(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】整形外科インプラント及び該整形外科インプラントを搬送するための装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/68 20060101AFI20240910BHJP
A61B 17/72 20060101ALI20240910BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A61B17/68
A61B17/72
A61B17/86
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514674
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 US2022075889
(87)【国際公開番号】W WO2023039354
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520075627
【氏名又は名称】エクソームド コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EXSOMED CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】シャンペイン, ロイド ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ゾルドス, ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】エームケ, ラリー
(72)【発明者】
【氏名】ズヴォリンスキー, マイケル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
4C160LL21
4C160LL44
(57)【要約】
骨折治療システムが、骨の骨髄管の内部に、少なくとも2つの直径を有する少なくとも1つの案内ワイヤーにより案内され、交差して固定される1対のインプラントを含むことができる。本システムは、骨折部位の回転を防ぐだけでなく、向上した安定性のために両皮質の保持を達成するのに必要なインプラントの長さをより正確に調整することができる。このより正確なサイズ調整及び交差して固定されたインプラントの配置は、さらに、これらのインプラントの両端が、骨の外面の下方に凹むか又は該外面と面一になることを可能にし、これによって、感染の危険性を低減することができる。上記案内ワイヤーは、上記インプラントが、より簡単な手術手順及びよりよい結果のために、カニュレートされた技術を用いて挿入されることを可能とし、上記インプラントは、該インプラントのシャフト外径が上記案内ワイヤーの直径と同程度となることを維持しつつ、所望される長さについて十分な壁の厚みを有して、両皮質の保持を達成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カニュレートされた整形外科インプラントを搬送するように構成された、少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤーであって、
全体的に均一な第1の外径を有する第1の部分と、
該全体的に均一な第1の外径より大きい全体的に均一な第2の外径を有する第1のセグメント、及び、該第2の外径より小さい第3の外径を有する第2のセグメント、を少なくとも含む第2の部分と、
を具備し、
前記カニュレートされた整形外科インプラントが、当該案内ワイヤーの前記第1の部分の上に摺動可能に搭載されるように構成され、
前記全体的に均一な第2の外径が前記カニュレートされた整形外科インプラントの小径又は谷径と実質的に同一である、
ことを特徴とする案内ワイヤー。
【請求項2】
前記第2の部分の自由端が鋭利な先端を含む、請求項1に記載の案内ワイヤー。
【請求項3】
前記全体的に均一な第1の外径が0.7mmと0.9mmとの間である、請求項1又は請求項2に記載の案内ワイヤー。
【請求項4】
前記全体的に均一な第2の外径が1.5mmと2.0mmとの間にある、請求項1から請求項3のいずれかに記載の案内ワイヤー。
【請求項5】
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントが第3のセグメントにより分離され、
該第3のセグメントの外径が前記第3の外径から前記第2の外径に移行する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の案内ワイヤー。
【請求項6】
前記第1の部分及び前記第2の部分が取り外し可能に接続される、請求項1から請求項5のいずれかに記載の案内ワイヤー。
【請求項7】
前記第2の部分が前記第1の部分を受け入れるように構成されたカニュレーションを含む、請求項6に記載の案内ワイヤー。
【請求項8】
前記カニュレーションが前記第2の部分の全長に沿って延びる、請求項7に記載の案内ワイヤー。
【請求項9】
前記カニュレーションが前記第2の部分の部分的な長さに沿って延びる、請求項7に記載の案内ワイヤー。
【請求項10】
前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方がフックを含み、
該第1の部分及び該第2の部分のうちの他方がループを含む、請求項6に記載の案内ワイヤー。
【請求項11】
少なくとも部分的にカニュレートされネジを切られた細長い整形外科インプラントを骨の内部に搬送する方法であって、
請求項1から請求項10のいずれかに記載の案内ワイヤーの前記第2の部分を用いるステップと、
前記ネジを切られた細長い整形外科インプラントの前記谷径又は前記小径と実質的に同一である直径を有する経路を前記骨に準備するステップと、
前記案内ワイヤーの前記第1の部分を前記インプラントのカニュレーションの内部に挿入するステップと、
前記案内ワイヤーの前記第1の部分によって案内される前記インプラントを前記経路を通して挿入するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
髄内骨折固定方法であって、
骨折した骨の骨折した部分を横断して、少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤーを搬送するステップであって、
前記案内ワイヤーが、
第1の直径を有する第1の後端部分と、
該第1の直径より大きい第2の直径を有する第1のセグメント、及び、該第2の直径より小さい第3の外径を有する第2のセグメントを、少なくとも含む第2の前端部分と、を具備し、
前記案内ワイヤーの先導する先端が前記骨の外面と実質的に面一となるまで、該案内ワイヤーの前記第2の部分を前記骨の髄管を横断して延在させることを含むステップと、
カニュレートされた細長いインプラントの長さを前記骨における前記案内ワイヤーの位置に基づいて決定することによって、前記カニュレートされた細長いインプラントを選択するステップと、
前記カニュレートされた細長いインプラントを前記案内ワイヤーの前記第1の部分の上に摺動可能に搭載するステップと、
前記カニュレートされた細長いインプラントの両端が前記骨の前記外面から突出しないように、前記案内ワイヤーによって案内される前記カニュレートされた細長いインプラントを前記骨の内部に挿入するステップと、
前記骨から前記案内ワイヤーを取り外すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
髄内骨折固定方法であって、
骨折した骨の骨折した部分を横断して、少なくとも2つの直径を有する第1の案内ワイヤーを搬送するステップであって、
前記第1の案内ワイヤーが、
第1の直径を有する第1の後端部分と、
該第1の直径より大きい第2の直径を有する第2の前端部分と、を具備し、
前記第1の案内ワイヤーの先導する先端が前記骨の外面と実質的に面一となるまで、該第1の案内ワイヤーの前記第2の前端部分を前記骨の髄管を横断して延在させることを含むステップと、
第1のカニュレートされた細長いインプラントの長さを前記骨における前記第1の案内ワイヤーの位置に基づいて決定することによって、前記第1のカニュレートされた細長いインプラントを選択するステップと、
前記第1のカニュレートされた細長いインプラントを前記第1の案内ワイヤーの前記第1の部分の上に摺動可能に搭載するステップと、
前記第1の案内ワイヤーによって案内される前記第1のカニュレートされた細長いインプラントを前記骨の内部に挿入するステップと、
前記骨から前記第1の案内ワイヤーを取り外すステップと、
骨折した骨の骨折した部分を横断して、少なくとも2つの直径を有する第2の案内ワイヤーを搬送するステップであって、
前記第2の案内ワイヤーが、
第1の直径を有する第1の後端部分と、
該第1の直径より大きい第2の直径を有する第2の前端部分と、を具備し、
前記第2の案内ワイヤーの先導する先端が前記骨の前記外面と実質的に面一となるまで、該第2の案内ワイヤーの前記第2の前端部分を前記骨の前記髄管を横断して延在させることを含むステップと、
第2のカニュレートされた細長いインプラントの長さを前記骨における前記第2の案内ワイヤーの位置に基づいて決定することによって、前記第2のカニュレートされた細長いインプラントを選択するステップと、
前記第2のカニュレートされた細長いインプラントを前記第2の案内ワイヤーの前記第1の部分の上に摺動可能に搭載するステップと、
前記第2の案内ワイヤーによって案内される前記第2のカニュレートされた細長いインプラントを前記骨の内部に挿入するステップと、
前記骨から前記第2の案内ワイヤーを取り外すステップと、
を含み、
前記第1のカニュレートされた細長いインプラントの谷径の表面が、前記第2のカニュレートされた細長いインプラントの谷径の表面と接触する、
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び前記第2のカニュレートされた細長いインプラントの各々が両皮質性である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び前記第2のカニュレートされた細長いインプラントの各々が、前記骨の前記外面において又は該骨の該外面の前で終端する、請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び前記第2のカニュレートされた細長いインプラントの各々の両端が、前記骨を囲む組織の内部に突出しない、請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の案内ワイヤーを搬送するステップが、前記骨から前記第1の案内ワイヤーを取り外すステップの後に実行される、請求項13から請求項16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記第2の案内ワイヤーを搬送するステップが、前記第1の案内ワイヤーを搬送するステップの後であって、前記第1のカニュレートされた細長いインプラントを挿入するステップの前に実行される、請求項13から請求項16のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記第2の案内ワイヤーを搬送するステップが、
前記第1の案内ワイヤーの前記第2の前端部分によって形成された前記骨におけるトンネルとともに十字状のパターンを成すように、該第2の案内ワイヤーの前記第2の前端部分を前記骨の前記髄管を横断して延在させることを含む、請求項13から請求項18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記第2の案内ワイヤーを搬送するステップが、
前記第1の案内ワイヤーの前記第2の前端部分によって形成された前記骨におけるトンネルに対して実質的に平行となるように、該第2の案内ワイヤーの前記第2の前端部分を前記骨の前記髄管を横断して延在させることを含む、請求項13から請求項18のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び/又は前記第2のカニュレートされた細長いインプラントがネジを含み、
中間部分における前記ネジが、ドライバーヘッド若しくは前記先導する先端における又は該ドライバーヘッド若しくは該先導する該先端の周りにおけるネジよりも、大きいピッチを有する、請求項13から請求項20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び/又は前記第2のカニュレートされた細長いインプラントの中間部分における最大外径が、ドライバーヘッド若しくは前記先導する先端における最大外径又は該ドライバーヘッド若しくは該先導する該先端の周りにおける最大外径よりも小さい、請求項13から請求項21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
第1のインプラントシャフトの外径と、谷径又は小径と、第1のインプラントカニュレーション直径と、を有する、カニュレートされた第1の細長いインプラントと、
髄内固定によって骨折した骨の内部に前記第1の細長いインプラントを搬送するように構成された、少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤーであって、
第1の直径を有する第1の後端部分と、
該第1の直径より大きい第2の直径を有する第1のセグメント、及び、該第2の直径より小さい第3の直径を有する第2のセグメントを、少なくとも含む第2の前端部分と、
を具備し、
前記第2の直径が前記第1の細長いインプラントの前記外径又は該第1の細長いインプラントの前記谷径若しくは前記小径と実質的に同一であり、
前記第1のインプラントカニュレーション直径が前記案内ワイヤーの前記第1の後端部分を収容するように構成された、案内ワイヤーと、
髄内固定によって前記第1の細長いインプラントとともに埋め込まれるように構成された第2の細長いインプラントであって、第2のインプラントシャフトの外径又は第2のインプラントの谷径若しくは小径、及び、第2のインプラントカニュレーション直径を有する、カニュレートされた第2の細長いインプラントと、
を具備し、
前記案内ワイヤーの前記第2の直径が、前記第2のインプラントシャフトの外径、又は、前記第2のインプラントの谷径若しくは小径と実質的に同一であり、
前記第2のインプラントカニュレーション直径が、前記案内ワイヤーの前記第1の後端部分を収容するように構成される、
ことを特徴とする、髄内骨折システムのためのキット。
【請求項24】
髄内固定のために前記第2の細長いインプラントを前記骨折した骨の内部に搬送するように構成され、少なくとも2つの直径を有する第2の案内ワイヤーを具備し、
該第2の案内ワイヤーが、
前記第1の直径を有する第1の後端部分と、
該第1の直径より大きい前記第2の直径を有する第2の前端部分と、
を有し、
前記第2の直径が前記第2のインプラントシャフトの外径又は該第2のインプラントの谷径若しくは小径と実質的に同一であり、
前記第2のインプラントカニュレーション直径が前記第2の案内ワイヤーの前記第1の後端部分を収容するように構成される、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
前記第1の細長いインプラント及び/又は前記第2の細長いインプラントにはネジが切られている、請求項23又は請求項24に記載のキット。
【請求項26】
前記第2の細長いインプラントが、前記第1の細長いインプラントとともに十字状のパターンで埋め込まれるように構成される、請求項23から請求項25のいずれかに記載のキット。
【請求項27】
前記第2の細長いインプラントが、前記第1の細長いインプラントに対して実質的に平行に埋め込まれるように構成される、請求項23から請求項25のいずれかに記載のキット。
【請求項28】
ヘッド及び少なくとも部分的にネジを切られたシャフトを具備するカニュレートされたインプラントを用いて骨折固定を実行するための手術キットであって、
骨折した骨の内部に対する前記インプラントの搬送を案内するように構成された、少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤーであって、
第1の直径を有する第1の後端部分と、該第1の直径より大きく前記インプラントの前記シャフトの小径と実質的に同一である第2の直径を有する第1のセグメント、及び、前記第2の直径より小さい第3の外径を有する第2のセグメントを、少なくとも含む第2の前端部分と、を含み、
前記第1の後端部分の前記第1の直径が、前記インプラントのカニュレーションに対して摺動可能に係合するように構成された、案内ワイヤーと、
サイズ調整ツールと、
前記インプラントの前記ヘッドに係合して、該インプラントを前記骨の内部に挿入するように構成された、ドライバーと、
を具備することを特徴とするキット。
【請求項29】
殺菌して密封されたパッケージをさらに具備し、
前記案内ワイヤー、前記サイズ調整ツール及び前記ドライバーが、前記殺菌して密封されたパッケージ内に封入される、請求項28に記載のキット。
【請求項30】
前記案内ワイヤー、前記サイズ調整ツール、及び/又は、前記ドライバーが、単一の使用のためのものとして構成される、請求項28又は請求項29に記載のキット。
【請求項31】
前記案内ワイヤー、前記サイズ調整ツール、及び/又は、前記ドライバーが、各使用の後に殺菌されることにより、再度使用される、請求項28又は請求項29に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願とともに提出される出願データシートにおいて外国又は国内の優先権主張を特定するためのいずれのすべての出願が、37CFR1.57に従って参照により本明細書に組み入れられる。本件出願は、2021年9月9日に提出された米国仮出願第63/261,028に基づく優先権による利益を主張し、この米国仮出願の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、骨折、特に小骨の骨折を治療するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
手足の怪我が一般的である。例えば、すべての緊急の受診のうちの約20%が外傷性の指の怪我に起因するものである。これらの怪我は、スポーツ及び仕事に関連した怪我を含み得る。
【0004】
指節骨及び中手骨の骨折は、最も一般的な骨格の怪我の中に含まれる。骨折は、年間10,000人当たり、指節骨については12.5%、中手骨については8.4%という国内発生率で発生すると推定されている。このような骨折は、患者にとって、不便であるか、又は、衰弱させるものであり得る。例えば、指骨の骨折に関連する生産性の損失は、米国において年間20億ドルを超えると推定される。
【0005】
指節骨及び中手骨の骨折の治療の主な目的は、可能な限り早く、損傷した骨の解剖学的構造を回復させ、損傷した骨の機能を維持することである。指節骨及び中手骨の骨折といったような小骨の骨折は、例えば、Kワイヤ、骨内ワイヤ、腱帯ワイヤ、圧迫スクリュー、固定プレート、又は、外固定を用いて治療され得る。これらの処置のうちの幾つかが、経皮的に(percutaneously)すなわち皮膚を通して実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
小骨の骨折に対する現在の標準的な治療は、回転制御の不良、遅延した可動性、長期化した硬直、可動範囲の減少、軟部組織の刺激、手術時の露出の増加、及び、術後の腱の癒着、といった不都合が生じる結果となり得る。
【0007】
よりよい回転制御、及び/又は、骨の整復は、両方の皮質壁を保持するインプラント(「両皮質の保持(bicortical purchase)」ということもある)によって、達成され得る。現在、この手順は、交差させて固定した市販の複数のKワイヤーを用いて実行される。しかしながら、市販の複数のKワイヤーを用いることは、これらのこれらのKワイヤーの少なくとも一端が骨の表面から突出することになる。Kワイヤーの突出した一端がピンサイト感染を引き起こし得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、骨折固定インプラントと少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤー、例えば、2重直径案内ワイヤーとの組み合わせを用いた、交差させて固定する技術による手術の結果を向上させることができる。本明細書に開示される骨折固定システムは、経皮的に(percutaneously)搬送されて、観血的整復(open reduction)に対する必要性を回避することができる。本明細書に開示される骨折固定システム及び搬送方法は、手術時間、回復時間及び/又は感染を低減及び/又は最小化することができ、活動への復帰を早めることができる。本明細書に開示される骨折固定システム及び搬送方法は、また、骨折の安定性が許す限り早く、解剖学的構造を回復させ、負傷した指(手指又は足指)の移動を可能にすることができる。本明細書に開示される骨折固定システム及び搬送方法は、さらに、軟組織の損傷及び/又は衝突を最小化することができる。
【0009】
本開示の骨折固定システムは、2つの髄内固定インプラントを含むことができ、これら2つの髄内固定インプラントは、ネジを切られることができ、少なくとも2つの直径を有するカスタマイズされた案内ワイヤーによって案内されて、骨髄管の内部に交差させて固定され得る。これに代えて、これら2つのインプラントは、相互に実質的に平行に埋め込まれ得る。このシステムは、骨折部位の回転を防ぐだけでなく、向上した安定性のために両皮質の保持(bicortical purchase)を達成するのに必要とされるインプラントの長さをより正確に調整することを可能にする。このより正確なサイズ調整及びインプラントの配置は、さらに、これらのインプラントの遠位端及び近位端の両方が、皮質壁の外面と面一になるか該外面の下方に凹むことを可能にし、これによって、感染の危険性を低減することができる。固定インプラントは、また、埋め込み後の移動を、例えばネジ又はその他の手段による滑らかではないシャフト外面を有することによって、低減するように設計される。
【0010】
本開示において、少なくとも2つの直径を有し、カニュレートされた整形外科インプラントを搬送するように構成された、例示的な案内ワイヤーが、第1の全体的に均一な外径を有する第1の部分と、第2の部分と、を具備し、前記第2の部分が、第1のセグメント及び第2のセグメントを少なくとも含み、該第1のセグメントが、前記第1の全体的に均一な外径より大きい第2の全体的に均一な外径を有し、前記第2のセグメントが前記第2の外径より小さい第3の外径を有し、前記カニュレートされた整形外科インプラントが、前記案内ワイヤーの前記第1の部分の上に摺動可能に搭載されるように構成され得、前記第2の全体的に均一な外径が、前記カニュレートされた整形外科インプラントのシャフトの小径、谷径又は外径と実質的に同一である。
【0011】
1つの構成において、前記第2の部分の自由端が鋭利な先端を含むことができる。
【0012】
1つの構成において、前記第1の全体的に均一な外径が0.7mmと0.9mmとの間であり得る。
【0013】
1つの構成において、前記第2の全体的に均一な外径が1.5mmと2.0mmとの間にあり得る。
【0014】
1つの構成において、前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントが第3のセグメントにより分離され得、該第3のセグメントの外径が前記第3の外径から前記第2の外径に移行する。
【0015】
1つの構成において、前記第1の部分及び前記第2の部分が取り外し可能に接続され得る。
【0016】
1つの構成において、前記第2の部分が前記第1の部分を受け入れるように構成されたカニュレーションを含むことができる。
【0017】
1つの構成において、前記カニュレーションが前記第2の部分の全長に沿って延びることができる。
【0018】
1つの構成において、前記カニュレーションが前記第2の部分の部分的な長さに沿って延びることができる。
【0019】
1つの構成において、前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方がフックを含むことができ、該第1の部分及び該第2の部分のうちの他方がループを含むことができる。
【0020】
少なくとも部分的にカニュレートされネジを切られた細長い整形外科インプラントを骨の内部に搬送する方法が、上述した案内ワイヤーの様々な構成のうちのいずれかを使用することができる。この方法は、上述した様々な構成のうちのいずれかを有する案内ワイヤーの第2の部分を用いるステップと、前記ネジを切られた細長い整形外科インプラントの谷径又は小径と実質的に同一である直径を有する経路を、前記骨の内部に準備するステップと、前記案内ワイヤーの前記第1の部分を前記インプラントのカニュレーションの内部に挿入するステップと、前記案内ワイヤーの前記第1の部分により案内される前記インプラントを前記経路を通して挿入するステップと、を含むことができる。
【0021】
本開示において、例示的な髄内骨折固定方法が、少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤーを骨折した骨の骨折部分を横断して搬送するステップを含むことができ、前記案内ワイヤーが、第1の直径を有する第1の後端部分と、第1のセグメント及び第2のセグメントを少なくとも含む第2の前端部分と、を具備し、前記第1のセグメントが前記第1の直径より大きい第2の直径を有し、前記第2のセグメントが前記第2の外径より小さい第3の外径を有し、前記搬送するステップが、前記案内ワイヤーの先導する先端が前記骨の外面と実質的に面一になるまで、前記骨の骨髄管を横断して前記案内ワイヤーの前記第2の部分を延在させるステップと、前記骨における前記案内ワイヤーの位置に基づいてカニュレートされた細長いインプラントの長さを決定することによって、該カニュレートされた細長いインプラントを選択するステップと、前記案内ワイヤーの前記第1の部分の上に前記カニュレートされた細長いインプラントを摺動可能に搭載するステップと、前記カニュレートされた細長いインプラントの両端が、前記骨の前記外面から突出しないように、前記案内ワイヤーにより案内される前記カニュレートされた細長いインプラントを前記骨の内部に挿入するステップと、前記骨から前記案内ワイヤーを取り外すステップと、を含むことができる。
【0022】
本開示において、例示的な髄内固定方法が、少なくとも2つの直径を有する第1の案内ワイヤーを、骨折した骨の骨折部分を横断して搬送するステップを含むことができ、前記第1の案内ワイヤーが、第1の直径を有する第1の後端部分と、前記第1の直径より大きい第2の直径を有する第2の先端部分と、を具備し、前記搬送するステップが、前記第1の案内ワイヤーの先導する先端が前記骨の外面と実質的に面一となるまで、前記骨の骨髄管を横断して前記第1の案内ワイヤーの前記第2の部分を延在させるステップと、前記骨における前記第1の案内ワイヤーの位置に基づいて、第1のカニュレートされた細長いインプラントの長さを決定することにより、該第1のカニュレートされた細長いインプラントを選択するステップと、前記第1の案内ワイヤーの前記第1の部分の上に前記第1のカニュレートされた細長いインプラントを摺動可能に搭載するステップと、前記第1の案内ワイヤーにより案内された前記第1のカニュレートされた細長いインプラントを前記骨の内部に挿入するステップと、前記骨から前記第1の案内ワイヤーを取り外すステップと、骨折した骨の骨折部分を横断して少なくとも2つの直径を有する第2の案内ワイヤーを搬送するステップと、を含み、前記第2の案内ワイヤーが、前記第1の直径を有する第1の後端部分と、前記第1の直径より大きい前記第2の直径を有する第2の前端部分と、を具備し、前記搬送するステップが、前記第2の案内ワイヤーの先導する先端が前記骨の前記外面と実質的に面一となるまで、前記骨の骨髄管を横断して前記第2の案内ワイヤーの前記第2の部分を延在させるステップと、前記骨における前記第2の案内ワイヤーの位置に基づいて第2のカニュレートされた細長いインプラントの長さを決定することにより、該第2のカニュレートされた細長いインプラントを選択するステップと、前記第2の案内ワイヤーの前記第1の部分の上に前記第2のカニュレートされた細長いインプラントを摺動可能に搭載するステップと、前記第2の案内ワイヤーによって案内される前記第2のカニュレートされた細長いインプラントを前記骨の内部に挿入するステップと、前記骨から前記第2の案内ワイヤーを取り外すステップと、を含むことができ、前記第1のインプラントの谷径の表面が前記第2のインプラントの谷径の表面と接触することができる。
【0023】
1つの構成において、前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び前記第2のカニュレートされた細長いインプラントの各々が両皮質性であり得る。
【0024】
1つの構成において、前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び前記第2のカニュレートされた細長いインプラントの各々が、前記骨の前記外面において又は該骨の該外面の前で終端することができる。
【0025】
1つの構成において、前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び前記第2のカニュレートされた細長いインプラントの各々の両端が、前記骨を囲む組織の内部に突出しないようにすることができる。
【0026】
1つの構成において、前記第2の案内ワイヤーを搬送するステップが、前記骨から前記第1の案内ワイヤーを取り外すステップの後に実行され得る。
【0027】
1つの構成において、前記第2の案内ワイヤーを搬送するステップが、前記第1の案内ワイヤーを搬送するステップの後であって、前記第1のカニュレートされた細長いインプラントを挿入するステップの前に実行され得る。
【0028】
1つの構成において、前記第2の案内ワイヤーを搬送するステップが、前記第1の案内ワイヤーの前記第2の前端部分によって形成された前記骨におけるトンネルとともに十字状のパターンを成すように、該第2の案内ワイヤーの前記第2の前端部分を前記骨の前記髄管を横断して延在させることを含み得る。
【0029】
1つの構成において、前記第2の案内ワイヤーを搬送するステップが、前記第1の案内ワイヤーの前記第2の前端部分によって形成された前記骨におけるトンネルに対して実質的に平行となるように、該第2の案内ワイヤーの前記第2の前端部分を前記骨の前記髄管を横断して延在させることを含むことができる。
【0030】
1つの構成において、前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び/又は前記第2のカニュレートされた細長いインプラントがネジを含むことができ、中間部分における前記ネジが、ドライバーヘッド若しくは前記先導する先端における又は該ドライバーヘッド若しくは該先導する該先端の周りにおけるネジよりも、大きいピッチを有する。
【0031】
1つの構成において、前記第1のカニュレートされた細長いインプラント及び/又は前記第2のカニュレートされた細長いインプラントの中間部分における最大外径が、ドライバーヘッド若しくは前記先導する先端における最大外径又は該ドライバーヘッド若しくは該先導する該先端の周りにおける最大外径よりも小さいものであり得る。
【0032】
本開示において、髄内骨折システムのための例示的なキットが、第1のインプラントシャフトの外径及び第1のインプラントカニュレーション直径を有する、カニュレートされた第1の細長いインプラントと、少なくとも2つの直径を有することができ、髄内固定のために骨折した骨の内部に前記第1のインプラントをを搬送するように構成された案内ワイヤーと、を含むことができる。前記案内ワイヤーは、第1の直径を有する第1の後端部分と、第1のセグメント及び第2のセグメントを少なくとも含む第2の先端部分と、を具備することができ、該第1のセグメントは前記第1の直径より大きい第2の直径を有し、第2のセグメントは、前記第2の外径より小さい第3の外径を有し、該第2の外径は、第1のインプラントシャフトの外径(又は第1のインプラントの谷径若しくは小径)と実質的に同一であり、前記第1のインプラントカニュレーション直径は、前記案内ワイヤーの前記第1の部分を収容するように構成され、前記キットが、さらに、髄内固定により前記第1のインプラントとともに埋め込まれるように構成された第2の細長いインプラントを具備し、該第2の細長いインプラントは、カニュレートされ、第2のインプラントシャフトの外径(又は第2のインプラントの谷径若しくは小径)及び第2のインプラントシャフトカニュレーション直径を有し、前記案内ワイヤーの前記第2の直径は、前記第2のインプラントの前記第2のインプラントシャフトの外径又は谷径若しくは小径と実質的に同一であり得、前記第2のインプラントカニュレーション直径が、前記案内ワイヤーの前記第1の部分を収容するように構成され得る。
【0033】
1つの構成において、前記キットは、髄内固定のために前記第2のインプラントを前記骨折した骨の内部に搬送するように構成され、少なくとも2つの直径を有する第2の案内ワイヤーを具備することができ、該第2の案内ワイヤーが、前記第1の直径を有する第1の後端部分と、該第1の直径より大きい前記第2の直径を有する第2の前端部分と、を有し、前記第2の直径が前記第2のインプラントシャフトの外径又は該第2のインプラントの谷径若しくは小径と実質的に同一であり、前記第2のインプラントカニュレーション直径が前記第2の案内ワイヤーの前記第1の部分を収容するように構成される。
【0034】
1つの構成において、前記第1の細長いインプラント及び/又は前記第2の細長いインプラントにはネジが切られ得る。
【0035】
1つの構成において、前記第2の細長いインプラントが、前記第1のインプラントとともに十字状のパターンで埋め込まれるように構成され得る。
【0036】
1つの構成において、前記第2の細長いインプラントが、前記第1のインプラントに対して実質的に平行に埋め込まれるように構成され得る。
【0037】
ヘッド及び少なくとも部分的にネジを切られたシャフトを具備することが可能なカニュレートされたインプラントを用いて骨折固定を実行するために、手術キットが用いられ得る。該キットは、骨折した骨の内部に対する前記インプラントの搬送を案内するように構成された、少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤーであって、第1の直径を有する第1の後端部分と、該第1の直径より大きく前記インプラントの前記シャフトの小径と実質的に同一である第2の直径を有する第1のセグメント、及び、前記第2の外径より小さい第3の外径を有する第2のセグメントを、少なくとも含む第2の前端部分と、を含み、
前記第1の部分の前記第1の直径が、前記インプラントのカニュレーションに対して摺動可能に係合するように構成された、案内ワイヤーと、サイズ調整ツールと、前記インプラントの前記ヘッドに係合して、該インプラントを前記骨の内部に挿入するように構成された、ドライバーと、を具備することができる。
【0038】
1つの構成において、前記手術キットは、殺菌して密封されたパッケージをさらに具備することができ、前記案内ワイヤー、前記サイズ調整ツール及び前記ドライバーが、前記殺菌して密封されたパッケージ内に封入され得る。
【0039】
1つの構成において、前記案内ワイヤー、前記サイズ調整ツール、及び/又は、前記ドライバーが、単一の使用のためのものとして構成され得る。
【0040】
1つの構成において、前記案内ワイヤー、前記サイズ調整ツール、及び/又は、前記ドライバーが、各使用の後に殺菌されることにより、再度使用され得る。
【0041】
要約することを目的として、特定の態様、利点及び新規な特徴が、本明細書において記載される。勿論、このような態様、利点又は特徴のすべてが必ずしも特定の実施形態において存在する必要がある訳ではない、と理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本開示のこれらの及び他の特徴、態様及び利点が、特定の実施形態を示す図面を参照して説明され、これらの図面は、特定の実施形態を模式的に示すことを意図したものであって本開示を限定することを意図したものではない。
【
図1】
図1は、指の骨に埋め込まれた、従来技術に係る交差させて固定したKワイヤーのX線写真を示す。
【
図2A】
図2Aは、本開示の一例のインプラントの側面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、
図2Aのインプラントのネジを切られていない(「ブランク」ともいわれる)バージョンの側面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aは、
図2Aのインプラントのネジを切られていない(「ブランク」ともいわれる)バージョンの前端図を示す。
【
図4A】
図4Aは、少なくとも2つの直径を有する例示的なカスタマイズされた案内ワイヤーの斜視図を示す。
【
図5A】
図5Aは、
図2Aの装置の搬送において用いるための例示的なサイズ調整ツールの前面図を示す。
【
図6A】
図6Aは、
図2Aのインプラントを搬送するように構成された例示的なドライバーの分解図を示す。
【
図6D】
図6Dは、
図6Cの軸B-Bに沿った詳細図におけるドライバーヘッド部分の断面図を示す。
【
図7A】
図7Aは、本開示の別の例示的なインプラントの側面図を示す。
【
図9A】
図9Aは、
図2Aのインプラントを実装する別の例示的な方法の特定のステップを示す。
【
図9B】
図9Bは、
図2Aのインプラントを実装する別の例示的な方法の特定のステップを示す。
【
図9C】
図9Cは、
図2Aのインプラントを実装する別の例示的な方法の特定のステップを示す。
【
図9D】
図9Dは、
図2Aのインプラントを実装する別の例示的な方法の特定のステップを示す。
【
図9E】
図9Eは、
図2Aのインプラントを実装する別の例示的な方法の特定のステップを示す。
【
図9F】
図9Fは、
図2Aのインプラントを実装する別の例示的な方法の特定のステップを示す。
【
図11A】
図11Aは、様々な中手骨及び指節骨の骨折のための例示的なレグスクリューの固定を模式的に示す。
【
図11B】
図11Bは、様々な中手骨及び指節骨の骨折のための例示的なレグスクリューの固定を模式的に示す。
【
図11C】
図11Cは、様々な中手骨及び指節骨の骨折のための例示的なレグスクリューの固定を模式的に示す。
【
図12A】
図12Aは、従来のラグスクリューの埋め込み手順のための例示的な問題を示す。
【
図12B】
図12Bは、従来のラグスクリューの埋め込み手順のための例示的な問題を示す。
【
図12C】
図12Cは、従来のラグスクリューの埋め込み手順のための例示的な問題を示す。
【
図12D】
図12Dは、従来のラグスクリューの埋め込み手順のための例示的な問題を示す。
【
図13】
図13は、本明細書に開示されたステップ状の案内ワイヤーに結合される例示的なラグスクリューを示す。
【
図15】
図15は、本明細書に開示されるインプラント及び手術用具の例示的なパッケージングを模式的に示す。
【
図16】
図16は、中手骨において髄内インプラントとともに埋め込まれたラグスクリューのX線画像を示す。
【
図17A】
図17Aは、足における骨の様々な固定のための例示的なラグスクリューを示す。
【
図17B】
図17Bは、足における骨の様々な固定のための例示的なラグスクリューを示す。
【
図18A】
図18Aは、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図18B】
図18Bは、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図19】
図19は、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図20】
図20は、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図21A】
図21Aは、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図21B】
図21Bは、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図22A】
図22Aは、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図22B】
図22Bは、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図22C】
図22Cは、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図23】
図23は、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図24】
図24は、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図25A】
図25Aは、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図25B】
図25Bは、本明細書に開示されるインプラントを搬送するためのステップ状の案内ワイヤーに対する例示的な代替の搬送ツールを示す。
【
図26A】
図26Aは、外径同士(「ネジ同士」ともいわれる)を接触させて挿入された
図2Aの2つのインプラントを示す。
【
図26B】
図26Bは、谷径同士を接触させて挿入された別のデザインの2つのインプラントを示す。
【
図26C】
図26Cは、インプラントの全体的なプロフィールを低減するように構成された例示的なインプラントを示す。
【
図26D】
図26Dは、インプラントの全体的なプロフィールを低減するように構成された例示的なインプラントを示す。
【
図26E】
図26Eは、インプラントの全体的なプロフィールを低減するように構成された例示的なインプラントを示す。
【
図26F】
図26Fは、インプラントの全体的なプロフィールを低減するように構成された例示的なインプラントを示す。
【
図27A】
図27Aは、サイズ調整を容易にすることを促進するように構成されたレーザーマーキングを有する例示的な案内ワイヤーを示す。
【
図27B】
図27Bは、サイズ調整を容易にすることを促進するように構成されたレーザーマーキングを有する例示的な案内ワイヤーを示す。
【
図28A】
図28Aは、先端に案内ワイヤーと係合する特徴を有する例示的なサイズ調整ツールを示す。
【
図28B】
図28Bは、先端に案内ワイヤーと係合する特徴を有する例示的なサイズ調整ツールを示す。
【
図28C】
図28Cは、先端に案内ワイヤーと係合する特徴を有する例示的なサイズ調整ツールを示す。
【
図28D】
図28Dは、先端に案内ワイヤーと係合する特徴を有する例示的なサイズ調整ツールを示す。
【
図29A】
図29Aは、別のデザインの第2の部分を有する案内ワイヤーの側面図を示す。
【
図29D】
図29Dは、案内ワイヤーの第2の部分の様々な例示的な別のデザインを示す。
【
図29E】
図29Eは、案内ワイヤーの第2の部分の様々な例示的な別のデザインを示す。
【
図31A】
図31Aは、鋭利な先端としてダイヤモンド形状の先端を含む
図29Aに示す案内ワイヤーの例示的な別のデザインを示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、特定の様々な実施形態及び例が記載されるが、当業者であれば、このような開示を、具体的に開示された様々な実施形態及び/又は用途、並びに、これら実施形態及び/又は用途に対する自明な様々な変形及び均等物を超えて、拡張させることができるものである、と理解できよう。例えば、例示された交差させて固定された骨髄内固定システムは、人体の他の部分、例えば足における骨に埋め込むことも可能なものである。よって、本明細書における開示の範囲は、以下に記載されるいずれかの特定の実施形態によって限定されるべきものではない、ということが意図されている。
【0044】
骨折の治療において、単一の長い骨髄内のインプラントは、骨折した小骨を、例えば十指節骨を、安定させるために用いられるときには、十分な回転制御を有しないことがある。骨折した指は、上記インプラントの長手軸の周りにスピンする傾向がある。上記インプラントが、回転に抵抗し、骨から軟部組織の内部に突出しない、ということは有益であり、また、患者が、現在の標準的な治療よりも早く、骨折した指の機能を復活させるのに、上記インプラントが十分に強力である、ということも有益である。よりよい回転制御及び/又は骨の整復が、各々が骨の両方の皮質壁を保持する、2つの交差させて固定した骨髄内のインプラントによって、すなわち、両皮質の保持(bicortical purchase)を用いて、達成され得る。或いはまた、各々が両皮質の保持を有する2つのインプラントが、相互に実質的に平行に埋め込まれ得る。
【0045】
現在、交差させて固定する手順が、標準的な市販の複数のKワイヤーを用いて実行される。このような複数のKワイヤーは、約1.1mm(0.045インチ)と約1.6mm(0.060インチ)との間の外径を有することができる。
図1は、或る人の手の骨折した指節骨6を治療するための、1対の交差させて固定した標準的なKワイヤー2、4の埋め込みを示す。しかしながら、この交差させて固定した標準的なKワイヤー2、4に関する結果は、多くの理由により不十分である。例えば、Kワイヤー2、4は、全体として均一な外側シャフトの直径、及び、比較的に滑らかな外面を有し、したがって、不十分な骨の保持(bone purchase)を有する。Kワイヤー2、4は、この不十分な骨の保持に起因して、手術後に容易に変位し得る。
【0046】
なお、上記不十分な結果は、Kワイヤー2、4の長さを指節骨6のサイズに対して適切に調整することができないという事実に起因し得る。1つのKワイヤーが骨折した骨を治療するために挿入されたときには、このKワイヤーは、骨に到達する前に、皮膚、筋膜、脂肪、腱、骨膜等を貫通する。
図1に示すように、Kワイヤー2、4が、指節骨6の概ね直径上において対向する側8、10にある皮質壁を横切って、骨髄管9を横断して埋め込まれたときには、Kワイヤー2、4の後端12、14にある部分が、皮膚を貫通して露出する。Kワイヤー2、4の前端16、18にある部分も、指節骨6の外面20から外側に突出し得る、すなわち、指節骨6の外面20を超えて延び得る。このように皮膚を貫通して露出した後端12、14における部分は、ワイヤカッターを用いて切り取られ得る。しかしながら、Kワイヤー2、4は、後端12、14において、依然として、指節骨6の外面20から延びている。Kワイヤー2、4の前端16、18及び/又は後端12、14は、したがって、少なくとも約1mmから約2mm、指節骨6の外面20から突出し得る。Kワイヤー2、4の突出した先端16、18及び/又は後端12、14が骨6の外面20から突出することに起因して、骨から皮膚までの間に傷が生じ得る。骨6を囲む組織層は、その傷に対して滑り得、これによって、組織層の癒着が生じ得る。さらに、切断されたKワイヤーの後端12、14が、依然として皮膚の傷口において露出し、ピンサイト感染を生じさせ得る。1つの研究では、露出したKワイヤーを用いて治療された中手骨の骨折がピンサイト感染として治療される可能性が2倍であった(埋め込まれたKワイヤーのケースの8.7%に対して、露出したKワイヤーのケースの17.6%)。
【0047】
不十分な固定、及び/又は、組織の損傷若しくはピンサイト感染の発生を低減する必要性のために、骨折した指は、交差させて固定したKワイヤーの埋め込みの後に、さらにギプスを用いて固定させられる必要もあり、このことは、患者に対するさらなる不便さを生じさせ得、さらに、骨折した骨の回復を遅らせ得る。
【0048】
固定インプラントの骨の保持を向上させるために、ネジ式のインプラント、例えばネジが、使用され得る。このようなネジは、複数のKワイヤーを介して搬送される必要があり得、したがって、カニュレーションを必要とし得る。カニューレ処置された(cannulated)搬送技術は、搬送経路が、予め挿入された案内ワイヤ、例えばKワイヤーによって案内され得るので、手術の手順をより安全に且つ容易にし得る。このカニューレ処置された技術に適したKワイヤーは、少なくとも約1.1mmの外径を有することが好ましい。1.1mmより小さい外径を有するKワイヤーは、より小さな剛性を有して柔軟になり過ぎるので、ドライバーを用いて骨の内部に挿入されるときに適切に進行することができず、骨の内部に対する直線経路から逸れ易くなる。しかしながら、標準的なカニューレ処置された市販のネジは、指節骨の髄内の固定、又は、他の手及び/若しくは足骨の固定のために使用するには大き過ぎる直径を有し得る。これは、ネジというのは、少なくとも約1.1mmの外径を有するKワイヤーを収容するのに十分なカニュレーションのサイズを有するためには、シャフトの外径として約2.8mm~約3mmより大きいものである必要があるからである。しかしながら、少なくとも2.8mmのシャフト外径を有するネジというのは、指節骨のような小骨において交差させて固定するパターン(「交差パターン」ということもある)のための空間が不十分なものになってしまう。このようなネジのシャフトにおける壁の厚みは、より大きな空間を提供するためには、例えば約2.8mmから2.5mm未満になるまで、削減又は低減され得るが、削減されたネジは、交差させて固定するパターンにおいて埋め込まれたときに指節骨における両皮質の保持を達成するための十分な長さを有することができない。これは、ネジの最大許容長さが、このネジのシャフトの壁の厚みに依存するからである。より長いネジは、このネジの構造上の剛性及び強度を維持するためには、より大きな壁の厚みを必要とする。
【0049】
本開示は、両皮質の保持及び改善された回転制御を含み、指節骨(及び他の小骨)の髄内での固定に適した所望の寸法を有しつつ、ネジが切られた及び/又はカニューレ処置された、交差させて固定する固定インプラントの例示的なシステムを提供する。本開示は、また、少なくとも2つの直径を有するカスタマイズされた案内ワイヤをこれに限定することなく含み、上記固定インプラントの長さをより簡単に調整し、上記インプラントをより簡単に搬送することを可能にする、例示的な装置も提供する。
【0050】
例示的な髄内固定システム
図2Aから
図2Fは、本開示の限定を目的としない例示的な整形外科インプラント100を示す。
図3A及び
図3Bは、
図2Aから
図2Fのインプラント100のブランクバージョンを示す。ここでいうブランクは、インプラント100の特定の特徴をより明確に示すために省略されたネジを用いて、示されている。
【0051】
インプラント100は、任意の好適な材料、例えば、チタン、ステンレス鋼、又は、他の金属及び/若しくは合金により、形成され得る。図示されているように、インプラント100は、前端102及び後端104を有する。前端102と後端104との間の全長は、例えば、約10mmと約50mmとの間、約12mmと約48mmとの間、約20mmと約48mmとの間、約24mmと約46mmとの間、約28mmと約44mmとの間、約32mmと約42mmとの間、又は、約36mmと約40mmとの間であり得る。本開示において提供されるすべての範囲は、その端の値を含む。
【0052】
インプラント100は、搬送案内ワイヤ(例えば、後に詳細に説明される、
図4Aから
図4Cにおける案内ワイヤー400)を収容するために、その長手方向の軸Aに沿った貫通カニュレーション120を含み得る。貫通カニュレーション120は、例えば、約1mm未満、0.80mmと約0.96mmとの間、又は、約0.84mmと約0.94mmとの間であり得る内径を有し得る。
【0053】
シャフト106は、前端102から後端104に向かって延びることができる。
図3Aに示すように、シャフト106は、先端部分108(
図2F参照)を除き、全体的に均一な(最大)外径Dを有し得る。外径Dは、約2.5mm未満、約2.4mm未満、約2.2mm未満、約2.1mm未満、又は、約2.0mm未満であり得る。先端部分108には、外径Dからより小さい直径にまでテーパが付けられ得る。先端部分108は、例えば約2mm未満、又は約1.5mm未満の長さを有することができる。
図2Aに示すように、先端部分108は、1又はそれ以上の切削特徴、例えば、1又はそれ以上の切削溝(cutting flutes)を含み得る。先端部分108のテーパ及び/又は切削特徴によって、インプラント100を、骨の内部に、例えば骨に予め形成されたトンネルの内部に、挿入することが、より容易になされ得る。
【0054】
ドライバーヘッド部分112が、後端104においてシャフト106に隣接して配置され得る。ドライバーヘッド部分112は、例えば、約4.0mm未満又は3.5mm未満であり得る。
図2E及び
図3Aに示すように、ドライバーヘッド部分112は、ドライバーヘッド部分112の外径からシャフト116の外径Dに移行する、テーパ部分114を含み得る。ドライバーヘッド部分112の外径は、例えば、約3.0mm未満、約2.5mmと約3.0mmとの間、又は、約2.6mmと約2.9mmとの間であり得る。
図2Aに示すように、ドライバーヘッド部分112は、1又はそれ以上の切削特徴116、例えば、1又はそれ以上の切削溝(cutting flutes)を含むことができ、当該切削特徴は、テーパ部分114のほとんどにおいて又は少なくとも部分的に配置され得る。
【0055】
ドライバーヘッド部分112は、ドライバーインターフェイス、例えば、
図2Cに示すような6角形のインターフェイス118を含み得る。6角形インターフェイス118は、貫通ボア120の外径よりも大きい内径を含み得る。ドライバーインターフェイスは、インプラント100を骨の内部に搬送するために、ドライバー(例えば、後に詳細に説明される、
図6Aから
図6Dに示すドライバー600)からインプラント100に対してトルクを伝達することを可能にする。或いはまた、ドライバーインターフェイスは、
図7Aから
図7Dに示すようなインプラント700のドライバーヘッド部分712におけるスロットインターフェイス718であり得る。インプラント700は、本明細書に開示されたインプラント100の複数の特徴のうちのいずれかを含むことができ、また、ここでは簡略化のためその説明を繰り返さない。ドライバーインターフェイスは、或いはまた、他の好適なドライバー構造、例えば、トルクスドライブ、ポジドライブ、ロバートソン、t来ウィング、トルクセット、スパナーヘッド、トリプルスクエア等、を受け入れることができる。
【0056】
インプラント100にはネジを付与することができる。
図2A及び
図2Bに示されるように、ネジ122は、シャフト106の全長に沿って又はシャフト106の実質的に全長に沿って、延びることができる。ネジ122は、オプションとして、ドライバーヘッド部分112に沿って(全体的に又は少なくとも部分的に)延びることもできる。ネジの高さは、シャフト106におけるよりも、ドライバーヘッド部分112において低くされ得る。シャフト106は、このシャフトが概ね均一な谷径又は小径を有することができるように、均一なネジ高さを有することができる。シャフト106に沿ったネジ122は、好適なネジ高さ(例えば、約0.15mmと約0.30mmとの間、約0.20mmと約0.25mmとの間、又は、その他)及び/又はピッチ(例えば、約0.5mmと約1.0mmとの間、約0.7mmと約0.8mmとの間、又は、その他)を有することができる。インプラント100は、非圧縮インプラントであり得るし、或いはまた、圧縮が指示されるとき、例えば横中軸骨折(transverse midshaft fracture)を固定するときには、圧縮インプラントであり得る。前端108及びドライバーヘッド部分112における上述した1又はそれ以上の切削溝は、ネジ122を中断させることができ、これにより、ネジ122を不連続にし、オプションとしてネジ122を当該切削溝において鋸歯状にすることができる。上記1又はそれ以上の切削溝におけるネジ122の上記中断及び/又は上記鋸歯状によって、インプラント100を骨の内部に容易に搬送することができる。或いはまた、インプラント100にはネジが付与され得ない。ネジが付与されないインプラントは、オプションとして、インプラントの外面から突出する他の特徴、例えば、スパイク、隆起、棘(barbs)、平らではない若しくは粗い表面、及び/又は、これと同等のものを含んで、骨の保持を向上させることができる。
【0057】
インプラントのネジは、概ね一定のピッチ、又は、変化するネジピッチを有することができる。ネジの様々なバリエーションが、
図26Aから
図26Fを参照して説明される。
図26Bから
図26Fに示されるインプラント2600、2600C、2600D、2600E、2600Fは、本明細書において開示されるインプラント100のうちの任意の特徴を有することができる。ネジ122は、2つのインプラント100が(後述する方法を用いること等によって)骨に挿入されたときに、これら2つのインプラント100のネジ122が、例えば
図26Aに示すように接触する、ようなピッチを有することができる。或いはまた、
図26Bに示すように、インプラント2600のネジ2622は、2つのインプラント2600が挿入されたときに、これらのインプラント2600が谷の径の表面2621において接触する、ようなピッチを有することができる。谷と谷とが接触することは、これらのインプラントのプロファイルをさらに低減させ、このことは、これらのインプラントを、指節骨といったような小さな骨髄管を備えた小骨の内部に挿入する際に、好ましいものとなり得る。谷と谷とが接触することは、これらのインプラントのプロファイルを、例えば、約15%と約40%との間、約20%と約35%との間、又は、約30%と約35%との間において、低減させることができる。インプラントの谷の最小径は、維持され得、これにより、インプラントの構造上の完全性及び強度を維持することができる。
【0058】
インプラントは、最大径及び/又はネジピッチにおいて変化して、骨におけるインプラントの全体プロファイルを低減することができる。
図26Bから
図26Fは、プロファイルを低減させることが可能な例示的なインプラントを示す。インプラント2600、2600C、2600D、2600E、2600Fの特徴は、相互の内部に組み込まれ得る。
図26Cから
図26Fに示される寸法は、例示のみを目的としたものであって、限定するためのものではない。例えば、インプラント2600D、2600Eのネジ全体は、谷と谷との接触を可能にするのに十分に大きなネジピッチを有し得る。或いはまた、例えば、インプラント2600、2600Fは、シャフトの中間部分2624においてより大きなネジピッチを有して、2つのインプラントが指節骨といったような小骨の内部に挿入されたときに、谷と谷との接触を可能にし得るし、また、インプラント2600、2600Fは、ドライバーヘッド部分2612及び前端2602において又はこれらの周りに、より小さい又は細かいピッチを有して、インプラントと皮質骨との間における固定強度を向上させることができる。これに代えて、又は、これに加えて、インプラント2600C、2600Eは、インプラントのドライバーヘッド部分及び前端において又はこれらの周りにおいてよりも、シャフトの中間部分2624において小さな最大径を有して、インプラントのプロファイルを低減させることができる。ネジの中間部分2624において(例えば、該中間部分のみにおいて)より大きなネジピッチ及び/又はより小さな最大径を有することによって、インプラントと皮質骨との間における固定強度を向上させ且つインプラントの構造上の剛性を損なわないだけでなく、インプラントのプロファイルを低減させることができる。
図26Cから
図26Fに示すように、インプラント2600C、2600D、2600E、2600Fのネジ又はネジの一部(例えば、インプラントの2つの端部のみにおいて又はインプラントの2つの端部の近辺のみにおいて)は、オプションとして、2重リード(dual-lead)であり得る。
図26Fでは、ドライバーヘッド部分2612及び前端2602において2重リードを有し、中間部分2624において単一リードを有することによって、ネジを、ドライバーヘッド部分2612及び前端2602において細かくし、中間部分2624においてより大きくすることができる。
【0059】
限定を目的としない、本明細書に開示されたインプラントを搬送するための案内ワイヤの様々な例(及び当該例の本開示に基づく様々なバリエーション)が
図4Aから
図4C及び
図29Aから
図32Bに示されている。案内ワイヤの特定の特徴が、案内ワイヤの特定の実施形態に示され得る。しかしながら、本開示において少なくとも2つの直径を備えた案内ワイヤーは、本明細書において開示された案内ワイヤの様々な実施形態のうちのいずれかの実施形態の特徴を含み得る。
【0060】
図4Aから
図4Cに示すように、案内ワイヤー400は、任意の好適な材料、例えば、標準的なKワイヤーのための上述した様々な材料と同一の材料により形成され得る。案内ワイヤー400は、前端402及び後端404を含み得る。案内ワイヤの前端402は、鋭利な先端部412を含むことができ、この先端部412は、例えば、
図4Cに示すように3面を有する切削した先端を備えたトロカール(trocar)先端部であり得るか、又は、他の任意の形状を有し得る。鋭利な先端部412は、前端402を介して、骨の内部に案内ワイヤー400を容易に挿入することを可能にする。案内ワイヤの前端におけるこの鋭利な先端部は、
図4Cに示されるトロカールとは異なるサイズ及び/又は形状を有することができる。
図32Aに示すように、トロカール先端部3212は、
図32Bにも示されたトロカール先端部412に比べて、より小さいサイズを有し得る。
図31Aから
図31Dに示すように、案内ワイヤ3100の鋭利な先端部3112は、本明細書において開示された様々な案内ワイヤの任意の他の特徴を組み込むことができるものであって、ダイアモンドスタイルの先端部を含み得る。
【0061】
案内ワイヤー400は、概ね均一の第1の直径D1を有する第1の部分406と、概ね均一の第2の直径D2を有する第2の部分408と、を含み得る。第1の部分406は、後端404に対して、より近くにあり得、第2の部分408は、前端402に対して、より近くにあり得る。第1の部分406は、後端404から延びることができる。移行部分410(本明細書において「ワイヤ肩」ともいう。)は、第1の部分406を第2の部分408に結合させ得る。幾つかの実装では、移行部分は、0の長さを有して、第1の部分406がステップ状の移行部を介して第2の部分408に移行することができる。移行部分は、
図4A及び
図4Bに示される移行部410よりも大きな長さを有することができる。。
図4A及び
図4Bに示されたような移行部分410に比べて、より長い例示的な移行部分2910、3010が、案内ワイヤー400の異なるバリエーションにおいて
図29Aから
図29D及び
図30Aから
図30Bに示されている。
【0062】
D1は、第1の部分406が貫通カニュレーション120を介してインプラント100を摺動可能に受け入れることができるように、構成され得る。D1は、例えば、約1mm未満であり得るか、約0.8mm未満であり得るか、又は、約0.7mmと約0.8mmとの間であり得る。D2は、好ましくは、D1より大きく、貫通カニュレーション120の内径よりも大きい。D2は、インプラント100の外径Dと同程度であるか又は実質的に同一であり得る。D2は、例えば、約1mmより大きいか、約1.1mmより大きいか、約1.2mmと約2.5mmとの間であり得るか、又は、約1.5mmと約2.0mmとの間である得る。
【0063】
案内ワイヤの第2の部分は、複数の直径を有し得る。例えば、
図29Aから
図29Eに示すように、案内ワイヤ2900の第2の部分2908は、第1のセグメント2914及び第2のセグメント2918を含み得る。第1のセグメント2914は、移行部分2914に隣接し得る。第1のセグメント2914は、上述した第2の直径D2を有し得る。第2のセグメント2918は、鋭利な先端部2912に隣接し得る。第2のセグメント2918は、D2より大きな第3の直径D3を有し得る。第2のセグメント2918は、実質的に均一な直径を有し得る。D3は、D1より大きいか又はD1以下であり得る。D3は、例えば、約0.6mmと約1.5mmとの間、約0.8mmと約1.2mmとの間、又は、約0.9mmと約1.0mmとの間であり得る。第2のセグメント2918の直径をより小さくすれば、案内ワイヤ2900を挿入すること、及び、骨の内部に対する軌道を開始することが、容易になり得る。第1のセグメント2914及び第2のセグメント2918は、第3のセグメント2916によって分離され得る。第3のセグメント2916の直径がD2からD3に移行するように、第3のセグメント2916にはテーパが付与され得る。
【0064】
第1のセグメント2914、第2のセグメント2916及び第3のセグメント2918の長さは、変化し得る。第3のセグメント2916のテーパは、約2°から約5°、又は、5°より大きい角度を有することができる。第2のセグメント2918は、約14mmと約30mmとの間、約16mmと約28mmとの間、又は、約20mmと約25mmとの間の長さを有し得る。
図29Dに示すように、
図29Aから
図29Cに示される案内ワイヤ2900に比べて、第1のセグメント2914は、より短くされ得るし、第3のセグメント2916は、より長くされ得る。
図29Eに示すように、第1のセグメント2914は、より短くされ得るし、第2のセグメント2916及び第3のセグメント2918は、より長くされ得る。
図30Aから
図30Fに示すように、案内ワイヤ3000は、案内ワイヤ3000は、
図29Aから
図29Cに示された案内ワイヤ2900に比べて、より長い第1のセグメント3014及びより短い第3のセグメント3016を有し得る。案内ワイヤ3000の第2の部分3008の第3のセグメント3016は、1又はそれ以上(例えば2つ)の切削溝3020を有することができる。第2の部分3008の外径がD3からD2に増加するにつれて、切削溝3020は、案内ワイヤ3000の第2の部分3008の骨の内部に対する挿入を容易にすることができる。
【0065】
案内ワイヤー400は、骨折固定手順において、鋭利な先端部412を含み得る前端402を介して、骨の内部に挿入され得る。案内ワイヤー400の第2の部分408が一旦骨を通過して延びると、骨の内部に埋め込まれた第2の部分の長さが直接的に又は間接的に測定されて、インプラント100がインプラント100のいずれかの端部において骨の外面から突出しないように、用いるべきインプラント100の長さが決定され得る。
【0066】
第1の部分406は、インプラント100を摺動可能に収容し、且つ、案内ワイヤー400の後端404をより容易に操作し及び/又はドライバーとインプラント100の後端104におけるドライバーインターフェイス118とのインターフェイスをより容易にするために、インプラント100の長さを超える長さを有することができる。第1の部分406の長さは、例えば、約15mmと約60mmとの間、約18mmと約60mmとの間、約20mmと約60mmとの間、約25mmと約60mmとの間、約30mmと約60mmとの間、約35mmと約55mmとの間、約40mmと約45mmとの間であり得る。第2の部分408は、皮質壁の外面の対向する両側の間に延びるのに十分であるものを超える長さを有することができる。第2の部分408の長さは、第2の部分408が骨の内部に挿入されるときに、必要とされるインプラントの長さをより容易に調節するのに十分であり得る。第2の部分408の長さは、例えば、約30mmと約70mmとの間、約40mmと約65mmとの間、又は、約50mmと約60mmとの間であり得る。
【0067】
インプラント100の必要とされる又は所望される長さは、サイズ調整ツール(sizing tool)を用いて決定され得、このサイズ調整ツールによれば、インプラント100の所望される長さを直接的に又は間接的に測定することができる。サイズ調整ツールの1つの例が、
図5Aから
図5Dに示すような深さゲージ500である。深さゲージ500は、例えば、ステンレス鋼、生体適合性プラスチック又はその他の任意の適切な材料により形成され得る。深さゲージ500は、オプションとして、使い捨てにすることが可能なものである。使い捨て可能な深さゲージは、再利用のために殺菌される必要がない。殺菌処理は、例えばオートクレーブ(autoclave)による殺菌処理は、深さゲージ500の形状を歪ませ得、これにより、深さゲージ500を不正確なものにする。
【0068】
深さゲージ500は、先端部分502及び目盛り部分504を含むことができる。
図5に示すように、先端部分502は、1つの視点によれば、目盛り部分504よりも小さい寸法を有し得る。例えば、目盛り部分504は、先端部分502に向かって徐々に先細になり得る。
図5B及び
図5Cに示すように、深さゲージ500は、概ね均一の厚みを有することができ、この厚みは例えばミリメートルの範囲にあり得る。深さゲージ500又は深さゲージ500の一部の長さ、例えば、先端部分502の自由端から第1の目盛りマーク506までの深さゲージ500の距離は、第2の部分408の長さ及び/又は案内ワイヤー400の全長に従って変化し得る。
【0069】
後に詳述するように、使用時には、先端部分502の自由端は、骨の外面における案内ワイヤー400の挿入点と面一になるように配置され得る。深さゲージ500は、概ね深さゲージ500の長手軸CLに沿って延びる細長いスロット508を、深さゲージ500の一部として含むことができる。
図5A及び
図5Dに示すように、スロット508は、目盛り部分の自由端の近くにある最後の目盛りマーク510を過ぎて終端し得る。骨における挿入点の外側にある案内ワイヤー400の残りは、概ねスロット508に沿って整列されられ得る。移行部分410の始まりに整列する目盛りマーク(例えば、48、46、44等といった番号、文字、アイコン、及び/又は、同様のもの)は、インプラント100の所望される長さ(例えばmm単位)を示すことができる。
図5Aに示すように、測定値の読み方に関する指示が、深さゲージ500の表面に設けられ得、深さゲージ500を適切に使用する方法に関する混乱を減らすことができる。
【0070】
図28A及び
図28Bに示すように、深さゲージ500は、分岐した先端部503を含み得る。分岐した先端部503は、深さゲージ500と本明細書において開示した案内ワイヤの様々な例のうちのいずれかとの係合を、深さゲージ500の先端部による案内ワイヤーに対する摺動を減少させることにより、向上させることができ、したがって、深さの決定の容易さを向上させることができる。分岐の形状は、一般的なV形状(例えば
図28A)から円弧又は半円(例えば
図28D)の範囲となり得るが、
図28Aから
図28Dに示す様々な例により限定されることを意図したものではない。
【0071】
図27A及び
図28Bに示すように、案内ワイヤー400(又は本明細書において開示される他の任意の案内ワイヤの例)は、マーキング426を含んで、深さゲージ500といったようなサイズ調整ツールを用いて深さを読み取ることを容易にすることができる。マーキング426は、レーザーマーク、着色された帯、又は、他の任意の適切なマーキングであり得る。
【0072】
これに加えて又はこれに代えて、他のタイプの様々な深さゲージが用いられ得る。例えば、深さゲージ500に類似した深さゲージが、骨に対する挿入点から案内ワイヤー400の後端404までの、案内ワイヤー400の距離を測定することができる。このような深さゲージは、
図5Aから
図5Dに示すような深さゲージ500よりも長い全長を有する。これに代えて、案内ワイヤー400自体が、複数の深さマークを含むことによって、別途のサイズ調整ツールを不要にすることができる。幾つかの構成では、このような案内ワイヤーにおける深さマークが、骨における挿入点に最も近い位置にあって、インプラント100の所望される長さを示すことができる。幾つかの実装では、骨に埋め込まれた案内ワイヤの部分における複数の深さマークが、透視法を用いてみたときに可視となるように、放射線不透過性であり得る。
【0073】
図6Aから
図6Dは、インプラント100を搬送するように構成された一例としてのドライバー600を示す。ドライバー600は、ドライバーハンドル602及びドライバーシャフト604を含み得る。ドライバーハンドル602及び/又はドライバーシャフト604は、適切な材料、例えば、ステンレス鋼、生体適合性プラスチック又はその他の材料により形成され得る。ドライバーシャフト604は、任意の適切な方法を用いて、例えば、
図6A及び
図6Bに示すような1又はそれ以上のダウエルピン606、オーバーモールド、又は、その他の方法を用いて、ハンドル602に結合され得る。
【0074】
図6C及び
図6Dは、ドライバーシャフト604のヘッド部分608を示す。ヘッド部分608は、インプラント100のドライバーインターフェイス118とインターフェイスするように構成される。図示された例では、ヘッド部分608は、インプラント100の六角形のヘッドインターフェイスに適合する六角形のヘッドであり得る。ヘッド部分608は、インプラントのドライバーインターフェイスのタイプに依存した他の構成を有し得る。
【0075】
図6Dに示すように、ドライバーシャフト604の少なくともヘッド部分608は、カニュレートされ(cannulated)得る。幾つかの構成では、ドライバー600は、その全長に沿って又は実質的にその全長に沿ってカニュレートされ得る(管状とされ得る)。カニュレーション(cannulation)610の直径は、インプラント搬送手順において、カニュレーション610が、摺動可能に案内ワイヤー400の第1の部分406を受け入れて、案内ワイヤー400の第1の部分406をやはり摺動可能に受け入れるインプラント100とインターフェイスする(interface with)ことができるように、構成され得る。カニュレーション610の直径は、例えば、インプラント100の貫通カニュレーション120の直径と同一又は実質的に同様であり得る。
【0076】
本明細書において開示される髄内固定システムの例示的な搬送方法
インプラント100、700を搬送する好ましい例示的な方法(又はかかる方法の本開示に基づいた様々なバリエーション)の特定のステップが、
図8Aから
図8Fに示される。しかしながら、以下に説明する様々な方法は、本明細書に開示された様々な案内ワイヤの実施形態のうちのいずれの実施形態とともに用いることが可能なものである。当該方法がインプラント100を参照して図示される。しかしながら、本明細書に開示されたインプラントの様々なバリエーション、例えば、インプラント2600C、2600D、2600E、2600Fのいずれもが、本明細書に開示される方法を用いて挿入され得る。
【0077】
図8Aに示すように、損傷した骨を含む人体の解剖学上の構造が、撮像システムを用いて可視化され、このような撮像システムは、蛍光透視法、例えばCアーム又はその他のものを用いて蛍光透視法であり得る。
図8AにおけるX線画像に示すように、例えば指節骨であり得る骨6が、骨折部位22において骨折を負っている。
図8Bに示すように、少なくとも2つの直径を有する第1の案内ワイヤー400が、その前端402から、骨6の骨髄管の内部に挿入され得る。案内ワイヤー400の第2の部分408が部分的に骨の内部に挿入され得る。案内ワイヤー400は、骨の非間接基部(又は基部に近い非関節表面)の内部に経皮的に(percutaneously)すなわち皮膚を通して挿入され得る。案内ワイヤー400は、例えば近位から遠位に向かう方向に挿入され得る。骨6に入った後に、案内ワイヤー400は、骨に対して内側に及び横方向に(又は横方向に及び内側に)交差し、骨折部位22に対して交差し得る。
【0078】
図8Cに示すように、案内ワイヤー400がその進行を停止させられ得るのは、案内ワイヤー400の前端402が、挿入点24から骨髄管9の反対側にある骨6の外面20に対して、面一に位置したとき、実質的に面一に位置したとき、又は、僅かに届かないところに位置したときである。骨6における案内ワイヤー400の前端402の位置は、撮像システムを用いて確認され得る。骨6における案内ワイヤー400の第2の部分408の長さは、任意の適切なサイズ決定マーク、サイズ決定ツール又はその他のものを用いて、測定され得る。
【0079】
例えば、骨6の上方にある皮膚の上に、小さな切開(例えば約2mm又はその他)が形成され得る。深さゲージ500の先端部分502が、この小さな切開の内部に挿入され得る。
図8Cに示す例では、深さゲージ500の先端部分502の自由端が、骨6における案内ワイヤー400のための挿入点24の上に面一となるように配置され得る。案内ワイヤー400及び/又は深さゲージ500は、案内ワイヤー400が細長いスロット508において見えてスロット508に対して実質的に平行に進むように、調整され得る。案内ワイヤー400の移行部分410に対して整列された目盛りマークがインプラントの所望される長さを指示することによって、インプラント100は、埋め込まれたときに、骨6の両方の皮質壁に係合しつつも、インプラント100のいずれかの端部における骨の外面から突出しないようにすることができる。
図8Cに示すように、移行部分410は、45mmという目盛りマークに対して整列させられ得る。約45mmの長さ、又は、45mmを超えない次に最も近い利用可能な長さ(44mmといったような)を有するインプラントが、選択され得る。インプラント100のサイズを調整した後に、深さゲージ500が取り外され得る。
【0080】
図8Dに示すように、案内ワイヤー400は、移行部分410が骨の挿入点24に実質的に到達するまで、骨6を通ってさらに進行し得る。所望される長さ、例えば、図示される例における約44mmと約45mmとの間の長さを有する、第1のカニュレートされたインプラント100は、案内ワイヤー400の第1の部分406の上を摺動させられ得る。第1のインプラント100は、移行部分410に到達したときに、案内ワイヤー400の第1の部分406に対する進行を中止し得る。少なくとも部分的にカニュレートされたドライバー600また、案内ワイヤー400の後端404を介して案内ワイヤー400の第1の部分406における残りの部分に対して摺動し得る。
【0081】
ドライバー600は、ドライバー600のドライバーヘッド部分608がインプラント100の後端104におけるインプラント100のドライバーインターフェイスに係合するまで、案内ワイヤー400の第1の部分406に沿って進行させられ得る。これに代えて、インプラント100及びドライバー600は、案内ワイヤー400の上を進行させられる前に、取り外し可能に接続され得る。ドライバー600を用いて、インプラント100は、第1の案内ワイヤー400の第2の部分408により形成された骨におけるトンネルを介して搬送され得る。インプラント100のシャフト106の谷径(root diameter)又はマイナー径(minor diameter)は、案内ワイヤー400の第2の部分408の外径D2(
図4B参照)と実質的に同一とされ得る。案内ワイヤー400の第2の部分408は、したがって、インプラント100のシャフト106の谷径又はマイナー径に対する通路を確保することができる。これに代えて、外径D2は、インプラントのシャフト106の外径又は最大径Dと実質的に同一とされ得る(
図3A参照)。案内ワイヤー400の少なくとも2つの直径D1、D2(
図4B参照)に起因して、インプラント100は、案内ワイヤー400の第2の部分408のD2より僅かに大きい程度に小さくなるように、外径Dを維持しながら、インプラント100の長さについて、より大きな壁厚、ひいては、より大きな構造上の剛性を有することができる。案内ワイヤー400の少なくとも2つの直径によれば、骨のトンネルが案内ワイヤー400の第2の部分408を用いて形成されることによって、インプラント100を骨6の内部に駆動するためにより小さなトルクが用いられ得るようになっており、及び/又は、インプラント100の挿入が、案内ワイヤー400の挿入に比べて、骨6に対する障害をほとんど生じさせないか、若しくは、骨6に対する別途の障害を生じさせない。インプラント100の挿入において、より大きな抵抗が感じられる場合には、インプラント100の挿入を再開する前に、ドライバー600は、数回転(例えば約2回転)、後退させられ得る。
【0082】
インプラントの配置は、撮像システムを介して間欠的に(又は連続的に)確認され得る。インプラント100のネジのピッチは、Kワイヤーのドライバーの軸方向の進行によって標準的なKワイヤーのを骨の内部に進行させる場合に比べて、ドライバー600を回転させることにより骨6におけるインプラント100の進行距離の制御がより細かく調整可能であってより正確となるように構成され得る。ドライバー600によるより大きな制御は、インプラント100が骨6により正確に配置されることをさらに可能にし、且つ、インプラント100の前端102又は後端104が骨6を囲む組織の内部を貫く可能性をさらに低減させ得る。
【0083】
図8Eに示されているように、第1のインプラント100が骨6の内部に所望される位置に埋め込まれた後に、第1の案内ワイヤー400は、第1のインプラント100から及び骨6から取り外され得る。例えば、第1の案内ワイヤー400の第1の部分406は、遠位側に取り外され得る。案内ワイヤー400の第1の部分406のD1は、案内ワイヤー400の第2の部分408のD2より小さいので、案内ワイヤー400の第1の部分406を骨6から引き抜いても、骨6に対して付加的な傷は生じない。
【0084】
同一のステップが、同一の案内ワイヤー400又は第2の案内ワイヤー400について繰り返されて、第2のインプラント100を搬送することができる。第2のインプラント100は、第1のインプラントと同一の長さを有していてもよいしそうでなくてもよい。
図8Eに示すように、上記同一の第2の案内ワイヤー400又は第2の案内ワイヤー400の第2の部分408は、案内ワイヤー400が第1のインプラント100に交差することができ、且つ、案内ワイヤー400の前端402が、第1のインプラント100の前端102が係合する皮質壁とは反対の皮質壁において終端することができるような角度で、骨6の関節ではない基部における異なる挿入点26に挿入され得る。
【0085】
案内ワイヤー400及び第1のインプラント100は、第2のインプラント100が
図8Eに示すように案内ワイヤー400を介して埋め込まれるときに、第2のインプラント100におけるネジが第1のインプラント100の外面に接触しないことを確実にするように、最小距離で分離される、という確認がなされ得る。これは、第2のインプラント100の挿入の間におけるそのような接触が、より高いトルク値をドライバー600に伝達させ得、ドライバー600の故障という結果を生じさせ得るからである。
【0086】
第2のインプラント100が所望される位置にまで骨6の内部に埋め込まれた後、上記同一の案内ワイヤー400又は第2の案内ワイヤー400が、上述したように、第2のインプラント100及び骨6から取り外され得る。
図8F及び
図8Gは、埋め込まれた、交差させて固定した第1のインプラント100及び第2のインプラント100のX線画像を示す。
図8Fは、これら2つのインプラントの略x形状の構造を示す。いずれのインプラント100の両端も、骨6を囲む組織との相互作用を避けるように、骨6の外面20から突出しないように位置する。第1のインプラント100及び第2のインプラント100は、骨の骨折部分同士の回転制御を向上させるように、交差させられる。
【0087】
少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤー400を用いたカニュレートされたインプラント100の搬送方法は、上述した標準的なKワイヤーの交差させて固定することと同様の技術の幾つかを採用することからも利益を受けることができる。外科医は、既に訓練を受けてきており、交差させて固定する技術に精通している可能性が高いので、本明細書に開示されたシステム及び方法をより安全に且つ効率的に実施することができる。しかしながら、本明細書に開示された固定システム及び方法は、標準的なKワイヤーを交差させて固定することを、例えば、これらのインプラントをより正確にサイジングすること、術後のインプラントの変位を減少させること、及び、本明細書に開示された他の利点を提供することによって、さらに向上させる。
【0088】
2つのインプラント100は、
図9A~
図9Hに示されるような異なる搬送方法を用いて埋め込まれ得る。別の方法は、上述した関連するステップ、例えば、骨、インプラント100、及び/若しくは、案内ワイヤー400を含む搬送装置を撮像すること、案内ワイヤー400を挿入すること、インプラント100のサイズを調整すること、並びに/又は、案内ワイヤー400を用いて第1のインプラント100及び第2のインプラント100を挿入すること、のうちのいずれかを含み得る。
図9A~
図9Hの記載における特徴は、上述した方法に組み込まれ得る。
【0089】
図9Aに示すように、別の埋め込み手順は、いずれかのインプラント100を挿入することの前に、少なくとも2つの直径を有する第1の案内ワイヤー400と少なくとも2つの直径を有する第2の案内ワイヤー400とを交差させたパターンで挿入することを、含み得る。第1の案内ワイヤー400の第2の部分408と第2の案内ワイヤー400の第2の部分408との間における所定の距離が、撮像システムを用いて確認され得て、挿入の間に2つのインプラント100が相互に接触する可能性を低減させることができる。
図9Bに示すように、2つの第2の部分408の挿入によって形成されたトンネルにおいて骨に、2つの案内ワイヤー400の2つの第1の部分406を残すように、2つの案内ワイヤー400の2つの第2の部分408が、骨6から引き抜かれ得る。
【0090】
図9Cに示すように、第1のインプラント100が、案内ワイヤー400の第2の部分408によって形成された骨トンネルの内部に、案内ワイヤー400の第1の部分406に案内されて、ドライバー600によって挿入され得る。
図9Dに示すように、第1のインプラント100が所望された位置に搬送された後に、ドライバー600が取り外され得る。
図9E及び
図9F、
図9C及び
図9Dのステップを繰り返して、第2の案内ワイヤー400によって案内された第2のインプラント100を挿入することを示す。両方のインプラント100が一旦それらの所望される位置に搬送されると、第1の案内ワイヤー400及び第2の案内ワイヤー400が、第1のインプラント100及び第2のインプラント100から、並びに、骨6から、取り外され得る。
【0091】
これに代えて、
図9Aに示すステップの後に、単一の案内ワイヤー400について
図8Dに示したステップと同様に、第1の案内ワイヤー400及び第2の案内ワイヤー400は、これらの案内ワイヤー400の遷移部分410が骨における挿入点に隣り合うまで、骨の内部をさらに進行させられ得る。この後、第1のインプラント100及び第2のインプラント100が、上述したように、第1の案内ワイヤー400及び第2の案内ワイヤー400の第1の部分406とともに、骨の内部に挿入され得る。
【0092】
さらにこれに代えて、
図10に示すように、第1のインプラント100及び第2のインプラント100が、相互に実質的に平行となるように、骨折22を有する骨l6の内部に挿入され得る。第1のインプラント100及び第2のインプラント100のうちのいずれの端部も、骨6の外面20から突出しない。第1のインプラント100及び第2のインプラント100は、同一の長さを有していても有していなくてもよい。この方法は、上述した様々な方法のうちのいずれのステップを組み込むこともできる。例えば、第1のインプラント100及び第2のインプラント100は、本明細書に開示された案内ワイヤー400といったような1又はそれ以上の案内ワイヤを用いて、挿入され得る。各インプラント100について別々の案内ワイヤーが用いられる場合には、これら案内ワイヤーによって案内される第1のインプラント100及び第2のインプラント100の挿入の前に、2つの案内ワイヤの両方が、相互に実質的に平行に、骨6の内部に挿入され得る。これに代えて、第2の案内ワイヤーは、第1の案内ワイヤーによって案内される第1のインプラント100の挿入後に、挿入され得る。第1の案内ワイヤーは、取り外されるか、又は、骨6の内部に残り得る。第2の案内ワイヤーは、埋め込まれた第1のインプラント100に対して実質的に平行に挿入され得る。これに代えて、2又はそれ以上のインプラント100が、本明細書に開示された方法を用いて、相互に対して任意に配置されて、患者の骨に挿入され得る。
【0093】
本明細書に開示された手術装置を用いたラグスクリュー
上述した手術装置は、上述した手法に代えて又は加えて、複数の異なる他のタイプのインプラント、例えばラグスクリューをこれに限定することなく、搬送するために用いられ得る。1又はそれ以上のラグスクリュー及びラグ技術が、骨折した骨の断片をともに圧縮して、固定を達成し、且つ、骨折部位における治癒を促進することができる。ラグスクリューは、剥離骨折固定、マレット骨折固定、遠位単/双凸面骨折固定、螺旋/斜め固定、ロランド骨折固定、及び、ベネット骨折固定を含む、様々な種類の骨折に、これらに限定されることなく、使用可能である。ラグスクリューは、
図11A及び
図11Bに示されている指節骨並びに
図11Cに示されている中手骨といったような、複数の異なるタイプの骨を固定するために使用され得る。以下の方法は、1例として、案内ワイヤー400を用いて説明される。しかしながら、以下に記載される方法は、本明細書で記載される複数の案内ワイヤの実施形態のいずれを用いても使用可能である。
【0094】
従来のラグスクリューの埋め込み技術は、リーマーを使用して骨の近位皮質及び遠位皮質を貫通させる事前の穿孔を伴うことがある。スクリューが締められると、スクリューの終端におけるネジが遠位皮質に係合し、スクリューの頭部が近位皮質に係合して、複数の骨折した断片をともに圧縮する。骨のトンネルを形成するために専用のリーマーが必要であるだけでなく、従来のラグスクリューの埋め込み技術は、いくつかの他の課題を有し得る。
図12Aに示すように、骨リーマーによって形成された骨のトンネルを通して(カニュレートされていない)ラグスクリューを挿入するときに、ラグスクリューの先端を用いて遠位皮質を見つけることが外科医にとって難しいことがあり得る。
図12Bに示すように、ラグスクリューが実質的にシャフト全体にわたってネジを切られている場合、グライドホール(glide hole)が必要である。グライドホールを形成するステップは、オーバードリル(overdrilling)ともいわれる。
図12Bに示すように、近位皮質が、第1のリーマーを使用してラグスクリューのシャフトの最大外径までオーバードリルされて、グライドホールが形成され、次に、遠位皮質が、第2のより小さいサイズのリーマーを使用して、スクリューのシャフトの小径に類似した直径にまで、ドリルされる。スクリューが挿入されたときには、スクリューは、グライドホールを通って滑り、そのネジはネジ穴を通して遠位皮質に係合するのみである。オーバードリルは、追加のドリルステップであって、埋め込み手順を複雑にし得る。この追加のステップは、医原性の損傷又は負傷のリスクを増加させる可能性もある。
図12Cに示すように、カニュレートされたラグスクリューが使用される場合には、リーマーが導入される前に、最初に従来のKワイヤーが近位皮質及び遠位皮質を通って挿入される。しかしながら、Kワイヤーが、手順の間に(例えばオーバードリル用の最初のリーマーが取り外されるときに)矢印で示された方向に引き抜かれ又は滑り出す可能性があって、強化される必要があり、このことが手順を複雑化させ得る。さらに、
図12Dに示すように、上述したように従来のKワイヤーの外径が小さいことに起因して、Kワイヤーは、骨の内部に挿入される間に曲がって、カニュレートされたラグスクリューを導入するために用いることが困難となり得る。
【0095】
本明細書に開示された手術器具を用いて、特に、ラグスクリューを搬送するための
図4A~
図4Cの案内ワイヤー400は、上述した複数の問題点のうちの幾つか及び他の問題点に対処することができる。
図13に示すように、例示的なラグスクリュー1300が、案内ワイヤー400を用いて搬送され得る。ラグスクリュー1300は、ステンレス鋼、チタン又は硬質プラスチック等から形成され得る。ラグスクリュー1300は、頭部1302及びシャフト1304を含み得る。頭部1302は、六角ドライブヘッド等であり得る。シャフト1304は、小径D1を有し得る。シャフト1304は、その終端部分1306においてネジを切られ得る。幾つかの実施形態では、シャフト1304は、全体的にネジを切られ得る。終端部分1306は、最大径D2を有し得る。ラグスクリュー1300は、カニュレートされて、案内ワイヤー400の第1の部分406の上を摺動することができるようになり得る。案内ワイヤー400の第1の部分406の外径は、例えば、約0.6mm、又は、本明細書において開示された他の値であり得る。ラグスクリュー1300のシャフト1304の小径D1は、案内ワイヤー400の第2の部分408の外径と実質的に同一であり得る。
図14A~
図14Eを参照して後述するように、ラグスクリュー1300のシャフト1304の小径D1の経路は、案内ワイヤー400の第2の(より大きな径を有する)部分408によって準備され得る。スクリュー1300のD1及び/又は第2の部分408の外径は、例えば、約1.1mmであり得る。スクリュー1300のネジの外径は、1.1mmより大きく、例えば約1.5mmであり得る。スクリュー1300の長さは、約6mmと約22mmとの間、約7mmと約21mmとの間、約8mmと約20mmとの間、約9mmと約19mmとの間、又は、約10mmと約18mmとの間等であり得る。
【0096】
ラグスクリュー1300(又は他のラグスクリュー)を搬送する例示的な方法の特定の複数のステップが、
図14A~
図14Eに示されている。この方法は、従来のカニュレートされたラグスクリュー埋め込み手順におけるようなカニュレートされたドリルを使用することを含まない。案内ワイヤー400を骨6の内部に導入する前における事前のドリルは必要とされない一方、大抵の従来のカニュレートされたスクリューシステムは、案内ワイヤー及び別のカニュレートされたドリルを使用することを必要とする。幾つかのシステムは、スクリューが自己ドリル又は自己穿孔(self tapping)するようにスクリューの先端に切削特徴を使用することによって、カニュレートされたドリルステップを削除することができるが、これらのシステムは、依然として、初期のターゲッティングのための非常に小さい径を有するKワイヤーに制限される。カニュレートされたスクリューは、骨の内部に対する挿入中に、Kワイヤーの上方を摺動し、Kワイヤーによって案内されるので、そのようなKワイヤーの外径は、スクリューのカニュレーションのサイズによって制限される。また、上述したように、小さい直径を有するKワイヤーは、骨の内部に対する挿入中に、撓み又は湾曲する可能性があり、したがって、初期のターゲティングに使用しにくい可能性がある。これと比較して、案内ワイヤー400は、先端402においてより大きな外径を有する第2の部分408を含む(し、スクリューのための経路を確保する)。第2の部分408の外径は、スクリューのカニュレーションのサイズよりも大きい。第2の部分408は、従来のKワイヤよりも、硬く、より少ない湾曲によって、骨の内部により挿入し易い。さらに、スクリューは、より小さな外径を有する案内ワイヤー400の第1の部分406の上をスライドして骨の内部に挿入され得る。
【0097】
図示されるように、例えば指節骨である骨6は、骨折部位22において骨折している。案内ワイヤー400は、前端402から骨6の内部に挿入され得る。案内ワイヤー400の挿入は、適切な案内ワイヤードライバー1400によって支援され得る。
図14A、
図14C及び
図14Dに示す案内ワイヤードライバー1400は、説明を目的としたものであって、限定するものではない。案内ワイヤードライバー1400は、案内ワイヤー400を押すこと及び/又は引くことを容易にするために、ユーザの手のためのハンドル1402を含むことができる。案内ワイヤードライバー1400は、案内ワイヤー400の第2の部分408を掴むためのコレット又はコレットシステムを含むことができる。案内ワイヤードライバー1400は、案内ワイヤー400のより細い第1の部分406を掴むための専用のコレット又はコレットシステムを有する必要はないかもしれない。より細い第1の部分406は、市販のコレットに係合するには小さ過ぎることがある。
【0098】
図14Bに示すように、案内ワイヤー400の第2の部分408は、骨6の内部に、部分的に、所望される最終的な埋め込み深さにまで挿入され得、少なくとも骨6の近位皮質24を貫通することができる。
図14Bに示されているように、案内ワイヤー400の前端402は、遠位皮質26において骨の表面を丁度貫通しようとしている。骨6における案内ワイヤー400の前端402の位置は、撮像システムを使用して確認され得る。案内ワイヤードライバー1400は一時的に案内ワイヤー400から外され得、さらに、
図8Cを参照して上述した深さゲージ500が使用されて、ラグスクリューの所望される長さ又はサイズが決定され得る。ラグスクリューのサイズを決定した後、深さゲージ500が取り外され得る。骨6における案内ワイヤー400の第2の部分408の長さは、適切なサイズ決定マーク、ツール又はその他の手段を使用して、測定され得る。
図14Cに示されているように、案内ワイヤードライバ1400は、案内ワイヤー400に再度係合して、骨の遠位皮質26を通って矢印の方向に案内ワイヤー400の前端402を前身させ続けることができる。
【0099】
図14Dに示されているように、案内ワイヤードライバー1400は、近位皮質24の側において、案内ワイヤー400の第2の部分408から外され得、骨6の遠位皮質26の側において、案内ワイヤー400の第2の部分408に再度係合することができる。案内ワイヤードライバー1400は、案内ワイヤー400を引いて、案内ワイヤー400の第1の部分406を骨6の近位皮質24に向かって引くように、骨6から引き離され得る。
【0100】
図14Eに示されているように、案内ワイヤー400の第1の部分406が近位皮質24から骨6に入るまで案内ワイヤー400を引くように、案内ワイヤードライバー1400は、骨6から引き離され得る。案内ワイヤードライバー1400は、案内ワイヤー400から取り外され得る。深さゲージ又はその他の手段を使用して決定された所望される長さを有するラグスクリュー1300は、案内ワイヤー400の第1の部分406の上を摺動させられ得る。上述した少なくとも部分的にカニュレートされたドライバー600が、案内ワイヤー400の第1の部分406の残りの部分の上を後端404を介して摺動することができる。ドライバー600は、ドライバー600のドライバーヘッド部分608がラグスクリュー1300のヘッド1300におけるラグスクリュー1300のドライバーインターフェイスに係合するまで、案内ワイヤー400の第1の部分406に沿って前進することができる。これに代えて、ラグスクリュー1300とドライバー600とは、案内ワイヤー400の第1の部分406の上を前身させられる前に、取り外し可能に接続され得る。上述したように、ラグスクリュー1300のシャフト1304の小径は、案内ワイヤー400の第2の部分408の外径と実質的に同一であり得る。ドライバー600を使用して、ラグスクリュー1300は、第1の案内ワイヤー400の第2の部分408によって形成された骨におけるトンネルを通って、搬送され得る。スクリュー1300のネジを切られた終端部分1306が遠位皮質26に係合し、スクリュー1300のヘッド1302が近位皮質24に係合して、骨折した断片がともに圧縮され得る。スクリューの配置は、撮像システムを使用して間欠的に(又は連続的に)確認され得る。これに代えて、
図14Eにおけるドライバー600とは異なるドライバーを使用して、スクリュー1330が骨6の内部に進行させられ得る。
【0101】
例えば
図14A-14Eに示されているように、ラグスクリュー1300を搬送するために、少なくとも案内ワイヤー400を含む器具を使用することによって、事前のドリルステップ、別のリーマ(若しくはドリル)に対する必要性、及び/又は、小さい外径(例えば、約0.7mm未満)を有する従来のKワイヤーに係合するためのKワイヤードライバーのための特別なコレットに対する必要性、をなくすことができる。
図14A~
図14Eに示されている搬送方法は、特に、異なるサイズのリーマに切り替えるときのオーバードリル後にKワイヤーを引き抜くことをなくすことができ、スクリュー1300を前進させながら案内ワイヤー400を所定の位置に保持することにより骨の縮小を維持することができる。さらに、案内ワイヤー400のより大きな径を有する第2の部分408が、より小さい外径を有する従来のKワイヤよりも、硬く、曲がりにくく、骨6の内部への挿入が容易なものとなり得る。
【0102】
通常は再使用可能であって各使用後に滅菌されるリーマ又はドリルに対する必要性がなくなることにより、本明細書に開示される手術器具及び/又はスクリュー又は他のインプラントを無菌(及びオプションとして使い捨て可能な又は1回使用の)キットにパッケージ(包装)することが可能となる。
図15に示すように、パッケージされたキット1500は、無菌手術器具パッケージ1502及び無菌インプラントパッケージ1504を含むことができる。無菌手術器具パッケージ1502は、案内ワイヤー400、ドライバー600及び深さゲージ500を含むことができる。案内ワイヤー400、ドライバー600、及び/又は、深さゲージ500は、1回使用のためのもの又は再使用可能なものとすることができる。案内ワイヤー400、ドライバー600、及び/又は、深さゲージ500を再使用するために、これらの器具は、各使用後に再滅菌され得る。
【0103】
図4A~
図4Cの案内ワイヤー400又は
図29A~
図32Bの案内ワイヤの例といったような、ステップ状の又は2重の直径を有する案内ワイヤーは、ユーザ(例えば外科医)の好みに応じて手術技術に柔軟性を与えることができる。例えば、ジョーンズ骨折固定又は別の骨折固定手順では、ユーザは、カニュレートされた技術を好むかもしれないが、インプラントの強度を高めるために中実スクリューを好むかもしれない。カニュレートされた装置の挿入を可能にする接続されたより小さい径の後端とインプラントの経路を準備するより大きい径の前端とを有するステップ状の案内ワイヤーを有することによって、中実技術及びカニュレートされた技術の両方を可能にする。中実技術については、中実スクリューは、本明細書に開示される2重の直径を有する案内ワイヤーのより細い部分との相互作用のために、小さな凹部を含むことができ、及び/又は、前端において部分的にカニュレートされ得る。さらに、ステップ状の案内ワイヤーは、より大きなカニュレーションの直径を有するカニュレートされたスクリューよりも、中実のスクリューの強度に近い強度で、より大きな壁厚を有するカニュレートされたスクリュー(より小さな直径を有するカニュレーション)を挿入する能力を提供し得る。
【0104】
本明細書に開示されたラグスクリュー1300は、他の用途に使用され得る。例えば、
図16に示されるように、複数のラグスクリュー1330は案内ワイヤー400といったような本明細書に開示される器具を用いて搬送され得るところ、このような複数のラグスクリュー1330は、骨折用の髄内釘と組み合わせて使用され得る。髄内釘1400は、ネジを切られ得るものであって、第1の最大径を有する第1のセクションと、第2の最大径を有する第2のセクションと、を含み得る。第1のセクションと第2のセクションとの間に移行部分が存在し得る。移行部分は、第1の最大径から第2の最大径に変化する最大径を有し得る。髄内釘1600の更なる詳細は、2019年3月14日に公開された国際公開第2019/050833号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。1又は複数のラグスクリュー1300と髄内釘1400との組み合わせは、より複雑な骨折例における固定のために使用され得る。
図17A及び
図17Bに示されるように、本明細書に開示される器具及び搬送方法は、上に示したような手においてのみだけでなく、足の中足骨(
図17A)及び指節骨(
図17B)においても、骨折固定のためにラグスクリューを搬送することができる。
【0105】
ステップ状の案内ワイヤーに代わる例示的な別の搬送ツール
図4A~
図4C及び
図29A~
図32Bにおけるステップ状の案内ワイヤー及び本明細書に開示された案内ワイヤーを用いる方法に対する代替例、カニュレートされたインプラント(例えば、カニュレートされたインプラント100、2600、2600C、2600D、2600E、2600F、ラグスクリュー1300、国際公開第2019/050833号に記載された髄内針若しくはその他)、部分的にカニュレートされたインプラント、又は、カニュレートされないインプラント、を導入するための付加的なツール及び方法が、
図18~
図25Bを参照して説明される。以下に説明される代替例は、限定するものではない。以下に説明される様々な例のうちのいずれかの例の特徴は、これらの特徴のうちの別の例の特徴に組み合わされ得又は組み込まれ得る。
【0106】
図4A~
図4C及び
図29A~
図32Bにおけるステップ状の案内ワイヤー、並びに、
図18~
図25Bを参照して以下に説明されるその代替例は、本明細書に開示される例示的な整形外科インプラント100及びラグスクリュー1300といったような、任意のネジを切られた(ピッチサイズに関わらず任意の螺旋状のネジ)若しくは部分的にネジを切られたインプラント、並びに/又は、必ずしもネジを含まなくともよいがインプラントのシャフトにおいて1若しくはそれ以上の突起を含み得る、任意の他の細長いインプラントを搬送するために用いられ得る。インプラントが完全に又は部分的にネジを切られている場合には、このようなネジは任意のピッチサイズを有することができる。上記1若しくはそれ以上の突起は、1若しくは複数の棘(barb(s))、1若しくは複数のフィン(fin(s))、1若しくは複数の隆起(ridge(s))及び/又はこれらと同様のものを含むことができる。上記1若しくはそれ以上の突起は、任意の形状若しくはサイズを有することができる。上記部分的に又は完全にネジを切られたインプラントは、回転によって骨の内部に挿入され得る。ネジを切られていないインプラントは、圧入(impaction)により骨の内部に挿入され得る。
【0107】
図18A及び
図18Bは、カニュレートされたドリル1800を用いて、カニュレートされたインプラントを搬送するステップを示す。
図18~
図25Bに示されたすべてのドリルは、従来のKワイヤーよりも大きな外径(例えば、骨折固定のために用いられるインプラントのシャフトに対する小径に実質的に類似した)を有する案内ワイヤーを含むことができる。
図18Aに示すように、第1のステップでは、カニュレートされたドリル1800が、矢印1で示される方向に骨折線22に交差して骨6の内部に挿入され得る。カニュレートされたドリル1800の挿入は、骨6においてインプラントの経路を提供することができる。
図18Bに示すように、第2のステップでは、より小さい外径を有するKワイヤ1810が、矢印2で示される方向において、カニュレートされたドリル1800のカニュレーション(cannulation)に挿入され得る。第3のステップでは、カニューレトされたドリル1800が、矢印3で示される方向に沿って取り外されることができ、Kワイヤ1810は、インプラントの経路に残って、骨折の軽減を維持し、Kワイヤ1810の上方に、カニュレートされたインプラントを埋め込むためのガイダンス(案内)を提供する。
【0108】
図19は、ドリル1900の後端1904(套管針若しくは任意の他の鋭利な先端を含み得るドリルの先端の反対側)に取り付けられたワイヤーループ1902を含むドリル又は案内ワイヤー1900を示す。ドリル1900は、カニュレートされ得ない、又は、実質的にカニュレートされ得ない。ドリル1900は、骨折線22に交差して骨6の内部に挿入されて、骨6においてインプラントの経路を提供し得る。ドリル1900よりも小さい外径を有する対応するKワイヤーは、フック1912を含むことができる。フック1912は、ワイヤーループ1902に係合することによって、ドリル1900が骨6の遠位側においてインプラントの経路を通って引かれたときに、ドリル1900に続いてKワイヤー1910がインプラントの経路を通って骨6の内部に引かれ得るようになっている。ドリル1900が取り外された後、Kワイヤー1910は、インプラントの経路に残り得て、骨折の軽減を維持し、Kワイヤー1910の上方に、カニュレートされたインプラントを埋め込むためのガイダンス(案内)を提供することができる。フック1912をワイヤーループ1902から外すことにより、ドリル1900は、Kワイヤー1910との係合を解かれ得る。
図19に示される構成は、フックがドリル1900の後端1904にあってループがKワイヤー1910にあり得るように、逆にされ得る。オプションとして、フックとループとの間における接続点は、ドリル1900が骨を通って引かれたときにフックとループとの間における分離の可能性を低減するために、圧着され得る。
【0109】
図20に示されているように、上述した案内ワイヤー400と類似した又は実質的に同一の案内ワイヤー400が、前端2004に(貫通したカニュレーションではなく)盲穴2002を含むインプラント2000を搬送するために、使用され得る。別言すれば、インプラント2000は、インプラント2000が完全にカニュレートされてはいないことを除いて、インプラント100又はラグスクリュー1300の複数の特徴のうちのいずれかを有することができる。盲孔2002は、案内ワイヤー400のより細い第1の部分406を摺動可能に受け入れるように、サイズを調整され得る。インプラント2000は、より太い第2の部分408が骨又は骨の断片の内部に挿入され、この骨又はこの骨の断片にインプラントの経路を準備した後に、案内ワイヤー400のより細い第1の部分406に係合することができる。インプラント2000が盲孔2002において案内ワイヤー400に係合した後、本明細書において開示されたドライバー600又は他の任意の適当なドライバー(例えば、非管状ドライバー)が、骨折の固定のためにインプラント2000を骨の内部に挿入するために、使用され得る。
【0110】
本明細書において開示された案内ワイヤーのより太い第2の部分とより細い第1の部分とは、骨折固定の間にカニュレートされたインプラントを搬送するために取り外し可能に接続され得る。
図21A及び
図21Bは、後端2104に盲孔2102を含む部分的にカニュレートされたドリル2100を示す。ドリル2100の外径は、上述した案内ワイヤー400の第2の部分408の外径と実質的に同一であり得る。盲孔2102は、より小さな直径を有するKワイヤー2110(例えば、外径が約0.7mm未満の外径を有する任意の従来の市販のKワイヤー)を受け入れることができる。ドリル2100が、骨の内部に挿入されてインプラントの経路を準備し、骨の遠位側のインプラントの経路を通して引かれたときに、Kワイヤー2110が、骨の内部においてインプラントの経路を通して引かれ得る。ドリル2100が、骨を通って引かれた後、Kワイヤー2110は、インプラントの経路に残って、骨折の軽減を維持し、Kワイヤー2110の上方にカニュレートされたインプラント(スクリュー、釘又はその他)を埋め込むためのガイダンス(案内)を提供することができる。
図21Bに示されるように、ドリル2100の盲孔2102とKワイヤー2110との間の接続の強度を向上させるために、ニードルドライバー2120又は他の任意の適切なツールが、骨を通してドリル2100を引く前に、オプションとして、盲孔2102において、ドリル2100とKワイヤー2110とを一緒に圧着することができる。
【0111】
図22Aに示されているように、盲孔に代えて、ドリル2200は、後端2204に雌型凹部2202を含むことができる。インプラント2230(スクリュー、釘又はその他)は、雌型凹部2202の内部に係合するように、前端において、嵌合する雄型部分2232を有することができる。インプラント2230はカニュレートされなくともよい。ドリル2200の外径は、インプラント2230の小径又は谷径と実質的に同一であり得る。ドリル2200が骨の遠位側においてインプラントの経路を通して引かれたときには、雄型部分2232が雌型凹部2202の内部に係合したままであるので、インプラント2230は、例えばドライバー600又は他の任意のドライバーを使用して、ドリル2200と共に押され得る。ドリル2100が骨を通って引かれた後、インプラント2230は、インプラントの経路に残って、骨折の縮小を維持し、骨折した骨の固定を提供することができる。
図22Bに示すように、雌型凹部2202が内部においてネジを切られ得、嵌合する雄型部分2232が対応する外ネジを含むことによって、インプラント2230がドリル2200とともに骨又は骨の断片の内部に挿入されるときに、インプラント2230とドリル2200との間の結合強度を向上させることができる。インプラント2230の埋め込み後に、ドリル2200はインプラント2230からねじを外して取り外され得る。
【0112】
図22A及び
図22Bに示されるようにインプラント2230を挿入するために六角形/六角穴ドライバー600を使用することに代えて、
図22Cに示されるように、インプラント2230の頭部は、代わりに、ワイヤードライバー601により挿入され得る、離脱(break-away)又はスナップオフ(snap-off)接続部2234を備えて製造され得る。スナップオフ特徴2234は、特定のトルクで、又は、ワイヤードライバー601を前後に曲げることによって、ワイヤードライバー601から離脱することができる。ワイヤードライバー601は、インプラント2230がドリル2200を使用して骨又は骨の断片における所望される位置に挿入された後に、インプラント2230から離脱され得る。
【0113】
図23に示すように、インプラント2300を搬送するために
図22A及び
図22Bにおけるドリル又は案内ワイヤ2200を使用するときには、六角ドライバ2300は、オプションとして、後端(六角形又は六角穴ドライバーインターフェース端2332の反対側)において、AO(骨接合協会:Association for Osteosynthesis)特徴2334及び/又はより小さい直径を有するワイヤードライバー部分を含むことができる。AO特徴部2334は、AOクイック接続特徴部を有するワイヤードライバー2336又は別の動力源を使用した動力挿入を可能し得る。これに代えて、ドライバ2300は動力なしで手で使用され得る。
【0114】
図24に示されているように、従来のKワイヤーよりも大きい外径(例えば、約1.0mm)を有する中実案内ワイヤー2410が、ステップ状の案内ワイヤーを使用することに対する代替例として使用され得る。インプラントのより大きいカニュレーション径を必要とする、わずかに大きい案内ワイヤーを使用する方法の1つは、インプラントの外側の小径(谷径)を増加させて、所望されるインプラント強度を維持することである。しかしながら、インプラントの全体的な外形(すなわち、同一の外径)を維持したい場合には、インプラントにおけるネジ深さを減少させる必要がある。ネジ深さを減少させるという問題に対処するために、
図24に示されているように、インプラント2400は、シャフト2402の中間部2404に沿って(例えば、シャフトの長さの約80%について)ネジを排除することができる。ネジを切られていない中間部2402の外径は、インプラントのシャフトのネジが切られた部分の最大径と同一とされ得る。インプラント2400は、強力な管又は支柱(strut)として機能する一方、前端及び後端にネジ2406を有して、骨の接合を提供することができる。インプラント2400は、より薄い壁の厚みを有するかもしれないが、中間部にネジが切られる場合に比べて、ネジを切られない中間部2404における材料の量が多いことに起因して、インプラント2400は、インプラント100に類似した強度を有することができる。
【0115】
図25A及び
図25Bに示すように、従来のKワイヤーよりも大きな外径を有する案内ワイヤー2510が、インプラント2520の前端2522に接続(例えば、固く接続)され得る。案内ワイヤー2510の外径は、インプラント2520の小径と実質的に同一とされ得る。案内ワイヤー2510とインプラント2520との間の接続によって、案内ワイヤー2510及びインプラント2520を単一の部品として軸方向に移動させることができる。インプラント2520は、本明細書に開示されたインプラント若しくはスクリューの例のうちのいずれか、又は、骨及び/若しくは骨の断片に挿入されるように構成された他の任意のインプラント、とされ得る。案内ワイヤー2510は、カニュレートされないものであり得る。案内ワイヤー2510の前端2512は、鋭利な先端を含むことができる。使用時には、案内ワイヤー2510の前端2512は、インプラント2520が案内ワイヤー2510に接続された状態で、骨又は骨の断片を通る骨のトンネルに対するリーミングを容易にすることができる。例えば放射線撮影による確認を介して、インプラント2520が所望される位置まで挿入されると、案内ワイヤー2510は、インプラント2520の前端2522において切断され得る。インプラント2520の前端2522と案内ワイヤー2510との間のインターフェイス(界面)は、細くした部分を含むことができて、この細くした部分での案内ワイヤー2520の分断を容易にすることができる。したがって、案内ワイヤー2510とインプラント2520との組み合わせによって、インプラント2520を骨又は骨の断片に挿入するための、事前のドリルステップと別途のリーマ(又はドリル)に対する必要性と、をなくすことができる。
【0116】
図25Bに示すように、先導する案内ワイヤー2510に加えて、追尾する案内ワイヤー2530が、インプラント2520の後端2524に接続(例えば、固く接続)され得る。追尾する案内ワイヤー2530とインプラント2520との間の接続によって、追尾する案内ワイヤー2530に付与された軸方向の力が、インプラント2520及び先導する案内ワイヤー2510に沿って軸方向に伝達され得る。案内ワイヤー2530は、従来のKワイヤーよりも大きな外径を有することができ、例えば、インプラント2520の小径と実質的に同一の外径を有することができる。インプラント2520及び先導する案内ワイヤー2510を骨又は骨の断片の内部に挿入する間、追尾する案内ワイヤー2530はドライバーとして機能することができる。インプラント2520が一旦所望される位置まで挿入されると、案内ワイヤー2530はインプラント2520の後端2524において切断され得る。インプラント2520の後端2524と追尾する案内ワイヤー2530との間のインターフェイス(界面)は、細くした部分を含むことができて、追尾する案内ワイヤー2530をこの細くした部分において容易に分断することができる。インプラント2520と先導する案内ワイヤー2510との組み合わせに対して、追尾する案内ワイヤー2530を追加することにより、別途のドライバーに対する必要性をさらになくすことができる。インプラント2520と先導する案内ワイヤー2510との組み合わせ、及び/又は、インプラント2520と先導する案内ワイヤー2510と追尾する案内ワイヤー2530との組み合わせは、複数の異なるサイズで利用可能とされ得る。このような複数の異なるサイズは、インプラント2520の複数の異なる外径を収容することができる。
【0117】
用語
本開示は、特定の実施形態及び例という文脈で説明されてきたが、本開示が、具体的に開示された実施形態を越えて、他の別の実施形態及び/又は使用、並びに、これらの明らかな変更及び均等物にまで及ぶということが、当業者には理解されるであろう。加えて、本開示の実施形態の幾つかの変形例が示されて詳細に説明されてきたが、本開示の範囲内にある他の変形例が当業者には容易に明らかであろう。また、実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組み合わせ又は部分的な組み合わせが、なされ依然として本開示の範囲内に入る、ということも考えられる。例えば、1つの実施形態に関連して上述した特徴は、本明細書に記載された異なる実施形態とともに使用され得、そのような組み合わせは依然として本開示の範囲内にある。開示された実施形態の様々な特徴及び態様が、本開示の実施形態の様々な態様を形成するために、相互に組み合わされ得るか又は相互に置換され得る、ということが理解されるべきである。このように、本明細書における開示の範囲は、上述した特定の実施形態によって限定されるべきではない、ということが意図されている。したがって、反対する記載がなければ、又は、明らかに両立しない場合を除き、本発明の各実施形態は、本明細書に記載されるその本質的な特徴に加えて、本明細書に記載される本発明の他の各実施形態から、本明細書に記載されるような1又はそれ以上の特徴を構成することができる。
【0118】
特定の態様、実施形態又は例に関連して記載された特徴、材料、特性又はグループは、これらの特徴、材料又はグループと互換性がない場合を除き、本セクション又は本明細書における他のセクションに記載された他の態様、実施形態又は実施例に適用可能である、と理解されるべきものである。本明細書(添付された特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴のすべて、並びに/又は、そのように開示された方法若しくはプロセスのステップのすべては、そのような特徴及び/又はステップのうちの少なくとも一部が相互に排他的であるような組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。保護は、上述した実施形態の詳細に限定されるものではない。保護は、本明細書(添付された特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴のうちの新規の特徴若しくは新規の組み合わせに、又は、そのように開示された方法若しくはプロセスのステップのうちの新規な新規のステップ若しくは新規の組み合わせに及ぶ。
【0119】
さらには、別々の実装という文脈で本開示において記載された特定の複数の特徴は、単一の実装において組み合わせても実装され得る。逆に、単一の実施態様という文脈で記載された様々な特徴は、複数の実装において別々に又は任意の適切な部分的な組合せにおいても、実装され得る。さらに、複数の特徴が特定の複数の組み合わせで作用するものとして上述されたが、幾つかの場合には、特許請求の範囲に規定された組み合わせからの1又はそれ以上の特徴が、そのような組み合わせから除外され得るし、そのような組み合わせが、1つの部分的な組み合わせとして又は部分的な組み合わせのバリエーションとして、特許請求の範囲に規定され得る。
【0120】
さらに、複数の動作が、特定の順序で、図面に描かれ又は明細書に記載され得るが、そのような複数の動作は、示されたそのような特定の順序で若しくは連続した順序で実行される必要はなく、又は、所望される結果を達成するためには、すべての動作が実行される必要もない。図示又は記載されていない他の動作が、例示的な方法及びプロセスに組み込まれ得る。例えば、1又はそれ以上の付加的な動作が、上記記載された複数の動作の前に若しくは後に、上記記載された複数の動作と同時に、又は、上記記載された複数の動作の間に、実行され得る。さらに、上記1又はそれ以上の付加的な動作が、他の複数の実装において、並べ替えられ、又は、その順序を変えられ得る。当業者であれば、幾つかの実施形態において、図示及び/又は開示された複数のプロセスにおいて行われる実際のステップが、図面に示されたステップと異なり得る、ということを理解するであろう。実施形態に依存して、上述した複数のステップのうちの特定のステップが削除され得、他のステップが追加され得る。さらには、上述した複数の特定の実施形態の特徴及び属性が、複数の異なる手法により組み合わせられて、追加の複数の実施形態が形成され得、これらの実施形態のすべてが本開示の範囲内にある。また、上述した複数の実装における様々なシステム構成要素を分離することは、すべての実装においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載された構成要素およびシステムは、一般に、単一の製品においてともに統合され得、又は、複数の製品にパッケージされ得る、ということが理解されるべきである。
【0121】
本開示の目的のために、特定の態様、利点及び新規の特徴が、本明細書に記載される。必ずしもすべてのそのような利点が、任意の特定の実施形態に従って達成され得るとは、限らない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書において教示又は示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示される1つの利点若しくは複数の利点を含むグループを達成する手法により、具体化され得る又は実行され得る、と認識するであろう。
【0122】
「することができる(し得る)」、「可能性がある」、「かもしれない」若しくは「してもよい」といったような条件付き文言は、特段の記載がない限り、又は、使用される文脈内で別段理解されない限り、一般に、特定の実施形態が、他の実施形態が含まない、特定の特徴、要素及び/又はステップを含むことを伝えるように意図したものである。よって、このような条件付き文言は、特徴、要素及び/若しくはステップが何らかの方法で1若しくはそれ以上の実施形態について必要とされるということ、又は、1若しくはそれ以上の実施形態が、ユーザの入力若しくは促しを用いて若しくは用いることなく、これらの特徴、要素及び/若しくはステップが任意の特定の実施形態において含まれるか否か若しくは実行されるべきであるか否かを決定するためのロジックを必ず含む、ということを一般に示唆するように意図したものではない。
【0123】
X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」といったような接続語は、特に断りのない限り、或る項目、用語等がX、Y又はZのいずれかであり得る、ということを伝えるために、一般的に使用されるものとして文脈とともに理解される。よって、そのような接続語は、特定の実施形態が、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及び、Zの少なくとも1つの存在を必要とする、ということを示唆することを一般的に意図したものではない。
【0124】
本明細書において用いられる度合を示す文言、例えば、本明細書において用いられる「略」、「約」、「概ね」及び「実質的に」といった用語は、所望される機能を依然として実行する又は所望される結果を達成する記述された値、量又は特性に近い値、量又は特性を表現する。例えば、「略」、「約」、「概ね」及び「実質的に」といった用語は、記述された量の、10%未満の範囲内、5%未満の範囲内、1%未満の範囲内、0.1%未満の範囲内、及び、0.01%未満の範囲内にある量を意味し得る。
【0125】
本開示の範囲は、本明細書におけるこのセクション又は他のセクションにおける好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることが意図されたものではなく、本明細書のこのセクション若しくは他のセクションにおいて提示される又は将来提示される特許請求の範囲によって定義され得る。特許請求の範囲の文言は、該特許請求の範囲において用いられる文言に基づいて広く解釈されるべきものであって、本明細書において又は本件出願の権利化段階の間において記載される(排他的ではないものとして解釈されるべき)例に限定されるべきものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カニュレートされた整形外科インプラントを搬送するように構成された、少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤーであって、
全体的に均一な第1の外径を有する第1の部分と、
該全体的に均一な第1の外径より大きい全体的に均一な第2の外径を有する第1のセグメント、及び、該第2の外径より小さい第3の外径を有する第2のセグメント、を少なくとも含む第2の部分と、
を具備し、
前記カニュレートされた整形外科インプラントが、当該案内ワイヤーの前記第1の部分の上に摺動可能に搭載されるように構成され、
前記全体的に均一な第2の外径が前記カニュレートされた整形外科インプラントの小径又は谷径と実質的に同一である、
ことを特徴とする案内ワイヤー。
【請求項2】
前記第2の部分の自由端が鋭利な先端を含む、請求項1に記載の案内ワイヤー。
【請求項3】
前記全体的に均一な第1の外径が0.7mmと0.9mmとの間である、請求項
1に記載の案内ワイヤー。
【請求項4】
前記全体的に均一な第2の外径が1.5mmと2.0mmとの間にある、請求項
1に記載の案内ワイヤー。
【請求項5】
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントが第3のセグメントにより分離され、
該第3のセグメントの外径が前記第3の外径から前記第2の外径に移行する、請求項
1に記載の案内ワイヤー。
【請求項6】
前記第1の部分及び前記第2の部分が取り外し可能に接続される、請求項
1に記載の案内ワイヤー。
【請求項7】
前記第2の部分が前記第1の部分を受け入れるように構成されたカニュレーションを含む、請求項6に記載の案内ワイヤー。
【請求項8】
前記カニュレーションが前記第2の部分の全長に沿って延びる、請求項7に記載の案内ワイヤー。
【請求項9】
前記カニュレーションが前記第2の部分の部分的な長さに沿って延びる、請求項7に記載の案内ワイヤー。
【請求項10】
前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方がフックを含み、
該第1の部分及び該第2の部分のうちの他方がループを含む、請求項6に記載の案内ワイヤー。
【請求項11】
第1のインプラントシャフトの外径と、谷径又は小径と、第1のインプラントカニュレーション直径と、を有する、カニュレートされた第1の細長いインプラントと、
髄内固定によって骨折した骨の内部に前記第1の細長いインプラントを搬送するように構成された、少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤーであって、
第1の直径を有する第1の後端部分と、
該第1の直径より大きい第2の直径を有する第1のセグメント、及び、該第2の直径より小さい第3の直径を有する第2のセグメントを、少なくとも含む第2の前端部分と、
を具備し、
前記第2の直径が前記第1の細長いインプラントの前記外径又は該第1の細長いインプラントの前記谷径若しくは前記小径と実質的に同一であり、
前記第1のインプラントカニュレーション直径が前記案内ワイヤーの前記第1の後端部分を収容するように構成された、案内ワイヤーと、
髄内固定によって前記第1の細長いインプラントとともに埋め込まれるように構成された第2の細長いインプラントであって、第2のインプラントシャフトの外径又は第2のインプラントの谷径若しくは小径、及び、第2のインプラントカニュレーション直径を有する、カニュレートされた第2の細長いインプラントと、
を具備し、
前記案内ワイヤーの前記第2の直径が、前記第2のインプラントシャフトの外径、又は、前記第2のインプラントの谷径若しくは小径と実質的に同一であり、
前記第2のインプラントカニュレーション直径が、前記案内ワイヤーの前記第1の後端部分を収容するように構成される、
ことを特徴とする、髄内骨折システムのためのキット。
【請求項12】
髄内固定のために前記第2の細長いインプラントを前記骨折した骨の内部に搬送するように構成され、少なくとも2つの直径を有する第2の案内ワイヤーを具備し、
該第2の案内ワイヤーが、
前記第1の直径を有する第1の後端部分と、
該第1の直径より大きい前記第2の直径を有する第2の前端部分と、
を有し、
前記第2の直径が前記第2のインプラントシャフトの外径又は該第2のインプラントの谷径若しくは小径と実質的に同一であり、
前記第2のインプラントカニュレーション直径が前記第2の案内ワイヤーの前記第1の後端部分を収容するように構成される、請求項
11に記載のキット。
【請求項13】
前記第1の細長いインプラント及び/又は前記第2の細長いインプラントにはネジが切られている、請求項
11に記載のキット。
【請求項14】
前記第2の細長いインプラントが、前記第1の細長いインプラントとともに十字状のパターンで埋め込まれるように構成される、請求項
11に記載のキット。
【請求項15】
前記第2の細長いインプラントが、前記第1の細長いインプラントに対して実質的に平行に埋め込まれるように構成される、請求項
11に記載のキット。
【請求項16】
ヘッド及び少なくとも部分的にネジを切られたシャフトを具備するカニュレートされたインプラントを用いて骨折固定を実行するための手術キットであって、
骨折した骨の内部に対する前記インプラントの搬送を案内するように構成された、少なくとも2つの直径を有する案内ワイヤーであって、
第1の直径を有する第1の後端部分と、該第1の直径より大きく前記インプラントの前記シャフトの小径と実質的に同一である第2の直径を有する第1のセグメント、及び、前記第2の直径より小さい第3の外径を有する第2のセグメントを、少なくとも含む第2の前端部分と、を含み、
前記第1の後端部分の前記第1の直径が、前記インプラントのカニュレーションに対して摺動可能に係合するように構成された、案内ワイヤーと、
サイズ調整ツールと、
前記インプラントの前記ヘッドに係合して、該インプラントを前記骨の内部に挿入するように構成された、ドライバーと、
を具備することを特徴とするキット。
【請求項17】
殺菌して密封されたパッケージをさらに具備し、
前記案内ワイヤー、前記サイズ調整ツール及び前記ドライバーが、前記殺菌して密封されたパッケージ内に封入される、請求項
16に記載のキット。
【請求項18】
前記案内ワイヤー、前記サイズ調整ツール、及び/又は、前記ドライバーが、単一の使用のためのものとして構成される、請求項
16に記載のキット。
【請求項19】
前記案内ワイヤー、前記サイズ調整ツール、及び/又は、前記ドライバーが、各使用の後に殺菌されることにより、再度使用される、請求項
16に記載のキット。
【国際調査報告】