(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】パワー・レールがアクティブ・ゲートの下に配置された半導体構造体
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20240912BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240912BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01L29/78 616S
H01L29/78 618D
H01L21/90 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563500
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 IB2022055925
(87)【国際公開番号】W WO2023041994
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】フロウギアー、ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ルイロン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、カングオ
(72)【発明者】
【氏名】パーク、チャンロ
【テーマコード(参考)】
5F033
5F110
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
埋込みパワー・レールを有する半導体デバイスを含む半導体構造体が開示される。1つの例では、半導体構造体が複数の半導体デバイスを含む。半導体デバイスの各々は、誘電体層によって、隣接する半導体デバイスから絶縁される。半導体構造体は、複数の半導体デバイスにわたって延在する第1の拡散分離、複数の半導体デバイスにわたって延在する第2の拡散分離、および複数の半導体デバイスにわたって延在する複数のゲートをさらに含む。ゲートは、第1の拡散分離と第2の拡散分離の間に配置される。各半導体デバイスは、複数のゲートの下の第1の拡散分離と第2の拡散分離の間に延在するパワー・レールを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートと、
第1のソース/ドレイン領域と、
第2のソース/ドレイン領域と、
前記ゲート、前記第1のソース/ドレイン領域、および前記第2のソース/ドレイン領域の下に配置されたパワー・レールと
を含み、前記パワー・レールが前記第1のソース/ドレイン領域と電気的に接触する、半導体構造体。
【請求項2】
前記第1のソース/ドレイン領域が前記ゲートの第1の側に配置され、前記第2のソース/ドレイン領域が前記ゲートの第2の側に配置される、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項3】
前記第2のソース/ドレイン領域が誘電体層によって前記パワー・レールから絶縁される、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項4】
前記ゲートが誘電体層によって前記パワー・レールから絶縁される、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項5】
コンタクトをさらに含み、前記第2のソース/ドレイン領域が前記コンタクトと前記パワー・レールの間に配置される、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項6】
前記コンタクトが誘電体層によって前記パワー・レールから電気的に絶縁される、請求項5に記載の半導体構造体。
【請求項7】
第1のアクティブ・ゲートと、
前記第1のアクティブ・ゲートを少なくとも第2のアクティブ・ゲートから電気的に絶縁するように構成された分離領域を含む拡散分離と、
前記第1のアクティブ・ゲートの下に配置され、前記拡散分離に延在するパワー・レールと
を含み、前記拡散分離が、前記パワー・レールに電気的に結合されたコンタクトを含む、半導体構造体。
【請求項8】
前記拡散分離の前記分離領域が、非アクティブ・ゲート構造を含み、前記第2のアクティブ・ゲートが、前記非アクティブ・ゲート構造の、前記第1のアクティブ・ゲートと反対の側に配置され、
前記パワー・レールが、前記拡散分離を通って前記第2のゲートの下に延在する、
請求項7に記載の半導体構造体。
【請求項9】
前記拡散分離の前記分離領域が、第1および第2の分離領域を含み、前記第2のアクティブ・ゲートが、前記第1および第2の分離領域の、前記第1のアクティブ・ゲートと反対の側に配置され、
前記パワー・レールが前記第1の分離領域まで延在し、
第2のパワー・レールが、前記第2の分離領域から前記第2のゲートの下に延在する、
請求項7に記載の半導体構造体。
【請求項10】
前記コンタクトが前記拡散分離の前記第1の分離領域と前記第2の分離領域の間に延在し、
前記パワー・レールが前記第1の分離領域内の前記コンタクトに電気的に結合され、
前記第2のパワー・レールが前記第2の分離領域内の前記コンタクトに電気的に結合される、
請求項9に記載の半導体構造体。
【請求項11】
第1および第2の分離領域がそれぞれ、誘電材料で満たされた非アクティブ・ゲートを含む、請求項9に記載の半導体構造体。
【請求項12】
前記コンタクトが前記拡散分離の第1のコンタクトを含み、前記拡散分離が、誘電体層によって前記第1のコンタクトから電気的に絶縁された第2のコンタクトを少なくとも含み、前記第2のコンタクトが、前記拡散分離から第3のゲートの下に延在する第2のパワー・レールに電気的に結合される、請求項7に記載の半導体構造体。
【請求項13】
半導体基板と、
前記半導体基板上に配置された第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上に配置されたパワー・レールと、
前記パワー・レール上に配置された第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層から延在するゲートと
を含む、半導体構造体。
【請求項14】
前記パワー・レールの少なくとも一部が浅いトレンチ分離層上に配置される、請求項13に記載の半導体構造体。
【請求項15】
前記第2の誘電体層が少なくとも1つのギャップを含み、前記パワー・レールが前記少なくとも1つのギャップを介して少なくとも1つのソース/ドレイン領域と電気通信する、請求項13に記載の半導体構造体。
【請求項16】
前記パワー・レールが前記第2の誘電体層によって少なくとも別のソース/ドレイン領域から電気的に絶縁される、請求項15に記載の半導体構造体。
【請求項17】
前記パワー・レールが前記第2の誘電体層によって前記ゲートから電気的に絶縁される、請求項15に記載の半導体構造体。
【請求項18】
複数の半導体デバイスであって、前記半導体デバイスの各々が、誘電体層によって隣接する半導体デバイスから絶縁される、前記複数の半導体デバイスと、
前記複数の半導体デバイスにわたって延在する第1の拡散分離と、
前記複数の半導体デバイスにわたって延在する第2の拡散分離と、
前記複数の半導体デバイスにわたって延在する複数のアクティブ・ゲートと
を含み、前記複数のアクティブ・ゲートが、前記第1の拡散分離と前記第2の拡散分離の間に配置され、各半導体デバイスが、前記複数のアクティブ・ゲートの下で前記第1の拡散分離と前記第2の拡散分離の間に延在するパワー・レールを含む、半導体構造体。
【請求項19】
前記第1の拡散分離が第1のコンタクトおよび第2のコンタクトを含み、前記第1のコンタクトが前記誘電体層によって前記第2のコンタクトから絶縁され、前記第1のコンタクトが、前記複数の半導体デバイスのうちの第1の半導体デバイスの前記パワー・レールに電気的に結合され、前記第2のコンタクトが、前記複数の半導体デバイスのうちの第2の半導体デバイスの前記パワー・レールに電気的に結合される、請求項18に記載の半導体構造体。
【請求項20】
前記第2の拡散分離が第3のコンタクトおよび第4のコンタクトを含み、前記第3のコンタクトが前記誘電体層によって前記第4のコンタクトから絶縁され、前記第3のコンタクトが、前記第1の半導体デバイスの前記パワー・レールに電気的に結合され、前記第4のコンタクトが、前記第2の半導体デバイスの前記パワー・レールに電気的に結合される、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項21】
各半導体デバイスが、前記ゲート間に置かれた複数のソース/ドレイン領域を含み、
前記複数の半導体デバイスのうちの第1の半導体デバイスの第1のソース/ドレイン領域が、前記第1の半導体デバイスの前記パワー・レールと電気的に接触して配置され、
前記第1の半導体デバイスの第2のソース/ドレイン領域が、前記第1の半導体デバイスの前記パワー・レールから電気的に絶縁される、
請求項18に記載の半導体構造体。
【請求項22】
前記第1のソース/ドレイン領域が前記複数のゲートのうちの特定のゲートの第1の側に配置され、前記第2のソース/ドレイン領域が前記特定のゲートの第2の側に配置される、請求項21に記載の半導体構造体。
【請求項23】
半導体基板上にスタック構造を形成することであって、前記スタック構造が、第1の犠牲層、第2の犠牲層、前記第1の犠牲層と前記第2の犠牲層の間に配置された第3の犠牲層、複数の追加の犠牲層、および複数のチャネル層を含む、前記形成することと、
前記スタック構造上に複数のゲート構造を形成することと、
前記第1および第2の犠牲層を誘電材料に置き換え、対応する第1および第2の誘電体層を形成することであって、前記誘電材料が前記ゲート構造に側壁も形成する、前記形成することと、
前記複数のゲート構造のうちの第1のゲート構造と第2のゲート構造の間で、前記複数の追加の犠牲層、前記複数のチャネル層、および前記第2の誘電体層をエッチングし、前記第2の誘電体層を介して前記第3の犠牲層を露出することと、
前記第1のゲート構造と前記第2のゲート構造の間で、前記第3の犠牲層と接触するソース/ドレイン領域を形成することと、
前記複数のゲート構造のうちの特定のゲート構造を開口し、前記第3の犠牲層を露出することと、
前記第3の犠牲層をパワー・レールに置き換えることであって、前記パワー・レールが前記ソース/ドレイン領域と接触している、前記置き換えることと
を含む、半導体構造体を製造する方法。
【請求項24】
前記第3の犠牲層の厚さが前記第2の犠牲層の厚さより大きい、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記特定のゲート構造を誘電材料で満たして拡散分離の分離領域を形成することをさらに含み、前記拡散分離が、前記パワー・レールに電力を供給するために前記パワー・レールに電気的に結合されたコンタクトを含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体デバイスの分野に関し、より詳細には、パワー・レールを含む半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体プロセス技術における継続的な技術革新は、より高い集積密度およびデバイスのスケーリングを可能にしている。半導体産業が7nmテクノロジー・ノードに向かって進み、それを超えるにつれて、半導体FETデバイス構造体は、設置面積当たりのデバイスの幅を増やすために、より小さい寸法に縮小されなければならない。これに関して、ナノシートFETデバイス、ナノワイヤFETデバイス、垂直FETデバイス、FinFETデバイスなどの非平面的FETデバイスが、継続的なCMOSのスケーリングのための実行可能な選択肢になっている。一般に、ナノワイヤFETデバイスは、積み重ねられた構成で1つまたは複数のナノワイヤ層を含むデバイス・チャネルを含み、各ナノワイヤは、細長い半導体層の厚さと実質的に同じであるか、またはわずかに大きい幅を有する細長い半導体層を含む。ナノシートFETデバイスは、デバイス・チャネルが積み重ねられた構成で1つまたは複数のナノシート層を含むという点において、ナノワイヤFETデバイス・シートに類似しているが、各ナノシート層は、ナノシート層の厚さより大幅に大きい幅を有する。ナノワイヤ/ナノシートFETデバイスでは、積み重ねられた構成で、各ナノワイヤ/ナノシート層の上および下に一般的なゲート構造が形成され、それによって、FETデバイスの幅(またはチャネルの幅)を増やし、したがって、特定の設置面積の場合の駆動電流を増やす。
【発明の概要】
【0003】
開示された実施形態は、埋込みパワー・レール(BPR:buried power rails)を含む半導体構造体、およびBPRを含む半導体構造体を製造するための技術を含む。
【0004】
例えば、1つの実施形態は、ゲートと、第1のソース/ドレイン領域と、第2のソース/ドレイン領域と、ゲート、第1のソース/ドレイン領域、および第2のソース/ドレイン領域の下に配置されたパワー・レールとを含む半導体構造体を含む。パワー・レールは、第1のソース/ドレイン領域と電気的に接触する。
【0005】
別の実施形態は、第1のアクティブ・ゲートおよび拡散分離(diffusion break)を含む半導体構造体を含む。拡散分離は、第1のアクティブ・ゲートを少なくとも第2のアクティブ・ゲートから電気的に絶縁するように構成された分離領域を含む。半導体構造体は、第1のアクティブ・ゲートの下に配置され、拡散分離に延在するパワー・レールをさらに含む。拡散分離は、パワー・レールに電気的に結合されたコンタクトを含む。
【0006】
別の実施形態は、半導体基板、半導体基板上に配置された第1の誘電体層、第1の誘電体層上に配置されたパワー・レール、パワー・レール上に配置された第2の誘電体層、および第2の誘電体層から延在するゲートを含む、半導体構造体を含む。
【0007】
別の実施形態は、複数の半導体デバイスを含む半導体構造体を含む。半導体デバイスの各々は、誘電体層によって、隣接する半導体デバイスから絶縁される。半導体構造体は、複数の半導体デバイスにわたって延在する第1の拡散分離、複数の半導体デバイスにわたって延在する第2の拡散分離、および複数の半導体デバイスにわたって延在する複数のゲートをさらに含む。ゲートは、第1の拡散分離と第2の拡散分離の間に配置される。各半導体デバイスは、複数のゲートの下の第1の拡散分離と第2の拡散分離の間に延在するパワー・レールを含む。
【0008】
別の実施形態は、半導体基板上にスタック構造を形成することを含む、半導体構造体を製造する方法を含む。スタック構造は、第1の犠牲層、第2の犠牲層、第1の犠牲層と第2の犠牲層の間に配置された第3の犠牲層、複数の追加の犠牲層、および複数のチャネル層を含む。この方法は、スタック構造上に複数のゲート構造を形成することと、第1および第2の犠牲層を誘電材料に置き換え、対応する第1および第2の誘電体層を形成することとをさらに含む。誘電材料は、ゲート構造に側壁も形成する。この方法は、複数のゲート構造のうちの第1のゲート構造と第2のゲート構造の間で、複数の追加の犠牲層、複数のチャネル層、および第2の誘電体層をエッチングし、第2の誘電体層を介して第3の犠牲層を露出することと、第1のゲート構造と第2のゲート構造の間で、第3の犠牲層と接触するソース/ドレイン領域を形成することとをさらに含む。この方法は、複数のゲート構造のうちの特定のゲート構造を開口し、第3の犠牲層を露出することと、第3の犠牲層をパワー・レールに置き換えることとをさらに含む。パワー・レールは、ソース/ドレイン領域と接触する。
【0009】
その他の実施形態は、実施形態の以下の詳細な説明において説明され、その説明は、添付の図と共に読まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態による、半導体構造体の概略上面図である。
【
図2】本発明の実施形態による、
図1の半導体構造体の一部の概略上面図である。
【
図3】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、それぞれ
図2の切断線A-AおよびB-Bに沿った、製造の中間段階での
図2の半導体構造体の概略側面断面図である。
【
図4】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、半導体領域を形成するためにエッチングが実行された後の製造の中間段階での
図3(A)および
図3(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図5】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、浅いトレンチ分離(STI:shallow trench isolation)層の形成後の製造の中間段階での
図4(A)および
図4(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図6】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、ゲート構造の形成後の製造の中間段階での
図5(A)および
図5(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図7】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、犠牲ナノシート層(sacrificial nanosheet layer)の除去後の製造の中間段階での
図6(A)および
図6(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図8】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、誘電体層の形成後の製造の中間段階での
図7(A)および
図7(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図9】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、犠牲ナノシート層の一部およびナノシート・チャネル層の一部を含むナノシート・スタック構造の露出した層のエッチング後の製造の中間段階での
図8(A)および
図8(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図10】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、犠牲ナノシート層の露出部分のエッチングおよび内部スペーサの形成後の製造の中間段階での
図9(A)および
図9(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図11】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、エッチング・マスクを形成してパターン形成し、エッチング・マスクによって誘電体層800を介してチャネルをエッチングし、犠牲ナノシート層を露出した後の、製造の中間段階での
図10(A)および
図10(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図12】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、犠牲ナノシート層の露出部分および誘電体層の露出部分の上のソース/ドレイン領域の形成後の製造の中間段階での
図11(A)および
図11(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図13】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、層間誘電体の形成後の製造の中間段階での
図12(A)および
図12(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図14】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、単一の拡散分離(SDB:single diffusion breaks)に対応するゲート構造上の犠牲キャップおよびエッチング・マスクの形成後の製造の中間段階での
図13(A)および
図13(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図15】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、ゲート構造のダミー・ゲート電極および犠牲ナノシート層の除去後の製造の中間段階での
図14(A)および
図14(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図16】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、ゲート構造内のゲート導体層の形成および犠牲キャップの除去後の製造の中間段階での
図15(A)および
図15(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図17】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、犠牲ナノシート層に至るまでゲート構造を開口し、犠牲ナノシート層を除去した後の、製造の中間段階での
図16(A)および
図16(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図18】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、開口されたゲート構造内のBPR、および犠牲ナノシート層の除去によって露出されたチャネル内のBPRの形成後の製造の中間段階での
図17(A)および
図17(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図19】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、ゲート構造内のゲート導体層およびBPRが後退した後の製造の中間段階での
図18(A)および
図18(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図20】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、ゲート構造を露出するエッチング・マスクが形成され、BPRが、誘電体層の一部の高さに至るまでエッチングされてゲート構造を開口した後の、製造の中間段階での
図19(A)および
図19(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図21】本発明の実施形態による、ゲート構造を露出するエッチング・マスクが形成され、BPRが、誘電体層の一部の高さに至るまでエッチングされてゲート構造を開口した後の、製造の中間段階での
図19(A)および
図19(B)の半導体構造体の断面図である。
図2の切断線C-Cに沿った図である。
【
図22】本発明の実施形態による、ゲート構造を露出するエッチング・マスクが形成され、BPRが、誘電体層の一部の高さに至るまでエッチングされてゲート構造を開口した後の、製造の中間段階での
図19(A)および
図19(B)の半導体構造体の断面図である。
図2の切断線D-Dに沿った図である。
【
図23】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、エッチング・マスクを形成し、ゲートの切断を実行して、n型半導体デバイスとp型半導体デバイスの間でBPRを分離した後の、製造の中間段階での
図20(A)および
図20(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図24】本発明の実施形態による、エッチング・マスクを形成し、ゲートの切断を実行して、n型半導体デバイスとp型半導体デバイスの間でBPRを分離した後の、製造の中間段階での
図21の半導体構造体の断面図である。
【
図25】本発明の実施形態による、エッチング・マスクを形成し、ゲートの切断を実行して、n型半導体デバイスとp型半導体デバイスの間でBPRを分離した後の、製造の中間段階での
図22の半導体構造体の断面図である。
【
図26】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、ピラーを互いに電気的に絶縁するためのゲート構造の露出部分内およびBPRのピラー間のエッチング・マスクの除去およびILD層の形成後の、製造の中間段階での
図23(A)および
図23(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図27】本発明の実施形態による、ピラーを互いに電気的に絶縁するためのゲート構造の露出部分内およびBPRのピラー間のエッチング・マスクの除去およびILD層の形成後の、製造の中間段階での
図24の半導体構造体の断面図である。
【
図28】本発明の実施形態による、ピラーを互いに電気的に絶縁するためのゲート構造の露出部分内およびBPRのピラー間のエッチング・マスクの除去およびILD層の形成後の、製造の中間段階での
図25の半導体構造体の断面図である。
【
図29】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、対応する半導体デバイスのBPRから電気的に絶縁されたソース/ドレイン領域へのゲート・コンタクトの形成、および最上部コンタクトの形成後の、製造の中間段階での
図26(A)および
図26(B)の半導体構造体の断面図である。
【
図30】本発明の実施形態による、対応する半導体デバイスのBPRから電気的に絶縁されたソース/ドレイン領域へのゲート・コンタクトの形成、および最上部コンタクトの形成後の、製造の中間段階での
図27の半導体構造体の断面図である。
【
図31】本発明の実施形態による、対応する半導体デバイスのBPRから電気的に絶縁されたソース/ドレイン領域へのゲート・コンタクトの形成、および最上部コンタクトの形成後の、製造の中間段階での
図28の半導体構造体の断面図である。
【
図32】本発明の別の実施形態による、半導体構造体の概略上面図である。
【
図33】本発明の実施形態による、
図32の半導体構造体の一部の概略上面図である。
【
図34】(A)および(B)は、本発明の実施形態による、
図29(A)および
図29(B)において見られる製造の段階に類似する製造の中間段階での
図33の半導体構造体の断面図である。
図34(A)は
図33の切断線A’-A’に沿った図であり、
図34(B)は
図33の切断線B’-B’に沿った図である。
【
図35】本発明の実施形態による、
図30において見られる製造の段階に類似する製造の中間段階での
図33の半導体構造体の断面図である。
図33の切断線C’-C’に沿った図である。
【
図36】本発明の実施形態による、
図31において見られる製造の段階に類似する製造の中間段階での
図33の半導体構造体の断面図である。
図33の切断線D’-D’に沿った図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施形態がさらに詳細に説明される。拡散分離コンタクト(diffusion break contact)を利用して、アクティブなデバイスの下に埋込みパワー・レールを含むナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを製造するためのデバイスおよび方法が提供される。
【0012】
添付の図面に示されたさまざまな層、構造、および領域が、一定の縮尺で描かれていない概略図であるということが、理解されるべきである。加えて、説明を簡単にするために、半導体デバイスまたは半導体構造体を形成するために一般に使用される種類の1つまたは複数の層、構造、および領域が、特定の図面に明示的に示されないことがある。これは、明示的に示されないいずれかの層、構造、および領域が実際の半導体デバイス構造体から省略されるということを意味しない。さらに、本明細書において説明される実施形態が、本明細書において示され、記載された特定の材料、特徴、および処理ステップに限定されないということが理解されるべきである。特に、半導体処理ステップに関して、本明細書において提供された説明が、機能的な半導体集積回路デバイスを形成するために必要とされることがある処理ステップのすべてを包含するよう意図されていないということが強調されるべきである。むしろ、例えば、湿式洗浄ステップおよびアニーリング・ステップなどの、半導体デバイスを形成することにおいて一般に使用される特定の処理ステップは、説明を簡潔にするために、本明細書において意図的に説明されない。
【0013】
さらに、図面全体を通じて、同じまたは類似する特徴、要素、または構造を示すために、同じまたは類似する参照番号が使用され、したがって、同じまたは類似する特徴、要素、または構造の詳細な説明は、図面の各々で繰り返されない。「約」または「実質的に」という用語が、厚さ、幅、割合、範囲などに関して本明細書において使用されるとき、正確ではなく、近いことまたは近似であることを示すよう意図されているということが理解されるべきである。例えば、「約」または「実質的に」という用語は、本明細書において使用されるとき、述べられた量の1%未満などの、小さい誤差の範囲が存在するということを意味する。
【0014】
図面全体を通じて示される半導体デバイス構造体の異なる構造の向きに空間的状況をもたらすために、図面の各々においてXYZデカルト座標が示される。「垂直な」または「垂直方向」または「垂直方向の高さ」という用語は、本明細書において使用されるとき、図面に示されたデカルト座標のZ方向を示し、「水平な」または「水平方向」または「横方向」という用語は、本明細書において使用されるとき、図面に示されたデカルト座標のX方向またはY方向あるいはその両方を示す。
【0015】
図1は、第1の実施形態による、本明細書では半導体構造体100とも呼ばれる半導体集積回路構造体100の概略上面図(X-Y平面)である。明確にするために、半導体構造体100の一部の要素が
図1に示されていない。半導体構造体100は、各々が非アクティブ・ゲートを含む単一の拡散分離(SDB)104によって分離された、アクティブ・ゲート102のグループを含む。
図2~31を参照して以下でさらに詳細に説明され、例示されるように、トップダウン・コンタクト(top-down contact)106またはボトムアップ・コンタクト(bottom-up contact)108のいずれかを介して、アクティブ・ゲート102に関連付けられたソース/ドレイン領域に電力が供給される。ボトムアップ・コンタクト108は、ソース/ドレイン領域の下に配置された埋込みパワー・レール(BPR)110に電気的に接続される。例えば、一部の実施形態では、アクティブ・ゲート102の片側のソース/ドレイン領域がトップダウン・コンタクト106に接続され、一方、アクティブ・ゲート102の反対側のソース/ドレイン領域が、ボトムアップ・コンタクト108を介してBPR110に接続される。トップダウン・コンタクトおよびボトムアップ・コンタクトを参照して説明されたが、半導体構造体100は、任意の方向でコンタクトを使用して形成されてよい。トップダウン・コンタクト106およびボトムアップ・コンタクト108の両方の使用は、先端間の間隔を縮小し、それによって短絡の発生を減らし、ソース/ドレインの密度の改善を可能にする。
【0016】
図2は、半導体構造体100の一部112の概略上面図(X-Y平面)であり、半導体構造体100の特徴をさらに例示するために利用される。
図2に示されているように、半導体構造体100は、半導体領域200-1、200-2、200-3、および200-4(集合的および個別に、半導体領域200と呼ばれる)を含み、これらの半導体領域にわたって、SDB202-1および202-2(集合的および個別に、SDB202と呼ばれる)、ならびにアクティブ・ゲート204-1、204-2、204-3、および204-4(集合的および個別に、アクティブ・ゲート204と呼ばれる)が形成される。各半導体領域200-1、200-2、200-3、および200-4は、対応するBPR110-1、110-2、110-3、および110-4(集合的および個別に、BPR110と呼ばれる)を含む。
【0017】
2つのSDB202間の4つのアクティブ・ゲート204と共に4つの半導体領域200を含むように示されているが、任意の数の半導体領域200、SDB202、およびアクティブ・ゲート204が、任意の数のアクティブ・ゲート204がSDB202の各対の間に配置されて、含まれてよい。一部の実施形態では、例えば、半導体領域200が、nFETデバイスまたはpFETデバイスとして形成されてよい。一部の実施形態では、半導体領域200-1および200-4がpFETデバイスを含んでよく、一方、半導体領域200-2および200-3がnFETデバイスを含んでよい。他の実施形態では、半導体領域200はnFETデバイスとpFETデバイスの間で交互に入れ替わってよく、例えば、半導体領域200-1および200-3がpFETデバイスを含み、一方、半導体領域200-2および200-4がnFETデバイスを含み、この逆もまた同様である。
【0018】
半導体領域200ごとに、SDB202内の1つまたは複数の対応するトップダウン・コンタクト206または208を介して、BPR110に電力が供給される。例えば、トップダウン・コンタクト206は、第1の電圧に設定されてよく、一方、トップダウン・コンタクト208は、第1の電圧と異なる第2の電圧に設定されてよい。トップダウン・コンタクト206は、半導体領域200-1および200-4のBPR110に電力を供給し、一方、トップダウン・コンタクト208は、半導体領域200-2および200-3のBPR110に電力を供給する。BPR110に電力を供給するためのSDB202内のトップダウン・コンタクト206および208の使用は、BPR110が半導体デバイスと自己整合し、浅いトレンチ分離(STI)層内の代わりにアクティブ・ゲートの下に形成されるため、N間およびP間の間隔の縮小を可能にする。
図2は、
図3~
図31で利用される断面A-A、B-B、C-C、およびD-Dも定義する。
【0019】
図3(A)~
図31は、例示的な実施形態による、半導体構造体100を製造するための例示的な方法を概略的に示している。
【0020】
図3(A)および
図3(B)は、製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図3(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図3(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
図3(A)および
図3(B)に示されているように、半導体構造体100は、半導体基板300および半導体基板300上に形成されたナノシート・スタック構造を含む。ナノシート・スタック構造は、半導体層302-1、302-2、304-1、304-2、304-3、304-4、306-1、306-2、および306-3のスタックを含む。一部の実施形態では、半導体構造体100は、例えば、ナノシート・スタック構造の層と半導体基板300の間のエッチング選択性を提供し得る、半導体基板300とナノシート・スタック構造の間に配置された酸化物層を含む。
【0021】
半導体基板300は一般的基板層として示されているが、半導体基板300が、さまざまな種類の半導体基板構造体および材料のうちの1つを含んでよいということが理解されるべきである。例えば、1つの実施形態では、半導体基板300は、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)、あるいはシリコン-ゲルマニウム合金、化合物半導体材料(例えば、III-V)などの、バルク半導体製造プロセスにおいて一般に使用されるその他の種類の半導体基板材料で形成された、バルク半導体基板(例えば、ウエハー)であることができる。別の実施形態では、半導体基板300は、SOI(silicon-on-insulator:シリコン・オン・インシュレータ)基板、GeOI(germanium-on-insulator:ゲルマニウム・オン・インシュレータ)基板、またはその他の種類の半導体オン・インシュレータ基板のアクティブな半導体層であってよく、ベース基板層(例えば、シリコン基板)とアクティブな半導体層(例えば、Si、Geなど)の間に配置された絶縁層(例えば、酸化物層)を含み、アクティブな半導体層内に、アクティブな回線コンポーネントがフロントエンド(FEOL:front-end-of-line)構造の一部として形成される。
【0022】
ナノシート・スタック構造の半導体層302-1~306-3のスタックは、犠牲ナノシート層302-1、302-2、304-1、304-2、304-3、および304-4、ならびにナノシート・チャネル層306-1、306-2、および306-3を含む。犠牲ナノシート層302-1および302-2は、集合的および個別に、犠牲ナノシート層302とも呼ばれる。犠牲ナノシート層304-1、304-2、304-3、および304-4は、集合的および個別に、犠牲ナノシート層304とも呼ばれる。ナノシート・チャネル層306-1、306-2、および306-3は、集合的および個別に、ナノシート・チャネル層306とも呼ばれる。各ナノシート・チャネル層306は、ナノシート・スタック構造内の犠牲ナノシート層304の対の間に配置される。半導体層302-1~306-3のスタックは、連続して成長させたエピタキシャル半導体層を含む。
【0023】
例えば、犠牲ナノシート層302-1を半導体基板300の表面上でエピタキシャル成長させ、犠牲ナノシート層304-1を犠牲ナノシート層302-1上でエピタキシャル成長させ、犠牲ナノシート層302-2を犠牲ナノシート層304-1上でエピタキシャル成長させ、犠牲ナノシート層304-2を犠牲ナノシート層302-2上でエピタキシャル成長させ、ナノシート・チャネル層306-1を犠牲ナノシート層304-2上でエピタキシャル成長させ、犠牲ナノシート層304-3をナノシート・チャネル層306-1上でエピタキシャル成長させ、ナノシート・チャネル層306-2を犠牲ナノシート層304-3上でエピタキシャル成長させ、犠牲ナノシート層304-4をナノシート・チャネル層306-2上でエピタキシャル成長させ、ナノシート・チャネル層306-3を犠牲ナノシート層304-4上でエピタキシャル成長させる。
【0024】
1つの実施形態では、エピタキシャル半導体層302-1~306-3は、化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)、有機金属化学蒸着(MOCVD:metal-organic chemical vapor deposition)、低圧化学蒸着(LPCVD:low pressure chemical vapor deposition)、分子線エピタキシ(MBE:molecular beam epitaxy)、気相エピタキシ(VPE:vapor-phase epitaxy)、液相エピタキシ(LPE:liquid-phase epitaxy)、有機金属分子線エピタキシ(MOMBE:metal organic molecular beam epitaxy)、高速熱化学蒸着(RTCVD:rapid thermal chemical vapor deposition)、低エネルギー・プラズマ蒸着(LEPD:low-energy plasma deposition)、超高真空化学蒸着(UHVCVD:ultra-high vacuum chemical vapor deposition)、大気圧化学蒸着(APCVD:atmospheric pressure chemical vapor deposition)、液相エピタキシ(LPE:liquid-phase epitaxy)、または特定のプロセス・フローに適しているその他の既知のエピタキシャル成長技術などの既知の方法を使用してエピタキシャル成長させた、単結晶(single crystal)(単結晶(monocrystalline))半導体材料を含む。エピタキシャル半導体層302-1~306-3を形成するために利用される材料の種類は、ナノシートFETデバイスの種類(p型またはn型)、およびスペーサと半導体層の間のエッチング選択性の望ましいレベルに加えて、結晶半導体層302-1~306-3の適切な(例えば、欠陥のない)エピタキシャル成長を保証するために、スペーサと半導体層の材料間の格子の十分な一致を提供することなどの、さまざまな要因に依存する。
【0025】
例えば、1つの実施形態では、ナノシート・チャネル層306は、ナノシートFETデバイスの半導体チャネル層として機能するのに適したエピタキシャル・シリコン(Si)で形成される。ナノシート・チャネル層306が、結晶Siで形成される場合、ナノシート・チャネル層306を解放するために後でエッチングされて除去される犠牲層として機能する犠牲ナノシート層302および304は、エピタキシャル・シリコン-ゲルマニウム(SiGe)合金で形成されることができる。これによって、ナノシート・チャネル層306を「解放する」ために、その後のプロセスのステップにおいて、犠牲ナノシート層302および304のエピタキシャルSiGe材料が、ナノシート・チャネル層306のエピタキシャルSi材料に対して選択的にエッチングされることを可能にする。一部の実施形態では、犠牲ナノシート層302および304のうちの1つまたは複数のGeの濃度は、犠牲ナノシート層302と犠牲ナノシート層304の間のエッチング選択性をもたらすように変化してよい。他の実施形態では、Si、SiGe、またはその他の材料が、ナノシート・チャネル層306ならびに犠牲ナノシート層302および304に利用されてよい。
【0026】
ナノシート・スタック構造が3つのナノシート・チャネル層306を含むように示されているが、他の実施形態では、ナノシート・スタック構造は、3つより多いか、または少ないナノシート・チャネル層を使用して製造されることができる。同様に、ナノシート・スタック構造が2つの犠牲ナノシート層302および4つの犠牲ナノシート層304を含むように示されているが、他の実施形態では、ナノシート・スタック構造は、さらに多いか、または少ない犠牲ナノシート層302および304を使用して製造されることができる。
【0027】
一部の実施形態では、犠牲ナノシート層302は、高い割合のGeを含むSiGe合金を含んでよく、一方、犠牲ナノシート層304は、犠牲ナノシート層302が犠牲ナノシート層304に対し選択的にエッチングできるように、犠牲ナノシート層302より低い割合のGeを含むSiGe合金を含んでよい。例えば、一部の実施形態では、犠牲ナノシート層302が、約50%~約90%の範囲のGeを含むSiGe合金を含んでよく、犠牲ナノシート層304が、約25%~約40%の範囲のGeを含むSiGe合金を含んでよく、ナノシート・チャネル層306が、Siまたは約5%~約15%の範囲のGeを含むSiGe合金を含んでよく、犠牲ナノシート層302および犠牲ナノシート層304が、互いに対し、およびナノシート・チャネル層306に対し選択的にエッチングできる。一例の実施形態では、犠牲ナノシート層302が、約60%のGeを含むSiGe合金を含み、犠牲ナノシート層304が、約25%のGeを含むSiGe合金を含み、ナノシート・チャネル層306がSiを含む。他の実施形態では、犠牲ナノシート層302、犠牲ナノシート層304、およびナノシート・チャネル層306は、任意のその他の濃度のGe、またはSiのその他の合金、あるいはその他の半導体材料を含んでよい。
【0028】
一部の実施形態では、犠牲ナノシート層304-1は、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4とは異なるSiGe合金を含んでよい。例えば、一部の実施形態では、犠牲ナノシート層302が、60%のGeを含むSiGe合金を含み、犠牲ナノシート層304-1が、15%のGeを含むSiGe合金を含み、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4が、30%のGeを含むSiGe合金を含み、ナノシート・チャネル層306がSiを含む。このようにして、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4は、犠牲ナノシート層304-1に対し選択的にエッチングされてよい。
【0029】
引き続き
図3(A)および
図3(B)を参照すると、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4は、高誘電率(high-k)誘電材料および仕事関数金属が形成される、ナノシート・チャネル層306-1、306-2、および306-3の上および下の間隔のサイズを定める厚さで形成されてよい。ナノシート・チャネル層306の上および下の空間内に形成される間隔のサイズおよびWFM材料の種類は、ナノシートFETデバイスのしきい値電圧(Vt)を一部分において定める。一部の実施形態では、犠牲ナノシート層304-2~304-4の厚さは、約8nm~約15nmの範囲内である。一部の実施形態では、犠牲ナノシート層302は、犠牲ナノシート層304に類似する厚さで形成されてよい。
【0030】
犠牲ナノシート層304-1は、他の犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4より大きい厚さで、犠牲ナノシート層302-1と犠牲ナノシート層302-2の間に形成されてよい。これは、製造中に犠牲ナノシート層304-1がBPR110に置き換えられるためである。
【0031】
1つの実施形態では、ナノシート・チャネル層306の厚さが約4nm~約8nmの範囲内であるが、ナノシート・チャネル層306は、用途に応じて他の厚さの範囲で形成されることができる。
【0032】
図4(A)および
図4(B)は、半導体領域200を形成するためにエッチングが実行された後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図4(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図4(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
図4(A)および
図4(B)に示されているように、標準的なエッチング技術を使用して、半導体層302-1~306-3および半導体基板300に対してエッチングが実行され、半導体領域200-1、200-2、200-3、および200-4を形成する。
【0033】
例えば、窒化ケイ素(SiN)、シリコン窒化炭素(SiCN)、酸窒化ケイ素(SiON)、窒化ホウ素(BN)、シリコン窒化ホウ素(SiBN)、シリコンボロン窒化炭素(SiBCN)、酸炭窒化ケイ素(SiOCN:silicon oxycarbonitride)、またはゲート・キャッピング層およびゲート側壁スペーサを形成するために一般に使用されるその他の類似する材料などの、誘電材料の層を成膜することによって、ナノシート・キャッピング層(nanosheet capping layer)400がナノシート・スタック構造の上に形成されてよい。次に、ナノシート・キャッピング層400を形成するために、ハード・マスク層がパターン形成される。ナノシート・キャッピング層400は、異方的にエッチングして(例えば、RIE)、ナノシート・スタック構造の層を除去し、
図4に示されているような半導体領域200を形成するために、エッチング・ハードマスクとして利用される。
図4(A)に見られるように、エッチング・プロセスは、半導体基板300の上面より低い深さで、溝も形成する。
【0034】
図5(A)および
図5(B)は、浅いトレンチ分離(STI)層500の形成後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図5(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図5(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。STI層500は、特定の製造プロセス・フローに適している酸化物材料などの任意の種類の絶縁材料で形成される。絶縁材料(例えば、酸化ケイ素)は、半導体基板300の溝内にSTI層500を形成するための既知の技術を使用して成膜され、パターン形成される。例えば、絶縁材料は、半導体構造体100上に成膜され、ナノシート・キャッピング層400に至るまで平坦化されてよく、それに続いて、絶縁材料に、ナノシート・スタック構造より低いくぼみを選択的に作るために、ドライ・エッチング・プロセスおよびウェット・エッチング・プロセスの組合せが実行される。次に、例えば、ナノシート・スタック構造の半導体層302-1~306-3、半導体基板300、およびSTI層500の材料に対して選択的であるRIEプロセス、CMPプロセス、または別の類似するプロセスを使用して、ナノシート・キャッピング層400が除去されてよい。
【0035】
図6(A)および
図6(B)は、ゲート構造604-1~604-6の形成後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図6(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図6(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0036】
ゲート構造604-1~604-6の形成の一部として、例えば、標準的な成膜プロセスおよびリソグラフィ・プロセスを使用して、ダミー・ゲート電極材料およびゲート・キャッピング材料が半導体デバイス構造体の上に形成され、パターン形成される。
【0037】
例えば、ポリシリコン材料またはアモルファス・シリコン材料などの犠牲材料のブランケット堆積によって、半導体構造体100の上にダミー・ゲート電極層が形成されてよい。一部の実施形態では、ダミー・ゲート電極層の形成の前に、酸化ケイ素のコンフォーマル層が成膜されてよい。犠牲材料の層を平坦化するためにCMPプロセスが実行され、窒化ケイ素(SiN)、シリコン窒化炭素(SiCN)、酸窒化ケイ素(SiON)、窒化ホウ素(BN)、シリコン窒化ホウ素(SiBN)、シリコンボロン窒化炭素(SiBCN)、酸炭窒化ケイ素(SiOCN)、またはゲート・キャッピング層を形成するために一般に使用されるその他の類似する材料などの、誘電材料の層を成膜することによって、ポリシリコン層の平坦化された表面上にハード・マスク層が形成される。
【0038】
次に、ダミー・ゲート構造の形を定めるゲート構造604のゲート・キャッピング層602を形成するために、ハード・マスク層がパターン形成される。ゲート構造604-1~604-6は、本明細書では、集合的および個別に、ゲート構造604とも呼ばれる。
【0039】
次に、犠牲ポリシリコン層を異方的にエッチングし(例えば、RIE)、それによって、ゲート構造604のダミー・ゲート電極600を形成するために、ゲート・キャッピング層602がエッチング・ハードマスクとして利用される。例示的な実施形態では、エッチング化学物質は、ナノシート・スタック構造(ナノシート・チャネル層306-3を含む)およびSTI層500の材料に対して選択的である。
【0040】
図7(A)および
図7(B)は、犠牲ナノシート層302-1および302-2の除去後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図7(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図7(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0041】
図7(A)および
図7(B)に示されているように、犠牲ナノシート層302を除去するために、1つまたは複数のエッチング・プロセスが利用される。一部の実施形態では、ナノシート・スタック構造の他の半導体層を除去せずに犠牲ナノシート層302をエッチングするために、ドライ・エッチング・プロセスまたはウェット・エッチング・プロセスが利用されてよい。例えば、エッチング化学物質およびエッチング・プロセスは、半導体基板300、STI層500、半導体層304および306、ダミー・ゲート電極600、ならびにゲート・キャッピング層602の材料に対して選択的であってよい。例えば、エッチング化学物質は、犠牲ナノシート層302の例えば60%の濃度のSiGe合金を除去し、一方、犠牲ナノシート層304に見られるより低い濃度(例えば、25%)のGe、およびSiGe合金が存在する場合のナノシート・チャネル層306に対して選択的であるように、構成されてよい。一部の実施形態では、犠牲ナノシート層302を除去するために、ドライ気相エッチング・プロセス(dry vapor phase etch process)が利用されてよい。1つの実施形態では、犠牲ナノシート層302のSiGe材料を横方向にエッチングするために、犠牲ナノシート層304およびナノシート・チャネル層306のSiおよびSiGe材料に対して選択的である気相HCI(塩酸)またはウェット・エッチング溶液を使用して、犠牲ナノシート層302のSiGe材料が(高いエッチング選択性で)選択的にエッチングされることができる。例えば、犠牲ナノシート層304およびナノシート・チャネル層306が、Siまたは犠牲ナノシート層302のSiGe材料より低いGeの濃度を有するSiGeで形成された場合、気相HCI(塩酸)は、高いエッチング選択性をもたらす。
【0042】
図8(A)および
図8(B)は、誘電体層の一部800-1、800-2、および800-3(集合的および個別に、誘電体層800とも呼ばれる)の形成後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図8(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図8(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0043】
例えば、犠牲ナノシート層302の除去によって残された空間を埋めるため、およびダミー・ゲート電極600およびゲート・キャッピング層602の外側面にゲート構造604の側壁を形成するために、誘電体層800が半導体構造体100上に形成される。例えば、誘電体層800は、ナノシート・スタック構造、ダミー・ゲート電極600、およびゲート・キャッピング層602の露出面を含む、半導体構造体100の露出面の上に誘電材料の1つまたは複数のコンフォーマル層を成膜することによって、形成されてよい。誘電材料は、犠牲ナノシート層302の除去によって露出された半導体基板300および犠牲ナノシート層304の表面の上にも成膜される。一部の実施形態では、誘電体層800は、低誘電率(low-k)誘電材料で形成される。例えば、誘電体層800は、SiN、SiBCN、SiOCN、SiOC、SiO2、またはFETデバイスの絶縁ゲート側壁スペーサを形成するために一般に使用される任意のその他の種類の誘電材料(例えば、5未満の誘電率(k)を有する低誘電率誘電材料)で形成されることができる。1つの実施形態では、くぼみが誘電材料で十分に埋められることを保証するために、誘電材料は、ALDなどの高度にコンフォーマルな成膜プロセスを使用して、コンフォーマルに成膜される。誘電材料の高度にコンフォーマルな層を成膜してくぼみを埋めるために、CVDおよびPVDなどのその他の成膜方法が利用されることができる。
【0044】
誘電材料のコンフォーマル層は、過剰なエッチングが低減する異方性エッチング・プロセスを使用して、エッチ・バックされることができる。異方性エッチング・プロセスは、
図8(A)に示されているように、半導体デバイス200の犠牲ナノシート層304-3および304-4ならびにナノシート・チャネル層306の表面から誘電材料を除去しながら、誘電体層800を犠牲ナノシート層304-1および304-2の露出部分での側壁として維持する。一部の実施形態では、犠牲ナノシート層304-2の一部のみが誘電体層800によって覆われてよい。異方性エッチング・プロセスは、ゲート構造604間のナノシート・チャネル層306-3の一部を露出しながら、誘電体層800を、ゲート構造604での側壁としても維持する。異方性エッチングは、ゲート・キャッピング層602も露出する。
【0045】
図8(A)に見られるように、例えば、誘電体層800は、Y-Z平面内で犠牲ナノシート層304-1を取り囲み、犠牲ナノシート層304-2を少なくとも部分的に取り囲む。
図8(B)に見られるように、例えば、誘電体層800の一部800-1および800-2は、犠牲ナノシート層302の除去によって露出されたチャネルを埋めており、誘電体層800の一部800-3は、ゲート構造604間に露出したナノシート・チャネル層306-3の一部を残したまま、ゲート構造604の側壁スペーサも形成している。
【0046】
図9(A)および
図9(B)は、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4の一部、ならびにナノシート・チャネル層306-1、306-2、および306-3の一部を含むナノシート・スタック構造の露出した層のエッチング後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図9(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図9(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0047】
ゲート構造604の間および周囲で、ナノシート・スタック構造を誘電体層800の一部800-2に至るまでエッチングし、半導体層304-2~304-4および306-1~306-3の露出部分を除去するために、例えば、1つまたは複数のエッチング・プロセス(例えば、方向性RIEプロセス)が利用されてよい。一例として、誘電体層800およびゲート・キャッピング層602の材料に対して選択的であるエッチング・プロセスの間に、誘電体層800の一部800-3およびゲート・キャッピング層602が、ナノシート・スタック構造の半導体層304-2~304-4および306-1~306-3の除去のためのエッチング・マスクとして使用されてよい。
【0048】
図10(A)および
図10(B)は、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4の露出部分のエッチング、ならびに内部スペーサ1000の形成後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図10(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図10(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0049】
1つの実施形態では、内部スペーサ1000は、誘電体層800の一部800-3によって保護されていないナノシート・スタック構造の側壁内にくぼみを形成するために、ナノシート・スタック構造の犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4の露出した側壁表面に横方向にくぼみを作ることを含むプロセスによって形成される。
図10(B)に示されているように、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4の露出した側壁表面に、横方向に(例えば、x方向に)既定の深さまでくぼみが作られる。横方向のくぼみの量は、時限エッチングによって制御される。1つの実施形態では、くぼみの深さは、誘電体層800の隣接する一部800-3の厚さに実質的に等しい。
【0050】
1つの例示的な実施形態では、ナノシート・チャネル層306、誘電体層800、およびその他の露出した要素の半導体材料(例えば、Si)に対して選択的な、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4の半導体材料(例えば、SiGe)をエッチングするのに適したエッチング溶液と共に、等方性ウェット・エッチング・プロセスを使用して、横方向のエッチング・プロセスが実行されることができる。別の実施形態では、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4の露出した側壁表面を横方向にエッチングするために、ナノシート・チャネル層306、誘電体層800、およびその他の露出した要素に対して選択的な、等方性ドライ・プラズマ・エッチング・プロセスが実行されることができる。
【0051】
次に、ナノシート・スタック構造の側壁に内部スペーサ1000(または埋め込まれたスペーサ)を形成するために、くぼみが誘電材料で埋められる。1つの実施形態では、内部スペーサ1000は、くぼみが誘電材料で埋められるまで、半導体デバイス構造体の上に誘電材料のコンフォーマル層を成膜し、それに続いてエッチ・バックして余分な誘電材料を除去することによって、形成される。1つの実施形態では、内部スペーサ1000は、誘電体層800を形成するために使用された誘電材料と同じ誘電材料で形成される。例えば、内部スペーサ1000は、SiN、SiBCN、SiOCN、SiOC、SiO2、またはFETデバイスの絶縁ゲート側壁スペーサを形成するために一般に使用される任意のその他の種類の誘電材料(例えば、5未満の誘電率を有する低誘電率誘電材料)で形成されることができる。1つの実施形態では、くぼみが誘電材料で十分に埋められることを保証するために、誘電材料は、ALDなどの高度にコンフォーマルな成膜プロセスを使用して、コンフォーマルに成膜される。誘電材料の高度にコンフォーマルな層を成膜してくぼみを埋めるために、CVDおよびPVDなどのその他の成膜方法が利用されることができる。内部スペーサ1000を形成するためにくぼみ内に誘電材料を残しながら、ナノシート・スタック構造の側壁での余分な誘電材料を除去し、ナノシート・チャネル層306の側壁を露出するために、等方性ウェット・エッチング・プロセスを使用して、誘電材料のコンフォーマル層がエッチ・バックされることができる。ウェット・エッチング・プロセスは、バッファード・フッ酸(BHF)、希釈フッ酸(DHC)、フッ硝酸(HNA)、リン酸、エチレン・グリコールによって希釈されたHF(HF/EG)、塩酸(HCI)、またはこれらの任意の組合せを含んでよいが、これらに限定されない。
【0052】
図11(A)および
図11(B)は、エッチング・マスク1100を形成してパターン形成し、エッチング・マスク1100によって誘電体層800の一部800-2を介してチャネルをエッチングし、犠牲ナノシート層304-1を露出した後の、製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図11(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図11(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0053】
図11(A)および
図11(B)に示されているように、ゲート構造604を含む半導体構造体100の一部の上にエッチング・マスク1100を形成するために、リソグラフィ・プロセスが利用される。例えば、半導体構造体100の上にOPLがコーティングされてよく、それに続いてリソグラフィ・プロセスが実行されてOPLをパターン形成し、エッチング・マスク1100を形成する。OPLは、例えば、スピン・コーティングによって塗布され、平坦化を高めるために焼かれる樹脂材料を含んでよい。エッチング・マスク1100が、ゲート構造604-1に隣接する領域内、ゲート構造604-3とゲート構造604-4の間の領域内、およびゲート構造604-6に隣接する領域内の誘電体層800の一部800-2を露出するように、OPLのパターン形成された部分が除去される。例えば、エッチング・マスク1100は、ゲート構造604の1つおきの対の間の領域、および一部の実施形態では、SDBになるゲート構造604(例えば、
図11(B)に示された実施形態では、ゲート構造604-1および604-6)の両側の領域を露出してよい。
図11(A)に示されているように、エッチング・マスクのパターン形成は、半導体デバイス200-2および200-4の誘電体層800の一部800-2を覆いながら、半導体デバイス200-1および200-3の誘電体層800の一部800-2を露出してもよい。エッチング・マスク1100のパターンによって、誘電体層800の露出部分800-2を犠牲ナノシート層304-1に至るまでエッチングするために、方向性エッチング・プロセス(例えば、方向性RIEプロセス)が利用される。例えば、エッチング化学物質は、ゲート・キャッピング層602、犠牲ナノシート層304-1、およびエッチング・マスク1100の材料に対して選択的であってよい。次に、例えばプラズマ・エッチング・プロセスまたはアッシング・プロセスを使用して、エッチング・マスク1100が除去されてよい。
【0054】
図12(A)および
図12(B)は、犠牲ナノシート層304-1の露出部分および誘電体層800の一部800-2の露出部分の上のソース/ドレイン領域1200および1202の形成後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図12(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図12(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0055】
ソース/ドレイン領域1200および1202は、例えば、イオン注入、気相ドーピング、プラズマ・ドーピング、プラズマ浸漬イオン注入、クラスタ・ドーピング、注入ドーピング、液相ドーピング、固相ドーピングを使用することなどの、適切なドーパントの注入によって形成されてよい。N型ドーパントは、リン(P)、ヒ素(As)、およびアンチモン(Sb)の群から選択されてよく、p型ドーパントは、ホウ素(B)、フッ化ホウ素(BF2)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、およびタリウム(TI)の群から選択されてよい。ソース/ドレイン領域1200および1202は、エピタキシャル成長プロセスによって形成されてもよい。一部の実施形態では、エピタキシ・プロセスは、その場ドーピングを含む(エピタキシの間に、ドーパントがエピタキシ材料に組み込まれる)。エピタキシャル材料を、ガスまたは液体前駆物質から成長させてよい。エピタキシャル材料を、気相エピタキシ(VPE)、分子線エピタキシ(MBE)、液相エピタキシ(LPE)、高速熱化学蒸着(RTCVD)、有機金属化学蒸着(MOCVD)、超高真空化学蒸着(UHVCVD)、低圧化学蒸着(LPCVD)、リミテッド・リアクション・プロセシングCVD(LRPCVD:limited reaction processing CVD)、またはその他の適切なプロセスを使用して成長させてよい。トランジスタの型に応じて、n型ドーパント(例えば、リンまたはヒ素)またはp型ドーパント(例えば、ホウ素またはガリウム)などのドーパントを加えることによって、エピタキシャル・シリコン、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)、ゲルマニウム(Ge)、または炭素ドープ・シリコン(Si:C)、あるいはその組合せが成膜中にドープされる(その場(in-situ)ドープされる)ことができる。ドーパントの濃度の範囲は、1x1019cm-3~3x1021cm-3、または好ましくは、2x1020cm-3~3x1021cm-3であることができる。
【0056】
一部の実施形態では、ナノシート・チャネル層306-3が露出されないように、ソース/ドレイン領域1200および1202を、ナノシート・スタック構造に隣接する犠牲ナノシート層304-1の上および誘電体層800の一部800-2の上に、ナノシート・チャネル層306-3の上の誘電体層800の一部800-3まで形成しまたは成長させてよい。一部の実施形態では、ナノシート・チャネル層306-3の上にソース/ドレイン領域1200および1202を形成しまたは成長させ、次に、ナノシート・チャネル層306-3に対し望ましい高さまで、z方向に後退されるか、またはパターン形成されてよい。
図12(B)が、nFETまたはpFET半導体デバイス200のいずれかに沿って、
図2の断面B-Bを示しているということに注意するのは重要である。それに応じて、
図12(B)のソース/ドレイン領域1200は、同じ材料またはドーパントなど(例えば、n型材料またはp型材料、ただし両方ではない)を含む。これに対して、
図12(A)は、異なる型の複数の半導体デバイス200にわたって、
図2の断面A-Aを示している。この場合、n型材料およびp型材料が両方とも示されている。例えば、ソース/ドレイン領域1200がn型材料またはn型ドーパントを含む場合、ソース/ドレイン領域1202はp型材料を含み、この逆も同様である。
【0057】
図13(A)および
図13(B)は、層間誘電体(ILD:inter-layer dielectric)1300の形成後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図13(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図13(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0058】
例えば、SiOx、低温酸化物(LTO:low temperature oxide)、高温酸化物(HTO:high temperature oxide)、流動性酸化物(FOX:flowable oxide)、または何らかのその他の誘電体を含むが、これらに限定されない、誘電材料が成膜され、ゲート構造604ならびにソース/ドレイン領域1200および1202の上にILD1300を形成する。ILD1300は、CVD、PECVD、RFCVD、PVD、ALD、MLD、MBD、PLD、もしくはLSMCD、またはその組合せ、スパッタリング、またはめっき、あるいはその組合せを含むが、これらに限定されない、成膜技術を使用して、成膜されることができる。余分な材料をILD1300から除去し、結果として得られた構造体を平坦化するために、平坦化、例えば、化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)が実行されることができる。平坦化は、ゲート・キャッピング層602が除去され、ダミー・ゲート電極600が露出されるように、ゲート構造604のダミー・ゲート電極600に至るまで実行されることができる。例示的な実施形態により、ILD1300は、異なるゲート構造604を互いに電気的に絶縁する。
【0059】
図14(A)および(B)は、SDBに対応するゲート構造604-1および604-6上の犠牲キャップ1400およびエッチング・マスク1402の形成後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図14(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図14(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0060】
窒化ケイ素(SiN)、シリコン窒化炭素(SiCN)、酸窒化ケイ素(SiON)、窒化ホウ素(BN)、シリコン窒化ホウ素(SiBN)、シリコンボロン窒化炭素(SiBCN)、酸炭窒化ケイ素(SiOCN)、または犠牲キャッピング層を形成するために一般に使用されるその他の類似する材料などの、誘電材料の層を成膜することによって、ILD1300、誘電体層800の一部800-3、およびダミー・ゲート電極600の平坦化された表面上にハード・マスクが形成される。
【0061】
次に、ゲート構造604-1および604-6の上に犠牲キャップ1400を形成するために、ハード・マスクがパターン形成される。例えば、ゲート構造604-1および604-6を含む半導体構造体100の一部の上にエッチング・マスク1402を形成するために、リソグラフィ・プロセスが利用される。例えば、半導体構造体100の上にOPLがコーティングされてよく、それに続いてリソグラフィ・プロセスが実行されてOPLをパターン形成し、エッチング・マスク1402を形成する。OPLは、例えば、スピン・コーティングによって塗布され、平坦化を高めるために焼かれる樹脂材料を含んでよい。エッチング・マスク1402によってゲート構造604-1および604-6の上のハード・マスクが残りながら、エッチング・マスク1402が、ゲート構造604-2~604-5のダミー・ゲート電極600の上のハード・マスクを露出するように、OPLのパターン形成された部分が除去される。エッチング・マスク1402のパターンによって、露出したハード・マスクをダミー・ゲート構造604-2~604-5に至るまでエッチングし、ゲート構造604-1および604-6の上に犠牲キャップ1400を形成するために、方向性エッチング・プロセス(例えば、方向性RIEプロセス)が利用される。例えば、エッチング化学物質は、ILD1300、ダミー・ゲート電極600、および誘電体層800の材料に対して選択的であってよい。
【0062】
図15(A)および
図15(B)は、ゲート構造604-2~604-5のダミー・ゲート電極600ならびに犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4の除去後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図15(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図15(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0063】
既知のエッチング技術およびエッチング化学物質を使用して、ダミー・ゲート電極600がエッチングされて除去される。例えば、水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、またはSF6プラズマを含む適切なエッチング化学物質と共に、選択的なドライ・エッチング・プロセスまたはウェット・エッチング・プロセスを使用して、ダミー・ゲート材料が除去されることができる。ダミー・ゲート電極600のエッチングは、例えば、ILD1300、誘電体層800、犠牲ナノシート層304、およびナノシート・チャネル層306に対して選択的であり、それによって、ナノシート・スタック構造の半導体材料を、ポリ・エッチング・プロセスの間にエッチングされることから保護する。ダミー・ゲート電極600のエッチングは、ゲート構造604-2~604-5を開口する。
【0064】
ナノシート・チャネル層306を解放するために、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4が選択的にエッチングされて除去され、それによって、開口されたゲート構造604-2~604-5がナノシート・チャネル層306間の空間内およびナノシート・チャネル層306に隣接する空間内に延在することを可能にする。この実施形態では、開口されたゲート構造604-2~604-5は、誘電体層800の一部800-3および内部スペーサ1000によって定められた内部領域内の空いている空間を含む。
【0065】
犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4(例えば、SiGe層)は、ナノシート・チャネル層306(例えば、Si層)に対して選択的な、例えばウェット・エッチング・プロセスを使用して、エッチングされて除去されることができる。1つの実施形態では、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4のSiGe材料を横方向にエッチングするために、ナノシート・チャネル層306のSi材料に対して選択的である気相HCI(塩酸)またはウェット・エッチング溶液を使用して、犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4のSiGe材料が(高いエッチング選択性で)選択的にエッチングされることができる。例えば、ナノシート・チャネル層306が、Siまたは犠牲ナノシート層304-2、304-3、および304-4のSiGe材料より低いGeの濃度を有するSiGeで形成された場合、気相HCI(塩酸)は、高いエッチング選択性をもたらす。
図15(B)からわかるように、犠牲ナノシート層304-1は、誘電体層800の一部800-2によって保護されているため、この時点ではエッチングされて除去されない。
【0066】
一部の実施形態では、ダミー・ゲート電極600または犠牲ナノシート層304のエッチングによって、エッチング・マスク1402を除去してもよい。他の実施形態では、例えば、プラズマ・エッチング・プロセスまたはアッシング・プロセスなどの別のプロセスを使用して、エッチング・マスク1402が除去されてよい。一部の実施形態では、ダミー・ゲート電極600のエッチングの前に、エッチング・マスク1402が除去される。
【0067】
図16(A)および
図16(B)は、ゲート構造604-2~604-5内のゲート導体層1600の形成、および犠牲キャップ1400の除去の後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図16(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図16(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0068】
一部の実施形態では、ゲート導体層1600の形成の前に、任意選択的なゲート誘電体層(図示されていない)が形成される。ゲート誘電体層は、例えば、HfO2(酸化ハフニウム)、ZrO2(二酸化ジルコニウム)、酸化ハフニウムジルコニウム、Al2O3(酸化アルミニウム)、およびTa2O5(五酸化タンタル)、またはその他の電子グレード(EG:electronic grade)酸化物を含むが、必ずしもこれらに限定されない、高誘電率誘電体層を含む。高誘電率材料の例としては、酸窒化シリコンハフニウム、酸化ランタン、酸化アルミニウムランタン、酸化ジルコニウム、酸化シリコンジルコニウム、酸窒化シリコンジルコニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化チタンバリウムストロンチウム、酸化チタンバリウム、酸化チタンストロンチウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル鉛スカンジウム、および鉛亜鉛ニオブ酸塩などの金属酸化物も挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、ゲート誘電体層の誘電材料は、ALDなどの高度にコンフォーマルな成膜プロセスを使用して、コンフォーマルに成膜される。誘電材料の高度にコンフォーマルな層を成膜して、ゲート構造604の露出部分を覆うために、CVDおよびPVDなどのその他の成膜方法が利用されることができる。
【0069】
ゲート導体層1600は、金属ゲートまたは仕事関数金属(WFM:work function metal)を含んでよい。例示的な実施形態では、ゲート導体層1600は、nFETデバイスまたはpFETデバイスのいずれかのためのWFMを含む。nFETデバイスの場合、ゲート導体のWFMは、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、チタンアルミニウム(TiAl)、チタンアルミニウム炭素(TiAlC)、Ti合金とAl合金の組合せ、前述のWFM材料のうちの1つまたは複数が後に続く障壁層(例えば、窒化チタン(TiN)または別の適切な材料)を含むスタックなどを含んでよい。pFETデバイスの場合、ゲート導体のWVFは、TiN、窒化タンタル(TaN)、または別の適切な材料を含んでよい。一部の実施形態では、pFET WFMは金属スタックを含んでよく、金属スタックでは、Ti、Al、TiAl、TiAlC、またはTi合金とAl合金の任意の組合せなどのWFMが後に続く、より厚い(例えば、TiN、TaNなどの)障壁層が形成される。必要に応じて、さまざまなその他の材料がゲート導体層1600に使用されてよいということが、理解されるべきである。
【0070】
ゲート導体層1600は、例えば、CVD、PECVD、RFCVD、PVD、ALD、MLD、MBD、PLD、LSMCD、スパッタリング、またはめっき、あるいはその組合せを含むが、これらに限定されない、成膜技術を使用して、形成される。例示的な実施形態では、ゲート導体層1600は、例えば
図16(B)に見られるように、STI層1300を含む半導体デバイス構造体の上、ナノシート・スタック構造のナノシート・チャネル層306の上およびその間、ならびにゲート構造604-2~604-5内に成膜される。例えば、エッチングまたはCMPプロセスを使用して、余分なWFM材料が除去されてよい。一部の実施形態では、エッチングまたはCMPプロセスは、犠牲キャップ1400を除去し、ゲート構造604-1~604-6のダミー・ゲート電極600を露出してもよい。
【0071】
図17(A)および
図17(B)は、犠牲ナノシート層304-1に至るまでゲート構造604-1および604-6を開口し、犠牲ナノシート層304-1を除去した後の、製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図17(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図17(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0072】
ゲート構造604-1および604-6は、ダミー・ゲート電極600、犠牲層304-2、304-3、および304-4、ナノシート・チャネル層306、ならびに誘電体層800の一部800-2を除去して、ゲート構造604-1および604-6の下の犠牲ナノシート層304-1を露出するために、1つまたは複数のエッチング・プロセスを使用して開口される。例えば、STI層1300およびゲート導体層1600に対して選択的である方向性異方性RIEプロセスが利用されてよい。異方性RIEは、単一のプロセスで、ダミー・ゲート電極600、犠牲層304-2、304-3、および304-4、ナノシート・チャネル層306、ならびに誘電体層800の一部800-2を含むゲート構造604-1および604-6内のすべての層をエッチングして除去し、犠牲ナノシート層304-1を露出するように構成される。一部の実施形態では、異方性RIEは、犠牲ナノシート層304-1内を少なくとも部分的にエッチングしてもよい。次に、犠牲ナノシート層304-1のSiGe材料を横方向にエッチングするために、誘電体層800および内部スペーサ1000に対して選択的である気相HCI(塩酸)またはウェット・エッチング溶液を使用して、犠牲ナノシート層304-1のSiGe材料が(高いエッチング選択性で)選択的にエッチングされることができる。他の実施形態では、複数のエッチング・プロセスで、ダミー・ゲート電極600、犠牲層304-2、304-3、および304-4、ナノシート・チャネル層306、ならびに誘電体層800の一部800-2がエッチングされて除去されてよい。
【0073】
図18(A)および
図18(B)は、開口されたゲート構造604-1および604-6内のBPR1800、および犠牲ナノシート層304-1の除去によって露出されたチャネル内のBPR1800の形成後の、製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図18(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図18(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0074】
BPR1800は、例えば、タングステン、コバルト、ジルコニウム、タンタル、チタン、アルミニウム、ルテニウム、または銅、あるいはその組合せなどの、金属ベースの材料を含んでよい。BPR1800は、例えば、CVD、PECVD、RFCVD、PVD、ALD、MLD、MBD、PLD、LSMCD、スパッタリング、またはめっき、あるいはその組合せを含むが、これらに限定されない、成膜技術を使用するコンフォーマルな成膜によって、形成されてよい。一部の実施形態では、犠牲ナノシート・チャネル層304-1の除去によって露出されたチャネルを満たすため、および開口されたゲート構造604-1および604-6を満たすために、BPR1800の金属ベースの材料が成膜される。半導体構造体100を平坦化し、不要な金属ベースの材料をエッチングして除去するために、CMPが利用されてよい。
【0075】
図19(A)および
図19(B)は、ゲート構造604-1~604-6内のゲート導体層1600およびBPR1800が後退した後の製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図19(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図19(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)である。
【0076】
ゲート導体層1600およびBPR1800は、1つまたは複数のエッチング・プロセスを使用して後退されてよい。例えば、ゲート導体層1600およびBPR1800の金属ベースの材料が異なる場合、2つの異なるエッチング・プロセスが利用されてよい。一例として、BPR1800の材料に対して選択的である第1の等方性ウェット・エッチング・プロセスが、ゲート導体層1600を後退させるために使用されてよく、ゲート導体層1600の材料に対して選択的である第2の等方性ウェット・エッチング・プロセスが、BPR1800を後退させるために使用されてよい。
【0077】
図20(A)、
図20(B)、
図21、および
図22は、ゲート構造604-1および604-6を露出するエッチング・マスク2000が形成され、BPR1800が、誘電体層800の一部800-2の高さに至るまでエッチングされてゲート構造604-1および604-6を開口した後の、製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図20(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図20(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図21は、
図2の切断線C-Cに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図22は、
図2の切断線D-Dに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)である。
【0078】
ゲート構造604-1および604-6に隣接するBPR1800およびILD1300の一部ならびに誘電体層800を露出するために、エッチング・マスク1402に関して上で説明された方法で、エッチング・マスク2000が形成され、パターン形成されてよい。
【0079】
BPR1800は、例えば、時限異方性エッチングを使用して、誘電体層800の一部800-2の高さに至るまでz方向にエッチングされてよいが、代替として、その他のエッチング・プロセスが利用されてよい。このエッチングは、ゲート構造604-1および604-6の各々の内部のBPR1800の一部を残し、誘電体層800の一部800-1と800-2の間に配置されたBPR1800内に過剰にエッチングしないように構成される。
【0080】
図21からわかるように、ゲート構造604-1および604-6内のBPR1800の材料は、BPR1800への上位層の電気接続のためのコンタクトとして使用されるため、C-Cの断面でエッチ・バックされない。
図22に見られるように、例えば、BPR1800は、半導体デバイス200ごとに、最上部のエッチング・マスク2000と共に、SDBゲート構造604-1に対応する後退した谷によって分離された、コンタクト・ピラー1800-1、1800-2、および1800-3を形成する。
図22に見られるように、ナノシート・チャネル層が、黒色の破線で示されており、それらのナノシート・チャネル層がD-Dの断面ではエッチングされて除去されているが、それらの位置において、半導体デバイス200を通って例えばx方向に延在していることを示している。同様に、
図21に示されている白色の破線は、BPR1800がSDBを通って例えばy方向に延在している位置を示しており、
図22に示されている白色の破線は、BPR1800が半導体デバイス200を通って例えばX方向に延在している位置を示している。
【0081】
図23(A)、
図23(B)、
図24、および
図25は、エッチング・マスク2300を形成し、ゲートの切断を実行して、n型半導体デバイスとp型半導体デバイス200の間でBPR1800を分離した後の、製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図23(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図23(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図24は、
図2の切断線C-Cに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図25は、
図2の切断線D-Dに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)である。
【0082】
一部の実施形態では、例えばプラズマ・エッチング・プロセスまたはアッシング・プロセスを使用して、エッチング・マスク2000が除去されてよく、BPR1800のピラー1800-1、1800-2、および1800-3の間に配置されたSTI層500の一部の上のBPR1800を露出するために、例えば上で説明された技術を使用して、新しいエッチング・マスク2300が形成され、パターン形成されてよい。次に、BPR1800のピラー1800-1、1800-2、および1800-3の間の接続を切断するために、例えば、エッチング・マスク2300およびSTI層500に対して選択的なRIEを使用して、BPR1800の露出部分がSTI層500に至るまでエッチングされる。例えば
図25に示されているように、これで、切断後に、各ピラー1800-1、1800-2、および1800-3が、それ自身のBPR1800を含むようになる。
【0083】
図26(A)、
図26(B)、
図27、および
図28は、ピラー1800-1、1800-2、および1800-3を互いに電気的に絶縁するためのゲート構造604-1~604-6の露出部分内ならびにBPR1800のピラー1800-1、1800-2、および1800-3の間のエッチング・マスク2300の除去およびILD層2600の形成後の、製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図26(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図26(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図27は、
図2の切断線C-Cに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図28は、
図2の切断線D-Dに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)である。
【0084】
一部の実施形態では、例えばプラズマ・エッチング・プロセスまたはアッシング・プロセスを使用して、エッチング・マスク2000が除去されてよく、例えば、SiN、SiOx、低温酸化物(LTO)、高温酸化物(HTO)、流動性酸化物(FOX)、または何らかのその他の誘電体を含むが、これらに限定されない、誘電材料を成膜し、ゲート構造604内、およびBPR1800のピラー1800-1、1800-2、および1800-3の間にILD2600を形成することによって、ILD2600が形成されてよい。ILD2600は、CVD、PECVD、RFCVD、PVD、ALD、MLD、MBD、PLD、もしくはLSMCD、またはその組合せ、スパッタリング、またはめっき、あるいはその組合せを含むが、これらに限定されない、成膜技術を使用して、成膜されることができる。余分な材料をILD2600から除去し、結果として得られた構造体を平坦化するために、平坦化、例えば、化学機械研磨(CMP)が実行されることができる。
【0085】
図29(A)、
図29(B)、
図30、および
図31は、対応する半導体デバイス200のBPR1800から電気的に絶縁されたソース/ドレイン領域1200および1202へのゲート・コンタクト2900の形成、追加のILD1300および2600の形成、ならびに最上部コンタクト3000の溝掘りおよび形成後の、製造の中間段階での半導体構造体100の断面図である。
図29(A)は、
図2の切断線A-Aに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図29(B)は、
図2の切断線B-Bに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図30は、
図2の切断線C-Cに沿った半導体構造体100の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図31は、
図2の切断線D-Dに沿った半導体構造体100の概略側面図(Y-Z平面)である。
【0086】
例えば、半導体構造体100の上にOPL材料の層をコーティングし、それに続いて、エッチング・マスクが、BPR1800から絶縁されたソース/ドレイン領域1200および1202の上に配置されたILD1300を露出するように、リソグラフィ・プロセスを実行してOPLのパターンを形成することによって、エッチング・マスクが形成される。OPLは、例えば、スピン・コーティングによって塗布され、平坦化を高めるために焼かれる樹脂材料を含んでよい。例えば、
図29(A)および
図29(B)に見られるように、OPLのパターン形成された部分が除去され、このパターンが、ILD1300内に下がってエッチングされ、BPR1800から電気的に絶縁されたソース/ドレイン領域1200および1202を開口して露出する。例示的な実施形態では、エッチング・プロセス(例えば、方向性RIEプロセス)は、ソース/ドレイン領域1200および1202、誘電体層800、ならびにBRP1800の材料に対して選択的である。一部の実施形態では、これらの材料のうちの1つまたは複数に対して選択的である複数のエッチング・プロセスが利用されてよい。例えば、プラズマ・エッチング・プロセスまたはアッシング・プロセスを使用して、エッチング・マスクが除去されてよい。
【0087】
例えば、タングステン、コバルト、ジルコニウム、タンタル、チタン、アルミニウム、ルテニウム、または銅、あるいはその組合せを含むが、必ずしもこれらに限定されない、導電材料などのコンタクト材料を成膜することによって、露出したソース/ドレイン領域1200および1202と接触してゲート・コンタクト2900が形成される。一部の実施形態では、コンタクト材料を成膜する前に、例えば、チタンまたは窒化チタンあるいはその両方を含むライナー層(図示されていない)が、露出したソース/ドレイン領域1200および1202の上に形成されてよい。コンタクト材料の成膜は、CVD、PECVD、PVD、ALD、MBD、PLD、LSMCD、またはスピンオン・コーティング、あるいはその組合せを含むが、必ずしもこれらに限定されない、1つまたは複数の成膜技術、およびそれに続く、例えばCMPなどの平坦化プロセスを使用する平坦化を使用して、実行されることができる。
【0088】
ゲート・コンタクト2900の形成に続いて、ILD材料が再び成膜され、半導体構造体100の上に残りのILD1300および2600を形成する。ILD材料は、例えば、CVD、PECVD、RFCVD、PVD、ALD、MLD、MBD、PLD、LSMCD、スパッタリング、またはめっき、あるいはその組合せを含むが、これらに限定されない成膜技術、およびそれに続く、例えばCMPなどの平坦化プロセスを使用して、成膜される。
【0089】
例えば、リソグラフィ、およびそれに続く、RIEプロセスを使用して、コンタクト・トレンチをゲート・コンタクト2900、ならびにピラー1800-1、1800-2、および1800-3に至るまでエッチングし、ゲート・コンタクト2900、ならびにピラー1800-1、1800-2、および1800-3の上面を露出して、コンタクト・トレンチまたはコンタクト・ビアが、ゲート・コンタクト2900、ならびにピラー1800-1、1800-2、および1800-3の上のILD1300およびILD2600内にそれぞれ開口される。例えば、タングステン、コバルト、ジルコニウム、タンタル、チタン、アルミニウム、ルテニウム、または銅、あるいはその組合せを含むが、必ずしもこれらに限定されない導電材料などのコンタクト材料を成膜することによって、
図29(A)、
図29(B)、
図30、および
図31に見られるように、コンタクト層の最上部コンタクト3000が、コンタクト・トレンチ内のゲート・コンタクト2900、ならびにピラー1800-1、1800-2、および1800-3の露出面上に形成される。コンタクト材料の成膜は、CVD、PECVD、PVD、ALD、MBD、PLD、LSMCD、またはスピンオン・コーティング、あるいはその組合せを含むが、必ずしもこれらに限定されない、1つまたは複数の成膜技術、およびそれに続く、例えばCMPなどの平坦化プロセスを使用する平坦化を使用して、実行されることができる。
【0090】
図29(A)および
図29(B)からわかるように、一例の実施形態およびレイアウトでは、x方向とy方向の両方で、ソース/ドレイン領域1200および1202が、BPR1800を含むコンタクトとゲート・コンタクト2900の間で交互に入れ替わる。これによって、コンタクト材料間に短絡が発生する可能性が減少しているため、これらの領域およびゲート構造604自体の密度を増やすことができる。加えて、
図30および
図31に見られるように、SDBに配置された各ピラー1800-1、1800-2、および1800-3、ならびに対応する最上部コンタクト3000を介して、半導体デバイス200ごとにBPR1800に電力が供給され、これによって、電力を、半導体構造体100の側面から供給する代わりに、アクティブ・ゲートが配置されない領域で上から各半導体デバイス200のBPR1800に供給できるようにする。加えて、ピラー1800-1、1800-2、および1800-3の間でILD2600によってBPR1800が切断されるため、異なる電圧がピラー1800-1、1800-2、および1800-3に供給されてよい。例えば、一部の実施形態では、ピラー1800-1および1800-3は、例えばそれらに対応する最上部コンタクト3000を介して電気通信し、同じ電圧の電力を同じ型の半導体デバイス200(例えば、pFETまたはnFET)に供給してよく、一方、ピラー1800-2は、異なる電圧の電力を異なる型の半導体デバイス200に供給してよい。1つの例では、半導体デバイス200-1および200-4がpFET型デバイスであり、一方、半導体デバイス200-2および200-3がnFET型デバイスである。そのような例では、ピラー1800-1および1800-3が、第1の電圧で、電力をpFET半導体デバイス200-1および200-4のBPR1800に供給し、一方、ピラー1800-2が、第2の電圧で、電力をnFET半導体デバイス200-2および200-4のBPR1800に供給する。
【0091】
その後、半導体構造体の製造を完成させるために、任意の既知の一連の処理ステップが実行されることができ、それらの詳細は、例示的な実施形態を理解するために必要とされない。簡単な例として、ミドル・オブ・ザ・ライン(MOL:middle-of-the-line)処理が、MOLコンタクト(例えば、ゲート・コンタクト、ソース/ドレイン・コンタクトなど)の形成を続けることができる。その後、MOLコンタクトとの接続/MOLコンタクト間の接続を提供するBEOL相互接続構造体、およびフロント・エンド・オブ・ライン(FEOL:front-end-of-line)層の一部として形成されるその他のアクティブ・デバイスまたはパッシブ・デバイスを製造するために、バック・エンド・オブ・ライン(BEOL:back-end-of-line)プロセス・モジュールが実行されることができる。
【0092】
図32は、第2の実施形態による、本明細書では半導体構造体3200とも呼ばれる半導体集積回路構造体3200の概略上面図(X-Y平面)である。明確にするために、半導体構造体3200の一部の要素が
図32に示されていない。半導体構造体3200は、単一の非アクティブ・ゲートをそれぞれ含む
図1の第1の実施形態のSDB104と比較すると、アクティブ・ゲート3204のグループを分離する非アクティブ・ゲートの対をそれぞれ含む二重の拡散分離(DDB:double diffusion breaks)3202を含む。
図33~36を参照して以下でさらに詳細に説明され、例示されるように、半導体集積回路構造体100に類似する方法で、トップダウン・コンタクト3206またはボトムアップ・コンタクト3208のいずれかを介して、アクティブ・ゲート3204に関連付けられたソース/ドレイン領域に電力が供給される。ボトムアップ・コンタクト3208は、ソース/ドレイン領域の下に配置された埋込みパワー・レール(BPR)3210に電気的に接続される。例えば、一部の実施形態では、アクティブ・ゲート3204の片側のソース/ドレイン領域がトップダウン・コンタクト3206に接続され、一方、アクティブ・ゲート3204の反対側のソース/ドレイン領域が、ボトムアップ・コンタクト3208を介してBPR3210に接続される。トップダウン・コンタクトおよびボトムアップ・コンタクトを参照して説明されたが、半導体構造体3200は、任意の方向でコンタクトを使用して形成されてよい。トップダウン・コンタクト3206およびボトムアップ・コンタクト3208の両方の使用は、先端間の間隔を縮小し、それによって短絡の発生を減らし、ソース/ドレインの密度の改善を可能にする。
図32に見られるように、
図1の第1の実施形態のSDB104を越えて延在するBPR110とは対照的に、BPR3210は、DDB3202を越えてx方向に延在しない。
【0093】
図33は、半導体構造体3200のセクション3212の概略上面図(X-Y平面)であり、半導体構造体3200の特徴をさらに例示するために利用される。
図33に示されているように、半導体構造体3200は、半導体領域3302-1、3302-2、3302-3、および3302-4(集合的および個別に、半導体領域3302と呼ばれる)を含み、これらの半導体領域にわたって、DDB3304-1および3304-2(集合的および個別に、DDB3304と呼ばれる)、ならびにアクティブ・ゲート3306-1、3306-2、3306-3、および3306-4(集合的および個別に、アクティブ・ゲート3306と呼ばれる)が形成される。各半導体領域3302-1、3302-2、3302-3、および3302-4は、各DDB3304間に延在するが、各DDB3304を越えない、対応するBPR3210-1、3210-2、3210-3、および3210-4(集合的および個別に、BPR3210呼ばれる)を含む。例えば、特定のBPR3210の一部は、対応するDDB3304の第1の非アクティブ・ゲートまで延在するが、DDB3304の非アクティブ・ゲート間には延在しない。
【0094】
2つのDDB3304間の4つのアクティブ・ゲート3306と共に4つの半導体デバイス3302を含むように示されているが、任意の数の半導体領域3302、DDB3304、およびアクティブ・ゲート3306が、任意の数のアクティブ・ゲート3306がDDB3304の各対の間に配置されて、含まれてよい。一部の実施形態では、例えば、半導体領域3302が、nFETデバイスまたはpFETデバイスとして形成されてよい。一部の実施形態では、半導体領域3302-1および3302-4がpFETデバイスを含んでよく、一方、半導体領域3302-2および3302-3がnFETデバイスを含んでよい。他の実施形態では、半導体領域3302はnFETデバイスとpFETデバイスの間で交互に入れ替わってよく、例えば、半導体領域3302-1および3302-3がpFETデバイスを含み、一方、半導体領域3302-2および3302-4がnFETデバイスを含み、この逆もまた同様である。
【0095】
半導体領域3302ごとに、DDB3304内の1つまたは複数の対応するトップダウン・コンタクト3308または3310を介して、DDB3304間のBPR3210に電力が供給される。例えば、トップダウン・コンタクト3308は、第1の電圧に設定されてよく、一方、トップダウン・コンタクト3310は、第1の電圧と異なる第2の電圧に設定されてよい。トップダウン・コンタクト3308は、半導体領域3302-1および3302-4のBPR3210に電力を供給し、一方、トップダウン・コンタクト3310は、半導体領域3302-2および3302-3のBPR3210に電力を供給する。BPR3210に電力を供給するためのDDB3304内のトップダウン・コンタクト3308および3310の使用は、浅いトレンチ分離(STI)層内にBPRを形成する必要がないため、n間およびp間の間隔の縮小を可能にする。一部の実施形態では、DDB3304の両側で、BPR3210に電力を供給するために同じコンタクト3308または3310が使用されてよい。
図33は、断面A’-A’、B’-B’、C’-C’、およびD’-D’も定義しており、これらの断面は断面A-A、B-B、C-C、およびD-Dに類似しているが、断面D’-D’が、BPR3210が存在しないDDB3302-1の一部に対応する点が異なる。断面A’-A’、B’-B’、C’-C’、およびD’-D’は、
図34(A)~36に利用される。
【0096】
図34(A)、
図34(B)、
図35、および
図36は、
図1の半導体構造体100の
図29(A)、
図29(B)、
図30、および
図31に類似する時点での、製造の中間段階での
図32の半導体構造体3200の断面図である。
図34(A)は、
図32の切断線A’-A’に沿った半導体構造体3200の概略側面図(Y-Z平面)であり、
図34(B)は、
図32の切断線B’-B’に沿った半導体構造体3200の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図35は、
図32の切断線C’-C’に沿った半導体構造体3200の概略側面断面図(X-Z平面)であり、
図36は、
図32の切断線D’-D’に沿った半導体構造体3200の概略側面図(Y-Z平面)である。
【0097】
例示的な実施形態では、
図34(A)、
図34(B)、
図35、および
図36に示された半導体構造体3200は、
図29(A)、
図29(B)、
図30、および
図31に示された半導体構造体100に類似するプロセスおよびステップを使用して形成され、例えば、類似する番号が類似する特徴を示している。例えば、半導体構造体3200は、半導体基板3300、STI層3500、ゲート構造3604-1~3604-6、誘電体層3800の一部3800-1、3800-2、および3800-3、内部スペーサ4000、ソース/ドレイン領域4200および4202、ILD4300、ILD、ゲート導体層4600、BPR4800、ILD5600、ゲート・コンタクト5900、ならびに最上部コンタクト6000を含む。例えば、
図3~31で説明されたステップおよびプロセスの一部またはすべてが、半導体構造体100の形成に類似する方法で半導体構造体3200を形成するために利用されてよい。ここで、これらのプロセスおよび構造体間の違いが、さらに詳細に説明される。
【0098】
図33、
図34(A)、
図34(B)を参照すると、半導体デバイス3302がDDB3304で切断されるため、追加のエッチングが実行され、DDB3304の下で半導体デバイス3302の端部を含むように、STI層3500が拡大される。例えば、例えば、
図4(A)~
図5(A)を参照して示され、説明されたステップに類似する、STI層3500を形成するステップの間、例えば
図34(B)に示されているように、DDBのゲート構造3604-1および3604-6の少なくとも部分的に下になる隣接する位置でSTI層3500が形成されるように、STI層3500のエッチングおよび形成が、ナノシート・スタック構造の端部および半導体基板3300に対しても実行される。加えて、例えば
図31に示されているように、STI層500がピラー1800-1、1800-2、および1800-3、ならびにBPR1800間の切断の下にのみ形成される第1の実施形態と比較すると、
図36に示されているように、STI層3500が、断面D’-D’に沿ってDDB全体にわたって延在する。
【0099】
図34(B)にも見られるように、BPR4800が、ゲート構造3604-1および3604-6の誘電体層3800の一部3800-3によって両端で制限され(capped off)、かつSTI層3500によって制限され、ILD4300の一部も、BPR4800をDDBから例えばx方向に絶縁するように、DDBのゲート構造3604-1および3604-6が、BPR4800の側面を下方に延びている。一部の実施形態では、例えば、
図8(B)に示された方法でゲート構造3604-1および3604-6のダミー・ゲート電極および誘電体層3800を形成する代わりに、ゲート構造3604-1および3604-6のダミー・ゲート電極および誘電体層3800の一部が、ナノシート・スタック構造に隣接するSTI層3500に至るまで形成されてよい。例えば、
図17(A)~
図18(B)を参照して上で説明されたプロセスを使用して、ダミー・ゲート電極および最下部の犠牲層が除去され、BPR4800を形成した場合、例えば
図34(B)に示されているように、誘電体層3800の一部3800-3が残る。BPR4800の材料は、誘電体層3800の露出部分3800-1、3800-2、および3800-3に対して成膜された場合、ダミー・ゲート電極の一部と接触したSTI層3500の露出部分に対しても成膜される。このようにして、DDBに配置されたコンタクトを介してBPRに電力を供給する半導体構造体3200が製造されてよい。この半導体構造体3200は、高い密度を有する能力を提供しながら、DDBの恩恵をもたらす。
【0100】
開示された半導体構造体100および3200は、例えば、BPRが、ゲート構造の下を横切って、単一または二重の拡散分離間に延在するため、半導体デバイスごとのゲートのピッチによってBPRが制約されずに、セルの高さのスケーリングおよび配線密度の改善を可能にする。ゲート構造の下にBPRを形成することによって、BPRは、半導体デバイスの裏側の遮蔽も提供し、ゲート構造に対する裏側の電磁気挿入攻撃(electromagnetic insertion attacks)の影響の可能性を制限する。
【0101】
半導体構造体を製造するための本明細書において説明された方法が、半導体処理フロー内、半導体デバイス内、ならびにさまざまなアナログ回路およびデジタル回路または混合信号回路を含む集積回路内に、容易に組み込まれることができるということが、理解されるべきである。特に、集積回路ダイは、電界効果トランジスタ、バイポーラ・トランジスタ、金属酸化膜半導体トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、インダクタなどのさまざまなデバイスを使用して、製造されることができる。本発明による集積回路は、アプリケーション、ハードウェア、または電子システム、あるいはその組合せにおいて採用されることができる。本発明を実装するための適切なハードウェアおよびシステムは、パーソナル・コンピュータ、通信ネットワーク、電子商取引システム、ポータブル通信デバイス(例えば、携帯電話)、固体媒体のストレージ・デバイス、機能回路などを含んでよいが、これらに限定されない。そのような集積回路を組み込むシステムおよびハードウェアは、本明細書に記載された実施形態の一部と見なされる。本明細書において提供された本発明の内容を前提として、当業者は、本発明の技術のその他の実装および用途を企図することができるであろう。
【0102】
本明細書において、添付の図を参照して例示的な実施形態が説明されたが、本発明がそれらの正確な実施形態に限定されないということ、および当業者によって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それらの実施形態においてさまざまなその他の変更および修正が行われ得るということが、理解されるべきである。
【国際調査報告】