(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】コンプレッサシステム用の液体分離装置、このような液体分離装置用の粗分離器、ならびに液体分離システム
(51)【国際特許分類】
F04B 39/04 20060101AFI20240912BHJP
B01D 45/08 20060101ALI20240912BHJP
B01D 45/16 20060101ALI20240912BHJP
F04B 39/16 20060101ALI20240912BHJP
F04B 41/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F04B39/04 G
B01D45/08 Z
B01D45/16
F04B39/16 Z
F04B41/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516694
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2022073945
(87)【国際公開番号】W WO2023041313
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】102021210219.0
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503159597
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80,D-80809 Muenchen,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン クラムリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス キップ
(72)【発明者】
【氏名】マーク-オリヴァー ヘアデン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング クーン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ヴィンクラー
(72)【発明者】
【氏名】コーネリア スプリングル
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス グラウ
【テーマコード(参考)】
3H003
3H076
4D031
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AC02
3H003BG00
3H003BH00
3H003BH05
3H076AA16
3H076BB11
3H076BB16
4D031AB02
4D031AC03
4D031AC04
4D031BA01
4D031BA06
4D031BA07
4D031DA01
4D031DA04
4D031EA01
(57)【要約】
本発明は、コンプレッサシステム用の液体分離装置であって、少なくとも1つの分離面を有する粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)と、分離面に空気・液体混合物(70)を供給するように構成された少なくとも1つの混合物供給部(20,20’,20’’,20’’’)とを有しており、混合物供給部(20,20’,20’’,20’’’)は、分離面に面した混合物供給放出口を備えて形成されており、混合物供給放出口は、粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)の分離面に対して相対的に、分離面に当接する混合物流(70a)が、実質的に接線状に、分離面の少なくとも1つの区分にわたってガイドされるように配置されている、液体分離装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサシステム用の液体分離装置であって、
少なくとも1つの分離面を有する粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)と、
前記分離面に空気・液体混合物(70)を供給するように構成された少なくとも1つの混合物供給部(20,20’,20’’,20’’’)と
を備え、
前記混合物供給部(20,20’,20’’,20’’’)は、前記分離面に面した混合物供給放出口を備えて形成されており、前記混合物供給放出口は、前記分離面に当接する混合物流(70a)が、実質的に接線状に、前記分離面の少なくとも1つの区分にわたってガイドされるように、前記粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)の前記分離面に対して配置されている、液体分離装置。
【請求項2】
前記分離面に面した前記混合物供給放出口の横断面は、前記粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)からの前記混合物流(70a)の流出面積以下であり、特に前記流出面積の半分以下であり、好適には前記流出面積の1/3以下である、請求項1記載の液体分離装置。
【請求項3】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)は、前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)に位置固定されて接続されている、または接続可能である、請求項1または2記載の液体分離装置。
【請求項4】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)と前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)との接続には、接続手段、特に少なくとも1つの接続ウェブ(20a’,20b’,20c’)を、好ましくは3つの接続ウェブが用いられ、前記接続ウェブは、さらに好ましくは変形可能に形成されている、請求項3記載の液体分離装置。
【請求項5】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)と前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)との相対位置は、適合装置を介して適合可能である、請求項3または4記載の液体分離装置。
【請求項6】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)と前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)との接続部は、取り外し可能に形成されている、請求項3から5までのいずれか1項記載の液体分離装置。
【請求項7】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)と前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)とは一体に形成されている、請求項3から5までのいずれか1項記載の液体分離装置。
【請求項8】
前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)の、前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)に面した分離面は、少なくとも、前記混合物流(70a)が通流すべき横断面区分で、実質的に凹状に湾曲されて形成されており、前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)は、前記混合物流(70a)が少なくとも所定の区分で、凹状の前記湾曲に実質的に沿ってガイドされるように配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の液体分離装置。
【請求項9】
前記粗分離器(30’)の前記分離面は、放物線状にまたはドーム状に、特にドーム先端に向かって円錐状に先細りするドームの形態で形成されていて、前記混合物供給部(20’)は、前記混合物流(70a)が、少なくとも前記分離面の一方の側から、放物線の方向転換点もしくはドーム円弧を経由して、前記分離面の他方の側へとガイドされるように配置されている、請求項8記載の液体分離装置。
【請求項10】
前記粗分離器(30’’)の前記分離面は、放物線状、円筒状、または円錐状の物体を形成しており、前記物体は、少なくとも1つの開かれた第1の端面、特に円筒体の、閉じられた第2の端面、または放物線状または円錐状の前記物体の、前記開かれた第1の端面に対向する閉じられた第2の端部区分を有しており、前記混合物供給部(20’’)は、前記混合物流(70a)が、放物線状、円筒状、または円錐状の前記物体の周方向で、放物線状、円筒状、または円錐状の区分面に沿って接線状に、前記開かれた第1の端面に向かってガイドされるように形成されている、請求項8記載の液体分離装置。
【請求項11】
前記分離面は、前記混合物流(70a)が、前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)から流出する際の流れ方向を起点として、前記粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)からの流出までに、少なくとも90°、特に120°、好適には150°、さらに好適には170°変向可能であるように、湾曲されている、請求項8から10までのいずれか1項記載の液体分離装置。
【請求項12】
前記分離面は、少なくとも部分的に異形成形されて形成されている、かつ/または摩擦を高める表面を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載の液体分離装置。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の液体分離装置用の粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)であって、分離面が、請求項2および/または請求項8から12までのいずれか1項により形成されており、これにより混合物流(70a)が接線状に導入可能であって、特に、流れ横断面の拡大、流れ方向の変向、および/または前記分離面に沿った摩擦により制動可能である、粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか1項記載の液体分離装置および/または請求項13記載の粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)を備えた液体分離システム(1,1’)であって、前記液体分離装置は、前記液体分離システム(1)内に、混合物流(70a)が、少なくとも垂直方向の一定の割合の流れを含んで、特に重力の作用方向に向けられた一定の割合の流れを含んで、前記粗分離器(30,30’,30’’)から流出するように配置されていて、かつ/または前記液体分離システム(1,1’)は別の液体分離器(40)を有しており、前記別の液体分離器は、前記混合物流(70a,70b,70c)が、前記別の液体分離器(40)に、少なくとも所定の区分で、重力に抗する流れ方向で供給可能であるように配置されている、液体分離システム(1,1’)。
【請求項15】
前記液体分離システム(1,1’)は、液体パン(11)を有しており、前記別の液体分離器(40)、特に微細分離器は、重力方向で前記液体パン(11)とは反対の側に配置されている、請求項14記載の液体分離システム(1,1’)。
【請求項16】
前記液体分離システム(1’)は、前記粗分離器(30’’’)の分離面を形成するケーシング(10’’’)を有している、請求項14または15記載の液体分離システム(1’)。
【請求項17】
前記混合物供給部(20’’’)は、前記混合物流(70a)が重力とは逆方向に向けられるように方向付けられている、請求項16記載の液体分離システム(1’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンプレッサシステム用の液体分離装置、このような液体分離装置用の粗分離器、ならびにこのような液体分離装置および/またはこのような粗分離器を備えた液体分離システムに関する。
【0002】
コンプレッサシステム、例えば、オイル潤滑されるスクリュコンプレッサを備えたコンプレッサシステムでは、コンプレッサによって圧縮される空気は、潤滑および冷却のために使用されたオイルを含んでいる場合がある。さらなる利用のためにコンプレッサシステム内にオイルを留めるために、またはコンプレッサシステムの外側の周囲への余剰なオイル放出を少なくとも減じるために、液体分離システム、もしくはこの場合、オイル分離システムが使用される。このような液体分離システムは、例えば粗分離器と微細分離器とを有している。粗分離器としては、単純なメンテナンス不要の構造が使用される。バッフルプレートとしても公知のこのような構造に向かって、圧縮された空気・オイル混合物が、コンプレッサから圧力管片を介して、比較的大きな角度で案内される。衝突速度および衝突角度に応じて、空気・オイル混合物の衝突により、様々な大きさのオイル滴が生じる。比較的大きな滴は、重力に基づき、バッフルプレートから直接、またはバッフルプレート近傍の領域で、オイルパンに到る。しかしながら、衝突により生じた比較的小さい滴は、二次噴霧として、混合物流によって、微細分離器の方向にさらに搬送される。微細分離器に到達する空気・オイル混合物内に残っているオイルの割合が高い程、微細分離器、もしくは微細分離器のために使用される例えば合体フィルタの耐用期間は短くなる。さらに、コンプレッサシステムは、微細分離器で吸い込まれるオイル量が多量なほど非効率になる。
【0003】
上述した説明を考慮して、本発明の根底にある課題は、コンプレッサシステム用の液体分離の効率を高めることができる、コンプレッサシステム用の液体分離装置、このような液体分離装置用の粗分離器、ならびにこのような液体分離装置および/またはこのような粗分離器を備えた液体分離システムを提供することである。
【0004】
この課題は、並列独立請求項による液体分離装置、粗分離器、ならびに液体分離システムにより解決される。本発明の有利な別の構成は、従属請求項に含まれる。
【0005】
本発明によれば、コンプレッサシステム用の液体分離装置は、少なくとも1つの分離面を有する粗分離器と、分離面に空気・液体混合物を供給するように構成された少なくとも1つの混合物供給部とを有している。混合物供給部は、分離面に面した混合物供給放出口を備えて形成されており、混合物供給放出口は、粗分離器の分離面に対して相対的に、分離面に当接する混合物流が、実質的に接線状に、分離面の少なくとも1つの区分にわたってガイドされるように、そしてさらに好ましくは、分離面に接線状に流入するように、すなわち混合物流が、分離面に接線状に衝突するように、配置されている。
【0006】
混合物供給部は、例えば、圧力管片であってもよく、この圧力管片を介して、コンプレッサからの空気・液体混合物が案内され、混合物供給放出口としての圧力管片出口を介して粗分離器へと供給可能である。混合物供給部もしくは混合物供給放出口は、空気・液体混合物から液体を分離するために、粗分離器に設けられた分離面に、この分離面が実質的に接線状に通流されるように、または少なくとも混合物流の、実質的なすなわち少なくとも殆どの接線状のさらなるガイドを分離面に沿って可能とする角度で、方向付けられている。これにより、混合物流は、殆どが分離面で跳ね返るのではなく、殆どが分離面に接触してガイドされる。換言すると、空気・液体混合物の分離面への衝突角度は、混合物供給部もしくは混合物供給放出口を分離面に関して相応に配置することにより、バッフルプレートの意図で使用される分離面の場合よりも小さくなる。流入する空気・液体混合物の方向からの、流入する空気・液体混合物と分離面との間の衝突角度は、特に、0°~50°、好適には0°~40°、特に好適には0°~30°である。次いで、分離面に沿って接線状にガイドされる混合物流は、この場合、実質的に、摩擦作用と、流れ横断面の拡大とにより制動され、これにより、液体は、混合物流から少なくとも部分的に分離される。この場合、混合物流の制動が強力になるほど、より大きな液滴が、重力によって分離される。摩擦作用および流れ横断面の拡大は、混合物流が分離面に沿ってガイドされる距離によって、共に決定され得る。例えば、その他の条件が同じ場合には、比較的長い距離によって、より高い制動作用も生じる。分離面に沿った混合物流の接線状のガイドにより、さらに、二次噴霧の割合が減じられる。特に、二次噴霧の割合は、混合物流の接線状のガイドが、例えば流れ抵抗および渦流もしくは乱流により生じ得るようなよどみ圧を僅かに保つことができるように、またはほぼ回避することができるように、選択されることにより減じられる。
【0007】
分離面で分離され、オイルパンのような液体パン内に既にある液滴またはオイル滴の数の増加ならびに二次噴霧の減少により、コンプレッサシステムの効率、ならびに下流にある別の液体分離器、例えば微細分離器の耐用期間は向上する。粗分離器の分離面における液体分離は、今や、バッフルプレートの場合のように、もはや衝突角度および衝突速度のみを基準として行われるのではなく、分離面に沿ったガイド、およびこれに伴う摩擦作用および制動作用によっても影響を受けて行われるので、粗分離器のためにより多くの形状の可能性が生じる。
【0008】
液体としては、コンプレッサシステムを冷却および/または潤滑するためのオイルまたはオイル含有液を使用することができる。しかしながら代替的には、予め定められた仕様の範囲で冷却および/または潤滑を可能にする他の液体または液体混合物を使用することもできる。以下では、「オイル」という用語および「オイル」という用語を含む用語は、「液体」という用語と同義で使用することもできる。したがって、「オイル」という概念には、コンプレッサシステムにおいて使用するためのオイル代替材料またはその他の冷却液および/または潤滑液も含まれる。
【0009】
1つの構成では、分離面に面した混合物供給放出口の横断面は、粗分離器からの混合物流の流出面積以下であり、特にこの流出面積の半分以下であり、好適にはこの流出面積の1/3以下である。
【0010】
混合物流の流出面積に比較して小さい、混合物供給放出口の構成により、混合物流の流れ横断面の拡大が支援される。したがって、より高い制動作用、ひいてはより高い分離率を得ることができる。この場合、特に有利には、混合物供給放出口の横断面積と、粗分離器から出る混合物流の流出面積との比は、1:3以下である。この場合、粗分離器から出る混合物流の流出面積は、粗分離器から出る混合物流の流出のために設けられた、粗分離器の開口の面積に相当する。換言すると、粗分離器内に流入する際の混合物供給流の流れ横断面は、粗分離器から混合物流が出る際に混合物流に対して流れ技術的に関連する流出面積よりも特に小さい。
【0011】
1つの構成では、混合物供給部は、粗分離器に位置固定されて接続されている、または接続可能である。
【0012】
これにより、混合物供給放出口を、分離面に対して位置固定された関係で配置することができ、これにより、分離面に沿った混合物流の流れ特性は、幾何学的な観点では、混合物供給部と粗分離器との接続の公差にしか影響を受けない。したがって、例えば、コンプレッサシステムの各ケーシング区分に混合物供給部と粗分離器とを別個に組み付けるよりも、混合物供給部と粗分離器との位置固定された接続は、相対位置の変動幅が僅かであり、ひいては、分離成果の再現可能性がより高くなる。特に、また、手間のかかる調整過程を省くことができ、もしくは少なくとも各ケーシング区分の外側で行うことができるので、粗分離器を備えた混合物供給部の再利用、および/またはこのような組み合わせの使用もこれにより容易になる。
【0013】
さらなる構成によれば、混合物供給部と粗分離器との接続には、接続手段、特に少なくとも1つの接続ウェブを、好ましくは3つの接続ウェブが用いられ、接続ウェブは、さらに好ましくは変形可能に形成されている。
【0014】
これらの接続手段を介して、混合物供給部を、粗分離器に対して位置固定した関係で保持することができる。例えば、接続ウェブは、混合物供給放出口を、所定の間隔および角度で分離面に関して位置固定して配置するための接続手段として形成されていてもよい。したがって、接続ウェブは、混合物供給部と、粗分離器との両方に接続されている、または接続可能である。複数の接続ウェブ、例えば、混合物供給部もしくは混合物供給放出口の周囲にそれぞれ約120°の間隔を置いて配置された3つの接続ウェブを使用することにより、位置固定された接続の安定性をさらに高めることができる。誤差を補償するために、または衝突角度を適合させるために、少なくとも1つの接続ウェブは、変形可能に形成されていてもよい。この場合、変形は、例えば塑性的に行われるが、弾性変形が保持可能である場合には、弾性的に行われてもよい。
【0015】
接続ウェブの使用に対して代替的に、混合物供給部を別の形式で位置固定して、接続手段を介して粗分離器に接続することもできる。例えば、混合物供給部を、粗分離器によって形成された混合物供給部ホルダ内にねじ込むことができる。
【0016】
特に、混合物供給部と粗分離器との相対位置は、適合装置を介して適合可能である。
【0017】
変形可能性に対して代替的にまたは補足的に、例えば、少なくとも1つの接続ウェブが、テレスコープ式に長さ変更可能であってもよい。この場合、接続ウェブ自体は、相応の適合装置を有している。しかしながら、混合物供給部および/または粗分離器が、少なくとも1つの接続ウェブのための取付け装置を有していてもよく、これにより接続ウェブは、様々な長さ区分で、混合物供給部および/または粗分離器に取付け可能である。粗分離器によって形成される混合物供給部ホルダ内への混合物供給部のねじ込みの上述した例に関して、適合装置は、例えば、混合物供給部と混合物供給部ホルダとのねじ山の協働を介しても調節可能にねじ込むことができる。
【0018】
適合装置を介して、粗分離器に対する混合物供給部の所定の相対位置からの誤差に基づくずれを修正することができ、または例えば、混合物流の意図的に変更された流れ特性のために、全く別の相対位置も調節可能とすることができる。
【0019】
適合装置は、相対位置を制御して適合させるために、制御装置を介して制御することができるように構成されていてもよい。例えば、所定の相対位置からのずれを検出する監視装置に、位置変更装置が連結されていてもよい。位置検出を介して直接的に、かつ/または流れ測定を介して間接的にも、ずれを検出することができる。代替的にまたは補足的に、制御装置は、コンプレッサの作動モード、分離面に対する空気・液体混合物の衝突速度、および/または微細分離器の状態によっても、相対位置を制御することができる。例えば、分離面に対する空気・液体混合物の衝突速度が僅かな場合には、より大きな衝突角度を調節することができる。衝突速度が比較的低い場合には、二次噴霧の危険性は低くなるので、分離面はしたがって部分的に、バッフルプレートとして使用可能である。
【0020】
1つの構成では、混合物供給部と粗分離器との接続は取り外し可能に形成されている。
【0021】
したがって、混合物供給部または粗分離器は、独立的に交換可能であり、その後再び互いに位置固定されて接続可能である。
【0022】
代替的には、混合物供給部と粗分離器とは一体に形成されている。
【0023】
例えば、混合物供給部と粗分離器とは、モノリシックにまたは取り外し不能に互いに接続されていてもよい。一体的な構造形式の剛性的な構成により、混合物供給部と粗分離器との間の位置固定された接続は、通常の使用環境では、変化に対して比較的敏感ではない。しかしながら、一体的な構造形式は、剛性的な構成に対して代替的に、少なくとも所定の区分で変形可能なエレメントをさらに有していてもよく、この変形可能なエレメントにより相対位置を調節可能とすることができる。例えば、少なくとも1つの接続ウェブは、少なくとも所定の区分で変形可能なエレメントとしてスワンネック区分または屈曲アーム区分を有していてもよく、この区分を介して、相対位置の可逆的な変更を実施することができる。少なくとも1つの接続ウェブまたはその1つの領域の材料選択および/または寸法設定により、この少なくとも1つの接続ウェブまたはその1つの領域は、代替的または補足的に、少なくとも所定の区分で変形することができる。行われる変形により、混合物供給部と粗分離器との間の相対位置、ひいては、分離面に対する混合物流の衝突角度は調節可能である。
【0024】
さらなる構成によれば、粗分離器の、混合物供給部に面した分離面は、少なくとも、混合物流が通流すべき横断面区分で、実質的に凹状に湾曲されて形成されており、前記混合物供給部は、混合物流が少なくとも所定の区分で、凹状の湾曲に実質的に沿ってガイドされるように配置されている。
【0025】
凹状の湾曲の曲率半径は、一定または可変であってもよい。混合物供給部は、凹状の湾曲に面しているので、混合物流は、凹状の湾曲を介してガイド可能であり、したがって、いわば円弧状に延在する。これにより、分離面に沿った混合物流の接線状のガイドが支援され、また混合物流はさらに制動もされる。したがって、混合物流の流れ軌道は、混合物流が通流すべき横断面区分を模倣する。
【0026】
特に、粗分離器の分離面は、放物線状にまたはドーム状に、特にドーム先端に向かって円錐状に先細りするドームの形態で形成されていて、混合物供給部は、混合物流が、少なくとも分離面の一方の側から、放物線の方向転換点もしくはドームアーチを経由して、分離面の他方の側へとガイドされるように配置されている。
【0027】
粗分離器が、例えば、ドームアーチとしての丸み付けされたドーム先端を備えた円錐として形成されていて、ドーム先端の対向側では開放されているならば、混合物供給部は、円錐のこの開放領域に配置されていてもよい。しかしながら、ドームアーチは、ドーム先端に対して代替的に、粗分離器の、凹状に湾曲された別の区分によって形成されていてもよい。分離面は、円錐の内面によって形成される。混合物供給放出口は、この場合、例えば、空気・液体混合物が、円錐の対称軸線の方向に面した円錐面に沿って接線状に、ドームアーチに向かって流され、次いで、ドームアーチから、反対側の円錐面に沿って再び円錐開口に向かって流されるように、方向付けられている。したがって、混合物流が通流すべき横断面は、ドームアーチを通る円錐横断面の横断面区分であってもよく、かつ円錐の対称軸線に対して平行であってもよい。概して、混合物流が通流すべき横断面は、ドームアーチの湾曲を有しているドームアーチの横断面区分である。この場合、分離面の円錐状の構成は、回転対称的な円錐とは異なっていてもよい。しかしながら上述した説明は、このような構成にも適用可能であり、この場合、対称軸線は、円錐状の物体の開放側から、ドームアーチもしくはドーム先端へと延在する長手方向軸線に代替可能である。類似の形式で、粗分離器の分離面は、別の凹状の湾曲形状を有していてもよい。分離面の放物線状の構成では、混合物流は、少なくとも、混合物流の流れ方向の転換点を有する、放物線状の分離面の湾曲部を介してガイドされる。この区分は、放物線の方向転換点に相当する。
【0028】
代替的に、粗分離器の分離面は、放物線状、円筒状、または円錐状の物体を形成しており、この物体は、少なくとも1つの開かれた第1の端面、特に円筒体の、閉じられた第2の端面、または放物線状または円錐状の物体の、開かれた第1の端面に対向する閉じられた第2の端部区分を有しており、混合物供給部は、混合物流が、放物線状、円筒状、または円錐状の物体の周方向で、放物線状、円筒状、または円錐状の区分面に沿って接線状に、開かれた第1の端面に向かってガイドされるように形成されている。
【0029】
放物線状または円錐状の物体では、開かれた第1の端面は、特に先細りする区分よりも拡開された端面である。凹状に湾曲された物体としての放物線状、円筒状、または円錐状の物体は、この物体によって形成される凹状の湾曲によってそれぞれ取り囲まれる長手方向軸線を有している。したがって、回転対称的な円筒または円錐の場合、長手方向軸線は対称軸線である。混合物供給部もしくは混合物供給放出口は、空気・液体混合物が、開かれた第1の端面の方向に向かって分離面に衝突し、次いで、分離面に沿って周方向で接線状に、開かれた第1の端面に向かってガイドされるように配置されている。
【0030】
混合物流は、例えば、円筒状の物体においては、分離面としての円筒内面に沿って螺旋状に、開かれた第1の端面に向かってガイドされていてもよい。混合物供給放出口の傾斜角度に応じて、ひいては、開かれた第1の端面の方向に向かう空気・液体混合物の衝突角度の傾斜角度に応じて、混合物流の接線状のガイド距離および/または凹状に湾曲された物体の長手方向軸線を中心として混合物流が回転する回数を調節することができる。傾斜角度を介して、長手方向軸線の方向で混合物流が重畳するリスクも減じることができ、これにより渦流が回避される。それぞれ混合物流が通流すべき横断面は、この場合、凹状に湾曲された物体の長手方向軸線に、混合物流の各傾斜角度において交差する平面にある。長手方向軸線を中心として複数回、回転する場合には、通流すべき横断面の複数の区分が長手方向軸線の方向で相前後して続く。
【0031】
円筒の第2の端面、または放物線状または円錐状の物体の、開かれた第1の端面に対向する閉じられた端部区分が閉じられている限り、空気・液体混合物もしくは混合物流の一部が、円筒の第2の端面、または放物線状または円錐状の物体の、開かれた第1の端面に対向する閉じられた端部区分を通って逃出することはないことを保証することができる。したがって、混合物流は制御されながら、開かれた第1の端面から外へ出される。
【0032】
特に、分離面は、混合物流が、混合物供給部から流出する際の流れ方向を起点として、粗分離器からの流出までに、少なくとも90°、特に120°、好適には150°、さらに好適には170°変向可能であるように、湾曲されている。
【0033】
したがって、凹状の湾曲、もしくは、これについて上述した構成のうちの1つは、混合物流の流れ方向で、少なくとも混合物流の距離にわたって、少なくとも90°、特に120°、好適には150°、さらに好適には170°湾曲された分離面を有する。これにより得られる、混合物流の変向により、混合物流を再び制動する圧力損失を生じさせることができる。制動作用により、さらに、分離率を高めることができる。
【0034】
1つの構成では、分離面は、少なくとも部分的に異形成形されて形成されている、かつ/または摩擦を高める表面を有している。
【0035】
この場合、摩擦を高める表面という概念は、例えば、研磨された表面と比較して高い摩擦を生じさせる表面を意味する。分離面に沿った接線状の流れによる混合物流からの液体分離は、摩擦作用および制動作用に基づいているので、このような作用は、少なくとも部分的に摩擦を高める表面により助成される。摩擦係数は、例えば、粗さを高めることにより調節することができる。代替的にまたは補足的に、相応のコーティングが、分離面上に設けられてもよく、もしくは分離面を形成してもよい。代替的または補足的に、分離表面は、少なくとも部分的に異形成形されてもよい。異形成形は、表面構造化する形状として、摩擦を高めるために均等に貢献することができる。代替的または補足的に、例えば小さな凹部の形態の異形成形部は、混合物流を部分的に、混合物流からの液体の分離のために、凹部内に捕捉し、もしくはさらに制動することができる。さらに代替的または補足的には、異形成形部により、渦流を回避するように、または少なくとも減じるように、かつ/または混合物流を所定の領域に制限する、もしくは意図的にガイドするように、混合物流を予め規定された混合物流軌道においてガイドすることができる。例えば、上述した円筒状の物体は、第2の端面から、開かれた第1の端面に通じる、長手方向軸線を中心として螺旋状に延在する溝を有することができ、この溝内で、混合物流が実質的に接線状にガイドされる。対向する溝壁の間の間隔、すなわち溝幅は、この場合、開かれた第1の端面に向かって連続的に、または連続した区分で増大することができ、これにより、混合物流の拡開により、付加的な制動作用もしくは減速作用が生じる。
【0036】
本発明のさらなる態様は、上述した液体分離装置用の粗分離器であって、分離面が、液体分離装置のために記載したように形成されており、これにより混合物流が、接線状に導入可能であって、特に、流れ横断面の拡大、流れ方向の変向、および/または分離面に沿った摩擦により制動可能である。
【0037】
分離面の様々な構成の可能性について上述したように、粗分離器は、粗分離器によって、接線状に導入された混合物流が、摩擦により、特に、分離面に沿った流れのために規定された距離に関連して制動可能であるように構成されている。制動は、さらに、分離面の相応の表面特性、粗分離器内に進入する際の混合物流の流れ横断面と、粗分離器から出る際の混合物の流れ横断面との比による流れ横断面の拡大、かつ/または流れ方向の変向により、さらに支援することができる。これにより、分離のために比較的大きな滴が形成されるだけでなく、二次噴霧も減じることができる。液体分離装置に関して説明されたような、粗分離器の上述した構成、およびそれに伴う各利点は、したがって粗分離器にも直接、転用可能である。
【0038】
さらなる態様では、本発明は、上述した液体分離装置および/または上述した粗分離器を備えた液体分離システムであって、液体分離装置は、液体分離システム内に、混合物流が、少なくとも垂直方向の流れ部分をもって、特に重力の作用方向に向けられた流れ部分をもって、粗分離器から流出するように配置されていて、かつ/または液体分離システムは別の液体分離器を有しており、この別の液体分離器は、混合物流が、別の液体分離器に、少なくとも所定の区分で、重力に抗する流れ方向で供給可能であるように配置されている、液体分離システムに関する。
【0039】
したがって、粗分離器から流出した混合物流は、まずは、液体パンに向かって方向付けることができ、その後、混合物流は重力に抗して別の液体分離器の方向に供給される。粗分離器の分離面は、この場合特に、少なくとも所定の区分で、重力の方向で液体パンに向かって開放されているので、混合物流から分離面上に分離された液体は、重力の方向で液体パン内に捕集することができる。好適には、分離面は、重力の方向で、液体パンに向かって完全に開放されているので、分離面の領域では液体は捕集されない。この場合、混合物供給部は、液体パンを貫通して、混合物供給放出口が、重力の方向で、所定の最大液体パンレベルの上方に配置されているように、配置することができる。
【0040】
上述した代替的なまたは補足的な態様では、別の液体分離器は、混合物流の流れ方向で粗分離器の下流に配置されている。したがって、混合物供給部は、空気・液体混合物がまずは粗分離器に衝突し、次いで、混合物流は、分離面に沿って接線状に流れた後に、重力に抗して別の液体分離器に供給可能であるように配置されている。粗分離器と別の液体分離器とは、1つの共通のケーシング内に、もしくはケーシングによって形成されたケーシングチャンバ内に配置されていてもよい。混合物流は、この場合、粗分離器から出た後、重力に抗してケーシング内で上方に向かい、そこに位置する別の液体分離器に向かって上昇する。しかしながら代替的には、別の液体分離器は、重力の方向で、粗分離器から出る混合物流の流出部と同じ高さ以下に位置していてもよい。液体分離システムは、この場合、混合物流ガイドを有しており、このガイドは、混合物流が、別の液体分離器への供給のために、少なくとも所定の区分で重力に抗して流れることを規定している。混合物流ガイドは、分割壁であってもよく、この場合、粗分離器は、分割壁の一方の側に配置されていて、別の液体分離器は、分割壁の他方の側に配置されている。分割壁は、混合物流の貫流案内のために、重力の方向で、混合物流の出口の上方に配置されている貫通部を有している。しかしながら、別の液体分離器は、粗分離器とは別個のケーシングチャンバ内に配置されていてもよく、この場合は、混合物流は、混合物流通路を介して別の液体分離器に供給される。混合物流通路は、粗分離器からの混合物流が流入することができる混合物流通路入口を有しており、この場合、混合物流通路入口は、重力の方向で、粗分離器からの混合物流の出口の上方に配置されている。代替的または補足的に、混合物流通路は、混合物流が重力に抗してガイドされる少なくとも1つの区分の有していてもよい。
【0041】
混合物流が、少なくとも垂直方向の流れ部分を、特に重力の作用方向に向けられた流れ部分をもって粗分離器から流出することにより、かつ/または混合物流が、少なくとも所定の区分で重力に抗する流れ方向で別の液体分離器へと供給されることにより、重力に基づく液体分離が支援される。
【0042】
1つの構成では、液体分離システムは、液体パンを有しており、別の液体分離器、特に微細分離器は、重力方向で液体パンとは反対の側に配置されている。
【0043】
換言すると、別の液体分離器は、重力の方向で液体パンの上方に配置されている。したがって、このような構成により、別の液体分離器に向かって重力に抗して上昇する混合物流はさらに、液体パン内に液体を分離する。
【0044】
1つの構成では、液体分離システムは、粗分離器の分離面を形成するケーシングを有している。
【0045】
したがって、液体分離システムのケーシングは、粗分離器を形成するための付加的なエレメントを省くことができるように構成されている。例えば、1つのケーシング区分を、液体パンの液体レベルに対して平行な方向で、混合物供給放出口から別の液体分離器まで凹状に湾曲させることができる。このような場合、混合物流が、混合物供給放出口から、液体レベルに対して平行に、凹状に湾曲されたケーシング区分に沿って接線状に別の液体分離器まで流されるならば、この区間を介して混合物流から液体を分離することができる。この場合、このケーシング区分によって形成された分離面が、液体パンの方向に傾いているならば有利であり得る。しかしながら、ケーシングもしくはケーシング区分によって、説明した他の各分離面を模倣することもできる。
【0046】
特に、混合物供給部は、混合物流が重力とは逆方向に向けられるように方向付けられている。
【0047】
例えば、液体パンと、重力の方向で液体パンとは反対側に位置する別の液体分離器とを備えた液体分離システムの上述した構成では、液体パンから別の液体分離器まで延在しているケーシング壁が円筒状に形成されていてもよい。混合物供給部は、液体パンに面した領域で空気・液体混合物が重力の方向で上方に向かって傾けられ、分離面としてのケーシング壁に対して小さな衝突角度で衝突するように、また、混合物流が円筒状のケーシング壁に沿って接線状に別の液体分離器へとガイドされるように、配置されていてもよい。換言すると、混合物流は、円筒状のケーシング壁を介して螺旋状に、重力に抗して別の液体分離器へとガイドされる。
【0048】
以下に、本発明を、添付の図面を参照して、実施例につき詳しく説明する。図面は、詳細に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】例示的な従来技術による液体分離システムの概略的な断面図である。
【
図2】本発明の第1の例示的な実施形態による液体分離装置を備えた例示的な構成による液体分離システムの概略的な断面図である。
【
図3a】本発明の第2の例示的な実施形態による粗分離器の長手方向軸線に対して平行かつ長手方向軸線を通る平面における、液体分離装置の概略的な断面図である。
【
図3b】本発明の第2の例示的な実施形態による、長手方向軸線に対して垂直な平面における液体分離装置の概略的な断面図である。
【
図4a】本発明の第3の例示的な実施形態による粗分離器の長手方向軸線に対して平行かつ長手方向軸線を通る平面における、液体分離装置の概略的な断面図である。
【
図4b】本発明の第3の例示的な実施形態による、長手方向軸線に対して垂直な平面における液体分離装置の概略的な断面図である。
【
図5a】本発明の第4の例示的な実施形態による液体分離装置を備えた例示的な態様による液体分離システムの概略的な断面図である。
【
図5b】本発明の第4の例示的な実施形態によるオイルパンに対して平行な平面におけるオイル分離システムの概略的な断面図である。
【0050】
図1には、例示的な従来技術による液体分離システムの一例として、オイル分離システムAの概略的な断面図が示されている。オイル分離システムAは、ケーシングBを有していて、ケーシングの重力方向で下方部分はオイルパンbを形成している。ケーシングB内では、重力方向でオイルパンbの反対側に、重力方向で上方のケーシング部分内に微細分離器が配置されている。微細分離器Eは、オイルパンbに面した領域に、微細分離器オイルパンeを有していて、ここで微細分離器E内で分離されたオイルを捕集する。次いで、残留空気は、または減じられた割合のオイルを含む少なくとも1つの空気・オイル混合物は、空気導出管路Fを介して微細分離器Eから排出される。オイルパンbからのオイルは、オイルパン導出管路G1を介して、微細分離器オイルパンeからのオイルは、微細分離器オイルパン導出管路G2を介してケーシングAから導出することができる。オイルパン導出管路G1と微細分離器オイルパン導出管路G2とはまとめられて、1つの共通のオイル導出管路Gとなる。
【0051】
さらに、ケーシングA内には、粗分離器としてバッフルプレートDが配置されており、これにより、空気・オイル混合物Hが微細分離器Eに供給される前に、空気・オイル混合物H中に含まれるオイルの量が分離によって既に減じられる。バッフルプレートDは、オイルパンbのレベル面から離間していて、オイルパンbに面した分離面を有している。空気・オイル混合物Hは、混合物供給部としての圧力管片Cを介してケーシングA内に導入される。圧力管片Cは、バッフルプレートDに衝突する混合物流Haが、粗分離のために90°+/-30°の範囲でバッフルプレートDの分離面に衝突するように、方向付けられている。このために、圧力管片Cは、オイルパンbを貫通してガイドされて、圧力管片Cの出口開口は、バッフルプレートDもしくはその分離面に対して実質的に平行に向けられている。バッフルプレートDに対する混合物流Haの衝突角度および衝突速度に応じて、様々な大きなオイル滴が生じるが、特に多数の小さなオイル滴も生じる。比較的大きなオイル滴は、その重力により、オイルパンb内に滴下し、一方、比較的小さな滴は、二次噴霧として圧力室内に分布し、バッフルプレートDの下流の混合物流HbによりケーシングA内で重力に抗して微細分離器Eの方向にさらに搬送することができる。したがって、微細分離器Eに供給される混合物流Hcは、特に、二次噴霧により、微細フィルタEの耐用寿命およびコンプレッサシステムの効率に影響をおよぼす、まだ十分な割合のオイルを含んでいる可能性がある。
【0052】
二次噴霧を減じるために、
図2には、本発明の第1の例示的な実施形態による液体分離装置の一例としてのオイル分離装置を備えた例示的な構成による液体分離システムの一例として、オイル分離システム1の概略的な断面図が示されている。オイル分離システム1の本発明による実施形態は、従来技術によるオイル分離システムAとは、オイル分離装置の構成により異なっており、このオイル分離装置は、空気・オイル混合物70が、比較的小さい衝突角度で、粗分離器30の分離面に衝突するように配置された、混合物供給部としての圧力管片20と、粗分離器30とから成っている。比較的小さい衝突角度、特に0°~30°の範囲の、この場合、約20°の衝突角度により、混合物流70aは、分離面から再び跳ね返されることなく、分離面に沿って接線状にガイドされる。摩擦・制動作用を介して、オイルは、混合物流70aから分離されて、分離面に対向するオイルパン11内に滴下することができる。二次噴霧は、ほぼ最小限に抑えられる。圧力管片20は、例示的な実施形態では、オイルパン11を貫通してガイドされておらず、オイルパン11から延びている、分離装置のケーシング10の側壁に配置されている。
【0053】
その他の点では、オイル分離システム1は、オイル分離システムAに匹敵する。従来技術について上述したように、オイル分離システム1は、オイルパン11を形成するケーシング10を含む。さらに、ケーシング10は、オイルパン11に対向して配置された微細分離器40を有していて、微細分離器は、微細分離器オイルパン41を備えている。オイルパン11からのオイルは、オイルパン導出管路61を介して、微細分離器オイルパン41からのオイルは、微細分離器オイルパン導出管路62を介して導出され、これらの管路はまとめられて1つのオイル導出管路60となる。混合物流70aが、分離面に沿って接線状に流された後、これは、混合物流70bとして、ケーシング10によって形成された圧力室内にさらに分配され、混合物流70cとして、重力に抗して微細分離器40に供給される。空気は、または微細分離器40によって減じられたオイル含量を含む少なくとも1つの空気・オイル混合物は、空気導出管路50を介して微細分離器40から排出される。
【0054】
図3aには、本発明の第2の例示的な実施形態による粗分離器30’の長手方向軸線Lに対して平行かつ長手方向軸線Lを通る平面における、オイル分離装置の概略的な断面図が示されている。オイル分離装置は、圧力管片20’と粗分離器30’とを有している。粗分離器30’は、長手方向軸線Lもしくは対称軸線Rを中心として回転対称的な放物線状の中空体として形成されていて、この中空体は、最大の直径により形成された開口を起点として、対称軸線Rに沿った放物線状の延在の反転点まで延在している。換言すると、粗分離器30’は、ドーム型の物体を形成しており、放物線状の延在の反転点は、ドーム先端に相当する。したがって、粗分離器30’の内面により、凹状に湾曲した分離面が形成される。圧力管片20’は、混合物供給放出口で、粗分離器30’の開口を通って、粗分離器30’の、分離面によって形成された容積内に突入している。しかしながら代替的な実施形態では、圧力管片20’もしくは混合物供給放出口は、粗分離器30’の、分離面によって形成された容積の外側に配置されていてもよい。圧力管片20’の混合物供給放出口は、粗分離器30’の放物線状の側面に向けられており、これにより、空気・オイル混合物70は、衝突方向で見て、分離面と空気・オイル混合物70の衝突方向との間の比較的小さな衝突角度で、この場合約20°で、分離面に衝突する。混合物流は、粗分離器30’の対称軸線Rもしくは長手方向軸線Lの方向で分離面に沿って接線状に、放物線状の延在のドーム先端もしくは反転点の方向に進んでいき、次いで、対向側の分離面で再び開口の方向に変向されて、次いで再び、粗分離器30’から流出させられて、混合物流70bとしてさらに案内される。
【0055】
図2に示したオイル分離システム1に関して、
図3aによるオイル分離装置を、圧力管片20および粗分離器30に対して代替的にまたは補足的に、粗分離器30’の開口が、オイルパン11の方向に向くように使用することができる。したがって、分離面上に分離したオイルは、可能な限り常に、オイルパン11内に滴下することができる。圧力管片20’はこの場合、実質的にオイルパン11の方向に向けられており、これにより、圧力管片20’は、オイルパンを貫通するようにガイドされてもよい。
【0056】
圧力管片20’は、オイル潤滑されるスクリュコンプレッサ(図示せず)の、圧縮された空気・オイル混合物70をスクリュコンプレッサから導出するケーシングブロックの一部であってもよい。粗分離器30’は、この場合、同様に、このケーシングブロックの一部であり、または相応に圧力管片20’に位置固定されて接続されている、または代替的な実施形態では、位置固定されて接続可能である。
【0057】
図3aに対して補足的に、
図3bには、本発明の第2の例示的な実施形態による、長手方向軸線Lもしくは対称軸線Rに対して垂直な平面におけるオイル分離装置の概略的な断面図が示されている。換言すると、
図3bは、
図3aのオイル分離装置を上方から見た断面図である。視線方向は、ドーム先端の側を起点としていて、すなわち粗分離器30’の開口の方向に向けられている。粗分離器30’内への空気・オイル混合物70の導入は、丸で囲まれた点によって表されており、これは図平面から出る方向の流れ方向に相当する。空気・オイル混合物は、この場合、分離面に向けられている。分離面の他方の側で、再び開口の方向に流れる混合物流70aは、相応に、丸で囲まれた十字により表されており、すなわちこれは、図平面に入る方向の流れ方向に相当する。
【0058】
圧力管片20’は、ここでは接続手段としての3つの接続ウェブ20a’,20b’および20c’により、粗分離器30’に対する位置固定的な接続で保持される。代替的な実施形態では、圧力管片20’は、3つよりも多いまたは少ない接続ウェブによって、または他の接続手段によっても粗分離器30’に接続されていてもよい。圧力管片20’、接続ウェブ20a’~20c’、および粗分離器30’は、図示した実施形態では、互いに一体に鋳造構成部品として形成されている。代替的には、溶接構造またはその他の一体構造形式を使用することができる。さらなる代替的な実施形態では、各接続ウェブ20a’~20c’がそれぞれ粗分離器30’と圧力管片20’とに、ねじ固定またはその他の形式で取り外し可能に接続されてもよく、これにより、圧力管片20’と粗分離器30’との間の相対位置を調節もしくは適合させることができ、かつ/または個々の構成要素を交換することができる。
【0059】
図4aには、本発明の第3の例示的な実施形態による粗分離器30’’の長手方向軸線Lに対して平行かつ長手方向軸線Lを通る平面におけるオイル分離装置の概略的な断面図が示されている。オイル分離装置の第3の実施形態は、オイル分離装置の第2の実施形態とは、粗分離器30’’によって形成された分離面に対して相対的な圧力管片20’’の配置によって異なっている。オイル分離装置の第2の実施形態の場合と同様に、粗分離器30’’は、長手方向軸線Lもしくは対称軸線Rを中心として回転対称的な放物線状の中空体として形成されていて、この中空体は、最大の直径により形成された開口を起点として、対称軸線に沿った放物線状の延在の反転点まで延在している。換言すると、粗分離器30’’はこの場合も、ドーム型の物体を形成しており、放物線状の延在の反転点は、ドーム先端に相当する。したがって、粗分離器30’’の内面により、凹状に湾曲した分離面が形成される。圧力管片20’’は、粗分離器30’’の、ドーム先端に面した領域に配置されていて、混合物供給放出口は、粗分離器30’’の開口の方向に傾けられている。混合物供給放出口はさらに、空気・オイル混合物が、粗分離器30’’の直径の周方向で、約20°の衝突角度で分離面へと導かれるように、分離面の方向に向けられている。混合物流70aは、したがって、周方向で接線状に、粗分離器30’’の開口に向かって螺旋状にガイドされる。
【0060】
これに対して補足的に、
図4bには、本発明の第3の例示的な実施形態による、長手方向軸線Lもしくは対称軸線Rに対して垂直な平面におけるオイル分離装置の概略的な断面図が示されている。この図は、混合物流70aが貫流する円軌道を再度示しており、この円軌道は、粗分離器30’’の開口に向かって螺旋状になっている。
【0061】
図2に示したオイル分離システム1に関して、
図4aおよび
図4bによるオイル分離装置は、圧力管片20および粗分離器30に対して代替的にまたは補足的に、粗分離器30’’の開口がオイルパン11の方向に向くように使用することができる。したがって、分離面上に分離したオイルは、可能な限り常に、オイルパン11内に滴下することができる。
図3aおよび
図3bに示された第2の実施形態に関して、さらに、圧力管片20’の別の配置により、または圧力管片20’’を付加的に設けることにより、第2の実施形態を第3の実施形態に変換することができる、または第3の実施形態により作動させることができる。圧力管片20’を相応に位置決めし直すことができる態様では、この場合、圧力管片20’は、粗分離器30’に一体的に接続されてはいないが、依然として粗分離器30’に位置固定して接続することができる。同様に、第3の実施形態によるオイル分離装置を、第2の実施形態のオイル分離装置内に組み替えることができる、または相応に作動させることができる。2つの圧力管片20’および20’’がそれぞれの配置で設けられている限り、例えば、空気・オイル混合物70は、圧力管片20’および/または圧力管片20’’を介して導入することができる。両圧力管片20’および20’’を介して行われる同時的な導入は、とりわけ、流れ速度と、渦流発生の確率および渦流発生の作用とに依存して行われてもよい。
【0062】
図5aには、本発明の第4の例示的な実施形態によるオイル分離装置を備えた例示的な態様によるオイル分離システム1’の概略的な断面図が示されている。オイル分離システム1’は、実質的に、粗分離器30’’’が、オイル分離システム1’のケーシング10’’’の内側に配置されているのではなく、ケーシング10’’’自体により形成されている点で、オイル分離システム1とは異なっている。ケーシング10’’’はこのために、分離面としての少なくとも1つのケーシング区分を有している。図示した実施形態では、分離面は、ケーシング10’’’の、オイルパン11から重力とは逆方向に延在している側方の内面によって形成される。圧力管片20’’’は、この場合、重力方向でオイルパン11の上方に、側方で配置されている。混合物供給放出口は、オイルパン11とは反対側に向かって設けられている。混合物流70aは、このような構造で、ケーシング10’’’の側方の内面の周方向で接線状に、重力に抗して螺旋状に、オイルパン11とは反対側の、重力方向で上方のケーシング領域に配置されている微細分離器40に向かってガイドされる。
【0063】
図5bには、本発明の第4の例示的な実施形態によるオイルパン11に対して平行な平面におけるオイル分離システム1’の概略的な断面図が示されている。換言すると、
図5bには、オイルパン11に向かう視線方向で
図5aによるオイル分離システム1’を上方から見た図が示されている。この場合、切断平面は、オイルパン11と微細分離器40との間にある。第4の実施形態によると、ケーシング10’’’の側方の内面は円筒を形成している。円筒面は、これにより形成された粗分離器30’’’の分離面を形成している。上述したように、混合物供給放出口は、微細分離器40の方向に僅かに傾けられているので、混合物流70aも、所定の流れの割合で、微細分離器の方向に向けられている。換言すると、混合物流70aを表す矢印のそれぞれは、圧力管片20’’’の下流にある第1の矢印を起点として時計回りで、重力方向、すなわち適切な使用状態では高さ方向で、それぞれ先行する矢印よりも微細分離器40の近くに位置する。
【0064】
本発明は、記載された実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態では、オイル分離のためのオイル分離装置、粗分離器、およびオイル分離システムが説明されているとしても、本発明による液体分離装置、相応の粗分離器、および液体分離システムは、オイルまたはオイル含有液の使用に制限されるものではない。例えば、コンプレッサシステム内で、冷却および/または潤滑のために代替的にまたは補足的に使用される他の液体も分離することができる。また、分離装置は、複数の混合物流を選択的にまたは同時に分離面に向かって流すために、複数の混合物供給部および/または混合物供給部複数の混合物供給放出口を有していてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1,1’ オイル分離システム(液体分離システム)
10 ケーシング
11 オイルパン(液体パン)
20,20’,20’’,20’’’ 圧力管片(混合物供給部)
20a’,20b’,20c’ 接続ウェブ(接続手段)
30,30’,30’’,30’’’ 粗分離器
40 微細分離器(別の液体分離器)
41 微細分離器オイルパン(微細分離器液体パン)
50 空気導出管路
60 オイル導出管路(液体導出管路)
61 オイルパン導出管路(液体パン導出管路)
62 微細分離器オイルパン導出管路(微細分離器液体パン導出管路)
70 空気・オイル混合物(空気・液体混合物)
70a 混合物流(粗分離器)
70b 混合物流(ケーシング)
70c 混合物流(微細分離器)
A オイル分離システム(液体分離システム)
B ケーシング
b オイルパン(液体パン)
D 圧力管片(混合物供給部)
D バッフルプレート(粗分離器)
E 微細分離器
e 微細分離器オイルパン(微細分離器液体パン)
F 空気導出管路
G オイル導出管路(液体導出管路)
G1 オイルパン導出管路(液体パン導出管路)
G2 微細分離器オイルパン導出管路(微細分離器液体パン導出管路)
H 空気・オイル混合物(空気・液体混合物)
Ha 混合物流(粗分離器)
Hb 混合物流(ケーシング)
Hc 混合物流(微細分離器)
L 長手方向軸線
R 対称軸線
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサシステム用の液体分離装置であって、
少なくとも1つの分離面を有する粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)と、
前記分離面に空気・液体混合物(70)を供給するように構成された少なくとも1つの混合物供給部(20,20’,20’’,20’’’)と
を備え、
前記混合物供給部(20,20’,20’’,20’’’)は、前記分離面に面した混合物供給放出口を備えて形成されており、前記混合物供給放出口は、前記分離面に当接する混合物流(70a)が、実質的に接線状に、前記分離面の少なくとも1つの区分にわたってガイドされるように、前記粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)の前記分離面に対して配置されている、液体分離装置。
【請求項2】
前記分離面に面した前記混合物供給放出口の横断面は、前記粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)からの前記混合物流(70a)の流出面積以下であり、特に前記流出面積の半分以下であり、好適には前記流出面積の1/3以下である、請求項1記載の液体分離装置。
【請求項3】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)は、前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)に位置固定されて接続されている、または接続可能である、請求項1または2記載の液体分離装置。
【請求項4】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)と前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)との接続には、接続手段、特に少なくとも1つの接続ウェブ(20a’,20b’,20c’)を、好ましくは3つの接続ウェブが用いられ、前記接続ウェブは、さらに好ましくは変形可能に形成されている、請求項3記載の液体分離装置。
【請求項5】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)と前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)との相対位置は、適合装置を介して適合可能である、請求項
3記載の液体分離装置。
【請求項6】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)と前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)との接続部は、取り外し可能に形成されている、請求項
3記載の液体分離装置。
【請求項7】
前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)と前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)とは一体に形成されている、請求項
3記載の液体分離装置。
【請求項8】
前記粗分離器(30’,30’’,30’’’)の、前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)に面した分離面は、少なくとも、前記混合物流(70a)が通流すべき横断面区分で、実質的に凹状に湾曲されて形成されており、前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)は、前記混合物流(70a)が少なくとも所定の区分で、凹状の前記湾曲に実質的に沿ってガイドされるように配置されている、請求項
1または2記載の液体分離装置。
【請求項9】
前記粗分離器(30’)の前記分離面は、放物線状にまたはドーム状に、特にドーム先端に向かって円錐状に先細りするドームの形態で形成されていて、前記混合物供給部(20’)は、前記混合物流(70a)が、少なくとも前記分離面の一方の側から、放物線の方向転換点もしくはドーム円弧を経由して、前記分離面の他方の側へとガイドされるように配置されている、請求項8記載の液体分離装置。
【請求項10】
前記粗分離器(30’’)の前記分離面は、放物線状、円筒状、または円錐状の物体を形成しており、前記物体は、少なくとも1つの開かれた第1の端面、特に円筒体の、閉じられた第2の端面、または放物線状または円錐状の前記物体の、前記開かれた第1の端面に対向する閉じられた第2の端部区分を有しており、前記混合物供給部(20’’)は、前記混合物流(70a)が、放物線状、円筒状、または円錐状の前記物体の周方向で、放物線状、円筒状、または円錐状の区分面に沿って接線状に、前記開かれた第1の端面に向かってガイドされるように形成されている、請求項8記載の液体分離装置。
【請求項11】
前記分離面は、前記混合物流(70a)が、前記混合物供給部(20’,20’’,20’’’)から流出する際の流れ方向を起点として、前記粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)からの流出までに、少なくとも90°、特に120°、好適には150°、さらに好適には170°変向可能であるように、湾曲されている、請求項
8記載の液体分離装置。
【請求項12】
前記分離面は、少なくとも部分的に異形成形されて形成されている、かつ/または摩擦を高める表面を有している、請求項1
または2記載の液体分離装置。
【請求項13】
請求項
1記載の液体分離装置用の粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)であって、分離面が、請求項
2により形成されており、これにより混合物流(70a)が接線状に導入可能であって、特に、流れ横断面の拡大、流れ方向の変向、および/または前記分離面に沿った摩擦により制動可能である、粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)。
【請求項14】
請求項
1記載の液体分離装
置、および/または
請求項1記載の液体分離装置用の粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)であって、分離面が、請求項2により形成されており、これにより混合物流(70a)が接線状に導入可能であって、特に、流れ横断面の拡大、流れ方向の変向、および/または前記分離面に沿った摩擦により制動可能である、粗分離器(30,30’,30’’,30’’’)を備えた液体分離システム(1,1’)であって、前記液体分離装置は、前記液体分離システム(1)内に、混合物流(70a)が、少なくとも垂直方向の一定の割合の流れを含んで、特に重力の作用方向に向けられた一定の割合の流れを含んで、前記粗分離器(30,30’,30’’)から流出するように配置されていて、かつ/または前記液体分離システム(1,1’)は別の液体分離器(40)を有しており、前記別の液体分離器は、前記混合物流(70a,70b,70c)が、前記別の液体分離器(40)に、少なくとも所定の区分で、重力に抗する流れ方向で供給可能であるように配置されている、液体分離システム(1,1’)。
【請求項15】
前記液体分離システム(1,1’)は、液体パン(11)を有しており、前記別の液体分離器(40)、特に微細分離器は、重力方向で前記液体パン(11)とは反対の側に配置されている、請求項14記載の液体分離システム(1,1’)。
【請求項16】
前記液体分離システム(1’)は、前記粗分離器(30’’’)の分離面を形成するケーシング(10’’’)を有している、請求項
14記載の液体分離システム(1’)。
【請求項17】
前記混合物供給部(20’’’)は、前記混合物流(70a)が重力とは逆方向に向けられるように方向付けられている、請求項16記載の液体分離システム(1’)。
【国際調査報告】