4+T細胞のセットを生成するのに有効な量の実施形態15~34のうちのいずれか1つのCMVベクターを第1の対象に投与することと、
(b)CD4+T細胞のセットから第1のCD4+TCRを特定することであって、第1のCD4+TCRが、MHC-II/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(c)第2の対象から1つ以上のCD4+T細胞を単離することと、
(d)第2の対象から単離された1つ以上のCD4+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、発現ベクターが、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列と、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、第2のCD4+TCRが、第1のCD4+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-II/ペプチド複合体を認識する1つ以上のCD4+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む、方法。
66.MHC-II/ペプチド複合体を認識するCD4+T細胞を生成する方法であって、方法が、
(a)CD4+T細胞のセットから第1のCD4+TCRを特定することであって、CD4+T細胞のセットが、実施形態15~34のうちのいずれか1つのCMVベクターを投与された対象から単離され、第1のCD4+TCRが、MHC-II/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(b)第2の対象から1つ以上のCD4+T細胞を単離することと、
(c)第2の対象から単離された1つ以上のCD4+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、発現ベクターが、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列と、第2のCD4+TCRをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、第2のCD4+TCRが、第1のCD4+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-II/ペプチド複合体を認識する1つ以上のTCRトランスジェニックCD4+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む、方法。
67.MHC-Ia/ペプチド複合体を認識するCD8+T細胞を生成する方法であって、方法が、
(a)MHC-Ia/ペプチド複合体を認識するCD8+T細胞のセットを生成するのに有効な量の実施形態15~34のうちのいずれか1つのCMVベクターを第1の対象に投与することと、
(b)CD8+T細胞のセットから第1のCD8+TCRを特定することであって、第1のCD8+TCRが、MHC-Ia/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(c)第2の対象から1つ以上のCD8+T細胞を単離することと、
(d)第2の対象から単離された1つ以上のCD8+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、発現ベクターが、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列と、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、第2のCD8+TCRが、第1のCD8+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-Ia/ペプチド複合体を認識する1つ以上のCD8+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む、方法。
68.MHC-Ia/ペプチド複合体を認識するCD8+T細胞を生成する方法であって、方法が、
(a)CD8+T細胞のセットから第1のCD8+TCRを特定することであって、CD8+T細胞のセットが、実施形態15~34のうちのいずれか1つのCMVベクターを投与された対象から単離され、第1のCD8+TCRが、MHC-Ia/融合タンパク質由来ペプチド複合体を認識する、特定することと、
(b)第2の対象から1つ以上のCD8+T細胞を単離することと、
(c)第2の対象から単離された1つ以上のCD8+T細胞を発現ベクターでトランスフェクトすることであって、発現ベクターが、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列と、第2のCD8+TCRをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、を含み、第2のCD8+TCRが、第1のCD8+TCRのCDR3α及びCDR3βを含み、それによって、MHC-Ia/ペプチド複合体を認識する1つ以上のTCRトランスジェニックCD8+T細胞を生成する、トランスフェクトすることと、を含む、方法。
69.第1のCD4+TCR又は第1のCD8+TCRが、DNA又はRNA配列決定によって特定される、実施形態65~68のうちのいずれか1つの方法。
70.第2のCD4+TCRをコードする核酸配列又は第2のCD4+TCRをコードする核酸配列が、第1のCD4+TCR又は第1のCD8+TCRをコードする核酸配列と同一である、実施形態65~69のうちのいずれか1つの方法。
71.第1の対象が、ヒトである、実施形態65~70のうちのいずれか1つの方法。
72.第2の対象が、ヒトである、実施形態65~71のうちのいずれか1つの方法。
73.実施形態65、66及び69~72のうちのいずれか1つの方法によって生成される、CD4+T細胞。
74.対象における疾患を治療又は予防する方法であって、方法が、実施形態73のCD4+T細胞を対象に投与することを含む、方法。
75.対象における疾患の治療又は予防における使用のための薬剤の製造における、実施形態73のCD4+T細胞の使用。
76.対象における疾患の治療又は予防における使用のための、実施形態73のCD4+T細胞。
77.実施形態67~72のうちのいずれか1つの方法によって生成されるCD8+T細胞。
78.対象における疾患を治療又は予防する方法であって、方法が、実施形態77のCD8+T細胞を対象に投与することを含む、方法。
79.対象における疾患の治療又は予防における使用のための薬剤の製造における、実施形態77のCD8+T細胞の使用。
80.対象における疾患の治療又は予防における使用のための、実施形態77のCD8+T細胞。
【実施例
【0144】
実施例1:Mtb抗原カセットの構築
Mycobacterium tuberculosis(Mtb)抗原を含む融合タンパク質をコードするヒトCMVベクターをデザインした。融合体6、融合体7(RpfAの欠失及びRpfA部位での融合タンパク質M72のバリアント「M72-融合体-2」の挿入を伴う融合体6)、及び融合体8(融合体6に加えてC末端でのM72-融合体-2の付加)を含む3つのMtb抗原カセットを評価した(図2)。融合体7及び融合体8に含まれるM72のバリアント「M72-融合体-2」は、M72であり、N末端の2残基ヒスチジンタグ及びアミノ酸位置1のメチオニンの両方が除去されている(配列番号22)。Mtb抗原及びRpfAバリアントの保存をまとめた表を図3に示す。
【0145】
融合体6の構成要素
融合体6は、Ag85A、ESAT6、Rv3407、Rv2626c、RpfA、及びRpfDを含むMtb融合タンパク質である。
【0146】
融合体7のデザイン
融合体7は、融合体6に基づいて構築された。融合体7を作成するために、まず、RpfAを削除した。RpfAは、Mtb株において可変性の発現を有する(図4)。例えば、多くのMtb株におけるRpfAは、融合体6のアイソフォームのC末端(RpfAにおいて321bpで開始する)のみを含有する。更に、Mtb株のサブセットは、RpfAのN末端のみを有し、他のものは、N末端及び中間部分の両方を欠く。最も短いRpfA(C末端のみ、100アミノ酸未満)を有するMtb単離株は、主に英国及びオランダ由来である。南アフリカ由来のMtb単離株は、可変性のRpfAを有し、C末端のみ、N末端のみ、又は完全長RpfAを含む場合がある(図5)。次いで、M72-融合体-2をRpfA部位に挿入した。M72-融合体-2は、ワクチン抗原として機能する2つのM.tuberculosis抗原、Mtb32a及びTbH9に由来する融合タンパク質であるM72に由来する。Mtb32aは、毒性及び無毒性のMtb株で保存されたセリンプロテアーゼである。TbH9(Mtb39aとしても知られている)は、Rv1196/ppe18によってコードされるPPE/PEファミリータンパク質である。PPE/PEタンパク質は、Mtb免疫の主要な標的であることが知られている。TbH9は、Mtbにおける「コントローラー」対「プログレッサー」のTCRプロファイリングによって特定された抗原の1つである。RpfAを欠失させて、遺伝的に安定なベクターを維持しながら、M72抗原の発現を調節した。TbH9は、潜在におけるCD4及びCD8T細胞標的である。最終的な融合体7構築物(配列番号42)は、Ag85A、ESAT6-Rv3407-Rv2626c、M72-融合体-2(Mtb32A及びTbH9)、及びRpfDを含む。
【0147】
融合体8のデザイン
融合体8は、融合体6のC末端にM72-融合体-2が付加され、RpfAが削除されなかったことを除いて、融合体7の構築と同様に、融合体6に基づいて構築された。
【0148】
実施例2:抗原発現、遺伝的安定性、及び免疫原性についてのMtb抗原カセットの評価
Mtb抗原カセットを、UL82又はUL78プロモーターのいずれかと対形成させた。(アカゲザルにおける)抗原発現、遺伝的安定性、及び免疫原性を評価した。
【表1】
【0149】
6つの抗原カセット及びプロモーターの組み合わせ(表1)の抗原発現を、ESAT-6抗体を用いたウェスタンブロットによって細菌人工染色体(BAC)において検査した。6つのBAC全てが、予想されるサイズ範囲のバンドを有するMtb抗原発現を有した。
【0150】
同じBACを使用して遺伝的安定性を評価した。構築物当たりの3つのクローンを継代して、各継代で次世代配列決定(NGS)を用いて、薬物産生プロセスを模倣した(3つの追加の継代を伴う研究シードストック(RSS+3)、合計4つの継代)。UL78含有構築物については0.003のMOIで、又はUL82含有構築物については0.01のMOIで、T-150フラスコ内で継代を実施した。遺伝的安定性は、継代とともに増加する重大な修飾(すなわち、導入遺伝子又はU/1b’領域に関与する欠失及び/又は再配列)を観察しないこととして定義された。融合体6+UL78プロモーター及び融合体6+UL82プロモーターを発現するBACは、RSS+3を通して安定であることが見出された。融合体8+UL78プロモーターを発現するBACは、挿入物及びベクター骨格の不安定性を示した。融合体7+UL78プロモーター及び融合体7+UL82プロモーターを発現するBACは、RSS+2及びRSS+3を通じて安定していた。融合体8+UL82プロモーターを発現するBACは、RSS+2及びRSS+3を通して安定であった。
【0151】
免疫原性を、アカゲザルモデルにおいて評価した。10pfuの用量で、6つの抗原カセット及びプロモーターの組み合わせ(表1)を発現するHCMVウイルスベクターをアカゲザルに投与した。末梢血単核細胞(PBMC)を、2週間単位で最大10週間単離し、次いで、細胞内サイトカイン染色(ICS)の前に、融合体6、又は融合体6及びM72において発現された遺伝子由来のペプチドを含有するMtbペプチドプールで刺激した。CD4+及びCD8+T細胞の頻度、IFNγ+及び/又はTNFα+細胞の頻度、並びにメモリー/エフェクターT細胞表現型を決定した。融合体6+UL78プロモーター又は融合体6+UL82プロモーターを発現するウイルスベクターを投与された動物では、融合体6ペプチドに対するCD4+及びCD8+T細胞応答を投薬の6週間後に検出した(図6A~6L)。融合体7+UL78プロモーター、融合体7+UL82プロモーター、又は融合体8+UL82プロモーターを発現するウイルスベクターを投与された動物では、ペプチドプールに対するT細胞応答を6週間で検出した(図7A~7N)。T細胞応答は、IFNγ+及び/又はTNFα+CD4+及び/又はCD8+T細胞の検出によって示された。
【0152】
3つのMtb抗原デザインは全て、機能的であった。融合体7抗原カセットは、アカゲザルにおいてCD4+及びCD8+T細胞応答を誘発した。RpfAは、Mtb株において可変性の発現を有し、ヒトの試験におけるCMVに対する保護を与えるM72-融合体-2での置き換えを正当化する。融合体6抗原カセットは、感染サイクルの異なるステージ(活動性/潜在性/再活性化ステージ)から組み込まれる広範囲のMtb抗原を組み込んでおり、アカゲザル試験において保護的であることが示されている。融合体8抗原カセットは、融合体6カセット及びM72-融合体-2を含むが、遺伝的不安定性と関連付けられる可能性がある。
【0153】
実施例3:hCMV-TBベクター骨格及びTB抗原プロモーターの選択
ベクター骨格選択
Mtb特異的CD4+T細胞は、CD8+T細胞よりも感染制御にとってより重要であるとみなされている。静脈内BCG(Bacillus Calmette-Guerin)ワクチン接種の非ヒト霊長類試験は、抗原特異的T細胞の頻度の重要性を示唆する。更に、GSK M72-ASO1Eワクチンは、抗体及びCD4+T細胞を誘発するが、CD8+T細胞はほとんど又は全く誘発しない(Penn-Nicholson A.et al.,Safety and immunogenicity of candidate vaccine M72/AS01E in adolescents in a Mtb endemic setting.Vaccine.2015 Jul 31;33(32):4025-34)。したがって、Mtb特異的CD4+T細胞を誘発することは、CMV-TBワクチンデザインにとって重要であり、CD4+T細胞応答を費やしてCD8+T細胞を誘発することよりも好ましい。更に、従来のクラスI拘束CD8+T細胞を誘発することは、クラスII/MHC-E拘束CD8+T細胞を誘発することよりも好ましく、クラスII/MHC拘束は、Rh-CMV Mtbの保護に必要でないことが示された。
【0154】
本明細書に記載のCMVベクター骨格は、堅牢なCD4+T細胞応答を誘発することが知られている。更に、骨格は、クラスI拘束CD8+T細胞応答を誘導すると予想される、無傷なUL146-147を含む。骨格は、MRC-5線維芽細胞における遺伝的安定性を促進することが知られるUL128-130の欠失を含む。
【0155】
CMV-TBベクターを、表2に示す特徴で構築した。
【表2】
【0156】
Mtb抗原カセットプロモーター選択
融合タンパク質が、欠失された遺伝子のプロモーターに作動可能に連結され、それによって発現されるように、Mtb融合タンパク質をCMVベクター骨格に挿入して、遺伝子(例えば、UL82又はUL78)を置き換え得る。UL78プロモーターは、融合体7又は融合体6の発現を効果的に駆動することが見出され、UL82プロモーターは、融合体8の発現を効果的に駆動することが見出された。HCMV遺伝子UL82(外皮タンパク質pp71をコードする)の欠失は、増殖欠損を引き起こし、より低いウイルス収率をもたらすことが知られている。更に、外因性pp71の発現は、UL82欠失CMVベクターからの導入遺伝子発現を増加させることも知られている(Caposio P.et al.,Characterization of a live-attenuated HCMV-based vaccine platform.Sci Rep.2019 Dec 17;9(1):19236)。したがって、UL82プロモーターの使用は、導入遺伝子発現及びウイルス収率の最も高いレベルを達成するために外因性pp71発現を必要とする。対照的に、UL78プロモーターの使用は、産生中のpp71 mRNAの外因性発現の必要性を排除する。
【0157】
実施例4:ベクター4の安全性、反応原性、忍容性、及び免疫原性を評価するための第1a/1b相試験
第1a/1b相試験は、ベクター4(配列番号44)の安全性、反応原性、忍容性、及び免疫原性を評価するようにデザインされている。4つの群の患者は、CMV状態(陽性又は陰性)、インターフェロンγ放出アッセイの結果(陽性又は陰性)、及び以前のBCG(bacille Calmette-Guerin)ワクチン接種の受領(陽性又は陰性)に基づいて評価される。「パートA」には、CMV+/IGRA-対象が含まれ、「パートB」には、CMV-/IGRA-対象が含まれ、「パートC」には、CMV+/IGRA-/BCG+対象が含まれ、「パートD」には、CMV+/IGRA+/BCG+対象が含まれる。試験は、米国内の複数の現地(パートA及びパートB群)及びMtbが風土性である国(例えば、南アフリカなど)の1~2か所の現地で実施される。各コホートは、10(10)人の患者で構成され、8(8)人が薬物を受け、2(2)人がプラセボを受ける。
【0158】
実施例5:複数の結核関連適応症における使用のためのベクター4を評価するための開発計画
図9は、青年及び成人における肺結核の予防における使用のためのベクター4(配列番号44)を評価するための開発計画を示す。図10は、青年及び成人におけるM.tuberculosis感染症の予防及び結核再発の予防における使用のためのベクター4(配列番号44)を評価するための開発計画を示す。
【0159】
特定の実施形態が示し、説明してきたが、上記の様々な実施形態は、更なる実施形態を提供するために組み合わされ得、上記の様々な実施形態は、更なる実施形態を提供するために組み合わされ得ることは容易に理解されるであろう。
【0160】
2021年8月31日に出願された米国仮出願第63/239,278号及び2022年7月27日に出願された同第63/392,778号を含む、本明細書で参照され、及び/又は出願データシートに記載されている全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び非特許出版物は、別段明示的に記載されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。必要に応じて、様々な特許、出願、及び刊行物の概念を採用して、なお更なる実施形態を提供するために、実施形態の態様を修正することができる。
【0161】
上記の詳細な記載を考慮して、これら及び他の変更が実施形態に対して行われ得る。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図7L
図7M
図7N
図8
図9
図10
【配列表】
2024534178000001.xml
【国際調査報告】