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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-19
(54)【発明の名称】電動機の熱交換器システム
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20240911BHJP
   H02K 5/20 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K5/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515485
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022045978
(87)【国際公開番号】W WO2023059847
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/253,783
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/961,023
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ペイン
【テーマコード(参考)】
5H605
5H609
【Fターム(参考)】
5H605AA01
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB17
5H605CC01
5H605DD13
5H609BB03
5H609BB12
5H609BB19
5H609PP06
5H609PP08
5H609QQ04
5H609QQ05
5H609QQ07
5H609RR37
5H609RR48
(57)【要約】
ウォータジャケットとオイルリザーバとを含むハイブリッドモジュールが提供される。ウォータジャケットは、ステータ及びオイルリザーバの熱交換器機能を直接提供するように構成することができる。オイルリザーバ内のオイルは、ウォータジャケットがステータを冷却していると同時にステータに向かって噴射されるように構成することができる。これにより、ステータの冷却効果を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータの少なくとも第1の部分を取り囲むように構成されるウォータジャケットと、
前記ウォータジャケットから径方向外側に配置されるオイルリザーバであって、前記オイルリザーバからのオイルが前記ステータに向けて噴射されるように少なくとも1つの開口にオイルを供給するように構成されるオイルリザーバと、
を備え、
前記ウォータジャケットは、前記ステータを冷却するとともに、前記オイルリザーバ内のオイルを冷却するように構成される、ハイブリッドモジュール。
【請求項2】
少なくとも1つのポンプを含むオイル回路を更に備える、請求項1に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項3】
オイルを前記ステータに噴射した後に収集するように構成される流体収集要素を更に備える、請求項2に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つのポンプは、前記流体収集要素から前記オイルを受けるように構成される、請求項3に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項5】
軸方向に延在するフローチャネルと、前記軸方向に延在するフローチャネルの第1の端部に流体接続される径方向に延在するフローチャネルとを含むハウジングと、
前記ハウジングから径方向内側に配置され、前記軸方向に延在するフローチャネルの第2の端部に流体接続される入口フローチャネルを含むモジュール壁と、
を更に備え、
オイルは、前記ステータに噴射するために前記モジュール壁における前記入口フローチャネルから前記ハウジングにおける前記軸方向及び径方向に延在するフローチャネルを通じて経路付けられるように構成される、請求項1に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項6】
前記オイルリザーバと前記ウォータジャケットとが互いに同軸である、請求項5に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項7】
ステータキャリアを更に備え、前記少なくとも1つの開口が前記ステータキャリアによって画定される、請求項1に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項8】
ハウジングを更に備え、該ハウジングはその内面に形成された少なくとも1つの溝を含み、前記少なくとも1つの溝は、前記少なくとも1つの開口に供給されるべきオイルのための流路を画定する、請求項1に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項9】
前記ウォータジャケットは、径方向外側方向で外側リングにより画定されるとともに径方向内側方向でステータキャリアによりに画定される内部ポケットを含む、請求項1に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項10】
前記外側リングが前記オイルリザーバの径方向内側境界を画定する、請求項9に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項11】
前記少なくとも1つの開口は、オイルが前記ステータのステータ巻線に噴射するべく構成されるように、前記ステータ巻線と軸方向で位置合わせされるように構成される、請求項1に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項12】
前記ウォータジャケットの大部分と前記オイルリザーバの大部分とが互いに重なり合う、請求項1に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項13】
モータアセンブリのためのステータを冷却する方法であって、
前記ステータの外面に直接に隣接してウォータジャケットを配置することであって、前記ウォータジャケットが、その内部で水を循環させて前記ステータを冷却するように構成される、ウォータジャケットを配置することと、
前記ウォータジャケットを介してオイルリザーバ内のオイルが冷却されるように前記ウォータジャケットの外面に直接に隣接して前記オイルリザーバを配置することと、
前記ステータを更に冷却するために前記オイルリザーバから前記ステータに向けてオイルを噴射することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記オイルリザーバからのオイルは、ステータキャリアに形成される少なくとも1つの開口を介して噴射されるように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの開口は、前記ステータの第1の軸方向端部に対向する第1の開口と、前記ステータの第2の軸方向端部に対向する第2の開口とを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記オイルリザーバからのオイルは、前記ステータのステータ巻線に噴射するように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
内燃機関を介して駆動されるように構成されるポンプを介して前記オイルリザーバにオイルを供給するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
ステータの本体と直接接触するように構成されるウォータジャケットであって、前記ウォータジャケットの径方向外側壁を画定する外側リングを含む、ウォータジャケットと、
前記外側リングによって部分的に境界付けられるオイルリザーバであって、オイルがステータ巻線に向けて噴射されるように少なくとも1つの開口にオイルを供給するように構成され、エンジンオイル回路とは別個のオイル回路に流体接続される、オイルリザーバと、
を備える、熱交換器アセンブリ。
【請求項19】
前記オイルリザーバは、内燃機関によって駆動される少なくとも1つのポンプを介してオイルを受けるように構成される、請求項18に記載の熱交換器アセンブリ。
【請求項20】
前記ウォータジャケットの径方向内側壁がステータキャリアによって画定され、前記ステータキャリアが前記少なくとも1つの開口も画定する、請求項18に記載の熱交換器アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2022年10月6日に出願された米国非仮出願第17/961,023号及び2021年10月8日に出願された米国仮出願第63/253,783号の優先権を主張し、これらの仮出願はいずれもその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本開示は、一般に、電動機(eモータ)に関し、より具体的には、eモータ用の水及びオイル冷却装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ハイブリッドモジュールが一般に知られている。ステータ及びステータ巻線などのハイブリッドモジュールの様々な態様を冷却することが一般的に必要とされているが、様々な要件に起因して、ハイブリッドモジュールに熱交換器アセンブリを実装することに伴って様々な問題がある。特に、パッケージング又は設置スペースは、効率的な熱交換器アセンブリも提供しつつ、ハイブリッドモジュールにおいて最適化されなければならない。熱交換器システム内の流体に信頼性の高い冷却要素を設けることは困難であり得る。したがって、eモータと一体化され得るコンパクトで高効率の熱交換器アセンブリを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示されるように、例示的な実施形態は、軸方向に延在するフローチャネルと、軸方向に延在するフローチャネルの一端に流体接続される径方向に延在するフローチャネルとを含むハウジングを有するハイブリッドモジュールを広く備える。モジュール壁が、ハウジングから径方向内側に延在するとともに、実質的に径方向に延在するフローチャネルを含むことができ、フローチャネルは、軸方向に延在するフローチャネルの他端に流体接続される。
【0005】
eモータが、ロータと、ロータに対して回転可能であるハウジングに固定されるステータとを含むことができ、ステータは、ステータ巻線及びステータキャリアを含む。ウォータジャケットがステータの周りに配置されてもよく、オイルが、ステータ巻線に噴射してその中を冷却するべく、ハウジング内の軸方向及び径方向に延在するフローチャネルを介してモジュール壁内のフローチャネルを通じて経路付けられるように設定される。
【0006】
本明細書に開示される例示的な実施形態において、ハイブリッドモジュールは、ウォータジャケットとハウジングとの間に配置されるリザーバを含み、オイルは、該オイルがウォータジャケットによって冷却されるように径方向に延在するフローチャネルからリザーバへ経路付けられる。ハウジングは、その内面に形成された溝を含むことができ、ステータキャリアは少なくとも1つの開口を含み、オイルは、リザーバから溝を通じて流れて少なくとも1つの開口からステータ巻線上に流出するようになっている。ステータ巻線は、少なくとも1つの開口と軸方向で位置合わせされてもよく、ウォータジャケットは、ステータキャリア及び外側リングによって形成され又は境界付けられる。オイルは、例えばオイルポンプを介してモジュール壁及びハウジングを通じて経路付けられてもよい。
【0007】
他の例では、ステータの少なくとも第1の部分を取り囲むように構成されるウォータジャケットを含むハイブリッドモジュールが提供される。ウォータジャケットは、ウォータジャケット入口に流体接続され得る。オイルリザーバが、ウォータジャケットから径方向外側に配置され得る。オイルリザーバは、少なくとも1つの開口などを介してステータに向けてオイルを噴射するように構成され得る。ウォータジャケットは、オイルリザーバ内及びステータ内でオイルを冷却するように構成され得る。
【0008】
少なくとも1つのポンプを含むオイル回路を設けることができる。流体収集要素が、ステータに噴射した後にオイルを収集するように構成され得る。少なくとも1つのポンプは、流体収集要素からオイルを受けるように構成され得る。このようにして、エンジンなどの他の供給源からのオイルに依存しない閉じたオイル回路が設けられる。オイルは、ウォータジャケットを介して冷却される閉回路内で流れる。
【0009】
軸方向に延在するフローチャネルと、軸方向に延在するフローチャネルの第1の端部に流体接続される径方向に延在するフローチャネルとを含むハウジングを設けることができる。ハウジングから径方向内側にモジュール壁を配置することができ、該モジュール壁は、軸方向に延在するフローチャネルの第2の端部に流体接続されるフローチャネルを画定することができる。オイルは、ステータに噴射するために、モジュール壁内のフローチャネルからハウジング内の軸方向及び径方向に延在するフローチャネルを通じて経路付けられるように設定され得る。
【0010】
オイルリザーバ及びウォータジャケットを互いに同軸に配置することができる。一例では、ウォータジャケットの大部分とオイルリザーバの大部分とが互いに重なり合うことができる。
【0011】
オイルを噴射するように構成される少なくとも1つの開口を画定するステータキャリアを設けることもできる。
【0012】
ハウジングは、その内面に形成される少なくとも1つの溝を含むことができる。少なくとも1つの溝は、少なくとも1つの開口にオイルを供給するための流路を画定することができる。
【0013】
ウォータジャケットは、外側リングによって径方向外側に向けて画定されるとともにステータキャリアによって径方向内側に向けて画定される内部ポケットを含むことができる。外側リングは、オイルリザーバの径方向内側境界を画定することができる。
【0014】
少なくとも1つの開口は、オイルがステータ巻線に噴射するべく構成されるように、ステータのステータ巻線と軸方向で位置合わせされるべく構成され得る。
【0015】
モータアセンブリ用のステータを冷却する方法も本明細書に開示される。方法は、ステータの外面に直接隣接してウォータジャケットを配置するステップを含むことができ、ウォータジャケットは、ステータを冷却するために水を内部で循環させるように構成される。方法は、ウォータジャケットの外面に直接隣接してオイルリザーバを配置するステップを含むことができる。方法は、ステータを更に冷却するためにオイルリザーバからステータに向けてオイルを噴射するステップを含むことができる。
【0016】
熱交換器アセンブリも本明細書に開示される。熱交換器アセンブリは、ステータの本体と直接接触するように構成されるウォータジャケットを備えることができ、ウォータジャケットは、入口から出口まで水を循環させるように構成され得る。ウォータジャケットは、ウォータジャケットの径方向外側壁を画定する外側リングを含むことができる。オイルリザーバを外側リングによって部分的に結合することができ、オイルリザーバは、オイルがステータ巻線に向けて噴射されるように少なくとも1つの開口にオイルを供給するように構成され得る。
【0017】
更なる実施形態が本明細書に開示される。
【0018】
前述の概要及び以下の詳細な説明は、本開示の好ましい実施形態を示す添付図面と併せて読むと、より良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一例に係るハイブリッドモジュールの断面図を示す。
図2図1のハイブリッドモジュールの冷却流装置の断面図を示す。
図3図1のハイブリッドモジュールの一部の拡大断面図を示す。
図4図1のハイブリッドモジュールを含むハイブリッドシステムの概略構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明では、特定の用語が便宜的にのみ使用されており、限定的なものではない。「軸方向に」とは、アセンブリの軸(X)に沿った方向を指す。「径方向に」とは、アセンブリの軸(X)から内向き及び外向きの方向を指す。
【0021】
「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」と引用されている項目のリストへの言及(a、b、及びcがリスト化されている項目を表す)は、項目a、b、もしくはcのうちのいずれか1つ、又はそれらの組み合わせを意味する。用語には、上記で具体的に述べた語、その派生語、及び類似の重要な語が含まれる。
【0022】
本開示の実施形態を、本明細書において説明する。異なる図面に現れる同様の図面番号は、同一又は機能的に類似した構造要素を特定することを理解されたい。また、開示された実施形態は単なる例であり、他の実施形態は様々な代替形態を採ることができることを理解されたい。図は必ずしも縮尺どおりではなく、幾つかの特徴部は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張又は最小化されていると考えられる。したがって、本明細書に開示する特定の構造的詳細及び機能的詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、当業者に実施形態を様々に使用することを教示するための代表的な基準として解釈されるべきである。当業者が理解するように、図うちのいずれか1つを参照して例解及び説明された様々な特徴部は、1つ以上の他の図に例解される特徴部と組み合わせて、明示的に例解又は説明されていない実施形態を生成することができる。例解される特徴部の組み合わせは、典型的な用途のための代表的な実施形態を提供する。しかしながら、本開示の教示と一致する特徴部の様々な組み合わせ及び修正形態が、特定の用途又は実装のために所望され得る。
【0023】
本明細書において使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的とし、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に説明されているものと類似又は同等の任意の方法、装置、又は材料を本開示の実施又は試験に使用することができるが、以下の例示的な方法、装置、及び材料がここで説明される。
【0024】
幾つかのハイブリッドモジュールでは、オイル及び水の両方でeモータを冷却する必要がある。場合によっては、外部の水-オイル熱交換器がユニットに取り付けられる。しかしながら、幾つかの用途では、この種の従来の箱形冷却器のためのスペースがなく、必要な冷却を行うために他の解決策が必要である。本明細書に記載のこの開示の実施形態は、ウォータジャケットを利用して、ステータ積層体から熱を引き出すだけでなく、オイルからも熱を引き出すハイブリッドモジュールを提供する。オイルから水への熱交換は、オイルが送り込まれるリザーバをウォータジャケットの周囲に形成することによって促進される。次いで、オイルは、巻線に直接噴射するスプレーノズルを介して冷却された後にリザーバから出る。この構成は、車両パッケージングに関して特に有利である。この開示に係る実施形態は、既存の車両パッケージに都合良く組み込むことができる、コンパクトな又は小型のエンベロープ又はパッケージングにおけるオイル及び水の冷却をもたらす。
【0025】
以下の説明は、図1図4に関連して行われる。図1は、本開示の例示的な実施形態に係るハイブリッドモジュール100の断面図を示す。図2は、ハイブリッドモジュール100の冷却流装置を示す。図3は、ハイブリッドモジュール100の冷却流装置の一部の拡大図を示す。図4は、ハイブリッドモジュール100を組み込むハイブリッドシステムの液圧概略構成を示す。
【0026】
ハイブリッドモジュール100は、ハウジング102、モジュール壁104、及びロータキャリア108又はロータキャリアハブに取り付けられるeモータ106を含むことができる。ロータキャリア108は、フランジ110と、軸方向延在部112とを含むことができる。ハイブリッドモジュール100は、一例では、クランク搭載発電機とすることができる。内燃機関200に接続されたエンジンクランクシャフト又は他のシャフトが、トルク入力を容易にするためにロータキャリア108に接続され得る。一例では、シャフト128を介してシステムにトルクを供給することができる。一例において、オイルは、内燃機関200用のオイル回路とは別個となり得るオイル回路129などを介して、ハイブリッドモジュール100に供給される。したがって、オイル回路129は、エンジン又は車両回路の残りの部分に対して閉鎖される自己完結型冷却オイル回路となり得る。一例において、オイル回路129内のオイルの冷却は、ウォータジャケット138のみを介して行うことができる。
【0027】
eモータ106は、ロータキャリア108の軸方向延在部112の外面に取り付けられたロータ114を含むことができる。当業者であれば分かるように、ロータ114を異なる態様及び構成で取り付けることができる。
【0028】
eモータ106は、ステータ116及びステータキャリア118を更に含むことができる。ステータキャリア118は、オイル回路129に接続されるオイルリザーバ136の軸方向端部を画定することができる少なくとも1つのシール120,122を介してハウジング102に対してシールされ得る。ステータ116は、ステータ巻線124を更に含むことができる。当業者であれば分かるように、ステータ116は、本明細書に具体的に記載されない更なる構成要素を含むことができる。
【0029】
ハイブリッドモジュール100は、シャフト128を介して駆動され得る機械式オイルポンプ又は他のタイプのポンプであってもよいオイルポンプ126を含むことができる。シャフト128は、ロータキャリア108を通じてオイルポンプ126まで延びることができる。オイルポンプ126は、オイルがステータ116に向けて噴射するべく導かれるように、ハイブリッドモジュール100の底部などの一部分からオイルを圧送又は経路付けるべく構成され得る。一例では、図4に示されるように、ポンプ126は、流体収集要素170(すなわち、パン又はサンプ)からオイルが供給されるように構成される。流体収集要素170は、オイルがステータ116及び/又はステータ巻線124に噴射した後にオイルを収集するように構成することもできる。ポンプ126は、一例では、オイル回路129の一部である。逆止弁などの弁160をオイル回路129に実装することができる。
【0030】
オイルは、図2に示されるように、流路F1を介してモジュール壁104に形成される入口フローチャネル130を通じて上方に導かれ得る。流路F1は、ハウジング102に形成される軸方向に延在するチャネル132及び径方向に延在するチャネル134に至るまで径方向外側の方向でモジュール壁104の入口フローチャネル130内で延在することができる。入口フローチャネル130は、軸方向に延在するチャネル132と流体接続することができ、軸方向に延在するチャネル132は、径方向に延在するチャネル134と接続することができる。入口フローチャネル130、軸方向に延在するチャネル132、径方向に延在するチャネル134などは全て、オイル回路129の一部を形成することができる。様々なチャネルの特定の構成が示されるが、当業者であれば分かるように、オイルリザーバ136にオイルを供給するために他のチャネル又は構成を使用できる。
【0031】
図2に示されるように、ウォータジャケット138に水を供給するための他の流路F2が示される。また、図4は、入口148と出口149との間で流れる水流路F2も示す。出口149は、図2には具体的に示されておらず、代わりに図4に概略的に示される。
【0032】
一例において、オイルは、オイルポンプ126から入口フローチャネル130を通じて、軸方向に延在するチャネル132へと、そして最終的に、オイルリザーバ136に開口する径方向に延在するチャネル134まで経路付けられ得る。オイルがオイルリザーバ136に供給されると、オイルリザーバに収容されるオイルは、ウォータジャケット138によって冷却されるように設定される。オイルリザーバ136は、様々な形状又はプロファイルを有することができる。一例において、オイルリザーバ136は、環状又はリング形状となり得る。
【0033】
ウォータジャケット138は、径方向内側の方向でステータキャリア118によって及び径方向外側の方向で外側リング140によって形成され、画定され、又は境界付けられ得る。一例において、ウォータジャケット138は、ステータ116、すなわちステータ本体の少なくとも第1の部分を取り囲むように構成される。ウォータジャケット138は、ステータ116及びオイルリザーバ136内のオイルの両方を冷却するように構成され得る。ウォータジャケット138とオイルリザーバ136とを同軸に配置することができる。ウォータジャケット138の大部分及びオイルリザーバ136の大部分は互いに重なり合うことができ、これにより、オイルリザーバ136内のオイルの冷却効果が向上する。ウォータジャケット138とオイルリザーバ136との間の表面接触量は、特定の用途によって必要とされる特定の冷却能力を増減するように変更することができる。
【0034】
オイルリザーバ136は、ウォータジャケット138の外面、すなわち外側リング140と直接接触することができる。このようにして、外側リング140は、外側リング140がウォータジャケット138とオイルリザーバ136との間で熱を伝達するという点で熱交換器要素として機能することができる。それにより、ウォータジャケット138は、ウォータジャケット138が少なくとも1つの径方向内側構成要素(すなわち、ステータ116)及び少なくとも1つの径方向外側構成要素(すなわち、オイルリザーバ136)に対して冷却又は熱交換効果をもたらすという二重冷却機能を果たす。
【0035】
ステータ116を冷却するために、オイルリザーバ136内のオイルを冷却した後にオイルリザーバ136から分配することができる。例えば、オイルは、ハウジング102の内面に形成された溝142a、142bを通過するように設定され得る。オイルは、これらの溝142a、142bから、オイルリザーバ136からステータ116にオイルを分散、噴射、又は他の方法で分配するように構成される少なくとも1つの開口144,146へと流れることができる。一例において、少なくとも1つの開口144,146は、互いに軸方向に離間される2つの開口を含む。少なくとも1つの開口144,146は、一例では、ステータキャリア118に360度開口を含むことができる。他の例において、少なくとも1つの開口144,146は、周方向に離間した複数の開口を含むことができる。ノズル又は他の流体ディスペンサが、ステータ116に向けてオイルを噴射するために少なくとも1つの開口144,146内に実装され得る。一例では、オイルがステータ巻線124に向けて噴射される。少なくとも1つの開口144,146は、スプレーノズル又はオリフィスとして機能するべくテーパ状の出口プロファイルを有することができる。少なくとも1つの開口144,146は、ステータ巻線124の第1の部分と軸方向で位置合わせされる第1の開口144と、ステータ巻線124の第2の部分と軸方向で位置合わせされる第2の開口146とを含むことができる。
【0036】
水は、内部ポケット150と流体接続される入口148を通じて供給されるように設定することができ、内部ポケット150で水がウォータジャケット138の周りで出口(図4に出口149として概略的に示される)へと循環される。入口148は、ウォータジャケット138及びハウジング102の両方に対してシールして横漏れ又は外部漏れを防止するように構成され得る。当業者であれば分かるように、様々なシール、インタフェース、プラグなどを使用して、水及びオイルの流れが分離されるようにすることができる。
【0037】
図4は、ウォータジャケット138及びオイルリザーバ136の領域に配置される熱交換器(HX)機構を更に概略的に示す。したがって、ウォータジャケット138を通じて循環される冷水は、オイルがステータ116又はステータ巻線124に向けて噴射される前に、オイルリザーバ136内のオイルを冷却するために使用される。
【0038】
図4に更に示されるように、ステータ116に接続されるパワーインバータモジュール(PIM)210を設けることができる。PIM210は、モータを制御してモータ温度を監視するように構成され得る。PIM210とステータ116との間には、接続ライン(C)が設けられる。
【0039】
eモータアセンブリ用のステータ116を冷却する方法も本明細書に開示される。方法は、ステータ116の外面に直接隣接してウォータジャケット138を配置するステップを含むことができ、ウォータジャケット138は、ステータ116を冷却するために水を内部で循環させるように構成される。方法は、ウォータジャケット138の外面に直接隣接してオイルリザーバ136を配置するステップを含むことができる。方法は、ステータ116を更に冷却するためにオイルリザーバ136からステータ116に向けてオイルを噴射するステップを含むことができる。一例において、オイルリザーバ136からのオイルは、ステータキャリア118に形成された少なくとも1つの開口144,146を介して噴射されるように設定される。少なくとも1つの開口144,146は、ステータ116の第1の軸方向端部に面する第1の開口144と、ステータ116の第2の軸方向端部に面する第2の開口146とを含むことができる。オイルリザーバ136からのオイルは、一般に、ステータ116のステータ巻線124に噴射するように設定され得る。方法は、内燃機関200を介して駆動されるように構成されるポンプ126を介してオイルリザーバ136にオイルを供給するステップを含むことができる。ステータ116又はステータ巻線124に噴射する前に、ステータ116及びオイルリザーバ136内のオイルを冷却するために、様々な他の方法ステップを実施することができる。
【0040】
例示的な実施形態を上で説明したが、これらの実施形態が、特許請求の範囲に含まれる全ての可能な形態を説明することは意図していない。本明細書で使用する用語は、限定ではなく説明のための用語であり、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解される。先で説明されるように、様々な実施形態の特徴部を組み合わせて、明示的に説明又は例解されていない可能性がある本開示の更なる実施形態を形成することができる。様々な実施形態は、1つ以上の所望の特性に関して、利点を提供するもの、又は他の実施形態もしくは従来技術の実装形態よりも好ましいものとして説明されてきたが、当業者は、1つ以上の特徴部又は特性を妥協して特定の応用形態及び実装形態に依存する所望の全体的なシステム属性を達成することができることを認識する。これらの属性としては、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、包装、サイズ、保守性、重量、製造性、組み立て易さなどを挙げることができるが、これらに限定されない。したがって、任意の実施形態が1つ以上の特性に関して他の実施形態又は従来技術の実施態様よりも望ましくないものとして説明される限り、これらの実施形態は本開示の範囲外ではなく、特定の用途に望ましいものであり得る。
【0041】
このように本開示を詳細に説明してきたが、多くの物理的な変更は、そのうちの幾つかのみが本発明の詳細な説明に例示されているが、実施形態内に具現化されている本発明の概念及び原理を変更することなく行うことができることが理解され、かつ当業者には明らかであろう。
【0042】
また、好ましい実施形態の一部のみを組み込んだ多数の実施形態が可能であり、これらの部分に関しては、実施形態内で具現化された本発明の概念及び原理を変更しないことを理解されたい。
【0043】
したがって、本実施形態及び任意選択的な構成は、全ての点において例示的及び/又は説明的なものであり、制限的なものではないとみなされ、実施形態の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示されるものであり、したがって、当該特許請求の範囲の目的及びその等価物の範囲内に入る全ての代替の実施形態及び本実施形態への変更は、当該特許請求の範囲に包含されるものとする。
【符号の説明】
【0044】
100 ハイブリッドモジュール
102 ハウジング
104 モジュール壁
106 eモータ
108 ロータキャリア
110 フランジ
112 軸方向延在部
114 ロータ
116 ステータ
118 ステータキャリア
120,122 シール
124 ステータ巻線
126 ポンプ
128 シャフト
129 オイル回路
130 入口フローチャネル
132 軸方向に延在するフローチャネル
134 径方向に延在するフローチャネル
136 オイルリザーバ
138 ウォータジャケット
140 外側リング
142a,142b 溝
144,146 少なくとも1つの開口
148 ウォータジャケット入口
149 ウォータジャケット出口
150 内部ポケット
160 弁
170 流体収集要素
200 エンジン
210 パワーインバータモジュール
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】