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特表2024-534333非対称の真空絶縁グレージングユニットを備えた複層グレージング
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  • 特表-非対称の真空絶縁グレージングユニットを備えた複層グレージング 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】非対称の真空絶縁グレージングユニットを備えた複層グレージング
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/06 20060101AFI20240912BHJP
   E06B 3/67 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
C03C27/06 101Z
C03C27/06 101E
E06B3/67 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514478
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2022075206
(87)【国際公開番号】W WO2023041456
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】21196918.3
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510191919
【氏名又は名称】エージーシー グラス ユーロップ
【氏名又は名称原語表記】AGC GLASS EUROPE
【住所又は居所原語表記】Avenue Jean Monnet 4, 1348 Louvain-la-Neuve, Belgique
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ジャンフィル, ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ブーズナール, オリヴィエ
【テーマコード(参考)】
2E016
4G061
【Fターム(参考)】
2E016AA01
2E016BA01
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC03
2E016EA01
4G061AA06
4G061AA20
4G061BA01
4G061BA02
4G061CD22
4G061CD23
4G061CD25
4G061DA24
(57)【要約】
本発明は、長手方向軸X及び垂直軸Yによって画定された平面Pに沿って延在する複層グレージング(10)であって、少なくとも、a.真空絶縁グレージングユニットであって、i.厚さZ1を有し、且つ内側ペイン面(11)及び外側ペイン面(12)を有する第1のガラスペインGP1、並びに厚さZ2を有し、且つ内側ペイン面(21)及び外側ペイン面(22)を有する第2のガラスペインGP2、但し厚さは、平面Pに垂直な方向に測定される、ii.第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間に位置付けられ、第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間の距離を維持する離散スペーサ(3)の組、iii.第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間の距離をその周囲にわたって封止する密封接着シール(4)、iv.第1及び第2のガラスペイン並びに離散スペーサの組によって画定され、且つ密封接着シールによって閉鎖された内容積Vであって、0.1mbar未満の圧力を有する真空が存在し、内側ペイン面が、内容積Vに面する、内容積Vを含む真空絶縁グレージングユニットと、b.内側ペイン面(31)及び外側ペイン面(32)を有する第3のガラスペインGP3と、c.第2のガラスペインGP2の外側ペイン面(22)と、第3のガラスペインGP3の内側ペイン面(31)との間にその周囲にわたって位置付けられ、その間の距離を維持する周囲スペーサ(6)とを含む複層グレージング(10)に関する。周囲スペーサ(6)、外側ペイン面(22)及び内側ペイン面(31)は、内部空間Spを画定する。第1のガラスペインの厚さZ1の、第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比Z1/Z2は、1.10以上(Z1/Z2≧1.10)であり、及び第2のガラスペインGP2は、内部空間Spに面している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸X及び垂直軸Yによって画定された平面Pに沿って延在する複層グレージング(10)であって、前記複層グレージング(10)は、少なくとも、
a.真空絶縁グレージングユニットであって、
i.厚さZ1を有し、且つ内側ペイン面(11)及び外側ペイン面(12)を有する第1のガラスペインGP1、並びに厚さZ2を有し、且つ内側ペイン面(21)及び外側ペイン面(22)を有する第2のガラスペインGP2、但し前記厚さは、前記平面Pに垂直な方向に測定される、
ii.前記第1のガラスペインと前記第2のガラスペインとの間に位置付けられ、前記第1のガラスペインと前記第2のガラスペインとの間の距離を維持する離散スペーサ(3)の組、
iii.前記第1のガラスペインと前記第2のガラスペインとの間の距離をその周囲にわたって封止する密封接着シール(4)、
iv.前記第1及び第2のガラスペイン並びに前記離散スペーサの組によって画定され、且つ前記密封接着シールによって閉鎖された内容積Vであって、0.1mbar未満の圧力を有する真空が存在し、前記内側ペイン面が、前記内容積Vに面する、内容積V、
を含む真空絶縁グレージングユニットと、
b.内側ペイン面(31)及び外側ペイン面(32)を有する第3のガラスペインGP3と、
c.前記第2のガラスペインGP2の外側ペイン面(22)と、前記第3のガラスペインGP3の内側ペイン面(31)との間にその周囲にわたって位置付けられ、その間の距離を維持する周囲スペーサ(6)であって、前記周囲スペーサ(6)、外側ペイン面(22)、及び内側ペイン面(31)は、内部空間Spを画定する、周囲スペーサ(6)と
を含み、
前記第1のガラスペインの厚さZ1の前記第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比Z1/Z2は、1.10以上(Z1/Z2≧1.10)であり、前記第2のガラスペインGP2は、前記内部空間Spに面している、複層グレージング(10)。
【請求項2】
前記真空絶縁グレージングユニットは、1.20以上(Z1/Z2≧1.20)、好ましくは1.30以上(Z1/Z2≧1.30)、好ましくは1.50以上(Z1/Z2≧1.50)、好ましくは1.55以上(Z1/Z2≧1.55)、より好ましくは1.60以上(Z1/Z2≧1.60)の、前記第1のガラスペインの厚さZ1の前記第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比Z1/Z2を有する、請求項1に記載の複層グレージング。
【請求項3】
前記真空絶縁グレージングユニットは、6.00以下(Z1/Z2≦6.00)、4.00以下(Z1/Z2≦4.00)、2.50以下(Z1/Z2≦2.50)の、前記第1のガラスペインの厚さZ1の前記第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比Z1/Z2を有する、請求項1又は2に記載の複層グレージング。
【請求項4】
前記真空絶縁グレージングユニットは、1.20~1.60(1.20≦Z1/Z2≦1.60)、好ましくは1.30~1.60(1.30≦Z1/Z2≦1.60)の範囲の厚さ比Z1/Z2を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の複層グレージング。
【請求項5】
前記第2のガラスペインの厚さZ2は、1mm~8mm(1mm≦Z2≦8mm)、好ましくは2mm~6mm(2mm≦Z2≦6mm)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の複層グレージング。
【請求項6】
前記第1のガラスペインの厚さZ1は、2mm~10mm(2mm≦Z1≦10mm)、好ましくは3mm~8mm(3mm≦Z1≦8mm)である、請求項1~5のいずれか一項に記載の複層グレージング。
【請求項7】
前記第3のガラスペインの内側ペイン面、前記第3のガラスペインの外側ペイン面、前記第2のガラスペインの外側ペイン面及び/又は前記第1のガラスペインの外側ペイン面の少なくとも1つは、積層ガラスペインを形成するために、ポリマー中間層によって少なくとも1枚のガラスシートに積層される、請求項1~6のいずれか一項に記載の複層グレージング。
【請求項8】
前記第1のガラスペインの外側ペイン面は、積層ガラスペインを形成するために、ポリマー中間層によって少なくとも1枚のガラスシートに積層される、請求項7に記載の複層グレージング。
【請求項9】
前記ガラスシートは、1mm~8mm(1mm≦Zs≦8mm)、好ましくは1mm~6mm(1mm≦Zs≦6mm)、より好ましくは2mm~4mm(2mm≦Zs≦4mm)の範囲の、好ましくは4mmに等しい(Zs=4mm)、前記平面Pに垂直な方向に測定された厚さZsを有する、請求項7又は8に記載の複層グレージング。
【請求項10】
前記第3のガラスペインは、4mm~8mm(4mm≦Z3≦8mm)、好ましくは4mm~6mm(4mm≦Z3≦6mm)の範囲の、前記平面Pに垂直な方向に測定された厚さZ3を有し、前記第3のガラスペインは、4mm~8mm(4mm≦Zs≦8mm)、好ましくは4mm~6mm(4mm≦Zs≦6mm)の範囲の厚さZsを有するガラスシートに好ましくは音響PVBポリマー中間層によって積層される、請求項7~9のいずれか一項に記載の複層グレージング。
【請求項11】
少なくとも機能性コーティング、好ましくは熱線反射コーティング又は低放射率コーティングをガラスペイン面の少なくとも1つの上に更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の複層グレージング。
【請求項12】
前記離散スペーサの組は、15mm~80mm、好ましくは15mm~50mm、より好ましくは15~40mm、より好ましくは15mm~25mm、更により好ましくは約20mmであるピッチを有する配列を形成する、請求項1~11のいずれか一項に記載の複層グレージング。
【請求項13】
前記第1のガラスペインは、線熱膨張係数CTE1を有し、第2のガラスペインは、線熱膨張係数CTE2を有し、CTE1とCTE2との間の絶対差は、多くとも1.2×10-6/℃(|CTE1-CTE2|≦1.2×10-6/℃)であり、好ましくは多くとも0.8×10-6/℃(|CTE1-CTE2|≦0.8×10-6/℃)、より好ましくは多くとも0.4×10-6/℃(|CTE1-CTE2|≦0.4×10-6/℃)、より好ましくは多くとも0.2×10-6/℃(|CTE1-CTE2|≦0.2×10-6/℃)であり、更により好ましくは0に等しい(|CTE1-CTE2|=0/℃)、請求項1~12のいずれか一項に記載の複層グレージング。
【請求項14】
前記複層グレージングの1つのガラスペインは、プレストレストガラスであり、好ましくは、前記第1のガラスペイン及び/又は前記第3のガラスペインは、プレストレストガラスであるか、又は好ましくは、前記第2のガラスペインは、プレストレストガラスである、請求項1~13のいずれか一項に記載の複層グレージング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複層グレージングであって、第1及び第2のガラスペインが異なる厚さであり、且つ特により薄いガラスペインが複層グレージングの内部空間に面するようにグレージング内に位置付けられる、真空絶縁ユニットを含む複層グレージングに関する。
【背景技術】
【0002】
二重グレージング又は更に三重グレージングなどの複層グレージングは、断熱を提供するためのごく従来の解決策である。二重グレージングは、典型的には、周縁シールによって封止された内部空間を生成する、周囲スペーサによってそれらの周囲に沿って連結された2つのガラスペインを含む。前記周囲スペーサは、2つのガラスペイン間に特定の距離を維持する。概して、前記内部空間は、伝熱を更に低減し、且つ/又は音響透過を減少させるために空気及び/又は不活性ガスを充填される。
【0003】
現在の窓枠は、これらの二重又は更に三重グレージング構造を組み込むために、特定の大きさの溝を備えて設計される。改良された断熱が更に求められる場合、そのような複層グレージングは、真空絶縁グレージングに完全に置換することができる。真空絶縁グレージングユニットは、典型的には、真空が発生されている内容積によって分離された少なくとも2つのガラスペインから構成される。概して、高性能の断熱(熱貫流率Ugは、Ug<1.2W/mKである)を達成するために、グレージングユニットの内側の絶対圧力は、典型的には、0.1mbar以下であり、概して、2つのガラスペインの少なくとも1つは、低放射率層で覆われる。
【0004】
しかし、現在の複層グレージングを真空絶縁グレージングに置換することは、真空絶縁グレージングが複層グレージングよりはるかに薄く、窓枠の溝によって提供された空間全体を使用しないために問題である。当技術分野で提供された1つの解決策は、真空絶縁グレージングユニットが枠の一部によって片側を支持され、スペーサ構造によって反対側を支持されることを提案する国際公開第2014/039642号パンフレットに表されている。国際公開第2007/075298号パンフレットに記載された別の既存の解決策は、枠に固定された追加のガラスペインを追加することを提案している。
【0005】
更に別の解決策は、不要な枠の溝空間の技術的問題が起きないように、複層グレージングのガラスペインの1つを真空絶縁グレージングユニットに置換することである。欧州特許出願公開第860406A号明細書は、1つ又は2つの真空絶縁グレージングユニットを含む二重グレージングを開示している。しかし、そのような構成は、他の技術的問題を生じさせる。事実、真空絶縁グレージングユニットは、真空絶縁グレージングユニットの内容積が非常に薄く、且つ両方のガラスペインが密封接着シールによって強力に連結されるため、単一のペインとして複層グレージング内で機械的に挙動するであろうと予測されていた。しかし、驚くべきことに、複層グレージング内の真空絶縁グレージングユニットは、非常に異なる機械的性能及び熱性能を示すことがわかった。
【0006】
真空絶縁グレージングは、異なる外部荷重に耐えるために慎重に寸法決めされる。考慮するべき主な荷重は、外部環境と内部環境との温度差によって誘発される荷重である。事実、内部環境に面するガラスペインは、内部環境の温度と同様の温度を取り込み、外部環境に面するガラスペインは、外部環境の温度と同様の温度を取り込む。最も厳しい気象条件では、内部温度と外部温度との差は、40℃以上に達する可能性がある。内部環境と外部環境との温度差は、ガラスペインの内側に応力をもたらすことがあり、深刻な場合、真空絶縁グレージングユニットが割れることがある。従って、熱誘起応力のレベルを制御することが重要である。
【0007】
熱誘起応力のそのような技術的問題は、ガラスペインが強い日光を浴びた場合でも、変形も歪みも生じないように真空絶縁グレージングをどのように改良するかを取り扱う特開2001316137号公報で対処されている。特開2001316137号公報は、屋内側に配列された内部ガラスペインが外部ガラスペインより厚いグレージングを設計するように教示している。一方で、特開2001316138号公報は、衝撃抵抗及び音響を向上させるために、屋外側に配列された外部ガラスペインが内部ガラスペインより厚い反対のVIG構造を教示している。
【0008】
複層グレージングに組み込まれたとき、真空絶縁グレージングユニットの誘起された熱応力のレベルを制御する技術的問題に対処する従来技術は存在しない。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、長手方向軸X及び垂直軸Yによって画定された平面Pに沿って延在する複層グレージングであって、少なくとも、
a.真空絶縁グレージングユニットであって、
i.厚さZ1を有し、且つ内側ペイン面及び外側ペイン面を有する第1のガラスペインGP1、並びに厚さZ2を有し、且つ内側ペイン面及び外側ペイン面を有する第2のガラスペインGP2、但し厚さは、平面Pに垂直な方向に測定される、
ii.第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間に位置付けられ、第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間の距離を維持する離散スペーサの組、
iii.第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間の距離をその周囲にわたって封止する密封接着シール、
iv.第1及び第2のガラスペイン並びに離散スペーサの組によって画定され、且つ密封接着シールによって閉鎖された内容積Vであって、0.1mbar未満の圧力を有する真空が存在し、内側ペイン面が、内容積Vに面する、内容積V
を含む真空絶縁グレージングユニットと、
b.内側ペイン面及び外側ペイン面を有する第3のガラスペインGP3と、
c.第2のガラスペインGP2の外側ペイン面と、第3のガラスペインGP3の内側ペイン面との間にその周囲にわたって位置付けられ、その間の距離を維持する周囲スペーサと
を含む複層グレージングに関する。周囲スペーサ、第2のガラスペインGP2の外側ペイン面及び第3のガラスペインGP3の内側ペイン面は、内部空間Spを画定する。第1のガラスペインの厚さZ1の、第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比Z1/Z2は、1.10以上(Z1/Z2≧1.10)である。第2のガラスペインGP2は、内部空間Spに面している。
【0010】
好ましい実施形態では、真空絶縁グレージングユニットは、1.20以上(Z1/Z2≧1.20)、好ましくは1.30以上(Z1/Z2≧1.30)、好ましくは1.50以上(Z1/Z2≧1.50)、好ましくは1.55以上(Z1/Z2≧1.55)、より好ましくは1.60以上(Z1/Z2≧1.60)の、第1のガラスペインの厚さZ1の、第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比Z1/Z2を有する。好ましい実施形態では、真空絶縁グレージングユニットは、6.00以下(Z1/Z2≦6.00)、4.00以下(Z1/Z2≦4.00)、2.50以下(Z1/Z2≦2.50)の、第1のガラスペインの厚さZ1の、第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比Z1/Z2を有する。より好ましい実施形態では、真空絶縁グレージングユニットは、1.20~1.60(1.20≦Z1/Z2≦1.60)、好ましくは1.30~1.60(1.30≦Z1/Z2≦1.60)の範囲の厚さ比Z1/Z2を有する。
【0011】
好ましい実施形態では、第2のガラスペインの厚さZ2は、1mm~8mm(1mm≦Z2≦8mm)、好ましくは2mm~6mm(2mm≦Z2≦6mm)である。好ましい実施形態では、第1のガラスペインの厚さZ1は、2mm~10mm(2mm≦Z1≦10mm)、好ましくは3mm~8mm(3mm≦Z1≦8mm)である。
【0012】
好ましい実施形態では、第3のガラスペインの内側ペイン面、第3のガラスペインの外側ペイン面、第2のガラスペインの外側ペイン面及び/又は第1のガラスペインの外側ペイン面の少なくとも1つは、積層ガラスペインを形成するために、ポリマー中間層によって少なくとも1枚のガラスシートに積層される。好ましくは、第1のガラスペインの外側ペイン面は、積層ガラスペインを形成するために、ポリマー中間層によって少なくとも1枚のガラスシートに積層される。
【0013】
好ましくは、ガラスシートは、1mm~8mm(1mm≦Zs≦8mm)、好ましくは1mm~6mm(1mm≦Zs≦6mm)、より好ましくは2mm~4mm(2mm≦Zs≦4mm)の範囲の、好ましくは4mmに等しい(Zs=4mm)、平面Pに垂直な方向に測定された厚さZsを有する。第1、第2及び/又は第3のガラスペインの厚さ並びにガラスシートの厚さは、異なる(Z1、Z2及び/又はZ3≠Zs)ことが更に好ましい。
【0014】
より好ましい実施形態では、第3のガラスペインは、4mm~8mm(4mm≦Z3≦8mm)、好ましくは4mm~6mm(4mm≦Z3≦6mm)の範囲の、平面Pに垂直な方向に測定された厚さZ3を有し、第3のガラスペインは、4mm~8mm(4mm≦Zs≦8mm)、好ましくは4mm~6mm(4mm≦Zs≦6mm)の範囲の厚さZsを有するガラスシートに好ましくは音響PVBポリマー中間層によって積層される。第3のガラスペインの厚さ及びガラスシートの厚さは、異なる(Z3≠Zs)ことが更に好ましい。
【0015】
好ましい実施形態では、複層グレージングは、少なくとも機能性コーティング、好ましくは熱線反射コーティング又は低放射率コーティングをガラスペイン面又はガラスシート面の少なくとも1つの上、好ましくは第1及び/若しくは第2のガラスペインの内側ペイン面並びに/又は第3のガラスペインの内側ペイン面上に更に含む。
【0016】
本発明の好ましい一実施形態では、複層グレージングの1つのガラスペインは、プレストレストガラスである。一実施形態では、第1のガラスペイン及び/又は第3のガラスペインは、プレストレストガラスであることが好ましい。別の実施形態では、第2のガラスペインは、プレストレストガラスであることが好ましい。
【0017】
好ましい実施形態では、離散スペーサの組は、15mm~80mm、好ましくは15mm~50mm、より好ましくは15~40mm、より好ましくは15mm~25mm、更により好ましくは約20mmであるピッチを有する配列を形成する。
【0018】
好ましい実施形態では、第1のガラスペインは、線熱膨張係数CTE1を有し、及び第2のガラスペインは、線熱膨張係数CTE2を有し、CTE1とCTE2との間の絶対差は、多くとも1.2×10-6/℃(|CTE1-CTE2|≦1.2×10-6/℃)であり、好ましくは多くとも0.8×10-6/℃(|CTE1-CTE2|≦0.8×10-6/℃)、より好ましくは多くとも0.4×10-6/℃(|CTE1-CTE2|≦0.4×10-6/℃)、より好ましくは多くとも0.2×10-6/℃(|CTE1-CTE2|≦0.2×10-6/℃)であり、更により好ましくは0に等しい(|CTE1-CTE2|=0/℃)。
【0019】
好ましい実施形態では、周囲スペーサは、EN10077-1 annexEによって計算された0.007W/K以下の熱伝導値を有する熱的に向上したスペーサである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による複層グレージングの横断面図を示す。これは、単一ガラスペイン及びより薄いガラスペインが複層グレージングの内部空間に面する非対称の真空絶縁グレージングユニットを含む。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的は、低減した熱誘起応力を示す、真空絶縁グレージングユニットを含む複層グレージングを提供することである。
【0022】
真空絶縁グレージングユニットは、以下で「VIG」と呼ばれる。本発明は、VIG及び単一ガラスペインを含む二重グレージングアセンブリを参照して更に本明細書に記載されるが、1つ又は複数のVIG及び1つ又は複数の単一ガラスペインを含むあらゆる複層グレージングに広げることができる。別の共通の複層グレージングは、1つ又は2つのVIGを含む三重グレージングアセンブリである。二重グレージングに関連して更に本明細書に記載された全ての技術的特徴及び好ましい技術的特徴は、三重及びあらゆる他の複層グレージングに適用することができる。
【0023】
使用中、グレージングは、典型的には、内部空間を外部空間から分離する仕切りを閉じるために使用される。内部空間の温度は、典型的には、20~25℃であるのに対して、外部空間の温度は、冬に-20℃から夏に+35℃に及ぶ可能性がある。従って、内部空間と外部空間との温度差は、典型的には、過酷な状況では40℃超に達する可能性がある。
【0024】
本発明では、複層グレージング内のVIGは、温度TempAを特徴とする空間Aを、内部温度Tempintを特徴とする二重グレージングユニットの内部空間から分離する。VIGが、その第1のガラスペインGP1が第1の空間Aに面するように位置付けられる場合、前記第1のガラスペインの温度(T1)は、第1の空間の温度(TempA)に調整される。同様に、第3のガラスペインGP3は、温度TempBを特徴とする空間Bを内部空間から分離している。前記第3のガラスペイン(T3)の温度は、第2の空間の温度(TempB)に調整される。内部空間に面する第2のガラスペインGP2の温度(T2)は、内部空間の温度(Tempint)に調整される。
【0025】
典型的には、二重グレージングに対して、内部空間の温度(Tempint)は、太陽放射の影響をわずかに受けて、TempAとTempBとの間の平均温度に達すると予想されていた。驚くべきことに、単一ガラスペインの少なくとも1枚がVIGに置換された二重グレージングでは、内部空間の温度(Tempint)は、太陽放射の影響を強く受け、TempA及びTempBよりはるかに高い温度に達する可能性があることがわかった。
【0026】
熱誘起応力は、第1のガラスペイン(GP1及びT1)と第2のガラスペイン(GP2及びT2)との間に温度差が存在すると直ちに生じ、T1とT2との差が増加するにつれて増加する。温度差(ΔT)は、第1のガラスペインGP1に対して計算された平均温度T1と第2のガラスペインGP2に対して計算された平均温度T2との差である。ガラスペインの平均温度は、熟練者に公知の数値シミュレーションから計算される。熱誘起応力は、ガラスペイン間の温度差の絶対値(|ΔT|)が20℃に達したとき、VIGの破損の可能性まで問題になり、温度差のそのような絶対値が30℃に達したとき及び更に過酷な状況で40℃に達したときに深刻になる。
【0027】
VIGが複層グレージング中に含まれるとき、ガラスペイン間の温度差のそのような絶対値(|ΔT|)は、典型的には、単体のVIG内で達した対応する温度差より更に高い値に達する可能性があることが更にわかった。
【0028】
以下の表は、夏の温度差の絶対値(|ΔT|)が、単体のVIGに対するより複層グレージング内のVIGに対する方がはるかに高い(Uccle,Belgiumの場所からの)データを示す。外側温度は、建物の内側の温度20℃に対して夏に35℃、冬に-10℃に達する可能性がある。温度差の絶対値(|ΔT|)は、従って、単体VIGに対して夏に約14℃、冬に約27℃に及ぶであろう。VIGが二重グレージングとして構成されると、内部空間の温度(Tempint)は、夏に70℃、冬に0℃に達する可能性がある。従って、複層グレージング内でVIGが面する温度差の絶対値(|ΔT|)は、夏に37℃、冬に20℃に及ぶであろう。複層グレージング内のVIGに対して、夏の温度差の絶対値(|ΔT|)は、単体VIGに対する温度差の絶対値(|ΔT|)よりはるかに高いことがこれらのデータから見ることができる。一方で、複層グレージング内のVIGに対して、冬の温度差の絶対値(|ΔT|)は、単体の温度差の絶対値(|ΔT|)より低い。従って、夏及び冬の温度差の絶対値(|ΔT|)の逆の状況は、熱誘起応力を制御するためにグレージングの設計に著しいパラダイムチェンジを必要とする。
【0029】
以下の表は、第1のガラスペインGP1に対して計算した平均温度T1と、第2のガラスペインGP2に対して計算した平均温度T2との間の差である温度差(ΔT)を例示する。
【0030】
従って、複層グレージングに組み込まれたとき、VIGは、特にその使用環境及び複層グレージング構成への熱誘起応力に抵抗するために慎重に寸法決めしなければならない。具体的には、VIGのガラス厚さが非対称であることにより、特定の配向に位置付けられたとき、激しい熱誘起応力の技術的な課題に対処することができることがわかった。事実、驚くべきことに、非対称のVIGは、より薄いガラスペインが複層グレージングの内部空間に面しているように、複層グレージングに組み込まれるべきであることがわかった。
【0031】
熱誘起応力は、単一ガラスペイン(以下で第3のガラスペインGP3と呼ばれる)が建物の外部に面している、8つの異なる場所で建物内に置かれた3つの異なる二重グレージング構成で試験されて比較された。単一ガラスペインは、アルゴンで充填された場合、15mmの周囲スペーサ及び内部空間によりVIGから分離される。単一ガラスペインは、二重グレージングの内部空間に面するその表面に太陽光制御コーティングを有する。VIGは、第1のガラスペインGP1及び第2のガラスペインGP2を含む。第2のガラスペインは、二重グレージングの内部空間に面する。第1のガラスペインは、VIGの内容積に面するその表面に低放射率コーティングを有する。
・参照構成:6mmの厚さを有するGP2及び6mmの厚さを有するGP1を含むVIG、
・灰色の点によって表された比較構成:6mmの厚さを有するGP2及び4mmの厚さを有するGP1を含むVIG、
・黒い正方形によって表された本発明の構成:4mmの厚さを有するGP2及び6mmの厚さを有するGP1を含むVIG。
【0032】
正規化性能インジケータPが計算された。これは、参照構成に対応する応力にわたって研究した構成に対して、冬及び夏の条件を通してそれぞれの場所で最大熱誘起応力の割合に対応する。Pが1に等しい場合、試験した構成はいかなる向上も提供しない。P>1の場合、試験した構成は、熱誘起応力が増加したことを実証している。P<1の場合、試験した構成は、熱誘起応力が低減したことを実証している。正規化性能インジケータは、以下のグラフのY軸に表されている。
【0033】
夏中の温度差の絶対値(|ΔT|)と冬中の温度差の絶対値(|ΔT|)との比は、以下のグラフのX軸に表されており、本明細書では「温度比」と呼ばれる。
【0034】
チャートは、より厚いガラスペインが内部空間に面する非対称のVIGが熱誘起応力を低減させないことを実証している。事実、正規化性能インジケータPは、全ての温度比に対して1より上に留まる。一方で、チャートは、より薄いガラスペインが複層グレージングの内部空間に面する非対称のVIGが熱誘起応力を低減させ、温度比が増加すると更に低減させることを実証している。
【0035】
従って、VIGが複層グレージングに組み込まれると、内部空間の温度は、夏に驚くほど高い可能性があることがわかった。従って、冬に必ず考慮するべきである熱誘起応力に加えて、夏も熱誘起応力を考慮する必要がある。夏の熱誘起応力は、VIGの設計に対して考慮する最も重要なパラメータにすらなる可能性がある。このような場合、本発明は、VIGユニットが非対称であり、薄いガラスペインが複層グレージングの内部空間に面するように配向される複層グレージングを設計するように教示する。
【0036】
それに応じて且つ図1に例示されたように、本発明は、長手方向軸X及び垂直軸Yによって画定された、平面Pに沿って延在する複層グレージング(10)に関する。複層グレージングは、少なくとも1つの真空絶縁グレージングユニット(20)、第3のガラスペインGP3及び周囲スペーサ(6)を含む。
【0037】
本発明の複層グレージング内のVIGは、
a.厚さZ1を有し、且つ内側ペイン面(11)及び外側ペイン面(12)を有する第1のガラスペインGP1、並びに厚さZ2を有し、且つ内側ペイン面(21)及び外側ペイン面(22)を有する第2のガラスペインGP2、但し厚さは、平面Pに垂直な方向に測定される、
b.第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間に位置付けられ、第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間の距離を維持する離散スペーサ(3)の組、
c.第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間の距離をその周囲にわたって封止する密封接着シール(4)、
d.第1及び第2のガラスペイン並びに離散スペーサの組によって画定され、且つ真空下で密封接着シールによって閉鎖された内容積V
を含む。真空とは、0.1mbar未満の圧力を意味する。VIGの第1及び第2のガラスペインの内側ペイン面が、内容積Vに面する。
【0038】
第3のガラスペインGP3は、内側ペイン面(31)及び外側ペイン面(32)を有する。周囲スペーサ(6)は、第2のガラスペインGP2の外側ペイン面(22)と、第3のガラスペインGP3の内側ペイン面(31)との間にその周囲にわたって位置付けられ、その間の距離を維持する。周囲スペーサ、外側ペイン面(22)及び内側ペイン面(31)は、内部空間Spを画定する。
【0039】
本発明内において、VIGの第2のガラスペインGP2は、複層グレージングの内部空間Spに面している。
【0040】
第1のガラスペインGP1の内側ペイン面(11)は、典型的には、低放射率コーティング(5)で覆われ得る。
【0041】
本発明内において、第1のガラスペインの厚さZ1の、第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比Z1/Z2は、1.10以上(Z1/Z2≧1.10)である。好ましい実施形態では、第1のガラスペインの厚さZ1の、第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比は、1.20以上(Z1/Z2≧1.20)、好ましくは1.30以上(Z1/Z2≧1.30)、好ましくは1.50以上(Z1/Z2≧1.50)、好ましくは1.55以上(Z1/Z2≧1.55)、より好ましくは1.60以上(Z1/Z2≧1.60)である。好ましい実施形態では、真空絶縁アセンブリは、6.00以下(Z1/Z2≦6.00)、4.00以下(Z1/Z2≦4.00)、2.50以下(Z1/Z2≦2.50)の、第1のガラスペインの厚さZ1の、第2のガラスペインの厚さZ2に対する厚さ比Z1/Z2を有する。より好ましい実施形態では、真空絶縁アセンブリは、1.20~1.60(1.20≦Z1/Z2≦1.60)、好ましくは1.30~1.60(1.30≦Z1/Z2≦1.60)の範囲の厚さ比Z1/Z2を有する。驚くべきことに、厚さ比は、夏の状況中に熱誘起応力を低減するためにできる限り高くするべきであるが、冬の状況では熱誘起応力が悪化することを避けるために高過ぎないようにするべきであることがわかった。
【0042】
好ましい実施形態では、本発明の複層グレージングに包含されたVIG内において、第2のガラスペインの厚さZ2は、1mm以上(Z2≧1mm)、好ましくは2mm以上(Z2≧2mm)、好ましくは3mm以上(Z2≧3mm)、好ましくは4mm以上(Z2≧4mm)、より好ましくは6mm以上(Z2≧6mm)である。本発明の好ましい実施形態では、第2のガラスペインの厚さZ2は、1mm~8mm(1mm≦Z2≦8mm)、好ましくは2mm~6mm(2mm≦Z2≦6mm)である。
【0043】
好ましい実施形態では、本発明の複層グレージングに包含されたVIG内において、第1のガラスペインの厚さZ1は、2mm以上(Z1≧2mm)、好ましくは3mm以上(Z1≧3mm)、好ましくは4mm以上(Z1≧4mm)、好ましくは6mm以上(Z1≧6mm)、好ましくは8mm以上(Z1≧8mm)、より好ましくは10mm以上(Z1≧10mm)である。本発明の好ましい実施形態では、第1のガラスペインの厚さZ1は、2mm~10mm(2mm≦Z1≦10mm)、好ましくは3mm~8mm(3mm≦Z1≦8mm)である。
【0044】
好ましい実施形態では、本発明の複層グレージングに包含されたVIG内において、第3のガラスペインの厚さZ3は、典型的には、2mm以上(Z3≧2mm)、好ましくは3mm以上(Z3≧3mm)、より好ましくは4mm以上(Z3≧4mm)、より好ましくは6mm以上(Z3≧6mm)である。典型的には、第3のガラスペインの厚さZ3は、12mm以下(Z3≦12mm)、好ましくは10mm以下(Z3≦10mm)、より好ましくは8mm以下(Z3≦8mm)である。厚さは、平面Pに垂直な方向に測定される。好ましい実施形態では、第3のガラスペインの厚さZ3は、1mm~12mm(1mm≦Z3≦12mm)、好ましくは3mm~10mm(3mm≦Z3≦10mm)、より好ましくは4mm~8mm(4mm≦Z3≦8mm)である。
【0045】
本発明の好ましい実施形態では、複層グレージングは、500mm以上(L≧500mm)、800mm以上(L≧800mm)、より好ましくは1200mm以上(L≧1200mm)の、垂直軸Yに沿って測定された長さLを有する。本発明の好ましい実施形態では、複層グレージングは、300mm以上(W≧300mm)、好ましくは400mm以上(W≧400mm)、より好ましくは500mm以上(W≧500mm)、より好ましくは750mm以上(W≧750mm)、より好ましくは1000mm以上(W≧1000mm)、更により好ましくは1000mm以上(W≧1000mm)の、長手方向軸Xに沿って測定された幅Wを有する。
【0046】
本発明の一実施形態では、複層グレージングは、上記の単一ガラスペインGP3が、単一ガラスペインGP3及び上記のVIGに類似した第2のVIGユニットを一緒に形成する追加のガラスペインGP4を含む真空絶縁ユニット内に包含されるように、VIGユニットのみを含むことができる。単一ガラスペインを含む二重グレージング又は複層グレージングに関して、本明細書で上に及び更に記載されている全ての技術的特徴並びに好ましい技術的特徴は、それぞれ複層グレージング構成に適用することができる。従って、この実施形態では、第3のガラスペインGP3は、第3のガラスペインと第4のガラスペインとの間に位置付けられた離散スペーサの組によって第4のガラスGP4に更に関連付けられ、それらの間の距離を維持し、密封接着シールは、それらの間の距離をその周囲にわたって封止し、0.1mbar未満の圧力を有する真空が存在する内容積Vを生成する。
【0047】
真空絶縁グレージング
VIGは、典型的には、第1のガラスペイン及び第2のガラスペインを特定の距離、典型的には50μm~1000μm、好ましくは50μm~500μm、より好ましくは50μm~150μmの範囲で離間して維持する離散スペーサの組を用いて一緒に関連付けられる、前記ガラスペインを含む。概して、高性能の断熱(熱貫流率Ugは、Ug<1.2W/mKである)に達成するために、グレージングユニットの内側の絶対圧力は、典型的には、0.1mbar以下であり、概して、2つのガラスペインの少なくとも1つは、低放射率コーティングで覆われる。そのような圧力をグレージングユニットの内側に獲得するために、密封接着シールは、2つのガラスペインの周囲に置かれ、真空は、ポンプによってグレージングユニットの内側に発生される。グレージングユニットが(グレージングユニットの内部と外部との間の圧力差に起因する)気圧を受けて陥没することを防ぐために、離散スペーサは、2つのガラスペイン間に置かれる。
【0048】
スペーサ
離散スペーサ(「支柱」とも呼ばれる)は、第1のガラスペインと第2のガラスペインとの間に位置付けられ、その間の距離を維持し、10mm~100mmの範囲のピッチλ(10mm≦λ≦100mm)を有する配列を形成する。ピッチとは、離散スペーサ間の間隔を意味する。好ましい実施形態では、ピッチは、15mm~80mm(15mm≦λ≦80mm)、好ましくは15mm~50mm(15mm≦λ≦50mm)、好ましくは15mm~40mm(15mm≦λ≦40mm)、より好ましくは15mm~25mm(15mm≦λ≦25mm)であり、更により好ましくは約20mmである。本発明内の配列は、典型的には、正三角形、正方形又は六角形図式に基づき、好ましくは正方形図式に基づく規則的配列である。離散スペーサは、円筒形、球形、糸状、砂時計形、C字形、十字形、プリズム形状などの異なる形状を有することができる。小さい支柱、すなわち概して5mm以下、好ましくは3mm以下、より好ましくは1mm以下の、その外周によって画定されたガラスペインとの接触面を有する支柱を使用することが好ましい。これらの値は、審美的離散でありながら、良好な機械耐性を供給し得る。
【0049】
典型的な離散スペーサは、VIGの生産過程中に直面した圧力及び高温に持続的耐性を備え、グレージングが製造された後にいかなる気体も放出し難い材料から作成される。そのような材料は、好ましくは、金属材料、石英ガラス又はセラミック材料などの硬質材料、特に鉄、タングステン、ニッケル、クロム、チタン、モリブデン、炭素鋼、クロム鋼、ニッケル鋼、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、マンガン鋼、クロムマンガン鋼、クロムモリブデン鋼、シリコン鋼、ニクロム、ジュラルミン又は同種のものなどの金属材料である。別のそのような材料は、鋼玉石、アルミナ、ムライト、マグネシア、イットリア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素又は同種のものなどのセラミック材料であり得る。しかし、そのような材料がより高い機械抵抗を提供する場合、それらの材料は、むしろ熱伝導率の性能が劣る(熱伝導率が高い)。従って、本発明の複層グレージングのVIG要素に対して好ましい離散スペーサは、樹脂などのより低い導電率の材料から作成され、好ましくはポリイミド樹脂から作成される。この場合、スペーサの熱伝導率を最小にすることができ、熱は第1及び第2のガラスペインと接触する離散スペーサを介して伝達し難い。
【0050】
密封接着シール
VIGの内容積は、前記内部空間の周りをガラスペインの周囲に置かれた密封接着シールで閉鎖される。密封接着シールは、空気又は大気中に存在するあらゆる他の気体に不浸透性である。様々な密封接着シール技術が存在する。第1の型のシール(最も普及している)は、融点がグレージングユニットのガラスペインの融点より低いソルダーガラスに基づいたシールである。典型的には、500℃未満、好ましくは450℃未満、より好ましくは400℃未満である。例は、ビスマス系ガラスフリット、鉛系ガラスフリット、バナジウム系ガラスフリット及びそれらの混合物などの低い融点のガラスフリットである。第2の型のシールは、金属シール、例えば軟質錫合金半田などの半田付け可能な材料の層で少なくとも一部が覆われたタイ下層を用いて、グレージングユニットの周囲に半田付けされた小さい厚さ(<500μm)の金属ストリップを含む。
【0051】
内容積
0.1mbar未満、好ましくは0.01mbar未満の絶対圧力の真空が、第1及び第2のガラスペイン並びに離散スペーサの組によって画定され、且つ密封接着シールによって閉鎖された内容積V内に生成される。ゲッターは、真空絶縁グレージングユニット内に所与の真空レベルを持続的に維持するために使用することができる。概して、そのようなゲッターは、ジルコニウム、バナジウム、鉄、コバルト、アルミニウムなどからなり、薄層の形態(数ミクロンの厚さ)又はガラスペイン間に置かれたタブレットの形態で堆積される。
【0052】
複層グレージング
本発明の複層グレージング内において、周囲スペーサは、第3のガラスペインとVIGの第2のガラスペインとの間に特定の距離を維持する。周囲スペーサは、グレージングの縁部に沿って延在し、第2のガラスペインGP2の外側ペイン面と、第3のガラスペインGP3の内側ペイン面との間にその周囲にわたって位置付けられ、且つその間の距離を維持する。周囲スペーサ及び前記外側ペイン面は、内部空間Spを画定する。
【0053】
典型的には、前記スペーサは、乾燥剤を含み、典型的には4mm~32mm、好ましくは4~22mm、好ましくは4~16mm、より好ましくは6~12mmである厚さを有する。概して、内部空間Spは、乾燥空気、アルゴン、キセノン、クリプトン若しくはそれらの混合物、好ましくはアルゴン若しくは空気とアルゴンの混合物から選択される空気及び/又は不活性ガスを充填される。ガスの性質及びGP2とGP3との間の距離は、熱伝達及び/又は音響透過を適切に低減させるように選択される。
【0054】
内部空間Spを維持するその役割では、周囲スペーサは、当然ながら適切な気密特性を提供しなければならない。周囲スペーサが内部空間Spから不活性ガスを放出することを防ぎ、且つ/又は水蒸気が入るのを防ぐことが重要である。周囲スペーサは、典型的には、細長い形状及び一定の断面の物体である。周囲スペーサは、中実又は中空要素であり得る。
【0055】
周囲スペーサの例は、金属スペーサ、セラミックスペーサ、ガラススペーサ、ポリマースペーサ及びそれらの組合せ又は合成物を含む。ポリマー周囲スペーサの例は、ポリイソブチレンブチル混合物、シリコンゴム発泡体、ポリプロピレン、PVC、スチレンアクリロニトリル若しくは生体高分子及びこれらの混合物又は組合せを含む。ポリマー周囲スペーサの更なる例は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド及び/又はポリエステルなどの透明硬質材料を含み、これらは縁部に沿って透明性を提供し得る。金属、セラミック又はガラス周囲スペーサも適切な材料である。金属の例は、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金を含む。合成物周囲スペーサの例は、ポリプロピレン/ステンレス鋼を含む。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、複層グレージング内の周囲スペーサは、標準アルミニウムスペーサバーより良好な熱性能を有する暖かい縁周スペーサである。暖かい縁周スペーサの定義は、EN10077-1 annexEによって計算された、0.007W/K以下の熱伝導値を有する熱的に改良されたスペーサである。
【0057】
周囲スペーサは、それに接触するガラスペイン面に直接接着するように接着特性を有し得る。例えば、ポリイソブチレンブチル混合物(熱可塑性スペーサ、すなわちTPSとしても公知である)は、押し出された形で固有の気密性及び接着特性を有する。それらは、ガラスペインに良好に接着し、これらのガラスペインの平坦性の不規則を補填することができる利点を供給し、従って良好なシールを確保する。それらは、全ての可能な形状に適合する利点も供給する。
【0058】
周囲スペーサがシリコンゴム発泡体に対してなどの接着特性を有しない他の場合、第1の周囲シールは、第3のガラスペインと周囲スペーサとの間及び第2のガラスペインと周囲スペーサとの間に必要とされる。接着剤は気密性を提供し、構造の機械的強度に貢献する。第1の周囲シール材料の例は、ポリイソブチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びそれらの混合物又は組合せを含む。好ましい第1の周囲シール材料は、ポリイソブチレン及び/又はアクリル樹脂である。
【0059】
周囲スペーサは、典型的には、乾燥材料を提供され得る。周囲スペーサが中空枠であるとき、乾燥材料は、中空空間を少なくとも部分的に充填する。中空空間を充填できる乾燥材料の例は、シリカゲル、ゼオライト及び他の分子篩である。周囲スペーサが中実高分子枠であるとき、乾燥材料は、ポリマーマトリックスに組み込まれ得る。そのような乾燥高分子の例は、一体型分子篩を含む高分子である。
【0060】
第1の周囲シールが必要なガスの気密性及び/又は機械的強度を十分に提供しない場合、第2の周囲シールは、単一ガラスペインとVIGとの間に存在し、周囲スペーサ及び第1の周囲シールを外部に向かって覆い得る。この第2の周囲シールは、内部空間の空気の気密性及びグレージングの機械的支持に役立ち得る。第2の周囲シールは、典型的には、ガラスの接着並びに恐らく水蒸気及びガスの気密性に加えて、非常に良好な機械的強度を有する。第2の周囲シール材料の例は、ポリイソブチレン、シリコン、多硫化物、ポリウレタン又はそれらの混合物若しくは組合せを含む。好ましい第2の周囲シール材料は、シリコン、多硫化物及び/又はポリウレタンである。
【0061】
ガラスペイン及びシート
VIGガラスペインGP1及びGP2並びに第3のガラスペインGP3は、フロートクリアガラス、高透過ガラス又は色ガラスの中から選択することができる。典型的には、ガラスペインは、ソーダ石灰シリカガラス、アルミノケイ酸塩ガラス又はホウケイ酸ガラス、好ましくはソーダ石灰シリカガラスである。模様を付け、構造された、プリントガラスが適切である。ガラスペインは、任意選択で、安全のためにエッジグラウンド加工であり得る。
【0062】
VIGのガラスペインGP1及び/若しくはGP2並びに/又は複層グレージングの第3のガラスペインGP3は、積層ガラスペインを形成するために、ポリマー中間層によって少なくともガラスシートに積層され得る。本発明の好ましい実施形態では、第3のガラスペインの内側ペイン面(31)、第3のガラスペインの外側ペイン面(32)、第2のガラスペインの外側ペイン面(22)及び/又は第1のガラスペインの外側ペイン面(12)の少なくとも1つは、積層ガラスペインを形成するために、ポリマー中間層(6)により少なくとも1枚のガラスシート(5)に積層される。
【0063】
好ましい実施形態では、ガラスペインGP1の外側ペイン面及び/又は複層グレージングアセンブリの第3のガラスペインGP3は、積層ガラスペインを形成するために、ポリマー中間層によって少なくともガラスシートに積層され得る。驚くべきことに、VIGの第1のガラスペインGP1を積層することは、熱誘起応力に対する抵抗を向上することに更に貢献することができることがわかった。
【0064】
好ましくは、積層のためのガラスシートは、1mm以上(Zs≧1mm)、好ましくは2mm以上(Zs≧2mm)、好ましくは3mm以上(Zs≧3mm)、好ましくは4mm以上(Zs≧4mm)の、平面Pに垂直な方向に測定された厚さZsを有する。好ましい実施形態では、ガラスシートの厚さZsは、1mm~8mm(1mm≦Zs≦8mm)、好ましくは1mm~6mm(1mm≦Zs≦6mm)、好ましくは2mm~4mm(2mm≦Zs≦4mm)であり、より好ましくは4mm(Zs=4mm)である。第1、第2及び/又は第3のガラスペインの厚さ及びガラスシートの厚さは、異なる(Z1、Z2及び/又はZ3≠Zs)ことが更に好ましい。
【0065】
ポリマー中間層は、典型的には、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリイソブチレン(PIB)、ポリビニルブチラール(PVB)、オートクレーブフリーポリビニルブチラール(オートクレーブフリーPVB)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、コポリエステル、ポリアセタール、シクロオレフィンポリマー(COP)、アイオノマー及び/又は紫外線活性化接着剤並びに合わせガラスの製造技術分野で公知の他のものからなる群から選択される材料を含む。強化防音は、特定のPVB(Eastman製のSaflex(登録商標)音響PVB中間層又はKuraray製のTrosifol(登録商標)音響PVB中間層)などの特定の音響性能を備えたポリマー中間層で提供することができる。好ましくは、ポリマー中間層は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、オートクレーブフリーポリビニルブチラール(オートクレーブフリーPVB)、ポリウレタン(PU)、SentryGlas(商標)のようなアイオノマー及びそれらの組合せからなる群、より好ましくはEVA及び/又はオートクレーブフリーPVBから選択される。
【0066】
好ましい実施形態は、第3のガラスペインが、4mm~8mm(4mm≦Z3≦8mm)、好ましくは4mm~6mm(4mm≦Z3≦6mm)である、平面Pに垂直な方向に測定された厚さZ3を有し、第3のガラスペインが、4mm~8mm(4mm≦Zs≦8mm)、好ましくは4mm~6mm(4mm≦Zs≦6mm)である厚さZsを有するガラスシートに好ましくは音響PVBポリマー中間層によって積層される、複層グレージングである。第3のガラスペインの厚さ及びガラスシートの厚さは、異なる(Z3≠Zs)ことが更に好ましい。
【0067】
典型的には、ガラスペインは、焼鈍ガラスペインである。しかし、より高い機械的性能を備える複層グレージングを提供し、且つ/又は安全性を更に向上させるために、複層グレージングの1つ又は複数のガラスペインに対してプレストレストガラスを使用することを企図し得る。好ましい一実施形態では、第1のガラスペイン及び/又は第3のガラスペインは、プレストレストガラスである。別の好ましい実施形態では、第2のガラスペインは、プレストレストガラスである。プレストレストガラスとは、本明細書では熱強化ガラス、熱強化安全ガラス又は化学強化ガラスを意味する。
【0068】
熱強化ガラス及び熱強化安全ガラスは、ガラス面を圧縮状態にし、他方のコアを引張状態にする、制御された加熱及び冷却の方法を使用して熱処理される。熱処理方法は、ガラスに焼鈍ガラスより大きいが熱強化安全ガラスより小さい曲げ強度を送達する。熱強化安全ガラスは、衝突したとき、ギザギザの破片に割れるのではなく、小さい粒状粒子に砕ける。粒状粒子は、居住者を負傷させ難いか又は物体を損傷し難い。
【0069】
ガラス物品の化学強化は、ガラスの表層のより小さいアルカリナトリウムイオンを、より大きいイオン、例えばアルカリカリウムイオンに置換することに関与する、熱誘起型イオン交換である。表面の圧縮応力の増加は、より大きいイオンが以前ナトリウムイオンに占有されていた小さい場所に「楔のように入り込む」際にガラスに生じる。そのような化学処理は、概して、温度及び時間の正確な制御で、より大きいイオンの1つ又は複数の溶融塩を含有するイオン交換溶融浴内にガラスを沈めることによって行われる。例えば、Asahi Glass Co.製の取扱製品DragonTrail(登録商標)からのもの又はCorning Inc.製の取扱製品Gorilla(登録商標)からのものなどのアルミノケイ酸塩型ガラス組成物は、化学焼戻に非常に効率的であることが公知である。
【0070】
好ましくは、ガラスペインの組成物は、ガラスの総重量について表した、重量パーセントの以下の成分を含む(Comp.A)。より好ましくは、ガラス組成物(Comp.B)は、ガラスの総重量について表した、重量パーセントの以下の成分を含む組成物のベースガラスマトリックスを備えた、ソーダ石灰シリカ型ガラスである。
【0071】
他の好ましいガラスは、ガラスの総重量について表した、重量パーセントの以下の成分を含む。
【0072】
好ましい実施形態では、VIG内において、第1のガラスペインは、熱膨張係数CTE1を有し、第2のガラスペインは、熱膨張係数CTE2を有し、それによってCTE1とCTE2との間の絶対差は、多くとも0.40×10-6/℃以下(|CTE1-CTE2|≦0.40×10-6/℃)であり、好ましくは多くとも0.30×10-6/℃(|CTE1-CTE2|≦0.30×10-6/℃)、より好ましくは多くとも0.20×10-6/℃以下(|CTE1-CTE2|≦0.20×10-6/℃)である。理想的には、第1及び第2のガラスペインは、同じ熱膨張係数を有する(|CTE1-CTE2|=0/℃)。「熱膨張係数」(CTE)は、温度の変化で物体の大きさがどのように変化するかを示す尺度である。具体的には、これは、一定の圧力において温度変化1度当たりのガラスペインの容積のわずかな変化を測定する。
【0073】
本発明の一部の実施形態では、低放射率コーティング、太陽光制御コーティング(熱線反射コーティング)、反射防止コーティング、曇り止めコーティング、好ましくは熱線反射コーティング又は低放射率コーティングなどの機能性コーティングは、複層グレージングユニットのガラスペインの少なくとも1枚の上に提供することができる。好ましくは、第1及び/若しくは第2のガラスペインの内側ペイン面、第3のガラスペインの内側ペイン面及び/若しくは外側ペイン面並びに/又はガラスシートの外側シート面は、複層グレージングのガラスペインの1つがガラスシートに更に積層されている場合、少なくとも熱線反射コーティング又は低放射率コーティングを提供される。
【0074】
一実施形態では、第1のガラスペインの外側ペイン面(12)は、少なくとも1枚の破片シールドポリマーフィルム、好ましくはポリエステル破片シールドフィルムを提供され得る。
【0075】
本発明の複層グレージングは、典型的には、建物内、車、電車、船舶などの輸送機関内及び冷蔵庫、保冷庫などの電気製品内の仕切り内の開口を閉じるために使用される。仕切りは、典型的には、建物又は車の内部などの内部空間から外部環境を分離する。本発明では、複層グレージングは、単一ガラスペインが外部環境又は内部空間に面し、好ましくは外部環境に面するように使用することができる。
【0076】
当業者は、本発明が上記の好ましい実施形態に決して限定されないことを認識する。むしろ、多くの修正形態及び変形形態が添付の特許請求の範囲内で可能である。本発明は、本明細書に記載され、特許請求の範囲に列挙された特徴及び好ましい特徴のあらゆる可能な組合せに関することに更に留意されたい。本明細書で使用される場合、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」又は「その」は、少なくとも「1つ」を意味し、特に明記しない限り、「1つのみ」に限定するべきではないことが当業者に十分に理解される。更に、本明細書及び特許請求の範囲における用語第1、第2及び同種のものは、類似する要素間を区別するために使用され、必ずしも時間的、空間的、等級的又はいかなる他の手法のいずれの順序を記載するために使用されるものでもない。
【符号の説明】
【0077】
10 複層グレージング
20 真空絶縁グレージングユニット
GP1 第1のガラスペイン
11 第1のガラスペインの内側ペイン面
12 第1のガラスペインの外側ペイン面
Z1 第1のガラスペインの厚さ
GP2 第2のガラスペイン
21 第2のガラスペインの内側ペイン面
22 第2のガラスペインの外側ペイン面
Z2 第2のガラスペインの厚さ
3 離散スペーサ
4 VIGの密封接着シール
5 低放射率コーティング
V VIGの内容積
6 周囲スペーサ
GP3 第3のガラスペイン
31 第3のガラスペインの内側ペイン面
32 第3のガラスペインの外側ペイン面
Z3 第3のガラスペインの厚さ
Sp 内部空間
図1
【国際調査報告】