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特表2024-534194物体ハンドリング機構を備えたロボットシステムと関連するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】物体ハンドリング機構を備えたロボットシステムと関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
B25J15/08 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513434
(86)(22)【出願日】2023-04-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2023086654
(87)【国際公開番号】W WO2023193773
(87)【国際公開日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】63/327,811
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】515182347
【氏名又は名称】株式会社Mujin
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134371
【弁理士】
【氏名又は名称】中塚 隆志
(72)【発明者】
【氏名】レイ,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ヨウ,シュタオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,スー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,イーシュアン
(72)【発明者】
【氏名】ライ,ジーリー
(72)【発明者】
【氏名】デュ,ロング
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,パイ
(72)【発明者】
【氏名】デアンコウ,ロセン ニコラエフ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS02
3C707BS10
3C707DS05
3C707ES04
3C707ET08
3C707EV22
3C707FS01
3C707JS02
3C707NS02
3C707NS19
(57)【要約】
【課題】ロボット間の動作等を管理するための改善された技術等の提供。
【解決手段】ロボットシステムは、ロボットアームとアーム先端ツールを含む。アーム先端ツールは、フレームに結合されたアクチュエータシステムを含み得る。アーム先端ツールは、第1のクランプ構成要素、第2のクランプ構成要素、および第3のクランプ構成要素を含み得る。第3のクランプ構成要素は、第1のクランプ構成要素に対して第2のクランプ構成要素の周囲に配置され、第1のクランプ構成要素に向かって延びる1つまたは複数の延長部分を含む。アクチュエータシステムは、アーム先端ツールの横軸に沿って第1、第2、および/または第3のクランプ構成要素を移動させるために、第1、第2、および/または第3のクランプ構成要素に結合することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーム先端ツールであって、
フレームと、
前記フレームによって担持され、第1の軸に沿って延びる第1のクランプ構成要素と、
前記フレームによって担持され、前記第1の軸に沿って延びる第2のクランプ構成要素と、
前記第1のクランプ構成要素に対して前記第2のクランプ構成要素の周囲の前記フレームによって運ばれる第3のクランプ構成要素であって、前記第3のクランプ構成要素は、前記第1の軸に沿って延在し、前記第2のクランプ構成要素の下縁部の下で前記第1のクランプ構成要素に向かって延在する1つまたは複数の延長部分を含む、前記第3のクランプ構成要素と、
前記フレームによって担持され、前記第2のクランプ構成要素および前記第3のクランプ構成要素に動作可能に結合されて、前記第2のクランプ構成要素および前記第3のクランプ構成要素を前記第1の軸に少なくとも部分的に直交する第2の軸に沿って独立して移動させるアクチュエータシステムと、
を備えるアーム先端ツール。
【請求項2】
前記アクチュエータシステムは、
前記フレームによって担持され、前記第2の軸に沿って延びるトラックと、
前記第2のクランプ構成要素を前記第2の軸に沿って移動させるために、前記トラックと前記第2のクランプ構成要素との間に動作可能に結合された第1のキャリッジと、
前記第3のクランプ構成要素を前記第2の軸に沿って移動させるために、前記トラックと前記第3のクランプ構成要素との間に動作可能に結合された第2のキャリッジと、
を備える、
請求項1に記載のアーム先端ツール。
【請求項3】
前記第2のクランプ構成要素は、前記アクチュエータシステムに結合され、前記第1の軸および前記第2の軸に少なくとも部分的に直交する第3の軸に沿って延在する補強ブラケットを含む、
請求項1に記載のアーム先端ツール。
【請求項4】
前記第3のクランプ構成要素は、前記第2の軸に沿って前記補強ブラケットと位置合わせされ、前記第3のクランプ構成要素が前記第2のクランプ構成要素に隣接するときに前記補強ブラケットと入れ子になるように構成された開口部を含む、
請求項3に記載のアーム先端ツール。
【請求項5】
前記第2のクランプ構成要素は、前記第1のクランプ構成要素に向かって配向されたクランプ面を含み、前記第2のクランプ構成要素は、前記クランプ面上に配置された把持基板をさらに含む、
請求項1に記載のアーム先端ツール。
【請求項6】
前記第1のクランプ構成要素は3センチメートル未満の厚さを有する、
請求項1に記載のアーム先端ツール。
【請求項7】
前記フレームによって担持され、前記アーム先端ツールに隣接する対象物体の1つまたは複数のパラメータを測定するように配置されたイメージングシステムをさらに備える、
請求項1に記載のアーム先端ツール。
【請求項8】
前記フレームによって担持される1つまたは複数の格納式アームをさらに備え、前記1つまたは複数の格納式アームのそれぞれは吸引把持構成要素を含み、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、
前記第1の位置において、前記吸引把持構成要素は、前記第2のクランプ構成要素の前記下縁部の上の第1の高さにあり、
前記第2の位置において、前記吸引把持構成要素は、前記第2のクランプ構成要素の前記下縁部より下の第2の高さにある、
請求項1に記載のアーム先端ツール。
【請求項9】
アーム先端ツールを動作させるための方法であって、
1つまたは複数の対象物体のパラメータを識別することであって、前記パラメータは前記1つまたは複数の対象物体の寸法を含む、前記識別することと、
目的地での前記1つまたは複数の対象物体の計画された配置位置を識別することと、
前記1つまたは複数の対象物体を把持するためのコマンドを生成することであって、前記アーム先端ツールは、フレーム、前記フレームによって担持される第1のクランプ構成要素、前記フレームによって担持される第2のクランプ構成要素、および前記フレームによって担持される前記第2のクランプ構成要素の周囲の第3のクランプ構成要素を含み、前記第3のクランプ構成要素は、前記第2のクランプ構成要素の下縁部の下で前記第1のクランプ構成要素に向かって延びる延長部分を含む、前記生成することと、
前記1つまたは複数の対象物体を把持することは、前記1つまたは複数の対象物体の対向する側面を前記第1および第2のクランプ構成要素と係合させ、前記1つまたは複数の対象物体の下面を前記第3のクランプ構成要素の延長部分と係合させることを含むことと、
ピックアップ場所から前記目的地の前記計画された配置位置に前記1つまたは複数の対象物体を搬送するためのコマンドを生成することと、
前記計画された配置位置で前記1つまたは複数の対象物体を解放するためのコマンドを生成することと、
を含む方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数の対象物体を把持するためのコマンドを生成することは、
前記ピックアップ場所で、前記1つまたは複数の対象物体の第1の側面に隣接する前記第1のクランプ構成要素を位置合わせするコマンドを生成することと、
前記フレームの横軸に沿って前記第2のクランプ構成要素を前記第1のクランプ構成要素に向かって移動させ、前記ピックアップ場所で前記1つまたは複数の対象物体の第2の側面と係合させるコマンドを生成することと、
前記第3のクランプ構成要素を前記フレームの前記横軸に沿って前記第1のクランプ構成要素に向かって移動させて、前記第3のクランプ構成要素の前記延長部分を前記1つまたは複数の対象物体の前記下面の下に配置する前記コマンドを生成することと、
を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数の対象物体を把持するためのコマンドを生成することは、前記第3のクランプ構成要素の前記延長部分によって係合される前記1つまたは複数の対象物体の前記下面を少なくとも部分的に露出するために、前記第2のクランプ構成要素を移動させた後、かつ前記第3のクランプ構成要素を移動させる前に、前記アーム先端ツールを移動させる前記コマンドを生成することをさらに含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つまたは複数の対象物体を解放するための前記コマンドを生成することは、
前記フレームの横軸に沿って前記第3のクランプ構成要素を前記第1のクランプ構成要素から離して移動させて、前記1つまたは複数の対象物体の前記下面との係合を解除するコマンドを生成することと、
コマンドを生成して、前記1つまたは複数の対象物体を前記計画された配置位置に位置合わせすることと、
前記フレームの前記横軸に沿って前記第2のクランプ構成要素を前記第1のクランプ構成要素から離して移動させて、前記1つまたは複数の対象物体との係合を解除するコマンドを生成することと、
前記アーム先端ツールを前記計画された配置位置から持ち上げるコマンドを生成することと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記アーム先端ツールを持ち上げて前記計画された配置位置から離すコマンドを生成することは、前記アーム先端ツールを垂直方向に動かして、前記第1のクランプ構成要素との接触を介した前記1つまたは複数の対象物体の接触移動を回避する前記コマンドを生成することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記計画された配置位置は、前記第1のクランプ構成要素の厚さにほぼ等しい距離だけ、1つまたは複数の以前に配置された対象物体から離間される、
請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記1つまたは複数の対象物体を解放するためのコマンドを生成することは、前記1つまたは複数の以前に配置された対象物体と前記1つまたは複数の対象物体との間の前記第1のクランプ構成要素を用いて前記アーム先端ツールを配向する前記コマンドを生成することを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ロボットシステムであって、
ロボットアームに動作可能に結合可能な物体把持機構であって、前記物体把持機構は、
第1の軸と、前記第1の軸に直交する第2の軸とを有するフレームと、
前記フレームによって担持されるアクチュエータシステムと、
前記フレームによって担持される外部クランプ構成要素であって、前記外部クランプ構成要素は前記フレームの外縁に沿って前記第1の軸に沿って延在する、前記外部クランプ構成要素と、
前記アクチュエータシステムに動作可能に結合され、前記第1の軸に沿って延在する内部クランプ構成要素であって、前記アクチュエータシステムは、前記内部クランプ構成要素を前記第2の軸に沿って前記外部クランプ構成要素に向かっておよび前記外部クランプ構成要素から遠ざけるように移動させて、1つまたは複数の対象物体を前記外部クランプ構成要素と前記内部クランプ構成要素との間に係合させるように構成される、前記内部クランプ構成要素と、
前記アクチュエータシステムに動作可能に結合された支持クランプ構成要素であって、前記支持クランプ構成要素は、前記第1の軸に沿って延在し、前記内部クランプ構成要素の周囲に配置され、前記支持クランプ構成要素は、前記外部クランプ構成要素に向かって延在する少なくとも1つの延長部分を含み、前記アクチュエータシステムは、前記支持クランプ構成要素を前記第2の軸に沿って前記外部クランプ構成要素に向かっておよび前記外部クランプ構成要素から離れるように移動させるように構成される、前記支持クランプ構成要素とを含む、前記物体把持機構と、
を備える、
ロボットシステム。
【請求項17】
前記物体把持機構は、
前記支持クランプ構成要素の外面に結合された第1の格納式グリッパーであって、前記第1の格納式グリッパーは第1の吸引グリッパーを含み、前記第1の格納式グリッパーは、前記第1の吸引グリッパーを前記外部クランプ構成要素の下縁部の上方に保持する第1の位置と、前記第1の吸引グリッパーを、前記外部クランプ構成要素の前記下縁部の下方に保持する第2の位置との間で移動可能である、前記第1の格納式グリッパーと、
前記フレームに結合された第2の格納式グリッパーであって、前記第2の格納式グリッパーは第2の吸引グリッパーを含み、前記第2の格納式グリッパーは、前記第2の吸引グリッパーを前記内部クランプ構成要素の下縁部の上方に保持する第3の位置と、前記第2の吸引グリッパーを、前記内部クランプ構成要素の前記下縁部の下方に保持する第4の位置との間で移動可能である、前記第2の格納式グリッパーと、
をさらに含む、
請求項16に記載のロボットシステム。
【請求項18】
前記アクチュエータシステムは、前記外部クランプ構成要素を前記第2の軸に沿って前記内部クランプ構成要素に向かっておよび前記内部クランプ構成要素から遠ざけるように移動させるように構成される、
請求項16に記載のロボットシステム。
【請求項19】
前記物体把持機構は、前記フレームによって担持され、前記物体把持機構に隣接する対象物体の1つまたは複数のパラメータを測定するように配置されたイメージングシステムをさらに含む、
請求項16に記載のロボットシステム。
【請求項20】
前記ロボットアームおよび前記物体把持機構に動作可能に結合されたコントローラであって、前記コントローラは命令を記憶し、前記命令は、前記コントローラによって実行されると、前記コントローラに、
前記ロボットアームを介して、ピックアップ場所で1つまたは複数の対象物体の第1の側面に隣接する前記外部クランプ構成要素を位置合わせさせ、
前記アクチュエータシステムを介して、前記内部クランプ構成要素を前記第2の軸に沿って前記外部クランプ構成要素に向かって移動させて、前記ピックアップ場所で前記1つまたは複数の対象物体の第2の側面に係合させ、前記1つまたは複数の対象物体を前記外部クランプ構成要素に押し込ませ、
前記アクチュエータシステムを介して、前記支持クランプ構成要素を前記第2の軸に沿って前記外部クランプ構成要素に向かって移動させて、前記少なくとも1つの延長部分を前記1つまたは複数の対象物体の下面の下に配置させる、
前記コントローラをさらに備える、
請求項16に記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年4月6日に出願された米国仮特許出願第63/327,811号の利益を主張し、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本技術は一般に、把持機構を備えたロボットシステム、より具体的には、梱包作業を計画し、その梱包作業に基づいてグリッパー機構を調節する特徴を有するロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
性能の向上およびコストの削減により、多くのロボット(例えば、物理的行動を自動的/自律的に実行するように構成されるマシン)が多くの分野で広く使用されるようになってきている。例えば、ロボットは、製造および/または組立、梱包および/または包装、搬送および/または出荷などで、様々なタスク(例えば、空間を通して物体を操作または移送する)を実行するために使用できる。タスクを実行する際、ロボットは人間の行動を再現できるため、危険なタスクまたは反復的なタスクを実行するために、普通なら必要とされる人間の介入を置き換えたり、減らしたりすることができる。
【0004】
しかし、技術の進歩にもかかわらず、ロボットは、より大規模および/またはより複雑なタスクを実行するために必要な人間の相互作用を再現するために必要な高度な機能が欠けていることがしばしばある。したがって、ロボット間の動作および/または相互作用を管理するための改善された技術およびシステムが依然として必要である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本技術のいくつかの実施形態による、把持機構を備えたロボットシステムが動作できる例示的な環境の図である。
図2】本技術のいくつかの実施形態による、図1のロボットシステムを示すブロック図である。
図3】本技術のいくつかの実施形態により構成された、ロボットユニットの図である。
図4】本技術のいくつかの実施形態による、アーム先端ツールの部分模式図である。
図5A】本技術のいくつかの実施形態による、対象物体を把持しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図5B】本技術のいくつかの実施形態による、対象物体を把持しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図5C】本技術のいくつかの実施形態による、対象物体を把持しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図5D】本技術のいくつかの実施形態による、対象物体を把持しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図6A】本技術のいくつかの実施形態による、複数の対象物体を把持しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図6B】本技術のいくつかの実施形態による、複数の対象物体を把持しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図6C】本技術のいくつかの実施形態による、複数の対象物体を把持しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図6D】本技術のいくつかの実施形態による、複数の対象物体を把持しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図7A】本技術のいくつかの実施形態による梱包作業の計画の部分的な上面模式図である。
図7B】本技術のいくつかの実施形態による、図7Aの計画に従って出荷ユニットを梱包しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図7C】本技術のいくつかの実施形態による、図7Aの計画に従って出荷ユニットを梱包しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図7D】本技術のいくつかの実施形態による、図7Aの計画に従って出荷ユニットを梱包しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図7E】本技術のいくつかの実施形態による、図7Aの計画に従って出荷ユニットを梱包しているアーム先端ツールの部分模式図である。
図8A】本技術のいくつかの実施形態による、梱包作業のプロセスの流れ図である。
図8B】本技術のいくつかの実施形態による、図8Aの梱包作業中に1つまたは複数の対象物体をピッキングするプロセスの流れ図である。
図8C】本技術のいくつかの実施形態による、図8Aの梱包作業中に1つまたは複数の対象物体を配置するプロセスの流れ図である。
図9】本技術のさらなる実施形態による、梱包作業の計画の部分上面模式図である。
図10】本技術のさらなる実施形態による、梱包作業の計画の部分上面模式図である。
図11A】本技術のさらなる実施形態による、梱包作業中のアーム先端ツールの部分模式図である。
図11B】本技術のさらなる実施形態による、梱包作業中のアーム先端ツールの部分模式図である。
図12】本技術のさらなる実施形態に従って構成されたアーム先端ツールの部分模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。同様に、一部の構成要素および/または操作は、本技術の実施態様の一部の説明の目的のために、異なるブロックに分離されるか、または単一のブロックに結合され得る。さらに、本技術は、様々な修正および代替の形態に対応できるが、特定の実施態様が例として図面に示され、以下で詳細に説明されている。しかしながら、その意図は、説明されている特定の実施態様に技術を限定することではない。
【0007】
参照を容易にするために、エンドエフェクタおよびその構成要素は、本明細書では、図面に示される実施形態の空間的向きに対して、上部および下部、上側および下側、上方向および下方向、長手方向平面、水平面、x-y平面、垂直面、および/またはz平面を参照して説明されることがある。しかしながら、本技術の開示された実施形態の構造および/または機能を変更することなく、エンドエフェクタおよびその構成要素は、異なる空間配向に移動し、その中で使用することができることを理解されたい。
【0008】
概要
ハイブリッド把持機構を備えたロボットシステム、および関連するシステムと方法が本明細書に開示されている。いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、ロボットアームと、ロボットアームに結合されたアーム先端ツールとを含む。アーム先端ツールは、第1の軸(例えば、縦軸)と、第1の軸に少なくとも部分的に直交する第2の軸(例えば、横軸)とを有するフレームを含み得る。アーム先端ツールはまた、アクチュエータシステムと、それぞれがフレームに結合された第1、第2、および第3のクランプ構成要素とを含み得る。
【0009】
第1のクランプ構成要素(本明細書では外部クランプ構成要素とも呼ばれることもある)は、第1の軸に沿って、かつフレームの外縁に沿って延在する。その結果、第1のクランプ構成要素は、アーム先端ツールの外壁を画定することができる。第2のクランプ構成要素(本明細書では内部クランプ構成要素とも呼ばれることもある)は、第1の軸に沿って延在し、かつ、アクチュエータシステムに動作可能に結合されて、第2の軸に沿って第1のクランプ構成要素に向かっておよびそこから離れるように移動する。動作中、第1および第2のクランプ構成要素は、1つまたは複数の対象物体の対向する側面と係合して、それらの間に1つまたは複数の対象物体をクランプすることができる。
【0010】
第3のクランプ構成要素(本明細書では支持クランプ構成要素とも呼ばれることもある)は、第1のクランプ構成要素に対して第2のクランプ構成要素の周囲の第1の軸に沿って延在し(例えば、第2のクランプ構成要素よりも第1のクランプ構成要素から離れて配置される)、第1のクランプ構成要素に向かって延びる1つまたは複数の延長部分を含む。1つまたは複数の延長部分は、第2のクランプ構成要素の下縁部より下の高さにある。第3のクランプ構成要素はまた、第2の軸に沿って第1のクランプ構成要素に近づいたり離れたりするようにアクチュエータシステムに動作可能に結合される。動作中、第1および第2のクランプ構成要素が1つまたは複数の対象物体の側面に係合した後、第3のクランプ構成要素は第1のクランプ構成要素に向かって移動し、1つまたは複数の延長部分を1つまたは複数の対象物体の下面の下に配置することができる。その結果、ロボットシステムが1つまたは複数の対象物体を搬送している間、1つまたは複数の延長部分が1つまたは複数の対象物体を支持するのに役立つことができる。さらに、または代替として、第3のクランプ構成要素は、第1および第2のクランプ構成要素が1つまたは複数の対象物体の側面に係合した後、アーム先端ツールを安定させるのに役立つことができる(例えば、剛性を追加し、係合を強化するなど)。
【0011】
いくつかの実施形態では、アクチュエータシステムは、フレームによって担持され、第2の軸に沿って延びるトラックと、トラックと第2のクランプ構成要素との間に動作可能に結合された第1のキャリッジと、トラックと第3のクランプ構成要素との間に動作可能に結合された第2のキャリッジと、第1および第2のキャリッジに動作可能に結合されたドライバとを含む。第1のキャリッジの動きは、第2の軸に沿った第2のクランプ構成要素の動きを制御することができる。同様に、第2のキャリッジの動きは、第2の軸に沿った第3のクランプ構成要素の動きを制御することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、第2のクランプ構成要素および/または第3のクランプ構成要素は、アクチュエータシステムへの結合を容易にする補強ブラケットを含む。補強ブラケットは、第1および第2の軸に少なくとも部分的に直交する第3の軸に沿って延在し、アクチュエータシステムからの運動を第2のクランプ構成要素および/または第3のクランプ構成要素全体に伝達するのを助けることができる。例えば、補強ブラケットは、アクチュエータシステムからの動きが、第2のクランプ構成要素および/または第3のクランプ構成要素の上縁に加えられるだけではないことを保証するのに役立つことができる(例えば、第2のクランプ構成要素が1つまたは複数の対象物体の側面に係合するとき枢動力をもたらす)。第2のクランプ構成要素が補強ブラケットを含む場合、第3のクランプ構成要素は、第2の軸に沿って補強ブラケットと位置合わせされた開口部を含み得る。開口部は、第3のクランプ構成要素が第2のクランプ構成要素に隣接しているときに補強ブラケットと入れ子になるように構成することができ、それによって、第3のクランプ構成要素が第2のクランプ構成要素に近づく(および/または当接する)ことを可能にする。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2のクランプ構成要素は、第1のクランプ構成要素に面する第2のクランプ構成要素の表面上に配置された把持基板を含む。把持基板は、第1および第2のクランプ構成要素によって係合されると、1つまたは複数の対象物体が滑ることができる量を減らすのに役立つことができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のクランプ構成要素は、3センチメートル未満の厚さを有する。以下でより詳細に説明するように、第1のクランプ構成要素の比較的薄い外形により、第1のアーム先端ツールは、1つまたは複数の対象物体を他の物体(例えば、以前に移動した物体)および/または障壁(例えば、搬送用コンテナの壁)に近接して配置することを可能にすることができる。例えば、動作中、アーム先端ツールは、第1のクランプ構成要素が1つまたは複数の対象物体と、目的地に以前に配置された物体との間になるように向けることができる。この例では、第1のクランプ構成要素の厚さが、1つまたは複数の対象物体をどれだけ近くに配置できるかを制限する要因である。したがって、第1のクランプ構成要素が比較的薄い外形を有する場合、1つまたは複数の対象物体を他の物体に近接して配置することができる(例えば、目的地で密集する)。
【0015】
いくつかの実施形態では、アーム先端ツールは、センサシステムを含み、センサシステムは、フレームに結合され、アーム先端ツールの周囲の環境を測定するように配置される。例えば、センサは、1つまたは複数の対象物体、1つまたは複数の対象物体を取り囲む物体、対象物体の目的地にある物体、1つまたは複数の対象物体を搬送する際のアーム先端ツールの周囲の環境などの1つまたは複数のパラメータを測定するように配置されたイメージングシステムを含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、アーム先端ツールは、フレームによって担持される1つまたは複数の格納式アームを含む。1つまたは複数の格納式アームのそれぞれは、吸引把持構成要素を含むことができ、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であってよい。第1の位置では、吸引把持構成要素は、第2のクランプ構成要素の下縁部の上の第1の高さにあってよい(例えば、第1および第2のクランプ構成要素が1つまたは複数の対象物体と係合する際に邪魔にならない)。第2の位置では、吸引把持構成要素は、第2のクランプ構成要素の下縁部より下の第2の高さにあってよい(例えば、間紙または他の仕切りなどの物体をつかむことができる)。
【0017】
周知であり、しばしばロボットシステムおよびサブシステムに関連付けられるが、開示された技術のいくつかの重要な態様を不必要に不明瞭にする可能性がある構造またはプロセスを説明するいくつかの詳細は、明確にするために以下の説明には記載されていない。さらに、以下の開示では、本技術の異なる態様のいくつかの実施形態が示されているが、他のいくつかの実施形態は、本節で説明したものとは異なる構成または異なる構成要素を有することができる。したがって、開示された技術は、追加の要素を有するか、または以下で説明する要素のいくつかを有さない他の実施形態を有することができる。
【0018】
以下で説明する本開示の多くの実施形態または態様は、プログラム可能なコンピュータまたはコントローラによって実行されるルーチンを含む、コンピュータ実行可能命令またはコントローラ実行可能命令の形態をとることができる。当業者は、開示された技術が、以下で示され説明されるもの以外のコンピュータシステムまたはコントローラシステムで実施できることを理解するであろう。本明細書に記載の技術は、以下に記載のコンピュータ実行可能命令の1つまたは複数を実行するように具体的にプログラムされ、構成され、または構築される専用コンピュータまたはデータプロセッサで具体化することができる。したがって、本明細書で一般的に使用される「コンピュータ」および「コントローラ」という用語は、任意のデータプロセッサを指し、インターネット機器およびハンドヘルドデバイス(パームトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、セルラー電話またはモバイル電話、マルチプロセッサシステム、プロセッサベースまたはプログラマブル家庭用電化製品、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータなどを含む)を含み得る。これらのコンピュータおよびコントローラによって処理される情報は、液晶ディスプレイ(LCD)を含む、任意の適切な表示媒体で提示することができる。コンピュータ実行可能タスクまたはコントローラ実行可能タスクを実行するための命令は、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとファームウェアの組み合わせを含む、任意の適切なコンピュータ可読媒体に記憶することができる。命令は、例えば、フラッシュドライブ、USBデバイス、および/または他の適切な媒体を含む、任意の適切なメモリデバイスに含めることができる。
【0019】
「結合された」および「接続された」という用語は、それらの派生語とともに、構成要素間の構造的関係を説明するために本明細書で使用することができる。これらの用語は、互いに同義語として意図されたものではないことを理解されたい。むしろ、特定の実施形態では、「接続された」は、2つ以上の要素が互いに直接接触していることを示すために使用することができる。文脈で明らかにされていない限り、「結合された」という用語は、2つ以上の要素が直接または間接的に(それらの間にある他の介在要素と)互いに接触していること、2つ以上の要素が互いに(例えば、信号の送信/受信または関数呼び出しなどの因果関係のように)連携または相互作用していること、またはその両方を示すために使用することができる。
【0020】
ロボットシステムの例示的環境
図1は、物体ハンドリング機構を備えたロボットシステム100が動作可能な例示的な環境の図である。ロボットシステム100の動作環境は、1つまたは複数のタスクを実行するように構成される、ロボットまたはロボットデバイスなどの1つまたは複数の構造を含み得る。物体ハンドリング機構の態様は、様々な構造および/または構成要素によって実施または実装できる。
【0021】
図1に示す例では、ロボットシステム100は、倉庫、配送センタ、または移送ハブにおいて、荷下ろしユニット102、移送ユニット104、搬送ユニット106、積載ユニット108、またはそれらの組み合わせを含み得る。ロボットシステム100の各ユニットは、1つまたは複数のタスクを実行するように構成することができる。例えば倉庫に保管するために、トラック、トレーラ、バン、または電車などの車両から物体を荷下ろししたり、保管場所から物体を荷下ろしして出荷のために車両に積載したりするなど、目標を達成する動作を実行するために、タスクを順番に組み合わせることができる。別の例では、タスクは、コンテナ、ビン、ケージ、バスケット、棚、プラットフォーム、パレット、またはコンベヤベルトなどのある場所から別の場所への物体の移動を含み得る。各ユニットは、タスクを実行するために、その中の1つまたは複数の構成要素を動作させるなど、一連の動作を実行するように構成することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、タスクは、物体の操作、移動、再配向、またはそれらの組み合わせなどの、対象物体112との相互作用を含み得る。対象物体112は、ロボットシステム100によって処理される物体である。より具体的には、対象物体112は、ロボットシステム100による動作またはタスクの対象である多くの物体の中の特定の物体であり得る。例えば、対象物体112は、ロボットシステム100が選択している物体であり得るか、または、現在、処理している、操作している、移動している、再配向している、またはそれらの組み合わせである物体であり得る。対象物体112は、例として、ボックス、ケース、チューブ、パッケージ、束、個々のアイテムの詰め合わせ、またはロボットシステム100によって処理することができる他の任意の物体を含み得る。
【0023】
例として、タスクは、対象物体112を物体ソース114からタスク位置116に移送することを含み得る。物体ソース114(開始位置)は、物体を保管するための容器であってよい。物体ソース114は、多数の構成および形態を含み得る。例えば、物体ソース114は、壁の有無にかかわらず、パレット、棚、またはコンベヤベルトなど、物体を配置または積み重ねることができるプラットフォームであってよい。別の例として、物体ソース114は、ビン、ケージ、またはバスケットなどの物体を配置することができる壁または蓋を備えた部分的または完全に囲まれた容器であってよい。いくつかの実施形態では、部分的または完全に囲まれた物体ソース114の壁は、透明であってよい、またはそこに含まれる物体の一部が壁を通して見えるまたは部分的に見えるように、様々なサイズの開口部または隙間を含み得る。さらに別の例では、物体ソース14は、コンベヤベルトおよび/または任意の他の適切な組立ラインの場所であってよい。
【0024】
図1は、ロボットシステム100の様々なユニットが対象物体112を処理する際に実行できる可能な機能および動作の例を示しており、環境および条件は、以下に記載するものとは異なり得ることを理解されたい。例えば、荷下ろしユニット102は、対象物体112をトラックなどの運搬手段の場所からコンベヤベルト上の場所に移送するように構成される車両荷下ろしロボットであってよい。また、パレタイズロボットなどの移送ユニット104は、搬送ユニット106上のパレット上に対象物体112を積載するためなど、対象物体112をコンベヤベルト上の場所から搬送ユニット106上の場所に移送するように構成することができる。別の例では、移送ユニット104は、対象物体112をあるコンテナから別のコンテナに移送するように構成されたピースピッキングロボットであってよい。動作が終了すると、搬送ユニット106は、移送ユニット104に関連付けられた範囲から積載ユニット108に関連付けられた範囲に対象物体112を移送することができ、積載ユニット108は、対象物体112を載せたパレットを移動させることなどによって、対象物体112を移送ユニット104から棚の上の場所など、保管場所に移送することができる。タスクおよび関連する行動に関する詳細は以下で説明する。
【0025】
例示の目的のために、ロボットシステム100は、配送センタの文脈で説明されるが、ロボットシステム100は、他の環境でタスクを実行するように構成できること、または製造、組立、パッケージング、ヘルスケア、または他のタイプの自動化などの他の目的のためにタスクを実行するように構成できることが理解されよう。ロボットシステム100は、図1には示されていない、マニピュレータ、サービスロボット、モジュール式ロボットなどの他のユニットを含み得ることも理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、ロボットシステム100は、物体をケージ、カートまたはパレットからコンベヤまたは他のパレットに移送するためのデパレタイズユニット、物体をあるコンテナから別のコンテナに移送するためのコンテナ切り替えユニット、物体を包装するための包装ユニット、物体の1つまたは複数の特性に従って物体をグループ化するための並べ替えユニット、物体の1つまたは複数の特性、またはそれらの組み合わせに従って、並べ替え、グループ化、および/または移送するなど、物体を異なる方法で操作するためのピースピッキングユニットを含み得る。
【0026】
ロボットシステム100は、ロボットユニットの1つまたは複数とインタフェースをとるように、および/またはそれらを制御するように構成されたコントローラ109を含み得る。例えば、コントローラ109は、対応するロボットユニットを動作させるために使用される動作プランおよび/または対応するコマンド、設定などを導出するように構成された回路(例えば、1つまたは複数のプロセッサ、メモリなど)を含み得る。コントローラ109は、動作プラン、コマンド、設定などをロボットユニットに伝達することができ、ロボットユニットは、伝達された計画を実行して、対象物体112を物体ソース114からタスク位置116に移送するなどの対応するタスクを達成することができる。
【0027】
適切なシステム
図2は、本技術の1つまたは複数の実施形態による、ロボットシステム100を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、例えば、ロボットシステム100は、電子デバイス、電気装置、もしくはそれらの組み合わせ、例えば、制御ユニット202(本明細書では「プロセッサ202」とも呼ばれる)、記憶ユニット204、通信ユニット206、システムインタフェース210(本明細書では「ユーザインタフェース210」とも呼ばれる)を有するシステム入力/出力(I/O)デバイス208、1つまたは複数の作動デバイス212、1つまたは複数の搬送モータ214、1つまたは複数のセンサユニット216、または互いに結合されているか、上記の図1に記載のユニットもしくはロボットの1つまたは複数と統合もしくは結合されたそれらの組み合わせ、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0028】
制御ユニット202は、いくつかの異なる方法で実施することができる。例えば、制御ユニット202は、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、組み込みプロセッサ、マイクロプロセッサ、ハードウェア制御ロジック、ハードウェア有限状態マシン(FSM)、デジタル信号プロセッサ(DSP)またはそれらの組み合わせであり得る。制御ユニット202は、ソフトウェアおよび/または命令を実行して、ロボットシステム100のインテリジェンスを提供することができる。
【0029】
制御ユニット202は、ユーザインタフェース210に動作可能に結合されて、制御ユニット202に対する制御をユーザに提供することができる。ユーザインタフェース210は、制御ユニット202とロボットシステム100内の他の機能ユニットとの間の通信に使用することができる。ユーザインタフェース210はまた、ロボットシステム100の外部の通信に使用することができる。ユーザインタフェース210は、他の機能ユニットまたは外部ソースから情報を受信することができ、または他の機能ユニットまたは外部宛先に情報を送信することができる。外部ソースおよび外部宛先は、ロボットシステム100の外部のソースおよび宛先を指す。
【0030】
ユーザインタフェース210は、異なる方法で実装することができ、どの機能ユニットまたは外部ユニットがユーザインタフェース210とインタフェースを有するかに応じて、異なる実施態様を含み得る。例えば、ユーザインタフェース210は、圧力センサ、慣性センサ、微小電気機械システム(MEMS)、光回路、導波路、無線回路、有線回路、アプリケーションプログラミングインタフェース、またはそれらの組み合わせで実装することができる。
【0031】
記憶ユニット204は、ソフトウェア命令、マスタデータ、追跡データ、またはそれらの組み合わせを記憶することができる。説明の目的で、記憶ユニット204は単一の要素として示されているが、記憶ユニット204は、記憶要素の分布であり得ることが理解される。また、例示の目的で、ロボットシステム100は、単一階層の記憶システムとしての記憶ユニット204とともに示されているが、ロボットシステム100は、異なる構成の記憶ユニット204を有することができることが理解される。例えば、記憶ユニット204は、異なるレベルのキャッシング、メインメモリ、回転媒体、またはオフライン記憶を含む記憶階層システムを形成する異なる記憶技術で形成することができる。
【0032】
記憶ユニット204は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、内部メモリ、外部メモリ、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、記憶ユニット204は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、フラッシュメモリ、ディスクストレージなどの不揮発性ストレージ、または静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)などの揮発性ストレージであり得る。さらなる例として、記憶ユニット204は、ハードディスクドライブ、NVRAM、ソリッドステート記憶装置(SSD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、またはユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリを含む非一時的なコンピュータ媒体であり得る。ソフトウェアは、制御ユニット202によって実行される非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶することができる。
【0033】
記憶ユニット204は、ユーザインタフェース210に動作可能に結合することができる。ユーザインタフェース210は、記憶ユニット204とロボットシステム100内の他の機能ユニットとの間の通信に使用することができる。ユーザインタフェース210はまた、ロボットシステム100の外部の通信に使用することができる。ユーザインタフェース210は、他の機能ユニットまたは外部ソースから情報を受信することができ、または他の機能ユニットまたは外部宛先に情報を送信することができる。外部ソースおよび外部宛先は、ロボットシステム100の外部のソースおよび宛先を指す。
【0034】
上記の説明と同様に、ユーザインタフェース210は、どの機能ユニットまたは外部ユニットが記憶ユニット204とインタフェースを有しているかに応じて、異なる実施態様を含み得る。ユーザインタフェース210は、上述のユーザインタフェース210の実施態様と同様の技術および技法で実装することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、記憶ユニット204を使用して、処理結果、所定のデータ、閾値またはそれらの組み合わせをさらに記憶し、それらへのアクセスを提供する。例えば、記憶ユニット204は、1つまたは複数の対象物体112(例えば、ボックス、ボックスタイプ、ケース、ケースタイプ、製品、および/またはそれらの組み合わせ)の記述を含むマスタデータを記憶することができる。一実施形態では、マスタデータは、ロボットシステム100によって操作されることが予想される1つまたは複数の対象物体112の寸法、所定の形状、潜在的な姿勢のためのテンプレートおよび/または異なる姿勢を認識するためのコンピュータ生成モデル、配色、画像、識別情報(例えば、バーコード、クイック応答(QR)コード、ロゴなど)、予想される場所、予想される重量、および/またはそれらの組み合わせを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、マスタデータは、ロボットシステム100によって遭遇または処理され得る1つまたは複数の物体に関する操作関連情報を含む。例えば、物体の操作関連情報は、1つまたは複数の動作、操作またはそれらの組み合わせに対応する各物体の重心位置、予想されるセンサ測定値(例えば、力、トルク、圧力、および/または接触測定値についての)を含み得る。
【0037】
通信ユニット206は、ロボットシステム100との間の外部通信を可能にすることができる。例えば、通信ユニット206は、ロボットシステム100が、他のロボットシステムまたはユニット、外部コンピュータなどの外部デバイス、外部データベース、外部マシン、外部周辺機器、またはそれらの組み合わせと、有線または無線ネットワークなどの通信経路218を介して通信することを可能にすることができる。
【0038】
通信経路218は、様々なネットワークおよびネットワークトポロジーにまたがり、それらを表すことができる。例えば、通信経路218は、無線通信、有線通信、光通信、超音波通信、またはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、衛星通信、セルラー通信、Bluetooth、赤外線データ協会規格(IrDA)、無線フィデリティ(WiFi)、およびworldwide interoperability for microwave access(WiMAX)は、通信経路218に含めることができる無線通信の例である。ケーブル、イーサネット、デジタル加入者線(DSL)、光ファイバー回線、家庭用ファイバー(FTTH)、および一般電話サービス(POTS)は、通信経路218に含めることができる有線通信の例である。さらに、通信経路218は、いくつかのネットワークトポロジーおよび距離を横断することができる。例えば、通信経路218は、直接接続、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはそれらの組み合わせを含み得る。ロボットシステム100は、通信経路218を介して様々なユニット間で情報を送信することができる。例えば、情報は、制御ユニット202、記憶ユニット204、通信ユニット206、I/Oデバイス208、作動デバイス212、搬送モータ214、センサユニット216、またはそれらの組み合わせの間で送信することができる。
【0039】
通信ユニット206はまた、ロボットシステム100が通信経路218の一部として機能することを可能にする通信ハブとして機能することができ、通信経路218へのエンドポイントまたは端末ユニットであることに限定されない。通信ユニット206は、通信経路218と相互作用するために、マイクロエレクトロニクスまたはアンテナなどの能動的および受動的構成要素を含み得る。
【0040】
通信ユニット206は、通信インタフェースを含み得る。通信インタフェースは、通信ユニット206とロボットシステム100内の他の機能ユニットとの間の通信に使用することができる。通信インタフェースは、他の機能ユニットまたは外部ソースから情報を受信することができ、または他の機能ユニットまたは外部宛先に情報を送信することができる。外部ソースおよび外部宛先は、ロボットシステム100の外部のソースおよび宛先を指す。
【0041】
通信インタフェースは、どの機能ユニットが通信ユニット206とインタフェースを有しているかに応じて、異なる実施態様を含み得る。通信インタフェースは、制御インタフェースの実施態様と同様の技術および技法で実装することができる。
【0042】
I/Oデバイス208は、1つまたは複数の入力サブデバイスおよび/または1つまたは複数の出力サブデバイスを含み得る。I/Oデバイス208の入力デバイスの例は、キーパッド、タッチパッド、ソフトキー、キーボード、マイクロフォン、リモート信号を受信するためのセンサ、動作コマンドを受信するためのカメラ、またはデータおよび通信入力を提供するためのそれらの任意の組み合わせを含み得る。出力デバイスの例には、ディスプレイインタフェースを含めることができる。ディスプレイインタフェースは、ディスプレイ、プロジェクタ、ビデオスクリーン、および/またはそれらの任意の組み合わせなどの任意のグラフィカルユーザインタフェースであり得る。
【0043】
制御ユニット202は、I/Oデバイス208を動作させて、ロボットシステム100によって生成された情報を提示または受信することができる。制御ユニット202は、I/Oデバイス208を動作させて、ロボットシステム100によって生成された情報を提示することができる。制御ユニット202はまた、ロボットシステム100の他の機能のためのソフトウェアおよび/または命令を実行することができる。制御ユニット202は、通信ユニット206を介して通信経路218と相互作用するためのソフトウェアおよび/または命令をさらに実行することができる。
【0044】
ロボットシステム100は、回転変位、並進変位またはそれらの組み合わせなどの動作のために関節で連結される、ロボットマニピュレータアームなどの物理的または構造的部材を含み得る。構造部材および関節は、ロボットシステム100の使用または動作に応じて、把持、スピニング、溶接などの1つまたは複数のタスクを実行する、把持要素などのエンドエフェクタを操作するように構成された運動連鎖を形成することができる。ロボットシステム100は、対応する関節の周りまたは対応する関節で、構造部材を駆動、操作、変位、再配向、またはそれらの組み合わせを行うように構成される、モータ、アクチュエータ、ワイヤ、人工筋肉、電気活性ポリマまたはそれらの組み合わせなどの作動デバイス212を含み得る。いくつかの実施形態では、ロボットシステム100は、対応するユニットを色々な場所に搬送するように構成された搬送モータ214を含み得る。
【0045】
ロボットシステム100は、構造部材を操作する、またはロボットユニットを搬送するなどのタスクおよび動作を実行するために使用される情報を取得するように構成されたセンサユニット216を含み得る。センサユニット216は、ロボットシステム100の1つまたは複数の物理的特性、例えば、1つまたは複数の構造部材もしくは関節の状態、条件、位置、物体もしくは周囲環境についての情報、またはそれらの組み合わせを検出または測定するように構成されたデバイスを含み得る。例として、センサユニット216は、イメージングデバイス、システムセンサ、接触センサ、および/またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、センサユニット216は、1つまたは複数のイメージングデバイス222を含む。イメージングデバイス222は、周囲の環境を検出して画像化するように構成されたデバイスである。例えば、イメージングデバイス222は、2次元カメラ、3次元カメラを含むことができ、これらの両方は、視覚および赤外線機能、ライダ、レーダ、他の距離測定デバイス、および他のイメージングデバイスの組み合わせを含み得る。イメージングデバイス222は、自動検査、ロボットガイダンス、または他のロボットアプリケーション用に、マシン/コンピュータビジョンを実装するために使用される、デジタル画像またはポイントクラウドなどの検出された環境の表現を生成することができる。以下でさらに詳細に説明するように、ロボットシステム100は、制御ユニット202を介してデジタル画像、ポイントクラウドまたはそれらの組み合わせを処理して、図1の対象物体112、対象物体112の姿勢、またはそれらの組み合わせを識別することができる。対象物体112を操作するために、ロボットシステム100は、指定された範囲、例えば、トラック内、コンテナ内、またはコンベヤベルト上の物体の取り上げ場所の画像を取り込みおよび分析し、対象物体112およびその図1の物体ソース114を識別することができる。同様に、ロボットシステム100は、別の指定された範囲、例えば、コンベヤベルトに物体を置くためのドロップ場所、コンテナ内に物体を置くための場所、または積み重ね目的のためのパレット上の場所、の画像を取り込んで分析し、図1のタスク位置116を識別することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、センサユニット216は、システムセンサ224を含み得る。システムセンサ224は、ロボットシステム100内のロボットユニットを監視することができる。例えば、システムセンサ224は、ロボットアームおよびエンドエフェクタ、ロボットユニットの対応する関節、またはそれらの組み合わせなどの構造部材の位置を検出および監視するためのユニットまたはデバイスを含み得る。さらなる例として、ロボットシステム100は、システムセンサ224を使用して、タスクの実行中に構造部材および関節の位置、向きまたはそれらの組み合わせを追跡することができる。システムセンサ224の例は、加速度計、ジャイロスコープ、または位置エンコーダを含み得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、センサユニット216は、複数の物理的構造または表面間の直接接触に関連する特性を測定するように構成された、接触センサ226、例えば、圧力センサ、力センサ、歪みゲージ、圧電抵抗/圧電センサ、静電容量センサ、弾性抵抗センサ、トルクセンサ、線形力センサ、他の触覚センサ、および/または任意の他の適切なセンサを含み得る。例えば、接触センサ226は、対象物体112上のエンドエフェクタの把持に対応する特性を測定するか、または対象物体112の重量を測定することができる。したがって、接触センサ226は、把持要素と対象物体112との間の接触または付着の程度に対応する、測定された力またはトルクなどの定量化された測定を表す接触測定を出力することができる。例えば、接触測定は、エンドエフェクタによって対象物体112に加えられる力に関連する1つまたは複数の力またはトルクの測定値を含み得る。
【0049】
適切な物体把持システム
図3は、本技術のいくつかの実施形態に従って構成されたロボットユニット300(例えば、図1について上述したパレタイザユニット、デバンニングユニット、ピッカーユニットなどのロボットユニットのうちの1つ)の図である。図示の実施形態では、ロボットユニット300は、ロボットアーム310およびロボットアーム310によって担持されるアーム先端ツール320(本明細書では「エンドエフェクタ」、「物体把持機構」、「物体把持アセンブリ」、「把持アセンブリ」、「把持機構」、「物体グリッパー」、「グリッパー」、および/または「把持ヘッド」とも呼ばれることがある)を含む。図3に示されるように、ロボットアーム310は、第1のフランジ312および1つまたは複数の関節314(3個を示す)を含むことができ、一方、アーム先端ツール320は、ロボットアーム310の第1のフランジ312に動作可能に結合可能な第2のフランジ322を含む。第1および第2のフランジ312、322は、一緒に結合されると、物理的接続と1つまたは複数の通信接続(例えば、電気接続、流体接続、または他の適切な通信接続)との両方を確立することができる。物理的接続は、ロボットアーム310がアーム先端ツール320を担持することを可能にし、一方、通信接続は、アーム先端ツール320がロボットアーム310への接続を介して制御されることを可能にする。
【0050】
ロボットユニット300は、様々なタイプまたはカテゴリの物体をクランプ、ピックアップ、把持、搬送、解放、積載、および/または荷下ろしするように構成することができる。例えば、説明する実施形態では、1つまたは複数の関節314は、ロボットアーム310が、1つまたは複数の対象物体(例えば、図1に関して上述した対象物体112)上に、および/または隣接して、アーム先端ツール320を制御可能に配置することを可能にする。配置されると、アーム先端ツール320は、対象物体(複数可)を把持するように動作させることができる。次に、1つまたは複数の関節314はまた、ロボットアーム310が、アーム先端ツール320を制御可能に配置して、対象物体(複数可)を場所の間(例えば、ピックアップ場所とドロップオフ場所の間)で移動させることを可能にする。アーム先端ツール320が所望の位置の上に配置されると、アーム先端ツール320を操作して対象物体(複数可)を解放することができる。アーム先端ツール320の動作のさらなる詳細が、以下に図4~12に関してさらに提供される。
【0051】
図4は、本技術のいくつかの実施形態による、アーム先端ツール400の部分模式図である。説明の実施形態では、アーム先端ツール400(本明細書では、「エンドエフェクタ」、「物体把持機構」、「物体把持アセンブリ」、「把持アセンブリ」、「把持機構」、「物体グリッパー」、「グリッパー」、「把持ヘッド」などと呼ばれることもある)は、フレーム402と、アクチュエータシステム410と、フレーム402にそれぞれ結合される(によって担持される)第1のクランプ構成要素420、第2のクランプ構成要素430、および第3のクランプ構成要素440を含む。アーム先端ツール400は、ロボットアーム(例えば、図3のロボットアーム310)および/または別の適切な構成要素に、フレーム402の上面の接続フランジ404を介して結合することができる。
【0052】
様々な実施形態において、アクチュエータシステム410は、第1のクランプ構成要素420、第2のクランプ構成要素430、および/または第3のクランプ構成要素430に結合されて、1つまたは複数の対象物体を把持および/または解放するためにフレーム402の横軸(例えば、x軸、および/または縦軸に少なくとも部分的に直交(または直交する)に沿って独立して第1、第2、および/または第3のクランプ構成要素420、430、440を移動させることができる。例えば、図示の実施形態では、アクチュエータシステムはトラック412と、第2のクランプ構成要素430とトラック412との間、および第3のクランプ構成要素440とトラック412との間に結合された2つ以上のキャリッジ414(1つがラベル付けされている)と、キャリッジ414に動作可能に結合されて、トラック412に沿ってそれらの動きを駆動する1つまたは複数のドライバ416とを含む。結果として、アクチュエータシステム410は、横軸に沿って第2および第3のクランプ構成要素430、440の運動を駆動することができる一方で、第1のクランプ構成要素420は所定の位置に留まる。第1のクランプ構成要素420とフレーム402との間の固定結合は、アーム先端ツール400の動作を簡素化することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、アクチュエータシステム410は、第2および第3のクランプ構成要素430、440に加えて(またはその代わりに)、第1のクランプ構成要素420に動作可能に結合されることが理解されるであろう。
【0053】
様々な他の実施形態では、アクチュエータシステム410は、第1、第2、および/または第3のクランプ構成要素420、430、440を移動させるための追加の、または代替の構成要素を含み得る。例えば、アクチュエータシステム410は、上述のトラック412およびキャリッジ414の代わりに、またはそれらに加えて、伸展可能な構成要素(例えば、伸縮式構成要素、ピストン、リニアアクチュエータなど)を含み得る。さらに、または代替として、アクチュエータシステム410は、電気トラックアクチュエータ、コイルアクチュエータ、固定ベルトアクチュエータ、送りねじアクチュエータ、および/または第1、第2、および/または第3のクランプ構成要素420、430、440を本明細書に記載のシステムおよび方法に従って移動させるための任意の他の適切な機構を含み得る。
【0054】
図示の実施形態では、第1のクランプ構成要素420は、フレーム402の周縁に結合された剛性の薄い材料である。その結果、第1のクランプ構成要素420(本明細書では「外部クランプ構成要素」、「クランププレート」などと呼ばれることもある)は、梱包作業中の基準となるアーム先端ツール400にクランプ機構の一定の(例えば、不変の)エッジを画定する。さらに図4に示すように、第1のクランプ構成要素420は、第2のクランプ構成要素430に向けられた(例えば、面している、向けられている)第1のクランプ面422と、1つまたは複数の第1の開口部424(2つが示されている)とを含む。いくつかの実施形態では、第1のクランプ面422は、1つまたは複数の対象物体を把持するのを助けるために、把持基板(例えば、シリコン、ゴム、テクスチャ表面などの高摩擦材料)を含み得る。第1の開口部(複数可)424は、第1のクランプ構成要素420の重量を軽減し、アーム先端ツール400の操作性を高め、および/またはアーム先端ツール400を使用するロボットシステムへの負担を軽減することができる。
【0055】
以下でより詳細に説明するように、梱包作業中、第1のクランプ構成要素420は、既存の物体(例えば、以前に配置された物体、容器壁および/またはバリアなど)に当接し、第2および第3のクランプ構成要素430、440は、目的地で対象物体(複数可)を解放する。結果として、第1のクランプ構成要素420の(x軸に沿った)厚さT1は、対象物体(複数可)を目的地でどれだけ隙間なく梱包できるかについて下限を課す。厚さT1は、対象物体(複数可)をどれだけ隙間なく梱包できるかについて制限を課すので、第1のクランプ構成要素420が、対象物体(複数可)を把持するために必要な剛性を提供しながら、できるだけ薄くすることが有益である。様々な実施形態において、厚さT1は、約1ミリメートル(mm)から約3センチメートル(cm)の間であってよい。
【0056】
第2のクランプ構成要素は、アクチュエータシステム410を介してフレーム402によって担持される。第1のクランプ構成要素420と同様に、第2のクランプ構成要素430、430(本明細書では、「内部クランプ構成要素」、「クランププレート」、「能動クランプ構成要素」などと呼ばれることもある)は、第1のクランプ構成要素420および1つまたは複数の第2の開口部434(2つが示されている)に向けられている(例えば、面している、方向付けられている)第2のクランプ面432を含む。第2のクランプ面432は、対象物体(複数可)を把持するのを助けるために把持基板を含むことができ、一方、第2の開口部(複数可)434は、第2のクランプ構成要素430の重量を減らすことができる。さらに、上述のように、第2のクランプ構成要素430は、アクチュエータシステム410のキャリッジのうちの1つまたは複数に動作可能に結合されて、第2のクランプ構成要素430を横軸に沿って(例えば、第1のクランプ構成要素420に向かっておよびそれから離れるように)移動させる。その結果、第1および第2のクランプ面422、432は、対象物体(複数可)の対向する(例えば、反対の)側面に係合することができ、アーム先端ツール400が対象物体(複数可)を持ち上げて搬送することを可能にする。
【0057】
第3のクランプ構成要素440は、アーム先端ツール400によって係合される対象物体(複数可)にオプションの追加の支持を提供する。図示の実施形態では、第3のクランプ構成要素440は、フレーム402の横軸(例えば、x軸)に沿って第2のクランプ構成要素430の周辺のアクチュエータシステム410を介してフレーム402(第1のクランプ構成要素420に対して第2のクランプ構成要素430の周辺として本明細書では時々言及される)によって担持される。第3のクランプ構成要素440は、第1のクランプ構成要素420および1つまたは複数の開口部444(1つがラベル付けされ、2つが示されている)に向かって突出する1つまたは複数の延長部分442(「物体支持構成要素」、「持ち上げ部分」、「突出部」、「物体持ち上げ構成要素」などと呼ばれることもある)を含む。さらに、第3のクランプ構成要素440が第2のクランプ構成要素430に当接するとき(例えば、図示のように)、延長部分442は、第2のクランプ構成要素430の下縁部433の下で、第2のクランプ面432を超えて延びる。その結果、延長部分442は、第1および第2のクランプ面422、432によって係合された対象物体(複数可)の下面に係合または支持することができる。さらに、または代替として、第3のクランプ構成要素440は、アーム先端ツール400の可動側の剛性を高めることによって、アーム先端ツール400に安定性を加えることができる。追加の支持および/または安定性は、搬送中に対象物体(複数可)を安定させるのに役立ち、および/またはアーム先端ツール400がより重い物体を持ち上げて搬送可能にすることができる。
【0058】
図示の実施形態では、第3のクランプ構成要素440は、第3のクランプ構成要素440とアクチュエータシステム410のキャリッジ414との間の結合を容易にすることができる1つまたは複数の補強ブラケット(複数可)446(図4に示されるもの)を含む。例えば、補強ブラケット(複数可)446は、第3のクランプ構成要素440のより大きい垂直部分に沿って第3のクランプ構成要素440に加えられる力を分散させるのを助けることができる(例えば、z軸に沿って力を分散させる)。その結果、補強ブラケット(複数可)446は、第3のクランプ構成要素440の下縁部が第3のクランプ構成要素440の上縁と同じ速度で移動することを確実にするのを助けることができる。いくつかの実施形態では、例えば、以下でより詳細に説明するように、第2のクランプ構成要素430は、第3のクランプ構成要素440の補強ブラケット446とほぼ同様であり得る1つまたは複数の補強ブラケットを含む(例えば、図5Bに関して以下に示されるように)。
【0059】
さらに図4に示すように、アーム先端ツール400は、センサシステム450と、1つまたは複数の格納式吸引グリッパー460(1つが示されている)とを含み得る。図示の実施形態では、センサシステムは、センサユニット452と、センサユニット452をフレーム402に結合するアーム454とを含む。センサユニット452は、アーム先端ツール400および/またはより広範なロボットシステムの状態、1つまたは複数の対象物体の1つまたは複数のパラメータ(例えば、寸法、形状、物体タイプなど)、ピックアップ場所、ドロップオフ場所および/または目的地、および/または搬送経路などを測定するために、図2を参照して上述したセンサユニット216のいずれかを含み得る。様々な他の実施形態では、センサシステム450は、1つまたは複数の追加の構成要素を含むことができ、アーム先端ツール400(またはより広くはロボットシステム)の様々な他の位置に結合することができ、および/またはアーム454を省略することができる。純粋に例として、センサシステム450は、アーム454なしでフレーム402にそれぞれ結合(または接続)された1つまたは複数のセンサユニット452を含み得る。以下でより詳細に説明するように、格納式吸引グリッパー460により、出荷単位を開梱しながら、アーム先端ツール400が目的地の層の間の仕切り(例えば間紙または他の適切な仕切り)を把持し、搬送し、配置すること、および/または仕切りを取り除くことを可能にすることができる。
【0060】
図5A~5Dは、本技術のいくつかの実施形態による、対象物体10a(図5B)を把持するアーム先端ツール500の部分模式図である。図5Aに示すようにアーム先端ツール500は、図4を参照して上述したアーム先端ツール400とほぼ同様である。例えば、アーム先端ツール500は、フレーム502、ならびにフレーム502に結合されたアクチュエータシステム510および第1のクランプ構成要素520を含む。アーム先端ツール500はまた、第1のクランプ構成要素520の反対側でアクチュエータシステム510(およびそれを介してフレーム502)に結合された第2のクランプ構成要素530と、第2のクランプ構成要素530の周辺でアクチュエータシステム510に結合された第3のクランプ構成要素540とを含む。さらに図5Aに示すように、アーム先端ツール500は、(例えば、図3のロボットユニット300のようなロボットユニットによって)位置決めされて、対象物体10をつかみ、把持し、および/または他の方法で係合して、コンベヤシステム14上のピックアップ場所16(または任意の他の適切なピックアップ場所)から移動させることができる。
【0061】
さらに図5Aに示すように、把持プロセスは、第1のクランプ構成要素520を第1の対象物体10aの側面と位置合わせすることによって開始することができる。位置合わせされると、第1のクランプ構成要素520は、側面に隣接(または接触)して、アーム先端ツール500が(例えば、クランプ、係合、および/または他の方法で固定)第1の対象物体10aを把持するとき、第1の対象物体10aが押される距離を低減(最小化)することができる。
【0062】
図5Bに示すように、第1のクランプ構成要素520が位置合わせされた後、アクチュエータシステム510は、第2のクランプ構成要素530を第1の運動経路Aに沿って(例えば、アーム先端ツール500の横軸に沿って)移動させることができる。第2のクランプ構成要素530が移動すると、第2のクランプ面532は、第1の対象物体10aの側面と係合し、第1の対象物体10aを押して第1のクランプ構成要素520と接触させることができる。その結果、第1および第2のクランプ構成要素520、530は、第1の対象物体10aの対向する側面と係合し、それによって、アーム先端ツール500が第1の対象物体10aを移動および/または持ち上げることができる。
【0063】
さらに図5Bに示すように、第2のクランプ構成要素530は、1つまたは複数の補強ブラケット534(図5Bに示されるもの)を含み得る。図4を参照して上述した補強ブラケット446と同様に、第2のクランプ構成要素530上の補強ブラケット(複数可)534は、第2のクランプ構成要素530の全体が同じ速度で移動することを確実にするのを助けることができ、それにより、(例えば、第1の対象物体10aの上縁に沿ってより多くの圧力を加えるのではなく)第1の対象物体10aの側面に均一なクランプ圧力が加えられることを確実にするのを助ける。さらに、図示の実施形態では、第3のクランプ構成要素540は、1つまたは複数の開口部544(2つが図示され、1つが図5Bでラベル付けされている)を含む。第2のクランプ構成要素530の補強ブラケット(複数可)534は、第3のクランプ構成要素540の開口部544の1つとそれぞれ入れ子になって、第3のクランプ構成要素540が第2のクランプ構成要素530に直接当接することを可能にすることができ、第1の対象物体10aに対する最大の追加の支持および/またはアーム先端ツール500に対する安定性を提供することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1および第2のクランプ構成要素520、530は、第3のクランプ構成要素540からの支持なしに第1の対象物体10aを動かすのに十分な力および/または安全性で第1の対象物体10aと係合する(図5A)。例えば、対象物体10が比較的軽い場合、アーム先端ツール500は、第3のクランプ構成要素540なしで動作して、対象物体10を把持して移動させるプロセスを加速することができる。他の実施形態では、第1および第2のクランプ構成要素520、530が第1の対象物体10aの側面と係合した後、アーム先端ツール500が移動して、第2のクランプ構成要素530に隣接する第1の対象物体10aの下面の少なくとも一部を露出させることができる。次に、下面の露出部分を、第3のクランプ構成要素540の延長部分によって係合および/または支持することができる(図5A)。
【0065】
例えば、図5Cおよび5Dに示す実施形態では、アーム先端ツール500は、第2の運動経路B(図5C)に沿って横方向に(またはほとんど横方向に)移動して、第1の対象物体10aをコンベヤシステム14から部分的に引き離して、第1対象物体10aの下面12aの一部を露出させることができる。次に、アクチュエータシステム510(図5D)は、延長部分542が第1の対象物体10aの下面12aと係合するまで、および/または第3のクランプ構成要素540が第2のクランプ構成要素530に当接するまで、(図5D)第3の運動経路Cに沿って第3のクランプ構成要素540を移動させることができる。結果として、第3のクランプ構成要素540は、第1の対象物体10aを支持するのを助けることができ、および/または搬送中にアーム先端ツール500を安定させるのを助けることができる。追加された支持および/または安定性は、より重い対象物体および/または大量の対象物体を一度に搬送する場合に特に役立ち得る。
【0066】
第2の運動経路B(図5C)は、本明細書では横方向の運動経路として示され説明されているが、本技術はそのように限定されないことは理解されるであろう。様々な実施形態において、第2の運動経路Bは、横成分に加えて垂直成分を有することができ、および/または完全に縦であってよい。純粋に例として、ピックアップ場所16(図5A)の周りに横方向のクリアランスが少ない環境でアーム先端ツール500が配備されるとき、第2の運動経路は完全に垂直であってよい。
【0067】
図6A~6Dは、本技術のいくつかの実施形態による、複数の対象物体を把持するアーム先端ツール600の部分模式図である。図6Aに示すように、アーム先端ツール600は、図4および5Aを参照して上述したアーム先端ツール400、500とほぼ同様である。例えば、アーム先端ツール600は、フレーム602、ならびにフレーム602に結合されたアクチュエータシステム610および第1のクランプ構成要素620を含む。アーム先端ツール600はまた、第1のクランプ構成要素620の反対側でアクチュエータシステム610に結合された第2のクランプ構成要素630と、第2のクランプ構成要素630の周辺でアクチュエータシステム610に結合された第3のクランプ構成要素640とを含む。
【0068】
さらに、図6A~6Cに示すように、複数の対象物体10bの把持プロセスは、図5A図5Dを参照して上述した第1の対象物体10aの把持プロセスとほぼ同様である。例えば、図6Aに示すように、把持プロセスは、第1のクランプ構成要素620を複数の対象物体10bの対向する側面と位置合わせすることによって開始することができる。位置合わせされると、第1のクランプ面622は、複数の対象物体10bの側面に隣接および/または接触することができる。次に、図6Bに示すように、アクチュエータシステム610は、第1および第2のクランプ構成要素620、630が複数の対象物体10bの側面と係合するまで、第2のクランプ構成要素630を第1の運動経路Aに沿って移動させることができる。次に、図6Cに示すように、アーム先端ツール600は、(例えば、図5Cの第2の運動経路Bまたは任意の他の適切な運動経路に沿って)移動して、複数の対象物体の下面12bの少なくとも一部を露出させることができる。露出されると、アクチュエータシステム610は、延長部分642が下面12bと係合するまで、および/または第3のクランプ構成要素640が第2のクランプ構成要素630に当接するまで、第3のクランプ構成要素640を第3の運動経路Cに沿って移動させることができる。図6Dに示すように、複数の対象物体10bが完全に係合されると、アーム先端ツール600はピックアップ場所16から持ち上げる(または他の方法で離れるように移動する)ことができる。
【0069】
図7Aは、本技術のいくつかの実施形態による梱包作業の計画700の部分的な上面模式図である。計画700は、対象物体711(例えば、消費財の箱および/または任意の他の適切な品目)を出荷ユニット710(例えば、パレット、クレート、カートン、出荷コンテナなど、および/または倉庫のカート、トラックの荷台などの任意の他の適切なユニット)上に積み込むために実施することができる。図示の実施形態では、対象物体711は、第1のグループの対象物体712、第2のグループの対象物体714、第3の対象物体716、および第4の対象物体718の4つのグループを含む。
【0070】
以下でより詳細に説明するように、対象物体711は、図4~6Dを参照して上で説明したアーム先端ツールと同様のアーム先端ツールによって、出荷ユニット710に順次配置することができる。その結果、第1と第2のグループの対象物体712、714との間に第1距離D1、第2のグループの対象物体714と、第3および第4対象物体716、718のそれぞれとの間の第2距離D2、第3の対象物体716と第4の対象物体718との間の第3の距離D3が存在する。第1、第2、および第3の距離D1~D3はそれぞれ、外部クランプ構成要素の厚さ(例えば、図4の第1のクランプ構成要素420の厚さT1)および/または対象物体711を配置する際のアーム先端ツールの位置合わせから生じる任意の追加の空間(例えば、対象物体を配置した後に外部クランプ構成要素が離れることを可能にする余分なスペース、誤差のマージンなど)によって画定される。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の距離D1~D3はすべて等しい。例えば、第1、第2、および第3の距離D1~D3が外部クランプ構成要素の厚さのみによって画定される場合、第1、第2、および第3の距離D1~D3はそれぞれ最小化され、等しい。
【0071】
図7B~7Eは、本技術のいくつかの実施形態による、図7Aの計画700に従ってパレット720上に対象物体を配置するアーム先端ツール730の部分模式図である。図7Aに示すように、配置プロセス(本明細書では梱包プロセスとも呼ばれることがある)は、アーム先端ツール730が、パレット720(図示の実施形態では出荷パレット)上に第1グループの対象物体712を配置することから開始することができる。パレット720は、側壁または他の表面特徴を有していないので、アーム先端ツール730は、第1のグループの対象物体712を配置している間、いかなる制約も有していない。代わりに、アーム先端ツール730は、計画700に従って配置を慎重に位置合わせすることができ、これは残りの対象物体の配置に影響を与える。
【0072】
次に、図7Bに示すように、アーム先端ツール730は、第2のグループの対象物体714を、第1のグループの対象物体712に隣接して配置することができる。図示の実施形態では、アーム先端ツール730は、図4~6Dを参照して上述したアーム先端ツール400、500、600とほぼ同様である。例えば、アーム先端ツール730は、第1のクランプ構成要素732、第1のクランプ構成要素732の反対側の第2のクランプ構成要素734、および第2のクランプ構成要素734の周囲にある第3のクランプ構成要素736を含む。搬送中、第1のクランプ構成要素732は、第2のグループの対象物体714の第1の側と係合し、第2のクランプ構成要素734は、第1の側と反対側の第2のグループの対象物体714の第2の側と係合し、第3のクランプ構成要素は、第2のグループの対象物体714の下面の少なくとも一部の支持を助ける。さらに、図4を参照して上述した第1のクランプ構成要素420と同様に、第1のクランプ構成要素732は比較的薄くすることができ、それにより、第1のクランプ構成要素732は、パレット720上に対象物体を密に配置するのに有用になる。
【0073】
例えば、図7Cに示すように、アーム先端ツール730は、第2のグループの対象物体714を配置しながら、第1のグループの対象物体712と第2のグループの対象物体714との間に第1のクランプ構成要素732を配置することができる。その結果、第1のグループの対象物体712と第2のグループの対象物体714との間のギャップは、第1クランプ構成要素732の厚さにほぼ等しくなり得る(例えば、約1mmから約3cmの間)。第2のグループの対象物体714を配置した後、第2および第3のクランプ構成要素734、736は、第1のクランプ構成要素732から離れるように移動することができ、アーム先端ツール730は、第2のグループの対象物体714を係合解除するために垂直に移動することができる。その結果、第1のグループの対象物体712と第2のグループの対象物体714との間の比較的小さいギャップは維持される。
【0074】
いくつかの実施形態では、第3のクランプ構成要素736は、アーム先端ツール730がパレット720上の配置位置に近づく前に、第1のクランプ構成要素732から離れるように移動される。その結果、第3のクランプ構成要素736の延長部分は、対象物体を配置している間、対象物体から係合解除し、邪魔にならないように移動することができる。しかしながら、他の実施形態では、第2および第3のクランプ構成要素734、736は、配置位置で同時に第1のクランプ構成要素732から離れる方向に動かされる。
【0075】
図7Dおよび7Eに示すように、アーム先端ツール730は、次に、第3および第4の対象物体716、718について配置プロセスを繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、パレット720に対するアーム先端ツール730の向きは、残りの配置プロセスで同じままであり、その結果、第2のグループの対象物体714と第3および第4の対象物体716、718のそれぞれとの間でほぼ同様のゲームが行われる。様々な他の実施形態において、アーム先端ツール730の向きは、配置プロセスの任意のステップ間で、垂直軸(例えば、図4のz軸)の周りを回転することができる。例えば、図7Dおよび7Eに示す実施形態では、アーム先端ツール730は、垂直軸を中心に90度回転している。いくつかの実施形態では、回転により、アーム先端ツール730は、第3および第4の対象物体716、718を第2のグループの対象物体714と接触(または近接)させることができる。しかしながら、回転は、第3の対象物体716と第4の対象物体718との間に第1のクランプ構成要素732を間に収容するためにギャップを必要とし得る。
【0076】
梱包作業を計画および実行するための適切な方法
図8Aは、本技術のいくつかの実施形態による、梱包作業のプロセス800の流れ図である。プロセス800は、は、アーム先端ツール自体のコントローラによって、および/または外部コントローラ(例えば、図2の制御ユニット202を有する図1のコントローラ109)によって実行することができる。
【0077】
プロセス800は、1つまたは複数の対象物体(複数可)の1つまたは複数のパラメータを識別し、把持動作を計画することによって、ブロック802で開始する。パラメータは、長さ、幅、高さ、重量、予想重量、予想重量分布、壁強度、予想壁強度、剛性、および/または任意の他の適切なパラメータを含み得る。いくつかの実施形態では、パラメータ(複数可)は、1つまたは複数のセンサ(例えば、図2のセンサユニット216および/または図1のイメージングシステム160)によって識別される。代わりにまたは追加で、パラメータ(複数可)は、対象物体(複数可)上の一意の識別子(例えば、バーコード、QRコード、RFID、および/または任意の他の適切な識別子)を使用して、データベース(例えば、クラウドデータベースまたは他の適切なデータベース)から取得することができる。
【0078】
説明のための例として、ロボットシステム100は、対象物体112および/または周囲環境内の様々な物体を有する画像データ(例えば、物体ソース14の2次元および/または3次元表現)を得ることができる。ロボットシステム100は、エッジ、表面テクスチャ(例えば、物体の表面に印刷された画像および/または文字)、高さなどを識別して、画像データに描かれた候補物体を識別することができる。ロボットシステム100は、識別された候補物体およびその特性(例えば、エッジの長さ、表面テクスチャなど)をマスタデータに登録された物体のものと比較することができる。登録された物体とのマッチングに基づいて、ロボットシステム100は、描写された位置のタイプまたは識別子を識別することに基づいて、かつ描写された物体の位置を特定することに基づいて、画像データに描写された物体を検出することができる。
【0079】
ブロック803で、プロセス800は、ブロック802で識別/検出されたパラメータ(複数可)、ピッキング場所(例えば、コンベヤベルトおよび/または任意の他の適切な場所)で対象物体(複数可)を取り囲む環境、および/または配置場所(例えば、パレットコンテナもしくは他の出荷ユニット内、倉庫カート上、および/または任意の他の適切な場所)の環境に基づいて把持動作を計画することを含む。把持動作を計画することは、第1のクランプ要素と対象物体(複数可)を位置合わせすること、第1のクランプ要素と第2のクランプ要素の間の開始距離などを含むアーム先端ツール(例えば、図5Aおよび6Aに示す)のアプローチを計画すること、(例えば、第1および第2のクランプ構成要素を介してクランプすること、対象物体(複数可)の下面を露出させるようにアーム先端ツールを作動すること、第3のクランプ構成要素を介して対象物体(複数可)の下面を支持することによって)対象物体(複数可)を係合および把持するための動作、周囲環境との接触を避けながら、ピッキング場所と配置場所の間の移動経路を計画すること、解放動作を計画すること(例えば、配置場所を識別すること、識別された場所でアーム先端ツールを位置合わせすること、第3のクランプ構成要素を係合解除すること、アーム先端ツールを適所に下降させること、対象物体(複数可)を解放するように第2のクランプ構成要素を作動させることなど)、配置場所から離れる移動経路(例えば、離れる軌道)を計画すること、および/または任意の他の適切な詳細を含み得る。いくつかの実施形態では、把持動作を計画することは、把持動作を実行するためにアーム先端ツールおよび/またはそれに結合された任意のコントローラによって実行できる把持動作の各段階のためのコマンドを生成することを含む。さらに、ブロック803で把持動作を計画することは、上述の動作のうちの1つまたは複数を完了するために実行するロボットシステム(例えば、図1のロボットシステム100)の1つまたは複数の構成要素および/またはその構成要素(例えば、図3のロボットユニット300、図4のアーム先端ツール400など)のためのコマンドを生成することを含む。例えば、図8Aに示すように、ブロック803で把持動作を計画することは、対象物体(複数可)をクランプおよび/または指示するコマンドを生成すること、対象物体(複数可)を搬送するコマンドを生成すること、対象物体(複数可)を解放するコマンドを生成すること、および/または配置場所から離れるコマンドを生成することを含み得る。
【0080】
把持操作を計画する際に、プロセス800は、対象物体(複数可)の側面が第1および第2のクランプ構成要素の縦軸端部と位置合わせする(またはその周辺に位置する)ように、対象物体(複数可)上の把持位置を導き出すことができる(例えば、図5A~7Eに示すように)。位置合わせにより、アーム先端ツールは、対象物体(複数可)を、配置場所で以前に配置された物体および/または障壁の近くに配置することができる。さらに、プロセス800は、目標とするクランプ位置および/またはクランプ要素の動作(計画された把持位置とも呼ばれる)を計画することができる。例えば、プロセス800は、第1のクランプ要素の開始位置と、第2のクランプ要素の予想される移動距離とを、それらの間に対象物体(複数可)を係合するように特定することができる。計画は、特に、クランプ構成要素が計画された把持位置から閾値距離の外側にある場合、より速いスピードで、フィードバックセンサを監視するためにより遅いサンプリング頻度で、またはクランプ構成要素を動作させるための同様の設定で、ロボットシステム100(および/またはそのアーム先端ツール)が作動することを可能にし得る。ロボットシステム100は次に、クランプ構成要素が予想のクランプ位置に近い場合(例えば、第1および第2のクランプ構成要素が対象物体(複数可)との予想の係合の閾値距離内にある場合)、移動スピード、サンプリング感度などの設定を調整することができる。
【0081】
ブロック804~808において、プロセス800は次に、計画された把持動作を実施することを含む。ブロック804において、プロセス800は、対象物体(複数可)を把持することを含む。把持プロセスに関する追加の詳細は、図8Bに関して以下に説明する。ブロック806で、プロセス800は、対象物体(複数可)をピッキング場所から配置場所にブロック803で計画した移動経路に沿って搬送することを含む。いくつかの実施形態では、ブロック806は、搬送中に環境を監視して、危険および/または障害物(例えば、アーム先端ツールの近くで移動する人間および/または他のロボット構造)を検出および回避することを含む。ブロック808において、プロセスは、対象物体(複数可)を配置場所で解放することを含む。配置プロセスに関する追加の詳細は、図8Cに関して以下で説明される。
【0082】
図8Bは、本技術のいくつかの実施形態による、図8Aのブロック804で梱包作業中に1つまたは複数の対象物体をピッキングするプロセス810の流れ図である。プロセス800は、アーム先端ツール自体のコントローラによって、および/または外部コントローラ(例えば、図2の制御ユニット202を有する図1のコントローラ109)によって実行することができる。さらに、プロセス810の各ステップは、図8Aのブロック803で計画することができる。
【0083】
ブロック812で、プロセス810は、アーム先端ツールをピックアップ場所で対象物体(複数可)と位置合わせすることを含む。図5Aおよび6Aに示すように、位置合わせは、対象物体(複数可)の第1の側面に接触して(または、隣接して)第1のクランプ構成要素を配置して、第2のクランプ構成要素の移動を減少させる、および/または第2のクランプ構成要素が対象物体(複数可)を押さなければならない距離を減少させることを含み得る。さらに、上述のように、位置合わせは、アーム先端ツールの縦方向端部を対象物体(複数可)の第2の側面(または、ほぼ第2の側面)と位置合わせすることを含み得る。
【0084】
ブロック814で、プロセス810は、例えば、図5Bおよび6Bに示すように、第2のクランプ構成要素および第1のクランプ構成要素を作動させることを含む。作動は、図1のコントローラ109の制御下でアクチュエータシステムおよび/または任意の他の適切な部品によって駆動することができる。作動の結果として、第2のクランプ構成要素は、第1の側面とは反対側の対象物体(複数可)の第3の側面と接触し、対象物体(複数可)を第1のクランプ構成要素に押し込む。いくつかの実施形態では、プロセス810は、ブロック814の後、第1および第2のクランプ構成要素が対象物体に係合して(例えば、第3のクランプ構成要素に係合することなく)終了することができる。他の実施形態では、プロセス810はブロック816に続く。
【0085】
ブロック816で、プロセス810は、例えば図5Cに示すように、アーム先端ツールを動かして、対象物体(複数可)の下面の少なくとも一部を露出させることを含む。ブロック816は、図1のコントローラ109の制御下で、ロボットユニット(例えば、図3のロボットユニット300)および/または任意の他の適切な部品によって実行することができる。様々な実施形態では、動きは、純粋に横方向(例えば、下面に支持を加える前に、コンベヤベルトまたは他のピックアップ場所から対象物体(複数可)を部分的に引き離す)、部分的に垂直、および/または純粋に垂直(例えば、所定の位置に対象物体(複数可)を持ち上げる)であってよい。さらに、いくつかの実施形態では、プロセス810は、ブロック816をスキップしてブロック818に直接移動することができる(例えば、下面の一部がすでに露出している場合、および/または第3のクランプ構成要素の延長部分が十分に薄い場合)。
【0086】
ブロック818で、プロセス810は、例えば、5Dおよび6Cに示すように、第3のクランプ構成要素を作動させて対象物体(複数可)の下面と係合させることを含む。ブロック814におけるプロセス810と同様に、第3のクランプ構成要素の作動は、図1のコントローラ109および/または任意の他の適切な構成要素の制御下でアクチュエータシステムによって駆動することができる。対象物体(複数可)の下面を係合させることで、搬送中の対象物体(複数可)の安定性を高めることができ、これは、重い物体および/または高速搬送に特に役立ち得る。
【0087】
図8Cは、本技術のいくつかの実施形態による、図8Aのブロック808の梱包作業中に1つまたは複数の対象物体を配置するプロセス820の流れ図である。プロセス800は、アーム先端ツール自体のコントローラによって、および/または外部コントローラ(例えば、図2の制御ユニット202を有する図1のコントローラ109)によって実行することができる。さらに、プロセス820の各ステップは、図8Aのブロック803で計画することができる。
【0088】
ブロック822で、プロセス820は、アーム先端ツールを配置位置に位置合わせすることを含む。位置合わせにより、アーム先端ツールを配置位置の真上および/または隣接する場所に配置することができる。位置合わせプロセスは、図1のコントローラ109および/または任意の他の適切な部品の制御下で、ロボットユニット(例えば、図3のロボットユニット300)によって実行することができる。いくつかの実施形態では、位置合わせは、計画された配置位置(例えば、図7Aの計画700)に基づく。配置計画に基づく位置合わせにより、対象物体(複数可)をつかみながらアーム先端ツールを素早く移動させることができる。いくつかの実施形態では、位置合わせは、アーム先端ツールが接近するときの配置位置の分析に反応する。例えば、図4のセンサシステム450は、図1のコントローラ109および/または任意の他の適切な部品を使用して、対象物体(複数可)の適切な配置場所を決定するアーム先端ツールが接近するときの配置位置の画像データを得ることができる。反応的な位置合わせにより、アーム先端ツールを1つまたは複数の他の構成要素(例えば、第2のアーム先端ツール、人間、別のロボットシステムなど)と組み合わせて使用可能にすることができる。
【0089】
ブロック824で、プロセス820は、第3のクランプ構成要素を作動させて、対象物体(複数可)の下面を係合解除することを含む。作動は、図1のコントローラ109の制御下でアクチュエータシステムおよび/または任意の他の適切な部品によって駆動することができる。作動の結果として、第3のクランプ構成要素の延長部分は、アーム先端ツールが配置位置で対象物体(複数可)を解放するときに邪魔にならないようにすることができる。いくつかの実施形態では、プロセス820は、ブロック822の前に(または同時に)ブロック824を実施して、アーム先端ツールを配置場所に位置合わせする前に(またはアーム先端ツールを配置場所に位置合わせしている間)、対象物体(複数可)の下面を外すことができる。いくつかの実施形態では、プロセス820は、ブロック824をスキップすることができる(例えば、第3のクランプ構成要素が使用されていないとき)。
【0090】
ブロック826で、プロセス820は、例えば、図7B~7Eに示すように、アーム先端ツールを配置位置に移動することを含む。様々な実施形態において、アーム先端ツールの動きは、完全に垂直であり、横方向成分を有し得る、および/または完全に横方向にして対象物体(複数可)を配置場所に配置することができる。動きは、図1のコントローラ109および/または任意の他の適切な構成要素の制御下で、ロボットユニット(例えば、図3のロボットユニット300)によって制御することができる。いくつかの実施形態では、プロセス820は、ブロック824の前にブロック826を実施する(例えば、延長部分が解放されるまで対象物体(複数可)を支持する必要がある場合)。
【0091】
ブロック828で、プロセス820は、第2のクランプ構成要素を第1のクランプ構成要素から離すように作動させることを含む。作動は、図1のコントローラ109の制御下でアクチュエータシステムおよび/または任意の他の適切な部品によって駆動することができる。さらに、作動は、対象物体(複数可)を係合解除し、それによって、第1のクランプ構成要素を動かす必要なく、配置位置で対象物体を解放する。結果として、配置位置は、第1のクランプ構成要素の厚さにほぼ等しい距離だけ、他の物体(例えば、以前に配置された対象物体)から離間させることができる。
【0092】
ブロック830で、プロセス820は、アーム先端ツールを持ち上げて対象物体(複数可)から離し、配置位置から離れることを含む。離脱は、計画された軌道、および/または周囲環境に関するリアルタイム情報に基づいて、図1のコントローラ109および/または任意の他の適切な構成要素の制御下で、ロボットユニット(例えば、図3のロボットユニット300)によって制御することができる。
【0093】
プロセス820が完了すると、1つまたは複数の対象物体(複数可)の次のセットについて、システムは図8Aのブロック802に戻ることができる。いくつかの実施形態では、次の対象物体(複数可)のパラメータ(複数可)は同じ(またはほぼ同様)であり、システムが図8Aのプロセス800がブロック803に迅速に移動するのを可能にし、計画されたつかむ動作の一部(例えば、アーム先端ツール用に計画された構成)を再利用することを可能にする。いくつかの実施形態では、次の対象物体のパラメータ(複数可)が異なり、図8Aのプロセス800が完全に新しいつかむ動作を計画する必要がある。
【0094】
さらなる実施形態
図9および10は、本技術のさらなる実施形態による、梱包作業の計画900、1000の部分上面模式図である。図9および図10に示される計画900、1000は、(例えば、対象物体の異なる重量分布、異なるサイズ、および/または計画された外周、および/または任意の他の適切な要因に基づいて図7Aの計画700の代替として)対象物体を出荷ユニット910、1010に積み込むために実施することができる。
【0095】
図9に示す実施形態では、計画900は、第1のグループの対象物体912、第1のグループの対象物体912に隣接する第2の対象物体914、第2の対象物体914および第1のグループの対象物体912に隣接する第3の対象物体916、ならびに第1のグループの対象物体912の反対側で第2および第3の対象物体914、916に隣接する第4のグループの対象物体918の位置を含む。さらに図9に示すように、計画900は、一度に4つの対象物体のグループを把持するためにアーム先端ツールを要求することができる。さらに、様々な実施形態では、アーム先端ツールは、1つの対象物体、2つの対象物体、3つの対象物体、4つの対象物体、5つの対象物体、および/または任意の他の適切なグループサイズを把持するように構成することができる。
【0096】
図10に示す実施形態では、計画1000は、第1グループの対象物体1012、第1グループの対象物体1012に隣接する第2グループの対象物体1014、ならびに第1グループの対象物体1012の反対側で第2グループの対象物体1014に隣接する第3グループの対象物体1016の位置を含む。さらに図10に示すように、計画1000は、様々な向きおよび様々なサイズの対象物体のグループを把持するためにアーム先端ツールを必要とすることができる。例えば、第3のグループの対象物体1016内の対象物体の各々は、第2のグループの対象物体1014内の対象物体よりも小さい。さらに、第3グループの対象物体1016内の各対象物体は、第2グループの対象物体1014内の対象物体の長軸から90度回転した長軸を有する。
【0097】
図11Aおよび図11Bは、本技術のいくつかの実施形態による、梱包作業の様々な段階におけるアーム先端ツール1100を示す部分模式図である。図11Aに示すように、アーム先端ツール1100は、図4を参照して上述したアーム先端ツール400とほぼ同様である。例えば、アーム先端ツール1100は、フレーム1102と、アクチュエータシステム1110、第1のクランプ構成要素1120、第2のクランプ構成要素1130、および第3のクランプ構成要素1140とを含み、それぞれフレーム1102によって担持される。さらに、アクチュエータシステム1110は、第1および第2のクランプ構成要素1130、1140に結合されて、第1および第2のクランプ構成要素1130、1140を上述のすべての方法で移動させる。
【0098】
さらに図11Aに示すように、アーム先端ツール1100は、1つまたは複数の格納式グリッパー1160(図11Aには3つが示されている)を含む。図示の実施形態では、格納式グリッパーは、第1のクランプ構成要素1120に隣接して配置可能な第1のグリッパー1161と、第3のクランプ構成要素1140によって担持される2つの第2のグリッパー1165とを含む。第1のグリッパー1161は、旋回可能なアーム1162、旋回可能なアーム1162に結合された拡張可能なアーム1164、および旋回可能なアーム1162の遠位端によって担持される吸引把持構成要素1168を含む。旋回可能なアーム1162は、フレーム1102に結合され、第1の位置(例えば、図4に示されるような)と第2の位置(例えば、図11Aに示されるような)との間で、拡張可能なアーム1164の拡張および収縮によって第5の運動経路Eに沿って移動可能である。様々な実施形態では、拡張可能なアーム1164は、伸縮構成要素(例えば、ピストン)、延長トラック、および/または任意の他の適切な構成要素を含み得る。旋回可能なアーム1162が第1の位置にあるとき、吸引把持構成要素1168は、アーム先端ツール1100の最下縁部の上に配置され、したがって、上述の把持動作を妨げない。いくつかの実施形態では(例えば、図4に示されるように)、旋回可能なアーム1162が第1の位置にあるとき、吸引把持構成要素1168は、フレーム1102とほぼ同様の高さにあり、クランプ構成要素のいずれかおよび/またはそれに係合された任意の対象物体の上に完全にある。旋回可能なアーム1162が第2の位置にあるとき、吸引把持構成要素1168は、アーム先端ツール1100の最下縁部の下方に配置される。
【0099】
第2のグリッパー1165はそれぞれ、第3のクランプ構成要素1140の外面によって担持される拡張可能なアーム1166と、拡張可能なアーム1166の遠位端によって担持される吸引把持構成要素1168とを含む。旋回可能なアーム1162と同様に、拡張可能なアーム1166(例えば、伸縮構成要素、伸縮可能なトラックなど)は、第1の位置と第2の位置との間で第6の運動経路Fに沿って移動可能である。拡張可能なアーム1166が第1の位置にあるとき、吸引把持構成要素1168は、アーム先端ツール1100の下縁部より上に(例えば、アーム先端ツール1100の第1および/または第2のクランプ構成要素の下縁部より上の高さに)配置される。したがって、上述の把持操作中にアーム先端ツール1100の動きを妨げない。拡張可能なアーム1166が第2の位置にあるとき、吸引把持構成要素1168は、アーム先端ツール1100の下縁部より下に(例えば、アーム先端ツール1100の第1および/または第2のクランプ構成要素の下縁部より下の高さに)配置される。
【0100】
さらに図11Aに示すように、吸引把持構成要素1168がアーム先端ツール1100の最下縁部の下にあるとき、吸引把持構成要素1168を使用してディバイダ20を把持することができる。仕切板20は、搬送ユニット内の対象物体の層および/またはグループを分離する間紙または他の適切な構成要素とすることができる。例えば、図11Bに示すように、アーム先端ツールは、吸引把持構成要素1168を使用して、別の層を追加配置する前に、対象物体10cの層の上に仕切り20を配置することができる。
【0101】
図12は、本技術のさらなる実施形態に従って構成されたアーム先端ツールの部分模式図である。図12に示すように、アーム先端ツール1200は、図4を参照して上述したアーム先端ツール400とほぼ同様である。例えば、アーム先端ツール1200は、フレーム1202と、接続フランジ1204、アクチュエータシステム1210、第1のクランプ構成要素1220、第2のクランプ構成要素1230、および第3のクランプ構成要素1240とを含み、それぞれフレーム1202によって担持される。さらに、アクチュエータシステムは、1つまたは複数のトラック1212(1つが図12に示されている)、第2のクランプ構成要素1230および第3のクランプ構成要素1240をトラック(複数可)1212に結合している2つ以上のキャリッジ1214(1つがラベル付けされ、2つが示されている)、およびキャリッジ1214に動作可能に結合されて、トラック(複数可)1212に沿ってそれらの動きを駆動する1つまたは複数のドライバ1216を含む。さらに、キャリッジ1214がトラック(複数可)1212に沿って移動するとき、それらは、第2のクランプ構成要素1230および第3のクランプ構成要素1240のうちの対応する1つを、第1のクランプ構成要素1220に向かっておよびそこから離れるように移動させる。
【0102】
図12は、第1、第2、および第3のクランプ構成要素1220、1230、1240のそれぞれの詳細も示す。例えば、第1のクランプ構成要素1220は、アーム先端ツール1200によって操作される対象物体間の距離を減らすために、約1mmから約3cmの間の厚さT2を有する剛性材料である。第2のクランプ構成要素1230は、第2のクランプ面1232上に把持基板1236を含む。把持基板1236は、粘着性材料および/または静止摩擦係数が比較的高い材料とすることができる。その結果、把持基板1236は、第1および第2のクランプ構成要素1220、1230の間の対象物体が滑る量を減らすのに役立つことができる。第3のクランプ構成要素1240は、第3のクランプ構成要素1240の長手方向スパンを横切って(またはほぼ横切って)延びる延長部分1242を含む。その結果、延長部分1242に沿って延長部分1242に隙間がなくなり、任意のサイズおよび/または厚さの対象物体を支持するのに役立つ。
【実施例
【0103】
本技術は、例えば、以下に説明される様々な態様に従って説明される。本技術の態様の様々な実施例は、便宜上、番号付けされた実施例(1、2、3など)として記載されている。これらは実施例として提供されており、本技術を限定するものではない。従属する実施例のいずれも、任意の適切な方法で組み合わせることができ、それぞれの独立した実施例の中に配置することができることに留意されたい。他の実施例も同様に提示することができる。
【0104】
1.アーム先端ツールであって、
フレームと、
フレームによって担持され、第1の軸に沿って延びる第1のクランプ構成要素と、
フレームによって担持され、第1の軸に沿って延びる第2のクランプ構成要素と、
第1のクランプ構成要素に対して第2のクランプ構成要素の周囲のフレームによって運ばれる第3のクランプ構成要素であって、第3のクランプ構成要素は、第1の軸に沿って延在し、第2のクランプ構成要素の下縁部の下で第1のクランプ構成要素に向かって延在する1つまたは複数の延長部分を含む、第3のクランプ構成要素と、
フレームによって担持され、第2のクランプ構成要素および第3のクランプ構成要素に動作可能に結合されて、第2のクランプ構成要素および第3のクランプ構成要素を第1の軸に少なくとも部分的に直交する第2の軸に沿って独立して移動させるアクチュエータシステムとを含むアーム先端ツール。
【0105】
2.アクチュエータシステムは、
フレームによって担持され、第2の軸に沿って延びるトラックと、
第2のクランプ構成要素を第2の軸に沿って移動させるために、トラックと第2のクランプ構成要素との間に動作可能に結合された第1のキャリッジと、
第3のクランプ構成要素を第2の軸に沿って移動させるために、トラックと第3のクランプ構成要素との間に動作可能に結合された第2のキャリッジと、を備える、実施例1に記載のアーム先端ツール。
【0106】
3.第2のクランプ構成要素は、アクチュエータシステムに結合され、第1の軸および第2の軸に少なくとも部分的に直交する第3の軸に沿って延在する補強ブラケットを含む、実施例1または2に記載のアーム先端ツール。
【0107】
4.第3のクランプ構成要素は、第2の軸に沿って補強ブラケットと位置合わせされ、第3のクランプ構成要素が第2のクランプ構成要素に隣接するときに補強ブラケットと入れ子になるように構成された開口部を含む、実施例3に記載のアーム先端ツール。
【0108】
5.第2のクランプ構成要素は、第1のクランプ構成要素に向かって配向されたクランプ面を含み、第2のクランプ構成要素は、クランプ面上に配置された把持基板をさらに含む、実施例1から4のいずれか1つに記載のアーム先端ツール。
【0109】
6.第1のクランプ構成要素は3センチメートル未満の厚さを有する、実施例1から5のいずれか1つに記載のアーム先端ツール。
【0110】
7.フレームによって担持され、アーム先端ツールに隣接する対象物体の1つまたは複数のパラメータを測定するように配置されたイメージングシステムをさらに備える、実施例1から6のいずれかに記載のアーム先端ツール。
【0111】
8.フレームによって担持される1つまたは複数の格納式アームをさらに備え、1つまたは複数の格納式アームのそれぞれは吸引把持構成要素を含み、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、
第1の位置において、吸引把持構成要素は、第2のクランプ構成要素の下縁の上の第1の高さにあり、
第2の位置において、吸引把持構成要素は、第2のクランプ構成要素の下縁部より下の第2の高さにある、実施例1から7のいずれかに記載のアーム先端ツール。
【0112】
9.アーム先端ツールを動作させるための方法であって、
1つまたは複数の対象物体のパラメータを識別することであって、パラメータは1つまたは複数の対象物体の寸法を含むことと、
目的地での1つまたは複数の対象物体の計画された配置位置を識別することと、
1つまたは複数の対象物体を把持するためのコマンドを生成することであって、
アーム先端ツールは、フレーム、フレームによって担持される第1のクランプ構成要素、フレームによって担持される第2のクランプ構成要素、およびフレームによって担持される第2のクランプ構成要素の周囲の第3のクランプ構成要素を含み、第3のクランプ構成要素は、第2のクランプ構成要素の下縁部の下で第1のクランプ構成要素に向かって延びる延長部分を含み、
1つまたは複数の対象物体を把持することは、1つまたは複数の対象物体の対向する側面を第1および第2のクランプ構成要素と係合させ、1つまたは複数の対象物体の下面を第3のクランプ構成要素の延長部分と係合させることを含むことと、
ピックアップ場所から目的地の計画された配置位置に1つまたは複数の対象物体を搬送するためのコマンドを生成することと、
計画された配置位置で1つまたは複数の対象物体を解放するためのコマンドを生成することと、
を含む、方法。
【0113】
10.1つまたは複数の対象物体を把持するためのコマンドを生成することは、
ピックアップ場所で、1つまたは複数の対象物体の第1の側面に隣接する第1のクランプ構成要素を位置合わせするコマンドを生成することと、
フレームの横軸に沿って第2のクランプ構成要素を第1のクランプ構成要素に向かって移動させ、ピックアップ場所で1つまたは複数の対象物体の第2の側面と係合させるコマンドを生成することと、
第3のクランプ構成要素をフレームの横軸に沿って第1のクランプ構成要素に向かって移動させて、第3のクランプ構成要素の延長部分を1つまたは複数の対象物体の下面の下に配置するコマンドを生成することと、を含む、実施例9に記載の方法。
【0114】
11.1つまたは複数の対象物体を把持するためのコマンドを生成することは、第3のクランプ構成要素の延長部分によって係合される1つまたは複数の対象物体の下面を少なくとも部分的に露出するために、第2のクランプ構成要素を移動させた後、かつ第3のクランプ構成要素を移動させる前に、アーム先端ツールを移動させるコマンドを生成することをさらに含む、実施例10に記載の方法。
【0115】
12.1つまたは複数の対象物体を把持するためのコマンドを解放することは、
フレームの横軸に沿って第3のクランプ構成要素を第1のクランプ構成要素から離して移動させて、1つまたは複数の対象物体の下面との係合を解除するコマンドを生成することと、
コマンドを生成して、1つまたは複数の対象物体を計画された配置位置に位置合わせすることと、
フレームの横軸に沿って第2のクランプ構成要素を第1のクランプ構成要素から離して移動させて、1つまたは複数の対象物体との係合を解除するコマンドを生成することと、
アーム先端ツールを計画された配置位置から持ち上げるコマンドを生成することと、を含む、実施例9から11のいずれかに記載の方法。
【0116】
13.アーム先端ツールを持ち上げて計画された配置位置から離すコマンドを生成することは、アーム先端ツールを垂直方向に動かして、第1のクランプ構成要素との接触を介した1つまたは複数の対象物体の接触移動を回避するコマンドを生成することを含む、実施例12に記載の方法。
【0117】
14.計画された配置位置は、第1のクランプ構成要素の厚さにほぼ等しい距離だけ、1つまたは複数の以前に配置された対象物体から離間される、実施例9から13のいずれかに記載の方法。
【0118】
15.1つまたは複数の対象物体を解放するためのコマンドを生成することは、1つまたは複数の以前に配置された対象物体と1つまたは複数の対象物体との間の第1のクランプ構成要素を用いてアーム先端ツールを配向するコマンドを生成することを含む、実施例14に記載の方法。
【0119】
16.ロボットシステムであって、
ロボットアームに動作可能に結合可能な物体把持機構であって、物体把持機構は、
第1の軸と、第1の軸に直交する第2の軸とを有するフレームと、
フレームによって担持されるアクチュエータシステムと、
フレームによって担持される外部クランプ構成要素であって、外部クランプ構成要素はフレームの外縁に沿って第1の軸に沿って延在する、外部クランプ構成要素と、
アクチュエータシステムに動作可能に結合され、第1の軸に沿って延在する内部クランプ構成要素であって、アクチュエータシステムは、内部クランプ構成要素を第2の軸に沿って外部クランプ構成要素に向かっておよび外部クランプ構成要素から遠ざけるように移動させて、1つまたは複数の対象物体を外部クランプ構成要素と内部クランプ構成要素との間に係合させるように構成される、内部クランプ構成要素と、
アクチュエータシステムに動作可能に結合された支持クランプ構成要素であって、支持クランプ構成要素は、第1の軸に沿って延在し、内部クランプ構成要素の周囲に配置され、支持クランプ構成要素は、外部クランプ構成要素に向かって延在する少なくとも1つの延長部分を含み、アクチュエータシステムは、支持クランプ構成要素を第2の軸に沿って外部クランプ構成要素に向かっておよび外部クランプ構成要素から離れるように移動させるように構成される、支持クランプ構成要素と、
を備える、ロボットシステム。
【0120】
17.物体把持機構は、
支持クランプ構成要素の外面に結合された第1の格納式グリッパーであって、第1の格納式グリッパーは第1の吸引グリッパーを含み、第1の格納式グリッパーは、第1の吸引グリッパーを外部クランプ構成要素の下縁部の上方に保持する第1の位置と、第1の吸引グリッパーを、外部クランプ構成要素の下縁部の下方に保持する第2の位置との間で移動可能である、第1の格納式グリッパーと、
フレームに結合された第2の格納式グリッパーであって、第2の格納式グリッパーは第2の吸引グリッパーを含み、第2の格納式グリッパーは、第2の吸引グリッパーを内部クランプ構成要素の下縁部の上方に保持する第3の位置と、第2の吸引グリッパーを、内部クランプ構成要素の下縁部の下方に保持する第4の位置との間で移動可能である、第2の格納式グリッパーと、をさらに含む、実施例16に記載のロボットシステム。
【0121】
18.アクチュエータシステムは、外部クランプ構成要素を第2の軸に沿って内部クランプ構成要素に向かっておよび内部クランプ構成要素から遠ざけるように移動させるように構成される、実施例16または17のいずれかに記載のロボットシステム。
【0122】
19.物体把持機構は、フレームによって担持され、物体把持機構に隣接する対象物体の1つまたは複数のパラメータを測定するように配置されたイメージングシステムをさらに含む、実施例16から18のいずれかに記載のロボットシステム。
【0123】
20.ロボットアームおよび物体把持機構に動作可能に結合されたコントローラであって、コントローラは、コントローラによって実行されると、コントローラに、
ロボットアームを介して、ピックアップ場所で1つまたは複数の対象物体の第1の側面に隣接する外部クランプ構成要素を位置合わせさせ、
アクチュエータシステムを介して、内部クランプ構成要素を第2の軸に沿って外部クランプ構成要素に向かって移動させて、ピックアップ場所で1つまたは複数の対象物体の第2の側面に係合させ、1つまたは複数の対象物体を外部クランプ構成要素に押し込ませ、
アクチュエータシステムを介して、支持クランプ構成要素を第2の軸に沿って外部クランプ構成要素に向かって移動させて、少なくとも1つの延長部分を1つまたは複数の対象物体の下面の下に配置させる、コントローラをさらに備える、実施例16から19のいずれかに記載のロボットシステム。
【0124】
21.物体把持機構に動作可能に結合されたロボットアームをさらに備える、実施例16~20のいずれかに記載のロボットシステム。
【0125】
結論
前述のことから、本技術の特定の実施形態は、説明の目的で本明細書に記載されているが、本技術の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の構造および機能は詳細に示されていないかまたは説明されていないことが理解されよう。参照により本明細書に組み込まれる資料が本開示と矛盾する範囲では、本開示が支配する。文脈が許す場合、単数または複数の用語はまた、それぞれ、複数または単数の用語を含み得る。さらに、「または」という単語が、2つ以上の項目のリストを参照して、他の項目から排他的な単一の項目のみを意味するように明示的に限定されていない限り、そのようなリストでの「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内のすべての項目、または(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用される場合、「Aおよび/またはB」におけるフレーズ「および/または」は、Aのみ、Bのみ、およびAとBの両方を指す。加えて、用語「備える、含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」および「備える(with)」は、任意のより多数の同じ特徴および/または追加の種類の特徴が排除されないように、少なくとも列挙された特徴(複数可)を含むことを意味するために、本開示を通して使用される。さらに、「おおよそ」および「約」という用語は、本明細書では、所与の値または限界の少なくとも10パーセント以内を意味するために使用される。純粋に例として、おおよその比率は、所与の比率の10パーセント以内を意味する。
【0126】
前述のことから、本開示または本技術から逸脱することなく種々の修正が行われてもよいことも理解されるであろう。例えば、当業者は、本技術の様々な構成要素をさらにサブ構成要素に分割することができること、または本技術の様々な構成要素および機能を組み合わせて統合され得ることを理解するであろう。特定の例では、上述したように、アーム先端部ツールは、本明細書では主に固定された第1のクランプ構成要素を有するものとして説明されているが、第1のクランプ構成要素は、アクチュエータシステムに結合されて、第2のクランプ構成要素に向かって、および第2のクランプ構成要素から離れるように移動することができる。いくつかの実施形態では、第1のクランプ構成要素のみがアクチュエータシステムに結合される。そのような実施形態では、アーム先端ツールは、第2および第3のクランプ構成要素がピックアップ場所(例えば、コンベヤベルト上)に隣接するように配置することができ、第1のクランプ構成要素は、1つまたは複数の対象物体を第2のクランプ構成要素と接触させ、および/または第3のクランプ構成要素によって支持された位置に押し込むように作動することができる。様々な他の実施形態では、第1、第2、および第3のクランプ構成要素のいずれかをアクチュエータシステムに結合して、必要に応じて横断軸に沿って移動させることができる。加えて、特定の実施形態に照らして記載された本技術の一定の態様はまた、他の実施形態では組み合わせられてもよいし、あるいは排除されてもよい。さらに、本技術の一定の実施形態と関連付けられた利点は、それらの実施形態に照らして記載されたが、他の実施形態もまた、そのような利点を呈し得、すべての実施形態が、その技術の範囲内に入るように必ずしもそのような利点を呈することを要するとは限らない。したがって、本開示および関連付けられた技術は、本明細書に明示的に示されないまたは記載されない他の実施形態を包含することができる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図12
【国際調査報告】