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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】窒素阻害剤製剤のための腐食阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C05C 11/00 20060101AFI20240912BHJP
   C05G 3/90 20200101ALI20240912BHJP
【FI】
C05C11/00
C05G3/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515869
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2022041857
(87)【国際公開番号】W WO2023038823
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/243,405
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519350812
【氏名又は名称】ヴェルデシアン ライフ サイエンシーズ,ユー.エス.,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】VERDESIAN LIFE SCIENCES, U.S., LLC
【住所又は居所原語表記】1001 Winstead Drive, Suite 480, Cary, North Carolina 27513, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パレッタ,ジャニス
(72)【発明者】
【氏名】クイン,クイド
(72)【発明者】
【氏名】オアー,ゲーリー
【テーマコード(参考)】
4H061
【Fターム(参考)】
4H061AA01
4H061BB01
4H061DD16
4H061EE35
4H061HH07
4H061HH11
4H061KK09
(57)【要約】
本開示の主題は、農業用途において、例えば土壌に直接施用されるか、又は肥料と組み合わせて栄養素取り込みを増加させ、硝化及びウレアーゼ加水分解を阻害するための特定の有用性を見出す、非腐食性ニトラピイン製剤及びその調製を対象とする。より詳細には、主題は、アミン系腐食阻害剤を含まないニトラピリン含有製剤と比較して低減された腐食挙動を示すアミン系腐食阻害剤とともに製剤化されたニトラピリン錯体を対象とする。そのような非腐食性ニトラピイン製剤の使用も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非腐食性ニトラピリン製剤であって、
ポリアニオンと錯体形成されたニトラピリンを含む、ニトラピリン錯体と、
アミン系腐食阻害剤と、
有機溶媒と、を含む、非腐食性ニトラピリン製剤。
【請求項2】
前記ポリアニオンが、ポリアニオン性ポリマーを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記ポリアニオン性ポリマーが、少なくとも1つのアニオン性基を含有する少なくとも80モルパーセントの繰り返し単位を含有する、請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
前記ポリアニオン性ポリマーが、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、及びテトラポリマーからなる群から選択される、請求項2又は3に記載の製剤。
【請求項5】
前記ポリアニオン性ポリマーが、タイプB及びタイプCの繰り返し単位を各々少なくとも1つ含む少なくとも2つの繰り返し単位、並びに任意選択で1つ以上の異なるタイプGの繰り返し単位を有するランダムコポリマーを含み、
a)前記タイプBの繰り返し単位が、独立して、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、フマル酸無水物、メサコン酸、メサコン(mesaconic)、前述の混合物の置換及び非置換モノマー、並びに前述のうちのいずれかの任意の異性体、エステル、酸塩化物、及び部分又は完全塩に由来する繰り返し単位からなる群から選択され、タイプBの繰り返し単位が、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC1-C6直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されてもよく、前記塩が、金属、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩形成カチオンを有し、
b)前記タイプCの繰り返し単位が、イタコン酸、イタコン酸無水物の置換又は非置換モノマー、並びに前述のうちのいずれかの任意の異性体、エステル、及び部分又は完全塩、並びに前述のうちのいずれかの混合物に由来する繰り返し単位からなる群から選択され、前記タイプCの繰り返し単位が、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC1-C6直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されてもよく、前記塩が、金属、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩形成カチオンを有し、
c)前記タイプGの繰り返し単位が、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合及び少なくとも1つのスルホネート基を有し、芳香環及びアミド基を実質的に含まない置換又は非置換スルホン化モノマー、並びに前述のうちのいずれかの任意の異性体、及び部分塩又は完全塩、並びに前述のうちのいずれかの混合物に由来する繰り返し単位からなる群から選択され、タイプGの繰り返し単位が、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC1-C6直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されてもよく、前記タイプGの繰り返し単位の前記塩が、金属、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩形成カチオンを有し、その中の前記繰り返し単位の少なくとも約90モルパーセントが、タイプB、タイプC、及びタイプGの繰り返し単位、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、前記ポリアニオン性ポリマーが、(i)非カルボキシレートオレフィンの繰り返し単位、(ii)エーテルの繰り返し単位、及び(iii)非スルホン化モノカルボン酸の繰り返し単位のうちのいずれかを約10モルパーセント以下含有する、請求項2又は3に記載の製剤。
【請求項6】
前記ポリアニオン性ポリマーがマレイン酸に由来する1つのタイプBの繰り返し単位、イタコン酸に由来する1つのタイプCの繰り返し単位、並びにそれぞれメタリルスルホン酸(methallylsulfonic acid)及びアリルスルホン酸に由来する2つのタイプGの繰り返し単位からなる、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
前記ポリアニオン性ポリマーが、
1~70モルパーセントのタイプBの繰り返し単位、1~80モルパーセントのタイプCの繰り返し単位、及び0.1~65モルパーセントのタイプGの繰り返し単位、又は
20~65モルパーセントのタイプBの繰り返し単位、15~75モルパーセントのタイプCの繰り返し単位、及び1~35モルパーセントのタイプGの繰り返し単位、又は
35~55モルパーセントのタイプBの繰り返し単位、20~55モルパーセントのタイプCの繰り返し単位、及び1~25モルパーセントのメタリルスルホン酸の繰り返し単位、並びに1~20モルパーセントのアリルスルホン酸の繰り返し単位、の繰り返し単位モル組成を有する、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
前記ポリアニオン性ポリマーが、
約45モルパーセントのマレイン酸の繰り返し単位、約50モルパーセントのイタコン酸の繰り返し単位、約4モルパーセントのメタリルスルホン酸の繰り返し単位、及び約1モルパーセントのアリルスルホン酸の繰り返し単位、又は
約45モルパーセントのマレイン酸の繰り返し単位、約35モルパーセントのイタコン酸の繰り返し単位、約15モルパーセントのメタリルスルホネートの繰り返し単位、及び約5モルパーセントのアリルスルホネートの繰り返し単位、の繰り返し単位モル組成を有する、請求項5に記載の製剤。
【請求項9】
前記ポリアニオン性ポリマーが、タイプB及びタイプCの繰り返し単位からなるコポリマーである、請求項5に記載の製剤。
【請求項10】
前記ポリアニオン性ポリマーが、マレイン酸及びイタコン酸の繰り返し単位からなるコポリマーである、請求項5に記載の製剤。
【請求項11】
前記ポリアニオン性ポリマーが、T5ポリマーである、請求項5に記載の製剤。
【請求項12】
前記ポリアニオン性ポリマーが、約100~50,000Daの平均分子量を有する、請求項5に記載の製剤。
【請求項13】
前記ポリアニオンが、非ポリマー性ポリアニオンを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項14】
前記非ポリマー性ポリアニオンが、モノ、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-、オクタ-、ノナ-、若しくはデカ-カルボキシル、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-、オクタ-、ノナ-、若しくはデカ-スルホネート、又はジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-、オクタ-、ノナ-、若しくはデカ-ホスホネートを含む、請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
前記非ポリマー性ポリアニオンが、モノ、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-カルボキシルを含む、請求項13又は14に記載の製剤。
【請求項16】
前記非ポリマー性ポリアニオンが、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボキシルを含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項17】
前記非ポリマー性ポリアニオンが、リンゴ酸、酒石酸、エチドロン酸、コハク酸、アジピン酸、イソフタル酸、アコニット(aconitic)、トリメシン(trimesic)、ビフェニル-3,3′,5,5′-テトラカルボン酸、フランテトラカルボン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イソテレフタル酸、ピロメリット酸、及びメリト酸からなるリストから選択される、請求項13~15のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項18】
前記ポリアニオンが、前記ニトラピリン錯体の総重量に基づいて、約50%~約80%wt/wtの負荷/濃度で存在する、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項19】
前記ニトラピリン錯体が、前記製剤の総重量に基づいて、約1%~約50%wt/wtの量で存在する、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項20】
前記アミン系腐食阻害剤が、中和アミン、フィルム形成アミン、及びそれらの組み合わせから選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項21】
前記中和アミンが、シクロヘキシルアミン(CHA)、メトキシプロピルアミン(MPA)、モノエタノールアミン(MEA)、モルホリン(MOR)、3-メトキシプロピルアミン(MOPA)、エチルアミン(ET)、ジメチルアミン(DMA)、1,8-ジア 1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、2-ジエチルアミノエタノール(DEAE)、エタノールアミン(ETA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の製剤。
【請求項22】
前記フィルム形成アミンが、式(I)の脂肪アミンであり、
-[NH-R-NH
式中、nは、0~7の整数であり、
は、置換又は非置換(C10-C22)アルキル基であり、
は、置換又は非置換(C-C10)アルキル基である、請求項20に記載の製剤。
【請求項23】
前記アミン系腐食阻害剤が、MEAである、請求項20~22のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項24】
前記アミン系腐食阻害剤が、前記製剤の前記総重量に基づいて、約0.1~約5重量%の量で存在する、請求項20~23のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項25】
前記有機溶媒が、少なくとも1つの極性有機溶媒を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項26】
前記極性有機溶媒が、ポリエチレングリコール3350、Agnique AMD3L、Rhodiasol PolarClean、ジメチルスルホキシド、スルホラン、プロパン-1,2,3-トリオール、キシレン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載の製剤。
【請求項27】
界面活性剤、消泡剤、分散剤、又はそれらの組み合わせを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項28】
前記製剤が、アミド系腐食阻害剤を含有しないニトラピリン製剤と比較して、低減された腐食挙動を示す、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項29】
前記製剤が、農業機器に使用される金属系材料に対して低減された腐食挙動を示す、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項30】
ニトラピリンが、前記製剤の前記総重量に基づいて、約20%~約50%wt/wtの負荷/濃度で存在する、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項31】
前記ニトラピリン錯体が、前記製剤の前記総重量に基づいて、約1%~約50%wt/wtの量で存在する、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項32】
前記組成物の前記総重量に基づいて、前記ニトラピリン錯体が、約1%~約50%wt/wtの量で存在し、前記アミン系阻害剤が、約0.1~約5%wt/wtの量で存在し、前記有機溶媒が、約49.9%~約98.9%wt/wtの範囲の量で存在する、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項33】
ポリアニオンと錯体形成されたニトラピリンを有する前記製剤が、ポリアニオンと錯体形成されたニトラピリンを含有しない製剤と比較して、より低いニトラピリン揮発性を示す、先行請求項のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項34】
ポリアニオンと錯体形成されたニトラピリンを含有する前記製剤が、ポリアニオンと錯体形成されたニトラピリンを含有しない製剤と比較して、前記ニトラピリンの揮発性を約30%~約90%低減させる、請求項29に記載の製剤。
【請求項35】
農業製品と、請求項1~34のいずれか一項に記載の非腐食性ニトラピリン製剤と、を含む、組成物。
【請求項36】
前記農業製品が、肥料、種子、ウレアーゼ阻害化合物、硝化阻害化合物、及び殺生物剤からなる群から選択される、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記殺生物剤が、農薬、除草剤、殺虫剤、殺真菌剤、殺ダニ剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記農業製品が肥料である、請求項36に記載の組成物。
【請求項39】
土壌を肥料化し、かつ/又は植物の成長及び/若しくは健康を改善する方法であって、請求項1~34のいずれか一項に記載の製剤又は請求項35~38のいずれか一項に記載の組成物を前記土壌に接触させることを含む、方法。
【請求項40】
前記製剤又は組成物が、植栽作物の出芽前に前記土壌に施用される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記製剤又は組成物が、植物に隣接する土壌、前記植物の基部、又は前記植物の根圏に施用される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記植物が、穀物、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライコムギ、ライムギ、イネ、トウモロコシ、大豆、ジャガイモ、野菜、ピーナッツ、コットン、ナタネ、及び果実植物からなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
硝化プロセス、ウレアーゼ活性、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される土壌状件を阻害する方法であって、有効量の、請求項1~34のいずれか一項に記載の製剤又は請求項35~38のいずれか一項に記載の組成物を前記土壌と接触させることを含む、方法。
【請求項44】
大気アンモニア及び/又は硝化を低減する方法であって、製剤又は組成物をアンモニア及び/又は硝化が発生する領域と接触させることを含む、方法。
【請求項45】
硝化を低減することが、アンモニア排出を低減する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
請求項1に記載の製剤を調製する方法であって、
アミド系腐食阻害剤を有機溶媒と接触させて、第1の混合物を形成することと、
ニトラピリンを前記第1の混合物に添加して、第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物をポリアニオンと接触させることと、を含む、方法。
【請求項47】
前記製剤が、
アミド系腐食阻害剤を有機溶媒と接触させて、第1の混合物を形成することと、
ニトラピリンを前記第1の混合物に添加して、第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物をポリアニオンと接触させることと、を含む工程によって調製される、請求項1に記載の非腐食性ニトラピリン製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、取り込みを増加させ、硝化を阻害するための農業用途における特定の有用性を見出す、アミン系腐食阻害剤の存在下でポリアニオンに錯体形成された硝化阻害剤ニトラピリンを含む液体製剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌に添加された窒素肥料は、硝化、浸出、及び蒸発を含むいくつかの生物学的及び化学的プロセスによって容易に変換される。多くの変換プロセスは、標的植物による取り込みに利用可能な窒素のレベルを低減させるので望ましくない。利用可能な窒素の減少は、植物に利用可能な農業的に活性な窒素の損失を補償するために、より多くの窒素を豊富に含む肥料の添加を必要とする。硝化は、特定の広く発生している土壌細菌が土壌中の窒素のアンモニウム型を代謝して、窒素を亜硝酸塩及び硝酸塩型に変換するプロセスであり、これらは脱窒による浸出又は揮発による窒素損失の影響を受けやすい。これらの懸念は、経済効率及び環境保護のための窒素の管理の改善を必要とする。
【0003】
窒素栄養利用効率を高める化合物は、硝化を低減させようと試みる。これらのいわゆる硝化阻害剤は、硝化による窒素損失を抑制するために開発されたものである。使用中の硝化阻害剤の1つのクラスは、米国特許第3,135,594号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)のGoringによって教示されるように、ピリジンに関連する様々な塩素化化合物で構成される。ニトラピリンは、硝化阻害剤の一例である。
【0004】
現在の製剤は、大量の揮発性、可燃性、毒物学的に問題がある、環境的に問題がある、及び/又は臭気の高い芳香族溶媒(例えば、トルエン、キシレンなど)に溶解したニトラピリンからなる。圃場に送達される全ての単位重量のニトラピリンに対して、3~4単位重量を超えるそのような溶媒も同じ土壌に送達される。活性成分の濃度が比較的低いことは、輸送コストの増加、取り扱いの困難さの増加、及び効率の低減に寄与する。更に、いったんニトラピリンが使用されると、それは大気への著しい損失を被り、望ましくない環境影響、効力損失による製品の有効性の損失、及び悪臭をもたらす。
【0005】
多くの場合、ニトラピリン製剤は、最初に液体窒素肥料溶液(例えば、UAN及び無水アンモニア)の形態に混合されるか、又は粒状窒素肥料(例えば、尿素)にコーティングされる。製剤化されたニトラピリン組成物が液体肥料溶液又は空気からの水分のいずれかを介して水と接触している場合、ニトラピリン製剤の腐食性は、ニトラピリンが組み込まれた肥料製品を施用するために使用される機器の故障を引き起こす。腐食は、典型的には、ニトラピリン製剤と接触している肥料施用機器の金属構成要素において観察される。機器の故障は、限られた肥料施用時期の間のダウンタイム及び著しい経済的損失を引き起こす。
【0006】
したがって、高価な技術に頼ることなく、より経済的で、毒性が低く、腐食性が低く、環境に対する有害性が低い製剤を使用して、ニトラピリンの揮発を抑制する方法を見出すことが非常に望ましいであろう。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本明細書に記載の主題は、ポリアニオンと錯体形成されたニトラピリン、アミン系腐食阻害剤、及び有機溶媒を含むニトラピリン錯体を含有する、非腐食性ニトラピリン製剤を対象とする。ポリアニオンは、ポリアニオン性ポリマー又は非ポリマー性ポリアニオンであり得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、アミン系腐食阻害剤は、中和アミン、フィルム形成アミン、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0009】
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤は、界面活性剤、消泡剤、分散剤、又はそれらの組み合わせを更に含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、開示される非腐食性ニトラピリン製剤は、農業機器に見られる材料(例えば、金属系材料)に対する腐食挙動の減少を示す。
【0011】
一態様では、本明細書に記載の主題は、農業製品と、本明細書に開示される非腐食性製剤とを含む組成物を対象とする。
【0012】
一態様では、本明細書に記載の主題は、非腐食性ニトラピリン製剤を植物又は植物の領域の土壌と接触させることによって、植物の成長、収量、及び健康を増加させる方法を対象とする。
【0013】
一態様では、本明細書に記載の主題は、硝化を減少させる方法及び/又は大気アンモニアを低減させる方法を対象とする。
【0014】
一態様では、本明細書に記載の主題は、開示される非腐食性ニトラピリン製剤を調製する方法を対象とする。
【0015】
これら及び他の態様は、以下で十分に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、本開示の主題を、以下により完全に説明する。しかしながら、本明細書に記載された本開示の主題の多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明に提示された教示の利益を有する本開示の主題が関係する当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本開示の主題は、開示される特定の実施形態に限定されるべきではなく、修正及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。言い換えると、本明細書に記載の主題は、全ての代替物、修正、及び等価物を網羅する。組み込まれた文献、特許、及び類似の資料のうちの1つ以上が、定義された用語、用語の使用、記載された技術などを含むが、これらに限定されない本出願とは異なるか、又は矛盾する場合には、本出願が支配する。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、この分野の当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0017】
有利には、本明細書に記載の組成物、製剤、及び方法は、ニトラピリンとともに錯体を形成することができるポリアニオン並びに形成されたニトラピリン錯体を溶解することができる極性溶媒のうちの1つ以上とともにニトラピリンを製剤化することによって、農業におけるニトラピリンの使用のための望ましい特性を提供することが示されている。本明細書に記載の他の態様は、そのまま製剤化され得るニトラピリン、又は所望の特性を有する製剤を得るために1つ以上の有機溶媒を用いる、組成物、製剤、及び方法を含む。特に、そのような組成物及び製剤は、アミン系腐食阻害剤との開示された錯体を含む。これらの組成物及び製剤によって示される望ましい特性は、限定されないが、低コスト、市販の製品と比較してより高い活性物質含有量、調製の容易さ、取り扱いの容易さ、特定の溶媒への高い溶解性、優れた環境及び毒性プロファイル、及び農業施用機器(例えば、金属系材料)に見られる材料に対する腐食レベルの低減を含む。本明細書に開示されるように、他の特性の中でも、ニトラピリン-有機酸イオン混合物は、著しく低い蒸気圧を有し、それによって揮発を低減させ、溶解度を増加させ、それによって高負荷及び/又は高濃度の組成物を提供し、かつ含水量が低減した環境で製剤化された場合、安定性(すなわち、化学的及び/又は熱的安定性)が増加する。
【0018】
これまで、ピリジン誘導体を含む材料の揮発性を低減させるための当技術分野で見出された方法は、本明細書に開示された方法とは極めて異なるアプローチを含んでいた。例えば、ポリ(4-ビニルピリジン)三酸化硫黄錯体の使用は、スルホン化化学の技術分野で知られており、三酸化硫黄の揮発性は、ポリ(ビニルピリジン)との錯体の形成によって制御される。この例では、分子のピリジン誘導体部分は不揮発性部分であるが、三酸化硫黄は揮発性部分である。対照的に、本明細書に記載の明確に異なるアプローチは、不揮発性構成成分としてのポリアニオンとのニトラピリン錯体及び揮発性構成成分としてのニトラピリンなどのピリジン誘導体を利用する。予想外に、アミド系腐食阻害剤と組み合わせたニトラピリン、ニトラピリン含有剤、及び/又はニトラピリン錯体を含有する製剤は、他のニトラピリン含有製剤と比較して、農業機器、特に金属系材料で使用される材料に対して低減した腐食レベルを示した。
【0019】
I.定義
本明細書で使用される場合、「錯体」又は「錯体物質」という用語は、ニトラピリンのキレート及び配位錯体を指し、ニトラピリンは、共有結合(すなわち、結合形成)又は非共有結合(例えば、イオン結合、水素結合など)の様式でポリアニオン(複数可)の官能基と会合する。錯体において、中心部分又はイオン(例えば、ニトラピリン)は、配位子又は錯化剤(例えば、ポリアニオン(複数可))として公知の結合分子又はイオンの周囲の配列と会合する。中心部分は、配位子のいくつかのドナー原子に結合又は会合し、ドナー原子は、同じタイプの原子であってもよく、又は異なるタイプの原子であってもよい。配位子のドナー原子のいくつかを介して中心部分に結合され、複数の結合(すなわち、2、3、4又は更には6つの結合)を形成する配位子又は錯化剤は、多座配位子と呼ばれる。多座配位子との錯体はキレートと呼ばれる。典型的には、中心部分を取り囲む配位子は溶液中で中心部分から解離せず、中心部分を溶媒和させ、それによってその溶解性を促進するため、中心部分と配位子との錯体は、中心部分自体よりもますます可溶性である。
【0020】
本明細書で使用される場合、「塩」という用語は、カチオンとアニオンの集合体からなる化学化合物を指す。塩は、生成物が電気的に中性(正味電荷なし)になるように、関連する数のカチオン(正に帯電したイオン)及びアニオン(負イオン)で構成される。多くのイオン化合物は、水又は他の極性溶媒に有意な溶解性を示す。溶解性は、各イオンが溶媒とどれだけ良好に相互作用するかに依存する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「アルキル基」という用語は、1~22個、1~8個、1~6個、1~4個、又は5~8個の炭素及び/又は1~22個以内の任意の範囲の炭素を含有する飽和炭化水素ラジカルを指す。アルキル基は、非環状アルカンから1個の水素を除去し、したがって、非水素基又はラジカルの置換によって修飾された非環状アルカン化合物と構造的に類似している。アルキル基ラジカルは、分岐状又は非分岐状とすることができる。より低級のアルキル基ラジカルは、1~4個の炭素原子を有する。より高級のアルキル基ラジカルは、5~22個の炭素原子を有する。アルキル、低級アルキル、及び高級アルキル基ラジカルの例としては、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、アミル、t-アミル、n-ペンチル、n-ヘキシル、i-オクチルなどのラジカルが挙げられる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、(ヘテロアリール、アリール、アルキル及び/又はアルケニルなどの)部分であって、1つ以上の追加の有機又は無機の置換基ラジカルと結合している、部分を指す。いくつかの実施形態では、置換部分は、1、2、3、4、又は5つの追加の置換基又はラジカルを含む。好適な有機及び無機の置換基ラジカルとしては、限定されないが、ヒドロキシル、シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、複素環式環、置換複素環、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、又はハロアルコキシラジカルが挙げられ、それらの用語は本明細書で定義されるとおりである。本明細書に別段の指示がない限り、有機の置換基は1~4個又は5~8個の炭素原子を含むことができる。置換された部分が、2つ以上の置換基ラジカルと結合している場合、置換基ラジカルは、同じであっても異なっていてもよい。
【0023】
本明細書で使用される場合、「非置換」という用語は、上記のような1つ以上の追加の有機又は無機の置換基ラジカルに結合していない(ヘテロアリール、アリール、アルケニル、及び/又はアルキルなどの)部分を指し、そのような部分が水素でのみ置換されていることを意味する。
【0024】
本明細書で使用される場合、「化学的安定性」という用語は、空気(酸化をもたらし得る)、光(例えば、太陽光)、水分/湿気(水から)、熱(太陽から)、及び/又は化学剤などの外部作用に曝された場合の構造的変化に対する物質の耐性を指す。例示的な化学剤としては、限定されないが、関心のある化合物(例えば、開示されるニトラピイン-ポリアニオン性ポリマー錯体)の構造的完全性を劣化させ得る任意の有機又は無機物質が挙げられる。また、化学的安定性は、製剤の貯蔵寿命を決定する際に製剤の安定性を評価するためにも使用される。製剤の構成成分は、空気(酸化をもたらし得る)、光(例えば、太陽光)、水分/湿気(水から)、熱(太陽から)、及び/又は化学剤などの貯蔵条件に曝された場合、一定の化学的安定性を示す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「熱安定性」という用語は、所与の期間にわたって熱刺激に曝された場合の物質の安定性を指す。熱刺激の例としては、限定されないが、電気供給源から生成された熱、及び/又は太陽から生成された熱が挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「土壌」という用語は、地表に生じる生物(例えば、微生物(細菌及び真菌など)、動物及び植物)及び非生物(例えば、鉱物及び有機物(例えば、様々な分解度の有機化合物)、液体、及び気体)から構成される天然体として理解されるべきであり、様々な物理的、化学的、生物学的、及び人為的プロセスの結果として初期材料と区別可能な土壌層位を特徴とする。農業の観点からは、土壌は主に植物にとっての定着部分及び主要な栄養素のベース(植物ハビタット)とみなされている。
【0027】
本明細書で使用される場合、「肥料」という用語は、植物及び果実の成長を促進するために施用される化合物として理解されるべきである。肥料は、典型的には、土壌を通じて(植物の根による取り込みのため)、又は葉への供給を通じて(葉からの取り込みのため)のいずれかによって施用される。「肥料」という用語は、a)有機肥料(腐敗した植物/動物質で構成される)及びb)無機肥料(化学物質及び鉱物で構成される)の2つの主要なカテゴリーに細分することができる。有機肥料としては、厩肥、スラリー、ミミズの糞、泥炭、海藻、下水、及びグアノが挙げられる。緑肥作物はまた、土壌に栄養素(特に窒素)を添加するために定期的に栽培される。製造された有機肥料には、堆肥、血粉、骨粉及び海藻抽出物が含まれる。更なる例は、酵素的に消化されたタンパク質、魚粉、及び羽毛粉である。数年前の作物の残渣を分解させることも、肥沃化のためのもう1つの給源である。更に、鉱山のリン酸岩、カリの硫酸塩及び石灰石などの天然に存在する鉱物も無機肥料と考えられる。無機肥料は、通常、化学的プロセス(例えば、Haber-Boschプロセス)を通じて、また、天然に存在する堆積物を使用して、それらを化学的に変化させながら(例えば、濃縮されたトリプルスーパーホスフェート)製造される。天然に存在する無機肥料には、チリ硝酸ナトリウム、リン酸岩鉱石、及び石灰石が挙げられる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「厩肥」という用語は、農業において有機肥料として使用される有機物である。その構造に応じて、厩肥は、液状厩肥、半液状厩肥、畜産厩肥又は固形状厩肥、及び藁厩肥に分けることができる。その起源に応じて、厩肥は、動物又は植物に由来する厩肥に分けることができる。一般的な形態の動物性厩肥としては、糞便、尿、農場スラリー(液状厩肥)、又は堆肥(FYM)が挙げられるが、FYMには、動物の寝床として使用されている可能性のある一定量の植物材料(典型的には藁)も含まれている。厩肥を使用することができる動物には、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、七面鳥、ウサギ、並びに海鳥及びコウモリ由来のグアノが含まれる。肥料として使用する場合の動物厩肥の施用量は、給源(動物のタイプ)に依存する。植物堆肥は、任意の種類の植物に由来し得るが、植物はまた、耕す目的で明示的に栽培されてもよく(例えば、マメ科植物)、したがって、土壌の構造及び稔性が改善される。更に、堆肥として使用される植物質は、屠殺された反芻動物のルーメン内容物、使用済みホップ(ビール醸造の際に残る)、海藻などを含み得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、「種子」という用語は、例えば、コーン、種子、果実、塊茎、苗木及び同様の形態などの全ての種類の種子を含む。使用される種子は、上述の有用植物の種子であり得るが、トランスジェニック植物又は慣習的な育種法によって得られる植物の種子でもあり得る。
【0030】
本明細書で使用される場合、「揮発性を低減させる」などの用語は、ニトラピリンを含まない揮発性と比較した、ニトラピリン塩の揮発性を指す。揮発性の低減は、本明細書の他の箇所に記載されているように定量化することができる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「有機溶媒」という用語は、本明細書の他の箇所に記載されている程度までニトラピリン-有機酸イオン混合物を溶媒和する非水性溶媒を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ウレアーゼを阻害する」などの用語は、ウレアーゼの活性の阻害を指す。阻害は、本明細書の他の箇所に記載されるように定量化され得る。
【0033】
本明細書で使用される場合、「N-Serve」は、全溶液に対して22.2%の濃度でニトラピリンを含有する組成物を指す。溶液は、溶媒として石油蒸留物を含む。組成物は、1ガロン当たり2ポンドの活性成分(ニトラピリン)の濃度で製剤化される。
【0034】
本明細書で使用される場合、「Instinct II」は、全溶液に対して16.95%の濃度でニトラピリンを含む組成物を指す。溶液は、溶媒として石油蒸留物を含む。組成物は、1ガロン当たり1.58ポンドの活性成分(ニトラピリン)の濃度で製剤化される。
【0035】
更なる定義は、以下に記載するとおりである。
【0036】
II.製剤
ポリアニオン種とのニトラピリン錯体は、これらのニトラピリン錯体を非腐食性ニトラピリン製剤で用いる目的で調製されている。上記のように、これらの錯体は、顕著に低い蒸気圧、高い負荷量、及び化学的/熱安定性の向上などの所望の特性を示すことができ、これらの全ては一般に、当該分野における性能向上に寄与する。
【0037】
一般に、ニトラピリン及び/又はニトラピリン錯体は、そのまま使用することができるか、又は有機溶媒、アミン系腐食阻害剤、並びに有用な非腐食性製剤を形成するための他の成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤は、ニトラピリン錯体、アミド系腐食阻害剤、及び有機溶媒を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、記載される製剤は、水を比較的ほとんど又は全く含有しない。多量の水を含有する製剤は、ニトラピリンの急速な分解を示しており、したがって、過剰量の水へのニトラピリンの曝露は最小限に抑えるべきである。いくつかの実施形態では、そのままのニトラピリン錯体(又はニトラピリン若しくはニトラピリン含有剤)中又は有機溶媒を含有するその製剤中に存在する水の量は、製剤の総重量に基づいて約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%未満、又は0.5%w/w未満である。そのような製剤において、ニトラピリン錯体の化学的安定性は、少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は少なくとも約99.5%である。例えば、Meikle et al.“The hydrolysis and photolysis rates of nitrapyrin in dilute aqueous solution”Arch.Environm.Contain.Toxicol.7,149-158(1978)を参照されたい。
【0039】
A.ポリアニオン種とのニトラピリン錯体
ニトラピリンは、以下の構造を有する硝化阻害剤である:
【化1】
【0040】
これは、アンモニウムイオンを亜硝酸塩及び/又は硝酸塩に酸化することによってアンモニアに作用する土壌細菌Nitrosomonas内の硝化を阻害するように機能する。したがって、硝化阻害は土壌からの窒素排出を低減させる。
【0041】
ニトラピリンの錯体としては、好適な不揮発性ポリアニオン種とともに形成されるものが挙げられる。ポリアニオン種としては、各々が参照によりその全体が組み込まれる、WO2011/016898、WO2015/031521、US2017/0183492、US10,336,659、及びUS10,059,636に開示されるポリアニオン性ポリマーが挙げられる。ポリアニオン種はまた、2つ以上の負に帯電した基を有する非ポリマー分子を含む。好適な負に帯電した基には、カルボキシル基、スルホネート基、ホスホネート基、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
ニトラピリンとの有用な錯体の形成に好適なポリアニオン(ポリアニオン種)は、pH10の希薄水溶液中の-2以上(すなわち、より大きな負電荷)の形式電荷、ニトラピリンの蒸気圧と比較した場合のより低い蒸気圧、及び/又はニトラピリンの揮発性と比較した場合のより低い揮発性のうちの1つ以上を有する。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体中のニトラピリンの蒸気圧は、20℃で0.5mmHg未満である。更に、製剤中へのニトラピリンの負荷量は顕著に増加している。
【0043】
いくつかの実施形態では、ポリアニオンのMW/電荷比は、45~200、45~175、45~150、45~125、45~125、45~110、45~105、45~100、45~95、45~90、45~85、45~80、45~75、50~200、50~175、50~150、50~125、50~125、50~110、50~105、50~100、50~95、50~90、50~85、50~80、50~75、65~200、65~175、65~150、65~125、65~125、65~110、65~105、90~115、90~100、90~105、95~120、95~115、95~110、95~105、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、1127、128、129、又は130である。いくつかの実施形態では、電荷比(分子量/電荷)は、200未満、175未満、150未満、140未満、130未満、125未満、120未満、115未満、110未満、105未満、100未満、95未満、90未満、85未満、80未満、75未満、又は70未満である。いくつかの実施形態では、ポリアニオンのMW/電荷比は、50より大きい、55より大きい、60より大きい、65より大きい、70より大きい、75より大きい、80より大きい、85より大きい、90より大きい、95より大きい、又は100より大きい。
【0044】
いくつかのポリアニオン種は、ニトラピリンとの錯体の形成に好適である。いくつかの実施形態では、ポリアニオンは、pH10で、-2より大きい、-3より大きい、-4より大きい、-5より大きい、-6より大きい、-7より大きい、-8より大きい、-9より大きい、-10より大きい、-15より大きい、又は-20より大きい形式電荷を有する。本明細書で使用される場合、「-n」より大きいとは、より大きい負電荷を意味し、例えば、-3は、-2より大きい負電荷を有する。いくつかの実施形態では、ポリアニオンは、カルボキシレート、スルホネートなどを含むが、これらに限定されない、複数の(2つ以上の)アニオン性官能基を有するポリマー材料である。
【0045】
いくつかの実施形態では、ポリアニオンは、カルボキシレート、スルホネートなどを含むが、これらに限定されない、複数の(2つ以上の)アニオン性官能基を有する非ポリマー分子である。非ポリマー性ポリアニオンとしては、限定されないが、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-、オクタ-、ノナ-及びデカ-カルボキシル、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-、オクタ-、ノナ-及びデカ-スルホネート、並びにジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-、オクタ-、ノナ-及びデカ-ホスホネートが挙げられる。いくつかの実施形態では、非ポリマー性ポリアニオンは、脂肪族二塩基酸を含む。いくつかの実施形態では、非ポリマー性ポリアニオンは、2~6つのカルボン酸基を含有する芳香族カルボン酸を含む。いくつかの実施形態では、非ポリマー性ポリアニオンは、2~6つのカルボン酸基を含有する脂肪族カルボン酸を含む。ニトラピリン錯体を形成するのに好適な例示的な非ポリマー性ポリカルボン酸、ホスホネート、及び芳香族カルボン酸には、リンゴ酸、酒石酸、エチドロン酸、コハク酸、アジピン酸、イソフタル酸、アコニット(aconitic)、トリメシン(trimesic)、ビフェニル-3,3′,5,5′-テトラカルボン酸、フランテトラカルボン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イソテレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、及びメリト酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
ポリアニオン上のニトラピリン置換の量は、利用可能なアニオン性基の約5%~約90%、又は利用可能なアニオン性基の約10%~約90%、又は利用可能なアニオン性基の約20%~約90%、又は利用可能なアニオン性基の約30%~約80%、又は利用可能なアニオン性基の約40%~約80%、又は利用可能なアニオン性基の約40%~約75%、又は利用可能なアニオン性基の約50%~約75%である。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体は、約50g/molのアニオン種~約200g/molのアニオン種、又は約75g/molのアニオン種~約190g/molのアニオン種、又は約100g/molのアニオン種~約180g/molのアニオン種、又は約125g/molのアニオン種~約175g/molのアニオン種を含有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン種は、ポリアニオン性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、2つ以上の異なる繰り返し単位を含有するコポリマーを含む。コポリマーは、2、3、4又はそれよりも多くの異なる繰り返し単位を有することができる。本明細書で使用される場合、コポリマーは、2つ以上の異なる繰り返し単位を含む。本明細書で使用される場合、ターポリマーは、3つ以上の異なる繰り返し単位を含む。本明細書で使用される場合、テトラポリマーは、4つ以上の異なる繰り返し単位を含む。ポリアニオン性ポリマーは、限定されないが、ランダムコポリマー、交互コポリマー、周期的コポリマー、統計的コポリマー、又はブロックコポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、ポリアニオンは、カルボキシル化ポリマー、スルホン化ポリマー、又は全スルホン化ポリマーであり得る。全スルホン化ポリマーは、ポリスチレンスルホン酸であり得るが、これに限定されない。更に、硫黄は、エタンジスルホン酸及び1,3-ベンゼンジスルホン酸などのポリアニオン種によって提供することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、高いカルボキシレート含有量及びスルホネートの繰り返し単位を有し、これらは水に非常に可溶性であり、生分解性である。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、単一の繰り返し単位を有し、この繰り返し単位は、負に帯電した基を含有する。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、少なくとも1つの繰り返し単位が負に帯電した基を含む2つ以上の繰り返し単位を有するコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、一方又は両方の繰り返し単位が負に帯電した基を含む2つの繰り返し単位を有するジポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、少なくとも1つの繰り返し単位が負に帯電した基を含む3つ以上の繰り返し単位を有するタ-ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、ポリマー鎖の長さに沿って分布した少なくとも4つの異なる繰り返し単位を有するテトラポリマーであり、好ましくはそれぞれマレイン酸、イタコン酸及びスルホン酸の繰り返し単位の少なくとも1つの繰り返し単位を有する。繰り返し単位は、ポリマーの合成に使用される対応するモノマーに由来する。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、以下に詳細に記載されるように、タイプB、タイプC及び/又はタイプGの繰り返し単位を含有する。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、以下に詳細に記載されるように、タイプB及びタイプC、タイプB及びタイプG、又はタイプC及びタイプGの繰り返し単位を含有する。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、本明細書ではタイプB、タイプC、及びタイプGの繰り返し単位と呼ばれ、以下に詳細に記載される、3つの別々に定義されたカテゴリーの繰り返し単位の各々からの少なくとも1つの繰り返し単位を含む。いくつかの実施形態では、その中の繰り返し単位の少なくとも約90モルパーセントが、タイプB、タイプC、及びタイプGの繰り返し単位、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、繰り返し単位は、ポリアニオン性ポリマーに沿ってランダムに位置する。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、(i)非カルボキシレートオレフィンの繰り返し単位、(ii)エーテルの繰り返し単位、(iii)非スルホン化モノカルボン酸の繰り返し単位、(iv)非スルホン化モノカルボン酸の繰り返し単位、及び/又は(v)アミド含有繰り返し単位のうちのいずれかの約10モルパーセント以下又は5モルパーセント以下を含有する。「非カルボキシレート」及び「非スルホン化」は、対応する繰り返し単位中に本質的にカルボキシレート基又はスルホネート基を有しない繰り返し単位を指す。
【0049】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、以下によって表される構造を含むコポリマーを含む:
ポリ(A-co-A’a’-co-A’’a’’-co-D
式中、Aは、負に帯電した基を含有する第1の繰り返し単位であり、A’は、任意選択であり、存在する場合、負に帯電した基を含有する第2の繰り返し単位であり、A’’は、任意選択であり、存在する場合、負に帯電した基を含有する第3の繰り返し単位であり、Dは、任意選択であり、存在する場合、非帯電の繰り返し単位である。ポリアニオン性ポリマーは、更なる負に帯電した繰り返し単位又は非帯電の繰り返し単位を含有することができる。aは1以上の整数である。a’、a’’、及びdは0以上の整数である。(a+a’+a’’)の値は2以上である。
【0050】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、以下によって表される構造を有するランダムコポリマーを含む:
ポリ(B-co-C-co-G-co-G′g′
式中、B及びCは、下記に記載されるようなタイプB及びタイプCの繰り返し単位であり、G及びG’は独立して、下記に記載されるようなタイプGの繰り返し単位であり、cは、0より大きい整数であり、b、g、及びg’は、0以上の整数である。いくつかの実施形態では、b:c:(g+g’)の比は、約1~70:1~80:0~65である。いくつかの実施形態では、b:c:(g+g’)の比は、約20~65:15~75:1~35である。いくつかの実施形態では、b:c:(g+g’)の比は、約35~55:20~55:1~25である。いくつかの実施形態では、b+c対g+g′の比は、約0.5~20:1、約1~20:1、又は約1~10:1である。いくつかの実施形態では、b:c:g:g′の比は、約10:90:0:0、約60:40:0:0、約50:50:0:0、又は約0:100:0:0である。いくつかの実施形態では、b:c:g:g′の比は、約45:35:15:5である。いくつかの実施形態では、b:c:g:g′の比は、約45:50:4:1である。いくつかの実施形態では、ポリマーは、B、C、G、又はG’ではない、10%未満、4%未満、3%未満、25%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.01%未満、又は0%の繰り返し単位を含有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、以下に詳細に記載される、タイプB、タイプC、及びタイプGの繰り返し単位、並びにそれらの混合物からなる群から個別に独立して選択される繰り返し単位を有するテトラポリマーを含む。いくつかの実施形態では、テトラポリマーは、4つを超える異なる繰り返し単位を含む。いくつかの実施形態では、追加の繰り返し単位は、タイプB、タイプC、及びタイプGの繰り返し単位、並びにそれらの混合物、並びに、タイプB、C、又はGの繰り返し単位ではない他のモノマー又は繰り返し単位からなる群から選択される。
【0052】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、B、C、及びGのタイプのそれぞれからの少なくとも1つの繰り返し単位と、タイプB、タイプC、及びタイプGの繰り返し単位からなる群から選択される1つの他の繰り返し単位と、任意選択で、タイプB、タイプC、及びタイプGの繰り返し単位から選択されない他の繰り返し単位とを含む。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、単一のタイプBの繰り返し単位、単一のタイプCの繰り返し単位、及び2つの異なるタイプGの繰り返し単位、又は2つの異なるタイプBの繰り返し単位、単一のタイプCの繰り返し単位、及び1つ以上の異なるタイプGの繰り返し単位を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、タイプB、C、及びGの繰り返し単位、並びにそれらの混合物からなる群から選択される繰り返し単位の少なくとも90%又は少なくとも96モルパーセントをその中に含む。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、タイプB、C及びGの繰り返し単位並びにそれらの混合物からなる群から選択される繰り返し単位からなるか、又は本質的になる。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、<3、<2、<1、<0.5、<0.1、<0.05、<0.01、又は0モルパーセントのエステル基及び/又は非カルボキシレートオレフィン基を含有する。
【0054】
いくつかの実施形態では、ポリマー中のタイプBの繰り返し単位の総量は、約1~70モルパーセントであり、ポリマー中のタイプCの繰り返し単位の総量は、約1~80モルパーセントであり、ポリマー中のタイプGの繰り返し単位の総量は、約0.1~65モルパーセントであり、ここでポリマー中の全ての繰り返し単位の総量は100モルパーセントとする。いくつかの実施形態では、ポリマー中のタイプBの繰り返し単位の総量は、約20~65モルパーセントであり、ポリマー中のタイプCの繰り返し単位の総量は、約15~75モルパーセントであり、ポリマー中のタイプGの繰り返し単位の総量は、約1~35モルパーセントであり、ここでポリマー中の全ての繰り返し単位の総量は100モルパーセントとする。
【0055】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、1つのタイプBの繰り返し単位、1つのタイプCの繰り返し単位、及び2つの異なるタイプGの繰り返し単位を有する。いくつかの実施形態では、1つのタイプBの繰り返し単位はマレイン酸に由来し、1つのタイプCの繰り返し単位はイタコン酸に由来し、2つのタイプGの繰り返し単位はそれぞれメタリルスルホン酸(methallylsulfonic acid)及びアリルスルホン酸に由来する。そのようなポリマーにおいて、タイプBの繰り返し単位は、約35~55モルパーセントのレベルで存在することができ、タイプCの繰り返し単位は、約20~55モルパーセントのレベルで存在することができ、メタリルスルホン酸に由来するタイプGの繰り返し単位は、約1~25モルパーセントのレベルで存在することができ、アリルスルホン酸に由来するタイプGの繰り返し単位は、約1~25モルパーセントのレベルで存在することができ、ここでポリマー中の全ての繰り返し単位の総量は100モルパーセントとする。他の実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、2つの異なるタイプBの繰り返し単位、1つのタイプCの繰り返し単位及び1つのタイプGの繰り返し単位を含む。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、タイプB、タイプC、及びタイプGの繰り返し単位からなる群から選択されない少なくとも1つの繰り返し単位を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、組み合わせたタイプB及びタイプCの繰り返し単位の、タイプGの繰り返し単位に対するモル比(すなわち、(B+C)/Gのモル比)は、約0.5~20:1、約2:1~20:1、又は約2.5:1~10:1であるべきである。更に、ポリマーは、アルキルオキシレート又はアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド)含有繰り返し単位を本質的に含まない(例えば、約1モル%未満)ものであるべきであり、最も望ましくは、それらを完全に含まないものであるべきである。
【0057】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、少なくとも1つのアニオン性基を有するその繰り返し単位の高い割合、例えば、少なくとも約80モル%、少なくとも約90モル%、少なくとも約95モル%、又は本質的に全ての繰り返し単位が、少なくとも1つのアニオン性基を含む。B及びCの繰り返し単位は、繰り返し単位当たり2つのアニオン性基を有するが、好ましいスルホネートの繰り返し単位は、繰り返し単位当たり1つのアニオン性基を有することが理解されるであろう。
【0058】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ターポリマーは、マレイン酸35~50%、イタコン酸20~55%、メタリルスルホン酸1~25%、及びアリルスルホン酸1~20%のポリマー骨格組成範囲(対応する繰り返し単位の親モノマー名を使用して、モルパーセント)を含み、ここでポリマー中の全ての繰り返し単位の総量は100モルパーセントとする。
【0059】
ポリマーの分子量は、所望の特性に応じて変えることができる。ポリアニオン性ポリマーのうちのいずれかの分子量分布は、サイズ排除クロマトグラフィによって測定することができる。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、118Da超、150Da超、200Da超、300Da超、400Da超又は500Da超の分子量を有する。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、約100~50,000Daの分子量を有する。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、約100~5000Da、約200~5000Da、約400~5000Da、又は約1000~5000Daの分子量を有する。いくつかの実施形態では、完成したポリアニオン性ポリマーの少なくとも90%は、ポリエチレングリコール標準を使用した35℃での屈折率検出による0.1M硝酸ナトリウム溶液中のサイズ排除クロマトグラフィによって測定して分子量約100、200、400又は1000以上である。当技術分野で公知のポリマー分子を決定する他の方法も使用することができる。
【0060】
タイプBの繰り返し単位
タイプBの繰り返し単位は、マレイン酸及び/又はマレイン酸無水物、フマル酸、メサコン酸、前述の混合物の置換及び非置換モノマー、並びに前述のうちのいずれかの任意の異性体、エステル、酸塩化物、及び部分塩又は完全塩に由来する繰り返し単位からなる群から選択することができる。タイプBの繰り返し単位は、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC-C直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されていてもよく、実質的に含まないとは、環構造又はハロ置換基のいずれかが約5モルパーセント以下又は約1モルパーセント以下であることを意味する。置換基は、通常、使用されるモノマー(複数可)の炭素-炭素二重結合の炭素のうちの1つに結合している。
【0061】
当業者は、反応の直前又は反応中でさえも、反応容器内で酸無水物を酸にインサイチュで変換することの有用性を理解するであろう。しかしながら、対応するエステル(例えば、マレイン酸又はシトラコン酸エステル)を初期重合中にモノマーとして使用する場合、これに続いてペンダントエステル基の加水分解(酸又は塩基)を行い、エステル基を実質的に含まない最終カルボキシル化ポリマーを生成すべきであることも理解される。
【0062】
タイプCの繰り返し単位
タイプCの繰り返し単位は、イタコン酸又はイタコン酸無水物の置換又は非置換モノマー、並びに前述のうちのいずれかの任意の異性体、エステル、及び部分塩又は完全塩、並びに前述のうちのいずれかの混合物に由来する繰り返し単位からなる群から選択することができる。タイプCの繰り返し単位は、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC-C直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されていてもよい。
【0063】
タイプCの繰り返し単位を形成するために使用されるイタコン酸モノマーは、モノマーの重合に使用される不飽和炭素-炭素二重結合に直接結合していない1つのカルボキシル基を有する。いくつかの実施形態では、タイプCの繰り返し単位は、ポリマー骨格に直接結合した1つのカルボキシル基と、ポリマー骨格から炭素原子によって離間した別のカルボキシル基とを有する。タイプCの繰り返し単位に関する「置換」、「塩」及び有用な塩形成カチオン(金属、アミン、及びそれらの混合物)に関する定義及び議論は、タイプBの繰り返し単位について述べたものと同じである。
【0064】
いくつかの実施形態では、タイプCの繰り返し単位は、単独又は様々な混合物中の非置換イタコン酸又はイタコン酸無水物である。イタコン酸無水物を出発モノマーとして使用する場合、重合反応の直前又は重合反応中であっても、反応容器内でイタコン酸無水物モノマーを酸形態に変換することが通常有用である。ポリマー中の残りのエステル基は通常加水分解され、その結果、最終カルボキシル化ポリマーはエステル基を実質的に含まない。
【0065】
タイプGの繰り返し単位
タイプGの繰り返し単位は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合及び少なくとも1つのスルホネート基を有し、芳香環及びアミド基を実質的に含まない置換又は非置換のスルホン化モノマー、並びに前述のうちのいずれかの任意の異性体、及び部分塩又は完全塩、並びに前述のうちのいずれかの混合物に由来する繰り返し単位からなる群から選択することができる。タイプGの繰り返し単位は、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC-C直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されていてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、タイプGの繰り返し単位は、C-C直鎖又は分岐鎖アルケニルスルホネート、その置換形態、及び前述のうちのいずれかの任意の異性体又は塩からなる群から選択することができ、ビニル、アリル及びメタリルスルホン酸又は塩からなる群から選択されるアルケニルスルホネートが特に好ましい。
【0067】
いくつかの実施形態では、タイプGの繰り返し単位は、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、及びメタリルスルホン酸から、単独で、又は様々な混合物で誘導される。また、これらの酸のアルカリ金属塩もモノマーとして有用性が高いことが分かっている。これに関連して、本明細書に開示される新規ポリマーを生じる重合反応中に、これらのモノマーのアルカリ金属塩とその酸形態との混合物の存在が重合反応の完了を阻害しないことが予想外に発見された。同様に、マレイン酸、イタコン酸、アリルスルホン酸ナトリウム及びメタアリルスルホン酸ナトリウムのモノマーの混合物は重合反応を阻害しない。
【0068】
BCポリマー及びBCGポリマーの合成は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2015/031521に記載されている。
【0069】
A.1.クラスIポリマー
クラスIAポリマー
クラスIAポリマーは、カルボキシレート官能基及びスルホネート官能基の両方を含有するが、クラスIの四級及び高次ポリマーではない。例えば、マレイン酸、イタコン酸、及びアリルスルホン酸の繰り返し単位のターポリマーは、製剤のポリアニオン性ポリマー構成成分として機能する。したがって、クラスIAポリマーは、通常、ホモポリマー、コポリマー、及びターポリマーであり、有利には、いかなる追加の繰り返し単位も必要とせずに、タイプB、タイプC、及びタイプGの繰り返し単位からなる群から個別に独立して選択される繰り返し単位を含む。そのようなポリマーは、任意の既知の様式で合成することができ、前述のクラスIポリマー合成を使用して生成することもできる。
【0070】
クラスIAポリマーは、好ましくは、クラスIポリマーに関連して先に記載されたのと同じ分子量範囲及び他の特定のパラメータ(例えば、pH及びポリマー固形分負荷)を有し、クラスIポリマーに関して記載されたのと同じ技術を使用して部分塩又は完全塩に変換され得る。クラスIAポリマーは、クラスIポリマーに関連して上述した技術を使用して最も有利に合成される。
【0071】
2.クラスIIポリマー
概して、このクラスのポリアニオン性ポリマーは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,043,995号に開示されているタイプのものである。ポリマーは、参照を容易にするためにB’及びC’モノマーと呼ばれるものからなる群から個別にそれぞれ取られた少なくとも2つの異なるモノマーに由来する繰り返し単位を含み;あるいは、ポリマーは、反復するC’モノマーからホモポリマー又はコポリマーとして形成されてもよい。繰り返し単位は、ポリマー鎖全体にランダムに分布していてもよい。
【0072】
詳細には、繰り返し単位B’は、以下の一般式であり、
【化2】
若しくは
若しくは

又は及び、繰り返し単位Cは以下の一般式であり、
【化3】
若しくは
若しくは

式中、各Rは、個々にそれぞれ、H、OH、C-C30の直鎖、分岐鎖、及び環状アルキル又はアリール基、C-C30の直鎖、分岐鎖、及び環状アルキル又はアリールホルメート(C)、アセテート(C)、プロピオネート(C)、ブチレート(C)など、最大C30ベースのエステル基、R’CO基、OR’基、及びCOOX基からなる群から選択され、式中、R’は、C-C30の直鎖、分岐鎖、及び環状アルキル又はアリール基からなる群から選択され、Xは、H、アルカリ金属、NH、及びC-Cアルキルアンモニウム基からなる群から選択され、R及びRは、個々にそれぞれ、H、C-C30の直鎖、分岐鎖、及び環状アルキル又はアリール基からなる群から選択され、R、R、R10、及びR11は、個別にそれぞれ、H、アルカリ金属、NH、及びC-Cアルキルアンモニウム基からなる群から選択され、Yは、Fe、Mn、Mg、Zn、Cu、Ni、Co、Mo、V、W、アルカリ金属、アルカリ土類金属、前述のうちのいずれかを含有する多原子カチオン(例えば、VO+2)、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択され、R及びRは、個別にそれぞれ、無(すなわち、基は存在しない)、CH、C、及びCからなる群から選択される。
【0073】
理解され得るように、クラスIIポリマーは、典型的には、異なるタイプ及び配列の繰り返し単位を有する。例えば、B’及びC’の繰り返し単位を含むクラスIIポリマーは、3つ全ての形態のB’の繰り返し単位及び3つ全ての形態のC’の繰り返し単位を含み得る。しかしながら、コスト及び合成の容易さの理由から、最も有用なクラスIIポリマーは、B’及びC’の繰り返し単位で構成される。主にB’及びC’の繰り返し単位から構成されるクラスIIポリマーの場合、R、R、R10、及びR11は、個別にそれぞれ、H、アルカリ金属、NH、及びC-Cアルキルアンモニウム基からなる群から選択される。この特定のクラスIIポリマーは、ブタン二酸メチレンコハク酸コポリマーと呼ばれることもあり、その様々な塩及び誘導体を含むことができる。
【0074】
クラスIIポリマーは、ポリマー中に広範囲の繰り返し単位濃度を有し得る。例えば、様々な比のB’:C’(例えば、10:90、60:40、50:50、更には0:100)を有するクラスIIポリマーが、本開示の主題によって企図され、包含される。そのようなポリマーは、最終生成物が最終的に生成される反応混合物中のモノマー量を変えることによって生成され、B’及びC’タイプの繰り返し単位は、ランダムな順序で又は交互のパターンでポリマー骨格中に配置され得る。
【0075】
クラスIIポリマーは、主に所望の最終用途に応じて、例えば500~5,000,000の範囲の多種多様な分子量を有し得る。更に、nは、約1~10,000、より好ましくは約1~5,000の範囲であり得る。
【0076】
クラスIIポリマーは、ジカルボン酸モノマー並びにその前駆体及び誘導体を使用して合成することができる。例えば、ビニルエステルの繰り返し単位及びビニルアルコールの繰り返し単位を有するモノ及びジカルボン酸の繰り返し単位を含有するポリマーが企図される。しかしながら、主としてジカルボン酸の繰り返し単位から構成されるポリマーが好ましい(例えば、繰り返し単位の少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約93%がこの特徴のものである)。クラスIIポリマーは、従来の方法及び反応物を使用して塩形成カチオンと容易に錯体形成することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、クラスIIポリマーは、マレイン酸及びイタコン酸のB’及びC’の繰り返し単位から構成され、以下の一般式を有し、
【化4】

式中、Xは、塩形成のレベルに応じて、H又は別の塩形成カチオンのいずれかである。
【0078】
マレイン酸-イタコン酸クラスIIポリマーの合成の具体例では、アセトン(803g)、マレイン酸無水物(140g)、イタコン酸(185g)、及び過酸化ベンゾイル(11g)を反応器内の不活性ガス下で一緒に撹拌した。提供された反応器は、機械的撹拌機を備えた好適なサイズの円筒形ジャケット付きガラス反応器、反応器の内容物と接触する内容物温度測定装置、不活性ガス入口、及び取り外し可能な還流冷却器を含んでいた。この混合物を、加熱された油を反応器ジャケット内で循環させることによって加熱し、約65~70℃の内部温度で激しく撹拌した。この反応を約5時間にわたって行った。この時点で、反応容器の内容物を300gの水に激しく混合しながら注いだ。これにより、透明な溶液が得られた。溶液を減圧蒸留に供して過剰の溶媒及び水を除去した。十分な溶媒及び水が除去された後、反応の固体生成物が濃縮溶液から沈殿し、回収される。続いて、固体を真空中で乾燥させる。
【0079】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、45モルパーセントのマレイン酸の繰り返し単位、50モルパーセントのイタコン酸の繰り返し単位、4モルパーセントのメタリルスルホネートの繰り返し単位及び1モルパーセントのアリルスルホネートの繰り返し単位の繰り返し単位モル組成を有する。このポリマーは、本明細書では「T5」ポリマーと呼ばれる。
【0080】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、以下を含む:45%のマレイン酸の繰り返し単位、35%のイタコン酸の繰り返し単位、15%のメタリルスルホネートの繰り返し単位及び5%のアリルスルホネートの繰り返し単位。
【0081】
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーは、以下を含む:45%のマレイン酸の繰り返し単位、50%のイタコン酸の繰り返し単位、4%のメタリルスルホネートの繰り返し単位及び1%のアリルスルホネートの繰り返し単位。
【0082】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体は、2つ以上の異なるポリアニオン性ポリマーと形成され得る。
【0083】
実施形態では、ニトラピリンは、錯体及び遊離形態の混合物として存在することができる。錯体対遊離形態の比は、製剤が、本明細書に記載の錯体を欠く同一の製剤と比較して、大気へのニトラピリンの揮発損失を少なくとも10%低減させることができるように、1000:1~0.1:1であり得る。したがって、本明細書に記載の製剤は、揮発損失が本明細書の他の箇所に記載されるように低減される限り、錯体及び遊離形態を同時に含むことができる。
【0084】
B.アミド系腐食阻害剤
いくつかの実施形態では、アミド系腐食阻害剤は、中和アミン、フィルム形成アミン、及びそれらの組み合わせから選択される。一般に、中和アミンは、腐食性種(典型的には酸性である)を中和することによって腐食を制御する化合物(例えば、弱塩基)である。いくつかの実施形態では、アミン系阻害剤は、本明細書に開示される組成物及び/又は製剤によって接触されている農業機器の部品及び/又は構成要素の任意の金属及び/又はプラスチック含有表面の腐食を低減させる。開示される非腐食性製剤で用いられる中和アミンとしては、限定されないが、アンモニア(NH)、シクロヘキシルアミン(CHA)、メトキシプロピルアミン(MPA)、モノエタノールアミン(MEA)、モルホリン(MOR)、3-メトキシプロピルアミン(MOPA)、エチルアミン(ET)、ジメチルアミン(DMA)、1,8-ジア 1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、2-ジエチルアミノエタノール(DEAE)、エタノールアミン(ETA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、中性アミンは、モノエタノールアミン(MEA)である。
【0085】
フィルム形成アミンは、腐食が生じるのを防ぐために、金属表面(例えば、農業機器の)と作業溶液(例えば、製剤)との間に物理化学的障壁を形成することによって、腐食保護を提供する化合物である。いくつかの実施形態では、フィルム形成アミンは、式(I)のアミンであり、
-[NH-R-NH
式中、nは、0~7の整数であり、
は、置換又は非置換(C-C22)アルキル基であり、
は、置換又は非置換(C-C10)アルキル基である。
【0086】
いくつかの実施形態では、nは、0である。そのようなフィルム形成アミンは、モノアミンと称される。例示的なモノアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、n-ノニルアミン、n-デシルアミン、及び/又はn-ウンデシルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、モノアミンは脂肪アミンである。例示的な脂肪アミンとしては、限定されないが、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノンドデシルアミン、エイコシルアミン、ヘネイコシルアミン、又はドコシルアミンが挙げられる。
【0087】
いくつかの実施形態では、nは0ではない。そのようなフィルム形成アミンは、ポリアミンと称される。例示的なポリアミンとしては、式(I)のアミン(式中、nは、1、2、3、4、5、6、及び7から選択される整数であり、Rは、置換又は非置換(C-C22)アルキル基であり、Rは、置換又は非置換(C-C10)アルキル基である)が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、nは、1及び2から選択される整数である。
【0088】
いくつかの実施形態では、Rは、置換又は非置換(C-C22)アルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換又は非置換(C12-C18)アルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換又は非置換(C-C8)アルキル基である。
【0089】
いくつかの実施形態では、Rは、置換又は非置換(C-C10)アルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換又は非置換(C-C)アルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換又は非置換(C-C)アルキル基である。
【0090】
製剤中に存在するアミン系腐食阻害剤の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、アミン系腐食阻害剤(例えば、中和アミン及び/又はフィルム形成アミン)は、非腐食性ニトラピリン製剤の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%、約0.05重量%~約8重量%、約0.1重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約3.5重量%の量で非腐食性ニトラピリン製剤中に存在する。いくつかの実施形態では、アミン系腐食阻害剤(例えば、中和アミン及び/又はフィルム形成アミン)は、非腐食性ニトラピリン製剤の総重量に基づいて、約0.01重量%~約5重量%、約0.05重量%~約5重量%、約0.05重量%~約3重量%、約0.05重量%~約2重量%、約0.05重量%~約1重量%、又は約0.05重量%~約0.5重量%の量で非腐食性ニトラピリン製剤中に存在する。いくつかの実施形態では、アミン系腐食阻害剤(例えば、中和アミン及び/又はフィルム形成アミン)は、非腐食性ニトラピリン製剤の総重量に基づいて、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3.5重量%、約0.1重量%~約3.0重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、又は約0.1重量%~約1重量%の量で非腐食性ニトラピリン製剤中に存在する。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤中に存在するアミド系腐食阻害剤の量は、製剤の総重量に基づいて、約5重量%、4.5重量%、4重量%、3.5重量%、3重量%、2.5重量%、2重量%、1.5重量%、1重量%、又は約0.5重量%未満である。
【0091】
C.有機溶媒及び添加剤
いくつかの実施形態では、溶媒は有機溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は、1つ以上の極性有機溶媒である。いくつかの実施形態では、1つ以上の極性有機溶媒はEPA承認されている。EPA認可溶媒は、食品及び非食品の使用について認可されており、連邦規則の電子コード、例えば、Title 40,Chapter I,Subchapter E,Part 180に見られるものである。EPA承認の溶媒には、表1に列挙した溶媒が含まれるが、これらに限定されない。
【表1-1】

【表1-2】
【表1-3】
【0092】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホン、スルホキシド、油、芳香族溶媒、ハロゲン化溶媒、グリコール系溶媒、脂肪酸系溶媒、酢酸塩含有溶媒、ケトン含有溶媒、エーテルポリオール含有溶媒、アミド含有溶媒、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機溶媒は全て、水を比較的含まない。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、溶媒の総重量に基づいて、約10%w/w未満、約9%w/w未満、約8%w/w未満、約7%w/w未満、約6%w/w未満、約5%w/w未満、約4%w/w未満、約3%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.9%w/w未満、約0.8%w/w未満、約0.7%w/w未満、約0.6%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.4%w/w未満、約0.3%w/w未満、又は約0.1%w/w未満の水を含有する。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、20℃で液体である。
【0093】
いくつかの実施形態では、有機溶媒はスルホンである。スルホン溶媒は、スルホラン、メチルスルホラン(3-メチルスルホラン)、及びジメチルスルホン、並びにそれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、有機溶媒はスルホキシドである。スルホキシド溶媒は、ジメチルスルホキシドであり得るが、これに限定されない。
【0094】
いくつかの実施形態では、有機溶媒はエーテル-ポリオールである。エーテル-ポリオール溶媒は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、及び関連化合物であり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコールは、2つの末端アルコールを有する(例えば、ポリエチレングリコール3350)。例示的なポリエチレングリコールには、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例示的なポリプロピレングリコールには、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ポリプロピレングリコールは、3つの末端アルコールを有する。プロポキシル化グリセロールとして知られている、3つの末端アルコールを有する例示的なポリプロピレングリコールとしては、Dow PT250(250の分子量を有する3つの末端ヒドロキシル基を含有するグリセリルエーテルポリマーである)及びDow PT700(700の分子量を有する3つの末端ヒドロキシル基を含有するグリセリルエーテルポリマーである)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、エーテルポリオールは、約200~約10,000Daの分子量範囲のポリエチレン又はポリプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、エーテルポリオール中に存在するヒドロキシル基のうちの1つ以上は修飾される。例えば、いくつかの実施形態では、エーテルポリオール中に存在するヒドロキシル基のうちの1つ以上は、アルキル化及び/又はエステル化される。例示的な修飾エーテルポリオールとしては、トリアセチン、ジエチレングリコールのn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールのエチルエーテル、ジエチレングリコールのメチルエーテル、ジプロピレングリコールのエチルエーテルの酢酸塩、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、エーテルポリオールは、環状カーボネートエステル(例えば、プロピレンカーボネート)である。エーテルポリオールを含有する開示された組成物は、エステルを含有する以前に記載された組成物よりも高い固体及び/又は活性内容物の形成により好適であることが見出された。
【0095】
いくつかの実施形態では、有機溶媒はグリコール系溶媒である。グリコールは、異なる炭素原子(例えば、末端炭素原子)に結合した2つのヒドロキシル(-OH)基を含むアルコールである。最も単純なグリコールはエチレングリコールであるが、溶媒はこれに限定されるべきではない。いくつかの実施形態では、有機溶媒はプロパン-1,2,3-トリオールである。
【0096】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は油である。例示的な油には、鉱油及び/又は灯油が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は脂肪酸系溶媒である。いくつかの実施形態では、脂肪酸は、3~約20個の炭素原子を含む。脂肪酸系溶媒の例には、脂肪酸のジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド)が含まれるが、これに限定されない。脂肪酸のジメチルアミドの例としては、カプリル酸のジメチルアミド、C-C10脂肪酸のジメチルアミド(Agnique AMD810)、ジメチルラクタミド(Agnique AMD3L)、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
いくつかの実施形態では、有機溶媒はケトン含有溶媒である。ケトン含有溶媒の例には、イソホロン、トリメチルシクロヘキサノン、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0099】
いくつかの実施形態では、有機溶媒はアセテート含有溶媒である。アセテート含有溶媒の例には、アセテート、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0100】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド含有溶媒である。アミド含有溶媒の例としては、Rhodiasolv ADMA10(CAS登録番号14433-76-2、N,N-ジメチルオクタンアミド)、Rhodiasolv ADMA810(CAS登録番号1118-92-9/14433-76-2;N,N-ジメチルオクタンアミドとN,N-ジメチルデカンアミドとのブレンド)、Rhodiasolv PolarClean(CAS登録番号1174627-68-9;メチル5‐(ジメチルアミノ)-2‐メチル‐5‐オキソペンタノエート)、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、ハロゲン化溶媒である。いくつかの実施形態では、ハロゲン化溶媒は、ハロゲン化芳香族炭化水素である。ハロゲン化芳香族炭化水素の例は、クロロベンゼンである。いくつかの実施形態では、ハロゲン化溶媒は、ハロゲン化脂肪族炭化水素である。ハロゲン化脂肪族炭化水素の例は、1,1,1-トリクロロエタンである。
【0102】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は芳香族溶媒である。いくつかの実施形態では、芳香族溶媒は芳香族炭化水素である。例示的な芳香族炭化水素には、ベンゼン、ナフチレン、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、芳香族炭化水素は置換されている。置換芳香族炭化水素の例としては、アルキル置換ベンゼン及び/又はアルキル置換ナフタレンが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル置換ベンゼンの例としては、キシレン、トルエン、プロピルベンゼン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、有機溶媒はキシレンを含む。いくつかの実施形態では、芳香族炭化水素は、これらに限定されないが、ナフテンとアルキル置換ナフチレンとの混合物などの置換及び非置換芳香族炭化水素の混合物である。
【0103】
いくつかの実施形態では、芳香族溶媒は炭化水素の混合物である。例えば、いくつかの実施形態では、芳香族溶媒は、芳香族100(主に芳香族炭化水素C~C10からなる芳香族流の蒸留から得られる炭化水素の組み合わせであるナフサ(CAS登録番号64742-95-6)を含有する溶媒)、又は芳香族200(芳香族200組成物の総重量に基づいて、50~85重量%存在する芳香族炭化水素(C11-C14)、5~20重量%で存在するナフタレン(CAS登録番号91-20-3)、5~15重量%で存在するナフタレンを含まない芳香族炭化水素(C10)、及び5~15重量%で存在する芳香族炭化水素(C15-C16)の混合物を含有する溶媒)である。いくつかの実施形態では、芳香族炭化水素は、芳香族100及び芳香族200の混合物である。
【0104】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、芳香族溶媒(例えば、限定されないが、アルキル置換ベンゼン、キシレン、プロピルベンゼン、混合ナフタレン及びアルキルナフタレン)及び鉱油、ケロシン、脂肪酸のジアルキルアミド、(脂肪酸のジメチルアミド、カプリル酸のジメチルアミドを含むがこれらに限定されない)、塩素化脂肪族及び芳香族炭化水素(1,1,1-トリクロロエタン、クロロベンゼンを含むがこれらに限定されない)、グリコール誘導体のエステル(例えば、ジエチレングリコールのn-ブチル、エチル、又はメチルエーテル及びジプロピレングリコールのメチルエーテルのアセテート)、ケトン含有溶媒(例えば、イソホロン及びトリメチルシクロヘキサノン(ジヒドロイソホロン)を含むがこれらに限定されない)、並びにアセテート含有溶媒(ヘキシル及びヘプチルアセテートを含むがこれらに限定されない)であり得るが、これに限定されない。
【0105】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、芳香族100、芳香族200、スルホン、スルホキシド、キシレン、グリコール系溶媒、エーテル-ポリオール及び/又はポリグリコール(例えば、ジプロピレングリコール、Dow PT250、Dow PT700、PT250、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、プロパン-1,2,3-トリオール、ポリエチレングリコール3350、プロピレンカーボネート、トリアセチン)、3~20個の炭素原子を含有する飽和モノカルボン酸脂肪酸のジアルキルアミド(例えば、Agnique AMD810、Agnique AMD3L)、アミド含有溶媒(例えば、Rhodiasolv ADMA10、Rhodiasolv、Rhodiasolv PolarClean、及びADMA810)、2~10個の炭素原子を含有するアルファ-ヒドロキシカルボン酸のジアルキルアミド、例えばAgnique AMD3L、Rhodiasolv PolarClean、又はそれらの混合物であり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、Agnique AMD810、Agnique AMD3L、Rhodiasolv ADMA10、Rhodiasol ADMA810、Rhodiasol PolarClean(メチル5-(ジメチルアミノ)-2-メチル-5-オキソペンタノエート)、ジメチルスルホキシド、プロパン-1,2,3-トリオール、キシレン、及びそれらの混合物から選択される。
【0106】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、水を比較的含まない。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、溶媒の総重量に基づいて、約10%w/w未満、約9%w/w未満、約8%w/w未満、約7%w/w未満、約6%w/w未満、約5%w/w未満、約4%w/w未満、約3%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.9%w/w未満、約0.8%w/w未満、約0.7%w/w未満、約0.6%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.4%w/w未満、約0.3%w/w未満、又は約0.1%w/w未満の水を含有する。
【0107】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体は、2つ以上の異なる溶媒タイプとともに製剤化され得る。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体は、高溶媒和、揮発性の欠如、腐食挙動の低減、並びに好適な環境及び毒物学的プロファイルを示し得る2つの異なる溶媒タイプで製剤化することができる。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体を溶媒和させるための2つの異なる溶媒タイプは、2つの異なる芳香族溶媒、2つの異なるスルホン、2つの異なるアミド含有溶媒、2つの異なるエーテルポリオール、2つの異なるスルホキシド、2つの異なるアミド含有溶媒、2つの異なる脂肪酸系溶媒、又はスルホキシド及び芳香族溶媒、又はスルホキシド及びアミド含有溶媒、又はスルホキシド及びエーテルポリオールから選択することができる。いくつかの実施形態では、2つの異なる溶媒タイプは、キシレン及びジメチルスルホキシドである。いくつかの実施形態では、キシレンはエチルベンゼンと更に混合される。いくつかの実施形態では、2つの異なる溶媒タイプは、ジメチルスルホキシド及びRhodiasolv PolarCleanである。いくつかの実施形態では、2つの異なる溶媒の種類は、ジメチルスルホキシド及びプロパン-1,2,3-トリオールである。いくつかの実施形態では、ジメチルスルホキシド及びプロパン-1,2,3-トリオールをRhodiasolv PolarCleanと更に混合して、3つの異なる溶媒タイプを含有する製剤を得る。組成物中に存在する各溶媒タイプの量は変化し得る。いくつかの実施形態では、2つ以上の異なる溶媒タイプの第1の溶媒は、組成物の総重量に基づいて、約10%~約90%w/w、約20%~約80%w/w、約30%~約70%w/w、約40%~約60%w/wの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態では、2つ以上の異なる溶媒タイプの第2の溶媒は、組成物の総重量に基づいて、約10%~約90%w/w、約20%~約80%w/w、約30%~約70%w/w、約40%~約60%w/wの範囲の量で存在する。
【0108】
いくつかの実施形態では、20℃の溶液/溶媒中の(ニトラピリン錯体を含む製剤の)ニトラピリンの溶解度は、15%w/w超(ニトラピリン対総重量)、例えば、約15~約22%w/w、又は約17%~約21%w/w、又は16%w/w超、17%w/w超、18%w/w超、19%w/w超、20%w/w超、21%w/w超、22%w/w超、23%w/w超、24%w/w超、又は25%w/w超、26%w/w超、27%w/w超、28%w超、29%w/w超、30%w/w超、35%w/w超、40%w/w超、又は45%w/w超である。
【0109】
溶媒は、0.1%w/v~約99.9%w/vの量で非腐食性ニトラピリン製剤中に存在し得る。いくつかの実施形態では、溶媒の量は、ニトラピリン及び/又はニトラピリン錯体の量が最大化されるにつれて最小化される。いくつかの実施形態では、溶媒の量は、80%w/v未満、79%w/v未満、78%w/v未満、77%w/v未満、76%w/v未満、75%w/v未満、74%w/v未満、73%w/v未満、72%w/v未満、71%w/v未満、70%w/v未満、65%w/v未満、60%w/v未満、又は55%w/v未満である。実施形態では、溶媒の量は、55%w/v~約98%w/v、又は約60%w/v~約97%w/v、又は約61%w/v~約95%w/v、又は約62%w/v~約90%w/v、又は約63%w/v~約85%w/v、又は約64%w/v~約80%w/vである。いくつかの実施形態では、溶媒の量は、約10%w/v~約90%w/v、約20%w/v~約80%w/v、約50%w/v~約70%w/v、又は約60%w/v~約70%w/vである。いくつかの実施形態では、溶媒の量は、約10%w/v~約50%w/v、又は約10%w/v~約40%w/v、又は約10%w/v~約30%w/v、又は約10%w/v~約20%w/vである。いくつかの実施形態では、溶媒の量は、約49.9%~約98.9%w/v、約50%w/v~約90%w/v、又は約50%w/v~約80%w/v、又は約50%w/v~約70%w/v、又は約50%w/v~約65%w/vである。
【0110】
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤は、1つ以上の添加剤を更に含む。例示的な添加剤としては、限定されないが、界面活性剤、消泡剤、分散剤、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0111】
いくつかの実施形態では、添加剤は界面活性剤(例えば、サーファクタント)である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリオキシエチレントリデシルエーテルホスフェート(Rhodafac RS-610)、プロピレンオキシドエチレンオキシドポリマーモノブチルエーテル(Antarox B848)、ヒマシ油、エトキシル化オレエートの混合物(Alkamuls VO/2003)、4-ドデシルベンゼンスルホン酸及びその塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウム塩など)、及びそれらの組み合わせから選択される。製剤中の界面活性剤の量は変化し得る。いくつかの実施形態では、製剤中の界面活性剤の量は、製剤の総重量に基づいて、約0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約3重量%~約8重量%、約5重量%~約8重量%、又は約10重量%~約20重量%、約12重量%~約18重量%、又は約14重量%~約16重量%である。
【0112】
いくつかの実施形態では、添加剤は、消泡剤である。いくつかの実施形態では、消泡剤は、油系消泡剤、粉末系消泡剤、水系消泡剤、シリコーン系消泡剤、及びEO/PO系消泡剤、アルキルポリアクリレート系発泡剤、並びにそれらの組み合わせから選択される。例示的な油系消泡剤としては、限定されないが、鉱油、植物油、白色油、ワックス、疎水性シリカが挙げられる。例示的なワックスとしては、限定されないが、エチレンビスステアラミド(EBS)、パラフィンワックス、エステルワックス、炭化水素ワックス、脂肪アルコールワックス、及びこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な粉末系消泡剤としては、限定されないが、シリカなどの粒子状担体上の油性消泡剤が挙げられる。例示的なシリコーン系消泡剤としては、ケイ素骨格を有するポリマー、シリコーン油中の疎水性シリカ分散剤を含むケイ素化合物、又はシリコーン処理されたシリカが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なEO/PO系消泡剤としては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。製剤中の消泡剤の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、製剤中の消泡剤の量は、製剤の総重量に基づいて、0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約3重量%~約8重量%、約5重量%~約8重量%、又は約10重量%~約20重量%、約12重量%~約18重量%、又は約14重量%~約16重量%である。
【0113】
いくつかの実施形態では、添加剤は、分散剤である。いくつかの実施形態では、分散剤は、石鹸粉末、ロート油、アルキルスルホネート、アルキルアクリルスルホネート、ホルムアルデヒド、リグニンスルホネート、及びそれらの組み合わせから選択される。製剤中の消泡剤の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、製剤中の消泡剤の量は、製剤の総重量に基づいて、0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約3重量%~約8重量%、約5重量%~約8重量%、又は約10重量%~約20重量%、約12重量%~約18重量%、又は約14重量%~約16重量%である。
【0114】
D.製剤
いくつかの実施形態では、非腐食性製剤は、ポリアニオンとの錯体の形態でニトラピリンを含む。有利には、ニトラピリン錯体は、これまで開示されていない優れた負荷を提供することが見出されている。高度に濃縮された製剤の利点としては、輸送コストがより低いこと、及び取り扱いが容易であること、並びに使用率が低いことが挙げられる。実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約20重量%~約50重量%の範囲のニトラピリンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約21重量%~約49重量%の範囲のニトラピリンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約22重量%~約48重量%の範囲のニトラピリンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約23重量%~約47重量%の範囲のニトラピリンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約24重量%~約46重量%の範囲のニトラピリンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約25重量%~約45重量%の範囲のニトラピリンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約26重量%~約40重量%の範囲のニトラピリンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約27重量%~約35重量%の範囲のニトラピリンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約28重量%~約32重量%の範囲のニトラピリンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の総重量に基づいて、約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50重量%の量のニトラピリンを含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、製剤中に存在するニトラピリン錯体の量は、変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、製剤中に存在するニトラピリン錯体の量は、製剤の総重量に基づいて、約1重量%~約90重量%、約1重量%~約80重量%、約1重量%~約60重量%、約1重量%~約50重量%、約1重量%~約40重量%、約1%~約30重量%、約1%~約20重量%、又は約1重量%~約10重量%である。
【0116】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体中のポリアニオンの量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体中に存在するポリアニオンの量は、ニトラピリン錯体の総重量に基づいて、約0.01重量%~約98重量%、約1重量%~約95重量%、約5重量%~約85重量%、約10重量%~約80重量%、約20重量%~約80重量%、約30重量%~約80重量%、約40重量%~約80重量%、約50重量%~約80重量%、又は約60重量%~約80重量%(又は約90重量%、約80重量%、約70重量%、約60重量%、約50重量%、約40重量%、約30重量%、約20重量%、約10重量%、約5重量%、約1重量%未満、若しくは約0.5重量%未満)の範囲である。
【0117】
いくつかの実施形態では、記載のニトラピリン錯体は、25重量%以上のニトラピリンである溶液を形成することができる。好適な溶媒としては、芳香族100、芳香族200、スルホン、スルホキシド、スルホラン、アミド含有溶媒、脂肪酸系溶媒、及びグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体を含む非腐食性ニトラピリン製剤は、ポリアニオンに錯体形成されていない製剤におけるニトラピリンと比較して、ニトラピリンの揮発性を約1%~約90%、約20%~約80%、約30%~約70%、又は約40%~約50%低減させる。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体を含む非腐食性ニトラピリン製剤は、ポリアニオンに錯体形成されていない製剤におけるニトラピリンと比較して、ニトラピリンの揮発性を約10%~約90%、約20%~約90%、約30%~約90%、約40%~約90%、又は約50%~約80%低減させる。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体を含む非腐食性ニトラピリン製剤は、ポリアニオンに錯体形成されていない製剤におけるニトラピリンと比較して、ニトラピリンの揮発性を約5%~約40%低減させる。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体を含む非腐食性ニトラピリン製剤は、ポリアニオンと錯体を形成しないニトラピリンと比較して、ニトラピリンの揮発性を約8%~約35%低減させる。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体を含む非腐食性ニトラピリン製剤は、ポリアニオンと錯体形成されていないニトラピリンと比較して、ニトラピリンの揮発性を約10%~約30%低減させる。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体を含む非腐食性製剤は、ニトラピリンがポリアニオンと錯体形成されていない製剤と比較して、ニトラピリンの揮発性を約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、又は29%低減させる。
【0119】
ニトラピリン錯体を含む非腐食性ニトラピリン製剤は、ニトラピリンのみ又は他の製剤を有するニトラピリンと比較した場合、顕著により低い蒸気圧を示す。蒸気圧がより低いと、他の製剤(例えば、N-Serve及び/又はInstinct II)に含有されたニトラピリンと比較して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75、80%、85%、90%、又は少なくとも約95%、ニトラピリンの揮発性が低減する。より低い蒸気圧はまた、圃場及び/又は作物に施用された後のニトラピリンの損失を最小限に抑え、それによって、ニトラピリンが有効であるより長い持続時間を提供する。更に、ニトラピリン錯体を含む非腐食性ニトラピリン製剤は、顕著に低い製品施用用量率で施用することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体を含有する開示される非腐食性ニトラピリン製剤は、他の製剤とともに製剤化されるニトラピリンと比較して、低減された腐食挙動を示す。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤は、ポリアニオン(例えば、N-Serve及び/又はInstinct II)と錯体形成されたニトラピリンを含有しないニトラピリン含有製剤と比較して、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は少なくとも98%の腐食の低減を示す。
【0121】
III.農業製品
記載の非腐食性ニトラピリン製剤及びその組成物のうちのいずれかは、肥料、農業活性化合物、種子、ウレアーゼ阻害活性、硝化阻害活性を有する化合物、1つ以上の殺生物剤(例えば、農薬、除草剤、殺虫剤、殺真菌剤、及び/又は殺ダニ剤)などからなる群から選択される1つ以上の他の成分と組み合わせることができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、記載の非腐食性ニトラピリン製剤及びその組成物は、肥料製品と混合されるか、表面コーティングとして肥料製品に施用されるか、又はそうでなければ肥料製品と完全に混合されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような組み合わされた肥料/非腐食性ニトラピリン製剤組成物において、肥料は、約粉末サイズ(約0.001cm未満)~約10mm、より好ましくは約0.1mm~約5mm、更により好ましくは約0.15mm~約3mmの平均直径を有する粒子の形態である。ニトラピリンは、そのような組み合わされた製品中に、100gの肥料当たり約0.001g~約20g、100gの肥料当たり約0.01~7g、100gの肥料当たり約0.08g~約5g、又は100gの肥料当たり約0.09g~約2gのレベルで存在し得る。組み合わされた肥料/非腐食性ニトラピリン製剤製品の場合、組み合わされた製品は、施用されるニトラピリン錯体の量が1エーカーの土壌当たり約10~150g、1エーカー当たり約30~125g、又は1エーカーの土壌当たり約40~120gとなるようなレベルで施用され得る。組み合わせた製品は、同様に、使用者の裁量で、液体分散液又は乾燥造粒製品として施用することができる。非腐食性ニトラピリン製剤をコーティングとして使用する場合、非腐食性ニトラピリン製剤は、コーティングされた肥料製品の約0.005重量%~約15重量%、コーティングされた肥料製品の約0.01重量%~約10重量%、コーティングされた肥料製品の約0.05重量%~約2重量%、又はコーティングされた肥料製品の約0.5重量%~約1重量%を含み得る。
【0123】
A.肥料
いくつかの実施形態では、農業製品は肥料である。肥料は、限定されないが、粒状肥料などの固形肥料であってもよく、非腐食性ニトラピリン製剤を液体分散物として肥料に施用してもよい。肥料は、液体形態であってもよく、非腐食性ニトラピリン製剤は、液体肥料と混合されてもよい。肥料は、スターター肥料、リン酸塩系肥料、窒素を含有する肥料、リンを含有する肥料、カリウムを含有する肥料、カルシウムを含有する肥料、マグネシウムを含有する肥料、ホウ素を含有する肥料、塩素を含有する肥料、亜鉛を含有する肥料、マンガンを含有する肥料、銅を含有する肥料、尿素及び亜硝酸アンモニウムを含有する肥料及び/又はモリブデン材料を含有する肥料からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、肥料は、尿素、及び/若しくは無水アンモニア肥料を含むアンモニアであるか、又はそれを含有する。いくつかの実施形態では、肥料は、植物が利用可能な窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム又は微量栄養素を含む。いくつかの実施形態では、肥料は、固体、粒状、流体懸濁液、ガス、又は溶液化された(solutionized)肥料である。いくつかの実施形態では、肥料は微量栄養素を含む。微量栄養素は、植物が少量で必要とする必須要素である。いくつかの実施形態では、肥料は、Fe、Mn、Mg、Zn、Cu、Ni、Co、Mo、V及びCaからなる群から選択される金属イオンを含む。いくつかの実施形態では、肥料は、石膏、キセライトのグループのメンバー、カリウム生成物、硫酸マグネシウムカリウム、元素硫黄、又は硫酸マグネシウムカリウムを含む。そのような肥料は、粒状、液体、気体、又は混合物(例えば、液体材料中の固体肥料粒子の懸濁液)であり得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤を、圃場及び/又は作物に施用するために任意の好適な液体又は乾燥肥料と組み合わせる。
【0125】
記載の非腐食性ニトラピリン製剤又はその組成物は、肥料の施用とともに施用することができる。非腐食性ニトラピリン製剤は、肥料の施用前、施用後、又は施用と同時に施用することができる。
【0126】
B.種子
いくつかの実施形態は、記載の非腐食性ニトラピリン製剤のうちの1つ以上でコーティングされた農業用種子を記載する。非腐食性ニトラピリン製剤は、コーティングされた種子製品の総重量に基づいて、約0.001~10重量%、約0.004重量%~2重量%、約0.01重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約1重量%(又は約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、約0.1%、約0.01%以下、若しくは約0.001%以下)のレベルで種子製品に存在することができる。種子は、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライコムギ(triticale)、ライムギ、イネ、トウモロコシ、大豆、コットン、又はナタネであり得るが、これらに限定されない。
【0127】
C.その他
いくつかの実施形態では、ウレアーゼ阻害化合物、硝化阻害化合物、殺生物剤(例えば、農薬、除草剤、殺虫剤、殺真菌剤及び/又は殺ダニ剤)は、記載の非腐食性ニトラピリン製剤の1つ以上と組み合わせて記載される。本明細書で使用される場合、「農薬」は、農薬活性を有する任意の薬剤(例えば、除草剤、殺虫剤及び殺真菌剤)を指し、好ましくは殺虫剤、除草剤及びそれらの混合物からなる群から選択されるが、通常、植物肥料効果を有すると主張される材料、例えばホウ酸ナトリウム及び酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛化合物を除外する。限定されない農薬のリストについては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「Farm Chemicals Handbook 2000,2004」(Meister Publishing Co,Willoughby,OH)を参照されたい。
【0128】
例示的な除草剤としては、アセトクロール、アラクロール、アミノピラリド、アトラジン、ベノキサコール、ブロモキシニル、カルフェントラゾン、クロルスルフロン、クロジナホップ、クロピラリド、ジカンバ、ジクロホップメチル、ジメテナミド、フェノキサプロップ、フルカルバゾン、フルフェナセット、フルメトスラム、フルミクロラック、フルロキシピル、グルホシナートアンモニウム、グリホサート、ハロスルフロンメチル、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イソキサフルトール、キンクロラック、MCPA、MCPアミン、MCPエステル、メフェノキサム、メソトリクロル、メトラクロール、s-メトラクロール、メトリブジン、メトスルフロンメチル、ニコスルフロン、パラコート、ペンジメタリン、ピクロラム、プリミスルフロン、プロポキシカルバゾン、プロスルフロン、ピラフルフェンエチル、リムスルフロン、シマジン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアレート、トリサルフロン、トリベヌロン、トリクロピル、トリフルラリン、2,4-D,2,4-Dアミン、2,4-Dエステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
例示的な殺虫剤としては、1,2-ジクロロプロパン、1,3-ジクロロプロペン、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アセチオン、アセトプロール、アクリナトリン、アクリロニトリル、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレトリン、アロサミジン、アリルオキシカルブ、アルファシペルメトリン、アルファエクジソン、アミジチオン、アミドフルメット、アミノカルブ、アミトン、アミトラズ、アナバシン、亜酸化ヒ素、アジダチオン、アザジラクチン、アザメチホス、アジノホスエチル、アジンホスメチル、アゾベンゼン、アゾシクロチン、アゾトエート、ヘキサフルオロケイ酸バリウム、バースリン(barthrin)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンオキサフォス(benoxafos)、ベンスルタップ、ベンゾキシメート(benzoximate)、安息香酸ベンジル、ベータシフルトリン、ベータシペルメトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビナパクリル、バイオアレスリン、バイオエタノメトリン、バイオペルメトリン、ビストリフルロン、ボラックス、ホウ酸、ブロムフェンビンフォス、ブロモDDT、ブロモサイクレン、ブロモホス、ブロモホスエチル、ブロモプロピレート、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルボ、ブタチオフォス、ブトカルボキシム、ブトネート、ブトキシカルボキシム、カドゥサホス、ヒ酸カルシウム、多硫化カルシウム、カンフェクロル、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、シノメチオナート、クロラントラニリプロール、クロルベンサイド、クロルビシクレン、クロルデン、クロルデンコーン、クロロジメホルム、クロレストキシホス、クロルフェナピル、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンスルフィド、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロベンジレート、クロロホルム、クロロメブフォーム、クロロメチウロン、クロロピクリン、クロロプロピレート、クロルホキシム、クロルプラゾホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、シネリンI、シネリンII、シメトリン、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロザンテル、クロチアニジン、アセトヒ酸銅、ヒ酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、クマホス、クミトエート、クロタミトン、クロトキシホス、クルエンタレンA及びB、クルフォメート、氷晶石、シアノフェンホス、シアノホス、シアントエート、シクレトリン、シクロプロトリン、シアノピラフェン、シフルメトフェン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シチオエート、d-リモネン、ダゾメット、DBCP、DCIP、DDT、デカルボフラン、デルタメトリン、デメフィオン、デメフィオンO、デメフィオンS、デメトン、デメトンメチル、デメトンO、デメトンOメチル、デメトンS、デメトンSメチル、デメトンSメチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ジアミダホス、ジアジノン、ジカプトン、ジクロフェンチオン、ジクロフルアニド、ジクロルボス、ジコホル、ジクレジル、ジクロトホス、ジシクラニル、ジエルドリン、ジエノクロル、ジフロビダジン、ジフルベンズロン、ジロール、ジメフルトリン、ジメホックス、ジメタン、ジメトエート、ジメトリン、ジメチルビンホス、ジメチラン、ジネックス、ジノブトン、ジノキャップ、ジノキャップ4、ジノキャップ6、ジノクトン、ジノペントン、ジノプロプ、ジノサム、ジノスルホン、ジノテフラン、ジノテルボン、ジオフェノラン、ジオキサベンゾフォス、ジオキサカルブ、ジオキサチオン、ジフェニルスルホン、ジスルフィラム、ジスルホトン、ジシクロフォス、DNOC、ドフェナピン、ドラメクチン、エクディステロン、エマメクチン、EMPC、エンペンスリン、エンドスルファン、エンドチオン、エンドリン、EPN、エポフェノナン、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エタホス、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エト酸メチル、エトプロホス、エチルDDD、ギ酸エチル、二臭化エチレン、二塩化エチレン、酸化エチレン、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムフォス、EXD、ファンファー、フェナミホス、フェナザフロー、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェンクロルフォス、フェンタカーボ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンピリトリン、フェンプロパスリン、フェンピロキシメート、フェンソン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオンエチル、フェントリファニル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フラクリピリム、フラジュロン、フラベンジミド、フラベンジミン、フコフロン、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルエンチル、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルベンサイド、フルバリネート、フォノホス、ホルメタネート、ホルモチオン、ホルムパラネート、フォスメチラン、フォスピレート、フォスチアゼート、フォスチエタン、フォスチエタン、フラチオカルブ、フレスリン、フルフラール、ガンマサイハロトリン、ガンマHCH、ハーフェンプロックス、ハロフェノジド、HCH、HEOD、ヘプタクロール、ヘプテノホス、ヘテロホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、HHDN、ヒドラメチルノン、シアン化水素、ヒドロプレン、ヒキンカルブ、イミシアホス、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードメタン、IPSP、イサミドホス、イサゾホス、イソベンザン、イソカルボホス、イソドリン、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソチオエート、イソキサチオン、イベルメクチンジャスモリンI、ジャスモリンII、ジョドフェンホス、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、幼若ホルモンIII、ケレバン、キノプレン、ラムダサイハロトリン、ヒ素酸鉛、レピメクチン、レプトホス、リンデン、リリムホス、ルフェヌロン、リシダチオン、マラチオン、マロノベン、マジドックス、メカルバム、メカルフォン、メナゾン、メホスホラン、塩化水銀、メスルフェン、メスルフェンホス、メタフルミゾン、メタム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトホス、メトミル、メトプレン、メソキシクロル、メソキシフェノジド、メチルブロミド、メチルイソチオシアネート、メチルクロロホルム、塩化メチレン、メトフルトリン、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、メキサカルベート、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシム、ミパフォックス、マイレックス、MNAF、モノクロトホス、モルフォチオン、モキシデクチン、ナフタロフォス、ナレド、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジド、ニッコーマイシン、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリルカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、パラジクロロベンゼン、パラチオン、パラチオンメチル、ペンフルロン、ペンタクロロフェノール、ペルメトリン、フェンカプトン、フェノトリン、フェントレート、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、フォスニクロール、ホスファミドン、フォスフィン、フォスカルブ、ホキシム、フォキシムメチル、ピリメタホス、ピリミカルブ、ピリミホスエチル、ピリミホスメチル、亜ヒ酸カリウム、チオシアン酸カリウム、pp’ DDT、プラレトリン、プレコセンI、プレコセンII、プレコセンIII、プリミドホス、プロクロノール、プロフェノホス、プロフルトリン、プロマシル、プロメカルブ、プロパフォス、プロパルギット、プロペタンホス、プロポクスル、プロチダチオン、プロチオフォス、プロトエート、プロトリフェンブート、ピラクロホス、ピラフルプロール、ピラゾホス、ピレスメトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリフルキナゾン、ピリミジフェン、ピリミテート、ピリプロール、ピリプロキシフェン、クワッシア、キナルホス、キナルホス、キナルホスメチル、キノチオン、ラフォキサニド、レスメトリン、ロテノン、リャニア、サバディラ、シュラダン、セラメクチン、シラフルオフェン、亜ヒ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、六フッ化珪酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ソフマイド、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマット、スルコフロン、スルフィラム、スルフラミド、スルホテップ、硫黄、スルフリルフルオリド、スルプロフォス、タウフルバリネート、タジムカルブ、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、TEPP、テラレトリン、テルブホス、テトラクロロエタン、テトラクロロビンホス、テトラジホン、テトラメトリン、テトラナクチン、テトラスル、テタシペルメトリン、シアクロプリド、チアメトキサム、チクロフォス、チオカルボキシム、チオシクラム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオナジン、チオキノックス、チオサルタップ、スリンジェンシン、トルフェンピラド、トラロメスリン、トランスフルトリン、トランスペルメトリン、トリアラテン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリクロルメタホス3、トリクロロナット、トリフェノホス、トリフルムロン、トリメタカルブ、トリプレン、バミドチオン、バミドチオン、バニリプロール、XMC、キシリルカルブ、ゼータシペルメトリン、及びゾラプロフォスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
例示的な殺菌剤としては、アシベンゾラル、アシルアミノ酸殺真菌剤、アシペタック、アルジモルフ、脂肪族窒素殺真菌剤、アリルアルコール、アミド殺真菌剤、アムプロピルホス、アニラジン、アニリド殺真菌剤、抗生物質殺真菌剤、芳香性殺真菌剤、オーレオファンギン、アザコナゾール、アジチラム、アゾキシストロビン、バリウムポリサルファイド、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ベノダニル、ベノミル、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンチアバリカルブ、ベンザルコニウムクロリド、ベンザマクリル、ベンズアミド殺真菌剤、ベンザモルフ、ベンズアニリド殺真菌剤、ベンズイミダゾール殺真菌剤、ベンズイミダゾール前駆体殺真菌剤、ベンズイミダゾールカルバメート殺真菌剤、ベンゾヒドロキサム酸、ベンゾチアゾール殺真菌剤、ベトキサジン、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビチオノール、ビキサフェン、ブラスチシジン-S、ボルドー混合物、ホウ酸、ボスカリド、架橋ジフェニル殺真菌剤、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブルゴーニュ混合物、ブチオベート、sec-ブチルアミン、ポリスルフィドカルシウム、カプタホール、カプタン、カルバメート殺真菌剤、カルバモルフ、カルバニレート殺真菌剤、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、チェシャント混合物、キノメチオナト、クロベンチアゾン、クロラニフォルメタン、クロラニル、クロルフェナゾール、クロロジニトロナフタレン、クロロホルム、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロルキノックス、クロゾリネート、シクロピロックス、クライマゾール、クロトリマゾール、コナゾール殺真菌剤、コナゾール殺真菌剤(イミダゾール)、コナゾール殺真菌剤(トリアゾール)、酢酸銅(II)、炭酸銅(II)、塩基性、殺真菌剤銅、水酸化銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅(II)、硫酸銅、塩基性、クロム酸銅亜鉛、クレゾール、クフラネブ、キュプロバム、亜酸化第一銅、シアゾファミド、シクラフラミド、環状ジチオカルバメート殺真菌剤、シクロヘキシミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シペンダゾール、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、DBCP、デバカルブ、デカフェンチン、デヒドロ酢酸、ジカルボキシミド殺真菌剤、ジクロフルアニド、ジクロン、ジクロロフェン、ジクロロフェニル、ジクロゾリン、ジクロブタゾール、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ピロ炭酸ジエチル、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、ジニトロフェノール殺真菌剤、ジノブトン、ジノキャップ、ジノキャップ-4、ジノキャップ-6、ジノクトン、ジノペントン、ジノスルホン、ジノテルボン、ジフェニルアミン、ジピリチオン、ジスルフィラム、ジタリムホス、ジチアノン、ジチオカルバメート殺真菌剤、DNOC、ドデモルフ、ドジシン、ドジン、ドナトジン、ドラゾキソロン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エテム、エサボクサム、エチリモール、エトキシキン、エチレンオキシド、エチル水銀2,3-ジヒドロキシプロピルメルカプチド、エチル水銀アセテート、エチル水銀ブロミド、エチル水銀クロリド、エチル水銀ホスフェート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェニトロパン、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルコナゾール、フルジオキソニル、フルメトベル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオロイミド、フルオトリマゾール、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアフォール、フルクサピロキサド、フォルペット、ホルムアルデヒド、フォセチル、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フラミド殺真菌剤、フラニリド殺真菌剤、フルカルバニル、フルコナゾール、フルコナゾール-シス、フルフラール、フルメシクロックス、フロファネート、グリオジン、グリセオフルビン、グアザチン、ハラクリネート、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサクロロブタジエン、ヘキサクロロフェン、ヘキサコナゾール、ヘキシルチオフォス、ヒドラルガフェン、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミダゾール殺菌剤、イミノオクタジン、無機殺真菌剤、無機水銀殺真菌剤、ヨードメタン、イプコナゾール、イプロベンフォス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロピルアルコール、イソプロチオラン、イソバレジオン、イソピラザム、カスガマイシン、ケトコナゾール、クレソキシム-メチル、石灰硫黄合剤(lime sulfur)(石灰硫黄合剤(lime sulphur))、マンコッパー(mancopper)、マンコゼブ、マネブ、メベニル、メカルビンジド、メパニピリム、メプロニル、塩化水銀(廃止)、酸化水銀(廃止)、塩化水銀(廃止)、メタラキシル、メタラキシル-M(別名メフェノキサム)、メタム、メタゾキソロン、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メトフロキサム、メチルブロミド、メチルイソチオシアネート、安息香酸メチル水銀、メチル水銀ジシアンジアミド、メチル水銀ペンタクロロフェノキシド、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、メトスルホバックス、ミルネブ、モルホリン殺真菌剤、ミクロブタニル、ミクロゾリン、N-(エチル水銀)-p-トルエンスルホンアニリド、ナバム、ナタマイシン、ナイスタチン、β-ニトロスチレン、ニトロタール-イソプロピル、ヌアリモール、OCH、オクチリノン、オフラセ、オプロジオン、有機水銀殺真菌剤、有機リン殺真菌剤、有機スズ殺真菌剤(廃止)、オルトフェニルフェノール、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチイン殺真菌剤、オキサゾール殺真菌剤、オキシン銅、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンタクロロフェノール、ペンチオピラド、フェニル水銀尿素、フェニル水銀アセテート、フェニル水銀クロリド、ピロカテコールのフェニル水銀誘導体、フェニル水銀硝酸塩、フェニル水銀サリチル酸塩、フェニルスルファミド殺真菌剤、ホスジフェン、ホスファイト、フタリド、フタルイミド殺真菌剤、ピコキシスロビン、ピペラリン、ポリカルバメート、高分子ジチオカルバメート殺真菌剤、ポリオキシン、ポリオキソリム、多硫化物殺真菌剤、アジ化カリウム、多硫化カリウム、カリウムチオシアネート、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピラカルボリド、ピラクロストロビン、ピラゾール殺真菌剤、ピラゾホス、ピリジン殺真菌剤、ピリジニトリル、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリミジン殺真菌剤、ピロキロン、ピロキシクロル、ピロキシフル、ピロール殺真菌剤、キナセトール、キナザミド、キンコナゾール、キノリン殺真菌剤、キノメチオネート、キノン殺真菌剤、キノキサリン殺真菌剤、キノキシフェン、キントゼン、ラベンザゾール、サリチルアニリド、シルチオファム、銀、シメコナゾール、アジ化ナトリウム、重炭酸ナトリウム[2][3]、オルトフェニルフェノキシドナトリウム、ペンタクロロフェノキシドナトリウム、多硫化ナトリウム、スピロキサミン、ストレプトマイシン、ストロビルリン殺真菌剤、スルホンアニリド殺真菌剤、硫黄、フッ化スルフリル、スルトロペン、TCMTB、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テコラム、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チアジフルオロ、チアゾール殺真菌剤、チシオフェン、チフルザミド、チモール、トリフォリン、チオカルバメート殺真菌剤、チオクロルフェンヒム、チオメルサル、チオファネート、チオファネート-メチル、チオフェン殺真菌剤、チオキノックス、チラム、チアジニル、チオキシミド、チベド、トルクロホス-メチル、トルナフテート、トリルフルアニド、トリル水銀アセテート、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリアミホス、トリアリモール、トリアズブチル、トリアジン殺真菌剤、トリアゾール殺真菌剤、トリアゾキシド、酸化トリブチルスズ、トリクラミド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリフォリン、トリチコナゾール、未分類の殺真菌剤、ウンデシレン酸、ユニコナゾール、ユニコナゾール-P、尿素殺真菌剤、バリダマイシン、バリナミド殺真菌剤、ビンクロゾリン、ボリコナゾール、ザリラミド、ナフテン酸亜鉛、ジネブ、ジラム、及び/又はゾキサミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
いくつかの実施形態では、本開示の主題の組成物は、農薬及び非腐食性ニトラピリン製剤を含む農薬/非腐食性ニトラピリン製剤含有組成物である。いくつかの実施形態では、農薬は、除草剤、殺虫剤又はそれらの組み合わせである。
【0132】
いくつかの実施形態では、本開示の主題の組成物は、殺真菌剤及び非腐食性ニトラピリン製剤を含む殺真菌剤/非腐食性ニトラピリン製剤含有組成物である。
【0133】
農薬/非腐食性ニトラピリン製剤含有組成物及び/又は殺真菌剤/非腐食性ニトラピリン製剤含有組成物中の非腐食性ニトラピリン製剤の量は変化させることができる。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤の量は、農薬/非腐食性ニトラピリン製剤含有組成物又は殺真菌剤/非腐食性ニトラピリン製剤含有組成物の総重量を100重量%としたときに約0.05~10重量%(より好ましくは約0.1重量%~4重量%、最も好ましくは約0.2~2重量%)のレベルで存在する。
【0134】
殺ダニ剤の例示的なクラスとしては、植物性ダニ駆除薬、架橋ジフェニル系ダニ駆除薬、カルバメート系ダニ駆除薬、オキシムカルバメート系ダニ駆除薬、カルバジン酸系ダニ駆除薬、ジニトロフェノール系ダニ駆除薬、ホルムアミジン系ダニ駆除薬、イソキサリン系ダニ駆除薬、大環状ラクトン系ダニ駆除薬、アベルメクチン系ダニ駆除薬、ミルベマイシン系ダニ駆除薬、ミルベマイシン系ダニ駆除薬、ダニ成長調節剤、有機塩素系ダニ駆除薬、有機リン酸系ダニ駆除薬、有機チオリン酸系ダニ駆除薬、ホスホン酸系ダニ駆除薬、ホスホアルミドチオラート系ダニ駆除薬、有機イチン系ダニ駆除薬、フェニルスルホンアミド系ダニ駆除薬、ピラゾールカルボキサミド系ダニ駆除薬、ピレスロイド系エーテル系ダニ駆除薬、四級アンモニウム系ダニ駆除薬、オイレトロイドエステル系ダニ駆除薬、ピロール系ダニ駆除薬、キノキサリン系ダニ駆除薬、メトキシアクリレートストロビルリン系ダニ駆除薬、テロン酸系ダニ駆除薬、チアソリジン系ダニ駆除薬、チオカルバメート系ダニ駆除薬、チオ尿素系ダニ駆除薬、及び未分類のダニ駆除薬が挙げられるが、これらに限定されない。これらのクラスの殺ダニ剤の例としては、限定されないが、植物性ダニ駆除薬(カルバクロール、サンギナリン)、架橋ジフェニルダニ駆除薬(アゾベンゼン、ベンゾキシメート、ベンジル、安息香酸、ブロモプロピレート、クロルベンシド、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンサルファイド、クロロベンジレート、クロロプロピレート、シフルメトフェン、DDT、ジコホル、ジフェニル、スルホン、ドフェナピン、フェンソン、フェントリファニル、フルオルベンシド、ジェニット、ヘキサクロロフェン、フェンプロキシド、プロクロノール、テトラジホン、テトラスル)、カルバメート系ダニ駆除薬(ベノミル、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、メチオカルブ、メトルカルブ、プロマシル、プロポクサー)、オキシムカルバメートダニ駆除薬(アルジカルブ、ブトカルボキシム、オキサミル、チオカルボキシム、チオファノックス)、カルバゼートダニ駆除薬(ビフェナゼート)、ジニトロフェノールダニ駆除薬(ビナパクリル、ダイネックス、ジノブトン、ジノキャップ、ジノキャップ-4、ジノキャップ-6、ジノクトン、ジノペントン、ジノスルホン、ジノテルボン、DNOC)、ホルムアミジンダニ駆除薬(アミトラズ、クロロジメホルム、クロロメブフォーム、ホルメタネート、ホルムパラネート、メディメフォーム、セミアミトラズ)、イソキサゾリンダニ駆除薬(アフォキソラナー、フルララナー、ロチラナー、サロラナー)、大環状ラクトンダニ駆除薬(テトラナクチン)、アベルメクチンダニ駆除薬(アバメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、セラメクチン)、ミルベマイシンダニ駆除薬(ミルベメクチン、ミルベマイシン、オキシム、モキシデクチン)、ダニ成長調節剤(クロフェンテジン、シロマジン、ジフロビダジン、ドフェナピン、フルアズロン、フルベンジミン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキシチアゾックス)、有機塩素系ダニ駆除薬(ブロモシクレン、カンフェクロル、DDT、ジエノクロル、エンドスルファン、リンデン)、有機リン系ダニ駆除薬(クロルフェンビンホス、クロトキシホス、ジクロルボス、ヘプテノホス、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、TEPP、テトラクロルビンホス)、有機チオリン酸ダニ駆除薬(アミジチオン、アミトン、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、アゾトエート、ベノキサホス、ブロモホス、ブロモホス-エチル、カルボフェノチオン、クロルピリホス、クロルチオホス、クマホス、シアントエート、デメトン、デメトン-O、デメトン-S、デメトン-メチル、デメトン-O-メチル、デメトン-S-メチル、デメトン-S-メチルスルホン、ジアリホス、ジアジノン、ジメトエート、ジオキサチオン、ジスルホトン、エンドチオン、エチオン、エトエート-メチル、フォルモシオン、マラチオン、メカバム、メタクリホス、オメトエート、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、パラチオン、フェンカプトン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスチン、ホキシム、ピリミホスメチル、プロチダチオン、プロトエート、ピリミテート、キナルホス、キンチオホス、ソファミド、スルホテプ、チオメトン、トリアゾホス、トリフェノホス、バミドチオン)、ホスホン酸ダニ駆除薬(トリクロルホン)、ホスホルアミドチオエートダニ駆除薬(イソカルボホス、メタミドホス、プロペタンホス)、ホスホロジアミドダニ駆除薬(ジメホックス、ミパホックス、シュラダン)、有機スズダニ駆除薬(アゾシクロチン、シヘキサチン、フェンブタチン、オキシド、ホスチン)フェニルスルファミドダニ駆除薬(ジクロフルアニド)、フタルイミドダニ駆除薬(ジアリホス、ホスメット)、ピラゾールダニ駆除薬(シエノピラフェン、フェンピロキシメート)、フェニルピラゾールダニ駆除薬(アセトロール、フィプロニル、バニリプロール)、ピラゾールカルボキサミドダニ駆除薬(ピフルブミド、テブフェンピラド)、ピレスロイドエステルダニ駆除薬(アクリナトリン、ビフェントリン、ブロフルスリネート、シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、ペルメトリン)、ピレスロイドエーテルダニ駆除薬(ハルフェンプロクス)、ピリミジナミンダニ駆除薬(ピリミジフェン)、ピロールダニ駆除薬(クロルフェナピル)、四級アンモニウムダニ駆除薬(サンギナリン)、キノキサリンダニ駆除薬(キノメチオナト、チオキノックス)、メトキシアクリレートストロビルリンダニ駆除薬(ビフジュンジ、フルアクリピリム、フルフェノキシストロビン、ピリミノストロビン)、亜硫酸エステルダニ駆除薬(アラマイト、プロパルギット)、テトロニック酸ダニ駆除薬(スピロジクロフェン)、テトラジンダニ駆除薬(クロフェンテジン、ジフロビダジン)、チアゾリジンダニ駆除薬(フルベンジミン、ヘキシチアゾックス)、チオカルバメートダニ駆除薬(フェノチオカルブ)、チオ尿素ダニ駆除薬(クロロメチウロン、ジアフェンチウロン)、未分類のダニ駆除薬(アセキノシル、アシノナピル、アミドフルメット、ヒ素、酸化物、クレンピリン、クロサンテル、クロタミトン、シクロプレート、シミアゾール、ジスルフィラム、エトキサゾール、フェナザフロール、フェナザキン、フルエネチル、メスルフェン、MNAF、ニフルリジド、ニッコーマイシン、ピリダベン、スルフィラム、スルフルラミド、硫黄、チューリンゲンシン、トリアラテン)が挙げられる。
【0135】
いくつかの実施形態では、殺ダニ剤はまた、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アルジカルブ、アレトリン、リン化アルミニウム、アミノカルブ、アミトラズ、アザジラクチン、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、Bacillus thuringiensis、ベンジオカルブ、ベータ-シフルトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ボミル、ブプロフェジン、シアン化カルシウム、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、クロルフェンビンホス、クロロベンジレート、クロルピクリン、クロルピリホス、クロフェンテジン、クロルフェナピル、クロチアニジン、クマホス、クロトキシホス、クロトキシホス+ジクロルボス、クライオライト、シフルトリン、シロマジン、シペルメトリン、ディート、デルタメトリン、デメトン、ジアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロロプロペン、ジクロルボス、ジコホル、ジクロトホス、ジエルドリン、ジエノクロル、ジフルベンズロン、ジカル(dikar)(殺真菌剤+殺ダニ剤)、ジメトエート、ジノキャップ、ジノテフラン、ジオキサチオン、ジスルホトン、エマメクチンベンゾエート、エンドスルファン、エンドリン、エスフェンバレレート、エチオン、エトプロップ、二臭化エチレン、二塩化エチレン、エトキサゾール、ファムフル、フェニトロチオン、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンバレレート、フロニカミド、フルシトリネート、フルバリネート、フォノホス、塩酸ホルメタネート、ガンマ-シハロトリン、ハロフェノジド、ヘキサキス、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、水和石灰、インドキサカルブ、イミダクロプリド、ケロセン、キノプレン、ラムダ-シハロトリン、ヒ酸鉛、リンダン、マラチオン、メホスホラン、メタアルデヒド(metaldehyde)、メタム-ナトリウム、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、臭化メチル、メチルパラチオン、メビンホス、メキサカルベート、ミルキー病スポア(Milky Disease Spores)、ナレド、ナフタレン、硫酸ニコチン、ノバルロン、オキサミル、オキシデメトン-メチル、オキシチオキノックス、パラ-ジクロロベンゼン、パラチオン、PCP、ペルメトリン、石油、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピペロニルブトキシド、ピリミカルブ、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロパルギット、プロペタンホス、プロポクサー、ピメトロジン、ピレトロイド-合成:アレスリン参照、ペルメトリン、フェンバレレート、レスメトリン、ジョチュウギク、ピリダベン、ピリプロキシフェン、レスメトリン、ロテノン、s-メトプレン、石鹸、農薬、フッ化ナトリウム、スピノサド、スピロメシフェン、スルホテップ、スルプロフォス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラクロルビンホス+ジクロルボス、テトラジホン、チアメトキサム、チオジカルブ、トキサフェン、トラロメトリン、トリメタカルブ、及びテブフェノジドから選択され得る。
【0136】
IV.方法
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤は、生産的農業の文脈においてそれらの使用を好都合にする方法で製剤化される。これらの方法で使用される非腐食性ニトラピリン製剤は、上述のようなニトラピリン錯体を含む。非腐食性ニトラピリン製剤は、以下のような方法で使用することができる。
A.植物の成長を改善し、かつ/又は土壌を肥料化する方法
B.硝化又はアンモニア放出又は発生を阻害する方法
C.ニトラピリン揮発を低減させる方法
D.土壌条件を改善する方法
E.非腐食性ニトラピリン製剤を調製する方法
【0137】
A.植物の成長を改善するための方法は、本明細書に開示される非腐食性ニトラピリン製剤又はその組成物を、土壌と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤又は組成物は、植栽作物の出芽前に土壌に施用される。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤は、植物に隣接する土壌、及び/又は植物の基部、及び/又は植物の根圏に施用される。
【0138】
植物の成長を改善するための方法はまた、非腐食性ニトラピリン製剤又はその組成物を、乾燥すると乾燥残渣を形成する液体分散液の形態で種子に種子コーティングとして施用することによって達成され得る。これらの実施形態では、種子コーティングは、ニトラピリン錯体が、最も必要とされる環境においてその有益な効果を発揮することができるように、植栽するときに、非腐食性ニトラピリン製剤を種子に極めて接近して提供する。すなわち非腐食性ニトラピリン製剤は、効果が所望の植物の周りに局在化され得る領域において、植物の成長を向上させるのを助ける環境を提供する。種子の場合、非腐食性ニトラピリン製剤を含有するコーティングは、種子の発芽、その後の植物の成長、及び植物の栄養素の利用可能性の増加のための増強された機会を提供する。
【0139】
B.影響を受ける領域における硝化又はアンモニア放出又は進化を阻害/低減するための方法は、非腐食性ニトラピリン製剤又はその組成物を、影響を受ける領域に施用することを含む。影響を受ける領域は、植物、圃場、牧草地、家畜若しくは家禽の収容施設、ペット用ゴミ、厩肥収集ゾーン、囲いを形成する直立壁、又は領域を実質的に覆う屋根に隣接する土壌であってもよく、そのような場合、非腐食性ニトラピリン製剤は収集ゾーン内の厩肥に直接施用されてもよい。非腐食性ニトラピリン製剤は、好ましくは、1トンの厩肥当たり約0.005~3ガロンのレベルで、そのままの形態で、又は約1~5のpHを有する水性分散液の形態で施用される。
【0140】
C.ニトラピリン揮発を低減させる方法は、ニトラピリンをポリアニオンと混合し、それによってニトラピリン錯体を形成することを含む。ニトラピリン錯体は、ニトラピリン遊離塩基と比較して揮発性が低い。いくつかの実施形態では、ニトラピリン錯体を含有する本明細書に開示される非腐食性製剤は、ニトラピリンがポリアニオンと錯体形成されていないニトラピリン及びその製剤と比較して、揮発性を約5%~約40%、約8%~約35%、又は約10%~約30%(又は約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、若しくは約29%)低減させる。
【0141】
D.硝化プロセス、ウレアーゼ活性、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される土壌条件を改善するための方法であって、有効量の、記載の非腐食性ニトラピリン製剤又はその組成物を、土壌に施用する工程を含む、方法。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤は、アンモニア性固体、液体、又は気体肥料、特に固体肥料と混合される。後者の場合、非腐食性ニトラピリン製剤が水性分散物として肥料の表面に施用され、続いて乾燥され、その結果、ニトラピリン-有機酸イオン混合物が乾燥残渣として固形肥料上に存在する。非腐食性ニトラピリン製剤は、一般に、100重量%とした非腐食性ニトラピリン製剤/肥料製品の総重量に基づいて、約0.01~約10重量%のレベルで施用される。肥料が水性液体肥料である場合、非腐食性ニトラピリン製剤は混合しながらそこに添加される。非腐食性ニトラピリン製剤は、そのままの形態であるか、又は水性分散液中にあり、最大約3のpHを有する。
【0142】
E.非腐食性ニトラピリン製剤の調製方法は、アミン系腐食阻害剤を有機溶媒に添加して第1の混合物を形成し、第1の混合物をニトラピリンと接触させて第2の混合物を形成し、任意選択で第2の混合物をポリアニオンと接触させて第3の混合物にすることを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤、消泡剤、及び/又は分散剤などの添加剤が第3の混合物に添加される。有機溶媒を必要としない実施形態では、アミン系腐食阻害剤をニトラピリン含有剤と直接接触させて、非腐食性ニトラピリン製剤を形成する。
【0143】
F.農業機器で使用される金属系材料の腐食を低減させる方法であって、本明細書に開示される非腐食性ニトラピリン製剤を得ることと、一定期間、金属表面を非腐食性ニトラピリン製剤と接触させることと、を含む、方法。いくつかの実施形態では、金属表面は、農業機器の一部である。いくつかの実施形態では、金属表面は、アルミニウム、軟鋼、炭素鋼、鉄、炭素鋼、鋼合金、又はそれらの組み合わせを含有する。そのような方法では、金属系材料の腐食量は、本明細書に開示される腐食阻害剤組成物を含有しないニトラピリン含有組成物と接触している金属系材料の腐食量よりも少ない。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤は、本明細書に開示される腐食阻害剤組成物を含有しないニトラピリン含有製剤と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は少なくとも99%金属系材料の腐食を阻害する。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン製剤は、本明細書に開示される腐食阻害剤組成物を含有しないニトラピリン含有製剤と比較して、約20%~約99%、約30%~約99%、約50%~約99%、約60%~約99%、約75%~約99%、約85%~約99%、又は約90%~約99%の量で金属系材料の腐食を阻害する。
【0144】
いくつかの実施形態では、取得工程と接触工程との間の時間は、変化し得る。いくつかの実施形態では、取得工程及び接触工程は、約24時間、約20時間、約15時間、約10時間、約5時間、約3時間、又は約1時間以内に行われる。
【0145】
いくつかの実施形態では、非腐食性製剤と金属系材料の表面との間の接触時間は変化する。いくつかの実施形態では、非腐食性製剤と表面との間の接触時間は、約1分~約24時間、約1時間~約20時間、約5時間~約15時間、又は約7時間~約時間の範囲である。いくつかの実施形態では、接触時間は約24時間未満である。いくつかの実施形態では、接触時間は1時間未満である。
【0146】
いくつかの実施形態では、接触工程の温度は、変化し得る。いくつかの実施形態では、接触工程が行われる温度は、約-20℃~約40℃の範囲である。
【0147】
いくつかの実施形態では、上記の方法A、B、及びDは、所望の領域を、1エーカー当たり約100g~約120gの非腐食性ニトラピリン製剤の割合で非腐食性ニトラピリン製剤と接触させることを含む。非腐食性ニトラピリン製剤は、いくつかの実施形態では、溶液中にて、1U.S.ガロン当たり約0.5lbs~約4lbs、又は1U.S.ガロン当たり約1lb~約3lbs、又は1U.S.ガロン当たり約2lbsの量であり得る。いくつかの実施形態では、この方法は、所望の領域を約0.5~約4qt/A、又は約1~約2qt/Aの割合で接触させることを含む。
【実施例
【0148】
以下の例は例示のみを目的として提供されており、その中のいかなるものも限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0149】
実施例1.ニトラピリン/ポリアニオン性ポリマー塩の揮発性の減少。
3つの材料を100℃の加熱平衡に置き、元の重量のパーセントとしてそれらの重量を毎分10分間にわたって観察した。材料は以下のとおりであった。
1.純粋なニトラピリン、
2.スルホラン中の25%w/wのニトラピリン溶液、及び
3.同様にスルホラン(ニトラピリン/ポリアニオン性ポリマー塩)中の等モル(酸ベース)量のマレイン酸-イタコン酸コポリマーを有する25%ニトラピリン塩の溶液。
【0150】
表2~3の減量データは、ニトラピリン及び有機酸のイオン混合物が、溶液として及び遊離ニトラピリンとしての両方で、遊離ニトラピリンと比較して、ニトラピリン損失の割合が顕著に減少したことを示す。データは、未処理と比較してイオン混合物の一部として使用した場合、ニトラピリンの揮発が10~30%低減したことを示す。したがって、開示されるニトラピリン-有機酸イオン混合物は、ニトラピリンの揮発を実質的に低減させる。
【表2-1】
【表2-2】
【0151】
ポリアニオン性ポリマーなしのニトラピリン溶液の相対揮発性を決定するために試験を実行した。
【表3】
【0152】
実施例2.ニトラピリン塩の溶液の形成及び溶液のグレード分け。
【表4】
【表5-1】
【表5-2】
【表6】
【表7】

【表8】
【0153】
本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は同じ意味を有する。使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を保証するように努力がなされてはいるが、ある程度の実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。
【0154】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」という用語は、文脈が他の意味を必要とする場合を除いて、非排他的な意味で使用される。本明細書に記載の実施形態は、「からなる(consisting of)」及び/又は「から本質的になる(consisting essentially of)」実施形態を含むことが理解される。
【0155】
本明細書で使用される場合、値に言及する場合の「約」という用語は、特定の量から、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%、及びいくつかの実施形態では±0.1%の変動を包含することを意味し、そのような変動は、開示された方法を実行するため、又は開示された組成物を使用するために適切である。
【0156】
値の範囲が提供される場合、文脈上明確に別段の指示がない限り、範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの各介在値、及びその記載された範囲内の任意の他の記載値又は介在値が包含されることが理解される。より小さい範囲に独立して含まれ得るこれらの小さい範囲の上限及び下限もまた、記載された範囲内の任意の具体的に除外される限界を条件として包含される。記載される範囲が限界値の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界値のいずれか又は両方を除外する範囲もまた含まれる。
【0157】
前述の説明及び関連する図面に提示された教示の利益を有する、この主題が関係する当業者には、本明細書に記載された多くの修正及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、主題は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。特定の用語が本明細書で用いられているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
【国際調査報告】