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特表2024-534252PPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】PPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240910BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240910BHJP
   A61B 5/256 20210101ALI20240910BHJP
【FI】
A61B10/00 K
A61B5/02 310B
A61B5/02 310F
A61B5/256 220
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516824
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 KR2022013734
(87)【国際公開番号】W WO2023043195
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0124273
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】524099360
【氏名又は名称】スカイ ラブズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sky Labs Inc.
【住所又は居所原語表記】Rm.703, 7F, 58 Pangyo-ro 255beon-gil, Bundang-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do 13486, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ヒョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヘ ナ
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ソン ミ
(72)【発明者】
【氏名】イ, ミン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム, チャン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ, チャン ウ
(72)【発明者】
【氏名】イ, ビョン ファン
【テーマコード(参考)】
4C017
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA19
4C017AB03
4C017AC28
4C017BC11
4C017DD14
4C017EE01
4C017EE15
4C017FF05
4C017FF17
4C127AA02
4C127BB03
4C127LL13
(57)【要約】
光電容積脈波(PPG)信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システムが提供される。該システムは、サーバを含み、サーバは、PPG信号の品質を第1ディープラーニングモデルを利用し、良好であるか、あるいは粗悪であると分類するように構成された信号品質分類コンポーネント、及び第2ディープラーニングモデルを利用し、PPG信号から、心房細動発生いかんを判定するように構成された心房細動判定コンポーネントを含み、PPG信号感知指輪は、互いに異なる位置において、それぞれ複数のPPG信号を同時に測定するように構成される複数のセンサを含み、複数のセンサそれぞれは、光源及び光電変換装置を含み、PPG信号は、PPG信号感知指輪を利用して測定され、サーバは、PPG信号感知指輪から端末機を介し、PPG信号を受信し、端末機は、複数のセンサのうち、複数のテストPPG信号のうち、信号品質が最も高いテストPPG信号を測定したセンサを、PPG信号を測定するためのセンサとして選択するように構成されたセンサ選択コンポーネントを含むものでもある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電容積脈波(PPG)信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システムであり、前記システムは、サーバを含み、前記サーバは、
PPG信号の品質を良否に分類するように構成された信号品質分類コンポーネントと、
ディープラーニングモデルを利用し、前記PPG信号から、心房細動発生いかんを判定するように構成された心房細動判定コンポーネントと、を含み、
前記PPG信号は、前記PPG信号感知指輪を利用して測定され、前記サーバは、前記PPG信号感知指輪から端末機を介し、前記PPG信号を受信し、
前記PPG信号感知指輪は、互いに異なる位置において、それぞれ複数のPPG信号を同時に測定するように構成される複数のセンサを含み、
前記複数のセンサそれぞれは、光源及び光電変換装置を含み、前記端末機は、前記複数のセンサのうち、複数のテストPPG信号のうち、信号品質が最も高いテストPPG信号を測定したセンサを、前記PPG信号を測定するためのセンサとして選択するように構成されたセンサ選択コンポーネントを含むことを特徴とするPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システム。
【請求項2】
前記複数のテストPPG信号の前記信号品質は、加速度信号の大きさ、信号対ノイズ比、及びAC成分大きさ対DC成分大きさ比のうち少なくとも一つによって評価されることを特徴とする請求項1に記載のPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システム。
【請求項3】
前記サーバは、心房細動指標を計算するように構成された心房細動指標計算コンポーネントをさらに含み、
前記心房細動指標は、前記信号品質分類コンポーネントにより、前記PPG信号の品質が良好であると分類され、前記心房細動判定コンポーネントにより、心房細動が生じたと判定された時間と、前記信号品質分類コンポーネントにより、前記PPG信号の品質が良好であると分類される時間との比率で定義されることを特徴とする請求項1に記載のPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システム。
【請求項4】
前記端末機は、前記複数のセンサを利用して測定された前記複数のテストPPG信号それぞれのDC成分が、所定の範囲内になるように、前記複数のセンサそれぞれの前記光源を制御するように構成される光源制御コンポーネントをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システム。
【請求項5】
前記光源制御コンポーネントによる光源制御、及び前記センサ選択コンポーネントによるセンサ選択は、順次に行われ、
前記光源制御コンポーネントによる前記光源制御、及び前記センサ選択コンポーネントによる前記センサ選択は、周期的に遂行されることを特徴とする請求項4に記載のPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システム。
【請求項6】
PPG信号感知指輪から端末機を介してPPG信号を受信する段階と、
前記PPG信号の品質を良否に分類する段階と、
ディープラーニングモデルを利用し、前記PPG信号から、心房細動発生いかんを判定する段階と、を含み、
前記PPG信号感知指輪は、互いに異なる位置において、それぞれ複数のPPG信号を同時に測定するように構成される複数のセンサを含み、
前記複数のセンサそれぞれは、光源及び光電変換装置を含み、前記端末機は、前記複数のセンサのうち、複数のテストPPG信号のうち、信号品質が最も高いテストPPG信号を測定したセンサを、前記PPG信号を測定するためのセンサとして選択するように構成されたセンサ選択コンポーネントを含むことを特徴とするPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定方法。
【請求項7】
前記複数のテストPPG信号の前記信号品質は、加速度信号の大きさ、信号対ノイズ比、及びAC成分大きさ対DC成分大きさ比のうち少なくとも一つによって評価されることを特徴とする請求項6に記載のPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定方法。
【請求項8】
心房細動指標を計算する段階をさらに含み、
前記心房細動指標は、前記信号品質分類コンポーネントにより、前記PPG信号の品質が良好であると分類され、前記心房細動判定コンポーネントにより、心房細動が生じたと判定された時間と、前記信号品質分類コンポーネントにより、前記PPG信号の品質が良好であると分類される時間との比率で定義されることを特徴とする請求項6に記載のPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定方法。
【請求項9】
前記端末機は、前記複数のセンサを利用して測定された前記複数のテストPPG信号それぞれのDC成分が、所定の範囲内になるように、前記複数のセンサそれぞれの前記光源を制御するように構成される光源制御コンポーネントをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定方法。
【請求項10】
前記光源制御コンポーネントによる光源制御、及び前記センサ選択コンポーネントによるセンサ選択は、順次に行われ、
前記光源制御コンポーネントによる前記光源制御、及び前記センサ選択コンポーネントによる前記センサ選択は、周期的に遂行されることを特徴とする請求項9に記載のPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心房細動判定システムに係り、さらに具体的には、光電容積脈波(PPG:photoplethysmography)信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
心房細動は、心房で生じる不規則な脈拍を起こす不整脈疾患である。該心房細動は、間欠的に生じ、心房細動を判定するために、従来広く使用される心電図(ECG:electrocardiogram)を介して診断を受けるためには、病院を来訪しなければならないために、早期診断が困難であった。しかしながら、信頼に足るレベルの持続的なモニタリングが伴えば、患者を早期に発見して管理し、危険性を軽減させることができる。従って、リアルタイムで日常生活において、心房細動をモニタリングするためのシステム及び方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示が解決しようとする課題は、PPG(photoplethysmography)信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の課題を解決するために、本開示の一実施形態によるPPG(photoplethysmography)信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システムは、サーバを含み、前記サーバは、PPG信号の品質を良否に分類するように構成された信号品質分類コンポーネント、及びディープラーニングモデルを利用し、前記PPG信号から、心房細動発生いかんを判定するように構成された心房細動判定コンポーネントを含み、前記PPG信号は、前記PPG信号感知指輪を利用して測定され、前記サーバは、前記PPG信号感知指輪から端末機を介し、前記PPG信号を受信し、前記PPG信号感知指輪は、互いに異なる位置において、それぞれ複数のPPG信号を同時に測定するように構成される複数のセンサを含み、前記複数のセンサそれぞれは、光源及び光電変換装置を含み、前記端末機は、前記複数のセンサのうち、複数のテストPPG信号のうち、信号品質が最も高いテストPPG信号を測定したセンサを、前記PPG信号を測定するためのセンサとして選択するように構成されたセンサ選択コンポーネントを含むものでもある。
【0005】
一部実施形態において、前記複数のテストPPG信号の前記信号品質は、加速度信号の大きさ、信号対ノイズ比、及びAC(alternating current)成分大きさ対DC(direct current)成分大きさ比のうち少なくとも一つによっても評価される。
【0006】
一部実施形態において、前記サーバは、心房細動指標を計算するように構成された心房細動指標計算コンポーネントをさらに含み、前記心房細動指標は、前記信号品質分類コンポーネントにより、前記PPG信号の品質が良好であると分類され、前記心房細動判定コンポーネントにより、心房細動が生じたと判定された時間と、前記信号品質分類コンポーネントにより、前記PPG信号の品質が良好であると分類される時間との比率で定義されうる。
【0007】
一部実施形態において、前記端末機は、前記複数のセンサを利用して測定された前記複数のテストPPG信号それぞれのDC成分が、所定の範囲内になるように、前記複数のセンサそれぞれの前記光源を制御するように構成される光源制御コンポーネントをさらに含むものでもある。
【0008】
一部実施形態において、前記光源制御コンポーネントによる光源制御、及び前記センサ選択コンポーネントによるセンサ選択は、順次に行われ、前記光源制御コンポーネントによる前記光源制御、及び前記センサ選択コンポーネントによる前記センサ選択は、周期的に行われうる。
【0009】
本開示の一実施形態によるPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定方法は、PPG信号感知指輪から端末機を介して受信されたPPG信号を受信する段階、前記PPG信号の品質を良否に分類する段階、及びディープラーニングモデルを利用し、前記PPG信号から、心房細動発生いかんを判定する段階を含み、前記PPG信号感知指輪は、互いに異なる位置において、それぞれ複数のPPG信号を同時に測定するように構成される複数のセンサを含み、前記複数のセンサそれぞれは、光源及び光電変換装置を含み、前記PPG信号は、前記PPG信号感知指輪を利用して測定され、前記サーバは、前記PPG信号感知指輪から端末機を介し、前記PPG信号を受信し、前記端末機は、前記複数のセンサのうち、複数のテストPPG信号のうち、信号品質が最も高いテストPPG信号を測定したセンサを、前記PPG信号を測定するためのセンサとして選択するように構成されたセンサ選択コンポーネントを含むものでもある。
【0010】
一部実施形態において、前記複数のテストPPG信号の前記信号品質は、加速度信号の大きさ、信号対ノイズ比、及びAC(alternating current)成分大きさ対DC(direct current)成分大きさ比のうち少なくとも一つによっても評価される。
【0011】
一部実施形態において、前記方法は、心房細動指標を計算する段階をさらに含み、前記心房細動指標は、前記信号品質分類コンポーネントにより、前記PPG信号の品質が良好であると分類され、前記心房細動判定コンポーネントにより、心房細動が生じたと判定された時間と、前記信号品質分類コンポーネントにより、前記PPG信号の品質が良好であると分類される時間との比率で定義されうる。
【0012】
一部実施形態において、前記端末機は、前記複数のセンサを利用して測定された前記複数のテストPPG信号それぞれのDC成分が、所定の範囲内になるように、前記複数のセンサそれぞれの前記光源を制御するように構成される光源制御コンポーネントをさらに含むものでもある。
【0013】
一部実施形態において、前記光源制御コンポーネントによる光源制御、及び前記センサ選択コンポーネントによるセンサ選択は、順次に行われ、前記光源制御コンポーネントによる前記光源制御、及び前記センサ選択コンポーネントによる前記センサ選択は、周期的に行われうる。
【発明の効果】
【0014】
PPG(photoplethysmography)信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システムが提供される。本発明によれば、日常において、持続的に簡便に心房細動をモニタリングしうる。本発明によれば、PPG信号感知指輪は、複数のセンサを含むものでもある。複数のセンサのうち、PPG信号の信号品質にすぐれるセンサが選択されうる。従って、ユーザごとに異なる血管の位置と形状とに合うようにセンサが選択されうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施形態によるPPG信号感知指輪の三次元図である。
図2】本開示の一実施形態によるPPG信号感知指輪の分解三次元図である。
図3】本開示の一実施形態によるPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システムのブロック図である。
図4A】前処理前のPPG信号を示したグラフである。
図4B】前処理前のPPG信号を示したグラフである。
図4C】前処理された後の図4AのPPG信号を示したグラフである。
図4D】前処理された後の図4BのPPG信号を示したグラフである。
図5A】良好品質に分類されたPPG信号を示したグラフである。
図5B】良好品質に分類されたPPG信号を示したグラフである。
図5C】粗悪品質に分類されたPPG信号を示したグラフである。
図5D】粗悪品質に分類されたPPG信号を示したグラフである。
図6A】心房細動ではないと判定されたPPG信号を示したグラフである。
図6B】心房細動ではないと判定されたPPG信号を示したグラフである。
図6C】心房細動と判定されたPPG信号を示したグラフである。
図6D】心房細動と判定されたPPG信号を示したグラフである。
図7】PPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定方法を示したフローチャートである。
図8】PPG信号感知指輪のセンサを設定する方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本開示の一実施形態によるPPG(photoplethysmography)信号感知指輪100の三次元図である。図2は、本開示の一実施形態によるPPG信号感知指輪100の分解三次元図である。
【0017】
図1及び図2を参照すれば、PPG信号感知指輪100は、外部電極130、内部電極140、絶縁ユニット150、トップカバー110、動作表示ユニット120、及び複数のセンサ160を含むものでもある。
【0018】
外部電極130は、円弧形状を有しうる。外部電極130は、導体によって構成され、心電図(ECG:electrocardiogram)を測定するための電極として機能しうる。また、外部電極130は、PPG信号感知指輪100の外観を形成し、外部電極130は、ユーザの身体に接触されうる。
【0019】
内部電極140は、環形状を有し、複数のセンサ160のための複数の開口145を有しうる。内部電極140は、導体によって構成され、心電図を測定するための電極として機能しうる。また、内部電極140は、PPG信号感知指輪100の内観を形成し、内部電極140は、ユーザの指に接触しうる。
【0020】
絶縁ユニット150は、外部電極130と内部電極140との間に配されうる。絶縁ユニット150は、外部電極130と内部電極140との電気的絶縁を可能にしうる。
【0021】
トップカバー110は、円弧形状を有し、外部電極130と共に環形状を形成しうる。トップカバー110は、PPG信号感知指輪100の外観を形成しうる。
【0022】
動作表示ユニット120は、トップカバー110に結合されうる。動作表示ユニット120は、複数のLED(light-emitting diode)、例えば、例えば緑色LED及び赤色LEDを含むものでもある。動作表示ユニット120は、複数のLEDを利用し、PPG信号感知指輪100の動作を表示しうる。例えば、測定開始を知らせるために、緑色LEDが2秒間オン(on)になり、測定終了を知らせるために、緑色LEDが1秒間オン(on)になりうる。また、故障を知らせるために、赤色LEDが1秒周期で点滅を繰り返しうる。
【0023】
複数のセンサ160は、ユーザの指に接触するように配されうる。複数のセンサ160は、内部電極140の複数の開口145内にそれぞれ位置し、内部電極140の表面から突出されうる。複数のセンサ160は、互いに異なる位置において、互いに異なるPPG信号を獲得するように構成されうる。それぞれのセンサ160は、光源及び光電変換装置を含むものでもある。
【0024】
一部実施形態において、図1及び図2に図示されていないが、PPG信号感知指輪100は、外部電極130と内部電極140との間に配される加速度センサをさらに含むものでもある。
【0025】
図3は、本開示の一実施形態によるPPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システム1000のブロック図である。図4A及び図4Bは、前処理前のPPG信号を示したグラフである。図4C及び図4Dは、それぞれ前処理された後の図4A及び図4BのPPG信号を示したグラフである。図5A及び図5Bは、良好品質に分類されたPPG信号を示したグラフである。図5C及び図5Dは、粗悪品質に分類されたPPG信号を示したグラフである。図6A及び図6Bは、心房細動ではないと判定されたPPG信号を示したグラフである。図6C及び図6Dは、心房細動と判定されたPPG信号を示したグラフである。
【0026】
図3図4Aないし図4D図5Aないし図5D、及び図6Aないし図6Dを参照すれば、PPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定システム1000は、PPG信号感知指輪100、第1端末機200、サーバ300及び第2端末機400を含むものでもある。
【0027】
PPG信号感知指輪100は、複数のセンサ、例えば、第1センサ160A及び第2センサ160Bを含むものでもある。図3には、PPG信号感知指輪100が2個のセンサを含むように図示されているが、PPG信号感知指輪100に含まれるセンサの数は、2個に制限されるものではない。一部実施形態において、図3に図示されていないが、PPG信号感知指輪100は、加速度センサをさらに含むものでもある。
【0028】
第1センサ160Aは、第1光源161A及び第1光電変換装置164Aを含むものでもある。第1センサ160Aは、第1光源161Aと第1光電変換装置164Aとを利用し、第1PPG信号を感知しうる。第1光源161Aは、例えば、緑色、赤色または赤外線LEDを含むものでもあり、第1光電変換装置164Aは、フォトダイオードを含むものでもある。
【0029】
第2センサ160Bは、第2光源161B及び第2光電変換装置164Bを含むものでもある。第2センサ160Bは、第2光源161Bと第2光電変換装置164Bとを利用し、第2PPG信号を感知しうる。第2光源161Bは、例えば、緑色、赤色または赤外線LEDを含むものでもある。第2光源161Bは、第1光源161Aと同一波長の光を放出しうる。第2光電変換装置164Bは、フォトダイオードを含むものでもある。
【0030】
加速度センサは、PPG信号感知指輪100の加速度を測定することにより、ユーザの動きを感知しうる。
【0031】
第1端末機200は、ユーザによって使用されうる。第1端末機200は、例えば、スマートフォンまたはタブレットPC(personal computer)を含むものでもある。第1端末機200は、有線または無線でもって、PPG信号感知指輪100に連結されうる。例えば、第1端末機200は、ブルートゥース(Bluetooth)またはWi-Fi(wireless fidelity)を利用し、PPG信号感知指輪100に連結されうる。第1端末機200は、有線または無線でもって、サーバ300に連結されうる。例えば、第1端末機200は、Wi-Fi、または、例えば、3G(3rd generation)、LTE(long term evolution)、5G(5th generation)のような移動通信(mobile telecommunication)技術を介し、サーバ300に連結されうる。
【0032】
第1端末機200は、光源制御コンポーネント210、センサ選択コンポーネント220、測定制御コンポーネント230及びディスプレイコンポーネント240を含むものでもある。第1端末機200には、アプリケーションがインストールされうる。光源制御コンポーネント210、センサ選択コンポーネント220、測定制御コンポーネント230及びディスプレイコンポーネント240は、アプリケーションによって具現されうる。代案として、第1端末機200は、ウェブサイトに接続し、光源制御コンポーネント210、センサ選択コンポーネント220、測定制御コンポーネント230及びディスプレイコンポーネント240は、ウェブサイトに具現されうる。
【0033】
光源制御コンポーネント210は、第1センサ160A及び第2センサ160Bから受信された2つのテストPPG信号それぞれのDC成分が、所定の範囲を満足するように、第1光源161A及び第2光源161Bを制御しうる。
【0034】
光源制御コンポーネント210が、第1光源161A及び第2光源161Bを制御した後、センサ選択コンポーネント220は、第1センサ160A及び第2センサ160Bのうち一つを、追ってPPG信号を測定するためのセンサとして選択しうる。センサ選択コンポーネント220は、第1センサ160A及び第2センサ160Bのうち、第1センサ160A及び第2センサ160Bからの2つのテストPPG信号のうち、信号品質が最も高いテストPPG信号を測定したセンサを選択しうる。信号品質は、加速度信号の大きさ、信号対ノイズ比(SNR:signal to noise ratio)、及びAC(alternating current)成分大きさ対DC(direct current)成分大きさ比のうち少なくとも一つによっても評価される。加速度信号の大きさが小さく、信号対ノイズ比が高く、AC成分大きさ対DC成分大きさ比が高いほど、信号品質が高いのである。その後、センサ選択コンポーネント220によって選択されたセンサにより、PPG信号が測定されうる。
【0035】
光源制御コンポーネント210による第1光源161A及び第2光源161Bの制御、及びセンサ選択コンポーネント220によるセンサ選択は、順次に行われうる。すなわち、光源制御コンポーネント210が、第1光源161A及び第2光源161Bを制御した後、センサ選択コンポーネント220がセンサを選択しうる。光源制御コンポーネント210による第1光源161A及び第2光源161Bの制御、及びセンサ選択コンポーネント220によるセンサ選択は、周期的に行われうる。PPG信号感知指輪100が指に対して移動または回転しうるので、光源制御コンポーネント210が周期的に光源を制御し、センサ選択コンポーネント220が周期的にセンサを選択しうる。
【0036】
測定制御コンポーネント230は、ユーザの入力により、測定モードを選択するか、あるいは測定を開始したり終了したりしうる。例えば、ユーザは、測定制御コンポーネント230を利用し、測定モードをセルフチェックモードとバックグラウンドモードとのうちから選択しうる。該セルフチェックモードにおいてユーザは、測定制御コンポーネント230を利用し、測定を開始及び終了しうる。該バックグラウンドモードにおいては、ユーザの入力と係わりなく、測定が開始されて測定が持続される。該バックグラウンドモードにおいてユーザは、測定周期を設定するか、あるいは変更しうる。一部実施形態において、測定制御コンポーネント230は、PPG信号感知指輪100に含まれうる。すなわち、ユーザは、PPG信号感知指輪100の測定制御コンポーネント230を利用し、測定モードを選択するか、あるいは測定を開始したり終了したりしうる。一部実施形態において、測定制御コンポーネント230は、サーバ300に含まれるものでもある。すなわち、サービス提供者は、サーバ300の測定制御コンポーネント230を利用し、測定モードを選択するか、あるいは測定を開始したり終了したりしうる。
【0037】
ディスプレイコンポーネント240は、PPG信号感知指輪100によって測定され、サーバ300のPPG信号保存コンポーネント381に保存されたPPG信号、サーバ300のPPG信号保存コンポーネント381に保存されたPPG信号の測定日時、サーバ300の信号品質分類コンポーネント320によって分類され、サーバ300の心房細動判定結果保存コンポーネント382に保存された信号品質分類結果、サーバ300の心房細動判定コンポーネント350によって判定され、サーバ300の心房細動判定結果保存コンポーネント382に保存された心房細動判定結果、サーバ300の判定信頼度計算コンポーネント355によって計算され、サーバ300の心房細動判定結果保存コンポーネント382に保存された判定信頼度、及びサーバ300の心房細動指標計算コンポーネント360によって計算され、心房細動指標保存コンポーネント383に保存された心房細動指標のうち少なくとも一つをディスプレイしうる。
【0038】
サーバ300は、PPG信号前処理コンポーネント310、信号品質分類コンポーネント320、心房細動判定コンポーネント350、判定信頼度計算コンポーネント355、PPG信号保存コンポーネント381及び心房細動判定結果保存コンポーネント382を含むものでもある。一部実施形態において、サーバ300は、心房細動指標計算コンポーネント360及び心房細動指標保存コンポーネント383をさらに含むものでもある。一部実施形態において、サーバ300は、アラームコンポーネント370をさらに含むものでもある。
【0039】
PPG信号前処理コンポーネント310は、PPG信号感知指輪100の選択されたセンサから、第1端末機200を介し、サーバ300が受信したPPG信号を前処理しうる。例えば、PPG信号を前処理するために、低域通過フィルタ、高域通過フィルタ及び正規化(normalization)が使用されうる。図4A及び図4Bは、前処理前のPPG信号を示し、図4C及び図4Dは、前処理後の、それぞれ図4A及び図4BのPPG信号を示す。一部実施形態において、PPG信号前処理コンポーネント310は、PPG信号感知指輪100の加速度センサから、第1端末機200を介し、サーバ300が受信した加速度信号を前処理しうる。
【0040】
信号品質分類コンポーネント320は、PPG信号の信号品質を良否に分類しうる。図5A及び図5Bは、信号品質分類コンポーネント320により、品質が良好であると分類されたPPG信号である。図5C及び図5Dは、信号品質分類コンポーネント320により、品質が粗悪であると分類されたPPG信号である。一部実施形態において、信号品質分類コンポーネント320は、PPG信号の信号品質を良否のうち一つに分類するために、加速度信号を参照しうる。
【0041】
品質が粗悪であると分類されたPPG信号からの心房細動判定結果は、信頼に足るものではないと判断し、第1端末機200のディスプレイコンポーネント240により、ディスプレイされないのである。品質が良好であることにより、PPG信号からの心房細動判定結果は、信頼に足るものであると判断され、第1端末機200のディスプレイコンポーネント240によってディスプレイされうる。代案的な実施形態において、信号品質分類結果と係わりなく、PPG信号からの心房細動判定結果が、信号品質分類結果と共に、第1端末機200のディスプレイコンポーネント240によってディスプレイされうる。また、信号品質分類結果と係わりなく、PPG信号からの心房細動判定結果が、信号品質分類結果と共に、第2端末機400のディスプレイコンポーネント420によってディスプレイされうる。
【0042】
一部実施形態において、信号品質分類コンポーネント320は、ディープラーニングモデルを利用し、PPG信号の品質を良否に分類しうる。一部実施形態において、信号品質分類コンポーネント320は、PPG信号の品質を良否に分類するために、加速度信号を参照しうる。信号品質分類コンポーネント320に使用されるディープラーニングモデルは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolution neural network)、長短期メモリ(LSTM:long short-term memory)、完全連結網(FCN:fully connected network)、エンコーダ、デコーダ、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。信号品質を分類するための方法は、本明細書において説明された方法に制限されるものではない。心房細動判定コンポーネント350は、ディープラーニングモデルを利用し、PPG信号から、心房細動発生いかんを判定しうる。図6A及び図6Bは、心房細動判定コンポーネント350により、心房細動が発生しないと判定されたグラフである。図6C及び図6Dは、心房細動判定コンポーネント350により、心房細動が発生したと判定されたグラフである。心房細動判定コンポーネント350は、PPG信号から、心房細動発生確率を計算し、心房細動発生確率が臨界値(例えば、0.5)を超えれば、心房細動が発生したと判定し、心房細動判定確率が臨界値(例えば、0.5)を超えることがなければ、心房細動が発生しないと判定しうる。
【0043】
心房細動判定コンポーネント350に使用されるディープラーニングモデルは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、長短期メモリ(LSTM)、完全連結網(FCN)、エンコーダ、デコーダ、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。該ディープラーニングモデルは、指導学習を利用して学習されうる。該指導学習に必要なデータセットを十分に確保するために、データ増強が使用されうる。
【0044】
判定信頼度計算コンポーネント355は、心房細動判定の信頼度を計算しうる。判定信頼度計算コンポーネント355は、例えば、心房細動判定コンポーネント350によって計算された心房細動判定確率に、温度スケーリング(temperature scaling)を適用することにより、判定信頼度を計算しうる(Guo C, Pleiss G, Sun Y, Weinberger KQ, "On Calibration of Modern Neural Networks", Proceedings of the 34th International Conference on Machine Learning, PMLR 70, 1321-1330, 2017)。
【0045】
心房細動指標計算コンポーネント360は、心房細動指標を計算しうる。該心房細動指標は、信号品質分類コンポーネント320により、PPG信号の品質が良好であると分類される時間、及び信号品質分類コンポーネント320により、PPG信号の品質が良好であると分類され、心房細動判定コンポーネント350により、心房細動が発生したと判定された時間に基づいて定義されうる。例えば、該心房細動指標は、信号品質分類コンポーネント320により、PPG信号の品質が良好であると分類され、心房細動判定コンポーネント350により、心房細動が発生したと判定される時間と、信号品質分類コンポーネント320により、PPG信号の品質が良好であると分類される時間との比と定義されうる。すなわち、該心房細動指標は、信頼に足る心房細動判定結果を得ることができる時間のうち、心房細動が発生した時間の比率を意味しうる。
【0046】
アラームコンポーネント370は、心房細動判定コンポーネント350によって判定された心房細動判定結果、及び心房細動指標計算コンポーネント360によって計算された心房細動指標のうち少なくとも一つが、第2端末機400のアラーム条件設定コンポーネント410によって設定されたアラーム条件を満足すれば、第1端末機200及び第2端末機400のうち少なくとも一つにアラームを伝送しうる。
【0047】
PPG信号保存コンポーネント381は、PPG信号感知指輪100の選択されたセンサから、第1端末機200を介し、サーバ300が受信したPPG信号を保存しうる。PPG信号保存コンポーネント381は、PPG信号の測定日時をさらに保存しうる。PPG信号保存コンポーネント381は、PPG信号前処理コンポーネント310によって前処理されたPPG信号をさらに保存しうる。PPG信号保存コンポーネント381は、PPG信号感知指輪100の加速度センサから、第1端末機200を介し、てサーバ300が受信した加速度信号をさらに保存しうる。PPG信号保存コンポーネント381は、PPG信号前処理コンポーネント310によって前処理された加速度信号をさらに保存しうる。心房細動判定結果保存コンポーネント382は、心房細動判定コンポーネント350が判定した心房細動判定結果を保存しうる。心房細動判定結果保存コンポーネント382は、信号品質分類コンポーネント320が分類した信号品質分類結果、及び判定信頼度計算コンポーネント355が計算した判定信頼度をさらに保存しうる。心房細動指標保存コンポーネント383は、心房細動指標計算コンポーネント360によって計算された心房細動指標を保存しうる。
【0048】
第2端末機400は、有線または無線でもって、サーバ300に連結されうる。例えば、第2端末機400は、Wi-Fi(wireless fidelity)、または例えば、3G、LTE、5Gのような移動通信技術を介し、サーバ300に連結されうる。第2端末機400は、医師によって使用されうる。第2端末機400は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、コンピューターまたはノート型パソコンを含むものでもある。
【0049】
第2端末機400は、アラーム条件設定コンポーネント410及びディスプレイコンポーネント420を含むものでもある。第2端末機400は、ウェブサイトに接続されるか、あるいはアプリケーションがインストールされうる。アラーム条件設定コンポーネント410及びディスプレイコンポーネント420は、ウェブサイトまたはアプリケーションを利用し、具現されうる。
【0050】
アラーム条件設定コンポーネント410を利用し、医師は、アラーム条件を設定しうる。例えば、心房細動が10分以上持続すれば、アラームが鳴るように設定されうる。
【0051】
ディスプレイコンポーネント420は、PPG信号保存コンポーネント381から、PPG信号、サーバ300のPPG信号保存コンポーネント381に保存されたPPG信号の測定日時、PPG信号保存コンポーネント381に保存された前処理されたPPG信号、心房細動判定結果保存コンポーネント382からの信号品質分類結果、心房細動判定結果保存コンポーネント382からの心房細動判定結果、心房細動判定結果保存コンポーネント382からの判定信頼度、及び心房細動指標保存コンポーネント383からの心房細動指標のうち少なくとも一つをディスプレイしうる。
【0052】
図7は、PPG信号感知指輪を利用したディープラーニング基盤心房細動判定方法(2000)を示したフローチャートである。
【0053】
図3及び図7を参照すれば、サーバ300は、PPG信号感知指輪100の選択されたセンサから、第1端末機200を介し、PPG信号を受信しうる(S2050)。次に、PPG信号前処理コンポーネント310は、PPG信号を前処理しうる(S2100)。例えば、PPG信号を前処理するために、低域通過フィルタ、高域通過フィルタ及び正規化が使用されうる。図4A及び図4Bは、前処理前のPPG信号を示し、図4C及び図4Dは、前処理後の、それぞれ図4A及び図4BのPPG信号を示す。一部実施形態において、PPG信号前処理コンポーネント310は、PPG信号感知指輪100の加速度センサから、第1端末機200を介し、サーバ300が受信した加速度信号をさらに前処理しうる。
【0054】
次に、信号品質分類コンポーネント320は、PPG信号の信号品質を良否に分類しうる(S2200)。図5A及び図5Bは、信号品質分類コンポーネント320により、品質が良好であると分類されたPPG信号である。図5C及び図5Dは、信号品質分類コンポーネント320により、品質が粗悪であると分類されたPPG信号である。品質が粗悪であると分類されたPPG信号からの心房細動判定結果は、信頼に足るものではないと判断し、第1端末機200のディスプレイコンポーネント240によってディスプレイされないのである。品質が良好であることにより、PPG信号からの心房細動判定結果は、信頼に足るものであると判断され、第1端末機200のディスプレイコンポーネント240によってディスプレイされうる。
【0055】
一部実施形態において、信号品質分類コンポーネント320に、ディープラーニングモデルが使用されうる。信号品質分類コンポーネント320に使用されるディープラーニングモデルは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、長短期メモリ(LSTM)、完全連結網(FCN)、エンコーダ、デコーダ、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。信号品質を分類するための方法は、本明細書に説明された方法に制限されるものではない。次に、心房細動判定コンポーネント350は、ディープラーニングモデルを利用し、PPG信号から、心房細動発生いかんを判定しうる(S2500)。図6A及び図6Bは、心房細動判定コンポーネント350により、心房細動が発生しないと判定されたグラフである。図6C及び図6Dは、心房細動判定コンポーネント350により、心房細動が発生したと判定されたグラフである。心房細動判定コンポーネント350は、PPG信号から、心房細動発生確率を計算し、心房細動発生確率が臨界値(例えば、0.5)を超えれば、心房細動が発生したと判定し、心房細動判定確率が臨界値(例えば、0.5)を超えることがなければ、心房細動が発生しないと判定しうる。
【0056】
心房細動判定コンポーネント350に使用されるディープラーニングモデルは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、長短期メモリ(LSTM)、完全連結網(FCN)、エンコーダ、デコーダ、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。該ディープラーニングモデルは、指導学習を利用して学習されうる。該指導学習に必要なデータセットを十分に確保するために、データ増強が使用されうる。
【0057】
次に、判定信頼度計算コンポーネント355は、心房細動判定の信頼度を計算しうる(S2550)。判定信頼度計算コンポーネント355は、例えば、心房細動判定コンポーネント350によって計算された心房細動判定確率に温度スケーリングを適用することにより、判定信頼度を計算しうる(Guo C, Pleiss G, Sun Y, Weinberger KQ, "On Calibration of Modern Neural Networks", Proceedings of the 34th International Conference on Machine Learning, PMLR 70, 1321-1330, 2017)。
【0058】
次に、PPG信号、信号品質分類結果、心房細動判定結果及び判定信頼度を保存しうる(S2570)。該PPG信号は、PPG信号保存コンポーネント381に保存されうる。該心房細動判定結果、該信号品質分類結果及び該判定信頼度は、心房細動判定結果保存コンポーネント382に保存されうる。
【0059】
次に、PPG信号を受信する段階(S2050)、PPG信号を前処理する段階(S2100)、PPG信号の品質を分類する段階(S2220)、心房細動発生いかんを判定する段階(S2500)、判定信頼度を計算する段階(S2550)、PPG信号、信号品質分類結果、心房細動判定結果及び判定信頼度を保存する段階(S2570)が繰り返されうる。
【0060】
次に、心房細動指標計算コンポーネント360は、心房細動指標を計算しうる(S2600)。心房細動指標は、信号品質分類コンポーネント320により、PPG信号の品質が良好であると分類される時間、及び信号品質分類コンポーネント320により、PPG信号の品質が良好であると分類され、心房細動判定コンポーネント350により、心房細動が発生したと判定された時間に基いて定義されうる。例えば、該心房細動指標は、信号品質分類コンポーネント320により、PPG信号の品質が良好であると分類され、心房細動判定コンポーネント350により、心房細動が発生したと判定される時間と、信号品質分類コンポーネント320により、PPG信号の品質が良好であると分類される時間との比と定義されうる。すなわち、該心房細動指標は、信頼に足る心房細動判定結果を得ることができる時間のうち、心房細動が発生した時間を意味しうる。
【0061】
次に、心房細動指標が、心房細動指標保存コンポーネント383に保存されうる(S2700)。
【0062】
図8は、PPG信号感知指輪のセンサを設定する方法(3000)を示したフローチャートである。
【0063】
図8及び図3を参照すれば、光源制御コンポーネント210は、複数のセンサを利用し、測定されたテストPPG信号それぞれのDC成分が所定の範囲を満足するように、それぞれの光源を制御しうる(S3100)。この段階(S3100)は、それぞれのセンサ、例えば、第1センサ160A及び第2センサ160Bを、PPG信号を測定するのに最良の状態に設定するためである。
【0064】
次に、センサ選択コンポーネント220は、複数のセンサのうち一つを、追ってPPG信号を測定するためのセンサとして選択しうる(S3200)。センサ選択コンポーネント220は、第1センサ160A及び第2センサ160Bのうち、第1センサ160A及び第2センサ160Bからの2つのテストPPG信号のうち、信号品質が最も高いテストPPG信号を測定したセンサを選択しうる。該信号品質は、加速度信号の大きさ、信号対ノイズ比、及びAC成分大きさ対DC成分大きさ比のうち少なくとも一つによっても評価される。加速度信号の大きさが小さくて信号対ノイズ比が高く、AC成分大きさ対DC成分大きさ比が高いほど、信号品質が高いのである。その後、センサ選択コンポーネント220によって選択されたセンサで測定されたPPG信号が、第1端末機200を介し、サーバ300に伝達されうる。
【0065】
複数のセンサそれぞれの光源を制御する段階(S3100)及びセンサを選択する段階(S3200)は、順次に遂行されうる。また、PPG信号感知指輪のセンサを設定する方法(3000)は、周期的に遂行されうる。PPG信号感知指輪100が指に対して移動または回転されうるので、光源制御コンポーネント210が周期的に光源を制御し(S3100)、センサ選択コンポーネント220が周期的にセンサを選択しうる(S3200)。
【0066】
本開示において開示された実施形態は、本開示の技術的思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、そのような実施形態により、本開示の技術思想の範囲が限定されるものではない。本開示の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術的思想は、本開示の権利範囲に含まれるものであると解釈されなければならないのである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【国際調査報告】