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特表2024-534320クロック同期方法および装置、および車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】クロック同期方法および装置、および車両
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
H04L7/00 990
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513521
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 CN2022116553
(87)【国際公開番号】W WO2023045728
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111134429.6
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フアン、ジリアン
【テーマコード(参考)】
5K047
【Fターム(参考)】
5K047AA18
5K047GG56
(57)【要約】
本願は、時間同期方法および装置、および車両を提供する。方法および装置は、車両に適用される。前記方法は、第1の信号を取得する段階、ここで、前記第1の信号は、外部クロックソースのクロック情報を含む;前記第1の信号の信号品質を判定する段階;および前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定する段階、ここで、前記クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含んでおり、前記車両が前記第1のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、前記車両が前記第2のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースおよび内部クロックソースから前記第1のクロック情報および第2のクロック情報をそれぞれ取得し、ここで、前記内部クロックソースは、前記車両内に位置している、を備える。本願におけるクロック同期方法は、自律運転またはインテリジェント運転シナリオにおいて用いられてよく、その結果、異なるクロックスキームが、異なるシナリオ要件に基づいて構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に適用されるクロック同期方法であって、
第1の信号を取得する段階、ここで、前記第1の信号は、外部クロックソースのクロック情報を含む;
前記第1の信号の信号品質を判定する段階;および
前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定する段階、ここで、前記クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含んでおり、前記車両が前記第1のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、前記車両が前記第2のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースおよび内部クロックソースから前記第1のクロック情報および第2のクロック情報をそれぞれ取得し、ここで、前記内部クロックソースは、前記車両内に位置している
を備える、方法。
【請求項2】
前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定する前記段階は、
前記第1の信号の前記信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、前記クロックモードが前記第1のクロックモードである、と判定する段階;または
前記第1の信号の前記信号品質が前記第1の閾値よりも小さい場合、前記クロックモードが前記第2のクロックモードである、と判定する段階
を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クロックモードは、前記第2のクロックモードである;および
前記方法は、
前記第1のクロック情報に基づいて管理プレーンクロックを同期させ、前記第2のクロック情報に基づいてデータプレーンクロックを同期させる段階
をさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる段階をさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記車両が外部デバイスと通信する必要がある、と判定する段階
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい、と判定する段階をさらに備える、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定する段階
をさらに備える、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記車両がテイクオーバされている、と判定する段階
をさらに備える、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定する段階をさらに備える、請求項4から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定する前記段階は、
前記車両が広い道路、または、トンネルおよび幹線道路の間の出入口に位置している場合、前記外部クロックソースが全地球測位衛星システムGNSSクロックである、と判定する段階;または
前記車両がトンネルの中、橋の下または地下ガレージの中にある場合、前記外部クロックソースがネットワークタイムプロトコルNTPクロックである、と判定する段階
を有する、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記車両は、第1の装置および第2の装置を含み、前記第1の装置および前記第2の装置の両方が前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックを含む;
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階は、
前記第1の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第1の装置の前記データプレーンクロックを同期させる段階
を有する;および
前記方法は、
前記第1の装置のデータを前記第2の装置へバックアップする段階;および
前記第1の装置のバックアップされた前記データに基づいて、前記車両の走行を前記第2の装置により制御する段階
をさらに備える、請求項4から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の装置の前記データプレーンクロックおよび前記第1の装置の前記管理プレーンクロックの間の同期が完了した後に、前記車両の走行を前記第1の装置により制御する段階
をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記車両の走行を前記第1の装置により制御する前記段階の後に、
前記第2の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第2の装置の前記データプレーンクロックを同期させる段階
をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
車両内で用いられるクロック同期装置であって、
第1の信号を取得するように構成された取得モジュール、ここで、前記第1の信号は、外部クロックソースのクロック情報を含む;および
前記第1の信号の信号品質を判定するように構成された処理モジュール
を備え、
ここで、前記処理モジュールはさらに、前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定するように構成されており、ここで、前記クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含んでおり、前記車両が前記第1のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、前記車両が前記第2のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースおよび内部クロックソースから前記第1のクロック情報および第2のクロック情報をそれぞれ取得し、ここで、前記内部クロックソースは、前記車両内に位置している
装置。
【請求項15】
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1の信号の前記信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、前記クロックモードが前記第1のクロックモードである、と判定する;または
前記第1の信号の前記信号品質が前記第1の閾値よりも小さい場合、前記クロックモードが前記第2のクロックモードである、と判定する
ように構成されている、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記クロックモードが前記第2のクロックモードである場合、前記処理モジュールはさらに、
前記第1のクロック情報に基づいて管理プレーンクロックを同期させ、前記第2のクロック情報に基づいてデータプレーンクロックを同期させるように構成されている、
請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記車両が外部デバイスと通信する必要がある、と判定するように構成されている、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている、
請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている、
請求項17から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、ユーザが前記車両をテイクオーバしている、と判定するように構成されている、
請求項17から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記処理モジュールはさらに、
前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定するように構成されている、
請求項17から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記処理モジュールは、具体的には、
前記車両が広い道路、または、トンネルおよび幹線道路の間の出入口に位置している場合、前記外部クロックソースがGNSSクロックである、と判定するように構成されている;または
前記車両がトンネルの中、橋の下または地下ガレージの中に位置している場合、前記処理モジュールは、前記外部クロックソースがネットワークタイムプロトコルNTPクロックである、と判定するように構成されている、
請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記処理モジュールは、第1の装置および第2の装置を有し、前記第1の装置および前記第2の装置の両方が前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックを含む;
前記処理モジュールは、具体的には、前記第1の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第1の装置の前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている;および
前記処理モジュールはさらに、
前記第1の装置のデータを前記第2の装置へバックアップする;および
前記第2の装置を用いることにより、前記第1の装置のバックアップされた前記データに基づいて前記車両の走行を制御する
ように構成されている、
請求項17から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記処理装置はさらに、
前記第1の装置の前記データプレーンクロックおよび前記第1の装置の前記管理プレーンクロックの間の同期が完了した後に、前記第1の装置を用いることにより、前記車両の走行を制御するように構成されている、
請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記処理装置はさらに、
前記第1の装置を用いることにより、前記車両の走行を制御した後に、前記第2の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第2の装置の前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている、
請求項25に記載の装置。
【請求項27】
車両内で用いられるクロック同期装置であって、プロセッサおよびメモリを備え、前記メモリは、プログラム命令を格納するように構成されており、前記プロセッサは、前記プログラム命令を呼び出して、請求項1から13のいずれか一項に記載の時間同期方法を実行するように構成されている、クロック同期装置。
【請求項28】
請求項14から27のいずれか一項に記載の時間同期装置を備える車両。
【請求項29】
プログラム命令を格納したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラム命令がプロセッサにより実行された場合、請求項1から13のいずれか一項に記載の時間同期方法が実装される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項30】
プロセッサおよびデータインタフェースを備えるチップであって、前記プロセッサは、前記データインタフェースを通じて、メモリに格納された命令を読み取って、請求項1から13のいずれか一項に記載の時間同期方法を実行する、チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年9月27日に中国国家知識財産局に出願された、「クロック同期方法および装置、および車両」と題する中国特許出願第202111134429.6号の優先権を主張する。当該中国特許出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、自律運転の分野に関し、より具体的には、クロック同期方法および装置、および車両に関する。
【背景技術】
【0003】
自律運転技術の開発に伴い、自律運転車両は、多くのセンサおよびECUを統合している。異なるデータソースが、比較、分析および計算等のために統一時間スケールへ変換される必要がある。エンジニアリングの慣行では、全地球測位衛星システム(global navigation satellite system、GNSS)、慣性測定ユニット(inertial measurement unit、IMU)および車両ステータス等の信号を計算のために同じ時間スケールへ統一する必要があることが多い。
【0004】
GNSSクロックは主に、既存の自律運転において用いられている。しかしながら、車両移動プロセスでは、トンネルまたは地下ガレージなどのシナリオが避けられず、GNSS信号がブロックされる。結果として、協定世界時(universal time coordinated、UTC)時間を受信できない。時間同期の再度の実行へとGNSS信号が戻る場合、時間同期により引き起こされる時間ジャンプが自律運転アプリケーションロジックに影響を及ぼす。しかしながら、自律運転SAEのL3およびより高いレベルでは、自律運転は、外部インタラクション要件を有する。ローカル(ハードウェアリアルタイム)クロックの時間がUTC時間と近くなり得ないので、外部インタラクションには不便である。結果として、ローカルクロックを自律運転に直接用いることができない。部分的に既存の自律運転では、GNSSクロックおよびローカルクロックが用いられている。GNSSクロックが正確であるかどうかにかかわらず、ローカルクロックは、GNSSクロックに基づいて同期される。このように、時間同期中に生成される時間ジャンプを回避できず、自律運転アプリケーションロジックに対する影響を回避できない。
【0005】
したがって、異なる要件を満たすべく自律運転のためにクロック同期をどのようにフレキシブルに実行するかが、解決すべき喫緊の課題になっている。
【発明の概要】
【0006】
本願は、クロック同期方法および装置、コントローラ、および車両を提供し、その結果、異なる要件を満たすべくクロック同期が自律運転のために実行される。
【0007】
第1の態様によれば、時間同期方法が提供される。前記方法は車両に適用され、第1の信号を取得する段階、ここで、前記第1の信号は、外部クロックソースのクロック情報を含む;前記第1の信号の信号品質を判定する段階;および前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定する段階、ここで、前記クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含んでおり、前記車両が前記第1のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、前記車両が前記第2のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースおよび内部クロックソースから前記第1のクロック情報および第2のクロック情報をそれぞれ取得し、ここで、前記内部クロックソースは、前記車両内に位置している、を備える。
【0008】
具体的には、車両は、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックを含んでおり、第1のクロックモードは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同じクロックソースを用いることを意味し得る。第2のクロックモードは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが異なるクロックソースを用いることを意味し得る。
【0009】
任意選択的に、外部クロックソースは、GNSSクロックまたはネットワークタイムプロトコル(network time protocol、NTP)クロックであってよい。
【0010】
本願の本実施形態における方法によれば、クロックモードが第1の信号の信号品質に基づいて判定されてよく、その結果、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードが異なるシナリオ要件に基づいて自律運転アルゴリズムのために構成され得ることで、自律運転アルゴリズムアプリケーションロジックの安定性が保証される。このように、同じドメインコントローラのハードウェアまたはソフトウェアロジックが、異なるシナリオにおける異なるクロックスキームの要件を満たし得る。
【0011】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつか実装において、前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定する前記段階は、前記第1の信号の前記信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、前記クロックモードが前記第1のクロックモードである、と判定する段階;または前記第1の信号の前記信号品質が前記第1の閾値よりも小さい場合、前記クロックモードが前記第2のクロックモードである、と判定する段階を有する。
【0012】
具体的には、第1の閾値は、車両により外部クロックソースから取得されてよく、かつ、自律運転のための安定的なクロック情報を提供するために用いられる第1の信号の信号品質閾値を表し得る。
【0013】
いくつかの可能な実装において、第1の信号の信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しく、かつ、第1の信号の信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい持続時間が第1の持続時間よりも大きいまたはそれに等しい場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定される。
【0014】
いくつかの可能な実装において、第1の信号の信号品質が第1の閾値よりも小さく、かつ、第1の信号の信号品質が第1の閾値よりも小さい持続時間が第2の持続時間よりも大きいまたはそれに等しい場合、クロックモードが第2のクロックモードである、と判定される。
【0015】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、クロックモードは、第2のクロックモードであり、方法は、第1のクロック情報に基づいて管理プレーンクロックを同期させ、第2のクロック情報に基づいてデータプレーンクロックを同期させる段階をさらに備える。
【0016】
具体的には、クロックモードが第2のクロックモードである場合、管理プレーンクロックは、外部クロックソースから取得される第1のクロック情報に基づいて同期され、データプレーンクロックは、内部クロックソースから取得される第2のクロック情報に基づいて同期される。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックはそれぞれ、外部クロックソースから取得される第1のクロック情報および内部クロックソースから取得される第2のクロック情報に基づいて同期される。したがって、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同期されてよく、または同期されなくてよい。任意選択的に、第2のクロックモードは、デュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードを含んでよく、デュアルクロック同期モードは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の同期を示し、デュアルクロック非同期モードは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の非同期を示す。
【0017】
本願の本実施形態において、クロックモードが第2のクロックモードである場合、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックはそれぞれ、異なるクロックソースからクロック情報を取得し、それぞれ、異なるクロックソースと同期してよく、その結果、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同期されてよく、または同期されなくてよい。つまり、第2のクロックモードは、デュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードであってよく、その結果、自律運転が第2のクロックモードに基づいて実行される場合、異なるシナリオの要件が満たされ得る。
【0018】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、前記方法は、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる段階をさらに備える。
【0019】
具体的には、データプレーンクロックが、管理プレーンクロックに基づいて同期され、その結果、管理プレーンクロックおよびデータプレーンクロックが同期される、つまり、第2のクロックモードは、デュアルクロック同期モードであってよい。
【0020】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、前記方法は、前記車両が外部デバイスと通信する必要がある、と判定する段階をさらに備える。
【0021】
任意選択的に、車両が外部デバイスと通信する必要がある場合、外部インタラクションの要件を満たすために、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードである、と判定され得る。代替的に、車両が外部デバイスと通信する必要がない場合、第2のクロックモードがデュアルクロック非同期モードである、と判定され、その結果、車両が外部インタラクション要件を有さない場合に自律運転を内部クロックソースに基づいて実行でき、データプレーンクロックの時間ジャンプが回避されることにより、自律運転の安定した動作が保証され得る。
【0022】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、前記方法は、前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい、と判定する段階をさらに備える。
【0023】
具体的には、第2の閾値は、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期状態にあるかどうかの時間差の閾値を示し得る。例えば、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、これは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックがもはや同期状態にないことを示す。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも小さい場合、これは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期状態にあることを示す。
【0024】
本願の本実施形態において、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる前に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差と第2の閾値との間の値関係が判定され、その結果、管理プレーンクロックに基づくデータプレーンクロックの過度に頻繁な同期を回避でき、時間同期により引き起こされるリソース消費を低減できる。
【0025】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、前記方法は、前記車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定する段階をさらに備える。
【0026】
具体的には、第3の閾値は、現在のシナリオでの自律運転における時間ジャンプを可能にし得る最大車両速度を示し得る。言い換えると、車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい場合には、時間ジャンプが存在するときでも、自律運転は、正常に実行され得る。
【0027】
本願の本実施形態において、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる前に、車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定され、その結果、データプレーンクロックが管理プレーンクロックに基づいて同期される場合には、時間ジャンプが存在するときでも、自律運転の安定した動作が保証され得る。
【0028】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、前記方法は、前記車両がテイクオーバされている、と判定する段階をさらに備える。
【0029】
本願の本実施形態において、データプレーンクロックが管理プレーンクロックに基づいて同期される前に、車両がテイクオーバ状態にあるので、データプレーンクロックが管理プレーンクロックに基づいて同期される場合には、時間ジャンプに起因して、自律運転アプリケーションロジックが乱れ、または自律運転がクラッシュしたときでも、車両の安全かつ安定した動作が、依然として保証され得る。
【0030】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、前記方法は、前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定する段階をさらに備える。
【0031】
具体的には、外部クロックソースは、GNSSクロックまたはNTPクロックであってよい。車両が位置している環境は、車両が現在位置している環境、または車両が位置しようとしている環境であってよい。
【0032】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定する前記段階は、前記車両が広い道路、または、トンネルおよび幹線道路の間の出入口に位置している場合、前記外部クロックソースがGNSSクロックである、と判定する段階;または前記車両がトンネルの中、橋の下または地下ガレージの中にある場合、前記外部クロックソースがNTPクロックである、と判定する段階を有する。
【0033】
本願の本実施形態において、管理プレーンクロックが管理プレーンクロックのクロックソースから正確な時間情報を取得できないので、自律運転アプリケーションロジックに対する影響を回避するために、車両が位置している環境に基づいて外部クロックソースが判定され、より正確な時間を有するクロックソースが管理プレーンクロックのために選択され得る。
【0034】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、前記車両は、第1の装置および第2の装置を含み、前記第1の装置および前記第2の装置の両方が前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックを含む;前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階は、前記第1の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第1の装置の前記データプレーンクロックを同期させる段階を有する;および前記方法は、前記第1の装置のデータを前記第2の装置へバックアップする段階;および前記第1の装置のバックアップされた前記データに基づいて、前記車両の走行を前記第2の装置により制御する段階をさらに備える。
【0035】
本願の本実施形態において、車両の走行を制御する第1の装置のデータが第2の装置へバックアップされ、第2の装置が車両の走行を制御し、その結果、第1の装置のデータプレーンクロックが第1の装置の管理プレーンクロックに基づいて同期される場合、クロック同期により引き起こされる時間ジャンプが自律運転に影響を及ぼすのを防ぐことができ、自律運転の安定した動作を保証できる。
【0036】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装では、前記第1の装置において、前記第1の装置の前記データプレーンクロックおよび前記第1の装置の前記管理プレーンクロックの間の同期が完了した後に、前記方法は、前記車両の走行を前記第1の装置により制御する段階をさらに備える。
【0037】
本願の本実施形態において、車両の走行を制御するための第2の装置のデータは、第1の装置へバックアップされ、第1の装置は、車両の走行の制御へ戻るように切り替えられ、その結果、より高い性能を有する装置が、車両の実行を制御できる。このように、自律運転アルゴリズムは、より円滑かつ効率的に動作し得る。
【0038】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、第2の装置のバックアップされたデータに基づいて車両の走行を第1の装置により制御する段階の後に、方法は、第2の装置の管理プレーンクロックに基づいて第2の装置のデータプレーンクロックを同期させる段階をさらに備える。
【0039】
本願の本実施形態において、第1の装置が車両の走行の制御を再開した後に、第2の装置は、第2の装置の管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させ、その結果、車両を制御するための装置がその後、第1の装置から第2の装置へ切り替えられる必要がある場合。このように、第2の装置のデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の非同期により引き起こされる、自律運転に対する影響を回避できる。
【0040】
第2の態様によれば、時間同期装置が提供され、この装置は、車両内で用いられ、この装置は、取得モジュールおよび処理モジュールを含む。取得モジュールは、第1の信号を取得するように構成されており、第1の信号は、クロック情報および外部クロックソースを含む。処理モジュールは、第1の信号の信号品質を判定するように構成されている;処理モジュールはさらに、第1の信号の信号品質に基づいてクロックモードを判定するように構成されており、クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含み、この車両が第1のクロックモードで動作する場合、車両は、外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、この車両が第2のクロックモードで動作する場合、車両は、第1のクロック情報および第2のクロック情報を外部クロックソースおよび内部クロックソースからそれぞれ取得し、内部クロックソースは、車両内に位置する。
【0041】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールは、具体的には、前記第1の信号の前記信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、前記クロックモードが前記第1のクロックモードである、と判定する;または前記第1の信号の前記信号品質が前記第1の閾値よりも小さい場合、前記クロックモードが前記第2のクロックモードである、と判定するように構成されている。
【0042】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記クロックモードが前記第2のクロックモードである場合、前記処理モジュールはさらに、前記第1のクロック情報に基づいて管理プレーンクロックを同期させ、前記第2のクロック情報に基づいてデータプレーンクロックを同期させるように構成されている。
【0043】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールはさらに、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている。
【0044】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールはさらに、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記車両が外部デバイスと通信する必要がある、と判定するように構成されている。
【0045】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールはさらに、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている。
【0046】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールはさらに、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている。
【0047】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールはさらに、前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、ユーザが前記車両をテイクオーバしている、と判定するように構成されている。
【0048】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールはさらに、前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定するように構成されている。
【0049】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールは、具体的には、前記車両が広い道路、または、トンネルおよび幹線道路の間の出入口に位置している場合、前記外部クロックソースがGNSSクロックである、と判定するように構成されている;または、前記処理モジュールは、前記車両がトンネルの中、橋の下または地下ガレージの中にある場合、前記処理モジュールは、前記外部クロックソースがネットワークタイムプロトコルNTPクロックである、と判定するように構成されている。
【0050】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールは、第1の装置および第2の装置を有し、前記第1の装置および前記第2の装置の両方が前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックを含む;前記処理モジュールは、具体的には、前記第1の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第1の装置の前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている;および前記処理モジュールはさらに、前記第1の装置のデータを前記第2の装置へバックアップする;および前記第2の装置を用いることにより、前記第1の装置のバックアップされた前記データに基づいて前記車両の走行を制御するように構成されている。
【0051】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールはさらに、前記第1の装置の前記データプレーンクロックおよび前記第1の装置の前記管理プレーンクロックの間の同期が完了した後に、前記第1の装置を用いることにより、前記車両の走行を制御するように構成されている。
【0052】
第2の態様に関連して、第2の態様のいくつかの実装において、前記処理モジュールはさらに、前記第1の装置を用いることにより、前記車両の走行を制御した後に、前記第2の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第2の装置の前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている。
【0053】
第3の態様によれば、装置が提供される。装置は、車両内で用いられ、装置は、プロセッサおよびメモリを含む。メモリは、プログラム命令を格納するように構成されており、プロセッサは、プログラム命令を呼び出すように構成されており、装置は、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装による方法を実行することが可能になる。
【0054】
第4の態様によれば、車両が提供され、車両は、第2の態様または第3の態様による装置を含む。
【0055】
第5の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の任意の実装による方法を実行することが可能になる。
【0056】
第6の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム命令を格納しており、プログラム命令がプロセッサにより実行された場合、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装による方法を実行することが可能になる。
【0057】
第7態様によれば、チップが提供される。チップは、プロセッサおよびデータインタフェースを備える。プロセッサは、データインタフェースを用いることにより、メモリに格納された命令を読み取って、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装による方法を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】本願の一実施形態による車両の機能ブロック図である。
【0059】
図2】本願の一実施形態によるクロック同期システムアーキテクチャの概略図である。
【0060】
図3】本願の一実施形態によるクロック同期システムアーキテクチャの一実装の概略図である。
【0061】
図4】本願の一実施形態によるクロック同期方法のフローチャートである。
【0062】
図5】本願の一実施形態によるクロック同期方法の例示的なフローチャートである。
【0063】
図6A】本願の一実施形態による、デュアルクロック同期モードを用いる方法の例示的なフローチャートである。
図6B】本願の一実施形態による、デュアルクロック同期モードを用いる方法の例示的なフローチャートである。
図6C】本願の一実施形態による、デュアルクロック同期モードを用いる方法の例示的なフローチャートである。
【0064】
図7】本願の一実施形態による、データプレーンクロックに基づいて管理プレーンクロックを同期させる方法の例示的なフローチャートである。
【0065】
図8】本願の一実施形態による時間同期装置の構造の例示的な図である。
【0066】
図9】本願の一実施形態による装置の構造の例示的な図である。
【0067】
図10】本願の一実施形態によるコンピュータプログラム製品の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下では、添付図面を参照して、本願の技術的解決手段を説明する。
【0069】
図1は、本願の一実施形態による障害検出方法の適用シナリオを示す。この適用シナリオでは、車両100および外部クロックソース180が含まれ得る。車両100および外部クロックソース180は、ネットワークを通じて互いに通信し得る。
【0070】
車両100の機能のいくつかまたは全ては、コンピューティングプラットフォーム150により制御される。コンピューティングプラットフォーム150は、少なくとも1つのプロセッサ151を含み得る。プロセッサ151は、非一時的コンピュータ可読媒体、例えばメモリ152に格納された命令153を実行し得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、コンピューティングプラットフォーム150は、代替的に、車両100の個々のコンポーネントまたはサブシステムを分散方式で制御する複数のコンピューティングデバイスであってよい。プロセッサ151は、任意の従来のプロセッサ、例えば、中央処理装置(central processing unit、CPU)であってよい。代替的に、プロセッサ151は、イメージプロセッサ(graphic process unit、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、システムオンチップ(system on chip、SOC)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)またはそれらの組み合わせをさらに含み得る。
【0072】
命令153に加え、メモリ152はさらに、データ、例えば、車両の道路マップ、ルート情報、位置、方向、速度、および他のそのような車両データ、および他の情報を格納し得る。そのような情報は、自律、半自律および/または手動モードでの車両100の動作中、車両100およびコンピューティングプラットフォーム150により用いられ得る。
【0073】
図1における車両の構造は、本願の本実施形態に関する限定と解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0074】
任意選択的に、車両100は、1つまたは複数の異なるタイプの輸送手段を含んでよく、陸上(例えば、高速道路、道路または鉄道)で、水上(例えば、水路、川または海)で、または空間で動作または移動する1つまたは複数の異なるタイプの輸送ツールまたは可動物体も含んでよい。例えば、車両は、自動車、自転車、オートバイ、電車、地下鉄、飛行機、ボート、航空機、ロボット、別のタイプの輸送車両または可動物体等を含み得る。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0075】
加えて、図1に示される適用シナリオは、外部クロックソース180をさらに含んでよく、外部クロックソースは、ネットワークデバイス、例えば、基地局、Wi-Fi(登録商標)または衛星内に位置してよい。本願の本実施形態において、外部クロックソースは、車両の第1のクロック情報を提供し、次に、自律運転アルゴリズムの動作を実行し得る。これにより、自律運転の動作が保証される。
【0076】
これに対応して、車両100は、外部クロックソース180により送信されるクロック情報を受信するように構成された受信装置120を含み得る。
【0077】
本願の実施形態におけるGNSSは、測位、ナビゲーションおよび時間サービスをグローバルまたは地域ベースで提供するように構成された衛星ナビゲーションシステムを指しており、グローバルシステム、例えば、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、北斗衛星導航系統(BeiDou navigation satellite system、BDS)、Glonassシステム(GLONASS)、ガリレオ測位システム(Galileo positioning system、GALILEO)、または開発中および将来の全地球衛星ナビゲーションシステムであってよい;または、地域システム、例えば、インド地域測位衛星システム(Indian regional navigation satellite system、IRNSS)、準天頂衛星システム(quasi-zenith satellite system、QZSS)、または開発中および将来の地域衛星ナビゲーションシステムであってよい;または、関連補強システム、例えば、広域補強システム(wide area augmentation system、WAAS)、欧州静止衛星ナビゲーションオーバーレイサービス(European geostationary navigation overlay service、EGNOS)、多機能衛星増強システム(multi-functional satellite augmentation system、MSAS)、および開発中および将来の関連増強システムであってよいことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0078】
図2は、本願の一実施形態によるクロック同期システムアーキテクチャの概略図である。データプレーンクロックおよび/または管理プレーンクロックは、クロック同期システムアーキテクチャを用いることにより同期され得る。図2に示されるように、システムアーキテクチャは、外部クロックソース、内部クロックソース、ロジックモジュールおよび時間同期モジュールを含む。時間同期モジュールは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックを含む。
【0079】
外部クロックソースは、車両の外部に位置する外部クロックソース、例えば、GNSS衛星により提供されるGNSSクロック、または、通信ネットワーク、例えば基地局またはWi-Fiにより提供されるNTPクロックを指す。
【0080】
内部クロックソースは、ローカルクロックソース、例えば、ローカルハードウェアリアルタイムクロック(real-time clock、RTC)またはオペレーティングシステムクロックであってよい。
【0081】
時間同期モジュールは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の同期を実装し得る。例えば、データプレーンクロックの時間は、管理プレーンクロックの時間と同じに、または同様に設定される。時間同期モジュールは、制御ユニット、例えば、マイクロコントローラユニット(microcontroller unit、MCU)またはSoCであってよい。1つまたは複数の時間同期モジュールが存在し得る。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0082】
異なる構成に基づいて、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックと同期されてよく、または管理プレーンクロックと同期されなくてよいことを理解されたい。
【0083】
データプレーンクロックは、自律運転アルゴリズムロジックにおけるデータ処理のために時間データを提供するように構成されたクロックであり、例えば、センサデータのタイムスタンプにおける時間データを提供し得るクロックである。
【0084】
管理プレーンクロックは、自律運転システムを維持、測定および管理するように構成されたクロック、例えば、自律運転システムログの印刷および保存のために時間情報を提供するように構成されたクロック、または、自律運転システムおよび外部デバイス(例えば、別の車両、基地局またはクラウド制御プラットフォーム)の間のデータ交換のために時間情報を提供するように構成されたクロックである。簡潔にするために、ここでは、複数の例を1つずつ提供しない。
【0085】
データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、機能の観点で区別されてよい、またはエンティティの観点で区別されてよい、つまり、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、2つの得異なるクロックであってよいことを理解されたい。代替的に、同じクロックが、自律運転アルゴリズムロジックにおけるデータ処理のために時間データを提供するためのデータプレーンクロックとして用いられてよく、自律運転アルゴリズムを維持および管理するための管理プレーンクロックとして用いられてよい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0086】
ロジカルモジュールは、外部クロックソースおよび内部クロックソースによりそれぞれ提供される第1のクロック情報および第2のクロック情報を受信し、これらのクロック情報を時間同期モジュールへ送信し得る。任意選択的に、第1のクロック情報および第2のクロック情報はそれぞれ、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックへ送信され得る。第1のクロック情報は、第1の時間同期インジケーションおよび第1の時間情報を含み、第2のクロック情報は、第2の時間同期インジケーションおよび第2の時間情報を含む。第1の時間同期インジケーションは、第1の時間情報に基づいて外部クロックソースと同期するよう管理プレーンクロックに指示する。第2の時間同期インジケーションは、第2の時間情報に基づいて内部クロックソースと同期するようデータプレーンクロックに指示する。例えば、第1の時間同期インジケーションおよび第2の時間同期インジケーションは、パルス毎秒(pulse per second、PPS)であってよく、パルス毎秒は、高レベルパルス信号であってよい。例えば、外部クロックソースにより送信されるパルス毎秒は、管理プレーンクロックが特定の時点において外部クロックソースと同期していることを示し得る。この時点は、パルスの立ち上がりエッジフェーズ、高レベルフェーズ、立ち下がりエッジフェーズ、または、パルスより前および後の時点であってよい。これは、本願の本実施形態において限定されない。管理プレーンクロックおよびデータプレーンクロックがそれぞれ外部クロックソースおよび内部クロックソースと同期されていることを示す前述の第1の時間同期インジケーションまたは第2の時間同期インジケーションは例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0087】
任意選択的に、ロジックモジュールは、プログラマブルロジックデバイスであってよく、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device、CPLD)、FPGAまたはデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)など、データ処理機能を有し、かつ、2つのPPS信号との互換性がある様々なチップまたは回路であってよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0088】
任意選択的に、管理プレーンクロックは、外部クロックソースと同期され得る。具体的には、時間同期モジュールは、第1の時間情報および第1の時間同期インジケーションを取得し、第1の時間情報および第1の時間同期インジケーションに基づいてデータプレーンクロックを調整し得る。例えば、外部クロックソースは、第1の時間情報および第1の時間同期インジケーションを送信し得る。時間同期モジュールは、外部クロックソースにより送信される第1の時間情報および第1の時間同期インジケーションを取得し得る。時間同期モジュールは、第1の時間情報を取得した後に、第1の時間同期インジケーションに基づいて管理プレーンクロックを外部クロックソースと同期させる。前述の方法を用いることにより、管理プレーンクロックは、外部クロックソースを管理プレーンクロックのクロックソースとして用いてよく、その結果、管理プレーンクロックおよび外部クロックソースの間の同期が実装され得る。
【0089】
時間同期モジュールは、第1の時間情報および/または第1の時間同期インジケーションを外部クロックソースから直接取得してよく、または、外部クロックソースにより送信される第1の時間情報および/または第1の時間同期インジケーションを別のモジュールから取得してよいことを理解されたい。例えば、外部クロックソースは、第1の時間同期インジケーションをロジカルモジュールへ送信してよく、時間管理モジュールは、第1の時間同期インジケーションをロジカルモジュールから取得する。別の例では、外部クロックソースは、第1の時間情報および第1の時間同期インジケーションを第1のクロック受信モジュール(図2)には示されていない)へ送信してよく、第1のクロック受信モジュールは、第1の時間同期インジケーションをロジックモジュールへ送信してよく、または、第1のクロック受信モジュールは、第1の時間情報を時間同期モジュールへ送信してよい。時間同期モジュールは、第1の時間同期インジケーションおよび第1の時間情報をロジックモジュールおよび第1のクロック受信モジュールからそれぞれ取得し得る。別の例では、外部クロックソースは、第1の時間情報および/または第1の時間同期インジケーションを第1のクロック受信モジュールへ送信してよく、時間同期モジュールは、第1の時間情報および/または第1の時間同期インジケーションを第1のクロック受信モジュールから取得する。第1の時間情報および/または第1の時間同期インジケーションを受信した後に、別のモジュールが、第1の時間情報および/または第1の時間同期インジケーションを時間同期モジュールへ送信しないことを選択し得ることを理解されたい。したがって、時間同期モジュールは、第1の時間情報および/または第1の時間同期インジケーションを取得できず、管理プレーンクロックを外部クロックソースと同期させることができない。1つまたは複数のクロック同期モジュールが存在し得ることを理解されたい。
【0090】
管理プレーンクロックを外部クロックソースと同期させる前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0091】
任意選択的に、データプレーンクロックは、内部クロックソースと同期され得る。具体的には、時間同期モジュールは、第2の時間情報および第2の時間同期インジケーションを取得し、第2の時間情報および第2の時間同期インジケーションに基づいてデータプレーンクロックを調整し得る。例えば、内部クロックソースは、第2の時間情報および第2の時間同期インジケーションを送信し得る。時間同期モジュールは、内部クロックソースにより送信される第2の時間情報および第2の時間同期インジケーションを取得し得る。時間同期モジュールは、第2の時間情報を取得した後に、第2の時間同期インジケーションに基づいてデータプレーンクロックを内部クロックソースと同期させる。前述の方法を用いることにより、データプレーンクロックは、内部クロックソースをデータプレーンクロックのクロックソースとして用いてよく、その結果、データプレーンクロックおよび内部クロックソースの間の同期が実装され得る。
【0092】
時間同期モジュールは、第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを内部クロックソースから直接取得してよく、または、内部クロックソースにより送信される第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを別のモジュールから取得してよいことを理解されたい。例えば、内部クロックソースは、第2の時間同期インジケーションをロジカルモジュールへ送信してよく、時間管理モジュールは、第2の時間同期インジケーションをロジカルモジュールから取得する。第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを受信した後に、別のモジュールが、第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを時間同期モジュールへ送信しないことを選択し得ることを理解されたい。したがって、時間同期モジュールは、第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを取得できず、データプレーンクロックを内部クロックソースと同期させることができない。
【0093】
データプレーンクロックを内部クロックソースと同期させる前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0094】
例えば、内部クロックソースが第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを送信しない場合、時間同期モジュールは、第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを取得できず、データプレーンクロックは、内部クロックソースと同期できない。データプレーンクロックの安定した動作を保つべく、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックの時間情報を取得し、管理プレーンクロックと同期してよく、または、第1の時間情報および/または第1の時間同期インジケーションを外部クロックソースから取得し、外部クロックソースと同期してよい。前述の方式で、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同じクロックソースを用い得る。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期されるので、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、代替的に、同じクロックであってよいことを理解されたい。この同じクロックは、内部クロックソースをクロックソースとして用い、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの両方として機能し得る。言い換えると、時間同期管理モジュールは、第2の時間情報および第2の時間同期インジケーションを取得し、1つのクロックのみを設定し、このクロックを内部クロックソースと同期させ得る。このクロックは、自律運転アルゴリズムロジックにおけるデータ処理のために時間データを提供するためのデータプレーンクロックとして用いられてよく、または、自律運転アルゴリズムを維持および管理するための管理プレーンクロックとして用いられてよい。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックのために同じクロックソースを用いる前述の方式は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願において限定されない。
【0095】
例えば、内部クロックソースが、第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを取得した後に、第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを送信する場合、別のモジュールは、第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを送信しないことを選択し、時間同期モジュールは、このモジュールから第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを取得できない。結果的に、データプレーンクロックは、内部クロックソースと同期できない。データプレーンクロックは、管理プレーンクロックの時間情報を取得し、管理プレーンクロックと同期してデータプレーンクロックの安定した動作を保証できる。このように、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同じクロックソースを用い得る。例えば、内部クロックソースは、第2の時間情報を時間同期モジュールへ送信し、内部クロックソースは、第2の時間同期インジケーションをロジックモジュールへ送信する。ロジックモジュールは、第2の時間同期インジケーションを内部クロックソースから取得した後に、第2の時間同期インジケーションを送信しないことを選択する。この事例では、時間同期モジュールは、第2の時間情報を取得し得るが、第2の時間同期インジケーションを取得し得ない。結果的に、データプレーンクロックは、内部クロックソースと同期されることができない。この事例では、データプレーンクロックは、時間情報を管理プレーンクロックから取得し、管理プレーンクロックと同期し得る。データプレーンクロックが管理プレーンクロックと同期しており、1つのクロックソースのみが存在しているので、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、代替的に、同じクロックであってよく、第2のクロックは、クロックソースとして用いられ、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの両方として用いられてよいことを理解されたい。ここでは、詳細を再び説明しない。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックのために同じクロックソースを用いる前述の方式は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願において限定されない。
【0096】
データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが異なるクロックソースを用い得るので、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは同期されなくてよいことを理解されたい。時間同期モジュールがデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の同期を実装できるので、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同期され得る。
【0097】
本願の本実施形態におけるシステムアーキテクチャによれば、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同じクロックソースを用い得る。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、代替的に、異なるクロックソースを用いてよく、同期されてよい。代替的に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、異なるクロックソースを用いてよく、非同期のままでよい。言い換えると、本願の実施形態におけるシステムアーキテクチャに基づいて、複数の異なるクロックスキームが実装され得る。
【0098】
前述の記載は一実装として用いられているに過ぎないことを理解されたい。実際の動作では、実際の状況を参照して判定され得る。これは、本明細書において限定されるものではない。
【0099】
前述のモジュールは、ハードウェアデバイス内のハードウェアモジュールであってよく、専用ハードウェア上で動作するソフトウェアモジュールであってよく、または、プラットフォーム(例えば、クラウドプラットフォーム)上でインスタンス化された仮想化モジュールであってよいことを理解されたい。任意選択的に、前述のモジュールは、1つのデバイスにより実装されてよく、または、複数のデバイスにより共同で実装されてよく、または、1つのデバイス内の機能モジュールにより実装されてよい。これは、本願の実施形態において特に限定されない。
【0100】
本願の実施形態に適用される前述のシステムアーキテクチャは、自律運転のクロック同期の観点から説明されるシステムアーキテクチャの一例に過ぎず、本願の実施形態に適用可能なシステムアーキテクチャはこれに限定されないことを理解されたい。前述のモジュールの機能を実装できる任意のシステムアーキテクチャが、本願の実施形態に適用可能である。
【0101】
本願の本実施形態において、管理プレーンクロックおよび第1のクロックの間の同期は、第1の時間情報に基づいて実装されてよく、または、データプレーンクロックおよび第2のクロックの間の同期は、第2の時間情報に基づいて実装されてよい。したがって、自律運転アルゴリズムの実行中、複数の異なるクロックスキームが、異なる要件に基づいて用いられ得る。このように、自律運転アルゴリズムの安定した動作および外部インタラクションなど、異なる要件が満たされる。
【0102】
例えば、理解しやすくするために、図3は、クロック同期システムアーキテクチャの一実装の概略図である。CPLDは、ロジックモジュールの一例として用いられ、MCUは、第1の時間同期モジュールの一例として用いられ、SoCは、第2の時間同期モジュールの一例として用いられ、GNSSクロック(GNSS clock、GNSS_CLK)は、外部クロックソースの一例として用いられ、オペレーティングシステムクロック(operating system clock、Os_CLK)は、内部クロックソースの一例として用いられ、これに対応して、GNSS_CLK PPSは、第1の時間同期インジケーションの一例として用いられ、統合慣性測位システムは、第1のクロック受信モジュールの一例として用いられる。第1のクロック受信モジュールは、外部クロックソースにより送信される第1の時間情報および第1の時間同期インジケーションを受信するように構成されている。第1の時間情報は、GNSS_CLK GPRMCメッセージ内に含まれ得る。Os_CLK PPSは、第2の時間同期インジケーションの一例として用いられる。システムアーキテクチャ内のMCUのデータプレーンクロック同期および管理プレーンクロック同期の方法を別個に説明する。
【0103】
例えば、以下では、本願の本実施形態におけるシステムアーキテクチャによる、管理プレーンクロックを外部クロックソースと同期させる方法を説明する。
【0104】
図3に示されるように、統合慣性測位システムは、GNSS_CLKの時間情報を受信した後に、GNSS_CLKのPPS信号、つまり、GNSS_CLK PPSを1秒毎にCPLDへ送信する。CPLDは、GNSS_CLK PPSを受信した後に、PPSをMCUへ送信してよく、PPSは、管理プレーンクロックがGNSSクロックと同期される時点を示し得る。例えば、管理プレーンクロックは、GNSS_CLK PPSが受信される時点で、GNSSクロックと同期され得る。管理プレーンクロックおよびGNSSクロックの間の同期の前述の時点は説明のための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0105】
統合慣性測位システムは、GNSS_CLK PPSに対応するGPRMCメッセージをMCUへ送信してよく、GPRMCメッセージは、GNSSクロックの時間情報、つまり、第1の時間情報、およびGNSSステータス情報を含み得る。GNSSステータス情報は、GNSSの測位ステータスが有効であるかどうかを示し得る。例えば、現在のアンテナビュー上の衛星の数が3よりも大きいまたはそれに等しい場合、または、GNSSにより用いられている衛星の数が3よりも大きいまたはそれに等しい場合、GNSSの測位が有効である、つまり、有効な測位が現在のGNSSに基づいて実現され得る、または、GNSSステータスが有効である、とみなされる。現在のアンテナビュー上の衛星の数が3よりも小さい場合、または、GNSSにより用いられている衛星の数が3よりも小さい場合、GNSS測位が無効、つまり、有効な測位が現在のGNSSに基づいて実現できない、またはGNSSステータスが無効である、とみなされる。GNSSステータスおよび現在のアンテナビュー上の衛星の数の間の前述の関係は説明のための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0106】
MCUは、GNSSクロックの時間情報およびGNSSステータス情報をGPRMCメッセージから取得できる。GNSSステータスが無効である場合、MCUは、管理プレーンクロックを外部クロックソースと同期させるのを停止できる。GNSSステータスが有効である場合、MCUは、GNSSクロックに基づいて管理プレーンクロックを同期させ得る。例えば、MCUは、GPRMCメッセージにおけるGNSSクロックの時間情報を用いることにより、MCU内の管理プレーンクロックの時間を調整し得る。別の例では、MCUは、GPRMCメッセージおよび遅延情報におけるGNSSクロックの時間の整数秒情報を用いることにより、MCU内の管理プレーンクロックの時間を調整してよく、遅延情報は、システム構成において予め設定されてよく、または、車両ステータスに基づき計算を通じて取得されてよい。これは、本願において限定されない。前述の管理プレーンクロック同期方式は、説明しやすくするための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0107】
例えば、以下では、本願の本実施形態におけるシステムアーキテクチャによる、データプレーンクロックを内部クロックソースと同期させる方法を説明する。
【0108】
図3に示されるように、CPLDが開始された後に、局部水晶発振器に基づいて、CPLDは、Os_CLKパルス毎秒、つまり、Os_CLK_PPSを1秒毎にMCUおよびSoCへ出力できる。CPLDがOs_CLK_PPSを送信する時点は、CPLDがGNSS_CLK_PPSを送信する時点と同じであってよく、または、CPLDがGNSS_CLK_PPSを送信する時点とは異なっていてよい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0109】
MCUは、CPLDにより送信されるOs_CLK PPSを受信した後に、データプレーンクロックをOs_CLKと同期させ得る。例えば、MCUは、Os_CLK時間情報を用いることにより、MCU内のデータプレーンクロックの時間を調整し得る。別の例では、MCUは、Os_CLK時間および遅延情報の整数秒情報を用いることにより、MCU内のデータプレーンクロックの時間を調整し得る。Os_CLK時間の整数秒情報は、Os_CLK時間の非整数秒を四捨五入することにより取得されてよい、つまり、Os_CLK時間の非整数秒部分が500msよりも小さい場合、Os_CLK時間の整数秒値が用いられる。Os_CLK時間の非整数秒部分が500msよりも大きいまたはそれに等しい場合、Os_CLK時間の整数秒値に1を加えたものが用いられる。遅延情報は、システム構成において予め設定されてよく、または、車両ステータスに基づき計算を通じて取得されてよい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0110】
MCU内のデータプレーンクロックは、CPLDにより送信されるOs_CLK_PPSと共に微調整され得ることを理解されたい。
【0111】
CPLDがOs_CLKパルス毎秒をMCUへ送信しない場合、データプレーンクロックは、Os_CLKと同期されなくてよいことを理解されたい。システム構成に基づいて、データプレーンクロックは、時間情報を管理プレーンクロックから取得し、管理プレーンクロックと同期し、次に、GNSSクロックと同期し得る。代替的に、データプレーンクロックは、時間情報をGNSSクロックから取得して、GNSSクロックと同期し得る。代替的に、データプレーンクロックおよび管理クロックは、同じクロックであってよく、クロックは、GNSSクロックと同期される。データプレーンクロックをGNSSクロックと同期させる前述の方法は、説明をしやすくするための一例に過ぎない。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0112】
本願の本実施形態におけるシステムアーキテクチャに基づいて、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同じクロックソース、例えばGNSSクロックソースを用い得ることを理解されたい。代替的に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、異なるクロックソースを用いてよい。MCU内のデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックがデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックのクロックソースとして異なるクロックを用い得るので、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同期されてよく、または同期されなくてよいことを理解されたい。例えば、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックはそれぞれ、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックのクロックソースとして異なるクロックを用い、同期を保つ。例えば、データプレーンクロックは、Os_CLKをクロックソースとして用い、管理プレーンクロックは、GNSS_CLKをクロックソースとして用い、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックと同期される、つまり、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの同期モードは、同期と判定される。代替的に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、異なるクロックソースを用いてよく、同期されない。例えば、データプレーンクロックは、Os_CLKをクロックソースとして用い、管理プレーンクロックは、GNSS_CLKをクロックソースとして用い、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同期されない、つまり、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの同期モードは、非同期と判定される。本願の実施形態におけるシステムアーキテクチャに基づいて、複数の異なるクロックスキームが実装され得ることを理解されたい。
【0113】
複数の時間同期モジュールが存在する場合、複数の時間同期モジュールの管理プレーンクロック同期およびデータプレーンクロック同期の方式は、MCUのものと同様であってよいことを理解されたい。例えば、第2のクロック同期モジュールSoCのデータプレーンクロック同期および管理プレーンクロック同期は、第1のクロック同期モジュールMCUのものと同様である。簡潔にするために、ここでは、詳細について再び説明しない。
【0114】
前述の記載は時間同期システムアーキテクチャの一実装として用いられているに過ぎないことを理解されたい。実際の動作では、実際の状況を参照して判定され得る。これは、本明細書において限定されない。
【0115】
図4は、本願の一実施形態によるクロック同期方法のフローチャートである。方法200は、段階S210からS220を含む。以下では、方法S200の段階を詳細に説明する。
【0116】
S210:外部クロックソースのクロック情報を含む第1の信号を取得する。
【0117】
具体的には、外部クロックソースは、GNSSクロックまたはNTPクロックであってよい。外部クロックソースがGNSSクロックである場合、第1の信号は、GNSS信号であってよい。車両は、GNSS信号を全地球測位衛星システムから取得してよく、この信号は、GNSSクロックのクロック情報を含む。外部クロックソースがNTPクロックである場合、第1の信号は、移動信号であってよい。車両は、移動信号をネットワークデバイス、例えば基地局またはWi-Fiから取得し得る。この信号は、NTPクロックのクロック情報を含む。
【0118】
第1の信号は、受信モジュール、例えば、アンテナ、信号受信ユニットまたは外部デバイスを用いることにより取得され得ることを理解されたい。外部デバイスは、慣性ナビゲーションシステムまたはテレマティクスボックス(telematics box、T-BOX)等であってよい。これは、本願において限定されない。
【0119】
S215:第1の信号の信号品質を判定する。
【0120】
具体的には、第1の信号の信号品質は、取得された第1の信号に基づいて判定され得る。
【0121】
任意選択的に、第1の信号の信号品質は、第1の信号の信号強度であってよく、または、第1の信号の信号対雑音比であってよく、または、第1の信号の信号品質を表すために用いられる別のインジケータであってよい。
【0122】
第1の信号の信号品質は、1つまたは複数の信号パラメータを用いることにより評価され得ることを理解されたい。例えば、GNSS信号の信号品質を表すために信号強度が用いられ、または、GNSS信号の信号品質を表すために複数の信号パラメータが用いられ得る。例えば、信号強度、GNSSステータスおよび信号対雑音比は、GNSS信号の品質を評価するために用いられる。言い換えると、GNSS信号の信号品質は、1つまたは複数のGNSS信号パラメータを用いることにより評価され得る。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0123】
S220:第1の信号の信号品質に基づいて、第1のクロックモードおよび第2のクロックモードを含むクロックモードを判定し、車両が第1のクロックモードで動作する場合、車両は、第1のクロック情報を外部クロックソースから取得し、または、車両が第2のクロックモードで動作する場合、車両は、第1のクロック情報および第2のクロック情報を外部クロックソースおよび内部クロックソースからそれぞれ取得し、内部クロックソースは、車両内に位置する。
【0124】
第1のクロックモードは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同じクロックソースを用いることを意味することを理解されたい。具体的には、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、外部クロックソースをクロックソースとして用いる。例えば、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの両方が、GNSSクロックをクロックソースとして用いる。第2のクロックモードは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが異なるクロックソースを用いることを意味する。具体的には、管理プレーンクロックのクロックソースは、外部クロックソースであり、外部クロックソースは、GNSSクロックまたはNTPクロックであってよく、データプレーンクロックのクロックソースは、内部クロックソースであり、内部クロックソースは、ローカルハードウェアリアルタイムクロックであってよい。
【0125】
第1のクロックモードは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同じクロックソースを用いることを意味しており、時間同期モジュールにおいて、同じクロックが、自律運転アルゴリズムロジックにおけるデータ処理のために時間データを提供するためにデータプレーンクロックとして、また、自律運転アルゴリズムを管理および維持するための管理プレーンクロックとして用いられ、クロックは、外部クロックソースをクロックソースとして用いることを意味してよい;または、時間同期モジュールにおいて、2つのクロックがそれぞれ、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックとして用いられ、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同じクロックソースを用いることを意味してよいことを理解されたい。
【0126】
任意選択的に、クロックモードは、システム構成に基づいて判定され得る。例えば、自律運転が初めて開始される場合、クロックモードは、システム内で構成されたデフォルトクロックスキームに基づいて判定され得る。
【0127】
信号品質が確認される必要がない場合、システム構成に基づいて、クロックモードが第1のクロックモードまたは第2のクロックモードであると判定されることを理解されたい。例えば、クロックモードが第1のクロックモードまたは第2のクロックモードである、とシステム構成に基づいて判定されてよく、その結果、自律運転は、第1の信号の信号品質を確認することなく、または、第1の信号の信号品質の変更に基づいてクロックモードを調整することなく、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードのみで動作し得る。システム構成は、車両のクロックスキームを示してよい、つまり、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードで走行するよう車両に指示してよい。システム構成に基づいてクロックモードを判定する前述の方式は一例に過ぎず、これは本願において限定されないことを理解されたい。
【0128】
任意選択的に、第1の信号の信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定される。第1の閾値は、自律運転のための安定的なクロック情報を提供できる第1の信号の信号品質の閾値を示す。
【0129】
第1の信号を表すために信号パラメータが用いられる場合、第1の閾値は、インジケータに関連する閾値であってよいことを理解されたい。例えば、GNSS信号の信号品質を表すために信号強度が用いられる場合、第1の閾値は、-130dBmであってよい。基地局により送信されるモバイル信号を表すために信号強度が用いられる場合、第1の閾値は、-90dBmであってよい。GNSS信号、または基地局により送信される無線信号を表すために複数の信号パラメータが用いられる場合、第1の閾値は、複数の信号パラメータに関連する閾値であってよい。例えば、GNSS信号の信号品質を表すために信号強度および信号対雑音比が用いられる場合、対応する第1の閾値は、信号強度が-130dBmであり、かつ、SNRが70dBであることであってよく、または、異なるパラメータをスコアリングするためのスコア値であってよい。第1の閾値の前述の例は理解しやすくするためのものに過ぎず、これは本願の本実施形態において限定されないことを理解されたい。
【0130】
例えば、第1の信号の信号強度が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定される。例えば、取得されたGNSS信号の信号強度が-130dBm以上である場合、GNSS信号品質が自律運転のための安定した信号を提供するのに十分である、とみなされ、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定され得る。別の例では、取得されたGNSS信号の信号強度がいくつかの期間において-130dBmよりも小さいが、GNSS強度信号が-130dBmよりも小さい持続時間が200msよりも小さい場合、GNSS信号品質が自律運転のための安定した信号を提供するのに十分である、とみなされ、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定され得る。
【0131】
例えば、複数の衛星により送信されるGNSS信号が取得される場合において、指定数よりも多い衛星により送信されるGNSS信号の信号強度が受信され、それらの全てが、指定されたGNSS信号強度閾値よりも大きいときは、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定される。例えば、10個の衛星により送信されるGNSS信号が取得され、10個の衛星のうちの5個よりも大きいまたはそれに等しい衛星により送信されるGNSS信号の信号強度が-130dBm以上である場合、良好なGNSS品質により自律運転のための安定した信号が提供され得る、とみなされる。つまり、この事例では、第1の閾値は、5個の衛星により送信されるGNSS信号の信号強度が-130dBm以上であることとして理解され得る。GNSS信号の信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定される。
【0132】
例えば、GNSSステータスが有効であり、または、現在のアンテナビュー上の衛星の数が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定される。例えば、現在のアンテナビュー上の衛星の数が5以上である場合、つまり、衛星の現在の数が5以上である場合、現在のGNSSが自律運転のための有効な信号を提供してよく、かつ、クロックモードが第1のクロックモードに設定されてよい、とみなされる。
【0133】
例えば、GNSS信号の信号対雑音比が第1の閾値以上である場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定される。例えば、信号対雑音比が70dB以上である場合、現在のGNSSが自律運転のための安定した信号を提供してよく、かつ、クロックモードが第1のクロックモードに設定されてよい、とみなされる。
【0134】
例えば、GNSS信号更新時点間の期間と標準期間との間の差が、連続して複数回、指定閾値を超えた場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定される。例えば、更新周波数が1HzであるGNSS信号については、2つのGNSS信号更新時点間の期間(例えば、1.02秒)と標準GNSS信号更新期間(例えば、1秒)との間の時間差が、連続して複数回(例えば、連続して3回)、指定閾値(例えば、0.05秒)よりも小さい場合、現在のGNSSが自律運転のための安定した信号を提供でき、かつ、クロックモードが第1のクロックモードに設定されてよい、とみなされる。簡潔にするために、複数の例を1つずつ提供しない。
【0135】
異なる第1の閾値がGNSS信号品質の自律運転アルゴリズムの異なる要件に基づいて設定されてよく、クロックモードが第1の閾値に基づいて判定されることを理解されたい。
【0136】
外部クロックソースが第1の信号の信号品質に基づいて判定され得ることを理解されたい。例えば、第1の信号の信号強度が第1の閾値よりも大きい場合、自律運転は、第1のクロックモードで実行され、第1の信号の信号強度がクロック信号切り替え閾値よりも小さい場合、クロックソースは、切り替えられ得る。車両が第1のクロックモードで走行する場合、クロック信号切り替え閾値は、外部クロックソースの第1の信号の信号品質を判定するために用いられる閾値を示し得る。クロック信号切り替え閾値は第1の閾値よりも大きいことを理解されたい。例えば、車両が第1のクロックモードで走行しており、現在の外部クロックソースがGNSSクロックであり、第1の信号がGNSS信号であり、GNSS信号の信号強度(例えば、-123dBm)が第1の閾値(例えば、-130dBm)よりも高く、かつ、対応するクロック信号切り替え閾値(例えば、-120dBm)よりも小さく、車両により基地局から現在取得されているモバイル信号の信号強度(例えば、-80dBm)が対応するクロック信号切り替え閾値(例えば、-83dBm)よりも高く、また、対応する第1の閾値(例えば、-90dBm)よりも高い場合において、この信号が第1の信号として用いられるときは、外部クロックソースは、GNSSクロックからNTPクロックへ切り替えられ得る。簡潔にするために、複数の例を1つずつ提供しない。この方法によれば、より正確なクロックが第1のクロックモードのために提供されることで、自律運転の安定した動作が保証され得る。
【0137】
任意選択的に、外部クロックソースは、第1の信号の信号品質、および車両が位置している環境に基づいて判定され得る。例えば、車両が都市部幹線道路上を第1のクロックモードで走行しており、その後、地下ガレージに入る場合、車両の現在の外部クロックソースは、GNSSクロックである。対応する第1の信号は、GNSS信号であり、信号強度(例えば、-120dBm)は、第1の閾値(例えば、-130dBm)よりも高い。車両により基地局から取得されるモバイル信号の信号強度(例えば、-80dBm)が、対応する第1の閾値(例えば、-90dBm)よりも大きい場合において、この信号が第1の信号として用いられるときは、車両が安定的なGNSS信号を地下ガレージ内で取得できないので、外部クロックソースがGNSSクロックからNTPクロックへ切り替えられることで、車両が地下ガレージへ入った後の円滑な自律運転走行が保証され得る。車両が位置している環境は、車両により取得される画像情報、取得されたGNSS信号、または車両および外部の間のインタラクションに基づいて判定され得ることを理解されたい。このように、より正確なクロックが第1のクロックモードのために提供されることで、自律運転の安定した動作が保証され得る。
【0138】
任意選択的に、GNSS信号の品質が第1の閾値よりも小さい場合、クロックモードが第2のクロックモードである、と判定される。
【0139】
例えば、GNSS信号強度が第1の閾値よりも小さい場合、例えば、GNSS信号強度が-130dBmよりも小さい場合、クロックモードが第2のクロックモードである、と判定される。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0140】
例えば、GNSSステータスが無効である場合、または、現在のアンテナビュー上の衛星の数が第1の閾値よりも小さい場合、例えば、現在のアンテナビュー上の衛星の数が3よりも小さい場合、クロックモードがデュアルクロックモードである、と判定される。
【0141】
例えば、GNSS信号の信号対雑音比が第1の閾値よりも小さい場合、例えば、GNSS信号の信号対雑音比が70dBよりも小さい場合、クロックモードがデュアルクロックモードである、と判定される。
【0142】
車両により取得される第1の信号の信号品質が変化した場合、クロックモードがこれに対応して調整され得ることを理解されたい。例えば、車両が第1のクロックモードで走行している場合において、車両により取得されるGNSS信号の信号品質が、第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しいものから第1の閾値よりも小さいものへ変化したとき、例えば、GNSS信号の信号強度が、-120dBmから-135dBmへ変化し、これに対応して、対応する第1の閾値が-130dBmであるときは、クロックモードは、第1のクロックモードから第2のクロックモードへ調整されてよく、車両は、その後、第2のクロックモードで走行してよい。簡潔にするために、複数の例を1つずつ提供しない。第1の信号の信号品質に基づいてクロックモードを調整する前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0143】
第1の閾値に基づいてクロックモードを判定する前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願において限定されない。
【0144】
クロックモードが判定された後に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックのそれぞれのクロックソースと同期されることを理解されたい。
【0145】
データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、本願の本実施形態における時間同期システムアーキテクチャに基づいてデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックのクロックソースと同期され得ることを理解されたい。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0146】
本願の本実施形態における方法によれば、クロックモードが第1の信号の信号品質に基づいて判定されてよく、その結果、車両が異なるシナリオ要件に基づいて第1のクロックモードまたは第2のクロックモードで走行できることで、自律運転アルゴリズムアプリケーションロジックの安定性が保証される。このように、同じドメインコントローラのハードウェアまたはソフトウェアロジックが、異なるシナリオにおける異なるクロックスキームの要件を満たし得る。
【0147】
本願の本実施形態において、第1の信号の品質が良好である場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定され、その結果、第1の信号により提供されるクロック情報が自律運転アルゴリズムアプリケーションロジックの安定性を維持するのに十分である場合、クロック同期ロジックを簡略化でき、クロック同期により引き起こされるエネルギーおよびコンピューティングリソース散逸を低減できることを理解されたい。第1の信号の信号品質が低い場合、クロックモードが第2のクロックモードである、と判定され、その結果、外部クロックソースのみがクロックソースとして用いられる場合における第1の信号の低い信号品質に起因する時間ジャンプを回避でき、自律運転アルゴリズムアプリケーションロジックを安定的に保つことができる。
【0148】
任意選択的に、第2のクロックモードは、デュアルクロック同期モードおよびデュアルクロック非同期モードを含む。外部インタラクションが実行されるかどうかに基づいて、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定され得る。デュアルクロック同期モードは、データプレーンクロックが管理プレーンクロックに基づいて同期されてよく、その結果、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期されることを意味する。デュアルクロック非同期モードは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期されなくてよいことを意味する。外部インタラクションは、通信のための、車両と別のデバイスとの間のインタラクション、例えば、別の車両との間のインタラクション(vehicle to vehicle、V2V)、インフラストラクチャとの間のインタラクション(vehicle to infrastructure、V2I)、またはクラウド制御プラットフォームとの間のインタラクション(vehicle to cloud、V2C)を指す。
【0149】
本願の本実施形態において、外部インタラクション要件が存在しない場合、第2のクロックモードがデュアルクロック非同期モードである、と判定されてよく、その結果、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間で同期が実行されなくてよい。したがって、第1の信号の信号品質が低い場合、管理プレーンクロックおよび外部クロックソースの間の同期により引き起こされる時間ジャンプがデータプレーンクロックに影響を及ぼすことが防がれることで、自律運転アプリケーションロジックに対する時間ジャンプの影響が回避され、自律運転の安定した動作が維持される。外部インタラクションの要件が存在する場合、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードであり、データプレーンクロックが管理プレーンクロックと同期されている、と判定されてよく、その結果、自律運転の外部インタラクションの要件が満たされ得る。第2のクロックモードは、デュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードへと区別され、その結果、車両は、異なる要件に従って、より合理的なクロックスキームを判定できる。
【0150】
第2のクロックモードがシステム構成に基づいてデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定され得ることを理解されたい。例えば、自律運転が初めて開始される場合、第2のクロックモードが、システム内で構成されたデフォルトクロックスキームに基づいてデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定され得る。
【0151】
システム構成に基づいて、第2のクロックモードが、外部インタラクションの要件を確認することなく、デュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定されることを理解されたい。例えば、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、とシステム構成に基づいて判定されてよく、その結果、車両は、第1の信号の信号品質および外部インタラクションの要件を判定する必要がないことがある。代替的に、第2のクロックモードが外部要件の変更に基づいてデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードへ調整される必要がない場合、デュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードのみが用いられ、システム構成は、車両のクロックスキームを示してよく、車両がデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードで走行していることを示してよい。システム構成に基づいてクロックモードを判定する前述の方式は一例に過ぎず、これは本願において限定されないことを理解されたい。
【0152】
データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の同期は、データプレーンクロックの時間および管理プレーンクロックの時間が厳密に同じであることを意味してよく、または、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が小さい範囲内であることを意味してよいことを理解されたい。例えば、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値内である場合、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期されている、とみなされる。
【0153】
任意選択的に、デュアルクロック同期モードでは、外部クロックソースは、車両が位置している環境に基づいて判定され得る。言い換えると、デュアルクロック同期モードでの管理プレーンクロックのクロックソースは、車両走行シナリオに基づいて判定され得る。
【0154】
例えば、車両が位置している環境は、車両により取得される画像データに基づいて判定され得る。車両が位置している環境は、取得されたGNSS信号に基づいて判定され得る。車両が位置している環境は、車両および外部の間の取得されたインタラクション(vehicle to everything、V2X)に基づいて判定され得る。車両の運転シナリオは、代替的に、他の取得された情報に基づいて判定され得る。車両が位置している環境を判定する前述の方法は説明しやすくするための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0155】
任意選択的に、シナリオ管理モジュールは、車両が位置している環境を判定し得る。シナリオ管理モジュールは、車両の運転シナリオ、つまり、車両が位置している環境を、取得された情報に基づいて判定する。例えば、シーン管理モジュールは、画像データ、GNSS信号または車両および外部の間のインタラクションについての情報のうちの1つまたは複数に基づいて車両が位置している環境を判定してよく、または、例えば、車載レーダの検出結果を通じて、別の方式で、車両が位置している環境を判定してよい。車両走行シナリオをシナリオ管理モジュールにより判定する前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0156】
例えば、車両が位置している環境に基づいて外部クロックソース、つまり、管理プレーンクロックのクロックソースを判定することは、車両が位置している現在の環境に基づいて管理プレーンクロックのクロックソースを判定することであってよい。例えば、車両が都市部幹線道路上にある場合、車両が現在位置している環境内のGNSS信号がクロック情報を提供できる、とみなされ、外部クロックソースがGNSSクロックである、と判定される。代替的に、車両が地下ガレージの中に位置している場合、GNSS信号が車両の現在の環境下で安定的なクロック情報を提供できない、とみなされ、外部クロックソースがNTPクロックである、と判定される。代替的に、車両がトンネルの中または橋の下にある場合、外部クロックソースがNTPクロックである、と判定される。代替的に、車両がトンネルおよび幹線道路の間の出入口にある場合、外部クロックソースがNTPクロックである、と判定される。代替的に、車両が屋内駐車場内に位置している場合、外部クロックソースがNTPクロックである、と判定される。代替的に、車両が屋外駐輪場内にある場合、外部クロックソースがGNSSクロックである、と判定される。代替的に、車両が別のシナリオにある場合、外部クロックソースがGNSSクロックまたはNTPクロックである、と判定され得る。車両の現在の環境に基づいて外部クロックソースを判定する前述の方式は一例に過ぎない。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0157】
例えば、車両が位置している環境に基づいて管理プレーンクロックのクロックソースを判定することは、代替的に、車両が将来位置する環境に基づいて外部クロックソースを判定することであってよい。例えば、車両が都市部幹線道路上にあり、その後、地下ガレージに入る場合において、車両が地下ガレージに入る前に都市部幹線道路にあるときは、車両が地下ガレージに入った後の自律運転機能の円滑な動作の要件を満たすべく、かつ、自律運転アプリケーションロジックに対する、不適切なクロック同期により引き起こされる時間ジャンプの影響を回避すべく、外部クロックソースは、GNSSクロックからNTPクロックへ調整され得る。車両が将来位置する環境に基づいて外部クロックソースを判定する前述の方式は、一例に過ぎない。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0158】
本願の本実施形態において、管理プレーンクロックが管理プレーンクロックのクロックソースから正確な時間情報を取得できないので、自律運転アプリケーションロジックに対する影響を回避するために、外部クロックソースが判定され、より良いクロックソースが管理プレーンクロックのために選択され得る。
【0159】
任意選択的に、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードである場合、管理プレーンクロックは、第2の閾値に基づいてデータプレーンクロックを同期させるために用いられ得る。具体的には、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値time_gapよりも大きい場合、管理プレーンクロックは、データプレーンクロックを同期させるために用いられる。例えば、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が200msよりも大きいまたはそれに等しい場合、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期される。代替的に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも小さいまたはそれに等しい場合、管理プレーンクロックおよびデータプレーンクロックは、同期されない。管理プレーンクロックを用いることにより第2の閾値に基づいてデータプレーンクロックを同期させる前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願において限定されない。
【0160】
任意選択的に、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードである場合、管理プレーンクロックは、車両の車両速度に基づいてデータプレーンクロックを同期させるために用いられ得る。具体的には、車両の車両速度が第3の閾値よりも小さい場合、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期される。例えば、車両速度が5km/hよりも小さいまたはそれに等しい場合、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期される。代替的に、車両の車両速度が第3の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、管理プレーンクロックおよびデータプレーンクロックは、同期されない。第3の閾値は、現在のシナリオでの自律運転について時間ジャンプが許容される最大車両速度を示す。第3の閾値は、固定値であってよく、または、異なるシナリオに基づいて判定される異なる閾値であってよいことを理解されたい。例えば、車両が都市部道路上を走行する場合、第3の閾値は、5km/hであってよく、または、車両が屋外高速道路を走行する場合、第3の閾値は、85km/hであってよい。管理プレーンクロックを用いることにより車両の車両速度に基づいてデータプレーンクロックを同期させる前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願において限定されない。
【0161】
任意選択的に、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードである場合、管理プレーンクロックは、車両がテイクオーバされているかどうかに基づいてデータプレーンクロックを同期させるために用いられ得る。例えば、運転者監視システム(driver monitoring system、DMS)は、現在の運転者ステータスを認識し、車両がユーザによりテイクオーバされている、と判定された場合、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期され得る。この方法によれば、車両がテイクオーバされている安全な状態に車両がある場合、自律運転アルゴリズムに対する影響を回避するために、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期され得る。
【0162】
管理プレーンクロックは、車両の車両速度を参照して第2の閾値に基づきデータプレーンクロックを同期させるために用いられ得ることを理解されたい。具体的には、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値time_gapよりも大きい場合、同期データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、車両速度に基づいて判定され得る。例えば、車両速度が第3の閾値よりも小さい場合、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期される。例えば、車両が複雑な都市部道路上で運転されている場合、例えば、車両がピーク通勤時間帯に混雑した都市部道路セクションで運転されている場合、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差は、time_gapよりも大きい。車両速度が第3の閾値、例えば1km/hよりも小さい場合、現在のステータスでのクロック同期が自律運転に影響を及ぼしていない、と車両速度が第3の閾値よりも小さい車両ステータスに基づいて判定されてよく、データプレーンクロックが管理プレーンクロックに基づいて同期されてよい。別の例では、車両が単一の道路条件において高速で走行する場合、例えば、他の車両がない高速道路上を車両が走行する場合、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差は、time_gapよりも大きい。車両速度が第3の閾値、例えば85km/hよりも小さい場合、現在のステータスでのクロック同期が自律運転に影響を及ぼしていない、と車両速度が第3の閾値よりも小さい車両ステータスに基づいて判定されてよく、データプレーンクロックが管理プレーンクロックに基づいて同期されてよい。
【0163】
例えば、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きい場合、データプレーンクロックを同期するために管理プレーンクロックが用いられる前に、車両がテイクオーバされている、と判定される。例えば、複雑な道路条件を伴う都市部道路上を第2の閾値よりも高い速度で車両が走行する場合において、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差がtime_gapよりも大きいときは、車両がテイクオーバされているかどうかが判定される。車両がテイクオーバされている場合、車両が現在、安全な状態にある、とみなされ得る。データプレーンクロックを同期させるために管理プレーンクロックが用いられる場合に生成される時間ジャンプは、自律運転に影響を及ぼさない。車両がテイクオーバされていない場合、車両が自律運転を終了しているかどうかが判定され、車両が自律運転を終了していないときは、ユーザは、車両をテイクオーバするよう、または自律運転を終了するよう、リマインドされる。
【0164】
管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる前述の方法は説明をしやすくするための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0165】
データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、システム設定に基づいて同期され得ることを理解されたい。例えば、自律運転アルゴリズムを開発する場合、アルゴリズム開発ユーザは、クロック同期方式および条件等を設定する。例えば、車両の走行プロセスにおいて、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、システム設定に基づいて同期され得る。
【0166】
例えば、自律運転が初めて開始される場合、デュアルクロックモードが、システム内で構成されたデフォルトクロックスキームに従ってデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定され得る。
【0167】
任意選択的に、車両は、第1の装置および第2の装置を含み得る。第1の装置および第2の装置の両方が、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックを含む。第1の装置および第2の装置の両方が、車両の走行を制御できる。
【0168】
例えば、第1の装置が車両の走行を制御する場合において、データプレーンクロックが管理プレーンクロックに基づいて同期される必要があるとき、例えば、第1の装置においてデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいときは、第1の装置のデータが第2の装置へバックアップされてよく、第2の装置は、第1の装置のバックアップされたデータに基づいて車両の走行を制御し、第1の装置の管理プレーンクロックに基づいて第1の装置のデータプレーンクロックを同期させる。第1の装置のデータは、車両の走行を制御するために第1の装置により用いられるデータであってよい。
【0169】
本願の本実施形態において、車両の走行を制御するための第1の装置のデータが第2の装置へバックアップされ、第2の装置が車両の走行を制御し、その結果、データプレーンクロックが第1の装置の管理プレーンクロックに基づいて同期される場合、自律運転アプリケーションロジックに対する影響を回避でき、自律運転の安定した動作を保証できる。
【0170】
さらに、第1の装置のデータプレーンクロックが第1の装置の管理プレーンクロックに基づいて同期された後に、第1の装置は、車両の走行を制御し得る。
【0171】
具体的には、第2の装置のデータが第1の装置へバックアップされてよく、その結果、第1の装置は、第2の装置のバックアップされたデータに基づいて車両の走行を再び制御し得る。第2の装置のデータは、車両の走行を制御するために第2の装置により用いられるデータであってよい。
【0172】
本願の本実施形態において、車両の走行を一時的に制御するための第2の装置のデータは、第1の装置へバックアップされ、第1の装置は、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させた後に、車両の走行を再び制御し得る。第1の装置により自律運転を実行する性能が第2の装置のものよりも高い場合、自律運転アルゴリズムは、より円滑かつ効率的に動作し得る。
【0173】
さらに、第1の装置が車両の走行を再び制御した後に、第2の装置は、第2の装置の管理プレーンクロックに基づいて第2の装置のデータプレーンクロックを同期させ得る。したがって、第2の装置がその後に車両の走行を制御する必要がある場合、第2の装置のデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の非同期により引き起こされる、自律運転に対する影響を回避できる。
【0174】
本願の本実施形態において、アルゴリズム開発ユーザがドメインコントローラにおけるクロック同期許可を取得できる場合、管理プレーンクロックおよびデータプレーンクロックの間の同期を実装することにより自律運転の安定した動作を維持すべく、アルゴリズム開発ユーザは、ユーザにより設定されるシステム構成をこのアルゴリズムに従って開発し、車両およびドメインコントローラの間の内部実行およびステータス切り替えを調整することにより第1の装置または第2の装置を調整して車両の走行を制御し得る。
【0175】
本願の本実施形態において、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間で同期が実行され、その結果、外部インタラクションを満たしつつ、自律運転に対する時間ジャンプの影響を回避でき、自律運転アプリケーションロジックの安定した動作を保証できる。
【0176】
例えば、図5は、本願の一実施形態によるクロック同期方法の例示的なフローチャートである。図5に示されるように、以下の段階が含まれる。
【0177】
S310:システム構成を通じてクロックスキームを構成する。
【0178】
任意選択的に、クロックスキームは、システム構成において構成され得る。システム構成は、クロックモード、クロックモードを判定するために用いられる第1の閾値、外部クロックソースを判定するために用いられるクロック信号切り替え閾値、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の同期モード、第2の閾値、第3の閾値および外部クロックソースを判定するために用いられる車両の環境などのパラメータのうちの1つまたは複数を含み得ることを理解されたい。例えば、クロックモードがシステム構成において第1のクロックモードに設定され、または、クロックモードが第2のクロックモードに設定される場合、デフォルトクロックモードが車両のために構成され得る。任意選択的に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の同期モードは、システム構成において構成され得る。例えば、クロックモードが第2のクロックモードに設定され、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の同期モードが同期に設定される、つまり、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードとして構成され、または、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の同期モードが非同期に設定される、つまり、第2のクロックモードがデュアルクロック非同期モードとして構成される。任意選択的に、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックの同期をトリガするための第2の閾値time_gapが、システム構成において構成され得る。例えば、同期をトリガするための第2の閾値は、以下のとおり、つまり、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも小さい場合、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期状態にあり、自律運転の要件が満たされている、とみなされ、データプレーンクロックは管理プレーンクロックに基づいて同期される必要がない、というものであってよい。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが非同期状態にある、とみなされ、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期され得る。システム構成においてクロックスキームを構成する前述の方法は説明しやすくするための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0179】
S320:自律運転を有効化する。
【0180】
自律運転ドメインコントローラが、自律運転を開始するために電源をオンにされてよく、または、コントローラ、例えば、車載中央コンピュータ、車載中央コンピューティングプラットフォームまたは車載クラウドコンピューティングが、自律運転を開始するために電源をオンにされてよいことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0181】
S330:クロックモードが第1のクロックモードまたは第2のクロックモードである、と時間同期基本サービス機能モジュールが判定する。クロックモードが第1のクロックモードである、と判定された場合、S340が実行される。クロックモードが第2のクロックモードである、と判定された場合、S350が実行される。
【0182】
任意選択的に、クロックモードは、GNSS信号の信号品質に基づいて判定され得る。GNSS信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定される。GNSS信号品質が第1の閾値よりも小さい場合、クロックモードが第2のクロックモードである、と判定される。
【0183】
クロックモードがGNSS信号の信号品質に基づいて判定され、GNSS信号はクロックモードが判定される前に取得されることを理解されたい。
【0184】
例えば、車両が良好なGNSS信号を伴う広い道路上を走行している場合、クロックモードが、良好なGNSS信号品質に基づく第1のクロックモードである、と判定され得る。例えば、GNSS信号の信号パラメータが第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、自律運転の要件が満たされている場合にクロック同期ロジックを簡略化し、クロック同期に用いられるリソースのオーバヘッドを低減するために、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定され得る。車両がトンネルの中を走行している場合、クロックモードがGNSS信号の低い信号品質に基づく第2のクロックモードである、と判定されてよく、その結果、GNSS信号品質が低いときは、自律運転の実行は、内部クロックソースに基づいて維持され得る。
【0185】
段階S330は段階S220に対応してよく、本明細書において詳細を再び説明しないことを理解されたい。
【0186】
任意選択的に、クロックモードは、システム構成に基づいて判定され得る。例えば、段階S310におけるシステム構成は、段階S310におけるシステム構成でのクロックモードの構成情報を取得するために読み取られてよく、クロックモードは、この構成情報に基づいて判定される。
【0187】
S340:車両が第1のクロックモードに基づいて自律運転を実行する。
【0188】
第1のクロックモードでは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックのクロックソースがGNSSクロックであってよいことを理解されたい。
【0189】
例えば、第1のクロックモードは、GNSS信号品質が良好である自律運転シナリオに適用されてよく、または、GNSSクロックジャンプに耐え得る自律運転に適用されてよい。GNSSクロックジャンプに耐え得る自律運転アルゴリズムおよびGNSSクロックジャンプに耐えることができない自律運転アルゴリズムのために異なる第1の閾値が設定され得ることを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0190】
本願の本実施形態において、クロックモードが判定され、自律運転は、第1のクロックモードに基づいて実行され得る。クロック同期ロジックを簡略化でき、自律運転アプリケーションロジックを満たしつつ、クロック同期の複雑さを低減できる。これにより、クロック同期に用いられるリソースオーバヘッドが低減する。
【0191】
S350:車両が第2のクロックモードに基づいて自律運転を実行する。
【0192】
デュアルクロックモードでは、管理プレーンクロックは外部クロックソースをクロックソースとして用いてよく、データプレーンクロックは内部クロックソースをクロックソースとして用いてよいことを理解されたい。例えば、外部クロックソースは、GNSSクロックまたはNTPクロックであってよく、第2のクロックは、RTCクロックであってよい。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0193】
任意選択的に、GNSSクロックまたはNTPクロックは、異なるシナリオに従って、管理プレーンクロックのクロックソースとして選択され得る。例えば、良好なGPS信号を伴うシナリオ、例えば都市部幹線道路シナリオに車両がある場合、GNSSクロックは、管理プレーンクロックのクロックソースとして選択され得る。トンネルの中または橋の下のシナリオでは、NTPクロックは、管理プレーンのクロックソースとして用いられ得る。トンネルおよび幹線道路の間の出入口を伴うシナリオでは、GNSSクロックは、管理プレーンのクロックソースとして用いられ得る。地下ガレージシナリオでは、NTPクロックは、管理プレーンクロックのクロックソースとして用いられ得る。異なるシナリオにおける管理プレーンクロックのクロックソースとしてのGNSSクロックまたはNTPクロックの前述の選択は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0194】
自律運転がデュアルクロック方式で実行される前に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックのそれぞれのクロックソースと同期される必要があることを理解されたい。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0195】
本願の本実施形態において、管理プレーンクロックの不正確なクロックソースに起因する自律運転アプリケーションロジックに対する影響を回避すべく、管理プレーンのより正確なクロックソースが、管理プレーンクロックのクロックソースを選択することにより選択され得る。
【0196】
本願の本実施形態において、クロックモードが第2のクロックモードである、と判定され、その結果、自律運転アプリケーションロジックに対する時間ジャンプの影響を回避できる。
【0197】
S360:デュアルクロック同期設定を判定する。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期に設定された場合、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードである、と判定され、S370が実行される。代替的に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが非同期に設定された場合、第2のクロックモードがデュアルクロック非同期モードである、と判定され、S380が実行される。
【0198】
第2のクロックモードが、アルゴリズム開発ユーザにより設定されるシステム構成ファイル、例えば、段階S310において構成されるクロックスキームでの第2のクロックモードの構成に基づくデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定され得ることを理解されたい。代替的に、車両が外部デバイスとの通信要件を有しているかどうかに基づいて、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定され得る。代替的に、別の方式で、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定され得る。第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定する前述の方法は説明のための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0199】
S370:車両がデュアルクロック同期モードに基づいて自律運転を実行する。
【0200】
デュアルクロック同期モードは、データプレーンクロックが管理プレーンクロックと同期されていることを意味することを理解されたい。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0201】
例えば、いくつかのセクションにおいて低いGNSS信号品質を伴う複雑な都市部道路上を車両が走行しており、外部インタラクションが必要とされる場合、自律運転は、デュアルクロック同期モードで実行され得る。この方法を用いることにより、外部インタラクションを実行でき、自律運転の安定した動作を維持できる。前述の記載は、自律運転がデュアルクロック同期モードで実行されるシナリオに適用可能であり、説明のための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0202】
S380:車両がデュアルクロック非同期モードに基づいて自律運転を実行する。
【0203】
デュアルクロック非同期モードは、データプレーンクロックが管理プレーンクロックと同期されていないことを意味することを理解されたい。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0204】
例えば、いくつかのセクションにおいて低いGNSS信号品質を伴う複雑な都市部道路上を車両が走行しており、外部インタラクションを必要としない場合、自律運転は、デュアルクロック非同期モードで実行され得る。このように、自律運転の安定した動作が維持され得る。前述の記載は、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックがデュアルクロックモードで同期されない方式で自律運転が実行されるシナリオに適用可能であることを理解されたい。これは、説明のための一例に過ぎない。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0205】
本願の本実施形態における自律運転クロック同期方法によれば、クロックモードが判定され得る。クロックモードが第1のクロックモードまたは第2のクロックモードである、と判定される。クロックモードが第2のクロックモードである、と判定された場合、第2のクロックモードがデュアルクロック同期モードまたはデュアルクロック非同期モードである、と判定され得る。クロックモードと、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期されているかどうかとを判定することにより、ユーザは、異なる自律運転シナリオに基づいて、第1のクロックモード、デュアルクロック同期モードおよびデュアルクロック非同期モードなど、異なるクロックスキームを自律運転機能のためにフレキシブルに構成できる。このように、同じドメインコントローラのハードウェアおよびソフトウェアロジックが、異なるシナリオにおける自律運転クロック同期についてのユーザの異なる要件を満たし得る。
【0206】
例えば、図6A図6Bおよび図6Cは、本願の一実施形態によるデュアルクロック同期モード方法の例示的なフローチャートである。図6A図6Bおよび図6Cに示されるように、この方法は、以下の段階を含み得る。
【0207】
S410:車両走行シナリオ情報を取得する。
【0208】
具体的には、車両走行シナリオ情報は、画像データ、GPS信号、V2Xおよび他の情報から取得され得る。車両走行シナリオ情報を取得する前述の方式は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0209】
S420:車両が位置している環境を判定する。
【0210】
具体的には、車両走行シナリオは、取得された車両走行シナリオ情報に基づいて判定されてよい、つまり、車両が位置している環境が判定される。例えば、シナリオ管理モジュールは、取得された車両走行シナリオ情報に基づいて車両の運転シナリオを判定し得る。例えば、シナリオ管理モジュールは、車両がトンネルの中に位置していることを示す取得された画像データに基づいて、車両走行シナリオがトンネルである、と判定し得る。車両走行シナリオを判定する前述の方法は説明しやすくするための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0211】
S430:車両が位置している環境に基づいて管理プレーンクロックのクロックソースを判定する。
【0212】
例えば、車両が位置している環境が都市部幹線道路である場合、外部クロックソース、つまり、管理プレーンクロックのクロックソースがGNSSクロックである、と判定され得る。車両走行シナリオがトンネルの中または橋の下でのシナリオである場合、管理プレーンクロックのクロックソースがNTPクロックである、と判定され得る。車両走行シナリオがトンネルおよび幹線道路の間の出入口のシナリオである場合、管理プレーンクロックがGNSSクロックである、と判定され得る。車両走行シナリオが地下ガレージシナリオである場合、管理プレーンクロックのクロックソースがNTPクロックである、と判定され得る。車両が屋内駐車場内に位置している場合、管理プレーンクロックのクロックソースがNTPクロックである、と判定され得る。車両が位置している環境が別のシナリオである場合、管理プレーンクロックのクロックソースが自律運転アプリケーションロジックに基づくGNSSクロックまたはNTPクロックである、と判定され得る。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0213】
本願の本実施形態において、管理プレーンクロックのクロックソースが判定され、その結果、より正確な時間を管理プレーンクロックのために提供でき、管理プレーンクロックの不適切なクロックソースにより引き起こされる、自律運転アプリケーションロジックに対する影響を回避できる。
【0214】
S440:データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックに対して初期化同期を実行する。
【0215】
例えば、車両走行シナリオが都市部幹線道路シナリオである場合、クロックソースがGNSSクロックである管理プレーンクロック、および、クロックソースがRTCクロックであるデータプレーンクロックに対して初期化同期が実行される。車両走行シナリオがトンネルの中または橋の下でのシナリオである場合、クロックソースがNTPクロックである管理プレーンクロック、および、クロックソースがRTCクロックであるデータプレーンクロックに対して初期化同期が実行される。簡潔にするために、ここでは、複数の例を1つずつ提供しない。車両が位置している環境に基づきデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックに対して初期化同期を実行する前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0216】
本願の本実施形態において、初期化同期がデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックに対して実行され、その結果、自律運転モードに入っている場合にデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が排除され得ることを理解されたい。これにより、自律運転モードに入った後のデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差の追加的な累積が防がれ、それにより、自律運転アプリケーションに影響が及ぶ。
【0217】
S450:自律運転条件が満たされている、と判定し、自律運転モードに入る。
【0218】
例えば、自律運転条件が満たされている、と判定することは、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の同期が完了しているかどうかを判定すること;車両タイヤ空気圧が正常である、と判定すること;または、センサ、例えば、自律運転に関連するレーダまたはカメラが正常である、または利用可能な動作条件範囲内にある、と判定することを意味する。自律運転条件が満たされている、と判定する前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願において限定されない。複数の例は、本明細書において1つずつ提供されない。
【0219】
具体的には、自律運転条件が満たされている場合、自律運転モードに入る。
【0220】
S460:管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる。
【0221】
例えば、自律運転では、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期され得る。例えば、車両がテイクオーバされる場合、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期される。別の例では、車両の車両速度が第3の閾値、例えば5km/hよりも小さい場合、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期される。別の例では、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値time_gapよりも大きく、かつ、車両ステータスがデータプレーンおよび管理プレーンの間の同期を満たしている場合、例えば、車両がテイクオーバ状態にあり、または車両速度が第3の閾値よりも小さい場合、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックに基づいて同期され得る。簡潔にするために、複数の例を1つずつ提供しない。管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる前述の方法は説明をしやすくするための一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0222】
例えば、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値time_gapよりも大きく、かつ、データプレーンおよび管理プレーンの間の同期のシナリオが満たされている場合、車両が自律運転システムを終了しているかどうかが、車両ステータスに基づいて判定され得る。例えば、車両が高速で走行している場合において、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値time_gapよりも大きく、かつ、車両がテイクオーバされていないときは、手動運転を実行するようユーザに促すために、または、自律運転条件を満たすことができず、自律運転が終了される必要があることを促すために、車両が自律運転モードを終了したかどうかが判定される。
【0223】
管理プレーンクロックは、アルゴリズム開発ユーザの設定に基づいてデータプレーンクロックを同期させるために用いられ得ることを理解されたい。具体的には、アルゴリズム開発ユーザがクロック同期許可を取得できる場合、アルゴリズム開発ユーザは、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックの同期を実装すべく、ドメインコントローラの実行管理モジュールおよびステータス管理モジュールのインタフェースを呼び出すことにより車両およびドメインコントローラの間の実行およびステータス切り替えを実装し得る。
【0224】
管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる前述の方法は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0225】
管理プレーンクロックを用いることによりアルゴリズム開発ユーザの設定に基づいてデータプレーンクロックを同期させる前述の方法を理解しやすくするために、例えば、図7は、本願の一実施形態による、データプレーンクロックに基づいて管理プレーンクロックを同期させる方法の例示的なフローチャートである。車両は、第1の装置および第2の装置を含み得る。第1の装置および第2の装置は、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックを含み得る。第1の装置は、図3に示されるSoCであってよく、第2の装置は、図3に示されるMCUであってよい。前述の第1の装置および第2の装置は説明しやすくするための例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願において限定されない。
【0226】
図7を参照して、以下では、車両およびドメインコントローラの間の実行およびステータス切り替えを調整することにより管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる方法を説明する。図7に示されるように、この方法は、以下の段階のいくつかまたは全てを含み得る。
【0227】
S605:第1の装置が第1の装置のデータを送信し得る。これに対応して、第2の装置は、第1の装置のデータを取得し得る。
【0228】
具体的には、第2の装置は、第1の装置のデータを第1の装置から直接取得してよく、または、別の装置を用いることにより第1の装置のデータを取得してよい。例えば、第2の装置は、第1の装置のデータを統合データ管理モジュールから取得し得る。これは、本願において限定されない。第1の装置のデータは、車両の走行を制御するために第1の装置により用いられるデータである。
【0229】
S610:第2の装置が第1の装置のデータをバックアップする。
【0230】
段階S605およびS610を用いることにより、第1の装置のデータは、第2の装置へバックアップされてよく、その結果、第2の装置は、このデータに基づいて車両の走行を制御してよいことを理解されたい。
【0231】
S615:第2の装置が第1の装置のバックアップされたデータに基づいて車両の走行を制御する。
【0232】
第1の装置のデータがバックアップされ、第2の装置が車両の走行を制御し、その結果、車両の走行を制御するための装置が第1の装置から第2の装置へ切り替えられる、つまり、第2の装置が車両の走行を制御する場合、第1の装置はもはや車両の走行を制御しないことを理解されたい。
【0233】
S620:第1の装置の管理プレーンクロックに基づいて第1の装置のデータプレーンクロックを同期させる。
【0234】
例えば、車両の走行を制御するSoCのデータは、MCUへバックアップされてよく、MCUは、車両の走行を制御する。MCUは、車両の走行を制御した後に、SoC内の管理プレーンクロックに基づいてSoC内のデータプレーンクロックを同期させる。
【0235】
第1の装置の管理プレーンクロックのクロックソースは、車両が位置している環境に基づいて判定され得ることを理解されたい。段階S430において説明されたように、本明細書において、詳細を再び説明しない。
【0236】
管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる期間中、自律運転アルゴリズムが、時間ジャンプに対する影響を無視するように調整され得ることを理解されたい。例えば、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる期間中(例えば、同期プロセスには1秒かかる)、このアルゴリズムは、この期間におけるアルゴリズムロジックに対するデータのタイムスタンプの影響を無視し得る。例えば、このアルゴリズムはもはや、データのタイムスタンプの有効性を1秒以内に判定せず、このデータのタイムスタンプは、データが生成される時刻を検証するために用いられ得る。
【0237】
車両の走行が第2の装置により制御されるので、障害報告が調整されてよく、第1の装置の管理プレーンクロックに基づく第1の装置のデータプレーンクロックの同期に起因して生成されるデータプレーン時間ジャンプが許容され、この時間ジャンプにより引き起こされる障害が報告されなくてよく、その結果、自律運転が安定的に実行され得ることを理解されたい。
【0238】
本願の本実施形態において、車両の走行を制御するための第1の装置のデータは、第2の装置へバックアップされ、第2の装置は、車両の走行を制御する。このように、第1の装置のデータプレーンクロックが第1の装置の管理プレーンクロックに基づいて同期される場合、自律運転アプリケーションロジックに対する影響を回避できる。これにより、自律運転の安定した動作が保証される。
【0239】
さらに、車両の走行を制御するための装置が、第2の装置から第1の装置へ再び切り替えられ得る。
【0240】
S625:第2の装置が第2の装置のデータを送信し得る。これに対応して、第1の装置は、第2の装置のデータを取得し得る。
【0241】
具体的には、第1の装置は、第2の装置のデータを第2の装置から直接取得してよく、または、別の装置を用いることにより第2の装置のデータを取得してよい。例えば、第1の装置は、第2の装置のデータを統合データ管理モジュールから取得し得る。これは、本願において限定されない。第2の装置のデータは、車両の走行を制御するために第2の装置により用いられるデータである。
【0242】
S630:第1の装置が第2の装置のデータをバックアップする。
【0243】
段階S625およびS630を用いることにより、第2の装置のデータが第1の装置へバックアップされてよく、その結果、第1の装置は、このデータに基づいて車両の走行を制御してよいことを理解されたい。
【0244】
S635:第1の装置が第2の装置のバックアップされたデータに基づいて車両の運転を制御し得る。
【0245】
例えば、車両の走行を制御するMCUのデータは、SoCへバックアップされてよく、SoCは、車両の走行を制御する。
【0246】
第1の装置のデータプレーンクロックが第1の装置の管理プレーンクロックに基づいて同期された後に、第1の装置のデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは同期状態にあることを理解されたい。第1の装置は、車両の走行を制御する第2の装置のデータをバックアップすることにより、バックアップされたデータに基づいて車両の走行を再び制御し得る。第1の装置により自律運転を実行する性能が第2の装置のものよりも高い場合、第1の装置は、車両の走行を再び制御し、その結果、自律運転は、より円滑かつ効率的に実行される。
【0247】
さらに、第1の装置が車両の走行を再び制御した後に、クロック同期が、第2の装置のデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間で実行され得る。
【0248】
S640:第2の装置の管理プレーンクロックに基づいて第2の装置のデータプレーンクロックを同期させる。
【0249】
例えば、SoCが車両の走行を再び制御した後に、SoCは、MCU内の管理プレーンクロックに基づいてMCU内のデータプレーンクロックを同期させ得る。
【0250】
第2の装置の管理プレーンクロックのクロックソースは、車両が位置している環境に基づいて判定され得ることを理解されたい。自律運転アルゴリズムは、クロック同期により引き起こされる時間ジャンプを無視するように調整され得る。時間ジャンプにより引き起こされる障害報告は、調整され得る。簡潔にするために、ここでは詳細について再び説明しない。
【0251】
本願の本実施形態において、第2の装置のデータプレーンクロックが第2の装置の管理プレーンクロックに基づいて同期され、その結果、第2の装置がその後に車両の走行を制御する必要がある場合、第2の装置のデータプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の非同期により引き起こされる、自律運転に対する影響を回避できる。
【0252】
図8は、本願の一実施形態による時間同期装置の構造の例示的な図である。装置700は、取得モジュール710および処理モジュール720を含む。
【0253】
取得モジュール710は、外部クロックソースにより送信される第1の信号を取得するように構成されている。処理モジュール720は、第1の信号の信号品質を判定するように構成されており、さらに、第1の信号の信号品質に基づいてクロックモードを判定するように構成されており、クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含み、この車両が第1のクロックモードで動作する場合、車両は、外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、この車両が第2のクロックモードで動作する場合、車両は、第1のクロック情報および第2のクロック情報を外部クロックソースおよび内部クロックソースからそれぞれ取得し、内部クロックソースは、車両内に位置する。
【0254】
任意選択的に、処理モジュール720は、具体的には、第1の信号の信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、クロックモードが第1のクロックモードである、と判定するように;または、第1の信号の信号品質が第1の閾値よりも小さい場合、クロックモードが第2のクロックモードである、と判定するように構成されている。
【0255】
任意選択的に、クロックモードが第2のクロックモードである場合、処理モジュール720はさらに、第1のクロック情報に基づいて管理プレーンクロックを同期させ、第2のクロック情報に基づいてデータプレーンクロックを同期させるように構成されている。
【0256】
任意選択的に、処理モジュール720はさらに、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させるように構成されている。
【0257】
任意選択的に、処理モジュール720はさらに、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる前に、車両が外部デバイスと通信する必要がある、と判定するように構成されている。
【0258】
任意選択的に、処理モジュール720はさらに、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる前に、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている。
【0259】
任意選択的に、処理モジュール720はさらに、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる前に、車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている。
【0260】
任意選択的に、処理モジュール720はさらに、管理プレーンクロックに基づいてデータプレーンクロックを同期させる前に、ユーザが車両をテイクオーバしている、と判定するように構成されている。
【0261】
任意選択的に、処理モジュール720はさらに、車両が位置している環境に基づいて外部クロックソースを判定するように構成されている。
【0262】
例えば、処理モジュール720は、具体的には、車両が広い道路、または、トンネルおよび幹線道路の間の出入口に位置している場合、外部クロックソースがGNSSクロックである、と判定するように、または、車両がトンネルの中、橋の下または地下ガレージの中に位置している場合、外部クロックソースがネットワークタイムプロトコルNTPクロックである、と判定するように構成されている。
【0263】
任意選択的に、処理モジュール720は、第1の装置および第2の装置を含んでよく、第1の装置および第2の装置の両方が、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックを含む。処理モジュール720は、具体的には、第1の装置の管理プレーンクロックに基づいて第1の装置のデータプレーンクロックを同期させるように構成されている。処理モジュール720はさらに、第1の装置のデータを第2の装置へバックアップするように;および、第2の装置を用いることにより第1の装置のバックアップされたデータに基づいて車両の走行を制御するように構成されている。
【0264】
任意選択的に、処理モジュール720はさらに、第1の装置の管理プレーンクロックに基づいて第1の装置のデータプレーンクロックを同期させた後に、第1の装置を用いることにより車両の走行を制御するように構成されている。
【0265】
任意選択的に、処理モジュール720はさらに、第1の装置を用いることにより車両の走行が制御された後に、第2の装置の管理プレーンクロックに基づいて第2の装置のデータプレーンクロックを同期させるように構成されている。
【0266】
図8に示される時間同期装置は、前述の時間同期方法200を実装するように構成されてよく、取得モジュールは、段階S210を実装するように構成されてよく、処理モジュールは、段階S215およびS220を実装するように構成されてよいことを理解されたい。図8に示される時間同期装置はさらに、図5から図7における時間同期方法を実装するように構成され得る。具体的な段階については、図5から図7の前述の説明を参照されたい。簡潔にするために、本願において、ここでは、詳細について再び説明しない。
【0267】
本願の本実施形態における時間同期装置は、ソフトウェアにより実装されてよい、例えば、前述の機能を有するコンピュータプログラムまたは命令により実装されてよいことを理解されたい。これらの対応するコンピュータプログラムまたは命令は、端末内部のメモリに格納されてよく、プロセッサが、メモリ内のこれらの対応するコンピュータプログラムまたは命令を読み取って、前述の機能を実装する。代替的に、本願の本実施形態における時間同期装置は、ハードウェアにより実装され得る。処理モジュール720は、プロセッサ(例えば、NPU、GPU、または、システムチップ上のプロセッサ)であり、取得モジュール710は、データインタフェースである。代替的に、本願の本実施形態における時間同期装置は、プロセッサおよびソフトウェアモジュールの組み合わせを通じて実装され得る。
【0268】
図9は、本願の一実施形態による装置1300の構造の概略図である。装置1300は、プロセッサ1302、通信インタフェース1303およびメモリ1304を含む。装置1300の一例は、チップである。装置1300の別の例は、コンピューティングデバイスである。
【0269】
プロセッサ1302、メモリ1304および通信インタフェース1303は、バスを用いることにより互いに通信し得る。メモリ1304は、実行可能コードを格納しており、プロセッサ1302は、メモリ1304内の実行可能コードを読み取って、対応する方法を実行する。メモリ1304は、処理を実行するために必要となるオペレーティングシステムおよび他のソフトウェアモジュールをさらに含み得る。オペレーティングシステムは、Linux(登録商標)、UNIX(登録商標)またはWindows(登録商標)等であってよい。
【0270】
例えば、メモリ1304内の実行可能コードは、図2から図7に示される方法を実装するために用いられ、プロセッサ1302は、メモリ1304内の実行可能コードを読み取って、図2から図7に示される方法を実行する。
【0271】
プロセッサ1302は、CPUであってよい。
メモリ1304は、揮発性メモリ(volatile memory)、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含んでよい。メモリ1304は、不揮発性メモリ(non-volatile memory、NVM)、例えば、リードオンリメモリ(read-only memory、ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)またはソリッドステートディスク(solid state disk、SSD)をさらに含んでよい。
【0272】
本願のいくつかの実施形態において、開示されている方法は、機械可読形式でコンピュータ可読記憶媒体または別の非一時的媒体または製品にエンコードされたコンピュータプログラム命令として実装され得る。図10は、本明細書に示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された例示的なコンピュータプログラム製品の概念的部分図を概略的に示し、例示的なコンピュータプログラムは、コンピューティングデバイス上でのコンピュータ処理を実行するためのコンピュータプログラムを含む。一実施形態において、例示的なコンピュータプログラム製品1400は、信号搬送媒体1401を用いることにより提供される。信号搬送媒体1401は、1つまたは複数のプロセッサにより実行された場合に前述の機能、または図4に示される方法について説明されたいくつかの機能を提供し得る1つまたは複数のプログラム命令1402を含み得る。したがって、例えば、図4に示された実施形態を参照すると、S210からS220の1つまたは複数の機能は、信号搬送媒体1401に関連付けられた1つまたは複数の命令により担われ得る。
【0273】
いくつかの例において、信号搬送媒体1401は、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリ、ROMまたはRAMなどであるがこれらに限定されないコンピュータ可読媒体1403を含み得る。いくつかの実装において、信号搬送媒体1401は、コンピュータ記録可能媒体1404、例えば、メモリ、リード/ライト(R/W)CDまたはR/W DVDを含み得る。いくつかの実装において、信号搬送媒体1401は、通信媒体1405を含み得る。この媒体は、例えば、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波路、有線通信リンクまたは無線通信リンク)であるが、これらに限定されない。したがって、例えば、信号搬送媒体1401は、IEEE802.11規格または別の伝送プロトコルに準拠した無線通信媒体1405(例えば、無線通信媒体)により伝達され得る。1つまたは複数のプログラム命令1402は、例えば、コンピュータ実行可能命令またはロジック実装命令であってよい。いくつかの例において、コンピューティングデバイスは、コンピュータ可読媒体1403、コンピュータ記録可能媒体1404および/または通信媒体1405のうちの1つまたは複数を用いることによりコンピューティングデバイスへ配信されるプログラム命令1402に応答して様々な動作、機能またはアクションを提供するように構成され得る。本明細書において説明されている構成は一例として用いられているに過ぎないことが理解されるべきである。したがって、別の構成および別の要素(例えば、機械、インタフェース、機能、シーケンス、および機能のアレイ)が、この構成を置換するために用いられ得ること、および、所望の結果に応じていくつかの要素が共に省略され得ることを、当業者であれば理解する。加えて、説明された要素の多くは、ディスクリートまたは分散コンポーネントとして実装されてよい、または別のコンポーネントとの組み合わせで任意の適切な位置において任意の適切な組み合わせで実装されてよい、機能エンティティである。
【0274】
本願の実施形態において、「第1の」、「第2の」、および様々な数字は、説明しやすくするための区別、例えば、異なるクロックソースおよび媒体の区別のために用いられているに過ぎず、本願の実施形態の範囲を限定するようには意図されていない。
【0275】
本明細書における「および/または」という用語は、関連する対象間の対応関係のみを説明し、3つの関係が存在し得ることを表すことを理解されたい。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する場合、AおよびBの両方が存在する場合、および、Bのみが存在する場合という3つの場合を表し得る。加えて、本明細書における「/」という文字は概して、関連する対象が「または」の関係にあることを示す。
【0276】
前述のプロセスのシーケンス番号は、本願の様々な実施形態における実行シーケンスを意味していないことを理解されたい。プロセスの実行順序は、プロセスの機能および内部ロジックに従って決定されるべきであり、本願の実施形態の実装プロセスに関するいかなる限定としても解釈されるべきではない。
【0277】
本明細書において開示された実施形態において説明されている例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズム段階が電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアおよび電子ハードウェアの組み合わせにより実装され得ることを、当業者であれば認識し得る。これらの機能がハードウェアにより実行されるか、またはソフトウェアにより実行されるかは、具体的な用途および技術的解決手段の設計上の制約条件によって決まる。当業者であれば、説明された機能を特定の用途ごとに実装するのに異なる方法を用い得るが、当該実装が本願の範囲を超えるとみなされるべきではない。
【0278】
簡便かつ簡潔な説明を目的として、前述のシステム、装置およびユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照することが、当業者により明確に理解され得る。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0279】
本願において提供されたいくつかの実施形態において、開示されたシステム、装置および方法が他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は、一例に過ぎない。例えば、複数のユニットへの分割は論理的な機能分割に過ぎず、実際の実装では他の分割であってよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが、別のシステムへ組み合わされ、または統合されてよく、または、いくつかの機能が、無視されてよく、または実行されなくてよい。加えて、表示または説明されている相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインタフェースを用いることにより実装され得る。装置間またはユニット間の間接的結合または通信接続は、電子的、機械的または他の形態で実装され得る。
【0280】
別個の部分として説明されているユニットは、物理的に別個であってよく、またはそうでなくてよく、ユニットとして表示されている部分は、物理ユニットであってよく、またはそうでなくてよい、言い換えると、1つの位置に位置してよい、または、複数のネットワークユニット上に分散されてよい。これらのユニットのいくつかまたは全てが、実施形態の解決手段の目的を実現するための実際の要件に基づいて選択され得る。
【0281】
加えて、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットへ統合されてよく、これらのユニットの各々は、物理的に単独で存在してよく、または、2つまたはそれよりも多くのユニットが1つのユニットへ統合される。
【0282】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立の製品として販売または使用される場合、これらの機能は、コンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。そのような理解に基づいて、本願の技術的解決手段は本質的に、または従来技術に寄与する部分が、またはこれらの技術的解決手段のうちのいくつかが、ソフトウェア製品の形態で実装され得る。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納されており、本願の実施形態において説明された方法の段階の全てまたはいくつかを実行するようコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバまたはネットワークデバイスであってよい)に命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、プログラムコードを格納できる任意の媒体、例えば、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、RAM、磁気ディスクまたは光ディスクを含む。
【0283】
前述の説明は、本願の特定の実装に過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願において開示された技術的範囲内で当業者が容易に想到するあらゆる変形または置換が、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に適用されるクロック同期方法であって、
第1の信号を取得する段階、ここで、前記第1の信号は、外部クロックソースのクロック情報を含む;
前記第1の信号の信号品質を判定する段階
前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定する段階、ここで、前記クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含んでおり、前記車両が前記第1のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、前記車両が前記第2のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースおよび内部クロックソースから前記第1のクロック情報および第2のクロック情報をそれぞれ取得し、ここで、前記内部クロックソースは、前記車両内に位置している;および
前記クロックモードが前記第2のクロックモードである場合、前記第1のクロック情報に基づいて管理プレーンクロックを同期させ、前記第2のクロック情報に基づいてデータプレーンクロックを同期させる段階
を備える、方法。
【請求項2】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる段階をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記車両が外部デバイスと通信する必要がある、と判定する段階
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい、と判定する段階をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定する段階
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記車両がテイクオーバされている、と判定する段階
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定する段階をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定する前記段階は、
前記車両が広い道路、または、トンネルおよび幹線道路の間の出入口に位置している場合、前記外部クロックソースが全地球測位衛星システム(GNSS)クロックである、と判定する段階;または
前記車両がトンネルの中、橋の下または地下ガレージの中にある場合、前記外部クロックソースがネットワークタイムプロトコル(NP)クロックである、と判定する段階
を有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記車両は、第1の装置および第2の装置を含み、前記第1の装置および前記第2の装置の両方が前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックを含む;
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階は、
前記第1の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第1の装置の前記データプレーンクロックを同期させる段階
を有する;および
前記方法は、
前記第1の装置のデータを前記第2の装置へバックアップする段階;および
前記第1の装置のバックアップされた前記データに基づいて、前記車両の走行を前記第2の装置により制御する段階
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の装置の前記データプレーンクロックおよび前記第1の装置の前記管理プレーンクロックの間の同期が完了した後に、前記車両の走行を前記第1の装置により制御する段階
をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記車両の走行を前記第1の装置により制御する前記段階の後に、
前記第2の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第2の装置の前記データプレーンクロックを同期させる段階
をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
車両内で用いられるクロック同期装置であって、
第1の信号を取得するように構成された取得モジュール、ここで、前記第1の信号は、外部クロックソースのクロック情報を含む;および
前記第1の信号の信号品質を判定するように構成された処理モジュール
を備え、
ここで、前記処理モジュールはさらに、前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定するように構成されており、ここで、前記クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含んでおり、前記車両が前記第1のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、前記車両が前記第2のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースおよび内部クロックソースから前記第1のクロック情報および第2のクロック情報をそれぞれ取得し、ここで、前記内部クロックソースは、前記車両内に位置している;
ここで、前記クロックモードが前記第2のクロックモードである場合、前記処理モジュールはさらに、
前記第1のクロック情報に基づいて管理プレーンクロックを同期させ、前記第2のクロック情報に基づいてデータプレーンクロックを同期させるように構成されている
置。
【請求項13】
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記車両が外部デバイスと通信する必要がある、と判定するように構成されている、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている、
請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記処理モジュールはさらに、
前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定するように構成されている、
請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記処理モジュールは、具体的には、
前記車両が広い道路、または、トンネルおよび幹線道路の間の出入口に位置している場合、前記外部クロックソースがGNSSクロックである、と判定するように構成されている;または
前記車両がトンネルの中、橋の下または地下ガレージの中に位置している場合、前記処理モジュールは、前記外部クロックソースがネットワークタイムプロトコルNTPクロックである、と判定するように構成されている、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
車両内で用いられるクロック同期装置であって、プロセッサおよびメモリを備え、前記メモリは、プログラム命令を格納するように構成されており、前記プロセッサは、前記プログラム命令を呼び出して、請求項1に記載のクロック同期方法を実行するように構成されている、クロック同期装置。
【請求項20】
請求項12に記載のクロック同期装置を備える車両。
【請求項21】
プロセッサに、請求項1に記載のクロック同期方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項22】
プロセッサおよびデータインタフェースを備えるチップであって、前記プロセッサは、前記データインタフェースを通じて、メモリに格納された命令を読み取って、請求項1に記載のクロック同期方法を実行する、チップ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
例えば、内部クロックソースが第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを送信しない場合、時間同期モジュールは、第2の時間情報および/または第2の時間同期インジケーションを取得できず、データプレーンクロックは、内部クロックソースと同期できない。データプレーンクロックの安定した動作を保つべく、データプレーンクロックは、管理プレーンクロックの時間情報を取得し、管理プレーンクロックと同期してよく、または、第1の時間情報および/または第1の時間同期インジケーションを外部クロックソースから取得し、外部クロックソースと同期してよい。前述の方式で、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、同じクロックソースを用い得る。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックが同期されるので、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックは、代替的に、同じクロックであってよいことを理解されたい。この同じクロックは、内部クロックソースをクロックソースとして用い、データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックの両方として機能し得る。言い換えると、時間同期モジュールは、第2の時間情報および第2の時間同期インジケーションを取得し、1つのクロックのみを設定し、このクロックを内部クロックソースと同期させ得る。このクロックは、自律運転アルゴリズムロジックにおけるデータ処理のために時間データを提供するためのデータプレーンクロックとして用いられてよく、または、自律運転アルゴリズムを維持および管理するための管理プレーンクロックとして用いられてよい。データプレーンクロックおよび管理プレーンクロックのために同じクロックソースを用いる前述の方式は一例に過ぎないことを理解されたい。これは、本願において限定されない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0283
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0283】
前述の説明は、本願の特定の実装に過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願において開示された技術的範囲内で当業者が容易に想到するあらゆる変形または置換が、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
[他の可能な項目]
[項目1]
車両に適用されるクロック同期方法であって、
第1の信号を取得する段階、ここで、前記第1の信号は、外部クロックソースのクロック情報を含む;
前記第1の信号の信号品質を判定する段階;および
前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定する段階、ここで、前記クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含んでおり、前記車両が前記第1のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、前記車両が前記第2のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースおよび内部クロックソースから前記第1のクロック情報および第2のクロック情報をそれぞれ取得し、ここで、前記内部クロックソースは、前記車両内に位置している
を備える、方法。
[項目2]
前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定する前記段階は、
前記第1の信号の前記信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、前記クロックモードが前記第1のクロックモードである、と判定する段階;または
前記第1の信号の前記信号品質が前記第1の閾値よりも小さい場合、前記クロックモードが前記第2のクロックモードである、と判定する段階
を有する、
項目1に記載の方法。
[項目3]
前記クロックモードは、前記第2のクロックモードである;および
前記方法は、
前記第1のクロック情報に基づいて管理プレーンクロックを同期させ、前記第2のクロック情報に基づいてデータプレーンクロックを同期させる段階
をさらに備える、項目1または2に記載の方法。
[項目4]
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる段階をさらに備える、項目3に記載の方法。
[項目5]
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記車両が外部デバイスと通信する必要がある、と判定する段階
をさらに備える、項目4に記載の方法。
[項目6]
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい、と判定する段階をさらに備える、項目4または5に記載の方法。
[項目7]
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定する段階
をさらに備える、項目4から6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階の前に、
前記車両がテイクオーバされている、と判定する段階
をさらに備える、項目4から6のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定する段階をさらに備える、項目4から8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定する前記段階は、
前記車両が広い道路、または、トンネルおよび幹線道路の間の出入口に位置している場合、前記外部クロックソースが全地球測位衛星システムGNSSクロックである、と判定する段階;または
前記車両がトンネルの中、橋の下または地下ガレージの中にある場合、前記外部クロックソースがネットワークタイムプロトコルNTPクロックである、と判定する段階
を有する、
項目9に記載の方法。
[項目11]
前記車両は、第1の装置および第2の装置を含み、前記第1の装置および前記第2の装置の両方が前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックを含む;
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前記段階は、
前記第1の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第1の装置の前記データプレーンクロックを同期させる段階
を有する;および
前記方法は、
前記第1の装置のデータを前記第2の装置へバックアップする段階;および
前記第1の装置のバックアップされた前記データに基づいて、前記車両の走行を前記第2の装置により制御する段階
をさらに備える、項目4から10のいずれか一項に記載の方法。
[項目12]
前記第1の装置の前記データプレーンクロックおよび前記第1の装置の前記管理プレーンクロックの間の同期が完了した後に、前記車両の走行を前記第1の装置により制御する段階
をさらに備える、項目11に記載の方法。
[項目13]
前記車両の走行を前記第1の装置により制御する前記段階の後に、
前記第2の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第2の装置の前記データプレーンクロックを同期させる段階
をさらに備える、項目12に記載の方法。
[項目14]
車両内で用いられるクロック同期装置であって、
第1の信号を取得するように構成された取得モジュール、ここで、前記第1の信号は、外部クロックソースのクロック情報を含む;および
前記第1の信号の信号品質を判定するように構成された処理モジュール
を備え、
ここで、前記処理モジュールはさらに、前記第1の信号の前記信号品質に基づいてクロックモードを判定するように構成されており、ここで、前記クロックモードは、第1のクロックモードまたは第2のクロックモードを含んでおり、前記車両が前記第1のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースから第1のクロック情報を取得し、または、前記車両が前記第2のクロックモードで動作する場合、前記車両は、前記外部クロックソースおよび内部クロックソースから前記第1のクロック情報および第2のクロック情報をそれぞれ取得し、ここで、前記内部クロックソースは、前記車両内に位置している
装置。
[項目15]
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1の信号の前記信号品質が第1の閾値よりも大きいまたはそれに等しい場合、前記クロックモードが前記第1のクロックモードである、と判定する;または
前記第1の信号の前記信号品質が前記第1の閾値よりも小さい場合、前記クロックモードが前記第2のクロックモードである、と判定する
ように構成されている、
項目14に記載の装置。
[項目16]
前記クロックモードが前記第2のクロックモードである場合、前記処理モジュールはさらに、
前記第1のクロック情報に基づいて管理プレーンクロックを同期させ、前記第2のクロック情報に基づいてデータプレーンクロックを同期させるように構成されている、
項目14または15に記載の装置。
[項目17]
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている、
項目16に記載の装置。
[項目18]
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記車両が外部デバイスと通信する必要がある、と判定するように構成されている、
項目17に記載の装置。
[項目19]
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックの間の時間差が第2の閾値よりも大きいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている、
項目17または18に記載の装置。
[項目20]
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、前記車両の車両速度が第3の閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判定するように構成されている、
項目17から19のいずれか一項に記載の装置。
[項目21]
前記処理モジュールはさらに、
前記管理プレーンクロックに基づいて前記データプレーンクロックを同期させる前に、ユーザが前記車両をテイクオーバしている、と判定するように構成されている、
項目17から19のいずれか一項に記載の装置。
[項目22]
前記処理モジュールはさらに、
前記車両が位置している環境に基づいて前記外部クロックソースを判定するように構成されている、
項目17から21のいずれか一項に記載の装置。
[項目23]
前記処理モジュールは、具体的には、
前記車両が広い道路、または、トンネルおよび幹線道路の間の出入口に位置している場合、前記外部クロックソースがGNSSクロックである、と判定するように構成されている;または
前記車両がトンネルの中、橋の下または地下ガレージの中に位置している場合、前記処理モジュールは、前記外部クロックソースがネットワークタイムプロトコルNTPクロックである、と判定するように構成されている、
項目22に記載の装置。
[項目24]
前記処理モジュールは、第1の装置および第2の装置を有し、前記第1の装置および前記第2の装置の両方が前記データプレーンクロックおよび前記管理プレーンクロックを含む;
前記処理モジュールは、具体的には、前記第1の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第1の装置の前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている;および
前記処理モジュールはさらに、
前記第1の装置のデータを前記第2の装置へバックアップする;および
前記第2の装置を用いることにより、前記第1の装置のバックアップされた前記データに基づいて前記車両の走行を制御する
ように構成されている、
項目17から23のいずれか一項に記載の装置。
[項目25]
前記処理装置はさらに、
前記第1の装置の前記データプレーンクロックおよび前記第1の装置の前記管理プレーンクロックの間の同期が完了した後に、前記第1の装置を用いることにより、前記車両の走行を制御するように構成されている、
項目24に記載の装置。
[項目26]
前記処理装置はさらに、
前記第1の装置を用いることにより、前記車両の走行を制御した後に、前記第2の装置の前記管理プレーンクロックに基づいて前記第2の装置の前記データプレーンクロックを同期させるように構成されている、
項目25に記載の装置。
[項目27]
車両内で用いられるクロック同期装置であって、プロセッサおよびメモリを備え、前記メモリは、プログラム命令を格納するように構成されており、前記プロセッサは、前記プログラム命令を呼び出して、項目1から13のいずれか一項に記載の時間同期方法を実行するように構成されている、クロック同期装置。
[項目28]
項目14から27のいずれか一項に記載の時間同期装置を備える車両。
[項目29]
プログラム命令を格納したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラム命令がプロセッサにより実行された場合、項目1から13のいずれか一項に記載の時間同期方法が実装される、コンピュータ可読記憶媒体。
[項目30]
プロセッサおよびデータインタフェースを備えるチップであって、前記プロセッサは、前記データインタフェースを通じて、メモリに格納された命令を読み取って、項目1から13のいずれか一項に記載の時間同期方法を実行する、チップ。
【国際調査報告】