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特表2024-534259医療器具を宿主に投与するための投与装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】医療器具を宿主に投与するための投与装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20240910BHJP
   A61B 5/1486 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A61B5/1473
A61B5/1486
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536338
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 CN2021133305
(87)【国際公開番号】W WO2023024293
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110990054.7
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524072019
【氏名又は名称】深▲セン▼硅基▲伝▼感科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】李 運峰
(72)【発明者】
【氏名】陳 志
(72)【発明者】
【氏名】彭 偉斌
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼ 明利
(72)【発明者】
【氏名】呉 江
(72)【発明者】
【氏名】黄 修良
(72)【発明者】
【氏名】韓 明松
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KY02
(57)【要約】
医療器具(800)を宿主に投与する投与装置(1000)であって、筐体(10)と、補助機構(20)と、第1駆動機構(30)と、第2駆動機構(40)とを含み、補助機構(20)は、筐体(10)に対して移動可能な運動本体(200)と、運動本体(200)に設けられ且つ医療器具(800)を受け入れて収容可能に配置された収容部(250)と、収容部(250)に対して移動可能に構成された穿刺部材(260)と、を含み、第1駆動機構(30)は、近位端に向けて運動本体(200)に作用を与えるように配置され、第2駆動機構(40)は、遠位端に向けて穿刺部材(260)に作用を与えるように配置され、運動本体(200)が解放されると、運動本体(200)は、穿刺部材(260)を介して収容部(250)に収容されている医療器具(800)を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置するように、第1駆動機構(30)によって近位端に向けて駆動され、穿刺部材(260)は、宿主から離れるように、第2駆動機構(40)によって遠位端に向けて駆動される。以上により、操作が簡単でありながら、医療器具を宿主に正確に投与することができる投与装置(1000)を提供することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具を宿主に投与するための投与装置であって、
筐体と、補助機構と、第1駆動機構と、第2駆動機構とを含み、
前記筐体は、第1保持部と、操作時に宿主に近い近位端と、宿主に遠い遠位端とを含み、
前記補助機構は、前記第1保持部に解放可能に保持され、且つ解放時に前記筐体に対して移動可能に配置された運動本体と、前記運動本体に設けられ、且つ前記医療器具を受け入れて収容可能に配置された収容部と、前記運動本体に設けられた第2保持部と、前記第2保持部に解放可能に保持され、且つ解放時に前記収容部に対して移動可能に配置された穿刺部材とを含み、
前記第1駆動機構は、前記近位端に向けて前記運動本体に作用を与えるように配置され、
前記第2駆動機構は、前記遠位端に向けて前記穿刺部材に作用を与えるように配置され、
前記運動本体が解放されると、前記運動本体は、前記穿刺部材を介して前記収容部に収容されている医療器具を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置するように、前記第1駆動機構によって前記近位端に向けて駆動され、前記穿刺部材は、宿主から離れるように、前記第2駆動機構によって前記遠位端に向けて駆動される、投与装置。
【請求項2】
前記運動本体は、前記第1保持部と解放可能にインターロックするように配置された第1錠止部を含む、請求項1に記載の投与装置。
【請求項3】
前記第1保持部は、スナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つの構造を介して、前記第1錠止部と解放可能にインターロックする、請求項2に記載の投与装置。
【請求項4】
前記第1保持部と前記第1錠止部とを分離させて前記運動本体を解放するように配置された第1トリガー機構をさらに含む、請求項2に記載の投与装置。
【請求項5】
前記穿刺部材は、前記第2保持部と解放可能にインターロックするように配置された第2錠止部を含む、請求項1に記載の投与装置。
【請求項6】
前記第2保持部は、スナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つの構造を介して、前記第2錠止部と解放可能にインターロックする、請求項5に記載の投与装置。
【請求項7】
前記第2保持部と前記第2錠止部とを分離させて前記穿刺部材を解放するように配置された第2トリガー機構をさらに含む、請求項5に記載の投与装置。
【請求項8】
前記筐体は、前記第1保持部を有する第1筐体と、前記第1筐体に装着可能な第2筐体とを含み、前記第2筐体は、互いに連通する第1限定機構と第2限定機構とを有し、前記第2限定機構は、前記医療器具の貼り付け位置を限定するように配置され、前記補助機構は、前記第1限定機構に装着され、且つ、前記運動本体が前記第1保持部によって解放される時に前記第1限定機構に沿って移動可能である、請求項1に記載の投与装置。
【請求項9】
前記運動本体は、前記遠位端に近い第1底部と、前記近位端に近い第2底部と、前記第1底部と前記第2底部とを接続する側壁と、前記第1底部、前記第2底部及び前記側壁の間に形成された中空部と、を有し、前記収容部は、前記第2底部に設けられ、且つ、前記穿刺部材が解放される時に前記中空部に沿って移動可能である、請求項8に記載の投与装置。
【請求項10】
前記穿刺部材は、溝を有する尖鋭物と、前記尖鋭物を支持するための支持台とを含み、前記医療器具は、全部又は一部が前記尖鋭物の溝に配置され、前記第2駆動機構は、前記支持台に作用を与えるように配置されている、請求項9に記載の投与装置。
【請求項11】
前記医療器具は、宿主の皮下に配置可能なセンサと、前記センサに接続され且つ宿主の体表に貼付可能な貼付部とを含む、請求項1に記載の投与装置。
【請求項12】
前記第1保持部は、前記遠位端に面する表面を有し、前記第1錠止部は、前記近位端に面する表面を有し、前記運動本体が保持されている時に、前記第1保持部の前記遠位端に面する表面は、前記第1錠止部の前記近位端に面する表面に接合し、前記運動本体が解放されている時に、前記第1保持部の前記遠位端に面する表面は、前記第1錠止部の前記近位端に面する表面と分離する、請求項2に記載の投与装置。
【請求項13】
前記第1保持部の少なくとも一部は、L字状またはフック状を呈する、請求項2に記載の投与装置。
【請求項14】
前記第1保持部は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びるアームと、該アームに連動して前記投与装置の中心軸線に直交する方向にほぼ沿って突出する突起とを有する、請求項2に記載の投与装置。
【請求項15】
前記第1保持部のアームは、前記投与装置の中心軸線にほぼ直交する方向に弾性を有する、請求項14に記載の投与装置。
【請求項16】
前記第1保持部のアームは、前記遠位端から前記近位端への方向において前記投与装置の中心軸線に向かって近づき、前記第1保持部の突起は、前記投与装置の中心軸線に向かって突出する、請求項14に記載の投与装置。
【請求項17】
前記第1保持部のアームは、前記遠位端から前記近位端への方向において前記投与装置の中心軸線に背いて離れ、前記第1保持部の突起は、前記投与装置の中心軸線に背いて突出する、請求項14に記載の投与装置。
【請求項18】
前記第1錠止部は、前記近位端から前記遠位端への方向において、前記投与装置の中心軸線とほぼ平行して離れるか、または、前記投与装置の中心軸線に背いて離れる、請求項2又は16に記載の投与装置。
【請求項19】
前記第1錠止部は、前記近位端から前記遠位端への方向において、前記投与装置の中心軸線にほぼ平行して近づくか、または、前記投与装置の中心軸線に向かって近づく、請求項2又は17に記載の投与装置。
【請求項20】
前記第1トリガー機構は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びる駆動部を有し、前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動可能に配置される、請求項4に記載の投与装置。
【請求項21】
前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記第1トリガー部の駆動部と前記第1保持部とは少なくとも部分的に重なり、前記第1トリガー部が前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動すると、前記第1保持部は、前記第1錠止部から離れるように駆動される、請求項20に記載の投与装置。
【請求項22】
前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記第1トリガー部の駆動部と前記第1錠止部とは少なくとも部分的に重なり、前記第1トリガー部が前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動すると、前記第1錠止部は、前記第1保持部から離れるように駆動される、請求項20に記載の投与装置。
【請求項23】
前記第1筐体は、中空筒状の周面部と、前記遠位端に近づくように前記周面部の一端に設けられた端部とを含み、前記第1保持部が前記端部に設けられている、請求項8に記載の投与装置。
【請求項24】
前記第1筐体の内壁に1つ又は複数のリブ状突起が設けられ、前記第2筐体の外壁に1つ又は複数のリブ状溝が設けられ、前記第2筐体が前記第1筐体に装着された時、前記1つ又は複数のリブ状突起がそれぞれ前記1つ又は複数のリブ状溝に嵌め込まれる、請求項8に記載の投与装置。
【請求項25】
前記第1限定機構及び前記第2限定機構は中空筒状を呈し、且つ前記第1限定機構の内径が前記第2限定機構の内径以下である、請求項8に記載の投与装置。
【請求項26】
前記運動本体が解放されると、前記運動本体は前記第1限定機構に沿って移動可能であり、且つ、前記収容部は前記第2限定機構に沿って移動可能である、請求項8に記載の投与装置。
【請求項27】
前記第1限定機構は、前記投与装置の中心軸線に沿う方向における前記運動本体のストロークを制限する、請求項8に記載の投与装置。
【請求項28】
前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記収容部と前記第1限定機構の壁とは少なくとも部分的に重なり、前記運動本体の前記遠位端に近い一端と前記第1限定機構の壁とは少なくとも部分的に重なる、請求項27に記載の投与装置。
【請求項29】
前記第1限定機構は、前記運動本体の回転を抑止する、請求項8に記載の投与装置。
【請求項30】
前記第1限定機構は、前記投与装置の中心軸線の方向に沿って連続的又は非連続的に内壁に設けられた溝及び/又はリッジを含む、請求項29に記載の投与装置。
【請求項31】
前記運動本体の前記遠位端に近い一端には、前記投与装置の中心軸線にほぼ直交する方向に沿って、該中心軸線に背いて突出する突起が設けられている、請求項9に記載の投与装置。
【請求項32】
前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って前記側壁の外壁に設けられた溝及び/又はリッジを含む、請求項9に記載の投与装置。
【請求項33】
前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿う切欠きを有する、請求項9に記載の投与装置。
【請求項34】
前記第1限定機構の内壁には、前記切欠きを介して前記投与装置の中心軸線に向かって突出可能な突起が設けられている、請求項33に記載の投与装置。
【請求項35】
前記運動本体は、前記穿刺部材の回転を抑止するように配置されている、請求項9に記載の投与装置。
【請求項36】
前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って前記側壁の内壁に設けられた溝及び/又はリッジを含む、請求項35に記載の投与装置。
【請求項37】
前記尖鋭物は、前記支持台と一体成形されている、請求項10に記載の投与装置。
【請求項38】
前記尖鋭物は、前記支持台に取り外し可能に装着結合されるように配置されている、請求項10に記載の投与装置。
【請求項39】
前記尖鋭物は、針状部と、前記針状部に固定接続されたキャップ部とを有し、前記支持台は、互いに近づく複数のフィンガー部を有し、前記キャップ部は、前記複数のフィンガー部によって解放可能に挟持される、請求項10に記載の投与装置。
【請求項40】
前記穿刺部材は、前記第2保持部と解放可能にインターロックするように配置され、且つ前記支持台に設けられた第2錠止部を含み、前記第2錠止部は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びるアームと、該アームに連動して前記投与装置の中心軸線に直交する方向にほぼ沿って前記投与装置の中心軸線に背いて突出する突起とを含む、請求項10に記載の投与装置。
【請求項41】
前記第2錠止部のアームは、前記投与装置の中心軸線にほぼ直交する方向に弾性を有する、請求項40に記載の投与装置。
【請求項42】
前記運動本体は、前記投与手段の中心軸線の方向にほぼ沿う切欠きを有し、且つ、前記穿刺部材が保持されている時に、前記第2錠止部の突起が前記切欠きを通過する、請求項40に記載の投与装置。
【請求項43】
前記穿刺部材が解放されると、前記第2錠止部のアームは前記投与装置の中心軸線に向かって押圧される、請求項40に記載の投与装置。
【請求項44】
前記支持台は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って外壁に設けられた溝及び/又はリッジを含む、請求項10に記載の投与装置。
【請求項45】
前記穿刺部材の支持台は前記中空部内に設けられ、前記収容部が前記第2底部に設けられ、前記第2底部が貫通孔を有し、前記尖鋭物が前記第2底部の貫通孔を通過する、請求項10に記載の投与装置。
【請求項46】
前記穿刺部材が保持されている時に、前記支持台と前記第1底部との間隔は、前記尖鋭物が前記収容部から突出する長さ以上である、請求項10に記載の投与装置。
【請求項47】
前記穿刺部材が保持されている時に、前記第2保持部は、スナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つを介して、前記第2錠止部と解放可能にインターロックする、請求項5に記載の投与装置。
【請求項48】
前記第2駆動機構は、前記支持台と前記第2底部との間に設けられている、請求項10に記載の投与装置。
【請求項49】
前記第2駆動機構はバネである、請求項1に記載の投与装置。
【請求項50】
前記第1駆動機構はバネである、請求項1に記載の投与装置。
【請求項51】
前記センサは、体液中の分析物と反応して分析物情報を生成するように配置されている、請求項11に記載の投与装置。
【請求項52】
前記分析物は、アセチルコリン、アミラーゼ、ビリルビン、コレステロール、絨毛性ゴナドトロピン、クレアチンキナーゼ、クレアチン、クレアチニン、DNA、フルクトサミン、グルコース、グルタミン、成長ホルモン、ホルモン、ケトン体、乳酸塩、酸素、過酸化物、前立腺特異的抗原、プロトロンビン、RNA、甲状腺刺激ホルモン又はトロポニンのうちの1種又は複数種である、請求項51に記載の投与装置。
【請求項53】
前記センサは、宿主の皮下に配置可能なはめ込み部分と、前記はめ込み部分と前記貼付部とを接続する接続部分とを含む、請求項11に記載の投与装置。
【請求項54】
前記センサは、前記貼付部に取り外し可能に装着される、請求項11に記載の投与装置。
【請求項55】
前記貼付部は、前記センサに電力を供給し、且つ前記センサにより生成された情報を受信するように配置されている、請求項11に記載の投与装置。
【請求項56】
前記貼付部は、上面から下面に貫通する孔を有し、且つ、前記センサが前記貼付部に装着された時に、前記センサの軸線が当該孔を通過する、請求項11に記載の投与装置。
【請求項57】
前記貼付部は、宿主の体表に接着可能に配置されている、請求項11に記載の投与装置。
【請求項58】
前記貼付部は、開路に配置されている初期状態と、閉路に配置されている動作状態とを有する、請求項11に記載の投与装置。
【請求項59】
前記貼付部は、無線通信方式又は有線通信方式によって外部装置と通信可能に配置されている、請求項11に記載の投与装置。
【請求項60】
前記貼付部は、磁気作用又は光作用を受けて、前記初期状態から前記動作状態に励起されるように配置されている、請求項11に記載の投与装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
【0002】
本開示は、医療器具を宿主に投与するための投与装置に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床診断又は個人健康モニタリングのニーズから、例えば、糖尿病患者にとって、組織液のグルコース濃度を日常的にリアルタイムで連続的にモニタリングする必要があり、また、食事の調整や薬物の投与などの方法によりグルコース濃度を調整して、正常でないグルコース濃度による合併症の発生を減少・低減する必要がある。
【0004】
現在、ユーザは、通常、皮膚以下に挿入可能で組織液中のグルコースと反応可能なグルコースセンサと、皮膚に貼り付けられてグルコースセンサに接続されている電子装置とを用いて、組織液中のグルコース濃度をモニタリングする。グルコースセンサを皮膚の下に挿入し、電子機器を皮膚に貼り付けるためには、通常、挿入装置を介する必要がある。具体的には、挿入装置は、皮膚に刺入可能な針を含み、針を介してグルコースセンサを皮膚の下に挿入した後、針をグルコースセンサと分離させて皮膚から取り出す。
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、皮膚に針を刺したり皮膚から取り出したりする過程は、人力で駆動する必要がある。この場合、針を駆動する力、針が皮膚に刺さる位置、針が皮膚の下に刺さる深さ、又は針を皮膚から取り出すタイミングなどを正確に制御することが困難であるため、グルコースセンサを挿入する時のユーザの体験に影響を与える恐れがある一方、グルコースセンサが所望の位置に挿入されていないため、取得されるグルコース濃度の正確性が高くない恐れもある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、操作が簡単でありながら、医療器具を宿主に正確に投与することができる投与装置を提供することを目的とする。
【0007】
このために、本発明は医療器具用の投与装置を提供し、該投与装置は、筐体と、補助機構と、第1駆動機構と、第2駆動機構とを含み、前記筐体は、第1保持部と、操作時に宿主に近い近位端と、宿主に遠い遠位端とを含み、前記補助機構は、前記第1保持部に解放可能に保持され、且つ解放時に前記筐体に対して移動可能に配置された運動本体と、前記運動本体に設けられ、且つ前記医療器具を受け入れて収容可能に配置された収容部と、前記運動本体に設けられた第2保持部と、前記第2保持部に解放可能に保持され、且つ解放時に前記収容部に対して移動可能に配置された穿刺部材とを含み、前記第1駆動機構は、前記近位端に向けて前記運動本体に作用を与えるように配置され、前記第2駆動機構は、前記遠位端に向けて前記穿刺部材に作用を与えるように配置され、前記運動本体が解放されると、前記運動本体は、前記穿刺部材を介して前記収容部に収容されている医療器具を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置するように、前記第1駆動機構によって前記近位端に向けて駆動され、前記穿刺部材は、宿主から離れるように、前記第2駆動機構によって前記遠位端に向けて駆動される。
【0008】
本実施形態に係る投与装置において、筐体は、操作時に宿主に近い近位端と、宿主に遠い遠位端とを含み、医療器具を受け入れて収容可能に配置された収容部と、収容部に対して移動可能な穿刺部材とは、運動本体に設けられ、第1駆動機構によって近位端に向かうように運動本体を駆動して医療器具を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置し、第2駆動機構によって遠位端に向かうように穿刺部材を駆動して穿刺部材を宿主から離間させる。この場合、医療器具の投与に必要な2つの操作ストローク、すなわち、穿刺部材によって医療器具を宿主の皮下に配置すること、及び、穿刺部材を宿主から離間させることは、駆動機構によって作用を与えるように配置されていることにより、医療器具を宿主に簡単に投与することができる。また、筐体は、操作時に宿主に近い近位端を含み、当該近位端によっては医療器具の投与位置の限定に寄与することができ、また、駆動機構は比較的正確に駆動作用を提供することができるため、投与過程における穿刺部材の穿刺力、穿刺深さ、及び宿主から離れるタイミングをより正確に制御することができ、これにより医療器具を宿主に正確に投与することにも寄与することができる。
【0009】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記運動本体は、前記第1保持部と解放可能にインターロックするように配置された第1錠止部を含んでもよい。これにより、運動本体は、第1錠止部と第1保持部とのフィット(fit)により第1保持部に解放可能に保持されることできる。
【0010】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1保持部は、スナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つの構造を介して、前記第1錠止部と解放可能にインターロックしてもよい。この場合、第1保持部と第1錠止部はスナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つの構造を介して解放可能にインターロックすることにより、解放が容易なインターロック手段を提供することができる。
【0011】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1保持部と前記第1錠止部とを分離させて前記運動本体を解放するように配置された第1トリガー機構をさらに含んでもよい。これにより、第1トリガー機構によって運動本体を容易に解放することができる。
【0012】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記穿刺部材は、前記第2保持部と解放可能にインターロックするように配置された第2錠止部を含んでもよい。これにより、穿刺部材は、第2錠止部と第2保持部とのフィットによって第2保持部に解放可能に保持されることができる。
【0013】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第2保持部は、スナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つの構造を介して、前記第2錠止部と解放可能にインターロックしてもよい。この場合、第2保持部と第2錠止部はスナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つの構造を介して解放可能にインターロックすることにより、解放が容易なインターロック手段を提供することができる。
【0014】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第2保持部と前記第2錠止部とを分離させて前記穿刺部材を解放するように配置された第2トリガー機構をさらに含んでもよい。これにより、第2トリガー機構によって穿刺部材を容易に解放することができる。
【0015】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記筐体は、前記第1保持部を有する第1筐体と、前記第1筐体に装着可能な第2筐体とを含み、前記第2筐体は、互いに連通する第1限定機構と第2限定機構とを有し、前記第2限定機構は、前記医療器具の貼り付け位置を限定するように配置され、前記補助機構は、前記第1限定機構に装着され、且つ、前記運動本体が前記第1保持部によって解放される時に前記第1限定機構に沿って移動可能であってもよい。この場合、第2筐体の第1限定機構によって運動本体の移動を限定するとともに、第2筐体の第2限定機構によって医療器具の貼り付け位置を限定することにより、医療器具をより正確に宿主に投与するのに有利である。
【0016】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記運動本体は、前記遠位端に近い第1底部と、前記近位端に近い第2底部と、前記第1底部と前記第2底部とを接続する側壁と、前記第1底部、前記第2底部及び前記側壁の間に形成された中空部と、を有し、前記収容部は、前記第2底部に設けられ、且つ、前記穿刺部材が解放される時に前記中空部に沿って移動可能であってもよい。この場合、第1底部、第2底部及び側壁によって中空部を形成し、第2底部に収容部を設け、中空部に穿刺部材を設けることで、穿刺部材が解放される際の収容部に対する移動を容易にすることができる。
【0017】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記穿刺部材は、溝を有する尖鋭物と、前記尖鋭物を支持するための支持台とを含み、前記医療器具は、全部又は一部が前記尖鋭物の溝に配置され、前記第2駆動機構は、前記支持台に作用を与えるように配置されてもよい。この場合、医療器具の全部又は一部を尖鋭物の溝内に配置することにより、穿刺部材による医療器具の少なくとも一部の宿主の皮下への配置を容易にすることができる。
【0018】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記医療器具は、宿主の皮下に配置可能なセンサと、前記センサに接続され且つ宿主の体表に貼付可能な貼付部とを含んでもよい。この場合、宿主の皮下に設置可能なセンサにより、且つ、宿主の体表に貼付可能な貼付部によってセンサに接続することにより、組織液の分析物情報を容易に取得することができる。
【0019】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1保持部は、前記遠位端に面する表面を有し、前記第1錠止部は、前記近位端に面する表面を有し、前記運動本体が保持されている時に、前記第1保持部の前記遠位端に面する表面は、前記第1錠止部の前記近位端に面する表面に接合し、前記運動本体が解放されている時に、前記第1保持部の前記遠位端に面する表面は、前記第1錠止部の前記近位端に面する表面と分離してもよい。
【0020】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1保持部の少なくとも一部は、L字状またはフック状であってもよい。これにより、スナップフィット等の構造を容易に形成して第1錠止部とインターロックすることができる。
【0021】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1保持部は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びるアームと、該アームに連動して前記投与装置の中心軸線に直交する方向にほぼ沿って突出する突起とを有してもよい。この場合、第1錠止部に第1保持部の突起が当接する時に、アームを駆動させて突起を駆動させることにより、第1保持部に第1錠止部を容易に解放させることができる。
【0022】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1保持部のアームは、前記投与装置の中心軸線にほぼ直交する方向に弾性を有してもよい。
【0023】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1保持部のアームは、前記遠位端から前記近位端への方向において前記投与装置の中心軸線に向かって近づき、前記第1保持部の突起は、前記投与装置の中心軸線に向かって突出してもよい。この場合、第1錠止部は、第1保持部の全体を内側に集めることで内側(投与手段の中心軸線に近い側)に保持され、第1保持部を外側(投与手段の中心軸線から離れる側)に向かって駆動させることで解放されるため、第1錠止部の保持及び解放を容易に行うことができる。
【0024】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1保持部のアームは、前記遠位端から前記近位端への方向において前記投与装置の中心軸線に背いて離れ、前記第1保持部の突起は、前記投与装置の中心軸線に背いて突出してもよい。この場合、第1保持部全体を外側に分散させることで第1錠止部を外側(投与手段の中心軸線から離れる側)に保持することができ、第1保持部を内側(投与手段の中心軸線に近い側)に向かって駆動させることで第1錠止部を解放することができるため、第1錠止部の保持及び解放を容易に行うことができる。
【0025】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1錠止部は、前記近位端から前記遠位端への方向において、前記投与装置の中心軸線とほぼ平行して離れるか、または、前記投与装置の中心軸線に背いて離れてもよい。これにより、内側に集める第1保持部とフィットしてインターロックすることを容易にすることができる。
【0026】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1錠止部は、前記近位端から前記遠位端への方向において、前記投与装置の中心軸線にほぼ平行して近づくか、または、前記投与装置の中心軸線に向かって近づいてもよい。これにより、外側に分散する第1保持部とフィットしてインターロックすることを容易にすることができる。
【0027】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1トリガー機構は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びる駆動部を有し、前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動可能に配置されてもよい。この場合、第1トリガー機構の駆動部を投与装置の中心軸線に沿って駆動することにより、第1保持部を第1錠止部から離間させるように簡単な操作で駆動させることができる。
【0028】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記第1トリガー部の駆動部と前記第1保持部とは少なくとも部分的に重なり、前記第1トリガー部が前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動すると、前記第1保持部は、前記第1錠止部から離れるように駆動されてもよい。これにより、簡単な操作で第1保持部に第1錠止部を解放させることができる。
【0029】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記第1トリガー部の駆動部と前記第1錠止部とは少なくとも部分的に重なり、前記第1トリガー部が前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動すると、前記第1錠止部は、前記第1保持部から離れるように駆動されてもよい。これにより、簡単な操作で第1錠止部を解放することができる。
【0030】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1筐体は、中空筒状を呈する周面部と、前記遠位端に近づくように前記周面部の一端に設けられた端部とを含み、前記第1保持部は前記端部に設けられてもよい。
【0031】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1筐体の内壁に1つ又は複数のリブ状突起が設けられ、前記第2筐体の外壁に1つ又は複数のリブ状溝が設けられ、前記第2筐体が前記第1筐体に装着された時、前記1つ又は複数のリブ状突起がそれぞれ前記1つ又は複数のリブ状溝に嵌め込まれてもよい。この場合、リブ状突起とリブ状溝とのフィットにより、第1筐体と第2筐体とを容易に装着することができる。
【0032】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1限定機構及び前記第2限定機構は中空筒状を呈し、且つ前記第1限定機構の内径が前記第2限定機構の内径以下であってもよい。この場合、第1限定機構及び第2限定機構を中空筒状に設けることで、補助機構が第1限定機構及び第2限定機構に沿って移動し易くなる。
【0033】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記運動本体が解放されると、前記運動本体は前記第1限定機構に沿って移動可能であり、且つ、前記収容部は前記第2限定機構に沿って移動可能であってもよい。この場合、運動本体を第1限定機構に沿って移動させ、収容部を第2限定機構に沿って移動させることで、収容部に収容された医療器具をより正確に宿主の体表の所望の位置に投与することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1限定機構は、前記投与装置の中心軸線に沿う方向における運動本体のストロークを制限してもよい。この場合、第1限定機構によって投与装置の中心軸線に沿う方向における運動本体のストロークを制限することにより、収容部に収容された医療器具をより正確に所定距離だけ押し出すことができ、医療器具をより正確に宿主に投与することができる。
【0035】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記収容部と前記第1限定機構の壁とは少なくとも部分的に重なり、前記運動本体の前記遠位端に近い一端と前記第1限定機構の壁とは少なくとも部分的に重なってもよい。この場合、収容部及び運動本体を第1限定機構の壁と少なくとも部分的に重なることで、運動本体が第1限定機構に沿って移動するストロークを構造の簡素化の下で効果的に制限することができる。
【0036】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1限定機構は、前記運動本体の回転を抑止してもよい。この場合、運動本体の回転を抑止することで、投与中に穿刺部材が意図しない回転を起こすことを抑止できる。
【0037】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1限定機構は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って連続的又は非連続的に内壁に設けられた溝及び/又はリッジを含んでもよい。この場合、当該溝及び/又はリッジと運動本体を係合することにより、運動本体が第1限定機構内で意図しない回転を起こすことを効果的に抑止することができる。
【0038】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記運動本体の前記遠位端に近い一端には、前記投与装置の中心軸線にほぼ直交する方向に沿って該中心軸線に背いて突出する突起が設けられてもよい。この場合、該突起と第1限定機構の壁とによってスナップフィットを形成することにより、運動本体が近位端に向かって過度に進行することを効果的に制限することができる。
【0039】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って前記側壁の外壁に設けられた溝及び/又はリッジを含んでもよい。この場合、運動本体の溝及び/又はリッジと第1限定機構の溝及び/又はリッジを係合することで、運動本体が第1限定機構内で意図しない回転を起こすことを効果的に抑止できる。
【0040】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿う切欠きを有してもよい。この場合、投与手段の中心軸線の方向に沿う切欠きを運動本体に設けることにより、運動本体の中空部内に設けられた穿刺部材に作用を与えやすくすることができる。
【0041】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1限定機構の内壁には、前記切欠きを介して前記投与装置の中心軸線に向かって突出可能な突起が設けられてもよい。この場合、運動本体が第1限定機構に沿って移動する時に、第1限定機構の内壁に設けられた突起が運動本体の切欠きを介して穿刺部材に作用することができるので、穿刺部材に対するトリガー機構を構造の簡素化の下で提供することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記運動本体は、前記穿刺部材の回転を抑止するように配置されてもよい。この場合、穿刺部材が投与中に意図しない回転を起こすことを抑止することで、医療器具投与中のユーザ体験を向上させることができる。
【0043】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って前記側壁の内壁に設けられた溝及び/又はリッジを含んでもよい。この場合、運動本体の側壁の内壁に設けられた溝及び/又はリッジと穿刺部材の溝及び/又はリッジとをフィットすることにより、穿刺部材が投与中に意図しない回転を起こすことを効果的に抑止することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記尖鋭物は、前記支持台と一体成形されてもよい。
【0045】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記尖鋭物は、前記支持台に取り外し可能に装着結合されるように配置されてもよい。これにより、尖鋭物を別途滅菌しやすくすることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記尖鋭物は、針状部と、前記針状部に固定接続されたキャップ部とを有し、前記支持台は、互いに近づく複数のフィンガー部を有し、前記キャップ部は、前記複数のフィンガー部によって解放可能に挟持されてもよい。この場合、尖鋭物のキャップ部が支持台の複数のフィンガー部にフィットすることにより、尖鋭物と支持台との装着及び取り外しを容易にすることができる。
【0047】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記穿刺部材は、前記第2保持部と解放可能にインターロックするように配置され、且つ前記支持台に設けられた第2錠止部を含み、前記第2錠止部は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びるアームと、該アームに連動して前記投与装置の中心軸線に直交する方向にほぼ沿って前記投与装置の中心軸線に背いて突出する突起とを含んでもよい。この場合、穿刺部材が運動本体の中空部内に配置されたときに、第2錠止部を運動本体の切欠きに当接することにより、穿刺部材を構造の簡素化の下で保持することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第2錠止部のアームは、前記投与装置の中心軸線にほぼ直交する方向に弾性を有してもよい。
【0049】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿う切欠きを有し、且つ、前記穿刺部材が保持されている時に、前記第2錠止部の突起が前記切欠きを通過してもよい。この場合、第1錠止部の突起を運動本体の切欠きに当接することにより、第1錠止部を構造の簡素化の下で保持することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記穿刺部材が解放されると、前記第2錠止部のアームは前記投与装置の中心軸線に向かって押圧されてもよい。これにより、簡単な操作で第2錠止部を解放することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記支持台は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って外壁に設けられた溝及び/又はリッジを含んでもよい。この場合、支持台の溝及び/又はリッジと運動本体の側壁の内壁における溝及び/又はリッジとをフィットすることにより、穿刺部材の意図しない回転の発生を効果的に抑止することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記穿刺部材の支持台は前記中空部内に設けられ、前記収容部が前記第2底部に設けられ、前記第2底部が貫通孔を有し、前記尖鋭物が前記第2底部の貫通孔を通過してもよい。この場合、尖鋭物が第2底部の貫通孔を通過するように設けられていることで、尖鋭物を収容部内に収容された医療器具に接合させることができ、これにより、穿刺部材によって医療器具を宿主の皮下に少なくとも部分的に配置しやすくすることができる。
【0053】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記穿刺部材が保持されている時に、前記支持台と前記第1底部との間隔は、前記尖鋭物が前記収容部から突出する長さ以上であってもよい。この場合、支持台と第1底部との間隔を、尖鋭物が収容部から突出する長さ以上とすることにより、穿刺部材が宿主から離れるための移動空間を提供することができ、穿刺部材による宿主への意図しないダメージを低減することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記穿刺部材が保持されている時に、前記第2保持部は、スナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つを介して、前記第2錠止部と解放可能にインターロックしてもよい。この場合、簡素な構成で第2保持部と第2錠止部とを解放可能にインターロックさせることにより、簡単な操作で第2錠止部を解放することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第2駆動機構は、前記支持台と前記第2底部との間に設けられていてもよい。これにより、第2駆動機構が穿刺部材を収容部から遠ざけるように穿刺部材に作用を与えることに寄与できる。
【0056】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第2駆動機構は、バネであってもよい。これにより、簡素な構造設計によって穿刺部材に駆動機構を提供することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記第1駆動機構は、バネであってもよい。これにより、簡素な構造設計によって運動本体に駆動機構を提供することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記センサは、体液中の分析物と反応して分析物情報を生成するように配置されてもよい。この場合、センサが体液中の分析物と反応することにより、体液中の分析物情報を容易に取得することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記分析物は、アセチルコリン、アミラーゼ、ビリルビン、コレステロール、絨毛性ゴナドトロピン、クレアチンキナーゼ、クレアチン、クレアチニン、DNA、フルクトサミン、グルコース、グルタミン、成長ホルモン、ホルモン、ケトン体、乳酸塩、酸素、過酸化物、前立腺特異的抗原、プロトロンビン、RNA、甲状腺刺激ホルモン又はトロポニンのうちの1種又は複数種であってもよい。
【0060】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記センサは、宿主の皮下に配置可能なはめ込み部分と、前記はめ込み部分と前記貼付部とを接続する接続部分とを含んでもよい。この場合、はめ込み部分を宿主の皮下に配置し、はめ込み部分と貼付部とを接続部分によって接続することにより、取得した分析物情報を外部装置に送信しやすくすることができる。
【0061】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記センサは、前記貼付部に取り外し可能に装着されてもよい。この場合、医療器具が収容部に収容される前にセンサと貼付部とを別々に封止することができ、センサと貼付部とを別々に滅菌しやすくすることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記貼付部は、前記センサに電力を供給し、且つ前記センサにより生成された情報を受信するように配置されてもよい。これにより、センサが宿主の皮下で継続的にモニタリングすることに寄与できる。
【0063】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記貼付部は、上面から下面に貫通する孔を有し、且つ、前記センサが前記貼付部に装着された時に、前記センサの軸線が当該孔を通過してもよい。この場合、当該孔を通して穿刺部材を皮下に刺すことにより、センサを皮下に配置することに寄与することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記貼付部は、宿主の体表に接着可能に配置されてもよい。
【0065】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記貼付部は、開路に配置されている初期状態と、閉路に配置されている動作状態とを有してもよい。この場合、貼付部が初期状態のときに開路に配置されていることで、貼付部が動作状態になるまで消費電力を節約することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記貼付部は、無線通信方式又は有線通信方式によって外部装置と通信可能に配置されてもよい。この場合、貼付部を外部装置と通信可能に配置されていることで、取得した分析物情報をリアルタイム又は定時に読み取ることができる。
【0067】
また、本実施形態に係る投与装置において、前記貼付部は、磁気作用又は光作用を受けて、前記初期状態から前記動作状態に励起されるように配置されてもよい。この場合、磁気作用や光作用等の非接触式部材によって貼付部を初期状態から動作状態に励起することで、貼付部の小型化に寄与することができる。
【0068】
本開示によれば、操作が簡単でありながら、医療器具を正確に宿主に投与することができる投与装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1図1は、本実施形態例に係る医療器具及び投与装置の投与概要を示す図である。
【0070】
図2図2は、本実施形態例に係る医療器具の第1視点を示す模式図である。
【0071】
図3図3は、本実施形態例に係る医療器具の第2視点を示す模式図である。
【0072】
図4図4は、本実施形態例に係る医療器具の接続部を示す模式図である。
【0073】
図5図5は、本実施形態例に係る医療器具の貼付部を示す模式図である。
【0074】
図6A図6Aは、本実施形態例に係る医療器具の電子装置を示すブロック図である。
【0075】
図6B図6Bは、本実施形態例に係る医療器具の電子装置を示す回路ブロック図である。
【0076】
図7A図7Aは、本実施形態例に係る投与装置の第1視点を示す全体外観模式図である。
【0077】
図7B図7Bは、本実施形態例に係る投与装置の第2視点を示す全体外観模式図である。
【0078】
図7C図7Cは、本実施形態例に係る投与装置を示す分解模式図である。
【0079】
図8A図8Aは、本実施形態例に係る第1筐体の周面部を示す斜視模式図である。
【0080】
図8B図8Bは、本実施形態例に係る第1筐体の端部の第1視点を示す斜視模式図である。
【0081】
図9A図9Aは、本実施形態例に係る第1保持部、運動本体及び第1駆動機構を示す分解模式図である。
【0082】
図9B図9Bは、本実施形態例に係る運動本体が保持されている場合を示す断面模式図である。
【0083】
図9C図9Cは、本実施形態例に係る運動本体が解放された場合を示す断面模式図である。
【0084】
図10A図10Aは本実施形態例に係る第1筐体の端部と第1トリガー機構を示す分解模式図である。
【0085】
図10B図10Bは本実施形態例に係る第1筐体の端部の第2視点を示す斜視模式図である。
【0086】
図10C図10Cは本実施形態例に係る第1筐体の端部を示す底面模式図である。
【0087】
図10D図10Dは本実施形態例に係る第1筐体の端部を示す平面模式図である。
【0088】
図10E図10Eは本実施形態例に係る第1トリガー機構を示す斜視模式図である。
【0089】
図10F図10Fは本実施形態例に係る第1トリガー機構を示す底面模式図である。
【0090】
図10G図10Gは本実施形態例に係る第1トリガー機構と端部との装着前を示す断面模式図である。
【0091】
図10H図10Hは本実施形態例に係る第1トリガー機構と端部との装着後を示す断面模式図である。
【0092】
図10I図10Iは本実施形態例に係る第1保持部が第1トリガー機構によりトリガーされる前を示す断面模式図である。
【0093】
図10J図10Jは本実施形態例に係る第1保持部が第1トリガー機構によりトリガーされた後を示す断面模式図である。
【0094】
図11A図11Aは、本実施形態例に係る端部の第2実施例を示す斜視模式図である。
【0095】
図11B図11Bは本実施形態例に係る端部の第2実施例を示す平面模式図である。
【0096】
図11C図11Cは本実施形態例に係る第1トリガー機構の第2実施例を示す底面模式図である。
【0097】
図11D図11Dは本実施形態例に係る第1トリガー機構の第3実施例を示す底面模式図である。
【0098】
図12A図12Aは、第2筐体と補助機構との第1角度を示す分解模式図である。
【0099】
図12B図12Bは、第2筐体と補助機構との第2角度を示す分解模式図である。
【0100】
図12C図12Cは、補助機構の第2筐体への装着を示す断面模式図である。
【0101】
図12D図12Dは、本実施形態例に係る蓋を示す模式図である。
【0102】
図13A図13Aは、本実施形態例に係る運動本体と穿刺部材との第1視点を示す分解模式図である。
【0103】
図13B図13Bは、本実施形態例に係る運動本体と穿刺部材との第2視点を示す分解模式図である。
【0104】
図13C図13Cは、本実施形態例に係る穿刺部材が保持されている場合を示す断面模式図である。
【0105】
図13D図13Dは、本実施形態例に係る穿刺部材が解放されている場合を示す断面模式図である。
【0106】
図13E図13Eは、本実施形態例に係る運動本体と穿刺部材とが仮装着されている場合を示す断面模式図である。
【0107】
図14A図14Aは、本実施形態例に係る穿刺部材を示す分解模式図である。
【0108】
図14B図14Bは、本実施形態例に係る穿刺部材の装着を示す模式図である。
【0109】
図14C図14Cは、本実施形態例に係る針状部を示す拡大模式図である。
【0110】
図14D図14Dは、本実施形態例に係る尖鋭物とセンサとの装着を示す模式図である。
【0111】
図15A図15Aは、本実施形態例に係るカセット装置を示す斜視模式図である。
【0112】
図15B図15Bは、本実施形態例に係るカセット装置のカセット、載置台および柵構造を示す平面模式図である。
【0113】
図15C図15Cは、本実施形態例に係るカセット装置のステージを示す平面模式図である。
【0114】
図16A図16Aは、本実施形態例に係る載置台にセンサが載置されたことを示す模式図である。
【0115】
図16B図16Bは本実施形態例に係るステージが載置台よりも高いことを示す模式図である。
【0116】
図16C図16Cは本実施形態例に係るステージがカセットの底部に向かって載置台よりも低く移動したことを示す模式図である。
【0117】
図17図17は、本実施形態例に係る筐体の中心軸線にほぼ直交する方向に沿った断面図である。
【0118】
図18A図18Aは、本実施形態例に係る投与装置とカセット装置との装着前を示す模式図である。
【0119】
図18B図18Bは、本実施形態例に係る投与装置とカセット装置との装着後を示す模式図である。
【0120】
図19A図19Aは、本実施形態例に係るカセット装置がセンサを第1種の形態例として保存し、ピックアップされる場合を示す模式図である。
【0121】
図19B図19Bは、本実施形態例に係るカセット装置がセンサを第2種の形態例として保存し、ピックアップされる場合を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0122】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、部材の互いの寸法の比率や部材の形状等は実際のものとは異なることがある。
なお、本開示における用語「含む」及び「有する」並びにそれらの任意の変形、例えば、含む又は有する一連のステップ又はユニットのプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、必ずしも明確に列挙されたそれらのステップ又はユニットに限定されず、明確に列挙されていないか又はそれらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
本開示の実施形態は、医療器具を宿主に投与するために、例えば、医療器具を宿主の体表に貼り付けたり、医療器具の全部又は一部を宿主の皮下等に配置したりする医療器具の投与装置に関する。本実施形態に係る投与装置によれば、医療器具を所望の位置に投与することに寄与することができる。
【0123】
本実施形態に係る投与装置は、例えば、アシスト装置、搬送装置、移植装置、貼付装置、補助装置等と称されてもよい。なお、各名称は、本実施形態に係る医療器具を宿主に施すための装置を示すものであり、限定的に解釈されるべきではない。
【0124】
図1は、本実施形態例に係る医療器具800及び投与装置1000の投与概要を示す図である。本実施形態において、医療器具800が投与装置1000を介して宿主に投与され、且つ所望の位置に投与され、宿主は、自身に投与された医療器具800により生体情報を取得できる。
【0125】
また、本開示は、本実施形態に係る宿主の生体情報を取得可能な医療器具800と、医療器具800と通信可能に接続される読取装置900(図1参照)とを含むことができるモニタリングシステムをさらに提供する。宿主に投与された医療器具800は、取得された生体情報を例えば無線方式で読取装置900に伝送することができ、これにより、宿主が自身の生体情報を読み取り及び監視することを容易にすることができる。
【0126】
また、本開示は、カセット装置2000(図1参照)をさらに提供し、カセット装置2000は、本実施形態に係る医療器具800の全部または一部を収納するために用いられる。幾つかの例において、本実施形態に係る医療器具800は、宿主に投与される前に、カセット装置2000内に全部又は部分的に収容されてもよい。
【0127】
また、本開示は、本実施形態に係る宿主の生理情報を取得可能な医療器具800と、本実施形態に係る医療器具800を宿主に投与可能な投与装置1000と、本実施形態に係る医療器具800を収納可能なカセット装置2000と、を含むことができるインスツルメントセットを提供する。医療器具800は、宿主に投与される前にカセット装置2000内に全部または部分に収容されていてもよく、医療器具800が必要な場合には、投与装置1000により医療器具800が取り出されて宿主に投与されてもよい。
【0128】
幾つかの例において、医療器具800はセンシング装置であってもよい。幾つかの例において、医療器具800は、体液に基づいて体液中の特定の分析物の情報などを生成することができ、例えば、体液中の分析物と反応して分析物情報を生成する分析物センサ装置であってもよい。この場合、センサが体液中の分析物と反応することにより、体液中の分析物情報を容易に取得することができる。
【0129】
本実施形態において、分析物センサ装置が対象とする分析物は、グルコース、アセチルコリン、アミラーゼ、ビリルビン、コレステロール、絨毛性ゴナドトロピン、クレアチン、クレアチン、クレアチニン、DNA、フルクトサミン、グルタミン、成長ホルモン、ホルモン、ケトン体、乳酸塩、酸素、過酸化物、前立腺特異的抗原、プロトロンビン、RNA、甲状腺刺激ホルモン又はトロポニンのうちの1種又は複数種であってもよい。
【0130】
以下、本実施形態例に係る医療器具800について、分析物としてグルコースを例として説明する。なお、他の分析物について、当業者は、グルコースについて採用されている医療器具800基づいて少し変更して他の分析物を分析することができる。
【0131】
図2は、本実施形態の一例に係る医療器具800の第1視点を示す模式図である。図3は、本実施形態例に係る医療器具800の第2視点を示す模式図である。
【0132】
幾つかの例において、医療器具800は、センサ820と、接続部840と、貼付部860とを含んでもよい(図2又は図3参照)。センサ820は、貼付部860に取り外し可能に装着されてもよい。センサ820は、接続部840によって貼付部860に接続されてよい。他の例では、医療器具800は、接続部840を含まなくてもよく、この場合、センサ820は、貼付部860に直接に接続されてもよい。
【0133】
幾つかの例において、センサ820は、宿主の皮下に部分的又は全体的に配置されてもよい。幾つかの例において、センサ820は皮下に配置された後、皮下組織液中のグルコースと反応して、宿主のグルコース情報を生成することができる。貼付部860は、宿主の体表に貼付してもよい。幾つかの例において、貼付部860は、センサ820が生成したグルコース情報を受信してもよい。幾つかの例において、貼付部860は、生体情報を取得するために必要な電力をセンサ820に提供してもよい。これにより、センサ820が宿主の皮下で継続的にモニタリングすることに寄与できる。
【0134】
幾つかの例において、センサ820は、はめ込み部分(図示せず)および接続部分(図示せず)を含んでもよい。はめ込み部分は、宿主の皮下に配置され、接続部分を介して貼付部860に接続されてもよい。この場合、はめ込み部分を宿主の皮下に配置し、はめ込み部分と貼付部860とを接続部分で接続することにより、取得した分析物情報を外部装置に送信しやすくすることができる。幾つかの例において、接続部分は、接続部840を介して貼付部860に接続されてもよい。
【0135】
幾つかの例において、センサ820のはめ込み部分は細長い形状であってもよい。幾つかの例において、はめ込み部分は剛性であってもよい。これにより、宿主の皮下に配置しやすくすることができる。別の例では、はめ込み部分は柔軟性であってもよく、この場合、宿主の異物感を低減することができる。幾つかの例において、はめ込み部分の長さは、1mm-10mmであってもよく、例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mmである。はめ込み部分が宿主に移植された後、その深さは真皮層に達することができ、皮膚の組織間に位置するため、センサ820は組織間液のグルコース情報を収集することができる。
【0136】
幾つかの例において、はめ込み部分は、動作電極(図示せず)と対電極(図示せず)とを含むことができる。本実施形態において、動作電極には、グルコラーゼ(Glucolase)を含むセンシング層が設けられてもよく、皮下に配置されたセンサ820は、動作電極におけるグルコラーゼが組織液又は血液中のグルコースと酸化還元反応して、対電極と回路を形成することにより、電流信号を生成し、該電流信号を分析処理してグルコース濃度情報を得ることができる。幾つかの例において、センサ820によって生成された電流信号は、貼付部860に伝送されてもよい。
【0137】
幾つかの例において、はめ込み部分は、参照電極(図示せず)をさらに含んでもよい。幾つかの例において、参照電極は、組織液又は血液と既知の一定の電位差を形成することができる。この場合、動作電極と組織液又は血液との電位差は、参照電極と動作電極との電位差によって測定されることができる。これにより、動作電極に発生する電圧をより正確に得ることができる。これにより、貼付部860の電子装置880(後述)は、予め設定された電圧値に基づいて動作電極における電圧の安定化を自動的に調整して維持することができ、測定された電流信号に組織液又は血液中のグルコース濃度情報をより正確に反映させることができる。幾つかの例において、参照電極の数は、1つ以上、例えば2つであってもよい。
【0138】
図4は、本実施形態例に係る医療器具800の接続部840を示す模式図である。幾つかの例において、上述したように、センサ820は、接続部840を介して貼付部860に装着されてもよい。幾つかの例において、センサ820は、接続部840を介して貼付部860に構造的に接続されてもよい。幾つかの例において、センサ820は、接続部840を介して貼付部860に電気的に接続されてもよい。
【0139】
幾つかの例において、接続部840は、センサ接合孔842(図4参照)を有してもよい。幾つかの例において、センサ820が接続部840に接続されると、センサ820の軸線は、センサ接合孔842(図2又は図3参照)を通過してもよい。この場合、センサ接合孔842によって、穿刺部材260(後述)とセンサ820とを容易に結合させることができ、穿刺部材260によってセンサ820を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置することが容易になる。
【0140】
幾つかの例において、接続部840は、電気接点844(図4参照)をさらに有してもよい。電気接点844は、センサ820の動作電極、対電極、及び参照電極に電気的に接続されてよい。これにより、センサ820が取得したグルコース情報を外部装置に伝送しやすくすることができる。電気接点844の数は、2つ、3つ、又は4つであってもよい。図4に示す実施例では、電気接点844は、844a、844b、および844cを含んでもよい。ただし、本実施形態例はこれに限定されず、電気接点844の数は、センサ820の電極の数と同じであってもよい。
【0141】
幾つかの例において、接続部840は、貼付部860に締め付けて接続可能な構造をさらに含んでもよい。幾つかの例において、接続部840は、周囲に設けられた係合部846(図4参照)をさらに含んでもよい。接続部840の係合部846は、貼付部860の係合溝868(後述)と係合して接続部840と貼付部860とを締め付けて装着することができる。幾つかの例において、係合部846は、接続部840の周縁に沿って外側に突出する突起であってもよい(図4参照)。幾つかの例において、係合部846の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、複数の係合部846は、接続部840の周囲に均一に分布してもよい。図4に示す実施例において、係合部846は、846a、846b、846c、及び846dを含んでもよい。
【0142】
幾つかの例において、接続部840は、略柱状、例えば四角柱状であってもよい。ただし、本実施形態例はこれに限定されず、他の実施例において、接続部840は、略三角柱状、六角柱状、円柱状、または半球状などであってもよい。また、貼付部860の受取部866は、接続部840を受け取るのに適するように、接続部840に合わせた形状に形成されていてもよい。
【0143】
図5は、本実施形態例に係る医療器具800の貼付部860を示す模式図である。幾つかの例において、貼付部860は、貼付筐体862と、接続部接合孔864と、受取部866とを含んでもよい(図5参照)。受取部866は、接続部840の輪郭に合わせた凹部として形成されてもよく、接続部840は受取部866(図3参照)に埋め込まれてもよい。
【0144】
幾つかの例において、貼付部860は、上面から下面まで貫通する孔864(図5参照)をさらに含んでもよく、センサ820が貼付部860に装着されると、センサ820の軸線が該孔を通過することができる(図2及び図3参照)。この場合、この孔864を通して穿刺部材260(後述)を皮下に刺すことで、センサ820を皮下に配置しやすくすることができる。
【0145】
幾つかの例において、接続部840が受取部866に嵌設される場合、貼付部860の接続部接合孔864と接続部840のセンサ接合孔842とは互いに連通することができる。すなわち、センサ820が接続部840に接続され、接続部840が貼付部860に埋設されると、センサ820のはめ込み部分の中心軸線がセンサ接合孔842及び接続部接合孔864(図2及び図3参照)を通過してもよい。
【0146】
幾つかの例において、センサ820は、貼付部860に取り外し可能に装着されるように配置されてもよい。この場合、医療器具800が収容部250に収容される前に、センサ820と貼付部860とを別々に封止することで、センサ820と貼付部860とを異なる方式で別々に滅菌しやすくすることができる。
【0147】
幾つかの例において、貼付部860は、接続部840を締め付けて装着することができる構造を含んでもよい。幾つかの例において、貼付部860は、係合溝868(図5参照)をさらに含んでもよい。係合溝868は、受取部866に設けられてもよい。幾つかの例において、係合溝868は、貼付筐体862の中心軸線にほぼ直交する方向に沿って受取部866の側壁に形成された凹部であってもよい。係合溝868の数は、接続部840の係合部846と同じであってよい。係合部846は、接続部840が貼付部860に嵌設されたときに、係合溝868と係合可能である。図5に示す実施例において、係合溝868は、係合溝868a、係合溝868b、係合溝868c、及び係合溝868dを含んでもよい。
【0148】
幾つかの例において、受取部866の底壁には、接続部840の電気接点844a、電気接点844b、電気接点844cにそれぞれ対応し、且つ電子装置880(後述)と連通する電気接点(図示せず)がさらに設けられる。これにより、センサ820は、接続部840の電気接点844及び貼付部860の電気接点を介して電子装置880と電気的に接続される。
【0149】
幾つかの例において、貼付部860は、宿主の体表に接着可能に配置される。幾つかの例において、貼付部860は、貼付筐体862に設けられた接着性を有する接着シート870(図2又は図3参照)をさらに含んでもよい。貼付部860は、接着シート870によって、宿主の体表に貼り付けて固定してもよい。幾つかの例において、接着シート870の接着面は、貼付筐体862の宿主に近い底面とほぼ等しくてもよい。他の例において、接着シート870の接着面は、貼付筐体862の宿主に近い底面よりやや大きくてもよい。
【0150】
幾つかの例において、貼付部860は、貼付筐体862の内部に設けられた電子装置880(後述)をさらに含んでもよい。電子装置880は、センサ820が生成したグルコース情報を受信することができる。幾つかの例において、電子装置880は、グルコース情報をさらに処理してもよい。他の例では、電子装置880は、受信したグルコース情報を外部装置、例えば、後述する読取装置900に伝送してもよい。また、電子装置880は、センサ820に電力を供給してもよい。
【0151】
図6Aは、本実施形態例に係る医療器具800の電子装置880を示すブロック図である。
【0152】
幾つかの例において、電子装置880は、電源モジュール882、スイッチモジュール884及び処理モジュール886(図6A参照)を含んでもよい。電源モジュール882は、センサ820及び/又は処理モジュール886に給電することができ、スイッチモジュール884は、電源モジュール882とセンサ820及び/又は処理モジュール886とのオン・オフを制御することができ、処理モジュール886は、センサ820が生成した信号(例えば、グルコース情報)を処理することができる。
【0153】
幾つかの例において、貼付部860は、開路に配置される初期モード及び閉路に配置される動作モードを有する。この場合、貼付部860が初期モードのときに開路に配置されることで、貼付部860が動作状態となるまでの消費電力を節約することができる。幾つかの例において、貼付部860が初期モードに配置される場合、スイッチモジュール884はオフの状態であってもよく、貼付部860が動作モードに配置される場合、スイッチモジュール884はオンの状態であってもよい。つまり、スイッチモジュール884により貼付部860を初期モードから動作モードに切り替えることができる。この場合、貼付部860を初期モードから動作モードに切り替えるようにスイッチモジュール884により制御することで、動作前の消費電力を効果的に低減できる。
【0154】
また、幾つかの例において、電子装置880は、記憶モジュール888(図6A参照)をさらに含んでもよい。記憶モジュール888は、センサ820が生成した信号を記憶することができる。また、幾つかの例において、電子装置880は、通信モジュール890(図6A参照)をさらに含んでもよい。通信モジュール890は、外部装置(例えば、スマート端末装置)と通信することができる。幾つかの例において、通信モジュール890は、Bluetoothモジュール、NFCモジュール、WIFIモジュールなどであってもよい。幾つかの例において、スマート端末デバイスは、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットコンピュータ、コンピュータなどであってもよい。
【0155】
幾つかの例において、電子装置880は、センサ820が生成したグルコース情報を受信した後、即時に外部装置に伝送することができる。これにより、外部装置が即時にグルコース情報を処理又は表示することが容易になる。他の例において、電子装置880は、センサ820が生成したグルコース情報を受信した後、まず記憶モジュール888に記憶し、その後、外部装置に定時的に伝送してもよい。これにより、即時伝送による消費電力を低減することができる。
【0156】
幾つかの例において、貼付部860は、磁気作用又は光作用を受けて初期モードから動作モードに励起されるように配置されてもよい。この場合、磁気作用や光作用等の非接触式部材によって貼付部860を初期モードから動作モードに励起することで、貼付部860の小型化に寄与することができる。
【0157】
幾つかの例において、スイッチモジュール884は、光学的に制御されるスイッチとして配置されてもよい。例えば、初期モードにおいて、スイッチモジュール884はオフの状態にあってもよく、スイッチモジュール884が光を受けると、スイッチモジュール884はオフの状態からオンの状態に活性化され、電源モジュール882と処理モジュール886とを連通させることにより、処理モジュール886に電力を供給する。
【0158】
他の例では、スイッチモジュール884は、磁気によって制御されるスイッチとして配置されてもよい。例えば、初期モードにおいてスイッチモジュール884はオフの状態にあってもよく、スイッチモジュール884が受けた磁気作用が変化すると、スイッチモジュール884はオフの状態からオンの状態に切り替えられることにより、貼付部860を初期モードから動作モードに励起する。図6Bは、本実施形態例に係る医療器具800の電子装置880を示す回路模式図である。以下、本実施形態例に係る磁気により制御されるように配置されたスイッチモジュール884について、図6Bを用いて詳細に説明する。
【0159】
幾つかの例において、スイッチモジュール884が磁性部材に近づく場合、スイッチモジュール884はオフ状態にあってもよく、スイッチモジュール884が磁性部材から離れる場合、スイッチモジュール884はオン状態に励起されてもよい。他の例では、スイッチモジュール884が磁性部材から離れる場合、スイッチモジュール884はオフ状態にあってもよく、スイッチモジュール884が磁性部材に近づく場合、スイッチモジュール884はオン状態に励起されてもよい。
【0160】
幾つかの例において、スイッチモジュール884は、ホールセンサ884a及びスイッチチップ884b(図6B参照)を有してもよい。幾つかの例において、初期モードの場合、スイッチチップ884bはオフ状態にあってもよく、ホールセンサ884aが磁気作用の変化を検知した場合、励起信号を生成してスイッチチップ884bをオフ状態からオン状態に励起することにより、電源モジュール882と処理モジュール886とを連通させることができる。また、幾つかの例において、処理モジュール886と電源モジュール882とが接続された後、処理モジュール886は、励起信号を生成してスイッチチップ884bに送信することで、スイッチチップ884bを閉状態に保持することもできる。
【0161】
幾つかの例において、投与装置1000(後述)は、磁石184を含んでもよい。医療器具800が宿主に投与されていない場合、医療器具800の電子装置880が磁石184に近づくため、電子装置880のスイッチモジュール884はオフ状態にあってもよい。医療器具800が宿主に投与されると、医療器具800の電子装置880が磁石184から離れるため、電子装置880のスイッチモジュール884はオン状態に励起されてもよい。
【0162】
具体的には、医療器具800が宿主に投与されていない場合、この時、電子装置880は初期モードにあってもよく、即ち、スイッチモジュール884のスイッチチップ884bはオフ状態にあってもよく、且つホールセンサ884aは投与装置1000の磁石184に近づいてもよい。医療器具800が宿主に投与されると、ホールセンサ884aは、投与装置1000に近い磁石184から磁石184と離れるように移動するため、ホールセンサ884aが感知した磁気作用が変化して励起信号を生成し、スイッチチップ884bは、ホールセンサ884aが生成した励起信号の作用でオン状態に励起され、電源モジュール882と処理モジュール886とを連通させる。また、幾つかの例において、電源モジュール882と処理モジュール886とが接続された後、処理モジュール886は、励起信号を生成してスイッチチップ884bに送信することにより、スイッチチップ884bをオン状態に保持することもできる。
【0163】
また、幾つかの例において、電子装置880の電源モジュール882は、センサ820に電力を供給するように配置されてもよい。幾つかの例において、電子装置880が初期モードにあるとき、電源モジュール882とセンサ820との間は遮断されてもよく、電子装置880が動作モードに励起されたとき(即ち、スイッチモジュール884がオン状態にあるとき)、電源モジュール882はセンサ820と連通して、センサ820に電力を供給してもよい。
【0164】
幾つかの例において、上述したように、貼付部860は、無線通信方式又は有線通信方式により外部装置と通信可能に配置されてもよい。この場合、貼付部860を外部装置と通信可能に構成することで、センサ820が取得した分析物情報をリアルタイム又は定時に読み取ることができる。幾つかの例において、外部装置は、読取装置900であってもよい。
【0165】
幾つかの例において、上述したように、医療器具800は読取装置900と通信可能に接続される。幾つかの例において、読取装置900は、通信機能を有するディスプレイであってもよい。幾つかの例において、読取装置900の通信機能は、無線通信方式又は有線通信方式で実現されてもよい。無線通信方式は、Bluetooth(登録商標)、NFC、WIFIなどであってもよい。有線通信方式は、USB、光ファイバなどであってもよい。
【0166】
他の例では、読取装置900は、医療器具800にマッチングするアプリケーションプログラムがインストールされたスマート端末であってもよい。スマート端末は、ノートパソコン、タブレットパソコン、スマートフォンなどであってもよい。
【0167】
以上のように、本実施形態に係る医療器具800は、投与装置1000によって宿主に投与されてもよい。以下、本実施形態に係る投与装置1000について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0168】
図7Aは、本実施形態例に係る投与装置1000の第1視点を示す全体外観模式図であり、図7Bは、本実施形態例に係る投与装置1000の第2視点を示す全体外観模式図であり、図7Cは、本実施形態例に係る投与装置1000を示す分解模式図である。図7A図7B図7Cにおいて、線CAは、投与装置1000の中心軸線を模式的に示す。
【0169】
本実施形態において、投与装置1000は、移動空間を提供可能な筐体10と、筐体10の移動空間内を移動可能に構成された補助機構20とを含んでもよい(図7A図7B及び図7C参照)。筐体10は、操作時に宿主に近づく近位端と、宿主から離れる遠位端とを有してもよい。補助機構20は、筐体10に解放可能に保持され、医療器具800を収容可能である。補助機構20は、解放時に筐体10に対して移動可能に配置されており、宿主に向けて駆動されることにより、医療器具800を宿主に投与することができる。本明細書において、「近位端」は、操作時に宿主に近い一端として理解することができ、「遠位端」は、操作時に宿主に遠い一端として理解することができる。
【0170】
幾つかの例において、筐体10は移動空間を有してもよく、補助機構20は筐体10に解放可能に保持されてもよい。幾つかの例において、補助機構20が解放されると、筐体10の移動空間内で移動することができる。また、幾つかの例において、筐体10は、医療器具800の宿主の体表への貼り付け位置を限定してもよい。
【0171】
幾つかの例において、筐体10は、第1筐体100及び第2筐体140を含んでもよい。第1筐体100と第2筐体140とが装着結合されると、移動空間が形成される。第1筐体100は、補助機構20を解放可能に保持することができる。第2筐体140は、医療器具800の宿主の体表への貼り付け位置を限定し、補助機構20の移動経路を限定することができる。補助機構20は、第1筐体100により解放された後、第2筐体140によって限定された移動経路に沿って第2筐体140に対して移動し、医療器具800を第2筐体140によって限定された貼り付け位置に投与することができる。本実施形態において、第1筐体100の軸線及び第2筐体140の軸線は、投与装置1000の中心軸線CAとほぼ平行であってもよい。
【0172】
幾つかの例において、補助機構20は、運動本体200、収容部250及び穿刺部材260を含んでもよい(図7C参照)。運動本体200は、第1筐体100に解放可能に保持されており、運動本体200は、解放時に第2筐体140によって限定された移動経路に沿って移動可能に構成されていてもよい。収容部250は、運動本体200に設けられ、医療器具800を受け入れて収容可能に配置されてもよく、収容部250は、第2筐体140によって限定された貼り付け位置に向かって駆動されてもよい。穿刺部材260は、収容部250を通過するように運動本体200に設けられてもよい。運動本体200は解放された後、筐体10の近位端に向かって移動することができ、収容部250及び穿刺部材260も筐体10の近位端に向かって移動することにより、収容部250内に収容された医療器具800を宿主に投与する。幾つかの例において、穿刺部材260は、医療器具800を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置するように、宿主の皮下に刺入することができる。
【0173】
また、幾つかの例において、投与装置1000は、第1駆動機構30(図7C参照)をさらに含んでもよい。第1駆動機構30は、近位端に向かうように運動本体200に作用を与えるように配置されてもよい。運動本体200が解放されると、運動本体200は、第1駆動機構30によって近位端に向かって駆動されて、収容部250内に収容された医療器具800を宿主に向かって押し、例えば、第2筐体140によって限定された貼り付け位置に押すことができる。また、穿刺部材260により、医療器具800を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置することができる。
【0174】
別の例では、投与装置1000は、第1駆動機構30を含まなくてもよい。この場合、運動本体200が解放されると、運動本体200は手動で駆動されて近位端に向かって移動してもよい。
【0175】
また、幾つかの例において、穿刺部材260は、運動本体200に解放可能に設けられてもよく、穿刺部材260は、解放されると収容部250に対して移動可能に配置されてもよい。例えば、穿刺部材260が解放されると、収容部250に対して宿主から離れる方向に移動してもよい。
【0176】
また、幾つかの例において、投与装置1000は、第2駆動機構40(図7C参照)をさらに含んでもよい。第2駆動機構40は、遠位端に向かうように穿刺部材260に作用を与えるように配置されてもよい。穿刺部材260が解放されると、穿刺部材260が第2駆動機構40によって遠位端に向けて駆動され、穿刺部材260が宿主から離れる。
【0177】
別の例では、投与装置1000は、第2駆動機構40を含まなくてもよい。この場合、穿刺部材260を宿主から遠ざけるように手動で駆動してもよい。例えば、幾つかの例において、穿刺部材260は、運動本体200と一体的に接続されてもよく、運動本体200を宿主から離れる方向に手動で移動させることにより、穿刺部材260を宿主から離間させる。
【0178】
幾つかの例において、上述したように、筐体10は、第1筐体100を含んでもよい(図7A図7B又は図7C参照)。幾つかの例において、第1筐体100は、周面部110と端部120とを含むことができる(図7C参照)。
【0179】
図8Aは、本実施形態例に係る第1筐体100の周面部110を示す斜視模式図であり、図8Bは、本実施形態例に係る第1筐体100の端部120を示す斜視模式図である。幾つかの例において、周面部110は、中空であり且つ投与装置1000の中心軸線CAに沿って上下に貫通する筒状筐体として形成されてもよく(図8A参照)、端部120は、筐体10の遠位端に近づくように周面部110に設けられてもよい。幾つかの例において、中心軸線CAは、端部120の幾何学的中心を通ってもよい。
【0180】
幾つかの例において、第1筐体100の内壁に1つ以上のリブ状突起が設けられてもよく、第2筐体140の外壁に1つ以上のリブ状溝が設けられてもよい。幾つかの例において、第2筐体140が第1筐体100に装着されるとき、第1筐体100の1つ以上のリブ状突起は、第2筐体140の1つ以上のリブ状溝にそれぞれ嵌め込まれてもよい。この場合、リブ状突起とリブ状溝とのフィットにより、第1筐体100と第2筐体140とを容易に装着することができる。
【0181】
幾つかの例において、周面部110の内壁には、中心軸線CAの方向にほぼ沿って延びる周面部リブ112(図8A参照)が設けられてもよい。幾つかの例において、周面部リブ112の数は複数であってもよく、例えば2つ、3つ、又は4つである。図8Aに示す実施例では、周面部リブ112の数は4つであり、周面部リブ112は、周面部リブ112a、周面部リブ112b、周面部リブ112c、及び周面部リブ112dを含んでもよい。幾つかの例において、周面部リブ112は、補強リブとして、周面部110の耐変形能力を効果的に向上させることができる。幾つかの例において、周面部リブ112は、第1筐体100と第2筐体140との装着を容易にするためのガイドリブとしても機能する(後述)。
【0182】
幾つかの例において、周面部110の内壁には、中心軸線CAにほぼ平行な接続柱114(図8A参照)がさらに設けられてもよい。幾つかの例において、接続柱114の数は複数であってもよく、例えば2つ、3つ、又は4つである。図8Aに示す実施例において、接続柱114の数は3であり、接続柱114は、接続柱114a、接続柱114b、及び接続柱114cを含んでもよい。幾つかの例において、接続柱114の投与装置1000の近位端に近い一端は、ホット型柱端であってもよく、即ち、加熱により溶融状態を示し、続いて冷却により凝固することができる。この場合、連結柱114は、第2筐体140に設けられた孔とフィットして、第2筐体140に装着結合されてもよい(後述)。
【0183】
幾つかの例において、端部120は、略円柱状の端部本体121(図8B参照)を含んでもよい。
【0184】
幾つかの例において、第1筐体100は、第1保持部130を含んでもよい。幾つかの例において、第1保持部130は、補助機構20を解放可能に保持するように配置されてもよい。幾つかの例において、第1保持部130は、端部120(図8B参照)に設けられてもよい。幾つかの例において、第1保持部130は、端部本体121から投与装置1000の近位端に向かうように中心軸線CAに沿って延びてもよい。この場合、補助機構20が端部120に保持されている時に、補助機構20が周面部110の中空部内に位置し、補助機構20が解放されたときに、補助機構20が周面部110の軸線方向にほぼ沿って移動してもよい。すなわち、補助機構20が解放されると、補助機構20は、中心軸線CAにほぼ沿って移動可能となる。
【0185】
幾つかの例において、第1保持部130は、スナップフィット、フック、ラッチ、またはピンの少なくとも1つの構造によって、被保持部材(例えば、後述する移動本体200の第1錠止部236)に解放可能にインターロックすることができる。この場合、第1保持部130と第1錠止部236とは、スナップフィット、フック、ラッチ及びピンの少なくとも1つの構造によって解放可能にインターロックすることにより、解放しやすいインターロック手段を提供することができる。
【0186】
幾つかの例において、第1保持部130の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1、2、3、4である。図8Bに示す実施例において、第1保持部130の数は2であってもよく、第1保持部130は第1保持部130aと第1保持部130bを含んでもよい。第1保持部130aと第1保持部130bとは、中心軸線CAを挟んで対向する両側に等間隔に配置されてもよい(図8B参照)。
【0187】
幾つかの例において、第1保持部130は遠位端に面する表面を有してもよく、第1錠止部236は近位端に面する表面を有してもよく、移動本体200が保持されている時に、第1保持部130の遠位端に面する表面と第1錠止部236の近位端に面する表面とは互いに接合してもよい。幾つかの例において、移動本体200が解放されると、第1保持部130の遠位端に面する表面と第1錠止部236の近位端に面する表面とは互いに離間してもよい。
【0188】
幾つかの例において、第1保持部130の少なくとも一部は、L字状又はフック状であってもよい。これにより、スナップフィット等の構造を容易に形成して第1錠止部236とインターロックすることができる。
【0189】
幾つかの例において、第1保持部130は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って延びるアーム132と、アーム132に連動し、中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って中心軸線CAに向かって突出する突起134とを含んでもよい(図8B参照)。幾つかの例において、第1保持部130のアーム132は、端部本体121から外側に延びてもよい。この場合、第1保持部130の突起134が第1錠止部236に当接するときに、突起134を駆動させるようにアーム132を駆動させることにより、第1保持部130は第1錠止部236を容易に解放することができる。
【0190】
また、幾つかの例において、第1保持部130のアーム132には、中心軸線CAにほぼ沿った溝(図示せず)が設けられてもよい。幾つかの例において、当該溝は中心軸線CAに面してもよい。この場合、後述する第1トリガー機構50の駆動部504は、当該溝に沿って移動し、第1保持部130のアーム132を駆動させることができる。
【0191】
幾つかの例において、第1保持部130のアーム132は弾性を有してもよい。幾つかの例において、第1保持部130のアーム132は、中心軸線CAにほぼ直交する方向に弾性を有してもよい。幾つかの例において、第1保持部130のアーム132は、遠位端から近位端への方向に沿って中心軸線CAに向かって収縮しようとしてもよい。つまり、自然状態(即ち、外力を受けていない状態)において、アーム132の近位端に近い一端とアーム132の遠位端に近い一端との両者を比較すると、アーム132の近位端に近い一端は、中心軸線CAとの距離がより近い。他の例では、アーム132は、中心軸線CAとほぼ平行であってもよい。幾つかの例において、アーム132に中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って作用を与えると、アーム132が枢動し得る。例えば、中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って中心軸線CAから離れるようにアーム132に作用を与える場合、アーム132は、アーム132の近位端に近い一端が中心軸線CAから離れる方向に移動するように枢動してもよい。これにより、簡単な操作で被保持部材を解放することができる。
【0192】
幾つかの例において、第1保持部130のアーム132は、遠位端から近位端への方向に沿って中心軸線CAに向かって近づくことができ、第1保持部130の突起134は、中心軸線CAに向かって突出することができる。この場合、第1保持部130の全体を内側(中心軸線CAに近い側)に集めることによって第1錠止部236を保持することができ、第1保持部130を外側(中心軸線CAから離れる側)に駆動することによって第1錠止部236を解放することができ、これにより、第1錠止部236の保持及び解放を容易に行うことができる。
【0193】
他の例では、第1保持部130のアーム132は、遠位端から近位端への方向に沿って中心軸線CAに背いて離れることができ、第1保持部130の突起134は、中心軸線CAに背いて突出することができる。この場合、第1保持部130全体を外側に分散させることで第1錠止部236を外側(中心軸線CAから離れる側)に保持することができ、第1保持部130を内側(中心軸線CAに近づく側)に駆動させることで第1錠止部236を解放することができ、これにより、第1錠止部236の保持及び解放を容易に行うことができる。
【0194】
しかし、本実施形態例はこれに限定されず、第1保持部130は、スナップフィット、フック、ラッチ、又はピン等の構造を形成して被保持部材を保持し、スナップフィット、フック、ラッチ、又はピンを元の位置から離間させることにより被保持部材を解放するという発想に基づき、第1保持部130のアーム132と第1保持部130の突起134は、スナップフィットを形成できる場合、他の方向に向かって近づく又は突出してもよい。
【0195】
幾つかの例において、第1保持部130の突起134は、遠位端に面する表面を有してもよい。幾つかの例において、突起134の遠位端に面する表面は、中心軸線CAにほぼ直交してもよい。被保持部材(例えば、後述する運動本体200の第1錠止部236)は、突起134の遠位端に面する表面に搭載/当接することにより、近位端に向かって移動しないように保持されてもよい。第1保持部130のアーム132が、突起134の遠位端に面する表面が元の位置から離れるように、すなわち被保持部材に当接しなくなるように駆動されるとき、被保持部材は解放される。
【0196】
つまり、第1保持部130は、第1筐体100(例えば、第1筐体100の端部120)に形成されたスナップフィット、フック、ラッチ、又はピン等の構造であってもよい。例えば、第1保持部130は、指状、一字状、L字状、J字状、Z字状等の少なくとも2つの部分に分解可能な構造に形成され、その少なくとも一部(例えば、第1筐体100に接続されたアーム)が枢動可能であり、他の一部(例えば、アームから外側に突出して被保持部材に当接する突起)が枢動に伴って初期位置から離れることにより、被保持部材に対するフック、バックル、ラッチ、支持、サポート等を解放することができる。
【0197】
図9Aは、本実施形態例に係る第1保持部130と、運動本体200と、第1駆動機構30とを示す分解模式図であり、図9Bは、本実施形態例に係る運動本体200が保持されている場合の断面模式図であり、図9Cは、本実施形態例に係る運動本体200が解放された場合の断面模式図である。なお、図9B及び図9Cでは、主に第1保持部130による運動本体200の保持及び解放を示し、第1駆動機構30及び他の部材を示していない。
【0198】
幾つかの例において、上述したように、補助機構20は、運動本体200と、運動本体200に設けられた収容部250とを含んでもよい。運動本体200は、第1筐体100に対して解放可能に保持されている。幾つかの例において、移動本体200は、第1保持部130によって解放可能に保持されてもよい。運動本体200が解放された後、近位端に向かって駆動されて、収容部250内に収容されている医療器具800を宿主に向かって押すことができる。
【0199】
幾つかの例において、運動本体200と第1筐体100との間に第1駆動部30が設けられてもよい(図9A参照)。第1駆動部30は、近位端に向かうように運動本体200に作用を与えることができる。運動本体200が解放された後、第1駆動部30によって近位端に向かって駆動されて、収容部250内に収容されている医療器具800を宿主に向かって押すことができる。
【0200】
他の例では、上記のように、投与装置1000は、第1駆動部30を含まなくてもよい。この場合、運動本体200が解放された後、運動本体200は、人力によって宿主に向かって押し出され、収容部250内に収容されている医療器具800を宿主に向かって押し出すこともできる。
【0201】
幾つかの例において、運動本体200は、第1底部210、第2底部220、及び、第1底部210と第2底部220とを接続する側壁230(図9A参照)を含んでもよい。第1底部210は遠位端に近く、第2底部220は近位端に近く、収容部250は第2底部220に設けられてもよい。
【0202】
幾つかの例において、第1底部210、第2底部220と側壁230との間に中空部が形成されてもよい。幾つかの例において、穿刺部材260は、運動本体200の中空部内に解放可能に設けられてもよい。幾つかの例において、穿刺部材260が解放されると、運動本体200の中空部に沿って移動することができる。この場合、第1底部210、第2底部220、及び側壁230によって中空部を形成し、第2底部220に収容部250を設け、中空部に穿刺部材260を設けることで、穿刺部材260が解放される際の収容部250に対する移動を容易にすることができる。これにより、医療器具800が宿主に投与されると、穿刺部材260が解放されて収容部250に対して移動し、穿刺部材260を宿主から離すことができる。
【0203】
他の例では、穿刺部材260は、運動本体200に固定して設けられてもよい。この場合、医療器具800が宿主に投与された後、人力によって運動本体200全体が宿主から離れることができ、これによって穿刺部材260も宿主から離れることができる。
【0204】
幾つかの例において、第1駆動機構30は、第1底部210と第1筐体100との間に設けられてもよい。幾つかの例において、第1底部210には、第1駆動機構30を位置決めするための位置決め部212(図9A参照)が設けられてもよい。この場合、位置決め部212によって、第1駆動機構30が運動本体200に作用する位置をより安定的に限定することができる。
【0205】
幾つかの例において、第1底部210の位置決め部212は、第1底部210から中心軸線CAに沿って遠位端に向かって突出する柱状突起であってもよい(図9A参照)。幾つかの例において、位置決め部212は円柱状であってもよい。幾つかの例において、位置決め部212は中実の円柱状であってもよく、第1駆動機構30は位置決め部212の外周に外嵌されてもよい。別の例では、位置決め部212は中空円柱状であってもよく、第1駆動機構30は位置決め部212の外周に外嵌されてもよく、位置決め部212の内周に嵌設されてもよい。
【0206】
幾つかの例において、第1駆動機構30は、エネルギー貯蔵状態とエネルギー放出状態とを有してもよく、第1駆動機構30がエネルギー貯蔵状態からエネルギー放出状態に切り替えられると、第1駆動機構30は、エネルギーを放出し、且つ近位端に向かうように運動本体200に作用を与えることができる。運動本体200が保持される場合、第1駆動機構30はエネルギー貯蔵状態で運動本体200と第1筐体100との間に存在することができ、運動本体200が解放される場合、第1駆動機構30はエネルギー貯蔵状態からエネルギー放出状態に切り替えられ、近位端に向かうように運動本体200に作用を与えることができる。
【0207】
幾つかの例において、第1駆動機構30は、圧縮状態と伸張状態とを有してもよく、第1駆動機構30が圧縮状態から伸張状態に切り替えられると、第1駆動機構30は、エネルギーを放出してもよい。幾つかの例において、第1駆動機構30は、圧縮可能な弾性部材であってもよい。幾つかの例において、第1駆動機構30はバネであってもよい。幾つかの例において、第1駆動機構30の一端は、第1底部210の位置決め部212に外嵌されてもよい。
【0208】
一部の例示では、端部120は、位置決め部122(図8B参照)を有してもよい。幾つかの例において、位置決め部122は円柱状であってもよい。この場合、第1駆動機構30の他端は、位置決め部122に外嵌されてもよい。幾つかの例において、位置決め部122は、中空の円柱状であってもよい。この場合、第1駆動機構30の他端は、位置決め部122に外嵌又は嵌設されてもよい。幾つかの例において、位置決め部122は、少なくとも2段の弧状柱で構成されてもよく、例えば、図8Bに示す実施例では、位置決め部122は、弧状柱122aと弧状柱122bとを含んでもよい。この場合、第1駆動機構30の他端は、弧状柱122aと弧状柱122bとの間に嵌設されてもよい。
【0209】
なお、本実施形態の投与装置1000は、これに限定されない。幾つかの例において、投与装置1000は、第1駆動機構30を含まなくてもよい。この場合、運動本体200が解放されると、手動で運動本体200に作用を加えることによって運動本体200を近位端に向かって移動させることもできる。
【0210】
幾つかの例において、移動本体200は、第1保持部130と解放可能にインターロックするように配置された第1錠止部236を含んでもよい。これにより、運動本体200は、第1錠止部236と第1保持部130とのフィットによって第1保持部130に解放可能に保持される。
【0211】
幾つかの例において、第1錠止部236は、運動本体200の側壁230に設けられてもよい。即ち、運動本体200の側壁230に第1錠止部236が設けられていてもよい(図9A参照)。第1錠止部236は、第1保持部130とフィットして運動本体200を第1筐体100に保持することができる。
【0212】
幾つかの例において、第1錠止部236の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1、2、3、4である。幾つかの例において、第1錠止部236の数と第1保持部130の数とは同じであってもよい。図9Aに示す実施例において、第1錠止部236の数は2であり、第1錠止部236は第1錠止部236aと第1錠止部236bを含んでもよい。
【0213】
幾つかの例において、第1錠止部236はスナップフィット構造として形成されてもよい。具体的には、第1錠止部236は、近位端に面する表面を有してもよく、第1保持部130は、この表面に搭載、当接又は接合することにより運動本体200を保持し、第1保持部130がこの表面から離れることにより運動本体200を解放することができる。つまり、第1保持部130と第1錠止部236とはインターロックの構造に形成されてもよく、中心軸線CAに沿う方向において、第1保持部130と第1錠止部236との投影は重なり部分を有し、第1保持部130は、当該重なり部分によって第1錠止部236を保持し、第1保持部130及び/又は第1錠止部236は、当該重なり部分を解消するように相手と背向することで、第1保持部130が第1錠止部236を解放する。幾つかの例において、第1保持部130及び/又は第1錠止部236は、相手と背向するように駆動されることにより、第1錠止部236が第1保持部130により解放される。
【0214】
幾つかの例において、第1錠止部236は、近位端から遠位端への方向において、中心軸線CAにほぼ平行して離れるか、又は中心軸線CAに背いて離れていてもよい。この場合、第1錠止部236は、第1保持部130よりも中心軸線CAに近くてもよく、これにより、内側に集める第1保持部130とフィットしてインターロックしやすくなる。
【0215】
他の例では、第1錠止部236は、近位端から遠位端への方向において、中心軸線CAにほぼ平行して近づくか、中心軸線CAに向かって近づいてもよい。この場合、第1錠止部236は、第1保持部130よりも中心軸線CAから離れることができ、これにより、外側に分散する第1保持部130とフィットしてインターロックしやすくなる。
【0216】
幾つかの例において、第1錠止部236は、例えば、側壁230の外面から中心軸線CAに向かって凹むように形成されてもよい。幾つかの例において、第1錠止部236は、中空構造、例えば、中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って側壁230を貫通する貫通孔として形成されてもよい。幾つかの例において、第1錠止部236は、第1底部210の周縁が中心軸線CAに直交する方向に沿って側壁230から突出するように形成されてもよく、この場合、第1底部210と側壁230とは固定接続されてもよい。他の例では、第1錠止部236は、逆のフック状又はL字状であってもよい。
【0217】
本実施形態例はこれに限定されず、上述したように、本発明の発想は、第1保持部130と第1錠止部236とによりスナップフィット、フック、ラッチ、又はピンなどの構造を形成してインターロックさせることであり、この場合、第1錠止部236は、投与装置1000の近位端に面する表面を有し、第1錠止部236の近位端に面する表面と第1保持部130の遠位端に面する表面とを互いに接合させることにより、第1保持部130が第1錠止部236を保持し、第1錠止部236の近位端に面する表面と第1保持部130の遠位端に面する表面とを互いに離間させることにより、第1保持部130が第1錠止部236を解放する。
【0218】
図9B及び図9Cを参照すると、図9B及び図9Cに示す実施例において、第1保持部130はL字状に形成され、第1錠止部236は側壁230に設けられた中空構造に形成されてもよい。運動本体200が保持されると、即ち図9Bに示すように、第1保持部130の突起134が第1錠止部236の中空構造内に位置することにより、運動本体200を支持して運動本体200を保持する。運動本体200が解放されると、即ち、図9Cに示すように、第1保持部130のアーム132が中心軸線CAから離れる方向に向かって枢動し、突起134を中心軸線CAから離れるように移動させ、突起134が第1錠止部236の中空構造から離れることで、運動本体200が解放され、第1駆動機構30の作用で、運動本体200が近位端に向かって移動する。
【0219】
また、図9B及び図9Cを参照すると、図9B及び図9Cに示される実施例において、第1保持部130のアーム132は、遠位端から近位端に至る方向において、中心軸線CAに向かって近づいてもよい。この場合、中心軸線CAの方向に沿って第1保持部130のアーム132を駆動させることにより、アーム132を枢動させ、突起134を中心軸線CAから離れるように移動させ、突起134が第1錠止部236の中空構造から離れることにより、運動本体200が解放される。
【0220】
また、幾つかの例において、投与装置1000は、第1保持部130を第1錠止部236から分離させて移動本体200を解放するように配置されている第1トリガー機構50(図7C参照)をさらに含んでもよい。これにより、第1トリガー機構50によって運動本体200を容易に解放することができる。
【0221】
幾つかの例において、投与装置1000は、第1トリガー機構50(図7C参照)をさらに含んでもよい。第1トリガー機構50は、第1保持部130をトリガーして、運動本体200が第1保持部130によって解放されるように配置されている。幾つかの例において、第1トリガー機構50は、互いに離れるように第1保持部130及び/又は第1錠止部236を駆動させて運動本体200を解放するように配置されてもよい。例えば、第1トリガー機構50は、第1保持部130を中心軸線CAから離れるように駆動させて第1錠止部236の保持を解除することにより、運動本体200が解放されるように配置されてもよい。つまり、第1トリガー機構50は、第1保持部130及び/又は第1錠止部236を駆動させて、両者を互いに離間させて第1錠止部236を解放させるように配置されてもよい。
【0222】
図10Aは、本実施形態例に係る第1筐体100の端部120と第1トリガー機構50とを示す分解模式図であり、図10Bは、本実施形態例に係る第1筐体100の端部120の第2視点を示す斜視模式図であり、図10Cは、本実施形態例に係る第1筐体100の端部120を示す底面模式図であり、図10Dは、本実施形態例に係る第1筐体100の端部120を示す平面模式図であり、図10Eは、本実施形態例に係る第1トリガー機構50を示す斜視模式図であり、図10Fは、本実施形態例に係る第1トリガー機構50を示す底面模式図であり、図10Gは、本実施形態例に係る第1トリガー機構50と端部120との装着前を示す断面模式図であり、図10Hは、本実施形態例に係る第1トリガー機構50と端部120との装着後を示す断面模式図である、
【0223】
幾つかの例において、第1トリガー機構50は、押圧部502と、駆動部504と、装着部506とを含むことができる(図10A参照)。第1トリガー機構50は、装着部506によって端部120に装着されてもよい。押圧部502に作用を加えることにより、駆動部504が第1保持部130を駆動させ、第1保持部130が運動本体200の保持を解除して運動本体200が解放される。幾つかの例において、押圧部502は略円盤状であってもよい。
【0224】
幾つかの例において、第1トリガー機構50の駆動部504は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って延びてもよい。幾つかの例において、第1トリガー機構50は、中心軸線CAの方向に沿って移動可能に配置される。この場合、第1トリガー機構50の駆動部504を投与装置1000の中心軸線CAに沿って駆動することにより、第1保持部130を第1錠止部236から離間させるように簡単な操作で駆動させることができる。
【0225】
幾つかの例において、中心軸線CAに沿う方向に投影する際に、第1トリガー部50の駆動部504は、第1保持部130と少なくとも部分的に重なってもよく(例えば、第1保持部130のアーム132と少なくとも部分的に重なってもよく)、第1トリガー部50が中心軸線CAに沿う方向に沿って移動すると、第1保持部130は、第1錠止部236から離れるように駆動されてもよい。これにより、簡単な操作で第1保持部130に第1錠止部236を解放させることができる。
【0226】
他の例では、中心軸線CAに沿う方向に投影する際に、第1トリガー部50の駆動部504と第1錠止部236とは少なくとも部分的に重なってもよく、第1トリガー部50が中心軸線CAの方向に沿って移動すると、第1錠止部236が駆動されて第1保持部130から離れることができる。これにより、簡単な操作で第1錠止部236を解放することができる。
【0227】
幾つかの例において、装着部506の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1、2、3、4である。図10Eに示される実施例において、装着部506は、装着部506a及び装着部506bであってもよい。幾つかの例において、複数の装着部506は、中心軸線CAの外周に対称に分布してもよい。図10Eに示される実施例では、装着部506aと装着部506bとは、中心軸線CAの両側に対称に分布される。幾つかの例において、装着部506は、押圧部502の周縁に形成されてもよい。
【0228】
幾つかの例において、装着部506は、押圧部502から中心軸線CAにほぼ沿って近位端に向かって延びてもよい。幾つかの例において、装着部506は、中心軸線CAの方向にほぼ沿ったアーム512と、アーム512から中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って中心軸線CAに向かって突出する突起514とを有してもよい(図10E参照)。幾つかの例において、装着部506のアーム512は、押圧部502から中心軸線CAにほぼ沿って近位端に向かって延びてもよい。
【0229】
幾つかの例において、装着部506のアーム512は弾性を有してもよい。幾つかの例において、装着部506のアーム512は、遠位端から近位端への方向において中心軸線CAに向かって収縮しようとしてもよい。つまり、自然状態(即ち、外力を受けていない状態)において、アーム512の近位端に近い一端とアーム512の遠位端に近い一端との両方を比較すると、アーム512の近位端に近い一端は、中心軸線CAとの距離がより近い。他の例では、アーム512は、中心軸線CAとほぼ平行であってもよい。幾つかの例において、中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿ってアーム512に作用を与えると、アーム512が枢動し得る。例えば、中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って中心軸線CAに向かうようにアーム512に作用を与える場合、アーム512は、アーム512の近位端に近い一端が中心軸線CAから離れる方向に移動するように枢動してもよい。
【0230】
幾つかの例において、装着部506の突起514は、遠位端に面する表面を有してもよい。幾つかの例において、突起514の遠位端に面する表面は、中心軸線CAにほぼ直交してもよい。装着部506とフィットする部材(例えば、次に説明する端部120の偏倚部124及び接合部126)は、突起514の遠位端に面する表面に搭載/当接することにより、装着部506と装着結合することができる。
【0231】
つまり、装着部506は、第1トリガー機構50に形成されたスナップフィットやラッチ構造であってもよい。例えば、装着部506は、指状、一字状、L字状、J字状、Z字状等の少なくとも2つの部分に分解可能な構造に形成されてもよく、その少なくとも一部(例えば、押圧部502に接続されたアーム512)が枢動可能であり、他の一部(例えば、アーム512から外方に突出して装着結合部材に当接する突起514)が枢動に伴って装着結合部材(例えば、次に説明する端部120の偏倚部124及び接合部126)に装着結合されてもよく、例えば、フック、バックル、ラッチ、支持、サポート等である。
【0232】
幾つかの例において、端部120は、偏倚部124及び接合部126を含んでもよい(図10B及び図10C参照)。幾つかの例において、偏倚部124と接合部126との間に空隙があってもよい。この場合、装着部506は、偏倚部124と接合部126との空隙を介して装着位置に進入することができる。幾つかの例において、端部120の偏倚部124及び接合部126の数は、複数であってもよく、例えば、1、2、3、又は4である。幾つかの例において、端部120の偏倚部124の数、及び接合部126の数は、装着部506の数と同じであってもよい。図10B及び図10Cに示す実施例において、偏倚部124は、偏倚部124a及び偏倚部124bであってもよく、接合部126は、126a及び126bであってもよい。
【0233】
幾つかの例において、偏倚部124と中心軸線CAとの距離は、接合部126と中心軸線CAとの距離よりも大きいであってもよい。幾つかの例において、中心軸線CAに沿って近位端に向かう方向において、偏倚部124は中心軸線CAに徐々に近づいてもよい。幾つかの例において、中心軸線CAに沿う方向に投影したときに、偏倚部124の近位端に近い一端は、接合部126に接していてもよく、わずかに重なっていてもよい。
【0234】
次に、図10G及び図10Hを参照して、装着部506と偏倚部124及び接合部126との装着結合について更に説明する。装着結合前において、装着部506aの突起と装着部506bの突起との間の距離は、中心軸線CAにほぼ直交する方向において、接合部126aと接合部126bとの間の距離よりも僅かに小さくてもよいし、ほぼ等しくてもよい(図10G参照)。装着結合後、即ち、中心軸線CAに沿って近位端に向かって装着部506を移動させ、装着部506は、偏倚部124と接合部126との間の空隙を通過することができ、装着部506のアーム512は、偏倚部124によって中心軸線CAに向かうように押圧されることにより、装着部506aの突起と装着部506bの突起との間の距離が徐々に縮小し、接合部126aと接合部126bとの間の距離よりも小さくなる。この場合、偏倚部124の押圧作用で、装着部506の突出部514の遠位端に面する表面を接合部126に接合させることができるため、装着部506を接合部126にインターロックさせて第1トリガー機構50を端部120に装着結合させることができる(図10H参照)。
【0235】
つまり、第1トリガー機構50と端部120とは、一種のスナップフィット、ラッチなどの構造によって装着結合されることができる。
【0236】
また、幾つかの例において、第1トリガー機構50は、リブ溝507をさらに有してもよい。端部120は、端部リブ128を有してもよい。幾つかの例において、リブ溝507の深さは、端部リブ128の厚さとほぼ同じであってもよく、リブ溝507の幅は、端部リブ128の幅とほぼ同じであってもよい。この場合、リブ溝507と端部リブ128とのフィットにより、装着過程にガイド作用を提供することができる。また、リブ溝507と端部リブ128とのフィットにより、端部120に装着された第1トリガー機構50の意図しない回転を効果的に抑止することもできる。
【0237】
幾つかの例において、リブ溝507及び端部リブ128は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って延びてもよい。幾つかの例において、リブ溝507の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1、2、3、4である。例えば、図10E及び図10Fに示す実施例において、リブ溝507は、リブ溝507a、リブ溝507b、リブ溝507c、及びリブ溝507dであってもよい。これに応じて、端部リブ128の数は、1つ又は複数であってもよく、リブ溝507の数と同じであってもよい。図10Bに示す実施例において、端部リブ128は、端部リブ128a、端部リブ128b、端部リブ128c、及び端部リブ128dであってもよい。
【0238】
図10Iは、本実施形態例に係る第1保持部130が第1トリガー機構50によりトリガーされる前を示す断面模式図であり、図10Jは、本実施形態例に係る第1保持部130が第1トリガー機構50によりトリガーされた後を示す断面模式図である。なお、図10I及び図10Jには、第1トリガー機構50による第1保持部130のトリガが主に示されている。
【0239】
幾つかの例において、上述したように、第1トリガー機構50の駆動部504は、第1保持部130を駆動させて、第1保持部130による運動本体200の保持を解放させ、運動本体200を解放させることができる。
【0240】
幾つかの例において、駆動部504は、押圧部502から中心軸線CAにほぼ沿って近位端に向かって延びる柱状構造として形成されてもよい(図10E参照)。幾つかの例において、駆動部504の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1、2、3、4である。幾つかの例において、駆動部504の数は、第1保持部130の数と同じであってもよい。図10Eに示される実施形態において、駆動部504は、駆動部504aおよび駆動部504bを含んでもよい。
【0241】
幾つかの例において、端部120には、中心軸線CAにほぼ沿う方向において、第1保持部130に対応する貫通構造が形成されている(図10B図10C又は図10D参照)。幾つかの例において、中心軸線CAに沿う方向に投影し、当該貫通構造の投影面は、駆動部504の投影面を覆うことができる。
【0242】
以下、図10I及び図10Jを参照して、駆動部504による第1保持部130のトリガーについて詳細に説明する。上述したように、第1保持部130は、中心軸線CAに沿って近位端に向かう方向において中心軸線CAに向かって徐々に集められる。駆動部504は、第1保持部130を駆動させて、第1保持部130の近位端に近い一端を中心軸線CAから離れるように移動させて、運動本体200の保持を解除するように配置されている。幾つかの例において、中心軸線CAにほぼ直交する方向において、駆動部504aと駆動部504bとの間の距離は、第1保持部130aと第1保持部130bとの間の距離よりも若干大きくてもよい。
【0243】
駆動部504が第1保持部130を駆動させる前に、第1保持部130aと第1保持部130bの近位端に近い一端とが互いに集められ、第1錠止部236とインターロックして運動本体200を保持する(図10I参照)。駆動部504が第1保持部130を駆動させると(例えば、近位端に向かう方向に押圧部502を押圧することにより)、駆動部504の駆動作用で、第1保持部130a及び第1保持部130bが徐々に外側に開き(即ち、中心軸線CAから離れる)、第1保持部130の突起134が第1錠止部236から離れ、第1保持部130と第1錠止部236との間のインターロックが解除されて、運動本体200が解放される(図10Jを参照)。
【0244】
図11Aは、本実施形態例に係る端部120の第2実施例を示す斜視模式図であり、図11Bは、本実施形態例に係る端部120の第2実施例を示す平面模式図であり、図11Cは、本実施形態例に係る第1トリガー機構50の第2実施例を示す底面模式図であり、図11Dは、本実施形態例に係る第1トリガー機構50の第3実施例を示す底面模式図である。
【0245】
幾つかの例において、端部本体121は中実構造であってもよい。つまり、端部本体121は、貫通孔を有していなくてもよい。幾つかの例において、端部120は、端部本体121から近位端に向かって延びる位置決め部122(図8B参照)を有してもよい。この場合、第1駆動機構30の一端は、運動本体200の位置決め部212に外嵌されてもよく、第1駆動機構30の他端は、端部120の位置決め部122に外嵌されてもよい。これにより、第1駆動機構30は、運動本体200と端部120との間に配置される。
【0246】
幾つかの例において、第1駆動機構30はバネであってもよい。これにより、簡素化された構造設計によって運動本体200に駆動機構を提供することができる。
【0247】
他の例では、端部本体121は、貫通構造であってもよい(図11A及び図11B参照)。つまり、端部120は、貫通孔129を有してもよい。幾つかの例において、貫通孔129の孔径は、第1駆動機構30の直径程度であってもよい。この場合、第1駆動機構30の一端が運動本体200に当接し、第1駆動機構30の他端が第1トリガー機構50に当接してもよい。幾つかの例において、第1トリガー機構50は、位置決め部508(図10C参照)を有してもよく、第1駆動機構30の一端は、運動本体200の位置決め部212に外嵌されてもよく、第1駆動機構30の他端は、第1トリガー機構50の位置決め部508に外嵌されてもよい。この場合、押圧部502を押圧すると、第1保持部130をトリガーして運動本体200を解放することができるだけでなく、運動本体200の近位端への移動に駆動作用をさらに提供することもできる。
【0248】
幾つかの例において、第1トリガー機構50の位置決め部508は、円柱状であってもよい。第1駆動機構30は、位置決め部508に外嵌されてもよい。幾つかの例において、第1トリガー機構50の位置決め部508は、中空の円柱状であってもよい。第1駆動機構30は、位置決め部508に外嵌または嵌設されてもよい。幾つかの例において、位置決め部508は、2つ以上の弧状柱を含んでもよく、図11Dに示す実施例では、位置決め部508は、弧状柱508a及び弧状柱508bを含んでもよい。第1駆動機構30は、弧状柱508aと弧状柱508bとの間に嵌設されてもよい。
【0249】
幾つかの例において、第1トリガー部50と端部120との間には、誤り防止機構520(図7C参照)が設けられてもよい。幾つかの例において、誤り防止機構520はヘアピン状であってもよい。この場合、ヘアピン状をなす誤防止機構520によって、第1トリガー機構50が近位端に向けて意図しなく移動することを効果的に抑制できる。幾つかの例において、誤り防止機構520は、第1トリガー機構50の押圧部502と第1筐体100との間に設けられてもよい。
【0250】
幾つかの例において、端部120と第1トリガー機構50との間に弾性部材、例えばバネ(図示せず)がさらに設けられてもよい。幾つかの例において、端部120と第1トリガー機構50との間に設けられたバネは、圧縮状態であってもよい。この場合であっても、バネによる遠位端への作用により、第1トリガー機構50の近位端への意図しない移動を抑止することができる。また、端部120と第1トリガー機構50との間に設けられたバネにより、第1保持部130をトリガーした後、第1トリガー機構50が初期状態に戻ることにも寄与することができる。この場合、第1トリガー機構50が第1保持部130をトリガーしてから自動的に初期状態に復帰させることができ、これにより、繰り返し使用可能な投与装置1000の提供に寄与することができる。
【0251】
図12Aは、第2筐体140と補助機構20との第1視点を示す分解模式図であり、図12Bは、第2筐体140と補助機構20との第2視点を示す分解模式図であり、図12Cは、補助機構20の第2筐体140への装着を示す断面模式図であり、図12Dは、本実施形態例に係る蓋190を示す模式図である。
【0252】
幾つかの例において、運動本体200の第1底部210と側壁230は一体成形されてもよい。他の例では、運動本体200の第1底部210は、側壁230と分離可能に装着されてもよい。
【0253】
幾つかの例において、第1底部210は、結合部214(図12A参照)を有してもよい。幾つかの例において、結合部214の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、側壁230は、運動本体制限部238(後述)を有してもよい。運動本体制限部238は、運動本体200内に設けられた穿刺部材260に制限を加えることができ、穿刺部材260の意図しない回転の発生を抑止する。幾つかの例において、運動本体制限部238は、溝及び/又はリッジとして形成されてもよい。幾つかの例において、運動本体制限部238は、2つの並列に設置されたリッジ部及び2つのリッジ部の間に位置する溝であってもよい。結合部214は、運動本体制限部238の2つのリッジ部の端に接合されることで、側壁230に結合される。
【0254】
幾つかの例において、第2筐体140は、第1限定機構150及び第2限定機構170を含んでもよい。幾つかの例において、第1限定機構150と第2限定機構170とは互いに連通してもよい。幾つかの例において、第1限定機構150及び第2限定機構170は、中空の柱状構造を呈してもよい。幾つかの例において、第1限定機構150は、移動主体200を解放可能に保持し、移動主体200の移動経路を限定することができる。幾つかの例において、第2限定機構170は、医療器具800の貼り付け位置を限定することができる。
【0255】
つまり、本実施形態に係る投与装置1000において、筐体10は、第1保持部130を有する第1筐体100と、第1筐体100に装着可能な第2筐体140とを含み、第2筐体140は、互いに連通する第1限定機構150と第2限定機構170とを有し、第2限定機構170は医療器具800の貼り付け位置を限定するように配置され、補助機構20は、第1限定機構150に装着され、運動本体200が第1保持部130により解放されると、第1限定機構150に沿って移動可能であってもよい。この場合、第2筐体140の第1限定機構150によって運動本体200の移動を限定するとともに、第2筐体140の第2限定機構170によって医療器具800の貼り付け位置を限定することにより、医療器具800をより正確に宿主に投与するのに有利である。
【0256】
幾つかの例において、第1限定機構150は、制限部151を有してもよい。制限部151は、運動本体200に意図しない回転が生じることを抑止するように、運動本体200に制限を加えてよい。幾つかの例において、制限部151は、溝及び/又はリッジであってもよい。幾つかの例において、制限部151は、第1限定機構150の内壁に設けられ、中心軸線CAにほぼ沿って延在するリッジ154を含んでもよい。幾つかの例において、制限部151は、第1限定機構150の内壁に設けられ、中心軸線CAにほぼ沿って延びる溝152をさらに含んでもよい。幾つかの例において、リッジ154及び溝152の長さは、第1限定機構150の高さよりも小さくてもよく、リッジ154及び溝152は、中心軸線CAの方向においてほぼ同一線であってもよい。幾つかの例において、制限部151は、第1限定機構150に設けられたノッチ156をさらに含んでもよく、ノッチ156、リッジ154、及び溝152は、同一の直線に沿って近位端から遠位端まで順次に形成されてもよい。幾つかの例において、制限部151の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1、2、3、4である。幾つかの例において、複数の制限部151は、第1限定機構150の側壁に均一に分布することができる。
【0257】
幾つかの例において、制限部151のリッジ154は、運動本体200の溝構造を含む被制限部232(後述する)とフィットして、運動本体200の意図しない回転を抑制することができる。幾つかの例において、運動本体200は溝152に沿って第1限定機構150に装着されてもよく、これにより溝152は装着時のガイド作用を提供することができる。また、幾つかの例において、ノッチ156は、運動本体200の突起234(後述)に接合空間を提供するために用いられてもよい。
【0258】
また、幾つかの例において、第1限定機構150は、内壁に設けられた補強リブ158(図12B参照)をさらに含んでもよい。幾つかの例において、補強リブ158は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って延びてもよい。幾つかの例において、補強リブ158の数は、複数であってもよく、例えば、2、3、4、6などである。幾つかの例において、補強リブ158は、第1限定機構150の内壁に均一に分布してもよい。
【0259】
また、幾つかの例において、第1限定機構150は、内壁に設けられた突起160(後に具体的に説明する)をさらに含んでもよい。
【0260】
また、幾つかの例において、第1限定機構150は、中心軸線CAに沿う方向における運動本体200のストロークを限定することができる。この場合、第1限定機構150によって運動本体200の中心軸線CAに沿う方向のストロークを制限することで、収容部250に収容されている医療器具800を所定距離だけより正確に押し出すことができ、医療器具800をより正確に宿主に投与することができる。
【0261】
また、幾つかの例において、中心軸線CAに沿う方向に投影する際に、収容部250と第1限定機構150の壁とは少なくとも部分的に重なってもよく、移動本体200の遠位端に近い一端と第1限定機構150の壁とは少なくとも部分的に重なってもよい(図12C参照)。この場合、収容部250及び運動本体200を第1限定機構150の壁と少なくとも部分的に重なることで、運動本体200が第1限定機構150に沿って移動するストロークを構造の簡素化の下で効果的に制限することができる。
【0262】
また、幾つかの例において、移動本体200の遠位端に近い一端には、中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って該中心軸線CAに背いて突出する突起が設けられている。この場合、当該突起と第1限定機構150の壁とによりスナップフィットを形成することで、運動本体200が近位端に向かって過度に進行することを効果的に制限することができる。
【0263】
また、幾つかの例において、第1限定機構150は、運動本体200の回転を抑止することができる。この場合、運動本体200の回転を抑止することで、投与中に穿刺部材260が意図しない回転を起こすことを抑止できる。
【0264】
また、幾つかの例において、第1限定機構150は、中心軸線CAの方向に沿って連続的又は非連続的に内壁に設けられた溝及び/又はリッジを含んでもよい。この場合、運動本体200を第1限定機構150の溝及び/又はリッジに係合することで、運動本体200が第1限定機構150内で意図しない回転を起こすことを効果的に抑止できる。
【0265】
また、幾つかの例において、運動本体200は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って側壁230の外壁に設けられた溝及び/又はリッジを含んでもよい。この場合、運動本体200の溝及び/又はリッジを第1限定機構150の溝及び/又はリッジに係合することにより、運動本体200が第1限定機構150内で意図しない回転を起こすことを効果的に抑止できる。
【0266】
また、幾つかの例において、第1限定機構150と第2限定機構170は中空筒状を呈し、且つ第1限定機構150の内径が第2限定機構170の内径以下であってもよい。この場合、第1限定機構150及び第2限定機構170を中空筒状に設けることで、補助機構20が第1限定機構150及び第2限定機構170に沿って移動しやすくなる。
【0267】
また、幾つかの例において、移動本体200が解放されると、移動本体200は第1限定機構150に沿って移動し、収容部250は第2限定機構170に沿って移動することができる。この場合、運動本体200を第1限定機構150に沿って移動させ、収容部250を第2限定機構170に沿って移動させることにより、収容部250に収容された医療器具800を、より正確に宿主の体表の所望の位置に投与することができる。
【0268】
幾つかの例において、移動本体200の側壁230に被制限部232が設けられてもよい(図12A及び図12B参照)。被制限部232は、第1限定機構150の制限部151とフィットして、運動本体200の意図しない回転の発生を抑止することができる。幾つかの例において、被制限部232は、側壁230の外壁に形成された溝235を含んでもよい。幾つかの例において、溝235は、2つの並列するリッジの間に形成されてもよい。幾つかの例において、被制限部232は、側壁230から溝235の方向に沿って遠位端に向かって延びることにより形成されたアーム233をさらに含んでもよい。幾つかの例において、被制限部232は、アーム233から中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って中心軸線から離れるように突出する突起234をさらに含んでもよい。幾つかの例において、被制限部232の数は、1つ又は複数、例えば1、2、3、又は4つであってもよい。幾つかの例において、被制限部232の数と制限部151の数とは同じであってもよい。幾つかの例において、複数の被制限部232は、側壁230に均一に分布することができる。幾つかの例において、アーム233は弾性を有してもよい。
【0269】
幾つかの例において、中心軸線CAにほぼ直交する方向に投影する際に、被制限部232の突起234の投影面は、制限部151のノッチ156の投影よりも中心軸線CAから離れてもよい。また、リッジ154の投影と溝235の投影とがほぼ接合してもよい。また、突起234の投影と溝152の投影とがほぼ接合してもよい。幾つかの例において、収容部250の長さ及び/又は幅は、第1限定機構150の直径よりも大きくてもよい。
【0270】
以下、図12Cを参照して、中心軸線CAの方向に沿って運動本体200に向かって作用を与え、第2限定機構170を介して運動本体200を第1限定機構150に装着させる。突起234は、摺動して溝152に入ることができ、これにより、ガイドアセンブリのメカニズムを提供することができる。突起234がリッジ154に当接すると、リッジ154は、突起234を押圧してアーム233を弾性変形させ、突起234が中心軸線CAに向かって移動されてリッジ154を摺動し続けることができる。突起234が中心軸線CAの方向において遠位端に向かって第1限定機構150から突出すると、アーム233が初期状態に戻り、突起234が中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って第1限定機構150から突出する。
【0271】
第1限定機構150と装着結合された運動本体200は、運動本体200の溝235が第1限定機構150のリッジ部154と係合してもよい。これにより、運動本体200が第1限定機構150に沿って移動する時に、リッジ部154が延びる方向に限定することができる。また、溝235とリッジ部154との係合により、運動本体200が第1限定機構150内で意図しない回転を起こすことを抑止する回転抑止機構を提供することもできる。この場合、運動本体200に伴って穿刺機構260が宿主の皮下に刺入される時に、意図しない回転が効果的に抑止されるため、投与過程において宿主に与える違和感を低減することができる。
【0272】
また、上述したように、中心軸線CAに沿った方向に投影する際に、突起234の投影は、ノッチ156の投影よりも中心軸線CAから離れている。この場合、運動本体200が第1限定機構150に装着結合される時に、突起234とノッチ156によりスナップフィット接続を形成することで、運動本体200が近位端に向かって進行する変位量を限定することができる。
【0273】
また、上述したように、中心軸線CAにほぼ直交する方向において、運動本体200の第2底部220に接続される収容部250の長さ及び/又は幅は、第1限定機構150の直径よりも大きい。この場合、運動本体200が第1限定機構150に装着結合されたときに、収容部250によって運動本体200が遠位端側に移動する変位量を限定することができる。
【0274】
幾つかの例において、第2限定機構170は、上底部172、下底部176、及び上底部172と下底部176とを接続する側部174(図12B参照)を含んでもよい。幾つかの例において、上底部172は、第1画定機構150の近位端に近い一端から中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って外側に延びるように形成されてもよい。側部174は中空の筒状構造であってもよく、側部174の延在方向は中心軸線CAにほぼ平行であってもよい。下底部176は、側部174の近位端に近い一端から中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って外側に延びるように形成されてもよい。
【0275】
幾つかの例において、下底部176が中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って側部174から突出する幅は、第1筐体100の周面部110の厚さとほぼ等しくてもよい。
【0276】
幾つかの例において、第2限定機構170は、側部174に設けられたリブ溝178(図12B参照)を含んでもよい。幾つかの例において、リブ溝178の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、リブ溝178は、側部174において中心軸線CAの方向にほぼ沿って延びる2つのリッジが並んで設けられ、リブ溝178は、この2つの並んだリッジの間に形成されるように形成してもよい。
【0277】
幾つかの例において、リブ溝178は、周面部110の周面部リブ112とフィットして第1筐体100と第2筐体140とを装着結合することができる。幾つかの例において、リブ溝178の数と周面部リブ112の数とは同じであってもよい。幾つかの例において、周面部リブ112は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って挿着されるようにリブ溝178に装着進入することができる。幾つかの例において、周面部110の内輪郭は、第2限定機構170の外輪郭とほぼ同じである。第1筐体100と第2筐体140とを中心軸線CAの方向にほぼ沿って対向移動させると、周面部リブ112がリブ溝178に進入して、第1筐体100と第2筐体140とを装着結合させることができる。
【0278】
幾つかの例において、第2限定機構170は、上底部172に設けられた装着孔180(図12B参照)をさらに含んでもよい。幾つかの例において、装着孔180の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、装着孔180の数は、第1筐体100の接続柱114の数と同じであってもよい。装着孔180は、第1筐体100と第2筐体140とを装着結合させるように、接続柱114とフィットすることができる。接続柱114は、装着孔180に突き合わせることができる。
【0279】
幾つかの例において、第2限定機構170は、フランジ183(図12B参照)をさらに含んでもよい。幾つかの例において、第2限定機構170の上底部172には、透かし彫り186(図12B参照)がさらに設けられてもよい。この場合、投与装置1000とカセット装置2000とが装着結合されると、透かし彫り186によって内外気圧をバランスさせて、投与装置1000とカセット装置2000との結合を容易にする。
【0280】
幾つかの例において、収容部250は、第2限定機構170に沿って移動してもよい。幾つかの例において、投与装置1000を操作する時に、第2限定機構170を宿主の体表に貼り付けることにより、医療器具800の貼り付け位置を限定することができる。
【0281】
幾つかの例において、第2限定機構170は、上底部172に設けられた磁石184(図12B参照)をさらに含んでもよい。幾つかの例において、第2限定機構170は、上底部172に設けられた磁石固定部185をさらに含んでもよく、磁石固定部185は、磁石184を固定するために用いられてもよい。幾つかの例において、磁石固定部185は、中心軸線CAの方向に沿った2つ以上の柱状突起であってもよい。磁石184は、複数の柱状突起の間に挟まれてもよい。この場合、第2限定機構170に設けられた磁石184は、医療器具800のスイッチモジュール884とフィットして、スイッチモジュール884のオンを制御することができる。具体的には、運動本体200が保持されると、収容部250内に収容された医療器具800と第2限定機構170上の磁石184との距離が近くなり、スイッチモジュール884が磁石184の磁気作用を受けて導通しない状態を保持し、運動本体200が解放されると、運動本体200が近位端に向かって移動して収容部250内に収容された医療器具800を宿主に投与し、医療器具800と第2限定機構170上の磁石184との距離が遠くなり、スイッチモジュール884が磁石184の磁気作用を受けていないので導通する状態に切り替えられる。
【0282】
また、幾つかの例において、第2限定機構170の側部174の内壁に側部係合溝182(図12A参照)が設けられる。幾つかの例において、側部係合溝182の数は、複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、複数の側部係合溝182は、側部174の内壁に均一に分布することができる。幾つかの例において、側部係合溝182は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って延びてもよい。側部係合溝182は、蓋190の蓋係合部194(後述)とフィットして、第2筐体140を蓋190に装着結合させることができる。
【0283】
幾つかの例において、第2限定機構170の側部174の内壁に第1種リブ187が設けられる。第1種リブ187は、投与装置1000がカセット装置2000とフィットする際のガイドとして機能することができる(後述)。幾つかの例において、第1種リブ187の数は複数であってもよく、例えば1つ、2つ、3つ、又は4つである。
【0284】
幾つかの例において、第2限定機構170の側部174の内壁に第2種リブ188が設けられる。第2リブ188は、投与装置1000がカセット装置2000とフィットする時に、後述する押圧の役割を果たしてもよい。幾つかの例において、第2種リブ188の数は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。
【0285】
幾つかの例において、第2限定機構170の側部174の内壁に第3種リブ189が設けられる。第3種リブ189は、投与装置1000がカセット装置2000とフィットする時に、後述する偏倚の役割を果たしてもよい。幾つかの例において、第3種リブ189の数は複数であってもよく、例えば1つ、2つ、3つ、又は4つである。
【0286】
幾つかの例において、筐体10は、第2筐体140に分離可能に装着される蓋190(図7C参照)をさらに含んでもよい。
【0287】
幾つかの例において、蓋190は、蓋底部192と、蓋底部192に設けられた蓋係合部194(図12D参照)とを含んでもよい。蓋係合部194は、第2筐体140の側部係合溝182とフィットして、蓋190を第2筐体140に装着結合することができる。蓋係合部194の数は、複数、例えば1つ、2つ、3つ、又は4つであってもよい。蓋係合部194の数は、側部係合溝182の数と等しくてもよい。図12Dに示す実施例において、蓋係合部194は、蓋係合部194aと蓋係合部194bとを含むことができる。蓋係合部194aと蓋係合部194bは、蓋190の対称軸線に沿って蓋底部192の対向する両側に分布することができる。
【0288】
幾つかの例において、蓋係合部194は、蓋底部192から中心軸線CAにほぼ沿って遠位端に向かって延びるアームと、アームの端部から中心軸線CAから離れる方向に向かって突出する突起とを含んでもよい。蓋係合部194のアームは、弾性を有してもよい。蓋190が第2筐体140に装着結合されると、蓋係合部194の突起は、第2筐体140の側部係合溝182に係入することができる。
【0289】
幾つかの例において、蓋190は、蓋支柱196(図12D参照)をさらに含んでもよい。蓋支柱196の軸は、中心軸線CAとほぼ平行であってもよい。幾つかの例において、蓋支柱196は、蓋底部192から中心軸線CAに沿って遠位端に向かって延びることによって形成されてもよい。幾つかの例において、運動本体200が保持されている時に、収容部250内に収容された医療器具800の近位端に面する表面と第2筐体140の下底部176との間の垂直距離は、蓋支柱196の高さにほぼ等しくてもよい。この場合、蓋190が第2ケース140に装着結合される時に、収容部250内に収容された医療器具800を蓋支柱196によって支持することで、例えば誤操作によって運動本体200が意図せずに解放されることをより抑制できる。
【0290】
幾つかの例において、蓋190は、フランジ198(図12Dを参照)をさらに含んでもよい。蓋190のフランジ198の位置は、第2筐体140のフランジ183に対応してもよい。具体的には、蓋190が第2筐体140に装着結合される時、中心軸線CAに沿う方向に投影されると、フランジ198の投影面とフランジ183の投影面とがほぼ重なってもよいし、フランジ198の投影面がフランジ183の投影面をほぼ覆ってもよい。
【0291】
図13Aは、本実施形態例に係る運動本体200と穿刺部材260の第1視点を示す分解模式図であり、図13Bは、本実施形態例に係る運動本体200と穿刺部材260の第2視点を示す分解模式図であり、図13Cは、本実施形態例に係る穿刺部材260が保持されている場合を示す断面模式図であり、図13Dは、本実施形態例に係る穿刺部材260が解放されている場合を示す断面模式図であり、図13Eは、本実施形態例に係る運動本体200と穿刺部材260の仮装着時を示す断面模式図である。
【0292】
幾つかの例において、運動本体200と穿刺部材260とは一体的に固定接続されてもよい。他の例では、運動本体200と穿刺部材260とは、分離可能に装着結合されてもよい。幾つかの例において、穿刺部材260は、移動本体200によって解放可能に保持されてもよい。
【0293】
幾つかの例において、運動本体200は、遠位端に近い第1底部210と、近位端に近い第2底部220と、第1底部210と第2底部220とを接続する側壁230とを有してもよい。幾つかの例において、第1底部210、第2底部220と側壁230との間に中空部が形成されてもよい。幾つかの例において、収容部250は、第2底部220に設けられ、近位端に面してもよい。幾つかの例において、穿刺部材260は、中空部内に設けられてもよい。幾つかの例において、第2底部220は、貫通孔226を有してもよい。また、幾つかの例において、穿刺部材260は、貫通孔226を通過してもよい。
【0294】
幾つかの例において、穿刺部材260は、中空部内に解放可能に設けられてもよい。また、穿刺部材260は、解放時に運動本体200に対して中空部内を移動可能に構成されてもよい。幾つかの例において、運動本体200の第2底部220と穿刺部材260との間に第2駆動機構40が設けられてもよい。第2駆動機構40は、遠位端に向けて穿刺部材260に作用を与えることができるように配置される。穿刺部材260が解放されると、第2駆動機構40は、穿刺部材260が宿主から離れるように遠位端に向かって穿刺部材260に作用を与えることができる。幾つかの例において、第2駆動機構40は、穿刺部材260の支持台280と運動本体200の第2底部220との間に設けられてもよい。これにより、第2駆動機構40が穿刺部材260を収容部250から遠ざけるように作用することに寄与できる。
【0295】
幾つかの例において、上述したように、運動本体200は、側壁230(図13A及び図13B参照)を含んでもよい。幾つかの例において、運動本体200は、側壁230に設けられた制限部238を含んでもよい。穿刺部材260は、後述する被制限部285を有してもよい。穿刺部材260が運動本体200に装着結合されるとき、運動本体200は、制限部238によって被制限部285を制限して、穿刺部材260の移動を制限することができる。幾つかの例において、制限部238の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、複数の制限部238は、側壁230の内壁に均一に分布してもよい。
【0296】
幾つかの例において、運動本体200は、第2保持部242(図13A及び図13B参照)をさらに含んでもよい。穿刺部材260は、第2錠止部286を有してもよい。穿刺部材260が運動本体200に装着結合されるとき、運動本体200は、第2保持部242と穿刺部材260とのインターロックにより、穿刺部材260を保持することができる。幾つかの例において、第2保持部242による穿刺部材260の保持は解放可能な保持であってもよい。幾つかの例において、第2保持部242の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。一例では、複数の第2保持部242は、側壁230に均一に分布してもよい。
【0297】
また、幾つかの例において、運動本体200は、穿刺部材260の回転を抑止可能に配置されてもよい。この場合、穿刺部材260が投与中に意図しない回転を起こすことを抑止することで、医療器具800の投与中のユーザ体験を向上させることができる。幾つかの例において、運動本体200は、制限部238によって投与中に穿刺部材260が意図しない回転を起こすことを抑止することができる。
【0298】
また、幾つかの例において、運動本体200は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って側壁230の内壁に設けられた溝及び/又はリッジを含んでもよい。この場合、運動本体200の側壁内壁に設けられた溝及び/又はリッジが穿刺部材260の溝及び/又はリッジとフィットすることにより、穿刺部材260が投与過程において意図しない回転を起こすことを効果的に抑止することができる。つまり、幾つかの例において、運動本体200の制限部238は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って側壁230の内壁に設けられた溝及び/又はリッジであってもよい。
【0299】
幾つかの例において、運動本体200の制限部238は、溝構造として形成されてもよい(図13A及び図13B参照)。幾つかの例において、制限部238は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って側壁230の内壁に並設された2つのリッジと、該2つのリッジの間に形成された溝とを含んでもよい。
【0300】
また、幾つかの例において、運動本体200は、中心軸線CAの方向にほぼ沿う切欠き242を有してもよい。この場合、運動本体200に中心軸線CAの方向に沿う切欠き242を設けることにより、運動本体200の中空部内に設けられた穿刺部材260に作用を与えやすくすることができる。
【0301】
また、幾つかの例において、第1限定機構150の内壁には、切欠き242を介して中心軸線CAに向かって突出可能な突起160が設けられてもよい。この場合、運動本体200が第1限定機構150に沿って移動する時に、第1限定機構150の内壁に設けられた突起160が運動本体200の切欠き242を介して穿刺部材260に作用することができ、これにより、穿刺部材260に対するトリガー機構を構造の簡素化の下で提供することができる。
【0302】
幾つかの例において、運動本体200の第2保持部242は、側壁230に形成された切欠きであってもよい(図13A及び図13B参照)。幾つかの例において、第2保持部242は、中心軸線CAにほぼ沿って延び、互いに連通する第1切欠き244及び第2切欠き246を有してもよい。第1切欠き244は近位端に近く、第2切欠き246は遠位端に近い。幾つかの例において、第1切欠き244と第2切欠き246の幅は異なってもよい。幾つかの例において、第1切欠き244の幅は、第2切欠き246の幅よりも大きくてもよい。
【0303】
幾つかの例において、収容部250は、貼付部860を拘束するための拘束部252を有してもよい。この場合、収容部250内に収容された医療器具800の貼付部860を拘束部252によって拘束することで、医療器具800をより強固に収容することができる。
【0304】
幾つかの例において、収容部250の拘束部252は、アーム254と、突出部256とを含んでもよい。なお、アーム254は、収容部250の底部から側部とほぼ同じ方向に沿って外方に延びていてもよい。幾つかの例において、アーム254及び収容部250の側部は、ほぼ同じ周方向に位置してもよい。幾つかの例において、アーム254は弾性を有してもよい。幾つかの例において、アーム254は、中心軸線CAに向かって近づくことができる。幾つかの例において、突出部256は、アーム254の端部に設けられた突起であってもよい。幾つかの例において、突出部256は、中心軸線CAに向かって突出してもよい。この場合、拘束部252は、収容部250内に収容された医療器具800を保持することができ、医療器具800をより強固に収容することができる。
【0305】
幾つかの例において、制限部252の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、拘束部252は、収容部250の側部に沿って均一に分布してもよい。
【0306】
幾つかの例において、穿刺部材260は、尖鋭物270と、尖鋭物270を支持する支持台280とを含んでもよい(図13A及び図13B参照)。幾つかの例において、穿刺部材260の支持台280は運動本体200の中空部内に設けられ、収容部250は第2底部220に設けられ、第2底部220は貫通孔226を有し、且つ尖鋭物270は第2底部220の貫通孔226を通過してもよい。この場合、尖鋭物270が第2底部220の貫通孔226を通過するように設けられることで、尖鋭物270を収容部250内に収容された医療器具800に接合させることができ、穿刺部材260によって医療器具800を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置しやすくすることができる。
【0307】
また、幾つかの例において、運動本体200は、第2底部220に設けられた、第2駆動機構40を位置決めするための構造224(図13C参照)をさらに含んでもよい。幾つかの例において、224は柱状であってもよい。幾つかの例において、224は中空の円柱状であってもよい。この場合、第2駆動機構40は、224に外嵌されることで位置決めされ、これにより第2駆動機構40の駆動位置を限定することができる。
【0308】
また、幾つかの例において、穿刺部材260が保持されている時に、支持台280と第1底部210との間隔は、尖鋭物270が収容部250から突出する長さ以上であってもよい。この場合、支持台280と第1底部210との間隔を、尖鋭物270が収容部250から突出する長さ以上とすることにより、穿刺部材260が宿主から離れるための移動空間を提供することができ、穿刺部材260が宿主に意図しないダメージを与えることを低減することができる。
【0309】
幾つかの例において、尖鋭物270と支持台280とは一体成形されてもよい。他の例では、尖鋭物270と支持台280とは、取り外し可能に装着結合されるように配置されてもよい。これにより、尖鋭物270を別途滅菌しやすくすることができる。
【0310】
幾つかの例において、穿刺部材260の被制限部285は、リッジ構造として形成されてもよい(図13B参照)。幾つかの例において、被制限部285は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って支持座280の側壁に並んで設けられた2つの溝と、当該2つの溝の間に形成されたリッジとを含んでもよい。幾つかの例において、被制限部285の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、被制限部285の数と制限部238の数とは等しくてもよい。
【0311】
また、幾つかの例において、支持台280は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って外壁に設けられた溝及び/又はリッジを含んでもよい。この場合、支持台280の溝及び/又はリッジが運動本体200の側壁内壁における溝及び/又はリッジとフィットすることにより、穿刺部材260の意図しない回転の発生を効果的に抑止することができる。つまり、穿刺部材260の被制限部285は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って外壁に設けられた溝及び/又はリッジとして形成されてもよい。穿刺部材260の被制限部285は、運動本体200の制限部238とフィットして、穿刺部材260の意図しない回転の発生を抑止することができる。
【0312】
また、幾つかの例において、穿刺部材260は、第2保持部242と解放可能にインターロックするように配置された第2錠止部286を含んでもよい。これにより、穿刺部材260は、第2錠止部286と第2保持部242とのフィットにより第2保持部242に解放可能に保持される。幾つかの例において、第2錠止部286は、穿刺部材260の支持台280に設けられてもよい。
【0313】
幾つかの例において、第2錠止部286は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って延びるアーム287と、当該アーム287と連動し、中心軸線CAに直交する方向にほぼ沿って中心軸線CAに背いて突出する突起288とを含んでもよい。この場合、穿刺部材260が運動本体200の中空部内に配置されたときに、第2錠止部286と運動本体200の切欠き242とを当接させることにより、穿刺部材260を構造の簡素化の下で保持することができる。幾つかの例において、第2錠止部286のアーム287は、投与装置1000の中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って弾性を有してもよい。
【0314】
つまり、幾つかの例において、運動本体200は、中心軸線CAの方向にほぼ沿う切欠き242を有してもよい。幾つかの例において、穿刺部材260が保持されている時に、第2錠止部286の突起288は、切欠き242を通過してもよい。この場合、第2錠止部286の突起288と、運動本体200の切欠き242とを当接させることにより、第2錠止部286を構造の簡素化の下で保持することができる。
【0315】
また、幾つかの例では、穿刺部材260が解放されると、第2錠止部286のアーム288が中心軸線CAに向かって押圧されてもよい。これにより、簡単な操作で第2錠止部286を解放することができる。
【0316】
また、幾つかの例において、第2保持部242と第2錠止部286とは、スナップフィット、フック、ラッチ、またはピンの少なくとも1つの構造によって解放可能にインターロックすることができる。この場合、第2保持部242と第2錠止部286とは、スナップフィット、フック、ラッチ及びピンの少なくとも1つの構造によって解放可能にインターロックすることにより、解放しやすいインターロック方式を提供することができる。
【0317】
幾つかの例において、穿刺部材260の第2錠止部286は、肩構造に形成されてもよい(図13A及び図13B参照)。幾つかの例において、第2錠止部286は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って遠位端に向かって延びるアーム287と、アーム287の端部から中心軸線CAにほぼ直交し且つ中心軸線CAから離れる方向に沿って突出する突起288とを含んでもよい。幾つかの例において、アーム287は弾性を有してもよい。幾つかの例において、アーム287は、中心軸線CAに沿って遠位端に向かう方向に、中心軸線CAから徐々に離れてもよい。幾つかの例において、中心軸線CAの方向に沿って投影する際に、突起288の投影面と第1切欠き244の投影面とが全部又は部分的に重なってもよい。幾つかの例において、第2錠止部286の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、第2錠止部286の数と第2保持部242の数とは等しくてもよい。
【0318】
また、幾つかの例において、突起288の遠位端に面する表面の幅は、第1切欠き244の幅よりも小さくてもよく、第2切欠き246の幅よりも大きくてもよい。
【0319】
幾つかの例において、第1限定機構150と運動本体200とを装着する時に、第1限定機構150の内壁に設けられた突起160は、第2切欠き246と第1切欠き244とを順に通過することができる。この場合、第1切欠き244を設けることで、穿刺部材260の保持機構を提供することができ、また、第2切欠き246を設けることで、装着に有利な構造を提供することができる。突起160が第2切欠き246を通って第1切欠き244に入るとともに、第2錠止部286の突起288が第1切欠き244を通って突出することにより、穿刺部材260に対する保持機構を提供することができ、また、突起160が第1切欠き244を通って第2錠止部286の突起288に当接可能であることにより、突起160と第1切欠き244により、第2錠止部286が解放されることをトリガーするトリガー機構を提供することもできる。
【0320】
図13Eを参照すると、近位端に向かって穿刺部材260に作用を加えることにより、穿刺部材260を運動本体200の中空部に進入させ、且つ穿刺部材260の被制限部285と運動本体200の制限部238とを一つずつ位置合わせし、被制限部285が制限部238内に嵌めることができる(図13E参照)。これにより、穿刺部材260と運動本体200との装着にガイドを提供できる一方で、運動本体200内に装着された穿刺部材260は、制限部238によって制限され、意図しない回転が効果的に抑止される。
【0321】
また、図13C及び図13Dを参照すると、穿刺部材260の第2錠止部286の突起288が第1切欠き244に移動されると、側壁230の内壁によって押圧されなくなるため、アーム287は初期状態に戻り、即ち、中心軸線CAに沿って突起288の投影面が第1切欠き244の投影面と全部又は部分的に重なり、突起288の遠位端に面する表面の幅が第2切欠き246の幅よりも大きいため、突起288が第1切欠き244に配置され、突起288の遠位端に面する表面が第1切欠き244と第2切欠き246との接続箇所に当接され(図13C参照)、運動本体200の中空部内に保持される。アーム287が中心軸線CAの方向に向かって枢動するように作用されると、突起288は中心軸線CAの方向に向かって移動し、すなわち内側に集める。この場合、突起288の遠位端側の面が第1切欠き244と第2切欠き246との接続箇所に当接しなくなり、穿刺部材260が運動本体200により解放される(図13D参照)。
【0322】
幾つかの例において、穿刺部材260が運動本体200により解放された後、第2駆動機構40は、穿刺部材260が宿主から離れるように、穿刺部材260を遠位端に向けて駆動させる。
【0323】
幾つかの例において、第2駆動機構40と第1駆動機構30とは、同一又は類似の配置を有してもよく、第2駆動機構40の特徴については、第1駆動機構30に対する特徴の説明を参照されたい。幾つかの例において、第2駆動機構40はバネであってもよい。これにより、簡易な構造設計により穿刺部材260に駆動機構を提供することができる。
【0324】
幾つかの例において、第2駆動機構40は、支持台280と第2底部220との間に設けられてもよく、穿刺部材260が保持されている時に、支持台280と第1底部210との間隔は、センサ820が皮下にはめ込まれる深さ以上である。この場合、穿刺部材260に十分な量の移動空間を提供することにより、穿刺部材260を宿主から離すのに有利にすることができる。
【0325】
幾つかの例において、穿刺部材260は、支持台280に設けられた位置決め部289(図13C又は図13D参照)を有してもよい。幾つかの例において、位置決め部289は柱状構造であってもよい。第2駆動機構40の一端は穿刺部材260の位置決め部289に外嵌され、第2駆動機構40の他端は運動本体200の位置決め部212に外嵌される。このようにして、運動本体200と穿刺部材260との間に第2駆動機構40が設けられる。
【0326】
幾つかの例において、投与装置1000は、第2保持部242が第2錠止部286に対するインターロックを解除して、穿刺部材260を運動本体200から解放させるトリガー機構をさらに提供する。つまり、幾つかの例において、投与装置1000は、第2保持部242を第2錠止部286から分離させて穿刺部材260を解放するように配置された第2トリガー機構をさらに含む。これにより、第2トリガー機構によって穿刺部材260を容易に解放することができる。
【0327】
第2錠止部286は、上述したように、第2保持部242に当接可能な肩構造に形成されており、スナップフィットによって第2保持部242に保持される。幾つかの例において、このようなトリガー機構は、第2保持部242又は第2錠止部286を駆動させて、第2保持部242と第2錠止部286とを分離させることができるように提供される。
【0328】
幾つかの例において、第2保持部242及び第2錠止部286に作用するトリガー機構は、第2錠止部286の進行経路に設けられてもよい。運動本体200が近位端に向かって移動する場合、当該トリガー機構は採用されてもよい。幾つかの例において、当該トリガー機構は、第2錠止部286の進行経路に設けられた突出部であってもよい。この場合、第2錠止部286が該突出部を通過すると、第2錠止部286のアーム287が中心軸線CAに向かって押圧されて弾性変形し、第2錠止部286の突起288を第1切欠き244及び第2切欠き246から分離させることができる。
【0329】
幾つかの例において、前述したように、第1限定機構150の内壁に突起160が設けられる(図12B参照)。移動本体200が第1限定機構150に沿って移動するとき、移動本体200の第1切欠き244及び第2切欠き246が当該突起を通過することができる。また、穿刺部材260が運動本体200の中空部内に保持されると、穿刺部材260の第2錠止部286は、この突起160に押されて変形し、第1切欠き244と第2切欠き246との接続箇所から離れて、穿刺部材260が解放される。
【0330】
また、運動本体200と第1限定機構150とを装着する時、突起160は、運動本体200が第1限定機構150と装着結合されるまで、第2切欠き246と第1切欠き244とを順に通過することができる。第1限定機構150の内壁に設けられた突起160、及び運動本体200の側壁230に設けられた第1切欠き244と第2切欠き246により、進行間のトリガー機構を提供することができるだけでなく、運動本体200と第1限定機構150との装着に影響を与えることもない。
【0331】
ここで、投与装置1000による医療器具800の宿主への投与には、投与段階と、後退段階とが含まれ得ることについて、投与装置1000による投与処理を再度説明する。投与段階では、医療器具800が宿主に投与されてもよく、後退段階では、穿刺部材260が宿主から離れてもよい。
【0332】
投与段階において、第1トリガー機構50の押圧部502を押圧することにより、第1トリガー機構50の駆動部504を近位端に向かって移動させ、そして、駆動部504が第1保持機構130に移動すると、駆動部504は、第1保持機構130を中心軸線CAから離れる方向に枢動させるように駆動し(図10I及び図10J参照)、第1保持部130を第1錠止部236から離間させ(図9B及び図9C参照)、それにより、運動本体200が解放され、そして、第1駆動機構30は、近位端に向かうように運動本体200に作用を与えて、運動本体200を近位端に向かって移動させ、そして、穿刺部材260の作用により、収容部250内に収容された医療器具800が少なくとも部分的に宿主の皮下に配置される。
【0333】
幾つかの例において、投与装置1000は、第1駆動機構30を含まなくてもよい。この場合、運動本体200が解放された後、運動本体200が人力によって宿主に向かって駆動され、穿刺部材260を介して収容部250内に収容された医療器具800を宿主に投与してもよい。
【0334】
後退段階において、運動本体200が第1限定機構150に沿って近位端に向かって移動するにつれて、第1限定機構150の内壁に設けられた突起160は、運動本体200に設けられた第1切欠き244を通過して穿刺部材260の第2錠止部286と互いに近づき、且つ突起160が第2錠止部286を押圧して第2錠止部286を中心軸線CAに近づく方向に枢動させ、第2錠止部286を第2保持部242から離間させ(図13C及び図13D参照)、そして、第2駆動機構40は、遠位端に向かうように穿刺部材260に作用を与え、穿刺部材260を遠位端に向かって移動させて宿主から離れる。
【0335】
幾つかの例において、穿刺部材260と運動本体200とは固定接続されてもよい。また、幾つかの例において、投与装置1000は、第2駆動機構40を含まなくてもよい。この場合、医療器具800が宿主に投与された後、人力によって運動本体200全体が宿主から離れる方向に駆動され、運動本体200に固定接続された穿刺部材260が運動本体200に追従して宿主から離れることができる。
【0336】
なお、後退段階において、第1駆動機構30は(又は人力によって)依然として宿主に向かって運動本体200に作用を与えることができる。言い換えれば、弾性部材(例えば、バネ)として配置された第1駆動機構30について、運動本体200が宿主に向かって駆動され、収容部250内に収容された医療器具800が宿主の体表に貼り付けられたとき、第1駆動機構30は依然としてエネルギー貯蔵状態にあることができる。この場合、後退段階において、医療器具800が第1駆動機構30の作用で宿主の体表に密着することにより、医療器具800が後退段階で宿主から離脱する可能性を効果的に低減することができる。
【0337】
図14Aは、本実施形態例に係る穿刺部材260を示す分解模式図であり、図14Bは、本実施形態例に係る穿刺部材260の装着を示す模式図であり、図14Cは、本実施形態例に係る針状部272を示す拡大模式図であり、図14Dは、本実施形態例に係る尖鋭物270とセンサ820との装着を示す模式図である。
【0338】
上述したように、本実施形態では、穿刺部材260は、尖鋭物270と、尖鋭物270を支持する支持台280とを含んでもよい(図14A参照)。幾つかの例において、尖鋭物270と支持台280とは一体成形されてもよい。別の例では、尖鋭物270は、支持座280に分離可能に装着されてもよい。幾つかの例において、尖鋭物270は溝を有してもよく、医療器具800の全部又は一部が該溝内に配置されてもよい。幾つかの例において、第2駆動機構40は、支持台280に作用を与えることができる。この場合、医療器具800の全部又は一部を尖鋭物270の溝内に配置することにより、穿刺部材260による医療器具800の少なくとも一部の宿主の皮下への配置を容易にすることができる。幾つかの例において、センサ820のはめ込み部分は、尖鋭物270の溝274内に配置されてもよい。
【0339】
幾つかの例において、尖鋭物270は、針状部272(図14A参照)を含んでもよい。幾つかの例において、針状部272には、針状部272の長手方向に沿って延びる溝274が設けられてもよい。医療器具800は、少なくとも部分的に尖鋭物270の溝274内に設けられてもよい。この場合、センサ820は、センサ820が尖鋭物270に追従して宿主の皮下に配置されるように、溝274内に受け入れられてもよい。
【0340】
幾つかの例において、尖鋭物270は、針状部272に接続されたキャップ部276(図14A参照)を含んでもよい。幾つかの例において、針状部272は、キャップ部276を介して支持台280に装着されてもよい。幾つかの例において、キャップ276は、順に接続された第1部分277、第2部分278、及び第3部分279を含んでもよい。幾つかの例において、第1部分277、第2部分278、及び第3部分279は、直径が異なる3つの柱状構造であってもよい。また、幾つかの例において、第2部分278の直径は、第1部分277の直径よりも小さく、且つ第3部分279の直径よりも小さくてもよく、これにより、環状の凹部を形成することができる。
【0341】
幾つかの例において、支持台280は、尖鋭物固定部282(図14A参照)を含んでもよい。幾つかの例において、尖鋭物固定部282の数は複数であってもよく、例えば2、3、又は4である。また、複数の尖鋭物固定部282は、キャップ部276を挟持するように中心軸線CA周りに周設されてもよい。幾つかの例において、支持台280は、互いに集まった複数のフィンガー部を有してもよく、キャップ部276は、当該複数のフィンガー部によって解放可能に挟持されてもよい。つまり、支持台280の尖鋭物固定部282は、互いに集まった複数のフィンガー部として形成されてもよい。この場合、尖鋭物270のキャップ部276が支持台280の複数のフィンガー部にフィットすることにより、尖鋭物270と支持台280との装着及び取り外しを容易にすることができる。
【0342】
幾つかの例において、尖鋭物固定部282は、中心軸線CAに沿って近位端に向かう方向において、中心軸線CAに向かって徐々に集まってもよい。これにより、キャップ部276を挟持する機構を形成することができる。幾つかの例において、尖鋭物固定部282は、中心軸線CAの方向にほぼ沿って延びるアーム283と、アーム283の端部から中心軸線CAに向かって外側に突出する突起284とを含んでもよい(図14A参照)。幾つかの例において、アーム283は弾性を有してもよい。尖鋭物270が支持台280に装着結合されると、尖鋭物固定部282の突起284はキャップ部276の環状凹部内に嵌り込むことができる。第1部分277、第3部分279、及び環状凹部は、互いにフィットして、尖鋭物270を固定する。第1部分277及び第3部分279は、それぞれ2方向から突起284に当接する。これにより、尖鋭物270が中心軸線CAに沿って支持台280に対して意図しなく移動することを抑止できる。
【0343】
幾つかの例において、穿刺部材260の尖鋭物270は、センサ820と装着されてもよい。具体的には、図14Dを参照すると、幾つかの例において、尖鋭物270の針状部272は、接続部840におけるセンサ接合孔842内に配置されてもよく、センサ820のはめ込み部分及び延在部分は、尖鋭物270の溝274内に配置されてもよい。
【0344】
図15Aは、本実施形態例に係るカセット装置2000を示す斜視模式図であり、図15Bは、本実施形態例に係るカセット装置2000のカセット2100、載置台2200および柵構造2400を示す平面模式図であり、図15Cは、本実施形態例に係るカセット装置2000のステージ2300を示す平面模式図である。
【0345】
幾つかの例において、医療器具800は、カセット装置2000内に全部又は部分的に封止されてもよい。幾つかの例において、医療器具800のセンサ820は、カセット装置2000内に封止されてもよい。他の例では、医療器具800のセンサ820及び接続部840は、カセット装置2000内に一括して封止されてもよい。他の例において、センサ820、接続部840及び穿刺部材260の尖鋭物270は、カセット装置2000内に一括して封止されてもよい。
【0346】
幾つかの例において、カセット装置2000は、カセット2100と、カセット2100の内部に設けられた載置台2200(図15A参照)とを含んでもよい。載置台2200は、医療器具800の一部、例えば医療器具800のセンサ820及び接続部840を載置してもよい。幾つかの例において、載置台2200は、カセット2100の底部から上方に向かって延びる柱状突起として形成されてもよい。幾つかの例において、載置台2200の中心軸線は、カセット2100の中心軸線とほぼ平行であってもよい。
【0347】
幾つかの例において、カセット2100は、内壁に形成された凹縁2110(図15A参照)を含んでもよい。この場合、後述する投与装置1000とカセット装置2000とのフィット時に、カセット2100における凹縁2110と第2筐体140のフランジ183とがフィットすることにより、投与装置1000とカセット装置2000とを組み合わせる際のガイドを容易にすることができる。
【0348】
幾つかの例において、載置台2200の平面輪郭は、接続部840の平面輪郭とほぼ同じであってもよく、これにより、接続部840を載置しやすくなる。幾つかの例において、載置台2200は、中空部2210(図15B参照)を有してもよい。これにより、センサ820が接続された接続部840が載置台2200に載置されたときに、センサ820の接続部840から突出した部分が中空部分2210内に配置されてもよい。また、中空部2210の中心軸線は、載置台2200の中心軸線とほぼ平行であってもよい。
【0349】
幾つかの例において、載置台2200は、頂角に設けられた固定部2220(図15B参照)をさらに含んでもよい。この場合、固定部分2220が接続部840の頂角における凹部に結合することで、接続部840をより安定して載置することができる。図3を参照すると、接続部840は、頂角に設けられた凹部又は切欠きを含んでもよい。
【0350】
幾つかの例において、載置台2200は、格納空間2230(図15B参照)をさらに含んでもよい。幾つかの例において、格納空間2230は、載置台2200の軸線に沿った溝を載置台2200に設けることによって形成されてもよい。幾つかの例において、格納空間2230内に乾燥剤(図示せず)が格納されてもよい。これにより、カセット装置2000内での乾燥環境の形成に寄与することができ、センサ820の保存に寄与する。
【0351】
幾つかの例において、カセット装置2000は、ステージ2300(図15A参照)をさらに含んでもよい。ステージ2300は、載置台2200に沿って移動可能に構成されてよい。
【0352】
幾つかの例において、ステージ2300は、透かし彫り部分2310(図15C参照)を含んでもよい。幾つかの例において、透かし彫り部分2310の透かし彫り輪郭は、載置台2200の輪郭とほぼ同じであってもよい。幾つかの例において、ステージ2300は、載置台2200に沿って移動可能に構成され、移動時に透かし彫り部分2310が載置台2200の外周に外嵌されてもよい。この場合、載置台2200の上面がステージ2300の上面又は下面以下に位置している時、載置台2200に載置されたセンサ820が隠れ、ステージ2300の下降に伴って載置台2200の上面がステージ2300の上面以上に位置している時、センサ820が露出してもよい。
【0353】
幾つかの例において、ステージ2300は、挟持部2320を含んでもよい。挟持部2320は、透かし彫り部分2310の両側に対向して設けられた2320a及び2320bを含んでもよい。尖鋭物270もカセット装置2000内に封止されている場合、2320aと2320bは尖鋭物270のキャップ部276を挟持することができる。この場合、挟持部2320によって尖鋭物270のキャップ部276を挟持することで、より安定して尖鋭物270をカセット装置2000内に封止することができる。
【0354】
幾つかの例において、ステージ2300は、被支承部分2350(図15C参照)を含んでもよい。被支承部分2350を支持することにより、ステージ2300を載置台2200の上方に位置させることができる。幾つかの例において、被支承部分2350の数は、1つまたは複数であってもよく、例えば、1、2、3、4である。図15Cに示す実施例において、被支承部分2350は、2350a、2350b、2350c、及び2350dを含むことができる。幾つかの例において、複数の被支承部分2350は、ステージ2300の周縁に対称的に分布してもよい。これにより、被支承の均一化に寄与することができる。
【0355】
幾つかの例において、被支承部2350は、軸線にほぼ直交する方向に沿ってステージ2300の本体から外方に突出するアーム2351と、軸線にほぼ直交する方向に沿ってステージ2300の本体から、アーム2351からさらに外方に突出する突起2352と、ステージ2300の周方向にほぼ沿ってアーム2351から側方に突出する側板2353とを含んでもよく、アーム2351は弾性を有してもよい。この場合、側板2353によって支持されることができ、突起2352に作用することによってアーム2351をステージ2300の本体部分に向かって移動させることができ、側板2353と連動して初期位置から離れ、支持されなくなる。ステージ2300が支持されなくなると、ステージ2300をカセット2100の底部に向けて作用させることにより、載置台2200に載置されたセンサ820を露出させることができる。続くプロセスを容易にし、例えば、投与装置1000によるセンサ820のピックアップを容易にする。
【0356】
幾つかの例において、ステージ2300は、受圧部分2330(図15C参照)をさらに含んでもよい。受圧部分2330を押圧することにより、ステージ2300を載置台2200に沿ってカセット2100の底部に向けて移動させることができる。幾つかの例において、受圧部分2330は、軸線にほぼ直交する方向に沿ってステージ2300の本体部から外方に突出してもよい。幾つかの例において、受圧部分2330の数は、1つ又は複数、例えば、1、2、3又は4であってもよい。図15Cに示す実施例では、受圧部分2330は、2330a、2330b、2330c、及び2330dを有する。幾つかの例において、複数の受圧部分2330は、ステージ2300の周縁に対称に分布してもよい。これにより、受圧の均一化に寄与することができる。
【0357】
幾つかの例において、ステージ2300は、被制限部分2360(図15C参照)をさらに含んでもよい。被制限部分2360に制限を加えることにより、ステージ2300が載置台2200に沿って移動することをさらに制限することができる。幾つかの例において、被制限部分2360は、ステージ2300の周縁に設けられたリッジ又は溝であってもよい。幾つかの例において、被制限部分2360の数は、1つまたは複数、例えば、1、2、3、または4であってもよい。図15Cに示す実施例では、被制限部2360は、ステージ2300の周縁に並設され、ステージ2300の軸線方向に沿う2つのリッジと、当該2つのリッジの間に形成された溝である。また、図15Cに示す実施例において、被制限部分2360は、2360a、2360b、及び2360cを含んでもよい。
【0358】
幾つかの例において、カセット装置2000は、柵構造2400(図15A参照)をさらに含んでもよい。柵構造2400は、ステージ2300を支持するように配置されてもよく、ステージ2300の移動を案内または限定するように配置されてもよい。
【0359】
幾つかの例において、柵構造2400は、支持部2410(図15B参照)を含んでもよい。支持部2410は、ステージ2300の被支持部分2350を支持することができる。幾つかの例において、支持部2410は、柵構造2400の本体部から内側に突出する突起であってもよい。支持部2410の数及び位置は、ステージ被支持部分2350の数及び位置に対応し、例えば、数が同じであり、軸線に沿った投影面が少なくとも部分的に重なる。図15Bに示される実施例において、支持部2410は、2410a、2410b、2410c、及び2410dを含むことができる。
【0360】
幾つかの例において、柵構造2400は、制限部分2420(図15B参照)をさらに含んでもよい。制限部分2420は、ステージ2300の被制限部分2360を限定することができる。これにより、ステージ2300の移動を限定することができる。幾つかの例において、制限部分2420は、柵構造2400の本体部から内側に突出するリッジ状突起であってもよく、リッジ状突起は被制限部分2360の溝内に嵌め込まれてもよい。図15Bに示す実施例において、制限部分2420は、2420a、2420b、及び2420cであってもよい。
【0361】
図16Aは、本実施形態例に係る載置台2200にセンサ820が載置されたことを示す模式図であり、図16Bは、本実施形態例に係るステージ2300が載置台2200よりも高いことを示す模式図であり、図16Cは、本実施形態例に係るステージ2300がカセット2100の底部に向かって載置台2200よりも低く移動したことを示す模式図である。
【0362】
幾つかの例において、柵構造2400は、回避部分2430(図16A参照)をさらに含んでもよい。ステージ2300が下方に移動するときに、回避部分2430は、受圧部分2330に回避空間を提供することができる。図16Aに示す実施例において、回避部分2430は、2430aと2430bを含んでもよい。
【0363】
図16A図16B、及び図16Cを参照すると、載置台2200には、尖鋭物270、センサ820、及び接続部840が載置されている。ステージ2300が初期位置に位置する場合、尖鋭物270等はステージ2300の透かし彫り部分2310内に隠れてもよく、ステージ2300がカセット2100の底部に向かって駆動された後、載置台2200は透かし彫り部分2310を通過して尖鋭物270等を露出させる。
【0364】
上述したように、ステージ2300の被支持部2350(具体的には、側板2353)は、柵構造2400の支持部2410に支持されることで、載置台2200の上方に保持され、尖鋭部270等を隠す。アーム2351は、突出部2352に内側に作用を与えることにより、内側に枢動し、側板2353と連動して内側へ移動することで、支持部2410から離れて支持されなくなる。この場合、ステージ2300にカセット2100の底部に向かう作用を加えることにより、ステージ2300を載置台2200に対して下に移動させることができる。
【0365】
幾つかの例において、投与装置1000は、カセット装置2000とフィットして、カセット装置2000内に保存された尖鋭物270、センサ820、及び接続部840などのデバイスをピックアップすることができる。
【0366】
図17は、本実施形態例に係る筐体10を中心軸線CAにほぼ直交する方向に沿って示す断面図である。
【0367】
図17を参照すると、筐体10の第2限定機構170の内壁には、第1種リブ187と、第2種リブ188と、第3種リブ189とが設けられている。
【0368】
第1種リブ187は、カセット装置2000内のガイド溝(図示せず)とフィットして、所望の方向に沿ったピックアップを補助するように配置されている。図17に示す実施例において、第1種リブ187は、187a、187b、187c、及び187dを含んでもよい。
【0369】
第3種リブ189は、ステージ2300の被支持部分2350の突起2352とフィット可能に配置されてもよく、カセット2100の底部に向かって投与装置1000に作用を加えると、第2種リブ188は被支持部分2350の突起2352に当接して突起2352を内側に駆動させ、アーム2351は内側に枢動して側板2353と連動して支持された位置から離れる。幾つかの例において、第3種リブ189の数は、1つまたは複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、または4つである。幾つかの例において、第3種リブ189の数は、ステージ2300の被支承部分2350の数と同じであってもよい。図17に示す実施例では、第3種リブ189は、189a、189b、189c、および189dを含んでもよい。
【0370】
第2種リブ188は、ステージ2300の受圧部分2330とフィット可能に配置され、カセット2100の底部に向かって投与装置1000に作用を与えると、第2種リブ188は、受圧部分2330に当接し、カセット2100の底部に向かって駆動される。幾つかの例において、第2タイプリブ188の数は、1つ又は複数であってもよく、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つである。幾つかの例において、第2種リブ188の数は、ステージ2300の受圧部分2330の数と同じであってもよい。図17に示す実施例において、第2種リブ188は、188a、188b、188c、及び188dを含むことができる。
【0371】
図18Aは、本実施形態例に係る投与装置1000とカセット装置2000との装着前を示す模式図であり、図18Bは、本実施形態例に係る投与装置1000とカセット装置2000との装着後を示す模式図である。以上、投与装置1000とカセット装置2000との構造的なフィット関係について説明したが、この場合、カセット装置2000に向けて投与装置1000に作用を与えて、図18A及び図18Bに示すようなピックアップ過程が発生してもよい。
【0372】
図19Aは、本実施形態例に係るカセット装置2000がセンサ820を第1種の形態例で保存し、ピックアップされた場合を示す模式図であり、図19Bは、本実施形態例に係るカセット装置2000がセンサ820を第2種の形態例で保存し、ピックアップされた場合を示す模式図である。
【0373】
図19Aに示す実施例では、尖鋭物270、センサ820及び接続部840がカセット装置2000内に格納され、投与装置1000によって尖鋭物270、センサ820及び接続部840がピックアップされる。本実施例において、穿刺部材260の尖鋭物270と支持台280は分離可能な装着構造であってもよい。ピックアップ過程において、尖鋭物270のキャップ部276は、貼付部860の孔864、第2底部220の孔226を順に通過して尖鋭物固定部282にピックアップされて支持台280に固定され、接続部840は貼付部860の受取部866に受けられて収容され、貼付部860は収容部250に受けられて収容される。この過程を経て、医療器具800が投与装置1000によりピックアップされる。なお、ピックアップ前に、貼付部860は、既に投与装置1000に受け取られて収容されていてもよい。
【0374】
図19Bに示す実施例では、センサ820、接続部840がカセット装置2000内に格納され、投与装置1000によってセンサ820と接続部840がピックアップされる。本実施例において、穿刺部材260の尖鋭物270と支持台280は分離可能であってもよく、一体型であってもよい。ピックアップ過程において、針状部272は、第2底部220の孔226、貼付部860の孔864、及び接続部840の孔842を順に通過し、センサ820のはめ込み部分を溝274内に収容し、接続部840は、貼付部860の受取部866内に受けられて収容され、貼付部860は、収容部250内に受けられて収容される。この過程を経て、医療器具800は投与装置1000に受け取られる。なお、ピックアップ前において、貼付部860は、既に投与装置1000に受け入れられて収容されていてもよく、針状部272は、既に孔226及び孔864を通過してもよい。
【0375】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、必要に応じて本発明に対して変形及び変更を行うことができ、これらの変形及び変更はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図10I
図10J
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
【手続補正書】
【提出日】2024-02-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具を宿主に投与するための投与装置であって、
筐体と、補助機構と、第1駆動機構と、第2駆動機構とを含み、
前記筐体は、第1保持部と、操作時に宿主に近い近位端と、宿主に遠い遠位端とを含み、
前記補助機構は、前記第1保持部に解放可能に保持され、且つ解放時に前記筐体に対して移動可能に配置された運動本体と、前記運動本体に設けられ、且つ前記医療器具を受け入れて収容可能に配置された収容部と、前記運動本体に設けられた第2保持部と、前記第2保持部に解放可能に保持され、且つ解放時に前記収容部に対して移動可能に配置された穿刺部材とを含み、
前記第1駆動機構は、前記近位端に向けて前記運動本体に作用を与えるように配置され、
前記第2駆動機構は、前記遠位端に向けて前記穿刺部材に作用を与えるように配置され、
前記運動本体が解放されると、前記運動本体は、前記穿刺部材を介して前記収容部に収容されている医療器具を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置するように、前記第1駆動機構によって前記近位端に向けて駆動され、前記穿刺部材は、宿主から離れるように、前記第2駆動機構によって前記遠位端に向けて駆動される、投与装置。
【請求項2】
前記運動本体は、前記第1保持部と解放可能にインターロックするように配置された第1錠止部を含む、請求項1に記載の投与装置。
【請求項3】
前記第1保持部と前記第1錠止部とを分離させて前記運動本体を解放するように配置された第1トリガー機構をさらに含む、請求項2に記載の投与装置。
【請求項4】
前記穿刺部材は、前記第2保持部と解放可能にインターロックするように配置された第2錠止部を含む、請求項1に記載の投与装置。
【請求項5】
前記第2保持部と前記第2錠止部とを分離させて前記穿刺部材を解放するように配置された第2トリガー機構をさらに含む、請求項に記載の投与装置。
【請求項6】
前記筐体は、前記第1保持部を有する第1筐体と、前記第1筐体に装着可能な第2筐体とを含み、前記第2筐体は、互いに連通する第1限定機構と第2限定機構とを有し、前記第2限定機構は、前記医療器具の貼り付け位置を限定するように配置され、前記補助機構は、前記第1限定機構に装着され、且つ、前記運動本体が前記第1保持部によって解放される時に前記第1限定機構に沿って移動可能である、請求項1に記載の投与装置。
【請求項7】
前記運動本体は、前記遠位端に近い第1底部と、前記近位端に近い第2底部と、前記第1底部と前記第2底部とを接続する側壁と、前記第1底部、前記第2底部及び前記側壁の間に形成された中空部と、を有し、前記収容部は、前記第2底部に設けられ、且つ、前記穿刺部材が解放される時に前記中空部に沿って移動可能である、請求項に記載の投与装置。
【請求項8】
前記穿刺部材は、溝を有する尖鋭物と、前記尖鋭物を支持するための支持台とを含み、前記医療器具は、全部又は一部が前記尖鋭物の溝に配置され、前記第2駆動機構は、前記支持台に作用を与えるように配置されている、請求項に記載の投与装置。
【請求項9】
前記医療器具は、宿主の皮下に配置可能なセンサと、前記センサに接続され且つ宿主の体表に貼付可能な貼付部とを含む、請求項1に記載の投与装置。
【請求項10】
前記第1保持部は、前記遠位端に面する表面を有し、前記第1錠止部は、前記近位端に面する表面を有し、前記運動本体が保持されている時に、前記第1保持部の前記遠位端に面する表面は、前記第1錠止部の前記近位端に面する表面に接合し、前記運動本体が解放されている時に、前記第1保持部の前記遠位端に面する表面は、前記第1錠止部の前記近位端に面する表面と分離する、請求項2に記載の投与装置。
【請求項11】
前記第1保持部は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びるアームと、該アームに連動して前記投与装置の中心軸線に直交する方向にほぼ沿って突出する突起とを有する、請求項2に記載の投与装置。
【請求項12】
前記第1トリガー機構は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びる駆動部を有し、前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動可能に配置される、請求項に記載の投与装置。
【請求項13】
前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記第1トリガー部の駆動部と前記第1保持部とは少なくとも部分的に重なり、前記第1トリガー部が前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動すると、前記第1保持部は、前記第1錠止部から離れるように駆動される、請求項12に記載の投与装置。
【請求項14】
前記第1筐体は、中空筒状の周面部と、前記遠位端に近づくように前記周面部の一端に設けられた端部とを含み、前記第1保持部が前記端部に設けられている、請求項に記載の投与装置。
【請求項15】
前記第1限定機構は、前記投与装置の中心軸線に沿う方向における前記運動本体のストロークを制限する、請求項に記載の投与装置。
【請求項16】
前記第1限定機構は、前記運動本体の回転を抑止する、請求項に記載の投与装置。
【請求項17】
前記穿刺部材の支持台は前記中空部内に設けられ、前記収容部が前記第2底部に設けられ、前記第2底部が貫通孔を有し、前記尖鋭物が前記第2底部の貫通孔を通過する、請求項に記載の投与装置。
【請求項18】
前記穿刺部材が保持されている時に、前記支持台と前記第1底部との間隔は、前記尖鋭物が前記収容部から突出する長さ以上である、請求項に記載の投与装置。
【請求項19】
前記センサは、前記貼付部に取り外し可能に装着される、請求項に記載の投与装置。
【請求項20】
前記貼付部は、上面から下面に貫通する孔を有し、且つ、前記センサが前記貼付部に装着された時に、前記センサの軸線が当該孔を通過する、請求項に記載の投与装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0375
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0375】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、必要に応じて本発明に対して変形及び変更を行うことができ、これらの変形及び変更はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
[発明の項目]
[項目1]
医療器具を宿主に投与するための投与装置であって、
筐体と、補助機構と、第1駆動機構と、第2駆動機構とを含み、
前記筐体は、第1保持部と、操作時に宿主に近い近位端と、宿主に遠い遠位端とを含み、
前記補助機構は、前記第1保持部に解放可能に保持され、且つ解放時に前記筐体に対して移動可能に配置された運動本体と、前記運動本体に設けられ、且つ前記医療器具を受け入れて収容可能に配置された収容部と、前記運動本体に設けられた第2保持部と、前記第2保持部に解放可能に保持され、且つ解放時に前記収容部に対して移動可能に配置された穿刺部材とを含み、
前記第1駆動機構は、前記近位端に向けて前記運動本体に作用を与えるように配置され、
前記第2駆動機構は、前記遠位端に向けて前記穿刺部材に作用を与えるように配置され、
前記運動本体が解放されると、前記運動本体は、前記穿刺部材を介して前記収容部に収容されている医療器具を少なくとも部分的に宿主の皮下に配置するように、前記第1駆動機構によって前記近位端に向けて駆動され、前記穿刺部材は、宿主から離れるように、前記第2駆動機構によって前記遠位端に向けて駆動される、投与装置。
[項目2]
前記運動本体は、前記第1保持部と解放可能にインターロックするように配置された第1錠止部を含む、項目1に記載の投与装置。
[項目3]
前記第1保持部は、スナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つの構造を介して、前記第1錠止部と解放可能にインターロックする、項目2に記載の投与装置。
[項目4]
前記第1保持部と前記第1錠止部とを分離させて前記運動本体を解放するように配置された第1トリガー機構をさらに含む、項目2に記載の投与装置。
[項目5]
前記穿刺部材は、前記第2保持部と解放可能にインターロックするように配置された第2錠止部を含む、項目1に記載の投与装置。
[項目6]
前記第2保持部は、スナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つの構造を介して、前記第2錠止部と解放可能にインターロックする、項目5に記載の投与装置。
[項目7]
前記第2保持部と前記第2錠止部とを分離させて前記穿刺部材を解放するように配置された第2トリガー機構をさらに含む、項目5に記載の投与装置。
[項目8]
前記筐体は、前記第1保持部を有する第1筐体と、前記第1筐体に装着可能な第2筐体とを含み、前記第2筐体は、互いに連通する第1限定機構と第2限定機構とを有し、前記第2限定機構は、前記医療器具の貼り付け位置を限定するように配置され、前記補助機構は、前記第1限定機構に装着され、且つ、前記運動本体が前記第1保持部によって解放される時に前記第1限定機構に沿って移動可能である、項目1に記載の投与装置。
[項目9]
前記運動本体は、前記遠位端に近い第1底部と、前記近位端に近い第2底部と、前記第1底部と前記第2底部とを接続する側壁と、前記第1底部、前記第2底部及び前記側壁の間に形成された中空部と、を有し、前記収容部は、前記第2底部に設けられ、且つ、前記穿刺部材が解放される時に前記中空部に沿って移動可能である、項目8に記載の投与装置。
[項目10]
前記穿刺部材は、溝を有する尖鋭物と、前記尖鋭物を支持するための支持台とを含み、前記医療器具は、全部又は一部が前記尖鋭物の溝に配置され、前記第2駆動機構は、前記支持台に作用を与えるように配置されている、項目9に記載の投与装置。
[項目11]
前記医療器具は、宿主の皮下に配置可能なセンサと、前記センサに接続され且つ宿主の体表に貼付可能な貼付部とを含む、項目1に記載の投与装置。
[項目12]
前記第1保持部は、前記遠位端に面する表面を有し、前記第1錠止部は、前記近位端に面する表面を有し、前記運動本体が保持されている時に、前記第1保持部の前記遠位端に面する表面は、前記第1錠止部の前記近位端に面する表面に接合し、前記運動本体が解放されている時に、前記第1保持部の前記遠位端に面する表面は、前記第1錠止部の前記近位端に面する表面と分離する、項目2に記載の投与装置。
[項目13]
前記第1保持部の少なくとも一部は、L字状またはフック状を呈する、項目2に記載の投与装置。
[項目14]
前記第1保持部は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びるアームと、該アームに連動して前記投与装置の中心軸線に直交する方向にほぼ沿って突出する突起とを有する、項目2に記載の投与装置。
[項目15]
前記第1保持部のアームは、前記投与装置の中心軸線にほぼ直交する方向に弾性を有する、項目14に記載の投与装置。
[項目16]
前記第1保持部のアームは、前記遠位端から前記近位端への方向において前記投与装置の中心軸線に向かって近づき、前記第1保持部の突起は、前記投与装置の中心軸線に向かって突出する、項目14に記載の投与装置。
[項目17]
前記第1保持部のアームは、前記遠位端から前記近位端への方向において前記投与装置の中心軸線に背いて離れ、前記第1保持部の突起は、前記投与装置の中心軸線に背いて突出する、項目14に記載の投与装置。
[項目18]
前記第1錠止部は、前記近位端から前記遠位端への方向において、前記投与装置の中心軸線とほぼ平行して離れるか、または、前記投与装置の中心軸線に背いて離れる、項目2又は16に記載の投与装置。
[項目19]
前記第1錠止部は、前記近位端から前記遠位端への方向において、前記投与装置の中心軸線にほぼ平行して近づくか、または、前記投与装置の中心軸線に向かって近づく、項目2又は17に記載の投与装置。
[項目20]
前記第1トリガー機構は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びる駆動部を有し、前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動可能に配置される、項目4に記載の投与装置。
[項目21]
前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記第1トリガー部の駆動部と前記第1保持部とは少なくとも部分的に重なり、前記第1トリガー部が前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動すると、前記第1保持部は、前記第1錠止部から離れるように駆動される、項目20に記載の投与装置。
[項目22]
前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記第1トリガー部の駆動部と前記第1錠止部とは少なくとも部分的に重なり、前記第1トリガー部が前記投与装置の中心軸線の方向に沿って移動すると、前記第1錠止部は、前記第1保持部から離れるように駆動される、項目20に記載の投与装置。
[項目23]
前記第1筐体は、中空筒状の周面部と、前記遠位端に近づくように前記周面部の一端に設けられた端部とを含み、前記第1保持部が前記端部に設けられている、項目8に記載の投与装置。
[項目24]
前記第1筐体の内壁に1つ又は複数のリブ状突起が設けられ、前記第2筐体の外壁に1つ又は複数のリブ状溝が設けられ、前記第2筐体が前記第1筐体に装着された時、前記1つ又は複数のリブ状突起がそれぞれ前記1つ又は複数のリブ状溝に嵌め込まれる、項目8に記載の投与装置。
[項目25]
前記第1限定機構及び前記第2限定機構は中空筒状を呈し、且つ前記第1限定機構の内径が前記第2限定機構の内径以下である、項目8に記載の投与装置。
[項目26]
前記運動本体が解放されると、前記運動本体は前記第1限定機構に沿って移動可能であり、且つ、前記収容部は前記第2限定機構に沿って移動可能である、項目8に記載の投与装置。
[項目27]
前記第1限定機構は、前記投与装置の中心軸線に沿う方向における前記運動本体のストロークを制限する、項目8に記載の投与装置。
[項目28]
前記投与装置の中心軸線に沿う方向に投影する際に、前記収容部と前記第1限定機構の壁とは少なくとも部分的に重なり、前記運動本体の前記遠位端に近い一端と前記第1限定機構の壁とは少なくとも部分的に重なる、項目27に記載の投与装置。
[項目29]
前記第1限定機構は、前記運動本体の回転を抑止する、項目8に記載の投与装置。
[項目30]
前記第1限定機構は、前記投与装置の中心軸線の方向に沿って連続的又は非連続的に内壁に設けられた溝及び/又はリッジを含む、項目29に記載の投与装置。
[項目31]
前記運動本体の前記遠位端に近い一端には、前記投与装置の中心軸線にほぼ直交する方向に沿って、該中心軸線に背いて突出する突起が設けられている、項目9に記載の投与装置。
[項目32]
前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って前記側壁の外壁に設けられた溝及び/又はリッジを含む、項目9に記載の投与装置。
[項目33]
前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿う切欠きを有する、項目9に記載の投与装置。
[項目34]
前記第1限定機構の内壁には、前記切欠きを介して前記投与装置の中心軸線に向かって突出可能な突起が設けられている、項目33に記載の投与装置。
[項目35]
前記運動本体は、前記穿刺部材の回転を抑止するように配置されている、項目9に記載の投与装置。
[項目36]
前記運動本体は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って前記側壁の内壁に設けられた溝及び/又はリッジを含む、項目35に記載の投与装置。
[項目37]
前記尖鋭物は、前記支持台と一体成形されている、項目10に記載の投与装置。
[項目38]
前記尖鋭物は、前記支持台に取り外し可能に装着結合されるように配置されている、項目10に記載の投与装置。
[項目39]
前記尖鋭物は、針状部と、前記針状部に固定接続されたキャップ部とを有し、前記支持台は、互いに近づく複数のフィンガー部を有し、前記キャップ部は、前記複数のフィンガー部によって解放可能に挟持される、項目10に記載の投与装置。
[項目40]
前記穿刺部材は、前記第2保持部と解放可能にインターロックするように配置され、且つ前記支持台に設けられた第2錠止部を含み、前記第2錠止部は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って延びるアームと、該アームに連動して前記投与装置の中心軸線に直交する方向にほぼ沿って前記投与装置の中心軸線に背いて突出する突起とを含む、項目10に記載の投与装置。
[項目41]
前記第2錠止部のアームは、前記投与装置の中心軸線にほぼ直交する方向に弾性を有する、項目40に記載の投与装置。
[項目42]
前記運動本体は、前記投与手段の中心軸線の方向にほぼ沿う切欠きを有し、且つ、前記穿刺部材が保持されている時に、前記第2錠止部の突起が前記切欠きを通過する、項目40に記載の投与装置。
[項目43]
前記穿刺部材が解放されると、前記第2錠止部のアームは前記投与装置の中心軸線に向かって押圧される、項目40に記載の投与装置。
[項目44]
前記支持台は、前記投与装置の中心軸線の方向にほぼ沿って外壁に設けられた溝及び/又はリッジを含む、項目10に記載の投与装置。
[項目45]
前記穿刺部材の支持台は前記中空部内に設けられ、前記収容部が前記第2底部に設けられ、前記第2底部が貫通孔を有し、前記尖鋭物が前記第2底部の貫通孔を通過する、項目10に記載の投与装置。
[項目46]
前記穿刺部材が保持されている時に、前記支持台と前記第1底部との間隔は、前記尖鋭物が前記収容部から突出する長さ以上である、項目10に記載の投与装置。
[項目47]
前記穿刺部材が保持されている時に、前記第2保持部は、スナップフィット、フック、ラッチまたはピンの少なくとも1つを介して、前記第2錠止部と解放可能にインターロックする、項目5に記載の投与装置。
[項目48]
前記第2駆動機構は、前記支持台と前記第2底部との間に設けられている、項目10に記載の投与装置。
[項目49]
前記第2駆動機構はバネである、項目1に記載の投与装置。
[項目50]
前記第1駆動機構はバネである、項目1に記載の投与装置。
[項目51]
前記センサは、体液中の分析物と反応して分析物情報を生成するように配置されている、項目11に記載の投与装置。
[項目52]
前記分析物は、アセチルコリン、アミラーゼ、ビリルビン、コレステロール、絨毛性ゴナドトロピン、クレアチンキナーゼ、クレアチン、クレアチニン、DNA、フルクトサミン、グルコース、グルタミン、成長ホルモン、ホルモン、ケトン体、乳酸塩、酸素、過酸化物、前立腺特異的抗原、プロトロンビン、RNA、甲状腺刺激ホルモン又はトロポニンのうちの1種又は複数種である、項目51に記載の投与装置。
[項目53]
前記センサは、宿主の皮下に配置可能なはめ込み部分と、前記はめ込み部分と前記貼付部とを接続する接続部分とを含む、項目11に記載の投与装置。
[項目54]
前記センサは、前記貼付部に取り外し可能に装着される、項目11に記載の投与装置。
[項目55]
前記貼付部は、前記センサに電力を供給し、且つ前記センサにより生成された情報を受信するように配置されている、項目11に記載の投与装置。
[項目56]
前記貼付部は、上面から下面に貫通する孔を有し、且つ、前記センサが前記貼付部に装着された時に、前記センサの軸線が当該孔を通過する、項目11に記載の投与装置。
[項目57]
前記貼付部は、宿主の体表に接着可能に配置されている、項目11に記載の投与装置。
[項目58]
前記貼付部は、開路に配置されている初期状態と、閉路に配置されている動作状態とを有する、項目11に記載の投与装置。
[項目59]
前記貼付部は、無線通信方式又は有線通信方式によって外部装置と通信可能に配置されている、項目11に記載の投与装置。
[項目60]
前記貼付部は、磁気作用又は光作用を受けて、前記初期状態から前記動作状態に励起されるように配置されている、項目11に記載の投与装置。
【国際調査報告】