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特表2024-534317地面係合履帯システム用のローラ取付およびローラブロックアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】地面係合履帯システム用のローラ取付およびローラブロックアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16C 23/04 20060101AFI20240912BHJP
   F16C 35/02 20060101ALI20240912BHJP
   F16C 17/02 20060101ALI20240912BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F16C23/04 D
F16C35/02 Z
F16C17/02 Z
F16F15/08 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512204
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 US2022041951
(87)【国際公開番号】W WO2023043606
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】17/477,042
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘイクス、デビッド、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンセン、エリック、ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3J011
3J012
3J048
3J117
【Fターム(参考)】
3J011AA01
3J011BA02
3J011KA02
3J012AB07
3J012BB01
3J012CB10
3J012DB01
3J012FB01
3J048AA01
3J048BA11
3J048EA15
3J117AA03
3J117CA04
3J117CA06
3J117DA01
3J117DB10
(57)【要約】
地面係合履帯システム(16)用のローラ取付アセンブリ(30)は、フレーム(26)と、フレーム(26)に結合されたローラブロック(36)であって、ローラブロック(36)を通って延びるシャフト支持面(50)を含む、ローラブロック(36)と、を含む。ローラ取付アセンブリ(30)は、ローラブロック(36)に対して弾性変形可能であり、ローラブロック(36)とフレーム(26)との間で伝達される荷重を減衰するダンパ(54)をさらに含む。ローラブロックアセンブリ(30)およびダンピングシムアセンブリ(300)の実施形態も開示される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面係合履帯システム(16)用のローラ取付アセンブリ(30、130)であって、
フレーム(26、126)と、
前記フレーム(26、126)に結合されたローラブロック(36、136)であって、前記ローラブロック(36、136)は、各々が前記ローラブロック(36、136)の前縁部(42)と後縁部(44)間に延びる上面(38)および下面(40)、内側側面(46)、および外側側面(48)を含み、
前記ローラブロック(36、136)は、前記ローラブロック(36、136)を通って内外方向にかつ中心軸(52)の周囲に円周方向に延びるシャフト支持面をさらに含む、ローラブロック(36、136)と、
前後長さ、前記前後長さよりも小さい内外幅、および前記内外幅より小さい垂直厚さを有するダンパ(54、154)であって、
前記ダンパ(54、154)は、前記ローラブロック(36、36)に対して弾性変形可能であり、前記ローラブロック(36、136)と前記フレーム(26、126)との間で伝達される荷重を減衰する、ダンパ(54、154)と、を備える、ローラ取付アセンブリ(30、130)。
【請求項2】
前記ダンパ(54、154)は、前記ローラブロック(36、136)と前記フレーム(26、126)との間に垂直に挟まれており、
前記ダンパ(54、154)は、前記ローラブロック(36、136)または前記フレーム(26、126)の少なくとも一方と接触する非金属シム(58、158)を含む、請求項1に記載のローラ取付アセンブリ(30、130)。
【請求項3】
前記非金属シム(158)に結合された金属シムキャリア(160)と、
前記ローラブロック(136)と前記フレーム(126)との間に垂直に挟まれている標準シム(162)と、をさらに備える、請求項2に記載のローラ取付アセンブリ(130)。
【請求項4】
前記ダンパ(54、154)は、ダンパ長手方向軸(90、190)を画定し、ダンパ前端部(92、192)、ダンパ後端部(94、194)、ダンパ上面(96、196)、ダンパ下面(98、198)、および長手方向に前記ダンパ前端部(92、192)と前記ダンパ後端部(94、194)との間にあって、かつ前記ダンパ上面(96、196)と前記ダンパ下面(98、198)との間に延びる少なくとも1つの位置決め面(100、200)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のローラ取付アセンブリ(30、130)。
【請求項5】
前記ローラブロック(36)は、カラーブロック(36)を含み、
前記カラーブロック(36)は、前記上面(38)と前記下面(40)との間に延びるボルト孔(60、62)を前記カラーブロック(36)内にさらに含み、前記シャフト支持面(50)は、前記上面(38)に開口するチャネル(68)を形成し、
前記ローラ取付アセンブリ(30)は、
前記ボルト孔(60、62)内のスリーブ(64、66)と、
前記スリーブ(64、66)を通ってかつ前記ダンパ(54)を通って延び、かつ前記フレーム(26)とねじ係合したボルト(74、76)と、をさらに含む、請求項1または2に記載のローラ取付アセンブリ(30)。
【請求項6】
地面係合履帯システム(16)におけるローラ(28)を支持するためのローラブロックアセンブリ(30)であって、
ローラブロック(36)であって、前記ローラブロック(36)は、各々が前記ローラブロック(36)の前縁部(42)と後縁部(44)との間に延びる上面(38)および下面(40)、内側側面(46)、および外側側面(48)を含み、
前記ローラブロック(36)は、前記ローラブロック(36)を通って内外方向にかつ中心軸(52)の周りに円周方向に延びるシャフト支持面(50)、前記ローラブロック(36)を通って前記上面(38)と前記下面(40)との間で延びる第1ボルト孔(60)、および前記ローラブロック(36)を通って前記上面(38)と前記下面(40)との間で延びる第2のボルト孔(62)、をさらに含む、ローラブロック(36)と、
前記ローラブロック(36)に結合されたダンパ(54)と、
それぞれ前記第1のボルト孔(60)および前記第2のボルト孔(62)内にある第1のスリーブ(64)および第2のスリーブ(66)であって、前記第1のスリーブ(64)および前記第2のスリーブ(66)の各々は、対応する前記第1のボルト孔(60)または前記第2のボルト孔(62)の外へ延び、少なくとも部分的に前記ダンパ(54)を通って延びる、第1のスリーブ(64)および第2のスリーブ(66)と、を含む、ローラブロックアセンブリ(30)。
【請求項7】
前記ローラブロック(36)は、カラーブロック(36)を含み、
前記シャフト支持面(50)は、前記上面(38)に開口するチャネル(68)を形成する、請求項6に記載のローラブロックアセンブリ(30)。
【請求項8】
前記ダンパ(54)は、前記ダンパ(54)内に形成され、かつ前記第1のスリーブ(64)を受容する第1のスリーブ穴(70)と、前記ダンパ(54)内に形成され、かつ前記第2のスリーブ(66)を受容する第2のスリーブ穴(72)と、を含む、請求項6または7に記載のローラブロックアセンブリ(30)。
【請求項9】
前記第1のスリーブ(64)および前記第2のスリーブ(66)をそれぞれ通って延びる第1のボルト(74)および第2のボルト(76)であって、各々が、前記ダンパ(54)を通って延びるねじ付きシャンク端部(78、80)と、それぞれの前記ねじ付きシャンク端部(78、80)の反対側のボルトヘッド(82、84)と、を有する、第1のボルト(74)および第2のボルト(76)をさらに備え、
前記ダンパ(54)および前記ローラブロック(36)は、一致する外周プロファイルを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載のローラブロックアセンブリ(30)。
【請求項10】
地面係合履帯システム(16)におけるローラ(20)用のダンピングシムアセンブリ(300)であって、
非ダンピングシム(162)と、
前記非ダンピングシム(162)に結合され、かつ前後長さ、前記前後長さよりも小さい内外幅、および前記内外幅より小さい垂直厚さを有する、ダンピングシム(158)と、を備え、
前記ダンピングシム(158)は、長手方向軸(190)をさらに画定し、ダンパ前端部(192)と、ダンパ後端部(194)と、前記ダンパ前端部(192)と前記ダンパ後端部(194)との間で連続的に延びる第1の長手方向縁部(218)と、前記第1の長手方向縁部(218)の反対側にあって、かつ前記長手方向軸(190)の方向に内側に延びる位置決め切り欠き(202、204)を形成する第2の長手方向縁部(220)と、を含み、
前記ダンピングシム(158)は、前記非ダンピングシム(162)に対して弾性変形可能である、ダンピングシムアセンブリ(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、地面係合履帯システム用のローラ取付アセンブリに関し、より詳細には、ローラブロックとフレームとの間に配置されて、それらの間で伝達される荷重を減衰させるダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
履帯式機械は、建設、採鉱、林業から埋め立て用途などに至るまで、世界中のあらゆる種類の用途で使用されている。典型的な構成では、端と端とを結合した構成の履帯リンクで形成された履帯が、1つ以上のアイドラおよび駆動スプロケットを含む回転可能な履帯接触要素の周りに延びている。履帯ローラが履帯式機械の重量の大部分を支え、履帯ローラフレームに取り付けられている。履帯式トラクタおよびその他の履帯式機械の現場使用用途は、典型的には、非常に過酷であり、そのような機械は、かなりの荷重を押したり引いたり、硬い、岩が多い、または足元が滑りやすい状況で動作する。
【0003】
例えば、建設および道路建設に使用される特定の履帯式機械、特に履帯式トラクタは、比較的繊細な制御および下地(substrate)材との相互作用を必要とする様々な作業を実行する必要もある。履帯式機械は、例えば、下地を比較的滑らかで水平な状態に準備することが望ましい整地作業に使用することができる。典型的な整地作業では、ブレードを含む作業システムは、ブレードの高さの誤差に対する比較的小さな許容差で下地材を押して広げるように動作することができる。例えば、そのような機械の履帯は、フロントアイドラの周りを回転するため、典型的には、押し付けているアイドラもしくは複数の履帯ローラの1つ目、またはその両方の重量によって、先頭のいくつかのグローサは、地面に埋め込まれることになる。下地の状態、履帯の磨耗状態、機械の速度、およびその他の要因によっては、機械とブレードがグローサに加えられる地面貫通力に応答して、バウンドが発生する可能性がある。
【0004】
履帯式トラクタは、履帯システムの状態や状況、特に摩耗状態にも非常に敏感となり得る。整地作業中などにおいてパフォーマンスを最適化するには、機械の他の部分に対するフロントアイドラの垂直方向の位置が非常に重要になる場合がある。時間の経過とともに磨耗や現場使用時間が増大するため、アイドラの垂直位置の調整が必要になる場合がある。Livesay等による特許文献1は、履帯式機械の垂直アイドラアジャスタを対象としている。Livesayの戦略では、スペーサが機械に搭載されており、アイドラの垂直位置を調整するために再配置することができる。Livesayは、様々な用途で優れたパフォーマンスを発揮するのは間違いないが、この戦略は、使用中に発生する可能性のある位置の実装に対するバウンドおよびその他の妨害には対処していないようである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,237,631号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、地面係合履帯システム用のローラ取付アセンブリは、フレームと、フレームに結合されたローラブロックと、を含む。ローラブロックは、各々がローラブロックの前縁部と後縁部間に延びる上面および下面、内側側面、および外側側面を含む。ローラブロックは、ローラブロックを通って内外方向にかつ中心軸の周囲に円周方向に延びるシャフト支持面をさらに含む。ローラ取付アセンブリは、前後長さ、前後長さよりも小さい内外幅、および内外幅より小さい垂直厚さを有するダンパをさらに含む。ダンパは、ローラブロックに対して弾性変形可能であり、ローラブロックとフレームとの間で伝達される荷重を減衰させる。
【0007】
別の態様では、地面係合履帯システムにおけるローラを支持するためのローラブロックアセンブリは、ローラブロックを含み、ローラブロックは、各々がローラブロックの前縁部と後縁部との間に延びる上面および下面、内側側面、および外側側面を有する。ローラブロックはさらに、ローラブロックを通って内外方向にかつ中心軸の周りに円周方向に延びるシャフト支持面、ローラブロックを通って上面と下面との間で延びる第1ボルト孔、およびローラブロックを通って上面と下面との間で延びる第2のボルト孔と、を含む。ローラブロックアセンブリは、ローラブロックに結合されたダンパと、それぞれ第1のボルト孔および第2のボルト孔内にある第1のスリーブおよび第2のスリーブをさらに含む。第1のスリーブおよび第2のスリーブの各々は、対応する第1のボルト孔または第2のボルト孔の外へ延び、少なくとも部分的にダンパを通って延びる。
【0008】
さらに別の態様では、地面係合履帯システムにおけるローラ用のダンピングシムアセンブリは、非ダンピングシムと、非ダンピングシムに結合され、かつ前後長さ、前後長さよりも小さい内外幅、および内外幅より小さい垂直厚さを有する、ダンピングシムと、を含む。ダンピングシムは、長手方向軸をさらに画定し、ダンパ前端部と、ダンパ後端部と、ダンパ前端部とダンパ後端部との間で連続的に延びる第1の長手方向縁部と、第1の長手方向縁部の反対側にあって、かつ長手方向軸の方向に内側に延びる位置決め切り欠きを形成する第2の長手方向縁部と、を含む。ダンピングシムは、非ダンピングシムに対して弾性変形可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態による機械の概略側面図である。
図2図1の機械の一部の概略斜視図である。
図3図2と同様の断面図である。
図4】一実施形態による、ローラブロックアセンブリおよびローラの概略斜視図である。
図5図4のローラブロックアセンブリおよびローラの一部の概略図である。
図6】一実施形態による、ローラ取付アセンブリを含む履帯システムの一部の概略側面図である。
図7】一実施形態による、ローラ取付アセンブリを含む履帯システムの一部の別の概略側面図である。
図8】一実施形態によるダンパの概略図である。
図9】一実施形態によるダンパの概略図である。
図10】一実施形態によるダンピングシムアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、一実施形態による履帯式機械10が示されている。履帯式機械10は、履帯式トラクタに関連して示されている。掘削機、履帯式ローダ、および他の様々なものを含む他の履帯式機械が、本開示の文脈内で企図される。履帯式機械10は、フレーム12と、フレーム12上に支持されたキャブ14と、を含む。履帯式機械10は、地面係合履帯システム16をさらに含む。履帯システム16は、履帯18を含み、履帯18は、端と端とを結合した複数の履帯リンク19によって形成され、フロントアイドラ20、バックアイドラ22、および駆動スプロケット24の周りに延びる。図示の実施形態では、履帯システム16は、いわゆる「ハイドライブ」構成で配置されているが、他の例では、本開示による履帯システムは、楕円構成またはさらに別の構成を有することができる。複数の履帯ローラ28が履帯ローラフレーム26に取り付けられている。追加の地面係合履帯が、図1に示されているものとはフレーム12の反対側に配置されており、典型的には、履帯18と実質的に同一である。履帯式機械10は、図示の実施形態ではブレードとして示される作業具34を含む作業具システム32をさらに含む。履帯式機械10は、複数のローラ取付アセンブリ30をさらに含む。図示の実施形態では、ローラ取付アセンブリ30は、履帯ローラ28を取り付けるために構造化されている。履帯式機械10は、フロントアイドラ20に関連付けられたローラ取付アセンブリ130をさらに含み得、いくつかの実施形態では、バックアイドラ22に関連付けられた同様の構造のローラ取付アセンブリをさらに含むことができる。本明細書で企図される「ローラ」には、履帯ローラ28、アイドラ20、22、または、地面係合履帯システムに存在し得るさらなる他の回転可能な履帯接触要素が含まれることが理解されるであろう。以下の説明からさらに明らかになるように、ローラ取付アセンブリ30およびローラ取付アセンブリ130は、使用中の衝撃および振動を減衰するように構成されている。
【0011】
ここで図2~5も参照すると、ローラ取付アセンブリ30の特徴がさらに詳細に示されている。また、ローラ取付アセンブリ30の本明細書での説明(以下、時々単数形で参照する)は、別段の指示がある場合または文脈から明らかな場合を除き、ローラ取付アセンブリ130の特徴および機能を指すものとして類推して理解できることが理解されるであろう。ローラ取付アセンブリ30は、フレームを含み、図示の場合、それは履帯ローラフレーム26である。ローラ取付アセンブリ30は、ローラブロック36をさらに含み、ローラブロック36は、フレーム26に結合され、上面38および下面40を有し、上面38および下面40の各々は、ローラブロック36の前縁部42と後縁部44との間に延びている。
【0012】
ローラブロック36はさらに、図1の紙面内で機械10に向かう方向を向くように配向された内側側面46と、図1の紙面外で機械10とは反対の方向を向くように配向された外側側面48と、を含む。ローラブロック36は、ローラブロック36を通って内外方向に、かつ中心軸52の周囲に円周方向に延びるシャフト支持面50をさらに含む。シャフト支持面50はさらに、ローラシャフト86を受容する上面38に開口するチャネル68を形成し得る。他の実施形態では、シャフト支持面は、円筒形または非円筒形の孔を形成することができる。当業者であれば、図2図5の実施形態におけるローラブロック36が、ローラシャフト86の一端を固定するためにフレーム26にボルトで固定されるカラーの形状および機能を有するカラーブロックを含むことを認識するであろう。ローラシャフト86は典型的には、ローラブロック36内で回転しない。図示されていない追加のカラーブロックが、ローラシャフト86の反対側の端部を支持することが理解されるであろう。図からわかるように、各履帯ローラ28は、それぞれのローラシャフト86の周りで回転可能であり、かつ履帯18内の履帯リンク19と接触して乗るように構造化されたローラシェル88を含む。
【0013】
ローラ取付アセンブリ30は、ダンパ54をさらに含む。ダンパ54は、ローラブロック36に対して弾性変形可能であり、ローラブロック36とフレーム26との間で伝達される荷重を減衰させる。本明細書に示される実施形態では、ダンパ54は、ローラブロック36とフレーム26との間に垂直に挟まれ、ローラブロック36またはフレーム26の少なくとも一方と接触し得るが、本開示はこれに限定されない。ローラブロック36は、ローラブロック36を通って上面38と下面40との間で延びる第1のボルト孔60と、ローラブロック36を通って上面38と下面40との間で延びる第2のボルト孔62と、をさらに含み得る。
【0014】
ローラブロック36およびダンパ54は、履帯システム16内でローラを支持するためのローラブロックアセンブリ56の一部を形成し得る。ローラブロックアセンブリ56は、それぞれ第1ボルト孔60および第2ボルト孔62内に第1のスリーブ64および第2のスリーブ66を含み得る。第1のスリーブ64および第2のスリーブ66のそれぞれは、対応する第1のボルト孔60および第2のボルト孔62の外へ延び、少なくとも部分的にダンパ54を通って延びる。ローラブロックアセンブリ56が使用のためにフレーム26に結合されるとき、第1のスリーブ64および第2のスリーブ66は、フレーム26に接触してクランプされ得る。ローラブロックアセンブリ56は、第1のスリーブ64と第1のボルト孔60を通って、および第2のスリーブ66と第2のボルト孔62を通って、それぞれ延び、かつフレーム26とねじ係合した(threaded engaged)第1のボルト74および第2のボルト76をさらに含み得る。第1のボルト74および第2のボルト76の各々は、ダンパ54を通って延びるねじ付きシャンク端部78および80と、それぞれのねじ付きシャンク端部78および80の反対側にあるボルトヘッド82および84と、を含み得る。第1のワッシャ85および第2のワッシャ87が、それぞれ第1のボルト74および第2のボルト76とローラブロック36との間にクランプされ得る。
【0015】
ここで図8も参照すると、ダンパ54がさらに詳細に示されている。ダンパ54は、使用中にローラブロック36またはフレーム26の少なくとも一方と接触して配置される非金属シムの形態を有し得る。ダンパ54は、前後長さ110、前後長さよりも小さい内外幅112、および内外幅112より小さい垂直厚さ114を含む。ダンパ54は、ダンパ54内に形成され、かつ第1のスリーブ64を受容する第1のスリーブ穴70と、ダンパ54内に形成され、かつ第2のスリーブ66を受容する第2のスリーブ穴72と、をさらに含み得る。ダンパ54およびローラブロック36は、図4に最もよく示されているように、一致する(matched)外周プロファイルを有し得る。
【0016】
ダンパ54は、ダンパ長手方向軸90をさらに画定し、ダンパ前端部92、ダンパ後端部94、ダンパ上面96、ダンパ下面98、および長手方向にダンパ前端部92とダンパ後端部94との間にあって、かつダンパ上面96とダンパ下面98との間に延びる少なくとも1つの位置決め面100を含む。図示の実施形態では、位置決め面100は、例えば第1のスリーブ64または第2のスリーブ66のうちの対応する方の表面など、ローラブロックアセンブリ56の別の面と相互作用して、ダンパ54を所定の位置に維持する。ローラ取付アセンブリ30での使用のために組み立てられると、スリーブ64および66は、それぞれボルトヘッド82および84とフレーム26との間の硬質または強固な接続でクランプされる。ダンパ54は、ローラブロックまたはカラーブロック36とフレーム26との間に組み立てられるときにクランプされる。このようにして、ローラブロック36がフレーム26とローラブロック36との間で垂直方向に潰れる傾向を与える振動または負荷は許容されるが、フレーム26とローラブロック36との間の垂直方向の分離がダンパ54の垂直方向の厚さを超えることはボルト接続によって制限される。
【0017】
ここで図6、7、および9を参照すると、ローラ取付アセンブリ130の特徴が示されている。ローラ取付アセンブリ130は、機械用途においてローラ取付アセンブリ30の有無にかかわらず使用することができ、使用中にフロントアイドラ20に関連する荷重を減衰するように構造化されている。ローラ取付アセンブリ130は、フレーム126を含む。図示の実施形態では、フレーム126は、履帯ローラフレーム26にボルト締めなどによって取り付けられる、いわゆるCチャネルである。使用中、アイドラ20は、前後方向の荷重を受ける可能性があり、ローラブロック136は、アイドラ20をフレーム126に対してスライド可能に支持する。アイドラヨーク175は、ボルト174および176によってローラブロック136に取り付けることができる。当業者であれば、Cチャネルまたは他の支持フレームに対してスライドするアイドラブロックまたはアイドラキャップの前後移動に精通しているであろう。ローラ取付アセンブリ130は、ローラブロック136を通って内外方向に、かつ中心軸の周囲を完全に周回して延び、アイドラ20のシャフト(番号なし)を支持するための円筒形の孔を形成する、シャフト支持面150をさらに含む。図6および7に示されたものと類似または同一の装置は、図示されているものとはアイドラ20の反対側に関連付けられる。ローラ取付アセンブリ130は、ダンパ154をさらに含む。ダンパ154は、少なくともいくつかの実施形態では、ローラブロック136とともにフレーム126に対して前後にスライドすることができるが、ダンパ154は、ローラブロック136とフレーム126との間で伝達される荷重を減衰するために、上で論じたダンパ54とほぼ同様に動作することができる。
【0018】
ローラ取付アセンブリ130はさらに、履帯ローラフレーム26に対して垂直方向にアイドラ20を調整するために構造化され得る。この目的のために、ダンパ154は、いくつかの実施形態では、ローラブロック136またはフレーム126の少なくとも一方と接触し、かつ他のシムまたはシム状構成要素と協働して使用される、非金属ダンピングシム158を含むことができる。ローラ取付アセンブリ130は、非金属シム158に結合された金属シムキャリア160、ならびに同様にローラブロック136とフレーム126との間に垂直に挟まれた1つ以上の標準金属シム162をさらに含み得る。金属シムキャリア160は、シムとして機能することもでき、非金属シム158の位置決め切り欠き202および204内に、また同様に標準シム162内の位置決め切り欠き(図示せず)内に、ほぼ相補的な嵌合関係を提供する位置決めポスト161を含む。ダンパ154/非金属シム158は、ローラブロック136に対して弾性変形可能であり、標準シム162に対して弾性変形可能である。
【0019】
引き続き図6、7、および9に焦点を当てると、ダンパ154は、ダンパ長手方向軸190を画定し、ダンパ前端部192、ダンパ後端部194、ダンパ上面196、ダンパ下面198、および長手方向にダンパ前端部192とダンパ後端部194との間にあって、かつダンパ上面96とダンパ下面98との間に延びる少なくとも1つの位置決め面200を含む。ダンパ154は、ダンパ前端部192とダンパ後端部194との間に連続的に延びる第1の長手方向縁部218と、第1の長手方向縁部218の反対側の第2の長手方向縁部220と、をさらに含み得る。第2の長手方向縁部220は、位置決め面200によって部分的に画定され、かつ長手方向軸190の方向に内側に延びる、位置決め切り欠き202を形成する。ダンパ154は、同じく第2の長手方向縁部220によって形成され、かつダンパ154内で第1の位置決め切り欠き202から長手方向に間隔を置いて配置された、第2の位置決め切り欠き204をさらに含み得る。上述したように、ダンパ154は、ダンピングシムまたは非金属シム158として理解することができる。
【0020】
ここで図10も参照すると、非ダンピングシム160と、非ダンピングシム160に結合されたダンピングシム158と、を含む、地面係合履帯システム内のローラ用のダンピングシムアセンブリ300が示されている。ダンピングシム158は、ゴム材料、または例えば様々な既知のエラストマーのいずれかを含む別の適切なゴム状材料、または複合材料で形成することができる。非ダンピングシム162は、例えば、鉄または鋼材料などの金属材料で形成することができる。ダンピングシム158は、いくつかの実施形態では、例えば接着剤または協働する機械的特徴によって、非ダンピングシム160に直接取り付けられ得る。また、図10には、ダンピングシムアセンブリ300の一部としてシムキャリア160が示されている。シムキャリア160は、取り付けのために組み立てられたときに切り欠き204および202に受容される位置決めポスト161を含むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
図面を全体的に参照すると、履帯式機械10が下地上を移動するように動作するとき、グローサ21は、典型的には、フロントアイドラ20の周囲およびその下を通過するときに下地に突き刺される。グローサ21を下地に突き刺す力は、履帯ローラフレーム26、機械フレーム12、およびキャブ14に伝達され得、その結果、様々な構成要素間での相対的な垂直移動が生じる。グローサの突き刺し、または突き刺されていない表面との潜在的なグローサ接触に起因する衝撃や振動は、特に整地などの特定の繊細な作業に関して、機械に取り付けられた作業具がバウンドする可能性があり、パフォーマンスに悪影響を与える可能性がある。ローラ取付アセンブリ30の場合、ローラブロック36と履帯ローラフレーム26との間でダンパ54を垂直方向に締め付けることにより、そのような衝撃および振動を減衰させることができる。ローラ取付アセンブリ130の場合、ローラブロック136とフレーム126の間でダンパ154をほぼ同様に締め付けることにより、そのような衝撃および振動を減衰させることができる。
【0022】
この説明は、例示の目的のためだけに使用され、いかなる方法であっても本開示の範囲を狭めるように解釈されるべきではない。したがって、当業者であれば、本開示の十分かつ公正な範囲および趣旨から逸脱することなく、本開示の実施形態に対して様々な修正を加えることができることを理解するであろう。他の態様、特徴、および利点は、添付の図面および添付の特許請求の範囲を検討した上で明らかになるであろう。本明細書で使用される場合、冠詞「a」および「an」は、1つ以上の項目を含むことが意図されており、「1つ以上」と同様の意味で使用される場合がある。1つのもののみを意図している場合は、「1つの」という用語または同様の用語が使用される。また、本明細書で使用されるように、「有する」、「有し」、「有している」などの用語は、制約のない形の用語であることを意図している。さらに、「に基づいて」という語句は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に基づく」ということを意味することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】