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  • 特表-眼科用デバイス及び製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】眼科用デバイス及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20240910BHJP
   G02C 7/10 20060101ALI20240910BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20240910BHJP
   A61F 2/16 20060101ALI20240910BHJP
   C08F 20/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G02C7/04
G02C7/10
G02B5/22
A61F2/16
C08F20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513295
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2022066564
(87)【国際公開番号】W WO2023030715
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,246
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522110555
【氏名又は名称】ボシュ + ロム アイルランド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アワスティー、アロク クマル
(72)【発明者】
【氏名】フォヴィンガ、クリステン ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル、エミリー エイブラムス
(72)【発明者】
【氏名】デライク、ケビン ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル、ジェイド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】インガム、アラナ
【テーマコード(参考)】
2H006
2H148
4C097
4J100
【Fターム(参考)】
2H006BB01
2H006BB03
2H006BB05
2H006BB07
2H006BE00
2H148CA04
2H148CA09
2H148CA12
2H148CA20
4C097AA25
4C097MM05
4C097SA10
4J100AL08P
4J100AL08Q
4J100AL09P
4J100AM19P
4J100AM21P
4J100AQ06P
4J100AQ08P
4J100BA02P
4J100BA03P
4J100BA05P
4J100BA11P
4J100BA16P
4J100BA80Q
4J100BA81Q
4J100BC43P
4J100BC65P
4J100JA34
(57)【要約】
近視の進行を遅らせる、阻害する、又は予防するための眼科用デバイスを調製するための方法は、(a)眼科用デバイスを1つ以上の第1の溶媒溶液中に浸漬して、眼科用デバイスを膨潤させることと、(b)約550ナノメートル(nm)~約800nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む1つ以上の第2の溶媒溶液中に、膨潤した眼科用デバイスを浸漬して、膨潤した眼科用デバイスを脱膨潤し、脱膨潤した眼科用デバイス内に1つ以上の赤色光遮断化合物を封入することと、(c)脱膨潤した眼科用デバイスを滅菌することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の赤色光遮断化合物を含有する眼科用デバイスを調製するための方法であって、前記方法が、
(a)眼科用デバイスを1つ以上の第1の溶媒溶液中に浸漬して、前記眼科用デバイスを膨潤させることと、
(b)約550ナノメートル(nm)~約800nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む1つ以上の第2の溶媒溶液中に、膨潤した前記眼科用デバイスを浸漬して、前記膨潤した眼科用デバイスを脱膨潤し、脱膨潤した前記眼科用デバイス内に前記1つ以上の赤色光遮断化合物を封入することと、
(c)前記脱膨潤した眼科用デバイスを滅菌することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の第1の溶媒溶液が、水、低分子量アルコール溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、及びアミド基含有溶媒のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低分子量アルコール溶媒が、約1~約13個の炭素原子及び/又は約200以下の分子量を有する低分子量一価アルコールである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の第1の溶媒溶液が、低分子量アルコール溶媒と水とのブレンドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記眼科用デバイスが、前記1つ以上の第1の溶媒溶液中に、約5分~約120分の範囲の期間浸漬される、請求項1~4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(a)が、
(i)前記眼科用デバイスを、低分子量アルコール溶媒と水とのブレンドを含む前記1つ以上の第1の溶媒溶液中に、約5分~約120分の範囲の期間浸漬することと、
(ii)ステップ(i)の前記眼科用デバイスを、同じ又は異なる低分子量アルコール溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、アミド基含有溶媒、及び水のうちの1つ以上を各々が含む1つ以上の追加の溶媒溶液中に、約5分~約60分の範囲の期間浸漬することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約550nm~約700nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項1~6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約650nm~約680nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項1~6に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約550nm~約800nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約10%~約15%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項1~6に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約550nm~約700nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約10%~約15%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項1~6に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約650nm~約680nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約10%~約15%を超えて遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項1~6に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、以下の化合物:
【化1-1】

【化1-2】

(式中、X及びXが、独立して、CH又はC(CHであり、R及びRが、独立して、H又は(CHSONaであり、Rが、H又はSONaである)のうちの1つ以上によって表される、請求項1~6に記載の方法。
【請求項13】
1つ以上の第2の溶媒溶液が、水、低分子量アルコール溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、及びアミド基含有溶媒のうちの1つ以上を含む、請求項1~12に記載の方法。
【請求項14】
前記低分子量アルコール溶媒が、約1~約13個の炭素原子及び/又は約200以下の分子量を有する低分子量一価アルコールである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の第2の溶媒溶液が、低分子量アルコール溶媒と水とのブレンドを含む、請求項1~14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上の第2の溶媒溶液が、水を含む、請求項1~13に記載の方法。
【請求項17】
前記眼科用デバイスが、前記1つ以上の第2の溶媒溶液中に、約10分~約18時間の範囲の期間浸漬される、請求項1~16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の第2の溶媒溶液が、水又は低分子量アルコール溶媒と水とのブレンドを含み、前記眼科用デバイスが、前記1つ以上の第2の溶媒溶液中に、約10分~約18時間の範囲の期間浸漬される、請求項1~14に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、前記1つ以上の第2の溶媒溶液の総重量に基づいて、約0.05~約5重量%の範囲の量で前記1つ以上の第2の溶媒溶液中に存在する、請求項1~18に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(c)の前に、前記脱膨潤した眼科用デバイスを水中に浸漬して、前記脱膨潤した眼科用デバイスを更に脱膨潤することを更に含む、請求項1~19に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(c)が、前記脱膨潤した眼科用デバイスをオートクレーブすることを含む、請求項1~20に記載の方法。
【請求項22】
前記脱膨潤した眼科用デバイスにオートクレーブのステップを施す前に、前記脱膨潤した眼科用デバイスを含有するパッケージに蓋材を適用するステップを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記眼科用デバイスが、コンタクトレンズ、眼内レンズ、及び角膜インプラントのうちの1つ以上である、請求項1~22に記載の方法。
【請求項24】
前記コンタクトレンズが、ソフトコンタクトレンズである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記コンタクトレンズが、ヒドロゲルコンタクトレンズである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記コンタクトレンズが、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記コンタクトレンズが、硬質気体透過性コンタクトレンズである、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
近視の進行を遅らせる、阻害する、又は予防するための眼科用デバイスであって、約550nm~約800nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断し、1つ以上の眼科用デバイス形成モノマーを含むモノマー混合物の重合生成物中に封入される、1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、眼科用デバイス。
【請求項29】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約550nm~約700nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項28に記載の眼科用デバイス。
【請求項30】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約650nm~約680nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項28に記載の眼科用デバイス。
【請求項31】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約550nm~約800nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約10%~約15%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項28に記載の眼科用デバイス。
【請求項32】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約550nm~約700nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約10%~約15%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項28に記載の眼科用デバイス。
【請求項33】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、約650nm~約680nmの波長で、前記眼科用デバイスを通る赤色光透過の約10%~約15%を超えて遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、請求項28に記載の眼科用デバイス。
【請求項34】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物が、以下の化合物:
【化2-1】

【化2-2】

(式中、X及びXが、独立して、CH又はC(CHであり、R及びRが、独立して、H又は(CHSONaであり、Rが、H又はSONaである)のうちの1つ以上によって表される、請求項28に記載の眼科用デバイス。
【請求項35】
前記1つ以上の赤色光遮断化合物の少なくとも一部分が、水素結合を介して前記1つ以上の眼科用デバイス形成モノマーに共有結合される、請求項28~34に記載の眼科用デバイス。
【請求項36】
前記1つ以上の眼科用デバイス形成モノマーが、1つ以上の非シリコーン含有親水性モノマーである、請求項28~35に記載の眼科用デバイス。
【請求項37】
前記1つ以上の非シリコーン含有親水性モノマーが、不飽和カルボン酸、アクリルアミド、ビニルラクタム、ポリ(アルキレンオキシ)(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシル含有(メタ)アクリレート、親水性ビニルカーボネート、親水性ビニルカルバメートモノマー、親水性オキサゾロンモノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項36に記載の眼科用デバイス。
【請求項38】
前記1つ以上の非シリコーン含有親水性モノマーが、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-2-ピペリドン、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、N-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、グリセリルメタクリレート、N-メタクリロイルグリシン、(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルプロピル)-4-メトキシフェニルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項36に記載の眼科用デバイス。
【請求項39】
前記モノマー混合物が、1つ以上の架橋剤を更に含む、請求項28~38に記載の眼科用デバイス。
【請求項40】
前記1つ以上の架橋剤が、2つ以上の反応性官能基を含む二官能性又は多官能性の架橋剤である、請求項39に記載の眼科用デバイス。
【請求項41】
前記モノマー混合物が、1つ以上のシリコーン含有モノマーを更に含む、請求項28~40に記載の眼科用デバイス。
【請求項42】
前記1つ以上のシリコーン含有モノマーが、以下の構造:
【化3】

(式中、Lが、エチレン系不飽和重合性基であり、Vが、リンカー基又は結合であり、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRが、独立して、水素、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、又は芳香族基であり、R10及びR11が、独立して、水素又はアルキル基であり、R10及びR11のうちの少なくとも1つが、水素であり、yが、2~7であり、nが、1~100である)によって表される、1つ以上の非嵩高性有機ケイ素含有モノマー、又は以下の構造:
【化4】

(式中、R12が、H又はメチルであり、Xが、O又はNR16であり、R16が、水素、又は1つ以上のヒドロキシル基で更に置換されていてもよいC~Cアルキルであり、R13が、エーテル基、ヒドロキシル基、カルバメート基、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される基で更に官能化されていてもよい二価アルキル基であり、各R14が、独立して、フェニル、又はフッ素、ヒドロキシル、若しくはエーテルで置換されていてもよいC~Cアルキルであり、R15が、C~Cアルキルであり、aが、2~50である)によって表される化合物である、請求項41に記載の眼科用デバイス。
【請求項43】
前記1つ以上のシリコーン含有モノマーが、以下の構造:
【化5】

(式中、Xが、-O-又は-NR19-を表し、各R19が、水素又はC~Cアルキルであり、R17が、独立して、水素又はメチルを表し、各R18が、独立して、低級アルキルラジカル、フェニルラジカルを表す)によって表される、1つ以上の嵩高性シロキサンモノマー、又は以下の構造:
【化6】

(式中、各R18′が、独立して、低級アルキルラジカル又はフェニルラジカルを表し、hが、1~10である)、若しくは以下の構造:
【化7】

(式中、Xが、-NR19-を表し、R19が、水素又はC~Cアルキルを表し、R17が、水素又はメチルを表し、各R18が、独立して、低級アルキルラジカル、フェニルラジカルを表す)によって表される基、又は以下の構造:
【化8】

(式中、各R18′が、独立して、低級アルキルラジカル又はフェニルラジカルを表し、hが、1~10である)によって表される基である、請求項41に記載の眼科用デバイス。
【請求項44】
前記1つ以上のシリコーン含有モノマーが、嵩高性ポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマー、嵩高性ポリシロキサニルアルキルカルバメートモノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、1つ以上の嵩高性シロキサンモノマーである、請求項41に記載の眼科用デバイス。
【請求項45】
前記眼科用デバイスが、コンタクトレンズ、眼内レンズ、及び角膜インプラントのうちの1つ以上である、請求項28~44に記載の眼科用デバイス。
【請求項46】
前記コンタクトレンズが、ソフトコンタクトレンズである、請求項45に記載の眼科用デバイス。
【請求項47】
前記コンタクトレンズが、ヒドロゲルコンタクトレンズである、請求項45に記載の眼科用デバイス。
【請求項48】
前記コンタクトレンズが、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである、請求項45に記載の眼科用デバイス。
【請求項49】
前記コンタクトレンズが、硬質気体透過性コンタクトレンズである、請求項45に記載の眼科用デバイス。
【請求項50】
近視の進行を遅らせる、阻害する、又は予防することを必要とする対象において、それを行うための方法であって、前記方法が、
(a)請求項28~49に記載の眼科用デバイスを提供することと、
(b)前記眼科用デバイスを前記対象の眼に挿入することと、を含む、方法。
【請求項51】
対象の眼における近視の進行を遅らせる、阻害する、又は予防するための、請求項1~49に記載の眼科用デバイスの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、その内容が、全体的に参照により本明細書に組み込まれる、2021年8月31日に出願された「Ophthalmic Devices」という名称の米国仮特許出願第63/239,246号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、近視の進行を遅らせる、阻害する、又は予防するためのコンタクトレンズなどの眼科用デバイスに関する。
【0003】
コンタクトレンズなどの眼科用デバイスは、硬質気体透過性材料、軟質エラストマー材料、及び軟質ヒドロゲル材料を含む様々なポリマー材料で作製される。現在販売されているコンタクトレンズの多くは、ソフトヒドロゲル材料で作製されている。ヒドロゲルは、水、典型的には10~80重量パーセントを吸収し、保持する架橋ポリマー系である。ヒドロゲルレンズは、レンズ形成モノマー混合物を重合することによって一般的に調製される。シリコーンヒドロゲルレンズの場合、シリコーン含有モノマーを親水性モノマーと共重合する。
【0004】
眼科用デバイスの分野では、例えば、酸素透過性、濡れ性、材料強度、及び安定性などの様々な物理的及び化学的特性は、使用可能なコンタクトレンズを提供するために慎重にバランスをとらなければならない要因のほんの一部にすぎない。例えば、角膜は、大気との接触からその酸素供給を受けるため、酸素透過性は、ある特定のコンタクトレンズ材料にとって重要な特徴である。濡れ性は、レンズが十分に濡れていない場合、潤滑されたままではないため、眼に快適に着用できないという点でも重要である。したがって、最適なコンタクトレンズは、少なくとも優れた酸素透過性及び優れた涙液濡れ性の両方を有するであろう。
【発明の概要】
【0005】
例示的な実施形態によれば、近視の進行を遅らせる、阻害する、又は予防するための眼科用デバイスを作製するための方法は、
(a)眼科用デバイスを1つ以上の第1の溶媒溶液中に浸漬して、眼科用デバイスを膨潤させることと、
(b)約550ナノメートル(nm)~約800nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む1つ以上の第2の溶媒溶液中に膨潤した眼科用デバイスを浸漬して、膨潤した眼科用デバイスを脱膨潤し、脱膨潤した眼科用デバイス内に1つ以上の赤色光遮断化合物を封入することと、
(c)脱膨潤した眼科用デバイスを滅菌することと、を含む、方法。
【0006】
別の例示的な実施形態によれば、近視の進行を遅らせる、阻害する、又は防止するための眼科用デバイスは、約550nm~約800nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断し、1つ以上の眼科用デバイス形成モノマーを含むモノマー混合物の重合生成物中に封入される、1つ以上の赤色光遮断化合物を含む。
【0007】
更に別の例示的な実施形態によれば、近視の進行を遅らせる、阻害する、又は予防することを必要とする対象において、それを行うための方法は、(a)約550nm~約800nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断し、1つ以上の眼科用デバイス形成モノマーを含むモノマー混合物の重合生成物中に封入される、1つ以上の赤色光遮断化合物を含む、眼科用デバイスを提供することと、(b)眼科用デバイスを対象の眼に挿入することと、を含む。
【0008】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1のレンズを通る赤色光の透過率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載される様々な例示的な実施形態は、近視の進行を遅らせる、阻害する、又は予防するために、1つ以上の赤色光遮断化合物を捕捉する眼科用デバイスを必要とする対象(例えば、ヒト)におけるそのようなデバイスを対象とする。一般に、自然光は、異なる波長を有する異なる単色光で構成され、網膜上の同じ平面に焦点を合わせない場合がある。より長い波長の単色光は、網膜の後ろの平面に焦点を合わせることができるが、より短い波長の単色光は、網膜の前の平面に焦点を合わせることができる。光の異なる焦点は、眼の伸長をもたらす眼の画像平面に向かう網膜の後方変位に寄与し得る。これは、近視を含む様々な病状をもたらす可能性がある。
【0011】
近視(「近眼」)は、視聴者に近い物体がはっきりと見えるが、視聴者から遠く離れた物体が徐々にぼやけていく視覚状態である。近視は、複数の理由によって引き起こされる可能性がある。近視の多くの症例における1つの要因は、眼の長い軸方向の長さである。近視は、集束光の焦点が網膜の前に形成されるときに発生する。言い換えれば、眼に入る光線の焦点は、網膜の前方になる。したがって、近視眼は、網膜面の前方に焦点を合わせる。近視は、典型的には、眼の軸方向の長さが眼の光学部品の焦点距離よりも長くなる、すなわち眼が長すぎるために発症する。
【0012】
人の眼(特に小児)のLコーンの過度の刺激は、最適でない眼の伸長及び近視をもたらす可能性があると考えられる。1つ以上の赤色光遮断化合物を含有する眼科用デバイスを使用して赤色光をスペクトルフィルタリングすることによって、着用者の近視を更に低減することができる。しかしながら、染色されたソフトコンタクトレンズを製造するために典型的に使用されるそのような赤色光遮断化合物の現在の染料(又は着色剤)は、多くの場合、浸出し、レンズは、滅菌条件に供されるとき、又は長期保管中に元の色合いを失う。したがって、赤色光をフィルタリング及び/又は遮断し、それによって、眼科用デバイスの着用者の近視を遅くし、阻害し、又は予防することができる改善された眼科用デバイスが必要である。
【0013】
したがって、本明細書に記載の眼科用デバイスは、前述の問題を克服し、有利には、約550ナノメートル(nm)~約800nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超及び最大約25%を遮断することによって、近視の進行を遅らせる、阻害する、又は予防することのうちの少なくとも1つを提供する。非限定的な例示的な実施形態では、近視の進行を遅らせる、阻害する、又は防止するための眼科用デバイスを必要とする対象におけるそのようなデバイスは、約550nm~約800nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断し、1つ以上の眼科用デバイス形成モノマーを含むモノマー混合物の重合生成物中に封入される、1つ以上の赤色光遮断化合物を含む。
【0014】
本明細書に開示される眼科用デバイスは、体組織又は体液と直接接触することを意図する。本明細書で使用される場合、「眼科用デバイス」という用語は、眼の中及び眼の上に存在するデバイスを指す。これらのレンズは、光学補正、創傷の治療、薬物送達、診断機能、又は美顔の向上若しくは効果、又はこれらの特性の組み合わせを提供することができる。有用な眼科用デバイスとしては、ソフトコンタクトレンズ、例えば、ソフトなヒドロゲルソフトレンズ、ソフトな非ヒドロゲルソフトレンズなど、ハードコンタクトレンズ、例えば、ハードな気体透過性ハードレンズ材料など、眼内レンズ、オーバーレイレンズ(overlay lense)、眼内挿入物、光学挿入物などの、眼科用レンズが挙げられるが、これらに限定されない。当業者によって理解されるように、レンズが壊れることなくそれ自体に折り返すことができる場合、レンズは「ソフト」であるとみなされる。
【0015】
本明細書で使用する場合、「(メタ)」という用語は、任意選択のメチル置換基を表す。したがって、例えば、「(メタ)アクリレート」などの用語は、メタクリレート又はアクリレートのいずれかを表し、「(メタ)アクリルアミド」は、メタクリルアミド又はアクリルアミドのいずれかを表す。
【0016】
眼科用デバイスは、眼科用デバイスを形成することができる当該技術分野で既知の任意の材料で形成され得る。一実施形態では、眼科用デバイスは、それ自体が親水性ではない材料から形成されたデバイスを含む。このようなデバイスは、当該技術分野で既知の材料から形成され、例として、ポリシロキサン、ペルフルオロポリエーテル、フッ素化ポリ(メタ)アクリレート、又は例えば他の重合性カルボン酸に由来する等価のフッ素化ポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、又は他の重合性カルボン酸に由来する等価のアルキルエステルポリマー、又はフッ素化ポリオレフィン、例えば、フッ素化エチレンプロピレンポリマー、又はテトラフルオロエチレン、好ましくは、ジオキソール、例えば、ペルフルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソールと組み合わせたものを含む。好適な嵩高性材料の代表的な例としては、ロトラフィルコンA、ネオフォコン、パシフォコン、テレフォコン、シラフォコン、フルオロシルフォコン、パフルフォコン、シラフォコン、エラストフィルコン、フルオロフォコン、又はTeflon(登録商標)AF材料、例えば、Teflon(登録商標)AF1600又はTeflon(登録商標)AF2400が挙げられるが、これらに限定されず、これらは、約63~約73mol%のペルフルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソールと約37~約27mol%のテトラフルオロエチレンのコポリマー、又は約80~約90mol%のペルフルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソールと約20~約10mol%のテトラフルオロエチレンのコポリマーである。
【0017】
別の実施形態では、眼科用デバイスは、それ自体が親水性の材料から形成されたデバイスを含む。例えば、カルボキシ、カルバモイル、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、アミン、アンモニウム又はヒドロキシ基などの反応性基が材料中に固有に存在するため、それらから製造される眼科用デバイスの表面にも存在するからである。このようなデバイスは、当技術分野で知られている材料から形成されており、一例として、不飽和カルボン酸、アクリルアミド、ビニルラクタム、ポリ(アルキレンオキシ)(メタ)アクリレート、ヒドロキシル含有(メタ)アクリレート、親水性ビニルカーボネート、親水性ビニルカルバメート、親水性オキサゾロン、及び重合性基で官能化されたポリ(アルケングリコール)など、並びにこれらの混合物を含む。不飽和カルボン酸の代表的な例としては、メタクリル酸、アクリル酸など、及びこれらの混合物が挙げられる。アミドの代表的な例としては、アルキルアミド、例えば、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミドなど、並びにこれらの混合物が挙げられる。環状ラクタムの代表的な例としては、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-2-ピペリドンなど、及びこれらの混合物が挙げられる。ヒドロキシル含有(メタ)アクリレートの代表的な例としては、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールメタクリレートなど、及びこれらの混合物が挙げられる。有用な官能化ポリ(アルケングリコール)の代表的な例としては、モノメタクリレート又はジメタクリレート末端キャップを含有する様々な鎖長のポリ(ジエチレングリコール)が挙げられる。一実施形態では、ポリ(アルケングリコール)ポリマーは、少なくとも2つのアルケングリコールモノマー単位を含有する。更なる例は、米国特許第5,070,215号に開示されている親水性ビニルカーボネートモノマー又はビニルカルバメートモノマー、及び米国特許第4,910,277号に開示されている親水性オキサゾロンモノマーである。他の好適な親水性モノマーは、当業者には明らかとなるであろう。前述の非シリコーン含有親水性モノマーの混合物は、本明細書のモノマー混合物中でも使用することができる。
【0018】
好適な親水性かつ嵩高性の材料の代表的な例としては、ポリマコン、テフィルコン、メタフィルコン、デルタフィルコン、ブフィルコン、フェムフィルコン、オキュフィルコン、オコフィルコン、エタフィルコン、ヘフィルコン(hefilcon)、ビフィルコン(vifilcon)、テトラフィルコン、パーフィルコン、ドロキシフィルコン(droxifilcon)、ジメフィルコン(dimefilcon)、イソフィルコン(isofilcon)、マフィルコン(mafilcon)、ネルフィルコン(nelfilcon)、アトラフィルコン(atlafilcon)などが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な嵩高性材料の例としては、バラフィルコンA、ヒラフィルコンA、アルファフィルコンA、ビラフィルコンBなどが挙げられる。
【0019】
例示的な一実施形態では、モノマー混合物は、1つ以上の環状ラクタムである過半量の1つ以上の非シリコーン含有親水性モノマーを含む。別の例示的な実施形態では、モノマー混合物は、N-ビニルカプロラクタムである過半量の1つ以上の非シリコーン含有親水性モノマーを含む。
【0020】
例示的な実施形態では、1つ以上の疎水性モノマーは、モノマー混合物の総重量に基づいて、約25重量%~約90重量%の範囲の量でモノマー混合物中に存在することができる。別の例示的な実施形態では、1つ以上の疎水性モノマーは、モノマー混合物の総重量に基づいて、約30重量%~約75重量%の範囲の量でモノマー混合物中に存在することができる。
【0021】
別の実施形態では、眼科用デバイスは、少なくとも1つの疎水性セグメントと少なくとも1つの親水性セグメントとを含有し、これらが結合又は架橋部材を介して接続した両親媒性セグメント化コポリマーである材料から形成されるデバイスを含む。
【0022】
コンタクトレンズを含む眼科用レンズに一般的に使用される軟質材料及び硬質材料の両方を含む本明細書の生体適合性材料を使用することは、特に有用である。一般に、非ヒドロゲル材料は、その平衡状態で水を含有しない疎水性ポリマー材料である。典型的な非ヒドロゲル材料は、シリコーンアクリル、例えば、嵩高性シリコーンモノマーから形成されるもの(例えば、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、一般的に「TRIS」モノマーとして知られている)、メタクリレートでエンドキャップされたポリ(ジメチルシロキサン)プレポリマー、又はフルオロアルキル側基を有するシリコーン(ポリシロキサンは一般にシリコーンポリマーとしても知られる)を含む。
【0023】
一般に、ヒドロゲルは、平衡状態で水を含有する水和した架橋ポリマー系を含む周知の種類の材料である。したがって、ヒドロゲルは、親水性モノマーから調製されるコポリマーである。シリコーンヒドロゲルの場合、ヒドロゲルコポリマーは、少なくとも1つのデバイス形成シリコーン含有モノマーと少なくとも1つのデバイス形成親水性モノマーとを含有する混合物を重合することによって一般的に調製される。シリコーン含有モノマー又は親水性モノマーのいずれかは、架橋剤(複数の重合性官能基を有するモノマーとして定義される架橋剤)として機能することができるか、又は別個の架橋剤が使用されてもよい。シリコーンヒドロゲルは、典型的には、約10~約80重量%の含水量を有する。
【0024】
モノマー混合物はまた、共重合性基と反応性官能基とを含む第2のデバイス形成モノマーを含んでいてもよい。共重合性基は、好ましくは、エチレン系不飽和基であり、その結果、このデバイス形成モノマーが、初期のデバイス形成モノマー混合物中の親水性デバイス形成モノマー及び任意の他のデバイス形成モノマーと共重合する。追加的に、第2のモノマーは、得られるコポリマーの相補的反応性基と反応する反応性官能基を含み得る。言い換えれば、デバイス形成モノマー混合物を共重合することによってデバイスが形成された後、第2のデバイス形成モノマーによって提供される反応性官能基は、コポリマーの相補的反応性部分と反応するために残存する。
【0025】
一実施形態では、第2のデバイス形成モノマーの反応性基は、エポキシド基を含む。したがって、第2のデバイス形成モノマーは、エチレン系不飽和基(モノマーが親水性デバイス形成モノマーと共重合することを可能にする)と、エポキシド基(親水性デバイス形成モノマーと反応しないが、コポリマー、例えば、1つ以上の重合性多価アルコールと1つ以上の重合性フッ素含有モノマーの反応生成物との反応を維持する)の両方を含むものである。好適な第2のデバイス形成モノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルビニルカーボネート、グリシジルビニルカルバメート、及び4-ビニル-1-シクロヘキセン-1,2-エポキシドなどが挙げられる。
【0026】
上述のように、眼科用デバイス基質材料の一種は、シリコーンヒドロゲルである。この場合、初期デバイス形成モノマー混合物は、シリコーン含有モノマーを更に含む。シリコーンヒドロゲルの形成に使用するための適用可能なシリコーン含有モノマー材料は、当該技術分野において周知であり、数多くの例が、米国特許第4,136,250号、同第4,153,641号、同第4,740,533号、同第5,034,461号、同第5,070,215号、同第5,260,000号、同第5,310,779号、及び同第5,358,995号に提供されている。本明細書で使用するための好適な材料の具体例としては、米国特許第5,310,779号、同第5,387,662号、同第5,449,729号、同第5,512,205号、同第5,610,252号、同第5,616,757号、同第5,708,094号、同第5,710,302号、同第5,714,557号、及び同第5,908,906号に開示されているものが挙げられ、これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
適用可能なシリコーン含有モノマーの代表的な例としては、1つ以上の非嵩高性有機ケイ素含有モノマーが挙げられる。本明細書で使用される「有機ケイ素含有モノマー」は、モノマー、マクロマー、又はプレポリマー中に少なくとも1つの[シロキサニル]又は少なくとも1つの[シリルアルキルシロキサニル]繰り返し単位を含有する。一実施形態では、非嵩高性有機ケイ素含有モノマーの例は、以下の式(Ia)の構造によって表される:
【化1】

(式中、Lが、エチレン系不飽和重合性基であり、Vが、リンカー基又は結合であり、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRが、独立して、水素、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、又は芳香族基であり、R10及びR11が、独立して、水素又はアルキルであり、R10及びR11のうちの少なくとも1つが、水素であり、yが、2~7であり、nが、1~100又は1~20である)。
【0028】
エチレン系不飽和重合性基は、当業者に周知である。好適なエチレン系不飽和重合性基としては、例えば、(メタ)アクリレート、ビニルカーボネート、O-ビニルカルバメート、N-ビニルカルバメート、及び(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0029】
リンカー基は、任意の二価の基又は部分であってもよく、例えば、置換又は非置換のC~C12アルキル、アルキルエーテル、アルケニル、アルケニルエーテル、ハロアルキル、置換又は非置換のシロキサン、及び開環を伝播させることができるモノマーを含む。
【0030】
一実施形態では、Vは、(メタ)アクリレートであり、Lは、C~C12アルキレンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、独立して、C~C12アルキルであり、R10及びR11は独立して、Hであり、yは2~7であり、nは3~8である。
【0031】
一実施形態では、Vは、(メタ)アクリレートであり、Lは、C~Cアルキルであり、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRは独立して、C~Cアルキルであり、R10及びR11は、独立して、Hであり、yは、2~7であり、nは、1~20である。
【0032】
式Iaの構造によって表される非嵩高性有機ケイ素含有モノマーは、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第7,915,323号、同第7,994,356号、同第8,420,711号、同第8,827,447号、及び同第9,039,174号を参照されたいが、これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
例示的な実施形態では、1つ以上の非嵩高性有機ケイ素含有モノマーは、以下の式Ibの構造で表される化合物を含み得る。
【化2】

式中、R12は、H又はメチルであり、Xは、O又はNR16であり、R16は、H、又はC~Cアルキルから選択され、1つ以上のヒドロキシル基で更に置換されていてもよく、いくつかの実施形態では、H又はメチルであり、R13は、二価アルキル基であり、エーテル基、ヒドロキシル基、カルバメート基、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される基で更に官能化されていてもよく、別の実施形態では、エーテル、ヒドロキシル、及びこれらの組み合わせで置換され得るC~Cアルキレン基であり、更に別の実施形態では、エーテル、ヒドロキシル、及びこれらの組み合わせで置換され得るC又はC~Cアルキレン基であり、各R14は、独立して、フェニル、又はフッ素、ヒドロキシル若しくはエーテルで置換され得るC~Cアルキルであり、別の実施形態では、各R14は、独立して、エチル及びメチル基から選択され、更に別の実施形態では、各R14はメチルであり、R15は、C~Cアルキルであり、aは2~50であり、いくつかの実施形態では5~15である。
【0034】
式Ibの構造によって表される非嵩高性有機ケイ素含有モノマーは、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第8,703,891号、同第8,937,110号、同第8,937,111号、同第9,156,934号、及び同第9,244,197号を参照されたいが、これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
1つの例示的な実施形態では、1つ以上の非嵩高性有機ケイ素含有モノマーは、モノマー混合物の総重量に基づいて、約5重量%~約50重量%の範囲の量でモノマー混合物中に存在し得る。一実施形態では、1つ以上の非嵩高性有機ケイ素含有モノマーは、モノマー混合物の総重量に基づいて、約15重量%~約45重量%の範囲の量でモノマー混合物中に存在し得る。
【0036】
適用可能なシリコーン含有モノマーの代表的な例としてはまた、嵩高性ポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。嵩高性ポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマーの一例は、式(II)の構造で表され、
【化3】

(式中、Xは-O-、若しくは-NR19-を表し、各R19は、水素若しくはC~Cアルキルであり、R17は、独立して、水素若しくはメチルを表し、各R18は、独立して、C~C基などの低級アルキルラジカル、フェニルラジカル、若しくは以下の構造で表される基:
【化4】

(式中、各R18′は独立して、低級アルキルラジカル若しくはフェニルラジカルを表し、hは1~10である)を表す)、又は式(III)の以下の構造:
【化5】

(式中、Xは-NR19-を表し、R19は、水素若しくはC~Cアルキルを表し、R17は、水素若しくはメチルを表し、各R18は、独立して、低級アルキルラジカル、フェニルラジカル、若しくは以下の構造で表される基:
【化6】

式中、各R18′は、独立して低級アルキルラジカル又はフェニルラジカルを表し、hは、1~10である。
【0037】
嵩高性モノマーの例は、メタクリロキシプロピルトリス(トリメチル-シロキシ)シラン又はトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(時にTRISと呼ばれる)、及びトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルビニルカルバメート(時にTRIS-VCと呼ばれる)などを含む。
【0038】
このような嵩高性モノマーは、分子の2つ以上の末端に不飽和基でキャップされたポリ(オルガノシロキサン)であるシリコーンマクロモノマーと共重合してよい。米国特許第4,153,641号は、例えば、アクリロキシ又はメタクリロキシ基などの種々の不飽和基を開示している。
【0039】
別の種類の代表的なシリコーン含有モノマーとしては、例えば、シリコーン含有ビニルカーボネート又はビニルカルバメートモノマー、例えば、1,3-ビス[4-ビニロキシカルボニロキシ)ブタ-1-イル]テトラメチル-ジシロキサン;3-(トリメチルシリル)プロピルビニルカーボネート;3-(ビニロキシカルボニルチオ)プロピル-[トリス(トリメチルシロキシ)シラン];3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート;3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカーボネート;t-ブチルジメチルシロキシエチルビニルカーボネート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネート;トリメチルシリルメチルビニルカーボネートなど、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
別の種類のシリコーン含有モノマーとしては、ポリウレタン-ポリシロキサンマクロモノマー(時にプレポリマーとも呼ばれる)が挙げられ、これは、従来のウレタンエラストマーのような硬質-軟質-硬質ブロックを有し得る。これらは、HEMAなどの親水性モノマーでエンドキャップされてもよい。このようなシリコーンウレタンの例は、Lai,Yu-Chin,“The Role of Bulky Polysiloxanylalkyl Methacryates in Polyurethane-Polysiloxane Hydrogels,”Journal of Applied Polymer Science,Vol.60,1193-1199(1996)を含む、様々な又は出版物に開示されている。PCT公開出願第WO96/31792号は、このようなモノマーの例を開示し、その開示は全体的に参照により本明細書に組み込まれる。シリコーンウレタンモノマーの更なる例は、式(IV)及び(V)で表され、
E(*D*A*D*G)*D*A*D*E’、又は (IV)
E(*D*G*D*A)*D*A*D*E’、又は (V)
式中、
Dは独立して、6~約30個の炭素原子を有するアルキルジ基、アルキルシクロアルキルジ基、シクロアルキルジ基、アリールジ基、又はアルキルアリールジ基を表し、
Gは独立して、1~約40個の炭素原子を有するアルキルジ基、シクロアルキルジ基、アルキルシクロアルキルジ基、アリールジ基又はアルキルアリールジ基を表し、主鎖にエーテル、チオ又はアミン結合を含有してもよく、
*はウレタン又はウレイド結合を表し、
aは少なくとも1であり、
Aは独立して、式(VI)の二価のポリマーラジカルを表し、
【化7】

式中、各RSは独立して、炭素原子間のエーテル結合を含有し得る1~約10個の炭素原子を有するアルキル又はフルオロ置換アルキル基を表し、m′は少なくとも1であり、pは、約400~約10,000の部位重量を提供する数であり、
E及びE’の各々は独立して、式(VII)で表される重合性不飽和有機基を表し、
【化8】

式中、Rが、水素又はメチルであり、
は、水素、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、又は-CO-Y-R基であり、Yは-O-、-S-、若しくは-NH-であり、
は、1~約10個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、
は、1~約12個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、
Xは、-CO-又は-OCO-を表し、
Zは、-O-又は-NH-を表し、
Arは、約6~約30個の炭素原子を有する芳香族基を表し、
wは0~6であり、xは0又は1であり、yは0又は1であり、zは0又は1である。
【0041】
一実施形態では、シリコーン含有ウレタンモノマーは、式(VIII)で表され、
【化9】

式中、mは少なくとも1であり、好ましくは3又は4であり、aは少なくとも1であり、好ましくは1であり、pは約400~約10,000の部位重量を提供する数であり、好ましくは少なくとも約30であり、Rは、イソホロンジイソシアネートのジラジカルなどのイソシアネート基の除去後のジイソシアネートのジラジカルであり、各Eは、以下によって表される基である:
【化10】
【0042】
別の実施形態では、シリコーンヒドロゲル材料は、(バルクで、すなわち、共重合されるモノマー混合物中)約5~約50重量%、又は約10~約25重量%の1つ以上のシリコーンマクロモノマーと、約5~約75重量%、又は約30~約60重量%の1つ以上のポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマーと、約10~約50重量%、又は約20~約40重量%の親水性モノマーを含む。一般に、シリコーンマクロモノマーは、分子の2つ以上の末端に不飽和基でキャップされたポリ(オルガノシロキサン)である。上記の構造式中の末端基に加えて、米国特許第4,153,641号は、アクリロキシ又はメタクリロキシを含む追加の不飽和基を開示している。フマレート含有材料、例えば、米国特許第5,310,779号、同第5,449,729号、及び同第5,512,205号に開示されているものなども、本明細書に記載の非限定的な実施形態による有用な基材である。シランマクロモノマーは、シリコーン含有ビニルカーボネート若しくはビニルカルバメート、又は1つ以上の硬質-軟質-硬質ブロックを有し、親水性モノマーでエンドキャップされたポリウレタン-ポリシロキサンであってもよい。
【0043】
別の実施形態では、シリコーン含有モノマーの別の一種は、式(IX)のモノマーを含む。
【化11】

式中、Xは、開環剤の残基であり、Lは、同一又は異なり、リンカー基又は結合であり、Vは、エチレン系不飽和重合性基であり、R、R、R、R、R、Rは独立して、ハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、又は芳香族基であり、R及びRは独立して、ハロゲン又はアルキル基であり、R又はRのうちの少なくとも1つは、水素であり、yは、2~7であり、nは、1~100である。
【0044】
開環剤は、文献で周知である。アニオン性開環剤の非限定的な例としては、アルキルリチウム、アルコキシド、トリアルキルシロキシルリチウムが挙げられ、アルキル基は、ハロ原子を含有しても含有しなくてもよい。
【0045】
リンカー基は、任意の二価のラジカル又は部分であり得、置換又は非置換のアルキル、アルキルエーテル、アルケニル、アルケニルエーテル、ハロアルキル、置換又は非置換のシロキサン、及び開環を増殖させることができるモノマーを含む。
【0046】
エチレン系不飽和重合性基は、当業者に周知である。エチレン系不飽和重合性基の非限定的な例としては、メタクリレート、ビニルカーボネート、O-ビニルカルバメート、N-ビニルカルバメート、アクリルアミド、及びメタクリルアミドが挙げられ得る。
【0047】
別の実施形態では、シリコーン含有モノマーの一種は、式(X)のモノマーを含む。
【化12】

式中、Lは、同一又は異なり、リンカー基又は結合であり、Vは、同一又は異なり、エチレン系不飽和重合性基であり、R、R、R、R、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、又は芳香族基であり、R又はRは、独立して、ハロゲン又はアルキル基であり、R又はRのうちの少なくとも1つは、水素であり、yは、2~7であり、nは、1~100である。
【0048】
別の実施形態では、シリコーン含有モノマーの一種は、式(XI)及び(XII)のモノマーを含み、
【化13】

式中、R、R10、及びR11は独立して、ハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基、又は他の置換アルキル基であり、nは、上記で定義されるとおりであり、nは、0~10であり、
【化14】

nは、1~100であるか、又はnは、2~80であるか、又はnは、3~20であるか、又はnは、5~15である。
【0049】
別の実施形態では、シリコーン含有モノマーの一種は、式(XIII)~(XVII)のモノマーを含み、
【化15】
【0050】
別の実施形態では、シリコーン含有モノマーの一種は、式(XVIII)~(XX)のモノマーを含み、
【化16】

式中、R、R10、及びR11は、独立して、ハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基、又は他の置換アルキル基であり、n及びnは、上記で定義されるとおりである。
【0051】
別の実施形態では、シリコーン含有モノマーの一種は、式(XXI)~(XXIII)のモノマーを含む。
【化17】

式中、nは、上記で定義されたとおりであり、Xは、全体的な中性電荷を提供するための対イオンである。
【0052】
全体的な中性電荷を提供することが可能である対イオンは、当業者に周知であり、例えば、ハロゲン化物イオンを含み得る。
【0053】
別の実施形態では、シリコーン含有モノマーの一種は、式(XXIV)のモノマーを含む。
【化18】
【0054】
本明細書で使用するためのアルキル基の代表的な例としては、例として、不飽和部の有無にかかわらず、分子の残りの部分に対して、1~約30個の炭素原子、又は1~約12個の炭素原子、又は1~約6個の炭素原子を有する炭素原子と水素原子を含有する直鎖又は分岐鎖のアルキル鎖基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、メチレン、エチレンなどが挙げられる。アルキル基は、任意選択で、1つ以上のヘテロ原子、例えば、O及びNなどを含有して、ハロアルキル基を形成し得る。
【0055】
本明細書で使用するためのシクロアルキル基の代表的な例としては、例として、約3~約30個の炭素原子、又は3~約6個の炭素原子の置換若しくは非置換の非芳香族の単環式環系又は多環式環系、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ペルヒドロナフチル、アダマンチル及びノルボルニル基、架橋した環状基又はスピロ二環基、例えば、スピロ-(4,4)-ノナ-2-イルなどが挙げられ、任意選択的に、例えば、O及びNなどの1つ以上のヘテロ原子を含有して、ハロアルキル基を形成するものなどが挙げられる。
【0056】
本明細書で使用するための芳香族基の代表的な例としては、例えば、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、及びビフェニルなどの、約6~約30個の炭素原子を含有し、任意選択で1つ以上のヘテロ原子、例えば、O及びNなどを含有する、ハロ芳香族基を形成する、置換又は非置換の単環芳香族又は多環芳香族のラジカルが挙げられる。
【0057】
本明細書で使用するためのシクロアルケニル基の代表的な例としては、例として、約2~約30個の炭素原子、又は3~約12個の炭素原子を含有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、置換又は非置換のアルキル基、例えば、プロペニル、ブテニル、ペンテニルなどが挙げられ、アルキル基は、任意選択的に、例えば、O及びNなどの1つ以上のヘテロ原子を含有して、ハロアルキル基を形成し得る。
【0058】
代表的なシリコーン含有モノマーの別の種類は、フッ素化モノマーを含む。このようなモノマーは、例えば、米国特許第4,954,587号、同第5,010,141号、及び同第5,079,319号に開示されるように、フルオロシリコーンヒドロゲルの形成において、それから作製されたコンタクトレンズ上の堆積物の蓄積を減少させるために使用されてきた。また、ある特定のフッ素化側基、すなわち-(CF)-Hを有するシリコーン含有モノマーの使用は、親水性モノマー単位とシリコーン含有モノマー単位との間の適合性を改善することが見出されている。例えば、米国特許第5,321,108号及び同第5,387,662号を参照。
【0059】
上述のシリコーン材料は単なる例示であり、様々な刊行物に開示されており、コンタクトレンズ及び他の眼科用デバイスで使用するために継続的に開発されている基質として使用するための他の材料も使用することもできる。例えば、眼科用デバイスは、カチオン性シリコーン含有モノマー又はカチオン性フッ素化シリコーン含有モノマーなどのカチオン性モノマーから少なくとも形成され得る。
【0060】
本明細書に記載の例示された実施形態の用途のためのコンタクトレンズは、所望の後側及び前側のレンズ表面を有する整形物品を得るために、様々な従来の技術を用いて製造され得る。スピンキャスト法は、米国特許第3,408,429号及び同第3,660,545号に開示されており、スタティックキャスト法は、米国特許第4,113,224号、同第4,197,266号、及び同第5,271,876号に開示されている。所望の最終構成を有するコンタクトレンズを提供するために、モノマー混合物の硬化に続いて機械加工操作が行われ得る。一例として、米国特許第4,555,732号は、鋳型内でスピンキャストすることによってモノマー混合物の余剰分を硬化し、前側のレンズ表面と比較的大きな厚みを有する整形物品を形成するプロセスを開示している。硬化したスピンキャスト物品の後側表面は、その後、旋盤切断し、所望の厚みと後側のレンズ表面を有するコンタクトレンズを提供する。更なる機械加工操作は、レンズ表面の旋盤切断の後に行われてもよい(例えば、エッジ仕上げ操作)。
【0061】
コンタクトレンズなどの眼科用デバイスを乾燥離型すると、次いで、それらを任意選択の機械加工操作を施すことができる。他の任意選択の機械加工ステップは、レンズの縁部及び/又は表面のバフ加工又は研磨を含み得る。一般に、このような機械加工プロセスは、生成物が型部分から離型される前又は後に実施されてもよく、例えば、レンズは、真空ピンセットを用いてレンズを型から持ち上げることによって型から乾燥離型され、その後、レンズは、機械的ピンセットによって第2のセットの真空ピンセットに移され、表面又は縁部を滑らかにするために回転する表面に対して配置される。次いで、レンズの反対側を機械加工するために、レンズを裏返してもよい。
【0062】
このように形成された得られる眼科用デバイスは、次いで、本明細書に記載の例示的な非限定的な実施形態による方法のステップが施され、1つ以上の赤色光遮断化合物が眼科用デバイス内に捕捉される。例えば、1つのステップでは、第一に、眼科用デバイスを、1つ以上の第1の溶媒溶液中に、眼科用デバイスを膨潤させるのに十分な期間浸漬する。概して、1つ以上の第1の溶媒溶液は、眼科用デバイスを膨潤させることができる溶媒を含む。一実施形態では、1つ以上の第1の溶媒溶液としては、例えば、低分子量アルコール溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、アミド基含有溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0063】
好適な低分子量アルコールとしては、例えば、約1~約13個の炭素原子及び/又は約200以下の分子量を有する低分子量アルコールが挙げられる。好適な低分子アルコールは、各々が約1~約13個の炭素原子を含む様々な低分子量一価アルコールから選択され得る。好適な一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、及びドデカノールなどが挙げられる。好適な脂肪族又は脂環式炭化水素溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、及びシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0064】
好適なケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、エチルプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルsec-ブチルケトン、メチルtert-ブチルケトン、エチルブチルケトン、エチルイソブチルケトン、エチルsec-ブチルケトン、エチルtert-ブチルケトン、プロピルブチルケトン、イソプロピルブチルケトン、プロピルイソブチルケトン、プロピルsec-ブチルケトン、プロピルtertブチルケトン、イソプロピルイソブチルケトン、イソプロピルsec-ブチルケトン、イソプロピルtert-ブチルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジ-sec-ブチルケトン、ジ-tert-ブチルケトン、ブチルイソブチルケトン、ブチルtert-ブチルケトン、イソブチルsec-ブチルケトン、イソブチルtert-ブチルケトン、sec-ブチルtert-ブチルケトン、5-ヘプタノン、5-メチル-2-ヘキサノン(メチルイソアミルケトン)、4-メチル-2-ヘキサノン、3-メチル-2-ヘキサノン、3,4-ジメチル-2-ペンタノン、3,3-ジメチル-2-ペンタノン、4,4-ジメチル-2-ペンタノン、3-オクタノン、4-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノン、6-メチル-3-ヘプタノン、4,4-ジメチル-3-ヘキサノン、4,5-ジメチル-3-ヘキサノン、5,5-ジメチル-3-ヘキサノン、4-ノナノン、5-メチル-4-オクタノン、6-メチル-4-オクタノン、7-メチル-4-オクタノン、5,5-ジメチル-4-ネプタノン、5,6-ジメチル-4-ヘプタノン、6,6-ジメチル-4-ヘプタノン、2-ウンデカノン、シクロプロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、シクロノナノン、シクロデカノン、シクロウンデカノン、及びシクロドデカノンなど、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、ケトン溶媒は、アセトンである。
【0065】
好適なニトリル溶媒としては、例えば、ニトリル基を含有する飽和又は不飽和脂肪族、脂環式、又は芳香族化合物が挙げられる。ニトリルには、ヘテロ原子を含有する化合物、例えば、元素周期表の第13族、第14族、第15族、第16族、及び第17族から選択される化合物などが含まれる。本明細書で使用するためのニトリルの代表的な例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソプロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、イソバレロニトリル、トリメチルアセトニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプタンニトリル、シアン化ヘプチル、オクタンニトリル、ウンデカネニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、セバコニトリル、シアン化アリル、アクリロニトリル、クロトノニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、テトラシアノエチレン、シクロペンタンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、ジクロロアセトニトリル、フルオロアセトニトリル、トリクロロアセトニトリル、ベンゾニトリル、シアン化ベンジル、2-メチルベンジルシアナイド、2-クロロベンゾニトリル、3-クロロベンゾニトリル、4-クロロベンゾニトリル、o-トルニトリル、m-トルニトリル、及びp-トルニトリルなど、並びにこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、ニトリル溶媒は、アセトニトリルである。
【0066】
好適なエーテル溶媒としては、例えば、アルキル基が同じ又は異なっており、1~約12個の炭素原子であるジアルキルエーテルが挙げられる。エーテル溶媒の代表的な例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ-i-プロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、及びピランなど、並びにこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、エーテル溶媒は、テトラヒドロフランである。
【0067】
好適なアミド基含有溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-ホルミルピペリジン、N-ホルミルモルホリン、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルベンズアミド、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、アミド基含有溶媒は、N-メチルピロリドンである。
【0068】
一実施形態では、1つ以上の第1の溶媒溶液は、前述の第1の溶媒のうちのいずれかと組み合わせた水を更に含むことができる。例えば、1つ以上の第1の溶媒溶液は、約25重量%~約75重量%の1つ以上の第1の溶媒溶液及び約75重量%~約25重量%の水を含有するブレンドであり得る。別の実施形態では、ブレンドは、約40重量%~約60重量%の1つ以上の第1の溶媒溶液及び約60重量%~約40重量%の水を含有することができる。
【0069】
眼科用デバイスを、1つ以上の第1の溶媒溶液中に、眼科用デバイスを膨潤するのに十分な期間浸漬する。一般に、眼科用デバイスを、1つ以上の第1の溶媒溶液中に、約5分~約120分の範囲の期間浸漬する。一実施形態では、眼科用デバイスを、1つ以上の第1の溶媒溶液中に、約5分~約60分の範囲の期間浸漬する。一実施形態では、眼科用デバイスを、1つ以上の第1の溶媒溶液中に、約10分~約35分の範囲の期間浸漬する。
【0070】
例示的な実施形態では、眼科用デバイスを、一連の1つ以上の第1の溶媒溶液中に浸漬する。例えば、眼科用デバイスを、まず、本明細書で上述された1つ以上の第1の溶媒溶液中又は1つ以上の第1の溶媒と水とのブレンド中に、約5分~約30分、又は約5分~約20分の範囲の期間浸漬する。次に、眼科用デバイスを溶液又はブレンドから除去し、前述の1つ以上の第1の溶媒、又は上述したような1つ以上の第1の溶媒と水とのブレンドのうちのいずれかの別の溶媒溶液中に、約5分~約120分の範囲の期間浸漬する。一実施形態では、眼科用デバイスを、前述の1つ以上の第1の溶媒、又は上述したような1つ以上の第1の溶媒と水とのブレンドのうちのいずれかの別の溶媒溶液中に、約5分~約60分の範囲の期間浸漬する。別の実施形態では、眼科用デバイスを、前述の1つ以上の第1の溶媒、又は上述したような1つ以上の第1の溶媒と水とのブレンドのうちのいずれかの別の溶媒溶液中に、約10分~約35分の範囲の期間浸漬する。
【0071】
別のステップでは、膨潤した眼科用デバイスを、1つ以上の赤色光遮断化合物を含む1つ以上の第2の溶媒溶液中に浸漬して、眼科用デバイスを脱膨潤させ、1つ以上の赤色光遮断化合物を眼科用デバイス内に封入する。例示的な実施形態では、1つ以上の第2の溶媒溶液は、1つ以上の赤色光遮断化合物を溶解することができる任意の溶媒を含む。好適な第2の溶媒溶液としては、例えば、水のみ、又は前述の低分子量アルコール溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、及び本明細書で上述したアミド基含有溶媒のうちのいずれかが挙げられる。例示的な実施形態では、第2の溶媒溶液は、水のみである。
【0072】
一実施形態では、1つ以上の第2の溶媒溶液は、低分子量アルコール溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、及びアミド基含有溶媒のうちのいずれかと一緒に水のブレンドを含む。例えば、1つ以上の第2の溶媒溶液は、約25重量%~約75重量%の低分子量アルコールなどの1つ以上の第2の溶媒溶液、及び約75重量%~約25重量%の水を含有するブレンドであり得る。別の実施形態では、ブレンドは、低分子量アルコールなどの約40重量%~約60重量%の1つ以上の第2の溶媒溶液、及び約60重量%~約40重量%の水を含有することができる。ブレンドを使用する場合、1つ以上の赤色光遮断化合物を最初に1つ以上の第2の溶媒溶液中に添加して、溶液を形成する。次に、1つ以上の赤色光遮断化合物が溶液から沈殿しないような量で水を溶液中に添加する。
【0073】
非限定的な例示的な実施形態では、眼科用デバイスを脱膨潤させるために、1つ以上の赤色光遮断化合物を含む1つ以上の第2の溶媒溶液中に膨潤した眼科用デバイスを浸漬するときに、1つ以上の赤色光遮断化合物の少なくとも一部分は、水素結合を介してレンズ上の反応性官能基と共有結合し得る。例えば、眼科用デバイスが、レンズの表面又は2-ヒドロキシエチルメタクリレート及びグリシジルメタクリレートなどのレンズ内に存在するOH反応性基を有する1つ以上の非シリコーン親水性モノマーを含むモノマー混合物の重合生成物から誘導される場合、1つ以上の非シリコーン親水性モノマーのOH基は、水素結合を介して、OH基に相補的な反応性官能基と反応することができる。これは、スキームIの非限定的な実施形態において以下に例示される。
【化19】
【0074】
例示の実施形態では、1つ以上の赤色光遮断化合物は、溶液の総重量に基づいて、約0.05~約5重量%の範囲の量で1つ以上の第2の溶媒溶液中に存在する。例示の実施形態では、1つ以上の赤色光遮断化合物は、溶液の総重量に基づいて、約0.50~約1.5重量%の範囲の量で1つ以上の第2の溶媒溶液中に存在する。
【0075】
眼科用デバイスを、1つ以上の第2の溶媒溶液中に、眼科用デバイスを脱膨潤させ、1つ以上の赤色光遮断化合物を封入するのに十分な期間浸漬する。例示的な実施形態では、眼科用デバイスを、1つ以上の第2の溶媒溶液中に、約5分~約120分の範囲の期間浸漬する。別の例示的な実施形態では、眼科用デバイスを、1つ以上の第2の溶媒溶液中に、約10分~約18分の範囲の期間浸漬する。
【0076】
例示的な実施形態では、眼科用デバイスを、一連の1つ以上の第2の溶媒溶液中に浸漬することができる。例えば、眼科用デバイスを、まず、水のみ又は低分子量アルコール溶媒を含む1つ以上の第2の溶媒溶液中に、1つ以上の赤色光遮断化合物とともに、約5分~約30分又は約10分~約18時間の範囲の期間浸漬する。次に、眼科用デバイスを溶媒溶液から除去し、1つ以上の赤色光遮断化合物を含有する1つ以上の追加の溶媒溶液中に、更に、約5分~約30分の範囲の期間浸漬する。一実施形態では、1つ以上の追加の溶媒溶液は、同じ又は異なる低分子量アルコール溶媒と水と、赤色光遮断化合物のうちの1つ以上と、水の別の溶媒溶液と、赤色光遮断化合物のうちの1つ以上とのブレンドを含むことができる。
【0077】
例示的な実施形態では、1つ以上の赤色光遮断化合物は、約550nm~約800nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む。例示的な実施形態では、1つ以上の赤色光遮断化合物は、約550nm~約700nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む。例示的な実施形態では、1つ以上の赤色光遮断化合物は、約650nm~約680nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約5%超~約25%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む。
【0078】
例示的な実施形態では、1つ以上の赤色光遮断化合物は、約550nm~約800nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約10%~約15%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む。例示的な実施形態では、1つ以上の赤色光遮断化合物は、約550nm~約700nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約10%~約15%を遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む。例示的な実施形態では、1つ以上の赤色光遮断化合物は、約650nm~約680nmの波長で、眼科用デバイスを通る赤色光透過の約10%~約15%を超えて遮断する1つ以上の赤色光遮断化合物を含む。
【0079】
例示的な実施形態では、本明細書で使用するための好適な赤色光遮断化合物の代表的な例は、以下の化合物I~IXによって表される。
【化20-1】

【化20-2】

式中、X及びXは、独立して、CH又はC(CHであり、R及びRは、独立して、H又は(CHSONaであり、Rは、H又はSONaである。
【0080】
1つ以上の赤色光遮断化合物は、当該技術分野で既知の方法によって得ることができるか、又はLI-COR Biosciences,Inc.のような供給源から市販されている。
【0081】
眼科用デバイスを脱膨潤した後、眼科用デバイスを除去し、任意選択で1つ以上の一連の水溶液中に浸漬して、デバイスを更に脱膨潤する。例示的な実施形態では、眼科用デバイスを各々、水溶液のうちの1つ以上中に、約5分~約20分の範囲の期間浸漬する。
【0082】
別のステップにおいて、脱膨潤した眼科用デバイスを滅菌する。例示的な実施形態では、脱膨潤した眼科用デバイスを、ホウ酸塩緩衝生理食塩水などの適切な緩衝生理食塩水に沈め、次いで、それを少なくとも約5分間オートクレーブ条件を施すことによって、脱膨潤した眼科用デバイスを滅菌する。例示的な実施形態では、脱膨潤した眼科用デバイスを、少なくとも約20分間オートクレーブ条件に供する。別の例示的な実施形態では、脱膨潤した眼科用デバイスを、少なくとも1時間オートクレーブ条件に供する。次いで、滅菌された眼科用デバイスを水ですすぎ、ホウ酸塩緩衝生理食塩水でそれらのパッケージに位置付ける。パッケージを密封し、再び眼科用デバイスにオートクレーブ条件を施す。
【0083】
あるいは、脱膨潤した眼科用デバイスを、脱膨潤した眼科用デバイスを保持するためのレセプタクル部分と滅菌包装溶液とを含む容器に入れてもよい。容器の例は、従来の眼科用デバイスブリスターパッケージである。溶液中に浸漬された脱膨潤した眼科用デバイスを含有するこのレセプタクルは、例えば、レセプタクルの上にパッケージ上の蓋材を密封することによって、気密に密封される。例えば、蓋材は、レセプタクルの周囲に密封される。溶液及び脱膨潤した眼科用デバイスは、パッケージレセプタクルに密封されたまま滅菌される。滅菌技術の例としては、溶液及び脱膨潤した眼科用デバイスに熱エネルギー、マイクロ波放射、ガンマ放射線、又は紫外線放射を施すことが挙げられる。具体的な例は、パッケージ容器に密封されている間に、溶液及び脱膨潤した眼科用デバイスを、オートクレーブなどによって、少なくとも約100℃、又は少なくとも約121℃の温度に加熱することを伴う。
【0084】
以下の実施例は、当業者が本発明を実施することを可能にするために提供されるものであり、単なる例示である。実施例は、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を限定するものとして読まれるべきではない。
【0085】
実施例では、以下の略語が使用される。
【0086】
DMA:N,N-ジメチルアセトアミド。
【0087】
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート。
【0088】
NVP:N-ビニル-2-ピロリドン。
【0089】
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート。
【0090】
SIGMA:(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン
【0091】
TRIS:3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート。
【0092】
Irgacure 819:Sigma Aldrichから入手可能なフリーラジカル重合のための光開始剤。
【0093】
CIX-4:以下の構造を有する化合物:
【化21】
【0094】
Ma2D37:以下の構造を有し、Shin-Etsu又はGelestから入手可能な化合物:
【化22】
【0095】
M1EDS6:以下の構造を有し、Gelestから入手可能な化合物:
【化23】
【0096】
実施例1
本実施例では、以下の構造を有する赤色光遮断化合物を使用した。
【化24】
【0097】
この実施例で使用した眼科用レンズを、当技術分野で既知の方法に従って、以下の表1に示される製剤から調製し、構成要素を重量当たりの量で列挙した。
【表1】
【0098】
眼科用レンズを、50:50のイソプロピルアルコール(IPA):HO溶液から始めて10分間、続いて100%のIPAで30分間、続いて50:50のIPA:HO溶液で10分間、続いて2×100%の水で10分間、各々一連の溶液に浸した。次に、レンズを、攪拌しながら、0.5重量%の赤色光遮断化合物の水溶液中に18時間浸漬した。次いで、レンズを水中で各20分間3回抽出した。次いで、レンズを、ホウ酸緩衝液を含有するバイアルに入れ、オートクレーブした。次いで、レンズを、コンタクトレンズ測定のために水平積分球体上に個別に配置した。200nm~800nmの透過スペクトルを得た。図1は、実施例1のステップを施されたレンズを通る赤色光の透過率を示すグラフである。
【0099】
実施例2
本実施例では、以下の構造を有する赤色光遮断化合物を使用した。
【化25】
【0100】
この実施例で使用した眼科用レンズを、当技術分野で既知の方法に従って、以下の表2に示される製剤から調製し、構成要素を重量当たりの量で列挙した。
【表2】
【0101】
眼科用レンズを、50:50のIPA:HO溶液から始めて10分間、続いて100%のIPAで30分間、続いて50:50のIPA:HO溶液で10分間、続いて3×100%の水で20分間、各々一連の溶液に浸した。次に、レンズを、0.2重量%の赤色光遮断化合物の水溶液中に室温で18時間浸漬し、続いて50:50のIPA:HO溶液を10分間、続いて3×100%の水を20分間各々浸漬する。次いで、レンズを、ホウ酸緩衝液を含有するバイアルに入れ、オートクレーブする。
【0102】
簡潔性のために、本明細書に開示される様々な特色は、単一の実施形態の文脈において記載されるが、別個に、又は任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。実施形態の全ての組み合わせは、各々及び全ての組み合わせが個別かつ明示的に開示されているかのように、本明細書に開示される例示的な実施形態によって具体的に包含されている。加えて、そのような変形を説明する実施形態に列挙される全ての部分的組み合わせもまた、本組成物によって具体的に包含され、各々及び全ての組み合わせ個別かつ明示的に本明細書に開示されているかのように、本明細書に開示されている。
【0103】
本明細書に開示される例示的な非限定的な実施形態に様々な修正を加えることができることが理解されるであろう。したがって、上記の説明は、限定的と解釈されるべきではなく、好ましい実施形態の例示としてのみ解釈されるべきである。例えば、上述される、例示的な非限定的な実施形態を動作させるための最良の態様として実施される機能は、例示目的のみのためである。他の構成及び方法は、本明細書の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者によって実施され得る。更に、当業者は、本明細書に追加される特徴及び利点の範囲及び趣旨内で他の修正を想定するであろう。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【国際調査報告】