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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】自動車両タンクの骨組み
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/03 20060101AFI20240912BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B60K15/03 B
F02M37/00 301J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514440
(86)(22)【出願日】2022-09-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2022074587
(87)【国際公開番号】W WO2023031454
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】LU500622
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515269659
【氏名又は名称】プラスチック・オムニウム・アドヴァンスド・イノベーション・アンド・リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・デューズ
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ・ショーサナン
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン・レヴェイヤール
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038CA03
3D038CC20
(57)【要約】
本発明は、自動車両用プラスチック材料製タンクの内部補強要素(2)を固定するための少なくとも1つの手段(10)を備えるタンクの骨組み(1)において、内部補強要素(2)の固定のための手段(10)が、内部補強要素(2)の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された少なくとも1つの第1の構造体(100)と、内部補強要素(2)の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された少なくとも1つの第2の構造体(101)とを備えることを特徴とする骨組み(1)に関する。本発明は、内部補強要素(2)を骨組み(1)に固定した後に得られるアセンブリ(4)およびそのアセンブリ(4)を備えたタンクにも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)であって、前記タンクの内部補強要素(2)を固定するための少なくとも1つの手段(10)を備える骨組み(1)において、前記内部補強要素(2)を固定するための前記手段(10)が、
前記内部補強要素(2)の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された少なくとも1つの第1の構造体(100)と、
前記内部補強要素(2)の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された少なくとも1つの第2の構造体(101)と、
を備え、
前記内部補強要素(2)の第1の外側部分を拘束するように構成された前記第1の構造体(100)は、前記内部補強要素(2)の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された前記第2の構造体(101)の内周よりも大きな内周をもつことを特徴とする、自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項2】
前記内部補強要素(2)の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された前記第1の構造体(100)が、前記内部補強要素(2)の2つの突起(20)の間に挿入されるように構成された少なくとも1つのアーム(1000)を備える、請求項1に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項3】
前記内部補強要素(2)の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された前記第1の構造体(100)が、少なくとも2つのアーム(1000)、好ましくは前記内部補強要素(2)の2つの突起(20)の間に挿入されるように構成された2つのアーム(1000)を備える、請求項2に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項4】
前記内部補強要素(2)の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された前記第1の構造体(100)は、前記少なくとも2つのアーム(1000)が同じ平面内にあるときには繰り抜き部(1001)を有しており、前記内部補強要素(2)が骨組み(1)に固定されるときには前記繰り抜き部(1001)は2つのアーム(1000)の間で前記内部補強要素(2)と向かい合う位置になる、請求項3に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアーム(1000)が円弧をなす、請求項2から4のいずれか一項に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項6】
少なくとも1つのアーム(1000)がコブ(1002)を、好ましくは前記内部補強要素(2)の少なくとも1つの第1の部分を拘束するようにされた前記アーム(1000)の内側部分の方を向いたコブ(1002)を、その端部に備える、請求項2から5のいずれか一項に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアームが、錠止手段(1015)、たとえば前記骨組み(1)への前記内部補強要素(2)の固定を錠止するように構成された勾配の形などの錠止手段(1015)を備える、請求項2から6のいずれか一項に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項8】
前記内部補強要素(2)の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された前記第2の構造体(101)が、少なくとも1つのアーム(1010)、好ましくは少なくとも2つのアーム(1010)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアーム(1010)、好ましくは前記少なくとも2つのアーム(1010)が円弧をなす、請求項7に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのアーム(1010)が、延長部(1011)に、好ましくは軸棒(10110)の形の延長部に固定される、請求項7または8に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項11】
前記骨組み(1)と前記内部補強要素(2)の固定のための前記手段(10)とを連結する変形可能な連結材(11)を有しており、前記連結材(11)が、前記骨組み(1)外部からの機械的応力の作用を受けて、前記骨組み(1)と前記内部補強要素(2)の固定のための前記手段(10)との相対的な移動を可能にするために変形するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)と内部補強要素(2)とを備える、自動車両用プラスチック材料製タンクのアセンブリ(4)。
【請求項13】
前記内部補強要素(2)が、前記骨組み(1)の前記固定手段(10)の第1の構造体(100)によって拘束されるようにされた少なくとも1つの第1の部分と、前記骨組み(1)の前記固定手段(10)の第2の構造体(101)によって少なくとも部分的に包囲されるように構成された少なくとも1つの第2の部分とを備え、前記内部補強要素(2)の前記第1の部分が、前記骨組み(1)の前記固定手段(10)の前記第1の構造体(100)のアーム(1000)を挿入するようにされた少なくとも2つの突起(20)を備える、請求項12に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクのアセンブリ(4)。
【請求項14】
請求項12または13に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクのアセンブリ(4)を備える自動車両用プラスチック材料製タンク。
【請求項15】
請求項1から11のいずれか一項に記載の自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み(1)に内部補強要素(2)を固定するステップを含む自動車両用プラスチック材料製タンクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両用プラスチック材料製タンク、より詳細には液体燃料タンクの技術分野に関する。本発明は一般に、タンクの内部補強要素を固定するための少なくとも1つの手段を備える自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、自動車両用プラスチック材料製タンクの内部補強要素を固定するための少なくとも1つの手段を備える自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みに関する。
【0003】
本発明はまた、自動車両用プラスチック材料製タンクの内部に固定するように構成されたアセンブリであって、当該の骨組みおよび少なくとも1つの内部補強要素を含むアセンブリにも、さらにそのアセンブリが含まれた自動車両用プラスチック材料製タンクにも関する。本発明は、そのほか、自動車両用プラスチック材料製タンクの製造方法にも関する。
【背景技術】
【0004】
パリソンの押出しブロー成形によって得られるプラスチック材料製燃料タンクは、そのライフサイクルの間に寸法変化にさらされる。すなわち、まずそれは金型から出た瞬間に生じる材料の収縮を伴う冷却であり、特に、その使用中に内容物の過圧または減圧によってもたらされるものであり、ライフサイクルの過程での熱膨張によるものであり、経年によるものである。
【0005】
タンクの製造時にタンクに内部補強要素を挿入することが知られている。そうした内部補強要素は、プラスチック材料製タンクがそのライフサイクルの中でさらされる機械的応力に対するタンクの強度を高めることを目的としている。
【0006】
引用文献1には、骨組みとタンクの壁に対するその連結要素とを含むアセンブリが開示されているが、その連結要素は剛性が低いために内部補強機能を果たすことができない。その骨組みは、それが使われる車両の長手方向Xおよび車両の横断方向Yにも、さらに車両の鉛直方向Zにも変形する構造をあわせ備えている。それでも、このアセンブリがタンクの寸法変化に適応する能力はごく限られたものでしかない。また、このアセンブリの車両鉛直方向の圧縮および引伸しに対する強さは低すぎる。引用文献2には上掲文献のものと似通ったアセンブリが開示されているが、適応力および強度に関して同じ問題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US 2011/0226777 A1
【特許文献2】DE 10 2012 019334 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような従来技術の欠点を補うことなどを目的とする。
【0009】
そこで、本発明は、自動車両用のプラスチック材料製タンクのための骨組みを備えるアセンブリであって、少なくとも1つの内部補強要素をさらに備え、タンクの寸法変化に適応する能力、とりわけタンク製造時におけるその能力に優れ、車両に対して鉛直方向Zの圧縮および引伸しに強いアセンブリを提供することを目的とする。
【0010】
より具体的には、本発明の目的の1つは、その少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つの内部補強要素を固定するように構成された固定手段を備える骨組みであって、その骨組みおよびその少なくとも1つの内部補強要素が、自動車両用プラスチック材料製タンクの寸法変化に対する適応能力、とりわけタンクの製造時におけるその能力の高いアセンブリを形成することができる骨組みを提供することにある。
【0011】
本発明は、少なくともその実施形態の1つにおいては、自動車両用プラスチック材料製タンクを提供することをさらにその目的とする。
【0012】
本発明のもう1つの目的は、少なくともその実施形態の1つにおいては、自動車両用プラスチック材料製タンクの製造方法を実行することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの実施形態によれば、本発明は、タンクの内部補強要素を固定するための少なくとも1つの手段を備える自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みに関する。
【0014】
本発明によれば、内部補強要素を固定するための手段は、
・ 内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された少なくとも1つの第1の構造体と、
・ 内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲する、好ましくは拘束する、ように構成された少なくとも1つの第2の構造体と
を備える。
【0015】
本発明の基本原理は、内部補強要素を固定するための手段であって、内部補強要素の第1の外側部分の少なくとも部分的な拘束と、骨組みに対する内部補強要素のセンタリングと、骨組みと内部補強要素の相対的な動作(基本的には相互間の回転動作)の制限とを、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された少なくとも1つの第2の構造体によって同時に可能にする固定手段の存在をよりどころとする。一方で、このような固定手段は、内部補強要素と骨組みの間に互いに相手方に対して一定の動作の自由度をもつ連結を得ることも可能にする。
【0016】
そのため、本発明は、骨組みおよび少なくとも1つの内部補強要素を含むアセンブリのタンクの寸法変化に対する適応能力を高めることができるものであるとともに、そのアセンブリがタンク内に存在することによって生じる応力を小さくすることができるものである固定手段の全くもって新規かつ発明的なアプローチに基づく。さらに、第1の構造体によってタンクへの内部補強要素の溶着面と平行な軸内に内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束することで、骨組みと内部補強要素の間の接触面積を増やすことができる。この表面積の増大は、平行な2つの軸内における2つの部品の間の相対的な移動を特に溶着面に対して制限する。第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体を用いることによって内部補強要素と骨組みの間に生み出されるこうした相互連結は、2つの部品のセンタリングを果たすことができる。このセンタリングは、内部補強要素の第1の外側部分を第1の構造体によって少なくとも部分的に拘束するというだけのことで許容される動作を制限する。骨組みはこうしてタンクとの間に一定の位置関係で間接的な連関を得る。好ましくは、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成される第2の構造体は、内部補強要素のその少なくとも1つの第2の外側部分を拘束するものであり、それによってセンタリングおよび良好な固定を得ることができる。
【0017】
「内部補強要素」という表現は、タンクに圧力がかかったときのタンクの変形を抑える目的でプラスチック材料製タンクの両端に溶着される構造要素のことをいう。
【0018】
「タンク」という用語は、多様な使用条件および環境条件のもとで液体燃料を貯蔵することができる密閉タンクのことをいう。本発明によるタンクはプラスチック材料製の壁によって製作され、一般にその凹形部分に内面を、凸形部分に外面を有する。好ましくは、タンクは液体燃料用のプラスチック材料製タンクである。
【0019】
「内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された第1の構造体」という表現は、第1の構造体の一部分が、内部補強要素の第1の外側部分の少なくとも一部分と接触し、それに対して圧力を及ぼすことをいう。
【0020】
「内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体」とは、第2の構造体が内部補強要素の第2の外側部分の一部分を少なくとも部分的に包み込むが、必ずしもそれに対して圧力を及ぼすものでないことをいう。つまり、内部補強要素の第2の外側部分が閉じ込められるのはそれよりもサイズの大きなスペースの中であり、内部補強要素の第2の外側部分は第2の構造体内で制限を受けながらも動く余地がある。
【0021】
「内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された第2の構造体」という表現は、第2の構造体の一部分が、内部補強要素の第2の外側部分の少なくとも一部分と接触し、それに対して圧力を及ぼすことをいう。
【0022】
有利には、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された第1の構造体が、内部補強要素の2つの突起の間に挿入されるように構成された少なくとも1つのアームを備えるようにされる。
【0023】
そのため、内部補強要素の第1の外側部分にある2つの突起の間に固定手段の第1の構造体の少なくとも1つのアームを挿入することによって、内部補強要素に対する骨組みの並進移動を阻止することができる。より詳細には、その挿入によって、プラスチック材料製タンクへの内部補強要素の溶着面と垂直方向の内部補強要素に対する骨組みの動きを阻止することができる。
【0024】
上記実施形態の好ましい実施形態によれば、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された第1の構造体が、少なくとも2つのアーム、好ましくは内部補強要素の2つの突起の間に挿入されるように構成された少なくとも2つのアームを備えるようにされる。
【0025】
それにより、2つのアームを備える第1の構造体はその2つのアームに応力を振り分けることができ、受ける応力に対する機械的強度がそれによって向上する。
【0026】
上記実施形態の好ましい実施形態によれば、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された第1の構造体が、少なくとも2つのアームが同じ平面内にあるときには繰り抜き部を有しており、内部補強要素が骨組みに固定されるときにはその繰り抜き部は2つのアームの間で内部補強要素と向かい合う位置になるようにされる。
【0027】
そのため、2つのアームの間の欠落部を有するこの第1の構造体は、内部補強要素による拘束をより容易にすることができる。
【0028】
好ましい実施形態によれば、本発明によるプラスチック材料製タンクの骨組みは、少なくとも1つのアームが円弧を形成するようにされる。
【0029】
そのため、円弧の形をなすアームはクリップによる拘束に近い固定を得ることができ、より詳細には、内部補強要素が円筒形のゾーンを有するとき、それに対して拘束が行われる。
【0030】
好ましい実施形態によれば、本発明によるプラスチック材料製タンクの骨組みは、内部補強要素の少なくとも1つの第1の外側部分を拘束するように構成された第1の構造体が、円弧の形をなす少なくとも2つのアーム、2つのアームのうちの少なくとも1つ、好ましくはその2つのアームを備えるようにされる。好ましくは、2つのアームのうちの少なくとも1つは180°超の角度をもつ。より好ましくは、少なくとも1つのアームはフック形をなす。内部補強要素の少なくとも1つの第1の外側部分を拘束するように構成された第1の構造体が、円弧の形をなす少なくとも2つのアームを備え、その2つのアームは、それらが同じ拘束平面内にあるとき、より詳細には、内部補強要素が拘束の行われる円筒形ゾーンを有するときには180°以下の角度をなす。ただし、円弧の角度はアームを構成する材料によって異なる。このようにアレンジすることにより、内部補強要素を一段と容易に拘束することができる。
【0031】
好ましい実施形態によれば、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、少なくとも1つのアームが、コブを、好ましくは内部補強要素の少なくとも1つの第1の部分を拘束するようにされたアームの内側部分の方を向いたコブを、その端部に備えるようにされる。
【0032】
それにより、コブは、内部補強要素の拘束を保証することで円弧の長さを抑えることができる。円弧の長さが抑えられることで、第1の構造体のアームにおける、好ましくは2つのアームの間における補強要素の位置決めの際の「材料」の制約が減る。
【0033】
好ましい実施形態によれば、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、少なくとも1つのアームが、錠止手段、たとえば骨組みへの内部補強要素の固定を錠止するように構成された勾配の形などの錠止手段を備えるようにされる。
【0034】
そのため、錠止手段は骨組みへの内部補強要素の固定を確実なものとすることができ、固定の信頼性向上に寄与する。
【0035】
好ましい実施形態によれば、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体が、少なくとも1つのアーム、好ましくは少なくとも2つのアームを備えたものである。
【0036】
そのため、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体であって、少なくとも1つのアーム、好ましくは少なくとも2つのアームを備える第2の構造体は、内部補強要素を骨組みに位置決めする際の案内役を果たすことができる。また、このような第2の構造体は、車両に対する内部補強要素のX、Y、Zのすべての方向での保持を果たすこともできる。少なくとも1つのアーム、好ましくは少なくとも2つのアームは、第1の構造体によって拘束された内部補強要素の第1の外側部分に対してその配置がなされなければならない内部補強要素の反対側の端部に位置する内部補強要素の第2の外側端部に位置決めされることが好ましい。それにより、有利には、内部補強要素が軸棒の周りに回転する可能性を阻止することができる。
【0037】
上記実施形態の好ましい実施形態によれば、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、2つのアームのうちの少なくとも1つ、好ましくはその少なくとも2つのアームが円弧を形成するものである。好ましくは、2つのアームのうちの少なくとも1つは180°超の角度をもつ。より好ましくは、少なくとも1つのアームはフック形をなす。内部補強要素の少なくとも1つの第1の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体が、円弧の形をなす少なくとも2つのアームを備え、その2つのアームは、それらが同じ拘束平面内にあるとき、より詳細には、内部補強要素が部分的な包囲の行われる円筒形ゾーンを有するときには、180°以下の角度をなす。ただし、円弧の角度はアームを構成する材料によって異なる。このようなアレンジにより、内部補強要素をより容易に包囲することができる。
【0038】
そのため、このようなアレンジは、第2の構造体と内部補強要素の間の案内機能と機械的保持機能とを組み合わせることができる。
【0039】
上記実施形態の好ましい実施形態によれば、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、内部補強要素の第2の部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体の少なくとも1つのアームが、延長部、好ましくは軸棒の形の延長部に固定されたものである。
【0040】
このように延長部を使用することで、使用する材料の大きさおよび量を減らすことができる。
【0041】
本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、内部補強要素の第1の外側部分を拘束するように構成された第1の構造体が、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体の内周よりも大きな内周を有するものである。
【0042】
すると、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体の内周よりも大きな内周を有する第1の構造体であって、内部補強要素の第1の外側部分を拘束するように構成された第1の構造体が、過大な機械的応力を受けたときに砕けるようにされた少なくとも1つのより弱い区間のゾーンをもつ補強要素の固定を可能にする。第2の構造体の固定が行われるのはこのゾーンであることが好ましい。
【0043】
好ましい実施形態によれば、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、骨組みと内部補強要素の固定のための手段とを連結する変形可能な連結材を有しており、その連結材は、骨組み外部からの機械的応力の作用を受けて、骨組みと内部補強要素の固定のための手段との相対的な移動を可能にするために変形するように構成される。
【0044】
そのため、変形可能な連結材は骨組みに対する応力を減らすことができるが、そうした応力は、タンク内の温度や圧力の変化に関連したものであり、内部補強要素の移動または複数の内部補強要素相互の移動による変形を生じるものである。こうした移動は、骨組みに、したがって骨組みと内部補強要素の間、または複数の内部補強要素の間に変形可能な連結材が全く存在しなければ、骨組みに応力を発生させることになる。好ましくは、変形可能な連結材は内部補強要素のタンクとの溶着面と平行な軸に沿った変形を可能にする。
【0045】
好ましい実施形態によれば、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリケトン(PK)からなる材料グループの中から選ばれる材料を主体とする。好ましくは、骨組みは単一成形物の形をとる。
【0046】
骨組みはまた、ポンプ、レベルセンサ、圧力センサ、温度センサ、およびバルブ、ロールオーバー弁(ROV)タイプの弁、もしくは給油制限ベント弁(FLVV)タイプの弁類のような燃料タンク部品の支持手段、または通気ラインや燃料ラインの固定を可能にする支持手段を備えることができる。骨組みは、防音バッフルまたはスロッシュ防止バッフルとも呼ばれるデフレクタを備えるか、またはその支持役を果たすこともできる。好ましくは、燃料タンクの部品、通気ラインおよび燃料ラインおよび/またはデフレクタは「クリップ留め」によって骨組みに固定される。「クリップ留め」は、骨組みに対する燃料タンクの部品、通気ラインおよび燃料ラインおよび/またはデフレクタの取扱いおよび固定を容易に行うことができる。
【0047】
好ましい変形によれば、自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは複数の貫通穴を備える。好ましくは、骨組みは、リブなどの剛性強化手段をさらに備える。
【0048】
こうして貫通穴があることにより、タンク内に含まれる液体の移動はより容易になる。骨組みに剛性強化手段が存在することにより、骨組みは、骨組みへの部品の固定に伴う応力、または骨組みを備える燃料タンクによって発生する応力によりよく耐えることができる。
【0049】
好ましい変形によれば、自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みは、タンク製造時に骨組みを含むアセンブリをパリソン内に挿入するために使用される挿入棒などの挿入手段を受けるように構成された受け具を備える。そのような受け具は、有利には穴または盲穴の形態をなす。
【0050】
本発明のもう1つの課題は、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みと、内部補強要素とを備える自動車両用プラスチック材料製タンクのアセンブリを提供することにある。好ましくは、内部補強要素は、骨組みの固定手段の第1の構造体によって拘束されるようにされた少なくとも1つの第1の部分と、骨組みの固定手段の第2の構造体によって部分的に包囲されるように構成された少なくとも1つの第2の部分とを備え、内部補強要素の第1の部分が、骨組みの固定手段の第1の構造体のアームを挿入するようにされた少なくとも2つの突起を備えるものである。内部補強要素にある2つの突起の間に固定手段の第1の構造体の少なくとも1つのアームを挿入することによって、内部補強要素に対する骨組みの並進移動の阻止を確実に行うことができる。より詳細には、その挿入によって、内部補強要素のタンクへの溶着面に対して垂直方向の内部補強要素に対する骨組みの動きを阻止することができる。突起は、応力が大きなところに配置されるものではなく、内部補強要素が脆弱化されることはない。
【0051】
好ましくは、内部補強要素は円柱形、好ましくは円筒形、または鼓形の柱の形をなす。内部補強要素は、中央部がえぐられた壁をもつ保持具の形をなして、壁の一部に補強リブを備えるものであることもできる。保持具の壁は平坦であることも、湾曲したものであることもできる。その補強要素は、好ましくは、その両終端部にタンクの壁に溶着させることができる材料でオーバーモールドした2つの部分を備える。内部補強要素は、ポリアセタール(POM)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリケトン(PK)、ポリアミド(PA)、金属を主体とする中心部分と、高密度ポリエチレン(HDPE)をオーバーモールドした2つの部分とからなることが好ましい。内部補強要素は、好ましくは、タンクに加えられた力に発する強い応力にさらされたときに当該要素が壊れることができる機械的脆弱ゾーンを備える。この機械的脆弱ゾーンは、少なくとも1つのノッチまたは壁の薄さによって、より脆弱な区間の形をとる。内部補強要素は中空の部分を、より詳細には内部補強要素の中央部分に備えることができる。この脆弱ゾーンは好ましくは内部補強要素の第2の外側部分に相当する。
【0052】
本発明のもう1つの課題は、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクのアセンブリを備える自動車両用プラスチック材料製タンクを提供することにある。
【0053】
本発明の1つの課題は、自動車両用プラスチック材料製タンクの製造方法を提供することにもある。
【0054】
本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの製造方法の有利な実行によれば、その方法には、本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組みに本発明による内部補強要素を固定するステップが含まれる。
【0055】
本発明のその他の特徴および利点は、あくまでも説明のための限定的でない例として示す好ましい実施形態についての以下の記述を添付の図面をとあわせて読むことでより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクのアセンブリの図である。
図2】本発明による骨組みの内部補強要素を固定するための手段の図である。
図3】本発明による内部補強要素と骨組みの連結を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1を参照しながら、骨組み1と内部補強要素2とを備える本発明による自動車両用プラスチック材料製タンクのアセンブリ4の実施形態を紹介する。自動車両用プラスチック材料製タンクの骨組み1は、タンクに内部補強要素2を固定するための少なくとも1つの手段10を備える。骨組み1は、骨組み1と、内部補強要素2を固定するための手段10とを連結する変形可能な連結材11を有しており、連結材11は、骨組み1の外部からの機械的応力の作用を受けて、骨組み1と、内部補強要素2を固定するための手段10との相対的な移動を可能にするために変形できるように構成される。骨組み1はまた、タンクの製造時にアセンブリ4をパリソン内に挿入するための挿入棒などの挿入手段を受けるように構成された受け具12を備える。そのような受け具12は、有利には穴または盲穴の形態をなす。骨組み1は、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリケトン(PK)からなる材料グループの中から選ばれる材料を主体とする。骨組み1はまた、ポンプ、レベルセンサ、圧力センサ、温度センサ、およびバルブ、ロールオーバー弁(ROV)タイプの弁、もしくは給油制限ベント弁(FLVV)タイプの弁類のような燃料タンクの部品の支持手段3、または通気ラインや燃料ラインの固定を可能にする支持手段3を備える。骨組み1は、複数の貫通穴13も備える。好ましくは、骨組み1は、リブ(図示せず)などの剛性強化手段をさらに備える。内部補強要素2は、円柱形、好ましくは円筒形、または鼓形の柱21の形をなす。内部補強要素2は、中央部がえぐられた壁をもつ保持具20の形をなし、壁の一部に補強リブを備えるものであることもできる。保持具の壁は平坦であることも、湾曲したものであることもできる。その補強要素2は、好ましくは、その両終端部にタンクの壁に溶着させることができる材料でオーバーモールドした2つの部分を備える。内部補強要素2は、ポリアセタール(POM)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリケトン(PK)、ポリアミド(PA)、金属を主体とする中心部分と、高密度ポリエチレン(HDPE)をオーバーモールドした2つの部分とからなることが好ましい。内部補強要素は、好ましくは、タンクに加えられた力に発する強い応力にさらされたときに当該要素の破壊を引き起こすことができる機械的脆弱ゾーンを有する。
【0058】
図2は、骨組み1にタンクの内部補強要素を固定するための手段10を示したものである。手段10は、内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された少なくとも1つの第1の構造体100と、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101とを備える。内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された第1の構造体100は、内部補強要素の2つの突起の間に挿入されるように構成されて円弧の形をなす2つのアーム1000を備え、各々のアーム1000はアーム1000の内側部分の方を向いたコブ1002をその端部に備える。円弧の形をなす2つのアーム1000は、それらが同じ拘束平面内にあるとき、180°以下の角度を有する。内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101は、軸棒10110の形をなす延長部1011に固定された円弧の形の少なくとも1つのアーム1010を備える。円弧の形のアーム1010は180°超の角度をもつ。内部補強要素の第1の外側部分を拘束するように構成された第1の構造体100は、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101の内周よりも大きな内周を有することがわかる。
【0059】
図3は、自動車両用プラスチック材料製タンクのアセンブリ4の一部を形成する本発明による内部補強要素2と骨組み1との連結を示している。連結は、内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された少なくとも1つの第1の構造体100と、内部補強要素2の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された少なくとも1つの第2の構造体101とを備える手段10を用いて行われる。内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された第1の構造体100は、内部補強要素2の2つの突起20の間に挿入されるように構成された円弧形の2つのアーム1000を備え、各々のアーム1000はアーム1000の内側部分の方を向いたコブをその端部に備える。円弧の形をなす2つのアーム1000は180°以下の角度をもつ。内部補強要素2の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101は、軸棒の形をなす延長部に固定された円弧の形の少なくとも1つのアーム1010を備える。円弧の形のアーム1010は180°超の角度をもつ。内部補強要素2の第1の外側部分を拘束するように構成された第1の構造体100は、内部補強要素2の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101の内周よりも大きな内周を有することがわかる。内部補強要素2は、タンクの壁に溶着させることのできる材料をオーバーモールドした2つの部分をその両終端部に備えた鼓形21をなす。内部補強要素2は、ポリアセタール(POM)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリケトン(PK)、ポリアミド(PA)、金属を主体とする中心部分24と、高密度ポリエチレン(HDPE) 22、23をオーバーモールドした2つの部分とからなることが好ましい。内部補強要素2は、タンクに加えられた力を受けて強い応力にさらされたときに当該要素の破壊を引き起こすことができる機械的脆弱ゾーンを備える。この脆弱ゾーンは、好ましくは内部補強要素2の第2の外側部分に相当する。
【0060】
図4は、本発明の変形実施形態による骨組み1にタンクの内部補強要素を固定するための手段10を示している。当該手段10は、内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された少なくとも1つの第1の構造体100と、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101とを備える。内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された第1の構造体100は、内部補強要素の2つの突起の間に挿入されるように構成された2つのアーム1000であって、円弧の形をなす2つのアーム1000を備え、各々のアーム1000は、アーム1000の内側部分の方を向いたコブ1002をその端部に備える。円弧の形をなす2つのアーム1000は、それらが同じ拘束平面内にあるとき、180°以下の角度をなす。内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101は、軸棒10110の形をなす延長部1011に固定された円弧の形の少なくとも1つのアーム1010を備える。円弧の形のアーム1010は180°超の角度をもつ。内部補強要素の第1の外側部分を拘束するように構成された第1の構造体100は、内部補強要素の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101の内周よりも大きな内周を有する。
【0061】
アーム1000の各々は、対応するコブ1002に隣接して位置する自由端と、向い合せの2つのアームの基底端であって、繰り抜き部1001によって互いが隔てられた基底端とを備える。2つのアーム1000の各々は、骨組み1に対する内部補強要素1の固定を錠止するように構成された錠止手段1015をその上部表面に備える。各々のアームでは、錠止手段1015は、アームの長手の部分、たとえばアーム長さの50%未満、ここでは図4の実施形態にあってはアーム長さの約25%にわたって延びる直線勾配の形をとる。勾配は、アームの上面と面一をなす低位点であって、アームの自由端の部分と面一をなす低位点と、アームの端部から隔たった位置にある頂点とを有する。2つのアーム1000の各々は、錠止手段1015を形成する勾配の頂点と向かい合わせに、勾配からは離れたストッパ1016をさらに備える。
【0062】
図5は、本発明の変形実施形態による内部補強要素2と第1の骨組み1の間の連結であって、自動車両用プラスチック材料製タンクのアセンブリ4の一部を形成し、図4の骨組み1にタンクの内部補強要素を固定するための手段10を実行した連結を示したものである。連結は、内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された少なくとも1つの第1の構造体100と、内部補強要素2の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された少なくとも1つの第2の構造体101とを備える手段10を用いて行われる。内部補強要素の第1の外側部分を少なくとも部分的に拘束するように構成された第1の構造体100は、内部補強要素2の2つの突起20の間に挿入されるように構成された円弧形の2つのアーム1000を備え、各々のアーム1000はその端部にアーム1000の内側部分の方を向いたコブを備える。円弧の形をなす2つのアーム1000は180°以下の角度をもつ。内部補強要素2の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101は、軸棒の形をなす延長部に固定された円弧の形の少なくとも1つのアーム1010を備える。円弧の形のアーム1010は180°超の角度をもつ。内部補強要素2の第1の外側部分を拘束するように構成された第1の構造体100は、内部補強要素2の第2の外側部分を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の構造体101の内周よりも大きな内周を有する。内部補強要素2は、タンクの壁に溶着させることのできる材料をオーバーモールドした2つの部分をその両終端部に備えた鼓形21をなす。内部補強要素2は、ポリアセタール(POM)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリケトン(PK)、ポリアミド(PA)、金属を主体とする中心部分24と、高密度ポリエチレン(HDPE) 22、23をオーバーモールドした2つの部分からなることが好ましい。内部補強要素2は、タンクに加えられた力を受けて強い応力にさらされたときに当該要素の破壊を引き起こすことができる機械的脆弱ゾーンを備える。この脆弱ゾーンは、好ましくは内部補強要素2の第2の外側部分に相当する。
【0063】
内部補強要素2は2つのフィン25を備えており、その各々が、内部補強要素に対して径方向に延びて内部補強要素と一体をなすアングル材および平板を備える。手段10内への内部補強要素2の挿入時には、フィン25は、2つのアーム1000に設けられた錠止手段1015をなす勾配上を勾配の頂点に到達するところまで摺動する。すると、フィン25は錠止手段1015とストッパ1016の間のスペースに落ちる。勾配の形状によって内部補強要素2は手段10内の固定位置で阻止され、それによって内部補強要素は骨組みにしっかり固定されることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 骨組み
2 内部補強要素
3 支持手段
4 アセンブリ
10 手段
12 受け具
20 突起
24 中心部分
100 第1の構造体
101 第2の構造体
1000、1010 アーム
1002 コブ
10110 軸棒
1001 繰り抜き部
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】