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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】飲料又は食品調製システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20240910BHJP
   G06K 7/12 20060101ALI20240910BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240910BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A47J31/44 510
G06K7/12
G06K7/14 056
G06K7/10 372
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516610
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2022075721
(87)【国際公開番号】W WO2023046577
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】21198214.5
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100211052
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】バラーシー, サボルクス
(72)【発明者】
【氏名】ギュイヨン, ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】フィスター, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ストーラー, シリル
(72)【発明者】
【氏名】ワイダー, ステファン
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA20
4B104BA35
4B104DA57
4B104EA20
4B104EA40
(57)【要約】
前駆体材料を収容するための容器と、前駆体材料から飲料及び/又は食品、あるいはそれらの前駆体を調製するためのマシンと、を備える、システムであって、容器が、調製情報を格納しているマシン可読コードを含み、コードは、符号化ラインに沿って延び、調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、マシンが、コードのデジタル画像を取得し、デジタル画像にカラーモデルを適合させる、コード読取システムと、容器の前駆体材料を処理するための処理ユニットと、コード及びコード読取システムから読み取られた調製情報に基づいて処理ユニットを制御するための電気回路と、を含み、電気回路は、コードのユニット及び符号化ラインを含む、符号化ラインに沿ったカラーモデルの値を合計し、合計に基づいてコードの配向を判定し、画像内のコードの判定された配向に基づいて離散位置を読み取るように構成されている、システム。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前駆体材料を収容するための容器と、前記前駆体材料から飲料及び/又は食品、あるいはそれらの前駆体を調製するためのマシンと、を備える、システムであって、
前記容器が、
調製情報を格納しているマシン可読コードを含み、
前記コードは、符号化ラインに沿って延び、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、
前記マシンが、
前記コードのデジタル画像を取得し、前記デジタル画像にカラーモデルを適合させる、コード読取システムと、
前記容器の前記前駆体材料を処理するための処理ユニットと、
前記コード及び前記コード読取システムから読み取られた前記調製情報に基づいて前記処理ユニットを制御するための電気回路と、
を含み、
前記電気回路が、
前記コードの前記ユニット及び前記符号化ラインを含む、前記符号化ラインに沿った前記カラーモデルの値を合計し、
前記合計に基づいて前記コードの配向を判定し、
前記画像内の前記コードの前記判定された配向に基づいて前記離散位置を読み取る
ように構成されている、システム。
【請求項2】
前記電気回路が、前記カラーモデルの前記値を領域に割り当てるように構成されており、1つの領域は、
前記デジタル画像の個々の画素、又は
前記デジタル画像内の複数の画素のグループ
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電気回路が、
1つ以上の領域の横方向寸法と、
前記コードが配置される符号化エリアを含む長手方向長さに対応する1つ以上の領域の長手方向寸法と、
を備えるラインセクションについて、前記カラーモデルの前記値を合計するように構成されている、請求項1又は2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記符号化ラインの横方向寸法が、前記ラインセクションの横方向寸法よりも小さい、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記電気回路は、
前記横方向において互いに隣接する複数のラインセクションのうちの各々について、前記合計を判定するように構成されている、請求項3又は4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記電気回路が、
前記符号化ラインが基準軸に対して複数の異なる角度で配置された状態で前記合計を判定し、
前記合計に基づいて、前記符号化ラインが前記基準軸に整列される整列配向を判定する
ように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記コードの前記配向が、前記値の合計の分散に基づいて判定される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記符号化ラインの横方向寸法が、前記コードのユニットの横方向寸法の20%未満又は10%未満であるように選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記コードが、前記符号化ラインに沿ってそれ自体を繰り返す繰り返し単位として配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
各々が互いからオフセットされ、かつ、互いに対して平行である複数の符号化ラインが存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記コード及び符号化ラインが、拡散反射性又は鏡面反射性のうちの一方であるように構成されており、前記符号化ライン及び前記コードを取り囲んでいる周囲部が、拡散反射性又は鏡面反射性のうちの前記一方の他方として形成され、
前記電気回路は、前記拡散反射性領域及び前記鏡面反射性領域を色調の値として識別するように構成されている、
請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前駆体材料及びマシン可読コードを備える容器から飲料及び/又は食品、あるいはそれらの前駆体を調製するためのマシンであって、前記マシンが、
前記コードのデジタル画像を取得し、前記デジタル画像にカラーモデルを適合させる、コード読取システムと、
前記容器の前記前駆体材料を処理するための処理ユニットと、
前記コード及び前記コード読取システムから読み取られた前記調製情報に基づいて前記処理ユニットを制御するための電気回路と、を含み、
前記コードは、符号化ラインに沿って延び、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、
前記電気回路が、
前記コードの前記ユニット及び前記符号化ラインを含む、前記符号化ラインに沿った前記カラーモデルの値を合計し、
前記合計に基づいて前記コードの配向を判定し、
前記画像内の前記コードの前記判定された配向に基づいて前記離散位置を読み取る
ように構成されている、マシン。
【請求項13】
前駆体材料を収容するための容器であって、前記容器が、前駆体材料を処理するための調製情報を格納しているマシン可読コードを含み、
前記コードは、符号化ラインに沿って延び、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、
前記符号化ラインに沿った前記コードのデジタル画像に適合されたカラーモデルの値の合計は、前記合計に基づいてコードの配向を判定するために、隣接する平行な非符号化ラインと比較して識別可能である、容器。
【請求項14】
前駆体材料を収容するための容器用のアタッチメントであって、前記アタッチメントが、前記容器用の前駆体材料を処理するための調製情報を格納しているマシン可読コードを備え、
前記コードは、符号化ラインに沿って延び、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、
前記符号化ラインに沿った前記コードのデジタル画像に適合されたカラーモデルの値の合計は、前記合計に基づいてコードの配向を判定するために、隣接する平行な非符号化ラインと比較して識別可能である、アタッチメント。
【請求項15】
前駆体材料を備える容器上のコードによって符号化される、前記前駆体材料を処理するための調製情報を読み取る方法であって、前記方法が、
カラーモデルを前記コードのデジタル画像に適合させることと、
前記コードの前記ユニット及び前記符号化ラインを含む、前記符号化ラインに沿った前記カラーモデルの値を合計することと、
前記合計に基づいて前記コードの配向を判定することと、
前記画像内の前記コードの前記判定された配向に基づいて、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを備える前記コードの離散位置、又は備えていない前記コードの離散位置を読み取ることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調製情報を符号化するコードを備える予め小分けされたカプセルから飲料又は食品が調製される電気的に動作する飲料又は食品調製システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を調製するためのシステムは、飲料調製マシン及びカプセルを備える。カプセルは、1杯分の飲料形成前駆体材料、例えば挽いたコーヒー又は茶を含む。飲料調製マシンは、典型的には加圧され加熱された水を上記前駆体材料にさらすことによって、カプセルに対して飲料調製プロセスを実行するように構成されている。このようにしてカプセルを処理することにより、前駆体材料がカプセルから飲料として少なくとも部分的に抽出される。
【0003】
飲料調製マシンのこの構成は、1)従来の飲料調製マシンと比較して(例えば、手動で操作される直火式エスプレッソメーカーと比較して)向上したユーザ利便性、及び2)カプセル上のコードによって符号化された調製情報がマシンによって読み取られる、向上した飲料調製プロセスに起因して人気が高まっており;調製情報は、カプセルに特有の方法で調製プロセスを最適化するためにマシンによって使用される。特に、符号化される調製情報は、以下を含む、飲料調製プロセスにおいて選択された動作パラメータ:流体温度;流体圧力;調製期間、及び流体体積。
【0004】
様々なコードが開発されており、その一例が、カプセルのフランジの周縁部がその上に配置されたコードを備える欧州出願公開第2594171(A1)号に提供されている。このようなコードの欠点は、カプセルが相対的コードリーダ回転されるときにコードを読み取ることができるように、カプセル上の正確な位置をコードが必要とすることである。更なる例示的なコードが国際公開第2017/144575(A1)号に提供されており、欠点は、コードの配向を判定するために、コードは、円形の符号化ラインの中心及び/又は外周縁部に配置される特定の基準ユニットを必要とし、基準ユニットの中心点を使用して、コードの配向を識別するために使用される基準ラインが定義されることである。
【0005】
したがって、このシステムの開発に既に費やされた努力にもかかわらず、更なる改善が所望されている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、前駆体材料を収容するための容器と、前駆体材料から飲料及び/又は食品、あるいはそれらの前駆体を調製するためのマシンと、を備える、システムを提供する。実施形態では、容器は、調製情報を格納しているマシン可読コードを含む。実施形態では、容器は、前駆体材料を収容する。
【0007】
実施形態では、コードは、符号化ラインに沿って延び、調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備える。
【0008】
実施形態では、マシンは、コード(符号化ラインを含む)のデジタル画像を取得し、デジタル画像にカラーモデルを適合させる、コード読取システムと;容器の前駆体材料を処理するための処理ユニットと;コード及びコード読取システムから読み取られた調製情報に基づいて処理ユニットを制御するための電気回路と、を含む。
【0009】
実施形態では、電気回路は、コードのユニット及び符号化ラインを含む、符号化ラインに沿ったカラーモデルの値を合計し;合計に基づいてコードの配向を判定し;画像内のコードの判定された配向に基づいて離散位置を読み取るように構成されている。
【0010】
ラインに沿って、また、コードを形成するユニットについて、デジタル画像を表現するカラーモデルの値(例えば、数値)を合計することにより、符号化ラインの位置構成(例えば、デジタル画像における符号化ラインの角度)を判定するように電気回路を実装することによって、符号化ラインは、合計を使用して、異なる合計を有し得る平行な非符号化ラインと比較して正確に位置特定され得る。
【0011】
コードのユニットは(離散位置に存在するとき)符号化ライン上に配置されるので、ユニットもまた値の合計に、したがって、コードの配向の識別に寄与する。したがって、コードは、位置のみに関する別個のユニットとは異なり、高い効率を有する。ユニットが離散位置に存在しない場合、符号化ラインは離散位置と交差し、したがって、ユニットが存在しない場合の符号化ラインもまた、値の合計に、したがって、コードの配向の識別に寄与する。
【0012】
国際公開第2017/144575(A1)号に開示されているものを含む従来技術の構成と比較すると、実施形態のコードは、カラーモデルの値のみが合計及び条件との比較を必要とするのでより好都合であり得るのに対し、引用する従来技術は、コードの参照部分を形成する個々のユニットを位置特定し、ユニットの中心点を発見し、仮想基準ラインをそこに適合させる必要がある。
【0013】
実施形態では、離散位置は、ゴレイ符号化を用いて調製情報を符号化する。そのような符号化を用いると、ゴレイ符号化は、データ部分を備えるコードの繰り返しがどこで始まり、どこで終わるかを識別するためにビットの予約済みシーケンスとしてロケータ又は参照部分を必要としないので、符号を読み取るために、電気回路は、符号化ラインの配向のみを必要とし得る。
【0014】
本明細書で使用される場合、「ゴレイ」又は「ゴレイ符号化」という用語は、線形構成を有し、エラー訂正を伴い得るタイプのバイナリコードを指し得る。ゴレイコードは、規定の数の一意の値を符号化し得る。ゴレイ符号は、データ部分を位置特定するロケータ又は参照部分を含まなくてもよく、むしろ、一意の値が繰り返しとして配置され得る。電気回路は、キーバリュー型データベースパラダイムに基づいて、例えば電気メモリの格納されている関係として、調製情報を判定してもよく、一意の値は、調製情報をルックアップするキーとして使用される。
【0015】
本明細書で使用される場合、「カラーモデル」又は「カラーシステム」という用語は、色(赤外線領域及び紫外線領域の波長を有するグレー及びトーンの濃淡を含む)を値として表すことができる方法を説明する数理モデルを指し得る。値は数値的であり得る。カラーモデルの例は、グレースケール;RGBカラーモデル、RYGカラーモデル、CMYカラーモデル;赤外線領域及び/又は紫外線領域の波長を有するトーンに割り当てられた値を有する他のモデルを含む。値のセットは、カラースペース又は空間と称され得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、「合計に基づいて」という用語は、例えば数値的加算によって値を合計する工程を含む、コード及び/又は符号化ラインの配向の計算を指し得る。例えば、それは、合計又は合計から導き出された値(例えば、平均又は分散又は他の同様の量)が、以下の条件;閾値を超えたか;データセットにおいて最も高いか;データセットにおいて最も低いか、のうちの1つ以上を満たしたかを判定する工程を含み得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、カラーモデルの値に関する「及び符号化ラインに沿って」という用語は、符号化ラインを指し得、あるいは、ラインの全て(例えば、画像内の符号化ラインの開始から終了まで)又は実質的部分、例えば少なくとも80%若しくは90%を含む、符号化ラインに沿って長手方向に延びる領域へと分解されている符号化ラインを含むラインセクションのエリアを指し得る。領域は、合計されるカラーモデルの値を有する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「少なくとも部分的に符号化する」という用語は、調製情報のパラメータの値を直接的に符号化するコード上の調製情報を指し得るか、例えば、値は、最大値と最小値との間の任意の数値的量であってもよく、及び/又は、パラメータの値を導き出すためにマシンの電子メモリ上でルックアップされるパラメータに関連付けられた識別子を介して符号化されているコード上の調製情報を指し得る。
【0019】
本明細書で使用される場合、「判定された位置に基づいて」という用語は、基準ラインの計算された位置を使用してコードが読み取られることを指し得る。
【0020】
本明細書で使用される場合、「デジタル画像」という用語は、(例えば、容器上に配置されたコードの)実像のデジタル表現を指し得る。デジタル画像は、画素で構成されてもよく、各画素は、有限サイズと、座標として(例えば、画素の中心点として)識別される位置と、カラーモデルの値と、任意選択の強度とを有する。デジタル画像は、固定タイプ又はベクトルタイプ又はラスタタイプであり得る。
【0021】
実施形態では、電気回路が、カラーモデルの値を領域に割り当てるように構成されており、1つの領域は、デジタル画像の個々の画素、又は;デジタル画像内の複数の画素のグループを備える。領域は、その空間的位置を指定するためにそこに割り当てられた座標を有し得る。画素群を備える領域を実装することによって(例えばダウンスケールすることによって)、計算効率が改善され得る。代替的に、画素のサイズは、所望の解像度で提供され得る。
【0022】
実施形態では、電気回路が、1つ以上の領域の横方向寸法と;コードが配置される符号化エリアを含む長手方向長さに対応する1つ以上の領域の長手方向寸法と、を備えるラインセクションについて、カラーモデルの値を合計するように構成されている。符号化エリアの長手方向寸法全体に延びるようにラインセクションを配置することによって、複数の横方向に隣接するラインセクションへと符号化エリアを分解することができ、各ラインセクションは、ラインセクションを備える領域の値の合計である合計値を有する。このようにすると、デジタル画像は、好都合に、各ラインセクションについての合計値のアレイによって理想化され得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、「符号化エリア」という用語は、コードを備えるデジタル画像のエリアを指し得る。例えば、コード(コードの繰り返しを含む)は、Nespresso(登録商標)クラシックカプセルの円形の閉鎖部材の円形領域を備える符号化エリア上に配置され得る。円形領域は、閉鎖部材がフランジ部に接続される外周縁部を除外し得る。
【0024】
実施形態では、符号化ラインの横方向寸法が、ラインセクションの横方向寸法よりも小さい。(例えば、符号化ラインがラインセクションの長手方向に整列されるとき)ラインセクションの横方向寸法よりも小さくなるように符号化ラインの横方向寸法を構成することによって、符号化ラインは、領域の値に実質的に影響を及ぼす、したがって、値の合計に影響を及ぼすことができるように、ラインセクション内に全体が収まることができる。一例では、符号化ラインの横方向寸法は、ラインセクションの横方向寸法の20%未満又は10%未満である。
【0025】
実施形態では、電気回路が、横方向において互いに隣接する複数のラインセクションのうちの各々について、合計を判定するように構成されている。隣接するラインセクションについて計算される合計を実行することによって、デジタル画像全体又は符号化エリアを処理し、各ラインセクションについての合計値のアレイによって理想化することができる。
【0026】
実施形態では、電気回路が、符号化ラインが基準軸に対して複数の異なる角度で配置された状態で合計を判定し;合計に基づいて、符号化ラインが基準軸に整列される整列配向を判定するように構成されている。
【0027】
(例えば、ラインセクションについての)合計を、デジタル画像が複数の異なる角度で配置された状態で(例えば、ラインセクションの長手方向に対するデジタル画像の角度を、0°~180°を含む範囲にわたって3°又は5°ずつ増分することによって)判定するように電気回路を実装することによって、好都合に、値の合計に基づく状態が識別されるまでデジタル画像を回転させてもよく、この状態では、符号化ラインが(ラインセクションに整列されている)長手方向に整列されている(実質的に整列されていることを含む)ものとして識別される。
【0028】
実施形態では、コードの配向が、値の合計の分散に基づいて判定される。(例えば、ラインセクションについての)値の総和の分散に基づいてコードの符号化ラインの配向を判定するように電気回路を実装することによって、コード及び符号化ラインは、好都合に、デジタル画像の他の非符号化ライン(例えば、コード又は符号化ラインを備えないラインセクション)から区別され得る。
【0029】
例えば、符号化ラインが長手方向に整列されている場合、コード及び符号化ラインがラインセクション内にあるとき、それは合計に実質的に影響を及ぼし、したがって、合計は、非符号化ラインを備える平行なラインセクションの合計から識別可能である。このようにすると、合計の分散が大きくなり、これを使用して、長手方向に整列されていないコード及び符号化ラインを差別化することができる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「分散に基づいて」という用語は、分散が直接実装されること、又は分散に関連する値、例えば標準偏差などが実装されることを指し得る。
【0031】
実施形態では、符号化ラインの横方向寸法が、コードのユニットの横方向寸法の20%未満又は10%未満であるように選択される。符号化ラインをコードのユニットと比較して比較的細く実装することによって、離散位置を読み取る工程中、離散位置を通る符号化ラインの存在がユニットの存在と解釈されないことがあるが、符号化ラインの存在することにより、値を合計するときに値に対する最適な効果が保証される。代替的に、符号化ラインは、ユニットがない場合、離散位置を通って形成され得る。
【0032】
実施形態では、コードは、第1の値範囲内にある符号化ラインに沿ったカラーモデルの値の総和と、第2の値範囲内にあるカラーモデルの値の総和を備えるように符号化ラインに対して平行な隣接する非符号化ラインとを用いて配置される。
【0033】
符号化ラインを備えるラインセクションについての値の合計が第1の範囲内にあり、符号化ラインを備えていない平行なラインセクションの値の合計が第2の異なる範囲内にあるように実装することによって、好都合に、符号化ラインと非符号化ラインとを差別化することができる。
【0034】
これは、符号化ラインを備えていないラインセクションにコード及び符号化ラインの値に匹敵する値を生成する実質的な印刷又は形成をさせないことによって達成され得る。例えば、符号化エリアにおける広告又は他の情報の配信は、コードを差別化できることを保証するように制御され得る。
【0035】
実施形態では、コード及び符号化ラインが、拡散反射性又は鏡面反射性のうちの一方であるように構成されており、周囲部は、拡散反射性又は鏡面反射性のうちのその一方の他方として形成される。本明細書で使用される場合、「周囲部」という用語は、符号化ライン及びコードのユニットを備えていないエリアを含む非符号化ラインを指し得、ユニットを含まないコードの離散位置のエリアを含み得る。
【0036】
実施形態では、拡散反射性領域及び鏡面反射性領域を色調の値として識別するように構成される電気回路。例えば、拡散反射領域は、グレースケールカラーモデルを用いた低値を割り当てられてもよく、鏡面反射領域は、グレースケールカラーモデルを用いた高値を割り当てられてもよい。そのような構成は、コードの視認性が、カラー印刷することによってコード及び符号化ラインを形成することと比較してあまり明瞭でない場合があるので、有利であり得る。
【0037】
実施形態では、コードは、容器の外面上に配置される。コードが配置される外面は、第1のカラー範囲で形成される(例えば、第1のカラー範囲を備える表面を提示する)。
【0038】
実施形態では、コードは、線形の符号化ラインに沿って外面を横切って延び、調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、ユニット及び符号化ラインは第2のカラー範囲で形成される。
【0039】
実施形態では、線形の符号化ラインに沿った色調の総和は、外面を横切って延びる隣接する平行な線形の非符号化ライン(又は任意の他のライン)と比較して識別可能である。実施形態では、マシンは、容器のコードを読み取るためのコード読取システムと;容器の前駆体材料を処理するための処理ユニットと;コード及びコード読取システムから読み取られた調製情報に基づいて処理ユニットを制御するための電気回路と、を含み、コード読取システムは、色調の総和に基づいて外面の画像からコードの位置を判定するように構成されている。
【0040】
外面の画像の他の部分(例えば、非符号化ライン)と比較して特定のカラー範囲のものである符号化ライン上にコードを実装することによって、コードの位置が、好都合に、例えば低い処理オーバーヘッド及び/又は高い精度で、色調の数値の総和に基づいて判定され得る。
【0041】
本明細書で使用される場合、「外面」という用語は、コード読取システムによる読み取りのための画像を提示することができる容器の任意の表面を指し得、閉鎖部材、貯蔵部、又は閉鎖部材と貯蔵部とを相互接続するフランジ部の外面を含むことができる。好適な閉鎖部材及び物質の例は、本明細書に開示される教示、並びに容器及び/又は閉鎖部材に関する例から導き出すことができる。適切な構造及び/又は動作の詳細は、例えば欧州特許第2569230号に開示されている。
【0042】
本明細書で使用される場合、「第1のカラー範囲」という用語は、色調の特定の範囲を指し得、例えば、その範囲は、黒、暗青色、暗緑色、暗紫色を含む比較的暗い色;又は、白、明赤色、黄色を含む比較的明るい色を含み得る。その範囲はまた、グレースケールによって(グレーの実際の濃淡、又はグレースケールに変換される範囲の色のいずれかにおいて)定義されてもよく、例えば、8ビット又は16ビットのグレースケールの場合、最初の0~100ビットは、第1のカラー範囲(すなわち、黒~暗灰色)を含み得る。同様に、8ビット又は16ビットを含むビットカラーが実装され得る。
【0043】
「第2のカラー範囲」という用語は、第1のカラー範囲に関して定義されるが、第1のカラー範囲とは別個であり、例えば、第1のカラー範囲が比較的暗い色を含む場合、第2のカラー範囲は比較的明るい色を含み;第1のカラー範囲がビット150~255(8ビットグレースケールの白から明灰色である)を含む場合、第2のカラー範囲は、ビット0~100(黒から暗灰色である)を含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、「離散位置」という用語は、典型的にはビットとして情報を符号化する手段としてユニットを備えることができる離散位置、又はユニットを備えることができない離散位置のシーケンス内の予約済みの別個の位置を指し得る。
【0045】
本明細書で使用される場合、「線形の符号化ラインに沿った色調の総和」という用語は、例えば、画素又は画素の組み合わせが要素を定義し、各要素の色調の代表値が判定される、一連の要素として分析される符号化ライン(又は、符号化ラインをカプセル化する代表セグメント)を指し得る。代表値は、各色調の値の合計であってもよく、あるいは、平均値、すなわち、サンプリングされた要素の数で除算された各色調の値の合計であってもよい。ビット0~100の範囲内の8ビットグレースケールを備える第2のカラー範囲で符号化ラインが形成される例では、各要素に0~100の値が割り当てられ、これは、全ての要素にわたって合計され、任意選択で要素の数で除算される。
【0046】
本明細書で使用される場合、「非符号化ライン」という用語は、符号化ライン又はコードを形成するユニットを備えていない、符号化ラインに対して平行に延び得る任意の線を指し得る。非符号化ラインは、典型的には、コードに直接隣接する1つ又は複数のラインである。
【0047】
本明細書で使用される場合、「隣接する平行な線形の非符号化ラインと比較して識別可能」という用語は、前述の合計値が、非符号化ラインと比較したときに符号化ラインについて実質的に異なることを指し得、例えば8ビットグレースケールの例では、少なくとも50の差が存在し得る。合計値はまた、画像内の任意の他の平行なライン、例えば非符号化又はその他から、同じ方法で識別可能であり得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、「画像からコードの位置を判定する」という用語は、処理されているコードの画像に対して、コードが配置される符号化ラインの位置又は角度関係の識別を指し得る。
【0049】
実施形態では、第1のカラー範囲は比較的明るい色のうちの一方を含み、第2のカラー範囲は、比較的明るい色又は比較的暗い色のうちの他方を含む。範囲を実装することによって、コードを形成する部分は、好都合に、形成しない領域から識別され得る。
【0050】
実施形態では、判定された位置は、符号化ラインが画像に関連付けられた基準軸に対してなす角度によって、コードの回転配向を判定することを含む。例えば、コードの画像は任意の2次元軸を割り当てられてもよく、符号化ラインがX軸に対して特定の角度にあることを判定することができる。
【0051】
実施形態では、コード読取システムは、所定の範囲を通じて画像の回転を増分し、範囲から回転を選択するように構成されており、符号化ラインは、画像の回転配向を更新するために基準軸に整列される。例えば、基準X軸は固定位置のままであってもよく、外面の画像は、符号化ラインがX軸に十分に整列されていると判定されるまで、中心の回りで2°~5°ずつ増分して徐々に回転され得る。
【0052】
実施形態では、コードは、第1の方向に符号化ラインに沿った回転配向で読み取られ、エラーが判定された場合、コードは、反対の第2の方向に符号化ラインに沿って読み取られる。このような構成では、指向性コードは、好都合に、正しい方向で読み取られ得る。
【0053】
実施形態では、符号化ラインに沿ったラインは、コードのユニットの有無に起因して、隣接する非符号化ラインに沿ったラインよりも大きい第1のカラー範囲及び第2のカラー範囲の分散を含み、コード読取システムは、より大きい分散で形成されている符号化ラインに基づいて符号化ラインを識別することによって、画像からコードの位置を判定するように構成されている。例えば、符号化ライン及び非符号化ラインを備えるエリアを、セグメント(コードのユニット幅を含むように符号化ラインよりも厚さが拡大されている)として理想化することができる。セグメントは、要素へと分解することができる。8ビットグレースケールの例では、セグメントについて、要素の色調値における分散が判定される。符号化ラインは、第2のカラー範囲を備える相当量のコードのユニットを含むので、あるいは、外面を備える、したがって第1のカラー範囲(いくつかの例では非符号化ラインは第1のカラー範囲のみを備え得る)を備えるユニットがないので、より高い分散を有するラインが符号化ラインを識別する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「分散に基づいて」という用語は、分散である又は標準偏差を含む分散に関連するのいずれかである数値的量を指し得る。
【0055】
実施形態では、分散によって判定されるコードの位置は、基準軸からの横方向オフセットを含む。
【0056】
実施形態では、符号化ラインの横方向厚さは、コードのユニットと比較して比較的狭くなる(例えば、20%未満又は10%未満である)ように選択される。実施形態では、コード読取システムは、色調を決定するときよりも低い解像度で符号化ラインの分散を判定するように構成されている。比較的薄い符号化ラインが分散の判定に影響を及ぼさないように選択された低解像度モードにおける分散を判定することによって、符号化ラインの存在は、コードを位置特定するために判定されるコードの高い分散を妨げないことがある。
【0057】
実施形態では、コードが、符号化ラインに沿ってそれ自体を繰り返す繰り返し単位として配置される。例えば、符号化ラインは、コードの2~4回の繰り返しを含んでもよく、そのうちのいずれかを読み取って調製情報を抽出することができる。そのような構成は、繰り返しが互いに対してチェックされ得るので、あるいは、1つの繰り返しが損傷した場合に別の繰り返しが使用され得るので、より信頼性が高くなり得る。
【0058】
実施形態では、各々が互いからオフセットされ、かつ、互いに対して平行である複数の符号化ラインが存在する。複数の符号化ラインを実装することによって、1つの符号化ラインが損傷した場合、別の符号化ラインが使用され得る。
【0059】
実施形態では、判定された位置は、分散に基づいて最大長さを有する符号化ラインを位置特定することを含む。最も長い符号化ラインを識別することによって、最も長い符号化ラインが最大数のコード繰り返しを含んでいるので、コードを成功裏に読み取る最大の好機が達成され得る。
【0060】
実施形態では、離散位置は、互いに直接隣接するように構成されている。実施形態では、別のユニットに隣接しないユニットの端部領域は湾曲している。ユニットの外側領域を湾曲させることにより、コードのように見えない、より見た目が美しいオブジェクトが提供されることが分かっている。
【0061】
実施形態では、容器は、貯蔵部と;閉鎖部材とを備え、閉鎖部材上に、コード及び符号化ラインを備える外面が配置される。容器は、閉鎖部材の中心を通って延びる回転対称軸を備え得る。実施形態では、符号化ラインは、閉鎖部材を二分するように閉鎖部材の縁部の間に延び、画像は、閉鎖部材全体のものである。閉鎖部材の得られた画像は円形であってもよく、閉鎖部材は円形であり得る。
【0062】
実施形態では、非符号化ライン(符号化ラインに直接隣接し得る、あるいは、符号化ラインから離れて配置され得る)は、第1のカラー範囲のみを備える。このような構成では、符号化ラインは、好都合に、非符号化ラインから差別化され得る。
【0063】
実施形態では、非符号化ライン(符号化ラインに直接隣接し得る、あるいは、符号化ラインから離れて配置され得る)は、第1のカラー範囲と、コードに関連しないオブジェクトのうちの1つ以上によって形成され得る第2のカラー範囲の一部分とを備える。しかしながら、第2のカラー範囲の割合は、コード及び/又は符号化ラインによって提供されるよりも(例えば、分散又はトーン総和に関して)識別されにくくなるように選択され得る。このような構成では、好都合に、符号化ラインは、処理中、非符号化ラインから差別化され得、非符号化ラインは、ロゴ;商標;テキスト;以下の又は他の効果のうちの1つ以上:ユーザ向けの容器に関する情報、例えばコーヒーのブレンドを提供することができる画像;その上にコードのみを有するよりも見た目が美しい外面;及びユーザがコードに集中しないように代替的なオブジェクト、を含む含む他のオブジェクトを備えることができる。
【0064】
実施形態では、コード読取システムは、判定位置に基づいてコードを読み取り、読み取ったコードをアルゴリズム、例えばゴレイアルゴリズムを用いて復号するように構成されている。
【0065】
本開示は、前駆体材料及びコードを備える容器から飲料及び/又は食品、あるいはそれらの前駆体を調製するためのマシンを提供し、本マシンは、前述の実施形態又は本明細書に開示される別の実施形態のうちのいずれかのシステムのマシンの特徴を含む。
【0066】
実施形態では、処理ユニットは、容器処理ユニット及び流体処理システムを含み;電気回路は、コードから読み取られた調製情報に基づいて容器処理ユニット及び流体処理システムを制御するように構成されている。実施形態では、処理ユニットは、ばら材料処理ユニットとして構成されており;電気回路は、ばら材料処理ユニットを制御して、コードから読み取られた調製情報に基づいて、容器から分配された又は容器内に配置されたばらの前駆体材料を処理するように構成されている。
【0067】
本開示は、飲料若しくは食品又はそれらの前駆体を調製するためのマシンによって使用するための前駆体材料を収容するための容器を提供する。本マシンは、任意の前述の実施形態、又は本明細書に開示される別の実施形態に係り得る。
【0068】
実施形態では、容器は、前駆体材料を処理するための調製情報を格納しているマシン可読コードを含む。コードは、前述の実施形態又は本明細書に開示される別の実施形態の任意の特徴を備え得る。
【0069】
実施形態では、コードは、符号化ラインに沿って延び、調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備える。
【0070】
実施形態では、符号化ラインに沿ったコードのデジタル画像に適合されたカラーモデルの値の合計は、合計に基づいてコードの配向を判定するために、隣接する平行な非符号化ラインと比較して識別可能である。
【0071】
実施形態では、容器は、前述の実施形態又は本明細書に開示される別の実施形態の任意の特徴を備えるマシン可読コードを備える外面を含む。コードは、マシンによって実行される調製プロセスによって使用するための調製情報を格納しており、マシンは、調製情報に基づいて制御され、飲料及び/又は食品、あるいはそれらの前駆体を調製する。
【0072】
本開示は、飲料及び/又は食品、あるいはそれらの前駆体を調製するためのマシンと共に使用するための、前駆体材料を収容するための容器に取り付けるための基材を提供し、基材は、前述の実施形態又は本明細書に開示される別の実施形態の任意の特徴を備えるマシン可読コードを備える外面を含む。
【0073】
本明細書で使用される場合、「基材」という用語は、コードを容器に接続するために使用することができる、コードのための任意の好適な担体を指し得、その例としては、ステッカー;接着ストリップを受容するための厚紙部材;閉鎖部材;及び他の適切な構成、が挙げられる。
【0074】
本開示は、任意の前述の実施形態又は本明細書に開示される別の実施形態のマシンのための、任意の前述の実施形態又は本明細書に開示される別の実施形態の容器の使用を提供する。
【0075】
本開示は、前駆体材料を備える容器上のコードによって符号化される、前駆体材料を処理するための調製情報を読み取る方法を提供する。本方法は、任意の前述の実施形態又は本明細書に開示される別の実施形態のコードを読み取るように実装され得る。
【0076】
実施形態では、本方法は、カラーモデルをコードのデジタル画像に適合させることと;コードのユニット及び符号化ラインを含む、符号化ラインに沿ったカラーモデルの値を合計することと;合計に基づいてコードの配向を判定することと;画像内のコードの判定された配向に基づいて、調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを備えるコードの離散位置、又は備えていないコードの離散位置を読み取ることと、を含む。
【0077】
本開示は、カプセルの外面上のコードを読み取る方法を提供し、本方法は、コードを含むカプセルの外面の画像を生成することと;コードを読み取ることと、を含む。
【0078】
実施形態では、本方法は、画像を横切って延びるライン(例えば、セグメント)について、色調の総和を取得することと、色調の総和に基づいてコードを位置特定することと、を含む。
【0079】
実施形態では、本方法は、画像を横切って延びるライン(例えば、セグメント)について、第1のカラー範囲及び第2のカラー範囲の分散(分散に関連する値を含む)を取得することと;色調の分散に基づいてコードを位置特定することと、を含む。
【0080】
本方法は、飲料若しくは食品又はそれらの前駆体を調製する方法の一部として実施されてもよく、処理ユニットは、前駆体材料に対して調製プロセスを実行するように調製情報に基づいて制御される。
【0081】
本開示は、前述の実施形態又は本明細書に開示される別の実施形態の方法を実施するための電気回路を提供する。
【0082】
本開示は、前述の実施形態又は本明細書に開示される別の実施形態の方法を実施するためのプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体を提供する。
【0083】
前述の概要は、本明細書に記載される主題の態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの実施形態を要約する目的で提供される。したがって、上記の特徴は単なる例にすぎず、本明細書に記載される主題の範囲又は趣旨を限定するものと決して解釈されるべきではない。更に、上記及び/又は先行する実施形態は、更なる実施形態を提供するために、任意の適切な組み合わせで組み合わせてもよい。本明細書に記載された主題の他の特徴、態様、及び利点は、以下の実施形態詳細な説明、図面の簡単な説明、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0084】
本開示の実施形態の態様、特徴、及び利点は、同じ番号が同じ要素を示す添付の図面を参照した以下の実施形態の説明から明らかになるであろう。
図1】飲料若しくは食品又はそれらの前駆体の調製のためのシステムの実施形態を示すブロックシステム図である。
図2図1のシステムのマシンの実施形態を示すブロックシステム図である。
図3図2のマシンの流体調整システムの実施形態を示す説明図である。
図4A図2のマシンの容器処理システムの実施形態を示す説明図である。
図4B図2のマシンの容器処理システムの実施形態を示す説明図である。
図5】ばら材料処理ユニットを備える、図2のマシンの実施形態を示す説明図である。
図6図2のマシンの制御電気回路の実施形態を示すブロック図である。
図7図1のシステムの容器の実施形態を示す説明図である。
図8図1のシステムの容器の実施形態を示す説明図である。
図9図1のシステムによって実行される調製プロセスの実施形態を示すフロー図である。
図10】外面と、コードと、符号化ラインとを備える、図7の容器の閉鎖部材の画像を示す図である。
図11】コードを備える、図10の画像の一部のクローズアップを示す図である。
図12】コードを備える、図10及び図11の画像の一部のクローズアップを示す図である。
図13】2つの異なる回転位置における図10の上の画像及び下の画像を示す図である。
図14】画像の回転位置に関するセグメント対横方向位置のセグメントについての平均色調を示す等高線図である。
図15】横方向位置のセグメント対図13の下の画像についての標準偏差を示すグラフである。
図16図1のシステムによって実行される、図10のコードを位置特定し、読み取るためのプロセスの実施形態を示す流れ図である。
図17図1のシステムによって実行される、図10のコードを位置特定し、読み取るためのプロセスの実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0085】
システムのいくつかの実施形態を説明する前に、システムは、以下の説明に記載される構成又は方法工程の詳細に限定されないことを理解すべきである。本開示の利益を受ける当業者には、システムは他の実施形態が可能であり、かつ様々な方法で実施又は実行されることが可能であることが明らかであろう。
【0086】
本開示は、以下の説明を考慮してより良く理解され得る。
【0087】
本明細書で使用される場合、「マシン」という用語は、前駆体材料から飲料及び/若しくは食品を調製することができる;又はプレ前駆体材料から、続いて飲料及び/又は食品に調製することができる前駆体材料を調製することができる、電動デバイスを指し得る。マシンは、以下のプロセスのうちの1つ以上:希釈;加熱;冷却;混合;泡立て;溶解;浸漬;浸し;抽出;調整;煎じ;粉砕;及び他の同様のプロセスによって上記調製を実施し得る。マシンは、調理台上で使用するように寸法設定され得、例えば、この調製マシンは、長さ、幅、及び高さが、70cm未満である。本明細書で使用される場合、飲料及び/又は食品に関する「調製」という用語は、飲料及び/又は食品の少なくとも一部の調製を指し得る(例えば、飲料は、当該マシンによってその全体又は一部が調製され、エンドユーザが、消費前にミルク及び/又は水を含む追加の流体を手動で追加し得る)。
【0088】
本明細書で使用される場合、「容器」という用語は、前駆体材料を例えば1杯分の予め小分けされた量として収容するための任意の構成を指し得る。容器は、1杯分の前駆体材料のみを収容できるような最大容量を有してもよい。容器は、単回使用であってもよく、例えば、調製プロセス後に物理的に変更され、前駆体材料に流体を供給するための穿孔;容器から飲料/食品を供給するための穿孔;前駆体材料を抽出するためのユーザによる開封、のうちの1つ以上を含むことができる。容器は、マシンの容器処理ユニットと共に動作するように構成されてもよく、例えば、当該ユニットを通じて又は当該ユニット上に配置して容器を位置合わせし方向付けるためのフランジを含んでもよい。容器は、特定の圧力を受けたときに破裂して飲料/食品を送出するように構成された破裂部を含み得る。容器は、容器を閉鎖するための膜を有し得る。容器は、以下のうちの1つ以上:円錐;円筒;ディスク;半球;パケット;他の類似の形態を含む様々な形態を有し得る。容器は、金属、プラスチック、又はそれらの組み合わせなど、様々な材料から形成され得る。材料は、食品に安全であり;調製プロセスの圧力及び/又は温度に耐えることができるように選択され得る。容器はカプセルとして画定されてもよく、カプセルは20~100mLの内部容積を有してもよい。カプセルは、コーヒカプセル、例えば、Nespresso(登録商標)カプセル(Classic、Professional、Vertuo、Dolce Gusto、又は他のカプセルを含む)を含む。容器は入れ物として画定されてもよく、入れ物は150~350mLの内部容積を有してもよい。入れ物は、典型的には、エンドユーザがそこから消費するためのものであり、スプーンを含む器具を介して消費するためのポットと、そこから飲むためのカップと、を含む。容器は、パケットとして画定されてもよく、パケットは、プラスチック又はホイルを含む可撓性材料から形成される。パケットは、用途に応じて、150~350mL、又は200~300mL、又は50~150mLの内部容積を有してもよい。
【0089】
本明細書で使用される場合、「外部デバイス」又は「外部電子デバイス」又は「周辺デバイス」という用語は、マシンの外部の電子構成要素、例えば、マシンと同じ場所に配置された電子構成要素又はマシンから離れた電子構成要素であって、コンピュータネットワークを介してマシンと通信する電子構成要素を含み得る。外部デバイスは、マシン及び/又はサーバシステムと通信するための通信インターフェースを備え得る。外部デバイスは、スマートフォン;PDA;ビデオゲームコントローラ;タブレット;ラップトップ;又は他の同様の装置、を含むデバイスを含み得る。
【0090】
本明細書で使用される場合、「サーバシステム」という用語は、マシンの外部の電子構成要素、例えば、マシンから遠隔位置に配置され、コンピュータネットワークを介してマシンと通信する、電子構成要素を指し得る。サーバシステムは、マシン及び/又は外部デバイスと通信するための通信インターフェースを備え得る。サーバシステムは、ネットワークベースのコンピュータ(例えば、リモートサーバ);クラウドベースのコンピュータ;任意の他のサーバシステム、を含むことができる。
【0091】
本明細書で使用される場合、「システム」又は「飲料又は食品調製システム」という用語は、飲料又は食品調製マシン;容器;サーバシステム;及び周辺デバイスを指し得る。
【0092】
本明細書で使用される場合、「飲料」という用語は、冷蔵又は高温であり得る飲用可能な物質に処理することができる任意の物質を指し得る。飲料は、固体;液体;ゲル;ペースト、のうちの1つ以上であり得る。飲料は、以下のうちの1つ又は組み合わせ:茶;コーヒー;ホットチョコレート;ミルク;ジュース;ビタミン組成物;ハーブティー/煎じ液;煎じた/風味付けされた水;及び他の物質、を含み得る。本明細書で使用される場合、「食品」という用語は、冷蔵又は高温であり得る、食べるための栄養素に処理することができる任意の物質を指し得る。食品は、固体;液体;ゲル;ペースト、のうちの1つ以上であり得る。食品は、ヨーグルト;ムース;パフェ;スープ;アイスクリーム;シャーベット;カスタード;スムージー;他の物質、を含み得る。飲料と食品の定義の間にはある程度の重複があり、例えば、飲料は食品であってもよく、したがって、飲料又は食品を調製すると言われるマシンは、両方の調製を排除しないことが理解されよう。
【0093】
本明細書で使用される場合、「前駆体材料」という用語は、飲料又は食品の一部又は全部を形成するように処理することができる任意の材料を指し得る。前駆体材料は、以下のうちの1つ以上:粉末;結晶;液体;ゲル;固体;及びその他、のうちの1つ以上を含み得る。飲料形成前駆体材料の例としては、挽いたコーヒー;乳粉末;茶葉;カカオ粉末;ビタミン組成物;例えば、ハーブティー/煎じ茶を形成するためのハーブ;香味料;及び他の同様の材料が挙げられる。食品形成前駆体材料の例としては、無水スープ粉末としての乾燥野菜又はストック;粉末ミルク;カスタードを含む小麦粉ベースの粉末;粉末ヨーグルト又はアイスクリーム;及び他の同様の材料が挙げられる。前駆体材料はまた、上記で定義されるような前駆体材料に処理することができる任意のプレ前駆体材料、すなわち、後に飲料及び/又は食品に処理することができる任意の前駆体材料を指し得る。一例では、プレ前駆体材料は、粉砕及び/又は加熱(例えば、焙煎)して前駆体材料にすることができるコーヒー豆を含む。
【0094】
本明細書で使用されるように、「流体」という用語は、(流体調整システムによって供給される流体に関して)水;ミルク;その他、のうちの1つ以上を含み得る。本明細書で使用される場合、流体に関する「調整」という用語は、その物理的特性を変化させることを指し得、以下のうちの1つ以上:加熱又は冷却;撹拌(泡を導入するために泡立てによって泡立て、そして乱流を導入するために混合することを含む);1杯分の容器と共に使用するのに適した1杯分の量への小分け;例えば、淹出圧力までの加圧;炭酸化;濾過/精製;他の調整プロセスを含むことができる。
【0095】
本明細書で使用される場合、「処理ユニット」という用語は、前駆体材料を飲料又は食品に処理することができる構成を指し得る。これは、プレ前駆体材料を前駆体材料に処理することができる構成を指す場合がある。処理ユニットは、容器処理ユニット又はばら材料処理ユニットを含む、任意の好適な実装を有し得る。
【0096】
本明細書で使用される場合、「容器処理ユニット」という用語は、前駆体材料から関連する飲料又は食品を得るために容器を処理することができる構成を指し得る。容器処理ユニットは、以下のうちの1つ以上:希釈;加熱;冷却;混合;泡立て;溶解;浸漬;浸し;抽出;調整;加圧;煎じ;及び他の処理工程、によって前駆体材料を処理するように構成され得る。したがって、容器処理ユニットは、処理工程に応じて、様々なユニットを実装してもよく、それらのユニットは、抽出ユニット(加圧及び/又は熱、例えば、加熱又は冷却、淹出プロセスを実行し得る);混合ユニット(エンドユーザが消費するために入れ物内の飲料又は食品を混合する);分配及び溶解ユニット(前駆体材料の一部を貯蔵所から抽出し、溶解によって処理し、それを入れ物に分配する)、及び他の同様のユニット、を含むことができる。
【0097】
本明細書で使用される場合、「ばら材料処理ユニット」という用語は、プレ前駆体材料のばら材料を前駆体材料に処理することができる構成を指し得る。ばら材料処理ユニットは、以下のうちの1つ以上:加熱;冷却;粉砕;混合;浸漬;調整;他の処理工程、によってプレ前駆体材料を処理するように構成され得る。ばら材料は、容器内でばら材料処理ユニットに供給されてもよく、そこから抽出されて処理される。
【0098】
本明細書で使用される場合、「調製プロセス」という用語は、前駆体材料から飲料若しくは食品を調製するためのプロセス、又は前駆体材料からプレ前駆体材料を調製するためのプロセスを指し得る。調製プロセスは、容器処理ユニットを制御して当該前駆体又はプレ前駆体材料を処理するために電気回路が実行するプロセスを指し得る。
【0099】
本明細書で使用される場合、「電気回路」又は「回路」又は「制御電気回路」という用語は、1つ以上のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を指し得、その例としては、特定用途向け集積回路(ASIC);電子/電気部品(トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタなどの組み合わせを含み得る);1つ以上のプロセッサ;1つ以上のソフトウェア又はファームウェアプログラムを記憶し得る非一時的メモリ(例えば、1つ以上のメモリデバイスによって実装される);組み合わせ論理回路;上記の相互接続、が挙げられる。電気回路は、全体がマシンに配置されてもよく、又はマシン;外部デバイス;サーバシステム、のうちの1つ以上の間に分散されてもよい。
【0100】
本明細書で使用される場合、「プロセッサ」又は「処理リソース」という用語は、処理のための1つ以上のユニットを指し得、その例としては、ASIC、マイクロコントローラ、FPGA、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、状態マシン、又は他の適切な構成要素が挙げられる。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行するように構成されてもよく、例えば、非一時的メモリ及び/又はプログラマブル論理に記憶され得る機械可読命令の形態をとり得る。プロセッサは、回路について説明した構成に対応する様々な構成を有し得、例えば、マシンに実装されてもよく、システムの一部として分散されていてもよい。本明細書で使用される場合、任意の機械実行可能命令又はコンピュータ可読媒体は、例えば、本明細書で開示されるようなマシン又はシステムによって、開示される方法を実行させるように構成されてもよく、したがって、方法という用語と同義的に又は互いに使用され得る。
【0101】
本明細書で使用される場合、「コンピュータ可読媒体(単数/複数)」又は「データストレージ」という用語は、コンピュータプログラムを記憶することが可能な任意の媒体を含み得、任意の従来の非一時的メモリ、例えば、以下のうちの1つ以上:ランダムアクセスメモリ(RAM);CD;ハードドライブ;ソリッドステートドライブ;メモリカード;及びDVD、の形態をとり得る。メモリは、回路について説明した構成に対応する様々な構成を有し得る。
【0102】
本明細書で使用される場合、「通信リソース」又は「通信インターフェース」という用語は、電子情報伝達のためのハードウェア及び/又はファームウェアを指し得る。通信リソース/インターフェースは、有線通信(「有線通信リソース/インターフェース」)又は無線通信(「無線通信リソース/インターフェース」)について構成され得る。無線通信リソースは、無線によって信号を送受信するハードウェアを含み、例えば、米国電子電気技術者協会(IEEE)に記載された802.11規格及びワシントン州カークランドのBluetooth Special Interest Groupから販売されるBluetooth(商標)の様々なプロトコル実装を含み得る。有線通信リソースとしては、ユニバーサルシリアルバス(USB);高精細マルチメディアインターフェース(HDMI)、又は他のプロトコル実装が挙げられる。マシンは、外部デバイス及び/又はサーバシステムとの有線又は無線通信のための通信リソースを含み得る。
【0103】
本明細書で使用される場合、「ネットワーク」又は「コンピュータネットワーク」という用語は、複数の装置/デバイス間の電子情報転送のためのシステムを指し得る。ネットワークは、例えば、任意のタイプの1つ以上のネットワークを含み得、それは、公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN);電話ネットワーク(例えば、公衆交換電話網(PSTN)及び/又は無線ネットワーク);ローカルエリアネットワーク(LAN);メトロポリタンエリアネットワーク(MAN);ワイドエリアネットワーク(WAN);インターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)ネットワーク;プライベートネットワーク;インターネット;イントラネットを含み得る。
【0104】
本明細書で使用される場合、「コード」という用語は、調製情報を符号化する記憶媒体を指し得る。コードは、光学的に読取可能なコード、例えばバーコードであり得る。コードは、要素又はマーカと称することができる複数のユニットから形成され得る。
【0105】
本明細書で使用される場合、「調製情報」という用語は、調製プロセスに関連する情報を指し得る。処理ユニットの実装に依存して、当該情報は変化し得る。流体処理システムを備える容器処理ユニットに関連付けられ得るパラメータは、以下のうちの1つ以上:流体圧力;流体温度;質量流量/体積流量;流体体積;流体の濾過/精製;当該流体の炭酸化パラメータ、を含むことができる。ばら材料処理ユニットを備える容器処理ユニットに関連付けられ得るパラメータは、強度を含む粉砕パラメータ;加熱温度、のうちの1つ以上を含むことができる。より一般的なパラメータは、形状又は容積などの容器の幾何学的パラメータ;前駆体のタイプ;調製プロセスが一連の段階に分割されるときの段階識別子であって、各段階が、前述のパラメータのうちの1つ以上のセットを含む段階識別子;段階持続時間(例えば、段階のパラメータ又は概して前述のパラメータのうちのいずれかを適用するための持続時間)を含む持続時間、容器再順序付け又はサーバシステムからの情報の検索の目的で容器消費を監視するために使用され得る容器識別子;賞味期限、容器と共に使用するためのマシンのメモリ上に記憶されたレシピを検索するために使用され得るレシピ識別子、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0106】
[システムの概説]
図1を参照すると、システム2は、マシン4、容器6、サーバシステム8、及び周辺デバイス10を備える。サーバシステム8は、コンピュータネットワーク12を介してマシン4と通信する。周辺デバイス10は、コンピュータネットワーク12を介してマシン4と通信する。
【0107】
図示されていない変形実施形態では、周辺デバイス及び/又はサーバシステムは省略される。
【0108】
コンピュータネットワーク12は、マシン4、サーバシステム8、及び周辺デバイス10の間で同じものとして示されているが、他の構成も可能であり、それには、各装置間の相互通信のための異なるコンピュータネットワーク、すなわち、サーバシステムが直接ではなく周辺デバイスを介してマシンと通信することが含まれる。特定の例では、周辺デバイスは、無線インターフェースを介して、例えばBluetooth(商標)プロトコルを用いてマシンと通信し;サーバシステムは、例えば、IEE802.11規格などの無線インターフェースを介して、またインターネットを介してマシンと通信する。
【0109】
[マシン]
図2を参照すると、マシン4は、前駆体材料を処理するための処理ユニット14;電気回路16;、及びコード読取システム18を備える。
【0110】
電気回路16は、コード読取システム18を制御して、容器6からコード(図2には示さず)を読み取り、そこから調製情報を判定する。電気回路16は、調製情報を使用して処理ユニット14を制御して調製プロセスを実行し、調製プロセスでは、前駆体材料が飲料若しくは食品又はそれらの前駆体に処理される。
【0111】
[処理ユニットの第1の例]
図3及び図4を参照すると、処理ユニット14の第1の例において、当該ユニットは、容器処理ユニット20と、流体調整システム22とを備える。
【0112】
容器処理ユニット20は、容器6を処理して、その中の前駆体材料(図示せず)から飲料又は食品を得るように構成されている。流体調整システム22は、容器処理ユニット20に供給される流体を調整する。電気回路16は、容器6から読み取られた調製情報を使用して、容器処理ユニット20及び流体調整システム22を制御し、調製プロセスを実行する。
【0113】
[流体調整システム」
図3を参照すると、流体調整システム22は、リザーバ24;ポンプ26;熱交換器28;及び調整された流体のための出口30を含む。リザーバ24は、典型的には、複数の調製プロセスに十分な流体を収容する。ポンプ26は、流体をリザーバ24から熱交換器26を通じて、(容器処理ユニット20に接続されている)出口30へと移動させる。ポンプ26は、以下を含む流体を駆動するための任意の好適なデバイス:往復ポンプ;回転ポンプ;及び他の適切な構成を含むことができる。熱交換器28は、流体を加熱するように実装され、インラインサーモブロック型ヒータ;リザーバ内の流体を直接加熱するための加熱要素;及び他の適切な構成を含むことができる。
【0114】
図示されていない変形実施形態では、ポンプが省略され、例えば、流体が重力によって容器処理ユニットに供給される又は主給水によって加圧され;リザーバが省略され、例えば、水が主給水によって供給され;熱交換器は、流体を冷却するように構成され、例えば、冷凍型サイクルヒートポンプを含み得;熱交換器が省略され、例えば、主給水が所望の温度で水を供給し;流体調整システムは、濾過/精製システム、例えば、流体に適用される程度が制御可能であるUV光システム;及び流体が炭酸化される程度を制御する炭酸化システムを含む。
【0115】
[容器処理ユニット]
容器処理ユニット20は、以下の実施例1~6に示すように、様々な構成で実装することができる。
【0116】
図4A及び図4Bを参照すると、容器処理ユニット20の第1の例は、飲料を調製するためにカプセル6(カプセルの適切な例が図7に示されており、これについては後述する)として構成された容器を処理するためのものである。容器処理ユニット20は、カプセル6から飲料を抽出するための抽出ユニット32として構成されている。抽出ユニット32は、カプセル保持部34と、閉鎖部材36とを含む。抽出ユニット32は、カプセル保持部34及び閉鎖部材36がカプセル6を受容するための構成であるカプセル受容位置(図4A)まで移動可能である。抽出ユニット32は、カプセル保持部34及び閉鎖部材36がカプセル6の周りにシールを形成し、飲料をカプセル6から抽出することができるカプセル抽出位置(図4B)まで移動可能である。抽出ユニット32は、アクチュエータ駆動式であってもよく、又は当該位置間を手動で移動可能であってもよい。
【0117】
流体調整システム22の出口30は、典型的には高圧下で、カプセル抽出位置において調整された流体をカプセル6内に注入するための注入ヘッド38として配置されている。飲料出口40は、抽出された飲料を捕捉し、それを抽出ユニット32から搬送するように構成されている。
【0118】
抽出ユニット32は、(例えば10~20バールで)加圧され、(例えば50~98℃で)加熱された流体をカプセル6内の前駆体材料に適用することによって飲料を調製するように構成されている。圧力は、カプセル6の閉鎖部材である破裂部の圧力を超えるまで、所定の時間量にわたって増大され、それにより、部材の破裂が引き起こされ、飲料が飲料出口40に分配される。
【0119】
図示されていない変形実施形態では、注入ヘッド及び飲料出口は、保持部及びカプセル閉鎖部材上にそれぞれ配置されるものとして示されているが、注入ヘッド及び飲料出口が、カプセル閉鎖部材及び貯蔵部上に配置されること;又は両方が同じ部分上にあることを含めて、代替的に配置され得る。更に、抽出ユニットは、例えば、Nespresso(登録商標)Professionalカプセルを含む、フランジに対して対称であるカプセルのためのカプセル保持部として配置された両方の部分を含み得る。
【0120】
適切な抽出ユニットの例は、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第1472156(A1)号及び欧州特許第1784344(A1)号に提供されており、液圧シールされた抽出ユニットを提供する。
【0121】
容器処理ユニットの第2の例(図示せず)では、第1の例と同様の抽出ユニットが提供されるが、抽出ユニットは、より低い圧力で遠心分離によって動作する。適切なカプセルの例は、Nespresso(登録商標)Vertuoカプセルである。適切な例は、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第2594171(A1)号に提示されている。
【0122】
第3の例(図示せず)では、カプセル処理ユニットは、高圧高温流体下で溶解するように選択された飲料前駆体の溶解によって動作する。この構成は、第1及び第2の例の抽出ユニットと同様であるが、圧力がより低いため、封止された抽出ユニットが必要とされない。特に、流体をカプセルの蓋に注入することができ、破裂部はカプセルの収容部の基部に位置する。適切なカプセルの一例は、Nespresso(登録商標)Dolce Gustoカプセルである。好適な抽出ユニットの例は、欧州特許第1472156(A1)及び欧州特許第1784344(A1)号に開示され、これらは本明細書において参照として組み込まれる。
【0123】
容器がパケットとして構成される第4の例(図示せず)では、容器処理ユニットは、パケットを受け取り、その入口において、流体調整システムから流体を注入するように動作可能である抽出ユニットを実装する。注入された流体は、パケット内の前駆体材料と混合して、飲料を少なくとも部分的に調製し、調製された飲料は、パケットの出口を介して出る。このような構成の例は、国際公開第2014125123(A1)号に提供され、これは本明細書において参照として組み込まれる。
【0124】
第5の例(図示せず)では、容器処理ユニットは、エンドユーザがそこから消費するための入れ物である容器内に保管される飲料又は食品前駆体を調製するための混合ユニットとして配置されている。混合ユニットは、入れ物内の飲料又は食品前駆体を混合するための攪拌機(例えば、遊星型ミキサ;螺旋型ミキサ;及び垂直切断ミキサ)と、入れ物内の飲料又は食品前駆体を加熱/冷却するための熱交換器とを備える。流体供給システムはまた、入れ物に流体を供給し得る。このような構成の例は、国際公開第2014067987(A1)号に開示され、これは本明細書において参照として組み込まれる。
【0125】
第6の例(図示せず)では、容器処理ユニットは、分配及び溶解ユニットとして配置されている。分配及び溶解ユニットは、マシンの貯蔵部(パケット又はボックスを含む任意の複数に小分けされた容器を含むことができる)から1杯分の飲料又は食品前駆体を抽出するように配置されている。分配及び溶解ユニットは、抽出された1杯分を流体調整システムからの調整された流体と混合し、飲料又は食品を入れ物に分配するように構成されている。このような構成の例は、欧州出願公開第14167344(A)号に開示され、これは本明細書において参照として組み込まれる。
【0126】
[処理ユニットの第2の例]
図5を参照すると、処理ユニット14の第2の例では、当該ユニットはばら材料処理ユニット42を含む。
【0127】
ばら材料処理ユニット42は、ばらのプレ前駆体材料を容器6(好適な例は、後述するように図8に提供される)から受け入れ、プレ前駆体材料を処理して前駆体材料を導き出すように構成されている。電気回路16は、容器6から読み取られた調製情報を使用して、調製プロセスを実行するようにばら材料処理ユニット42を制御する。
【0128】
ユーザは、(後述するように)コードを読み取るためのマシン4のコード読取システム18に容器6を手動で再送する。次いで、ユーザは、容器6を開き、容器内に配置されたプレ前駆体材料(図示せず)をばら材料処理ユニット42内に分配する。ばら材料処理ユニット42は、ばらのプレ前駆体材料を前駆体材料に処理する。
【0129】
特定の例では、プレ前駆体材料はコーヒー豆であり、ばら材料処理ユニット42は、前駆体材料を提供するためにコーヒー豆を焙煎及び/又は粉砕するように構成されている。
【0130】
図示されていない変形実施形態では、ばら材料処理ユニットは、代替的に、後続の処理のためにカプセルを開いて、カプセルからプレ前駆体を分配するための分配システムを含むように構成され(例えば、容器を切り開くための切断ツールと、プレ前駆体材料を抽出するためのスコップなどの抽出器と、を含んでもよい);プレ前駆体材料は、容器内で処理され、前述の例によって容器から分配され得る、又は容器内でユーザに提供され得る。
【0131】
[コード読取システム]
図4A及び図4Bを参照すると、コード読取システム18は、容器6の閉鎖部材上に配置されたコード44を読み取るように配置されている。コード読取システム18は、容器処理ユニット20の第1の例の抽出ユニット32と一体化されている。コード44は、(図4Bに示すように)抽出ユニット32がカプセル抽出位置にある状態で読み取られる。
【0132】
コード読取システム18は、コード44のデジタル画像を取り込む画像取込ユニット46を含む。好適な画像取込ユニット46の例としては、Sonix SN9S102;Snap Sensor S2撮像装置;オーバーサンプル2値画像センサ;及び他の同様のシステムが挙げられる。
【0133】
電気回路18は、デジタル画像内のコードを識別し、調製情報を抽出するための画像処理回路(図示せず)を含む。画像処理回路の一例は、コード処理プログラムを実行するTexas Instruments TMS320C5517プロセッサである。
【0134】
図示されていない変形実施形態では、コード読取システムは、容器処理ユニットとは別個であり、ユーザが容器を配置し、容器を容器処理ユニットに搬送するチャネル内に配置され;分配及び溶解ユニットの飲料出口から飲料を受け取るように配置された入れ物上のコードを読み取るように構成されている。図示されていない更なる変形実施形態では、コード読取システムは、代替的に実装され、例えば、コード読取システムは、ユーザが手動で画像取込デバイスに提示する容器のコードを読み取るようにマシン上に配置されている。図示されていない更なる変形実施形態では、コード読取システムは、容器の異なる位置、例えば、フランジ部又は貯蔵部上のコードを読み取るように構成されている。
【0135】
[制御電気回路]
図6を参照すると、電気回路16は、処理ユニット14を制御して調製プロセスを実行するための制御電気回路48として実装されている。図6の実施形態では、例示を目的として、容器処理ユニット20及び流体供給ユニット22を備える処理ユニット14が、第1の例として例示されている。
【0136】
電気回路16、48は、マシン4が調製プロセスを実行すべきであることを確認する入力をユーザから受け取るための入力ユニット50;入力ユニット46から入力を受信し、処理ユニット14に制御出力を提供するためのプロセッサ52;及び調製プロセス中に、処理ユニット54から、調製プロセスを制御するために使用され得るフィードバックを提供するためのフィードバックシステム54を(例えば、ハードウェアと組み合わせて)少なくとも部分的に実装する。
【0137】
入力ユニット50は、ユーザインターフェースとして実装され、以下のうちの1つ以上:ジョイスティックボタン又は押しボタンなどのボタン;ジョイスティック;LED;グラフィックLDC又はキャラクタLDC;タッチ感知ボタン及び/又はスクリーンエッジボタンを備えるグラフィカルスクリーン;他の同様の装置;及び容器がユーザによってマシンに供給されたかどうかを判定するためのセンサを含むことができる。
【0138】
フィードバックシステム54は、以下の動作又は他のフィードバック制御に基づく動作のうちの1つ以上:
流体供給システム22の出口30(図3に示す)への流体の流量/体積を判定するための流量センサであって、容器6への流体の正確な量を計量し、それによってポンプ26への電力を調節するために使用され得る、流量センサ;
流体供給ユニット22の出口30への流体の温度を判定するための温度センサであって、容器6への流体の温度が正確であることを確実にし、それによって熱交換器28への電力を調節するために使用され得る、温度センサ;
リザーバ24内の流体のレベルが調製プロセスに十分であることを判定するためのレベルセンサ;及び
抽出ユニット32の位置(例えば、カプセル抽出位置又はカプセル受容位置)を判定するための位置センサを実装することができる。
【0139】
電気回路16、48は、以下の処理ユニット14の他の例:例えば、フィードバックシステムがカプセルの回転速度を制御するために使用され得る容器処理システムの第2の例;フィードバックシステムが粉砕速度及び/又は加熱温度の制御を実施するために使用され得るばら材料処理ユニットに対して適切に適合されることが理解されるであろう。
【0140】
[容器]
図7を参照すると、処理ユニット14の第1の例と共に使用するための容器6の第1の例は、カプセルとして構成された容器6を含む。カプセルは、閉鎖部材56;貯蔵部58;及びフランジ部60を含む。
【0141】
貯蔵部58は、前駆体材料を貯蔵するための空洞を含む(図示せず)。閉鎖部材56は、貯蔵部58を閉鎖し、可撓性膜を備える。フランジ部60は、貯蔵部58と閉鎖部材56との接合部に配置され、前駆体材料を気密封止するために互いに固定される各部分の重なりを含む。カプセル6は、2~5cmの直径及び2~4cmの軸方向長さを有する。図4A及び図4Bを参照すると、貯蔵部58は、調整された流体をカプセル内に供給するために注入ヘッド38によって穿孔される。
【0142】
カプセル6は、閉鎖部材56の中心59を通って延びる回転対称軸57を備える(図7の側面図には示されていないが、カプセル6は、閉鎖部材56の平面において見たときに円形断面を有する)。
【0143】
容器及び/又は閉鎖部材の構造、製造、及び/又は(飲料)抽出の詳細は、例えば、欧州特許第2155021号、欧州特許第2316310号、欧州特許第2152608号、欧州特許第2378932号、欧州特許第2470053号、欧州特許第2509473号、欧州特許第2667757号、及び欧州特許第2528485号に開示されている。
【0144】
図8を参照すると、処理ユニット14の第2の例と共に使用するための容器6の第2の例は、パケットとして構成された容器6を備え、かつ、前駆体材料(図辞せず)の貯蔵のための内部容積を画定する周辺継ぎ目64で接合されたシート材料62の構成と;前駆体材料をばら材料処理ユニット42に分配するためにユーザが開く開口部66とを含む。
【0145】
[コードの配列]
図7及び図8を参照すると、コード44は、コード読取システム18によって読み取ることができるように、任意の好適な位置で、容器6の外面に配置されている。図7に示される第1の例では、コード44は、閉鎖部分56上に配置される。図示されていない変形実施形態では、フランジ部60上(両側を含む)及び収容部58上にコードを配置することができる。図8に示される第2の例では、コード44は、継ぎ目64の遠位を含む、シート材料62上の様々な位置に配置される。
【0146】
[調製プロセス]
図9を参照すると、前駆体材料から飲料/食品を調製するためのプロセスの実行が示されている。
【0147】
ブロック70:ユーザが、容器6をマシン4に供給する。
【0148】
ブロック72:電気回路16(例えば、その入力ユニット50)は、前駆体から飲料/食品を調製するためのユーザ命令を受信し、電気回路16(例えば、プロセッサ52)は、プロセスを開始する。
【0149】
ブロック74:電気回路16は、容器を処理するように処理ユニット14を制御する(例えば、容器処理ユニット20の第1の例では、抽出ユニット32は、カプセル受容位置(図4A)からカプセル抽出位置(図4B)に移動される)。
【0150】
ブロック76:電気回路16は、容器6上のコード44を読み取り、コードのデジタル画像を提供するようにコード読取システム18を制御する。
【0151】
ブロック78:電気回路16のコード処理回路は、調製情報を抽出するために、デジタル画像を処理する。
【0152】
ブロック80:電気回路16は、調製情報に基づいて、処理ユニット14を制御することによって調製プロセスを実行する。処理ユニットの第1の例では、この調製プロセスは、調製情報で指定された温度、圧力、及び持続時間で流体を容器処理ユニット20に供給するように流体調整システム22を制御することを含む。
【0153】
続いて、電気回路16は、カプセル抽出位置からカプセル排出位置を通って移動させて、容器6を排出し、カプセル受容位置に戻すように容器処理ユニット20を制御する。
【0154】
図示されていない変形実施形態では、上記のブロックは、異なる順序で、例えば、ブロック70の前にブロック72を、又はブロック74の前にブロック76を実行することができ;いくつかのブロックは省略することができ、例えば、マシンがカプセルのマガジンを格納する場合、ブロック70を省略することができ;代替的に、ブロック70~76で、ユーザは、容器のコードをコード読取システムに提示し、コードが読み取られた後、当該容器を開き、プレ前駆体材料を処理ユニットに分配する。
【0155】
ブロック76及び78は、コード読取及び処理プロセスと称され得る。ブロック80は、調製プロセスと称され得る。電気回路16は、例えばプログラムコードとして、調製プロセス(又は複数の調製プロセス)のための命令を含む。一実施形態では、プロセッサ52は、メモリ(図示せず)に記憶された命令を実行する。
【0156】
調製プロセスの一部として、電気回路16は、マシンの通信インターフェース(図示せず)を使用して、サーバシステム8及び/又は周辺デバイス10からコンピュータネットワーク12を介して追加の調製情報を取得することができる。
【0157】
[外面及びコード記述]
図10及び図11を参照すると、閉鎖部材56の外側を向いた表面全体は、コード72と、コード72を通って延びる符号化ライン74とを含む、外面70を備える。
【0158】
外面70の画像は円形である。図示されていない変形実施形態では、正方形を含む他の形状が処理され得る。
【0159】
[外面及び特徴]
外面70は、第1のカラー範囲で形成され、この例では、8ビットグレースケールのカラーシステムの比較的明るい色、例えば10進数200~255を備える。外面70に形成される他の項目は、第2のカラー範囲で形成され、この例では、8ビットグレースケールのカラーシステムの比較的暗い色、例えば10進数0~50を備える。
【0160】
図示されていない変形実施形態では、1ビットモノクローム;8ビットカラー;16ビットグレースケール;及び16ビットカラーを含む、他のカラーシステムが実装され得る。
【0161】
外面70は、その上に形成された非符号化ライン76、78、80、82を有し、非符号化ラインは、符号化ライン74及びコード72に対して平行であるが、それらのいずれとも交差しない、外面70を横切って延びる任意の線として定義され得る。
【0162】
非符号化ライン76は、コード72に直接隣接するように延びる。非符号化ライン78は、コード72の遠位に延びる。両方の非符号化ライン76及び78は、全体的に第1のカラー範囲で構成される。
【0163】
非符号化ライン80は、コード72の遠位に延び、特に商標/ロゴ86を備えるオブジェクト84の交差部分を含む。非符号化ライン82は、コード72の遠位に延び、特に、容器6内の前駆体材料によって生成される飲料のタイプに関する情報を提供する商標/ロゴ86及びテキスト88を備える、オブジェクト84の交差部分を含む。オブジェクト84は、第2のカラー範囲で構成される。したがって、両方の非符号化ライン80及び82は、第1のカラー範囲及び第2のカラー範囲の成分で構成される。オブジェクト84の形態及び組成は、非符号化ライン76、78、80、82が、符号化ライン74よりも識別可能に小さい第2のカラー範囲の成分を備えるように、例えば、20又は50%未満になり得るように選択される。
【0164】
図示されていない変形実施形態では、異なる配向を含む他のオブジェクトが外面上に形成され得る。
【0165】
明示的に図示されていないが、対応する非符号化ラインは、符号化ライン74及びコード72を備えていない外面70上の全ての部分上に描かれ得ることが理解されよう。更に、非符号化ラインは、外面70上に物理的に形成されるのではなく、後述するように画像を処理するときに外面70の理想化された仮想ラインと見なされるにすぎないことが理解されよう。非符号化ライン76~82の太さは、外面70の画像を処理するときに、後述するような一連の隣接線を分解されるので、符号化ライン74の太さとして想定され得る(あるいは、後述するような分散に関する処理時に太さを拡大し得る)。
【0166】
[コード及び符号化ライン]
図10図12を参照すると、コード72は、長手方向100に延びる線形の符号化ライン74に沿って外面70を横切って延びる。図12を見ると最もよく分かるように、コード72は、ユニット92を含む又は含まない一連の離散位置90を含む。ユニット92及び符号化ライン74は、第2のカラー範囲で形成される。ユニット92は、離散位置90におけるビットの有無に基づいて、ビットを0又は1として符号化する。離散位置90は、符号化ライン74に沿って離れた所定の間隔、すなわちピッチで配置され、この例では、予測して位置特定し、読み取ることができるように、互いに直接隣接する。
【0167】
図10を参照すると、コード72は、符号化ライン74に沿って同じ順序でそれ自体を順次繰り返す繰り返し単位94として配置される。例えば、符号化ライン74は、コードの1~3回の、又は他の回数の繰り返しを含んでもよく、そのうちのいずれかを読み取って調製情報を抽出することができる。
【0168】
この例では、繰り返し単位94は、23個の離散位置90を備え、したがって、コード72は23ビット長である。23ビット長のメッセージは、調製情報を少なくとも部分的に符号化し、例えば、電気回路16の電子メモリ上の格納されている関係であるキーバリュー型データベースパラダイムを用いてレシピを定義するパラメータの特定のセットに関連付けられたキーとして使用され得る。代替的に、1つ以上のビットによって符号化される値は、パラメータの値に直接関連付けられていてもよく、例えば、ビット0~7は、水温の256個のマグニチュードのうちの1つを符号化し、これは、電気回路16の電子メモリ上に格納された関係に基づいて解釈され、温度に変換される。
【0169】
図示されていない変形実施形態では、コードは1つだけ繰り返され;コードは、任意の数の、例えば16個又は32個の離散位置を含むことができる。
【0170】
図10を見ると最もよく示されているように、各々がコード72上に同じ繰り返し94で互いから横方向102にオフセットし、互いに対して平行である、複数の符号化ライン74が存在する(4つの符号化ラインが示されている)。したがって、任意の符号化ライン74からの任意の繰り返しを読み取って、調製情報を抽出することができる。特に、隣接する符号化ライン72上の繰り返し94は、外面70の領域が損傷した場合に、損傷していないコードの繰り返し94が存在する尤度が高くなるように、コード長さの半分だけ長手方向にオフセットしている。
【0171】
図示されていない変形実施形態では、単一の符号化ラインのみが存在し得;繰り返しは、コード長さの四分の一を含む他の長手方向オフセットを有してもよく、又は長手方向オフセットがなくてもよい。
【0172】
図12を参照すると、別のユニット92に隣接しないコード72のユニット92の場合、外側端部領域96は、符号化ライン74の回りに長手方向範囲が増大するにつれて先端へと横方向厚さが狭くなるように、対称的に先細になるように、湾曲した端部プロファイルで成形される。端部領域が外側にならないように、いずれの側でも他のユニット92隣接するコード72のユニット92の場合、形状は正方形である。
【0173】
本明細書で使用される場合、ユニットに関する「形状」という用語は、正確な形状又は実際の形状の近似を指し得、これは、印刷又は他の製造上の精度の変動に起因し得る。
【0174】
図示されていない変形実施形態では、ユニットは、以下の形状、三角形、多角形、特に正方形又は平行四辺形などの四辺形;他の好適な形状のうちの1つ又は組み合わせを含む異なる形状を有する。
【0175】
実施形態では、符号化ライン74の横方向102の厚さは、コード72のユニット92の厚さと比較して比較的狭くなる(例えば、20%未満又は10%未満である)ように選択されており、例えば、長さ1.1mmのユニットの場合0.2mmであり得る。
【0176】
ユニット92は、典型的には、1.1mmのユニット長さを有する。本明細書で使用される場合、ユニット92に関する「ユニット長さ」という用語は、ユニット92の好適に定義された距離、例えば、円形形状では、直径;正方形では、辺長さ;多角形では、対向する又は隣接する頂点の間の距離;三角形では、斜辺を指し得る。ユニット92は、約0.05mmの精度で配置され得る。ユニットは、直接92隣接しているので、1.1mmのピッチを有する。
ユニット92及び符号化ライン74は、例えばインクプリンタを用いた印刷によって形成される。印刷の例として、インクは、従来的なプリンタインクであってもよく、基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET);ラッカーでコーティングしたアルミニウム(Nespresso Classicカプセルに見られる)、又は他の好適な基材である。
【0177】
図示されていない変形実施形態では、ユニットは、エンボス加工、彫刻、又は他の好適な手段を含めて、代替的に形成され;ユニットは、代替的に寸法設定され、例えば0.5~2mmのユニット長さである。
【0178】
特定の変形実施形態では、ユニット及び符号化ラインは、(例えば、エッチング若しくは彫刻によって、又はアルミニウムなどの鏡面反射体上での拡散反射性塗装若しくは他のコーティングによって)拡散反射性又は鏡面反射性のうちの一方であるように形成され、非符号化ライン(又はコード若しくは符号化ラインのユニットを備えていないエリア)は、拡散反射性又は鏡面反射性のうちの他方で形成される。デジタル画像では、このような構成は、鏡面反射がカラーモデルの第1の値範囲、例えば明るい色調として現れ得、拡散反射がカラーモデルの第2の値範囲、例えば暗い色調として現れ得るので、有利であり得る。すなわち、反射の強度は、カラーモデルの値を判定することができる。しかしながら、コードの視認性は、印刷によって値範囲を形成することと比較してあまり明瞭でない場合がある。
【0179】
[色調の総和]
符号化ライン74の物理的形成に起因して、外面70が、画素と称される領域へと分割される場合(図11のグリッドによって示されるように、符号化ライン74は、約2個の画素の厚さである);かつ、(前述のように)グレースケールトーンが各画素に割り当てられる場合;符号化ライン74の長さ及び幅に沿った画素のトーンに関連付けられた10進数の総和は、外面70を横切って延びる図10に示されるような隣接する平行な線形の非符号化ライン76、78、80、82(又は任意の他のライン)と比較して識別可能であることが理解されよう。これは、これらの非符号化ラインが、第2のカラー範囲の色の一部分を備えていない、又は色の一部分が低減されているからである。
【0180】
外面の縁部の間にわたって延び、この例では符号化ラインをカプセル化する2画素厚の領域は、「セクション」又は「ラインセクション」と称される。また、セグメントを形成する画素は、「要素」又は「領域」と称される。
【0181】
特に、符号化ライン74では、10進数は(非符号化ラインのように第1のカラー範囲を全て又は部分的に含むのではなく)全て第2のカラー範囲からであるので、画素数で除算された10進数の総和は、非符号化ラインの場合よりもはるかに低くなる。この量は、「平均セグメント色調」又は「平均色調」と称され、この例では、要素は画素であり、平均化はセグメント内の要素の数に対応する。したがって、セグメントは、平均セグメント色調の単一の値を有することができる。
【0182】
図示されていない変形実施形態では、単一の画素以外の要素又は領域が考慮され得る、例えば、単一の色調(すなわち値)が、正方形又は矩形に配置された4個、6個、又は9個の画素のグループを備える要素に割り当てられてもよく、要素は、符号化ライン74の幅と同じ全幅を備え得る。
【0183】
図13(上の画像)を参照すると、コード72の配向が最初に知られていない(実線のグローバル座標線と比較して破線のローカル座標線によって示されている)実施形態では、外面70の画像は、(前述したように)幅が2画素である長手方向に延びるセグメント98へと分割される。単一のセグメント98のみが示されているが、セグメントは画像の横方向幅全体にわたって延びる。図13(上の画像)では、各セグメント98は、計算された平均セグメント色調を有する。
【0184】
次に、画像を対称軸59の周りで3°ずつ回転させ(円形の画像の中心にある図7を参照)、計算された平均セグメント色調を有する各セグメント98のプロセスが繰り返される。次に、画像が180°回転されるまで、プロセスが繰り返す。
【0185】
図示されていない変形実施形態では、画像は、2°又は4°を含む他の量だけ回転される。
【0186】
図14は、セグメントの回転角度対横方向位置についての平均セグメント色調の2次元等高線図を示す。図13(上の画像)の回転角度は、図14の列104に対応する。符号化ライン74が長手方向100に整列されている図13(下の画像)の回転角度は、図14の列106に対応する。列106については、平均セグメント色調の一連の局所的な低い領域108があることに留意されたい。この特長は、コード72の所望の配向の識別を可能にする。
【0187】
図示されていない変形実施形態では、コードの配向は、例えば、カプセル上に形成された非対称の構造上の基準によって識別される方向に沿って延びるようにコードを配置することによって知ることができる。
【0188】
[分散の判定]
図13(下の画像)に示すように、長手方向100に整列するようにコード72が配向される場合、(今回は平均セグメント色調の代わりに)各セグメント98について、要素の色調の分散(又は標準偏差)を判定することによって、処理のために好ましい符号化ライン74が選択される。
【0189】
図15を参照すると、セグメント98の横方向位置対セグメント98についての標準偏差が示されている。ベースライン除去及びトップハット変換を含むことができる、生の偏差データのいくつかの任意選択の処理が使用される。図13には4つの符号化ライン74が存在するので、偏差には4つのピーク110がある。これは、符号化ライン74を含むセグメント上の離散位置90におけるコード72のユニット92の有無に起因して起因して、非符号化ライン76~82のうちのいずれかを含むセグメントよりも大きい第1のカラー範囲及び第2のカラー範囲の分散を含むからである。特に、符号化ライン74のすぐ近位にある非符号化ライン76、78は、いかなるオブジェクト84も備えていないので、比較的低い分散を有し、それにより、それらの隣接する符号化ライン74によって引き起こされる高い分散点の強化された位置特定が可能になる。
【0190】
最も高いピーク110は、最も長い符号化ライン74に対応し、これは続いて、その長さに起因して、コード72の1つ以上の完全な繰り返しを含む可能性が最も高いので、処理のために選択される。
【0191】
なお、符号化ライン74は実線なので、これを直接読み取った場合、の分散が極端に小さくなり、したがって、分散を判定する際のセグメントの厚さは、コード72のユニット92に対応するように横方向厚さが大きくなる。符号化ライン74は、コードのユニットの横方向厚さと比較して比較的薄くなるように選択されるので、分散と干渉しない。したがって、実際には、平均色調はワット高い解像度、サンプリングされ、分散は比較的低い解像度でサンプリングされる。
【0192】
コード72が高い分散を維持することを保証するために、符号化パターンに対する制限を実装することができ、所定の数の連続するユニット、例えば3個又は4個又は5個よりも多く、コードが不在であってはならないこと又は存在できないことが必要とされ得る。
【0193】
図示されていない変形実施形態では、上述の分散(又は偏差)は、コードの正しい回転を判定するためにも使用され、例えば、正しい回転は、最も高いピークをセグメント分散が生成する回転位置について判定される。そのような実施形態では、符号化ラインは省略され得る。
【0194】
[コードの読み取り及び復号]
読み取られる符号化ライン74の配向及び位置がここで判定されると、離散位置90のユニット92が読み取られる。
【0195】
第1の例(図示せず)では、コードは、0s及び1sの所定の予約済みシーケンスの開始シーケンスを含む。コードを読み取るとき、コード処理プログラムは、不在ユニット及び存在ユニットのこの予約済みシーケンスを検索する。データシーケンスは、開始シーケンスに関して既知の位置で位置特定され(例えば、電気回路16のメモリに格納されており)、例えば、データシーケンスは、直前の8ビットであり得る。したがって、開始シーケンスの位置を判定した後、次いで、データシーケンスを読み取って、コードからデータを抽出することができる。
【0196】
第2の例(図示せず)では、コードの繰り返し94は、既知の長さ、例えば23ビットを有し、符号化ラインに沿ったユニットを読み取り、既知の長さである数値的繰り返しに基づいて、繰り返しユニット94が識別される。コード処理プログラムは、コードからデータを抽出するためにゴレイ復号デコーダを実装する。
【0197】
データが抽出されるのを妨げるエラーの発生時、第1の例では、例えば、開始シーケンスを位置特定することができず、あるいは、第2の例では、ゴレイデコーダが、4~7個のビットエラーを返し、次いで、コードを逆方向に読み取ることができ、例えば、図13(下の画像)では、画像を180°回転させ、離散位置90が再び読み取られる。
【0198】
データ完全性エラーの発生時、第1の例では、データシーケンス内のパリティビットが図示及び誤り得;又は、第2の例では、ゴレイデコーダが0~3個のビットエラーを返し、次いで、例えば、メモリに格納された近い既知のデータシーケンスへのマッチングに基づいて、データが訂正され得る。
【0199】
また、上述したタイプのエラーは、同じ符号化ライン74又は異なる符号化ライン74から異なるコードの繰り返しを選択することによって解決され得る。更に、2つの異なる符号化ラインからの繰り返しは、既知の長さを有する繰り返しに基づいて一緒にステッチされ得る。
【0200】
[コード画像の処理方法]
図16を参照すると、コード72の画像を処理する方法は、(図9のブロック78の拡張と見なされ得る)以下の工程を含む。
【0201】
ブロック120:外面70の画像を指定されたカラーシステムへと変換する(例えば、実施例では、これは8ビットグレースケールであった)。
【0202】
ブロック122:図13及び図14を参照すると、増分回転ごとに、長手方向100に延びるセグメントについて、平均セグメント色調を取得する。
【0203】
ブロック124:第2のカラー範囲の最も高い割合に基づいて、平均セグメント色調から符号化ライン74の角度を判定し、図13(下の画像)に示すようにグローバル長手方向102に対応するように、符号化ライン74の局所軸を再整列させる。
【0204】
ブロック126:セグメントの分散に基づいて、処理すべき符号化ライン74を識別する。
【0205】
ブロック128:ラインからコードの繰り返しを読み取る。
【0206】
ブロック130:エラーが検出された場合、他の方向においてコードを読み取る、及び/又は訂正可能なエラーが検出された場合、コード内のエラーを訂正する。エラーを訂正することができない場合、調製プロセスにおいて調製情報のデフォルトセットが使用され得る。
【0207】
ブロック132:電気回路16のメモリに格納された規則を使用して、コードによって符号化されたデータを調製情報のパラメータの値に変換する。
【0208】
コードは、本明細書では容器上に配置されるものとして示されているが、コードは、容器上に一体的に形成されてもよく、又は容器に取り付けることができる別個の基材(図示せず)上に形成され得ることが理解されよう。
【0209】
[処理方法の第1の例]
図17を参照して、コードによって符号化された調製情報を抽出するためにコードのデジタル画像を処理する方法の第1の例を説明する。第1の例の方法は、簡潔にするために重複して説明されない関連する説明された変形形態を含む、前述の実施形態の特徴のうちのいずれかを実装し得る。
【0210】
ブロック200において、コード読取システム18は、コード72のデジタル画像を取得し、デジタル画像にはカラーモデルが適用されている。この例では、カラーモデルは、グレースケールカラーモデルである。
【0211】
ブロック202において、電気回路16は、コードのユニット及び符号化ラインを含む、符号化ラインに沿ったカラーモデルの値を合計する。
【0212】
ブロック204において、電気回路16は、合計に基づいて、コード44の配向を判定する。
【0213】
ブロック206において、電気回路16は、画像におけるコード72の判定された配向に基づいて、ユニット92が存在するか、又は存在しないかを判定するために、離散位置90を読み取る。
【0214】
ブロック200を検討すると、グレースケールカラーモデルの値は、単一の画素を備える領域に適合される。
【0215】
図示されていない変形実施形態では、領域は、画素のグループ、例えば、領域当たり2×2画素を備えるようにダウンスケールされる;異なるカラーモデルを実装してもよい。
【0216】
図10を参照すると、例示的なデジタル画像は、コード72及び符号化ライン74が配置される符号化エリア140を備える。コード72は円形の閉鎖部材56上に配置されるので、デジタル画像は、円形の符号化エリア140を境界画定するフランジ部のリムを有する閉鎖部材56を備える。前述したように、符号化エリア140の縁部との交点に各々が端部を有する複数の符号化ライン74が存在する。各符号化ラインは、コード72の2回以上の繰り返しを備えることができる。符号化エリアが円形であることに起因して、符号化ライン72は異なる長さを有する。
【0217】
図示されていない変形実施形態では、単一の符号化ラインのみが存在し;1つ以上の符号化ラインの各々は、コード上に単一の繰り返しのみを備え;符号化エリアは、他の形状、例えば正方形又は三角形を有し得;符号化ラインは、例えば正方形の符号化エリアの場合、全て同じ長さを有し得;符号化ラインは、他の形状、例えば円形又は正方形を有し得る。
【0218】
ブロック204において、図13の上の画像を参照すると、デジタル画像は、長手方向100に長さを有して延び、横方向102に幅を有する仮想ラインセクション98へと分解される。ラインセクションは、いくつかの領域(例えば、2~6個)を備える幅と、符号化エリア140の長さに対応する長さとを有する。単一のラインセクション98のみが示されているが、隣接する平行なラインセクションは、符号化エリア140全体を分解するために横方向102に実装されることが理解されよう。ラインセクション98についての領域の値を合計して、各ラインセクション98について1つの合計値を有する合計値のアレイを提供する。
【0219】
合計値は、合計を領域の数で除算することによって平均化され得る。このように平均化することは、異なる長さ(又は幅)を有するラインセクションを取り扱うための好都合な手段を提供し得る。代替的に、ラインセクションは、同じサイズであるように選択されてもよく、したがって、平均化が不要になる。両方の実装形態は、値の合計に基づくことが理解されるであろう。
【0220】
デジタル画像の角度は、中心軸(例えば、円形の符号化エリアの中心にある、図7に示される軸59)の周りで回転される。デジタル画像が180°回転されるまで、3°又は5°の回転増分が、合計60回又は36回それぞれ適用される。各回転位置について、合計値のアレイが計算される。合計値対回転位置の2次元プロットが図14に例示を目的として示されている。図14に示されるプロットは、例えば、ハイパスフィルタを用いたラドン変換を含む、様々なフィルタリング/処理技法を用いて取得され得る。
【0221】
図14を参照すると、列106によって示されるアレイ値のセットについて、コード72及び符号化ライン74は、図13の下の画像に示されるように、長手方向100に対して平行に配置される。列106について、合計値は、低値(暗い領域によって示される)と高値(明るい領域によって示される)との間で変動することが分かる。
【0222】
低値は、符号化ライン74及びコード72を含むラインセクション98によって提供される。これは、コードのユニット及び符号化ラインが値の合計に対して及ぼす影響に起因する。高値は、符号化ライン74及びコード72を含まないラインセクション98、すなわち、前述のような非符号化ライン76、78、80、82によって提供される。したがって、コード72及び符号化ライン74が長手方向100に対して平行に配置されている場合、コードは、第1の値範囲内にある符号化ラインに沿ったカラーモデルの値の総和と、第2の値範囲内にあるカラーモデルの値の総和を備えるように符号化ラインに対して平行な隣接する非符号化ラインとを用いて配置される。
【0223】
したがって、列106に関連付けられたアレイの合計値の標準偏差は、最も高い偏差値を有する。このようにして、値の合計に基づいて、コード72の配向が判定される。
【0224】
図示されていない変形実施形態では、コードの1つ以上の繰り返しを有する単一の符号化ラインが存在し得る。そのような例では、回転の中心を通って延びる符号化ラインを取り込むために単一のラインセクションが実装されてもよく、例えば、ラインセクションは、デジタル画像の中心を通って延びるように構成され得る。符号化ラインが長手方向に整列されている状態は、マグニチュードが最も低い(又はカラーモデルがどのように実装されるかに応じて最も高い)合計値を有する回転位置によって判定され得る。
【0225】
図示されていない変形実施形態では、前述の同じサイズのラインセクションについて、符号化ラインが長手方向に整列されている状態は、閾値と交差する回転位置におけるラインセクションの合計値によって判定され得、したがって、標準偏差の計算が不要になる。
【0226】
ブロック126において、コード72及び符号化ライン74の配向が既知であると、前述のように符号化ライン74に沿って離散位置90を読み取ることができる。コードを読み取るために符号化ラインのうちのいずれか1つを選択してもよく、これは、分散によって横方向位置において識別可能である。コード72はゴレイ符号化によって符号化され、したがって、符号化ライン全体を開始から終了まで読み取ることができる。
【0227】
変形実施形態では、他の符号化、例えば、データ部分を位置特定するために識別されるロケータ/参照部分として機能するように、離散位置におけるユニットの有無によって符号化されたビットの予約済みシーケンスを有するコードが実装され;符号化ラインは省略されてもよく、コードの配向は、前述の方法を用いて説明したように、値に対するコードのユニットの影響によって判定されてもよく、あるいは、配向は、国際公開第2017144575(A1)号に開示されているように、参照部分によって判定され得る。
【0228】
開示された方法のいずれか(又は対応する装置、プログラム、データキャリアなど)は、特定の実装に応じて、ホスト又はクライアントのいずれかによって実行してもよい(すなわち、開示された方法/装置は通信(複数可)の形態であり、そのため、いずれの「視点」からも、すなわち、互いに対応して実行され得る)ことが理解されよう。更に、「受信すること」及び「送信すること」という用語は、「入力すること」及び「出力すること」を包含し、無線波を送受信するRFコンテキストに限定されないことが理解されよう。したがって、例えば、実施形態を実現するためのチップ、他の装置又は構成要素は、別のチップ、装置又は構成要素への出力用データを生成することができ、あるいは別のチップ、装置、又は構成要素からの入力データとして有することができ、そのような出力又は入力は、動名詞、すなわち、「送信すること」及び「受信すること」、並びにRFコンテキスト内での「送信すること」及び「受信すること」を含む「送信」及び「受信」として指すことができる。
【0229】
本明細書で使用する場合、文体「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」で用いられる任意の表現、並びに「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」の表現は、選言的に「又は」と選言的に「及び」を使用し、その結果、これらの表現は、A、B、Cの任意若しくは全ての接合といくつかの置き換え、すなわち、Aのみ、Bのみ、Cのみ、任意の順序でA及びB、任意の順序でA及びC、任意の順序でB及びC、任意の順序でA、B、Cを含む。このような表現で使用される3つより多いか又は少ない特徴が存在し得る。
【0230】
特許請求の範囲において、括弧間に配置されている任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。「備える(comprising)」という語は、特許請求の範囲に列挙されているもの以外の要素又は工程の存在を排除するものではない。更に、本明細書で使用する場合、「a」又は「an」という用語は、1つ又は2つ以上として定義される。また、請求項における「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」などの導入句の使用は、同じ請求項が導入句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合でも、不定冠詞「a」又は「an」による別の請求項要素の導入が、そのような導入された請求項要素を含む特定の請求項をそのような要素を1つのみ含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではない。定冠詞の使用についても同じことが言える。別途記載のない限り、「第1」及び「第2」などの用語は、そのような用語が説明する要素間を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、必ずしもそのような要素の時間的又は他の優先順位を示すことを意図するものではない。相互に異なる請求項に特定の処置が列挙されるという単なる事実はこれら処置の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0231】
互換性がないと明示的に述べられていない限り、あるいは実施形態、実施例、又は請求項の物理的性質又はその他がそのような組み合わせを妨げていない限り、前述の実施形態、実施例及び添付の請求項の特徴は、任意の適切な構成、特にそうすることにおいて有益な効果があるものにおいて、一緒に統合することができる。これは、任意の特定の利益のみに限定されるものではなく、代わりに、「事後」利益から生じてもよい。このことは、特徴の組み合わせは、記載された形態、特に、実施例(複数可)の形態、実施形態(複数可)、又は請求項(複数可)の従属性によって限定されないということである。更に、これはまた、「1つの実施形態では」、「一実施形態により」などの語句にも適用され、これは単に文言の様式であり、同じ又は類似の文言の他の全ての例に対する別個の実施形態に、以下の特徴を限定するものとして解釈されるべきではない。これは、「一(an)」、「1つの(one)」又は「いくつかの」実施形態(複数可)への言及は、開示された1つ以上の、及び/又は全ての実施形態、又はそれらの組み合わせ(複数可)への言及であり得る、ということである。また、同様に、「その」実施形態への言及は、直前の実施形態に限定されない場合がある。
【0232】
本明細書で使用される場合、任意のマシン実行可能命令、又はコンピュータ可読媒体は、開示された方法を実行することができ、したがって、方法という用語と同義に、又は互いに使用されることができる。
【0233】
1つ以上の実装の前述の説明は、例示及び説明を提供するが、網羅的であること、又は本発明の範囲を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。修正及び変形は、上記の教示に照らして可能であり、又は本開示の様々な実装の経験から取得されてもよい。
【符号の説明】
【0234】
2 システム
4 マシン
14 処理ユニット
20 容器処理ユニット(第1の例)
32 抽出ユニット
34 カプセル保持部
36 閉鎖部材
38 注入ヘッド
40 飲料出口
22 流体調整システム
24 リザーバ
26 ポンプ
28 熱交換器
30 出口
42 ばら材料処理ユニット(第2の例)
16 電気回路
48 制御電気回路
50 入力ユニット
52 プロセッサ
54 フィードバックシステム
18 コード読取システム
46 画像取込ユニット
6 容器
カプセル-実施例1
56 閉鎖部
44、72 コード
70 外面
90 離散位置
92 ユニット
96 端部領域
94 繰り返し
74 符号化ライン
76、78、80、82 非符号化ライン
84 オブジェクト
86 商標/ロゴ
88 テキスト
58 収容部
60 フランジ部
パケット-実施例2
62 シート材料
64 継ぎ目
68 開口部
8 サーバシステム
10 周辺デバイス
12 コンピュータネットワーク
100 長手方向
102 横方向
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前駆体材料を収容するための容器と、前記前駆体材料から飲料及び/又は食品、あるいはそれらの前駆体を調製するためのマシンと、を備える、システムであって、
前記容器が、
調製情報を格納しているマシン可読コードを含み、
前記コードは、符号化ラインに沿って延び、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、
前記マシンが、
前記コードのデジタル画像を取得し、前記デジタル画像にカラーモデルを適合させる、コード読取システムと、
前記容器の前記前駆体材料を処理するための処理ユニットと、
前記コード及び前記コード読取システムから読み取られた前記調製情報に基づいて前記処理ユニットを制御するための電気回路と、
を含み、
前記電気回路が、
前記コードの前記ユニット及び前記符号化ラインを含む、前記符号化ラインに沿った前記カラーモデルの値を合計し、
前記合計に基づいて前記コードの配向を判定し、
前記画像内の前記コードの前記判定された配向に基づいて前記離散位置を読み取る
ように構成されている、システム。
【請求項2】
前記電気回路が、前記カラーモデルの前記値を領域に割り当てるように構成されており、1つの領域は、
前記デジタル画像の個々の画素、又は
前記デジタル画像内の複数の画素のグループ
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電気回路が、
1つ以上の領域の横方向寸法と、
前記コードが配置される符号化エリアを含む長手方向長さに対応する1つ以上の領域の長手方向寸法と、
を備えるラインセクションについて、前記カラーモデルの前記値を合計するように構成されている、請求項1又は2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記符号化ラインの横方向寸法が、前記ラインセクションの横方向寸法よりも小さい、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記電気回路は、
前記横方向において互いに隣接する複数のラインセクションのうちの各々について、前記合計を判定するように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記電気回路が、
前記符号化ラインが基準軸に対して複数の異なる角度で配置された状態で前記合計を判定し、
前記合計に基づいて、前記符号化ラインが前記基準軸に整列される整列配向を判定する
ように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コードの前記配向が、前記値の合計の分散に基づいて判定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記符号化ラインの横方向寸法が、前記コードのユニットの横方向寸法の20%未満又は10%未満であるように選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コードが、前記符号化ラインに沿ってそれ自体を繰り返す繰り返し単位として配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
各々が互いからオフセットされ、かつ、互いに対して平行である複数の符号化ラインが存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コード及び符号化ラインが、拡散反射性又は鏡面反射性のうちの一方であるように構成されており、前記符号化ライン及び前記コードを取り囲んでいる周囲部が、拡散反射性又は鏡面反射性のうちの前記一方の他方として形成され、
前記電気回路は、前記拡散反射性領域及び前記鏡面反射性領域を色調の値として識別するように構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前駆体材料及びマシン可読コードを備える容器から飲料及び/又は食品、あるいはそれらの前駆体を調製するためのマシンであって、前記マシンが、
前記コードのデジタル画像を取得し、前記デジタル画像にカラーモデルを適合させる、コード読取システムと、
前記容器の前記前駆体材料を処理するための処理ユニットと、
前記コード及び前記コード読取システムから読み取られた前記調製情報に基づいて前記処理ユニットを制御するための電気回路と、を含み、
前記コードは、符号化ラインに沿って延び、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、
前記電気回路が、
前記コードの前記ユニット及び前記符号化ラインを含む、前記符号化ラインに沿った前記カラーモデルの値を合計し、
前記合計に基づいて前記コードの配向を判定し、
前記画像内の前記コードの前記判定された配向に基づいて前記離散位置を読み取る
ように構成されている、マシン。
【請求項13】
前駆体材料を収容するための容器であって、前記容器が、前駆体材料を処理するための調製情報を格納しているマシン可読コードを含み、
前記コードは、符号化ラインに沿って延び、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、
前記符号化ラインに沿った前記コードのデジタル画像に適合されたカラーモデルの値の合計は、前記合計に基づいてコードの配向を判定するために、隣接する平行な非符号化ラインと比較して識別可能である、容器。
【請求項14】
前駆体材料を収容するための容器用のアタッチメントであって、前記アタッチメントが、前記容器用の前駆体材料を処理するための調製情報を格納しているマシン可読コードを備え、
前記コードは、符号化ラインに沿って延び、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを含む又は含まない一連の離散位置を備え、
前記符号化ラインに沿った前記コードのデジタル画像に適合されたカラーモデルの値の合計は、前記合計に基づいてコードの配向を判定するために、隣接する平行な非符号化ラインと比較して識別可能である、アタッチメント。
【請求項15】
前駆体材料を備える容器上のコードによって符号化される、前記前駆体材料を処理するための調製情報を読み取る方法であって、前記方法が、
カラーモデルを前記コードのデジタル画像に適合させることと、
前記コードの前記ユニット及び前記符号化ラインを含む、前記符号化ラインに沿った前記カラーモデルの値を合計することと、
前記合計に基づいて前記コードの配向を判定することと、
前記画像内の前記コードの前記判定された配向に基づいて、前記調製情報を少なくとも部分的に符号化するためのユニットを備える前記コードの離散位置、又は備えていない前記コードの離散位置を読み取ることと、
を含む、方法。
【国際調査報告】