(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】小ボリュームのデジタルボリュームトモグラフィ撮像のための方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/51 20240101AFI20240910BHJP
A61B 6/00 20240101ALI20240910BHJP
【FI】
A61B6/51 511
A61B6/00 550P
A61B6/00 520Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513845
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2022070174
(87)【国際公開番号】W WO2023030741
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】ブレッヒャー、ボルフ
(72)【発明者】
【氏名】エルバーズ、ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA12
4C093CA04
4C093EC21
4C093FA15
4C093FA22
4C093FA54
4C093FA55
4C093FC28
4C093FF35
(57)【要約】
本発明は、歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、次のステップを備え、すなわち、(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され;(b)3Dスカウト画像(9a)が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ(10)及び所定の回転中心(11’)を用いて作成され;(c)3Dスカウト画像(9a)上で、施術者が、高解像度情報(9b)を有することが望まれる歯(12)を囲み形状(13)を用いてマークし;(d)ソフトウェアが、囲み形状(13)の位置に基づいて、この囲み形状(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、囲み形状(13)の基準点(13a~13h)に基づいて、利用可能な回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し;(e)撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、回転中心(11”)が、利用可能な回転中心(11)のセットから選択され、この回転中心(11”)について、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、決定され;(f)先に決定されたアパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度撮像が、利用可能なもののセットから選択された回転中心(11”)及び送信されたアパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され;(g)高解像度画像(9b)が、再構築され、新しく取得された高解像度情報(9b)が、3Dスカウト画像(9a)内に重ね合わせられ;(h)施術者が、診断及びさらなる使用のために、先にマークされた囲み形状(13)が高解像度情報(9b)によって重ね合わせられている3Dスカウト画像(9a)を受信することを特徴とする、方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、前記方法が以下のステップを備え、すなわち、
(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され、
(b)3Dスカウト画像(9a)が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ(10)及び所定の回転中心(11’)を用いて撮影され、
(c)前記3Dスカウト画像(9a)上で、操作者が、高解像度情報(9b)を有することが望まれる歯(12)を囲み形状(13)を用いてマークし、
(d)ソフトウェアが、前記囲み形状(13)の位置に基づいて、前記囲み形状(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、前記囲み形状(13)の基準点(13a~13h)に基づいて、利用可能な前記回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し、
(e)前記撮像位置(13a’~13h’)を使用して、回転中心(11”)が、利用可能な前記回転中心(11)のセットから選択され、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、前記回転中心(11”)について決定され、
(f)先に決定された前記アパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、前記X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度暴露が、利用可能な前記回転中心の前記セットから選択された前記回転中心(11”)及び送信された前記アパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され、
(g)高解像度画像(9b)が再構築され、新しく取得された高解像度情報(9b)が前記3Dスカウト画像(9a)内に重ね合わせられ、
(h)先にマークされた前記囲み形状(13)が前記高解像度情報(9b)によって重ね合わせられている前記3Dスカウト画像(9a)が、評価のため及びさらなる使用のために施術者に表示されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、前記方法が以下のステップを備え、すなわち、
(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され、
(b1’)施術者が、歯チャート(5a)を使用して、高解像度情報を有することが望まれる歯(12)をマークし、
(b2’)前記X線デバイス(2)が、マークされた前記歯(12)を確実に撮像する3Dスカウト画像(9a)用の最適に較正された回転中心(11’)を自動的に決定し、
(b3’)前記3Dスカウト画像(9a)が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ(10)及びステップ(b2’)からの最適に較正された前記回転中心(11’)を用いて作成され、
(c’)ソフトウェアが、マークされた前記歯(12)を前記3Dスカウト画像(9a)上で位置特定し、マークされた前記歯(12)を囲む囲み形状(13)を自動的に決定し、
(d)ソフトウェアが、前記囲み形状(13)の位置を使用して、前記囲み形状(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、前記囲み形状(13)の基準点(13a~13h)を使用して、利用可能な前記回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し、
(e)前記撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、回転中心(11”)が、利用可能な前記回転中心(11)のセットから選択され、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、前記回転中心(11”)について決定され、
(f)先に決定された前記アパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、前記X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度撮像が、利用可能な回転中心の前記セットから選択された前記回転中心(11”)及び送信された前記アパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され、
(g)高解像度画像(9b)が、再構築され、新しく取得された高解像度情報(9b)が、前記3Dスカウト画像(9a)上に重ね合わせられ、
(h)先にマークされた前記囲み形状(13)が前記高解像度情報(9b)によって重ね合わせられている前記3Dスカウト画像(9a)が、診断のため及びさらなる使用のために前記施術者に表示されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、前記方法が以下のステップを備え、すなわち、
(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され、
(b”)操作者が、高解像度情報(9b)を有することが望まれる領域(5b)をユーザインタフェース(5)上で決定し、
(c”)ソフトウェアが、選択された前記領域(5b)及び閉じられたこめかみ支持具(6)又は他の補助具の位置を使用して囲み形状(13)を決定し、
(d)前記囲み形状(13)の位置に基づいて、ソフトウェアが、前記囲み部(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、前記囲み形状(13)の基準点(13a~13h)に基づいて、利用可能な前記回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し、
(e)前記撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、回転中心(11”)が、利用可能な前記回転中心(11)のセットから選択され、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、前記回転中心(11”)について決定され、
(f)先に決定された前記アパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、前記X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度撮像が、利用可能な前記回転中心の前記セットから選択された前記回転中心(11”)及び送信された前記アパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され、
(g’)前記高解像度撮像(9b)が、再構築され、評価のために前記操作者に提示されることを特徴とする、方法。
【請求項4】
ステップ(e)では、前記撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、前記X線検出器(4)上に最も有利な撮像位置(13a’~13h’)を提供する前記回転中心(11”)が、陽極角による撮像歪みなどの影響、患者から検出器までの距離、又は効果的な線量の最小化、アパーチャ移動の最小化、アパーチャ位置(14a~d)の数の最小化、若しくは照射される前記検出器領域(4a)のサイズの最小化などの基準を考慮に入れながら選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
コンピュータ化されたDVTシステム(1)によって実行されたとき、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法に係る各ステップを前記DVTシステムに実施させるコンピュータ可読コードを備えるコンピュータプログラム。
【請求項6】
X線デバイス(2)と、請求項5に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成されたコンピューティングユニット(8)とを備える、コンピュータ化されたDVTシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行出願の欧州特許第21193713.1号の全内容は、PCTの規定の下でこの国際出願を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
3D撮像のために小ボリュームを選択することは、特に歯内療法において大きな役割を果たしている。3D画像は、処置の成功に決定的なものとなり得る、歯根管の位置及び進路に関する重要な情報を施術者に提供する。(たとえば、単一の歯に十分なだけの)小ボリュームにより、2D画像と比べて施術者が取得する追加の洞察を否定することなく、患者への線量暴露が最小化される。単一の歯に限定された画像に関する問題は、一方ではボリュームの正確な配置、他方では小ボリュームを用いた撮像の正確な実行にある。特に、真円経路を進行せず、したがって、たとえば、デバイスの設置面積が小さくなるにつれてショルダクリアランスの増加をもたらすDVTデバイスの場合、利用可能な個々の回転中心は、デバイスの正確な実行を知ることによって、取得されたデータの良好な再構築を可能にするために較正される。現在、良好な再構築を提供しながら最大限の視野内に小サイズのボリュームを任意に置くことは可能ではない。通常、小ボリュームの自由な配置は、回転中心をシフトさせ、選択された点の周りで円形経路を駆動することによって実現され得る。小さい回転中心(たとえば、2×2cm又は4×4cm)の選択は、たとえば、パノラマスカウトショット又はライブビュービデオ配置によって、現在知られているX線デバイスにおいて実現される。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、各々が円形経路を進行するか否かにかかわらず、いくつかの利用可能な較正された回転中心がある場合に、DVT X線デバイスの最大限の視野(FoV)内の任意の位置に小ボリュームを置き、記録し、再構築するための方法を提供することを目的とする。
【0005】
本目的は、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法によって達成される。従属請求項の主題は、さらなる展開に関する。
【0006】
本発明による方法は、歯科分野における患者のデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像に使用される。これは、次のステップを備える:(a)患者が、X線デバイス内に配置される;(b)3Dスカウト画像が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ及び所定の回転中心を用いて作成される;(c)3Dスカウト画像上で、施術者が、高解像度情報を有することが望まれる歯を囲み形状を用いてマークする;(d)囲み形状の位置に基づいて、ソフトウェアが、この囲み形状が撮像され得る利用可能な回転中心を決定し、利用可能な回転中心の各々についてX線検出器上の撮像位置を算出するために囲み形状の基準点を使用する;(e)撮像位置を使用して、回転中心が、利用可能な回転中心のセットから選択され、この回転中心について、撮像のためのアパーチャ位置及び囲み形状に照射される検出器領域が、撮像中に決定される;(f)先に決定されたアパーチャ位置及び照射される検出器領域が、X線デバイスに送信され、このとき、高解像度撮像が、利用可能なもののセットから選択された回転中心及び送信されたアパーチャ位置を用いて実施される;(g)高解像度画像が再構築され、新しく取得された高解像情報が、3Dスカウト画像内に重ね合わせられる;(h)施術者が、診断及びさらなる使用のために、先にマークされた囲み形状が高解像度情報によって重ね合わせられた3Dスカウト画像を受信する。
【0007】
本発明の主な有利な効果は、本明細書に提案される方法が、所定の較正された回転中心を用いて、DVTデバイス内の最大限のFoV内の任意の場所に実質的に任意のサイズのボリュームを配置し、記録し、再構築することを初めて可能にすることである。
【0008】
本発明の別の主な有利な効果は、選択された回転中心に基づいて撮像中に異なるアパーチャ位置を事前に算出し、指示することによって、所望の撮像領域が正確に撮像され得ることである。
【0009】
本発明による方法の変形形態では、ステップ(b)及び(c)は、次のステップによって置き換えられる:(b1’)操作者が、高解像度情報を有することが望まれる歯を歯チャートを用いることによってマークする;(b2’)X線デバイスが、このマークされた歯を確実に撮像する、3Dスカウト画像用の最適に較正された回転中心を自動的に決定する;(b3’)3Dスカウト画像が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ及び先のステップからの最適に較正された利用可能な回転中心を用いて作成される;(c’)ソフトウェアを用いることによって、マークされた歯が、3Dスカウト画像上で見つけられ、マークされた歯を囲む形状が、自動的に決定される。
【0010】
本発明による方法のさらなる変形形態では、ステップ(b)及び(c)は、次のステップによって置き換えられる:(b”)施術者が、高解像度情報を有したいと思う領域をユーザインタフェース上で決定する:(c”)ソフトウェアが、選択された領域及び閉じられた一時的支持具又は別の補助具の位置に基づいて囲み形状を決定する。この代替策では、3Dスカウト画像は省略される。したがって、ステップ(h)は省略される。さらに、ステップ(g)は、次のステップによって置き換えられる:(g’)高解像度画像が、再構築され、診断のために施術者に提示される。
【0011】
本発明による方法のさらなる好ましい変形形態では、ステップ(e)において、回転中心は、X線検出器上で最も有利な撮像位置を提供する撮像位置に基づいて選択される。最も有利な撮像位置を決定するとき、たとえば、陽極角による撮像の歪みなどの影響が、考慮に入れられる。代替的に又は追加として、患者から検出器までの距離、効果的な線量の最小化、アパーチャ移動の最小化、アパーチャ位置の数の最小化又は照射される検出器領域のサイズの最小化などの基準の1つ又は複数が、最も有利な撮像位置を決定するときに考慮に入れられる。
【0012】
以下の説明において、本発明は、例示的な実施形態を用いることによって、図を参照しながらより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】1つの実施形態による、デジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のためのDVTシステムを示す図。
【
図2a】操作者が所定の回転中心及び所定のボリュームサイズを用いて3Dスカウト撮像を実施している、
図1からのDVTシステムの制御パネルを示す図。
【
図2b】操作者が異なる所定のボリュームサイズを選択することができる、
図1からのDVTシステムの制御パネルを示す図。
【
図2c】歯医者が高解像度情報を有することを望む歯をマークしている歯のダイアグラムを示す図。
【
図2d】施術者が高解像度情報を有したいと思う領域を制御パネル上で決定する場合の、
図1からのDVTシステムの制御パネルを示す図。
【
図3】施術者が高解像度情報を望む歯を囲み形状を用いてマークした、一実施形態による概略3Dスカウト画像を示す図。
【
図4】囲み形状が1つの実施形態によって撮像され得る、上側/下側列内それぞれの利用可能な2つの回転中心についてのX線検出器上の囲み形状の撮像位置を示す図。
【
図5】
図4からの底列に対応する利用可能な回転中心についてのX線検出器のX方向及びY方向の囲み形状の8つの撮像位置の時間的経過を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による代替の方法は、コンピュータ実装方法であり、コンピュータ支援DVTシステム(1)上で各々が実行され得る。本方法は、歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像に使用される。
図1は、DVTシステム(1)の実施形態を示す。
【0015】
本発明による方法は、コンピュータ可読コードを有するコンピュータプログラムによって実装される。各コンピュータプログラムは、データ記憶デバイス上に提供され得る。
【0016】
図1に示されるように、コンピュータ支援DVTシステム(1)は、個々の2D X線画像又はシノグラムがそれによって生成される、患者撮像を実施するためのX線デバイス(2)を備える。暴露前、患者の頭部は、バイトブロック(7)及び頭部固定具(6)を用いてX線デバイス(2)内に配置される。X線デバイス(2)は、暴露中に患者の頭部の周りで回転されるX線源(3)及びX線検出器(4)を有する。
【0017】
図1に示されるように、コンピュータ化されたDVTシステム(1)は、制御パネル(5)を有する。
図2Aは、利用可能な(較正された)回転中心(11)を示す、制御パネル(5)上のダイアログボックスの拡大された詳細図を示す。X線デバイス(2)は、回転機構(図示せず)を有し、これによって、X線源(3)及びX線検出器(4)は、利用可能な回転中心(11)の1つに従って患者の頭部の周りで選択的に回転され得る。各々の利用可能な回転中心(11)に対して、回転機構は、所定のX線源軌道及び所定のX線検出器軌道からなる対応する所定の軌道を辿り得る。これらの軌道の各々は、円形経路を描くことができる。代替的には、これらは、好ましくは、円形経路から逸脱したより複雑な湾曲形状をとることができ、それによってショルダクリアランスを考慮に入れながらスペース要件が低減される。
図2Bは、制御パネル(5)上のダイアログボックスの拡大された詳細図を示し、ここでは、施術者は、たとえば、5cm、8cm、11cm、及び17cmの直径を有する異なる利用可能なボリュームサイズ(10)を選択することができる。利用可能なボリュームサイズ(10)の適切なものは、これ以後説明される方法中に所定のボリュームサイズ(10’)として設定され得る。
【0018】
図1に示されるように、コンピュータ支援DVTシステム(1)は、X線デバイス(2)に接続され得る別個のコンピュータ(8)又はコンピュータユニットと、とりわけ、データセットを視覚化するための別個のディスプレイ(9)とを有する。コンピュータ(8)は、ローカルネットワーク(図示されず)を介して、又は代替的にはインターネットを介してX線デバイス(2)に接続され得る。コンピュータ(8)は、クラウドの一部であってもよい。代替的には、コンピュータ(8)は、X線デバイス(2)内に一体化されてもよい。算出は、コンピュータ(8)又はクラウド内で行われ得る。コンピュータ(8)は、コンピュータプログラムを実行し、ディスプレイ(9)上で視覚化を含むデータセットを提供する。ディスプレイ(9)は、X線デバイス(2)から空間的に分離され得る。好ましくは、コンピュータ(8)は、X線デバイス(2)を制御することもできる。代替的には、別個のコンピュータ(8)は、制御及び画像処理のために使用され得る。
【0019】
以下の説明では、代替の実施形態による手順が、より詳細に説明される。
[第1の実施形態]
第1の実施形態による方法は、ステップ(a)から(h)を備える。ステップ(a)では、患者(図示されず)が、X線デバイス(2)内に配置される。ステップ(b)では、3Dスカウト画像(9a)が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ(10’)及び所定の回転中心(11’)を用いて作成される。
図3は、3Dスカウト画像(9a)の概略的な軸方向断面図を示す。
図2Aは、所定のボリュームサイズ(10’)及び所定の回転中心(11’)を示す。ここでは、所定のボリュームサイズ(10’)は、たとえば直径8cmであり、所定の回転中心(11’)は、たとえば顎弓の前側に中心が置かれる。ステップ(c)では、操作者が、高解像度情報(9b)を有することを望む歯(12)を囲み形状(13)を用いて、
図3に示されるように3Dスカウト画像(9a)上にマークする。たとえば、囲み形状(13)は、たとえば、立方体形状、又は基準点(13a~13h)として働く8つのコーナを有するようなものを有する。ステップ(d)では、ソフトウェアが、この囲み形状(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を囲み形状(13)の位置に基づいて決定し、
図4に示されるように囲み形状(13)の基準点(13a~13h)に基づいて、利用可能な回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出する。
図4では、X線検出器(4)の上列及び底列の各々は、たとえば、囲み形状(13’)が撮像され得る利用可能な2つの回転中心(11)に対応する。
図5は、
図4からの下側列に対応する利用可能な回転中心の1つについてのX線検出器(4)のY方向(上側グラフ)及びX方向(下側グラフ)に沿った囲み形状(13)の8つの撮像位置(13a’~13h’)の時間的経過を示す。ステップ(e)では、回転中心(11”)が、撮像位置(13a’~13h’)に基づいて利用可能な回転中心(11)のセットから選択され、この回転中心(11”)について、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び照射される画像の検出器領域(4a)が、決定される。この例では、4つのアパーチャ位置(14a~d)が、別個に決定され得、これらのアパーチャ位置は、撮像された囲み形状(13’)を上方、左、下方、及び右から包囲する(点線付き正方形を参照)。ステップ(f)では、先に決定されたアパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度撮像(9b)が、利用可能なもののセットから選択された回転中心(11”)及び送信されたアパーチャ位置(14a~d)を用いて実施される。ステップ(g)では、高解像度撮像(9b)が、再構築され、新しく取得された高解像度情報(9b)が、3Dスカウト画像(9a)上に重ね合わせられる。ステップ(h)では、施術者が、診断及びさらなる使用のために、先にマークされた囲み形状(13)が高解像度情報(9b)によって重ね合わせられている、
図3に概略的に示されるような3Dスカウト画像(9a)を受信する。
[第2の実施形態]
第2の実施形態による方法は、第1の実施形態におけるステップ(a)から(h)を備え、ステップ(b)及び(c)は、ステップ(b1’)、(b2’)、(b3’)、及び(c’)によって置き換えられている。ステップ(b1’)では、
図2cに示されるように、施術者が、高解像度情報(9b)を有することを望む歯(12)を歯チャート(5a)を使用してマークする。歯チャート(5a)は、ディスプレイ(9)上又は制御パネル/ユーザインタフェース(5)のディスプレイ上に示され得る。マーキングは、マウス、キーボード、又は光ペンによって行われ得る。ディスプレイは、タッチ感応性であることができる。ステップ(b2’)では、X線デバイス(2)が、このマークされた歯(12)を確かに撮像する、3Dスカウト画像(9a)用の最適に較正された利用可能な回転中心(11’)を自動的に決定する。ステップ(b3’)では、3Dスカウト画像(9a)が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ(10’)及び先のステップからの最適に較正された利用可能な回転中心(11’)を用いて作成される。ステップ(c’)では、ソフトウェアが、3Dスカウト画像(9a)上でマークされた歯(12)を見つけ、マークされた歯(12)を囲む囲み形状(13)を自動的に決定するために使用される。本方法の他のものは、第1の実施形態におけるステップ(d)から(h)の通りである。これらは、ここでは不必要に再度説明されることはない。
[第3の実施形態]
第3の実施形態による方法は、第1の実施形態のようなステップ(a)から(g)を備え、この場合、ステップ(b)及び(c)はステップ(b”)、(c”)によって置き換えられ、ステップ(g)はステップ(g’)によって置き換えられ、ステップ(h)は省略される。ステップ(b”)では、操作者が、
図2dに示されるように、高解像度情報(9b)を望む領域(5b)をユーザインタフェース(5)上で決定する。ステップ(c”)では、ソフトウェアが、選択された領域(5b)及び閉じられたこめかみ支持具(6)又は他の補助具の位置に基づいて囲み形状(13)を決定する。手順の他のものは、第1の実施形態のステップ(d)から(f)の通りである。これらは、ここでは不必要に再度説明されることはない。ステップ(g’)では、高解像度画像(9b)は、再構築され、評価のために操作者に提示される。
【0020】
本発明によれば、上記の実施形態の方法によって生成されたデータセットは、好ましくはディスプレイ(9)又は印刷を用いることによって、視覚化のために、特に診断目的で臨床医に提示され得る。
【0021】
上記で説明された方法のさらなる好ましい変形形態では、ステップ(e)では、X線検出器(4)上で最も有利な撮像位置(13a’~13h’)を提供する回転中心(11”)が、撮像位置(13a’~13h’)に基づいて選択される。最も有利な撮像位置(13a’~13h’)を決定するとき、陽極角による撮像歪みなどの影響が、考慮に入れられる。代替的又は追加的に、患者から検出器までの距離、効果的な線量の最小化、アパーチャ移動の最小化、アパーチャ位置(14a~d)の数の最小化、又は照射される検出器領域(4a)のサイズの最小化などの基準の1つ又は複数が、最も有利な撮像位置(13a’~13h’)を決定するときに考慮に入れられる。
【0022】
図に示される参照番号は、例示的な実施形態の説明において参照される、以下にリストされる要素を示す。
【符号の説明】
【0023】
1 DVTシステム
2 X線デバイス
3 X線源
4 X線検出器
4a 検出器領域(点線)
5 制御パネル/ユーザインタフェース
5a 歯チャート
5b 領域
6 頭部固定具/こめかみ支持具
7 バイト
8 コンピュータ
9 ディスプレイ
9a 3Dスカウト画像
9b 高解像度画像/情報
10 利用可能なボリュームサイズ
10’ 所定のボリュームサイズ
11 利用可能な回転中心
11’ 所定の回転中心
11” 選択された回転中心
12 歯
12a 顎弓
13 囲み形状
13a~13h 基準点(たとえばコーナ)
13’ 囲み形状(撮像されるとき)
13’~13h’ 撮像位置
14a~14d アパーチャ位置
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、前記方法が以下のステップを備え、すなわち、
(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され、
(b)3Dスカウト画像(9a)が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ(10)及び所定の回転中心(11’)を用いて撮影され、
(c)前記3Dスカウト画像(9a)上で、操作者が、高解像度情報(9b)を有することが望まれる歯(12)を囲み形状(13)を用いてマークし、
(d)ソフトウェアが、前記囲み形状(13)の位置に基づいて、前記囲み形状(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、前記囲み形状(13)の基準点(13a~13h)に基づいて、利用可能な前記回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し、
(e)前記撮像位置(13a’~13h’)を使用して、回転中心(11”)が、利用可能な前記回転中心(11)のセットから選択され、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、前記回転中心(11”)について決定され、
(f)先に決定された前記アパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、前記X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度暴露が、利用可能な前記回転中心の前記セットから選択された前記回転中心(11”)及び送信された前記アパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され、
(g)高解像度画像(9b)が再構築され、新しく取得された高解像度情報(9b)が前記3Dスカウト画像(9a)内に重ね合わせられ、
(h)先にマークされた前記囲み形状(13)が前記高解像度情報(9b)によって重ね合わせられている前記3Dスカウト画像(9a)が、評価のため及びさらなる使用のために施術者に表示されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、前記方法が以下のステップを備え、すなわち、
(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され、
(b1’)施術者が、歯チャート(5a)を使用して、高解像度情報を有することが望まれる歯(12)をマークし、
(b2’)前記X線デバイス(2)が、マークされた前記歯(12)を確実に撮像する3Dスカウト画像(9a)用の最適に較正された回転中心(11’)を自動的に決定し、
(b3’)前記3Dスカウト画像(9a)が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ(10)及びステップ(b2’)からの最適に較正された前記回転中心(11’)を用いて作成され、
(c’)ソフトウェアが、マークされた前記歯(12)を前記3Dスカウト画像(9a)上で位置特定し、マークされた前記歯(12)を囲む囲み形状(13)を自動的に決定し、
(d)ソフトウェアが、前記囲み形状(13)の位置を使用して、前記囲み形状(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、前記囲み形状(13)の基準点(13a~13h)を使用して、利用可能な前記回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し、
(e)前記撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、回転中心(11”)が、利用可能な前記回転中心(11)のセットから選択され、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、前記回転中心(11”)について決定され、
(f)先に決定された前記アパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、前記X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度撮像が、利用可能な回転中心の前記セットから選択された前記回転中心(11”)及び送信された前記アパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され、
(g)高解像度画像(9b)が、再構築され、新しく取得された高解像度情報(9b)が、前記3Dスカウト画像(9a)上に重ね合わせられ、
(h)先にマークされた前記囲み形状(13)が前記高解像度情報(9b)によって重ね合わせられている前記3Dスカウト画像(9a)が、診断のため及びさらなる使用のために前記施術者に表示されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、前記方法が以下のステップを備え、すなわち、
(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され、
(b”)操作者が、高解像度情報(9b)を有することが望まれる領域(5b)をユーザインタフェース(5)上で決定し、
(c”)ソフトウェアが、選択された前記領域(5b)及び閉じられたこめかみ支持具(6)又は他の補助具の位置を使用して囲み形状(13)を決定し、
(d)前記囲み形状(13)の位置に基づいて、ソフトウェアが、前記囲み
形状(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、前記囲み形状(13)の基準点(13a~13h)に基づいて、利用可能な前記回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し、
(e)前記撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、回転中心(11”)が、利用可能な前記回転中心(11)のセットから選択され、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、前記回転中心(11”)について決定され、
(f)先に決定された前記アパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、前記X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度撮像が、利用可能な前記回転中心の前記セットから選択された前記回転中心(11”)及び送信された前記アパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され、
(g’)前記高解像度撮像(9b)が、再構築され、評価のために前記操作者に提示されることを特徴とする、方法。
【請求項4】
ステップ(e)では、前記撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、前記X線検出器(4)上に最も有利な撮像位置(13a’~13h’)を提供する前記回転中心(11”)が、陽極角による撮像歪みなどの影響、患者から検出器までの距離、又は効果的な線量の最小化、アパーチャ移動の最小化、アパーチャ位置(14a~d)の数の最小化、若しくは照射される前記検出器領域(4a)のサイズの最小化などの基準を考慮に入れながら選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
コンピュータ化されたDVTシステム(1)によって実行されたとき、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法に係る各ステップを前記DVTシステムに実施させるコンピュータ可読コードを備えるコンピュータプログラム。
【請求項6】
X線デバイス(2)と、請求項5に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成されたコンピューティングユニット(8)とを備える、コンピュータ化されたDVTシステム(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
1 DVTシステム
2 X線デバイス
3 X線源
4 X線検出器
4a 検出器領域(点線)
5 制御パネル/ユーザインタフェース
5a 歯チャート
5b 領域
6 頭部固定具/こめかみ支持具
7 バイト
8 コンピュータ
9 ディスプレイ
9a 3Dスカウト画像
9b 高解像度画像/情報
10 利用可能なボリュームサイズ
10’ 所定のボリュームサイズ
11 利用可能な回転中心
11’ 所定の回転中心
11” 選択された回転中心
12 歯
12a 顎弓
13 囲み形状
13a~13h 基準点(たとえばコーナ)
13’ 囲み形状(撮像されるとき)
13’~13h’ 撮像位置
14a~14d アパーチャ位置
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、前記方法が以下のステップを備え、すなわち、
(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され、
(b)3Dスカウト画像(9a)が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ(10)及び所定の回転中心(11’)を用いて撮影され、
(c)前記3Dスカウト画像(9a)上で、操作者が、高解像度情報(9b)を有することが望まれる歯(12)を囲み形状(13)を用いてマークし、
(d)ソフトウェアが、前記囲み形状(13)の位置に基づいて、前記囲み形状(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、前記囲み形状(13)の基準点(13a~13h)に基づいて、利用可能な前記回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し、
(e)前記撮像位置(13a’~13h’)を使用して、回転中心(11”)が、利用可能な前記回転中心(11)のセットから選択され、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、前記回転中心(11”)について決定され、
(f)先に決定された前記アパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、前記X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度暴露が、利用可能な前記回転中心の前記セットから選択された前記回転中心(11”)及び送信された前記アパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され、
(g)高解像度画像(9b)が再構築され、新しく取得された高解像度情報(9b)が前記3Dスカウト画像(9a)内に重ね合わせられ、
(h)先にマークされた前記囲み形状(13)が前記高解像度情報(9b)によって重ね合わせられている前記3Dスカウト画像(9a)が、評価のため及びさらなる使用のために施術者に表示されることを特徴とする、方法。
[2] 歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、前記方法が以下のステップを備え、すなわち、
(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され、
(b1’)施術者が、歯チャート(5a)を使用して、高解像度情報を有することが望まれる歯(12)をマークし、
(b2’)前記X線デバイス(2)が、マークされた前記歯(12)を確実に撮像する3Dスカウト画像(9a)用の最適に較正された回転中心(11’)を自動的に決定し、
(b3’)前記3Dスカウト画像(9a)が、低減された線量で、所定のボリュームサイズ(10)及びステップ(b2’)からの最適に較正された前記回転中心(11’)を用いて作成され、
(c’)ソフトウェアが、マークされた前記歯(12)を前記3Dスカウト画像(9a)上で位置特定し、マークされた前記歯(12)を囲む囲み形状(13)を自動的に決定し、
(d)ソフトウェアが、前記囲み形状(13)の位置を使用して、前記囲み形状(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、前記囲み形状(13)の基準点(13a~13h)を使用して、利用可能な前記回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し、
(e)前記撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、回転中心(11”)が、利用可能な前記回転中心(11)のセットから選択され、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、前記回転中心(11”)について決定され、
(f)先に決定された前記アパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、前記X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度撮像が、利用可能な回転中心の前記セットから選択された前記回転中心(11”)及び送信された前記アパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され、
(g)高解像度画像(9b)が、再構築され、新しく取得された高解像度情報(9b)が、前記3Dスカウト画像(9a)上に重ね合わせられ、
(h)先にマークされた前記囲み形状(13)が前記高解像度情報(9b)によって重ね合わせられている前記3Dスカウト画像(9a)が、診断のため及びさらなる使用のために前記施術者に表示されることを特徴とする、方法。
[3] 歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像のための方法であって、前記方法が以下のステップを備え、すなわち、
(a)患者が、X線デバイス(2)内に配置され、
(b”)操作者が、高解像度情報(9b)を有することが望まれる領域(5b)をユーザインタフェース(5)上で決定し、
(c”)ソフトウェアが、選択された前記領域(5b)及び閉じられたこめかみ支持具(6)又は他の補助具の位置を使用して囲み形状(13)を決定し、
(d)前記囲み形状(13)の位置に基づいて、ソフトウェアが、前記囲み部(13)が撮像され得る利用可能な回転中心(11)を決定し、前記囲み形状(13)の基準点(13a~13h)に基づいて、利用可能な前記回転中心(11)の各々についてX線検出器(4)上の撮像位置(13a’~13h’)を算出し、
(e)前記撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、回転中心(11”)が、利用可能な前記回転中心(11)のセットから選択され、撮像のためのアパーチャ位置(14a~d)及び撮像のために照射される検出器領域(4a)が、前記回転中心(11”)について決定され、
(f)先に決定された前記アパーチャ位置(14a~d)及び照射される検出器領域(4a)が、前記X線デバイス(2)に送信され、このとき、高解像度撮像が、利用可能な前記回転中心の前記セットから選択された前記回転中心(11”)及び送信された前記アパーチャ位置(14a~d)を用いて実施され、
(g’)前記高解像度撮像(9b)が、再構築され、評価のために前記操作者に提示されることを特徴とする、方法。
[4] ステップ(e)では、前記撮像位置(13a’~13h’)に基づいて、前記X線検出器(4)上に最も有利な撮像位置(13a’~13h’)を提供する前記回転中心(11”)が、陽極角による撮像歪みなどの影響、患者から検出器までの距離、又は効果的な線量の最小化、アパーチャ移動の最小化、アパーチャ位置(14a~d)の数の最小化、若しくは照射される前記検出器領域(4a)のサイズの最小化などの基準を考慮に入れながら選択されることを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] コンピュータ化されたDVTシステム(1)によって実行されたとき、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法に係る各ステップを前記DVTシステムに実施させるコンピュータ可読コードを備えるコンピュータプログラム。
[6] X線デバイス(2)と、[5]に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成されたコンピューティングユニット(8)とを備える、コンピュータ化されたDVTシステム(1)。
【国際調査報告】