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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】IVバッグの検査装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A61J3/00 311G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580533
(86)(22)【出願日】2022-09-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022042587
(87)【国際公開番号】W WO2023038873
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/242,020
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/902,991
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523487449
【氏名又は名称】アンセナット ブルース
【氏名又は名称原語表記】ANTHENAT, Bruce
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アンセナット ブルース
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA11
4C047CC04
4C047LL19
(57)【要約】
複数のIVバッグを検査する装置は、作業面を有する基部を備える。コンベヤは、コンベヤ支持部によって前記作業面上方に持ち上げられ、各々が複数の作業ステーションのうちの一にて逆さで前記複数のIVバッグのうちの一を保持するように適合する複数のバッグクリップを備える。前記複数のバッグクリップの各々が、設定された間隔で一の作業ステーションから次の作業ステーションへ移動するように、制御装置は移動する。搬送作業ステーションは、前記複数のIVバッグのうちの一を前記複数のバッグクリップ内に設置する。気泡抑制ステーションは、前記IVバッグ内の流体を撹拌することで気泡を除去する。2つの粒子撹拌ステーションは、前記流体とデブリ粒子を撹拌する。検査ステーションは、背面照明装置と、カメラと、表示装置と、廃棄物貯蔵場につながる廃棄斜面路を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が流体を含むIVバッグの2人以上の検査者による半自動検査装置であって、
少なくとも3つの側縁を有する実質的に平坦な作業面を有する基部と、
1つ以上のコンベヤ支持部によって前記作業面の上方に持ち上げられるコンベヤと、
各々が前記コンベヤによって固定されると共に複数の作業ステーションのうちの一で前記作業面の上方で前記IVバッグのうちの一を逆さの状態で保持するように適合する複数のバッグクリップと、
前記バッグクリップの各々が設定された間隔で一の作業ステーションから次の作業ステーションへ移動するように、モーターによって前記コンベヤを移動させるように適合される制御装置と、
第1の作業ステーション、第2の作業ステーション、第3の作業ステーション、第4の作業ステーション、第5の作業ステーション、第6の作業ステーション、及び第7の作業ステーションを備え、
前記作業ステーションの各々は前記コンベヤの前方かつ前記基部の前記側縁のうちの一に設けられ、
前記制御装置とモーターには電源からの電力が供給され、前記制御装置はさらに、少なくとも1つのユーザーインターフェースを備え、
前記第1の作業ステーションは、前記IVバッグのうちの一を前記バッグクリップのうちの一内で受けるように適合される装填作業ステーションであり、
前記第2の作業ステーションは、前記IVバッグのうちの一内の前記流体を撹拌することで前記IVバッグ内の気泡を除去するように適合される気泡緩和ステーションであり、
前記第3と第5の作業ステーションの各々は、前記IVバッグのうちの一内の前記流体を撹拌することで前記IVバッグ内の前記流体と任意のデブリ粒子の運動を促進する粒子撹拌ステーションであり、
前記第4の作業ステーションは、前記IVバッグのうちの一の後方に設けられる背面照明装置、及び、前記作業面を横切って廃棄レセプタクルへつながる廃棄斜面路を有する化粧品検査ステーションであり、
前記第6の作業ステーションは、前記IVバッグのうちの一の後方に設けられる前記背面照明装置のうちの一、前記IVバッグの前方に設けられるカメラ、前記IVバッグに隣接して前記カメラからの前記IVバッグの画像を表示するように適合する表示装置、及び、前記作業面を横切って廃棄レセプタクルへつながる前記廃棄斜面路のうちの一を有する検査ステーションであり、
前記第7の作業ステーションは、前記IVバッグが、検査を通過したIVバッグ用に指定された容器内に格納されるように前記バッグクリップから解放される、抜き取り作業ステーションであり、
IVバッグが、前記第1の作業ステーション内において前記バッグクリップのうちの一に装填され、前記コンベヤによって前記第2の作業ステーションへ移動され、
任意の気泡は、前記の逆さのIVバッグの底部へ向かって緩和され、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第3の作業ステーションへ移され、前記IVバッグ内の任意のデブリ粒子は運動するように撹拌され、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第4の作業ステーションへ移され、前記第4の作業ステーションでは、前記2人以上の検査者のうちの一が前記IVバッグ内のデブリ粒子又は化粧品の欠陥を検出するために前記表示装置上の前記IVバッグの画像を検査し、
前記2人以上の検査者のうちの一は、デブリ粒子又は欠陥が検出された場合には、前記廃棄斜面路へ入り込むように前記バッグクリップから前記IVバッグを解放し、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第5の作業ステーションへ移され、
前記IVバッグ内の任意のデブリ粒子は運動するように撹拌され、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第6の作業ステーションへ移され、前記第6の作業ステーションでは、前記2人以上の検査者のうちの一が前記IVバッグ内のデブリ粒子又は欠陥を検出するために前記表示装置上の前記IVバッグの画像を検査し、
前記2人以上の検査者のうちの一は、デブリ粒子又は欠陥が検出された場合には、前記廃棄斜面路へ入り込むように前記バッグクリップから前記IVバッグを解放し、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第7の作業ステーションへ移され、前記第7の作業ステーションでは、前記IVバッグは、前記バッグクリップから解放され、検査を通過したIVバッグ用に指定された容器へ入り込むように移動される、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記作業面は5つの側縁を有し、
前記第1、第2、及び第7の作業ステーションは前記作業面の第1側部に沿っており、
前記第3及び第4の作業ステーションは前記作業面の第3側部に沿っており、
前記第5及び第6の作業ステーションは前記作業面の第4側部に沿っている、
装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記気泡緩和ステーションは、前記IVバッグをたたくことで前記IVバッグ内の前記気泡を除去するように適合する少なくとも1つのソレノイド作動式ストライカーを有し、
前記気泡緩和ステーションはさらに、前記ソレノイド作動式ストライカーによって叩かれたときに前記IVバッグが前後に揺動するのを防止するように前記IVバッグの前方に設けられる支持面を有する、
装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記気泡緩和ステーションは、各々が前記IVバッグ上の異なる位置で前記IVバッグを叩くように適合する3つのソレノイド作動式ストライカーを有する、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記ソレノイド作動式ストライカーの各々は、前記IVバッグが前記ソレノイド作動式ストライカーの直接前方に位置する間、前記コンベヤが動いているのか否かに関わらず、前記IVバッグを叩くように適合する、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記粒子撹拌ステーションの各々は、前記IVバッグを押し、かつ前記IVバッグ内の前記流体及びデブリ粒子を超音波で撹拌するように適合する、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、前記化粧品検査ステーションの前記背面照明装置と前記検査ステーションのいずれも、開口部、内面上の複数のミラー、及び少なくとも2つのLEDを有する背面照明筐体を備え、
前記少なくとも2つのLEDの位置は、該LEDからの光が、前記複数のミラーから少なくとも一度反射して、前記背面照明筐体内の前記開口部を相対的に均一に射出するように決められる、
装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記装填作業ステーションは、前記逆さの状態で前記IVバッグのうちの一を保持するように適合するIVバッグ装填ボックスと、下降位置へ移動して前記IVバッグをクランプで固定し、その後上昇位置へ移動して前記IVバッグを前記バッグクリップのうちの一と係合させるように適合するロボット把持装置を有する、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記バッグクリップの各々が、2つの対向するクランプ部材が分離する開状態と、前記2つの対向するクランプ部材が、互いに押されることで前記2つの対向するクランプ部材の間に前記IVバッグを保持する閉状態との間で移動するように適合する、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記化粧品検査ステーションと前記検査ステーションの各々はさらに、前記検査者が、前記IVバッグが前記検査に合格しなかったと判断した場合に、前記バッグクリップと係合して前記IVバッグを解放するバッグクリップ解放アクチュエータと、前記検査者の付近で前記バッグクリップ解放アクチュエータを作動させるように適合する遠隔操作インターフェースを有する、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、前記抜き取り作業ステーションはさらに、前記抜き取り作業ステーションに到達するときに前記IVバッグを解放するように前記バッグクリップと係合するバッグクリップ解放アクチュエータを有する、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、
前記遠隔操作インターフェースはさらに、一時停止ボタンと再起動ボタンを有し、
前記遠隔操作インターフェースは、前記制御装置と通信して前記制御装置が前記モータによって前記コンベヤを進めるのを一時停止させるように適合する、
装置。
【請求項13】
各々が流体を含むIVバッグの2人以上の検査者による半自動検査装置であって、
5つの側縁を有する実質的に平坦な作業面を有する基部と、
1つ以上のコンベヤ支持部によって前記作業面の上方に持ち上げられるコンベヤと、
各々が前記コンベヤによって固定されると共に複数の作業ステーションのうちの一で前記作業面の上方で前記IVバッグのうちの一を逆さの状態で保持するように適合する複数のバッグクリップと、
前記バッグクリップの各々が設定された間隔で一の作業ステーションから次の作業ステーションへ移動するように、モーターによって前記コンベヤを移動させるように適合される制御装置と、
第1の作業ステーション、第2の作業ステーション、第3の作業ステーション、第4の作業ステーション、第5の作業ステーション、第6の作業ステーション、及び第7の作業ステーションを備え、
前記作業ステーションの各々は前記コンベヤの前方かつ前記基部の前記側縁のうちの一に設けられ、
前記制御装置とモーターには電源からの電力が供給され、前記制御装置はさらに、少なくとも1つのユーザーインターフェースを備え、
前記第1の作業ステーションは、前記IVバッグのうちの一を前記バッグクリップのうちの一内で受けるように適合される装填作業ステーションであり、前記装填作業ステーションは、前記逆さの状態で前記IVバッグのうちの一を保持するように適合するIVバッグ装填ボックスと、下降位置へ移動して前記IVバッグをクランプで固定し、その後上昇位置へ移動して前記IVバッグを前記バッグクリップのうちの一と係合させるように適合するロボット把持装置を有し、各々が2つの対向するクランプ部材が分離する開状態と、前記2つの対向するクランプ部材が互いに押されることで前記2つの対向するクランプ部材の間に前記IVバッグを保持する閉状態との間で移動するように適合する前記バッグクリップによって前記IVバッグが固定された後、前記クランプは前記IVバッグを解放し、
前記第2の作業ステーションは、前記IVバッグのうちの一内の前記流体を撹拌することで前記IVバッグ内の気泡を除去するように適合される気泡緩和ステーションであり、かつ、各々が前記IVバッグ上の異なる位置で前記IVバッグを叩くように適合する3つのソレノイド作動式ストライカーを有し、前記気泡緩和ステーションはさらに、前記ソレノイド作動式ストライカーによって叩かれたときに前記IVバッグが前後に揺動するのを防止するように前記IVバッグの前方に設けられる支持面を有し、前記ソレノイド作動式ストライカーの各々は、前記IVバッグが前記ソレノイド作動式ストライカーの直接前方に位置する間、前記コンベヤが動いているのか否かに関わらず、前記IVバッグを叩くように適合し、
前記第3と第5の作業ステーションの各々は、前記IVバッグのうちの一内の前記流体を撹拌することで前記IVバッグ内の前記流体と任意のデブリ粒子の運動を促進する粒子撹拌ステーションであり、前記粒子撹拌ステーションの各々は、前記IVバッグを押し、かつ前記IVバッグ内の前記流体及びデブリ粒子を超音波で撹拌するように適合し、
前記第4の作業ステーションは、前記IVバッグのうちの一の後方に設けられる背面照明装置、及び、前記作業面を横切って廃棄レセプタクルへつながる廃棄斜面路を有する化粧品検査ステーションであり、前記背面照明装置は、開口部、内面上の複数のミラー、及び少なくとも2つのLEDを有する背面照明筐体を備え、前記少なくとも2つのLEDの位置は、該LEDからの光が、前記複数のミラーから少なくとも一度反射して、前記背面照明筐体内の前記開口部を相対的に均一に射出するように決められ、前記化粧品検査ステーションはさらに、前記検査者が、前記IVバッグが前記検査に合格しなかったと判断した場合に、前記バッグクリップと係合して前記IVバッグを解放するバッグクリップ解放アクチュエータと、前記検査者の付近で前記バッグクリップ解放アクチュエータを作動させるように適合する遠隔操作インターフェースを有し、
前記少なくとも2つのLEDの位置は、該LEDからの光が、前記複数のミラーから少なくとも一度反射して、前記背面照明筐体内の前記開口部を相対的に均一に射出するように決められる、
前記第6の作業ステーションは、前記IVバッグのうちの一の後方に設けられる前記背面照明装置のうちの一、前記IVバッグの前方に設けられるカメラ、前記IVバッグに隣接して前記カメラからの前記IVバッグの画像を表示するように適合する表示装置、及び、前記作業面を横切って廃棄レセプタクルへつながる前記廃棄斜面路を有する検査ステーションであり、前記検査ステーションの前記背面照明装置は、前記開口部、前記内面上の前記複数のミラー、及び少なくとも2つのLEDを有する背面照明筐体を備え、前記少なくとも2つのLEDの位置は、該LEDからの光が、前記複数のミラーから少なくとも一度反射して、前記背面照明筐体内の前記開口部を相対的に均一に射出するように決められ、前記化粧品検査ステーションと前記検査ステーションのいずれもさらに、前記検査者が、前記IVバッグが前記検査に合格しなかったと判断した場合に、前記バッグクリップと係合して前記IVバッグを解放するバッグクリップ解放アクチュエータを有し、前記遠隔操作インターフェースは、前記検査者の付近で前記バッグクリップ解放アクチュエータを作動させるように適合し、
前記第7の作業ステーションは、前記IVバッグが、検査を通過したIVバッグ用に指定された容器内に格納されるように前記バッグクリップから解放される、抜き取り作業ステーションであり、前記抜き取り作業ステーションはさらに、前記抜き取り作業ステーションに到達するときに前記IVバッグを解放するように前記バッグクリップと係合するバッグクリップ解放アクチュエータを有し、
前記第1、第2、及び第7の作業ステーションは前記作業面の第1側部に沿っており、前記第3及び第4の作業ステーションは前記作業面の第3側部に沿っており、前記第5及び第6の作業ステーションは前記作業面の第4側部に沿っており、
前記化粧品検査ステーションと前記検査ステーションはさらに、前記検査者が、前記IVバッグが前記検査に合格しなかったと判断した場合に、前記バッグクリップと係合して前記IVバッグを解放するバッグクリップ解放アクチュエータと、前記検査者の付近で前記バッグクリップ解放アクチュエータを作動させるように適合する遠隔操作インターフェースを有し、
前記遠隔操作インターフェースはさらに、一時停止ボタンと再起動ボタンを有し、前記遠隔操作インターフェースは、前記制御装置と通信して前記制御装置が前記モータによって前記コンベヤを進めるのを一時停止させるように適合し、
IVバッグが、前記第1の作業ステーション内において前記バッグクリップのうちの一に装填され、前記コンベヤによって前記第2の作業ステーションへ移動され、
任意の気泡は、前記の逆さのIVバッグの底部へ向かって緩和され、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第3の作業ステーションへ移され、前記IVバッグ内の任意のデブリ粒子は運動するように撹拌され、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第4の作業ステーションへ移され、前記第4の作業ステーションでは、前記2人以上の検査者のうちの一が前記IVバッグ内のデブリ粒子又は欠陥を検出するために前記表示装置上の前記IVバッグの画像を検査し、
前記2人以上の検査者のうちの一は、デブリ粒子又は欠陥が検出された場合には、前記廃棄斜面路へ入り込むように前記バッグクリップから前記IVバッグを解放し、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第5の作業ステーションへ移され、
前記IVバッグ内の任意のデブリ粒子は運動するように撹拌され、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第6の作業ステーションへ移され、前記第6の作業ステーションでは、前記2人以上の検査者のうちの一が前記IVバッグ内のデブリ粒子又は欠陥を検出するために前記表示装置上の前記IVバッグの画像を検査し、
前記2人以上の検査者のうちの一は、デブリ粒子又は欠陥が検出された場合には、前記廃棄斜面路へ入り込むように前記バッグクリップから前記IVバッグを解放し、その後前記IVバッグは前記コンベヤによって前記第7の作業ステーションへ移され、前記第7の作業ステーションでは、前記IVバッグは、前記バッグクリップから解放され、検査を通過したIVバッグ用に指定された容器へ入り込むように移動される、
装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
IVバッグ検査の先行技術は、主に、人間がIVバッグを1つずつ手動で操作して検査する手動プロセスである。世界中で、IVバッグは、資格を有する検査者によって手作業で検査されており、すべて手作業でIVバッグを操作しながら、IVバッグの様々な視覚的障害物を見破ろうとしている。これらの障害物には通常、IVバッグへの印刷、液体中の気泡、時にはIVバッグがほとんど不透明なEVAやその他の素材でできている場合がある。このような視覚的な障害はすぐにはなくならないため、手動検査、半自動検査、全自動検査プロセスのすべてが同じ課題に直面している。
【0002】
IVバッグを検査する典型的な手作業プロセスには、次のようなステップがある。
1.検査担当者がIVバッグを手に取り、手動で操作してIVバッグを攪拌し、粒子が動くようにする。
2.検査担当者は、数秒間、IVバッグを白背景の照明エリアの前に置き、IVバッグに見えにくい暗色の粒子がないかを目視検査する。
3.検査者はIVバッグの向きを変え、背景が黒く照明された場所で数秒間、IVバッグに見えにくい淡い色の粒子がないかを目視検査する。
4. 検査担当者はIVバッグを不合格の場所/ビンに入れるか、または「PASS」合格の場所/ビンに入れる。
注:USP 790およびUSP 1790の規制要件では、すべての手動検査は二重検査が必要であるとされている。この期待に応えるためには、この工程を2回行うべきである(しかし、めったに行われない)。
【0003】
この先行技術の手作業プロセスでは、人間工学的でない動きがかなり繰り返される(個々のIVバッグは、1つあたり数ポンドにもなる)。さらに、検査者には優れた視力と、注意散漫を避け、検査作業に集中し続ける能力が求められる。一般的な検査者は、IVバッグ1つにつき約20秒で全工程を完了するが、検査者間のばらつきがあると、検査の質が低下する。また、個々の検査時間のばらつきも検査の質の低下につながる。さらに、各検査者によるIVバッグの攪拌、配置、または位置決めにばらつきがあると、検査の質にばらつきが生じる可能性がある。さらに、いわゆる「手動検査ブース」で現在使用されている最良の照明システムは、LED照明の均一性を5%以内のばらつきに制御している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、検査者の前でのIVバッグの一貫した位置および移動により、より一貫した検査を行い、検査者がIVバッグを直接保持する、あるいは操作することを要しない装置が必要とされている。このような必要とされる発明は、先行技術の検査方法よりも時間がかからず、検査品質がより安定した検査をもたらすであろう。そのような必要とされる装置は、0.05%以下の検査のためのIVバッグの逆光の均一性を提供するであろう。本発明はこれらの目的を達成するものである。
【0005】
本装置は、IVバッグを2人以上の検査者が半自動で検査する装置である。例えば、本装置の取り出しのために、追加のオペレータが含まれてもよい。基部は、少なくとも3つの側縁を有する実質的に平坦な作業面を含む。作業面は、例えば複数のテーブル脚によって支持されるのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
コンベヤは、1つ以上のコンベヤ支持部によって作業面の上方に持ち上げられる。コンベヤは、好ましくは、複数のバッグクリップが固定されたベルトである。各バッグクリップは、複数の作業ステーションの一つにおいて、作業面の上方に逆さの状態でIVバッグの一つを保持するように適合されている。各作業ステーションは、コンベヤの前方で、基部の一方の側縁に配置される。好ましくは、各バッグクリップは、作業ステーション間の距離に対応する所定の距離を隔てて配置される。
【0007】
制御装置は、バッグクリップがそれぞれ設定された間隔で、あるいは検査者の誘導に従って、一の作業ステーションから次の作業ステーションへ移動するように、コンベヤをモータで移動させるように適合されている。制御装置およびモータには、ライン電圧などの電源から電力が供給される。制御装置は、さらに、タブレットコンピュータ上のソフトボタン、制御パネル上のボタンまたはダイヤル、または遠隔制御インターフェース上の電気機械式ボタンなどの、少なくとも1つのユーザインターフェースを含む。ベルトは、タイミング開口部を含むことができ、LEDエミッタからのLED光をタイミング開口部を通して検出器に通し、制御装置が、バッグクリップがそれぞれ次の作業ステーションに進んだときを判断できるようにし、例えば8~10秒などの所定の期間コンベヤの移動を停止させる。その後、各バッグクリップが次の作業ステーションに進むまでコンベヤはベルトを進め、このプロセスを繰り返す。
【0008】
第1の作業ステーションは、IVバッグの1つをバッグクリップの1つに受け入れるように適合された装填作業ステーションである。各バッグクリップは、2つの対向するクランプ部材が離間してその間にIVバッグを受け入れる開位置と、2つの対向するクランプ部材が互いに付勢されてその間にIVバッグを保持する閉位置との間を移動するように適合されている。解放されると、ばねまたは他の付勢手段がバッグクリップを閉位置に付勢する。
【0009】
第2の作業ステーションは、IVバッグ内の気泡を取り除くためにIVバッグの1つ内の流体を攪拌するように適合された気泡緩和ステーションである。好ましくは、気泡緩和ステーションは、IVバッグ内の気泡を取り除くためにIVバッグを叩くように適合された2つ以上のソレノイド作動式ストライカを含み、各ストライカはIVバッグの異なる位置でIVバッグを叩くように適合されている。気泡緩和ステーションは、ソレノイド作動式ストライカによって叩かれたときにIVバッグが前方および後方に揺れるのを防止するために、IVバッグの前方に配置された支持面をさらに含むことができる。
【0010】
第3の作業ステーションおよび第5の作業ステーションは粒子攪拌ステーションであり、それぞれ、IVバッグの1つ内の流体を攪拌して、IVバッグ内の流体およびあらゆるデブリ粒子の移動を促進するように適合されている。好ましくは、各粒子攪拌ステーションは、IVバッグに押し付け、IVバッグ内の流体およびあらゆるデブリ粒子を超音波攪拌するように適合された少なくとも1つの超音波アクチュエータを含む。
【0011】
第4の作業ステーションは、IVバッグの1つの背後に配置された背面照明装置と、作業面を横断して廃棄レセプタクルに至る廃棄斜面路とを有する化粧品検査ステーションである。
【0012】
第6の作業ステーションは、IVバッグの1つの背後に配置された背面照明装置の1つと、IVバッグの前に配置されたカメラと、IVバッグに隣接し、カメラからのIVバッグの画像を表示するように適合されたディスプレイと、作業面を横断し、廃棄レセプタクルに至る廃棄斜面路の1つとを有する検査ステーションである。
【0013】
化粧品検査ステーションおよび検査ステーションの両方はそれぞれ、さらに、検査者がIVバッグが検査に不合格であると判断したときにIVバッグを解放するためにバッグクリップに係合するバッグクリップ解放アクチュエータの1つを含む。各検査ステーション内の遠隔制御インターフェースは、バッグクリップ開放アクチュエータを作動させるように適合されている。
【0014】
第7の作業ステーションは取り出し作業ステーションであり、検査に合格したIVバッグ用に指定された容器に収納されるように、IVバッグがバッグクリップから解放される。所望であれば、または必要であれば、オペレータがこのステップを支援することができる。
【0015】
使用時には、IVバッグの1つが装填作業ステーションでバッグクリップの1つに装填され、コンベヤによって気泡緩和ステーションに移動される。IVバッグ内の気泡は浮力によって反転したIVバッグの底部に移動する。その後、IVバッグはコンベヤによって第3の作業ステーションである粒子攪拌ステーションに移動し、IVバッグ内のデブリ粒子が攪拌されて移動する。その後、IVバッグはコンベヤによって第4の作業ステーションである化粧品検査ステーションに移動され、そこで検査者の一人がIVバッグを直接検査し、IVバッグ内のデブリ粒子または欠陥を検出する。検査者は、ゴミ粒子や欠陥が検出された場合、IVバッグをバッグクリップから廃棄斜面路へと解放する。その後、残ったIVバッグはコンベヤによって、粒子攪拌ステーションのもう1つである第5の作業ステーションに移動され、検査ステーションである第6の作業ステーションに移動される。別の検査者がディスプレイ上のIVバッグの画像を検査し、IVバッグ内のデブリ粒子または欠陥を検出し、デブリ粒子または欠陥が検出された場合、IVバッグをバッグクリップから廃棄斜面路に解放する。その後、コンベヤ上に残ったIVバッグは、コンベヤによって第7の作業ステーションである搬出作業ステーションに移動され、そこでIVバッグはバッグクリップから解放され、検査に合格したIVバッグ用に指定された容器に移動される。
【0016】
好ましくは、基部の作業面は5つの側縁を有し、第1、第2および第7の作業ステーションは作業面の第1の側に沿っており、第3および第4の作業ステーションは作業面の第3の側に沿っており、第5および第6の作業ステーションは作業面の第4の側に沿っている。
【0017】
本発明の検査システムは、50m1から1,000m1までのIVバッグを最小限の部品交換で処理できるように設計されており、このようなバッグサイズの変更に工具は必要ない。潜在的には6LのIVバッグまで対応可能である。この検査システムは一般的な医薬品包装エリアで使用される。
【0018】
すべてのIVバッグの物理的な取り扱いは、自動検査システムによって完了する(IVバッグがローディングビンに入れられると)。これにより、検査プロセスにおけるIVバッグのハンドリングや位置決めにおける検査者のばらつきがなくなり、検査者はマテリアルハンドリングよりも検査に集中できるため、より一貫した検査が可能になり、検査品質が向上する。
【0019】
視覚的な障害物である気泡を除去することで、点滴液中の気泡を緩和(液本体から実質的に完全に除去)する。IVバッグに異物が含まれている場合、粒子攪拌ステーションによって、それらの粒子が液中でゆっくりと動き回るため、検査担当者が粒子を観察しやすくなる。
【0020】
検査プロセスは、特殊な「背面照明付き」LED照明、高解像度カメラ、大画面LEDモニターによって促進される。専用のLED照明は、特定のレシピに由来する強度に制御・監視され、0.05%以下のばらつきに制御されている。高解像度カメラと大画面LEDモニターは、バッグとバッグ内の粒子を2.5倍から3倍に拡大する。粒子は大きく、動いているため、素早く簡単に検出できる。背面照明」は他の硬い壁の非経口用容器の検査で一般的に使用されているが、この高度な照明技術の使用はIVバッグ検査では異なり、また新しいものである。さらに、LEDライトを収納するライトボックスは、IVバッグの背面に均一な光線が投射されるように特別に設計されており、バッグにグレアをほとんど発生させることなく、すべての異物(粒子)を暗い欠陥として映し出す。この高度な照明技術により、現在手作業で行われている暗い背景と明るい背景の両方が不要になる。各検査者は1色(白)の背景でIVバッグを検査するだけでよいため、明るい白から暗い黒の背景を行ったり来たりするのに比べ、検査者の眼精疲労を最小限に抑えることができる。検査担当者の目の疲れは、背面照明(白色背景)が控えめな条件で見える拡大LEDモニター上でバッグを間接的に観察するだけなので、さらに軽減される。この機能は検査者の目の疲労を軽減し、検査者の活用度を高める。
【0021】
LEDモニターで欠陥が発見された場合、検査者は割り当てられたリモート制御装置ーの不合格ボタンを押すだけで、IVバッグが検査機から自動的に取り出され、そのステーションの不合格箱に入れられる。
【0022】
2人の検査者による検査に合格したIVバッグは、検査サイクルの終了時に自動的に「良品」ビンまたはオプションのコンベヤベルトに排出され、次の包装工程に運ばれる。
【0023】
検査時間の値は、容器のサイズと形状、液体、および資格認定プロセスで決定された資格認定検査時間に基づいて変化し得る、特定のIVバッグレシピで設定される。
【0024】
本システムは、IVバッグの検査に関するUSP 790およびUSP 1790の要件に基づくFDAの期待に応えるように設計されている。具体的には、本装置は、「標準的な」手動検査と比較して同等以上の検査を提供し、また、検査のための物理的観察期間が少なくとも5秒の持続時間を有することを保証し、二重検査が要求されるすべての手動検査に完全に準拠する。本発明は、検査者の前でのIVバッグの一貫した位置と動きにより、より一貫した検査を行う装置であり、検査者がIVバッグを直接保持し、あるいはその他の操作を行う必要がない。本発明は、先行技術の検査方法よりも所要時間が短く、検査品質がより安定した一貫性のある検査を実現する。本発明の装置は、0.05%以下の検査用IVバッグの逆光の均一性を提供する。本発明の他の特徴および利点は、本発明の原理を例示的に示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の斜視図である。
図2】本発明の平面図である。
図3】本発明の装填作業ステーションの部分斜視図である。
図4】本発明の気泡緩和ステーションの部分斜視図である。
図5】本発明の粒子攪拌ステーションの部分斜視図である。
図6A】本発明の検査ステーションの背面照明装置の部分斜視図である。
図6B】本発明のLEDから発せられる光の経路を示す、図6Aの上面図である。
図7】本発明の検査ステーションの部分斜視図である。
図8】検査者によって拒絶され、廃棄斜面路に落下するIVバッグを示す、検査ステーションの部分斜視図である。
図9】本発明の取り出し作業ステーションの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の例示的な実施形態を以下に説明する。以下の説明は、これらの実施形態を十分に理解し、説明を可能にするための具体的な詳細を提供する。当業者であれば、このような詳細がなくても本発明を実施できることを理解するであろう。他の例では、実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および機能は示されず、詳細には説明されていない。
【0027】
文脈上明らかにそうでないことが要求されない限り、本明細書および特許請求の範囲を通じて、「備える、含む、有する」(comprise,comprising)などの語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈される。単数または複数を用いる語は、それぞれ複数または単数も含む。さらに、「本明細書」、「上」、「下」、および類似の語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指すものとし、本出願の特定の部分を指すものではない。特許請求の範囲において、2つ以上の項目のリストに関して「または」という語が使用されている場合、この語は、リスト中の項目のいずれか、リスト中の項目のすべて、およびリスト中の項目の任意の組み合わせという、以下の語の解釈のすべてを対象とする。また、「各」という単語が、前に少なくとも1つの数であると紹介した要素に言及するために使用される場合、「各」という単語は、必ずしも複数の要素を意味するものではなく、単数の要素を意味することもある。
【0028】
図1および図2は、各々が流体を含むIVバッグ20を2人以上の検査者15によって半自動検査するための装置10を示す。装置10を積み下ろしするために、追加のオペレータ(図示せず)が含まれてもよい。
【0029】
基部30は、少なくとも3つの側縁32を有する実質的に平坦な作業面31を含む。作業面31は、好ましくは、例えば、複数のテーブル脚34によって支持される。
【0030】
コンベヤ40は、1つ以上のコンベヤ支持部44で作業面31の上方に持ち上げられる。コンベヤ40は、好ましくは、複数のバッグクリップ45が固定されたベルト42である。各バッグクリップ45は、複数の作業ステーション50のうちの1つにおいて、作業面31の上方の倒立位置29にIVバッグ20のうちの1つを保持するように適合されている。各作業ステーション50は、コンベヤ40の前方で、基部30の一方の側縁32に配置されている。好ましくは、各バッグクリップ45は、18インチ等のような作業ステーション50間の距離に対応する所定の間隔を隔てて配置される。
【0031】
制御装置60は、袋クリップ45がそれぞれ設定された間隔で、あるいは検査者15の誘導に従って、ある作業ステーション50から次の作業ステーション50へ移動するように、モータ70でコンベヤを移動させるように適合されている。制御装置60およびモータ70には、ライン電圧などの電源80から電力が供給される。制御装置60はさらに、タブレットコンピュータ上のソフトボタン(図示しないが当該技術分野で知られているもの)、制御パネル上のボタンまたはダイヤル(図示しないが当該技術分野で知られているもの)、または遠隔制御インターフェース260上の電気機械式ボタン261、262などの少なくとも1つのユーザインターフェース90を含む。ベルト42は、LEDエミッタ(図示せず)からのLED光をタイミング開口部を通して検出器(図示せず)に通すタイミング開口部(図示せず)を含むことができ、これにより、制御装置60は、バッグクリップ45がそれぞれ次の作業ステーション50に前進したときを判断することができ、例えば8~10秒などの所定期間コンベヤ40の移動を停止させる。その後、コンベヤ40は、各バッグクリップ45が次の作業ステーション50まで前進するまでベルト42を前進させ、このプロセスを繰り返す。
【0032】
第1の作業ステーション50は、IVバッグ20の1つをバッグクリップ45の1つに受け入れるように適合された装填作業ステーション51(図2および図3)である。好ましくは、装填作業ステーション51は、IVバッグ20の1つを逆さ状態29に保持するように適合されたIVバッグ装填ボックス200(図3)を含む。ロボット把持装置210は、IVバッグ20をクランプ240に固定するために下降位置220まで移動し、次いでIVバッグ20をバッグクリップ45のうちの1つと係合させるためにIVバッグ20と共に上昇位置230まで移動するように適合されている。各バッグクリップ45は、2つの対向するクランプ部材245が離間してIVバッグ20を2つの対向するクランプ部材245の間に受け入れる開位置241と、2つの対向するクランプ部材245が互いに付勢されてIVバッグ20を2つの対向するクランプ部材245の間に保持する閉位置242との間を移動するように適合されている。バッグクリップ開放アクチュエータ250は、バッグクリップ45の対向するクランプ部材245の一方を押して、バッグクリップ45を開放位置241に開放するように適合されている。解放されると、ばねまたは他の付勢手段(図示せず)がバッグクリップ45を閉位置242に付勢する。バッグクリップ開放アクチュエータ250は、ソレノイド駆動式であってもよく、制御装置60によって作動される。所望であれば、または必要であれば、オペレータがこのステップを支援し、IVバッグを逆さまにしてIVバッグ装填ボックス200に装填することができる。あるいは、別のコンベヤ(図示せず)が自動的にIVバッグ装填ボックス200に装填してもよい。
【0033】
第2の作業ステーション50は、IVバッグ20内の気泡21を取り除くためにIVバッグ20の1つ内の流体を攪拌するために適合された気泡緩和ステーション52(図2および図4)である。好ましくは、気泡緩和ステーション52は、IVバッグ20内の気泡21を取り除くためにIVバッグ20を叩くように適合された少なくとも1つのソレノイド作動ストライカ170を含む。好ましくは、少なくとも1つのソレノイド作動式ストライカ170は2つ以上のソレノイド作動式ストライカ170であり、それぞれがIVバッグ20の異なる位置でIVバッグ20を叩くように適合されている。気泡緩和ステーションは、ソレノイド作動式ストライカ170によって叩かれたときにIVバッグ20が前方および後方に揺れるのを防止するために、IVバッグ20の前に配置された支持面180をさらに含むことができる。各ソレノイド作動式ストライカ170は、コンベヤ40がIVバッグ20を移動させているか否かにかかわらず、IVバッグ20がソレノイド作動式ストライカ170の真正面にある間にIVバッグ20を叩くように適合されている。IVバッグ検出器(図示せず)、または各バッグクリップ45のコンベヤベルト41内の開口部(図示せず)は、例えば、ソレノイド作動式ストライカ170を作動させるためにLEDおよび光検出器と共に使用することができる。また、ソレノイド作動式ストライカ170を作動させる適切な時期を検出するために、当該技術分野において公知の他の手段を利用することもできる。このようなソレノイド作動式ストライカ170は、好ましくは制御装置60と電気的に接続されているが、独立して電力および配線が供給されてもよい。
【0034】
第3の作業ステーション50および第5の作業ステーション50は、粒子攪拌ステーション53,55(図1図2および図5)であり、それぞれ、IVバッグ20内の流体および任意のデブリ粒子22の移動を促進するために、IVバッグの1つ内の流体を攪拌するように適合されている。好ましくは、各粒子攪拌ステーション53,55は、IVバッグ20に押し付け、IVバッグ20内の流体および任意のデブリ粒子22を超音波攪拌するように適合された少なくとも1つの超音波アクチュエータ190を含む。ソレノイド(図示せず)は、IVバッグ20が撹拌ステーション53,55で検出されたときにIVバッグ20に対して超音波アクチュエータ190を位置決めするために使用することができる。攪拌ステーション53,55におけるIVバッグ20の存在を検出するための任意の数の手段を、先に詳述したように使用してもよい。あるいは、簡単のために、コンベヤ40が停止し、IVバッグ20の1つが撹拌ステーション53,55にあると想定されるとき、IVバッグ20が撹拌ステーション53,55に配置されているか否かにかかわらず、超音波アクチュエータ190を作動させてもよい。
【0035】
第4の作業ステーション50は、化粧品検査ステーション54(図1図2図6A図6B、および図8)であり、IVバッグ20の1つの背後に配置された背面照明装置100と、作業面31を横断し、廃棄レセプタクル140に至る廃棄斜面路130とを有する。化粧品検査ステーション54の背面照明装置100は、好ましくは、開口部201と、その内面203上の反射コーティング202と、LED204からの光が反射コーティング202から少なくとも1回反射して背面照明筐体200の開口部201から出るように配置された少なくとも2つのLED204とを有する背面照明筐体200を含み、開口部201から出るそのような光はすべて、開口部201全体にわたって相対的に均一な明るさである。
【0036】
第6の作業ステーション50は、検査ステーション56(図2図6A図6B図7、および図8)であり、IVバッグ20の1つの背後に配置された背面照明器具100の1つと、IVバッグ20の前に配置されたカメラ110と、IVバッグに隣接し、カメラ110からのIVバッグ20の画像125を表示するように適合された表示装置120と、作業面31を横断し、廃棄レセプタクル140に通じる廃棄斜面路130の1つとを有する。検査ステーション56の背面照明装置100は、好ましくは、開口部201を有する背面照明筐体200と、その内面203上の反射コーティング202と、LED204からの光が反射コーティング202から少なくとも1回反射して背面照明筐体200の開口部201から出るように位置決めされた少なくとも2つのLED204とを含み、開口部201から発せられるそのような光はすべて、開口部201全体にわたって相対的に均一な明るさである。
【0037】
化粧品検査ステーション54および検査ステーション56はさらに、検査者15が、IVバッグ20が検査に不合格であると判断したときにIVバッグ20を解放するためにバッグクリップ45に係合するバッグクリップ解放アクチュエータ250のうちの1つを含む。各化粧品検査ステーション54および検査ステーション56内の遠隔制御インターフェース260は、バッグクリップ開放アクチュエータ250を作動させるように適合されている。遠隔制御インターフェース260は、当該技術分野で知られているように、制御装置60と無線で接続されてもよいし、インターフェースワイヤ(図示せず)を介して接続されてもよい。遠隔制御インターフェース260は、例えば、検査者15が特定のIVバッグ20の検査に時間を要する場合にコンベヤ40を一時停止できるように、一時停止ボタン261をさらに含むことができる。再開ボタン262は、コンベヤ40を再び作動させるために遠隔制御インターフェース260に含まれてもよいし、一時停止ボタン261および再開ボタン262は、例えば、一時停止状態と作動状態との間でコンベヤ40の状態を切り換えるだけの同じボタンであってもよい。廃棄ボタン263は、バッグクリップ解放アクチュエータ250にバッグクリップ245を開かせてIVバッグ20を廃棄斜面路130に放出させるために、遠隔制御インターフェース260に含まれてもよい。このような遠隔制御インターフェース260はステーションに固有であり、つまり、化粧品検査ステーション54に近接する遠隔制御インターフェース260は、検査ステーション56においていかなる動作も行わせないし、その逆もまた同様である。
【0038】
第7の作業ステーションは、取り出し作業ステーション57(図2および図9)であり、ここでIVバッグ20は、検査に合格したIVバッグ20用に指定された容器150に収納されるように、バッグクリップ45から解放される。所望であれば、または必要であれば、オペレータがこのステップを支援することができる。あるいは、検査に合格したIVバッグ20は、その後の包装および/または他の場所への輸送のために、別のコンベヤ(図示せず)上に落下してもよい。
【0039】
使用時には、IVバッグ20の1つが装填作業ステーション51でバッグクリップ45の1つに装填され、コンベヤ40によって気泡緩和ステーション52に移動される。IVバッグ20内のあらゆる気泡21は、浮力によって反転したIVバッグ20の底部160に移動する。その後、IVバッグ20はコンベヤ40によって第3の作業ステーション50である粒子攪拌ステーション53に移動される。IVバッグ20内のデブリ粒子22は攪拌されて移動し、その後、IVバッグ20はコンベヤ40によって第4の作業ステーション50である化粧品検査ステーション54に移動し、そこで検査者15の1人がIVバッグ20を検査して、IVバッグ20内のデブリ粒子22または化粧品の欠陥を検出する。検査者は、ゴミ粒子22または欠陥が検出された場合、IVバッグ20をバッグクリップ45から廃棄斜面路130に解放する。その後、IVバッグ20は、コンベヤ40によって、粒子攪拌ステーション55の別のものである第5の作業ステーション50に移動され、第6の作業ステーション50である検査ステーション56に移動される。検査者15の別の者が、表示装置120上のIVバッグ20の画像125を検査して、IVバッグ20内のデブリ粒子22または欠陥を検出し、デブリ粒子22または欠陥が検出された場合には、IVバッグ20をバッグクリップ45から廃棄斜面路130に解放する。その後、IVバッグ20はコンベヤ40によって第7の作業ステーション50である取り出し作業ステーション57に移動され、そこでIVバッグ20はバッグクリップ45から解放され、検査に合格したIVバッグ用に指定された容器に移動される。
【0040】
好ましくは、基部30の作業面31は5つの側縁32を有し、第1、第2および第7の作業ステーション50は作業面31の第1の側部33に沿っており、第3および第4の作業ステーション50は作業面31の第3の側部34に沿っており、第5および第6の作業ステーション50は作業面31の第4の側部35に沿っている(図2)。カバー270(図1)は、検査者15が動くコンベヤ40および他の可動部品によって負傷しないように遮蔽するために含まれてもよい。
【0041】
本発明の特定の態様を図示し、説明したが、本発明の技術的思想及び範囲から逸脱することなく、種々の変更が可能であることは明らかであろう。例えば、単一検査装置では、化粧品検査ステーション54および第1粒子攪拌ステーション53を省略することができる。従って、添付の特許請求の範囲による場合を除いて、本発明を限定することは意図されていない。
【0042】
本発明の特定の特徴または態様を説明する際に使用される特定の用語は、その用語が関連する本発明の特定の特徴、特徴、または態様に限定されるように、本明細書においてその用語が再定義されることを意味するものと取るべきではない。一般に、以下の特許請求の範囲で使用される用語は、上記の詳細な説明の項でそのような用語を明確に定義しない限り、本発明を本明細書に開示される特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示された実施形態だけでなく、本発明を実施または実装するすべての等価な方法も包含する。
【0043】
本発明の実施形態に関する上記の詳細な説明は、網羅的であること、または本発明を上記に開示された正確な形態に限定すること、または本開示において言及された特定の使用分野に限定することを意図するものではない。本発明の具体的な実施形態および実施例は、例示を目的として上述されているが、関連技術分野の当業者であれば認識するように、本発明の範囲内で様々な等価な変更が可能である。また、本明細書で提供される本発明の教示は、必ずしも上述したシステムでなくても、他のシステムに適用することができる。上述した様々な実施形態の要素および行為を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。
【0044】
上記の特許および出願、ならびに添付の出願書類に記載され得るものを含む他の文献はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の態様は、必要に応じて変更することができ、上述した様々な文献のシステム、機能、および概念を採用して、本発明のさらなる実施形態を提供することができる。
【0045】
変更は、上記の「詳細な説明」に照らして本発明に加えることができる。上記の説明は、本発明の特定の実施形態を詳細に説明し、企図される最良の態様を記述しているが、上記が文章でいかに詳細に表示されても、本発明は多くの方法で実施することができる。したがって、実施の細部は、本明細書に開示される本発明に包含される一方で、かなり異なる可能性がある。上述したように、本発明の特定の特徴または態様を説明する際に使用される特定の用語は、その用語が関連付けられる本発明の特定の特徴、特徴、または態様に限定されるように、本明細書においてその用語が再定義されることを意味するものと取るべきではない。
【0046】
本発明の特定の態様を特定の請求の形態で以下に示すが、本発明者は、本発明の様々な態様を任意の数の請求の形態で想定している。従って、本発明者は、本発明の他の態様についてそのような追加の請求項形態を追求するために、出願後に追加の請求項を追加する権利を留保する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【国際調査報告】