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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】眼科手術システム用のレーザ源
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20240910BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20240910BHJP
   H01S 3/1123 20230101ALI20240910BHJP
   H01S 3/23 20060101ALI20240910BHJP
   A61F 9/01 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H01S3/10 D
H01S3/00 A
H01S3/1123
H01S3/23
A61F9/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513407
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 IB2022058135
(87)【国際公開番号】W WO2023031803
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,102
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】オラフ キッテルマン
【テーマコード(参考)】
5F172
【Fターム(参考)】
5F172AM08
5F172CC10
5F172DD02
5F172DD03
5F172NN13
5F172NN17
5F172NQ17
5F172NQ24
5F172NQ25
5F172NQ48
5F172NQ62
5F172ZA02
5F172ZZ03
(57)【要約】
眼科手術システム用のレーザ源は、フェムト秒シーダ、増幅器、フェムト秒パルス部分、ナノ秒パルス部分、及び1つ以上のスイッチを含む。フェムト秒シーダは、フェムト秒パルスを生成する。増幅器は、フェムト秒パルス及びナノ秒パルスを含むレーザパルスを増幅する。増幅器は、フェムト秒パルスを増幅し、ナノ秒パルスを生成し増幅することにより、レーザパルスを増幅する。フェムト秒パルス部分はフェムト秒パルスを変化させ出力し、ナノ秒パルス部分はナノ秒パルスを変化させ出力する。スイッチは、増幅器からレーザパルスを受け取り、そのレーザパルスをフェムト秒パルス部分又はナノ秒パルス部分に向ける。他の実施形態では、レーザ源は、フェムト秒シーダ、及び、ナノ秒パルスを生成するナノ秒シーダを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科手術システム用のレーザ源であって、
複数のフェムト秒パルスを生成するように構成されたフェムト秒シーダと、
複数のレーザパルスを増幅するように構成された増幅器であって、前記複数のレーザパルスは、前記複数のフェムト秒パルス及び複数のナノ秒パルスを含み、前記増幅器は、
前記複数のフェムト秒パルスを増幅し、
前記複数のナノ秒パルスを生成し増幅する、ことにより、前記複数のレーザパルスを増幅するように構成される、増幅器と、
前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されたフェムト秒パルス部分と、
前記複数のナノ秒パルスを変化させ出力するように構成されたナノ秒パルス部分と、
1つ以上のスイッチであって、
前記増幅器から前記複数のレーザパルスを受け取り、
前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向ける、ように構成された、1つ以上のスイッチと、を含む、レーザ源。
【請求項2】
制御電子機器であって、
リクエストが前記複数のフェムト秒パルスに対するものであるか又は前記複数のナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、
前記リクエストに従って、前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向けるように前記1つ以上のスイッチに指示する、ように構成された制御電子機器、を更に含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項3】
前記増幅器は、Qスイッチングにより前記複数のナノ秒パルスを生成するように更に構成されている、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項4】
前記増幅器は、
Qスイッチとして動作するように構成された光スイッチと、
前記光スイッチと同期したポンプレーザと、を含む、請求項3に記載のレーザ源。
【請求項5】
前記増幅器は、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンから選択される、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項6】
前記ナノ秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外ナノ秒パルスを生成するように構成された周波数変換器を含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項7】
前記ナノ秒パルス部分は、前記複数のナノ秒パルスを出力するように構成されたナノ秒アブレーションヘッドを含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項8】
前記フェムト秒パルス部分は、複数の近赤外フェムト秒パルスを出力することにより、前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されている、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項9】
前記フェムト秒パルス部分は、複数の紫外フェムト秒パルスを出力することにより、前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されている、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項10】
前記フェムト秒パルス部分は、
複数の近赤外フェムト秒パルスを出力し、
複数の紫外フェムト秒パルスを出力する、ことにより、前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されている、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項11】
前記フェムト秒パルス部分は、
前記複数の近赤外フェムト秒パルスを出力するように構成された近赤外フェムト秒光学ヘッドと、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む、請求項10に記載のレーザ源。
【請求項12】
前記フェムト秒パルス部分は、
近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外フェムト秒パルスを生成するように構成された周波数変換器と、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項13】
眼科手術システム用のレーザ源であって、
複数のレーザパルスを生成するように構成された複数のシーダであって、前記複数のレーザパルスは複数のフェムト秒パルス及び複数のナノ秒パルスを含み、前記複数のシーダは、
前記複数のフェムト秒パルスを生成するように構成されたフェムト秒シーダ、及び、
前記複数のナノ秒パルスを生成するように構成されたナノ秒シーダ、を含む、複数のシーダと、
増幅器であって、
前記複数のフェムト秒パルスを増幅し、
前記複数のナノ秒パルスを増幅する、ように構成された増幅器と、
前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されたフェムト秒パルス部分と、
前記複数のナノ秒パルスを変化させ出力するように構成されたナノ秒パルス部分と、
1つ以上のスイッチであって、
前記増幅器から前記複数のレーザパルスを受け取り、
前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向ける、ように構成された、1つ以上のスイッチと、を含む、レーザ源。
【請求項14】
制御電子機器であって、
リクエストが前記複数のフェムト秒パルスに対するものであるか又は前記複数のナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、
前記リクエストに従って、前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向けるように前記1つ以上のスイッチに指示する、ように構成された制御電子機器、を更に含む、請求項13に記載のレーザ源。
【請求項15】
前記増幅器は、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンから選択される、請求項13に記載のレーザ源。
【請求項16】
前記ナノ秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外ナノ秒パルスを生成するように構成された周波数変換器を含む、請求項13に記載のレーザ源。
【請求項17】
前記ナノ秒パルス部分は、前記複数のナノ秒パルスを出力するように構成されたナノ秒アブレーションヘッドを含む、請求項13に記載のレーザ源。
【請求項18】
前記フェムト秒パルス部分は、
複数の近赤外フェムト秒パルスを出力し、
複数の紫外フェムト秒パルスを出力する、ことにより、前記複数のフェムト秒パルスを出力するように構成されている、請求項13に記載のレーザ源。
【請求項19】
前記フェムト秒パルス部分は、
前記複数の近赤外フェムト秒パルスを出力するように構成された近赤外フェムト秒光学ヘッドと、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む、請求項18に記載のレーザ源。
【請求項20】
前記フェムト秒パルス部分は、
近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外フェムト秒パルスを生成するように構成された周波数変換器と、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む、請求項13に記載のレーザ源。
【請求項21】
眼科手術システム用のレーザ源であって、
複数のフェムト秒パルスを生成するように構成されたフェムト秒シーダと、
複数のレーザパルスを増幅するように構成された増幅器であって、前記複数のレーザパルスは、前記複数のフェムト秒パルス及び複数のナノ秒パルスを含み、前記増幅器は再生増幅器を含み、前記再生増幅器は、
Qスイッチとして動作するように構成された光スイッチ、及び、
前記光スイッチと同期したポンプレーザを含み、前記増幅器は、
前記複数のフェムト秒パルスを増幅し、
Qスイッチングによって前記複数のナノ秒パルスを生成し、
前記複数のナノ秒パルスを増幅する、ことにより、前記複数のレーザパルスを増幅するように構成されている、増幅器と、
複数の近赤外フェムト秒パルス及び複数の紫外フェムト秒パルスを出力することにより、前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されたフェムト秒パルス部分であって、
前記複数の近赤外フェムト秒パルスを出力するように構成された近赤外フェムト秒光学ヘッド、
近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外フェムト秒パルスを生成するように構成された周波数変換器、及び、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッド、を含む、フェムト秒パルス部分と、
前記複数のナノ秒パルスを変化させ出力するように構成されたナノ秒パルス部分であって、
近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外ナノ秒パルスを生成するように構成された周波数変換器、及び、
前記複数のナノ秒パルスを出力するように構成されたナノ秒アブレーションヘッド、を含む、ナノ秒パルス部分と、
1つ以上のスイッチであって、
前記増幅器から前記複数のレーザパルスを受け取り、
前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向ける、ように構成された、1つ以上のスイッチと、
制御電子機器であって、
リクエストが前記複数のフェムト秒パルスに対するものであるか又は前記複数のナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、
前記リクエストに従って、前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向けるように前記1つ以上のスイッチに指示する、ように構成された制御電子機器と、を含む、レーザ源。
【請求項22】
眼科手術システム用のレーザ源であって、
複数のレーザパルスを生成するように構成された複数のシーダであって、前記複数のレーザパルスは複数のフェムト秒パルス及び複数のナノ秒パルスを含み、前記複数のシーダは、
前記複数のフェムト秒パルスを生成するように構成されたフェムト秒シーダ、及び
前記複数のナノ秒パルスを生成するように構成されたナノ秒シーダ、を含む、複数のシーダと、
増幅器であって、
前記複数のフェムト秒パルスを増幅し、
前記複数のナノ秒パルスを増幅する、ように構成され、前記増幅器は、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンを含む、増幅器と、
複数の近赤外フェムト秒パルス及び複数の紫外フェムト秒パルスを出力することにより、前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されたフェムト秒パルス部分であって、
前記複数の近赤外フェムト秒パルスを出力するように構成された近赤外フェムト秒光学ヘッド、
近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外フェムト秒パルスを生成するように構成された周波数変換器、及び、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッド、を含む、フェムト秒パルス部分と、
前記複数のナノ秒パルスを変化させ出力するように構成されたナノ秒パルス部分であって、
近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外ナノ秒パルスを生成するように構成された周波数変換器、及び、
前記複数のナノ秒パルスを出力するように構成されたナノ秒アブレーションヘッド、を含む、ナノ秒パルス部分と、
1つ以上のスイッチであって、
前記増幅器から前記複数のレーザパルスを受け取り、
前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向ける、ように構成された、1つ以上のスイッチと、
制御電子機器であって、
リクエストが前記複数のフェムト秒パルスに対するものであるか又は前記複数のナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、
前記リクエストに従って、前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向けるように前記1つ以上のスイッチに指示する、ように構成された制御電子機器と、を含む、レーザ源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、眼科手術システムに関し、より具体的には、眼科手術システム用のレーザ源に関する。
【背景技術】
【0002】
レーシック(LASIK:レーザ角膜切削形成術)は、近視、遠視、及び乱視などの屈折異常を矯正するために角膜の形を作り直す屈折矯正手術の一種である。手術中、フェムト秒レーザが、角膜の組織を光切断してフラップを生成する。フラップは折り返され、角膜実質が露出する。次いで、エキシマレーザ(193ナノメートルレーザなど)により、ナノ秒パルスで組織をアブレーションして、角膜実質の形を作り直して屈折異常を矯正する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
特定の実施形態では、眼科手術システム用のレーザ源は、フェムト秒シーダ、増幅器、フェムト秒パルス部分、ナノ秒パルス部分、及び1つ以上のスイッチを含む。フェムト秒シーダは、フェムト秒パルスを生成する。増幅器は、フェムト秒パルス及びナノ秒パルスを含むレーザパルスを増幅する。増幅器は、フェムト秒パルスを増幅し、ナノ秒パルスを生成し増幅することにより、レーザパルスを増幅する。フェムト秒パルス部分はフェムト秒パルスを変化させ出力し、ナノ秒パルス部分はナノ秒パルスを変化させ出力する。スイッチは、増幅器からレーザパルスを受け取り、そのレーザパルスをフェムト秒パルス部分又はナノ秒パルス部分に向ける。
【0004】
いくつかの実施形態は、以下の特徴のうちの1つ、いくつか、又は全部を含んでもよいし含まなくてもよい。レーザ源は、制御電子機器を更に備え、この制御電子機器は、リクエストがフェムト秒パルスに対するものであるか又はナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、リクエストに従って、レーザパルスをフェムト秒パルス部分又はナノ秒パルス部分に向けるようにスイッチに指示する。増幅器は更に、Qスイッチングによりナノ秒パルスを生成する。増幅器は、Qスイッチとして動作する光スイッチと、この光スイッチと同期したポンプレーザと、を含む。増幅器は、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンである。ナノ秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して紫外ナノ秒パルスを生成する周波数変換器を含む。ナノ秒パルス部分は、ナノ秒パルスを出力するナノ秒アブレーションヘッドを含む。フェムト秒パルス部分は、近赤外フェムト秒パルスを出力することにより、フェムト秒パルスを変化させ出力する。フェムト秒パルス部分は、紫外フェムト秒パルスを出力することにより、フェムト秒パルスを変化させ出力する。フェムト秒パルス部分は、近赤外フェムト秒パルス及び紫外フェムト秒パルスを出力することにより、フェムト秒パルスを変化させ出力する。フェムト秒パルス部分は、近赤外フェムト秒パルスを出力する近赤外フェムト秒光学ヘッドと、紫外フェムト秒パルスを出力する紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含んでもよい。フェムト秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して紫外フェムト秒バルスを生成する周波数変換器と、紫外フェムト秒パルスを出力する紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む。
【0005】
特定の実施形態では、眼科手術システム用のレーザ源は、フェムト秒シーダ及びナノ秒シーダ、増幅器、フェムト秒パルス部分、ナノ秒パルス部分、並びに1つ以上のスイッチを含む。それらのシーダは、フェムト秒パルス及びナノ秒パルスを含むレーザパルスを生成する。フェムト秒シーダはフェムト秒パルスを生成し、ナノ秒シーダはナノ秒パルスを生成する。増幅器は、フェムト秒パルス及びナノ秒パルスを増幅する。フェムト秒パルス部分はフェムト秒パルスを変化させ出力し、ナノ秒パルス部分はナノ秒パルスを変化させ出力する。スイッチは、増幅器からレーザパルスを受け取り、そのレーザパルスをフェムト秒パルス部分又はナノ秒パルス部分に向ける。
【0006】
いくつかの実施形態は以下の特徴のうちの1つ、いくつか、又は全部を含んでもよいし含まなくてもよい。レーザ源は、制御電子機器を更に備え、この制御電子機器は、リクエストがフェムト秒パルスに対するものであるか又はナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、リクエストに従って、レーザパルスをフェムト秒パルス部分又はナノ秒パルス部分に向けるようにスイッチに指示する。増幅器は、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンである。ナノ秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して紫外ナノ秒パルスを生成する周波数変換器を含む。ナノ秒パルス部分は、ナノ秒パルスを出力するナノ秒アブレーションヘッドを含む。フェムト秒パルス部分は、近赤外フェムト秒パルス及び紫外フェムト秒パルスを出力することにより、フェムト秒パルスを変化させ出力する。フェムト秒パルス部分は、近赤外フェムト秒パルスを出力する近赤外フェムト秒光学ヘッドと、紫外フェムト秒パルスを出力する紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含んでもよい。フェムト秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して紫外フェムト秒バルスを生成する周波数変換器と、紫外フェムト秒パルスを出力する紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む。
【0007】
特定の実施形態では、眼科手術システム用のレーザ源は、フェムト秒シーダ、増幅器、フェムト秒パルス部分、ナノ秒パルス部分、1つ以上のスイッチ、及び制御電子機器を含む。フェムト秒シーダは、フェムト秒パルスを生成する。増幅器は、フェムト秒パルス及びナノ秒パルスを含むレーザパルスを増幅する。増幅器は、フェムト秒パルスを増幅し、ナノ秒パルスを生成し増幅することにより、レーザパルスを増幅する。増幅器は、Qスイッチングによりナノ秒パルスを生成する、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンである。増幅器は、Qスイッチとして動作する光スイッチと、この光スイッチと同期したポンプレーザと、を含む。フェムト秒パルス部分は、近赤外フェムト秒パルス及び紫外フェムト秒パルスとして、フェムト秒パルスを変化させ出力する。フェムト秒パルス部分は、近赤外フェムト秒パルスを出力する近赤外フェムト秒光学ヘッドと、近赤外波長を紫外波長に変換して紫外フェムト秒バルスを生成する周波数変換器と、紫外フェムト秒パルスを出力する紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む。ナノ秒パルス部分は、ナノ秒パルスを変化させ出力する。ナノ秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して紫外ナノ秒パルスを生成する周波数変換器と、ナノ秒パルスを出力するナノ秒アブレーションヘッドと、を含む。スイッチは、増幅器からレーザパルスを受け取り、そのレーザパルスをフェムト秒パルス部分又はナノ秒パルス部分に向ける。制御電子機器は、リクエストがフェムト秒パルスに対するものであるか又はナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、リクエストに従って、レーザパルスをフェムト秒パルス部分又はナノ秒パルス部分に向けるようにスイッチに指示する。
【0008】
特定の実施形態では、眼科手術システム用のレーザ源は、フェムト秒シーダ及びナノ秒シーダ、増幅器、フェムト秒パルス部分、ナノ秒パルス部分、1つ以上のスイッチ、並びに制御電子機器を含む。それらのシーダは、フェムト秒パルス及びナノ秒パルスを含むレーザパルスを生成する。フェムト秒シーダはフェムト秒パルスを生成し、ナノ秒シーダはナノ秒パルスを生成する。増幅器は、フェムト秒パルス及びナノ秒パルスを増幅する、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンである。フェムト秒パルス部分は、近赤外フェムト秒パルス及び紫外フェムト秒パルスとして、フェムト秒パルスを変化させ出力する。フェムト秒パルス部分は、近赤外フェムト秒パルスを出力する近赤外フェムト秒光学ヘッドと、近赤外波長を紫外波長に変換して紫外フェムト秒バルスを生成する周波数変換器と、紫外フェムト秒パルスを出力する紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む。ナノ秒パルス部分は、ナノ秒パルスを変化させ出力する。ナノ秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して紫外ナノ秒パルスを生成する周波数変換器と、ナノ秒パルスを出力するナノ秒アブレーションヘッドと、を含む。スイッチは、増幅器からレーザパルスを受け取り、そのレーザパルスをフェムト秒パルス部分又はナノ秒パルス部分に向ける。制御電子機器は、リクエストがフェムト秒パルスに対するものであるか又はナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、リクエストに従って、レーザパルスをフェムト秒パルス部分又はナノ秒パルス部分に向けるようにスイッチに指示する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】特定の実施形態による、眼科手術システム用のフェムト秒及びナノ秒レーザパルスを提供するレーザ源の一例を示す。
図2図1のレーザ源で使用されてもよい増幅器の一例を示す。
図3】特定の実施形態による、図1のレーザ源によって実行され得る、レーザ眼科手術システム用のレーザパルスを提供するための方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、説明及び図面を参照して、開示される装置、システム、及び方法の実施形態例を詳細に示す。説明及び図面は、網羅的であることも、特許請求の範囲を、図面において示され明細書において開示される特定の実施形態に限定することも意図するものではない。図面は可能な実施形態を表すが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、実施形態をよりよく示すために特定の特徴部を簡略化、誇張、削除、又は部分的に分割している場合がある。
【0011】
既知のLASIKシステムは、フェムト秒レーザ及びエキシマレーザを使用して手術を行う。しかしながら、両方のタイプのレーザを使用するには、より多くのスペースとより高いコストが必要である。更に、エキシマレーザには欠点があり、例えば、エキシマレーザは、高電圧を必要とし、有毒ガス(ArFガス)を利用し、複雑なビーム整形器を必要とし、オゾンを生成し、かさばる。更に、エキシマレーザは、空気中の湿度及び酸素の影響を受ける波長を伴う放射を使用し、これにより、アブレーション速度が影響を受け、湿度制御された環境とビーム経路の窒素パージとが必要になる。
【0012】
特定の実施形態では、固体レーザ源は、フラップの生成及び他の基質内の処置を行うためのフェムト秒レーザパルスと、アブレーション処置を行うためのナノ秒レーザパルスと、を提供する。このレーザ源は、フェムト秒パルス及びナノ秒パルスを生成するために同じコンポーネントを使用するので、2つのレーザを使用する場合の問題点が回避される。更に、このレーザ源はエキシマレーザではないので、エキシマレーザの欠点が回避される。
【0013】
図1は、特定の実施形態による、眼科手術システム用のフェムト秒及びナノ秒レーザパルスを提供するレーザ源10の一例を示す。図示した例では、レーザ源10は、シーダ20(フェムト秒シーダ20a及び/又はナノ秒シーダ20bを含む)、増幅器22、フェムト秒部分24、ナノ秒部分26、スイッチ28(例えば、ミラー28a~e)、並びに制御電子機器50が、図示するように(例えば、光学的に、電気的に、且つ/又は機械的に)結合されて含まれている固体レーザ源である。フェムト秒部分24は、図示するように結合された、圧縮器30、近赤外(NIR)フェムト秒部分24a、及び紫外(UV)フェムト秒部分24bを含む。NIRフェムト秒部分24aは、NIRフェムト秒光学ヘッド32を含む。UVフェムト秒部分24bは、図示するように結合された、フェムト秒周波数変換器36及びUVフェムト秒光学ヘッド38を含む。ナノ秒部分26は、図示するように結合されたナノ秒周波数変換器42及びUVアブレーションヘッド44を含む。
【0014】
動作の概要の一例として、シーダ20(例えば、フェムト秒シーダ20a及び任意選択的にナノ秒シーダ20b)はレーザパルスを生成し、増幅器22はそのレーザパルスを増幅する。スイッチ28は、増幅器22からレーザパルスを受け取り、そのレーザパルスをフェムト秒パルス部分24又はナノ秒パルス部分26に向ける。特定の実施形態では、制御電子機器50は、リクエストがフェムト秒パルスに対するものであるか又はナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、リクエストに従って、レーザパルスをフェムト秒24又はナノ秒26パルス部分に向けるようにスイッチ28に指示してもよい。フェムト秒パルス部分24がフェムト秒パルスを出力するか、又はナノ秒パルス部分26がナノ秒パルスを出力する。
【0015】
この例の詳細に移ると、レーザ源10は、シーダ20、例えばフェムト秒シーダ20a及び/又はナノ秒シーダ20bを含む。特定の実施形態では、レーザ源10は、フェムト秒及びナノ秒パルスを生成するフェムト秒シーダ及びナノ秒シーダ20を含む。他の実施形態では、レーザ源10はフェムト秒シーダ20aを含むが、ナノ秒シーダ20bは含まず、シーダ内でフェムト秒パルスのみが生成される。増幅器22(再生増幅器であってもよい)は、例えばQスイッチングによってナノ秒パルスを生成することができる。
【0016】
増幅器22は、カスケード接続された1つ以上の増幅器を含んでもよく、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンを含んでもよい。レーザ源10がフェムト秒シーダ及びナノ秒シーダ20を含む場合、ファイバー増幅器が使用されてもよい。レーザ源10がナノ秒シーダ20bを含まない場合、再生増幅器が、Qスイッチングによってナノ秒パルスを生成することができる。再生増幅器は、内部でパルスが複数回の往復通過を行う光共振器内に利得媒質(例えば、固体媒質)を有してもよい。光スイッチが、通過の回数を制御し、高い増幅をもたらす多数回の通過を可能にする。増幅器22の一例について、図2を参照してより詳細に説明する。
【0017】
この例では、シーダ20からのパルスは、近赤外(NIR)波長、例えば1000~1700ナノメートル(nm)の波長を有する。波長/周波数変換器は、NIR波長をUV波長に、例えばフェムト秒パルスの場合は340~360nm、ナノ秒パルスの場合は200~220nm、例えば204~216nm(深UV又はDUV)など、に変換する。周波数変換器は、光学非線形結晶のカスケード接続されたステージを含んでもよく、例えば、基本フェムト秒パルスの第三高調波を生成することにより、又は基本ナノ秒パルスの第五高調波を生成することにより、基本波長と必要とされるターゲット波長とを整合させるように設計されてもよい。
【0018】
ナノ秒部分26は、ナノ秒周波数変換器42及びUVナノ秒アブレーションヘッド44を含む。周波数変換器42は、ナノ秒パルスをNIR波長(例えば、1020~1080nm)から深UV波長(例えば、204~216nm)に変換する。UVナノ秒アブレーションヘッド44はナノ秒パルスを出力し、このパルスを使用して角膜組織などの組織をアブレーションしてもよい。
【0019】
フェムト秒部分24は、NIR及びUVのフェムト秒バルスを提供し、それらのパルスを使用して、光切断により、角膜組織などの組織を治療してもよい。この例では、圧縮器30は、増幅器22からのレーザパルスをフェムト秒パルス持続時間に圧縮する。NIRフェムト秒部分24aは、NIRフェムト秒パルスを出力するNIRフェムト秒光学ヘッド32を含む。UVフェムト秒部分24bは、フェムト秒周波数変換器36及びUVフェムト秒光学ヘッド38を含む。周波数変換器36は、例えば周波数3倍化を通じて、フェムト秒パルスをNIR波長(例えば、1020~1080nm)からUV波長(例えば、340~360nm)に変換する。UVフェムト秒光学ヘッド38は、UVフェムト秒パルスを出力する。
【0020】
ミラー28a~eなどのスイッチ28は、制御電子機器50からの指示に応答して、レーザパルスをコンポーネントに向ける。スイッチ28は、レーザパルスを切り替えることができる任意の適切な光学要素、例えば、ミラー、ポッケルスセル及び偏光子、音響光学変調器、微小電気機械システム、又はガルバノミラーなどであってもよい。
【0021】
制御電子機器50は、レーザ源10のコンポーネントを制御するための指示を送る。特定の実施形態では、制御電子機器50は、リクエストがフェムト秒パルスに対するものであるか又はナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、リクエストに従って、レーザパルスをフェムト秒24又はナノ秒26パルス部分に向けるようにスイッチ28に指示してもよい。
【0022】
図2は、図1のレーザ源10内で使用されてもよい増幅器22の一例を示している。この例では、増幅器22は、図示するように(例えば、光学的に)結合された、ポンプレーザ110、光共振器112、及び入力/出力(I/O)116を含む、再生増幅器である。シードレーザ110は、図示するように結合された、レーザダイオード120及びポンプ光学部品122を含む。光共振器112は、図示するように結合された、光スイッチ114、ミラー126、130、132、134、及び増幅器結晶128を含む。光スイッチ114は、図示するように結合された、ミラー134、ポッケルスセル136などの電気光学デバイス、四分の一波長板140、及び薄膜偏光子(TFP)142を含む。別の実施形態では、光スイッチとして音響光学変調器が使用されてもよい。入力/出力116は、図示するように結合された、入力144、出力146、TFP150、半波長板140、及びファラデー回転子154を含む。
【0023】
動作の概要としては、入力144は、入力/出力(I/O)116を介して、シードパルスを光共振器112に提供する。光共振器112は、パルスが共振器内部で増幅器結晶128を通って往復すると、レーザパルスを増幅する。光スイッチ114は、光共振器112への及び光共振器112からのパルスの出入りを制御し、これにより、パルスの増幅を制御する。入力/出力116は、出力146を介して増幅器22から出射するようにパルスを向ける。
【0024】
この例の詳細に移ると、ポンプレーザ110は、増幅器結晶128を活性化(ポンピング)させるためのエネルギーを提供して、循環するパルスのエネルギーを数桁増加させる。往復の回数がより多いと、増幅もより大きくなる。光共振器112のミラー126、130、132、134は、パルスを、増幅器結晶128を経て光スイッチ114に向ける。ミラーは、レーザパルスを反射するか又は他の方法で導く任意の適切な光学要素であってもよい。増幅器結晶128は、レーザパルスを増幅し、任意の適切なレーザ結晶、例えばイッテルビウム又はネオジムがドープされた物質、であってもよい。
【0025】
光スイッチ114は、電気光学スイッチ又は音響光学スイッチであってもよい。ポッケルスセル136、四分の一波長板140、及び薄膜偏光子(TFP)142は、光共振器112と入力/出力116との間でパルスを切り替えるために、光スイッチとして動作して、パルスを送信又は反射する。これにより、増幅量が制御される。入力/出力116の入力144は、パルスを増幅器22に供給し、出力146は、パルスが増幅器22から出ることを可能にする。ファラデー回転子154及び半波長板152は、光ダイオードとして動作して、入力パルスと出力パルスを分離する。
【0026】
ナノ秒シーダが無い場合などの特定の実施形態では、増幅器22(再生増幅器であってもよい)は、例えばQスイッチングによってナノ秒パルスを生成することができる。増幅器22は、Qスイッチレーザ共振器として動作し、光スイッチ114がQスイッチとして機能する。Qスイッチングは、レーザ共振器の共振器内損失及びQ値を変調する。Qスイッチングは、光スイッチ114と同期したポンプレーザ110によって支持されることがある。ポンプレーザ110は、パルスポンプ源又は連続波ポンプレーザとして動作してもよい。
【0027】
図3は、特定の実施形態による、図1のレーザ源によって実行され得る、レーザ眼科手術システム用のレーザパルスを提供するための方法の一例を示す。この方法はステップ210で開始し、ステップ210では、1つ以上のシーダがレーザパルスを生成する。特定の実施形態では、レーザ源は、フェムト秒及びナノ秒パルスを生成するフェムト秒シーダ及びナノ秒シーダを含む。他の実施形態では、レーザ源はフェムト秒シーダを含むがナノ秒シーダは含まず、従って、フェムト秒パルスのみが生成され、増幅器がナノ秒パルスを生成する。
【0028】
ステップ212では、増幅器はレーザパルスを増幅する。レーザ源がフェムト秒シーダのみを含みナノ秒シーダを含まない場合、増幅器は、Qスイッチングを介してナノ秒パルスも生成する。ステップ214では、レーザ源は、フェムト秒パルス又はナノ秒パルスを提供するようにリクエストされてもよい。特定の実施形態では、制御電子機器は、リクエストがフェムト秒パルスに対するものであるか又はナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、リクエストに従って、レーザパルスをフェムト秒又はナノ秒パルス部分に向けるようにスイッチに指示する。
【0029】
ステップ214でナノ秒パルスがリクエストされた場合、この方法はステップ220に進み、レーザパルスがナノ秒パルス部分に向けられる。ステップ222では、周波数変換器が近赤外(NIR)波長を紫外(UV)波長に変換して、UVナノ秒パルスを生成する。ステップ224では、ナノ秒アブレーションヘッドがナノ秒パルスを出力する。パルスは、組織をアブレーションするために使用されてもよい。次にこの方法は終了する。
【0030】
ステップ214でフェムト秒パルスがリクエストされた場合、この方法はステップ230に進み、レーザパルスがフェムト秒パルス部分に向けられる。ステップ234では、圧縮器がNIRフェムト秒パルスを、フェムト秒パルス持続時間に圧縮する。ステップ232では、レーザ源は、UV又はNIRフェムト秒パルスを提供するようにリクエストされてもよい。特定の実施形態では、制御電子機器は、リクエストがUVフェムト秒パルスに対するものであるか又はNIRフェムト秒パルスに対するものであるかを判断し、リクエストに従って、レーザパルスをUVフェムト秒パルス部分又はNIRフェムト秒パルス部分に向けるようにスイッチに指示する。
【0031】
ステップ234でUVフェムト秒パルスがリクエストされた場合、この方法はステップ240に進み、レーザパルスがUVフェムト秒パルス部分に向けられる。ステップ242では、周波数変換器が近赤外波長を紫外波長に変換して、UVフェムト秒パルスを生成する。ステップ244では、UVフェムト秒光学ヘッドがUVフェムト秒パルスを出力する。パルスは、組織を光切断するために使用されてもよい。次にこの方法は終了する。
【0032】
ステップ234でNIRフェムト秒パルスがリクエストされた場合、この方法はステップ250に進み、レーザパルスがNIRフェムト秒パルス部分に向けられる。ステップ254では、NIRフェムト秒光学ヘッドがNIRフェムト秒パルスを出力する。パルスは、組織を光切断するために使用されてもよい。次にこの方法は終了する。
【0033】
本明細書において開示されたシステム及び装置のコンポーネント(制御電子機器50など)はインターフェース、論理、及び/又はメモリを含んでもよく、そのいかなるものもコンピュータハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。インターフェースは、コンポーネントに対する入力を受け取り、且つ/又はコンポーネントからの出力を送り出すことができ、通常は、情報を例えばソフトウェア、ハードウェア、周辺デバイス、ユーザ、及びこれらの組み合せの間で交換するために使用される。ユーザインターフェースは、ユーザがコンピュータとやり取りする(例えば、コンピュータに入力を送る、且つ/又はコンピュータからの出力を受け取る)ために利用することができる、インターフェースの一種である。ユーザインターフェースの例としては、ディスプレイ画面、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジェスチャセンサ、マイク、及びスピーカが挙げられる。
【0034】
論理は、コンポーネントの操作を行うことができる。論理は、データを処理する、例えば命令を実行して入力から出力を生成する、1つ以上の電子デバイスを含んでもよい。かかる電子装置の例としては、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ(例えば中央処理装置(CPU))、及びコンピュータチップが挙げられる。論理は、操作を行うために電子デバイスにより実行されることができる命令を符号化するコンピュータソフトウェアを含んでもよい。コンピュータソフトウェアの例としては、コンピュータプログラム、アプリケーション、及びオペレーティングシステムが挙げられる。
【0035】
メモリは、情報を記憶することができ、有形のコンピュータ読取可能及び/又はコンピュータ実行可能なストレージ媒体を含んでもよい。メモリの例としては、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM))、マスストレージメディア(例えば、ハードディスク)、リムーバブルストレージメディア(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオ若しくは多用途ディスク(DVD))、データベース、ネットワークストレージ(例えば、サーバ)、及び/又は他のコンピュータ読取可能媒体が挙げられる。特定の実施形態は、コンピュータソフトウェアを用いてエンコードされたメモリを対象としてもよい。
【0036】
特定の実施形態に関して本開示を説明してきたが、実施形態の修正形態(例えば、変更形態、置換形態、追加形態、省略形態及び/又は他の修正形態)が、当業者には明らかになろう。したがって、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態に対する修正がなされてもよい。例えば、本明細書で開示されたシステム及び装置に対する修正がなされてもよい。当業者に明らかであるように、システム及び装置のコンポーネントは、統合若しくは分離されてもよく、又はシステム及び装置の動作は、より多くの、より少ない、若しくは他のコンポーネントによって実行されてもよい。別の例として、本明細書で開示された方法に対する修正がなされてもよい。当業者に明らかであるように、方法は、より多くの、より少ない、又は他のステップを含んでもよく、ステップは、任意の適当な順序で実行されてもよい。
【0037】
請求項を解釈する際に特許庁及び読者を助けるために、本出願人らは「用語“means for(~するための方法)”又は“step for(~するためのステップ)”が特定請求項において明示的に使用されない限り、請求項又は請求要素のいかなるものも米国特許法第112条(f)項を想起させるように意図されてはいない」ということを注記する。請求項内の任意の他の用語(例えば、「機構」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「コンポーネント」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」、又は「コントローラ」)の使用は、当業者にとって既知の構造を指すものと本出願人らにより理解され、したがって米国特許法第112条(f)項を想起させるように意図されていない。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科手術システム用のレーザ源であって、
複数のフェムト秒パルスを生成するように構成されたフェムト秒シーダと、
複数のレーザパルスを増幅するように構成された増幅器であって、前記複数のレーザパルスは、前記複数のフェムト秒パルス及び複数のナノ秒パルスを含み、前記増幅器は、
前記複数のフェムト秒パルスを増幅し、
前記複数のナノ秒パルスを生成し増幅する、ことにより、前記複数のレーザパルスを増幅するように構成される、増幅器と、
前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されたフェムト秒パルス部分と、
前記複数のナノ秒パルスを変化させ出力するように構成されたナノ秒パルス部分と、
1つ以上のスイッチであって、
前記増幅器から前記複数のレーザパルスを受け取り、
前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向ける、ように構成された、1つ以上のスイッチと、を含む、レーザ源。
【請求項2】
制御電子機器であって、
リクエストが前記複数のフェムト秒パルスに対するものであるか又は前記複数のナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、
前記リクエストに従って、前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向けるように前記1つ以上のスイッチに指示する、ように構成された制御電子機器、を更に含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項3】
前記増幅器は、Qスイッチングにより前記複数のナノ秒パルスを生成するように更に構成されており
前記増幅器は、
Qスイッチとして動作するように構成された光スイッチと、
前記光スイッチと同期したポンプレーザと、を含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項4】
前記増幅器は、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンから選択される、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項5】
前記ナノ秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外ナノ秒パルスを生成するように構成された周波数変換器を含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項6】
前記ナノ秒パルス部分は、前記複数のナノ秒パルスを出力するように構成されたナノ秒アブレーションヘッドを含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項7】
前記フェムト秒パルス部分は、
複数の近赤外フェムト秒パルスを出力し、
複数の紫外フェムト秒パルスを出力する、ことにより、前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されており
前記フェムト秒パルス部分は、
前記複数の近赤外フェムト秒パルスを出力するように構成された近赤外フェムト秒光学ヘッドと、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項8】
前記フェムト秒パルス部分は、
近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外フェムト秒パルスを生成するように構成された周波数変換器と、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項9】
眼科手術システム用のレーザ源であって、
複数のレーザパルスを生成するように構成された複数のシーダであって、前記複数のレーザパルスは複数のフェムト秒パルス及び複数のナノ秒パルスを含み、前記複数のシーダは、
前記複数のフェムト秒パルスを生成するように構成されたフェムト秒シーダ、及び、
前記複数のナノ秒パルスを生成するように構成されたナノ秒シーダ、を含む、複数のシーダと、
増幅器であって、
前記複数のフェムト秒パルスを増幅し、
前記複数のナノ秒パルスを増幅する、ように構成された増幅器と、
前記複数のフェムト秒パルスを変化させ出力するように構成されたフェムト秒パルス部分と、
前記複数のナノ秒パルスを変化させ出力するように構成されたナノ秒パルス部分と、
1つ以上のスイッチであって、
前記増幅器から前記複数のレーザパルスを受け取り、
前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向ける、ように構成された、1つ以上のスイッチと、を含む、レーザ源。
【請求項10】
制御電子機器であって、
リクエストが前記複数のフェムト秒パルスに対するものであるか又は前記複数のナノ秒パルスに対するものであるかを判断し、
前記リクエストに従って、前記複数のレーザパルスを前記フェムト秒パルス部分又は前記ナノ秒パルス部分に向けるように前記1つ以上のスイッチに指示する、ように構成された制御電子機器、を更に含む、請求項に記載のレーザ源。
【請求項11】
前記増幅器は、再生増幅器、ファイバー増幅器、又はマルチパス増幅器チェーンから選択される、請求項に記載のレーザ源。
【請求項12】
前記ナノ秒パルス部分は、近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外ナノ秒パルスを生成するように構成された周波数変換器を含む、請求項に記載のレーザ源。
【請求項13】
前記ナノ秒パルス部分は、前記複数のナノ秒パルスを出力するように構成されたナノ秒アブレーションヘッドを含む、請求項に記載のレーザ源。
【請求項14】
前記フェムト秒パルス部分は、
複数の近赤外フェムト秒パルスを出力し、
複数の紫外フェムト秒パルスを出力する、ことにより、前記複数のフェムト秒パルスを出力するように構成されており
前記フェムト秒パルス部分は、
前記複数の近赤外フェムト秒パルスを出力するように構成された近赤外フェムト秒光学ヘッドと、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む、請求項に記載のレーザ源。
【請求項15】
前記フェムト秒パルス部分は、
近赤外波長を紫外波長に変換して複数の紫外フェムト秒パルスを生成するように構成された周波数変換器と、
前記複数の紫外フェムト秒パルスを出力するように構成された紫外フェムト秒光学ヘッドと、を含む、請求項に記載のレーザ源。
【国際調査報告】