(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ステンシルプリンタのスクイージドリップ回収システム
(51)【国際特許分類】
B41F 15/40 20060101AFI20240912BHJP
B41F 15/08 20060101ALI20240912BHJP
H05K 3/12 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B41F15/40 B
B41F15/08 303E
H05K3/12 610N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515138
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 US2022037674
(87)【国際公開番号】W WO2023038719
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エー.ロージーウィッツ
【テーマコード(参考)】
2C035
5E343
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FD01
2C035FD29
2C035FD42
5E343AA02
5E343DD03
5E343FF02
5E343GG11
(57)【要約】
スクイージドリップ回収システムは、アセンブリ材料をプリントヘッドアセンブリの少なくとも1つのスクイージブレードから受けるように構成される。スクイージドリップ回収システムは、プリントヘッドガントリに連結されるペーストシールドを備え、ペーストシールドは、ペーストシールドが少なくとも1つのスクイージブレードから離間される後退位置と、ペーストシールドが少なくとも1つのスクイージブレードの下に位置決めされる伸長位置との間で移動されるように構成される。スクイージドリップ回収システムは、ペーストシールドをプリントヘッドガントリから連結解除し、ペーストシールドを取り外すように構成されるペーストシールド取り外しアセンブリを更に備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板上にアセンブリ材料を印刷するためのステンシルプリンタであって、
フレームと、
前記フレームに連結されたステンシルであって、孔が形成されたステンシルと、
前記フレームに連結された支持アセンブリであって、前記電子基板を支持するように構成された支持アセンブリと、
前記フレームに連結されたプリントヘッドガントリと、
プリントヘッドアセンブリであって、前記プリントヘッドアセンブリが印刷ストローク中に前記ステンシルを横断するように構成されるように、前記プリントヘッドガントリによって支持された、プリントヘッドアセンブリと、
前記プリントヘッドアセンブリの少なくとも1つのスクイージブレードからアセンブリ材料を受け取るように構成されたスクイージドリップ回収システムであって、前記プリントヘッドガントリに連結されたペーストシールドであって、前記ペーストシールドが前記少なくとも1つのスクイージブレードから離間される後退位置と、前記ペーストシールドが前記少なくとも1つのスクイージブレードの下に位置決めされる伸長位置との間で移動されるように構成されたペーストシールドを含み、更に、前記ペーストシールドを前記プリントヘッドガントリから連結解除して前記ペーストシールドを取り外すように構成されたペーストシールド取り外しアセンブリを含む、スクイージ液滴回収システムと、
を備える、ステンシルプリンタ。
【請求項2】
前記ペーストシールドは、前記少なくとも1つのスクイージブレードからはんだペーストを受け取る浅いレセプタクルを作成する、平坦な底壁と、前壁と、後壁と、2つの側壁と、を含む、請求項1に記載のステンシルプリンタ。
【請求項3】
前記プリントヘッドガントリは、前記フレーム上に設けられたレールに沿って支持された細長いビームを備え、前記プリントヘッドガントリの前記細長いビームは、水平方向に延在する少なくとも1つのリニア軸受を含む、請求項1に記載のステンシルプリンタ。
【請求項4】
前記ペーストシールド取り外しアセンブリは、前記少なくとも1つのリニア軸受上を横方向に移動するように構成された少なくとも1つのツーリング部材を含む、請求項3に記載のステンシルプリンタ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのツーリング部材は、下向きに延在するピンであって、端部を有するピンを含み、前記端部は、前記ペーストシールドに関連付けられた収納特徴部内に収納されるように構成されている、請求項4に記載のステンシルプリンタ。
【請求項6】
前記ペーストシールドは、少なくとも1つの収納特徴部を含み、前記少なくとも1つの収納特徴部は、前記少なくとも1つのツーリング部材の前記ピンにより係合されて前記ペーストシールドを移動させるように構成されている、請求項5に記載のステンシルプリンタ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのツーリング部材は、2つの離隔したツーリング部材を含み、各ツーリング部材はピンを含み、第1のツーリング部材は、第1のリニア軸受上を横方向に移動するように構成されており、第2のツーリング部材は、第2のリニア軸受上を横方向に移動するように構成されている、請求項6に記載のステンシルプリンタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含み、ツーリング部材ごとに1つの収納特徴部が設けられ、前記第1のツーリング部材及び前記第2のツーリング部材は、前記ペーストシールドを解放可能に固定するために前記ペーストシールドのそれぞれの収納特徴部内に収納される、請求項7に記載のステンシルプリンタ。
【請求項9】
前記スクイージドリップ回収アセンブリは、前記ペーストシールドを前記後退位置と前記伸長位置との間で移動させるように構成された少なくとも1つの伸長機構を更に含む、請求項1に記載のステンシルプリンタ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの伸長機構は、前記プリントヘッドガントリに固定されたブラケットと、前記ブラケット上に取り付けられた伸長部材と、を含む、請求項9に記載のステンシルプリンタ。
【請求項11】
前記伸長部材は、前記ブラケットに取り付けられたシリンダと、前記ピストン内に往復動可能に受け入れられたロッドと、を含む、請求項10に記載のステンシルプリンタ。
【請求項12】
各ロッドは、前記ペーストシールドの少なくとも1つの収納特徴部内に収納された端部を含む、請求項11に記載のステンシルプリンタ。
【請求項13】
前記ペーストシールドは、ばね荷重係止機構でもって、前記ペーストシールドを前記少なくとも1つの収納特徴部内の前記少なくとも1つの伸長機構に固定するように構成されている、請求項12に記載のステンシルプリンタ。
【請求項14】
前記プリントヘッドガントリ、前記プリントヘッドアセンブリ、及び前記スクイージドリップ回収システムに接続されたコントローラを更に備え、前記コントローラは、前記後退位置と前記伸長位置との間の前記ペーストシールドの移動を制御するように、かつ、前記ペーストシールドを交換する動作を実行するように、構成されている、請求項1に記載のステンシルプリンタ。
【請求項15】
プリントヘッドガントリのスクイージからアセンブリ材料を回収するように構成されたペーストシールドを取り外す方法であって、
少なくとも1つのツーリング部材を、ペーストシールドの少なくとも1つの収納特徴部に隣接して位置決めすることと、
少なくとも1つの伸長機構により、前記ペーストシールドを前記少なくとも1つのツーリング部材に向けて移動させることと、
前記ペーストシールドを前記少なくとも1つの伸長機構から解放するために、前記少なくとも1つのツーリング部材を前記ペーストシールドの前記少なくとも1つの収納特徴部内に位置決めすることと、
前記ペーストシールドを前記少なくとも1つのツーリング部材でもって支持することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのツーリング部材を前記少なくとも1つの収納特徴部内に位置決めすることは、少なくとも1つのツーリング部材の下向きに延在するピンを前記収納特徴部内に位置決めすることと、ばね荷重係止機構をトリガして前記ペーストシールドを前記少なくとも1つの伸長機構から解放することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのツーリング部材は、2つの離隔したツーリング部材を含んでおり、各ツーリング部材はピンを含んでおり、前記少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含んでおり、前記2つのツーリング部材は、前記ペーストシールドを固定するために前記ペーストシールドのそれぞれ対応する収納特徴部内に収納される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの伸長機構は、前記プリントヘッドガントリに固定されたブラケットと、前記ブラケット上に取り付けられた伸長部材と、を含んでいる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの伸長部材は、前記ブラケットに取り付けられたシリンダと、前記ピストン内に往復動可能に受け入れられたロッドと、を含んでおり、各ロッドは、前記ペーストシールドの収納特徴部内に収納されたヘッドを有している、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ペーストシールドは、ばね荷重係止機構でもって、前記ペーストシールドを前記少なくとも1つの伸長機構に固定するように構成されている、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、「COMPONENT LOADING VERIFICATION SYSTEM AND METHOD」と題する、本願と同日に出願されたPasty A. Mattero及びSteven R. Fosterによる米国特許出願第(空欄)号(代理人整理番号M2010-735619(70073))に関連し、この米国特許出願は、あらゆる目的で、引用することによりその全体が本開示の一部をなす。
【0002】
開示の背景
1.発明の分野
本願は、包括的には、電子基板、例えば、プリント回路基板(PCB)上に粘性材料、例えば、はんだペーストを印刷するステンシルプリンタ及び関連する方法に関し、より具体的には、動作中にスクイージブレードから滴下する余剰の材料を捕捉及び収容するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
表面実装プリント回路基板を製造する際に、ステンシルプリンタを用いて、回路基板上にはんだペーストを印刷することができる。通常、その上にはんだペーストが堆積されることになる、パッド又は何らかの他の導電性表面のパターンを有する回路基板がステンシルプリンタの中に自動的に送り込まれ、回路基板上にはんだペーストを印刷する前に、回路基板上の1つ以上の小穴又はマーク(「フィデューシャル(fiducials:基準部)」として知られる)を用いて、回路基板をステンシルプリンタのステンシル又はスクリーンと適切に位置合わせする。幾つかのシステムでは、視覚システムを具現する光学位置合わせシステムを用いて、回路基板をステンシルと位置合わせする。
【0004】
上記プリンタにおいて、回路基板がステンシルと適切に位置合わせされると、回路基板はステンシルまで上昇されて、はんだペーストがステンシルに吐出される。ワイパブレード(すなわちスクイージ)がステンシルを横断して、ステンシルの孔を通して回路基板にはんだペーストを押し出す。スクイージがステンシルを横切るように移動する際、はんだペーストはブレードの前方において伸び広がる傾向がある。これにより、望ましくははんだペーストの混合及び剪断が生じ、スクリーンすなわちステンシルの孔を満たすのを容易にするのに所望の粘度が得られる。はんだペーストは、通常、標準的なカートリッジからステンシルに吐出される。その後、ステンシルは回路基板から切り離され、回路基板とはんだペーストとの間の接着によって、材料の大部分が回路基板上に留まる。ステンシルの底面上に残される材料は、更なる回路基板が印刷される前に、洗浄プロセスにおいて除去される。
【0005】
1つの問題は、動作中にはんだペーストがスクイージブレードから滴下して動作作業空間を汚染するのを防止することである。動作中、はんだペーストは、ステンシルプリンタを横断するときにスクイージブレードから不意に滴り落ち、ステンシル又は電子基板支持体上に落下する可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
開示の概要
本開示の1つの態様は、電子基板上にアセンブリ材料を印刷するステンシルプリンタに向けられる。1つの実施の形態において、ステンシルプリンタは、フレームと、フレームに連結され、内部に孔が形成されるステンシルと、フレームに連結され、電子基板を支持するように構成される支持アセンブリとを備える。ステンシルプリンタは、フレームに連結されるプリントヘッドガントリと、印刷ストローク中にステンシルを横断するように構成されるように、プリントヘッドガントリによって支持されるプリントヘッドアセンブリと、アセンブリ材料をプリントヘッドアセンブリの少なくとも1つのスクイージブレードから受けるように構成されるスクイージドリップ回収システムとを更に備える。スクイージドリップ回収システムは、プリントヘッドガントリに連結されるペーストシールドを備え、ペーストシールドは、ペーストシールドが少なくとも1つのスクイージブレードから離間される後退位置と、ペーストシールドが少なくとも1つのスクイージブレードの下に位置決めされる伸長位置との間で移動されるように構成される。スクイージドリップ回収システムは、ペーストシールドをプリントヘッドガントリから連結解除し、ペーストシールドを取り外すように構成されるペーストシールド取り外しアセンブリを更に備える。
【0007】
ステンシルプリンタの実施の形態は、さらに、はんだペーストを少なくとも1つのスクイージブレードから受ける浅いレセプタクルを作成する、平坦な底壁と、前壁と、後壁と、2つの側壁とを有する、ペーストシールドを備えることができる。プリントヘッドガントリは、フレーム上に設けられるレールに沿って支持される細長いビームを備えることができる。プリントヘッドガントリの細長いビームは、水平方向に延在する少なくとも1つのリニア軸受を備えることができる。ペーストシールド取り外しアセンブリは、少なくとも1つのリニア軸受上を横方向に移動するように構成される少なくとも1つのツーリング(tooling)部材を備えることができる。少なくとも1つのツーリング部材は、ペーストシールドに関連付けられる収納特徴部内に収納されるように構成される端部を有する下向きに延在するピンを備えることができる。ペーストシールドは、ペーストシールドに係合し、ペーストシールドを移動させるために少なくとも1つのツーリング部材のピンによって係合されるように構成される少なくとも1つの収納特徴部を備えることができる。少なくとも1つのツーリング部材は、それぞれピンを備える2つの離隔したツーリング部材を含むことができ、第1のツーリング部材は、第1のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、第2のツーリング部材は、第2のリニア軸受上を横方向に移動するように構成される。少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含むことができ、ツーリング部材ごとに1つの収納特徴部が設けられ、第1のツーリング部材及び第2のツーリング部材は、ペーストシールドを解除可能に固定するようにペーストシールドのそれぞれの収納特徴部内に収納される。スクイージドリップ回収アセンブリは、後退位置と伸長位置との間でペーストシールドを移動させるように構成される少なくとも1つの伸長機構を更に備えることができる。少なくとも1つの伸長機構は、プリントヘッドガントリに固定されるブラケットと、ブラケット上に取り付けられる伸長部材とを備えることができる。伸長部材は、ブラケットに取り付けられるシリンダと、ピストン内に往復動可能に受けられるロッドとを備えることができる。各ロッドは、ペーストシールドの少なくとも1つの収納特徴部内に収納される端部を備えることができる。ペーストシールドは、少なくとも1つの収納特徴部内の少なくとも1つの伸長機構にペーストシールドを固定するように、ばね荷重係止機構を有して構成することができる。ステンシルプリンタは、プリントヘッドガントリ、プリントヘッドアセンブリ、及びスクイージドリップ回収システムに連結されるコントローラを更に備えることができる。コントローラは、後退位置と伸長位置との間のペーストシールドの移動を制御し、ペーストシールドを交換する動作を実行するように構成することができる。
【0008】
本開示の別の態様は、プリントヘッドガントリのスクイージからアセンブリ材料を回収するように構成されるペーストシールドを取り外す方法に向けられる。1つの実施の形態において、本方法は、ペーストシールドの少なくとも1つの収納特徴部に隣接して少なくとも1つのツーリング部材を位置決めすることと、少なくとも1つの伸長機構によってペーストシールドを少なくとも1つのツーリング部材に向かって移動させることと、ペーストシールドを少なくとも1つの伸長機構から解放するために、ペーストシールドの少なくとも1つの収納特徴部内に少なくとも1つのツーリング部材を位置決めすることと、少なくとも1つのツーリング部材を用いてペーストシールドを支持することとを含む。
【0009】
本方法の実施の形態は、少なくとも1つのツーリング部材の下向きに延在するピンを収納特徴部内に位置決めすることと、ペーストシールドを少なくとも1つの伸長機構から解放するために、ばね荷重係止機構をトリガすることとを含む、少なくとも1つの収納特徴部内に少なくとも1つのツーリング部材を位置決めすることを更に含む。少なくとも1つのツーリング部材は、それぞれピンを備える2つの離隔したツーリング部材を含むことができる。少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含むことができ、2つのツーリング部材は、ペーストシールドを固定するようにペーストシールドのそれぞれの収納特徴部内に収納される。少なくとも1つの伸長機構は、プリントヘッドガントリに固定されるブラケットと、ブラケット上に取り付けられる伸長部材とを備えることができる。少なくとも1つの伸長部材は、ブラケットに取り付けられるシリンダと、ピストン内に往復動可能に受けられるロッドとを備えることができ、各ロッドは、ペーストシールドの収納特徴部内に収納されるヘッドを有する。ペーストシールドは、ペーストシールドを少なくとも1つの伸長機構に固定するように、ばね荷重係止機構を有して構成することができる。
【0010】
本開示の更に別の態様は、プリントヘッドアセンブリの少なくとも1つのスクイージブレードからアセンブリ材料を受けるように構成されるスクイージドリップ回収システムに向けられる。スクイージドリップ回収システムは、プリントヘッドガントリに連結されるペーストシールドを備え、ペーストシールドは、ペーストシールドが少なくとも1つのスクイージブレードから離間される後退位置と、ペーストシールドが少なくとも1つのスクイージブレードの下に位置決めされる伸長位置との間で移動されるように構成される。スクイージドリップ回収システムは、ペーストシールドをプリントヘッドガントリから連結解除し、ペーストシールドを取り外すように構成されるペーストシールド取り外しアセンブリを更に備える。
【0011】
図面の簡単な説明
添付図面は、縮尺どおりに描かれることを意図されていない。図面では、種々の図に示されている同一又は略同一の各構成部材は同様の符号によって表される。明確であるために、全ての図面において全ての構成部材が符号を付けられていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】
図2に示されているステンシルプリンタの上面図であって、一部を取り除いた状態を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態のプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図5】支持体上に設けられるペーストシールドに係合するように構成されるツーリング部材を有するプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図6】
図5に示されているプリントヘッドアセンブリのツーリング部材の拡大斜視図である。
【
図7】ペーストシールドを移動させるためにプッシュピンが使用されている、ペーストシールドに係合するツーリング部材の上面斜視図である。
【
図8】
図7に示されているペーストシールドに係合するツーリング部材の底面斜視図である。
【
図9】ペーストシールドを支持するツーリング部材の斜視図である。
【
図10】ペーストシールドに係合するように構成されるプッシュピンの拡大斜視図である。
【
図11】ペーストシールドを支持するツーリング部材の拡大斜視図である。
【
図12A-12C】ペーストシールドの態様を示す図である。
【
図13A-13C】プッシュピンの態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
開示の詳細な説明
本開示は、包括的には、表面実装技術(SMT)プロセスラインにおいて利用され、アセンブリ材料(例えば、はんだペースト、導電性インク又は封入材料)を基板(substrate)(例えば、本開示において、「電子基板」、「回路基板」、「板(board)」、「PCB」、「PCB基板」、「基板」、又は「PCB板」と称する、プリント回路基板)上に塗布するか、又は検査、再加工若しくは基板上への電子構成要素の載置のような他の動作を実行するように構成される、材料塗布機械(本開示において、「ステンシルプリンタ」、「スクリーンプリンタ」、「印刷機」、又は「プリンタ」と称する)及び他の機器に関する。具体的には、本開示の実施形態は、プリント回路基板を作製するために使用されるステンシルプリンタを参照しながら以下に説明される。
【0014】
例示のためだけであり、普遍性を限定するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に説明される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本開示において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、限定するものと見なされるべきではない。本開示において単数のものとして参照されるシステム及び方法の例、実施形態、構成要素、要素又は動作に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本開示における任意の実施形態、構成要素、要素又は動作に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、本開示において開示されるシステム又は方法、それらの構成要素、動作又は要素を限定することを意図されていない。本開示において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、その前に列挙される物品と、その均等物及び追加の物品とを包含することを意味する。「又は/若しくは」に対する参照は、「又は/若しくは」を用いて説明される任意の用語が、この説明される用語の単一のもの、2つ以上、及び全てのもののうちの任意のものを示すことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本開示と、引用することにより本開示の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本開示の一部をなす文献における用語の使用法は、本開示の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本開示における用語の使用法が有効である。
【0015】
以下、本開示の実施形態について、はんだペースト等のアセンブリ材料を回路基板上に印刷するために使用されるステンシルプリンタを参照しながら説明する。しかしながら、当業者であれば、本開示の実施形態は回路基板上にはんだペーストを印刷するステンシルプリンタに限らず、糊及び封止材料等の他の粘性のアセンブリ材料の吐出を必要とする他の用途において使用できることを理解するであろう。例えば、チップスケールパッケージ用のアンダフィルとして使用されるエポキシを印刷するために装置を使用することができる。さらに、本開示の実施形態に係るステンシルプリンタは、回路基板上にアセンブリ材料を印刷するものに限らず、半導体ウェハ等の様々な基板上に他の材料を印刷するために使用されるものを含む。また、スクリーン及びステンシルという用語は、本開示においては、基板に印刷されるパターンを規定するプリンタ内のデバイスを説明するために区別なく使用することができる。或る特定の実施形態において、ステンシルプリンタは、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipment社により提供されるMomentum(商標)又はEdison(商標)シリーズのステンシルプリンタプラットフォームを含むことができる。例示的なステンシルプリンタは、概して
図1において5で指定されている。この実施形態において、ステンシルプリンタ5は、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipment社により提供されるMomentum(商標)シリーズのステンシルプリンタプラットフォームである。
【0016】
図2を参照すると、本開示の実施形態に係るステンシルプリンタが概して10で示されている。示されているように、ステンシルプリンタ10は、ステンシルプリンタの構成部品を支持するフレーム12を有する。ステンシルプリンタの構成部品は、一部として、コントローラ14と、ディスプレイ16と、ステンシル18と、プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリとを含むことができる。プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリは、概して20で示されており、以下でより詳細に説明する方法ではんだペーストを塗布するように構成される。
【0017】
図2に示され、以下で説明するように、ステンシル及びプリントヘッドアセンブリは、適宜、フレーム12に連結することができる、又は別様に接続することができる。1つの実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリ上に取り付けることができる。プリントヘッドアセンブリガントリは、概して22で示されており、「プリントヘッドガントリ」と称する場合があり、フレーム12上に取り付けることができる。プリントヘッドアセンブリ20は、印刷動作中にステンシル18を横断して移動するように構成される、スクイージブレードを有するプリントヘッドを備える。具体的には、プリントヘッドは、はんだペースト(又は別の粘性材料)をステンシル18上に吐出するように構成され、スクイージブレードは、ステンシルに形成された孔を通してはんだペーストを押し込むように構成される。プリントヘッドガントリ22により、プリントヘッドアセンブリ20は、コントローラ14の制御下においてy軸方向に移動することが可能となるとともに、ステンシル18に係合することでプリントヘッドアセンブリのスクイージブレードに圧力を加えることが可能となる。或る特定の実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18の上方に載置することができるとともに、z軸方向に下降してステンシルに接触及び封止係合することができる。
【0018】
ステンシルプリンタ10は、プリント回路基板(本開示においては「プリント配線基板」、「基板」、又は「電子基板」と称する場合がある)をステンシルプリンタ内の印刷位置へ輸送する、レール(図示せず)を有するコンベヤシステムも有することができる。レールは、本開示においては「トラクタフィード機構」と称する場合がある。トラクタフィード機構は、本開示において「プリントネスト」と称する場合があるステンシルプリンタの作業領域へ回路基板を送り込む、積み込む、又は別様に送達するとともに、プリントネストから回路基板を積み下ろすように構成される。
【0019】
加えて
図3を参照すると、ステンシルプリンタ10は、回路基板29(破線で示されている)を支持する支持アセンブリ28を有する。支持アセンブリ28は、印刷動作時に回路基板が安定するように、回路基板を上昇させ、固定する。或る特定の実施形態において、基板支持アセンブリ28は、特定の基板支持システム、例えば、堅固な支持体、複数のピン、又は柔軟なツーリング等を更に有することができ、基板支持システムは、回路基板が印刷位置にあるときに回路基板の下方に位置決めされる。基板支持システムは、一部が、回路基板の内部領域を支持して、印刷動作時の回路基板の曲げ又は反りを防止するのに使用することができる。
【0020】
1つの実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、印刷動作時にはんだペーストをプリントヘッドアセンブリに提供する、ディスペンサ、例えば、はんだペーストカートリッジ等の供給源からはんだペーストを受け取るように構成することができる。カートリッジの代わりに、はんだペーストを供給する他の方法を利用してもよい。例えば、はんだペーストは、ブレード間において又は外部の供給源から手作業で堆積させることができる。加えて、或る特定の実施形態において、コントローラ14は、Microsoft Corporation社によって提供されるMicrosoft Windows(登録商標)オペレーティングシステム等の適したオペレーティングシステムを有するパーソナルコンピュータを使用し、特定用途向けソフトウェアを用いてステンシルプリンタ10の動作を制御するように構成することができる。コントローラ14は、回路基板を作製する生産ラインを制御するために使用されるマスタコントローラとネットワーク接続することができる。
【0021】
1つの構成において、ステンシルプリンタ10は以下のように動作する。回路基板29は、コンベヤレールを使用してステンシルプリンタ10内へ積み込まれる。支持アセンブリ28は、印刷位置へ回路基板29を上昇させ、固定する。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリのブレードがステンシル18に対して所望の圧力で接触するまでz軸方向に下降される。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドガントリ22によって、ステンシル18を横切ってy軸方向に移動される。プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18内の孔を通じて回路基板29上にはんだペーストを堆積させる。ひとたびプリントヘッドアセンブリが孔を横切ってステンシル18を完全に横断すると、プリントヘッドアセンブリはステンシルから持ち上げられ、回路基板29はコンベヤレール上へ戻るように下降させられる。回路基板29は、ステンシルプリンタ10から解放及び輸送され、これにより、第2の回路基板をステンシルプリンタ内へ積み込むことができる。第2の回路基板29上に印刷するために、プリントヘッドアセンブリはz軸方向に下降させられてステンシルと接触し、第1の回路基板に使用された方向とは逆方向にステンシル18を横切って移動させられる。
【0022】
印刷前に回路基板29に対してステンシル18を位置合わせする、及び印刷後に回路基板を検査する目的のために、撮像システム30を設けることができる。1つの実施形態において、撮像システム30は、ステンシル18と回路基板が支持される支持アセンブリ28との間に配設することができる。撮像システム30は、撮像システムを移動させるために撮像ガントリ32に連結される。1つの実施形態において、撮像ガントリ32は、フレーム12に連結することができ、フレーム12の側方レール間を延在するビームを有し、y軸方向における回路基板29の上方で撮像システム30に前後移動をもたらす。撮像ガントリ32は、撮像システム30を収容し、x軸方向におけるビームの長さに沿って移動するように構成されるキャリッジデバイスを更に有することができる。撮像システム30を移動させるために使用される撮像ガントリ32の構造は、はんだペースト印刷の技術分野において既知である。回路基板又はステンシルの予め定められた領域の画像をそれぞれ撮影するためにステンシル18の下方であって回路基板29の上方の任意の位置に撮像システム30が位置することができるような配置となっている。
【0023】
はんだペーストを回路基板に対して1回以上塗布した後、余剰のはんだペーストがステンシル18の底に蓄積し得て、概して34で示されるステンシルワイパアセンブリがステンシルの下方を移動して余剰のはんだペーストを除去することができる。他の実施形態において、ステンシル18は、ステンシルワイパアセンブリの上方を移動してもよい。
【0024】
図4を参照すると、プリントヘッドアセンブリ20は、コントローラ14の制御下でy軸方向の移動を提供するプリントヘッドガントリ22上に取り付けられる。プリントヘッドガントリ22は、ステンシルプリンタ10のフレーム12上に設けられるレール38、40(
図3)に沿って支持される細長いビーム36を備える。ビーム36は、水平方向に延在する2つの群のリニア軸受44、46を有するプレート42を備え、頂部リニア軸受44a、44bが底部リニア軸受46a、46bの上方に配置される。リニア軸受44a、44b、46a、46bの目的は、以下でより詳細に説明する。プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドガントリ22のビーム36に連結されるプリントヘッド48を備える。具体的には、プリントヘッド48は、プレート42上に固定取り付けされるキャリッジ50上に取り付けられる。したがって、プリントヘッドガントリ22は、本開示に記載の印刷ストロークを実行するためのy軸方向のプリントヘッド48の移動を提供する。プリントヘッド48は、上述したようにステンシルに沿ってはんだペーストを伸ばし広げるスクイージブレード(52で示す)を備える。1つの実施形態において、スクイージブレードアセンブリ52は、2つのスクイージブレードを備え、粘性材料、例えば、はんだペーストがスクイージブレードの間に配置される。
【0025】
上述のように、はんだペーストは、スクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレード上に蓄積する可能性がある。スクイージブレードからの望ましくないはんだペーストの滴下により、動作中にステンシルプリンタ10の動作作業空間が汚染される可能性がある。例えば、ステンシル18等のステンシルを交換するとき、はんだペーストがスクイージブレードから交換用ステンシル上に滴り落ちることがある。そのような汚染により、ステンシルプリンタを通して処理される電子基板上に欠陥のある印刷動作が生じる可能性がある。本開示の態様は、ステンシルプリンタ10の動作中にスクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードから余剰のはんだペーストを回収することに向けられる。
【0026】
図5~
図9を参照すると、プリントヘッドアセンブリ20の実施形態は、ステンシルプリンタ10の動作中に望ましくないはんだペーストがプリントヘッドアセンブリ20のスクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードからステンシル18上に滴下することを防止するように構成される、スクイージドリップ回収システムを更に備える。スクイージドリップ回収システムは、ステンシルプリンタのプリントヘッドガントリから満杯の又は別様に汚染されたペーストシールドを取り外し、新しい清浄なペーストシールドを設置するように更に構成される。
【0027】
具体的には、スクイージドリップ回収システムは、ペーストシールド等の回収装置をスクイージブレードの下で伸長及び後退させて、休止時間中にスクイージブレードから滴下するはんだペーストを除去(claim)又は回収することができる。例えば、ステンシル18等のステンシルを交換するとき、プリントヘッド48のスクイージブレードアセンブリ52は、ステンシルから上昇され、スクイージドリップ回収システムのペーストシールドは、スクイージブレードから滴下するはんだペーストを回収して保持するように展開される。ステンシル18が交換されると、スクイージドリップ回収システムのペーストシールドは、プリントヘッド48からのスクイージブレードがステンシル18上に下降することを可能にするように後退する。満杯になると、上述したように、スクイージドリップ回収システムは、満杯のペーストシールドを新しい清浄なペーストシールドと自動的に交換するように構成される。
【0028】
スクイージドリップ回収システムは、幾つか例を挙げると、基板支持アセンブリ上のツーリングを交換すること、スクイージブレードアセンブリからスクイージブレードを交換することを含む、他の動作中に利用され得ることを理解すべきである。
【0029】
さらに
図10を参照すると、スクイージドリップ回収システムは、プリントヘッドアセンブリ20又はプリントヘッドガントリ22に連結することができる、概して60で示されるペーストシールドを備える。1つの実施形態において、ペーストシールド60は、はんだペーストをスクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードから受ける比較的浅いレセプタクル又は受け皿を作成する、平坦な底壁62と、前壁64と、後壁66と、2つの側壁68、70とを備える。別の実施形態において、ペーストシールド60は底壁62のみを備える。前壁64は、それぞれが前壁の周縁を越えて延在する第1の収納特徴部72及び第2の収納特徴部74を備える。1つの実施形態において、収納特徴部72、74は、ペーストシールド60に固定される構造体76の一部である。収納特徴部72、74の目的は、スクイージドリップ回収システムの説明が進むにつれて、より詳細に説明される。図示されるように、ペーストシールド60は、スクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードの長さに概ね対応するか、又はそれよりも僅かに長い長さを有する。ペーストシールド60の長さ及び幅は、スクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードのサイズ及び形状に基づいて決定することができる。
【0030】
1つの実施形態において、スクイージドリップ回収システムは、動作中にスクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードの下にペーストシールド60を伸長させるために使用される少なくとも1つの伸長機構を更に備える。図示の実施形態において、スクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードの下にペーストシールド60を解放可能に固定し、横方向に移動させるために、概して80、82で示される2つの離間した伸長機構が設けられる。具体的には、伸長機構80、82は、ペーストシールドの底壁62内又は支持構造体76内に設けられる第3の収納特徴部及び第4の収納特徴部内に収納されるように構成され、第3の収納特徴部及び第4の収納特徴部は、それぞれ、第1の収納特徴部72及び第2の収納特徴部74に隣接して位置決めされる。
【0031】
図5及び
図6は、スクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードの下にペーストシールドを位置決めするために、ペーストシールド60を伸長位置に伸長させる伸長機構80、82を示す。伸長機構80、82は、ペーストシールド60を後退させて、スクイージブレードアセンブリと干渉することなく、スクイージブレードアセンブリ52をステンシル18上に下降させることを可能にするように構成される。
図13A~
図13Cを参照して、各伸長機構80、82並びに第3の収納特徴部及び第4の収納特徴部の構造を説明する。
【0032】
再び
図5~
図9を参照すると、回収システムは、プリントヘッドガントリ22に取り付けられるプレート42を更に備える。プレート42は、2対のリニア軸受44a、44b及び46a、46bを備える。図示されるように、リニア軸受44a、46aは、概して86で示される第1のツーリング部材を支持するように構成され、リニア軸受44b、46bは、概して88で示される第2のツーリング部材を支持するように構成され、ツーリング部材は、それらのそれぞれの対のリニア軸受上で横方向に移動するように構成される。
【0033】
ツーリング部材86、88をそれぞれリニア軸受44a、46a及び44b、46bに沿って横方向に移動させるために、任意の好適な機構を採用することができる。例えば、1つの実施形態において、ツーリング部材86、88をそれぞれリニア軸受44a、46a及び44b、46bに沿って移動させるために、ボールねじ駆動アセンブリを採用することができる。幾つかの実施形態において、ツーリング部材86、88をそれぞれリニア軸受44a、46a及び44b、46bに沿って移動させるために設けられるボールねじ駆動アセンブリはまた、z軸方向におけるプリントヘッド48の上下移動の動力を提供することもできる。上述したように、プリントヘッドアセンブリ20のプリントヘッド48は、印刷動作中にステンシル18に係合するように下降させられ、印刷動作を実行していないときにステンシルを係合解除するように上昇させられるように構成される。下降させると、プリントヘッド48は、スクイージブレードアセンブリがステンシル18に封止係合するので、プリントヘッド48はスクイージブレードアセンブリ52に圧力を加える。
【0034】
図10及び
図11を参照すると、第1のツーリング部材86は、リニア軸受44a、46aに固定された第1のハウジング90を備え、第1のハウジングは、リニア軸受に沿って横方向に進むように構成される。第1のツーリング部材86は、第1のハウジング90上に取り付けられた第1の空気圧シリンダ98内に配置された第1の下方に延在するピン92を更に備え、第1のピンは、以下でより詳細に説明するペーストシールド60の収納特徴部のうちの1つ、例えば第1の収納特徴部72内に収納されるように構成される端部を有する。
【0035】
同様に、第2のツーリング部材88は、リニア軸受44b、46bに固定された第2のハウジング94を備え、第2のハウジングは、リニア軸受に沿って横方向に進むように構成される。第2のツーリング部材88は、第2のハウジング94上に取り付けられた第2の空気圧シリンダ100内に配置された第2の下方に延在するピン96を更に備え、第2のピンは、ペーストシールド60の他の収納特徴部、例えば第2の収納特徴部74内にあるように構成される端部を有する。ペーストシールド60の収納特徴部72、74は、ペーストシールドに係合してペーストシールドを移動させるために、第1のツーリング部材86及び第2のツーリング部材88のピン92、96によってそれぞれ係合されるように構成される。
【0036】
第1の空気圧シリンダ98及び第2の空気圧シリンダ100は、それぞれ、第1のハウジング90内の第1のピン92及び第2のハウジング94内の第2のピン96の上下移動を駆動するように構成される。第1の空気圧シリンダ98及び第2の空気圧シリンダ100は、ピン92、96の上下移動を互いに独立して制御するために、コントローラ14及び空気圧源に連結される。
【0037】
1つの実施形態において、
図7を参照すると、ツーリング部材86、88のピン92、96は、ペーストシールド60のそれぞれの第1の収納特徴部72及び第2の収納特徴部74内に収納される。ツーリング部材86、88は、ペーストシールド60の第1の収納特徴部72及び第2の収納特徴部74の幅に近い幅まで移動させることができる。ペーストシールド60の第1の収納特徴部72及び第2の収納特徴部74の前に位置決めされると、ペーストシールドは、伸長機構80、82によって、ツーリング部材86、88に向かって移動され、これにより、ツーリング部材の端部は、ペーストシールドのそれぞれの収納特徴部内に収納され、ペーストシールドをツーリング部材に固定する。ツーリング部材86、88は、それぞれリニア軸受44a、46a及び44b、46bに沿って移動させることによって位置決めすることができる。さらに、ツーリング部材86、88のピン92、96は、第1の収納特徴部72及び第2の収納特徴部74に対してピンの端部の適切な上昇を達成するように長くするか又は短くすることができる。プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドガントリ22によってy軸方向に移動されて、ペーストシールド60に係合してペーストシールド60を移動させるように構成される。この位置は、
図8及び
図9に示されている。
【0038】
ツーリング部材86、88のピンは、ペーストシールド60に係合してペーストシールド60を移動させるために使用される様々な機構を採用することができることを理解すべきである。図示の実施形態において、ツーリング部材86、88のピン92、96は、ペーストシールド60の第1の収納特徴部72及び第2の収納特徴部74にそれぞれ収納される端部を有する。例えば、ツーリング部材86、88のピン92、96は、それぞれ、ペーストシールド60を持ち上げて移動させるためのツーリング部材からのペーストシールドの取付け及び取り外しを容易にする磁石を備えることができる。
【0039】
図12A~
図12Cを参照すると、上述したように、ツーリング部材86、88は、ペーストシールド60をピックアップして解放するように構成することができる。具体的には、ツーリング部材86、88は、ペーストシールドを伸長機構80、82から係合解除し、ペーストシールドを固定及び取り外しするために、ペーストシールド60の第1の収納特徴部72及び第2の収納特徴部74をツールなし(toolessly)で係合及び係合解除するように構成される。以下でより詳細に説明するように、ペーストシールド60は、ペーストシールドを伸長機構80、82に固定するばね荷重係止(ロック)機構を有するように構成することができる。
【0040】
追加の軸又はアクチュエータを必要とすることなくペーストシールド60を受動的にピックアップして落下させる方法は、ツーリング部材86、88によって実行することができる。
【0041】
図12Aに示されるように、ツーリング部材86、88の両方のピン92、96に関して、ピンの端部がそのそれぞれの収納特徴部72又は74の凹部に進入するにつれて、ピンは、ばね荷重機構110をばねの付勢に抗して移動させ、伸長機構80又は82をペーストシールド60から解放する。したがって、ピン92、96の端部がそれらのそれぞれの第3の収容特徴部及び第4の収納特徴部に進入すると伸長部材80、82が第3の収納特徴部及び第4の収納特徴部から解放されるような配置である。位置決めされると、ツーリング部材86、88のピン92、96は、伸長機構80、82がペーストシールドから解放されるときにペーストシールドを支持するようにペーストシールド60に固定される。
【0042】
図13A~
図13Cを参照すると、各伸長機構80、82は、プリントヘッドガントリ22のキャリッジ50に固定されるブラケット114と、ブラケット上に取り付けられる伸長部材116と、を備える。図示されるように、1つの実施形態において、伸長部材116は、ブラケット114に取り付けられるシリンダ118と、シリンダ内に往復可能に受けられるロッド120とを備える。シリンダ内のロッド120の往復移動を提供するために、空気供給源(図示せず)をシリンダ118に接続することができる。伸長部材80、82のロッド120は、スクイージブレードアセンブリ52の下でペーストシールド60を伸長及び後退させるために使用される。
【0043】
各ロッド120は、さらに、ペーストシールド60のそれぞれの第3の収納特徴部及び第4の収納特徴部内に収納される端部を含むように構成することができる。
図12Bは、ペーストシールド60の収納特徴部122から取り外されるように構成されるロッド120の端部を示す。
図12Cは、ペーストシールド60の収納特徴部122によって捕捉されるように構成されるロッド120の端部を示す。
【0044】
本開示の実施形態は、動作中にプリントヘッド48のスクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードから潜在的に滴る可能性があるはんだペーストを捕捉する方法を含む。1つの実施形態において、本方法は、ペーストシールド60を後退位置からスクイージブレードアセンブリ52のスクイージブレードの下の伸長位置まで移動させることを含む。本方法は、ツーリング部材86、88を使用してペーストシールド60を交換する能力を更に含む。
【0045】
1つの実施形態において、ペーストシールド60をスクイージブレードアセンブリ52から取り外す方法は、ペーストシールドの収納特徴部72、74に隣接してツーリング部材86、88を位置決めすることと、ペーストシールド60を伸長機構80、82によってツーリング部材86、88に向かって移動させることと、ペーストシールド60を伸長機構80、82から解放するためにそれぞれの収納特徴部72、74内にツーリング部材86、88を位置決めすることと、ツーリング部材86、88を用いてペーストシールド60を支持することとを含む。2つのツーリング部材86、88、2つの収納特徴部72、74、及び2つの伸長部材80、82が、本開示において示され、説明されるが、任意の数のツーリング部材、収納特徴部、及び伸長部材を、本開示に説明される方法を行うために提供することができる。
【0046】
本開示に開示のシステム及び関連する方法は、コントローラ14の制御下で実行することができる。具体的には、コントローラ14は、ペーストシールドを移動すべきとき及びペーストシールドを交換すべきときを知得するように構成することができる。
【0047】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンタ10の既存のステンシルプリンタガントリ、レール及びプリントヘッドは、ペーストシールドを含む部品を出し入れするように構成することができる。
【0048】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンタ10のプリントヘッドアセンブリ20は、ペーストシールドを移動及び往復させるように構成することができる。
【0049】
本開示において使用される場合、「自動化された」又は「完全に自動化された」転換は、人間の介入なしに部品を交換又は補充することを説明している。
【0050】
本開示において使用される場合、「部分的に自動化された」転換は、幾分かの又は限定された人間の介入により部品を交換又は補充することを説明している。
【0051】
本開示において使用される場合、「輸送(transport)」又は「輸送する(transporting)」は、手作業又はマシンを用いて部品を1つの位置から別の位置へ移動させることを説明している。
【0052】
本開示において使用される場合、「設置(install)」又は「設置する(installing)」は、使用の準備ができた位置に部品を載置するプロセスを説明している。
【0053】
上述のように、可動カートは、ステンシルプリンタ内において他の部品を交換するために利用することができる。例えば、ステンシルワイパアセンブリは、可動カートによって自動的に交換することができる紙及び溶媒等の消耗品を含む。
【0054】
本開示において開示されるコンセプトは、ディスペンサ、ピックアンドプレイスマシン、リフロー炉、ウェーブはんだ付け機、選択的はんだ機、検査ステーション、及び洗浄ステーションを含む、電子基板を作製するために使用される他のタイプの機器に利用してもよい。例えば、材料を再捕捉することに向けられたコンセプトは、はんだ付け機及びウェーブはんだ付け機並びに洗浄ステーションにおいて利用することができる。
【0055】
このように、少なくとも1つの実施形態の幾つかの態様を記載したが、様々な変形、変更、及び改良が当業者には容易に想到されることが理解される。そのような変形、変更、及び改良は、本開示の一部であることが意図されるとともに、本開示の範囲内にあることが意図される。したがって、前述の記載及び図面は単に例としてのものである。
【国際調査報告】