(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-19
(54)【発明の名称】充放電回路、システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/637 20140101AFI20240911BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240911BHJP
B60L 58/25 20190101ALI20240911BHJP
B60L 53/24 20190101ALI20240911BHJP
B60L 58/19 20190101ALI20240911BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20240911BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240911BHJP
【FI】
H01M10/637
H02J7/00 P
B60L58/25
B60L53/24
B60L58/19
H01M10/615
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507051
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2022088567
(87)【国際公開番号】W WO2023010898
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/116735
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/116736
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/110706
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/132202
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】黄 孝▲鍵▼
(72)【発明者】
【氏名】但 志▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】侯 ▲貽▼真
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲偉▼
【テーマコード(参考)】
5G503
5H031
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA01
5G503BB02
5G503CB11
5G503CB13
5G503DA07
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
5H031CC09
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC19
5H125BC28
5H125BE02
5H125CD04
5H125DD02
5H125EE25
5H125EE27
5H125EE51
5H125FF16
(57)【要約】
本出願の実施例は、充放電回路、システム及びその制御方法を提供し、給電モジュールと、加熱モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、加熱モジュールは、エネルギー貯蔵モジュール及びスイッチモジュールを含み、少なくとも第一の組電池、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールは、並列に接続され、エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、スイッチモジュールと接続され、エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、充放電切り替えモジュールと接続され、充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールは、充放電イネーブル信号に応答し、充放電回路において交流波形の電流を発生させるために用いられる。本出願は、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路において交互に切り替わる放電回路と充電回路を形成し、それによって充放電回路に交流電流を形成し、交流電流が組電池を流れ、組電池の内部抵抗に熱を発生させ、組電池を加熱する効果を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電回路であって、
給電モジュールと、加熱モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、
前記加熱モジュールは、エネルギー貯蔵モジュール及びスイッチモジュールを含み、
前記少なくとも第一の組電池と、前記スイッチモジュールと、前記充放電切り替えモジュールとは、並列に接続され、
前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールと接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続され、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において交流波形の電流を発生させるために用いられる、ことを特徴とする充放電回路。
【請求項2】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路との接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路は、前記充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフされるために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の充放電回路。
【請求項3】
前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、
前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の上アームと前記第一の下アームとは、前記充放電イネーブル信号のトリガーでオン又は遮断されるために用いられる、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項4】
前記第一の上アームは、並列に接続される第一のスイッチと、第一のダイオードとを含み、前記第一の下アームは、並列に接続される第二のスイッチと、第二のダイオードとを含み、
前記第一のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第一のダイオードの陽極は、前記第二のダイオードの陰極と接続され、前記第二のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の充放電回路。
【請求項5】
前記第一の上アームは第三のスイッチを含み、前記第一の下アームは第四のスイッチを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の充放電回路。
【請求項6】
前記第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、
前記第三のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第三のダイオードの陽極は、前記第五のスイッチの一端と接続され、前記第五のスイッチの他端は、前記第一の組電池の負極と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項7】
前記第一の切り替え回路は、第六のスイッチをさらに含み、前記第六のスイッチの一端は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第六のスイッチの他端は、前記第三のダイオードの陰極と接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の充放電回路。
【請求項8】
前記第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、
前記第七のスイッチの一端は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第七のスイッチの他端は、前記第四のダイオードの陰極と接続され、前記第四のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項9】
前記第二の切り替え回路は、第八のスイッチをさらに含み、
前記第八のスイッチは、前記第四のダイオードと前記第一の組電池の負極との間に直列に接続される、ことを特徴とする請求項8に記載の充放電回路。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵モジュールは第一のエネルギー貯蔵素子を含み、前記第一のエネルギー貯蔵素子は少なくとも一つのインダクタを含み、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第一端は、前記スイッチモジュールと接続され、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、第二のエネルギー貯蔵素子をさらに含み、前記第二のエネルギー貯蔵素子は、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端と前記充放電切り替えモジュールとの間に接続される、ことを特徴とする請求項10に記載の充放電回路。
【請求項12】
前記第二のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのインダクタ及び/又はキャパシタを含む、ことを特徴とする請求項11に記載の充放電回路。
【請求項13】
前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールとの間に、第九のスイッチが接続されており、前記第九のスイッチは、前記第二のエネルギー貯蔵素子と直列に接続される、ことを特徴とする請求項11に記載の充放電回路。
【請求項14】
前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールにおける第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチアームの数と等しく、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチアームと一対一に対応して接続され、
各前記エネルギー貯蔵デバイスの第二端の接続点は、前記充放電切り替えモジュールと接続される、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項15】
前記スイッチモジュールは第一のスイッチアームを含み、前記第一のスイッチアームは、直列に接続される第二の上アームと第二の下アームとを含み、
前記第一のスイッチアームの第一端と、前記充放電切り替えモジュールの第一端と、前記給電モジュールの第一端とは、同一の線に接続され、
前記第一のスイッチアームの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端と、前記給電モジュールの第二端とは、同一の線に接続される、ことを特徴とする請求項14に記載の充放電回路。
【請求項16】
前記第一のエネルギー貯蔵素子は、インダクタンス及び/又はキャパシタを含み、
前記第二の上アームと前記第二の下アームとの接続点は、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第一端と接続され、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続される、ことを特徴とする請求項15に記載の充放電回路。
【請求項17】
各組の前記スイッチアームは、いずれも上アームと下アームとを含み、且つ上アームと下アームは、いずれも並列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、又は、上アームと下アームは、いずれもスイッチを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の充放電回路。
【請求項18】
前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチレッグを含み、前記少なくとも一組のスイッチレッグは、直列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールにおける第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチレッグの数に等しく、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチレッグと一対一に対応して接続される、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項19】
前記スイッチレッグにおけるダイオードの陰極は、前記給電モジュールの正極と接続され、前記スイッチレッグにおけるダイオードの陽極は、前記給電モジュールの負極と接続される、ことを特徴とする請求項18に記載の充放電回路。
【請求項20】
前記エネルギー貯蔵モジュールはM相モータを含み、前記スイッチモジュールはM相アームを含み、Mは正の整数であり、
ここで、前記M相アームと、前記給電モジュール及び前記充放電切り替えモジュールとは、並列に接続され、
前記M相アームの上下アームの接続点は、それぞれ前記M相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールは、前記M相巻線の接続点と接続される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項21】
前記M相モータは、第一のM相モータ及び第二のM相モータを含み、
前記第一のM相モータのM相巻線の接続点は、前記第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される、ことを特徴とする請求項20に記載の充放電回路。
【請求項22】
前記スイッチモジュールのM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ前記第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される、ことを特徴とする請求項21に記載の充放電回路。
【請求項23】
前記充放電切り替えモジュールはM相アームを含み、
前記充放電切り替えモジュールのM相アームにおける上下アームの接続点は、それぞれ前記第二のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される、ことを特徴とする請求項21に記載の充放電回路。
【請求項24】
前記給電モジュールは第一の組電池を含み、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、充放電イネーブル信号に応答するために用いられ、前記充放電回路において発生させた交流電流の波形は、三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つを含む、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項25】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、第一の充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を発生させるために用いられ、又は、第二の充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つの波形の交流電流を発生させるために用いられ、
ここで、前記第一の充放電イネーブル信号に対応する充放電周波数は、前記第二の充放電イネーブル信号に対応する充放電周波数よりも大きい、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項26】
前記第二の組電池の第一端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、前記第二の組電池の第二端と、前記第一の組電池の第二端と、前記スイッチモジュールの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端とは、同一の線に接続され、
前記第一の組電池の第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、
前記第一の組電池の第一端と前記第二の組電池の第一端との間に、第十のスイッチが接続されている、ことを特徴とする請求項25に記載の充放電回路。
【請求項27】
前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、又は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第二端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第二端と接続される、ことを特徴とする請求項25に記載の充放電回路。
【請求項28】
前記給電モジュールに含まれる組電池の両端に、キャパシタが並列に接続されている、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項29】
充放電システムであって、制御モジュールと、請求項1から28のいずれか1項に記載の充放電回路とを含み、前記制御モジュールは、前記充放電回路に命令を送信することで、充放電を行うように給電モジュールを制御するために用いられる、ことを特徴とする充放電システム。
【請求項30】
前記充放電回路と接続される充電装置をさらに含み、
前記充電装置は、前記充放電回路を介して前記給電モジュールに含まれる組電池へ充電するために用いられる、ことを特徴とする請求項29に記載の充放電システム。
【請求項31】
充放電制御方法であって、
請求項29又は30に記載の充放電システムに用いられ、前記方法は、
充放電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールとをオン又はオフに制御し、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させることで、交流波形の電流を発生させることを含む、ことを特徴とする充放電制御方法。
【請求項32】
予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信することで、前記充電回路と放電回路を交互に切り替えるように制御する、ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、各組のスイッチアームは、上アームと下アームとを含み、
前記交互に切り替わる充電回路と放電回路は、
前記スイッチモジュールの各組の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路と、
前記スイッチモジュールの各組の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路とを含む、ことを特徴とする請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第一の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する、ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項35】
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームと前記第一の下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アームと前記第一の上アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームとの間の充電回路を形成する、ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームと前記第五のスイッチとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第五のスイッチとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第三のダイオードとの間の充電回路を形成する、ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続され、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、前記第七のスイッチ及び各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第七のスイッチと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第四のダイオードと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する、ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記第四のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の負極と接続され、
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第四のダイオードとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記第七のスイッチ及び各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第七のスイッチとの間の充電回路を形成する、ことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと第二のM相モータとを含み、前記スイッチモジュールはM相アームを含み、前記充放電切り替えモジュールはM相アームを含み、前記第一のM相モータのM相巻線は、前記スイッチモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、前記第二のM相モータのM相巻線は、前記充放電切り替えモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続され、
放電イネーブル信号を送信し、前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する、ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項40】
放電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記スイッチモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する、ことを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、
前記充電回路又は前記放電回路を介して前記第一の組電池又は前記第二の組電池を充放電し、前記充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を形成し、
前記充放電は、前記第一の組電池と前記第二の組電池の充放電状態を切り替えることを含み、前記充放電状態は、前記第一の組電池を充電するとともに、前記第二の組電池を放電すること、又は、前記第一の組電池を放電するとともに、前記第二の組電池を充電することを含む、ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項42】
前記第二の組電池の第一端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、前記第二の組電池の第二端と、前記第一の組電池の第二端と、前記スイッチモジュールの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端とは、同一の線に接続され、前記第一の組電池の第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記第一の組電池の第一端と前記第二の組電池の第一端との間に、第十のスイッチが接続されており、前記方法は、
前記第一の組電池と前記第二の組電池が加熱条件を満たしていると決定し、前記第十のスイッチを遮断するように制御することをさらに含む、ことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの一端は、前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの他端は、前記スイッチアームの上下アームの接続点と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの下アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、前記第一の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、
第二のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記第二の組電池の充電回路を形成し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第二の組電池へ充電させる、ことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
各組の前記スイッチアームの上アームのオン又は下アームのオンを繰り返し切り替えることで、前記第二の組電池への充電時間を制御することをさらに含む、ことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第二の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の下アームとの間の放電回路を形成し、前記第二の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させることと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第二の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームと前記第一の組電池の充電回路を形成し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第一の組電池へ充電させることとをさらに含む、ことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記第一の上アームのオン又は前記第一の下アームのオンを繰り返し切り替えることで、前記第一の組電池への充電時間を制御することをさらに含む、ことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第二のイネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アーム及び前記第一の下アームを同時にオンに制御し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第二の組電池へ充電する回路を形成する、ことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項48】
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成することと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第一の組電池へ充電する回路を形成することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第二端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第二端と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第二のイネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アーム及び前記第一の上アームを同時にオンに制御し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第一の組電池へ充電する回路を形成する、ことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項50】
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成することと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第二の組電池へ充電する回路を形成することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの一端は、前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの他端は、前記スイッチアームの上下アームの接続点と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームと前記第二の組電池との間の充放電回路を形成し、前記第一の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第二の組電池へ充電させ、
第二のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記第二の組電池の充放電回路を形成し、前記第二の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第一の組電池へ充電させる、ことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項52】
前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールとの間に、第九のスイッチが接続されており、
前記給電モジュールに含まれる組電池が加熱条件を満たしていると決定し、前記第九のスイッチを閉じるように制御し、又は、
前記組電池が加熱停止条件を満たしていると決定し、前記第九のスイッチを遮断するように制御する、ことを特徴とする請求項31から51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定することと、
各組電池の充電状態値が前記予め設定される閾値以上である場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項31から51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記の、前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する前に、前記方法は、
前記給電モジュールの温度が、予め設定される温度閾値よりも小さいかどうかを決定することと、
そうであれば、前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する操作を実行することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項55】
充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
前記モータの作動状態を取得することと、
前記モータが非駆動状態にあることを前記作動状態が指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項31から51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
車両コントローラから送信された制御信号を受信することと、
前記制御信号が前記給電モジュールを加熱するよう指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項31から51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
電池管理システムから送信された要求データを受信することと、
前記給電モジュールが加熱条件を満たしていることを前記要求データが指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項31から51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記充放電プロセスにおいて、前記給電モジュールに含まれる各組電池の温度が加熱停止条件を満たすかどうかを決定することであって、前記加熱停止条件は、前記組電池が予め設定される温度に達していること又は前記組電池の温度上昇が異常であることを含むことと、
そうであれば、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、加熱停止信号を送信することであって、前記加熱停止信号は、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールが前記充放電回路を遮断するようにトリガーすることとをさらに含む、ことを特徴とする請求項31から51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記充放電システムは、充電装置をさらに含み、前記方法は、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも低い場合、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを制御し、前記充電装置が前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電する回路、及び前記充電装置と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ同時に充電する回路を形成することと、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも高い場合、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを制御し、前記充電装置が前記給電モジュールと前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電する回路、及び前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ充電する回路を形成することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項31から51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記エネルギー貯蔵モジュールの、前記スイッチモジュールと接続される端は、第一のスイッチチューブを介して充電装置の一端と接続され、前記スイッチモジュールの第二端は、前記充電装置の他端と接続され、前記充電装置は、前記加熱モジュールを介して前記給電モジュールへ充電するために用いられ、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記方法は、
各組のスイッチアームの上アームを遮断するように制御することと、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも低い場合、前記第二の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとをオンに、前記第一の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置が前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路を含む回路を形成することと、
前記第一の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとをオンに、前記第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ同時に充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールを含む回路を形成することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記各組のスイッチアームの下アームに、並列に接続されるスイッチとダイオードとが含まれ、前記方法は、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも高い場合、前記第一の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとを閉じ、前記第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置が前記給電モジュールと前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールを含む回路を形成することと、
前記第一の切り替え回路を閉じ、前記第二の切り替え回路、前記各組のスイッチアームの下アームと前記第一のスイッチチューブとを遮断するように制御し、前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ充電するための、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路、前記給電モジュールと前記各組のスイッチアームの下アームにおけるダイオードを含む回路を形成することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項62】
請求項29に記載の充放電システムを含む、ことを特徴とする電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に充放電回路、システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー密度が高く、サイクル充電が可能で、安全で環境にやさしいなどの利点があるため、動力電池は、新エネルギー自動車、コンシューマエレクトロニクス、エネルギー貯蔵システムなどの分野に広く応用される。
【0003】
しかしながら、低温環境で動力電池の使用は一定の制限を受けている。具体的には、低温環境での動力電池の放電容量が大幅に低下し、及び低温環境で電池が充電できない。そのため、動力電池を正常に使用できるように、低温環境で動力電池を加熱する必要がある。
【0004】
従来の動力電池加熱技術は、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、モータの振動雑音が過大になるという問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、動力電池に対する加熱を実現するとともに、モータ回路を利用して電池を加熱する時のモータの振動雑音を効果的に抑制できる充放電回路、システム及びその制御方法を提供する。
【0006】
第一の態様によれば、充放電回路を提供し、この充放電回路は、給電モジュールと、加熱モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、
前記加熱モジュールは、エネルギー貯蔵モジュール及びスイッチモジュールを含み、
前記少なくとも第一の組電池と、前記スイッチモジュールと、前記充放電切り替えモジュールとは、並列に接続され、
前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールと接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続され、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において交流波形の電流を発生させるために用いられる。
【0007】
上記充放電回路において充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールを制御し、給電モジュールに含まれる少なくとも第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールとの間に、交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充電回路と放電回路が交互に切り替わるプロセスにおいて、充放電回路に交流波形の電流が発生し、この交流波形の電流が給電モジュールに含まれる少なくとも第一の組電池を流れ、少なくとも第一の組電池の電池の内部抵抗を発熱させ、それによって給電モジュールに含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0008】
そして、充放電回路において、電気自動車のモータを利用せずに電池を加熱することができ、電池を加熱するプロセスにおいて、モータが加熱プロセスにおいて充放電回路における電流の周波数の影響を受けることなく、動力電池を加熱するプロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという従来の技術問題を解決した。そしてこの充放電回路を利用して電池を加熱すると、モータは、動力自動車を正常に駆動して走行させることによって、走行加熱を実現することができる。
【0009】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路との接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路は、前記充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフされるために用いられる。
【0010】
この実現方式では、充放電切り替えモジュールは二つの切り替え回路を含み、それによってこの二つの切り替え回路を利用して充放電回路を制御し、充電回路又は放電回路を形成する。具体的には、第一の切り替え回路、第二の切り替え回路とスイッチモジュールのオン又は遮断を制御することにより、給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールとの間に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充放電回路において交流波形の電流を発生させ、それによって給電モジュールに含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0011】
第一の切り替え回路と第二の切り替え回路との接続点は、エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、スイッチモジュールと接続され、このように、スイッチモジュール、第一の切り替え回路と第二の切り替え回路を合理的に制御することにより、給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールとの間で交互に充放電することを実現することができ、それによって給電モジュールにおける組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の内部から自己加熱を行う効果を達成し、組電池の内部から加熱すると、加熱効率がより高くなる。
【0012】
一つの実現方式では、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、
前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の上アームと前記第一の下アームとは、前記充放電イネーブル信号のトリガーでオン又は遮断されるために用いられる。
【0013】
上記第一の上アーム、第一の下アームとスイッチモジュールのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路において交流波形の電流を発生させ、それによって給電モジュールに含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0014】
一つの実現方式では、前記第一の上アームは、並列に接続される第一のスイッチと、第一のダイオードとを含み、前記第一の下アームは、並列に接続される第二のスイッチと、第二のダイオードとを含み、
前記第一のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第一のダイオードの陽極は、前記第二のダイオードの陰極と接続され、前記第二のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続される。
【0015】
上記第一のダイオードと第二のダイオードとは、フリーホイールダイオードであってもよく、フリーホイールダイオードは一般的に、インダクタに合わせて使用される。インダクタの電流が急激に変化すると、インダクタ両端の電圧が急変し、回路の他の素子を損傷する可能性がある。しかし、フリーホイールダイオードに合わせて使用される場合、インダクタの電流が比較的穏やかに変化し、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。そのため、第一の上アームと第一の下アームとは、いずれも並列に接続されるスイッチとフリーホイールダイオードの構造を採用し、スイッチ機能を実現することもできるし、第一の上アームと第一の下アームにおけるスイッチのオン又は遮断を制御することにより、充電回路と放電回路の切り替えを実現することもできる。第一の上アームと第一の下アームにおけるフリーホイールダイオードにより急激な電圧変化を回避し、充放電回路全体の安全性を向上させることもできる。
【0016】
そして、第一の上アームと第一の下アームとがいずれも上記並列に接続されるスイッチ及びダイオードを含む構造では、充放電切り替えモジュールが回路のオンオフを制御する面でより多くの組み合わせ制御方式を有することができ、制御はより柔軟で変化に富んでおり、異なるデバイスのオン又は遮断を合理的に制御することにより、充放電回路に充電回路又は放電回路を形成することもできるし、異なるデバイスの使用周波数をバランスさせ、充放電切り替えモジュールに含まれる各デバイスの耐用年数を向上させることもできる。
【0017】
一つの実現方式では、前記第一の上アームは第三のスイッチを含み、前記第一の下アームは第四のスイッチを含む。
【0018】
第一の上アームと第一の下アームとはスイッチのみを含み、充放電回路に充電回路又は放電回路を形成するために、充放電切り替えモジュールがより簡単に回路のオンオフを制御することを可能にし、それによって組電池の加熱を実現する。そして、充放電回路のコストを低減させることができる。
【0019】
一つの実現方式では、前記第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、
前記第三のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第三のダイオードの陽極は、前記第五のスイッチの一端と接続され、前記第五のスイッチの他端は、前記第一の組電池の負極と接続される。
【0020】
充放電切り替えモジュールは、直列に接続される一つのダイオードと一つのスイッチを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要とせず、一つのダイオードと一つのスイッチを採用する構造の制御ポリシーは、より簡単である。
【0021】
一つの実現方式では、前記第一の切り替え回路は、第六のスイッチをさらに含み、前記第六のスイッチの一端は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第六のスイッチの他端は、前記第三のダイオードの陰極と接続される。
【0022】
第六のスイッチは、電池を加熱する必要がないシナリオで電流が第三のダイオードから流れる状況を防止するために設置されるものであり、加熱の必要がないシナリオで電流が第三のダイオードから流れることによる回路故障を防止し、回路における電気デバイスの耐用年数を向上させることができる。
【0023】
一つの実現方式では、前記第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、
前記第七のスイッチの一端は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第七のスイッチの他端は、前記第四のダイオードの陰極と接続され、前記第四のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続される。
【0024】
この実現方式では、充放電切り替えモジュールは、直列に接続される一つのダイオードと一つのスイッチを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要とせず、制御ポリシーがより簡単であり、例えばこの充放電切り替えモジュールは、充放電回路において充電回路又は放電回路を柔軟に切り替え、それによって充放電回路に交流電流を形成することができる。
【0025】
一つの実現方式では、前記第二の切り替え回路は、第八のスイッチをさらに含み、
前記第八のスイッチは、前記第四のダイオードと前記第一の組電池の負極との間に直列に接続される。
【0026】
第八のスイッチは、電池を加熱する必要がないシナリオで電流が第四のダイオードから流れる状況を防止するために設置されるものであり、加熱の必要がないシナリオで電流が第四のダイオードから流れることによる回路故障を防止し、回路における電気デバイスの耐用年数を向上させることができる。
【0027】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールは第一のエネルギー貯蔵素子を含み、前記第一のエネルギー貯蔵素子は少なくとも一つのインダクタを含み、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第一端は、前記スイッチモジュールと接続され、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続される。
【0028】
この実現方式では、エネルギー貯蔵モジュールは、第一のエネルギー貯蔵素子のみを含んでもよく、第一のエネルギー貯蔵素子は、一つ又は複数のインダクタを含んでもよい。第一のエネルギー貯蔵素子を設置することにより、充放電回路に放電回路が形成される時に給電モジュールが放出する電気エネルギーは、第一のエネルギー貯蔵素子に貯蔵されてもよい。充放電回路を充電回路に切り替えると、第一のエネルギー貯蔵素子は、その貯蔵された電気エネルギーを給電モジュールに再充電し、それによって給電モジュールに交流電流を流れ、給電モジュールにおける組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の内部から加熱する効果を実現することができ、外部から組電池を加熱することに対して、組電池の内部を自己発熱させる自己加熱方式は、加熱効果がより優れる。
【0029】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第二のエネルギー貯蔵素子をさらに含み、前記第二のエネルギー貯蔵素子は、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端と前記充放電切り替えモジュールとの間に接続される。
【0030】
第一のエネルギー貯蔵素子と充放電切り替えモジュールとの間に、第二のエネルギー貯蔵素子が追加され、第一のエネルギー貯蔵素子は、第二のエネルギー貯蔵素子と直列に接続される。このように充放電回路に放電回路が形成される時に、給電モジュールが放出する電気エネルギーを、第一のエネルギー貯蔵素子と第二のエネルギー貯蔵素子とにより共同で貯蔵してもよく、それによってより多くのエネルギーを貯蔵することができる。充放電回路を充電回路に切り替えると、第一のエネルギー貯蔵素子と第二のエネルギー貯蔵素子とは、貯蔵された電気エネルギーを給電モジュールの組電池に再充電する。このように充放電の電気エネルギーがより多いため、それによって充放電回路においてより大きな充放電電流を形成することができ、電流が大きいほど、組電池を流れる時に電池の内部抵抗により発生する熱が多くなり、それによって組電池の温度上昇速度を向上させ、電池の自己加熱の効率を向上させ、組電池の温度を最も速い速度で所望の温度まで上昇させることができる。そして充放電のエネルギーが多ければ多いほど、電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0031】
一つの実現方式では、前記第二のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのインダクタ及び/又はキャパシタを含む。様々なエネルギー貯蔵機能を有する電気デバイスにより第二のエネルギー貯蔵素子を実現し、充放電回路の回路構造の変形をより多くし、充放電回路構造に対する異なるユーザの需要又は工業生産の需要を満足させる。
【0032】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールとの間に、第九のスイッチが接続されており、前記第九のスイッチは、前記第二のエネルギー貯蔵素子と直列に接続される。
【0033】
第九のスイッチは、エネルギー貯蔵モジュール、第二のエネルギー貯蔵素子及びスイッチモジュールなどの部材の正常な作動に保護を提供するために用いられる。加熱モードで第一の切り替え回路及び/又は第二の切り替え回路が故障して降伏又は短絡が発生すると、遮断エネルギー貯蔵モジュールと第二のエネルギー貯蔵素子と給電モジュールとの間の接続を遮断することを確保し、エネルギー貯蔵モジュールと第二のエネルギー貯蔵素子とが、給電モジュールと短絡する状況を回避する必要があり、第九のスイッチを遮断するように制御することにより、このような場合に存在する短絡リスクを効果的に回避することができる。
【0034】
一つの実現方式では、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールにおける第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチアームの数と等しく、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチアームと一対一に対応して接続され、
各前記エネルギー貯蔵デバイスの第二端の接続点は、前記充放電切り替えモジュールと接続される。
【0035】
この実現方式ではスイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、スイッチアームは対称構造であり、各組のスイッチアーム及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって形成充放電回路において交流波形の電流を形成し、この電流が組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、動力電池の自己加熱の効果を実現する。スイッチアームの制御方式は簡単である。第一のエネルギー貯蔵素子に含まれるエネルギー貯蔵デバイスは、スイッチアームと一対一に対応して接続される。充放電回路におけるエネルギー貯蔵モジュールのエネルギー貯蔵規模を拡張する拡張方式を提供し、エネルギー貯蔵デバイス及びスイッチアームが少ない場合に、組電池の自己加熱を実現する前提で製品コストを低減させることができる。一方、エネルギー貯蔵デバイス及びスイッチアームが多い場合に、制御複雑度は明らかに増加しないが、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギー貯蔵量は著しく増加する。エネルギー貯蔵量の増加は、充放電回路においてより大きな充放電電流を形成することができ、組電池を流れる時に電池の内部抵抗が発生する熱が多くなり、それによって組電池の温度上昇速度を向上させ、電池の自己加熱の効率を向上させ、組電池の温度を最も速い速度で所望の温度まで上昇させることができる。そして充放電のエネルギーが多ければ多いほど、電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0036】
一つの実現方式では、前記スイッチモジュールは第一のスイッチアームを含み、前記第一のスイッチアームは、直列に接続される第二の上アームと第二の下アームとを含み、
前記第一のスイッチアームの第一端と、前記充放電切り替えモジュールの第一端と、前記給電モジュールの第一端とは、同一の線に接続され、
前記第一のスイッチアームの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端と、前記給電モジュールの第二端とは、同一の線に接続される。
【0037】
スイッチモジュールは、一つのスイッチアームを採用するだけで充放電回路による電池加熱機能を実現し、充放電回路のコストを減少することができる。第二の上アーム、第二の下アーム及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することができる。
【0038】
一つの実現方式では、前記第一のエネルギー貯蔵素子は、インダクタ及び/又はキャパシタを含み、
前記第二の上アームと前記第二の下アームとの接続点は、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第一端と接続され、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続される。
【0039】
この実現方式では、第一のエネルギー貯蔵素子の一端を第二の上アームと第二の下アームとの接続点に接続し、第一のエネルギー貯蔵素子の他端を充放電切り替えモジュールと接続し、それによって第二の上アームと第二の下アーム及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御することにより、第一のエネルギー貯蔵素子と給電モジュールとの間の回路を充電回路又は放電回路に柔軟に切り替えることができる。
【0040】
一つの実現方式では、各組の前記スイッチアームは、いずれも上アームと下アームとを含み、且つ上アームと下アームは、いずれも並列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、又は、上アームと下アームは、いずれもスイッチを含む。
【0041】
上記ダイオードは、フリーホイールダイオードであってもよく、フリーホイールダイオードは一般的に、インダクタに合わせて使用される。インダクタの電流が急激に変化すると、インダクタ両端の電圧が急変し、回路の他の素子を損傷する可能性がある。しかし、フリーホイールダイオードに合わせて使用される場合、インダクタの電流が比較的穏やかに変化し、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。そのため、第二の上アームと第二の下アームとは、いずれも並列に接続されるスイッチとダイオードの構造を採用し、スイッチ機能を実現することもできるし、第二の上アームと第二の下アームにおけるスイッチのオン又は遮断を制御することにより、充電回路と放電回路の切り替えを実現することができる。第二の上アームと第二の下アームにおけるダイオードにより急激な電圧変化を回避し、充放電回路全体の安全性を向上させることもできる。そして、第二の上アームと第二の下アームがいずれも上記並列に接続されるスイッチ及びダイオードを含む構造では、回路のオンオフを制御する面でより多くの組み合わせ制御方式を有することができ、制御はより柔軟で変化に富んでおり、異なるデバイスのオン又は遮断を合理的に制御することにより、充放電回路に充電回路又は放電回路を形成することもできるし、異なるデバイスの使用周波数をバランスさせ、充放電切り替えモジュールに含まれる各デバイスの耐用年数を向上させることもできる。
【0042】
一方、第二の上アームと第二の下アームがスイッチのみを含む実現方式では、充放電回路に充電回路又は放電回路を形成するために、より簡単に回路のオンオフを制御でき、それによって組電池の加熱を実現する。そして、充放電回路のコストを低減させることができる。
【0043】
一つの実現方式では、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチレッグを含み、前記少なくとも一組のスイッチレッグは、直列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールにおける第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチレッグの数に等しく、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチレッグと一対一に対応して接続される。
【0044】
この実現方式では、スイッチモジュールには、直列に接続されるスイッチとダイオードから構成されるスイッチレッグが含まれ、直列に接続される一つのダイオードと一つのスイッチを採用し、2つのスイッチチューブから構成されるスイッチアームを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要とせず、一つのダイオードと一つのスイッチを採用する構造の制御ポリシーは、より簡単である。また、スイッチモジュールのより多くの構造変形を提供し、充放電切り替えモジュールの異なる変形構造は、より様々な充放電回路の具体的な回路構造となるように組み合わせることによって、充放電回路構造に対する異なるユーザの需要又は工業生産の需要を満足させることができる。
【0045】
一つの実現方式では、前記スイッチレッグにおけるダイオードの陰極は、前記給電モジュールの正極と接続され、前記スイッチレッグにおけるダイオードの陽極は、前記給電モジュールの負極と接続される。
【0046】
この実現方式では、スイッチレッグにおけるダイオードの陰極は、給電モジュールの正極と接続され、ダイオードの陰極は、電流をオフにし、給電モジュールの正極と負極との間がダイオードを介して順方向に直接オンになることを防止し、充放電回路の安全性を向上させることができる。
【0047】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールはM相モータを含み、前記スイッチモジュールはM相アームを含み、Mは正の整数であり、
ここで、前記M相アームと、前記給電モジュール及び前記充放電切り替えモジュールとは、並列に接続され、
前記M相アームの上下アームの接続点は、それぞれ前記M相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールは、前記M相巻線の接続点と接続される。
【0048】
この実現方式では、電気自動車に備え付けられたモータを利用して組電池を加熱し、モータの利用率を向上させ、組電池を加熱するコストを低減させた。そして、M相モータは、スイッチモジュールに含まれるM相アームに接続されるだけでなく、充放電切り替えモジュールにも接続され、M相アームを流れる電流が、同時にM相モータのすべての巻線に流入し、且つすべての巻線の他端から流出することができ、それによってM相モータのすべての巻線を流れる電流は、方向の異なる交流電流ではなく、同じ方向及び同じ大きさの電流であってもよい。そのため、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、モータの振動雑音が過大になるという問題を効果的に低減させることができる。
【0049】
一つの実現方式では、前記M相モータは、第一のM相モータ及び第二のM相モータを含み、
前記第一のM相モータのM相巻線の接続点は、前記第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される。
【0050】
一つの実現方式では、前記スイッチモジュールのM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ前記第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。
【0051】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールはM相アームを含み、前記充放電切り替えモジュールのM相アームにおける上下アームの接続点は、それぞれ前記第二のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。
【0052】
ツインモータを有する電力消費機器について、二つのモータを利用して組電池を加熱してもよく、そのうちの一つのモータのインバータはスイッチモジュールに相当し、別のモータのインバータは充放電切り替えモジュールに相当する。二つのモータの巻線はエネルギー貯蔵モジュールに相当する。二つのモータのインバータにおける各アームのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路において充電回路と放電回路を交互に切り替える。
【0053】
第一のM相モータの各相巻線に流入する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第一のM相モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。類似的に、第二のM相モータの各相巻線から流出する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第二のM相モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0054】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは第一の組電池を含み、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、充放電イネーブル信号に応答するために用いられ、前記充放電回路において発生させた交流電流の波形は、三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つを含む。
【0055】
この実現方式では、給電モジュールは一つの組電池を含み、組電池とエネルギー貯蔵モジュールとの間で交互に充放電を行い、エネルギー貯蔵モジュールがエネルギーを満タンクに貯蔵した直後に放電する必要があるため、加熱電流の大きさが絶えず変化するため、第一の組電池のみを含む充放電回路において発生させた交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つである。
【0056】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、第一の充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を発生させるために用いられ、又は、第二の充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つの波形の交流電流を発生させるために用いられ、
ここで、前記第一の充放電イネーブル信号に対応する充放電周波数は、前記第二の充放電イネーブル信号に対応する充放電周波数よりも大きい。
【0057】
この実現方式では、給電は少なくとも二つの組電池を含み、各加熱周期に、一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュールに充電し、及びこの組電池とエネルギー貯蔵モジュールが別の組電池に同時に充電する。二重組電池の設置は、エネルギー貯蔵モジュールの加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対する拘束を効果的に低減させることができ、二重組電池の加熱方式により、組電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した且つ比較的大きい加熱電流の大きさに維持することができるように、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの組電池に逃がすことができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。加熱電流の大きさを一つの安定した値に維持することができるため、二重組電池の充放電回路において発生させた交流電流の波形は、矩形波又は疑似矩形波である。別の実現方式として、加熱電流の周波数を制御し、放電回路の維持時間長を延長することにより、エネルギー貯蔵モジュールに放電前により多くの電気エネルギーを貯蔵させる。また充電回路の維持時間長を延長することにより、エネルギー貯蔵モジュールにおける電気エネルギーをすべて組電池に再充電させ、このような場合には少なくとも二つの組電池を含む充放電回路においても、三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つの波形の交流電流を発生させてもよい。
【0058】
一つの実現方式では、前記第二の組電池の第一端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、前記第二の組電池の第二端と、前記第一の組電池の第二端と、前記スイッチモジュールの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端とは、同一の線に接続され、
前記第一の組電池の第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、
前記第一の組電池の第一端と前記第二の組電池の第一端との間に、第十のスイッチが接続されている。
【0059】
この実現方式では、第十のスイッチにより、第一の組電池と第二の組電池との間の接続方式を制御することができる。第十のスイッチが遮断される場合、第一の組電池の負極は、第二の組電池の正極と接続され、第十のスイッチが閉じられる場合、第一の組電池の正極は、第二の組電池の正極と接続される。第一の組電池と第二の組電池を加熱する必要がある場合、第十のスイッチを遮断するように制御し、第一の組電池と第二の組電池を加熱する。外部への給電が必要な場合、第十のスイッチを閉じるように制御し、第一の組電池と第二の組電池により外部への給電を行う。
【0060】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、又は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第二端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第二端と接続される。
【0061】
この実現方式では、エネルギー貯蔵モジュールの接続位置の変形方案を提供し、充放電回路にさらに変化の多い構造構成方式を持たせ、より多くの応用シナリオに適用される。
【0062】
一つの実現方式では、前記給電モジュールに含まれる組電池の両端に、キャパシタが並列に接続されている。
【0063】
キャパシタにより、電圧の安定化などの機能を実現し、組電池の電圧変動を減少し、組電池の電圧の安定性を向上させることができる。
【0064】
第二の態様によれば、充放電システムを提供し、この充放電システムは、制御モジュールと、上記第一の態様及びそのいずれか一つの実現方式に記載の充放電回路とを含み、前記制御モジュールは、前記充放電回路に命令を送信することで、充放電を行うように給電モジュールを制御するために用いられる。
【0065】
この充放電システムでは、制御モジュールを利用して充放電回路におけるスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールを制御し、充電回路と放電回路を交互に切り替えることを実現し、それによって組電池を加熱する。
【0066】
一つの実現方式では、前記充放電回路と接続される充電装置をさらに含み、
前記充電装置は、前記充放電回路を介して前記給電モジュールに含まれる組電池へ充電するために用いられる。
【0067】
この実現方式では、充放電回路による組電池の加熱を実現することもできるし、充電装置による組電池の充電を実現することもできる。
【0068】
第三の態様によれば、充放電制御方法を提供し、この方法は、第二の態様に記載の充放電システムに用いられ、前記方法は、
充放電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールとをオン又はオフに制御し、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させることで、交流波形の電流を発生させることを含む。
【0069】
充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールのオンオフを制御することにより、給電モジュールに含まれる少なくとも第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールとの間に、交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充電回路と放電回路が交互に切り替わるプロセスにおいて、充放電回路に交流波形の電流が発生し、この交流波形の電流が給電モジュールに含まれる少なくとも第一の組電池を流れ、少なくとも第一の組電池の電池の内部抵抗を発熱させ、それによって給電モジュールに含まれる組電池を加熱する効果を実現する。そして、充放電回路において電気自動車のモータを利用せずに電池を加熱することができ、電池を加熱するプロセスにおいて、モータが加熱プロセスにおいて充放電回路における電流の周波数の影響を受けることなく、動力電池を加熱するプロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという従来の技術問題を解決した。そしてこの充放電回路を利用して電池を加熱すると、モータは、動力自動車を正常に駆動して走行させることによって、走行加熱を実現することができる。
【0070】
一つの実現方式では、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信することで、前記充電回路と放電回路を交互に切り替えるように制御する。
【0071】
この実現方式では、充電回路と放電回路を切り替える周波数を制御することにより、回路全体において発生させた交流電流の周波数を調節することによって、組電池の加熱レートを向上させる。
【0072】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、各組のスイッチアームは、上アームと下アームとを含み、
前記交互に切り替わる充電回路と放電回路は、
前記スイッチモジュールの各組の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路と、
前記スイッチモジュールの各組の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路とを含む。
【0073】
この実現方式では、前記スイッチモジュールの各組の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路と、前記スイッチモジュールの各組の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路とを、交互に切り替える。交互に切り替えることにより充放電回路において交流電流を形成し、交流電流が給電モジュールにおける組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の自己加熱の効果を達成する。
【0074】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第一の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0075】
一つの実現方式では、放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームと前記第一の下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アームと前記第一の上アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームとの間の充電回路を形成する。
【0076】
上記二つの実現方式では、第一の上アーム、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの上下アームのオン又は遮断を柔軟に制御することにより、放電回路と充電回路を交互に切り替え、充放電回路に交流電流を形成し、それによって組電池を加熱する効果を実現する。
【0077】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームと前記第五のスイッチとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第五のスイッチとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第三のダイオードとの間の充電回路を形成する。
【0078】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続され、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、前記第七のスイッチ及び各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第七のスイッチと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第四のダイオードと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0079】
上記二つの実現方式では、充放電切り替えモジュールは、直列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、コストが低い。そして、ダイオードは能動制御を必要とせず、受動制御だけでよく、回路全体の制御方式がより簡便になる。
【0080】
一つの実現方式では、前記第四のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の負極と接続され、
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第四のダイオードとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記第七のスイッチ及び各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第七のスイッチとの間の充電回路を形成する。
【0081】
この実現方式では、第四のダイオードの向きを変え、充放電回路の変形方案をより多くし、第四のダイオードの向きを変えた後に、制御方式を簡単に調整すればよく、制御方式が簡便であり、且つ充放電切り替えモジュールが二つのスイッチを含む場合に比べてコストが低い。
【0082】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと第二のM相モータとを含み、前記スイッチモジュールはM相アームを含み、前記充放電切り替えモジュールはM相アームを含み、前記第一のM相モータのM相巻線は、前記スイッチモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、前記第二のM相モータのM相巻線は、前記充放電切り替えモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続され、
放電イネーブル信号を送信し、前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0083】
一つの実現方式では、放電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記スイッチモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0084】
上記二つの実現方式では、ツインモータを有する電力消費機器について、二つのモータを利用して組電池を加熱してもよく、そのうちの一つのモータのインバータはスイッチモジュールに相当し、別のモータのインバータは充放電切り替えモジュールに相当する。二つのモータの巻線はエネルギー貯蔵モジュールに相当する。二つのモータのインバータにおける各アームのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路において充電回路と放電回路を交互に切り替える。
【0085】
第一のM相モータの各相巻線に流入する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第一のM相モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。類似的に、第二のM相モータの各相巻線から流出する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第二のM相モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0086】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、
前記充電回路又は前記放電回路を介して前記第一の組電池又は前記第二の組電池を充放電し、前記充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を形成し、
前記充放電は、前記第一の組電池と前記第二の組電池の充放電状態を切り替えることを含み、前記充放電状態は、前記第一の組電池を充電するとともに、前記第二の組電池を放電すること、又は、前記第一の組電池を放電するとともに、前記第二の組電池を充電することを含む。
【0087】
二つの組電池を含む充放電回路について、二つの組電池の充放電状態を交互に切り替える。各加熱周期に、そのうちの一つの組電池を放電するとともに、別の組電池を充電する。二重組電池の設置は、エネルギー貯蔵モジュールの加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対する拘束を効果的に低減させることができ、二重組電池の加熱方式により、組電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した加熱電流の大きさに維持することができるように、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの組電池に逃がすことができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。加熱電流の大きさを一つの安定した値に維持することができるため、二重組電池の充放電回路において発生させた交流電流の波形は、矩形波又は疑似矩形波である。
【0088】
一つの実現方式では、前記第二の組電池の第一端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、前記第二の組電池の第二端と、前記第一の組電池の第二端と、前記スイッチモジュールの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端とは、同一の線に接続され、前記第一の組電池の第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記第一の組電池の第一端と前記第二の組電池の第一端との間に、第十のスイッチが接続されており、前記方法は、
前記第一の組電池と前記第二の組電池が加熱条件を満たしていると決定し、前記第十のスイッチを遮断するように制御することをさらに含む。
【0089】
この実現方式では、第十のスイッチにより、第一の組電池と第二の組電池との間の接続方式を制御することができる。第十のスイッチが遮断される場合、第一の組電池の負極は、第二の組電池の正極と接続され、第十のスイッチが閉じられる場合、第一の組電池の正極は、第二の組電池の正極と接続される。第一の組電池と第二の組電池を加熱する必要がある場合、第十のスイッチを遮断するように制御し、第一の組電池と第二の組電池を加熱する。外部への給電が必要な場合、第十のスイッチを閉じるように制御し、第一の組電池と第二の組電池により外部への給電を行う。
【0090】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの一端は、前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの他端は、前記スイッチアームの上下アームの接続点と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの下アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、前記第一の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、
第二のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記第二の組電池の充電回路を形成し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第二の組電池へ充電させる。
【0091】
一つの実現方式では、前記方法は、
各組の前記スイッチアームの上アームのオン又は下アームのオンを繰り返し切り替えることで、前記第二の組電池への充電時間を制御することをさらに含む。
【0092】
一つの実現方式では、前記方法は、
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第二の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の下アームとの間の放電回路を形成し、前記第二の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させることと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第二の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームと前記第一の組電池の充電回路を形成し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第一の組電池へ充電させることとをさらに含む。
【0093】
一つの実現方式では、前記方法は、
前記第一の上アームのオン又は前記第一の下アームのオンを繰り返し切り替えることで、前記第一の組電池への充電時間を制御することをさらに含む。
【0094】
二つの組電池を含む充放電回路において、第一の上アーム、第一の下アーム、各組のスイッチアームの上下アームのオン又は遮断を制御し、一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電し、及びこの組電池とエネルギー貯蔵モジュールが別の組電池に同時に充電することを実現する。そして、各組のスイッチアームの上アームのオン又は下アームのオンを繰り返し切り替えることにより、各組電池への充電時間長を柔軟に制御することができる。
【0095】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第二のイネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アーム及び前記第一の下アームを同時にオンに制御し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第二の組電池へ充電する回路を形成する。
【0096】
一つの実現方式では、前記方法は、
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成することと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第一の組電池へ充電する回路を形成することとをさらに含む。
【0097】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第二端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第二端と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第二のイネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アーム及び前記第一の上アームを同時にオンに制御し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第一の組電池へ充電する回路を形成する。
【0098】
一つの実現方式では、前記方法は、
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成することと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第二の組電池へ充電する回路を形成することとをさらに含む。
【0099】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの一端は、前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの他端は、前記スイッチアームの上下アームの接続点と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームと前記第二の組電池との間の充放電回路を形成し、前記第一の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第二の組電池へ充電させ、
第二のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記第二の組電池の充放電回路を形成し、前記第二の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第一の組電池へ充電させる。
【0100】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールとの間に、第九のスイッチが接続されており、
前記給電モジュールに含まれる組電池が加熱条件を満たしていると決定し、前記第九のスイッチを閉じるように制御し、又は、前記組電池が加熱停止条件を満たしていると決定し、前記第九のスイッチを遮断するように制御する。
【0101】
第九のスイッチは、エネルギー貯蔵モジュール、第二のエネルギー貯蔵素子及びスイッチモジュールなどの部材の正常な作動に保護を提供するために用いられる。加熱モードで第一の切り替え回路及び/又は第二の切り替え回路が故障して降伏又は短絡が発生すると、エネルギー貯蔵モジュールと第二のエネルギー貯蔵素子と給電モジュールとの間の接続を遮断することを確保し、エネルギー貯蔵モジュールと第二のエネルギー貯蔵素子とが、給電モジュールと短絡する状況を回避する必要があり、第九のスイッチを遮断するように制御することにより、このような場合に存在する短絡リスクを効果的に回避することができる。
【0102】
一つの実現方式では、充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定することと、
各組電池の充電状態値が前記予め設定される閾値以上であると決定する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む。
【0103】
この実現方式では、組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値よりも大きい場合にのみ組電池を加熱し、組電池の電力量が低すぎて加熱に必要な放電電気エネルギーをサポートできない状況を回避する。
【0104】
一つの実現方式では、前記の、前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する前に、前記方法は、
前記給電モジュールの温度が、予め設定される温度閾値よりも小さいかどうかを決定することと、そうであれば、前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する操作を実行することとをさらに含む。
【0105】
この実現方式では、まず給電モジュールの温度が予め設定される温度閾値よりも小さいかどうかを決定し、低温条件でのみ組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であるかどうかをさらに決定し、充電状態値が予め設定される充電閾値以上であると決定する場合に、組電池の加熱を起動する。
【0106】
一つの実現方式では、充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
前記モータの作動状態を取得することと、前記モータが非駆動状態にあることを前記作動状態が指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む。
【0107】
モータを利用して組電池を加熱する応用シナリオにおいて、モータが非駆動状態にある場合のみ組電池の加熱を起動し、加熱モードがモータの正常な運転に影響を与えることを回避する。
【0108】
一つの実現方式では、充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
車両コントローラから送信された制御信号を受信することと、前記制御信号が前記給電モジュールを加熱するよう指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む。
【0109】
この実現方式では、組電池の加熱を起動するには、車両コントローラが制御信号をモータコントローラに送信し、モータコントローラがスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御して加熱を起動してもよい。
【0110】
一つの実現方式では、充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
電池管理システムから送信された要求データを受信することと、前記給電モジュールが加熱条件を満たしていることを前記要求データが指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む。
【0111】
この実現方式では、電池管理システムは組電池が加熱条件を満たすかどうかを検出し、加熱条件を満たしている場合に、要求データを車両コントローラ又はモータコントローラに送信してもよい。車両コントローラ又はモータコントローラは、加熱を起動するプロセスを制御する。
【0112】
一つの実現方式では、前記方法は、
前記充放電プロセスにおいて、前記給電モジュールに含まれる各組電池の温度が加熱停止条件を満たすかどうかを決定することであって、前記加熱停止条件は、前記組電池が予め設定される温度に達していること又は前記組電池の温度上昇が異常であることを含むことと、そうであれば、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、加熱停止信号を送信することであって、前記加熱停止信号は、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールが前記充放電回路を遮断するようにトリガーすることとをさらに含む。
【0113】
充放電プロセスにおいて、さらに組電池の温度をリアルタイムで監視し、組電池の温度上昇が異常となり、又は組電池の温度が予め設定される温度に達した場合に、タイムリーに制御して加熱を停止し、組電池の温度が予め設定される温度に達し又は温度上昇が異常となった場合にも加熱を継続すると、組電池が損傷する状況につながる。
【0114】
一つの実現方式では、前記充放電システムは、充電装置をさらに含み、前記方法は、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも低い場合、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを制御し、前記充電装置が前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電する回路、及び前記充電装置と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ同時に充電する回路を形成することと、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも高い場合、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを制御し、前記充電装置が前記給電モジュールと前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電する回路、及び前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ充電する回路を形成することとをさらに含む。
【0115】
この実現方式では、充放電回路は加熱モードと充電モードを同時に有し、これは動力電池を加熱するだけでなく、充電装置が動力電池へ充電するプロセスにおいて、充電電圧を調節することもできる。このように、充電装置の電圧と動力電池の電圧とがマッチングしない場合、例えば充電装置の電圧が動力電池の電圧よりも低いか又は高い場合、充電装置は、充放電回路を介して動力電池の昇圧充電又は降圧充電を行い、充電装置と動力電池の適合性を向上させることができる。
【0116】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールの、前記スイッチモジュールと接続される端は、第一のスイッチチューブを介して充電装置の一端と接続され、前記スイッチモジュールの第二端は、前記充電装置の他端と接続され、前記充電装置は、前記加熱モジュールを介して前記給電モジュールへ充電するために用いられ、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記方法は、
各組のスイッチアームの上アームを遮断するように制御することと、前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも低い場合、前記第二の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとをオンに、前記第一の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置が前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路を含む回路を形成することと、
前記第一の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとをオンに、前記第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ同時に充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールを含む回路を形成することとをさらに含む。
【0117】
充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも低い場合、合理的な制御タイミングを設定し、各サブアームのオンと遮断を制御することにより、各充電周期に充電装置がエネルギー貯蔵モジュールに充電する第一の段階、及び充電装置とエネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに同時に充電する第二の段階を形成する。このように、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールに充電する第一の段階では、エネルギー貯蔵モジュールに一定の電力量が記憶されるため、エネルギー貯蔵モジュールは、第二の段階で充電装置とともに、給電モジュールに共同で充電し、充電装置と給電モジュールとの間の電圧差を減少し、充電効率を向上させることができる。
【0118】
一つの実現方式では、前記各組のスイッチアームの下アームに、並列に接続されるスイッチとダイオードとが含まれ、前記方法は、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも高い場合、前記第一の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとを閉じ、前記第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置が前記給電モジュールと前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールを含む回路を形成することと、
前記第一の切り替え回路を閉じ、前記第二の切り替え回路、前記各組のスイッチアームの下アームと前記第一のスイッチチューブとを遮断するように制御し、前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ充電するための、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路、前記給電モジュールと前記各組のスイッチアームの下アームにおけるダイオードを含む回路を形成することとをさらに含む。
【0119】
充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも高い場合、合理的な制御タイミングを設定し、各サブアームのオンと遮断を制御することにより、各充電周期に充電装置がエネルギー貯蔵モジュールと給電モジュールに充電する段階、及びエネルギー貯蔵モジュールのみが給電モジュールに充電する段階を形成する。一方、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールと給電モジュールに充電する時に、エネルギー貯蔵モジュールが一部の電圧を吸収できるため、充電装置と給電モジュールとの間の電圧差が適切に減少し、他方、充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも大きいため、充電装置が給電モジュールを大電圧で持続充電することを回避するために、充電装置とエネルギー貯蔵モジュールとが、給電モジュールを交互に充電することができる。ここで、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールと給電モジュールに充電する時に、エネルギー貯蔵モジュールに一定の電力量が記憶されることができるため、この部分の電力量に基づいて、エネルギー貯蔵モジュールは単独で給電モジュールに充電することができる。
【0120】
第四の態様によれば、電力消費機器を提供し、この電力消費機器は、第二の態様に記載の充放電システムを含む。
【0121】
電力消費機器が低温環境にある場合、電力消費機器における動力電池は、温度が低すぎるため放電容量が著しく低下してしまい、且つ低温環境で動力電池を充電することができず、低温環境での電力消費機器の正常な使用に影響を与える。本出願の実施例の電力消費機器では、充放電回路を介して動力電池を加熱し、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって充放電回路において交流電流を発生させ、この交流電流が動力電池を流れ、動力電池の内部抵抗に熱を発生させ、それによって動力電池に対する加熱を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0122】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下に記述された図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図2】本出願の一実施例による充放電回路の概略的ブロック図である。
【
図3】本出願の一実施例による充放電回路の別の概略的ブロック図である。
【
図4】本出願の実施例による充放電回路の一概略的ブロック図において、充放電切り替えモジュールの第一種の構造概略図を示す。
【
図5】本出願の実施例による充放電回路の一概略的ブロック図において、充放電切り替えモジュールの第二種の構造概略図を示す。
【
図6】本出願の実施例による充放電回路の一概略的ブロック図において、充放電切り替えモジュールの第三種の構造概略図を示す。
【
図7】本出願の実施例による充放電回路の一概略的ブロック図において、充放電切り替えモジュールの第四種の構造概略図を示す。
【
図8】本出願の一実施例による充放電回路の別の概略的ブロック図である。
【
図9】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図10】本出願の一実施例による一つの組電池のみを含む充放電回路において発生させた三角波形の交流電流の波形の概略図である。
【
図11】本出願の一実施例による少なくとも二つの組電池を含む充放電回路の概略的ブロック図である。
【
図12】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図13】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図14】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図15】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図16】本出願の一実施例による少なくとも二つの組電池を含む充放電回路において発生させた矩形波又は疑似矩形波の交流電流の波形の概略図である。
【
図17】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図18】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図19】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図20】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図21】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図22】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図23】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図24】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図25】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図26】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図27】本出願の一実施例による充放電回路の別の概略的ブロック図である。
【
図28】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図29】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図30】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図31】本出願の一実施例による充放電システムの概略的ブロック図である。
【
図32】本出願の一実施例による充放電システムの別の概略的ブロック図である。
【
図33】本出願の一実施例による充放電システムの回路図である。
【
図34】本出願の一実施例による充放電システムの回路図である。
【
図35】本出願の一実施例による充放電システムの回路図である。
【
図36】本出願の一実施例による動力電池加熱シナリオでの制御方法フローチャートである。
【
図37】本出願の一実施例による充放電制御機器の概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0123】
以下では、図面と実施例を結び付けながら、本出願の実施の形態をさらに詳細に記述する。以下では、実施例の詳細な記述と図面は、例示的に本出願の原理を説明するためのものであるが、本出願の範囲を制限するためのものではなく、即ち本出願は、記述された実施例に限らない。
【0124】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に断りのない限り、「複数の」の意味は、二つ以上であり、用語である「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などにより指示される方位又は位置関係は、本出願の記述の便宜上及び記述の簡略化のためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本出願に対する制限と理解されるべきではない。なお、用語である「第一」、「第二」、「第三」などは、記述の目的のみで用いられるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示すると理解すべきではない。「垂直」は、厳密な垂直ではなく、誤差許容範囲内である。「平行」は、厳密な平行ではなく、誤差許容範囲内である。
【0125】
下記記述に出現された方位詞は、いずれも図に示す方向であり、本出願の具体的な構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、特に明確に規定、限定されていない限り、用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0126】
時代の発展に伴い、新エネルギー自動車はその環境保護性、低騒音、低使用コストなどの利点により、巨大な市場の将来性があり、且つ省エネと汚染物質の排出削減を効果的に促進することができ、社会の発展と進歩に有利である。
【0127】
動力電池の電気化学的特性により、低温環境では、動力電池の充放電能力が大幅に制限され、顧客の冬の車利用体験に深刻な影響を与える。そのため、動力電池を正常に使用できるように、低温環境で動力電池を加熱する必要がある。
【0128】
本出願の実施例における動力電池は、リチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池などであってもよく、ここで限定しない。規模から見ると、本出願の実施例における電池は、セル単体であってもよく、電池モジュール又は電池パックであってもよく、ここで限定しない。応用シナリオから見ると、電池は、自動車、汽船などの動力装置内に応用されてもよい。例えば、動力自動車内に応用されてもよく、動力自動車のモータに給電し、電気自動車の動力源とする。電池はさらに、電気自動車における他の電力消費デバイスに給電し、例えば車内空調、車載プレーヤーなどに給電してもよい。
【0129】
記述を容易にするために、以下では、新エネルギー自動車(動力自動車)への動力電池の適用を実施例として記述する。
【0130】
駆動モータ及びその制御システムは新エネルギー自動車のコア部材のうちの一つであり、その駆動特性は自動車走行の主な性能指標を決める。新エネルギー自動車のモータ駆動システムは、主に電動機(即ちモータ)、モータコントローラ(例えば、インバータ)、様々な検出センサ及び電源などの部分から構成される。モータは電磁誘導の原理を応用して運行する回転電磁機械であり、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換を実現するために用いられる。運行時に、電気システムから電力を吸収し、機械システムに機械パワーを出力する。
【0131】
動力電池を加熱する時の不要なコストアップを回避するために、モータ回路を利用して動力電池を加熱することができる。
【0132】
図1は、従来の動力電池加熱システムの充放電回路図を示す。
図1に示すように、動力電池加熱システム100は、給電モジュール110と、給電モジュール110と接続されるインバータモジュール120と、インバータモジュール120と接続される駆動モジュール130とを含んでもよい。
【0133】
給電モジュール110について、動力電池自体を採用して実現することもできるし、外部給電モジュール、例えば充電スタンドを採用して実現することもできる。外部給電モジュールによって提供される加熱エネルギーは、例えば、外部直流充電器によって出力され、又は外部交流充電器によって整流されて出力されてもよく、ここで具体的に限定しない。
【0134】
インバータモジュール120について、様々なタイプのスイッチを採用して実現してもよい。例えば、インバータモジュール120は、モータ駆動システムにおけるインバータによって実現されてもよく、ここで、インバータは、絶縁ゲートバイポーラトランジスター(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)のアームスイッチを採用して実現してもよい。具体的には、インバータのアームの数は、駆動モジュール130における巻線の数と同じである。例えば、駆動モジュール130は三相巻線モータを含み、インバータは三相アームを含み、即ちU相アーム、V相アームとW相アームを含む。ここで、三相アームにおける各相アームは、いずれも上アームと下アームとを有し、その上アームと下アームにはそれぞれスイッチユニットが設置されており、即ちインバータモジュール120は、それぞれU相アームにおける上アームスイッチ121と下アームスイッチ122、V相アームにおける上アームスイッチ123と下アームスイッチ124、及びW相アームにおける上アームスイッチ125と下アームスイッチ126を含む。
【0135】
駆動モジュール130について、具体的に、U相アームと繋がる巻線131、V相アームと繋がる巻線132及びW相アームと繋がる巻線133を含んでもよい。ここで、巻線131の一端は、U相アームにおける上アームと下アームとの接続点と繋がり、巻線132の一端は、V相アームにおける上アームと下アームとの接続点と繋がり、巻線133の一端は、W相アームにおける上アームと下アームとの接続点と繋がる。巻線131の他端と、巻線132の他端と、巻線133他端とは、同一の線に接続される。
【0136】
説明すべきこととして、駆動モジュール130は、三相巻線モータに限定されるものではなく、六相巻線モータ、十二相巻線モータなどであってもよい。これに応じて、インバータモジュール120は、三相アーム、六相アーム又は十二相アームなどを含んでもよい。
【0137】
いくつかの実施例では、インバータモジュール120におけるスイッチの周期的なオンオフを制御することにより、電流を変調してもよい。例えば、インバータモジュール120におけるターゲット上アームスイッチとターゲット下アームスイッチの周期的なオンオフを制御することにより、電流を変調する。一つの例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ121である場合、ターゲット下アームスイッチは下アームスイッチ124及び/又は下アームスイッチ126である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ123である場合、ターゲット下アームスイッチは下アームスイッチ122及び/又は下アームスイッチ126である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ125である場合、ターゲット下アームスイッチは122及び/又は下アームスイッチ124である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ121及び/又は上アームスイッチ123である場合、ターゲット下アームスイッチは126である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ123及び/又は上アームスイッチ125である場合、ターゲット下アームスイッチは下アームスイッチ122である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ121及び/又は上アームスイッチ125である場合、ターゲット下アームスイッチは124である。
【0138】
説明すべきこととして、各周期におけるターゲット上アームスイッチとターゲット下アームスイッチの周期的なオンと遮断は、同じであってもよく、異なってもよく、ここで限定しない。例えば、各周期には、いずれも上アームスイッチ121と下アームスイッチ124とのオンと遮断を制御する。さらに、例えば、一番目の周期に、上アームスイッチ121と下アームスイッチ124とのオンと遮断を制御し、二番目の周期に、上アームスイッチ123と下アームスイッチ122とのオンと遮断を制御し、三番目の周期に、上アームスイッチ121、下アームスイッチ124と下アームスイッチ126とのオンと遮断を制御し、即ち異なる周期に、制御されるターゲット上アームスイッチと下アームスイッチとは、異なってもよい。
【0139】
これで分かるように、
図1に示す充放電回路を採用すると、ターゲットオンスイッチは、少なくとも一つの上アームスイッチと少なくとも一つの下アームスイッチとを含み、少なくとも一つの上アームスイッチと少なくとも一つの下アームスイッチとが、異なるアームに位置するため、一つの周期にすべての上アーム又は下アームとを同時にオンにすることができないため、給電モジュール、ターゲット上アームスイッチ、ターゲット下アームスイッチ及びモータ巻線の間に形成される異なる回路における電流方向が異なり、それによって交流電流が発生する。
【0140】
一方向巻線の起磁力は空間において階段状に分布するため、時間とともに電流の変化に従って規則的に交番する脈振動起磁力である。三つの単相巻線の起磁力を重ね合わせると、三相巻線の合成磁界となる。一般的には、加熱プロセスにおいて三相巻線モータの三相巻線に流入する電流は、大きさが全く等しくせず、そのうちの二相巻線を流れる電流は、互いに180°の位相差があり、位相差のない二相電流の大きさが等しい。これはモータ巻線を流れる電流の三相が互いに対称ではなく、且つ電流の周波数が高いため、動力電池が加熱プロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという問題を引き起こす。
【0141】
図2は、本出願の実施例による充放電回路200の概略的ブロック図を示し、この充放電回路200は、電池の加熱にモータを利用しておらず、その加熱プロセスはモータの正常な運行に影響を与えず、電池を加熱するプロセスにおいて電池が位置する車両は正常に走行することができる。そして加熱にモータを利用しないことは、電池加熱プロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという問題を根本的に解決した。
【0142】
図2に示すように、充放電回路200は給電モジュール210と、加熱モジュール220と、充放電切り替えモジュール230とを含む。ここで、加熱モジュール220は、スイッチモジュール240と、エネルギー貯蔵モジュール250とを含む。給電モジュール210は、少なくとも第一の組電池を含む。
【0143】
充放電切り替えモジュール230、スイッチモジュール240及び給電モジュール210に含まれる少なくとも第一の組電池は、並列に接続される。エネルギー貯蔵モジュール250の第一端は、スイッチモジュール240と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端は、充放電切り替えモジュール230と接続される。
【0144】
図2に示す充放電回路に充電回路又は放電回路を形成するために、充放電イネーブル信号により充放電切り替えモジュール230とスイッチモジュール240とを制御する必要があり、それによって給電モジュール210に含まれる少なくとも第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュール250との間に、交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充電回路と放電回路が交互に切り替わるプロセスにおいて充放電回路200に交流波形の電流が発生し、この交流波形の電流が給電モジュール210に含まれる少なくとも第一の組電池を流れ、少なくとも第一の組電池の電池の内部抵抗を発熱させ、それによって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0145】
そして、
図2に示す充放電回路において電気自動車の電池の加熱にモータを利用しておらず、電池を加熱するプロセスにおいて、モータが加熱プロセスにおける充放電回路200における電流の周波数の影響を受けることなく、動力電池を加熱するプロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという従来の技術問題を解決した。そして
図2に示す充放電回路200を利用して電池を加熱する時に、モータは、動力自動車を正常に駆動して走行させることによって、走行加熱を実現することができる。
【0146】
図3は、本出願の実施例による充放電回路200の別の概略的ブロック図を示す。
【0147】
図3に示すように、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続される第一の切り替え回路231と、第二の切り替え回路232とを含む。第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端と接続される。第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232は、充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフされるために用いられる。
【0148】
充放電切り替えモジュール230は二つの切り替え回路を含み、それによってこの二つの切り替え回路を利用して充放電回路を制御し、充電回路又は放電回路を形成する。充放電イネーブル信号により第一の切り替え回路231、第二の切り替え回路232とスイッチモジュール240を制御し、給電モジュール210とエネルギー貯蔵モジュール250との間に、交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充放電回路200に交流波形の電流を発生させ、それによって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱する効果を実現する。第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端と接続されるが、エネルギー貯蔵モジュール250の第一端は、スイッチモジュール240と接続され、このようにスイッチモジュール240、第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232を合理的に制御することにより、給電モジュール210とエネルギー貯蔵モジュール250との間で交互に充放電を行うことを実現することができ、それによって給電モジュール210における組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の内部から自己加熱を行う効果を達成し、組電池の内部から加熱すると、加熱効率がより高くなる。
【0149】
図4は、本出願の実施例による充放電回路200の一つの回路概略図を示す。
【0150】
上記第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232とは、アーム構造を構成してもよい。ここで、
図4に示すように、第一の切り替え回路231は第一の上アーム2311を含み、第二の切り替え回路232は第一の下アーム2321を含む。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点は、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端と接続される。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とは、充放電イネーブル信号のトリガーでオン又は遮断されるために用いられる。充放電イネーブル信号により上記第一の上アーム2311、第一の下アーム2321とスイッチモジュール240を制御することにより、充放電回路200に交流波形の電流を発生させ、それによって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0151】
図4に示すように、上記第一の上アーム2311は、並列に接続される第一のスイッチV11と第一のダイオードD11とを含み、第一の下アーム2321は、並列に接続される第二のスイッチV12と第二のダイオードD12とを含む。ここで、第一のダイオードの陰極D11は、第一の組電池211の正極と接続され、第一のダイオードD11の陽極は、第二のダイオードD12の陰極と接続され、第二のダイオードD12の陽極は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0152】
ここで、第一のスイッチV11と第二のスイッチV12は、いずれもスイッチ三極管であってもよく、第一のダイオードD11と第二のダイオードD12は、いずれもフリーホイールダイオードであってもよい。スイッチ三極管とフリーホイールダイオードは、いずれも絶縁ゲートバイポーラトランジスター(Insulated Gate Bipolar Translator、IGBT)と呼ばれてもよい。フリーホイールダイオードは一般的に、インダクタに合わせて使用される。インダクタの電流が急激に変化すると、インダクタ両端の電圧が急変し、回路の他の素子を損傷する可能性がある。しかし、フリーホイールダイオードに合わせて使用される場合、インダクタの電流が比較的穏やかに変化し、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。そのため、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とは、いずれも並列に接続されるスイッチとフリーホイールダイオードの構造を採用し、スイッチ機能を実現することもできるし、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321におけるスイッチとのオン又は遮断を制御することにより、充電回路と放電回路の切り替えを実現することができる。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321におけるフリーホイールダイオードにより急激な電圧変化を回避し、充放電回路全体の安全性を向上させることもできる。
【0153】
そして、第一のスイッチV11が閉じられる場合に、第一のスイッチV11が導線に相当し、電流は閉じられた第一のスイッチV11において双方向に流れることができ、第一のスイッチV11が遮断される場合には、第一のダイオードD11において第一のダイオードD11の陽極からその陰極に流れる一方向電流流通を実現することができる。第二のスイッチV12と第二のダイオードD12の構造及び電流の流れに対する作用は、第一のスイッチV11と第一のダイオードD11と同じである。
【0154】
第一の上アーム2311と第一の下アーム2321がいずれも上記並列に接続されるスイッチ及びダイオードを含む構造では、充放電切り替えモジュール230は回路のオンオフを制御する面でより多くの組み合わせ制御方式を有することができ、制御はより柔軟で変化に富んでおり、異なるデバイスのオン又は遮断を合理的に制御することにより、充放電回路200に充電回路又は放電回路を形成することもできるし、異なるデバイスの使用周波数をバランスさせ、充放電切り替えモジュール230に含まれる各デバイスの耐用年数を向上させることもできる。
【0155】
上記第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とが主に回路のオンオフ制御を担当するため、主にスイッチ機能を使用するため、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321には、フリーホイールダイオードが含まれず、スイッチのみが含まれてもよい。
図5に示すように、上記第一の上アーム2311は第三のスイッチV13を含み、第一の下アーム2321は第四のスイッチV14を含む。第三のスイッチV13と第四のスイッチV14とは、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。
【0156】
第一の上アーム2311と第一の下アーム2321がスイッチのみを含む構造により、充放電回路200に充電回路又は放電回路を形成するように、充放電切り替えモジュール230は回路オンオフをより簡単に制御することができ、それによって組電池の加熱を実現する。
【0157】
本出願の別のいくつかの実施例では、充放電切り替えモジュール230に含まれる第一の切り替え回路231及び第二の切り替え回路232は、他の変形構造をさらに有してもよい。
図6に示すように、第一の切り替え回路231は第三のダイオードD13を含み、第二の切り替え回路232は第五のスイッチV15を含む。ここで、第三のダイオードD13の陰極は、第一の組電池211の正極と接続され、第三のダイオードD13の陽極は、第五のスイッチV15の一端と接続され、第五のスイッチV15の他端は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0158】
別の実現方式では、第三のダイオードD13の向きを逆にしてもよく、即ち第三のダイオードD13の陽極は第六のスイッチK1を介して、第一の組電池211の正極と接続され、第三のダイオードD13の陰極は第五のスイッチV15を介して、第一の組電池211の負極と接続される。
【0159】
上記第五のスイッチV15は、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。
【0160】
図6に示す充放電回路において、第一の切り替え回路231が一方向オンである場合、電流は第三のダイオードD13の陽極からその陰極に流れることしかできない。第二の切り替え回路232が双方向オン可能である場合、第五のスイッチV15が閉じられた後に導線に相当し、電流は第五のスイッチV15の第一端から第二端に流れてもよく、第五のスイッチV15の第二端から第一端に流れてもよい。充放電切り替えモジュール230は一つのダイオードと一つのスイッチのみを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、一つのダイオードと一つのスイッチのみを採用する構造の制御ポリシーがより簡単であり、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要としない。このように充放電切り替えモジュール230は、充放電回路において充電回路又は放電回路を柔軟に切り替え、それによって充放電回路に交流電流を形成することができる。
【0161】
図6に示すように、第一の切り替え回路231が第三のダイオードD13を含む実施の形態では、第一の切り替え回路231は、第六のスイッチK1をさらに含んでもよく、第六のスイッチK1の一端は、第一の組電池211の正極と接続され、第六のスイッチK1の他端は、第三のダイオードD13の陰極と接続される。
【0162】
ここで、第六のスイッチK1は、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。第六のスイッチK1は、電池を加熱する必要がないシナリオで電流が第三のダイオードD13から流れる状況を防止するために設置されるものであり、加熱の必要がないシナリオで電流が第三のダイオードから流れることによる回路故障を防止し、回路における電気デバイスの耐用年数を向上させることができる。
【0163】
図7は、
図6に示す充放電切り替えモジュール230の変形構造である。
図7に示すように、第一の切り替え回路231は第七のスイッチV16を含み、第二の切り替え回路232は第四のダイオードD14を含む。第七のスイッチV16の一端は、第一の組電池211の正極と接続され、第七のスイッチV16の他端は、第四のダイオードD14の陰極と接続され、第四のダイオードD14の陽極は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0164】
別の実現方式では、第四のダイオードD14の向きを逆にしてもよく、即ち第四のダイオードD14の陽極は、第七のスイッチV16と接続され、第四のダイオードD14の陰極は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0165】
図7に示す充放電回路において、第一の切り替え回路231が双方向オン可能である場合、第七のスイッチV16が閉じられた後に導線に相当し、電流は、第七のスイッチV16の第一端から第二端に流れてもよく、第七のスイッチV16の第二端から第一端に流れてもよい。第二の切り替え回路232が一方向オンである場合、電流は、第四のダイオードD14の陽極からその陰極に流れることしかできない。充放電切り替えモジュール230は一つのダイオードと一つのスイッチのみを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、一つのダイオードと一つのスイッチのみを採用する構造の制御ポリシーがより簡単であり、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要としない。このように充放電切り替えモジュール230は、充放電回路において充電回路又は放電回路を柔軟に切り替え、それによって充放電回路に交流電流を形成することができる。
【0166】
図7に示すように、第二の切り替え回路232が第四のダイオードD14を含む実施の形態では、第二の切り替え回路232は、第八のスイッチK2をさらに含む。第八のスイッチK2は、第四のダイオードD14と第一の組電池211の負極との間に直列に接続される。
【0167】
ここで、第八のスイッチK2は、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。第八のスイッチK2は、電池を加熱する必要がないシナリオで電流が第四のダイオードD14から流れる状況を防止するために設置されるものであり、加熱の必要がないシナリオで電流が第四のダイオードから流れることによる回路故障を防止し、回路における電気デバイスの耐用年数を向上させることができる。
【0168】
上記
図2-
図7におけるエネルギー貯蔵モジュール250は、第一のエネルギー貯蔵素子251(
図2-7において図示せず)のみを含んでもよく、第一のエネルギー貯蔵素子251は少なくとも一つのインダクタを含み、第一のエネルギー貯蔵素子251の第一端は、スイッチモジュール240と接続され、第一のエネルギー貯蔵素子251の第二端は、充放電切り替えモジュール230と接続される。
【0169】
エネルギー貯蔵モジュール250は、第一のエネルギー貯蔵素子251のみを含んでもよく、第一のエネルギー貯蔵素子251は、一つ又は複数のインダクタを含んでもよい。第一のエネルギー貯蔵素子251を設置することにより、充放電回路に放電回路が形成される時に給電モジュール210が放出する電気エネルギーは、第一のエネルギー貯蔵素子251に貯蔵されてもよい。充放電回路を充電回路に切り替えると、第一のエネルギー貯蔵素子251は、その貯蔵された電気エネルギーを給電モジュール210に再充電してもよく、それによって給電モジュール210に交流電流を流れ、給電モジュール210における組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の内部から加熱する効果を実現し、外部から組電池を加熱することに対して、組電池の内部を自己発熱させる自己加熱方式は、加熱効果がより優れる。
【0170】
図8に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250は、第二のエネルギー貯蔵素子260をさらに含んでもよく、第二のエネルギー貯蔵素子260は、第一のエネルギー貯蔵素子251の第二端と充放電切り替えモジュール230との間に接続される。第二のエネルギー貯蔵素子260は、少なくとも一つのインダクタ及び/又はキャパシタを含む。
【0171】
第一のエネルギー貯蔵素子251と充放電切り替えモジュール230との間に第二のエネルギー貯蔵素子260が追加され、第一のエネルギー貯蔵素子251は、第二のエネルギー貯蔵素子260と直列に接続される。このように充放電回路に放電回路が形成される時に、給電モジュール210が放出する電気エネルギーを、第一のエネルギー貯蔵素子251と第二のエネルギー貯蔵素子260とにより共同で貯蔵してもよく、それによってより多くのエネルギーを貯蔵することができる。充放電回路を充電回路に切り替えると、第一のエネルギー貯蔵素子251と第二のエネルギー貯蔵素子260は、貯蔵された電気エネルギーを給電モジュール210の組電池に再充電する。このように充放電の電気エネルギーがより多いため、それによって充放電回路においてより大きな充放電電流を形成することができ、電流が大きいほど、組電池を流れる時に電池の内部抵抗により発生する熱が多くなり、それによって組電池の温度上昇速度を向上させ、電池の自己加熱の効率を向上させ、組電池の温度を最も速い速度で所望の温度まで上昇させることができる。そして充放電のエネルギーが多ければ多いほど、電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0172】
第二のエネルギー貯蔵素子260を追加した後に、充放電回路に放電回路が形成される時に、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のエネルギー貯蔵素子260とによりエネルギーを貯蔵することにより、より多くのエネルギーを貯蔵することができ、それによって電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0173】
エネルギー貯蔵モジュール250と充放電切り替えモジュール230との間に、第九のスイッチK3が接続されてもよく、第九のスイッチK3は、上記第二のエネルギー貯蔵素子260と直列に接続される。第九のスイッチK3は、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のエネルギー貯蔵素子260との間に接続されてもよく、第二のエネルギー貯蔵素子260と充放電切り替えモジュール230との間に接続されてもよい。
【0174】
第九のスイッチK3は、エネルギー貯蔵モジュール250、第二のエネルギー貯蔵素子260及びスイッチモジュール240などの部材の正常な作動に保護を提供するために用いられる。具体的には、加熱モードで第一の切り替え回路231及び/又は第二の切り替え回路232が故障して降伏又は短絡が発生すると、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のエネルギー貯蔵素子260と給電モジュール210との間の接続を遮断することを確保し、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のエネルギー貯蔵素子260とが、給電モジュール210と短絡する状況を回避する必要があり、第九のスイッチK3を制御することにより、このような場合に存在する短絡リスクを効果的に回避することができる。
【0175】
本出願のいくつかの実施例では、スイッチモジュール240は少なくとも一組のスイッチアームを含み、エネルギー貯蔵モジュール250は少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、エネルギー貯蔵デバイスは、スイッチアームの数と等しく、エネルギー貯蔵デバイスは、スイッチアームと一対一に対応して接続される。各エネルギー貯蔵デバイスの第二端の接続点は、充放電切り替えモジュール230と接続される。
【0176】
ここで、各組のスイッチアームは、いずれも上アームと下アームとを含み、且つ上アームと下アームは、いずれも並列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、又は、上アームと下アームは、いずれもスイッチを含む。ここでスイッチは、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。
【0177】
スイッチモジュール240は少なくとも一組のスイッチアームを含み、スイッチアームは対称構造であり、各組のスイッチアーム及び充放電切り替えモジュール230のオン又は遮断を制御することにより、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって形成充放電回路において交流波形の電流を形成し、この電流が組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、動力電池の自己加熱の効果を実現する。スイッチアームの制御方式は簡単である。第一のエネルギー貯蔵素子に含まれるエネルギー貯蔵デバイスは、スイッチアームと一対一に対応して接続される。充放電回路におけるエネルギー貯蔵モジュール250のエネルギー貯蔵規模を拡張する拡張方式を提供し、エネルギー貯蔵デバイス及びスイッチアームが少ない場合に、組電池の自己加熱を実現する前提で製品コストを低減させることができる。一方、エネルギー貯蔵デバイス及びスイッチアームが多い場合に、制御複雑度は明らかに増加しないが、エネルギー貯蔵モジュール250のエネルギー貯蔵量は著しく増加する。エネルギー貯蔵量の増加は、充放電回路においてより大きな充放電電流を形成することができ、組電池を流れる時に電池の内部抵抗が発生する熱が多くなり、それによって組電池の温度上昇速度を向上させ、電池の自己加熱の効率を向上させ、組電池の温度を最も速い速度で所望の温度まで上昇させることができる。そして充放電のエネルギーが多ければ多いほど、電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0178】
各組のスイッチアーム及び充放電切り替えモジュール230のオン又は遮断を制御することにより、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって形成充放電回路において交流波形の電流を形成し、この電流が組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、動力電池の自己加熱の効果を実現する。
【0179】
一例として、
図9に示すように、スイッチモジュール240は第一のスイッチアーム241を含み、第一のスイッチアーム241は、直列に接続される第二の上アーム2411と第二の下アーム2412とを含む。第一のスイッチアーム241の第一端と、充放電切り替えモジュール230の第一端と、給電モジュール210の第一端とは、同一の線に接続される。第一のスイッチアーム241の第二端と、充放電切り替えモジュール230の第二端と、給電モジュール210の第二端とは、同一の線に接続される。
【0180】
エネルギー貯蔵モジュール250は第一のエネルギー貯蔵素子を含み、第一のエネルギー貯蔵素子は少なくとも一つのインダクタを含み、第一のエネルギー貯蔵素子の第一端は、スイッチモジュールと接続され、第一のエネルギー貯蔵素子の第二端は、充放電切り替えモジュール230と接続される。第一のエネルギー貯蔵素子は少なくとも一つのインダクタを含み、又は第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのインダクタ及び/又はキャパシタを含む。第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点は、エネルギー貯蔵モジュール250の第一端と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端は、充放電切り替えモジュール230と接続される。
【0181】
図9における第一のエネルギー貯蔵素子251は、インダクタL1を例に概略的に示されているが、実際の応用では、第一のエネルギー貯蔵素子は、キャパシタ、直列に接続される複数のインダクタ又は直列に接続されるインダクタ及びキャパシタなどであってもよい。第二の上アーム2411と第二の下アーム2412とは、いずれも並列に接続されるスイッチ三極管とフリーホイールダイオードを例に概略的に示されているが、第二の上アーム2411は、並列に接続される第十のスイッチV17と第五のダイオードD15とを含み、第二の下アーム2412は、並列に接続される第十一のスイッチV18と第六のダイオードD16とを含む。実際の応用では、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412の構造は、スイッチ機能を実現できるいずれかの構造であってもよく、例えば第二の上アーム2411と第二の下アーム2412は、いずれもスイッチ三極管であってもよい。
【0182】
図9において、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続される第一の上アーム2311と第一の下アーム2321であり、第一の上アーム2311は、並列に接続される第一のスイッチV11と第一のダイオードD11とを含み、第一の下アーム2321は、並列に接続される第二のスイッチV12と第二のダイオードD12とを含む。
図9に示す構造に加えて、充放電切り替えモジュール230構造は、
図5-7に示す構造のうちのいずれか一つであってもよい。
【0183】
図9に示す回路構造において、第一の上アーム2311と、第二の上アーム2411と、第一の組電池211の正極とは、同一の線に接続され、第一の下アーム2321と、第二の下アーム2412と、第一の組電池211の負極とは、同一の線に接続される。インダクタL1の一端は、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点と接続され、インダクタL1の他端は、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と接続される。
【0184】
図9に示すように、第一の組電池211の両端には、キャパシタC2が並列に接続されてもよい。このキャパシタC2は、電圧の安定化などの機能を実現し、第一の組電池211の電圧変動を減少し、第一の組電池211の電圧の安定性を向上させることができる。このように走行中に、電池電圧のサンプリング精度に対するモータコントローラの要求を低減させることができる。
【0185】
動力自動車において、制御モジュールがスイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230を制御することにより、充放電回路において充電回路と放電回路を交互に切り替える。具体的には、
図9に示す回路構造では、制御モジュールは、第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412のオンオフを制御し、第一の組電池211がインダクタL1へ放電する回路、及びインダクタL1が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、それによって放電と充電のプロセスにおいて第一の組電池211を加熱する。
【0186】
上記制御モジュールは、VCU(完成車コントローラ)又はMCU(モータコントローラ)であってもよく、VCUとMCUとが相対的に独立した他の制御モジュール、例えばドメインコントローラなどであってもよく、本出願の実施例は、これに対して具体的に限定しない。
【0187】
これで分かるように、第一の組電池211を加熱する時、第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412のオン又は遮断を制御することにより、第一の組電池211がインダクタL1へ放電する回路、及びインダクタL1が第一の組電池211へ充電する回路を形成する。放電回路と充電回路を切り替え、それによって第一の組電池211とインダクタL1との間で繰り返し充放電を行わせる。放電と充電プロセスにおいて電池内部に交流電流の流れが存在するため、電池の温度を上昇させ、電池の自己加熱を実現する。
【0188】
具体的には、第一の組電池211を加熱する各加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。ここで、第一の段階では、制御モジュールは、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを遮断するように制御し、第一の組電池211、第一の上アーム2311、インダクタL1と第二の下アーム2412を含む回路を形成し、第一の組電池211がインダクタL1に放電し、インダクタL1が電気エネルギーを貯蔵することができる。放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→インダクタL1→V18→第一の組電池211の負極である。
【0189】
第二の段階では、そして、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを遮断するように制御し、第一の組電池211、第一の下アーム2321、インダクタL1と第二の上アーム2411を含む回路を形成し、インダクタL1が第一の組電池211に充電する。充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→V12→インダクタL1→V17→第一の組電池211の正極である。
【0190】
別の実現方式では、第一の段階では、制御モジュールは、まず、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを遮断するように制御し、第一の組電池211、第二の上アーム2411、インダクタL1と第一の下アーム2321を含む放電回路を形成し、第一の組電池211がインダクタL1に放電し、インダクタL1が電気エネルギーを貯蔵してもよい。放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V17→インダクタL1→V12→第一の組電池211の負極である。第二の段階では、そして、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを遮断するように制御し、第一の組電池211、第二の下アーム2412、インダクタL1と第一の上アーム2311を含む充電回路を形成し、インダクタL1が第一の組電池211に充電する。充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→V18→インダクタL1→V11→第一の組電池211の正極である。
【0191】
本出願は、合理的な制御タイミングを設計することにより、第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412のオン又は遮断を制御することによって、第一の組電池211がインダクタL1へ放電する回路、及びインダクタL1が第一の組電池211へ充電する回路を形成する。放電回路と充電回路を切り替え、第一の組電池211とインダクタL1との間で繰り返し充放電を行わせ、電池の加熱し続けを実現する。
【0192】
本出願の別のいくつかの実施例では、エネルギー貯蔵モジュール250の具体的な構造が第一の組電池211に合わせてエネルギー貯蔵を行うことができる限り、エネルギー貯蔵モジュール250には、複数のインダクタ及び/又はキャパシタの組み合わせの構造が含まれてもよい。スイッチモジュール240は、複数組のスイッチアームを含んでもよい。この充放電回路により第一の組電池211を加熱する時、車両のモータは正常に運行することができるため、加熱モードで作動する時、車両の正常な走行に影響を与えない。
【0193】
上記各実施例では、給電モジュール210は少なくとも第一の組電池211を含み、
図9では、給電モジュール210が第一の組電池211のみを含むことを例に説明した。充放電回路に一つの組電池のみが含まれる実施の形態では、組電池を放電する段階でエネルギー貯蔵モジュール250はエネルギーを貯蔵し、組電池へ充電する段階でエネルギー貯蔵モジュール250は組電池へ充電する。この充放電プロセスにおいて、エネルギー貯蔵モジュール250が、エネルギーを満タンクに貯蔵した後に即座に放電する必要があるため、充放電回路における電流幅値は、最高値に達した後に即座に低下し、発生させた交流電流波形は、三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つである。
図10は、一つの組電池のみを含む場合に充放電回路に形成される三角波形の交流電流の波形の概略図を示す。
【0194】
本出願の実施例では、疑似三角波は、機器のいくつかの誤差又は電流変調精度などの問題により波形が歪み、正規の三角波形から疑似三角波に波形が歪んでいるものである。歪みの原因となる誤差は、機器応答時間の遅延、電磁干渉などの問題を含んでもよい。三角波と疑似三角波の各周期には、いずれも一つの最大の放電ピーク値と一つの最大の充電ピーク値のみがある。
図10に示す三角波を参照すると、疑似三角波にとって、疑似三角波の各周期には、t1時刻のみに最大の放電ピーク値I1が発生し、t2時刻に最大の充電ピーク値-I2が発生し、I1と-I2の電流方向が異なる。
【0195】
似ているように、疑似正弦波も、機器のいくつかの誤差又は電流変調精度などの問題により波形が歪み、正規の正弦波畸から疑似正弦波に波形が歪んでいるものである。正弦波と疑似正弦波の各周期には、いずれも一つの最大の放電ピーク値と一つの最大の充電ピーク値のみがある。
【0196】
本出願の別のいくつかの実施例では、給電モジュール210には、二つ以上の組電池がさらに含まれてもよく、本出願の実施例の充放電回路により給電モジュール210のうちのいずれか二つの組電池同時を加熱してもよい。給電モジュール210に含まれる複数の組電池を二組の組電池に分けてもよく、各組の組電池の首尾が繋がり(即ち先行する組電池の負極は、隣接するその後の一つの組電池の正極と接続され)、一つの組電池に相当し、それによって充放電回路を介してすべての組電池を同時に加熱することができる。本出願の実施例では、加熱モジュール220、充放電切り替えモジュール230を電池加熱装置270と総称し、
図11に示すように、電池加熱装置270は、給電モジュール210と接続され、電池加熱装置270は、給電モジュール210を加熱するために用いられる。給電モジュール210はN個の組電池、例えば
図11に示す第一の組電池211、第二の組電池212、……、第Nの組電池などを含み、Nは2以上の正の整数である。本出願の実施例における電池加熱装置270は、そのうちの二つの組電池を一度に同時に加熱することができる。つまり、N個の組電池を複数組に分け、各組に二つの組電池があり、電池加熱装置270はそのうちの二つの組電池を一度に加熱する。本出願の実施例では、どのようにN個の組電池をグループ分けするかを限定するものではなく、各組電池を加熱する順序を限定するものでもない。別の実現方式では、N個の組電池を二組に分けてもよく、各組の中に含まれる複数の組電池は、一つのより大きな組電池に相当してもよく、そのようにしてN個の組電池を二つの組電池に等価にする場合に相当する。
【0197】
上記の分析に基づいて、二つ以上の組電池を含む場合について、いずれも二つの組電池を同時に加熱する場合に簡略化してもよい。以下では、第一の組電池211と第二の組電池212を例に、第一の組電池211と第二の組電池212とを同時に加熱する充放電回路構造及び制御プロセスを詳細に記述する。
【0198】
ここで、第一の組電池211の第一端は、充放電切り替えモジュール230の第一端と接続され、第一の組電池211の第二端と、第二の組電池212の第二端と、スイッチモジュール240の第二端と、充放電切り替えモジュール230の第二端とは、同一の線に接続され、第二の組電池212の第一端は、スイッチモジュール240の第一端と接続され、第一の組電池211の第一端と第二の組電池212の第一端との間に第十のスイッチK4が接続されている。
【0199】
二つの組電池の応用シナリオにおいて、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230の構造は、上記単組電池の応用シナリオにおける構造と同じである。エネルギー貯蔵モジュール250は、充放電切り替えモジュール230とスイッチモジュール240との間に接続される。一つの実現方式では、エネルギー貯蔵モジュール250の一端は、充放電切り替えモジュール230に含まれる第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の他端は、スイッチモジュール240における各組のスイッチアームの上下アームの接続点と接続される。別の実現方式では、エネルギー貯蔵モジュール250は、第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点と、各組のスイッチアームの上下アームの接続点との間に接続されなくてもよい。代わりに、スイッチモジュール240の第一端と充放電切り替えモジュール230の第一端との間に接続され、又はスイッチモジュール240の第二端と充放電切り替えモジュール230の第二端との間に接続される。ここで、スイッチモジュール240の第一端と充放電切り替えモジュール230の第一端は、スイッチモジュール240の、充放電切り替えモジュール230と同一の線に接続される端であり、スイッチモジュール240の第二端と充放電切り替えモジュール230の第二端は、スイッチモジュール240の、充放電切り替えモジュール230と同一の線に接続される他端である。
【0200】
第一の組電池211の第一端は、第一の組電池211の正極であってもよく、第一の組電池211の第二端は、第一の組電池211の負極であってもよい。第二の組電池212の第一端は、第二の組電池212の正極であってもよく、第二の組電池212の第二端は、第二の組電池212の負極であってもよい。
【0201】
第十のスイッチK4が遮断される場合には、第一の組電池211の負極は、第二の組電池212の正極と接続され、第十のスイッチK4が閉じられる場合に、第一の組電池211の正極は、第二の組電池212の正極と接続される。第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する必要がある場合、第十のスイッチK4を遮断するように制御してもよい。一方、他の場合に、例えば第一の組電池211と第二の組電池212が動力システムなどに給電する場合、第十のスイッチK4を閉じるように制御してもよい。
【0202】
第十のスイッチK4が遮断される場合には、第一の組電池211の正極は、第二の組電池212の正極と繋がり、第一の組電池211の負極は、第二の組電池212の負極と繋がる。このように、電流が第一の組電池211と第二の電池122との間を互いに流れることが実現され、第一の組電池211と第二の組電池212との間のエネルギー交換が実現される。
【0203】
図12に示す充放電回路には、第一の組電池211と第二の組電池212とが含まれ、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続される第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とを含み、第一の上アーム2311は、並列に接続される第一のスイッチV11と第一のダイオードD11とを含み、第一の下アーム2321は、並列に接続される第二のスイッチV12と第二のダイオードD12とを含む。エネルギー貯蔵モジュール250は、インダクタL1を含む。スイッチモジュール240は、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412とを含み、第二の上アーム2411は、並列に接続される第十のスイッチV17と第五のダイオードD15とを含み、第二の下アーム2412は、並列に接続される第十一のスイッチV18と第六のダイオードD16とを含む。
【0204】
ここで、第一の上アーム2311と、第二の上アーム2411と、第二の組電池212の正極とは、同一の線に接続され、第一の下アーム2321、第二の下アーム2412と、第一の組電池211の負極と、第二の組電池212の負極とは、同一の線に接続される。インダクタL1の一端は、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点と接続され、インダクタL1の他端は、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と接続される。第一の組電池211の正極は、第二の上アーム2411と接続される。第一の組電池211の正極と第二の上アーム2411との接続点は、第十のスイッチK4の一端と接続され、第十のスイッチK4の他端と、第一の上アーム2311と、第二の組電池212の正極とは、同一の線に接続される。
【0205】
図12において第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412は、いずれも並列に接続されるスイッチ三極管とフリーホイールダイオードとを含む。その構造は、
図13に示す第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412がいずれもスイッチ三極管のみを含む構造に置き換えられてもよく、スイッチ三極管は、リレースイッチなどのスイッチ機能を有するいずれかの部品に置き換えられてもよい。実際の応用では、第一の上アーム2311と、第一の下アーム2321と、第二の上アーム2411と、第二の下アーム2412とのうちのいずれか一つは、並列に接続されるスイッチ三極管とフリーホイールダイオードであってもよく、スイッチのみを含んでもよく、本出願は、これに対して限定しない。そして、充放電切り替えモジュール230は、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とを含まず、
図6又は7に示す直列に接続されるダイオードとスイッチとを含む組み合わせ構造であってもよい。エネルギー貯蔵モジュール250は、直列に接続される複数のインダクタ、又は直列に接続されるインダクタとキャパシタなどを含んでもよい。
【0206】
エネルギー貯蔵モジュール250は、充放電切り替えモジュール230とスイッチモジュール240との間に接続されてもよい。例えば、
図12と
図13に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250の一端は、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との間に接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の他端は、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との間に接続される。
【0207】
さらに、例えば、
図14に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250の一端は、充放電切り替えモジュール230の第一端E11に接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の他端は、スイッチモジュール240の第一端E21の間に接続される。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点とは、導線で接続される。第一の下アーム2321は、第一の組電池211の負極と接続され、第二の下アーム2412は、第二の組電池212の負極と接続され、第一の下アーム2321と第二の下アーム2412とは、接続されない。
【0208】
さらに、例えば、
図15に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250の一端は、充放電切り替えモジュール230の第二端E12に接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の他端は、スイッチモジュール240の第二端E22の間に接続される。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点とは、導線で接続される。第一の上アーム2311は、第一の組電池211の正極と接続され、第二の上アーム2411は、第二の組電池212の正極と接続され、第一の上アーム2311と第二の上アーム2411とは、接続されない。
【0209】
図12-15に示すように、第一の組電池211の両端には、例えばキャパシタC1が並列に接続されてもよく、第二の組電池212の両端には、例えばキャパシタC2が並列に接続されてもよい。このキャパシタC1とこのキャパシタC2は、電圧の安定化などの機能を実現し、第一の組電池211と第二の組電池212との電圧変動を減少し、第二の組電池212と第二の組電池212との電圧の安定性を向上させることができる。このように走行中に、電池電圧のサンプリング精度に対するモータコントローラの要求を低減させることができる。
【0210】
動力自動車において、VCU又はMCUなどの制御モジュールは、スイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230とを制御することにより、第二の組電池212がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュール250と第二の組電池212が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、放電と充電のプロセスにおいて第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する。及び/又は、制御モジュールは、スイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230とを制御することにより、第一の組電池211がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュール250と第一の組電池211が第二の組電池212へ充電する回路を形成し、放電と充電のプロセスにおいて第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する。
【0211】
即ち制御モジュールが第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する時、スイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230を制御する必要があり、スイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230のオン又は遮断を制御することにより、第一の組電池211と第二の組電池212とのうちの一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路、及びこの組電池とエネルギー貯蔵モジュール250がそのうちの別の組電池へ充電する回路を形成する。放電回路と充電回路を切り替え、放電と充電プロセスにおいて二つの組電池の内部にいずれも電流の流れが存在するため、組電池の温度を上昇させ、二つの組電池の同時加熱を実現し、且つ比較的高い加熱効率を有する。
【0212】
一つの実現方式では、
図12と
図13に示す充放電回路について、第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する必要がある場合、各加熱周期はいずれも第一の段階と第二の段階とを含み、第一の段階では、制御モジュールは、まず第十のスイッチK4を遮断するように制御する。制御モジュールは、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに制御し、第一の組電池211がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電するための、第一の組電池211、第一の上アーム2311、エネルギー貯蔵モジュール250と第二の下アーム2412を含む回路を形成することができる。放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→インダクタL1→V18→第一の組電池211の負極である。第二の段階では、第一の上アーム2311と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御し、第一の組電池211とエネルギー貯蔵モジュール250が第二の組電池212へ充電するための、第一の組電池211、第一の上アーム2311、エネルギー貯蔵モジュール250、第二の上アーム2411と第二の組電池212を含む回路を形成する。充電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→インダクタL1→V17→第二の組電池212の正極→第二の組電池212の負極→第一の組電池211の負極である。そして、この状態を一定に保つために、V17とV18との繰り返し切り替えを制御することにより、第二の組電池212への充電時間を制御することができる。
【0213】
さらに、各加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含むことに加えて、第三の段階と第四の段階とをさらに含んでもよい。第三の段階では、制御モジュールは、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御し、第二の組電池212がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電するための、第二の組電池212、第二の上アーム2411、エネルギー貯蔵モジュール250と第一の下アーム2321を含む回路を形成する。放電の電流経路は、第二の組電池212の正極→V17→インダクタL1→V12→第二の組電池212の負極である。第四の段階では、第一の上アーム2311と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御し、第二の組電池212とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電するための、第二の組電池212、第二の上アーム2411、エネルギー貯蔵モジュール250、第一の上アーム2311と第一の組電池211を含む回路を形成する。充電の電流経路は、第二の組電池212の正極→V17→インダクタL1→V11→第一の組電池211の正極→第一の組電池211の負極→第二の組電池212の負極である。そして、この状態を一定に保つために、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との繰り返し切り替えを制御することにより、第一の組電池211への充電時間を制御することができる。
【0214】
類似的に、
図14に示す充放電回路について、第一の段階では、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御すると、第一の組電池211がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路が形成され、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→インダクタL1→V17→V12→第一の組電池211の負極である。第二の段階では、第二の下アーム2412及び第一の下アーム2321を同時にオンに制御し、第一の組電池211とエネルギー貯蔵モジュール250が第二の組電池212へ充電する回路を形成し、充電の電流経路は、第一の組電池211の正極→インダクタL1→第二の組電池212の正極→第二の組電池212の負極→V18→V12→第一の組電池211の負極である。
【0215】
さらに、第三の段階では、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに制御し、第二の組電池212がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路を形成し、放電の電流経路は、第二の組電池212の正極→インダクタL1→V11→V18→第二の組電池212の負極である。第四の段階では、第一の下アーム2321と第二の下アーム2412とを同時にオンに制御し、第二の組電池212とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、充電の電流経路は、第二の組電池212の正極→インダクタL1→第一の組電池211の正極→第一の組電池211の負極→V12→V18→第二の組電池212の負極である。ここで、各アーム上のスイッチチューブを制御することにより、各アームのオンと遮断を実現することができる。
【0216】
図15に示す充放電回路について、第一の段階では、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御すると、第二の組電池212がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路が形成され、放電の電流経路は、第二の組電池212の正極→V17→V12→インダクタL1→第二の組電池212の負極である。第二の段階では、第二の上アーム2411及び第一の上アーム2311を同時にオンに制御し、第二の組電池212とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、充電の電流経路は、第二の組電池212の正極→V17→V11→第一の組電池211の正極→第一の組電池211の負極→インダクタL1→第二の組電池212の負極である。
【0217】
さらに、第三の段階では、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに制御し、第一の組電池211がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→V18→インダクタL1→第一の組電池211の負極である。第四の段階では、第一の上アーム2311と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御し、第一の組電池211とエネルギー貯蔵モジュール250が第二の組電池212へ充電する回路を形成し、充電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→V17→第二の組電池212の正極→第二の組電池212の負極→インダクタL1→第一の組電池211の負極である。
【0218】
これで分かるように、二つ以上の組電池を含む充放電回路の具体的な回路構造について、合理的な制御タイミングを設計して、
図12から
図15に示す充放電回路において各アームのオンと遮断を制御することにより、そのうちの一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュール250とこの組電池が別の電池へ充電する回路を形成し、放電回路と充電回路を切り替え、それによって放電と充電のプロセスにおいて二つの電池を同時に加熱し、比較的高い加熱効率を有する。
【0219】
理解すべきこととして、
図12-15に示す充放電回路は概略的にすぎず、図における各アームは他の実現方式を有してもよい。例えば、
図12に示す一つのより好ましい実現方式では、第一の上アーム2311は、スイッチチューブV11、及びスイッチチューブV11と並列に接続されるフリーホイールダイオードD11を含んでもよい。第一の下アーム2321は、スイッチチューブV12、及びスイッチチューブV12と並列に接続されるフリーホイールダイオードD12を含んでもよい。スイッチモジュール240は一組のスイッチアームのみを含み、このスイッチアームにおける第二の上アーム2411は、スイッチチューブV17、及びスイッチチューブV17と並列に接続されるフリーホイールダイオードD15を含んでもよく、第二の下アーム2412は、スイッチチューブV18、及びスイッチチューブV18と並列に接続されるフリーホイールダイオードD16を含んでもよい。本出願の実施例は、各アームの具体的な形式に対して限定せず、各アームがフリーホイールダイオードを含まない場合でも、この充放電回路の機能を実現することができる。
【0220】
フリーホイールダイオードは一般的に、インダクタに合わせて使用される。インダクタの電流が急激に変化すると、インダクタ両端の電圧が急変し、回路における他の素子を損傷する可能性がある。しかし、フリーホイールダイオードに合わせて使用される場合、インダクタの電流が比較的穏やかに変化し、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。
【0221】
例を挙げると、
図12に示すように、一つの加熱周期の第一の段階から第二の段階に入る時、即ちスイッチチューブV17とスイッチチューブV18を切り替える時、切り替え遅延が存在するため、第一の段階で第一の組電池211からインダクタL1への放電経路に電流が一時的に残る可能性があり、この時、フリーホイールダイオードD16は、この電流をバッファリングし、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。
【0222】
上記二つ以上の組電池の実施の形態では、各加熱周期に、まず一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電し、そしてこの組電池及びエネルギー貯蔵モジュールが一緒に別の組電池を充電するため、充電電流又は放電電流を一つの安定した且つ比較的高い電流値に維持することによって、
図16に示す矩形波の概略図のように、充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を発生させることができる。二重組電池の設置は、エネルギー貯蔵モジュールの加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対する拘束を効果的に低減させることができ、二重組電池の加熱方式により、組電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した且つ比較的大きい加熱電流の大きさに維持することができるように、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの組電池に逃がすことができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。加熱電流の大きさを一つの安定した値に維持することができるため、二重組電池の充放電回路において発生させた交流電流の波形は、矩形波又は疑似矩形波である。
【0223】
本出願の実施例では、疑似矩形波は、機器のいくつかの誤差又は電流変調精度などの問題により波形が歪み、正規の矩形波から疑似矩形波に波形が歪んでいるものである。歪みの原因となる誤差は、機器応答時間の遅延、電磁干渉などの問題を含んでもよい。矩形波と疑似矩形波の各周期には、いずれも一定の時間に安定性を維持する放電電流のピーク値と一定の時間に安定性を維持する充電電流のピーク値とが存在する。
図16に示す矩形波を参照すると、疑似矩形波にとって、疑似矩形波の単一の周期にも、0-t1時間帯に電流がI1に維持され、t1-t2時間帯に電流が-I2に維持され、電流I1と-I2とは逆方向である。疑似矩形波は、台形波又はいずれか一定の時間に安定性を維持する放電電流のピーク値と一定の時間に安定性を維持する充電電流のピーク値とを有する他の波形を含んでもよい。
【0224】
別のいくつかの実施例では、モータコントローラによって充放電の電流の周波数を制御し、電流の周波数を低減させ、各周期にエネルギー貯蔵モジュールに貯蔵された電気エネルギーをできるだけ多く組電池に再充電させることにより、
図10に示すように、充放電回路において三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つの波形の交流電流を発生させてもよい。
【0225】
ここで、矩形波又は疑似矩形波が発生するシナリオにおける充放電の電流の周波数は、三角波、疑似三角波、正弦波形及び疑似正弦波形などの波形が発生するシナリオにおける電流の周波数よりも大きい。
【0226】
本出願の別のいくつかの実施例では、スイッチモジュール240は少なくとも一組のスイッチレッグを含み、少なくとも一組のスイッチレッグは、直列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、エネルギー貯蔵モジュール250における第一のエネルギー貯蔵素子251は少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、エネルギー貯蔵デバイスは、スイッチレッグの数に等しく、エネルギー貯蔵デバイスは、スイッチレッグとは一対一に対応して接続される。スイッチレッグにおけるダイオードの陰極は、給電モジュール210の正極と接続され、スイッチレッグにおけるダイオードの陽極は、給電モジュール210の負極と接続される。
【0227】
この実施例では、スイッチモジュールには、直列に接続されるスイッチとダイオードから構成されるスイッチレッグが含まれ、直列に接続される一つのダイオードと一つのスイッチを採用し、2つのスイッチチューブから構成されるスイッチアームを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要とせず、一つのダイオードと一つのスイッチを採用する構造の制御ポリシーは、より簡単である。また、スイッチモジュールのより多くの構造変形を提供し、充放電切り替えモジュールの異なる変形構造は、より様々な充放電回路の具体的な回路構造となるように組み合わせることによって、充放電回路構造に対する異なるユーザの需要又は工業生産の需要を満足させることができる。スイッチレッグにおけるダイオードの陰極は、給電モジュールの正極と接続され、ダイオードの陰極は、電流をオフにし、給電モジュールの正極と負極との間がダイオードを介して順方向に直接オンになることを防止し、充放電回路の安全性を向上させることができる。
【0228】
図9、12-15におけるスイッチモジュール240の構造は、いずれも上記スイッチレッグの構造に置き換えられてもよい。
図9を例に、スイッチモジュール240の構造を変形すると、
図17に示すように、スイッチモジュール240には、直列に接続されるスイッチV18とダイオードD15とが含まれる。別の例として、
図9を例に、
図9におけるスイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230の構造を変形すると、
図18に示すように、スイッチモジュール240には、直列に接続されるスイッチV18とダイオードD15とが含まれ、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続されるスイッチV11とダイオードD11とを含む。
図12-15におけるスイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230との異なる構造の組み合わせ方式について、ここで1つずつ例を挙げて説明しない。
【0229】
上記各実施例による充放電回路において、いずれも車両のモータを直接使用して電池を加熱するのではなく、加熱モジュール220と充放電切り替えモジュール230などの部材を追加して電池の自己加熱機能を実現する。それによって電池を加熱するプロセスにおいて、モータは正常に運行することができ、動力電池の加熱は、動力電池が搭載されている車両の正常な走行に影響を与えない。
【0230】
本出願の別のいくつかの実施例では、動力電池を加熱する時に不要なコストアップを回避するために、車両に搭載されたモータ回路を利用して動力電池を加熱してもよい。それに応じて、エネルギー貯蔵モジュール250はM相モータを含み、スイッチモジュール240はM相アームを含み、Mは正の整数である。ここで、M相アームと、給電モジュール210及び充放電切り替えモジュール230とは、並列に接続され、M相アームの上下アームの接続点は、それぞれM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、充放電切り替えモジュール230は、M相巻線の接続点と接続される。
【0231】
給電モジュール210は少なくとも一つの組電池を含み、組電池は、複数の電池モジュールを含むセットであってもよく、複数の電池コアを含む電池モジュールであってもよい。スイッチモジュール240に含まれるM相アームは、モータに対応するインバータにより実現されてもよく、各相アームは、いずれも上アームと下アームとを含む。例えば、三相モータに対応するインバータは三相アームを含み、三つの上アーム及び三つの下アームを含む。
【0232】
充放電回路に充電回路又は放電回路を形成するために、M相アームの上アーム又は下アーム、及びオン充放電切り替えモジュール230の第一の切り替え回路231又は第二の切り替え回路232をオンにする必要がある。給電モジュール210の上端が正極であり、下端が負極であるとすると、M相アームの上アーム及び第二の切り替え回路232をオンにすると、放電回路が形成され、この時、電流は給電モジュール210の正極から流出し、M相アームのM個の上アームを経て、さらにM相モータを経て、第二の切り替え回路232から給電モジュールの負極に戻る。M相アームの下アーム及び第一の切り替え回路231をオンにすると、充電回路が形成され、この時、電流は給電モジュール210の負極から流出し、M相アームのM個の下アームを経て、さらにM相モータを経て、第一の切り替え回路231から給電モジュール210の正極に戻る。
【0233】
電回路及び放電回路を周期的に切り替えることにより、電流が給電モジュール210の内部を流れるようにし、それによって熱を発生させて給電モジュール210を加熱する。
【0234】
本実施例では、エネルギー貯蔵モジュール250に含まれるM相モータは、スイッチモジュール240に含まれるM相アームに接続されるだけでなく、充放電切り替えモジュール230にも接続されることにより、M相アームを流れる電流が、同時にM相モータのすべての巻線に流入し、且つすべての巻線の他端から流出することができ、それによってM相モータのすべての巻線を流れる電流は、方向の異なる交流電流ではなく、同じ方向及び同じ大きさの電流であってもよい。そのため、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、モータの振動雑音が過大になるという問題を効果的に低減させることができる。
【0235】
以下では、図面を結び付けながらモータを利用して電池を加熱する充放電回路の回路構造を詳細に記述する。まず、一つの組電池のみを含む充放電回路では、この一つの組電池は、一つの電池パックであってもよく、複数の電池パックを組み合わせて構成してもよい。本出願の実施例では、充放電回路に含まれるこの一つの組電池は、第一の組電池と呼ばれる。
【0236】
充放電回路において、給電モジュール210は、第一の組電池211と、スイッチモジュール240M相アームとを含み、エネルギー貯蔵モジュール250はM相モータを含み、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続される第一の切り替え回路231と、第二の切り替え回路232とを含む。第一の組電池211と、M相アームと、充放電切り替えモジュール230とは、並列に接続され、M相アームの上下アームの接続点は、それぞれM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、充放電切り替えモジュール230における第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、M相モータと接続される。
【0237】
図19に示すように、M相アームは、アーム331、アーム332及びアーム333を含む三相アームを例にする。それに応じて、M相モータは、三つの巻線、即ちそれぞれ巻線311、巻線312及び巻線313を含む三相巻線モータである。第一の組電池211と、アーム331と、アーム332と、アーム333と、充放電切り替えモジュール230とは、並列に接続される。アーム331の上アーム3311と下アーム3312との接続点は、巻線311の一端と繋がり、アーム332の上アーム3321と下アーム3322との接続点は、巻線312の一端と繋がり、アーム333の上アーム3331と下アーム3332との接続点は、巻線313の一端と繋がる。巻線311の他端と、巻線312の他端と、巻線313の他端とは、同一の線に接続され、巻線311と、巻線312と、巻線313とが同一の線に接続される接続点は、中性点と呼ばれる。充放電切り替えモジュール230の第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、モータの中性点と接続される。
【0238】
図19において、充放電切り替えモジュール230の構造は、アーム構造で示されている。第一の切り替え回路231は第一の上アーム2311を含み、第二の切り替え回路232は第一の下アーム2321を含む。
【0239】
図19に示すように、第一の組電池211と、上アーム3311~3331と、巻線311~313と、充放電切り替えモジュール230の第一の下アーム2321とは、共同で放電回路を形成する。放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→アーム331の上アーム3321、アーム332の上アーム3321及びアーム333の上アーム3331→巻線311、312及び313→第一の下アーム2321→第一の組電池211の負極である。
【0240】
他方、第一の組電池211と、下アーム3312~3332と、巻線311~313と、充放電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311とは、共同で充電回路を形成する(図示せず)。充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→アーム331の下アーム3312、アーム332の下アーム3322及びアーム333の下アーム3332→巻線311、312及び313→第一の上アーム2311→第一の組電池211の正極である。
【0241】
図19に示す実施例では、モータ巻線の接続点を第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と接続することにより、充電又は放電時に電流が同時にすべての巻線から流入できることを許容し、いずれか一相の巻線を介して流出する必要がなく、三相巻線に流入又は流出する電流は常に大きさが等しく、位相差がゼロであるため、空間対称な三相巻線が合成する固定子磁界はほぼゼロとなり、それによってモータ回路を利用して動力電池を加熱する時に、固定子磁界とロータ磁界との相互作用により発生した振動雑音が効果的に抑制される。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0242】
一つの例では、M相モータと充放電切り替えモジュール230との間に第二のエネルギー貯蔵素子260が設置され、第二のエネルギー貯蔵素子260は、少なくとも一つの外部インダクタを含み、又は少なくとも一つのキャパシタを含み、又は直列に接続される少なくとも一つのインダクタ及び/又はキャパシタなどを含んでもよい。具体的には、充放電切り替えモジュール230における第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、第二のエネルギー貯蔵素子260の一端と接続され、第二のエネルギー貯蔵素子260の他端は、M相モータの中性点と接続される。
【0243】
図20に示す充放電回路と、
図19に示す回路構造との違いは、
図20において三相モータの中性点と、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点との間に外部インダクタユニット321が設置されることである。選択的に、外部インダクタユニット321は、
図19に示すように、導線であってもよい。また、本出願の実施例は、外部インダクタユニットの数を限定しなくてもよい。
【0244】
モータ巻線と充放電切り替えモジュール230との間に第二のエネルギー貯蔵素子260が追加され、第二のエネルギー貯蔵素子260とモータ巻線とが共同でエネルギーを貯蔵することにより、放電回路に貯蔵された電気エネルギーを向上させるのに寄与し、充電回路において貯蔵された電気エネルギーを組電池に再充電し、それによって組電池の加熱効率を向上させる。
図20において、モータと充放電切り替えモジュール230との間に外部インダクタユニットが設置されることにより、インダクタンス量を増加させ、加熱プロセスにおける電流のリップルを低減させるのに有利であり、それによって充放電の電流を効果的に向上させ、充放電効率を向上させることができる。
【0245】
選択的に、M相モータは、六相巻線モータであってもよく、それに応じて、M相巻線は、六相巻線モータにおけるすべての巻線であってもよい。選択的に、M相アームは、三相アームであってもよく、六相アームであってもよい。
【0246】
ここで、
図19と20における充放電切り替えモジュール230の構造は、
図4-7に示すいずれか一つの充放電切り替えモジュール230の構造であってもよい。具体的には、一つの例では、
図19と20中第一の上アーム2311と第一の下アーム2321におけるフリーホイールダイオードを除去し、スイッチ三極管のみをリザーブしてもよく、スイッチ三極管は、リレースイッチなどの他のスイッチ機能を有する部品に置き換えられてもよい。
【0247】
別の例では、充放電切り替えモジュール230の構造は、アーム構造ではなく、直列に接続されるダイオードとスイッチとを含んでもよい。
図21に示すように、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続されるダイオードD7とスイッチチューブV7とを含む。第一の組電池211の正極と、スイッチモジュール240のすべての上アームと、ダイオードD7の陰極とは、同一の線に接続され、第一の組電池211の負極と、スイッチモジュール240のすべての下アームと、スイッチチューブV7の一端とは、同一の線に接続される。スイッチモジュール240の各組のアームの上下アームの接続点は、それぞれ三相モータの三相巻線LA、LB及びLCと一対一に対応して接続される。三相巻線LA、LB及びLCの共通接続点は、ダイオードD7とスイッチチューブV7との接続点と繋がる。ダイオードD7の陽極は、スイッチチューブV7の一端と接続され、スイッチチューブV7の他端は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0248】
図21に示す回路構造において、スイッチモジュール240のすべての上アーム、スイッチK及びスイッチチューブV7を閉じるように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240を制御するすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとスイッチチューブV7との間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム→巻線LA、LB及びLC→スイッチK→インダクタL→スイッチチューブV7→第一の組電池211の負極である。また、スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム及びスイッチKを閉じ、スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御する。そうすると、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての下アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとダイオードD7との間の充電回路が形成され、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチモジュール240のすべての下アーム→巻線LA、LB及びLC→スイッチK→インダクタL→ダイオードD7→第一の組電池211の正極である。
【0249】
図21において、ダイオードD7を逆方向に設定し、即ちダイオードD7の陰極をスイッチチューブV7と接続し、ダイオードD7の陽極と第一の組電池211の正極と接続してもよい。ダイオードD7を逆方向に設定した後に、放電プロセスにおいて、スイッチK及びスイッチモジュール240のすべての下アームを閉じ、スイッチモジュール240のすべての上アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御し、第一の組電池211とスイッチKとダイオードD7とインダクタLと、巻線LA、LB及びLCとスイッチモジュール240のすべての下アームとの間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→ダイオードD7→インダクタL→スイッチK→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての下アーム→第一の組電池211の負極である。充電プロセスにおいて、スイッチモジュール240のすべての上アーム、スイッチK及びスイッチチューブV7を閉じ、スイッチモジュール240のすべての下アームを遮断するように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとスイッチチューブV7との間の充電回路を形成し、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチチューブV7→インダクタL→スイッチK→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての上アーム→第一の組電池211の正極である。
【0250】
図21において、スイッチKとインダクタLとは、そのうちのいずれか一つのみを設置してもよい。スイッチKとインダクタLとを設置せず、導線で巻線LA、LB及びLCの中性点と充放電切り替えモジュール230とを接続してもよい。
【0251】
図21に示す回路構造において、充放電切り替えモジュール230は、一つのフリーホイールダイオードと一つの三極管のみを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードD7は受動制御であり、能動制御を必要とせず、制御ポリシーがより簡単である。
【0252】
図21における回路構造は、
図20に示す回路構造に変形してもよい。
図22と
図21との違いは、スイッチKがダイオードD7の陰極とスイッチモジュール240の接続点との間に設置されることである。
図22において、スイッチモジュール240の上アーム及びスイッチチューブV7を閉じるように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240を制御するすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとインダクタLとスイッチチューブV7との間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム→巻線LA、LB及びLC→インダクタL→スイッチチューブV7→第一の組電池211の負極である。また、スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム及びスイッチKを閉じ、スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御する。そうすると、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての下アームと巻線LA、LB及びLCとインダクタLとダイオードD7とスイッチKとの間の充電回路が形成され、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチモジュール240のすべての下アーム→巻線LA、LB及びLC→インダクタL→ダイオードD7→スイッチK→第一の組電池211の正極である。
【0253】
図22におけるダイオードD7の向きを逆方向に設定してもよい。即ちダイオードD7の陽極をスイッチKと接続し、ダイオードD7の陰極とスイッチチューブV7と接続する。ダイオードD7を逆方向に設定した後に、放電プロセスにおいて、スイッチK及びスイッチモジュール240のすべての下アームを閉じ、スイッチモジュール240のすべての上アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御し、第一の組電池211とスイッチKとダイオードD7とインダクタLと巻線LA、LB及びLCとスイッチモジュール240のすべての下アームとの間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチK→ダイオードD7→インダクタL→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての下アーム→第一の組電池211の負極である。充電プロセスにおいて、スイッチモジュール240のすべての上アーム及びスイッチチューブV7を閉じ、スイッチモジュール240のすべての下アーム及びスイッチKを遮断するように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとインダクタLとスイッチチューブV7との間の充電回路を形成し、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチチューブV7→インダクタL→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての上アーム→第一の組電池211の正極である。
【0254】
図22において、スイッチKは、ダイオードD7と第一の組電池211の正極との間に設置され、充放電切り替えモジュール230が故障した場合にスイッチKを遮断し、充放電切り替えモジュール230の故障による回路における他のデバイスの損傷を回避することができる。
【0255】
図19における回路構造は、
図23に示す回路構造に変形してもよい。
図23と
図21との違いは、ダイオードD7とスイッチチューブV7との位置が入れ替わっていることである。
図23において、スイッチチューブV7は、第一の組電池211の正極と接続され、ダイオードD7は、第一の組電池211の負極と接続される。
図23に示す回路構造において、スイッチモジュール240のすべての下アーム、スイッチK及びスイッチチューブV7を閉じるように制御し、第一の組電池211と、スイッチモジュール240を制御するすべての下アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとスイッチチューブV7との間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチチューブV7→インダクタL→スイッチK→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム→第一の組電池211の負極である。また、スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム及びスイッチKを閉じ、スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御する。そうすると、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとダイオードD7との間の充電回路が形成され、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→ダイオードD7→インダクタL→スイッチK→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての上アーム→第一の組電池211の正極である。
【0256】
図23において、ダイオードD7の向きを逆方向に設定し、即ちダイオードD7の陽極をスイッチチューブV7と接続し、ダイオードD7の陰極を第一の組電池211の負極と接続してもよい。制御方式もそれに応じて調整すればよいため、ここでこれ以上説明しない。
【0257】
図23において、スイッチKとインダクタLとは、そのうちのいずれか一つのみを設置してもよい。スイッチKとインダクタLとを設置せず、導線で巻線LA、LB及びLCの中性点と充放電切り替えモジュール230とを接続してもよい。
【0258】
図23に示す回路構造において、充放電切り替えモジュール230は、一つのフリーホイールダイオードと一つの三極管のみを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードD7は受動制御であり、能動制御を必要とせず、制御ポリシーがより簡単である。
【0259】
図23における回路構造は、
図24に示す回路構造に変形してもよい。
図24と
図23との違いは、スイッチKがダイオードD7と第一の組電池211の負極との間に設置されることである。
図24に示す回路構造において、スイッチモジュール240のすべての下アーム及びスイッチチューブV7を閉じるように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240を制御するすべての下アームと巻線LA、LB及びLCとインダクタLとスイッチチューブV7との間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチチューブV7→インダクタL→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム→第一の組電池211の負極である。また、スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム及びスイッチKを閉じ、スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御する。そうすると、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとダイオードD7との間の充電回路が形成され、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチK→ダイオードD7→インダクタL→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての上アーム→第一の組電池211の正極である。
【0260】
図24において、ダイオードD7の向きを逆方向に設定し、即ちダイオードD7の陽極をスイッチチューブV7と接続し、ダイオードD7の陰極をスイッチKと接続してもよい。制御方式もそれに応じて調整すればよいため、ここでこれ以上説明しない。
【0261】
図24において、スイッチKは、ダイオードD7と第一の組電池211の負極との間に設置され、充放電切り替えモジュール230が故障した場合にスイッチKを遮断することにより、充放電切り替えモジュール230の故障による回路における他のデバイスの損傷を回避することができる。
【0262】
上記各実施例は、いずれも一つのモータを利用して電池を加熱する場合であり、実際の応用シナリオでは、二つのモータを有する電気自動車もあり、二つのモータを利用して動力電池を加熱してもよい。ツインモータを有する電力消費機器について、二つのモータを利用して組電池を加熱してもよく、そのうちの一つのモータのインバータはスイッチモジュールに相当し、別のモータのインバータは充放電切り替えモジュールに相当する。二つのモータの巻線はエネルギー貯蔵モジュールに相当する。二つのモータのインバータにおける各アームのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路において充電回路と放電回路を交互に切り替える。
図25と
図26は、本出願の実施例によるツインモータを利用して電池を加熱する充放電回路の回路構造を示す。
【0263】
一つの例では、M相モータは、第一のM相モータ及び第二のM相モータを含むツインモータであり、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される。具体的には、第一のM相モータ及び第二のM相モータは、いずれも三相巻線モータであってもよく、第一のM相モータは巻線311、巻線312及び巻線313を含み、第二のM相モータは巻線321、巻線322及び巻線323を含む。巻線311、312、313の共通接続点は、巻線321、322、323の共通接続点と接続される。
【0264】
ツインモータを含む回路構造において、スイッチモジュール240に含まれるM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。具体的には、スイッチモジュール240におけるM相アームは、アーム331、アーム332及びアーム333を含む。具体的には、アーム331の上アーム3311と下アーム3312との接続点は、巻線311の一端と繋がり、アーム332の上アーム3321と下アーム3322との接続点は、巻線312の一端と繋がり、アーム333の上アーム3331と下アーム3332との接続点は、巻線313の一端と繋がる。
【0265】
ツインモータを含む回路構造において、充放電切り替えモジュール230もM相アームを含み、そのM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ第二のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。具体的には、充放電切り替えモジュール230は、アーム341、アーム342及びアーム343を含む。アーム341の上アーム3411と下アーム3412との接続点は、巻線321の一端と繋がり、アーム342の上アーム3421と下アーム3422との接続点は、巻線322の一端と繋がり、アーム343の上アーム3431と下アーム3432との接続点は、巻線323の一端と繋がり、巻線311の他端、巻線312の他端、巻線313の他端、巻線321の他端、巻線322の他端及び巻線323の他端の共通接続点が接続される。
【0266】
図25に示すように、給電モジュール210と、上アーム3311、3321、3331と、巻線311~313と、巻線321~323と、下アーム3412、3422、3432とは、共同で放電回路を形成する。
図26に示すように、給電モジュール210と、下アーム3312、3322、3332と、巻線311~313と、巻線321~323と、上アーム3411、3421、3431とは、共同で充電回路を形成する。ここで、制御モジュール(図示せず)の制御により、充電回路と放電回路とが、周期的に交互にオンされる。
【0267】
別の実現方式では、充放電切り替えモジュール230のM相アームの上アームとスイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、給電モジュール210とスイッチモジュール240のM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の放電回路を形成してもよい。
図25又は22に示す回路構造は、下アーム3312、3322、3332及び上アーム3411、3421、3431をいずれもオンに制御し、第一の組電池211と、上アーム3411、3421及び3431と巻線321~323と巻線311~313と下アーム3312、3322及び3332との間の放電回路を形成する。
【0268】
また、スイッチモジュール240のM相アームの上アームと充放電切り替えモジュール230のM相アームの下アームとをオンに制御し、給電モジュール210と充放電切り替えモジュール230のM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータとスイッチモジュール210のM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
図25又は22に示す回路構造は、上アーム3311、3321、3331と下アーム3412、3422、3432とをオンに制御し、第一の組電池211と下アーム3412、3422及び3432と巻線321~323と巻線311~313と上アーム3311、3321及び3331との間の充電回路を形成する。
【0269】
図25と
図26に示す実施例では、巻線311~313に流入する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第一のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。類似的に、巻線321~323から流出する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第二のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0270】
選択的に、上記第一のM相モータは六相モータであり、第二のM相モータは三相モータであってもよい。エネルギー貯蔵モジュール250は六相モータにおけるすべての巻線であり、第二のエネルギー貯蔵素子260は三相モータにおけるすべての巻線である。
【0271】
選択的に、第一のM相モータは三相モータであり、第二のM相モータは六相モータであり、エネルギー貯蔵モジュール250は三相モータにおけるすべての巻線であり、第二のエネルギー貯蔵素子260は六相モータにおけるすべての巻線であってもよい。
【0272】
選択的に、第一のM相モータは六相モータであり、第二のM相モータは六相モータであり、エネルギー貯蔵モジュール250は六相モータにおけるすべての巻線であり、エネルギー貯蔵モジュール250は別の六相モータにおけるすべての巻線である。
【0273】
上記第一のM相モータと第二のM相モータは、他のいずれか相モータの組み合わせ方式であってもよく、本出願の実施例は、これに対して限定しない。
【0274】
本出願の別のいくつかの実施例では、モータを利用して電池を加熱する充放電回路においては、二つ以上の組電池が含まれてもよい。
図27は、二つ以上の組電池を含む充放電回路の概略的ブロック図を示す。
【0275】
図27に示すように、充放電回路は、給電モジュール210と、スイッチモジュール240と、エネルギー貯蔵モジュール250と、充放電切り替えモジュール230とを含む。
【0276】
具体的には、給電モジュール210は第一の組電池211及び第二の組電池212を含む。第一の組電池211と第二の組電池212との間に第十のスイッチが接続されていて(図示せず、点線は接続関係が可変であることを表す)、第十のスイッチの開閉により第一の組電池211と第二の組電池212との間の接続関係を変える。具体的には、第十のスイッチが閉じられる場合、第一の組電池211と、第二の組電池212とは、並列に接続され、遮断時には第一の組電池211と、第二の組電池212とは、直列に接続される。組電池は、複数の電池モジュールを含むセットであってもよく、複数の電池コアを含む電池モジュールであってもよい。スイッチモジュール240は、インバータにより実現されてもよく、M相アームを含み、Mは正の整数であり、各相アームは、上アームと下アームとを含み、例えば三相アームは三つの上アーム及び三つの下アームを含む。エネルギー貯蔵モジュール250は、M相モータを含んでもよく、例えばM相モータは三相巻線を有する三相巻線モータである。充放電切り替えモジュール230は、第一の切り替え回路231と、第二の切り替え回路232とを含む。二重組電池を含む充放電回路において、第一の切り替え回路231は第一の上アーム2311を含み、第二の切り替え回路232は第一の下アーム2321を含む。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との構造は、並列に接続される三極管とフリーホイールダイオードであってもよく、スイッチのみを含んでもよい。
【0277】
一つの例では、
図28に示すように、第一の組電池211とスイッチモジュール240に含まれるM相アームとは、並列に接続され、ここで、第一の組電池211の第一端とM相アームの上アームとは、同一の線に接続され、M相アームの上下アームの接続点は、それぞれM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、充放電切り替えモジュール230の上下アームの接続点は、M相モータの中性点と接続される。充放電切り替えモジュール230の上下アームの接続点は、導線でM相モータの中性点と直接接続されてもよい。充放電切り替えモジュール230の上下アームの接続点と、M相モータの中性点との間に第二のエネルギー貯蔵素子260が接続されてもよく、第二のエネルギー貯蔵素子260は、少なくとも一つのインダクタを含み、又は直列に接続されるインダクタとキャパシタなどを含んでもよい。充放電切り替えモジュール230の上下アームの接続点と、M相モータの中性点との間に、第九のスイッチが設置されてもよい。
【0278】
第二の組電池212の第一端と、充放電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311とは、同一の線に接続され、第二の組電池212の第二端と、第一の組電池211の第二端と、M相アームと、充放電切り替えモジュール230の第一の下アーム2321とは、同一の線に接続され、第十のスイッチK4は、第一の組電池211の第一端と第二の組電池212の第一端との間に設置される。
【0279】
具体的には、M相アームは、アーム431、アーム432及びアーム433を含む三相アームであってもよく、それに応じて、M相モータは、三相巻線、即ちそれぞれ巻線411、巻線412及び巻線413を含む三相巻線モータである。
【0280】
モータを利用して給電モジュール210を加熱する必要がある場合、第十のスイッチK4を遮断し、この時第一の組電池211と、第二の組電池212とは、直列に接続される。M相アームの上アーム又は下アーム、及び充放電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311と第一の下アーム2321を制御することにより、第一の組電池211と4第二の組電池212の充放電制御を実現することができる。第一の周期に、第一の組電池211が放電し、第二の組電池212が充電するとする。この時、第一の組電池211の放電電流はその正極から流出し、アーム431~433の上アーム4311、4321、4331を経て、巻線411~413に入り、充電電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311を経て第二の組電池212の正極に入り、且つ第二の組電池212の負極から流出し、最終的に第一の組電池211の負極に戻る。
【0281】
図29に示すように、第二の周期に、第一の組電池211が充電し、第二の組電池212が放電するとする。この時、第二の組電池212の放電電流はその正極から流出し、充放電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311を経て巻線411~413に入り、アーム431~433の上アーム4311、4321、4331を経て第一の組電池211の正極に入り、且つ第一の組電池211の負極から流出し、最終的に第二の組電池212の負極に戻る。
【0282】
本実施例では、二重組電池の設計により、加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対するモータインダクタンスの拘束を効果的に低減させることができ、二重電池の加熱方式により、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの電池に逃がすことができ、電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した加熱電流の大きさに維持することができるように、即ち充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を発生させることができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。
【0283】
図30は、ツインモータを利用して二重組電池を加熱する充放電回路の回路構造、即ちMモータがツインモータである場合の回路トポロジーを示す。
【0284】
具体的には、
図30に示すように、M相モータは、第一のM相モータ及び第二のM相モータを含むツインモータであり、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される。具体的には、第一のM相モータ及び第二のM相モータは、いずれも三相巻線モータであってもよく、第一のM相モータは巻線411、巻線412及び巻線413を含み、第二のM相モータは巻線441、巻線442及び巻線443を含む。巻線411、412、413の共通接続点は、巻線441、442、443の共通接続点と接続される。
【0285】
スイッチモジュール240に含まれるM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。具体的には、スイッチモジュール240におけるM相アームは、アーム431、アーム432及びアーム433を含む。具体的には、アーム431の上アーム4311と下アーム4312との接続点は、巻線411の一端と繋がり、アーム432の上アーム4321と下アーム4322との接続点は、巻線412の一端と繋がり、アーム433の上アーム4331と下アーム4332との接続点は、巻線413の一端と繋がる。
【0286】
充放電切り替えモジュール230もM相アームを含み、そのM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ第二のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。具体的には、充放電切り替えモジュール230は、アーム421、アーム422及びアーム423を含む。アーム421の上アーム4211と下アーム4212との接続点は、巻線441の一端と繋がり、アーム422の上アーム4221と下アーム4222との接続点は、巻線442の一端と繋がり、アーム423の上アーム4231と下アーム4232との接続点は、巻線443の一端と繋がり、巻線441の他端、巻線442の他端、巻線443の他端、巻線411の他端、巻線412の他端及び巻線413の他端の共通接続点が接続される。
【0287】
図30の実施例では、巻線411~413に流入する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第一のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。類似的に、巻線441~443から流出する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第二のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0288】
図31は、本出願の実施例による充放電システム500の概略的ブロック図を示す。この充放電システム500は、制御モジュール530と、上記いずれか一つの実施例における充放電回路200とを含む。
【0289】
制御モジュール530は、充放電回路200に命令を送信し、給電モジュール210が充放電を行うように制御するために用いられる。
図31に示すように、充放電回路200は、給電モジュール210と、スイッチモジュール240と、エネルギー貯蔵モジュール250と、充放電切り替えモジュール230とを含む。制御モジュール530は、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230と接続され、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230に充放電イネーブル信号を送信し、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230のオン又はオフを制御することによって、充放電回路200に交互に切り替わる充電回路又は放電回路を形成するために用いられる。
【0290】
一つの例では、制御モジュール530は、完成車コントローラ又は車両コントローラ(Vehicle control unit、VCU)及び/又はモータコントローラを含んでもよい。
【0291】
一つの例では、給電モジュール210は動力電池である。
【0292】
充放電システム500を利用して給電モジュール210を加熱する時、制御モジュール530は、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230にイネーブル信号を送信し、充放電回路におけるスイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230のオン又はオフを制御することによって、充電回路又は放電回路を形成する。
【0293】
充放電回路に一つの組電池のみが含まれる場合、スイッチモジュール240は少なくとも一組のスイッチアームを含み、充放電切り替えモジュール230は、第一の切り替え回路231と、第二の切り替え回路232とを含み、制御モジュール530から送信されたイネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームをオンにするか又は下アームをオンにするとともに、充放電切り替えモジュール230の第一の切り替え回路231をオンにするか又は第二の切り替え回路232をオンにし、充電回路又は放電回路を形成させ、充電回路又は放電回路を繰り返し切り替え、給電モジュール210を充放電し、それによって電流が給電モジュール210の内部を流れる時に発生した熱を利用して加熱する。
【0294】
充放電回路が少なくとも二つの組電池を含む場合、制御モジュール530から送信されたイネーブル信号に応答し、組のスイッチアームの上アームをオンにするか又は下アームをオンにするとともに、充放電切り替えモジュール230の第一の切り替え回路231をオンにする又は第二の切り替え回路232をオンにし、充電回路又は放電回路を形成させ、充電電回路又は放電回路を介して第一の組電池又は第二の組電池を充放電し、充放電は、第一の組電池と第二の組電池との充放電状態を切り替えることを含み、ここで、充放電状態は、第一の組電池を充電するとともに、第二の組電池を放電すること、又は第一の組電池を放電するとともに、前記第二の組電池を充電することを含む。
【0295】
一つの例では、制御モジュール530は、動力電池の充電状態SOCを決定するために用いられる。充電状態(State Of Charge、SOC)とは、電池が一定の放電倍率で、同じ条件で定格容量に対する残余電力量の割合である。SOCは電池管理システムの重要なパラメータの一つであり、自動車全体の充放電制御ポリシーと電池バランス作動の根拠でもある。しかしながら、リチウム電池自体の構造の複雑性のため、その充電状態は直接測定によって得られず、電池のいくつかの外部特性、例えば電池の内部抵抗、温度、電流などの関連パラメータに基づいて、関連する特性曲線又は計算式を利用してSOCに対する推定作動を完了することしかできない。
【0296】
一つの例では、制御モジュール530は、電池管理システムBMSから送信された、動力電池が加熱条件を満たしていることを指示するための加熱要求を受信するためにも用いられる。
【0297】
一つの例では、電池管理システム(Battery Management System、BMS)から送信された加熱要求を受信することによって、制御モジュール530はタイムリーに動力電池を加熱し、車両のような動力装置の使用への影響を回避することができる。
【0298】
一つの例では、制御モジュール530は、動力電池の温度が予め設定される温度に達し又は動力電池の温度上昇が異常となった場合に、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230に加熱停止信号を送信し、充電回路又は放電回路が遮断され、それによって動力電池の加熱を停止するためにも用いられる。
【0299】
一つの例では、完成車コントローラがBMSから送信された加熱要求を受信すると、完成車コントローラは、動力電池の加熱を指示するための制御信号をモータコントローラに送信してもよく、即ち制御信号は、充電回路に充電回路又は放電回路を形成させるように、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230にイネーブル信号を送信するようモータコントローラに指示するために用いられる。
【0300】
本実施例のシステムは、制御モジュール530によってスイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230の制御を実現し、車両の状態に応じて充放電を行うタイミングを決め、電池が動力電池を加熱できることを確保するとともに、充放電電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0301】
図32に示すように、本出願の別のいくつかの実施例では、充放電システム500は、充放電回路200と接続される充電装置140をさらに含み、充電装置140は、充放電回路200を介して給電モジュール210に含まれる組電池へ充電するために用いられる。この充電装置140は、充電スタンド、充電機又は他の電動車両を含むが、それらに限らない。充放電回路200は充電装置140と繋がり、充電装置140は、充放電回路200を介して動力電池へ充電するために用いられる。
【0302】
充放電回路200が加熱モードと充電モードを同時に備えているため、それが動力電池を加熱するために用いられるだけでなく、充電装置140が動力電池へ充電するプロセスにおいて、充電電圧を調節することもできる。このように、充電装置140の電圧と動力電池の電圧とがマッチングしない場合、例えば充電装置140の電圧が動力電池の電圧よりも低いか又は高い場合、充電装置140は充放電回路200を介して動力電池の昇圧充電又は降圧充電を行い、充電装置140と動力電池との適合性を向上させることができる。
【0303】
例えば、充電装置140の電圧が動力電池の電圧よりも低い場合、制御モジュール530は、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230を制御し、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250へ充電する回路、及び充電装置140とエネルギー貯蔵モジュール250が給電モジュール210へ同時に充電する回路を形成する。
【0304】
さらに、例えば、充電装置140の電圧が動力電池の電圧よりも高い場合、制御モジュール530はスイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230を制御し、充電装置140が給電モジュール210とエネルギー貯蔵モジュール250に充電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュール250が給電モジュール210へ充電する回路を形成する。
【0305】
一つの実現方式では、
図32に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250がインダクタL1であることを例に、その第二端は、スイッチチューブV15を介して充電装置140の一端と接続され、スイッチモジュール240の第二端は、充電装置140の他端と接続され、充電装置140は、充放電回路200を介して第一の組電池211に充電するために用いられる。
図33におけるキャパシタC3は、充電装置140のキャパシタであってもよく、例えば充電プロセスにおいて電圧の安定化の役割を果たすことができる。
【0306】
一つの実現方式では、スイッチチューブV17はさらに、モード切り替えのスイッチとしてもよく、充放電回路200が加熱モードにある場合、制御モジュール530は、スイッチチューブV17を閉じるように制御し、充放電回路200が充電モードにある場合、制御モジュール530は、スイッチチューブV13を遮断するように制御する。
【0307】
理解すべきこととして、スイッチチューブV17がモード切り替えのスイッチとする場合、その両端にフリーホイールダイオードD15を接続すべきではない。この時、一つの加熱周期は以下のプロセスのみを含んでもよく、即ちスイッチチューブV12とスイッチチューブV17を同時に閉じ、第一の組電池211がインダクタL1へ放電するための、第一の組電池211、スイッチチューブV17、インダクタL1とスイッチチューブV12を含む回路を形成し、その後に、スイッチチューブV12とスイッチチューブV17も遮断し、インダクタL1が第一の組電池211へ充電するための、第一の組電池211、フリーホイールダイオードD16、インダクタL1とフリーホイールダイオードD11を含む回路を形成する。この時、スイッチチューブV12の両端には、フリーホイールダイオードD12が接続されなくてもよい。
【0308】
又は、別の実現方式では、
図34に示すように、スイッチモジュール240の第一端と充放電切り替えモジュール230の第一端との間に、モード切り替えのスイッチとしてスイッチチューブV16が接続されてもよい。加熱モードでは、スイッチチューブV16が閉じられる一方、充電モードでは、スイッチチューブV16が遮断される。
【0309】
充放電回路200が加熱モードから充電モードに切り替える時、制御モジュール530は、スイッチモジュール240の上アームを遮断し、例えばスイッチチューブV17又はスイッチチューブV16を遮断するように制御し、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも低い時、スイッチチューブV12と第一のスイッチチューブV15を閉じ、スイッチチューブV11とスイッチチューブV18を遮断するように制御し、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250へ充電するための、充電装置140、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のスイッチチューブV12を含む回路を形成し、及び、スイッチチューブV11と第一のスイッチチューブV15を閉じ、スイッチチューブV12とスイッチチューブV18を遮断するように制御し、充電装置140とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ同時に充電するための、充電装置140、エネルギー貯蔵モジュール250、スイッチチューブV11と第一の組電池211を含む回路を形成するためにも用いられる。
【0310】
これで分かるように、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも低い場合、合理的な制御タイミングを設定し、各サブアームのオンと遮断を制御することにより、各充電周期に充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250に充電する第一の段階、及び充電装置140とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211に同時に充電する第二の段階を形成する。このように、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250に充電する第一の段階では、エネルギー貯蔵モジュール250に一定の電力量が記憶されるため、エネルギー貯蔵モジュール250は第二の段階で充電装置140とともに、第一の組電池211に共同で充電し、充電装置140と第一の組電池211との間の電圧差を減少し、充電効率を向上させることができる。
【0311】
さらに、制御モジュール530は、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも高い場合、スイッチチューブV11と第一のスイッチチューブV15を閉じ、スイッチチューブV12とスイッチチューブV18を遮断するように制御し、充電装置140が第一の組電池211とエネルギー貯蔵モジュール250へ充電するための、充電装置140、エネルギー貯蔵モジュール250、スイッチチューブV11と第一の組電池211を含む回路を形成し、及び、スイッチチューブV11を閉じ、スイッチチューブV12、スイッチチューブV18と第一のスイッチチューブV15を遮断するように制御し、エネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電するための、エネルギー貯蔵モジュール250、スイッチチューブV11、第一の組電池211とフリーホイールダイオードD18を含む回路を形成するためにも用いられる。
【0312】
これで分かるように、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも高い場合、合理的な制御タイミングを設定し、各サブアームのオンと遮断を制御することにより、各充電周期に充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250と第一の組電池211に充電する段階、及びエネルギー貯蔵モジュール250のみが第一の組電池211に充電する段階を形成する。一方、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250と第一の組電池211に充電する時、エネルギー貯蔵モジュール250が一部の電圧を吸収することができるため、充電装置140と第一の組電池211との間の電圧差が適切に減少し、他方、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも大きいため、充電装置140が第一の組電池211を持続的に大電圧で充電することを回避するために、充電装置140とエネルギー貯蔵モジュール250は第一の組電池211を交互に充電してもよい。ここで、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250と第一の組電池211に充電する時、エネルギー貯蔵モジュール250に一定の電力量が記憶されることができるため、この部分の電力量に基づいて、エネルギー貯蔵モジュール250は単独で第一の組電池211に充電することができる。
【0313】
図33と34は、いずれも
図9に示す充放電回路をベースに充電装置140を接続したものであり、理解すべきこととして、
図12-15、19-26及び28-30に示す充放電回路が充電装置140を接続し、上記
図9に示す回路構造が充電装置140を接続することで達成できる技術的効果を実現することができる。
【0314】
一つの実現方式では、
図35に示すように、第一の組電池211は、駆動回路141に電源を提供するために、モータの駆動回路141とも繋がる。
図35において三相モータを例に、その駆動回路141は、スイッチチューブV1、スイッチチューブV2、スイッチチューブV3、スイッチチューブV4、スイッチチューブV5とスイッチチューブV6からなるアームを含み、モータの巻線A1、巻線B1と巻線C1を接続するインバータ回路である。
【0315】
これで分かるように、充放電回路を利用して第一の組電池211を加熱する時、第一の組電池211は、依然として第一の組電池211と繋がるモータの駆動回路141に電源を提供し、それによって走行中に第一の組電池211の加熱を実現することができる。
【0316】
上記の記述に基づいて、追加の充放電回路を設置し、この充放電回路を利用して第一の組電池211を加熱すると、モータは車両の走行を正常に駆動し、走行加熱を実現することができる。具体的には、合理的な制御タイミングを設計して充放電回路における各アームを制御することにより、第一の組電池211が充放電回路におけるエネルギー貯蔵モジュール250に放電する回路、及びこのエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、それによってエネルギー貯蔵モジュール250を効果的に利用し、動力電池に対する加熱を実現する。
【0317】
充電装置140が充放電回路を介して第一の組電池211に充電する時、充放電回路が充電モードに入り、この時、充放電回路を利用して第一の組電池211を加熱することができないため、モータの駆動回路141を利用して第一の組電池211を加熱することができる。モータの作動損失で発生した熱を利用して冷却液を加熱する方式と異なり、このような場合に、駆動回路141におけるIGBTを制御することで、充放電回路を形成し、それによって第一の組電池211の加熱を実現することができる。例えば、VCUがBMSから送信された加熱要求を受信したが、充放電回路が充電モードにある場合、VCUはモータの駆動回路141を制御して第一の組電池211を加熱するようにモータコントローラに通知してもよく、例えば駆動回路141におけるIGBT、即ちスイッチチューブV1からスイッチチューブV6のオンオフを制御し、駆動回路141を介して第一の組電池211を加熱する。
【0318】
つまり、上記の加熱モードと充電モードに加えて、充放電回路はさらに、他のモード、即ち充電加熱モードを有してもよい。充放電回路が充電加熱モードにある時、充電装置140は充放電回路を介して第一の組電池211に充電するとともに、モータの駆動回路141を介して第一の組電池211を加熱する。
【0319】
一つの実現方式では、空間ベクトル制御法(Space Vector Pulse Width Modulation、SVPWM)により駆動回路141における各アームのスイッチチューブの制御信号を生成し、モータ巻線に流入する電流が交流電流に変調されるように、この制御信号により各アームのスイッチチューブのオンオフ状態を制御してもよい。例示的に、巻線電流の直軸電流成分を交変電流に制御し、及び巻線電流の横軸電流成分を0に制御することで、モータ巻線の電流を交流電流に変調してもよい。
【0320】
駆動回路141とモータとの間の三相接続線に収集されたいずれか二相電流iaとibを取得し、いずれか二相電流iaとibは駆動回路141からモータに流れる。モータコントローラは、収集された電流をabc座標系からdq座標系に変換し、そしてdq座標系で分解して直軸成分idと横軸成分iqを得る。横軸成分iq、直軸成分id、横軸信号所与値i_q^*、及び直軸信号所与値i_d^*を利用して、オンにする必要のあるスイッチチューブの変調信号を得る。ここで、横軸信号所与値i_q^*は0に等しい。このように、モータ巻線エネルギー貯蔵を利用して、第一の組電池211の充放電を実現することができる。
【0321】
モータの駆動回路141を利用して第一の組電池211を加熱するプロセスにおいて、電圧変動が生じる。しかしながら、充放電回路の存在により、充電装置140が充放電回路を介して第一の組電池211に出力する電圧を、電池加熱プロセスにおける電圧変動に伴って動的に調節し、電池加熱プロセスによる充電装置140への影響を減少することができる。
【0322】
理解すべきこととして、本出願の実施例に記載の「接続」又は「繋がり」は、直接接続、又は間接接続であってもよく、本出願は、これに対して限定しない。例えば、第一の上アーム2311の第一端と第二の上アーム2411の第一端との繋がりは、
図9に示すように、第一の上アーム2311の第一端と第二の上アーム2411の第一端との間が直接に電気的な接続されてもよく、
図12に示すように、第一の上アーム2311の第一端と第二の上アーム2411の第一端とが他の素子、例えばスイッチチューブK4を介して繋がられてもよい。
【0323】
図12-15に示す二つの組電池を含む充放電回路においてついて、モータの駆動回路141と繋がり、駆動回路141に電源を提供し、それによって動力自動車を走行させるために用いられてもよい。
【0324】
一つの実現方式では、給電モジュール210の電池管理システム(Battery Management System、BMS)は、給電モジュール210に含まれる組電池の状態情報、例えば電池温度、充電状態(State of Charge、SOC)、電圧信号、電流信号などを収集し、この状態情報に基づいて給電モジュール210を加熱する必要があるかどうかを決定する。給電モジュール210を加熱する必要があると決定する場合、BMSは完成車コントローラ(Vehicle Control Unit、VCU)に加熱要求を送信してもよい。VCUは、BMSから送信された加熱要求に応じて、給電モジュール210に含まれる組電池の加熱をオンにするかどうかを決定する。
【0325】
例えば、VCUは、BMSから送信された加熱要求を受信した後に、組電池のSOCに基づいて、給電モジュール210に含まれる組電池を加熱するかどうかを決定してもよい。ここで、組電池の電力量が十分であり、即ちSOCが比較的高く、例えば一つの閾値よりも高い場合、給電モジュール210に含まれる組電池を加熱してもよい。
【0326】
さらに、例えば、給電モジュール210に含まれる組電池の電力量が不足していて、即ちSOCが比較的低い、例えば一つの閾値よりも低い場合、電池の加熱損失を低減させるために、動力電池を加熱しなくてもよい。モータコントローラ、例えばマイクロプログラムコントローラ(Microprogrammed Control Unit、MCU)は、モータの電圧と電流などの情報に基づいて、モータ状態を決定し、VCUに送信してもよい。そのため、この時にモータが正常な作動の状態にある場合、モータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210を加熱又は保温することができ、例えば走行中にモータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210の冷却液を加熱し、それによってこの冷却液によって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱又は保温する。
【0327】
又は、給電モジュール210に含まれる組電池のSOCが比較的低い場合、給電モジュール210に含まれる組電池を加熱し、且つ加熱周期の長さを調整し、又は、加熱周波数を調整してもよい。
【0328】
本出願は、充放電回路の使用シナリオを限定するものではなく、本出願の実施例の充放電回路は、任意の必要な場合に、給電モジュール210に含まれる組電池を加熱するために用いられてもよい。
【0329】
給電モジュール210に含まれる組電池を加熱するプロセスにおいて、BMSはさらに、給電モジュール210に含まれる組電池の温度に異常があるかどうかを監視することができる。組電池の温度に異常がある場合、BMSがVCUに温度異常の情報を送信することができるため、VCUは給電モジュール210に含まれる組電池の加熱を停止するよう制御する。この時、モータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210に含まれる組電池を加熱する又は保温することができ、例えばモータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210の冷却液を加熱し、それによって冷却液によって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱又は保温する。
【0330】
給電モジュール210に含まれる組電池を加熱するプロセスにおいて、給電モジュール210に含まれる組電池の温度がすでに要求を満たした場合、VCUは給電モジュール210に含まれる組電池の加熱を停止するよう制御することができる。この時、モータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210に含まれる組電池を保温することができ、例えばモータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210の冷却液を加熱し、それによって冷却液によって給電モジュール210に含まれる組電池を保温する。
【0331】
本出願の別のいくつかの実施例は、電力消費機器をさらに提供し、この電力消費機器は、上記各実施例における充放電システムを含む。この電力消費機器は、動力電池を使用する自動車、船舶又は航空機などの機器であってもよい。電力消費機器が低温環境にある場合、電力消費機器における動力電池は、温度が低すぎるため放電容量が著しく低下してしまい、且つ低温環境で動力電池を充電することができず、低温環境での電力消費機器の正常な使用に影響を与える。本出願の実施例の電力消費機器では、充放電回路を介して動力電池を加熱し、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって充放電回路において交流電流を発生させ、この交流電流が動力電池を流れ、動力電池の内部抵抗に熱を発生させ、それによって動力電池に対する加熱を実現する。
【0332】
以上は、本出願の実施例の充放電回路の回路構造及びこの回路構造を含む充放電システムを詳細に記述し、以下は、図面を結び付けながら本出願の実施例の充放電制御方法を詳細に記述する。上記各装置の実施例に記述された技術的特徴は、いずれも以下の方法の実施例に適用される。
【0333】
この充放電制御方法の実行本体は制御モジュールであり、ここで、制御モジュールは、VCU又はMCU又はドメインコントローラなどを含んでもよく、BMS、VCUとMCUを含んでもよく、BMS、VCUとMCUが協力してこの充放電制御方法を実行する。本出願では、BMS、VCUとMCUの三者が協力することを例にこの充放電制御方法の完全なプロセスを詳細に説明する。
【0334】
ここで、モータコントローラMCUは、充放電回路におけるスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールを直接制御するものであり、BMS又はVCUが組電池を加熱する必要があると判断する場合、BMS又はVCUは制御命令をMCUに送信してもよく、この制御命令は、組電池が加熱条件を満たしていることを指示するために用いられ、この加熱条件は、組電池の温度が一定の閾値よりも低く且つ組電池の充電状態値SOCが一定の充電閾値よりも大きいなどを含んでもよい。MCUは、BMS又はVCUから送信されたこの制御命令を受信した後に、充放電回路におけるスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに充放電イネーブル信号を送信する。
【0335】
制御モジュールは、充放電イネーブル信号を送信し、充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールのオン又はオフを制御し、充放電回路において交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させることで、交流波形の電流を発生させる。電流が組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、それによって組電池を加熱する目的を達成する。ここで、制御モジュールは、モータコントローラMCU、完成車コントローラVCU、電池管理システムBMS又はドメインコントローラなどのうちのいずれか一つを含む。
【0336】
図9、19-26に示す充放電回路構造には、第一の組電池のみが含まれ、これらの回路構造では、第一の組電池を放電する段階では、エネルギー貯蔵モジュールは電気エネルギーを貯蔵し、充電段階では、エネルギー貯蔵モジュールは、貯蔵された電気エネルギーを第一の組電池に回生する。エネルギー貯蔵モジュールがエネルギーを満タンクに貯蔵した直後に放電する必要があり、電流を一つの安定した加熱電流の大きさに維持することができないため、第一の組電池のみを含む充放電回路において発生させた交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つである。
【0337】
この方法の実施例では、制御モジュールは、充電回路と放電回路を交互に切り替えるように制御するために、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信してもよい。充電回路と放電回路を切り替える周波数を制御することにより、回路全体において発生させた交流電流の周波数を調節することによって、組電池の加熱レートを向上させる。
【0338】
具体的には、制御モジュールは、放電イネーブル信号を送信する時に計時を開始し、所定時間後に充電イネーブル信号を送信してもよい。次に、制御モジュールは、充電イネーブル信号を送信する時に計時を開始し、所定時間後に放電イネーブル信号を再送信するというように、放電イネーブル信号と充電イネーブル信号を順に繰り返し送信する。
【0339】
充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、各組のスイッチアームが上アームと下アームとを含む充放電回路において、交互に切り替わる充電回路と放電回路は、
スイッチモジュールの各組の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第二の切り替え回路と給電モジュールとの間の回路と、スイッチモジュールの各組の下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の切り替え回路と給電モジュールとの間の回路と、交互に切り替えスイッチモジュールの各組の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第二の切り替え回路と給電モジュールとの間の回路と、スイッチモジュールの各組の下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の切り替え回路と給電モジュールとの間の回路とを含む。交互に切り替えることにより充放電回路において交流電流を形成し、交流電流が給電モジュールにおける組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の自己加熱の効果を達成する。
【0340】
一つの実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含む。
図9、19と20に記載の充放電回路において示すように、この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとをオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを遮断し、給電モジュールと第一の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールは、充電イネーブル信号をスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュール制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとをオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、給電モジュールと第一の下アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0341】
上記回路構造について、充放電回路の切り替えは別の実現方式が存在してもよく、即ち第一の段階では、制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームと第一の下アームとをオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の下アームとの間の放電回路を形成する。制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの下アームと第一の上アームとをオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の上アームとの間の充電回路を形成する。
【0342】
別の実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含む。
図21と22に示す充放電回路の構造では、この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームと第五のスイッチとをオンにし、各組のスイッチアームの下アームを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第五のスイッチとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールは、充電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの下アームをオンにし、各組のスイッチアームの上アームと第五のスイッチとを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第三のダイオードとの間の充電回路を形成する。
【0343】
また別の実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、第四のダイオードの陽極は第一の組電池の負極と接続され、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含む。
図23と24に示す充放電回路の構造では、この構造において、加熱周期は第一の段階と第二の段階とを含む。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、第七のスイッチ及び各組のスイッチアームの下アームをオンにし、各組のスイッチアームの上アームを遮断し、給電モジュールと第七のスイッチとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームをオンにし、第七のスイッチと各組のスイッチアームの下アームを遮断し、給電モジュールと第四のダイオードとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0344】
図23と24に示す充放電回路の構造では、第四のダイオードの向きを逆方向に設定し、即ち第四のダイオードの陰極が第一の組電池の負極と接続されてもよい。この変形構造において、加熱周期は第一の段階と第二の段階とを含む。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームをオンにし、第七のスイッチと各組のスイッチアームの下アームを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第四のダイオードとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールは、充電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、第七のスイッチ及び各組のスイッチアームの下アームをオンにし、各組のスイッチアームの上アームを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第七のスイッチとの間の充電回路を形成する。
【0345】
本出願の別のいくつかの実施例では、エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと第二のM相モータとを含み、スイッチモジュールはM相アームを含み、充放電切り替えモジュールはM相アームを含み、第一のM相モータのM相巻線は、スイッチモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、第二のM相モータのM相巻線は、充放電切り替えモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される。
図25と26に示すように、この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、スイッチモジュールのM相アームの上アームと充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンにし、給電モジュールとスイッチモジュールのM相アームの上アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールは、充電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとスイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンにし、給電モジュールとスイッチモジュールのM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0346】
別の実現方式では、ツインモータを含む上記充放電回路構造について、第一の段階では、制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとスイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンにし、給電モジュールとスイッチモジュールのM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、スイッチモジュールのM相アームの上アームと充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンにし、給電モジュールと充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータとスイッチモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0347】
上記では、図面を結び付けながら第一の組電池のみを含む充放電回路の制御方法を記述した。以下では、図面を結び付けながら少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含む充放電回路の制御プロセスを詳細に記述する。
図12-15、28-30に示す充放電回路構造には、第一の組電池と第二の組電池とが含まれ、これらの回路構造の各加熱周期において、一つの段階では、第一の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに充電し、及び第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第二の組電池に同時に充電する可能性がある。別の段階では、第二の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに充電し、及び第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第一の組電池に同時に充電する可能性がある。二重電池の設置は、エネルギー貯蔵モジュールの加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対する拘束を効果的に低減させることができ、二重電池の加熱方式により、電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した加熱電流の大きさに維持することができるように、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの電池に逃がすことができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。加熱電流の大きさを一つの安定した値に維持することができるため、二重組電池の充放電回路において発生させた交流電流の波形は、矩形波又は疑似矩形波である。
【0348】
この方法の実施例では、給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、充電電回路又は放電回路を介して第一の組電池又は第二の組電池を充放電し、充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を形成し、充放電は、第一の組電池と第二の組電池との充放電状態を切り替えることを含み、充放電状態は、第一の組電池を充電するとともに、第二の組電池を放電すること、又は、第一の組電池を放電するとともに、第二の組電池を充電することを含む。
【0349】
二つの組電池を含む実施例では、
図12-15及び28-30に示すように、第二の組電池の第一端は、充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、第二の組電池の第二端は、第一の組電池の第二端、スイッチモジュールの第二端、充放電切り替えモジュールの第二端と同一の線に接続され、第一の組電池の第一端は、スイッチモジュールの第一端と接続され、第一の組電池の第一端と第二の組電池の第一端との間に第十のスイッチが接続されている。制御モジュールは、第一の組電池と第二の組電池が加熱条件を満たしていると決定する場合、第十のスイッチを遮断するように制御し、第一の組電池と第二の組電池とを直列に接続させる。
【0350】
第十のスイッチにより、第一の組電池と第二の組電池との間の接続方式を制御することができる。第十のスイッチが遮断される場合、第一の組電池と第二の組電池とが直列に接続され、第十のスイッチが閉じられる場合、第一の組電池と第二の組電池とが並列に接続される。第一の組電池と第二の組電池を加熱する必要がある場合、第十のスイッチを遮断するように制御することにより、直列に接続される第一の組電池と第二の組電池を加熱する。外部への給電が必要な場合、第十のスイッチを閉じるように制御し、並列に接続される第一の組電池と第二の組電池により外部への給電を行う。
【0351】
一つの実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、エネルギー貯蔵モジュールの一端は、第一の上アームと第一の下アームの接続点と接続され、エネルギー貯蔵モジュールの他端は、スイッチアームの上下アームの接続点と接続される。
図12、13、28-30に示すように、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールから送信された第一のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの下アームをいずれもオンにし、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれも遮断し、第一の組電池と第一の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、第一の組電池をエネルギー貯蔵モジュールへ放電させる。第二の段階では、制御モジュールから送信された第二のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの下アームをいずれも遮断し、第一の組電池と第一の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの上アームと第二の組電池との充電回路を形成し、第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールを第二の組電池へ充電させる。ここで、制御モジュールは、第二の組電池への充電時間を制御するために、各組のスイッチアームの上アームのオン又は下アームのオンを繰り返し切り替えてもよい。
【0352】
さらに、加熱周期は、第三の段階と第四の段階とをさらに含んでもよい。第三の段階では、制御モジュールから送信された第三のイネーブル信号に応答し、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの下アームをいずれも遮断し、第二の組電池と各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の下アームとの間の放電回路を形成し、第二の組電池をエネルギー貯蔵モジュールへ放電させる。第四の段階では、制御モジュールから送信された第四のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの下アームをいずれも遮断し、第二の組電池と各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の上アームと第一の組電池との充電回路を形成し、第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールを第一の組電池へ充電させる。ここで、制御モジュールは、第一の組電池への充電時間を制御するために、第一の上アームのオン又は第一の下アームのオンを繰り返し切り替えてもよい。
【0353】
図12、13、28-30に示す回路構造について、別の制御方式を採用してもよく、即ち第一の段階では、制御モジュールから送信された第一のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの下アームを遮断し、第一の組電池と各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の上アームと第二の組電池との間の充放電回路を形成し、第一の組電池をエネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールを第二の組電池へ充電させる。第二の段階では、制御モジュールから送信された第二のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、第一の組電池と第一の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの上アームと第二の組電池との充放電回路を形成し、第二の組電池をエネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールを第一の組電池へ充電させる。
【0354】
別の二重組電池の実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、エネルギー貯蔵モジュール250の第一端は、スイッチモジュールの第一端と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端は、充放電切り替えモジュールの第一端と接続される。
図14に示すように、スイッチモジュールの第一端と充放電切り替えモジュールの第一端は、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールの、第一の組電池の正極と同一の線に接続される端であってもよい。この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールから送信された第一のイネーブル信号に応答し、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを同時にオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、第一の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電する回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールから送信された第二のイネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの下アーム及び第一の下アームを同時にオンにし、各組のスイッチアームの上アーム及び第一の上アームを遮断し、第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第二の組電池へ充電する回路を形成する。
【0355】
さらに、上記加熱周期は、第三の段階と第四の段階とをさらに含んでもよい。第三の段階では、制御モジュールから送信された第三のイネーブル信号に応答し、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを同時にオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを遮断し、第二の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電する回路を形成する。第四の段階では、制御モジュールから送信された第四のイネーブル信号に応答し、第一の下アームと各組のスイッチアームの下アームとを同時にオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの上アームを遮断し、第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第一の組電池へ充電する回路を形成する。
【0356】
本出願の実施例は、別の二重組電池を含む充放電回路の制御方式をさらに提供し、この充放電回路において、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、エネルギー貯蔵モジュール250の第一端は、スイッチモジュールの第二端と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端は、充放電切り替えモジュールの第二端と接続される。
図15に示すように、スイッチモジュールの第二端及び充放電切り替えモジュールの第二端は、いずれも第一の組電池の負極と同一の線に接続される端であってもよい。
【0357】
この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールから送信された第一のイネーブル信号に応答し、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを同時にオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、第二の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電する回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールから送信された第二のイネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アーム及び第一の上アームを同時にオンにし、各組のスイッチアームの下アーム及び第一の下アームを遮断し、第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第一の組電池へ充電する回路を形成する。
【0358】
上記加熱周期は、第三の段階と第四の段階とをさらに含んでもよい。第三の段階では、制御モジュールから送信された第三のイネーブル信号に応答し、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを同時にオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを遮断し、第一の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電する回路を形成する。第四の段階では、制御モジュールから送信された第四のイネーブル信号に応答し、第一の上アームと各組のスイッチアームの上アームを同時にオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第二の組電池へ充電する回路を形成する。
【0359】
制御モジュールは、予め設定される周波数でスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに上記第一のイネーブル信号と第二のイネーブル信号を送信し、又は予め設定される周波数で上記第三のイネーブル信号と第四のイネーブル信号を送信し、又は予め設定される周波数で上記第一のイネーブル信号、第二のイネーブル信号、第三のイネーブル信号と第四のイネーブル信号を送信してもよい。それによって二重組電池を含む充放電回路において、一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電し、及びこの組電池及びエネルギー貯蔵モジュールが別の組電池に同時に充電するように交互に制御する。
【0360】
本出願のいくつかの実施例では、エネルギー貯蔵モジュールと充放電切り替えモジュールとの間に第九のスイッチ、
図21と23におけるスイッチKが接続されている。制御モジュールが、給電モジュールに含まれる組電池が加熱条件を満たしていると決定する場合、まず第九のスイッチを閉じるように制御し、それからスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御することによって、充放電回路において放電回路と充電回路を交互に切り替える。充放電プロセスにおいて、制御モジュールはさらに、給電モジュールに含まれる組電池が加熱停止条件を満たすかどうかをリアルタイムで監視し、この加熱停止条件は、組電池の温度が所望の温度に達したこと、又は組電池の温度上昇が異常であることなどを含んでもよい。制御モジュールが、組電池が加熱停止条件を満たしていると決定する場合、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールが現在の充電回路又は放電回路を遮断するように制御するとともに、第九のスイッチを遮断するように制御する。
【0361】
本出願の実施例では、制御モジュールが、充放電回路が給電モジュールに含まれる組電池を加熱するように制御する前に、まず給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する。各組電池の充電状態値が予め設定される閾値以上であると決定する場合、制御モジュールは、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0362】
即ち、組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値よりも大きい場合にのみ組電池を加熱し、組電池の電力量が低すぎて加熱に必要な放電電気エネルギーをサポートできない状況を回避する。
【0363】
上記の、給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する前に、制御モジュールはさらに、給電モジュールの温度が予め設定される温度閾値よりも小さいかどうかを決定する必要がある。組電池の温度が予め設定される温度閾値よりも小さい時に、放電容量が大幅に低下し、且つ組電池が低温環境でも充電できないため、給電モジュールの温度が予め設定される温度閾値よりも小さいと決定する場合に、給電モジュールの組電池を加熱する必要があり、この時、さらに給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定し、各組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であると決定する場合、充放電回路が組電池を加熱するように制御する。
【0364】
ここで、予め設定される充電閾値は、加熱プロセスにおいて組電池の放電をサポートするために必要な最小充電量であってもよい。
【0365】
エネルギー貯蔵モジュールが車両自体のモータを直接使用して加熱プロセスに参加する実施の形態では、加熱プロセスはモータの正常な運行に影響を与え、車両走行に影響を与える可能性がある。そのため、モータをエネルギー貯蔵モジュールとして使用する充放電回路構造において、制御モジュールはスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに充放電イネーブル信号を送信する前に、モータの作動状態をさらに取得し、この作動状態は、VCUによって取得されてもよく、MCUによって取得されてもよい。取得された作動状態が、モータが現在駆動状態にあることを指示する場合、制御モジュールは、モータの正常な運転に影響を与えないように、組電池の加熱プロセスを起動しない。取得された作動状態が、モータが現在非駆動状態にあることを指示する場合、制御モジュールは、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0366】
本出願の別のいくつかの実施例では、制御モジュールはさらに、動力電池加熱システムが故障しているかどうかを検出し、モータが非駆動状態にあり、且つ動力電池加熱システムが故障していない場合、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに充放電イネーブル信号を送信する。
【0367】
説明すべきこととして、本出願の実施例では、電池加熱システムが故障していることは、モータ、モータコントローラ、スイッチモジュール及び熱伝導回路などのうちのいずれか一つに故障が発生していることである。一方、熱伝導回路に故障が発生していることは、相互接続弁の破損、熱伝導回路における媒体の不足などの問題を含むが、それらに限らない。
【0368】
選択的に、シフト位置情報とモータ回転数情報を取得し、これに基づいてモータが駆動状態にあるか非駆動状態にあるかを判断してもよい。具体的には、現在のシフト位置がPレンジであり且つ車速が0であると判定する場合、モータが非駆動状態にあることを示し、現在のシフト位置がPレンジではなく又は車速が0ではないと判定する場合、モータが駆動状態にあることを示す。
【0369】
シフト位置情報とモータ回転数情報により判断し、いずれか一つの条件を満たさない場合、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに充放電イネーブル信号を送信せず、車両が正常な走行状態で動力電池を加熱し、さらに車両性能に影響を与えることを防止する。
【0370】
車両に搭載されたモータを加熱に使用しない充放電回路では、組電池の加熱がモータの正常な運行に影響しないため、車両静止又は車両走行のプロセスにおいて、いずれも組電池を加熱することができる。
【0371】
本出願のいくつかの実施例では、上記制御モジュールはモータコントローラMCUであり、車両コントローラVCUが組電池を加熱する必要があることを検出すると、車両コントローラは制御信号をMCUに発生する。MCUは、車両コントローラから送信された制御信号を受信する。MCUはこの制御信号を解析し、給電モジュールに加熱することをこの制御信号が指示すると決定する場合、制御モジュールは、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0372】
別のいくつかの実施例では、上記制御モジュールは車両コントローラVCU又はモータコントローラMCUである。電池管理システムBMSは、組電池を加熱する必要があり且つ加熱条件を満たしていることを検出すると、要求データをVCUに送信し、VCUはこの要求データを受信し、この要求データが給電モジュールのみが加熱条件を満たしている場合、VCUは、MCUのみが加熱を起動するための制御命令をMCUに送信する。MCUは、この制御命令を受信した後に、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0373】
又は、BMSが組電池を加熱する必要があり且つ加熱条件を満たしていることを検出すると、電池管理システムは要求データをMCUに直接送信する。MCUは、電池管理システムから送信された要求データを受信し、この要求データを解析し、給電モジュールが加熱条件を満たしていることをこの要求データが指示すると決定する場合、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0374】
上記いずれか一つの実施例により、給電モジュールに含まれる組電池を加熱するプロセスにおいて、制御モジュールは、給電モジュールに含まれる各組電池の温度が加熱停止条件を満たすかどうかを決定するために、リアルタイムで各組電池の状態をさらに監視し、加熱停止条件は、組電池が予め設定される温度に達していること又は組電池の温度上昇が異常であることを含む。組電池の温度が加熱停止条件を満たしていると決定する場合、制御モジュールは、充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに加熱停止信号を送信し、加熱停止信号は、充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールが現在の充放電回路を遮断するようにトリガーする。それによって組電池の温度が予め設定される温度まで上昇し、又はいずれか一つの組電池の温度上昇が異常となった場合に、タイムリーで加熱プロセスを停止し、加熱し続けによる組電池又は充放電回路における他のデバイスの破損を回避することができる。
【0375】
本出願の別のいくつかの実施例では、充放電システムは、充電装置をさらに含み、
図33-35に示すように、これらの図に示す回路構造に加えて、上記の他の各実施例における充放電回路においては、いずれも充電装置が接続されてもよく、この充電装置は、充放電回路を介して給電モジュールに含まれる組電池を充電するために用いられる。
【0376】
この充電装置は、充電スタンド、充電機又は他の電動車両などであってもよい。充電装置と給電モジュールとの間の充電回路に、充電装置の出力電圧と給電モジュールの組電池の需要電圧とがマッチングしない可能性があり、充電装置の電圧が組電池の需要電圧よりも高いか又は低い場合がある。これに基づいて、本出願の実施例は、充放電回路を利用して充電装置と組電池との間の充電電圧を調節してもよい。
【0377】
具体的には、充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも低い場合、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御し、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールに充電する回路、及び充電装置とエネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに同時に充電する回路を形成する。充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも高い場合、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御し、充電装置が給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールに充電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに充電する回路を形成する。
【0378】
図33-35に示すように、エネルギー貯蔵モジュールとスイッチモジュールと接続される端は、第一のスイッチチューブを介して充電装置の一端と接続され、スイッチモジュールの第二端は、充電装置の他端と接続される。スイッチモジュールの第二端は、スイッチモジュールと第一の組電池の負極と接続される端であってもよい。充電装置は、加熱モジュールを介して給電モジュールに充電するために用いられ、加熱モジュールは、スイッチモジュール及びエネルギー貯蔵モジュールを含む。スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と第二の切り替え回路とを含む。
【0379】
充電装置と充放電回路の上記接続構造に基づいて、制御モジュールは各組のスイッチアームの上アームを遮断するように制御する。充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも低い場合、第一の段階では、第二の切り替え回路と第一のスイッチチューブとをオンに、第一の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、充電装置、エネルギー貯蔵モジュールと第二の切り替え回路を含む回路を形成し、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールに充電するために用いられる。また、第二の段階では、第一の切り替え回路と第一のスイッチチューブとをオンに、第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、充電装置、エネルギー貯蔵モジュール、第一の切り替え回路と給電モジュールを含む回路を形成し、充電装置とエネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに同時に充電するために用いられる。
【0380】
一つの実現方式では、スイッチモジュールの各組のスイッチアームの下アームに、並列に接続されるスイッチとダイオードとが含まれる。充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも高い場合、第一の段階では、制御モジュールは、第一の切り替え回路と第一のスイッチチューブを閉じ、第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームを遮断するように制御し、充電装置、エネルギー貯蔵モジュール、第一の切り替え回路と給電モジュールを含む回路を形成し、充電装置が給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールに充電するために用いられる。また、第二の段階では、第一の切り替え回路を閉じ、第二の切り替え回路、各組のスイッチアームの下アームと第一のスイッチチューブを遮断するように制御し、エネルギー貯蔵モジュール、第一の切り替え回路、給電モジュールと各組のスイッチアームの下アームにおけるダイオードを含む回路を形成し、エネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに充電するために用いられる。
【0381】
本出願の実施例による組電池の加熱の制御フローを理解しやすくするために、以下では、モータを利用して電池を加熱する実施の形態を例に、図面36を結び付けながら簡単に説明する。
図36に示すように、電池加熱制御プロセスは、以下のステップを含む。
【0382】
S601、BMSは、電池パックの温度、SOC、電圧信号及び電流信号などを含む電池パラメータを収集する。
【0383】
S602、BMSは、電池の各パラメータに基づいて加熱条件を満たすかどうかを判断し、満たす場合、SOC状態に基づいて該当する加熱要求をVCUに送信し、例えばVCUに予め設定される温度まで加熱する時に必要な電力を送信する。
【0384】
S603、BMS又はVCUは、電池SOCが第一の閾値よりも大きいかどうかを判断する。
【0385】
S604、SOCが第一の閾値よりも大きい場合、モータ回路を流れる交流電流によって発生する熱を利用して動力電池を加熱する。
【0386】
S605、SOCが第一の閾値以下である場合、モータ回路を流れる直流電流によって発生する熱を利用して動力電池を加熱する。
【0387】
S604の後に、VCUは第一のモータの現在作動状態を読み取る。
【0388】
例えば、第一のモータが駆動状態(即ち作動状態)にある場合、VCUは駆動信号をモータコントローラに送信する。この時、モータコントローラは、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールイネーブル信号を送信し、スイッチモジュールのM相アームの上アーム又は下アームをオンに、及び充放電切り替えモジュールの第一の切り替え回路又は第二の切り替え回路をオンに制御する。
【0389】
一つの例では、モータコントローラは周期的にイネーブル信号を送信し、それによってスイッチモジュールのアーム及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御し、さらに充電回路と放電回路の切り替えを実現し、動力電池電流のインバータ制御を実現する。
【0390】
S606、BMSは組電池の温度異常の有無を判断し、ある場合、温度上昇が異常となった情報をVCUに送信し、VCUは温度上昇が異常となった情報をモータコントローラに転送し、加熱を停止する。
【0391】
S607、S606で温度上昇に異常がないと判断する場合、BMSは組電池の温度が要求に達しているかどうかを判断し、要求に達している場合、VCUは加熱停止情報をモータコントローラに転送し、加熱を停止し、そうでなければ、S601~S606のステップを繰り返す。
【0392】
本出願の実施例は、比較的低温の動力電池を加熱するシナリオに用いられてもよい。例えば、動力電池を加熱することにより、動力電池の温度を上昇させ、組電池が正常に使用可能な温度に到達させる具体的なシナリオに用いられてもよい。具体的には、本出願の実施例では、電池充電状態(State Of Charge、SOC)が第一の閾値よりも大きい場合、回路を流れる電流を交流電流に変調し、交流電流を利用して動力電池の内部抵抗により発熱させてもよく、それによって動力電池を加熱し、加熱効率を向上させることができ、電池SOCが第一の閾値未満である場合、即ち電池の電力量が不足している場合、直流電流を利用して巻線に熱を発生させて動力電池を加熱することにより、電力量消費を低減させ、動力電池加熱システムの柔軟性を向上させることができる。
【0393】
図37は、本出願の実施例の充放電システムの制御回路700の概略的ブロック図を示す。
図37に示すように、制御回路700はプロセッサ710を含み、選択的に、制御回路700は、メモリ720をさらに含み、ここで、メモリ720は命令を記憶するために用いられ、プロセッサ710は、命令を読み取って命令に基づいて前述の本出願の様々な実施例の制御方法を実行するために用いられる。
【0394】
本出願の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供し、前述の本出願の様々な実施例の方法を実行するためのコンピュータプログラムを記憶するために用いられる。
【0395】
当業者であれば意識できるように、本明細書に開示された実施例を結び付けて記述された各例のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせで実現されることができる。これらの機能がハードウェア方式で実行されるかソフトウェア方式で実行されるかは、技術案の特定の応用及び設計拘束条件によるものである。当業者は、各特定の応用に対して異なる方法を使用して、記述された機能を実現することができるが、このような実現は、本出願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0396】
当業者であればはっきりと分かるように、記述の利便性および簡潔性のために、以上に記述されたシステム、装置とユニットの具体的な作動プロセスは、前述方法の実施例における対応するプロセスを参照すればよく、ここでこれ以上説明しない。
【0397】
本出願によるいくつかの実施例では、掲示されたシステム、装置と方法が他の方式によって実現され得ると理解すべきである。例えば、以上に記述された装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、例えば前記ユニットの区分は、単なる論理的機能区分であり、実際に実現する時、別の区分方式があってもよく、例えば複数のユニット又はアセンブリは、別のシステムに結合されてもよく、又は統合されてもよく、又はいくつかの特徴が無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。また、表示又は討論された同士間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、いくつかのインターフェース、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、又は他の形式であってもよい。
【0398】
前記分離部材として説明されたユニットは、物理的に分離されてもよく、又は分離されなくてもよく、ユニットとして表示された部材は、物理的ユニットであってもよく、又はそうではなくてもよく、一つの箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又はすべてのユニットを選択して本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0399】
また、本出願の各実施例における各機能ユニットが一つの処理ユニットに統合されてもよく、各ユニットが物理的に単独で存在してもよく、二つ以上のユニットが一つのユニットに統合されてもよい。
【0400】
前記機能がソフトウェア機能ユニットの形式で実現されかつ独立した製品として販売又は使用される場合、一つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解を踏まえて、本出願の技術案は、実質には又は従来の技術に寄与した部分又は技術案の部分がソフトウェア製品の形式によって具現化されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体に記憶され、一台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例の前記方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。前述した記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶可能な媒体を含む。
【0401】
上述したように、本出願の具体的な実施の形態に過ぎず、本出願の保護範囲はこれに限らず、いかなる当業者が本出願に掲示された技術範囲内で容易に想到できる変化又は置き換えは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。そのため、本出願の保護範囲は、特許請求の保護範囲に準ずるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に充放電回路、システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー密度が高く、サイクル充電が可能で、安全で環境にやさしいなどの利点があるため、動力電池は、新エネルギー自動車、コンシューマエレクトロニクス、エネルギー貯蔵システムなどの分野に広く応用される。
【0003】
しかしながら、低温環境で動力電池の使用は一定の制限を受けている。具体的には、低温環境での動力電池の放電容量が大幅に低下し、及び低温環境で電池が充電できない。そのため、動力電池を正常に使用できるように、低温環境で動力電池を加熱する必要がある。
【0004】
従来の動力電池加熱技術は、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、モータの振動雑音が過大になるという問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、動力電池に対する加熱を実現するとともに、モータ回路を利用して電池を加熱する時のモータの振動雑音を効果的に抑制できる充放電回路、システム及びその制御方法を提供する。
【0006】
第一の態様によれば、充放電回路を提供し、この充放電回路は、給電モジュールと、加熱モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、
前記加熱モジュールは、エネルギー貯蔵モジュール及びスイッチモジュールを含み、
前記少なくとも第一の組電池と、前記スイッチモジュールと、前記充放電切り替えモジュールとは、並列に接続され、
前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールと接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続され、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において交流波形の電流を発生させるために用いられる。
【0007】
上記充放電回路において充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールを制御し、給電モジュールに含まれる少なくとも第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールとの間に、交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充電回路と放電回路が交互に切り替わるプロセスにおいて、充放電回路に交流波形の電流が発生し、この交流波形の電流が給電モジュールに含まれる少なくとも第一の組電池を流れ、少なくとも第一の組電池の電池の内部抵抗を発熱させ、それによって給電モジュールに含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0008】
そして、充放電回路において、電気自動車のモータを利用せずに電池を加熱することができ、電池を加熱するプロセスにおいて、モータが加熱プロセスにおいて充放電回路における電流の周波数の影響を受けることなく、動力電池を加熱するプロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという従来の技術問題を解決した。そしてこの充放電回路を利用して電池を加熱すると、モータは、動力自動車を正常に駆動して走行させることによって、走行加熱を実現することができる。
【0009】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路との接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路は、前記充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフされるために用いられる。
【0010】
この実現方式では、充放電切り替えモジュールは二つの切り替え回路を含み、それによってこの二つの切り替え回路を利用して充放電回路を制御し、充電回路又は放電回路を形成する。具体的には、第一の切り替え回路、第二の切り替え回路とスイッチモジュールのオン又は遮断を制御することにより、給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールとの間に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充放電回路において交流波形の電流を発生させ、それによって給電モジュールに含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0011】
第一の切り替え回路と第二の切り替え回路との接続点は、エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、スイッチモジュールと接続され、このように、スイッチモジュール、第一の切り替え回路と第二の切り替え回路を合理的に制御することにより、給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールとの間で交互に充放電することを実現することができ、それによって給電モジュールにおける組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の内部から自己加熱を行う効果を達成し、組電池の内部から加熱すると、加熱効率がより高くなる。
【0012】
一つの実現方式では、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、
前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の上アームと前記第一の下アームとは、前記充放電イネーブル信号のトリガーでオン又は遮断されるために用いられる。
【0013】
上記第一の上アーム、第一の下アームとスイッチモジュールのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路において交流波形の電流を発生させ、それによって給電モジュールに含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0014】
一つの実現方式では、前記第一の上アームは、並列に接続される第一のスイッチと、第一のダイオードとを含み、前記第一の下アームは、並列に接続される第二のスイッチと、第二のダイオードとを含み、
前記第一のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第一のダイオードの陽極は、前記第二のダイオードの陰極と接続され、前記第二のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続される。
【0015】
上記第一のダイオードと第二のダイオードとは、フリーホイールダイオードであってもよく、フリーホイールダイオードは一般的に、インダクタに合わせて使用される。インダクタの電流が急激に変化すると、インダクタ両端の電圧が急変し、回路の他の素子を損傷する可能性がある。しかし、フリーホイールダイオードに合わせて使用される場合、インダクタの電流が比較的穏やかに変化し、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。そのため、第一の上アームと第一の下アームとは、いずれも並列に接続されるスイッチとフリーホイールダイオードの構造を採用し、スイッチ機能を実現することもできるし、第一の上アームと第一の下アームにおけるスイッチのオン又は遮断を制御することにより、充電回路と放電回路の切り替えを実現することもできる。第一の上アームと第一の下アームにおけるフリーホイールダイオードにより急激な電圧変化を回避し、充放電回路全体の安全性を向上させることもできる。
【0016】
そして、第一の上アームと第一の下アームとがいずれも上記並列に接続されるスイッチ及びダイオードを含む構造では、充放電切り替えモジュールが回路のオンオフを制御する面でより多くの組み合わせ制御方式を有することができ、制御はより柔軟で変化に富んでおり、異なるデバイスのオン又は遮断を合理的に制御することにより、充放電回路に充電回路又は放電回路を形成することもできるし、異なるデバイスの使用周波数をバランスさせ、充放電切り替えモジュールに含まれる各デバイスの耐用年数を向上させることもできる。
【0017】
一つの実現方式では、前記第一の上アームは第三のスイッチを含み、前記第一の下アームは第四のスイッチを含む。
【0018】
第一の上アームと第一の下アームとはスイッチのみを含み、充放電回路に充電回路又は放電回路を形成するために、充放電切り替えモジュールがより簡単に回路のオンオフを制御することを可能にし、それによって組電池の加熱を実現する。そして、充放電回路のコストを低減させることができる。
【0019】
一つの実現方式では、前記第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、
前記第三のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第三のダイオードの陽極は、前記第五のスイッチの一端と接続され、前記第五のスイッチの他端は、前記第一の組電池の負極と接続される。
【0020】
充放電切り替えモジュールは、直列に接続される一つのダイオードと一つのスイッチを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要とせず、一つのダイオードと一つのスイッチを採用する構造の制御ポリシーは、より簡単である。
【0021】
一つの実現方式では、前記第一の切り替え回路は、第六のスイッチをさらに含み、前記第六のスイッチの一端は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第六のスイッチの他端は、前記第三のダイオードの陰極と接続される。
【0022】
第六のスイッチは、電池を加熱する必要がないシナリオで電流が第三のダイオードから流れる状況を防止するために設置されるものであり、加熱の必要がないシナリオで電流が第三のダイオードから流れることによる回路故障を防止し、回路における電気デバイスの耐用年数を向上させることができる。
【0023】
一つの実現方式では、前記第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、
前記第七のスイッチの一端は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第七のスイッチの他端は、前記第四のダイオードの陰極と接続され、前記第四のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続される。
【0024】
この実現方式では、充放電切り替えモジュールは、直列に接続される一つのダイオードと一つのスイッチを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要とせず、制御ポリシーがより簡単であり、例えばこの充放電切り替えモジュールは、充放電回路において充電回路又は放電回路を柔軟に切り替え、それによって充放電回路に交流電流を形成することができる。
【0025】
一つの実現方式では、前記第二の切り替え回路は、第八のスイッチをさらに含み、
前記第八のスイッチは、前記第四のダイオードと前記第一の組電池の負極との間に直列に接続される。
【0026】
第八のスイッチは、電池を加熱する必要がないシナリオで電流が第四のダイオードから流れる状況を防止するために設置されるものであり、加熱の必要がないシナリオで電流が第四のダイオードから流れることによる回路故障を防止し、回路における電気デバイスの耐用年数を向上させることができる。
【0027】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールは第一のエネルギー貯蔵素子を含み、前記第一のエネルギー貯蔵素子は少なくとも一つのインダクタを含み、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第一端は、前記スイッチモジュールと接続され、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続される。
【0028】
この実現方式では、エネルギー貯蔵モジュールは、第一のエネルギー貯蔵素子のみを含んでもよく、第一のエネルギー貯蔵素子は、一つ又は複数のインダクタを含んでもよい。第一のエネルギー貯蔵素子を設置することにより、充放電回路に放電回路が形成される時に給電モジュールが放出する電気エネルギーは、第一のエネルギー貯蔵素子に貯蔵されてもよい。充放電回路を充電回路に切り替えると、第一のエネルギー貯蔵素子は、その貯蔵された電気エネルギーを給電モジュールに再充電し、それによって給電モジュールに交流電流を流れ、給電モジュールにおける組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の内部から加熱する効果を実現することができ、外部から組電池を加熱することに対して、組電池の内部を自己発熱させる自己加熱方式は、加熱効果がより優れる。
【0029】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第二のエネルギー貯蔵素子をさらに含み、前記第二のエネルギー貯蔵素子は、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端と前記充放電切り替えモジュールとの間に接続される。
【0030】
第一のエネルギー貯蔵素子と充放電切り替えモジュールとの間に、第二のエネルギー貯蔵素子が追加され、第一のエネルギー貯蔵素子は、第二のエネルギー貯蔵素子と直列に接続される。このように充放電回路に放電回路が形成される時に、給電モジュールが放出する電気エネルギーを、第一のエネルギー貯蔵素子と第二のエネルギー貯蔵素子とにより共同で貯蔵してもよく、それによってより多くのエネルギーを貯蔵することができる。充放電回路を充電回路に切り替えると、第一のエネルギー貯蔵素子と第二のエネルギー貯蔵素子とは、貯蔵された電気エネルギーを給電モジュールの組電池に再充電する。このように充放電の電気エネルギーがより多いため、それによって充放電回路においてより大きな充放電電流を形成することができ、電流が大きいほど、組電池を流れる時に電池の内部抵抗により発生する熱が多くなり、それによって組電池の温度上昇速度を向上させ、電池の自己加熱の効率を向上させ、組電池の温度を最も速い速度で所望の温度まで上昇させることができる。そして充放電のエネルギーが多ければ多いほど、電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0031】
一つの実現方式では、前記第二のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのインダクタ及び/又はキャパシタを含む。様々なエネルギー貯蔵機能を有する電気デバイスにより第二のエネルギー貯蔵素子を実現し、充放電回路の回路構造の変形をより多くし、充放電回路構造に対する異なるユーザの需要又は工業生産の需要を満足させる。
【0032】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールとの間に、第九のスイッチが接続されており、前記第九のスイッチは、前記第二のエネルギー貯蔵素子と直列に接続される。
【0033】
第九のスイッチは、エネルギー貯蔵モジュール、第二のエネルギー貯蔵素子及びスイッチモジュールなどの部材の正常な作動に保護を提供するために用いられる。加熱モードで第一の切り替え回路及び/又は第二の切り替え回路が故障して降伏又は短絡が発生すると、遮断エネルギー貯蔵モジュールと第二のエネルギー貯蔵素子と給電モジュールとの間の接続を遮断することを確保し、エネルギー貯蔵モジュールと第二のエネルギー貯蔵素子とが、給電モジュールと短絡する状況を回避する必要があり、第九のスイッチを遮断するように制御することにより、このような場合に存在する短絡リスクを効果的に回避することができる。
【0034】
一つの実現方式では、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールにおける第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチアームの数と等しく、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチアームと一対一に対応して接続され、
各前記エネルギー貯蔵デバイスの第二端の接続点は、前記充放電切り替えモジュールと接続される。
【0035】
この実現方式ではスイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、スイッチアームは対称構造であり、各組のスイッチアーム及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって充放電回路において交流波形の電流を形成し、この電流が組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、動力電池の自己加熱の効果を実現する。スイッチアームの制御方式は簡単である。第一のエネルギー貯蔵素子に含まれるエネルギー貯蔵デバイスは、スイッチアームと一対一に対応して接続される。充放電回路におけるエネルギー貯蔵モジュールのエネルギー貯蔵規模を拡張する拡張方式を提供し、エネルギー貯蔵デバイス及びスイッチアームが少ない場合に、組電池の自己加熱を実現する前提で製品コストを低減させることができる。一方、エネルギー貯蔵デバイス及びスイッチアームが多い場合に、制御複雑度は明らかに増加しないが、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギー貯蔵量は著しく増加する。エネルギー貯蔵量の増加は、充放電回路においてより大きな充放電電流を形成することができ、組電池を流れる時に電池の内部抵抗が発生する熱が多くなり、それによって組電池の温度上昇速度を向上させ、電池の自己加熱の効率を向上させ、組電池の温度を最も速い速度で所望の温度まで上昇させることができる。そして充放電のエネルギーが多ければ多いほど、電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0036】
一つの実現方式では、前記スイッチモジュールは第一のスイッチアームを含み、前記第一のスイッチアームは、直列に接続される第二の上アームと第二の下アームとを含み、
前記第一のスイッチアームの第一端と、前記充放電切り替えモジュールの第一端と、前記給電モジュールの第一端とは、同一の線に接続され、
前記第一のスイッチアームの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端と、前記給電モジュールの第二端とは、同一の線に接続される。
【0037】
スイッチモジュールは、一つのスイッチアームを採用するだけで充放電回路による電池加熱機能を実現し、充放電回路のコストを減少することができる。第二の上アーム、第二の下アーム及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することができる。
【0038】
一つの実現方式では、前記第一のエネルギー貯蔵素子は、インダクタ及び/又はキャパシタを含み、
前記第二の上アームと前記第二の下アームとの接続点は、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第一端と接続され、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続される。
【0039】
この実現方式では、第一のエネルギー貯蔵素子の一端を第二の上アームと第二の下アームとの接続点に接続し、第一のエネルギー貯蔵素子の他端を充放電切り替えモジュールと接続し、それによって第二の上アームと第二の下アーム及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御することにより、第一のエネルギー貯蔵素子と給電モジュールとの間の回路を充電回路又は放電回路に柔軟に切り替えることができる。
【0040】
一つの実現方式では、各組の前記スイッチアームは、いずれも上アームと下アームとを含み、且つ上アームと下アームは、いずれも並列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、又は、上アームと下アームは、いずれもスイッチを含む。
【0041】
上記ダイオードは、フリーホイールダイオードであってもよく、フリーホイールダイオードは一般的に、インダクタに合わせて使用される。インダクタの電流が急激に変化すると、インダクタ両端の電圧が急変し、回路の他の素子を損傷する可能性がある。しかし、フリーホイールダイオードに合わせて使用される場合、インダクタの電流が比較的穏やかに変化し、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。そのため、第二の上アームと第二の下アームとは、いずれも並列に接続されるスイッチとダイオードの構造を採用し、スイッチ機能を実現することもできるし、第二の上アームと第二の下アームにおけるスイッチのオン又は遮断を制御することにより、充電回路と放電回路の切り替えを実現することができる。第二の上アームと第二の下アームにおけるダイオードにより急激な電圧変化を回避し、充放電回路全体の安全性を向上させることもできる。そして、第二の上アームと第二の下アームがいずれも上記並列に接続されるスイッチ及びダイオードを含む構造では、回路のオンオフを制御する面でより多くの組み合わせ制御方式を有することができ、制御はより柔軟で変化に富んでおり、異なるデバイスのオン又は遮断を合理的に制御することにより、充放電回路に充電回路又は放電回路を形成することもできるし、異なるデバイスの使用周波数をバランスさせ、充放電切り替えモジュールに含まれる各デバイスの耐用年数を向上させることもできる。
【0042】
一方、第二の上アームと第二の下アームがスイッチのみを含む実現方式では、充放電回路に充電回路又は放電回路を形成するために、より簡単に回路のオンオフを制御でき、それによって組電池の加熱を実現する。そして、充放電回路のコストを低減させることができる。
【0043】
一つの実現方式では、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチレッグを含み、前記少なくとも一組のスイッチレッグは、直列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールにおける第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチレッグの数に等しく、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチレッグと一対一に対応して接続される。
【0044】
この実現方式では、スイッチモジュールには、直列に接続されるスイッチとダイオードから構成されるスイッチレッグが含まれ、直列に接続される一つのダイオードと一つのスイッチを採用し、2つのスイッチチューブから構成されるスイッチアームを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要とせず、一つのダイオードと一つのスイッチを採用する構造の制御ポリシーは、より簡単である。また、スイッチモジュールのより多くの構造変形を提供し、充放電切り替えモジュールの異なる変形構造は、より様々な充放電回路の具体的な回路構造となるように組み合わせることによって、充放電回路構造に対する異なるユーザの需要又は工業生産の需要を満足させることができる。
【0045】
一つの実現方式では、前記スイッチレッグにおけるダイオードの陰極は、前記給電モジュールの正極と接続され、前記スイッチレッグにおけるダイオードの陽極は、前記給電モジュールの負極と接続される。
【0046】
この実現方式では、スイッチレッグにおけるダイオードの陰極は、給電モジュールの正極と接続され、ダイオードの陰極は、電流をオフにし、給電モジュールの正極と負極との間がダイオードを介して順方向に直接オンになることを防止し、充放電回路の安全性を向上させることができる。
【0047】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールはM相モータを含み、前記スイッチモジュールはM相アームを含み、Mは正の整数であり、
ここで、前記M相アームと、前記給電モジュール及び前記充放電切り替えモジュールとは、並列に接続され、
前記M相アームの上下アームの接続点は、それぞれ前記M相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールは、前記M相巻線の接続点と接続される。
【0048】
この実現方式では、電気自動車に備え付けられたモータを利用して組電池を加熱し、モータの利用率を向上させ、組電池を加熱するコストを低減させた。そして、M相モータは、スイッチモジュールに含まれるM相アームに接続されるだけでなく、充放電切り替えモジュールにも接続され、M相アームを流れる電流が、同時にM相モータのすべての巻線に流入し、且つすべての巻線の他端から流出することができ、それによってM相モータのすべての巻線を流れる電流は、方向の異なる交流電流ではなく、同じ方向及び同じ大きさの電流であってもよい。そのため、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、モータの振動雑音が過大になるという問題を効果的に低減させることができる。
【0049】
一つの実現方式では、前記M相モータは、第一のM相モータ及び第二のM相モータを含み、
前記第一のM相モータのM相巻線の接続点は、前記第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される。
【0050】
一つの実現方式では、前記スイッチモジュールのM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ前記第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。
【0051】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールはM相アームを含み、前記充放電切り替えモジュールのM相アームにおける上下アームの接続点は、それぞれ前記第二のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。
【0052】
ツインモータを有する電力消費機器について、二つのモータを利用して組電池を加熱してもよく、そのうちの一つのモータのインバータはスイッチモジュールに相当し、別のモータのインバータは充放電切り替えモジュールに相当する。二つのモータの巻線はエネルギー貯蔵モジュールに相当する。二つのモータのインバータにおける各アームのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路において充電回路と放電回路を交互に切り替える。
【0053】
第一のM相モータの各相巻線に流入する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第一のM相モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。類似的に、第二のM相モータの各相巻線から流出する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第二のM相モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0054】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは第一の組電池を含み、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、充放電イネーブル信号に応答するために用いられ、前記充放電回路において発生させた交流電流の波形は、三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つを含む。
【0055】
この実現方式では、給電モジュールは一つの組電池を含み、組電池とエネルギー貯蔵モジュールとの間で交互に充放電を行い、エネルギー貯蔵モジュールがエネルギーを満タンクに貯蔵した直後に放電する必要があるため、加熱電流の大きさが絶えず変化するため、第一の組電池のみを含む充放電回路において発生させた交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つである。
【0056】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、第一の充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を発生させるために用いられ、又は、第二の充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つの波形の交流電流を発生させるために用いられ、
ここで、前記第一の充放電イネーブル信号に対応する充放電周波数は、前記第二の充放電イネーブル信号に対応する充放電周波数よりも大きい。
【0057】
この実現方式では、給電モジュールは少なくとも二つの組電池を含み、各加熱周期に、一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュールに充電し、及びこの組電池とエネルギー貯蔵モジュールが別の組電池に同時に充電する。二重組電池の設置は、エネルギー貯蔵モジュールの加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対する拘束を効果的に低減させることができ、二重組電池の加熱方式により、組電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した且つ比較的大きい加熱電流の大きさに維持することができるように、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの組電池に逃がすことができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。加熱電流の大きさを一つの安定した値に維持することができるため、二重組電池の充放電回路において発生させた交流電流の波形は、矩形波又は疑似矩形波である。別の実現方式として、加熱電流の周波数を制御し、放電回路の維持時間長を延長することにより、エネルギー貯蔵モジュールに放電前により多くの電気エネルギーを貯蔵させる。また充電回路の維持時間長を延長することにより、エネルギー貯蔵モジュールにおける電気エネルギーをすべて組電池に再充電させ、このような場合には少なくとも二つの組電池を含む充放電回路においても、三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つの波形の交流電流を発生させてもよい。
【0058】
一つの実現方式では、前記第二の組電池の第一端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、前記第二の組電池の第二端と、前記第一の組電池の第二端と、前記スイッチモジュールの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端とは、同一の線に接続され、
前記第一の組電池の第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、
前記第一の組電池の第一端と前記第二の組電池の第一端との間に、第十のスイッチが接続されている。
【0059】
この実現方式では、第十のスイッチにより、第一の組電池と第二の組電池との間の接続方式を制御することができる。第十のスイッチが遮断される場合、第一の組電池の負極は、第二の組電池の正極と接続され、第十のスイッチが閉じられる場合、第一の組電池の正極は、第二の組電池の正極と接続される。第一の組電池と第二の組電池を加熱する必要がある場合、第十のスイッチを遮断するように制御し、第一の組電池と第二の組電池を加熱する。外部への給電が必要な場合、第十のスイッチを閉じるように制御し、第一の組電池と第二の組電池により外部への給電を行う。
【0060】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、又は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第二端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第二端と接続される。
【0061】
この実現方式では、エネルギー貯蔵モジュールの接続位置の変形方案を提供し、充放電回路にさらに変化の多い構造構成方式を持たせ、より多くの応用シナリオに適用される。
【0062】
一つの実現方式では、前記給電モジュールに含まれる組電池の両端に、キャパシタが並列に接続されている。
【0063】
キャパシタにより、電圧の安定化などの機能を実現し、組電池の電圧変動を減少し、組電池の電圧の安定性を向上させることができる。
【0064】
第二の態様によれば、充放電システムを提供し、この充放電システムは、制御モジュールと、上記第一の態様及びそのいずれか一つの実現方式に記載の充放電回路とを含み、前記制御モジュールは、前記充放電回路に命令を送信することで、充放電を行うように給電モジュールを制御するために用いられる。
【0065】
この充放電システムでは、制御モジュールを利用して充放電回路におけるスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールを制御し、充電回路と放電回路を交互に切り替えることを実現し、それによって組電池を加熱する。
【0066】
一つの実現方式では、前記充放電回路と接続される充電装置をさらに含み、
前記充電装置は、前記充放電回路を介して前記給電モジュールに含まれる組電池へ充電するために用いられる。
【0067】
この実現方式では、充放電回路による組電池の加熱を実現することもできるし、充電装置による組電池の充電を実現することもできる。
【0068】
第三の態様によれば、充放電制御方法を提供し、この方法は、第二の態様に記載の充放電システムに用いられ、前記方法は、
充放電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールとをオン又はオフに制御し、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させることで、交流波形の電流を発生させることを含む。
【0069】
充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールのオンオフを制御することにより、給電モジュールに含まれる少なくとも第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールとの間に、交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充電回路と放電回路が交互に切り替わるプロセスにおいて、充放電回路に交流波形の電流が発生し、この交流波形の電流が給電モジュールに含まれる少なくとも第一の組電池を流れ、少なくとも第一の組電池の電池の内部抵抗を発熱させ、それによって給電モジュールに含まれる組電池を加熱する効果を実現する。そして、充放電回路において電気自動車のモータを利用せずに電池を加熱することができ、電池を加熱するプロセスにおいて、モータが加熱プロセスにおいて充放電回路における電流の周波数の影響を受けることなく、動力電池を加熱するプロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという従来の技術問題を解決した。そしてこの充放電回路を利用して電池を加熱すると、モータは、動力自動車を正常に駆動して走行させることによって、走行加熱を実現することができる。
【0070】
一つの実現方式では、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信することで、前記充電回路と放電回路を交互に切り替えるように制御する。
【0071】
この実現方式では、充電回路と放電回路を切り替える周波数を制御することにより、回路全体において発生させた交流電流の周波数を調節することによって、組電池の加熱レートを向上させる。
【0072】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、各組のスイッチアームは、上アームと下アームとを含み、
前記交互に切り替わる充電回路と放電回路は、
前記スイッチモジュールの各組の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路と、
前記スイッチモジュールの各組の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路とを含む。
【0073】
この実現方式では、前記スイッチモジュールの各組の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路と、前記スイッチモジュールの各組の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路とを、交互に切り替える。交互に切り替えることにより充放電回路において交流電流を形成し、交流電流が給電モジュールにおける組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の自己加熱の効果を達成する。
【0074】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第一の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0075】
一つの実現方式では、放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームと前記第一の下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アームと前記第一の上アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームとの間の充電回路を形成する。
【0076】
上記二つの実現方式では、第一の上アーム、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの上下アームのオン又は遮断を柔軟に制御することにより、放電回路と充電回路を交互に切り替え、充放電回路に交流電流を形成し、それによって組電池を加熱する効果を実現する。
【0077】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームと前記第五のスイッチとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第五のスイッチとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第三のダイオードとの間の充電回路を形成する。
【0078】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続され、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、前記第七のスイッチ及び各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第七のスイッチと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第四のダイオードと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0079】
上記二つの実現方式では、充放電切り替えモジュールは、直列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、コストが低い。そして、ダイオードは能動制御を必要とせず、受動制御だけでよく、回路全体の制御方式がより簡便になる。
【0080】
一つの実現方式では、前記第四のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の負極と接続され、
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第四のダイオードとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記第七のスイッチ及び各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第七のスイッチとの間の充電回路を形成する。
【0081】
この実現方式では、第四のダイオードの向きを変え、充放電回路の変形方案をより多くし、第四のダイオードの向きを変えた後に、制御方式を簡単に調整すればよく、制御方式が簡便であり、且つ充放電切り替えモジュールが二つのスイッチを含む場合に比べてコストが低い。
【0082】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと第二のM相モータとを含み、前記スイッチモジュールはM相アームを含み、前記充放電切り替えモジュールはM相アームを含み、前記第一のM相モータのM相巻線は、前記スイッチモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、前記第二のM相モータのM相巻線は、前記充放電切り替えモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続され、
放電イネーブル信号を送信し、前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0083】
一つの実現方式では、放電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記スイッチモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0084】
上記二つの実現方式では、ツインモータを有する電力消費機器について、二つのモータを利用して組電池を加熱してもよく、そのうちの一つのモータのインバータはスイッチモジュールに相当し、別のモータのインバータは充放電切り替えモジュールに相当する。二つのモータの巻線はエネルギー貯蔵モジュールに相当する。二つのモータのインバータにおける各アームのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路において充電回路と放電回路を交互に切り替える。
【0085】
第一のM相モータの各相巻線に流入する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第一のM相モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。類似的に、第二のM相モータの各相巻線から流出する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第二のM相モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0086】
一つの実現方式では、前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、
前記充電回路又は前記放電回路を介して前記第一の組電池又は前記第二の組電池を充放電し、前記充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を形成し、
前記充放電は、前記第一の組電池と前記第二の組電池の充放電状態を切り替えることを含み、前記充放電状態は、前記第一の組電池を充電するとともに、前記第二の組電池を放電すること、又は、前記第一の組電池を放電するとともに、前記第二の組電池を充電することを含む。
【0087】
二つの組電池を含む充放電回路について、二つの組電池の充放電状態を交互に切り替える。各加熱周期に、そのうちの一つの組電池を放電するとともに、別の組電池を充電する。二重組電池の設置は、エネルギー貯蔵モジュールの加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対する拘束を効果的に低減させることができ、二重組電池の加熱方式により、組電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した加熱電流の大きさに維持することができるように、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの組電池に逃がすことができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。加熱電流の大きさを一つの安定した値に維持することができるため、二重組電池の充放電回路において発生させた交流電流の波形は、矩形波又は疑似矩形波である。
【0088】
一つの実現方式では、前記第二の組電池の第一端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、前記第二の組電池の第二端と、前記第一の組電池の第二端と、前記スイッチモジュールの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端とは、同一の線に接続され、前記第一の組電池の第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記第一の組電池の第一端と前記第二の組電池の第一端との間に、第十のスイッチが接続されており、前記方法は、
前記第一の組電池と前記第二の組電池が加熱条件を満たしていると決定し、前記第十のスイッチを遮断するように制御することをさらに含む。
【0089】
この実現方式では、第十のスイッチにより、第一の組電池と第二の組電池との間の接続方式を制御することができる。第十のスイッチが遮断される場合、第一の組電池の負極は、第二の組電池の正極と接続され、第十のスイッチが閉じられる場合、第一の組電池の正極は、第二の組電池の正極と接続される。第一の組電池と第二の組電池を加熱する必要がある場合、第十のスイッチを遮断するように制御し、第一の組電池と第二の組電池を加熱する。外部への給電が必要な場合、第十のスイッチを閉じるように制御し、第一の組電池と第二の組電池により外部への給電を行う。
【0090】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの一端は、前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの他端は、前記スイッチアームの上下アームの接続点と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの下アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、前記第一の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、
第二のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記第二の組電池との間の充電回路を形成し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第二の組電池へ充電させる。
【0091】
一つの実現方式では、前記方法は、
各組の前記スイッチアームの上アームのオン又は下アームのオンを繰り返し切り替えることで、前記第二の組電池への充電時間を制御することをさらに含む。
【0092】
一つの実現方式では、前記方法は、
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第二の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の下アームとの間の放電回路を形成し、前記第二の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させることと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第二の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームと前記第一の組電池との間の充電回路を形成し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第一の組電池へ充電させることとをさらに含む。
【0093】
一つの実現方式では、前記方法は、
前記第一の上アームのオン又は前記第一の下アームのオンを繰り返し切り替えることで、前記第一の組電池への充電時間を制御することをさらに含む。
【0094】
二つの組電池を含む充放電回路において、第一の上アーム、第一の下アーム、各組のスイッチアームの上下アームのオン又は遮断を制御し、一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電し、及びこの組電池とエネルギー貯蔵モジュールが別の組電池に同時に充電することを実現する。そして、各組のスイッチアームの上アームのオン又は下アームのオンを繰り返し切り替えることにより、各組電池への充電時間長を柔軟に制御することができる。
【0095】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第二のイネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アーム及び前記第一の下アームを同時にオンに制御し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第二の組電池へ充電する回路を形成する。
【0096】
一つの実現方式では、前記方法は、
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成することと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第一の組電池へ充電する回路を形成することとをさらに含む。
【0097】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第二端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第二端と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第二のイネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アーム及び前記第一の上アームを同時にオンに制御し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第一の組電池へ充電する回路を形成する。
【0098】
一つの実現方式では、前記方法は、
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成することと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第二の組電池へ充電する回路を形成することとをさらに含む。
【0099】
一つの実現方式では、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの一端は、前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの他端は、前記スイッチアームの上下アームの接続点と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームと前記第二の組電池との間の充放電回路を形成し、前記第一の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第二の組電池へ充電させ、
第二のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記第二の組電池との間の充放電回路を形成し、前記第二の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第一の組電池へ充電させる。
【0100】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールとの間に、第九のスイッチが接続されており、
前記給電モジュールに含まれる組電池が加熱条件を満たしていると決定し、前記第九のスイッチを閉じるように制御し、又は、前記組電池が加熱停止条件を満たしていると決定し、前記第九のスイッチを遮断するように制御する。
【0101】
第九のスイッチは、エネルギー貯蔵モジュール、第二のエネルギー貯蔵素子及びスイッチモジュールなどの部材の正常な作動に保護を提供するために用いられる。加熱モードで第一の切り替え回路及び/又は第二の切り替え回路が故障して降伏又は短絡が発生すると、エネルギー貯蔵モジュールと第二のエネルギー貯蔵素子と給電モジュールとの間の接続を遮断することを確保し、エネルギー貯蔵モジュールと第二のエネルギー貯蔵素子とが、給電モジュールと短絡する状況を回避する必要があり、第九のスイッチを遮断するように制御することにより、このような場合に存在する短絡リスクを効果的に回避することができる。
【0102】
一つの実現方式では、充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定することと、
各組電池の充電状態値が前記予め設定される閾値以上であると決定する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む。
【0103】
この実現方式では、組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値よりも大きい場合にのみ組電池を加熱し、組電池の電力量が低すぎて加熱に必要な放電電気エネルギーをサポートできない状況を回避する。
【0104】
一つの実現方式では、前記の、前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する前に、前記方法は、
前記給電モジュールの温度が、予め設定される温度閾値よりも小さいかどうかを決定することと、そうであれば、前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する操作を実行することとをさらに含む。
【0105】
この実現方式では、まず給電モジュールの温度が予め設定される温度閾値よりも小さいかどうかを決定し、低温条件でのみ組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であるかどうかをさらに決定し、充電状態値が予め設定される充電閾値以上であると決定する場合に、組電池の加熱を起動する。
【0106】
一つの実現方式では、充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
前記モータの作動状態を取得することと、前記モータが非駆動状態にあることを前記作動状態が指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む。
【0107】
モータを利用して組電池を加熱する応用シナリオにおいて、モータが非駆動状態にある場合のみ組電池の加熱を起動し、加熱モードがモータの正常な運転に影響を与えることを回避する。
【0108】
一つの実現方式では、充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
車両コントローラから送信された制御信号を受信することと、前記制御信号が前記給電モジュールを加熱するよう指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む。
【0109】
この実現方式では、組電池の加熱を起動するには、車両コントローラが制御信号をモータコントローラに送信し、モータコントローラがスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御して加熱を起動してもよい。
【0110】
一つの実現方式では、充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
電池管理システムから送信された要求データを受信することと、前記給電モジュールが加熱条件を満たしていることを前記要求データが指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む。
【0111】
この実現方式では、電池管理システムは組電池が加熱条件を満たすかどうかを検出し、加熱条件を満たしている場合に、要求データを車両コントローラ又はモータコントローラに送信してもよい。車両コントローラ又はモータコントローラは、加熱を起動するプロセスを制御する。
【0112】
一つの実現方式では、前記方法は、
前記充放電プロセスにおいて、前記給電モジュールに含まれる各組電池の温度が加熱停止条件を満たすかどうかを決定することであって、前記加熱停止条件は、前記組電池が予め設定される温度に達していること又は前記組電池の温度上昇が異常であることを含むことと、そうであれば、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、加熱停止信号を送信することであって、前記加熱停止信号は、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールが前記充放電回路を遮断するようにトリガーすることとをさらに含む。
【0113】
充放電プロセスにおいて、さらに組電池の温度をリアルタイムで監視し、組電池の温度上昇が異常となり、又は組電池の温度が予め設定される温度に達した場合に、タイムリーに制御して加熱を停止し、組電池の温度が予め設定される温度に達し又は温度上昇が異常となった場合にも加熱を継続すると、組電池が損傷する状況につながる。
【0114】
一つの実現方式では、前記充放電システムは、充電装置をさらに含み、前記方法は、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも低い場合、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを制御し、前記充電装置が前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電する回路、及び前記充電装置と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ同時に充電する回路を形成することと、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも高い場合、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを制御し、前記充電装置が前記給電モジュールと前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電する回路、及び前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ充電する回路を形成することとをさらに含む。
【0115】
この実現方式では、充放電回路は加熱モードと充電モードを同時に有し、これは動力電池を加熱するだけでなく、充電装置が動力電池へ充電するプロセスにおいて、充電電圧を調節することもできる。このように、充電装置の電圧と動力電池の電圧とがマッチングしない場合、例えば充電装置の電圧が動力電池の電圧よりも低いか又は高い場合、充電装置は、充放電回路を介して動力電池の昇圧充電又は降圧充電を行い、充電装置と動力電池の適合性を向上させることができる。
【0116】
一つの実現方式では、前記エネルギー貯蔵モジュールの、前記スイッチモジュールと接続される端は、第一のスイッチチューブを介して充電装置の一端と接続され、前記スイッチモジュールの第二端は、前記充電装置の他端と接続され、前記充電装置は、前記加熱モジュールを介して前記給電モジュールへ充電するために用いられ、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記方法は、
各組のスイッチアームの上アームを遮断するように制御することと、前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも低い場合、前記第二の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとをオンに、前記第一の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置が前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路を含む回路を形成することと、
前記第一の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとをオンに、前記第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ同時に充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールを含む回路を形成することとをさらに含む。
【0117】
充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも低い場合、合理的な制御タイミングを設定し、各サブアームのオンと遮断を制御することにより、各充電周期に充電装置がエネルギー貯蔵モジュールに充電する第一の段階、及び充電装置とエネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに同時に充電する第二の段階を形成する。このように、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールに充電する第一の段階では、エネルギー貯蔵モジュールに一定の電力量が記憶されるため、エネルギー貯蔵モジュールは、第二の段階で充電装置とともに、給電モジュールに共同で充電し、充電装置と給電モジュールとの間の電圧差を減少し、充電効率を向上させることができる。
【0118】
一つの実現方式では、前記各組のスイッチアームの下アームに、並列に接続されるスイッチとダイオードとが含まれ、前記方法は、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも高い場合、前記第一の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとを閉じ、前記第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置が前記給電モジュールと前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールを含む回路を形成することと、
前記第一の切り替え回路を閉じ、前記第二の切り替え回路、前記各組のスイッチアームの下アームと前記第一のスイッチチューブとを遮断するように制御し、前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ充電するための、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路、前記給電モジュールと前記各組のスイッチアームの下アームにおけるダイオードを含む回路を形成することとをさらに含む。
【0119】
充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも高い場合、合理的な制御タイミングを設定し、各サブアームのオンと遮断を制御することにより、各充電周期に充電装置がエネルギー貯蔵モジュールと給電モジュールに充電する段階、及びエネルギー貯蔵モジュールのみが給電モジュールに充電する段階を形成する。一方、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールと給電モジュールに充電する時に、エネルギー貯蔵モジュールが一部の電圧を吸収できるため、充電装置と給電モジュールとの間の電圧差が適切に減少し、他方、充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも大きいため、充電装置が給電モジュールを大電圧で持続充電することを回避するために、充電装置とエネルギー貯蔵モジュールとが、給電モジュールを交互に充電することができる。ここで、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールと給電モジュールに充電する時に、エネルギー貯蔵モジュールに一定の電力量が記憶されることができるため、この部分の電力量に基づいて、エネルギー貯蔵モジュールは単独で給電モジュールに充電することができる。
【0120】
第四の態様によれば、電力消費機器を提供し、この電力消費機器は、第二の態様に記載の充放電システムを含む。
【0121】
電力消費機器が低温環境にある場合、電力消費機器における動力電池は、温度が低すぎるため放電容量が著しく低下してしまい、且つ低温環境で動力電池を充電することができず、低温環境での電力消費機器の正常な使用に影響を与える。本出願の実施例の電力消費機器では、充放電回路を介して動力電池を加熱し、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって充放電回路において交流電流を発生させ、この交流電流が動力電池を流れ、動力電池の内部抵抗に熱を発生させ、それによって動力電池に対する加熱を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0122】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下に記述された図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図2】本出願の一実施例による充放電回路の概略的ブロック図である。
【
図3】本出願の一実施例による充放電回路の別の概略的ブロック図である。
【
図4】本出願の実施例による充放電回路の一概略的ブロック図において、充放電切り替えモジュールの第一種の構造概略図を示す。
【
図5】本出願の実施例による充放電回路の一概略的ブロック図において、充放電切り替えモジュールの第二種の構造概略図を示す。
【
図6】本出願の実施例による充放電回路の一概略的ブロック図において、充放電切り替えモジュールの第三種の構造概略図を示す。
【
図7】本出願の実施例による充放電回路の一概略的ブロック図において、充放電切り替えモジュールの第四種の構造概略図を示す。
【
図8】本出願の一実施例による充放電回路の別の概略的ブロック図である。
【
図9】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図10】本出願の一実施例による一つの組電池のみを含む充放電回路において発生させた三角波形の交流電流の波形の概略図である。
【
図11】本出願の一実施例による少なくとも二つの組電池を含む充放電回路の概略的ブロック図である。
【
図12】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図13】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図14】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図15】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図16】本出願の一実施例による少なくとも二つの組電池を含む充放電回路において発生させた矩形波又は疑似矩形波の交流電流の波形の概略図である。
【
図17】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図18】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図19】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図20】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図21】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図22】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図23】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図24】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図25】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図26】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図27】本出願の一実施例による充放電回路の別の概略的ブロック図である。
【
図28】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図29】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図30】本出願の一実施例による充放電回路の回路図である。
【
図31】本出願の一実施例による充放電システムの概略的ブロック図である。
【
図32】本出願の一実施例による充放電システムの別の概略的ブロック図である。
【
図33】本出願の一実施例による充放電システムの回路図である。
【
図34】本出願の一実施例による充放電システムの回路図である。
【
図35】本出願の一実施例による充放電システムの回路図である。
【
図36】本出願の一実施例による動力電池加熱シナリオでの制御方法フローチャートである。
【
図37】本出願の一実施例による充放電制御機器の概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0123】
以下では、図面と実施例を結び付けながら、本出願の実施の形態をさらに詳細に記述する。以下では、実施例の詳細な記述と図面は、例示的に本出願の原理を説明するためのものであるが、本出願の範囲を制限するためのものではなく、即ち本出願は、記述された実施例に限らない。
【0124】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に断りのない限り、「複数の」の意味は、二つ以上であり、用語である「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などにより指示される方位又は位置関係は、本出願の記述の便宜上及び記述の簡略化のためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本出願に対する制限と理解されるべきではない。なお、用語である「第一」、「第二」、「第三」などは、記述の目的のみで用いられるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示すると理解すべきではない。「垂直」は、厳密な垂直ではなく、誤差許容範囲内である。「平行」は、厳密な平行ではなく、誤差許容範囲内である。
【0125】
下記記述に出現された方位詞は、いずれも図に示す方向であり、本出願の具体的な構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、特に明確に規定、限定されていない限り、用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0126】
時代の発展に伴い、新エネルギー自動車はその環境保護性、低騒音、低使用コストなどの利点により、巨大な市場の将来性があり、且つ省エネと汚染物質の排出削減を効果的に促進することができ、社会の発展と進歩に有利である。
【0127】
動力電池の電気化学的特性により、低温環境では、動力電池の充放電能力が大幅に制限され、顧客の冬の車利用体験に深刻な影響を与える。そのため、動力電池を正常に使用できるように、低温環境で動力電池を加熱する必要がある。
【0128】
本出願の実施例における動力電池は、リチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池などであってもよく、ここで限定しない。規模から見ると、本出願の実施例における電池は、セル単体であってもよく、電池モジュール又は電池パックであってもよく、ここで限定しない。応用シナリオから見ると、電池は、自動車、汽船などの動力装置内に応用されてもよい。例えば、動力自動車内に応用されてもよく、動力自動車のモータに給電し、電気自動車の動力源とする。電池はさらに、電気自動車における他の電力消費デバイスに給電し、例えば車内空調、車載プレーヤーなどに給電してもよい。
【0129】
記述を容易にするために、以下では、新エネルギー自動車(動力自動車)への動力電池の適用を実施例として記述する。
【0130】
駆動モータ及びその制御システムは新エネルギー自動車のコア部材のうちの一つであり、その駆動特性は自動車走行の主な性能指標を決める。新エネルギー自動車のモータ駆動システムは、主に電動機(即ちモータ)、モータコントローラ(例えば、インバータ)、様々な検出センサ及び電源などの部分から構成される。モータは電磁誘導の原理を応用して運行する回転電磁機械であり、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換を実現するために用いられる。運行時に、電気システムから電力を吸収し、機械システムに機械パワーを出力する。
【0131】
動力電池を加熱する時の不要なコストアップを回避するために、モータ回路を利用して動力電池を加熱することができる。
【0132】
図1は、従来の動力電池加熱システムの充放電回路図を示す。
図1に示すように、動力電池加熱システム100は、給電モジュール110と、給電モジュール110と接続されるインバータモジュール120と、インバータモジュール120と接続される駆動モジュール130とを含んでもよい。
【0133】
給電モジュール110について、動力電池自体を採用して実現することもできるし、外部給電モジュール、例えば充電スタンドを採用して実現することもできる。外部給電モジュールによって提供される加熱エネルギーは、例えば、外部直流充電器によって出力され、又は外部交流充電器によって整流されて出力されてもよく、ここで具体的に限定しない。
【0134】
インバータモジュール120について、様々なタイプのスイッチを採用して実現してもよい。例えば、インバータモジュール120は、モータ駆動システムにおけるインバータによって実現されてもよく、ここで、インバータは、絶縁ゲートバイポーラトランジスター(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)のアームスイッチを採用して実現してもよい。具体的には、インバータのアームの数は、駆動モジュール130における巻線の数と同じである。例えば、駆動モジュール130は三相巻線モータを含み、インバータは三相アームを含み、即ちU相アーム、V相アームとW相アームを含む。ここで、三相アームにおける各相アームは、いずれも上アームと下アームとを有し、その上アームと下アームにはそれぞれスイッチユニットが設置されており、即ちインバータモジュール120は、それぞれU相アームにおける上アームスイッチ121と下アームスイッチ122、V相アームにおける上アームスイッチ123と下アームスイッチ124、及びW相アームにおける上アームスイッチ125と下アームスイッチ126を含む。
【0135】
駆動モジュール130について、具体的に、U相アームと繋がる巻線131、V相アームと繋がる巻線132及びW相アームと繋がる巻線133を含んでもよい。ここで、巻線131の一端は、U相アームにおける上アームと下アームとの接続点と繋がり、巻線132の一端は、V相アームにおける上アームと下アームとの接続点と繋がり、巻線133の一端は、W相アームにおける上アームと下アームとの接続点と繋がる。巻線131の他端と、巻線132の他端と、巻線133他端とは、同一の線に接続される。
【0136】
説明すべきこととして、駆動モジュール130は、三相巻線モータに限定されるものではなく、六相巻線モータ、十二相巻線モータなどであってもよい。これに応じて、インバータモジュール120は、三相アーム、六相アーム又は十二相アームなどを含んでもよい。
【0137】
いくつかの実施例では、インバータモジュール120におけるスイッチの周期的なオンオフを制御することにより、電流を変調してもよい。例えば、インバータモジュール120におけるターゲット上アームスイッチとターゲット下アームスイッチの周期的なオンオフを制御することにより、電流を変調する。一つの例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ121である場合、ターゲット下アームスイッチは下アームスイッチ124及び/又は下アームスイッチ126である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ123である場合、ターゲット下アームスイッチは下アームスイッチ122及び/又は下アームスイッチ126である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ125である場合、ターゲット下アームスイッチは122及び/又は下アームスイッチ124である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ121及び/又は上アームスイッチ123である場合、ターゲット下アームスイッチは126である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ123及び/又は上アームスイッチ125である場合、ターゲット下アームスイッチは下アームスイッチ122である。別の例では、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ121及び/又は上アームスイッチ125である場合、ターゲット下アームスイッチは124である。
【0138】
説明すべきこととして、各周期におけるターゲット上アームスイッチとターゲット下アームスイッチの周期的なオンと遮断は、同じであってもよく、異なってもよく、ここで限定しない。例えば、各周期には、いずれも上アームスイッチ121と下アームスイッチ124とのオンと遮断を制御する。さらに、例えば、一番目の周期に、上アームスイッチ121と下アームスイッチ124とのオンと遮断を制御し、二番目の周期に、上アームスイッチ123と下アームスイッチ122とのオンと遮断を制御し、三番目の周期に、上アームスイッチ121、下アームスイッチ124と下アームスイッチ126とのオンと遮断を制御し、即ち異なる周期に、制御されるターゲット上アームスイッチと下アームスイッチとは、異なってもよい。
【0139】
これで分かるように、
図1に示す充放電回路を採用すると、ターゲットオンスイッチは、少なくとも一つの上アームスイッチと少なくとも一つの下アームスイッチとを含み、少なくとも一つの上アームスイッチと少なくとも一つの下アームスイッチとが、異なるアームに位置するため、一つの周期にすべての上アーム又は下アームとを同時にオンにすることができないため、給電モジュール、ターゲット上アームスイッチ、ターゲット下アームスイッチ及びモータ巻線の間に形成される異なる回路における電流方向が異なり、それによって交流電流が発生する。
【0140】
一方向巻線の起磁力は空間において階段状に分布するため、時間とともに電流の変化に従って規則的に交番する脈振動起磁力である。三つの単相巻線の起磁力を重ね合わせると、三相巻線の合成磁界となる。一般的には、加熱プロセスにおいて三相巻線モータの三相巻線に流入する電流は、大きさが全く等しくせず、そのうちの二相巻線を流れる電流は、互いに180°の位相差があり、位相差のない二相電流の大きさが等しい。これはモータ巻線を流れる電流の三相が互いに対称ではなく、且つ電流の周波数が高いため、動力電池が加熱プロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという問題を引き起こす。
【0141】
図2は、本出願の実施例による充放電回路200の概略的ブロック図を示し、この充放電回路200は、電池の加熱にモータを利用しておらず、その加熱プロセスはモータの正常な運行に影響を与えず、電池を加熱するプロセスにおいて電池が位置する車両は正常に走行することができる。そして加熱にモータを利用しないことは、電池加熱プロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという問題を根本的に解決した。
【0142】
図2に示すように、充放電回路200は給電モジュール210と、加熱モジュール220と、充放電切り替えモジュール230とを含む。ここで、加熱モジュール220は、スイッチモジュール240と、エネルギー貯蔵モジュール250とを含む。給電モジュール210は、少なくとも第一の組電池を含む。
【0143】
充放電切り替えモジュール230、スイッチモジュール240及び給電モジュール210に含まれる少なくとも第一の組電池は、並列に接続される。エネルギー貯蔵モジュール250の第一端は、スイッチモジュール240と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端は、充放電切り替えモジュール230と接続される。
【0144】
図2に示す充放電回路に充電回路又は放電回路を形成するために、充放電イネーブル信号により充放電切り替えモジュール230とスイッチモジュール240とを制御する必要があり、それによって給電モジュール210に含まれる少なくとも第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュール250との間に、交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充電回路と放電回路が交互に切り替わるプロセスにおいて充放電回路200に交流波形の電流が発生し、この交流波形の電流が給電モジュール210に含まれる少なくとも第一の組電池を流れ、少なくとも第一の組電池の電池の内部抵抗を発熱させ、それによって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0145】
そして、
図2に示す充放電回路において電気自動車の電池の加熱にモータを利用しておらず、電池を加熱するプロセスにおいて、モータが加熱プロセスにおける充放電回路200における電流の周波数の影響を受けることなく、動力電池を加熱するプロセスにおいてモータの振動雑音が大きいという従来の技術問題を解決した。そして
図2に示す充放電回路200を利用して電池を加熱する時に、モータは、動力自動車を正常に駆動して走行させることによって、走行加熱を実現することができる。
【0146】
図3は、本出願の実施例による充放電回路200の別の概略的ブロック図を示す。
【0147】
図3に示すように、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続される第一の切り替え回路231と、第二の切り替え回路232とを含む。第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端と接続される。第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232は、充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフされるために用いられる。
【0148】
充放電切り替えモジュール230は二つの切り替え回路を含み、それによってこの二つの切り替え回路を利用して充放電回路を制御し、充電回路又は放電回路を形成する。充放電イネーブル信号により第一の切り替え回路231、第二の切り替え回路232とスイッチモジュール240を制御し、給電モジュール210とエネルギー貯蔵モジュール250との間に、交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させ、充放電回路200に交流波形の電流を発生させ、それによって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱する効果を実現する。第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端と接続されるが、エネルギー貯蔵モジュール250の第一端は、スイッチモジュール240と接続され、このようにスイッチモジュール240、第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232を合理的に制御することにより、給電モジュール210とエネルギー貯蔵モジュール250との間で交互に充放電を行うことを実現することができ、それによって給電モジュール210における組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の内部から自己加熱を行う効果を達成し、組電池の内部から加熱すると、加熱効率がより高くなる。
【0149】
図4は、本出願の実施例による充放電回路200の一つの回路概略図を示す。
【0150】
上記第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232とは、アーム構造を構成してもよい。ここで、
図4に示すように、第一の切り替え回路231は第一の上アーム2311を含み、第二の切り替え回路232は第一の下アーム2321を含む。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点は、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端と接続される。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とは、充放電イネーブル信号のトリガーでオン又は遮断されるために用いられる。充放電イネーブル信号により上記第一の上アーム2311、第一の下アーム2321とスイッチモジュール240を制御することにより、充放電回路200に交流波形の電流を発生させ、それによって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0151】
図4に示すように、上記第一の上アーム2311は、並列に接続される第一のスイッチV11と第一のダイオードD11とを含み、第一の下アーム2321は、並列に接続される第二のスイッチV12と第二のダイオードD12とを含む。ここで、第一のダイオードの陰極D11は、第一の組電池211の正極と接続され、第一のダイオードD11の陽極は、第二のダイオードD12の陰極と接続され、第二のダイオードD12の陽極は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0152】
ここで、第一のスイッチV11と第二のスイッチV12は、いずれもスイッチ三極管であってもよく、第一のダイオードD11と第二のダイオードD12は、いずれもフリーホイールダイオードであってもよい。スイッチ三極管とフリーホイールダイオードは、いずれも絶縁ゲートバイポーラトランジスター(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)と呼ばれてもよい。フリーホイールダイオードは一般的に、インダクタに合わせて使用される。インダクタの電流が急激に変化すると、インダクタ両端の電圧が急変し、回路の他の素子を損傷する可能性がある。しかし、フリーホイールダイオードに合わせて使用される場合、インダクタの電流が比較的穏やかに変化し、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。そのため、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とは、いずれも並列に接続されるスイッチとフリーホイールダイオードの構造を採用し、スイッチ機能を実現することもできるし、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321におけるスイッチとのオン又は遮断を制御することにより、充電回路と放電回路の切り替えを実現することができる。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321におけるフリーホイールダイオードにより急激な電圧変化を回避し、充放電回路全体の安全性を向上させることもできる。
【0153】
そして、第一のスイッチV11が閉じられる場合に、第一のスイッチV11が導線に相当し、電流は閉じられた第一のスイッチV11において双方向に流れることができ、第一のスイッチV11が遮断される場合には、第一のダイオードD11において第一のダイオードD11の陽極からその陰極に流れる一方向電流流通を実現することができる。第二のスイッチV12と第二のダイオードD12の構造及び電流の流れに対する作用は、第一のスイッチV11と第一のダイオードD11と同じである。
【0154】
第一の上アーム2311と第一の下アーム2321がいずれも上記並列に接続されるスイッチ及びダイオードを含む構造では、充放電切り替えモジュール230は回路のオンオフを制御する面でより多くの組み合わせ制御方式を有することができ、制御はより柔軟で変化に富んでおり、異なるデバイスのオン又は遮断を合理的に制御することにより、充放電回路200に充電回路又は放電回路を形成することもできるし、異なるデバイスの使用周波数をバランスさせ、充放電切り替えモジュール230に含まれる各デバイスの耐用年数を向上させることもできる。
【0155】
上記第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とが主に回路のオンオフ制御を担当するため、主にスイッチ機能を使用するため、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321には、フリーホイールダイオードが含まれず、スイッチのみが含まれてもよい。
図5に示すように、上記第一の上アーム2311は第三のスイッチV13を含み、第一の下アーム2321は第四のスイッチV14を含む。第三のスイッチV13と第四のスイッチV14とは、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。
【0156】
第一の上アーム2311と第一の下アーム2321がスイッチのみを含む構造により、充放電回路200に充電回路又は放電回路を形成するように、充放電切り替えモジュール230は回路オンオフをより簡単に制御することができ、それによって組電池の加熱を実現する。
【0157】
本出願の別のいくつかの実施例では、充放電切り替えモジュール230に含まれる第一の切り替え回路231及び第二の切り替え回路232は、他の変形構造をさらに有してもよい。
図6に示すように、第一の切り替え回路231は第三のダイオードD13を含み、第二の切り替え回路232は第五のスイッチV15を含む。ここで、第三のダイオードD13の陰極は、第一の組電池211の正極と接続され、第三のダイオードD13の陽極は、第五のスイッチV15の一端と接続され、第五のスイッチV15の他端は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0158】
別の実現方式では、第三のダイオードD13の向きを逆にしてもよく、即ち第三のダイオードD13の陽極は第六のスイッチK1を介して、第一の組電池211の正極と接続され、第三のダイオードD13の陰極は第五のスイッチV15を介して、第一の組電池211の負極と接続される。
【0159】
上記第五のスイッチV15は、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。
【0160】
図6に示す充放電回路において、第一の切り替え回路231が一方向オンである場合、電流は第三のダイオードD13の陽極からその陰極に流れることしかできない。第二の切り替え回路232が双方向オン可能である場合、第五のスイッチV15が閉じられた後に導線に相当し、電流は第五のスイッチV15の第一端から第二端に流れてもよく、第五のスイッチV15の第二端から第一端に流れてもよい。充放電切り替えモジュール230は一つのダイオードと一つのスイッチのみを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、一つのダイオードと一つのスイッチのみを採用する構造の制御ポリシーがより簡単であり、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要としない。このように充放電切り替えモジュール230は、充放電回路において充電回路又は放電回路を柔軟に切り替え、それによって充放電回路に交流電流を形成することができる。
【0161】
図6に示すように、第一の切り替え回路231が第三のダイオードD13を含む実施の形態では、第一の切り替え回路231は、第六のスイッチK1をさらに含んでもよく、第六のスイッチK1の一端は、第一の組電池211の正極と接続され、第六のスイッチK1の他端は、第三のダイオードD13の陰極と接続される。
【0162】
ここで、第六のスイッチK1は、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。第六のスイッチK1は、電池を加熱する必要がないシナリオで電流が第三のダイオードD13から流れる状況を防止するために設置されるものであり、加熱の必要がないシナリオで電流が第三のダイオードから流れることによる回路故障を防止し、回路における電気デバイスの耐用年数を向上させることができる。
【0163】
図7は、
図6に示す充放電切り替えモジュール230の変形構造である。
図7に示すように、第一の切り替え回路231は第七のスイッチV16を含み、第二の切り替え回路232は第四のダイオードD14を含む。第七のスイッチV16の一端は、第一の組電池211の正極と接続され、第七のスイッチV16の他端は、第四のダイオードD14の陰極と接続され、第四のダイオードD14の陽極は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0164】
別の実現方式では、第四のダイオードD14の向きを逆にしてもよく、即ち第四のダイオードD14の陽極は、第七のスイッチV16と接続され、第四のダイオードD14の陰極は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0165】
図7に示す充放電回路において、第一の切り替え回路231が双方向オン可能である場合、第七のスイッチV16が閉じられた後に導線に相当し、電流は、第七のスイッチV16の第一端から第二端に流れてもよく、第七のスイッチV16の第二端から第一端に流れてもよい。第二の切り替え回路232が一方向オンである場合、電流は、第四のダイオードD14の陽極からその陰極に流れることしかできない。充放電切り替えモジュール230は一つのダイオードと一つのスイッチのみを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、一つのダイオードと一つのスイッチのみを採用する構造の制御ポリシーがより簡単であり、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要としない。このように充放電切り替えモジュール230は、充放電回路において充電回路又は放電回路を柔軟に切り替え、それによって充放電回路に交流電流を形成することができる。
【0166】
図7に示すように、第二の切り替え回路232が第四のダイオードD14を含む実施の形態では、第二の切り替え回路232は、第八のスイッチK2をさらに含む。第八のスイッチK2は、第四のダイオードD14と第一の組電池211の負極との間に直列に接続される。
【0167】
ここで、第八のスイッチK2は、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。第八のスイッチK2は、電池を加熱する必要がないシナリオで電流が第四のダイオードD14から流れる状況を防止するために設置されるものであり、加熱の必要がないシナリオで電流が第四のダイオードから流れることによる回路故障を防止し、回路における電気デバイスの耐用年数を向上させることができる。
【0168】
上記
図2-
図7におけるエネルギー貯蔵モジュール250は、第一のエネルギー貯蔵素子251(
図2-7において図示せず)のみを含んでもよく、第一のエネルギー貯蔵素子251は少なくとも一つのインダクタを含み、第一のエネルギー貯蔵素子251の第一端は、スイッチモジュール240と接続され、第一のエネルギー貯蔵素子251の第二端は、充放電切り替えモジュール230と接続される。
【0169】
エネルギー貯蔵モジュール250は、第一のエネルギー貯蔵素子251のみを含んでもよく、第一のエネルギー貯蔵素子251は、一つ又は複数のインダクタを含んでもよい。第一のエネルギー貯蔵素子251を設置することにより、充放電回路に放電回路が形成される時に給電モジュール210が放出する電気エネルギーは、第一のエネルギー貯蔵素子251に貯蔵されてもよい。充放電回路を充電回路に切り替えると、第一のエネルギー貯蔵素子251は、その貯蔵された電気エネルギーを給電モジュール210に再充電してもよく、それによって給電モジュール210に交流電流を流れ、給電モジュール210における組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の内部から加熱する効果を実現し、外部から組電池を加熱することに対して、組電池の内部を自己発熱させる自己加熱方式は、加熱効果がより優れる。
【0170】
図8に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250は、第二のエネルギー貯蔵素子260をさらに含んでもよく、第二のエネルギー貯蔵素子260は、第一のエネルギー貯蔵素子251の第二端と充放電切り替えモジュール230との間に接続される。第二のエネルギー貯蔵素子260は、少なくとも一つのインダクタ及び/又はキャパシタを含む。
【0171】
第一のエネルギー貯蔵素子251と充放電切り替えモジュール230との間に第二のエネルギー貯蔵素子260が追加され、第一のエネルギー貯蔵素子251は、第二のエネルギー貯蔵素子260と直列に接続される。このように充放電回路に放電回路が形成される時に、給電モジュール210が放出する電気エネルギーを、第一のエネルギー貯蔵素子251と第二のエネルギー貯蔵素子260とにより共同で貯蔵してもよく、それによってより多くのエネルギーを貯蔵することができる。充放電回路を充電回路に切り替えると、第一のエネルギー貯蔵素子251と第二のエネルギー貯蔵素子260は、貯蔵された電気エネルギーを給電モジュール210の組電池に再充電する。このように充放電の電気エネルギーがより多いため、それによって充放電回路においてより大きな充放電電流を形成することができ、電流が大きいほど、組電池を流れる時に電池の内部抵抗により発生する熱が多くなり、それによって組電池の温度上昇速度を向上させ、電池の自己加熱の効率を向上させ、組電池の温度を最も速い速度で所望の温度まで上昇させることができる。そして充放電のエネルギーが多ければ多いほど、電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0172】
第二のエネルギー貯蔵素子260を追加した後に、充放電回路に放電回路が形成される時に、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のエネルギー貯蔵素子260とによりエネルギーを貯蔵することにより、より多くのエネルギーを貯蔵することができ、それによって電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0173】
エネルギー貯蔵モジュール250と充放電切り替えモジュール230との間に、第九のスイッチK3が接続されてもよく、第九のスイッチK3は、上記第二のエネルギー貯蔵素子260と直列に接続される。第九のスイッチK3は、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のエネルギー貯蔵素子260との間に接続されてもよく、第二のエネルギー貯蔵素子260と充放電切り替えモジュール230との間に接続されてもよい。
【0174】
第九のスイッチK3は、エネルギー貯蔵モジュール250、第二のエネルギー貯蔵素子260及びスイッチモジュール240などの部材の正常な作動に保護を提供するために用いられる。具体的には、加熱モードで第一の切り替え回路231及び/又は第二の切り替え回路232が故障して降伏又は短絡が発生すると、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のエネルギー貯蔵素子260と給電モジュール210との間の接続を遮断することを確保し、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のエネルギー貯蔵素子260とが、給電モジュール210と短絡する状況を回避する必要があり、第九のスイッチK3を制御することにより、このような場合に存在する短絡リスクを効果的に回避することができる。
【0175】
本出願のいくつかの実施例では、スイッチモジュール240は少なくとも一組のスイッチアームを含み、エネルギー貯蔵モジュール250は少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、エネルギー貯蔵デバイスは、スイッチアームの数と等しく、エネルギー貯蔵デバイスは、スイッチアームと一対一に対応して接続される。各エネルギー貯蔵デバイスの第二端の接続点は、充放電切り替えモジュール230と接続される。
【0176】
ここで、各組のスイッチアームは、いずれも上アームと下アームとを含み、且つ上アームと下アームは、いずれも並列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、又は、上アームと下アームは、いずれもスイッチを含む。ここでスイッチは、スイッチ三極管又はリレースイッチであってもよい。
【0177】
スイッチモジュール240は少なくとも一組のスイッチアームを含み、スイッチアームは対称構造であり、各組のスイッチアーム及び充放電切り替えモジュール230のオン又は遮断を制御することにより、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって充放電回路において交流波形の電流を形成し、この電流が組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、動力電池の自己加熱の効果を実現する。スイッチアームの制御方式は簡単である。第一のエネルギー貯蔵素子に含まれるエネルギー貯蔵デバイスは、スイッチアームと一対一に対応して接続される。充放電回路におけるエネルギー貯蔵モジュール250のエネルギー貯蔵規模を拡張する拡張方式を提供し、エネルギー貯蔵デバイス及びスイッチアームが少ない場合に、組電池の自己加熱を実現する前提で製品コストを低減させることができる。一方、エネルギー貯蔵デバイス及びスイッチアームが多い場合に、制御複雑度は明らかに増加しないが、エネルギー貯蔵モジュール250のエネルギー貯蔵量は著しく増加する。エネルギー貯蔵量の増加は、充放電回路においてより大きな充放電電流を形成することができ、組電池を流れる時に電池の内部抵抗が発生する熱が多くなり、それによって組電池の温度上昇速度を向上させ、電池の自己加熱の効率を向上させ、組電池の温度を最も速い速度で所望の温度まで上昇させることができる。そして充放電のエネルギーが多ければ多いほど、電池の自己加熱プロセスにおける電流、周波数パラメータを最適化し、電池の自己加熱効果を高めることができる。
【0178】
各組のスイッチアーム及び充放電切り替えモジュール230のオン又は遮断を制御することにより、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって充放電回路において交流波形の電流を形成し、この電流が組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、動力電池の自己加熱の効果を実現する。
【0179】
一例として、
図9に示すように、スイッチモジュール240は第一のスイッチアーム241を含み、第一のスイッチアーム241は、直列に接続される第二の上アーム2411と第二の下アーム2412とを含む。第一のスイッチアーム241の第一端と、充放電切り替えモジュール230の第一端と、給電モジュール210の第一端とは、同一の線に接続される。第一のスイッチアーム241の第二端と、充放電切り替えモジュール230の第二端と、給電モジュール210の第二端とは、同一の線に接続される。
【0180】
エネルギー貯蔵モジュール250は第一のエネルギー貯蔵素子を含み、第一のエネルギー貯蔵素子は少なくとも一つのインダクタを含み、第一のエネルギー貯蔵素子の第一端は、スイッチモジュールと接続され、第一のエネルギー貯蔵素子の第二端は、充放電切り替えモジュール230と接続される。第一のエネルギー貯蔵素子は少なくとも一つのインダクタを含み、又は第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのインダクタ及び/又はキャパシタを含む。第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点は、エネルギー貯蔵モジュール250の第一端と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端は、充放電切り替えモジュール230と接続される。
【0181】
図9における第一のエネルギー貯蔵素子251は、インダクタL1を例に概略的に示されているが、実際の応用では、第一のエネルギー貯蔵素子は、キャパシタ、直列に接続される複数のインダクタ又は直列に接続されるインダクタ及びキャパシタなどであってもよい。第二の上アーム2411と第二の下アーム2412とは、いずれも並列に接続されるスイッチ三極管とフリーホイールダイオードを例に概略的に示されているが、第二の上アーム2411は、並列に接続される第十のスイッチV17と第五のダイオードD15とを含み、第二の下アーム2412は、並列に接続される第十一のスイッチV18と第六のダイオードD16とを含む。実際の応用では、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412の構造は、スイッチ機能を実現できるいずれかの構造であってもよく、例えば第二の上アーム2411と第二の下アーム2412は、いずれもスイッチ三極管であってもよい。
【0182】
図9において、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続される第一の上アーム2311と第一の下アーム2321であり、第一の上アーム2311は、並列に接続される第一のスイッチV11と第一のダイオードD11とを含み、第一の下アーム2321は、並列に接続される第二のスイッチV12と第二のダイオードD12とを含む。
図9に示す構造に加えて、充放電切り替えモジュール230構造は、
図5-7に示す構造のうちのいずれか一つであってもよい。
【0183】
図9に示す回路構造において、第一の上アーム2311と、第二の上アーム2411と、第一の組電池211の正極とは、同一の線に接続され、第一の下アーム2321と、第二の下アーム2412と、第一の組電池211の負極とは、同一の線に接続される。インダクタL1の一端は、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点と接続され、インダクタL1の他端は、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と接続される。
【0184】
図9に示すように、第一の組電池211の両端には、キャパシタC2が並列に接続されてもよい。このキャパシタC2は、電圧の安定化などの機能を実現し、第一の組電池211の電圧変動を減少し、第一の組電池211の電圧の安定性を向上させることができる。このように走行中に、電池電圧のサンプリング精度に対するモータコントローラの要求を低減させることができる。
【0185】
動力自動車において、制御モジュールがスイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230を制御することにより、充放電回路において充電回路と放電回路を交互に切り替える。具体的には、
図9に示す回路構造では、制御モジュールは、第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412のオンオフを制御し、第一の組電池211がインダクタL1へ放電する回路、及びインダクタL1が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、それによって放電と充電のプロセスにおいて第一の組電池211を加熱する。
【0186】
上記制御モジュールは、VCU(完成車コントローラ)又はMCU(モータコントローラ)であってもよく、VCUとMCUとが相対的に独立した他の制御モジュール、例えばドメインコントローラなどであってもよく、本出願の実施例は、これに対して具体的に限定しない。
【0187】
これで分かるように、第一の組電池211を加熱する時、第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412のオン又は遮断を制御することにより、第一の組電池211がインダクタL1へ放電する回路、及びインダクタL1が第一の組電池211へ充電する回路を形成する。放電回路と充電回路を切り替え、それによって第一の組電池211とインダクタL1との間で繰り返し充放電を行わせる。放電と充電プロセスにおいて電池内部に交流電流の流れが存在するため、電池の温度を上昇させ、電池の自己加熱を実現する。
【0188】
具体的には、第一の組電池211を加熱する各加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。ここで、第一の段階では、制御モジュールは、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを遮断するように制御し、第一の組電池211、第一の上アーム2311、インダクタL1と第二の下アーム2412を含む回路を形成し、第一の組電池211がインダクタL1に放電し、インダクタL1が電気エネルギーを貯蔵することができる。放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→インダクタL1→V18→第一の組電池211の負極である。
【0189】
第二の段階では、そして、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを遮断するように制御し、第一の組電池211、第一の下アーム2321、インダクタL1と第二の上アーム2411を含む回路を形成し、インダクタL1が第一の組電池211に充電する。充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→V12→インダクタL1→V17→第一の組電池211の正極である。
【0190】
別の実現方式では、第一の段階では、制御モジュールは、まず、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを遮断するように制御し、第一の組電池211、第二の上アーム2411、インダクタL1と第一の下アーム2321を含む放電回路を形成し、第一の組電池211がインダクタL1に放電し、インダクタL1が電気エネルギーを貯蔵してもよい。放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V17→インダクタL1→V12→第一の組電池211の負極である。第二の段階では、そして、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを遮断するように制御し、第一の組電池211、第二の下アーム2412、インダクタL1と第一の上アーム2311を含む充電回路を形成し、インダクタL1が第一の組電池211に充電する。充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→V18→インダクタL1→V11→第一の組電池211の正極である。
【0191】
本出願は、合理的な制御タイミングを設計することにより、第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412のオン又は遮断を制御することによって、第一の組電池211がインダクタL1へ放電する回路、及びインダクタL1が第一の組電池211へ充電する回路を形成する。放電回路と充電回路を切り替え、第一の組電池211とインダクタL1との間で繰り返し充放電を行わせ、電池の加熱し続けを実現する。
【0192】
本出願の別のいくつかの実施例では、エネルギー貯蔵モジュール250の具体的な構造が第一の組電池211に合わせてエネルギー貯蔵を行うことができる限り、エネルギー貯蔵モジュール250には、複数のインダクタ及び/又はキャパシタの組み合わせの構造が含まれてもよい。スイッチモジュール240は、複数組のスイッチアームを含んでもよい。この充放電回路により第一の組電池211を加熱する時、車両のモータは正常に運行することができるため、加熱モードで作動する時、車両の正常な走行に影響を与えない。
【0193】
上記各実施例では、給電モジュール210は少なくとも第一の組電池211を含み、
図9では、給電モジュール210が第一の組電池211のみを含むことを例に説明した。充放電回路に一つの組電池のみが含まれる実施の形態では、組電池を放電する段階でエネルギー貯蔵モジュール250はエネルギーを貯蔵し、組電池へ充電する段階でエネルギー貯蔵モジュール250は組電池へ充電する。この充放電プロセスにおいて、エネルギー貯蔵モジュール250が、エネルギーを満タンクに貯蔵した後に即座に放電する必要があるため、充放電回路における電流幅値は、最高値に達した後に即座に低下し、発生させた交流電流波形は、三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つである。
図10は、一つの組電池のみを含む場合に充放電回路に形成される三角波形の交流電流の波形の概略図を示す。
【0194】
本出願の実施例では、疑似三角波は、機器のいくつかの誤差又は電流変調精度などの問題により波形が歪み、正規の三角波形から疑似三角波に波形が歪んでいるものである。歪みの原因となる誤差は、機器応答時間の遅延、電磁干渉などの問題を含んでもよい。三角波と疑似三角波の各周期には、いずれも一つの最大の放電ピーク値と一つの最大の充電ピーク値のみがある。
図10に示す三角波を参照すると、疑似三角波にとって、疑似三角波の各周期には、t1時刻のみに最大の放電ピーク値I1が発生し、t2時刻に最大の充電ピーク値-I2が発生し、I1と-I2の電流方向が異なる。
【0195】
似ているように、疑似正弦波も、機器のいくつかの誤差又は電流変調精度などの問題により波形が歪み、正規の正弦波畸から疑似正弦波に波形が歪んでいるものである。正弦波と疑似正弦波の各周期には、いずれも一つの最大の放電ピーク値と一つの最大の充電ピーク値のみがある。
【0196】
本出願の別のいくつかの実施例では、給電モジュール210には、二つ以上の組電池がさらに含まれてもよく、本出願の実施例の充放電回路により給電モジュール210のうちのいずれか二つの組電池同時を加熱してもよい。給電モジュール210に含まれる複数の組電池を二組の組電池に分けてもよく、各組の組電池の首尾が繋がり(即ち先行する組電池の負極は、隣接するその後の一つの組電池の正極と接続され)、一つの組電池に相当し、それによって充放電回路を介してすべての組電池を同時に加熱することができる。本出願の実施例では、加熱モジュール220、充放電切り替えモジュール230を電池加熱装置270と総称し、
図11に示すように、電池加熱装置270は、給電モジュール210と接続され、電池加熱装置270は、給電モジュール210を加熱するために用いられる。給電モジュール210はN個の組電池、例えば
図11に示す第一の組電池211、第二の組電池212、……、第Nの組電池などを含み、Nは2以上の正の整数である。本出願の実施例における電池加熱装置270は、そのうちの二つの組電池を一度に同時に加熱することができる。つまり、N個の組電池を複数組に分け、各組に二つの組電池があり、電池加熱装置270はそのうちの二つの組電池を一度に加熱する。本出願の実施例では、どのようにN個の組電池をグループ分けするかを限定するものではなく、各組電池を加熱する順序を限定するものでもない。別の実現方式では、N個の組電池を二組に分けてもよく、各組の中に含まれる複数の組電池は、一つのより大きな組電池に相当してもよく、そのようにしてN個の組電池を二つの組電池に等価にする場合に相当する。
【0197】
上記の分析に基づいて、二つ以上の組電池を含む場合について、いずれも二つの組電池を同時に加熱する場合に簡略化してもよい。以下では、第一の組電池211と第二の組電池212を例に、第一の組電池211と第二の組電池212とを同時に加熱する充放電回路構造及び制御プロセスを詳細に記述する。
【0198】
ここで、第一の組電池211の第一端は、充放電切り替えモジュール230の第一端と接続され、第一の組電池211の第二端と、第二の組電池212の第二端と、スイッチモジュール240の第二端と、充放電切り替えモジュール230の第二端とは、同一の線に接続され、第二の組電池212の第一端は、スイッチモジュール240の第一端と接続され、第一の組電池211の第一端と第二の組電池212の第一端との間に第十のスイッチK4が接続されている。
【0199】
二つの組電池の応用シナリオにおいて、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230の構造は、上記単組電池の応用シナリオにおける構造と同じである。エネルギー貯蔵モジュール250は、充放電切り替えモジュール230とスイッチモジュール240との間に接続される。一つの実現方式では、エネルギー貯蔵モジュール250の一端は、充放電切り替えモジュール230に含まれる第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の他端は、スイッチモジュール240における各組のスイッチアームの上下アームの接続点と接続される。別の実現方式では、エネルギー貯蔵モジュール250は、第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点と、各組のスイッチアームの上下アームの接続点との間に接続されなくてもよい。代わりに、スイッチモジュール240の第一端と充放電切り替えモジュール230の第一端との間に接続され、又はスイッチモジュール240の第二端と充放電切り替えモジュール230の第二端との間に接続される。ここで、スイッチモジュール240の第一端と充放電切り替えモジュール230の第一端は、スイッチモジュール240の、充放電切り替えモジュール230と同一の線に接続される端であり、スイッチモジュール240の第二端と充放電切り替えモジュール230の第二端は、スイッチモジュール240の、充放電切り替えモジュール230と同一の線に接続される他端である。
【0200】
第一の組電池211の第一端は、第一の組電池211の正極であってもよく、第一の組電池211の第二端は、第一の組電池211の負極であってもよい。第二の組電池212の第一端は、第二の組電池212の正極であってもよく、第二の組電池212の第二端は、第二の組電池212の負極であってもよい。
【0201】
第十のスイッチK4が遮断される場合には、第一の組電池211の負極は、第二の組電池212の正極と接続され、第十のスイッチK4が閉じられる場合に、第一の組電池211の正極は、第二の組電池212の正極と接続される。第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する必要がある場合、第十のスイッチK4を遮断するように制御してもよい。一方、他の場合に、例えば第一の組電池211と第二の組電池212が動力システムなどに給電する場合、第十のスイッチK4を閉じるように制御してもよい。
【0202】
第十のスイッチK4が遮断される場合には、第一の組電池211の正極は、第二の組電池212の正極と繋がり、第一の組電池211の負極は、第二の組電池212の負極と繋がる。このように、電流が第一の組電池211と第二の電池212との間を互いに流れることが実現され、第一の組電池211と第二の組電池212との間のエネルギー交換が実現される。
【0203】
図12に示す充放電回路には、第一の組電池211と第二の組電池212とが含まれ、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続される第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とを含み、第一の上アーム2311は、並列に接続される第一のスイッチV11と第一のダイオードD11とを含み、第一の下アーム2321は、並列に接続される第二のスイッチV12と第二のダイオードD12とを含む。エネルギー貯蔵モジュール250は、インダクタL1を含む。スイッチモジュール240は、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412とを含み、第二の上アーム2411は、並列に接続される第十のスイッチV17と第五のダイオードD15とを含み、第二の下アーム2412は、並列に接続される第十一のスイッチV18と第六のダイオードD16とを含む。
【0204】
ここで、第一の上アーム2311と、第二の上アーム2411と、第二の組電池212の正極とは、同一の線に接続され、第一の下アーム2321、第二の下アーム2412と、第一の組電池211の負極と、第二の組電池212の負極とは、同一の線に接続される。インダクタL1の一端は、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点と接続され、インダクタL1の他端は、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と接続される。第一の組電池211の正極は、第二の上アーム2411と接続される。第一の組電池211の正極と第二の上アーム2411との接続点は、第十のスイッチK4の一端と接続され、第十のスイッチK4の他端と、第一の上アーム2311と、第二の組電池212の正極とは、同一の線に接続される。
【0205】
図12において第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412は、いずれも並列に接続されるスイッチ三極管とフリーホイールダイオードとを含む。その構造は、
図13に示す第一の上アーム2311、第一の下アーム2321、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412がいずれもスイッチ三極管のみを含む構造に置き換えられてもよく、スイッチ三極管は、リレースイッチなどのスイッチ機能を有するいずれかの部品に置き換えられてもよい。実際の応用では、第一の上アーム2311と、第一の下アーム2321と、第二の上アーム2411と、第二の下アーム2412とのうちのいずれか一つは、並列に接続されるスイッチ三極管とフリーホイールダイオードであってもよく、スイッチのみを含んでもよく、本出願は、これに対して限定しない。そして、充放電切り替えモジュール230は、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321とを含まず、
図6又は7に示す直列に接続されるダイオードとスイッチとを含む組み合わせ構造であってもよい。エネルギー貯蔵モジュール250は、直列に接続される複数のインダクタ、又は直列に接続されるインダクタとキャパシタなどを含んでもよい。
【0206】
エネルギー貯蔵モジュール250は、充放電切り替えモジュール230とスイッチモジュール240との間に接続されてもよい。例えば、
図12と
図13に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250の一端は、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との間に接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の他端は、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との間に接続される。
【0207】
さらに、例えば、
図14に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250の一端は、充放電切り替えモジュール230の第一端E11に接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の他端は、スイッチモジュール240の第一端E21の間に接続される。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点とは、導線で接続される。第一の下アーム2321は、第一の組電池211の負極と接続され、第二の下アーム2412は、第二の組電池212の負極と接続され、第一の下アーム2321と第二の下アーム2412とは、接続されない。
【0208】
さらに、例えば、
図15に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250の一端は、充放電切り替えモジュール230の第二端E12に接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の他端は、スイッチモジュール240の第二端E22の間に接続される。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と、第二の上アーム2411と第二の下アーム2412との接続点とは、導線で接続される。第一の上アーム2311は、第一の組電池211の正極と接続され、第二の上アーム2411は、第二の組電池212の正極と接続され、第一の上アーム2311と第二の上アーム2411とは、接続されない。
【0209】
図12-15に示すように、第一の組電池211の両端には、例えばキャパシタC1が並列に接続されてもよく、第二の組電池212の両端には、例えばキャパシタC2が並列に接続されてもよい。このキャパシタC1とこのキャパシタC2は、電圧の安定化などの機能を実現し、第一の組電池211と第二の組電池212との電圧変動を減少し、第二の組電池212と第二の組電池212との電圧の安定性を向上させることができる。このように走行中に、電池電圧のサンプリング精度に対するモータコントローラの要求を低減させることができる。
【0210】
動力自動車において、VCU又はMCUなどの制御モジュールは、スイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230とを制御することにより、第二の組電池212がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュール250と第二の組電池212が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、放電と充電のプロセスにおいて第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する。及び/又は、制御モジュールは、スイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230とを制御することにより、第一の組電池211がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュール250と第一の組電池211が第二の組電池212へ充電する回路を形成し、放電と充電のプロセスにおいて第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する。
【0211】
即ち制御モジュールが第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する時、スイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230を制御する必要があり、スイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230のオン又は遮断を制御することにより、第一の組電池211と第二の組電池212とのうちの一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路、及びこの組電池とエネルギー貯蔵モジュール250がそのうちの別の組電池へ充電する回路を形成する。放電回路と充電回路を切り替え、放電と充電プロセスにおいて二つの組電池の内部にいずれも電流の流れが存在するため、組電池の温度を上昇させ、二つの組電池の同時加熱を実現し、且つ比較的高い加熱効率を有する。
【0212】
一つの実現方式では、
図12と
図13に示す充放電回路について、第一の組電池211と第二の組電池212とを加熱する必要がある場合、各加熱周期はいずれも第一の段階と第二の段階とを含み、第一の段階では、制御モジュールは、まず第十のスイッチK4を遮断するように制御する。制御モジュールは、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに制御し、第一の組電池211がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電するための、第一の組電池211、第一の上アーム2311、エネルギー貯蔵モジュール250と第二の下アーム2412を含む回路を形成することができる。放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→インダクタL1→V18→第一の組電池211の負極である。第二の段階では、第一の上アーム2311と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御し、第一の組電池211とエネルギー貯蔵モジュール250が第二の組電池212へ充電するための、第一の組電池211、第一の上アーム2311、エネルギー貯蔵モジュール250、第二の上アーム2411と第二の組電池212を含む回路を形成する。充電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→インダクタL1→V17→第二の組電池212の正極→第二の組電池212の負極→第一の組電池211の負極である。そして、この状態を一定に保つために、V17とV18との繰り返し切り替えを制御することにより、第二の組電池212への充電時間を制御することができる。
【0213】
さらに、各加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含むことに加えて、第三の段階と第四の段階とをさらに含んでもよい。第三の段階では、制御モジュールは、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御し、第二の組電池212がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電するための、第二の組電池212、第二の上アーム2411、エネルギー貯蔵モジュール250と第一の下アーム2321を含む回路を形成する。放電の電流経路は、第二の組電池212の正極→V17→インダクタL1→V12→第二の組電池212の負極である。第四の段階では、第一の上アーム2311と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御し、第二の組電池212とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電するための、第二の組電池212、第二の上アーム2411、エネルギー貯蔵モジュール250、第一の上アーム2311と第一の組電池211を含む回路を形成する。充電の電流経路は、第二の組電池212の正極→V17→インダクタL1→V11→第一の組電池211の正極→第一の組電池211の負極→第二の組電池212の負極である。そして、この状態を一定に保つために、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との繰り返し切り替えを制御することにより、第一の組電池211への充電時間を制御することができる。
【0214】
類似的に、
図14に示す充放電回路について、第一の段階では、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御すると、第一の組電池211がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路が形成され、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→インダクタL1→V17→V12→第一の組電池211の負極である。第二の段階では、第二の下アーム2412及び第一の下アーム2321を同時にオンに制御し、第一の組電池211とエネルギー貯蔵モジュール250が第二の組電池212へ充電する回路を形成し、充電の電流経路は、第一の組電池211の正極→インダクタL1→第二の組電池212の正極→第二の組電池212の負極→V18→V12→第一の組電池211の負極である。
【0215】
さらに、第三の段階では、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに制御し、第二の組電池212がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路を形成し、放電の電流経路は、第二の組電池212の正極→インダクタL1→V11→V18→第二の組電池212の負極である。第四の段階では、第一の下アーム2321と第二の下アーム2412とを同時にオンに制御し、第二の組電池212とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、充電の電流経路は、第二の組電池212の正極→インダクタL1→第一の組電池211の正極→第一の組電池211の負極→V12→V18→第二の組電池212の負極である。ここで、各アーム上のスイッチチューブを制御することにより、各アームのオンと遮断を実現することができる。
【0216】
図15に示す充放電回路について、第一の段階では、第一の下アーム2321と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御すると、第二の組電池212がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路が形成され、放電の電流経路は、第二の組電池212の正極→V17→V12→インダクタL1→第二の組電池212の負極である。第二の段階では、第二の上アーム2411及び第一の上アーム2311を同時にオンに制御し、第二の組電池212とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、充電の電流経路は、第二の組電池212の正極→V17→V11→第一の組電池211の正極→第一の組電池211の負極→インダクタL1→第二の組電池212の負極である。
【0217】
さらに、第三の段階では、第一の上アーム2311と第二の下アーム2412とを同時にオンに制御し、第一の組電池211がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→V18→インダクタL1→第一の組電池211の負極である。第四の段階では、第一の上アーム2311と第二の上アーム2411とを同時にオンに制御し、第一の組電池211とエネルギー貯蔵モジュール250が第二の組電池212へ充電する回路を形成し、充電の電流経路は、第一の組電池211の正極→V11→V17→第二の組電池212の正極→第二の組電池212の負極→インダクタL1→第一の組電池211の負極である。
【0218】
これで分かるように、二つ以上の組電池を含む充放電回路の具体的な回路構造について、合理的な制御タイミングを設計して、
図12から
図15に示す充放電回路において各アームのオンと遮断を制御することにより、そのうちの一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュール250へ放電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュール250とこの組電池が別の電池へ充電する回路を形成し、放電回路と充電回路を切り替え、それによって放電と充電のプロセスにおいて二つの電池を同時に加熱し、比較的高い加熱効率を有する。
【0219】
理解すべきこととして、
図12-15に示す充放電回路は概略的にすぎず、図における各アームは他の実現方式を有してもよい。例えば、
図12に示す一つのより好ましい実現方式では、第一の上アーム2311は、スイッチチューブV11、及びスイッチチューブV11と並列に接続されるフリーホイールダイオードD11を含んでもよい。第一の下アーム2321は、スイッチチューブV12、及びスイッチチューブV12と並列に接続されるフリーホイールダイオードD12を含んでもよい。スイッチモジュール240は一組のスイッチアームのみを含み、このスイッチアームにおける第二の上アーム2411は、スイッチチューブV17、及びスイッチチューブV17と並列に接続されるフリーホイールダイオードD15を含んでもよく、第二の下アーム2412は、スイッチチューブV18、及びスイッチチューブV18と並列に接続されるフリーホイールダイオードD16を含んでもよい。本出願の実施例は、各アームの具体的な形式に対して限定せず、各アームがフリーホイールダイオードを含まない場合でも、この充放電回路の機能を実現することができる。
【0220】
フリーホイールダイオードは一般的に、インダクタに合わせて使用される。インダクタの電流が急激に変化すると、インダクタ両端の電圧が急変し、回路における他の素子を損傷する可能性がある。しかし、フリーホイールダイオードに合わせて使用される場合、インダクタの電流が比較的穏やかに変化し、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。
【0221】
例を挙げると、
図12に示すように、一つの加熱周期の第一の段階から第二の段階に入る時、即ちスイッチチューブV17とスイッチチューブV18を切り替える時、切り替え遅延が存在するため、第一の段階で第一の組電池211からインダクタL1への放電経路に電流が一時的に残る可能性があり、この時、フリーホイールダイオードD16は、この電流をバッファリングし、急激な電圧変化を回避し、回路の安全性を向上させることができる。
【0222】
上記二つ以上の組電池の実施の形態では、各加熱周期に、まず一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電し、そしてこの組電池及びエネルギー貯蔵モジュールが一緒に別の組電池を充電するため、充電電流又は放電電流を一つの安定した且つ比較的高い電流値に維持することによって、
図16に示す矩形波の概略図のように、充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を発生させることができる。二重組電池の設置は、エネルギー貯蔵モジュールの加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対する拘束を効果的に低減させることができ、二重組電池の加熱方式により、組電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した且つ比較的大きい加熱電流の大きさに維持することができるように、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの組電池に逃がすことができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。加熱電流の大きさを一つの安定した値に維持することができるため、二重組電池の充放電回路において発生させた交流電流の波形は、矩形波又は疑似矩形波である。
【0223】
本出願の実施例では、疑似矩形波は、機器のいくつかの誤差又は電流変調精度などの問題により波形が歪み、正規の矩形波から疑似矩形波に波形が歪んでいるものである。歪みの原因となる誤差は、機器応答時間の遅延、電磁干渉などの問題を含んでもよい。矩形波と疑似矩形波の各周期には、いずれも一定の時間に安定性を維持する放電電流のピーク値と一定の時間に安定性を維持する充電電流のピーク値とが存在する。
図16に示す矩形波を参照すると、疑似矩形波にとって、疑似矩形波の単一の周期にも、0-t1時間帯に電流がI1に維持され、t1-t2時間帯に電流が-I2に維持され、電流I1と-I2とは逆方向である。疑似矩形波は、台形波又はいずれか一定の時間に安定性を維持する放電電流のピーク値と一定の時間に安定性を維持する充電電流のピーク値とを有する他の波形を含んでもよい。
【0224】
別のいくつかの実施例では、モータコントローラによって充放電の電流の周波数を制御し、電流の周波数を低減させ、各周期にエネルギー貯蔵モジュールに貯蔵された電気エネルギーをできるだけ多く組電池に再充電させることにより、
図10に示すように、充放電回路において三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つの波形の交流電流を発生させてもよい。
【0225】
ここで、矩形波又は疑似矩形波が発生するシナリオにおける充放電の電流の周波数は、三角波、疑似三角波、正弦波形及び疑似正弦波形などの波形が発生するシナリオにおける電流の周波数よりも大きい。
【0226】
本出願の別のいくつかの実施例では、スイッチモジュール240は少なくとも一組のスイッチレッグを含み、少なくとも一組のスイッチレッグは、直列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、エネルギー貯蔵モジュール250における第一のエネルギー貯蔵素子251は少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、エネルギー貯蔵デバイスは、スイッチレッグの数に等しく、エネルギー貯蔵デバイスは、スイッチレッグとは一対一に対応して接続される。スイッチレッグにおけるダイオードの陰極は、給電モジュール210の正極と接続され、スイッチレッグにおけるダイオードの陽極は、給電モジュール210の負極と接続される。
【0227】
この実施例では、スイッチモジュールには、直列に接続されるスイッチとダイオードから構成されるスイッチレッグが含まれ、直列に接続される一つのダイオードと一つのスイッチを採用し、2つのスイッチチューブから構成されるスイッチアームを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードは受動制御であり、能動制御を必要とせず、一つのダイオードと一つのスイッチを採用する構造の制御ポリシーは、より簡単である。また、スイッチモジュールのより多くの構造変形を提供し、充放電切り替えモジュールの異なる変形構造は、より様々な充放電回路の具体的な回路構造となるように組み合わせることによって、充放電回路構造に対する異なるユーザの需要又は工業生産の需要を満足させることができる。スイッチレッグにおけるダイオードの陰極は、給電モジュールの正極と接続され、ダイオードの陰極は、電流をオフにし、給電モジュールの正極と負極との間がダイオードを介して順方向に直接オンになることを防止し、充放電回路の安全性を向上させることができる。
【0228】
図9、12-15におけるスイッチモジュール240の構造は、いずれも上記スイッチレッグの構造に置き換えられてもよい。
図9を例に、スイッチモジュール240の構造を変形すると、
図17に示すように、スイッチモジュール240には、直列に接続されるスイッチV18とダイオードD15とが含まれる。別の例として、
図9を例に、
図9におけるスイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230の構造を変形すると、
図18に示すように、スイッチモジュール240には、直列に接続されるスイッチV18とダイオードD15とが含まれ、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続されるスイッチV11とダイオードD11とを含む。
図12-15におけるスイッチモジュール240と充放電切り替えモジュール230との異なる構造の組み合わせ方式について、ここで1つずつ例を挙げて説明しない。
【0229】
上記各実施例による充放電回路において、いずれも車両のモータを直接使用して電池を加熱するのではなく、加熱モジュール220と充放電切り替えモジュール230などの部材を追加して電池の自己加熱機能を実現する。それによって電池を加熱するプロセスにおいて、モータは正常に運行することができ、動力電池の加熱は、動力電池が搭載されている車両の正常な走行に影響を与えない。
【0230】
本出願の別のいくつかの実施例では、動力電池を加熱する時に不要なコストアップを回避するために、車両に搭載されたモータ回路を利用して動力電池を加熱してもよい。それに応じて、エネルギー貯蔵モジュール250はM相モータを含み、スイッチモジュール240はM相アームを含み、Mは正の整数である。ここで、M相アームと、給電モジュール210及び充放電切り替えモジュール230とは、並列に接続され、M相アームの上下アームの接続点は、それぞれM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、充放電切り替えモジュール230は、M相巻線の接続点と接続される。
【0231】
給電モジュール210は少なくとも一つの組電池を含み、組電池は、複数の電池モジュールを含むセットであってもよく、複数の電池コアを含む電池モジュールであってもよい。スイッチモジュール240に含まれるM相アームは、モータに対応するインバータにより実現されてもよく、各相アームは、いずれも上アームと下アームとを含む。例えば、三相モータに対応するインバータは三相アームを含み、三つの上アーム及び三つの下アームを含む。
【0232】
充放電回路に充電回路又は放電回路を形成するために、M相アームの上アーム又は下アーム、及びオン充放電切り替えモジュール230の第一の切り替え回路231又は第二の切り替え回路232をオンにする必要がある。給電モジュール210の上端が正極であり、下端が負極であるとすると、M相アームの上アーム及び第二の切り替え回路232をオンにすると、放電回路が形成され、この時、電流は給電モジュール210の正極から流出し、M相アームのM個の上アームを経て、さらにM相モータを経て、第二の切り替え回路232から給電モジュールの負極に戻る。M相アームの下アーム及び第一の切り替え回路231をオンにすると、充電回路が形成され、この時、電流は給電モジュール210の負極から流出し、M相アームのM個の下アームを経て、さらにM相モータを経て、第一の切り替え回路231から給電モジュール210の正極に戻る。
【0233】
電回路及び放電回路を周期的に切り替えることにより、電流が給電モジュール210の内部を流れるようにし、それによって熱を発生させて給電モジュール210を加熱する。
【0234】
本実施例では、エネルギー貯蔵モジュール250に含まれるM相モータは、スイッチモジュール240に含まれるM相アームに接続されるだけでなく、充放電切り替えモジュール230にも接続されることにより、M相アームを流れる電流が、同時にM相モータのすべての巻線に流入し、且つすべての巻線の他端から流出することができ、それによってM相モータのすべての巻線を流れる電流は、方向の異なる交流電流ではなく、同じ方向及び同じ大きさの電流であってもよい。そのため、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、モータの振動雑音が過大になるという問題を効果的に低減させることができる。
【0235】
以下では、図面を結び付けながらモータを利用して電池を加熱する充放電回路の回路構造を詳細に記述する。まず、一つの組電池のみを含む充放電回路では、この一つの組電池は、一つの電池パックであってもよく、複数の電池パックを組み合わせて構成してもよい。本出願の実施例では、充放電回路に含まれるこの一つの組電池は、第一の組電池と呼ばれる。
【0236】
充放電回路において、給電モジュール210は、第一の組電池211と、スイッチモジュール240M相アームとを含み、エネルギー貯蔵モジュール250はM相モータを含み、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続される第一の切り替え回路231と、第二の切り替え回路232とを含む。第一の組電池211と、M相アームと、充放電切り替えモジュール230とは、並列に接続され、M相アームの上下アームの接続点は、それぞれM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、充放電切り替えモジュール230における第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、M相モータと接続される。
【0237】
図19に示すように、M相アームは、アーム331、アーム332及びアーム333を含む三相アームを例にする。それに応じて、M相モータは、三つの巻線、即ちそれぞれ巻線311、巻線312及び巻線313を含む三相巻線モータである。第一の組電池211と、アーム331と、アーム332と、アーム333と、充放電切り替えモジュール230とは、並列に接続される。アーム331の上アーム3311と下アーム3312との接続点は、巻線311の一端と繋がり、アーム332の上アーム3321と下アーム3322との接続点は、巻線312の一端と繋がり、アーム333の上アーム3331と下アーム3332との接続点は、巻線313の一端と繋がる。巻線311の他端と、巻線312の他端と、巻線313の他端とは、同一の線に接続され、巻線311と、巻線312と、巻線313とが同一の線に接続される接続点は、中性点と呼ばれる。充放電切り替えモジュール230の第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、モータの中性点と接続される。
【0238】
図19において、充放電切り替えモジュール230の構造は、アーム構造で示されている。第一の切り替え回路231は第一の上アーム2311を含み、第二の切り替え回路232は第一の下アーム2321を含む。
【0239】
図19に示すように、第一の組電池211と、上アーム3311~3331と、巻線311~313と、充放電切り替えモジュール230の第一の下アーム2321とは、共同で放電回路を形成する。放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→アーム331の上アーム
3311、アーム332の上アーム3321及びアーム333の上アーム3331→巻線311、312及び313→第一の下アーム2321→第一の組電池211の負極である。
【0240】
他方、第一の組電池211と、下アーム3312~3332と、巻線311~313と、充放電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311とは、共同で充電回路を形成する(図示せず)。充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→アーム331の下アーム3312、アーム332の下アーム3322及びアーム333の下アーム3332→巻線311、312及び313→第一の上アーム2311→第一の組電池211の正極である。
【0241】
図19に示す実施例では、モータ巻線の接続点を第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点と接続することにより、充電又は放電時に電流が同時にすべての巻線から流入できることを許容し、いずれか一相の巻線を介して流出する必要がなく、三相巻線に流入又は流出する電流は常に大きさが等しく、位相差がゼロであるため、空間対称な三相巻線が合成する固定子磁界はほぼゼロとなり、それによってモータ回路を利用して動力電池を加熱する時に、固定子磁界とロータ磁界との相互作用により発生した振動雑音が効果的に抑制される。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0242】
一つの例では、M相モータと充放電切り替えモジュール230との間に第二のエネルギー貯蔵素子260が設置され、第二のエネルギー貯蔵素子260は、少なくとも一つの外部インダクタを含み、又は少なくとも一つのキャパシタを含み、又は直列に接続される少なくとも一つのインダクタ及び/又はキャパシタなどを含んでもよい。具体的には、充放電切り替えモジュール230における第一の切り替え回路231と第二の切り替え回路232との接続点は、第二のエネルギー貯蔵素子260の一端と接続され、第二のエネルギー貯蔵素子260の他端は、M相モータの中性点と接続される。
【0243】
図20に示す充放電回路と、
図19に示す回路構造との違いは、
図20において三相モータの中性点と、第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との接続点との間に外部インダクタユニット321が設置されることである。選択的に、外部インダクタユニット321は、
図19に示すように、導線であってもよい。また、本出願の実施例は、外部インダクタユニットの数を限定しなくてもよい。
【0244】
モータ巻線と充放電切り替えモジュール230との間に第二のエネルギー貯蔵素子260が追加され、第二のエネルギー貯蔵素子260とモータ巻線とが共同でエネルギーを貯蔵することにより、放電回路に貯蔵された電気エネルギーを向上させるのに寄与し、充電回路において貯蔵された電気エネルギーを組電池に再充電し、それによって組電池の加熱効率を向上させる。
図20において、モータと充放電切り替えモジュール230との間に外部インダクタユニットが設置されることにより、インダクタンス量を増加させ、加熱プロセスにおける電流のリップルを低減させるのに有利であり、それによって充放電の電流を効果的に向上させ、充放電効率を向上させることができる。
【0245】
選択的に、M相モータは、六相巻線モータであってもよく、それに応じて、M相巻線は、六相巻線モータにおけるすべての巻線であってもよい。選択的に、M相アームは、三相アームであってもよく、六相アームであってもよい。
【0246】
ここで、
図19と20における充放電切り替えモジュール230の構造は、
図4-7に示すいずれか一つの充放電切り替えモジュール230の構造であってもよい。具体的には、一つの例では、
図19と20中第一の上アーム2311と第一の下アーム2321におけるフリーホイールダイオードを除去し、スイッチ三極管のみをリザーブしてもよく、スイッチ三極管は、リレースイッチなどの他のスイッチ機能を有する部品に置き換えられてもよい。
【0247】
別の例では、充放電切り替えモジュール230の構造は、アーム構造ではなく、直列に接続されるダイオードとスイッチとを含んでもよい。
図21に示すように、充放電切り替えモジュール230は、直列に接続されるダイオードD7とスイッチチューブV7とを含む。第一の組電池211の正極と、スイッチモジュール240のすべての上アームと、ダイオードD7の陰極とは、同一の線に接続され、第一の組電池211の負極と、スイッチモジュール240のすべての下アームと、スイッチチューブV7の一端とは、同一の線に接続される。スイッチモジュール240の各組のアームの上下アームの接続点は、それぞれ三相モータの三相巻線LA、LB及びLCと一対一に対応して接続される。三相巻線LA、LB及びLCの共通接続点は、ダイオードD7とスイッチチューブV7との接続点と繋がる。ダイオードD7の陽極は、スイッチチューブV7の一端と接続され、スイッチチューブV7の他端は、第一の組電池211の負極と接続される。
【0248】
図21に示す回路構造において、スイッチモジュール240のすべての上アーム、スイッチK及びスイッチチューブV7を閉じるように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240を制御するすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとスイッチチューブV7との間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム→巻線LA、LB及びLC→スイッチK→インダクタL→スイッチチューブV7→第一の組電池211の負極である。また、スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム及びスイッチKを閉じ、スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御する。そうすると、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての下アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとダイオードD7との間の充電回路が形成され、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチモジュール240のすべての下アーム→巻線LA、LB及びLC→スイッチK→インダクタL→ダイオードD7→第一の組電池211の正極である。
【0249】
図21において、ダイオードD7を逆方向に設定し、即ちダイオードD7の陰極をスイッチチューブV7と接続し、ダイオードD7の陽極と第一の組電池211の正極と接続してもよい。ダイオードD7を逆方向に設定した後に、放電プロセスにおいて、スイッチK及びスイッチモジュール240のすべての下アームを閉じ、スイッチモジュール240のすべての上アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御し、第一の組電池211とスイッチKとダイオードD7とインダクタLと、巻線LA、LB及びLCとスイッチモジュール240のすべての下アームとの間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→ダイオードD7→インダクタL→スイッチK→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての下アーム→第一の組電池211の負極である。充電プロセスにおいて、スイッチモジュール240のすべての上アーム、スイッチK及びスイッチチューブV7を閉じ、スイッチモジュール240のすべての下アームを遮断するように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとスイッチチューブV7との間の充電回路を形成し、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチチューブV7→インダクタL→スイッチK→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての上アーム→第一の組電池211の正極である。
【0250】
図21において、スイッチKとインダクタLとは、そのうちのいずれか一つのみを設置してもよい。スイッチKとインダクタLとを設置せず、導線で巻線LA、LB及びLCの中性点と充放電切り替えモジュール230とを接続してもよい。
【0251】
図21に示す回路構造において、充放電切り替えモジュール230は、一つのフリーホイールダイオードと一つの三極管のみを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードD7は受動制御であり、能動制御を必要とせず、制御ポリシーがより簡単である。
【0252】
図21における回路構造は、
図20に示す回路構造に変形してもよい。
図22と
図21との違いは、スイッチKがダイオードD7の陰極とスイッチモジュール240の接続点との間に設置されることである。
図22において、スイッチモジュール240の上アーム及びスイッチチューブV7を閉じるように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240を制御するすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとインダクタLとスイッチチューブV7との間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム→巻線LA、LB及びLC→インダクタL→スイッチチューブV7→第一の組電池211の負極である。また、スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム及びスイッチKを閉じ、スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御する。そうすると、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての下アームと巻線LA、LB及びLCとインダクタLとダイオードD7とスイッチKとの間の充電回路が形成され、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチモジュール240のすべての下アーム→巻線LA、LB及びLC→インダクタL→ダイオードD7→スイッチK→第一の組電池211の正極である。
【0253】
図22におけるダイオードD7の向きを逆方向に設定してもよい。即ちダイオードD7の陽極をスイッチKと接続し、ダイオードD7の陰極とスイッチチューブV7と接続する。ダイオードD7を逆方向に設定した後に、放電プロセスにおいて、スイッチK及びスイッチモジュール240のすべての下アームを閉じ、スイッチモジュール240のすべての上アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御し、第一の組電池211とスイッチKとダイオードD7とインダクタLと巻線LA、LB及びLCとスイッチモジュール240のすべての下アームとの間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチK→ダイオードD7→インダクタL→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての下アーム→第一の組電池211の負極である。充電プロセスにおいて、スイッチモジュール240のすべての上アーム及びスイッチチューブV7を閉じ、スイッチモジュール240のすべての下アーム及びスイッチKを遮断するように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとインダクタLとスイッチチューブV7との間の充電回路を形成し、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチチューブV7→インダクタL→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての上アーム→第一の組電池211の正極である。
【0254】
図22において、スイッチKは、ダイオードD7と第一の組電池211の正極との間に設置され、充放電切り替えモジュール230が故障した場合にスイッチKを遮断し、充放電切り替えモジュール230の故障による回路における他のデバイスの損傷を回避することができる。
【0255】
図19における回路構造は、
図23に示す回路構造に変形してもよい。
図23と
図21との違いは、ダイオードD7とスイッチチューブV7との位置が入れ替わっていることである。
図23において、スイッチチューブV7は、第一の組電池211の正極と接続され、ダイオードD7は、第一の組電池211の負極と接続される。
図23に示す回路構造において、スイッチモジュール240のすべての下アーム、スイッチK及びスイッチチューブV7を閉じるように制御し、第一の組電池211と、スイッチモジュール240を制御するすべての下アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとスイッチチューブV7との間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチチューブV7→インダクタL→スイッチK→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム→第一の組電池211の負極である。また、スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム及びスイッチKを閉じ、スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御する。そうすると、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとダイオードD7との間の充電回路が形成され、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→ダイオードD7→インダクタL→スイッチK→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての上アーム→第一の組電池211の正極である。
【0256】
図23において、ダイオードD7の向きを逆方向に設定し、即ちダイオードD7の陽極をスイッチチューブV7と接続し、ダイオードD7の陰極を第一の組電池211の負極と接続してもよい。制御方式もそれに応じて調整すればよいため、ここでこれ以上説明しない。
【0257】
図23において、スイッチKとインダクタLとは、そのうちのいずれか一つのみを設置してもよい。スイッチKとインダクタLとを設置せず、導線で巻線LA、LB及びLCの中性点と充放電切り替えモジュール230とを接続してもよい。
【0258】
図23に示す回路構造において、充放電切り替えモジュール230は、一つのフリーホイールダイオードと一つの三極管のみを採用し、2つのスイッチチューブを採用する場合に比べてコストを半分に低減させ、スイッチング期間のコストを節約した。そして、ダイオードD7は受動制御であり、能動制御を必要とせず、制御ポリシーがより簡単である。
【0259】
図23における回路構造は、
図24に示す回路構造に変形してもよい。
図24と
図23との違いは、スイッチKがダイオードD7と第一の組電池211の負極との間に設置されることである。
図24に示す回路構造において、スイッチモジュール240のすべての下アーム及びスイッチチューブV7を閉じるように制御し、第一の組電池211とスイッチモジュール240を制御するすべての下アームと巻線LA、LB及びLCとインダクタLとスイッチチューブV7との間の放電回路を形成し、放電の電流経路は、第一の組電池211の正極→スイッチチューブV7→インダクタL→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム→第一の組電池211の負極である。また、スイッチモジュール240を制御するすべての上アーム及びスイッチKを閉じ、スイッチモジュール240を制御するすべての下アーム及びスイッチチューブV7を遮断するように制御する。そうすると、第一の組電池211とスイッチモジュール240のすべての上アームと巻線LA、LB及びLCとスイッチKとインダクタLとダイオードD7との間の充電回路が形成され、充電の電流経路は、第一の組電池211の負極→スイッチK→ダイオードD7→インダクタL→巻線LA、LB及びLC→スイッチモジュール240のすべての上アーム→第一の組電池211の正極である。
【0260】
図24において、ダイオードD7の向きを逆方向に設定し、即ちダイオードD7の陽極をスイッチチューブV7と接続し、ダイオードD7の陰極をスイッチKと接続してもよい。制御方式もそれに応じて調整すればよいため、ここでこれ以上説明しない。
【0261】
図24において、スイッチKは、ダイオードD7と第一の組電池211の負極との間に設置され、充放電切り替えモジュール230が故障した場合にスイッチKを遮断することにより、充放電切り替えモジュール230の故障による回路における他のデバイスの損傷を回避することができる。
【0262】
上記各実施例は、いずれも一つのモータを利用して電池を加熱する場合であり、実際の応用シナリオでは、二つのモータを有する電気自動車もあり、二つのモータを利用して動力電池を加熱してもよい。ツインモータを有する電力消費機器について、二つのモータを利用して組電池を加熱してもよく、そのうちの一つのモータのインバータはスイッチモジュールに相当し、別のモータのインバータは充放電切り替えモジュールに相当する。二つのモータの巻線はエネルギー貯蔵モジュールに相当する。二つのモータのインバータにおける各アームのオン又は遮断を制御することにより、充放電回路において充電回路と放電回路を交互に切り替える。
図25と
図26は、本出願の実施例によるツインモータを利用して電池を加熱する充放電回路の回路構造を示す。
【0263】
一つの例では、M相モータは、第一のM相モータ及び第二のM相モータを含むツインモータであり、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される。具体的には、第一のM相モータ及び第二のM相モータは、いずれも三相巻線モータであってもよく、第一のM相モータは巻線311、巻線312及び巻線313を含み、第二のM相モータは巻線321、巻線322及び巻線323を含む。巻線311、312、313の共通接続点は、巻線321、322、323の共通接続点と接続される。
【0264】
ツインモータを含む回路構造において、スイッチモジュール240に含まれるM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。具体的には、スイッチモジュール240におけるM相アームは、アーム331、アーム332及びアーム333を含む。具体的には、アーム331の上アーム3311と下アーム3312との接続点は、巻線311の一端と繋がり、アーム332の上アーム3321と下アーム3322との接続点は、巻線312の一端と繋がり、アーム333の上アーム3331と下アーム3332との接続点は、巻線313の一端と繋がる。
【0265】
ツインモータを含む回路構造において、充放電切り替えモジュール230もM相アームを含み、そのM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ第二のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。具体的には、充放電切り替えモジュール230は、アーム341、アーム342及びアーム343を含む。アーム341の上アーム3411と下アーム3412との接続点は、巻線321の一端と繋がり、アーム342の上アーム3421と下アーム3422との接続点は、巻線322の一端と繋がり、アーム343の上アーム3431と下アーム3432との接続点は、巻線323の一端と繋がり、巻線311の他端、巻線312の他端、巻線313の他端、巻線321の他端、巻線322の他端及び巻線323の他端の共通接続点が接続される。
【0266】
図25に示すように、給電モジュール210と、上アーム3311、3321、3331と、巻線311~313と、巻線321~323と、下アーム3412、3422、3432とは、共同で放電回路を形成する。
図26に示すように、給電モジュール210と、下アーム3312、3322、3332と、巻線311~313と、巻線321~323と、上アーム3411、3421、3431とは、共同で充電回路を形成する。ここで、制御モジュール(図示せず)の制御により、充電回路と放電回路とが、周期的に交互にオンされる。
【0267】
別の実現方式では、充放電切り替えモジュール230のM相アームの上アームとスイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、給電モジュール210とスイッチモジュール240のM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の放電回路を形成してもよい。
図25又は22に示す回路構造は、下アーム3312、3322、3332及び上アーム3411、3421、3431をいずれもオンに制御し、第一の組電池211と、上アーム3411、3421及び3431と巻線321~323と巻線311~313と下アーム3312、3322及び3332との間の放電回路を形成する。
【0268】
また、スイッチモジュール240のM相アームの上アームと充放電切り替えモジュール230のM相アームの下アームとをオンに制御し、給電モジュール210と充放電切り替えモジュール230のM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータとスイッチモジュール
240のM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
図25又は22に示す回路構造は、上アーム3311、3321、3331と下アーム3412、3422、3432とをオンに制御し、第一の組電池211と下アーム3412、3422及び3432と巻線321~323と巻線311~313と上アーム3311、3321及び3331との間の充電回路を形成する。
【0269】
図25と
図26に示す実施例では、巻線311~313に流入する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第一のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。類似的に、巻線321~323から流出する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第二のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0270】
選択的に、上記第一のM相モータは六相モータであり、第二のM相モータは三相モータであってもよい。エネルギー貯蔵モジュール250は六相モータにおけるすべての巻線であり、第二のエネルギー貯蔵素子260は三相モータにおけるすべての巻線である。
【0271】
選択的に、第一のM相モータは三相モータであり、第二のM相モータは六相モータであり、エネルギー貯蔵モジュール250は三相モータにおけるすべての巻線であり、第二のエネルギー貯蔵素子260は六相モータにおけるすべての巻線であってもよい。
【0272】
選択的に、第一のM相モータは六相モータであり、第二のM相モータは六相モータであり、エネルギー貯蔵モジュール250は六相モータにおけるすべての巻線であり、エネルギー貯蔵モジュール250は別の六相モータにおけるすべての巻線である。
【0273】
上記第一のM相モータと第二のM相モータは、他のいずれか相モータの組み合わせ方式であってもよく、本出願の実施例は、これに対して限定しない。
【0274】
本出願の別のいくつかの実施例では、モータを利用して電池を加熱する充放電回路においては、二つ以上の組電池が含まれてもよい。
図27は、二つ以上の組電池を含む充放電回路の概略的ブロック図を示す。
【0275】
図27に示すように、充放電回路は、給電モジュール210と、スイッチモジュール240と、エネルギー貯蔵モジュール250と、充放電切り替えモジュール230とを含む。
【0276】
具体的には、給電モジュール210は第一の組電池211及び第二の組電池212を含む。第一の組電池211と第二の組電池212との間に第十のスイッチが接続されていて(図示せず、点線は接続関係が可変であることを表す)、第十のスイッチの開閉により第一の組電池211と第二の組電池212との間の接続関係を変える。具体的には、第十のスイッチが閉じられる場合、第一の組電池211と、第二の組電池212とは、並列に接続され、遮断時には第一の組電池211と、第二の組電池212とは、直列に接続される。組電池は、複数の電池モジュールを含むセットであってもよく、複数の電池コアを含む電池モジュールであってもよい。スイッチモジュール240は、インバータにより実現されてもよく、M相アームを含み、Mは正の整数であり、各相アームは、上アームと下アームとを含み、例えば三相アームは三つの上アーム及び三つの下アームを含む。エネルギー貯蔵モジュール250は、M相モータを含んでもよく、例えばM相モータは三相巻線を有する三相巻線モータである。充放電切り替えモジュール230は、第一の切り替え回路231と、第二の切り替え回路232とを含む。二重組電池を含む充放電回路において、第一の切り替え回路231は第一の上アーム2311を含み、第二の切り替え回路232は第一の下アーム2321を含む。第一の上アーム2311と第一の下アーム2321との構造は、並列に接続される三極管とフリーホイールダイオードであってもよく、スイッチのみを含んでもよい。
【0277】
一つの例では、
図28に示すように、第一の組電池211とスイッチモジュール240に含まれるM相アームとは、並列に接続され、ここで、第一の組電池211の第一端とM相アームの上アームとは、同一の線に接続され、M相アームの上下アームの接続点は、それぞれM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、充放電切り替えモジュール230の上下アームの接続点は、M相モータの中性点と接続される。充放電切り替えモジュール230の上下アームの接続点は、導線でM相モータの中性点と直接接続されてもよい。充放電切り替えモジュール230の上下アームの接続点と、M相モータの中性点との間に第二のエネルギー貯蔵素子260が接続されてもよく、第二のエネルギー貯蔵素子260は、少なくとも一つのインダクタを含み、又は直列に接続されるインダクタとキャパシタなどを含んでもよい。充放電切り替えモジュール230の上下アームの接続点と、M相モータの中性点との間に、第九のスイッチが設置されてもよい。
【0278】
第二の組電池212の第一端と、充放電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311とは、同一の線に接続され、第二の組電池212の第二端と、第一の組電池211の第二端と、M相アームと、充放電切り替えモジュール230の第一の下アーム2321とは、同一の線に接続され、第十のスイッチK4は、第一の組電池211の第一端と第二の組電池212の第一端との間に設置される。
【0279】
具体的には、M相アームは、アーム431、アーム432及びアーム433を含む三相アームであってもよく、それに応じて、M相モータは、三相巻線、即ちそれぞれ巻線411、巻線412及び巻線413を含む三相巻線モータである。
【0280】
モータを利用して給電モジュール210を加熱する必要がある場合、第十のスイッチK4を遮断し、この時第一の組電池211と、第二の組電池212とは、直列に接続される。M相アームの上アーム又は下アーム、及び充放電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311と第一の下アーム2321を制御することにより、第一の組電池211と第二の組電池212の充放電制御を実現することができる。第一の周期に、第一の組電池211が放電し、第二の組電池212が充電するとする。この時、第一の組電池211の放電電流はその正極から流出し、アーム431~433の上アーム4311、4321、4331を経て、巻線411~413に入り、充電電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311を経て第二の組電池212の正極に入り、且つ第二の組電池212の負極から流出し、最終的に第一の組電池211の負極に戻る。
【0281】
図29に示すように、第二の周期に、第一の組電池211が充電し、第二の組電池212が放電するとする。この時、第二の組電池212の放電電流はその正極から流出し、充放電切り替えモジュール230の第一の上アーム2311を経て巻線411~413に入り、アーム431~433の上アーム4311、4321、4331を経て第一の組電池211の正極に入り、且つ第一の組電池211の負極から流出し、最終的に第二の組電池212の負極に戻る。
【0282】
本実施例では、二重組電池の設計により、加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対するモータインダクタンスの拘束を効果的に低減させることができ、二重電池の加熱方式により、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの電池に逃がすことができ、電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した加熱電流の大きさに維持することができるように、即ち充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を発生させることができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。
【0283】
図30は、ツインモータを利用して二重組電池を加熱する充放電回路の回路構造、即ちMモータがツインモータである場合の回路トポロジーを示す。
【0284】
具体的には、
図30に示すように、M相モータは、第一のM相モータ及び第二のM相モータを含むツインモータであり、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される。具体的には、第一のM相モータ及び第二のM相モータは、いずれも三相巻線モータであってもよく、第一のM相モータは巻線411、巻線412及び巻線413を含み、第二のM相モータは巻線441、巻線442及び巻線443を含む。巻線411、412、413の共通接続点は、巻線441、442、443の共通接続点と接続される。
【0285】
スイッチモジュール240に含まれるM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。具体的には、スイッチモジュール240におけるM相アームは、アーム431、アーム432及びアーム433を含む。具体的には、アーム431の上アーム4311と下アーム4312との接続点は、巻線411の一端と繋がり、アーム432の上アーム4321と下アーム4322との接続点は、巻線412の一端と繋がり、アーム433の上アーム4331と下アーム4332との接続点は、巻線413の一端と繋がる。
【0286】
充放電切り替えモジュール230もM相アームを含み、そのM相アームの上下アームの接続点は、それぞれ第二のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続される。具体的には、充放電切り替えモジュール230は、アーム421、アーム422及びアーム423を含む。アーム421の上アーム4211と下アーム4212との接続点は、巻線441の一端と繋がり、アーム422の上アーム4221と下アーム4222との接続点は、巻線442の一端と繋がり、アーム423の上アーム4231と下アーム4232との接続点は、巻線443の一端と繋がり、巻線441の他端、巻線442の他端、巻線443の他端、巻線411の他端、巻線412の他端及び巻線413の他端の共通接続点が接続される。
【0287】
図30の実施例では、巻線411~413に流入する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第一のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。類似的に、巻線441~443から流出する電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータ回路を利用して動力電池を加熱するプロセスにおいて、第二のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0288】
図31は、本出願の実施例による充放電システム500の概略的ブロック図を示す。この充放電システム500は、制御モジュール530と、上記いずれか一つの実施例における充放電回路200とを含む。
【0289】
制御モジュール530は、充放電回路200に命令を送信し、給電モジュール210が充放電を行うように制御するために用いられる。
図31に示すように、充放電回路200は、給電モジュール210と、スイッチモジュール240と、エネルギー貯蔵モジュール250と、充放電切り替えモジュール230とを含む。制御モジュール530は、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230と接続され、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230に充放電イネーブル信号を送信し、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230のオン又はオフを制御することによって、充放電回路200に交互に切り替わる充電回路又は放電回路を形成するために用いられる。
【0290】
一つの例では、制御モジュール530は、完成車コントローラ又は車両コントローラ(Vehicle control unit、VCU)及び/又はモータコントローラを含んでもよい。
【0291】
一つの例では、給電モジュール210は動力電池である。
【0292】
充放電システム500を利用して給電モジュール210を加熱する時、制御モジュール530は、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230にイネーブル信号を送信し、充放電回路におけるスイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230のオン又はオフを制御することによって、充電回路又は放電回路を形成する。
【0293】
充放電回路に一つの組電池のみが含まれる場合、スイッチモジュール240は少なくとも一組のスイッチアームを含み、充放電切り替えモジュール230は、第一の切り替え回路231と、第二の切り替え回路232とを含み、制御モジュール530から送信されたイネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームをオンにするか又は下アームをオンにするとともに、充放電切り替えモジュール230の第一の切り替え回路231をオンにするか又は第二の切り替え回路232をオンにし、充電回路又は放電回路を形成させ、充電回路又は放電回路を繰り返し切り替え、給電モジュール210を充放電し、それによって電流が給電モジュール210の内部を流れる時に発生した熱を利用して加熱する。
【0294】
充放電回路が少なくとも二つの組電池を含む場合、制御モジュール530から送信されたイネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームをオンにするか又は下アームをオンにするとともに、充放電切り替えモジュール230の第一の切り替え回路231をオンにする又は第二の切り替え回路232をオンにし、充電回路又は放電回路を形成させ、充電電回路又は放電回路を介して第一の組電池又は第二の組電池を充放電し、充放電は、第一の組電池と第二の組電池との充放電状態を切り替えることを含み、ここで、充放電状態は、第一の組電池を充電するとともに、第二の組電池を放電すること、又は第一の組電池を放電するとともに、前記第二の組電池を充電することを含む。
【0295】
一つの例では、制御モジュール530は、動力電池の充電状態SOCを決定するために用いられる。充電状態(State Of Charge、SOC)とは、電池が一定の放電倍率で、同じ条件で定格容量に対する残余電力量の割合である。SOCは電池管理システムの重要なパラメータの一つであり、自動車全体の充放電制御ポリシーと電池バランス作動の根拠でもある。しかしながら、リチウム電池自体の構造の複雑性のため、その充電状態は直接測定によって得られず、電池のいくつかの外部特性、例えば電池の内部抵抗、温度、電流などの関連パラメータに基づいて、関連する特性曲線又は計算式を利用してSOCに対する推定作動を完了することしかできない。
【0296】
一つの例では、制御モジュール530は、電池管理システムBMSから送信された、動力電池が加熱条件を満たしていることを指示するための加熱要求を受信するためにも用いられる。
【0297】
一つの例では、電池管理システム(Battery Management System、BMS)から送信された加熱要求を受信することによって、制御モジュール530はタイムリーに動力電池を加熱し、車両のような動力装置の使用への影響を回避することができる。
【0298】
一つの例では、制御モジュール530は、動力電池の温度が予め設定される温度に達し又は動力電池の温度上昇が異常となった場合に、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230に加熱停止信号を送信し、充電回路又は放電回路が遮断され、それによって動力電池の加熱を停止するためにも用いられる。
【0299】
一つの例では、完成車コントローラがBMSから送信された加熱要求を受信すると、完成車コントローラは、動力電池の加熱を指示するための制御信号をモータコントローラに送信してもよく、即ち制御信号は、充電回路に充電回路又は放電回路を形成させるように、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230にイネーブル信号を送信するようモータコントローラに指示するために用いられる。
【0300】
本実施例のシステムは、制御モジュール530によってスイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230の制御を実現し、車両の状態に応じて充放電を行うタイミングを決め、電池が動力電池を加熱できることを確保するとともに、充放電電流の大きさが等しく且つ位相が同じになるように制御することにより、モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同時に、モータが運転しないようにし、モータのうちのロータ発熱の問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱の使用時間を延長した。
【0301】
図32に示すように、本出願の別のいくつかの実施例では、充放電システム500は、充放電回路200と接続される充電装置140をさらに含み、充電装置140は、充放電回路200を介して給電モジュール210に含まれる組電池へ充電するために用いられる。この充電装置140は、充電スタンド、充電機又は他の電動車両を含むが、それらに限らない。充放電回路200は充電装置140と繋がり、充電装置140は、充放電回路200を介して動力電池へ充電するために用いられる。
【0302】
充放電回路200が加熱モードと充電モードを同時に備えているため、それが動力電池を加熱するために用いられるだけでなく、充電装置140が動力電池へ充電するプロセスにおいて、充電電圧を調節することもできる。このように、充電装置140の電圧と動力電池の電圧とがマッチングしない場合、例えば充電装置140の電圧が動力電池の電圧よりも低いか又は高い場合、充電装置140は充放電回路200を介して動力電池の昇圧充電又は降圧充電を行い、充電装置140と動力電池との適合性を向上させることができる。
【0303】
例えば、充電装置140の電圧が動力電池の電圧よりも低い場合、制御モジュール530は、スイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230を制御し、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250へ充電する回路、及び充電装置140とエネルギー貯蔵モジュール250が給電モジュール210へ同時に充電する回路を形成する。
【0304】
さらに、例えば、充電装置140の電圧が動力電池の電圧よりも高い場合、制御モジュール530はスイッチモジュール240及び充放電切り替えモジュール230を制御し、充電装置140が給電モジュール210とエネルギー貯蔵モジュール250に充電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュール250が給電モジュール210へ充電する回路を形成する。
【0305】
一つの実現方式では、
図32に示すように、エネルギー貯蔵モジュール250がインダクタL1であることを例に、その第二端は、スイッチチューブV15を介して充電装置140の一端と接続され、スイッチモジュール240の第二端は、充電装置140の他端と接続され、充電装置140は、充放電回路200を介して第一の組電池211に充電するために用いられる。
図33におけるキャパシタC3は、充電装置140のキャパシタであってもよく、例えば充電プロセスにおいて電圧の安定化の役割を果たすことができる。
【0306】
一つの実現方式では、スイッチチューブV17はさらに、モード切り替えのスイッチとしてもよく、充放電回路200が加熱モードにある場合、制御モジュール530は、スイッチチューブV17を閉じるように制御し、充放電回路200が充電モードにある場合、制御モジュール530は、スイッチチューブV13を遮断するように制御する。
【0307】
理解すべきこととして、スイッチチューブV17がモード切り替えのスイッチとする場合、その両端にフリーホイールダイオードD15を接続すべきではない。この時、一つの加熱周期は以下のプロセスのみを含んでもよく、即ちスイッチチューブV12とスイッチチューブV17を同時に閉じ、第一の組電池211がインダクタL1へ放電するための、第一の組電池211、スイッチチューブV17、インダクタL1とスイッチチューブV12を含む回路を形成し、その後に、スイッチチューブV12とスイッチチューブV17も遮断し、インダクタL1が第一の組電池211へ充電するための、第一の組電池211、フリーホイールダイオードD16、インダクタL1とフリーホイールダイオードD11を含む回路を形成する。この時、スイッチチューブV12の両端には、フリーホイールダイオードD12が接続されなくてもよい。
【0308】
又は、別の実現方式では、
図34に示すように、スイッチモジュール240の第一端と充放電切り替えモジュール230の第一端との間に、モード切り替えのスイッチとしてスイッチチューブV16が接続されてもよい。加熱モードでは、スイッチチューブV16が閉じられる一方、充電モードでは、スイッチチューブV16が遮断される。
【0309】
充放電回路200が加熱モードから充電モードに切り替える時、制御モジュール530は、スイッチモジュール240の上アームを遮断し、例えばスイッチチューブV17又はスイッチチューブV16を遮断するように制御し、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも低い時、スイッチチューブV12と第一のスイッチチューブV15を閉じ、スイッチチューブV11とスイッチチューブV18を遮断するように制御し、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250へ充電するための、充電装置140、エネルギー貯蔵モジュール250と第二のスイッチチューブV12を含む回路を形成し、及び、スイッチチューブV11と第一のスイッチチューブV15を閉じ、スイッチチューブV12とスイッチチューブV18を遮断するように制御し、充電装置140とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ同時に充電するための、充電装置140、エネルギー貯蔵モジュール250、スイッチチューブV11と第一の組電池211を含む回路を形成するためにも用いられる。
【0310】
これで分かるように、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも低い場合、合理的な制御タイミングを設定し、各サブアームのオンと遮断を制御することにより、各充電周期に充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250に充電する第一の段階、及び充電装置140とエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211に同時に充電する第二の段階を形成する。このように、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250に充電する第一の段階では、エネルギー貯蔵モジュール250に一定の電力量が記憶されるため、エネルギー貯蔵モジュール250は第二の段階で充電装置140とともに、第一の組電池211に共同で充電し、充電装置140と第一の組電池211との間の電圧差を減少し、充電効率を向上させることができる。
【0311】
さらに、制御モジュール530は、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも高い場合、スイッチチューブV11と第一のスイッチチューブV15を閉じ、スイッチチューブV12とスイッチチューブV18を遮断するように制御し、充電装置140が第一の組電池211とエネルギー貯蔵モジュール250へ充電するための、充電装置140、エネルギー貯蔵モジュール250、スイッチチューブV11と第一の組電池211を含む回路を形成し、及び、スイッチチューブV11を閉じ、スイッチチューブV12、スイッチチューブV18と第一のスイッチチューブV15を遮断するように制御し、エネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電するための、エネルギー貯蔵モジュール250、スイッチチューブV11、第一の組電池211とフリーホイールダイオードD18を含む回路を形成するためにも用いられる。
【0312】
これで分かるように、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも高い場合、合理的な制御タイミングを設定し、各サブアームのオンと遮断を制御することにより、各充電周期に充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250と第一の組電池211に充電する段階、及びエネルギー貯蔵モジュール250のみが第一の組電池211に充電する段階を形成する。一方、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250と第一の組電池211に充電する時、エネルギー貯蔵モジュール250が一部の電圧を吸収することができるため、充電装置140と第一の組電池211との間の電圧差が適切に減少し、他方、充電装置140の電圧が第一の組電池211の電圧よりも大きいため、充電装置140が第一の組電池211を持続的に大電圧で充電することを回避するために、充電装置140とエネルギー貯蔵モジュール250は第一の組電池211を交互に充電してもよい。ここで、充電装置140がエネルギー貯蔵モジュール250と第一の組電池211に充電する時、エネルギー貯蔵モジュール250に一定の電力量が記憶されることができるため、この部分の電力量に基づいて、エネルギー貯蔵モジュール250は単独で第一の組電池211に充電することができる。
【0313】
図33と34は、いずれも
図9に示す充放電回路をベースに充電装置140を接続したものであり、理解すべきこととして、
図12-15、19-26及び28-30に示す充放電回路が充電装置140を接続し、上記
図9に示す回路構造が充電装置140を接続することで達成できる技術的効果を実現することができる。
【0314】
一つの実現方式では、
図35に示すように、第一の組電池211は、駆動回路141に電源を提供するために、モータの駆動回路141とも繋がる。
図35において三相モータを例に、その駆動回路141は、スイッチチューブV1、スイッチチューブV2、スイッチチューブV3、スイッチチューブV4、スイッチチューブV5とスイッチチューブV6からなるアームを含み、モータの巻線A1、巻線B1と巻線C1を接続するインバータ回路である。
【0315】
これで分かるように、充放電回路を利用して第一の組電池211を加熱する時、第一の組電池211は、依然として第一の組電池211と繋がるモータの駆動回路141に電源を提供し、それによって走行中に第一の組電池211の加熱を実現することができる。
【0316】
上記の記述に基づいて、追加の充放電回路を設置し、この充放電回路を利用して第一の組電池211を加熱すると、モータは車両の走行を正常に駆動し、走行加熱を実現することができる。具体的には、合理的な制御タイミングを設計して充放電回路における各アームを制御することにより、第一の組電池211が充放電回路におけるエネルギー貯蔵モジュール250に放電する回路、及びこのエネルギー貯蔵モジュール250が第一の組電池211へ充電する回路を形成し、それによってエネルギー貯蔵モジュール250を効果的に利用し、動力電池に対する加熱を実現する。
【0317】
充電装置140が充放電回路を介して第一の組電池211に充電する時、充放電回路が充電モードに入り、この時、充放電回路を利用して第一の組電池211を加熱することができないため、モータの駆動回路141を利用して第一の組電池211を加熱することができる。モータの作動損失で発生した熱を利用して冷却液を加熱する方式と異なり、このような場合に、駆動回路141におけるIGBTを制御することで、充放電回路を形成し、それによって第一の組電池211の加熱を実現することができる。例えば、VCUがBMSから送信された加熱要求を受信したが、充放電回路が充電モードにある場合、VCUはモータの駆動回路141を制御して第一の組電池211を加熱するようにモータコントローラに通知してもよく、例えば駆動回路141におけるIGBT、即ちスイッチチューブV1からスイッチチューブV6のオンオフを制御し、駆動回路141を介して第一の組電池211を加熱する。
【0318】
つまり、上記の加熱モードと充電モードに加えて、充放電回路はさらに、他のモード、即ち充電加熱モードを有してもよい。充放電回路が充電加熱モードにある時、充電装置140は充放電回路を介して第一の組電池211に充電するとともに、モータの駆動回路141を介して第一の組電池211を加熱する。
【0319】
一つの実現方式では、空間ベクトル制御法(Space Vector Pulse Width Modulation、SVPWM)により駆動回路141における各アームのスイッチチューブの制御信号を生成し、モータ巻線に流入する電流が交流電流に変調されるように、この制御信号により各アームのスイッチチューブのオンオフ状態を制御してもよい。例示的に、巻線電流の直軸電流成分を交変電流に制御し、及び巻線電流の横軸電流成分を0に制御することで、モータ巻線の電流を交流電流に変調してもよい。
【0320】
駆動回路141とモータとの間の三相接続線に収集されたいずれか二相電流iaとibを取得し、いずれか二相電流iaとibは駆動回路141からモータに流れる。モータコントローラは、収集された電流をabc座標系からdq座標系に変換し、そしてdq座標系で分解して直軸成分idと横軸成分iqを得る。横軸成分iq、直軸成分id、横軸信号所与値i_q^*、及び直軸信号所与値i_d^*を利用して、オンにする必要のあるスイッチチューブの変調信号を得る。ここで、横軸信号所与値i_q^*は0に等しい。このように、モータ巻線エネルギー貯蔵を利用して、第一の組電池211の充放電を実現することができる。
【0321】
モータの駆動回路141を利用して第一の組電池211を加熱するプロセスにおいて、電圧変動が生じる。しかしながら、充放電回路の存在により、充電装置140が充放電回路を介して第一の組電池211に出力する電圧を、電池加熱プロセスにおける電圧変動に伴って動的に調節し、電池加熱プロセスによる充電装置140への影響を減少することができる。
【0322】
理解すべきこととして、本出願の実施例に記載の「接続」又は「繋がり」は、直接接続、又は間接接続であってもよく、本出願は、これに対して限定しない。例えば、第一の上アーム2311の第一端と第二の上アーム2411の第一端との繋がりは、
図9に示すように、第一の上アーム2311の第一端と第二の上アーム2411の第一端との間が直接に電気的な接続されてもよく、
図12に示すように、第一の上アーム2311の第一端と第二の上アーム2411の第一端とが他の素子、例えばスイッチチューブK4を介して繋がられてもよい。
【0323】
図12-15に示す二つの組電池を含む充放電回路においてついて、モータの駆動回路141と繋がり、駆動回路141に電源を提供し、それによって動力自動車を走行させるために用いられてもよい。
【0324】
一つの実現方式では、給電モジュール210の電池管理システム(Battery Management System、BMS)は、給電モジュール210に含まれる組電池の状態情報、例えば電池温度、充電状態(State of Charge、SOC)、電圧信号、電流信号などを収集し、この状態情報に基づいて給電モジュール210を加熱する必要があるかどうかを決定する。給電モジュール210を加熱する必要があると決定する場合、BMSは完成車コントローラ(Vehicle Control Unit、VCU)に加熱要求を送信してもよい。VCUは、BMSから送信された加熱要求に応じて、給電モジュール210に含まれる組電池の加熱をオンにするかどうかを決定する。
【0325】
例えば、VCUは、BMSから送信された加熱要求を受信した後に、組電池のSOCに基づいて、給電モジュール210に含まれる組電池を加熱するかどうかを決定してもよい。ここで、組電池の電力量が十分であり、即ちSOCが比較的高く、例えば一つの閾値よりも高い場合、給電モジュール210に含まれる組電池を加熱してもよい。
【0326】
さらに、例えば、給電モジュール210に含まれる組電池の電力量が不足していて、即ちSOCが比較的低い、例えば一つの閾値よりも低い場合、電池の加熱損失を低減させるために、動力電池を加熱しなくてもよい。モータコントローラ、例えばマイクロプログラムコントローラ(Microprogrammed Control Unit、MCU)は、モータの電圧と電流などの情報に基づいて、モータ状態を決定し、VCUに送信してもよい。そのため、この時にモータが正常な作動の状態にある場合、モータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210を加熱又は保温することができ、例えば走行中にモータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210の冷却液を加熱し、それによってこの冷却液によって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱又は保温する。
【0327】
又は、給電モジュール210に含まれる組電池のSOCが比較的低い場合、給電モジュール210に含まれる組電池を加熱し、且つ加熱周期の長さを調整し、又は、加熱周波数を調整してもよい。
【0328】
本出願は、充放電回路の使用シナリオを限定するものではなく、本出願の実施例の充放電回路は、任意の必要な場合に、給電モジュール210に含まれる組電池を加熱するために用いられてもよい。
【0329】
給電モジュール210に含まれる組電池を加熱するプロセスにおいて、BMSはさらに、給電モジュール210に含まれる組電池の温度に異常があるかどうかを監視することができる。組電池の温度に異常がある場合、BMSがVCUに温度異常の情報を送信することができるため、VCUは給電モジュール210に含まれる組電池の加熱を停止するよう制御する。この時、モータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210に含まれる組電池を加熱する又は保温することができ、例えばモータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210の冷却液を加熱し、それによって冷却液によって給電モジュール210に含まれる組電池を加熱又は保温する。
【0330】
給電モジュール210に含まれる組電池を加熱するプロセスにおいて、給電モジュール210に含まれる組電池の温度がすでに要求を満たした場合、VCUは給電モジュール210に含まれる組電池の加熱を停止するよう制御することができる。この時、モータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210に含まれる組電池を保温することができ、例えばモータの作動損失で発生した熱を利用して給電モジュール210の冷却液を加熱し、それによって冷却液によって給電モジュール210に含まれる組電池を保温する。
【0331】
本出願の別のいくつかの実施例は、電力消費機器をさらに提供し、この電力消費機器は、上記各実施例における充放電システムを含む。この電力消費機器は、動力電池を使用する自動車、船舶又は航空機などの機器であってもよい。電力消費機器が低温環境にある場合、電力消費機器における動力電池は、温度が低すぎるため放電容量が著しく低下してしまい、且つ低温環境で動力電池を充電することができず、低温環境での電力消費機器の正常な使用に影響を与える。本出願の実施例の電力消費機器では、充放電回路を介して動力電池を加熱し、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、それによって充放電回路において交流電流を発生させ、この交流電流が動力電池を流れ、動力電池の内部抵抗に熱を発生させ、それによって動力電池に対する加熱を実現する。
【0332】
以上は、本出願の実施例の充放電回路の回路構造及びこの回路構造を含む充放電システムを詳細に記述し、以下は、図面を結び付けながら本出願の実施例の充放電制御方法を詳細に記述する。上記各装置の実施例に記述された技術的特徴は、いずれも以下の方法の実施例に適用される。
【0333】
この充放電制御方法の実行本体は制御モジュールであり、ここで、制御モジュールは、VCU又はMCU又はドメインコントローラなどを含んでもよく、BMS、VCUとMCUを含んでもよく、BMS、VCUとMCUが協力してこの充放電制御方法を実行する。本出願では、BMS、VCUとMCUの三者が協力することを例にこの充放電制御方法の完全なプロセスを詳細に説明する。
【0334】
ここで、モータコントローラMCUは、充放電回路におけるスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールを直接制御するものであり、BMS又はVCUが組電池を加熱する必要があると判断する場合、BMS又はVCUは制御命令をMCUに送信してもよく、この制御命令は、組電池が加熱条件を満たしていることを指示するために用いられ、この加熱条件は、組電池の温度が一定の閾値よりも低く且つ組電池の充電状態値SOCが一定の充電閾値よりも大きいなどを含んでもよい。MCUは、BMS又はVCUから送信されたこの制御命令を受信した後に、充放電回路におけるスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに充放電イネーブル信号を送信する。
【0335】
制御モジュールは、充放電イネーブル信号を送信し、充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールのオン又はオフを制御し、充放電回路において交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させることで、交流波形の電流を発生させる。電流が組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、それによって組電池を加熱する目的を達成する。ここで、制御モジュールは、モータコントローラMCU、完成車コントローラVCU、電池管理システムBMS又はドメインコントローラなどのうちのいずれか一つを含む。
【0336】
図9、19-26に示す充放電回路構造には、第一の組電池のみが含まれ、これらの回路構造では、第一の組電池を放電する段階では、エネルギー貯蔵モジュールは電気エネルギーを貯蔵し、充電段階では、エネルギー貯蔵モジュールは、貯蔵された電気エネルギーを第一の組電池に回生する。エネルギー貯蔵モジュールがエネルギーを満タンクに貯蔵した直後に放電する必要があり、電流を一つの安定した加熱電流の大きさに維持することができないため、第一の組電池のみを含む充放電回路において発生させた交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つである。
【0337】
この方法の実施例では、制御モジュールは、充電回路と放電回路を交互に切り替えるように制御するために、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信してもよい。充電回路と放電回路を切り替える周波数を制御することにより、回路全体において発生させた交流電流の周波数を調節することによって、組電池の加熱レートを向上させる。
【0338】
具体的には、制御モジュールは、放電イネーブル信号を送信する時に計時を開始し、所定時間後に充電イネーブル信号を送信してもよい。次に、制御モジュールは、充電イネーブル信号を送信する時に計時を開始し、所定時間後に放電イネーブル信号を再送信するというように、放電イネーブル信号と充電イネーブル信号を順に繰り返し送信する。
【0339】
充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、各組のスイッチアームが上アームと下アームとを含む充放電回路において、交互に切り替わる充電回路と放電回路は、
スイッチモジュールの各組の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第二の切り替え回路と給電モジュールとの間の回路と、スイッチモジュールの各組の下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の切り替え回路と給電モジュールとの間の回路と、交互に切り替えスイッチモジュールの各組の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第二の切り替え回路と給電モジュールとの間の回路と、スイッチモジュールの各組の下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の切り替え回路と給電モジュールとの間の回路とを含む。交互に切り替えることにより充放電回路において交流電流を形成し、交流電流が給電モジュールにおける組電池を流れ、組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池の自己加熱の効果を達成する。
【0340】
一つの実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含む。
図9、19と20に記載の充放電回路において示すように、この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとをオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを遮断し、給電モジュールと第一の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールは、充電イネーブル信号をスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュール制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとをオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、給電モジュールと第一の下アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0341】
上記回路構造について、充放電回路の切り替えは別の実現方式が存在してもよく、即ち第一の段階では、制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームと第一の下アームとをオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の下アームとの間の放電回路を形成する。制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの下アームと第一の上アームとをオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の上アームとの間の充電回路を形成する。
【0342】
別の実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含む。
図21と22に示す充放電回路の構造では、この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームと第五のスイッチとをオンにし、各組のスイッチアームの下アームを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第五のスイッチとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールは、充電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの下アームをオンにし、各組のスイッチアームの上アームと第五のスイッチとを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第三のダイオードとの間の充電回路を形成する。
【0343】
また別の実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、第四のダイオードの陽極は第一の組電池の負極と接続され、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含む。
図23と24に示す充放電回路の構造では、この構造において、加熱周期は第一の段階と第二の段階とを含む。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、第七のスイッチ及び各組のスイッチアームの下アームをオンにし、各組のスイッチアームの上アームを遮断し、給電モジュールと第七のスイッチとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームをオンにし、第七のスイッチと各組のスイッチアームの下アームを遮断し、給電モジュールと第四のダイオードとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0344】
図23と24に示す充放電回路の構造では、第四のダイオードの向きを逆方向に設定し、即ち第四のダイオードの陰極が第一の組電池の負極と接続されてもよい。この変形構造において、加熱周期は第一の段階と第二の段階とを含む。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アームをオンにし、第七のスイッチと各組のスイッチアームの下アームを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第四のダイオードとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールは、充電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、第七のスイッチ及び各組のスイッチアームの下アームをオンにし、各組のスイッチアームの上アームを遮断し、給電モジュールと各組のスイッチアームの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第七のスイッチとの間の充電回路を形成する。
【0345】
本出願の別のいくつかの実施例では、エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと第二のM相モータとを含み、スイッチモジュールはM相アームを含み、充放電切り替えモジュールはM相アームを含み、第一のM相モータのM相巻線は、スイッチモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、第二のM相モータのM相巻線は、充放電切り替えモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される。
図25と26に示すように、この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールは、放電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、スイッチモジュールのM相アームの上アームと充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンにし、給電モジュールとスイッチモジュールのM相アームの上アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールは、充電イネーブル信号をスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとスイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンにし、給電モジュールとスイッチモジュールのM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0346】
別の実現方式では、ツインモータを含む上記充放電回路構造について、第一の段階では、制御モジュールから送信された放電イネーブル信号に応答し、充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとスイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンにし、給電モジュールとスイッチモジュールのM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の放電回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールから送信された充電イネーブル信号に応答し、スイッチモジュールのM相アームの上アームと充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンにし、給電モジュールと充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータとスイッチモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する。
【0347】
上記では、図面を結び付けながら第一の組電池のみを含む充放電回路の制御方法を記述した。以下では、図面を結び付けながら少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含む充放電回路の制御プロセスを詳細に記述する。
図12-15、28-30に示す充放電回路構造には、第一の組電池と第二の組電池とが含まれ、これらの回路構造の各加熱周期において、一つの段階では、第一の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに充電し、及び第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第二の組電池に同時に充電する可能性がある。別の段階では、第二の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに充電し、及び第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第一の組電池に同時に充電する可能性がある。二重電池の設置は、エネルギー貯蔵モジュールの加熱電流の大きさ及び加熱電流の周波数に対する拘束を効果的に低減させることができ、二重電池の加熱方式により、電池の加熱電流を予め設定される加熱周波数に応じて一つの安定した加熱電流の大きさに維持することができるように、エネルギー貯蔵モジュールのエネルギーをタイムリーにそのうちの一つの電池に逃がすことができ、それによって電池が異なる温度、SOC状態で、加熱電流の周波数の調節により、加熱レートを大幅に上昇させることができる。加熱電流の大きさを一つの安定した値に維持することができるため、二重組電池の充放電回路において発生させた交流電流の波形は、矩形波又は疑似矩形波である。
【0348】
この方法の実施例では、給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、充電電回路又は放電回路を介して第一の組電池又は第二の組電池を充放電し、充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を形成し、充放電は、第一の組電池と第二の組電池との充放電状態を切り替えることを含み、充放電状態は、第一の組電池を充電するとともに、第二の組電池を放電すること、又は、第一の組電池を放電するとともに、第二の組電池を充電することを含む。
【0349】
二つの組電池を含む実施例では、
図12-15及び28-30に示すように、第二の組電池の第一端は、充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、第二の組電池の第二端は、第一の組電池の第二端、スイッチモジュールの第二端、充放電切り替えモジュールの第二端と同一の線に接続され、第一の組電池の第一端は、スイッチモジュールの第一端と接続され、第一の組電池の第一端と第二の組電池の第一端との間に第十のスイッチが接続されている。制御モジュールは、第一の組電池と第二の組電池が加熱条件を満たしていると決定する場合、第十のスイッチを遮断するように制御し、第一の組電池と第二の組電池とを直列に接続させる。
【0350】
第十のスイッチにより、第一の組電池と第二の組電池との間の接続方式を制御することができる。第十のスイッチが遮断される場合、第一の組電池と第二の組電池とが直列に接続され、第十のスイッチが閉じられる場合、第一の組電池と第二の組電池とが並列に接続される。第一の組電池と第二の組電池を加熱する必要がある場合、第十のスイッチを遮断するように制御することにより、直列に接続される第一の組電池と第二の組電池を加熱する。外部への給電が必要な場合、第十のスイッチを閉じるように制御し、並列に接続される第一の組電池と第二の組電池により外部への給電を行う。
【0351】
一つの実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、エネルギー貯蔵モジュールの一端は、第一の上アームと第一の下アームの接続点と接続され、エネルギー貯蔵モジュールの他端は、スイッチアームの上下アームの接続点と接続される。
図12、13、28-30に示すように、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールから送信された第一のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの下アームをいずれもオンにし、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれも遮断し、第一の組電池と第一の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、第一の組電池をエネルギー貯蔵モジュールへ放電させる。第二の段階では、制御モジュールから送信された第二のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの下アームをいずれも遮断し、第一の組電池と第一の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの上アームと第二の組電池との充電回路を形成し、第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールを第二の組電池へ充電させる。ここで、制御モジュールは、第二の組電池への充電時間を制御するために、各組のスイッチアームの上アームのオン又は下アームのオンを繰り返し切り替えてもよい。
【0352】
さらに、加熱周期は、第三の段階と第四の段階とをさらに含んでもよい。第三の段階では、制御モジュールから送信された第三のイネーブル信号に応答し、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの下アームをいずれも遮断し、第二の組電池と各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の下アームとの間の放電回路を形成し、第二の組電池をエネルギー貯蔵モジュールへ放電させる。第四の段階では、制御モジュールから送信された第四のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの下アームをいずれも遮断し、第二の組電池と各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の上アームと第一の組電池との充電回路を形成し、第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールを第一の組電池へ充電させる。ここで、制御モジュールは、第一の組電池への充電時間を制御するために、第一の上アームのオン又は第一の下アームのオンを繰り返し切り替えてもよい。
【0353】
図12、13、28-30に示す回路構造について、別の制御方式を採用してもよく、即ち第一の段階では、制御モジュールから送信された第一のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の下アーム及び各組のスイッチアームの下アームを遮断し、第一の組電池と各組のスイッチアームの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の上アームと第二の組電池との間の充放電回路を形成し、第一の組電池をエネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールを第二の組電池へ充電させる。第二の段階では、制御モジュールから送信された第二のイネーブル信号に応答し、第一の上アーム及び各組のスイッチアームの上アームをいずれもオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、第一の組電池と第一の上アームとエネルギー貯蔵モジュールと各組のスイッチアームの上アームと第二の組電池との充放電回路を形成し、第二の組電池をエネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールを第一の組電池へ充電させる。
【0354】
別の二重組電池の実現方式では、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、エネルギー貯蔵モジュール250の第一端は、スイッチモジュールの第一端と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端は、充放電切り替えモジュールの第一端と接続される。
図14に示すように、スイッチモジュールの第一端と充放電切り替えモジュールの第一端は、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールの、第一の組電池の正極と同一の線に接続される端であってもよい。この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールから送信された第一のイネーブル信号に応答し、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを同時にオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、第一の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電する回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールから送信された第二のイネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの下アーム及び第一の下アームを同時にオンにし、各組のスイッチアームの上アーム及び第一の上アームを遮断し、第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第二の組電池へ充電する回路を形成する。
【0355】
さらに、上記加熱周期は、第三の段階と第四の段階とをさらに含んでもよい。第三の段階では、制御モジュールから送信された第三のイネーブル信号に応答し、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを同時にオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを遮断し、第二の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電する回路を形成する。第四の段階では、制御モジュールから送信された第四のイネーブル信号に応答し、第一の下アームと各組のスイッチアームの下アームとを同時にオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの上アームを遮断し、第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第一の組電池へ充電する回路を形成する。
【0356】
本出願の実施例は、別の二重組電池を含む充放電回路の制御方式をさらに提供し、この充放電回路において、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、エネルギー貯蔵モジュール250の第一端は、スイッチモジュールの第二端と接続され、エネルギー貯蔵モジュール250の第二端は、充放電切り替えモジュールの第二端と接続される。
図15に示すように、スイッチモジュールの第二端及び充放電切り替えモジュールの第二端は、いずれも第一の組電池の負極と同一の線に接続される端であってもよい。
【0357】
この回路構造において、加熱周期は、第一の段階と第二の段階とを含んでもよい。第一の段階では、制御モジュールから送信された第一のイネーブル信号に応答し、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを同時にオンにし、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、第二の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電する回路を形成する。第二の段階では、制御モジュールから送信された第二のイネーブル信号に応答し、各組のスイッチアームの上アーム及び第一の上アームを同時にオンにし、各組のスイッチアームの下アーム及び第一の下アームを遮断し、第二の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第一の組電池へ充電する回路を形成する。
【0358】
上記加熱周期は、第三の段階と第四の段階とをさらに含んでもよい。第三の段階では、制御モジュールから送信された第三のイネーブル信号に応答し、第一の上アームと各組のスイッチアームの下アームとを同時にオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの上アームとを遮断し、第一の組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電する回路を形成する。第四の段階では、制御モジュールから送信された第四のイネーブル信号に応答し、第一の上アームと各組のスイッチアームの上アームを同時にオンにし、第一の下アームと各組のスイッチアームの下アームとを遮断し、第一の組電池とエネルギー貯蔵モジュールが第二の組電池へ充電する回路を形成する。
【0359】
制御モジュールは、予め設定される周波数でスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに上記第一のイネーブル信号と第二のイネーブル信号を送信し、又は予め設定される周波数で上記第三のイネーブル信号と第四のイネーブル信号を送信し、又は予め設定される周波数で上記第一のイネーブル信号、第二のイネーブル信号、第三のイネーブル信号と第四のイネーブル信号を送信してもよい。それによって二重組電池を含む充放電回路において、一つの組電池がエネルギー貯蔵モジュールに放電し、及びこの組電池及びエネルギー貯蔵モジュールが別の組電池に同時に充電するように交互に制御する。
【0360】
本出願のいくつかの実施例では、エネルギー貯蔵モジュールと充放電切り替えモジュールとの間に第九のスイッチ、
図21と23におけるスイッチKが接続されている。制御モジュールが、給電モジュールに含まれる組電池が加熱条件を満たしていると決定する場合、まず第九のスイッチを閉じるように制御し、それからスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御することによって、充放電回路において放電回路と充電回路を交互に切り替える。充放電プロセスにおいて、制御モジュールはさらに、給電モジュールに含まれる組電池が加熱停止条件を満たすかどうかをリアルタイムで監視し、この加熱停止条件は、組電池の温度が所望の温度に達したこと、又は組電池の温度上昇が異常であることなどを含んでもよい。制御モジュールが、組電池が加熱停止条件を満たしていると決定する場合、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールが現在の充電回路又は放電回路を遮断するように制御するとともに、第九のスイッチを遮断するように制御する。
【0361】
本出願の実施例では、制御モジュールが、充放電回路が給電モジュールに含まれる組電池を加熱するように制御する前に、まず給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する。各組電池の充電状態値が予め設定される閾値以上であると決定する場合、制御モジュールは、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0362】
即ち、組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値よりも大きい場合にのみ組電池を加熱し、組電池の電力量が低すぎて加熱に必要な放電電気エネルギーをサポートできない状況を回避する。
【0363】
上記の、給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定する前に、制御モジュールはさらに、給電モジュールの温度が予め設定される温度閾値よりも小さいかどうかを決定する必要がある。組電池の温度が予め設定される温度閾値よりも小さい時に、放電容量が大幅に低下し、且つ組電池が低温環境でも充電できないため、給電モジュールの温度が予め設定される温度閾値よりも小さいと決定する場合に、給電モジュールの組電池を加熱する必要があり、この時、さらに給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定し、各組電池の充電状態値が予め設定される充電閾値以上であると決定する場合、充放電回路が組電池を加熱するように制御する。
【0364】
ここで、予め設定される充電閾値は、加熱プロセスにおいて組電池の放電をサポートするために必要な最小充電量であってもよい。
【0365】
エネルギー貯蔵モジュールが車両自体のモータを直接使用して加熱プロセスに参加する実施の形態では、加熱プロセスはモータの正常な運行に影響を与え、車両走行に影響を与える可能性がある。そのため、モータをエネルギー貯蔵モジュールとして使用する充放電回路構造において、制御モジュールはスイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに充放電イネーブル信号を送信する前に、モータの作動状態をさらに取得し、この作動状態は、VCUによって取得されてもよく、MCUによって取得されてもよい。取得された作動状態が、モータが現在駆動状態にあることを指示する場合、制御モジュールは、モータの正常な運転に影響を与えないように、組電池の加熱プロセスを起動しない。取得された作動状態が、モータが現在非駆動状態にあることを指示する場合、制御モジュールは、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0366】
本出願の別のいくつかの実施例では、制御モジュールはさらに、動力電池加熱システムが故障しているかどうかを検出し、モータが非駆動状態にあり、且つ動力電池加熱システムが故障していない場合、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに充放電イネーブル信号を送信する。
【0367】
説明すべきこととして、本出願の実施例では、電池加熱システムが故障していることは、モータ、モータコントローラ、スイッチモジュール及び熱伝導回路などのうちのいずれか一つに故障が発生していることである。一方、熱伝導回路に故障が発生していることは、相互接続弁の破損、熱伝導回路における媒体の不足などの問題を含むが、それらに限らない。
【0368】
選択的に、シフト位置情報とモータ回転数情報を取得し、これに基づいてモータが駆動状態にあるか非駆動状態にあるかを判断してもよい。具体的には、現在のシフト位置がPレンジであり且つ車速が0であると判定する場合、モータが非駆動状態にあることを示し、現在のシフト位置がPレンジではなく又は車速が0ではないと判定する場合、モータが駆動状態にあることを示す。
【0369】
シフト位置情報とモータ回転数情報により判断し、いずれか一つの条件を満たさない場合、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールに充放電イネーブル信号を送信せず、車両が正常な走行状態で動力電池を加熱し、さらに車両性能に影響を与えることを防止する。
【0370】
車両に搭載されたモータを加熱に使用しない充放電回路では、組電池の加熱がモータの正常な運行に影響しないため、車両静止又は車両走行のプロセスにおいて、いずれも組電池を加熱することができる。
【0371】
本出願のいくつかの実施例では、上記制御モジュールはモータコントローラMCUであり、車両コントローラVCUが組電池を加熱する必要があることを検出すると、車両コントローラは制御信号をMCUに送信する。MCUは、車両コントローラから送信された制御信号を受信する。MCUはこの制御信号を解析し、給電モジュールに加熱することをこの制御信号が指示すると決定する場合、制御モジュールは、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0372】
別のいくつかの実施例では、上記制御モジュールは車両コントローラVCU又はモータコントローラMCUである。電池管理システムBMSは、組電池を加熱する必要があり且つ加熱条件を満たしていることを検出すると、要求データをVCUに送信し、VCUはこの要求データを受信し、この要求データが給電モジュールのみが加熱条件を満たしている場合、VCUは、MCUのみが加熱を起動するための制御命令をMCUに送信する。MCUは、この制御命令を受信した後に、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0373】
又は、BMSが組電池を加熱する必要があり且つ加熱条件を満たしていることを検出すると、電池管理システムは要求データをMCUに直接送信する。MCUは、電池管理システムから送信された要求データを受信し、この要求データを解析し、給電モジュールが加熱条件を満たしていることをこの要求データが指示すると決定する場合、予め設定される周波数で充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに充放電イネーブル信号を交互に送信する。
【0374】
上記いずれか一つの実施例により、給電モジュールに含まれる組電池を加熱するプロセスにおいて、制御モジュールは、給電モジュールに含まれる各組電池の温度が加熱停止条件を満たすかどうかを決定するために、リアルタイムで各組電池の状態をさらに監視し、加熱停止条件は、組電池が予め設定される温度に達していること又は組電池の温度上昇が異常であることを含む。組電池の温度が加熱停止条件を満たしていると決定する場合、制御モジュールは、充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールに加熱停止信号を送信し、加熱停止信号は、充放電切り替えモジュールとスイッチモジュールが現在の充放電回路を遮断するようにトリガーする。それによって組電池の温度が予め設定される温度まで上昇し、又はいずれか一つの組電池の温度上昇が異常となった場合に、タイムリーで加熱プロセスを停止し、加熱し続けによる組電池又は充放電回路における他のデバイスの破損を回避することができる。
【0375】
本出願の別のいくつかの実施例では、充放電システムは、充電装置をさらに含み、
図33-35に示すように、これらの図に示す回路構造に加えて、上記の他の各実施例における充放電回路においては、いずれも充電装置が接続されてもよく、この充電装置は、充放電回路を介して給電モジュールに含まれる組電池を充電するために用いられる。
【0376】
この充電装置は、充電スタンド、充電機又は他の電動車両などであってもよい。充電装置と給電モジュールとの間の充電回路に、充電装置の出力電圧と給電モジュールの組電池の需要電圧とがマッチングしない可能性があり、充電装置の電圧が組電池の需要電圧よりも高いか又は低い場合がある。これに基づいて、本出願の実施例は、充放電回路を利用して充電装置と組電池との間の充電電圧を調節してもよい。
【0377】
具体的には、充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも低い場合、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御し、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールに充電する回路、及び充電装置とエネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに同時に充電する回路を形成する。充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも高い場合、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御し、充電装置が給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールに充電する回路、及びエネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに充電する回路を形成する。
【0378】
図33-35に示すように、エネルギー貯蔵モジュールとスイッチモジュールと接続される端は、第一のスイッチチューブを介して充電装置の一端と接続され、スイッチモジュールの第二端は、充電装置の他端と接続される。スイッチモジュールの第二端は、スイッチモジュールと第一の組電池の負極と接続される端であってもよい。充電装置は、加熱モジュールを介して給電モジュールに充電するために用いられ、加熱モジュールは、スイッチモジュール及びエネルギー貯蔵モジュールを含む。スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と第二の切り替え回路とを含む。
【0379】
充電装置と充放電回路の上記接続構造に基づいて、制御モジュールは各組のスイッチアームの上アームを遮断するように制御する。充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも低い場合、第一の段階では、第二の切り替え回路と第一のスイッチチューブとをオンに、第一の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、充電装置、エネルギー貯蔵モジュールと第二の切り替え回路を含む回路を形成し、充電装置がエネルギー貯蔵モジュールに充電するために用いられる。また、第二の段階では、第一の切り替え回路と第一のスイッチチューブとをオンに、第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、充電装置、エネルギー貯蔵モジュール、第一の切り替え回路と給電モジュールを含む回路を形成し、充電装置とエネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに同時に充電するために用いられる。
【0380】
一つの実現方式では、スイッチモジュールの各組のスイッチアームの下アームに、並列に接続されるスイッチとダイオードとが含まれる。充電装置の電圧が給電モジュールの電圧よりも高い場合、第一の段階では、制御モジュールは、第一の切り替え回路と第一のスイッチチューブを閉じ、第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームを遮断するように制御し、充電装置、エネルギー貯蔵モジュール、第一の切り替え回路と給電モジュールを含む回路を形成し、充電装置が給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールに充電するために用いられる。また、第二の段階では、第一の切り替え回路を閉じ、第二の切り替え回路、各組のスイッチアームの下アームと第一のスイッチチューブを遮断するように制御し、エネルギー貯蔵モジュール、第一の切り替え回路、給電モジュールと各組のスイッチアームの下アームにおけるダイオードを含む回路を形成し、エネルギー貯蔵モジュールが給電モジュールに充電するために用いられる。
【0381】
本出願の実施例による組電池の加熱の制御フローを理解しやすくするために、以下では、モータを利用して電池を加熱する実施の形態を例に、図面36を結び付けながら簡単に説明する。
図36に示すように、電池加熱制御プロセスは、以下のステップを含む。
【0382】
S601、BMSは、電池パックの温度、SOC、電圧信号及び電流信号などを含む電池パラメータを収集する。
【0383】
S602、BMSは、電池の各パラメータに基づいて加熱条件を満たすかどうかを判断し、満たす場合、SOC状態に基づいて該当する加熱要求をVCUに送信し、例えばVCUに予め設定される温度まで加熱する時に必要な電力を送信する。
【0384】
S603、BMS又はVCUは、電池SOCが第一の閾値よりも大きいかどうかを判断する。
【0385】
S604、SOCが第一の閾値よりも大きい場合、モータ回路を流れる交流電流によって発生する熱を利用して動力電池を加熱する。
【0386】
S605、SOCが第一の閾値以下である場合、モータ回路を流れる直流電流によって発生する熱を利用して動力電池を加熱する。
【0387】
S604の後に、VCUは第一のモータの現在作動状態を読み取る。
【0388】
例えば、第一のモータが駆動状態(即ち作動状態)にある場合、VCUは駆動信号をモータコントローラに送信する。この時、モータコントローラは、スイッチモジュール及び充放電切り替えモジュールイネーブル信号を送信し、スイッチモジュールのM相アームの上アーム又は下アームをオンに、及び充放電切り替えモジュールの第一の切り替え回路又は第二の切り替え回路をオンに制御する。
【0389】
一つの例では、モータコントローラは周期的にイネーブル信号を送信し、それによってスイッチモジュールのアーム及び充放電切り替えモジュールのオン又は遮断を制御し、さらに充電回路と放電回路の切り替えを実現し、動力電池電流のインバータ制御を実現する。
【0390】
S606、BMSは組電池の温度異常の有無を判断し、ある場合、温度上昇が異常となった情報をVCUに送信し、VCUは温度上昇が異常となった情報をモータコントローラに転送し、加熱を停止する。
【0391】
S607、S606で温度上昇に異常がないと判断する場合、BMSは組電池の温度が要求に達しているかどうかを判断し、要求に達している場合、VCUは加熱停止情報をモータコントローラに転送し、加熱を停止し、そうでなければ、S601~S606のステップを繰り返す。
【0392】
本出願の実施例は、比較的低温の動力電池を加熱するシナリオに用いられてもよい。例えば、動力電池を加熱することにより、動力電池の温度を上昇させ、組電池が正常に使用可能な温度に到達させる具体的なシナリオに用いられてもよい。具体的には、本出願の実施例では、電池充電状態(State Of Charge、SOC)が第一の閾値よりも大きい場合、回路を流れる電流を交流電流に変調し、交流電流を利用して動力電池の内部抵抗により発熱させてもよく、それによって動力電池を加熱し、加熱効率を向上させることができ、電池SOCが第一の閾値未満である場合、即ち電池の電力量が不足している場合、直流電流を利用して巻線に熱を発生させて動力電池を加熱することにより、電力量消費を低減させ、動力電池加熱システムの柔軟性を向上させることができる。
【0393】
図37は、本出願の実施例の充放電システムの制御回路700の概略的ブロック図を示す。
図37に示すように、制御回路700はプロセッサ710を含み、選択的に、制御回路700は、メモリ720をさらに含み、ここで、メモリ720は命令を記憶するために用いられ、プロセッサ710は、命令を読み取って命令に基づいて前述の本出願の様々な実施例の制御方法を実行するために用いられる。
【0394】
本出願の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供し、前述の本出願の様々な実施例の方法を実行するためのコンピュータプログラムを記憶するために用いられる。
【0395】
当業者であれば意識できるように、本明細書に開示された実施例を結び付けて記述された各例のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせで実現されることができる。これらの機能がハードウェア方式で実行されるかソフトウェア方式で実行されるかは、技術案の特定の応用及び設計拘束条件によるものである。当業者は、各特定の応用に対して異なる方法を使用して、記述された機能を実現することができるが、このような実現は、本出願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0396】
当業者であればはっきりと分かるように、記述の利便性および簡潔性のために、以上に記述されたシステム、装置とユニットの具体的な作動プロセスは、前述方法の実施例における対応するプロセスを参照すればよく、ここでこれ以上説明しない。
【0397】
本出願によるいくつかの実施例では、掲示されたシステム、装置と方法が他の方式によって実現され得ると理解すべきである。例えば、以上に記述された装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、例えば前記ユニットの区分は、単なる論理的機能区分であり、実際に実現する時、別の区分方式があってもよく、例えば複数のユニット又はアセンブリは、別のシステムに結合されてもよく、又は統合されてもよく、又はいくつかの特徴が無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。また、表示又は討論された同士間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、いくつかのインターフェース、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、又は他の形式であってもよい。
【0398】
前記分離部材として説明されたユニットは、物理的に分離されてもよく、又は分離されなくてもよく、ユニットとして表示された部材は、物理的ユニットであってもよく、又はそうではなくてもよく、一つの箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又はすべてのユニットを選択して本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0399】
また、本出願の各実施例における各機能ユニットが一つの処理ユニットに統合されてもよく、各ユニットが物理的に単独で存在してもよく、二つ以上のユニットが一つのユニットに統合されてもよい。
【0400】
前記機能がソフトウェア機能ユニットの形式で実現されかつ独立した製品として販売又は使用される場合、一つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解を踏まえて、本出願の技術案は、実質には又は従来の技術に寄与した部分又は技術案の部分がソフトウェア製品の形式によって具現化されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体に記憶され、一台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例の前記方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。前述した記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶可能な媒体を含む。
【0401】
上述したように、本出願の具体的な実施の形態に過ぎず、本出願の保護範囲はこれに限らず、いかなる当業者が本出願に掲示された技術範囲内で容易に想到できる変化又は置き換えは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。そのため、本出願の保護範囲は、特許請求の保護範囲に準ずるべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電回路であって、
給電モジュールと、加熱モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、
前記加熱モジュールは、エネルギー貯蔵モジュール及びスイッチモジュールを含み、
前記少なくとも第一の組電池と、前記スイッチモジュールと、前記充放電切り替えモジュールとは、並列に接続され、
前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールと接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続され、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において交流波形の電流を発生させるために用いられる、
充放電回路。
【請求項2】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路との接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路は、前記充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフされるために用いられる、
請求項1に記載の充放電回路。
【請求項3】
前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、
前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の上アームと前記第一の下アームとは、前記充放電イネーブル信号のトリガーでオン又は遮断されるために用いられる、
請求項2に記載の充放電回路。
【請求項4】
前記第一の上アームは、並列に接続される第一のスイッチと、第一のダイオードとを含み、前記第一の下アームは、並列に接続される第二のスイッチと、第二のダイオードとを含み、
前記第一のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第一のダイオードの陽極は、前記第二のダイオードの陰極と接続され、前記第二のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続される、
請求項3に記載の充放電回路。
【請求項5】
前記第一の上アームは第三のスイッチを含み、前記第一の下アームは第四のスイッチを含む、
請求項3に記載の充放電回路。
【請求項6】
前記第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、
前記第三のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第三のダイオードの陽極は、前記第五のスイッチの一端と接続され、前記第五のスイッチの他端は、前記第一の組電池の負極と接続される、
請求項2に記載の充放電回路。
【請求項7】
前記第一の切り替え回路は、第六のスイッチをさらに含み、前記第六のスイッチの一端は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第六のスイッチの他端は、前記第三のダイオードの陰極と接続される、
請求項6に記載の充放電回路。
【請求項8】
前記第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、
前記第七のスイッチの一端は、前記第一の組電池の正極と接続され、前記第七のスイッチの他端は、前記第四のダイオードの陰極と接続され、前記第四のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続される、
請求項2に記載の充放電回路。
【請求項9】
前記第二の切り替え回路は、第八のスイッチをさらに含み、
前記第八のスイッチは、前記第四のダイオードと前記第一の組電池の負極との間に直列に接続される、
請求項8に記載の充放電回路。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵モジュールは第一のエネルギー貯蔵素子を含み、前記第一のエネルギー貯蔵素子は少なくとも一つのインダクタを含み、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第一端は、前記スイッチモジュールと接続され、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端は、前記充放電切り替えモジュールと接続される、請求項
1に記載の充放電回路。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、第二のエネルギー貯蔵素子をさらに含み、前記第二のエネルギー貯蔵素子は、前記第一のエネルギー貯蔵素子の第二端と前記充放電切り替えモジュールとの間に接続される、
請求項10に記載の充放電回路。
【請求項12】
前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールとの間に、第九のスイッチが接続されており、前記第九のスイッチは、前記第二のエネルギー貯蔵素子と直列に接続される、
請求項11に記載の充放電回路。
【請求項13】
前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールにおける第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチアームの数と等しく、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチアームと一対一に対応して接続され、
各前記エネルギー貯蔵デバイスの第二端の接続点は、前記充放電切り替えモジュールと接続される、請求項
1に記載の充放電回路。
【請求項14】
各組の前記スイッチアームは、いずれも上アームと下アームとを含み、且つ上アームと下アームは、いずれも並列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、又は、上アームと下アームは、いずれもスイッチを含む、請求項
13に記載の充放電回路。
【請求項15】
前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチレッグを含み、前記少なくとも一組のスイッチレッグは、直列に接続されるスイッチとダイオードとを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールにおける第一のエネルギー貯蔵素子は、少なくとも一つのエネルギー貯蔵デバイスを含み、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチレッグの数に等しく、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記スイッチレッグと一対一に対応して接続される、
請求項1に記載の充放電回路。
【請求項16】
前記エネルギー貯蔵モジュールはM相モータを含み、前記スイッチモジュールはM相アームを含み、Mは正の整数であり、
ここで、前記M相アームと、前記給電モジュール及び前記充放電切り替えモジュールとは、並列に接続され、
前記M相アームの上下アームの接続点は、それぞれ前記M相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールは、前記M相巻線の接続点と接続される、請求項
1に記載の充放電回路。
【請求項17】
前記M相モータは、第一のM相モータ及び第二のM相モータを含み、
前記第一のM相モータのM相巻線の接続点は、前記第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続される、請求項
16に記載の充放電回路。
【請求項18】
前記給電モジュールは第一の組電池を含み、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、充放電イネーブル信号に応答するために用いられ、前記充放電回路において発生させた交流電流の波形は、三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つを含む、請求項
1に記載の充放電回路。
【請求項19】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、
前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールは、第一の充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を発生させるために用いられ、又は、第二の充放電イネーブル信号に応答し、前記充放電回路において三角波形と、疑似三角波と、正弦波形と、疑似正弦波形とのうちのいずれか一つの波形の交流電流を発生させるために用いられ、
ここで、前記第一の充放電イネーブル信号に対応する充放電周波数は、前記第二の充放電イネーブル信号に対応する充放電周波数よりも大きい、請求項
1に記載の充放電回路。
【請求項20】
前記第二の組電池の第一端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、前記第二の組電池の第二端と、前記第一の組電池の第二端と、前記スイッチモジュールの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端とは、同一の線に接続され、
前記第一の組電池の第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、
前記第一の組電池の第一端と前記第二の組電池の第一端との間に、第十のスイッチが接続されている、請求項
19に記載の充放電回路。
【請求項21】
前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、又は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第二端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第二端と接続される、請求項
19に記載の充放電回路。
【請求項22】
充放電システムであって、制御モジュールと、請求項
1に記載の充放電回路とを含み、前記制御モジュールは、前記充放電回路に命令を送信することで、充放電を行うように給電モジュールを制御するために用いられる、
充放電システム。
【請求項23】
充放電制御方法であって、
請求項
22に記載の充放電システムに用いられ、前記方法は、
充放電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールとをオン又はオフに制御し、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成させることで、交流波形の電流を発生させることを含む、
充放電制御方法。
【請求項24】
予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信することで、前記充電回路と放電回路を交互に切り替えるように制御する、請求項
23に記載の方法。
【請求項25】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、各組のスイッチアームは、上アームと下アームとを含み、
前記交互に切り替わる充電回路と放電回路は、
前記スイッチモジュールの各組の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路と、
前記スイッチモジュールの各組の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路とを含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項26】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第一の下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成
し、
及び/又は、
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームと前記第一の下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アームと前記第一の上アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームとの間の充電回路を形成する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は第五のスイッチを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームと前記第五のスイッチとをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第五のスイッチとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第三のダイオードとの間の充電回路を形成する、請求項
23に記載の方法。
【請求項28】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第七のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの陽極は、前記第一の組電池の負極と接続され、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、
放電イネーブル信号を送信し、前記第七のスイッチ及び各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第七のスイッチと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームをオンに制御し、前記給電モジュールと前記第四のダイオードと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームとの間の充電回路を形成
し、
又は、
前記第四のダイオードの陰極は、前記第一の組電池の負極と接続され、
放電イネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第四のダイオードとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記第七のスイッチ及び各組の前記スイッチアームの下アームをオンに制御し、前記給電モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第七のスイッチとの間の充電回路を形成する、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池を含み、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと第二のM相モータとを含み、前記スイッチモジュールはM相アームを含み、前記充放電切り替えモジュールはM相アームを含み、前記第一のM相モータのM相巻線は、前記スイッチモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、前記第二のM相モータのM相巻線は、前記充放電切り替えモジュールのM相アームと一対一に対応して接続され、第一のM相モータのM相巻線の接続点は、第二のM相モータのM相巻線の接続点と接続され、
放電イネーブル信号を送信し、前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成
し、及び/又は、
放電イネーブル信号を送信し、前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの上アームとの間の放電回路を形成し、
充電イネーブル信号を送信し、前記スイッチモジュールのM相アームの上アームと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームとをオンに制御し、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールのM相アームの下アームと前記第一のM相モータと前記第二のM相モータと前記スイッチモジュールのM相アームの上アームとの間の充電回路を形成する、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記給電モジュールは、少なくとも第一の組電池と第二の組電池とを含み、
前記充電回路又は前記放電回路を介して前記第一の組電池又は前記第二の組電池を充放電し、前記充放電回路において矩形波又は疑似矩形波の交流電流を形成し、
前記充放電は、前記第一の組電池と前記第二の組電池の充放電状態を切り替えることを含み、前記充放電状態は、前記第一の組電池を充電するとともに、前記第二の組電池を放電すること、又は、前記第一の組電池を放電するとともに、前記第二の組電池を充電することを含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項31】
前記第二の組電池の第一端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、前記第二の組電池の第二端と、前記第一の組電池の第二端と、前記スイッチモジュールの第二端と、前記充放電切り替えモジュールの第二端とは、同一の線に接続され、前記第一の組電池の第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記第一の組電池の第一端と前記第二の組電池の第一端との間に、第十のスイッチが接続されており、前記方法は、
前記第一の組電池と前記第二の組電池が加熱条件を満たしていると決定し、前記第十のスイッチを遮断するように制御することをさらに含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項32】
前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの一端は、前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの他端は、前記スイッチアームの上下アームの接続点と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの下アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの下アームとの間の放電回路を形成し、前記第一の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、
第二のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記第二の組電池
との間の充電回路を形成し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第二の組電池へ充電させる、請求項
31に記載の方法。
【請求項33】
各組の前記スイッチアームの上アームのオン又は下アームのオンを繰り返し切り替えることで、前記第二の組電池への充電時間を制御することをさらに含む、請求項
32に記載の方法。
【請求項34】
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第二の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の下アームとの間の放電回路を形成し、前記第二の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させることと、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第二の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームと前記第一の組電池
との間の充電回路を形成し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第一の組電池へ充電させることとをさらに含む、請求項
32に記載の方法。
【請求項35】
前記第一の上アームのオン又は前記第一の下アームのオンを繰り返し切り替えることで、前記第一の組電池への充電時間を制御することをさらに含む、請求項
34に記載の方法。
【請求項36】
前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第一端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第一端と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第二のイネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの下アーム及び前記第一の下アームを同時にオンに制御し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第二の組電池へ充電する回路を形成
し、及び/又は、
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第一の組電池へ充電する回路を形成する、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールの第二端と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールの第二端と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の下アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第二の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第二のイネーブル信号を送信し、各組の前記スイッチアームの上アーム及び前記第一の上アームを同時にオンに制御し、前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第一の組電池へ充電する回路を形成
し、及び/又は、
第三のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの下アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池が前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電する回路を形成し、
第四のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アームと各組の前記スイッチアームの上アームとを同時にオンに制御し、前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第二の組電池へ充電する回路を形成する、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は第一の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は第一の下アームを含み、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの一端は、前記第一の上アームと前記第一の下アームとの接続点と接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの他端は、前記スイッチアームの上下アームの接続点と接続され、
第一のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と各組の前記スイッチアームの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の上アームと前記第二の組電池との間の充放電回路を形成し、前記第一の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び前記第一の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第二の組電池へ充電させ、
第二のイネーブル信号を送信し、前記第一の上アーム及び各組の前記スイッチアームの上アームをいずれもオンに制御し、前記第一の組電池と前記第一の上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと各組の前記スイッチアームの上アームと前記第二の組電池
との間の充放電回路を形成し、前記第二の組電池を前記エネルギー貯蔵モジュールへ放電させ、及び前記第二の組電池と前記エネルギー貯蔵モジュールを前記第一の組電池へ充電させる、請求項
31に記載の方法。
【請求項39】
前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールとの間に、第九のスイッチが接続されており、
前記給電モジュールに含まれる組電池が加熱条件を満たしていると決定し、前記第九のスイッチを閉じるように制御し、又は、
前記組電池が加熱停止条件を満たしていると決定し、前記第九のスイッチを遮断するように制御する、請求項
23に記載の方法。
【請求項40】
充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
前記給電モジュールの温度が、予め設定される温度閾値よりも小さいかどうかを決定することと、
そうであれば、前記給電モジュールにおける各組電池の充電状態値が、予め設定される充電閾値以上であるかどうかを決定することと、
各組電池の充電状態値が前記予め設定される閾値以上である場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項41】
充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
前記モータの作動状態を取得することと、
前記モータが非駆動状態にあることを前記作動状態が指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項42】
充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
車両コントローラから送信された制御信号を受信することと、
前記制御信号が前記給電モジュールを加熱するよう指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項43】
充放電イネーブル信号を送信する前に、前記方法は、
電池管理システムから送信された要求データを受信することと、
前記給電モジュールが加熱条件を満たしていることを前記要求データが指示する場合、予め設定される周波数で、前記充放電切り替えモジュールと前記スイッチモジュールに、充放電イネーブル信号を交互に送信することとをさらに含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項44】
前記充放電システムは、充電装置をさらに含み、前記方法は、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも低い場合、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを制御し、前記充電装置が前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電する回路、及び前記充電装置と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ同時に充電する回路を形成することと、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも高い場合、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを制御し、前記充電装置が前記給電モジュールと前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電する回路、及び前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ充電する回路を形成することとをさらに含む、請求項
23から
38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記エネルギー貯蔵モジュールの、前記スイッチモジュールと接続される端は、第一のスイッチチューブを介して充電装置の一端と接続され、前記スイッチモジュールの第二端は、前記充電装置の他端と接続され、前記充電装置は、前記加熱モジュールを介して前記給電モジュールへ充電するために用いられ、前記スイッチモジュールは、少なくとも一組のスイッチアームを含み、前記充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記方法は、
各組のスイッチアームの上アームを遮断するように制御することと、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも低い場合、前記第二の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとをオンに、前記第一の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置が前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路を含む回路を形成することと、
前記第一の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとをオンに、前記第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置と前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ同時に充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールを含む回路を形成することと、
及び/又は、
前記充電装置の電圧が前記給電モジュールの電圧よりも高い場合、前記第一の切り替え回路と前記第一のスイッチチューブとを閉じ、前記第二の切り替え回路と各組のスイッチアームの下アームとを遮断するように制御し、前記充電装置が前記給電モジュールと前記エネルギー貯蔵モジュールへ充電するための、前記充電装置、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールを含む回路を形成することと、
前記第一の切り替え回路を閉じ、前記第二の切り替え回路、前記各組のスイッチアームの下アームと前記第一のスイッチチューブとを遮断するように制御し、前記エネルギー貯蔵モジュールが前記給電モジュールへ充電するための、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第一の切り替え回路、前記給電モジュールと前記各組のスイッチアームの下アームにおけるダイオードを含む回路を形成することとをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
請求項
22に記載の充放電システムを含む、電力消費機器。
【国際調査報告】