(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】基板凹所を組み込んだ半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20240912BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/06 301F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513176
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 US2022036623
(87)【国際公開番号】W WO2023043524
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】スリラム、サプタ
(72)【発明者】
【氏名】ボーテ、カイル
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ05
5F102GJ06
5F102GJ10
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR07
5F102GR12
5F102GS04
5F102GS09
5F102GT03
5F102HC01
5F102HC07
5F102HC16
(57)【要約】
半導体デバイスは、凹所領域360を含む上面322Aを有する基板322と、基板上の半導体構造390と、凹所領域内の半導体構造の一部と、半導体構造上のゲート・コンタクト310、ドレイン・コンタクト305及びソース・コンタクト315と、を含む。凹所領域は、ドレイン・コンタクト又はソース・コンタクトと垂直方向で重なり合っていない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板であって、前記基板の上面は凹所領域を備える、基板と、
前記基板上の半導体構造であって、前記半導体構造の一部は前記凹所領域内にある、半導体構造と、
前記半導体構造上のゲート・コンタクト、ドレイン・コンタクト及びソース・コンタクトと、を備え、
前記凹所領域は、前記ドレイン・コンタクト又は前記ソース・コンタクトと垂直方向で重なり合っていない、半導体デバイス。
【請求項2】
前記半導体構造は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)又は電界効果トランジスタ(FET)を含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記FETは、金属酸化物半導体FET(MOSFET)又は金属半導体FET(MESFET)を含む、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記基板は、前記凹所領域に隣接して不純物領域を含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記不純物領域は、p型不純物を含む、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記不純物領域は、前記凹所領域の少なくとも1つの側壁及び/又は底面にある、請求項4又は5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記凹所領域内の前記半導体構造の前記一部は、p型ドーパントでドープされている、請求項1から3までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記凹所領域は、前記ソース・コンタクトの下から前記ゲート・コンタクトの下まで延びる前記半導体構造の部分上にある、請求項1から7までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記凹所領域は、前記ドレイン・コンタクトの下から前記ゲート・コンタクトの下まで延びる前記半導体構造の部分上にある、請求項1から7までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記ゲート・コンタクトは、第1のゲート・コンタクトを含み、
前記半導体デバイスは、第2のゲート・コンタクトをさらに含み、
前記凹所領域は、前記第1のゲート・コンタクトの下にある、請求項1から7までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第1及び第2のゲート・コンタクトは、前記半導体構造上で第1の方向に延びており、
前記凹所領域は、前記第1の方向に延びる長手方向軸線を有する、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記第1のゲート・コンタクトに関連した第1のトランジスタの第1のしきい値電圧は、前記第2のゲート・コンタクトに関連した第2のトランジスタの第2のしきい値電圧とは異なる、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、
前記凹所領域は、前記ゲート・コンタクトの下に配置され且つ前記第1の方向に沿って互いに間隔を空けられた複数の凹所領域を含む、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記半導体構造は、III族窒化物を含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
半導体デバイスであって、
基板と、
前記基板における不純物領域と、
前記基板上の半導体構造と、
前記半導体構造上のゲート・コンタクト、ドレイン・コンタクト及びソース・コンタクトと、を備え、
前記不純物領域上の前記半導体構造の第1の部分の第1の厚さは、前記半導体構造の第2の部分の第2の厚さよりも大きい、半導体デバイス。
【請求項16】
前記不純物領域は、前記基板における凹所領域の少なくとも1つの側壁及び/又は底面上にある、請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記凹所領域は、前記半導体構造のソース・アクセス領域上及び/又は前記半導体構造のドレイン・アクセス領域上にある、請求項15又は16に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記凹所領域は、前記基板の底面に対して垂直な方向において前記ソース・コンタクト及び/又は前記ドレイン・コンタクトと重なり合っていない、請求項15又は16に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記不純物領域は、p型不純物を含む、請求項15から18までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記ゲート・コンタクトは、第1のゲート・コンタクトを含み、
前記半導体デバイスは、第2のゲート・コンタクトをさらに含み、
前記半導体構造の前記第1の部分は、前記第1のゲート・コンタクトと前記基板との間にある、請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項21】
前記第1のゲート・コンタクトに関連した第1のトランジスタの第1のしきい値電圧は、前記第2のゲート・コンタクトに関連した第2のトランジスタの第2のしきい値電圧とは異なる、請求項20に記載の半導体デバイス。
【請求項22】
前記ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、
前記不純物領域は、前記ゲート・コンタクトの下で前記基板において前記第1の方向に沿って配置された複数の凹所領域のうちのそれぞれの1つの少なくとも1つの側壁及び/又は底面上にある、請求項15から21までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項23】
前記ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、
前記不純物領域は、前記第1の方向に延びる長手方向軸線を有する前記基板における連続的なトレンチの少なくとも1つの側壁及び/又は底面上にある、請求項15から21までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項24】
半導体デバイスであって、
基板であって、前記基板の上面は凹所領域を備える、基板と、
前記基板における、前記凹所領域の少なくとも1つの側壁及び/又は底面上にある不純物領域と、
前記凹所領域及び前記不純物領域上の半導体構造と、を備える、半導体デバイス。
【請求項25】
前記凹所領域上の前記半導体構造の第1の部分の第1の厚さは、前記凹所領域から離れた前記半導体構造の第2の部分の第2の厚さよりも大きい、請求項24に記載の半導体デバイス。
【請求項26】
前記半導体構造上にゲート・コンタクト、ドレイン・コンタクト及びソース・コンタクトをさらに備え、
前記凹所領域は、前記半導体構造のソース・アクセス領域及び/又は前記半導体構造のドレイン・アクセス領域上にある、請求項24又は25に記載の半導体デバイス。
【請求項27】
前記凹所領域は、前記基板の底面に対して垂直な方向において前記ソース・コンタクト及び/又は前記ドレイン・コンタクトと重なり合っていない、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項28】
前記ゲート・コンタクトは、第1のゲート・コンタクトを含み、
前記半導体デバイスは、第2のゲート・コンタクトをさらに含み、
前記凹所領域は、前記第1のゲート・コンタクトと前記基板との間にある、請求項24から26までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項29】
前記第1のゲート・コンタクトに関連した第1のトランジスタの第1のしきい値電圧は、前記第2のゲート・コンタクトに関連した第2のトランジスタの第2のしきい値電圧とは異なる、請求項28に記載の半導体デバイス。
【請求項30】
前記ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、
前記凹所領域は、前記ゲート・コンタクトの下の、前記第1の方向に沿って間隔を空けられた複数の凹所を含む、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項31】
前記ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、
前記凹所領域は、前記第1の方向に延びる長手方向軸線を有する前記基板における連続的なトレンチを含む、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項32】
前記不純物領域は、p型不純物を含む、請求項23に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスに関し、より具体的には、半導体デバイスの改良された半導体構造及び関連する製造方法に関する。
【0002】
米国政府の利益の記述
本発明は、研究設計担当国防次官(OUSD R&E)国防製造科学技術(DMS&T)によって授与された契約番号N000164-19-C-WP50の政府支援によってなされた。政府は、発明に対して所定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
ケイ素(Si)及びガリウムヒ素(GaAs)などの金属は、低電力で、Siの場合には、低周波数の用途のための半導体デバイスにおいて広い適用を見出してきた。しかしながら、これらの材料は、例えば、比較的小さなバンドギャップ(室温において、Siの場合には1.12eV及びGaAsの場合には1.42)及び比較的小さな降伏電圧により、高電力及び/又は高周波数用途にはあまり適していない場合がある。
【0004】
高電力、高温及び/又は高周波数の用途及びデバイスの場合、炭化ケイ素(SiC)(例えば、室温において、4H-SiCの場合に約3.2eVのバンドギャップを有する)及びIII族窒化物(例えば、室温において、窒化ガリウム(GaN)の場合に約3.36eVのバンドギャップを有する)などの、広バンドギャップ半導体材料が使用されてよい。本明細書において使用されるように、「III族窒化物」という用語は、窒素(N)と、周期表のIII族の元素、通常は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及び/又はインジウム(In)との間に形成される半導体化合物を指す。この用語は、GaN、AlGaN及びAlInGaNなどの、二元、三元及び四元化合物を指す。これらの化合物は、1モルの窒素が、1モルのIII族元素の合計と組み合わされる、実験式を有する。これらの材料は、GaAs及びSiと比較して、より高い電界絶縁破壊強度及びより高い電子飽和速度を有する場合がある。
【0005】
SiC及び/又はIII族窒化物から製造された半導体デバイスは、MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)、DMOS(二重拡散金属酸化物半導体)トランジスタ、HEMT(高電子移動度トランジスタ)、MESFET(金属半導体電界効果トランジスタ)、LDMOS(横方向拡散金属酸化物半導体)トランジスタなどを含む電界効果トランジスタ(FET)などの、パワー・トランジスタ・デバイスを含んでよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体デバイスは、基板であって、基板の上面は凹所領域を備える、基板と、基板上の半導体構造であって、半導体構造の一部は凹所領域内にある、半導体構造と、半導体構造上のゲート・コンタクト、ドレイン・コンタクト及びソース・コンタクトと、を備える。凹所領域は、ドレイン・コンタクト又はソース・コンタクトと垂直方向で重なり合っていない。
【0007】
幾つかの実施例において、半導体構造は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)又は電界効果トランジスタ(FET)を含む。
【0008】
幾つかの実施例において、FETは、金属酸化物半導体FET(MOSFET)又は金属半導体FET(MESFET)を含む。
【0009】
幾つかの実施例において、基板は、凹所領域に隣接して不純物領域を含む。
【0010】
幾つかの実施例において、不純物領域は、p型不純物を含む。
【0011】
幾つかの実施例において、不純物領域は、凹所領域の少なくとも1つの側壁及び/又は底面にある。
【0012】
幾つかの実施例において、凹所領域内の半導体構造の一部は、p型ドーパントでドープされている。
【0013】
幾つかの実施例において、凹所領域は、ソース・コンタクトの下からゲート・コンタクトの下まで延びる半導体構造の部分上にある。
【0014】
幾つかの実施例において、凹所領域は、ドレイン・コンタクトの下からゲート・コンタクトの下まで延びる半導体構造の部分上にある。
【0015】
幾つかの実施例において、ゲート・コンタクトは、第1のゲート・コンタクトを含み、半導体デバイスは、第2のゲート・コンタクトをさらに含み、凹所領域は、第1のゲート・コンタクトの下にある。
【0016】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート・コンタクトは、半導体構造上で第1の方向に延びており、凹所領域は、第1の方向に延びる長手方向軸線を有する。
【0017】
幾つかの実施例において、第1のゲート・コンタクトに関連した第1のトランジスタの第1のしきい値電圧は、第2のゲート・コンタクトに関連した第2のトランジスタの第2のしきい値電圧とは異なる。
【0018】
幾つかの実施例において、ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、凹所領域は、ゲート・コンタクトの下に配置され且つ第1の方向に沿って互いに間隔を空けられた複数の凹所領域を含む。
【0019】
幾つかの実施例において、半導体構造は、III族窒化物を含む。
【0020】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体デバイスは、基板と、基板における不純物領域と、基板上の半導体構造と、半導体構造上のゲート・コンタクト、ドレイン・コンタクト及びソース・コンタクトと、を備える。不純物領域上の半導体構造の第1の部分の第1の厚さは、半導体構造の第2の部分の第2の厚さよりも大きい。
【0021】
幾つかの実施例において、不純物領域は、基板における凹所領域の少なくとも1つの側壁及び/又は底面上にある。
【0022】
幾つかの実施例において、凹所領域は、半導体構造のソース・アクセス領域上及び/又は半導体構造のドレイン・アクセス領域上にある。
【0023】
幾つかの実施例において、凹所領域は、基板の底面に対して垂直な方向においてソース・コンタクト及び/又はドレイン・コンタクトと重なり合っていない。
【0024】
幾つかの実施例において、不純物領域は、p型不純物を含む。
【0025】
幾つかの実施例において、ゲート・コンタクトは、第1のゲート・コンタクトを含み、半導体デバイスは、第2のゲート・コンタクトをさらに含み、半導体構造の第1の部分は、第1のゲート・コンタクトと基板との間にある。
【0026】
幾つかの実施例において、第1のゲート・コンタクトに関連した第1のトランジスタの第1のしきい値電圧は、第2のゲート・コンタクトに関連した第2のトランジスタの第2のしきい値電圧とは異なる。
【0027】
幾つかの実施例において、ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、不純物領域は、ゲート・コンタクトの下で基板において第1の方向に沿って配置された複数の凹所領域のうちのそれぞれの1つの少なくとも1つの側壁及び/又は底面上にある。
【0028】
幾つかの実施例において、ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、不純物領域は、第1の方向に延びる長手方向軸線を有する基板における連続的なトレンチの少なくとも1つの側壁及び/又は底面上にある。
【0029】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体デバイスは、基板であって、基板の上面は凹所領域を備える、基板と、基板における、凹所領域の少なくとも1つの側壁及び/又は底面上にある不純物領域と、凹所領域及び不純物領域上の半導体構造と、を備える。
【0030】
幾つかの実施例において、凹所領域上の半導体構造の第1の部分の第1の厚さは、凹所領域から離れた半導体構造の第2の部分の第2の厚さよりも大きい。
【0031】
幾つかの実施例において、半導体デバイスは、半導体構造上にゲート・コンタクト、ドレイン・コンタクト及びソース・コンタクトをさらに備える。凹所領域は、半導体構造のソース・アクセス領域及び/又は半導体構造のドレイン・アクセス領域上にある。
【0032】
幾つかの実施例において、凹所領域は、基板の底面に対して垂直な方向においてソース・コンタクト及び/又はドレイン・コンタクトと重なり合っていない。
【0033】
幾つかの実施例において、ゲート・コンタクトは、第1のゲート・コンタクトを含み、半導体デバイスは、第2のゲート・コンタクトをさらに含み、凹所領域は、第1のゲート・コンタクトと基板との間にある。
【0034】
幾つかの実施例において、第1のゲート・コンタクトに関連した第1のトランジスタの第1のしきい値電圧は、第2のゲート・コンタクトに関連した第2のトランジスタの第2のしきい値電圧とは異なる。
【0035】
幾つかの実施例において、ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、凹所領域は、ゲート・コンタクトの下の、第1の方向に沿って間隔を空けられた複数の凹所を含む。
【0036】
幾つかの実施例において、ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、凹所領域は、第1の方向に延びる長手方向軸線を有する基板における連続的なトレンチを含む。
【0037】
幾つかの実施例において、不純物領域は、p型不純物を含む。
【0038】
幾つかの実施例によるその他のデバイス、装置及び/又は方法が、以下の図面及び詳細な説明を検討することにより当業者に明らかとなるであろう。全てのこのような追加的な実施例は、上記の実施例のあらゆる及び全ての組合せに加え、この説明に含まれ、発明の範囲に含まれ、添付の請求項によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1A】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図1B】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図1C】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図2】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの実施例を示す断面図である。
【
図3】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの実施例を示す断面図である。
【
図4A】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図4B】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図4C】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図4D】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図4E】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図5A】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図5B】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図5C】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図5D】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図5E】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例を示す図である。
【
図6A】本開示の幾つかの実施例による凹所領域の変化態様を利用する実施例を示す図である。
【
図6B】本開示の幾つかの実施例による凹所領域の変化態様を利用する実施例を示す図である。
【
図6C】本開示の幾つかの実施例による凹所領域の変化態様を利用する実施例を示す図である。
【
図7A】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例の断面図である。
【
図7B】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例の断面図である。
【
図7C】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの例示的な実施例の断面図である。
【
図8A】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの実施例を示す断面図である。
【
図8B】本開示の幾つかの実施例による半導体デバイスの実施例を示す断面図である。
【
図9A】本開示の実施例による半導体デバイスを製造する方法を示す図である。
【
図9B】本開示の実施例による半導体デバイスを製造する方法を示す図である。
【
図9C】本開示の実施例による半導体デバイスを製造する方法を示す図である。
【
図9D】本開示の実施例による半導体デバイスを製造する方法を示す図である。
【
図9E】本開示の実施例による半導体デバイスを製造する方法を示す図である。
【
図9F】本開示の実施例による半導体デバイスを製造する方法を示す図である。
【
図9G】本開示の実施例による半導体デバイスを製造する方法を示す図である。
【
図10A】本開示の幾つかの実施例による追加的な半導体デバイスを構築するための方法を示す図である。
【
図10B】本開示の幾つかの実施例による追加的な半導体デバイスを構築するための方法を示す図である。
【
図10C】本開示の幾つかの実施例による追加的な半導体デバイスを構築するための方法を示す図である。
【
図10D】本開示の幾つかの実施例による追加的な半導体デバイスを構築するための方法を示す図である。
【
図11A】本開示の幾つかの実施例による代替的なトランジスタ・デバイス構造の概略的な断面図である。
【
図11B】本開示の幾つかの実施例による代替的なトランジスタ・デバイス構造の概略的な断面図である。
【
図12A】本開示の実施例による半導体がパッケージングされてよい複数の例示的な方法を示す概略的な断面図である。
【
図12B】本開示の実施例による半導体がパッケージングされてよい複数の例示的な方法を示す概略的な断面図である。
【
図12C】本開示の実施例による半導体がパッケージングされてよい複数の例示的な方法を示す概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
詳細な説明
発明の実施例が示されている添付の図面を参照して、以下に本発明の概念の実施例をより詳細に説明する。しかしながら、発明の概念は、多くの異なる形態で具体化されてよく、本明細書に示された実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、この開示が徹底的且つ完全となり、当業者に発明の概念の範囲を完全に伝達するように提供される。同一の番号は、全体を通じて同じ要素を指す。
【0041】
本開示は、デバイスのオン抵抗が低減される及び/又はデバイスのゲートしきい値が調整される半導体デバイスを提供する。デバイスの抵抗の低減及び/又はゲートしきい値の調整は、部分的に、半導体デバイスの基板における凹所領域の利用によって達成される。凹所領域の位置は、デバイスに対する様々な有利な改良を提供するために変更されてよい。
【0042】
HEMTデバイスとの関連において、本開示は、HEMTデバイスの特徴(例えば、しきい値電圧)へのGaNバッファ厚さの影響の認識から生じてよい。GaNバッファは、HEMTデバイスの選択的な領域においてGaN充填されたトレンチ及び/又は凹所領域を含むことによってモノリシックに一体化されてよい。幾つかの実施例において、GaN充填されたトレンチ及び/又は凹所領域は、隣接するゲート・フィールドから生じる空乏を低減するソース・アクセス領域の下に配置されてよい。この領域における空乏の減少は、HEMTデバイスの抵抗を低減する。幾つかの実施例において、GaN充填されたトレンチ及び/又は凹所の使用は、トラッピング減少において使用される埋め込まれたP領域と組み合わされてよい。
【0043】
図1A~
図1Cは、本開示の幾つかの実施例による半導体デバイス300の例示的な実施例を示す。
図1A~
図1Cは、識別及び説明のための構造を表すことを意図されており、構造を物理的スケールで表すことは意図されていない。
【0044】
図1Aを参照すると、半導体デバイス300は、基板322と、基板322上の半導体構造390とを含む。
図1Aの半導体構造390は、本明細書においてさらに説明されるように、多くのタイプ及び/又は構成の半導体要素を組み込んでよい一般的な半導体構造390として示された、概略的な実例である。
【0045】
半導体構造390は、炭化ケイ素(SiC)基板又はサファイア基板などの基板322上に提供されてよい。基板322は、半絶縁性SiC基板であってよい。しかしながら、本開示の実施例は、サファイア(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミニウムガリウム窒化物(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、ケイ素(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、LAO、リン化インジウム(InP)などのあらゆる適切な基板を利用してよい。基板322は、SiCウェハであってよく、半導体デバイス300は、少なくとも部分的に、ウェハレベル・プロセシングを介して形成されてよく、ウェハは、次いで、複数のユニット・セル・トランジスタ構造を含むダイを提供するためにダイシング又はさもなければ単一化されてよい。「半絶縁」という用語は、絶対的な意味ではなく、本明細書において説明的に使用される。幾つかの実施例において、基板322は、n型伝導性を有するようにドーピングされてよい。
【0046】
半導体構造390は、幾つかの実施例においてSiCベース及び/又はIII族窒化物ベース材料であってよい。半導体構造390の一部は、半導体デバイス300のチャネル領域を画定してよい。チャネル領域は、半導体デバイス300のソース領域215とドレイン領域205との間に延びていてよい。チャネル領域における伝導は、ゲート・コンタクト310に提供される信号によって制御されてよい。信号は、ソース・コンタクト315を介してソース領域215へ、またドレイン・コンタクト305を介してドレイン領域205へ提供されてよい。ソース・コンタクト315の下からゲート・コンタクト310の下までの半導体構造390の部分は、ソース・アクセス領域(SAR)と呼ばれてよく、ドレイン・コンタクト305の下からゲート・コンタクト310の下までの半導体構造390の部分は、ドレイン・アクセス領域(DAR)と呼ばれてよい。
【0047】
図1Aには示されていないが、半導体デバイス300は、絶縁層、パッシベーション層、金属伝送線路などのその他の要素を含んでよい。デバイスの他の部分に重点を置くためにこれらの要素は
図1Aには示されていないが、当業者によって理解されるように、これらのその他の要素は、半導体デバイス300の機能のために必要に応じて存在してよい。
【0048】
一般的な視点から、半導体デバイス300は、ゲート・コンタクト310の制御下でソース領域215とドレイン領域205との間を流れる電子の原理に従って動作する。本明細書においてさらに説明されるように、半導体構造390の構成は、それによってこの動作が確立されるメカニズムに影響する場合がある。半導体デバイス300のソース、ドレイン及びゲートの配置によって画定されたそれぞれの領域は、それぞれ
図1Aに示された、半導体デバイス300の抵抗に影響することができる。このような領域は、ソース・コンタクト抵抗領域380、ソース・アクセス領域抵抗領域382、ゲート・コンタクト抵抗領域384、ドレイン・アクセス領域抵抗領域386及びドレイン・コンタクト抵抗領域388を含む。
【0049】
ソース・コンタクト抵抗領域380は、ソース・コンタクト315と垂直方向で重なり合った半導体構造390の領域である。ゲート・コンタクト抵抗領域384は、ゲート・コンタクト310と垂直方向で重なり合った半導体構造390の領域である。ドレイン・コンタクト抵抗領域388は、ドレイン・コンタクト305と垂直方向で重なり合った半導体構造390の領域である。本明細書において使用されるように「要素Bと垂直方向で重なる要素A」(又は類似の表現)は、両要素A及びBと交差する少なくとも1つの垂直な線が存在することを意味すると理解される。垂直方向とは、基板の底面に対して垂直な方向(例えば、Z方向)であってよい。
【0050】
ソース凹所領域抵抗領域382は、ソース・コンタクト抵抗領域380とゲート・コンタクト抵抗領域384との間に延びている。ソース・アクセス領域抵抗領域382は、ソース・アクセス領域(SAR)と垂直方向で重なり合っていてよい。ドレイン・アクセス領域抵抗領域386は、ドレイン・コンタクト抵抗領域388とゲート・コンタクト抵抗領域384との間に延びている。ドレイン・アクセス領域抵抗領域386は、ドレイン・アクセス領域(DAR)と垂直方向で重なり合っていてよい。半導体デバイス300の構成及び/又は動作は、ソース・アクセス領域(SAR)における第1の空乏領域342と、ドレイン・アクセス領域(DAR)における第2の空乏領域344とを形成してよい。
【0051】
ソース・コンタクト抵抗領域384、ソース・アクセス領域抵抗領域382、ゲート・コンタクト抵抗領域384、ドレイン・アクセス領域抵抗領域386及びドレイン・コンタクト抵抗領域388の位置は、概略的であり、本開示を限定することは意図されていない。
【0052】
凹所領域360が、基板322に形成されてよい。凹所領域360は、基板322に非線形上面322Aを提供してよい。例えば、凹所領域360内の基板の底面322Bの上の基板の上面の高さ322Aは、凹所領域360の外の基板の底面322Bの上の基板322の上面322Aの高さよりも小さくてよい。幾つかの実施例において、凹所領域360の深さDrは、0.05μm~0.4μmであってよい。幾つかの実施例において、(例えば、
図1AにおけるX方向での)トレンチの幅は、0.5μm~7μmであってよい。
【0053】
凹所領域360の結果、ソース・アクセス領域(SAR)における(例えば、凹所領域360の上の)半導体構造390の第1の深さD1は、ドレイン・アクセス領域(DAR)における半導体構造390の第2の深さD2よりも大きくてよい。ここで、半導体構造390の深さとは、垂直方向(例えば、基板322の底面322Bに対して垂直な方向、即ち
図1AにおけるZ方向)における半導体構造390の上面390Aと基板322の上面322Aとの間の距離を言う。
【0054】
増大した深さD1の結果、凹所360を含まないデバイスと比較して、第1の空乏領域342内で電荷蓄積が小さくなり且つ空乏が減じられる場合がある。電荷蓄積の減少は、半導体デバイス300のオン抵抗を低下させる場合がある。
【0055】
幾つかの実施例において、凹所領域360は、ソース・コンタクト315と重なり合わないように配置されてよい。より具体的には、ソース・コンタクト315とソース領域215との間に境界面315Aが存在してよい。凹所領域360は、ソース・コンタクト315とソース領域215との間の境界面315Aと垂直方向で重なり合わない(例えば、Z方向で重なり合わない)ように形成されてよい。幾つかの実施例において、ソース・コンタクト境界面315Aの下の(例えば、ソース・コンタクト抵抗領域380における)半導体構造390の深さ/厚さを増大させることにより、デバイスのソース抵抗が増大する場合がある。しかしながら、本開示の実施例は、凹所領域360がソース・コンタクト315と重なり合わないこのような実施例に限定されない。幾つかの実施例において、凹所領域360の一部は、ソース・コンタクト315とソース領域215との間の境界面と垂直方向で重なり合って(例えば、Z方向で重なり合って)よい。
【0056】
凹所領域360は、ソース・コンタクト315及び/又はゲート・コンタクト310の長手方向(例えば、
図1AにおけるY方向)に対して平行に延びる長手方向軸線を有するように形成されてよい。
図1Bは、本開示の幾つかの実施例による半導体デバイス300の平面図を示す。
図1Aは、
図1Bにおける線A-Aに沿って見た断面に対応する。
【0057】
図1Bを参照すると、幾つかの実施例において、デバイスは、基板322上に複数のソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305及びゲート・コンタクト310を含んでよい。複数のドレイン・コンタクト305及びソース・コンタクト315は、基板322上に交互に配置されていてよい。ゲート・コンタクト310は、その例が
図1BにTC1及びTC2として示されている複数のトランジスタ・ユニット・セルを形成するように、隣接するドレイン・コンタクト305とソース・コンタクト315との間に配置されていてよい。トランジスタ・ユニット・セルTC1、TC2のそれぞれは、ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305及びゲート・コンタクト310を含んでよい。
図1A及び
図1Bは、説明を容易にするためにソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305及びゲート・コンタクト310のサブセットを示すが、半導体デバイス300は、
図1A及び
図1Bに示されていない追加のソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト及びゲート・コンタクト310を含む、追加の構造を有してよいことが理解されるであろう。当業者によって理解されるように、トランジスタは、ソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との間のゲート・コンタクト310の制御下にあるソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との間の活性領域によって形成されてよい。
【0058】
図1Bにおいて、半導体デバイス300の追加の電気接続及びその他の構造を提供するための金属配線層、絶縁層及び/又はビアなどの構造は示されていない。
【0059】
図1Bに示されているように、凹所領域360は、幾つかの実施例において、ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305及び/又はゲート・コンタクト310の長手方向軸線(例えば、Y方向)に対して平行にソース・アクセス領域(SAR)において長手方向軸線を有する連続的なトレンチとして延びていてよい。凹所領域360は、凹所領域360の反対側の端部において、反対側に位置する終点360A、360Bを有してよい。幾つかの実施例において、終点360A、360Bは、凹所領域360がソース・コンタクト315の長さの大部分、例えば、80%超に沿って延びるように形成されてよい。幾つかの実施例において、(例えば、
図1BにおけるY方向での)凹所領域360の長さは、ソース・コンタクト315の長さよりも大きくてよい。例えば、幾つかの実施例において、終点360A、360Bのうちの1つ又は複数は、ソース・コンタクト315の反対側の端部を超えて延びていてよい。
【0060】
図1Cは、凹所領域360の追加的な実施例を示す。
図1Cに示されているように、複数の凹所領域360は、ソース・コンタクト315に対して実質的に平行な方向(例えば、
図1CにおけるY方向)に沿って配置された複数のトレンチによって形成されてよい。ソース・アクセス領域(SAR)において、複数の凹所領域360は、第3の距離D3だけ互いに間隔を空けられていてよい。幾つかの実施例において、第3の距離D3は、0.5μm~7μmであってよい。
【0061】
図2は、本開示の幾つかの実施例による半導体デバイス300’の実施例を示す断面図である。
図1A~
図1Cの要素と実質的に同じである
図2の要素の説明は、省略する。
【0062】
図2を参照すると、幾つかの実施例において、不純物領域375が基板322に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375は、凹所領域360を形成するトレンチの反対側の側壁に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375は、不純物領域375が凹所領域360の下に配置されるように基板322においてより深く形成されてよい。
【0063】
幾つかの実施例において、不純物領域375は、p型材料から形成されてよい。例えば、不純物領域375は、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)及び/又はタリウム(Tl)、又はp型層を形成し得るあらゆるその他の材料のドーピングによって(例えば、イオン注入を介して)形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375のp型伝導性は、基板322のn型伝導性とは異なってよい。幾つかの実施例において、不純物領域375は、基板322の上面322Aに対して垂直な変化するドーピング及び/又は注入プロフィルを有するように構成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375は、完全な活性領域を横切って横方向に延びていなくてよい。例えば、不純物領域375は、ドレイン・コンタクト305、ソース・コンタクト315及び/又はゲート・コンタクト310のうちの1つ又は複数と垂直方向で重なり合っていなくてよい。
【0064】
幾つかの実施例において、基板322における不純物領域375の存在は、半導体デバイス300’におけるトラッピングを低減し得る。幾つかの実施例において、ドレイン領域205からソース領域215への電圧の一部は、不純物領域375において降下させられ得る。これは、また、横方向においてチャネルを欠乏させ得る。横方向空乏は、横方向電界を低減し、降伏電圧を上昇させ得る。幾つかの実施例において、必要な降伏電圧のために、よりコンパクトな構造を得ることができる。不純物領域375は、印加されたドレイン電圧を持続するために使用される半導体構造390のドーピング(例えば、C又はFe)を有する必要性を排除し得る。深いドーピング・レベルの排除は、動作条件下での減少した電流減少(例えば、トラッピングの不存在又は減少)につながり得る。さらに、幾つかの態様において、不純物領域375は、電界をサポートする。
【0065】
図3は、本開示の幾つかの実施例による半導体デバイス300’’の実施例を示す断面図である。
図1A~
図1Cの要素と実質的に同じ
図3の要素の説明は省略する。
【0066】
図3を参照すると、幾つかの実施例において、不純物領域375’が、凹所領域360内で半導体構造390に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375’は、凹所領域360を形成するトレンチの底面及び/又は側壁のうちの1つ又は複数に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375’は、凹所領域360を完全に充填してよいが、本開示はそれに限定されない。不純物領域375’は、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、又はp型層を形成し得るあらゆるその他の材料を含んでよい。幾つかの実施例において、不純物領域375’は、凹所領域360内に、垂直方向又は横方向に、変化するドーピング及び/又は注入プロフィルを有するように構成されてよい。
図3に示されたp型層の使用は、
図2に関して本明細書に説明されているものと同じ利点を半導体デバイス300’’に提供し得る。幾つかの実施例において、不純物領域375’の不純物導電型は、不純物領域375’に直ぐ隣接する半導体構造390の部分とは異なってよい。例えば、幾つかの実施例において、不純物領域375’は、p型領域であってよく、不純物領域375’に直ぐ隣接する半導体構造390の部分は、n型であるようにドーピングされてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375’と、不純物領域375’に直ぐ隣接する半導体構造390の部分とは、同じ導電型(例えば、両方ともp型)を有してよいが、不純物領域375’内のドーパントの濃度は、不純物領域375’に直ぐ隣接する半導体構造390の部分のものよりも高くてよい。
【0067】
図1A~
図1C、
図2、及び
図3は、凹所領域360がソース・アクセス領域抵抗領域382に形成されている実施例を示しているが、本開示はそれに限定されない。
図4A~
図4Eは、ドレイン・アクセス領域抵抗領域386(
図1A参照)に凹所領域360’を組み込む例示的な実施例の断面図である。前に説明された図面のものと実質的に同じ
図4A~
図4Eの説明は省略する。
【0068】
図4Aを参照すると、半導体デバイス400は、ドレイン・アクセス領域(DAR)の少なくとも一部と垂直方向で重なり合うようにドレイン・アクセス領域抵抗領域386に配置された凹所領域360’を含んでよい。凹所領域360’の結果、ドレイン・アクセス領域(DAR)における(例えば、凹所領域360’の上の)半導体構造390の第2の深さD2’は、ソース・アクセス領域(SAR)における半導体構造390の第1の深さD1’よりも大きくてよい。凹所領域360’の寸法(例えば、長さ又は深さ)は、凹所領域360に関して
図1Aにおいて本明細書で説明されたものと類似であってよい。
【0069】
図1Aに説明された半導体デバイス300のように、凹所領域360’の結果としての半導体構造390の厚さの差は、デバイスの電荷蓄積に影響し得る。例えば、凹所領域360’の結果、第2の空乏領域344における空乏は、第1の空乏領域342のものよりも低くてよく、半導体デバイス300’の抵抗が低減され得る。
【0070】
図4Aに示されているように、ドレイン・コンタクト305とドレイン領域205との間に境界面305Aが存在してよい。幾つかの実施例において、凹所領域360’は、ドレイン・コンタクト305とドレイン領域205との間の境界面305Aと垂直方向で(例えば、Z方向において)重なり合わないように配置されてよい。しかしながら、本開示の実施例は、凹所領域360’がドレイン・コンタクト305と重なり合わないこのような実施例に限定されない。幾つかの実施例において、凹所領域360’の一部は、ドレイン・コンタクト305とドレイン領域205との間の境界面305Aと垂直方向で重なり合ってよい(例えば、Z方向で重なり合っている)。
【0071】
図4Bは、不純物領域475が基板322に形成されている半導体デバイス400’を示す。幾つかの実施例において、不純物領域475は、凹所領域360’を形成するトレンチの側壁のうちの1つ又は複数に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域475は、不純物領域475が凹所領域360’の下に配置されるように基板322により深く形成されてよい。
【0072】
幾つかの実施例において、不純物領域475は、p型材料から形成されてよい。例えば、不純物領域475は、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、又はp型層を形成し得るあらゆるその他の材料のドーピング(例えば、イオン注入)によって形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域475は、基板322の上面322Aに対して垂直な変化するドーピング及び/又は注入プロフィルを有するように構成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域475は、完全な活性領域を横切って横方向に延びていなくてよい。例えば、不純物領域475は、ドレイン・コンタクト305、ソース・コンタクト315及び/又はゲート・コンタクト310のうちの1つ又は複数と垂直方向で重なり合わなくてよい。
【0073】
図4Cは、本開示の幾つかの実施例による半導体デバイス400’’を示す断面図である。
図4Cを参照すると、幾つかの実施例において、不純物領域475’は、凹所領域360’内で半導体構造390に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域475’は、凹所領域360’を形成するトレンチの底面及び/又は側面のうちの1つ又は複数に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域475’は、凹所領域360’を完全に充填してよいが、本開示はそれに限定されない。不純物領域475’は、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、又はp型層を形成し得るあらゆるその他の材料を含んでよい。幾つかの実施例において、不純物領域475’は、凹所領域360’内で、垂直方向又は横方向に、変化するドーピング及び/又は注入プロフィルを有するように構成されてよい。
【0074】
【0075】
図4Dを参照すると、凹所領域360’は、幾つかの実施例において、ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305及び/又はゲート・コンタクト310の長手方向軸線に対して平行な(例えば、Y方向の)ドレイン・アクセス領域における長手方向軸線を有する連続的なトレンチとして延びていてよい。凹所領域360’は、ドレイン・コンタクト305の長さの大部分、例えば、80%超に沿って延びていてよい。幾つかの実施例において、(例えば、
図4Dにおけるy方向における)凹所領域360’の長さは、ドレイン・コンタクト305の長さよりも大きくてよい。例えば、幾つかの実施例において、凹所領域360’の終点のうちの1つ又は複数は、ドレイン・コンタクト305の反対側の終点を超えて延びていてよい。
【0076】
図4Eは、複数の凹所領域360’がドレイン・コンタクト305に対して実質的に平行な方向(例えば、
図4EにおけるY方向)に沿って配置された複数のトレンチとして形成されてよい追加的な実施例を示す。ドレイン・アクセス領域(DAR)において、複数の凹所領域360’は、第4の距離D4だけ互いに間隔を空けられていてよい。幾つかの実施例において、第4の距離D4は、0.5μm~7μmであってよい。
【0077】
図5A~
図5Eは、ゲート・コンタクト抵抗領域384(
図1A参照)において凹所領域360’’を組み込んだ例示的な実施例の断面図である。前に説明された要素と実質的に同じである
図5A~
図5Eの要素の説明は省略する。
【0078】
図5Aを参照すると、半導体デバイス500は、ゲート・コンタクト310の少なくとも一部と垂直方向で重なり合うようにゲート・コンタクト抵抗領域384に配置された凹所領域360’’を含む。凹所領域360’’の結果、ゲート・コンタクト310の下の(例えば、凹所領域360’’の上の)半導体構造390の第5の深さD5は、ソース・アクセス領域(SAR)における半導体構造390の第1の深さD1’’及びドレイン・アクセス領域(DAR)における半導体構造390の第2の深さD2’’よりも大きくてよい。
【0079】
凹所領域360’’の結果としての半導体構造390の厚さの差は、半導体デバイス300’’のしきい値電圧を変化させ得る。例えば、凹所領域360’’の深さ及び/又は幅を変化させることによって、半導体デバイス300’’のしきい値電圧は、このような凹所領域360’’を有さない同様に構成された半導体デバイスのしきい値電圧とは異なってよい。本開示は、動作の特定の理論に拘束されないが、変更されたしきい値電圧は、デバイスにおける変更された電荷蓄積によるものであってよく、より厚い領域における変更されたキャリア濃度の結果であってよい。例えば、より集中したキャリア分布が、凹所領域360’’において生じてよい。幾つかの実施例において、凹所領域360’’の存在は、このような凹所領域360’’を有さないトランジスタ・デバイスのしきい値電圧と比較して、結果として生じる半導体デバイス500のしきい値電圧を増大させ得る。
【0080】
図5Bは、不純物領域575が基板322に形成されている半導体デバイス500’を示す。幾つかの実施例において、不純物領域575は、凹所領域360’’を形成するトレンチの側壁のうちの1つ又は複数に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域575は、不純物領域575が凹所領域360’’の下に配置されるように基板322においてより深く形成されてよい。
【0081】
幾つかの実施例において、不純物領域575は、p型材料から形成されてよい。例えば、不純物領域575は、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、又はp型層を形成し得るあらゆるその他の材料のドーピング(例えば、イオン注入)によって形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域575は、基板322の上面322Aに対して垂直な変化するドーピング及び/又は注入プロフィルを有するように構成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域575は、完全な活性領域を横切って横方向に延びていなくてよい。例えば、不純物領域575は、ドレイン・コンタクト305、ソース・コンタクト315及び/又はゲート・コンタクト310のうちの1つ又は複数と垂直方向で重なり合わなくてよい。
【0082】
図5Cは、本開示の幾つかの実施例による半導体デバイス500’’を示す断面図である。
図5Cを参照すると、幾つかの実施例において、不純物領域575’は、凹所領域360’’内で半導体構造390に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域575’は、凹所領域360’’を形成するトレンチの底面及び/又は側壁のうちの1つ又は複数に形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域575’は、凹所領域360’’を完全に充填してよいが、本開示はそれに限定されない。不純物領域575’は、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、又はp型層を形成し得るあらゆるその他の材料を含んでよい。幾つかの実施例において、不純物領域575’は、凹所領域360’’内で、垂直方向又は横方向に、変化するドーピング及び/又は注入プロフィルを有するように構成されてよい。
【0083】
【0084】
図5Dを参照すると、凹所領域360’’は、幾つかの実施例において、ゲート・コンタクト310の下の、ゲート・コンタクト310の長手方向軸線(例えば、
図5DにおけるY方向)に対して平行な連続的なトレンチとして延びていてよい。凹所領域360’’は、ゲート・コンタクト310の大部分(例えば、80%超)に沿って延びていてよい。幾つかの実施例において、(例えば、Y方向における)凹所領域360’’の長さは、ゲート・コンタクト310の長さよりも大きくてよい。例えば、幾つかの実施例において、凹所領域360’’の終点のうちの1つ又は複数は、ゲート・コンタクト310の反対側の端部を超えて延びていてよい。
【0085】
図5Eは、複数の凹所領域360’’が、ゲート・コンタクト310に対して実質的に平行な方向(例えば、
図5EにおけるY方向)に沿って配置された複数のトレンチとして形成されてよい追加的な実施例を示す。複数の凹所領域360’’は、第6の距離D6だけ互いに間隔を空けられていてよい。幾つかの実施例において、第6の距離D6は、0.5μm~7μmであってよい。
【0086】
幾つかの実施例において、ゲート・コンタクト310の下の凹所領域360’’は、半導体デバイスの全てのユニット・トランジスタ・セルではなく、幾つかのユニット・トランジスタ・セルに設けられてよい。前述のように、ゲート・コンタクト310の下の凹所領域360’’の存在は、デバイスの電圧しきい値を増大させ得る。第1のしきい値電圧を有する幾つかのユニット・セル・トランジスタと、第1のしきい値電圧とは異なる第2の閾値電圧を有する幾つかのユニット・セル・トランジスタとを提供することは、異なるタイプの半導体挙動の構成を可能にし得る。例えば、デバイスの異なる領域において異なるしきい値電圧を有するように半導体デバイスを設計することにより、半導体デバイスのチャネルの異なる部分(例えば、HEMTデバイスにおける2DEGチャネル)は、ゲート電圧の印加に応答して異なる度数又はレベルにおいてオンになり得る。言い換えれば、半導体デバイスの異なるユニット・セルのチャネルは、異なるレベルの電流においてオンになり得る。幾つかの実施例において、例えば、窒化ガリウムベースの半導体などの広バンドギャップ半導体材料システムに形成された半導体デバイスは、全てのユニット・セルがほぼ同時にオンになる迅速ターン・オン挙動を示し得る。三次相互コンダクタンスはターン・オンにおいてピークになる傾向があるので、このような材料システムに形成されたマルチ・セル半導体デバイスは、デバイスのターン・オンにおいて三次相互コンダクタンスにおける大きなスパイクを生じ得る。なぜならば、ユニット・セルが同時にターン・オンするからである。デバイスの異なる部分が異なるしきい値電圧を有するようにしきい値電圧を変化させることにより、あらゆる与えられた時間にチャネルがターン・オンされる程度は、デバイスを横断して変化する。これは、結果として、例えば、三次相互コンダクタンスにおけるスパイクの大きさの減少を生じ得る。半導体デバイス内でしきい値電圧を変化させるための技術は、例えば、2021年6月21日に出願された、共同所有された米国特許第10,615,273号に説明されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0087】
図6A~
図6Cは、本開示の幾つかの実施例による、凹所領域360’’の変化態様を利用する実施例を示す。
図6Aは、本開示の幾つかの実施例による半導体デバイス600の平面図であるのに対し、
図6Bは、線B-B及びB’-B’に沿って見た
図6Aの半導体デバイス600の断面図である。
図6Cは、
図6Aの半導体デバイス600の概略的な回路図である。前に説明された
図6A~
図6Cの要素の説明は省略する。
【0088】
図6Aを参照すると、
図5Dのものと類似の半導体デバイス600の平面図が示されている。即ち、複数のゲート・コンタクト310、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、さらに基板322上に配置された半導体構造390上に配置されてよい。半導体デバイス600は、並列に電気的に接続された複数のユニット・セル・トランジスタTC_A、TC_Bを含んでよい。幾つかの実施例において、並列接続は、ゲート・コンタクト310のそれぞれに接続されたゲート・バス345と、ドレイン・コンタクト305のそれぞれに接続されたドレイン・バス347とによって達成されてよい。ゲート・コンタクト310のそれぞれは、ユニット・セル・トランジスタTC_A、TC_Bの一部であってよい。
図6A~
図6Cには、ユニット・セル・トランジスタのサブセットのみが示されているが、追加のユニット・セル・トランジスタが存在し得ることが理解されるであろう。
【0089】
図6A~
図6Bを参照すると、第1のユニット・セル・トランジスタTC_Aは、ゲート・コンタクト310の下で基板322に凹所領域360’’を有するゲート・コンタクト310を組み込んでいてよい。凹所領域360’’の存在は、第1の電圧しきい値V
TH-Aを有する第1のユニット・セル・トランジスタTC_Aを生じてよい。
【0090】
半導体デバイス600の第2のユニット・セル・トランジスタTC_Bはゲート・コンタクト310を組み込んでよいが、ゲート・コンタクト310の下に凹所領域を有さなくてよい。その結果、第2のユニット・セル・トランジスタTC_Bは、第1の電圧しきい値VTH-Aとは異なる第2の電圧しきい値VTH-Bを有する。
【0091】
図6Aにおいて、第1のユニット・セル・トランジスタTC_A及び第2のユニット・セル・トランジスタTC_Bの数は単なる一例であり、本開示の実施例はそれに限定されない。第1及び第2のユニット・セル・トランジスタTC_A、TC_Bの構成は、
図6Cに示されているように、異なる電圧しきい値を有するユニット・セル・トランジスタの並列接続を生じてよい。様々なユニット・セル・トランジスタの並列接続の結果、デバイスの異なる部分は、異なる印加されたゲート電圧においてターン・オンしてよく、改良された線形性を提供する。
【0092】
図6Aは、凹所領域360’’が連続的なトレンチとして組み込まれている実施例を示しているが、本発明の実施例はこれに限定されない。幾つかの実施例において、凹所領域360’’は、
図5Eと類似の形式において、一連の分離されたトレンチとして提供されてよい。
【0093】
前の図面は、凹所領域360、360’、360’’が、ソース・アクセス領域において、ドレイン・アクセス領域において、又はゲート・コンタクトの下に設けられる実施例を示しているが、本開示の実施例はそれに限定されない。幾つかの実施例において、前に示された凹所領域360、360’、360’’のうちの2つ以上が組み合わされてよい。例えば、半導体デバイスは、ソース・アクセス領域の下の凹所領域360及びドレイン・アクセス領域の下の凹所領域360’、又は本明細書に説明された凹所領域360、360’、360’’のその他の組合せを含んでよい。
【0094】
前の図面は、半導体構造390の一部として組み込まれた基板322における凹所領域360、360’、360’’の使用における変化態様を示している。当業者によって理解されるように、凹所領域360、360’、360’’は、本開示の実施例から逸脱することなく、多数の異なる半導体構造に適用されてよい。
【0095】
例えば、
図7A~
図7Cは、本開示の幾つかの実施系他による、HEMTとして実施された半導体デバイス300A、300A’、300A’’の実施例を示す断面図である。
図7A~
図7Cに示された断面は、
図1B又は
図1Cの線A-Aに沿って見たものである。
図7A~
図7Cは、識別及び説明のための構造を表すことが意図されており、構造を物理的スケールで表すことは意図されていない。
【0096】
図7Aにおける半導体デバイス300Aを参照すると、III族窒化物半導体HEMTのための半導体構造などの半導体構造390が、炭化ケイ素SiC基板又はサファイア基板などの基板322上に形成されていてよい。基板322は、例えば、4Hポリタイプの炭化ケイ素であってよい半絶縁炭化ケイ素(SiC)基板であってよい。その他の炭化ケイ素候補ポリタイプは、3C、6H及び15Rポリタイプを含んでよい。基板は、Cree,Inc.から入手可能な高純度半絶縁(HPSI)基板であってよい。
【0097】
幾つかの実施例において、基板322の炭化ケイ素バルク結晶は、室温で約1×105ohm-cm以上の抵抗率を有してよい。本開示の幾つかの実施例において使用され得る例示的なSiC基板は、例えば、本開示の譲受人であるノースカロライナ州ダーラムのCree,Inc.によって製造されており、このような基板を製造するための方法は、例えば、米国再発行特許出願第Re.34,861号、米国特許第4,946,547号、米国特許第5,200,022号及び米国特許第6,218,680号に記載されており、これらの開示はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。炭化ケイ素が基板材料として使用されてよいが、本開示の実施例は、サファイア(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミニウムガリウム窒化物(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、ケイ素(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、リン化インジウム(InP)などのあらゆる適切な基板を利用してよい。基板322は、炭化ケイ素ウェハであってよく、HEMTデバイス300Aは、少なくとも部分的に、ウェハレベル・プロセシングを介して形成されてよく、ウェハは、次いで、複数の個々の高電子移動度トランジスタ300Aを提供するためにダイシングされてよい。
【0098】
基板322は、下面322B及び上面322Aを有してよい。幾つかの実施例において、HEMTデバイス300Aの基板322は、薄い基板322であってよい。幾つかの実施例において、(例えば、
図7Aでの垂直Z方向における)基板322の厚さは、100μm以下であってよい。幾つかの実施例において、基板322の厚さは、75μm以下であってよい。幾つかの実施例において、基板322の厚さは、50μm以下であってよい。
【0099】
凹所領域360が、基板322に形成されてよい。凹所領域360の特性は、
図1Aに関して本明細書に示され且つ説明されたものと類似であってよく、その結果、その重複する説明は省略する。凹所領域360は、
図1Bのものと類似の連続的なトレンチとして形成されてよいか又は
図1Cのものと類似の一連の分離したトレンチとして形成されてよい。
【0100】
チャネル層324は、基板322の上面322A上に(又は本明細書においてさらに説明される選択的な層上に)及び凹所領域360内に形成されており、バリア層326が、チャネル層324の上面に形成されている。チャネル層324及びバリア層326はそれぞれ、幾つかの実施例において、エピタキシャル成長によって形成されてよい。III族窒化物のエピタキシャル成長のための技術は、例えば、米国特許第5,210,051号、米国特許第5,393,993号及び米国特許第5,523,589号に記載されており、これらの開示もその全体が参照により本明細書に組み込まれる。チャネル層324は、バリア層326のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有してよく、チャネル層324は、バリア層326よりも大きな電子親和力も有してよい。チャネル層324及びバリア層326は、III族窒化物ベース材料を含んでよい。幾つかの実施例において、ウェハの厚さ(例えば、基板322、チャネル層324及びバリア層326の厚さ)は、40μm~100μmであってよい。幾つかの実施例において、ウェハ厚さは、40μm~80μmであってよい。幾つかの実施例において、ウェハ厚さは、約75μmであってよい。
【0101】
幾つかの実施例において、チャネル層324は、AlxGa1-xNなどのIII族窒化物であってよく、ここで、チャネル層324とバリア層326との間の境界面においてチャネル層324の伝導帯エッジのエネルギがバリア層326の伝導帯エッジのエネルギよりも小さいならば、0≦x<1である。本開示のある実施例において、x=0は、チャネル層324がGaNであることを示す。チャネル層324は、InGaN、AlInGaNなどのその他のIII族窒化物であってもよい。チャネル層324は、ドープされていなくてよく(「意図せずにドープされている」)、約0.002μmよりも大きな厚さに成長させられてよい。チャネル層324は、GaN、AlGaNなどの超格子又は組合せなどの、多層構造であってもよい。チャネル層324は、幾つかの実施例において、圧縮ひずみ下にあってよい。
【0102】
チャネル層324の材料は、凹所領域360上又は凹所領域360内にあってよい。幾つかの実施例において、チャネル層324の材料は、凹所領域360を完全に充填してよいが、本開示の実施例はそれに限定されない。
【0103】
幾つかの実施例において、バリア層326は、AlN、AlInN、AlGaN又はAlInGaN若しくはそれらの層の組合せである。バリ層326は、1つの層を含んでよいか又は多層構造であってよい。幾つかの実施例において、バリア層326は、直接チャネル層324上にある薄いAlN層及びその上にある1つのAlGaN又は多数の層であってよい。本開示の特定の実施例において、バリア層326は、十分に厚くてよく、十分に高いアルミニウム(Al)組成と、バリア層326が抵抗接点金属の下に埋め込まれているときに分極効果によってチャネル層324とバリア層326との間の境界面において著しいキャリア濃度を誘発するためのドーピングとを有してよい。バリア層326は、例えば、約0.1nm~約30nmの厚さであってよいが、そこにクラッキング又は実質的な欠陥形成を生じるほど厚くない。幾つかの実施例において、バリア層の厚さは、13~18nmである。ある実施例において、バリア層326は、ドープされていないか又は約1019cm-3未満の濃度にn型ドーパントでドープされている。幾つかの実施例において、バリア層326は、AlxGa1-xNであり、ここで、0<x<1である。特定の実施例において、アルミニウム濃度は、約25%である。しかしながら、本開示のその他の実施例において、バリア層326は、約5%~約100%未満のアルミニウム濃度でAlGaNを含む。本開示の特定の実施例において、アルミニウム濃度は、約10%よりも高い。チャネル層324及び/又はバリア層326は、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシー法(MBE)、又はハイドライド気相成長法(HVPE)によって堆積させられてよい。本明細書において説明されているように、2DEG層が、チャネル層324とバリア層326との間の接合部においてチャネル層324に誘発される。2DEG層は、それぞれソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との下にあるデバイスのソース領域とドレイン領域との間の伝導を可能にする高伝導性層として作用する。チャネル層324及びバリア層326は、半導体構造390を形成している。
【0104】
半導体構造390は、説明のためにチャネル層324及びバリア層326と共に示されているが、半導体構造390は、チャネル層324と基板322との間のバッファ及び/又は核生成層などの追加的な層/構造/要素、及び/又はバリア層326上のキャップ層を含んでよい。基板、チャネル層、バリア層及びその他の層を含むHEMT構造は、例えば、米国特許第5,192,987号、米国特許第5,296,395号、米国特許第、6,316,793号、米国特許第6,548,333号、米国特許第7,544,963号、米国特許第7,548,112号、米国特許第7,592,211号、米国特許第7,615,774号及び米国特許第7,709,269号に説明されており、これらの開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、炭化ケイ素基板322とHEMTデバイス300Aの残りとの間に適切な結晶構造遷移を提供するために、基板322の上面322AにAlNバッファ層が形成されてよい。加えて、同一出願人による米国特許第7,030,428号に説明されているようにひずみバランス遷移層が追加的に及び/又は代替的に提供されてよく、その開示は、本明細書に完全に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。選択的なバッファ/核生成/遷移層は、MOCVD、MBE及び/又はHVPEによって堆積させられてよい。存在する場合、バッファ/核生成/遷移層の少なくとも一部は凹所領域360内にあってよいが、本開示の実施例はそれに限定されない。
【0105】
ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、バリア層326の上面326Aに形成されてよく、互いに横方向に間隔を空けられていてよい。ゲート・コンタクト310は、ソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との間においてバリア層326の上面236Aに形成されてよい。ゲート・コンタクト310の材料は、バリア層326の組成に基づいて選択されてよく、幾つかの実施例において、ショットキー接触であってよい。例えば、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、ニッケルシリサイド(NiSix)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、タングステン(W)及び/又はタングステンケイ素窒化物(WSiN)などの、窒化ガリウムベース半導体材料に対してショットキー接触を形成することができる従来の材料が使用されてよい。
【0106】
ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、窒化ガリウムベース半導体材料に対して抵抗接点を形成することができる金属を含んでよい。適切な金属は、Ti、W、チタンタングステン(TiW)、ケイ素(Si)、チタンタングステン窒化物(TiWN)、ケイ化タングステン(WSi)、レニウム(Re)、ニオビウム(Nb)、Ni、金(Au)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、NiSix、ケイ化チタン(TiSi)、窒化チタン(TiN)、WSiN、Ptなどの、高融点金属を含んでよい。幾つかの実施例において、ソース・コンタクト315は、抵抗ソース・コンタクト315であってよい。したがって、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、バリア層326と直接接触した抵抗接点部分を含んでよい。幾つかの実施例において、ソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305は、例えば、同一出願人による米国特許第8,563,372号及び米国特許第9,214,352号に記載されているように提供されてよい抵抗接点を形成するために複数の層から形成されてよく、これらの開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0107】
ソース・コンタクト315は、例えば、接地電圧などの基準信号に結合されてよい。幾つかの実施例において、基準信号への結合は、基板322の下面322Bから基板322を通ってバリア層の上面326Aまで延びるビア(図示せず)によって提供されてよい。バックメタル層335が、基板322の下面322Bに形成されてよい。幾つかの実施例において、バックメタル層335は、(例えば、
図7Aに示されていないビアの使用によって)ソース・コンタクト315と直接接触してよい。幾つかの実施例において、バックメタル層335は、追加的な導電性パスを介してソース・コンタクト315に間接的に電気的に接続されてよい。したがって、バックメタル層335と、バックメタル層335に結合された信号とは、ソース・コンタクト315に電気的に接続されてよい。
【0108】
幾つかの実施例において、凹所領域360は、凹所領域360がソース・コンタクト315と垂直方向で(例えば、
図7AにおけるZ方向において)重なり合わないように基板322内に配置されてよい。例えば、凹所領域360は、ソース・コンタクト315とバリア層326との間の境界面315Aと垂直方向で重なり合わなくてよい。幾つかの実施例において、凹所領域360は、ゲート・コンタクト310とバリア層326との間の境界面310Aと垂直方向で重なり合わなくてよい。しかしながら、本開示の実施例は、このような構成に限定されない。幾つかの実施例において、凹所領域360の一部は、ソース・コンタクト315と垂直方向で重なり合ってよい。
【0109】
図7Aを参照すると、第1の絶縁層350_1がバリア層326上に形成されてよく、第2の絶縁層350_2が第1の絶縁層350_1上に形成されてよい。幾つかの実施例において、第1の絶縁層350_1及び/又は第2の絶縁層350_2は、窒化ケイ素(SixNy)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)及び/又はその他の適切な保護材料を含んでよい。第1の絶縁層350_1の厚さは、ゲート・トゥ・ソース・キャパシタンス及びゲート・トゥ・ドレイン・キャパシタンスに影響する場合があり、これは、半導体デバイス300Aのスイッチング速度に影響する可能性がある。同様に、第2の絶縁層350_2の厚さは、ゲート・トゥ・ドレイン・キャパシタンスに影響する場合があり、これは、半導体デバイス300Aのスイッチング速度及びゲインに影響する可能性がある。
【0110】
ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、第1の絶縁層350_1に形成されてよく、それらのそれぞれの部分は第1の絶縁層350_2の下にあってよい。本発明は、
図7Aに示されたゲート・コンタクト310の特定の形状に限定されず、本明細書に説明された実施例から逸脱することなく、ゲート・コンタクト310のその他の形状及び半導体デバイス300Aのその他の要素が可能であることが理解されるであろう。幾つかの実施例において、ゲート・コンタクト310は、ドレイン・コンタクト305よりもソース・コンタクト315に近くてよい。幾つかの実施例において、ゲート・コンタクト310は、T字形ゲート及び/又はガンマ・ゲートとして形成されてよく、その形成は、例えば、米国特許第8,049,252号、米国特許第7,045,404号及び米国特許第8,120,064号に説明されており、それらの開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。第2の絶縁層350_2は、第1の絶縁層350_1の上並びにドレイン・コンタクト305、ゲート・コンタクト310及びソース・コンタクト315の部分の上に形成されてよい。
【0111】
フィールド・プレート312が、第2の絶縁層350_2上に形成されてよい。フィールド・プレート312の少なくとも一部は、ゲート・コンタクト310上にあってよい。フィールド・プレート312の少なくとも一部は、ゲート・コンタクト310とドレイン・コンタクト305との間の第2の絶縁層350_2の一部の上にあってよい。フィールド・プレート312は、HEMTデバイス300Aにおけるピーク電界を減じることができ、その結果、降伏電圧の上昇及び電荷トラップの減少を生じることができる。電界の減少は、漏れ電流の減少及び信頼性の向上などのその他の利点も生じることができる。フィールド・プレート及びフィールド・プレートを形成するための技術は、例えば、米国特許第8,120,064号に説明されており、その開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。フィールド・プレート312は選択的であり、幾つかの実施例において、省略されてよい。説明を容易にするために、第1及び第2の絶縁層350_1、350_2並びにフィールド・プレート312は、
図1A、
図1B及び
図1Cには示されていない。
【0112】
HEMTデバイス300Aの凹所領域360の構成は、
図7Aのものに限定されない。
図7B及び
図7Cは、
図2及び
図3において本明細書で説明されたものと類似の凹所領域360を含むHEMTデバイス300A’、300A’’の実施例を示す。
【0113】
図7Bの半導体デバイス300A’を参照すると、凹所領域360を形成するトレンチの底面及び/又は側面のうちの1つ又は複数において基板322に不純物領域375が形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375は、p型になるように(例えば、イオン注入によって)不純物でドープされてよい。不純物領域375の特性は、
図2に関して本明細書に示され且つ説明されたものと類似であってよく、その結果、その重複する説明は省略する。
【0114】
図7Cの半導体デバイス300A’’を参照すると、凹所領域360内のチャネル層324(及び/又は本明細書において説明されたその他の選択的な層)の部分は、不純物領域375’を形成するようにドープされてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375’の不純物伝導型は、チャネル層324とは異なってよい。例えば、幾つかの実施例において、不純物領域375’は、p型領域であってよく、チャネル層324は、n型であるようにドープされてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375’及びチャネル層324は、同じ伝導型(例えば、両方ともp型)を有してよいが、不純物領域375’内のドーパントの濃度は、チャネル層324のものよりも高くてよい。不純物領域375’の特性は、
図3に関して本明細書において示され且つ説明されたものと類似であってよく、その結果、その重複する説明は省略する。
【0115】
図7A~
図7Cは、凹所領域360がソース・アクセス領域の下に設けられているHEMTデバイス300A、300A’、300A’’の実施例を示す。しかしながら、本開示の実施例はそれに限定されない。
図8A及び
図8Bは、本開示の幾つかの実施例による、HEMTとして実施された半導体デバイス400A、500Aの実施例を示す断面図である。
図8Aに示された断面は、
図4D又は
図4Eの線A-Aに沿って見たものである。
図8Bに示された断面は、
図5D又は
図5Eの線A-Aに沿って見たものである。
図8A及び
図8Bは、識別及び説明のための構造を表すことが意図されており、構造を物理的スケールで表すことは意図されていない。
【0116】
例えば、
図8Aは、
図4A~
図4Cのものと類似の形式で凹所領域360’がドレイン・アクセス領域の下に設けられているHEMTデバイス400Aの実施例を示す。凹所領域360’は、
図4Dのものと類似の連続的なトレンチとして形成されてよいか又は
図4Eのものと類似の一連の分離したトレンチとして形成されてよい。
図8Aには示されていないが、HEMT400Aは、
図4Bに示されたものなどの不純物領域475又は
図4Cに示されたものなどの不純物領域475’も含んでよい。
【0117】
図8Bは、
図5A~
図5Cのものと類似の形式で凹所領域360’がドレイン・アクセス領域の下に設けられているHEMTデバイス500Aの実施例を示す。凹所領域360’’は、
図5Dのものと類似の連続的なトレンチとして形成されてよいか又は
図5Eのものと類似の一連の分離されたトレンチとして形成されてよい。
図8Bには示されていないが、HEMTデバイス500Aは、
図5Bに示されたものなどの不純物領域575又は
図5Cに示されたものなどの不純物領域575’も含んでよい。
【0118】
【0119】
ここで
図9Aを参照すると、基板122が提供され、その上に半導体構造が形成されてよい。基板122は、例えば、炭化ケイ素の4Hポリタイプであってよい半絶縁炭化ケイ素(SiC)基板であってよい。その他の炭化ケイ素候補ポリタイプは、3C、6H及び15Rポリタイプを含んでよい。基板122の厚さは、100μm以上であってよい。
【0120】
炭化ケイ素は、III族窒化物デバイスのための一般的な基板材料であってよいサファイア(Al2O3)よりもIII族窒化物(チャネル層324及び/又はバリア層326において採用されてよい)に対する著しくより近い結晶格子一致を有する。より近い格子一致は、サファイアにおいて一般的に利用可能であるものよりも高い品質のIII族窒化物膜を生じ得る。炭化ケイ素は、比較的高い熱伝導率も有し、これにより、炭化ケイ素上に形成されたIII族窒化物デバイスの合計出力電力は、サファイア及び/又はケイ素上に形成された類似のデバイスほどは基板の熱放散によって制限されない場合がある。また、半絶縁炭化ケイ素基板は、デバイス分離及び寄生容量の減少を提供し得る。
【0121】
炭化ケイ素が基板として採用されてよいが、本発明の実施例は、サファイア(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミニウムガリウム窒化物(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、ケイ素(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、LAO、リン化インジウム(InP)などの、基板122のためのあらゆる適切な基板を利用してよい。
【0122】
選択的なバッファ、核生成及び/又は遷移層(図示せず)も基板122上に提供されてよい。例えば、炭化ケイ素基板とデバイスの残りとの間に適切な結晶構造遷移を提供するために、AlNバッファ層が提供されてよい。加えて、ひずみバランス遷移層も提供されてよい。
【0123】
凹所領域360が、基板122の上面に形成されてよい。凹所領域360は、例えば、基板122の上面にマスクを形成し、ソース・アクセス領域の下、ドレイン・アクセス領域の下又は結果として生じるデバイスのゲートの下になることが意図された領域内など、凹所領域360の位置が望まれるところで基板122の上面の部分を露出させるためにマスクをパターニングすることによって提供されてよい。次いで、基板122の上面の露出した部分は、凹所領域360を形成するために、パターニングされたマスクを使用してエッチングされてよい。
【0124】
図9Bを参照すると、基板122上及び凹所領域360内にチャネル層324が提供される。チャネル層324は、上記で説明されているようにバッファ層、遷移層及び/又は核生成層を使用して基板122上に堆積させられてよい。チャネル層324は、圧縮ひずみ下にあってよい。さらに、チャネル層324及び/又はバッファ、核生成及び/又は遷移層は、MOCVD、MBE及び/又はHVPEによって堆積させられてよい。本発明の幾つかの実施例において、チャネル層324は、III族窒化物層であってよい。
【0125】
図9Bを参照すると、バリア層326がチャネル層324上に形成されてよい。バリア層326は、III族窒化物層であってよい。本発明のある実施例において、バリア層326は、高度にドープされたn型層であってよい。例えば、バリア層326は、約10
19cm
-3未満の濃度にドープされてよい。
【0126】
本発明の幾つかの実施例において、バリア層326は、バリア層326が抵抗接点金属の下に埋め込まれているときに分極効果によってチャネル層324とバリア層326との間の境界面において著しいキャリア濃度を誘発するのに十分な厚さ、Al組成及び/又はドーピングを有してよい。また、バリア層326は、バリア層326と、その後に形成される第1の保護層との間の境界面に堆積させられるイオン化された不純物によるチャネルにおける電子の散乱を減じる又は最小限にするのに十分な厚さであってよい。
【0127】
幾つかの実施例において、チャネル層324及びバリア層326は、異なる格子定数を有してよい。例えば、バリア層326は、チャネル層324よりも小さな格子定数を有する比較的薄い層であってよく、これにより、バリア層326は、両者の間の境界面において「ストレッチ」する。したがって、疑似形態(pseudomorphic)HEMT(pHEMT)デバイスが提供されてよい。
【0128】
図9Dを参照すると、第1の保護層410がバリア層326上に形成される。第1の保護層410は、窒化ケイ素(SixNy)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)及び/又はその他の適切な保護材料などの、誘電材料であってよい。その他の材料も第1の保護層410のために利用されてよい。例えば、第1の保護層410は、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、酸化アルミニウム及び/又はアルミニウム酸窒化物を含んでもよい。第1の保護層410は、単層であってよい又は均一及び/又は不均一な組成の多数の層を含んでよい。
【0129】
第1の保護層410は、バリア層326上に形成されたブランケットであってよい。例えば、第1の保護層410は、高品質スパッタリング及び/又はプラズマ化学気相成長法(PECVD)によって形成された窒化ケイ素(SiN)層であってよい。第1の保護層410は、抵抗接点のその後のアニールの間、下にあるバリア層326を保護するために十分に厚くてよい。
【0130】
図9Eを参照すると、第1の保護層410(
図9D参照)は、ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310及びドレイン・コンタクト305のための開口を形成するためにパターニングされてよい。例えば、第1の保護層410は、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305の配置のためにバリア層326を露出させる窓を形成するようにパターニングされてよい。窓は、パターニングされたマスクと、バリア層326に関して低損傷エッチとを利用してエッチングされてよい。抵抗接点は、バリア層326の露出した部分に形成されてよい。抵抗接点は、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305を提供するためにアニールされてよい。
【0131】
第1の保護層410は、ゲート・コンタクト310を提供するためにパターニングされてもよい。第1の保護層410は、ゲート・コンタクト310の配置のためにバリア層326を露出させる窓を形成するためにエッチングされてよい。ゲート・コンタクト310は、エッチングされた窓内に形成されてよく、バリア層326の露出した部分と接触するように第1の保護層410を貫通して延びていてよい。適切なゲート材料は、バリア層326の組成に依存してよい。しかしながら、ある実施例において、Ni、Pt、NiSix、Cu、Pd、Cr、TaN、W及び/又はWSiNなどの、窒化物ベース半導体材料とのショットキー接触を形成することができる従来の材料が使用されてよい。ゲート・コンタクト310の一部は、第1の保護層410の表面上に延びていてよい。ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310及びドレイン・コンタクト305の形成は、第1の絶縁層350_1を形成するために
図9Dの第1の保護層410のパターニングを生じてよい。
【0132】
ソース・コンタクト315は、
図9Eにおいてバリア層326の上面にあるように示されているが、幾つかの実施例において、ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310及び/又はドレイン・コンタクト305は、バリア層326の上面における凹所内に形成されてよいことが理解されるであろう。
【0133】
図9Fを参照すると、第2の保護層420が、第1の絶縁層350、ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310及びドレイン・コンタクト305の上に形成されてよい。第2の保護層420は、誘電層であってよい。幾つかの実施例において、第2の保護層420は、第1の絶縁層350_1とは異なる誘電率を有してよい。
【0134】
図9Gを参照すると、フィールド・プレート312が第2の保護層420上に形成されてよい。フィールド・プレート312は、(例えば、
図9FのZ方向において)ゲート・コンタクト310と重なり合ってよく、ゲートとドレインとの間の領域(即ち、ゲート-ドレイン領域)上に所定の距離だけ延びていてよい。ゲート・コンタクト310上のフィールド・プレート312の重なり合い及び/又はフィールド・プレート312がゲートードレイン領域上に延びる距離は、最適な結果のために変化させられることができる。幾つかの実施例において、フィールド・プレート312は、ゲート・コンタクト310又はソース・コンタクト315に電気的に接続されることができ、発明から逸脱することなく、図示されたもの以外のフィールド・プレート構造が使用され得ることが理解される。幾つかの実施例において、フィールド・プレート312は省略されてよい。
【0135】
再び
図7Aを参照すると、基板122(
図9F参照)は、薄い基板322を形成するように薄化されてよい。幾つかの実施例において、基板322の厚さは、インフィード又はクリープ・フィード研削盤などの研削盤を使用して減じられる。その他の実施例において、基板322の厚さは、研削を伴う又は伴わない、ラッピング、化学的又は反応性イオンエッチング又はこれらのアプローチの組合せを使用して減じられる。さらに他の実施例において、薄化加工により生じ得る基板322への損傷を減じるために基板322の裏側を処理するためにエッチングが使用されてよい。ウェハを薄化する方法は、例えば、同一出願人による米国特許第7,291,529号、米国特許第7,932,111号、米国特許第7,259,402号及び米国特許第8,513,686号に記載されてよい、これらの開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0136】
本発明による幾つかの実施例において、基板322は、約40μm~約100μmの厚さに薄化される。基板322は、約40μm~約75μmの厚さに薄化される。幾つかの実施例において、基板122の薄化は省略され、基板122は、基板322と有効に同一である。
【0137】
バックメタル層335は、基板322の下面322Bに堆積させられてよい。バックメタル層335は、例えば、チタン、プラチナ及び/又は金などの導電性金属を含んでよい。バックメタル層335は、(例えば、伝導性ビア又はその他の伝導性パスによって)ソース・コンタクト315に電気的に接続されてよい。
【0138】
図10A~
図10Dは、本開示の幾つかの実施例による追加的な半導体デバイスを構成するための方法を示す。例えば、
図10A及び
図10Bは、例えば、
図2の半導体デバイス300’を構成するために不純物領域375を形成するための方法を示す。
図10Aを参照すると、ドープされた領域1075が基板122に形成されてよい。ドープされた領域1075は、例えば、基板122へのイオン注入によって形成されてよい。幾つかの実施例において、基板122は、n型であってよく、ドープされた領域1075は、p型であるように形成されてよい。
【0139】
図10Bを参照すると、凹所領域360’は、基板122の上面及びドープされた領域1075内に形成されてよい。凹所領域360’は、例えば、基板122の上面にマスクを形成し、結果として生じるデバイスのソース・アクセス領域の下になることが意図された領域内など、凹所領域360’の配置が望まれる基板122の上面及びドープされた領域1075の部分を露出させるためにマスクをパターニングすることによって、提供されてよい。凹所領域360’をエッチングすることは、(例えば、基板122の上面からの)凹所領域360’の深さ及び/又は凹所領域360’の幅がドープされた領域1075のものを超過しないように行われてよい。凹所領域360’のエッチング後、不純物領域375が、凹所領域360’の側壁及び/又は底面に形成されてよい。その後、
図9B~
図9Gの工程が、凹所領域360’を組み込んだデバイスを形成するために行われてよい。
【0140】
図10C及び
図10Dは、例えば、
図3の半導体デバイス300’’を構成するために不純物領域375’を形成するための方法を示す。
【0141】
図10Cの工程は、
図9Aに示された工程の後に行われてよい。
図10Cを参照すると、不純物領域375’が、凹所領域360に形成されてよい。例えば、不純物領域375’は、イオン注入によって形成されてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375’は、基板122における凹所領域360内に堆積させられてよい。例えば、不純物領域375’は、MOCVD、MBE及び/又はHVPEによって堆積させられてよい。幾つかの実施例において、不純物領域375’は、GaNなどのIII族窒化物層であってよい。不純物領域375’は、その形成後又は形成中に、p型となるようにドープされてよい。
【0142】
図10Dを参照すると、チャネル層324が、基板122及び不純物領域375’上に提供されている。チャネル層324は、上記で説明されているように、バッファ層、遷移層及び/又は核生成層を使用して基板122及び不純物領域375’上に堆積させられてよい。チャネル層324は、圧縮ひずみ下にあってよい。さらに、チャネル層324及び/又はバッファ、核生成及び/又は遷移層は、MOCVD、MBE及び/又はHVPEによって堆積させられてよい。本発明の幾つかの実施例において、チャネル層324は、III族窒化物層であってよい。幾つかの実施例において、チャネル層324の材料は、不純物領域375’のものと同じであってよい。その後、
図9C~
図9Gの工程が、凹所領域360’を組み込んだデバイスを形成するために行われてよい。
【0143】
図9A~
図9G及び
図10A~
図10Dは、凹所領域360がソース・アクセス領域に形成される実施例を示しているが、本開示の実施例はそれに限定されない。当業者によって理解されるように、
図9A~
図9G及び
図10A~
図10Dの方法は、ドレイン・アクセス領域に凹所領域360’を有するデバイス(
図4A~
図4Eに示されたデバイス400、400’、400’’など)及びゲート・コンタクトの下に凹所領域360’’を有するデバイス(
図5A~
図5Eに示されたデバイス500、500’、500’’など)を形成するために、同様に準用されてよい。
【0144】
加えて、HEMTデバイス300A、300A’’、300A’’’として具体化された半導体構造が、
図9A~
図9G及び
図10A~
図10Dに示されているが、本明細書に説明されている半導体構造390は、その他のタイプの半導体デバイスを用いて提供されてよい。言い換えれば、その他のタイプの半導体デバイスが使用されてよく、凹所領域360を形成する方法は、本開示の範囲から逸脱することなく半導体デバイスに適用されてよい。
図11A及び
図11Bは、本明細書において説明された凹所領域360、360’、360’’を含むことができる例示的な半導体デバイス300B、300Cを示す。前に説明された
図11A及び
図11Bの要素の重複する説明は省略する。
図11A及び
図11Bは、概して、
図1B及び
図1Cの線A-Aに沿って見たものである。
【0145】
図11Aは、ソース及びドレイン領域215及び205の間の半導体構造390の領域がMESFET300Bの伝導チャネル又はチャネル領域を提供する、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)デバイス300Bを示す。MESFET300Bは、基板322上に形成されてよい。
【0146】
図11Bは、ソース及びドレイン領域215及び205の間の半導体構造390の領域がMOSFET300Cのチャネル領域を提供し、ゲート・コンタクト310がゲート酸化物層110によってチャネル領域から分離されている、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイス300Cを示す。MOSFET300Cは、基板322上に形成されてよい。
【0147】
各半導体デバイス300B、300Cは、基板322において凹所領域360を含んでよい。
図11A及び
図11Bは、凹所領域360がソース・アクセス領域に形成されている実施例を示しているが、本発明の実施例はこれに限定されない。
図11Aの半導体デバイス300B、300Cは、ドレイン・アクセス領域において凹所領域360’を有する(
図4A~
図4Eに示されたデバイス400、400’、400’’など)及び/又はゲート・コンタクトの下に凹所領域360’’を有する(
図5A~
図5Eに示されたデバイス500、500’、500’’など)ように具体化されてもよい。
【0148】
図12A、
図12B及び
図12Cは、それぞれパッケージングされたトランジスタ・デバイス600A~600Cを提供するために、本開示の実施例による半導体デバイス300Aがパッケージングされ得る複数の例示的な方法を示す、概略的な断面図である。
図12A~
図12Cは、パッケージングされている
図7Aの半導体デバイス300Aを示しているが、本開示の実施例による半導体デバイス300A、300A’、300A’’、300B、300Cのうちのいずれかが、
図12A~
図12Cに示されたパッケージにパッケージングされ得ることが認められるであろう。
【0149】
図12Aは、パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Aの概略的な側面図である。
図12Aに示されているように、パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Aは、オープン・キャビティ・パッケージ610Aにパッケージングされた半導体デバイス300Aを含む。パッケージ610Aは、金属ゲート・リード622A、金属ドレイン・リード624A、金属サブマウント630、側壁640及びリッド642を含む。
【0150】
サブマウント630は、パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Aの熱管理を補助するように構成された材料を含んでよい。例えば、サブマウント630は、銅及び/又はモリブデンを含んでよい。幾つかの実施例において、サブマウント630は、多数の層から成ってよい及び/又はビア/相互接続を含んでよい。例示的な実施例において、サブマウント630は、そのそれぞれの主面に銅クラッディング層を備えるコア・モリブデン層を含む多層銅/モリブデン/銅金属フランジであってよい。幾つかの実施例において、サブマウント630は、リード・フレーム又は金属スラグの一部である金属ヒート・シンクを含んでよい。側壁640及び/又はリッド642は、幾つかの実施例において絶縁材料から形成されてよい又は絶縁材料を含んでよい。例えば、側壁640及び/又はリッド642は、セラミック材料から形成されてよい又はセラミック材料を含んでよい。幾つかの実施例において、側壁640及び/又はリッド642は、例えば、Al2O3から形成されてよい。リッド642は、エポキシ・グルーを使用して側壁640に接着されてよい。側壁640は、例えば、ろう付けによってサブマウント630に取り付けられてよい。ゲート・リード622A及びドレイン・リード624Aは、側壁640を貫通して延びるように構成されてよいが、本発明の実施例はこれに限定されない。
【0151】
半導体デバイス300Aは、金属サブマウント630と、セラミック側壁640と、セラミック・リッド642とによって画定された、空気で満たされたキャビティ612内で、金属サブマウント630の上面に取り付けられている。半導体デバイス300のゲート及びドレイン端子632、634は半導体デバイス300Aの上側にあってよいのに対し、ソース端子636は半導体デバイス300Aの下側にあってよい。ソース端子636は、例えば、伝導性ダイ取付け材料(図示せず)を使用して金属サブマウント630に取り付けられてよい。金属サブマウント630は、ソース端子636への電気接続を提供してよく、半導体デバイス300Aにおいて発生した熱を放散させる熱放散構造として働いてもよい。熱は、例えば、ユニット・セル・トランジスタのチャネル領域において比較的高い電流密度が発生される半導体デバイス300Aの上側部分において主に発生される。この熱は、半導体構造390を通じてソース端子636へ、次いで、金属サブマウント630へ伝達され得る。
【0152】
入力整合回路650及び/又は出力整合回路652もパッケージ610A内に取り付けられてよい。整合回路650、652は、インピーダンス整合及び/又は高調波終端回路を含んでよい。インピーダンス整合回路は、パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Aに入力される又はパッケージングされたトランジスタ・デバイス600Aから出力されるRF信号の基本要素のインピーダンスを、それぞれ半導体デバイス300Aの入力又は出力におけるインピーダンスに整合させるために使用されてよい。高調波終端回路は、半導体デバイス300Aの入力又は出力に存在し得る基本RF信号の高調波を接地するために使用されてよい。2つ以上の入力整合回路650及び/又は出力整合回路652が提供されてよい。
図12Aに概略的に示されているように、入力及び出力整合回路650、652は、金属サブマウント630上に取り付けられてよい。ゲート・リード622Aは、1つ又は複数のボンド・ワイヤ654によって入力整合回路650に接続されてよく、入力整合回路650は、1つ又は複数の追加的なボンド・ワイヤ654によって半導体デバイス300Aのゲート端子632に接続されてよい。同様に、ドレイン・リード624Aは、1つ又は複数のボンド・ワイヤ654によって出力整合回路652に接続されてよく、出力整合回路652は、1つ又は複数の追加的なボンド・ワイヤ654によって半導体デバイス300Aのドレイン端子634に接続されてよい。誘導素子であるボンド・うぃあや654は、入力及び/又は出力整合回路650、652の一部を形成してよい。
【0153】
図12Bは、プリント回路基板ベースのパッケージ610Bにパッケージングされた
図7Aの半導体デバイス300Aを含むパッケージングされたトランジスタ・デバイス600Bの概略的な側面図である。パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Bは、パッケージ610Aのゲート及びドレイン・リード622A、624Aがパッケージ610Bにおいてプリント回路基板ベースのリード622B、624Bに置き換えられていることを除き、
図12Aのパッケージングされたトランジスタ・デバイス600Aと非常に類似している。
【0154】
パッケージ610Bは、サブマウント630、セラミック側壁640、セラミック・リッド642を含み、これらはそれぞれ、上記で説明されたパッケージ610Aの同じ番号の要素と実質的に同じであってよい。パッケージ610Bは、さらに、プリント回路基板620を含む。プリント回路基板620上の伝導性トレースは、金属ゲート・リード622B及び金属ドレイン・リード624Bを形成している。プリント回路基板620は、例えば、導電性グルーによってサブマウント630に取り付けられてよい。プリント回路基板620は中央開口を含み、半導体デバイス300は、サブマウント630上でこの開口内に取り付けられている。パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Bのその他の構成要素は、パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Aの同じ番号の構成要素と同じであってよく、したがって、それらの更なる説明は省略する。
【0155】
図12Cは、別のパッケージングされたトランジスタ・デバイス600Cの概略的な側面図を示す。パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Cは、異なるパッケージ610Cを含むという点で、パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Aとは異なる。パッケージ610Cは、金属サブマウント630(パッケージ610の同じ番号のサブマウント630と類似又は同一であってよい)並びに金属ゲート及びドレイン・リード622C、624Cを含む。パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Cは、半導体デバイス300A、リード622C、624C及び金属サブマウント630を少なくとも部分的に包囲するプラスチック・オーバーモールド660も含む。パッケージングされたトランジスタ・デバイス600Cのその他の構成要素は、トランジスタ・デバイス600Aの同じ番号の構成要素と同じであってよく、したがって、それらの更なる説明は省略する。
【0156】
上記で説明された本発明の様々な実施例は、半導体構造の上面(即ち、基板と接触する面とは反対側の面)上に全てがあるものとしてゲート・コンタクト、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトを示している。この場合、このようなコンタクトは、「トップ・サイド」コンタクトと呼ばれてよい。しかしながら、本発明の実施例による半導体デバイスは、トップ・サイド・ソース、ゲート及びドレイン・コンタクトのみを有することに限定されないことが認められるであろう。例えば、
図7Aに関して上記で説明されているように、半導体構造390及び基板322を貫通して延びる導電性ソース・ビア(図示せず)が提供されてよい。これらのソース・ビアは、例えば、トップ・サイド・ソース・コンタクト315を、基板322の下面に提供され得る第1のバックサイド金属層に電気的に接続するために使用されてよい金属めっきされた又は金属で満たされたビア(開口)を含んでよい。第1のバックサイド金属層は、バックサイド・ソース・コンタクトとして働いてよい。
【0157】
その他の実施例において、トップ・サイド・ゲート・コンタクト310を、バックサイド・ゲート・コンタクトとして働いてよい基板322の下面に提供されてよい第2のバックサイド金属パターンに電気的に接続するために、半導体構造390及び基板322を貫通して延びる、ゲート・ビアが提供されてよい、及び/又はドレイン・コンタクト305を、バックサイド・ドレイン・コンタクトとして働いてよい基板322の下面に提供されてよい第3のバックサイド金属パターンに電気的に接続するために、半導体構造390及び基板322を貫通して延びるドレイン・ビアが提供されてよい。バックサイド・ソース、ゲート及び/又はドレイン・コンタクトの使用は、半導体デバイスを外部回路に接続するための便利な方法を提供してよく、例えば、半導体デバイスと外部回路との間のボンド・ワイヤ接続のあらゆる必要性を低減又は排除し得る。
【0158】
本発明の実施例による半導体デバイスは、バックサイド・ソース、ドレイン及びゲート・コンタクト(及びそれらの関連するビア)のあらゆる組合せを含んでよいことが認められるであろう。例えば、幾つかの実施例において、バックサイド・ソース及びゲート・コンタクト(及びそれらの関連するビア)が提供されてよいのに対し、他の実施例において、バックサイド・ソース及びドレイン・コンタクト(及びそれらの関連するビア)が提供されてよい。さらに他の実施例において、バックサイド・ソース、ゲート及びドレイン・コンタクト(及びそれらの関連するビア)が提供されてよい。その他の組合せが可能である。トップ・サイド・ソース、ゲート及びドレイン・コンタクト305、310、315は、外部ソースからトップ・サイド・ソース、ゲート及びドレイン・コンタクト305、310、315への電気接続を形成することを容易にするボンド・パッド又はその他の構造に接続されてよい又は接続されなくてよい(若しくはボンド・パッド又はその他の構造を含んでよい又は含まなくてよい)ことも認められるであろう。したがって、本発明の実施例による半導体デバイスは、ソース、ゲート及びドレイン・コンタクトのそれぞれのための外部回路に接続するために、トップ・サイドのみ、バックサイドのみ、又はトップ・サイド及びバックサイドの両方のコンタクト構造を有するように構成することができる。
【0159】
2021年3月24日に出願された米国特許出願第17/211,281号(「’281出願」)は、バックサイド・ソース、ゲート及び/又はドレイン・コンタクトを有するRFトランジスタ増幅器を開示している。’281出願の全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。’281出願に開示されたバックサイド及びトップ・サイド・ソース、ゲート及びドレイン・コンタクトの配置のいずれも、本明細書に開示された本発明の実施例による半導体デバイスのいずれかにおいて使用されてよいことが認められるであろう。本発明の実施例による半導体デバイスは、基板が、下にある取付け基板上に取り付けられるように取り付けられてよいか、又は代替的に、トップ・サイド・コンタクトが、下にある取付け基板上に取り付けられるところで、フリップチップ構成で取り付けられてよいことも認められるであろう。
【0160】
様々な要素を説明するために本明細書において第1、第2などの用語が使用される場合があるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきでないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するだけのために使用されている。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と称することができ、同様に、第2の要素を第1の要素と称することができる。本明細書において使用されているように、「及び/又は」という用語は、関連する列挙されたアイテムのうちの1つ又は複数のあらゆる且つ全ての組合せを含む。
【0161】
本明細書において使用される用語は、特定の実施例を説明することだけを目的とし、発明の限定であることは意図されていない。本明細書において使用されているように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数形も含むことが意図されている。本明細書において使用されるときの「comprises」、「comprising」、「includes」及び/又は「including」という用語は、言及された特徴、整数、ステップ、工程、要素及び/又は構成要素の存在を明示するが、1つ又は複数のその他の特徴、整数、ステップ、工程、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0162】
別段の定めがない限り、本明細書において使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において使用される用語は、本明細書の文脈及び関連技術におけるそれらの意味と一貫する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそうであることが定められない限り、理想化された又は過度に形式的な意味において解釈されないことがさらに理解されるであろう。
【0163】
層、領域又は基板などの要素が、別の要素「上に」ある又は「上に」延びていると述べられたとき、その要素は、別の要素の上に直接あるか又は別の要素の上に直接延びていることができ、又は介在する要素が存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素の「上に直接ある」又は「上に直接延びている」と述べられているとき、介在する要素は存在しない。ある要素が別の要素に「接続」又は「結合」されていると述べられているとき、その要素は他の要素に直接に接続又は結合されることができるか又は介在する要素が存在してよいことも理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接に接続されている」又は「直接に結合されている」と述べられているとき、介在する要素は存在しない。
【0164】
「下方」又は「上方」又は「上側」又は「下側」又は「水平方向」又は「横方向」又は「垂直方向」などの相対的な用語は、図面に示されているときの別の要素、層又は領域に対する1つの要素、層又は領域の関係を説明するために本明細書において使用される場合がある。これらの用語は、図面に示された向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されるであろう。
【0165】
発明の実施例は、発明の理想化された実施例(及び中間構造)の概略的な説明である断面図に関して本明細書に説明されている。図面における層及び領域の厚さは、分かりやすくするために誇張されている場合がある。加えて、例えば、製造技術及び/又は公差の結果として図示の形状からの逸脱が予想されるべきである。したがって、発明の実施例は、本明細書に示された領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造の結果として生じる形状の逸脱を含むべきである。同様に、製造手順における標準偏差に基づいて寸法のばらつきが予想されることが理解されるであろう。本明細書において使用されているように、別段の定めがない限り、「約」及び/又は「実質的に」は、公称値の10%以内の値を含む。
【0166】
同じ番号は、全体を通じて同じ要素を示す。したがって、同じ又は類似の番号は、対応する図面において言及又は説明されていないとしても、他の図面に関連して説明される場合がある。また、参照番号によって示されていない要素が、他の図面に関して説明される場合がある。
【0167】
発明の幾つかの実施例は、層及び/又は領域における多数キャリア濃度を指す、n型又はp型などの導電型を有するものとして特徴づけられる半導体層及び/又は領域に関して説明されている。したがって、N型材料は、負に帯電した電子の多数平衡濃度を有するのに対し、P型材料は、性に帯電したホールの多数平衡濃度を有する。幾つかの材料は、別の層又は領域と比較して多数キャリアの比較的より大きな(「+」)又はより小さな「-」)濃度を示すために、「+」又は「-」によって(N+、N-、P+、P-、N++、N--、P++、P--など)指示されてよい。しかしながら、このような表記は、層又は領域における多数又は少数キャリアの特定の濃度の存在を暗示しない。
【0168】
図面及び明細書において、発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらの用語は、限定の目的ではなく、一般的且つ説明的な意味で使用されており、発明の範囲は、以下の請求項に示されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板であって、前記基板の上面は凹所領域を備える、基板と、
前記基板上の半導体構造であって、前記半導体構造の一部は前記凹所領域内にある、半導体構造と、
前記半導体構造上のゲート・コンタクト、ドレイン・コンタクト及びソース・コンタクトと、を備え、
前記凹所領域は、前記ドレイン・コンタクト又は前記ソース・コンタクトと垂直方向で重なり合っていない、半導体デバイス。
【請求項2】
前記基板は、前記凹所領域に隣接して不純物領域を含む、請求項
1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記不純物領域は、p型不純物を含む、請求項
2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記不純物領域は、前記凹所領域の少なくとも1つの側壁及び/又は底面にある、請求項
3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記凹所領域内の前記半導体構造の前記一部は、p型ドーパントでドープされている、請求項
1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記凹所領域は、前記ソース・コンタクトの下から前記ゲート・コンタクトの下まで延びる前記半導体構造の部分上にある、請求項1から
5までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記凹所領域は、前記ドレイン・コンタクトの下から前記ゲート・コンタクトの下まで延びる前記半導体構造の部分上にある、請求項1から
5までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記ゲート・コンタクトは、第1のゲート・コンタクトを含み、
前記半導体デバイスは、第2のゲート・コンタクトをさらに含み、
前記凹所領域は、前記第1のゲート・コンタクトの下にある、請求項1から
5までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1及び第2のゲート・コンタクトは、前記半導体構造上で第1の方向に延びており、
前記凹所領域は、前記第1の方向に延びる長手方向軸線を有する、請求項
8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1のゲート・コンタクトに関連した第1のトランジスタの第1のしきい値電圧は、前記第2のゲート・コンタクトに関連した第2のトランジスタの第2のしきい値電圧とは異なる、請求項
8に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記ゲート・コンタクトは、第1の方向に延びる長手方向軸線を有し、
前記凹所領域は、前記ゲート・コンタクトの下に配置され且つ前記第1の方向に沿って互いに間隔を空けられた複数の凹所領域を含む、請求項
8に記載の半導体デバイス。
【国際調査報告】