(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-19
(54)【発明の名称】製品展示装置内の製品の寸法を特定する方法
(51)【国際特許分類】
G01B 21/02 20060101AFI20240911BHJP
G01B 11/02 20060101ALI20240911BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240911BHJP
A47F 10/02 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
G01B21/02 Z
G01B11/02 Z
B65G1/137 A
A47F10/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579864
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 EP2021070820
(87)【国際公開番号】W WO2023006171
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523485515
【氏名又は名称】カプターナ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ウンミューシヒ・ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
2F065
2F069
3F522
【Fターム(参考)】
2F065AA21
2F065BB05
2F065DD02
2F065DD06
2F065FF04
2F065FF11
2F065GG04
2F065HH04
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065MM16
2F065QQ31
2F065SS03
2F065SS13
2F069AA31
2F069CC05
2F069DD16
2F069GG01
2F069GG04
2F069GG07
2F069GG66
2F069HH09
2F069HH30
2F069KK10
2F069QQ05
3F522AA04
3F522BB06
3F522BB26
3F522CC09
3F522FF02
3F522FF17
3F522GG17
3F522HH30
3F522LL36
3F522LL62
(57)【要約】
製品展示装置内に配置された製品の寸法を特定する方法であって、製品の少なくとも1つの寸法を代表するパラメータの変化を自動で確認するステップであって、パラメータは、電子式のセンサにより捕捉され、センサは、製品展示装置内に配設されているステップと、製品の少なくとも1つの寸法を、確認されたパラメータの変化に基づいて自動で検出するステップと、を有する、製品展示装置内に配置された製品の寸法を特定する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品展示装置(1)内に配置された製品(10)の寸法を特定する方法であって、
前記製品(10)の少なくとも1つの寸法を代表するパラメータの変化を自動で確認するステップであって、前記パラメータは、電子式のセンサ(2)により捕捉され、前記センサ(2)は、前記製品展示装置(1)内に配設されているステップと、
前記製品(10)の少なくとも1つの寸法を、確認された前記パラメータの前記変化に基づいて自動で検出するステップと、
を有する製品展示装置内に配置された製品の寸法を特定する方法。
【請求項2】
前記センサ(2)は、
場所可変に位置決め可能であるか、
又は固定に配置されている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサ(2)は、以下に記載する形成の少なくとも1つ、すなわち、
タイム・オブ・フライト・センサあるいは飛行時間センサ、
カメラ、
3Dカメラシステム、
タイム・オブ・フライト・カメラ、
LIDAR、
感圧性のセンサマットとして、
感光性の素子からなるアレイを有するセンサマットとして、
を有する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
学習フェーズが起動されたときだけ、前記製品(10)の前記寸法の前記検出を実施する請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記代表するパラメータの確認された前記変化を、少なくとも1つの起動についてチェックし、前記起動の存在を確認すると、前記学習フェーズを起動する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記製品(10)の前記寸法の前記検出を前記パラメータの単一の変化から直接に実施する請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記製品(10)の前記寸法の前記検出を前記パラメータの複数の変化から実施する請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの前記寸法の前記検出を、前記代表するパラメータの前記変化を処理あるいは評価する人工知能により実施する請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記製品(10)の前記寸法は、前記製品展示装置(1)あるいは収蔵構造の奥行きの方向で測定される前記製品(10)の奥行きであり、かつ
前記パラメータの前記変化は、前記製品展示装置(1)の前記奥行きあるいは前記収蔵構造の前記奥行きの方向での、前記センサ(2)により確認される距離変化(Δy)により与えられており、かつ
前記製品(10)の前記奥行きは、確認される前記距離変化(Δy)により検出される、
請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
センサ(2)として、センサ信号の飛行時間測定に基づくセンサ(2)、特にcm範囲又はサブcm範囲の分解能を有するセンサ(2)を使用する請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
製品展示装置(1)内の商品在庫を監視する商品在庫監視方法であって、
前記製品展示装置(1)内には、少なくとも1つの製品(10)が配置可能であり、
前記製品(10)について、前記商品在庫監視を代表する少なくとも1つの寸法、特に前記製品(10)の奥行きが、予め既知、特に、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法にしたがって特定されて既知であり、
前記製品(10)の少なくとも1つの寸法を代表するパラメータの変化を自動で確認する方法ステップであって、前記パラメータは、電子式のセンサ(2)により捕捉され、前記センサ(2)は、前記製品展示装置(1)内に配設されている方法ステップと、
製品個数の変化を自動で検出する方法ステップであって、前記代表するパラメータの前記変化を、前記商品在庫監視を代表する少なくとも1つの前記寸法と対比して評価する方法ステップと、を有する製品展示装置内の商品在庫を監視する商品在庫監視方法。
【請求項12】
自動で確認される前記製品個数の前記変化が、前記製品個数の閾値の下回りに至るか否かが検査され、肯定の検査結果のときに、追加配備アラームが起動される請求項11に記載の商品在庫監視方法。
【請求項13】
自動で確認される前記製品個数の変化が、前記製品個数変化の閾値の上回りに至るか否かが検査され、肯定の検査結果のときに、盗難アラームが起動される請求項11又は12に記載の商品在庫監視方法。
【請求項14】
前記検査時、製品固有又は製品群固有の閾値を使用する請求項12又は13に記載の商品在庫監視方法。
【請求項15】
前記製品個数の前記変化を自動で確認する際、付加的なシステムコンポーネント、特に、前記製品個数の前記変化を電子式に伝える決済システム若しくはレジスタシステム、又は前記製品個数の前記変化が確認された前記製品展示装置(1)のデジタル式の記録を作成する光学式の監視システムを取り入れる請求項11~14のいずれか1項に記載の商品在庫監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品展示装置内の製品の寸法を特定する方法に関する。
【0002】
さらに本発明は、製品展示装置内の商品在庫監視をする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
小売業では、販売に提供される製品あるいはその包装の寸法に関する信頼性の高い情報を利用できるようにしたい、というニーズが、長らく存在している。これらの寸法は、小売業において、利用可能な展示面の利用の最適化のために使用され、かつ商品ロジスティクスの制御のためにも利用され得る。商品ロジスティクスにおいて重要であるのは、例えば、製品の追加補充のための適正な時点を認識し、これにより、このプロセスを効率的に運用すること、つまり、開始が早すぎれば、ヒューマンリソースを無駄に拘束してしまうので、早すぎないようにし、又は開始が遅すぎれば、棚内における該当する製品の提供に不足が生じてしまうことがあり、このことは、他方では、販売数に負の影響を及ぼしかねないため、遅すぎないようにすることである。
【0004】
一般に、製品の生産者は、製品の寸法を体系的に提供しない。また、寸法は、時の経過とともに変化することがある。それというのも、例えば包装は変化していくからである。
【0005】
加えて小売業者は、店舗内に展示すべき製品の多くの寸法を手動で把握し、これに関する体系的な、特にデジタル化されたデータベースを構築し、このデータベースを管理、特に継続的に管理するためのリソースを有しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、それゆえ、この問題点のための解決手段を提供するという課題を設定した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、請求項1に記載の方法により解決される。本発明の対象は、それゆえ、製品展示装置内に配置された製品の寸法を特定する方法であって、製品の少なくとも1つの寸法を代表するパラメータの変化を自動で確認するステップであって、パラメータは、電子式のセンサにより捕捉され、センサは、製品展示装置内に配設されているステップと、製品の少なくとも1つの寸法を、確認されたパラメータの変化に基づいて自動で検出するステップと、を有する、製品展示装置内に配置された製品の寸法を特定する方法である。
【0008】
上記課題は、さらに請求項11に記載の商品在庫監視方法により解決される。本発明の対象は、それゆえ、製品展示装置内の商品在庫を監視する商品在庫監視方法であって、製品展示装置内には、少なくとも1つの製品が配置可能であり、製品のために、商品在庫監視を代表する少なくとも1つの寸法、特に製品の奥行きが、予め既知、特に、製品展示装置内に配置された製品を特定する本発明に係る方法にしたがって特定されて既知であり、製品の少なくとも1つの寸法を代表するパラメータの変化を自動で確認する方法ステップであって、パラメータは、電子式のセンサにより捕捉され、センサは、製品展示装置内に配設されている方法ステップと、製品個数の変化を自動で検出する方法ステップであって、代表するパラメータの変化を、商品在庫監視を代表する少なくとも1つの寸法と対比して査定する方法ステップと、を有する、製品展示装置内の商品在庫を監視する商品在庫監視方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明による手段により、それゆえ、利用可能な展示面の利用の最適化のために必要とされ、かつ最適化された商品ロジスティクスのためにも必要とされる少なくとも1つの寸法が、直接に製品展示装置内で、製品の製造元あるいは供給元から切り離されて、つまり、古かったり、不完全であったりする可能性のある、又は経時的な変化もある、製造元あるいは供給元の申告によらず、自動で特定され、その後、自由に利用可能であるという利点が生じる。
【0010】
本発明による手段は、製品の少なくとも1つの寸法を、自動で、かつ動的にも、つまり、時間的な経過にわたって自動化して、直接に棚内で特定することを可能にする。それゆえ、つまり、製品の寸法を手動で把握することは、完全に省略され得る。本方法によれば、それどころか、製品の少なくとも1つの寸法を特定する時点では、どの特定の製品が棚内に存在しているかは、重要ではない。実際の製品と、捕捉された寸法との間の割り当ては、別の時点で実施され得る。
【0011】
寸法の特定は、これにより、製造元の申告に基づいて創出され、手間を要して手動でメンテナンスされなければならない中央のデジタル式のデータベースであって、製品と寸法との間の対応関係が中央で記憶され、サーバを介して提供されるデータベースよりも、遥かにフレキシブルである。このようなデジタル式のデータベースの構築は、今や、自動で特定された少なくとも1つの寸法に基づいて、全自動で実施されることができ、それぞれの少なくとも1つの寸法は、製品が製品展示装置内で展示される場所で直接に検出される。製品の、全自動で検出された寸法は、次いで多様な形式で商品在庫監視方法において利用され得る。
【0012】
本発明の別の、特に有利な構成及び発展形は、従属請求項及び以下の説明から看取可能である。
【0013】
センサにより捕捉されるパラメータあるいはその変化(センサは、当然、それぞれのパラメータの捕捉のために形成されている)とは、ここで例示列挙すると、
光入射又は信号入射の変化、
圧力の変化、
信号飛行時間の変化、
光学式に捕捉される物体の光学的な結像の変化、
等である。
【0014】
製品展示装置は、例えば棚内に配置される独立した装置として実現されていてもよい。製品展示装置は、しかし、1つの棚列若しくは1つの棚階層又は1つの棚全体を形成していてもよい。製品展示装置は、例えば販売台又は自動販売機であってもよい。
【0015】
製品展示装置は、少なくとも1つの高さ、奥行き及び幅を有している。高さは、実質的に重力加速度に沿って延在している。奥行きは、製品展示装置の前側の縁部と、製品展示装置の後側の縁部との間の長さに相当する。製品展示装置が、収蔵構造、例えば棚底を有している場合、奥行きは、この棚底に沿って、棚底の前側の縁部から、棚底の後側の縁部に向かって延在している。幅は、製品展示装置の前側又は後側の縁部に沿って延在している。
【0016】
収蔵構造が使用される場合、収蔵構造は、例えば棚底であってもよいし、製品を展示する販売台であってもよい。後側及び前側の縁部は、この場合、収蔵領域の境界により形成され、収蔵領域内には、1つの対象物又は複数の対象物が、収蔵構造上に収蔵され得る。
【0017】
また、前側の縁部の前には、あるいは後側の縁部の後には、製品展示装置の、別の役割を有する別の構造要素が存在していてもよい。こうして、前側の縁部の前には、例えば、さらに1つの、(例えば電子式の)棚ラベルを取着する棚レール、又は実質的に棚レールを覆うか、若しくは棚レール自体を形成するスリムな画面(ビデオ棚レール)が存在していてもよい。
【0018】
製品とは、広く一般に、包装を有する又は有しない商品と解してもよい。製品展示装置内に存在する製品は、同じく、少なくともこれら3つの次元あるいは寸法(製品高さ、製品奥行き、製品幅)により表され、これらの製品次元は、それぞれの製品の局所的なデカルト座標系において規定されており、この座標系は、製品展示装置の(デカルト)座標系とは区別されてもよい。製品が、例えば重力加速度に関して斜めに傾けられた収蔵構造上、例えば棚底上において、製品展示装置内に収蔵されている場合、収蔵構造の平面は、参照平面を形成し、この参照平面内には、製品次元のうちの2つ(例えば奥行き及び幅)が延在している。製品高さの次元は、本例では、参照平面に対して法線方向で延在し、この次元の方向は、それゆえ、重力加速度の方向とは偏倚している。製品次元あるいは寸法を特定する際には、つまり、正しい座標系が使用されること、つまり、例えばセンサが製品座標系内で、又は製品座標系に対して相対的に正確に方向付けられていること、又はコンピュータ支援された計算による適合あるいは補正が実施されることに留意すべきである。
【0019】
基本的には、製品は、様々な形状を呈し、その結果、異なる寸法を有していることがある。商品ロジスティクスあるいはシェルフマネジメントのためには、一般に、製品の奥行き、高さ及び幅が、重要な寸法をなしており、ゆえに以下では、これらの寸法を捕捉する形成形態について論じるものとする。しかし、付言すると、当業者は、ここに呈示する思想を、別の寸法、例えば製品対角線若しくは製品包装対角線の長さ若しくは製品周長又は製品体積を捕捉するために援用してもよい。
【0020】
センサは、その捕捉作業の目的のために、固定の捕捉方向あるいは固定の捕捉領域を有していてもよい。センサは、しかし、可変の捕捉方向あるいは可変の捕捉領域を有するように形成されていてもよく、可変の捕捉方向あるいは可変の捕捉領域は、機械式又は電子式若しくは電気機械式に調整可能あるいは変更可能である。これにより、選択的に製品展示装置内の異なる領域が捕捉される。好ましくは、センサの主たるあるいは真ん中の捕捉方向は、少なくとも1つの寸法をできる限り簡単に特定することができるように、製品座標系に応じて方向付けられていることが望ましい。つまり、製品が、斜めの、重力加速度に対して傾けられた棚底上に配置されている場合は、例えば棚底の後側の縁部に位置決めされたセンサのために、同じく重力加速度に対して同様の傾きが設けられており、その結果、捕捉方向が、棚底に対して略平行に延びていると、有利である。
【0021】
センサの捕捉領域は、センサ種及び構成次第で区別可能であり、例えば線状、円柱状、円錐形又はローブ形であってもよく、特にしかし、その幅に関してソフトウェアに基づいてモデリング可能あるいは調整可能であってもよい。このためにセンサは、例えば光電子式の捕捉システムを装備していてもよく、捕捉システムは、光学式のレンズコンフィギュレーション(1つ又は複数のレンズ、場合によっては、それどころかオートフォーカス機能を有する)と、隣接するセンサアレイとを有し、センサアレイ上に、レンズコンフィギュレーションは、捕捉される周囲あるいは捕捉される物体の像を結像する。捕捉時の、センサアレイ(特に縁部領域)の素子の、ソフトウェアに基づく選択的な作動(包含)又は作動停止(除外若しくはフェードアウト)により、広がり角は、捕捉すべきそれぞれのシーンに適合される。
【0022】
広がり角の幅は、要求次第で環状に又は任意の関数に沿って延びるように変更可能であっても、異なる方向で個別に、つまり、互いに独立的に調整可能であってもよい。而して、例えば収蔵構造の平面内の、又はこの平面に対して平行な、広がり角の第1の幅は、センサ毎に様々であって、個別に捕捉すべき対象物サイズに、又はそのグループ分け、一般的にはその置き場若しくは置き場の規模にも、適合されていることができる。これに対して、インストールされるすべてのセンサに関して、又は少なくともこれらのセンサの1つの群に関して、収蔵構造の平面に対して横方向で延びる一平面内の、広がり角の第2の幅は、同一に設定されていてもよい。これにより、棚内の様々な幅の領域が、様々なセンサにより監視されることができ、これに対して、棚底間の間隔は、捕捉に含まれない。それというのも、棚底は、比較的小さく(狭く)設定される第2の幅により捕捉されないからであり、つまり、捕捉エラーは、生じない。
【0023】
別の一態様によれば、センサは、場所可変に位置決め可能であるか、又は固定に配置されており、これについては、以下で詳しく立ち入るものとする。
【0024】
検出を代表するパラメータを捕捉すべく、あるいはその変化を確認すべく、センサは、異なる方向から、又は異なる配向でもって、さらには異なる場所からも、その捕捉を実施し得る。
【0025】
捕捉は、つまり、異なる捕捉位置から実施され、これについては、以下で立ち入るものとする。
【0026】
センサは、定置に製品展示装置に、例えば製品の後に、つまり、例えば棚の背壁の製品側に、あるいは後側の縁部に、配置されていてもよい。この固定の位置で、センサは、不動の捕捉領域あるいは不動の捕捉方向を有している。それゆえ、ターゲットに向けた捕捉を実施することができるように、手動で又は電子式にも調整可能な可変の捕捉領域あるいは可変の捕捉方向を有するセンサが使用されると、有利であり得る。この捕捉位置から、製品に関する奥行き、幅及び高さが検出される。
【0027】
同様にセンサは、製品より上方の固定の位置に位置決めされていてもよく、この位置から捕捉を実施してもよい。この捕捉位置からも、奥行き、幅及び高さが検出される。
【0028】
センサは、しかし、下方からも、つまり、製品の下から、その捕捉を実施してもよい。この捕捉位置からは、少なくとも製品の奥行き及び幅が検出される。
【0029】
センサは、しかし、センサ可動システム上に装着されていてもよく、センサ可動システムは、センサを製品の後で、又は製品より上方でも、動かす。捕捉方向あるいは捕捉領域は、つまり、動かされるセンサとともに、製品展示装置を通して動く。センサ自体が既に動き、その捕捉領域がつまりセンサとともに動くので、この場合は、固定の捕捉方向を有するセンサが使用されることが有利であり得る。状況に合わせて、フレキシブルな可変の捕捉領域又は固定の捕捉領域が使用されてもよい。この動かされる、つまり、場所可変の捕捉位置は、固定の捕捉位置との関連で既に言及した、記載した次元の検出、しかし、製品展示装置の別の領域における次元の検出、つまり、例えば異なる位置にある個々の製品群に関する次元の検出を可能にし、又は複数の製品群にわたって横断的な検出も可能にする。
【0030】
センサ可動システムは、以下に記載する形成の少なくとも1つ、すなわち、ボーデンケーブルに基づくセンサ可動システム、ベルトに基づくセンサ可動システム、歯車若しくはラックに基づくセンサ可動システム、ねじ山に基づくセンサ可動システム、磁石に基づくセンサ可動システムを有していてもよい。
【0031】
これらの形成形態は、組み合わされてもよい。而して、例えばボーデンケーブルに基づくセンサ可動システム又はベルトに基づくセンサ可動システムが、センサの水平の運動あるいは位置決めを担う一方、ねじ山に基づくセンサ可動システムが、センサの垂直の運動あるいは位置決めを担ってもよい。
【0032】
センサは、しかし、搬送装置上に又は搬送装置に接して位置決めされていてもよい。搬送装置は、製品を製品展示装置内で搬送する。同時にセンサも、一緒に搬送される。この場所可変の捕捉位置決めは、連れ動かされる捕捉位置であり、この捕捉位置からセンサは、その捕捉を基準物体に関して実施する。この連れ動かされる捕捉位置に、センサは、このセンサが、製品とともに連れ動き、いわば「前方から」基準物体に向かって、例えば収蔵構造又は展示装置の背壁又は後側の縁部に向かって配向されて、捕捉を実施するように配置されている。基準物体として、背壁、又は棚底若しくは棚の後側の縁部に設けられた別の好適な画定構造若しくは参照構造が用いられ得る。例えば製品展示装置は、背壁なしの棚であることもあり、この場合は、店舗建物の、その背後に位置する壁が、基準物体を形成していてもよい。
【0033】
つまり、センサは、例えば、製品を製品展示装置の前側の縁部に向かって押圧あるいは押動する押圧体あるいは押圧体プレートに取り付けられていてもよく、センサの捕捉方向は、後側の縁部に向かって配向されていることができ、この場合は、例えばそこに存在する壁が、基準物体として機能する。代替的には、回転させることが可能な螺条が使用されてもよく、これにより、製品をその螺条構造(つまり、螺旋体)内で製品展示装置の前側の縁部に向かって動かすことが可能である。センサは、この形成形態では、同じく螺条内において最後の製品の後に位置決めされていてもよく、場合によっては、押圧体又は支持体に取り付けられていてもよく、螺条に沿ったセンサのそれぞれの位置から、後側の縁部に向かって捕捉を実施し得る。この捕捉位置からは、いずれにしても製品の奥行きが検出される。
【0034】
このような押圧体プレートは、例えば、同じく重力の影響下で対象物を収蔵構造の前側の縁部に向かって動かすべく、形成されていてもよい。大抵の場合は、しかし、製品展示装置が、製品案内駆動部を有し、製品案内駆動部が、例えば押圧体プレート又は螺条を動かすと、有利である。この駆動部は、電気モータ式の要素により実現されていてもよいし、弾性的な要素、例えばばねにより実現されていてもよい。弾性的な要素は、例えば収蔵構造に対象物が配備されると緊縮され、対象物が取り出された後、あるいは対象物が取り出される間に、部分的に弛緩され、残っている対象物を収蔵構造の前側の縁部に向かって動かす。
【0035】
異なる(定置又は場所可変の)捕捉位置に設けられ、かつ異なる捕捉方向、特に互いに交差する捕捉方向を有する複数のセンサが使用されてもよく、これにより、1つの同じ製品のために、組み合わされて捕捉を実施することが可能である。製品の寸法を代表するパラメータの、これらの空間的に分配された捕捉位置から捕捉される変化は、その捕捉後、組み合わされて処理されることができ、これにより、例えば、確認された変化に関するより良好なあるいはより正確な特徴付けあるいは査定を行うことが可能である。而して、異なる方向での(すなわち、捕捉方向に応じた)確認された変化の微分も行われることができ、これにより、複数のセンサにより捕捉される製品(定置又は場所可変の)に関する位置変化も、導出され得る。この場合、異なる捕捉位置で異なるタイプのセンサを使用することも可能である。
【0036】
つまり、製品展示装置内に、製品の少なくとも1つの寸法を代表する少なくとも1つのパラメータあるいはその変化を確認するための異なる位置決め可能性が存在し、これにより、そこから、製品の寸法あるいは次元の少なくとも1つ、高さ、幅又は奥行きを特定することができる。
【0037】
それぞれの寸法あるいは次元の検出は、センサにより提供されて、捕捉データにより代表される、センサの1つの捕捉結果又は複数の捕捉結果に基づき、データ処理装置であって、直接にセンサ自体内に配設されていても、センサに対して外部に配設されていてもよいデータ処理装置、例えばサーバにより、又はクラウドに基づくソリューションにより実施され、このとき、評価ソフトウェアが実行され、評価ソフトウェアは、捕捉データを製品の1つ又は複数の寸法あるいは次元に関して評価する。而してセンサは、好ましい一形成形態によれば、捕捉を周期的に、特に定期的に実施すべく、形成されていてもよい。この目的のために、センサは、タイマエレクトロニクスを有していてもよい。センサは、つまり、例えば数秒の時間的な間隔を置いて捕捉を実施してもよい。捕捉は、不定期的な、又は一様でない長さの時間間隔を置いて実施されてもよい。捕捉は、任意の時間範囲内でランダムな間隔を置いて、又は店舗ローカルの開店時間にわたって分配されて、又は1日にわたって分配されて実施されてもよい。
【0038】
センサは、センサの捕捉データを有線で転送あるいは出力してもよい。1つの製品展示装置の複数のセンサが、又は複数の製品展示装置の複数のセンサも、その捕捉データを有線で1つの別体の無線モジュールに伝送してもよく、この無線モジュールは、捕捉データをワイヤレスにさらに導くべく、形成されている。無線モジュールは、つまり、1つの又は複数の異なる製品展示装置の一群のセンサの捕捉データを伝達する。このような群は、例えば、それぞれ1つの棚列を形成する複数の製品展示装置から形成されていても、それぞれ1つの棚列内又はそれぞれ1つの棚内に存在する複数の製品展示装置から形成されていてもよい。
【0039】
好ましい一形成形態によれば、センサは、対象物あるいは製品の捕捉を代表するその捕捉データを無線に基づいて出力すべく、形成されている。特に好ましくは、センサ自体が、(組み込まれた)無線モジュールを有している。センサ自体が、少なくとも1つの寸法を検出すべく、形成されているとき、センサは、こうして検出した寸法を同じく無線モジュールを介してさらなる処理のために出力する。
【0040】
センサは、種々異なる形成を有していてもよいし、種々異なるセンサ技術あるいは形成の組み合わせを有していてもよい。而して、下方からの捕捉のために、センサは、例えば感圧性のセンサマットとして形成されていてもよく、感圧性のセンサマットは、センサマットの面にわたって分配された複数の感圧性の素子、例えば機械式又は容量式の検知素子を有し、これらの感圧性の素子は、製品がセンサマット上に配置されると、電流回路を閉じるか、あるいはその特性に影響を及ぼす。同様に、感光性の素子からなるアレイを有するセンサマットが使用されてもよく、このセンサマットの場合、アレイ上に収蔵された製品により、これらの感光性の素子の幾つかが遮蔽され、ひいては暗くなると、これを電子式に検知することが可能である。これらの解決手段により、下方からの捕捉位置から、少なくとも製品の次元、奥行き及び幅が捕捉される。すべてのこれらの形成形態は、信頼性の高い捕捉結果を提供するには、センサ素子が製品と接触しなければならないという点で共通している。
【0041】
他の捕捉位置から、例えば製品の上方から又は製品の後からの捕捉のために、センサは、以下に記載する形成(機能原理)の少なくとも1つ、すなわち、
タイム・オブ・フライト・センサ(Time-of-Flight-Sensor)あるいは飛行時間センサ、
カメラ、
3Dカメラシステム、
タイム・オブ・フライト・カメラ(Time-of-Flight-Kamera)、
LIDAR(「Light detection and ranging」又は「Light imaging, detection and ranging」の略)、
を有していると、特に有利であることがわかっている。
【0042】
すべてのこれらの形成形態は、信頼性の高い捕捉結果を提供するのに、製品と直接に接触する必要がないという点で共通している。この関連において強調しておくと、ここで言及したセンサは、連れ動かされる捕捉位置のためにも、特に好適である。
【0043】
小売業にとって有用なさらに別の情報も直接に棚内で捕捉することができるように、センサが、付加的なパラメータ、例えば重量又は温度を一緒に捕捉するようになっていてもよい。
【0044】
基本的には、製品の寸法の検出は、連続的に、つまり、継続的に実施され得る。このことは、特定の事情の下、例えば生物学的な、成長するのが当然である製品であって、基本的には、それぞれ個別の寸法を有する製品が考慮されなければならないときに、所望されていることがある。他の事情の下では、しかし、寸法を持続的には特定しないことが所望されていることがある。それゆえ、本方法では、学習フェーズが起動されたときだけ、製品の寸法の検出を実施すると、有利であり得る。
【0045】
学習フェーズが起動されているとき、製品の少なくとも1つの寸法は、的確に学習フェーズ内で検出されることができ、その後、この今や規定された、つまり、既知の寸法は、さらに利用される。学習フェーズは、再び終了され得る。このことは、手動で実施されてもよいし、自動で、例えば、自動で検出した寸法が時の経過とともに1つの値に収斂するという事情により実施されてもよい。検出した寸法は、記憶され、利用可能な展示面の利用の最適化のためにも、さらなる商品ロジスティクスのためにも、準備が整った状態とされている。これにより、ある製品のための学習フェーズの終了後、その寸法のうちの少なくとも1つの寸法に関する少なくとも1つの値が、新たな学習フェーズが開始されるまで、固定されている。固定された値は、変化を繰り返すデータに対応する必要がないので、簡単な、ひいては複雑でなく、瞭然とした商品ロジスティクスを可能にする。
【0046】
学習フェーズは、例えばセンサにおいて受信される信号により起動されることができ、又は再び終了されることもでき、このとき、有線又は無線での信号の伝送が実現可能である。このために、例えばボタンが設けられていてもよく、ボタンは、操作時に信号を伝送する。例えば携帯電話が、対応するアプリケーションにより、このような信号を無線に基づき伝送してもよい。
【0047】
この外部の起動に代えて、自動で確認されたパラメータの変化に端を発して、学習フェーズが自動で開始されてもよい。学習フェーズは、つまり、内部の起動に基づいて開始される。
【0048】
それゆえ、代表するパラメータの確認された変化を、少なくとも1つの起動についてチェックし、この起動の存在を確認すると、学習フェーズを起動することは、特に有利であるとわかっている。
【0049】
このような起動は、代表するパラメータを表す少なくとも1つの変量が、ある特定の値を取る、下回る又は上回ることであってもよい。つまり、パラメータ若しくはその変化が、閾値を上回った若しくは下回ったとき、又はパラメータ若しくはその変化が、ある特定の予想範囲内若しくは外にあるとき、起動が生じ得る。而して起動は、例えばセンサが、例えば製品展示装置の奥行きの方向で、架空の製品に対して、製品展示装置あるいはそこに設けられた収蔵構造の奥行き以上の間隔を測定するため、製品展示装置あるいはこの製品展示装置の1つの区画が空であるという示唆を与えるパラメータの変量を捕捉することにあってもよい。
【0050】
この内部の起動に端を発して、いつ再び新たな製品が追加補充されるか、監視することができる。このとき、しかし、これが以前と同じ寸法を有する同じ製品であるか、又は以前とは別の寸法を有する別の製品が追加補充されるかは、重要ではない。本方法により、すなわち、常に、製品の目下の少なくとも1つの寸法が、特定され、展示面の最適な利用のためにも、商品ロジスティクスの最適化のためにも提供される。このことは、店舗ローカルあるいは棚配備の動的な改変を、例えばマーケティングイベント等に適合させて、かつ具体的には、考慮しなければならない製品寸法に関するいかなる手動の適合手間なしに可能にする。それというのも、このことは、棚に製品を配備する過程で自動化されて提供されるからである。
【0051】
このような内部の起動は、つまり、時間的なコンテクストの中での、代表するパラメータを表す変量の変化に基づいていてもよい。而して、例えば起動は、代表するパラメータの変化から算出される少なくとも1つの寸法が、自動のコントロールが繰り返される際に、任意の期間にわたって、予め記憶したあるいは予め検出した寸法とは一致しないことに基づいていてもよい。つまり、例えば別の製品又は別の包装若しくは別の配向を有する製品が、製品展示装置内に配置されたため、製品展示装置内の1つの製品あるいは複数の製品の少なくとも1つの寸法が変化すると、自動で認識される。このことは、棚内の混乱を認識するためにも用いられることができ、これにより、結果として、商品ロジスティクスの意味で整理整頓プロセスあるいは再編成プロセスを開始することができる。
【0052】
起動は、代表するパラメータの確認された変化が、予め規定された範囲外にあることにあってもよい。
【0053】
起動は、例えばパターン、特に時間的なコンテクスト内でのパターンの認識に基づいていてもよい。而して起動は、例えば、起動を引き起こすために、訓練を受けた従業員が、三度彼の手をある特定の周波数でセンサの捕捉領域を通るように振るか、又は三度この特定の周波数でセンサを押すように、前もって規定されていてもよい。而して従業員は、本発明に係る方法を実施するシステムに簡単に、新たな寸法を有する製品が製品展示装置内に配置され、少なくとも1つの寸法の新たな捕捉が所望されることを伝えることができる。センサは、この場合、この特別な手の動きを、捕捉結果の、このために現れる変化に基づいて識別すべく、形成されている。
【0054】
また、(例えばセンサ内に組み込まれた)人工知能が設けられていてもよく、人工知能は、予めトレーニングされた判断基準に基づいて起動を認識する。ここでも、起動が確認されると、少なくとも1つの寸法の新たな検出が行われる。人工知能は、自らトレーニングに基づいて起動の存在に関する条件を決定してもよい。以下でさらに論じるように、寸法を検出するためにも人工知能が設けられていてもよい。
【0055】
少なくとも1つの寸法を自動で検出するために、複数の形成形態が有利であることがわかっている。
【0056】
而して、製品の寸法の検出を直接にパラメータの単一の変化から実施してもよい。
【0057】
「直接」とは、ここでは、パラメータの変化(例えば飛行時間センサの場合、信号の飛行時間変化)が、これに対応する行程変化に換算され、例えば直接に製品の特定すべき寸法と同一視されるので、パラメータの単一の変化から寸法が推定され得ることを意味している。論じたように、センサは、センサマットを形成するスイッチマットであって、マットの表面にわたって一様に分配された複数の接点を有し、接点は、対象物がその上に配置されると、閉じ、このとき、電子式に、このような接点が何個(一列中で)操作されたか、確認することが可能なスイッチマットであってもよい。この場合、パラメータの変化は、一方向での、閉鎖又は開放される接点の個数に相当する。接点間の距離についての知識により、操作された接点の個数をこの距離と乗算することで、製品の寸法に換算することが可能である。
【0058】
製品の寸法を直接にパラメータの単一の変化から検出することは、検出機器あるいはデータ処理装置の極めて低い記憶性能又は計算性能しか必要とされないため、特に有利である。而して、これは、例えば問題なくセンサ自体内に格納可能である。さらに、この形成形態は、測定された値がどこに由来するか、一義的なトラッキングを可能にする。ここでは、測定結果を得るのに、実質的に製品個数の単一の変化で十分であるので、これは、簡単にチェックされ、トレースされ得る。従業員が例えば新たな商品を製品展示装置内に陳列すると、これは、即座に、検出した寸法を照会し、妥当性についてチェックすることが可能である。エラー、例えば損傷したセンサ素子によるエラーは、而して即座に認識され得る。
【0059】
別の好ましい一形成形態によれば、製品の寸法の検出をパラメータの複数の変化から実施してもよい。
【0060】
このために、複数の変化プロセスが、自動化されて確認され、それぞれ捕捉されるパラメータ変化を代表する変化データにより記憶され、かつ評価される。このために、例えば予めプログラミングされたアルゴリズムと、統計学的な方法とが使用され得る。
【0061】
製品の寸法をパラメータの複数の変化から検出することは、少なくとも1つの寸法のより正確な特定が可能であるとともに、エラー、特に捕捉エラーが認識され、かつフィルタがかけられて選別もされ得るという利点を提供する。また、パラメータ変化の間で、例えばその時間的な挙動及び/又はその数値的な挙動が、従業員の追加補充プロセス又は顧客の製品取り出しにより引き起こされる棚内での手の動きの存在と推定されるがゆえに、少なくとも1つの寸法を特定するためには援用すべきでないパラメータ変化と、例えば言及した時間的な挙動及び数値的な挙動から、言及した手の動きではあり得ないと推定されるがゆえに、少なくとも1つの寸法を特定するために援用すべきパラメータ変化とが区別され得る。手の寸法(幅/厚さ)は、良好に予測可能であり、棚内での手の速度も、測定実験により把握されて、良好に予測可能であるので、手の動きは、すなわち、数値的に良好に限定可能である。
【0062】
このような予めプログラミングされたアルゴリズムは、例えば以下のステップ、すなわち、
-ある特定の時間閾値より短い間しか、ある特定の範囲内になかった測定値を選別するステップと、
-場合によっては、ある特定の範囲内又は外にある測定値を選別するステップと、
-場合によっては、測定された値を、参照変量、例えば製品展示装置の奥行きに対する距離に換算するステップと、
-残余の値をカテゴリに分けるステップであって、各カテゴリは、代表する値、例えばカテゴリ内の値の平均値又は中央値を有するステップと、
-場合によっては、少ない値だけから形成されたカテゴリを選別するステップと、
-特定するステップであって、
+最も低い代表する値を有するカテゴリ、又は
+代表する値が最も近くに集まって位置する2つのカテゴリ
を特定するステップと、
-特定すべき寸法を決定するステップであって、
+最も低い値を有するカテゴリの代表する値に基づいて、又は
+最も近くに集まって位置する代表する値を有する2つのカテゴリの代表する値の差に基づいて、
決定するステップと、
を含んでいてもよい。
【0063】
この例示的なアルゴリズムでは、つまり、製品の出し入れの際に捕捉されたがゆえに、まず間違いなく製品の寸法には相当しない値は、選別される。明らかに、予測されるオーダ外にある値も、選別され得る。さらに、これらは、似た大きさの測定値からなる群にまとめられる。
【0064】
別の好ましい一形成形態によれば、少なくとも1つの寸法の検出を、代表するパラメータの変化を処理あるいは査定する人工知能により実施してもよい。
【0065】
この形成形態は、動的なシェルフマネジメントであって、新たな製品の新たな寸法を製品展示装置内で捕捉するのに、従業員による特別なハンドリングが僅かしか必要ない、又はそれどころかまったく必要ないシェルフマネジメントを可能にする。
【0066】
人工知能は、言及した手の動きと推定されるパラメータ変化と、少なくとも1つの寸法を特定するために利用可能なパラメータ変化とを区別することができるように設計(トレーニング)されていてもよい。人工知能は、特定すべき寸法を学習するために、外部の起動を受信すべく、形成されていてもよい。また、人工知能は、例えば別の製品又は別の包装寸法を有する製品が棚内に補充されるがゆえに、製品寸法が体系的に変化することを認識するように、トレーニングされていてもよい。これにより、新たな寸法を覚え込ませるための内部の起動が与えられている。
【0067】
また、例えば予めプログラミングされたアルゴリズムであって、捕捉されたパラメータあるいはその変化を処理し、この処理に基づいて学習フェーズを起動するか、又は再び停止もし、かつ対象物(製品)の少なくとも1つの寸法も検出するアルゴリズムが設けられていてもよい。
【0068】
さらに付言すると、展示装置内における製品配列に起因して、多くの場合、最適化された商品ロジスティクスあるいは最適化されたシェルフマネジメントを実現するために、単一の寸法についての情報で十分である。この関連において特に有利であるとわかっているのは、製品の寸法が、製品展示装置あるいは収蔵構造の奥行きの方向で測定される製品の奥行きであり、かつパラメータの変化が、製品展示装置の奥行きあるいは収蔵構造の奥行きの方向での、センサにより確認される距離変化により与えられており、かつ製品の奥行きが、確認される距離変化により検出されることである。
【0069】
すなわち、商品ロジスティクスあるいはシェルフマネジメントにとって、特に製品展示装置あるいは収蔵構造の奥行きの方向で測定された製品の奥行きは、特に、製品が1つの列内に製品展示装置又は収蔵構造の奥行きの方向で位置決めされており、かつ製品配置のために利用可能な奥行きが既知であるとき、この変量が(以下に論じるように)、今現在出されている製品の個数と、最大で配置可能な製品の個数とを推量することを可能にするため、特に重要である。
【0070】
距離変化は、例えば、センサがカメラとして形成されており、カメラが基準画像の像あるいはこの基準画像の大きさを捕捉するとき、確認され得る。基準画像は、シンボル、例えば円であってもよいが、例えば棚背壁及びそのエッジであってもよい。基準画像の結像の大きさは、間隔に応じて変化するので、捕捉された像から、基準画像に対するセンサの間隔を推定し得る。基準画像は、製品又はその表面であってもよいし、その表面に取着された画像であってもよい。しかし、2Dコード、例えばQRコード又はバーコードであってもよい。また、距離測定は、基準画像の結像の大きさに基づいて実現されるのではなく、又は基準画像の結像の大きさに基づいて実現されるだけではなく、基準画像のどの部分あるいはどの割合が捕捉されるかに基づいて実現されるようにしてもよい。而してセンサは、例えば論じたように押圧体上に設置され、製品展示装置あるいは収蔵構造の背壁を捕捉してもよい。背壁は、而るに背壁の広範囲の部分又は背壁全体にわたって延在するパターンを基準画像として有していてもよく、この場合、基準画像は、例えば2Dコードから、又は製品に合った画像からなっている。基準画像のどの部分がカメラにより捕捉されるかという情報を基に、コンピュータ支援されて、距離が逆算され得る。
【0071】
好ましい一形成形態によれば、センサとして、センサ信号の飛行時間測定に基づくセンサ、特にcm範囲又はサブcm範囲の分解能を有するセンサを使用する。距離変化の確認は、つまり、飛行時間測定により、具体的には、2つの飛行時間測定間における飛行時間の変化の確認により実施される。この場合、センサは、送信器により、物体に当たり、そこから反射されるセンサ信号を送信するとともに、送信してから、このセンサ信号が再びセンサの受信器により受信されるまでに経過する時間を測定する。信号が、送信器から対象物、特に捕捉すべき製品へ飛び、再び受信器へ戻るのに要する時間に基づいて、センサ信号の伝播速度の知識の下、センサと対象物との間の距離が推定される。この好ましい形成形態では、送信器と受信器とは(飛行時間特定用の処理装置も)、センサ内に組み込まれており、センサは、つまり、1つの部品から構成されている。代替的には、送信器が製品に、そして受信器が製品展示装置に配置されていてもよく(その逆もまた然りであり)、その結果、信号が直接に送信器から受信器までに要する時間だけが測定される。このためには、センサは、しかし、2つの部品から構成されていなければならない。
【0072】
さらに、小売業者、例えばスーパーマーケットの店舗内で、製品展示装置内の商品在庫を監視する革新的な商品在庫監視方法であって、製品展示装置内には、少なくとも1つの製品が配置可能であり、製品のために、商品在庫監視を代表する少なくとも1つの寸法、特に製品の奥行きが、予め既知である、商品在庫監視方法が使用され得る。
【0073】
この寸法は、多種多様な方法で小売業者において手動又は半手動で検出されていてもよいし、又は製品の供給元又は生産者により提供されていてもよく、かつ小売業者においてデジタル式のデータバンク内に呼び出し可能に記憶されていてもよい。特に好ましくは、寸法は、しかし、前で論じた方法により特定されている。商品在庫監視方法は、而るに以下に記載した方法ステップ、すなわち、製品の少なくとも1つの寸法を代表するパラメータの変化を自動で確認する方法ステップであって、パラメータは、電子式のセンサにより捕捉され、センサは、製品展示装置内に配設されている方法ステップと、製品個数の変化を自動で検出する方法ステップであって、代表するパラメータの変化を、商品在庫監視を代表する少なくとも1つの寸法と対比して査定する方法ステップと、を有している。
【0074】
ここで使用されるセンサは、前で論じた方法のセンサとは区別されてもよく、ひいては別体の第2のセンサにより実現されていてもよい。好ましくは、しかし、同じセンサであり、同じセンサが、このコンテクストの中で本方法において同じく使用される。このセンサにより、この商品在庫監視方法では、つまり、前で論じた方法の場合と同様に、代表するパラメータの変化の自動の確認が実施され、一方では、既に論じたセンサ技術が使用され、他方では、この関連において論じた手段も使用される。
【0075】
代表するパラメータの変化を、商品在庫監視を代表する少なくとも1つの寸法と対比して査定するにあたり、重要であるのは、代表するパラメータの変化が、高信頼性に製品個数の増減を推定し得るようになされたか、確認することである。つまり、代表するパラメータの変化は、それが、既知の寸法に対して有効な整数の関係を有しないとき、却下される。当然、このとき、是認し得る限度内の偏差を考慮してもよい。その他の点では、ここでも再び、少なくとも1つの寸法の自動の検出との関連で論じた種々異なる形成形態あるいは手段が、人工知能に至るまで、使用され得る。
【0076】
製品個数の変化をこのように自動で検出し、デジタル式に小売業者の商品管理システムに通信する1つの主な利点は、場合によっては時々新たに決定しなければならないある特定の製品に関する初期の商品在庫から出発して、全自動でリアルタイムに、実際の商品在庫が、小売業者のデジタル式の商品管理システム内で利用可能である点にある。
【0077】
商品在庫監視方法の別の一態様によれば、自動で確認される製品個数の変化が、製品個数の閾値の下回りに至るか否か、検査し、肯定の検査結果のとき、追加配備アラームを起動する。
【0078】
この手段により、適時に商品管理システム内のそれぞれの製品の追加配備あるいは追加補充のプロセスが起動される。追加補充の必要性は、製品に属する電子式の表示板に表示されてもよく、その結果、スタッフは、その他の技術的な補助手段なしに、その場で直接に棚のところで、この事情について情報提供され得る。また、商品管理システムは、異なる製品に関して追加補充の必要性が同時に係属しているとき、スタッフを効率的に投入すべく、優先順位付けを行うことが可能である。追加配備アラームは、直接にセンサ内で生成されるとき、電子式に、例えば無線を介して、センサから商品管理システムに伝達され得る。
【0079】
商品在庫監視方法の別の一態様によれば、自動で確認される製品個数の変化が、製品個数変化の閾値の上回りに至るか否か、検査し、肯定の検査結果のとき、盗難アラームを起動する。
【0080】
この手段により初めて、直接に製品展示装置内で盗難の可能性があることを認識し、それゆえ、認識した時点で既に、例えば、盗難アラームとして例えば音による信号を生成し得るかつ/又は盗難アラームをデジタル式に例えば無線を介して商品管理システムに出力し得るセンサにより、直接に盗難アラームを起動する等の対策を導入することが可能である。
【0081】
追加配備アラームとの関連でも、盗難アラームとの関連でも、検査時、製品固有又は製品群固有の閾値を使用すると、極めて有利であることがわかっている。これらの個別の閾値は、商品管理システムにより規定され、センサに電子式に例えば無線を介して伝送され、そこに記憶され、最終的にそこでローカルに使用される。例えば乳製品は、一般に比較的大量に、例えば3~20個のオーダで1人の人が買うのに対して、かみそりの刃のパックは、一般に単品としてしか購入されないことがわかっている。それゆえ、かみそりの刃のパックについては、閾値を2個と規定し、逆に乳製品については、それどころか閾値を定めないことは、非常に理にかなっている可能性がある。それというのも、後者の製品は、盗むことが難しく、かつかみそりの刃と比べれば値段も安いからである。
【0082】
商品管理システムにおいて、製品個数の変化を自動で確認する際、付加的なシステムコンポーネント、特に、製品個数の変化を電子式に伝える決済システム若しくはレジスタシステム、又は製品個数の変化が確認された製品展示装置のデジタル式の記録を作成する光学式の監視システムを作動させるあるいは取り入れると、特に有利であることがわかっている。
【0083】
これにより、直接に決済システムあるいはレジスタシステムにより、一方では、製品個数の変化の認識が正しく進行しているか否か、具体的には、製品レベルに分解されているか否か、チェックされ、他方では、製品展示装置から取り出されたすべての製品が、支払いに供給されたか否か、確認される。而して製品レベルで、盗難又は消費による目減りが、直接に店舗内で検出される。
【0084】
加えて、確認される製品個数のあらゆる変化に対して、光学式の監視システムにより、対応する記録が作成され、又は連続的な記録内でマーキングされ、これらの記録は、取り出し又は配備の過程を記録する。これにより、店舗内のスタッフの効率が、記録されるとともに、追加配備の質もチェックされ、結果として、改善、特に追加配備アラームがあったとき、改善される。これにより、しかし、盗難アラームがあったときも、対応する記録又は記録シーケンスが相応にマーキングされ、例えば、関連する記録のより容易な発見を可能にする又はこのような記録に関するフィルタリングも可能にするメタデータによりマーキングされる。また、これらのメタデータは、盗難の蓋然性を表示するために利用されてもよく、記録、又は記録のシーケンスは、特別な色により自動でマーキングされ、例えば緑色が、問題がないもの、黄色が、ひょっとしたら盗難かもしれないもの、赤色が、暫定的に盗難と識別されたもの、というようにマーキングされる。かみそりの刃の例との関連で、例えば3つのパックの取り出しは、盗難が疑われる(ひょっとしたら盗難かもしれない)と格付けされ(黄色にマーキング)、これに対して、10個のパックの取り出しは、小売業者のスタッフでない限り、高い信頼性でもって盗難の可能性と判定される(赤色にマーキング)。こうして得られた、盗難を指し示す記録又は記録シーケンスは、デジタル式にレジスタ端末の画面に伝送されることができ、そこに、該当する製品の個数も表示され、このことは、スタッフが、事案と、記録上に見て取れる該当する人物との関わりを解明することを可能にする。また、これらの記録あるいはシーケンスは、対応する製品情報と、取り出された製品の確認された個数の表示とを抱き合わせて、直接にショップ保安員のオフィス又は彼のモバイル通信機器(スマートフォン又はタブレットコンピュータ)に、彼に事案について情報提供するため、伝達され得る。
【0085】
センサの内部の無線モジュールは、捕捉データをローデータとして、又は前処理して、例えばワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(Wireless Local Area Network:WLAN/WIFI)を介して、又はメッシュ・ネットワーク・コンフィギュレーションを介して出力すべく、形成されていてもよい。また、事実上標準化された別の通信プロトコル、例えばZigBee又はBlueToothが使用されてもよい。また、センサは、4G又は5Gの無線モジュールを装備しているようにしてもよく、これにより、その無線交信を(公共の)モバイル通信ネットワークを介して展開し、IoT機器として機能することができる(ここでのIoTは、Internet-of-Things(モノのインターネット)の略である)。また、別体の4G又は5Gの無線機器が、センサのためのアクセスポイントとして用いられてもよく、センサは、このアクセスポイントに無線又は有線で接続されている。当然、商品管理システムあるいは棚ロジスティクスシステムのインフラストラクチャに属する別の機器が、センサのためのIoTハブとして用いられてもよい。このために例えばカメラが使用されてもよく、カメラを用いて、棚は、録画され、場合によっては、前で言及した記録、又は記録のシーケンスが作成される。このカメラは、4Gあるいは5Gのモバイル通信能力を有し、センサと、別の通信プロトコルにより、好ましくは、無線に基づき通信する。
【0086】
センサを無線に基づいて接続するために、当然、例えばPCT/EP2014/053376において公知であるような独自の通信方法あるいは通信プロトコルが使用されてもよく、PCT/EP2014/053376の、そこで論じられたタイムスロット通信方法に関する開示は、参照により引用されている。PCT/EP2014/053376に開示されたシステムとは異なり、ここではしかし、このタイムスロット通信方法は、1つのセンサアクセスポイントと、このセンサアクセスポイントに割り当てられた一群のセンサとの間の通信のために使用される。この独自の通信方法は、センサの極端に省エネルギの運転を、ただし、無線通信のためのセンサの時間的な可用性の犠牲の下、可能にする。センサの無線モジュールは、すなわち、ごく稀にしか、無線技術的に利用可能であるように、そのスリープモードからそのアクティブモードに切り換わらない。それとは無関係に、センサは、その捕捉作業を実施することができ、又はその他の機能を実行することもできる。その際に生成された(捕捉)データは、その後、いずれ、独自の通信方法の使用下で出力され得る。
【0087】
最後にさらに広く一般に言及すると、言及した電子式の機器は、当然、エレクトロニクスを有している。エレクトロニクスは、ディスクリートに、若しくは集積されたエレクトロニクスにより、又は両者の組み合わせにより構築されていてもよい。また、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits:ASICs)が、場合によっては、アナログ式又はデジタル式の電子式の周辺素子との組み合わせで使用され得る。無線機器は、一般に、トランシーバモジュールの構成部分として、無線信号の送受信用のアンテナコンフィギュレーションを有している。好ましくは、センサは、バッテリ運転されている。
【0088】
本発明のこれらの態様及びさらなる態様は、以下に論じる図面より看取可能である。
【0089】
本発明について、以下に、添付の図面を指し示しつつ、実施例を基にもう一度詳しく説明する。しかし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。その際、異なる図であっても、同じコンポーネントには、同じ符号を付した。図面は、概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【
図1】説明する方法で使用するセンサを示す図である。
【
図2】製品展示装置内に固定に位置決めされたセンサを有する製品展示装置を示す図である。
【
図3】センサを垂直に動かすセンサ可動システムを有する製品展示装置を示す図である。
【
図4】製品案内構造とセンサ可動システムとを有する製品展示装置を示す図である。
【
図5】製品案内構造と、個々のセンサを水平及び垂直に動かすセンサ可動システムとを有する製品展示装置を示す図である。
【
図6】製品案内構造と、垂直方向で固定に位置決めされたセンサを水平に動かすセンサ可動システムとを有する別の本発明に係る製品展示装置を示す図である。
【
図7】センサ可動システムの別の一実施例を示す図である。
【
図8】センサ可動システムの別の一実施例を示す図である。
【
図9】製品案内構造毎にそれぞれ1つの押圧体と、単一の可動のセンサとを有する製品展示装置を示す図である。
【
図10】製品案内構造毎にそれぞれ1つの押圧体と、押圧体に取り付けられたセンサとを有する製品展示装置を示す図である。
【
図13】製品展示装置内での第2の実施例によるセンサの使用を示す図である。
【
図14】センサの原理的な機能形式を論じる可視化図である。
【
図15】センサの原理的な機能形式を論じる可視化図である。
【
図16】論じる方法を可視化するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1は、センサ2を示しており、センサ2は、信号を送信し、物体において反射された信号を受信するセンサユニット3を有している。この場合、センサユニット3は、つまり、タイム・オブ・フライト・センサユニット(time-of-flight Sensoreinheit)3である。センサ2は、加えて、設定を行うために、又は機能を起動するために、ユーザにより操作されるボタン4を有している。ボタン4は、つまり、外部の起動という意味を有している。センサ2は、加えて、情報表示用の画面5を有している。
【0092】
画面5は、省エネルギのE-ペーパ-ディスプレイとして形成されており、センサID6の形態のセンサ識別データを表示する。センサID6は、ユーザが、センサ2を識別することができるようにする。このために、センサID6は、例えばセンサ2のMACアドレス(Media-Access-Control-Adresse:メディア・アクセス・コントロール・アドレス)の最後の符号に等しいか、又は異なって構成された識別番号に相当する。この識別番号に対しては、例えばデータバンク内に、対応するMACアドレスが格納されている。センサ2の識別は、しかし、別の手段、例えば番号又は英数字の符号列によりなされていても、バーコード又はQRコード(ここでのQRは、Quick Response(クイック・レスポンス)の略である)によりなされていてもよい。
【0093】
データバンクは、対応するアプリケーションにより、利用者の携帯電話に呼び出し可能である。アプリケーションは、携帯電話のカメラを用いてセンサ2(具体的には、画面内容、番号若しくは英数字の符号列、又はバーコード若しくはQRコード)をスキャンすることも可能にし、このとき、センサID6は、画像認識により自動で認識され、その結果、センサについての、かつ対応する1つの製品又は対応する複数の製品についてのデータを照会すべく、コードを手入力する代わりに、スキャンあるいは写真撮影することが可能である。特に、こうして、リアルタイム在庫レベル照会、つまり、倉庫内又は別の棚内に、このセンサ2に割り当てられた相応の製品がまだ存在しているか否かの照会が実施され得る。
【0094】
センサ2は、このために無線モジュール(ハウジング内に組み込まれており、それゆえ不可視である)を有し、無線モジュールは、センサ2が無線に基づき通信すること可能にする。無線モジュールを介して、センサ2は、つまり、無線を介してその検出データを伝送し得る。センサが今どのモードにあるかにより、検出データは、ある製品の、自動で検出した少なくとも1つの寸法を表すか、又は製品個数の変化を表し、これについては、
図16のフローチャートにおいて詳しく立ち入るものとする。
【0095】
明細書の概説的な部分で論じたように、センサ2の無線通信は、種々異なる形式で実施され得る。ここに挙げる例では、アクセスポイントを有する無線通信が想定され、アクセスポイント自体は、有線のネットワークを介してサーバに接続されている。サーバ上では、商品管理ソフトウェアが実行される。
【0096】
センサ2は、センサ2のセンサユニット3により、センサ2の捕捉領域内の対象物の存在を捕捉する。このために必要な信号データ処理は、センサ2内で、センサエレクトロニクスにより実施される。センサエレクトロニクスは、実質的にマイクロコントローラにより実現されており、マイクロコントローラ上では、センサソフトウェアが動かされる。センサソフトウェアは、これにより、棚内に配置された製品の奥行き(デプス)を特定する方法が実施されるようにプログラミングされている。その際、製品の奥行きを代表するパラメータの変化が自動で確認され、このパラメータは、センサ2により捕捉される。製品の奥行きを代表するパラメータの変化は、センサが製品とともに連れ動かされる場合は、センサと、他の物体との間の間隔の変化であり、又はセンサと、製品、若しくは製品とともに連れ動かされる物体との間の間隔の変化である。この間隔を、センサは、センサのセンサユニット3を用いて、センサ信号の飛行時間測定と、センサ信号に関する伝播速度の知識とにより確認する。この間隔確認は、時間にわたって略連続的又は準連続的に、つまり、離散的な時点で実施される。その際、センサ2は、概説部において種々異なる形成形態について論じた通り、時間にわたって確認される間隔を、奥行き特定のために有効な変化について監視する。センサソフトウェアは、つまり、自動で製品の奥行きを、確認される間隔の変化に基づいて検出する。
【0097】
本方法は、明細書の概説的な部分で論じた通り、様々な捕捉位置のために実施され得る。これらの捕捉位置は、センサ2がどこから、その捕捉を実施するかを表している。
図2ないし11は、センサが、本発明に係る方法を実施すべく、位置決めされ得る、固定(場所固定)の捕捉位置及び場所可変の捕捉位置の例と、このような位置決めを可能にする必要な手段とを示している。
【0098】
図2には、固定に位置決めされたセンサ2a~2fを有する棚1を示してある。センサ2a~2fは、背壁15に固定の捕捉位置で取り付けられている。
【0099】
背壁15の前には、ピット状の収蔵構造7が存在し、収蔵構造7は、6つの区画7a~7fに区分けされている。収蔵構造7あるいは各区画7a~7fは、前側の縁部11と、後側の縁部12とを有している。後側の縁部12において、収蔵構造7は、背壁15に移行している。
【0100】
収蔵構造7内には、製品10a~10oが存在している。収蔵構造7の後側の縁部12は、矢印16により可視化した重力加速度の方向で、前側の縁部11より上に配設されている。収蔵構造7の底は、その上に収蔵された対象物10a~12oが、自動で前側の縁部11に向かって滑動するように、平滑に形成されている。
【0101】
各区画7a~7fは、製品案内構造8a~8fを有している。この製品案内構造8a~8fは、1つの区画7a~7f内の対象物10a~10oを、それぞれ1つのライン内で、つまり、1つの配列線に沿って案内する。
【0102】
製品案内構造8a~8fは、対象物10a~10oが、前側の縁部11において転がり落ちてしまうのを回避すべく、各区画7a~7fのために、それぞれ1つの前側の画定部9a~9fを有している。画定部9a~9fは、この場合、特に最前列の対象物10a,10c,10f,10i及び10kが、良好に視認可能であり、かつ少し持ち上げてやれば、簡単に取り出し可能であるように、低く形成されている。これらの最前列の対象物10a,10c,10f,10i及び10kの1つが取り出されると、それぞれその後に存在する対象物は、後から、つまり、画定部9a~9fに向かって滑り落ちてくる。
【0103】
区画7a~7fの各々には、それぞれ1つのセンサ2a~2fが割り当てられている。各センサ2a~2fは、捕捉方向13を有し、捕捉方向13は、それぞれのセンサ2a~2fから、それぞれ1つの区画7a~7f内のそれぞれの対象物10a~10oに向かって延在している。例示的に、センサ2cのための捕捉方向を、矢印として記入してある。センサ2cの捕捉方向13は、つまり、センサ2cに対応する区画7c内に存在する対象物10f~10hに向かって指向している。
【0104】
捕捉方向13を取り巻くようにして、それぞれのセンサ2a~2fから出発して、円錐形の捕捉領域14が、比較的小さな広がり角(広がり角の小さな幅)で広がっている。この広がり角は、捕捉領域14が、後側の縁部から前側の縁部までの距離にわたって、単一の製品案内構造8a~8fに限定される程度に小さい。この捕捉領域14は、同じく例示的にセンサ2cのために記入してある。その他のセンサは、つまり、同じくそれぞれ1つの捕捉方向13と1つの捕捉領域14とを有している。
【0105】
本実施例において、各センサ2a~2fは、隙間なく1つのライン内に画定部9a~9fからセンサ2a~2fに向かって配列されている対象物10a~10oのそれぞれ1つの群をチェックあるいは監視する。各センサ2a~2fは、こうして間隔を捕捉あるいは測定し、かつ間隔の変化を確認すると、自動で、そこに配置された製品の奥行きを検出することができる。この検出の結果としてセンサ2a~2fにより生成される、検出した製品奥行きを代表あるいは表示する検出データは、明細書の概説的な部分で論じた通り、センサ2a~2f自体により、又は商品管理システムにより、又は例えばモバイル機器(図示せず)によっても、評価され、あるいはさらに処理され得る。
【0106】
図3は、製品案内構造8a~8fなしの棚1の一実施例を示している。本実施例では、センサ可動システム17のためのスペースを提供すべく、背壁15も省略してある。それにもかかわらず、例えば2つの棚側面を互いに分離するために、又は棚1を構造的に画定するために、センサ可動システム17の後には、壁が延在していてもよい。
【0107】
センサ可動システム17は、2つの駆動ユニット18を有し、駆動ユニット18は、2つのレール19に結合されている。レール19上には、キャリッジ20が装着されており、キャリッジ20は、レール19に沿って摺動可能である。キャリッジ20上には、センサ2が取り付けられている。キャリッジ20は、ベルト21に結合されている。駆動ユニット18は、ベルト21を、少なくとも1つの駆動ユニット18の内部に設けられた、駆動される少なくとも1つのベルトプーリを介して引っ張り、こうして、キャリッジ20とセンサ2とを後側の縁部12に沿って摺動させるべく、形成されている。センサ2の動きは、駆動ユニット18を電子式に駆動制御するそれ以上は図示しない電子式の制御部により司られる。
【0108】
センサ可動システム17は、つまり、センサ2を、矢印16により示した重力加速度に関して水平に摺動させて位置決めすべく、形成されており、これにより、センサ2のための場所可変の捕捉位置を可能にする。
【0109】
センサ可動システム17の前には、収蔵構造7が存在し、収蔵構造7は、2つの区画2a,2bに区分けされている。収蔵構造7あるいは各区画7a,7bは、前側の縁部11と、後側の縁部12とを有している。後側の縁部12の傍らに、センサ可動システム17が存在している。
【0110】
収蔵構造7上には、ここでも製品10a~10hが存在している。
【0111】
収蔵構造7の後側の縁部12は、本実施例では、重力加速度の方向(矢印16により示した)に関して、前側の縁部11とともに一平面内で方向付けられている。先に論じた実施例とは異なり、対象物10a~10fは、つまり、重力加速度にしたがい、前側の縁部11に向かって滑動するのではなく、対象物10a~10fが手動で動かされるまで、そのそれぞれの位置に留まる。
【0112】
センサ2の捕捉方向13は、収蔵構造7の面に対して平行に延び、センサ2から前側の縁部11に向かって指向している。しかし、センサ2は、捕捉方向13を変更すべく、形成されていることも可能であり、その結果、捕捉方向13は、センサ2の運動方向に対して垂直である必要はない。
【0113】
捕捉領域14は、ここでも捕捉方向13を中心に円錐形に延在している。センサ可動システム17が、センサ2を後側の縁部12に沿って動かすと、センサ2は、複数の領域を捕捉することができ、捕捉結果の続いての評価にしたがい、それぞれ1つの製品群が配置されているそれぞれの区画内の対象物の個数を推量することができる。
【0114】
ここでも、センサにより自動で特定される、センサと、それぞれの製品群との間の間隔の変化を監視することで、センサ自体により、それぞれの製品の奥行きを検出することができる。その際、ここで出発点となるのは、例えばスタッフが、前から製品を追加補充し、最後列に位置する製品が、後方にセンサに向かって押されるときはいつも、この変化が生じるという点である。
【0115】
製品の奥行きを検出するために、センサ可動システムは、製品の後ではなく、製品の側方に配置されていてもよい。別の一実施例によれば、2つのこのようなセンサ可動システムが、言及したような側に、つまり、一方では、製品の後に、そして他方では、製品の側方に設けられていてもよく、その結果、捕捉は、2つの異なる側から動的に、つまり、2つの場所可変の捕捉位置から実施されることができ、このことは、寸法の自動の検出を容易にし、場合によっては、改善もする。
【0116】
さらに、
図2との関連で論じたように、製品案内構造8a~8fが設けられていれば、対象物10a~10hの個数を見積もる精度は、改善され、かつ製品群毎の製品の奥行きの検出も、加速され得る。製品案内構造8a~8fと、センサ可動システム17との組み合わせを有する一実施例は、
図4に示してある。
【0117】
センサ可動システム17の前には、収蔵構造7が存在している。後側の縁部12より上には、
図2においてそこに見て取れる背壁15はなく、これにより、センサ2は、妨害されることなく、収蔵構造7内に存在する対象物10a~10oを捕捉することができる。
【0118】
収蔵構造7と、この収蔵構造7の後側の縁部12より下に延びる背壁15と、駆動ユニット18とは、固定に、図示しない支持体構造、例えば骨組み又は別の平らな金属薄板部分若しくは壁に結合されていてもよい。
【0119】
ここでも、センサ2は、センサ2の詳細は図示しない捕捉方向13が、センサ2から前側の縁部11に向かって指向し、かつそれぞれの区画7a~7fが延在する平面に対して平行に延びるように配向されている。
【0120】
センサ可動システム17、特に言及した制御部は、センサ2を離散的な位置に動かすべく、形成されている。これらの離散的な位置は、ここでは、捕捉方向と、対象物10a~10oが位置決めされているラインとが重なる位置である。こうして、センサ2の捕捉は、正確にそれぞれの区画7a~7fにフォーカシングされ、不必要な中間位置捕捉は、回避され得る。
【0121】
図5には、製品展示装置1の別の一実施例を示してあり、センサ2は、水平のみならず、垂直にも可動である。このことは、センサを2自由度に沿って場所可変の捕捉位置に位置決めすること、つまり、略面状に動かすこと、特に、複数の棚階層にわたって横断的に動かすことを可能にする。
【0122】
この場合、棚1は、互いに上下に配置された複数の収蔵構造7(棚平面)を有しているが、見やすさという理由から、単一の収蔵構造7しか図示していない。見やすさという意味で、符号の数も減らしてある。
【0123】
両駆動ユニット18の各々は、
図4とは異なり、ここではしかし、垂直に可動であり、雌ねじ山でもってそれぞれ1つのねじ山付きロッド22を囲繞している。各ねじ山付きロッド22は、それぞれ、1つのねじ山付きロッド駆動ユニット23により駆動される。ねじ山付きロッド駆動ユニット23は、固定に、ここでも図示しない支持体構造に結合されている。ねじ山付きロッド駆動ユニット23は、つまり、背壁15に対して相対的に固定である。
【0124】
センサ可動システム17、あるいはセンサ可動システム17のねじ山付きロッド駆動ユニット23は、電子式の制御部により制御されて、センサ2を、図示の収蔵構造7の後側の縁部12に沿って動かすことが可能であるだけでなく、センサ2を、図示の収蔵構造7より上又は下の平面内へ動かすことも可能である。センサ2は、つまり、収蔵構造7の複数の区画7a~7fのみならず、複数の収蔵構造7、つまり、棚全体も捕捉することが可能である。
【0125】
本実施の形態によれば、単一のセンサ2のみで、棚1全体の種々異なる製品の奥行きを検出することが可能である。
【0126】
図6は、互いに上下に配置された複数の収蔵構造7を捕捉するセンサ可動システム17の別の一実施例を示している。このために、ここでは複数のセンサ2a~2cが、1つのキャリッジ20上に設けられており、各センサ2a~2cは、それぞれ1つの収蔵構造7に割り当てられている。キャリッジ20は、両レール19上を、収蔵構造7の後側の縁部12に沿って走行する。駆動ユニット18は、ここでは背壁15も、固定に支持体構造に結合されている。駆動ユニット18は、キャリッジ20をベルト21を介して動かすべく、形成されている。真ん中のセンサ2bは、ここでは、図示の収蔵構造7に割り当てられている。このことは、真ん中のセンサ2bの水平のロケーションにより生じる。上側のセンサ2aと、下側のセンサ2cとは、ここではそれぞれ図示しない別の収蔵構造7に割り当てられており、このことは、上側のセンサ2a及び下側のセンサ2cの個別の水平のロケーションにより生じる。
【0127】
キャリッジ20が水平に収蔵構造7に沿って走行するとき、各センサは、それぞれの収蔵構造7内の対象物10a~10oを捕捉する。
【0128】
図7には、センサ可動システム17あるいはセンサ2に関する極めて省スペースな一実施例を示してある。センサ2は、円柱状の駆動ホイールとして構成されている。センサユニット3は、センサ2の中心の近傍に配置されている。センサ2は、1つのレール19上に存在し、このレール19上を転動すべく、形成されている。センサ可動システム17は、さらに3つの条片26a,26b及び26cを有し、条片26a,26b及び26cは、センサ2をレール19上に保持すべく、形成されている。この目的のために、下側の条片26aと、上側の条片26cとは、センサ2の、捕捉領域14が存在している側に存在しているのに対し、真ん中の条片26bは、他方の側に存在している。こうして、センサ2がレール19から脱線する可能性は、排除されている。
【0129】
センサ2は、6つの第1の磁石要素24a~24fを有し、第1の磁石要素24a~24fは、永久磁石である。
【0130】
レール19は、全長にわたって多数の第2の磁石要素25a~25fを有し、第2の磁石要素25a~25fは、個別にオン・オフ切り換え可能な電磁石である。
【0131】
図示の位置において、真ん中の両第2の磁石要素25a及び25fは、対応する第1の磁石要素24a及び24fを自身に引き付けるように切り換えられている。
【0132】
センサ2をさらに右方に動かすには、つまり、時計回りに回転させるには、作動状態にある両第2の磁石要素のうちの左側の第2の磁石要素25aを作動停止させるとともに、次の右側にある第2の磁石要素25eを作動させ、その結果、対応する第1の磁石要素24eを下方にレール19へと引き寄せる。付加的に、同時に、今まで作動状態にあった第2の磁石要素25aを極性反転するように作動させてもよく、これにより、対応する第1の磁石要素24aをレール19から突き放すことができる。
【0133】
代替的には、第1の磁石要素24a~24fは、強磁性の磁石要素として形成されていてもよい。
【0134】
第1の磁石要素24a~24fも、切り換え可能な電磁石であってもよい。相応に第2の磁石要素25a~25bは、永久磁石又は強磁性の磁石要素であってもよい。レール19も、相応の材料から製造されていてもよい。
【0135】
図8には、別の一実施例が看取可能であり、
図7に示した実施例とは異なり、駆動ホイールは、多角形状である。このことは、センサ2の面であって、その面を下にしたとき、センサ2が安定な位置で立つ複数の面が、これらの面に対して法線方向の横断面で見て、実質的に凸多角形を形成することを意味している。
【0136】
このことは、センサ2に対して、電磁石が作動されていないときも、所望の位置での確実な保持を提供する。
【0137】
さらに、こうしてセンサ2は、所定の、離散的な位置に位置決め可能である。収蔵構造7の区割りは、つまり、センサ2の寸法に、センサ2がそれぞれ所望の離散的な位置に配置可能であるように適合される。
【0138】
図9には、棚1の別の一実施例が看取可能であり、棚1は、
図4に示した棚1と略同じである。
図4とは異なり、製品案内構造8a~8fは、ここではしかし、プレート状の押圧体27を有し、押圧体27は、収蔵構造7内、あるいは収蔵構造7のピット状の区画7a~7f内に配置されている製品10a~10nを、前側の縁部11に向かって押圧すべく、設けられている。このために、各押圧体27は、それぞれ、ばね要素28に結合されており、ばね要素28は、それぞれの押圧体27を背壁15から押し放すあるいは前側の縁部11に向かって押し込む。
【0139】
図4とは異なり、センサ2は、ここでは、センサ2と、製品10a~10nとの間の間隔を直接的に捕捉するのではなく、センサ2と、押圧体27との間の間隔を直接に捕捉する。しかし、このことによって、製品の奥行きを自動で検出するにあたり、違いは生じない。それというのも、1つの製品、又は1つの製品群の複数の製品が、取り出され、又は追加補充される際、押圧体は、そもそも、製品の奥行きにより予め与えられた間隔パターン又はその倍数でしか、動き得ないからである。
【0140】
この箇所でさらに付言すると、区画7a~7fは、必ずしも互いに分割されて存在している必要はない。むしろ、区画7a~7fは、連結した平面あるいは構成群として構成されていてもよい。
【0141】
図10は、
図9と比較して類似の一実施例を示しており、ここではしかし、各押圧体27が、1つのセンサ2(2a~2f)を装備し、それぞれのセンサ2a~2fの捕捉方向が、押圧体から、収蔵構造(棚底)の後側の縁部に向かって配向されている。後側の縁部において、棚底は、背壁15でもって終端されている。ここでは、つまり、センサ2は、取り出される又は追加補充される製品の個数に応じて、基準を形成する背壁15に対して相対的に動かされ、この基準に対するセンサ2の間隔の変化から、それぞれの製品の奥行きを検出する。
【0142】
図11及び12は、センサビークルとしての、製品展示装置内で自律操縦されるように形成された、つまり、自走するセンサ2を示しており、センサ2は、電気式の駆動部を有し、電気式の駆動部の4つのホイール29が可視であり、これらのホイール29のうちの2つのホイールは、方向転換を行うべく、操舵可能である。
【0143】
センサ2は、
図11に看取可能であるように、背側に、センサユニット3と、画面5とを有している。さらにセンサ2は、
図12に看取可能であるように、腹側に、センサ2のハウジング内に組み込まれて、永久磁石30を有している。永久磁石30は、円として概略的に示してある。また、
図12は、ホイール29の周面に同じく永久磁石30が配置されていてもよいことを示している。永久磁石30の駆動あるいは位置決めは、この場合、永久磁石30が、直接に棚1に当接するのではなく、空隙が棚1に対して空けられているように寸法設定されている。
【0144】
センサ2は、センサ2の側壁にナビゲーションセンサ31を有し、ナビゲーションセンサ31は、ナビゲーションセンサ31の、ハウジング内に収容されていて、センサ2の動きを制御するセンサエレクトロニクスが、製品展示装置内で自律的に動くときに方向を決め、障害物を認識して迂回し、又は構造も認識し、かつ構造をより後の時点で再び認識し、かつ場合によってはナビゲーションのために利用することを可能にする。
【0145】
図13に示すように、永久磁石30は(又はホイール29の永久磁石30も)、センサ2が、強磁性の構造要素(例えば収蔵構造7)、例えば、鋼板から製造された棚底に、又は棚1の棚平面の例えば垂直に延びる背壁15に保持される、あるいはそこに付着することを可能にする。この能力は、特に、センサ2が、棚1内で逆さまに、つまり、背側を下に見せて棚底7の下面に磁気により保持された状態で自律的に動くことができ、そこから、製品10の寸法、特に奥行きを、又は幅及び高さも検出するために、場所可変の捕捉位置より、センサ2の下に配列される製品10の捕捉を実施するように利用される。
【0146】
さらに、そこには、センサが、棚1の構造要素を互いにセンサ2の通行が可能であるように結合する結合要素32を利用して、構造要素間、それどころか棚1間を行き来することが可能であることが看取可能である。また、特にバッテリ運転されているセンサ2は、充電スタンド33を目指して移動することができ、充電スタンド33において、センサ2は、センサ2の蓄電池を誘導式に充電することができる。
【0147】
図13には、さらに、通信インフラストラクチャに典型的なアクセスポイント34が看取可能であり、アクセスポイント34は、一方では、センサ2との無線通信のために、かつ/又は他方では、電子ラベル(ESL)35との無線通信のためにも、設けられ、かつ形成されており、製品情報及び/又は価格情報を表示するESL35は、棚1の棚レールに取着されている。ESL35は、NFC可能に形成されていてもよい(NFCは、Near Field Communication(近距離無線通信)の略である)。同じことは、センサ2にも当てはまり、その結果、センサ2が、ESL35に対して直接的な近傍(つまり、最大数センチメートルのNFC無線範囲内)にあるとき、ESL35は、センサ2のための無線技術的なビーコンとして用いられ得る。
【0148】
図14、15及び16により、センサ2の機能原理を可視化してある。
【0149】
詳細には、これらの図面のそれぞれ対応するペア、
図14.1と
図15.1から、
図14.5と
図15.5までは、一方では、製品10が配備されるあるいはそこから製品10が取り出される棚1(
図14.1ないし14.5)を示し、他方では、その際にセンサ2から確認される、製品10に対する距離(
図15.1ないし15.5)を示している。
図16には、方法の、センサ2により提供される方法フローを、フローチャートの形態で可視化してある。
【0150】
図14.1には、棚1、詳細には棚底7の抜粋と、棚底7をその左下側(棚1の前側の縁部11)で終端させる棚レール36とを、側方の視点から示してある。棚底7は、棚底7の後側の縁部12において背壁15でもって終端されており、背壁15にセンサ2は、前側の縁部11に向かう捕捉方向14を有して取り付けられている。さらに、デカルト座標系が、方向を識別するために図示されている。この場合(この単純化された例では)、y座標の方向は、後側の縁部11から前側の縁部12に向かって配向されており、製品10と、センサ2との間の間隔を表している。さらに、センサ信号37を概略化して示してあり、センサ信号37は、センサ2から送信され、棚レール36において反射されてセンサ2へと戻る。センサ2は、それゆえ最大の間隔Mを捕捉する。最大の間隔Mは、棚底7の奥行きに相当する。センサ2により捕捉される奥行きの値は、
図15.1に時間に対して示してあり、
図14.2に矢印Pにより可視化した通り、製品10が棚底7に収蔵されて初めて、変化する。センサ2は、つまり、先程より短い間隔を捕捉する。間隔の時間的な経過は、
図15.2に示してある。この時間的な経過内で生じる、製品10の追加補充の時点で現れる間隔変化は、
図15.2にΔyとして記入してある。さらなる
図14.3ないし15.4には、さらなる2つの製品10の追加補充を可視化してあり、
図15.2と同様、間隔が小さくなる方向での2つのさらなる間隔変化Δyが生じる。センサ2は、基本的には、最初のさらなる間隔変化Δyが生じたときに既に、この間隔変化Δyが、製品奥行きを規定すると確認してもよい。センサ2は、しかし、この間隔変化Δyが、複数回シーケンシャルに発生したことから、製品奥行きを規定してもよい。センサ2が、製品奥行きを規定すると直ちに、センサ2は、発生した間隔変化の回数に基づき、何個の製品10が棚底7上に追加補充された(図シーケンス14.2ないし15.4参照)か、又は何個の製品10が棚底7から取り出された(図ペア14.5及び15.5参照)か、を確認し得る。棚1内で確認された製品の個数は、図シーケンス15.1ないし15.5において、シンボルNあるいはそこに記載した式により表示されている。
【0151】
センサ2のエレクトロニクスにより提供される
図16に示す方法は、ここでは巨視的な方法ステップに分解して示してある。
図16の図示は、製品展示装置1内に存在する製品10の寸法を特定する方法と、商品在庫監視方法とからなる組み合わせを可視化するものである。
【0152】
本方法は、ブロックIで始まる。ブロックIでは、製品の寸法を代表する少なくとも1つのパラメータの変化の自動の捕捉を確認する。前述の
図14.1ないし15.5のコンテクストでは、これは、棚1内に配設されたセンサ2により確認される間隔変化Δyである。
【0153】
センサ2が学習フェーズにあるとき(このことは、ブロックIIで検査される)、本方法をブロックIIIで継続し、ブロックIIIにおいて、製品10の少なくとも1つの寸法を、確認されたパラメータの変化に基づいて自動で検出する。前述の
図14.1ないし15.5のコンテクストでは、製品10の少なくとも1つの寸法は、間隔変化Δyにちょうど等しい製品の奥行きである。この製品奥行きは、センサ2内に記憶され、あるいはセンサ2により商品管理システムに無線技術的に通信される。本方法を、ブロックIIIの後、再びブロックIで継続する。実際の実装次第で、つまり、製品奥行きが、既に1回の間隔変化Δyにより検出されるか、又は複数回の間隔変化Δyに基づいて検出されるかに応じて、学習フェーズは、ブロックIないしIIIのシーケンスの1回の通しを有していてもよいし、センサ2が、製品10の奥行きの、自動で有効と格付けられた値を検出するまで、ブロックIないしIIIの複数回の通しを有していてもよい。製品10の奥行きに関する有効な値が提示されると直ちに、学習フェーズを離脱する。
【0154】
ブロックIIにおいて、学習フェーズが提示されていないことを確認すると、ブロックIVへ分岐する。ブロックIVでは、前もって学習フェーズにおいて検出した、つまり、予め既知の寸法、つまり、製品10の奥行きを、商品在庫監視のために利用し、自動で製品個数の変化を、ブロックIで確認された間隔変化Δyに基づいて検出する。その際、最も単純なケースでは、製品個数の変化を得るために、確認された間隔変化Δyを製品奥行きで除算するように行われてもよい。これをセンサ2内でさらに処理してもよいし、又は商品管理システムに無線送信し、商品管理システムにおいてさらなる処理を実施してもよい。
【0155】
こうして自動で検出した製品個数の変化を、ブロックVで、それがアラームを起動する判断基準に相当するか否か、チェックする。アラームは、概説部において追加配備アラーム及び盗難アラームとの関連で論じた通り、種々異なるアラームであってもよい。この関連において論じた判断基準の1つが満たされると、つまり、ブロックVで肯定の検査結果が得られると、それぞれのアラームをブロックVIで起動し、本方法をその後、ブロックIで継続する。ブロックVで否定の検査結果が得られると、ブロックVから出発して、本方法を直接にブロックIで継続する。
【0156】
図16により可視化した方法を論じるにあたり、無限のループを図示したとはいうものの、この箇所で付記すると、1回の方法開始及び1回の方法終了が存在し得ることは当然であり、この状況は、センサに対する外的な影響により生じ得る。而して、例えば開始は、バッテリの装入により引き起こされていてもよい。同じく終了は、バッテリの取り出しにより引き起こされていてもよい。また、センサ2の処理フローは、無線技術的に影響を及ぼすこと(遠隔制御すること)により、影響が及ぼされても(制御されても)よい。
【0157】
最後にもう一度付言すると、先に詳しく説明した図は、当業者が、本発明の範囲を逸脱することなく、様々に改変し得る実施例にすぎない。念のためにさらに付言すると、不定冠詞「ein」あるいは「eine」の使用は、該当する特徴が複数存在していてもよいことを排除するものではない。
【国際調査報告】