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特表2024-534351基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリおよびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240912BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20240912BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20240912BHJP
   H05K 7/06 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
H01L23/36 A
H05K7/06 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515594
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 IB2022058368
(87)【国際公開番号】W WO2023037240
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202141040790
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524214240
【氏名又は名称】インディア ヴィーピー セミコンダクター プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ボロジュ, ヴィジェイ
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA04
5F136BB04
5F136BB05
5F136BB18
5F136BC01
5F136DA27
5F136FA03
(57)【要約】
本明細書の実施形態は、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを製造するための方法を開示する。本方法は、PCB(1302)を提供する工程を含む。さらに、本方法は、PCB(1302)上に制御回路コンポーネントを組み立てる工程を含む。さらに、本方法は、制御回路コンポーネント上にパワーデバイスを取り付ける工程を含む。また、本方法は、SMT、ワイヤボンディング、および/または銅ストラップを使用して、デバイスにおいて、デバイス相互接続を実行する工程を含む。さらに、本方法は、PCB(1302)の底部にバスバーを取り付ける工程を含む。さらに、本方法は、PCB(1302)の底部に取り付けられたバスバーの下に絶縁層(1312)を取り付ける工程を含む。さらに、本方法は、絶縁層(1312)の下に放熱層(1314)を取り付ける工程を含む。さらに、本方法は、放熱層(1314)上に、プラスチック成形ケース(2702)およびポッティングコンパウンドのうちの1つを取り付ける工程を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを製造するための方法(4400~4800)であって、
プリント回路基板(PCB)(1302)上に、少なくとも1つの制御回路コンポーネントを組み立てる工程(4404~4804)と、
前記少なくとも1つの制御回路コンポーネント上に、少なくとも1つのパワーデバイスを取り付ける工程(4406~4806)と、
表面実装技術(SMT)、ワイヤボンディング、リボンボンディング、および銅ストラップのうちの少なくとも1つを使用して、前記少なくとも1つのパワーデバイスにおいて、少なくとも1つのデバイス相互接続を実行する工程(4408~4808)と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記PCB(1302)の底部に、少なくとも1つのバスバーを取り付ける工程(4410)と、
前記PCB(1302)の前記底部に取り付けられた前記少なくとも1つのバスバーの下に、少なくとも1つの絶縁層(1312)を取り付ける工程(4412)と、
前記少なくとも1つの絶縁層(1312)の下に放熱層(1314)を取り付ける工程(4414)と、
前記放熱層(1314)上に、プラスチック成形ケース(2702)およびポッティングコンパウンドのうちの1つを取り付ける工程(4416)と、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
エンボス加工された放熱層(1314)に、少なくとも1つの絶縁層(1312)を取り付ける工程(4510)と、
前記PCB(1302)に関連する切り抜きに、前記エンボス加工された放熱層(1314)を取り付ける工程(4512)と、
前記放熱層(1314)上に、プラスチック成形ケース(2702)およびポッティングコンパウンドのうちの1つを取り付ける工程(4514)と、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記PCB(1302)に関連する切り抜きに、銅リードフレーム(1504)を有する基板(1502)を取り付ける工程(4610)と、
前記基板(1502)の底部に放熱層(1314)を取り付ける工程(4612)と、
前記放熱層(1314)上に、プラスチック成形ケース(2702)およびポッティングコンパウンドのうちの1つを取り付ける工程(4614)と、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板(1502)は、セラミック基板、金属コアPCB、およびIMS基板のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの制御回路コンポーネントは、上部バスバー制御回路コンポーネント(1304)および底部バスバー制御回路コンポーネント(1310)のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記上部バスバー制御回路コンポーネント(1304)は、少なくとも1つのエンボス加工されたPCB挿入部を備え、前記底部バスバー制御回路コンポーネント(1310)は、少なくとも1つのエンボス加工されたPCB挿入部を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのパワーデバイスは、SMT、ベアダイ、チップ、個別のデバイス、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ダイオード、および窒化ガリウム(GaN)デバイスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの絶縁層(1312)は、TIMおよび絶縁体の少なくとも1つを含み、前記放熱層(1314)は、ヒートシンクおよび放熱体を含む、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記PCB(1302)は、前記バスバーの下に切り抜かれた窓部を含み、前記窓部は、前記窓部の切り抜きの正確な位置およびサイズのためにコンピュータ支援設計(CAD)ツールを介してマークされ、前記窓部は、前記PCBの製造中にミリング操作を使用して切り抜かれる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記銅リードフレーム(1504)は、エンボス加工された挿入部を形成するように、ミル加工された銅バスバーおよび機械加工された銅バスバーのうちの少なくとも1つを含み、前記銅リードフレーム(1504)は、必要とされる仕様にダイキャストまたは成形され、前記銅バスバーおよび前記リードフレームのうちの前記少なくとも1つは、前記リードフレームを前記PCBに固定するための接続ユニットを使用して、はんだ付けプロセスまたは機械的取付け具を介して前記PCBに取り付けられ、前記接続ユニットは、クリップおよびネジを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項12】
プリント回路基板(PCB)(1302)と、
前記PCB(1302)上に組み立てられる、少なくとも1つの制御回路コンポーネントと、
前記少なくとも1つの制御回路コンポーネント上に取り付けられる、少なくとも1つのパワーデバイスと、
ワイヤボンディング、リボンボンディング、および銅ストラップのうちの少なくとも1つを使用して、少なくとも1つの表面実装技術(SMT)およびダイ上で実行される、少なくとも1つのデバイス相互接続と、を含む、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項13】
前記PCB(1302)の底部に取り付けられる、少なくとも1つのバスバーと、
前記PCB(1302)の前記底部に取り付けられた前記少なくとも1つのバスバーの下に取り付けられる、少なくとも1つの絶縁層(1312)と、
前記少なくとも1つの絶縁層(1312)の下に取り付けられる放熱層(1314)と、
前記放熱層(1314)上に取り付けられるプラスチック成形ケース(2702)およびポッティングコンパウンドのうちの1つと、を含む請求項12に記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項14】
エンボス加工された放熱層(1314)に取り付けられる少なくとも1つの絶縁層(1312)と、
前記PCB(1302)内に取り付けられる前記エンボス加工された放熱層(1314)と、
前記放熱層(1314)上に取り付けられる、プラスチック成形ケース(2702)およびポッティングコンパウンドのうちの1つと、を含む請求項12に記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項15】
底面から切り抜かれた前記PCB(1302)内に、銅リードフレーム(1504)を伴って取り付けられる基板(1502)と、
前記基板(1502)の底部に取り付けられる放熱層(1314)と、
前記放熱層(1314)上に取り付けられるプラスチック成形ケース(2702)およびポッティングコンパウンドのうちの1つと、を含む請求項12に記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項16】
前記基板(1502)は、システムの電圧定格を拡張するのに有用である、セラミック基板、金属コアPCB、およびIMS基板のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの制御回路コンポーネントは、上部バスバー制御回路コンポーネント(1304)および底部バスバー制御回路コンポーネント(1310)のうちの1つを含む、請求項12に記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項18】
前記上部バスバー制御回路コンポーネント(1304)は、少なくとも1つのエンボス加工されたPCB挿入部を備え、前記底部バスバー制御回路コンポーネント(1310)は、少なくとも1つのエンボス加工されたPCB挿入部を備える、請求項17に記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項19】
前記少なくとも1つのパワーデバイスは、SMT、ベアダイ、チップ、個別のデバイス、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ダイオード、および窒化ガリウム(GaN)デバイスを含む、請求項12に記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの絶縁層(1312)は、TIMおよび絶縁体の少なくとも1つを含み、前記放熱層(1314)は、ヒートシンクおよび放熱体を含む、請求項13~15のいずれかに記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項21】
前記PCB(1302)は、バスバーの下に切り抜かれた窓部を備え、前記窓部は、前記窓部の切り抜きの正確な位置およびサイズのためにコンピュータ支援設計(CAD)ツールを介してマークされ、前記窓部は、前記PCBの製造中にミリング操作を使用して切り抜かれる、請求項12に記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【請求項22】
前記銅リードフレーム(1504)は、エンボス加工された挿入部を形成するように、ミル加工された銅バスバーおよび機械加工された銅バスバーのうちの少なくとも1つを含み、前記銅リードフレーム(1504)は、必要とされる仕様にダイキャストまたは成形され、前記銅バスバーおよび前記リードフレームのうちの前記少なくとも1つは、前記リードフレームを前記PCBに固定するための接続ユニットを使用して、はんだ付けプロセスまたは機械的取付け具を介して前記PCBに取り付けられ、前記接続ユニットは、クリップおよびネジを含む、請求項15に記載の基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される実施形態はパワーモジュールアセンブリに関し、より詳細には、フレキシブルな、基板レス大電流パワーモジュールアセンブリ、および基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを組み立て/製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新興の産業用、自動車用、および家電用の用途は、合理的なコストで、システムのための高電力密度および高効率を要求する。設計およびアセンブリのフレキシビリティは、様々な製品需要を満たすために重要である。信頼できる電子設計のための中心的な基準は熱管理である。電子機器の信頼性を向上させるために、コンポーネントのピーク温度は、可能な限り最低限に維持される必要がある。
【0003】
高電力、大電流の電子モジュールを設計するための通常の手法は、パワーデバイスを取り付けるためにセラミック基板などの高熱伝導性材料を使用することである。これは、電子デバイスによって周囲へ放散される熱のための改善された熱経路を保証する。この目的に使用される一般的な材料は、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化アルミニウムシリコン(AlSiC)のセラミック基板、またはアルミニウム金属コアのプリント回路基板(PCB)である。セラミック基板は、難燃性4(FR4)のPCBと比較して高い熱伝導率を有するが、高価であり、回路パターンをプリントするために複雑な焼結プロセスを必要とする。セラミック基板上に経済的な方法でプリントすることができる銅トレースの厚さは、約100μmに制限される。この厚さは、システムによって必要とされる大電流を確実に流すのに十分ではない場合がある。ユーザは、必要性を満たすために所望の厚さの銅リードフレームを取り付けることができる。しかし、このプロセスは、コンポーネントの数、複雑さ、およびシステムのコストを増加させる。
【0004】
FR4PCB上に、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ダイオードなどのパワーデバイスを実装することは、最も簡単で最も経済的な方法である。しかしながら、FR4材料は信じられないほど低い熱伝導率(0.24W/m-°K)を有し、したがって、パワーデバイスの能力の利用を著しく制限することになる。また、FR4の低融点は、さらなる制限を課す。システム内の電流が増加すると、必要とされる銅トレースの厚さも制約となる。アルミニウムコアPCBはFR4PCBと比較してより良好な熱伝導率を有するが、銅トレースの厚さにも制限がある。より厚い銅トレースをプリントすることは、製造コストを増加させる。あるいは、より厚い銅リードフレームを取り付けて、電流容量を増加させてもよい。しかし、この方法は同じ欠点(例えば、コンポーネントの数、複雑さ、およびシステムのコストなど)を有する。
【0005】
代替的に、システムのユーザは、性能を改善するために、ヒートシンク上に直接実装された個別の半導体を使用することができる。しかし、電圧および電流が増加すると、アセンブリの複雑さ、ばらつき、および増加した寄生効果(increased parasitic)により、生産性および信頼性が低下する。電力定格(power ratings)が増加すると、いくつかのパワーデバイスを並列に接続する必要があり得る。これは、システムを複雑にし、信頼性を低下させる。このような用途には、統合型のパワーモジュール(PM)およびインテリジェントパワーモジュール(IPM)の使用が推奨される。それらは、システムの統合をより容易にし、ばらつきを低減し、システムの信頼性を改善する。
【0006】
図1および図2は、FR4PCB上に実装された表面実装技術(SMT)デバイスが示されている例示的な図(100および200)である。FR4PCBは、非常に低い熱伝導率を有する。これは、パワーデバイスの性能を低下させ、したがって、設計者は所望の性能仕様を達成するために、多くのデバイスを並列に使用する必要がある。銅トレースの厚さは、約200ミクロンに制限される。これは、システムによって必要とされる大電流を伝導するための課題を提起する。複数の層(>2層)を使用することは、FR4PCBを製造する複雑さおよびコストを増加させる。
【0007】
図3は、金属コアPCB上に実装されたSMTデバイスが示されている例示的な図(300)である。金属コアPCBは通常、単層であり、したがって、同じ基板上に電源回路および制御回路の両方を実装することが困難である。銅トレースの厚さは、約200ミクロンに制限される。より高い電流システムの場合、追加の銅リードフレームを取り付けることになり、システムの複雑さおよび低信頼性をもたらす。
【0008】
図4は、金属コアPCBの断面図(400)を示す。図4に示すように、Alコアの一部の上に絶縁層が設けられ、絶縁層の一部の上に銅層が設けられている。
【0009】
図5は、セラミック基板を有するモジュールの断面図(500)を示す。図6は、セラミック基板の断面図(600)を示す。セラミック基板は精密に設計されたコンポーネントであり、高価である。セラミック基板は、1200Vを超える電圧を有するシステムにおいて有用である。セラミック基板は通常、片面であり、したがって、パワーデバイスおよび制御回路の両方を同じ基板上に配置することは困難である。銅トレースの厚さは、約200ミクロンに制限される。より高い電流システムの場合、追加の銅リードフレームを取り付けることになり、システムの複雑さおよび低信頼性をもたらす。図6に示されるように、上部銅層は、セラミック絶縁層の一部の上に設けられる。セラミック絶縁層は、底部銅層上に設けられる。セラミック絶縁層は、上部銅層と底部銅層との間に配置される。
【0010】
図7a~図7cは、インサート成形リードフレーム設計コンセプト(insert moulded lead frame design concepts)が示されている例示的な図(700a~700c)である。このアプローチは、セラミック基板を使用しない。この方法では、プラスチックベースにリードフレームを直接成形する。これは、より厚いリードフレームの使用可能性を有する低コストのオプションである。この方法の欠点は、リードフレームをヒートシンクに対して平面に保つことが困難であることである。リードフレームとプラスチック成形品の隙間からの湿気の漏れもある。また、制御回路コンポーネントをパワーデバイスと並べて埋め込むために必要とされる非常に微細なトレースを埋め込むことは困難である。
【0011】
したがって、上述の欠点または他の欠点に対処するか、または少なくとも有用な代替手段を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0012】
[目的]
本明細書の実施形態の主な目的は、フレキシブルな基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを組み立て/製造する方法を開示することである。
【0013】
本明細書の実施形態の別の目的は、高電力電子システム(high power electronic system)において、個別のパワーデバイス(discrete power devices)および/またはベアダイ(bare dice)を使用して組み立てられるパワーエレクトロニクスシステム(power electronics systems)の有効性、信頼性、生産性を改善することである。
【0014】
本明細書の実施形態の別の目的は、高価なセラミック基板を使用することなく、カスタム大電流パワーモジュール(PM)およびインテリジェントパワーモジュール(IPM)を作ることである。
【0015】
本明細書の実施形態の別の目的は、複雑なプロセス、高価で長いリードタイム材料を排除し、フレキシブルな基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリの熱性能を改善しながら、高密度統合(high density integration)を可能にすることである。
【0016】
本明細書の実施形態の別の目的は、制御回路(control circuit)と電源回路(power circuit)とをシームレスに組み合わせて、フレキシブルな基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリの電力密度、熱性能、および信頼性を改善しながら、電子システムの高度な統合を可能にすることである。
【0017】
本明細書の実施形態の別の目的は、従来のSMT実装技術、アルミニウムワイヤボンド、銅ストラップボンディングのはんだ付け可能な相互接続方法、または任意の相互接続方法で、回路を作製可能にすることである。これらの特徴により、提案された方法は、広範囲の製品および用途を可能にする。それはまた、パワーデバイス能力の利用を最大化し、電力供給のコストを低減する。この方法は、フレキシブルな設計および迅速な市場投入時間を可能にし、ソリューションの最適化されたコストを達成する。
【0018】
本明細書の実施形態のこれらの態様および他の態様は、以下の説明および添付の図面と併せて考慮すると、より良く認識され、理解されるであろう。しかしながら、以下の説明は少なくとも1つの実施形態およびその多数の具体的な詳細を示すが、限定ではなく例示として与えられることを理解されたい。その精神から逸脱することなく、本明細書の実施形態の範囲内で多くの変更および修正を行うことができ、本明細書の実施形態は、すべてのそのような修正を含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本明細書の実施形態は添付の図面に示されており、図面を通して、同様の参照文字は、様々な図面における対応する部分を示す。本明細書の実施形態は、図面を参照して以下の説明からより良く理解されるであろう。
【0020】
図1図1は、従来技術による、FR4PCB上に実装されたSMTデバイスが示されている例示的な図である。
図2図2は、従来技術による、FR4PCB上に実装されたSMTデバイスが示されている例示的な図である。
【0021】
図3図3は、従来技術による、金属コアPCB上に実装されたSMTデバイスが示されている例示的な図である。
【0022】
図4図4は、従来技術による金属コアPCBの断面図を示す。
【0023】
図5図5は、従来技術による、セラミック基板を有するモジュールの断面図を示す。
【0024】
図6図6は、従来技術によるセラミック基板の断面図を示す。
【0025】
図7a図7aは、従来技術による、インサート成形リードフレーム設計コンセプトが示されている例示的な図である。
図7b図7bは、従来技術による、インサート成形リードフレーム設計コンセプトが示されている例示的な図である。
図7c図7cは、従来技術による、インサート成形リードフレーム設計コンセプトが示されている例示的な図である。
【0026】
図8図8は、本明細書に開示される実施形態による、SMTパワーデバイスを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図である。
【0027】
図9図9は、本明細書に開示される実施形態による、パワーデバイスを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールの別の概略回路図である。
【0028】
図10図10は、本明細書に開示される実施形態による、チップおよびワイヤボンディングを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図である。
【0029】
図11図11は、本明細書に開示される実施形態による、はんだ付け可能なフロントメタル(SFM)ダイを使用する銅ストラップ相互接続を有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図である。
【0030】
図12図12は、本明細書に開示される実施形態による、パワーデバイスの下で切り抜かれた、基板レスハイブリッドパワーモジュールのPCB窓部(PCB windows)が示されている例示的な図である。
【0031】
図13図13は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールの断面図を示す。
【0032】
図14図14は、本明細書に開示される実施形態による、統合型のエンボス加工されたヒートシンク(integrated embossed heatsink)を有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図である。
【0033】
図15図15は、本明細書に開示される実施形態による、基板を有するハイブリッドパワーモジュールの断面図を示す。
【0034】
図16図16は、本明細書に開示される実施形態による、SMTパワーデバイスを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図である。
【0035】
図17図17は、本明細書に開示される実施形態による、チップおよびワイヤボンディングを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている、別の例示的な図である。
【0036】
図18図18は、本明細書に開示される実施形態による、SFMダイを使用する銅ストラップ相互接続を有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている、別の例示的な図である。
【0037】
図19図19は、本明細書に開示される実施形態による、パワーデバイスの下で切り抜かれた、基板レスハイブリッドパワーモジュールのPCB窓部が示されている例示的な図である。
【0038】
図20図20は、本明細書に開示される実施形態による、チップおよびワイヤボンディングを有する、基板レスハイブリッドパワーモジュールの断面図を示す。
【0039】
図21図21は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールの例示的な図である。
【0040】
図22図22は、本明細書に開示される実施形態による、SMTパワーデバイスを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図である。
【0041】
図23図23は、本明細書に開示される実施形態による、チップおよびワイヤボンドを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図である。
【0042】
図24図24は、本明細書に開示される実施形態による、SFMダイを使用する銅ストラップ相互接続を有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている、別の例示的な図である。
【0043】
図25図25は、本明細書に開示される実施形態による、切り抜き(cutouts)を有する、基板レスハイブリッドパワーモジュールのPCBが示されている例示的な図である。
【0044】
図26図26は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールのエンボス加工された銅バスバー(copper bus bars)の断面図を示す。
【0045】
図27図27は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールの断面図を示す。
【0046】
図28図28は、本明細書に開示される実施形態による、成形プラスチックケースを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図である。
【0047】
図29図29は、本明細書に開示される実施形態による、三相インバータ電源回路の概略回路図である。
【0048】
図30図30は、本明細書に開示される実施形態による、SMTデバイスを有し、電源端子(power terminals)が別々に取り付けられた三相インバータパワーモジュールのコンセプトが示されている例示的な図である。
【0049】
図31図31は、本明細書に開示される実施形態による、SMTデバイスを有し、電源端子が統合された三相インバータパワーモジュールが示されている例示的な図である。
【0050】
図32図32は、本明細書に開示される実施形態による、チップおよびワイヤを有し、電源端子が別々に取り付けられた三相インバータパワーモジュールの例示的な図である。
【0051】
図33図33は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイまたはチップおよびワイヤボンディングを有し、電源端子が統合された三相インバータパワーモジュールの例示的な図である。
【0052】
図34図34は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイ/チップおよびワイヤボンドを有するフルブリッジトポロジ(full bridge topology)が示されている例示的な図である。
【0053】
図35図35は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイ/チップおよびワイヤボンドを有するフルブリッジトポロジの回路図である。
【0054】
図36図36は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイ/チップおよびワイヤボンドを有するハーフブリッジトポロジが示されている例示的な図である。
【0055】
図37図37は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイ/チップおよびワイヤボンドを有するハーフブリッジトポロジの回路図である。
【0056】
図38図38は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイ/チップおよびワイヤボンドを有する双方向スイッチが示されている例示的な図である。
【0057】
図39図39は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイ/チップおよびワイヤボンドを有する双方向スイッチの回路図である。
【0058】
図40図40は、本明細書に開示される実施形態による、リードフレームアセンブリの正面図である。
【0059】
図41図41は、本明細書に開示される実施形態による、詳細を伴うリードフレームアセンブリの側面図である。
【0060】
図42図42は、本明細書に開示される実施形態による、FR4PCB上のリードフレームアセンブリが示されている例示的な図である。
【0061】
図43図43は、本明細書に開示される実施形態による、双方向スイッチのアセンブリスタックの詳細の断面図である
【0062】
図44図44は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを組み立てるための方法を示すフローチャートである。
図45図45は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを組み立てるための方法を示すフローチャートである。
図46図46は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを組み立てるための方法を示すフローチャートである。
図47図47は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを組み立てるための方法を示すフローチャートである。
図48図48は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを組み立てるための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本明細書の実施形態、ならびにその様々な特徴および有利な詳細は、添付の図面に示され、以下の説明で詳細に説明される非限定的な実施形態を参照してより完全に説明される。本明細書の実施形態を不必要に不明瞭にしないように、周知のコンポーネントおよび処理技術の説明は省略される。本明細書で使用される実施例は、本明細書の実施形態が実施され得る方法の理解を容易にすること、および当業者が本明細書の実施形態をさらに実施することを可能にすることを単に意図している。したがって、実施例は、本明細書の実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0064】
本明細書の実施形態は、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを組み立て/製造するための方法を達成する。本方法は、PCBを提供する工程を含む。さらに、本方法は、PCB上に少なくとも1つの制御回路コンポーネントを組み立てる工程を含む。さらに、本方法は、少なくとも制御回路コンポーネントに、少なくとも1つのSMTパワーデバイスを取り付ける工程を含む。また、本方法は、ワイヤボンディングおよび銅ストラップのうちの少なくとも1つを使用して、少なくとも1つのダイ上で少なくとも1つのデバイス相互接続を実行する工程を含む。さらに、本方法は、PCBの底部に少なくとも1つのバスバーを取り付ける工程を含む。さらに、本方法は、PCBの底部に取り付けられた少なくとも1つのバスバーの下に少なくとも1つの絶縁層を取り付ける工程を含む。さらに、本方法は、少なくとも1つの絶縁層の下に放熱層を取り付ける工程を含む。さらに、本方法は、放熱層上に、プラスチック成形ケースおよびポッティングコンパウンド(potting compound)のうちの1つを取り付ける工程を含む。
【0065】
本方法は、高電力電子システムにおいて、個別のパワーデバイスおよび/またはベアダイを使用して組み立てられたパワーエレクトロニクスシステムの有効性、信頼性、生産性を改善するために使用することができる。本方法は、高価なセラミック、金属コア、IMSまたはそのような基板を使用することなく、カスタム大電流パワーモジュール(PM)およびインテリジェントパワーモジュール(IPM)を作るために使用することができる。本方法は、複雑なプロセス、高価で長いリードタイム材料を排除するために使用することができ、システムの熱性能を改善しながら高密度統合を可能にする。
【0066】
本方法は、制御回路と電源回路とをシームレスに組み合わせて、システムの電力密度、熱性能、および信頼性を改善しつつ、電子システムの高度な統合を可能にするために使用することができる。本方法は、従来のSMT実装技術、アルミニウムワイヤボンド、銅ストラップボンディングのはんだ付け可能な相互接続方法、または任意の相互接続方法で、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリを作製可能にするために使用することができる。これらの特徴により、提案された方法は、広範囲の製品および用途を可能にする。それはまた、パワーデバイス能力の利用を最大化し、電力供給のコストを低減する。本方法は、フレキシブルな設計および迅速な市場投入時間を可能にし、ソリューションの最適化されたコストを達成する。
【0067】
本方法は、電気自動車、トラクションインバータ、充電器、DCDCコンバータ、産業用駆動装置、ソーラーインバータ、アップ/インバータのための、および任意の高電力変換用途のためのシステムを製造するために使用することができる。
【0068】
提案された方法において、本方法は、FR4PCB、または適切なグレードのPCBと、アルミニウム、銅、もしくはセラミック基板プレートまたは任意のそのような適切な材料などの高熱伝導性材料とを使用して、高電力電子モジュールを組み立てるために使用することができる。PCBの低い熱性能は、パワーデバイス(例えば、SMTまたはベアダイ)を収容するバスバーの下のPCBにおいて窓部を切り抜き、バスバーの下の窓部内に高熱伝導性材料を配置することによって克服される。これらの高熱伝導性材料は、パワーデバイスからヒートシンクへ、したがって周囲への効率的な熱経路を提供する。それによって、全体的な構造は、周囲への熱経路を改善し、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリに使用されるパワーデバイス(例えば、MOSFET、IGBT、SiCデバイス、GaNデバイス、ダイオードなど)の性能を最大化する。高伝導性(TIM-熱界面材料(thermal interface material))を有する適切な絶縁層は、パワーデバイスと放熱層との間に必要な電気絶縁を与えるために、パワーデバイスを収容する導体と、PCB窓部において配置された高熱伝導性材料との間に挿入される。
【0069】
本方法は、高電力、大電流の電子モジュールを構築するための高価なセラミック基板の必要性を排除するために使用することができる。また、パワーデバイスを実装するための導体を収容するために使用されるFR4PCBは、マイクロコントローラー、電源、ゲートドライバなどの制御回路ブロックを統合するために使用することができる。したがって、本方法は、製品をカスタマイズし、生産ツールおよび生産システムの利用を最大化することをより容易にする。それはまた、パワーデバイスと制御回路との間の複数の相互接続システムの必要性を排除する。
【0070】
提案された方法では、十分な断面の銅または任意のそのような高伝導性のバスバー/パッドが、パワーデバイス(例えば、SMTまたはベアダイ)を実装するために、および電気抵抗、したがって電力損失を低減するように回路の経路をルーティングするために使用される。また、パワーデバイス(例えば、SMTおよび/またはベアダイ)を実装するために使用されるこれらの厚い金属バスバー/パッドは、モジュールの熱性能およびシステムの信頼性を向上させる。高い熱容量を与えることによって、バスバー/パッドは、過渡動作条件(transient operating conditions)中のパワーデバイスのピーク接合温度(peak junction temperatures)を低減するのに役立つ。低減されたピーク接合温度は、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリの信頼性および寿命を改善することが知られている。厚いバスバー/パッドを使用して、相互接続端子を形成することもできる。これらの端子は、ヒートパイプとしても機能し、熱を放散するのを助け、それによって、デバイス温度をさらに低下させる。
【0071】
PCBと、PCB切り抜き内に挿入される高熱伝導性プレートとの当該組合せは、プラスチックケース内に収容され、機械的安定性を付与され、湿気および導電性の埃から保護される。入力出力端子、制御コネクタ、センサ素子などのインサート成形された相互接続素子は、モジュールシステムアセンブリに組み込まれる。電子システムの熱性能を向上させるために、鋳造アルミニウムまたは同様の放熱素子は、プラスチックケース/パワーモジュールアセンブリに取り付けられる。
【0072】
本明細書に記載されるプロセスおよびコンセプトによって、組み立てられたモジュール全体は、その用途の湿度および温度サイクルの必要性を満たす。本方法は、高価で複雑なセラミックおよび同様の基板材料を使用することなく、パワーモジュール(PM)およびインテリジェントパワーモジュール(IPM)を構築することを提案する。
【0073】
さらに、提案された方法は、大幅な設計変更なしにカスタム機能を構成するために、高度な統合とフレキシビリティを可能にする。これにより、ツールおよび生産プロセスに大きな変更を加えることなくモジュール機能を再構成することができ、生産性が向上し、無駄を削減することができる。
【0074】
また、本方法は、輸入依存性を低減し、複雑なパワーエレクトロニクスシステムの市場投入までの時間を低減することを目的とする。フレキシブルなパワーアセンブリを組み立てる本方法によって、エンドユーザは、そのコスト/性能のニーズを満たすために、ゲートドライバおよび関連するコンポーネントを選択することができる。エンドユーザは、多数のサプライチェーンオプションを用いて、選択したサプライヤからゲートドライバを選択することができる。エンドユーザは、自社製品でテストおよび試行された既存のゲートドライバブロック(legacy gate driver blocks)を使用することもできる。モジュールアセンブリは、マイクロコントローラー、センサ、および他の制御コンポーネントを収容することができ、したがって、設置面積を低減し、オリジナルの機器製造業者(OEM)に、短い組み立てサイクル、高スループット、および設計侵害行為(design piracy)に対する保護も提供する。
【0075】
提案されたモジュール構造は、デバイス接合部から周囲への低熱抵抗経路を提供する。これは、デバイス能力の利用を改善し、したがって、システムに必要な電流を供給するために並列に接続されるパワーデバイスの数を減少させる。本方法は、大電流システムにおいてパワーデバイスを使用する際の複雑さおよびエラーを低減するために使用することができる。その結果、モジュールアセンブリは、個別のパワーデバイスを用いて構築されたシステムにおける不整合を排除し、したがって、システムの信頼性を改善する。本方法は、エンドユーザが、カスタム構成を作り、システム設計およびコストを最適化することを可能にするために使用することができる。モジュールアセンブリは、異なる回路およびシステムトポロジに適合させることができる。本方法は、エンドユーザに、フレキシビリティを提供し、セラミック基板を使用して構築される高価なPMおよびIPMの代替手段を提供しようとするものである。
【0076】
提案された方法では、2つ以上の層を有するPCBが、デバイスが実装されるバスバーに機械的安定性および寸法的安定性を提供する構造的素子(structural element)を形成する。同じPCBを使用して、システムを構成する制御回路、ゲートドライバ回路、および他の回路素子を収容することができる。これは、システムの制御素子と電力素子との間の高価でスペースを消費する相互接続を節減する。
【0077】
提案された方法では、PCBインサートリードフレーム(PCB inserted lead frames)を有するモジュールが使用され、基板を排除し、定格電流(current ratings)を増加させる。提案された方法は、電流を流すためにPCBトレースに依存しない。デバイスを収容するバスバーは電流を流す。厚いバスバー(>2500μm)をアセンブリに使用することができる。これは、モジュールの内部抵抗およびアセンブリ内の電力損失を低減する。デバイスの下の厚いバスバーは、熱容量を増加させ、過渡条件(transient conditions)中のピーク接合温度上昇をもたらす。より低いピーク接合温度は、モジュールの信頼性および寿命を改善する。
【0078】
本方法は、SMTデバイス、ウェッジボンディングを伴うベアダイ、銅またはアルミニウムワイヤを伴うボールボンディング、アルミニウムまたは銅リボンを伴うリボンボンディング、および、はんだ付けされた相互接続とともに使用することもできる。本方法は、電力を放散させるデバイスと、放散された電力を吸収する周囲との間の熱界面層(thermal interface layers)の数を低減するために使用することができる。界面の数が減少すると、熱抵抗が減少し、したがってデバイスの温度上昇が低減する。温度上昇の低減は、モジュールの信頼性および寿命を改善する。熱界面材料(TIM)特性は、システムの電圧定格(voltage rating)およびシステムに必要な絶縁レベルに適合させることができる。適切な絶縁材料および成形材料を選択することによって、モジュールの電圧定格を1200V以上に高めることができる。
【0079】
デバイスを収容するために使用されるバスバーは、電源端子を形成するために使用することができる。これは、システムの素子の数、空間、コストを低減する。また、本方法は、システムの内部抵抗およびインダクタンスを低減する。
【0080】
相互接続によって、モジュール端子(デバイスを収容するバスバー)を外部素子(バッテリー/ソースおよび負荷部)に接続するケーブルは、ヒートパイプとしても機能し、デバイスによって放散された電力の一部をモジュールから運び去り、したがってデバイスの温度上昇を低減する。より低い温度上昇は、モジュールの信頼性および寿命を改善する。
【0081】
ここで、図面、より詳細には図8図48を参照すると、同様の参照文字は、図全体を通して一貫して対応する特徴を示し、実施形態が示されている。
【0082】
図8は、本明細書に開示される実施形態による、SMTパワーデバイスを有する基板レスハイブリッドパワーモジュール(例えば、基板レスハイブリッドパワーモジュールアセンブリなど)が示される例示的な図(800)である。図8に示されるように、上部バスバー(1304)はパワーデバイス(1306)(例えば、個別のデバイス、ダイ、チップなど)を収容する。PCB(1302)は、パワーデバイス(1306)を収容するバスバーの下に切り抜かれた窓部を有する。さらに、エンボス加工された挿入部(embossed inserts)(1310)を有する底部バスバーが、PCB窓部に挿入されて、ヒートシンクへの直接的な熱経路を提供する。さらに、熱界面材料(例えば、電気絶縁部)が、底部バスバー(1310)とヒートシンクとの間に追加される。並列に接続されたパワーデバイスを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールの例示的な概略回路図(900)が図9に示されている。
【0083】
図10は、チップおよびワイヤボンディングを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示される例示的な図(1000)である。図11は、はんだ付け可能なフロントメタル(SFM)ダイを使用する銅ストラップ相互接続を有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示される例示的な図(1100)である。図12は、パワーデバイスの下で切り抜かれた基板レスハイブリッドパワーモジュールのPCB窓部が示されている例示的な図(1200)である。
【0084】
図13は、本明細書に開示される実施形態による、基板レスハイブリッドパワーモジュールの断面図(1300)を示す。図13に示されるように、PCB(1302)、上部銅バスバー(1304)(例えば、制御回路コンポーネント)があり、上部銅バスバーは、PCB(1302)の一部の上に組み立てられる。パワーデバイス(1306)(例えば、SMT、ダイなど)は、はんだ層を使用して、上部銅バスバー(1304)上に取り付けられる。デバイス相互接続は、ワイヤボンディングまたは銅ストラップを使用して、ダイ上で実行される。エンボス加工されたPCB挿入部(embossed PCB inserts)を有する底部銅バスバー(1310)は、PCB(1302)の底部に、その中に切り抜かれた窓部を介して取り付けられる。絶縁層(1312)は、PCB(1302)の底部に取り付けられた底部銅バスバー(1310)の下に取り付けられる。放熱層(1314)は、絶縁層(1312)の下に取り付けられる。プラスチック成形ケース(2702)およびポッティングコンパウンドが、放熱層(1314)上に取り付けられる。
【0085】
図14は、本明細書に開示される実施形態による、統合型のエンボス加工されたヒートシンクを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示される例示的な図(1400)である。図14に示されるように、底部銅バスバー(1310)は省略される。代わりに、適切なエンボス加工されたリッジを有するヒートシンクが使用され、PCB内の適切に準備された切り抜き窓部を介して上部銅バスバー(1304)と接触する。上部銅バスバー(1304)とエンボス加工されたヒートシンクのリッジとの間に熱界面材料(例えば、電気絶縁部)が追加される。ヒートシンクはプラスチック中に成形され、モジュールの一部分をなすものとなる。本方法は複数の熱界面を排除し、したがって、シリコンデバイスのより良好な利用をもたらす。また、本方法は、基板レスハイブリッドパワーモジュールの組み立てコストを低減する。
【0086】
図15は、本明細書に開示される実施形態による、基板を有するハイブリッドパワーモジュールの断面図(1500)を示す。PCB(1302)、制御回路コンポーネント(例えば、上部銅バスバー(1304))があり、制御回路コンポーネントは、PCB(1302)の一部の上に組み立てられる。パワーデバイスは、制御回路コンポーネントに取り付けられる。デバイス相互接続は、SMT、ワイヤボンディング、および銅ストラップを使用して、ダイ上で実行される。底部銅バスバー/リードフレーム(1502)は、基板(例えば、セラミック、金属コア、IMSなど)(1504)に取り付けられて、PCB(1302)内に接続される。本方法では、セラミック基板を使用することができる。本方法で使用されるセラミック基板のサイズおよび体積は著しく低く、アセンブリ内の熱放散を改善し、動作電圧範囲を拡張する。放熱層(1314)は、基板(1504)の底部に取り付けられる。適切な熱界面材料(TIM)(1312)が、底部基板(1504)と放熱層(1314)との間に配置され、プラスチック成形ケース(2702)およびポッティングコンパウンドが、放熱層(1314)上に取り付けられる。
【0087】
図16は、本明細書に開示される実施形態による、SMTパワーデバイスを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示される例示的な図(1600)である。銅バスバーはパワーデバイス(例えば、個別のデバイス、ダイ、チップなど)を収容する。バスバーは、PCB(1302)内に切り抜かれた窓部を通過するために、下側に挿入部を有する。PCB(1302)は、パワーデバイスを収容するバスバーの下に切り抜かれた窓部を有する。バスバーは、PCB窓部に挿入され、放熱層への直接的な熱経路を提供する。熱界面材料(1312)(例えば、電気絶縁部)は、底部バスバーと放熱層との間に追加される。
【0088】
図17は、チップおよびワイヤボンディングを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている別の例示的な図(1700)である。図18は、SFMダイを使用する銅ストラップ相互接続を有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示される別の例示的な図(1800)である。図16図18に記載された実施形態は、上記段落に記載されたような組み立て方法を使用する。
【0089】
図19は、パワーデバイスの下で切り抜かれた、基板レスハイブリッドパワーモジュールのPCB窓部を示す例示的な図(1900)である。図20は、本明細書に開示される実施形態による、SMT、チップおよびワイヤボンディング、銅ストラップ相互接続を有する、基板レスハイブリッドパワーモジュールの断面図(2000)を示す。また、図20は、その下側に、エンボス加工されたPCB挿入部を有する上部バスバー(1310)を示す。図21には、基板レスハイブリッドパワーモジュールの断面図(2100)が示されている。
【0090】
図22は、本明細書に開示される実施形態による、SMTパワーデバイスを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示される例示的な図(2200)である。バスバーは、パワーデバイスを収容し、バスバーは、その上側に、PCB(1302)内に切り抜かれた窓部を通過するための挿入部を有する。PCB(1302)は、バスバーがPCB(1302)の表面の上部にくるように切り抜かれた窓部を有する。デバイスは、バスバーの上側に取り付けられる。バスバーは、ヒートシンクへの直接的な熱経路を有する。熱界面材料(例えば、電気絶縁部)は、底部バスバーとヒートシンクとの間に追加される。
【0091】
図23は、チップおよびワイヤボンドを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図(2300)である。図24は、SFMダイを使用する銅ストラップ相互接続を有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示される別の例示的な図(2400)である。図22図24に記載される実施形態は、上記段落に記載されるような組立て方法を使用する。
【0092】
図25は、切り抜きを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールのPCBが示されている例示的な図(2500)である。
【0093】
図26は、上側銅バスバー上にエンボス加工された、基板レスハイブリッドパワーモジュールのPCB挿入部の断面図(2600)を示す。図27は、基板レスハイブリッドパワーモジュールの断面図(2700)を示す。図28は、成形プラスチックケースを有する基板レスハイブリッドパワーモジュールが示されている例示的な図(2800)である。
【0094】
図29図43は、本明細書に開示される実施形態を使用する異なる回路トポロジの実装例を示す。図29は、本明細書に開示される実施形態による、三相インバータ電源回路の概略回路図(2900)である。
【0095】
図30は、本明細書に開示されるような実施形態による、SMTデバイスを有し、電源端子が別々に取り付けられた三相インバータパワーモジュールのコンセプトが示される例示的な図(3000)である。
【0096】
図31は、本明細書に開示される実施形態による、SMTデバイスを有し、電源端子が統合された三相インバータパワーモジュールが示される例示的な図(3100)である。
【0097】
図32は、本明細書に開示される実施形態による、チップおよびワイヤを有し、電源端子が別々に取り付けられた三相インバータパワーモジュールの例示的な図(3200)である。銅ストラップ相互接続または他の方法を使用する他の実施形態が可能である。
【0098】
図33は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイまたはチップおよびワイヤボンディングを有し、電源端子が統合された三相インバータパワーモジュールの例示的な図(3300)である。銅ストラップ相互接続または他の方法を使用する他の実施形態が可能である。
【0099】
図34は、様々なシステムブロック実装で使用されるフルブリッジトポロジの回路図(3400)である。
【0100】
図35は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイ/チップおよびワイヤボンドを有するフルブリッジトポロジが示される例示的な図(3500)である。銅ストラップ相互接続を用いた、チップ/ダイ、SMTデバイスを有する他の実施形態は、本明細書に開示されるアセンブリ方法を使用して実装され得る。
【0101】
図36は、様々なシステムブロック実装で使用されるハーフブリッジトポロジの回路図(3600)である。
【0102】
図37は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイ/チップおよびワイヤボンドを有するフルブリッジトポロジが示される例示的な図(3700)である。銅ストラップ相互接続を用いた、チップ/ダイ、SMTデバイスを有する他の実施形態は、本明細書に開示される組み立て方法を使用して実装され得る。
【0103】
図38は、本明細書に開示される実施形態による、ベアダイ/チップおよびワイヤボンドを有する双方向スイッチが示されている例示的な図(3800)である。他の実施形態もある。
【0104】
銅ストラップ相互接続を用いた、チップ/ダイ、SMTデバイスは、本明細書に開示される組み立て方法を使用して実装することができる。
【0105】
図39は、様々なシステムブロック実装で使用される双方向スイッチトポロジの回路図(3900)である。
【0106】
図40は、本明細書に開示される実施形態による双方向スイッチのためのリードフレームアセンブリの正面図(4000)である。図41は、本明細書に開示される実施形態による、詳細を伴うリードフレームアセンブリの例の側面図(4100)である。
【0107】
図42は、本明細書に開示される実施形態による、FR4PCB上のリードフレームアセンブリが示される例示的な図(4200)である。
【0108】
図43は、本明細書に開示される実施形態による、双方向スイッチアセンブリスタックの詳細の断面図(4300)である。
【0109】
図44図48は、本明細書に開示される実施形態による、FR4または適切なグレードのPCBを使用して、高電力電子モジュールを組み立て/製造するための方法(4400~4800)を示すフローチャートである。
【0110】
図44に示されるように、4402において、本方法は、ベアPCBに適切な切り抜きを設ける工程を含む。適切な切り抜きを設けるために、窓部は、窓部の正確な位置およびサイズのために、電気的/機械的コンピュータ支援設計(CAD)ツールを介してマークされる。窓部は、PCBの製造中にミリング操作(milling operation)を使用して切り抜くことができる。4404において、本方法は、ベアPCB上に上部バスバー制御回路コンポーネントを組み立てる工程を含む。4406において、本方法は上部バスバー制御回路コンポーネント上にデバイス(例えば、SMT、ベアダイ、チップなど)を配置する工程を含む。4408において、本方法は、SMT、ワイヤボンディング、および/または銅ストラップを使用してデバイス相互接続を実行する工程を含む。4410において、本方法は、ベアPCBに底部バスバーを取り付ける工程を含む。4412において、本方法は、底部バスバーの下にTIM/絶縁体を取り付ける工程を含む。4414において、本方法は、TIMまたは絶縁体の下にヒートシンクまたは放熱体を取り付ける工程を含む。4416において、本方法は、ヒートシンクまたは放熱体上に、プラスチックケースおよび/またはポッティングコンパウンドを取り付ける、またはプラスチック成形を適用する工程を含む。
【0111】
図45に示されるように、4502において、本方法は、ベアPCBに適切な切り抜きを設ける工程を含む。4504において、本方法は、ベアPCB上に上部バスバー制御回路コンポーネントを組み立てる工程を含む。4506において、本方法はデバイス(例えば、SMT、ベアダイ、チップなど)を取り付ける工程を含む。4508において、本方法は、SMT、ワイヤボンディング、および銅ストラップを使用してデバイス相互接続を作る工程を含む。4510において、本方法は、TIMまたは絶縁体をエンボス加工されたヒートシンクに取り付けるか、または適用する工程を含む。4512において、本方法は、エンボス加工されたヒートシンクをPCBに取り付ける工程を含む。4514において、本方法は、プラスチック成形を適用する、またはプラスチックケースおよびポッティングコンパウンドを取り付ける工程を含む。
【0112】
図46に示されるように、4602において、本方法は、ベアPCBに適切な切り抜きを設ける工程を含む。4604において、本方法は、PCB上に上部バスバー制御回路コンポーネントを組み立てる工程を含む。4606において、本方法は、デバイス(例えば、SMT、ベアダイ、チップなど)を取り付ける工程を含む。4608において、本方法は、SMT/ワイヤボンディング/銅ストラップを使用してデバイス相互接続を作る工程を含む。4610において、本方法は、銅リードフレームを有する基板をPCB切り抜き内に取り付ける工程を含む。一実施形態では、銅リードフレームは、エンボス加工された挿入部を形成するように、ミル加工された/機械加工された銅バスバー(milled/machined copper busbars)のいずれかを含む。それらはまた、必要とされる仕様にダイキャスト/成形することができる。銅バスバー/リードフレームは、はんだ付け工程、またはクリップ、ネジ、またはFR4PCBに固定するための他の適切な手段を使用した機械的取り付けによって、FR4PCBに取り付けることができる。4612において、本方法は、ヒートシンクを基板の底部に取り付ける工程を含む。4614において、本方法は、プラスチック成形を適用する、または、プラスチックケースおよびポッティングコンパウンドを取り付ける工程を含む。
【0113】
図47に示されるように、4702において、本方法は、PCBに適切な切り抜きを設ける工程を含む。4704において、本方法は、下側にエンボス加工されたPCB挿入部を有するバスバーを組み立てる工程を含む。4706において、本方法は、バスバーの上側にデバイス(例えば、SMT、ベアダイ、チップなど)を配置する工程を含む。4708において、本方法は、SMT、ワイヤボンディング、または銅ストラップを使用してデバイス相互接続を実行する工程を含む。4710において、本方法は、バスバーの底部の下側にTIM/絶縁体を取り付ける工程を含む。4712において、本方法は、TIMまたは絶縁体の下にヒートシンクまたは放熱体を取り付ける工程を含む。4714において、本方法は、ヒートシンクまたは放熱体上に、プラスチック成形を適用する、またはプラスチックケースまたはポッティングコンパウンドを取り付ける工程を含む。
【0114】
図48に示されるように、4802において、本方法は、ベアPCBに適切な切り抜きを設ける工程を含む。4804において、本方法は、バスバーの上側にエンボス加工されたPCB挿入部を有するバスバーを組み立てる工程を含む。4806において、本方法は、バスバーの上側にデバイス(例えば、SMT、ベアダイ、チップなど)を配置する工程を含む。4808において、本方法は、SMT、ワイヤボンディング、または銅ストラップを使用してデバイス相互接続を実行する工程を含む。4810において、本方法は、バスバーの下にTIM/絶縁体を取り付ける工程を含む。4812において、本方法は、TIMまたは絶縁体の下にヒートシンクまたは放熱体を取り付ける工程を含む。4814において、本方法は、ヒートシンクまたは放熱体上に、プラスチック成形を適用する、または、プラスチックケースまたはポッティングコンパウンドを取り付ける工程を含む。
【0115】
本方法は、高電力電子システムにおいて、個別のパワーデバイスおよび/またはベアダイを使用して組み立てられたパワーエレクトロニクスシステムの有効性、信頼性、生産性を改善するために使用することができる。本方法は、高価なセラミック基板を使用することなく、カスタム大電流PMおよびIPMを生成するために使用することができる。本方法は、複雑なプロセス、高価で長いリードタイム材料を排除するために使用することができ、システムの熱性能を改善しながら高密度統合を可能にする。
【0116】
本方法は、制御回路と電源回路とをシームレスに組み合わせて、電力密度、熱性能、およびシステムの信頼性を改善しつつ、電子システムの高度な統合を可能にするために使用することができる。本方法は、従来のSMT実装技術、アルミニウムワイヤボンド、銅ストラップボンディングのはんだ付け可能な相互接続方法、または任意の相互接続方法で、回路を作製能にするために使用することができる。これらの特徴により、提案された方法は、広範囲の製品および用途を可能にする。それはまた、パワーデバイス能力の利用を最大化し、電力供給のコストを低減する。本方法は、フレキシブルな設計および迅速な市場投入時間を可能にし、ソリューションの最適化されたコストを達成する。
【0117】
一実施形態では、本方法は、FR4PCB、または適切なグレードのPCBと、アルミニウム、銅、もしくはセラミック基板プレートまたは任意のそのような適切な材料などの高熱伝導性材料とを使用して、高電力電子モジュールを組み立てるために使用することができる。PCBの低い熱性能は、パワーデバイス(SMTまたはベアダイ)を収容するバスバーの下のPCBにおいて窓部を切り抜き、バスバーの下の窓部内に高熱伝導性材料を配置することによって克服される。これらの高熱伝導性材料は、パワーデバイスからヒートシンクへ、したがって周囲への効率的な熱経路を提供する。それによって、全体的な構造は、周囲への熱経路を改善し、システムで使用されるパワーデバイス(MOSFET、IGBT、SiCデバイス、GaNデバイス、ダイオードなど)の性能を最大化する。適切な熱界面材料は、パワーデバイスと放熱システムとの間に必要な電気絶縁を与えるために、パワーデバイスを収容する導体と、PCB窓部において配置された高熱伝導性材料との間に挿入される。
【0118】
本方法は、高電力、大電流の電子モジュールを構築するための高価なセラミック基板の必要性を排除するために使用することができる。また、パワーデバイスを実装するための導体を収容するために使用されるFR4PCBは、マイクロコントローラー、電源、ゲートドライバなどの制御回路ブロックを統合するために使用することができる。したがって、本方法は、製品をカスタマイズし、生産ツールおよび生産システムの利用を最大化することをより容易にする。それはまた、パワーデバイスと制御回路との間の複数の相互接続システムの必要性を排除する。
【0119】
提案された方法では、十分な断面の銅または任意のそのような高伝導性のバスバー/パッドが、パワーデバイス(SMTまたはベアダイ)を実装するために、および電気抵抗、したがって電力損失を低減するように回路の経路をルーティングするために使用される。また、パワーデバイス(SMTおよび/またはベアダイ)を実装するために使用されるこれらの厚い金属バスバー/パッドは、モジュールの熱性能およびシステムの信頼性を向上させる。高い熱容量を与えることによって、バスバー/パッドは、過渡動作条件中のパワーデバイスのピーク接合温度を低減するのに役立つ。低減されたピーク接合温度は、システムの信頼性および寿命を改善することが知られている。厚いバスバー/パッドを使用して、相互接続端子を形成することもできる。これらの端子は、ヒートパイプとしても機能し、熱を放散するのを助け、それによって、デバイス温度をさらに低下させる。
【0120】
PCBと、PCB切り抜き内に挿入される高熱伝導性プレートとの当該組合せは、プラスチックケースに収容され、機械的安定性を付与され、湿気および導電性の埃から保護される。入力出力端子、制御コネクタ、センサ素子などのインサート成形された相互接続素子は、モジュールシステムアセンブリに組み込まれる。電子システムの熱性能を向上させるために、鋳造アルミニウムまたは同様の放熱素子は、プラスチックケース/パワーモジュールアセンブリに取り付けることができる。
【0121】
本明細書に記載されるプロセスおよびコンセプトによって、組み立てられたモジュール全体は、その用途の湿度および温度サイクルの必要性を満たす。本方法は、高価で複雑なセラミックおよび同様の基板材料を使用することなく、パワーモジュール(PM)およびインテリジェントパワーモジュール(IPM)を構築することを提案する。
【0122】
さらに、提案された方法は、大幅な設計変更なしにカスタム機能を構成するために、高度な統合とフレキシビリティを可能にする。これにより、ツールおよび生産プロセスに大きな変更を加えることなくモジュール機能を再構成することができ、生産性が向上し、無駄を削減することができる。
【0123】
提案された方法では、2つ以上の層を有するPCBが、デバイスが実装されるバスバーに機械的安定性および寸法的安定性を提供する構造的素子を形成する。同じPCBを使用して、システムを構成する制御回路、ゲートドライバ回路、および他の回路素子を収容することができる。これは、システムの制御素子と電力素子との間の高価でスペースを消費する相互接続を節減する。
【0124】
提案された方法では、インサート成形されたリードフレームを有するモジュールが使用され、基板を排除し、定格電流を増加させる。提案された方法は、電流を流すためにPCBトレースに依存しない。デバイスを収容するバスバーは電流を流す。厚いバスバー(>2500μm)をアセンブリに使用することができる。これは、モジュールの内部抵抗およびアセンブリ内の電力損失を低減する。デバイスの下の厚いバスバーは、熱容量を増加させ、過渡条件中のピーク接合温度上昇をもたらす。より低いピーク接合温度は、モジュールの信頼性および寿命を改善する。
【0125】
また、本方法は、ウェッジボンディング、銅またはアルミニウムワイヤを伴うボールボンディング、アルミニウムまたは銅リボンを伴うリボンディング、およびはんだ付けされた相互接続とともに使用することができる。
【0126】
本方法は、電力を放散させるデバイスと、放散された電力を吸収する周囲との間の熱界面層の数を低減するために使用することができる。界面の数が減少すると、熱抵抗が減少し、したがってデバイスの温度上昇が低減する。温度上昇の低減は、モジュールの信頼性および寿命を改善する。熱界面材料(TIM)特性は、システムの電圧定格およびシステムに必要な絶縁レベルに適合させることができる。適切な絶縁材料および成形材料を選択することによって、モジュールの電圧定格を1200V以上に高めることができる。デバイスを収容するために使用されるバスバーは、電源端子を形成するために使用することができる。これは、システムの素子の数、空間、コストを低減する。また、本方法は、システムの内部抵抗およびインダクタンスを低減する。
【0127】
相互接続によって、モジュール端子(デバイスを収容するバスバー)を外部素子(バッテリー/ソースおよび負荷部)に接続するケーブルは、ヒートパイプとしても機能し、デバイスによって放散された電力の一部をモジュールから運び去り、したがってデバイスの温度上昇を低減する。より低い温度上昇は、モジュールの信頼性および寿命を改善する。
【0128】
また、本方法は、輸入依存性を低減し、複雑なパワーエレクトロニクスシステムの市場投入までの時間を低減することを目的とする。
【0129】
本明細書の実施形態によって、エンドユーザは、そのコスト/性能のニーズを満たすために、ゲートドライバおよび関連するコンポーネントを選択することができる。エンドユーザは、多数のサプライチェーンオプションを用いて、選択したサプライヤからゲートドライバを選択することができる。エンドユーザは、自社製品でテストおよび試行された既存のゲートドライバブロックを使用することもできる。モジュールアセンブリは、マイクロコントローラー、センサ、および他の制御コンポーネントを収容することができ、したがって、設置面積を低減し、設計侵害行為に対する保護をOEMに提供する。
【0130】
提案されたモジュール構造は、デバイス接合部から周囲への低熱抵抗経路を提供する。これは、システムに必要な電流を供給するために並列に接続されるパワーデバイスの数を減少させる。また、本明細書の実施形態は、大電流システムにおいてパワーデバイスを使用する際の複雑さおよびエラーを低減することを目的とする。その結果、本明細書に記載されるモジュールアセンブリは、個別のパワーデバイスを用いて構築されたシステムにおける不整合を排除し、したがって、システムの信頼性を改善する。また、本明細書の実施形態は、エンドユーザが、カスタム構成、定格(ratings)を作り、システム設計およびコストを最適化することを可能にする。モジュールアセンブリは、異なる回路およびシステムトポロジに適合させることができる。本方法は、エンドユーザに、フレキシビリティを提供し、セラミック基板を使用して構築される高価なPMおよびIPMの代替手段を提供しようとするものである。
【0131】
アセンブリプロセスはフレキシブルであり、本願に例示されているものに限定されない。提案された方法を用いて他のトポロジを組み立てることができる。シリコンMosFET、IGBT、ダイオード、SiC MosFET、SiCダイオード、GaNデバイスは、提案された方法を用いて組み立てることができる。
【0132】
30V~1700V以上の電圧定格を有するパワーデバイスは、適切な絶縁技術を伴う提案された方法を用いて組み立てることができる。10A~1000A以上の定格電流を有するパワーデバイスは、適切なバスバーおよび相互接続技術を伴う提案された方法を用いて組み立てることができる。高電力デバイスおよび低電力制御デバイスの両方は、性能を改善し、体積を低減するために、同じパッケージにおいて提案された方法を使用して組み立てることができる。また、本方法は、システム内の相互接続を低減し、信頼性を改善する。
【0133】
方法(4400~4800)における様々なアクション、動作、ブロック、工程などは、提示された順序で、異なる順序で、または同時に実行され得る。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書の実施形態の範囲から逸脱することなく、アクション、行為、ブロック、工程などのうちのいくつかは、省略、追加、修正、スキップなどされ得る。
【0134】
特定の実施形態の前述の説明は、現在の知識を適用することによって、一般的概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途のために容易に修正する、および/または適合させることができる、本明細書の実施形態の一般的な性質を十分に明らかにする。したがって、そのような適合および修正は、開示された実施形態の均等物の意味および範囲内で理解されるべきことが意図され、意図されるべきである。本明細書で使用される表現または用語は、説明を目的とするものであり、限定するものではないことを理解されたい。したがって、本明細書の実施形態は、実施形態および実施例に関して説明されたが、当業者は、本明細書に開示された実施形態および実施例が本明細書に記載された実施形態の趣旨および範囲内の修正を伴って実施され得ることを認識するであろう。
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【国際調査報告】