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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】自律飛行安全システム
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/66 20060101AFI20240912BHJP
   G01C 21/20 20060101ALI20240912BHJP
   G01C 21/24 20060101ALI20240912BHJP
   B64G 1/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B64G1/66 Z
G01C21/20
G01C21/24
B64G1/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024511976
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 US2022032845
(87)【国際公開番号】W WO2023038684
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】17/469,024
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591235304
【氏名又は名称】ゼネラル・アトミックス
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ATOMICS
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ビアド,ゲイリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】アヴェン,カイル
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ラスティ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムズ,キース
(72)【発明者】
【氏名】シェリー,ジェーソン
(72)【発明者】
【氏名】オドム,ルーサー イー.,ジュニア.
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA10
2F129BB22
(57)【要約】
例えば終了条件が検出された場合に飛行終了システムを活動化するために使用される様々な終了条件のAFSS監視を実行可能にする自律飛行終了ユニット(AFTU)を組み込む自律飛行安全システム(AFSS)を説明する。かかる終了条件は、境界限界検出(例えば機体位置が計画済み飛行エンベロープ外であるか又は外側に突出しているどうか)、及び同様に、本体不安定性検出(例えばピッチレート及びヨーレートが機体不安定性を示す何らかの閾値を超えるかどうか)を含む。例えばAFTUは、3軸ジャイロスコープセンサを組み込み得、センサを介して取得された情報に基づく不安定性検出処理を実装し得る。不安定性検出処理は、例えば、機体の角速度を監視するため、機体がもはや安定制御下にないかどうかを判別するため、及び、終了条件が検出されたときに終了コマンドを発行するため、にAFTUによって実装され得るBIDアルゴリズムを含み得る。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置感知システムと、
3軸ジャイロと、
打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信するステップ、
前記ロケーション信号によって示される前記位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較するステップ、
前記打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信するステップ、
前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較するステップ、及び、
終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化するステップであって、前記終了条件のグループは、前記位置が前記計画済み飛行エンベロープの外にあること、前記ピッチレート及びヨーレートが前記最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、からなる、ステップ、
を実行するように適合されたプロセッサと、
前記飛行終了システムの活動化に応答して前記打ち上げ機の終了を開始するように構成された終了システムと、
を有する自律飛行終了ユニット
を備える、自律飛行安全システム。
【請求項2】
全地球測位システム受信器を有する前記位置感知システムを備える、請求項1に記載の自律飛行安全システム。
【請求項3】
慣性航行システムを更に有する前記位置感知システムを備える、請求項2に記載の自律飛行安全システム。
【請求項4】
全地球測位システム受信器と、
前記全地球測位システム受信器に結合され、前記全地球測位システム受信器は前記ロケーション信号を生成し、前記位置感知システムは前記ロケーション信号を受信する前記自律飛行終了ユニットと、
を更に備える、請求項1に記載の自律飛行安全システム。
【請求項5】
前記プロセッサを更に備え、
前記プロセッサは、
第1のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ロケーション信号を前記繰り返し受信するステップと、
第2のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ジャイロ信号を前記繰り返し受信するステップと、
を実行するように適合され、
前記第2のサンプリングレートは、前記第1のサンプリングレートよりも高い、請求項1に記載の自律飛行安全システム。
【請求項6】
前記プロセッサを更に備え、
前記プロセッサは、
第1のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ロケーション信号を前記繰り返し受信するステップと、
第2のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ジャイロ信号を前記繰り返し受信するステップと、
を実行するように適合され、
前記第2のサンプリングレートは、前記第1のサンプリングレートよりも低い、請求項1に記載の自律飛行安全システム。
【請求項7】
前記プロセッサを更に備え、
前記プロセッサは、
第1のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ロケーション信号を前記繰り返し受信するステップと、
第2のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ジャイロ信号を前記繰り返し受信するステップと、
を実行するように適合され、
前記第2のサンプリングレートは、前記第1のサンプリングレートに等しい、請求項1に記載の自律飛行安全システム。
【請求項8】
前記打ち上げ機の前記ピッチレート及びヨーレートを示す前記ジャイロ信号を繰り返し受信する前記ステップと、
前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較する前記ステップであって、前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートは、別個のピッチ値及び別個のヨー値を含み、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、別個の最大ピッチ値及び別個の最大ヨー値を含み、前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較する前記ステップは、前記別個のピッチ値と前記別個の最大ピッチ値とを比較することと、前記別個のヨー値と前記別個の最大ヨー値とを比較することと、を含むステップと、
を実行するように適合された前記プロセッサを更に備える、請求項1に記載の自律飛行安全システム。
【請求項9】
前記打ち上げ機の前記ピッチレート及びヨーレートを示す前記ジャイロ信号を繰り返し受信する前記ステップと、
前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較する前記ステップであって、前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値を含み、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、組み合わせた最大ピッチレート及びヨーレート値を含み、前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較する前記ステップは、前記組み合わせたピッチレート及びヨーレート値と、前記組み合わせた最大ピッチレート及びヨーレート値と、を比較することを含むステップと、
を実行するように適合された前記プロセッサを更に備える、請求項1に記載の自律飛行安全システム。
【請求項10】
前記プロセッサを含む第1の回路カードアセンブリと、
入力及び出力インターフェース回路を含む第2の回路カードアセンブリと、
電力調整回路を含む第3の回路カードアセンブリと、
を更に備える、請求項1に記載の自律飛行安全システム。
【請求項11】
コネクタ及びコネクタ回路を含む第4の回路カードアセンブリを更に備える、請求項10に記載の自律飛行安全システム。
【請求項12】
前記プロセッサ及び前記位置感知システムを含む第1の回路カードアセンブリを更に備える、請求項1に記載の自律飛行安全システム。
【請求項13】
入力及び出力インターフェース回路を含む第2の回路カードアセンブリと、
電力調整回路を含む第3の回路カードアセンブリと、
を更に備える、請求項12に記載の自律飛行安全システム。
【請求項14】
コネクタ及びコネクタ回路を含む第4の回路カードアセンブリを更に備える、請求項12に記載の自律飛行安全システム。
【請求項15】
ソフトウェアを備えるプロセッサ可読メモリを更に備える、請求項12に記載の自律飛行安全システム。
【請求項16】
前記ソフトウェアは、
機体の位置、速度、及び時間についての規則を備えるミッションデータロードファイルと、
終了論理と、を備え、
前記終了論理は、前記終了条件のグループから選択された前記少なくとも1つの終了条件が検出された場合に、前記飛行終了システムの前記活動化を実行するように構成される、請求項15に記載の自律飛行安全システム。
【請求項17】
前記ソフトウェアは、
コア自律安全性ソフトウェアと、
前記コア自律安全性ソフトウェアに結合された位置感知システムインターフェースソフトウェアと、
を更に備える、請求項16に記載の自律飛行安全システム。
【請求項18】
入力及び出力インターフェース回路を含む第2の回路カードアセンブリと、
電力調整回路を含む第3の回路カードアセンブリと、
を更に備える、請求項16に記載の自律飛行安全システム。
【請求項19】
コネクタ及びコネクタ回路を含む第4の回路カードアセンブリを更に備える、請求項18に記載の自律飛行安全システム。
【請求項20】
自律飛行安全方法であって、
打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信すること、
前記ロケーション信号によって示される前記位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較すること、
前記打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信すること、
前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較すること、及び、
終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化することであって、前記終了条件のグループは、前記位置が前記計画済み飛行エンベロープの外にあること、前記ピッチレート及びヨーレートが前記最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、からなること、
を含む、方法。
【請求項21】
第1のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ロケーション信号を前記繰り返し受信することと、
第2のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ジャイロ信号を前記繰り返し受信することと、を更に含み、
前記第2のサンプリングレートは、前記第1のサンプリングレートよりも高い、請求項20に記載の自律飛行安全方法。
【請求項22】
第1のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ロケーション信号を前記繰り返し受信することと、
第2のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ジャイロ信号を前記繰り返し受信することと、を更に含み、
前記第2のサンプリングレートは、前記第1のサンプリングレートよりも低い、請求項20に記載の自律飛行安全方法。
【請求項23】
第1のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ロケーション信号を前記繰り返し受信することと、
第2のサンプリングレートにおいて繰り返される、前記ジャイロ信号を前記繰り返し受信することと、を更に含み、
前記第2のサンプリングレートは、前記第1のサンプリングレートに等しい、請求項20に記載の自律飛行安全方法。
【請求項24】
前記打ち上げ機の前記ピッチレート及びヨーレートを示す前記ジャイロ信号を、前記繰り返し受信することと、
前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートと前記繰り返し比較することであって、前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートは、別個のピッチ値及び別個のヨー値を含み、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、別個の最大ピッチ値及び別個の最大ヨー値を含み、前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートと前記繰り返し比較することは、前記別個のピッチ値と前記別個の最大ピッチ値とを比較することと、前記別個のヨー値と前記別個の最大ヨー値とを比較することと、を含むことと、
を更に備える、請求項20に記載の自律飛行安全方法。
【請求項25】
前記打ち上げ機の前記ピッチレート及びヨーレートを示す前記ジャイロ信号を、前記繰り返し受信することと、
前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートと前記繰り返し比較することであって、前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値を含み、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、組み合わせた最大ピッチレート及びヨーレート値を含み、前記ジャイロ信号によって示される前記ピッチレート及びヨーレートを、前記最大の規定ピッチレート及びヨーレートと前記繰り返し比較することは、前記組み合わせたピッチレート及びヨーレート値と、前記組み合わせた最大ピッチレート及びヨーレート値と、を比較することを含むことと、
を更に備える、請求項20に記載の自律飛行安全方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に飛行安全に関し、より具体的には自律飛行終了に関する。
【背景技術】
【0002】
飛行安全に関する分野では、様々なシステム及びプロセスが既知である。
【0003】
物体追跡は、対象となる物体の所望の位置固定、場合によっては動的固定を決定するために、既知の基準点と組み合わせてセンサを利用するプロセスである。所望の固定の程度は、時間、空間、及び位置情報などのパラメータに関する情報を収集及び相関することによって、具体的に決定される。加えて、これらのパラメータの積を統合することによって、速度、加速度、ジャーク、ツイスト運動、及び軌道などの、追加の記述インジケータに容易に到達可能である。
【0004】
ロケット及び同様の機体を追跡するためのレーダベースのアーキテクチャは、航空機追跡の現代の基本概念の先駆けとなった。これらのレーダ資産の統合及び使用により、ロケット工学の分野がスペースシャトルなどの高度なシステムに相乗的に発展可能となってきた。こうした打ち上げ機は、主に安全性の理由で、精密な高度追跡レーダの使用を必要とする。具体的には、軌道軌跡監視管理者が正確なリアルタイムの位置及び速度データを使用して、打ち上げ機が上昇段階中にコースからそれていないかどうかを判別する。次いで、管理者は、命又は所有物にとって危険になり得る前に、機体を安全に破壊するためのオプションを有する。
【0005】
システムには、リアルタイムの軌道感知及び追跡機能のいくつかを、従来の地上/空中ベースのレーダシステムから航空機自体に搭載されているシステムに移動させることも提案されてきた。しかしながらこれらのシステムは、軌道情報を解釈するため、及び、航空機から伝送された軌道情報に基づいて飛行終了を決定するための、監視管理者を依然として含む。
【発明の概要】
【0006】
航空機の飛行を終了することを迅速に決定することが可能な、飛行安全システムが求められている。こうした必要性の1つは、航空機の飛行特性を決定し、現在提案されている人間参加型システムよりも自律的に飛行終了を決定する、方法及び装置に関するものである。
【0007】
本開示は、(例えば、終了条件が検出された場合)飛行終了システムを活動化するために使用される、様々な終了条件のAFSS監視を実行可能にする自律飛行終了ユニット(AFTU)を組み込む、自律飛行安全システム(AFSS)を説明する。こうした終了条件は、境界限界検出(例えば、機体位置が計画済み飛行エンベロープ外であるかどうか)、及び同様に、本体不安定性検出(BID)(例えば、ピッチレート及びヨーレートが機体不安定性を示す何らかの閾値を超えるかどうか)を含む。例えばAFTUは、3軸ジャイロスコープセンサを組み込み得、センサを介して取得された情報に基づく不安定性検出処理を実装し得る。不安定性検出処理は、例えば、機体の角速度を監視するため、機体がもはや安定制御下にないかどうかを判別するため、及び、終了条件が検出されたときに終了コマンドを発行するため、にAFTUによって実装され得るBIDアルゴリズムを含み得る。
【0008】
自律飛行終了のための装置、システム、及び方法を説明する。装置、システム、及び方法の1つ以上の実施形態は、位置感知システム、3軸ジャイロ、プロセッサ、及び収量システムを含む。プロセッサは、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信するように、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較するように、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信するように、並びに、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較するように、適合され得る。プロセッサは、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合に、飛行終了システムを活動化するように、更に適合され得、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、からなる。終了システムは、飛行終了システムの活動化に応答して、打ち上げ機の終了を開始するように構成され得る。
【0009】
自律飛行終了のための方法、装置、非一時的コンピュータ可読媒体、及びシステムを説明する。方法、装置、非一時的コンピュータ可読媒体、及びシステムのうちの1つ以上の実施形態は、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信すること、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較すること、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信すること、並びに、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較すること、を含む。方法は、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合に、飛行終了システムを活動化することを更に含み得、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、からなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の態様に従った飛行安全システムの一例を示す図である。
図2】本開示の態様に従った機体打ち上げプロファイルの一例を示す図である。
図3】本開示の態様に従った機体終了図の一例を示す図である。
図4】本開示の態様に従った飛行安全システム図の一例を示す図である。
図5】本開示の態様に従った飛行安全システム図の一例を示す図である。
図6】本開示の態様に従った飛行安全システム図の一例を示す図である。
図7】本開示の態様に従った自律飛行終了ユニット(AFTU)のトップレベルブロック図の一例を示す図である。
図8】本開示の態様に従ったAFTUのトップレベルブロック図の一例を示す図である。
図9】本開示の態様に従った不安定性検出処理図の一例を示す図である。
図10】本開示の態様に従った自律飛行終了のためのプロセスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記の説明は、限定的な意味ではなく、単に例示的実施形態の一般原理を説明するためのものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲を参照して決定されるものとする。
【0012】
本明細書全体を通じて、「一実施形態」、「実施形態」、又は同様の言い回しは、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて「一実施形態において」、「実施形態において」、及び同様の言い回しの出現は、すべて同じ実施形態を指し得るが、その限りではない。
【0013】
更に、本発明の説明する特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な様式で組み合わせられ得る。下記の説明において、本発明の実施形態を十分に理解するために、プログラミング、ソフトウェアモジュール、ユーザ選択、ネットワークトランザクション、データベースクエリ、データベース構造、ハードウェアモジュール、ハードウェア回路、ハードウェアチップなどの例などの、多数の特定の詳細が提供される。しかしながら、当業者であれば、本発明は、特定の詳細のうちの1つ以上を無しに、又は他の方法、構成要素、材料などと共に、実施可能であることを理解されよう。他の場合には、本発明の態様を不明瞭にするのを避けるために、周知の構造、材料、又は動作は、詳細に図示又は説明されない。
【0014】
いくつかの自律飛行安全システム(AFSS)は、設定境界限界(例えば、ミッションデータロード(MDL)ファイルなどにおける、飛行又はミッションによって定義される設定境界限界)に関する機体の位置を監視し得る。こうしたシステムは、機体が、飛行経路の安全動作限界を横断したか否かを判別し得る。しかしながら、いくつかのシステムは、こうした安全動作限界内で機体が安定しているかどうかを判別するための手段を提供し得ない。したがって、AFSSは、MDLファイルの画定された境界限界内の位置を維持しながら、機体が不安定である(例えば、制御不能タンブリング)シナリオに欠けている場合がある。言い換えれば、いくつかのAFSSは、機体がMDLファイルの画定された境界限界内の位置を維持する場合(例えば、機体がミッション画定された境界限界内で制御不能タンブリングするとき)、機体不安定安全性への懸念を決定又は検出することができない可能性がある。AFSSには、不安定性又はタンブリングを検出するための先天的な能力が無い可能性があるため、こうしたAFSSは、機体不安定性に基づいて、終了コメント(例えば、打ち上げ機の終了のためのコマンドなどの、ミッション終了コマンド)を生成できない可能性があり、結果として安全システムに欠けることになる。
【0015】
本開示は、AFSSに(例えば、ミッション安全性への懸念を提起し得る、機体不安定性などの)障害の追加モードの監視を実行可能にさせる、自律飛行終了ユニット(AFTU)を組み込むAFSSを説明する。一般に、プロセッサ(例えば、AFTUのプロセッサ)は、様々な終了条件を監視し得、終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化し得る。本明細書で説明する技法によれば、監視及び検出され得る終了条件は、境界限界検出(例えば、機体位置が、計画済み飛行エンベロープの外にあるかどうか)、及び同様に、本体不安定性検出(BID)(例えば、ピッチレート及びヨーレートが機体不安定性を示す何らかの閾値を超えるかどうか)を含む。
【0016】
例えばAFTUは、3軸ジャイロスコープなどの独立センサを組み込み得(例えば、及び/又は、独立センサからの信号を受信し得)、センサを介して取得した情報に基づいて、不安定性検出処理を実装し得る。不安定性検出処理は、例えば、機体の角速度を監視するため、機体がもはや安定制御下にないかどうかを判別するため、及び、終了条件が検出されたときに終了コマンドを発行するために、AFTU(例えば、又はAFTUのBIDハードウェア)によって実装され得る、BIDアルゴリズムを含み得る。不安定性検出処理の出力は、CASSによって提供されるコア自律安全性ソフトウェア(CASS)に、(例えば、ユーザ定義可能フィーチャを介して)提供され得る。本開示の何らかの態様によれば、終了条件は、MDLファイル内に(例えば、他のセンサと同様に)、不安定性検出処理からの出力パラメータの関数として定義され得る。いくつかの例では、内部又は外部3軸ジャイロ及びAFTU内の関連付けられた処理(例えば、不安定性検出処理など)の使用は、完全に統合された、ロバストな、自律飛行安全ソリューションの完了を可能にし得る。
【0017】
本明細書で説明するAFTUは、ミッション(例えば、計画済み飛行エンベロープによって記述されるMDLファイル、ミッション計画チームなど)を実行するAFSSの、フライアウェイ構成要素として含められ得る。AFTUは、特定の障害状況が観察された場合にミサイルシステムを爆破するために、機体ダイナミクスを独立に監視することによって、搭載レンジ安全性を提供し得る。いくつかの例では、機体の位置は、機体が限定範囲内にあることを検証するために、監視され、ミッション(例えば、MDLファイル)と比較される。更に、本開示に従い、障害の追加モードがAFTUによって監視され得る。例えば、各AFTUは、ミサイルシステムの計画済み飛行エンベロープを介した監視を強化する、機体本体速度を監視するために、独立センサ(例えば、独立MEMSベース3軸ジャイロなど)を提供し得る。本体速度は、なんらかの不安定性検出処理(例えば、各AFTU内で実行するために、General Atomics Electromagnetic Systems(GA-EMS)によって開発された、本体不安定性検出器(BID)アルゴリズムなど)に供給され得る。AFTU(例えば、GA-EMS AFTU)は、典型的な飛行終了システム手法の応答時間に対して発生が迅速すぎる障害シナリオを検出し、決然と応答するために、強化された機能(例えば、不安定性検出監視、打ち上げ機終了など)を与え得る。
【0018】
図1は、本開示の態様に従った飛行安全システムの一例を示す。図示される例は、機体100、搭載センサ105、INS110、GPS受信器115、レーダシステム120、テレメトリアンテナ125、MFCO130、及びコマンドアンテナ135を含む。
【0019】
図1は、飛行安全システムの一例を示す。機体100(例えば、打ち上げ機100、航空機100など)は、INS110及びGPS受信器115などの、搭載センサ105を含み得る。機体100位置又はセンサデータは、地上局におけるテレメトリアンテナ125へとダウンリンク(テレメトリ)され得る。機体100は、機体のテレメトリシステムに提供された飛行終了システムの正常性データを、ミサイル飛行制御管理者(MFCO130)に送信するための、通信デバイス(例えば、Eバンド応答器及びアンテナ)を含み得る。独立レーダシステム120は、機体100の飛行軌道を決定するために、機体100を追跡し得る。
【0020】
MFCO130は、機体100が(例えば、人間決定プロセスを含み得る)飛行安全基準に違反したかどうかを判別するために、レーダシステム120及びテレメトリアンテナ125からの情報を使用し得る。違反が存在している場合、MFCO130は、コマンドアンテナ135から機体100へと送信されるコマンドとして、信号を活動化し得る。信号は機体100によって受信され、信号は機体100に飛行を終了させ得る。このプロセスは、完全に証明及び試験され、飛行安全システムの様々なサブシステム上で冗長性と共に実装された、高度に信頼可能なハードウェア、及び同様に、高度に訓練された職員(例えば、MFCO130の役割について認定された人間職員)に依存し得る。
【0021】
本明細書で説明するコマンドアンテナ、テレメトリアンテナ、及び他のアンテナは、複数の伝送(例えば、ワイヤレス伝送)を同時に送信又は受信でき得る、単一アンテナ、又は複数アンテナを含み得る。場合によっては、アンテナはアンテナアレイを含むか又はこれを指し得る。
【0022】
トランシーバは、前述のように、アンテナ、ワイヤード、又はワイヤレスリンクを介して、双方向に通信し得る。例えば、トランシーバはワイヤレストランシーバを表し得、別のワイヤレストランシーバと双方向に通信し得る。トランシーバは更にまた、パケットを変調し、伝送のために変調されたパケットを提供し、受信したパケットを復調するために、モデムを含み得るか、又はモデムに接続され得る。いくつかの例では、トランシーバは指定された周波数で動作するようにチューニングされ得る。例えばモデムは、モデムによって使用される通信プロトコルに基づいて、指定された周波数及び電力レベルで動作するように、トランシーバを構成することができる。
【0023】
機体100は、図2を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。INS110は、図7を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。GPS受信器115は、図5から図8を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。
【0024】
図2は、本開示の態様に従った、機体打ち上げプロファイルの一例を示す。示される例は、打ち上げ場200、機体205、ノミナル打ち上げプロファイル210、デブリ排除ゾーン215、地上局220、ミッション制御センター225、テレメトリデータ230、準リアルタイムテレメトリデータ235、及びデブリ衝突エリア240を含む。
【0025】
図2は、機体205打ち上げプロファイルの一例を示す。機体205(例えば、打ち上げ機205、航空機205など)は、打ち上げ場200から打ち上げられ得る。ノミナル打ち上げプロファイル210は、機体205がノミナル打ち上げ内にとどまるべきである。デブリ排除ゾーン215は、機体205がこれらのエリア内で地球に衝突した場合、安全性の問題となり得るエリアを示す。
【0026】
いくつかの安全システムにおいて、テレメトリデータ230は地上局220に送信され得る。このテレメトリデータ230は、機体205の正常性及び内部システムの状況などの、機体205に関する非リアルタイム情報であり得る。準リアルタイムテレメトリデータ235は、地上局に送信され得、ミッション制御センター225における飛行制御管理者(図示せず)による分析のための、機体205の飛行軌道(又は機体205軌道)に関する情報を含み得る。飛行制御管理者(例えば、MFCO)は、飛行を終了すべきであるかどうかを決定するために、飛行軌道情報を使用する。機体205が依然としてノミナル打ち上げプロファイル210内にある場合、飛行制御管理者は飛行を終了する可能性が低い。いくつかの例では、非リアルタイムテレメトリデータ230に関し得る、飛行を終了するための他の理由が存在し得る。
【0027】
機体205は、ノミナル打ち上げプロファイル210の外側として示され、飛行がこの時点で終了される場合、機体205はデブリ衝突エリア240内で地球に戻ることになる。本コースでは、デブリ衝突エリア240は、デブリ排除ゾーン215のうちの1つを侵害していない。したがって、機体205及び/又は飛行がデブリ排除ゾーン215を脅かす可能性がないため、飛行制御管理者は飛行を続行させ得る。本開示の実施形態において、機体205の飛行を終了させることに関する決定プロセスは、デブリ衝突エリア240がデブリ排除ゾーン215のうちの1つ以上を侵害する場合、自律的に機体205上で実行される。
【0028】
機体205は、図1を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。テレメトリデータ230は、図4を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。
【0029】
図3は、本開示の態様に従った、機体終了図の一例を示す。示される例は、打ち上げ台300、ノミナル機体トラック305、衝突限界線310、保護エリア315、非ノミナル飛行経路320、電流爆破線325、終了地点330、及びAFSS爆破線335を含む。
【0030】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態を用いる飛行終了決定の改良を示す。機体(例えば、打ち上げ機、航空機など)は、打ち上げ台300から打ち上げられ得る。ノミナル機体トラック305は、機体がたどり得るトラック(例えば、ノミナル飛行のため、計画済み飛行エンベロープに従った経路のためなど)を示す。保護されるべき2つのエリア(例えば、保護エリア315)が、誤飛行又は終了飛行から保護されるべき地上のエリアとして示される。
【0031】
衝突限界線310は、機体からのデブリが保護エリア315内に着地しないことを保証するために、デブリが通過してはならない打ち上げ場から延在する線を示す。したがって、機体の飛行経路が衝突限界線310内に残ったままである限り(例えば、又は、機体が何らかの許容可能なマージン閾値を超えて、計画済み飛行エンベロープから逸脱しない限り)、機体及び飛行は、安全ゾーン内にある(例えば、更に、保護エリア315に対する予測される危険は存在し得ない)ものと見なされ得る。衝突限界線310内のこの領域は、本明細書では安全ウィンドウと呼ばれ得、衝突限界線310外の領域は、本明細書では保護されるべき領域と呼ばれ得る。
【0032】
図3の破線は、機体がたどり得る非ノミナル飛行経路320を示し得る。この非ノミナル飛行経路320に沿って、突出した飛行経路は衝突限界線310を越えて進む。結果として、飛行は終了されるものとする。従来の飛行終了システムでは、電流爆破線は、機体が電流爆破線を越えて飛行した場合、保護エリア315に対して危険となるように定義され得る。したがって、飛行制御管理者は決定し、非ノミナル飛行経路320が電流爆破線325と交差する終了地点330によって飛行を終了させなければならない。
【0033】
本開示の実施形態は、機体の飛行特性を決定するため、及び、搭載機体の自律飛行終了決定を行うための、装置及び方法を含む。AFSSは、人間参加型決定を除去し、飛行終了決定を行うため及び飛行を終了させるための自律プロセスを実行する。AFSSは、その搭載ナビゲーションシステムからの入力を使用して、機体の瞬時衝突地点を継続的に計算することが可能である。結果として、爆破線についてのマージンはそれほど控えめではなく、したがって、基準エリア内で計画される経路においてより柔軟にすることができる。AFSS爆破線335は、AFSS自体によって行われる飛行を終了させる決定を、非ノミナル飛行経路320がAFSS爆破線335と交差するその後の終了地点340まで遅らせることができる。
【0034】
AFSSが搭載されている場合、爆破決定は、機体爆破の場合に、飛行後処理のための情報を提供するためにのみ必要な、地上へのテレメトリ伝送を用いて、打ち上げ機に移動される。AFSSは、特定の機体及びミッションに関する所定の飛行規則に基づいて、機体が所定の安全限界の外側を飛行しているものと、搭載論理が判別したとき、飛行機体を破壊するか又は推進力を失わせる責務を負う。
【0035】
こうした人間参加型システムについての平均応答は、およそ2から3秒であり得るが、AFSSは、これよりもかなり速く(例えば、約500ミリ秒以下)応答可能である。更に、500ミリ秒の決定時間は、終了に関する決定に先立って危険な状況を妥当性検査するために、AFSSによって実行される決定サイクルを介する回数、及び、終了決定の実行に先立って、飛行後分析のためにテレメータ送信するために必要なデータの量に基づき得る。500ミリ秒決定時間が、瞬時衝突地点計算プロセス(処理規則、境界地点など)、センサの数、及びテレメトリ出力ストリームの調整を介した、100ミリ秒の典型的な決定サイクルを想定しながら、更に速い応答時間を必要とする適所適用ニーズ(例えば、数キロメートル/秒で銃身を離れることが可能な銃発射ガイド付き発射物)に合致させるために、より速い決定サイクルが達成可能である。
【0036】
終了決定が行われるまでがより速いこと、及びより長い飛行時間を可能にすることに加えて、AFSSは、人間参加型ソリューションよりも費用対効果も高く、多くの異なるタイプの機体に対してより包括的であることが可能であるため、したがって、機体適用領域の将来の飛行試験及び著しい改変無しの構成のニーズに合致するように容易に構成可能である。
【0037】
図4は、本開示の態様に従った、飛行安全システム図の例を示す。示された例は、AFSS400、外部センサ405、GPS受信器410、電源415、AFSA420、第1のセンサ425、第2のセンサ430、プロセッサ435、発射コントローラ440、火器イニシエータ445、テレメトリデータ450、及び共通ディセーブル信号455を含む。
【0038】
図4は、飛行安全システム(例えば、AFSS400)の高水準機能ブロック図を示す。自律飛行安全システムは、実質的に独立して動作する、2つの自律飛行安全アセンブリ(AFSA420)を含み得る。各AFSA420は、第1のセンサ、第2のセンサ430、プロセッサ435、及び発射コントローラ440を含む。
【0039】
GPS受信器410は、両方の自律飛行安全アセンブリにフィードし得、第1のセンサ及び第2のセンサ430のうちの1つ以上に結合され得る。共通ディセーブル信号455は、両方の飛行安全アセンブリに供給され得る。テレメトリデータ450は、(例えば図2を参照しながら、例えば本明細書でより詳細に説明するように)飛行安全アセンブリと機体に搭載された他の電子機器との間に提供され得る。いくつかの実施形態では、各AFSA420は別個の電源415に結合され得る。
【0040】
外部センサ405が含まれ得、機体の飛行に関するセンサ情報を飛行安全アセンブリの各々に提供し得る。追加又は代替として、各AFSA420からの第1のセンサは、他方のAFSA420へとクロスストラップされ得る。したがって、プロセッサ435は、少なくとも2つの独立ソース及び多くとも4つの独立ソースからの飛行情報にアクセスし得る。一実施形態において、プロセッサ435は、それ自体の第1のセンサ、それ自体の第2のセンサ430、及び、他方の飛行安全アセンブリからの第1のセンサにアクセスし得る。
【0041】
ソフトウェアは、規則がアクション(例えば、安全又は終了)の生成を必要とするかどうかを判別するために、各アクティブセンサ入力(例えば、3つのセンサ)に対するミッション規則を評価するように構成され得る。決定論理は、各センサソースを独立に評価し、増分する階段関数を含み得る。階段関数が所定の閾値に達すると、搭載飛行終了インジケータは、閾値に達した各アクティブセンサに対してアサートされ得る。半分又はそれ以上のアクティブセンサが終了状況を示す場合、発射コントローラ440は、火器イニシエータ445への搭載飛行終了信号を生成することになる。搭載飛行終了信号(例えば、FireEnableコマンド)の送信後、飛行安全アセンブリは、終了多数決を検証するために、センサ入力を再評価することになる。その検証が成功した場合、飛行安全アセンブリは、発射コマンドを送信することによって、終了シーケンスを完了させる。
【0042】
非限定的な例として、いずれかの飛行安全アセンブリユニットは、各々その関係センサ入力から計算された、3つの独立した瞬時衝突地点を表明することに基づいて、飛行を終了させることが可能である。この手法は、ミッションの確実さを増加させ、第1のセンサデータ又は第2のセンサ430データのいずれかの損失が、結果として自動終了決定を生じさせないことを保証する。
【0043】
機体制御及び誘導システムとのインターフェースは任意選択であり、実施形態をより普遍的に適用可能にする。機体誘導の統合が望ましい場合、ナビゲーションソリューションを提供すること、及び/又は、誘導コンピュータからの機体動作状況信号を含むことのいずれかが可能である。しかしながら、追跡ソース入力、又は機体とインターフェースされた他の信号に基づいて行われる決定は、非常に独立したソースからの同様の入力に対して、慎重に評価し、適切に重み付けする必要があり得ることに留意されたい。
【0044】
追加のセンサが、ミッションの確実さのために追加可能である。したがって、アーキテクチャは、有人ミッションに関する信頼性及び安全性を増加させるために、より多くの冗長性を可能にするようにスケーラブルである。決定アーキテクチャは、各々が他から独立しているユニットの冗長セット内で、1つのプロセッサ435と共に構成されているように示される。アーキテクチャは、ミッション確実性の増加、及び、有人宇宙ミッションの二重障害耐性要件を可能にするために、冗長プロセッサ435(複数)を含むように拡張することも可能である。デバイスは、打ち上げシステムからイベントを検出するための機能を提供するために、追加の情報片として外部入力を受け入れるように構成可能である。
【0045】
プロセッサ435は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば、汎用処理構成要素、デジタル信号プロセッサ435(DSP)、中央処理ユニット(CPU)、グラフィクス処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、離散ゲート又はトランジスタ論理構成要素、離散ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組み合わせ)である。場合によっては、プロセッサ435は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成される。他の場合には、メモリコントローラはプロセッサ435に統合される。場合によっては、プロセッサ435は、様々な機能を実行するためにメモリ内に記憶されたコンピュータ可読命令を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサ435は、モデム処理、ベースバンド処理、デジタル信号処理、又は伝送処理のための、特定用途向け構成要素を含む。
【0046】
メモリデバイスの例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、又はハードディスクを含む。メモリデバイスの例は、ソリッドステートメモリ及びハードディスクドライブを含む。いくつかの例では、メモリは、実行されたとき、本明細書で説明する様々な機能をプロセッサ435に実行させる命令を含む、コンピュータ可読、コンピュータ実行可能ソフトウェアを記憶するために使用される。場合によっては、メモリは、とりわけ、周辺構成要素又はデバイスとの相互作用などの基本のハードウェア又はソフトウェアの動作を制御する、基本入力/出力システム(BIOS)を含む。場合によっては、メモリコントローラは、メモリセルを動作させる。例えばメモリコントローラは、行デコーダ、列デコーダ、又はその両方を含むことができる。場合によっては、メモリ内のメモリセルは、論理状態の形で情報を記憶する。
【0047】
外部センサ405は、図5を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。GPS受信器410は、図1及び図5から図8を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。AFSA420は、図5を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。第2のセンサ430は、図5を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。テレメトリデータ450は、図2を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。
【0048】
図5は、本開示の態様に従った、飛行安全システム図の例を示す。示される例は、AFSA500、決定モジュール505、飛行決定プロセッサ510、アナログデジタルインターフェース515、発射制御プロセッサ520、終了出力回路525、第1のセンサ530、第2のセンサ535、GPS受信器540、外部センサ545、電力モジュール550、外部インターフェース555、テレメトリインターフェース560、機体インターフェース565、セーフアームモジュール570、及びセンサ入力575を含む。
【0049】
図5は、AFSA500の詳細な機能ブロック図を示す。電力モジュール550は、決定モジュール505、第1のセンサ530、第2のセンサ535、及びセーフアームモジュール570などの、AFSA500の様々なデバイスに電力を提供する。電力モジュール550は、AFSA500内の電力状態を監視するようにも構成され得る。飛行中、電力モジュール550は飛行バッテリから電力を受け取り得る。外部インターフェース555は、機体の飛行に先立ち、AFSA500に電力を供給し得、外部電力が(例えば、アンビリカル接続を介して)接続されるかどうかを示すためのセンサを含むように構成され得、アンビリカルが切断されたとき、AFSA500が飛行モードに入っていたことを示すことが可能である。
【0050】
飛行バッテリと外部インターフェース555との間での電力の伝達は、外部インターフェース555、機体インターフェース565、又はテレメトリインターフェース560からの、地上コマンドによって制御され得る。飛行バッテリと外部インターフェース555との間の電力の伝達は、バッテリ電力を印加可能にするが、地上電力(すなわち、外部インターフェース555からの電力)が除去されるまで使用されない、スイッチ及びダイオード又はゲートによって達成され得る。この能力は、伝達中に中断なしに電力を伝達する好都合な方法を提供する。回路は、逆極性に対する保護も提供し、地上電流がバッテリの回路に入るのをブロックすることによって、地上電力がバッテリに損傷を与えるのを防ぐ。その逆も真であり、すなわち、バッテリ電流が地上電力システム内に流入するのをブロックする。
【0051】
次いで、電力モジュール550は、AFSA500内の他のデバイスへの電力を規制及び分配する。機体が依然として地上にある間、AFSA500に信号を供給するために、機体インターフェース565が含められ得る。非限定的な例として、機体インターフェース565は、アナログデジタルインターフェースへの4つのアナログチャネル、及び、決定プロセッサへのデジタルチャネルを含み得る。したがって、機体インターフェース565は、様々なセンサの機能及びAFSA500上での他のデバイスの動作を監視するために使用され得る。
【0052】
テレメトリインターフェース560は、機体上のテレメトリシステムとAFSA500との間でデータを移動させるために含まれ得る。したがって、機体の正常性及び飛行状況に関する情報は、処理のためにAFSA500が入手可能であり得る。更に、いくつかの実施形態では、テレメトリインターフェース560は、機体搭載の他のセンサからの位置、速度、及び時間(PVT)などの追加の飛行センサデータを含み得る。非限定的な例として、テレメトリインターフェース560は、イーサネット又はRS-422インターフェースなどの、シリアルインターフェースであり得る。一実施形態において、3つの独立センサが決定モジュール505とインターフェース可能であり、各々は、GPS受信器540、IMUセンサ、又はそれらの組み合わせの形を取り得る。これらのセンサは冗長性を提供し、飛行位置を追跡するための決定モジュール505とインターフェース可能である。非限定的な例として、センサデータは、PVTタイプ情報を決定モジュール505に提供し得る。
【0053】
他の実施形態において、センサからの情報はより生のフォーマットであり得、生の情報は、PVTタイプ情報を決定するために、飛行決定プロセッサ510によって処理され得る(位置センサ3は、AFSA500の外部にある外部センサ545の一例である)。いくつかの実施形態では、外部センサ545はセンサ入力575に結合される。更に、いくつかの実施形態では、外部センサ545はスタンドアロン型センサに結合され得る。他の実施形態では、外部センサ545は、機体の一部であるが、センサ入力575を介してAFSA500にPVTタイプ情報を供給することが可能な出力を有する、センサであり得る。他の実施形態では、センサ入力575は、機体搭載の別のAFSA500のセンサ出力に接続され得る。非限定的な例として、センサ入力575及びセンサ出力は、RS-232、RS-485/422インターフェースとして構成され得る。
【0054】
GPS受信器540は、L1及びL2バンド内の受信のために構成され得、GPS情報を第1のセンサ530及び第2のセンサ535に供給するための、信号増幅器を含み得る。第1のセンサ530(本明細書では位置センサ1とも呼ばれ得る)は、AFSA500内に含められ、決定モジュール505上の飛行決定プロセッサ510に結合される。図5に示される非限定的な例として、第1のセンサ530は、AFSA500(及び、AFSA500が機体に取り付けられたときは機体)の、実質的にリアルタイムな位置情報を、GPS衛星システムを使用して決定及び提供するためのGPS要素を含むように構成され得る。第1のセンサ530は、機体の動きに応答して慣性パラメータを感知可能な別のセンサ経路を提供するためのIMUも含み得る。いくつかの実施形態では、情報(例えば、PVTタイプ情報)を飛行決定プロセッサ510に送信することに先立ち、GPSセンサ及びIMUセンサからセンサ情報を収集及び調節するために、第1のセンサ530内にプロセッサが含められ得る。第1のセンサ530内のプロセッサは、例えば、自己試験、ソフトウェアタイムライン管理、フィルタリング(例えば、カルマンフィルタリング)、位置ソリューション処理、GPS支援、及び通信などの、機能を実行し得る。いくつかの実施形態では、第1のセンサ530内のプロセッサは試験入力を含み得、試験入力を介して再プログラム可能であり得る。
【0055】
第2のセンサ535(本明細書では位置センサ2とも呼ばれ得る)は、AFSA500内に含められ、飛行決定プロセッサ510に結合される。図5に示される非限定的な例として、第2のセンサ535は、AFSA500(及び、AFSA500が機体に取り付けられたときは機体)の、実質的にリアルタイムな位置情報を、GPS衛星システムを使用して決定及び提供するためのGPS要素を含むように構成され得る。
【0056】
非限定的な例として、第1のセンサ530及び第2のセンサ535内のGPS要素の各々は、自己試験、セキュリティ及びアンチスプーフィングモジュール(SASM)アンチジャム機能、デュアルバンド受信器制御、10Hz更新レート、衛星捕捉機能、衛星追跡機能、及び通信機能を含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、GPS要素は再プログラム可能であり得る。
【0057】
非限定的な例として、IMUセンサは、6自由度タイプ情報を提供するための3本の独立軸上のデルタV情報(すなわち、遷移情報)、デルタシータ情報(すなわち、回転情報)を含むように構成され得る。IMUセンサは、アナログデジタル変換、タイムスタンピング機能、リセット機能、テレメトリインターフェース560、及び試験インターフェースを含み得る。
【0058】
決定モジュール505は、地球上の機体の位置を追跡し、「飛行/飛行無し」規則との比較によって、機体が安全上の危険を示しているかどうかを決定する。機体が危険と見なされる場合、決定モジュール505は飛行終了を開始し得る。飛行決定プロセッサ510は、電力モジュール550から調整電力を受け入れ、GPS及びINSポート(すなわち、第1のセンサ530、第2のセンサ535、及びセンサ入力575)を介して地上位置データを受け入れ、発射制御プロセッサ520からの性能データを監視し、飛行状況を出力し、外部インターフェース555に接続されたとき、アップロードされた地上コマンドを受け入れる。飛行決定プロセッサ510は、ミッションに先立ちアップロードされた情報に基づいて、飛行終了決定を行うようにも構成され得、テレメトリインターフェース560を介して継続的にシステム状況を地上に報告し得る。
【0059】
飛行決定プロセッサ510は、飛行決定プロセッサ510、発射制御プロセッサ520、メモリ(図示せず)、及び、システム内の他のハードウェアの状況の、内部試験を実行するための、自己試験及びシステム組み込み試験機能を含み得る。自己試験は、例えば、正しい動作を検証する動作を実行することによって、プロセッサ及び実行可能ソフトウェアを検査することなどの、機能を含み得る。これらの動作は、実行可能イメージの巡回冗長検査(CRC)を計算すること、及び、各動作について正しい値が戻されることを検証しながら算術演算を実行することを含み得る。加えて、発射制御プロセッサ520の状態及び適切に通信していることを検証するために、発射制御プロセッサ520に状況要求が送信され得る。
【0060】
飛行決定プロセッサ510は、飛行中にシステム電力及びハードウェアの機能的性能を継続的に監視するためのシステム性能監視を含み得る。この監視は、電力システムの電圧レベル、及び、AFSA500の適切な動作にとって重要であり得る他の機能的測定を監視するための、機能を含み得る。ミッションデータ管理機能は、実行されるべき特定ミッションについてダウンロードされたミッションデータを受け入れ、これに作用し得る。再プログラミング機能は、新規ミッション規則、及び同様に、開発時に将来の強化を伴う新規ソフトウェアを、再プログラミングすることができる。計算機能は、飛行中に収集されたデータに基づいて、リアルタイム瞬時衝突地点を計算する。規則監視機能は、ミッションデータロード(MDL)によって指示される際に規則を適用し、いずれかの違反を判別する。集中型通信機能は、発射制御プロセッサ520、第1のセンサ530、第2のセンサ535、及び外部(地上)インターフェースなどの、すべてのシステムインターフェースからのデータ入力を取り扱う。
【0061】
テレメトリ機能は、テレメトリインターフェース560を介してテレメトリデータストリームを機体テレメトリモジュール(図示せず)に出力し得、組み込み試験情報、飛行及び終了状況、並びに、終了が終了規則によって開始される場合、終了に先立って地上に送信されるべき情報を、含み得る。飛行終了システム(FTS)機能は、発射制御プロセッサ520と組み合わせた外部終了機構のアーミング、安全化、及び発射のためのコマンドを制御し得る。規則違反が、機体飛行が公衆に対して危険になったことを示す場合、終了決定機能は機体飛行終了を開始する。
【0062】
発射制御プロセッサ520は、アーミング、飛行環境の監視、飛行終了の開始、及び/又は、飛行決定プロセッサ510のコマンドの下でシステムを安全にすることを含む、システムの安全性を制御する。発射制御プロセッサ520は、アーム及び発射信号に対する安全抑止を含む。自己試験機能は、発射制御プロセッサ520、及び、決定モジュール505の自己試験と同様の正しい機能性のための終了出力回路などの他のハードウェアの内部試験のために含められ得る。システム性能監視機能は、すべてのシステム電力、並びに、発射制御プロセッサ520のアーム及び発射状況の、継続的監視を含む。
【0063】
終了出力回路は、飛行決定プロセッサ510及び発射制御プロセッサ520からの入力に応答した、1つ以上の終了信号の生成を制御し得る。例えば、1つの出力は、セーフアームデバイスへ約200ミリ秒がアサートされた約7.5amp出力であり得る。2つの他の出力は、異なるイベントをトリガするために異なる時点でアサート可能な約200ミリアンペアとして構成され得る。例えば、1つの出力は、ロケットモータをシャットダウンするため、又は、セーフアームデバイスへのイネーブルスイッチを制御するため、の信号を提供し得る。これらの出力は、AFSA500が搭載している機体のタイプに依存して、様々な使用についてプログラミングされ得る。
【0064】
図5の実施形態は、発射制御プロセッサ520及び飛行決定プロセッサ510を示す。これらのプロセッサは、任意の好適なタイプのマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、カスタム論理、又はそれらの組み合わせであり得る。加えて、いくつかの実施形態は、単一のプロセッサを使用して、発射制御プロセス及び飛行決定プロセスを実行するように構成され得る。
【0065】
図5の例では、飛行決定プロセッサ510は、自己試験及びシステムBIT、システム性能監視、ミッションデータ管理、再プログラミング、衝突地点(I/P)計算、規則監視、集中型通信、テレメトリ、FTS制御、終了決定などを含むか、又は実装し得る。アナログデジタルインターフェース515は、電圧/電流監視、バッテリ状況監視、アーム及び発射状況監視、機体入力を含むか、又は実装し得る。発射制御プロセッサ520は、自己テスト、システム安全性、コマンドアーム、打ち上げインジケータ処理、通信、発射信号出力接続などを含むか、又は実装し得る。終了出力回路525は、安全監視、アーム制御、2~200mA出力信号、1~7.5A出力信号などを含むか、又は実装し得る。
【0066】
図5の例では、機体インターフェース565は、(例えば、離散デジタルデータ、離散アナログデータなどを含むか又は処理し得る)機体電子機器を含むか又は実装し得る。電力モジュール550は、電力分配、電力監視信号、及び外部インターフェースを含むか又は実装し得る。第2のセンサ535は、例えば、GPS受信器などを含むか又は実装し得る。
【0067】
AFSA500は、図4を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。第2のセンサ535は、図4を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。GPS受信器540は、図1図4、及び図6から図8を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。外部センサ545は、図4を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。
【0068】
図6は、本開示の態様に従った、飛行安全システム図の例を示す。示される例は、飛行終了システム600、GPS受信器605、終了ユニット610、論理ゲート615、システムコントローラ620、接続625、フェイルセーフコントローラ630、アビオニクスボックス635、爆薬665、弁670、燃料供給ライン675、エンジン680、ソース682、テレメトリ接続684、及びライン686を含む。
【0069】
図6は、例示の自律飛行終了システム600の概略図を示す。いくつかの例では、飛行終了システム600(例えば、自律飛行終了システム600)は、(例えば、航空機から)機体が打ち上げられた後、機体の飛行を終了し得る。飛行終了システム600は、GPS受信器605、機体飛行終了ユニット610、システムコントローラ620、及びフェイルセーフコントローラ630を含み得る。いくつかの例では、飛行終了システム600は、搭載機体に取り付けられ得る。
【0070】
GPS受信器605は、機体飛行中に、地球に関する機体の位置を決定するように構成され得る。GPS受信器605は、機体の飛行中、位置データを継続的にシステムコントローラ620に提供し得、システムコントローラ620によって、実際の機体飛行軌道を計算するために使用される。一実施形態において、システムは、アビオニクスボックス635内の回路カード上に取り付けられ得る第2のGPS受信器605を含み得、第2のGPS受信器605もシステムコントローラ620に位置データを提供し得る。GPS受信器605は、図1図4図5図7、及び図8を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。
【0071】
システムコントローラ620は、一実施形態では、アンビリカルの一部としてMIL-STDインターフェースの形を取り得る、ハードライン分離スイッチ又はリンク660を介して接続され得る。システムコントローラ620は、地球に関する実際の機体軌道を計算するために、GPS受信器605から位置データを示す信号を受信するように構成され得、機体についての所定の安全限界又は安全境界を有する、記憶された所定のミッション計画済み飛行軌道(例えば、計画済み飛行エンベロープ)も含み得る。
【0072】
システムは、任意選択として、第1の終了ユニット610に加えて、冗長又は第2の終了ユニット610を含み得る。終了ユニット610は、信号経路又は接続625を介してシステムコントローラ620から終了信号を受信するために接続され得る。いくつかの例では、終了ユニット610は各々、作動されたとき機体飛行を終了するために接続された、通常は開いたカットオフスイッチ、及び/又は、機体上に取り付けられた爆薬を爆発させるために接続された、通常は開いたスイッチを含むか、又はこれらからなり得、機体のすべて又は機体の一部、あるいは、飛行を続行させるために不可欠な第1段ブースタを破壊するために選択され得る。システムコントローラ620は、実際の機体軌道が、システムコントローラ620によって、機体についてのミッション計画済み飛行軌道の安全境界の外側にあるものと判別されたとき、機体の飛行を終了させるために、終了ユニット610を作動させるための第3の信号を送信するために、終了ユニット610に接続され得る。
【0073】
実施形態において、飛行終了電源からのシステムへの電力の損失が、リレーを開かせ、終了条件を作り出すことになるように、終了ユニット610のカットオフスイッチは、通常は開いたリレーの形を取り得る。一実施形態では、終了ユニット610のカットオフスイッチは、機体の動力装置又はエンジン680に接続された、それぞれが燃料供給ライン675上に直列に取り付けられた、通常は閉じた弁670に接続され得る。一実施形態では、エンジン680は、機体の第1段のためのブースタの形を取り得る。一実施形態では、システムコントローラ620は、終了ユニット610のカットオフスイッチに接続され得るため、第3の信号による終了ユニット610の作動が、カットオフスイッチを通常の開いた状態へと電源切断することを含み得、次に、エンジン680への燃料ラインを介した燃料フローを遮断するために、弁670を閉じることになる。
【0074】
飛行終了バッテリ又は機体搭載の他の電力源から電力を受け取り得る終了ユニット610は、通常は開いたカットオフスイッチを閉じた位置へと通電させることが可能であり得、機体バッテリ又は他の電源によって、機体打ち上げ時に開始する開いた構成へと弁670を通電させることが可能であり得る。弁670は通電されたままであり、それによって機体バッテリは、機体の飛行中、又は、実施形態では第1段のブースタの燃焼中、継続的に開いている。一実施形態では、弁670は電力ライン686を介して、及び終了ユニット610を介して、それぞれ機体バッテリから電力を受け取り得、弁670をそれらの開いた位置へと通電及び維持し、それによって、ミッション計画済み軌道に沿った機体の飛行中、又は、第1段のブースタの燃焼中、継続的にエンジン680への供給を介して燃料フローを可能にする。
【0075】
ソース682からの電力が欠乏するか又は意図的に除去された場合、あるいは、一方又は両方の終了ユニット610が、システムコントローラ620又はフェイルセーフコントローラ630によって電源切断され、終了ユニット610のカットオフスイッチを開かせると、弁670への電流が切断され、弁を閉じさせる。これにより、燃料ラインを介したエンジン680への燃料フローが遮断され、機体又は第1段の飛行を終了させる。システムコントローラ620は、システムコントローラ620が、実際の飛行軌道が機体のミッション計画済み飛行軌道の安全境界の外側にあるものと決定した場合、弁670をそれぞれ電源切断するために、終了ユニット610のカットオフスイッチを作動させ(すなわち、開かせ)得る。弁670のいずれか又は両方は、閉じたとき、燃料供給ライン675を介した燃料フローを停止させ、それによって、エンジン680の燃料を枯渇させ、機体を降下させ、人の住んでいない地上エリア又は占有されていない海洋などの、所定の安全エリア内へと墜落させる。
【0076】
システムのフェイルセーフコントローラ630は、システムコントローラ620の動作データを受信するために、システムコントローラ620に接続され得る。フェイルセーフコントローラ630は、信号経路又は接続によって終了ユニット610に、実施形態では、信号経路又は接続によって冗長終了ユニット610に、接続され得る。一実施形態では、システムコントローラ620及びフェイルセーフコントローラ630からの信号経路又は接続625は、それぞれ、通常は開いたカットオフスイッチ及び/又は通常は開いた終了ユニット610のスイッチに接続されるか、又は組み込まれた、OR論理ゲート615の入力に接続され得る。同様に、システムコントローラ620及びフェイルセーフコントローラ630からの信号経路又は接続625は、それぞれ、終了ユニット610の通常は開いたカットオフスイッチに接続されるか、又は組み込まれた、OR論理ゲート615の入力に接続され得る。
【0077】
フェイルセーフコントローラ630は、終了ユニット610のそれぞれのカットオフスイッチをそれらの通常は開いた位置へと作動(すなわち、電源切断)させるために、終了ユニット610に信号を送信し得、それにより、弁670への電力を切断し、エンジン680への燃料フローを切断するために弁670を閉じ、システムコントローラ620から受信した動作データが、システムコントローラ620がエラー状態にあることを示すとき、機体飛行を終了させる。終了ユニット610は、システムコントローラ620又は追加物のいずれかから終了信号を受け取るように、OR論理ゲート615を介してシステムコントローラ620及びフェイルセーフコントローラ630に接続され得、終了ユニット610は、信号経路又は接続625によって、アーム/発射爆破デバイスに接続され得、終了ユニット610は、信号経路又は接続によって、任意選択のアーム/発射爆破デバイス665に接続され得る。終了ユニット610のスイッチは、OR論理ゲート615に接続されるか又は組み込む、通常は開いたスイッチであり得る。システムは、ブースタ段などの、飛行に不可欠な機体のすべて又は一部を破壊する、機体上に取り付けられた1つ又は両方の爆薬665を爆発させる、ライン686からの電流を中断させるために、終了ユニット610の一方又は両方に含まれるスイッチを作動させることによって、機体の飛行又はブースタ段の飛行を突然終了させ得る。
【0078】
実施形態において、フェイルセーフコントローラ630によって検出されるエラー状態は、システムコントローラ620内のクロック障害、システムへの、及びしたがってシステムコントローラ620への電力の損失、システムコントローラ620ハードウェア障害、並びに、システムコントローラ620ソフトウェア障害のうちの、1つ以上を含み得る。他の実施形態では、エラー状態は、前述のうちの1つ、前述のすべて、又は前述のうちの1つ以上のサブセットを含み得る。
【0079】
更に他の実施形態において、フェイルセーフコントローラ630は、ソフトウェアウォッチドッグタイマの形を取り得る、「ウォッチドッグ」機能からなるか、又は含み得る。すなわち、フェイルセーフコントローラ630は、システムコントローラ620からの信号によって定期的にリセットしなければならないタイムアウトクロックを含み得る。システムコントローラ620がフェイルセーフコントローラ630のタイムアウトクロックをリセットしない場合、フェイルセーフコントローラ630は終了信号を終了ユニット610に送信し、それによって、終了ユニット610を作動させ、弁670を閉じること、及び/又は、爆薬を爆発させること、によって機体の飛行を終了させることになる。実施形態において、フェイルセーフコントローラ630のウォッチドッグ機能は、ソフトウェアウォッチドッグタイマのウォッチドッグ機能である。
【0080】
図7は、本開示の態様に従った、AFTUの最上位ブロック図の一例を示す。示される例は、GPS受信器700、INS705、及びAFTU710を含む。
【0081】
いくつかの例では、図7は本開示の1つ以上の態様に従った、AFTU710の最上位ブロック図の一例を示す。いくつかの例では、AFTU710は、ミッションを実行するAFSSのフライアウェイ構成要素として含められ得る(例えば、MDLファイルは、例えばミッション計画チームによって設定された計画済み飛行エンベロープを記述し得る)。AFTU710は、特定の終了条件が観察された場合、ミサイルシステムを破壊するために機体ダイナミクスを独立に監視することによって、搭載レンジ安全性を提供し得る。いくつかの例では、機体の位置が監視され、機体が限定された境界内にあることを検証するために、ミッションプロファイル(例えば、MDLファイル)と比較される。
【0082】
本明細書で説明するように、AFTU710によって障害の追加モードも監視され得る。例えば、各AFTU710は、計画済み飛行エンベロープを介したミサイルシステム監視を強化する、機体本体速度を監視するために、独立センサ(例えば、独立微小電気機械システム(MEMS)ベース3軸ジャイロなど)を提供し得る。本体速度は、何らかの不安定性検出処理(例えば、各AFTU710内で実行するためにGA-EMSによって開発されたBIDアルゴリズムなど)に供給され得る。本明細書で説明するAFTU710は、典型的な飛行終了システム手法の応答時間に対して発生が迅速すぎる障害シナリオを検出し、決然と応答するために、強化された機能(例えば、不安定性検出監視、打ち上げ機終了など)を与え得る。
【0083】
例えば、境界限界検出の場合、AFTU710は、MDLファイルに含められた規則に記述される基準(例えば、境界、保護エリアなど)に関して機体のPVT状態を監視し得る。AFTU710の外部のデバイス(例えば、GPS受信器700、INS705、IMU、あるいは、他のデバイス又はセンサなど)は、AFTU710に生状態データを提供する。この生データは、ベンダ提供のラッパーソフトウェア720(例えば、位置感知システムインターフェースソフトウェア)によって受信され、次に、このデータをCASS725に提供する。いくつかの例では、CASS725は、(例えば、管理機関に依頼されたレンジ安全性専門家によって)開発及び認証され得、次いでCASS725は、AFTU710ベンダによって統合され得る。これらの外部デバイスからのデータに応じて、予測されるホスト機体の挙動を管理する規則は、特定のミッション関与のためにAFTU710内に埋め込まれるMDLファイル内に封入され得る。
【0084】
GPS受信器700は、図1図4から図6、及び図8を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。INS705は、図1を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。AFTU710は、図8を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。一実施形態において、AFTU710は、AFTUプロセッサ715、ラッパーソフトウェア720、CASS725、ミッションデータロードファイル730、及び終了論理735を含む。AFTUプロセッサ715は、図8を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。位置感知システムインターフェースソフトウェア720は、図8及び図9を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、AFTU710は、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信するように、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較するように、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信するように、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較するように、並びに、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合に、飛行終了システム600を活動化するように適合された、プロセッサを備え、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大の規定ピッチレート及びヨーレートを超えること、並びに、それらの組み合わせ、からなる。
【0086】
いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートよりも高い。いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートよりも低い。いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートに等しい。いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートは別個のピッチ値及び別個のヨー値を含み、最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、別個の最大ピッチ値及び別個の最大ヨー値を含む。
【0087】
いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを、最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較することは、別個のピッチ値と別個の最大ピッチ値とを比較すること、及び、別個のヨー値と別個の最大ヨー値とを比較すること、を含む。いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値を含み、最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、組み合わせた最大ピッチレート及びヨーレート値を含む。いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較することは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値と組み合わせた最大ピッチレート及びヨーレート値とを比較することを含む。いくつかの例では、AFTU710は、プロセッサを含む第1の回路カードアセンブリを備える。
【0088】
いくつかの例では、AFTU710は、入力及び出力インターフェース回路を含む第2の回路カードアセンブリを備える。いくつかの例では、AFTU710は、電力調整回路を含む第3の回路カードアセンブリを備える。いくつかの例では、AFTU710は、コネクタ及びコネクタ回路を含む第4の回路カードアセンブリを備える。いくつかの例では、AFTU710は、プロセッサ及び位置感知システムを含む第1の回路カードアセンブリを備える。いくつかの例では、AFTU710は、入力及び出力インターフェース回路を含む第2の回路カードアセンブリを備える。いくつかの例では、AFTU710は、電力調整回路を含む第3の回路カードアセンブリを備える。いくつかの例では、AFTU710は、コネクタ及びコネクタ回路を含む第4の回路カードアセンブリを備える。
【0089】
AFTU710は、図7及び図8を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、CASS725は、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信する。いくつかの例では、CASS725は、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較する。いくつかの例では、CASS725は、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較する。いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートよりも高い。いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートよりも低い。いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートに等しい。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、位置感知システムはGPS受信器700を備え、AFTU710はGPS受信器700に結合され、GPS受信器700はロケーション信号を生成し、位置感知システムはロケーション信号を受信する。
【0092】
CASS725は、図8及び図9を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。ミッションデータロードファイル730は、図8及び図9を参照しながら説明する対応する要素の例であるか、又は、対応する要素の態様を含む。
【0093】
いくつかの実施形態によれば、終了論理735は、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化し、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大の規定ピッチレート及びヨーレートを超えること、並びに、それらの組み合わせ、からなる。
【0094】
終了論理735は、図8を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。
【0095】
図8は、本開示の態様に従った、AFTUの最上位ブロック図の一例を示す。図8は、本開示の1つ以上の態様に従った、AFTU800の最上位ブロック図の一例を示す。いくつかの例では、AFTU800は、任意の外部デバイスに加えて、AFTU800内部にGPS受信器835(例えば、第三者GPS受信器835)の任意選択の統合を含み得る。こうしたことで、外部GPSの支持なしに、機体のPVT状態の決定が可能になり得る。ロケーション情報データ(例えば、PVT状態など)に応じて安全軌道を管理する規則はMDLファイル内に埋め込まれ、生のロケーション情報データ自体がCASS820に提供される。このPVT状態情報は、機体が、その計画済み飛行経路についての安全動作境界を横切ったか否かを判別するのに十分であるが、こうしたデータは、機体が安定している(例えば、制御されている)かどうかを判別するのに必ずしも決定的でない場合がある。
【0096】
例えば、機体は、依然として軌道(例えば、及びPVT状態)をMDLファイル内に記述された定義済み境界限界内に維持しながら、不安定になり、制御不能に動き回る可能性がある。こうしたことで潜在的に結果として、機体が、そのノミナル飛行経路境界容積を離れること、及びタイムリーな終了をトリガすることなしに、回転的に不安定になる、破滅的な障害シナリオを生じさせ得る。本開示は、本明細書で説明するように、本体不安定性検出を介してこうしたシナリオに対処し得るAFTU800を提供する。本開示の1つ以上の態様は、機体の不安定性(例えば、打ち上げ機の動き回り)を検出し、その後、こうした終了条件の検出時に終了コマンドを発行するために、実装され得る。AFTU800は、いずれの外部センサにも依存せず、迅速応答タイムライン内で、AFTU800自体に本来備わった能力を増加させることによって、強化された性能を提供し得る。
【0097】
AFTU800は、機体の角速度を(例えば、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ840信号を繰り返し受信することを介して)監視するため、機体がもはや安定制御下にないかどうかを判別するため、及び、こうした条件下で自動終了を発行するために、独立の3軸ジャイロ840及び不安定性検出処理810(例えば、カスタムBIDアルゴリズム)を統合する。AFTU800は、CASS820フレームワークの構造を忠実に守りながら、こうした動作を実行し得る。不安定性検出処理810の出力は、センサ入力として(例えば、CASS820によって提供されるユーザ定義可能機構を介して)CASS820に提供され得る。不安定性検出処理810に応じた終了条件(例えばBID)出力パラメータは、MDLファイル内に(例えば、他のセンサと共に)定義され得る。CASS820は、MDLファイルに基づいて任意の終了決定を発行し得る。統合3軸ジャイロ840及びAFTU800自体内部の関連付けられた処理は、完全に統合された、ロバストな、真に自律の安全ソリューションを提供し得る。
【0098】
単一の統合システムのために、サイズが縮小されたAFTU800のサイズ、重さ、及び容積内に感知デバイスを含めることを越えて、本開示の1つ以上の態様は、不安定性検出処理810(例えば、BIDアルゴリズム一式)が、CASS820更新レートよりも高いジャイロ840サンプリングレートを取り込むための可能性も実行可能にする。本開示の1つ以上の態様は、AFSSの実装に依存した、フィルタリング、閾値検出、及び検証も提供する。更に本開示は、MDL内での使用のための出力としての、1つ以上の信頼可能でロバストな安定性又は不安定性の指示を、記述及び実行可能にする。
【0099】
AFTU800は、図7を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。一実施形態において、AFTU800は、AFTUプロセッサ805、ラッパーソフトウェア815、CASS820、ミッションデータロードファイル825、終了論理830、GPS受信器835、及びジャイロ840を含む。AFTUプロセッサ805は、図7を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。一実施形態において、AFTUプロセッサ805は、不安定性検出処理810を含む。
【0100】
いくつかの実施形態によれば、不安定性検出処理810は、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ840信号を繰り返し受信する。いくつかの例では、ジャイロ840信号によって示されるピッチレート及びヨーレートは、別個のピッチ値及び別個のヨー値を含み、最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、別個の最大ピッチ値及び別個の最大ヨー値を含む。いくつかの例では、ジャイロ840信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを、最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較することは、別個のピッチ値と別個の最大ピッチ値とを比較すること、及び、別個のヨー値と別個の最大ヨー値とを比較すること、を含む。いくつかの例では、ジャイロ840信号によって示されるピッチレート及びヨーレートは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値を含み、最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、組み合わせた最大のピッチレート及びヨーレート値を含む。いくつかの例では、ジャイロ840信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較することは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値と組み合わせた最大のピッチレート及びヨーレート値とを比較することを含む。
【0101】
不安定性検出処理810は、図9を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。位置感知システムインターフェースソフトウェア815は、図7及び図9を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。CASS820は、図7及び図9を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。ミッションデータロードファイル825は、図7及び図9を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。終了論理830は、図7を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。GPS受信器835は、図1及び図4から図7を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。ジャイロ840は、図9を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。
【0102】
図9は、本開示の態様に従った、不安定性検出処理図の一例を示す。示される例は、ジャイロ900、不安定性検出処理905、ラッパーソフトウェア910、及びCASS915を含む。
【0103】
図9は、本開示の1つ以上の態様に従った、不安定性検出処理905(例えば、BIDアルゴリズム、GA-EMS BIDアルゴリズム、不安定性検出処理905ハードウェアなどを含むか、又はこれらを介して実装され得る)についての例示のブロック図を示す。3つの回転軸の各々について角速度を提供するジャイロ900は、そのセンサ入力についてCASS915によって適応される速度よりも著しく高い可能性のあるレートで(例えば、不安定性検出処理905を介して)サンプリングされる。この生センサは、生入力レートでサンプリングされ、いずれも誤検出を無くすために後続の帯域幅及びレート削減を含み得る。不安定性検出処理905は、軸毎、又は単一の複合値の、いずれかであり得る。最終的に、不安定性検出処理905(例えば、BIDアルゴリズムを含み得るか又はBIDアルゴリズムと呼ばれ得る)は、CASS915によって受け入れられる1つ以上の出力インジケータを生成する。こうしたことで、機体の安定性又は不安定性の迅速な検出を実行可能にし得、場合によっては、1つ以上の機体動作の自動終了(例えば、AFTUによる打ち上げ機の終了など)を実行可能にし得る。したがって、不安定な機体、安全でない機体、危険なほどにタンブリングする機体などは、MDLファイルによって設定された基準に従って、たとえ、機体のPVT状態が依然として安全な軌道境界内にある場合であっても、終了される動作を有し得る。
【0104】
ジャイロ900は、図8を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。不安定性検出処理905は、図8を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。位置感知システムインターフェースソフトウェア910は、図7及び図8を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。CASS915は、図7及び図8を参照しながら説明する、対応する要素の例であるか、又は対応する要素の態様を含む。
【0105】
図10は、本開示の態様に従った、自律飛行終了のためのプロセスの一例を示す。いくつかの例では、これらの動作は、装置の機能要素を制御するためにコードのセットを実行するプロセッサを含むシステムによって実行される。追加又は代替として、特定のプロセスは特定用途向けハードウェアを使用して実行される。一般に、これらの動作は、本開示の態様に従って説明する方法及びプロセスに従って実行される。場合によっては、本明細書で説明する動作は、様々なサブステップで構成されるか、又は、他の動作と共に実行される。
【0106】
動作1000において、システムは打ち上げ機の3次元空間内の位置を示すロケーション信号を繰り返し受信する。場合によっては、本ステップの動作は、図7から図9を参照しながら説明するように、CASSを指すか、又はCASSによって実行され得る。
【0107】
動作1005において、システムは、位置信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較する。場合によっては、本ステップの動作は、図7から図9を参照しながら説明するように、CASSを指すか、又はCASSによって実行され得る。
【0108】
動作1010において、システムは、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信する。場合によっては、本ステップの動作は、図8及び図9を参照しながら説明するように、不安定性検出処理を指すか、又は不安定性検出処理によって実行され得る。
【0109】
動作1015において、システムは、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを、最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較する。場合によっては、本ステップの動作は、図7から図9を参照しながら説明するように、CASSを指すか、又はCASSによって実行され得る。
【0110】
動作1020において、システムは、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの選択条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化し、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、からなる。場合によっては、本ステップの動作は、図7及び図8を参照しながら説明するように、終了論理を指すか、又は終了論理によって実行され得る。
【0111】
したがって、本開示は下記の実施形態を含む。
【0112】
自律飛行終了のための装置を説明する。装置の1つ以上の実施形態は、位置感知システムと、3軸ジャイロと、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信するように、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較するように、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信するように、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較するように、及び、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化するように、適合されたプロセッサであって、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、からなる、プロセッサと、飛行終了システムの活動化に応答して打ち上げ機の終了を開始するように構成された終了システムと、を含む。
【0113】
自律飛行終了のためのシステムであって、システムは、位置感知システムと、3軸ジャイロと、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信するように、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較するように、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信するように、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較するように、及び、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化するように、適合されたプロセッサであって、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、からなる、プロセッサと、飛行終了システムの活動化に応答して打ち上げ機の終了を開始するように構成された終了システムと、を含む。
【0114】
自律飛行終了のための装置を製造する方法を説明する。方法は、位置感知システムと、3軸ジャイロと、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信するように、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較するように、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信するように、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較するように、及び、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化するように、適合されたプロセッサであって、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、からなる、プロセッサと、飛行終了システムの活動化に応答して打ち上げ機の終了を開始するように構成された終了システムと、を製造することを含む。
【0115】
いくつかの例では、位置感知システムは、全地球測位システム受信器を備える。いくつかの例では、位置感知システムは、慣性航行システムを更に備える。上記で説明した装置、システム、及び方法のいくつかの例は、全地球測位システム受信器を更に含み、自律飛行終了ユニットは全地球測位システム受信器に結合され、全地球測位システム受信器はロケーション信号を生成し、位置感知システムはロケーション信号を受信する。
【0116】
いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートよりも高い。いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートよりも低い。
【0117】
いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートに等しい。いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートは、別個のピッチ値及び別個のヨー値を含み、最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、別個の最大ピッチ値及び別個の最大ヨー値を含む。
【0118】
いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較することは、別個のピッチ値と別個の最大ピッチ値とを比較すること、及び、別個のヨー値と別個の最大ヨー値とを比較することを含む。いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値を含み、最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、組み合わせた最大のピッチレート及びヨーレート値を含む。
【0119】
いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較することは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値と組み合わせた最大のピッチレート及びヨーレート値とを比較することを含む。上記で説明した装置、システム、及び方法のいくつかの例は、プロセッサを含む第1の回路カードアセンブリを更に含む。いくつかの例は、入力及び出力インターフェース回路を含む第2の回路カードアセンブリを更に含む。いくつかの例は、電力調整回路を含む第3の回路カードアセンブリを更に含む。
【0120】
上記で説明した装置、システム、及び方法のいくつかの例は、コネクタ及びコネクタ回路を含む第4の回路カードアセンブリを更に含む。上記で説明した装置、システム、及び方法のいくつかの例は、プロセッサ及び位置感知システムを含む第1の回路カードアセンブリを更に含む。上記で説明した装置、システム、及び方法は、入力及び出力インターフェース回路を含む第2の回路カードアセンブリを更に含む。いくつかの例は、電力調整回路を含む第3の回路カードアセンブリを更に含む。上記で説明した装置、システム、及び方法のいくつかの例は、コネクタ及びコネクタ回路を含む第4の回路カードアセンブリを更に含む。
【0121】
上記で説明した装置、システム、及び方法のいくつかの例は、ソフトウェアを備えるプロセッサ可読メモリを更に含む。いくつかの例では、ソフトウェアは、機体の位置、速度、及び時間についての規則、並びに終了論理を備える、ミッションデータロードファイルを備え、終了論理は、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合に、飛行終了システムの活動化を実行するように構成される。
【0122】
いくつかの例では、ソフトウェアは、コア自律安全性ソフトウェアと、コア自律安全性ソフトウェアに結合された位置感知システムインターフェースソフトウェア(例えば、ラッパーソフトウェア)と、を更に備える。上記で説明した装置、システム、及び方法のいくつかの例は、入力及び出力インターフェース回路を含む第2の回路カードアセンブリを更に含む。いくつかの例は、電力調整回路を含む第3の回路カードアセンブリを更に含む。上記で説明した装置、システム、及び方法のいくつかの例は、コネクタ及びコネクタ回路を含む第4の回路カードアセンブリを更に含む。
【0123】
自律飛行終了のための方法を説明する。方法の1つ以上の実施形態は、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信すること、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較すること、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信すること、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較すること、及び、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化すること、を含み、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、を含む。
【0124】
自律飛行終了のための装置を説明する。装置は、プロセッサ、プロセッサと電子通信しているメモリ、及び、メモリに記憶された命令を含む。命令は、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信するステップ、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較するステップ、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信するステップ、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較するステップ、及び、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化するステップであって、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、を含むステップを、プロセッサに実行させるように動作可能である。
【0125】
自律飛行終了のためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を説明する。いくつかの例では、コードは、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信するステップ、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較するステップ、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信するステップ、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較するステップ、及び、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化するステップであって、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、を含むステップを実行するために、プロセッサによって実行可能な命令を備える。
【0126】
自律飛行終了のためのシステムを説明する。システムの1つ以上の実施形態は、打ち上げ機の3次元空間における位置を示すロケーション信号を繰り返し受信すること、ロケーション信号によって示される位置を計画済み飛行エンベロープと繰り返し比較すること、打ち上げ機のピッチレート及びヨーレートを示すジャイロ信号を繰り返し受信すること、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較すること、及び、終了条件のグループから選択された少なくとも1つの終了条件が検出された場合、飛行終了システムを活動化すること、を含み、終了条件のグループは、位置が計画済み飛行エンベロープの外にあること、ピッチレート及びヨーレートが最大規定ピッチレート及びヨーレートを超えていること、並びに、それらの組み合わせ、を含む。
【0127】
いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートよりも高い。いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートよりも低い。いくつかの例では、ロケーション信号は第1のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、ジャイロ信号は第2のサンプリングレートにおいて繰り返し受信され、第2のサンプリングレートは第1のサンプリングレートに等しい。
【0128】
いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートは、別個のピッチ値及び別個のヨー値を含み、最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、別個の最大ピッチ値及び別個の最大ヨー値を含む。いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを、最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較することは、別個のピッチ値と別個の最大ピッチ値とを比較すること、及び、別個のヨー値と別個の最大ヨー値とを比較することを含む。
【0129】
いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値を含み、最大の規定ピッチレート及びヨーレートは、組み合わせた最大のピッチレート及びヨーレート値を含む。いくつかの例では、ジャイロ信号によって示されるピッチレート及びヨーレートを最大の規定ピッチレート及びヨーレートと繰り返し比較することは、組み合わせたピッチレート及びヨーレート値と組み合わせた最大のピッチレート及びヨーレート値とを比較することを含む。
【0130】
本明細書において説明する機能ユニットのうちのいくつかは、それらの実装独立性を特により強調するために、モジュール又は構成要素として標示されている。例えばモジュールは、カスタム超大規模集積(VLSI)回路又はゲートアレイ、論理チップ、トランジスタ、又は他の離散構成要素などの既製半導体を備える、ハードウェア回路として実装され得る。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイ論理、プログラマブル論理デバイス、などの、プログラマブルハードウェアデバイスにおいても実装され得る。
【0131】
モジュールは、様々なタイプのプロセッサによって実行するためのソフトウェアにおいても実装され得る。実行可能コードの識別モジュールは、例えば、オブジェクト、プロシージャ、又は関数として編成され得る、例えばコンピュータ命令の1つ以上の物理又は論理ブロックを備え得る。それにもかかわらず、識別モジュールの実行ファイルは必ずしも物理的に共に位置しておらず、論理的に共に接合されたとき、モジュールを備え、モジュールの表明された目的を達成する、異なるロケーションに記憶された異種命令を備え得る。
【0132】
実際に、実行可能コードのモジュールは、単一命令又は多くの命令であることが可能であり、いくつかの異なるコードセグメントを介して、異なるプログラムの間で、及び、いくつかのメモリデバイスにわたって、なおも分配され得る。同様に、動作データは、本明細書においてモジュール内で識別及び例示され得、任意の適切な形で具体化され得、任意の適切なタイプのデータ構造内で編成され得る。動作データは、単一データセットとしてまとめられ得るか、又は、異なるストレージデバイスにわたることを含む異なるロケーションにわたって分配され得、少なくとも部分的に、システム又はネットワーク上で単に電子信号として存在し得る。
【0133】
本明細書で開示される本発明を、特定の実施形態、例、及びそれらの適用例を用いて説明してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を逸脱することなく、多数の修正及び変形が実行可能である。
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【国際調査報告】